くにさくロゴ
1967/12/21 第57回国会 参議院 参議院会議録情報 第057回国会 運輸委員会 第3号
姉妹サイト
 
1967/12/21 第57回国会 参議院

参議院会議録情報 第057回国会 運輸委員会 第3号

#1
第057回国会 運輸委員会 第3号
昭和四十二年十二月二十一日(木曜日)
   午前十時十九分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十二月十九日
    辞任         補欠選任
     田代富士男君     山田 徹一君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         天坊 裕彦君
    理 事
                岡本  悟君
                谷口 慶吉君
                木村美智男君
                小酒井義男君
    委 員
                江藤  智君
                金丸 冨夫君
                木村 睦男君
                平島 敏夫君
                前田佳都男君
                中村 順造君
                吉田忠三郎君
                岩間 正男君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  中曽根康弘君
   政府委員
       運輸政務次官   金子 岩三君
       運輸省自動車局
       長        原山 亮三君
       運輸省航空局長  澤  雄次君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田善次郎君
   説明員
       警察庁交通局交
       通規制課長    玉田 茂芳君
       厚生省医務局総
       務課長      上村  一君
       通商産業省重工
       業局次長     本田 早苗君
       労働省労働基準
       局補償課長    長岡  貢君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○運輸事情等に関する調査
 (自動車行政に関する件)
 (航空に関する件)
○常磐電車車両改良促進に関する請願(第二号)
 (第三号)(第四号)(第五号)(第一七二号)(第一
 七三号)(第二八二号)(第二八三号)(第三五四
 号)(第三五五号)(第四七一号)(第四七二号)(第
 四七四号)(第四七五号)(第五一六号)(第五一七
 号)(第五八九号)(第五九〇号)(第六六二号)(第
 六六三号)(第七七六号)(第七七七号)(第八八〇
 号)(第八八一号)(第九九四号)(第九九五号)
○対馬航路改善に関する請願(第七九号)(第三三
 五号)
○東北新幹線の早期建設に関する請願(第八七号)
○国鉄運賃値上げ反対に関する請願(第二八一号)
○国鉄東海道線立花駅西「水堂踏切」の立体交差
 に関する請願(第三五三号)
○北陸新幹線鉄道建設促進に関する請願(第四二
 七号)(第五二五号)
○「海上交通法」制定にあたっての漁業者の保護
 に関する請願(第五〇五号)
○日本国有鉄道信濃川工事局の存置に関する請願
 (第一〇六五号)
○新潟、ハバロフスク間の航空路開設に関する請
 願(第一〇六六号)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(天坊裕彦君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 運輸事情等に関する調査を議題とし、質疑を行ないます。
 御質疑のある方は、順次御発言を願います。
  〔委員長退席、理事谷口慶吉君着席〕
#3
○木村美智男君 きょう臨時国会の終わりぎわでありますから、問題を、少し幾つかにわたると思うのですが、締めくくりのような意味で、自動車行政について特に関係を含めてお伺いをしていきたいと思うのです。
 一つは、最近いわゆる自動車事故、特に追突事故によってむち打ち症患者というものが急激にふえてきている。そこでこれに対する対策というようなものが不十分なために、民間における被害者が大体六万人ぐらいと想定をされているようですが、すでに何千という人たちが集まってむち打ち症対策協議会といったようなものをつくって、そして早急に政府なり関係当局からの対策を要望している。こういう実情にあるようですが、そのことは大きな政治的な課題としてこれから取り上げていかなければならないのですけれども、そのことと並行して、今日の運輸行政あるいは厚生、さらには通産行政といったような関係の中でも側面的にもう少しとるべき対策があるのじゃないかということが考えられるので、少し関係についてお伺いしていきたいと思うのですが、まず原山自動車局長に自賠責の関係でひとつ聞いておきたいと思うのです。それは最近の事故の中でも追突事故というのは四割三分ぐらいある、こういうふうに言われておって、しかもそれが医学上あるいは治療、診断による基準がないといったようなこと、それだけじゃなしに、一般の国民の理解あるいは加害者の方のむち打ちという問題に対する無理解といったようなものも手伝って、非常に後遺症的なものが残ってきているというようなところから、実は自賠責である程度救済をするという道は開けてはおるわけですが、何としてもけがの五十万円という額は、その面では今日不足してきているということが、これはむち打ちの場合だけではありませんが、ほかの傷害も同じですけれども、しかし、この法律ができた当初は、死亡三十万に対して傷害十万という三対一という比率から考えれば、この間三百万に上げたときに大体百万になって、まあ算術計算で言えばしかるべきところを、五十万に押えられた。しかし、それでも実際に十分であれば私はいいと思うのですけれども、二、三私が最近相談を受けておるのですが、やはりもう五十万ではまかない切れない状態になってきた。したがって、死亡の三百万を五百万円にという声もありますが、これとして、今後の問題として、それより一歩先に、けがの場合の五十万というやつを引き上げるということについて検討をする気持ちをもっておられるかどうか。あわせて、もし自賠責の今日の実績というか、実行の状況といったようなところから見て、それの可能性については全く考えられないような実態にあるのかどうか、そこらも含めて、私の聞きたいのは、ぜひこの点は検討してほしいというのがまあ中心なんですけれども、まず第一点、それをお伺いしたい。
#4
○政府委員(原山亮三君) 自動車損害賠償法の保険金額の支払い限度額でございますが、御承知のとおり、本年の八月に支払い限度額の引き上げを行なったわけでございますが、その際、傷害の面につきましてもいろいろと実績等を調べまして、引き上げる必要があるのかどうかということを検討いたしたわけでございますが、従来の実績を見ますと、傷害の場合におきましては、大体五十万円の限度内に九〇%程度以上がカバーしているというふうな実績が出ておりましたので、ことしの八月の改正の際には、死亡につきましては三百万円に引き上げましたけれども、傷害は大体カバーできるということで据え置きしたわけでございます。しかし、先生御指摘のとおり、今後の実績を見て、その支払いの実績において改正する必要があれば改正してまいる、そういう気持ちでもっていきたいと考えております。
#5
○木村美智男君 局長、大体そういう考え方でいいのですが、ただ、やはりこの五十万というワクが一つあると、まずそのワクが先に立って、たとえば何と言うか、うまいこと加害者、被害者の間の折衝がいかなかったような場合に、被害者請求に切りかえる。そうするとやはり頭に五十万というものが浮かべば、それで被害者請求をやるについても、前もって大体五十万の中におさまるようにあんばいをしながらやっていくというようなことから、相当家計費、交通費あるいは治療に即応する形での付随した費用というようなもの、これがひっかかってきているというようなことがあって、したがって、これは基本的にはいま答えられたようなことでけっこうですけれども、ぜひひとつこの五十万円を引き上げるということに向かって早急に検討していただきたい。これをひとつ要望しまして、いまの点はそれでけっこうであります。
 それから自動車の関係ではありますけれども、自動車局ではなしに、基準局補償課長出ておられますか。――最近労働者災害補償保険の関係で六カ月の打ち切りになっているという話を聞いたものだから、いろいろ法規をひっくり返したら、六カ月というのはないのですよ。どうもおかしいなと思っていろいろ調べてみたところが、大体むち打ち症については、ある程度病気が安定するというか、一応平衡状態になってきたと言われると、もう施しようもない、医者も特別に何か加える手術その他というようなものがないというようなことから、まあ特に基準局のほうからいろいろ医者のほうに注文があり、そして医者のほうから本人にも通知があって、何とはなしに六カ月というところで大体打ち切られるという現実問題が発生しておる。それでまあ六カ月で打ち切りだ。どうも法規調べてみたら、どう考えても三年間は労災保険の場合いいはずなんです。むち打ち症の場合、そういう問題が特に顕著に最近あらわれてきているので、あるいは基準局のほうでそういう指導でもなさっておるのかと、こう思ったのです。したがって、そういう指導でもされておるのかどうか。もしされてないとすれば、私はこれは相当今日のむち打ちに対する医学的な問題、治療上の基準がないというようなところに問題があるから、専門的な医療センター設置というようなことができれば、そういう問題も解消する問題じゃないかとは思っているのですが、一応指導をしているかどうか、していないとすれば、多少これはそういう現象が顕著になっているということに関心を持って、六カ月で打ち切りの制度になっているのだなというような誤解のないように、別な面でひとつ指導してほしい、こういうように思うのですが、どういうものでしょう。
