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1967/12/12 第57回国会 参議院 参議院会議録情報 第057回国会 社会労働委員会 第2号
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1967/12/12 第57回国会 参議院

参議院会議録情報 第057回国会 社会労働委員会 第2号

#1
第057回国会 社会労働委員会 第2号
昭和四十二年十二月十二日(火曜日)
   午前十時二十六分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         山本伊三郎君
    理 事
                植木 光教君
                土屋 義彦君
                藤田藤太郎君
    委 員
                川野 三暁君
                黒木 利克君
                紅露 みつ君
                林   塩君
                山本  杉君
                大橋 和孝君
                藤原 道子君
                柳岡 秋夫君
                小平 芳平君
                片山 武夫君
   政府委員
       厚生政務次官   谷垣 專一君
       厚生大臣官房長  戸澤 政方君
       厚生省環境衛生
       局長       松尾 正雄君
       厚生省医務局長  若松 栄一君
       厚生省保険局長  梅本 純正君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中原 武夫君
   説明員
       厚生省児童家庭
       局長       渥美 節夫君
       厚生省保険局医
       療課長      松浦十四郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
○社会保障制度に関する調査
 (耳鼻咽喉科医の診療報酬等に関する件)
 (保育所行政及び環境衛生に関する件)
 (北九州市の公立病院財政再建問題に関する件)
 (むち打ち症、イタイイタイ病、節ジストロ
 フィー症問題に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(山本伊三郎君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 この際、谷垣厚生政務次官から発言を求められております。発言を許します。
#3
○政府委員(谷垣專一君) 先般の内閣改造に伴いまして新しく厚生政務次官に任命されました谷垣專一でございます。
 微力でございますが、誠心誠意大任を果たしたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#4
○委員長(山本伊三郎君) 次に、社会保障制度に関する調査を議題といたします。
 御質疑のある力は順次御発言を願います。
#5
○大橋和孝君 本日は、十一月の十七日に出されました「医療保険制度改革試案」いわゆる厚生省の出した抜本改革案の中の「診療報酬体系の適正化」という一項に、「医師、歯科医師等の技術を正当に評価する。」と、こうあるわけでございますが、先日の社会労働委員会の中でも私は質問いたしましたが、今度の耳鼻咽喉科の処置料の引き下げについてどうもわからない点がありますので、まずこれをお伺いしたいと思うわけであります。
 厚生省の抜本改正案の中の文革と今度の件は、何か反対になっているように思うわけであります。他の科とのバランスとか、あるいはまた、再診料の新設とかと言っておられますが、この逆行するような技術評価をどのように考えておられるのか、それらの点についてお伺いしておきたいと思います。
#6
○政府委員(梅本純正君) 耳界咽喉科の処置料の問題で先生からこの前も御質問がございましたけれども、この前も御説明いたしましたように、今回の耳鼻咽喉科の処置料の問題につきましては、御承知のように、その前に中央医療協議会の建議というのがございました。この中央医療協議会の建議は、二年間にわたりまして、正式の会合を四十九回、懇談会をまじえまして六十数回にわたる協議の結果できた建議でございます。それで、診療側、支払い側、公益委員満場一致で決定されましたその建議の中に、「乙表における上耳鼻咽喉科処置の点数については、他の診療科との均衡を考慮して調整を行なう」という本文がございまして、別紙におきましてこの処置を三点を二点に引き下げるということが点数が明記されております。この建議ができます過程におきましていろいろ議論になりました点は、技術を評価するという意味におきまして再診料を創設するということが一つ出てきたわけでございます。再診料を創設するに際しまして、耳鼻咽喉科につきましては、再診の頻度が他科に比べて非常に多いというふうな点から、再診料を創設するということになりますと、耳鼻咽喉科につきましては、他の科との均衡上、総体的に非常に比率が上がる。それで、他の科と調整をとるという意味におきまして、耳鼻咽喉科の処置を三点から二点に引き下げるというふうに、中央医療協議会の、審議の過程におきましてはそういうふうな考え方でこういう建議になってきたわけでございます。
 厚生省といたしましては、この建議を受けまして、ついででございますが、この建議の中には、たとえば、手術料をおおむね八〇%引き上げる、それから入院料をおおむね一四%引き上げるという建議になっておりますので、その「おおむね」というふうなまだきまっていない部面につきまして、そういう未確定な、いわゆるはっきりしていない部面につきまして、その点数表を確定をし、また、新しい技術についての点数表を設けるという項目もございますので、それは学会のほうの御意見も聞いて新しい点数表を新設をして、そういう形で諮問を出したわけでございます。ただし、その諮問におきましては、厚生省の態度といたしましては、建議の線に明確に書かれておるという点につきましては、建議の線をそのまま尊重したわけでございます。そういうことで諮問をいたしまして、中央医療協議会におきまして、いろいろこの諮問に基づいてまた御議論があったわけでございますが、結局、審議の結果、厚生省が、諮問しましたうち一点だけ入院料について点数の修正をした上で、この諮問は中央医療協議会としては了承するというふうな経過がございまして、そういう答申が出ましたので、また答申を尊重いたしまして、答申どおり修正が行なわれた部分も修正をしまして告示をして、この十二月一日から新しい点数表が実施されておるわけでございます。
 そういうふうなことでございまして、今回の点数表の改正につきましては、厚生省といたしましてば、先ほど申しました相当長期にわたる御審議の結果、診療側、支払い側、公益というので満場一致の御決定をいただきましたので、その建議、また引き続いての答申というのを全面的に尊重いたしまして実施したわけでございます。
 お尋ねの技術の評価という点につきましては、今後抜本改正の際におきまして、まあ抜本改正と申しましても、この中央医療協議会のほうで進めていただきますのは診療報酬のいわゆる適正化という問題でございますが、その際におきましては十分に検討をしてその技術が十分に尊重されるようにしていただくという点で先生御指摘の抜本改正の事務局案にああいうふうに書いたわけでございまして、この点は今後の問題として十分に考えていきたいというふうに考えておるわけであります。
#7
○山本杉君 ちょっと関連して。いま耳鼻科のことについてお話がありましたけれども、医者の技術料というものが認められていないということはもう大方の認めるところで、いままでそれで医者側はがまんをしいしいきたわけでございますけれども、今度の改正の中で、耳鼻科がほかの科に比べて非常にぐあいがよくなるからというので、一点下げた。どうして耳鼻科を下げないでまわりの低いのを上げてくださらなかったかと私は思うのですが、その点を御説明願いたいと思います。
#8
○政府委員(梅本純正君) 今度の中医協の建議につきましては、全体の平均といたしまして医療費が七・六八%のアップになっております。これは平均でございまして、各科によりまして、内科でございますと、これは乙表におきましてでございますが七・三三%の引き上げというふうな形で、各科に分けました場合に上がり率は少しでこぼこでございますが、総計におきまして七・六八%でございます。その際に、耳鼻咽喉科につきましては、この平均よりも相当上回った平均率になっておるということでございます。
#9
○大橋和孝君 パーセント云々を言われたのでありますが、いまちょうど山本委員からもお話があったように、三点を二点に下げたということは、技術料を下げたことになる、事実上。こういう問題に対しては、バランス云々とか、パーセント云々ということよりは、いま私が質問したのも、厚生省は技術料を認めていこうということを言っておられながらそういうことをやられることに対してはぼくは大きな矛盾を感ずるわけですが、あなた自身は矛盾を感じませんか、それで。
#10
○政府委員(梅本純正君) 診療報酬の点数表につきまして、いままでこの改正もここ一、二年ございました。これはいわゆる緊急是正ということでございまして、現在の点数表を前提にしたままいわゆる医療費のアップ、医療費の引き上げということで、むしろ単純な引き上げでございました。
 ところが、今回の中医協の建議におきましては、根本的にこの点数表を改正するにつきましては、基礎となります調査がございません。これは、御承知のように、十数年来、実態調査というものが、関係方面との関係もございまして実施できませんでした。そういうことで、基礎資料がなしに抜本的な診療報酬の適正化はできないという中医協の皆さんのお考えでございましたが、ただ、それにつきましては、やはり調査をやるということで、この中央医療協議会の建議におきましては、医療経済に関する調査は三年に一回必ずやる、それから薬価の調査は毎年一回やるというふうに全会一致で合意ができたわけでございます。その調査の結果を待って診療報酬の適正化について抜本的な検討をやろう。ただし、今回の建議においては、その調査資料がなくしても理論上でき得るもの、それからいわゆる緊急是正的な諸物価の値上げに即応した医療費の引き上げというふうな形の引き上げを行なおうということで、調査資料のできる前の、理論的に調査資料が一応なくてもやり得る部面の適正化と引き上げを行なわれたものでございまして、そういう趣旨の建議でございます。
 それからただいま両先生から御質問ございましたが、先ほど申しましたように、われわれのほうといたしましては、中医協の経過から見て一応建議の線をそのまま尊重したわけでございまして、決してこれを尊重してそのままでしたから技術を尊重しないとかそういう考えでございませんで、先生方よく御承知のように、非常にむずかしい中医協でございますし、この会は利害関係者が構成メンバーになっておりますので、その辺は、実際におきましては、率直に申し上げまして、会議の審議も利害が対立したような審議になっております。それを公益委員が調停あっせんをされて結論が出るということで、まあこれは法律的にはそうなっておりませんし、こういう例を引くのは悪いと思いますけれども、労働関係のいわゆる仲裁裁定といいますか、実質上はそういうふうな関係で会議が行なわれております。したがいまして、まあ俗に申しましてその中には妥協もございますし、いろいろ両側との話し合いの結果、数字だとかそういう点につきましても、学識経験者あるいは学者ばかりの研究会あるいは審議会でございませんで、利害の対立した点で一定のところでいわゆる手を打つというふうな点もございまして、この数字にいたしましても、建議ができ上がります数日前は徹夜も続きましたし、緊急の秘密懇談会というものも何回も重ねられてこういう結果が出ましたので、そういう点から見まして、私のほうは、技術を評価する評価しないという本質論よりも、この建議を全面的に尊重して、この建議につきましては、お手元にお配りしてございますように、適正化についての新しい方向が相当出ておりますので、一刻も早くこれを実施いたしたいというふうに考えた次第でございます。
#11
○大橋和孝君 まあ説明の中である意味ではわからぬこともないわけでありますが、しかし、そういうふうなあいまいな態度で仲裁裁定のような形でこれをやるというようなことは、少なくとも厚生省の行政の中でいまその方向が技術料を相当高くあるべき実質的なものに認めていこうという考え方が主体になっていかなければ、これからの健康保険制度というものは、完全に打ち立てられないという基本的なものがあると思うわけですね。そういう点で、その技術料というものを、先ほど山本委員がおっしゃったように、むしろ全体を上げていこうという形だったら話はわかりますが、それが何かいろいろな話し合いのもとでこれを三点から二点に下げたということ自身は、それはそういうむずかしい問題だからやむを得ないと言われれば一つの弁解にはなるかもしれませんが、厚生省としてそういうことをとられること自身は非常に間違っている。言うておられるこれから今後やろうとされていることと実際行なわれていることが反対になると、こういうふうに私は思うわけです。
 これは、具体的な例から考えてみますと、こういうことが言われるわけです。たとえば甲表なんかについて見ますと、処置料ば再診時の基本料金に含まれておりますために、けがをして来たのを治療をせずにみただけで帰したときのほうが再診料として十二点となりまして、診療をして処置をしたら十点になるというふうな形で、むしろ専門医的な処置をしたらかえって安くなっている例があるわけですね。こういうふうなことから考えてみますというと、専門的な治療、たとえば眼科においてもそうでしょう、婦人科においてもそうでしょう、あるいは皮膚科においてもそうでしょうが、実際に専門的な治療をしたほうが点数が低くなる。そうして、実際には何もしないでみたほうが再診料が高くなっているというふうな矛盾が出てきているわけですが、こういう点については一体どういうふうな見解を持っておられるわけですか。
#12
○説明員(松浦十四郎君) ただいま御指摘は、甲表におきまして、再診の場合でございますが、基本診療料に含まれているような処置を行なった場合には内科加算というものがつかない、行なわなければつく、よって、何もしないほうが高いじゃないか、だから、その点数はおかしいじゃないかと、まあこういう御指摘だと思うのでありますが、この点につきましては、再診時基本診療料というのは平均的にただいま申し上げましたような簡単な処置、検査というものは中に含まれているというのが基本的にあるわけでございます。ですから、すべて個々の診療ということではなくて、ただいま申し上げましたように、平均的にそういうものが常に存在しているということがございます。そうして、それ以外に今度内科加算というのが新たにできた場合に、その内科加算というのは処置を行なわなかった場合に算定できるという形でございますので、いままで点数がずっと組み立てられてまいりましたその観点からしますと、その考え方というのは少しも矛盾はないわけでございます。ただ、表面にあらわれた結果がそういう形になってしまう。これは、乙表を考えれば、当然新しく算定されます再診料というものがあるわけでございます。これ以外に処置を行ないますと、その処置料というのはそこに別に算定できる、こうなりますから、ただいま申し上げました再診料の内科加算というものはなくても、それにかわる処置料が入る。ところが、甲表は、その組み立てからいいまして、その分が再診時基本診療料に入っているということでございますので、理論的な観念的な計算からいきますと、その間には矛盾はないわけでございます。
 それと、もう一つ考えられますことは、そういうふうな点数云々ということで実際上処置が行なわれるのでなくて、やはり先生方が御判断なされて必要がある処置を行なうということが当然行なわれると思いますので、そういうふうな点数に引っ張られて診療行為が変わるというふうなことは実際上は行なわれないだろうというふうに私どもは考えております。
#13
○大橋和孝君 含まれていることは事実上そのとおりでありますが、しかし、外に表われた点はそうだと言われるけれども、やらないほうが点数が上がるということになれば、技術というのをもっとやれるようなことにしていかなければ、せっかくの専門医的な処置をしないほうが得であれば、実際において点数が多くなればその方向へいくということにもしなったとすれば、技術評価という面からは大きな後退になるし、その点では意味はわかる、まあそういうことはなかろうと言うても、実際問題はそういうことを含むことがあれば、私はこれは制度としては非常にまずいのじゃないかと思うのですが、これは差しつかえないのですか、これで。
#14
