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1967/12/14 第57回国会 参議院 参議院会議録情報 第057回国会 社会労働委員会 第3号
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1967/12/14 第57回国会 参議院

参議院会議録情報 第057回国会 社会労働委員会 第3号

#1
第057回国会 社会労働委員会 第3号
昭和四十二年十二月十四日(木曜日)
   午前十時二十七分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十二月十四日
    辞任         補欠選任
     藤原 道子君     村田 秀三君
     柳岡 秋夫君     森  勝治君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         山本伊三郎君
    理 事
                土屋 義彦君
                佐野 芳雄君
                藤田藤太郎君
    委 員
                黒木 利克君
                紅露 みつ君
                丸茂 重貞君
                山下 春江君
                山本  杉君
                横山 フク君
                大橋 和孝君
                杉山善太郎君
                村田 秀三君
                森  勝治君
                片山 武夫君
   政府委員
       労働政務次官   井村 重雄君
       労働省労政局長  松永 正男君
       労働省労働基準
       局長       村上 茂利君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中原 武夫君
   説明員
       運輸省自動車局
       業務部長     蜂須賀国雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○労働問題に関する調査
 (福島交通の労働問題に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(山本伊三郎君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 この際、井村労働政務次官から発言を求められております。発言を許します。
#3
○政府委員(井村重雄君) 私、このたび労働政務次官を任命されました。まことに微力でございますが、幸いにして皆さま方の御協力と御指導によりまして労働行政のために微力を尽くしたいと存じます。この上とも御教導のほど賜わりたいと存じます。
 ありがとうございました。(拍手)
    ―――――――――――――
#4
○委員長(山本伊三郎君) 労働問題に関する調査を議題といたします。
 御質疑のある方は、順次御発言を願います。
#5
○藤田藤太郎君 私は、本日、福島交通の事態について問題を明らかにしたい、そして、いま不正常な状態にあるのを正常な形にみんなでしなければならないのではないか、こういう立場から運輸省と労働省に質問をしたいのであります。
 運輸省は、直接の業務の監督官庁の立場から、福島交通に対してはいろいろの角度からタッチしておいでになったと思うのでありますから、前段はひとつ運輸省から……。
 十一月の十二日、公益事業である県民の足を守っている福島交通が、休業をする、そうして全員解雇して会社を解散すると。公益事業たるバス事業、鉄道事業が、そんなことができるのか。しかし、どたんばまでその問題でもみ抜いた。最後は、十二日は操業をいたしましたけれども、その操業に至るまでの問題というのは奇々怪々だと私は思う。そういう問題についてひとつ御報告を願いたい。これに関連して、労使の正常な作業というものが交通事業を守っているわけですから、その問の従業員に対する扱い、労使の関係その他については労働省からいままでの経過と処置を、それから前段の業務の経過ととられた処置を運輸省から御報告を願いたい。
#6
○説明員(蜂須賀国雄君) 福島交通株式会社は、従来から経営体制及び労使関係が不安定でございまして、最近も従業員の解雇問題をめぐりまして十月の下旬から労働争議中でございましたが、同社の社長の織田大蔵氏が、十一月の九日になりまして、十一月の十二日以降、バス、電車の全面運休、十一月の三十日には会社解散総会を行なうという旨を発表いたしまして、これを仙台陸運局に対しまして稲田調査役から口頭で通告があったわけでございます。
 なお、十日になりまして、「福島民友新聞」に社告を行ないまして、内容は、来たる十二日より電車、バスの全路線にわたりまして運行を休止する、来たる十二日をもって全従業員を解雇する、という社告をいたしたわけでございます。
 仙台陸運局長は、直ちに電話で警告しまして、同時に、十一日になりまして、書面で警告書を交付すべく社長に出頭を命じたところ、出てまいりませんので、同局職員が会社へ参りまして、鳳城経理部長に会って警告書を手渡したわけでございます。警告書の内容は、仙台陸運局長の小林正興からでございますが、会社社長あてに出しまして、
 十一月九日、貴社より、同月十二日以降電車及びバスの運行を休止するとともに、同月三十日会社解散総会を開催する旨の通知があったが、許可なくして事業を休廃止することは、地方鉄道法、軌道法及び道路運送法に違反するものであり、また、会社解散決議を行なっても認可がなければ効力が生じないものである。よって、事業の公益性を十分認識して正常な業務運営を確保するよう厳重に警告する。
 というものでございます。
 なお、仙台陸運局長は、織田大蔵氏の性格から見まして、この彼の考え方を考慮いたしまして、十二日からのバス運行を休止した場合における主要路線の通勤、通学等の対策として、近隣の事業者によります代行輸送を計画いたしまして、関係手続その他の準備を完了したわけでございます。
 なお、同十一日に、福島地方裁判所から、福島交通株式会社の少数株主のほうから提起されておりますところの仮処分の申請を認めまして、従業員の業務執行の停止や解雇、あるいは電力供給契約や旅客運送契約の解除等、会社の業務の遂行を妨げる一切の行為を差しとめる旨の決定があったわけでございます。
 十二日になりまして、陸運局の調査によりますと、始発からほとんどバス、電車が全面的にとまっておりまして、九時十五分に、福島交通株式会社の半田営業課長から、福島県の陸運事務所に対しまして、社名をもって全営業所長に対して平常どおり運行するよう業務命令を発したという旨の連絡がございました。なお、その後、九時十五分の就業命令につきまして、第一組合のほうでは真偽を確認するまでは就労できないと言っていることも同じく半田営業課長から県の陸運事務所あてに連絡がございました。その後、第一組合のほうでも十二時ごろに就労に決定したということでございまして、十四時ごろほぼ全面的な回復をしたわけでございます。
 その後は普通に動いているわけでございますが、さらに、その後の経過を簡単に申し上げますと、十一月の二十八日に福島交通の定期株主総会が開かれまして、役員変更等があったわけでございますが、そのあとで、新しくなりました稲田取締役から福島県の陸運事務所に連絡がございまして、社長の意向として次の三点を伝えてまいったわけでございます。
 第一点、運賃改訂(前回)が遅延したため、七億二千万円の損をしたので、近く東京地裁に損害賠償請求の訴を提訴する。
 第二点、経営合理化のために約六百名の人員整理を行ないたい。とりあえず洗車夫九十六名、バスガイド五十名の計百四十六名を解雇したい。
 第三点、第一組合との団交は行なわない。ということを言ってきたわけでございます。
 その後、二十八日付で、その百四十六名に対して解雇予告を通知したようでございます。なお、十二月二日になりまして、第二回にさらに百五十名に対しまして解雇予告を郵送しております。
 その後、労働基準局その他の関係があったわけでございますが、陸運事務所としまして昨日十三日に、所長から会社の稲田取締役を呼びまして注意書を渡しております。その内容は、