#6
○説明員(長岡貢君) ただいま先生御指摘の、むち打ち症の療養に関しまして、六カ月程度というような指導はいたしておりません。したがいまして、労災保険ではむち打ち症に限らず、業務上傷病につきましては、先ほど先生御指摘の、症状が固定いたしまして、医療効果が期待できない状態に達するまで、医療補償並びに休業補償を行なうことになっておるわけでございます。むち打ち症につきましても、治療を必要とする限り、いま申し上げましたように、療養継続ができるようになっておるわけでございます。そこで治癒という、症状固定という問題でありますが、治癒とは症状が安定いたしまして、疾病が同定した状態にあるものをいうのでありまして、治療の必要がなくなったものであります。すなわち負傷にありましては、創面の治癒した場合、しかし個々の障害の症状によっては、その治癒の見解が異なることがあり得るわけであります。疾病にありましては、急性症状が消褪いたしまして、慢性症状が持続しても、医療効果を期待し得ない状態になった場合に治癒というふうに判定をいたしておるわけでございます。労災補償では、いま申し上げましたように医療効果が期待し得ない状態に相なりましたときに治癒というわけでありますが、その治癒という概念につきまして、社会的治癒、つまり全治したという治癒でありませんで、いま申しましたような概念で治癒、平衡状態に達した状態を治癒、したがいまして、その残った障害の程度に応じまして、障害等級表に基づく障害補償を行なう、こういうような仕組みに相なっておるわけでございます。むち打ち症につきましては神経症状あるいは精神症状というものを加えた非常に複雑な障害を伴う場合が往々にして多いわけでございまして、したがいまして、治癒いたします際におきましても、相当の専門病院においての総合的な診察が必要に相なるわけでありまして、労働省といたしましては、全国三十四カ所の労災病院等の整備をはかりながら、この問題の治療について遺憾なきを期してまいりたい、このように考えておる次第でございます。
#7
○木村美智男君 大体一般的なお答えはそれでけっこうなんですけれどもね、ただ、むち打ち症という特殊な、まあ最近出たというのはちょっと語弊がありますがね、いずれにしても精神的なものを相当要素としているだけに、何かこの一般の外科障害みたいなものとはちょっと違うという点で、たいへん私やっぱりこの扱い方というのはむずかしいとは思うのです。しかし、いま労働省で考えているような、厚生省があるいはことしから三十四カ所に整備をするというようなことでは少し私不十分じゃないか。というのは、もう少しやっぱり脳神経外科等もちゃんと備えて、専門にこれを扱うようなことにしないと、今日六万人といったような推定がされているわけですが、そういう大がかりなむち打ち症問題が社会問題になってきているという現状の中では、もう従来の救急病院みたいなものを整備をするといったような、そういうなまぬるいことではもう今日の、何というか、国民的な要望に即応できないのじゃないかという意味で、これはある意味では厚生省、労働省に言うべきことよりも、あるいは政治の課題かもしれません。しかし考え方としては、もう少し今日のむち打ち症対策というものについての重要性というものをやはり労働省としても認識をされて、たとえば障害等級なんかについても再検討をしていくべき時期に来ているのじゃないか、こういうふうに考えておるわけですが、そこで治癒というものが社会的になおったということとは違った、いわば平衡状態に戻ったという、ここのところが実は問題なんで、表から見ればなるほどそうなんですけれども、大体むち打ち症にかかったのは天気が悪くなれば頭が痛くなるとか手足がしびれるとか、しかもそういう状態が半年ないし一年後に発生をしてくるというところにこのやっかいな点があるわけですから、そういう意味で、医者も今日大体なおったという基準はこういう状態になればなおったんだ、あるいは治療の関係はこういう基準でやっていくのだということがきちっとまだ確立されていないでしょう。そういう面から考えていくと、やはり専門の医師を配置をして、そのむち打ち症に必要なやっぱり医療施設というものを完備をした、やはり全国的なむち打ち症を含めた交通事故に対するやっぱり救急医療センターというか、こういったようなものが、考え方は三十四カ所を整備するようなことでなしに、別途やっぱりつくっていかなければならぬ段階に来ているのじゃないかというような考え方を持っているわけですが、ここら辺はどういうふうに思っておりますか。
#8
○説明員(長岡貢君) いまの施設の充実その他の問題につきましては、私いまお答えすることが適切でないと思いますので、むち打ち症についてのその症状の複雑性、重篤性にかんがみまして、障害等級の検討を早急に行なうべきではないかという先生の御指摘でございますが、先ほど申し上げましたように、むち打ち症の症状が非常に精神、神経症状を含む複雑な障害症状を呈するというようなところから、いろいろな問題が起こっておるわけでありまして、したがいまして、労働省といたしましては、本年の二月から、障害等級の専門家会議を設置いたしまして、斯界の専門家――大学の教授、あるいは病院のその道の専門家の先生方に御依頼をいたしまして、引き続いて現在検討を進めておるところでございます。
 交通災害を含む、あるいはその他の有害劇毒物といったような中毒からきます精神、神経症状というものも、最近非常に増加をいたしておるわけでございます。そのような観点から、労働省といたしましては一方において、いま申し上げましたように、障害等級専門家会議を設置いたしまして、むち打ち症を含めまして全般的な検討にいま着手をいたしておるところでございます。しかしながら、最近におきまする交通事故等の多発にかんがみまして、現在の神経症状の関係の障害等級につきまして若干不備な面もございまするので、先般規則を改正いたしまして、精神、神経症状につきましては、障害等級一級、三級、七級、それから十二級、十四級、このような形になっておるわけでありますが、七級と十二級の間に九級という障害等級表を新たに設定いたしまして、神経あるいは精神に障害を残すことによりまして服することのできる労務が相当程度制限を受けるものというような新しい障害等級の設定をいたしまして実情に即した障害評価を行ないたい、このようにいたした次第でございます。
 さらに、このむち打ち障害というものに対してどのような治療なり、どのような認定をしていくかということにつきまして必要でありまするので、さらに、いわゆるむち打ち症の補償基準に関しまする専門家会議を現在開催いたしまして、この辺の治療並びに認定に関しまする専門的、医学的に解明いたしたいということで、現在せっかく検討、努力中でございます。さらに、先ほど先生御指摘のように、この症状が非常にむずかしい症状を呈しておるというようなことから、昭和四十一年度におきまして、災害医学研究委託費というものがございます。むち打ち症の病理実態に関しまする脳神経外科学的な研究、それからむち打ち障害の診断と治療に関しまする研究を、東京労災病院院長の近藤駿四郎氏、慈恵医大の教授の伊丹康人氏に御依頼をいたしまして、研究を進めた次第でございます。ざらに四十二年度、本年度に至りまして、むち打ち損傷の研究につきまして、先ほど申しましたむち打ち症の補償基準に関する専門家会議のメンバーでありまする横浜市立大学教授の土屋弘吉先生にお願いをいたしまして、さらにその研究を進めているという状況でございます。
 それから厚生省、労働省、科学技術庁と、さらにむち打ち損傷患者に対しまする総合的な診断、治療、あるいは障害認定に関しまする研究について、現在予算を折衝いたしておりまして、総合的にこの対策を打ち立てて、むち打ち損傷患者の援護の十全を期してまいりたいということで努力をいたしておる次第でございます。
#9
○理事(谷口慶吉君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#10
○理事(谷口慶吉君) 速記をつけて。
#11
○木村美智男君 じゃ労働省のほうは、いまお答えになった範囲の中で、ひとつ適当な機会に検討の経過なり、また結果については十分お聞かせをいただくようにして、ぜひそういう筋で、たいへんな社会問題になってきておるおりですから、積極的にひとつ進めていただきたい、これを要望しておきます。