○政府委員(梅本純正君) その問題、松浦課長からお答えしましたが、そういう概念的に見ましておかしいという問題につきましては、診療報酬の点数表が甲表と乙表と分かれましたときから、御指摘をいただけば、先生専門家でございますから、各所にございます。これを何とか適正化をするというのが厚生省といたしましては一つの方針でございますが、それがいままではそういう基礎的な資料がなかったということが一つの問題でございまして、やはり客観的な資料に基づいての審議でなければ、先ほど実際上はそういうふうな形になると申し上げました、いわゆる利害の衝突という理論的な闘争になるわけでございまして、御指摘のような点、いろいろ問題がございます、点数表の中には。そういう点で、現在、実態調査が十一月一日から三十日までの間に、もう期間を経過いたしましたが、スムーズに調査がなされておるというふうに県から報告を受けておりますし、この集計の結果ができまして、各病院・診療所につきましての基礎データが出ましたら、抜本対策というお話も出ましたけれども、甲表、乙表を一本化する、それから技術を尊重するというふうな大きい観念のもとで根本的に改正をしていきたいというふうに考えておる次第でございます。まことに申しわけございませんが、御指摘のような点は各所にございますので、そういうふうな考え方で今後進んでいきたいというふうに考えております。
#15
○大橋和孝君 いま局長もお認めになったように、今度は実態調査ができていないから、だからして、少しまずくても話し合いの中でそういうふうになったのだということで、今度はその調査の上に立ってその技術料を認めるという話でありますが、私はそういうだけのことでこうした事柄を示されるということは、厚生省としての行政の面からは非常に不手ぎわじゃないかと思うわけですね。だから、そういう点は、この様子を見て私は非常に不満に思うわけです。特に、いまおっしゃっているように、実態がよくわかってきたり、また、いろいろな調査をしてきたり、あるいは、甲、乙の表間に矛盾があるから、これはもうやむを得ないのだというふうな出し方でなしに、少なくとも矛盾はもっと排除する方法はなかったのか、私はどうしてもやはりそういうことが考えられます。
 それからまた、実際問題として、耳鼻咽喉科をやっている人たちが受け取る受け取り方は、たとえば他科とのバランス上、引き下げもやむを得ないという説明も聞いたようでありますが、そういう点でいっても、もとのままなら、四カ所の耳鼻科の処置をしたら十二点になる。それが、今度は、再診料をもらっても十一点にしかならない。いろいろ点数を計算してみれば、そうした三点が二点になっただけで実質上の収入に大きな差が来るわけです。相当の労働過重のもとに働いているお医者さん方には、実際毎日の医療行為の中でみなそれがマイナスになってくるということにはやっぱり非常に大きな抵抗があると思うのですね。こういうようなことを見てみますと、耳鼻咽喉科は再診する量が多いからとか、あるいはまた、データでいろいろなデータが出ているとか、こういって話されておりますが、そのデータそのものに、耳鼻咽喉科の人たち、あるいは学会においても、納得できないという点がたくさんあると思うのです。そういうことから言いまして、いまやられていることは非常に不当な処置であるような感じがするわけです、こういうような処置を行なわれるというと。そういうことに対してもう少し保険局長のほうから納得のいくような説明をしないと、この問題は耳鼻咽喉科の先生方に対して非常に大きなショックを与え、いまの総辞退というようなことをやっておられるわけですが、そういうことになっていくこともある程度やむを得ない、そうされるのは当然じゃないかというような感じがするわけです。そういう観点から言って、局長のほうから、そうじゃない、これはこうだという説得のできるようなデータなり何なりを示してもらいたいと思うのですが、その点はどうですか。
#16
○政府委員(梅本純正君) 再三申しておりますように、データというものが基礎的なものはございません。それで実態調査をこういうふうにやることになったわけであります。それで、今回の建議は、データが十分そろわないけれども、諸物価の値上がりがあるし、そういう点で緊急是正――従来言われたような緊急是正的なことも考慮する必要がある。そういうような状況であるけれども、ただ、従来のような単なる引き上げだけに終わらないで、データがなくても診療報酬の適正化ということに一歩でも二歩でも近づけるというふうな考えで御審議になったわけでございまして、私のほうで持っております現在の資料というような形でございましたら、社会医療調査というふうな一定の限られたデータしかございません。そういう趣旨のものでございますので、今後いろいろの関係の調査が完了いたしましてデータが出ましたら、この辺はそれをもとにして公正な審議をお願いして、先ほど申しましたような適正な方向に持っていくというふうに考えるわけでございます。
#17
○大橋和孝君 データが十分ないということで説明しておられるわけでありますが、先ほど局長からもおっしゃったように、今度のあれで何%のアップになっておるというふうに――九・〇六%の増になっておるというふうな発表もしたりしておられますが、耳鼻咽喉科学会でいろいろ計算しておられますと、結局は二・一五%くらいにしかならないというデータを出しておられるんですね。この辺に大きな食い違いがある。だから、厚生省のほうでは耳鼻咽喉科では九・〇六%の増になるのだというデータを出しておられるが、一体これは何のデータによって出しておられるのか、あるいは、資料を一ぺん明らかにしてもらったならばよけい納得いくのじゃないかと思うのですが、どうなんですか。
#18
○政府委員(梅本純正君) 全国的なデータといたしましては、先ほど申しました社会医療調査というのが一つございます。先ほどの九・〇六%を出しましたのは、昭和四十一年度の社会医療調査によりまして計算しましたらそういうことになりますと、こういうことでございます。おそらく、他科の先生方がいろいろ御計算なさる場合でも、ここの資料ではないかというふうに考えております。
#19
○大橋和孝君 それじゃ、九・〇六%を算出されたその経過をずっと資料としていただきたいと思いますから、お願いいたします。
#20
○政府委員(梅本純正君) ただいまの資料は、お手元の資料の中にナンバー4という形でお配りをしてございます。
#21
○大橋和孝君 じゃ、その資料の点は、私があとで調べることにいたします。
 それで、こういうようなぐあいに耳鼻科あたりを技術料も認めない、こういうふうになってまいりますと、将来を引き続いて考えると、現在でも医者全体が不足になっているわけですが、とりわけ耳鼻科の医者に対して非常な憤激を買っているわけですし、耳鼻科の医者不足ということまで影響してくるのじゃないかと思うほど私は深刻に考えられるわけです。
 同時にまた、いま行なわれているのがどのぐらいのパーセントになっているか私知りませんから、これを知らしていただきたいと思うのですが、総辞退が相当届けられております。いま全国でどういうふうな状態にこれが出てきておるか、この状態をひとつ聞かしてもらいたいと思います。
#22
○政府委員(梅本純正君) 十一日現在でございますが、二十一都道府県におきまして二千百四十三人の保険医の登録抹消の申し出が行なわれております。そのうち、正式に受理いたしましたのは五都道府県でございまして、千百八十人分でございます。県当局において預かるという形式をとっているものは十六県で九百六十三人というふうになっております。これは県の報告を集計したものでございます。
#23
○大橋和孝君 そうすると、このようにして総辞退ということは、患者の側から見たらたいへんな問題ですね。国民皆保険だということがいま盛んに言われておるのに、しかも、保険を辞退されたお医者さんがこれで何%に当たるか知りませんが――何%に当たるのですか、これは。
#24
○政府委員(梅本純正君) ちょっとはっきりした数字を持っておりませんが、耳鼻咽喉科のお医者さんが全国で約四千六百名というふうに聞いておりますので、約半数に近いかと思っております。
#25
○大橋和孝君 話を聞きますと、続々と出てくるような話でございます。私はちょっときのうも調査してみたら、各府県でもっともっと続々と総辞退を出す傾向らしく聞いておるわけでありますが、こうなってくると、いま現在でも約半数総辞退しておられるわけですね。またあと続々出てくると、同時はまた、公的医療機関におられて、その方を抜きますと、私的医療機関の中では非常に数が少なくなってくる。そうなってまいりますと、いまのように皆保険の状態でいままでお金がなくてみてもらえたのが、今度は保険医が辞退されたということになると、これは被保険者として国民としては非常に不安な状態であるわけです。こういうような問題がどんどん起こりつつある状態で私は非常に心配な状態だと思うのでありますが、こういうことに対して一体厚生省はどのように具体的方法を考えておられるのか、あるいはまた、どうこれから処置されるのか、この点を具体的に一ぺん示していただきたいと思います。
#26
○政府委員(梅本純正君) 辞退の問題につきましては、全国の耳鼻咽喉科のお医者さん方が、先ほどから御説明しましたように、診療側、支払い側、公益側で構成された中央医療協議会におきまして全員一致で建議がなされたというふうな点について十分の御理解がなかった点が一つじゃなかろうかというふうな点でございまして、私のほうは、県当局のほうに十分連絡をとりまして、その辞退を取り下げてもらってはどうかというふうに県の保険課あるいは所管部長のほうに連絡をとってお願いをしている状態でございます。
 一方、中央におきましても、非公式に内々におきまして、やっと十二月三日の日曜日におきまして、われわれのほうといろいろ話し合いをする代表者というのを大会でおきめになったようでございます。直ちに私のほうから申し入れをしまして、お話し合いはいつでもやりますから、御指定の時間に御指定の場所でお会いしましようという申し入れをやっております。事実、一定のところで非公式に下相談をやりまして、できるだけ話し合いを通じまして全府県がこういう形を一刻も早く中止していただくように、そういうふうに説得をいたしております。
 ただ、この際申し上げておきますけれども、従来、先ほどからるる申し述べましたように、厚生省といたしましては、すでに告示した問題でございますし、中医協の建議の経過から見ましても、この点数表をいじったり、あるいはそういうふうな実質的な形の変更ということはできませんということは十分申し上げまして、それ以外の何らかの方法におきましてできるだけ円満に解決するように非公式に話し合いを続けていきたいというふうに考えております。
#27
○大橋和孝君 点数は告示した、告示してあるからなぶらないと。点数を下げるということに対しては、そういう矛盾を知りながらやったと。そうして、それはなぶりませんという前提で話し合いをして、あなたはそれが話し合いがつくと考えていますか。たとえば、いま私が質問したら、実際の資料はありませんと。現在いまスムーズに進んでいる医療実態調査が出てきてはじめて実際のものがよくわかる。わからないままでいま点数をなぶったんだと。これは、一歩近づけようと思うからと言いながら、実際ば技術料は下げているわけですね。そうなると、やり方において矛盾があると思うのです、厚生省のやり方が。少なくともそういう矛盾をやっておいて、告示はしてあるからなぶりませんという前提で話し合いを進めて、あなた自身はこの問題を何か説得できるという自信があるのですか、この点をひとつ……。
#28
○政府委員(梅本純正君) 先ほどからるる御説明しておりますように、この点数表の改定は、厚生省が独断でやったのではございません。中医協という、先ほども再三申し上げておりますように、支払い側八名、お医者さんも含めました診療側八名、公益委員四名という構成で二年間にわたって御審議になった結果をそのまま尊重して告示をしたわけでございます。先生よく御存じと思いますが、この中央医療協議会は、数年前に九・五%の引き上げという問題もございまして、非常にもめてきた、その協議会でございます。この結論を厚生省が手直しをして告示をするというふうなことにつきましては、せっかくお手元にお配りしましたようなこの膨大ないわゆる診療報酬の適正化の問題が、全部一からもとに戻ってしまいまして、大混乱におちいるというふうな事情もございまして、厚生大臣がまたこの問題で職権告示をやるという決心があるなら話は別といたしまして、この前の経過から見ましても、中央医療協議会の建議というものは、これだけの御審議を得てこれだけの項目について御検討を終わったあとでございますので、独断を排しまして、中央医療協議会の建議のまま実施したわけでございますので、その点をひとつ御賢察をお願いいたします。
#29
○大橋和孝君 私は、中医協のやられることに対して云々は言っていないわけです。いろいろの経緯がありますから、当然そういうふうになったことは、私も考えはそう思うのでありますが、しかし、それならば、厚生省のほうば、中医協に責任を転嫁してしまって、あっちでやられたのだからわしゃ知らぬということでは通らないことだと思うわけですね。やっぱり、最後の責任は、厚生大臣にあり、厚生省にあるのだと私は思うのです。だから、そういう点をもう少し明確化していかなければ、納得するほうも納得しないのじゃないかと、私はそう思うのですが、いま申しましたように、辞退をされて保険医じゃなくなったような状態になったら、いま物価が上がって著しい状態に保険が使われないという状態になったらたいへんだと思うわけでありますが、こういうようなことは厚生省のほうでこういう重大な事態をどういうふうに――いま話し合いを進めております、説得しようと思いますという話ですが、説得は可能と思われますか。
#30
○政府委員(梅本純正君) 相手のあることでございますので、私のほうから見通しを申すわけにいきませんが、いままでのお話し合いを非公式にした線におきましては、一定の望みを持っております。全力をあげて話し合いをしたいと思います。
#31
○大橋和孝君 じゃ、万一これが不調に終わって、今月の二十日ごろからもう総辞退に入られるということになりますと、私は患者側のことを心配するわけです。患者は、少なくともあとは療養費払いとかというようなものになるのだろうと思うわけでありますが、いずれにしても一応お金を払わなければならぬ。そういうようなことになってたいへんな問題になるのですが、その間については、もし突入した場合は一体どういうふうにされるのか、その意見を聞かしてください。
#32
○政府委員(梅本純正君) まずそういった事態にならないように、全力をあげて話し合いをしていきたいと思いますが、ただ、仮定の問題としてそういう場合にどうなるかということでございます。
 そのときに問題になりますのは、先生の御質問は療養費払いの点をおっしゃっているのじゃないかと思いますが、御承知だと思うのでありますが、健康保険法の第四十四条に、「保険者ハ療養ノ給付ヲ為スコト困難ナリト認メタルトキ又ハ被保険者が緊急其ノ他已ムヲ得ザル場合ニ於テ第四十三条第三項各号ニ掲グル病院、診療所若ハ薬局――これは保険医療機関等のことでございますが――以外ノ病院、診療所、薬局共ノ他ノ者ニ就キ診療、薬剤ノ支給若ハ手当ヲ受ケタル場合ニ於テ保険者が其ノ必要アリト認メタルトキハ療養ノ給付ニ代ヘテ療養費ヲ支給スルコトヲ得」という、この条文の活用が一つの問題になるわけでございます。ただ、この法律の施行につきまして従来の実施の状況をずっと調査していきました場合に、この法律の適用は現在の健康保険法の制度におきましては非常に厳格でございます。非常に緊急やむを得ない場合、たとえば交通事故で救急医療として患者を保険医療機関でない自由診療の病院あるいは診療所にかつぎ込んだ、そういうふうな場合にあと療養費の支給を認めるというふうな、法律の施行としましては非常に限定的な形になっております。この点は、私としましては、やはり従来の法律がございますし、法律の解釈としまして一定の点について解釈をゆるめたり、あるいは施行を従来の行政慣例にはずれて拡大したりという考えは全然ございません。ただし、今回の問題につきましては、まだその点まで公式に言うべき時期でございませんで、まだ相当の時期もございますので、その辺は、いよいよどたんばにまいりました場合は、おそらく個々のケースについてこの法律の問題については判断するということになろうかと思います。
#33
○大橋和孝君 皆保険で、被保険者側から考えてみますと、保険料を前から納めている。その保険料も、相当多額の保険料を納めて、収入のバランスのほうから言ったら保険料は非常に高いという状態でいま納めているわけですね。それで、いろいろトラブルが起こったことは、被保険者側、国民側からしてみれば関知をしないところで、しかも、それがうまくいかないために実際自分らがいままで安心をしておった保険診療が受けられない、こういう状態にほうり出されるわけですね。これは、病人になったり、あるいはまた国民の側からしてみたら、実際は関知しないことですよ。そうしたことで、自分らが納得しながら保険料を納めてやってきたときに、ぽんとほうり出される。法律は、いまおっしゃったような法律が出ておる。その法律によって非常に厳格にやっていくというような方針であなたのほうでやられるとすれば、病気になった側の人のことを考えてみると、それは非常にかわいそうな状態、不安な状態が起こってくるわけですね。ですから、そういうことに対しては、あらかじめ厚生省としてはどういう措置で進もうかということをある程度のものをこういうときに示しておいていただくことが、国民に対しての安心感を持たす上において行政上必要じゃないか。また、そういうどたんばになってからでないと考えないということであっては、国民は非常な不安感をより増すんじゃないかと思います。
