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1967/12/14 第57回国会 参議院 参議院会議録情報 第057回国会 文教委員会 第2号
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1967/12/14 第57回国会 参議院

参議院会議録情報 第057回国会 文教委員会 第2号

#1
第057回国会 文教委員会 第2号
昭和四十二年十二月十四日(木曜日)
   午前十時十七分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十二月六日
    辞任         補欠選任
     市川 房枝君     石本  茂君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    理 事
                楠  正俊君
                中野 文門君
                秋山 長造君
                鈴木  力君
    委 員
                北畠 教真君
                久保 勘一君
                剱木 亨弘君
                吉江 勝保君
                小野  明君
                千葉千代世君
                柏原 ヤス君
                石本  茂君
   国務大臣
       文 部 大 臣  灘尾 弘吉君
   政府委員
       警察庁警備局長  川島 広守君
       文部政務次官   久保田円次君
       文部大臣官房長  岩間英太郎君
       文部省初等中等
       教育局長     天城  勲君
       文部省大学学術
       局長       宮地  茂君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        渡辺  猛君
   説明員
       文部省大学学術
       局教職員養成課
       長        手塚  晃君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○教育、文化及び学術に関する調査
 (教員の超過勤務手当支給等当面の諸問題に関
 する件)
    ―――――――――――――
#2
○理事(中野文門君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 委員の異動について報告いたします。 去る六日、市川房枝君が委員を辞任され、その補欠として石本茂君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○理事(中野文門君) 文部大臣より発言を求められておりますので、これを許します。灘尾文部大臣。
#4
○国務大臣(灘尾弘吉君) 私は、このたび、また重ねて文部大臣の重責をになうことになりました。文教のことは、いまさら申すまでもなく国家の重要事であります。幸いわが国の文教行政は関係者の御努力により、逐次進展を見つつありますので、私は、これらの実績を引き継ぎ、今後さらに各位の御協力を得て、その重責を果たしてまいりたいと存じます。
 わが国の教育、特に学校教育は、義務教育をはじめ高等教育に至るまで、量的な面では世界的にも高い水準に達しておりますが、その質的な面では、なお改善向上をはかるべき多くの課題があると考えます。また、近来の社会、経済の進展、科学技術の発達に伴い、幾多の新しい課題が生起していることも事実であります。世界各国におきましても、それぞれ、その発展、繁栄を目ざし、教育の充実向上に真剣に取り組んでいると聞いております。私といたしましても、常に教育の本質を正しく把握するとともに、社会の進むべき方向をも見きわめ、着実に文教の施策を推進してまいりたいと存じておりますが、この機会に、日ごろ考えておりますところの一端を率直に申し述べて、各位の御理解と御協力をいただきたいと存じます。
 わが国の学校教育は、現在まで大きな成果をあげてまいりましたが、新学制発足後すでに二十年を経た今日、前述いたしましたように制度的にも内容的にも種々の課題が提起され、また、将来の発展の基礎を築くためにも、この際、現在までの教育についても十分な検討を加え、今後とるべき教育の長期的かつ基本的方策を確立いたしたいと存じます。
 このような長期的視野に立った努力をいたしますとともに、当面解決をいたさなくてはならない課題につきましても、あとう限り解決につとめてまいりたいと存じます。
 まず、義務教育の充実につきましては、教育費の父兄負担の軽減について配慮するとともに、教育環境の整備に一そうつとめることとし、また、学校給食の普及充実及び僻地教育、特殊教育等恵まれない環境にある児童生徒に対する教育の振興をはかり、教育の機会均等を推進したいと考えます。
 また、初等中等教育の質的向上をはかるため、小学校、中学校、高等学校の教育課程の改善につとめるとともに、高等学校教育の多様化、勤労青少年教育の振興など後期中等教育の拡充整備をはかり、また、教員の資質の向上とその処遇の改善についても常に配慮してまいりたいと存じます。
 次に、高等教育につきましても、今後特にその質的充実につとめることとし、このため国立大学の整備充実をはかるとともに、私学の役割りの重要性にかんがみ、私立大学に対する助成等私学の振興についてもできる限りの努力をいたすつもりであります。
 なお、大学のあり方と関連いたしまして、最近、一部学生が正常な学生活動の域を逸脱し、暴力的行動に走る傾向がありますことはまことに遺憾であります。大学の適正な管理運営については文教の責任者である私として最も関心の強いところでありますが、この際最も大切なことは、大学みずからがその使命と責務を自覚し、教育愛を根底にしつつ、学生の教育指導あるいは施設管理等に関し、厳正な態度で臨み、具体的かつ適切な方策と行動によって、名誉ある大学自治の確立に努力して国民の信頼にこたえることであると存じます。私は、大学においてもこのことについて新たな決意をもって真剣に対処することを衷心から期待しております。
 次に、社会教育及び体育の振興につきましては、青少年教育の充実、家庭教育、婦人教育の振興並びに放送の教育的利用の促進につとめるとともに、体育、スポーツの振興のための諸施策を推進したいと考えます。その際、特に学校教育と家庭あるいは社会における教育が、相互有機的な関連のもとに効果をあげるようくふうと努力をいたしたいと存じます。
 なお、一九七二年に開催される札幌オリンピック冬季大会の準備についても、同大会を成功させるため、十分支援協力をいたす所存であります。
 次に、学術及び芸術文化の振興について申し上げます。
 学術につきましては、学術振興の基本的施策について検討をいたしますとともに、わが国の研究水準の高度化をはかるため、研究条件の整備、研究費の増額など学術研究の推進につとめてまいりたいと考えます。
 芸術文化につきましては、すぐれた伝統的な芸術文化の保護を促進するとともに、新しい文化の創造を助長してまいる所存でありますが、特に地方における芸術文化の振興、青少年への芸術普及等のための措置を考えてまいりたいと存じます。
 また、最近、住宅地の開発、道路、鉄道の建設等により、史跡、名勝、天然記念物、埋蔵文化財の保存に支障を生ずる事例が生じております。これらにつきましては、引き続き、土地の買い上げ、環境整備等の措置を推進いたしたいと考えております。
 次に、沖縄における教育につきましては、教育水準の向上と日本国民としての教育を行なうという観点から、さらに本土の教育との一体化につとめるとともに、小笠原諸島の返還の暁には同諸島における教育の実施につきましても万全の措置をとる所存であります。 最後に、教育、学術、文化の面における国際協力、国際交流の促進につきましても、一そうの配慮を加えてまいりたいと存じます。
 以上、文教につきまして考えておりますことの一端を申し述べたわけでありますが、文教委員各位におかれましても、何とぞ格別の御指導、御協力を賜わりますことをお願い申し上げまして、就任のごあいさつといたします。(拍手)
#5
○理事(中野文門君) 文部大臣の御発言を終わりました。
 次に、文部政務次官より発言を求められておりますので、これを許します。久保田文部政務次官。
#6
○政府委員(久保田円次君) 私は、今回新任されました文部政務次官の久保田円次でございます。もとより浅学非才でありますが、諸先生の皆さま方の御支援、御協力によりまして、無事大任を果たさしていただきたい次第でございます。今後ともよろしくお願い申し上げまして、私のごあいさつにかえる次第であります。(拍手)
#7
○理事(中野文門君) 次に、当文教委員の席におられます劔木前文部大臣より、幸いこの機会に発言をいたしたいということですので、ちょっとごあいさつを申し上げることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○理事(中野文門君) 劔木前文部大臣。
#9
○剱木亨弘君 発言の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。
 過去約一年間にわたりまして文教の仕事をさしていただきましたが、その間、きわめて私、微力非才でございまして、いろいろ文教行政につきましては不十分なことばかりであったかと存じますが、その間におきまして、特に参議院文教委員の方々には、非常な御厚情、御支援、御鞭撻を賜わりまして、まことにありがとうございました。とにかく一応の任務を終えまして、あと私どもの尊敬いたします灘尾文相にバトンを渡すことができたのでございますが、今後私も文教委員の一人として勉強さしていただきたいと存じますので、諸先生方のこれまでと変わらざる御指導をひとえにお願いいたします。一言お礼を申し上げます。ありがとうございました。(拍手)
#10
○理事(中野文門君) 劔木前文部大臣のごあいさつを終わりました。
 本日、政府側よりは、灘尾文部大臣、久保田文部政務次官、天城初等中等教育局長が出席いたしております。
    ―――――――――――――
#11
○理事(中野文門君) 教育、文化及び学術に関する調査中、教員の超過勤務手当支給等当面の諸問題に関する件を議題といたします。
 御質疑のある方は順次御発言を願います。
#12
○鈴木力君 時間がありませんので、簡単に超勤についてお伺いいたします。
 もう経過についてはくどくどと申し上げなくともおわかりのはずでございますから、省略いたします。問題は、教員の超過勤務手当の問題をめぐりまして、これはもう長いこと議論をしてまいったところであります。教員の勤務態様の近代化という、そういう角度から文部省も勤務実態の調査等もいたしまして、超過勤務手当を支給する、いわば超勤制度をつくるという方向に進んできたと思うのでありますけれども、何か最近の新聞等に、いろいろそれが否定の方向に動いているというような報道等もありますので、私が率直にお伺いしたいのは、現段階で文部大臣がこの超勤制度をどうお考えになっており、どう処理なされようとされておるのかということを率直にお伺いいたしたいと思います。
#13
○国務大臣(灘尾弘吉君) 私も率直に申し上げたいと存じます。しばらく文教関係から遠ざかっておりましたので、詳細なことはまだ勉強中でございますが、この教員の勤務手当の問題につきまして、国会においていろいろ論議が重ねられておるということも承っております。また、教員の時間外の勤務というような問題について、文部省においてもいろいろ検討を進めてまいってきておったところでございます。
 そこで、このいわゆる超過勤務手当をどうするかという問題でございますが、この問題につきましては、いろいろ御意見もありますし、また検討すべき問題も私は多々あるように考えられますので、いろいろ検討を実はいたしておるところでございます。と申しましても、明年度予算の編成も間近に迫っておることでございます。いつまでも検討検討というわけにもまいらぬと存じますが、現在私の申し上げ得ることは、教員の時間外の勤務とも関連いたしまして、明年度の予算において何らかの給与上の改善の措置を構じたいという考えを持っておる次第であります。御承知のような予算編成の空気の中での話でございますので、いろいろ困難が伴うかと存じますが、何らかの措置は講じてまいりたい、この考え方のもとにただいま検討を重ねておるところである、このようにひとつ御承知を願いたいと思います。
#14
○鈴木力君 そこで、もう少し明らかにしていただきたいと思うんですが、何らかの措置を講じたいと、いろいろ御苦心なさっておる点はよくわかるのですけれども、問題は、私が伺いたいのは、超過勤務という問題を――まあこれは教育職員の勤務という問題なんですが、これが単なる給与上の問題として解決をなさるのか。私は、何か伺いますと、いずれ、六十三億か予算要求をしておる、これを超過勤務に関係をしている教育職員の待遇改善の資としたい、こういう筋でどういう形か実現をしたいという、そういう御意見のように承るのでありますけれども、私がお伺いしたいのは、このいまの超過勤務という問題は、単なる教員の待遇上の問題としてとらえていいのかどうかということを多分に私は疑問に思っているんです。つまり、それは教員の待遇という問題は、前劔木文部大臣のころから研究をなさっていらっしゃる。このことについて私どもは非常に敬意を表しているのであります。教員の任務の質的な問題や責任の重さや、そういう点からやっぱりこれは検討していただきたいと思うんですけれども、そうは言いながら、給与だけで、いまの教員の給与の問題を考えるということで解決するかどうかということについては多分に疑問を持っているんで、さっきも申し上げたのであります。
 たとえば、私はある県で午後五時から職員会議を開く学校へおじゃまをしたことがある。校長さんに、それはあまりじゃありませんかと。教員の仕事ですから、それはどういう規定をしたところで、規定どおり会社の仕事のように動くものでないことは十分承知しておる。だから、たとえば職員会議で五時を過ぎることがあるというようなことは、これは私どもはいまの時点でどうこうと言うつもりはありませんけれども、授業時間がきちっとして忙しいから、午後五時からでないと職員の会議を開かないというようなことになってくると、これはちょっと、いま教員の勤務というものが近代的な教員の勤務態様なのかどうかということについては、多分に私は疑問を持ってまいりす。