 厚生省の方見えられたようですから……。いま労働省からも多少伺ったわけですけれども、むち打ち症の関係で、特にむち打ち症のみならず、交通事故全般を扱うのに救急医療センターというか、専門の交通事故障害に対する施設というようなものをつくる必要がある時期にきたのじゃないかと、こういうことを伺ったわけですが、なぜ私がそういうことを申し上げるかというと、最近のとにかく死亡事故は去年よりわずか、いまのところでは下回るのじゃないかというふうにいわれていますが、障害のほうはもう六十万を突破することはほぼ確実だと、こういうふうにいわれておって、おそらく史上最高の年になるだろう、こういう状態で、むち打ち症患者はふえる、まさに交通戦争といわれる状態になってきたら、従来の施設を整備をして、特にその施設の片方のほうで片手間に交通事故問題を扱うというようなことでは時間的にもやはり機を失するというようなことから、人命尊重というようなことを考えていけば、やはり専門的な全国的医療センターを設置をして、電子計算機を備えつけるぐらいを考えて、事故が発生したら直ちにこれに即応し得る、しかも病院にその障害者が入ってきたときには、それを専門的に扱えるような専門医師も配属をする、特に脳神経外科というようなものが、これは後遺症問題ともからんできわめて重要なウェートを持ってきておるというようなことから、この交通事故専門の医療センターを一つつくる必要があるのじゃないか、こういうふうに思うのですけれども、厚生省のほうはいまどういった考え方、これからどうしようとしておるかということをひとつ原則的にお聞かせいただきたい。
#12
○説明員(上村一君) ただいまの御質問にお答え申し上げます。いわゆるむち打ち症を含めました交通外傷患者に対する対策といたしましては、いまの御指摘のように、そういった患者を専門に扱う救急医療センターというものをつくりたいというふうに考えております。救急医療の体系といたしましては、消防法の規定に基づきまして救急病院なり救急診療所として告示されておるものが三千六百ばかりあるわけでございます。これが全国の市町村にばらまかれたかっこうになっておりますが、私これから申し上げます救急医療センターの開設は、大体人口百万に一カ所ぐらいの割合で主要な都市に設置をする。設置をするものは国立病院なり公立病院でございます。昨年来計画的に設置を進めておりまして、四十二年度末ではその数が三十七カ所になる予定でございます。この病院には脳神経外科等の専門の医師であるとかそういった交通事故外傷患者について的確なる診断が下せるのに必要な機械というものをそろえるということにいたしております。さらに、そういった専門医師でございますが、御案内のように、比較的最近発達した分野の学問ございますので、その数はまだはなはだ少のうございます。全国で脳神経外科学会の会員といわれる者が約三千名足らずでございますし、中でもその学会が認定しております国際的にも通用するような先生というのは、二百名に足らないような状況でございますので、そういった専門的な施設の整備とあわせて、ひとつは大学のほうにお願いをして、そういった医師の養成に努力をしていただくと同時に、現に救急医療センター等で診断、治療に当たっている医師に対しまして、高度の技術が修得できるような研修を実施いたしたい。これはまだ実施をいたしておりませんが、実施をしたいというふうに考えております。以上でございます。
#13
○木村美智男君 これは特にもう市町村、地方自治体でも愛知県会だとか、あるいは京都府会であるとか横須賀の市会であるとか、そういう自治体の議会の決議まで出て、そしてさっきもお話をしたんですが、いまや交通事故障害六十万と、そういう中からむち打ち症患者、全国で約六万といわれる。こういった現状になってきているので、いま課長の言われたのは、どうも現存する国立なり公立の病院の一部分を特別交通事故関係に充てるようなお話なんですけれども、私は、もうそういう段階ではちょっとこれからの展望を考えると、これはまさに、ほんとうに焼け石に水みたいな、やらぬよりはいいけれども……。ぼくが聞こうとしているのはそうではなしに、まあ出発点はそうであっても、将来の展望としてはやはりもっと独立したものを各都道府県に一カ所ぐらい、まああなた、人口百万に一カ所ぐらいと言いましたけれども、そのほうがなおこまかになっていいですが、とにかく各都道府県一カ所ぐらい独立をして専門のやっぱり救急医療センターといったようなものをつくっていく構想をお持ちかどうかということを聞いている。で、少なくともそういうことが必要な時期にきているんじゃないかと、こう言っているわけですよ。現状を、三十七カ所持ってそして宿借りみたいなかっこうで仕事を始めたということは私は知っているわけなんです。それだけではもういかんじゃないかということで、これは何もそうやりますとか、どうしますということを必ずしも聞いているんじゃないけれども、もうこれだけ大きな社会問題になって、場合によったらむち打ち症対策のひとつの法律までつくって対処しなきゃならん段階まで来ているから、そういう意味で厚生省は一歩これを前に進めてもらいたいという気持ちの中で、いまのようなことをお伺いしたわけです。先々のことを含めてどうだろうかと。
#14
○説明員(上村一君) 交通事故の外傷患者だけをもっぱら扱うセンターをつくることにつきましては、いまのところ考えておりません。と申しますのは、先ほど申し上げました救急医療センターと申しますのは、単に宿借りをしているんじゃなくて、高度の診療機能を有する病院に救急患者を扱うための診療棟をつくり、機械を入れる、そのために補助金を出すなり、特別地方債でめんどうをみるということで整備しておるわけでございます。たとえば、いまお話になりましたむち打ち症というのがあるわけでございますが、むち打ち症という病名そのものはないというような学界の定説でございますけれども、そのむち打ち症的な症状を呈する患者についても、単に脳神経外科とか、あるいは整形外科という外科サイトだけではなくて、内科とか、場合によれば精神科といった医師の動員も必要とするわけでございます。したがって、交通外傷患者に対して的確な診断を下し、引き続いて医療を行なうには、総合的な機能を持った病院に付設する形で救急医療センターをつくるほうが効果的ではないかと考えます。
#15
○木村美智男君 いや、特に交通事故を強調したからだが、傷害ということばをつかっているわけですが、だからこの趣旨は違っちゃおらぬのですが、もう少しテンポを早めて規模をでかくする必要があるのじゃないかということですから、大体の趣旨は私のほうでも了解をしますが、四十三年度予算その他を分析をしていけば、あなたのおっしゃるようなことにほんとうになっていくかどうかということは問題じゃないかという意味も含めて言ったわけなんですけれども、わかりました、大体そういう趣旨で、少し厚生省のほうも積極的にこの種問題について前向きで進めてもらいたい。
 ところで、最近の交通安全対策で、これは通産省のほうに聞きたいのですが、いま言ったように、いわば事故の発生したあとのアフター・ケアの問題なり救急病院の問題なり、逐次体制を整えつつあるわけですけれども、事故発生の直接的なというか、背景となってきている今日の車それ自体の問題について、少しこれはやっぱり問題を提起する必要があるのじゃないだろうか。と申しますのは、たとえば、一生懸命あっちもこっちも精神的に事故をなくすような精神教育みたいなこともやる、安全教育もやる、それから安全施設も部分的ではあるけれども整っていっている、しかし、車についてだけは今日野放しになっている、極端にいえば。そういう意味で通産省等は、私はやっぱり車につけてあるバンパーといったようなものについては、これは多少のていさいの問題もあるけれども、これだけ事故が発生してきたら、いまのように車によって高いところ、低いところに、まちまちにバンパーがついている、それではバンパーの役割りをしないわけですよ。だからある程度バンパーの位置というものを一定をさせる必要があるのじゃないか。そうすればぶつかったときに初めてバンパーが緩衝の役割りを持つ。ところがこんなのじゃダンプの中へめり込んだというような関係になってくるわけですから、極端なあれの違うのはやむを得ないにしても、大体何段階かに車両を分けて、そしてその大別した中ではバンパーの位置、高さというものを統一をするというような規制、それから最近特にタクシーなんかでもまくらがだいぶ普及てしきましたけれども、まだまだこのまくらというのがないわけですよ。これはどこの所管かわかりませんけれども、ある程度このまくらというのはやっぱり今日の時点になったら義務づけをする必要があるのじゃないか。そのまくらをつけるぐらいのことができないようであれば、これは営業用として許可しないというぐらいのきびしい態度をもつて臨む必要があるのじゃないかということで、その点はひとつ、管轄がどこかわかりませんが、答えていただきたい。
