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1967/12/26 第57回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第057回国会 石炭対策特別委員会亜炭に関する小委員会 第2号
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1967/12/26 第57回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第057回国会 石炭対策特別委員会亜炭に関する小委員会 第2号

#1
第057回国会 石炭対策特別委員会亜炭に関する小委員会 第2号
昭和四十二年十二月二十六日(火曜日)
   午後一時三十四分開議
 出席小委員
   小委員長 神田  博君
      伊藤宗一郎君    鹿野 彦吉君
      渡辺 栄一君    井手 以誠君
      八木  昇君    田畑 金光君
 小委員外の出席者
        石炭対策特別委
        員長      多賀谷真稔君
        石炭対策特別委
        員       池田正之輔君
        石炭対策特別委
        員       田中 六助君
        石炭対策特別委
        員       長谷川 峻君
        石炭対策特別委
        員       安宅 常彦君
        石炭対策特別委
        員       池田 禎治君
        通商産業省石炭
        局長      中川理一郎君
        通商産業省石炭
        局炭業課長   小林 興正君
        通商産業省仙台
        通商産業局鉱山
        部長      鈴木 礼三君
    ―――――――――――――
十二月二十六日
 小委員中村寅太君及び岡田利春君同日小委員辞
 任につき、その補欠として伊藤宗一郎君及び八
 木昇君が委員長の指名で小委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 亜炭に関する件
     ――――◇―――――
#2
○神田小委員長 これより会議を開きます。
 亜炭に関する件について調査を進めます。
 この際、政府より亜炭鉱業の現状並びに動向等について説明を聴取いたします。
 まず最初に、仙台通商産業局鈴木鉱山部長から聞きたいと思います。
#3
○鈴木説明員 私、仙台の通商産業局鉱山部長をやっております鈴木でございます。
 それでは、ただいまから東北地方、要するに私どもが管轄しております東北地方の亜炭の状況というものにつきまして、概略御説明さしていただきたいと思います。
 大体、当管内、と申しましても、福島、宮城、岩手、青森、秋田、山形、その六県でございますが、ここにおきましては、昭和十六年から昭和二十四年におきまして、石炭とともに国の重点施策が施されまして、エネルギー資源の一翼をにないまして、生産量も一時は年間百万トン近くを採掘いたしまして、一応日本の戦後再建と申しますか、これらに寄与してまいったわけでございます。しかし、その後エネルギー革命が起こりまして、そのあおりを受けたと申しますか、亜炭鉱業は三十四年ごろを境といたしまして、逐年減産の一途をたどってまいったわけでございます。
 昭和四十一年度の生産量でございますが、三十二万七千トンというぐあいに最盛時の三分の一近くに落ち込んでまいっておるのが現状でございます。またその使用方面におきましても、ほとんど工業用というのがございませんで、ローカルな燃料源、おもに暖厨房用というようなところで細々と息をついておるわけでございます。しかし、稼行炭鉱のほうは、現在、いまだに百をこえまして百三十五ほどございます。
 また資源的に申しまして、その持っておりますところの埋蔵量と申しますものは、これは非常に豊富にございまして、現在でも、これは昭和三十一年ごろの調べでございますが、東北だけで約三億トンというものが埋蔵しておるというようにいわれております。
 一方、生産量は、先ほど申しましたように、三十二万トン程度に下がってしまいましたが、今後の見通しはどうかと申しますと、私どもといたしましては、大躍進ということはとても無理ではないか。そうかといって、全面的に壊滅するかと申しますと、これもそうではない。ほとんど現状維持。要するに地方農村におきますところの暖厨房用としまして、ことばは悪いのでございますが、細々と平行線をたどっていく、三十万トン程度の需要でもってこの三、四年ぐらいは推移するのではないか、かように考えておる次第でございます。
 もう少しその需要面を突っ込んでまいりますと、一般家庭の暖厨房用炭が東北地方の北部並びに地方農村部におきまして根強い消費層を持っております。また、従来からの慣習といたしまして、暖厨房用としましては依然亜炭が使用されておりまして、炭鉱のほうの労働者不足ということからいたしまして生産は減っておりますが、むしろ需要家としての希望、言うならば、市場におきましては若干品不足であるというようなことが現在いわれておりますが、これは事実山におきましては、掘ったものはその場でもってすぐトラックが持っていって需要家に渡すといったようなことから見ましても、事実ではないかというようにわれわれは判断しております。
