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1967/12/15 第57回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第057回国会 本会議 第6号
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1967/12/15 第57回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第057回国会 本会議 第6号

#1
第057回国会 本会議 第6号
昭和四十二年十二月十五日(金曜日)
    ―――――――――――――
  昭和四十二年十二月十五日
      午後二時 本会議
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 日本銀行政策委員会委員任命につき同意を求め
  るの件
 昭和四十二年度一般会計補正予算(第1号)
 昭和四十二年度特別会計補正予算(特第1号)
 昭和四十二年度政府関係機関補正予算(機第1
  号)
 取引所税法の一部を改正する法律案(内閣提出)
    午後五時十五分開議
#2
○議長(石井光次郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 日本銀行政策委員会委員任命につき同意を求めるの件
#3
○議長(石井光次郎君) おはかりいたします。
 内閣から、日本銀行政策委員会委員に大久保太三郎君を任命したいので、本院の同意を得たいとの申し出があります。右申し出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#4
○議長(石井光次郎君) 起立多数。よって、同意を与えるに決しました。
     ――――◇―――――
 昭和四十二年度一般会計補正予算(第1号)
 昭和四十二年度特別会計補正予算(特第1号)
 昭和四十二年度政府関係機関補正予算(機第
  1号)
#5
○竹内黎一君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。
 すなわち、この際、昭和四十二年度一般会計補正予算(第1号)、昭和四十二年度特別会計補正予算(特第1号)、昭和四十二年度政府関係機関補正予算(機第1号)、右三件を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#6
○議長(石井光次郎君) 竹内黎一君の動議に御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○議長(石井光次郎君) 御異議なしと認めます。
 昭和四十二年度一般会計補正予算(第1号)、昭和四十二年度特別会計補正予算(特第1号)、昭和四十二年度政府関係機関補正予算(機第1号)、右三件を一括して議題といたします。
  〔植木庚子郎君登壇〕
#8
○植木庚子郎君 ただいま議題となりました昭和四十二年度一般会計補正予算(第1号)外二案につきまして、予算委員会における審議の経過及び結果を御報告申し上げます。
 この補正予算三案は、去る十二月五日に予算委員会に付託され、九日に政府から提案理由の説明があり、十一日から質疑に入り、本日、討論採決をいたしたものであります。
 まず、補正予算の概要を申し上げます。
 一般会計におきましては、公務員の給与改善、災害復旧、食管会計への繰り入れ、地方交付税交付金等の所要経費として、総額三千十四億円を追加する一方、既定経費の節減等により四百八十九億円を減額し、結局二千五百二十五億円を追加計上するものでありまして、その財源は、租税、専売納付金等の増収総額三千二百十五億円から、公債金の減額六百九十億円を差し引いた額をもってまかなうことといたしております。
 また、特別会計は、一般会計予算の補正等に関連して、食糧管理特別会計ほか十三会計の予算に所要の補正を行なうものであり、政府関係機関は、日本国有鉄道の予算について、仲裁裁定実施に伴い不足する財源を補てんするため、所要の補正を行なうものであります。
 次に、質疑の概要を申し上げます。
 まず、国際収支及び外貨準備に関しましては、「本年度は当初の経済見通しが大きく狂い、国際収支の面で大幅な赤字を生ずるようであるが、その原因は設備投資の増大にあると思われるのに、個人消費の増大に責任を負わせ、これを規制しようとしているようであるが、それは誤りではないか。ポンド切り下げ、ドル不安に伴い、日本経済が大きく動揺しているのは、従来のドル依存政策の結果であると思われるのに、この政策を改めることなく、積極的にドル防衛に協力して、米国政府の中期債を購入しようとしているのではないか。」という趣旨の質疑がありました。
 これに対しましては、「国際収支を改善するためには、総需要のうちで大きな比率を占めている個人消費をほどほどに押えることも必要と考える。設備投資を規制することも必要であるが、将来の輸出増進の基礎となる設備投資も含めて、一がいにこれを圧縮することは適当でないと思う。いずれにせよ、国際収支の悪化に対処するためには、設備投資たると個人消費たるとを問わず、国内総需要を抑制する方向に持っていく必要がある。ドルが国際通貨として多数国で利用されており、また、従来外貨をドルで保有し運用してきたことが、日本経済の高度成長に大きな役割りを果たしてきたことを考えれば、従来の政策が誤りであったとはいえない。また、ドルの価値を維持することは、日米両国の利益となるのであるから、そのための施策に協力すべきことは言うまでもないが、流動性の乏しい現在の外貨事情では、この際、米国の中期債を購入することは考えられない。」という趣旨の答弁があったのであります。