 ですから、そういう観点から、こういう問題については、もっともっと進んで、療養費払いというのは、いまおっしゃったように、一ぺん被保険者の側で払っておいてもらうわけなんですが、そういうことでなしに、たとえば委任代行払いというようなことを言われておるわけで、判こをもって取る権利を医者なら医者にあるいは第三者なら第三者にまかせておけばその医療費は払わなくても済むというぐらいにしておいてあげなければ、保険料は払っているわ、病気したときにはまた金を払わなければならぬわ、ということになっては、それでも厳格な法律の解釈によっていこうということになったとしたら、社会に非常に不安感を増すと思うわけですが、そういう観点で、ある程度局長のほうでは、そういうものに対してはこういう措置をしていこう、こういうような方向でいこうと、また、そういうことは言う段階でないにしても、たとえば不安のないようにやっていこうというぐらいなことの意思表示がないと、国民自身は非常に不安に思うと思うのですが、どうですか。同時に、また、委任代行払いというようなことを将来考える必要があるかどうかということを一ぺん話しておいていただきたい。
#34
○政府委員(梅本純正君) まず、患者の御迷惑の点につきましては、この辞退の運動が起こりました当初に各県に連絡をしまして、万一の場合におきましては、公的医療機関、これは全動員をして患者に支障を来たさないようにというふうに連絡をつけてございまして、各果におきましても、そのとおりに十分に事前に連絡をして、公的医療機関が支障のないように活動をするというふうになっております。したがいまして、もう正式に受理をした県におきましては、いろいろその辺が具体的に連絡が進んでおりまして、患者に迷惑のかからないいろいろの方法を考えております。したがいまして、先ほど法律の解釈を申しましたが、公的医療機関というもので保険診療を受けられるという状態にありました場合には、ぎりぎりの線にいきました場合に、法律解釈上としましては、療養費の療養払いということが法律上認められないという形になります。しかし、公的医療機関がない、あるいは、そういうふうな患者から見まして保険診療を受けられる医療機関がないというふうな状況におきましては、この辺は、先ほど申しましたように、個々のケースについて実情のわかっておる都道府県とよく相談をしまして、そうして療養費払いなりそういうものの適用を法律で許される範囲でできるだけ考えていきたいということでございます。
 それから代理委任……受領委任でございますか、そういう点も、まず療養費払いがその個々のケースについて認められるかどうかということが先決でございまして、そういう認められる形になりました場合には、そういう受領委任というような点についても検討をして各県にはっきりとした指示をしていきたいというふうに考えております。
#35
○大橋和孝君 いま、局長は、何かそうした正式受理したときには公的機関にちゃんと話してあるとおっしゃっておりますが、公的機関に対して十分に措置されることは当然必要だと思いますが、公的医療機関に対してそういうことをしてあるので相当カバーできるという考え方は、いま、御存じのように、公的医療機関は、外来はワンサワンサと、一時間待って三分間の診察だと言われているぐらいに、どこの公的医療機関へ参りましても外来はいっぱいですね。話を聞いてみれば、外来に重点を置かなければ公的医療機関といえども独立採算制はとれないんだという話まで聞いておるわけですから、これはまあ制度の根本的な問題もあるわけでありましょうが、そういう状態で、いま現在ですら公的病院では外来はもうマキシマムの状態に達しておる。こうなっておるときに、いま厚生省のほうからはそういう通達が行っておりまして、私は何%カバーができるかということに対しては不安に思うわけであります。そういうことから考えたならば、公的医療機関にフルにやって、晩まで診察をさせても、いまの状態、ことに耳鼻咽喉科というのは患者数が多いところです。そうして、入院患者よりも外来患者がどこを調べてみましても大部分を占めておるわけですね。そういう関係から言って、医療機関でこれを受け入れるような能力は、ほんのわずかしかない。こういうように私は思うのですが、そういう観点から言って、やはりその時点においていろいろ考慮されるといま局長の御答弁ですから、そういう事態が起こった場合にはおそらく配慮をしてもらって、いまの療養費払いを、いや、それでなくて療養費払いが認められたら、だれかにそれを代行してもらうことにすれば、患者は金を払わずに医者にみてもらえるということになり得ると思うわけですが、一般にわれわれとしてはいろいろ聞かれた場合にはそうなるだろうということを言っていいかどうか。
#36
○政府委員(梅本純正君) 先ほど法律解釈から申し上げましたように、公的医療機関の配置なり、また、別の耳鼻咽喉科のお医者さんが近くにあるかどうかというふうな個々のケースによって判断するよりほかにないというふうに考えております。ここでお願いをしておきますけれども、私のほうとしてはそういう意味で公的医療機関に十分に活躍してもらうということでございますが、耳鼻咽喉科のお医者さんにおかれましても、お医者さんの良心に従って、良心に基づかれて、大局的観点から――一定の御要求というものもあろうと思いますけれども、国民あるいは患者の迷惑にならないように、その辺はひとつ十分に考えていただきたいというふうに考えまして、そういう点も私のほうの折衝で十分にお願いをしてまいりたいと思います。
#37
○大橋和孝君 この耳鼻咽喉科の問題につきましてもう一度申し上げたいと思うのですが、先ほど耳鼻咽喉科の医者の良識にとおっしゃったんですが、これは、学会を含めて、耳鼻咽喉科の学会も非常に念懣を持っておられるわけですね。こういうような意味から言えば、良識のある全体の耳鼻咽喉科医師がみな非常に立腹をしておられる状態ですね。それからこれは、先ほど私が申し上げたように、非常に根拠がはっきりせんのにこういうことをやられて、厚生省の側では中医協の責任のように言っておられるけれども、実際には厚生省に責任を持ってもらうということになれば、ここのところに大きな問題があるわけで、厚生省としてはもっとそうした意味で思いきったお話し合いをしなかったら、この問題はおそらく解決をしないと思う。
 同時に、先ほど最後に申し上げたように、私どもはそういうふうに聞かれるわけですね、非常に不安になった患者から。あるいはまた、国民から聞かれた場合に、何とかわれわれの力としてお金がなくてもみてもらえるような、そうしたような最悪の状態を考えた場合でも何とかできるような方向にいけるだろうというふうなある程度の自信を持たなかったら、その人たちにも説得ができないわけで、そういう意味から先ほどお尋ねをしたのですが、そういうふうな観点で、療養費払いあるいは代行払いということで、患者が病気になっても、いままで保険の取り扱いを受けたような形で、判こを押してだれかに代行をしてもらえば金がなくてもみてもらえるというようなぐあいにせめてやれるようにやってもらいたい。きょうは、大臣もおられませんから、政務次官のほうにこれをお願いしておきたい。それから政務次官のこの点に対してのお考えを聞かしていただきたい。
#38
○政府委員(谷垣專一君) 担当局長のほうからお答えいたしましたことが、大橋先生のほうで十分に御満足のいく段階にいかないような状況でございました。たいへん残念に思いますが、これ自体、そのものが非常にむずかしい情勢であると思います。まあこういうふうな状況になりますことそのことが、原因が、非常に長く遠い、広い原因があるように思います。したがいまして、厚生省といたしましては、先般の告示をここで改定するというようなことはできない段階に入っておりますけれども、しかし、御指摘のように国民の医療がこれによりまして非常な阻害を来たしていることがございますれば、たいへんなことでございます。私たち厚生省のほうといたしましては、全力を尽くして耳鼻咽喉科の先生方とよくお話をして納得をしていただく。なかなか、そのときに、こちらのほうでこういうことをお願いして、こういうふうにそれじゃどうだという余地の少ない問題でございますので、たいへんむずかしい話し合いになると思いますが、いまおっしゃいましたような被療養者が非常な不安な目にあいませんような努力を早急に続けてまいることに誠心誠意つとめてまいりたいと思っております。今後の対策につきましては、いろいろとまたお知恵を拝借しなきゃならぬと考えますが、ただいまとしてはそういう状況でございます。
#39
○片山武夫君 関連。私も、この耳鼻咽喉科の問題は、前回御質問申し上げたんですが、これは専門的なことで、私はしろうとでよくわからないんですが、わからないままにいろいろ矛盾を実は感じているわけなんです。この表を見せていただいたんですが、その前にある眼科の処置は、三点・三点で、「単純なもの」は前回同様。ところが、耳鼻咽喉科のほうは二点に減っている。それほどまあ違うものなのか、われわれよくわからないんですが、あんまり違わないんじゃないかと、こういう感じを持つんですが、これは点数が減ったということでだいぶ不満があるようですし、先ほど、中医協の中でいろいろ長い間審議されて出された結果だと、こういうことが言われておりますが、その点でいろいろ妥協があったんではないか、こういうことが言われて、私は日本の医学というのは相当進んでいると思うのですが、そういう中で妥協せざるを得なかった事情があるはずなんです。したがって、その事情をもう少しわかりやすく説明をしていただきたい。何か、聞くところによりますと、総ワクがきまっていて、その中でやりくりしなきゃならぬ。だから、しわが耳鼻科のほうへ寄ったんではないかということも言われておりますが、そういうことがあったのかなかったのか、ひとつわかりやすく事情を説明をしていただきたいことが一つ。
 それから再診の点数の問題なんですが、これは先ほども説明があったんですが、この前もわからないので、何とかうまい説明をしてもらいたいということを注文しておいたんですが、きょうも前回と同じような御答弁を聞いておりまして、どうもますますわからないんですが、結局、甲表の場合ですね、診察して十点、そのほかに二点加算になる。しかし、そこで処置をした場合には、二点減らして十点になる。点数が減ってしまう。こういうこともどうしてもわからないんで、このことについてわかりやすい説明をできるようにしておいてもらいたいという注文を出しておいたんですが、きょうの説明でも、よくしろうとにはわからない。非常にむずかしい問題だと思うのです。そこで、お尋ねしたいのですが、具体的にまあ耳の診察をしてもらった。基礎処置というのですか、何かそんなものが入っているんだということですが、実際に何か処置をしてもらった場合に、再診の十点とここにある処置料二点と合わせて十二点、こういうことになるのですか、それとも、十点のままなんですか。その辺のところが、どうもこの前の説明では明確になっていない。その辺をもう少しわかりやすく説明してもらいたいと思います。
#40
○説明員(松浦十四郎君) ただいまの後段のほうの御質問でございますが、もう少しくわしく御説明申し上げますと、まず、最初に、乙表をお考えになっていただきます。乙表で再診があった場合には、再診料が三点というのが今度新たに設定をされたわけでございます。そこで、いまの耳鼻科の例を申し上げますと、耳の処置をした。片方の耳の、たとえば外耳に炎症があった、そういう場合に、そこの炎症のところに薬を塗ったということがございますと、これは耳処置ということでございます。そういたしますと、再診料三点に耳処置料二点というのが加わって五点になるということになります。これが乙表でございます。
 ところが、今度甲表にまいりますと、再診料が今度十点ということでございまして、まず、お医者さんに行くと、自動的に再診料の十点ということが出るわけでございます。この十点のほかに、いまと同じ状態で耳処置をいたしますと、この耳処置というものの点数が甲表にはございません。ですから、再診料十点だけということになるわけでございます。これはなぜそうなっているかといいますと、ただいま申し上げましたように乙表の再診料が三点であるにもかかわらず、甲表の再診時基本診療料というのが十点であるというこの差はどこにあるかと申しますと、ただいま申し上げましたような簡単な耳の処置は甲表の場合には十点の中に含まれるという形になっているわけでございます。ですから、その成り立ちから申しますと、甲表の再診時基本診療料の中に、簡単な処置及び簡単な検査というものがみんな含まれているという形になっております。ですから、そういう点で、もともと差があるわけでございます。
 そういうような状態のところへ、今度は内科加算というのが新たに設定されたわけでございます。この内科加算というものは、そもそもの物の考え方からいきますと、内科的な診療を行なった場合には加算がつくのだというもともとの精神でつくられたものでございます。そういたしますと、どうやって内科的な診療であるか否かということを見分けるかというふうに考えますと、現在わが国では専門医制度がございませんから、何科何科というふうに御標榜なさるのは各先生方の自由意思にまかされているわけでございます。標榜から内科ということを判断することは実態としてできないということでございますので、いわゆる内科的でない処置を行なった場合には内科加算はない、そういう定め方をいたしたわけでございます。ですから、ただいまの耳鼻科の耳の処置というものは、内科的でない処置をやったわけでございますから、そういう場合には内科加算というものは算定できないという論理が出てくるわけでございます。そういうことで、今度は、甲表でいまの耳処置をやった場合にはどうかといいますと、結局、甲表の場合には、耳処置を行なっても、これは再診時基本診療料の十点の中に含まれている。よって、再診時基本診療料以外に耳処置料というものは取れない。それと同時に、内科的な治療ではないという判定になりまして、内科加算はないと、そういうような結果になるわけでございます。
 ですから、先ほど大橋先生からも御指摘いただきましたように、その場合に耳処置をしないでおけば内科加算がつくじゃないかと。確かに、おっしゃるとおりでございます。それは、先ほど申し上げましたように、内科的な疾患にそういう内科加算というものを乗せる――内科的疾患という言い方はおかしいと思うのですが、内科的な診療に関してそういう内科加算というものをつけるというところからいきますと、先ほどの定義に戻りまして、内科的以外の処置を行なった場合には内科加算は取れないというのが発動されまして、結果的にはそういうような形になってしまう。ですから、物の考え方は、いま私がるる申し上げました過程からそういうような形が生ずるということでございます。
#41
○片山武夫君 何かわかったようなわからないような、ちっともわからないですな、それが。だから、処置をしたものが内科的でないということで二点つけないのだと、こういうことなんですが、内科であるとかないとかということはどういうところで見分けるかということと、それから、その処置をしなかったときに、これは明らかに十二点になるわけでしょう。その処置をしなかったときに十二点つくということがわからない。むしろ二点つけないほうがいいのじゃないですか、そういう理屈なら。なぜつけるのですか。こっちは、耳鼻科の人には迷惑かもしれないが、つけないほうがはっきりしていると思うのが、ついてきちゃうから問題になる。それじゃ処置をしないほうがいいことになって、これは患者のほうからみればえらい迷惑ですよ。処置をしてもらったほうがいいに違いない。そうなると点数が少なくなるから、処置しない、出直せと、こうやられちゃ、患者のほうが困るわけですよ。その辺がどうしても理屈がわからないんですがね。
#42
○説明員(松浦十四郎君) ただいま御説明申し上げましたように、甲表の再診時基本診療料の中にはそういったものがすでに入っているという物の考え方でございます。それで、内科的な診療の場合に内科加算をつける。別の考え方から出ておるものでございます。ですから、いま先生がおっしゃいましたように、耳鼻科の処置をしないほうがもうかる、したほうが損をするということは、結果的にはそうなりますけれども、そのために実際の診療がそう行なわれるということではないと思います。あるべき診療が行なわれて、それに対する対価としてこういうふうな点数が定まっているということで、たまたま内科加算というものをつくるということが、一つの診療行為でもってそれを振り分けるということをやったために、そこに生じてきた一つの矛盾といいますか、見た目にはおかしいという感じはございますが、物の考え方から申しますと、先ほど私がるる申し上げましたように、少しもおかしくないのではないか。形の上では妙な形が出ているけれども、それは、一つの考え方のほうは筋は通っているけれども、例外的な事象としてそういうことも起こり得るというふうに御理解いただきたいと思います。
#43