 それから若干明るいニュースといたしましては、工業原料、要するに亜炭を炭素源といたしまして、これをもとにしましたところの土壌改良剤あるいは石油のさく井の際の泥水、こういったような方面の消費が若干出ておりまして、現在は、年間にいたしまして一万五千トン程度でございますが、これも若干は伸びるのではないか、要するに二万トンないし二万五千トン程度までは伸びるのではないか、かように考えておりまして、この面だけが若干の将来夢を持たせるようなところだと思います。
 そこで将来のなにでございますが、亜炭鉱業と申しますのは、生産体制というものが非常に脆弱でございまして、このままほっておきますと、ほんとうに壊滅するおそれがなきにしもあらずというのが、私ども仙台におります者の見方でございますが、そのためにと申しますか、やはり私ども地下資源、これを行政上扱っておる者としましては、他の金属鉱業、ここらと同じように若干の援助の手は伸べるべきではないか。たとえば、炭鉱坑道の掘進であるとか、あるいは炭量確認のためのボーリング、こういったものについては何らかの補助の手を差し伸べてはどうであろうか、かように仙台通産局といたしましては考えておる次第でございます。
 以上、あらましを申し上げましたが、その他炭鉱の人員別の規模であるとか、いろいろ資料もございますので、御質問がございましたならばお答えいたしたいと思います。
 以上でございます。
#4
○神田小委員長 次に、中川通商産業省石炭局長。
#5
○中川説明員 ただいま仙台通産局の鉱山部長から、管内における亜炭の現状につきまして概括的な御説明を申し上げたわけでございます。私のほうでは、ただいまお手元にお配りしておりますような「亜炭鉱業関係資料」というものを準備してございます。この資料のそれぞれにつきましては、後ほど炭業課長から説明をさせるつもりでございます。
 資料をごらんいただく前に、私から、今回当委員会で御審議になっております亜炭の取り扱いにつきまして、従来の石炭政策との関連その他におきまして、私どもが考えておりますことを概略お話をいたしたいと思うわけでございます。
 亜炭は、過日参考人の東北大学の先生からお話がございましたように、学術上は褐炭の一種というようなことでございまして、石炭と相並んで、同じような鉱物学的な分類に入るもののようでございます。鉱業法上の取り扱いといたしましては、石炭と亜炭とは全く別個のものとして取り扱っておるわけでございます。
 石炭政策との関連でございますが、先ほど来説明もございましたように、石炭の年間出炭量五千万トン程度というものと比べますと、亜炭は年間出炭せいぜい四、五十万トン、需要そのものもかなりローカルな需要でございます。石炭政策は、御承知のように、総合エネルギー対策という観点からのエネルギーの中における位置づけを、エネルギー調査会等におきまして慎重に御審議していただいた上で、エネルギーの中における位置づけというものをいただきまして、その上に立って、燃料革命の中で出てまいりました重油との競合問題に対処するために、徹底的なスクラップ・アンド・ビルドということをやってきておるのが政策的な基調でございます。その点から申しますと、いろいろ御批判はあろうかと思いますけれども、亜炭につきましてはそのような経緯を見ておらないわけでございます。これは生産自体がかなり実態が違っておるという点がございまして、後ほど資料につきまして炭業課長から御説明させますけれども、石炭対策の基準に置きましたスクラップ・アンド・ビルドの基準になるような生産能率といったものとは、この鉱業の実態から見ましてかなり差異がございまして、石炭対策の中に同一に包含していくというわけには、一人当たりの能率、それから機械化の将来、合理化の将来、こういうものを考えまして同一に論ずるわけにいかない、かえって同一視することが非常に気の毒なことになるというようなこともございまして、従来そのような対策にはなっていなかったわけでございます。
 生産につきましては、それぞれ企業形態が小さいということと、機械化に必ずしもなじまないということ、これはこの前の参考人各位からもありましたように、かなり実態が違うようでございます。
 それから労務の状態につきましても、かなりローカル的な労働供給、端的に申しますと、半農半鉱式な形での事情がございまして、機械化によって、交代制によって能率をあげていくという石炭の基準のようなものをそのまま当てはめるにはふさわしくない状態があるわけでございます。
 また、需要からいたしましても、地方の暖厨房用炭といった需要と若干の工業用需要でございますが、暖厨房用炭ということでございますと、塊炭として採掘する必要があるというようなことも、機械化の適用に若干問題があるようでございます。
 私どもといたしましては、かねて御意見がございましたように、やや規模が小さい、全体の中における比重が小さいというようなことと、実態に若干別個の取り扱いをすべきものがあるという感じがいたしておりますけれども、御意見がございましたように、亜炭鉱業に対して何ら政策的な配慮をしてなかったのじゃないかという御意見に対しましては、率直にわれわれも考え直さなければならぬものがあるのじゃないか、かように考えておるわけでございます。ただ、これには、亜炭鉱業の生産需要といったもの、これは労働状態もその他も込めまして、広い意味での実態というものに即した対策でなければいけないのではなかろうか。石炭政策と違った取り扱いというものが、事柄の性質上どうしても出てこざるを得ないのじゃなかろうか。また、それが政策的にそうであるべき理由があるのではなかろうかというのが、率直に申しまして、いままでの私どもの感じでございます。
