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1967/12/21 第57回国会 参議院 参議院会議録情報 第057回国会 内閣委員会 第3号
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1967/12/21 第57回国会 参議院

参議院会議録情報 第057回国会 内閣委員会 第3号

#1
第057回国会 内閣委員会 第3号
昭和四十二年十二月二十一日(火曜日)
   午後一時十八分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十二月二十一日
    辞任         補欠選任
     中村 英男君     鶴園 哲夫君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         豊田 雅孝君
    理 事
                石原幹市郎君
                八田 一朗君
                北村  暢君
    委 員
                源田  実君
                佐藤  隆着
                柴田  栄君
                菅野 儀作君
                船田  譲君
                山本茂一郎君
                伊藤 顕道君
                鶴園 哲夫君
                中村 英男君
                前川  旦君
                山崎  昇君
                多田 省吾君
                中沢伊登子君
   国務大臣
       国 務 大 臣  田中 龍夫君
   政府委員
       人事院総裁    佐藤 達夫君
       人事院事務総局
       給与局長     尾崎 朝夷君
       総理府人事局長  栗山 廉平君
       防衛庁人事局長  麻生  茂君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊藤  清君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○防衛庁職員給与法等の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(豊田雅孝君) ただいまより内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、中村英男君が辞任され、その補欠として鶴園哲夫君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(豊田雅孝君) 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案及び防衛庁職員給与法等の一部を改正する法律案。
 以上三案を一括して議題といたします。
 これら三案は去る十九日衆議院より送付せられ、趣旨説明はすでに聴取いたしております。
 それでは、これより三案を一括して質疑に入ります。なお、関係当局からの御出席は、田中総理府総務長官、佐藤人事院総裁、尾崎給与局長、栗山総理府人事局長、麻生防衛庁人事局長、津吉大蔵省給与課長、以上の方々でございます。
 それでは、御質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○伊藤顕道君 先般提案理由の説明を承りましたこの法律案をいろいろ検討してみますると、人事院勧告と比較して相違しておる点が二点あろうかと思うのです。その一点は、いままでの都市手当を調整手当に改めたことと、他の一つは、実施の時期を五月から八月に改悪しておる点、この二点であろうかと思うんです。そこで、この相違点からまず順序としてお伺いしたいと思います。
 まず、都市手当を調整手当に改めたには、何か理由があろうかと思いまするが、その理由は一体那辺にあるのかということ。また、調整手当は都市手当とその性格について、どのような違いがあるのか。それとも、勧告の都市手当と全く同一のものと理解してよろしいのかどうか、こういう点についてあわせてお答えいただきたいと思います。
#5
○国務大臣(田中龍夫君) お答え申し上げます。
 ただいま御指摘の都市手当につきまして、勧告と相違いたしました調整手当をつけたということでございまするが、御案内のとおりに、都市と農村との地域格差の是正という国の基本的な施策に対しまして、いかにも都市のみを優遇するかのような印象が強過ぎはしないかといったような懸念なり配慮がございまして、その名称につきまして、都市手当というような刺激的なものを避ける必要がある。これにつきましては、関係閣僚会議におきまして、十分慎重に検討をいたしました結果、かようにいたしたものでございます。
 なおまた、新規採用等につきまして、公務員のほうの給与が低いために、地域的にはなかなか採用が困難であるといったような面もございまして、人事院のほうとも十分御相談をいたしまして、いたした次第でございます。
 それからもう一つ、第二の点の勧告どおりに実施期日をしなかったではないかという御質問でございまするが、この点につきましては、ただいまの財政硬直化といったような問題やら、予算の編成上のいろいろと財源の困難というふうなこともございまして、政府といたしましては、従来九月を実施期日といたしたのでありますが、誠心誠意、できるだけのことはしなくちゃならぬというような気持ちから、一カ月繰り上げましたような次第でございまして、政府の人事院尊重に対しまする気持ちといいますか、誠意のほどはどうぞ御了承願いたい、かように存じます。
#6
○伊藤顕道君 私がお伺いした要旨は、勧告の都市手当について、調整手当と性格はどういうふうに違うのか、それとも全く同じものなのか、どういうふうに理解したらよろしいかと、そこに論拠はあったわけです。
 なお、いま御説明がありましたけれども、実施の時期等については、後ほど順を追うてお伺いしたいと思いますので、いまお伺いするのは調整手当一本にしぼって、当面お答えいただきたいと思います。
#7
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま申し上げましたような人事院の勧告に対しまして、実質的には同じような気持ちでございまするが、ただ三年間に人事院に研究していただきまして、そしてこれを改正するといったような、関係閣僚間の、政府といたしましての慎重に検討を加えた結果、かような名称を用いた次第でございます。
#8
○伊藤顕道君 政府はさきに給与関係閣僚会議で、人事院勧告を検討したわけですが、その際、この都市手当の創設に難色を示す意見が相当強く出されたと聞いておるわけです。そこでお伺いしたいのは、政府部内でどのような点が一体問題となったのかという点と、それから、問題はあったにもかかわらず、いま御説明のあったように、名称を変えたのみで、実質的には変わらぬと、この手当の新設に踏み切った経緯についてもあわせて承りたいと思います。
#9
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま冒頭申し上げましたように、関係閣僚間におきまして、都市と農村の格差の是正、均衡ということを強く打ち出しておりましたし、さようなことから、いかにも都市手当という名称が偏重いたしているようにとられてはいかぬ。また第二の点は、官民給与の格差が顕著でございます。かつまた、物価とか生計費が特に高い地域におきましては、公務員の採用なり維持がはなはだ困難となっているというような実情に対処いたします措置といたしまして、かような手当を新設した次第でございます。この手当は俸給その他の給与につきまして地域的な調整を行なうためのものでございますという性格は当然のことであります。なお、政府といたしましては、諸般の事情を総合勘案いたしましてこの名称を用いた、こういうことでございます。
#10
○伊藤顕道君 この都市手当ですね、前に地域給がありましたが、この地域給の復活になろうかと思うんです。そうだとすると、人事異動に支障を来たすなど、いろいろ問題があるわけで、その点については当委員会においてもすでに審議の結果、その点が指摘されているわけです。人事院の報告を見ますと、地域による官民の給与格差が存在すると説明いたしておりますが、これは否定できない現実であろうかと思うんです。そうだとすると、政府は今回勧告を一応そのままにして実施しようとしているけれども、このような地域のいわゆる格差について、政府としては基本的にどのように一体考えているのかという点と、このような格差がある以上、これに対して何らか給与上の措置が必要ではなかろうか、こういう点、どのように考えているのか、この地域政策を推進することによって解決しようとお考えになっているのか、こういうような点についてひとつあわせて御説明いただきたい。
#11
○国務大臣(田中龍夫君) この件につきましては、三年以内にこれらの手当を、必要と認められるを措置勧告していただくことを目途にいたしまして、人事院に調査研究していただく、かようになっておりますが、なお詳細の点は担当官からお答えをいたさせます。
#12
○政府委員(栗山廉平君) 補足さしていただきますが、先ほど関係閣僚会議のお話がございましたが、関係閣僚会議につきましては、人事院勧告のございました八月十五日に行なわれたのが第一回の会合でございますが、以来六回にわたりましてあったわけでございます。従来からの構成員であります総務長官、官房長官、大蔵大臣、労働大臣、自治大臣、経済企画庁長官が従来の構成員でございまするが、本年は特に都市手当の勧告の問題に関連しまして文部大臣が加わられたのでございます。
 先ほど申し上げましたように、六回にわたりまして、この勧告の取り扱いにつきましての慎重な検討を重ねた次第でございますが、問題の焦点となりましたのは、先ほど仰せられましたような都市手当の問題が焦点の一つでございます。都市手当につきましては、勧告がなされましてから、各方面からの種々なる問題が出されているのでございまして、たとえば都市と農村との地域格差の是正という国の基本的施策に逆行するのではないかというような点が一つ出されております。給与に地域格差を設けることは、人事異動の障害となるのではないかというような点も出されております。それから、都市のみを優遇するというような印象が強過ぎはしないかといった点も出されておるわけでございます。これらの点を慎重に検討いたしました結果、名前を、先ほど総務長官が申しましたように調整手当というふうに変えさせていただきまして、勧告の実質的な――実質におきましては変わりないということで施行さしていただくことにいたしたわけでございまするが、先ほど申しましたような各種の点があることにかんがみまして、調整手当につきましては、今後三年以内に人事院におかれまして十分調査研究をしていただきまして、そういうような問題につきましての御研究の結果を、適当と認める勧告をしていただくということの政府の方針になったわけでございます。
#13
○伊藤顕道君 本法の附則で、調整手当については人事院は三年以内に、先ほど御説明もございましたが、調査研究の上、必要な措置を国会及び内閣に勧告する、そういうことを規定しておるわけです。そこで、この規定を設けた理由は一体那辺にあるのかということ。いわゆる条件つきで設けられたことになるわけですが、政府はそうだとすると、将来これを改正しようとお考えになっておるのか、それとも、三年後はもう廃止しようとのお考えを持っておるのか、こういう点についても御説明いただきたいと思います。
#14
○国務大臣(田中龍夫君) 従来の経緯につきましては担当官から申し上げまするが、これを廃止するというような気持ちは持っておりません。
#15
○政府委員(栗山廉平君) ただいま先生仰せられましたように、三年以内に勧告をしていただくという条文があるだけでございまして、三年たったらなくなるというような規定にはなっておりませんので、条文の上ではそのまま続く。ただし、三年の間に十分な御研究をいただきたい、御勧告をいただきたい、こういう趣旨でございます。
#16
○伊藤顕道君 そこで、このことに関して人事院にお伺いいたしまするが、人事院としては、この規定をどのように受け取っておられるのか。総裁としては、給与法第二条の規定によって、多年の課題であったこの問題を、今日のこの機会をとらえて、都市手当の新設ということで解決に踏み切ったというふうな意味のことを述べておられるわけです。いわば人事院としては、まあ人事院として考えるならば、これは最善の方法として勧告したものと思うが、これに対して期限を付して再検討を命ぜられることになったわけですが、これに対してどのように対処していかれる御方針なのか、この点についてひとつ明確にしていただきたい。
#17
○政府委員(佐藤達夫君) 附則の問題でございますが、ただいま仰せになりましたように、私どもとしては給与法の二条六号に基づいて今回御提案を申し上げたわけであります。結局、その給与法二条六号には、地域的な格差ということが大きな条件になっております。この格差なるものが、始終これは動いておるということも当然のことでございます。私どもとしては、今回の勧告をもってもうその関係には一切目をつぶるということは、本来あってはならないわけでございます。その辺の調査研究あるいは検討を、もちろん今後も続けてまいるつもりで初めからおったわけでございます。さらにまた、政府の諸施策、非常によろしきを得ますれば、地域格差そのものがなくなってしまうかもしれません。それがなくなってしまえば、全面廃止してもよろしいということに、給与法の条文からいうとなりますが、そういうこともわきまえながら、検討は続けていかなければならぬことだという心がまえでおったわけでございます。
 これが三年というのはどういうところで三年になったのか、四年ではいけないか、五年ではいけないかということは、私どもにはわかりません。わかりませんが、一応三年というめどをつけられたならば、それはそれなりにこれをめどにする、といいましょうか、わりあいすなおな気持ちでそれに臨んでおるわけでございます。
#18
○伊藤顕道君 先ほどの説明で、都市手当が調整手当と名称を変えたけれども、その性格には変わりはないということでありますが、そこでお伺いするわけですが、人事院はその地域の指定にあたっては、都市手当を勧告した趣旨に沿って、民間給与との格差とか、あるいは物価あるいは生計費、この相違を考慮して指定する考えなのか。現在の暫定手当の四級地あるいは三級地をそのまま甲地、乙地に指定するということも伝えられておるようですが、人事院の考え方は一体どうなのか、この際明らかにしていただきたいと思います。