○大橋和孝君 そんなことを言われたら、黙っておられぬ。いま、局長の説明では、まだそういう実態がつかまれていないから、中医協のいろいろな問題でこれはやむを得ないということになったということだから私は引き下がったのだけれども、いまおっしゃっておるようにそれは当然だというようなことになれば、これは問題ですよ。なぜかといえば、いまここで質問があったように、やらないほうにたくさん金をやるんだから。事実はそうなっているのじゃないですか、治療しないほうが。それは理屈は何かあっても、耳鼻科のお医者さんは非常に良識があるから、言わぬでも治療はされるでしょう。されるでしょうけれども、表にあらわれているのは、やはりしたよりせぬほうにたくさん金を渡している。それで矛盾はありませんということを言ったら、矛盾はありますよ。矛盾はあるけれども、これはいままでの取引上でやむを得ないことであればということで私は引き下がったんです。当然あたりまえだと言われれば、黙っておられぬ。やらぬほうによけい金を払うという、そんなばかなことはないんじゃないですか。(「もともと無理がある」と呼ぶ者あり)そんな無理があるんだからだめだ。
#44
○政府委員(梅本純正君) さっき申し上げましたように、この問題につきましては、甲表と乙表の二本があるというのが一つでございますのと、それからいま御説明しておりますのは、日本におきましては耳鼻咽喉科というところまではなんですけれども、耳鼻咽喉科のお医者さんということがはっきりきまっておりません。お医者さんである以上どの科を標榜してもいいということになっておりますので、そういう前提からきまして、内科加算というものを認めるということについて、この先生は内科専門であって内科だけということで、はっきり何の何がしは内科医ということであれば、その先生に専属するわけでございますけれども、標榜がそういうふうに自由であるということからしまして、内科的診療をやった場合に二点をつける場合にどうするかということでいろいろ御審議の結果、いわゆる内科ということについてその処置がないという点で内科的な加算が生まれてくる、こういうふうになったわけでございますので、その点は外形的にはいろいろ先生御指摘のとおり妙な矛盾のような形のものが出てまいりますけれども、その辺は現今の制度から内科加算をつけるについていろいろ苦心をされた点でございまして、今後は、先ほど申しましたように、そういう外形的な点は、甲表、乙表という形の一本化なり、それからまた、現行制度でございますと、またいろいろ理屈を申しますれば、おのおのの診療機関について甲表をとるか乙表をとるかという選択でございまして、医療費につきましては甲表というのは大体基本診療科にいろいろなものを含めるという形をとっておりますので、あまり個々の診療について、しかも、甲表と乙表が理論的に検討された結果、選択制にしたわけでございませんで、先生御承知のような経過でああいうふうになりましたので、医療機関に全体の医療費として甲表をとるか乙表をとるかという御選択をされて、やはり個々の行為につきましては外形的にはいろいろそういういま御指摘のような矛盾もおかしい点もあろうかと思いますけれども、今後の問題として検討していきたいと考えております。
#45
○片山武夫君 政務次官もそこでいまの説明をお聞きになっておったと思うのですが、私のしろうと考えでは、いまの十二点の問題はどうしても理解しにくい。これはもう一度耳鼻科の先生にもわかりやすく説明ができるようにしてもらいたいと思うんですよ。私はどうしても理解できない。
 それから先ほどの前段の問題についてお答えを願いたい。
#46
○政府委員(梅本純正君) 先ほど私が申し上げましたのは、中央医療協議会において事実上妥協があった、そういう事実を――率直に申しまして、当時、私も医療課長も、保険局長とか課長とかやっておりませんから、その辺は秘密の懇談会に入ったわけでもございませんので、そういう点を申し上げたんじゃございませんで、この審議会の構成が、学識経験者ばかりのいわゆる審議会という形でございませんで、医療側が八名――お医者さんが五名と、歯科医師の方が二名、それから薬剤師の方が一名、これが診療側でございます。それから支払い側という形で、保険者、被保険者代表というのが八名、それから公益委員が四名という構成になっております。しかし、こういう医療費の引き上げというふうな関係になりました場合には、診療側というのは医療費の収入増になるほうでございますし、支払い側というのは、被保険者として、保険点数なりそういう点を通じまして、一部負担なんという点を通じまして、やはり負担が重くなりますので、したがって、利害というものが非常に対立する形で審議が行なわれるというのが、過去の中央医療協議会の、まあ新聞で御承知と思いますが、ここ数年来非常にもめてきた姿でございます。そういうふうな観点から見まして、これが満場一致で建議をいただいたという点につきましては、従来の別の審議会のような、研究会とかあるいは学者ばかりの集まられた審議会、調査会というふうなものと違いまして、一方が相当主張されましても他方の側が納得しないというふうな形でこの審議会が行なわれておりますために、そういうふうな点で、たとえば診療側が診療の立場から相当の理屈を持った議論をされましても、それがスムーズに答申に反映されるというふうなことではございませんで、やはり支払い側というものがございます以上、それにいろいろ負担増になるという観点からの反対も出まして、この審議会の過程におきましてはそういうふうな利害の衝突というものが当然行なわれてきておりますし、それを公益委員があっせんし、仲裁し、まとめていくというふうな形で審議会の答申が行なわれてきた、そういう経過もございますので、この出ました結果につきましては、よく御存じの先生方に御賢察を願いたい、そういう趣旨のことを先ほど申し上げたわけでございます。
#47
○片山武夫君 これは医療協の中の内部事情ですね。いろいろ問題があるでしょうから、それは深く追及するわけにはいかない問題だと思いますが、ただ、点数を適正につくる、それから引き上げをするんだ、こういう基本線に基づいて審議が行なわれた。したがって、点数はあくまでも技術的に適正なものでなければならないと思う。ただ、総額においてふえるとかふえないとか、そういうようなときには、全般的にふえたもののパーセンテージを全体に公平に反映していくという措置をとるべきだと思うのですが、何か話に聞きますと、一方的に耳鼻科のほうへしわ寄せが行ってしまったんだという印象を持っている向きもあると私は聞いております。
 そこで、政務次官にちょっとお願いしたいのですが、そういうようなことがもしあったとしたら、やはりこれは適正なものにしていかねばならない問題だと思いますし、同時に、また、先ほど言いました、どうもしろうとにはわかりにくい十点、二点の問題、やはりこれは問題になると思うんですよ。こういう点はやはり十分に理解のいくような方法を講じてもらいたいと要望しておきます。
#48
○政府委員(谷垣專一君) 私は先生方よりもずっとしろうとでございますので、点数がどうなっておってこうなっておるかというようなことにつきましては、確かにおっしゃるような感じを持つ点がございます。ただ、ただいまの耳鼻咽喉科の診療報酬の引き上げ率の問題は、私が承知いたしておりますところでは、全体の各科のいろいろな状況を大局的に見ますというと、かなりでこぼこのあるものがあるので、なるたけそれを平均引き上げ率のところに近い形にする一つの要請があったということを聞いております。たとえば耳鼻咽喉科の処置が三点から二点になったと、それをそういう減点をしないで、再診料の三点も当然新設をして、全部レベルアップしたらいいじゃないかという考え方も確かにあるかと思いますが、それはそれでやはり支払い側等の状況もございまして、平均引き上げ率に近い線の一つの考慮があったと、そういうことも聞いておりますし、その結果としていま申しますような不平が出ておるということもあろうかと思いますが、全体の各科の情勢に応じた判定が必要な場合もあるだろう、かように考えておる次第でございます。
 何せ、中央社会保険医療協議会自体が二年に近い歳月を経て何回となく審議を続けてきました結論が、こういうことでございます。しかし、御指摘のように、この答申に基づきましたこのたびの改正というものが、各方面それで全部御満足かというと、そういうわけではございませんので、したがって、国会におきましてもいろいろと御意見があり、また、早急に日限を限って改定を考えろというような期限を実は付せられておるわけでございまして、その期限の中にそれをお約束いたしましたことを実現いたしますためには、これはもう早急に私たちとしましては検討を開始せなければならぬ、こういうような状況でございます。ただいま御意見のありますようなこと、また、耳鼻咽喉科の方面からのいろいろな不平不満というようなことは、当然私たちもその際には頭の中に入れましたいろいろな検討を続けなければならぬ、こういうことが現在の状況でございますので、先生の御指摘になりましたように、もっとわかりやすいことではっきりさせろ、これは確かに私もそのとおりに思います。これは事務当局としてもそういう検討をせなければならぬと思います。そういう事情でございますので、御了承願いたいと思います。
#49
○大橋和孝君 それじゃ、最後に、ひとつこういうのを伺っておきたい。特例法が出まして、十月分の社会保険診療報酬の支払い件数が非常に大幅に減っておると。十月の診療分は二百八十七万八千三百六十九件でありまして、前月分に比べてみますと百八十四万八千四十二件減っておる。これは七・五%の減だと、こういうふうに言われております。また、八月に比べますと一七%も減っておる。これは、月々の多少の自然の変化はありますけれども、非常に大きな減少ぶりでありますね。それからまた、近年のものを調べてみますと、一部負担が新設された三十二年、あるいは三十三年、あるいはまた、流感がはやった三十八年でしたか、四十一年もそうだったと思うのでありますが、こういうようなのをずっと調べてみますと、いままでは三%から四%程度の減少しか示していない。今度は、七・五%だとか、あるいはまた一七%だとかいうような大きな減少を示しておる。これを考えると、やはりこれは一部負担をとったことによって診療制限となっておると私は考えるんですが、厚生省のほうでは一体どう考えておられるのか、こういうデータが出ておりましても、なおかつ診療制限にはなっていないと考えておられるのかどうか、この点を伺っておきたい。
 それからまた、もう一つは、各府県の別の減少の割合が厚生省に出ていると思いますが、どういうふうになっているか、その資料を出してもらいたい。どのくらいの減少になっているか、もっと具体的に各府県ごとに出してもらいたい。
#50
○政府委員(梅本純正君) 数字の点につきまして、これは実施の問題でございまして社会保険庁でやっておる問題でございますので、ちょっと手元に持っておりませんが、おそらく、社会保険庁におきましても、先生御指摘のデータにつきましても、まだ十分の分折をしまして御指摘のような傾向にあるかどうかということを申し上げる段階じゃないと思いますけれども、この点、次回におきまして数字を検討いたしまして社会保険庁からお答えするようにいたしたいと思います。
#51
○大橋和孝君 その資料を出してもらうように保険庁のほうに通知しておいていただきたい。お願いいたします。
#52
○政府委員(梅本純正君) 連絡いたします。
#53
○委員長(山本伊三郎君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#54
○委員長(山本伊三郎君) 速記を始めて。
    ―――――――――――――
#55
○大橋和孝君 続いて、保育所の問題について一、二ちょっと伺いたいと思います。
 まず、最初に、十月二十六日の朝日新聞と思いますが、長野県の飯山市といいますか、あそこの保育所の問題が出ておりました。ことに、あそこは三万余ぐらいの町でありますけれども、三十一カ所の保育所を持ち、保育所天国と言われるほどうまくやられておるのですが、超過負担が多く、二億円の赤字をかかえてしまい、そのために再建団体に転落しようとしている。これは保育所の問題としては非常にセンセーショナルな問題であるわけでありますが、これはやはり制度自体に一つ悪いところがありまして、超過負担がふえて住民への政治サービスをいろいろに圧迫している。しかし、一方に考えてみますと、中堅妻帯者の労務が非常にふえてまいりまして、当然婦人労働の進出のためにこういう深刻な問題が出てまいりますので、全国各所ではやはり保育所を設置してくれという運動は非常に大きな問題であろうし、いま労働力の不足な状態なときにそうしたところの婦人の職場を求める上にも保育所というものが当然必要になってくると思いますが、こういうような統計なんかを調べてみましても、三十歳以上の中年婦人の就職が非常に目立っておるし、既婚者の就職率は四七%にも達している、こんなことが報告されているわけです。こういうようなことで保育所の整備ということが非常に適正配置が必要になっているにかかわらず、一方で、そうしたいい状態にあるにかかわらず、転落して指定団体になっていかなければならぬという状態が起こっている。これを考えてみますと、この予算期にあって保育所というものに対してもっともっと国が予算をつけて、自治体にしわ寄せをさせることを少なくして、そうしてこうした国民ひとしく要望するところの保育所というものを拡充するほうに持っていかなければならないと、こう思うのですが、その点についてお考えを聞いておきたいと思います。
#56
○説明員(渥美節夫君) 御指摘のように、保育所に対するいろいろな面からの要望は非常に高いわけでございます。私ども、本年度から保育所の設置の整備計画を立てまして、毎年約六万人近い子供さん方を保育所に通わせていくという計画を立てたわけでございます。いま申し上げました計画は、この数カ年間のうちに約三十万近い児童を保育所に入れるという計画でございます。本年度におきましても、約七百カ所以上の保育所をつくることにして、国庫補助なりあるいは国民年金の還元融資等によりまして着々と実行しておるところでございます。ただ、御指摘のように、まだ保育所を持っていない町村なども、全国的に見ますと、三千四百の市町村のうちに七百町村近くもある。と同時に、いまお話の中にありましたように、長野の飯山市等の例によりますと、正規の保育所が二十四カ所、僻地保育所が七カ所、三十一カ所の保育所が人口三万四千の飯山市にあるわけでございます。飯山市の場合におきましては、学齢前の子供さんが保育所に通っている率ば非常に高いわけでございます。五三%、半数以上の学齢以前の子供さんが保育所に通っているということでございます。これは全国平均は大体一割、正確に言いますと九・五%ということになっておりまして、こういったことに比べますと、長野県の飯山市におきましては相当高い数字が出ているわけでございます。しかしながら、私どもといたしましては、少なくともこの九・五%という数字をもっと上げたいというふうなことで、それがさっき申し上げましたような保育所の整備計画につらなるものでございます。
 長野県の飯山市のことがお話に出ましたけれども、私どもの調布によりますと、飯山市では、飯山市ができますときに七町村が合併し、かつ、その後二町村がさらに合併してきたというふうなことで、地域も広いし、そういった多くの町村の合併という事態がありましてこのように保育所が多くなったんじゃないか、かように考えております。また飯山市の実情から申し上げますと、低所得者の階層が非常に多いとか、出かせぎの方々が多いとか、兼業農家が大半であるとか、耕地面積が非常に少ないとか、あるいは積雪、豪雪地帯であるために日雇い労働等が特に婦人に多いとか、いろいろな問題がありまして、このように保育所が多くなったのではないかと思いますし、私ども実情を調べてみたのでございますが、保育所に子供さんを措置するその措置についてきわめて甘いというふうなこともないわけでございまして、やはり実情に応じて必要ではなかったかと思うのでございます。
 しかしながら、これだけ多くの保育所ができますと、いずれにいたしましても、設備費におきましても、運営費におきましても、地元の超過負担というものが多くなるのは、これば事実でございます。したがいまして、私どもは、先ほど申し上げました整備計画によりまする保育所の増設ということを急ぎますとともに、そういった超過負担が減るように、たとえば設備費におきましても、運営費におきましても、適正な補助金の増額ということを考えていかなくてはいけないと思います。特に設備費につきましての補助金の増額なり、運営費につきましては人件費につきまして地元の超過負担が非常に多うございますので、人件費につきましても、いまやっておりますところの大都市と農村との地域格差、これらも年次計画によりまして埋めていきたい、かようなことで進んでまいっておるところでございますが、さらに、御指摘のように、婦人労働がどんどん高まってまいりますので、そういったことも勘案いたしましてこの整備計画の推進には一そう努力してまいりたい、かように考えております。
#57
○大橋和孝君 局長から御説明願ったように、保育所の緊急整備五カ年計画を着々進めておられますことを伺って、私は非常に心うれしいと思います。
