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1967/12/20 第57回国会 参議院 参議院会議録情報 第057回国会 地方行政委員会 第2号
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1967/12/20 第57回国会 参議院

参議院会議録情報 第057回国会 地方行政委員会 第2号

#1
第057回国会 地方行政委員会 第2号
昭和四十二年十二月二十日(水曜日)
   午前十時四十一分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         仲原 善一君
    理 事
                林田悠紀夫君
                吉武 恵市君
                占部 秀男君
                原田  立君
    委 員
                岸田 幸雄君
                小柳 牧衞君
                沢田 一精君
                高橋文五郎君
                津島 文治君
                中村喜四郎君
                沢田 政治君
                鈴木  壽君
                林  虎雄君
                松澤 兼人君
                松本 賢一君
   国務大臣
       自 治 大 臣  赤澤 正道君
   政府委員
       自治政務次官   細田 吉藏君
       自治大臣官房長  宮澤  弘君
       自治省財政局長  細郷 道一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木  武君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和四十二年度分の地方交付税の単位費用の特
例に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(仲原善一君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 細田自治政務次官から発言を求められております。これを許します。細田政務次官。
#3
○政府委員(細田吉藏君) 私、このたび自治政務次官を拝命いたしました細田吉藏でございます。
 現下の地方自治、特に財政の問題、非常に重要な問題をたくさんかかえております。私はこれまで地方行政につきましては、あまり経験を持っておりません。至って、いうならばしろうとでございまして、いろいろ目下勉強させていただいておるところでございますが、赤澤大臣を助けまして、誠心誠意地方行財政の問題と取り組んでまいりたい、かように考えておる次第でございます。何といたしましても、当委員会の諸先輩の御指導がなければ、私どもの仕事をりっぱにやってまいるわけにまいらないと、かように思っておるわけでございまして、どうぞ十分にひとつ、いろいろ御指導いただき、また御鞭撻をいただきたい、かように存じておる次第でございます。何とぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(仲原善一君) 次に、昭和四十二年度分の地方交付税の単位費用の特例に関する法律案を議題にいたします。
 補足説明を願います。細郷財政局長。
#5
○政府委員(細郷道一君) 昭和四十二年度分の地方交付税の単位費用の特例に関する法律案につきまして補足説明をいたします。
 この法案の内容といたしますことは、大きく分けまして二つでございまして、一つは、給与改定に要する経費、それから通学路にかかる交通安全施設の整備等の事業に要する経費をそれぞれ基準財政需要額に算入いたし、反面、行政経費の節約を基準財政需要額の上で行ないまして、その結果、単位費用の本年度の特例を設けよう、こういうことが一つでございます。
 それからいま一つは、すでに府県に対して交付いたしております第一種交付金、九十五億円でございますが、それの額は、この際、再算定にあたっては変更しない、これは至って技術的なことでございます。すでに交付いたしました第一種交付金は財源不足額に案分をして配分をいたしております。今回、単位鶴川を改定いたしますと、その額が実は県ごとには変わってまいりますが、それをかえってまた直しますと、金を国と府県の間で一部は戻したり、一部は出したりというようなことになりますので、その分は変えないでいく、そのままにしておいていく、変更部分につきましては、追加の交付税の配分にあたって調整する、こういう考え方のものでございます。
 そこで、法案の内容はそんなものでございますが、その数字的な根拠等につきまして、きょうお配りをいたしてございます資料によって御説明をさせていただきます。
 最初に、「昭和四十二年度地方財政措置」という縦の表がございます。で、交付、不交付と分けてございますが、給与改定財源といたしまして七百四十九億、それから交通安全対策といたしまして、交付、不交付団体を合わせて百四十二億、それから交付団体につきましては、先般の普通交付税の決定にあたりまして調整をいたしております。七十六億ございます。それを今回全部戻して交付をいたすわけでございます。そういった計算をしてまいりますと、交付団体で七百三十億、それから全体で九百六十七億となります。
 それに対します財源としては、基準財政収入額の増、これが二百六十二億円、これは御承知のように、四月から九月までの分割法人についての清算増の見込みでございます。それから節減等といたしまして、交付九十、全体で百八十九、こういうことでまいりますと、交付団体ベースで五百十六億の普通交付税が必要となります。それに五百十六億を加えることによって、交付団体の措置として七百三十億の財源措置が考えられる。普通交付税が五百十六億ということは、九十四分の六で、特別交付税で三十三億であるということになりますので、その分を加えますと、交付税としては五百四十九億円。今回の補正で追加計上されます地方交付税が七百四十九億円でございます。これは国税三税の追加額の三二%。したがいまして、二百億の借り入れ金の返済が可能である、こういうことで、数字的な根拠になっております。
 なお、借り入れ金の返済は、御承知のとおり、昭和三十九年及び四十年の二カ年にわたりまして、当時の給与改定財源の不足分を補う意味におきまして、交付税及び譲与税配付金特別会計において借り入れをいたしたものの返済でございます。三十九年度に百五十億、四十年度に三百億の借り入れをいたしました。合わせて四百五十億借り入れをいたしました。それの償還未済額が本年度末で三百億残っております。で、あと四十七年度までに償還の計画が一応立ってございます。その未済額、本年度末の償還未済の三百億のうち、二百億を繰り上げ償還いたしまして、残り百億が四十三年、四十四年度でそれぞれ償還をする、こういうことになっております。
 そこで、交通安全対策につきましての需要を今回見込んでおりますが、その根拠となりますものの資料を別途お配りしてございます。最初に、この二枚つづりの「交通安全施設等整備計画表」、二枚くっついておる表がございます。これを最初ごらんをいただきます。
 先般の国会で成立をいたしました通学路にかかる交通安全施設の緊急措置法、それによりますと、交通安全施設整備計画と踏切道の施設整備計画、二つつくることになっております。
 二枚つづりの一枚目が「交通安全施設等整備計画表」でございます。それによりますと、一番左のほうから一番下の合計欄をごらんをいただきます。現在、交通安全三カ年計画というのが四十一年から四十三年度にわたりまして約六百億、ここに六百二億となっている計画がございます。その計画を改定をいたしまして、その中には通学路分も一部すでに入っておるわけでございますが、それを改定をいたしまして、(B)欄七百八十二億ということに改定をいたしました。そのうちには、通学路の分が三百八十二億、四十二年度、四十三年度分として入っておるわけでございます。通学路のいま申し上げました三カ年計画は、国の直轄である、あるいは補助をする事業であります。別に通学路についての単独事業、これが四十二、四十三年度で百七十二億。したがいまして、三百八十二億と百七十二億を合計いたしますと五百五十四億で、一番右の合計欄の一番下に五百五十四億と出ております。したがいまして、今回の法律によりまして四十二、四十三年度で緊急に措置するという通学路関係の安全施設関係の額は五百五十四億である。内訳は、直轄補助で三百八十二億、単独で百七十二億、こういうことでございます。