#19
○政府委員(佐藤達夫君) 私どもの勧告のねらいは、いまおことばに触れられましたような経過的の措置というようなことはむしろ深く考えておらぬので、あるべき姿ということを単刀直入に目ざして御説明もしてまいったわけです。そういう点からまいりますというと、官民給与の格差であるとか、物価、生計費などのやはり地域的な格差ということが柱になりますから、私どもの作業としては、勧告直後もそういう趣旨のことを御説明申し上げたと思いますが、まあ事務的と申しますか、技術的と申しますか、そういう面からは、いま申しましたような尺度によってこれを選別していくという作業を続けておりましたし、現にまだやってはおるわけです。
 しかし、御承知のように、この勧告の後にいろいろ、三、四級地をそのままという話もちらほら出てまいりましたし、さらに御承知のように、衆議院の委員会ではその趣旨の附帯決議がございました。私どもとしては、やはり国会の御意思というものを十分尊重してまいりたいという気持ちで今度の御審議にも臨んでおるわけでございます。
#20
○伊藤顕道君 この暫定手当の四級地、三級地をそのまま甲地、乙地に指定することは、最も安易な方法であろうかと思うのです。それではしかし、暫定手当の定額方式を定率方式に改めるということであって、人事院のいわゆる都市手当設置あるいは暫定手当整理の勧告の趣旨に沿ってこないのではなかろうかと思うのです。
  〔委員長退席、理事八田一朗君着席〕
そこで、人事院は具体的にいかなる根拠に基づいてこの地域指定を行なうのか、いま一度御説明いただきたいと思います。
#21
○政府委員(佐藤達夫君) 先ほど申し上げましたように、また勧告直後に申しましたように、勧告そのものに対する私どもの考え方としては、うたっておりますように、民間給与、これの格差を地域ごとに求め、あるいは物価、生計費についてもそれぞれ詳しいデータを集めております。新しいデータが出れば出るなりに、着々それを収集して、そうしてそれの尺度から選別の振り分けの準備作業をやっておるということでございます。したがいまして、大体これも勧告直後に申し上げたと思いますけれども、四級地の中から甲地が出てくる、三級地の中から乙地が出てくる、大ワクを申し上げますればそういうことになると思います。
#22
○伊藤顕道君 ただここではっきりお伺いしたい点は、甲地はどのような基準に合致するものが出るのか、乙地についてはどうなのか、こういうことをはっきりしないと、甲地、乙地の指定はできないと思うわけですが、この点はどうなのか。そういうことと、地域指定の人事院規則はこの本法公布と同時に行なわれると思うわけですが、その地域は具体的にどのように決定しておるのか、このことをひとつあわせて御説明いただきたいと思います。
#23
○政府委員(佐藤達夫君) 先ほど述べましたように、最も新しい資料を集めて、それのもとに振り分けをやっておるわけでございますからして、まだ率直に申しまして、人事院会議で最終決定するという段階にいっておりません。最後の詰めに入っておるということでございますからして、どことどこかという具体的なことを申し上げる段階にまだ入っておりませんけれども、いざということになれば、徹夜ででもやらなければならぬことだと思っておりますけれども、いまのところは、まだそういう段階ではありません。
 したがって、まず大まかにいって、先ほど触れましたように、四級地の中の多くのものが甲地になるでありましょう。なお、三級地の中から多くのものが乙地になるでありましょうということ。したがいまして、いまの技術的な尺度から申しますというと、四級地の中から甲地にならないもの、あるいは三級地の中からそれに漏れるものというようなものも理論的にはある。これもかねがね御説明したとおりのことでありますが、大体そういうことになりそうだということをお含み願いたいと思います。
#24
○伊藤顕道君 なお、この問題についてはいろいろお伺いしたい点もございますが、時間の制約もございますので、次に、第二の問題である実施時期の問題について、総理府総務長官を主体にお伺いしたいと思いますが、これは、繰り返し従来お伺いしてきたところでありますが、政府は去る十月二十日の閣議において、人事院勧告は五月一日実施とあるわけですが、これを八月に改悪してしまった。このことについては率直に遺憾の意を表さざるを得ないわけです。政府は、過去七回にわたって、一方的にいつも財源難を口実にして実施時期を繰り下げてきたわけです。勧告にも明らかなように、人事院からも特にこの点指摘されておるわけですが、本年こそこの完全実施を妨げる事情は何一つなかったわけです。にもかかわらず、またこれを踏みにじってしまったということは、人事院制度を政府みずから否定することになろうかと思うのです。これはまことに問題だと思うのです。こういうことは一体どう考えておられるのか、給与担当大臣としてのひとつ明快な考えをお聞かせいただきたい。
#25
○国務大臣(田中龍夫君) まず、人事院の勧告を尊重するという、この基本的な考え方につきましては、何ら変わってはおりません。完全実施をしたいところでございますけれども、御案内のとおり、非常にきびしい財政状況、特に今年問題になっておりまする硬直化、こういうふうなことで、補正予算の財源の捻出につきましては非常に苦慮をいたした次第でございまして、かような次第で、ぜひとも人事院の勧告にできるだけ沿いたいというその趣旨に基づきまして、従来は九月であったものを一カ月繰り上げた。こういうことは政府の気持ちの一つのあらわれだろうと御了承賜りたいと思います。原因は何と申しましても補正予算の財源難ということが根本でございます。
#26
○伊藤顕道君 公務員賃金の引き上げ問題の根本は一体何かということですが、私は財政上余裕があるかないかということでは絶対にないと思うのです。財政上の余裕があるかないかできめるのではなくて、繰り返し従来申し述べてきたように、政府の公務員に対する、いわゆる給与政策、これに対する政府の姿勢の問題だと思うのです。そこで完全実施するという基本方針をまず打ち出して、それに沿うて、そのためには一体財源をどうするかと、こういう順序で考えが進まなければならないわけであります。ところが最初から財源がどうだこうだということで初めから討議しておる。実質的にはいつも言っておるように、財源に何ら関係がないということは、これからいろいろな角度から申し上げるわけですが、財源ではなくして、いわゆる公務員に対する給与政策、これは一体どうなのか、公務員の給与に対する政府の姿勢の問題だということを従来も強調したし、ここでまた繰り返し強調せざるを得ないわけです。したがって財源に余裕があるかないかということは第二の問題。方針がきまって、初めてこの方針を完全実施するために一体財源をどうしたらいいかと、こういう順序でものは進まなければならないと思う。いまのこの点は一体どうお考えなのか。
#27
○国務大臣(田中龍夫君) 公務員に対しまする根本的な考え方の御質問でございますが、御案内のとおりに、政府といえども公務員によって構成せられておるものでございます。決して同じ公務員といたしましての政府が、自分のところに奉職しておられまする公務員の諸君に対して、できるだけのことは当然しなければならない。ただ財源難という一言でございますが、やはり人件費、事業費等の問題の関係もございましょう。ことにまた本年は財政硬直化ということで、もう耳にたこができるほどお聞きになっておると存じまするけれども、この問題は非常に本年の補正予算の編成等等にあたりましては、政府といたしましても苦しんだ次第でありまして、かような関係から、しかし、その中におきましても、できるだけのことはしなければならぬという気持ちで、一カ月の繰り上げをいたしたのでございます。
#28
○伊藤顕道君 政府は勧告を受け取ると、この勧告にある実施の時期とは何ら関係もなく、ただ政府の口からいうと、財政上いつにすべきかということから、閣議で、特に関係閣僚で審議を進めて、それで一たんきまってしまうと、完全実施のための努力はもう完全に放棄してしまって、来年までそのまま。まあ当該委員会で適当に答弁しておけば、一年間また何ら問題がない。また次の年度に人事院勧告をされると、また勧告の実施の時期とは無関係に、かってに実施の時期をきめるというふうに、完全実施しようとする意図が何らの形にも出てこないわけです。ということを毎年繰り返してきておるので、完全実施はなかなか望めないわけです。こういうことでは相ならぬので、もう毎年毎年同じことを三十五年以来繰り返してきておるわけで、財源難、財源難という一方的の口実だけは毎年同じわけです。
 しかし財源難の問題でないということは、もうしばしば従来からも私どもは指摘してきたわけです。決して財源には関係ない、このことは後ほどまた詳しく申し上げますが、一体こういうことを繰り返しておったのでは、いつになっても完全実施の時期は出てこないと思うのですが、一体どういうふうにお考えなんですか。完全実施しようとする姿勢で取り組んでおるという姿勢が見られぬわけです。この点についての態度をひとつ明確にしていただきたいと思います。
#29
○国務大臣(田中龍夫君) 政府はただ一ぺんきめただけで事足れりとしておるというようなことでは絶対にございません。さような関係から、ただいま先生方もよく御承知のとおりに、何とか人事院の勧告を円滑に実施するようにいたしたいというような配慮から、この財政の編成にあたりまして、それと勧告の時期とを調整したらばどうだろうかといったような、いろいろなただいま研究なり配慮をいたしておることは、御承知のとおりでございまして、決して勧告を一方的に政府がかってな時期にきめて、そうして、あとはほうっておくというようなことではなく、その人事院の勧告を何とか実施をできるようにしなきゃならんという趣旨のもとに、財政編成時期と人事院勧告との調整円融というのがただいま論議されておる次第でございます。
#30
○伊藤顕道君 結局政府は人事院の勧告に対してどう考えておられるのかと聞けば、口をそろえて尊重いたしますということを三十五年以来、毎年毎回繰り返してきたわけです。しかし、実質的には何ら一歩も前進していない。昨年までで大体その繰り下げ分を合計すると、三十二カ月分にもなるわけです。で、全体では大体昨年までで三千億を突破しようとしておる。こういう公務員側から見ると大きな損失となっておるわけです。で、この勧告の改善率の内容か低下してしまったんでは、人事院の勧告それ自体もきわめて不満なものでありますが、そういうことは一時おいて、人事院勧告の改善率も非常に低下してしまうわけですね、勧告を引き下げてしまうということになると。勧告は尊重する、しかし、実施の時期については財源の関係もあるので、これは九月だ、八月だということになると、たとえば八月にしても、五、六、七と三カ月分、これはもう完全に切り捨ててしまうわけですから、それだけ内容が低下するわけです。内容を低下しておいて、これを尊重するということは、どこからも出てこないはずだ。にもかかわらずぬけぬけと、毎年勧告は尊重いたしますと、必ずそういうお答えが出るわけです。どの大臣から伺っても、必ず勧告は尊重する、その裏では勧告を軽視、無視しておるわけです。軽視どころか無視しておって、内容ははるかに低下しておるわけです。
 いままでの例によると、大体四%ぐらいしか上がっていないわけです。実施の時期を五月一日にすれば、人事院の勧告どおりのパーセントが出てくるわけですけれども、実施時期を値切ってしまうから、結局大体いままでのところ四%ぐらいのベースアップしかない。これでは物価の上昇にとうてい追いつかないわけです。こういうことをあわせ考えると、これはきわめてもう遺憾千万で、無責任もはなはだしいと思うんです。で、財源、財源と言われるわけですけれども、それでは昭和三十七年とか八年、この年は、特に三十八年は財政上非常に余裕のあった年なんです。これは池田内閣のときですが、その年でも、その年だけ出すわけにも政府としてはいかんと考えたんでしょう。この年ですら財源が苦しいのでという表面の理由で、その年も財源上そのときは十月の実施であったわけです。で、こういうことをあわせ考えても、これは財源に何も関係がない。財源に余裕のある年でも財源が苦しいからというのでは、やはり問題にならぬわけです。こういうことも過去においてあったくらいに、これはもう完全に財源の問題でなく、政府の公務員の給与に対するいわゆる給与政策、姿勢の問題だと、繰り返し指摘せざるを得ないわけです。
 そこで、お伺いするわけですが、ひとつこの根本的な問題、人事院の勧告を文字どおり尊重するならば、その改善率を低下したのでは意味がないではないか。そのとおり完全実施して、初めて尊重したことになるわけです。政府は尊重するとは言っておるわけですから、その尊重を文字どおり実現に移して、初めて政府の責任が完遂できると思うのです。労使間のいわゆる労働関係を善導する意味からも、いわゆる使用者側である政府にこの点大いに責任があろうかと思うのです。この点、一体どうなのですか。
#31
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま御指摘のように、もとは十月でございましたけれども、九月にし、八月にいたしたと、こういうことも、やはりできる限りのことはいたしたいという気持ちの、ほんとうに真摯な気持ちの表現であろうと存じます。なお、この公務員の給与は、一つの経営体としての国家というものの、政府というものの、やはり人件費、事業費というような大きな区分からいたしますれば、政府の施策の諸般の経費というものの膨張  歳出を考えなければならぬというような財政当局の考え方、そういうふうなことで過去においてはまいった次第でございますが、しかし、人事院の勧告に対しまする尊重ということにつきましては、これはもうあくまでもその理念で買いておるということは、あらためて申し上げておきます。
#32
○伊藤顕道君 同じ公務員である三公社五現業に対しては、これもその財源には相当苦慮しながらも、御承知のように建設事業を繰り延べたり、経費を移用、流用して、三十二年以来、毎年仲裁裁定どおり、しかも五月でなく四月にさかのぼって完全実施しておるわけです。しかし、これは公社現業といえども、最初からいわゆる仲裁裁定どおりの完全実施がなされたのではなくして、長い間やはり完全実施は望めなかったわけです。ところが三十二年になって、政府はこの組合のいわゆる切なる要求をいれて政策転換をやったわけです。いわゆる給与政策の転換をやって、そして三十二年以来、仲裁裁定どおり完全実施をしたと、こういうことである。本年完全実施を一般職に対してやったとしても、十年おくれているわけですね。三十二年に完全実施しているわけです、以来引き続き。そこで、先ほども言ったように、この点からも財源に何ら関係ない政策の問題であるということが言えると思うのです。
