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1967/12/19 第57回国会 参議院 参議院会議録情報 第057回国会 社会労働委員会 第4号
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1967/12/19 第57回国会 参議院

参議院会議録情報 第057回国会 社会労働委員会 第4号

#1
第057回国会 社会労働委員会 第4号
昭和四十二年十二月十九日(火曜日)
   午前十時五十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十二月十九日
    辞任         補欠選任
     植木 光教君     館  哲二君
     森  勝治君     柳岡 秋夫君
     村田 秀三君     藤原 道子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         山本伊三郎君
    理 事
                黒木 利克君
                土屋 義彦君
                佐野 芳雄君
                藤田藤太郎君
    委 員
                川野 三暁君
                林   塩君
                山下 春江君
                山本  杉君
                横山 フク君
                大橋 和孝君
                藤原 道子君
                柳岡 秋夫君
                小平 芳平君
                片山 武夫君
   国務大臣
        厚 生 大 臣 園田  直君
   政府委員
        厚生政務次官  谷垣 專一君
        厚生大臣官房長 戸澤 政方君
        厚生省公衆衛生
        局長      村中 俊明君
        厚生省医務局長 若松 栄一君
   事務局側
        常任委員会専門
        員       中原 武夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選の件
○社会保障制度に関する調査
 (結核対策に関する件)
 (国立療養所の現状等に関する件)
 (国立病院の統廃合問題に関する件)
○参考人の出席要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(山本伊三郎君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、森勝治君、村田秀三君、植木光教君が委員を辞任され、その補欠として柳岡秋夫君、藤原通子君、館哲二君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(山本伊三郎君) 理事補欠互選の件についておはかりいたします。
 ただいま御報告いたしました委員の異動に伴い、理事が一人欠員になりましたので、その補欠互選を行ないたいと存じます。
 互選の方法は、先例により、投票の方法によらないで、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございせまんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(山本伊三郎君) 御異議ないものと認めます。
 それでは、理事に黒木利克君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(山本伊三郎君) 園田厚生大臣から発言を求められております。発言を許します。
#6
○国務大臣(園田直君) この際、お許しをいただきまして、一言ごあいさつを申し上げます。
 今般、私、非才の身をもって厚生大臣に就任をいたしました。前々国会で御指摘のとおり、わが国の社会保障制度は、西欧諸国に比べて非常に水準は劣っております。この際、各部門を拡張し充実をしなければならない段階でありまするが、財政硬直等のいろいろな名のもとに、ややもすると圧縮されるおそれのあるきわめて重大な時期であると考えております。
 私は、非才の身をもって大臣に就任をいたしましたが、このようなわが国の厚生行政の置かれたる地位を考えますると、非才の身などと言っておれる段階ではないということを痛感をいたします。就任いたしました以上は、大過なく皆さま方の御援助をいただきたいなどというなまやさしいことは断じて考えておりません。おしかりを受けましょうとも、たたかれましょうとも、皆さま方の御協力を得て何とかこの重大な時期にある厚生行政に拡張充実の基礎だけはつくらしていただきたい、このような重大な決意をして厚生行政を担当する所存でございます。
 とは申しまするものの、私は、かつて衆議院の社会労働委員長をやった経験があるだけであります。全く非才であります。ただ、この委員会の各位は、特に学識経験、豊富な識見を持っておられますので、各位の御意見、各位の御叱責、各位の御追及、こういうものは、私個人に賜る御叱責、御追及であるとは考えず、社会保障制度推進のための御援助だと考えまして、各位のおしかりの上に、非才の身をもちまして各位のお力を借りまして厚生行政を推進していきたいと考えております。
 なお、先般来まで衆議院の副議長をいたしておりましたので、国会と行政府の関係は十分認識しておりまするから、どうぞ忌憚なく委員長をはじめ各位の御注意と御叱責と、そして、私のためにではなく、わが国の置かれたる浮生行政に対する御援助を心からお願いをいたします。
 私の行政担当の方針等につきましては、機会を求めて御相談申し上げることにいたしまして、まことに簡単ではありまするが、非才の私の決意を披瀝いたしまして、皆さま方へのごあいさつといたします。
 どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#7
○委員長(山本伊三郎君) 社会保障制度に関する調査を議題といたします。
 御質疑のある方は、順次御発言を願います。
#8
○藤原道子君 私は、この際、国立療養所の運営についてお伺いしたいと思います。
 過日、予算委員会で大臣が答弁しておられまして、結核は解決したようなことを言うけれども、スモッグや公害等を考えるときに、さらに追撃戦が必要であるというようなことを発言しておいでになりました。私はたいへん大臣に期待しておりまして、いまこのことでちょっと御質問を最初にしたいと思いましたが、予算委員会の関係で退席されましたことは非常に残念でございます。そこで、お伺いしたいのは、国立療養所の運営について、まず、現在、国立療養所にはどのくらいの患者が入所しているか、また、病床数はどのくらいになっているか、この点からお伺いしたいと思います。
#9
○政府委員(若松栄一君) 国立療養所の施設の規模でございますが、現在は、結核療養所が百六十カ所ございます。そして、結核のベットは現在五万四千三十床を有しております。そのほかに、精神六カ所、脊髄一カ所がございます。これに対して、結核の患者の数は、四十一年度におきまして年間平均いたしまして四万四百九十八名でございます、精神その他についてはちょっと数が少のうございますが、精神が二千八十八名、脊髄が百十七名という数でございます。
#10
○藤原道子君 重症心身障害児、筋萎縮その他はどうなっていますか。それかららいは。
#11
○政府委員(若松栄一君) 重症心身障害児の施設が併設されておりますのが、二十二カ所、ベッド数は五百八十床、それから筋ジストロフィーの施設が八カ所で五百二十人の収容能力を持っております。
#12
○藤原道子君 らいはどのくらいになっていますか。
#13
○政府委員(若松栄一君) らいの療養所は、十一カ所で、一万六百人の収容能力を持っております。
#14
○藤原道子君 そうすると、結核の場合に、病床利用率は約八〇%くらいですか。二〇%はあいていることになるが、患者はいないのでしょうか。うち、入所を必要とする者はどのくらい現在いるのでしょうか。
#15
○政府委員(若松栄一君) お話のように、結核療養所の結核ベッドの利用率は、大体八〇%程度でございます。結核患者が一体いるのかいないのかという問題でございますが、これは私ども直接患者数その他を把握しておるわけではございませんが、これは御承知のように結核予防対策のほうでこの状況を把握しておりますので、公衆衛生局長からお答えいたします。
#16
○政府委員(村中俊明君) お尋ねの現在全国に結核患者がどのくらいいるかということでございますが、昭和三十八年で――五年おきに三度目の全国的な実態調査を行なっております。この結果推定される患者の想定が約二百三万、これは前回のすなわち五年前の昭和三十三年に調査をいたしました点をもとにいたしまして推定いたしますと、この時点で約三百四万人おります。差し引きいたしますと、五年間で約百万人の結核患者の減少を実態調査の結果では示したということになっております。この中で、実際に感染性で、療養その他の措賢を必要とするという患者の推計が三十七万人でございます、大体こういうのが結核の実態調査の推計でございまして、昨年の一年間で――昭和三十六年から登録制度というのを結核患者について実施いたしております。この登録の四十一年の数字を見ますと、結核の登録されている患者の総数が百四十万ございます。この年に新しく登録をされた、言いかえますと新発生という形の患者二十八万がこの中に含まれる、こういうふうな実態でございます。
#17
○藤原道子君 四十一年の十二月末の登録患者実数が百四十万人、そのうち活動性肺結核患者数は八十二万名ということが出ています。ところが、そのうち、医療なしというのは十二万六千人、わからないのが一万四千人で、合わせて十四万人は何ら医療を受けていないということになると思います。いかがでございますか。
 それから結核の入院需要がないというのは、それはどういうわけで需要がないのか。たとえばほかの伝染病であったら、入院させないで需要がないでは済まされないと思う。結核もやはり私は伝染病だと思う。はっきり活動性結核患者の数が八十二万名。ところが、現在わずかなベッドがさらに二〇%もあいておるということになると、これは一体どういうふうに理解したらよろしいのでしょう。しかも、最近の結核患者は、お年寄りが非常に多くなっておる。過日、私は、ある療養所に参りましたが、七十二歳で初めて健康診断で発見されて入所したと。だから、お年寄りが多くなり、しかも所得の低い人が多くなっております。これまでのようなわけにはいかないと思うが、これに対応できる施策を持っておいでになるかどうか、これをお伺いしたいと思います。
#18
○政府委員(村中俊明君) 結核の実態調査のあらましをただいま申し上げましたけれども、実際に医療が必要であってしかも医療を受けていない、そういう対象に対して国としては何をしなければならないかという趣旨のお尋ねでございますが、御承知のとおり、結核患者の中で実際に感染の危険のある者と感染の危険のない者という大きな区分けがございます。感染の危険のある者については、これも資料等で御承知のとおり、都道府県知事が命令入所の指示をいたしまして、これによって公費負担で施設に入所する。現在、これの予算が年間約十万人弱の予算を医療費として持っておりまして、これで命令入所の患者の手当てをいたしているわけでございます。
 なお、老人が増しているけれども、老人に対する手当てについてという趣旨のお尋ねでございますが、この点は、これも数年来の結核患者の発生の傾向を見てまいりますと、数年前までは患者の発生のピークが相当若い年齢に一つと、それから五十歳後の年齢と二つのピークがあったわけでございますが、これがだんだん若い年齢層のピークが小さくなって下がってまいりました。現在では、御指摘の老人層にピークを一つ持った患者の発生を見ているわけでございます。この患者の措置につきましては、これも感染の危険のある者につきましては、ただいま申し上げましたような命令入所の措置をいたしております。ただ、問題は、そういう対象が実際に受療しないで社会に出、あるいは家庭生活をしているというふうな者に対しては何をしているのかという趣旨のお尋ねでございますが、この点につきましては、これも積極的な対策とは称しがたいのでございますが、全国におります保健所中心の保健婦が家庭紡間をいたしまして、家庭で隔離をされた看護の状況の指導をする、あるいは医療の指導をするというふうな形で現在結核対策を進めているわけでございます。
 なお、低所得者対策についてでございますが、これも、実態調査の結果によりますと、生活保護、あるいは市町村民税の均等割の者、あるいは非課税対象者、こういったところに比較的集まっている傾向があるわけでございまして、これらにつきましても、ただいま申し上げました家庭における指導とあわせて極力入所を慫慂するようなそういう指導を現在いたしておるわけでございます。
#19
○藤原道子君 保健所の保健婦さんが云々とおっしゃったけれども、いま保健所の機構はどうなんですか。ほとんど医君は所長一人。保健婦さんも、非常な過労になり、非常に仕事が多過ぎる、こういう中でやっているわけでございますから、一体国はこういう点をほんとうに考えてやっているのか。見せかけだけの結核対策のように考えられてならない。