 それから二枚目の表をごらんをいただきますと、これは「踏切道の構造改良及び保安設備の整備計画表」でございます。これはいままで前に申し上げたような交通安全三カ年計画といったようなものに含まれておりませんので、これは今回だけの計画表でございます。それでまいりますと、合計の一番右の下をごらんをいただきますと、百二十五億と出ております。ただ、その中で鉄道関係で負担をすべきものが六十三億ございます。道路の関係としては、残りの六十二億というものが道路関係で持つべき額である、こういうことでございます。
 そこで、こまかい表がもう一枚お配りしてございます。こまかい表の右のほうに、「うち通学路踏切道分」という区分がございます。それの「全体」という欄がございます。ちょうどまん中よりやや右です。そこの「事業費」という欄をごらんをいただきますと、半ば下のところで「交通安全施設等整備計画」の計の欄のところで五百五十四億、すぐその上に内訳として、直轄補助が三百八十二億、単独が百七十二億、合計五百五十四億と、こう出ております。これが先ほど御説明をいたしました今回の通学路関係の五百五十四億、この数字に見合っておるわけであります。それから、その二つ下に「踏切道構造改良計画」として六十二億とあがっておりますのは、先ほど御説明をいたしました紙の二枚目の道路分の六十二億、これがそこにあがっておるわけでございます。内容は、直轄補助で五十二億、単独で十億。そこで、そのさらに下に合計欄で全体出ておりますが、五百五十四億、六十二億と加えた六百十六億というのが、通学路、踏切道分の行政機関が持つべき部分、国、地方団体で持つべき部分、これが六百十六億、こういうことでございます。内訳は、直轄補助で四百三十四億、単独で百八十二億、こういう数字が出ております。
 そこで、その年度区分が右のほうにあがっておりまして、四十二年度の計の欄、「既定計画」「補正」「計」とございますが、計の欄の、「事業費」という欄をごらんいただきます。そういたしますと、その一番下で、六百十六億のうち三百二十六億、本年度において行なう、それから、明年度において残りの二百九十億を措置する、こういう計画になっております。
 それで、本年度の三百二十六億、このうちには、直轄補助の分が二百二十八億、それから単独が九十八億ございます。それをそれぞれ国費と地方賢に分けたものが、その右のほうにあがっております国費で百二十九億、地方費で百九十七億。なお、このうちの国費の百二十九億のうち、今回の補正でお願いをしておりますのは、「補正」という欄の国費で六十一億、これが今回の補正予算に計上されておるものでございます。それから地方費の百四十二億という分が、先ほど、最初にごらんをいただきました地方財政措置の交通安全対策というところの計の百四十二億に見合っておるものでございます。
 こういうことで交通安全対策の計画ができました。その計画によりまして、本年度分について、特に基準財政需要額の中で、道路の分は道路費に、それから信号機分は警察費において、それぞれ単位費用を引き上げる等の措置によりまして、基準財政需要額で財源を見ていく、こういう形をとってございます。
 それから、もう一枚別の紙で、地方債の修正計画をお配りしてございます。本年度の発生災害と、過年におきます災害関連事業等につきましての地方負担に見合うものとして、従来のペースによって百三十六億の地方債の修正をいたしております。いずれも政府資金でございます。
 以上、簡単でございますが御説明といたします。
#6
○委員長(仲原善一君) 午後一時まで休憩いたします。
   午前十時五十八分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三十二分開会
#7
○委員長(仲原善一君) 地方行政委員会を再開いたします。
 昭和四十二年度分の地方交付税の単位費用の特例に関する法律案を議題といたします。
 御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
#8
○鈴木壽君 四十二年度分の地方交付税の単位費用の特例に関する法律案に直接入る前に、関連をして地方財政の問題について若干大臣に見解を承っておきたいと思います。
 大臣は先日のごあいさつの中に、地方行財政全般にわたる種々の問題についてお述べになっておられまして、その中に、地方財政についてももちろん触れられておるのでありますが、その中で大臣は、地方財政が非常に、何といいますか、従来から言われておりまして構造的な欠陥がまだ是正されないままに、さらにその硬直化の度合いを強めておるということをおっしゃっておるのでありまして、私もそのように考えるのでありますが、この地方財政の硬面化の問題と関連をしまして、政府部内から国の財政の硬直化ということが大きく叫ばれまして、その硬直化の要因となっておりますものの一つに、地方交付税の問題がある、こういうことがしきりに言われておるのであります。そこでお聞きしたいことは、もちろん、国のほうの財政にもゆとりのないということもわかりますが、国の財政の硬直化ということがあたかもその大きな責任の一半が――責任というより要因の一半が地方交付税のそれにあるのだというような見解に対して、大臣としてはどのようにお考えになっておられるか、これをひとつまず最初にお聞きしたいと思います。
#9
○国務大臣(赤澤正道君) 最近その問題がやかましく話題に供されておりまするけれども、私は事態の本質をあまり認識しない方々の御発言じゃないかということを憂慮しておるのであります。硬直硬直と言うが、国の財政のうちで三二%と切られておったら、このくらいはとりようによっては、硬直というか、全然動かない金額でございますから、でなくて、やっぱりこの地方交付税というものは、まあ地方団体相互の財源調整にも使っておりまするけれども、やはりこの地方財政も国の財政も車の両輪と申しますか、非常に錯綜しているわけでございまして、だから、ただいま鈴木先生おっしゃったように、財政の硬直化といえば、国も地方も同じことであって、どうにもならぬ段階まで来ておりますもので、たいへん憂慮しておるわけでございます。この三二%をもっと下げたらどうか、下げたら国のほうが楽になるかというと、そうじゃない。下げただけ地方には財源がなくなれば、やはり別の面で、補助金その他の面で国におんぶしてくることに当然なるわけでございますので、私は、三二%というのは単に国と地方との税の配分の一つのポイントをきめただけの問題である、これを下げるということは必ずしも国の財政硬直化に寄与するものではないという考え方を持っております。
#10
○鈴木壽君 大蔵省あたりが財政の硬直化を盛んにことしの九月ごろから言っておるのでありますが、さっきも申しましたように、その硬直化の原因の大きなものが、地方交付税の来年度を見通して、たしか二千四百億程度の増になるはずだと、こういうことでこの交付税を何とかしなければならぬ――何とかするということはは少し悪いんですけれども、たとえば率の引き下げやら何か、あるいは現在の三税にリンクするやつを別の形でやって、こうしたふえていくことを押えなければいかぬというふうに言っておるようでございますね。そこで、どうでしょう。いわゆる国の財政の硬直化、もっと端的に言えば、当然増の経費がこういうふうに大きくなるんだということの中に、二千四百億の明年度の交付税の増額になると言っておるのでありますけれども、はたして交付税というものがいわゆる当然増経費というふうに見るべきものであるのかどうか、私は大きな問題だと思うのですが、そこら辺についてどうです、大臣の見解は。
#11
○国務大臣(赤澤正道君) ただいま御答弁申し上げたことで尽きると思うのですけれども、やはり国の財政と地方財政は車の両輪でございますから、やはり自然、非常に入り組んでもおりますし、両方とも同じ程度に硬直化してきておることは間違いないことであります。交付税三二%というのは二八・何%からだんだん変わってまいりましたけれども、これは国と地方との税の配分というものを単に補完するというものであって、私は、この三二%のために国の財政が硬直化するという受け取り方はたいへん筋違いじゃないかというふうに考えておるわけでございます。
#12
○鈴木壽君 それではお聞きしますがね、これは明年度の予算編成もだんだん最終段階に入ってきていると思うのでありますが、この交付税の税率の引き下げ等についての大蔵省との話し合いは行なわれておるんですか、その辺どうですか。
#13
○国務大臣(赤澤正道君) まだ全然行なわれておりません。
#14
○鈴木壽君 伝えられるように、三二%は高いから三〇%ぐらいに、二%程度引き下げたらどうかというようなことを大蔵省のほうで考えておるやに伝えられておるんですが、こういう点は別に何も具体的に予算編成についてのその場で話にはなっておらないわけですね。
#15