 公社現業に余裕があるならいざ知らず、特に国鉄のごときは赤字に悩んでおるにもかかわらず、その一環として、三十二年以来赤字に苦しみながらもやるべきことはやっておる、完全実施しておるわけです。一般職の場合に限って財源、財源と、特にことしは財政の硬直化というようなうまい理由を立てて、これをまた一月ぐらいでごまかして、完全実施にはるかに及ばないわけです。そういう点からも、なぜ公社現業について完全実施できるこの日本の政府が、一般職についてどうして完全実施ができないのか、こういう不合理な点が出てくるわけですね。同じ政府でしょう。公社現業に対して完全実施しておる日本の政府、その日本の政府が、一般職について完全実施できないという理由はないわけです。しかも十年間もいままで毎年毎年検討を重ねてきたわけです。同じことを繰り返し繰り返し十年もやってきたのだから、もうこの辺で完全実施できる政策が打ち出されてしかるべきだ。しかもそれは使用者側である政府の責任です、労使の間の問題を合理化していくのは。一体どうなのですか、これは。
#33
○理事(八田一朗君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#34
○理事(八田一朗君) 速記を起こして。
#35
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま三公社五現業の決定と違うじゃないかという御質問でございますが、これは御承知のとおり、独立採算制の企業体としての給与の決定をいたしておりますので、一般職の場合と非常に異なる決定方式になっておりますために、かようになってまいった次第でございます。なお、一般職に対しましても、われわれは人事院の勧告を何とかりっぱに実現したい、そういうふうな気持ちの一つのあらわれといたしまして、いろいろとただいま、当初予算から予備金として組み込んでおいたらどうかとか、あるいはまた、勧告の時期を調整していただいたらどうかとか、そういうふうにいろいろと一般職の面でも改善をいたしたいということで努力をいたしております。
#36
○山崎昇君 それじゃ、総務長官留守の間、人事院総裁に少し給与の基本的な点について二、三点お聞きをしておきたいと思います。
 第一は、労働基準法の十一条を見ますと、賃金の定義がありまして、種類のいかんを問わず、労働の対価として支払うものを賃金という、こうなっておるのですが、一般的に言えば、この労働基準法も公務員に適用になっているわけです、部分的には抜けておりますが。そこでこの基準法の賃金の定義と、いまの公務員給与法に載っておる給与と比較をしてみて、どれが労働の対価として支払われておって、どれがそれ以外のものか、まず明らかにしてほしいと思います。
#37
○政府委員(佐藤達夫君) 労働基準法のたてまえは、非常に大きな立場からの労働者保護という見地で条文ができておりますために、概念のとらえ方が非常に大まかになっておるわけです。ところが、公務員法の場合は、給与法の場合は、そのものずばり公務員給与を対象としての立法でありますから、わりあいに精密な構成になっておる。大きく言えば、そういうところからくると思います。したがいまして、基準法で申します賃金というものの中には、いわゆるわがほうで申します俸給、すなわち基本的部分に当たるものとして、もちろん俸給というものを含んでいることは当然でありますけれども、その周辺のものも幅広く手当類までも含んでおる、こういうふうに考えてよろしかろうと思います。だから民間の会社などでも、給与の規定をはっきりおきめになっておりますところは、本俸とそうでないものと区別を立てております。それらを包括したものが基準法でいう賃金である、まあ大まかに言えばそういうことであろうと思っております。
#38
○山崎昇君 どうもはっきりわからないのですがね。労働基準法では賃金の定義というものがきちっとなっておるのですが、給与法では、個々の給与についての説明はあるけれども、労働の対価としての給与は何々だということについては何も載ってないのです。だから十一条と関連をして、給与法で直接労働の対価として支払われるものは何々ですか、そうでないものは何々ですかということを、いまあなたに聞いているわけです。ですから、あなたが、公務員給与法にいう俸給というのが、直接労働の対価として支払われるものであって、その他の手当はそうではないんなら、そうではないとか、そういうふうにひとつきちっと区分けをして御答弁願いたいと思います。
#39
○政府委員(佐藤達夫君) 基本的にどういうことをねらいとしてお尋ねになっていらっしゃるのか、その手のうちをあらかじめお示しいただくと、わりあいに率直にお答えができるのじゃないか。非常にアカデミックなスタートでお入りになりますものですから、だんだんそこまで、納得いくところまでたどり着くのに時間がかかるのじゃないかと思いますが。
#40
○山崎昇君 アカデミックに言っているわけではないのです。私自身も、どうもこの両方の法律を比較して見て、賃金という、片方は包括したことばを使う。公務員の場合は給与ということばを使われているのですが、その中身がどうも、私から言えば、公務員給与というものはこれは手当賃金ではないのか、簡単に言えば。それからもっと極端な表現を使えば、民間の追っかけ賃金であって、本来の言う労働の対価として支払われているようなものではないのではないか、こういうふうにある意味では解されるわけです、私自身は。ですから、この労働基準法で言っている賃金というものを公務員に当てはめたら、一体労働の対価として払われる賃金というのはどういうものであって、それを補完する、補う賃金といいますか、そういうものはどういうものをあなた方はお考えになっているのか、お聞きをしておきたいと、こう言うのです。
#41
○政府委員(尾崎朝夷君) いま総裁からお答え申したとおりでございますけれども、結局、基準法におきましては、包括的に労働の対価としまして一つの概念を規定しているわけでございます。で、その概念のもとにおきまして、各民間の会社におきましては、個々にその概念の中において給与の支払い規程がございます。諸手当、その他、本俸とか、そういうものがございます。公務員における給与法、一般職給与法のような中身のものは、そういう支払い規則に相当するものと考えているわけであります。つまり、それぞれの本給、扶養手当、その他につきましては、それぞれの定義は別にいたしておりませんで、これこれの場合にはこういうものを支給する、いわばそういう非常に簡潔な支給規定になっているわけでございます。したがいまして、そういう基準法における概念に相当するものは、そういう関係で、俸給、諸手当を全部総括したものがそれに相当するというふうに考えてしかるべきだと考えます。
#42
○山崎昇君 それは、ぼくは専門家としてはまことにおかしいと思うのですよ。それならあなた、通勤手当もそれじゃ労働の対価になりますか、包括概念からいけば。私の聞いているのは、基準法ではきちっと定義が述べられておって、給与法にはないのです。だから人事院としては、その包括概念からいけば、労働の対価として支払われるものは直接これこれであります、それを補うものについてはこういうものなんだということを総括して、給与体系になってくるわけでしょう。そういうことを聞いているんですよ。あの給与法はなにも実施法じゃないですよ。
#43
○政府委員(尾崎朝夷君) 通勤手当とか扶養手当、その他生活給的な手当がいろいろございますけれども、そういうものがかりに、民間にいろいろございますが、あるといたしましても、そういうものは基準法十一条に申します賃金、給料、その他、労働の対価として支払うべきそういうものに包括されているものと私は考えております。もちろんそれは、そういう労働がなければ支給されないという意味合いだと思うのでございますけれども、そういう意味合いと一応平仄の合った形で申しますれば、公務員給与法におきまして、それぞれの俸給、諸手当につきましては、やはり支給規則として給与法――法律が設けられておりますけれども、これはやはり包括して労働の対価という形で、労働があるところに支給されるという性質のものであるというふうに理解しているわけでございます。
#44
○山崎昇君 そうすると私はまことにふしぎに思うのです。たとえば指定職俸給表の場合は全部――通勤手当も何も包括して本俸になっている。一般職の場合はずらっと手当がいろいろ並んでいるわけでしょう。そうすると、同じ給与法であっても違うんじゃないですか、中身がね。だから、私はあなたに先ほどから聞いているのは、同じ給与法であっても、そういう矛盾点をあなた方つくっているわけだ。だから、労働基準法にいう直接の労働の対価としての賃金は指定職俸給表のようなものならそうだ。そうでなくて本俸だけなんだ。一般的にいって、その他の諸手当は、これは労働の対価として支払うべきものではないんだというならないんだとして、私ども聞いておきたいのです。そうでないと、このあと関連してあとでいろいろ聞きますけれどもね。どうも私はいまの公務員賃金体系というそのものがいろいろな矛盾を含んでいるから、まず冒頭に賃金の概念についてあなた方に聞いているわけです。もう一ぺんお答えください。
#45
○政府委員(尾崎朝夷君) もう一度同じことをお答えすることになって恐縮でございますけれども、扶養手当、通勤手当等、民間の事業所で支給されるものも、やはり労働があるところに初めて支給されるということで、広い意味での労働の対価、基準法十一条にいう賃金ということに包括されるものと私は理解しているわけでございますが、それと平仄の合った形で、公務員給与体系におきましても、俸給だけでなくて、通勤手当、その他の諸手当につきましても、扶養手当につきましても、やはり仕事というものがなければ、労働がなければやはり支給されないという意味合いにおいて、労働の対価――広い意味でのすべてそれらを包括して労働の対価というふうに理解すべきものと考えております。
#46
○山崎昇君 どうも私は理解できませんが、こればかりやっていたら時間がありませんから進みたいと思うのですが、幾らいまあなたが言っても、私どもが指摘するように、それならなぜ給与表土で指定職俸給表とその他の俸給表とああいう区分になるのですか。なぜ片一方には全部組み込まれて、それがすべて――あとでも触れますが、すべて退職金の基礎にもなる、年金の基礎にもなる。片一方一般職の場合には本俸だけが基礎になる。ものによっては扶養手当が入る、だから労働の対価だと、あなたは全部だと言いながらも、区別をされておるじゃないですか。だから私はまず冒頭に、あなた方が考えておる大半の職員はとにかく本俸その他で区別されているわけですから、ですからほんとうの労働の対価というのは本俸なら本俸なんだと、その他はいろいろと歴史的な経過もあり、生活も苦しいから、したがってそれを補完する意味で支給しているならいるというふうに言ってくれなければ、公務員給与法で差別がなされておると言ったら、あんまりいいことばでありませんが、体系が違っておるんじゃないですか。そういう意味でいま聞いているわけですが、これはどうもあまりやってもわかりませんから、あとで具体的に私は聞きます。
 そこで次に進むのですが、一般的にいまの公務員の給与というのは職務給だと、こういわれるのですね。ところが、私はどう考えてみても、職務給というには少し無理があるのではないだろうか、こう思うのです。具体的にこれも聞きますが、たとえて言うと、八等級の二号俸であります高校卒の初任給は、これは完全に生計費が土台ですね。生計費を土台にしてあなた方初任給をきめているわけです。ところが、この初任給八等級の一万七千三百円ですか、これが等級に割られると職務給だとあなた方は言うわけなんだけれども、私にはどうしてもこれがわからない。なぜ出発は生活給で生計費であるのに、等級に割ったらあなた方の言う職務給になるのか、この辺がまずわかりませんから、それが一つと、それから私は、総体的にいえば職務給とは言えないのではないだろうか、こう思うわけですが、それについての見解を伺いたい。
#47
○政府委員(佐藤達夫君) おっしゃるとおりに、職務給か生活給かという質問に対して、そのいずれであるという割り切ったお答えのできる体系にはまだなっておらぬと申し上げてよろしいと思う。ただ、指定職の職員の先ほどお話しのございましたあたりになってまいりますと、職務給的な性格が非常に濃厚に出ているということは言えますけれども、そうはなっていない。しかし、給与のたてまえについての、国家公務員法の指導理念は、官職の職務と責任に応じてなす、給与についてのあり方の基準をきめておりますから、公務員法なり給与法のねらっておる最終目標は、やはりある意味での、そういう意味での職務給だろうということは、これは否定できないと思います。しかし、今日の給与水準を大きく見まして、今日の情勢のもとにおいて、一体職務給に徹することができるかどうかということが、現実の問題でありまして、やはり大部分の方々の俸給についてこれを見ますと、やはり、いまおことばにありましたように、生活給的な要素をよほど加味しないと、これは穏当な給与制度とは言えないんじゃないかということにつながってまいりまして、結局、いまのお尋ねに出ますように、職務給には徹し切れないでおる、生活給的な要素がだいぶん入っておるというお答えが一番穏当なところではないかと思います。
 そこで、先ほどの第一の御質問がわかってきたわけですけれども、要するに、生活給的な扱いをしているという一つの例として、たとえばいまの通勤手当だとか扶養手当だとか、これはもう官職の条件にかかわらず、固定額でやっておるわけですね。その一部分は本俸に入っているんだ、これは申せます。すなわち、去年配偶者手当を千円にしましたが、一体千円で養えるかというような御批判があるわけです。それは千円だけで養ってくださいと申し上げるわけではない。本俸の中にもそれは入っているんですよという御説明を申し上げてきましたし、通勤手当についてもそうです。全額は支給されておらない。支給せよという御要望もありますけれども、支給されておらない。ある程度本俸でまかなっていただく。プラスアルファそういったもの、しかも固定額でついているというならば、生活給的な非常に色彩の濃厚なものがそこへかぶさって現状が組み立てられておる。第一のお尋ねがそれではっきりわかりました。
#48
○山崎昇君 そこで、人事院の出しております解説書等を私ども概括すると、大体いま総裁が言われたようなことになると思うんですね。たとえて言えば、三等級、本省の課長級以上の場合にはある程度職務給と言えるかもしれない。しかしそれ以下については生活給的な論理の支配がやはり大半だと、こう言う。そうすると、いまの公務員給与を総括して言うと、高校卒が大半なわけですね。課長級以上というのはごく少ないわけです。そういう意味で言うと、いまの公務員の給与というのは、これは生活給と職務給の混合形態なるものであって、職務給では割り切れない、また割り切るものでもない、こういうふうに私は理解をしておきたいと思うのですが、いいですか。