 それから、まあアメリカなんかではもうすでにベルトをつけていますよ。これは一面ではやっかいなあれもあるからいまの時点でそういうことを、これを申し上げようとは思いませんが、その辺も参考にして考えてもらえば、せめてまくらぐらいは、これはいまいったようなきびしい態度で臨まなければいかぬだろう。これは車体構造何かについても、ぶつかったとたんに何か座席が多少ずれるとか、弾力性のある車両構造というものを研究をする必要があるのじゃないか。あるいはエンジンの問題があります。最近テレビで見ると、普通車であって百二十キロぐらい出すエンジンをつけたんだからというので、どんどんテレビが宣伝しておりますね。一体、一方では交通事故が激増しているという中で、その生産者のメーカーの販売競争をそのままやっぱり放置をしておいて、そうしてどんどんスピードのある車をつくらせる。スポーツカーみたいなものや競争車みたいなものは、それは特殊な車だから何ぼ速く走る関係になってもいいけれども、一般の関係で百二十キロも出していけるのだというようなことをやはり野放しでおっぽっておくということについては、今日のやはり交通事故頻発の状態の中からは問題じゃないか。これは警察庁にも伺いたいと思うんですが、どこか忘れましたけれども、百キロまで許容するということにしたということをちらっと新聞で見たんですけれども、私はやっぱり逆に、今日の時点では速度制限をすべきだと思う。で、その速度に応じて、かりに八十キロのスピードで走るなら、前の車両との間隔はどのぐらいとっておけというぐらいのやっぱり指導を強くやっていかないと、まあ私もロスアンゼルスで経験があるのですけれども、幸いけがまでいかなかったんですが、前の車両がパンクした、とたんにハンドルとられて、うしろから行ったのがぶつかった、そこへもう一つ次のが行って三重衝突、こういう事態はこれから日本の高速道路の発達に従って、これはもう起こってくることは目に見えているんですよ。そうなると、私は、あまり高速道路だからといって、時速百キロまでよろしいというようなことについては、ちょっとこれは一考を要するんじゃないかということと、それから、まず六十キロ以上ぐらいの速度になっていったら相当運転者教育というか、車の間隔をとらせるとか、とにかく片道三車線持っているアメリカのハイウェーであってもそういう一つの指導をしているというようなことから考えれば、大体日本の高速道路なんといったってカーブが多過ぎて、しかも狭いですから、こんなものは、高速の体をなしているかもしらぬけれども、ほんとうの意味の高速道路ではないですね、ある意味では。だから、そういうことから速度制限の問題について、これは警察庁のほうからぜひお伺いしたい。特に来年度は、この交通事故取り締まり対策の重点目標に追突事故の防止ということをうたっておる。こういう関係からいっても、警察庁として速度制限の問題についてひとつ考え方を伺いたい。
 それから通産省へもう一つ聞きたいんですが、あまりこういうことはどこの委員会でも言ってないようですけれども、車ね、この車の生産について自動車産業界にだけまかしておくということは一体、これは通産大臣に聞くことかもしらぬけれども、そのことにやっぱり全然目をつぶっておって、それで交通事故防止といったって、いまの道路の改善なり、それから町のつくり方、こういったようなものを全体を考えてみたときに、自動車だけがどんどん数だけがふえていくという、こういう状態を一体どう考えておるのか。これはひとつ通産省から伺いたい。で、きょうは決定的な答えができないというんなら、次官か大臣にどうしても一回、帰られてよく相談をされておいて、しかるべき機会に再度これはお伺いをしたい。各省にわたっておりますけれども、逐次ひとつお答えいただきたい。
#16
○説明員(本田早苗君) むち打ち症が非常に増加しておるということで、安全対策がきわめて緊要な問題になっておる、この点につきましては業界も非常に痛感しておりまして、四十二年度から機械試験所を中心に自動車安全公害研究センターというものを発足いたしておりますが、これは国の試験所を中心にいたしまして、業界、学会が協力して自動車の安全対策の実効をあげ得る研究をやろうということで、いまお話しの出ましたようなバンパーについても、高さの問題の御指摘ありましたが、これが緩衝効果があるようなバンパーをいかにしてつくるべきかというようなことも研究しようということになっております。高さの問題につきましては、おっしゃるように確かに車種が違いますとバンパーの高さも違いますので、大体近似の車種についてはバンパーが同じような高さに統一されてバンパーとしての効果があるというようなことにつきましては、自動車工業会においてもその点の実施を真剣にいま考えております。
 それから、安全まくらの問題でございますが、これは御承知のように、日本ではまあ安眠まくらのような着想から雑貨メーカーがつくって、これを取りつけるというようなことから発足したことでもございまして、強度の問題について非常に問題がある。それから、追突の際の衝撃等との関係が研究された上で生産されたわけではないというような事情もございまして、追突に伴ういろいろの問題点の検討から始めて、大体その辺の研究は終わりまして、安全まくらの規格というものについて、強度あるいは特に考慮しなければいけない点等が大体明確になってまいりましたので、日本工業規格のあのJISで、JIS規格を本年度内には決定し得る段階になろうかと思います。そうなりますと、できるだけこれが広く採用されて、追突の際の実害を減殺できるようにしていくべきであろうというふうに考えております。
 で、安全ベルトの問題、あるいは車体構造の問題等につきましては、いま申し上げました公害研究センターにおいていま真剣に研究しております。
 それから、そのほかにも、交差点におきまして停車中の車にあとの単が追突してむち打ち事故が起こるということもございますので、現在サイドブレーキが停車した際に自動的に作動いたしまして、かけなくても自然にサイドブレーキがかかるという装置を開発いたしておりまして、大体鉱工業研究補助金を本年度もう支給しまして、本年度内には大体商品化でき得る見込みになっております。
 それから、ブレーキランプのこと等につきましても、産業工芸試験所におきまして位置とか明るさ、あるいはどういう色が一番目に見えやすいかというような研究もいたしておりまして、その結論が出ればブレーキランプの位置、大きさということについても採用していきたいというふうに考えております。
 それから、最後に、車のエンジンの高速性の問題でございますが、われわれのほうとしましても宣伝等にむやみに高速性を誇大に宣伝しないようにという指導をいたしております。
 それから、生産の問題でございますが、御承知のように、自動車生産は近年御指摘のとおり非常に増大して、保有台数もかなり増加してまいっておりますけれども、保有の状況から申し上げますと欧米諸国に比べてまだまだ非常に低いという実情にあるということも事実でございます。
 それから、他面日本の道路が非常に舗装率が低くて、欧米の諸国に比較しまして格段に低いと、四十一年の実績でみますと全道路の七・四%が舗装されておるに過ぎない。イギリスは一〇〇%舗装されておるというような事情もございますので、道路の整備がまず基本的には必要ではないということも考える次第でございます。
 また、自動車産業、御承知のように、非常に多数の中小企業を含む関連企業を持っておりまして、広範な産業的な影響のある産業でもございますし、最近のように後進国の工業化が非常に進んでまいりまして、輸出品の分野としてはできるだけ高度の加工工程の加わった商品を輸出しなければならないというような状況からまいりますと、自動車が輸出産業としてきわめて重要な産業であるというようなこともございます。したがって、自動車産業を今後重要な輸出産業として健全な発展を円満に進めるということがきわめて重要だということもあるわけでございまして、できるだけ道路環境の整備等を積極的に進めていただきたいというふうに考えておるわけでございます。以上でございます。
#17
○政府委員(原山亮三君) 自動車の構造上の安全につきましては、運輸省としましては従来から道路運送車両法並びにそれに基づきます保安基準に基づきまして、各般にわたって規定いたしておるところでございまして、その規定の順守については、車両検査でもって完補するということでやってまいったわけでありますが、御指摘の、追突事故防止のまくらの問題なんでございますが、これにつきましては先ほど通産省のほうからお話がございましたが、現在いろいろな種類のものが出ております。最も安全血において効果的なものはどういうものであるかということについて、運輸省のほうからもその委員会に入りまして検討を加えつつございまして、それがきまりました場合におきましては、道路運送車両法の保安基準の中に取り入れて、その設置を義務づけるということも考えてまいりたいと思っております。したがいまして、タクシーのまくらというお話でございますけれども、営業用、自家用を問わず、そういうようなものについての設置を義務づけるというふうな面で考えていくべきじゃなかろうか、かように考えております。
 それからバンパー、高さの統一の問題とか、ブレーキの問題、これらも全般的に現在検討いたしておりまして、技術的に結論の出ましたものから、逐次保安基準の中に入れてまいりたい、こういう考え方でまいりたいと思っております。
#18
○説明員(玉田茂芳君) 交通規制の点につきまして御質問がございましたのでお答え申し上げます。最高速度百キロとしておりますところは現在高速道路であります。高速自動車国道であります名神高速道、それから最近調布・八王子間に開通いたしました中央高速自動車道の一部、これがただいまできてございます。それぞれ高速自動車国道の百キロに制限いたしております区間は、百二十キロの設計速度になっておるところでございますが、さらに御指摘のように、道路の構造規格等から、必要な個所につきましては八十キロ制限にしておるところも相当多数ございます。画一的に百キロに規制をしているわけではございませんで、それぞれの道路環境に即応いたしまして最高速度を決定しておるわけでございます。
