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1967/12/12 第57回国会 参議院 参議院会議録情報 第057回国会 商工委員会 第2号
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1967/12/12 第57回国会 参議院

参議院会議録情報 第057回国会 商工委員会 第2号

#1
第057回国会 商工委員会 第2号
昭和四十二年十二月十二日(火曜日)
   午前十時三十七分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         鹿島 俊雄君
    理 事
                井川 伊平君
                近藤英一郎君
                柳田桃太郎君
                阿部 竹松君
    委 員
                上原 正吉君
                重政 庸徳君
                津島 文治君
                廣瀬 久忠君
                宮崎 正雄君
                近藤 信一君
                竹田 現照君
                矢追 秀彦君
   国務大臣
       国 務 大 臣  鍋島 直紹君
   政府委員
       経済企画政務次
       官        山下 春江君
       科学技術政務次
       官        天野 光晴君
       科学技術庁長官
       官房長      馬場 一也君
       通商産業政務次
       官        藤井 勝志君
       通商産業政務次
       官        熊谷太三郎君
       通商産業大臣官
       房長       大慈彌嘉久君
       通商産業省鉱山
       局長       両角 良彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小田橋貞寿君
   説明員
       厚生省環境衛生
       局公害部長    武藤g一郎君
       通商産業省鉱山
       保安局長     西家 正起君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○産業貿易及び経済計画等に関する調査
 (神通川の鉱毒問題に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(鹿島俊雄君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 この際、藤井、熊谷両通商産業政務次官から、それぞれごあいさつのため発言を求められておりますので、順次これを許します。藤井政務次官。
#3
○政府委員(藤井勝志君) 私、衆議院の藤井勝志でございます。このたびの内閣改造で、はからずも通産政務次官に就任をいたすことになりました。国の内外を取り巻く経済情勢は、御案内のごとく、きわめてきびしいものがございますが、まことに浅学、文字どおり非才でございますので、皆さん方の御指導、御鞭撻を切にお願いを申し上げまして、就任のごあいさつといたします。(拍手)
#4
○委員長(鹿島俊雄君) 次に熊谷政務次官。
#5
○政府委員(熊谷太三郎君) 私も、このたびはからずも通産政務次官に命ぜられた次第でございますが、お見かけのごとく浅学非才でございますので、皆さまの一そうの御指導、御支援によりまして職責を果たしてまいりたいと存じますので、どうかこの上ともお力添えのほどをお願い申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#6
○委員長(鹿島俊雄君) 次に、産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題とし、鉱毒問題に関する件の調査を行ないます。
 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#7
○矢追秀彦君 私は、この前の産業公害特別委員会におきましても、二回ほど質問をさしていただきましたが、富山県の神通川の流域に発生をいたしておりますいわゆるイタイイタイ病につきまして若干の質問をいたしたいと思います。
 この前、坊厚生大臣にも出席をしていただきまして、いろいろ御意見を聞いたわけでありますけれども、最終的には、要するに現在の調査が終わらなければ何にもできない、こういうお話でありました。現在厚生省の研究班がずっと研究をやっておりますけれども、先日も中間発表がなされまして、かなり鉱毒説が表面に出てきた、このようなことを聞いておりますが、現在の研究班の成果がどの程度進んできておるか、結論はいつごろ得る見通しか、その点をまず厚生省のほうからお伺いしたいと思います。
#8
○説明員(武藤g一郎君) 厚生省が依頼しております公衆衛生院の重松部長を班長といたします研究班は、現在先生御指摘のように調査中でございますが、この結論は明年四月までには出るそうでございます。
#9
○矢追秀彦君 この研究班とされた理由ですが、といいますのは、この前の厚生大臣の答弁は、「この調査は、専門の学者諸先生に御委託をしておりますが、これらの先生方が、委員会の必要があるということに相なりますれば、もちろん委員会をつくるべきものである、厚生省といたしましてもそういう必要があるということでありますれば、委員会をつくるということに何もやぶさかではございませんが、とにかくいまは、専門の学者先生に御委託を申し上げて、そうして学者諸先生の御意見を尊重してまいりたいと、こういう過程でございます。」と、こう言われておるのでありますが、この研究班の性格といいますか、これについて大臣の答弁と関連して。
#10
○説明員(武藤g一郎君) 厚生省としてこのイタイイタイ病の原因につきまして公的な結論を得るためには、やはり専門家の調査による解明が必要でございますので、そういう意味で、厚生省にあります公害委託研究費の中から二百八十万円を今回の研究委託費として出しまして、この病気の原因究明に関する研究を重松先生ほかの方々に依頼したわけでございます。
#11
○矢追秀彦君 じゃ、委員会はつくる必要がないのでいま研究班としてやっているのか、それともこの研究班がある程度研究して、ある程度の問題として、かなり大きい問題であると、こうなった場合、また委員会をつくってさらに検討するのか、その点はどうですか。
#12
○説明員(武藤g一郎君) ただいまの研究班の研究成果がまだ出ておりませんので、それを見た上で、先生御指摘の委員会をつくるかどうかというような点については、その際あらためて検討したいと考えております。
#13
○矢追秀彦君 そうしますと、またそれからいろいろな検討をされると、かなりおそくなると思いますが、もしこの研究班で鉱毒説というものが有力だと結論が出れば一番いいのですけれども、かなりその鉱毒説というものが表面に出た場合に、その結論を厚生省が直ちにこれを鉱毒として発表するかどうか、その点はどうですか。
#14
○説明員(武藤g一郎君) やはりこの研究委託しました重松先先の結論とその内容によりまして、先生御質問のようなことをさらにやるかどうかというような点は、やはり結論と内容によるだろうと思います。
#15
○矢追秀彦君 ただ、その前にお聞きしたいのですが、公害は何でもそうですが、水俣病でも、いつも議論がありますけれども、いわゆる厚生省の公害課のほうでは公害ときめられるのはどういうものを公害というのですか、どこまでのものをもって公害とするか、その定義といいますか、公害議論でありますけれども、どうですか。
#16
○説明員(武藤g一郎君) いわゆる公害というものは、先生御指摘のようになかなか範囲をきめるのはむずかしいのでございますけれども、先般の国会で公害対策基本法が成立いたしまして、「「公害」とは、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁、騒音、振動、地盤の沈下及び悪臭によって、人の健康又は生活環境に係る被害が生ずることをいう。」こういうふうに公害対策基本法では定義づけております。したがいまして、公害の範囲はこの範囲で、厚生省といたしましても、政府といたしましても処理をいたす、かように考えております。
#17
○矢追秀彦君 おそらくここで問題になるのは「相当範囲」ということだと思うのですが、これはどう考えますか。
#18
○説明員(武藤g一郎君) ある程度の範囲にわたって汚染状況があるということでございまして、被害者そのものが相当範囲にわたるということではないように私どもは解釈しております。
    ―――――――――――――
#19
○委員長(鹿島俊雄君) この際、山下経済企画政務次官がこられまして、ごあいさつを要望されておりますので、これを許します。
#20
○政府委員(山下春江君) ただいま委員長から御紹介をいただきました私経済企画政務次官を拝任いたしました山下でございます。まことにしろうとでございますが、皆さまの御指導、御協力によりまして、一生懸命つとめてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#21