 そういう筋合いからいいまして、この超勤という問題はただ単に金をくれるからどうという問題で片づく問題じゃないと思うのです。超過勤務をしたからその時間の超過勤務手当を支払う、これは確かに金の問題でありますけれども、それが何か労働の切り売りとかなんとかいうような話でそれを評価されるということになると、筋違いもはなはだしいのじゃないかという感じもするのであります。そうでなしに、教員の実際の職務上の仕事というのは、いろいろ家庭でもあるけれども、一応の一つの行政と教員の勤務というこの関係にある限りは、そうした態様をはっきりさせるということも非常に重要なことじゃなかろうかと、こう考えておりますので、その辺の御所見はどういうものでございますか、お伺いいたしたいと思います。
#15
○国務大臣(灘尾弘吉君) 教員の勤務につきまして、近代的ということをおっしゃったわけですが、もちろん、教員の勤務がただ、だらだらやっているとかいうふうな姿であっていいものとは私ども思っておりません。勤務時間等につきましても、なるべくこれをはっきりいたしまして、そうして教員の仕事をやっていただくというようなことにつきましては、できるだけ明確にしていくというふうなことは、これは望ましいことだと思います。しかし、また一面からいいますというと、教員の仕事はそれじゃ、勤務時間が、きめられた時間が済んだからそれで教員の仕事はなくなったのかというふうなことを考えますときには、またそうも言い切れないものが教員の仕事の性質上私はあろうかと考えるので、したがって、ただ単に何時間つとめたからどうというふうなことだけで考えられない要素も多分にあるようにも思います。そこで、この教員の給与の問題についていろいろ論議を生じてくるところではないかと、かように考えております。文部省としましても、現在の教員の給与のあり方というような問題につきましては、さらに検討を加えて、教員にふさわしい何か給与体系というものができることが望ましいのではないかというので、その調査もいたしたいと考えまして、これも先のことになりますけれども、予算もそういうふうな経費もほしいというので要求はいたしておるようなわけであります。その各方面のいわば衆知を集めまして、その種の問題について検討を加えて、何か教員にふさわしい給与体系というものができるならひとつ考えてみたいという、これは前大臣以来の考え方でございますが、私もそれを踏襲いたしまして、そういう方向で進めてまいりたいとは思っております。
 仰せのとおりに、いわゆる近代的というふうな意味において教員の勤務の問題を考えてまいらなければならぬということは、これは当然のことと思います。それに関連いたしまして、いまの超勤手当の問題をどう考えるのかというふうな点にいろいろ意見があり、議論が生じておるようなわけであります。そういう点について何らか意見の統一もはからなければなりませんし、いろいろ私といたしましても勉強させていただきたいというので、ただいまも検討中である、このようにお答え申し上げざるを得ない状況にあることを御了承願いたいと思います。
#16
○鈴木力君 結論として、いま検討中である、したがってまだ結論が出ていないということでありますから、その点は何べんお伺いしても同じ、結論が出ていないという答えしかいただけないわけです。そのいまの段階でまだ結論が出ていないということはわかりました。ただし、大臣にもう少しお伺いしたいのですけれども、これはもしことばじりをとったということになるならおわびいたしますけれども、いまの御答弁の中にもありましたが、それより私が気にかかっているのは、しばしば新聞にいまの大臣のおっしゃったような言い方が伝えられるので、気にかかってお伺いをするのですけれども、教員の給与の態様というのは、非常に複雑でもあり、むずかしい問題もたくさん含んでおるから、したがって、勤務時間をきめても、勤務時間から解放されたからもうこれであと教師の任務は解放されたんだ、そういう形になるのは望ましくないという意味でおっしゃったと思うのであります。それはそのことばの意味だけは私もそのとおりだと思う。そのとおりだと思うというよりも、私ははっきりしておきたいのは、かりに勤務時間をきめて、ここまでが勤務時間で、これからは勤務時間でないのだということに、そういう制度ができたにしても、いまの教師は、それでもうおれはここから教師としての任務を解放されたというような気持ちになるのだとは思っていただきたくないということなんです。これはやっぱり教師は、時間をどうきめようとも、家庭に持っていっていろいろと作業もしたり、いろいろ仕事もしたり、そういうことについては、これは教師の一つの良心といいますか、良識として続いておる。そういう前提でものをお考えいただきたいと思う。
 その上にお伺いするのでありますけれども、結論に到達するためにということなのでありますが、文部省が教員の勤務実態調査をいたしましても、相当時間時間外勤務をやっておるわけです。これは調査をしたその時点からやっておるのじゃありませんで、ここずっと教師の勤務というのは、そういう時間外勤務をやってきておる。教員の給与というのは、給与の面からいいますと、御存じのように当初は二号アップということで、これは両者納得の上でやってまいりましたが、人事院の勧告制度から、それがなくなった。そういたしまして、制度上からいいますと、考え方の上からいいますと、いわば労働基準法違反のような形で、超過勤務というのが行なわれなくなってきておる。その手当というのは、いままでにもほんとうは払うべきものであったのが、払われないでおったというのが一つの問題だと思う。ですから、これはいつかということははっきり覚えておりませんけれども、この委員会の席上でも、現行制度上は超過勤務手当は支給すべきものであるということは、これは政府の答弁でもはっきりしておるわけであります。
 そういう点で、ひとつ大臣にお伺いいたしたいのは、少なくとも現行制度の上では、考え方はいろいろ別といたしまして、これは超過勤務手当は支給すべきものであるということは御確認いただけるかどうかということをお伺いしたい。
#17
○国務大臣(灘尾弘吉君) そういう問題についての質疑応答が国会においてもなされたことも、私も伺っております。また、それに対する文部省のお答えも実は伺っておるわけでございます。したがって、私は、その文部当局のこれまでのお答えに対しまして、それを否定するような気持ちはもちろんございませんが、ただこの問題については、従来は御承知のように文部省といたしましては超勤手当というふうな問題に消極的な態度で進んできておったという事実はお認め願わなくちゃならぬ。その超勤手当を出すか出さないかという問題については、従来の考え方というものもあるわけでございます。したがって、それはすなわち教員の勤務の態様、勤務の性質というふうな点から見て、超勤手当というような制度が、はたして適当であるかどうかという疑問から出てきた私は態度であろうかと思うのであります。そういう点が実は問題になってくるわけでございます。そこらのところをどういうふうに解決していくか、この点についていろいろ検討をいたしておるようなわけでございます。
 現行制度の解釈論というようなことから申せば、あるいはその点、超過勤務手当は出すべきであるという結論が正しいのかもしれません。こういうふうな点につきましても、十分私としましても検討いたしたいと思いますけれども、同時に、いままでこの超勤手半に対して政府は消極的な態度をとってきておったという、その考え方というものも無視するわけにもまいらぬと思う。そこらの点をあわせ考えました上で、何らかの結論を得たいと、こういうふうなつもりでやっておるわけでございます。
#18
○鈴木力君 くどいようですが、もう少しお伺いしたいと思う。いままで消極的な態度をとってきた、それ自体はいままで実現していなかったのですから、そういうことは認めますけれども、しかし、それはずっと消極的な態度をとってきたんではなくって、いろいろ手練手管、というとことばが悪いから、別のことばで言わなければいけませんが、消極的な態度をいろいろな形でごまかして、そうして超過勤務を命じないという形でずっとやってきたと思う。しかし、命じないという形ではもうやり切れなくなってしまって、そこで調査に踏み切った。あの勤務実態調査に踏み切りましたときには、予算要求しましたときには、文部省は少なくも超勤手当実施を前提として調査をするという態度であったはずだと思う。そういたしますと、そのときからは、直ちに変わらないにしても、これは積極的に超勤制度をつくろうということに変わってきておるはずだと私どもは認識しておる。そういう意味合いでいろいろわれわれは理解をして今日まできておるのであります。
 しかし、それはどっちだという議論をしても、あまり役に立つ議論ではないと思いますから、それはまあ私どもの見解を申し上げるだけでありますが、問題は、さっき申し上げました、このことがずるずるになっておって、そうしてある学校が午後五時から職員会議をやるというようなことが、これが一つの超勤制度を否定することによってそういう職場の管理に通ずるということが、私は一番こわいと思う。危険だと思う。それはもう現実に、特にこの超勤問題がいろいろ議論をされて、それが否定的な意見が出るにつれて、そういう職場の体制といいますか、職場管理といいますか、いたずらにこれも職場管理とかなんとかということばを使うのが適当かどうかわかりませんけれども、そういう形の学校の勤務という状態が最近ふえているということは、私はどうも、統計上ではないけれども、否定できないような気がする。ですから、私はこの際、まだ結論をお出しいただけないというのですから、これは出していただきたいと思うのです。この際、そういう面も含め
て、超勤制度を確立をするという、そういう点を強く押し出して結論を出すように、大臣に踏み切ってもらいたいと思う。そのことは、いまやっておる、これからやろうとしておる、教員の給与体系はどうあるべきであるかとか、教育職員の待遇は将来どう改善をすべきかという、この問題とは私は関係がないと思う。まずいまの状態からこの超勤制度というのは確立をいたしまして、その上で――どうせ抜本的な教員の待遇問題については時間がかかることであります。その上で研究をするということに、そういう方向に踏み切っていただきたいと思う。教員の給与について抜本的に検討をし、何らかの形のものをつくりたいという、その文部省の意欲につきましては私どもも賛成をしておるのであります。ただし、そのことが一つの理由になって、いまの勤務態様を近代化する、それが超勤制度とつながっておるということをうやむやにされるということは、どうも私どもは承知をできない。そういうつもりでいま伺っているのでありますから、大臣の考え方をさらに伺いたい。
#19
○国務大臣(灘尾弘吉君) 私は、教員の勤務の態様、性質等にかんがみまして、教員に関する給与体系というものについて検討したい、前からの方針を継承して検討したいと申しておりますのは、いまの問題を実は申し上げているつもりではないのです。今後そういうふうなことでよりよい体系ができるものならつくりたいという考え方のもとに調査をしてみたい、こういうことを申し上げておるわけで、現在の問題につきましては、いろいろ議論もあることでもございますし、また従来からの御審議の経過もございます、私としても何らかの決着はつけたいと思っております。決着をつけるという意味で検討いたしておるわけで、それがどのような形になるかということについて、ここで明確に申し上げることができない。まだそこまでの段階まで至っていないということを申し上げているわけであります。
#20
○理事(中野文門君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#21
○理事(中野文門君) 速記を起こして。
#22
○千葉千代世君 いまの超勤の問題ですが、前文部大臣の劔木さんからは、このことについては私は全力を尽くして実施するようにするという幾たびかの御答弁があったわけです。灘尾新文部大臣が就任のあいさつのあとで、新聞に報ぜられたところなんですけれども、超過勤務についてはやはりこれは出すべきものだと、私はそう思うと、たいへん積極的な見解が表明されたわけなんですけれども、新聞の報道といまの大臣のお話では、だいぶいまのほうが後退しているようにお見受けしたのです。私はことばじりで申し上げるわけではございませんけれども、たいへん積極的に思ったのが、いまはだいぶ消極的だということになると、このままレールがどこへ行くかということが非常に心配なためにお伺い申し上げるわけなんです。
#23
○国務大臣(灘尾弘吉君) この問題につきましては、実は私は私の見解というものはまだ一度も新聞に話したことはございません。ここで申し上げているように、この問題はいろいろ検討すべき点もあるし、議論もあることであるから、十分検討した上できめたい、こういうふうに申しておりますので、この方式でいくとか、あの方式でいくとかいうようなことは、私自身としては話したつもりはないのでございます。新聞がときどき推測記事みたいなことを書いて、あるいはいまおっしゃったような方向の記事が出たり、逆のような記事が出たりいたしておりまして、実は私も迷惑していることもあるのであります。私自身の考えというものを、まだ明らかにしたことはございません。そのようにひとつ御承知願いたいと思います。
#24
○千葉千代世君 この超勤のかわりに、いわゆる六十三億にプラス三十七億を出して号俸を一斉に上げる云々という記事とからんで、これは一つの小さい新聞でございましたけれども、ある教育新聞だかにこういうことがあったのです。できれば、教師は聖職であるから労働基準法から適用外にしたいというような問題云々も出たのです。私はこれはたいへんなことになるんじゃないかということで心配する一人なんです。ですから、そのことはいまの論議の中心ではございませんので、私は申し上げませんけれども、予算編成の段階に際しておりますので、やはり早い機会に、いままで超勤の予算として内容的に含まれておったものについてはぜひ実施の方向に重ねていっていただきたい。前文部大臣からの引き継ぎはどうであったかということ、このことだけ一点伺いたい、関連質問ですから。
