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1967/12/21 第57回国会 参議院 参議院会議録情報 第057回国会 決算委員会 第3号
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1967/12/21 第57回国会 参議院

参議院会議録情報 第057回国会 決算委員会 第3号

#1
第057回国会 決算委員会 第3号
昭和四十二年十二月二十一日(木曜日)
   午後零時三十五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十二月十八日
    辞任         補欠選任
     二宮 文造君     北條 雋八君
 十二月十九日
    辞任         補欠選任
     須藤 五郎君     岩間 正男君
 十二月二十日
    辞任         補欠選任
     黒木 利克君     田中 茂穂君
 十二月二十一日
    辞任         補欠選任
     田中 茂穂君     黒木 利克君
     横井 太郎君     和田 鶴一君
     岡  三郎君     光村 甚助君
     戸田 菊雄君     中村 波男君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         亀田 得治君
    理 事
                中村喜四郎君
                温水 三郎君
                竹田 現照君
                光村 甚助君
                黒柳  明君
    委 員
                川野 三暁君
                木内 四郎君
                久保 勘一君
                黒木 利克君
                佐田 一郎君
                佐藤  隆君
                菅野 儀作君
                高橋文五郎君
                高橋雄之助君
                仲原 善一君
                野知 浩之君
                山崎  斉君
                山本茂一郎君
                和田 鶴一君
                小野  明君
                大橋 和孝君
                大森 創造君
                沢田 政治君
                柴谷  要君
                達田 龍彦君
                北條 雋八君
                瓜生  清君
                岩間 正男君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  水田三喜男君
       通商産業大臣   椎名悦三郎君
       運 輸 大 臣  中曽根康弘君
       郵 政 大 臣  小林 武治君
       建 設 大 臣  保利  茂君
       国 務 大 臣  木村 俊夫君
       国 務 大 臣  田中 龍夫君
   政府委員
       公正取引委員会
       事務局長     柿沼幸一郎君
       警察庁長官官房
       長        浅沼清太郎君
       北海道開発庁総
       務監理官     馬場 豊彦君
       防衛庁経理局長  佐々木達夫君
       防衛施設庁長官  山上 重信君
       経済企画庁長官
       官房長      岩尾  一君
       科学技術庁長官
       官房長      馬場 一也君
       法務政務次官   進藤 一馬君
       大蔵省主計局次
       長        船後 正道君
       大蔵省国有財産
       局長       大村 筆雄君
       文部大臣官房長  岩間英太郎君
       厚生大臣官房長  戸澤 政方君
       農林大臣官房長  檜垣徳太郎君
       通商産業大臣官
       房長       大慈彌嘉久君
       運輸大臣官房長  町田  直君
       郵政大臣官房長  溝呂木 繁君
       労働大臣官房長  石黒 拓爾君
       建設大臣官房長  志村 清一君
       自治大臣官房長  宮澤  弘君
    ―――――――――――――
       会計検査院長   山崎  高君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐藤 忠雄君