○矢追秀彦君 いま、言われたのは、たとえば河川の汚染が広範囲であって、たとえ病気が少なくても、その汚染が広範囲にわたっておれば、それは公害だと認められる、こういうことですか。
#22
○説明員(武藤g一郎君) さようであります。
#23
○矢追秀彦君 そうしますと、いままでのイタイイタイ病に対する考え方も、その上からいきますと、この神通川が亜鉛、鉛、特にカドミウム等で汚染をされておったということは、これはもうはっきりした事実です。ただし、病気の発生は非常に限局をされた、わずか二百数十名、うち死亡者は百十八名。水俣病よりは死亡率は非常に高いわけです。そうなりますと、汚染は事実であった。で、病気が一部に発生した。その原因はいろいろあるけれども、カドミウムが一つの要因であるということは、これはこの前の、県でつくられておりました特殊病対策委員会の結論の中にも、考えられるということは出ているわけです。そうなりますと、いまの答弁からいきますと、鉱害、鉱毒ということを私は断定していいんじゃないかと思うのですけれども、この点はどうですか。
#24
○説明員(武藤g一郎君) 「相当範囲にわたる」という意味の持つ範囲につきましては、先生がいまおっしゃいましたように、御指摘の人数等では当然相当範囲にわたる、かように思っています。ただ、公告は事業活動その他人の活動に伴って生ずる問題でございますので、その点が現在のところまだ解明されておりませんので、先生がおっしゃるように公害かどうかということは、いまの段階ではまだ断定するに至らないということです。
#25
○矢追秀彦君 いまの問題ですが、もしその事業所がやったものか、おそらく言われる点は、鉱山から流したものか、それとも自然にあった――鉱山でカドミウムがとれるのですから、その山自体にもカドミウムがある。だからそういうのが雨とか、そういうことによって流れてきたので汚染された。だから必ずしも専業所とは言えない、こういうことだと思うのですが、もしかりに一〇〇%が事業所でなくても、ある程度事業所がそれに加わっているといいますか、たとえば汚染度が一〇〇といたしましてそのうちの七〇%が事業所が流したものできたなくなった。あとの三〇%は自然に汚れていた。そういった場合は公害と認定されるかどうか、その点はどうですか。
#26
○説明員(武藤g一郎君) 事業活動によりましてやはりその事象が起きたということが明らかでありますれば、当然公害になろうかと、かように考えます。
#27
○矢追秀彦君 それは少しの一部であってもいいわけですか。
#28
○説明員(武藤g一郎君) やはり公害問題につきましては慎重に判断する必要がありますので、やはり具体的な問題の結論が出た上でお答えさしていただきたいと思います。
#29
○矢追秀彦君 だから私はこの問題だけを言うのではなくて、今後いろいろこれからの産業の発進によりこういう問題が起こってきますので、そういう問題について、はっきりとした線を、もちろん基本法ができましたけれども、その上、公害というものをこういうふうにしてきめていくのだと、こういうことをはっきりしなければ、いつも研究研究となっておれば、結論が出る時期はいつもずれてくるわけです。その点でお伺いしているのですけれども、その点どうですか。
#30
○説明員(武藤g一郎君) 起きました事象につきましては、やはり事業活動が原因になっておりますれば、その因果関係の認められる範囲において公害というふうに認めるのが妥当であろう、かように考えます。
#31
○矢追秀彦君 いまの、いくら聞いてもはっきりしないわけですけれども、この問題は、専業所が必ず入っているといいますか、鉱山がカドミウムをとらなくなってから水の中にカドミウムの量が少なくなってきておりますし、病気の発生等もしたがってずっと減ってきておるわけですから、その点で事業所がかなり――私たちは一〇〇%近いと言いたいのですが――かんでいると、こう思うのですが、その点また、研究の結果を待たなければ、とおっしゃると思いますけれども、このくらいはっきりしておるものは、私は公害と認められると思うのですが、あなたどういうふうに考えておられますか。やはりまた研究の結果と言われますか。
#32
○説明員(武藤g一郎君) この問題につきましては、すでに先生御承知のように、戦前からこういう問題がうわさされまして、昭和三十年の初めからいろいろのことが言われてきたわけであります。しかるに、日本のいろいろな情勢によりまして、原因の究明がおくれてきておりまして、関係者の方々に対しては、非常にわれわれ関係者といたしましては非常に遺憾でございますけれども、なお最終的な結論といいますか、厚生省が委託しております研究者の方々の結論も近く出ることでございまするから、長年いろいろ問題になったことでございますので、やはり結論を待った上で政府の断定はすべきじゃないか、かように思いますので、御了承願いたいと思います。
#33
○矢追秀彦君 それではひとつお伺いしますけれども、この場合、いままで県で一応特殊病対案委員会としてずっと研究されてきておりまして、去年の十月に解散をしておるわけです。結論をいいかげんなままに解放をしておって、それから私が委員会、国会へ持ち込んで、それから厚生省がもう一度やり直しされたと私は考えておるのですが、県の段階で今日まで非常におざなりといいますか本腰を入れてやられてなかった。こういうふうに私たちは考えておりますけれども、その点はどうお考えですか。
#34
○説明員(武藤g一郎君) 当初この問題につきましては、風土病その他いろいろうわさがございまして、富山県といたしましては、富山県地方特殊病対策委員会というものをつくって検討を行なっております。富山県におきましては、昭和三十六年度富山県地方特殊病対策委員会が設置されて検討を、富山県としては行なっております。
 それから厚生省といたしましては、昭和三十八年医療研究助成費百万円を支出いたしまして、金沢大学の平松教授に委託いたしまして診断治療に関する研究を行なっております。四十年、四十一年におきましては、公害調査研究委託費によりまして、重金属による環境汚染及び人体影響について調査を行なっております。これにつきましては二百万の支出をいたしております。これら三つの調査研究の結果を総合いたしますと、本疾病の原因はカドミウムの体内蓄積に低たん白、低カルシウム等の他の因子が加わって発病するものというふうに推定されるに至っております。その結果から、四十二年度に厚生省といたしましては二百八十万円の公害調査研究委託費を出しましてイタイイタイ病の原因究明に関する研究を、さらにカドミウムがどこからきたかということについての研究委託を現在やっておることでございまして、あるいは先生おっしゃいましたように、関係者の一部に多少消極的な動きがあったことは私どもも一応聞いております。しかしながら厚生省といたしましては、この問題が起きましてからは、鋭意いま説明いたしましたように、調査研究の推進に努力をしている次第でございまして、四十二年度の研究班の結論は、いま申しましたように、四月までに大体出るということでございますので、それをまちまして、厚生省としましては、いろいろの結論になり対策を進めるべきではないか、かように考えております。
#35
○矢追秀彦君 いままでは、結局厚生省として直接乗り出していったということはなかったと考えていいわけですね。全部県に委託をしている。
#36
○説明員(武藤g一郎君) 厚生省自体では、やはり調査の員数にも限りがございますので、やはり専門家なり地元の調査に依頼をしてきた、こういう実情でございます。
#37
○矢追秀彦君 厚生省がいま研究班を出しておりますけれども、もしこれをやらなかった場合、結局この研究、四十二年一月に出ている報告書、これが出て、この前に解散されておったんですから、そのままでことしは終わりだった、このように思うんですが、その点どうですか。
#38
○説明員(武藤g一郎君) 県当局では行政的ないろいろな対策を早急にとる必要があるということで、県から依頼を受けまして、その後の調査研究を厚生省で重松先生に委託いたしまして、現在行なっているのがその間の事情でございます。
#39
○矢追秀彦君 いま県から要請があったと言われますけれども、今度の研究班も県から要請があったわけですか。
#40
○説明員(武藤g一郎君) 県から依頼があってやっと重い腰をあげたというわけじゃございませんで、昭和四十年から私どもはいろいろ調査をやっているわけでございます。
#41
○矢追秀彦君 いや、私が言うのは、厚生省が直接やられるのはけっこうなんですが、それはいいんですよ。そうじゃなしに、もし、いまこの研究班がこうやって本腰入れてやらなければ、この病気に対してはもう特殊病対策委員会の報告書、この一冊の報告書をもって打ち切られておった、ただ、あとは学問の上での論争にすぎなかった、いわゆる風土病として疑いを持って国や県としてこの問題を調べていこうということは出てこなかったんじゃないか、このように思うんですが、その点はどうでしょうか。
#42
○説明員(武藤g一郎君) いま申しましたように富山県における、あるいは昭和三十八年、四十一年のそれぞれの調査によりまして、このイタイイタイ病の原因にはカドミウムが影響しているということを推定されるに至ったわけでございますので、このイタイイタイ病の原因究明にさらに検討を要するということで、厚生省としましては四十二年度に調査研究委託費を支出いたしまして、専門の学者に依頼したわけでございまして、厚生省といたしまして、あるいはまた政府といたしまして、その点につきまして決して消極的であったというふうには考えておりません。積極的でありましたがゆえに、さらに現在イタイイタイ病究明について研究を委託して調査をお願いしておるわけでございます。