   正常ダイヤの確保方について
 十一月二十一日以来、貴社のバス路線の一部において連日欠便が生じているが、これはその原因の何であるかを問わず、公衆の利便を確保すべき乗合バスの性格に鑑み、放置すべからざる事柄である。
 よって、貴社は、今後欠便の発生を防止するため、例えば適切な代務運行管理体制の確立の措置をとる等、正常ダイヤの確保に万全を期せられたい。
 というものでございます。
 なお、組合側に対しましてもその意向を伝えているようでございます。
 以上がいままでの経過でございます。
#7
○藤田藤太郎君 運輸省は、国鉄も含めてでありますけれども、監督官庁の立場にあると思うんですね、国鉄、私鉄の。そうして、いま、バス、船もあると思う。これは定期的に住民の利便をはかるための認可であって、ただ営利だけで――営利がある程度伴わなければその事業をやる人も費用が続かないと思いますけれども、しかし、少なくともその認可を受けた者は、地域の利便をはかって、交通、産業、社会の発展に貢献するという絶対的な社会的な条件のもとに認可を受けて営業をやっている。私は、そういうものを確認して認可をしておいでになることだと思うんです。ですから、簡単に自己の主観で、定期的に地域の経済発展のために動いているバスを、会社の代表者がかってにあしたは休業いたします、そうしてそこでいままで働いていた者を全員解雇いたします、こういうかっこうで営業をやるようなところに運輸省はどんな関心を持っておられるのですか、私はそれを聞きたい。
#8
○説明員(蜂須賀国雄君) バス専業は非常に公共性の強い公益事業でございまして、当然公共輸送を確保するための重大な使命があるわけでございます。これを適切に行なうことは当然必要でございまして、現行法におきましても、ただいま私が申し上げましたように、会社がかってに事業を休止することはできないわけでございます。許可が要るわけでございます。
 それからなお、会社解散等におきましても、認可がなければ効力が生じないわけでございまして、一方的に言いましても、これは法律的にはできないわけでございます。
#9
○藤田藤太郎君 そういうことであれば、ああいう事態を起こしたときに、なぜもっと適切な監督行政によって正常な運行をはかるための処置がとられなかったか、私はそこが不思議なんです。十二日は実際は十二時から運行したといえども、その十二時までの間は、それじゃサボつたというのか、ストライキというのか、あとほど私は説明をいたしますけれども、それで欠便の問題で注意をしているということだけで事が済むとお思いになっているのですか、そのことを聞きたいんですよ。
#10
○説明員(蜂須賀国雄君) 十二日の事業の休止につきましては、利用者に対しまして遺憾に思っている次第でございます。今後の方向につきまして、福島交通自身に対しまして公益事業としての責任を自覚させ、また、公共事業の完遂につとめるように、運輸省として十分監視をしてまいりたいと思っております。
 なお、事態の推移に即応いたしまして、利用者の利便を確保するために諸般の体制に今後つとめていくつもりでございます。
#11
○藤田藤太郎君 私は、それではことばが足らぬと思うのです。いまおっしゃった報告にありましたように、九日の日に新聞にも発表し、十二日からは休業する、全員を解雇する、これを声明しているわけです。そうして、十一日になって、裁判所の福島地裁がそういうことをやったらいかぬという仮処分の決定を出されているわけです、十一日の十三時三十分に。その夜に、その文書には載っておりませんけれども、会社は、職制に対して、
  一、会社は、十二日以降、基本方針どおり休止する
 二、組合が車を運行する場合は妨害する行為はとるな
 三、燃料は援助するな
 四、集めてきた金を組合員が取り扱ってくれというときはちょうだいせよ、持って来ないときは違法行為として摘発する
 こういう指示を、仮処分が十三時三十分に出ているのに、その夜の九時三十分に職制に流しておる。
 そこで、組合としては、何とか自主管理をしたいという――自主管理と言いますとまたかどが立ちますけれども、自主運行をしたいということでいろいろとやってみたけれども、何しろ管理方式というのはむずかしい。それで、それじゃもうやめよう。ただ、組合の立場に立てば、運行をして県民の足を守りたいから、車を動かしていいのか悪いのかどうなんだ、そのことを確認しようじゃないかと、現地にみんな配置につきましてこういう確認を組合はやっている。
 一、十一月十二日の勤務者は、全員平常どおり出勤して差しつかえないか
 二、所長、点呼執行者の指示により、所定の業務に従事してよいか
 三、したがって、運行その他の業務に必要な諸条件について会社の責任において充足してくれるか
 こういうことを各営業所の所長にこの地域の労働者が尋ねた。そうしたら、それに対して、小野町学業所というところが一つだけしていいと言ったから、そこだけは運行をしたんですよ、労働者は。お昼前になって、十一営業所がしてもよろしいというので、営業をした。それで、あとは、十一時五十分ごろに、知事が、組合に、とにかく運行してくれ、わしが一切の責任を持つということを言ってきたから、直ちに組合は指令を出して、十二時から運行をした。
 会社の社長の発表は、新聞その他放送でかってにどんどん発表するけれども、組合には一言も休業や解雇やその他の問題は言わんで、外へ向かってどんどん発表している。昼の一時三十分にそういうことをやめろという仮処分が出ているのに、その夜の九時半に、職制を通じて、営業所の所長なんかには、既定方針どおりやるのだと。営業所の長としてはどう言うて答えていいかわからぬという状態で昼まで過ごして県民の足を放棄した。そういうことをやって、これは組合にも責任があるとか会社にも責任があるというようなことを周囲の人が言っている。けしからん話だと私は思う。具体的にとにかく営業を休止するということはできない状態の中で、午前中営業を停止した。この問題の半日間の、労働者は働こうと思って配置についているのに、こんなかつてないことをして、交通の便を午前中足を取ってしまった。それは、認免の立場からすれば、そこのところを明らかに監督官庁としてはすべきだ。
 それからあとへ進んでいくわけですけれども、そういう状態で、いまあなたがおっしゃったように、運賃値上げをしていないから七億二千万円の損害が起きたから告発をするんじゃ、六百名を首切るんだ、そうして団交もしないんだ、ことしの暮れのボーナスはやらない。労働者は、いつ首切られるか、全員解雇というようなことを言われるような不正常な状態で、一人として安定した労使関係というものが続いていない。不安定以外に何物もない。それに次から次へ解雇を出してきて…これはあとの段階です。
 私は、この十二時までとまったということを監督官庁が明らかにしておったならば、こういう問題出てこないと思う。その点については、あとで言います。何を警告されたかと思うと、欠便があるから、欠便を直しなさいという警告をされたといまお聞きしたのですが、私は、監督官庁の立場から――労働問題じゃなしに、監督官庁の立場から言って、運輸省の監督行政というものはそれでいいのかどうか。好きなことを言わしておいて――あなたのほうが言っているとは私は言いませんけれども、これがあなかも労使等分の責任があるんだなんて、とんでもないことだ。三千人をこえる労働者が、県内一円を持っている。組合労働者は、交通の便でありますから、何とかしてこの足を守りたい。自主運行をどうしたらいいか。たとえば生産管理や経営管理のようなものじゃできるかどうか。いろいろの問題を考えてみたけれども、なかなかむつかしい。むつかしいけれども、その日の朝一番に出てきてどうしたらいいかということにその所属の長が答えられないということで、会社は労働組合にも何も言うてこないで新聞でどんどん発表して、その裏でそういう指示があったということも耳に入っているわけですから、営業所ごとに行かなければ、社長に聞きに行くわけにいかん。会いもしませんでしょう。それに聞きに行ったら返事ができぬ。そういうことで自動車がとまったんですよ。その自動車がとまって、県民の足を半日間奪った。これに対して、それじゃどういう責任をとらせるんですか。
    ―――――――――――――
#12
○委員長(山本伊三郎君) 委員の異動について御報告いたします。
 本日、柳岡秋夫君、藤原道子君が委員を辞任され、その補欠として森勝治君、村田秀三君が選任されました。
    ―――――――――――――
#13