   説明員
       会計検査院事務
       総局次長     佐藤 三郎君
   参考人
       日本住宅公団理  稗田  治君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選の件
○昭和四十年度一般会計歳入歳出決算、昭和四十
 年度特別会計歳入歳出決算、昭和四十年度国税
 収納金整理資金受払計算書、昭和四十年度政府
 関係機関決算書(第五十四回国会内閣提出)(継
 続案件)
○昭和四十年度国有財産増減及び現在額総計算書
 (第五十五回国会内閣提出)(継続案件)
○昭和四十年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (第五十五回国会内閣提出)(継続案件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(亀田得治君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 委員の異動について報告いたします。
 十二月十八日、二宮文造君が委員を辞任され、その補欠として北條雋八君が選任されました。十二月十九日、須藤五郎君が委員を辞任され、その補欠として岩間正男君が選任されました。十二月二十日、黒木利克君が委員を辞任され、その補欠として田中茂穂君が選任されました。また、本日、田中茂穂君、横井太郎君及び岡三郎君が委員を辞任され、その補欠として黒木利克君、和田鶴一君及び光村甚助君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(亀田得治君) ただいまの委員の異動に伴いまして、現在理事が欠員となっておりますので、この際、その補欠互選を行ないたいと存じます。互選は、投票の方法によらないで、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(亀田得治君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に光村甚助君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(亀田得治君) この際御報告いたします。
 昭和三十九年度決算の審議を終了しました本年六月二十一日の本委員会におきまして、「決算についての議決の意義及びあり方については、従来からしばしば論議がなされてきたが、いまだ的確な結論が出ていない。ついては、本委員会として、将来この取り扱いを一そう財政民主主義の趣旨に沿わしめるよう検討を進めることとする。」という申し合わせを行ないました。この申し合わせに従い、決算の議決方式などにつきまして、理事会において慎重に検討を重ねてまいりました。
 決算についてのいわゆる議案説とか、報告説といった性格論につきましては、従来から論議の尽きない重要課題であり、にわかに結論を得ることは困難でありますので、この際この性格論には触れることなく、議決の方式についてのみ検討をいたしました結果、昭和三十四年度決算から昭和三十九年度決算までは、(一)警告決議(二)「警告を与えるほか異議がない」旨の議決をいたしてまいりましたが、この方式では議決の意義が明確でなく、また内容が一体となっているため、分割して採決することが困難でありましたので、今回はこの方式を改め、まず決算を是認するかいなかの議決を行ない、第二に内閣に対する警告の議決を行なうこととし、この二つを分割採決できるようにすることに意見が一致いたしました。
 お手元に議決案の形式のひな形をお配りしてありますが、昭和四十年度決算については、ただいま報告しましたとおりの議決方式で議決を行なうことに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(亀田得治君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(亀田得治君) なお、昭和四十年度国有財産増減及び現在額総計算書、昭和四十年度国有財産無償貸付状況総計算書については、従来どおり「異議の有無」について議決を行なうことにいたします。
 また、昭和四十年度決算外二件は、一括して討論を行ないます。これも従来どおりでありますので御了承願います。
    ―――――――――――――
#8
○委員長(亀田得治君) これより昭和四十年度決算外二件を議題とし、直ちに討論に入ります。
 理事会におきまして協議いたしましたところ、内閣に対する警告決議につきましては、お手元に配付いたしましたような案文につき意見が一致いたしました。警告決議の案文を朗読いたします。
  内閣に対し、次の通り警告する。
 (1) 国の決算の重要性にかんがみ、その審査が
  遅れることは、その意義の大半を失うことに
  なると思われるので、政府としても決算の審
  査促進に積極的に配慮されたい。