#43
○矢追秀彦君 そんなら県のこの委員会が解散する時点で、どうして厚生省も、これは解散してはいかぬじゃないか、もっと県としてやれとか、あるいは県のほうの段階ではだめだから今度は厚生省が直接やると、そういう点をはっきり言ってからいまの研究班をつくられたのかどうか、その点はいかがですか。
#44
○説明員(武藤g一郎君) いま申しましたように四十年、四十一年には国のほうも研究委託費を支出して継続的に行なったわけでございまして、そういう点につきましては決して消極的であったわけではございません。
#45
○矢追秀彦君 消極的であったとかないとか、そういうことを聞いているのではなくして、この研究班をつくられる場合、さらにこの県の段階ではだめだからやるとしてやられたのか、県から要請があったのか、どっちなんです。
#46
○説明員(武藤g一郎君) 両方でございます。
#47
○矢追秀彦君 なぜこういうことを聞くかといいますと、この公害に対する取り組み方が、私は日本の政府というものがいままでの例から見まして非常に弱いといいますか、常に消極的である、だから一つの問題が起これば、もう直ちに厚生省、通産省が協力をしてその問題に乗り込む、そういう姿勢でなければならないと思うわけです。いつも病気が出てきて、それがどうかわからないとか、何だかんだ問題になってきて訴訟が起こったり、また、いろいろな大騒ぎをして、それからやっとみこしをあげるとか、そういう傾向を非常に感ずるわけです。これからさらに産業が発展をしてきますと、この公害というものもますますふえてくる、そうすると、何もその地方にいる人だけではなしに、自分のまわりにもいっそういうものが押し寄せてくるかわからないわけですよ。そうたると、そういう場合、いまのような取り組み方ではいけない。そのために公害基本法もできたのですけれども、この基本法自体が、まだ基本法であって、これからあと詳しく直ちに実施できるような法律というものができていないし、今度から四つの法案が出てきますけれども、こういう問題が私は非常にいままで取り組み方が甘かった、こういうでこういうこまかいことを聞いているのはそこなんです。それに対して今後どういうふうにしていかれるか、厚生省のほうと、大臣来ておられませんけれども、政務次官にお聞きしたいと思います。
#48
○説明員(武藤g一郎君) 先生の御質問の要点は、四十一年に富山県地方特殊病対策委員会が解散したという事実は、一つのこういう問題に対する責任当局の消極的な態度の一つのあらわれじゃないかと、こういう御指摘であろうかと思います。この点につきましては、先生よく御存じだと思いますが、この問題は当初風土病というようなことがありまして、地元その他ではいろいろ原因究明についての調査研究の進展が、関係者の間で思ったほど対策が立てられなかったという事実があるように私どもも聞いております。しかし、私ども厚生省といたしましては、そういう問題につきまして今日までたびたび御説明いたしましたように、いろいろな調査研究というものを行ないまして、現在まで至ったわけでございます。厚生省といたしましては、こういう問題が起きた場合に起こりますいろいろの消極的な態度につきましては、逐次説明なり世論の啓発をはかりまして、こういう問題については、やはり一日も早くガラス張りで積極的にやる、こういう方針を貫いておるわけでございまして、この点につきましては、さらに努力を重ねていく所存でございます。
#49
○矢追秀彦君 私は、この問題をなぜこまかく聞くかと言いますと、こういうことが書いてあるわけです。この一番総括の報告のところに、「各研究者の意見も、カドミウムがなんらかの形で要因の一つとなっていることは否定できないが、これに他の要因が働いてイタイイタイ病が発生するとの考え方が大勢を占めており、カドミウムの影響はわずかで栄養障害が主要な要因であるとする意見や、カドミウムのみが原因であるとする意見は少数であった。」少し飛びまして、「なお本報告書では、原因物質と考えられるカドミウムの由来についてはほとんど触れていないが、この点は現在慎重に検討中であって、例えば黒部川流域で発見された本病類似患者とその家族の場合のごとく、本人の経歴、周囲の環境には特にカドミウムとの関係が見出せないのに、尿中のカドミウム排泄量が高値を示す例もあり、今後はいわゆる対照者についてのカドミウム正常値の検討とともに、神通川およびその流域、特に上流の神岡鉱山を中心に環境中のカドミウム調査をさらに詳細に実施する必要があろう。」まだ結論がはっきりしていないのに、もう解散してしまっている。どうもこの中の、一つだけ黒部川流域でカドミウムが関係ないのによく似た病気が出た、たった一つのレア・ケースを取り上げて、こういう報告書に入れている。何かこれを見ていますと、逃げることばかりを考えているような気がするわけです。そこへもってきて解散している。だから私が言いたいことは、こういう報告書ではっきりしないから、なお厚生省に依頼してはっきりやってもらいたい。こういうことをしたかどうか。そうでなければ、こういう姿勢で放置されれば、今後も公害というものがふえてくる時代にあって、これではいけない。こういう患者さんにはかわいそうですけれども、こういうことが二度と繰り返されないようにやっていきたい、こう思うわけです。そういう点で聞いているわけです。その点はどうですか。
#50
○説明員(武藤g一郎君) ただいま先生が御朗読になりましたような問題をさらに究明する必要がありまして、四十二年度につきましては、カドミウム由来等につきまして、現在調査が行なわれている次第でございまして、決して消極的に、あるいはまたうやむやになるというようなことのないようにということで、四十二年度に厚生省としましては、調査研究の続行をお願いしておる次第でございます。
#51
○矢追秀彦君 このくらいにいたしておきます。
 次に、鉱山保安局長さんに質問しますけれども、いまのこの県の報告書にも出ておりますけれども、鉱山を中心に、さらに調査を実施する必要があろう、こう言われているわけですが、いままでこの問題について、鉱山保安局としてはかなりきびしく焦点を当ててやってこられたかどうか、それをお伺いをしたい。
#52
○説明員(西家正起君) ただいま先生から御指摘のございました神岡鉱山周辺の水質の問題でございますが、通産省といたしましては、鉱山保安法あるいは金属鉱山等保安規則という一連の法律によりまして、かねてから公害防止のための強力な監督指導をやってまいったところでございまして、関係者もこれに対して積極的な改善をはかってきたところでございます。御指摘の、今度のイタイイタイ病がカドミウム重金属に由来するのではないかといわれ始めましたころから、特にこれらは人命に影響するものでございますから、特にわれわれといたしましてはこの問題は重要視いたしまして、現在鉱山が流している水が直接影響がございますところは非常に大きな問題でございますので、それ以来は、特別にこの辺の河川の放排水等の水質検査を行なってきております。三十八年、四十一年、四十二年と三度にわたりまして鉱山から神通川の宮川、神通川に入るところに至る各地点につきまして水質の調査を行なってまいっておるような次第でございまして、現在までのところでは、カドミウムがどのくらいあれば害があるのかどうかという基準が必ずしもないのでございますけれども、大体世界的な水準でございます〇・〇一PPMといったような数値を、はるかに下回った数値が現在のところ出ておるということでございまして、大体焦点といたしましては、川の水質につきまして非常に重点を置いて調査をしてまいっておるような次第でございます。
#53
○矢追秀彦君 現在はないと言われますけれども、いまでも雨が降ればかなり水が濁る、こういうふうにいわれておりますが、雨が降ったときの量と、そうでないときの量との差については調べておられるのですか。
#54
○説明員(西家正起君) 雨が降りました場合に、一般的に川の水が濁るということはあるようでございますが、たまたまこの十月に台風三十四号があったのでございます。この際に監督官を派遣いたしまして、相当な雨の降りました際に、堆積場等から出る水につきまして調査をいたしたわけでございます。大体、鉱山から出る悪い水と申しますのは堆積場から出る水と、製錬所、選鉱場場内から出る水だと思うのでございますが、堆積場の場合には、現在使用しております堆積場につきましては、堆積場外から入っていく水は全部中に入らないような排水路を設けております。それから沢水もまた場内に入らないように、場内に直接入らないような構造でできておるわけでございます。それから場内に入りました水は、上澄水が暗渠を通りまして堆積場の堰堤の下から流れる、こういうことになっておりまして、今度の調査に関する限り、雨が降りましても、一般的な汚濁以上の汚濁はなかったというふうに調査の結果はなっておる次第でございます。
#55
○矢追秀彦君 〇・〇一PPMと言われますけれども、私はこのデータを見たわけじゃございませんので、新聞からでありますけれども、読売新聞の十二月八日富山版ですが、研究班が明らかにした分析結果というものが出ておりますが、ここに神岡鉱山付近のカドミウムが水の場合が〇・〇六、泥の場合が四〇PPM、米の場合には、米の中のカドミウムは〇・〇三から四と、こういうふうな結果が出ております。これは何か公式発表があったのか、新聞記者の力がメモか何か見てやられたかどうか、その点はどうですか。
#56
