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1967/12/18 第57回国会 参議院 参議院会議録情報 第057回国会 公職選挙法改正に関する特別委員会 第3号
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1967/12/18 第57回国会 参議院

参議院会議録情報 第057回国会 公職選挙法改正に関する特別委員会 第3号

#1
第057回国会 公職選挙法改正に関する特別委員会 第3号
昭和四十二年十二月十八日(月曜日)
   午後一時九分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十二月十八日
    辞任         補欠選任
     楠  正俊君     菅野 儀作君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         高橋文五郎君
    理 事
                船田  譲君
                松本 賢一君
                多田 省吾君
    委 員
                青柳 秀夫君
                川野 三暁君
                木内 四郎君
                楠  正俊君
                菅野 儀作君
                小酒井義男君
                鈴木  力君
                北條  浩君
   国務大臣
       自 治 大 臣  赤澤 正道君
   政府委員
       警察庁刑事局長  内海  倫君
       法務省刑事局長  川井 英良君
       自治省選挙局長  降矢 敬義君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木  武君
   説明員
       自治省選挙局管
       理課長      植弘 親民君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○公職選挙法改正に関する調査
 (選挙制度に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(高橋文五郎君) ただいまから公職選挙法改正に関する特別委員会を開会いたします。
 公職選挙法改正に関する調査を議題といたします。
 前回に引き続き質疑を行ないます。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
#3
○松本賢一君 時間が大臣またきょうもあまりないようですから簡単に質問しますから、ひとつお答えのほうも簡単にお願いしたいと思います。簡単、しかし明瞭にお願いしたいと思います。この前のときに時間がないので、大臣の答弁も非常に、少なくとも私にはあまりはっきりしなかったのです。速記録を調べてみようと思ったのですけれども、まだでき上がっていないようですから、それを調べることもできないし、きょうあいまいなままで出席したわけです。ですから、この前の質問と同じようなことの繰り返しになるかもしれませんが、一応お聞きしたいと思いますのは、大臣が就任された際に、記者会見で、新聞によりますと、こういうふうなことをおっしゃっておるのです。私は元来、政治資金の規正ということに対しては反対意見を持っておる、だから今度の通常国会にもとてもなかなか出せないだろうというようなことをおっしゃったわけです。それについてこの間質問したのですけれども、その後段の答弁はあったのですが、前段の答弁がなかったように思いますので、それをひとつお願いしたいと思います。
#4
○国務大臣(赤澤正道君) いまの御質問と私の心境は真反対でして、と申しますのは、総理の指示があるまでもなく、私もやはり政治の姿勢を正すとかモラルを高めるということにつきましては、人一倍努力しなければならぬという考え方に立っておるものでございますが、あのときの私の発言というものがちょっと真意を誤解されたと思うのです。と申しますのは、いまの御質問は二点に分かれておりますが、次の国会にも出す意思がないということでなくて、私も言わなければよかったのですけれども、いつ御提出になるかという質問に対して、やはり提案いたしますからには成立について責任を持つのは当然のことでございますので、ただ、参議院のほうで選挙があります、ですから、いままで長い経験からして、さあ十分御審議ができるだろうかという不安がありましたので、そのことがちょっと口をついて出た。もちろん、参議院などとは申しませんけれども、ただ、とにかく十分審議していただけるだろうかという不安があったものですから、出せればいいがという気持ちをちょっと表現したのが、ことばがまずかったので誤解を生んだものと思いますので、積極的に出すというつもりであることは間違いございませんから、その点はひとつ御了承をお願いいたします。