 (2) 行政管理の乱れるのは、当該責任ある公務
  員の綱紀弛緩に基因するところが多い。政府
  は綱紀の粛正に一段と留意し、ことに業者と
  の関係が深い当局においては、業者との接触
  にさいし、格段に清廉な態度をもって臨むべ
  きである。また政府は、公務員が自己の職責
  を遂行するにあたり、国民に不公平な取扱い
  をうけた等の疑惑をいだかせぬよう、指導監
  督に万全を期すべきである。
 (3) 公社、公団等特殊法人の役員の任命につい
  ては、いわゆる各省の天下り人事の弊を排す
  べきである。
 (4) 法務省は、行刑保安職員の待遇改善、特に
  人員不足の解決に格段の努力をいたすべきで
  ある。また受刑者についても、教育刑の理念
  の上に立って、その処遇を積極的に検討すべ
  きである。
 (5) 法務局において、登記関係の事務量が近年
  非常に増大し、国民は謄本をとるのに手間ど
  る等の不便が生じているので、法務省はこの
  国民の不便解消のため、一層努力すべきであ
  る。
 (6) 郵政省部内における職員の不正行為は、当
  局の防止努力にもかかわらず跡を絶たない。
  特に監察機構をもちながら不正行為の絶えな
  いのは遺憾である。当局は、一層実効ある防
  犯対策を実施してその絶滅をはかるべきであ
  る。
 (7) 中小企業対策については、従来よりしばし
  ばその重要性が強調されてきたがいまだ不十
  分である。しかも、昭和四十年度においても
  多額の不用額がみられるのは遺憾である。さ
  らに政府は、中小企業者の立場にたち総合的
  な対策を特段に強化拡充すべきである。
 (8) 日本住宅公団の用地取得については、取得
  価格等について、いまだ疑惑なしとしないの
  は遺憾である。政府は、日本住宅公団の用地
  取得の実状を子細に検討し、国民の疑惑を取
  り除くため格段の努力をいたすべきである。
 (9) 現下緊要な土地対策についての政府の施策
  は不十分である。
   政府は、地価騰貴、都市過密化に伴う通勤
  輸送、大都市機能の分散等の諸問題につき早
  急に対策を講じ、その実効を期すべきであ
  る。
 (10) 日本国有鉄道については、経営の困難であ
  ることは認めるが、政府は、その業務が国民
  生活に密接していることに思いをいたし、十
  分な指導、監督並びに助成措置を講ずべきで
  ある。
 なお、議決案はお手元に配付してあるようでありますので、賛否を明らかにして御意見をお述べ願います。
 討論の通告がございますので、順次発言を許します。竹田君。
#9
○竹田現照君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました昭和四十年度決算外二件について、これを承認できないことを表明いたします。
 決算の審査は、申すまでもなく「国会が議決した予算及び関係法律が適正かつ効率的に執行されたかをはじめ、決算全般について審査し、あわせて政策の実績批判を行なう」という立場で行われています。したがって、決算審議の過程は、政府の財政経理等を適正化する不断の行政指導にほかなりません。いま、四十年度決算の審査を終えるにあたってわが党は、政策の実績批判に基づく警告については、このたびの警告決議に賛成することによって徹底せしめる考えでありますから、政策上の理由で承認できない点は、警告決議と重複するので省略いたしまして、もっぱら経理上承認することのできない理由について若干申し述べます。
 会計検査院が指摘する不当、不正事項については、歴代総理大臣は、同種事項の防止と改善に努力することを約束されてまいりました。しかるに四十年度においても、依然として指摘件数は三百七十二件、金額にして十六億二千二百万円の余に達しております。しかもこれは、決算全体から見ると、きわめて限られた割合の摘出検査でありますから、その実態は、これを数倍する件数、金額になるであろうことは、論を待たないことであります。このことは、たびたび政府に対する警告決議にかんがみましても、まことに遺憾にたえざるところであり、重ねて猛省を促す次第であります。しかも、年々巨大化する国家財政の規模に比べ、会計検査院の機構は、十分対応するだけのものとはなっておりません。
 経理の適正化を口にする政府は、真剣にこれに取り組む決意があるならば、この点についても十分の配慮がなされてしかるべきであります。まして不正・不当経理は、会計検査院が指摘したものだけにとどまりません。
