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1967/12/15 第57回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第057回国会 商工委員会 第4号
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1967/12/15 第57回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第057回国会 商工委員会 第4号

#1
第057回国会 商工委員会 第4号
昭和四十二年十二月十五日(金曜日)
   午前十時三十七分開議
 出席委員
   委員長 島村 一郎君
   理事 天野 公義君 理事 宇野 宗佑君
   理事 鴨田 宗一君 理事 河本 敏夫君
   理事 中川 俊思君 理事 田中 武夫君
   理事 中村 重光君
      大橋 武夫君    岡本  茂君
      神田  博君    黒金 泰美君
     小宮山重四郎君    小山 省二君
      齋藤 憲三君    坂本三十次君
      櫻内 義雄君    田中 六助君
      丹羽 久章君    橋口  隆君
      武藤 嘉文君    佐野  進君
      千葉 佳男君    中谷 鉄也君
      平岡忠次郎君    広瀬 秀吉君
      塚本 三郎君    吉田 泰造君
      近江巳記夫君    岡本 富夫君
 出席政府委員
        通商産業政務次
        官       藤井 勝志君
        通商産業省化学
        工業局長    吉光  久君
        通商産業省鉱山
        局長      両角 良彦君
        通商産業省公益
        事業局長    井上  亮君
 委員外の出席者
        行政管理庁行政
        監察局監察審議
        官       佐藤 三郎君
        大蔵省主税局税
        制第一課長   大倉 真隆君
        大蔵省銀行局特
        別金融課長   小宮  保君
        消防庁予防課長 高田  勇君
        専  門  員 椎野 幸雄君
    ―――――――――――――
十二月十五日
 委員柳田秀一君辞任につき、その補欠として広
 瀬秀吉君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員広瀬秀吉君辞任につき、その補欠として柳
 田秀一君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
十二月十四日
 韓国製しぼり製品の輸入禁止等に関する請願(
 辻寛一君紹介)(第四四五号)
 同(早稻田柳右エ門君紹介)(第四四六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に
 関する法律案(内閣提出、第五十五回国会閣法
 第一四六号)
     ――――◇―――――
#2
○島村委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律案を議題とし、審議を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。広瀬秀吉君。
#3
○広瀬(秀)委員 LPGの保安の確保及び取引の適正化に関する法律案について、若干御質問をいたしたいと思うわけであります。
 まず、このLPGが非常に驚異的なスピードで消費が伸びてきた、これはやはりそれだけの理由というものがあったと思うのであります。その伸びた理由というものと、今日どのくらいの家庭がLPGを家庭燃料として使用しているか。この数字を最近のもので明らかにいたしてもらいたいと思うのです。大ざっぱにいえば、大体千三百万戸くらいというようなことも言われておりますが、一番最近において調べた数字を出していただきたいと思います。
#4
○吉光政府委員 最初のお尋ねでございますけれども、どういう理由でLPGが家庭で非常に伸びたかという理由でございますが、何と申しましても、LPGというものがきわめて簡易な施設によって利用できるということ、それから、そういうことからまいりまして、便利で安いガスを容易に利用できるというふうなところが国民生活の需要にマッチいたしまして、急速に伸びてまいった原因ではなかろうかと思うわけでございます。
 それから第二のお尋ねの、一般消費者等需要家の数でございますけれども、一般的に本年度約千三百万戸というふうに言っておるわけでございますが、この四十二年度の年の半ばの推定でございますと、千三百六十三万世帯というふうに判断いたします。
#5
○広瀬(秀)委員 いま四十二年の年の半ばで千三百六十三万戸に普及をしておる。四人家族といたしましても、五千万以上の人たちがこれを使っている。約六千万人に近いような人たちが使っているという勘定にも相なるわけでございます。いま局長が言われたように、非常に簡便で安いということが伸びた理由である。これはだれしもがうなずけることでございます。そういう状況でこのような法律をつくらざるを得なかった理由というもの、これはまたあとでお伺いするわけでありますが、通産省として、都市ガスを使っているものと、それからLPガスを使っている世帯、これに若干の所得階層、所得の五分位法などというものもありますけれども、比較的低所得階層に普及をしておるのではないか、こういうようなことが一般的傾向として私は言えると思うのでありますが、そういうものについて、消費者の所得というものがLPGの普及というもの、使用している状況とどの程度の関係があるだろうか、こういうようなことについてお調べになったことがございますか。
#6
○吉光政府委員 非常に正確なお答えができないで恐縮でございますけれども、現実に都市ガスが布設されまして普及しておりますところでは、主として都市ガスが使用されておるわけでございまして、むしろLPGが普及し始めましたのは、農村地帯のほうが先であります。いわゆる山村地帯と申しますか、それからだんだんと都市のほうに向かって伸びつつあるというのが現状ではないかと思うわけでございまして、要するに都市の生活の水準と農村の生活の水準に格差があるというふうな意味でございましたならば、それはそういう意味で低所得階層が比較的多く使っておるというふうなことになろうかと思います。
#7
○広瀬(秀)委員 LPガスの消費の状況においてそういう面もあろうかと思いますが、都市ガスの早くから発達したところにおきましても、ガスの設備関係の料金等がたいへんだというので入れられないというようなものが残っておったはずであります。そういう場合には、やはり非常に簡便で安いというので、LPならば入れられるだろう、こういうようなことで、やはりそういう都市ガス普及地帯においても、なお低所得の人たちが都市ガスは設備資金なんかもかかって入られないからというような形で、これが入った、こういうような面が非常にあるんじゃないかと思うのですが、そういう点はいかがでしょうか。
#8
○井上(亮)政府委員 お答えをいたします。先ほど来お尋ねの点につきまして、LPGは、先ほども吉光局長が御答弁申し上げましたように、やはり都市ガスの普及していない地域、これに簡便なガス供給というような意味でLPGの販売がふえていった、これが今日の歴史的な姿であるというふうに考えております。