#25
○国務大臣(灘尾弘吉君) 前文部大臣からもこのお話は伺っております。と同時に、私も、先ほどだいぶ遠ざかっておったのでということを申しましたが、ときどきは党内の文教部会の話も聞いておるわけであります。また、そちらにもずいぶんやかましい議論がありますことは、御想像にまかせたいと思います。ただ、文部省としましては、六十三億大蔵省に予算としては出しております。これも率直に申し上げますけれども、その内容については実はまだきめない、きまらないままに、しかし全然予算を出さずにおいてもぐあいが悪いからというので、とりあえず六十何億円というものを出しております。こういうのが実情でございます。その内容をどういうふうにきめていくかという問題が実はただいまの問題であり、何とか私はひとつ決着をつけなければならぬ問題として考えておる次第であります。
#26
○千葉千代世君 いまの御答弁の中で、前文部大臣から引き継がれたということをおっしゃったんですが、何といって引き継いだかということを聞きたいわけなんです。ぜひこれは実施していかなければならないと強くおっしゃったのかどうか、あるいは消極的におっしゃったのかどうか、やむを得ないと言ったのかどうか。というのは、大蔵省の予算の編成段階の中で、私はある方から聞いたんですけれども、この六十三億については文部省は超勤を出すという予定のもとで組んだんだと。教員の一斉一号という問題でやられてくるというと、ほかの公務員にも波及する云々という御意見があるやに聞いたんです。ですけれども、私が直接そこで聞いたわけではございませんので真偽のほどはわかりませんが、そういうふうに説明段階ではなさっているのでしょう。しかし、そのあとの処理については、細部のきめは文部省としては出していないけれども、その腹で組んだんだ、そのために調査費用をたくさん取って全国調査をしたのだ、その結果出たのだということが言われているんじゃないですか。
#27
○国務大臣(灘尾弘吉君) 劔木前文部大臣には、これまでの国会における論議の経過等につきましては十分お話を承りました。また、文部省が予算を要求するのに際しましても、その経過を尊重いたしまして予算を組んだということも、これは事実であります。ただ、この予算をきめます場合に、御承知のように与党との関係もございます。いろいろ各方面とも相談して最終的にきまる問題であります。一応事務当局のつくりました案を大蔵省に持ち込んであるというふうに伺ったのであります。これにつきましては、いろいろ議論を生じているというので、党側におきましては、数字はとにかく出すことは認めるけれども、内容的にはなおよく相談しよう、こういうことで実は進んできたのであります。その決着を私がつけなければならぬということになってきておるわけでありますが、先ほど申しましたように、まだここでどちらに行くともこちらに行くとも、私としまして話し合いがつかないものを申し上げるわけにはまいりませんので、検討中ということを申し上げておるようなわけであります。
#28
○小野明君 私も同じような質問になるわけなんですけれども、いままでの議論をお聞きいたしておりますと、超勤については消極論、積極論いろいろある、こういうお話なんですが、前文部大臣の所信なんというものは、いま大臣が表明になりましたように十分おわかりのことであります。私も何回か大臣の所信表明というのはお聞きしたのでありますけれども、この超勤についてまだどうするかという腹が受け取りかねるということで、困っておるのであります。しかし、いままでの議論、大臣のお考えをお聞きいたしておりますと、どうも従来ありました消極論をおとりになるような気がしてならぬのであります。この点についてお尋ねしたい。
#29
○国務大臣(灘尾弘吉君) 先ほど来私はかなりざっくばらんに実は申し上げたつもりでおるわけであります。私は、この段階におきまして、私はこうだということをあるいは皆さんに申し上げるべきであると存じますげれども、実は私自身もどのような結論に導いたらいいかということについてまだきまっておりません。また、私一人きめましても、これはそれだけで片づく問題ではないのであります。したがって、各方面の議論は議論として十分承り、また私どもの考え方というものも十分申し上げて、そうして意見の調整をはかっていかなければならぬ立場に置かれておると思うのであります。そういう意味で、この際私の腹がどうである、こうであるということを申し上げることは、ひとつ御容赦いただきたいと思います。
#30
○小野明君 それでは、もう大体、この問題についてはこれ以上どうするということもできないような気持ちになるのでありますけれども、従来の経過から見まして、ここまで超過勤務、超勤の問題が具体化したということはないわけであります。せっかくここまで、概算要求の段階まで来ておりまして、全国の教職員につきましても、これに対する期待というのはきわめて大きいものがあるわけでありまして、党内の事情あるいはいろいろな考え方の違いというものもおありになることはわかるわけでありますけれども、それは時間の問題として先に送られる問題でもある。しかし、超勤は当面処理しなければならぬ問題でもあるわけであります。こういった全国に働きます教職員の切実な超勤要求の気持ちもお考えいただきまして、ぜひこれが実現いたしますように御努力をお願いをいたしまして、終わりたいと思います。
#31
○鈴木力君 大体、さっきも申し上げましたように、まだ大臣がどっちにどうやるという結論を出していないということ、そのことについて何べんもお伺いするということはいたしません。ただ、しつこいようですけれども、お伺いしておかなければならないという気持ちは、予算編成という、そういったって先のことじゃありません、もう迫っておることでありますから、迫っておることでもあり、特に私がさきに申し上げましたように、この問題がどっちに行くかによっては、この影響というのは非常に大きなものを持っておると思うのです。いま教員は非常に超勤制度というものに期待をしておる。期待しておるというのは、超勤手当の金がほしいからではなしに、教師みずからが自分たちの勤務というものに節度をつける、節度ある勤務態様を教師みずからがっくりながら、さらに教師としての仕事の能率といいますか、任務を遂行していきたい、こういう気持ちで非常に期待が強いのであります。そういうところに、これが変なかっこうで進みますと、いまの教師のそういう期待には水をかけることになりますし、一方からいうと、さきに申し上げたような文部省の指導とは別に――善意の指導をなさっていると私は思っているんですけれども、その指導が必ずしも下まで届いているとは思わない。これは数々の例を知っておる。夜まで職員会議をやったとか、校長の命令があればどうこうとか、そういう形にきていることはきわめて遺憾なことでありますから、そういう重大な問題であると思うので、どうも私は若干のことを伺っておかなければならないと思うのです。しつこいとおおこりにならないで時間までおつき合いいただきたいのです。
 まず一つは、はっきりしていただきたいことは、さっき大臣もおっしゃいましたように、いま予算要求をして六十三億という、たぶん六十三億円だったと思うのですが、この要求の根拠は、勤務実態調査の結論として得たいわゆる時間外勤務に対応する金額であるということは間違いがないと私は思うんですけれども、その点をまずひとつはっきりと伺っておきたいと思います。
#32
○国務大臣(灘尾弘吉君) 私も当時文部省の予算要求についての一応の説明は伺う機会がございました。そのときの話は、従来の経過あるいは調査の結果、こういうふうなものを資料といたしまして予算を組んだと、このように聞いております。したがって、この問題はもちろん、予算のことでありますから、その金額がそのとおり取れるかどうかという問題もございますけれども、また考え方のいかんによりましては、この金額に必ずしも拘束されるものではない、そういうふうな考え方も、その当時これに異論を唱える上からいえば出ておるわけであります。その金額にあまり拘泥をなさらないようにお願いをしたいと思うのであります。考え方いかんによっては、あるいは金額をふやさなくちゃならぬということもあり得る、こういうこともあるわけであります。
 いずれにしましても、私としましては、今日皆さんに申し上げ得ることは、とにかくこのままで済ませる問題ではない、予算上の何らかの措置をとらなくてはならぬという心持ちだけははっきりしておるつもりでございます。これもしかし、御承知のように予算の問題でありまして、いろいろ折衝を要する問題でございますので、決着をつけるという意味において、何らかの予算は計上しなくちゃならぬ、そのつもりで当たっていきたいということを申し上げたいと思います。
#33
○鈴木力君 私の伺ったのは、将来この六十二億がどう動くかという金の額ではなしに、文部省が予算要求として六十三億という数字をはじき出した根拠は、勤務実態調査の結論として、いわゆる時間外勤務量に対応する金額としてはじき出した、そう私は伺っているんですけれども、それでよろしいかということを伺ったわけです。
#34
○国務大臣(灘尾弘吉君) 正確なことは私存じませんけれども、そういうことを頭に置いてつくった数字であると思います。
#35
○鈴木力君 それで、あとの金額については拘泥しないという大臣のお考え方に、向きにおいては私も賛成いたします。つまり、これは予算要求をしておるのでありますから、切られることもあり得るわけだし、また増額することもあり得るわけですから、その点については私どもも大臣のおっしゃることに、金額に拘泥しないとおっしゃったことについては、ことばの上からいえばそのとおりだと私どもも受け取れるのですが、問題は、金額に拘泥をしないという大臣のおことばが、たとえば、いま私どもが伝え聞いておるのではっきりしたことはわかりませんけれども、一号アップで超勤とすりかえる――われわれのことばはすりかえるのですが、ことばが悪ければ、一号アップと切りかえる、こういう議論があるやに聞いておる。そうすると、一号アップだと金額は百億ぐらいになりますから、どうしても予算はふえる。そういう意味で、大臣がこの金額に拘泥しないと、こうおっしゃるとすると、多分に私は抵抗を感ずるわけです。
 そう申しますのは、一体何らかの決着をつけなければならないという大臣のお気持ちはわかるのでありますけれども、これを超勤という一つのいまの考え方のものを、これを一号アップでそれにかわるものという考え方は、それは私はいま論理的にいって成り立たないんじゃないかということを思うのですね。つまり、さっき大臣がおっしゃった、将来教員の給与というのはどうあるべきかという検討をする、これは将来の問題ですから、いまの一号アップとは全然別ものになるわけです。そういたしますと、超過勤務をしても、これに対応するものが一号のアップという考え方でこれを済ませるのかどうかということが、これが私は一番の議論の分かれ目になると思う。だから、私どもは、さっき何べんもくどいように申し上げましたけれども、この際超勤制度というのははっきりすべきだ。金額については、これはもう予算を切られた場合には、予算がないから半分しか手当はやれないことがあるかもしれない。それにしても、いまはやっぱり、いまの職場が要求しておるような、教員が要求しておるような、期待しておるような超勤制度というものをつくるべきだ、こう考えておるのです。何かその、一号アップとか二号アップとか、そんなことでこれとかえるんだということについては、相当問題が私はあると思うのですけれども、もし大臣がそういうことも含んでおるとすれば、一体一号アップでかえられるというのはどういうことなのか。まだ結論は得ていないということですから、どっちだということをはっきり言えというわけにはまいりませんけれども、二つの場合がある場合には、一つはこう、一つはこうと、どっちをとるかは迷ってるにしても、こういう理由があるということは言えると思うのですから、そういう点については伺いたいと思うのです。
 それからもう一つ、時間がありませんから一緒に伺いますが、たぶん前大臣のときに、かりに号俸アップで、号俸を引き上げることによる超勤に見合う金額というのは三号俸を考えておる、こういう御答弁をいただいておるはずでありますけれども、そういたしますと、いま一号とか二号とか言っておることは、この前の、いままでの文部省の方針としての三号を考えておることから見ると、非常に大きな後退でもあるわけです。そういう点についての御見解を伺いたいと思います。
#36
○国務大臣(灘尾弘吉君) 問題は、このいわゆる超勤手当制度というものを明確に採用するかしないかというところにあろうかと思うのであります。したがって、超勤手当制度を採用するということになれば、これはまあ問題は皆さんの間では実はないわけです。また、これに対するいろいろな議論があるということ。そこで、採用するかしないかという問題が、実はキーポイントだろうと私は思います。採用しないとすれば、どうするかという問題が出てくるわけです。これにつきましても、またいろいろ考えなくちゃならぬ問題もございます。議論もございます。必ずしも直ちに結論に到達する問題ではないと思います。超勤手当というような方法でもって教員の時間外勤務の問題を解決すべきでないという、かなり強い議論も行なわれているわけでございます。これらの点についてなかなか容易に結論を出しにくいところに問題を現に抱えている、こういうことでございます。
 三号アップがいいのか二号アップがいいのかということにつきましては、私はまだ十分に研究いたしておりません。
#37
○鈴木力君 時間がありませんので……。いま大臣が検討中だということでございますから、これは早急に結論を出していただきたいのですけれども、その結論を出していただきたいというのは、私ども申し上げましたように、この際超勤制度をつくる、そういう方向でいままでの経過から結論を出すように、これは要望しておきたいと思います。
#38