○国務大臣(赤澤正道君) いまの段階では正式には何の申し入れもありませんし、まあ、あっちこっちで線香花火を打ち上げていると、こういう状況だとお考えいただいてけっこうかと思います。
#16
○鈴木壽君 まず私が大臣に望みたいことは、お話のように、国も地方もそれこそ財政の硬直化ということは同じで、しかもまた、国の財政、地方の財政というものは車の両輪のようなものだというお話、そのとおりでございますが、何かそこから、そのことばの中からちょっと心配なのが出てくるわけです。国が苦しくていろいろな経費の削減をしなければならぬという場合に、地方もそうでなければならぬ、したがって、交付税も減らさなければならぬと、まあ減らすという意味は、率の引き下げということを私いま言っているのでありますが、そういうことに乗る危険性があるんじゃないかというようなことを考えますが、いかがでございますか。
#17
○国務大臣(赤澤正道君) そういうことはございません。ただ、つけ加えて申し上げますと、国の財政の硬直化ということも、何らかもっと弾力性を持たせるような形に改めなければいかぬと思いますし、同時に、これとは別個に、地方財政の面でも、行政を含めて、私はやっぱりいろいろ原因があるんじゃないか。お互いにまあ地域住民としての立場、納税者としての立場もあるわけでございまするので、私も今度再び自治大臣やることになったわけでございますが、根っこから再検討してみたいと思っております。がしかし、やはり再検討したから、これだけ余分があったから、それは国の財政に寄与するといったような考え方よりは、やはり行政事務の簡素化、合理化、こういうことを中心にして考えますと、やっぱり法令の整理とか、あるいは補助金の整理とか、いろいろな問題があります。そういったこともやはり地方行政の立場から検討いたしまして、そして地方財政の中身というものをもっと弾力性のあるものにしなければいかぬということを考えておるわけでございます。
#18
○鈴木壽君 どうも新聞なんかで伝えられておるところからしまして、大蔵省が見る地方財政の状況、こういうのに非常にぼくら、まあ端的に言うと、ふしぎに思うくらいのいろいろな見方をしておるようでありますが、もっと端的に申しますと、地方財政はかなりゆとりが出てきているんだと、決算の状況を見ても、四十一年度も四十年度も、あるいは、その前から黒字続きじゃないかと、そうして一方、税収も、あるいはまた交付税等もふえてきていると、こういうことが大蔵省の一貫した見方じゃないだろうかとぼくら見ることができる。いろいろなまあ彼らの発言なり発表なりを見るのですけれども、自治省はこういうことに対して、どういう態度で大蔵省と、いろいろな問題についての折衝の際に臨んでおられるのか、これはどうです。
#19
○国務大臣(赤澤正道君) そういう考え方は、経営というものの実態を知らない考え方だと思います。で、地方財政が赤字に悩んでおりましたのはつい先刻まででありまして、これでは地方行財政の将来が思われるということで、ずいぶん手きびしい指導をいたしました結果、無理に無理を重ねて、やっとまあわずかばかりの黒字が出るようになった、この状況をとらまえて、地方行財政はうんと楽になったんだと、じゃあ、そういう余分があるならひとつ召し上げようという考え方だったら、地方団体は黒字を出しただけばかを見たということになるので、私は、それは正しい行政のあり方ではないと思う。まあ人のものはよく見えるものですからね、大体。そういう意味で、たいへん誤解を呼ぶようなことを大蔵当局が言うとしたら、はなはだ地方団体の実情を知らざるものであると私は考えております。
#20
○鈴木壽君 大臣がいまおっしゃられるような、まあ実情を知らぬ、地方財政そのものを知らぬという、まあ大蔵省と言ってしまえばこれは少しよくないが、まあいずれ外部にそういう見方のある場合に、それに対してもっと自治省が地方財政の状況はこうなんだということを、実情を正しく認識してもらうためのそういう努力というものは、やっぱりひとつ大きく盛り上げていかなければいけないのじゃないかと思うのですが、どうです。
#21
○国務大臣(赤澤正道君) そのことについて日夜苦慮いたしておるわけでございます。ただ苦慮するだけでは何にもなりませんので、今日の実情というものは、御指摘のとおり、十分外部に訴えていく努力はいたしていきたいと考えております。
#22
○鈴木壽君 これはまあことしほどではないのですけれども、まあ毎年度、翌年度の予算編成の際に、おまえのほう余裕があるのじゃないかとか、いや苦しいとかというようなことをここ数年繰り返してきていると思うのですね。そうして、まああまりこういうことについての御理解が十分でない方々からすると、何かその金取りをそれぞれの立場において、かってなことを言ってやっているのじゃないかというふうな印象を与えるような、そういうことすらあったと思うのですよね。で、こういうことはしょっちゅう繰り返されておるということは、これは国の財政にとっても、あるいはまた、地方財政にとっても、まあ政府全体にとっても、これは好ましいことでは私はないと思うので、もっと、少なくとも政府部内では、それぞれの立場はあり、役所の領域はあるかもしれませんけれども、少なくとも政府部内では、こういう問題についてのあまり大きく食い違ったような考え方があるということは、これは私、残念なことだと思うのですがね。大蔵省はこう言う、いや自治省はこうだと、そうして最後に何が何やらわからぬような形で、まあこれだけ取ったからいいとか、あるいは、これだけに押えたからいいとか、予算の編成の最終段階においてまあ手を打ったのか、相打ちになったのかわかりませんけれども、そういうかっこうで過ごしてきたというところに私は大きな問題があると思うのですがね。そういう点、今後私はもっと、先ほど申しましたような見地で、お互いかってな、これと食い違うようなことを言わないようなところで、ひとつきちっとした方針、方策を立ててもらいたいと思うのです。これについて大臣、御見解がもしありますれば承りたいと思います。
#23
○国務大臣(赤澤正道君) 全く御指摘のとおりでございまして、予算に関して苦しいから自分のほうはこうしてもらいたい、それには、あの省は余っているとか、あるいはまた、それと逆のことを他の省も言う、閣内でも部内でも不統一をさらけ出して議論をするということはたいへん不見識なことだと思います。しかし、残念ながら、明年度予算につきましては、何と申しますか、大蔵当局のところでもまだ原案ができるのにほど遠い状態でございますので、また、日常、新聞社などが非常にこういったことを、何と申しますか、スクープをなさるというか、議論がいろいろ出てくるものですから、私たちは非常に恥ずかしい思いすらしておるわけでございます。
#24
○鈴木壽君 いまの問題に関連して、最近伝えられておることで、新聞なんかの見出しによりますと、出世払いということを言われておる問題が出ておるようでありますが、昭和四十年度において税の落ち込み等によって交付税の落ち込みが五百十二億でございますか、当時確かにそういうふうな数字であったと思うのでありますが、そういうものを国で当初予算に穴をあけないようにということで補てんをした措置がとられましたが、地方財政が今度よくなったからそれは返してもらいたい、こういうことが大蔵省のほうから言い出されておるということを新聞なんかで報じられておるのですが、これは一体どうなのか、真実なのか、そういうことがあったのかないのか、もしあるとすれば、一体これに対してどう対処していくのか、こういうことについて大臣からお伺いしたいと思います。
#25
○国務大臣(赤澤正道君) 四百八十二億円の問題のことじゃないかと思いますが、あれは御案内のとおりに、昭和四十年度、景気が非常に沈滞いたしましたときに、国税の歳入の減額補正をいたしました。この不景気は当然地方税にも影響したわけでございますので、当時予算上に組まれておる地方財政に大きな歳入欠陥が出てくるということで、一応これは当時の両大臣と話し合いまして、国税三税にパーセンテージをかけた交付税の落ち込み分を別に補正しようということで特別法をつくって、落ち込み分だけを落ち込ませない補正をしたわけでございます。法律によるものでございますので、われわれとしては借金とは考えておらないわけです。ただ、本来ならば、落ち込んだらそれはいたしかたない交付税でございますが、そういう特別な措置をいたしましたので、やはり将来地方財政がゆとりができる日があればまたお返ししょうという覚え書きが交換されたことがございます。それを俗に、どこから漏れたのか、出世払いなんというようなことに表現されておるようでございまするけれども、私たちは、あの四百八十二億円に対してはそういう考え方を持っております。
#26
○鈴木壽君 大蔵省から、あれですか、出世払いとかというふうに新聞では言っておりまするその四百八十二億円の返済について、自治省のほうに話し合いがあったわけなんですね。
#27