 今月十三日の「毎日新聞」の夕刊を見ますと、タクシーの運転手さんが、病妻と幼女をかかえて、結核がわかれば失職するので、ひた隠しに健康診断を受けずに自動車の運転をしていた。ついにこの運転手さんは、過労の結果病気が重くなりまして、タクシーの中で喀血して死んでいた。新聞を読むのは控えますけれども、非常に悲惨だと思う。命令入所の対策は十万人分持っているとおっしゃるけれども、あとの家族の生活までは手が回らない。したがって、自分は結核である、だんだん重い、けれども健康診断をすれば会社が百になる、これをおそれてこの運転手さんは、歳末の町の中で、しかも自動車の中で喀血して、人知れず、だれも気づかないところで死んでいたんです。結核は伝染病です。死を目前にした運転手さんが、しかもお客さんを乗せて商売している。こういう場合はどうお考えになりますか。こういうものが放置されているのです。だから、要医療患者が八十二万人いて、しかも二十万そこそこの結核ベッドが二割もあいている。それで、町では、入院もできない、治療も受けられないで、仕事をしながら死んでいる。これで結核対策は全きのものであると言えるのですか。こういう場合にはどういう対策をおとりになるか、これは重大問題だと私は考えます。
 しかも、「読売新聞」の十二月七日の記事によりますと、「医療保険改善に自民本腰、まず調査会を強化」ということでいろいろな記事が載っている。私は、これらを考えて、一体国は結核対策をどうするのか非常に心配でならないから、きょうお伺いをするわけです。入院を必要とする患者がありながらベッドがあいているんです。国は解決しなきゃならないことがたくさんあるけれども、それを怠っているんです。しかも、結核患者の結核ベッドがあいているから、それから収入が非常に減ってきたから、今度は国立療養所を特別会計にする云々ということがこの十二月七日の「読売新聞」に出ているんです。一体、厚生省は、こういう事態の中において何を考えておられるのか、その計画と内容とをこの際はっきりしてもらいたい。こういう患者が多数おりながら、一面においては財政硬直だとかなんとかかんとかいって特別会計制にしていくんだと、こういうことを新聞に発表している。あまりにも現実を無視した考え方のように思えますが、一体どのような結核対策を持っておいでになるのか、計画とその内容をこの際お伺いしたいと思います。
#20
○政府委員(村中俊明君) ただいまの例示についてでございますが、私は非常に残念なケースだと考えております。そういう状況が、本人自身がそこまで理解していたのかどうか、これは一つの例じゃなくて、全般的にまだ結核に対する正しい理解が不十分であると、こういう点は私どもも今後十分注意をしてまいらなければならない、こう考えております。
 ただ、結核であって療養所に入る、あるいは治療をする、そのために生活が苦しくなるというふうな問題については、結核予防法のたてまえの中では疾病に対する手当てで、生活問題につきましては全般的な社会保障制度の中で処理さるべきものだと、こんなふうに私は考えるわけでございます。
#21
○政府委員(若松栄一君) 結核患者がまだまだ相当たくさんいて、当然入院治療しなければならない患者がいるはずであるのに、その入院患者がなかなか入ってこない、したがって国立療養所はだんだんベッドはあいてくるということを御指摘でございますけれども、私どもの国立の結核療養所といたしましては、どこまでも入院患者を取り扱うというたてまえでございますので、もちろん入所をすすめるように保健所の活動と協力してやっております。特に結核療養所の先生方が保健所の結核診査会の委員等に参加いたしまして、できるだけ必要な患者は入院治療ができるようにという指導はいたしているわけでございます。しかし、現実には入所してくる患者は年々数千名ずつ国立療養所全体としては減少している状況でございまして、大体の率で申しましても、年々五ないし七%ずつ着実に減少している状況でございます。したがって、国立療養所は、建物それ自体としては六万名程度の収容をできるだけの建物は持っております。現実には四万名の愚者が入っているということで、受け入れることそれ自体には何らやぶさかではございませんが、現実には、公衆衛生局長も申されましたようないろいろな社会的条件によりまして、なかなか医療がスムーズにいっていないということも事実であろうと思います。私どもとしては、受け入れ側としては十分な協力体制は維持していくというたてまえでございます。
 なお、国立療養所が患者が減ってきたので特別会計に移行するのではないかというようなお話でございますが、これは結核患者が減ってきたから特別会計に移行するという趣旨ではございませんで、いま申しましたように結核患者は逐次減ってまいりますし、それとは別に、重症心身障害児の引き受けであるとか、筋ジストロフィーの患者の引き受けであるとか、あるいはさらに、長期慢性疾患の患者を収容することがきわめて適切な条件にあります国立療養所としては、そのような新しい社会的情勢にも適応していきたい。あるいは、さらには、交通災害等に伴います長期療養のためのリハビリテーションの施設というようなものも国立療養所として当然担当していくべきではないかということを考えております。そういう意味で、結核患者を引き受けるということは本来の任務でございますけれども、そのほかに新しい政策的な医療面に国が積極的に参加していく。そのためには、現在のような国立療養所の建物、設備、人員等ではなかなか困難がある。そういう意味で、国立療養所も部分的に相当の体質の転換をはかっていかなければならない、新しい医療需要に対し、政策的な医療需要の増加に対応するために、国立療養所自身の体質の転換をはかっていく、こういうことのために相当膨大な設備投資等も前提としなければなりません。そういう意味で、いろいろな多角的な目的を達成するために、そのような考え方もあるということで話が出ているという段階でございまして、結核対策の後退を意味するものでは全くないという所存でございます。
#22
○藤原道子君 あなたはそういうことを言ってうまく逃げていらっしゃいますけれども、現実に結核患者がいるんですよ。どうしたらはいれるかという対策を立てておいでになるか。申し出があれば入れるんだと。ところが、保健所にはちゃんと登録患者がいるのですよ。なぜはいれないかというところまでお調べになりませんか。それは係が違うからといって逃げるのです。それでは一体国の医療というものを医務局長はどう考えておいでになるか、そこが問題なんです。あなたは受け入れるにやぶさかでないとおっしゃいますけれども、そうでない。手のかかる者、重症患者、こういうものはなるべく入れたくないことは露骨にあらわれているのですよ、地方へ行くと。特別会計にするには、何も愚者が減ったからするわけじゃない。そうでしょう。何とか安上がりにしたいからですよ。療養所の収支がつぐなわない、赤字だ、だから特別会計にする。大蔵省は、これに対して、一般会計から特別会計への単なる会計制度上の移行であり、特別会計になれば弾力的に運営ができるとか、整備費の確保もやりやすい。このごろ、国有財産つまり土地が広いから、それを売り払って、そうしていい建物にする。そんなら、売り払ってそこに結核の近代的な建物を建てたらいいじゃないですか。国は何も出さない。土地の売り食いでやっていく。しかも、結核は特別会計にする。特別会計にするということは、二割引きがなくなるのですよ。独立採算でやれということなんです。いまですら赤字が出るというのに、特別会計になったら、どこでどう処理してこの赤字を解消していくのですか。患者負担でしょう。だから、いまでも、自分が命令入所で入院したら家族の生活が困るだろうというので、死ぬまでがまんして働いている人がたくさんあるんです。そのほかにまた結核菌をばらまくじゃありませんか。なるほど、国立療養所が今日まで果たした役割りというものは、非常によくやってきたと思うのです。だから、一生懸命やったからこそ、昭和二十二年に十四万六千人の結核の死亡率が、四十一年では二万人というふうに減ってきたのです。死亡率は減ったけれども、結核がそうがたっと減っているわけではないので、ずっと追撃の対象になり得た人が今日ではさらに貧困層において起きてきている。だから、自分が入院したらあとの家族が困る、首になる、そういうことを心配しているのですよ。だから、今度特別会計にするということは、そういう患者をますます締め出すことになるのじゃないでしょうか。どうなんですか、特別会計にするということは。収支が償わなければ、収支を償わせるには一体どうするか。どういうふうにお考えになっていますか、その点。入ってくる者を拒むのじゃない、これは受け入れるにやぶさかではないと。それはそう言わなければならないでしょう。だけど、こういうやり方はますますはいれなくするんじゃないですか、と私は思うんですが、いかがですか。
#23
○政府委員(若松栄一君) 国立療養所をもしも特別会計に移行させたという場合に、これは直ちに独立採算制を強行するのではないかという御趣旨でお話が進められておりますけれども、私どもは、特別会計即独立採算とは全く思っておりません。単なる会計制度の相違である。国が特別の事業を行なう場合に、国は特別会計を立てることができるというような趣旨でございまして、決して独立採算をするという趣旨ではございません。この点は、先般の国会等でも、地方病院が公営企業法の適用を受ける段階で病院が独立採算をしいられるのではないかというようなお話がありましたが、地方公営企業法におきましても、病院は独立採算という趣旨を出すものではない、むしろ必要経費を一般会計から明確にして補てんするという趣旨であるということが議論になったと思いますが、国立の特別会計の場合におきましても、収支のある事業でございますので、そういう収支は明確にやっていく、経営は合理的にやっていくという必要がございますけれども、採算をとるというようなつもりは全くございません。したがって、現在、国立療養所は、収支率が運営費だけにつきましても五〇%程度でございますが、これを収支を償わせようなどということは、もうとうてい夢にも考え得ることではございません。そういう意味で、ただいまお話がありましたように、療養所がいろいろな意味で体質転換をしていく。そして、そのためにはいろいろな整備もしなければならない。現在のこういう硬面した財政下において一般会計から相当額の補充を受けるということはきわめて困難である。むしろ特別会計自体の中で借り入れ金でも何でもやりまして、そうして先行投資的な意味でも急速に整備をはかっていくということが国立療養所の本来の使命達成のためにきわめて好都合である、そのような趣旨に出ているものでございまして、特別会計即独立採算という趣旨は全くございません。
#24
○藤原道子君 ほんとうに全くないですか。国立病院が特会制になる。いま、国立病院で差額ベットでないのがどれくらいありますか。保険点数そのままでやっているベットというのは少ないんですよ。だんだん差額しなければやっていけないんですよ。結局、結核療養所が特会制になれば、それと同じことになるんですよ。なんとかかんとか名月をつけて差額を徴収をしているんです。私が調べたところでは、まああなたも調査はしておいでになるでしょうけれども、窓側に寝ている人と、日の当たらないところに寝ている人とは、もう二百円、三百円と差がついているんですよ。そういうとり方をしているんですよ。それで、統廃合なんかの対象になる赤字のところが優先的にそういうふうな待遇を受けているじゃありませんか。国が金を出すんじゃなくって、病院、療養所そのもので運営さしていく。建てかえるんだったって、やっぱり土地を売った金で建てかえさしているでしょう。しわ寄せを受けるのはどこになるんですか。安易なことで答弁をごまかしておいでになったって、現実に療養所へ行って見れば、みんな不安におびえていますよ。しかも、いま入院しておられる患者さんたちが、どういう階級で、どういう人が占めておるか、これをまず伺いましょう。幾らごまかしたって、国の医療の安上がりを計画している以外の何ものでもございません。
#25
○政府委員(若松栄一君) 国立療養所にどんな患者が入院しているかということでございますが、昭和四十一年十月現在で、健保本人が約二〇%、健保家族が四%、国保本人が三・五%、その家族が四%、その他生保が五%、結核予防法の関係が五三%、その他でございまして、生保と結核予防法でほとんど全額公賢でまかなわれておりますものが約六〇%に達しております。そのほかに、健保本人等が二〇%。したがって、ほとんど自己負担のないというものが約八〇%になっております。この比率は、数年前に比べますと、制度の変革がございましたので、結核予防法の命令入所の規定の増強によりまして生保患者が結核予防法に引き移ってきたという関係はございますが、生保と結核予防法とを一緒にあわせて考えてみますと、大まかな構成におきましては数年前と著しい相違はございません。健保本人、家族等が若干少なくなっているということが目につく程度でございます。
#26