○説明員(蜂須賀国雄君) 先生からお話がございましたように、当初福島交通のとまりました会社側の意思が、十一月の十二日以降事業を休止しようとしていたということは、陸運局の通告あるいは新聞公告等に照らしまして明らかであると思っております。それで、十一月の十一日になりまして福島地裁が会社側の行為を差しとめるための仮処分を行なったわけでございますが、その後の会社側の意思が非常に明確でないわけでございまして、これを現在もいろいろと調べておるわけでございますが、いずれにしましても、とまったことは事実でございますので、会社に対しましてはもちろん厳重に注意はいたしております。ただ、これにつきましてどうするかということにつきましては、現在事実関係がはっきりしないような状態でございます。
#14
○藤田藤太郎君 事実関係がはっきりしないと言ったって、自動車が動いたのは十二時ですよ。その混乱の状態の中で知事が乗り出してきて、あと起きることについては責任を持ちますから動かしてくださいと言って、はいよろしいと言って労働組合がそれに協力して自動車に乗った。各営業所の所長に聞いてみてもわからぬ。各営業所の頭の中には、十二日以後休む、全員解雇ということだけは通告されておる。その状態だから、営業所長に聞いてみたって返事ができないわけです。その状態で十二時までバスがとまった。労働者は、そこでちゃんと待機をして、正常な運行をやるために県下にもむろん声明していたでしょう。県民の足を奪っちゃいかぬ、そんなことがあってはいかぬということで待機をして、いつでも、四時に、五時に発車ならいつでもハンドルを持って県民の足を守るために動こうとしている。その所長の指示がないから動けない。会社のほうでは仮処分があって、その夜にまた重ねて仮処分ということが新聞やラジオ、テレビに出ますから、そのほうにかぶせて既定方針どおりやるんだというように営業所に言われたら、それはあなた返事できませんよ。やりたいという気持ちは営業所の責任者はあったかもしれないが、それはやれないじゃないですか。そうして、綿々として十二時までバスが全部とまっちゃった。その責任というものはだれがとったかというと、知事ですよ。私があとはどんな責任でもとりますから動かしてくれと知事が言うて、よろしいと言って組合が動いた。全員解雇を言い渡され、そして休業を言い渡されている労働者が、交通労働者の責務においてこれを運行したんですよ。それでなければ、だれがしますかいな。あした首だ、きょうから首だと言われている人が、この場合、交通事業でなければそんなことはやりませんよ。そういうことをやっている労働者に対して、次から次へ問題が出てくる。あるいは、労使双方に折半の責任があるというような言い方をあっちこっちでする。会社ばっかしじゃありませんよ。そういうことでいい気になって次から次に首切りをやっていく。ここのところですよ。問題のここのところを明らかにしないから、何をやってもいいんだ、監督官庁に来て七億二千万円の運賃値上げ問題で損害があったから告発してやるんだ、六百人の首を切ってやるんだと。そんなことを監督官庁に言えた義理ですか。住民の足を守る事業、最も公共的な事業の責任者が、そんなことを言えた義理じゃないじゃないですか。そんなものに免許をおろしているというところにも問題がある、私はそう思う。そんなものに免許をおろして、あとから欠便の警告をしているというようなことじゃ、私はとんでもないことだと思う。そこのところを運輸省がはっきりしてくれたら、いまのような不安定な雇用関係というものはなくなっていく。それだけの責任を労働者が持ち、会社の経営をする人も持つという体制を運輸省がつくるべきだと、私は思う。だから、この点は、いま直ちに答えられぬとおっしゃるなら、この点については探くメスを入れて、そして公共事業として認免をしているような経営者に対しては許さないことだ。ストライキならストライキ、賃金、労働条件を対等な立場できめるために労働三権で与えられた対等だという、法律で認められた、基準法でも認めているそのもとにおいての行動なら、これは社会も国も認めている。しかし、なんにもなしにこんなことをやっていいんですか。私はこのところを明確に運輸省としてはしてもらいたい。そうでなければ、この争議というのはいつまでたったって解決しない。争議と言えるかどうか。そこまで私はいま発言をしましたけれども、争議と言える言えぬの問題、争議以前の問題である、私はそう思う。だから、運輸省が、監督官庁として、この点を何らかの形で深くメスを入れて明らかにしてもらいたい。そのお気持ちがあるかどうかを聞きたい。
#15
○説明員(蜂須賀国雄君) これに対しまして、先般社長が参りまして、その話では、裁判所の仮処分があったから当然車は動くのであるというようなことを言っておりますので、そのために事実関係がはっきりしないと申し上げたのでございます。さらに事実関係をよく調べまして、何らかの処置をとりたいと思っております。(「そんなことを言っておってだめじゃないか」と呼ぶ者あり)
#16
○村田秀三君 私も、ただいまの問題に関連して、少し伺ってみたいと思うのですが、十二日にバス運休という事件が発生したわけでありますが、その前に各営業所長が営業所長という資格を剥脱されておった事実、これを承知しておるかどうか。
#17
○説明員(蜂須賀国雄君) 現地からそういう話は聞いておりました。
#18
○村田秀三君 調べれば事実を確認できるわけですが、そこで一つ聞いてみたいと思いますのは、道路運送法第二十五条の二「運行管理者」の項でありますが、そうしますと、十二日の時点には、あるいは十一日の時点もそうであろうと思いますけれども、営業所長の資格を剥脱をして、かわりに運行管理者を指定したかどうか、その点を確認しておるかどうか。
#19
○説明員(蜂須賀国雄君) 営業所長について社長がそういうことを言ったというようなことを聞いておりましたけれども、現実に営業所長がかわりまして代務の運行管理者を発令するという手続は、こちらへ来ておりません。
#20
○村田秀三君 運行管理者はいなければならないんでしょう。
#21
○説明員(蜂須賀国雄君) そうです。運行管理者は要りまして、かわる場合には別の運行管理者を任命するわけでございます。
#22
○村田秀三君 その辺のところを確認していただかないと困るわけでありますけれども、私は、十二日の早朝、各営業所を回ってみましたところが、営業所長は、おれは所長ではない、電話当番である、そういう指示きり受けておらない。したがって、バスを出していいやらいけないとかどうとかいうことは言明できない。これが私が会った何人かの所長の明言でございます。こういうことになりますと、その営業所にはかわりの運行管理者もおらなかった、当然こう理解してよろしいと思います。そういう実情を御存じですか。
#23
○説明員(蜂須賀国雄君) 明確に存じませんが、その後の経過を見ておりましても、営業所長としてまたその人が事務をやっているわけでございまして、そのときに一時的にどうなったかにつきましては、よく事情を存じません。(「よけいなことを言わないで、質問に答えろ」と呼ぶ者あり)
#24
○村田秀三君 その事実をまず調査しなければならないと思います。これは、もしも、いまになりましてそれを否定するようなことがあるとするならば、私が直接聞きました営業所長に面接をいたしまして同道いたしましてもけっこうでございますが、確認をしたいと思います。
 そこで、言い得ることは、当日は第二組合のバスは運行しておりましたね。
#25
○説明員(蜂須賀国雄君) そのとおりでございます。
#26
○村田秀三君 そうすると、資格を剥奪された営業所長が、第二組合のバスであるならば運行してもよろしいというようなことが言えるのか言えないのか、どう判断いたしますか。
#27
○説明員(蜂須賀国雄君) この点、非常に微妙でございますが……(「微妙じゃない」「そんなことは明らかだ」「責任転嫁をするな」と呼ぶ者あり)事実を調べます。事実をよく調べてみます。
#28
○村田秀三君 事実を調べて、そういう事実があったとすれば、第二十五条の二違反であるということは明らかですね。これは確認しておきます。お答えをいただきたいと思います。
#29
○説明員(蜂須賀国雄君) 運行管理者がなくなっておる場合には、もちろんそうでございます。
#30
○村田秀三君 その答えをいただきまして、その事実があることをひとつ御調査願いたい。そして、その調査の経過を本委員会に報告をしていただきたいと思いますが、いずれにいたしましても、当時の状態、それは営業所長の資格を剥奪をし、ないしは前もって解雇通告をしたというような状態の中では、これは会社の形態、いわゆる公益事業としてのバス会社の形態というものは存在しておらない、私はすでにそう見るわけです。