 それからまた、飯山市の問題に対しましても、そのお話を承って、私の申し上げたいと思うことを答弁していただいたような形でありますのであれでございますが、いま局長がおっしゃいましたように、交付税の制度であるとかあるいは補助金の制度というのはちょっと実際からはずれておる。こういうのがこうした大きな原因をなしておるわけでありますから、この五カ年計画の中に含めておやりになるという局長のお考え方も私は正しいと思うわけでありますが、特にそうした方面をこういう予算期に十分反映をしてもらって、そうして、世論をちょっと聞いたり、また、考え方を新聞なんかで見てみますと、案外あれは行き過ぎておるんだ、放漫財政だというようなふうに解釈されるような傾向があるわけでありまして、局長が、調査してもそうじゃないということを言っていただいたので、私は非常に心うれしく思うわけですが、私もちょっと調査に行きましたが、やはりこうした考え方はほんとうに国民の要望を反映したやり方だと、私はこう感じて見てきたわけであります。だから、それを局長が言われたので、私も非常に心うれしいわけですが、私は実際のところ見に行きましたら、ほんとうに働いている人たちは保育所がなかったら働けないわけです。ですからこういうような状態が出てきているわけでありますから、保育所のこうした整備はほんとうに労働力の不足を補う意味においてもぜひ必要だと、だから、五カ年計画というものはいかに必要であるかということをここを見せてもらって私は感じて帰ったわけでありますから、そういうことでありますので、特にこの問題については力を入れていただいて、そうして保育所の整備というものがこの計画より以上に十分効果があがるように力を入れていただきたい、これを私は特に要望しておきたいと思います。これは大臣にお願いしたいわけでありますが、次官がおられますので、特にそういうような意味のことを十分把握していただいて、保育所行政についてはひとつ大きく伸展をさしていただきたいと、こういうように考える次第であります。
 その次に私考えることは、文部省の学校令に基づいておるところの幼稚園とそれから保育所、託児所、こういうようなものの間の関係でございますが、幼児教育というものが非常に重大視されてきておるいまの段階で、やはり幼児教育の一元化をはからなければいけないという点からもいろいろいま議論されておるようでありますが、そういうことから考えて、保育所行政そのものが、この三つの保育所とか託児所とかいうものをもう少し再編成して、そうしたほんとうの幼児教育という立場からもここらにもう一つメスを入れなければいけないというようなことを考えますときに、こうした問題を、そういう観点から、保育所の充実というか、そういうふうな意味で一元化の観点からもひとつ大いにやってもらわなければならぬと思うのでありますが、そういう点について局長さんのお考えを聞いておきたいと思います。
#58
○説明員(渥美節夫君) 幼児の教育の重要性につきましては、先生御指摘のとおりと思います。しかしながら、保育所と幼稚園の制度上の差というものは、いまのところ明確に実はなっておると思っております。保育所におきましては、御承知のように、おかあさんが病気であるとかあるいは働いているとかいうことで、いわゆる保育に欠ける子供を、その市町村長の措置によりまして保育所に通わせて、しかも、八時間あるいは九時間の保育をさせておるわけでございまして、費用負担につきましても、保護者にお金がないような場合には、公的な負担をしているわけでございます。また、いろいろな指導内容におきましても、もちろん学齢前の子供でございますので、教育というものに一番大きなウエートが占められるわけでございまして、この点につきましては、私といたしましても、幼稚園の教育指導要領に準じまして教育を行なうように指示しているところでございますが、保育所におきましては、幼稚園と違いまして、教育的な機能だけでなしに、やはり家庭にかわるべきいろいろな機能を持たせておるわけでございます。これに対しまして、幼稚園におきましては、自由意思によりましておかあさん方の希望によって教育を受けさせる。したがいまして、そこにおきまするところの教育の時間も、保育所に比べますればきわめてわずかなといいますか、午前中なり、あるいは午後一時間、二時間というふうなことでございまして、時間的にもその教育にふさわしいような時間が持たれておるわけでございます。また、費用負担につきましても、これはおとうさん、おかあさん方の自由な意思でございますから、当然保護者が全額負担をするというたてまえになっております。そういうふうなことで、保育所の制度と幼稚園の制度というものは、いまのところはまさに明確に違っておるというふうなことが言えると思います。
 しかしながら、私冒頭に申し上げましたように、幼児教育というものの重要性は何ら変わりないのでございまして、保育所におきましても、先ほど申し上げましたように、幼稚園と同じような教育的な機能を営ませるようにもやっておるわけでございます。したがいまして、現在のところ、保育所自体につきましては、先ほどの御質問でお答え申し上げましたように、ともかく保育所が足りないのだから保育所をうんとふやすのだというようなところに私ども追われているところでございます。しかしながら、幼児教育という立場から見ますれば、保育所と幼稚園との調整といいますか、そういった問題は今後の問題としては十分検討されなくてはならないと思いますが、現在のところは、たいへん申しわけなのいですが、私どもとしましては、現行の制度をもっと拡充していくということで進んでまいりたい。かように思っておるところでございます。
#59
○大橋和孝君 それから希望は長時間預かってもらいたい。いろいろな問題があると思うのですが、やはり共かせぎの人たちの希望をいれて、保育所が一番要望されておる。しかし、いま申したように内容もひとつ充実さしていただきたい、こういうことになるわけであります。
 もう一つ、ついでに続いてお聞きしたいことは、無認可の保育所の問題、この取り扱いをどうなされるのかということが問題であるわけですが、認可基準の改正だとか、あるいは措置費だとか、あるいは設備費の国庫負担、あるいは地方自治体の負担の割合、こういうものを実態に即したものとしていかなければならないという点もあるし、同時に、無認可のままに置かないで、これをもう少し基準改正とか何かをして、もっとこういうような要望にこたえる一つの段階としてこうしたものを拡充していくという方向にやってもらったらどうか、こういうふうに思うわけですが、そういう点についてはいかがですか。
#60
○説明員(渥美節夫君) 長時間保育の問題と無認可保育所の問題につきまして御指摘がございましたが、長時間保育の問題でございますが、私ども、保育時間は八時間ということでいままでやっておるわけでございます。しかしながら、おかあさん方の都合によりまして、夜の八時とか、あるいは十一時とか、おそくまで子供さんを預からなくてはならないというふうな事態が現実的に発生しておるということは私ども承知しております。しかしながら、こういった子供さんを長い時間保育するという問題点につきましては、主として二つの点において問題があるように考えております。第一は、子供自体の心理学的なあるいは健康管理学的な問題があろうと思います。長い間おかあさんから別れておるということが、精神的にも相当不安定な状態を招くのではないか。あるいはまた、健康管理の面で問題があるのではないか。さらに、たとえば夜八時、十一時まで保育所に預かってもらっておりまして、休んでおると思いますが、そういった場合に、おかあさんとともに自分の家に連れて帰るという場合に、寝ているのを起こされて寒い夜道を帰っていくというような、こういった具体的な例なんかが健康管理学的な問題からも言われておるのでありますが、そういうようなことで、子供自体の福祉なり健康なり、そういった面からはたして長時間保育がいいかどうかという問題がそういった学問的な立場から言われております。それから第二点は、これは当然のことなんでございますが、その子供さんを指導して差し上げる保母さんの労働条件がはたしてうまくいくか、それにはさらにそういった労働条件を支持していくだけの予算的な確保がどうなるか、こういうふうな問題につながってくるわけでございます。したがいまして、現在のところ、厚生省におきましては、そういった心理学者とかあるいは教育学者、こういった方々の意見もいろいろと聞きながら、こういった長時間保育を全国的に制度的にやっていくかどうかについてはいま検討中でございます。したがって、現在のところは、一部そういうような動きがあることは事実でございますけれども、国といたしましてまだ勉強の段階であるというふうなことでございまして、制度として全国的にこういった長時間保育を認めていくという点については、まだその時期に達していないというのが事実でございます。
 それから無認可保育所につきまして御質問がございました。私ども、実は、昨年、無認可保育所に関する調査を行ないましたのですが、全国で約二千二百カ所の無認可保育所がございます。そこに預けられておりますところの児童の数は約十一万五千というふうになっております。そして、この経営主体につきましても、市町村から、社会福祉法人、財団法人、プライベートの個人、あるいは部落、財産区とか、いろいろな種類の経営主体もございます。それからまた、保育の内容につきましても、ほんとうの保育所と同じような保育をしている所もございますし、単に預かっておくというふうな所もございます。それからその担当しておりますところの保母さんの中にも、資格がある者とない者がありますし、資格者は一般の正規の保育所に比べますと半分以下であるというふうなパーセンテージが出ております。それからまた、無認可の内容につきましても、都会と農村部では相当格差がある。たとえば、都会におきましては、三歳未満の小さな子供、場合によっては零歳児を預かっておるという点もありますし、農村部におきますと、学童まで含めましていろいろと余暇の利用等のこともしてあげておるという態勢でございます。したがいまして、無認可保育所の実情は、千差万別と言っていいほどいろいろ区々でございます。しかしながら、無認可保育所がどうしても出てくるというふうな実情は、やはり働く婦人の数がどんどんふえてきておるというふうなことにほかならないと思うのでございまして、私どもこの二千二百の無認可保育所が全部が全部正規の保育所になれるかどうかという点については問題があると思いますが、少なくともいまの私どものほうの厚生省令で定めておりますところの保育所の最低基準に合致するようなものにつきましては認めていきたい。特に、先ほど申し上げました中の理由によりまして小規模の保育所を認めていくという方針を考えなければいけないのではないか、かように考えております。したがいまして、小規模と申しますのは、現在保育所として認可いたしておりますのは六十人以上の子供を保育する施設ということで保育所を認可しておりますが、これをもっと落としていきたい。たとえば三十人程度のものにつきまして児童福祉法の最低基準を満たすような――たとえば、設備、構造におきましても、あるいはまた、保母の資格におきましても、数におきましても、そういった最低基準を満たすというふうなものにつきましては積極的に認可すべきではなかろうか、かように考えておりまして、現在、そういうような見地に立ちまして、今後の財政当局等との関係もございますが、そういった方針のもとで進めてまいりたい、このように考えております。
#61
○大橋和孝君 それから次官にちょっとお願いしておきたいと思うんですが、いま局長の答弁の中にもありましたように、保育所の内容を充実する、特に幼稚園並みとはいかなくても幼児教育が大事だという観点からも、一つそういうことをやってもらいたいということの要望があるわけでありますが、全社協保母の会ですから発表しておられる「保育所保母の生活白書」を見てみますと、有資格者の賃金でも、公立で平均が二万四千三百円、私立に至っては一万八千九百十四円と書いてあると思うのでありますが、これは全産業の婦人労働者の平均賃金よりも下回っているという形になるわけでありますから、これはやはりいま局長の話の中にもありましたようにずっとレベルアップしていかなければならぬと思うのでありますし、さらに、保母の定員の増加すなわち保母の養成計画、あるいは勤務条件としては交代制にするとかしないとかいうことも考えられるわけでありますが、そういう観点から申しまして、この保育所を先ほど申されておるような五カ年計画で拡充していただきたい。まず数をふやしていただくということが第一でありまして、内容をよくしていただいてもっと幼児教育の観点からも即応できるようなものにしていただきたい。同時に、それをする一つとしては、認可をしていないところも、いまおっしゃったように、数を減らしてでもどんどん認可して内容の充実をはかっていただきたい。こういうような形ですべてのことをもっとやっていかなければならぬのですが、これはやってもらう中でやはり予算の裏づけというものが必要になってくると思うわけでありますから、特に大臣並びに政務次官としてはそういうようなことに対して十分な配慮をしていただいて、働く婦人が一番要望しているところの保育所の充実ということ、その計画を進めることに対して、予算的な裏づけを持つとともに、すべての内容を充実していただくような方向にがんばっていただきたい、こういうふうに思うのでありますが、そういう意味から次官のお考えを伺って、終わりたいと思います。
#62
○政府委員(谷垣專一君) 厚生省の中で私参りまして特に感じておりますのは、いろいろな面で要望が非常に大きいのにかかわらず、施策がなかなか及ばない。一生懸命やっておりますが及ばないという状況が厚生省の関係ではことに多いようでございます。特に、その中で、先般来いろいろ予算対策等考えております場合に、保育所の要望というものがこういうふうな産業界の構造の変化に伴いまして非常に大きい。農村部においてもまた非常に大きい。しかし、先ほど来お話がございますように、量的な面において、なるほど年次計画は立てましてやっておりますけれども、なかなか量的にどうも不足である。ことに、無認可の保育所等が現実にできておりますことは、はたしていまの基準でいいのか、もっと数の少ないものでそれを入れていくような方向を考えていったらどうか。ことに、地方の自治団体がやっております所管の超過負担の問題、これも現実には相当大きいものがあるようでございます。ずいぶん改善には努力はしてきておるようでございますが、現実を見ておりますと、ことに保育所の問題については、先ほどから御指摘になっておりますが、財政的な裏づけの要望の非常に強い部門だというふうに痛感をいたしております。来年度の予算の要求がもうすぐ目の前になっておりますが、何とか保育所につきましてはこういう認識のもとに国会における先生方のいろいろな御要望をバックにしながら努力してまいりたい所存でおります。どうぞ、今後ひとつ御協力をお願いいたします。
#63
○藤田藤太郎君 ちょっと一言……。私は、保育所の問題は、この前、相当長い時間をかけて保育所の整備の問題を申し上げたんです。ただ、この予算要求書にも出ているわけだけれども、「保育所施設整備費補助金」という中で、二分の一の補助をするということにして、新設四百カ所、増築五十カ所、改築五十カ所ということになっているわけです。それで、九十人以上は百万円、九十人以下は七十万円と。全く看板に偽りあり。いま、義務教育が大体中学までやれるようになって、幼稚園とそれから保育所の統合というか整理というか、そういうものをやらなけりゃならぬ重大課題がある。保育所のあとの運営維持費の問題についてはお考えになっておるようだけれども、しかし、二分の一の補助をするといってまあ盛んに言ったら、ことしは倍にふやすとかなんとかいうお話がありましたけれども、これは市町村が財政負担にたえられないと思うんだね。住民方の要求が非常に強い。その強いのに、今度は、百万円を二百万円やろう、七十万円を百四十万円にして、二分の一補助しましたと。一千万円の建築をしたときに、五百万円もらえると思って――これは国会議員にだけしか渡してないといったって、これはわれわれのとらの巻ですよ。とらの巻で話をしなければ、それじゃどうなっていますかと言ってきたら、とらの巻では二分の一補助ですと、もらう金は七十万と百万だと言ったら、どうなる。私はこれをやかましく言っている。だから、五カ年計画の内容も出してもらいたいけれども、いつから二分の一にするのか。今年から二分の一にするために明記されたのだと思うけれども、これはもう皆さんにそう言って間違いないのかどうか、これをはっきりしておいてもらわぬとちょっと困るんです、私たちが尋ねられたときに。特に、これは、個人じゃないんだ、市町村だ。市町村の太平洋岸ベルト地帯を離れた地域というのはみんな困っている。こういううちをつくるとしても、七十万円の倍の百四十万円で九十人も入れる保育所はつくれませんよ。そこのところを明らかにしておいてもらわないと、これからの要求ですから、次官もいまのお話でもちょっと触れられたけれども、しみじみとそれは考えられていることでしょうから、大臣と一緒になってこの看板どおり実現をしてもらうということだけをはっきり――私は、ここでせいと言うのはちょっと無理でしょうから、それだけのことをきちっとしておいてもらいたいという要求をしておきますから、この新しい年度が来たらそれはきちっとしてもらいたい。この前の話では、いやもう起債さえつけばいいんです、補助金みたいなもの問題ないですというような町長がおるというけれども、町民にそんなことを町長が言うたことを聞かれたらたいへんなことですよ。この公式の場でそんな話がありました。しかし、私は、たいへんだと思うんですよ。町長は町民からつるし上げられる。そのことをはっきりして保育所問題を考えてもらわないと、一千万円かかったのに七十万円補助が来た、二分の一は違ったのか、いやこれはどんぶり勘定で分けたのだということじゃ、これはまじめな官庁の厚生省が国民に与える印象というのは悪い。これは来年度の予算要求で明確にしてもらいたいということを強く私はここで要求をしておきます。お手並みを拝見させていただきたい。活動家の次官ができて、活動家の大臣ができたのだから、ひとつしっかりやっていただきたい。関連だから私はこれで終わりますけれども、このことだけは明確にしておいていただきたい。