 なお都市ガスの導管が引かれております区域内、これは先生から所得階層別のお話がございましたが、これはその地域内においては相当低所得者まで全部行き渡っている。それからなおLPGの価格と都市ガスの価格、料金、これではいまたとえば東京とか大阪を例にとりまして、それとその周辺のLPG供給というのと比較しますと、大体保ち合いの状態ではないか。特に都市ガスが高いというような実態はいまのところございません。ただしかし、お尋ねのように、都市ガスについては主たる導管から引かれますと若干負担金の問題がございます。ですから、その点で御指摘のような点が全然ないとは申しません。しかしそのことがLPGが普及したということのさほど大きな要因ではない。それよりもLPGの普及が増大したといいますのは、やはり都市ガスの引かれていない地域において、非常に簡便な燃料供給でございますから、そういう意味合いで普及が拡大したというふうに了解いたしております。
#9
○広瀬(秀)委員 必ずしも所得階層別に低所得階層のところにだけ伸びたということを私も言うつもりはございません。しかしいずれにしても、非常に便利な都市ガスというものに恵まれない地域、そういう地域は比較的低所得である、あるいは開発のおくれている地域あるいは交通の不便なところ、そういうようなところなどにずっと普及をしてきた。それだけにやはり戦後の生活の向上なりあるいはほんとうに庶民大衆のささやかな生活改善というようなものの上に、LPガスが非常に伸びてきたということは言えるだろうと思うわけであります。したがって、そういうものをもう少しきめこまかくつかんで、こういう政策立案のいわばバックグラウンドといいますか、そういうものを、そういうきめのこまかいところまで認識をした上で、こういう法案というようなものも考えていかなければいかぬという、いわばこの法律の基礎になるような条件として、そういうことも考えておいていただきたいということを申し上げておきたいと思うわけであります。
 きのうも中村委員の質問に対しまして、吉光局長からいろいろ事故件数などについても伺ったわけでありますが、その中で、これだけの普及率から見まするならば、その百二十五件という、これは多い少ないを言うと誤解のおそれもありまするけれども、この程度のものは十万分の一以下だ、こういうようなこともあるわけであります。たとえば十万分の一であっても、なくするにこしたことはないことはそのとおりであります。そしてまたそれを目的にして今回の法律案もつくられておるわけでありますが、百二十五件の数字というものが出ているが、その原因別にこまかい分析がなされて、たとえば消費者の不注意によるものはこういうところでこの法案でカバーできるのだ、あるいは器具の問題によるものならば、それはこういうところでやるのだ、こういうものについて、その事故原因の分析の上に立って法案がそれをここでカバーしているという、その関係について簡潔にひとつ述べていただきたいと思うわけです。
#10
○吉光政府委員 ただいまお示しの百二十五件は昨年における災害件数でございますので、その数字を前提にいたしましてお答え申し上げたいと思います。
 昨年の百二十五件のうち、主として消費者の不注意によって事故が起こりましたという件数が四十一件あったわけでございますが、この消費者の不注意に対する対策といたしましては、何といってもやはり消費者自身正しい知識を持っていただくということが一番必要でございまして、そのための手段として、法律制度上の問題として効果ある手段というのはわりに少ないわけでございますけれども、この法案といたしましては、そういう消費者に対しての啓蒙の役割りを一部LPガスを販売している事業者にやっていただく。たとえば契約いたしましたときに使用上の注意事項を配っていただくとかいうふうな形でやっていただくというふうなことで、もちろん政府自身もやらなければいかぬ問題はたくさんありますけれども、この法律の制度といたしましてはそういうふうなことを一応考えておるわけでございます。
 それから消費者の不注意と販売事業者の保安サービスの不徹底が重なって生じたという事故があるわけでありますが、これが二十七件でございます。これはやはり何と申しましても、販売事業者自身が保安サービスに徹していただかないと防げない事故でございまして、そういう意味から実はこの法律では、販売業者の保安サービス面の強化をはかっておるわけでございまして、たとえば定例的に、これは具体的な事情に応じて変わってまいりますけれども、ボンベを届けましたときにある一定の調査をしたり、あるいは指導をしてもらう、あるいは何年かに一回はメーターを持って検査をしてもらうというふうに、設備面について販売事業者自身でもう少しサービスしていただければ事故が起こらなかったであろうと思われるようなケースでございます。
 それから第三は、主として販売事業者の措置の欠陥によるものであります。現実にボンベを取りつけました場合に、取りつけ方に欠陥がある、あるいはまた修理を依頼されましたときに、その修理のしかたがまずくて事故を起こしたというふうな件数でございますけれども、これが十六件でございます。これに対するこの法案の考え方は、販売事業者の質の向上、同時にこれに対する監督の強化というふうなことの手段をはかっておるわけでございまして、質の向上のためには、やはりいままでのような販売施設等についての保安許可という形だけではなくて、やはり販売事業者自身について事業許可制を採用することがいいのではなかろうかということから、事業許可制をとっておるわけでございます。それからさらに、連絡を受けても全然かけつける人がいないというふうなことがあっては困りますので、代理人の制度を置いておるわけでございます。ここらは主として販売事業者の処置の欠陥によるものに対する対応策でございます。
 それから次に器具の欠陥が直接的な原因となったもの、これが十五件でございます。調整器でございますとか、あるいは燃焼器具でございますとか、あるいはゴム管でございますとか、そういう器具自身が悪いためにガス漏れした、そうして爆発したというふうな事故件数が十五件あったわけでございますが、この器具の問題につきましては、器具それ自身について検査あるいはまた制度――この制度では登録制と検査制の二つを採用いたしておりますけれども、要するに、器具についての一定の基準をきめまして、それに沿ったものでなければ、販売してはならないというふうな電気製品並みの規制を加えておるわけでございます。
 それからさらに配管工事等、消費設備自身に欠陥がございましたもの、これは件数として何件というふうにあがっておりませんけれども、そのことから起こってまいりまして事故等もございまして、こういう問題につきましては、特に学校の給食場でございますとか、あるいはデパートの中のレストランでございますとか、人が多数集合するようなところにつきましては、特別の強い規制を加えると同時に、消費設備自身の監督を強化いたしておるわけでございます。
 大まかに申し上げまして以上の原因別施策と申しますか、そういう形でこの法案に盛り込まれております。
#11
○広瀬(秀)委員 よくわかりましたが、ところで、きのう中村委員が御質問をした際に、この販売業者の法人、個人別、あるいはこれは千葉委員からも関連質問がなされたわけですが、いわゆる販売業者の規模別に、非常に小規模なものに事故が多いという、そういうことが数字の上ではっきり出ているかどうか。これはきのうの段階では、そういうこまかい点についてははっきりしないということで、あとから資料を出しますということだったのですが、たとえばおやじさんと奥さんの二人でやっている、あるいはようやく一人若い従業員を雇っている、そういう程度のところに非常に多発するものであるか、そういう販売業者が供給をしているところに災害が特に多発しているということが確実に立証できるかどうか、数字が物語っているかどうか、こういう点についてのはっきりした数字があれば、ひとつここでお示しをいただきたいと思うのです。
#12