○藤原道子君 保険本人と家族の比を見ても、非常に格差があるんですよ。どうしてでしょうか。自己負担があるからでしょう。家族は入院したくても、やはり自己負担にたえないということが言えるのじゃないでしょうか。と同時に、今度あなた方は、健保が赤字だから、この間改悪しましたね、政管健保を。そうして、今度二年後には本人給付も七割にしようということも厚生省は発表しているんですよね。というと、医療というのは一体どうなるのでしょう。また、結核命令入所で患者さんが入れば、やはり政府の負担がふえるということですね。だから、一体何をしていらっしゃるのだかわからないのです、私には、頭が悪くて。だから、いままでの答弁を聞いていると、療養所を経営企業体とみなして営利化するように私には考えられる。結核対策は国は放棄する、成り行きまかせだ。ここまで追い込んできた結核、いま一押し押していけばほんとうに結核問題は解決できると思う。今が一番大事なときだと思う。そしてまた、入院している患者さんの比率を見ても、だんだん低所得層がふえてきていると私は考える。昔の考え方と違ってきているのです。これにさらに本人負担がふえる、特別会計制にしていくということになることは、いまここまで追い込んできた結核対策が後退することになる、と私は考えるんですが、医務局長はそうじゃないとお考えになるのですか、それはどうなんでしょう。そうでないとするならば、なぜこの際特別会計制に踏み切らなければならないのか、その理由をもっと頭の悪い者にもわかるように説明してもらいたい。
#27
○政府委員(若松栄一君) 健保本人と家族では非常に率が違うではないかというお話でございましたが、表(おもて)にあらわれております率は、確かに非常な差がございます。これは、一部には、家族につきましては、結核予防法による入所等は相当ふえておりますので、それに肩がわりしたものが相当あろうかと思います。そういう意味では、家族の入所者それ自体が減ったのではなくて、結核予防法の適用を受ける方がかなり多くなったということであろうと思います。そういう意味では、経済的な負担がかなり軽くなったと見て差しつかえなかろうと存じております。
 なお、国立全体として結核対策に手を抜くのではないかというお話でございますけれども、私どもは、先ほど来申しますように、決して結核対策の手を抜くというつもりはございません。ただ、現実の問題といたしまして、国立療養所に入所している結核患者が年々数千名づつ減ってくる。しかも、新たな医療需要というものがほかに相当な勢いで起こりつつある。それらの医療需要にもこたえてやりたい。能力の範囲内で、また、現在ある能力は減らすことなしにできるだけ活用していきたい。そういう意味から、結核対策の後退ということでなしに、同時に結核療養所の体質改善ということによって他の医療需要もまかなっていきたい。そのためには、御承知のような現在のぼろぼろの国立療養所では近代的な医療を行なうことは適切でない。したがって、国立療養所につきましても、一般会計の中におきまして相当の整備費も要求し、努力をしてまいりましたけれども、一般会計のワクの中で与えられる整備費というものはきわめて少なくて、非常に努力をしてまいりまして最近に至りまして一般会計の負担分がようやく二十三億程度。私どもとしては、八十億も百億も毎年ほしい。とうていそういうことは望むべくもない。ことに、このような財政硬直化の段階になりますと、一般会計負担で大幅な施設整備をするということはとうてい不可能になってくる。しかし、国立療養所は将来長く続く療養所でございますので、長期的に見ていま相当の先行投資をするということは将来の国立療養所の診療能力を高める上にきわめて必要なことであり、また、現時点において集中的に投資を行なうことが国立療養所の使命達成の上にも有意義ではないか。そういう意味で、そういう資金の得やすいような特別会計体制のほうがそういう目的のためには便利ではなかろうかということも考えているわけであります。
#28
○藤原道子君 そこがおかしいんですよ。現実に患者はおります。登録患者はちゃんとベッド数の倍以上いるんですよ。それで結核のベッドがあいているんです。それならば、この感染のおそれのある人たちがなぜ入らないのか。どうしたら入所させられるのか、この対策を厚生省は何もしていない。それで、ほかに交通関係の救急医療が必要になってきた、あるいは、いろいろな精神病がふえた、重症心身障害児対策も必要だ、だからここを減らしてそれでごまかしていこう、こういうやり方なんです。近代的な医療をして結核が減るのだから将来あいてしまうなんて、そんなばかなことはない。結核がなくなったら、そのときにほかの病院をこわさなくたって転用できるんですから、いま、私は、結核対策をここまで追いつめてこられた努力をここで手抜きをする、こういう考え方が私には納得がいかない、こういうことになるんです。すぐ経済硬直化の状態においてとおっしゃるけれども、経済硬直化を来たしたのはどこに原因があるんです。病人と低所得者の責任じゃない。政府の政治の誤りによって病人や低所得層にしわ寄せされるということが私は納得できない。今度厚生省が要求している生活保護費の値上げだとかあるいは重症心身障害児の対策の七カ年計画がばっさりやられそうだなんということが新聞に出ている。これで一体国民は納得するでしょうか。厚生省のその弱腰が、二十三億じゃない、もっともっと出してほしい。出させるにはどうするか、その努力を一体おやりになったかどうか。私たちは、厚生省が弱腰だから、迷惑するのは国民であり、国民の命が犠牲にされる。私は結核対策を幾らやったって結核が減らないというのじゃない。対策を進めてきたからこそこれだけの成果をあげてきたんです。それで、いま、病人がないのじゃない、ある。低所得層だから、だんだん入りにくい。それならば、これをどうするのかということを考えるのが厚生省としては当然のあり方じゃないか。ところが、それはほったらかしている。医療費がずいぶんふえたけれども、ごらんなさい、結核の医療費はちょっぴりしかふえていない。一般の医療費からいうと、結核の医療費というのはそうたいしてふえていない。ここいましばらくの努力によって非常な成果があがることがわかっておるから残念なんです。死亡率は減ったというけれども、西欧諸国に比べてごらんなさい、まだまだ高いんですよ。それを、いま一押しの追撃戦ができない。それをやすきに流れるというそのやり方が私には納得いきません。もっと誠意のある決意を聞かしてください。
#29
○政府委員(村中俊明君) 結核対策全般についての御質問というふうに理解をいたしまして、そういう立場からお答えを申し上げたいと思いますが、いま、第一点、医療費がその割りにふえてない、一般の医療費がだんだんにふえているのに非常にふえ方が少ないと。これは、一つには単価の問題でございますが、この単価については、一般の医療費と変わりないような形で整備をされている。ただ、医療を受ける対象者の数が減ってきているというふうなことが総計で医療費の伸びが少ないということになっておると私は理解をいたしております。
 なお、今後、そういうふうな低所得者、あるいは実際に結核患者でありながら医療を受けないでしかも仕事をしている、そういうふうな対象に対してどういう手を打つのかという点についてのお尋ねでございますが、これは、先ほども申し上げましたけれども、結核予防法のたてまえからまいりまして医療についての国としての責任を果たす。しかも、健康診断の結果、患者という診断をされて医療を受けた。これは結核に対する正しい理解があるのかないのかというふうな問題も出てまいりますし、実際に家庭の生活の中で患者が引き抜かれて療養するということは、家計全体に与える影響の問題もあろうかと考えます。
 前のほうの、患者が結核に対する理解が十分ないというふうな点につきましては、先ほど申し上げましたけれども、全国にございます保健所の担当者をいろいろ活用いたしましてそのほうの指導を現実にやっている。ただ、問題は、療養をするということが生活をささえるのに非常に重圧になるというふうな問題は、これも先ほどお答えを申し上げましたけれども、社会保障制度全般の中で私は処理されるべきものだと考えております。
#30
○藤田藤太郎君 若松さん、結核予防の処理費というのは、できてから何年になりますか。菌を口から出したりするものを市町村との関係で処理をしよう。あの当初、結核菌というものは遺伝でない、そうして処置をしたら日本の国民の中から結核をなくすることができるという、非常に大きな構想で結核予防法というものを前進させたものだと思うんですね。それで、いろいろの角度から結核の撲滅のために努力をされてきている。されてきていると思いますけれども、まだ結核は依然として――あの当時の構想では、一年目は六百億要ったら、次の年は三百億で事済むんだ、あとは百五十億というぐあいに、むしろ生産的な処置だから、大蔵省も賛成をして、やろうと言うているんだと。そうしてあの結核予防法の前進処置、撲滅処置というものが私はできたと思う。ところが、その機能が十分に発揮できなかったというのは、いろいろの欠陥があったと思うのです。あの当時の厚生省の皆さんが述べられたことをほんとうに真に受けておれば、結核患者というものは、あの当時から少なくとも半分以下になっているはずだと思う。ところが、そうもいっていない。それは、結核のなには非常に減りました。減りましたけれども、あの当時、結核予防法を改正してうまくやったときから見れば十分に発揮ができていないというそういうことの中でこれを特別会計に持ち込んだら、どういう利点があるわけですか。たとえば、私も療養所をよく回りますけれども、先日も京都の宇多野療養所に行きましたら、もうつぶれかけたようなと言うたら失礼ですけれども、非常に病棟がいたんでいるから、新しく建てなければいかぬということでばっと建てられました。そして、ああいうぐあいにして結核の環境をはじめとして結核病をなおしていくという構想というものが順次進められていくところにあの法律の意義があると思うのです。いま、特別会計にしたら、外来を含めて独算制にするということなんでしょう。だから、いま一時、金を出さなくても、そこに負債をして独立採算制ですからやるということなのか、あなたの特別会計というのはどういうことにそれじゃなるのでしょうか。外来をたくさんとってバランスをとりなさいということが主なのか。そうでなしに、結核療養所を特別会計にしたらどういう利点が出てくるのか。一つの独立した人格にして、他の資金を、たとえば負債とかなんとかというかっこうで流入していって、将来は、利子、元利を含めて国が補給するという形をとるのか。私もおぼろげですから、十分その特別会計という問題がよくわかりませんけれども、いずれにしても、あなたのお話を聞いていたら、八十億も百億もほしいが、二十三億しかくれぬから、特別会計にして利便をはかるというなら、どっちかの方法をとらなければ、独算制なら独算制でバランスがとれるという方向をとらなければ、百億もほしいところを二十三億でがまんをして処置しようといったら、結局どこにしわ寄せが来るかということを考えなければ、経営というものは成り立たぬと思うのです。
 だから、何としてもあの結核予防法をこしらえたときの非常に高遠な理想、私たちが期待している理想というものが実現する道というものを、もっともっと努力をして、そしてもっとガラス張りの中でこういうぐあいにやるんだということを明らかにしないと、何か知らぬけれども患者がいためられるように、われわれは先入的にそう思いますよ。あなたの管轄じゃありませんけれども、たとえばいままで十割給付をしていたものを七割給付まで健保を下げる。それは厚生省の省議にかけて十分していないけれども、事務局案だといって時間にほうり出して、これからはこういうかっこうで医療費を変えていくと。労使のフィフティー・フィフティーの負担に対して、経済維持というところから、一つのファクターに患者負担というファクターを入れて、医療経済をもたしていうという大きな構想、のぼりがこっちで一つ上がっているわけだ。そうしたら、結核という国全体で処置してなおそうという構想の特別な病気、目的的にそういう処置を講じたものが、何か医療制度全体のことの中で結核というものを処理してしまう。何か国民にとって安心ができないじゃないですか。
 だから、藤原先生のいま明らかにしようとされている問題を、もっと明らかにどうしていくんだと。まるで特別会計にしたらよけいぜにがもうかって療養所の運営がよくなるんだというような言い方をされるから、それならそれでどういうぐあいにしておいでになるのか。病気の人が入院している、医療処置の費用はそれだけ減る。ほかに何がそれじゃ特別会計になったらプラスになるのですか。社会全体で保護し保障していかなければならんのが結核病じゃないですか。だから、そこらあたりのことをどちらにどうしていくんだ、それでは少し無理があるじゃないかと、その個々の方針の中で無理の問題を議論するというふうにされないと、ただ私どもが聞いているというと、予算がないから特別会計にするんだということだけで、私たちが具体的に病院を見、患者の状態を見、それは私らよりあなた方のほうがよく見ているかもわからんけれども、私たちもそういう見ている現実で、それじゃ特別会計にしたらどれだけ赤字地獄から次第に浮いてきてよくなるのだということがわからんじゃないですか。だから、そこのところをはっきりして、本来の姿に返って、結核というものが、当時の予防法を出してからの処置、強制入院をしてから、国民に結核の病気というものがうつらない状態にまで追い込んで、そうしてこれだけの分については一般の総合病院の中で扱いましょうなら扱いましょう、そういうかっこうにしないと、ただぼわっと置いておいて、それだけをいや予算がつかんからとにかく特別会計にするんだということだけじゃ、私は納得がいかぬ。だから、そこらをどうされるか。私の聞き間違いかもしらんけれども、どうも明らかにしてもらわないと、やはり患者の皆さんがお困りになる。私どもも心配で見ていられないという気がするから、そこらを明らかにしてもらいたい。
#31
○政府委員(若松栄一君) もっぱら特別会計移行の問題が中心になってまいりましたけれども、現在のところ、これは別に決定したわけではございませんで、一つの問題として検討じているという段階でございます。