 次に、もう一点お伺いをいたしますが「民友新聞」に電車、バスの全面運休の社告を出しましたのは、先ほど私は聞き漏らしましたが、何日ですか。
#31
○説明員(蜂須賀国雄君) 十一月の十日でございます、「民友新聞」に出しましたのは。
#32
○村田秀三君 そうすると、自動車運送事業等運輸規則に、「事業の休止及び廃止の揚示」、こういう事項があります。これは法律ではありませんが、「事業の全部又は一部の休止又は廃止について、法第四十一条第五項の規定により掲示するときは、緊急やむを得ない理由がある場合を除くほか、休止し、又は廃止しようとする日の少なくとも七日前にこれをしなければならない。」と、こういう規則があるわけですね。そうしますと、社告をいたしましたのは十日でございますから、要件は満たない。と同時に、十二日の当日、実際に運休をする段階になりましても、これは各営業所で少なくとも会社の責任においてバスの運休を公示しなさい、書いて張り出しなさいと、むしろ責任を感じたバス労働者が営業所長等にそういう交渉もやっておる。にもかかわらず、その営業所長は、私は所長の権限はございませんから、その責任もございませんということで――バスの運休を掲示した営業所があったならば私はお伺いしたいと思います。
#33
○説明員(蜂須賀国雄君) 掲示については、聞いておりません。
 なお、運行拒否につきましては、さっきも申し上げましたように、陸運局長から、許可が要るからという運行拒否に対しまして警告を出したわけでございます。特にその掲示については聞いておりません。
#34
○村田秀三君 私の確認した範囲では、これは一営業所もないということです。
 そこで、私が申し上げたいことは、わずか十一日、十二日の時点でございますが、少なくともこの二つの問題はいわゆる法律違反を犯しているということです。
 終わります。
#35
○藤田藤太郎君 前段の十二日の運転休止、全員解雇をめぐったいろいろの問題を運輸省としても、社会に明らかにしないと、こんな不正常な経営者に一日二十七万の県民の足を守る定期的な公益事業を渡しておくわけにはいかないと、私はそう思う。だから、それについて監督官庁が何らメスを入れないでこのまま済まされるということは重大問題だと思う。国民全体の国政を議論する国会としては、これは許せることではないと思います。運輸省としては、やっぱり国民にこたえる処置をとってもらいたい。
 そうして、運休した、足を守らなきゃいかんという熱心な労働者が営業所長に言っても、それはやってもいい悪いという返事もできぬような状態で、十二時から一斉に運行したのでありますけれども、午前中の賃金はカット、これは労働問題だから、労働省の見解を聞きますけれども、そんなことも行なわれているじゃありませんか。
 それから期末手当は、年間十万円ときめて、五万円ずつもらうというのを、今度は払わぬ。払わぬどころか、運賃盗人やから政府を相手どって告発してやる、そういうことを言っている。そうして、営業所には運行指示をする人も置かない営業所があるという。だから、健康の管理もできない、労働時間、疲労状態の管理もできないという状態である営業所があるという。ここらをつぶさにお調べになっていることだと私は思いますが、どうでございましょうか。
#36
○説明員(蜂須賀国雄君) さらに詳しく調べたいと思っております。
 なお、これによりまして運行管理につきまして調べたのでございますが、現在一応営業所長が運行管理者になっております。その営業所長が非常に不在がちであるというような状態が実は出ております。そういう面で不適切な点があると思いますが、これにつきましても十分さらに調査いたしまして措置をとりたいと思っております。
#37
○藤田藤太郎君 大体、きょうは十二月十四日ですよ。一カ月過ぎているんですよ。いま時分から調査しますなんて言って、二日か三日か一週間でできるはずです。あくる日に乗り込んで行ってもできるはずです。それを一カ月も済んでから、調査をこれからいたしますじゃ、事は済まぬと私は思う。そうでしょう。運輸省というのは、認免のことだけしたらいいという行政庁じゃない。たとえば、オーバー・タイムはどうやっているか。交通事故のために、三百六十五キロのタクシー運転者の規制をして、これから三百五十キロにというぐあいに規制をして交通安全のためにおやりになっている。労働時間もそうであります。労働時間の延長その他は労働省の所管だから知らぬということで運輸省が免許を出すべきものではないと私は思う。どうですか、その点は。そういう点については認免をするあなたのほうが一言もなかったのでありますけれども、佐藤内閣の労働政策に沿って主権在民の国家にふさわしい業務状態が行なわれておるかどうかということがまず先に立って認免の問題が生まれてくる。労働者が働いていて倒れてもそんなことは知っちゃいない、自動車さえ動いておったらいいということで認免する運輸省じゃないと思う。労働者の管理も、よい車でよい状態で県民の足を守るということも、これもみんな免許申請の認免のときに出てくるものだと思う。
 民営監督部長がおいでになっておりますけれども、この前の江若鉄道のときでもそうです。鉄道さえ敷いたらいいというて認免する運輸省なら、何の意義がある。そうでしょう。江若鉄道五十キロの沿線を昭和の初めから三十何年間やっているのに、新しい国家計画で湖西線という線路ができる。理屈に詰まってきたら、鉄道を買うたのじゃない、土地だけ買うたんだ、そこで長年働いている者は知っちゃいないというものの考え方がここにも出てきているような気がする。われわれは断じて許さない。国民は許しませんよ、そんなことは。同じ法律に基づいて三十何年間営業してきた江若鉄道を、その鉄道を買うのじゃない、その土地を買うのだ、だから従業員のことは知らぬと言われた。ここで断じてそんなものは許さぬ。
 それと同じじゃないですか、これは。形こそ違うけれども、同じことじゃないですか。自動車だけ動いておったらいい、そこで働いている労働者は野たれ死にしようと何しようが知っちゃいないというものの考え方じゃないですか。それでも、労働者は、それだけ熱心にいまの問題を提起して、十二日から今日まで運行しているんです。交通労働者としての責務を果たしている。それにこたえて行政が進まなければ、今日の住民主権の国家体制といいますか国家の姿というものとは大いに違ってくると私は思う。そんなことまで気を使ってきたら、この時点は何が起きたか、どういう原因でこうなったかということくらいは、旬日において調べる正義感というものがあなたに生まれてきているはずです。運輸大臣に生まれてきているはずです。生まれてこないというところに問題がある。だから、それはひとつここでお約束を願いたい。あの事態に立って、単に事なかれだけでは済まされない。あの問題はきちっと明確にその間の責任はしてもらいたい。その間の午前中の賃金をカットする、期末手当は約束をしているやつもやらぬと、こういうことを平気で堂々と新聞に発表している。約三百三十名の解雇が発表されている。あなたのほうには六百人首切るというのですから、順次これは首切りが出てくるでしょう。十一月二十八日に百五十人ですか、十二月二日にまた百五十人、こういうぐあいにしてだんだんだんだん首を切る。三千人からいる労働者が不安定で働けないじゃないですか。個人の感情にさからったらみな首切るという勘定じゃないですか。何も労働者がそんなにたくさんの人が社長と会うわけじゃなし、会社の都合で首切りますということで、それは予告をしたり、内容証明を送ったり、手続くらいはされているだろうけれども、そんなもので首切られて、手紙が一本来たら労働者はあすから首がないということでは、労働者は不安で働けますか。そういう問題が影響しているんですよ。大きな遠因なんですよ。私は、だから、きょうは、その事態を明らかにしてもらいたい。そして、私は、県民の足を奪ったりかってなことをして公益事業の認免を受けている者が資格があるのかどうかということを明らかにしてもらいたい。国家、国民にこたえている仕事をしているのかどうか、そのことを明らかにしてもらいたい。
 それで、私は引き続いて労働省にお聞きしますけれども、労働省のつかんでおられるこの実態の動きについて御報告を願って、どういう処置を講じてきたかということを明らかにしてもらいたい。
#38