 たとえば、東京巣鴨所在の東京拘置所の青梅市移転に伴う一連の刑務所施設取得に関する四十年度国庫債務負担行為について、わが党は、質疑を通じて国と新都市開発センターとの間の国有財産の売り払い、及び購入契約そのものに、法律上重大な瑕瑾の疑いがあり、また、国が売り払いまたは取得する物件の評価も適切ではないため、国損を招くおそれがあることを明らかにし、この事案はさらに解明を要するものであり、このまま承認を与えるわけにはまいらないのであります。また、島根県所在の中国電力浜原ダムのいわゆる浮戸流失によって破壊された下流橋梁に関する四十年度以来の災害復旧費、国庫負担金の支出についても、わが党は、災害の原因が当該ダムの管理責任者である中国電力の過失責任にあるという疑いが濃いとの見地から、当然その復旧費は中国電力が負担すべきものではないかとただしたのに対し、政府側の答弁は、本件国庫負担金の支出を正当化する事由を明示しておらないのみか、政府部内には、暗に中国電力の過失責任を肯定する立場も見受けられ、また、会計検査院も、本件災害原因について結論を得ていないと答弁している状態であり、とうていこのまま国庫負担金の支出を承認でき得るものではありません。
 さらに、日本住宅公団の住宅建設用地買収について、わが党は、花見川団地をはじめ、幾多の例証をあげて、中間不動産業者の介在による中間利潤の発生、やみ手数料の存在など過大な用地代金の支出を具体的に追及したが、公団側の説明は、きわめて形式的に、これを否定するのみで、事態は解明されておりません。したがって、公団に対する政府支出金の使途は、適正であったとは、断定できがたいのであります。
 以上のごとく、決算審査の過程で明らかになったごとく、このまま承認するわけにはまいらぬものが数多くあることは、きわめて残念なことであります。
 政府は、疑惑を国民に与えるようなことの発生には、さらに一段と留意を払い、すみやかな改善の方途を講ぜられるよう要望して、私の討論を終わります。
#10
○委員長(亀田得治君) 中村君。
#11
○中村喜四郎君 私は、自由民主党を代表して、昭和四十年度決算を是認するとともに、委員長提案の審査の結果に基づく警告案に賛成するものであります。国有財産増減及び現在額総計算書外一件については、異議がないと議決することに賛成するものであります。
 私どもは、決算審査にあたりましては、予算の執行実績を確実に把握し、さらに決算審査の結果が政治のよりよき前進のため、将来の予算及び政策に反映させねばならないという観点に立って、国民の真剣な道義的声に耳を傾けながら審査を行なってきたのであります。その結果、政府に対し、将来の財政運営上、改善を望みたい事項を、警告決議案列記のごとくでありますが、この際私は、特に次の諸点について注意を喚起するとともに要望いたしたいのであります。
 第一は、会計検査報告に掲記されている、各省における不正、不当事項が、数字の上ではかなり減少したとはいえ、依然としてあとを断たないことは遺憾なことであります。また、公務員の収賄事件が相も変わらず新聞紙上をにぎわすこと、これはすこぶる遺憾しごくであります。これらは、いずれも綱紀の弛緩によるものと断ぜざるを得ず、綱紀の粛正をきびしく要望いたす次第であります。
 このことは、私どもが毎年繰り返し声を大にして要望しているところでありますが、本年もまた一段と力を入れて叫ばざるを得ません。
 また、政府職員のみならず、国会議員のうちに、これまた収賄の嫌疑で司直の手にゆだねられるもののあることも遺憾に存じます。いやしくも国会議員は、国の最高機関のメンバーであります。政府職員を戒めるのみでなく、まずもって自分たちのえりを正すのでなければ、その声はから念仏のそしりを免れません。私どもは、これを機会に、国会議員として、みずから率先しておのれを慎み、もって国民の信託にこたえんとの決意を新たにしたいと存ずるのであります。
 第二に、本委員会において、議員の質疑に対する当局の答弁に、あるいは適切を欠き、あるいは歯切れが悪く納得のいかないもの、また、確信のない卑屈な答弁が散見されたことは遺憾であります。議員が選良の立場で討論すべきであるように、当局もまた、国民から委任された行政の責任者の立場に立って、事態の説明とその行政的立場と信念とを吐露し、ポイントをとらえ、簡潔に、しかも自己の所信を堂々と明快に答弁すべきであると考えます。答弁の不十分さや、おどおどした態度から微妙にゆがめられ、勘ぐられ、あるいは新聞紙上等にも、あたかも疑惑のにおいが漂うがごとき記事となってあらわれ、国民にますます政治不信へのきっかけとなることがあってはならないと思うのであります。
 最後に、公共事業推進の前に大きく立ちはがかっているものに、土地問題があることは論を待ちません。これは主として、最近における地価の異常な高騰に対し、何ら実効ある地価抑制対策が立っていないことに基因する問題であります。本委員会において住宅公団の用地取得問題や、公有水面埋め立て問題等が活発に取り上げられたことは、この問題がいかに国民の関心事であるかを端的に示しております。政府は公共事業の施行に際し、所用の土地が容易に、かつ、すみやかに入手できるよう土地問題解決のかぎを見つけ出し、急ぎ抜本的対策を打ち立てていただきたい。たとえば都市部における道路の事業費用の八〇%が用地取得に食われている現実、そしてその取得のために、大ぜいの人間が多くの時間を費やしている現状を打破し、また、都市再開発、地域開発、住宅団地造成等を進める上で、ロブソン報告や、物価推進会議の提唱するごとく、開発負担金制度や期待開発価値に対する税制上の問題、あるいは公共事業に対する国の財政措置の強化等を積極的に進める方策を講じない限り、土地政策のおくれを取り戻すことはできません。