#49
○政府委員(佐藤達夫君) そのとおりに考えております。
#50
○山崎昇君 重ねてお伺いしますが、そうすると、行政(二)表なんかは、これはまるまる職務給なんぞというものではないんじゃないかとぼくは思うのですけれども、これはもう全く生活給だとぼくら見ていいのではないかと思うのですが、どうですか。
#51
○政府委員(佐藤達夫君) たてまえは職務給のたてまえに立ちながら、先ほど申しましたような現実の要請は無視できませんから、生活給的な要素が相当に大きく入り込んでおるということではあるまいかと思います。
#52
○山崎昇君 それでは次にお聞きしたいと思うのですが、給与法をずっと見ると、それぞれの項目のところでは一応の定義なり、あるいは内容なり書いてあるのですが、これからお尋ねする点については何も書いていないわけです。そこで、これもわかっているようでなかなかわからないからお尋ねするのですが、扶養手当というのは、これは一体どういう意味合いを持って、どういう存在価値があるのか、まずお聞きをしておきたい。
#53
○政府委員(尾崎朝夷君) 公務員給与の場合には、国家公務員法にございますように、やはり一応たてまえといたしましては、職務と責任に応じてやるというたてまえに立っておるわけであります。で、そこにそれだけで押していくというわけにはなかなかまいらないという点もございまして、現実に生活給的な面が考慮されておるということは、いま御議論になったところでございます。扶養手当の関係におきましても、やはり職務給で押していくと、扶養家族を持っておる方も持たない方も同様に職務給で押していくというわけにはなかなかまいらぬ。そこにやはり若干の生活給的な面をさらに加味していくというような必要があるわけでございまして、民間の事業所等におきましては、扶養家族手当等の名前におきまして手当が出されておるわけであります。そういう関係を調査をし、均衡をとりまして、公務員にも民間になされておると同様なものを支給するということで現存扶養手当をつくっており、これを運営いたしておるわけでございまして、その定義につきましては、先ほど申し上げましたように、給与法はそれぞれのいわば支給規則、支給準則を定めたものでございまして、それぞれの手当、その他について定義を一々規定しているものではございません。で、趣旨はそういうものであるというふうに理解しているわけでございます。
#54
○山崎昇君 どうもお答えがおかしいと思うのですよ。私が聞いているのは、一般職の給与法を見ても、たとえば調整給とは何々かというふうに書いてある。特別調整額とはなぜ支給するのかということも書いてある。ところが、扶養手当については何もない。ただ、いきなり次の云々については支給しますと、こうなっているから、だから扶養手当とは何ですかと、いま、あなたの説明を聞いていると、民間が云々、そんなことはわかっておる。そうでなくて、扶養手当という存在は何かというと、本体だけでは生活ができないからこれを出します、こういうのですね。そういうふうに理解していいですか、どうですか。
#55
○政府委員(尾崎朝夷君) そもそもでございますけれども、賃金、給与というのは、労働に対する対価という意味合いにおきまして、やはりたてまえとしては国家公務員法にございますように、仕事と職務と責任ということが一つの大きな中心になるということは言うまでもないところであると思います。で、国家公務員法におきましても、そういう筋が規定されておるわけでございまして、やはりそういう筋でいくわけでございますけれども、給与体系の中身においてそれだけでやはり押していくというわけにはなかなかまいらないという点で、いわば補助的な、補完的な手当がやはり均衡上、扶養家族を持っておる者と持っていない者とについて、その均衡という点について手当が支給されることがあるわけでございまして、民間でそういう関係が支給されておるという点をこちらのほうにも均衡上取り入れたということでございます。
#56
○山崎昇君 扶養手当は、いまあなたの説明とは違うのですよ。できた経過というのは、これは昭和十五年の十月にこの制度が発足しているのですね。当時戦争が激しくなって、本俸だけではめしが食えないから、したがって当時の判任官以下について家族手当というものがついたのが今日まで流れているわけです。ですから、いまのあなたの説明のようなことではおかしい。民間になかったんです。一番最初は公務員についたんです、これは。昭和十五年以来あなた方ただずらっとつけているだけであって、いまの説明では何にも給与の説明にならぬじゃないですか。むしろ民間のほうが公務員にならって扶養手当というものをつけた、歴史的にいえば。ですから、私は給与法を見ても、扶養手当の存在意義というのは何も書かれておらないし、いまの説明でも何にもわからない。もしもほんとうにあなた方が労働の対価としての給与体系というのを考えるならば、なぜ指定職俸給表のようなものを全部につくらないんですか。上級職員だけは扶養手当も通勤手当も全部入れて本俸化しておる。これなら私はまだ労働に対する報酬ということはわかる。しかし、一般の下級職員についてはそうではない。いろいろなものをちょびちょびつけて、包括してあなた方は給与だと、こう言う。だから私は違うんじゃないですかと言うんですね。もう一ぺん扶養手当というのは何ですか、ほんとうに一体これは何のために存在して、そしてあなた方はこれをどうされるというんですか、もう一ぺん聞いておきたい。
#57
○政府委員(尾崎朝夷君) 同じことを申し上げてたいへん恐縮でございますが、要するに扶養手当という手当でございますが、これは俸給に対するまあ調整的な調整給であるというふうに承知をしておるわけでございます。そういう調整のしかたというものはどういうものであるかということは、先ほどから御説明申し上げているわけでございますけれども、やはり職務給としてだけでいくというのでは、やはり扶養家族を持っている者と持っていない者とでは、その間にやはり均衡上問題があるということで、その間の調整をはかろうということでございまして、そのときどきにおけるその調整のあり方というのは、そのときどきにおいてやはりいろいろな情勢において違ってくるというところがあるわけでございますので、私どもとしましては、民間におけるこの関係を調査いたしまして、公務員にもほぼ同様な形で支給をしていくということを考えているわけでございます。
#58
○山崎昇君 答弁がかみ合わないんです、質問に対して。先ほど私のほうから指摘したように、この扶養手当というのは、戦争遂行のために、とりわけ下級公務員の生活が苦しいから、判任官以下について一人当時三円、何人いても五円以上上げなかった。それが途中から奏任官にもついてきたという歴史的な経過がある。民間に先についたんではないんです、これは。そうして当時は本俸というのはいまのように変わらなかった、あんまり。だから本俸が上がらないのに生活が苦しくなるから諸手当でと、こういう方法を講じてきたわけです。あなたのいう調整――ところがいまみたいに人事院が毎年のように勧告をする、本俸が変わってくるにかかわらず、この扶養手当制度というのは残っておる。そうしてそれについては何にもあなた方は検討されておらないじゃないですか。そうして先ほどから指摘するように、一般公務員の場合にはこういうものが残っておるけれども、上級職公務員にはないんです。こういうものは本俸の中にあなた方は入れちゃっているんじゃないですか。指定職俸給表でそういうことをあなた方やっているから、この扶養手当の存在は何ですかと聞いているんです。もう一ぺん答えてください。
#59
○政府委員(尾崎朝夷君) 治革的な話はあまり承知しておりませんので恐縮でございますけれども、やはり扶養家族を持っているものに対して給与上どのように調整を加えたらよろしいかという点につきましては、広い意味で仕事に対する給与というたてまえの上において、そういういわば生活給的な面で調整するのがどの程度適当であるかというのがやはり問題の焦点だと思います。そういう関係は、やはり生活全体の国定生活水準の高低によってそのあり方が非常に違ってくるということになるのは当然でございまして、戦前のような水準とそれから最近のように全体の生活水準が相当上がってきているという状態の場合のそういうものへの調整給的のウエートの履き方というものの重点が違ってくるのは当然だというふうに思うわけでございます。現在における重点、ウエートのあり方というものは、やはり民間における状況を考慮いたしまして、先般妻に対して千円ということに引き上げたわけでございますけれども、その程度のウエートというのは現在の民間におけるウエートだというふうに考えているわけでございます。
#60
○山崎昇君 どうも答弁がかみ合わないから、またあとで具体的な問題のときにあわせてお伺いしまして、次にちょっと移っていきたいと思うのです。
 次に、昇給についても、別段定義がないのですね。そこで、特別昇給もありますが、一般的に通常の場合、毎年上げるのが定期昇給、こういうわけなんですが、その定期昇給の意義についてもお聞かせを願っておきたいと思います。
#61
○政府委員(尾崎朝夷君) 現在の給与法は、たびたび申し上げておりますけれども、一つのやはり支給規則でございますので、一つ一つについてどういう定義であるかということについていわば解説的なきめ方はしてないわけでございます。先ほどおあげになりました特別調整額につきましても、管理監督の地位にある職員で何々ということで、どういう職員に支給するかという支給の基準はきめておりますけれども、定義は定めてないというのが全般的な立て方になっているわけでございます。ただいまのいわゆる定期昇給制度につきましては、国家公務員法の六十四条に、俸給表は等級ごとに明確な俸給額の幅を定めていなければならないということも書いてございますし、さらに六十五条には、その昇給の基準ということで、勤続期間、勤務能率その他勤務に関する諸要件を考慮してその昇給基準が定められるということが規定されているわけでございます。そういうことで、現在の給与法ではいわゆる普通昇給その他特別昇給というあり方が規定されておるわけでございますけれども、いわゆる普通昇給の場合には、勤務成績が良好――十二月を下らない期間を良好な成績で勤務した場合には一号上位に昇給させることということになっておりまして、その良好という概念は――いわゆる普通昇給と言われておることでございますけれども、特別な過失がなく良好に勤務したという場合には、通常の場合には一号昇給させられるという形にいまなっているわけでございます。
#62
○山崎昇君 法律の条文は私も承知をしているのですよ。定期昇給というのはなぜやるのかという理由についてあなたにお聞きしたわけですから、それはあなたの言われたように、勤務成績がいいから昇給をさせるのだ、こういうことになりますか。
#63
○政府委員(尾崎朝夷君) 国公法の六十五条には、昇給の基準は勤続期間、勤務能率その他勤務に関する諸要件を考えて定めなさいということが書いてございます。それに基づきまして、十二月以上勤務した場合、そして勤務能率が良好な場合ということを規定しているわけでございますけれども、それはどういう理由で昇給させるのかというお尋ねでございますけれども、結局これは職員が経験を重ねますにつれまして仕事、職務遂行能力といいますか、習熟が増しまして遂行能力が増大するということにやはり基本が置かれているものというふうに考えているわけでございますが、あわせまして、そういう良好な成績で勤務した者にやった場合の励みとか、あるいは職員の生活規模の増大とか、そういう点についてもあわせて考慮された意味があるというふうに考えているものでございます。
#64
○山崎昇君 そうすると、もう一ぺん確認しておきますが、昭和二十六年の三月に人事院と自治庁の共同で出した「人事行政提要」というものがあるわけですが、これを見ると、定期昇給の定義が一応なされているわけですね。その内容というのは、職員の勤務実績と職務に対する経験に対してあげます、あわせて職員が長年同職位に勤務する場合一方において生ずる職員の家族や生活条件の変化に基づく生計費の増加に対応する措置として昇給をさせます、こういうふうに当時解説書を出しているわけです。いまもこれは変わりありませんな。そうすると、昇給の持つ意味というものは二つある。一つは経験に対しての評価、もう一つは生計費を維持するためには昇給させなければ生活ができないんだ、こういう意味を持っている。私の言いたいのは、そこでいま具体的に関連してお聞きするんですが、もしも生計費を維持するということにもかなりな重点があるとすれば、これは定期昇給の査定であるとかあるいは勤務しなかったことだけで定期昇給を押えるということは不当なことになってきやせぬか、こう考えるんですが、見解を聞いておきたいんです。
#65
○政府委員(尾崎朝夷君) いま御答弁申し上げたとおりでございまして、やはり基本は一定期間勤務いたしましたことによって職務の習熟があり職務遂行能力が増大をしていくということに対して昇給がなされるというふうに考えることが適当だというふうに思います。あわせまして職員に対する励みとかあるいは職員の生活規模が増大していくということに対する配慮ということも中に考えられているものというふうに思うわけでございます。
#66
○山崎昇君 ところが、同じ人事院の方が書いているこの解説書を見ると、いわば管理職的な上級職については、あなたの言うような経験であるとか、あるいは勤務実績だとか、職務だとか、そういうものにかなり重点を置いておるけれども、下級公務員等については、これは生計費の理論が大半を占めておって、そういうことだけで定期昇給をやるのではありませんという意味のことが出されているんですね。だから私は、同じ定期昇給を考えても、上級職職員に対して考える場合と下級職員に対して考える場合とではやはりかなり違うのではないか。下級職員の場合には生計費ということが中心になって定期昇給というものを考えるべきではないのか。上級職の場合には、給与体系もかなり違うようでありますから、それはある程度職務云々ということもこれはあってもいいと思うのだが、そういうことをあなたのほうで出している本で書いてある、それについてはどうですか。
#67
○政府委員(尾崎朝夷君) 基本はやはり、仕事の習熟ということに見合う職務給のたてまえでございますから、習熟に見合うということが基本になるべきことは申すまでもないと思うのでございますが、さらに生計費的な配慮も含まれておるということは、これは否定できないと思うのでございます。で、その要素のウエイトといいますか、そういう点につきまして、やはりそこは非常に、上級職員の場合は、定期昇給というよりは、俸給額の指定がえとか、そういう関係の概念にむしろ入るわけでございまして、生活給的な要因がかなり薄れていき、職務給的な要因が非常に強くなっていくということになりますれば、御指摘のことも言えるのではなかろうか。さらに、家族の規模が、三十五、六歳までに大体家族規模の増大がとまるということでございますれば、それから先の話としましてもそれほどウエイトとしては大きくなくなる、厳密に言えばそういうようなことも言えると思いますけれども、基本はやはり仕事の習熟ということになろうかというふうに考えておるわけでございます。