 それから、いま一つの問題でして、これは私、数カ月前に、衆議院の本会議で党を代表して政治資金規正の政府案に対しまして質疑をいたしました。これはよく内容を読んでいただけばわかりますが、これは反対したのではなくて、ただ、規正のしかたについてはいろいろな角度からもっといい案があるのではないかということを私どもは考えておるわけですけれども、とは言いながら、学者その他学識経験者がお集まりになった審議会でいろいろ御苦心なさったあの結論というものについては、十分私たちは考えていかなければならぬということの前提があって言っておるわけでございます。ただ、ああいう演説ですから、多少刺激的なことばもあったと記憶しております。あのときに問題になりましたのは、政党については規正をしない、制限するのは適当ではないと、確かに記録にはありますが、しかし、これは少しことばを強調した意味であって、この前、私、当委員会でも申し上げましたとおり、やはり議会政治の支柱である政党と、その他、派閥、個人というものを同一レベルで規正するというのは正しくないという意味のことを私、衆議院で言ったわけでございます。そのときの真意をいま申せば、派閥、個人あたりは将来禁止するということばが適当かどうかわかりませんが、なくす方向へいくべきである。それから政党の行なう政治活動というものはよほど明朗活発になお積極的に行なうべきものであるという考え方に立って、このほうはやはり違った規正のしかたをすべきじゃないかということを私、常日ごろ考えておったものですから、そのことを演説に盛り込んだわけでございまして、ただ、ここではっきり申し上げておかなければなりませんことは、どうしても議員として議場で発言いたします際には、党代表と申しましても、何ほどか私見がまじることは、これはやむを得ませんから、お許しを願わなければならぬわけですが、しかし、いま所管の国務大臣になりました場合には、先ほど申しましたとおりに、法案は次の通常国会に必ず提出もいたします、また、提出するからには、成立への責任は当然でございまするので、そういった立場で皆さん方にいろいろなお答えもいたしたい。ただ、あまり私の演説がなまなましかったものですから、それはまあいろいろ新聞社の諸君もよく御記憶のとおりでございますし、衆議院では特に御承知でございますので、そういうことになりましたので、この問題につきましては、ひとつあくまで議員としての発言でございまするので、重ねては申し上げたくないと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
#5
○松本賢一君 どうも大臣の答弁、非常にことばは長いんですけれども、はっきりしないんですが、そういう意見をもって個人的な意見だ、あるいは議員としての意見だ、大臣としては違うんだと、こういうようにおっしゃるわけですけれども、しかし、そこは私はおかしいと思うんですよ。やっぱりそういう考えを持っていられるから、大臣就任早々ああいうことをおっしゃったんだし、しかも、私、一番あのときに変だと思ったのは、総理が前国会における所信表明においても、近い国会には必ず出して成立をはかるとはっきり言っておられるやさきだし、また、あのときの私の質問に対しても、そういうふうに答えておられるわけなんで、そのやさきに、就任された自治大臣がいきなりああいうようなことをおっしゃるということは、私は非常に国民を惑わすことになりはしないかと思う。ですから、もしあれが誤り伝えられたのかどうか知りませんけれども、私はあれだけ各新聞が書いた以上は、誤り伝えられたとは言えないと思うので、この際、もしあのときの談話は取り消すなら取り消すとおっしゃっていただけるなら、私もそれは忘れることにいたしますけれども、どうなんですか。
#6
○国務大臣(赤澤正道君) あのときの新聞は各紙私も読みました。ほとんど全部――全部出せないこともあり得るという表現になっておりますが、ただ、見出しに若干刺激的なものをつけられた新聞もあるわけでございます。これが誤解を呼んだと思います。しかしながら、私の姿勢は、先ほど申し上げましたとおり、ずっとこれは長く持ち続けておる考えでもありますし、次の国会には必ず提案いたしますということでお許しを願いたいと思います。
#7
○松本賢一君 では、その問題はこれ以上言いません、もう時間もありませんから。