 いずれにしましても、土地対策については、むずかしい問題が山積されていることはよくわかっております。しかし、どうしてもやらねばなりません。どうか政府は勇断をもって、本問題の解決に当たっていただきたいものであります。
 以上、政府当局に格段の配慮を要望し、討論を終わります。
#12
○委員長(亀田得治君) 黒柳君。
#13
○黒柳明君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました昭和四十年度決算外二件につきまして、否認の意思を表明するものであります。
 以下否認の理由について申し述べます。第一点は、国家財政の構造的問題に関することなのであります。すなわち、政府は、本年に至り四十三年度予算案の編成にあたり、財政の硬直化を口にしておりますが、その内容は、財政需要量の増大を憂うるのみであって、その根本原因についての真摯な考察はいたしていないのであります。私は、四十年度決算の審議の過程において、政府の物品の購入費が膨大な金額にのぼることを述べ、その購入にあたり、自由競争の徹底により購入費の節減をいたすべきことを主張して、例を政府管轄の病院の薬の購入の実態にとって、大蔵大臣はじめ各省大臣に質疑いたしましたところ、政府は、いたずらに製薬企業の形成する実勢のままに、形式的競争入札でお茶を濁しているだけであって、この種の問題について眼を開こうとしないのであります。現在政府は、財政硬直化の救済策として、あるいは各省の一局削減ないし公務員の首切りをちらつかせるなど、国民大衆への行政サービスの低下の方向でこれを解決しようとしていることは、きわめて遺憾と言わなければなりません。問題は、政府の物品の購入のみに限らないのであります。すべての公共事業についても、同様にその入札の自由競争の実質的効果は失われ、まことに憂うべき実態と言わなければなりません。このような財政の構造的観点に立つとき、この決算全般について、これを承認することをちゅうちょせざるを得ないのであります。
 第二点は、国の行政が、政財界の圧力に屈して行政の秩序が失われている面があること、また、国の行刑職員のごとき法の番人たるべき立場にありながら、公私混淆している事態が明らかとなっているからであります。前者は、公有水面埋め立てに関する政府の通達事項が無視されている事態等であることは、質疑の過程で明らかにしたところであります。後者は、全国刑務所におけるいわゆる養豚事業の実態について質疑し、確認されたところであります。従来網紀粛正等のことばは、本委員会でも毎々繰り返されながら、このような事態が発生するのは、従来の慣行の上にあぐらをかいて、安易な気持ちで行政全般が進められている何よりの証左であります。いやしくも国会で問題となった事項についてはもちろん、政府は国民大衆への行政の責務に目ざめ、全般的に具体的再点検をされることを要望してやみません。
 以上簡単ながら不承認の理由を申し述べましたが、さらにつけ加えたいことは、今回の四十年度決算の採決のしかたが、従来の慣例を改め、決算そのものに対する是認か否認かの意思表示を明確にするようになりましたことは、決算の取り扱い上に一歩の前進があったことを認める次第であります。しかし、決算軽視の風潮は、明治以来の根深い問題でありますので、今後この歴史的な問題ともいうべき決算取り扱いについて、国会財政中心主義を貫いていくよう進めてまいりたいことをつけ加えて表明しておく次第であります。
 以上をもって討論を終わりますが、警告決議案については、賛成することを表明いたします。
#14
○委員長(亀田得治君) 瓜生君。
#15
○瓜生清君 私は、民主社会党を代表して、ただいま議題となりました昭和四十年度決算を是認するとともに、委員長提案の審査の結果に基づく警告決議に賛成するものであります。政府に対する将来の財政運営上改善を望みたい事項は、警告決議に列記のごとくでありますが、これを機会に所信の一端を申し述べたいと存じます。
 第一は、中小企業問題であります。最近中小企業の倒産件数が激増しております。先般政府は、事態の重大性にかんがみ、政府関係中小企業三機関の年末の金融手当てを、昨年に比べ倍増の努力を払われたのでありますが、結果から見ると、まさに焼石に水の感があります。中小企業の側からは、政府は、ことばの上ではともかく、実質は大企業に重点を置いた施策を行ない、内心は中小企業がつぶれるのを喜んでいるのではないかとの声すら起こっておりますが、気持ちの上では無理からぬことと存じます。倒産する中小企業の中には、放漫経営のためにそうなったもの、あるいは悪質な計画倒産などもあって、それらまで金融上救済の手を差し伸べる必要があるかどうかはともかくとして、まじめな中小企業で、大企業の支払い遅延等により倒産せんとするものに対しては、何とか金融の道をつけてやりたいものであります。由来、経済は生きものでございます。瀕死の病人にはまずもってカンフル注射が必要でございます。病気の原因などを調べているいとまはないのであります。中小企業の倒産は社会不安のもととなる点にも思いをいたし、伝えられる三月危機が破局的に招来しないよう、勇断ある中小企業に対する金融措置を格段に要請する次第であります。