○吉光政府委員 昨日帰りまして至急手持ちの資料で調べてみたところでの結果でございますので、非常に不十分な点があるわけでございますが、百二十五件のうち、手持ちの資料で規模別の関係ではっきりいたしておりましたのがわずか四十五件しかなかったのでございまして、この四十一五件を資本金一千万円以上の会社で起こった事故、それ未満で起こった事故というふうに分けてまいりますと、一千万円以上のものが一で、一千万円未満のものが四十四、こういう数字になっております。これはただし百二十五件全部ではなくて、手持ちにあります四十五件、それによって調べた数字でございまして、この比率が全部にそのままの形で相応するとは思っておりませんけれども、いずれかといえば、これは全体が小規模、零細企業が非常に多いわけでございますので、はっきりとこちらのほうが多い、こちらのほうが少ないというふうに的確には申し上げかねますけれども、大体零細が圧倒的でございます企業でありますだけに、数といたしましては零細企業のほうが多く出ている。これは資本金別の比例の数字ではございませんで、現実の実態がそういうことでございますので、そういう形で数字が出ているのではないかというふうに判断いたしております。
#13
○広瀬(秀)委員 百二十五件のうち四十五件について一千万以上と以下という非常に大ざっぱ過ぎて、いまの私の問いに対する的確な答えとはなっていないと私は思うのです。私がこのことを聞きますのは、今度この新法が成立、施行されるならば、大体十名程度従業員がおるというくらいの規模でないとなかなか存立ができないのではないか。末端の、先ほど申し上げたような二人か三人ぐらいで専業的にやっている例が圧倒的に多いわけでありますが、こういう人たちが、いままでもう十年以上もやっているけれども、自分のところではただの一件も事故を起こしたことがないのだというようなことを強く言っておるわけであります。そういうことで、保安についても一生懸命やってきた、自分のところではたとえ規模は小さくても、一生懸命やって事故も起こさぬできた、私の供給している二百戸なり三百戸なりでただの一回も事故はなかったのだ、それにもかかわらず、こういうたいへんな義務と責任を、しかも経費のかかるようなことを押しつけられたのでは、これはもう立ち行かぬという、今日第一線の小零細業者の中にはそういう気持ちを持ってこの法案を迎えている人たち、販売業者というものが非常に多いわけであります。そうしますと、これはマクロ的な立場でいえば、小規模で十分資力もない、人も完全な形で配置されていないというところに事故は起こりやすいという傾向的なことは言えるかもしれぬけれども、そういう点で、一つ一つミクロ的な立場で考えていくと、必ずしもそうではないというようなことになって、この法案を受けとめる業者の立場は非常な不安を持つということにもなりかねないわけであります。そういう状況に今日あるわけでありますが、そういう中で、きのうの質問に対しても、消費者の無知というものに対する啓蒙というようなことも、もう現にこの法案が成立する前に着々とられて、きのうも、テレビスポットでその保安啓蒙をやったとか、あるいは高圧ガスの保安週間でビラをまいたとか、こういうようなことなども吉光さんから表明があったわけですけれども、これは保安を向上させるためにたいへんけっこうなことなんです。そして数字的にも、消費者の不注意というようなものから、無知であるというようなことから起こっている事故のケースが非常に圧倒的に多いというようなことからも、当然なすべきことなんです。しかしこのビラに、こういうところはこう注意しなさい、こういう危険がありますからこう注意してくださいということをいろいろこまかく書いて、そのビラを持ってその業者が回って歩く、栃木県あたりでもやっております。これはわれわれの目からも当然のことなんです。ところが反響としては、それでは保安を一生懸命やりましょうと消費者が思う前に、実はこういう結果が出ているのです。ある業者が私のところに来て、実はこういうことをやったのだ、そうしましたらその消費者のほうが、こんなにめんどうくさくて、こんなにこわいものじゃ、自分のところではものプロパンガスを使いませんと言って、三軒ばかり断わられたというのです。そういう予想に反するような結果なども生まれる、そういうことでありますから、やはりこれらの問題については、単にこの法律を出せばもういいんだ、何とかなるのだというようなことで――なるほどそれで保安は向上するでしょう。しかし小さい業者のところに対してそういうお得意さんがなくなっていくというような一面も同時にある。もろ刃のやいばとまではいかないにしても、そういう意外なはね返りまであるというようなことも、これは政策立案当局としても十分知っておいていただかなければならぬことだろうと思います。こういうものに対する配慮を一体どうするかというようなことについて考えがあれば伺いたい。保安を向上させる、それになかなかついていけないということで、これは男性の場合はそうでもないのですが、奥さんは見ただけで何かこわくなってしまう。これはやはり業者の経営の問題あるいは生活の問題に至大の関係がある。こういう面についても、これからそういう保安を向上させるということと、いま私が指摘したような問題とをうまく両立をさしていく何か施策というか、考え方というか、そういうものがあればひとつこの際明らかにしていただきたいと思います。
#14
○吉光政府委員 御質問の中にございましたように、保安を確保するということの大目的は、何と申しましても消費者の保護でございまして、その大目的に沿ってやります手段自身は、それが達成し得る最低限度の義務を業者に課するということの方向で考えなければならないということは私ども全く同感でございまして、いままでにおきましても、非常にまじめにやっておられる方が多いわけでございますけれども、今度の法律制度との関連におきまして、新しくこの法律上義務づけになっておる問題につききまして、簡単にそれぞれについて御説明申し上げたいと思います。
 まず第一は、販売店自身が貯蔵施設を設置する義務ということが課せられておるわけでございます。これはいままで販売店で店頭等に野積みにしておるというふうなことがございまして、それらが何かの機会に転落したり、何かに触れてひっくり返って爆発が起こったとか、そういうふうに、野積みにしておるばかりに事故が起こっているというケースも間々あるわけでございますが、大方の販売店におきましては、現状におきましてもそういう容器置き場というものをちゃんと持った上で仕事をしていらっしゃる、これが大多数であろうかと思いますが、そういうふうなものにつきまして設置義務を課しております。ただし、これを設置いたします場合に、急激に設置するということでは非常に負担もかかりますし、また実効もあがらないというふうなことがございますので、実情に即した面積、規模を定め、同時にまたそれにつきましてもある程度の経過措置を設けながら、実際の問題としては設置義務を履行してもらうというふうな措置が必要であろうかと思っております。
 それから書面交付の関係でございます。法律で申し上げますと十四条でございますが、大体いままで販売業者の方でも過半数以上はもうすでに自主的にやっていただいておるというふうな状況でございます。これも契約をしていただくときに書面を交付していただくということでございまして、配達のつどというふうな意味を持っておりませんので、したがっていままでやっていらっしゃる方のほうが多いという点から判断いたしますと、それほど酷ではないのではないだろうか。ただし、書面の内容等につきましては、できるだけ簡潔に、契約内容をはっきりわかっていただけるような形で、これは自治団体等でそこらの基準等もきめていただきたいという感じでおります。
 それからさらに調査の義務でございますけれども、これは十四項目、あるいは調査回数あるいは調査員の資格というようなものにつきまして、現実の実情に合うように政省令で基準をきめてまいりたい。過酷な負担をこれによって課そうという気持ちは持っておりません。