#68
○山崎昇君 私がなぜこの点をしつこく聞くかというと、戦前のあれほど身分制の強いときでも、あれは判任官以下ですからいまでいえば大体五等級以下ですね、ここの昇給、額には差がないんです。そして、一年間にいまは一回ですが、二回昇給させておる。こういうように、ずっと公務員給与の経過を見ると、終戦時まではそういうことなやられておった。ところが、いまの給与体系を見ると、八等級のしょっぱなから昇給額が違う、年限は大体一年でありますけれども違っておる、いまはこういう体系になっておるんです。で、この定期昇給というものの定義をきちっとしないと、私はいつまでたっても下級職員はひどい状況に置かれるのではないか。だから熊本県や神奈川県にあったような生活保護の適用を受けなければならないような事態まで発生してくるのではないか。たとえ少なくとも、現職公務員がそういうことになるということは私ども許すことができない。そういう意味で、あなたにしつこくこの定期昇給の定義ということを聞いているわけです。ですから、五等級と何も限るわけではありませんけれども、あなた方が昭和二十六年に出した「人事行政提要」やら最近出ておるあなた方の解説書を見ても、下級職員の給与は生活給と考えるべきだと、こうなれば、当然定期昇給についても多少のことで定期昇給のストップとかどうとかということをやるのは少しおかしいではないかという気がしておりますから、この点を聞いているわけです。そういう意味で、いまも指摘しましたように、戦前の給与はある程度まで下級職員に厚い措置をとっておる、判任官以下については。ところが、戦後の給与体系は、あとで具体的に言いますけれども、上級職員についてはきわめて優遇しておって、下級職員についてはきわめて過酷な条件になっておる。そういう意味で、あなた方の定期昇給に対する考え方を変えてもらいたいと、こう思うんですが、きょうは質問ですから、もう一ぺんそれについてのお答えを願っておきたいと思います。
#69
○政府委員(尾崎朝夷君) 戦前との比校につきましては、いま御指摘の昇給等の関係だけでなくて、上級、下級の関係で申しますと、戦前の場合には上級と下級の給与の幅というのは非常に広いものでございまして、その点でいえば現在の格差というのは非常に縮まっておるということが言えるわけでございます。なお、最近のように初任給が非常に上がってまいりますと、この昇給制度のあり方も非常に変わってくる。そういう点が、やっぱりそのときどきの事情によりまして昇給制度のあり方というものも変わってくることになるわけでございまして、そういう意味で、昇給関係といたしましてはやっぱり現在のあり方として解釈していく必要があるのではないかというふうに思っているわけでございます。
#70
○理事(八田一朗君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#71
○理事(八田一朗君) 速記を起こして。
#72
○伊藤顕道君 先ほど、公社、現業に対して完全実施しておる日本の政府が、一般職に対して完全実施しないとはけしからぬ、どういうわけだということに対して、長官から公社、現業については独立採算制の企業であり云々という御答弁があったわけです。そこで、このことについてさらにお伺いいたしますが、なるほど独立採算制の企業でありますけれども――給与財源とかあるいは給与決定の方法も一般公務員と異なっておると、こういうこともあわせて説明があったわけです。しかしながら、国営企業の職員給与の特例法、この中で若干規定上の違いはあることは認めますけれども、給与の根本原則は一般職と何ら変わるところはないわけです。公社、現業の給与と一般公務員の給与との間に差をつけてもよいということは、法律上からいっても出てこないわけです。どこからも出てこないわけです。そういうことで、先ほど御答弁のあった、独立採算制の企業であるから、あるいはまた給与決定方法も一般公務員と違うということだけをもって両者の間に差があるのは当然だということは当たらないと思う。法律上何ら区別をつくべき筋合いのものではないわけです。いま申し上げたように、給与の根本原則は何ら変わっているところはないわけです。この点を重ねてお伺いしたいと思います。
#73
○国務大臣(田中龍夫君) 先ほど申し上げましたように、この独立採算制の三公五現の企業体におきましては、御承知のとおりに、非常に経理上のやりくり等をいたしまして実施をいたしてまいった。それとともに、一般職員の給与に対しましても、政府といたしましては財源の捻出につきまして人事院勧告を尊重してぜひともやらなければならぬという点で、第一点は一カ月本年は繰り上げたという、その誠意のほどをごらんいただきたいというのが一つと、それからもう一つは、今後の人事院の勧告を円滑に実施いたしまするために、予算の編成とそれから勧告の時期と方法というものを調整して、何とか人事院の勧告を尊重し、これを実施できるようにいたしたいという努力を払いつつある次第でございます。
#74
○伊藤顕道君 完全実施に向かって努力しつつある、そのことはたいへんけっこうなんですがね。これは、現給与担当大臣の総務長官の言うことだけではなくして、過去十年間も同じことを繰り返し繰り返し言ってきて、何ら誠意を示さなかったわけです。ということは、先ほど申し上げたように、断じて財源ではなくして、給与政策が一般職公務員については完全実施しようという方針を出さぬからだ、そこに問題はあるわけです。財源でないことは、繰り返し申し上げたように。そこで、公社、現業についても、当初予算上総額が計上されておるわけです、当初予算に一応の総額が。だがしかし、年度途中においていわゆる公労委の裁定があることをはっきり予想しておるわけですね。予想しておって、裁定が出た場合は、そのための必要経費が初めの総額をこえてもよいということを規定しておるわけです。裁定の完全実施のための規定が特例法第五条に明確に出ておるわけですね。これによって、最初、当初予算に組んだ総額をこえて支給してもよいという。これはどこから出たかと申しますと、先ほど申し上げたように、いわゆる給与政策を三十二年に打ち立てて、結局、公社、現業については政策を転換したわけです。給与政策の一大転換をやって、公社、現業といえども、それまでは一般職と同じように、毎年、団交団交で同じことを繰り返して、なかなか実現しなかった。三十二年に政府が思い切って公社、現業の意図をいれて給与政策を転換したわけです。その転換した際に、当初予算をこえて支給してもよいという特例法を設け、その第五条でこのことを明確に規定しておる。したがって、仲裁裁定が出れば、その分はもう何ら問題なく、唯々として、しかも一般職と違って、五月でなく四月一日にさかのぼって完全実施されてきつつあるわけです。三十二年以来ここ十年間繰り返されてきたわけです。その間、一般職については何らこのことが顧みられないで、毎年同じことを繰り返して財源財源で今日までごまかしが続いてきたわけです。こういう事態もあるので、結局繰り返し申し上げるように、公社、現業の職員に対する裁定が完全実施できるということは、財源問題ではないことは明確なんです。また給与決定方式が一般職と異なるからでもないわけです。要約すれば、政府の給与政策そのものによることは明確だと思う。このことは政府といえども理解し得ると思う。この点どうですか、どういうふうにお考えになっておるのか。
#75
○国務大臣(田中龍夫君) 私はさようには考えておりませんので、政府といたしましては、あらゆる努力を尽くしまして何とか公務員の給与の人事院勧告どおりのことをいたしたいと思いながらも、財政上の困難、特に中間の補正予算の財源難、そういうふうなことで今日まで参っておる、かように信じております。
#76
○伊藤顕道君 公社、現業は団交権があるから、どんどん団交権である程度の要求をいれられる、しかし、一般職については団交権もスト権ももぎ取られて、何ら労働基本権というものはないわけですね。しかし、その代償として政府は考えて人事院制度を設けておる、したがって、この人事院の勧告というのは、公務興に対する唯一の給与に対する救済手段であるということが断定できると思う。これは長官といえども理解できると思う。そうでしょう。そのために人事院が設けてある。したがって人事院の勧告はこれはもう絶対的なもので、公務員にとっては、これ以外にもう事給与に関する限り一般職については救済手段が何にもないわけです。そのために団交もできないし、手も足ももがれておる。だから、それ以上のことを要求するならまた無理かもしれませんが、ただ完全実施してほしい、完全実施すべきだということを要求し続けてきた。なかなか政府は頑迷で言うことを聞かぬから、時に統一ストなどやろうとすれば、官房長官命で警告を出す、参加した者は厳罰をもってこれに臨む、公務員に対しては順法精神を得々として強調しておきながら、憲法の精神に違反するおそれのあるいわゆる人事院勧告については完全実施しようとしない、こういう政府には公務員に対して警告を発したり、あるいは処罰するなどという資格はどこからも出てこないと思う。しかしながら、そういう不法があえて年々行なわれてきておる。ここに大きな問題がある。しかも、こういうふかしぎなことが毎年繰り返し繰り返し行なわれてきておるわけです、三十五年以来繰り返しこのことが行なわれてきておる。まことに不可解千万なんです。
 こういうことについて、もうすでにこれは一般世論も、人事院勧告については、団交権、争議権を奪い取った公務員に対しては、これはもう当然完全実施すべきだ。特に実施時期について完全実施すべきだ。ここに参考までに申し上げますが、これは長官といえどもお読みになったと思いますが、八月の十六日、これは大きな各新聞みな論調を重ねて、同じような趣旨のことを言っておりますが、これは朝日新聞の社説の一節ですが、「人事院勧告は完全実施を」という見出しでこの点を強調しておる。長いですから、その一節だけを読みますと、「問題はやはり、人事院勧告が公務員の給与を改定するための唯一つの方法であり、給与を決めるための団体交渉権を公務員には認めていない現状からすれば、人事院勧告は内容通り実施されなければならないということだ。とくに人事院が例年切望している五月の実施時期にしても、政府は財源難を理由に九月実施をくりかえしているが、これは筋の通らない話である。同じ実施するなら、少々のところを値切ったりなどせずに完全実施した方が、公務員の勤労意欲を高め、労使関係を改善する上に効果があろうというものである。この点は、国会と政府につよく要望しておきたい。」云々と、これはほんの一節でありますけれども、いまやあげて各新聞、そして世論は、完全実施すべきことを強く強調しておるわけです。こういう中にあって、しかも毎回当委員会においては、これは衆議院も同様でありますが、衆参の内閣委員会では、法案に対する、いわゆる完全実施すべきである旨の附帯決議がなされておる。特に本年の場合、当内閣委員会においても、十月二十日の委員会で、いままでになかった勧告に対して院の決議を上げておるわけです。これは上げたのは内閣委員会でありますけれども、このことは議運で確認され、議長の手から政府に申し入れされておるわけです。まさに衆参の国会の意思といわなければならぬわけです。こういうふうに、世論も、そして報道機関も、国会も、あげて完全実施すべきであるということを強調しておるわけです。しかも、この附帯決議にしろ、勧告に対する決議にしろ、いわゆる超党派で満場一致で決議がなされておる。ひとり政府のみが頑迷にこれを退けて、ただ今年の場合は一カ月繰り上げたということだけで、依然として五月までにはまだ三カ月のズレがあるわけです。そこでひとつ、こういう時点、公社、現業に比べてずいぶんおくれておるけれども、やろうとするときにおそいときはないということもありますから、いまからでも決しておそくないと思う。閣議は何も最終決定はできないわけです。給与法に対する最終決定は国会がきめるわけです。
  〔理事八田一朗君退席、委員長着席〕
十月二十日の閣議で一応の政府の考え方は出たと思う。しかし、これは最終決定ではない。閣議は最終決定では毛頭ないわけです。政府の一応の方針です。したがって、この法案が出た以上は、法案を最終的に決定するのは、衆参の国会で決定するわけです。便宜上、内閣委員会で討議しているわけです。という経緯から見ても、もうこの時点で完全実施に踏み切ってしかるべきだと思う。どこをどう考えても、このままでいいという論理は成り立たないわけです。この点は一体どうなのか。ただ努力する、検討する、こういうことは三十五年以来毎回繰り返されてきたわけです。これは三十五年から人事院がたまたまわれわれの要求を入れて勧告の時期を明確にしたが、三十五年以前は、三十四年まではできるだけ早く、できるだけすみやかに実施できるようという意味の勧告がなされた。三十五年から初めて実施の時期を明確にしてやってきたわけです。その実施の時期といえどもわれわれは問題が大いにあるわけです。四月一日でなければならない。民間との給与格差を調査研究したら、人事院自体が四月現在で民間とかくかくの格差があったということを発表しておるわけですから、当然五月一日ではおそ過ぎるわけです。四月一日にさかのぼりてしかるべきだが、これは人事院との問題ですからしばらくこの問題はおくとして、五月一日に一応考えても、もうこの時点で完全に実施に踏み切るべきではなかろうか。公務員の立場は一体どう考えたらいいのか。これでは公務員になり手がないわけです。公社、現業ではどんどん団交をすればいい、汽車及び電車をとめることもできる。一般職の場合はそれが禁止されておるから、政府に反省を求める意味で、つつましやかなやむにやまれぬいわゆる時間内のストをする。そうすると警告が出る。参加すれば厳罰だ。これでは一般職公務員は一体どうしたらいいのか、処置がない。しかも使用者である政府はこの労使関係を改善する最大の責任がある。こういうことが続けば、いわゆる一般職の勤労意欲もはなはだ上がらない。非常に勤労意欲の低下する中で、いわゆる国政の効率化なんていうことは望むべくもないわけです。国政の効率化が望めないとすると国としても一大損失を招くという事態にまで発展するわけだ。そういうことが目に見えないから、十年間も繰り返されてきたわけです。
