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1949/03/24 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 法務委員会 第2号
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1949/03/24 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 法務委員会 第2号

#1
第005回国会 法務委員会 第2号
昭和二十四年三月二十四日(木曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○派遣議員の報告
○檢察及び裁判の運営等に関する調査
 の件
  ―――――――――――――
   午前十時五十五分開会
#2
○委員長(伊藤修君) それではこれより本委員会を開会いたします。本委員会におきまして、休会中九州及び四國地方に出張いたしました。先ずその出張に対するところの報告をして頂きます。
#3
○松井道夫君 それでは私から申上げます。参議院法務委員会におきましては、檢察及び裁判の運営等に関する調査のため、昭和二十四年二月下旬より同年三月上旬に亘り、九州地方のうち大分、宮崎、鹿兒島、及び熊本の四縣に出張いたしまして、現地において、つぶさに視察、調査するところがありました。それでその詳細に亘りまするところは、やや大部に亘りますので、お手許の出張報告書により御承知願うことにいたしまして、この程度で報告に代えさして頂きます。
#4
○深川タマヱ君 私は檢察及び裁判の運営等に関する調査のため四國地方の視察に御同行いたしまして、四國四縣につき突地調査をいたして参つたのでありますが、詳細につきましては、お手許の出張報告書によつて御承知願うことに致しまして御報告に代えたいと存じます。
#5
○委員長(伊藤修君) 次に委員会に対しまして、委員の鬼丸君より浜松事件について調査要求がございますが、先ず委員会において取敢ずその点について專門員をして事実の調査をいたさせまして、その調査の概要を坂本調査員から報告をして頂きます。その結果委員会において正式に取上げるや否かということをお諮りいたしたいと思います。
#6
○專門員(泉芳政君) 便宜代つて私から浜松事件の概要と、その調査の結果について御報告いたします。
 彈劾裁判所の裁判員であられる方々はすでに御承知のことと思いまするが、天野判所の彈劾裁判所における事件に関連して、表面に現われた問題でありますが、靜岡地方檢察廳浜松支部の大久保檢事から、天野判事に宛てて逮捕状の請求が出ました際に、その記載が不十分であるということに関連しまして、大久保檢事が天野判事を馬鹿野郎と罵つたということ、それからその逮捕状の記載が、判事側では不十分であると言い、檢事側ではこれで十分だといつておる。併しことは人権にも重大な関係を持つ逮捕状の要件に関する事柄でありますから、本委員会として逮捕状は如何に記載せられるべきものか、どういう要件を備えて然るべきものかというようなことを調査し、併せてその大久保檢事がその際に取つた態度は好ましくないものではないかということを調査して呉れという要求が、彈劾裁判所の裁判長であられた当委員会の鬼丸委員から、調査要求として提出されたわけであります。前以て二月の下旬浜松へ調査員を差向けまして、当の大久保檢事、それから浜松支部の上席檢事の國又、それから上席判事、それから靜岡の地方檢察廳の白上檢事正、それらの方々について下調査をしたのでありますが、大体の荒筋は事実として認められるのでありますが、殊に彈劾裁判所から裁判事件について調査せられました詳しい記録が取寄せられておりますので、逮捕状の記載その他はそれによつて明白なのであります。ただそれが十分であるかどうかということは、今後司法研修所、或いは檢察廳当局、裁判所当局についても、その意見を聞かねばなるまいと考えておる次第であります。馬鹿野郎と言つたかどうかという問題につきましては、さような折衝の際に、大久保檢事はそんな馬鹿なことがあるのかと言つたのだと言つておりますし、天野判事は、いや確かに電話で馬鹿野郎と言われたのだというので、前後の事情から見てみますと、どうも後者の方が、いろいろな証拠関係から尤ものように思われるのであります。尚第二回目に、又同じような記載の逮捕状の請求がありまして、それも天野判事によつて拒まれんとしたわけでありますが、その際に大久保檢事は新聞記者を集めて、こんな分らずやの判事がいるというような談話をいたしまして、それが地方新聞に一斉に発表されたのでありますが、大久保檢事の弁解としましては、特別にそのために新聞記者を集めたわけではないが、たまたまその際新聞記者が來ておつたので、そういつた欝憤を洩したことがあつた、それが図らずも新聞に載つたのだというような弁解であります。以上のような次第でありまして、若し調査員としての意見を述べることをお許し願えるならば、当委員会として調査を進めた方が適当ではないかというふうに考えております。
#7
○松井道夫君 逮捕状の記載の内容を読上げて下さい。
#8