○政府委員(松永正男君) ただいま、運輸省のほうから、主として十一月十二日の事件を中心にして御報告があったわけでございますので、その部分の重複いたす点は省略をさせていただきまして、労使関係、労働問題の面から見ました福島交通における状況につきまして、かいつまんで御報告を申し上げたいと存じます。
 福島交通におきましては、昭和四十年におきましても紛争議がございまして、夏期一時金問題をめぐりまして紛争が発生いたしたわけでございますが、この機会に織田大蔵社長が退職をしまして、次男の人が社長になったのでありますが、この新社長と労働組合との間におきまして協定等も結ばれまして、労使関係といたしましては逐次正常化の気運が芽ざしておったというふうに考えられるのでありますが、本年の七月になりまして再び現社長が社長に復帰をしまして、その以後、前社長との間に結ばれました一切の協約、協定を認めないということから破棄通告をいたしまして、これが発端でまた労使の間に紛争が生じてきておるというふうに報告を受けております。
 その後、八月になりましてから、会社側から、第一組合の役員を含めまして二十二名の解雇をいたしました。それから引き続きまして解雇者を増加いたしまして、合計三十五名の解雇ということになったわけでございます。これに対しまして、第一組合は、組合に対する不当労働行為であるということで、十一月の四日以降争議行為を行なうという旨の予告通知をいたしております。また、一方におきまして、十月の三十一日には、福島地裁に対しまして、解雇されました三十五名の人たちの身分保全の仮処分申請をいたしております。また、一方、地労委に対しましては、十一月の六日に、不当労働行為の救済の申し立てを行なっております。このような状況の中にありまして、会社側からは、組合に対抗いたしまして十一月十五日以降ロックアウトを行なうという旨の予告通知をしております。
 そのような状況であったのでありますが、十一月の八日になりまして、先ほど運輸省から御報告がありましたように、織田社長が記者会見を行ないまして、会社の解散を前提とする先ほど御報告のありましたような意思表明があったわけでおります。また、その内容が十日には新聞紙上に掲載された。それからまた、電力会社に対しては、高圧電力の供給を中止してほしいというような申し入れをする。そして、また労使紛争という問題が続いておったわけでありますけれども、織田社長の言明におきましてはこの問題は労働問題ではないというようなことがございまして、十一月十二日の事件を迎えたのであります。結局、労使紛争という問題がありながら、さらにそれに他の要素が加わりまして、十二日に全面運休するという問題に発展をしたわけでございます。
 それで先ほど御質問にありましたように、この間におきまして、組合側は、県民の足を守るための正常運行を確保するという方針でいろいろ苦心されたようであります。そこで、組合といたしましては、労働組合の自主運行ということが合法であるか、できるかどうかというような検討も非常に真剣にされました。と同時に、他のバス会社の臨時運行などによって主要路線の運行を確保する対策はどうかというようなことも検討をされたようでございます。この問におきまして、第一組合の書記長が少数株主の立場で地裁に対しまして仮処分の申請をしたのでありますが、十一日には、つまり十二日の前日でございますが、地裁から仮処分の申請に対する仮処分の決定がございました。それは、先ほど御報告があったとおりでございます。それから十二日の経過につきましては、先ほど運輸省から御報告がございましたので、省略をいたしますが、結局、会社としては、地裁の仮処分に従いまして、電車、バスは運行をする、会社解散、全員解雇は撤回するという旨の発表がありまして、十二日をめぐる問題は一応落着したように見えるのでございますけれども、労働問題といたしましては、依然としていろいろな問題が残されておるのでございます。
 一つは、団体交渉の問題でございまして、第一組合のほうから会社に対しまして団体交渉をしたいということを文書をもって申し入れを何回かしておるようでありますが、会社側としては解雇された者とは交渉しないという主張を続けておったのであります。この間におきまして、十一月の二十五日には、地裁から、前に申し上げました身分保全の仮処分申請に対しまして、三十五名の身分保全と、それから組合役員を除く二十四名の賃金支払い、これを認める仮処分決定が出されました。これに対しまして、会社のほうは、仮処分に対しては本訴で来いという方針でありまして、この仮処分を認めないということから、地裁は十二月の六日に強制執行を行ないまして、二十四名分の給料相当額を取り立てるというような事件がございました。さらにまた、十一月の二十五日が給料支払い日になっておるようでございますけれども、資金繰りの関係で支給日に支給ができないというようなこともありまして、労働基準局から警告を行ないまして、二十九日に給料の支払いができたというような事件もありました。
 ところが、その後におきまして、会社側としては、合理化のために大量の人員整理をする必要があるということで、二十八日には、バスガイド五十名、洗車夫九十六名の解雇の通知を行なうというような新しい問題が出てまいりました。それからまた、これらの解雇問題のほかに、いわゆる三六協定締結という問題がございますが、基準局の指導等もこれに対して行なわれましたけれども、会社側は、先ほど申し上げましたように、解雇された組合役員とは協定を結ばないという態度をとっておりますので、三六協定が結ばれないという実態がございます。この間におきまして、総評、私鉄総連等の代表の方々が時の早川労働大臣に会見を申し込まれまして、労使関係の正常化について労働省に対して善処方の要望もございました。それからその後におきましてさらに人員整理を十二月に入りましてから会社側が通告を行なってまいりまして、運転手百名、ガイド五十名というような人たちに対して解雇通知を送るというようなことがございました。織田社長の言によりますというと、六百名の人員整理が必要だということで、先ほど御指摘がございましたように、三百数十名の人たちに対して現在までに解雇の通知が行なわれ、それからさらに来年以降、六百名までの解雇をするというようなことを表明をいたしております。
 なお、組合との間におきましては、年末一時金の問題がございまして、この年末一時金につきましては会社は目下払わないということを言っているようでございます。しかし、十二月分の給料については、できるだけ支給するというような態度を表明しているように聞いております。なお、会社は、正常な業務運営に支障があるという理由で、福島地裁に対しまして、組合員が本社に立ち入ることを禁ずる旨の仮処分申請を出しておりまして、近く第一回の審問が行なわれるという予定であると聞いております。
 このような事態に対しまして、組合側といたしましては、十二月十二日に、総評、県労協、私鉄総連、東北地連と単組との五社共闘会議というものを開催をいたしまして、解雇の撤回、それから現執行部を認めて団交を開催しろ、未払い賃金の支払い、期末手当を協定どおり支払え、認可どおりの運行を確保せよ、労働協約の不履行その他一切の労働問題の係争の解決という六つの項目を会社に対しまして要求をいたしまして、十二月二十日までに書面回答を求めております。その回答が不満の場合には、二十二日の始発から二十四時間ストを実施するということを決定をいたしております。
 以上が、労使関係、労使問題をめぐります概況のごくかいつまんだ御報告でございます。これに対しまして、労働省といたしましても、先ほど御報告がございましたようないろいろな御要望等がございまして、われわれといたしましても、出先の労政機関を通じましてできるだけ正確な情報をキャッチをすること、それからまた、出先機関においてこの問題の解決のためにできます手をできるだけ打つこと等の指導をいたしておりまするけれども、先ほど来御報告がございましたような状況でございますので、問題が相当こじれてきておるのではないか。しかし、まあ第一次的には労政機関のほかに独立の労働委員会として紛争を処理する地労委がございますので、われわれといたしましては、紛争処理として、地労委におきまして提訴されました不当労働行為の処理、並びに現在係争中の問題につきましての調整が的確にできることを期待をいたしておる次第であります。
 なお、基準局関係につきましては、また別途御報告があるかと存じます。
 以上でございます。
#39
○政府委員(村上茂利君) 労働基準法関係の問題としましては、今日までの経過の中に大別しまして三つの問題がございまして、第一は賃金不払いの問題、第二は解雇の問題、第三は三六協定の問題でございます。