 そういう意味で、検討中の問題として申し上げますけれども、結核患者が、先ほど来申しますように、年々減少してまいりました。したがって、三十五、六年頃のピークの時代に五万数千名ありました入院患者が、現在は四万名、そうしておそらく五、六年たちますと三万台になってまいります。十年後には私どもの推計では二万そこそこに減少するのではないかと考えておりまして、そういうような状況におきまして、国立療養所の診療能力は依然として相当確保されているわけでございます。したがって、職員も相当ございます。もしこのままにしておきますと、患者は減少する一方、職員はそう簡単に減らすことはできません。現実に診療能力は五万人を診療する能力があるにかかわらず、患者は四万人になり三万人になっていくという事態が起きてくるわけでございます。悪くいえば、これが将来首切りにつながらぬということも保証しがたいと思います。現実に、一、二の療養所におきまして、患者が減ってきたために、患者数よりも職員の数が多くなったというような療養所もないわけではございません。
 こういうような状況の一方、先ほど来申しますように、結核以外の新たな医療需要というものが相当出てきております。しかも、国立療養所というような施設として国立療養所が担当するにふさわしいような医療需要の面が急速に伸びております。したがって、われわれといたしましては、結核患者は当然受け入れ、できるだけ収容していくことは、これはもう問題ございませんけれども、そのほかにも、現在われわれの国立療養所が持っている診療能力というものを活用して、決してこれを削減しないという方向に努力するのが国全体の医療のあり方ではないか。そのような基盤に立ちますと、現在の国立療養所を立ちぐされになるのにまかしていたのでは、新しい方向に進展はできない。どうしてもいま急速に国立療養所の体質転換、同時に国立療養所の施設整備、また職員の確保というものをあわせて行なっていかなければならない。このためには、相当の資金の需要も必要でございますし、また、職員の首切り等というような問題が起こらないような努力もしなければならないと思います。そういう意味から、に施設の整備をはかり、体質の改善をやり、国立療養所として当然引き受けてしかるべき医療は大いに引き受けていく。そういうことのためには、さしあたって国立療養所の整備というものが焦眉の急でございます。しかも、先ほど来申し上げますように、なかなか整備費というものが十分に回ってこない。もちろんわれわれはずいぶん努力をしてまいったつもりでございますけれども、なかなかいかない。そういう意味で、きわめて長期の資金を活用する。一般財政の中における当該年度の前年度の税金をもってまかなうというようなことでなしに、長期の資金を活用する。そうして長期的な投資を行なって、先行投資によって施設の整備をはかっていくというようなことを考えますと、現在の段階では一般会計の中においてはそれは不可能である。したがって、これは特別会計のワクの中で借り入れ金その他の方法を検討していくことはきわめて有効ではないかということが一つ考えられるわけであります。
 また、結核患者はそのように年々減少してまいりますが、それ以外の余裕のある施設能力をもって別の方面の医療需要にこたえようといたしますと、この需要はきわめて未確定のものでありますし、また、これを大いに拡大していこうということになりますと、患者数というものもなかなか予測しがたい患者数になります。うっかりすると、予算で千人と考えていたものが、千三百人になるか、あるいは千五百人になるかもしれませんし、あるいは外来患者というようなものも、もしこのような性格転換が行なわれた場合に、外来を一万人と予定しているのが一万五千人来るかもしれません。そういたしますと、予算というものは大体前年度の実績をもって予想できる患者数に見合う経費を計上しておくものでございますので、もしも二割も三割も患者の増減があるというようなことになりますと、一般会計の経理のワク内では予算の補正あるいは予備費の支出というような特殊な手段以外には解決する方法はございません。ところが、国立病院の特別会計等でも例がありますように、特別会計の中におきましては、患者がふえてそれだけの収入が上がれば、それに見合う支出を弾力的に――弾力条項と称しておりますが、弾力条項を適用して薬品費その他を患者に見合った分を新たに特別会計の範囲内で操作することができる。そのようにきわめて弾力的な部面がございます。
 そういう意味で、一般の定員がきまっているような社会福祉施設とか児童福祉施設というように経理がきわめて固定的な施設と違いまして、このような医療機関におきましては相当弾力性がないとやりにくい。そういう意味で、特に従来非常に安定しておりました結核愚者以外の部門も含めまして体質転換等をはかっていくという段階になりますと、弾力性のある特別会計制度のほうがより運営がスムーズにいく、そのような利点が考えられるわけであります。
#32
○藤田藤太郎君 あなたのおっしゃることを開いておりますと、結核患者は、措置入院を含めて、療養所入院者がだんだん減っていく。それじゃ、措置入院の全体の数というものは減っているんですか。その傾向をひとつお知らせいただきたい。
 それからもう一つは、病床が余ってくるから、結核に類似するような他の患者のほうも収容しながらなおしていきたい。これに対して整備しなければいかぬ。で、最後のほうでは、そうすると患者がふえるから、収入も増額になるから、整備がしやすいんだと。長期資金として借り入れということもおっしゃっているんだと思うけれども、長期資金を使って、こうやりたい。で、長期資金を使った金の要するに採算というものはどこへいくか、どこからどういうぐあいに処理するかということが明らかにならなければならぬ。一般会計より弾力的だと、こうおっしゃっているけれども、結局、それは、他の何でもいいから、結核患者だけを守っていかないで、他の一般患者でもうけて、利益をあげて、そうしてやっていこう。長期資金の問題は、いまあなたの構想からいえば、六十億か八十億の長期資金を入れて漸次整備すると。その長期資金のあと始末はどういうことになるのでしょう。おそらく結核患者のような措置入院を強制するような、そういう伝染病に類似した――最近は精神病とかいろいろありますけれども、これは伝染病ではありませんけれども、そういうようなものを入れようとされているのだと思うのでありますけれども、もしもそういうぐあいに皆さん方の社会保障的な処理というものを行えていって、長期資金というのは国営の療養所ではどうにもならぬとおっしゃるのですか。そうでもないと私は思う。資金運用部の資金というものは国立の事業には金を出さないということではないと私は思うんです。計画的なら出せると思うんです。一般会計に準じ長期的な資金を使うておって、あと国家財政で肩がわりをしていくというお話なら私はわかるんですけれども、どうも、においは、いまさしあたりの八十億ぐらいの金はよそから積もって、病院から生み出したり、患者の医療費の中から生み出して処理をしていくというかっこうであれば、なかなかたいへんじゃないですか。こういう措置をしなければならぬような気の毒な患者さんをそういう対象にするということでいいのであろうか。
 私はまあ要らぬことは言わなくてもいいと思いますけれども、本年十月、大蔵省は、昭和三十五年から四十二年の七年間に名目所得は倍になったが、実質賃金は三四・八%しか上昇していない、一方、この間に所得税、住民税、社会保険料等の広い意味の税金は倍増していると発表しましたけれども、それから以後のことを見てみると、賃金、実質所得は三〇%以下になっている。そういう状態の中で、全体の統計との関連がありますけれども、実際に地方にも負担がかかりますから、たしか国庫負担は十分の八、府県負担が十分の二だと思うんですけれども、そういう地方財政との関係において措置をするのに、いやそういうからだに故障のある人は全部入れますと、こういう方針になっているのかどうか。頭から予算のワクの中でことしはこれだけだということでおきめになっておるのかどうか。むしろ心の中では、そういう患者ができるだけ入らぬほうが、できるだけ出さぬほうがいいという期待があってこの結核保護の措置というものが動いているんではないか。ちょっと言い過ぎかもわかりませんけれども、そういうことを初めから何人何ぼという財政上のワクをきめてしまってそういうことをおやりになっているから、病床のあいてくるというところばそういうことになっているんじゃないかという気がするわけです。
 だから、ひとつ、全体のあの法律にきめた措置入院をすべき患者が、あなた方のつかんでおられるところで全国でどれくらいか、私立病院にも入院されている人がありますから、含めていま病院で措置入院患者で入院しておる方はどれくらいか。それからあの法律ができてから年次的に全体の結核患者がどういうぐあいに推移してきたかということと、それからいまの長期資金の使用後のあと処置というものは年次的にどうしていくんだ、そこらのところをもうちょっとはっきり言ってください。
#33
○政府委員(村中俊明君) お尋ねの中で全国的な数字について申し上げます。
 第一点の命令入所の患者でございますが、これは古い数字をちょっと持ち合わせておりませんけれども、昭和四十年の――一月で全部押えておりますが、昭和四十年の一月現在で十万二百八十六人、これが四十一年の一月で九万六千五十四人、それが、本年つまり四十二年の一月末現在で九万二千二百六十七名、こういう数字になっております。なお、御参考までに、本年度私どもが予算として確保しておりますのは、約九万六千名のワクを一応確保いたしております。
 それから患者の発生の傾向についてでございますが、これは実態調査の推定数字で申し上げますと、これは医療を必要とする者とそれから観察を必要とする両方をまぜての数字でございますが、昭和二十八年には五百五十三万人という推計が出ております。これは人口に対して六・四%に相当します。これが、昭和三十三年、五年後でございますが、昭和三十三年の実態調査の推計によりますと、四竹五十一万と、約百万近く減っております。人口対比で人口の四・九%という数字になっております。昭和三十八年には、合計で三百四十四万、五年前の三十三年に比較いたしまして、やはりほぼ百万くらいの減少でございます。これを人口対比で見ますと三・六%というふうなことで、だんだん減少の傾向にあると私どもは考えております。
#34
○政府委員(若松栄一君) 国立療養所の整備を行ないます場合に長期的な資金を使う、その場合にそのあと始末をどうするのかという御質問でございますが、これにつきましては、国立療養所が独立採算を意図するものではない。また、国立療養所がおそらく将来いかなる形をとったにいたしましても、企業的な観点から見ました黒字経営になることはあり得ないと思っております。また、黒字経営というようなものに転換するような努力をするということも私ども考えておりません。もちろん合理的な経営ということはございますけれども、これを黒字経営にまで持ち込みたいというような意思は毛頭ございません。したがって、長期的な資金等を導入いたしました場合にも、国立療養所の経理の中で利益金をあげてこれを返済するというようなことはとうてい望むべきことでもなく、私どもも全く期待はいたしておりません。現在、運営費のみについても収支率五〇%程度、もし整備費等その他を入れますと四〇数%の収支計算になるわけでございます。これが将来体質改善その他のことによりまして若干収支率がよくなるといたしましても、とうてい企業的経理から見た黒字に転換するはずがございません。したがって、長期的資金を導入いたしました場合にも、ある意味では、まあ端的に言うと、これはやはり国が責任を負っていくという形になると思います。ただ、元金も利子もすべて形の上で国の一般会計繰り入れでやっていくというような形になるか、あるいは、ある程度形を変えたものになるかということは、必ずしもわかりません。といいますのは、ある程度、たとえば収支率が五〇%が六〇%になったとすれば、一〇%分の収益が向上する。この分は、将来、返済金の資金に充てる。しかし、五〇%に相当分は依然として一般会計から投入するというような形になるかもしれません。そういう意味で、最終的には、収益でもって長期資金を返済していく、直接的に充当するというような形はとうていとり得ないものであるというふうに考えております。
#35
○藤田藤太郎君 だから、そういうことをもう少しきちっとモデルをかいて、国民全体の健康を守らなければなりませんからこういうぐあいに処置をします、片っ方の入院の五百の中で百床あいだがら、百床の分は、他のいま成人病というような新しい病気がありますから、この人を入れるなら入れて、そうして結核のほうはいままでと変わらないで処置をしていくということであれば、何も特別会計云々という話をしなくても、長期資金を入れて、いまあなたがおっしゃるように独算制はしないんだ、そうして国が負債の元利補給の責任を持って処置をしていくんだ、しかし、一般的な医療技術の向上やその他によって国家社会に貢献する処置は、それは皆さんの意見をつぶさないように努力をしていく、こういうぐあいにやっていくんだ、皆さんどうですか、意見を出してくださいと、こう言って、日々医療業務を担当しておいでになる皆さん方の意見を聞きながら、人間の生命を守っていくのが病院、療養所ですから、そういうことをおやりになれば、どこにでも意見が自由にはけて納得するかっこうで医療処置向上というものがその中から出てきます。ただ命令一下権力的に押えていこう、これはこうやるんだ、だれが何と言おうとこうやるんだというところが問題になるから、藤原先生がいま議論されていると思うのです。だから、その構想を初めから出して、これでどうしたらよろしやろかということで、むしろ専門的に長い間苦労されて身にしみてその中でがんばってこられた藤原先生なんか、そういうなにをみんな自分の肌に感じておるから。先ほど私が聞いておったようなかっこうなら、八十億がどうやとかこうやとか金の処置だけで、患者をどうしていくんだということは一つも出てこないんですね、私の聞いている感じが悪かったのかもしれませんけれども。そういうことをもう少しはっきり言って、どうも関連質問に長くやりまして申しわけありませんが、もら少しまじめにやってくださいよ。まじめというのは失礼ですが、もっとそこがわかるように説明をしながらこの問題を明らかにしてくださいよ。お願いしておきます。