 なおこれらの高速道路につきましての事故の発生状況につきましては、いまここに手元に資料がちょっとございませんが、全体的に見まして追突事故も含めまして、事故率は相当低いという状況でございます。しかし、これで安心できるわけではございません。速度の適正化については私ども絶えず監視していきたいというふうに存じております。いま高速道路において特にこの点が問題になっておるというふうには考えられないわけでございます。
 なお、速度規制につきましては、いろいろの観点から適正化、合理化につきまして現在検討いたしておるわけでございまして、現在の規制速度はいわゆる絶対最大速度と申しますか、いついかなる場合も、つまり道路交通の条件のいかんを問わず、これを越えてはならぬという規制でございますが、それだけに道路の条件あるいは交通の条件に即応いたしましたように決定していかなければならぬと思っております。特にこの実態調査をいたしまして、現実の総合状況等を調査いたしました上で、無謀運転はこれは絶対規制していかなければならぬわけでございますが、大多数の車に守り得るところの規制速度にしていきたいというように考えておるわけでございます。それはつまり速度の斉一化ということにもなるわけでございますが、そういう方針で規制速度をきめていきたいというふうに考えておるわけでございます。
 御指摘がございました車間距離につきましては、これは追突防止上むち打ち症の最大の原因であります追突の防止上、非常に重要なことでございますし、高速道路におきましての車間距離につきましては、いろいろな資料を配付いたしまして、ドライバーの注意を喚起しておるわけでございますが、一般の道路につきましても、この点につきましてはさらにこういう数字をあげて指導してまいるように検討してまいりたいと考えております。
 それから、車間距離を保持いたします場合に問題になりますのは、割り込みの問題でございまして、これは取り締まり上非常に困難な点もございますが、今後この車間距離と関連して、この取り締まりを強化してまいりたいというように考えておるわけでございます。警察庁といたしましては、来年度の重点目標に追突防止を掲げて、これに関連いたしまする追突事故の多発地点の実態を把握いたしますとともに、その原因を分析いたしまして、対策を講じてまいりたいというように考えておる次第でございます。
#19
○理事(谷口慶吉君) ちょっと速記とめて。
  〔速記中止〕
#20
○理事(谷口慶吉君) 速記をつけて。
#21
○木村美智男君 いまのお答えで大体けっこうなんですが、通産省のほうはちょっとうまくないですよ、これは。私が聞いたことと少し筋がはずれている。で、これは理解が間違っていたらひとつ正確に言ってもらいたいと思うのですが、大体今日の自動車生産の輸出というのは四%ぐらいだと聞いているのですが、何かお答えによると、輸出産業として重要なウエートに自動車産業があるから、だからいまの生産というのは野放しになっているのだ、とは言わぬけれども、あまりどうだこうだ言っていないというふうに伺ったのですけれども、それは自動車の今日生産量の三割ぐらいを輸出産業に向けているのだというとそういう理屈も成り立つかもしらぬが、かりに私が理解しているように四%前後だということだとすれば、これはそのことと、今日的に野放しの生産をやらしているという問題とは違うと思う。むしろ私は今日では、いまの経済の進展状況と一面これをにらみ合わせながら、むしろ道路事情あるいは交通災害、こういったような関係を重要視をして、そうして自動車産業が何か停滞をしていくというようなことじゃなしに、それなりの――これは生産過剰になればまたダウンしてくる状態だって、経済の自然の中にだってそういう状況はあるのですからね。いわんや、今日のようなこの交通事故の多発時代であるから、そういう立場も考慮をしてみれば、野放しでやっているべきじゃないのじゃないかと、こう言っているわけです。ですから、その輸出の関係、もうちょっとあなたの説明では、それは野放しにやっていておよろしいのだというし輸出の理由がはっきりわからぬものだからね。
#22
○説明員(本田早苗君) ちょっと説明が不十分で恐縮でございましたが、御指摘のように、輸出の比率は三十になっているわけではございません。最近のあれでいきますと、トラック等を含めて、全車種で一〇%前後、乗用車だけで見ますと一五、六%というのが輸出に向けられております。先ほど申し上げましたのは、こういう輸出の状況でございますが、先進諸国の輸出の比率は、ドイツが五五%、あるいはイギリスが三六%、フランスが三六%というふうに、生産量の三分の一あるいは半ばを輸出に出しておるのが現状でございます。今後後進国の工業化に伴って、軽工業品その他の輸出事情が非常にむずかしくなる。しかも、全体として輸出の規模を大きく伸ばさねばならないとすると、こういうふうな自動車のような商品が今後輸出を大きく伸ばす商品として拡大をすべき任務を持っておるのではないか、こういうことを申し上げたわけでございます。
#23
○木村美智男君 あなたとこの問題議論する気はないが、もしいま言ったようなことを通産省が考えているとすれば、少し私はやっぱり問題だと思うんですよ。先進諸国が自動車輸出を三〇%ぐらいやっているから日本もそれぐらいやらなきゃならぬという、そのことと自動車全体の生産調整というか、その問題とはこれは違いますよ。輸出産業向けの生産を伸ばせばいいんであって、そのことは、何も日本の道路が狭くなったり、事故が多発したりということとはぼくは直接的な関係はないと思うよ。ぼくが聞いているのは、輸出は輸出としてこれは別途に考えられ得ると言うんです。国内における自動車の生産の問題が、これだけ車が多くなってきたらもう国民の中の常識的に、これは何とか車をもう少し減らしたらどうか、あるいは減らすというよりもこれ以上ふやさないようにしたらどうか、そうして、道路のほうが先行していって、そうして余裕があるようにしたらどうかというのは、素朴なこれはもう国民の一般常識ですよ。そういうことについてどう考えているのかと聞いたんであっていいですよ、それは。輸出産業として自動車をいま一割だから他国並みに三割ぐらいに伸ばす。それならば輸出向けの自動車をつくればいいんで、輸出向けの自動車走らせなきゃいいんだから。そういう意味では交通事故と輸出自動車との関係は直接因果関係はないですよ。そういう輸出ということを口実にして野放しに自動車産業をおっぽっておく通産行政に問題があると言っているんだ、ぼくは。これは運輸大臣もいるから運輸大臣回答してくれればいいんですが、閣議の中でも少しこういう問題についてやってもらわなければいけない。この問題について、そのうち通産大臣には――いまあなたにはこれ以上言ったって無理だと思うから――そういうことを聞いているんですよ。
#24
○説明員(本田早苗君) 説明が不十分だったかもわかりませんが、三割まで伸ばすためには生産の規模として大きくすることが、今後コストも引き下げて、三割に伸ばす基礎になるということを申し上げたのが一点。そのほかに若干申し上げましたのは、御指摘のように、非常に需要が強いわけでございます。非常に強い需要に対して生産を落とすだけでいくかどうか。自動車は御承知のようにもう輸入を自由化しておりますから、国内の生産を制限した場合、輸入も制限しなければならないということに相なる事情もございます。それらの事情を総合的に考えながら問題を解明しなければならないという事情があるということだけ申し上げておきます。
#25
○理事(谷口慶吉君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#26
○理事(谷口慶吉君) 速記をつけて。
#27
○木村美智男君 大臣、時間の都合がおありのようですから、大臣に少しお伺いしたいんですが、いま大臣直接関係ができたら大臣のほうからお答えを願うことにして、航空局長おりますね。簡単に空港整備五カ年計画というやつ、これは航空局の計画、それとも運輸省の計画、もっと言えば、閣議できちっときめられた計画なのか、そいつをまずはっきり聞きたい。
#28
○政府委員(澤雄次君) 昭和四十二年度を初年度といたしまして五カ年間に千百五十億の空港整備を行なうということはことしの閣議了解になっておりますが、まだいまだに閣議決定には至っておりません。
#29
○木村美智男君 ことしは、四十二年度が第一年度ですね、大体千百五十億のうちどのぐらいの予算でやったですか。
#30
○政府委員(澤雄次君) 今年度の航空局につきました予算七十七億でございます。
#31
○木村美智男君 大体千百五十億を五カ年計画だから五年に割ると、まあ二百二、三十億ということでしょう。それを幾ら何でも七十七億じゃ、ちょっと少な過ぎやせぬか、これは。
#32
○政府委員(澤雄次君) この千百五十億の空港整備の予算を大蔵省ときめますときに、初年度は七十七億でございますが、これを何と申しますか、毎年五〇ないし五二%の伸び率で伸ばしてまいるということで、運輸、大蔵両省間で了解をいたしております。
#33
○木村美智男君 五五%ずつ伸ばすと、千百五十億になりますかな。
#34
○政府委員(澤雄次君) 千百五十億はこれは総事業費でございまして、国の支出になる分は約千二十億でございます。千百五十億のうち千二十億でございます。七十七億を五二%の伸び率で伸ばしますと、千二十億に相なるわけでございます。
