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1967/12/22 第57回国会 参議院 参議院会議録情報 第057回国会 公職選挙法改正に関する特別委員会 第4号
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1967/12/22 第57回国会 参議院

参議院会議録情報 第057回国会 公職選挙法改正に関する特別委員会 第4号

#1
第057回国会 公職選挙法改正に関する特別委員会 第4号
昭和四十二年十二月二十二日(金曜日)
   午前十一時二分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         高橋文五郎君
    理 事
                船田  譲君
                吉江 勝保君
                松本 賢一君
                多田 省吾君
    委 員
                青柳 秀夫君
                大竹平八郎君
                菅野 儀作君
                秋山 長造君
                野上  元君
                中村 正雄君
   政府委員
       自治省選挙局長  降矢 敬義君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木  武君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○在宅投票制度復活に関する請願(第三三六号)
 (第三五六号)(第六六一号)(第七七五号)
○継続審査要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(高橋文五郎君) ただいまから公職選挙法改正に関する特別委員会を開会いたします。
 請願第三三六号、在宅投票制度復活に関する請願外三件の請願を議題とし、審査を行ないます。
 委員長及び理事打合会において御協議いたしましたので、専門員から簡単に御報告をいただきます。
#3
○専門員(鈴木武君) 御報告いたします。
 本件は、重度身体障害者、自宅療養者、老人、妊産婦、四十九床以下の小病院入院患者のために在宅投票制度をすみやかに復活してもらいたいという請願の趣旨でございますが、理事会におきまして審査の結果、それはいま直ちに実施上困難な面がございますので、病院の指定等、運用の面で十分に配慮して善処するということにしてもらうことにいたしまして、本件は留保することに相なりました。
#4
○委員長(高橋文五郎君) ただいまの報告のとおり決することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○秋山長造君 留保という結論に理事会でなったそうですが、その理事会の結論は結論管しまして、この在宅投票制度復活に関する請願というのは、おそらく室長、十数万の身体障害者の署名を集めて出していると聞いておるのですが、そうですか。――その点はまた後刻お答えいただきますが、せんだって、この身体障害者の諸君が、おそらくもう全国会議員のもとを訪れて、この問題について陳情されたのではないかと思うのです。私はそう聞いております。そうして全国十数万の身体障害者の署名をとって出しておる請願だというように承っております。実は私、正確な記憶はないのですけれども、十年ぐらい前だったと思うのですが、あるいは六、七年前だったかもしれませんが、かなり以前に、やっぱり同じような請願を、そのときは数万人ぐらいの身体障害者の全国の署名をとって出されたことが一度あったと記憶しております。そのときも、二十六年に一回やってみたところが、いろいろ弊害があったので一回きりでやめたので、それをなかなか、にわかに復活するということはむずかしいというような理由で、そのままにされたのだと記憶しております。しかし、二十六年に一回やって弊害があったということは、具体的にどういう弊害があったのか、詳しいことは承知しておりませんけれども、想像されるような多少の弊害があったにしても、もう当時からすでに十六年、二十年近くたって世帯人数すべて相当変わっておるわけですし、それから特に近年は身体障害者に対する国の、あるいは地方公共団体での手当て、また、一般社会の身体障害者に対する認識というようなものも相当変わってきており、前進してきておるわけでして、それからまた、身体障害者自身の政治知識なり何なりというようなものも相当変わってきておるし、また、進歩もしてきておると思いますので、この際、ここに書いておりますように、全国で推定いろいろこれに関係する人員二百万という数字が多少オーバーであったにしても、少なくとも百万単位の人数であることは間違いないと思うのです。