 それからこれはちょっと同じようなことなんですけれども、環境衛生局長にこの際聞いておきたいのだが、資料をお持ちでないかと思いますが、この予算要求でごみ処理の問題が四分の一から三分の一になって、来年は最高一千万円まで補助金が段階的な問題ができたけれども、ごみ処理場の補助金は三分の一の補助、これは看板に間違いなし、去年は上をぴしゃっとちょん切っていたのだけれども、間違いなしというぐあいに考えていいかどうか、ちょっと便乗したような質問ですけれども、これを聞いておきたい。それで、次官、松尾局長の決意のほどをひとつ言っておいてもらわないと困る。
#64
○政府委員(谷垣專一君) 先ほど大橋委員にお答えをいたしましたように、保育所の問題にはことにいろいろ問題があります。量的な面をふやせという強い要望、さらに、先ほど御指摘がありましたような超過負担問題に対してどうするか、それから従事しておられる保母の人たち、施設の改善をどうするか、いろいろな問題があろうかと思います。すべて予算の問題がそのかなめでございますので、いま、私たちのほうといたしましては、現在の状況に応じて、二分の一の言っておる看板と定額の百万あるいは七十万という看板との現実的な違いをどういうふうに埋めていくかということに努力していることは御存じのとおりだと思います。予算の結果を見なければわかりませんが、先ほど来の激励的御質問にこたえまして全力を尽くしたいと、かように考えておる次第でございます。
#65
○政府委員(松尾正雄君) 清掃施設の中のごみの処理施設の建設につきましても、従来、四分の一ということで、非常に低い、しかも適用されるワクも非常に狭いということで、従来から関係者の強い要望があったわけでございます。三分の一にぜひ上げたいということで私ども全力をあげて努力をしたいと考えております。
#66
○藤田藤太郎君 あげて努力したいというのじゃなしに、私は看板どおりやってくださいと言っているんですよ。ようやく昨年から段階的なスタイルをとっていただいたのだけれども、ちょっと上げてこれ以上はこれだけだということがないように、ごみ処理というのは、人口の多いところは相当に金をかけなければどうにもならぬのです。そのことは保育所の問題も同じです。ここから先はもう一律だというようなことでちょん切って実態に合わないようなことはやりなさんな。それなら、実態に合うような行政をわれわれにしてもらいたい。保育所の問題も、ごみ処理の問題も、そこのところが問題です。ほかもずっと見てみましたけれども、保育所の建設とごみ処理の問題が再検討されている以外は大体いいんです。大体努力していただいているのです。それだけが残っている。まだほかにもあるかもわかりませんが、ここだけがそういう看板に偽りのようなことをしてもらっては困る。これはひとつからだを張って大臣、次官、局長はやってもらいたいということを私は強く要望しているわけです。ただ上げるように努力しますだけじゃ、私の尋ねていることに対してちょっと――昔、西村厚生大臣という人がおいでになって、養老年金をことしは百円上げましたと、こういうお話がありました。所得保障の養老年金を百円上げたからこれで大いに気ばったのだということになっちゃ困ると思うので、それはやっぱし看板どおり皆さんのあたたかいお心持ちを十分に発揮してもらいたいということを言っておるんですよ。もう答弁はけっこうですから、そういうぐあいにお願いしておきたいと思います。
#67
○委員長(山本伊三郎君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#68
○委員長(山本伊三郎君) 速記をつけて。
    ―――――――――――――
#69
○大橋和孝君 どうも長くなって申しわけありませんが、北九州市の市立の病院の問題について一、二点だけお聞きしておきたいと思います。
 実は、先国会において、厚生大臣が、病院の財政の再建を理由にして医療の質の低下、機能の阻害にならぬように自治省とも話し合いをして処理していく、こうお話しになっておりましたのですが、この北九州市の市立病院の財政再建計画を見てみますと、病院の現業部門の下請化をするようなことになっている。これはもう病院の機能が非常に阻害されると思うんですが、これについて、一体どうなっているのか、一ぺんその様子を聞かしてもらいたい。
#70
○政府委員(若松栄一君) このたびの北九州市の市立病院の財政再建計画の中で、業務の一部、特に単純労務については下請に出すということが計画に入っております。単純労務といいますのは、清掃及び給食関係ということになっております。
 清掃関係につきましては、これは一般的にかなり普及してまいっておりまして、ことに近代的な鉄筋コンクリート化した病院におきましては、少なくとも一部についてはこれは常識化しておりまして、国立病院その他でも現に実施しております。この問題につきましては、それ自体がいい悪いということのほかに、職員の問題で、現在やっております体制を変更して首切り云々ということになっておりますけれども、これはやはり相当慎重に扱わなければならない問題でございますが、清掃の委託それ自体は、本質的にはかなり一般化した問題であろうと思います。
 なお、給食業務につきましては、給食業務は病院におきましては治療の一環であるというたてまえをとっておりますので、これば直営でやるべきであるという主義をとっております。ただ、その直営でやるということの範囲内でやる単純労務だけ一部委託に出すということは、従来これを承認いたしております。といいますのは、病院内におきまして現実に調理を行なうのであって、たとえば、外から駅弁を買ってきて配給する、あるいは通常の工場給食のように外でつくったものを運んで持ってきてそのまま給食するという形のものは病院においては適当でないというたてまえで、病院の中で調理を現実に行なうというたてまえをとる。しかも、病院の給食というものは、栄養士がおりまして、それで栄養価を計算しながら献立をつくるわけでございますので、献立は当然病院の職員である栄養士がこれを実施する。かつまた、それに必要な原材料の購入等につきましても、これは病院の職員である者が発注し、検収するというたてまえをとる。そうして、ごく単純労務である、与えられた材料で与えられた献立に従って調理を行ない、かつそれを病室まで運搬するという単純労務だけを外部に委託するという場合は、これは病院直営の給食と認めるという従来からの指導がございます。したがって、そのような範囲内において給食委託をするということにおきましては、医療法の指導上は差しつかえないというたてまえをとっております。現実に特に近畿地方におきましてはこのような形をとっておりますのが相当施設ございまして、これもかなり円滑に実施されておるものがあるようでございます。したがって、そういうような形式の範囲内において北九州市病院の給食が一部単純労務だけ委託するということであれば、これは、医療法上の問題、あるいは病院管理上の問題としては、特に言うべきことはないと思います。
 ただ、これが現在問題になっておりますのは、おそらく財政再建計画に急なあまり、病院の管理とかあるいは医療の本質というものにまで響くというようなことがあっては困りますので、そのような面については、私どもといたしましては、すでに昨年からの地方公営企業法の改正によりまして財政画建等をやっております病院が数十ございますので、それらのものの再建計画にあたりましては、医療の責任者である衛生部局を督励いたしまして、財政再建計画を実施担当する部局と連携をとりながら、医療の本質の低下を来たさないような方法で助言、協力するようにということを指導しておりますし、自治省に対しても私どもは再建計画の内容を連絡を受けてそうして適切な指導をするというたてまえをとっております。
#71
○大橋和孝君 この北九州の市民病院は、一体、現状はどうなっているか。この財政再建計画についてやられておるのは、いま局長が言われている線とは逸脱しておるわけです。だからして、そういうものに対しては、そうであれば、もっとそのような指導をしてもらわなければいかぬと思うのですが、現状はどうなっておりますか。
#72
○政府委員(若松栄一君) 北九州市がこのたびの財政再建計画を計画するにあたりまして、どのような面をどのようにしてやったらいいかということをいろいろ勉強いたしまして、その一環として単純労務の外部発注ということを考え、そして、現実に、給食関係につきましても、大阪、近畿地区にあります幾つかの病院等を視察いたしましてその長所をとろうとし、かつまた、従来からの先ほど申しましたような厚生省の指導方針に沿った方向でこれを実施しようというふうに計画しておりますので、内容それ自体については私どもはとやかく言う必要がない程度になっておると思っております。
 ただ、この問題が、新たな病院を開設いたしまして、そうして初めからこれを外部に発注するという形であれば、おそらく大した問題なしにいくと思いますけれども、現実に相当の給食関係従事者がおりながら、これを配置転換あるいは場合によっては首切りというようなことにいたしまして、そして単純労務を外部に発注するというような形になりますと、業務の内容それ自体よりは、そういう労務関係の点で円滑にいかないという心配がございまするので、そのようなことのないように、病院の管理運営というものは、単に理論的な問題よりは、むしろ現実的なトラブルというものが結局は病院運営に響く、医療内容の低下にも影響してまいりますので、そこら辺のところを十分考慮した上で、現実の問題として支障の起こらないように十分配属するようにということを私ども自治省と連絡をしてそういう助言をいたしておるわけでございます。
#73
○大橋和孝君 この北九州市の場合、ちょっと聞いてみたところによりますと、局長のほうにはいま表面的な問題はないんだということでありますけれども、医療法の二十一条や、あるいはまた、医療法施行規則の省令第五十号の第十九条なんか見てみましたところからみると、人員だとか記録だとか、いろいろな規則が載っているわけですね。そういうところからいって、当然必要な従業員の定数というものが出てきているわけですね。そういう観点からいったら、財政を建て直すためにしわ寄せをそういうところへ持っていってしまうということで、私は法の解釈からいっても医療法が生かされぬものになるのではないかという感じがしているわけですが、局長のいまの御説明を聞くと、そういう問題はないのだ、ただ首切りなどの労働の問題だけだ、こうおっしゃっている。もちろんそれもありましょう。ありますけれども、私はもっと深く掘り下げて考えてみますと、こういう自治体病院がそういうことをあえてどんどんやっていくということは、これから医療法の問題、病院の問題に対して一つの大きな後退になっていくというか、悪い例を残していくというか、医療の立場からいって非常に悪いものを残していくという心配がある。たとえば、看護婦の定数も足らない、エックス線の技師の定数も足らないという状態がある。実際調べてみると、注射なんかも看護婦なんかがやっておるということになれば、これは医療法違反ですね。いま医者がやらなければならぬことになっている。そういうことをやってだんだん財政の面からぐんぐんしわ寄せしてきますと、医療法のたてまえから非常にあぶなっかしいことになっていくような感じがするわけですが、そういうことについて厚生省のほうとしては相当き然とした態度で――こういうふうな自治体病院あたりは、今後は基幹病院として国民のほんとうの健康の問題を受けとめてやらなければならぬ病院が、何か財政の面でぐんぐんしわ寄せされてくることに対して、非常に不安感を持つと思う。国民もひとしくそういうことに対してもっともっと指導的にきちんとしたものをつくってもらわなければ、医療法の改正に伴って一方ではいいことを言っておるけれども、裏のほうではどんどんなしくずしにそういうことになっていくということになったら、看板に偽りというか、問題は全然反対の方向に向かって進んでいくということになって非常に問題だと思いますが、その点についてもう少し局長のお話を伺っておきたいと思いますし、また、こういうような問題に対して大臣あるいは次官の所信も聞いておきたいと思うのであります。
 特に、北九州の病院は、十五日ぐらいですか、ストライキに入ると言っているわけですね。大きな自治体病院がストライキに入ったりなんかしたら、医療に対して非常な不安の状態をかもすわけであります。これは四十数万人の反対署名も集めておるようですね。先ほどの総辞退じゃありませんけれども、そういう状態がいまここで起ころうとしておるわけですが、こういう大きな自治体病院がストライキに入るということになったら大混乱が予想されるわけで、こういうことに対して、自治省においてもそうでありましょうが、厚生省においても相当指導的なことをして、そういうふうな逆行していくようなことは、できるだけうしろ向きに行くのじゃなくて、前向きに行くという姿勢でやはり国民の健康を守らなきゃならぬのじゃないかと思うわけでありますから、そういうことを含めて局長並びに次官のほうからお聞きしたいと思います。
#74
○藤原道子君 ちょっと関連。私は、いま局長の答弁を聞いていて、納得がいかない。実際、医療法のたてまえからいっても、このごろどんどんそれが侵害されている。給食だけの話をいま取り上げられましたが、北九州では看護助手から一切の現業職員を全部下請に出す。それを御承知なんでしょうか。給食だけじゃないんですね。看護助手からほとんどの現業職員を下請に出す、こういう方針で進んでいる。医療法上差しつかえないというお話ですけれども、私にはそれでは納得いかない。私は、この問題も質問したいと思っておりましたが、わずかな時間では究明できないので、次の委員会でお尋ねしたいと思っていた。しかも、看護婦がやってはならない静脈注射さえやらしているのですよ。そういうところはどんどん医療法に反することもやらしておいて、夜勤は十何日もやらしておいて、そうして今度は、医者と看護婦とエックス線技師その他を入れればあとは全部病院の運営になる、現業員は下請でもよろしい、こういうことになるのでございますか。これじゃ国民は医療の面の不安が増すばかりですよ。国立病院のほうでは結核の特会制をやる。療養所の寝具の下請、私はこの問題についてはずいぶん問題があると思いますから、この次に伺おうと思いますが、一体、国民の健康を守るんですか、会計のつらだけ合わせればそれでよろしいという考えで医療行政をおやりになるのか、その点だけを私は伺っておきたい。
#75
○政府委員(若松栄一君) 最初の大橋先生の御質問で、病院の運営が阻害されるような形で人員の問題その他にまで食い込むのではないか、したがって、病院の内部の業務のやり方等も不適当になるのではないかという御趣旨がございましたけれども、現在、医療法の施行規則等で定められております病院の基準というものの中には、医師あるいは看護要員というものについては標準がございます。しかし、エックス線技師、あるいは検査技師、事務職員、あるいは単純な労務に携わる者につきましては特定の基準は設けてございません。しかし、慣例として、おおむねこのくらいのベッドにはこのくらいの要員が要るものだという常識的なものがございます。北九州市の病院について見ますと、医師、看護婦等についてはおおむねこの標準に合致しております。しかも、看護要員というものにつきましては、一般の公立の病院あるいは全国平均的な病院よりはかなり多いような数字になっております。この数字は、看護要員ということでございます。看護婦ではございません。したがって、この看護要員の中にはいわゆる看護助手というものがかなり入っているようであります。そういうものを含めますと、一般の例よりはかなり率が高く出てきているという状態でございます。逆に、御指摘のような検査技師とかというようなものについては、若干下回っている。通常よりは少な過ぎるのではなかろうかと思われる節がございます。しかも、病院の職員総体といたしましては、全国平均よりもかなり率の高い、数の多い職員をかかえておることもまた事実でございます。そういう意味で、この病院の再建計画にあたりましては、おそらくそういうようなでこぼこをある程度調整して、ある意味では全国的な平均的な規模に近寄せたいという努力をしている姿が見受けられるわけでございます。そういう意味で、適切な要員をかかえ、かつ、不足しているものはさらに今後充足するというたてまえをとっておりますので、その限りにおいては計画は必ずしも不適当なものではない、このように存じております。なお、給食それ自体につきましても、先ほど申しましたように、それ自体としては決してとやかく言う筋合いのものでは私どもはないと思っております。私どもの指導方針といたしましても、そのような単純労務の一部だけを発注するということは承認しておりますので、その限りにおいては問題ないわけでございますが、御指摘のように、この問題で首切りその他のことにつながって、それが病院ストライキというようなものにまで発展いたしますと、それ自体としては別にどうこうということはないにかかわらず、ストライキその他のことにより、あるいは病院の管理が乱れるということによって、病院の機能の低下、あるいは医療の低下というものが起こってくることは、これは嘆かわしいことでございますので、そういうことのないように、したがって、計画は計画として理論的にある程度筋が通ったといたしましても、現実にそれを実施することがいろいろな方面で影響を及ぼして、結果として医療の低下を来たす、あるいは病院経営の混乱を来たすということのないような配慮をしてほしいということが私どもの申し出の趣旨でございます。