 第二は、本委員会の審議と政府との関係について付言いたします。
 国家という巨大な機構の運営に支障が生ずるのは、内閣首脳の情報不足によるところが大であると言えましょう。本委員会の審議は、国の決算の批判を通じて、国の財政執行面に関する問題につき、内閣に対し情報を提供し、わが国経済の均衡ある発展に資せんとするものであります。政府は、この点を十分しんしゃくの上、本委員会審査の締めくくりである警告決議のみでなく、平生の質疑に対しても真剣に耳を傾け、これらを国民の指摘する声として聞き取り、国政の運営にあやまちなきを期していただきたいと存じます。
 以上をもって討論を終わります。
#16
○委員長(亀田得治君) 岩間君。
#17
○岩間正男君 私は、日本共産党を代表して、昭和四十年度一般会計歳入歳出決算外二件について反対するものであります。
 第一に、わが党は、昭和四十年度予算そのものに反対しております。
 すなわち、昭和四十年度予算は、三千億円をこす軍事費をはじめ、公共投資の名による独占資本への巨額の国家資金の投入、財政法の原則を踏みにじった赤字公債の導入など、人民に対する大収奪と独占資本の擁護を軸として軍国主義の復活、対外進出を企図し、一段と対米従属を深めるもとで、日本経済を一そう重大な困難におとしいれたのであります。したがって、このような予算執行の結果を承認し得ないのは当然であります。
 第二に、このような予算執行の中では当然のことながら、前年度に引き続き不正、腐敗が数多く指摘されていることであります。また、国民の血税を食いものにした政治家や高級官僚の結託による収賄事件も一千四十件に及び、昭和三十七年五百九十五件、三十八年六百七十二件、三十九年九百二十件と、年を追うごとに増大しているのであります。これら不正事件の発生は、これまでもわれわれのしばしば指摘したごとく、佐藤自民党内閣が人民の生活向上を全く無視し、資本家からばく大なる政治献金をもらいながら、独占資本本位の政治を進めている結果であることは明らかであります。
 第三に、いま大きな政治問題となり、自民党政治の底なしの腐敗ぶりを天下にさらし、国民の憤りをかきたてている、 いわゆる、タクシー汚職は、この四十年に端を発したものであり、決して本決算と無関係ではありません。自民党は、この事件をあくまで個人の問題に還元し、ことさらに党とは無縁のものであると、その波及を必死に食いとめようとしています。しかし、自民党が四十年六月、参議院選挙資金を名目に、タクシー業界から一億数千万円にのぼる献金を受けたことはまぎれもない事実であり、現実に運動資金の多くは、自民党議員にばらまかれたのであります。本気で捜査を行なうならば、閣僚級を含む十数名の自民党議員が捜査線上に浮かび上がるだろうといわれていることから見ても、この事件が自民党と業者そのものの醜い癒着に端を発していることは明らかであります。問題のLPガス税法案は、四十年二月、第四十八国会に提出されながら、四十年十二月、ようやく税率を軽減して修正案が可決されました。しかし、業界幹部は、この法律が成立した後も、献金と引きかえに再び税率の軽減と、実施期日の延長を自民党に働きかけ、この結果、自民党政府は、LPガスに対する課税軽減措置を二年間延長し、四十四年末まで、キロ当り十円に据え置くことを内容とした修正案を去る七月成立させたのであります。しかし、われわれがとりわけ重視せざるを得ないのは、このたびのタクシー汚職が、昨年全国民の怒りの中で国会解散まで引き起こした一連の黒い霧追及と並行して進んでいた事実であります。佐藤総理がえりを正すなどと議場を通じて公言していたその足元では、はばかりもなくこうした醜悪が公然と行なわれていたのであります。これは、政府自民党によって汚職腐敗を一掃することなどは絶対にできない相談であり、またその資格も能力もありません。しかも、国民の批判を逆用して、見せかけの政治資金規正を口実に小選挙区制をたくらみ、また、当委員会では総理みずから政党法の制定を公言してはばからないありさまであります。
 わが党は、かかる佐藤内閣の陰謀を決して許すものではありません。続発する不正、汚職事件を根絶するためには、かねてわが党が主張しているように、利権を生む一切の審議会、補助金制度、指名入札制度等を民主化し、利権の返礼としての高級官僚の天下り就職や、独占資本や財閥、資本家団体からの一切の政治献金を禁止し、政治資金の真の規正を直ちに実現する以外に道はありません。
 このことを強く要求して私の反対討論を終わります。
#18
○委員長(亀田得治君) これにて討論の通告者の発言は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#19