 一体、もうこの点で完全実施に踏み切れないか。いつこれを完全実施する時期がくるかとうてい予測できない。これは財源問題。そして当初予算に組んで、足らざるを補正で補うのか、予備費でまかなうのか、これは大蔵大臣に追及する問題でありますから、これは明日の課題として残しておきますが、給与担当大臣に長官は就任されたわけですから責任まことに重いわけです。こういうことはいま現職にある総務長官に申し上げるだけではなくして、歴代の給与担当大臣に実は言いたい点なんです。十年間もこういうことを無為に繰り返されてきたわけですから、もうこの辺で、検討とか、さらに研究するとか、そういう時点じゃないと思うのですね、財源がないのだから。問題は給与政策である。一般職に対する給与政策を明確にすることによって、いわゆる政策転換によるわけだ。公社、現業は最初からできたのじゃない。長い間団交が繰り返されて、ついに政府が折れて、それではいわゆる完全実施をしようというそういう給与政策の転換をしたが、そして給与特例法などで、仲裁裁定があった場合は当初の予算総額をこえてもよろしいという、そういうところまで完備しておるから、仲裁裁定があれば問題なく公社、現業の場合は完全実施されておるわけだ。同じ公務員でしょう。同じ公務員でありながら、こういうふうな差があるということはどうにも考えられない。しかも公社、現業に完全実施しておるのは日本の政府、また一方で一般職に対して完全実施をごまかしておるのも日本の政府、おかしいじゃないですか。もうこの辺で完全実施をしてしかるべきだと思うのですが、もう検討の余地はないと思う、何も考えることはない。政策さえ変えればよい。一般職に対しても完全実施しようという方針をまず打ち出せばいいわけです。
 ことしはこれで、あすかあさって給与法が通るのです。通らないかもしれませんよ。それはわからない、まだやってみなければ。通るか通らないかわかりませんけれども、かりに通ったとすれば、もう給与関係閣僚の懇談会なんというのは一回も持たれないで、来年また人事院勧告が出るころになってそろそろ給与関係閣僚懇談会が持たれる、また白紙に戻ってまた同じことを繰り返し繰り返しやっていく、これは根気よく十年間やってきたわれわれ国会にも責任がある、政府をして、完全実施せしむる責任があるから、こうやって繰り返し同じことを追及しているわけです。人事院勧告は政府並びに国会に対して勧告をしているわけですから、この一般職に対して完全実施されないということは政府の怠慢にもあるし、また誠意のない点にもあるし、いわゆる国会の審議も不十分だということにもなる。われわれ非常にその責任を痛感しておるわけです。先ほど読みあげた朝日新聞も、国会と政府に対して強く要望するということで結んでおるわけです。全くそのとおりだと思う。われわれに責任があるわけです。責任があればこそこうやって強くこの問題を追及しておるわけです。ひとつわれわれが納得するに足る御答弁を最後にいただきたい。納得し得る答弁がいただければ、まだ問題がございますけれども、この辺で打ち切っておきたいと思います。納得できなければ納得できるまでさらに追及したいと思います。ひとつそういう意図で明快な決意のほどをお示しいただきたいと思います。
#77
○国務大臣(田中龍夫君) さような次第でございまして、私どもは何とか人事院の公平機能というものを十分に出していただけるように、ただいま財政の編成技術上の問題と人事院の公平の機能との両者の調整をいたすべく、予算の編成等々の問題についていろいろ研究をいたしておる次第でございます。よろしくひとつ御協力をいただきます。
#78
○伊藤顕道君 来年のことについては大蔵省にもあした追及の問題はありますが、一応この前の当委員会で、私の質問に対して大蔵省としての見解は当初予算に組むことについては十分検討すべきであるし、また検討したい、そういう意味の答弁があったわけです。ということは、来年こそ完全実施に踏み切ろうという意図であろうと思います。これはあしたさらに追及してみなければわかりません。それはそれとして、私がいま要求しているのは、来年は当然完全実施するであろうけれども、ことしのことを言っているわけです。しかも閣議が十月二十日に一応の線を出しましたけれども、これは最終決定じゃないですから。まだ法案の出る前ですし、勧告に対しての政府の一応の方針を出したわけです。給与法に対する最終決定は国会にあるわけですから、国会が満場一致で完全実施しなさいと言っているんですから、これは国会の附帯決議なり、国会の意思を軽視するということは、これは許せないことだと思うのです。政府といえども国会軽視、いわゆる行政の府が立法の府を軽視するということは、そのそしりは免れぬ、そういうことになると、たとい十月二十日閣議決定で一応の線を出しても、それはあくまでも一応の線であって、最終決定じゃない、法案に対する決定権は国会にあるわけです。便宜上、内閣委員会が審議しているわけですから、内閣委員会として完全実施すべきだという結論が出ればそれに従わなければならぬわけです。そういう筋道を立ててお伺いしておるわけです。私の言うことが間違いがありましょうか、どこか。どっか間違いがあれば御指摘いただきたい、不合理な点があれば御指摘いただきたい、われわれも反省しなければならぬ。しかし、われわれは確信を持って合法的な立場からお伺いしているわけです。この点についていま一度ひとつ明快にお答えいただきたいと思います。
#79
○国務大臣(田中龍夫君) 一般職公務員に対しまする給与の問題で人事院の勧告をできるだけ尊重し、またこれを実現いたしたいという気持ちには何ら変わりはございません。政策の問題でなく、これはほんとうに財政上の問題からかようになっておる次第でございまして、ただいま政府といたしまして御提案いたしておりまする法案につきまして、どうぞ慎重御審議、御協力のほどをお願いいたします。
#80
○伊藤顕道君 いまの御答弁とうてい満足するに足るものではありませんが、まだあしたもあるし、あさっても審議の日がありますから、明日と明後日を通してさらに質問を続ける予定にいたしておりますから、したがって、そういう意味で審議が終われば通るでありましょうし、審議未了の場合もあり得るわけで、この点については、さらにひとつ給与担当大臣として、残された時間ひとつ一そう努力いただきたいと思います。
#81
○山崎昇君 さっき質問が中断をされたわけですが、引き続いてもう二、三点、基本的なことをお伺いしてから、あとで具体的に聞きたいと思います。
 まず、人事院総裁にお聞きをしますが、期末手当というのも、これも性格や定義が全然載っておらないんですが、どういう性格のものなのか、まずお聞きをしておきたい。
#82
○政府委員(佐藤達夫君) 一口に申し上げることは非常にむずかしいと思いますけれども、要するに、各月ごとの俸給の中に入れてなかった部分を一まとめにして、それを一年の中で三回あるいは二回というような時期にまとめて渡すということにまあ尽きると思います。ただ期末と勤勉となぜ二つに分けたかという問題がそこにからまってくると思いますが、私どもがすなおに考えれば、これは単純なる技術上の問題ではあるまいか。おそらく民間では一括していわゆる賞与という形でお出しになっておるのではないかと思いますけれども、そういう形でもむろん考えられるわけであります。ただ、その中身の問題が、いまの期末的な部分と勤勉的な部分というものが二色に分かれているわけです。これをかりに一括いたしましても、やっぱりその二つの性格はからみ合わせてやることが正しいのではないか。まあ一本にするか、二本にするかは技術の問題だと思います。
#83
○山崎昇君 いま総裁から、期末手当の性格については毎月支払う賃金の不払いのものだ、こういう説明ですね。そうすると、一体いまの給与法による賃金というものはどういうことになりますか。これはやっぱり私は原則に戻ってくるわけです。そうすると、あなた方がどれほど言おうとも、いまの給与というのは正確には労働の報酬としては払われてない、正しくない、もっと簡単に言えば。正しくない賃金を払うから毎月の未払い分を期末にまとめて期末手当として払うんだと、こう言われるのだと思うのですが、それでいいのですか。
#84
○政府委員(佐藤達夫君) 不払いとか、未払いといいますと非常にとげとげしい表現になりまして、私はそういう表現を使った覚えはございません。要するに、形を変えて申し上げますれば、大きな一つの給与というもののかたまりがあって、その一部分は毎月毎月払う、その他の部分は一年に何回かに分けて払う、それだけのことじゃないですか。
#85
○山崎昇君 そうすると、あなた方がつくった給与法の定義からいけばどうなりますか。給与というのは責任の度合いと官職の重さによって払われるんでしょう。いわばその職務に従ってあなた方は給与を払うと、こう言っているんじゃないですか。そうすると、それは毎月定期的に払うけれども、それじゃどうも足りない。だから何か違うもので幾つかにまとめてどかっと払うのだ、それが全部給与でございますと。それでは一体いまの公務員の給与体系というものはどういうふうに理解したらいいか、さっぱりわからなくなってしまうのです。一体、人事院はどういうふうにされようとしているのか、これもわからなくなってくる。もう一ぺん公務員の給与というものについて正確に説明してください。
#86
○政府委員(佐藤達夫君) 先ほど最初に定義の問題がございましたが、俸給というのと給与というのとはちょっと違うだろうということは言えるわけです。給与というのは、給与に関する法律という題名にもありますように幅の広い概念だということで、私は無難な道を選びまして給与ということばを申し上げたわけであります。やっぱりいまの期末あるいは勤勉の関係にいたしましても俸給とリンクしている面があるわけです。そういう意味でのつながりはある。非常に不徹底な言い方でありますけれども、その程度のところで……。
#87
○山崎昇君 それでは私はもっとわかりやすいことばで聞きますが、期末手当というのは何と言っても赤字補てんだというふうに簡単に私は考えておきたいと思うのですが、いいですか。
#88
○政府委員(佐藤達夫君) 非常にまあ顕著なお立場からの御質問でございますから、私もまた素朴に考えたところを申し上げてみたいと思いますが、先ほどの話の筋から申しますというと、なぜ一まとめにして払うのだ、毎月俸給に加えてその分のものとして毎月支払えばいいじゃないかというところにたどりつくわけです。それをせずに一定の時期にそれを渡すというのは、勤勉のほうはちょっと別として、期末のほうについて考えろと、はなはだ幼稚な、口にするのも恥ずかしい言い方でどうかと思いますけれども、毎月それをかりに使ってしまうと、盆暮れの金の必要なときに、もうなくなったというような場面もこれは抽象的には考えられるわけです。そういう点でやけり盆暮れにはある程度の資金源も一まとめにして渡すという面もあるのじゃないかと、私自身の経験から言うことであって、皆さんそうかどうか知りませんが、そういう面もあるのじゃないかという非常に素朴な考えも持っているわけです。
#89
○山崎昇君 それじゃこれは基本的なことですから、いま論争をやるのじゃないので次に移りたいと思います。
 その次に給与法の十何条でしたかね。特別調整額というのがあるわけなんですけれども、この特別調整額の性格を法律で見るというと、管理、監督の職にあるものがその特殊性に基づいてこういうものが必要なんだと、簡単に言えばそうなると思うのです。そこで、この特別調整額に言う特殊性ということと、いまの等級に割られている給与体系との関係はどうなるのか、まずお聞きしたい。
#90
○政府委員(佐藤達夫君) 御承知のように、いわゆる特別管理職手当と言われます特別調整額は昭和二十八年にできたのではないかと思いますけれども、それまではいわゆる超過勤務手当で一律にカバーされておったわけであります。管理、監督の地位にあるその人たちの職責というものは、それ以外の人たちの職責とは多少違ったものがある。特殊性があるのじゃないか。非常に卑近な言い方でありますけれども、超過勤務手当というようなものになじまない性格のものではないかということが一つの大きな発想の基盤になっておったと思います。それは夜の夜中まで役所のことを考えているということになりますかどうか。そういう面で特殊性がある。それで一括して管理、監督のその仕事に対応するものとして特別調整額というものを渡すことにして、超過勤務的ないわゆる時間割りのものは渡さない。これも素朴な言い方ですけれども、基本はそういうところにあるだろうと思うのです。
#91
○山崎昇君 そうすると、特別調整額というのはこれは一般の下級職員にいう超勤手当と考えていいわけですね。
#92
○政府委員(佐藤達夫君) 沿革的には超過勤務手当がなくなって、同時にこれができたのですから、そういう意味でのつながりは沿革的にあるということと、先ほどことばにちょっと出しましたように、超過勤務手当のような制度にはなじまないということはそこで申し上げ得ると思います。
#93
○山崎昇君 どういうことがなじまないのですか。それではなじまないというのがどうもぴんとぼくはこないのですが、結局超過勤務ということになれば、正規の勤務時間を過ぎて働いた部分に対して払うわけでしょう。しかし、この特別調整額というのは、極端な表現になりますけれども、働いたか働かないか、とにかくわからぬけれども事前にあげますと、こういうことでしょう、一定の割合で。そこがまず一つわからないのです。それから調整金だとすれば当然――一般超勤はあと払いになっておりますね――これは先払いになる。何日間に一度先払いになる。それから超勤の性格ということになれば、当然基準内賃金とはなってこない。大ざっぱに言えば基準外賃金になってくる、こうなると思うのですね、二つ目には。その三つ目に、なじまないという要素なんですが、何がなじまないか私どもにはわからないわけなんですが、もう少し具体的に説明願えませんか。
#94
○政府委員(佐藤達夫君) 一番典型的な例を申しますというと、非常に高度の責任ある地位にある人が仕事をやっておられて、国会関係の仕事のためにどうしても答弁の準備もありましょうし、いろいろな関係で夜おそくまで残らにゃならぬという場合に、この人何時間残ったから何時間分の超勤手当をやれということは、これは実になじまない話だと思うのです、極端な例を申しますと。そういうことからずっと一連の考え方としてなじまないということが出てくることだろうと思います。
#95
○山崎昇君 そうすると、特別調整額というのは、いまの総裁の御答弁で言うと、なじまないというところに相当な重点があって、その他の要素というのはそうでもないということになりますか。そうでしょう。
#96
○政府委員(佐藤達夫君) そうではないんです。なじまないというのは、いまのいわゆる超過勤務手当との関連をお尋ねになりましたから、それに引きつけて説明をすればなじまないというような言い方もできましょうと、また、制度の切りかわりからいってもそういうつながりをそこに持ってくることもできましょうがということであって、横の話です、それは。
#97
○山崎昇君 そうすると、これはなにですか、性格としては本俸等のという基準内賃金ではない、あくまでもこれは一応は基準外賃金のほうに入る、こういうことになりますか。これも聞いておきます。
#98