○秋山長造君 私は一つだけ申し上げたいのですが、大臣の腹はどっちともきまっていない、また、それについてイエスともノーとも発言したことは今日までない、こういうお話ですけれども、いずれにしても、御承知のとおり、これはもう従来の経過、経緯というものが、動かしがたい経緯というものがずっと積み重ねられてきておるわけですからね。文教行政については、特に前の劔木さんもよくおっしゃっておりましたように、大臣がかわったからといって、これだけの経緯のある問題が白紙になるという性質のものではない、やはり文教行政としては続いていくのだということをおっしゃっておりましたが、また新大臣も、就任早々の何回かの御発言を聞いておりまして、やはり文教行政というものはそう大臣がかわるたびに変わる筋合いのものではない、継続的なものだ、一貫したものだというような御発言があって、私どもも非常に共感をしたのですが、そういう経過がある上に、前劔木文部大臣にしましても、この問題についてはいわば職をかけるぐらいの決意と責任を持って取り組んでおられた問題でございます。いずれ新大臣も詳細に劔木前大臣から、この問題の経緯その他について引き継ぎを受けておられると思いますので、どうかひとつ、それだけの重要な経緯を含んだ問題ですから、十分それらの点をひとつ考慮していただいて、できるだけ早くひとつ方針を出していただきたいということを、重ねて強くお願いしておきます。
#39
○理事(中野文門君) ちょっと速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#40
○理事(中野文門君) 速記を起こして。
 川島警察庁警備局長がただいま到着をいたしまして、出席いたしております。
 質疑を続行願います。
#41
○鈴木力君 もう時間があまりありませんから、簡単に聞きますが、これはたぶん十月十二日だと思いますけれども、文教委員会で警察庁の三井脩君ですか、課長の方に来てもらって、神奈川県の警察署の神奈川県の学校調査のことについて私がお伺いしたのです。その御答弁について、これは相当に重要な問題を含んでおると思いますので、課長でなしに局長さんのほうからはっきりした見解を伺いたい、こう思ってお伺いいたします。
 問題点の一つは、神奈川県警本部が一部の警察署に、この問題は指示ということばを使っていない、事務連絡ということばを使うのですが、事務連絡をして、そうして調査をさせたということなんです。その一部の警察署に調査をさせた理由は何かということを私が問題にしたのです。最初のうちは、ある特定の学校をマークしたのではないかというふうにも私は聞いてみたのですけれども、これに対してはそういうはっきりした御答弁もなかったのですが、結局は、事前調査をしておって、ややその調査の弱いところに指示をしてやらした、こういうような答弁にたぶんなったと思うのです。私は、この点で非常に問題なのは、一体警察が学校を調査をする場合に、一〇・二六というストライキの、これは組合が使ったかもしれません、私どもはストライキとは思っておらないのですが、いわゆる闘争の事前調査をやった、こういうことなんです。一部の警察署にやらしたというのですが、その理由はほんとうのところはどういうことだったのですか、それをお伺いした
い。
#42
○政府委員(川島広守君) ただいまお尋ねの、一部の学校について調査をした理由は何であるかというお尋ねでございますが、先般の私のところの警備課長の答弁がいまのお話でもございましたように、少しくことばの足りなかった面があったのではないかと私は思うのでございます。ただいまも御指摘がございましたように、調査をいたしましたのは九月の中旬ころでございまして、いわゆる一〇・二六の一斉休暇闘争が行われるということが客観的にも明らかな事態でございました。したがいまして、警察といたしましては、神奈川県だけではございませんですが、全体として、いわゆる地方公務員法三十七条あるいは六十一条四号違反のおそれが次第に濃厚になってきておる段階でございまして、捜査活動の前段の準備行為としていろいろ警察として知りたいことがあったわけでございます。その中で一部の学校についてというお尋ねでございますが、私のほうといたしましては、先生も御案内のとおり、この種の捜査につきましては、いわゆる日教組の本部からさまざまな形の依頼の指令その他の伝達等があるわけでございまして、警察として最小限知りたいと考えておりますことは、いわゆる県本部あるいは支部、分会、そういうふうな組織におきます役職員の方々の氏名、住所等を知ればそれで十分でございます。したがいまして、通常の私どもの調査のしかたといたしましては、端的に申しまして、御協力を得やすいような学校を選んで実は御協力を願う、こういうふうなことが通常のたてまえになっておりますので、決して、いまお尋ねの中にもございましたように、特定の学校を選んでということではございませんで、そのように御理解いただきたいと思います。
#43
○鈴木力君 そういたしますと、一つずつはっきりしていきたいのですが、事前の準備捜査をした。そうすると、一体、学校に行って職員室の机の配置で、どの職員がどこにすわっておるかというようなそういう調査は事前調査として必要なのかどうか、それはどういう必要上そういう調査をなさったのですか、伺いたい。
#44
○政府委員(川島広守君) 実は、その後神奈川県警にも尋ねてみたのでございますが、実際の問題といたしましては、各職員の、先生方の机の配置そのものについて調査をした事実はないのでございまして、協力を得るために参りまして校長先生にお尋ねをした中に、もし将来、先ほど申しましたような法令違反として容疑ありとして捜査に着手いたしますような段階になりました場合には、あらためていまお尋ねございましたようなところのことについて御協力を得たいのでございますということを申し述べただけでございます。
#45
○鈴木力君 いまのはうそなんです。たとえば神奈川県警の警部、山手警察署ですが、この人が北方小学校に行ったときには三つ聞いた。職員の住所氏名、職員室の座席表、分会役員の役職名、これは正規にこの三つを尋ねておる。あなた方の報告はそういうことはしませんというかもしれないけれども、やっている。そうすると、こういうことまでやったということは行き過ぎであったというふうに見てよろしいですか。
#46
○政府委員(川島広守君) ただいまのお話でございますが、山手警察署の警備課長が校長先生と面談をいたしました際に、先ほど触れましたように、あるいは先生がお尋ねございましたように、役員の住所氏名、年齢、職名を教えていただきたいということを申し出たわけでございますけれども、お願いをした全面についての御回答もなかったようでございますが、いずれにいたしましても、初めに申しましたように、もしもでき得ることでございますれば、将来捜査に着手しなければならないような段階に立ち至りました場合に必要でございますので、お差しつかえなければお聞きいたしたい、こういうような申し入れをしたというふうに聞いております。
#47
○鈴木力君 そうすると、やはりできれば教えてくださいと言ったのでしょう。拒否をされたからそこは聞かなかったという言い方は、これはおかしいのでして、そこで、いま局長の御答弁にありましたように、捜査の必要の対象は分会の役員までしかない。職員の座席表ということになると、全部でしょう。これは幸いにしてその学校長はそれは出しませんと言われたから、だから、警察はそれは調査しなかったが、調査しようとしたことは間違いない。そういうことがどういう結果をもたらすかということを警察は一体考えたことがあるかどうかという点なんですね。
 それで、もう少し私伺うのですけれども、この前の課長さんの答弁でも、これは治安維持の対象として事前の捜査をしたのだ、こういう言い方をされておる。そうして全部の職員の座席表から、これは役員の住所氏名ばかりじゃなしに職員の住所氏名、こういうことになっておりますね。そういうことになってくると、その学校は協力を得やすいかどうかということは別として、そこまでやられるということになると、一体学校の教員というのは、法律の拡大解釈をやったら、いつでももう犯罪者扱いを受けているということなんです。教職員組合というのはいつ闘争をやるかわからぬ。それは発表する場合もしない場合もある。そうすると、教職員組合員であるということは、警察ではいつでもリストをつくって、机の座席はどこで、いつの日にはどこに行ってどうするかということまで調査をしなければならない。それまでも合法だというような、解釈がだんだん拡大されてくるおそれがあるから、私は重要だと言っているのです。その辺の限界はどこに置いておるか、
ちょっと聞きたい。
#48
○政府委員(川島広守君) 先ほどお答え申し上げましたように、実際に地方公務員法違反で捜査いたします段階になりましても、学校の先生方の、全先生方の住所等まで私どもは知る必要はないと考えております。したがいまして、繰り返してお答えいたしますが、いわゆる教職員組合の役員の先生方についてのみお尋ねすれば十分でございます。そういう考えでございます。
 そこで、ただいまの法律の拡大解釈の問題でございますけれども、警察が捜査に着手いたします場合には、もちろんのこと、刑事訴訟法の規定に従いまして捜査をいたすわけでございますが、いま問題になっております捜査の前段、たとえば準備行為としての警察の活動でございますけれども、これにつきましては、いわゆる警察法の二条に従って必要な事柄について事前に調査、あるいはいろいろな方法もございますが、言うまでもありませんが、警察法の二条の二項にいろいろな制限規定がございまして、われわれが行ないます警察の活動と申しますのは、一般的に申しますれば、まずその目的において正当でなければなりませんし、また行ないます行為そのものにつきましても当然に必要性がなければなりませんし、また相当性と申しますか、社会通念上合理的であり、かつ妥当であるという範囲内においてのみ行なうべきであるという点につきましては、ふだんから十分に心を砕いて私ども指導しておるわけでございますので、そのように御了解願いたいと思います。
#49
○鈴木力君 まず、さきのほうを片づけたいのですがね。そういたしますと、いまの全座席表を聞きたいとか、職員の住所氏名を聞きたいということは、いまの局長の説明の限りでは、これは行き過ぎであるということははっきり言えますね。
#50
○政府委員(川島広守君) まず最初に、先生方の住所氏名を尋ねたことは、それは行き過ぎであったと思います。
 それから、座席の問題につきましては、先生も御案内と思いますが、最初繰り返してお答え申し上げておりますように、たとえば実際捜査に着手いたしまして、いわば押収捜索の必要が起こる場合がございます。そうなりますと、先生方で組合員でない先生方もおるかもしれませんし、そういうことで、できますれば、お尋ねをして、ほかに迷惑のかからないようにしたいということで尋ねたのではなかろうかと思うのですが、これは犯罪の種類その他にもよりましょうし、一般的に申しますれば、今回の事件で申しますれば、神奈川県がやりました中でどの学校ですか、ちょっとあれですが、座席についてまで教えていただきたいと申しましたのは、おそらくそういうような調査は将来のことを考えて尋ねたのではなかろうかと思いますので、あるいは必要性があったのだろう、こういうように考えられますので、御了解願いたいと思います。
#51
○鈴木力君 いろいろと立場もございましょうから、全部間違いだとはなかなか言いにくいと思いますが、私ももうきょうはそこまで言う気持ちはないけれども、もう一ついまのお話で伺いたい。
 一体、公務員が全部十月二十六日に闘争をやりたい、やろうという計画を立てておったときに、それは客観的にやる段階になったというお話ですが、しかし、神奈川県警が学校だけを調査したというのは、他の公務員は公務員法の闘争が禁止をされておるということは適用外として、学校だけをやったのは、それはどういう理由なんですか。
#52
○政府委員(川島広守君) 決して、神奈川県の教員組合だけを、いわば先生のお尋ねはねらい撃ちにしたのではないかというお尋ねでございますが、そのようなことはございません。その他のいわゆる自治労関係につきましても、いろいろと事前の調査として資料の収集につとめた経緯がございますので、決して神奈川県の教員組合だけをやったということではありません。
#53
○鈴木力君 横浜の市役所の各課の職員の座席等も調査をしたのですか。
#54
○政府委員(川島広守君) 具体的に横浜市役所が闘争をやったかどうか、ちょっと記憶がございませんが、一般的に、自治労がかなりあの場合にはやるという事前の基本方針もございましたので、そのようなたてまえで準備をしたことはあったろうと思います。
#55
○鈴木力君 私が問題にして聞いておるのは、これはほんとうを言ったら、捜査をしたというのはけしからぬという気持ちで私は言っておるのですけれども、そこまできょうは言わないにしても、大体、公務員全体が給与の要求をして闘争をやろうとしておる。しかし、十月十九日にはまだ日教組のストライキ宣言はやっていない。時期からいうと、やるだろうと騒いでおったけれども、ストライキ宣言というもうはまだやっていない。そういう時期に日教組に入り込んだ。学校に入り込んだ。他についてはやったかやらないか私は知らないけれども、他の職場についてはほとんどそういう刺激的な行動はなかった。あえて学校を選んで刺激的な行動をとったというのは、これはやはりぼくはいまの行き方としては納得できない。しかも、これは神奈川だけを聞いておるのですけれども、全国的な他の情報からも、相当量学校についてはいろいろな行き過ぎた調査をやっておる事実がある。この辺は何か、やはり一つの日教組なら日教組というものをマークしてやったのではないかと思われる。そういうように思われるような節がかりに警察庁の意図と違うとすれば、それは警察庁の意図とは違ったと答えてもらえばそれでいいのですけれども、ねらった学校だけやったというのは、どうもふに落ちないのです。その他のはどういうことでやったのか、あるいは公務員法というたてまえをとってやって選んだ学校というのか。さっきから、どうも協力を得られそうな学校に行ったというけれども、役員の住所氏名が全部必要だということになれば、これは役員のいた学校全部回ったということになる。特定ということになれば、その辺がどうもあいまいになってつじつまが合わなくなる。だから、その辺の全体の考え方というものはどういうことだったのか、やはりその辺ははっきり聞いておきたい。
#56
○政府委員(川島広守君) お答えが重複してまいりますけれど、、私どもといたしましては、いわゆるあおり、そそのかしという容疑になるのでございますから、すべての学校について調査する必要がないことは先ほど来お答えしたとおりでございます。しかしながら、また反面、捜査のたてまえから、観点から考えますと、捜査のしやすいところを私どもとしては当然、御協力を得る段階になりますると、やる。役員がおられる学校全部について調査をするというわけではございません。先ほど来繰り返しておりますが、いろいろな状況から判断いたしまして、御協力が得られそうであるというふうな見込みをもってお尋ねをし、申し入れをするというのが、従来の捜査の経緯であります。