○国務大臣(赤澤正道君) まだ聞いておりません。
#28
○鈴木壽君 財政局長、御存じありませんか。
#29
○政府委員(細郷道一君) 同じでございます。
#30
○鈴木壽君 これは新聞がどの程度真実を伝えているのか、これはわからないのですがね、そういう動きのあることは確かなようですね。正式に自治省のほうへ、財政当局のほうへ言ってきた、大臣のほうへ言ってきたかどうか、いま大臣も否定しておられますから、ないでしょうけれども、いずれそういう動きのあることは、これは確かなようであります。そこで大臣、いまお話しの中で、当時交付税の落ち込み分を一般財源で補てんをした、それをちゃんと法的に当時特別立法をしてやったのだし、借金とは思わない、そういうお話であります。私どもも当時、借金だという説明は聞かなかったんですがね。ところが、また一方、大臣もお認めになっておられるように、大蔵大臣と自治大臣との間の覚え書きというものがあるのだそうですね。これは一体どういうことなのか、両大臣の覚え書きというもの、いまの大臣、あなたのお話の中では、そんなものに拘束される必要はないんだというふうにもとれることばがありましたが、これはどういうふうに見たらいいものでしょう、覚え書きというものを。
#31
○国務大臣(赤澤正道君) 自治省の考え方は、ことばはたいへん悪いんですけれども、民間で俗に言う、お世話になりましたが、もうかったら必ず返しますよ、こういうことに該当するんじゃないかという気持ちもするわけでございまして、地方財政によほどゆとりができますれば、まあいつか返すという徳義上というか、道義的な意味での責任を負うたにとどまって、法律上の責任はないと私は判断しております。
#32
○鈴木壽君 法律上の責任はない。しかし、何といいますかね、道義的といいますか、いつか地方財政にゆとりのある場合には返しましょうということなんだから、そういう面では、またどこか拘束されるところがあるようにも思うのですが、この点どうでしょうか。
#33
○国務大臣(赤澤正道君) ものの見方が、いまの段階で地方財政にゆとりが多少でもできたかどうかという判断に帰すると思います。それで、わずかばかり、先ほど申しましたような、ずいぶん無理な指導をして、ほんのちょっぴり黒字ができたから、さあ地方財政は好転したという見方は少しうかつじゃないか、やはりこれが何年間か続くとか、あるいは予算規模総額に照らして、もう少し大幅の黒字が出たといったようなことになれば、やはりいわゆる好転したということが自他ともに認められるようになれば、やはりいつの日か返してもいい、こういう判断でございます。私どもは、やはりいまの地方財政の状態は好転したとは全然考えられませんので、まだそういう約束を果たすという段階ではないと考えております。
#34
○鈴木壽君 これは地方財政が好転したという見方、あるいは、まだしてないという見方、これはいろいろあると思うのですが、いずれにしても好転した場合には返さなければいけないという、やっぱり一つの法律じゃない、したがって、法的拘束力とかというようなことではないが、いずれやっぱりこの覚え書きというものは将来にわたってこれは生きているというふうに見なきゃいけませんね。
#35
○国務大臣(赤澤正道君) そのとおりでございます。
#36
○鈴木壽君 そうなると、これは大臣、当時の大臣でもございませんし、局長も当時局長でなかっただろうと思います。だから、ここであなた方に言うのはおかしいが、何か法律にちゃんとあることで、表面、われわれに対しては、これはもう国の一般会計からの補てんなんだ、裏話は何も聞かされておらないのです。当時の福田大蔵大臣と永山自治大臣との間に、いま法律的と言っちゃ悪いけれども、まあいずれか拘束されるいわゆる覚え書きというものがあって、地方財政が好転した場合には、この五百十二億、その後数字は変わってきておりますが、これはあとでお聞きしますが、五百十二億という金が、いつかは返さなければいけない金なんだ、こういうことだとしますと、当時この地方財政の特別措置法を――法律の名前そうだったと思うが、いずれそれをやる場合に、まあぼくらにもちょっとぐらい、においぐらいはかがせておいてもらってもよかったんじゃないかと思うのですが、全然私どもわからなかった。永山さんは当時、これはもう無条件で国が埋めてくれるのだ、そのほかに金も貸してくれるし、起債も認めるのだというようなことで、当時われわれに対してはそういう態度であったのですがね、知らないでいる間に取りかわされておる、今度それが生きてくるのだというようなことになって、われわれの考えておった、あるいはまた、われわれがこれから考えていくこういう大きな問題についての非常に大きな拘束の力を持つというようなものになりますね、これは。まだ具体的に大蔵省との間に話し合いが行なわれておらないようでありますけれども、どうですか、こういう問題ですね、けしからぬことだと思うのですが、どうです、大臣。
#37
○政府委員(細郷道一君) 私も当時、その直接衝には当たっておりませんので、多少推測めいたことを申し上げるかもわかりませんが、昭和四十年度は御承知のように、国におきましても、国税の収入が非常に落ち込みをいたしまして、そのために赤字国債を発行するというような事態になったわけであります。その際に、地方交付税、当時は二九・五%であったわけでありますが、それを、二九・五%分の額をそのままほうっておけば、交付税として減額をしなければならぬ。そのころの見込みで五百十二億という、当時の補正予算をつくる、当時はそういう見込みであったわけであります。しかし、それはまあ国が赤字公債を出すような状態なんだから、いわば国がかわって国債を出して借り入れをすることによって地方交付税の分を補てんをして当初予算の計上額どおりにしよう、それによって地方財政の運営を年度の途中で著しく変更するようなことはすまいということで、穴埋めをするということにきまったわけでございます。しかし、その際に、これはまあ行政機関同士といいますか、政府部内の問題でございますが、まあこういう困ったときにこういう措置をするのだから、将来よくなったらまた返してくれよ、こういったような、おそらくは当時の状況としてはそういう程度の話し合いで、こういう覚え書きができたものと、こういうふうに実は私は見ておるわけであります。その状態がどういう状態であるか、それがまた、当時国会であの法律が衆議院の段階で議論になりましたときにも、衆議院の大蔵委員会で、そういう覚え書きがあるなら中身はどうなんだ、一体どれくらい交付税の精算額が出たらいいのかというような質問に対しまして、当時の当局は、別に幾らの額が出たらどうしようというようなところまで実は話し合いをしているわけのものでもない。その辺はやはり常識的に判断をすべきものだと思っておりますというようなお答えも申し上げておるわけでございます。そういったようなことから考えまして、当時はいま申し上げたような状況のもとで、そういう政府部内における覚え書きができたというふうに受け取って間違いがないのではなかろうか、こう私は思っております。したがって、その覚え書き自体、別にそれをひた隠しに隠さなければならぬのだというほど、積極的に隠そうとしておったわけでもございませんでしたと思いますし、また、そうかといって、積極的にそういう将来いいときがあったら返せよといった、いわゆる出世払い式な考え方を、積極的にこうなんですよという必要もそうなかったのではなかろうかというふうな状況に私たち実は見ているわけでございます。
#38
○鈴木壽君 まあ、いまになって、それこそ代のかわったあなた方に言うのはちょっと私も何かぴったりしないというふうな気持ちもしますけれども、やはり将来財政が好転したという一つの条件があるわけでありますし、あるいは交付税の精算額が多額にのぼったというようなことも条件だと思うのですが、そういうものがあるのですが、いずれもそういう場合には、これは見方がいろいろあると思いますが、そういう場合には返さなければならぬということについての拘束力のあるものだということだけは確かなんですね。そういうものだったら私はやはり、さっきもちょっと言ったように、いや政府部内でこういうふうな話になっているとか、一々文章まで見せてもらわなくても、そういうことぐらいは何かやってほしかったと、いまでも私はそう思います。実は、 この覚え書きのことはあとで衆議院の大蔵委員会に当時問題になったということがありまして、いま私、その会議録も持っております。持っておりますが、肝心の地方行政委員会のわれわれにはそういうことが一言もなかった。私、何も、何が何でも話をして、内輪問題までも話をしてというふうなことを言っているのじゃなくて、しかし、こういう大事な問題は何かの形でやはり一応話としてわれわれの耳にも入れておいてもらわないと、あとになって何だということになるわけですね。こういう文章ですね、この覚え書きの文章は。「将来、地方交付税法第六条第二項の規定による精算額が相当多額に上る等、当該年度における地方財政が著しく好転する見込があると認められる場合においては、大蔵、自治両大臣が協議して定めるところにより、国の一般会計に返済する措置を講ずるものとする。」、はっきりこうありますから、法律ではないけれども、少なくとも両大臣がやはり言ったことだとしますと、さっきからお答えになっておられるように、やはり一つの拘束力は打っているというふうに考えなければいけませんね。ただ、何べんも繰り返して申し上げますように、財政が好転したかどうかという見方については、いろいろの立場からの相違があると思いますけれども、いずれにしましても、そういう時点というものは、もし双方の見解、見方に一致する場合があれば、これは返さなきゃいかぬという金ですね。まあ、これはひとつこの出世払いとかなんとかと言われること、いきさつについては、これ以上申し上げませんが、これは今後のやっぱりいろいろこういう問題の扱いにおいて、十分これはひとつ考えていただきたいと思うし、そうでなければならぬと思うのですがね、大臣いかがです。