#35
○木村美智男君 じゃ、いまの財政硬直化の問題はこれ影響されないですか。
#36
○政府委員(澤雄次君) この伸び率でいたしますと、来年度の予算は百十九億になります。百十九億をただいま大蔵省に要求中でございます。
#37
○木村美智男君 それ澤さん、要求中なのはわかっているんですよ。影響されずに、あなたが言うように千百五十億が閣議了解だと言うから、したがって、これは財政硬直化はあっても大体計画は通るのか通らないのかということで、まあ予算折衝の今日の状況ね、あなた直接やっているんだから、通りそうだ、通らないという話を大臣のいる前でしてもらいたいわけだ。
#38
○政府委員(澤雄次君) 通るか通らないかは政府で最後に御決定をいただかないとわからないんでございますが、交渉状況では非常に難航をいたしております。
#39
○木村美智男君 一番私ここで問題なのは、五カ年計画がつくられたということは、結局おととしから去年にかけてひんぱんに航空事故が続発をしたというところから出てきているのだろうと思うんですよ。そうするとこの計画の中では重点的にこれとこれはやらなければならぬという関係があるでしょう。したがって、今年度の予算要求の中心はどこにあるのですか。
#40
○政府委員(澤雄次君) 四十三年度の予算要求の中心といたしましては、この五カ年計画を閣議了解いたしましたときにいろいろお話し合いしました中心は、東京、大阪――羽田と大阪の空港の安全、滑走路の延長を含めまして空港の安全施設を整備するということ、それから第二種空港につきましては、第二種空港のうち重要なものは二千メーターに延長し、その大部分のものを千五百メーターに延長いたしましていろいろな保安施設をつけます。計器着陸装置を含め、いろいろな保安施設を整備する。第三種空港につきましては、そのうち急ぎますものについてこれを千五百メーターに延長いたしますほか、滑走路の照明を整備するということがその中心でございます。
#41
○木村美智男君 局長ね、大事なことをあなた抜かしておりはせぬかな。二種空港、三重空港の問題は、それはそれとしてあるけれども、研修要員の問題は、あなた運輸省航空局としては、これはこっちのほうがでかい問題じゃないの。
#42
○政府委員(澤雄次君) 研修定員の問題は空港整備五カ年計画には入っておりませんで、これは一般の定員増の問題でございますが、本年度の運輸省設置法の改正にあたりまして、航空保安職員研修所というものを法律上お認めいただきまして、それでこの航空保安職員研修所におきましてこの空港整備五カ年計画に伴いますいろいろな航空局の保安職員の養成を行なっていくということで、航空保安職員研修所の設備、教官、研修定員等について、ただいま大蔵省に要求をいたしております。
#43
○木村美智男君 大臣ね、ここでひとつ大臣にも聞いてもらいたいんだが、私はそういうところに航空行政として一つ欠陥があると思うのです。五カ年計画といったら何だということになると、羽田と大阪の飛行場、二種空港、三種空港の整備でしょう。滑走路を広げたり、あるいは離着陸装置を機械化したり、これが五カ年計画だということで、あとの研修要員は、これは一般予算の定員問題だという理解のし方ね、ここに根本的な、これは澤局長、ぼくはこれは了解できぬ、あなたの回答はね。やはり空港の整備をしながら、あるいはその施設を強化しながら、同時にそこに必要な管制官の強化あるいは通信機器の保守要員をつけるとか、それから乗員の養成計画というようなものをそれとタイアップしていかなかったら、これは五カ年計画やったって、機械と施設のほうは進んでいくけれども、人間がそれに伴っていかないから、結局またこれは事故の原因になる。そこのところはそれは答え方がおかしかったならおかしかったと言ってもらえばいいがね、いま言ったようなことだとすれば、これは大臣ね、大事な問題で了解できませんよ。
#44
○政府委員(澤雄次君) 御説明が足りなかったかと思いますが、空港整備五カ年計画についての御質問でございましたので、これは御承知のように、公共事業費でまかなっておりますので、閣議了解をいたしましたものは公共事業費に関する空港整備五カ年計画でございます。で、先生のおっしゃった点につきましては、定員の増加、これらの航空保安職員養成計画、それからパイロットの拡充計画につきましては、この今年度予算決定に際しまして、大蔵省と将来の大綱を決定、あわせてこれは閣議了解ではございませんが、そのときに話し合いをいたしまして、大蔵当局とは了解をつけてございます。
#45
○木村美智男君 二百七十前後の定員は大蔵省と了解できているのですね。
#46
○政府委員(澤雄次君) 定員の数につきましては、航空大学校の定員につきましては大蔵省と了解がついております。航空保安職員の概要につきましては大蔵省とはいまだ確実な数につきましては了解をとってございません。ただ、航空保安職員研修所をつくる、これは法律でおきめいただきまして、その内容につきましては、これは来年度以降の問題でございますので、ただいま予算折衝中でございます。
#47
○木村美智男君 そこで、局長がいま言われている中で、まあ航空大学の関係はいい、大体要員養成計画のほうは大蔵省了解取ってるが、その大事なのは管制官と通信機器の保守の関係の定員ですよね。これがやっぱり進まなければ、実際問題としては何というか、緊急に取り上げた五カ年計画としての事故防止ということにこれは不十分な結果になるので、だから大臣、これは特にこの点は自動車局の関係もあります。ダンプ規制法が二月の一日から実施の段階に入る。これについて、まあぼくたちの言ったことよりも人員は少ないですけれども、とにかく百七名ですか、これがあるし、それからいまの飛行機の問題があるしね。で、私は最近の要員不増の政府の方針ね、それはそれなりに……。しかし、こういうどうしても人命尊重とか事故防止とかいう立場からの必要な人員、こういうものは、これは大臣ひとつ職責をかけても確保してもらわないとね。いわんや観光局を廃止をするというような関係がどの程度人員を動かすことができるのか、私もあんまりこれは期待できないんじゃないか。したがって、どうしてもこれは定員増のほうの関係になってくると思うんで、こういう点だけは幾ら要員不増であっても、これは予算でだけ縛られたんじゃたいへんなことになるから、これはぜひ大臣ひとつ本腰を入れてやってもらいたい。大臣いる間に、いまの例は陸運局の体制の強化と航空局の安全関係の要員ですね、こういう関係を例にとったわけですが、それを総合すれば大臣、大体どのくらいという運輸省としてのまとめがあるでしょう、これをひとつ取るためのあなたの実は決意を聞いておきたい。なぜかというと、いつも問題になるのは、実はこのことで問題になっているんで、特に運輸省は相当いま社会的にやっぱりそういう重要な人が足らないために起こるような仕事がふえてきているのですから、そこのところをひとつ重要に考えてもらって、大臣に特に、政府部内というか閣議の中でも予算編成の段階でがんばってもらわなければならないので、その意味で、大臣のひとつ決意を聞きたい。
#48
○国務大臣(中曽根康弘君) お説のとおりであると思います。特に航空保安要員のようなものは非常に人命に影響するところでもありますし、最近の航空機の発着度数の激増等考えてみますと、非常に重要な部面であると思います。そのほか自動車関係その他新しい事象に合うように要員の確保に努力していきたいと思います。
#49
○木村美智男君 そこでもう一つ。大臣のいまのお答えけっこうですが、航空局長、滑走路の整備のほうに大体目が向いているようだけれども、私は必ずしも滑走路の整備を先行することだけに目を向けていると、ほんとうの意味で実情にぴったり合った安全対策にならぬじゃないかという気持ちがする。それはどういうことかというと、いまILSあるいは進入灯、こういったような関係がとにかく安全な離着陸装置というか、これはきわめて不十分だ。だからある場合には、滑走路の延長拡幅を場所によっては押えても、この計器を備えつけるというところも場所につてはあっていいじゃないか、それでないと、滑走路を延ばすことと幅を広げることばかり目を入れておくと、実際問題としては特にいまの千五百メーターあたりだって十分間に合う場合もあるんですよ。たまたま松山の場合は、ああいうことになったけれども、しかしその後必ずしもそのために松山等の事故が次々に起こっておるかということを考えてみれば、むしろ夜間進入灯が全然ないところなんかが二種空港の中にもあるというのだな。そういう面ではILS装置や、いまの進入灯の整備これもやはり場所によっては先行させる。あるいはどうしてもここは滑走路が安全上一番欠陥になっておるという場合には、これは第一に滑走路を延長するということになると思うのですが、どうもぼくらの見るところでは、滑走路の拡幅と延長のほうに目が向けられておって、多少何というか計器、つまり夜間着陸装置、あるいはそういう機械化のほうが、どうも金もかかるせいかしらんけれども、軽視されておるような、そういう傾向があるので、こういう点はどうでしょう。
#50
○政府委員(澤雄次君) これは御専門家の先生のおっしゃるとおりでありまして、私たちも滑走路の延長だけを考えているのではございませんで、先生のおっしゃったように、ILSあるいはASR、DME、VORTAC、ASDE、それからいろいろな照明施設、滑走路灯、進入角指示灯、VASIS、これらの整備をあわせて考えております。