#57
○鈴木力君 それで、いまの問題として、警察法二条でやったこということなんですけれども、それは適用のほうはぼくはどうこうとは言いません。皆さんが非合法なことをやったのかどうかここで議論してもしようがない。しかし、いま局長の言われたように、社会通念上行き過ぎたことはやらないようにこれは配慮する必要があるということは、これはやはり警察当局とすると重要なことだと思う。警察法の二条だって、何もそれを取り締まることだけが能じゃないと書いてある。
 大体、警察法の第二条は何かというと、われわれはよくわからぬけれども、「警察は、個人の生命、身体及び財産の保護に任じ、犯罪の予防、鎮圧及び捜査、被疑者の逮捕、交通の取締その他公共の安全と秩序の維持に当ることをもってその責務とする。」、こう書いてある。一番前段に書いてあることは、「個人の生命、身体及び財産の保護に任じ」と書いてある。それが一つですね。その次には、たぶん警察法の第二条の二項だと思いますが、「いやしくも日本国憲法の保障する個人の権利及び自由の干渉にわたる等その権限を濫用することがあってはならない。」、これが基本的な態度なんでしょう。そうすると、何か闘争をやるかもしれないというのは、最初から犯罪の予備的な人間に仕立ててしまって、学校に入り込んで、だれだれが犯罪をする予備的な人間であるから、机はどこだ、氏名は何だというようなことを聞くということは、教師としてどんな迷惑をこうむるかということを一体警察庁は考えたことがあるのかどうか。
 それだけのことを考えるとすると、社会通念上ということになるならば、これは治安対策といったって公務員が闘争をやったことがだれかに生命の危害を与えるとか、あるいは財産をどうするとか、そういうような行動をすることにはならないわけです。その辺のかね合いから、一体神奈川県――これは神奈川県だけじゃない、私は他にいろいろなことを聞いているから言うのですけれども、そういうようなことを繰り返されてはかなわないという気持ちがある。そういう気持ちの上で聞いているのです。だから、ことしやったようなあの様式で、警察の解釈でどんどん入り込むというようなことになると、これは容易なことじゃないと思うから聞いているのですけれども、さっき言いましたように、全部の学校を、全部の職員をやるという意図はなかったということですから、やろうとしたというものがあったとすれば、その部分はそれは行き過ぎであったということでこれは確認をしてよかろうと思います。今度の調査の方法なんですけれども、いま言ったように、学校に入り込んで、そうして校長に――幸いにその校長は言わなかったらしいからいいようなものの、これがそういう形で言われて、今度は学校内であの学校の先生たちは犯罪人だというような形になってきたら、これは正規に認められた組合活動もできないわけです。それは闘争やるかやらないかわからない、そのときに。
 しかも、これはまあ特に言わないけれども、あるところのある警察官が学校に行って、これは神奈川県じゃないけれども、学校に行って、やっぱり同じ調査をした。ところが、それがどうもやり過ぎじゃないかということを言われたら、いやあの学校の給食のおばさんが手くせが悪いので、学校の先生たちやそういう人たちの机やなんかを見ておかなければならないのだということを、そば屋で言ったという話がある。そば屋のおかみさんが、それはあんまりですとしゃべったという話がある。それはうわさということにしておきましょう。警察庁が何か捜査をしたものが手柄みたいに追い込んでくると、そこまでの現象が出てくるのです。
 私は、だから、去年の――去年といいますか、ことしの神奈川県のようなやり方を、あまりにも不用意にこういう調査をやられると、波及する問題というのはきわめて大きい。警察法の二条、それが合法か非合法かという議論はしませんけれども、ただいま少なくとも警察庁が考えているような民主警察としての任務を果たそうとしていることが、下に行ってはそういう形であらわれていないのじゃないかということなんです。そういう点は、私はよくその下のほうを調査をされて、検討をされて、慎重に扱ってもらいたい、これが私の申し上げる結論なんです。ところが、いま局長に聞いても、非常に遺憾なことは、たとえば全部の調査をしたじゃないか、そういう調査はいたしませんと答える。しかし、私のほうには質問された要項があるから、こういう要項を示すと、そこは断わられたので調査しませんでした、それでは少し、やはり本気になってその面の民主的な警察としてそれは協力を得られるような態勢の警察になかなかなりそうもないのじゃないか、こういう点を私はいま指摘をしたいのです。その点についての、今後こういう特に公務員の組合活動なんかについての警察月の捜査――捜査というよりも対処のしかたについてはよほど注意をしてもらいたい、こう思うのです。見解をひとつ聞いておきたい。
#58
○政府委員(川島広守君) 一般的には、ただいま御質問がございましたそのとおりだと考えております。したがいまして、今回のような調査の場合には、特に児童生徒に与えます影響等も非常に深刻でございますので、今回の調査に限らないわけでございますが、特に学校等に対しましてはふだんから常々慎重に捜査を進めるよう一般的には指示をしてあるわけでございまして、ただいまの先生のお話のとおりに、将来に向かいましても、より慎重に捜査を進めてまいる、こういうふうな所存でございます。このように御理解願いたいと存じます。
#59
○鈴木力君 まあその辺を注意してもらえばそれでいいのですけれども、最後に念を押しておくのですが、この前の三井課長の答弁の中に、こういう組合、これは公務員の組合をさして聞いたわけですけれども、そのときに、調査に団体そのものを調査ということではなくて、団体なり個人なりが治安維持の観点から見て問題を起こしそうであるというときにはもちろん調査をいたします、こういう言い方があるのですね。そうしてさっきのようなことをやったことがりっぱだと、こう答えているわけですから、やったほうは間違いだったと言いたくない気持ちはわかるけれども、いま言ったような観点から、治安維持の観点から問題を起こしそうであるというときには調査をするのだ。問題を起こしそうであるというそのことの解釈も、これもまた相当に慎重にしてもらわないと、どこまでも拡大をすると、さっき言ったように、極端な話をすれば、組合に入っていればいつ闘争をやるかわからないから、公務員の闘争というのは限界があるからこれはやるのだと、こういう形になってきたら、もうとんでもないところに行ってしまうから、この辺はほんとうに、いま慎重にとおっしゃられたことを、慎重というよりは、少なくともこういう問題は捜査の対象に平素はならないと思うが、私はそれを確認をしてもらいたいぐらいの気持ちなんです。そういたしませんと、いまの警察の行き方というのは、さっき言ったような例がずらずらと出てくるようなことがあってはたいへんだから申し上げる。
 それから、何としても私が納得できないのは、そういう捜査のしかたが特に学校に出たということですね、よそにではなくて。よそも調査したとおっしゃるかもしれませんけれども、よそはそういう刺激を与えるような調査はしていない。学校だけに全国相当数にわたってのそういう刺激的な調査をやった。これについてはよほど警察庁としても反省をしてもらいたいと思うのです。
#60
○政府委員(川島広守君) ただいまお尋ねがあったとおりでございますので、先ほどもお答えいたしましたが、将来に向かいましては、特に学校等についての調査なりあるいは捜査なりにつきましては、十分に慎重にやってまいるつもりでございますので、そのように御理解願いたいと思います。
#61
○理事(中野文門君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#62
○理事(中野文門君) 速記を起こして。
#63
○小野明君 大臣に実はお聞きをしたかったのでありますけれども、大臣の所信表明を読んでみますと、教職員の定数のところなんですけれども、定数の確保なり定数の増をはかる、こういったところが少しもないわけですね、これは。教員の資質の向上、その処遇の改善という一項はありますけれども、定数の問題については全然触れておられぬ。今年の予算にいたしましても、この文教政策の中では定数の確保なり定数の増ということは頭に入っていないのかというような考え方さえ持ちたい、少し皮肉に聞こえるかもしれませんが。そういった面で、まず局長にお尋ねをしておきます。
#64
○政府委員(天城勲君) 教職員の定数の問題につきましては、義務教育の充実の面ではきわめて大事な問題でございまして、われわれも一番意を注いでいるところでございますが、これにつきましても、御案内のように、義務教育学校の学級編制の法律が、標準法がございまして、現在この法律に基づきます教職員の定数と学級規模の改善の過程にございます。ちょうど四十三年はその最終年に当たるわけでございますが、そういう意味で、この軌道に乗ってやっておるという意味で、特に触れなかったわけでございまして、考え方におきましては、この法律を定めたときの考え方でいろいろ努力を重ねておる次第でございます。
#65
○小野明君 来年度で、おっしゃるように、一応の標準法でいうところの四十五名というのが完成の年になっているわけであります。そうしますと、この前も今村審議官にお尋ねをいたしたところが、どうもはっきりした答弁が得られないのですけれども、四十五が最終のまあ理想であるかのような印象も受けたのであります。それで、もし学級規模の改善について、高等学校も一応四十五に目標を置いたわけですけれども、義務制の場合も四十五で、それから先の改善は考えないのか、あるいは考えるとすれば、それはどういった構想になっているのか、それをお尋ねいたします。
#66
○政府委員(天城勲君) すでに御了解のように、四十三年度で現在の標準法の計画が完成いたしますので、その次はどうするか、どのように考えるかという点でございますが、一応四十三年でこれが完成いたしますので、実は教職員の定数の改善あるいは学級編制のあり方等につきましては、いろいろな問題がこの過程で出てきております。したがいまして、私たち現在の段階におきましては、どこをどのように改めるかということについてまだ結論を得ておりません。いろいろの問題点を検討しているいま段階でございます。
#67
○小野明君 いろいろな点について検討をなさっておると、こうおっしゃるわけでありますけれども、いま標準法の中に、やはり若干私は全国一律にするにしては無理があるように思うのです。というのは、私が長い間問題として投げております、持ち上げております産炭地の問題をどうするか、あるいは僻地の問題をどうするのか、あるいは事務職員の問題をどうするのか、養護教員の問題をどうするのか、それぞれやはりこれは改善をしてもらわなければいかぬ問題であるし、標準法改正の際にもこらいった点はぜひ一つの検討すべき要素として含んでおいてもらわなければならぬ問題であろうかと思うわけです。いろいろな点を検討されておるということなんでありますけれども、まず四十五の規模をどうするのか、これをさらに四十に進める意図なのか、あるいは検討されておるいろいろな要素というのはどういうものなのか、それをひとつ腹案があれば御説明をいただきたい。
#68
○政府委員(天城勲君) 御指摘のように、定数ないしは学級編制の改善のために考えるべき要素が多々ございます。先生御指摘のように、従来から課題になっております事務職員の問題あるいは養護教員の問題、それから地域的に、これも私たちもよく存じておりますが、産炭地域の問題、僻地の問題、あるいは同和地区の問題、あるいは都市におけるいわゆる教育困難といわれておるようないろいろな地域がございますので、そういう点も考える要素だと思っております。また一面、学校におきます学習指導の形態についてもいろいろな新しい議論が起きておりますので、これも私たち考慮の中に入っておる問題でございますが、一部で小学校の専科教員制度を考えたらどうかという話もございます。これらの点はある面では地域的な問題であり、ある場合にはいろいろな違った要素を持った原因になると思っております。したがいまして、単に四十五人をどうするかという点で問題を考えるのではなくして、もう少し多角的な要素を考えて、定数の増の問題を考えていきたいと、かように考えております。
#69
○小野明君 いろんな要素をさきの文教委員会でも剣木さんが言われましたが、専科教員等の問題もあわせて考えていただくという点はけっこうだと思うのです。しかし、いろいろの問題もあわせて、さらにこの義務制の定数法、標準法をどうするかというのがやはり最大の課題でなければならぬ、このように私は考えておるわけです。そうしますと、この問題に対する方針というのはいかがなものであるか、それをお尋ねしておきたい。
#70
○政府委員(天城勲君) 先ほど申し上げましたように、たいへん条件が多角的でございますのと、その条件の意味が食い違っておりますので、それらを総合いたしまして、最終的にこの定数法の問題に最後は集約されてくるわけでございますので、先ほど申しましたように、それらの条件を、実はその条件と申しますものもすぐそれがどういう形で実現されていくかということについては、単に定数問題だけではなくして、他にからむ要素が非常にございますので、十分関連筋とも考え合わせて、最終的に定数の形としてそれをどういうふうに寄せ集めてくるかという点になろうかと思っております。それにつきましては、先ほど申したようにまだ具体的な腹案に至っておらない状況でございます。
#71
○小野明君 そういう問題を検討をしなければならぬということはわかるわけです。どういった時期において、どういったシステムにおいて検討をなさるのであるかですね。それを、おありになれば、さらに説明をいただきたいと思います。
#72
○政府委員(天城勲君) まあ時間的なスケジュールみたいな問題になるわけでございますけれども、いま全体の計画の中で四十三年度で一応この計画が完成いたしますので、私たちいま申し上げたような点を考慮に置いての結論というのは、四十四年度以降にならざるを得ないと考えております。
#73
○小野明君 そうしますと、まあ完成年次が四十三年度でありますから、四十四年度からはすぐ標準法が策定をされる、国会に提案をされる、こう判断をしてよろしゅうございますか。