#39
○国務大臣(赤澤正道君) 私はまあ非常に軽いものだと考えておりますが、たとえば軽いものでありましても、やっぱりこういうものがあるということを皆さんによくお示ししておいたほうがよかったと、いまにして思えばそう思うわけでございます。
#40
○鈴木壽君 そこでお聞きしたいのは、まあ拘束力があるとかないとか、それはまあそれでこれ以上申し上げませんが、かりにいつかは返さなきゃならぬということであるとしても、いまの時点で、たとえば来年度において、いわゆる返還といいますか、返すということが可能な状況に、地方財政の状況がそういうふうであるのかどうかということについては、さっき否定的なことばがあったと思いますが、したがって、大蔵からそういうふうな要求といいますか、要望といいますかね、話が出ても、これには応じられないという態度であることは、これはそういうふうにわれわれ理解していいと思いますが、いかがでございますか。
#41
○国務大臣(赤澤正道君) いまの時点では、来年の見通しさえ、はっきり立ちにくい状態でございまするので、まあ、いまの段階でとりあえずこれを返すという意思はございません。
#42
○鈴木壽君 そこで、その点はわかりましたが、その当初、交付税の落ち込みが五百十二億ぐらいというふうに説明されておりましたし、もし返すとすれば、全部であれ、あるいは一部分であれ、ともかく、その額は五百十一億何がし、十二億だろうと思っておったが、何だか四百八十二億円だというふうに言われておるのでありますが、これはどういうところから来ておるのか。
#43
○政府委員(細郷道一君) 補正予算を当時組みますときに、年度の途中でその年度内に国税三税がこれだけ落ち込むであろう、その二九・五%は五百十二億である、こういう見込みを補正予算のときにつくったわけでございますが、その後「決算になってまいりますと、実績が落ち込むと見込んだ額よりはやや上回った国税主税の収入がございました。その分の二九・五%だけはいわば落ち込みでなく済んだわけでございます。その結果、実績から見ますと、四百八十二億で済んだ、こういうことでございます。
#44
○鈴木壽君 じゃ、確かめる意味でもう一度お聞きしますが、当初この五百十二億というふうに見込まれておった額が、年度を終わって、いわば精算してみたら、実際はそうでなくて四百八十二億円になった、まあ、その間に当初の見込みよりは三税の伸びがあったために、その二九・五%、当時はね、大体三十億というものがまあ浮いた形になりますわなあ。そういうことで、現在問題になっているのは、五百十二億円でなしに四百八十二億円だと、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
#45
○政府委員(細郷道一君) そのとおりでございます。
#46
○鈴木壽君 ちょっとその問題と今度変わりますがね、何かぼくらふに落ちないことが一つある。これは今度の交付税のこの法律にも関係していることなんでありますが、そうしてまた、財政局長から説明があったんですが、昭和三十九年度、それから四十年度にわたって、三十九年度には百五十億円、四十年度には三百億円、特別会計に借り入れをしておるんでありますが、それのうち残が四十二年度末で三百億円あるのを、さらにそのうち二百億円を今度の措置で交付税が出たからそれを返してやると、まあ、こういうことなようですね。そこで、これも当時の、特に四十年度の措置の際の説明からしますと、当時のやつは、三十九年度に借り入れした百五十億は、五分の一ずつ返していくというかっこうであったと思います。法律はそういうふうになっておりますね。それから四十年度の三百億円につきましては、四十一年度から、四十一年度においては十億円、四十二年度においては三十億円、次々年々三十億、六十億、七十億と、こういうふうに返していくというふうになっておるんでありますが、また、これはあとで法律をよく読んでみると、なかなかこれはうまい書き方だなと思うのだけれども、当時は私どもに、年々こういうふうに三十億円ずつ減額した金を借りて、結果として三十億を返す、あるいは六十億を返すのだというかっこうでやっていくんだということになったのですが、今度はどかっと二百億でありますね、これはやはりいまの、そのことのよしあしは別として、いまの地方財政がよくて、そういうものを返しても差しつかえないのだと、こういう前提に立ったんではないかと思うのですが、その点はどうですか。
#47
○国務大臣(赤澤正道君) それは全然違います。それは交付税の増額、増加分がまあ予想しておったよりもかなり多かったこと、また、年度途中でもありましたので、実際は自治省で見積もった金額をそれだけ上回って、つまり、交付税の増加分が七百四十九億になりましたが、実際は、この本年度は五百四十九億だったらどうにかまかなえるというめどがついたわけですが、しかし、窮乏しておる際ですから、二百億というものは有効に活用すればする道もありましたが、先ほどの四百八十二億と違って、これらは資金運用部資金から借りたものでございますので、交付税会計にいつか返していかなければならない。いまの時点で返しておけば、今度は年次償還額、いまお示しのとおりのものがありますが、そうすると、年次償還額だけは、毎年決算を逆にとれば浮いてくるわけでございますので、財政の健全な運営に資するために、今年は特にそういう措置をとったわけでございまして、財政に特別にゆとりがあるからやったわけではございません。
#48
○鈴木壽君 財政にゆとりがあるとはいまさら言われないんでしょうが、しかし、実際は何かそんなふうに考えておるからそういうような措置をしたのではないかというふうに思うんですがね。前に補正予算で交付税がかなり出て、いわば必要経費ぎりぎりと思われるようなものをオーバーするような額が出る。そういうようなものに対しては、しかし、これは交付税の地方のそれなんですから、使い方を規制したような、たとえば翌年度に繰り越して使えというような措置を講じたことがありますね。結局、借金して金を使っているんだから、その借金を早く返してしまえばいいじゃないかという考え方も確かにあると思いますけれども、交付税そのものからしますと、やっぱり地方団体に当然いく金ですから、予定しておった、たとえば、いまの給与改定に必要な額、それをかなり上回った額として補正で出てきたにしても、やっぱりこれは地方団体の金ですわな。
 それからもう一つは、三百億の借金は、三十九年度の百五十億も加わっておりますが、これについては、それぞれ返す限度というものは法律にきめられておりますね。これ以上返してはいけないということではないけれども、計画的にこういうふうに返していきましょうということが法定されているのですよね。ですから、借金の返し方は、それはそれなりでやっていいんじゃないか。そうしますと、二百億はまとめて返したようなかっこうですね、どうも私は、地方財政が苦しいときにおけるやり方としては、少し景気がよ過ぎるやり方ではなかろうかと思うのですが、どうですか、これは。
#49
○国務大臣(赤澤正道君) ものも考え方でございまして、節約はさせるだけしいてやって、たしか九十億の節約を強引にやらした。その上に二百億も出てきたものを気前よく返すのはおかしいじゃないかという議論も成り立つと思います。まあ、しかし、先ほども申したように、いつかは返さなきゃならぬということがはっきりしている金額でもあるし、また、当初の計画からいたしましても、大体五百四十九億円あれば今年は足るんだ。また、地方財政、国の財政、車の両輪と申しましたけれども、国も困っているということも一方考えながら、この際、返すべきものは返してしまうという考え方に立ったわけでございます。まあ、この段階では政治判断になるわけでございますが、そういう立場でございますので、ひとつお認めをお願いいたします。