 次に業務主任者の代理者の選任義務でございますけれども、これにつきましても、代理者の資格は実情に合うように、無理がいかないように考えたいと思っております。ただこれは、先ほどお話がございましたように、扱います品物が高圧ガスでございまして、爆発性を持っておるということのために、一たん爆発いたしますと人身災害にまで発展してくるというふうな事情がございますので、その目的を達成しながら、しかもなお、新しい法律によって義務づけられました業界の負担が、ほんとうに最小限度の負担でできるというようなことは、政省令の基準をきめます場合に十分に配慮してまいりたい、このように考えております。
#15
○広瀬(秀)委員 いま局長からるる御説明がありました。過酷なことはしない、こういうこと、これはこの法の運用にあたって非常に大事な一つの基本的な立場だろうと思いますので、その点は私も全く同感でございまして、そういうように法の運用をはかっていただきたいわけでございます。
 この、配達ごとに消費設備調査の義務というようなものが今度業者に課せられるわけでありますが、大体消費設備が適正であるかどうかという基準が、省令でございますか、十四項目ばかりあるわけですね。なるほどこれは一つ一つこまかく見ていきますと、そうたいした過重な義務が課せられたと思われるほどでもないけれども、十四ずらっと並べて、これだけの適格基準になっているかどらかということを見るのだと一応なっているわけです。その中には、燃焼器具についてまでも書かれておる。ただし、立ち入りを拒否した場合には義務を免除されるというようなことにもなっておりますが、十四もずらっと並べられて、こことこことここ、これはなるほど必要なことが列挙されているに違いない、私もそう思うのです。しかし、それを配達のたびに、十四のところを一々目を通してくるということなどについて、そのポイントになるようなものを、まずここと、 ここと、こことという、それなどはやはり指導の面でもっと簡素化したものをやらないと、十四項目ずらっと並べられたら、これだけ見なきゃいかぬのだと言われると、全くそういうめんどうなことまでやらなければならぬのならば、もうとてもやっていけないというようなものがかなり出てくるんじゃないか。そういう面での指導といいますか、ふだん皆さんがやっている程度のことなんだ、並べてみれば十四やっているんだ、そういうような指導行政といいますか、そういう面での簡素化した形におけるポイントを示してやるというようなことが非常に重要になってくると思う。そういう面についての配慮、これらの点についていかがでしょうか。
#16
○吉光政府委員 いまお話しございました省令の基準の案の中に十四ばかり項目があがっておるわけでございますけれども、実はそれらの項目につきまして同じように一様の調査というふうなことは考えておらないわけでございまして、たとえば、毎月一回ボンベを運びましたときには、そこに運んだときに外観でわかるような事項、あるいはまたボンベを運んだつど、あと定例的な問題といたしまして、――先ほどお話し申し上げました十四でちょっとだけ修正さしていただきたいのですが、十四のうち五つが、貯蔵量が一トン以上、五〇キロボンベ二十本分でございますが、一トン以上の消費者の場合だけについての調査項目でございまして、通常家庭で使っております場合は、項目としては九つになっております。この九つにつきましても、先ほど申し上げましたように、外観で運んだつど簡単にできるような検査、それから特に家庭にまで承諾を得た上で検査しなければならないというふうな事項、さらに目でわかる検査と申しますか、あるいは手でさわるだけでわかる検査と申しますか、そういう検査をしていただく。それからまた、何年かに一回、現実に機械等を用いまして、漏れ試験というものをやっていただく。これは何年かに一回というふうに考えておりまして、それぞれの項目に応じまして、それぞれの調査のしかた、あるいはまた調査の回数等について、実情に即した形で基準を定めてまいりたい、このように考えております。
#17
○広瀬(秀)委員 それでわかったのですが、そのほかに六カ月に一回調査しなければならないというのが三項目ばかり。配管の問題であるとか、容器と調整器の問題、特に調整器と閉止弁との間の配管は、気密試験に合格したものでなければならぬ、充てん容器などと閉止弁との間にどうこう、調整圧力はどうだ、というようなことがずっと書かれておるわけでありますが、こういうものについてはどの程度の調査になり、そして、たとえば通産省がこの施行によって期待している調査というものがどの程度のものであり、たとえば六カ月調査だという場合に、三つの条項について調査をするわけですが、それで一体どのくらい手間がかかるか。一日目一ぱい八時間働いたとして、何戸くらいやれるという目安のもとに、この六カ月調査の非常にこまかい技術的なものが示されておるわけですが、そういうものはどの程度に見ておられますか。
#18
○吉光政府委員 いま私ども考えております線は、屋外に消費者のボンベが置いてございます。それを導管で家庭内に持ってまいるわけでありますけれども、屋外に設置されております消費設備につきましては、大体ボンベを配達していただくつど、これはすぐその場で何分もかからないで、すぐさわってみればわかるというので、それほどの手数にはならないのじゃないかと思っております。それから家庭の中に設置されました消費設備、これは家庭の内部の問題でございますので、承諾を得た上でないと入れませんけれども、これは大体年一回以上、最低年一回という感じでございます。それからさらに精密にガス漏れ等についての検査をするということになると、それは少し時間がかかりますので、その場合につきましては、大体二年に一回以上はガス漏れ等についての検査をしていただくというぐらいの、その事柄の内容に応じまして、そこらの回数を定めてまいりたい、このように考えております。
#19
○広瀬(秀)委員 「週刊燃料」というものに出ておるわけですが、六カ月に一回以上調査しなければならない事項は次のとおりだということで、いま申し上げたようなことがあるわけですが、これは通常のボンベの一本売りといいますか、一回に対して十キロのボンベを持っていって燃焼器につないでくる、こういう場合には必要ないことですね。これは特別な、いわゆる小規模導管というようなものだけに適用されることですか。
#20
○吉光政府委員 いまお示しいただきました資料でございますけれども、それはちょっと前のものを、その情報で書いておるのだと思います。一応の基準をつくってみまして、あれこれ関係者の方と御相談しながら、そこらの回数、項目等を整理いたしまして、私がいま申し上げましたものが一番最近の事情でございまして、先生がお持ちになっていらっしゃる資料は、私のほうでだいぶ前につくりましたもので、それを引用されておるのではないか、このように考えます。
#21
○広瀬(秀)委員 それならばそういうことでけっこうなんです。こういうものがもう固まっておったのではたいへんだと思いましたので、省令に属する事項ですから、いまのところはそういうことだとするならば、それでけっこうであります。