 賃金不払いにつきましては、ただいま労政局長からも報告がございましたとおり、内容的に申しますと三つの問題があるのでございますが、その第一は、十一月二十五日に支払うべき、十一月分の賃金一億二千百七十六万円が支払われていなかったという件につきましては、十一月二十七日に社長代理の稲田取締役を福島の労働基準局に出頭せしめまして、支払いを厳重に勧告いたしたわけでございますが、これは十一月二十九日に全額を払ったということに相なっております。
 それから賃金不払い問題の第二の問題は、先ほど藤田先生からも御指摘がございましたが、十一月十二日午前中における就労しなかった労働者に対する不就労時間に対応する賃金差し引きの問題でございますが、労働者数約一千五百名、金額約三十九万円につきまして問題があるわけでございます。本件につきましては、他の案件と違いまして、労働基準監督機関にまだ申告という手続をとりましての措置がなされておりませんが、問題の存するところは私どもも承知いたしております。この事項は、先ほど労政局長の報告の中にもございましたように、団交事項となっておるようでございます。このカット分については、労働者一人一人の事実の把握その他の問題がございます。この点につきましては、私ども、問題の所在を承知いたしておりますので、今後の団体交渉等の状況とにらみ合わして適切に処置をいたしたいと存じております。
 それから賃金不払い問題の第三でございますが、第一次、第二次、第三次にわたる解雇者のうち三十五名が福島地方裁判所に地位保全仮処分命令申請をいたしておったのでありますが、十一月二十五日にその申請を認める決定がございました。そして、組合専従者十一名を除く二十四名に対しまして十一月分以降の給料支払いが命ぜられたわけであります。ところが、会社はこれに応じなかった。そこで、十二月六日に八十五万三千五百五十七円につきまして強制執行がなされた、こういう経過をたどっております。問題がそういう形で処理されておりまして、労働基準法二十四条の問題ではございますけれども、このような裁判手続がとられておると、こういうことでございます。
 第二の解雇の問題につきましては、八月十九日以降十二月二日までの間に総数三百四十三名の即時解雇または解雇予告を行ないましたが、そのうち十五名については労働基準法第二十条に基づく解雇予告除外認定申請が所轄の労働基準監督署長に提出されましたので、慎重に審査をいたしました結果、六名については認定し、五名については不認定の処分を行なって、残りの四名については目下慎重に調査しておる、こういう現状にございます。その他の者につきましては、労働基準法で定められた手続がとられております。
 第三に、三六協定の締結の問題でございます。どうもこのケースも、通常の場合ですと、使用者のほうが三六協定の締結を申し入れて、労働組合がそれに応ずるかどうかと、こういうことなんですが、今回の場合はやや趣を異にいたしておりますわけでございますが、三六協定の有効期間満了後、協定が締結されないままに時間外及び休日労働を行なっているという旨の申告がございましたので、十一月二十七日に労使に対しましてその締結について指導を行なったわけでございます。先ほど労政局長から執告がございましたように、会社側は、すでに解雇した者が協定当事者になっておるといったような理由でこれを拒否しておるわけであります。そこで、労働基準法違反の問題が生ずるわけでありますが、一方においては県民のための直接的なかかわりを持つ問題でございますので、この問題の処理には慎重を要するわけでございますが、ただいまのところ、大部分は運行計画に基づきまして労働時間の処理があらかじめ予定し得るような状態になっておりますので、法的に見ますると、労働基準法三十二条第二項のいわゆる変形八時間労働者といったような見方もあるわけでございます。しかしながら、正常なあり方は、三六協定をすみやかに締結いたしまして問題なく処理されるということが望ましいわけでございますので、今後もこの点につきましては強力に指導を進めてまいりたい、かように考えております。
 なお、労働省といたしましては、従来労使紛争中の事業場に対しましては監督を差し控えるということをたてまえにいたしておりましたが、本件につきましては、事柄が非常に重大であるということと、関係行政機関の申し合わせもございましたので、十二月四日に九営業所につきまして一斉に監督を実施いたしたようなわけでございますが、その結果、以上申し上げましたような問題のほかに、年少者の労働時間等の違反が認められましたので、十二月十三日にこの是正につきまして厳重勧告をいたしたような次第でございます。今後におきましても、労働基準監督機関といたしましては、こういった法違反の起こらないように十分監督指導いたしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
#40
○藤田藤太郎君 労働省の経過の報告を聞きましたけれども、いま御報告されたような全くこれぐらい不安定な労使関係が続いているところはないと私は思う。労使問題の調整事項が上がっていくのが中央労働委員会であり地方労働委員会で、それが正常な労使調整を行なうための機関として最もその地域の信望に沿って仕事をするところだと思う。労働省の中に入って云々ということは行政の問題でなかなかむずかしいと。それは私もわかる。しかし、労働委員会が全く正常公平にこの争議に取り組んで活動してきたかどうかということについては、私は疑問を持っている。たとえば、労政局長のお話にありましたように、次男の人が社長になって正常な関係で取りきめをした。今度は、おやじの大蔵氏が社長になったら、いままでの協定は全部破棄してしまう。破棄してしまって、解雇を自分がかってに会社の都合で宣告しておいて、団体交渉をしないといって、三六協定もできていない。いままでの取りきめた協約の問題やその他が全部破棄されているという状態は、これはたいへんな問題だと私は思う。このことは、労働省労政局としては厳重に申し入れて処置をさせなければいかぬ。監督に関する問題は、労働基準局がありますね、県には。そして各地に監督署があるわけですから、安全衛生やまたは健康のたてまえからする違反行為、三六協定がどういう状態にいままであったのかということも私は明らかにしたい。とにかく、三六協定は、自動車やバス会社で一日の時間外労働を八時間も十二時間も結んでいるというようなことを基準局は黙って見ているのかどうかというようなことも問題だと思うのです。まあここにあるかどうかわかりませんけれども、えてして、いま三六協定がないのに、会社の書いた運行ダイヤでとにかく車が動いている、そして労働者の健康や安全が守られるかどうかということになると、私が心配することは、そのために過労やとかその他によって事故が起きるというようなことになったら、国家国民にとって大損害だと思う。運輸省の監督行政もありますけれども、労働省もやはりそういう人間尊重という立場からの監督行政というものは厳重にやってもらわなければならぬ。いま、十二月八日に立ち入り検査をされたようでありますけれども、私はそういう点は基準法に照らしてどうであったかということをやはり明らかにしてもらいたい。それは三六協定適用を打ち切っておりません。しかし、おのずから八時間労働の一週間四十八時間という大原則、新しい産業国は四十時間制というものがしかれて、それ以上労働というものについては、一日の八時間労働の上に八時間も十時間も三六協定で時間外労働が結ばれているというなら、一時間とか、二時間とか、おのずからの許容する限度によって三六協定というものは結ばれるというぐあいに、運輸省もそうでありますが、労働省も指導すべきだ。そういうことなしに運輸省は認免してはいけませんし、そしてまた、労働省もそういう監督は厳重にしてもらいたい。きょう一日でこれからこまかいことをやるわけにはまいりませんけれども、しかし、そういうことが明らかにならない限り労働者は守られない。一日二十七万の人命を預かっておる事業であるということに認識がわいてきたら、いまのような不安定な状態は生まれてこない、私はそう思う。私は、局長さんや部長さんやいまおいでになっている皆さん方のお気持ちというものは、そういうことになってもらいたいし、そういうことをやっていただけるものだと思う。ところが、現実の問題はそうでないところに問題が起きるわけですから、それを私はやっぱし明らかにしてもらいたいと思うのです。中労委をどう鞭撻してもらったか。地労委の報告もとってもらって、正常な労使関係にいくように中労委をどう鞭撻したか。私はこれは正確じゃありませんけれども、あれは労使の両方の責任じゃというようなことを言っているとか言っていないとか、もしも地労委の責任者がそういう事実であるとすれば、最も身近に見ているこの問題について、あまりにも軽率というか、そういう人が地労委の会長でいいかどうかということをさえ疑うわけでございます。その点の今後の指導をやっていただきたいし、基準局長には、いま私が申し上げましたように、いままであった就業規則がどんな就業規則が守られておったか、運行ダイヤがどうなっておったか、衛生安全の管理がどうなっているかということをつぶさに調べ上げて、そうして厳重に法に照らして実施するようにしていただきたい。