#36
○藤原道子君 医務局長が何と言っても私はだめだと思うんです。それは、特別会計に移行した国立病院の実態はどうですか。病院をもうけの道具として――患者個々に対して病状に適した最高水準の医療を施すと、こういうことだったのですが、その原則を踏みにじって、各科が競争で稼ぎ高一覧表をつくって競争し合うというような、なりふりかまわぬ利益追求の場に医療機関が変質をしております。恥も外聞もかなぐり捨てて、各種の差額徴収、下請などが横行して、まるでひどいもんですよ。そういう修羅場のようなところに病院を仕立てております。長期慢性や成人病、重症心身障害などでただでさえ採算のとりがたい社会福祉的性格を持つ患者を収容する療養所で、万一特会制にすればどんな結果をもたらすかということは、想像してもはだえにアワを生ずるような気持ちが私はいたします。ここで特会制に移行すれば、二割引きを廃止して、基準看護料もとるのでしょう。どうなんですか。いま病院で症準看護料をとっておるけれども、はたしてそれがそのまま行なわれておるところがあるでしょうか。ほとんど付添婦をつけております。過日の新聞にも、看護婦がいじめて妻を殺したんだといって看護婦を相手に告訴しておる例が出ているじゃありませんか。これは十二月十四日の「毎日新聞」の夕刊です。看護婦さんは人手が足りなくて、それで六人に一人だなんていったって、そのままあるところは少ないので、夜勤は十日も十五日もさせられる。患者さんに親切なことばかり言っておられない。見かねて身内といたしましては付添看護婦をつけております。二割引きを廃止して、基準看護料をとって、それで十分な看護ができるかということになると、いまの陣容では私どもはとてもできることじゃないと思う。二割引きを廃止して基準看護料をとると、結局三千二百六十億から六十五億くらいの増収になるのじゃないですか。こういうふうにして、もうけ仕事じゃございません、医療の充実をはかりますと、とんでもないことですよ。現に、国立病院を特会制にするときに、そういう同じような答弁をしておるんですよ、前の局長が。ところが、現実はこういう状態なんです。まるで病棟競争ですよ。差額をとったり採算一覧表をつくったりして競争しておる。療養所がそうなったら、社会保障的な性格を持つべき療養所の本質が破壊されることは明らかなんですよ。それで、あなたは、さっきから、五〇%ぐらいの一般会計の投入になるだろうと。最初はそうです。国立病院だってそうだったじゃないですか。どんどんそれが減ってきているじゃないですか。だから、ごまかさないで、どこに目的があるかということをこの際はっきりしてもらいたい。医務局長だからまさか病院のことを知らないとは言わないでしょう。
#37
○政府委員(若松栄一君) 国立病院が特会に移行いたしましてから、かせぎ主義になって、各科それぞれかせぎ競争をさせられているというようなお話でございますけれども、私どもはかせげかせげというようなかけ声は決してかけてはおりません。しかし、合理的な運営をやりなさい、また、経営努力は当然やらなければならないということは、これは事業体であります以上、その事業をうまくやっていくための努力をするということはもう当然であろうと思います。また、国立病院でも、依然として相当の一般会計の負担もいたしております。一般会計は税金の負担でございますので、税金を使うという場合には、できるだけむだを省くということは必要でございましょうし、できるだけ税金を使う額を少なくして同じ目的を達成することができればそれにこしたことはないわけでございます。そういう意味で、合理的な運営、あるいは経営的な努力というものは、こういう事業経営を担当しております者としてはどうしても念慮しなきゃならぬことであろうと思います。そういう意味の合理的な経営というような点から、二部下請というようなことも行なっておることは確かでございます。しかし、これはどこまでも経営状態をよくし、サービス内容も向上させるという趣旨でなければならないということは当然でございます。そういう意味で、いわゆる差額ベッドというようなものも、国立におきましては、一般の国立病院と類似するような診療内容、規模を持った病院に比べまして差額ベッドの率が非常に少ないことは、これも先生御承知のとおりであります。また、差額ベッドにつきましては、従来からいろいろお話が出ておりますように、社会的にそのようなものを要求している国民階層もある。いろいろな国民階層にあまねく国立医療を利用していただくというために、ある程度そういうことも必要なんだというようなお話も申し上げたことがございます。
 また、二割引きを廃止する、加算をとっておるという問題も、実は、国立医療機関、特に国立療養所は、昔は結核対策に積極的に協力するという趣旨から、社会保障制度がまだ十分でなかった時代には、こういう方法以外に協力する方法がなかった。ところが、現在におきましては、社会保険も皆保険を達成し、公的な扶助は充実し、また、結核予防法の命令入所その他の制度が充実してまいりまして、国立療養所自体がそういういわゆる社会保障的な政策をみずから行なうということでなしに、社会保障的な政策はそれぞれの方法で充実させていき、そして医療機関は医療機関本来の姿で通常の医療機関の姿でこれをやっていくということも一つの行き方ではないかということも考えられるわけであります。まあそういう意味で二割引き云々の問題も検討しておることは確かでございます。そういうことで、国立療養所全体といたしまして、決して結核対策の足を引っ張ったりということでなしに、むしろ国立療養所がもっといい医療機関、もっと能力の高いものになるためにむしろこういう努力をしているものだというふうに御理解いただければまことにありがたいと思います。
 基準看護の問題につきましては、国立療養所は、通常の健康保険でいえば基準看護の加算をとり得るだけの人的な配備をいたしておるにかかわらず、従来これは加算を徴収していなかったということは、これは二割引きその他を実施したと同じ趣旨でございます。したがって、この問題も二割引き廃止というような場合には当然サービスに相応するだけの加算というものもいただいてもいいのではないかという考えがございます。したがって、これは、先ほど申しました原則的に国立療養所が直接的に社会保障的な仕事の片棒をかつぐのか、あるいは本来の医療機関としての本然の姿に立ち返るのかという問題に関係とであろうと存じております。
#38
○藤原道子君 国民皆保険という名前はいいんですけれども、ほんとうにそれができているとお考えでございましょうか、そこに問題がある。だから、国民皆保険が社会保障的な制度が行き渡ったから療養所は本来の医療機関の使命に返るのだということについては私はひっかかります。療養所で、今度は、重症心身障害児、あるいは老人病、あるいは筋ジストロフィーもどんどん入れるわけです。それがはたして社会保障で十分まかなってもらえるとお考えでございますか。そこまでまだいっておりませんよ。だから、私は、国がそういうものには責任を持つんだ、最終的な責任は国が持つんだ、こういう考えでやってもらわなければ納得まいりませんが、あなたの気持ちは、いまおっしゃったように、医療機関そのものの姿に返ってよろしい段階に来ておる、こういうふうに言い切れるのですか。
#39
○政府委員(若松栄一君) 国立療養所も病院でございますので、本来の医療機関の立場に返るということは基本的に一つの考えであると思います。同時に、国立療養所というものは、国の医療機関といたしまして特殊の使命を持っていることも確かでございまして、一般の医療機関のように、金のもうからぬものはやらないとか、赤字が出るからやらないという性格のものではございません。現在の結核医療自体が、いろいろなサービスを引き加えますと、とうてい採算に合う性質のものではございません。したがって、国立療養所それ自体が採算をとろうといたしておりませんということは前々から申すとおりでございますが、また、結核以外に国立療養所が引き受けることが適当であろうと申し上げますような医療、つまり、重症心身障害児の医療であるとか、筋ジストロフィーの医療であるとか、あるいは老人慢性疾患の長期療養であるとか、あるいは交通災害、その他身体障害者のリハビリテーションであるというような、これらの国立医療機関としてまさに引き受けるべき医療と思われるような医療も、これまた現在のところ健康保険の診療報酬等のベースではなかなか採算の合うものではございません。そういうものこそ国立医療機関がやるべきものと心得まして、そういうような政策的な医療を積極的に担当しよう。したがって、それについても、採算を合わせようとか、もうけようという意思は全くございません。ただ、そのような医療を引き受けても、経営の合理的な運営ということはこれはもう当然のことというふうに申しておるわけでございます。
#40
○藤原道子君 費用のことを全然考えないならば、何でいまここでいろんな批判がある特会制に持っていくか。それに、この間、農山村地帯の療養所は都市に集中すると、まあこういうことがいわれておりましたが、これは事実ですか。ということを考えると、厚生省はこの機会に国立療養所を半分くらいに減らすというようなお考えがあるんじゃないかと思いますが、その点について伺いたい。いま無医地区の問題が非常に問題になっておりますときに、なぜ無医地区が広がるようなことを厚生省ではお考えになるか。国民皆保険の時代に、療養所の患者はだんだん老齢化し、余病もたくさんかかえているというふうに私は聞いております。これに対応できるように療養所を総合化して、そうして農山村の国民の医療を少しでも保障するように考えるべきではないかと、こう考えますが、不便な土地だからこれをやめるんだ、都市に集中するんだというようなことになると、いよいよ僻地の人たちの健康は非常に憂慮されるべきものがあると思いますが、これは局長はどうお考えですか。
#41
○政府委員(若松栄一君) 国立療養所の統廃合ということばがしょっちゅう使われております。統合ということは私ども従来から相当積極的に行なっております。特に近接した療養所を整備していく場合にこれを統合するということは、これはもう当然のことと存じております。たとえば、千葉に、かきね一つを境にいたしまして千葉療養所と千城療養所があった。かきねを取れば全く同じ敷地でございます。そういうようなものを二つを一緒にする。あるいは、福岡の北にあります三療養所が、これも全く接して三つ療養所があった。これらのものを整備する場合に、能率的な運用を考えまして一カ所にまとめる。あるいは、全くかきね一つということでなくても、一キロ二キロ程度で療養所が二つ三つあるというようなところもしばしばございます。そういう意味で、先生も先日ごらんになりましたような、愛知と大府を一緒にするとか、あるいは八事と梅森を一緒にする、あるいは兵庫と春霞園を一緒にするというようなことは、これは将来の合理的な運営ということを考えて医療施設の近代化をいたします場合には当然統合ということが考えられるわけでございます。
 ただ、御指摘がありましたような、いなかの施設を都市に統合するというような考え方は、全く持っておりません。いなかの施設で単独に存在しておりますものを、相当三十キロ、四十キロも離れたような都市の施設に統合するというような計画は、現在のところ全く持っておりません。ただ、その国立療養所の機能的な面から、いろいろ機能的な分類に従って整備をしていく。将来とも、十年、二十年、あるいはそれ以後までも、結核療養所として残していきたいもの、あるいは、いなかの地域におきますと、もう将来結核患者が十人、二十人になってしまうかもしれないというようなものを、その地域で結核専門の施設を維持しようといたしましても困難でございますので、そのようなものは適当にこの目的に従った形に転換しながら整備していくというような計画的な目的別の整備の方針があることは確かでございますが、単にいなかの辺地のものを都会に統合するというような画一的な考え方は持っておりません。
#42
○藤原道子君 それでは、農山地帯の療養所を都市に集中するというような新聞記事がございましたのはうそなんですね、と承っておきます。特別会計の問題は、非常に重要でございますので、きょう初めての口火でございますから、いずれまた、後日、具体的に調査をいたした例をあげて質問したいと思います。
 そこで、いまあなたのほうからお出しになりました療養所の統廃合、これについて若干お伺いしたいと思います。
 私は、過日、愛知県へ参りました。ところが、愛知県の県会あるいは市会、これらがすでに決議をいたしまして、八事とそれから梅森の統合には反対の決議をしております。たしか、市議会では、厚生省へも陳情するということになっているはずでございます。