#50
○鈴木壽君 ただ大臣、苦しい国の財政ということも考えてというようなこともありましたが、この種の借金、特別会計における借り入れ金、これは実際は国のそれとはたいした関係がない、形の上で操作して、毎年毎年借りかえたかりこうですね。そしてまた額は、返すという形でことしはかりに三百億、来年はかりに二百七十億にするという表面上の操作で、実際の苦しい財政に対する大きな圧迫とかなんとかという性質の金じゃないのですね、これは。そうでしょう。ぽかっと三百億出して、これを使いなさいと言って、それをいつまでも地方団体が借りるという形からすると、特別会計から借りて、そして地方にやっているという形の金じゃないですね。普通の意味での借金とは違うのですね、これは。ですから、これは国が苦しいからというようなことを地方財政のほうで、たとえば、その予定しておった額より上回った二百億なら二百億あると。だけれども、しかし、国が苦しいからまあひとつ早く借金返してしまいましょうと、個人的にわれわれがお互いの間で、たとえば三百万なら三百万借りてくる。こっちで使っておって、毎年これだけ返していきましょうといった、ああいう形のやつとは違うのでしょう、これは。ですから、何もこれでもって国の財政が助かるとかというような性質の金じゃないですよね、と思うのですが、どうですか、財政局長。
#51
○政府委員(細郷道一君) 従来もう先生御承知のように、年度の中途といっても特に後半、いまのような段階に交付税の自然増が出てまいりましたときには、その年の年度途中におきます見込まれる需要、たとえば給与改定のような需要を見込んでなお残が出ますと繰り越しをするというような措置を何回か実はとってきたわけでございます。繰り越しということは、よく考えてみますと、結局、年度間の調整ということだろうと思うわけでありまして、まあ交付税は地方団体の自主的な財源だから、出たものは全部地方団体に渡してしまえ、そういう理屈はもちろん十分立つわけでございますが、反面、やはり財政運営の当事者という面から見てまいりますと、入ったら何でも使ってしまえという考え方も、私どもは地方団体を指導する上においてはやはり好ましくないことだと思っております。やはり大事に年度間の調整をして使うというようなことも考えていかなければならぬだろう、そういうようなことから過去においても繰り越しをしてきたわけでございますが、今回の場合には、特に三十九、四十の二年度において、給与改定の財源がないために借り入れをしているというものが四百五十億あったわけでございまして、年度間の調整をする場合に、いろいろ将来の公債費を繰り上げて賞還をする、あるいは地方団体に全部渡してそれぞれの団体で繰り越しをしで、来年度の需要に使ってもらう、いろいろな方法は考えられるわけでありますけれども、この四百五十億円は給与改定のために借りておりますので、普通に借りたお金と違いまして、実は地方団体にとっては形が残っていないわけでございます。普通の起債でございますれば、資産の形で残っているわけでございます。これについては残っていない。そういったような特殊なことも考えまして、年度間調整の一つの方法として、今回こういう措置をとったわけでございます。
#52
○鈴木壽君 まあ、それにしても三十億のものが五十億、五十億のものが八十億という程度だったら私はいいと思うのですが、私は、何も地方団体に全部二百億をばらまいて使わしてしまえということではないのです。場合によっては、あなたもおっしゃっているし、また、私もさっき言ったように、翌年度への繰り越し、いわゆる年間の財政の調整というような形でやる方法もあると思うし、ですから、それははなから、何といいますか、地方団体のいろいろな考え方なり、本来権利のあるこういう金ですから、そういうものを簡単にあっちにやったりこっちにやったりするというような考え方というのは、私はちょっとどうかと思うのですが、あなた方も十分考えたことでしょうし、ある程度方法を変えていくというようなこともあり得ると思うんですが、何かそこにこういうものの扱いについて、もっとしっかりした考え方でやってほしいという私、気持ちがあるんです。これは意見になりましたから、これに対するお答えは要りません。
 そこで、一つ関連をしてお聞きしたいことがあるんです。毎年のように交付税が問題になって、率を上げるとか、下げるとか、そして、特にことしの場合は、さっきも言ったように、来年度に伸びると予想されておる二千四百億円ですか、これが大きいとか小さいとかいうようなことを、これが国の財政の硬直化の大きな柱なんだというようなPRもしておる向きもあるんですが、これは事の本質から言って、交付税というものはそういう性質のものじゃないと思うんです。
 そこで、そういう議論が出るもう一つは、きょうは大蔵省の人がおりませんが、大蔵省の人は、これは国のものだ、それを地方に分けてやるんだと、こういうことをいつも言うんですね。もともと国のものだ、それを地方に分けてやるんだと、こういうふうなことを言っている。確かに分ける率もきまっておりますから、そういうこともありますが、本来的には国のものだという考え方をいつも言っておるんですね。こういうことをなくするために、私は会計処理でひとつ考えてもらいたいことがあるんですよね。それは、いまのように税収を全部一たん国のものにして入れてしまって、そして支出の分として、三二%なら三二%を国が地方へ出してやるという、そして出すところは特別会計だと、こういう形をいまとってますね。私は、率もはっきりしているんだから、これはときには上げることがあってもいいし、また、下げることがあり得ると思うんです。その率のことはともかくとして、いずれはっきりしているんだから、その時点においては。いまの道路譲与税は特別会計にすぐストレートに会計に入っていきますわね。国の予算に乗らないで、国の予算の支出という形でなしに、すぐ入っていく、こういう方法をとれば、交付税の性格から言っても、すっきりした理解が得られるんじゃないか。これは国のものだとか、やれ地方のものだとかいうような愚劣な論も私は出てこないだろうと思うんですよね。そういういわば一つの仕組み、制度、こういうことについて検討してもらって、いま私が言ったようなことでやっていったらいいのではないかと思うのだが、その点はお考えになりませんか。
#53
○国務大臣(赤澤正道君) それは一つの考えでございますので、現に検討しております。いま交付税のことについて、だれか存じませんが、国のものだという主張は、私は根っこから間違っていると思う。これは国のものではなくて、国民のもの、住民のものだという考え方が正しいのでして、ですから、先ほどからるる申し上げるように、単に国と地方との税源の配分をきめたポイントにすぎない。ですから、もともと国のものを分けてやるんだという考え方は、私は根っこから違っていると思うので、そういうところ、きょうあたり、大蔵省出ておりませんので残念でございますが、よく聞いてもらいたいと思っているのでございます。
#54
○委員長(仲原善一君) ちょっと速記とめて。
  〔速記中止〕
#55
○委員長(仲原善一君) それでは速記つけて。
#56
○鈴木壽君 大臣、大蔵省が国のものだと言うのは、これはいまに始まったことではなしに、ずっと前からそういうふうなんです。私、ここで何べんもその問題についてやったことがあります。依然として彼らはそういう考え方を持っているし、予算の形式からいってもそういうふうに見えるのです。一たん国が税として取って、そのうち三二%を地方交付税としてこっちの特別会計に入れてやるんだという予算の立て方です。いかにも本来的に国のものであるが、そのうちのこれだけは地方にお恵み申し上げるというふうに見えるのです。そういうこともあるから――それをいま私、ここでいいとか悪いとかの議論ではないけれども、そういうこともあるから、さっき私、意見として申し上げた会計の入れ方を、いまのようなことでなしに、道路譲与税は特別会計の中にまっすぐにある率の金がいくでしょう。あれと同じような形でやれば、そういうことを言わせなくてもよくなるし、これについて、やれ財政硬直化の元凶だというようなことを言わせなくてもいいと思うのです。そして、それが私はすっきりしたやり方だと思うのですが、それについて私、ほんとうにひとつ次の国会でそういうふうに直してもらうようにやっていただきたいと思うのですが、重ねてどうです。これで終わります。
#57
○国務大臣(赤澤正道君) 目下研究している最中でございますから。
#58
○委員長(仲原善一君) ちょっと速記とめてください。
  〔午後二時三十六分速記中止〕
  〔午後二時五十分速記開始〕
#59
○委員長(仲原善一君) 速記を起こして。
#60