 もう一つお尋ねしたいと思いますのは、これもいまの大臣の答弁の中にまじっておったんですけれども、これも、この間の速記録を私、はっきり調べておりませんから、どう答弁なさったかわかりませんけれども、新聞に報道されたところによると、あのときの大臣の答弁はやっぱり、政治資金の規正について、政党に対する献金は規正すべきでないというような意見を大臣が述べたと、私はそのときの大臣の答弁をはっきり記憶しておりませんけれども、そういうふうに各紙が伝えておったということは、やっぱりそういう答弁があったのだと思うので、そうすると、いまあなたのおっしゃったのとまた少し違うんじゃないかと思うんですが、そうすると、いまでも――もう一ぺんあらためて簡単明瞭に答弁していただきたいけれども、やっぱり政党に対する政治資金というものは、二千万なら二千万というようなところへ制限をつけるべきではないと考えておられるのかどうか。
#8
○国務大臣(赤澤正道君) いま私、先ほどお許し願いたいと申しましたとおりに、いまの立場で私見だとか、個人としてはこう思っておるがということは言いたくないわけでございます。しかし、事の起こりは、先般の衆議院での私の質問の内容がもとになりまして、いまでもそう思っているかという、こういう御質問に対しては、私も率直にお答えはしなければなりませんので、いやあのときといまとは考えも違いますということは私は申しておりません。ですから、あのとおり考えておるかとおっしゃれば、そうでございますというお答えを私はいたすわけでございます。しかし、ただいま申し上げるとおりに、いま立場も違いますので、これからやはりそういったことも私どもといたしましては党にもよくはかり、さらに、この内閣の決定も経て、そうして成案を提出いたしますので、その段階でひとつ質疑をお願いしたいと思います。
#9
○松本賢一君 時間がありませんし、私のほうの党の鈴木委員から関連質問があるそうですから私、もう一言だけで切り上、げますが、そうすると、いまこれからおそらくつくられるであろう原案というものが、通常国会に出される原案というものができていくわけですが、そういうものをつくる際に、やはりそういう政党に対する政治資金は制限すべきでないという考え方を、まあ大臣が持っている以上は、個人的にしても持っている以上は、そういうものになっていくんじゃないかと思うのですけれども、去年出された政府の原案を相当程度修正なさるのか、あれに近いものを出そうとなさっておられるのか、あるいは、あれよりももっと答申案に近いものを出そうとしておられるのか、そういう点について一言。
#10
○国務大臣(赤澤正道君) 私は個人としていろいろな考え方を持っておりますけれども、ただいま申し上げたとおりに、ただいまの立場として一々申し上げはいたしません。しかし、成文化いたします前段階は、いろいろな過程を経ることは御案内のとおりでございます。そのときに、私はやはり一議員でもございまするので、私見も述べることもあると思います。しかしながら、最終は、ただいま申しましたとおりに、いろいろなそういう過程を経てきめますので、いまのところ、何ともこのことについてのお答えはいたしかねる次第でございますので、御了承をお願いいたします。
#11
○鈴木力君 関連。時間がないそうですから端的にお伺いいたしますが、いまの政治資金規正法の扱いにつきまして、私は一つ気にかかるのは、この前の大臣の趣旨説明の文章なんです。あの文章をわれわれなりに常識的に読みますと、まず選挙区の区制を提案をするということが書いてある。そうして、あわせてですか、「も」というのです、付録みたいな扱いで、政治資金規正法も――「も」という表現でまたこれも何かしなければいけない、こう書いてある。だから、あの文章を読む限りにおいては、私なんかが読みますと、まず選挙区制を先にやるのだ、余力があったら政治資金規正もというような付録扱いにしかどうもこの文章は読めない。だがしかし、審議会の答申から見ても、政治資金規正法のほうは、これは緊急に処理すべきという、そういう性格でも答申をされておるはずだし、選挙区制のほうはまあいろいろ見方があるにしても、これははっきりした答申の結論もないままに答申がなっておる。だが大臣が、これを、施政方針になりますと、そっちが先に来て、政治資金規正法が付録みたいに扱われる、このことは私なりにすると、これはたいへんな問題を感じているのですが、きょうは時間がありませんので、その真意を伺いたいと思います。それだけです。
#12
○国務大臣(赤澤正道君) 私も選挙制度審議会にも、それから資金規正の委員会にもずっと連続して出席もしております。ですから、そのときの審議会の考え方、空気の大勢というものはわかっておりますけれども、しかしながら、一方、政治資金規正問題につきましては、先般来起きました事象にもかんがみまして、総理も、これは切り離してでも早い国会にかける、こういう明言もしておられますし、私自身もその考え方でございます。この表現は私、ずいぶん考えてごあいさつを申し上げたつもりでございまするけれども、もし、そういうふうにおとりになるといたしましたら、たいへんな誤解でございまするので、率直に申し上げておきます。
#13