 このためには、もう少し実態を検討する必要がございますし、また、業界がどういう点を一番切望しておられるのか、どういうことをするのが亜炭鉱業のために適切な施策、手段であるかということについては、なお私どもは勉強すべきものをかなり持っておると思っております。その意味におきましては、今後たとえば、限界がございましょうけれども、合理化、機械化ということにどういうお手伝いができるであろうか、あるいはまた、探炭坑道あるいは坑道掘進といったものに対しましてどういう程度の援助をすることができるであろうか、あるいは零細形態というものに適応した、いわば中小企業政策の一環というような形での運転資金その他の配慮というものについて、どういう手段があり、何をなすべきかということは、これから十分検討しなければならぬ事柄があるのじゃないか、かように考えておりますが、石炭政策、少なくとも合理化法によっておりますいろいろなルールと原則と経緯を持っておる政策につきまして、そのまま単純に適用するということはきわめて不適切であると私は考えております。
#6
○神田小委員長 次に、小林炭業課長より意見を聴取いたします。
#7
○小林説明員 それでは、きょう配付いたしました資料の御説明を申し上げます。
 まず、第一ページ「生産構造の推移」という表をごらん願います。これによりますと、昭和三十五年ごろから四十一年ごろまでの間に炭鉱数が非常に減りまして、三百三十炭鉱あったものが百二十一炭鉱になっております。それから、それに従って生産量、常用労務者等も減少しております。四十一年度におきまして、四十二万八千トンの出炭と千八百九十人の労務者がいる。能率は一人月に十八トンという形で表現されております。
 その次のページをごらんください。これは亜炭鉱を生産規模、労務者数別に展開したものでございまして、しかもそれを全国の各道府県に展開した形になっております。これによりますれば、炭鉱数は全国で百十一あります。そして山形県が一番多くて四十一、それから宮城県がその次に多い。三十三炭鉱という形が出ております。生産規模にしてみますれば、この表に見られますごとく、月に千トン以上の炭鉱は全国で六炭鉱という形が出ております。それから労務者数、これは常用労務者百人以上のものが全国に一炭鉱、大部分のものは百人以下の炭鉱であります。
 第三ページをごらんください。「道県別生産量」でございまして、これによりますと、先ほども炭鉱数のところで御説明しましたとおり、宮城、山形、岐阜、この三県が群を抜いて生産の主力になっております。四十一年度について言いますと、宮城県が九万五千トン、山形県が十七万トン、岐阜県が八万九千トンとなっております。
 第四の表は「道県別労務者数」をあらわしているのでございまして、これもやはり各年次、四十年三月から最近の四十二年十月までの状態を展開してあります。
 その次の五ページには「産業別需要量」を掲げてあります。それを見ますとわかりますように、昭和三十五年度におきましては、製造業向けの需要が非常に高く、八十一万七千トンという数字を記録しておりますが、その後製造業向けは急激に減りまして、四十一年度につきましては十五万八千トンという減り方をしております。しかるに家庭用につきましては、三十五年度が十万九千トンであったものがその後着々と伸びを示しまして、このように十六万トン台にまで伸びております。これによってもわかりますように、現在の亜炭産業は家庭用に需要の中心を非常に向けているということがわかるわけでございます。
 第六ページは「亜炭と石炭の生産割合」を示したものでございまして、石炭はすでに御存じのとおり年間五千万トン程度で推移しておりますが、亜炭につきましては非常に減っております。石炭と亜炭を合わせたものに対する亜炭の比率、これは三十五年度は二・六%でございましたが、四十一年度には〇・八%になっております。
 それから、石炭と亜炭の比較についてあと一言申し上げますれば、この資料には能率の比較が出ておりませんが、石炭につきましては、四十一年度の生産能率は月に四十・三トンと記録されております。亜炭につきましては、先ほどの御説明のとおり、機械化等がなかなかしにくいような生産構造、坑内条件等がございましてやや低く、十八トンという記録になっております。
 大体以上でございます。
    ―――――――――――――
#8
○神田小委員長 次に、質疑の通告がありますので、これを許します。井手以誠君。
#9
○井手小委員 通産局の鉱山部長にお伺いいたします。
 二点だけお伺いをいたしますが、一つは、もし、これは仮定の問題ですが、亜炭山を買い上げるとするならば、それを機会に閉山がずっと起こるであろう、大部分は閉山してしまうであろうという不安がございます。その見通しを現地の部長として率直に御説明をいただきたいと思います。
 第二は、従来閉山した亜炭の山の未払い賃金がどうであったか。この前、現地視察したときに資料の提出もお願いしておったわけですが、閉山をして賃金未払いのまま労働者が泣き寝入りになったということを聞いておるわけです。当時と今日では事情も異なっておると思いますが、何か未払い賃金の統計でもあれば、あわせてお示しをいただきたいと思います。
#10
○鈴木説明員 ただいまの御質問に対しましてお答えいたします。