 私が調査したところによりますと、愛知県には要入院患者が六千名もいる。しかも、あなたのほうのいま言われた統廃合によりまして結核ベッドが非常に減らされる。これに対して、愛知県では、結核患者が多いのにこれ以上減らされちゃ困るというような意見のようでございます、県会もあるいは市会も。そこで、私はお伺いしたいのは、八事と梅森のことでございますけれども、最初厚生省の計画では、これは昭和四十年の三月に出された梅森の青井所長名の文書によりますと、「患者と職員に対する訴え」として、梅森の単独整備であり、六百床確保、うち、結核五百床、一般百床、がうたわれています。そればかりか、「他施設との合併も考えてはおりません」ということをはっきり明言されているんです。そのころ、八事の整備計画としては、いま手がけている肢体不自由児の訓練をはじめとする小児慢性疾患の専門施設として梅森の敷地内に移転する案などが出されていたけれども、統合するというような考えは毛頭持っていないというようなことだった。
 ところが、去年になりまして急転して統合の方針が決定した。厚生省は六百床ということで建設計画を立てた。第一期工事として建築した三百床、これで工事のストップという圧力をかけた。それで、あわてて梅森と地方医務局との幹部が相談して、八事との統合を前提として当初計画の六百床を認めてもよいという態度を示してきたということなんです。最初は、梅森自体で六百床、これを整備する、こういうふうなことであったのが、なぜ急に三百床ということでストップをかけられたか。そうして、あわてて上層幹部のほうで相談をして八事と統合する。八事と梅森は十キロ以上離れているんですね。いま、あなたは、一キロか二キロのところとおっしゃったが、非常に離れているんです。というと、局長の言われたこととたいへん話が違ってくる。これは一体どうなんでございますか。愛知県では、統廃合について、非常に距離が離れているので不便である、しかもベッドが縮少されることは困るということで反対している。それから名古屋の市議会でも、もっと強い反対の決議がなされているわけなんです。これら地方の声を尊重すべきではないかと思いますが、いかがでございましょう。
#43
○政府委員(若松栄一君) ただいまたいへん具体的な例でお話がございましたけれども、梅森光風園は五百八十床、同じ名古屋市内の同じ区内にあります八事療養所は、確かに一キロではございませんけれども、同じ区内にございます八事療養所は二百二十床という小さな療養所でございます。療養所としては、運営その他から非常にむずかしい小規模の療養所でございます。したがって、私どもといたしましては、梅森を整備する場合に、この際八事を一緒にしてしまいたいという気持ちを従来から持っておりました。施設では一緒になることはなかなか賛成してくれません。しかし、いろいろな将来のことを考えまして、ようやく両方の施設が統合整備するということを承知いたしたわけでございます。したがって、私どもといたしましては、両方が統合することを前提といたしまして、まず六百床の病床を整備しようと。三百床だけやって、あとから統合の話が出てまた三百床つけ足したということでは決してございません。先生自身現地でおそらくごらんいただいたことと思いますけれども、計画自体が、三百床をつくりましたときに、三百床は六階建ての片翼でございます。そうしてあとの片翼の三百を今度つけ足すということで、構造からごらんいただきましても、両翼ではじめてあの療養所が完成するわけでございまして、現在すでに躯体打ちもほとんど片翼のほうはできていると思います。おそらく来年中には内装の整備で完成する段階であろうと思っております。
 なお、そういたしまして六百床ということになるわけでございますが、梅森光風園にはそのほかに従来からの病棟がまだ相当ございます。しかも、木造建築でも相当手入れの行き届いたかなりりっぱな木造病棟もございます。したがって、それらも含めまして、現在の梅森の五百八十、それから八事の二百二十、合計八百という病床数は新しい梅森の敷地の中に完全に確保できるわけでございます。
 なお、それに、先ほどちょっとお話の出ましたような、八事で児童の療育施設を持っておりますが、それの機能訓練棟等も現在建設中でございまして、それらの機能も決してそこなわないように、現在ある機能、しかも非常に希望されている機能は一そう充実するという方向でこの再建整備計画を進めているわけでございます。
 なお、名古屋市当局で反対決議があったということも承知しております。しかし、これはどこまでも結核ベッド数を減らすような統合のしかたは困るということであろうと思っております。そういう意味で、現在のところ、統合によって総ベッド数を減らすというような形はとらないというたてまえで進んでおります。
#44
○藤原道子君 それでは、病床数は絶対に減らさないということですか。統合してもベッド数は絶対に減らさないということですか。
#45
○政府委員(若松栄一君) ただいまお話のありました梅森光風園と八事療養所の合併につきましては、そのような方向で進めております。
#46
○藤原道子君 ところが、厚生省と八事の所長で、初め、決して減らさない、職員の首切りもしないというような話し合いがあったらしいが、厚生省の療養所課長ですか、全医労本部に対してこういう答弁をしているんですよ。「小児慢性については、その実績をみたうえで増床を考えることとしたい。昭和四十三年度予算要求では、特に重点要求としていないが、全体の整備費予算がたくさんとれればいくらか廻してもよい。結核ベッド減による職員の減員は当然のことだ。」と、こういうことを言っておられる。すると、ベッド数を減らないなら、いまの職員の首切り等は行ないませんね。これはどうなんですか。療養所課長はそういうことを言っている。
#47
○政府委員(若松栄一君) ただいまベッド数ベッド数と言っておりますのは、これは具体的には収容能力の建物の内容でございます。私どものほうの療養所におきましては、現在、先ほども申しましたように六万人程度を収容するだけの建物を持っております。それで、現在の収容患者数は四万程度でございます。建物としては二万人分ぐらいの余裕があるわけでございます。しかし、現実の運用といたしましては、年々患者が減っておりますので、現実の患者を扱うことを考えながら訓令定床というものをきめております。国立療養所全体としては六万ベッドの入れものがあるけれども、現実に患者を入れ診療する能力としては五万ベッド分を確保しようということで、五万なら五万という訓令定員というものを持っております。訓令定員というものが五万で、五万人は受け入れるだけの職員能力は持っていますけれども、現実に患者が四万人しかいないということで、ちょっと具体的になりますけれども、建物の収容能力というものと職員の診療能力というものと現実の患者数というものと、それぞれ一万人ずつぐらい差があるのが実情でございます。そういう意味で、訓令定床というものは、その施設の実情に合わせまして毎年毎年大臣から訓令されることになっております。したがって、六百床の入れものであっても、現実に五百人しか愚者が何年間か入っていないという場合に、通常訓令定員というものは五百というふうにきめてまいるわけでございます。梅森の場合が現在訓令定床がどうなっているか、ちょっといま記憶がございませんけれども、そのように入れものの数といわゆる職員を規制している訓令定床というものとそれから現実の収容数というものと、それぞれ各施設によっていろいろ差がありますので、これは個々の施設ごとにそれぞれ定められ、そして人員等についてもそのような配慮が加えられているわけでございます。
#48
○藤原道子君 私は、いま、梅森と八事のことを聞いているんですよ。具体的にいまあなたは、六百床建てて、いまの二百四十床はまた建て……あるのを使うんですか、何だか減らさないとおっしゃるんです。それで、施設が新しくなれば、患者さんは来るですよ、六百床。ということになれば、首切る必要はないじゃないですか。それを聞いているんです。よそのことをいま聞いているんじゃない。
#49
○政府委員(若松栄一君) 梅森と八事の合併はまだ完了しておりませんので、梅森の八百床という収容能力に対してはどれだけの患者が現実に入ることになるのか、いま予想がつきませんが、従来の収容実績を十分に勘案いたしましてそれ相応の職員数を配分するわけでございます。そういう意味で、現在、定員が何名で、一体首切りが起こるのか起こらぬのかということになりますと、いま具体的な数字を持っておりませんが、そのような無理なことは行なわないという方針は明らかにしております。
#50
○藤原道子君 私がある人に聞いて、名前を出すと迷惑だと思うから、名前は伏せますけれども、この八事と梅森の統合は無理だと言うんです、その療養所は十キロ以上離れていて。ところが、六億の整備費をひねり出すために梅森の七万坪を約八億四千万円で売るんだそうですね。それではまだあきたらず、あくどい厚生省のやり方として八事の六千坪を売却する。あそこは値段が高いですから、梅森より。ごっそりもうけようというようなあくどいことから中途から急速にこの統合が始まった。実にけしからぬ――これは偉い人ですよ――ということを私聞いてきた。あなたはそうじゃないとにやっと笑っているけれども、その笑いが問題だと思う。私は実にけしからぬと思うんですよ。初めは、統合するんじゃない、梅森自体で整備するんだということであったのに、急速にこれが変わっちゃったんですよね。考えてください、急速に変わっているんですよ。ということすらいわれている。それと同時に、愛知県でも名古屋でも、統合されちゃ困る、もっと愛知では療養所の数がほしい、ベッド数がほしいんだと、こういうことを決議している、県会でも市会でも。それで、おそらくあなたのほうへも陳情に来ていると思うんです、決議を持って。というときに、何を好んでこれをどうしても統合しなきゃならぬのか。あれだけ六億かかるところに七億幾らで売れたんだから、それでいいじゃないですか。十キロ以上というのはたいへんですよ。職員が八事から梅森に行くのには、二度も三度もバスを乗りかえなきゃならぬ。この間行って私はすっかり往生して来た。そういう不便も考えて、幾ら入れものができたって、働く人がなければだめなんですからね。いままで結核撲滅のために協力してこられた従業員の立場も考えてやってもらって、こういう無理なことはぜひお考え直しをいただきたい。ここに結核患者の愛知県における数も出ておりますけれども、私一人であまり時間をとっても失礼でございますから、これ以上申しませんけれども、これはひとつ考えてもらいたい。
 それから愛知県下における健康診断の受診率は、名古屋市で二〇%、名古屋市を除く県下で三八%、県下全体では三〇%にすぎない。それでこれだけの患者がいるんだから、もっと健康診断が行き渡ってくれば患者数ははるかにこれをオーバーするであろう、こういうことも土地の人に私は聞いて来たんです。そういう状態であるのに無理をして統合するということに対しては私は納得がいかないというわけなんでございますが、ほんとうに患者のためを思い、国の施設の充実を考えるならば、十キロ以上も離れているところに無理に統合して、しかも働く人たちにその苦しみを与えるようなそういうやり方は反省してもらいたい。費用がないならいいですよ。国から出さなくたって、あそこを売り払った金でできるじゃありませんか。それで、患者、地元も、ぜひ統合しないでほしい、ベッドを減らさないでくださいと。最初言われたように、今度愛知県はずいぶん減るんですよね、あちこち統合して。こういう点で私はお聞きするんですが、どうしても八事と梅森を統合しなければならない理由、これをちょっと聞かしてほしい。いろいろ行って調べて来たし、出張所長にも会ったし、いろいろいたしましたけれども、無理に統合しなきゃならない理由が私にはつかめなかったんです。
#51
○政府委員(若松栄一君) 梅森と八事の統合につきまして地元の反対というものは、ベッド数の減少は困るということが一番中心であろうと思いますので、これらの点については十分配慮をしていくということは申し上げました。
 梅森の整備にあたりまして、土地売却だけで十分費用が捻出できる、それにもかかわらず、八事と統合して八事まで売り払うとは何事かというお話でございますが、先ほども申しますように、国立療養所は百六十カ所もございます。この中には、いなかのほうで、それこそ売り払う土地も何もないところもたくさんございますし、土地の値段も坪百円程度のほんとうのいなかもございます。梅森は、なるほど名古屋市内に編入されましたために土地の価格も上がりまして、余裕の土地の放出で相当の金額ができたことは確かでございますけれども、国立療養所全般といたしましては、一般財源からもらう金は非常に少ない。どうしても供出できる土地はできるだけ供出して全体の整備計画に回したいという趣旨で、国立療養所全体として資金計画をやっておりますので、梅森の土地は梅森だけで使えるというようなふうには考えておりません。したがって、八事の土地を将来処分いたしました場合も、当然これは他の療養所の整備に回る金であります。
 また、八事と梅森を無理に統合する必要はないじゃないかというお話もございますけれども、現在のような交通事情、あるいはその地域の都市化という状態から考えまして、現在の距離はそれほど患者あるいは職員の勤務のために重大な支障を起こす程度のものではないという判断をいたしております。もちろん、若干の人には多少の迷惑がかかることはあるかもしれません。