○説明員(西家正起君) 土壌、米につきましては、実は私どものほうでまだ調査をいたしておりませんので、厚生省の調査等につきまして、これを連絡をとりまして、はっきりしたいと思っておりますが、カドミウムの水の中における量でございますが、これは先ほど私の説明が少し悪かったかと思いままが、〇・〇一というのが基準でございますが、私どものほうで調査をしておりますのは、高原川が宮川と合流いたしまして、神通川に入るわけでございますが、その合流点の上流地点、この合流するまでの地につきまして川の水をはかりましたところ、分析によりますと、〇・
○〇一PPMも検出されないということでございます、したがって鉱山の場内すぐ近くにおきます水質につきましては、これよりも多い数値になっておるわけでございまして、〇・〇六につきましては、私どものほうはまだ存知していないような次第でございます。
#57
○矢追秀彦君 この中間発表みたいな形が出ておりますけれども、結局こういうのはまだやはり正式の文書とは認められないわけですね。要するに研究段階で発表されたと、こう考えていいわけですか。
#58
○説明員(西家正起君) 先生の御指摘がございましたのは、厚生省の発表でございます。
#59
○矢追秀彦君 どうです、厚生省。
#60
○説明員(武藤g一郎君) 先生がいま御指摘になりました数値は、私ども新聞で……。おそらく先生御承知になった数字であります。で、この調査班のいろいろ調査をしております数値につきましては、中間的な報告がまだ厚生省のほうに届いたということにはなっておりません。ただ調査の先生方が向こうで記者の方にいろいろ聞かれまして、数値だけを記者に、まあお漏らしになったというのが、そのまま新聞に出たわけでございまして、その数値につきましても、いろいろ判断その他につきましては、やはり今後の調査研究にまたなければなりませんし、部分的な数値でいろいろ推測するにつきましては、厚生省としてはまだいたしかねる次第でございます。
#61
○阿部竹松君 議事進行。いまの御答弁ですがね、部長さんの答弁に納得いかぬことは、矢追委員の御質問のことは、私東京の新聞見たんですが、いろいろ出ておりました。しかし、調査団というのですか、その重松さん以下の方々は、全部私は存じておりませんけれども、重松さんは、あなた厚生省の役人ですね。あるいは国立公衆衛生院何とかですから、厚生省の外郭団体であるかもしれませんが、厚生省のお役人ですよね、国家公務員です。少なくとも矢追委員からですね、十日も前からあなたのほうにこの問題についてお尋ねしますよということを連絡してあるはずですから、委員部を通じて。そうしますと、新聞に発表した内容ぐらいは当然あなたが勉強されて、きょうの委員会で答弁されてしかるべきだと思うんですが、それを、あなた不親切ですね。そういうことであっては横の連絡どうなっておるかわかりませんが、そういう状態だから十分な連絡がとれない。したがって新聞に出た内容もまだ知りません。不見識ですよ。
#62
○説明員(武藤g一郎君) 新聞に出ました内容については、事実については承知いたしております。ただ、現在調査班がいろいろ調査中でございますので、正式に厚生省に報告がまいったわけではございませんし、それから中間結論として発表を研究班としていたしたわけではございませんので、その点、御了承いただきたいと思います。
#63
○阿部竹松君 議事進行ですからこれでやめますが、私そういうことを言っておるのじゃない。あなたと同じ、同僚であるか先輩であるかの重松さんという人は、十五日に特別委員会に出席されて結論か中間報告かすることになっておりますが、それを、十日間も期間があるのだから、いままで十日間不勉強でおったわけではないのでしょう。したがって、さいぜん申し上げたとおり、矢追委員が本件について質問するという場合には、あなたそれひとつじっくりやって、どういう結果であったか、報告は別ですよ、十分それを――新聞見たなんと言うが、新聞によっていろいろ違う。朝日と読売と違う、あるいは読売と毎日と違うのです。それですから、あなたが十分確かめて、これは中間報告ですよと言って御答弁になってもいい、これはまだ完全なものではないと言って御答弁になってもいい、全然連絡がとれなければ。まだ報告がありません、したがって全然知りませんですでは通らぬじゃないですか。
#64
○説明員(武藤g一郎君) その数値の事実については知っておりますけれども、現在研究班として厚生省に中間報告をするとか、そういう事態に立ち至っていない、こういうことでございます。
#65
○矢追秀彦君 いま数値を知っていると言われましたけれども、それは新聞で知られたのですか、それとも研究班のものを見られたわけですか。
#66
○説明員(武藤g一郎君) 新聞で見ましたので、重松部長に確かめました。
#67
○矢追秀彦君 で、確かめられた結果、このいま私が言ったのと同じですね。
#68
○説明員(武藤g一郎君) さようでございます。
#69
○矢追秀彦君 そういうふうな結果が出ておるのですが、これで保安局のほうはこのデータをどういうふうに考えられますか。まだこの連携等はないわけですか、厚生省との間に。
#70
○説明員(西家正起君) 実は、今回の厚生省の調査の際に、私どもの下部機構でございます名古屋保安監督部から職員を派遣をいたしまして、今回の調査に入りまして、同時に水の採取を行ないまして、それをそれぞれ別々に分析をいたしております。したがいまして、おそらくその地点その他こまかい点をまだ確かめていないのでございますが、調査地点の同じもの等につきましては、同じような数値が出るだろう、かように考えておる次第でございます。その点はなお厚生省とも今後十分に打ち合わせをいたしたい、かように考えておる次第でございます。
#71
○矢追秀彦君 この厚生省と通産省の間のやり方ですが、もちろん厚生省が研究班を出してやっておられる、通産省としても出してやったとか、なぜ一緒にできぬのかということですが、要するに一つのグループに入ってですね。
#72
○説明員(西家正起君) この点は厚生省の調査が一応先にスタートされまして、私のほうでまあ調査団に入るか入らないかは形式的な問題でございまして、水の調査につきましては一緒にやりまして、それから今後そのほかの調査、土壌その他につきましてお互いに協力し合うという点につきましては、根本的な了解がついておりまして、今回もそういう意味でお互いに和気あいあいに、参加をさしていただいたような次第でございます。
#73
○矢追秀彦君 じゃ、今回は一緒に行かれたわけですか。
#74
○説明員(西家正起君) 鉱山保安局といたしましては、水質の調査ということ、これは当然必要なことでございますので、今回は水の調査につきましては同じところで参加をいたしまして、同じように資料を取りて持ち帰ったような次第でございます。
#75
○矢追秀彦君 その結果はまだ通産省のほうのデータは出ていないわけですね。
#76
○説明員(西家正起君) 出ております。だいぶこまかい点でございますので、その結果に基づきまして先ほど宮川と高原川との合流地点の、少し上流の辺からは現在の最高の分析でございます原子吸光分析を使いましても検出されない、すなわち
○、〇〇一PPM以内であるという結果が出ておるのでございます。
#77
○矢追秀彦君 悪気はないと思いますけれども、やった場所が違う点ですね、厚生省ではかなりのPPMが出ている、通産省は全然少ない、こういう場合に、これ、どうなるわけですか、場所が違うからか、なぜ一緒の場所をとらなかったのですか。
#78
○説明員(西家正起君) ただいま申しましたのは、合流地点のすぐ上流のところの値を私どもの調査で出したわけでございますが、厚生省のおっしゃいました〇・〇六の地点につきましては、これはやはり一緒にやっておるはずでございますので、その地点につきましては、たくさんございますが、どの地点であるかということは、これはその場所を突き合わせをいたしますれば、大体同じ数値が出るものであると考えております。私、上流の合流の地点、トレースになった地点をいま申し上げたのでございまして、鉱山にもつと近い部分については非常にこまかいデータをとっておりまして、これにはもちろん検出されておるわけであります。
#79
○矢追秀彦君 じゃ、なぜ初めからそういうふうに答えていただけないかというのですよ。あなたは〇・〇〇一で少ないと。それで、さっきの答弁を聞いていれば、実際神通川にはあまりカドミウムが流れていないんだなと、こういうふうになってくるわけですよ。だからこそ真剣に検討しなければならない。厚生省ではかなり一生懸命やっておられるわけですね。通産省のほうも、あなたの答弁を聞いておれば、さっきの厚生省のほうの研究地点とは違う。非常に少ない地点であるかもしれないという前置きでも置いて言われるならばいいですけれども、全然いまあなたは、誠意がないと言いますか、何かただ逃げようと考えておられるように、悪く取れば取れると思うわけですよ。だから私が言いたいことは、厚生省と通産省とどうして合同してできないのか、同じ地点をとってですね。たとえとらなくても、厚生省のデータをそのまま、こういうふうに出たから、じゃ鉱山保安局としてはこういうふうに考える、こういうふうにできないのか。独自でやられるのもけっこうですけれども、いまのような食い違いが出てきて、厚生省はそう言っているか知らぬけれども、うちのほうはこれだけしか出てないから、そんなにあまり流れていないんだとか、こういうふうになったんでは何にもならないと思うのですが、その点いかがでしょうか。
#80