 いずれこの問題についてはあとであらためて私は明らかにしたいと思いますが、そういう覚悟でやってもらわなければ、十二日に電車バスがとまったのは労働者に責任があるんだというようなことで賃金カットまでする経営者で、監督官庁が知らぬ顔をしている――知らぬ顔をしているかどうかわかりませんけれども、一カ月か二カ月、今日までたっておりましてもその点については一言も触れていないという運輸省の態度じゃ、織田大蔵社長はわが天下成れりと考えているのではないか。だから、監督官庁に対して、運賃値上げを政府がせぬから七億二千万円損をした、わしは告発して国と争うんだというようなことを言うようになるんですよ。おれの気に入らぬのやそれから事故が起きるようなのはみな首だとかってに首を切っておいて、その首を切った者が組合の役員に入っているから団体交渉はしないと。これは、あなた、労働組合法の六条できちっと結論を出してもらいたい。そういういろいろ違反の問題が、地方労働委員会の識見によって、中労委においても明確に審議をされて、正しい結論が出るという体制があったら、悪いことをしたら法律に照らされて処罰を受けるのだという意識があったら、こんなことになっていなかった。その日々の業務について、私は、えらい失礼な言い方やけれども、そういうことを言わざるを得ない。これは私がこれを言っているだけじゃない。いまの周囲の人は超党派で織田大蔵社長に対しての意見を持っていると思う。あまりにもひどいじゃないか。あまりにもひどいものは、ほんとうに立法府が直していく、行政府が積極的に直していくということでなければ、どうにもならぬ。肝心なところをほうっておいちゃいかぬ。運輸省も肝心なところをほうっておくというところに問題がある。私はそう思うから、明確に皆さん約束をしてください、きょうは。
#41
○政府委員(松永正男君) ただいま御指摘がございましたように、地労委が直接の紛争解決の処理機関でございますが、私どもといたしましては、労政関係機関あげて適切な手を打つように努力をいたしたいと考えております。
#42
○説明員(蜂須賀国雄君) ただいまお話がございましたが、ごもっともでございまして、その趣旨に沿いまして適切な手を打ちたいと考えております。
#43
○藤田藤太郎君 基準局長よろしいですか。明確にひとつ資料できちっと出してもらいたい。
#44
○政府委員(村上茂利君) 先ほど申し上げましたように、通常の場合でございましたならば差し控えておりますような監督も積極的に行なうと、こういう態度をとっておりますので、先生の御懸念の点は十分体しまして今後も厳重に監督指導を実施したいと存じます。
#45
○藤田藤太郎君 業務部長さん、それいいですね。直ちにあの十二日の時点においていろいろの問題があってこういう混乱になっているということに深くメスを入れるということをここでお約束していただけますか。
#46
○説明員(蜂須賀国雄君) わかりました。
#47
○森勝治君 関連して、次官に――大臣がおれば大臣に質問したいのですが、次官に質問してみたいと思います。
 ただいま質疑応答がこもごもかわされておりますけれども、これはもう経営者の不当労働行為は明らかであります。これは、次官も労政局長も、藤田委員のただいまの質問の内容については盛んにうなずいておられるから、労働省当局としても、いかにこの福島交通の経営者が逸脱行為不当労働行為が数限りなくあるからということをお認め願ってのうなずいた姿だろうと私は印象を深く持ったわけでありますけれども、経営者というものはもちろん低賃金で苛斂誅求をもって旨としたい本能的な性格を持っておるでしょう。それはそうだと思いますけれども、やはり労働者は働くことによって自分の生活の安定とわが家族をささえていかなければならないわけであります。経営者の立場から申しますならば、たとえば賃金はもちろん本能的に安く雇用したいということはあるでありましょうけれども、交通運輸業の場合には、輸送という業種をもって社会公共に、つまり社会公共的な色彩が非常に濃厚なことは、御承知のとおりであります。と同時に、また、自分が雇用している会社の従業員のその労働者と家族の生活の安定をはかることも、また経営者としては当然の責務だろうと思うのでありますが、私は時間がないから具体的な指摘はいたしませんが、先ほどの幾多の事例が、経営者として怠慢のそしりを免れない問題がたくさんあるわけであります。えてして、たとえば国鉄の場合であっても、何か組合が労働法に基づいて正常な団体交渉あるいは実力行動などをすると、これは逸脱行為だなどと言って世上ややもするとそしりを免れない。国鉄なんかは特に弾圧が激しい、組合に対しては。ところが、民間運輸業者に対しては、皆さんが憤慨するほど手ぬるいことをやっておる。これは何も私どもが労働者の立場を擁護するという意味でなくて、冷静に第三者的な立場から判断いたしましても、福島交通の今回の労使紛争などというものは、全くこれは経営者側の一方的な強引なやり方で、しかも、これは、交通関係のほうの監督がこれを放任しているとか、私はそういうことは申しませんけれども、世上われわれが側面から見ておると、あたかも経営者の自由な放縦なやり方、そういうものを黙って見ておるような手ぬるい印象をぬぐい切れないわけであります。労働者が法律に基づいて自分たちの団結権を行使し、ストライキ権を行使すると、責任追及をすぐばっさりやってくる。ところが、今日のような福島交通の経営者をもって代表されるようなものがこういう一方的なふらちなあらゆる法律違反をやって法律を犯しても、黙って見ておる。まあ基準局長の話だと、今度は特に強い決意をもって臨むと言われるので、これは従来なかった労働省の強い決意だと思って期待をいたしております。
 そこで次官に聞きたいと申し上げましたのは、このことでございます。すなわち、労働者側が法に基づく諸規定によって自分たちの生活をささえるためのもろもろのストライキ等の行動を起こします。ややもすると、経営者がばっさりやる。ところが、片や労働者の生活を守らなければならぬ経営者の責務を放棄しておいて、今日のごとき処置をするようなふらちな経営者であるならば、これは当然経営権の剥奪というような問題にも事が起こってこなければならぬわけであります。したがって、従来もややこういう問題については当委員会でも論議をかわされましたが、今日のようなかくのごときふらちな逸脱した行動というものをこのまま放任しておくならば、これはただ福島交通の一小分野の福島地方の問題にとどまることなく、全国的に経営者がほんとうに刀を抜いて切りほうだい、切り捨てごめん、こういうことになっては、おそるべき経営権の乱用になりますので、当然これはこういう――労働省ですから、労働問題についての御質問をしているのでありますが、そういう労働関係の法規に違反するようなことがかりそめにもあるとするならば、これは当然経営者に対してそういう経営権の停止、剥奪−剥奪という表現が悪ければ、経営者に不適格とらく印を押す、経営者に対する適切なる制約の措置というものが当然とられてこなければならぬわけであります。したがって、そういうことについては、先ほど基準局長のおっしゃる御意見ですと、非常に断固たる措置をもって臨むというかたい決意の表明がありましたから、私はこういう問題について基本的な問題で次官に御質問したいわけでありますが、ひとつそういう問題について、今後検討される意思がありや否や、このことが第一点と、また、そうしなければ、一方に労働者のみいじめられて経営者は依然として安穫と寝て暮らす、暖衣飽食をほしいままにする経営者が次から次へと出てきてはまことに困るわけでありまするから、そういう面からも、私どもはこの点に深く憂いをいたしておるわけであります。したがって、この問題について、労働省の立場で、さらにいま強くおやりになる、それは基準監督の問題だけでありますが、その他の問題もたくさんあるわけでありますが、労働全般としてこれは何も福島交通と限らず、こういうふらちな経営者には断固として全般的におやりになるかどうか、このことについてもひとつかたい決意をお聞かせ願いたい。特に次官は新任早々でありますので、さぞ新しい決意に燃えておられることと思うのでありますので、その点をお聞かせ願いたい。