#74
○政府委員(天城勲君) いまそれを私としてこの場で、必ず四十四年度にということを申し上げるほどまだ中身が固まっておりませんので、その点はひとつ弾力的に考え方を残していただきたいと思っております。
#75
○小野明君 しかし、いろんな検討をするといいましても、時間的なめどというのが要るわけでございますね。これはいつころから――四十三年度で終わりであれば、いままで問題になったようないろんな諸点を検討してやるとすれば、四十四年度である。四十四年度は休んで、四十五年度からというわけにはまいらぬわけです。しかし、そのめどをはっきり立てないと、検討するにもぬかにくぎではないですか。いかがですか。
#76
○政府委員(天城勲君) 私たちといたしましては、考え方としましては、仕事の手順を追って次々に前の問題を考えているわけでございますけれども、最終の法律改正あるいは具体的な措置としてどの段階でできるかということは、時間的な関係から申しまして、しばらく考える余地を残していただきたいということを申し上げたわけでございます。
#77
○小野明君 しばらく考えなければならぬということは、どういう理由によるんですか。
#78
○政府委員(天城勲君) いや、四十四年に必ず出すかということについては、しばらくその決定の問題については余裕を残していただきたい。私たちこの問題については、仕事のスケジュールの中で絶えず検討を続けておりますということを申し上げたわけでございます。
#79
○小野明君 大臣がお見えでありますので、大臣にお尋ねをしておきたいと思うのであります。大体、大臣が来られるか来られないかわかりませんでしたので、局長に質問を申し上げておったのであります。
 それで、趣旨と申しますのは、大臣の所信表明の中に、教員の資質の向上なりあるいは処遇の改善、こういった問題なり、教育課程等の問題は、所信表明の中にお触れになっておる。しかし、最も私ども重要だと思いますのは、やはり教職員定数を確保して、行き届いたいい教育を教職員にさしていく、こういうことがやはり大きな要素にならなければならぬ、このように考えておるわけであります。そこで、教職員定数の確保なり充実改善という面について新大臣はお触れになっておらぬのでありますけれども、どのようにお考えになっておられるか、お尋ねをしておきたいと思います。
#80
○国務大臣(灘尾弘吉君) 教員定教の問題でありますとか、教員資質の向上の問題でありますとか、こういう問題は常に文部省としましては考えていかなければならぬ問題だと存じております。その意味におきましては、先生の御質問の御趣旨と違った考え方をしているわけではございません。
#81
○小野明君 そこで、大臣もすでにお聞きであろうかと思いますが、学級規模の改善というのが、一応四十三年度が五年計画の完成年次になっておるのであります。これは御承知だと思います。そこで、そうしますと西十五名ということになるわけでありますが、いまの義務制なりあるいは高等学校の教育におきまして、学級規模四十五名というのを理想といたしまして、それから先にさらに学級規模を縮めていくというお考えがあるのかな
いのか、その辺をお尋ねしたいと思います。
#82
○国務大臣(灘尾弘吉君) 現在の学級規模についての取り扱いは、御承知のとおり一つのスケジュールに乗って進めてまいっておりまして、それが四十三年度において一応最後の年になる、こういう段階になっておるということは承知いたしております。それから先の問題についてどう考えるかということでございますが、この問題につきましては、いろいろ他に考えなければならぬ点もあるかと思いますが、方向といたしましては、やはりできるだけりっぱな教育ができるような方向に向かって進んでいくという意味で、文部省といたしましては検討を続けていかなければならぬものだと考えております。
#83
○小野明君 どうもお気持ちはわかるようた気もするわけであります。しかし、先ほどの超勤と同じように、何かはぐらかされているような気持ちになってしかたがないのですが、四十五名ということは、やはり一応の五年計画のめどでありますし、さらにこれを縮めていく、こういった方向が国民によい教育をサービスするということになることは間違いないわけです。でありますから、これをさらに縮めていくという方向でこの検討をなさるのかどうか、さらにひとつはっきりおっしゃっていただきたいと思います。
#84
○国務大臣(灘尾弘吉君) 決してはぐらかすようなつもりで申し上げているわけじゃございません。ただ、この問題につきましては、学級規模四十五名というものが実際の状況においてどうであろうかというふうな点も、よく調査をしていく必要があろうかと思います。また一面、ただ単にこの定数の問題だけでなしに、たとえば養護教諭とか、こういったようなものを充足するというような問題もあろうかと思います。要は、いろいろな面において教員の陣容を充実していくということは、お互い同じような考えをしていると思うのです。具体的にいまどうするかというふうなことについてはっきりしたことを申し上げることはできないということで、私は先ほどのようなお答えを申し上げたわけです。問題としては十分検討してまいりたいと思います。
#85
○小野明君 くどいようですけれども、四十三年度で終わりになるわけです。ですから、いろんな検討すべき要素というのは先ほども私は局長に申し上げた。それでそのめどなり検討をすでに始められておると思うんでありますが、そういった方向が出るのはいつごろになるのか、あるいはどういったシステムで検討をなさるのか、その辺の構想をお聞かせ願えればしあわせと思うんです。
#86
○政府委員(天城勲君) 先ほどもちょっと私申し上げましたように、検討課題が非常に多角的でございますのと、各県の見方もいろいろ角度がございますので、たとえば文部省の省内におきましても、単に定数問題を所管しております課だけでなくて、教育内容を担当している課とも、また施設の関係のほうとも、いろいろ調整をしなければならぬ問題がございます。そういうところとの話も進めてまいっておるわけでございまして、最終的にいつ成案を得て具体化するかという先ほどからのお話でございますが、一応四十三年度で終わりということになれば、まあ私たち事務的にはこれを四十四年からやりたいと思っておるのでございますけれども、それまでに成案を得られるか。四十四年の段階で、ほかの問題とのいろいろな関連もございますので、いま必ず四十四年度から法律を直すということを明言できないのをいまの立場で残念に思いますが、私たちの事務的な方向としては、一応そういうめどで進んでおるわけでございますので、先ほどお話し申し上げましたように、必ず四十四年から法律を改正するということにつきましては、なお弾力的に余地を残しておきたいということを申し上げているわけでございます。
#87
○小野明君 まあ明年度の定数の確保について、非常に生徒の急減の多い県について、附則三項でありましたか、政令によって救済をするようになっておることは御承知のとおりであります。ほぼ全国で十県ぐらいですか、四分の一ほどあるわけなんですが、この内容につきまして先般も審議官にお尋ねをいたしましたところが、従来の式でいきますと、いわゆる校長、教員の最低保障数で九七・五でよろしいんだ、こういうふうなお話であります。私ども考えますのは、いわゆる最低保障数というのは九八・五であった。いろいろな経緯を通って、中学についても現在一・〇上げたわけですから、それでこの九八・五というのを確保することが、いわゆるなま首が飛ぶという状態を来年において実現をしない措置ではないのか。これがやっぱり九七・五に下がるというのは文部省の努力不足ではないか、このように考えておるのであります。この点について、先般は局長が外遊中でありましたので、お尋ねができませんでしたが、その辺をひとつ御説明をいただきたいと思う
のです。
#88
○政府委員(天城勲君) すでに御案内のように、四十三年度で本則の標準を適用することになっておりますけれども、実態を見てまいりますと、相当数の教職員の減少を見なければならぬような府県がやはりございます。五カ年間で本則にまで持ってくるという形で、従来前年度の九八・五%というものを最低保障でやってまいったわけでございますが、なお一挙に四十三年でいかない。いま言ったように、非常に極端にカーブがダウンすることは行政上非常に問題がございますので、それにつきましては、この法の規則にも例外規定がございますので、二年間なおそのカーブをゆるやかにしてまいりたい、こういう考え方をとっているわけでございます。
 九八・五と九七・五の問題でありますが、それらの県につきましていろいろ数字的にも検討しているのでありますが、やはり二年後には本則にくるという前提で考えますと、結局この二年間の延長の過程でなだらかに本則にいくような方向を考えなければならぬ、こういう行政上の一つの要請があろうかと思います。毎年これは上がったりおりたりすることもいかがかと思っております。それと実際の退職状況その他から、いまお話がありましたように、減員の状況を考えなければならぬものでありますから、両方から考えまして、一応ほかの県は九八・五でもってまいりまして、四十三年度本則にいくわけでありますが、なお若干の例外に当たる県につきましては二年延長して、その間に本則にいくということを考えると、九七・五という最低保障でいいのじゃないかというふうにいま判断いたしているのであります。
#89
○小野明君 その判断が非常にきびしいものになっておる、こう思うわけであります。というのは、たとえば二万人教職員がおります県になりますと、九八・五でありますと三百人の減ということになる。ところが、一・〇下げることによって五百人を切り落とさなければならない。プラス二百人になる。非常にこの一・〇というのは大きな数になって各県に作用をするわけであります。この急減緩和ということになりますと、これは法に忠実であろうということは私もわからぬわけではありませんが、やはり現場における摩擦を、生徒急減により教職員のなま首が飛ぶという状況を救うためには、やはり既得権として九八・五というものを確保しなければならないのじゃないか、これを私は痛感しておるのであります。
 したがって、政令というのはまたつくればいいのでありますから、何も標準法自体が永久に教員規模をきめる鉄則じゃないのですから、四十三年四十四年には新たに改定をしなければならない。いまおっしゃるようにいろいろな要素を加えながら再検討していただくということでもありますから、この九七・五に下がったということは、きわめてこれはなま首が飛ぶという現状を現場につくるのじゃないか、こういうことを心配いたしておるのであります。現に十県において。その辺の御見解を再度お尋ねしておきたい。
#90
○政府委員(天城勲君) 御案内のように、これは府県の総定数の標準ということで出ております。お話のように、小・中学校の校長、教員についてこういう線をたどってきておりますが、一面特殊学級の増設もはかってきているわけであります。こういう全体の構想の中に経過が進んでおります。
 一方、われわれとして考えていただきたいと思っておりますのは、一応法律の規定を前提に置きますと四十三年、それを例外的に四十五年まで延ばす、これは単に政令の問題ではなくて法律事項であります。そのやり方を政令で規定しているのでありまして、四十三年、四十四年に最低保障率を引き上げますれば、四十五年に非常に大きな落差を生ずるという状態も当然予想されるわけでございまして、この四十三、四十四、四十五年というものの傾向を見まして、行政上無理のないカーブを描くほうがいいんじゃないか、こういう考え方を基本に持っておるわけでございます。一面、御指摘のように、総定数自身の中で考えていただくことと、それから退職傾向等を考えまして、私たちはまあ、おことばのようななま首を切るというような事態がないようにいけるのじゃないか、こう考えているわけでございます。
#91
○鈴木力君 関連。いまの問題で一つだけ簡単に伺いますが、まあ、なま首を切らないように、そしてなだらかに持っていくということですから、それは十分にそのなま首を切らないようにやってもらいたいと思うのですが、いまの問題に養護教諭が一つあると思うんです。相当県あるように私は見受けるのですが、ところが、さっき大臣の御答弁にもありましたように、養護教諭というものはどだい、本来であれば各学校ごとに置くべきものですね。その中に入っておるわけですね。それがいろいろな都合で、事情ある場合はということで、置かないわけです。そこで、さっき局長の御答弁の中にもあった、将来定数法を抜本的に改善するという、定数法の考究される中には、どういう形になるかはおくとしても、少なくとも養護教諭というのは全校必置の方向に、行く行かないは別として、ふえることだけは間違いない。そういうときに、九十何%というのにこだわって、二年間くらいはいまの定数よりは養護教諭を下げておいて、新しい定数法のときにまた足りない養護教諭をさがさなければならぬような状態が出てくるわけです。そういう面について、よほど慎重にやってもらいたいと私は思うんです。政令でやるんですから、全部やる場合に、その辺の問題、養護教諭とかそういう問題は一〇〇%やる。それから、いま言ったような、現定数もできればパーセンテージを上げていって、いずれにしても、定数法が変わればふえることは間違いないんですから、いま足りないんですから、そういう面の扱いというものは慎重にひとつやってもらうように要望したいと思うんです。
#92
○政府委員(天城勲君) いろいろ将来の改善は私たちも考えておりますし、先生方の頭の中にも、将来の充実ということを前提にいろいろお考えいただいておるんだろうと思うのでございますが、行政を執行する立場から申しますと、やはり現行法というものを現時点においては基準に考えなければならぬものですから、将来こうなるであろうから現行法はこの程度に、ということもできませんで、ただ現実の行政の場における不合理なことが起こらないようにということで、実は五年間の経過措置と、なお二年の特例ということを考えてきたわけでございます。私たちはその基本線に乗って仕事をせざるを得ないわけでございますが、現場の問題につきましては、御指摘のような点は十分私どもも意を用いているつもりでございまして、養護教諭の問題につきましても、将来の改善の段階におきまして考慮すべき最重点の一つじゃないかとは十分意識しておりますが、現行におきますワクの中で各府県のお困りにならぬような状況等は十分、それぞれの当該県と御相談を進めながら実施してまいりたいと考えております。