○説明員(西家正起君) はなはだ説明がまずく、申しわけなかったのでございますが、私最初に申し上げましたのは、高原川と宮川が合流いたします地点よりも下流では〇・〇〇一PPMも検出されない、こういうことでございまして、この点は厚生省とも意見が大体一致しているようでございますが、この〇・〇六の地点につきましては、実は厚生省の個所につきまして、私ははっきりつかんでおらなかったのでございます。その点につきまして、はなはだ申しわけないのでございますが、おそらく同じ結果が出るものと考えております。
#81
○矢追秀彦君 したがって、中間で出せないかもわかりませんけれども、もしでき得ますれば、厚生省のデータと通産省のデータと、きちっとつき合わして、地点なんかを合わして、対照表みたいにして、そういうものがもしできれば、要求したいと思います。
#82
○説明員(西家正起君) 資料は整備させていただきます。
#83
○矢追秀彦君 で、今後の問題として、厚生省と通産省が合同でやられるのか、通産省は今後いまのような行き方でされて、結論が出てきた時点で一緒に会議等を開いて、この問題の結論を出されようとされるのか。その点の今後のやり方ですけれども、これはどういうふうにお考えになっておりますか。
#84
○説明員(西家正起君) その点につきましては、厚生省の御報告の結果に基づきまして、またあるいは調査をするような事項も出るかとも思うのでございますが、私どもといたしましては、できるだけ厚生省の結論の出る間におきましても、まだ現在解明できてない事項につきましては、できるだけ積極的に調査をさせていただきまして、厚生省の結論が出ました時点におきまして、なお十分に検討させていただきまして、その結果によりまして、さらに調査をするかどうか、また研究させていただきたい、かように考えておる次第でございます。
#85
○矢追秀彦君 厚生省はどうですか。
#86
○説明員(武藤g一郎君) 厚生省の研究班の結論は、三月末までかかるわけでございます。その内容及び結論をまちまして、さらに検討する事項があるかどうかということを検討いたしたいと、かように考えます。
#87
○矢追秀彦君 質問をしなかったのが悪かったのですが、通産省の鉱山保安局との関係性です。
#88
○説明員(武藤g一郎君) やはり厚生省の研究班の結論に至る過程の内容の吟味によって、いまの先生の御質問の点は検討いたしたいと、かように考えます。
#89
○矢追秀彦君 だから、鉱山保安局部と、あくまでも独自でやるというわけですね。
#90
○説明員(武藤g一郎君) くどいようでございますけれども、厚生省の研究班の検討の内容と結論を見た上で、さらに通産省の調査につきまして、このとおりであるかどうかということは、その時点で検討させていただきたいと思います。
#91
○矢追秀彦君 結局、こういうふうなやり方をやっておれば、いま言ったように、また結果が延びると思いますね。どうして同じ政府の間で、同じ日本の国の省なんですから、この一つの問題について一緒に研究できないか、調査も同じようにやれないのか。だからこの問題に対する取り組み方が弱い、私はこういうふうに言いたいわけです。
#92
○説明員(武藤g一郎君) 厚生省の研究班が六月から調査を行なっておりますけれども、調査をいたしますたとえば検体等につきましては、同じものを通産省のほうにお渡しいたしまして、その検討もお願い申し上げているということでございまして、先生がおっしゃいました点につきましては、十分配慮をいたしているつもりでございます。
#93
○矢追秀彦君 保安局長さん、どうですか、いまの厚生省の……。
#94
○説明員(西家正起君) 私どもといたしましても、厚生省と十分連絡をとっておりまして、いつでも一緒にやれるものなら一緒にやりましょうという基本的な了解を得ているわけであります。今後も連絡を密にいたしまして、ただいま先生御指摘のございましたような点につきまして、遺憾のないようにいたしたいと考えております。
#95
○矢追秀彦君 そうは言われますけれども、いまの一つの問題を取り上げても、答弁のしかたがまずかったのかと思いますが、きょうの委員会でも質問することはわかっているのですから、前もって厚生省のデータとつき合わせぐらいはして、厚生省のこの地点とこの地点とこの地点でこういう結果が出た。それに対して鉱山保安局でもこういうふうにやった。大体同じようなところではそういうデータが出ている、こういうふうにならないといけないと、私はこう思うわけです。その点は今後、データはまたあとでいただきますからけっこうですが……。
#96
○説明員(西家正起君) 実はその点につきまして、正式の御発表をいただいてないのであります。実はこの点につきまして厚生省のほうからこまかい資料入手を怠ったようなことになっておりまして、はなはだ申しわけないと思っておりますので、至急資料をそろえまして提出いたしたいと、かように考える次第でございます。
#97
○矢追秀彦君 それからもう一つ、このイタイイタイ病についての今後の考え方ですが、要するに鉱山が流したものか、また自然の中にも、自然に鉱山からカドミウムが出るので、流れているか、その点のきめ手が大きな問題になると思うのですけれども、しかしながら、先ほども言いましたように、昔のように流していない時代になってから病気も減ってきている。いまも患者は出ておりますけれども、それはずっと前にそういう水を飲んだ人がそういうふうに出てきているという状態でございまして、いまの水をがぶがぶ飲んだからといって、そんなにひどいことは考えられないのですけれども、その点についてまだ研究の結論が出てからと言われると思いますけれども、実際鉱山が流しておったカドミウムというものは、自然に流れるものよりもうんと多いことはあたりまえですけれども、要するにこの病気の原因について、やはり鉱山が流しておったという線のほうが私は強いと考えるわけですけれども、その点についての詳細な分析はされるような態勢になっていますか。
#98
○説明員(西家正起君) イタイイタイ病というものがカドミウムに原因するのじゃないかといわれまして、それ以後につきましては、先ほども御答弁申し上げましたように、水質調査を行なっているわけでございますが、さらに古い時点におきまして、当時の水質がどうであったかということにつきましては、実はカドミウムにつきまして水質調査は実施をしていなかったわけでございます。したがいまして、その当時の水質にカドミウムがどのくらいありましたかということにつきましては、現在の時点におきまして、まあ率直に申しまして不明であるということでございます。しかしながら、当時どのくらいのカドミウムを流しておりましたかということがこの問題に大きな関係があるということでございますので、そういう点につきましては厚生省とも十分に連絡をいたしまして、今後の調査にまちたいと、かように考えるわけでございます。ただ、申し上げられますことは、鉱山の坑廃水の監督につきましては、鉱山保安法が昭和二十四年にできたわけでございますが、それ以前におきましても、旧鉱業法に基づく鉱業警察規則という法規によりまして、堆積場の認可あるいは坑廃水処理の認可、こういうことをやっておりまして、監督はずっとやってきたわけでございます。逐次この監督は強化をされまして、現在ほどではございませんが、ずっと監督はやってきたわけでございます。ただ、カドミウムということに全然思いが行っておりませんで、カドミウムについての調査は行なわれていないわけでございます。監督としては、一般とは違いまして古くから鉱山保安の問題につきましては監督をしてまいったような次第でございます。現在の時点におきましてその程度のことしか言えないような状態でございます。
#99
○矢追秀彦君 昔の状態をいま調査をやっておられますけれども、やるについて鉱山側は協力的であるかどうか、その辺お伺いしたい。
#100
○説明員(西家正起君) 鉱山側はこれは全面的に協力をする姿勢でございます。
#101
○矢追秀彦君 いままで鉱山はあくまでもカドミウム自体が中毒を起こさないと、こういうふうにずっと逃げてきているわけです。最近は変わっておるかどうか、鉱山の人とまだ会っておりませんのでわかりませんけれども、少なくともこの問題が表面化したころは、外国の文献等も引っぱって、カドミウムというものは中毒を起こさない、健康に影響を及ぼさない、こういうように反論しておりますし、稲につきましてはお金を出しましたけれども、この病人に対しましては何にもしてない。そういう点から、過去のことでありますからいろいろ隠そうと思えば隠せるし、また、この調査団に対してうまくやることも考えられないことはないんです。そういう点についていまお聞きしておるわけですけれども、さらに古い状態をいま再現をして、具体的には測定等可能かどうか、その点をお伺いしたい。
#102
○説明員(西家正起君) 実際問題といたしまして非常に困難が伴っております。ただ、厚生省のほうで調査をやっておられます下流の土壌あるいは稲の分析、そういった事柄は、かなりやはり一つの大きなこれを解明する方途になるのではないか、かように思う次第でございます。
#103
○矢追秀彦君 私、専門的なことはあまりわかりませんけれども、その下流に堆積をしたものが、おそらく一つの考え方に、ずっと昔から鉱山があったんだから、カドミウムももちろん含まれているから、雨が降っていろいろ流れてきたと、それでたまったんだと。あとは、もともとそこがそういうところであったんだ。その二つですね。もう一つは、鉱山が多くのカドミウムを採掘したことによって流した、これによってたまったんだと。この三つ考えられておりますね。その三つをいまきちっと分析できる科学的方法はあるわけですか。要するに、もとからあったのか、非常に長年の間に自然に流れてたまったのか、それからあとは、鉱山がたくさん流して急にたまったものか、その点が現在の土質を調べて区別のつく方法があるかどうか。それがはっきりしなければ、私はこの問題の解決は出てこないと思うんですね。その点はどうですか。