 第一点の仮定に立った問題でございますが、私どもといたしまして各山のほうにそういったような質問を発したことはございませんで、あくまでこれは仮定に立ちましたところの私の考えでございますが、たまたま私、手元に一つの資料を用意してございます。それは、現在の亜炭鉱山がどういう組織でやっておるか、端的に申しますと専業者、要するに亜炭だけでもって仕事としておるもの、それと何らかの兼業をやっておるもの、これは兼業と専業の区別でございますが、大体収益がとんとんであれば、まあ亜炭のほかに収益がとんとんである事業を営んでおるならばこれは兼業である。それからもう一つのグループといたしまして、副業として亜炭を営んでおるもの、これは亜炭以外の事業が亜炭によるところの収益を明らかに上回っておると見られるもの、こういう三群に分けまして、一応各山に当たってみたわけでございますが、これは直接ただいまの先生の御質問にどんぴしゃりと当てはまることではないと思いますが、ちょっと申し上げますと、この調べました炭鉱は百二十二炭鉱、ですから現在の百三十の炭鉱のうちのほとんどを見たわけでございますが、そのうちで専業をやっておりますところの炭鉱というものが七十一、それから兼業をやっておりますものが十五、それから副業としてやっておりますものが三十六、かような数字になってまいります。
 それから、この七十一、十五、三十六のうち、出炭規模で見ました場合、五千トン以上の亜炭山が十四ございますが、それをいまの専業、兼業、副業に分けますと、専業でやっておりますものが五炭鉱、それから兼業でやっておりますものが五炭鉱、副業でやっておりますものが四炭鉱、かような数字になってまいります。それから次の二千トンから五千トンまでの間のグループが全部で二十四炭鉱ございますが、そのうち専業が十四炭鉱、それから兼業が三炭鉱、副業が七炭鉱。それから、それ以下の、要するに二千トン未満というグループでは、専業が五十二炭鉱、兼業が七炭鉱、副業が二十五炭鉱の八十四炭鉱、かような数字になってまいります。これから見ましても、かりにただいまの御質問をこれに当てはめてみますと、私どもとしましては、副業でやっておられる方は苦しくなったという時点になりますと、むしろ副業のほうを専業にされまして、亜炭はおやめになるのではないか。しかし、このうちで、大手――大手と申しますか、規模の大きいほうにつきましては、あるいは別途立て直すというようなことでもって生き返るかとは思いますが、二千トン以下の小クラスの分、これが二十五と申し上げましたが、ここらあたりの山は当然閉めるのではないか。それから、専業でやっておりますところのCクラス、要するに二千トン以下のもの、これらはどうなるであろうかと申しますと、これは五十二炭鉱ございますが、この五十二はどうなるかということが、いまのお答えに対する判断によってどうとでもなるのではなかろうか、かように考えます。要するに、副業の二十五、それから大ざっぱに申しまして、専業でやっております五十二、これのうちの半分おやめになるとしましても、合計で五十くらいの山は、そういう恩典なり何なりが出ました場合には、中止、廃業するということになるのではないか。私の個人的な考えでございますが、以上のとおりでございます。
 それから、第二の御質問でございますが、賃金の未払い、そういったことは、過去の炭鉱としましては、この間調査団としておいでになりましたときにいろいろお耳に入ったと思いますが、過去におきましてはあったやに聞いておりますが、現時点におきましては、御承知のように、非常に労賃も高くなっておりますし、それから、比較的他産業のほうに移動もしやすいような経済環境になっておりますので、かりに賃金の未払いとか、そういった事態が起こりますと、たちどころに労務者の移動が起こるのではないか、かように考えます。ところが、実際にはそういった現象があまりありませんので、私どもとしましては、現時点におきましては、未払いとか、そういった労務者に対するなにはない、かように考えております。これにつきまして、先ほど資料等のお話も出たのでございますが、私どもも努力いたしましたのですが、何せ非常に小さい山が多うございまして、的確な資料もまだできかねておりますので、帰りまして、大いに努力いたしまして資料をつくってみたい、かように考えております。
 以上でございます。
#11
○神田小委員長 次は、鹿野彦吉君。
#12
○鹿野小委員 先ほど石炭局長の話の中に、重大なる国策の問題について触れておられるので、私は、通産大臣の出席をいま要求をいたしておるところです。ですが、通産大臣の見えるまで私はちょっと質問をいたしてみたいと思うのですが、あなた方は石炭行政を担当いたしまして、石炭のエネルギーの問題からの保護ということにやっきになってまいったということですが、その際、亜炭というものの存在をどういうふうに考えてこられたか。亜炭は石炭と違う、異質のものだというような考え方から、亜炭はほうっておいてもよろしいという、こういう御意見でありますが、私は自由民主党に所属するところの国会議員です。自由民主党は、自由競争をもとにするところの資本主義社会にあって、資本主義から生まれるところの弱点をいかに是正して国民の公正なる社会をつくるかという大きな理想を掲げて自由民主党が存在をいたしておる。この自由民主党の大部分の考え方に基づいていまの政府は政策を推進しているものと考えるわけですが、大企業だけの保護を考えて、小企業、弱体企業というものはどうなってもよろしいというような考え方でいままでやってきたかどうか。これからやるなんていうようなことは一体何ごとですかという感を深くします。ことに、石炭に対する保護助成がされればされるほど、零細なる亜炭産業と競争が行なわれておる。この事実をどういうふうに見るか。亜炭は亜炭でかってにやってくれ、こういうふうになったら――石炭産業と亜炭産業と血みどろの経営をしておるのだが、片方にいろいろな点の保護助成がされれば、競争販売の競争面においては熾烈なるところの競争が行なわれている。この事実をどう見るのか。