 次に問題は、やはり業務主任者の問題、これはいままでも販売主任者という形でおったものが、規定が整備され、若干追加をされて、保安向上という面から職務内容等についても整備をされてきたわけでありますから何でありますが、主任者の代理者について、どういうものがいわゆる主任者の代理となり得るか、前の省令案といいますか、そういうものによりますと、協会の行なう保安に関する講習を受けた、あるいはまた三年以上の経験というようなこともあったわけでありますが、それらの問題について、これは特に私栃木県でありますから、栃木県の実情をちょっと協会等について調べたのでありますが、やはり御主人と奥さんでやっているというようなのが四、五割あるということで、奥さんは別に講習会に行ったこともない。だんなさんがやっておることを門前の小僧のようなことで、幾らかは知っているということであって、講習会にも行っていない。ですから、そういうようなものが今後、何年以上の経験だというようなことで、今度の場合に、消費者から通報があればそこへかけて行って、ガス漏れがあったとすればそれを直してやるというようなことはちょっとできないというようなこともあって、おそらくこの条項は一番現実の問題として困る。非常に零細な業者にとっては、新しく人間を一人雇う、雇うためには、これはもう人件費もどんなに安くても、若い十八歳以上の者を雇うとすれば、二万円以上二万五千円ぐらいも出さなければならぬ。それだけのかせぎをこのプロパンで浮かすのは容易でないということで、もうそうすれば代理者という問題で行き詰まる現実の問題が非常に多いわけでありますから、この代理者を設けることも、法律の趣旨からいって当然のことで、保安を最大限に確保していこうというために、筋を通せばそこまでいかざるを得ないその事情はわかるのですが、そういう零細業者の実態からいって、この基準のつくり方、代理者としての資格のつくり方、こういうようなこといかんによっては、これはたいへんな混乱と、それからパニックにもひとしいような、二、三人でやっているというようなその零細業者にとっては、非常に重大な問題になってくる。これについていまどのようにお考えになり、またこの資格基準というものを省令にどういうふうに具体化されるか。このことは非常に重大でありますので、この際はっきり考え方を聞かしておいていただきたい。
#22
○吉光政府委員 現実の問題といたしまして、LPガスの小売り販売店の中に個人企業でやっていらっしゃる方が約半分ぐらいというふうに多数でございますし、これは会社形態になっておりましても、圧倒的多数は小規模の方が多いという状況でございます。ただ、扱います品物が、一たん処置を間違えますと爆発するというふうな、非常に危険なものでございます。したがいまして、そういう危険なものであるということについての御理解を得ているような人であれば、代理人としてそれほどふさわしくないものではないであろう、それぐらいの感じで考えておるわけでございます。したがいまして、代理人自身に実務経験が二年以上とか三年以上というふうな線というのは少し酷過ぎるのではないであろうかというようなことから、実は全然しろうとの方でございますので、やはり正規の講習は受けていただく必要があろうかと思いますけれども、そういう講習さえ受けていただいておれば、経験年数は半年以上ぐらいで十分にマスターしていただけるのではないだろうかというふうな、それぐらいのことで代理人のほうの資格は考えております。したがいまして、奥さんでも、むすこさんでも、要するにあぶないものを扱っておられるその中身の質について御承知いただければ、そしてまた扱い方について御承知いただければ、それで済めるような形で内容を考えてまいりたい、このように考えます。
#23
○広瀬(秀)委員 非常に理解のある考え方を述べられて、けっこうであります。ただ問題は、たとえばこれが、今国会で法案が成立をする、一月一日からこの施行をしたい、こういう段取りを想定されておるようでございますが、その六カ月ぐらいというようなこと、、それでプロパンガスの性質、それから危険なものだ、したがってかなりの注意をしなければならぬものだというその程度のものだとすれば、大体奥さんがいままで門前の小僧でやっていたという程度でカバーできるだろうと思うのです。ただ、そういうものをこの届け出の書類や何かでどんどん出していくわけですね。そういった場合にはどういう形でそれをチェックするのか。御主人と二人でやっていたという場合に、奥さんの名前を代理者として書いて、御主人のほうが業務主任者として届け出る。これは正式な免状がなければだめでございますが、奥さんを書いていったという場合には、これはいま六カ月というようなこともちょっと言われたわけでありますが、どういう形でチェックをされるのか。届け出たらばそれをそのまま認めていいのかというようなこと。
 それから、そういう点について、今度は代理者に対して、それだけではやはり不安があるわけですね、奥さんを書いていったらそのまま通すということにかりにしたとすれば。しかしそれでも今度の法の精神からいえばもの足りない感じがするわけです。当然行政としてそうなるわけです。そういう場合の代理者に対する講習というものは、これは協会等にまかせる、こういうことになるわけですか、その後において。
#24
○吉光政府委員 この法律が施行されました直後におきましては、講習会を受けておられない方のほうが多いと思うのです。したがいまして、基準をきめます場合の経過措置といたしまして、最初の間は実務経験年数だけでやっていただく、そしてあとだんだんと一定の期間を置きまして講習会の資格を追加してまいるというふうな、段階的に考えてまいりたいと思っております。講習会はもちろん協会が行なう講習会でございます。
 それから資格の証明の問題でございますが、本来履歴書に書かれていることは虚偽がないという前提で考えるべき筋合いのものだと思いますけれども、これを一番うまく制度的にやるというふうな制度について現在研究いたしておりますが、それぞれの都道府県にLP関係の協会、自主団体としての協会がございますが、LP事業に従事したときに、従事している従業員は何の何がしというような意味のことを、何かそういう自治団体の協会のほうに届け出をしておいていただければ、一番証明の役に立つのではないであろうか。またこれは、自治団体でございますけれども、同時にまた、やはりそこへ自主登録制というようなことで登録しておいていただいて、そこで証明していただくというふうなことでもすれば、完全にその人が従事しておったということが実証できるのではないか、このように考えますが、この点につきましては、まだ制度上の問題もございますし、それぞれの業界あるいは県の団体等の方々ともよく御相談しました上で、無理のない形で処理してまいりたい、こう考えます。
#25
○広瀬(秀)委員 質問を次に移しますが、第五条の許可の基準という中に「その事業を適確に遂行するに足りる経理的基礎及び技術的能力」――零細業者は、「経理的基礎及び技術的能力を有するものであること。」というようなことになると、たいへんおそれをなしてしまって、これはうちはとてもこういうことにならぬじゃないかというような、ことにもなるわけでありますが、この「適確に遂行するに足りる経理的基礎」というものはどういうことで判断をされ、また「技術的能力」をどういうことで判断をされるか、この点についてひとつ明らかにしていただきたい。
#26
○吉光政府委員 経理的基礎につきましては主として二点について審査いたすつもりであります。その第一点は、万一災害を起こしました場合に、第三者に損害賠償を行なわなければならぬわけでございますけれども、その場合の賠償能力があるかどうかという点が第一点でございます。これは非常にむずかしいように思われるわけでございますけれども、その場合の賠償能力というのは、保険に付保されておってもいいわけでございますし、あるいは利用者相互の間で共済制度で現にやっておられるところもございますけれども、そういう共済制度へ加入されて、おってもけっこうであるというぐらいの感じでございまして、その場合の賠償能力でございますけれども、大体一事故につきまして、物的損害で五百万円、人的損害につきましてはトータルで一千万円ぐらいの額を担保できるというふうな能力があればいいんではないだろうか。ちなみに、いま申し上げました金額を担保するための保険料でございますけれども、大体通常の販売数量でやっていらっしゃる販売業者の方であれば、年間約六千円程度でございます。年間約六千円程度の保険料をお払いいただければ、いまの額ぐらいの保険金額が出てくるということになっておりますので、年間六千円程度の保険料ということであれば、それほど酷にはならないんじゃないだろうかという感じがいたしておるわけでございます。