#48
○政府委員(井村重雄君) この福島交通の問題は、労働問題としては私はかなり特異のケースだと見ております。少なくともことしの七月から現社長が復職再就任をしてまいりましてから、はなはだおかしくなってきたというふうなことは常識的に言い得ると思うのであります。また、いろいろ今日までの経緯を見ておりましてもかなり性格的にもわれわれがちょっとうなずけない点もあるのじゃないかというふうに考えております。また、問題は、監督官庁である運輸省との行政監督の権限とも非常にからんでおりまして、今後、労働省といたしましては、関係官庁と連絡を緊密にいたしまして、一そうの監督指導の点をやっていきたい。ただし、解雇問題とか団交の拒否の問題は、現在当面しておる労働紛争の問題でありまして、地労委の問題ともなっておりまして、労働委員会で審議継続中の問題でありまするから、あまり露骨にこれに干渉するような動き方はいささかどうかと思うのであります。ただし、情報を収集し、また、今後の基準法違反とかいろいろな問題については、非常に監督を厳重にいたしまして、即刻、間髪を入れず手を打ちたい。もとより、労働省というものの第一の使命は、労働者の福祉保護にあるということは第一でありまして、いろいろ今日の近代労働行政は、産業の発展等にも労働者の問題が非常に大きくクローズ・アップされてまいりましたが、やはり第一義的には労働者を保護するということが使命であろうかと考えております。したがって、労働者の首切り等を、あるいは賃金の不払い、労働の過重、こういうふうなことについてわれわれは漫然と見のがすわけにはまいりません。これは不当なる経営者を保護するとか見のがすというふうなことはないように、われわれはかたく決意をいたしております。
 本日のこの委員会における質疑の御趣旨をよく体しまして、十分各機関を督励いたしまして、御趣旨に沿うよう、今後やってまいりたいと決意をいたしております。
#49
○森勝治君 積極的な御意見を拝聴して、期待を持ちますけれども、私が前段で質問申し上げました経営者としてふさわしくない経営者がもし今日のように出ておるような場合に、何らこのことついての制約は現行法ではありません。したがって、これでは従業員をよくしてあげなければいけませんとただ言うだけであって、依然としてこれは野放図な経営者の放らつな経営権というものの乱用があとを断ちませんから、したがって、そういう問題についても、労働者ばかりが逸脱した行為という名のもとにばっさりばっさり首切られて師走の空にほうり出されるような過酷な日本の労働行政では私はならんと思うのであります。したがいまして、ふらちな経営者で、あらゆる法にいわゆる非合法な行為が度重なるような経営者がもしたくさん出る、いまの福島交通のように出た場合に、やはり法によって制裁を加える。会社として一番痛いのは、経営権の剥奪、制限、停止、そういうことでありますから、当然これはそういう問題に今後取り組んでいかれるだろう。ですから、あなたの積極的な御意見の中には、それは御趣旨を体しておやりになるとおっしゃるから、そういう問題も法制化する御意思があるものと私は承ったのでありますけれども、若干その点についてはどうも明確性を欠いたお話と承ったので、この点はせっかく労働省は労働者の役所でございますといって大みえを切られたあなたですから、ふらちな経営者におきゅうをすえるくらいの法制化を検討する、こういう前向きの御意見が当然あってしかるべきものと私は考えますので、重ねてひとつ御質問いたします。
#50
○政府委員(井村重雄君) ただいま御質疑された問題は、きわめて重要な政治問題でございまして、私個人としてお答え申し上げることはどうかと存じまして、これは各監督関係に対し、各省、その他私は大臣ともよく御相談申し上げなければならぬかとも存じますが、できるだけそういうこともよく体しまして大臣に御報告を申し上げて、また、他日何らかの機会があれば御答弁申し上げたいと存じます。
#51
○村田秀三君 時間を経過してすみませんが先ほど運輸省で資料を出すと言っておりますから、この上確認する必要もないと思いますが、一、二点具体的に確認して、次の委員会までその資料の提出をお願いしたいと思います。
 まず、一点は、これは先ほど私のことばにありませんでしたが、藤田理事のほうからこもごも質疑の中で感知できる問題ですが、一つは、十二日のいわゆる混乱、正常運行されなかったことは、これは経営者側の責任であるということ、これは認められますね。これを確認をして、次に資料の問題に入りたいと思います。
#52
○説明員(蜂須賀国雄君) その点につきまして、ただいま申し上げましたように、経営者側について調べたわけでございますが、ちょっとさっき申し上げましたように、経営者側はこれについて裁判所の仮処分があったから当然動くものであると思っておったと言っておったわけでございまして、この点はさらにただいまのお話もございましたので詳しく調べてみたいと存じます。
#53
○村田秀三君 運輸省がそういう態度でおられると、議論も発展させざるを得ないわけですが、そうしますと、福島交通の運営というのは裁判所に一任したのですか。それを認めるのですか。
#54
○説明員(蜂須賀国雄君) そういうわけじゃございません。この運営につきまして休止したことは確かに事実でございますし、これにつきまして、現在、現地のほうに対しましてさらに詳しく調べるように指示しております。
#55
○村田秀三君 そういうあいまいな運輸行政に混乱の発端があると思うのですよ、率直に言って。これはもう明らかですよ。これはもう事実が証明しておるじゃないですか。なぜあなたはこれはこうだということを明確に言えないのですか。地元ではどういうを話しておりますか。陸運局に何か黒い影があるのじゃないかということをうわさしていますよ。それをそうでないという証明をするためにも、これほど明らかな問題を国民の立場に立って白黒を判断するのがあなた方の責任です。それがないとするならば、何のためにあなた方その座におるのかわからない。これはいま再度答弁を求めたいと思いませんけれども、少なくとも事実が証明しておるのですから、そういうあい集いな態度でなくて、責任の所在を明確にこの次の委員会までに出してください。これが一つ。そうして、その資料が不実のものがあるとするならば、さらに追及をしたいと思います。
 二番目は、先ほど私の発言に関連をするわけでありますが、第一点は、第二十五条の二の「運行管理者」の問題、何か代理を指名しておったような話もちらっと聞きましたが、それは日時的にどういう経過になっておるのかどうか。それからそのことを労働者が、まあこの場合は第一組合ということになりましょうが、承知をしておったのかどうかということも含めてこれを明らかにしていただかねばならないと思います。
 次に、自動車運送事業等運輸規則の「事業の休止及び廃止」の掲示の問題について、これも先ほどお聞きのとおりです。
 この二点について調査をして、次の委員会までに出していただきたいと思います。先ほどそれは承知しておったはずでありますから、いまさら否定はなさらないと思いますが、それをお願いしたいと思います。
 調査の方法としましては、これは会社側だけを調査したのでは、遡及する命令ということもあるわけでありますから、日時的な問題に重点を置かねばなりません。したがって、遡及する命令などというものは事実と関連しないわけですから、さような意味では、この場合の当事者である第一組合のそれぞれの営業所なりあるいは責任者の申告なりあるいは事情聴取なりというものを行なって、少なくとも隠蔽のための作為的資料は要りません。これだけ申し上げて、資料の提出をお約束いただきたいと思います。
#56
○説明員(蜂須賀国雄君) わかりました。
#57
○委員長(山本伊三郎君) 他に御発言もなければ、本日はこの程度にとどめておきます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時八分散会
ソース: 国立国会図書館
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