私は、少なくとも、いままで気づかなかったけれども、この問題が出た以上は、行政に携わるものとして、ああこれは済まなかったというような考え方に立って、一刻も早くこれが保護助成の措置がとられるような考え方になるべきじゃないかと思うのだけれども、保護助成をすることについては、これはきわめて不適切であると考えるというような考え方を持つに至っては言語道断のことだと私は思うのです。ことに石炭産業自体について、多額の補助助成をやってきたが、問題となるところのものは、石炭産業が助成を受けながらどのような措置をしているか、こういうことが一番の大きな問題でなければならぬと思う。この問題を放置しておいて、そして、弱小の亜炭産業に保護助成すべきだというような問題について、何だのかんだのと言って反対をするというような考え方自体が私はおかしいと思う。通産省は、少なくとも石炭業者、亜炭業者を含めて、いかにして業者を庇護して、そして国民経済の中において生産性を高め、国民全体の生産性を高めて、そして、日本の生産物が輸出に向かっていくかということを考える。そうしたことについて、温情あふれるところの立場から、常に業者の味方となって立ち、そしてきびしく現在の――この点ではいろいろ問題があるのだけれども、現在は、遺憾ながら、予算の査定から予算を使うことまで大蔵省が監督をしておる。これは現実の問題だから、こうした大蔵省に対して亜炭の実情というようなものを詳細に説明をして、そうして、亜炭産業がこうした苦しい状態にあるんだから、石炭と同じような取り扱いをすべきだという、こういう説明をするということ自体が、通産省の役人が置かれた立場じゃなかろうかと私は思うし、少なくとも自由民主党はそのような考え方に一致結束をしておるわけでございます。ですから、私は、こうした考え方に対して反対である局長の考え方に対して、通産大臣の意向を聞こう、こういうことでございます。三時から四時までの間ならば、通産大臣が出席できる、こういうことでありますが、これについての局長の考え方を御答弁ください。
#13
○中川説明員 多少私の申し上げたことがことば足らずであったために鹿野先生に御理解をいただけなかったのではなかろうかと思うわけでございますが、私が先ほど申しましたことは、亜炭産業を、亜炭鉱業をこのままにしておいてよろしい、何らの助成指導を加える必要はないというようなことは、私としては申し上げなかったつもりでございます。それは、実態に即して十分なことをこれから検討すべきである、こう申し上げたわけでございます。いかんせん、いままでの私どもの亜炭鉱業に対する取り組み方、これは鹿野先生御指摘のように、あるいは不十分であったと申さざるを得ないところがあろうかと思います。実態が零細な企業が多うございますのと、きわめてローカルな状態にありましたために、的確に実態把握をしておるかという点でおしかりを受ければそのとおりということで、申しわけなく思っております。申し上げたかったことは、石炭政策というものとの関連において亜炭をどう見るかという見方につきましては、政策の経緯、その趣旨あるいはとっております手段、方法というものから見まして、しかも石炭鉱業と亜炭鉱業の実態上の差異、生産、流通、労務の実態上の違い、商品自身の需要というものもかなり違っております。そういうものに着目して亜炭鉱業にふさわしいその政策、手段を打ち出せば、亜炭鉱業にとって十分役に立ち得るというものをこれから考えなきゃいかぬのじゃなかろうか、かように申し上げたつもりでございまして、決して御指摘のように、亜炭鉱業をほっておいてよろしいのだ、これはもう零細、ローカルな産業なんだからほっておいてよろしいのだというふうには私はちっとも考えておらないのでございます。
#14
○鹿野小委員 局長は間違った考え方を持っていますね。合理化を推進していくということが、大企業だけの合理化を推進していくということで日本経済は成り立たないのですよ。日本経済というものは、中小企業が非常に大きな活動のワクを占めるところに特徴があるわけで、日本経済が生産性を増して、そうして大いに繁栄していくためには弱小なる中小企業をいかに合理化していくか、もっと詳しく言うならば三本の柱です。行政整理をいかにやって、そうして、国民全体の生産性の中において、公務員の生産性を高めることが一つ、弱小なる中小企業者の生産性を高めることが一つ、農業者の生産性を高めることが一つ、この三つが一番の重大なる問題であって、大企業なんというようなものは、ほっておいても合理化ができていくところの仕組みになっておるわけですよ。先ほどあなたは亜炭産業は合理化ができない、石炭産業が合理化をする必要からこうしたところのものが生まれたのだということを繰り返し言っております。亜炭産業だって合理化をしなくちゃならないし、すればできるところのものですよ。根本的に考え方が違っておりはせぬですか。繰り返して言うけれども、要するに弱小なるところの中小企業者に手厚き保護助成をして合理化を推進していく、そうして、一人当たりの生産性をいかにして増していくか、このことに重点が置かれて、その次に大企業というものに補助援助の手が差し伸べられるべきが常識ですよ。それを大企業が合理化を推進することだけに保護助成をして、小企業はほっておいてもいいのだ――いまあなたはほっておいてもいいのだとは言わない、これから大いに実態を研究してやるなどと、一体そんなことができますか。私が言うのは、あなた方がこれまで亜炭産業をほってきたことはまことに済まなかった、こういうことを認めるならば、いまから直ちにでも、一刻も早くこれをそうした線に乗せていく、それには国会においてもひとつ決議をしてくれ、われわれは大蔵省と折衝するについてそのほうがしやすいのだという考え方になるのがほんとうでしょう。私たちは、あなた方がいわゆる中小企業のそうしたところの保護助成をしやすいようにするために何とかして努力しようと努力しているわけです。少なくとも通産大臣はその意見に賛成だと私は思う。小さい亜炭産業が合理化されなくてもよろしいのかどうか、あなたの考え方を承りたい。