○鈴木壽君 もう一、二点いま問題になっている点でお聞きをしておきたいと思いますが、国鉄納付金の問題ですね。これはどういうふうになっており、自治省としては、それにどう対処しているのか、これをひとつお聞きしたいと思うのですが、だいぶ国鉄総裁はじめ国鉄の側では、こういうものを国鉄財政悪化のおりから出さないのだということを宣言しておるようでありますし、大蔵大臣もきのうかおとといの予算委員会で、出さなくてもいいように検討しているとかいうような意味のことを言っておるようでありますが、これに対して自治省としての考え方なり態度なりをお聞きしたいと思うのですが。
#61
○政府委員(細郷道一君) 御承知のように、納付金は十年ほど前に、国有資産等所在市町村交納付金法によりまして、固定資産税にかわる制度としてできたわけでございます。国鉄自体の――国鉄に限りません、専売公社等も一緒でございますが、そういった公社の持っております公共性にかんがみて、固定資産税の半分の額ということで制度がきめられておるわけであります。その後、国鉄当局から、この納付金を廃止または軽減をしてほしいという要請は何度か受けておるのでございますが、特に昨年度、国鉄が第三次増強計画を実施いたしますにあたって、非常に資金繰りに困るし、国鉄の赤字問題が表面化してまいりましたのを機会に、交納付金でも何か応援をしてくれ、こういう要請がございました。昨年は政府部内におきまして折衝の結果、第三次の増強計画によってできます施設に対しましては、三分の一に軽減をする、施設ができましてから五年間、三分の一に軽減をする、こういう措置をとって、先般の国会で法律を改正いたしたわけでございます。その措置によりまして、新線ができました場合に、施設がふえても交納付金の総額としましては急激にふえるということなく、年々おおむね横ばいでいけるというようなことをめどに持って実はそういう改正をいたしたわけでございます。ところが、まあ本年になりまして、国鉄自体の経営の赤字論から、再びその交納付金自体を全部廃止を認めてもらいたい、こういう話が出てまいったのであります。私どもはこれに対しては、いま申しましたような、当初から固定資産税がわりとは言うものの、公共性を具備しておるし、その後、第三次増強計画に対応する措置として昨年の軽減措置をとった、そういったような経緯からいたしまして、とても国鉄に対してそういうことに――国鉄の要請に対してそういう措置はとても応じられないんだと、こういう考え方を持っておるのでございます。あわせて、そういった国鉄だけに対して納付金制度があるわけでございませんものですから、やはり一つの税金にかわる制度としての存在ということを考えてまいりますと、私鉄等に対して固定資産税が課せられているということとのバランスがございますものですから、広い意味での税制上のたてまえからしても、それに応ずることはできない、こういうことで現在私どもは主張をし、国鉄の要請に応じられないということでやっておるわけでございます。
#62
○鈴木壽君 考え方はわかりましたが、しかし一方は、国鉄のほうでは、さっきも言いましたように、総裁をはじめとして、盛んに、けしからぬとか、廃止すべきだとか、今度市町村にはやらないのだと、こういうことを言っておりますが、そこで、いつまでも両方でそんなことをやっておってもしようがないと思うのだが、できるだけ早い機会に結論を出さなければいけないと思うのですが、それはどうですか。やはり最終の予算編成ができる段階ということになりそうですが。それとも、なおその段階においても問題が残って先へいくというような、そういう考え方なんですか、どうです。
#63
○政府委員(細郷道一君) 私のほうとしましては、いま申し上げたようなことで廃止に応じられないという態度を堅持いたしております。常識的に考えまして、おそらく予算の編成あるいは財政投融資計画の策定、こういうものを通じまして、国鉄に対して国がどういう態度に出るか、援助措置、出資等、どういう措置に出るかということとからんで問題の決着がつくのではなかろうか、こういうふうに思っております。
#64
○鈴木壽君 これは直接には国の会計にも、地方財政計画じゃない、交付税とか税ということとだいぶ違いますから、どっちにも乗ってこないわけですね。国鉄自体の会計の中には、聞くところによると、そういうものを来年度のやつとしては落としてあるというような話を聞きますが、そこら辺、確かめておりますか。
#65
○政府委員(細郷道一君) 私も正確には知りませんが、そういうふうに聞いております。国鉄の要求の形としては、そういうふうに聞いております。
#66
○鈴木壽君 ですから、国鉄の要求の中にそういうものが落とされて、百二十五億か百三十億程度だと思いますが、地方出体にとっては、まあなくされれば実際問題として非常に困るのですがね。いろいろ考え方、国鉄の財政の窮状とかなんとかいうことはともかくとして、困る問題ですが、困るからといって是が非でも出さなければいかぬという理屈にもならぬと思いますので、いずれ筋論からいっても、やはり出すべきが当然だと思うし、市町村としてはそれがほしいのだ、こういうのですから、それがいま国鉄の来年度の要求の中には削られて、これは出さないのだということをもうすでに公言しているというようなこともありますので、早い機会に、これはひとつやっておかないと、市町村では非常に困るわけですね。もちろん、あなた方としても困った問題になると思いますが、ですから、これはいまのお話のように、いま国鉄の予算といいますか、ああいう予算がどういうふうになるか、財政投融資がどういうふうになるか、その中で結論が出ると思いますが、どうかひとつその段階できちっと、変なかっこうであとに残らないような形で、ひとつやっていただきたいと思うのですがね。政務次官、ぜひひとつ、これは大臣あるいは政務次官という立場で、こういうことはやはりきちっとしておかなければいけないと思いますので、御見解をひとつお聞きしたいと思います。
#67
○政府委員(細田吉藏君) おっしゃいますとおり、これはきちんとしておかなければならぬ問題だと思います。また、きまったものを何か払わないというような言い方は、これは不謹慎な話で、私どもはそういう態度は絶対に排撃されなければならないと思っております。いま細郷局長から申し上げましたが、国鉄の予算全体の中で考えてみますと、最も大きな問題は、政府出資というものをどうするか、あるいは、いままでの借金をどういうふうにして、利子補給などと普通言われておることでございますが、そういう大きな問題が実はあるわけでございまして、金額からいいますと、納付金問題というのは、それらの問題と比べますると、金額的には非常に小さい問題でございます。私どもは、私は実は国鉄部長というものをしておりましたときに、私自身が運輸省の代表として、この納付金制度というものは、いろいろ三年ごしくらいで話し合いまして、つくったものでございます。たしか昭和三十一年くらいかと思います。そういうものでございますので、当時と事情が違うというような事情もいろいろあると思いますが、いずれにいたしましても、はっきりしてもらわなければいけないですから、私どもは、国鉄財政の再検討ということで、これは大きいとこかがら解決してもらうべきで、納付金については、いま申し上げておりますように、地方の市町村としてはもちろんあげて反対でございます。自治省といたしましても、あくまでもこれについては別なほうで考えてもらいたいという態度でおりますので、きっちり予算上編成の際にはさせたいと、かように思っておるわけでございます。
#68
○鈴木壽君 心配になるのは、さっきもちょっと申し上げましたが、大蔵大臣が何か国鉄の納付金というものを出さなくてもいいようにしたいという、簡単な、そういうそれだけの記事ですから、具体的な内容のことはわかりませんが、どういうことを意味するのか。ただ心配されますのは、国鉄の言い分どおり地方団体にはいかないのだというようなことになるとすれば、これは困ったことじゃないかと私は思っているのです。そこら辺、大蔵の考え方に、何かのおりにでも話し合われたことがあるのかどうか、いかがでございますか。
#69
○政府委員(細田吉藏君) 実はきのうでございましたか、参議院の予算委員会で大蔵大臣がああいう発言をされた、こういうことを私も実は新聞で承知いたしまして、実はびっくりしたわけであります。どういう言い方をされましたか、実は私も新聞だけしかまだ、実はけさのことでございまして見ておりません。承知いたしておりません。自治大臣はあとで答弁しておられますので、大臣はその場におられたことでございますので、この点につきましては、明確にさせなければならぬ、実は御同様に心配をいたしておるわけでございまして、大蔵大臣がどういうお考えでおっしゃったのか、そういう点につきましては十分確かめてみたいと、かように思っておるわけでございます。事務当局がこれについて大蔵事務当局と当たっている感触については、政府委員からお答えさせたいと思います。
#70