#104
○説明員(西家正起君) 下流地域の土壌の分析等を行ないまして、そこにどのくらいカドミウムが含まれているかということは、これは厚生省のほうでやっておられます。これはいずれ明白になるかと思いますが、それがどこから来たのであるかという経路、これについての因果関係を非常に明確にするためには、やはり当時、鉱山でどのような選鉱をやり、製錬をやり、その廃滓なり廃水をどのように処理しておったか、そのこともあわせ調査いたしまして、その辺のつじつまを合わせなければ、この因果関係の立証はなかなか困難ではないか、かように考える次第であります。ただいま先生のおっしゃいました非常に明快な考え方につきまして、はたしてそこまで十分立証できるかどうか、現在の段階では必ずしもはっきりは申せないような状態でございます。
#105
○矢追秀彦君 厚生省のほうはどうですか、この問題は。いまの三つですね。
#106
○説明員(武藤g一郎君) 先生の御指摘の点につきましては、ただいま鉱山保安局長のほうから答弁されましたように、たかなかむずかしい問題点を含んでいるように考えます。
#107
○矢追秀彦君 いま二人ともむずかしいと言われましたが、これを何とか解明する科学的な方法というものを考えるように検討を始めていただきたいと思いますがどうですか。要するに過去の鉱山の様子、それからいまの分析方法ですね。
#108
○説明員(西家正起君) ただいま御指摘の点につきましては、極力努力をさせていただきたいと思います。
#109
○矢追秀彦君 いまの調査もこれは非常にいいわけですけれども、そういった点を先にきちっとやった上で調査研究を始めたければ、はっきりした結論は私は出ないと思うが、調べてみたらこうだった、わからない、調べられなかった、それじゃしょうがない。現在の日本の科学は世界的にかなり進んでおるわけですから、また、そういう過去の状態、鉱山側もほんとうにまじめに昔のことを、はっきり、ある証拠を全部出してもらって――かなり鉱山には証拠があると聞いているわけです、思うように見せてはもらえませんけれども。そういう点も通産省のほうからきちっと言って――そういう資料等も全部出してもらい、また、昔の採掘の状況もきちっと調べ、さらにいま言いましたように、このカドミウムの出たものがはたしてどういう経路で来たかということを調べられる方法は、私はできないことはないと思うのです。きちっと追跡をすればですね。その方法をまずよく相談をされた上で、そして実際調査を始められて、独力にやっていく。こうしなければ、ただ何もかにも調べていって出るものではない。やはりその点が私は大きなきめ手になると思うのです。その点に対する考え、やられる用意があるかどうかをお聞きしたい。
#110
○説明員(西家正起君) ただいままで私のほうでやっておりましたのは、現在の水が現在危険なものであるということでありますと、これは大きな問題でありますので、そういう意味で現在の水につきましていろいろな極力調査を早めたようなわけであります。過去の問題につきましては、ただいま先生の御指摘のように、非常にむずかしい問題だとは思いますけれども、今後積極的に解明するように努力いたしたい、かように考える次第であります。
#111
○矢追秀彦君 それをぜひお願いしたいと思いますが、この十五日の産業公害にも学者の方に来ていただきますので、まあきようやったのはこちらの委員の方にもいろいろ実情を知っていただく点と、今後の調査を推進させる意味で質問したわけです。
 最後に通産省のほうにお伺いしますが、先ほど厚生省の言われた公害に対する考え方と同じ考えでいられるわけですね。要するに事業所が少しでも病気の要因になるという線が出たならば、それば公害と認定される、まあ少しでもですが。先ほどの「相当範囲」と、もう一つ事業所が原因であるということですね、この点どうですか。
#112
○説明員(西家正起君) 一部でありましても、相当因果関係が明白になりました場合には、公害というふうに考えます。
#113
○矢追秀彦君 その点、公害基不法もはっきりしていないし、今後公害問題について、いまの因果関係がどの程度の場合ならはどうする、どの程度の場合ならどうするという厳密な段階は引けないと思いますけれども、かなりの線を引けるように、法律なり政令なりをつくっていかなければいけないと私は思うのですけれども、そういった点に対して、今後通産省はどう考えていかれるか、お伺いしたいと思います。
#114
○政府委員(両角良彦君) 鉱業法によりますと、鉱害の発生が鉱山の出します廃水もしくは坑水と相当因果関係にあるときには賠償の責任があるということになっておりますが、他の原因と競合をいたしておる、あるいは不可抗力の要素が加わってきておるというような場合には、その賠償責任について、その部分についてはしんしゃくもしくは免責が行なわれることになっております。しかし、それを一律的に政令等できめるということはなかなか困難でございまして、各鉱害の発生状況に応じまして、ケース・バイ・ケースで判断をいたすべきたてまえになっておる次第でございます。
#115
○矢追秀彦君 いまの、特に合同した原因で起こる場合に、それに対してはやはり私はある程度ケース・バイ・ケースではなくして、何か線が出ないと、今後問題が起こりはしないか、こう思うわけです。それからもう一つは数の問題、患者さんのその範囲における数とかパーセント、そういうことを私はある程度、何か最低の線でもきめないと問題が起こるんじゃないか、たとえばぜんそくが起こった、三人起こった。しかしその人はその煙を吸ったからぜんそくが起こったのか、もともとぜんそくだったのか、その判定は非常にむずかしいと思うのですね、医学的にそこまで出ればいいですけれども。まあ卑近な例で言いまして、私が五十の結核菌をのんだ、鉱山局長さんが同じ五十をのんで出るか、私が出て向こうがでないということもあるわけですから、人間のからだがからみますと非常にむずかしい問題でありますけれども、しかし、ある程度の線を出さないといけないのじゃないかと、私は今後の問題として考えるのですが、その点どうでしょうか。
#116
○政府委員(両角良彦君) 現在の鉱業法のたてまえといたしましては、鉱山に基因することが明確な部分については、鉱山側が賠償の責めに任ずるということでございまして、鉱山側に基因する部分がどの程度であるかということは、個々の事例で判定をいたす以外になかろうかと存じますが、しかし、個々の実例につきまして、どの程度が鉱山側に基因するかどうかということは、諸般の科学的な方法を用いまして明確にいたすべきことは当然であろうかと存じます。
#117
○矢追秀彦君 いま言われたことだけから聞きますけれども、どれだけ鉱山が関係していたか、そのどれだけの範囲をきめなければいけないのじゃないかと言うのです。その点がきまっているのかということです。というのは、いまのイタイイタイ病は一番いい例になると思います。これは栄養失調がバックグラウンドにあった上でカドミウムが入ってなったと考えられる場合もありますし、また逆に、カドミウムがもとでなる。しかし、カドミウムが一律には原因していないことは事実です。そういうような、おもに子供をたくさん産んだ女の人がなっているわけです。男の人は非常に少ないわけです。そうしますと、おそらく子供をたくさん産んだ経産婦はカルシウムの代謝と、何かお産をした場合等に影響が出ると思います。歯なんかに影響がある場合があるから、カルシウムの代謝ということが妊娠ということによってバランスがくずれると考えられるわけです。そこにカドミウムというものが入って病気が出るわけです。そこに栄養失調というものがからんできた。そういう場合にカドミウムの要因というものが、そういう結論がかりに出たとして、非常に少ない。また今度、そのカドミウムというものを鉱山が流したものか、もともとあったものかよくわからない。鉱山が流したこともある一部の要因となり得る、こういうような非常にこの問題についてはややこしい問題なんですけれども、だから私はある程度その原因のパーセントといいますか、要因がどの程度までになっているかということを、ある程度最低のところをきめていかなければならないのじゃないか。いつでもいつでもケース・バイ・ケースといったのでは、そのときのいろいろな社会問題として取り上げられたか、られないか、世間が騒いだか騒がないか、そんなことによって結局は結論が出ないままで、だれが困るかといえば当事者である患者さんだけが困っているわけです。水俣病でもそれがいえると思います。だから私は公害問題については、ただそういうことではなしに、ある程度の、もう一つ下の何かをきめなければならないのじゃないか、こう思うのですが、その点、局長さんどう考えられていますか。
#118
○政府委員(両角良彦君) たいへんむずかしい問題でございますが、要するに鉱山の鉱業活動がその損害の発生とどの程度関連をしているかという程度が賠償責任を決定するわけでございますから、その関連する度合いというものは、やはり個々のケースによって判定する以外にないわけでございまして、鉱山側の鉱業活動に基因しない場合についても損害賠償の責任等々の最低限としての設定ということは、現在の法律のたてまえでは不可能であろうかと思います。
#119