 それから、第二点でございますけれども、何と申しましても、LPガスにつきましては、あるときは供給し、しからざるときにはもう供給をやめたというふうなことになりますと、サービス面が徹底しないという面もございますので、そのLPガスの小売り店自身が卸との関係において安定的に仕入れ契約ができておるかどうか――これは契約だけの問題でございます。安定的に継続して入手し得るようなそういう手段が講じられておるかどうかということでございます。大体以上の二点を中心にして経理的能力というものを判断いたしたいと思っております。
 それから、技術的能力の関係でございますけれども、これは中小企業の場合と大企業の場合と、販売店の数も違いますし、あるいは規模も違いますので、一がいに申せないわけでございますけれども、大体中小企業の場合には、この法律で明定いたしております業務主任者及びその代理人というものの選任計画が確定しておれば、それで一応原則的には技術的能力ありという判断をいたしたいと思っております。ただ、それぞれの個々の商店に応じまして、販売数量の非常に多いところ、そうでないところとございますので、それはやはり販売量等に比例した形で、いまのは最小限の問題でございますが、相当手広く商売していらっしゃるというようなことであれば、従業員の数というふうなものもやはり問題になろうかと思いますが、原則といたしましては、この法律で求めております業務主任者とその代理者を設置してあればそれでよろしい、こういう関係でございます。ただ、大企業の場合でありますと、これはまた組織も大きくなりますし、商売も非常に大きい範囲でやっておりますので、したがいまして、それに応じまして人員の配置自身について、それぞれの販売店ごとの人員の配置が適正であるかどうかというようなことも判断要素の中にさらに加わってくるというふうなことになろうと思います。
#27
○広瀬(秀)委員 ところで、この経理的基礎で二つの基準があるということが言われたわけでありまして、災害が起きた場合の賠償能力があるかどうか、それを賠償する資産を出すというようなことがあり、また、これは保険でも足りるんだということもあるわけでありますが、その場合に、現在ではかなり保険に加入していると思いますが、現在、業者で保険に加入していないものがないのかどうかということがまず一つ。しかもこれは、いろいろな形態で今日やられておると思いますが、そういうものをもう少し、この新法ができた段階で、この面での共済制度というようなものも通産省において構想を持っておられるようでありますが、そういう方向というものを、どのような方向で新法施行の段階にふさわしい共済制度なり災害のための制度というものをつくられる気持ちがあるかということと、それから、先ほど年間六千円ということなんですが、これをトン当たりでいってみますと大体どのくらいの負担になるのか、この点をひとつ明示をしていただきたいと思うのです。一千万、五百万ということは、まあこのくらいあれば大体足りるだろうということで、私ども了解がつくわけでありますが、その負担の問題で、保険料負担、いわゆる共済の掛け金というようなそういう性格のものが、トン当たりどのくらいになるかというこれが一つ、そのいま申し上げた三つばかりの点をお答えいただきたいと思うのです。
#28
○吉光政府委員 まず第一の問題でございますが、現在保険に加入している事業者の方は非常に少のうございまして、したがいまして、これが個別的に今度の法律によりまして保険加入するということになれば、たいへんな事業になるわけでございます。そこで、現在各都道府県のLPガス協会の全国連合会でございます全国LPガス協会連合会と、それからもう一つは、全国プロパンガス販売商工組合連合会、これは中小企業団体法に基づく経済団体でございますけれども、この二つの全国団体がお互いに協力いたしまして、団体として一括保険加入いたしますような、そういう統一の窓口機構を現在設立準備中でございまして、個別的にやらないで、業界団体で一括してこういう保険という制度に入るというふうな、そういう仕組みについて現在設立の準備をいたしております。これが一番簡便で、同時にまた、保険料も安く済む制度になろうかと思っておりますが、そういう機構を現在業界団体のほうで準備中でございます。
 それから次に、六千円というのはトン当たりどれくらいの金額としてはね返るかという御質問でございますが、大体の見当でございますけれども、大体トン当たり二百円以下というぐらいのものと考えております。
#29
○広瀬(秀)委員 トン当たり二百円というお話でありましたが、これはいろいろ聞くところによれば、ほとんど全部の業者がこの制度に加入するような状況になれば、もっと低いことでもいけるだろうというようなこともあるようでありますから、できる限りそういうような面でも業者の負担、そうして、それが価格の問題にもはね返るというようなことのないように十分な配慮をしていただきたいと思います。
 それともう一つは、業界団体がそういう準備を進めている。これについては、いろいろやはりLPGの税法改正の問題でああいうような不祥事などもあったというようなことで、こういう非常にいい構想の中で、そういうようなものなんかも起きることのないように、これは通産当局として、その経理の問題、保険数理の問題などについても、専門的な行政の立場でやはり十分な監視監督というようなものが必要になろうと思いますので、その点を要望しておきたいと思います。
 それから、これは両角さんになるのでありますか、今度は継続的な安定供給ということで、消費者と販売業者の間に契約書が取りかわされるといいますか、これは交付契約書というのですか、そういうものになるということでありますが、それと同時に、今度はまたもう一つは、「経理的基礎」という中で、元売り業者なり製造メーカーなりとの間に継続的供給の契約書を提出をするんだということになっている。そういうように販売業者についてはそういうことが強制されるわけでありますが、それじゃ、元売り業者なりメーカーなりのほうに対しては、そういう継続的供給の義務があるんだというような規制は何もなされない。これはいわゆるコマーシャルベースというのですか、そういうことで、きちんきちんと払ってくれればそれは供給するんだということだけのものになる。あるいはまた、コマーシャルベースで、代金の支払いが悪ければ、契約書があってもストップしてしまうということだってあるかもしれない。そういうものに対してどういう規制というか、安定供給という立場からはやはりメーカーサイドなりあるいは元売り業者というようなものに対する規制というものもきちんと行なわれなければ片手落ちじゃないか。そうでなければ安定供給、継続的な供給を確保するという問題が十分な形ではいけないんじゃないか、こういうように思うのですが、それらの問題についていかがでしょう。
 それともう一つは、昨日も中村委員が聞きましたが、この供給の問題で貯蔵能力というようなものが特に必要でありますが、たしかことしの七月段階では二十日くらいの貯蔵能力しかないというようなことがいわれておったのですが、その後だいぶ改善されたということも聞いておりますが、そういう面での心配はないのかどうか。この二点について。
#30
○両角政府委員 お尋ねの第一点でございますが、小売り業者と卸売り業者との間では長期的な供給契約というものによりまして安定供給をはかるよう当方で措置をいたすわけでありますが、元売りと卸との関係あるいは製造業者と元売りとの関係、つまりそれ以前の段階につきましては法的な供給義務というものは特に考慮せられておりません。これは事実上安定供給が確保できるような生産体制もしくは供給体制というものを推進して対処してまいりたいと考えております。
 またお尋ねの第二点のLPGの貯蔵能力でございますが、これは近年非常に充実をしてまいりまして、四十一年度におきましては大体三十日分の能力、実量三十一万トンという能力でございます。本年におきましてはこれが五十日分、二十日分の能力の拡大を見まして五十三万トンということになっております。また来年度の見通しといたしましては、五十日分の貯蔵能力がさらに六十日分まで上昇する予定でございます。実量七十六万トンの貯蔵タンクが建設されることになっております。