#93
○小野明君 最後に、これは大臣にお尋ねをしておきたいと思うのでありますが、まあ定数の改善についても大臣が積極的な御答弁をなさっておられますので、私もそれに期待をいたしたいと思うのであります。しかし、いまいろいろな質疑の中で、若干おわかりいただけると思うのでありますけれども、四十三年度が現行の定数法の完成年次になっている。しかし、私が申し上げたいのは、新たに定数法を改正しなければならぬ要素というものがあまりに多くある。というのは、現行の定数法の中では、一つ例をあげましても、産炭地の問題、これは国の石炭政策によりまして、合理化閉山というものが急速に進んでまいりました。そのために離職者がふえて児童数が激減をしていく。ほかの地域に見られない激減のしかたがあっておるわけであります。これは全国一律に律せられない、現行標準法のやはりこれは一つのミスではなかろうか、落とし穴ではなかろうか。落とし穴というよりも、救い得ない盲点になっておるわけです。養護教諭の問題もそうであります。あるいは事務職員につきましても、何学級以下の学校においては事務職員をつけていない。そうすると、小規模学級にいたしましても、事務というものはやはりあるわけであります。これがやはりついていない。あるいは僻地についても同様。学校の教員が村の電話の番からお医者の取り次ぎ、簡単なお医者までしなければならぬというようなことで、ありとあらゆる仕事をやっておるわけであります。そういった面の僻地の再検討。いろいろな問題もあわせて、やはりいまからこの標準法の改正なりについて早急にやはり方針をお立てになっていただくということが必要ではなかろうかと思うわけであります。
 そこで、現行の法でいきますと、四十五年まで二年間暫定措置として政令で救済できるようになっておるわけです。いま問題にしておりますのは、その率のことを申し上げておるのですが、九八・五というのが従来の最低保障数であった。ところが、九・七五で後退しておる。ところが、この急減緩和で幾らかそれでも四十五年度には間に合う――間に合うといいますか、打撃が来ないようにしておるのだ、こういう説明なんでありますけれども、実際には一%で二百名の差ができる県もある。こういうことなんで、かなり後退した大蔵省との折衝ぶりになっておるというふうに私は見ておるわけであります。こういった面もあわせて、これを九八・五に引き上げていただく。あるいは抜本的に標準法をさらに再検討をしていただく。高等学校も、一応前国会で四十五になったわけでありますから、それより小さな子供が手が要ることは事実なんであります。こういった点について早急に私は御検討を願いたいし、大臣の――なかなか方針をお出しにならぬ大臣でありますけれども、この辺でこの問題についてはひとつ明快にぴしゃっと方針をお出しいただきたい。この点をひとつお尋ねいたします。
#94
○国務大臣(灘尾弘吉君) 大筋の話としてはきわめて明快なつもりでありますが、現実問題として考えますときには、なかなかそう簡単にいかないという要素がたくさんあると思います。学校規模の問題等になりましても、これはやはり全国的な問題であります。一つ一つの学校についてどうきめるというわけにもまいらないものがあろうかと思います。現実問題は現実問題としてやはり処理していくことを、また別に考えなければならぬ。たとえば、先ほど来初中局長の申しておりますように、いろいろなくふうをもって解決しなければならぬ点もあろうかと思います。また、新しく前進するために、先ほどお話に出ておりましたような各種の教員についての充足問題ということも考えていかなければならぬ。いろいろな要素を勘案いたしまして、よりよいものを求めていくということが私どものつとめではないかと思います。そういう意味で、現実問題になってきますというと歯切れの悪いことを申し上げるようでありますけれども、これまた予算問題も引っかかってくる。そういうことも考えて局長も明快なところが言いにくかったのじゃないかと思いますので、大筋の話としては別に皆さんと意見が違うわけではないのじゃないかと私は考えております。そういう意味で御了解をいただきたいと思うのであります。
 この九七・五%という問題につきましても、いまの現在つとめておる人たちにえらい迷惑を与えるようなつもりで九七・五%の数字を出しておるわけじゃない。何とかこれでこの問題に関してはやっていけるだろうという考えのもとに案を出し、すでに予算の要求もいたしておるわけであります。私どもといたしましては、これがさらに値切られることのないように、これが実現にまず努力していかなければならない。
 自余の問題につきましては、先ほど来申しますように、文部省といたしましても前向きの姿勢でもって検討していきたいと、私の希望といたしましては、事務当局を督励して、なるべく早くそういうことについての結論を得るように努力していく、こういうことであろうかと思うのであります。そのようにひとつ御了承願いたいと思います。
#95
○千葉千代世君 養護教員の養成所の予算計上についてお尋ねいたしますけれども、十一月の九日の文教委員会で、私が劔木文部大臣に対して、四十三年度の予算編成の中に国立養護教員養成所の予算を計上してほしいと、こういうことを申したわけです。そのときに劔木文部大臣は、必要性はわかるけれども、大学の順位等によるのじゃないだろうかというお話があったので、それはたいへん違う、文部省でもよく御調査願いたい、こういうことを申し上げてあったわけです。その答弁が聞きたいことです。
 で、私も文部省に御調査をお願いしたわけですから、私自身も調べたので時間がないので、ごく簡単に申し上げてみたいのですけれども、ちょうど標準定数法による昭和四十三年度までに必要な養護教員数、それをはじき出してみたのです。各県別全部取り出して見たのですが、その中で明らかになったことは、やはり相変わらずアンバランスがあるということです。これは御承知のように、養護教諭の五カ年の充足計画に沿ってこれを解消していくためにいろいろな配慮をされておるということであったわけですが、なかなかその効があらわれていないということが明らかになりましたが、内容の詳しいことは省略いたしますが、総体的に見て約四千名、詳しくは三千八百七十九名の不足があるわけです。これを五カ年計画が終わってから、それじゃ一校一名必置、全校必置に持っていくという、いわゆる学校教育法の二十八条に示されたとおりにするということにするならば、これはたいへんな不足数になるわけです。これも小中高合わせますと、二万六千九百四十九名不足ということになる。先ほど申し上げました三千八百七十九というのは、小中の不足数でございます。これは標準定数法による昭和四十三年度まで必要な数なわけです。そうすると、最少にこれをとりましてもたいへん足りないわけです。
 そこで、いままで設置されております国立養成所十六カ所、これは四十年に入りましたのは今度初めて卒業するわけなんですね。三十八年、三十九年、四十年、四十一年、四十二年と設置されて、十六カ所あるわけです。そうして四十年のは今度卒業しますから、いままで卒業したのと比べてたいへん少ないわけです。それで、いままで設置された十六カ所の合計ですね、四十二年度に入ったのは四十五年に出るわけですから、それまで合計いたしましても、五百六十人しか卒業しないわけです。そうしますと、先ほど申し上げました必要数に比べてまことに微々たるものなわけです。
 それで、そういうことが明らかになった上に、なおいま小野委員が質問された点に関連いたしますけれども、たとえば山形の例を見ますというと、現員が二百二十三名で、これは千分の一でちょっと割って小学校を見ますというと、百四十五名ですから、それが不足がない。余っているから、余っているものは首切るという問題が出されているわけです。これ、たいへんいま大きな問題になっているわけです。このことは幾たびもこの文教委員会で繰り返し繰り返し話し合ったわけなんですが、上回っている数についてはこれはやめさせないと、こういうことが充足計画の中の一つとして話し合われた。これは充足計画の、荒木文相ですか、言明されたときのあの速記録にもありますとおり、それに沿って各県がやっていくということであったわけです。それが一つも実行されないで、いまになってみますというと、多いからやめろと言う。しかも、この山形の養成所はいま閉鎖されているわけですね。もう要らないからといって、閉鎖されてしまっている。で、何かやはり復活要求出しているらしいのですが、これもだめになっております。
 こういうふうにいきますというと、いろいろな面に波及いたしまして、実際にこの定員の問題、養護教諭の必要性ということが幾ら叫ばれても、効力があらわれていないという点から考えますというと、やはり今年度予算が取れたということは、非常に大きな問題だと思うのです。したがいまして、文部大臣は、前大臣は、たいへん詳しく灘尾大臣に御説明なさったと思います。事は教員の定数の問題でございますので、非常に私は大きいと思うのです。一養護教員の問題として片づけられるものじゃなくて、これがやはり日本の教育の中の大きな柱という点で考えられまして、その後、文部省としてはどういう対策を講じられて、予算についてのどういう折衝をなさって、省議でどういうことをお話しになったか、あるいは担当セクション教員養成課ではどういうことをなさったかということを、具体的に示していただきたいと思うのです。
#96
○国務大臣(灘尾弘吉君) 養護教員の充足という問題につきましては、私もきわめて大切な問題だと思っております。現在の配置状況が決して満足すべきものではないということもわかっておるつもりでございます。
 いまお尋ねの問題につきましては、先般鈴木さんからも実は伺ったとおりでございます。政府委員からお答えをさせますから、これをお聞き取りを願いたいと思います。
#97
○理事(中野文門君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#98
○理事(中野文門君) 速記を始めて。
#99
○千葉千代世君 けっこうでございますけれども、大臣がいないからといって逃げ口上を言わないで、やはり大臣もそれは知らぬということのないように、ひとつ責任を持っていただくということで了承いたします。
#100
○政府委員(宮地茂君) 千葉先生の御質問が、どうも養成の問題と定数がからんでおりますので、私、養成のほうだけお答えさしていただきまして、定数のほうは初中局長からお答えいたします。
 この問題につきまして、いま先生が国立の十六校とおっしゃいましたのは、厳密に申しますれば、養護教諭養成所というのが八校、それから養護教員養成課程、そちらが八校ということで、若干性質が違いますけれども、まあその十六校という意味だと思います。
 で、国立の養護教諭養成所、これが八校でございまして、こちらのほうを各ブロックとに設置したので、来年度、四十三年度は続けてまたほかの学校にもこういう養成所を設けるか、あるいは一応所期の目的を達したところでひとまず終わるか、まあこの問題でいろいろ文部省としても検討いたしましたが、結論といたしましては、四十三年度にも養護教諭養成所を、従来三カ年間に八校ふやしましたのを、引き続いてふやすということは断念いたしました。したがいまして、いままで四十年、四十一年、四十二年と進んでまいりましたのは、一応現行の養護教諭の定数、それを見まして、需給関係等から一応こういう計画をつくったわけでございます。したがいまして、今後の問題といたしましては、養護教諭の定数ともにらみ合わせて、それと並行して検討してまいりたい、結論はかように考えております。これは千葉先生も御承知のように、先ほど例をあげられましたが、山形では一応数字の上から見れば余ったかっこうになる、ところがその他のところでは足りない、こういう実態でございます。
 この養護教諭の養成につきましては、先生も御承知のように、ただ先ほど来申されました八校ないし十六校の国立大学の関係だけが供給源ではございませんで、むしろそれ以外の一般の大学、短期大学の卒業者とか、あるいは県立等の指定機関の終了者、あるいは養護職員の研修によって免許状を取得する者、あるいは保健婦等の免許状所有者の転換、いろいろ供給源が非常に多うございますので、一応私どもといたしましては、この八ブロックに国立の養成所をつくるという所期の目的で一応のめどはついたというふうに考えております。
 で、当初つくりました北海道教育大学と岡山大学、これは四十三年度に七十九名が卒業をいたします。ところが、四十四年度、四十五年度では、弘前その他その後つくりましたもので三百名余りの卒業生ということにもなりますので、一応現在のところでは、いまの定数のもとで需給ということを考えれば、地域によって多少のアンバランスはございますけれども、地域のアンバランスは別途の方向で検討するとしても、養成計画としては一まず第一計画は終了した、このように考えまして、来年度の養成所の新設はいたさなかった次第でございます。
#101
○千葉千代世君 それでは私たいへん養成所の予算を来年度はしないという根拠が間違っているんじゃないかというように思います。いま述べられましたですが、御指摘のように、私急いだものですから、ただ合計十六カ所と申し上げたんですが、八カ所の大学につくったのは保健と養護教諭の二級をくれるわけです。これは高校を卒業してから入り、三年の養成です。初めのほうの五カ所は、国家試験に合格している看護婦の免許状所有者が入り、一年勉強して一級の免許状というのです。それが三十七年、三十八年の養成です。それから四十年、四十一年、四十二年というのが、高校を卒業して三年養成で保健と養護教諭の二級が出るわけです。これと大体似通ったのが県立にもあるわけです。たとえば名古屋に例をとりますと、これには教員免許状も一緒に加えていました。埼玉大学の問題もそうでしょう。そうしますというと、ここを出た方がどこへ行くかということを考えますと、必ずしも養護教諭になっていないという例があります。近くには都立の保健専門学院もあります。ここも養護教諭の養成をしておりますが、なかなか養護教諭になり手がない。ほかにたくさんの養成所がございますけれども、需給関係を調べていきますというと、なかなかおいそれとは養護教諭になっていないという現状が明らかになっているわけでございます。これも数字を省略いたしますが、そうすると、その原因は一ぱいありますけれども、きょうは時間の関係上省略いたしますが、とにかくいま申し上げた不足数を補っていくという、その補っていくために、方々にあるからここらでいいじゃないかということは、これはたいへんおかしいと思うのです。やはり責任回避ではないだろうかというふうに考えます。国が、やはり教員の充足については予算的なものについて養成の責任を持っていくということを考えたときに、それが全力を尽くして、そうして同時にまたほかでも養成していくということをあわせてやっていかなければならない。それからまた、充足していく場合にも、選考の過程における何らかの緩和という問題だとか、市町村支弁の問題でございますとか、一ぱいあげられておったのですが、とにかくこの養成所の基本がしっかりしていませんというと、ほかのものはつけたりのようになってしまうわけです。