#15
○中川説明員 大企業であれ、中小企業であれ、日本の経済の発展を将来に期待する上において、あらゆる産業分野において合理化を進めるということは、これはもう通産省の本来の使命でございます。なかんずく置かれておる条件が不利であればあるほど、中小企業の合理化、近代化ということについて施策の重点を指向するということは、これはおっしゃるとおり私どももさようだと思います。先ほど来申しましたことは、決してそのことを私が理解していないということではございませんで、中小企業に合理化の目標を与えますときに、あまりに過酷な、できもしない目標を与えてもこれは無意味である。中小企業に対しては努力目標というものを、到達できる目標を考えていかなければいけない。石炭と同じような基準で合理化をしているということは亜炭にとって非常にお気の毒だ。むしろ亜炭にはどういう近代化が一番必要であり、どういうことが努力をすればなせることであるかということについて徹底的に掘り下げる必要があるのだ、こういうことを私は申し上げたつもりでございまして、申し上げておる限りにおいて先生の御意見と私は違わない、かように考えます。
#16
○鹿野小委員 一体何ですか。いま瀕死の重態ですよ。岐阜県のごとき三十五年に五十八万トンというものを生産をいたしてきた。これが四十二年度になってたったの八万トンになったというような推移をたどってきているのですよ。亜炭産業がいかにみじめなるところの――片一方の石炭には補助助成がされて、亜炭産業には何らの補助助成がされなくて、亜炭産業を経営する人が、いわゆる弱小経営者がいかに涙をのみながらやってきたかということの実態をぼくは言っているのですよ。いまからやります、検討しますなんて何ごとだというのです。いままでのことは一体どういうことを言っているのだ。あなたもいまわかっておるでしょう。当然の話ですよ。通産省は大企業といえども、中小企業といえども、ともに合理化の線に乗せて日本国民全体の生産性を増していくという要望のあることは当然ですよ。しかしながら、私が言ったのは、その二つの場合にどちらに保護助成を先にやるべきかということの場合に、弱小中小企業に対して先に保護助成の手を差し伸べるべきだということを、ぼくは順位の問題を言ったのです。これが自由民主党の基本的な政策です。それをいままで大企業だけを――大企業というと語弊がありますが、大企業を中心とする石炭産業だけに保護助成の手を差し伸べて、亜炭産業について何らの手を差し伸べなかったことに対するあなたの責任というもの、それは中川局長は、まだ局長になったばかりだから私は知ったことじゃないとおっしゃるかもわかりません。しかしながら、そういうものじゃない。これは前の局長が、あるいは前の担当者がそうであったとしても、自分が継いだならば、ああ前任者はえらい手落ちをした、一刻も早くこれを是正すべきである――いま瀕死なんですよ。このことをどう考えるかということです。ぼくの言うのは全然違いますよ、考え方が。何ら違っておりませんなんてことを――私は瀕死の重態だから、一刻も早く救助の手を差し伸べるべきだ、こういうことを言っておるのですよ。もう一ぺん言ってください。もう一ぺん聞きます。あくまでも同じだと言うかどうか……。
#17
○中川説明員 従来の亜炭鉱業に対する対策上の問題ということでございますと、御指摘のようなことがあるいは言えるのかもしれないと思っておりますが、ただ、私も、石炭局に参りましてからいろいろいきさつその他を調べてみましたところ、亜炭につきましても可能な検討は絶えず行なっていたようでございます。ただ、なかなかむずかしい行政対象でございまして、適切な手段を見出し得ないままにきたというのが率直なところではなかろうかと思っております。今後の問題といたしましては、先ほど私が申しましたように、どういう手段をとるかということについてはいろいろ御意見もありましょうし、国会の御意見等も尊重いたしまして考えていきたい、こう考えております。
#18
○鹿野小委員 局長を相手にしてこんな考え方の違ったことをいろいろ追及してもだめだから、私はまた大臣に話をするつもりですが、ただ、役人という立場から、積極的に反対、反対と言うようなことについては十分考えたほうがよかろうと私は思うのです。とにかく、亜炭というものは石炭と同じだ、同じ分野に入るのだ、しかも、石炭業界の零細なるところの経営形態よりもはるかに上のランクに属するところの亜炭産業の経営形態もあるということを知らない者なら別だけれども、あなた方は知っていらっしゃらなければならないはずだ。亜炭産業と石炭産業というものはこのように交錯しているんですよ。区分けはできないのだ。似たものが幾らでもあるのだが、区分けをしてきたことに対しては落ち度であったということをもっともっと考えて、一刻も早くこのこことに対するところのあたたかい気持ちを持つのが至当だと重ねて申し上げまして、残余の質問は大臣にいたしたいと私は思います。
#19
○神田小委員長 八木昇君。
#20
○八木(昇)小委員 ほんの二、三点だけ質問をいたします。
 きわめて事務的なことですが、今日現在での炭鉱数はどのくらいになっておるでしょうか。この二枚目の百十一という数でしょうか。それから、今日現在での常用労務者の数を教えていただきたい。
#21
○小林説明員 これは最近の亜炭の生産統計を写したものでございますが、一番最近のものは四十二年十月の炭鉱数でございまして、これは百十一と記録されています。それから、常用労務者は千五百三十人というようになっております。