#31
○広瀬(秀)委員 前段のところで質問に的確な答えがなかったのですが、たとえばこの継続的な供給の契約というものが今度販売業者がどうしても許可を得るために必要な条件とされておるわけです。ところが経営の若干の問題なども業者の中にあって、少し一カ月ないし二カ月くらい代金の支払いがたとえば何らかの事情によって停滞をしたというようなときに、それでは供給ストップだ、おまえのところには長期にわたる契約書はあるけれども、代金支払いができないんだからストップだとぽんとけられた場合に、これは末端の小売り業者、販売業者としては今度はその義務を果たせなくなる。そういうような場合に、そういうことができるのかどうか。元売り業者のほうでストップしてしまう、代金を払わないのだから、規制がなければストップするのはあたりまえです、コマーシャル・ベースでは。おまえのところには品物をやれぬ、そういうようなことに対しては何にも考えないでいいのか。そういうのはレア・ケースだといえばそうだけれども、しかしそういうものに対しては何らかの形で――消費者の立場というものは家庭燃料ということからいえば非常に重大で、そこをお得意さんにして契約書もあるのにストップされた、元売りのほうからこないのだからそれを供給できない、こういうことにもなりかねない場合だってあるでしょう。そういう点について、元売り業者側はたとえば二カ月くらいの場合にはストップしてはいけないんだというようなことが何らかの形でなければ、そういうものもくずれるおそれがあるんじゃないか。こういう点についてはどういうお考えなんですが、こういう点を聞いているわけです。
#32
○両角政府委員 末端の小売り業者と消費者との間では法的な意味におきます供給義務というものはないわけでございますけれども、事実上販売方法というものの指導におきまして、出し切れが生じないように、常時需要家に対して小売り業者がガスの供給を行なうことを要請をいたすわけであります。したがいまして、さかのぼりまして元売り段階あるいは製造段階が中間の流通機構に対しまするLPGの供給を、法的な義務として供給義務を課することは適当でないと考えます。むしろそれは、ただいま御指摘がございましたようないわゆる貯蔵設備の増強その他生産供給体制の確保というものを通じましてLPGの実際の品物の流れに支障を来たさないよう、各般の行政指導を私どもしてまいるということで対処いたしたいと考えております。
#33
○広瀬(秀)委員 吉光さんにその点お伺いしたいのですが、その点いかがですか。継続的な安定供給ということが今度は販売業者に義務として課せられるわけですね。ところがいまのような事情で元売りから商品をとめられた、LPGガスの供給をとめられたということで、きょうちょうど切れたというものに対して供給ができなかったというような事態なんかもあり得ると思うんですね。そういうような問題についてそれでいいのかどうか。
#34
○吉光政府委員 私先ほど申し上げました継続的な供給の関係でございますけれども、これは申請書を提出いたします場合に、そういう供給契約を元売りとの間に結んでまいるということでございまして、いまこの書面での審査の段階でございますので、現実に品物が入っておるかどうかということは実はこの段階では審査の対象にならないわけでございます。供給契約の問題でございまして、したがいまして、書類上は契約を結んでおりますので許可されますが、許可の後におきまして将来品物がなくなるということは非常にゆゆしい問題でございますので、そういう将来の供給力の確保という点につきましては、ただいま鉱山局長からお答えしたとおりでございます。
#35
○広瀬(秀)委員 何かはっきりしないのですが、末端業者は継続的に消費者に対して供給しなければならぬという契約になっている。また長期的に元売り業者との間に継続供給の契約書を許可の条件として出すのだ。ところが払いが悪かったということでとめられてしまった、そういう場合に、やはり元売り業者に対しても、これは重大な問題なのだから、支払いがちょっと滞ったからといってとめてしまうということはしないようにというような行政指導なり何か必要ではないのかということなんです。そういう点がやはり一つ心配になるのではないか。片方だけやっておいて、元売りはかってにとめてしまう、これはコマーシャルベースで非常にぴしゃっととめてしまうというのがいいのかどうか。やはり全体的な体系の中で、そういうものに対しては行政指導なり何なりで心配ないようにするんだという配慮というものがなければこれは片手落ちじゃないのか、こういうことなんです。
#36
○両角政府委員 御指摘のようにLPGがこれだけ普及しました今日におきましては、製造元売りから末端小売り業に至るまでLPGの流れがとぎれないようにあらゆる方策を講ずる、また行政指導もこれを強力に行なうということは私どもも考えておりまして、かつて東京都のタクシー業界に対するLPG供給問題が起きました際、価格交渉のいかんにかかわらず現物だけは絶対に供給するようにということを強力に指導した実例もございます。今後ともさような方針で臨みたいと思います。
#37
○広瀬(秀)委員 そういうことで了解をしたいと思います。
 それから、今度は問題を変えますが、この新法に伴って、きのうも中村委員からいろいろ質問がありましたが、都道府県段階でなすべき事項というものが非常に多くなっておるわけですね、実際に。ただ届け出書を受け付けるということではなしに、あるいは検査しなければならぬとか、あるいは立ち入り調査をしなければならぬというような事例も相当出てきておるわけでありますが、こういう点について拾い上げてみると、随所に、都道府県知事は何々しなければならぬ、それから問題が出てくればその基準に適合するかどうかを認定しなければならぬ、そういう字句が出てくるわけです。そうしますと、非常に業務量というものは増大するのではないか、そういうことが予想されるわけであります、私、都道府県知事がなすべきことを全部チェックしてみたのですが、かなりあるのですね。そういう中で、現在のような二人か三人、あるいはほんとうに一人ぐらいしか都道府県には係官がいないというようなことでこれがカバーできるのか。これは高圧ガス全般との見合いで何とかやりくりがつくのだというけれども、これはやはりプロパンに重点を置いてそのほかの高圧ガスの問題や何かがまたおろそかになってもいけないわけでありまして、この点についてはきのうの質疑のやりとりを聞いておりましても、通産省から自治省に対してあるいは大蔵省に対してこの面での――これだけの千三百万の世帯に対する供給をやっている、関係する人口でいえば六千万になんなんとする、こういうようなものに対して、ほんとうにその保安を向上させ、取引を適正化させていこうというようなことなら、この問題についてはもう少し通産省が積極的に都道府県の係、担当者の人員をとにかく一人でも二人でもふやしてやるというようなことが必要ではないか。財政硬直化だ、五%の人員削減だというような、ことはありますけれども、これだけのものをつくっておいて、人間を通産省で二十六人ふやしただけということでは、法の期待する完全な保安の向上と取引の適正化というものははかられないんじゃないか、こういう気がするわけでありますが、その点についてもう一ぺんひとつ政務次官にお尋ねいたしたい。
#38
○藤井政府委員 御指摘のとおり、このたびの新法が施行されますと、都道府県に対する事務量が増大してくることはお説のとおりでございまして、それに対するいわゆる基準財政需要額に対しての国からの交付税、そのような財源措置をひとつ怠りないように万全の措置を講じたい。われわれとしても大蔵省によくその点は話を申し入れる予定でございます。