○政府委員(尾崎朝夷君) 基準内、基準外の概念が必ずしも明確じゃないわけでございますけれども、俸給、扶養手当、暫定手当というのを私どもとしてはいわゆる給与ベースということで数えておるわけでございますけれども、これからは除外されているという性質のものだろうと思います。
#99
○山崎昇君 端的に私は聞いているんですがね。いまのあなたの説明からいけば、この特別調整額というのはそれに入らないのだから、広い概念であるけれども、基準外のほうに入るのですね、そうすると。そうでしょう。
#100
○政府委員(尾崎朝夷君) 公務員給与の体系には、基準内、基準外という概念はございません。かりに三者の給与というのを、まあ通常でございますけれども、これをいわゆる三者ベースとして計算に入れておりますけれども、いわゆるベースとして計算に入れておりますけれども、それには入れておりません。そういうことでございます。
#101
○山崎昇君 ベースなんていうのは、あれは平均賃金じゃないですか。そんなものに入るしかけのものではないですよ、当然ね。ただ基準内、基準外の概念を言えというなら言ってもいいけれども、通常われわれで言われているのは、本俸は基準内と言いますわね。その他のものは一応は基準外と言われている。だから、そういうふうに分ければ、この特別調整額というのは基準内にはもちろん入ってこないんだろう、こう私は思うんですが、いいですかと聞いているわけです。
#102
○鶴園哲夫君 ちょっと関連して。いまの山崎委員の質問に関連いたしましてですね。これはもともとおかしいですよ。だから、何かすっきりしたらどうなんでしょうかね、これは。特別調整額というのは、私はいまここに給与法持っていないですが、支給を明記しておるわけでしょう。管理的な職務に従事する者というふうにね。だから、管理的な仕事に従事する者といえば、局長と課長というものなんですよね。そうすると、課長と局長というのと、俸給上というか、職務についてきまっているわけです。局長という職務について、課長という職務について、きまっておるわけなんです。だから、それ以外に何かこういうふうな職務があるような形でこういうものが出てくるのがおかしいじゃないかというのが従来から問題になっているわけなんですよ。まあ、超勤の尾を引っぱったような話なんですが、そうすると、何か幾らも説明がつくような話なんだが、そうすると、一方、いまのこれは山崎委員のような意見が出てくるわけです。どうなさるというんですかね。そうして人事院は特別調整額ということばを使っていますけれども、予算上あれは管理職手当なんですよ。名前が違うわけです、名称が。そうでしょう。予算上はあれは管理職手当になっている。違っている。違っているはずですね。名前は違っている。管理職手当となっている。そうして、給与法上はこれは特別調整額となっている。こういう妙ちくりんなことはやめたらどうですか。
 それともう一つ、いま局長御答弁になりましたけれども、上のほうと下のほう、いわゆる指定職と八等級のところは俸給が違うんですよね。体系が別なものになっているわけだ。そこのところの矛盾でしょう。全然別でしょう。上のほうは指定職の給与、あれは特別職の給与と同じですよ。そういうものを別々につくっているから、一般職の公務員に対して二つの違った俸給表つくっているからこんなものが出てくるんじゃないですか。将来ですよ、近い将来、一般職の公務員の、つまり八等級制を適用されている公務員賃金もあのようになるのだ、超勤も全部ぶち込むんだ、その他の手当等についても全部本俸にぶち込むんだと、そういう姿をあれは示しておると考えればいいのか。そういうお考えなのか。そういう点もあわせて聞いておきたいんです。何かすっきりしたほうがいいんじゃないですか。どうもおかしいですよ。
#103
○政府委員(佐藤達夫君) たいへん次元の高いお話になってまいったと思います。私は、やっぱりそういう大きな観点から一応これは考えるべき問題であるということについては全く御同感なんでございます。結局考えてみますと、いわゆる職階制というものが非常に精密な形でできまして、そうして、それに対応した給与が割りつけられるということになれば、いまの管理職手当といわれるものもその職階の職級のその俸給の中に入ってくる。それから、いまのいわゆる特殊勤務手当、それから、特別じゃなく普通の調整額、そういうようなものも完全に整理される方向に本来は行くものだと思いますけれども、ただ、遺憾ながら職階制度というものが現実にまだ実現しておりませんし、また、そこまでこまかに職階制度をつくったら一体現実とはたしてマッチしたものができるかどうか。やはり、現実は現実として踏まえながらやらなければならぬという、そこに割り切り方があるし、それがしばらくはこういう形で出ているということではないかと思うのです。
#104
○山崎昇君 私はこの問題を特に取り上げて聞いているのは、これから関連をして具体的にいま総務長官にもお尋ねいたしますが、私が計算をしてみると、「人事院月報」のこれは数字でありますから、その等級の一番職員数の多い号給をとって計算をしてみているわけです。ただこの中で扶養手当は、これは何人いるか、構成が違いますから一応除いて、本俸とこの特別調整額と入れて計算をしてみると、一等級の七号、これはいま百四十七名おると、こう言われておるのですが、この人たちは一万五千九百三十円上がる。それから四等級の十一号、これはいま本省の課長補佐ですが、これは七千二百円上がる。それから六等級の七号、これは四千百十六円上がる。八等級の五号、これも九千人おります。一番多いのですが、二千二百五十四円上がる。そこで私の聞きたい本旨というのは、この特別調整額は今日まで暫定手当の基礎になっていない。期末手当の基礎にもなっていない。ところが、今度の調整手当だけは算出の基礎に入れてきているのですね。だから、上の上がり方と下の上がり方というのは膨大に違ってきている。これを簡単に率に直しますと、局長と課長補佐では二・一対一、局長と係長では三・八対一、局長と係員では七対一の違いがある。もっと事務次官のたぐいになれば、二〇対一ぐらいになる。こういう極端な上下の差というものが出てくるわけです。ですから、この特別調整額の性格があいまいであるし、そしてこれは先ほど、いわば基準外的賃金であるにかかわらず本俸と同様のような取り扱いをして調整手当の算出の基礎に入れてきておる。これではぐあいが悪いので、この給与法の附則の十三項だかで一般職員の超勤の算出基礎の中に今度は調整手当を入れてきている。私から言わせれば、三段論法で、上級職員、管理職員はきわめて優遇をしている。それに何とかつじつまを合わせるために超勤のところに調整手当を入れている。こういうやり方をやるから私は、この特別調整額というものの性格は何なのですか、ほんとうに超勤なら超勤の要素だ。総裁の言うような、何とはなしになじまない要素があるから、そのなじまない要素があるなら、そのなじまない要素として支給してもらいたい。ところが今度は、この給与法の改正案を見ると、退職手当法の改正もあって、この調整手当がさらに退職手当の算出に入ってきている。こうなってくると、管理職の諸君というのは至れり尽くせりの処遇を受ける。下級職員は全くばらばらの給与を出されて本俸だけが対象になっている。こういうやり方をあなた方はやるから、私は、この特別調整額というのはおかしいのではないか、性格があいまいではないか、なじまないということだけでは説明のつかない問題ではないのか、こう考えるわけなのです。そして、いまの暫定手当と特別調整額を入れた場合の調整額とは、局長の場合は四倍になります。いまの暫定手当を調整額に直すと四倍になる、調整手当に直すと。一般職員の場合はきわめて少ない。そういう点を考えると、これは特別調整額というのは、このままで過ごされる問題ではないのではないかとぼくらは思うので、重ねて特別調整額というものの性格をもう少し明確にしてもらいたいし、あわせて、なぜこの調整手当の算出基礎に入らなければならないのかお伺いしたい。
#105
○政府委員(佐藤達夫君) これは先ほど二本立てで申し上げたように、いわゆる超勤からのつながりが一つある、これは横割りのことであるけれども、それはございます。それからもう一つ、先ほど大所高所からの御質問に対してお答えしましたように、かりに職階制度ができた暁においては当然本俸の中に入るべきものであるということと、二つを合わせて考えるときに、これにいわゆる地域給である調整手当を算出する基礎にこれを持ってきておるということは筋が通りますし、さらに、先ほどの超勤のつながりからいえば、いま御指摘のように、すでに超過勤務手当の算出基礎の中に調整手当が入っておりますから、そのほうからのバランスもよいという筋合いのものであると思います。
#106
○山崎昇君 それはどうしても私どもは納得がいかないわけです。なぜならば、特別調整額を入れることによって調整手当は七・五%になるのですね、結論からいうと。それが局長の場合は二五%の六%ですから一・五%上積みになるわけです。毎月一・五%ずつ一定の割合のものが本俸と同様に支給される。一般職員の超勤手当は自分が働いて初めてそれに調整手当というのがついてくる。だから、あなたが言うように、超勤手当だと言うならば、性格だと言うならば、入れることは筋がおかしいではないですか。本俸と同様な扱いをすることが筋がおかしいじゃないかと、こうなるわけです。それはどうなりますか。
#107
○政府委員(佐藤達夫君) いまおっしゃったことは、結局、筋が正しいという方向になるというつもりで私はお答えしたのですが、超勤とのつながりで考えれば、超勤を受けておる方々の超勤手当の算出基礎に調整手当が入っておりますよと、入っておるんですから、それに対応する特別調整額という点で見れば、それをいまのように、今度提案申し上げておるような形に、調整手当の算出基礎に、この掛け算のもとにするか、あとに掛けるかの問題でありまして、結果においてはそれでおかしいじゃないかという言い方が一つあるわけです。私はそういう趣旨で御説明申し上げて、片やからすれば、特別調整額は本職階制度が確立した暁においては本俸に入れるべきものである。本俸に調整手当を掛けるならば、本俸につながっておるその調整額に掛けたって筋じゃないか、開き直った言い方になりますけれども、そういう考え方が十分私は成り立つし、正しい考え方だというふうな気持ちを持っておるのであります。
#108
○山崎昇君 超勤手当の要素だとすると、それではこの特別調整額が入った調整手当は退職手当の算出基準になっている。ところが、一般の超勤はそれでは算出基礎になりますか、ならないでしょう。同じ性格のものであって上級職に一定率のものをやれば、それがあとあとまでの、給与までの算出基礎になって、片一方、働いてもらった賃金に対しては何も基礎にならないじゃないですか。それは一体どうなりますか。それとあわせて、これはあとで聞くつもりでありますけれども、指定職俸給表の場合は私はどうしても納得できない。それは通勤手当も扶養手当も暫定手当も全部入っておる。そして本俸になっておる。それが退職手当の基礎にもなる。あるいは年金の基礎にもなる。ところが、一般下級職員はなってこない。暫定手当が入るものも扶養手当が入るものもありますが、入ってこない。だから、私は勘ぐってものを言えば、こういうものを入れることによって管理職だけはきわめて優遇されるけれども、一般職員はほとんど優遇されないではないか。ただつじつまの合わせるために超勤的性格というので超勤の計算の基礎に入れておる。それだけに過ぎぬじゃないかと思うのですが、どうですか、違いますか。(「おかしいじゃないか」と呼ぶ者あり)
#109
○政府委員(栗山廉平君) お答え申し上げます。退職手当の最低保障額の問題でございまするが、これの中には、俸給及び扶養手当の月額並びにこれらに対する調整手当の月額となっておりまして、特別調整額は入ってございません。
#110
○山崎昇君 それは私の読み違いでした。それはおわびをしておきますが、いずれにしても、この特別調整額というものの性格がやっぱりはっきりしない。それから、どうしても私はこれを計算してみると、やはり管理職のほうがきわめて有利である。結論からいえば、どうしても一・五%というものは毎月定期に、ふえて、もらう。だから、一般の職員が六%の調整手当であれば、管理職は七・五%の調整手当になる、こうなるのですね。
 それからいま附則の十九項、「これらに対する調整手当の月額」ということで私は一応おわびしましたが、私の言っておるのは、この調整手当には特別調整額が算出基礎になって入っておるわけですね。入るわけでしょう。新論から言えば、特別調整額は退職手当の算出基礎になっているんじゃないですか。そうならなければ、この附則の十九項の条文というのはおかしくなるんではないか、こう思うんですがね。
#111
○政府委員(栗山廉平君) いま山崎先生のおっしゃいました点でございますが、「並びにこれらに対する」でございまして、先ほど申し上げましたように、特別調整額のものは基礎に入っておりませんから。
#112
○山崎昇君 そうすると、確認しますが、この十九項の「これらに対する調整手当の月額」という、この「調整手当」というのは、いま本俸で計算をされる都市手当にかわった調整手当ではないんですか、これは。
#113
○政府委員(尾崎朝夷君) 特別調整額に対します調整手当の関係でございますけれども、この関係は先ほど総裁から御説明申し上げましたとおりでございまして、その、適用いたしましたのは、一つには超過勤務手当のほうにも調整手当がかかりますし、従来からかかっておったわけでございますが、今回もそれがかかるという関係に対しまして、特別調整額に対しましては、従来ほとんど本名関係だけにこういう特別調整額が主として支給されておったのでございますけれども、昭和四十年から地方の管理職に対しまして、ほぼ現在約三万の職員に対しまして、特別調整額を支給しておるわけでございまして、全国ほとんど津々浦々にそういう関係が支給されておるという関係になっておりますので、そういう地域的な関係につきまして調整手当というのは支給されますので、やはりその関係の相関を考慮する必要がある。物価の地域差につきましても六%以上ございますし、そういう関係を考慮する必要があるということで今回適用したものでございます。それで、なお調整手事の加算される内容というものにつきましては、俸給と扶養手当と特別調整額に対して掛け合わせるということに一応なるわけでございますけれども、たとえば期末手当、勤勉手当等の場合には、特別調整額は従前から支給されて、加味されておりませんので、そういうものは除きまして、いま人事局長から御説明がございましたように、これらに対する調整手当ということで限定をして、掛けるものを限定しておるわけでございます。
#114