 私は、山形がたまたま多いから云々ということで整理の対象になっているということなんですけれども、これもたいへん間違っておって、これは一校一名ということが目標であるために非常に熱心にこの養成をしたわけなんです。ところが、山形はもう要らないからよその県に行きなさい。山形で養成してよその県に行ってしまうものですから、山形ではせっかく県のお金を、予算を使って養成しても、よそへ行ってつまらないから閉鎖してしまうという、県の当局側にも、それから養護教諭自体のほうとしましても、そういう不安に脅かされていては困るのだという、この二つが重なっているわけなんです。しかも、僻地をかかえたところがうんと多いわけなんです。ですから、形式的にただ標準定数法だけで割ってしまうというと、このことは標準定数法に関係してきますから、きょうは省略しますけれども、特に養護教諭の場合なんかは僻地の場合はたいへん必要ですから、総体的に割られてしまうと、僻地をたくさん持っている県ではどうしようもないわけなんです。ですから、その点も考慮に入れて考えなければならない。そうしますというと、どんなにいっても不足するということは、これは数字で厳としているわけなんですから、それで文部省としてはいま不足数についてはそうひどく感じていないようですが、それでは具体的に各県の不足数、それはどんなに把握していらっしゃるのですか。一、二の例でいいのですけれども、ちょっと述べていただきたいのですが、たいへん食い違ってくるので、そこから幾ら話を発展させようとしてもお互いむだ骨折りばかりじゃないかと思うのです。私、これは十月だけとりましたのですけれども、調べたのですけれども。
#102
○政府委員(宮地茂君) ちょっとこの数字のはじき方はあとで教職員養成課長から答えさしていただきたいと思いますが、その前に、山形大学がその養成コースをやめたというふうに先ほど来聞くのでございますが、一応私のほうでは国立の山形大学には養成課程はございますが、これはやめる気はございません。それから、県立の山形のこういう養成所も、ちょっと資料ではないようでございますが、ちょっとそのことを補足さしていただきます。
 それから、一応私のほうは、個々の県等によりましては確かにアンバランスがございますが、一応国といたしましては、全般の供給と需要、一応第一義的には国といたしましては国としてのトータルということでございまして、もちろん県によりまして各県はオーバーするところもございますし、また不足しているというところ、これを否定しているわけではございません。県ごとのもし数字がお入り用なら、教職員課長から答えさせます。
#103
○千葉千代世君 その前にひとつ、いまの山形の県立養成所のことを掌握していないというのですけれども、これは何度も文部省に陳情しているじゃないですか。現になっているのです。当時の養成を担当していた人が、配置転換になって学校へ行っているのです。これは私は見てきたのだから、間違いない。それを確認してくださらないと、話にならない。県立です。県立は長い歴史を持ってずっと養成していたのです。
#104
○政府委員(宮地茂君) 訂正さしていただきます。山形の県立養護教諭養成所、入学定員二十名、一応四十二年度限りで学生募集を停止したということのようでございます。先ほどのを訂正さしていただきます。
#105
○千葉千代世君 それで、その廃止した理由はどういうことになっておりましょうか。
#106
○政府委員(宮地茂君) 先ほど来先生の御指摘ございますように、山形では養護教諭の配置に非常に御熱心で、まあよその県から比べますと養護教諭の充足が非常に先行していったということ、それと一応山形といたしましては定数とのにらみ合わせから需給がバランスを十分とり得る状況になったという判断に基づくものと思います。詳細は聞いておりません。
#107
○千葉千代世君 それは一口にいえば表面の理由です。内容は違うということをまたの機会に申し上げます。そういうようなわけで、決してもう十分だとか、一応この需給の片がついたからやめましょうという、そんなりっぱなものではない。やっぱり教育の本質に沿って一校一名必置を目ざしたというその努力というものが途中で消えてしまったということについて、非常に残念がっております。非常に残念がっておりますね。そういう意味で、そのことは後に譲りますが、いま文部省でつかんでいらっしゃる不足数でございますね、大体標準定数法によって勘定してもどのくらい不足しているとお思いでしょうか。高等学校は省略して小中でけっこうです。
#108
○政府委員(天城勲君) 標準法の定数とそれから現実の充足状況でございますが、小・中学校につきまして未充足人数は八百十人、これはことしの指定統計でございます。
#109
○千葉千代世君 五月一日になりますか。
#110
○政府委員(天城勲君) はい、さようでございます。
#111
○千葉千代世君 そうすると、これは四十二年の五月一日の指定統計と、こう解釈してよろしいですか。
#112
○政府委員(天城勲君) さようでございます。
#113
○千葉千代世君 私は十月に非常に急いで調べたのでございますけれども、それを見ますというと、たいへん数が、さっきも申し上げましたからあらためて申し上げませんけれども、たいへんな開きがあるということなんです。そういう意味で、やはり養成所の予算を今度は計上しないということは、必要を認めながらしないということは非常に怠慢ではないかと、極言すればここまで私は考えているわけなんです。
 で、講習の費用を計上していらっしゃると聞いたのですが、これはただ単位の充足に充てるだけですか。それとあわせて考えますと、講習をして単位を補ったとしても、大体どのくらいの有資格者を得られるという予定のもとに予算を組んだわけですか。
#114
○政府委員(宮地茂君) 養護職員等で講習をして免許状を取得し得る者が現在四千人ぐらいいるということでございまして、予算といたしましては、これらの講習に対しまして文部省としては、支出委任をいたしまして約二百万程度の予算を計上いたしております。
#115
○千葉千代世君 その講習し得るというのは、いま市町村支弁による職員の数だけの問題でしょうか。免許状を持たないで、まあ単位が不足しているままで市町村の職員になっておりますね。正規に教員としての身分に任用されないで、いわゆる吏員という名目でいる。その人数ですか。
#116
○政府委員(宮地茂君) まことに詳細な答弁ができませんで恐縮ですが、市町村費負担の者、それから県費負担の者、義務教育費国庫負担法の対象になる者ですね、その両者を含んでおります。
#117
○千葉千代世君 義務教育費国庫負担法の適用にどういうところがなっているのでしょうか、その資格のない人が。
#118
○政府委員(宮地茂君) まことに恐縮でございます。たびたび答弁を訂正さしていただいて恐縮ですが、市町村費負担の者だけを対象といたしております。
#119
○千葉千代世君 それで、その計画ですけれども、二百万円今度予算を組んで、四千人が全部身分が確保できるとお思いでしょうか。免許状の不足数が補えるとお思いになりますか。何年計画で何人ということになっているでしょうか。
#120
○説明員(手塚晃君) 養護職員の、養護教諭の免許状を取得するための研修は六カ年計画で進めております。毎年大体同じような計画、規模でやってございます。
#121
○千葉千代世君 それで、今度二百万円の予算で今年度やりますというと、大体どのくらいの方が資格を取れるんでしょうか、二級なら二級の。
#122
○説明員(手塚晃君) 対象人員は大体九百二十名を予定してございますが、現実に免許状を取得しておりますのは二百人から三百五十人前後でございます。
#123
○千葉千代世君 まあ二百人から三百人とかりにしますね。そうすると、四千人いるというのでしょう。そうすると、六年計画でどうしてやっていくのでしょう。
#124
○説明員(手塚晃君) 一時に全部取れないで二年、三年にわたって取られている方もあると思いますので、当初のころは少なくて、だんだんふえている傾向にございます。たとえば三十八年度は二百二十名、三十九年度は二百二十名、四十年度で三百四十名、四十一年度で三百五十名、次第にふえております。
#125
○千葉千代世君 町間を私取りますので、資料を要求して、また次の機会にやってよろしいでしょうか。
#126
○理事(中野文門君) はい、けっこうです。どうぞ。
#127
○千葉千代世君 私も十月中に急いで取ったものですから、また少し訂正をいたしますが、これは間違いないので、あらためてまた県庁にも行ったり、いろいろな統計を出してもらったわけなんです。ですから、資料要求をお願いして……。いつ現在が一番取りいいでしょうか。来年の四月まで待つわけにいかないのだから、いつ現在が一番取りいいのですか。八月現在が一番取りいいでしょうか。
#128
○理事(中野文門君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#129
○理事(中野文門君) 速記を起こして。
#130
○千葉千代世君 いまの資料要求でございますけれども、やはり各県のバランスがとれていない点がありますから、その点を一番近い時点においての資料をちょうだいいたしたいと、こういうことで、詳しいことはまたお話し合いしたいと、こういうふうに思っております。
 要するに、それでは四十三年度の予算についてはもうやる意思がないということでございますか。
#131
○政府委員(宮地茂君) 先生の御質問がいろんな点を含んでおりますので、一口にやる意思がないかと言われますと、何をやる意思がないのかということになりますが、先ほど来おっしゃいました国立大学へ四十年度から養護教諭養成所を設置してまいりました。四十年、四十一年、四十二年と設置してまいりました。それを来年もそれ以外に、八校以上に九校、十校やるのかということでありますれば、やる意思がないというのがよろしゅうございましょうか。要するに、来年度はそういう設置計画は大蔵省へ要求しておりません。そういうことでございます。
#132
○千葉千代世君 そこで、やはり講習計画についても、もっと積極的に予算を取っていただくということと、それからいまの大蔵省に対しての概算要求の中にないと、それでは非常に困るので、やっぱりお話し合いの機会を持っていただいて、そしてもう一度お話し合いしていただきたいということを要望いたしまして、質問を終わります。
#133
○鈴木力君 関連しますが、いまのは、私、局長忙しいそうだが、きわめて不満なんですよ。それは初中局長もよく聞いてもらわなくちゃいかぬですが、大臣がいないからこれはぐあいが悪いのだけれども、初中局のほうは養護教諭の全校必置という方向で、いまの定数法はもう少しで終わるが、できれば、新しい定数法でいつからやるか検討中にしても、そういう準備をしているわけでしょう。作業をしているわけだ。だれが考えても、そのときには養護教諭はふえなきゃいかぬのですよ。いま少なくとも初中局長は、養護教諭はいまの定数のままいくというつもりはないでしょう。全校必置という学校教育法のたてまえからいって、一ぺんに全校必置にならないにしても、新しい定数法がかりに三年後に出るとしたら、養護教諭がふえなければいかぬということは、これははっきりしているわけですよ。そのときに、養成計画のほうはいまの定数法で需給が間に合いますから養成しませんという言い方は、一体どういう言い方なのか。子供の着物をつくるときと同じですよ。赤ん坊の着物の寸法を合わせて、この大きさでだいじょうぶでございますというわけだ。着物が三年後にでき上がる、そのときにはその赤ん坊はもう大きくなって着物を着れないじゃないか。養成計画というものは将来を考えた見通し計画なんだから、学術局長にいまの定数法で間に合うからやめましたと簡単に言われたのでは、私は文部省が養護教諭というものを中心に教育制度というものをどう考えるか、どうも熱意が疑われてしかたがない。だから、きょうは時間がありませんから答弁をしなくてもいいけれども、少なくともこの次の機会までにはそういう面はきちっと省内で討議しておいてもらいたい。
 それからもう一つは、少なくとも養護教諭という問題は、これは何べんここでやったかわからぬわけです。僻地はどうの、いろいろ四の五のやるわけだが、だれでも養護教諭がいまの定数で満足だという人はいないはずだ。重要な問題ですよ。そういうことが、養護教諭の養成についてということで質問要求をしているのですから、そのときは、こまかいところまで局長に数字まで暗算で言えとは言わないけれども、一々時間をとってそこで相談をして、先にだれかの答えたのをそれが間違ったからまた別の人というのでは、とても仕事にならぬのですから、そういう将来を見通した文部省の統一した考え方をこの次の委員会にはきちっとしてもらいたい。
 それから、資料については、前に五カ年計画があった。あの五カ年計画は、いままでの質疑の段階で、計画でも足りないということがはっきりしておるはずです。それについてどういう手を打って、この養成をやめて将来間に合うというその説明がつくなら、そういう説明もきちっと出してもらいたいと思うのです。
 私は、この次のことでいまお願いをしておくだけです。
#134
○理事(中野文門君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#135
○理事(中野文門君) 速記を起こして。
 他に御発言もなければ、本件に対する本日の質疑はこの程度にいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時九分散会
ソース: 国立国会図書館
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