そういう人たちが本来基本的人権とも言うべき投票の権利というものをみすみす失ってしまうという状態をそのままにすることのマイナスのほうが、弊害のほうが、多少の在院投票その他の弊害があるという、その弊害よりは、それは問題にならぬくらい大きいのではないかと思いますので、そこらになると、どんな制度をとったところで、やはり弊害も出てくれば、また、法律の裏をくぐるというようなケースは必ず伴うてくるので、それがあるから、もう全面的にそうでない分まで投票の機会を奪うということもどうだろうというように思えてなりませんので、もちろん、いろいろ技術的な困難ということも伴うことはよくわかります。しかし、その点はあるいは極度に重度、もうほんとうに身動きがならぬというような重度の身体障害者だけに限るとかなんとかして、何か頭からもう弊害があってやめたのだから、二度と復活する意思はないというように自治省のほうできめてしまわずに、できれば何とか活路を見出して、その機会を与えてやろう、善処してやろうという前向きな気持ちで、頭からきめつけてしまわぬで、ひとつ研究してみよう、検討してみようという気持ちになっていただきたいと思うのですがね、その点いかがですか。
#6
○政府委員(降矢敬義君) ただいま秋山委員のおっしゃることは十分わかるわけでございますが、要するに、基本的に投票を記載する場所に公正な管理者、立ち会い人という者がおってやっぱり書くんだというたてまえ、これはどうしてもなかなか――それをくずすことになりまして、そこがこの問題の焦点だろうと思っております。したがいまして、二十七年から現在のように、一定の方を不在者投票管理者として指定をして、その管理者のもとに投票していただくという制度にこれを変えまして、そして、ある意味では、やはり投票の行使も、それの公正なる行使というものを、指定病院制度というものによって調和させたものと考えております。したがいまして、ただいま秋山先生のお話もございましたが、要するに、基本的なところは確かに信用しなければならぬという問題が前提にあります。また同時に、この制度につきまして、重症の方については、一般にみずから筆をとれないという方も相当ございまして、当時、代理投票、親族による代筆投票という制度もあわせて考えておったわけでございますが、それも必ずしも庶幾するごとくに行なわれず、不在者投票の犯罪、当時の不在者投票の犯罪件数等も、詐欺投票等をもって非常に多かったこともございまして、基本的に、いまの指定病院制度をもう少し前進させるということで考えざるを得ないのじゃないかと、こういう気持ちでおります。
#7
○専門員(鈴木武君) ちょっと先ほどの請願者数を申し上げますが、第三三六号の請願者、岡山県の有安茂外一万五千七百七十七名。第三五六号、岐阜県安藤静雄外五千七百八十名。第六六一号、大阪府藤森幸男外四千八百名。第七七五号、岡山県有安茂外十一万五千名でございます。
#8
○秋山長造君 まあ参議院へ出されただけでも十四万ぐらいになりますね。これは私が聞いているところでは、衆議院と参議院と両方へ何か分けて出すんだというような話を、せんだって陳情に見えたときに言っておりましたから、おそらく衆議院へも相当その署名を付して出すのじゃないかと思いますので、両方集めたらかなりな数になるのだろうと思うのですけれども、まあ陳情署名も。ですから、どうこういうわけじゃないですけれども、ただ、われわれのほうも、手足のそろった人間がさっとそろって署名を集めるのじゃなしに、身体障害者が不自由なからだで全部手分けをして、そして、それだけの署名を集めているということは、これはちょっとやそっとの努力じゃないと思うのですね。ちょっと思い立ってやったということじゃなくて、これに対して相当な手数というものをかけて出していると思うのですよ、身体障害者のことですから。やっぱりそういう点についても、われわれとしては、これはかなりの配慮ということはおろそかにしてはすまぬという気持ちはどうも感ぜざるを得ぬので、なおさら私申し上げるのですが、詐欺投票その他の犯罪があったということを自治省のほうでは二口目にはおっしゃるのですけれども、それはそういうこともあっては困るので、ないほうがいいにきまっているのですけれども、それはできるだけそういうことにならぬように、たとえば一級、二級の身体障害者だけでは全国で三十万そこそこぐらいだそうですから、たとえば、これを一、二級の身体障害者に限って、試験的にもう一度認めてみるということにかりにしたとしますと、全国で三十万ですから、各地の選管のわりにしたら、そうたいして、一つの選管の管内に何千人といって固まってあるわけじゃないと思うのです。それはぽろぽろぐらいのところだと思うので、いわんや、これは町村の選管に分けてしまえば、もう数えるほどしかいないと思うのです。そうして、たとえば選管の人が何人か立ち会って、そうして投票をさせて、できるだけ公正を保つというような便法を講じたとしても、多少費用なんか響いてくるかもしれませんけれども、手数としてはそうめんどうでかなわぬというほどのことじゃないのじゃないかというように思うのですがね。そこらはひとつ前向きに配慮をしていただいて、まあ何とか、だめだということが先に立つのでなしに、ひとつ何とかできれば認めるという方向で便法を考えてみようじゃないかという方針で、ひとつ自治省のほうで研究してもらえませんか。これはそう簡単にここで四、五分の間にちょいちょいと片づけてしまうということでは、これはちょっとあまりにもなんじゃないか、重大性を含んだ問題じゃないかというふうに私は思うのですがね。