○委員長(亀田得治君) 御異議ないと認めます。
    ―――――――――――――
#20
○委員長(亀田得治君) 委員の異動について報告いたします。
 本日、戸田菊雄君が委員を辞任され、その補欠として中村波男君が選任されました。
    ―――――――――――――
#21
○委員長(亀田得治君) これより採決に入ります。
 まず、昭和四十年度一般会計歳入歳出決算、昭和四十年度特別会計歳入歳出決算、昭和四十年度国税収納整理資金受払計算書、昭和四十年度政府関係機関決算書につき採決いたします。
 第一に、本件決算は、これを是認すると議決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#22
○委員長(亀田得治君) 多数と認めます。
 第二に、内閣に対し、先刻朗読のとおり、警告することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#23
○委員長(亀田得治君) 全会一致と認めます。よって、昭和四十年度決算につきましては、多数をもってこれを是認することとし、内閣に対し、先刻朗読いたしましたとおり、警告すべきものと議決されました。
 次に、昭和四十年度国有財産増減及び現在額総計算書、昭和四十年度国有財産無償貸付状況総計算書につき採決いたします。
 右の件につきましては、いずれも異議がないと議決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#24
○委員長(亀田得治君) 多数と認めます。
 よって、昭和四十年度国有財産増減及び現在額総計算書外一件は、多数をもって異議がないと議決せられました。
 なお、本院規則第七十二条により議長に提出する報告書の内容などにつきましては、ただいまの本委員会の議決内容によりこれを作成することにいたしまして、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#25
○委員長(亀田得治君) 御異議ないと認めさよう決定いたします。
 この際、大蔵大臣等から発言を求めておられますので順次これを許します。水田大蔵大臣。
#26
○国務大臣(水田三喜男君) ただいま御決議の点は十分尊重いたしまして、その御趣旨に沿うよう各省各庁と十分連絡いたし、遺憾なきを期したいと存じます。
#27
○委員長(亀田得治君) 総理府総務長官。
#28
○国務大臣(田中龍夫君) 公務員の綱紀の粛正につきましては、政府は御決議の趣旨を十分体しまして「公務員が職務を遂行するに際しまして国民から疑惑を持たれることのないよう、今後ともにその指導監督を一そう努力いたしたい、かように存ずる次第でございます。よろしくお願いします。
#29
○委員長(亀田得治君) 内閣官房長官。
#30
○国務大臣(木村俊夫君) ただいまの警告決議のありました公社、公団等特殊法人の役員の任命につきましては、御趣旨を尊重いたしまして、幅広い人材の登用を一そう心がける所存でございます。
#31
○委員長(亀田得治君) 小林郵政大臣。
#32
○国務大臣(小林武治君) 郵政犯罪の防止につきましては、省をあげて取り組んでおるのでありますが、いまだに職員の不正があとを断たない、こういうことは私どもの責任としてまことに遺憾に存じます。私どもは、今後ともさらに努力を重ねて、適時適切な防犯対策を実施して、かかる不正の根絶をはかる決意でございます。
#33
○委員長(亀田得治君) 椎名通商産業大臣。
#34
○国務大臣(椎名悦三郎君) 四十年度通商産業省所管の決算につきまして、御指摘のような不用額を生じたことは、まことに遺憾に存じます。ただいまの御決議は十分尊重の上、今後とも中小企業施策の一そうの拡充強化につとめてまいりたいと存じます。
#35
○委員長(亀田得治君) 保利建設大臣。
#36
○国務大臣(保利茂君) ただいま御指摘をいただきました建設省所管の諸問題につきましては、今後とも当委員会の御趣意を体しまして、さらに熱意を傾けて改善をいたさなければならないと考えております。
#37
○委員長(亀田得治君) 中曾根運輸大臣。
#38
○国務大臣(中曽根康弘君) 決議の問題点につきましては、十分に尊重し、特に日本国有鉄道に対する十分な指導監督並びに助成措置を講じ、改善をはかる所存であります。
#39
○委員長(亀田得治君) 進藤法務政務次官。
#40
○政府委員(進藤一馬君) ただいまの御決議十分尊重いたしまして、御決議の趣旨に沿って鋭意努力する所存でございます。
#41
○委員長(亀田得治君) これにて国務大臣等の発言は全部終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時十二分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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