○鈴木力君 一言だめ押ししておきますけれども、選挙区制よりは、まず何が何でも必ず出すとおっしゃっているのですから、政治資金規正のほうが主たるもので、選挙区制は従たるもの、そう解釈してよろしゅうございますか。
#14
○国務大臣(赤澤正道君) どっちが主で従という考え方は私はとっておりません。これはやはりどっちも大きな問題でございますが、資金規正法のほうはちゃんと答申も出ておりますし、今度、区制のほうは答申はございましたけれども、御案内のとおりに、その考え方の方向は明らかでございますけれども、一本にしぼられたというものでもありませんし、この問題をどう扱うかということについては、今後いろいろ検討を加えなければならぬと考えております。
#15
○多田省吾君 佐藤総理大臣は前々から、政治資金規正法につきましては、審議会の答申どおり小骨一本抜かないで、国民の期待にこたえて、勇断をもって通したいという表明を行なわれていたわけです。ところが、自民党の中でも政党に対する政治献金は規正すべきでないという主張をしておられる赤澤さんを大臣にされたことから、国民はこれはもう政党に対する政治献金を骨抜きにするのじゃないか、非常にこれを疑っているわけです。私たちとしても非常に意表外でございます。はなはだ残念でございます。はたせるかな、自治大臣は二十五日、二十八日の記者会見におきましても、個人的見解ではという前置きはあったそうでありますけれども、政党に対する政治献金は規正すべきでないというような主張をされております。この前、十二日のこの委員会におきましても同じような見解を発表されております。この前の大臣のあいさつの中に、政府といたしましては、この答申の趣旨を尊重しつつ、いわゆる選挙制度に関し攻善すべき事項についての改正法案、並びに、この前審議未了になった政治資金規正の問題についても、次の通常国会に改正法案を提出いたす所存でありますとお述べになっている。非常に矛盾しているわけであります。大臣は、個人的見解ではとお述べになったそうでありますけれども、いやしくも大臣として、国会の委員会において個人的見解も何もあったものではない。大臣として所信を表明される以上は、やはり大臣の資格で所信表明されたと解せざるを得ません。ですから、そんな個人的見解をお述べになるようでしたら、大臣をやめられてお述べになったほうがいいのじゃないか、個人的見解であっても、大臣としてお述べになった以上は、私たちは、国民は全部大臣としての発言ととります。ほんとうに、答申の趣旨を尊重しつつとお述べになっておりますけれども、通常国会に提出する政治資金規正の問題につきましては、いわゆる政党に対する政治献金は、会社法人は二千万円以内、個人については一千万円以内という答申がございまして、また、五年後においては会社法人の政治献金はやめるべきであるという答申がなされているわけでございますが、いま、現在大臣として、その審議会答申をほんとうに尊重されるおつもりかどうか、それをお伺いいたします。
#16
○国務大臣(赤澤正道君) 尊重するということは、先ほど申し上げたとおりでございます。
 それから、個人的な見解はどうかということについては、先般の新聞のことについては、私はただいま申し上げたとおりでございます。これ以上は、何べんお尋ねになりましても同じことでございます。ただ、国務大臣として個人的な見解を述べるのはけしからぬじゃないかというおことばですけれども、聞かれればやはりいろいろなことをお答えいたしますので、全然いま法案そのものができていないからこれについてはお答えいたしませんと言うわけにもまいりません。聞かれれば個人的な見解も見し上げざるを得ないということはひとつ御了承をお願いいたします。
 それからさらに、大骨、小骨というおことばも使われまして、この間の答申をそのまま法律化して出すかというお尋ねでございますが、先般衆議院でもいろいろ質疑を重ねまして、いろいろな御議論も出ております。こういうことも十分しんしゃくをいたしまして、やはり政治の姿勢を正すという本筋は踏み違えることなくして成案を得たいと、かように考えております。
#17
○多田省吾君 大臣はいまでも個人的見解としては、いわゆる政党に対する政治献金は禁止すべきでないという御所見なんですか。
#18
○国務大臣(赤澤正道君) 個人的な問題につきましては、申し上げません。
#19
○多田省吾君 先日の十二日の委員会においても大臣は個人的見解をお述べになって、はなはだ不謹慎であると、このように私たちは思っております。いま、お述べにならないということでございますから、一歩前進かと思いますけれども、そういうお考えで改正法律案を出される以上、私たちは答申を尊重されないのではないかという疑いを持つわけでございます。この前の自治大臣のあいさつ、一週間前のあいさつで、はっきり、政府といたしましては、この答申の趣旨を尊重しつつと、審議会の答申の趣旨を尊重しつつ改正法律案を提出するというお約束でございます。国民に対するお約束です。それじゃ、審議会の答申どおりの改正法律案を提出すべきではないかと思いますが、どうですか。