 それで、私、広いことは知らぬのです。最初におっしゃった岡山県の有安茂という名前が出ておりましたが、この有安君というのは私も知っておるのです。で、これなんか、全然仰向きに寝たままで動けぬ男ですがね。ところが、また、この身体障害者でも身動きのできぬ人は、やっぱり政治知識も何も非常に低いのじゃないか、だから、ごまかされるおそれが多いのじゃないかというように思われがちですけれども、しかし、また、反面からいいますと、こういう人はじっとして一つことばっかり考えるわけですから、だから、それだけに案外われわれみたいにざっとこう広く浅く走り回っておる人間と比べた場合に、非常に一つのことを深く深く考えておるというような点もあるのですよ。したがって、案外じいっとしておるわりに、なかなかよく時局のことでも、政治のことでも何でもよく知っている。だから、それだけに批判力もとぎすまされておるというようなこともあるのでね。だから、一がいに身体障害者だから政治知識も低いというようなわけにはいかぬと思うのですよ。で、この有安君なんかというのは、これはもうなかなか――口八丁手八丁というわけにもいかぬでしょうけれども、これはたいしたものですよ。なかなかよく知っていますわ、じっとしておって。で、すべての人がそうだとは言いませんけれどもね、たとえば、そういうこともあるのですから、だから、必ずしも、もう二十六年から十何年たって、十年一昔で、これはうんと政治に対する目も肥えてきておるし、知識程度も、一般の人と比べて、特に身体障害者なるがゆえに低いということも、これは言えぬと思いますのでね。だから、それらの点をもひとつあわせ考慮していただいて、ちょうど今度の通常国会には、選挙法の相当大幅な改正が出るわけですから、そういう機会にひとつこういう問題もあわせて、前進的な方向で解決をつけてもらえぬものだろうかというように、私は思えてならぬわけですが、ひとつそういうことで研究してもらえませんか、もう一度重ねて。
#9
○政府委員(降矢敬義君) 身体障害者の政治意識の問題は、私から申し上げることは差し控えたいと思いますけれども、身体障害者以外にも、つまり、一般に在宅、寝たままでおられる方に対する投票のしかたという問題で解決しなきゃいかぬと思います。ことに、身体障害者にしぼりましても、問題は、要するに、その投票がいかにして公正に行なわれるかという問題であります。この点がこの問題の解決の焦点でありまして、いまここで直ちに結論めいたことはどうかというお話もございましたが、どうもいままでの私たちの研究では、ここのところがどうもうまいくふうができないような気がいたしてならぬのでございます。したがいまして、かなり消極的な気持ちを率直に申し上げたわけでございます。
#10
○秋山長造君 理屈を言うわけじゃないんですけれども、ほかの問題では、自治省に限らず、どこの役所でも、ずいぶんややこしいことを考え出して、それなりに理屈をつけてやっておられる場合も多いんですが、これだけとにかく数もはっきりしておるし、それから、理由その他当事者の態様も客観的にもはっきりしておる場合ですから、これはほんとうにやる気になって考えてもらったら、せいぜい弊害を最小限度に押えながら、しかも、もう最小限度の要求を満たすという方法というものはあり得るのじゃないかというように思えるんですけれどもね。ひとつ研究してもらえませんか、そう言うてしまわずに。ちょうどいい機会ですから。何もないときにこれだけ法律改正するということは一そうむずかしいですしね。この機会に研究してもらえませんか。
#11
○政府委員(降矢敬義君) まあ現在における私の考え方を率直に申し上げたわけでございますが、なお、そういう意味で研究さしていただきます。
#12
○委員長(高橋文五郎君) それでは、専門員の報告どおり留保することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○委員長(高橋文五郎君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。
    ―――――――――――――
#14
○委員長(高橋文五郎君) 継続審査要求についておはかりいたします。
 政治資金規正法及び公職選挙法の一部を改正する法律案(島上善五郎君外二名提出)につきましては、閉会中もなお審査を継続することとし、本院規則第五十三条により、本案の継続審査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#15
○委員長(高橋文五郎君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○委員長(高橋文五郎君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時二十四分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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