 次に、税制に関しましては、「政府は、昭和四十五年度までに、いわゆる百万円減税を実施すると言明しているが、はたしてこれを実行するか。それまでの年次計画はどうか。この百万円減税は、物価上昇に見合う調整減税分を除外して考えるべきではないか。また、義務教育費の減税を考慮すべきではないか。財政硬直化に対処するために、大企業、資産家を優遇する租税の特別措置を廃し、交際費、広告費等の課税を強化し、脱税や滞納を防止するなどにより、増収対策を講ずべきではないか。なお、景気調整のための課税の特例はどう活用されたか。」という趣旨の質疑がありました。
 これに対しましては、「いわゆる百万円減税は昭和四十五年度までに必ず実行する。それまでの年次計画はいまこれを確定することは困難であるが、政府の一応の試算は税制調査会に提出する。昭和四十五年度までには、物価、所得の上昇が考えられるが、昭和四十五年度における百万円所得標準世帯を非課税としようとするものである。また、義務教育費の減税については、むしろ基礎控除や扶養控除の引き上げにより、課税最低限を引き上げるほうが先決問題であるとの意見が多い。租税特別措置のうち、期限の到来するものは、それぞれ検討を加え、その存廃を決定する。交際費については、本年度に課税を強化した。広告費に対する課税は、考えていない。また、脱税の防止については、鋭意努力している。なお、景気調整のための課税特例のうち、利子税率の引き上げは、公定歩合の引き上げに応じて行なったが、重要産業用合理化機械等の特別償却の停止措置は、資本自由化に対処する産業政策との関連において検討中である。」という趣旨の答弁がありました。
 以上のほか、質疑は、沖縄施政権の返還時期及び返還に伴う米軍基地の処理、小笠原返還の具体的措置及び復帰後の行政帰属、ベトナム紛争に対する態度、日米安保条約の評価、中共核装備等に対処する将来の防衛方針など、首相渡米の際の日米共同声明及び首相の本会議における所信表明演説をめぐる外交、防衛問題をはじめ、国政の各般にわたり、きわめて熱心に行なわれ、政府からそれぞれ答弁がありましたが、その詳細は会議録をごらん願うことといたしまして、説明を省略させていただきます。
 かくて、本日、質疑終了後、補正予算三案を一括して討論に付しましたところ、日本社会党は反対、自由民主党は賛成、民主社会党及び公明党はそれぞれ反対の討論を行ない、採決の結果、補正予算三案は多数をもって政府原案のとおり可決すべきものと決定された次第であります。
 なお、議決後、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党の四党共同で附帯決議を付すべき旨の動議が提出され、可決されました。
 その内容は、
 公務員給与については、漸次改善されつつあるが、政府は今後とも人事院勧告を完全実施するよう最善の努力をすべきである。というものであります。これに対し、政府から、財政の許す限り附帯決議の趣旨に沿うよう努力する旨の発言がありました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#9
○議長(石井光次郎君) 三件につき討論の通告があります。順次これを許します。西宮弘君。
  〔西宮弘君登壇〕
#10
○西宮弘君 ここに上程せらました昭和四十二年度補正予算案に対しまして、私は、日本社会党を代表して、反対の態度を明らかにしようとするものであります。(拍手)
 まず、それに先立って、この予算案の基礎をなしております若干の問題について、一言触れたいと存じます。
 いまや、日本の経済はきわめて深刻な局面を迎え、その原因として指摘されまするのは、まず第一に政府の財政運営の誤りであります。この期に及んで、政府は経済見通しを大幅に修正しなければならないとは、まことに醜態の限りであります。いな、単に醜態などというような、それだけで軽く済まされるような問題ではないので、政府は、深く政治責任を痛感しなければならない重大問題であるのであります。(拍手)設備投資は政府の予想をはるかに大きく上回り、七兆二千億に達し、貿易は、最近とみに輸出は減退し、輸入は激増いたしました。それがために国際収支は赤字に転じ、六億、七億ドルの赤字が見込まれるに至ったのであります。国内においては、卸売り物価も含めて、物価の上昇は日を追って激しく、特に最近の上昇率が急テンポでありまするために、年度間を通じましての物価上昇率は、たとえ政府の見込みのとおり四・五%におさまると仮定いたしましても、この年度後半における急激なる物価の上昇率は、そのまま新しい年度に持ち込まれることは、もとより当然であります。(拍手)同時に、その物価騰貴の原因が、前段申し述べましたように、無謀な設備投資のための、これに伴う通貨の増発に由来することを私どもは見のがすことができません。
 このような状態にあわてふためいた政府は、去る七月、景気調整と称して七百億の国債発行減額をし、政府保証債を五百億減らしたのであります。さらに、九月においては公定歩合を引き上げ、あるいは三千億に及ぶ公共事業費の事業繰り延べを実施いたしたのであります。しかし、それによっても何らの調整の役を果たさず、過熱状態は依然として続いております。