○山崎昇君 限定しようが、しまいが、それじゃ附則の十八項どうなりますか。「国家公務員災害、補償法の一部を次のように改正する。」、「扶養手当」の下に、「調整手当」が入るんですね。これはいま言う調整手当でしょう。私の言っているのは、この調整手当を出すのに特別調整額も入れているじゃないですかと言うんですよ、基礎に。それじゃ結果からいえば、国家公務員の災害補償法の適用を受けるときにも特別調整額というのは入ってくるんじゃないですか。それが超勤だと言うならば、一般職員の超勤はこういうものの基礎に入りますか、入るんじゃないですかと、だから上級職だけはきわめて優遇されているんじゃないかと言う、私は。違いますか。この調整手当というのは別な調整手当ですか。
#115
○政府委員(栗山廉平君) ちょっとすみませんが、先ほどの退職手当法の問題でございますが、これは御承知のように、最低保障のことを書いておる問題でございまして、普通の場合には、先生のおっしゃいましたような場合の、甲地の場合には、俸給と扶養手当それから特別調整手当というものを用地の場合には六%掛けるのがおっしゃるように調整手当になるわけでございますが、この退職手当法の中の最低保障の問題の場合におきましては、退職手当の最低保障の基礎となる調整手当という意味でございまして、この場合に限りまして、俸給と扶養手当の合計額に甲地の場合には六%を掛ける、こういうことに相なっております。御承知おきを願いたいと思います。
#116
○山崎昇君 国家公務員災害補償法の場合はどうなりますか。
#117
○政府委員(栗山廉平君) これは災害補償法の場合には入っております。
#118
○山崎昇君 入りますね。そうすると、最大の矛盾じゃないですか。私がさっきから言っているように、この特別調整額を、この第十一条の三の二項の改正によって、調整手当の基礎に、この算出の基礎に入れたからそういう矛盾が出るのじゃないか。それならば、附則の十三項において超過勤務手当の一時間当たりの単位費用を出すだけでは、これは差別になりますよ。それならば、超勤手当についても災害補償法の基礎数字に入れなければ合わなくなってくるのじゃないですか。私が言っているのは、上級職にはきわめて優遇されて、下級職にはそうではない。そうして上級職を優遇するために、多少、下級職の超過勤務手当一時間当たりの給与に調整手当を入れているだけです。こう私どもはどうしても判断されるのですが、それれは誤まりですかと言うのです。
#119
○政府委員(尾崎朝夷君) 災害補償法にございますので、平均給与額の算出の基礎の中には次の給与が入っておるわけでございまして、超過勤務手当、俸給の特別調整額というものもすべて平均給与額の基礎に入っておるわけでございます。したがいまして、この場合には単に調整手当という名前で入れる、挿入をしておるわけでございまして、当然、特別調整額にかかるものを、含んだものが中に入るということにこの場合にはなるわけでございます。それから超過勤務手当も中に入っておりますし、平均給与もそれに入っておりますし、特別調整額も入っておるのでございますから、それと均衡をとって、調整手当についても平均給与の基礎とするということになるわけでございます。
#120
○山崎昇君 それでは重ねて確認しておきますが、国家公務員災害補償法の第四条の二項のあれは、計算の基礎に超過勤務手当も入っているのですね。
#121
○政府委員(尾崎朝夷君) 四条の二項に、平均給与額の基礎になるものが規定してあるわけでございますが、超過勤務手当ももちろん入っておるわけでございます。
#122
○山崎昇君 これは私はそうでないと思っているのですが、見落としたらたいへんですから、あらためてまたお聞きします。
 その次にお聞きをしたいのは、級別定数についてお聞きをしたいと思います。一体、この級別定数というのは、どういう必要性があって、また、それがどういう効用を持っているのかよくわからないので、教えてもらいたいと思います。
#123
○政府委員(佐藤達夫君) 大まかなところは私が申し上げて、あとはまた必要に応じて局長から説明いたさせたいと思いますが、要するに、現在の給与制度は、各職員の職務の複雑さ、困難さ及び責任の度ということに応じて等級を設定するたてまえになっておるわけでございます。したがって、この基準というものを標準に職務表という形で人事院規則で相当こまかいことまできめておるわけでございます。しかし、何ぶん、いろいろだ職員の種類というものが、御承知のように、非常に複雑で、いろんなものがありますために、標準職務表でそのものずばり、とことんまで書ければ、これはいいんですけれども、なかなか技術的にそうはいかない。そこで、実は標準職務表の細目化というか、具体化という形で極力補うつもりで、また同時に、各省のアンバランスなりなんなりを避けますために、便宜、等級別の定数という形で押えている。これは技術上から来るやむを得ないあり方だと思っております。
#124
○山崎昇君 しかし、いま総裁は、便宜上と、こういうお話ですが、実際はそうじゃないんじゃないですか。級別定数のために昇格基準に達した者でも、定数改正やらなければ、上げられないということになって、むしろ公務員給与を上げるのを押えておるのはこの級別定数ではないかと思うんです、ある意味で言うと。したがって、本質的に必要ないものであるならば、この級別定数というのは撤廃をすべきじゃないかと思うんです。そして、職務と責任の度合いで等級が上がっていくわけでありますから、当然それによって上級職に上げていくということがあってしかるべきであって、さらに、公務員の首を絞めるような級別定数というのは必要でないんじゃないか。効用性も少ないんではないか。ただ、何等級の者が何名いるという程度のものであって、意味がないんじゃないかと、このように思うんですが、どうですか。
#125
○政府委員(佐藤達夫君) 御説明のしかたがちょっと不行き届きだったかと思いますけれども、要点は結局、先ほど申しましたような、給与制度の基本のたてまえからして標準職務表をきめております。そこまで話は進むわけでございます。標準職務表がありますために、そうずるずると各等級にわたって特定の人をどう扱うということはできない標準職務表のワクがございますから、それはできませんよ、それが根本でございまして、さて第二段として、標準職務表でとことんまでこまかいところを一々手に取れるように書ければそれはいいんですけれども、それを定数という形でそこに便宜ということばをはさんだのでありますけれども、技術上の面からそこで定数で押えるという形をとって補っておる、こういうことになります。
#126
○山崎昇君 ただ実際運用になると、定数の設定のしかたというのは、そのときの等級の人員がおおむね基準になると思うんですね。何も、科学的や合理的に計算をして、何等級が何名という等級をつくったわけじゃないと思うんです。ただ、何回か改正をやっているうちに、幾らかそういう要素が出てくるのかもしれませんが、実際、私はないと思う。そういう意味で、いま等級別定数があるために、やはり一般公務員の給与が押えられる。まず等級の定数に欠員がなければできないわけですから、どんなに昇格基準に達しようと、そういう意味で、ひとつ勇断をもってこの等級別定数というのは私は撤廃をすべきじゃないか、そして、一般的な職務の基準に従って、あるいは、勤続年数その他のきめられておる基準に従って昇格等を行なうべきではないのか、便宜つくった等級別定数というのが逆に公務員給与を押える役目になっておる、こう私ども思うんですが、どうですか。
#127
○政府委員(佐藤達夫君) 外から現実問題としてごらんになりますというと、いかにも、この定数のほうから押え込んでいるというふうに見えますけれども、私が先ほど申し上げましたような、実は職務の複雑云々という言辞と、それから標準職務表というものが実は押え込んでおるのであって、定数のほうには罪がないということになるわけです。しかし、科学的、合理的と申しましても、この実情は私どもよく承知しておりますから、科学的、合理的をできるだけ度量を広く見て、そこに実情をからみ合わせてほどのいいところをつくるということではやっておりますが、しかし、限界は限界としてありますから、幾ら何でもそこに破れない壁はあります。これはやむを得ない、こういうことです。
#128
○山崎昇君 やむを得ないという一言で片づけられた日には、これはどうにもなりませんが、私どもからいうと、昇格をやる場合には、まず等級別定数がどうなるかということが先です、事務からいえば。そうして、等級別定数を改定してから一定基準に従って計算されたものが当てはまってくるということになってくる、事務からいえば。ですから、総裁がいまそう言っても、これは便宜的なものではない。むしろ、いま昇格を一番押えているのは、ある意味で言うと、等級別定数じゃないか、こう私ども判断するので、これはひとつ撤回をしてもらいたい。いますぐあなたが撤回するということは言えぬにしても、これは再検討してもらいたいと思うんですが、どうですか。
#129
○政府委員(佐藤達夫君) それも先ほど来の根本問題にまたつながるのであって、いわゆる職階制度を厳密な形でこれを実施すれば、これは撤回できましょう。しかし、まだ事情はまだそこまで至らぬものがありますものですから、こういう形をあいまいな形とおっしゃられてもそれはやむを得ませんけれども、そこにわれわれの苦衷のあるところを察していただきたい、こういうことです。
#130
○山崎昇君 苦衷は察しますよ。苦衷は察しますけれども、それによってやはり公務員の給与が押えられるということは、ぼくらどうしても納得できない、昇格でも何でも。ですから、なるべく一般的な基準で上げ得る道があるならば上げて、こういう手かせ足かせのような制限条項というものはあまりつくらぬほうがいいのではないか、簡単に言えば。ですから、いますぐ撤回してほしいけれども、するともあなた言えぬでしょうから、これは、ぜひひとつ等級別定数については検討願って、将来こういうものをなくせるならなくしてもらいたい、こういう要望をしておきたいと思う。 そこで、次の質問に移りたいと思うんです。さっき伊藤さんから人事院勧告の八月実施についていろいろ総務長官にお尋ねしました。私も二、三お尋ねしておきたいと思うんです。それは、本会議でも総務長官にお尋ねしましたけれども、ごく皮肉な言い方ですが、財源がなくて財政が苦しいときに限って前進しているんですね。財政が豊かなときに前進していないんです、これはたいへん皮肉な言い方で失礼ですけれども。というのは、昭和四十年のように、二千五百九十億円も赤字国債を出さなければ国家予算のつじつまが合わないときに九月実施になっている。今年のように、財政硬直化で来年度の予算がどうかといわれているときに八月実施になっている。さっき伊藤委員が言ったように、予算的にはきわめて有利であった三十七、八年ごろというのは据え置かれている。これはやはり財源の問題ではないんじゃないか。私は二つの要素があると見ております。一つには、何かというと、どんなに政府が弾圧しようとも、やはり、自分の給与をこういうふうにしてくれという法律に基づいた要求というのは押えることができない。だから、年々労働組合の運動というものは、政府が弾圧するわりあいにはしぼまない。だんだん発展してきている、公務員労働者の戦いというものは、それを受けて新聞の社説、論説、解説あるいは雑誌等の解説等を見ても――私はきょうかなりここに持ってきていますが――いずれを見ても、政府のやり方はまずい、その中には理論的なものもあるし、現実的なものもありますが、いずれにしても、政府の人事院勧告を値切る理由はない。そういう労働者が行動を起こして、それを受けて世論が支持をする。したがって、政府はもう財政の問題だけでこれを十月だとか九月に押えられないところに一つは来ていると私は見ます。もう一つは、これも本会議であなたに質問しましたけれども、去年の十月十九日の衆議院の大蔵委員会では、当時の福田大蔵大臣は、あれは財源の問題ではありません、財政政策の問題ですと言い切っている。だから、私はこの二つの問題を結びつけると、どうしても財源の問題だけで人事院勧告を値切るということは不当だと思う。これはやはり公務員に対する政府の不信行為だと思う。そういう意味で、あなたはさっきから財源問題と言っているけれども、伊藤委員と同じように、どう考えても、これは財源の問題ではない。政府の政治性の問題であり、公務員に対する対策上の問題である、こう思うんですが、重ねてあなたの見解を聞きたい。
#131
○国務大臣(田中龍夫君) 私は財源の問題がやはり非常に問題だと存じます。なお、福田大蔵大臣が財政政策の問題だと申したとおっしゃいますが、やはり中間で補正予算を組むというこの答申の時期が、やはり財政政策の面からいうとたいへんむずかしい。これはいわゆる政府の政策じゃなくて、財政政策の問題といたしまして、今回、何とかして勧告なり人事院の機能というものを十分に満足すべきものにいたしたいという努力で財政政策との調整をいたしたい、かように考えているわけでございます。
#132
○山崎昇君 本会議で、時間がないそうですから、あと一つであすにしたいと思うのですが、昭和四十年ですか、ILO本部から来られた調査団の委員長のドライヤーさんがILO報告を出しているのですね。これを見るというと、数多くのことが指摘をされておりますし、また、直接人事院のことについて述べたものでないことも私は承知しております。しかし、人事院と地方の人事委員会とは、これは不離密接なものですから、一体と私は見ていいと思う。そういう意味で、このドライヤー報告が指摘していることのうち、私が重要視しているのはたくさんありますが、そのうちの一つに、何といっても、人事院の勧告というのが守られていない。さらに、人事委員の任命について労働者の発言を考慮すべきだということばを使っている。これは要約すれば、やはり労働者の意見を集約できるような者が人事官なり人事委員として入るべきではないのかという趣旨に私どもとっているのですが、その点についてはどうですか。
#133
○国務大臣(田中龍夫君) この人事院の人事官は、公務員法の五条適用につきまして資格のある者の中から最も適当と思われる者を両議院の同意を得て内閣が任命する、こういうふうに相なっておるわけでございます。この点につきましては、いろいろと御論議があることと存じまするが、ひとつその点はなお詳細な点を担当官のほうからお答えいたします。
#134
○政府委員(栗山廉平君) ちょっと補足をさせていただきます。
 御承知のように、人事院の機能は、広く人事行政を全般的に所掌しておられまして、国民に対しまして、公務の民主的かつ能率的な運営を保障するという中立、公正な人事行政を行なう責めを負っておるわけでございます。したがいまして、利益代表的な構成をとるということはやはり適当でないのではないかというふうに考える次第でございます。
#135
○委員長(豊田雅孝君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#136
○委員長(豊田雅孝君) 速記再開。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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