 なお、藤原先生の御質問の中で、看護の部門まで下請に出すのではないかという御指摘がございましたが、これは、私どもの承知しておりますところでは、どこまでも清掃と給食に関する単純労務を下請に出すということでございまして、看護業務を下請に出すということとは私どもは承知しておりません。ただ、現在、先ほど申しましたように、この病院におきましては、看護要員というものが一般の病院よりもかなり率が高うございます。ということは、その中にいわゆる看護助手というものが相当たくさん含まれていて、看護助手があるいは清掃その他の仕事までやっているのではないだろうか。したがって、清掃の部門を下請に出すということが、現実に現在看護助手という名目で行なわれている仕事の一部が下請に出されるのではないか、そのように私ども推測いたすわけでございます。私どもが承知いたしております範囲内では、清掃と給食の単純労務を下請に出すということに限定されているものと承知いたしております。
#76
○藤原道子君 ほかの病院に比較してなぜ看護助手その他が多いのですか。看護婦が足りないからそうなっているのですか。どうなんでしょう。この計画によると、病棟婦もこれも下請に出すという計画になっている、向こうの計画書でございますけれども。ですから、看護助手がほかの病院よりも非常に多いというのは、どこからそういうことになったのか、それは御承知でしょうか。
#77
○政府委員(若松栄一君) 私どもの入手しております資料の中では、看護要員というものの総体だけを把握しておりまして、その中で看護婦が何人、准看が何人、看護助手が何人というふうにこまかくまだ資料を入手しておりませんので、その内容についていまここで申し上げかねますのは残念でございますが、現実に病棟婦という名前で清掃を実施しているという面がかなり多いのではなかろうか。そういう意味での清掃業務の一部が下請に出される。その結果、いわゆる病棟婦という方々の仕事が一部外注されるという結果になるのではなかろうかと想像いたしております。こまかな点につきましては、私もまだよく承知しておりません。
#78
○大橋和孝君 これは局長のほうにちょっとお願いしたいのですが、いまおっしゃっているように、看護要員とか看護助手とか言っておられるわけですが、それらの者は、この病院では、看護婦がどれだけで、看護助手がどれだけであって、そうしてそれはどの部門をやっているか、それでどんな部門を下請に出しているか、その資料を一ぺん聞かしてほしいと思います。
 それからまた、給食についても、いま局長がおっしゃったように、病院の中でそうして献立をして何かやる、ただ運ぶ者だけだとすれば、その要員はこの中にどういうふうな割合になっておるかというようなことを一ぺん資料を集めていただけないでしょうか。
#79
○政府委員(若松栄一君) これは私ども現に詳細な資料を持っておりませんが、再建計画のこまかな内容につきましては自治省が指導しておりますので、こまかな内容について自治省に一々全部資料を寄こせと言っても、なかなか協力の限界もございますので、できましたら再建計画の内容については自治省に少しこまかく資料提供等をお願いしてみたらと思います。もちろん、私どももできる範囲内で現地の機関を通じて調査をしてみたいと思います。
#80
○大橋和孝君 いや、私がいま要求しているのは、自治省の再建計画を要求しているのじゃなくて、厚生省として医療の面でこれでいいかどうかということをあなたのほうではどういう資料でどういうふうに把握されているかということを、いま局長の答弁もありましたから、そういう抽象的な答弁でなく、かくかくであるからこれは医療に影響を及ぼさないのだという資料をぼくは出していただきたいと思うわけですよ。そういう意味の資料でなければ、再建計画を幾らやっても、これは金づらを合わしていけばいいということに主体を置いているわけですから、これは私ども見せてもらってもアウトですから、そういうことでなしに、ほんとうに医療の面からいってどうなっているのか、これでいいということにならなければ、われわれが聞かれても、これでいいんだということにならないと思います。そういうことを含んで資料をいただきたいと思います。
 そういう意味も含めて、これは先ほどから局長もおっしゃっておられますが、今後大問題になると思うんですよ。独算制をしいていけば、最後にはここに行くわけですね。ですから、こういうことになってきて、かってに採算の合わぬものをなるべく下請に出してしまってやっていくということになったら、ほんとうに国民の健康を管理するということからいったら、非常にさびしいものだと思います。ですから、そういう点で、今後こういうものを厚生省が指導される場合に、かくかくのものであるということを持っていただかなければ、少なくとも基幹病院としてこういう国立病院に対して国民の期待というものはこれからますます大きくなるわけですからね。設備はもっと拡大して内容を充実強化していかなければならぬ立場の者を切っていくわけですから、これはもう全然正反対、私はこういうふうに考えますので、こういうことに対する考え方を次官のほうからも相当方針を煮詰めていただいて、将来の指導には思い切りうまく指導してもらいたい、こう思いますので、お考えをひとつ伺いたい。
#81
○政府委員(谷垣專一君) 具体的な案件の問題につきましては、まだ調査が不十分のようなものもございますので、御指摘のような案件につきましての調査をしました上で御報告をすることと思います。いろいろ独算制の問題等、問題があるかと思いますが、厚生省といたしましては、医療の本質に阻害のあるようなことは断固として排撃をしてまいりたいと考えております。具体的な問題につきましては、検討した上でお答えいたしたいと思います。
    ―――――――――――――
#82
○藤田藤太郎君 重要な問題は、きょうは質疑できませんでしょうけれども、いま問題になっているむち打ち症の問題、それから言い方はむずかしいのですが、イタイイタイ病というのですか、この問題、それから筋肉収縮病、この前ここで論議をしました問題、これらの今日までの経過と対策を私たち社会労働委員会に明らかにしておいてもらいたい。
 それで、むち打ち病の問題でありますけれども、今日の新聞の記事として非常に大きく取り上げられているわけです。自動車が衝突してすぐなるという現象と、相当時間がたってから起きてくるという現象というようなものが、私は専門家じゃありませんからよくわかりませんけれども、その病気になられた方々は問題が解決してしまってから何カ月もたってから問題が起きてくるということでは、これはたいへんなことだと思うのです。この問題は、公害基本法の立場からは、環境衛生局がその事務局を担当しておる。ですから、医療上の問題、それから公害対策の問題としても、重要な問題だと私は思う。この参議院には産業公害及び交通対策特別委員会というのがあるわけですから、いずれ公害の面はここで議論される。しかし、むち打ち病をどうしたらいいのかという施策というものは、病理的な問題は医務局だと思うのですがね。私は、両方から、これはどういうものだ、そうして対策の問題はこうやる、こうしているんだということの経過報告をしてもらいたいと思うのです。その他の二つの問題は――おいでになりますか。おいでになるなら、してもらうとして、きょうおいでにならない方は、いままでの経過とそういうものを資料にして出していただきたい。
 こういうことで、まず、むち打ち病の説明からしていただきたい。
#83
○政府委員(若松栄一君) むち打ち病という病気といいますか、むち打ち病ということばが最近非常に一般的に使われるようになりまして、むち打ち病という特定の病気があるかのごとくにだんだん思い込まれてきておりますけれども、むち打ち症といいますか、このことばのできましたのは、四十年くらい前にアメリカで初めてそういうことばが使われたわけでございますが、これは、このことばの発生から言いまして、いわゆるむちを振ったように首を前後に強く振るという衝撃によって起こる頭頸部の病気ということが通常むち打ち症と言われるわけでございまして、厳格に言いますと、むち打ち病という特定の病気があるわけではなくて、広い意味の頭頸部の外傷を総称した中でそういうむち打ち的な操作によって起こったものをむち打ち症と言うわけでありまして、そういう意味では、交通災害あるいは産業災害等でいろいろな頭部、頸部の損傷がございますが、そういうものの中で頭部、頸部にはっきり大きな症状が起きた場合には、頭部、頸部の損傷、外傷として取り扱われますが、一見表のほうにはあまり障害がなくて、むち打ちという機械的な作用によって自覚的な症状がかなり強く起こってくるものも通常むち打ち症と称しておるわけであります。
 これを病理学的に見ますと、頸部におきます頸椎の骨の骨折、脱臼あるいは亜脱臼というような、骨それ自体に器質的の変化のあるもの、あるいは、骨、関節等に直接的な損害がなくても、そのまわりの靱帯であるとかいうような軟部組織に挫滅その他の障害のあるもの、あるいは、それほどの障害がなくても、そのような衝撃によりまして相当な浮腫等が起こりまして、浮腫のために血管神経等が圧迫その他の障害によって麻痺等の起こるような場合、あるいは、さらに、胸神経、脊髄の中に出血、浮腫あるいは外傷、骨折その他に引き続きまして神経の外傷が起こる場合等、いろいろあるわけでございまして、したがって、病理学的には、そういう頭頸部の外傷、特に頸椎並びにその周辺の骨折あるいは挫傷というものが主病傷でございまして、したがって、症状もそれに伴ったものが出てくるわけでございまして、治療の方法も、したがって、骨、関節等に異常のあるものについては、その骨、関節に対する治療、つまり牽引であるとかあるいはコルセットというような形で治療が行なわれますし、また、挫傷等に伴います浮腫等ございますと、これは先ほどもちょっとお話がありましたように、障害を受けた当初はたいしたことはないのに、浮腫というものはある程度時間がたってから起こってまいりますので、したがって、ある時間を経過してから浮腫に伴ういろいろな神経症状等が起こってくる、あるいは神経の挫滅、あるいは脊髄内における出血等が起こりますと麻痺が起こってくるというように、それぞれ病理学的な原因によりましてそれぞれの症状が異なります。したがって、また、治療も異なってくるというわけでございますので、それらの外傷それ自体につきましては別にまあ事新しいといいますか、いま新たに起こった病気ではなく、従来からの経験のあることでございますけれども、最近、自動車事故、特に追突等の事故がふえましたために、症例が非常に多くなってきているという現実、さらにまた、最近は、単なる外傷ということそれ自体のほかに、自動車事故に対する補償という問題にからみまして心因性の症状がかなり数多く出てくるということもまた学者の一致しているところでございます。したがって、通常の器質的な障害に対する一般的な治療というものと、心因性のいろいろな訴えに対する治療というようなものも必要でございますので、現在では、基本的な外科、整形外科的な治療と同時に、精神科、神経科的な配慮を加えた治療をするということが常識になっておりまして、また、ある意味では損害賠償ノイローゼというようなものもなきにしもあらずでございまして、そのように多角的、他面的に治療を要する問題になってきておりますので、私どもといたしましても、外科、整形外科というようなものだけでなしに、脳神経外科、あるいは神経内科、精神科というような専門家などの共同的な研究をお願いして、総合的に予防あるいは治療の方法も検討していきたいというふうに考えております。
#84
○政府委員(松尾正雄君) イタイイタイ病につきまして御説明申し上げたいと思います。
 イタイイタイ病は、神通川の下流のほうで、富山県富山市に近い婦中という町に発生しております病気でございます。かなり前から原因不明の地方病として存在するといわれておるわけでございますが、昭和三十年ころになりましてその病気があるということが報告をされ、研究が始められました。厚生省でも、三十八年以来特別の研究班を編成いたしまして、今日までその原因、実態等について調査を続けてまいりましたが、この病気の症状と申しますか、非常に特有なものがございまして、三十五歳を過ぎましたような、しかもお産を経験したような婦人の方、更年期を迎えるような時期になりまして起こってまいりまして、腰だとか肩だとかそういうところが痛くなり、それから歩き方もアヒルのような歩き方をするというような現象を起こし、きわめてわずかな運動でもほうぼうの骨の骨折が起こり、そのときに耐えがたい異常な痛みが起こる。こういうことでイタイイタイという病名がつけられたというようなものでございます。
 この原因につきましては、栄養説でございますとか、あるいは重金属説でございますとか、代謝障害説でございますとか、いろいろな説がございまして、本体が明らかでなかったのでございますけれども、先ほど申しましたような研究班等の努力によりまして、最近このイタイイタイ病が、重金属の一つであるカドミウムに関係があるということが明らかになってまいりました。カドミウムだけで起こるかといいますと、いまのところは、そのほかに、低カルシウムというような栄養状態、あるいはたん白質の栄養状態が低いというような条件の中にカドミウムが何らかの形で蓄積いたしました結果、骨の中のカルシウムが非常に低くなりまして、先ほど申しました骨折を起こすと、こういうような状態になることが明らかになってまいりました。ただいまのところは、そのような経過に対しまして、そういうカドミウムというものがああいう地帯にどうして入ってきたか、また、その付近においてはどのような分布をしているかというカドミウムの分布やその由来というものについて特に本年度の研究班が研究を続けているわけでございます。
 それから、なお、現在の患者の状態でございますが、六千七百名ほどの健康診断を行ないまして、非常に厳密な基準に統一いたしまして診定をいたしました結果、現在のところ、どうもイタイイタイ病といわれる患者さんが四十三名、それからそのほかに疑いが濃厚な者が十七名というような状態でございます。
 治療につきましては、ただいまのところ、ビタミンのDの投与、それからそれにビタミンAあるいは男性ホルモンというものを併用いたしますとかなり症状が緩解するという明るい報告も見られております。
 そういうような状態でございまして、ただいままでに研究班がいろいろと実験をやってカドミウムの分布状態というものについて調べておるわけでございますが、ただいまのところ、幸いなことに、飲料水、井戸水というものの中にはカドミウムが検出されておりません。それから神通川の上流でございますとかあるいはそれに注いでおります支流というところにもないというようなことが明らかでございます。ただし、たんぼの中を調べておりますと、たんぼの神通川の水が入ってきます入口のほうは出口よりもカドミウムが濃い、あるいは、どろの上層、いわば水と接触しておりますようなところでカドミウムが非常に多いが、中のほうにいきますとほとんど見られないというようなことから、川の流れ、水というものに結びつきました汚染というものがあったのじゃないかということがいまほぼ明らかになりつつあるところでございます。この研究班は、ただいままだ研究を続けておりまして、なお分析中のデータもございますが、それらも集めまして、大体三月の終わりには総合的な研究結果を取りまとめて結論を出したい、こういう状況でございます。
 なお、ただいまの患者さんの年齢分布の状況を見ますと、先ほど申し上げました疑いの非常に濃い方も含めまして七十名程度の中で、六十八名程度が五十一歳以上、さらに六十一歳をこえるような老齢の方が実は多いわけでございまして、若いところにほとんど分布が見られないというようなこと、及び現在のわかりましたカドミウムの分布というようなものから見まして、ただいままでのところ、最近において新しい患者が発生しているという疑いはほぼないような状態でございます。こういうような状態でございまして、ただいま、私どもは、この研究班が鋭意研究の分析を急ぎまして、近いうちに結論を出しますことを期待をして促進をしておるような状態でございます。
 なお、県におきましては、そういう患者の先ほど申しましたような治療の方法というものがかなり明らかになりましたので、本年度追加をもちまして患者の自己負担についての医療費の援助をしたいというような対策も進めております。それから飲料水というような問題にただいままでの状態で関係があったと考えられておりますので、簡易水道をその地区に敷くための水源調査というようなこともただいま続行しておるような状態でございます。
 たいへん簡単でございますが、イタイイタイ病のあらましにつきましてはそういったような状態になっております。
#85
○説明員(渥美節夫君) 進行性筋萎縮症の現状と対策につきましての御質問でございますので、私のほうからお答え申し上げます。