○政府委員(細郷道一君) 私のほう、税務局でこれは所管をいたしております。私の接しております限りでは、そういった話は聞いておりません。
#71
○鈴木壽君 まあ、これはさっきも要望してありますように、ひとつ予算編成の最終段階ではきちんとした話をして、また、その裏の覚え書きだの、出世払いだのというと、貧乏人になったときには払わぬし、もうかるときにはやるなんて、そんなあいまいなことのないように、きちんとやってもらいたいということを一つつけ加えておきます。
 もう一つの問題につきまして、政務次官ね、住民税の減税の問題ですが、これをおやりになるというようなことが伝えられておりますけれども、そうしてまた、この前の国会――この前というか、衆議院でこの前の地方税関係のあのときに付帯条件がつけられたり何かした関係からいえば、やらざるを得ないと思うのですが、そこら辺どうです、どういうふうに固まっておられるのか。
#72
○政府委員(細田吉藏君) 住民税につきましては、御承知のように、前の国会――前々ですか、衆参両院でも御決議もいただいております。私どもといたしましては、住民税の減税につきまして実施いたしたいという気持ちでいろいろ検討いたしておるのでございますが、しかし、まだ明年度予算の大きな問題がいろいろペンディングになったままに実はなっておるわけでございます。これも私ども、公式には何も聞いておりませんが、新聞を見ると、大蔵当局は出世払いだの、三二%がどうだとかいうことをPRしておるやに聞いております。私どもは公式にまだ何も聞いておりません。そういう全般の問題とにらみ合わせませんと結論は出ないと、かように考えておりますが、ただ、私どもといたしましては、予算の大きな問題については、われわれの主張を通し、そうしていきますならば、住民税の中での、ある程度の減税を考えてまいりたい、かように思っておるわけでございます。
#73
○鈴木壽君 ところが、住民税の減税を行なうというような場合いつも問題になるのは、かわり財源があるかないかというふうなことだったと思うのです。地方団体でいわば減税による減収ですね、これを何かで埋め合わせてもらわなければ困るというようなことから、かわり財源ということがしょっちゅう問題になっておったわけですが、今度の場合、やはりそういうことを考えて、もし、かわり財源があればやるし、なければやらぬという、こういう考え方ですか。それとも、そうでなしに、あくまでも住民税の減税の問題としてやっていくという、こういうことなんでしょうか、どうですか。
#74
○政府委員(細郷道一君) そういったような問題も含めて、実は来年の地方財政の見通しというものを得られませんと、私ども、実は最終の判断がいたしかねるわけでございます。特に来年度は国税、地方税を通じまして、まだ税制改正にどんなことをやっていくのかということがきまっておりません。やがて結論は出ると思いますけれども、そういったものを見てみませんと、最終的な判断ができないという状況でございます。
#75
○鈴木壽君 税調あたりでいまそういう問題を取り上げて、予算編成の最終段階にもう入ってきておると思うのですが、それに間に合わせて何かそれについての答申を出すというようなことがありますかどうか。
#76
○政府委員(細郷道一君) 政府の税制調査会はいつもそういった財政問題も考慮をいたしますが、それではなかなか内容の審議が進みませんので、税制としてもしやるならばどうやったらいいかというような審議のしかたをするのが通例でございます。今回もそういったような前提を置きながらの議論を進めておるというふうに聞いております。
#77
○鈴木壽君 これはいわば人さまの――人さまのと言っては悪いけれども、税調のことですから、こちらでかってに推測もできませんが、ですから、いまのお話からしますと、税制そのものから、たてまえ上としての減税の問題なり、あるいは増税の問題なりということを考えている、そういうものに立っての答申を出すつもりなんですか、出さないつもりなんですか。どうですか、わかりませんか、あなた方の接触で。
#78
○政府委員(細郷道一君) 税制調査会としては、いま申し上げましたようなことで、いろいろな要件を置きながらも、税制としてはどうすべきかという答申を出されるものと考えております。
#79
○鈴木壽君 住民税の減税というのは毎年問題になることですし、地方財政の状況というものは必ずしもまた大蔵省の言うような好転したとも言えない状況ですし、むしろ逆に、いわゆる硬直化ということが問題にされなければならぬような今日の事態ですから、しかし、それにしても住民税の減税というものはやっぱりいずれにしても取り上げなければいけないと思うので、その幅がどうか、どの程度にやるかということは、いろいろ問題があるにしても、何か新聞なんかで見ますと、自治省は地方税の減税に踏み切ったというようなことがあるものですからね。そうしますと、そこら辺どういうふうに考えておられるのかということを実は確かめてみたかったんですが、いまのところ、まだ、そうしますと、あれですね、どっちとも言えないというところなんでしょうか。あくまでもやるということを前提にしながら、いろいろな条件をどう整えていくかということを考えているというのか、そこら辺どうでしょうか。
#80
○政府委員(細田吉藏君) 先ほど申し上げたことに尽きますが、私どもとしましては、現在住民税の減税をいたしたいと、こう考えておるわけでございます。しかしながら、全体の地方財政計画がどうなっても何が何でもやるんだと、こういうふうにまでは考えておらないと、こういうことでございますが、われわれとしては、やはりほかにも要求しておるわけです。まあ、それに対して大蔵事務当局あたりでは、またいろんなことを言っておるようでありますが、私どもはそういうことに耳をかしたり、また、結論的にそういうかっこうになったんでは、地方財政が破綻に瀕しますので、そういうことを受け入れたくない、もう絶対反対と、もうおそらく大臣からもお答え申し上げたと思いますが、まあ私どもが希望しておりますようなことで住民税の減税もやらしてもらいたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。ですから、まあ決定しておらぬと言えば決定しておらぬわけでありますが、気持ちとしては、そういう気持ちでおるわけでございます。
#81
○鈴木壽君 私、先ほど来いろいろな問題でやりましたが、まあ、いわば私きょう取り上げたのは、いまの地方財政の状況あるいは来年度の国の予算、地方財政措置、そういうものに関連すると思われる、しかも、最近話題にのぼっておるような問題についてお聞きしたところなんですが、何かいろいろ伝えられるような考え方からいたしますと、地方財政というものに対する一つの、まあ間違ったと言ったら語弊があるが、何かほんとうのものをつかんでいないというような感じを持つのですが、これは大臣もあいさつの中に言われておりますように、それから、ついせんだって出ました地方制度調査会の答申を見ましても、当面の措置についての答申というこの中にも、地方財政が非常な、何といいますか、硬直化という問題で困っているのだということはここにずいぶん指摘されておりますので、こういうことに立って、ひとつ地方財政の確立につきまして、ぜひ大きな努力をしていただきたい、こういうことを最後に要望として申し上げます。これはどうも応援団のようなかっこうになりまして、まことに悪いのでありますが、ほんとうに私は地方財政というものを考える立場から、こういう要望を申し上げまして、きょうの段階はこの程度にいたします。
#82
○政府委員(細田吉藏君) 御激励をいただきまして、たいへんありがとうございました。
 先般の地方財政に関する地方制度調査会の答申は、現在の地方財政の問題点をほとんど余すところなく指摘していると思います。私どもとしては、皆さま方の御激励を得まして、地方財政の確立にさらに努力いたしたいと思います。正しい姿を一般にわかってもらうというような点につきましても、先般衆議院で御指摘をいただきました。私どもとしては、そういう点につきましても特に意を用いまして、そういうわけじゃない、実情はこうである、ほんとうの姿はこうなんだという点につきまして、今後PR等についても十分考えてまいりたいと思っておりますし、もう予算折衝もぼちぼち始まっているわけでありますが、自治省あげて、ひとつがんばりたいと、かように決意をいたしておる次第であります。
#83
○委員長(仲原善一君) 本案に対する本日の審査は、この程度にいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十六分散会
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ソース: 国立国会図書館
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