 それで二種空港につきましては、それぞれの空港につきまして選択をいたしまして、これらの施設を整備し、第三種空港につきましては照明施設を整備するということで、計画を進めております。
 それから、先生御承知のように、ILSをつけます場合には、どうしても滑走路が千五百メートル以上ないと効用を発揮しませんので、そういう面からも滑走路の延長が前提となっております。これは滑走路延長だけでなしに、それらの保安施設の整備ということをあわせて現在進めておる次第でございます。
#51
○理事(谷口慶吉君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#52
○理事(谷口慶吉君) 速記をつけて。
#53
○木村美智男君 それじゃ、大臣御都合あるようですから、航空局の問題は途中で中断しておきまして、大臣おられる間にひとつ伺っておきたいのは、例の福島交通の問題この問題について事情を私から申し上げなくてもおわかりだと思うのです。運輸省として一体このことをどういうふうにするつもりなのか。と申しますのは、どうも理屈の問題以前の、何か労使関係あるいは経営観念というか、すべてをとってみて理屈が通るような状態にどうもないような気がするのです。しかし、この中でじんぜん日はたっている。まあ県民の足はとまり、解雇問題が起きるというような状態の中で、何一つとにかく手が、あるいはやっているのかしらんが、表向きとにかく何らかの手が打たれたという関係は、一つもわれわれは不幸にして知らぬわけだ。したがって、監督官庁である運輸省としては、一体福島交通問題をどう扱うのか、あるいはこれからどういうふうにするつもりなのか、ひとつ考え方を聞かしていただきたい。
#54
○国務大臣(中曽根康弘君) 福島交通はあしたからまたストに入る予定で、それに応じてロックアウトを宣告しておるようであります。そうなると泥沼の紛争になって、県民の足は奪われ、非常な迷惑を県民に及ぼすことになるように考えまして、知事ともいろいろ打ち合わせをいたしまして、できるだけそういう不幸な事態が起きないように努力したいと思って、いまいろいろ連絡をとっております。
#55
○木村美智男君 大臣、その知事と連絡をとってってね、もう知事はこの間一回出たんですよ。ところが、これは織田大藏社長とにかくそういうことをやっていただかぬでもということであっさりけられているわけです。だから、大臣が知事と相談をしてというようなことを言われても、何か新しい、こういうことで相談をしているのだというようなお話がないと、ちょっとこれはよく理解ができないと思うのですがね。
#56
○国務大臣(中曽根康弘君) 運輸省としましては労使紛争に介入することは適当でないのでそういうことは考えておりません。しかし、年末に足が奪われることはたいへんで、特に福島県福島市、郡山市等の中小企業者は、ことしは農村が豊作だというので年末は大いに売れるだろうというので、ずいぶん品物を買い込んで大売り出しをする矢先に足をとめられたんでは、倒産するものも相当出てくる危険性があるわけです。そういう社会不安を起こさないように、できるだけ話し合いでものごとを解決してもらうようにいま努力しておる最中で、何をやっているかということはここでは申し上げられません。
#57
○木村美智男君 大臣言われるのは、話し合いで解決と言われているけれども、どうもいままでのいきさつをずっと私たちなりにいろいろ関係の向きや地元から陳情にも来られて聞いてみますと、話し合いという筋道に乗っかるような状態にどうもないような気がするのですがね、大臣。それは大臣が出られて話し合いに乗っかる、乗っける自信をお持ちならこれはまた別、そうでなければちょっといまのところ話し合いなんというものに乗るような状態にはいま私はないと判断しておる。これは本委員会が福島交通問題の視察に行ったときに、全く笑い話のような話だけれども、運輸委員長以下同僚議員三名が、一人頭五千万の損害賠償を訴えられるなんという事件がこの福島交通では起こった。とにかく理屈の問題は通らないのです。はしにも棒にもかからぬのです、そういう点では。だから、私はある面では、いま言っているように、状況を見ながらそれはあっせんとか何とかいうことを、いま大臣出ておられるのだからそういう道は一つ残っているだろうと思うのですが、それ以外にもっと運輸行政として打つ手を何か考えておりはせぬのか。つまり大臣もおっしゃられるように、労使紛争に介入する気はない、私はそのとおりで、私はこれはいいと思う。だけれども、運輸省が労使紛争に介入するのじゃなしに、いまの県民の足が奪われるという、言ってみれば公共機関としての足がストップするということについて、運輸行政としてこれは拱手傍観をしているという非難は免かれないですよ、何にも手を打っていないのだから。ここのところを一体どうなさるのかということを実は伺っておる。
#58
○国務大臣(中曽根康弘君) なかなか織田社長という人は法律にたんのうな人でありまして、(笑声)どうも小学校しか出ていない織田さんのほうが東大出の役人より頭がよさそうであります。(笑声)そこで、法律的な問題でいってはたして監督的処置がとれるかどうかはいろいろ検討しておりますが、違法行為に対しては断固として処断するという方針を私は堅持しております。しかし、目前に迫った問題につきましては、これはストでけんかになるか、あるいは話し合いでいくか、それ以外にはないのでありまして、ストのけんかが県民に迷惑を及ぼすとすれば、あらゆる意味における話し合いを行なってストを回避するというのが適当なやり方であろうと思って努力しておるところであります。
#59
○中村順造君 関連質問。
 いまのこれは、大臣はこの問題についてはもちろん初めてでしょうし、それから先ほど木村委員が言っておりますように、公共機関としてのストライキ、それからロックアウト、こういう問題はいまが初めてではないし、しばしば起こっておる問題ですから、問題はまあ法律に詳しいとか何とかいうことは別にして、このロックアウト、いわゆる事業をやめるという、事業場を閉鎖するという、そういうことがいままで弘南バスでもあったわけですね、地方では、東北でもねそういう場合に、そのこと自体一体どうしたら……労使の紛争は紛争として、それはまた別の考え方があるでしょうけれども、経営者がロックアウトをやるということは、それは先ほどしばしば言っておるように、県民に対する迷惑、これはまあいま大臣もいみじくも倒産の状態にまで発展する可能性があると、こういうことですが、まあ大きな社会問題ですね、これ。これはまあ運輸大臣が手をこまねいておる、あるいは経営そのものを監督をする運輸省の立場が何もしないということは、それは行き過ぎかもしれませんが、しかし、何回かこれは運輸省当局としては、この種の問題は経験があるはずなんですからね。まあ法律はこうなっている、ああなっている、法律上の不備があれば、当然直しておるはずだし、どういうふうな収拾の方法を経営者に対してとるつもりなのか。労使の問題、ただストライキをやる、あるいはロックアウトをやる、そういう単純な労使の問題ではなくして、経営自体を放棄するというような形になっておるわけですね。これを運輸省としてはどういうふうに考えて、どういうふうに処理をしようとしておるか。
#60
○国務大臣(中曽根康弘君) あらゆる問題を検討して、いろんな対処策を考えております。しかし、どれが一番有効適切であるかということにつきましては、なかなか法律的にむずかしいところもあるようであります。ストライキに対するロックアウトというものは、労働法上正当に行なわれる範囲内においては認められていることで、これをどうすることもできないわけなんです。そういう労働法上の問題より、もっと基礎的な、基本的な問題について、やっぱりこれは処置を考えなければならぬ問題であるだろうと思いまして、まあこれは結局ストでなければ話し合いということですからまあいろいろ広い意味における話し合いを行なうように努力していきたいと思っております。
#61
○中村順造君 いや、その大臣が話し合うのは、県知事の話まで出たわけですがね、私はまあ県知事と社長と労働組合とどういう関係にあるか知りませんけれどもね、要するにストライキに対するロックアウトと単純にそれは言われるわけですけれども、しかし、それ以前の問題としてですね、そういう県民の足を奪うということについて、まあ話し合いもいろいろいう私は方法は、具体的にいって、あると思うんですよ。しばしばこういう問題が起きたときに論議をされた場合に、これはまあそのことがいいとか悪いとかいうことは別にして、たとえば経営者の免許の問題、それからよその路線をその路線の中に入れるとか、いろいろな方法はあると思うんですよ、それは。運輸行政としてそういうことは考えられておるのかおらないのか。話し合い話し合いって、まあそれは労使の関係は、話し合いでそれがつけば自動車は動くでしょう。しかし、話し合いがつかない場合、ロックアウトをした場合、あるいは強引にいま――私は内容は――、織田という人にも会っていませんけれども、現地調査にも加わっておりませんけれども、新聞に報ぜられるような、あるいは週刊誌に出ておるような状態の人なら、これは野放しというわけにはいかぬでしょう。まあ大臣のその何か決意も新聞に出ておりましたけれども、何らかの私は方法があると思うんです。話し合い話し合いだけでは、あくまで経営者が経営権を振り回してそしてやってくると、これには何ら打つ手がない、それではあまり策がなさ過ぎるのではないかという感じがする。だから、具体的にもしかりにそういう事態に発展すれば、運輸省としてはこういう手を打つということは言われないわけですか。言うとこの事態の円満な収拾に差しつかえがある、こういう判断があって言われないのか。いやそれは策がないのだ、こういう場合には法律が向こうが詳しいから、策がないのだということであれば、これは論外です。その点はどうなんです。