 一方、療養所の整備ということをいたしますと、たとえば、梅森に六百床つくる、八事に二百床の整備をいたします場合に、八事と梅森にも事務室をつくらなければならない、同じように外来もつくらなければならぬ、同じように炊事場もつくらなければならぬ、洗濯場もつくらなければならぬということになりますと、総体の経費としては、一カ所にまとめて六百床つくるのと、二ところに分けて六百床整備するのとでは、整備費の費用が相当違ってまいります。そういうような意味で、できるだけ少ない経費で十分な整備と機能を持ちたいという意味で、できるだけ近接したものは統合して経済的に合理的に整備をしていくという趣旨でございまして、十キロ離れていたものは絶対的に統合してはならぬ、あるいはしなければならぬということよりは、現実的な合理的な配慮に基づいてそのような計画をいたしておるということでございます。
#52
○藤原道子君 そこが問題なんです。あなたのほうの都合だけ考えているんです。地域の住民の都合、患者さんの立場、働く者の立場なんというものは考えていないんです。
 それからいま、われわれの反対を押し切って洗濯なんというものは下請に出しているので、洗濯場はつくらないじゃありませんか。
 それに、あなたいまおっしゃいましたけれども、少しくらいな不便はがまんしてもらうと。あの朝の通勤時に、二度もバスに乗りかえる。三回のところもある。直通のは一日にわずかしか出ていない。朝の通勤時のラッシュに二度も三度も乗りかえて、向こうへ着いたときはへとへとですよ。それでまた帰りは帰ってこなければならない。ことに、看護婦さんというものは、三交代制ですよ。ずいぶん不便じゃありませんか。わずかなこととおっしゃるけれども、あなた方のように自動車に乗ってブーっと行くんじゃないですよ。バスへ乗っていかなければならない。乗りかえていかなければならない。しかも、三交代制なんということになれば、たいへんなことですよ。
 その他、さらに、新しくこれから支給される都市手当ですね、これが八事にはあるけれども、梅森はゼロになる。同じ昭和区だけれども、直線で五キロ以上離れているが、ずっと回っていくと十キロだ。同じ昭和区であるから、名古屋市であるからとおっしゃるけれども、こういうような相違が出てくるんですよ。こまかく働くものに愛情を持つならば、こういう点も考えてもらいたい。しかも、八事を整備するのにたいへん金がかかるというけれども、八事と梅森では土地の価格はこんなに違うのですよ。八事だけ整備するといったって、八事で済むんですよ。それから患者も近いところは非常に便利なんです。地域住民の立場、患者の立場、働くものの立場を考えるときに、どうしても統合しなければならないという理由はないし、統合には絶対に反対をしなければならない、こういう立場にありますが、一体これはどうなんですか。
 年間に四万円違うんですって、甲地とゼロ地とで。これはどうなるんでしょう。同じ場所で働くんですよ。八事は甲地なんです。梅森はゼロ地なんです。こういう相違も出てくる。そこまでお考えになりましたか。同じ職場で働く。しかも、片方は骨を折って二回も三回もバスへ乗りかえていかなければならない。そうすると、非常にこれは不合理になるんじゃないでしょうか。私は、それでも、結核対策上確かに統合しなければならぬということが納得できれば、あえて反対しませんよ。手当その他を考えてもらえばいい。そうじゃない、無理にやる。こういうことが各所に出ますよ。国民の健康を管理していこう、医療を担当していこうという立場になれば、そういうところもお考えいただかなければ納得いかないんじゃないでしょうか。それでも統合しなければやれないでしょうか。
#53
○政府委員(若松栄一君) 統合に踏み切った理由につきましては、いま申し上げましたとおり、決してあり余っている経費ではございませんし、きわめて乏しい財源を有効に、しかも地の利を得ている所だけがこの恩恵をこうむるというようなことはまことに好ましくないのでございまして、そこにあったというだけで、その療養所だけが非常に恵まれて、いなかにあったために整備もできないということではまことに不公平でございますので、国立療養所の財産というものはどこまでも国立療養所全体の財産であって、決して八事の財産ではない、また梅森の財産ではない。これはやはり国立療養所全体として連帯的な意識に立っていくべきもので、したがって、それらの財産はできるだけ公平に、有効に、合理的に使っていきたいという趣旨でございます。各地域の住民の方々の交通上の便、あるいは職員の交通に関する不便等が若干起こってまいることは、確かに御指摘のとおりであろうと思います。この点はそういうような大きな目的のために若干のしんぼうはお願いしなければならぬということは心苦しいことではございますけれども、やむを得ないかと存じております。
 なお、梅森が現在はゼロ級地で八事は四級地であるというようなことは、名古屋市の発展の段階、市と町村の統合等との段階でこのような不合理が出てまいっておりますが、現在は同じく名古屋市でございますので、これらの地域は、今度の都市手当の問題に関しまして、八事と同じ都市手当に引き上げていただくように現在人事院と折衝中でございます。
#54
○藤原道子君 あまり長くなりますから、また次の機会に譲りたいと思いますが、ただ、この際申し上げておきたいのは、患者の構成が変わってきた結核。国はほんの申しわけ程度にしかやっていない精神。それからいま、一面に、重度心身障害者対策の七カ年計画を出している。厚生省は、国で保障しなければならない医療の将来と国立療養所の将来を結びつけて、国立療養所が結核撲滅に果たしてきた実績を生かし、国民の新しい要望にはかくこたえるという将来的な構想を持っておいでになるかどうか、これを聞かしてもらいたい。きょうは大臣がおりませんから、政務次官に。それから将来の構想がないから、もっと充実しなければならない国立療養所を、統廃合縮小、口先だけの転換や併設など、これらは少しも前向きになっていないと思う。目先だけですよ、いまのやり方は。将来の展望、こういうものについてこの際はっきりお聞かせ願いたい。
#55
○政府委員(谷垣專一君) 藤原先生の御意見を拝聴いたしておりまして、厚生省は、もちろんこの結核の問題にいたしましても、その他最近問題になっております重度の障害者の問題、あるいはその他の問題につきましても、この対策に対して積極的に取り組んでまいる考え方でおるわけでございます。ただ、問題といたしまして、先ほど来お話がありましたように、国立療養所の情勢がだいぶ空床ができている。空床の原因について、結核で在宅しておるような人たちに対してはどうするのだという御意見も確かにございますし、その対策もしなければならぬと思いますが、現実に国立療養所のベットがあいてきつつあるわけでありまして、そのほかに現在の国立療養所そのものの建物の改築その他施設の大改善をやりたいという考え方を持っておりまして、あわせまして一あわせましてというよりは、さらに新しい問題といたしましての早急の新しい対策を講じなければならぬ、そういう対象が出てきておる、こういう状況でございます。
 それで、これを特別会計にすることの可否の問題が出てまいるわけでございまして、先ほど来医務局長からお答えいたしておりますように、その問題が現在出ておるわけでございますが、私たちといたしましては、どちらのほうがよりこれからの積極的な厚生省の対策としていいかどうか、これを考えて折衝しておるわけでございまして、いま特別会計制度にすぐ現在踏み切っておるという段階ではないのでございます。現在遭遇いたしておりまする国立療養所等の改築等に対してどういうふうにやればいいかという観点から、財政当局等のそういうような提案に対していろいろと議論をしておる、こういうことでございまして、これはいずれ来年度の予算編成等が目の前に迫っておりますので、そういうときに具体的な対策、お互いの態度がはっきりしてくる、こういう状況だと思います。
 考えておりますことは、現在の結核対策、その他の医療の対策にいたしましても、あるいはまあこれは底辺の問題といたしまして社会保障制度の拡充問題があるかと思いますが、国立療養所の現在の、また将来の見通しといたしましてやらなきゃならぬ対策をこの際何としても確立いたさなければならぬという念願のもとにやっておりますことを御了承願いたいと思います。ただ、具体的に統廃合の問題あるいはその他の問題にいろいろと問題があるかと思います。これは先ほど医務局長がいろいろ答えておりますが、私は具体的な問題についてはまだ深く様子がわかりませんので御返答は差し控えたいと思いますが、根本的な考え方はそういうことでやってまいりたい、かように考えておる次第でございます。
#56
○藤原道子君 私は、政務次官にお願いしておきます。厚生省は弱いんですよ、いつも。いまのあなたの答えた特会制に踏み切ることは決定してはいない、いま検討中だとおっしゃったわけですね。これは確認いたします。
 それから財政硬直化のために非常に厚生省予算が削られそうなんですよ。新聞の知識だけでございますけれども、生保の問題、重症心身障害児対策、それから原爆被爆者生活保護手当の問題、公害救済基金の問題、さらに年金の福祉年金、障害年金、母子年金、これらもほとんど難色を示されて望み薄いというふうに出ている。いま、物価値上げ、繁栄の中の貧困、非常にきびしいものがございます。こういうときに、厚生省は、声なき声を聞いてそれらの生命を守っていくという省だと私は思っているのです。したがいまして、この現実を十分にとらえて、もっと大衆の立場に立って大蔵省へ強く要望していただく。国の医療行政の後退にならないように、生保の人たちの生活をさらに一そうきびしい状態に追い込まないように、ひとつ厚生省は強くなってほしいということを大臣にも十分お伝えになっていただきたい。これは特に政務次官にお願いしておきます。
 そこで、ついでに、いま洗濯の問題が出たものでございますから、このことだけ局長にお伺いしておきたいと思う。いつぞやここで質問したときに、結核は伝染病ですからこれを下請に出すのは危険じゃないかということを言ったら、消毒をしてそれから出すのだと、こういうふうにおっしゃる。ところが、私が調査したところによりますと、私の調査したところは二十三カ所ですが、施設内で施設の職員がやっているところは五カ所、施設内で業者がやっているというところは九カ所、それから業者が持ち帰って消毒しておる、こういうところが九カ所なんです。私は梅森へ行って見ましたけれども、どんどん積んでいるんですよ。これをどうするのと言ったら、いや、これは倉庫へ入れておいて業者が持って帰って消毒するんだと。あの近代的な施設、りっぱですよ、あすこは、梅森の施設は。ところが、消毒の施設はないのですね。私の聞いたところでは、私の間違いかもしらぬけれども、施設は消毒の場所はつくって、消毒するのは業者がして持って帰るのだというふうにしたいというように私の頭にあったのですが、行ってみて驚いちゃった。袋へ入れて、エレベーターでもっておろして、それでそのまま持っていっているらしいんです。十分調査ができていないから間違ったらごめんなさい。ということになると、私は非常に危険だと思うのですけれども、これは一体どういうふうにお考えなんですか。いま、病院がどうやっているか、業者が持って帰って消毒の状態はどうなっているのかというようなことを次の委員会までに調査をして御答弁が伺いたい。いまのままだと非常に危険です。
 それからもう一つ続けてお伺いしたいのだが、寝具下請にまつわる黒い霧ということがえらい評判になっている。あれは大体入札ですよ。入札でやっておりますが、私ども調べたところによりますと、非常に納得のできないところがある。これについて厚生省へも地元業者から陳情書が行っているはずです。だけれど、長くなるから読み上げるのはよしますけれども、ちゃんと具体的な例をあげて厚生省へ陳情書が行っているはずでございますが、これに対して御調査をなすったかどうか。
 それから入札の問題でございますが、これは盛岡療養所、花巻療養所の問題です。最切に入札したときに、地元業者のほうが若干安かった。地元業者が二十四円九十銭。ところが、綿久というのが二十六円で入札した。第一回の入札が済んだときに、ここの工藤事務長から、「当療養所の予算額に達せず再度の入札」ということを申し出た。ところが、再度の入札をしたところが、最初第一回のときには二十六円で入札した綿久というのが十九円で入札した。最初は二十六円、二度目のときは十九円、それで綿久に落札をしている。この綿久の問題でいろいろなうわさを私は聞いている。厚生省の予定は四十円ですか三十円ですか、だと思いますが、十九円で入札して、それに落ちた。同じ日に、わずか一時間ばかりの間に、最初綿久は二十六円で入札しておきながら、再入札ということになって十九円で落札した。大体のところを見れば、落札しているのは三十円が多いですね、千葉でも、熊本でも、あるいは中野でも。一番安いところが二十三円五十銭というのが宮城、二十円というのが茨城にありますね。あれはどういうふうな単価を見込んで各療養所に通達しておられるのか。第一回で二十六円に入札しておきながら、二回目には十九円にがたっと落ちている。土地の業者は二十四円九十銭で入札したのが、なぜそういうふうになったのか。いろいろこの問題についてはうわさされている。きょうは時間がございませんから、お調べいただいて、この次の委員会で、あるいは通常国会になるかもわかりませんけれども、消毒がどういうふうなやり方でなされているか、入札がどういうふうになされているか。何でも全国的なつながりを持っているやに私は聞いた。それで、厚生省のある人に非常に黒いうわさが流れております。私は少なくとも厚生省でそういうことがあってはならないと、また、あるはずがないと思っておりますけれども、うわさというものはおそろしいものだと思います。火のないところに煙は出ないということで非常にこの点を心配いたしておりますので、次の委員会までに調査してお知らせが願いたい。