 それから、いわゆる会社法人に対して、五年以内は、政党に対する政治献金は二千万円以内、個人については一千万円以内という線は、それは固持なされるのか。そのくらいはお答になってしかるべきだと思いますが、どうですか。
#20
○国務大臣(赤澤正道君) ただいま申し上げたとおりに、その答申は尊重いたします。しかし、先般来審議を重ねましたので、やはり成立するということを前提といたしました場合には、成文化の過程で多少手直しもあり得るかと思いますが、その内容等につきましては、また個人的な見解になりましたりしたらたいへんまずいわけでありますので、ただいまの段階では申し上げかねます。
#21
○多田省吾君 この前もお尋ねしたのですが、今度、総理の一局削減の問題につきまして、大臣はついに選挙局を廃止するような御意向のように承りました。で、選挙局は人数は少ないかもしれませんけれども、いわゆる行政委員会としても市町村の四千近くの行政委員会を持っている、そうして憲法に次ぐような大事な選挙法の問題、あるいは国会選挙をはじめ市町村選挙に至るまで大きな問題をかかえている選挙局をこの際整理するということは、最近のタクシー汚職等にもからんで、政治資金の問題、政治姿勢の問題が云々されているときに、非常に残念であると思います。私は、総理大臣の一局削減そのものも形だけにとらわれて、ほんとうに行政改革の実をあげていこうという姿勢がないようにも見られるわけでございます。自治大臣として、この選挙局廃止の問題について現在どうお考えですか。
#22
○国務大臣(赤澤正道君) この点は全く同感でございまして、選挙局がなくなるということは、ことにいまいろんな重要な条件がちょうど峠に差しかかろうとしております際に選挙局をなくすということは私ははなはだ困るということから、自治省の立場を尊重いたしまして――しかし、総理は選挙局をなくせと言った覚えはないと、こういうふうに言っておりますので、なるほど選挙局をやめろということをおっしゃったことは一度もないわけでございます。ただ一省一局削減と申しますのは、ことばは、非常に表現は簡単ですけれども、その背後には行政改革について総理の非常に強い意思をひそめておるわけです。その一つの表現であって、総理大臣の発言ですから私どもは千鈞の重みがあるというふうにとっているわけでございます。選挙局をやめないと言っても、自治省は四局しかないわけでございます。じゃ、行政、財政、税務、どの部局をなくすか、なかなかそういうことでは完全に行政事務をとっていくわけにはまいりませんので、勢い、小人数でやっております選挙局、これは前大臣のときの原案であったわけでございまするけれども、涙をのんで私としてもそういう措置をとらざるを得ないんじゃなかろうかと考えておるわけでございます。
#23
○多田省吾君 この前も参議院の決算委員会におきまして、総理大臣は政党法を考慮中であるというようなことを述べられたわけでございます。政党法をつくって、政党に対する政府からの補助金を与えるというようなお話でございますけれども、これは憲法の結社の自由、あるいは主権在民という趣旨から見て、非常に大きな問題もかかえておりますし、また、官僚の統制という問題にもかかわってきますけれども、自治大臣としては、政党法に関してどうお考えですか。
#24
○国務大臣(赤澤正道君) 先般西ドイツがつくりました政党法というものをしさいに検討はいたしました。これを日本の実情にはめることははなはだむずかしいと思います。しかしながら、こういった考え方というものは将来やはり十分検討していかなきゃならぬものだという判断に立っておりますが、いますぐ政党法をつくろうという意思はございません。
#25
○多田省吾君 この前、衆議院の予算委員会におきましても、公明党の浅井議員がタクシー汚職の問題で政府を追及いたしました。その際も、たとえば關谷代議士の関係しておられる二十日会という、そういう政治団体がある。そのほか、たくさんの政治団体がタクシー業界から多くの政治献金を受け取っております。一方、政治資金規正法によって自治省に報告されているそういう政治団体が、何会は一体どういう議員が関係しているのか聞きただしましたところ、官報に書いてあるとおりだと、そういう答えでございました、これは法務大臣でございましたが。ところが、官報には、何々会にどういう議員が関係しているか、少しも明らかでありません。これは、総理大臣も今度の事件に対しては厳正に処置すると言っておりますが、これは当然のことです。しかし、こういった政治資金規正法が、いわゆる現在の資金法が、公開法のような、規正されていない規正法でありますけれども、少なくとも政治団体と議員の関係ぐらいは報告を厳密にしなければならない問題なんです。少なくともそのくらい、何々会は、何々という政治団体はどういう議員と関係していることくらいは報告すべき義務があると思う。そのくらいの改正はいますぐでもできる問題だと思う。ですから、自治大臣として、こういう現在の政治資金規正法が非常に不備があるという問題から、どういう政治団体と議員がどういう関係にあるか、少なくともその報告の義務ぐらいは与えるべきではないかと考えますが、いかがお考えですか。