 佐藤総理は、口を開けば日本の経済成長のすばらしさを声高らかに唱えるのでありまするが、その反面、その陰にあって、中小企業の倒産は毎月記録を更新しながら増加を続けておるのであります。中小企業者にとって、倒産は直ちに死の宣告を意味するのでありまするが、その痛ましい倒産が、先月、十一月は九百五十四件に達し、戦後最高の件数を記録したのであります。年の瀬を間近に控えて、何という痛々しい悲惨事でありましょうか。
 過般のポンド切り下げは、戦後長きにわたって全世界に君臨しておりましたポンド、ドルの体制を根本的にゆさぶることとなりました。今日までただひたすらにドルにだけすがりついて経済成長をはかってまいりました日本は、へたにすると、ドルと抱き合わせ心中をしなければならないその状態に追い詰められておるのでありまするが、政府は依然としてこのドル依存の体制を改めようとはいたしません。わが国の外貨準備は、二十億ドル前後に停滞し、輸入規模の五分の一程度にすぎず、先進諸国いずれの国と比べても、きわめて不安定な状態にあるのであります。あまつさえ、その中に占める金の比率は、はなはだしく低く、世界どこにも類例を見ないのであります。今日まで、あたかもアメリカの属国のごとき日本の政治のあり方を、われわれ社会党は強く批判してまいりましたが、ただひたすらにドルに奉仕しようとする経済外交の中にも、同じ政治姿勢を見出しますることは、まことに遺憾のきわみであります。
 今日、アメリカはベトナム戦争かドル防衛かの二者択一を迫られておるのでありまするが、アジア民族の殺戮に狂奔し、血迷ったジョンソン大統領は、おそらくは容易にベトナム戦争をやめないでありましょう。もしそうであるといたしまするならば、ドルの基礎が根本的に崩壊すること、また自明の理であります。そのとき日本は、ドル崩壊の波をまともに、全面的にかぶらなければなりません。アメリカ一辺倒の経済政策が、日本国民に及ぼす激甚なる被害を想像するだにりつ然たらざるを得ないのであります。
 イギリス、続いてアメリカと行なわれました公定歩合の引き上げは、日本の経済に悪影響を及ぼしたことも、もとより見のがすわけにはまいりません。ドル危機に苦悩いたしますアメリカは、日本からの輸入を制限し、また、アメリカの海外支出について日本への肩がわりを要請するに違いありません。さなきだに、アメリカにおける日本品の排撃は、数年来その動きが目立っておりまするし、佐藤総理は、先般の東南アジアの外遊あるいはその他の機会に、いともむぞうさに、気前よく多くの国々に経済援助の約束手形を乱発してきたのでありまするが、この両者とも、ドル防衛によってさらに強く拍車をかけられることとなりました。
 先般の佐藤・ジョンソン会談は、肝心かなめの沖縄復帰の問題については、何らの成果をおさめず、かえって逆にこの重い荷物を背負わされて、しょう然として帰国せざるを得なかったのであります。ただし、お断わりいたしまするが、われわれ社会党は、決して発展途上国に対する経済援助を惜しむものではありません。それが、それらの国々の国民生活の向上にそのまま役立ちまするならば、われわれも大賛成であるのでありまするが、ただ、残念ながら、佐藤自民党政府の行ないまする経済援助は、反共戦線支援のため、あるいは直接間接ベトナム戦争遂行に役立つことをねらいとした政略的なねらいのものであり、しかも償還の見通しはほとんど立たないものばかりだと言って差しつかえがないのであります。それが、今回の日米会談の結果、ドル防衛のために、アメリカの肩がわり分をさらにその上に上積みされるとするならば、国民生活に及ぼしまする影響は、けだし甚大だといわざるを得ないのであります。(拍手)
 かくして、先般の佐藤・ジョンソン会談が国民の前にもたらしたものは、およそ国民の願いとは相隔たること、まさに東の西より遠きがごとくに遠いのであります。(拍手)昭和四十二年度予算編成の際、われわれが強く指摘いたしました財政、税制の問題点は、いまや現実の問題として日本の財政を麻痺させようとしております。
 その第一は、国債の発行であります。景気上昇期の本年においてさえ、多額の国債が、いわば国債もまた恒常財源であるかのごとく、きわめて安易に取り入れておるのでありまするが、いまに至って、市場においては民間の資金需要と衝突いたしまして、きわめて消化困難におちいっておるのであります。この膨大な国債の発行と物価上昇は、財政を硬直させる最大の原因であります。しかるに、政府は、この根本的な病根には何らのメスを加えることなしに、まるで破れかぶれのふてくされのように、硬直化、硬直化と八つ当たりに当たり散らしておるのであります。その破れかぶれのとばっちりは多くの被害者を出しておりまするが、まずその第一は、公務員給与であります。われわれは、人事院勧告の内容そのものに多分の不満を持っておるのでありまするが、その人事院勧告さえも完全実施を怠り、てんとして恥ずるところがないのは、まさに言語道断というべきであります。(拍手)
 いまさら申すまでもなく、人事院勧告は、公務員労働者から剥奪した労働基本権の代償として行なわれるものであります。しかるに、政府は、去る昭和三十五年以来、毎年財源難を口実としてその実施期日をおくらして、公務員労働者の生活を脅かしてまいりました。ところが、本年は、財源難が大幅に緩和され、やる気さえあれば問題なしにやれる本年もまた、しかも衆参両院の委員会の決議を無視して、ついに一方的に、かってに値切り倒してしまったのでありまして、まことにゆゆしい背信行為といわなければなりません。仏の顔も三度と申しまするが、われわれはこれを黙って見のがすわけにはまいりません。五月から実施するための七百四十億を絶対的な要求として、強硬にその追加を主張するものであります。
 これとあわせて義務教育負担としての義務的経費二百五十億、並びに地方公務員のための財源措置を中心といたしまする九百七十億の追加を行なうべきことも、またしごく当然であります。いわゆる財源硬直化に名をかりて、社会保障を虐待いたしましたことは、これまた断じて許せない点であります。すなわち、生活保護費及び失対賃金については、物価上昇及び米価補正を合わせて基準の引き上げを行なうべきでありまして、その実施のための経費二百五十億の追加を強く要求いたします。医療費の引き上げに伴う医療保険の国庫負担増に伴う経費の増九十億も、追加すべきこと、また当然過ぎるほど当然であります。
 さらに災害対策は、単に公的施設の復旧にとどまらず、被害者の生活保障、生活再建を基本とする被災者援護法を制定し、個人災害の補償を行なうこと、きわめて急を要するものがあるのであります。
 なお、本年度予算審議の際に、与野党一致のもとに付せられました決議事項については、忠実にこれを実行することは当然の義務であります。すなわち、物価上昇の抑止、住宅、交通安全、公害対策、治水などの緊急事項に対して、三百五十億の追加を避けることは絶対に許されません。
 さて、これらに要する財源でありまするが、まず産投会計へ追加出資をして、それによって輸出入銀行を通じて海外援助を行なうというやり方は、きわめて不当なものだと考えまするので、この産投会計への繰り入れを取りやめ、さらに既定経費の節減あるいは各官庁の報償費、交際費等の節減によりまして三百億を浮かせ、さらに第三次防衛計画関係費を削減いたしまして、三百五十億の節減は可能であります。なお、既定予備費中、二百五十億円を削減するのが至当だと考えます。
 片やこれらの経費を節減するとともに、片や税の自然増収及び日銀納付金、専売納付金等を合わせて四千億を追加計上し、その反面、公債発行額は七百億減額を実施すべきであります。それと同時に、財政投融資の組みかえを行ないまして、災害対策、中小企業金融対策、住宅対策、地方公営企業対策などに重点的に振り向け、特に中小企業の年末融資のためには、政府三公庫のほかに、都銀に対しても適切な指導あるいは中小企業に対する徴税攻勢の緩和などの指導に当たり、また、財政投融資、政府資金を活用して公共料金の値上げを抑制すべきであります。
 これを要するに、現在の財政は、すでに列挙いたしましたような数々の不当、不急の支出を行ない、その反面、租税特別措置法等によって大企業や金持ちには減税し、あるいは六千億に達する交際費を、ほとんど全く課税対象のほかに置いておるのでありまするから、このような歳入歳出ともに、一般勤労国民大衆には、何としても納得しがたい構造を持っておるのであります。われわれがこの補正予算案に対してどうしても賛成し得ないのは、それがためなのであります。したがって、この税制、財政に思い切って根本的なメスを加えることによって、初めて税財政を国民大衆のものにすることができると確信いたします。
 われわれ日本社会党は、声を大にしてこのこととを主張し、政府の猛省、政策の大転換を要求して、私の反対討論を終わるものであります。(拍手)
#11
○議長(石井光次郎君) 正示啓次郎君。
  〔正示啓次郎君登壇〕
#12
○正示啓次郎君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました昭和四十二年度一般会計補正予算(第1号)外二案に対し、賛成の討論を行なうものであります。(拍手)
 御承知のとおり、本国会開催の主要な目的は、公務員給与の改善、災害の復旧、出産者米価の引き上げ等に伴う補正予算を審議し、すみやかにこれを可決成立せしめ、国民各位の御期待にこたえることでありますが、同時に、この機会に、佐藤総理大臣が、先般来の東南アジア、大洋州諸国、さらには米国を訪問して得られた成果に基づき、現下内外の重要問題について率直に国民の前に所信を表明せられたことは、きわめて有意義であったと信ずるものであります。(拍手)特に待望久しかった小笠原の返還が実現し、また沖縄についても施政権遍還のめどをつけられたことは、日米両国の理解と協力関係が大きく前進した明確な証左として、総理の払われた多大の御努力に対し、深甚なる謝意を表する次第であります。(拍手)
 わが国経済は、国民各位の御努力によってめざましい発展を遂げ、いまや、世界各国の中においても最も活力に満ちた実力を発揮しておるのであります。このようなわが国経済の実力は、世界各国ともひとしく注目しているところでありますが、特に地理的に親近感の深い東南アジア諸国からは、格段の関心と積極的な協力を求められておるのであります。不幸にして、アジアの一角たるベトナムにおいて、戦火はいまだ終息を見るに至っておりません。われわれは、ベトナムにおける平和が一日も早く回復することを切望しておりますが、総理がベトナム問題早期解決のため忍耐強く努力する決意を披瀝せられたことに対し、衷心より同感を禁じ得ないところであります。(拍手)
 そもそも、人類に対する最初の原爆攻撃を受けて戦争を終結し、世界に類例を見ない平和憲法を採択したわが国は、いまはなき吉田元総理大臣の英知と識見に導かれて、あくまでも日本を中心として、日本及び極東の安全と平和を確保するきわめて自主的な日米安全保障体制を確立し得たのであります。もとより、この憲法とわが国力の許す範囲内においては自衛力を整備して、日米安保体制と相まって、祖国の安全と平和を守るという国民の総意を結集することこそ、明治百年を迎えるわれわれ一億国民の民族的使命というべきでありましょう。本国会の論議を通じて、右に述べた自主的な祖国防衛の認識と世論が各方面に一段と高まったことは、何より大きな成果でありまして、邦家のため、まことに欣快にたえません。
 さて、ただいま議題となっております補正予算三案は、さきに大蔵大臣より説明がありましたように、公務員給与の改善、災害復旧、生産者米価引き上げに伴う食糧管理特別会計への繰り入れ、その他義務的経費など、十項目にわたるものであり、また特別会計においては、一般会計の予算補正に伴い、産業投資特別会計など十四会計、また、政府関係機関では、仲裁裁定の実施に伴い、財源補てんを要する国鉄について、それぞれ補正を行なうことといたしておるのであります。
 以下、二、三の点について、簡単に所見を申し述べたいと存じます。
 第一は、公務員給与についてであります。
 給与の改善については、民間給与の上昇に見合って毎年改善を行なっているところでありますが、政府は過般の人事院勧告を尊重し、財源の乏しい実情にもかかわらず、今回は特に昨年より一カ月繰り上げ、八月より実施することとしたことは、労使関係の正常化をはかる上からも、まことに適切な措置であると申すべきであります。(拍手)この際、公務員諸君においては、綱紀の厳正と職務能率の一そうの向上をはかるとともに、政府におかれましても、行政機構の整理統合とその運営の合理化及び効率化を推進し、総定員の計画的縮減と相まって、国民負担の軽減につとめられるよう期待してやまないものであります。
 第二は、食糧管理特別会計への繰り入れであります。
 これは、申すまでもなく、四十二年産国内米の政府買い入れ価格が、前年に対し九・二%引き上げられたこと、また国内産米の買い入れ数量が、史上最高の豊作を背景として、当初の見込み七百七十五万トンから九百五十万トン前後に増加したことなどによって、同会計の食糧管理勘定の損失額が増加する見込みとなったため、これを補てんするためのものであります。
 しかして、消費者米価については、本年十月より一四・四%の引き上げを行なったにもかかわらず、なおかつ生産者米価と消費者米価との間に、平均百五十キロあたり五百十五円という憂慮すべき逆ざや現象を呈しているのであります。しかもこの際、あえて巨額の繰り入れを行なったゆえんは、一方において農民諸君の所得を補償し、他方においては消費者物価安定の実をあげようとするものであって、私どもは、この政府の施策に対し、満腔の賛意を払うものであります。国民諸君も、政府の意のあるところを十分理解し、物価安定のため、消費節約等に一そう努力されるよう切望いたすとともに、政府においては、最近の好転せる食糧事情、毎年度の巨額の財政負担等に思いをいたし、この際、食管制度のあり方について真剣に検討を加えられ、その改善、合理化に努力されるよう期待いたすものであります。
 第三は、災害復旧費であります。
 本年は、七月に西日本、八月には羽越方面に異例の集中豪雨があり、また十月下旬には三十四号台風の襲来があり、公共土木施設及び農林水産施設等の被害報告は千九百七十億円に達する見込みであります。政府はそのつど予備費をもって措置してまいりましたが、なお不足分を計上し、復旧の万全を期そうとしているものでありますが、いまや寒冷の歳末に際し、罹災者の心を心として、一そうの努力を払われるよう期待するものであります。
 このほか、交通安全対策、日本輸出入銀行に対する出資金、東南アジア漁業開発センターに対する拠出金等、いずれも時宜に適した措置であり、また、生活保護費、国民健康保険助成費等、義務的経費の不足補てん等も当然の補正として、賛意を表するものであります。
 以上のごとく、今回の補正は、当面緊急に措置を必要とする経費の追加に限定されておりますが、その追加総額は、三千十四億円という巨額に達しております。しかし、これをまかなう財源面では、例年にない大幅な既定経費の節減、予備費う減額など、財政当局のなみなみならぬ苦心が払われ、その結果、一般会計補正予算の規模は、二千五百二十五億円に圧縮されているわけでありまして、先般来の財政の執行の繰り延べ措置等とも相まち、景気に対し十分なる配慮が払われていると考えるのであります。
 なお、この点と関連し、去る七月に決定されたとおり、国債発行を七百億円減額していることは、弾力的な公債政策の運用という面から高く評価せらるべきであると思います。
 ひるがえって、今後の日本経済を展望いたしますと、経済の成長は漸次安定化するものと見込まれ、これに伴って、従来のごとく、年度途中において大きな自然増収を期待することはできないと思われるのであります。したがいまして、在来のように、公務員の給与改善、食管繰り入れというような多額の恒常的な補正要因があるということは、財政の健全性を確保する見地から好ましいことではないのでありまして、今後財政硬直化打開策の一環として検討されることを期待する次第であります。
 さらにまた、いわゆる民間設備投資や一部消費面における予想外の伸張に基づき、わが国経済は国際収支の悪化を招き、その改善をはかるため、本年九月以降、三千億円にのぼる財政の執行繰り延べ、また金融面における公定歩合の引き上げ等、財政金融一体となっての景気調整策が講ぜられていることは御承知のとおりであります。
 特に、先般のポンドの切り下げを契機として、わが国経済を取り巻く国際環境が一そうきびしさを増し、国際収支の均衡回復の前途必ずしも容易ではないと思われるこの際、われわれ日本民族は一致結束して、この経済の危局打開に当たるよう、一部極端な悲観論を乗り越え、建設的な国会の論議を通じて、愛国的な世論が一段と盛り上がるよう切に期待して、私の賛成討論を終わる次第であります。(拍手)
#13
○議長(石井光次郎君) 塚本三郎君。
  〔塚本三郎君登壇〕
#14
○塚本三郎君 私は、民主社会党を代表し、ただいま上程されております昭和四十二年度一般会計補正予算案、特別会計補正予算案、政府関係機関補正予算案の三案に対し、一括して反対するものであります。(拍手)
 現下の日本経済を取り巻く環境は、内外ともにきわめてきびしいものがあります。すなわち、内においては、景気過熱による金融引き締めの措置によって引き起こされている産業界、とりわけ中小企業の破産、倒産の問題がその第一であり、依然として高騰を続ける消費者物価の問題がその第二であり、顕在化した財政硬直化問題がその第三の問題であります。
 さらに、対外的には、明治以来第二の黒船の到来といわれる資本取引の自由化と、特恵関税供与に踏み切ったわが国の産業に占める中小企業者の不安がその第一の問題であり、アメリカの景気停滞から、当然予想せられる輸出の伸び悩みがその第二の問題であり、イギリスのポンド単価切り下げに端を発した世界的高金利時代の到来などがその第三の問題であります。
 これら内外の諸問題に直面する日本経済の実情は、言語に絶する重大時期に立たされております。これが対処の方策を誤れば、わが国の受ける経済的打撃は決定的なものとなり、国民生活に与える影響はきわめて重大であるといわねばなりません。しかるに、本臨時国会を通じて明らかにされた政府の経済運営方針は、重大な環境の変化にもかかわらず、従来の政策に固執し、意欲的な経済改革案と対策を持たず、いたずらに当面を糊塗することにきゅうきゅうとしているではございませんか。
 その第一は、景気調整問題であります。
 政府は国際収支の赤字に直面して、この九月に公定歩合の一厘引き上げ、予算の三千億円繰り延べ等、一連の景気引き締め政策を打ち出しました。これは、かつて、昭和三十二年三月、三十六年七月、三十九年三月の三回にわたって繰り返してきた道であり、まさにいつか来た道、不況の道であります。資本主義経済の最大の欠陥は、その無計画性、無政府性にありますが、今回の国際収支の赤字を招いた最大の原因も、また従来の例に漏れず、民間設備投資の行き過ぎであります。民間設備投資は、政府の当初見通し一四・八%の伸びに対して、実に三〇%近い伸びが予想されているのであります。この設備投資の合理的、計画的調整こそわが国経済の最大の課題といわざるを得ません。
 ところが政府は、景気過熱の調整を、公共事業の繰り延べという手段をもって、社会資本に圧力を加え、最後は常に金融引き締めによって、結果的には中小企業にしわ寄せをする以外に方法がないという結果を招来しているではありませんか。(拍手)さらに、先進国中最もわが国が比率において低いといわれる消費支出に対してまでも、その抑制をはかろうとしているではありませんか。これは、明らかに佐藤内閣の大企業偏重、国民生活軽視のあらわれといわなければなりません。(拍手)
 わが党は、過去数回、そして、いままた激しい景気変動を引き起こさざるを得ない資本主義経済の宿命である無政府性、民間設備の投資の無計画性にこそ、根本的なメスを入れなければならないと考えるのであります。(拍手)このため、法律に基づいた設備投資計画会議の設置、新しい設備投資調整のための税制の導入などを、早急に確立すべきことを主張いたします。
 第二は、依然として解決を見ない物価上昇の問題であります。
 私どもがこの席において、物価上昇の原因とその解決策を政府に追及して以来、すでに六年有余を経過しているにもかかわらず、何ら効果的な対策が打たれず、依然として物価は上昇し続けております。物価問題ほど政府の無策を示すものはほかにありません。のみならず、今年初頭には比較的安定してきたかに見えた物価が、八、九、十月のわずか三カ月間に四・五%も高騰した原因は、政府による一連の公共料金値上げ措置であります。(拍手)つまり、政府主導型の物価上昇こそ、現在の物価問題の基本的性格であるといわなければなりません。健康保険料は八月から値上げされ、消費者米価は三年連続して引き上げられたことは、御承知のとおりであります。また、来年度には電話、電報料、国鉄定期、たばこ、酒、消費者米価等の値上げが、既定の事実のごとく報ぜられております。これら公共料金の値上げが、物価上昇ムードをかき立て、その政策的波及が一般物価の便乗値上げを誘発せしめていることは明らかであります。物価抑制の衝に当たるべき政府みずからが物価を引き上げて、どうして物価の安定を望むことができるのでございましょうか。(拍手)現在、最も必要なことは、政府の断固たる物価抑制の政策を国民に示すことであります。そのためには、公共料金の一年間値上げストップと消費者基本法をすみやかに制定すべきであります。異常事態に対しては、異常措置をもって対処することは、けだし当然でありましょう。
 わが党が、政府に対してきびしく反省を求める第三の問題は、財政硬直化対策についてであります。
 政府は、財政の硬直化が、あたかもこつ然とあらわれた問題であるかのごとく見せかけ、国民に対して、増税と公共料金の値上げか、さもなくんば、民生的支出の削減かという、二者択一の道しかないことを主張いたしております。これは、政府の責任回避もはななだしいといわなければなりません。(拍手)財政硬直化の原因は、歴代保守党内閣による総花的放漫財政と無計画にして、かつ、安易な国債政策の導入にこそ原因のあることは、もはや国民の常識となっております。(拍手)しかるに、これが対策の犠牲を、公共事業費、公務員給与費、社会保障費、地方交付税交付金等々の削減と公共料金の引き上げなどに転嫁せんとする政府の意図は、断じてわが党の容認せざるところでございます。(拍手)
 政府は、まず、現在のむだと非能率が充満している行政機構を徹底的に改革することであります。ところが、今回の補正予算案におきましては、わずかに二百九十二億円の既定経費削減が行なわれているにすぎません。わが党は、行政改革緊急三カ年計画を作成し、計画的な人員配置、公社、公団の整理統合、零細補助金の統廃合等を行なうならば、約五千億円の新規財源を確保できるものと確信いたしております。また、政府は、税の公平の原則を侵し、一部階級の利益だけに奉仕している租税特別措置を大幅に整理しなければなりません。これらもろもろの改革を放置した政府の財政硬直化対策は、いたずらに、国民に苦痛をしいるほかの何ものでもなく、特に、中小企業者の個人預金の洗い出しによって、いよいよきびしい徴税の態度を続ける以外にはなくなっておるではございませんか。
 第四に、政府は、今回の補正予算案において、公務員の当然の権利である人事院勧告の完全実施をまたも見送ってしまいました。これに関連して、政府は、国家公務員の給与引き上げを物価の上昇率に見合って当初予算で見込むことを検討しておられるようでありますが、これは、人事院の勧告の制度を根本からくつがえし、ひいては、公務員給与を抑圧しようとするものであって、わが党の断じて認め得ないところであります。(拍手)
 以上をもって、私は、本補正予算案に反対するの趣旨を述べてまいりました。顧みるに、歴代の保守党内閣の積弊にもかかわらず、戦後二十年間、国民の誠実なる努力と、勤労者の勤勉なる働きをもって、日本経済は着実にその地歩を固めてまいりましたが、いまや、わが国経済の直面する内外の諸情勢は、私どもが前述いたしましたるごとく、過去のそれとは全く異なる大きな試練の曲がり角に立ち至ったことを、政府みずからが銘記せられ、全く新しい観点に立たれるべきであることを付言して、反対討論を終わります。(拍手)
#15
○議長(石井光次郎君) 広沢直樹君。
  〔広沢直樹君登壇〕
#16
○広沢直樹君 私は、公明党を代表して、昭和四十二年度補正予算三案に対して、反対の意見を申し上げます。
 まず、反対理由の第一点は、公務員給与改善に関する人事院勧告が完全に実施されていない点であります。
 政府は、前年度よりも一カ月繰り上げたことにより、一歩前進したと説明しておるのでありまするが、公務員法の性格、人事院の存在理由から見て、勧告を完全実施することは当然であります。しかるに、人事院勧告を無視して、実施期日の五月を三カ月もおくらせることは絶対に承認することはできないのであります。当然、財源措置については、当初予算の際に既定経費を十分検討し、節減することは考えられないわけがないのであります。
 次に、反対理由の第二は、災害復旧費が十分手当てされていない点であります。
 本年度の土木、農林水産施設の災害は千九百七十億の巨額に達したのでありますが、これに対して、いままでに予備費で二百二十億円支出し、今回の補正で七十六億円を計上しているにすぎません。残余の予備費で多少支出されるといたしましても、とても十分なものとは言えません。被災者のことを考えるとき、災害復旧をすみやかに行なうために、災害復旧費をさらに増額すべきことを要求するものであります。財源については前に申し上げたとおりであります。
 さらに、第三点といたしましては、食管会計への繰り入れ措置についてであります。
 政府は、十月一日から、消費者米価を一四四%値上げしたのでありますが、その上に、また大豊作によって、政府の米の買い入れが九百五十万トンと大幅に増加し、当初予算として、千二百八十七億円を組んでいたのでありますが、二千四百七十億円と約二倍の増加になったのであります。政府は、当初予算計上の買い入れ見込み七百七十五万トンは、四十一年度より二十五万トンも少ない量で見積もっていたのであります。これはいかなる理由によるものか、政府の見込み違いもはなはだしいといわざるを得ないのであります。
 さらに大きな問題は、当初予算並びに補正予算のあり方について、政府の誤りを指摘せなければなりません。政府は、さきの当初予算編成にあたり、当然公務員の給与改善、災害復旧費及び食管会計への繰り入れ等は、毎年の主要な補正要因であり、半ば既定の事実としてわかっていたはずであります。なれば、不要不急の予算の整理、経費の節減などをはかり、当初においてある程度組み入れ措置を講ずべきであります。ところが、政府はこれらの要因に対して何らの対策も立てず、景気中立型予算として五兆円近くにもなる大型予算を編成したのであります。そのために景気は次第に過熱的傾向を示し、国際収支は大きな赤字を出すに至りました。政府は国内需要を押え、国際収支の改善をはかるべく、財政繰り延べ、公定歩合の一厘引き上げなど、一連の引き締め政策をとらざるを得ない結果となったのであります。
 また、英国におけるポンド切り下げ、公定歩合の大幅引き上げにより、世界経済は大きく変動し、その影響を受けて国際収支はさらに悪化し、記録的な中小企業の倒産をよそに再び引き締め強化をとらざるを得ない、まことに憂慮すべき状態に立ち至ったのであります。これはまさに経済の見通しを大きく誤った財政政策の失敗によるものであります。いわんや、今度の補正予算は修正減少額を差し引いても二千五百二十五億円余となっており、これは四十一年度の補正予算千六百二十九億円、四十年度は六百五十一億円、さらに三十九年度の八百五十一億円に比べて、まさに空前の超大型補正予算となったのであります。これをさきの当初予算に合わせますと、実に五兆二千三十四億円の巨額に達し、前年度の当初予算四兆三千百四十三億円に対しては二〇・七%の増加であり、補正後の四兆四千七百七十一億円に対しても一六・二%の増加となっているのであります。景気過熱が叫ばれ、抑制的傾向にあるとき、景気調整的機能を持つ財政を膨張させることは、ますます景気を刺激することは当然であります。
 そこで、政府は、補正予算を組むにあたり、財政硬直化を必要以上に強調し、財政難を理由に人事院勧告を無視して、公務員給与改善費あるいは災害復旧費を押えるなど、極力予算を削減しようとしたのであります。これは政府の放漫財政による失敗を国民にしわ寄せしようとする以外の何ものでもありません。これはその要因が補正予算にあるというより、むしろ当初予算にあるのであります。前五十六国会の予算委員会の討論において、わが党が声を大にして述べたごとく、財界や各種圧力団体に押されて、総花的予算の編成を行なったことが累を及ぼしているのであります。
 こうした問題をさておき、補正予算を組む安易な考え方は、本予算の編成を周到にすべきことをないがしろにし、経費の効果的使用や資源配分の適正を目ざす予算のバランスをくずすことになるのであります。予算の追加あるいは修正は財政法で認められておるところであり、また必要性もあることであります。しかし、税の自然増収にたより、補正予算を組む安易さは、税収の持つ景気調整に関する制度の機能を阻害する要因となり、結局はフィスカルポリシーの効果を弱め、財政を放漫化し、硬直化の原因にもなっておるのであります。政府がこうした態度を今後においても改めない限り、予算の膨張、財政硬直化の傾向はとどまることなく、ひいては国民生活の圧迫となることは必至であり、政府の猛省を促すものであります。(拍手)
 以上のことから、わが党は、今回の補正予算三案に対して反対するものであります。以上をもって反対討論を終わります。(拍手)
#17
○議長(石井光次郎君) これにて討論は終局いたしました。
 三件を一括して採決いたします。
 三件の委員長の報告はいずれも可決であります。三件を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#18
○議長(石井光次郎君) 起立多数。よって、三件とも委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
 取引所税法の一部を改正する法律案(内閣提
  出)
#19
○竹内黎一君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。
 すなわち、この際、内閣提出、取引所税法の一部を改正する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#20
○議長(石井光次郎君) 竹内黎一君の動議に御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#21
○議長(石井光次郎君) 御異議なしと認めます。
 取引所税法の一部を改正する法律案を議題といたします。
  〔金子一平君登壇〕
#22
○金子一平君 ただいま議題となりました取引所税法の一部を改正する法律案につきまして、大蔵委員会における審査の報告を申し上げます。
 この法律案は、さきの第五十五回国会で商品取引所法の一部が改正されたことに対応する取引所税法についての一部規定の整備を行なうものであります。
 すなわち、商品取引所法において、のみ行為の禁止に関する規定が改正されましたので、この改正前の規定をそのまま引用している現行取引所税法第十七条の罰則規定についても、これに対応する整備を行なおうとするものであります。
 本案につきましては、審査の結果、本十五日全会一致をもって原案のとおり可決となりました。
 右、御報告申し上げます。(拍手)
#23
○議長(石井光次郎君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#24
○議長(石井光次郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
#25
○議長(石井光次郎君) 本日は、これにて散会いたします。
   午後六時十七分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  佐藤 榮作君
        法 務 大 臣 赤間 文三君
        外 務 大 臣 三木 武夫君
        大 蔵 大 臣 水田三喜男君
        文 部 大 臣 灘尾 弘吉君
        厚 生 大 臣 園田  直君
        農 林 大 臣 倉石 忠雄君
        通商産業大臣  椎名悦三郎君
        運 輸 大 臣 中曽根康弘君
        郵 政 大 臣 小林 武治君
        労 働 大 臣 小川 平二君
        建 設 大 臣 保利  茂君
        自 治 大 臣 赤澤 正道君
        国 務 大 臣 木村 武雄君
        国 務 大 臣 木村 俊夫君
        国 務 大 臣 田中 龍夫君
        国 務 大 臣 鍋島 直紹君
        国 務 大 臣 増田甲子七君
        国 務 大 臣 宮澤 喜一君
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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