○矢追秀彦君 関係のないことに賠償の責任をもっていく、私はそういう意味で言ったのじゃないのです。いま言ったある程度の範囲をきめなければいけないのじゃないか、その範囲をきめなくても、たとえば十のうち一なら大体このぐらいの金額、十のうち二ならこのぐらいの金額、そういう段階をきめるなり、公害というものはこのぐらいからんでおればもうこれは公害と認定すべきである。どちらの線でもいいと思いますが、そういうことをしなければならないのじゃないかと、私はこういう問題から非常に感ずるわけなんです。そうしないと、今後の公告に対しては結局ケース・バイ・ケースでいけば、押し方の弱かった人は、特にこイタイイタイ病の発生している人たちは非常におとなしい人ばかりなんです。全然騒いでいないわけなんです。非常に封建的な社会でありますけれども、それに対して新潟とかあっちのほうは非常に積極的なんです。非常に騒ぎも大きくなっている。そういうふうなことは必ず取り上げられてやっている。非常にそういうおとなしいところは、県でもやってない、こういう結果が出ますので、だからある程度こちらのほうからそういうものに対しては事業者はある程度の関係をしている。だからこれに対してはこのぐらいの措置をすべきだというものは、できなければならないのじゃないかと私は考えるわけです。あなたのこの点についての見解をお伺いしたいわけです。
#120
○政府委員(両角良彦君) ただいまお引きいただきました例で申し上げますと、かりに被害が金銭的な額で示されたといたしますと、そしてその場合、その被害の原因について鉱山側が一割のたとえば責任があるというようなことが明確になったと仮定いたしますと、その場合には当然一割の損害賠償責任は鉱山側にあるということでございますけれども、それが二割の有責があるか、三割の有責であるかということは、その個々のケースで見ませんと何とも申せないのではなかろうか、かようなふうに考えております。
#121
○矢追秀彦君 それはもちろんケース・バイ・ケースです。私はその程度のこともいまはあまり法律ではきめられてないでしょう。要因がどのくらい加わればどうだ、その点はどうですか。
#122
○政府委員(両角良彦君) 鉱業法の規定によりますと、損害の発生が鉱業に原因がある場合は、その原因の程度について無過失賠優責任を負うべきであるということが明確になっている次第でございます。
#123
○矢追秀彦君 程度についてと言われるのだけれども、それをもうちょっと具体化できないかということなんです。法律を改正しなければならないわけですけれども、無理ですかね。
#124
○政府委員(両角良彦君) 御意見を十分承りまして、われわれのほうで検討をいたしたいと考えますが、たいへんむずかしい問題であろうかと存じます。
#125
○矢追秀彦君 あまり時間を長くとるとあれですから終わりますけれども、今後とも厚生省、通産省ひとつ特に協力して、一日も早く解決するように要望いたしまして質問を終わりますけれども、せっかく政務次官がお見えになっておりますから この機会に――この間大臣に陳情に参りまして、大臣も善処すると言われたわけでありますが――この点について一言承っておきたいと思います。
#126
○政府委員(熊谷太三郎君) しろうとでございますが、いろいろお話は承って聞いておりますし、きょうまたいろいろの御質疑を通じまして十分お気持ちのあるところを御了承申し上げましたので、よくさらに検討を進め、御趣旨に沿うように省自体として研究努力をいたしたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
#127
○阿部竹松君 本件については、十五日に専門の公害対策特別委員会で参考人を呼んで審議に当たるわけでありますから、私はそこへ出席さしていただいてお尋ねしようと思いますが、ただ二、三点、知らぬ点を参考までに公害部長さんにお尋ねしておきたい。
 第一点は、さいぜんの御答弁の中で、来年三月ころに結論が出ますと、こういうお話ですね。まあこれとは違うんですが、足尾鉱山の鉱毒の問題その他で、これは経済企画庁が中心となって渡良瀬川の水質の査定をやっておるわけなんですが、これは三年ぐらいかかるんです。専門委員会で結論が出たんですが、まだ最終決定を見ておらぬ。これもたいへんなことであるのだが、まあその被害が稲ですね。稲であってよろしいと私は申しませんけれども、こちらのほうとは違って、一反歩から十俵とれるのが七俵であるとか五俵であるとかという被害なんですが、こちらのほうは人命ですね、人命なんで、これは三月までかかられたらたいへんなことになるのではないか、こう考えるわけですが、相当な調査探求をやらなければならないので、粗製乱造的な答えは無理かと思いますが、三月までの決定版、つまりその調査の結果が出るときに、このカドミウムが原因であるかどうかということがまず一番問題点ですね。そうして、原因であるということになれば、結局そのあなたのほうでやはり将来〇・〇PPM一になるか二になるか三になるかわかりませんよ、それ以上の措置を講じなければ飲んでいかぬという結論を出さなければいかぬわけですね。この調査団は、ただ今回の問題について調査をして終わりとするものか、それとも将来かく規制せねばならぬという結論まで出すというのか、どちらなんですか。
#128
○説明員(武藤g一郎君) 厚生省がいま重松部長ほかの先生方に依頼してやっております調査研究の内容は、カドミウムの由来等につきましての検討でございまして、どの程度の許容量が許されるかという点につきましての検討でございませんので、その点には触れられないと思います。それから現在の飲料水等につきましては、カドミウムの許容限度等については何らきめられておりません。
#129
○阿部竹松君 きめられてあれば問題なかったわけですよね、きめられてあれば。たとえば、昔軍隊があった当時大演習をやって、師団対抗演習等がございまして、宿舎がないものですから地方の農家なり民家なり商店にも泊まるわけですよ。そうすると、その県なり郡なり市町村の衛生課、衛生部からきて、全部各戸の井戸を調査するんですね、飲料水に適するやいなや。戦時中、戦争前ですから、きわめて簡単なものだったですが、そうやって飲料水を調査するわけです。ところが、あなたのほうは飲料水の基準はきてめておるけれども、たまたまカドミウムはきめておらぬから、これは害がないと判断しておったに違いない、害があると判断すれば規制をするわけですから。ところが、そういうふうなことを規制しておらぬということは、厚生省としてはこれは飲んでも害がないと判断しておったのですね。飲んで害があろと判断すれば――ほかの一般飲料水は〇・〇三であるか四であるか五であるか、ちゃんと基準きめてあります。ところが、きめておらぬということは、害がないと判断しておるわけです。たまたま問題になってきたから、害があるかないか調査が始まってきたわけですね。そうしますと、害があると判断すれば、三月に、これはやっぱりその対策を……。矢追委員も激しくお尋ねになっておったようてすが、将来の問題が大事だね。いままで害がないと厚生省は判断しておったに違いない。害があると知っておって基準をきめないということは成り立たぬわけですからね。そうすると、調査団が結論を出しても、再び調査団をおやりになるか。あなたのお手元でおやりになるか。やるということになると、これはたいへんなことになりますね、時間的に。そうなりませんか。
#130
○説明員(武藤g一郎君) カドミウムの水質基準かないということは、無害であるからないということではなくて、実はカドミウムについての水質基準が、世界でもどれだけ許容するというような水質基準はないのできめられてなかった次第でございます。
#131
○阿部竹松君 まあ答弁はそれでいいですよ、あらためて聞きますからね。あなたもおなりになったばかりだから。
 もう二点お尋ねしますがね。そこの臨床医、長い間おられたお医者さんが、やっぱり今度の調査団に対して意見も具申するでしょうし、自分の治療に当たった結果を報告すると思うのですよ。それはやっぱり相当結論を出すための重要な参考になると思うのですよ。臨床されたお医者さんの意見ばかり聞いて調査団は結論出すとは思いませんが、やっぱりいままで長い間二百人も三百人もその病気でなくなっておるというわけですから。そうすると、聞くところによると、あなたの関係かあるいは鉱山局の関係か保安局の関係かわかりませんが、お医者さんだから、さしあたりあなたのほうの管轄だと思うが、あなたのほうと三井鉱山のお医者さん、多くの患者を担当している萩野さんという人と、あまり意見の一致を見ないらしいのですね。たとえばお医者さんはやっぱりはっきりわからぬわけですから、しかし、やっぱり長い間の治療の結果、おほろげながらわかっておるでしょうけれども、お医者さんが、これはやっぱりその病源の探求とかあるいは病源の追求をやらなけりゃならぬわけです。それにやっぱり同じ、たとえば神岡鉱山というすりばちのようなところにおってだね、なかなか病原の探求についても一緒にやらない。あるいは治療の方法についても、こんな小さいところにおって、それでやっぱり意見の交流もなかなかない。治療についてのあれがないということは、これはあなたを責めるという意味でなしに、それが実態らしいですよ。これは十五日にはそのお医者さんも出席するそうですから、わかるでしょうけれども、そういうことをやっておるのですからね。これはだれに責任あるということでなしに、これはきわめて重大な問題だと思うのです。