 先生御承知のように、進行性筋萎縮症と申しますのは、筋の代謝異常のために萎縮が進行性に起こりまして、徐々に運動機能障害を来たす病気でございます。進行性筋萎縮症の中にも幾つかの種類がございますが、その中で特に問題となり、かつ対策を至急立てなくてはいけないというのは、進行性筋ジストロフィー症と称されるものでございます。この進行性筋ジストロフィー症につきましてもいろいろな型がございますけれども、幼小児期にこういった筋萎縮が始まりまして、下肢のほうからだんだんと上のほうに向かって筋萎縮が進行してまいります。そうして、ついには呼吸筋の麻痺、あるいはほかの合併症等によりまして、そのままほうっておきますと、二十歳前後でなくなられるということが多いわけでございます。そういうふうなことでございますので、厚生省におきましては、昭和四十年から、関係の大学医学部の先生方ともいろいろと相談をいたしてその御協力を仰ぎまして、ただいまでは全国の十の国立療養所に筋ジストロフィー症専門病床を設けて、その収容、治療あるいは研究ということを行なっているわけでございます。現在まで、その専門病床は、本年度までに竣工する分を含めまして五百八十床を確保することができているのでございます。しかしながら、こういった進行性筋ジストロフィー症の患者の数につきましては、これもいろいろとまだ不明な点が多いのでございますけれども、約五千人ぐらいはおられるのではないかというふうに言われておるわけでございます。したがいまして、こういった進行性筋ジストロフィー症の専門病床をさらにふやしていかなくてはいけない、かように考えておるわけでございます。そういった専門病床に収容されます子供さんの治療、指導教育等に要する費用につきましては、先般五十五特別国会におきまして児童福祉法が改正されまして、取り扱いといたしましては肢体不自由児施設というような取り扱いになりまして、その結果、保護者に負担能力があります場合は、別でございますが、負担能力がないような場合におきましては、国費が十分の八の負担をしてその治療だとか教育だとか訓練等に充てられるという制度ができ上がったのでございます。しかしながら、先ほど申しましたように、まだまだ専門病床は少ないわけでございますので、今後ともこれらのベッド数をふやすということを考えなければならない、かように思っております。
 次に、進行性筋萎縮症という疾病に関する学問的な研究の問題が大きく残っておるわけでございます。また、進行性筋萎縮症自体につきまして、どういう理由でこういった病気になるのかという原因の究明がまだ結論的な段階に至っておりません。この疾病の理由が遺伝性の因子に関係があるというようなことが支配的に言われておるわけでございますが、まだ究明が詰まっておりませんと同時に、治療法につきましても、現在におきましては、たん白同化ホルモンあるいはビタミンの投与、あるいはマッサージ、こういうような治療方法が行なわれておるのでございますけれども、これはきめ手にはなっておらないわけでございます。したがいまして、発生原因の究明にあわせまして、治療法の研究ということがこれからやらなければならない大きな問題になっておるわけでございます。
 そういう段階でございまして、在宅の筋ジストロフィー症の子供さん方も相当多くおります。したがいまして、こういった在宅の方々に対しましては、重症の肢体不自由児と同じように、特別児童扶養手当というものも支給いたしておりますけれども、まだまだ足らない点が多うございます。こういった点におきまして、専門病床の増加でありますとか、あるいは研究の開発でありますとか、あるいは在宅児対策とか、これからいろいろな点において進めなければならない問題があることを一応御説明申し上げておきます。
#86
○藤田藤太郎君 ありがとうございました。
 そこで、環境衛生局長さん、いまのむち打ち症というのは、自動車事故において起きてきたのが、いまお話にあったときにも、そういうことで、内部疾患的な要件で、まあ適切な治療法というのはなかなか見当たらないようなかっこうのことが議論されておるわけですね。いま若松さんがどういうかっこうで治療しているのだとおっしゃったけれども、自動車が一年に二百五十万台も日本で生産されて、国民に与える不安感というものは膨大なものだ。公害基本法の事務局を担当されておる厚生省、特に環境衛生局としては、人命尊重の行政、人命を守る行政をやっている、この問題に関する限り、みんなそうでありますけれども、公害の被害というものが国民生活にとって重要な問題といまなってきておるわけですね。だから、むち打ち症の医学的見解を発表しただけでおさまらない問題だ。ですから、公害基本法の中に厚生省がこれを持ち込んで、自動車の事故をなくしていく、少々当たっても被害が起きないように自動車の中に処置をする、むち打ち症にならない対策を立てられていくというところに厚生省が熱心にならなければだめだというのが今日のむち打ち病の現状じゃないかと、私ばそう思うのです。だから、厚生省として、また、公害基本法の事務局を担当している環境衛生局として、どういう対策をおとりになってきたのか、それを私は聞きたいと思うのです。むろん、治療の問題は、できるだけ早期治療、そしてなおるような方法を医務局の立場から考えてもらわなければなりませんけれども、むち打ち症というものが起きないような処置というものは厚生省だけじゃできない問題ですから、たまたま公害基本法の事務局を担当する厚生省としては、みずから発想をして、そこできめていく、公害をなくしていくということにもう少し熱心さがなければいかぬのじゃないか。私がきょうお聞きしたいのはここなんです。学者の学問的なことからいろいろの立場のお話をいただいてありがとうございましたけれども、きょう問題にしたいのはここなんです。公害基本法の事務局を担当しておる厚生省環境衛生局は、むち打ち症患者の会まで設けられて、こういう被害をどうしてくれるんだということを社会に訴えている、御存じのとおりだと思うのです。だから、その病理学的な問題も、むろん早くなおすところで厚生省は気ばっていただかなければならぬけれども、その事故が起きないようにするための努力というものは、各省に言うたってどうにもならない。総理大臣に一々話をするわけにまいりませんから、あなたのほうの事務局でその問題を公害会議に早急にかけるとか、計画を立てるとかしてもらわなければ、これはいつまでたっても変わらんと思う。そのことが聞きたいんですよ、きょうは。それをひとつ聞かしてください。
#87
○政府委員(松尾正雄君) 交通事故問題が社会的に非常に重大でございまして、何とかそういう防止対策が成功してほしいと念願しておるのは、私ども人後に落ちないわけでございます。御指摘のように、公害基本法の中には、「公害」として、事業活動その他の活動に伴って生ずる相当広範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁、騒音、振動、地盤沈下、あるいは悪臭といったような問題があげられております。率直なところ、交通事故のむち打ち症というものがこの法律による公害というふうに規定されておったと私どもは実は受け取っておらなかったわけでございまして、当事者同士の原因がある一つの事故であったわけでございます。そういう観点でいわゆるこの公害基本法に言う公害という範囲にそれを含めるという考え方はいままで持っていなかったのでございます。
 なお、厚生省といたしましては、そういう交通事故対策全般につきましては十分各省との間との打ち合わせもございまして、先ほど医務局長がお答えのように、交通事故に伴う救急医療その他のそういう積極面を厚生省が担当するという分担になっておったと私ども承っております。御指摘の意味は十分わかっておりますけれども、これを公害基本法の公害として私ども局が直ちに活動に入るというような用意は、実はしていないわけでございます。
#88
○藤田藤太郎君 これは大臣がおいでになったらいいんだと思いますけれども、公害基本法ができた趣旨、そのとき議論された経過、法律、そしてできた事務局は厚生省の環境衛生局が担当するということになった事実ですよ。運輸省は、届け出れば自動車は何ぼでも認可して走らす。道路は努力はされているにしても、狭い道路の中で自動車が一年に二百五十万台もふえる。外国からも輸入される。この日本の道路事情の中でそういうことが自由にされていいかどうかということも一つの問題で、何の条件もなしに認可するということも運輸省の関係も問題でありましょう。それから通産行政にしても、生産利益優先の通産行政が進んでいることも事実です。何らかの形で、政府として、自動車事故が起きないように、むち打ち症が起きないように措置するのには、そういうものを含めて公害基本法の閣僚を中心にした会議がある。だれがそれを言い出すんですか。人間の生命を守るのは厚生省じゃないんですか。ほかにそういうことを言い出す官庁はないんじゃないですか。それに、そんなことは関係ないと思っていたなんというような答弁をここで言われるということは、松尾さん、それはたいへんなことですよ。谷垣次官は今度おいでになって日が浅いですから、私はあまり言いませんけれどもね、これはひとつ省議でも開いてもらって、そしてやっぱし人命尊重ですよ。人間の生命を守る官庁といったら厚生省しかないじゃないですか。病理学的分析をし治療をするという任務があります。私は、環境衛生局があの事務局を担当してなきゃ、こんなことあなたに言いませんよ。しかし、あなたのほうが、これから基本法で公害から守っていこうという事務局を担当しているところが、それは知りませんでしたということじゃ、たいへんな問題だと思う。これはひとつ大臣と皆で相談していただいて、この次の委員会に明確に答弁をしてください。そうでなけりゃ私は納得できない。あの国会で、公害基本法は何をすべきか、私たちが公害基本法の前段の議論を非常にきつくしたのは、国民の健康を守るという、目的はそれなんだというのに、産業との調和というようなものが入ってきて、これなら答えはなかなかむずかしいということで、一項、二項を設けて、健康を守るということを優先して公害基本法というものができた。私たちも、公害をこういうぐあいにして守ってもらえるんだということであれに賛成してあの法律を通したんですよ。その事務局を担当したのは、何となしに事務局という名だけ引き継がれたのか。人命の尊重、健康を守るというところに骨があるからこそ、これは厚生省の環境衛生局が担当するということになったんだ。その意味も含めて私たちは理解しなけりゃ、公害基本法なんて何のためにつくったか、何にもならぬじゃないですか、それじゃ。まあきょうはこれ以上言いませんけれどもね。これはひとつ次官に頼んでおきますが、省議でも大臣を含めて開いていただいてこの点は明確にしていただきたい。むち打ち症なんてものは、自動車衝突事故だけじゃないですか。ほとんど九〇%以上、九九%までそうだと思う。その事故が起きても、それが傷をしたとか何とかなら、私はこんなきついことは言いませんけれども、三月とか六カ月してから出てくるというんですよ。自動車の賠償関係はなんにもなかったで済んだ。それが済んでしまってからむち打ち症が出てきて、補償をするところがないということで国民が非常に不安がって困っているというのが現状なんですよ。まあこれ以上言いませんが、これはひとつ省の中で公害基本法の役割りというものを――やっぱり法律の精神からいって、ウエートは国民の健康を守る、生命を守るということでできたのが公害基本法ですよ。そのところを、まあ言われたことをこれから追及しようと思いませんけれども、明確に厚生省はしてもらいたいということだけを申し上げておきたい。次官、ひとつ約束してください。
#89
○政府委員(谷垣專一君) むち打ち症の事故が起きておりますことは、たいへん遺憾なことでございます。先ほど、公害基本法との関係において、厚生省でこれをいわば担当ないしは推進しろという御意見がございます。これは、むち打ちという症状自体あるいはそれの対策という問題で厚生省が関与いたしておりますことは当然のことでございますけれども、むしろこれはほかにいろいろとけがをする場合もございますし、単なるむち打ちというだけに限定をしないで、交通事故の対策あるいは交通安全の方法いかん、そちらのほうからこれを把握してそうして対策を立てていくということも考えられるわけでありますし、むしろそのほうがいま起きております問題の解決には適切な方法じゃないか。公害という概念をいろいろ考えまして、それにむち打ちも入り、あるいは自動車によるいろいろの傷害死というようなものを入れるということも考えられないことではないと思います。けれども、むしろもっと端的に自動車事故に対する交通安全なりあるいは対策という問題でつかまえることのほうが妥当ではないだろうか。現に、そういう問題も含めまして、総理府では、交通安全調査室というようなものが、各省にわたりますこれらの問題を、特に交通事故というような頻発している問題を中心にして、各省との関係を調整しながら推進していこうという体制になっているわけでございます。もちろん厚生省が担当いたしておりますたとえば救急病院の施設をどうしなければならんかというような問題、その他いろいろあると思います。あると思いますが、いまの行政のあり方から言うと、また、本件の非常に緊急性のある立場から見ますとこれはむしろ総理府に現在ある交通安全調査室の働きを積極化さしてやっていくことに厚生省の立場からも発言して要請していく、これの促進をいたすのが、現在の段階において適切ではないか、こういう見解を持っておりますが、この趣旨においてひとつ要請してみたい、かように考えておる次第であります。
#90
○藤田藤太郎君 私の言っているのは、交通事故の問題は厚生省でやれと言っているわけじゃないんですよ。日本の最高会議の事務局を担当しているのが厚生省なんだから、何も厚生省がやれと言っているのではなしに、人命尊重の立場から厚生省はその最高の会議に問題点として出して、各省がその会議の決定によって総理の指示によってその対策を講じるように、なぜそういうことをせられないのか。いま、関係がありませんという話があったから私は言っているので、そういう発想をするのは、通産省でもどこでもやりませんよ。それは総理府とかそういうところがあっても、やはり公害基本法の最高会議ですよ。最高会議の中で人命尊重の立場から発議をしていく。厚生省がやれなどということを私は言っているのではない。発議をしていくというのは、事務局が発議をしなければ、どこが発議をするのですか。そういう公害基本法から来た絶対的な条件があるのに、いまのような答弁じゃ困りますということですよ、私の言うのは、だから、厚生省がそれをどうやりなさいとか、厚生省はなぜやらんかというようなことを私言いましたか。そんなことは言っていない。公害基本法の事務局を担当する厚生省としては、人命尊重あるいは健康を守るという目的からそういうスタイルになっておるのじゃないか。そういう肝心の根本が、私は知りませんと言われちゃね。公害基本法をなぜつくったか。総理府に一つの調査会、委員会ができたとしても、それは公害基本法の精神をモットーとしてできたわけですから、それならその会議の事務局を担当する事務局長なら事務局長が、厚生省が、なぜ要求をしてそれを活動できるようにしないかということを言っているわけですよ。厚生省が自動車事故までやりなさい、自動車の何までやりなさいと、そんなことを私もよう言いません。そういう発想をする義務があるのじゃないですかというそのことですよ。谷垣さんが言われたように、それはそこでやったほうがあたりまえだと思うんですよ。私は厚生省がやれなどということはさらさら考えていないんですよ。そういうことはいまの公害基本法ができている段階において必要じゃないかということを言ったんです。人命に関する問題は、どんどん最高会議に要求をして、各省にやらすようにしてもらいたい、ぼくはそのために省議を開いていただきたいと、こう言っているんですよ。それは誤解のないように……。
#91
○政府委員(谷垣專一君) どうも、藤田先生のおっしゃっていることと私の御答弁申し上げておりますこととが一致しているようでございますが、公害基本法の現在の行政の中でこれを扱うということにはいろいろな問題があろうと思います。現実の処理のために総理府にあります交通安全調査の施設を利用して、当然各省が入ってくると思いますから、各省にこれを訴えていく、そういう要請を厚生省としては要請をいたしますということを申し上げているわけでございまして、省議その他をまつまでもなく、この問題の解決のためには厚生省はそういう要請をいたしたい、こういうことを申し上げているわけでございます。藤田先生のおっしゃっていることと私の申し上げておることとは一致をしているように解釈をいたします。
#92
○藤田藤太郎君 いろいろ言い回されたけれども、生きているんですよ。生きているのですから、生きたものに対してやっぱり生きた行政というものを人間の生命を預かる厚生省としてやってもらいたいというんですよ。むち打ち症の場合もそうだし、だんだん日々たくさんの人が被害を受けているんですよ。私は、厚生省が事務局を担当していなければ、こんなことは言いませんよ。最高閣僚会議の要務局を担当しているから、事務局からそういう問題を一つ一つどんどん出していかなければ、会議というものは進まぬのですよ。そのことを言っている。
#93
○委員長(山本伊三郎君) 他に御発言もなければ、本日はこの程度にとどめておきます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時三十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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