○專門員(泉芳政君) 主として問題になつた部分を簡單に申上げたいと思います。被疑事実の要旨というところは、これは大体その犯罪事実の要旨となるようなことを書いたのでありまして、問題になりました部分は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足る相当な理由という記載欄に、最初檢事は証拠物件の存在、関係人の供述ということだけ書いてあるのであります。それで判事の方は、これでは非常に抽象的で分らんという申出をしまして、第一回にはあとで補充するという約束で逮捕状が出たそうですが、その補充された文言は、関係人後藤秀次、仲田繁治、鈴木梅吉の供述、というものが括弧して挿入せられたものであります。第二回目に逮捕状を、又別の被疑者について請求しました際には、被疑者が罪を犯したことを疑うに足る相当な理由という欄に、依然として右取引関係を証する書類の存在並びに関係人の供述、という抽象的な記載のみがなされまして、前に要求せられたような具体的な記載が遂になされなかつたということであります。
#9
○委員長(伊藤修君) 次に星野議員よりの沼田事件の調査について、調査員をして下調査いたさせました結果を御報告申上げます。
#10
○調査員(及川泰吉君) 沼田事件の調査の経過並びに結果について簡單に御報告申上げます。沼田事件と申しますのは、群馬縣利根郡白澤村に起りました暴行傷害事件でございまして、元來白澤村は民主党系の保守派と共産党系の革新派が事々に軋轢しておりましたのですが、たまたま昭和二十二年この白澤村字生枝に、天台宗の、観音寺というお寺があるのですが、そこのお寺の小作地返還問題で、四人の小作人が土地の返還を拒絶した関係から、村の部落の役員、延いては部落一般と衝突することに至りました。これが遠因となつて昭和二十三年の七月二十三日に村で祗園祭があるのですが、祗園祭の前にこの四人のところに御輿の乘込みがあるという風評があつたというような関係から、四人が恐れをなして縣に保護方を訴え出た。ところが縣の方ではそれを所轄警察に通知しまして、結局所轄警察の方でお祭の取止めを命じた。ところが村の方ではお祭を取止められては困るというので、又部落集会を開きまして、この四人を招きそうして警察に再び陳情に行つたのでございます。その結果警察の方ではお祭の許可を與えたのですが、その責任問題で七月二十二日部落集会を開いた席上で、この四人に対して部落民が暴行いたしまして、その結果、そのうち三人が相当の傷害を受けた。事件の概要はそれだけであります。それに対して、部落の役員連中がいわゆるボスであるかどうか、それから警察並びに檢察廰関係で事件の取扱いに対してその部落の役員連中、或いはその他の方面から何らかの干渉を受けたかどうかということが主眼点になり、その点を調査いたしました。その結果部落の役員と申しましても特にボスと考えられるような存在ではないのでありまして、この四人がむしろ村の連中、部落の役員だけでなくて、村全体の方から排撃を受けていたというような点しか見当らないのであります。又警察、檢察廰の方の取扱いは、部落の駐在巡査の取扱いについては少し手落ちがあつたと認められるのですが、警察当局及び檢察廰の方の取扱いについては、別に村の役員の干渉も受けていないし、それからボスその他の政治的な圧力なども受けていないように見受けられました。簡單に御報告いたします。
#11
○委員長(伊藤修君) 以上二件に関しましては、尚十分研究いたしまして、これが取扱い方を決めたいと存じますが、その取扱いにつきましては理事会に御一任願うことに御異議ありませんですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○委員長(伊藤修君) ではさよう決定いたします。
 次に休会中継続調査いたしましたところの宮城事件及び福島事件、甲府事件、それから本庄事件並びに浦和充子事件、以上五件につきまして、お手許に差上げましたような調査報告書ができましたのですが、これに対しまして一一この内容を御説明する煩を避けまして、この報告書を議長に提出いたすことを御承認願うことにいたしたいと存じます。御異議ありませんでしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○委員長(伊藤修君) では本報告書通り決定いたします。
 以上を以ちまして休会中におけるところの本委員会の継続調査は大体の部分は終了いたした次第でございますが、目下継続しておるのは昭和事件と佐々木松夫事件と二件であります。その他につきましてはまだ調査は開始していないのであります。さような次第でありますから、休会中におけるところの報告をこれにより終了いたしたことにいたします。
 尚本会議におきまするところの口頭報告をいたします場合には、その内容につきましては、只今決定いたしました調査報告書によることといたしまして委員長に御一任願いたいと存じます。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○委員長(伊藤修君) 御異議ないと認めます。他に何か……。では本日はこれを以て閉会いたします。
   午前十一時十六分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     伊藤  修君
   理事
           岡部  常君
           宮城タマヨ君
   委員
           大野 幸一君
           齋  武雄君
           深川タマヱ君
           松井 道夫君
           松村眞一郎君
           星野 芳樹君
   常任委員会專門
   員       泉  芳政君
   同   調査員 及川 泰吉君
ソース: 国立国会図書館
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