#62
○国務大臣(中曽根康弘君) いまおっしゃったようなことは全部検討しておりまして、ある段階段階に応じて適切な処置をしようと考えております。
#63
○中村順造君 いや、私はそのことが他の路線に入れるとか、あるいは免許の問題に根本的にメスを入れろとか、そういうことを私はいま申し上げておるわけじゃないのですよ。いま大臣がいみじくもそういういろいろな打つ手はある、それは段階に応じて考えていく、こういうお話ですから、私はまあそれでけっこうだと思うのですけれどもね。しかし話し合い話し合いだと、あくまで話し合いで、労使の問題だから話し合いによってやるのだ、これ一点ばりのように初めは理解できたから、それではまずいのではないですか。それから運輸省当局としてはこつ然としてこういう問題が初めて出たのではないのですから、何回か経験しているのですから、それはいろいろ客観的な条件は違うかもしれませんけれども、この福島交通の問題に対しましては、社長が非常に頑迷だとか、いま言う、法律に明るいとかそういう面があるかもしれませんけれども、それは一つ一つのケースはあるにしても、それに十分対処できるだけの運輸省としての、いわゆる行政官庁としての自信があるかどうかということを私はお尋ねしておきたい。
#64
○国務大臣(中曽根康弘君) この問題につきましては五、六代の運輸大臣がてこずっておるようでありますが、私の在任中に早期に片づけようと思っております。
#65
○理事(谷口慶吉君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#66
○理事(谷口慶吉君) 速記を始めて。
#67
○木村美智男君 さっき航空局長、要員の問題で、大臣からも力強く必要な安全保安要員なり要員養成なりこういった要員の確保について努力するということでお答えいただいたのですけれども、この実情に少し立ち入って申し上げて恐縮なんですがね、大体定員といったようなものは、たとえば管制官にしても登用したらその日からすぐに使えるという、そういう関係にはないのですね。ほんとうに一人前の管制官といえばこれは専門的になるからまあ五年くらいはかかる、こう言われているので、大体運輸省のやり方というのは、仕事をさせながら職場の中から引き抜いていって、そうして一定期間適当なところへ集めてそして教育をする、こういうやり方をやっているようですがね。私はやはりそれは少し変える必要があるのではないか。まあそういう要員、その養成のために欠員になって事故を起こすというようなことがもしあると、これはいかぬから、その経過の過程でそういう状態にいまあることはこれは現実の問題として認めますがね。やはり養成定員というかね、そういうものをやはり航空の場合なんかは特に確保して、そうしてみっちり教育をする必要があるのではないか。だからいま施設先行ですけれどもね、逆に要員を先行させるような考え方にやはり将来立つべきだ。で、そういうことをなぜ言うかというと、いま直ちには私は差しさわりはないと思うけれども、とにかくマッハ時代になってくると、日航なんかでももう具体的に四百五十人乗りの飛行機を入れようという、そして将来の展望を見ると相当高速大型ということに、超音速大型化時代というものが来るわけですから、そういう時点を考えていけば、やはり今日では、私は設備先行で、要員はそのつど間に合わせにはっつけていくというやり方ではいかぬのじゃないか。養成定員というものをきちんととって、そして管制官不足やら通信機器の取り扱い不なれなために事故が起こったというようなことのないように、やはり先を見越した要員養成計画を行なうべきじゃないか。これではまた事故が起こってからおこったりなんか、責めたりすることはいやだから、特に申し上げているわけです、
#68
○政府委員(澤雄次君) 職員の養成に関しましては、全く先生のおっしゃるとおりでございまして、現在は羽田に非常に貧弱な職員の養成所があるだけでございます。研修定員もわずか三十名しかございませんので、それで自然各現場に研修のための欠員が出るという状態でございます。今度の設置法で、運輸省航空の保安職員研修所をはっきり法律で明記していただいて、これを来年から三カ年計画で施設を整備し、それから教官を整備いたしまして、先ほど先生から御指摘のございましたように、空港整備五カ年計画の推進に伴いまして、所要となる保安職員を計画的に養成しようということで、研修定員、研修所の整備三カ年計画を、ただいま大蔵省に折衝をいたしております。
#69
○木村美智男君 そこで、羽田の研修はそれとして、いま宮崎の航空大学、まあ大学という名前はりっぱだけれども、きわめて初歩的な教育をやっている。で、そこから先のは、一つは日航が、自衛隊と民間と、日航も一緒になって仙台を使っている。それから全日空と一般の民間の関係も含めて八尾でやっているわけです。この関係を、私はやっぱり初歩的な段階は宮崎をこれから充実していくことになっていいと思うのですけれども、その一つランクを上にして、実用の教育をやる。これが同じように三つの世帯が入りこんでいるというようなこの問題、これをやはり五カ年計画の中でひとつ専用飛行場をつくって、日航、全日空が共用で使ったっていいと思うのですよ。専門のやはり練習飛行場が――それで、しかも、そこを卒業すれば直ちに役立つというような関係は、やはりさっき言った将来の航空の展望と五カ年計画というものを踏まえていく場合に、どうしても私はつくる必要があると思うのです。したがって、そういうことについて計画があるのかないのか、考え方をひとつ聞かしてもらいたい。
#70
○政府委員(澤雄次君) 先ほどパイロットにつきましては大蔵省との話し合いがついているということを申し上げたわけでございますが、ただいまの宮崎の航空学校は、先生の御指摘のように、非常に施設その他規模貧弱なものでございますので、これからの航空の発展に対処できないということで、本年度予算の決定に際しまして、現在三十名、二年の養成の規模のものを、来年度から養成定員九十名で三カ年の規模のものにすることに、政府として決定をいたしたわけでございます。
 それでそのやり方は、一年度と二年度を宮崎で訓練を行ないます。一年、二年を宮崎で訓練を行ないまして、これは単発の飛行訓練を実施いたします。それから第三年度は、仙台におきまして双発のビーチとさらにYSの訓練を仙台で実施をいたします。それで、仙台の空港の能力が現在の滑走路だけでは足りないのでございますので、早急に仙台の空港にもう一本二千メートルの滑走路をつくるということで用地買収はほぼ完了をいたしております。もちろんこれは仙台の飛行場も公共飛行場で一般の旅客機とも共用でございますが、現在の段階では仙台の旅客機の数は非常に少のうございますので、二千メートルの滑走路を一本つくれば、この航空大学校の練習にはまずまず充足できるのではないか、このように考えております。
#71
○木村美智男君 大体いいです。
#72
○理事(谷口慶吉君) 他に御発言もなければ、本調査に関する質疑は、本日はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#73
○理事(谷口慶吉君) これより請願の審査を行ないます。
 第二号常磐電車車両改良促進に関する請願外三十五件を議題といたします。
 まず、専門員から、請願の趣旨について説明を聴取いたします。
 速記を中止してください。
  〔午後零時八分速記中止〕
  〔午後零時三十一分速記開始〕
#74
○理事(谷口慶吉君) 速記を始めてください。
  これより請願について採決いたします。
  請願二号、三号、四号、五号、一七二号、一七三号、二八二号、二八三号、三五四号、三五五号、四七一号、四七二号、四七四号、四七五号、五一六号、五一七号、五八九号、五九〇号、六六二号、六六三号、七七六号、七七七号、八八〇号、八八一号、九九四号、九九五号、七九号、五〇五号、八七号、四二七号、五二五号、三三五号、一〇六六号、一〇六五号以上三十四件の請願は、いずれも願意おおむね妥当と認め、議院の会議に付するを要するものにして、内閣に送付するを要するものとして決定することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#75
○理事(谷口慶吉君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。
 なお、報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#76
○理事(谷口慶吉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十三分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト