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1967/12/14 第57回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第057回国会 地方行政委員会 第2号
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1967/12/14 第57回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第057回国会 地方行政委員会 第2号

#1
第057回国会 地方行政委員会 第2号
昭和四十二年十二月十四日(木曜日)
   午前十時三十五分開議
 出席委員
   委員長 亀山 孝一君
   理事 大石 八治君 理事 奥野 誠亮君
   理事 古屋  亨君 理事 細谷 治嘉君
   理事 山口 鶴男君 理事 門司  亮君
      伊東 隆治君    木野 晴夫君
      佐々木秀世君    渡海元三郎君
      永山 忠則君    井上  泉君
      太田 一夫君    河上 民雄君
      多賀谷真稔君    華山 親義君
      折小野良一君    小濱 新次君
      林  百郎君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 赤澤 正道君
 出席政府委員
        人事院事務総局
        給与局長    尾崎 朝夷君
        大蔵政務次官  倉成  正君
        厚生政務次官  谷垣 專一君
        厚生省医務局長 若松 栄一君
        労働省職業安定
        局長      有馬 元治君
        自治政務次官  細田 吉藏君
        自治省行政局長 長野 士郎君
        自治省財政局長 細郷 道一君
 委員外の出席者
        大蔵省主計局主
        計官      秋吉 良雄君
        厚生省医務局次
        長       北川 力夫君
        厚生省医務局指
        導課長     須田 秀雄君
        労働省職業安定
        局業務指導課長 保科 真一君
        自治省行政局公
        務員部長    鎌田 要人君
        専  門  員 越村安太郎君
    ―――――――――――――
十二月十四日
 委員華山親義君辞任につき、その補欠として多
 賀谷眞稔君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員多賀谷真稔君辞任につき、その補欠として
 華山親義君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
十二月十二日
 大館市、花矢町の合併反対に関する請願(島上
 善五郎君紹介)(第一六五号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和四十二年度分の地方交付税の単位費用の特
 例に関する法律案(内閣提出第六号)
     ――――◇―――――
#2
○亀山委員長 これより会議を開きます。
 昭和四十二年度分の地方交付税の単位費用の特例に関する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。山口鶴男君。
#3
○山口(鶴)委員 一昨日の委員会で資料の要求をいたしておいたわけでありますが、本日参りましたら、手元に一応お願いいたしました関係の資料が参っておりますが、ただ、私は、これでは不備ではないかと思うのであります。いただきました「昭和四十二年度地方財政措置」を見ますと、交付税の増七百四十九億に対して給与改定に必要な経費、それから交通安全対策に必要な経費、調整もどし、それからマイナスの要因としまして、基準財政収入の増、それから節減等、こういうものが一応表となっていただいたわけでありますが、これだけでは、当初いただきました昭和四十二年度の地方財政計画の補正と申しますか、そういった資料としてはたいへん不備ではないか、こういう感じがいたすわけであります。この点は、またあらためて他の委員の方からお話があるかと思いますから、私は、私の要求いたしました資料としてはこれは不備であるということだけ一応申し上げておきたいと思います。
 それから次に、いただきました覚書であります。これもあとからひとつこの覚書についてお尋ねをいたしたいと思うのでありますが、まず最初に、一昨日の委員会で政務次官から御答弁がございました。このような覚書が昭和四十年十二月四日付で両大臣の間にかわされていた、こういうことについて、当委員会で何ら正式の御報告もなかった。もちろん、わが党の当時の地方行政委員会全員あずかり知らなかったわけであります。しかるに、当時の大蔵委員会で、たまたま地方行政委員会に籍を置いておいでの方が、大蔵委員でもございまして、大蔵委員会でこの覚書について、この文書を承知しているという立場に立って質疑をいたしておるようであります。そうなりますと、この問題に対して非常に関心を持っている、一番関係の深い地方行政委員全員が知らぬで、何か他の委員会で若干議論されたというようなことでは、国会を無視するものではないか。一体どういう経過でそのようなことになったのか。この点の説明を求めたのでありますが、政務次官のほうでは、よく調査をして明らかにいたしますという御答弁であったと思います。そういうことでございますから、まずその間の経過を政務次官から御説明をいただきたいと思います。
#4
○細田政府委員 昭和四十年十二月四日の覚書でございますが、これにつきましては、あくまでも自治、大蔵両大臣の政府部内における了解事項ということでございまして、与党と野党と区別があるのじゃないかというようなことも前回お話がございましたが、与党との間にもこれを了解を得てどうこうというものではないのでございまして、これは明瞭に申し上げることができます。与党の政務調査会地方行政部会にもこれは報告をいたしておりませんし、資料としても提出しておるものではないことを明確にいたしておきます。
 なお、この両大臣の覚書というようなものは往々にして取りかわされることがあることは、山口先生御承知のとおりでございますが、これが国会で御審議願った法律と抵触するようなものであると、これはたいへんな問題だと思うわけでございますが、そういう点につきましては、第一項でむしろこの点を明確にいたしておる、こういうことでございまして、また、前回申し上げましたように、国会がこれによってもちろん何らの拘束を受けるものでもなければ何でもございません。
 また、両大臣が、当時の大臣がもうかわったじゃないかというお話でございますが、これは実は、各省間の申し合わせというのは、これまでもしばしばあったことでございまして、大蔵省と自治省とが申し合わせをした、こういうことでございまして、ほかにも、前にもそういうことは往々にあるわけでございますが、これは政府部内といたしまして、何といいましょうか、道義的なといいましょうか、法律的にこれは借金だとかなんとかいうことでなくて、今後ある事態が起こったときに、もちろんそのときにはその時の両大臣、また両省が相談をしなければならぬわけでございますが、そういう意味のものでございまして、国会にはもちろんそのときの政府が政府部内の意見を統一して国会に御相談する、こういう性格のものである、こういうことでございます。またま、実は大蔵委員会におきまして、奥野本委員会の理事、また大蔵委員でもあるわけでありますが、質疑がございまして、この点につきましては、奥野さんここにおられるのでなにですが、私、奥野委員にも伺ったのでございますが、奥野委員とされては、こういううわさを聞き、個人的にそういうことがあるというようなことを知り得たので、非常にこれは心配だ、これは法律の趣旨を曲げるようなことがあってはいかぬ、また、将来に禍根を残してはいかぬ、こういう意味で、自治省に対してではなくて大蔵省当局に対して、この際言質といいましょうか、確認をしておく必要がある、こういう意図で、個人的に知り得た事実に基づいて大蔵委員会で発言したものである、こういうことを実は奥野委員から私承ったわけでございます。
 大体経緯は以上のようなことでございます。御了承いただきたいと思います。
#5
○山口(鶴)委員 ただいま御答弁をお聞きいたしまして、当時社会党の地方行政委員のみならず、与党におきましても、地方行政部会等、当時の与党の地方行政委員会の方々はあずかり知らなかった、そういう経過につきましては了解いたします。
 ただ、あえて言いますならば、そういう状態であって、特定の方だけがそういうことをお知りになったということもちょっと奇異な感じもいたしますが、しかし、そのことは、ここで議論することは遠慮いたしたいと思います。
 ただ、私ども法律を見るわけでございまして、昭和四十年度における財政処理の特別措置に関する法律、これを見ますと、第三条でこの一般会計からの額の算定については、同年度の当初の所得税、法人税、酒税の見込み額、それの当時の交付税率でございまして二九・五%、これに相当する額でやるのだということで、法律で明確になっておるわけでございます。といたしますならば、一部新聞等に伝えられておりますような、いわゆる出世払いであるとか、あるいはこれは借金だから返せとか、また、そういうことで大蔵省から昭和四十三年度の予算編成をめぐって、自治省に対してそういう要求がなされるとかいうことは、少なくともこの法律の趣旨から申しまして、われわれとしてはたいへん解せぬ気持ちがするわけであります。はっきり法律の上からいえば、当時不況のためにこの税収は減った、減ったけれども、地方財政の現状にかんがみて、減った分は別に精算をしないで、当初の国税三税の二九・五%、これをとにかく交付税特別会計に入れるのだ、これは減額の補正というものはしないのだということで、法律で明確にしたわけであります。そのことがいわば正式な手続をとった結論でございまして、私どもとすれば、あくまでもこの法律できまった昭和四十年の措置、その額面どおりここで明確に確認をしたい、かように思うわけでございます。
 一昨日も、次官も私と同じような見解の御表明をされたわけでありますが、ただいま私が申し上げたような形で了解をすべきであると思いますが、重ねてひとつ御所見を承っておきたいと思います。
#6
○細田政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま御指摘がございましたように、昭和四十年度における財政処理の特別措置に関する法律には、第三条で明確に、最後のところで「当初予算に計上されたところによる。」かように明確になっておるわけでございます。覚書一項にもそのことがさらにうたってあるわけでございますが、これはもうこのままのことであろうと思います。
 そこで、借金であるというふうには私ども絶対に考えておりません。これはもう考えておりません。それと、四十三年度予算についてこれをどうこうしてくれという話も、公式には私どもまだ承知をいたしておりません。聞いておりません。しかし、あるいはそういう話が出てくるかもわかりませんが、聞いておりせん。ただ、私どもは、この第二項があるからどうこうということでは決してないのであります。ですから、いまの時点で、かりにそういう動きがあった場合に、国家財政と地方財政との関連においてどう考えるか、私どもは、地方財政の見地から、かような話は、これはもう覚書の問題とはむしろ別な話だと考えておるのでありまして、そういう点から、この問題については、大蔵省から話がかりにあるといたしますれば、私どもは、先日申し上げたような事情から、そのような事態はないということをお答えしたい。
 政府間の話は最終的にどうなるかという問題につきましては、いろいろあるかもしれませんが、私どもの現在の態度といたしましては、そういう態度であるわけでございまして、まずおっしゃるとおりと申し上げても大体そう違いはないと思いますが、若干注釈を加えますとそういうことでございます。
#7
○山口(鶴)委員 自治省の見解は了解をいたします。
 そこで私は、大蔵政務次官にお尋ねしたいと思うのですが、昭和四十年の大蔵委員会では、奥野委員から、当時の鳩山主計局次長との間に議論がかわされております。精算額の額等をめぐりましていろいろ議論がされておるようでありますが、それはさておきまして、自治省の見解はただいま表明されたようなんでありますが、私ども新聞でしかわかりませんが、新聞で伝えられるところによりますと、昭和四十三年の当初予算において、当初の額としては五百十二億、その後若干国税が伸びましたために、これが四百八十二億というふうに伝えられておるわけでありますが、それをこの当初予算編成の際に返してもらうんだというような趣旨で自治省との間に交渉があるとか、あるいは大蔵省のほうから、返してもらいたいという申し入れを自治省にしているとか、そういうことを新聞で私ども承知をしておるわけであります。
 そこで、お尋ねしたいのですが、大蔵省のほうとしては、この覚書というものをある程度たてにとっておられるんじゃないかと思いますが、その覚書の性格は、議論することは一応やめますが、ただこの覚書の中にあります第二項「地方交付税法第六条第二項の規定による精算額が相当多額に上る等、」とありますが、この文字どおり読めば、精算額が出るのは、いわば当初予算でこれが出るはずはないのでありまして、当初予算を組み、補正予算を組み、それからそれを執行いたしました場合に、この精算額というものが年度末において出てくる可能性があるわけですね。その額が百億とか百五十億とかという議論が大蔵委員会でなされておるようでありますが、それはともかく、精算額というものは年度当初に想定されるものじゃないでしょう。といたしますと、この昭和四十三年度の予算編成にあたって、その際に、四百八十二億を返せとか返さぬとかいう議論をすることは、この覚書をとってみても、私はたいへんおかしいんじゃないかと思うんですね。そうじゃないですか。第一、大蔵省は昭和四十三年度当初予算編成において、四百八十二億を返してもらいたいというような意向があるのか。あるとすれば、この覚書自体をたてにとったとしても、非常におかしな話だ、私はこう思うのですが、その点はいかがでしょうか。
#8
○秋吉説明員 事務的にまずお答えしたいと思いますが、この覚書の一項についてはすでに先生お触れになったとおりでございますが、この二項につきましては、一番問題は「当該年度における地方財政が著しく好転する見込があると認められる」というところでございまして、では、こういう場合に、一体それを判断の材料としてどういうものがあるかということについて、前段のたとえば「精算額が相当多額に上る等、」、これはつまり年度以前の段階において精算額が相当たくさんにのぼるとか、あるいは当該年度の補正段階において相当の交付税が計上されるとか、あるいはまた、年度当初において地方交付税あるいは地方税収入等が相当大きく伸びるとか、そういった等々の例示をあげておるのでございまして、要はその年度における地方財政が著しく好転するという見込みがあったその場合、「大蔵、自治両大臣が協議して定めるところにより、国の一般会計に返済する措置を講ずる」というふうに私どもは解している次第でございます。
#9
○山口(鶴)委員 どうもそれは拡大解釈じゃないですか。それはおかしいと思うのですね。精算は確かに余った。そういう形で確かに地方財政が著しく好転したというふうに見るのがあたりまえなんであって、当初において、もうその年度は地方財政が相当いいであろう。精算額が出る出ないのわからぬうちに、初めからこれはいいんだから返せというようなことを言うことは、拡大解釈じゃないですか。これはおかしいと思うのですね。ですから、前の説明はいいですよ。あとのほうはおかしいと思うんですな。幾つか例示をあげましたが、一番最後のやつは「精管額が相当多額に上る」というふうには、これは言えませんよ。
#10
○秋吉説明員 大蔵省の立場から申し上げますと、昭和四十一年度の補正の際に、三税が減収になる、そのままフラットにいくと五百十二億の減収になるのでございますけれども、当時の地方財政がその減収に耐えられないという特殊な事情があったために、特に当初予算の計上額どおりに、つまり結果的には四百八十二億の補正措置を講じたことになるわけでございますが、しかしながら、当時、国といたしましては、一般会計において公債発行をするというような措置をとったわけでございます。したがいまして、この分につきましては、将来地方財政に多少ゆとりが出たというような場合には、そのときになって特に立法措置を講じまして、国の一般会計に返済する措置を講ずるというのが適切な措置ではないかというふうに、大蔵省の立場といたしましては判断をいたしたわけでございます。したがいまして、そういう趣旨からいたしまして、先ほどお触れになりましたような「両大臣」以下の覚書を作成したというふうに、私ども事務当局は了解をいたしております。したがいまして、そういう趣旨からいたしますと、覚書は、ただいま申し上げたような私どもの解釈になるんじゃないかと、私どもの立場から考えているわけでございます。
#11
○山口(鶴)委員 この前の委員会で宮澤経済企画庁長官に来ていただきまして、宮澤構想と地方財政の関係について若干質疑をいたしました。そのときに、宮澤長官の考え方では、私が特に地方財政について触れておるのは、何も地方財政を圧縮しようという意図ではないんだ。むしろこの際、国、地方との間で問題になっております行政事務の再配分、これに伴う財源の再配分、そういったものを積極的に進める、そういうことがいま地方財政にとって一番必要なのではないか、そういう意図で私はあのことを申し上げたんだ、かように言っておるわけであります。しかも、一昨日も申しましたが、交付税については、これは地方の財源であると見ることが正しい、こういう見解も表明しておられるわけであります。ですから、こういったことを考えます場合には、私はむしろ覚書というような、国会には何ら示さなかったようなやみの覚書と申しますか、こういうものをたてにとって、しかもいま秋吉さんが言われたように、本来、これをすなおに読めば、精算額が多額にのぼったときに、そういう事態が起きたときに返すというふうに読むのが私は正しいと思いますが、それを拡大解釈して、事前に税収等が多額にのぼるんじゃないかということを想定されて、地方財政がいままでよりは好転したんじゃないかということを一方的に判断をして、そういう中で返すんだというような言い方をすることは非常におかしい。そうではなくて、かりに地方財政がやや好転のきざしが見えるというときには、むしろ問題になっている行政事務の配分というようなものに手をつけるべきであるし、さらに進んでは、これに伴って、抜本的には財源の再配分というところまで進んでいくことが問題解決の道ではないか、私はかように思います。いまのような大蔵省の考え方は、この覚書の文面を見ても、私はたいへんおかしい、納得することはできぬということを申し上げて、時間もありませんし、このことはまたあらためて問題にする機会もあろうかと思いますので、一応ここで私の考え方だけを申し上げて、このことについては打ち切っておきたいと思います。
 そこで私は、これに関連してさらにお尋ねしたいと思うのですが、これも一昨日問題にしました二百億の返済であります。二百億の返済について、せっかく計画があるにかかわらず、その計画をこえて償還をする必要はないのではないか。地方財政にはもっとすべき問題があるということを私は申しました。
 そこで、大蔵省にお伺いしたいと思うのですが、昭和四十年度における財政処理の特別措置に関する法律、この法律の四条に三百億の昭和四十年度における借り入れ金の問題の規定がございます。この規定を見ますと、うしろに表がございまして、返済計画が法律の中にきちっと書いてあります。昭和四十一年度が十億、以下昭和四十二年から四年までが三十億、四十五年が六十億で、四十六年が七十億、こういうことであります。で、今回、昭和三十九年の借り入れ金百五十億、四十年の借り入れ金三百億、現在残っておりますのが三百億だそうでございますが、そのうち一挙に二百億の返済を求めておられるようであります。といたしますと、法律にせっかくこの返済計画を明示していますね、そうして二百億を一挙にこの際返済させるということになれば、当然この法律に書いてある返済計画が大きく狂うわけですから、大蔵省としては、この昭和四十年度における財政処理の特別措置に関する法律の当該部分を改正をする、こういう形で改正をいたしますという形の法律案を出すべきではないのですか。そっちは全然ほっといて、そしてせっかく法律で返済計画を明示しておきながら、こちらの改正法律案を出さないでこの二百億の返済を求めるということは、私はこれは不当だと思うのですね。当然、手続としては不備だと思いますが、ひとつお尋ねいたします。
#12
○秋吉説明員 御質問の趣旨は、二百億繰り上げ償還をすることによって当然法律改正の措置を講ずべきではないかという御質問かと思いますが、これは確かにそういう議論もあるかと思います。私ども、それも考えましたが、しかしながら、文面から申し上げますと、御案内のように、これこれの「額を限り、予算で定めるところにより、この会計の負担において、借入金をすることができる。」こういう表示になっておるわけでございます。特にこれこれの額を限り、予算で定めるところにより、借入金をすることができる、という趣旨は、一昨日、財政局長も触れましたように、この給与改定財源の四百五十億の借り入れば、やはりその趣旨は年度間調整ということが大きな考え方としてあるわけでございます。したがいまして、交付税あるいは地方税の収入等が相当出まして、給与改定財源に充ててなおかつゆとりがあるならば、これは年度間調整の趣旨から設けられました借り入れ金でございますから、極力繰り上げ償還をするということに沿うわけでございますが、そういったことも勘案いたしまして、こういう法律のスタイルになっておるわけでございます。問題は、違法ではないということはもちろんでございますけれども、これは国会の審議を当然仰ぐべき事柄でございます。したがいまして、それは御案内のように、ただいま補正予算の段階において御審議をいただいておりますように、特別会計予算総則並びに特別会計の三百億の借り入れ金を百億にするということで、補正予算をただいま御審議いただいておるような次第でございます。
#13
○山口(鶴)委員 私もこの文面を読みまして、官僚と申しますか、お役人というのは、頭がよくて、なるたけ――一昨日もお話がありましたが、立法経済で経済的にやろうという趣旨から、違法にはならないような文章をおつくりになるのが名人である。ほとほと感服をいたしました。しかし、そういう立法の技術でそうなっているからいいのだということ以外に、私は考える必要があるのじゃないかと思うのです。それは、やはり国会の審議を仰ぐということは、これは何も国会だけの問題ではなくて、一般国民に、一体この法律はどうなっているのかということを十分わかってもらう、一般国民が理解するようなことを求めるのが本筋じゃないかと思うのですね。といたしますと、立法の技術からいって違法ではないからいいのだということではなくて、二百億の返済がいい悪いは議論をいたしました。それはさておいても、返済を求めるならば、三十九年については五分の一ずつ、三十億ずつ返すということが書いてある。これを変更するわけです。四十年の場合には明瞭にこの表が出ておる。これを変更するわけですから、違法であるかないかという議論は別として、やはり国民を対象にして行政を進めているという観点に立つならば、変更の表というものを法律改正として出して、そうして国民の理解を求める、こういう手続をとるのが、私は正しいのじゃないかと思います。この点については、大臣がおれば大臣にお尋ねしたいと思いますが、おりませんので大蔵省の政務次官並びに自治省の政務次官のお二人にひとつ御見解を承っておきたいと思うのです。
#14
○倉成政府委員 お答えいたしますが、ただいま、法律論としては山口委員もこれは法律改正を要しないということをお認めになったようでありますけれども、(山口(鶴)委員「違法でないと言っただけです。」と呼ぶ)そういうことになりますと、結局これは予算委員会で御審議いただいて御納得いただくということで足りるのではないかと思っております。
#15
○細田政府委員 本筋から言いますと、お説のようなことが本筋だと思います。そこで、私ども政府部内で大蔵省といろいろ協議をいたしたわけでございますが、先ほど大蔵省のほうから答弁がありましたような事情もございまして、予算で措置をする。昨年も同様な――今度ほど大きい問題ではございませんけれども、昨年も若干あったわけでございますが、そういう形にいたしたわけでございまして、私はやはり本筋としては、今後ともこうした明確に法律でうたっておるものは変えるのが当然であると思います。しかし、いろいろな交渉の経緯等がありまして、昨年同様でありますが、今度予算として御審議をいただく、こういうことにいたしたようなわけでございまして、この点も、もちろんいまおっしゃいますように、法律的に違法であるというような問題ではないと思いますが、今後そういう点はけじめをつけておくべきではないか、かように実は思っておる次第でございます。
#16
○山口(鶴)委員 どうも大蔵政務次官も、いまの自治政務次官くらいにお答えになったらどうでしょうか。やはり国民によくわかるようにするということが、私はいいのではないかと思います。どうも自治法改正を給与法改正の中に突っ込んでみたり、それからまた、法律で明示したものを変更する場合には、法律の議論は別としても、明確にわかるような法律改正を出す、こういう親切なやり方を今後していただきますように、これは強くお願いをしておきます。どうも今回の国会で出ました法律の形は、ともに不親切である。私どもとしては、非常に不満であるということだけ申し上げておきたいと思います。
 それでは時間もあれですから、一、二の問題をちょっとお尋ねをいたしまして終わりたいと思いますが、まず第一に節約の問題であります。百十八億節約をするということで交付団体分九十億、不交付団体分二十八億という形で、旅費、物件費、維持補修費、こういうものを節約をするという考え方で財政措置ができておるようでありますが、ここでお尋ねをしたいのは、自治省が言っておられるわけですが、国の財政よりは地方財政のほうが硬直化している。義務的経費が非常に多額にのぼっている。節約の余地は少ない。こう言っておるわけです。そういう中で無理やり国の方針に右へならえをさせられて節約を考えておるのではないかと思います。特に問題にしたいのは、小規模の町村ですね。小規模の町村では、町村は四%の節約だそうでありますが、四%にしましても、規模が小さいところで節約というのは、これは非常にたいへんだと思うのですね。そうして従来私は行政局長あるいは公務員部長さんにも言っておるのですが、小規模の町村では国の基準に従って給与改定というものが必ずしも行なわれていない。はなはだしいところでは、定期昇給すら行なわれていないというところがあるわけです。そういう事実は自治省当局も認めておられます。ところが、地方公営企業のようなところに対しては、頭を押えることには非常に熱心です。ところが、この小規模町村、しかも国の基準に従って給与改定もせぬ、昇給ストップをしておる、こういう地域の底上げに対して、一体どういう指導をやっているか、こう聞きますと、まあちょっとした通牒を県に出しているくらいだということで話が終わるわけであります。私は、これは非常に不満であります。特にこの節約でもって小規模町村はたいへんではないか、そういう中で、一方におきましては、国家公務員の基準どおりの給与改定も行なわれないというところがある。これを見た場合に、私は、小規模町村に対しても一律な節約をしいることが第一に問題であるし、第二は、公務員部としましても、こういった弱小な町村と申しますか、そういった地域につとめておられる地方公務員の待遇改善についていかなる積極的な措置をしようとしておられるのか、この二つをお聞かせいただきたいと思います。
#17
○細郷政府委員 今回節約をいたそうといたしますのは、先般もお答え申し上げましたように、給与改定の実施時期を従来よりも一ヵ月繰り上げるということに当たりまして、国においても節約をする、こういう考え方に立っておるわけでございます。地方団体におきましても、一ヵ月繰り上げるということにいたしまして、いま申し上げたような節約をやってもらおう、こういう考えで財政上の措置をとったわけでございます。
 ただ、いま御指摘のように、小規模の町村について節約が可能であるかどうか、これは確かに現実の問題としてはいろいろ問題があろうかと思います。ただ、先般もお答え申し上げましたように、節約の割合というものを、そういう実態を考慮して特に引ぎ下げ、三%ないし四%というようなことにいたしております。
 いま一つ、あなたはこれによって小規模町村の給与改定財源が確保されないのではないかといったような御議論もあろうかと思います。その点につきましては、実は対交付税という関係だけから見てまいりますと、御承知のような調整戻しというものが、弱小の町村でありますれば交付税額が比較的ウェートが高いわけでございます。そういったようなものが反対に参るわけでございますので、そういう点を考慮いたしますと、対交付税の関係では、その町村の財政の上に大きな打撃を与えないで済むのではないか、かように考えております。
#18
○鎌田説明員 弱小市町村におきまして、地方公務員の給与引き上げということにつきましては、御案内のとおり、地方公務員の給与水準は国家公務員の給与水準に合わせていきたい、そういうことで、国家公務員につきまして給与改定が行なわれます場合は、それに準じた給与改定が行なわれるような財源措置、また、そういう指導を行なってまいっておるところでございます。もちろん町村の場合もその例外ではないわけでございまして、国家公務員に準ずるという方針を基本的に私どもはとっておるわけでございます。ただ、たとえばことしの人事院勧告におきまして、ある意味におきまして初めて明らかにされたともいえるわけでございますが、都市手当の創設に関連いたしまして、国家公務員の給与の場合におきまして、官民給与の格差に非常な地域差がある、こういうことが明らかにされておるわけでございます。国の場合は使用者が一人でございますので、地域ごとに違った給料表をつくる、こういうことは理論的には可能でございますけれども、実際問題としてはむずかしい、こういう事情もあるわけでございますが、地方団体の場合には、まさにそれぞれの地方団体ごとに給与をきめていく、こういうことになるものでございますので、一律に国家公務員に準ずるという措置をとってまいります場合、その地域社会におきまする民間給与なり、あるいはその給与水準というものと比較して、それとの見合いで市町村の公務員の給与がきめられておる、こういう地域的な事情も無視できないという気がするわけでございまして、おのずからそういう地域的な事情が反映されて、それぞれの町村の給与というものがきまっておるのではないだろうか、こういうふうに考えておるわけです。ただ、基本的には、先ほど申しましたように、国家公務員の給与に準ずる、こういう考え方をとり、また、著しく低い給与につきましては、ケース・バイ・ケースで私どもさらに指導をいたしてまいりたい、こういう考え方でおるわけでございます。
#19
○山口(鶴)委員 ケース・バイ・ケースで善導するというのは自治省のよく使われることばでありまして、問題は、ことばではなくて内容ではないかと思います。小さな町村では公平委員会しかないわけですね。人事委員会があるわけではないのでして、その地域の民間給与の実態といいましても、そういうもので勧告があってきまるわけではないのでして、当該の市町村のあり方にもよると私は思いますが、何か不当に低く押えられていても、それの救済の機関というものはないわけですね。それだけに私は、善導といいますか、そういう公務員の水準を著しく下回る、こういうことが不当に行なわれている町村に対しては、やはりもっと積極的に指導を自治省がやるべきだ。それが公務員部の置かれた一つの責務ではないかということだけ指摘をしておきたいと思います。
 次いで、調整手当ですけれども、私は今回都市手当がこういう形になった経過もいろいろ承っております。問題は、地方公務員、特に問題になるのは、教育職員等がこの調整手当との関連において、いろいろな僻地手当あるいは僻地における待遇の改善というものが行なわれておれば問題ないと思いますが、そちらのほうが不備だ、そういう中ではこういう手当の創設がむしろ人事交流を阻害する。いろいろな意味で差しさわりが出てくる。あえて言うならば、いま自治省は、建設省とは違って、都市集中はできるだけ避けるべきだ、そういう観点から国土全般の開発を進めるべきだという観点に立っておられるようです。都市手当なり、今度の場合は調整手当のようですが、これができるということは、自治省のいわばそういった考え方に逆行するものだとも言えると思います。そういう意味で藤枝当時の自治大臣が、給与担当閣僚会議の中でもいろいろ問題点を出したことは承知をしております。
 そこで私は、明年人事院に対して自治省としてどう対処するか、考え方を開きたいと思うのですが、いま申し上げたようなことからいきまして、この調整手当は一応おくといたしましても、これができたために予想せられるであろう障害、むしろ僻地に勤務する人たちの待遇の改善、そうして人事交流の円滑化、こういうことについて当然人事院その他に対しても、当時の藤枝自治大臣は、国家公安委員長として警察官の待遇改善については大いに人事院と交渉されたようですが、どうも地方公務員の改善についてはあまり積極的な交渉をしたということを新聞では承知しないのを残念に思うのですけれども、それはさておいても、今度の赤澤自治大臣はおられませんが、政務次官がおられますからお尋ねしたいと思いますが、いま申し上げた趣旨に立って地方公務員、わけても過疎地域に在勤する職員、あるいは僻地に在勤する職員、こういった人たちの待遇改善について、積極的に人事院等に働きかける御意向があるか、この点は、次官として、あるいは事務当局でもけっこうでありますから、お考え方を聞いておきたいと思います。
#20
○鎌田説明員 調整手当の問題につきましては、全く山口委員と私ども所見を同じくするわけでありまして、そういう意味合いで自治省といたしましては、調整――もともと都市手当でございましたが、これの創設に対して積極的でなかったわけでございます。当面の措置といたしましては、現在の暫定手当の実質的な手直し、こういったような形で三年の間に、この一般職給与表の中にございますように、人事院でさらに地域給と申しますか、そういうもののあるべき姿というものを検討して勧告をする、こういうことに相なっておるわけでございますが、そういった点もひっくるめまして、むしろ都市農村間の格差というものを全体的になくしてまいる、こういう大きな政策的な判断のもとで、この給与の問題そのものもその一環として考えられるべきではないかという意見を、自治省といたしまして前大臣以来持っておるわけでございます。したがいまして、そういう見地から、直接的には、たとえば教員の場合でございますと、文部省も辺地の教員に対しまする待遇改善ということについては、文部省の立場で人事院におっしゃっておられるわけでございますし、私どもの立場といたしましては、また私どもの立場におきまして、なお大臣、政務次官の御意見もいただきながら人事院に対しまして所要の申し入れをいたしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#21
○細田政府委員 ただいまの公務員部長の答弁に尽きておると思いますが、山口委員のおっしゃいますような観点から、今回の人事院勧告をどうするかということを政府部内できめます際に、当時の自治大臣並びに文部大臣から反対が強く打ち出されたわけでございまして、御承知のことだと存じます。したがいまして、私どもは、政府といたしましては、一方では人事院勧告というものを分割してどうこうというようなことを考えるということは、これはもちろん人事院制度の根本に触れる問題でございます。そこで、いろいろ苦慮した結果が調整手当ということになったわけでございます。したがって、論理的な帰結として、いまおっしゃいますようなことを、当然私どもなりあるいは文部省のほうとしてはよく考えていかなければならぬ、こういうことになろうかと思います。私は、三年ということになっておりますけれども、三年をまたずして実情に合った、そして私どもの立場からいいますならば過疎対策、僻地対策、そういったようなものもあわせ考えました、具体的に妥当するような給与の制度が人事院からさらに勧告をされるならば非常にいいんじゃなかろうか。私どもとしましても、そういう線で、問題はこういうところにある、こういう実情にあるというような点については、十分に人事院とも話をしたい、かように考えておる次第であります。
#22
○山口(鶴)委員 特に僻地に勤務する教職員につきましては、思い切って二号俸くらい本俸を上げて、そして、しかもその間の暫定的な手当ではなくて、一生を通ずる優遇策として確立をするというようなことを考えることも必要ではないかと思っているわけでありまして、各府県でもその点はいろいろ苦心をして努力をしているようでありますが、しかし、全国的な規模で統一した優遇策というものをやはり打ち立てる必要がある、かように思います。これはひとつ意見を申し上げておきたいと思います。
 最後に、私は、交通安全対策について一点だけお尋ねをして終わりたいと思うのです。
 実は、十二日の本会議で、わが県選出の東海林代議士の追悼演説が行なわれました。私の先輩でありますが、御案内のように、十月十日、酔っぱらい運転の車にはねられましたためにおなくなりになったわけであります。まさに現在の交通地獄と申しますか、交通難のとうとい犠牲でございまして、私どもとしましては、この交通安全対策を一日も早く確立をし、これを推進することによって東海林代議士の御冥福を祈りたいと思っているわけであります。
 そういう意味で、過般の特別国会で議員立法でこの交通安全対策に対する特別な法律ができましたことは、いわばその基礎を一つ置いたものといたしまして、私どもうれしく思っているわけでありますが、これに関連して今回百四十二億財政措置がなされておるようであります。交付団体九十八億のようですが、問題は不交付団体であります。私も過般、大阪、名古屋等の大都市を視察をいたしました。大阪あるいは名古屋において、ああいう大都市の財政が非常に困窮しておるという実情もいろいろと聞いてまいったわけであります。大阪はいま交付団体になっておるようでありますが、従来の常識で、不交付団体といいましても必ずしもいま財政が豊かではない。そういう中で、この交通安全対策に対して不交付団体分として四十四億見ております。これは数字が見ているだけのことでありまして、何ら国からの資金がいくわけではありません。そういたしますと、こういう地域で安全施設を行ないます場合、当然これにかわるものとして起債等で見る必要があるのではないか、私はかように考えるわけであります。
 それからさらに、あの法律が審議されますとき、私は、最後に、法律があがります際に質問をいたしたわけであります。そこで問題になっておりますのは、主要地方道に指定されておらない一般県道については、依然として補助率が二分の一である、指定区間を拡大することによってある程度これを救っていきたい、こういうような答弁があったわけであります。今回――建設省がおらぬのでこの点は残念なんですが、自治省のほうで前から問題になっております主要地方道以外の五百メートル以内の県道補助率二分の一、これを救うために指定区間等のやり方である程度実情に沿う措置が行なわれているのかいないのか。この二つの点についてただしておきたいと思うのです。
#23
○細郷政府委員 建設省におきまして、いま現行の三カ年計画に改定を加えるわけでございますので、実はその作業を急いでおるわけであります。その改定にあたりましては、各地方団体から出てまいりました事業計画を基礎にいたしておりますので、それが可能なように、いま御指摘の点等につきましても、改定を加えながら進めてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
 なお、もう一つ、不交付団体についてどうかということでございますが、交通安全施設の事業の府県、市町村の割合は大体二対一くらいとなっております。府県に全体の三分の二くらいがよっておるわけでございます。府県の中において不交付団体等で交通安全のために資金が必要であるというようなものにつきましては、私どもも起債をつける用意を持っております。
#24
○山口(鶴)委員 単独事業についても同じですね、起債については。
#25
○細郷政府委員 単独事業は――今回の安全施設を公共と単独に分けます一つのめどは、大体事業費五十万円程度をめどにいたしております・したがいまして、件数の多寡によってこれは判断をしなければならないと思っております。
#26
○亀山委員長 河上民雄君。
#27
○河上委員 すでに山口委員より詳細に御質問がございました。私も若干それに触れて御質問申し上げた後、いま問題になっております大都市財源のことに触れて政府当局のお考えを承りたいと考えております。
 初めにちょっと伺いたいのでありますが、いまうわさになっております四百八十億円でございますか、その返済につきまして、返すというようなお話がありまして、そこの中には、いわゆる出世払いというような考え方が巷間伝えられておりますけれども、こういう出世払いということばは、自治省当局ではどういうふうに解釈しておられるのか、初めにそれをちょっと伺いたい。
  〔委員長退席、大石(八)委員長代理着席〕
#28
○細郷政府委員 お配りしてございます資料でも御承知をいただけるかと思いますが、当時へこんだ分を埋める、その分については、将来地方財政が著しく好転するような場合には、両大臣が協議をしてきめて返す、こういうことでございまして、その性質は、先ほどお答えいたしましたように、法律的な債権債務で当然に返せというものでもなく、また返さなければいけないというものでもない、そういったような将来地方財政がよくなったような状況の際に、両大臣が相談をしてきめることなんだ、こういうことでございますので、私どもはこれを俗に出世払い、こういうふうに呼んでおるわけでございます。なお、出世しているかどうかということにつきましては、私どもは、先ほど政務次官からもたびたびお答えをいたしておりますように、現段階において出世をしたとは考えていないわけでございます。
#29
○河上委員 いわゆる出世払いというのは、返さぬでもいいけれども何となくそんなような精神的な拘束感を与えるようなことばで、返せるようになったら返す、返さぬでもいいというような考え方でございまして、これはまことに前近代的な思想であろうと思うのであります。
 私は、五十五特別国会の冒頭におきまして、地方交付税の性格について局長にいろいろお尋ねいたしましたが、そのとき局長は、わが国の地方交付税法は世界に冠たる体系であって、精緻なものである、一点一画も法律的根拠のないようなことでは金は動かさないのだ、というようなお話であったように私は記憶するのであります。あるいはお忘れかもしれませんけれども、この出世払いというような考え方は、地方交付税法の第何条に依拠していま口にされておるのか、その点を伺いたいと思います。
#30
○細郷政府委員 いま申し上げたようなことで、法律的な根拠があってのことではございません。あくまでも、よくなったら返すことがあるというだけのことでございますから、そういう意味では、あるいは御指摘のように、前近代的ということばもいかがかと思いまするけれども、いわゆる法律的に積み上げた議論でないということだけは申し上げられると思います。
#31
○河上委員 ナポレオンの辞典には不可能という字はないというようなことでありますが、私は、細郷さんの辞典にはそういう出世払いというような観念はないものだと思っておりましたけれども、いまのお話ですと、地方交付税法の中には、そうしたきわめて融通無碍な考え方も存在し得るのであるということをいま伺ったようなわけでございまして、何か認識を新たにしたような感じがいたすのでございます。これは今後また何かのおりに必ず問題になろうかと思いますので、この点はこの程度いたしまして、次の問題に移りたいと思います。
 今度の昭和四十二年度分の地方交付税の単位費用の特例に関する法律案、これが提案せられました場合に、不交付団体の場合、これに見合ってやはり相当の事業をしなければならないわけでありますが、そうした場合に、どの程度のものを自給省としては見込んでおられるかどうか、ちょっと伺っておきたいと思います。
#32
○細郷政府委員 今回の財政措置は、お配りしております資料にもございますように、不交付団体につきましては、給与改定分として百九十三億、交通安全対策として四十四億、その二百三十七億という需要の増に対しまして、下にございますように、基準財政収入額の増百三十八億、これは四月から九月までの分割法人の精算増分、それに節減等の九十九億ということで措置をいたしておるのでございます。
#33
○河上委員 交付されない不交付団体のほうですが、その需要増に見合う収入源はどういうようにお考えになっておりますか。
#34
○細郷政府委員 御承知のように、交付税の計算におきまして、基準財政需要額と基準財政収入額との比較で、その収入が不足するものに交付税がいくわけでございますが、不交付団体の場合でございますと、その基準財政収入額が需要額を上回っておるというために交付税としては参らないわけでございます。それぞれの団体におきましては、別途基準財政収入額の増というものが立ってまいりますので、それを財源として措置をしていただく、こういうふうに一般的に考えております。
#35
○河上委員 それでは、そうした給与財源とか交通安全対策関係費とか、そういうような追加の財源については、自然増収とかそういうようなものを当て込んでおるというように理解してよろしゅうございますか。
#36
○細郷政府委員 それぞれの地方税の自然増収というものを考えておるわけでございます。
#37
○河上委員 しかし、実際に各給与財源あるいは交通安全対策費、その他このたび新たに追加せられました需要の大体の概算を考えた場合に、はたして自然増収で見合うのかどうか、そういうことについて強い確信を持っておられるのか、重ねて伺っておきたい。
#38
○細郷政府委員 不交付団体におきましては、やはり財政の運営にあたって、不交付団体という特性を認識した上で、いわゆる地方税の収入あるいは自然増、そういうものの使い方については、絶えず需要との見合いで考えていただかなければならないということでございます。したがいまして、それぞれの団体におきまして、そういった予想されます需要というものに対しては、自分のところの税収の増加というものと見合いながら財政運営をしていただく。もし年度間で非常にそれが十分でないということでありますれば、余裕のできたときには翌年度に繰り越しをするなり積み立てをするなりして、反対の場合には繰り越しを食うなり積み立てを取りくずすなりというようなことで、自主的な年度間調整の財政運営をしていただくということが、不交付団体の財政運営のたてまえでございます。当然にそれぞれの団体におきましてもそういう配慮をしておるもの、こう考えておるのでございます。
#39
○河上委員 いまのお話でございますと、不交付団体はことばのとおり財政が豊かであるというような感じを受けるのでありますけれども、実際には、国の仕事を引き受けてやる場合に、前から問題になっております超過負担というものが非常にあるわけでございまして、交付団体あるいは不交付団体を問わず、地方公共団体はいずれも過大な財政負担に悩んでおると思うのであります。このたび、返済金の繰り上げ償還とか、あるいは四百八十二億でございますか、約四百八十億の出世払いとか、そういうような、いまあらわれておりますいろんな思想というものは、何か地方財政というものは非常に豊かであるというような間違った印象を与えかねないと思うのでありまして、いまの地方公共団体の財政、ことに都市の財政というものは、非常に赤字で苦しんでおることは御承知だと思うのであります。
 そこで、ちょっとそういう問題に触れてお尋ねしたいと思うのでありますけれども、大都市財政研究会というところの研究資料によりましても、いわゆる指定都市ではここ数年百億円前後の赤字を続けているというような状態でございまして、大都市の財源を充実するということがいま非常に重大な問題になっていると思うのでありますが、自治省といたしましては、こういう大都市の財源問題に対して、基本的にどういう考え方でおられるのか、御意見を伺いたいと思います。
#40
○細郷政府委員 御指摘のとおり、大都市におきますいろいろな都市的施設の水準が立ちおくれておるわけでございますから、これらをどういうふうにして整備をしていくかということのためには、その財源措置が必要であろうというふうに基本的には考えております。それを具体的にどういうふうにやっていくかということにむしろ現実の問題があるわけでございます。私どもは、本年度におきましても、先般の国会でも御説明申し上げましたように、起債の充実によって当面の仕事をやってもらうとか、あるいはもちろん大都市あるいは大都市周辺の市町村に対します財政需要額の増加を見込んで交付税計算をするとかいうような措置をとってまいっておるのでございます。なおそれでは十分だとは、私も現段階において考えておりません。将来にわたっても、その大都市財源の確保ということについて絶えず考えていかなければならないというふうに思っております。
#41
○河上委員 いまの大都市財源というものをつぶさに見てまいりますと、いろいろ不都合な点があるように思うのであります。たとえば、地方交付税の場合でも、あるいは国庫補助負担事業の場合におきましても、たとえば大都市の場合、補助率などについて、むしろ大都市が富裕団体だというようなことで、一般団体に対して補助率が下げられてしまう、あるいは不交付団体というような理由でさらに一そう下げられてしまうというような問題が現にあるのでございます。しかし、実際に下水道事業をやるにせよ、道路を拡張いたしますにせよ、土地の価格一つ考えましても、むしろ補助率はかえって上げなければならぬというような問題があると思うのでありまして、こういう補助率の差別扱いというような問題にも見られますように、大都市は富裕団体であるという観念に基づいていろいろ差別待遇されていることが、かえってこうした矛盾に満ちた慣例というものが行なわれているために、ますます都市財源を窮屈にしているという事実があるように思うのであります。
 また、いま大都市の形態を見てまいりますと、大阪に非常に典型的にあらわれておりますが、ドーナツ現象というようなことで、しかも比較的所得の高いものが郊外に移転する、そして、しかも実際に都市のやるべき仕事は非常に多いというようなことから、税収は、市民税というものはますます悪くなっておる、こういうような現象があるわけでございます。そうなってまいりますと、いまのように住んでいる人に対して税金を課するという居住地中心主義という考え方に立つ限り、いま言ったような市民のドーナツ現象、大都市のドーナツ化現象に応じて適正な税をとるということは非常に困難でございます。残された道は、法人税割りというようなことになるわけでございますが、その法人税割りについては、その基本であります法人税に対して、大企業育成のために特別措置が行なわれて、非常に大きな減免税が行なわれておる。そのはね返りというものが市民税にくるわけでございまして、そういう国税の特別措置の影響を遮断するというだけでも、都市財源というものはずいぶん充実してくるのではないかというような問題があると思うのであります。国は国である一つの方針から法人税に対しいろいろな特別減免を行なうのは、われわれは反対ではございますけれども、現にそれが行なわれておるわけでありますが、その影響を都市財源のほうに及ぼさないようにするというようなこともそろそろ考えるべき時期がきておるのではないか。われわれから見まして、都市財源を非常に充実しなければならないときに、手かせ足かせでかえってますます貧血状態にしていくというようなことが見られるのでありますけれども、こういうような問題について自治省はどういうようにお考えになっておりますか。先ほどいろいろ考えておるというようなお話でございましたが、何かもう少し、こういうプリンシプルの点で考え直さなければならぬ点があるのではないか、こういうふうに思うのでありますが、大臣のお考えを承りたいと思います。
#42
○赤澤国務大臣 国の繁栄の度が急速に進みますと、大都会、俗に不交付団体といっておりますけれども、こういう一応富裕と見られておりますところでも、新しい行政需要が続々と出てくるわけでございまして、そういうものをこの団体だけで十分解決いたしたいと思いましても、いまの財源でなかなかまかない切れるものではありませんが、しかし、国全体から見ました場合にも、やはり不十分ながらこういうことが日ごとに年ごとに進んできつつあるわけでございますので、財政需要があまり高まり過ぎればその団体でまかない切れぬことはあたりまえでございますので、先ほど局長が中しましたように、やはり税収の増加と見合った程度でいろいろな企画をやっていただかぬと困るわけなのでございます。そういうことは、自治省といたしましても、たとえ不交団体でありましても、十分指導しなければならぬというふうに考えておりますが、しかし、全体として、やはり最近不交付団体の財政のやりくりが非常にむずかしくなってきておることも事実でございますので、いまの段階で根本的に掘り返して検討しなければならぬとも考えておる次第でございます。
#43
○河上委員 いま大臣から、根本的に考え直さなければならない問題もあるのじゃないか、こういうようなお話でございましたが、地方交付税のたてまえは、私ども非常にしろうと考えで見ましても、地方公共団体の活動の中で非常にスタティックな、静態的な要求というものをまかなうというのが前提になっておるような気をするのでございます。ところが、御承知のとおり、現在日本は非常な都市化現象――先般来日本に来ておりますイギリスのトインビーという大歴史家も、人類の大きな現象である都市化現象、しかもそれが最も典型的にあらわれている日本をこの目で見たいということでわざわざ来られておるわけでございますが、そういう大きな都市化現象が非常にいま進行しておる。そういう中で、都市はいろいろそうしたダイナミックな要求にこたえなければならない。たとえば都市再開発の問題とか、そういう問題は起こっておるわけでございます。もちろん、小さな問題かもしれませんが、たとえば山陽新幹線などがいま開発されておりますが、そういたしますると、その周辺の立ちのきの問題、駅の周辺の都市の再改造の問題、そういうような問題が次々に起こってまいりますけれども、これは全部結局大都市が負わなくてはならない、こういうようなことでございまして、いままでの地方交付税あるいは地方税の体系というものは何かスタティックな要求にこたえるというのがたてまえになっておるようでございまして、そういたしますとこういうダイナミックな都市の要求と財政需要というものに対して、こたえるべき財源というものが全然見つからないという感じがするのであります。そうなってまいりますと、われわれは従来の地方税あるいは地方交付税というようなワク内でこの問題を処理できないのじゃないか。それをこえて、もう少し広い視野に立って日本の経済全体を考えなければならぬ、財政全体を考えなければならぬ、こういうような感じがいたします。
 そこで、伺いたいのでありますけれども、たとえば都市再開発財源として財政投融資計画というようなものの一部をこういう方向に大胆に振り当てていくということも、そろそろ考えるべき時期が来ておるのじゃないかという気がいたすのでございます。従来、財政投融資計画というものは、大企業偏重と申しますか、日本の高度成長を支えた大企業育成ということに金が使われておったのであります。しかし、財政投融資の原資というものの性質を考えれば、これは庶民のささやかな願いの集積である、そういう点から見て、そろそろこれを地方財政のほうにも少し回すという考え方は持てないだろうか、そんな気がいたすのでございます。自治大蔵並びに大蔵当局のお考えをこの際伺っておきたいと思います。
#44
○赤澤国務大臣 交付税は言うまでもなく国全体の税を国と地方とで再配分する、また地方団体間の調整をするということが主目的でできておるわけでございまして、三二%というのは御案内のとおりにずっと、毎年とは申しませんが、ここしばらくの間にだんだんパーセンテージが上がってまいりまして、全体からいって比重は多少重くなってきておるわけでございます。この三二%というものが私は適当であるとは必ずしも考えていない。国全体のやり方としまして、いまのような補助金、負担金制度というものが私は必ずしもいいとは思っておりませんので、この根っこからやはりやり直す時期に来ておると思うし、だから、わずかばかりの補助金をくれてやるというふうな式でやるものだから、陳情団も押しかけてくる、いろいろ妙なことになってくる。やはり、財源を相当地方には与えて、これっきりないぞ、このワク内で思い切りやりなさいという形にいくのが私は正しいのじゃないかということを考えておるわけでございます。
 それから、さっきのドーナツの話ですが、いつでも問題になるわけなのですが、いま都市再開発につきましても非常に勇ましい議論がございました。私ども党内でも、御案内のとおりこのことに頭を悩まして、そのための組織をつくって検討を加えておるわけでございまして、大都市といいましても、単にその近場の周辺というだけでものの解決ができるわけじゃないのでございます。ですから、いま府県合併促進法案も提案をしておる次第でございますが、非常に広域に考えてまいりませんとなかなか解決にならぬわけでございます。それは昨日も予算委員会で議論が出ましたけれども、東京都を一体どう考えるのかといったような問題、これはわれわれといたしまして最も頭を痛めておるところでございますけれども、あれこれ皆さんのお知恵を拝借しながら――いま過密過疎の対策などにつきましても新しいものを打ち出そうとしておりまするので、お知恵も拝借しながらそんな基本的な問題と取り組んでまいりたいと考えております。
  〔大石(八)委員長代理退席、委員長着席〕
#45
○倉成政府委員 都市開発について非常に示唆に富んだお話がございました。都市問題はおそらく二十世紀の後半の最大の課題であろうと思っております。そういう意味において、これから先の財源の調整をどう考えていくかということは当然考えるべきことだと思います。
 そこで、財政投融資の問題についてお答えいたしたいと思いますが、財政投融資については、四十二年度で――どこまでが都市開発であるかということを明確に区分することは非常にむずかしいわけでありますが、約二千億の財政投融資が都市開発の関係の融資としてわれわれが考えるものがございます。そのほかに、公害対策等についても、やはり都市開発の一環ではなかろうかと思うわけでございます。細部についてはこまかい資料がございますが、もし必要があれば御説明を申し上げたいと思います。
#46
○河上委員 先ほど大臣から基本的なお考えを伺ったわけでありますけれども、いまのお話から考えてみましても、地方財政というものが非常に苦しいというよりも、一そう大きな仕事をかかえておる、こういうような段階におきまして、本日午前中にわたりまして山口委員から御質問がいろいろございましたように、いま急いで金を返すとか、そういうようなことがどうして出てくるか、私どもとしては疑問にたえないのであります。現在の地方財政、ことに大都市の財政というものをこの際根本的に考え直さなければ、私この十年後二十年後に非常に大きな悔いを残すのじゃないか、こういうように思いまして、先ほど財政投融資計画などについても、これは少し根本的に考え直す必要があるということを申し上げたわけであります。その場合に、やはりこれは大都市の事業としてこういう問題をやる場合に、大幅に大胆に振り向けていくということが必要であろう、こういうように思うのでありまして、その点をひとつ頭に置いていただきたいと思います。
 なお、先ほど私が最初に申しました住民税の中で、法人税割りにつきまして、法人税に対する大企業の恩典によるはね返り分を、この際影響を遮断するというようなことも考えてみたらどうか。また、地方債の起債のワクなども、起債能力のある大都市については、もっと規制を緩和すべきではないか。あるいは都市開発財源というものにつきましても、政府でもいろいろ構想が行なわれておるようでございますけれども、そういうような問題につきまして、自治省並びに大蔵省当局の御意見を承りたいと思います。
#47
○細郷政府委員 一つは、法人課税で大企業優遇ではないかという御質問だと思いますが、税でございますから、公平ということがまず第一に考えられなければいけないかと思います。しかし、それだからといって、政策の入る余地が全然ないのかということになりますと、やはり政策を入れる余地も考慮していいものである、こういうふうに思います。私は、現在あります特別措置の全部が全部適当なものであって、絶対にやめられないものだというふうに私個人としては考えておりませんけれども、しかし、それだからといって、そういった方向は一切いけないんだというのも、やや考え方としては行き過ぎじゃなかろうかと思うわけでございます。
 なお、そういった大企業に対します優遇措置と申しますか、法人税の軽減等が地方に及ぶのを何とか遮断できないかということでございますが、これにつきましても、実は遮断できるようにということで、いろいろ方法を考えておるわけでございますが、やはり納税の便宜という点もございますし、煩瑣になりますために、徴税費がたいへんかさむというような問題もございます。したがいまして、そういったものを全面的に解決をするということはなかなかむずかしい問題であるわけでありますが、先般来、特殊な法人税におきます減税措置については、税額控除等の措置をとってもらうことによって、法人税割りには影響を与えないというようなこともいろいろ努力はいたしておるわけでございます。
 それから、大都市に対して、財投計画でもってもっとウエートを置くべきじゃないか、あるいは起債をもっと緩和すべきではないか、この点につきましては、大都市におきます現実の財政需要というものを考慮しながら、私どももその扱いをきめておるわけでございます。したがいまして、一律に起債は認めないんだというような考え方ではなくて、むしろ、そこの中の一つ一つの事業が緊急性があるかどうかというようなことによって判断をいたしております。また、ワク外債等につきましても、大都市等のものにつきましては、資金調達のめどがっくものについては、それぞれ認めておる態度をとっておるわけでございます。なお、基本的には交付税というよりは独立の地方税というものを与えることによって、問題の基本的解決に取り組むべきであろう、かように考えております。
#48
○倉成政府委員 大都市に対する財政投融資、これにつきましては、先ほども申し上げましたように、住宅とか、あるいは交通手段であります地下鉄あるいは国鉄、高速道路、また開銀による融資あるいは公害防止、こういういろいろな諸般の問題について、財政投融資で現在やっておるわけでありますけれども、さらに今後、いろいろなこういう需要に対して、できるだけの御要請にこたえたいこういう方針であります。
 なお、大都市問題で一番問題になりますのは土地の問題、これについてどういうふうな対策を講ずるかということを、税の面から、税制調査会でいろいろ御検討いただいておるわけでありますが、そういった問題もあわせてこれから考えてまいりたいと思っております。
#49
○河上委員 いま、いろいろ構想について御開陳がありましたが、私どもの考えるところによりますれば、従来の体系というものをそのままにしていろいろ努力いたしましても、もうすでに自治省あるいは大蔵省の専門家がたくさん知恵をしぼって考え抜いた結果であって、なかなか動かしがたいということが感ぜられるのであります。この際、そういう従来のワクというか、体系というものは、なかなか簡単に変えることはできないかもしれませんけれども、ただいまの財政投融資計画の基本的な性格の変更ということを私は申し上げたのでありますが、何か、そういうふうな着眼点といいますか、姿勢といいますか、そういうものを変えなければならないところにきているということを私は特に強調し、政府当局の皆さま方に、そういう観点から、この地方財源、地方財政、特に大都市の財源充実問題についてひとつ取り組んでいただきたい、そのことをお願いいたしまして、はなはだ簡単でございますけれども、一応問題を提起した形でございますが、私の質問を終わりたいと思います。
 政府当局の御決意を最後に一言伺って、私の質問を終わりたいと思います。
#50
○細郷政府委員 先ほど来大臣からもお答えいたしておりますとおり、やはり日本の国土全体をどういうふうに持っていくかという大きな問題に当面していると思います。したがいまして、そういった角度からの検討も加えながら、御趣旨の点もくんで、今後なお努力を続けてまいりたい、かように思います。
#51
○亀山委員長 細谷治嘉君。
#52
○細谷委員 大臣が午後予算委員会でおいでになれないようでありますから、十二時半まで大臣に二、三承っておきたい。
 山口質問にもあったのでありますけれども、三十九年度の百五十億、それから四十年度の三百億の特別会計の借り入れによって、地方公務員の給与改定財源を交付税で配分をしたわけですが、それぞれ、百五十億と三百億は償還方法というのがきちんときまっているわけです。言ってみますと、百五十億は五カ年間で三十億ずつ均等の償還、四十年に借りました三百億円というのは、十億、三十億、三十億、三十億、六十億、七十億、七十億、こういうように七カ年で返すことになっておったわけですから、言ってみれば、昭和四十二年度は合計六十億円返せばよろしいわけですね。ところで、今度二百億円を一気に返すことになったわけですね。先ほど質問がありましたように、法律の中では違法ではありませんけれども、私がいま言ったような七カ年返還計画というのがぴしゃっと示されておるわけですがね。これを一ぺんに二百億円返すということは、これは、大臣の認識というのが、大蔵省が言われるように、国の財政はきわめて硬直したのだけれども、地方財政は出世した、こういうことが客観的に証明されると大臣はつかんでおると思うのですが、大臣、これについてどう思うのですか、どうしてそうなったのか。大臣の認識がそうだから、一ぺんに二百億円返すようにしたのでしょうと私は思うのですが、大臣いかがですか。
#53
○赤澤国務大臣 決して地方財政が豊かでゆとりができたなどということは考えておりません。むしろ逆なんです。ただ、あの百五十億、二百億につきましては、おっしゃるとおりに年次計画で償還することになっております。昭和四十七年度に終わることになっております。しかし、借りたものには違いないのでして、いつかは返さなければならない。計画は組まれてあります。ところが、ことしは交付税の増額が御案内のとおりに思ったより多くなったものですから、何も私大蔵省に協力するとか、国の財政硬直化にどうとかということは考えておりませんけれども、やはり国全体としてこういう状態になっていることは、与党、野党を問わず、ひとしく憂えなければならぬ問題じゃないかと思いますし、多少でも交付税の増額でゆとりがあるなら、どうせ借りたものは少し繰り上げても返してやるという、腹のうちでは、そこまで協力するのだから、今度困ったときは頼むよというくらいの気持ちは十分あるわけでございまして、ただその二百億返して、あと五百四十九億、それで今年度の地方財政の運営に大きな支障があるかと申しますと、このことにつきましては、いろいろ当局で検討させましたけれども、やれますという確信を得ましたので、思い切って繰り上げ償還した、こういうことでございます。
#54
○細谷委員 借りたものはこれは返さなければならぬ。これはもう大臣と私どもの考えは一向変わってないと思います。計画はありましたが、昨年おおよそ二十億円程度の繰り上げ償還をいたしたわけです。ことしはその十倍の二百億円の繰り上げ償還をするわけですね。計画がまるっきり狂ってしまっている。財政局長の話によりますと、最終年度の七十億円というのを去年の繰り上げ償還二十億円をやったというのですから、現状は十億、三十億、三十億、三十億、六十億、七十億、五十億となって、三百億円になっているわけですね。今度二百億円返すということは、これが完全に狂ってしまうのです。しかも、あとで詳しく議論をしたいと思うのでありますけれども、今度の場合はだいじょうぶだ。なるほど三十九年以来、地方公務員の給与改定等に対する財源措置については、非常に悩みに悩んでやってきたことは認めます。認めますが、今年度は国も経費節減するのだからということで、交付団体には九十億円、不交付団体には九十九億円節減しなさい、これは自動的に法律で、基準財政需要額、これはもう交付税から差っ引いているわけですね。私は、あらゆる地方団体、三千五百もある地方団体が、一文だにむだづかいしておらぬとは申しません。それはいろいろ検討しなければならぬこともあるでしょうけれども、これまで強要しながら、二百億円という予想以上に交付税が出てきたといったって、国税が伸びれば三税の三二%が交付税としてくるわけですからね。全額を交付してやりながら、私は、自治省がもっと効率的に経費を使いなさいという指導は、これは当然なことだ、いいことだと思う。しかし、交付税の段階で、法律的に頭から百八十九億円の節減を強要しておる。そして二百億円を繰り上げ償還するというのは、これは大臣自体が大蔵ペースで、地方団体は苦しいけれども、国と比べるとだいぶ出世しているのだ、こういう認識に立ってこういう措置をとったとしか考えられない。その辺もう一度、これはもう少し客観的に、大臣らしく、私どもしろうとにわかるように言っていただきたい。
#55
○赤澤国務大臣 さっき申し上げましたとおりでございまして、どこも財政が窮屈になっております。国だけでありません。地方団体も同じですよ。やはり忍ぶべきは忍んでいただかなければなりませんし、単に大蔵ペースだとか大蔵省に協力だとかいうことではないわけでございます。ただ、そのために節約もすすめておりますし、そのために今年の地方財政の運営が蹉跌を来たすというようなことがあってはたいへんだと考えて、いろいろ検討を事務当局にさせましたけれども、これでいかれるという確証を得ましたので、思い切うてやったわけでございますので、その点はお認めを願います。
#56
○細谷委員 私は、おとといの委員会以来、大蔵政務次官と自治省の政務次官の顔を並べて、大蔵政務次官の顔はきわめて攻撃的ですよ。自治省政務次官はきわめて守勢に立った顔になっておる。この守勢はどこから出てきたかというと、これはやはり二百億円をやられたということですよ。外堀が埋まっておるのですよ〇大蔵省は、まあ二百億円は返さした、外堀は埋まったのだ。ポンドが下がったのでドル危機が起こった、こう言われておると同じように、二百億円がどういうことで出たかというと、数日前の新聞、四百八十二億というのはあれは貸したやつである。貸したというのは何かと思ったら、覚書というのがけさすでにこの委員会の部屋に出てきた。そうして主計官も、この間の委員会では、貸してあった中で――あのような高姿勢の答弁ですよ。いまどういうことが行なわれておるか。地方財政は出世した。交付税の三二%は二九・五に下げようじゃないか、こう言っていますよ。そして出世払いの覚書をたてにとって、四百八十二億円は返してもらうと言っている。地方交付税法第六条二項、これの覚書ですよ。こうなりますと、もう大阪城は落城寸前にありますよ。(「みずからそんな考えでは困る」と呼ぶ者あり)いや、大臣の姿勢からそうなりますよ。大臣、そういうふうに、私どもは、大臣の何とかやれるという認識は、事務当局のあれからいって、一方においては節約を強要しながらやっておるところに私は問題があると思う。やはり大臣は、地方財政は少し楽になった、出世とは言わぬにしても、少し楽になった、こういう認識で大蔵省と折衝したのじゃないかと思うのですよ。この辺について、ひとつ自治大臣――ちょっと比較したので政務次官でもいいですが、両方ともひとつ御意見を聞かしていただきたい。
#57
○赤澤国務大臣 さっきの三百億と、いまの交付税の減額を取りやめた四百八十二億と、私の認識も全然違うわけでございまして、簡単に言えば、あの百五十億、三百億というものは、まあどうせ返さなければならぬものなら、調子のいいときに少し多目に返しておこうか、あれをやりましたためになお百億残りということになったわけでございます。これをまた償還を年次計画でやりますが、四百八十二億は、私は負債とは考えていない。これは大蔵省が何と言いましたか知りませんけれども、あれはやはりあのときは、しかるべき事情があって減額しないということにきめて、法律もつくってあるわけでございまして、ただこれも時の大蔵、自治両大臣でいろいろお話し合いがあったようでございます。出世払いということばは私もちょっとおもしろくなく聞いておるのですが、気持らは、地方財政がうんと好転することがあったらお返ししましょうよというぐらいの、軽い意味と申しますか、道義的なものと考えておるわけでございまして、これをいままた負債だから早くどうとかしなければならぬということは、私としては考えておらない。さっきの三百億というのとはよほど意味が違っておることはひとつ御了承願います。
#58
○倉成政府委員 お答えします。
 二百億については、自治大臣から御答弁がございましたが、そのとおりだと思います。
 それから、国の財政と地方財政との比較検討の問題、これはいろいろ見方があろうかと思います。地方財政のサイドから申しますと、現在の行政水準はもっと高めるべきだ、多々ますます弁ずということで、苦しいという見方も成り立つと思いますけれども、国の立場から申しますと、公債の依存率あるいは投資的経費あるいは義務的経費が歳出の中に占めている割合、そういうものを比較いたしますと、国と比較した範囲内においては、地方財政のほうがより豊かであるということは、はっきり申すことができると思います。
#59
○細谷委員 この点で国よりも地方財政が豊かだという大蔵省の認識はとんでもないことですよ。しかし、時間がありませんから申しませんけれども、私どもは原則的に公債の発行ということが、今日の国の財政硬直化の最大の犯人だ、こういうことを言っているのですが、今度は税収の伸びで公債を減らした、けっこうなことでありますが、大蔵省が言っている地方財政、それはずいぶん危機だといわれた四十年ごろ、どういうふうにしてつじつまを合わせたかといいますと、どうにもならなくなって四百億円借りてきて穴埋めして、そしてやったといういきさつもあるのですよ。今日、それは全体の中に占める起債のウエートというのは国よりも若干低いということだけで、地方財政のほうが好転しているということですけれども、これはたいへんな認識の間違いだろうと私は思うのです。
 そこで大臣、四十年に出した財政措置の特例という法律は国民に約束したことでしょう、そうなんでしょう。固定資産税の問題で、かつて三カ年間を二年間にしようということで国会がたいへんにもめたことがありますね。やはり国民の前には抗しがたく、法律案を修正したことがあるわけですね。そういうことですよ。今度の場合もっと深刻です。固定資産税の場合は、百億程度の増収をするかせぬかという問題でありますけれども、今度は四百八十億ですから、たいへんな大きな問題、国民に約束したことを、一方的に、地方財政のほうがよくなっているのだ、こういう認識で――これは私どもばかりじゃない、議論は大学の教授あたりを中心にしても、倉成大蔵政務次官がおっしゃるような議論ばかりじゃないのですよ。反対のことを言っている人もたくさんあるのですよ。そういう中において、交付税の税率の引き下げと、そして四百八十億円の二者択一のような攻撃のしかた、あるいは四百八十億は何が何でも覚書をたてにとってやろうということになると、たいへんな問題になりますよ。今度の臨時国会では、その問題については具体的に出ておりませんが、大阪城の外堀と内堀という密接な連関関係、いまお答えの財政硬直化の程度がそういうものから出ておりますだけに、深刻な問題としてやはり今日の問題だと思っているのですよ。でありますから、大臣、これは国民に前に約束したことだから、自治大臣のからだをかけて、職を賭してでもがんばっていただかなければならぬ重要な問題だと思うのですが、大臣の、地方財政を守り抜くのがおれの天職なんだ、こういう決意をこの問題について聞かしていただきたい。
 それから、大蔵省もあまり国民に約束したことを朝令暮改、一方的な財政の好転論ということを地方財政に押しつけることなしに、この問題は覚書があったという過去の事実だけにして、具体的な問題としては取り上げなさらぬほうがよろしいのではないか、こう思うので、その点を聞いておきたいと思う。
#60
○赤澤国務大臣 先ほど申しましたとおりに、今度の二百億と違って、例の四百八十二億、私は借りたものとは思っておらぬわけでございます。そのために法律さえつくったわけでございますから。しかし、出世払い云々ということは、民間で俗にいうもうかったら返すよという約束と同類である。やはり、とにかくどっちの財政が硬直しているとかいう議論は議論として、ゆとりができる日があったら、そういういろいろな国の総体の財政に寄与するという考え方もあっていいじゃないかと思うが、これはあくまでもいわば道義的なものでございまして、今日の地方財政の実態は、私も百も千も承知しておりますから、おっしゃるとおりにからだを張って――からだを張ってもとうにもならぬけれども、非常な決意を持って死守するつもりでございます。
#61
○倉成政府委員 お答えします。財政が国民経済に及ぼす影響は非常に大きいものがございます。したがいまして、国、地方を通じて公経済の健全な運営をはかりたい、かように考えておるわけでありまして、地方財政にも御協力をいただきたい、こういう気持ちでございます。
#62
○細谷委員 大臣、非常な決意で取り組まれるようでありますけれども、山口委員の質問にあったように、法律の中に何にも姿を出さないで、裏のほうで覚書をやるということは、いわゆる民間の私企業がもうかったとか、そんな経済原則の問題ではなくて、私はずばり言うと、日本の悪弊である親分子分的な覚書の取りかわしだ、こういうふうにしかこれは言えないと思うのですよ。ですから、国政は、しかも重要な国の財政にしても、地方の財政にいたしましても、親分子分的な取引でやるべきじゃないということを、いろいろな意味を含めてひとつ申し上げておきたいと思います。
 そこで、時間がありませんから、ちょうど大蔵省もいらっしゃるので、大臣の所信表明について、いろいろな問題点があるのですが、一、二点だけ答弁をいただきたいのです。大臣の所信表明では、たいへんな問題になっております超過負担のことについては、地方制度調査会の答申をお待ちしております。こういっているのですよ。何ら具体的に所信表明には書いていないわけです。
 それから、第二点は、今年度計上されております第一種地方財政交付金ですか、九十五億円、これについてはどう処理なさるつもりなのか、言ってみますと、これは千二百億円発行されました特別事業債のうちその年のベースで換算した九百十六億に関する――九百十六億と思いますが、それの元利の問題、来年から元金を返さなければならぬことになるわけですから、こういう問題があります。
 それから、たいへんな問題になりました固定資産税の経過措置に関連する法案修正から出てきておる問題、あわせて九十五億、これは大蔵省は今年度限りの措置と言っておるのですが、この委員会の答弁では、地方団体の負担にならないように善処します、こう大蔵大臣は答弁いたしておるわけです。これについてのお考えを、自治大臣と大蔵政務次官からひとつ伺っておきたい。
#63
○赤澤国務大臣 超過負担の解消の問題はなかなかむずかしいことでございまして、地方団体からいえば、こんなばかなことがあるべきじゃないという、私たちはそういう考え方を支持しておるわけですけれども、いままでのしきたりが、悪弊と申しますか、ずるずるときまして、こういうことになっているわけなのであって、私ども、さらに意を新たにいたしまして、根本的な解決をはかるということを通じまして、いままでの超過負担というものを何とか消していきたいと考えておりますが、ではどこをどうするのかとおっしゃいますと、はなはだ困るわけです。これを合理的な形に改めるということを申し上げる以外はない。それで何が合理的であるかということは、細谷さんがよく知っておられると思いますので、ここで一々述べはいたしませんけれども、歴代の大臣もいろいろ苦労してきたことと思います。
 いまの千二百億の件ですが、ああいうことになりましたのは、言うまでもなく国が公債発行政策に踏み切りましたあふりがあそこへ来ておるわけでございまして、ですから国としても、おれは責任を負わぬぞとは言えないはずでございますから、大蔵大臣もああいう公約をしておることと思います。これもやはり私どもの負担には違いないわけでございますので、迷惑をかけないということをどういうふうに解釈するかということはなかなかむずかしい問題でございますけれども、これもやはり地方財政に大きく影響がこないように、合理的な解決法を講じていかなければならぬというふうに考えております。
 固定資産税のことにつきましては、財政局長から御答弁申し上げます。
#64
○細郷政府委員 固定資産税減税補てんの問題につきましては、四十一、四十二年度それぞれ措置をいたしたことは御存じのとおりでございます。この扱いにつきましては、先般来この委員会におきましてもいろいろ御議論をいただいた点でございます。この委員会におきます御議論の推移も考えながら考慮してまいりたい、こういうふうに考えております。
#65
○倉成政府委員 超過負担の問題でありますが、これは私ども地方の実情についてはいろいろ問題があることを承知しております。四十一年度予算で三百三十一億、四十二年度予算で二百六十六億の処置をいたしたことは御承知のとおりでございます。さらに、いろいろまだ問題が残っておる、農業改良普及員であるとかその他の問題があろうかと思いますので、実態調査をいたしまして実情に合わせてまいりたい、こういう考えでございます。
 それから第一種の交付金と固定資産税の経過措置の問題については、来年度の地方財政の収支状況をよく見きわめた上で検討してまいりたい、かように考えております。
#66
○細谷委員 倉成さん、来年度の収支状況を見てというのは、大蔵省の主計局次長の事務官としての終始変わらない主張であったのですよ。そういうことではらちがあきませんから、この委員会に大蔵大臣に来てもらって、実質的に地方団体の負担にならないようにいたしますと、こういう答弁をいただいておるわけですから、地方財政の状況を見てという条件はもはやないのです。この辺をひとつよく認識しておいていただきたい、こう思います。
 それから、自治大臣に申し上げておきたいのです。前の大臣は、この委員会の席上、今年度大蔵省と合同でその実態を調査して、その結果に基づいておおよそ一千億円程度ある超過負担は四十三年、四十四年、四十五年という三カ年以内でこれを解消いたしますという約束をいたしております。大臣、十分御承知のことだと思うのですが、具体的にそういうことにもなっておりますし、また、地方制度調査会のせんだっての中間答申もそういう意味で書かれておりますから、この線でひとつ推進をしていただきたい、こう.思います。
 それから、自治省、大蔵省に申し上げておきたいのでありますけれども、特別事業債の問題は、当時五百八十億円というものを、交付税法に基づいて当然国から自主財源として地方にやらなければいかぬものをカットしてやったわけで、言ってみますと、先ほど自治大臣の決意を聞いたからこれ以上言いませんけれども、財政硬直化は国であって、それよりも地方はいいのだということを御議論なさる前に、五百八十億円もらうべきものを取り上げて特別事業債に切りかえたといういきさつがあるので、そっちのほうから先に解決してもらわなければ、四百八十億なんというこの覚書なんというものは、議論の対象にならない、こういうことだけ念のために申し上げておいて、きょう午前中の私の質問はこれで打ち切って、午後やりたいと思います。
#67
○亀山委員長 午後一時四十分に再開することとし、この際暫時休憩いたします。
  午後零時三十七分休憩
     ――――◇―――――
  午後一時五十一分開議
#68
○亀山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。細谷治嘉君。
#69
○細谷委員 今度の地方交付税法の測定単位の改正の場合、人事院勧告で都市手当という形で勧告されて、今度は調整手当となった分がどの程度計上されておりますか。
#70
○細郷政府委員 調整手当分としましては、交付団体分二十二億を見込んでおります。
#71
○細谷委員 交付、不交付を通じて幾らですか。
#72
○細郷政府委員 通じまして四十一億でございます。
#73
○細谷委員 四十二億じゃないですか。
#74
○細郷政府委員 端数を切って申し上げましたが、おっしゃるとおり四十二億でございます。
#75
○細谷委員 私は四十一億か四十二億かと――端数を切ったということでありますけれども、十月二十三日ごろに自治省から出された数字というのは四十一億ですよ。その後に四十二億という数字に変わったわけです。四十一億から四十二億に変わったいきさつというのは、単に一億変わったということだけじゃなくて、どうして変わったのか、これをひとつお答えいただきたい。
#76
○細郷政府委員 最初概算で出しまして、そうしてあとから実は精算をいたすものでございますので、多少端数の増減がいつもございます。今回は、全体としては大きな異動はございませんでしたが、それのことを御指摘いただいたかと思います。
#77
○細谷委員 そうじゃないですよ。四十一億から四十二億に変わったのは、都市手当という人事院勧告に基づいて計算した場合には四十一億程度だ、こういうふうに財源見積もりはなされたわけです。その後、前自治大臣の構想等がいわゆる調整手当、こういうふうな形になって、数字が一億加わって四十二億という、内容の変化を伴なった四十一億から四十二億だと私は理解しているわけです。そうじゃないですか。
#78
○細郷政府委員 自治大臣の構想とは関係のないことでございます。
#79
○細谷委員 繰り返して申しますが、人事院勧告にある都市手当という段階で見積もり財源として出されたものは、あなた方の資料は四十一億なん、です。十月二十三日付で出された資料。その後調整手当という形になり、その調整手当というのは、従来の暫定手当四級地、三級地、こういうものに適用をしていく。こういうことが含みとして調整手当になって、その財源が四十二億になった、こういうふうにあなた方から説明いただいているのですよ。お忘れになったのですか。場所まで申しましょうか。
#80
○細郷政府委員 前に出しました資料をちょっと取り寄せて調べてお答えさせていただきたいと思います。
#81
○細谷委員 人事院総裁が見えませんで残念に思うのでありますが、局長さんが見えておりますからお尋ねするのでありますけれども、せんだっての本会議におきまして、給与関係の点が取り上げられました際に、佐藤人事院総裁は、この調整手当の問題については、現在寝食を忘れて鋭意検討をしておりますという答弁をなされたわけです。政府の法律案が出されておるこの段階において、都市手当から調整手当にかわってきた。そしてすでに法律案が国会に出されておる段階において、寝食を忘れて鋭意この調整手当についての作業をしなければならぬということは一体何であろうか、私はふしぎに思ったわけです。いま寝食を忘れて鋭意作業をしておるというのはどういう内容ですか。
#82
○尾崎政府委員 本会議におきまして総裁から御答弁申し上げましたとおりでございますが、勧告いたしました都市手当の地域区分につきましては、その当時におきます民間賃金、物価、生計費等の資料におきまして検討をしておったわけでございますけれども、その後におきまして、新しく出てまいりました資料などを収集精査をしておりまして、現在最終段階でございまして、成案を得るように最後の詰めというところになっておるわけでございます。
#83
○細谷委員 一つもわからないのですよ。人事院勧告に出された都市手当というものが調整手当に変わったわけでしょう。その調整手当に変わった段階で、人事院の方向というのは――きょうは持ってきておりませんけれども、新聞等に六%地域はこういうところになるのだ、三%地域はこういうふうになるのだという具体的な自治体の名前すらも発表されておるわけです。いわゆる都市手当というのが変わって調整手当、現在暫定手当というのはあるのですね。ですから、暫定手当、都市手当、調整手当ということで、いまの作業というのは、都市手当というのが、調整手当になって、またその内容というのは、都市手当に変えるその大きな作業をやっていらっしゃるということですか。わからないですよ。私が先ほど四十一億から四十二億になったというのは、単なる一億円の増減じゃなくて、あるいは四捨五入の問題ではなくて、内容自体が、都市手当から調整手当に変わってきた、その調整手当の内容はこういうものなんだということではじき出された数字。だから、内容の変化を伴っているのであって、ただ単に四捨五入じゃない。こういうふうに私は理解しておったわけです。また、事実こういう委員会の公式の場じゃありませんけれども、自治省の責任者から私はそう承っておる。そして法律案が出されておる今日の段階におきまして、寝食を忘れた作業をやらなければならぬということは一体どういうことなのか。作業をおやりになっておる段階なら、法律案なんか検討できませんよ。内容が結論が出ていないようなものについて、名前だけで法律案を審議することはできませんよ。どういうことなんですか。
#84
○尾崎政府委員 そこが問題だと思っておりますが、私どもが勧告をいたしましたのは、都市手当につきまして勧告を申し上げてきたわけでございます。今回の法案におきましては、それが調整手当ということで名前が変わり、かつ三年を目途として検討をするということに相なっておるわけでございます。その場合に、そういうあり方が人事院の勧告を実質的に尊重してということでそういうことになっておるということでございますので、私どもとしましては、そのこと自体について異存はございません。したがいまして、都市手当として勧告申し上げた内容は、実質的に尊重されておるというふうに考えてきておりますので、その地域指定の場合におきましても、法律の案に民間賃金、生計費及び物価が特に高い地域に指定するということで、人事院が勧告申し上げましたとおりの形で、形式で法案になっておるわけでございます。
 そういうことでございますので、私どもといたしましては、やはり当初都市手当の勧告の内容といたしまして、当時の資料に基づきまして考えましたことを政府部内にもいろいろ説明を申し上げてきております。新聞などに出ておりますのは、私どもは関知したものはございません。そういうことで、実質的に尊重されておるというたてまえと、政府部内においていろいろ検討をなさいましたときにいろいろな御意見もございました。そういう関係もございますし、新しい資料もその後出てきておるということで、現在最終的な詰めに入っておるということになっているわけでございます。
#85
○細谷委員 金額は四十一億と四十二億という違いでありますけれども、私が、本会議における佐藤人事院総裁の答弁でふしぎに思ったことが、くしくもやはり事実として出てきておるようです。鎌田さん、あなたは一番詳しいんだ。四十一億から四十二億――藤枝前大臣もはっきり言っておった。都市手当というものを、そのまま国家公務員あるいは地方公務員に適用するということには問題がある、いろいろな検討をした結果、名前はまだ正確じゃありませんけれども、尊重はするけれども、やはり実情に合うようにこれを実施していきたい、これがこの委員会における答弁です。一つも変わっておらぬじゃないですか、いまの答弁だと。しかも、法案が出ているときに、いま作業してまだ結論は出ていない、数字だけは出ている。四十一億から四十二億だからね。数字は大して違わないから財源の問題には関係ありませんと言う。そんな問題じゃありませんよ、内容が違ってくるのですから。新聞に出たものは確かに責任持てないでしょう。しかし、新聞に出たということが、少なくともこの委員会におけるやりとりとペースを一致した形で進んできているのですよ。どういうことなのですか。これはたいへんな問題です。
#86
○鎌田説明員 簡単に経過を御説明申し上げますと、都市手当に対しまする自治省の態度は一貫して変わっておらないわけでございます。都市手当という形の手当を創設されるということになりますと、先ほどもお話がございました地域間の格差解消という基本的な方向に逆行するということやら、あるいは円滑な人事異動の実施ということに支障になるといったようなものの点を含めまして、都市手当という形をそのまま実施するということは問題があるので、現在の暫定手当を実質的に手直しをするということで、私ども終始一貫主張いたしておりましたのは、暫定手当の名前をそのまま使って、それで現在の四級地をそのまま六%の対象地域、それから三級地を三%対象地域ということで三年間実施する、その間に人事院のほうで、あるべき地域給の新たな構想というものをおまとめになられて勧告をされる、こういうことでいくべきではないかということでまいったわけでございますが、最終段階におきまして、その都市手当、暫定手当、いずれの名前も使いませんで、調整手当という名称でいくということになりました。ただ、この調整手当は、やはり暫定的なものでございまして、三年間に、人事院は、その新しいと申しますか、あるべきと申しますか、地域給の制度について調査研究の上勧告をする、こういうことになって今日の法案になっておるわけでございます。
 ただ、その場合に、調整手当ということでございますので、従来の暫定手当とは別個の制度だ。別個の制度だということになれば、その地域指定もおのずから従来の四級地をそのまま甲に、三級地をそのまま乙にということじゃなくて、やはり人事院規則で一定の基準に基づいて地域指定をするべきだ、こういう意見が政府部内において強くいま出ているわけでございます。問題は、結局人事院規則で地域指定をどうするかという問題、政府部内の問題になっているわけでございまして、私どもといたしましては、当初の主張の線に沿ってなお人事院に対していろいろ申し入れをいたしている、こういうのが現在までの経過の実情でございます。
#87
○細谷委員 そうすると、四十二億という数字は固まっておらぬということですね。固まらぬずくで法案を出したということですね。そうでしょう。鎌田さんが言うような経過をたどってきたことは知っているのだ。
#88
○鎌田説明員 四十二億という数字は、財政のほうではじいたわけでございますが、現在の三級地を全部乙地、こういう前提ではじいた数字が四十二億、こういうことでございます。
#89
○細谷委員 私が冒頭質問した四十一億というのは、人事院勧告にある都市手当、こういうものに基づいてはじいた数字、四十二億というのは現在の三級地、四級地に三%、六%を適用した場合に出てきた数字、その四十二億というのが、今度の法案の基礎になっているのでしょう。それを、いま固まっておらぬというのでしょう。それが固まっておらぬという。政府部内にも問題があるというのでしょう。人事院ははっきり言っていますよ、調整手当という名ですけれども、都市手当と内容は同じものでありますと。ですから、いま寝食を忘れて作業をして、そして結論を出して人事院の規則を出そうとしているのです。こういう答弁ですよ。これはやはり内容が固まらぬ、政府部内でも意見が一致しないずくでこの法案が出たということですから、これはたいへんな問題ですよ。いってみれば、審議してもしようがないということだ。四十一億と四十二億は、たいして数字が違わないと言うけれども、内容いかんによっては五十億になるかもしれませんよ。そんなあやふやなものについて計算された法案あるいは財政措置、こういうものは審議しようがないじゃないですか。どうなさるのですか、政務次官。
#90
○細田政府委員 御指摘のように、今度の調整手当の地域をどうするかということについては、人事院規則で定めることになっております。おそらく人事院総裁が本会議でおっしゃったのは、その地域をどうするかということについて検討しておる、こういう意味でおっしゃったものと考えます。私どもが今度のこの積算基礎で審議をお願いしておりますものは、先ほど来公務員部長が申し上げましたように、在来の暫定手当の四級地を即甲地、三級地を即乙地にと、そのまま移動させるという基礎によってこれは出しておる数字でございます。これはいま公務員部長が申し上げたとおりでございます。人事院が当初勧告を出されました際の説明を、私どももいろいろ聞きましたら、これはそういう直ちに移行するという考えは必ずしも持っておらなかったようでございます。また、現在も持っておらないかもしれませんが、とにかく在来の三級地から即乙地にならぬところもあるのではないかと思われるような説明を、これは私、政府にいたわけではありませんが、伺ったようなわけであります。
 そこで、私どもの立場といたしましては、三年ということにいたしまして、いろいろな点から再検討してみなければならぬ、こういうことでございますので、われわれとしましては、人事院を除く政府側といたしましては、在来のまま移行していただく、すなわちこの四十二億円ということでやってもらいたい、こういう考え方で進んでおるわけでございます。ただ、形式上から申しますると、人事院がこれから人事院規則をきめる、こういうことになっておるわけでございますから、一見矛盾しておるようにお考えになるのは当然だと思いますけれども、私どもといたしましては、この即移行するというような線で予算をはじき出して計上したものがこれでございます。したがいまして、厳密な意味で言うと、それは形式的に少なくとも不明確ではないかという、こういう御議論が出ることはまことにごもっともだと思いまするけれども、私ども常識上、また人事院勧告のこれまでの御説明等を承っておりますと、実質的に非常に多額な、全体の構成に影響を及ぼす程度の影響があるような地域別の差異があるというようにも承知いたしておらないわけでございますので、こういう形で提出をさしていただいた、こういうことでございますので、御了承いただきたいと思います。
#91
○細谷委員 さすがにこの方面を長く担当された政務次官、私がもうお昼後ずっと答弁していただいたのを、きわめて要約して明快に態度を示していただいたのです。私もわかったような気がするのです。
 ところで、四十二億というのは、現在の四級地、三級地、こういうものを甲地、乙地に横すべりさせる、こういう内容ではじいた数字であることは、もう間違いないわけであります。したがって、自治省としては、国家公務員に準ずる形で地方公務員の給与改定が行なわれるわけであります。いまの人事院の局長さんのお話ですと、そんなことはないと思うのですけれども、同じ地域で自治省は、とにかく現在の暫定手当というものを横すべりさせる、それが調整手当であります、こういう形で法案も出しているわけですから、人事院がいま鋭意寝食を忘れて作業した結果、人事院の規則と違ったもので出したらどうなりますか。国家公務員と地方公務員と違った調整手当を受けることになりますよ。人事院、どうお考えですか。ならぬとも限らぬ。ならぬだろうと思いますけれども、皆さん方頭がいいし、ちゃんと横の連絡もその辺とれるでしょうから、ならぬと思いますが、なり得る可能性はありますね。人事院の歩み方と、それを受けての自治省の歩み方が違うわけですから、あるところは六%地方公務員がもらっているところが二%になり、三%が六%になり、もらうところともらわぬところと、こういうのができてくる可能性もあるわけです。人事院は、あくまでも閣議決定の都市手当には問題があるということから、ずっと移行してきた調整手当という結論を無視して、勧告に基づいて新たな観点から新たな指定をしようという御意向のように承るのですから、いまの政務次官の自治省の考え方と現実には違ってくるということになると、たいへんなことであります。これはどういうふうになりますか、お伺いしておきたい。
#92
○尾崎政府委員 都市手当から調整手当になり、かつ三年を目途として検討するというように法案はなっております。その場合におきまして、私どもといたしましては、こういう関係に何ゆえになってきたかという関係をいろいろ伺って、やはり今後における地域指定というものを最終的にいま法律が通ってからきめるということになるわけでございますけれども、そういう関係をいろいろ伺っているわけでございますが、勧告の趣旨は実質的に尊重しておるという関係、それから現在の賃金、物価、生計費の特に高いところに支給するという法律のたてまえという関係を、両者を考えまして、現在その両者について、そう変わったことが、そのニュアンスの変わり方が、まさに御論議がございますように、現在、三、四級地をそのまま横すべりということであるならば、それはまたそれで一つの考え方であろうというふうに思っておりますけれども、そういう関係につきまして私どもとしましては、勧告は実質的に尊重されているということ、それから、なお、賃金、物価、生計費の高いところに支給するという法律の形式という関係におきまして、最も適当な案ということを現在最終的に検討しているわけでございまして、国会の御審議が済みましたあとに、御議論の点を十分考慮いたしまして、最終的な決定をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
#93
○細谷委員 政務次官にお尋ねしたいのですが、いまの人事院の態度では、私どもはこの法案を審議するわけにまいらない、どうなるかわからないのですから。しかし、先ほど鎌田公務員部長が経過を踏まえて、そうして結論的に政務次官がお答えになったように、人事院勧告の都市手当というものについては、地方公務員の今日置かれておる環境からいって、やはり暫定手当の横すべり、こういう形でいくのが妥当である、そういうことになって計算した結果の四十二億だ。したがって、この法律が通りますと、自治省ではその方針に基づいてやっていただかなければならぬ、こういうことであれば、これは四十二億という基礎が固まるわけですから、先に進むことができるわけですね。その方針は自治省としては守る御方針かどうか、それを承らぬと先に進めないですから、ひとつ政務次官、自治省を代表してお考えのほどを承っておきたいと思います。
#94
○細田政府委員 自治省といたしましては、責任を持って提出をいたしておるわけでございますから、いまおっしゃった守るという線で貫きたい、かように思っておるわけでございます。先ほど申し上げましたように、形式的にこれを見ますと、人事院が人事院規則をもって地域を指定することになっておるわけでございます。そこで、人事院のお立場というものを考えてみますと、当初勧告が出ました際と、その後いろいろな経緯があって調整手当になりました今日とでは、おのずから若干の、しかも三年という猶予期間で、さらにおととい以来いろいろお話が出ておりますような問題を考えていただこう、こういうことになっておりますので、おのずから地域指定についても、そうした事情を十分お考えの上で地域指定が行なわれるものと私どもは確信をいたしておるわけでございます。特に人事院のほうからの御答弁にもございましたが、国会の審議等を通じてもいろいろな御意見がございましょう。恒久的な問題は、今後三年間に、それこそ寝食を忘れて研究いたさなければならぬ問題でございます。そういう点も十分考えに入れて今後作業いたしたい、こういう御答弁もございましたが、私どもは最初申し上げたとおりでございます。
#95
○細谷委員 政務次官の前段のおことばをお聞きしたわけですけれども、なお後段のほうで、現段階における不安定なものを政務次官おっしゃっておったわけです。この問題は、委員長、大切な問題でありますし、この交付税の単位費用を改定する前提になっておる問題でありますから、私は、この法案の決着がつく段階においては、もっとはっきりするなり、あるいは委員会としての適切な意思表示をいたさなければならぬものではないか、こう思いますので、そういう意味において、この点は保留して先に進ませていただきたいと思います。
 次に、お尋ねいたしたい点は、せんだっての自治大臣の所信表明の中に、四ページでございますけれども、「本年八月、公務員部の設置が実現いたしましたので、これを機会に、充実した責任体制と機構のもとに、なお一層公務員秩序の確立、近代的な正常な労使関係の樹立」とうたっておるのです。ところが、大臣はこうおっしゃっておりますけれども、近代的な労使関係の樹立ということとはほど遠いような問題が現在起こっておるわけです。それをひとつ申し上げてみたいと思うのであります。
 いろいろな地方公営企業関係の問題が出ております。たくさんの問題が出ております。地方公営企業関係の法律を、昨年ですか、審議をした際に、自治大臣は、近代的な労使関係という形について、こういう答弁をなさっておる。これは地方行政委員会の理事会で質疑応答の打ち合わせをいたしまして、それに基づいて大臣が答弁したわけでありますから、いいかげんなものじゃないわけなんです。政務次官いらっしゃいますから、よく読みますから聞いていただきたい。問いの五ということで、財政再建計画の承認と労働基本権との関係についての質問であります。自治大臣は、財政再建計画の承認を行ない、または指導を行なう場合は、企業職員の有する団体交渉権及び団体協約締結権をあくまで保障すべきだと考えるがどうか。これに対して自治大臣は、企業員に認められている団体交渉権及び団体協約締結権は、再建団体なるがゆえに制約をされるものではない。しかし、企業の再建は管理者のみの努力で実現できるものではないので、労働組合の大局的見地に立っての理解と協力が要請されるのである。自治省としては、この見地に立って行き過ぎのないよう、十分留意し善処してまいりたい、こういう自治大臣の答弁がなされておるわけです。これは、言ってみますと、やはり地方公営企業に所属する職員は地方公務員であり、かつ地公労法に基づいて団体交渉権、協約締結権というのを持っているんだ、これは尊重されなければならぬ、そういう立場で指導してまいる、こういうことに尽きるわけですね。ところが、これは具体的に場所を申しますと北九州市でございますけれども、現在議会が開かれておりまして、そしてその議会に水道と病院事業の再建計画案なるものが提出されておるのであります。その計画案の内容を見ますと、現在おる職員のうち二百六十六名の首を切る、こういうことなんであります。
 その市当局の再建計画なるものを見ますと、こういうふうに書いてございます。「人件費の適正化による節減」「ア 給食業務、清掃業務、警備業務等を昭和四十二年度末までに外部に委託し、職員二百六十六名を減員する。」それからほかにありますが、「オ 特殊勤務手当についてば、現在二十四種類のうち十五種類を廃止し、研究手当、臨時調整手当、婦長手当等の九種類とする。」「カ
 勤務時間を現行こうそく四十三時間制を、こうそく四十八時間制に改める。」その他ございますが、これは職員にとってはたいへんな問題です。首切りがあるわ、残った人は労働時間の延長であるわ、手当、労働条件は切り落とすわということで、たいへんなことであります。団体交渉は形だけはやりますけれども、これは一寸一分も変えることができないのだということで、断固としてはねのけております。それで、当局原案そっくりそのままのものが、一寸一分も変えないで現在開かれておる議会に提案されております。そうして、聞くところによりますと、ここ数日のうち、あすごろに可決されるだろうということであります。情報によりますと、けさ組合側から地方労働委員会に提訴いたしまして、地方労働委員会の調停案なるものが出たそうであります。その調停案の内容は、よく労使双方で話し合いなさい、その間組合のほうは実力行使はやらないようにしてほしい、この二項目を提示されたそうであります。しかし、いま私が聞いているところでは、当局はこれに応ずる気配が全くないと承っております。そういうことになりますと、いま言ったこの地方公営企業法の審査のときの「問五」に対する問答、これは全く無意味ですよ。どこに労働基本権がありますか。どこに団体交渉権がありますか。ただ二十分か三十分話し合って、いや、だめだだめだということであります。ただ形式だけのものであります。しかも政務次官、これの張本人、中心人物というのが、いままで本省の幹部をやっておった人であります。そういうことになりますと、自治省は、問答を幾らやっても、こんなものは国会でただ適当に答えておけばいいんだ、やれやれということですよ。これでは、せっかくこの地方行政委員会の理事会が、この法案の審議の際に詰めに詰めて行なった委員と大臣とのこの問題についての考え方、姿勢、こういうものが全く無視されているんじゃないかと思うのですよ。これについてどうお思いになるのかという問題、これはたいへんな問題でありますから、お伺いしておきたいのであります。いますぐ答えろというわけじゃない、あとでひとつぴしゃっと答えていただきたいと思うのですが、その前にひとつ厚生省にお尋ねしておきたいのであります。
 厚生省のほうでは、先ほど申し上げましたように、この再建計画案なるものは、二百六十六名の病院の人たちのなま首を問答無用で首を切ることになるわけでございますけれども、その中で給食関係の炊事をやっておる人が百七名おるのであります。そして食器の消毒をやっておる人が五名おります。それから寝具等の消毒をやっておる人が五名おるのであります。洗たくをやっておる人が二名であります。このうち、炊事をやっておる人は百七名全部ばっさりですよ。食器等の消毒をやっておる人は、これは全部ばっさり、寝具の消毒をやっておる人は全部ばっさり、洗たく員も全部ばっさりというのであります。まあそのほかに病棟婦、看護助手というのが九十六名おるのですが、いずれにいたしましても、消毒とか炊事とか、そういう関係の人は全部ばっさり。残るのは栄養士というのが残るのであります。栄養士は残るのでありますけれども、その他は全部ばっさりですよ。こういうことになりますと、一体、医療法の二十一条では、いろいろな病院の法定人員及び施設等の規定がございますし、これを受けまして、あなたのほうの規則というものが出ておりまして、規則には「診療エックス線技師、事務員、雑仕婦その他の従事者 病院の実状に応じた適当数」、こういうふうに規則の十九条の一項六号にはうたっておるわけですね。なおかつ、おたくのほうでは、こういうことを言っておるだけです。たとえば「給食管理」については、「給食業務は、治療の一環として行なわれるものであるから、病院の直営としてその業務を行なわなければならない。」これが指導の基本方針です。「止むを得ない事情により、第三者に病院内の給食施設を利用して、給食業務を委託している場合には、病院に給食係をおき、献立の作成、材料の購入、検収、食餌の調整の監督をこれらの職員が行なう体制でなければならない。」こういうような指導をしておるわけですね。そうして、こういう関連についておたくのほうで疑義についての通達等も出しております。たとえば昭和三十二年十月二十五日「病院給食制度の疑義について」の回答等もなされておりまして、この指導方針については、一貫して指導なさっておるのですね。こういう厚生省の態度からいきますと、いま私が数字をあげて申し上げたこの再建のやり方というのは、おたくのほうの医療法あるいは医療法に基づく規則、おたくのほうの指導方針とまっこうからぶつかるものと私は思うのでありますけれども、いかがでございましょうか。
#96
○須田説明員 ただいま御指摘をいただきましたとおり、給食というのは、厚生省として一貫して医療の大切な内容の一つであるという方向に立ちまして、方針を固め、いろいろ関係者にお願いをしてきておるところでございます。ところで、ただいま御指摘のございましたように、今回の再建計画の中に、給食の一部についての下請ということが含まれていたと承知しております。ただ、ただいまのお話の中にもございましたように、病院の医師の指示に基づきまして、病院の職員である栄養士が献立をつくり、医療の内容としての、よい、正しい給食についての考え方を固めた、それに沿いまして会社の従業員である人々がその具体的な調理にあたり、医療の内容としての給食に質量ともに合致した食事を提供するというかっこう、そういう範囲内で業務の一部をいわゆる下請に出すというかっこうで進められていると存じますので、この再建計画が進められました後におきましても、実質的に病院が従来全面的に責任を持って提供しておりました給食と、質、量、サービスともに変わらない食事が提供できることになると存じまして、そういう意味で、必ずしも医療の低下を来たすような計画にはなってないということで、厚生省の立場から今回の御計画に特段申し上げることはないというふうに考える次第でございます。
#97
○細谷委員 たいへんな答弁だな、これは。あなたのほうの出したこの通達の中にも「病院の管理者が給食の全責任者となり」、いわゆる院長が給食の全責任者となり、「下部組織に給食係を置き、献立の作成、必要材料の購入指示、材料の検収、食餌調製の監督および検食はこれ等の職員によって行い、材料の入手、献立に基く食事の調製および調製食餌の配膳室までの運搬業務は病院外の者に請負わす方式」、これならば最小限度いいといっているわけなんですよ。そんなていさい整ってないでしょう。それで医療法の番人がつとまりますか。あなたのおっしゃるのは、何をやってもいいということでしょう。院長の責任でやるわけでしょう。その中には、少なくとも下部組織に給食係りを置かなければいかぬ。栄養士その他の職員で構成する。栄養士だけは残ります。献立の作成、必要材料の購入指示、材料の検収、食餌調製の監督検査がこれできますか。少なくとも医は仁術だといっているわけです。あなたは医療機関の番人なんですよ。これでいいというのですか。金があろうとなかろうと、人命を扱っておるわけであります。これはやはり最小限度の、医療法に基づく体制は整えて、責任を持ってもらわなければならぬ、こう私は思うのですよ。これでいいというのですか。あなたのほうはそれでのがれるかもしれません。これは何をやっているのですか、全くの請負じゃないですか。人夫の供給業にすぎないですよ。これだけの仕事をとられて、材料の購入指不とか購入の問題、検収あるいは食餌の調製、監督、検査、これをやって、あと下請に出したら、人夫供給業ですよ。職業安定法違反にもなりますよ。多賀谷委員がいらっしゃっておりますから、あとでその辺の質問があるでありましょう。厚生省がそんなことで、金の問題でやかましい自治省と妥協して、病院の運営管理ができますか。その監督機関としての責任がつとまりますか。もう一度御答弁願います。
#98
○須田説明員 今回の御計画によりますと、当然病院の医師の食餌筆に基づいて栄養士が献立をつくり、また、そうした給食の材料自身、病院の責任において購入し、検収をし、そうした新鮮な材料をもととして、病院の完全な設備の整いました調理室において、そうした設備を使って、しかもその中で会社側の栄養士、調理師、その他技術の経験と知識の豊かな、そういった技術職員がそれを受けて完全な給食を調理し、配膳をし、病棟へ運搬していくということで、ただいま先生の御指摘のございましたような方向で計画が進められていると承知しているわけでございます。
#99
○多賀谷委員 関連質問をいたしたいと思います。
 まず、基本的に、北九州なら北九州のある市において幾つも病院がある、それで給食センターをつくって各病院に持っていくということが可能ですか。
#100
○須田説明員 病院における給食についての最終的な責任というものが果たされないような形式に発展することは、医療の内容としての給食上好ましくないと存じます。そういう意味で、ただいま先生の御指摘のような方法が行き過ぎたかっこうになってまいりますことは、厚生省として好ましくないと考えます。
#101
○多賀谷委員 給食施設というのは、病院の必須の施設でしょう。そうして、給食というのは、本来療養の給付でしょう。この二点、お答え願いたい。
#102
○須田説明員 そのとおりと存じます。
#103
○多賀谷委員 そうすると、保健医療担当者は、療養の給付として給食を見なければならぬ、こういうわけですね。
#104
○須田説明員 そのとおりと存じます。
#105
○多賀谷委員 そうすると、あなたのほうで、一部の請負があるのだということをおっしゃっているのですが、一体、給食に請負が考えられますか。というのは、その食事については病院長に責任があるのだ、こう言っている。ですから、もし病原菌が入ってくるような場合、あるいは食事の場合でも、たとえばじん臓であるとか、糖尿であるとか、あるいは高度の高血圧というような場合には、特殊な特別食をやっておりますね。ですから、当然病院長の責任だということになる。そうすると、病院長の責任で食事をつくらしておる場合に、下請というものが考えられますか。
#106
○須田説明員 給食自体は、先ほど来お答え申し上げておりますように、基本的には病院の責任として、医療の一環として提供するものと考えております。したがいまして、給食業務を全面的に委託するということは、私どもとしては考えられないと存じます。ただ、その具体的な内容の一部について、病院外の従業員に手伝っていただくということは、そのあり方によっては成り立つのではないかと考えております。
#107
○多賀谷委員 食事をつくる、完成の責任はだれですか。
#108
○須田説明員 患者に提供される食事がその治療の一環として適当なものになっているかどうかという最終的な責任は病院にございますし、そのためにその食事が医師の食餌筆に基づてい、その内容どおりに合致したものであるかどうかということについての最終的責任も、そういう意味で病院にあると存じます。
#109
○多賀谷委員 労働省は見えてますか。作業の完成に法律上、財政上の責任を持たないものが請負になりますか。
#110
○保科説明員 労働者供給事業の禁止につきましては、御承知のように職業安定法に規定がございます。無料の労働者供給事業を労働組合が行なう場合を除きまして、労働者供給事業は規則によって禁止されております。供給契約につきましては、実態判断によってやるようになっておりますけれども、請負契約でありましても、作業の完成について事業主としての財政上、法律上のすべての責任を負うことが要件の一つになっております。したがいまして、法律上事業主としての責任を負わない請負契約であれば、これは労供に該当するケースが出てまいります。
#111
○多賀谷委員 厚生省、大体あなたのほうは、食事の作製については病院長が責任持つ、こう言うのでしょう。ところが、下請というのはできないのですよ。下請というのはあり得ないのだ。なぜか、食事の作製について責任を持たないものは認めないのですよ。ですから、この通牒そのものがおかしいんだ。また、通牒をオーバーして行なっておる北九州はなおおかしいんだ。大体、下請というものはあり得ない。少なくとも、下請を雇ってきてやったとするならば、それは労務供給業なんです。それは食事の作製の完成に財政上も法律上も責任を持たない。ですから、もう少し言いますと、その食事の中に菌が入っておった、だれが責任持つのですか。職安法のほうから言えば、その下請業者が持たないと請負契約とは認めない、こういうのです。労務供給業だ、こういうのです。ところが、あなたのほうは、病院長が持たないと医療法違反だ、こう言う。ですから、下請契約というものはあり得ないのです、そこの給食について。それをどう指導しているか。
#112
○須田説明員 病人に提供される具体的な食事が、ただいま御指摘がございましたように、衛生的であるかどうか、あるいはその治療の一環として必要な質、量を伴ったものであるかどうかということについては、どこまでも病院の責任だと存じます。ただ、そうした食事を作製する段階におきまして、ある一定の段階までの責任を第三者にお願いするということも不可能ではないと考えております。
#113
○多賀谷委員 少なくとも食事の調製ですね、要するに、食事をつくることでしょう。下請というものは考えられないでしょう。調理にはないでしょう、下請というものは。
#114
○須田説明員 私、お答え申し上げている気持ちは、具体的に病院が出した食餌筆に基づいた内容の食事を調理する段階での委任ということは成り立つのではないかということを申し上げておるつもりであります。
#115
○多賀谷委員 請負は法律上の責任を持たなければならないのですよ。法律上の責任のないものは請負ではないですよ。いいですか。そうすると、その法律上の責任は病院長にあるならば、下請というものは契約として成り立たないというのです。労務供給業だという。ですから、もし労働省の言うようにするならば、調理の責任をその下請が持つというならば、労働省として下請の業務が成り立つわけですね。正当なんですよ。ところが、それは医療行政上困る、それは病院長が持つんだということになれば、下請というものはあり得ない。それは材料を買うて病院まで運ぶ、こんなことは別ですよ。それは八百屋さんが運ぶ場合もある。少なくとも食事の主たる部分をなす調理において下請ということは考えられない。こういうことでしょう。そうじゃないですか。
#116
○須田説明員 給食が、先ほど来申し上げておりますように、正しい食餌筆に基づき適正な質、量ともに備わったものでなければならないという意味での最終的な責任は病院にあると存じますが、そういった病院の要請に基づいて、その内容どおりに調理するということについて、それを委託するということは成り立つのではないかと考えておる次第であります。
#117
○多賀谷委員 とにかく、給食センターはつくってはならない、病院には必ず給食の施設を置かなければ病院と認めない。そして入院者の食事は治療の一部である。だから病院長が責任を持つんだ、こうなっているのでしょう。ですから、監督指導じゃないです。問題は責任をだれが法律上持つかということです。そうすると、法律上も財政上も責任を持つものが病院長であるとするならば、少なくとも炊事という場合の大部分の調理という仕事は、これは直接の雇用労働者によってやらなければならない。そうしないと、あなたのほうの医療体系がくずれるのです。もしあなたのようなことをおっしゃるのなら、何も病院に一々施設をつくらなくてもいい。近代的な給食センターを設けて、各病院がだれかに委託してやらせればいいわけですよ。それができないのですよ。どんな小さな病院でも、みんな給食施設を持たなければ病院と認めない。そうなれば、結局病院長が責任を持つ。炊事の大部分は調理でしょう。病院長が責任を持つ。病院長が責任を持つならば、下請というものは責任を持たないことになる。下請が責任を持たないような場合は、労働省としては下請として認めないのですよ。それは職安法違反なのです。ですから、この指導もいかぬけれども、現実の処理を早くしなければならぬという問題もある。どういうお考えですか。あなたが答えられなければ、これは各省との関係ですから、大臣でも局長でも、早く呼んでお答え願いたい。
#118
○須田説明員 ただいまの給食センターとの関係でございますが、病院内に調理の設備を設けて、そこで給食業務ということが行なわれなければならないということは、少しも変える意思はございません。と申しますのは、病院の中の患者に提供される食事というのは、画一ではございませんで、普通食あり、特別治療食あり、その中にもいろいろ患者の症状に応じまして、幾種類もの食事を調理していかなければならないわけであります。そういった面で調理自身が病院の医師との連携を常に密にし、そして患者の症状に応じて正しく調理されるという意味で、医師との連携が密にされる場合に調理が行なわれていかなければならないという面から、病院外の施設において食事を調製し、病院に運んでいくということについて認めたくたいと考えているわけでございます。しかしながら、病院の中におきまして、そういう調理、給食の業務が行なわれます際に、その一部につきまして、それを第三者の力をかりるという形態自体が成り立たないものとは考えないわけです。
#119
○多賀谷委員 何のために病院長が責任を持たなければならぬかといえば、それは治療の一部であるし、療養の給付である、療養の内容なんですから、あなた方はそうおっしゃる。ところが、その食事の調製という、要するに調理をするということについて一部がありますか、こういうのです。それは材料を、電話をかけてどこかから病院に運搬してくる、そんなものはいいでしょう。しかし、炊事の一番主体をなしている食事の調製、この下請がありますか、こういうのです。下請というものはあり得ないのです。御存じのように、職業安定法施行規則の第四条、この第四条も最初出発したときよりも非常に改正されているのです。われわれからいうと、骨抜きにしておる。その骨抜きにした四条でも、あなたのほうは、そのことは完全にひっかかる。すなわち、第一項に四つの条件がありまして、この四つはオアではないのです。いずれか一つではないのです。四つの条件が全部そろっていなければだめなんです。その第一号は「作業の完成について事業主としての財政上及び法律上のすべての責任を負うものであること。」もしこれに病原菌なんかがついておって、そして赤痢患者が発生したらだれが責任を持つか。それは下請が持たなければ、受け入れ業務として契約できない。あなたはそうじゃなくて、病院長が持つと言うのでしょう。病院長が持つというならば、調理の下請契約というものは成り立たない。法律上の責任のないものが調理の下請はできない。だから、その点を、いやしくも厚生省がはっきりしてやらなければ、幾らやむを得ない事情であるといっても、こんな根幹が抜けておったら何にもなりませんよ。答弁ができないのなら大臣でも局長でも、委員長、早く呼んできてください。
#120
○林委員 責任者が来るまで、私この問題について関連質問したいのです。これは非常に重要な問題なんですよ。細谷委員、多賀谷委員からの質問がありますけれども、私のほうの資料によりますと、病院関係で二百六十六名の首を切る。炊事婦を百七名、いま問題になっております。それから看護助手というのがいる。これを九十六名首を切る。大工営繕員八名、夜警員九名、連絡員四名、院内清掃員十三名、洗たく員二名、寝具消毒員五名、下足取扱員二名、寮用務員七名、外務用務員四名。炊事はもちろんですけれども、病棟婦、看護助手を九十六名も首切って、一体責任ある治療の体制がとれると思うのですか。これはひとつ自治省関係で、こういう再建計画を自治省が指導することについて、一体どう考えておるのか。あなた、幾ら自治体が赤字だから、赤字が出たからといって、金のために人間の健康がそこなわれてもいいなんということは許されないと思うのですよ。この問題、だれか責任のある人から答弁してください。どうしてこういう再建の指導をしたのですか。これでやっていけるのですか。
#121
○細郷政府委員 いわゆる再建計画については、ただいま審議会が御審議をしておるので、その結果が出てまいりますれば、われわれのところでそれを正式に取り上げて検討する、こういうことでございます。ただ、私ども再建にあたりまして、基本的に考えておりますことは、たびたび申し上げておりますように、やはりその企業自体が経常的に成り立っていくような状態をつくる、これが基本の考え方でございます。したがいまして、そういう状態をつくるために、収入の面あるいは支出の面においてそれぞれくふうをこらしてやっていただかないと、現実問題として計画が成り立たないということはあろうと思います。そういうものの一環として、北九州の病院事業について、いまお話の出たようなことが中身の一つになっておるものと考えるわけであります。もとより、そういうことが法律的にどうこうというようなことでありますれば、これは法律上違法状態を現出することは私どもはできないことだと思っております。その点につきましては、先ほど来厚生省との間でいろいろ御議論があるわけでありますが、私どもの承知しております範囲では、厚生省から出ております通達の中身によってこれは行なわれておるものと実は考えておるわけでございます。
#122
○林委員 あなたの答弁、問題があると思うのですよ。法律に触れなければどういう内容でもいいということですね。(「いや、触れているんだからしようがない」と呼ぶ者あり)現に触れている。これはいま多賀谷委員が質問しているとおりですよ。これでは医療の責任はとれないのです。また、医療に関する諸立法に違反している。そのことが一つ。
 それからもう一つ、あなたは、赤字が出る団体だから、くふうしろ、くふうしろと言いますけれども、赤字が出るような基準財政需要額だとか、あるいは超過負担だとか、そういう面についても自治省は考えて、これは病院と水道なんですから――水道も百六十六名首を切っている。ことに病院の経営が赤字だからといって、病院は営利事業と違う面を持っているのですから、その点は、あなたは、いま審議会で審議して、自治省のほうに来たら、また自治省は考えると言いますけれども、内々指導していたことは明らかじゃないですか。こういうことは、幾ら何だって――地方自治体というものは、憲法で保障されているように、地域住民の利益を守るのが本旨なんです。営利団体じゃないのですから。
 細谷委員の関連質問ですから遠慮しなければならないのですが、もう一点だけ質問させてもらいたい。
 この問題について、こういうことを交渉しましたら、北九州の市職の交通局の労働組合の執行委員長が停職になり、水道の組合関係の評議会の議長が停職になり、それから交通局の労働組合の副委員長が二名減給になり、書記長が一名減給になり、交通局労働組合執行委員が八名戒告になり、水道評議会議長が一名戒告になり、市職労働組合の若松支部副支部長が戒告になり、戸畑支部清掃分会長が戒告になり、それから戸畑支部清掃分会の副分会長が戒告になり、市職労働組合青年部長が戒告になり、市職の第二組合の執行委員長と書記次長までが戒告になる、これはどういうことなんですか。幾ら何でもひどいじゃないですか。
 そこで私は、これは次官も大臣もいるから、ついでにお聞きしておきますが、再建団体の計画が一応議会を通ったところで、憲法で保障されている労働組合の団結権、団体交渉権は否定するわけにはいかないわけでしょう。こういう団体交渉をして、そして当事者の間で、計画は計画だけれども、労働者の基本的な権利の立場から、それではこの計画の一部のこういう点は変更するとか、そういう団体交渉をし、そういう団体交渉の内容を締結することは許されるものであるかどうか。これは憲法で保障されている労働権なんです。再建計画というのは単なる計画で、この憲法で保障されている基本的な労働権を左右するわけにはいかないわけです。その点について赤澤自治大臣、あなたの新自治大臣としてどの程度民主的権利を守るかどうかのテストケースとして答弁してみてもらいたい。
#123
○赤澤国務大臣 北九州の病院の実態はつまびらかにいたしませんけれども、どうせこれからのこの委員会で公営企業の現状並びにこの赤字対策をどうするかということが非常にたくさん議論が出てくると思います。自治省が扱っておりますこの種公営企業はばく大な数でございまして、だいぶ再建が軌道に乗ってきたとは申しながら、まだまだその中を調べてみませんと何とも論断しにくい段階でございます。いまの北九州も、病院であれ交通機関であれ、これは住民のためにあるものでございまして、住民を無視しての議論は、私は空転してしまうと思う。
 そこで、北九州市の病院の数とか、ベッド数が多いとか少ないとか、その病院経営の中身がどうなっておるか、私も具体的に明らかにしておりませんけれども、この間も申し上げましたとおり、私は私なりに、やっかいな問題を若干引き出してでも、中身がどうなっているか検討してみたいと思っておるわけなんです。いまここに参りましたところ、すぐ給食のことだとか、請負が許されるとか許されぬとかいう問題だとか、これこれの者がこういう処分を受けた、不当じゃないかといったような議論でございますけれども、やはり労働三法も現存いたしますし、労働者の権利というものは憲法によって守られていることは間違いない。間違いないけれども、しかし、かってに自分たちの権利だけ主張できない面もあるのですから、そのためには、やはり提訴すべき機関というものも、地方には地労委もあるわけでございまして、どういう形で提訴されておるか知りませんけれども、何かここでも判断を下しておるのではないかと思うわけです。あれこれ、私も実情を見ました上でありませんと、いずれとも御返答いたしかねるわけですが、ただ、申し上げられることは、公営企業だからといって、他の一般民間より特に立場がいいということはない。やはり経済原則というものはすべて支配をいたしますから、そういった点もよく勘案して、自治省としましては、監督官庁になるのか何になるのか知りませんけれども、とにかく地方団体というものはよく見てやらなければいけませんので、よく調べてみたいと思っております。
#124
○林委員 大臣の言われるとおり、入ってきて突然北九州の問題で、あなたもいろいろ準備も足りなかったと思うのですが、これは十分検討されて、やはり自治省が憲法で保障されている自治権を守る番人になってもらわなければならないわけです。それが単に赤字という財政的な理由で、しかも再建計画というようなものがオールマイティで、再建計画を一たん議決した以上は、また自治省はこれを認めた以上は、もうさっき出ておりますように、炊事婦を百何名首にしようと、看護助手を九十何名首にしようと、あるいは院内清掃婦を数十名首にしようと、再建計画が議決されて自治省が承認したからいいんだ。これは再建計画が、民主的な権利をじゅうりんしたことがまかりとおるというようなこと、こんなことが許されたら――どこの自治体だっていま赤字を持っていますから、厳密に言えばみんな再建団体の指定の要因は持っているわけですね。また、厳密に言えば、自治体で再建団体の指定を受ける、正面切っていろいろなものを裸に出せば受ける場合があるのですよ。それが地域住民の民主的な社会保障の福祉をじゅうりんしたり、あるいは民主的な労働者の権利をじゅうりんするてこにこれが使われて、中央集権的なてこに使われるということになると、これは地方自治体の本旨をそこなってしまうわけです。そういう意味で私たちは非常に心配しているわけです。ですから、この点はひとつ労働大臣も詳しく調べられまして、再建団体なるがゆえに、再建計画なるがゆえに、それがオールマイティでまかりとおることのないように、あなたは十分慎重な指示を検討の上していただきたい、こういうように私も思うわけですけれども、あなたはいま地方自治体でも厳格なそろばんという要因も無視できない。それは、われわれはそんな何でもかんでもいいとは言いませんけれども、しかし、地方自治体であり公営企業なんですから、公営という字がついているわけなんですから、若干そろばんの点で犠牲があっても、地域住民の利益のためにやるというのが公営企業ですから、その要因をあなたが無視するのだったら、あなたは大蔵大臣とかわらないことになってしまうんじゃないですか。その点をひとつ自治大臣としては慎重に考慮してもらいたいと思います。
 次の質問で終わりますけれども、地方から上がってくる情報によりますと、政府側のこれに対するギブアンドテークのテークのほうですね。これはおそらく公営企業法の四十九条だと思いますが、準用の再建計画のことですね。これは、政府のほうはこうさして、何を今度はその団体の再建のためにやろうとしているのですか、念のために聞かしていただきたい。
#125
○細郷政府委員 御承知のように準用再建でございますから、本再建のような利子補給といったような措置はございません。どういう措置が政府側で考えられるかといいますと、一つは借りかえ債による負担の軽減、それから退職手当債の発行が許されるというような点がおもな点でございます。
#126
○林委員 それではこれで終わります。
 それで計画の中に盛られているのですか。聞くところによると、こういう計画ではなくて、人員の整理が先行している、いままでにこういうケースは見たことがない、こういう情報ですけれども、あなたがいまおっしゃったことはちゃんと計画に含まれているのですか。いたら、数字の根拠を示していただきたい。幾らをどう変えるという計画になっているのか、それじゃ労働組合に対するどういう生活の保障がどこに盛られているのか。私はこれで質問を終わります。
#127
○細郷政府委員 この北九州の病院の再建計画は、まだ私どもも非公式に中身を接触している段階でございます。したがいまして、正式な議決を経てまいりませんと正式な見解を申し上げるわけにはまいりませんが、いま出ております範囲では、退職手当債はこれを含んでいるし、それから借りかえ債については、そういう必要のない資金繰りになっているというふうに承知をいたしております。
#128
○林委員 そうするとあなたは、金利も見なければ借りかえも見ないわ、退職金は幾ら見るか知りませんけれども、それじゃ退職金は幾ら見ることになっているか。退職金債ですね、そんなことをして首切りのことだけは見てやるけれども、その公営企業を育成するほうの低金利の借りかえだとか、あるいは利子の補給は何にも見ない。そうすれば自治省は首切りの指導をしているようなものじゃないですか。そんな冷酷なことを自治省がしていてはだめだ。
#129
○細郷政府委員 御承知のように準用再建でございます。昨年の一月一日でこれの申し出がございますれば本再建に乗ったわけでございますけれども、その時期がはずれたために、やむなく準用再建になっているという状況でございます。
 なお、退職手当債については二億計上になっております。
#130
○亀山委員長 細谷委員に申し上げますが、多賀谷委員の関連の答弁のため厚生政務次官がいま見えるそうですから、そのままお待ち願って、あなた継続して……。
#131
○細谷委員 ちょっと待ってください。
 その辺の結着がつきませんと私のほうの質問が進まないのですよ。
#132
○亀山委員長 不可分なんですか。可分な点がありませんか。
#133
○細谷委員 それではちょっと…。厚生省の見解は出ると思いますが、その前に、先ほど私が冒頭の質問でお答えいただかぬで残しておりました、地方公営企業法がこの委員会で修正可決される際の質疑応答があるわけです。それによりますと、大臣は、地方公営企業に所属している職員は地公労法の適用を受けるのだから、団体交渉権なり団体協約締結権というものは保障してやらなければならぬ、こういうことをお答えいたしているわけです。ところが、大臣、先ほどいらっしゃらなかったのでありますけれども、財政局長は、違法なことは許されないということでありますが、これはさっき決着がついたわけです。そればかりでなくて、全くこの団体交渉権、労働協約締結権など無視した形で再建計画が一方的にまかり通っているわけです。これは大臣のこの委員会における答弁を通じての約束と全く違うわけですよ。これについてひとつお答えをいただきたい。
#134
○細田政府委員 大臣からお答えがあるだろうと思いますが、先ほどの御質問の経緯、私は詳しく承っておりましたので、私から先にお答えさせていただきたいと思います。
 ただいまお読み上げになりました自治大臣の答弁も全くそのとおりだと思っております。地方公務員の関係につきましては、団結権、団体交渉権、締約権、それについては確立をいたしております。これが再建計画によって阻害されるものではないということは、答弁のとおりであると思います。したがいまして、再建計画ができたから、もう団体交渉権も要らない、切り捨てごめんだ、かってにやれる、こういうものでないことははっきりいたしております。北九州市がいまどういう状況になっておるかということにつきましては、先ほど来承っておる程度でございますが、団体交渉らしいものは全然しないんだ、こういうお話もちょっと聞きましたが、そういうことではいけないのではないか、やはり再建計画を樹立するにあたっては、もちろんきびしい実情にあり、赤字も大きいがゆえに、再建の計画も立てられておるわけでございましょうから、いろいろな点で考えていかなければならぬと思いますけれども、特に先ほど来のお話にもございますような首切りといったような問題に関連いたしまする重大な問題でございまする以上は、十分に団体交渉をし、また交渉がととのわない場合には、しかるべきそれぞれの手続もあるわけでございますから、そういうことは厳重に守らなければならない、労働者の基本的な権利は守らるべきである、かように存じておる次第でございます。
#135
○細谷委員 労働者の基本的権利は守らるべきである、こういうことであります。
 そこで、同じような「問七」というのがあるのです。これを朗読いたしますから、責任ある御答弁をいただきたい。「財政再建法の準用 政府案第五十一条は、地方財政再建促進特別措置法第二十一条を準用しているが、これは自治大臣が、再建企業の財政運営が財政再建計画に適合しない場合に、執行の停止を求める権限を留保したものであり、もし再建企業がそれに応じない場合は、財政再建債の利子補給を停止することができる旨の規定であり、地方団体の自主性からみて問題があると思うが如何。とくに、執行停止を求める権限の中には労働協約の効力停止を求めることもあり得ると思うが、この様なことがあれば労働協約を無意味にし当事者能力を失わしめると思うが如何」こういう質問に対して、自治大臣の答弁はこういうことである。「財政再建団体が財政の運営において万一財政再建計画に違反するような事態が生じた場合には、自治大臣は、予算のうちの過大と認められる部分の執行停止等必要な措置を講ずることを求めることができ、また、この求めに応じない場合には、再建債の利子補給を停止することができることとされているが、再建計画を誠実に実行することを条件として国の財政援助措置を受けている以上、その条件が崩れた場合には政府としてこの程度の要求が出来ることとすることはやむを得ざることと考えられる。」次が大切であります。「また、労働協約については、かりに財政再建計画に抵触するようなものがあっても、それによって当該労働協約の効力が失われるものではない。」失われるものではありません。「しかし、企業の再建は管理者、労働組合一体となって努力しなければならないものであるので、労働協約の締結もその線に沿って行なわれることを期待します。」労働協約を締結する場合にはよく話し合って解決しなさいよ。こういうことなのであります。
 ところが、いま問題になっております北九州市の場合は、話をしようなんという態度はない。一寸一分もこの再建計画を変える意思はない。しかも、その素案というのは、あらかじめ自治省に相談もしておる内容だ、こういうことなんでありますから、どんなにことば巧みであろうとも、政務次官、おっしゃるような労働基本権は、もはや皆無だと、こういうふうに申し上げなければならぬような事態であります。それはもうすでにこの地方公営企業法が通る場合の問答集に違反しているじゃないですか。国会を軽視した態度を一方的に自治省もとっておる、こういうふうに申さなければならぬと思うのでありますが、これは当時赤澤自治大臣じゃありませんでしたが、ひとつ新大臣からお答えをいただきたいと思うのです。
#136
○赤澤国務大臣 北九州市には、御案内の行政課長をやっておりました松浦君が助役になって行っておりまして、私もその業績をたいへん気にしておった。ちょうど私、前に自治大臣をしておりましたときに、ILOの案件が終末の段階でございまして、いろいろ質疑応答を繰り返したあのときに、いろいろ手伝ってくれた事務官だったわけであります。ですから、松浦君がこの問題を扱うに不当労働行為的なことをやるはずはないと私は思っております。実際聞いてみないとわかりませんが、私はそう信じておるわけです。
 先ほど申しましたように、根本的な考え方がやはりこの地域全体の住民のために医療水準をいささかでも低めるということはよくありません。これはまあ基本であることは言うまでもないが、ただ、かといって野方図な経営は許されない。そこで、管理者と労働組合とよく話し合えということを前の大臣、だれだったか知りませんが、言ったことと思うのですけれども、しかしながら、そこのところ、さっき私も言ったように、実態を調べてみなければわかりませんが、しかし、そう不都合なことはない。かえって組合側のほうに少し無理があるのじゃないですか、察するのに。それは私は実態を調べた上でなかったら何とも申し上げられませんけれども、さっき申しましたように、特にこの北九州市の問題につきましては、事務当局とまたよく協議して実態を調べてみたいと思っております。
#137
○細谷委員 大臣、私の質問に答えておらないですよ。この問答について、財政再建計画の準用ということについては、やはり依然として団体交渉権というのはそのまま尊重されていかなきゃならぬのだ。ただ問題は、そういう点に自治大臣からチェックされないように労使双方でよく話し合って、そういう線でやっていかなければならぬのだ、こういうことであります。かりに、自治大臣からチェックされようとも、そこでできた労働協約というのは効力は失われないのだと言っているのですよ、大臣が。
#138
○赤澤国務大臣 その問題は、私、基本的なことですから、それには決して異議を申し立てるわけではありません。そのとおりでございます。
#139
○細谷委員 そのとおりだ、こういうことですけれども、いま、私どもは、人事院勧告の問題をめぐって、地方公務員の給与改定についての法案が出されましたから、それで議論をいたしておるわけであります。
 ところで、地方公営企業につとめておる職員も地方公務員であるのであります。したがって、これは地方公務員でありますから、国家公務員に準じて地方公務員の給与が改定されるとなりますと、やはり地方公営企業の職員も給与改定がなされなければならぬ、こういうことになるわけですね。問題は、やはり自治大臣がチェックの権限を持っておる再建団体、こういうものだと思うのです。その再建団体が、組合側との交渉によって労働協約が締結された、あるいは意思が一致した、そういう形において、いわゆる地方自治体が、議会等を含めて、その労働協約を実施するために再建計画の変更というものを求めてきた場合に、一体どうするのか。地方公務員であるという原則、労働協約締結権というのは尊重されなければならぬ、こういう大原則。ただ、企業経営ということを無視することはできないことは地方公営企業法三十八条三項に規定しておりますから、それはむろんこれを無視しろと言っておるわけではありません。そういうことがありますけれども、原則はやはり地方公務員であり、そして国家公務員に準じてベースアップされなければならぬ、団体交渉権は尊重されなければならぬ、こういうことでありますから、自治省は三十八条の三項をたてにとって、一方的に一般の公営企業じゃないものの経済原則を押しつけてはならぬ、こう思うのであります。前大臣は、そういう場合のケースも多いでありましょうから、個々の場合について、ケースバイケースで指導し善導をいたします、こういうふうにお答えをいたしているわけです。しかし、指導し善導するということは、やはり地方公務員であるという基本的な立場、団体協約権というものはあくまでも効力を有するんだという、この自治大臣の姿勢、これが一番大切な点であろうと私は思うのですから、そういうものに基づいて、自治体から再建計画の変更を求めてきた場合には、自治省もよく検討をして、そして、その自治体から出てくる再建計画の変更というのは尊重して善処していかなければならぬと思います。大臣がかわりましたから、念のためにひとつお答えをいただきたいと思います。
#140
○細郷政府委員 ちょっと簡単に。御承知のように、適法なる手続を経て行なわれますもの自体をわれわれ否定するものではございません。ただ、再建であるという趣旨も私どもとしては見のがすことができないわけでございますので、企業によりましては、そのことによって、再建をも放棄するような事態が起こることもあり得るのではなかろうか、こういうふうに私どもは実は思うわけであります。企業がたくさんございますから、いろいろな企業によって、その内容等が違うと思いますので、その点は前の大臣が申し上げましたように、ケースバイケースの問題であろうと思いましす。
#141
○亀山委員長 細谷君、多賀谷君の御質問に対して北川厚生省医務局次長が出席いたしましたので、かわっていいですか。
#142
○細谷委員 はい。
#143
○亀山委員長 北川厚生省医務局次長。
#144
○北川説明員 今回の北九州の市民病院におきまする給食業務の委託の問題でございますが、すでに答弁があったと存じますけれども、医療の内容――もちろん給食ということは非常に重要な医療の一環でございますし、医療の内容そのものでございますから、原則としては、これは直接病院がやることがおそらく好ましいということがいえると思うのでございますけれども、献立とか、あるいは基本的な問題は病院みずからが処理をいたしまして、それ以外の部分については、病院の指示に従って、その仕事をしかるべき別な民間の会社がやるというようなかこつうは、医療の面から申しますると、適正な給食の内容が確保されて、質、量ともに病院医療として適正な水準が確保される限りは、医療としては問題はない、私どもはかように考えております。
 それから、問題になりました職業安定法との関係でございますけれども、これは病院のほうで企画をし、指示をして、基本的なものをつくりましてやるわけでございますが、これを請け負います側におきましても、やはり、その請負の責任と申しますか、そういった関係上、病院の側にも調理士もおれば栄養士もおる、あるいはそれを請け負う側にも調理士もおれば栄養士もおる、そういうふうな関係の形態をとるのであれば、これは職安法違反にならない、このように私どもは考えております。
 ただ、この問題は、私どももその外貌は承知いたしておりますけれども、何ぶんにもこれから先の問題でございますから、どういうふうな契約内容になりますか、そういう点につきましては、われわれもその詳細は存じませんので、職安法に抵触しないような形で、そしてまた、一面におきましては、病院の提供する医療として、従前と水準が落ちないように、そういう点が確保されればいいのではないか、かように考えております。
#145
○多賀谷委員 給食は療養の給付であるという原則の上に立っての答弁だと思いますけれども、とにかく、実態は、百七名の人々を委託するというのですが、「職員数の将来計画」というものを見ますると、給食に百二十五名使っておる。これは病院が七つあるわけです。百二十五名使っておりますが、栄養士十三名、これは一名減らして十二名にする。それから炊事員百十二名、これはゼロにするという計画なんです。ですから、栄養士は置く、しかし、ほかは、炊事員というのはゼロになる、こういう計画なんですね。そこで、一番の問題は、なぜ、どの病院にもみんな給食施設をおのおのつくらして、小さな病院でも、病院という名前があるものはみんな給食施設をつくらせて行なっておるかというと、みずから調理をするということでしょう。みずから責任を持って給食をさせるということでしょう。ところが、炊事員はゼロだ。栄養士だけだ。これで一体給食の責任が持てますか、こう言うのです。しかも、あなたのほうの通牒そのものにも問題があると私は思う。献立に基づく食事の調製は、これは委託さしてもいい。北九州の問題を一応別にしても、食事の調製というのが主体でしょう。給食の主体は食事の調製でしょう。それが給食の最も大きな部分でしょう。それを委託をさしてもいいという。そして、責任はだれが持つかといえば、最終的責任は病院長が持つ。これで一体医療行政がつとまりますか、こう聞いているんです。とにかく、炊事員は一人もいないで栄養士だけで、そうして、現実に北九州はさらに通牒以上に医療法の違反をしておると思いますが、しかし、その一歩前で、あなた方の通牒、すなわち「病院給食制度の疑義について」という昭和三十二年十月二十五日の通牒を見ても、肝心な給食の一番大きな主体である食事の調製を下請にさせていいというのはどこから出るのか。これは私は根本問題が間違っていやしないかと思うのです。
#146
○北川説明員 ただいまのお尋ねでございますが、私どもは、病院の給食は、病院みずからがやることが本来最も望ましい、これは最初に申し上げたとおりでございます。ただ、三十二年の通達の引用がございましたが、その一部医療内容の水準がダウンすることなく適正な保健医療としての食事の給与が確保されるのであれば、私どもは、こういうかっこうにすることも差しつかえない、こういうことを言っておるわけであります。
#147
○多賀谷委員 しかし、食事の調製というものは給食の大部分でしょう。材料を運搬するとかというものではありませんよ。とにかく、食事をつくるのは調理をするということが主体でしょう。それを外部に出していいということが言えますか。調理をしている間に病原菌が入ったり、消毒が悪かったり、そこに問題が起こるでしょう。ですから、治療と同じように見ている療養の給付内容の給食の作業部分が下請でいいということはどこから出ますかと聞いているんです。
#148
○北川説明員 これもまた繰り返してお答えをすることになりますけれども、原則はやはり病院のものが好ましいということは繰り返して申し上げるまでもございません。ただ、いまおっしゃいましたように、食事の調製を委託いたします場合におきましても、それが非常に適正な調製が期待されるのであれば、療養の給付の一環として行なう食事の調製にいたしましても、それは委託をしても差しつかえないのではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。
#149
○多賀谷委員 その調理の作業はだれが指揮監督するんですか。
#150
○北川説明員 ここに書いておりますのは、主といたしましては、ただいまお話がございましたように、病院側におきましては、栄養士とかあるいは調理士とか給食係とか、そういったものはもちろん病院側におりまして、それの指揮監督を受けて調製いたします側が責任をもって調製をする、こういうかっこうになるわけであります。
#151
○多賀谷委員 その労働者、炊事婦を直接指揮監督するのはだれですか。
#152
○北川説明員 そういった下請の作業を行ないます過程においては、もちろん請け負います会社が責任をもってやることになると思います。
#153
○多賀谷委員 一体、作業の完成というのは何ですか。できた品物を受け取るんですか。
#154
○北川説明員 作業の完成と申しましたのは、そういった下請を行ないます給食なら給食の食事の調製そのものをいっているわけであります。
#155
○多賀谷委員 その食事の調製の責任は病院長が持つんでしょう。医療法からすれば病院長が持たざるを得ないでしょう。
#156
○北川説明員 おっしゃいましたとおり、これは部分的な下請を出しましても、療養の給付、医療の給付としての中身でございますから、その最終責任は病院側が持っております。
#157
○多賀谷委員 職安法にいう財政上、法律上の責任を持つというのはそのことをいっておるんですよ。あなたのほうは病院長が持つというのだから、その病院長が持つようなものをなぜ下請に出すのですか。給食の責任は下請が持つというのならまた別ですよ。給食の責任は下請が持っていいというなら、それも一つの考え方です。しかし、それは医療法に反するし、健康保険法にも反するし、いままでの指導要領にも反する責任の持てないものをなぜ下請に出すのですか。
#158
○北川説明員 職業安定法上の問題でございますので、最終的に私の解釈が正しいかどうかわかりませんけれども、私が理解しております範囲におきましては、病院は給食内容としてこれだけのものを給付してほしいということを期待して請負に出すわけでございます。そういう場合に、そういった病院のオーダーいたしましたものをオーダーどおりに作製する、それが下請会社の責任だと思います。そういったオーダーどおりのものを作製する限りにおいての責任があるのではないか、このように考えます。
#159
○多賀谷委員 それならば個々の病院にわざわざ給食施設まで設ける必要はないんですよ、そこまで議論が発展すれば。個々の小さな病院でも、病院と名のつくものはみな給食施設を設けさせておるんですが、いま各国の民間病院だって、下請なんかやっているところは、どんなに苦しくても一つもないんです。そうして、それは医療の内容であるから、ことに健康保険の場合そうですが、療養の内容であるからというので指示しておる。それが給食の責任は納入する下請が持てというなら、給食センターをつくって配給してもいいんですよ。その限りでは下請が持つが、それでは済まぬから、療養の給付内容は病院長の責任でやっておるんでしょう。少なくともそういった給食の法律上というのは、それは食品衛生法にひっかかるとか、あるいはいろいろな問題にひっかかるとか、あるいは病気になると損害賠償の相手方は病院長ですよ。全部病院長が持たなければならぬ。それが法律上の責任と書いてある。法律上の責任を持たないような給食制度というのはない。ですから、厚生省のおっしゃるのは少し矛盾しておりはしませんか。
#160
○北川説明員 るる先生のお話を承りましたが、最初から申し上げておりますとおり、病院はいま非常にどんどん近代化しておりますし、特に公的医療機関は相当高度の医療を行ない、また先駆的な医療を行なうというふうな非常に重要な使命があるわけでございます。でございますから、そういった使命を遂行する上において、病院みずから給食することが望ましいということは、これはもう現在の医療の内容から申しましてもきわめて当然かと思いますが、ただ、今回の場合に、たまたま北九州市全体の行財政全体のあり方について再検討される過程におきまして、それぞれの七つの病院においては、それぞれりっぱな給食設備を持っておると思いますけれども、それを一部を下請にして、医療の水準としての、医療の中身としての給食のレベルを落とさずにやることができるならば、現在の病院の医療の中身としての給食のあり方といたしましても全面的に否定することはできない。全体の行財政計画の一環としてやられるならば、その限りにおいて適正な医療内容が保持、保障される限り、私どもはあえて否定するものではない、こういう趣旨のことを申し上げておる次第であります。
#161
○多賀谷委員 しかし、あなたは幾ら地方財政が窮迫をしておっても、事医療に関する問題で妥協したらいかんですよ。ですから、法律上の責任が持てないような下請になぜ出すことを認めるのですか。これは法律問題ですよ。ですから、具体的にあなたのほうは、炊事の大部分が下請に移されるというような仕事が一体認められますか。一部じゃないですよ。
#162
○北川説明員 これは私がいま申し上げました中に、北九州市全体の問題ということを織りまぜて申し上げましたが、申し上げたいことは、要するに、病院の医療の内容としての給食というものが適正な医療の中身として確保される限りにおいては、そういった形態もとられてもいいんじゃないかということを申し上げているのでございます。
 なお、現在の段階におきまして栄養士一名を残して全員を請負のほうに切りかえるというお話でございますが、これは私どもいま御指摘のように、医療問題と申しますものはまことに大事な問題でございまして、今後この全体的な再建計画が具体的な日程にのぼる過程におきまして、どういうかっこうでその辺が処理されていくか。もちろんこれは厚生省といたしましても、医療監視と申しますか、医療法の施行という面から、あるいは医療保険の施行という面から、非常に関心のある問題でございますので、今後その具体的な措置については、もちろん十分注意を怠らないつもりでございます。
#163
○多賀谷委員 これはただ北九州の問題だけじゃないですよ。厚生省が把握するのは、全病院がそういう可能性が出てきますよ。何も北九州だけが病院の経営が困っているわけでもない。それは北九州のような市がやれるなら国立だってやれるじゃないですか。それよりも中小の病院だって全部やるという可能性が出てくるんですよ。ですから私は、この場をかりてしつこく質問をしているんですよ。問題は医療行政全体の問題ですよ。これは地方財政の再建以上の問題ですよ。ですから、最も医療の給付の主たる部分を占めておる給食が、しかもその給食の大部分が下請でいいということになれば、これはもう全医療機関がそれをまねをする。しかも公的な医療機関がそれをやったんだということになれば、この波及するところ、きわめて大なるものがあるのですよ。ですから、北九州市なら北九州市の地方財政再建の問題、いろいろあるでしょうけれども、それはただ地方財政の再建だけの問題ではないのです。全部に及ぼすと見なきゃならぬでしょう。あなたのほうは、北九州でこれを認めればほかのほうは拒否する理由がないでしょう。これはきわめて重大だと思うのです。ですから私は、あれだけ厚生省が守ってきたこの給食の問題を、ここで骨抜きにしてはならぬと思うのですよ。一体こういう状態でいいのかどうか。ほとんど下請をする部分はないのですよ。下請ができるとするならば、材料を運搬するぐらいですな。あなたがおっしゃるように、もしここに書いてあるとおり、「材料の入手、献立に基く食事の調製および調製食餌の配膳室までの運搬業務」、この配膳室までの運搬業務だって、いっぱい菌が飛んでくるかわからぬでしょう。これも下請でもいいというんです。このものの考え方、間違っていやしませんか。答弁願いたい。
#164
○北川説明員 私が繰り返して申し上げますとおり、現在の皆保険下の医療でございますから、すべて保険医療であり、また医療も日進月歩でございますし、その中身の給食も非常に技術的には進歩してまいっております。したがいまして、そういったことはたびたび申し上げておりますとおり、これはもう病院みずからがりっぱな給食設備を持って、そしてみずからがこれを経営することが好ましいことは、先生おっしゃるとおりでございます。ただ、先生のおっしゃいますように、北九州市がたまたまそういった計画を遂行した場合に、これが全部の公的医療機関に広まるかどうかというふうな問題は、私といたしましてはそうは考えておりません。それぞれの地域社会に即応したいろいろな事情もございましょうし、たまたま北九州におきまして、先ほどから御議論がございますように、全体的な計画の一環としてこの問題が行なわれるわけでございますから、これをもって全国の、あるいは相当大部分の病院の給食がそういう方向に移行するということまでは私ども考えておらないのであります。
#165
○亀山委員長 多賀谷君、ちょっと申し上げますが、いままでの御質疑及び答弁を伺っておりますと、だんだん全国的の問題になって重要な問題だと存じます。したがいまして、責任ある答弁をお求めになっているようですが、厚生大臣が予算委員会、それから政務次官は社会労働委員会に出ておりますので、でき得れば他日にお譲り願いまして、きょうはまだだいぶん予定も残っておりますので、この辺でいかがでございますか、御相談をいたします。ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#166
○亀山委員長 速記を始めて。細谷君。
#167
○細谷委員 いろいろと議論されたとおりでありまして、法律的な問題点も出ておるわけでありますが、赤澤大臣にお願いしたいことは、地方公営企業制度調査会の答申の中に、病院事業における清掃、洗たく、給食の作業等については民間委託、共同処理等の方法を積極的に採用し、極力費用の節減につとむべきであるという意味の答申があるわけです。この答申が自治省の地方公営企業をやる場合のいわゆる基本方針のような形で、もう何ものも踏み越えてこういう形を指導しておるのが現在の傾向ではないかと私は思うのです。この辺いままで議論されたことをお聞きいただいたと思うので、十分にひとつ配慮して、この制度調査会の答申のいいところを取り上げ、問題点のところは慎重にひとつ検討をしていただきたいということを申し上げておきたい。
 そこで大臣、先ほど私はお聞きしたのでありますけれども、大臣の基本的姿勢は、少しことばが足らなかったようでありますが、私はこれ以上申し上げません。実は山口委員からもあったのでありますが、自治省はときどき約束を守らないことがあるのですよ。たとえば、この法律が通るまでは通達なり内簡というのは出さない、こういうことをはっきりと大臣が約束したのです。約束しておるにかかわらず、その約束から一週間もせぬうちに課長名における内簡というものが出たわけです。私の質問に対する大臣の約束はほごになったので、私は頭にくるように憤慨したわけですけれども、憤慨してもしようがないから、今後はひとつ約束を守ってもらおうと思って、それはもう忘れたことにしておるわけです。この内簡は、いろいろな内容を持っておりまして、たいへんな問題点を持っておると私は思うのです。それは最後のほうに「法の定める財政再建計画変更の手続を経ないで給与改定を実施し又は実施しようとする企業があれば、法の定めるところにより断固たる措置を講ずる予定である」、そうでしょう。それは財政再建計画の手続を経ないとか、あるいはそれをやらぬでやろうという、そんなものはおらぬでしょう。おらぬでしょうが、先ほど私が申し上げたように、自治体がこうだ、こういうふうにしてもらいたい、こういうことでやってきた場合には、それを尊重して検討してやらなければ、いままでのようにかたくなな態度をとってくるのか、それがこの文章でよくあらわれておると思うのです。いってみますと自治体不信任ですよ。法律にきめられたとおり計画の変更等を求めてその上でやるわけですが、だれも求めないでやるやつはないですよ。問題は、求められたときに、自治省は慎重にケースバイケースで検討をして、自治体の意見が尊重されて具体的になるようにしてやるべきだ、こういうふうに私は思うのです。大臣、よろしいでしょう。当然なことですね。
#168
○赤澤国務大臣 やはり指導官庁としては、自治体が将来つまずいたらぐあいが悪いからという老婆心もありまして、私は、どの場合であったか知りませんけれども、あなた方のお気持ちに反して内部指導もしたかもしれません。役所側としてもやむにやまれなかった立場もあっただろう。しかし、そういったことはできるだけ慎しんでいきたいと考えております。
#169
○細谷委員 慎しんで――意味はわからぬけれども……。
 そこで、私も時間がずいぶんかかりましたが、最後に、大蔵政務次官が参りましたので、地方公営企業についてお尋ねいたします。
 実は、大臣、地方公営企業の再建計画というようなものについて、いわゆる地方公営企業の独立採算制といいますけれども、いみじくもあなたの部下が言っているように、再建計画といっても片手落ちなものです。たとえば、今日の都市交通の問題を例にとりましても、だんだん都市化が進んでくるのですから、地下鉄をやらなければいかぬ。地下鉄をやらなければいかぬとなれば、千メートルについて五十億円もかかる。たとえば、東京の六号線ですか、五十キロあるとすれば、ばく大な金がかかるわけですね。そういう形でばく大な建設投資を行なって、独立採算なんてとてもできっこないと思うのですよ。ですから、ほんとうに企業あるいはそこに働く職員が苦しんでも、先のめどが立つということが必要である、明るいことが必要でありましょう。それにはいまの、たとえば東京都の再建計画も同じですよ。地下鉄等の問題は別にして、、路面電車のことだけ議論しておったって、これはほんとうの再建計画にならぬと思うのです。
 そこで、ほんとうにいま自治省が考えているように、公営企業が独立採算の道を具体的に歩んでいく場合にはどうすべきかという問題があると思う。なるほど自治省では、今度は地下鉄の建設費のうち、トンネル部分については大体全体の経費の五五%くらいだから、それは道路をつくったと同じなんだから、ひとつ国庫補助を出すべきじゃないか、こういうことを委員会も決議しているのです。委員会の質疑に対して、大臣もそのとおりだ、こう言っているわけです。今度も予算要求しておりますね。利子補給等、そういうものにのっとって予算要求しておるわけです。ところが、去年もやったのですけれども、ことしも要求はしていますけれども、どうなるかわからない。そうなりますと、ただ再建案を実施しろ実施しろという形で、いってみれば労働者にのみ犠牲を強要して、独立採算制を歩もうとしておるところに私は問題があると思うのです。これについて大臣はどういうふうにお考えになるのですか。あなたの考える独立採算制というのを実現するまでには、幾多の困難な問題を解決しなければならぬと私ははっきり申し上げることができると思うのです。大臣、どういう御構想をお持ちなんですか。
#170
○赤澤国務大臣 非常にむずかしい問題で、ここで私が一発で御答弁申し上げることは不可能に近いと思っております。なかなかむずかしい問題ですからね。しかし、やはり独立採算がたてまえであるという考え方を私は捨て切れぬのです。ただ、そこに公営企業というまくらことばがありますので、やはり住民全体のことを考えなければならぬむずかしい面があるわけです。そこに公営企業の扱い、特に都市交通なんかに処する上においてはむずかしい点があると考えておるわけでございます。いま具体的に東京の問題を頭において御質疑になったと思いますけれども、この問題も自治省全体としてさらによく考えていきたいと思っております。
#171
○細谷委員 大蔵省にお尋ねいたしたいのですが、たとえば東京都がいまのような形でやってまいりますと、地下鉄事業の長期収支見込みというのは、毎年のように料金を上げていっても追いつかぬ、こういう状況になっているわけですね。大阪も同様です。名古屋も同様です。たとえば大阪の例をとりますと、現在三十円でありますけれども、とにかく四十六年になりますと、もう五十円にしなければならぬ、それも償却をしないで、こういうことですよ。五十五年にはいまの三倍くらいにしなければならぬ、こういう形になるようであります。これでは、もうすでに独立採算制といいますけれども、公営企業としての性格はないでしょう。しかもこの数字の中には、ベースアップということも十分考えていない。物価の値上がりということも考えていないのですよ。そういうことになりますとたいへんな問題であります。でありますから、大蔵省としても、何らかの財政措置を、公営企業としての独立採算への道が歩めるような条件は、大蔵省自体としても積極的に整えてやる努力をしなければならぬと思うのでございます。たとえば、いま地下鉄等について補助がありますけれども、これは微々たるもの、一割くらいですね。それも制限された中での一割くらい、こういう形です。水道だってわずかに八億円の広域水道と、それからダム関係に補助が四十二年からついた程度です。全く微々たるもので、独立採算制のレールに乗っていくなんて、そういうことも不可能なんです。これについて大蔵省はどう取り組む決意なんですか、これをひとつお伺いしたいと思う。
#172
○倉成政府委員 お答えいたします。
 公営企業のあり方の問題についていろいろ御意見を拝聴したわけでありますけれども、ただいまの問題については、昨年都市交通審議会で一応答申が出ておること御承知のとおりでございます。この線に沿って予算措置を講じてまいりたい。また同時に、ただいまいろいろ御指摘のありました点は、来年度の予算編成の過程において慎重に検討してまいりたいと考えております。
#173
○細谷委員 最後に、大臣、あなたのほうからもその一助として都市交通等の問題点について解決しよう、あるいは非常に格差のある水道料金等の問題も解決しようという形で、自治省の考えに基づいた予算要求もしております。去年はこれは完全にぶった切られたわけですよ。今年も出しておりますね。これで私は十分だとは思いません。しかし、半歩か一歩自治省の考えに近づくことは、これはいえると思うのです。これについての大臣のひとつ予算編成への決意のほどを承って、私は質問を終わりたいと思います。
#174
○赤澤国務大臣 地方公営企業がデッドロックに乗り上げましたのはごく最近でございまして、ちょうどこの前に私が自治大臣をいたしましたときに、公営企業の制度調査会も委員をお願いいたしまして、それで抜本的な対策を講ずることにしたわけでございます。それから何年か経ましてこうしてまた自治大臣になりまして、その後結末がどうなったかということを調べてみますと、だいぶん片づいて形がついたように見受けますけれども、まだまだなかなかたいへん、しかも一番やっかいなのがただいまおっしゃる都市交通の問題ですね。これの根本的な、抜本的な解決策ということを、さっきも申しましたように、ここで即答申し上げるだけの知恵はとてもありませんけれども、皆さんのお知恵を拝借しながら、とにかく何らか形をつけなければおさまらぬことでございますので、そういった処理を前向きにやりたいと思っておりますが、その過程での予算要求等につきましては、これは部内でいろいろ相談もしておりますけれども、重大な決心をもって当たるつもりでございます。
#175
○亀山委員長 それでは折小野君。
#176
○折小野委員 時間の関係もございますので、地方交付税の単位費用の特例に関する法律案に関連をいたしまして、二、三御質問をいたすものであります。
 この前から問題になっておりますいわゆる二百億の繰り上げ償還でございますが、これに関連をいたしまして、毎年公務員の給与改定が行なわれますと、地方においても必然的にこれをやっていかなければならない。そういうところから、その財源をどうするか、したがって、交付税の再算定、こういうものが常に起こってくるわけであります。
 しかし、現在、公務員の給与改定は、いろいろな意見があったにいたしましても、現実には年度中途において行なわれております。政府においてその財源を確保するためにいろいろ苦慮されると同様に、地方団体といたしましても、年度中途において新たな財源を確保しようということになりますと、そこに非常に問題があるわけでございます。そういう困難さというものは、国の場合と地方の場合と同じであろうと思うのでありますが、大体こういうふうに年度の中途で給与改定を要する、こういうような事態に際しましては、国において新たな財源を考えていかなければならないと同様に、地方もまた新たな財源を考えていかなければならない。そういう点からいたしますと、これは純粋に年度内の新規需要だ、したがって、地方におきましては、やはりそれに対する考え方というものも、少なくとも国の制度に準じてやっていく以上、国のほうで考えていただかなければ、地方団体として何ともしょうがないのじゃないか、こういうような基本的な考え方がございます。もちろんその間、この財源について借りる、返す、いろいろな問題がございますが、さかのぼりまして、給与改定に要する財源というものは、ただいま申し上げましたような趣旨からいって、全額国で補給すべきじゃないか、交付税でいわゆる調整するということでなしに、その財源は、ただいまのような実態からして、全額国で補給すべきじゃないか、こういうふうに考えるのでありますが、大臣のお考えを承りたいと思います。
#177
○細郷政府委員 年度途中にベースアップがありますことは、国のみならず地方団体にも非常な悩みであることはもう御承知のとおりであります。したがいまして、年度途中のベースアップの財源をどう調達するかということにつきましては、その年その年の経済情勢というようなものも反映してまいりますだけに、非常に不安定な姿になっているというのが私は現状だと思います。そういう意味で、むしろ当初から何か方法はないのかというようなことが、実はいま政府部内でも議論になっておるわけでありますが、まだ結論を得ておりません。
 ただ、お尋ねの年度途中だから全部国がめんどうを見ろということは、やはり地方自治体の職員の給与費を国費で全部まかなってもらうということは、私はたてまえとしては望ましくないことである、やはりそれぞれの住民の税金なり、あるいは財源配分されております交付税というようなものを基本にして処置をすべきものである、かように考えております。
#178
○折小野委員 御趣旨はわからないではございません。しかし、現実において、年度中途において国が公務員の給与改定をするがために、地方もこれに準じて行なわなければならない、こういう実態からいたしますと、やはり国費で見てもらう以外に方法はないのじゃないか。私どもそれが決して望ましいとは思いません。しかし、そうしなければ現実の問題の解決ができない、こういうのが現在の状態だろうと思うのであります。もちろん、その方法についてはいろいろございますから、したがって、勧告の方法をどうするとか、あるいは給与の計上のしかたをどうするとかいう問題はございます。しかし、現実においては、そうしなければ地方としても非常に困る、こういう実態をどういうふうにしていくか、こういう実態から考えますと、やはり国が年度中途において給与改定をした、そこにこそ原因があるわけでございますから、あわせて地方公務員についても財源的に考えるということが正しい方法じゃないかと思うのであります。
#179
○細郷政府委員 国費ということばの意味もいろいろあろうかと思いますが、現在本年度はただいま御審議をいただいておりますような形で、交付税の交付ということによって、現実の給与改定財源を保障しよう、こういう行き方をとっておるわけでございます。特に本年度の場合でありますれば、すでに御説明を申し上げましたように、従来に比すれば、給与改定所要財源のうちの交付税によります部分の割合が非常に府いというような点から申しますと、地方団体の現実の改定のための財源保障としてはそう大きな支障はないのではないだろうか、かように考えるわけであります。ただ、哲学的な問題として、年度途中に起こったことは全部国だよ、地方はノータッチだということになってまいりますと、地方団体における自然増収でありますとか、地方団体自身における年度途中のいろいろな流用というようなものをどうさばいていくかといったような、かなり基本の問題に触れ、国、地方間の権限の問題、財源の配分とか、そういったような問題にも触れるのじゃなかろうかと思います。現状は、先ほど申し上げたようなことで、私はそこまで割り切って考えることは、現在の状態においてはやや飛躍的で無理ではなかろうか、こういうふうに思います。
#180
○折小野委員 私は哲学的に申し上げているわけじゃないので、一般的な問題として地方が自己の財源でみずからなすべきことをやっていく、また、そのために努力をする、これは当然だと思っております。したがって、交付税の制度がありまして、いわゆる財整調整という役目を果たしておる。そういう中で考えていくのが普通の場合です。これはやはり地方が自主的に考えるべき問題だと思うのであります。しかしながら、この給与の年度中途の改定というものは、その原因が自主的に考えられない原因によって起こっておる、と申しますよりか、政府の施策に準じてなさなければならない、こういう事態にあるから、こういう面については特段の措置を講ずべきである。したがってまた、私は、こういうものを交付税で見るのが正しいと言うのではありません。むしろ交付税は、一般の財政調整的な用途に使わるべきであって、こういう特殊なものは別の交付金その他で措置すべきである、こういうふうに申し上げておるわけであります。
#181
○細郷政府委員 冷たく言えば、国がベースアップをしたから必ず地方団体がベースアップをしなければならないということではないと思うのでございます〇現行のたてまえは少なくともそうなっております。しかし、現実には、国が行なった場合には、それに準じてやっていくという姿になっておりますので、やはりその間の調整として現行制度において交付税制度が活用されている、こういうことだと思うのでございます。したがって、年度途中であるというだけの理由で、それは全部国費でやるということは、どうも私どもとしては、現行のたてまえ上からなかなかむずかしい問題ではなかろうか、かように考えるわけであります。
#182
○折小野委員 交付税は国の財源である、そういうふうにおっしゃったわけですが、そういう場合における大蔵省としてはどういうふうにお考えですか。
#183
○秋吉説明員 先ほど財政局長が御答弁になりましたとおり、おおよその筋においては、私ども同じ考え方を持っております。やはり地方公務員の給与は地方固有の財源においてまかなうと申しますか、地方の一般財源、そういう財源措置でまかなえるというのが筋合いでございます。年度途中であるからという理由だけでは、やはり問題があるわけでございます。基本的には国家公務員のベースアップがあったからといって、すぐそれがストレートに地方公務員のベースアップに結びつくという制度ではなくて、本質の制度論としては、やはり地方の人事委員会等においてしかるべく手続が踏まれて初めてベースアップがなされるというのがたてまえであろうかと思います。しかし、従来といたしましては、とにかく国家公務員に準じて給与改定がなされてきたということが慣例になっておるわけでございます。
 そこで問題は、交付税で給与改定原資をまかなうことがおかしいじゃないかというお話でございますけれども、問題は基準財政需要、つまり給与をベースアップいたしますならば、その財源といたしましてはどういう追加需要があるかというと、やはりそれは基準財政需要に算入することになるわけでございます。ところが、その基準財政需要に算入いたしまして、今度は地方税と、あるいは交付税、そういう増がございますならば、したがって給与改定は十分まかなえるということに相なるわけでございます。私どもは、ともかく地方公務員の給与改定につきましては、適切な財源措置を検討し、講ずるという姿勢については、従来とも変わらないわけでございまして、三十九年、四十年度におきましては、御案内のように、特に資金運用部から百五十三億の借り入れ措置を講じてきたこともこのあらわれであります。筋といたしましては、あくまでもこれは国費でまかなうということよりも、地方の一般財源でまかなうというのがたてまえかと思います。
#184
○折小野委員 もちろん、私どももそれぞれの年度におきまして、当初予想される年度の給与が一般的な財源の範囲内において考慮さるべきであるということは当然だと思っております。ただ、現実に行なわれております年度中途において、しかも国の措置に準じて地方がこれを行なわなければならない。こういう現実の事態を解決するための何らかの措置、こういう面について考えてみたいわけであります。それぞれの地方公共団体といえども、年度の当初におきまして手一ばいの財源で、手一ばいの住民の要求を何とかまかなおう、こういうことでやってきておるわけです。もちろん、年度の途中で、場合によれば自然増収というものもございましょう。あるいは場合によっては、予測しない減収というものもあり得るわけであります。しかしながら、少なくも現在国においても、あるいは地方におきましても、手一ばいの財源でやっておる、そういう実態から見ますと、やはり年度の中途でこういうような新規の、しかも相当多額の経費を要する財政需要というものが出てくるということは、行財政運営上非常に困る、こういう現状であるわけでございます。もちろん、それだからいろいろな問題の解決をしてもらいたい、これは当然でございますが、現実の方向としましては、そういう事態に対しまして、何とかそこまで国のほうで考えてもらうということのほうが正しいあり方じゃなかろうか、こういうふうに考えるわけであります。
#185
○細郷政府委員 繰り返しになってたいへん恐縮でございますが、私はやはり本来から言えば、地方団体におきます行政経費は、地方団体の収入ですべてこれがまかなえるという状態が一番望ましいのではないかと思っております。現状は御存じのとおりなことで、一般財源としては税と交付税だということになっておりますので、年間の全体の財政需要に対してはやはり年間全体の一般財源をもって措置をしていく、こういうたてまえを貫くべきであろうと考えております。ただ、たびたび御指摘のように、年度の途中にそういう需要が出るということは、確かに個々の地方団体にとっては非常な問題であるわけでございまして、自然増収のあるときはまだいいわけでありますが、ないときにはそういうことも非常に困難でございます。そういう意味からは、むしろ年度の初めに、一年間の財政需要の全体がつかめ、かつその財源措置ができるような事態をつくるべきではなかろうか、かように考えておるわけでございます。給与問題につきましてはそういうような角度で、いま実は政府部内でもいろいろ議論をいたしておるという過程でございます。
#186
○折小野委員 現実には今回再算定についての特例法が出て、そしてその中から二百億は繰り上げ償還するということになるわけでございます。その場合に、これがそれぞれの地方団体の固有の財源である、その中で考えるのが適当であるといたしますならば、この二百億の経費の使途というものはもっともっと自主的に検討されていいのじゃないか。もちろん、この問題でもいろいろな意見がございました。二百億をそのまま返すということでなしに、もっとそれぞれの団体で他に有利な償還の道に充つべきではないか、こういうような意見もあったわけでございます。この自主性というもの、これは、現在のような、自治省がそのまま二百億を繰り上げ償還しなければならないという程度の自主性しかないものなのかどうか、もっと自主性をもってこの財源の使途について考うべきじゃないかと思うのでありますが、いかがでございますか。
#187
○細郷政府委員 二百億をどういうふうに使うかという問題は、地方団体のそれぞれの考えをくんで私どもが判断をしなければいけないことだと思っております。ただ、先般来申し上げておりますように、年度のこの段階におきまして相当額の交付税の補正増が出てまいったといったこと、あるいは本年度の地方団体におきます財政運営の見通しといったようなものを考えてまいりますと、この際、この二百億というのはいわば特別な借り入れ金でございまして、これは普通に起債を起こした悟り入れ金といったものとは性質が非常に通うわけでございます。御指摘のように、かつて給与のために借り入れたものでございまして、普通の起債のような、施設があとに残るというような形のものでございませんものですから、償還計画はございまするけれども、こういう際にそれを繰り上げて返そうということも、全地方団体の立場に立っても是認されるべき方向ではなかろうか、私はかように判断をいたしておるわけであります。
#188
○折小野委員 その点には、大臣からのお話もたしかございました。しかし、自主的に検討するという立場からいたしますと、地方団体がいまここで何を最も望んでおるか、あるいは何を最もなさなければならないのか、こういうふうに考えまして、これを自主的に使うということになった場合に、いまおっしゃるような、あるいはいま予定されておるような、二百億の繰り上げ償還ということにはたしてなりますかどうか。こういう点については、私どもは必ずしも自治省のお考えをそのまま是認するというものじゃないのであります。こういう点については、もちろん自治省内でいろいろ御検討になったはずだと思っておりますが、その他のいろいろな方法について、どういうような点について御検討になったか、ひとつお聞かせをいただきたいと思います。
#189
○細郷政府委員 非常に技術的なことになりますが、それぞれの団体に交付をして、それぞれの使途にまかせるというのが一つの方法でありましょう。それからまた、それぞれの団体に渡さないで、まとめて繰り越しをするといったようなことも一つの方法であろうかと思います。また、将来にわたります債務をこの際繰り上げ償還をするといったようなことも考えられたわけであります。いろいろの方法を考えてみたわけでありますが、先ほど申し上げましたように、百五十億と三百億の給与のための借り入れ金というものの特殊性に着目いたしまして、今回二百億の繰り上げ償還、こういうことをいたしたわけでございます。
#190