#26
○国務大臣(赤澤正道君) 十分検討してみたいと思っております。
#27
○多田省吾君 ちょっといま聞こえませんでしたので、もう一回お願いいたします。
#28
○国務大臣(赤澤正道君) 十分検討してみたいと思います。
#29
○多田省吾君 検討すると言いましても、こんな明らかな問題は検討も何もあったものではありません。大臣として、その政治資金の問題に関する使命と責任をほんとうにお感じになるならば、すぐお答えあってしかるべきだと思います。こんなことはあたりまえのことなんですから、検討も何も必要ないでしょう、どうですか。
#30
○政府委員(降矢敬義君) 要するに、政治団体の結成というものは当然自由でありますし、したがって、いまの政治資金ではそういうつながりというものまでこれを探求することはできない、また、すべきじゃないと思っております。ただ、私たちも、この前出しました政治資金規正法におきましては、従来なかった政治団体が届け出をするときには、党則とか綱領とか規約とかいうものもあわせて届け出をしていただきまして、それをわれわれが公表するということにいたしておりますので、したがって、そういう点から御判断を願ったほうが一番適当だろうというふうに考えております。
#31
○小酒井義男君 ちょっと一分。大臣、いま選挙局を部にするという話で、実は私、選挙という国民が政治に参加する重要な仕事の、実質的に人が減るわけじゃないんですね。それを部にするということは非常にまずいと思うのです。これは局として残すという努力の余地はもうないのですか。
#32
○国務大臣(赤澤正道君) ただいま申しましたとおりに、まあ総理の言われることは千鈞の重みがあるわけでございますので、自治省といたしまして選挙局をなくせと言われたわけではありませんけれども、他の局が行政、税務、財政と、どの局を除くというわけにもまいりませんので、まあ選挙局ということにこの間決定を見たわけでございますが、しかしながら、局であれ、部であれ、それで選挙をおろそかにするということは断じていたしませんので、この点は御了承お願いいたします。
#33
○小酒井義男君 最後ですがね、私は最終的にきまればそういうことになるかもわからぬですけれども、おろそかにするんじゃないと言えば、それじゃ選挙課にしたらどうかと、国民の受ける印象は、選挙ということを佐藤内閣は重要に考えていないんだというふうに、これは決定的な印象を与えますよ。これは総理がやることだとおっしゃるならば、自治大臣にこう文句を言ってもだめかもわかりませんけれども、そういうことは私はまずいと思いますね。
#34
○国務大臣(赤澤正道君) おっしゃることはよくわかります。私も全く同感でございます。
#35
○松本賢一君 多田さんの御質問に関連して、さっきの大臣の答弁に、政党法をつくることは考えていないという答弁があったのですが、考えていないということは、研究もしないということですか。もう近い将来全然そういうことを考えないから研究もしないと、こういうような全く否定的なことなんですか。それとも、多少は考慮するというような意味も含んで、いまはやらないという意味なんですか。
#36
○国務大臣(赤澤正道君) 先ほど申し上げたことは、西ドイツの例もありますし、十分検討しなきゃならぬということでございます。ただ、いまこれを成文化するなどということにつきましては、その段階ではないということを申し上げたわけでございます。
    ―――――――――――――
#37
○委員長(高橋文五郎君) 委員の異動について報告いたします。
 本日、楠正俊君が委員を辞任いたされまして、その補欠として菅野儀作君が選任せられました。
    ―――――――――――――
#38
○多田省吾君 警察庁の刑事局長に一言お伺いします。