 ただ、きょう聞きたいのは、どういう指示がなされて、どのくらいの単価と見込んでおいでになるか、この点をお聞かせ願いたい。
#57
○政府委員(若松栄一君) 本年から国立療養所の約三分の一程度に基準寝具を実施いたしまして、これをいわゆる寝具屋に下請に出した。この下請に出すにあたりまして、本来ならば全部入札で行なうべきものを一部随契でやられたものがあり、あるいは競争入札をやったものの中にもいろいろの値段が出てきたということにまつわりまして、いまのような御不審があるやにお伺いいたしました。私どもの指示といいますか、施設側に対する指導は、厚生省のほうの予算は三十円であるから、それに合うように、その範囲内でまかなえるようにという指導をいたしておりますので、具体的に何円というような指導はございません。このような単価は、ある意味では役所の予算でございますので、これを隠してあるわけでもございませんし、おのずとわかっていることでございますので、大部分のところが三十円あるいはそれに近いものに落札していると承知いたしております。なお、詳細につきましては、後刻調査の上御報告いたします。
#58
○藤原道子君 それからあなたのほうで消毒の状態は厳重にしてもらわなければ、これだけは、伝染病ですから、私は納得がまいりません。なんでもかんでも下請に出すという政府のやり方に私はもともと反対でございます。ところが、いま三十円で厚生省が出しているとすれば、花巻寮養所でも、「療養所の予算額に達せず再度の入札」というのはおかしいですね。二十四円九十銭で地元の業者が出している。片方が二十六円だ。ところが、当療養所のあれに達しないということで再入札にした。ほかの療養所は、三十円が一番多い。それだのに、二十四円九十銭をパーにして、二十六円と入れた人が次には十九円、こんな開きがあってはならない。そういう点もよく調査していただきたいし、地元業者から厚生省へあれがきておりますが、これらについてもごらんになったと思うのです。つきましては、どういう御回答をなすったかもこの次にお聞かせ願えればけっこうだと私は思います。とにかく、国の医療がとかくのうわさを生んでおるということは非常に残念でございます。
 それからもう一つは、病院寝具協会、これのメンバーですか、役員、これもこの次に御提示を願いたい。
 きょうは、この程度にいたしておきます。
#59
○大橋和孝君 時間が迫っておりますから、私の質問はきょうはこれまでにして、この次にやりたいと思いますが、いまの藤原先生の質問に関連をして、この前私が星ケ丘の病院のときにもこの結核の問題についていろいろお尋ねをしたそのときと、今の時点と、答弁を聞いておりますと同じことであって、このようでは、先ほどから藤原委員並びに藤田委員からもお話があったように、一体結核というものをほんとうに撲滅するところまで行けるのかどうか。実際患者はふえているのに、いま答弁を聞いておると、五百五十三万が四百五十一万になり、また三百四十四万とだんだん減っているんだと。私は京都で調査いたしましたが、周辺地区の保健所がやっておりますところの受診率を見てみましたら、やはり二〇何パーセントですよ。これは、そこらでかかって入院したら生活がいまの現状で非常に困るからというので、結核患者でありながら逃げておるということなんです。これらのことを考えてみると、数が減ったから、だからして病床があいておるからというのは、私はむしろ非常な手落ちであるということをこの間も指摘したはずなんです。ところが、いま同じそういうことを言われておることは、開放性の者が八十二万もあるといいながら、あるいは入院治療を要するものがあるということを認めながら、待っておっても来ないから施設を転換していくんだと、こういう安易な考え方は私は徹底的に間違いじゃないかと思うのです。そういう点で、この間からもこういう議論は申し上げておるわけですし、きょうも藤原さんの議論の中にそれが出てきていると思うのでありますが、こういうものに対して公衆衛生の立場からどう考えておるのか。このままで行ってほんとうに結核というものを撲滅できますか、その自信を持っておるのかどうか、ここらが根本問題だ。そういう政策の間違いであるとともに、こういう予算期に際して、先ほど最後に藤原委員も触れられたのですが、厚生省の予算がどんどん減らされていって、そして財政硬直化だとかあるいはいろんなことばの、ことばというか、そうしたしわ寄せが、困っておる病人とか、あるいはまた、重症の心身障害児の方だとか、ジストロフィーの方だとか、ハンセン氏病の方だとか、そういう方たちへ行っておるのじゃありませんか。こういう点は、こういう方たちが入りやすいような施設ももちろんそうでありますけれども、もっとそれに対するいわゆる生活保障的なものがなかったならば、入っていけないいまの苦しい状態です。私は京都府をずっとこの問うち回ってみましたけれども、ほんとうに年寄りが農業に従事しておって、その人たちが出たらもう畑を捨てなければならぬという立場で、実際に見てまいりまして開放性の結核があるわけですよ。ああいう人たちは、当然入院させるとか、あるいは政府で収容しなかったならば、もっと病気は悪化します。そういうものをほうっておいて、いまのような方向へ行くという誤りは、どうかして声を大にして何とかしてとどめてもらいたいと、こう思います。
 それだけ言っておいて、同時に私きょう質問していろいろ話をしたいと思っておったのは、重症心身障害児の問題の施策についてお話ししたいと思ったのですが、これはちょっとやめますが、一つだけここで触れておきたいことは、去年も厚生省に対するハンセン氏病のすわり込みの運動があったときに、私もその場へ行って、そして厚生大臣の鈴木善幸さんのところに私は話をつけて、厚生省としてはこういう人たちに対する施策を根本的に考えましょうということで、あのすわり込みを解いてもらったはずなんです。ところが、今度の予算を見ておりますと、むしろハンセン氏病に対する予算は四十二年度に比べて四十三年度のほうが少なくなっておるということを聞いております。これは公の立場で厚生大臣が公約しておかれながらこれが少なくなっておるということに対しては、もしそうだとすると、私は非常にこれは大問題ではないかと考えます。特に、ハンセン氏病の人たちというのは、もうわずか一万何ぼしかいないわけであります。全額にしたらわずかなことなんです。しかし、この人たちは、社会的に、何といいますか、大きな制約を受けてそういうふうな状態におられるわけであります。特に不自由な者に対してのいわゆる看護職員の切りかえ、こういうようなものを完全にしてもう少し看護してやる、付き添いをしてやらなければいけない。ところが、いま、そこらの状態を見ておりますと、軽症の患者が重症の患者に付き添っておるという状態です。これは医療法の立場からいっても明らかに間違いであると、こういうふうに思うわけです。同時に、また、そのときの大臣のお話で、不自由者に対する手当とか、あるいはまた療養慰安金、不自由者慰安金というような形でいま出されておりますが、これが生活保護の基準よりずっと下回っておるので、これを改正しましょうというお話を承ったのであります。これに対して一体どういうふうになって今度の予算にはされるかということだけはひとつ一ぺん伺っておきたいと、こう思います。特に資力のないハンセン氏病の人たちが、療養所で、私は実際にも見に行きましたが、非常に危険な状態でやられておる。私はこういうようなことに対しては、そのときの話し合いにも、大臣にお話を承って、そしてそういうことに対しては十分配慮をいたしますということであの厚生省の中のすわり込みも解いてもらったつもりでおりますが、そういう点についてもまだ何のあれも聞いておりません。ですから、少なくとも今度の予算のときには、こういうものがこれだけは前の大臣も努力をしておられるわけですから、続いて立たれますところの現大臣あるいは政務次官のほうにおかれましても、どうかこの点を十分厚生省の中であれしていただいて、今度の予算には十分反映をさしていただきたいと思うのですが、その点はいかがですか。
#60
○政府委員(村中俊明君) らいの予防対策についての御指摘でございますが、本年度のらい予防の対策費は、予算として二億ちょっと切れて一億九千八百万、これを上回る形で今回大蔵要求をいたしております。この内容は、医療費と、それから生活保護の部分、これが予算化できるように今後とも努力をいたしたい、こう考えております。
 それから私どものほうの予算に関連してまいりますが、御指摘の中にもございましたけれども、現在収容されている一万程度のらい患者に対して就労助成金制度を現在設けております。これは、金額にいたしまして三万円の限度で現在支給いたしております。これにつきましても、社会的な経済状態を考慮いたしましてふやすような努力を今後続けてまいりたいと、こう考えております。
#61
○藤原道子君 一時のがれでなしに、いま言ったけれども、この前鈴木善幸さんのとき、その前の小林さんのとき、各大臣とも確約しているんですよ。不自由者看護の問題にしても、それから障害年金の問題にしても、患者に確約してきている。それがちっとも出てこない。この前のすわり込みのときにも、はっきり確約したからこそ患者たちがすわり込みを解いたのです。私たちも立ち会ってきているのですが、いつも、努力しましたけれども云々で逃げられてしまうのです。今度は、政務次官、歴代大臣の公約ですから、はっきりしてくださいよ。前年に下回るようなことじゃ困るじゃありませんか。
#62
○大橋和孝君 政務次官のお答えになる前に、政務次官にちょっと一つ。
 きょう、ここで、厚生省としては、この間うちからの私の耳ではっきりと約束を聞いているんですから、前大臣の約束されたことをいいかげんなことにしておくということでは困る。われわれとしては、公に約束したことを踏みにじっていくということはいけない、こういうようなことを予算要求しておりますと言って。いまの予算要求は前より少ないじゃありませんか、前年度に比べたら。そういう点からいっても、いまやっていられることはその場のがれの返事であるとしか考えられない。ぜひ今度はその約束を当然やるということではっきりとしておかなければ、天下の厚生大臣が約束しておいて、しかも国民の困った人たちの最終的な責任を持つところの厚生省の代表として話をしておいて、それがあいまいなことで、こんな予算を要求していますということではだめなんで、その予算の中にはこれだけはどうしてもやりますという心強い答弁をしてもらいたい。少なくとも、現在、新しくなられた大臣に対しては、そのことだけは必ずやらせるようにみんなそろってがんばりますというようなことは言ってもらわないと承知ならぬ。どうでしょう、政務次官。
#63
○政府委員(谷垣專一君) 実は、四十二年度――本年度の予算と来年度の予算要求の段階におきまして数字が下回っておるかどうか、これは事務当局のほうから答えさしていただきたいと思います。私はちょっとそれを確認いたしておりません。
 また、ことにらい患者の問題につきましての御質問が主体だったと思いますが、もちろん、大臣がお答えをいたしましたことは、私たちといたしましては全力を尽くしてやってまいらなけりゃならぬと思っております。どの項目でどうという問題につきましては、ちょっと事務当局のほうからでないと、私いま承知いたしておりませんが、御指摘のように、予算の時期になりまして、また、いろいろと財政硬直化がやかましく言われておりますけれども、先ほど藤原先生にお答えいたしましたと同じ気持ちで、ことにこのむずかしい時期ですが、全力をあげてやってまいりたいと、この決心は、先ほど大臣がごあいさつを皆さんに申し上げました中にもあることでございまして、さようなつもりでやってまいりたいと考えておりますので、どうぞひとつ応援をお願いしたいと思います。
#64
○政府委員(若松栄一君) 予算要求等の内容につきましては、いま詳細な数字を持っておりませんけれども、前年度を下回るような要求というものは全くあり得ないことでありまして、相当部分についてそれぞれ改善すべく要求いたしております。
#65
○委員長(山本伊三郎君) 他に御発言もなければ、本調査に関しては本日はこの程度にとどめておきます。
#66
○委員長(山本伊三郎君) なお、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 労働問題に関する調査について福島交通の労働問題に関する件の調査を行なうため、参考人の出席を求めその意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#67
○委員長(山本伊三郎君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選挙につきましては、これを委員長及び理事に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#68
○委員長(山本伊三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時二十四分散会
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ソース: 国立国会図書館
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