○折小野委員 事は給与の問題に関係をいたしますので、もちろん二百億をいまどうするかということになりますと、いろいろな論議があろうと考えておりますが、この問題に関連をいたしまして、ことしも地方でいろいろな騒動がございます。過去においても毎年出てまいっております。すなわち、人事院勧告を、時期を勧告どおりに五月にさかのぼって実施したらどうか、こういうような問題がからんでおりますことは、私から申し上げるまでもないわけであります・しかも、こういう問題にからみまして、地方におきましてはどのような混乱が起こっておるのか、これを要求するためのいろいろな運動もございましょう、そしてまた、ほとんどストに類するいろいろな行動もあっております。場合によっては、それによってさらに処分をするというようなこともございます。そしてまた、その結果として、人事委員会に提訴をし、それの審理を行なうというような問題等、いろいろな問題が今日地方で起こっておるわけであります。これは、ただそのことでいろいろな混乱がありますだけでなしに、いろいろな社会的な問題を惹起いたしております。また、子供たちにとって教育上のゆゆしい問題を起こしておるわけであります〇こういうような事態を考えますと、やはりいろいろな困難はありましても、この給与の問題というのはできるだけ早く解決すべきである、こういうふうに私どもは痛切に考えるわけでございます。したがって、もしここに二百億余裕が出ますならば、これは飛躍的な考え方かもしれませんが、政府は八月にさかのぼるということになっております。少なくも地方だけでもこの際五月にさかのぼって人事院勧告を勧告どおりに実施する、そういうことによっていろいろな社会的な問題の解決をはかるということは、一つの方法じゃないかどうか、御見解を承りたいと思います。
#191
○細郷政府委員 それは一つの考え方であると思います。しかし、そういう議論を詰めてまいりますと、今度は国が八月にやったときに、地方は一月からしかできないという場合も、これまた甘受していくのかというようなことになってまいりますと、いまの現実の問題としてはなかなかむずかしいことであろうと思います。また、いろいろ公務員法あるいは公営企業法等の給与決定の考え方に示されている点から見ましても問題があるわけでございますので、先ほど申し上げたような措置をとっておるわけでございます。
#192
○折小野委員 現実的な問題といたしましては、国においても逐次人事院勧告を完全に実施する方向に向いておられるはずであります。そしてまた、地方ももちろんそういうような考え方である点においては間違いないわけであります。この問題は、必ずしももらうほうといいますか、あるいは組合側と申しますか、そういう方だけが期待をしているということだけじゃございません。先ほど申し上げましたように、この問題にからんだいろいろな問題は非常に多いわけでありまして、ほとんどすべての関係者は、やはり人事院勧告をそのまま実施するようになって、少なくもこの問題に関するいろいろな問題というものは、もう早く解消してもらいたい、そういうことを強く期待をしておるはずでございます。そういう点からいきますと、こういう問題は、ただ単に財源だけというような問題に考えないで、やはり国全体の問題からして、一刻も早く事態の解決をする、そういう方向に国も地方も向かう。もしたまたま少しでも早くそういう方向に向かえるならば、そういう方向も推進していく、こういう考え方があっていいんじゃないか、こういうふうに思うのであります。
#193
○細郷政府委員 考えの方向としては、おっしゃるとおり完全実施へ向かって一歩でも半歩でも前進をするということであろうと思います。現実に本年度も御承知のようなことで、一日の繰り上げということも、その方向をあらわしておるものと考えます。
#194
○折小野委員 ところで、この二百億の使途につきまして、そういうふうな使い方は現実にできないものかどうか、またそういう考え方はないのかどうか、どうでございますか。
#195
○細郷政府委員 国、地方の公務員給与の現行のたてまえから見ましても、先ほど申し上げたように、それはむずかしい問題であろうと考えております。
#196
○折小野委員 むずかしいことはよくわかっております。しかし、いろいろな問題の影響を考えますと、やはりある時期におきまして、いわゆる勇断をもってやらなければ、なかなか問題は解決しないんじゃないかと思うのです。私は、こういうような機会にこそ、こういう問題を解決する一つのきっかけになっていいんじゃないか、こういうふうに考えるわけでございますが、いかがですか。
#197
○細郷政府委員 個々の団体がどういうふうにするかということは、法律的にいろいろ考えられる余地はあるわけでございます。少なくとも交付税によりまして地方団体間全体を通じまして均衡ある財源措置を考えるという立場におきましては、そういう考え方に立ちにくい、こう思います。
#198
○折小野委員 個々の団体を均衡のある立場で措置するということからいたしましても、やはりこの問題は、必ずしも一、二の地方団体だけの問題じゃないわけでございます。おそらく全国的な問題でございます。したがって、こういう問題について、そういう方針がはっきり確立されるならば、全国的にこういう問題は解決を見るのじゃないか、またそうすることが今後の措置として一歩前進になる、こういうふうに考えるわけでございます。したがって、これをどういうふうに決意をするかということにかかっておるわけでございますが、そういうふうなお考えになれないか、ひとつ最後に大臣にお伺いいたしたいと思います。
#199
○赤澤国務大臣 きょうは、二百億を繰り上げ償還するということでだいぶんごきげんを損じておるようでございますが、御案内のとおり、給与改定ということでお金が間に合わないから借りたわけでして、やはり財源に余裕ができたときに給与のたてかえ分などケリをつけてしまったほうがいいという考え方もありますし、それから二百億とか四百何億とか、数字が出ておりますけれども、いま地方団体の現債額は一兆六千億ぐらいはあるのじゃないかと思いますが、これは中身はいろいろなものに分かれますけれども、大きな負債を持ってやっておるわけですから、やはりこういう借金でどうせ返さなければならぬものは、交付税でゆとりのできたときに繰り上げ償還しておいたほうがいいじゃないかという考え方、また、それで地方財政の運営にごうも支障があってはいけないから、そこのところは十分事務当局で検討させまして、あの措置をとったわけでございます。ああいう財源があるのなら、地方公務員の給与だけでも繰り上げ支給するような道を開いたらどうか、いろいろお考えはあるでしょうけれども、また考えないわけではありませんけれども、今回のああいうお金を利用してそういう措置をとることは不適当だという判断を持っているわけでございます。
#200
○折小野委員 借りた金はできるときにケリをつけたらどうか、これも確かに一つの考え方だと思うのです。しかしまた、同時に、公務員の給与に関連をして、長い間続いてきた問題、こういう問題についても、できるならば早急にひとつケリをつけたらどうか、こういう考え方も当然出てくるのじゃないかと思っているのです。私どもは、経済と申しますか、いまの借金の償還につきましては、必ずしもいま大臣のお答えになったのと同じように考えていないわけでございます。借りた金は返さなければならない。しかし、私どもは、やはりできるだけ有利に返していきたい。そういたしますと、今後の物価、経済の成長がどういうふうになっていくかそれはわかりませんが、いま、借りた金はできるだけあとに延ばしたほうが得じゃないか、こういう考え方もあるわけです。そうしておる間に、国民に対する、あるいは地域住民に対する福祉というものをやっていく、投資を先にやる、こういうことのほうがより効果的じゃないか、こういうふうに考えるわけでございますが、いかがでございますか。
#201
○細郷政府委員 そこでいろいろ判断の問題が実はあろうと思います。したがって、お説のように、二百億を全部地方団体に渡して、それぞれ緊急なことを年度内にやってしまえという行き方も私は確かに一つの考えだと思います。しかしながら、もうこの年度もこの時期にまいっております。それでなくとも、本年度について申しますれば、選挙等の関係がありまして、地方団体の予算化という作業がかなり実は例年よりおくれたわけでございます。そういった事情を考えてまいりますと、交通安全対策のように個々の仕事がわりに小規模な仕事であればともかく、大きな仕事になりますと、なかなかできがたいのではなかろうかといったような見通しも一方では持ちながら、先ほど来申し上げているような考え方からこういう判断に立ったわけでございます。
#202
○折小野委員 できにくいというのは同じことじゃないかと思うのです。とにかく給与に対する財源でございますから、八月まで計算してやるのと五月にさかのぼってやるのとそう大して事務量に差はないし、事実上そういうことによってできがたいということはないのじゃないか。要するに、基本的な考え方いかんじゃなかろうかと思うのです。
#203
○細郷政府委員 五月にさかのぼってやれということになりますと、先ほどお答え申し上げましたような意味で、私どもとしては、やはり国家公務員の給与改定の時期に準じて行なうよう地方団体の態度を期待しておりますし、また、法制的なたてまえからいたしましても、それが妥当なものと考えられます。また、財源的にもその点で保障していくべきであろう、こういうふうに考えております。
#204
○折小野委員 国家公務員と地方公務員、同じ公務員として国民に奉仕するわけでございますから、大体同じ基準でものごとを考えられるというのは理解できるわけでございます。しかし、場合によっては、これは必ずしもそうでない場合だってあり得るわけでございまして、自治省はおそらく地方公務員について定年制を実施しようとしておる。しかし国家公務員についてはまだそういう面が話が出ておるわけじゃなかろうと思っております。といたしますと、何もすべて国家公務員と地方公務員と一緒にしなければならないということはないのであります。ただ、方向としては一本であっても、それに近づけるために、それぞれできる面からやっていくというやり方は、決して私はよくないやり方というわけにはまいらないと思うのです。これもやはり検討すべき一つの方向だろうと思います。
#205
○細郷政府委員 そういう基本的な姿勢をとるかどうかということになりますと、いろいろ今後も検討をしていかなければならない問題だと思いますが、現時点におきましては、先ほど来申し上げているような基本的な立場に立って処置をいたしておるものでございます。
#206
○折小野委員 この問題はこれで打ち切ります。
 地方におきまして、地方公共団体がいろいろ措置いたしております病院が、さっきの病院の問題とはちょっと違うのですがございます。そういう地域におきまして、医者の給与というものにつきましては、いろいろな問題があるわけでございますが、そういう地域の医者――医者だけじゃございません、医療職ですね、そういうものの給与の実態がどうあるのか、それを自治省としてはどういうふうに考えておるのか、こういう点をまずお聞きしたいと思います。
#207
○鎌田説明員 ちょっといま手元の資料を当たっておりますので……。
#208
○折小野委員 それでは、もうちょっと具体的に申し上げます。
 医療不足ということが盛んにいわれておるわけでございます。僻地にお医者が来てくれない、そのためにそれぞれの僻地の町村が、財政的には非常に苦労しながら、公的な病院をつくっておる。しかし、せっかくそういうものをつくりながら、今度はそこになかなかお医者が来てくれぬ。したがって、現実には、私が承知しておるところでも、お医者に対して三十万円の給与を払っておる。それでもなおかつ半年、一年の交替制でしか医者は来てくれない。三人期待するのだが、一人くらいしかなかなか確保できない。町村長の仕事の大半が医者さがしにかかっている、こういうような実態があるわけでございます。といたしますと、今度の給与改定におきまして、国の医療職はわりあい実態に即して改定されたというふうにお聞きいたしておりますが、それでも最高十三万九千円、現実の実態にははるかに遠いわけでございます。こういうような問題について、そういうような給与の立て方がいいのかどうか、あるいは実態がそれと離れておるならば、実態に対して、政策としてどういうふうに考えていくべきであるか、こういう点についてお尋ねいたしたいと思います。
#209
○鎌田説明員 医療職、特に医師でございますが、医師の給与の状況、実はちょっといま資料を当たっておりますが、全体的な趨勢につきましては、御指摘のとおり、町村特に僻地に参りますほど医師の確保は困難である、そういったことのために、その医師に対しまして、当該町村の財政力から見ますと不当に高い――不当に高いと言っては語弊があるかもしれませんが、非常に高い給与を払っておるというのが実情でございます。今年度の人事院勧告におきましては、御案内のとおり、僻遠の地から逆に一万円あるいは五千円、こういう初任給調整手当をつけたわけでございます。それでもなかなか医者の来手がない、こういう状態でございます。もちろん交付税の基準財政需要で見込んでおりますもの、これは結局国家公務員並みの給与水準になるわけでございますので、この基準財政需要に見込まれた額よりもはるかに高い給与というものを実際問題として出さざるを得ない。これは、私ども率直に申し上げまして、地方公務員の現行の給与制度のワクの中ではちょっと解決のつかない問題ではないだろうか。基本的には、学校を出ましてすぐ開業をしたほうがもうかる、特に都市部でやるほうがもうかるということから、私ども過去において経験があるわけでございますが、特定の学校なり、あるいは公立病院と契約をいたしまして、僻地診療あるいは僻地に期間を限って行っていただく、こういういろいろな方途を講じておるわけでございます。基本的には、現在の医師の供給の制度それ自身の基本的な問題につながるわけでございましょうが、当面の問題といたしましては、やはり財政的な面でどういう措置が考えられるかということに相なっていかざるを得ないのではなかろうか。現在の地方公務員制度の中で、医師の特にそういう僻地の医師の確保のために講じ得る限界といたしましては、先ほどからたびたび申しております初任給調整手当的なもので結局処理してまいるということより――はなはだたよりない話でございますけれども、現在のところは知恵がない、こういった実情でございます。
#210
○折小野委員 こういうような実態は、非常に急迫いたしておりますそういう僻地の町村の財政にも非常に大きく影響しておるわけでございますが、交付税その他においてはそういう面が見られておるのですか。
#211
○鎌田説明員 交付税の点は、財政局のほうからお答えいただくことにいたしまして、先ほど私、申し落としました医者の平均給料月額でございますが、これは今年四月一日現在におきまして、都道府県が七万六千五百五十七円、それから六大市が八万一千六百六十円、六大市以外の市が八万五千七百六十円、町村にまいりますと十万八千七百三十三円、ただいま御指摘になりましたようなことが如実に出ている、こういう姿でございます。
#212
○細郷政府委員 僻地の診療所につきましては、特別交付税において措置をいたしております。
#213
○折小野委員 この問題は、ただ単に地方行政と申しますか、あるいは自治省の立場からと申しますか、そういう立場からだけではなかなか解決のつく問題ではございません。基本的にはむしろ医療行政、厚生省所管の部分に関連をしてくるであろうと思っております。しかし、こういうふうな実態については、交付税制度その他の地方財源の付与にあたって十分考慮していただきたい、こういうことを申したいわけでございます。
 ただいま申し上げたのは一つの例でございますが、いずれにいたしましても、今度のこの特例法の関係等からいたしまして、財源の配分について、もっともっと地域の現実に即した考慮というものを十分していただくように、そうしてせっかく配分されます財源が、ほんとうに効果的に使われ、ほんとうに効果をあげる、こういうような点にさらに一そうの御配慮をお願いいたしたいと思っております。
#214
○細郷政府委員 御指摘のように、交付税の配分は、実質的に需要の算定につきましては、今年もすでに御審議をいただきましたように、水準を引き上げるという意味合いにおきまして、単位費用を上げ、さらに僻地あるいは大都市あるいはその周辺、そういったところの特殊な事情に応ずるように補正をくふうするといったようなことでそれぞれ措置をいたしているつもりでございますが、なお十分なことはやはりできていない、こういうふうに思っております。したがいまして、今後ともその点はそういう方向で詰めてまいらなければならぬ、こう思います。
#215
○折小野委員 最後に、これは大蔵省側からこの間話が出ましたので、申し上げておきたいと思いますが、国のほうがきつくて、地方のほうが楽だ、こういうふうに大蔵省側からおっしゃっております。おっしゃるにはそれだけの根拠というものもあろうかと思っておりますが、私ども率直にいろいろな事態というものを検討してみる必要があると思っております。したがって、もしそういうような資料がありましたら、ひとつ早急に届けていただきたい、かように考えております。
 ただ、私どもといたしましては、必ずしもそうでない実情も承知いたしているわけでございます。国から地方を通じて、現在の状態におきまして楽に財政を運営している団体というのはほとんどあり得ないと思っております。また、ある面においては多少ゆとりがあり、ある面においてはきついような実態があったにいたしましても、それは決してある団体が楽であって、ある団体がきついのだ、そういうような評価にはなり得ないと思うのでございます。私どもが承知しております一つの例を見ましても、事業費に対する職員、こういうものを部分的にですが、私どもが比較いたしますと、やはり市町村が、職員一人に対する事業費というものは最も多く持っている。その次は都道府県だ、その次は国だ、こういうような資料も私どもは部分的には承知をいたしております。それからまた、国の場合きついと言われる。なるほどそういう面がある。しかし、それを補うためにこれを下のほうに押しつける、こういうような例も幾多あるわけであります。たとえば、国が一つの事業をやる、その施設をするためには当然建物が要る、しかし、その建物は国の経費で持つが、その土地は地方に持たせる、こういうことになっている。そうすると、やむを得ず地方は、現在こういう地価騰貴の時期でございますから、高い土地を無理をして求めなければならぬ。こういう経費は、決して義務的な経費というふうにいわれておるものじゃございませんが、しかしながらこれは、いわゆる押しつけの経費である、こういうふうに申して差しつかえないのでございます。そういうようないろいろな面からしますと、必ずしもどの団体が楽であって、どの団体がきつい、また、当面、国がきつくて、地方のほうが楽だ、そういうことにはならないんじゃないかと思っております。
 いずれにいたしましても、国から地方に通じてそれぞれの行政機関が、国民の福祉の増進のために、それぞれの持ち分で最大の努力を払っていかなければなりません。そしてまた、それができるように、財源配分というものは当然考えられていかなければなりませんので、片一方が裕福だ、片一方がきついんだというようなことを論じておって事の解決がつく問題じゃないと思っております。こういう点についての大蔵省のお考え、それから、先ほどの資料がございましたら、これは後刻でけっこうでございますから、お願いいたします。
#216
○秋吉説明員 個々の団体につきましての諸事情はあろうかと思います。私どもマクロの場合から数字をいろいろ計算をして、私どもなりにいろいろ判断をしておるわけでございますが、御承知のように、確かに国は、従来高度経済成長のもとにおいて、相当、ある意味では財政的にまあまあ弾力的な運用ができてきたことは事実でございますけれども、最近になりまして、いわゆる財政硬直化ということが現実の問題といたしまして非常にクローズアップしてきておるわけでございます。しかしながら、私どもは、何も国の財政硬直化だけの理由をもってのみ地方財政を論議するわけではございませんので、やはり地方財政の実態をも私ども十分わきまえた上で、初めていろいろの判断も成り立つわけでございます。試みに、私どもなりのいろいろの比較をいたします場合に、公債比率がどうであるとか、あるいは地方債現債高はどうであるか、あるいは義務的経費はどうであるかとか、あるいは一昨日も御質問がございましたように、経常収支比率はどうであるか、国の場合と地方の場合の経常収支の比率はどうであるか。それから、投資的経費についても、国の投資的経費の割合と地方の投資的経費の割合はどうであるか、しかも国の投資的経費の割合というものがどの程度公債に依存しておるか、地方は投資的経費をどの程度地方債に依存しておるか、あるいは最近の決算で積立金はどうなっておるか、あるいは国の場合はどうであるか、その他等々の諸資料に基づきまして、国と地方の関係はどうであるかということにつきましては、私ども何も国の財政硬直化というだけから判断をしておるわけではなしに、要は、国、地方を通じまして、公経済全体を今後とも健全な姿に持ってまいりたいという方向で検討しておるわけでございます。
 なお、御指摘の資料につきましては、私どもなりの資料がございますから、後ほどお届け、御報告申し上げたいと思います。
#217
○折小野委員 最後に、ちょっとお願いしておきますが、ただいまの御説明、よくわかるのでありますが、それぞれの団体の経済が健全である、これはもちろんすべて望むところであります。しかし、健全であって、しかもそれが国民の福祉につながること、その効果をより大きくあげる、これが一番大切なことじゃなかろうかと思うのです。大蔵省のお立場としてやむを得ないかもしれませんけれども、私どものお願いしたいことは、やはり財政の健全を保っていくとともに、それによってできるだけ多く効果をあげていくこと、国民の福利を増していくこと、そういうことにさらに一そうお考えをいただきたい。お願いをして終わります。
#218
○亀山委員長 ちょっと速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#219
○亀山委員長 速記を始めて。多賀谷真稔君。
#220
○多賀谷委員 質問が中断しておりましたけれども、厚生政務次官もお見えになりましたので、質問を再開いたしたいと思います。
 実は、いま問題になっておりますのは、病院の給食業務についてであります。私どもは、給食というのは医療給付の内容であるし、治療の一環である、こういうように考えておるわけであります。でありますから、どの病院も給食施設をみずから持ち、そうしてみずからその責任において患者に給食をしておる。それでその責任は病院長にある、こういう原則をずっと貫いてきておるわけであります。
 そこで私どもは、病院の給食というものには請負というものはあり得ない、こういうように考えておるわけでありますけれども、事務当局のほうでは請負はあり得るんだというお話をされておるわけであります。ところが、もし請負でもよろしいということになれば、これは今後の医療体系上非常に問題がある。というのは、いま北九州の病院において、栄養士を残し、あとは全員、炊事婦は下請に出す、こういうことが行なわれるとするならば、公的医療機関においてそれが行なわれるとするならば、その波及するところきわめて大きいものがある、かように考えるわけであります。そこで、一体厚生省としてはどういうようにお考えであるか。あくまでも病院長がその責任を持つとするならば、直接みずから給食業務を行なうべきではないか、こういうふうに考えておるわけですが、これに対する御答弁をお願いしたい。
#221
○谷垣政府委員 御指摘がございましたように、給食というものは医療給付の一部であるという観念のもとに、病院における食事を私たちはやってまいってきておるわけであります。したがいまして、食事あるいは清掃の場合でもそうでございますが、いわば末端というと語弊がございますけれども、医師をそう使わなくて済む仕事の分野を委託しているという事実はございますし、それは私たちも認めておるわけでございます。もちろん給食が医療給付の内容をなしておるわけでございますので、その究極の責任が病院長にあることは当然のことと考えております。
#222
○多賀谷委員 労働省にお尋ねいたしますが、食事の調製すなわち調理ですね。調理は下請に出していいということになりますと、私は職安法上非常に問題があると思うのです。要するに給食の大部分は調理でありますから、調理が下請である。しかも職安法では作業の完成について財政上、法律上義務を持たないと請負とは認めない、こういっております。これについて疑義があるかないか、どういうようにお考えであるかお尋ねいたしたいと思います。
#223
○有馬政府委員 この問題は、私きょう初めて聞きましたので、従来のいきさつ、詳しい事情がわかりかねておるのでございますが、いままでお聞きした範囲におきましては、病院給食が医療の一環をなすものであるという立場におきまして職安法上問題があるというふうに感じます。ただし、厚生省当局におきましても、この扱いについては、従来から善意でといいますか、私どもと連絡なしに一応の扱い方針をきめておった問題でございますので、私はここで職安法上問題があるという感じはいたしますけれども、なお慎重に厚生省当局、それから当面の自治省当局とも御相談、検討の時間を与えていただければたいへんありがたいと思います。われわれとしても、慎重に検討さしていただきたい、かように考えます。
#224
○亀山委員長 赤澤自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。
#225
○赤澤国務大臣 多賀谷委員の御質疑にかかる病院の給食委託の件については、関係省の間で協議いたします。
#226
○細谷委員 いま大臣から、いろいろ疑義があり問題点があるようでありまして協議するということでありますから、できるだけ早くその協議の結果を知らしていただきたい、こう思います。と同時に、仄聞いたしますと、この問題が疑義のままで明日議会に出され即決されるやに承っておるのであります。そういうことになりますと問題がありますので、ひとつその疑義が三省の協議で解明されて結論が出るまでは、自治省において適宜な処置を当該地方公共団体でとっていただくように指示をしていただくべきだと思うのですが、よろしゅうございますか。
#227
○赤澤国務大臣 きょうこの委員会でいろいろ論議のありましたことは連絡いたします。
#228
○亀山委員長 明十五日午前十時半から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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