#22
○八木(昇)小委員 今日ではもう未払い賃金というような状態はほとんどないというのは、賃金未払いをするようなことではとても労務者が居つかないということからだろうと思いますが、そうしますと、雇用の形、賃金の形態といったようなものをちょっとお聞きしたいんですが、常用労務者というんですが、事実上はいわゆる日雇いのような形、そういうふうな、実質的には日々雇用、そして日当をもらうというような実態のものが相当あるのかどうか、それから、本格的に退職金規定というようなものがあるそういう炭鉱が一体幾つぐらいあるのか、そういった雇用の状態というものを簡潔に御説明いただきたい。それと、大ざっぱに言ってどのくらい賃金をもらっているかということもお聞きしたいと思います。
#23
○鈴木説明員 私からお答えいたします。
 これは仙台管内のことについて申し上げますが、四十一年度の労務状況といたしまして、私どもがおさめました数字では、常用労務者として千五百九十七名で、これは四十二年三月末現在の数字でございます。それ以外に職員が百七十五名ございます。また、これ以外に、山によりましては臨時雇い、日雇いといいますか、そういったものが若干入ってくると思いますが、正式に私どもが受けておりますのは、常用労務者ということと職員という関係になっております。
 それから、月の平均収入でございますが、私どものおさめましたところでは、二万一千四百七十七円という数字が出ております。
 それから、賃金の形態でございますが、これは坑内、坑外とも大体炭鉱と似たようなものになっておりますが、出来高払いであります。要するに、坑内におきましては出来高払いという制度により払うというものが大部分であります。また、坑外におきましてもそれに準じた方法で払っておるというように承っております。
 それから、退職金の制度でございますが、私どもが聞いておる範囲内では、退職金の制度を持っておるのは二、三の炭鉱で、それ以外におきましてはそういったものはないというように聞いております。
#24
○八木(昇)小委員 平均二万一千四百七十七円とものすごく低いのですが、これは月に平均何日くらい働いておるのでしょうか。二十四方も二十五方も働いていないでしょう。
#25
○鈴木説明員 ただいま御指摘のありましたように、月のうちまるまる三十日ということではございませんで、坑内におきましては二十日ぐらい、要するに月のうち二十日ぐらいが稼働というようなかっこうになっております。また、坑外におきましては、もう少しよくなりまして出勤率九〇%以上は出ておる、かように考えております。
 それから、二万一千円というのは非常に低うございますが、つけ加えさせていただきますと、労務者としては、兼業の方々が非常にたくさんおられます。農村が近うございますので、農繁期にはそちらのほうへ行って仕事をするが、そちらが一段落するとまた山に入ってくるというような形態がございますので、平均賃金という点になりますとよその地区よりだいぶ低いことになると考えます。
#26
○八木(昇)小委員 こまかくは懇談の際にでも聞くといたしまして、最後に次の点だけ承って終わりたいと思いますが、むろん合理化事業団とか開発銀行から金が借りられるようなところは一つもないと思いますけれども、一体、現在、民間の金融機関あるいは中小企業金融公庫あたりから借りているところもあるかと思うのですが、この残余の、現在生き残っている炭鉱の金融機関から借りておる金額の総トータルといいますか、大体どのくらい借金を背負っておるか、それからこの亜炭そのものの価格の推移ですね、最近七、八年間の、大ざっぱなところを教えてくれませんか。
#27
○中川説明員 四十年度と四十一年度との中小企業金融公庫の貸し付けの実績がございますので、御参考までに申し上げますと、四十年度で件数にして三件、二千五十万円、四十一年度で七件、四千七百三十万円、それから設備近代化資金といたしまして、四十年度で三件、百十八万円、四十一年度で二件、二百三十一万円という実績がございます。これは全国の亜炭でございます。残余の融資、どのようなところからどのような形で受けておるかというのは、あいにく私ども実態を十分把握しておりません。
 それから価格でございますが、これは山形県の平均単価の推移でございますが、三十一年度から四十一年度までの数字がございますのでお答えいたします。三十一年度二千二百円、三十二年度二千五百円、三十三年度二千四百円、三十四年度二千二百円、三十五年度二千二百円、三十六年度二千五百円、三十七年度二千八百円、三十八年度二千九百円、三十九年度三千百円、四十年度三千五百円、四十一年度三千六百円、こういう数字でございます。
#28
○神田小委員長 次は田畑金光君。
#29
○田畑小委員 一、二点だけお尋ねします。
 仙台の鉱山部長さん、スクラップ・ビルド政策がかりにとられたとした場合に、百十一の炭鉱があるというお話でしたが、その中で専業でやっておる炭鉱は、もしそういう政策が導入された場合にはスクラップのほうにいくのじゃないかというように先ほど答弁があったように聞いたのですけれども、もう一度あなたの見解を伺っておきたいと思います。
#30
○鈴木説明員 ただいまの専業が、数字をちょっと申しますと、専業で小さいところ、要するに二千トン以下が五十二炭鉱がございますが、ただいまの御趣旨で、かりにそういう事態が起こったときには、先ほど私は、全部が落ちるというのではなくて、このうちの半分ぐらいが落ちる、要するに五十二の専業のうち二十五程度が廃止するのではないか。それと副業のほうでやっておりますところの小さいもの、要するに二千トン以下の、副業としてやっておる、亜炭のほかにもっと収益の上がる事業をやっておられる方々、これは無理して亜炭を掘って損するよりもというようなお気持ちから、そこのところにランクされますところの二十五の炭鉱がございますが、それらが落ちるのではないか。要するに副業でやっております小さい二十五と、専業でやっております五十二炭鉱のうちの半分の二十五程度のもの、合計しまして、五十くらいが出るのではないかという私の見解でございます。