 この前の衆議院の予算委員会で、浅井議員が、東京旅客協会ですか東旅協でも、四十年の一月二十一日に、LPガス一台につき八千円、またそれ以外の車について三千円の臨時会費を厳秘の通達で徴収した、大阪のみなら、ず東京においても、LPガス課税反対の運動資金が集められて運動されていたのではないか。東京でどうして追及しないのか、そういう質問に対して、まあ赤間法務大臣が、これは全部警察にまかせてありますというような答弁をなさったわけです。また、この前の参議院の決算委員会におきましても、公明党の里柳委員が、大阪のみならず東京においても、東旅協が、四十八通常国会再開の前後に、三回にわたって、LPガス課税法案対策の運動費の名目で、タクシー業者から一億四千万円の金を集めた。全乗連も一同じように三回にわたって八千万円、合計二億二千万円を集めた。ところが、政治資金として自治省に届けられた額は一億一千万円しかない。残りの一億一千万円は使途不明で蒸発しているのではないか。これは使途不明の金額の中には、元大臣というような、元閣僚にも流れているような疑いがあるというようなことから、東京でもなぜ調べないのか、こういう質問があったわけでございます。現在、警察庁として、東京におけるこのタクシー汚職に対して、全然取り調べのおつもりはないかどうか、それから事実は調査しておられるのか、その辺のとこをお伺いしたいと思います。
#39
○政府委員(内海倫君) 東京におきましては、警視庁が警察の職務を行なっておるわけでございますが、現在、警視庁において東旅協に対する捜査というふうなものをやっておるというような報告は私ども聞いておりません。
 それから東旅協について、もし何かあれば捜査するのかというお尋ねでございますけれども、そしてまた、前回において、法務大臣が御答弁になった内容を私、承知いたしておりませんけれども、現在、LPG課税の問題につきましては、大阪において大阪地方検察庁がこれを手がけておるところであり、おそらく、東京に問題がもしありとするならば、やはり大阪地方検察庁と、あるいは最高検なりがいろいろ調整されて、もしあるとするならば、東京地検のほうでも重大な関心を持っておられると思います。もとより、警察としましては、犯罪の前に地方検察庁あるいは一線の警察というようなもの、いずれも協力し合っていくべきものと思いますから、検察庁のほうから協力の要請があれば協力いたすことにやぶさかでございません。また、警察のほうで積極的に協力しなければならないような状況であれば協力するにやぶさかでございません。そういうわけで、私どもも大阪における事件について大きな関心を持ってこれを見ておりますけれども、いま、東京において警視庁が犯罪捜査を現にやっておる、あるいは、やろうとしておるというふうな実情にはございません。
 以上お答えを申し上げます。
#40
○多田省吾君 法務省の刑事局長に一問質問いたします。
 この前の衆議院の予算委員会は、私もうしろで聞いておりましたけれども、結局、赤間法務大臣は、たとえ政治献金でも、わいろ性のあるものは当然わいろであるという答弁もあったわけですね。しかも、黒柳議員が指摘したように、東京において一億一千万円もの使途不明の金があって、また、元閣僚にも流れておるのではないかという疑いも強く持たれているのですね。そういったことが明るみに出ている以上、警察ともよく打ち合わされて、当然東京においても調査すべき内容であると思いますが、刑事局長の御見解はどうですか。
#41
○政府委員(川井英良君) 先般予算委員会で赤間大臣が、警察、検察にまかしていると、こう申し上げましたのは、犯罪捜査については政治的な圧力をかけないで、独立した立場において捜査を行なわせるということが世論にこたえるゆえんだというふうな趣旨から、警察、検察にまかしていると、こういうふうに申し上げたわけでございます。
 そこで、具体的に東京に容疑があるという御指摘がございました。その東京の容疑について、警察がやるか、検察庁がやるかというふうなことについて、まだ具体的に答弁は申し上げなかったわけでございます。私、続いて答弁を求められまして、一連の関係の事件だと思われるので、現在、大阪地方検察庁が大阪の関係について捜査を進めておるけれども、それがその発展ないしは関連としてまたほかのほうに及ぶようなこともあるかもしれない、その辺のことについては、今日、詳細に具体的にはまだ報告を受けておりませんというような趣旨のことを申し上げたわけでございます。
 経過はそのとおりでございますが、ただいまの御質問についての考え方をちょっと申し上げさせていただきたいと思いますが、大阪の関係の事件につきまして、去年の夏ごろから捜査に着手をいたしまして、たくさんの証拠書類に基づいて約四カ月かかりまして、いまおっしゃるいわゆる不明金なるものを算出いたしまして、その不明金につきまして、また一々帳簿を作成しておった関係人の協力を得まして、こまかく検討していきまして、そして一番最後に何がしかのわいろ性を持った不明金というふうなものを一応特定することができましてその特定に基づきまして、数名の被疑者と思われる人について強制捜査が行なわれたというのが現状に相なっておるわけでございます。