 もう一点は、さいぜん矢追委員もいろいろと鉱山の鉱毒について質問されておったようですが、これの鉱山は、あそこには大津山と栃洞という二カ所しか採鉱現場ありませんよ。猪谷も高山も合有があるようですから、鉛、亜鉛の。そうすると、井戸掘るでしょう、井戸掘ったところが含有している地質なんですね。ですから、昔は鉱山のほうはどんどん流されたかしらぬけれども、いまの場合は、鉱山のほうは整理した残滓を、案外化学的に処理しているかもしらぬ。しかし逆に、井戸を掘って井戸水をそのまま飲んでおった場合には、鉱山から出ておるカドミウムよりも、簡単な井戸を掘って飲んでいるほうが案外被害があるかもしれません。そこをやはり注文申し上げているんですが、昔、軍隊が一個一個の井戸を調べたように、全部可か否か検査してもらわなければならぬと私は思うんです。そうでなければ、ただ鉱山のことだけ見てもだめなんです。もちろん鉱山は徹底的に究明しなければならぬが、あの辺一帯は全部、御承知かもしれませんけれども鉱区ですから、鉛、亜鉛、銅、硫黄、こういうのがあるわけですから、そうすると、井戸を掘っても全部一つ一つ調べなければならぬ。でなければ原因なんといってもとてもだめなんですね。もう一つ、あの辺は夏になるとキャンプですね、あの辺一帯。それから冬になるとスキーのきわめて良好な地域で、もう民宿というのは日本で有数なくらい民宿をやっているんですね。そういうところは、あなたのほうでこれはやっぱり手当てをしていただかなければならぬと思うんですがね。これは私の注文ですが、もし御答弁があったらひとつ御答弁してください。
#132
○説明員(武藤g一郎君) 地元の一番詳しい医者と関係者が非常に意思の疎通を欠くとか、その他のことがあるんではないか、こういう御指摘だと思います。その点の事実につきましては、先生御指摘のように、そういう事実が一部にはあるようでございますけれども、厚生省が委託しております研究班員の先生方、あるいは厚生省の担当官は、先生と面接いたしまして、そういううわさがありました以降におきましては、十分接触を保って意見を聞いております。
 それから第二の御質問の、いわゆる井戸水の中にカドミウム等が入る、あるいは自然流下の中にありましてキャンプ場その他の人々の不安のもとにならないか、こういう御指摘につきましては、当研究班も井戸水その他を十分調査しておりますので、そういう点につきましては、三月末の検討までに明らかになろうかと、かように思います。あるいはそのほか簡易水道の布設のための水源調査等も地元富山県と密接な連絡をとりまして厚生省は対策を進めております。
#133
○矢追秀彦君 さっき外国に規定がないと言われたのは、水に対してですか。中毒症の規定はありますよ、スエーデンでも東ドイツでもね。
#134
○説明員(武藤g一郎君) 厚生省が承知しておりますのは、一九六五年にアメリカで初めて水質基準の中にカドミウムの点が規制されたと、かように聞いております。
#135
○矢追秀彦君 さっきのは間違いですね。
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#136
○委員長(鹿島俊雄君) ただいま鍋島科学技術庁長官並びに天野科学技術政務次官より、ごあいさつのため発言を求められておりますので、順次これを許します。鍋島科学技術庁長官。
#137
○国務大臣(鍋島直紹君) 今回科学技術庁長官に就任をいたしましたので、一言ごあいさつを申し上げます、
 鍋島でございます。まことに浅学非才ではございますが、拝命いたしました以上、この重責を懸命に果たすことによりまして、わが国の科学技術振興に微力を尽くすべく念願をいたしております。どうか委員各位の御支援、御鞭撻を切にお願いを申し上げます。
 これからの世界を考えてみますと、豊かな社会の建設も、産業経済の発展成長も、すべて科学技術の進歩とその利用にまつところが大きいのでございます。すぐれた新しい技術の研究開発に、国全体としてどれだけの努力を払うかがその国の将来の地位を決定することになると申しましても過言ではないと思います。その意味で、わが国の科学技術行政のウェートはますます高くなるのでございまして、科学技術行政の総合調整を行なう科学技術庁の任務も一そう重要になることと考えております。
 わが国の研究投資の規模は、近年かなりのテンポをもって大きくなっておるのでありますが、まだまだ先進諸国と比較いたしますと、総額の点でも、あるいは国民所得の比率の点におきましても、低い水準にあるように思われます。国民所得の少なくとも二・五%程度まで持っていくことがせひ必要であろうかと考えておる次第でございます。
 次に、研究投資の総額を大きくしますと同時に、その中で国と民間との負担割合、あるいは相互の役割り、こういう関係をどう考えるかという基本的な問題につきましても、慎重な検討がこれから必要であるかと存じます。特に原子力の平和利用あるいは宇宙開発等いわゆるビッグサイエンスといわれております分野はもとより、これからの大型技術については、国全体として計画的、総合的に研究開発を進めることが効率的でありますし、顕著な成果をあげるゆえんであると考えております。科学技術基本法が検討されておりますのも、こうした事情を考えてのことかと存じまして、速急にこの策定をいたす所存でございます。また、国の総力をあげて取り組まなければならない超大型のテーマにつきましては、動力炉あるいは原子力船のように国が主体となった特別の研究開発体制がすでにとられておるものもございますが、宇宙開発についても、このような体制を整備するように検討しなければならないし、また、その体制をできるだけ速急につくり上げねばならないときにきておるかと存じます。
 また、研究開発の成果をあげますためには、資金の問題はもちろんでございますが、結局これを担当する多くの研究者の努力と資質の向上にまたなければなりません。この意味ですぐれた人材の養成、研究環境の整備にできるだけの努力をいたす所存でございます。
 なお、研究環境の整備等の直接的な施策を講じますとともに、広く国民全体が科学技術に理解を持ちまして、技術振興に大きな興味を持つように、基本的な意味においてこういったことが大切なことだと考えております。科学技術の振興は国の繁栄の基盤をなすものであると思っておりますが、所要の体制の整備あるいは諸施策の具体化につとめるにあたりましては、現実に多くの難問題が目前に山積をいたしております。
 どうか、科学技術の行政の円滑な遂行のために、委員各位におかれましても一そうの御支援と御協力をいただきますことを心からお願い申し上げまして、ごあいさつにかえる次第でございます。(拍手)
#138
○委員長(鹿島俊雄君) 次に、天野科学技術政務次官。
#139
○政府委員(天野光晴君) このたび佐藤内閣の改造で科学技術庁の政務次官を拝命いたしました。畑違いでございますが、一生懸命勉強をいたしまして、御期待に沿えるように努力いたす所存でございますので、委員各位におかれましては、御指導、御鞭撻のほどを心からお願い申し上げまして、ごあいさつにかえます。(拍手)
#140
○阿部竹松君 ちょっと長官にお尋ねしますが、いま長官おいでになる前に論議をいたしておりましたイタイイタイ病、それは富山であるか岐阜かの神岡鉱山のね、イタイイタイ病、あれの調査のために長官のところで予算を取ってあるというように聞いているのですが、まだ、ついておらぬでしょうけれども、明年度の予算にそれはどうなんでしょう。
#141
○国務大臣(鍋島直紹君) 阿賀野川の件は、すでに現在科学技術庁のほうにきておりますが、いまの神通川のイタイイタイ病のほうは、まだそれにつきましての厚生省及び通産省等の意見がまとまらないでおります。現在において調整費を持っておりますから、その議がまとまれば、直ちに科学技術庁のほうが受け取って調査研究あるいは結論を出すということに努力をしたいと思います。
#142
○阿部竹松君 私の知っているのは、科学技術庁で、これは官房長でもけっこうですが、科学技術庁のほうで独自の予算を取っておられるというようなことをお聞きしたものですから、そうするとあなたのほうで独自におやりになるのか、それとも三者一体になっておやりになるのかということをお伺いしたいのです。
#143
○政府委員(馬場一也君) ただいまの神通川のイタイイタイ病の問題につきましては、ちょうど阿賀野川のケースと同じように、おそらく各省にまたがる調査研究になるかと思いますので、そういう性格の予算といたしましては、科学技術庁のほうに御承知のように調整費というのがございます。今回の問題につきましても、ただいま大臣から申し上げましたように、通産あるいは厚生なりあるいはそのほかの関係各省で、ひとつ総合的にこれを調査する必要があるという結論になられますならば、私どもの調整費を運用いたしまして、調整費をどの省に委託するのか、事務的に話を詰めてまいりたいと思います。話のまとまり次第、そういう運用をいたしたいと目下検討中でございます。科学技術庁が直接に調整費を使って調査をやるということではございませんで、そういう共同の場で調査をしようということにまとまりましたならば、これは厚生省になりますか、あるいは通産省になりますか、あるいは各省共同のものになりますか、通産省なり厚生省なり、それぞれ分けて、うちの調整費を移しかえまして調査したい、ということになると思います。
#144
○阿部竹松君 官房長、阿賀野川と神通川と流域のあれが違うから、たとえば渡良瀬川と利根川などということだったら話はわかりますが……。そうですが、わかりました。私は別に要求してあるやに承っておったものですから。
#145
○委員長(鹿島俊雄君) 他に御発言もなければ、本日はこの程度にいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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