#31
○田畑小委員 鉱山部長としては山の実態を見られてスクラップ・ビルド政策というものを取り入れた場合に、亜炭の産業がより前進する、発展させ得る、あるいは生産を伸ばし、需要も拡大できる、こういうような判断でおいでになるかどうか、もっともスクラップ・ビルド政策といってもいろいろな基準によって違ってこようと思いますが、あなたの率直な見解はどうでしょうか。
#32
○鈴木説明員 ただいまのお尋ねでございますが、これはあくまで私個人の考え方でございますが、(「個人の考え方でなくて、鉱山部長としての考え方を……」と呼ぶ者あり)それでは鉱山部長としての考え方を申し上げます。
 石炭のスクラップ・アンド・ビルドの場合でございますと、あくまで重油というものを背景にいたしまして価格を、安定帯と申しますか、一本化していく、要するに生産コストを下げていかなければ太刀打ちはできないというような価格の面、それから引き続きまして需要を想定いたしまして、年度に幾ら幾らの炭が要る、それと同時に、次にはそれでは高いほうの炭はどれだけある、能率の悪いものはどれだけあるというような作業をいたしまして、そうして年間にスクラップするのは幾ら、それから新坑のほうは幾らというような方策がとられておるように聞いております。しかし、この亜炭の場合でございますと、現在は需要の想定が非常にむずかしい、と同時に、現在におきまして市場の価格というものも消費者の理解ある態度によりまして割合に安定しておるというようなことからいきまして、それではスクラップにするのはどれだけのものをスクラップにすればいいのかというようなことが非常にむずかしいのではないかと私は考えております。それと同時に、ビルドのほうは御承知のように埋蔵量は非常にございます。ですから、需要さえついてまいりますれば、新しい山の開発ということは、これは資金的にはいろいろ問題がございましょうが、やってやれないことはない、かように私は考えております。
#33
○田畑小委員 石炭の問題で重油との競争条件を出されたわけですが、亜炭の問題について先ほど、需要の傾向を見ますと、製造業、一般産業から家庭用の暖厨房用に需要が移ってきておる、むしろそこがある程度開拓できそうだ、こういう説明がありましたが、一般産業向けにだんだん減ってきて、家庭用にふえてきたというのは、石炭の市場とぶつかってきて石炭に押されて、産業向けは減って家庭用のほうに向いていっているのかどうか、その辺は市場関係でどうなっておるのか。それからもう一つ。私は亜炭というのはやはり地域産業という性格が非常に強い、そういう面では特に家庭用とか暖厨房用という面においても、もっと開拓のいかんによっては伸ばし得るのではないか、こういう感じを受けておるわけですが、その点についてひとつ部長の見解を承りたいと思います。
#34
○鈴木説明員 最初の工場向けとしての炭が非常に減ってきておるということでございますが、これは私の考えますには、ここに製造業としましていろいろ仕訳をいたしてございます。非鉄とか、あるいは繊維業とか、いろいろやってありますが、せんじ詰めれば、すべてこれはボイラー用の炭として使われておった部分でございます。ですから、明らかにこれは重油規制法など解かれました関係もございまして、それらがすべて重油ボイラーにかわっていく、それと同時に昔の数字でございますと、これは名古屋付近の工場あたりが非常に亜炭をボイラーとして、工場並びにその付属施設でありますところの工員宿舎、そういったところで使っておりまして、その影響が非常にございます。東北のほうにおきましては比較的その影響がございませんで、前々から一般家庭用というものが非常に多かったのではないか、かように考えております。
 それからもう一点でございますが、今後の需要の見通しでございますが、これにつきましては、薪炭が東北のほうにおきましてもすでに非常に不足してきております。そういった関係もございますので、まあ値段いかんによりましては若干伸びるかとは思いますが、私の率直な意見といたしましては、そう大幅な増加というものは期待できない、かように考えております。
#35
○神田小委員長 これより懇談に入ります。
     ――――◇―――――
  〔午後二時四十四分懇談に入る〕
  〔午後四時三十二分懇談を終わる〕
     ――――◇―――――
#36
○神田小委員長 これにて懇談を終わります。
 亜炭問題につきまして、本日までの小委員会における調査の経過及び結果について委員会に報告をいたし、小委員会において協議いたしました「亜炭鉱業の振興に関する件」の決議案を本委員会において決議をしていただくこととし、その取り扱いにつきましては小委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#37
○神田小委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 本日は、これにて散会いたします。
  午後四時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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