 そこで、東京方面の事件につきまして、何庶幾らの使途不明金がある、こういうふうな仰せでございますけれども、なるほど、一般的に申しまして、そういうふうなものが客観的にはあるかもしれませんけれども、およそ捜査権を発動する前提として、証拠に基づいて明確にその使途不明金を算出できるかどうかというふうなことにつきましては、これはまた新しい刑事訴訟法に基づいた厳格な証拠のもとでこれを割り出さなければなりませんので、一般的、常識的にいう使途不明金と、それから捜査当局において申しまするところの使途不明金とは、客観的には一致する場合があるかもしれませんけれども、その実体においては、非常にもう認定の基礎、根拠というふうなものが、手順を踏んでまいらなければなりませんので、そう簡単にこの関係がさらにほかのほうに燃え広がっていくというふうなことにはなかなかならないのであって、その間に相当の日時ないしは手続が必要ではなかろうか、かように考えられる点をまず一応御了承得たいと思います。
 長くて失礼でございますが、もう一点。この事件は同じ収賄事件でありましても、いままで検察庁が手がけた収賄事件とかなり趣を異にしておりまして、内容の詳細をいまここで申し上げるわけにはまいりませんけれども、伝えられるように、その国会議員の職務関係をめぐって、ないしは、その法案の、長い期間に法案が審議をされてあったというふうな事情をめぐり、また、その職務行為についての金品の贈与の時期というふうなものをめぐりまして、証拠関係の上で非常にめんどうな問題点を含んでおりますので、その辺のところが、大阪の事件がかなり手間どっている重要な原因になっておるかと思われるわけでございますので、まず、はっきりしたと一応検事が認定したものにつきまして、一応証拠に基づいて事実を確定した上で、起訴になるか、不起訴になるか、いまのところ、まだ私どもの方面にも報告になっておりませんけれども、一応そのものを見た上で、さらにその後の情勢を考慮する、こういうふうなことが必要ではなかろうかと、こういうふうに考えておりますので、いま直ちにここでもって御質問にお答えいたしまして、この事件をすべてLPG関係の一切について推し進めて大阪地検は捜査を進めていく覚悟である、決意であるということを申し上げるような段階にはまだ立ち至っておりませんので、御了承を得たいと思います。
#42
○多田省吾君 この問題につきましては、またほかの委員会等におきまして、また資料もこちらでさらに加えまして質問したいと思いますので、また、次の選挙法関係の問題について、選挙局長に若干質問いたします。
 大臣がいないので残念でありますけれども、現行選挙制度に関し改善すべき事項についての改正法案、すなわち、選挙の自由化の改正法案でございますが、もちろん、各政党で人員を区切って戸別訪問を認めるというような内容も当然出てくると思いますし、また、いろいろなパンフレットとか、あるいは資料の配布等もますます制限が緩和されると思いますけれども、通常国会に提出すべき作業といいますか、どの程度進んでいるか、そして戸別訪問に関しては、どの程度のお考えを持っているのかお答え願います。
#43
○政府委員(降矢敬義君) 答申を受けまして、いろいろ答申の審議の段階で発表された御意見を整理し、かつ、全国の選挙管理委員会、県と市の選挙管理委員会の連合会、あるいは個々のピックアップした委員会の実際の運営上のいろいろな御意見、こういうものをただいま拝聴しておる段階でございます。そういうことで、今度の答申はかなり実際の運営をする当局とも関係しておりますし、また、現地の県、市町村の管理委員会におきましても、従来種々なる御意見をお持ちでございます。そういうものを十分われわれとして聞きました上で、この答申に即して立案を考えていきたい、こういうふうな考え方を持っております。
#44
○小酒井義男君 話は別の話なんですが、岐阜県で村長選挙をやりまして、そして県選管が無効だという結論を出しているのに、相変わらず居すわっておりますね。あれをお調べになったことがありますか。
#45
○説明員(植弘親民君) 岐阜県の本巣郡の根尾村というところで村長選挙がございまして、そのとき、不在者投票等の手続におきまして瑕疵があるということで異議申し立てがございました。それで、村の選管はそれを却下いたしておりますが、県の選管が選挙無効を裁定いたしまして、目下訴訟係属中でございます。
#46
○小酒井義男君 ああいうケースというのは方々にあるんですか、岐阜県と同じようなものは。
#47
○政府委員(降矢敬義君) いずれ資料で提出さしていただきますが、今度の統一地方選挙の際に、異議の申し立て、訴願訴訟ということで争いになっている事件を一通り全部資料をもらっておりますので、一覧表にして差し上げたいと思っております。御了承願います。
#48
○委員長(高橋文五郎君) ほかに御発言もなければ、本件に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時散会
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ソース: 国立国会図書館
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