#39
○広瀬(秀)委員 次に、販売関係の問題で、この省令案などを見ますと、やはり保安の問題と同時に、プロパンガスについては、都市ガスのようにメーターがついていないというような不満があって、どうも業者にごまかされているんじゃないかというような、消費者と販売業者との間の不信もあるというようなことで、その面での改善もはかろうということが一つのねらいにもなっておるようであります。この面前計量というようなことについて、それから残ガスの引き取り、こういうものについて当然このメーターの設備というようなことも必要になるわけでありますが、そういう指導の方向として、いまのようにボンベがきれいになくなるまで使っていく、あるいはまたメーターを一つ一つのボンベにくっつけて、切れないうちに、若干残っておっても、それを消費額に応じて計算をしてやる、こういうようなこともできるわけでありますが、一体どういう方向にその面で進めるのか。やはりメーターを取りつけるんだ、こういう方向でこの問題を進めていこうとされるのか、あるいは面前計量ということがはかりをもってやれるならばそれでいいんだという方向でいくのか、指導の方向としては一体どっちでございますか。
#40
○両角政府委員 販売方法の指定におきましては、残ガスの計量を行ない、またそれに対応する代金の精算を行なうというようなことを指定いたす方針でございますけれども、メーター制につきましては、われわれとしましては、これが普及していくということは非常に望ましいことと考えておりまするが、現在の末端小売り業の零細な業者の現状から考えますと、直ちにこれを全面的に実施をいたすということは、業界にとりましても相当な負担となる面もございますので、そのようなメーター制の普及を推進をしていくという方向で今後とも努力をいたしたいと思います。
#41
○広瀬(秀)委員 ごまかすということはそれほどあるわけじゃないけれども、そういう余地がある、消費者のほうからいえば、そういう疑う余地がある現状というものは、やはり何らかの形で近代化し、合理化していくという方向は正しい。その方向は、やはり局長が言われたような方向だろうと思うのです。そういうように誘導していくためのやり方といいますか、そういうものに対して、これはいわば保安と同時に、家庭燃料として非常に大きなウエートを持っているプロパンガスに対する近代化の方向、当然これは近代化資金というようなものの適用対象になっていいんじゃないか、そういう考えが当然出てくるわけであります。そういうものについて、資金的に、メーター一つつけるのでも、得意先を五百戸も持っておるということになると、たいへんな金額にのぼるわけです。おそらく一気にやらないにしても何十万という金額になる。希望をとりながらやっていくにしても、なかなか業者にとっては負担はたいへんであります。そういうような場合にこれを近代化資金の適用対象にしていく、低利の融資の道を講じていく、こういうような点については、これはしっかりやっていただかなければ、そういう方向にはなかなかいかぬのじゃないか、こういうように思うわけですが、この点については、局長と次官と両方から答弁をいただきたい。
#42
○両角政府委員 御指摘のとおり、メーター制の普及は、小売り業者にとりまして相当な資金的な負担に相なるわけでありますから、これを低利の長期融資等によりまして助成をいたすという方向で考える必要があろうかと考えます。そのための具体的な方策といたしましては、いわゆる中小企業の協業組合というものを結成をするよう奨励をいたしまして、この協業組合に対しまして、中小企業振興事業団から高度化資金の融資等を行なえるように措置いたしたいと考えております。また協業組合がかりに結成不可能な場合でありましても、事業協同組合の共同施設といたしまして、本件に対する政府関係金融機関の融資が可能になるような道を、今後とも検討してまいりたいと考えております。
#43
○藤井政府委員 ただいま鉱山局長からお答えを申し上げましたとおりでございまして、現に中小企業庁とも具体的にこれが出資の方策について打ち合わせをいたしております。
#44
○広瀬(秀)委員 これだけの義務と責任を業者も負担するわけですから、これに対してはやはり政策的なメリットもつけてやるというのは当然のことだろうと思いますし、その方向で努力をしていただきたいと思います。
 大蔵省の特金課長お見えになっておりますか。――いまの問題も含めまして、さらに保安設備の特別償却というようなものも、通産省からも要求が出ていると思います。販売業者にとって保安設備を向上させるということは――今日百二十五件のプロパンの事故によって失われる富は非常にばく大なものがあるだろうと思うのです。そういうことをなくすため、そうして先ほどから何回も申し上げておるように、たいへんなウエートを持ったこういうものの保安が向上する、そういうものに対する金融上の措置というものは大蔵省として、通産省からの要求に対してどの程度こたえる気持ちがあるのか。末端の販売業者などが安心してこの法律について喜んでこれを受けとめて保安向上をはかっていこうということについて、やはり大蔵省としても十分考えていただかなければならぬと思うのですが、その点お聞きしたい。
#45
○小宮説明員 販売業者の保安関係につきまして、一部近代化資金でまかなわれるものがあるわけでございますが、あと政府金融機関の中小企業金融公庫それから国民金融公庫におきまして数年前から産業安全衛生施設に対する特別貸し付け制度がございます。これは六・五%という中小企業関係では一番低い特に優遇した特利でやっておるわけであります。実際問題として、いままででもある程度のものはこれでカバーされておるだろうと思いますが、今後これが実施されました場合には、その模様を見まして、何か運用上問題があるならば、その範囲内でできるだけ努力をしたい、こういうように考えております。
#46
○大倉説明員 お答え申し上げます。本件につきましては、かねてから通産省から、この法律の施行の際には、障壁、地下ピット、それからもう一つ分析装置というものについて特別償却を与えることによって、新たにそうものの設置を規制されるということにこたえてやってほしいという御要望を承っております。私どもも、この法案の趣旨に顧みまして、財政事情が許すならば優先的に取り上げていってしかるべきであろうと考えておりますが、ただ、御承知のように、来年度につきましては、新規政策要望というものが非常に数多く出ております一方、政策減税に回す財減があるかどうか、はなはだしく現在苦慮しておるところでございます。もし既存の特別措置あるいは期限の到来いたします特別措置について整理を行ないまして財源を捻出して新規要望にこたえるというようなことが実現できまする場合には、本件につきましても、十分通産御当局と御相談の上、善処いたしたい、このように考えております。
#47
○広瀬(秀)委員 まあ財政の事情が許すならばという。財政の硬直化が今日ほどやかましく叫ばれておるときはないわけですよ。しかし、これだけの法律をつくらざるを得ないという客観的な事情というものが厳として存在をする。しかもそれによって国民のばく大な富も失われている。人命の損傷もある。まさに家庭燃料の中にこれほどウエートの高く食い込んでいるものの保安を向上させる。新規政策に回す部分というのは非常に少ないといわれておりますけれども、いままでの租税特別措置法――あなたとここで詳しく論争するいとまはないのですけれども、そういうことをおっしゃらずに、これだけのことを業者にやらせるわけですから、そのための施策については政策的なメリットをつける、いままでのやつに大なたをふるう部面はたくさんあるわけですから、これは通産政務次官の藤井さんは大蔵のベテランでありますからよく御承知だと思いまするけれども、どうかひとつそういう新規政策はというようなことを言わずに、これは非常に重大な、国民生活にとって非常に重みのある問題なんだということから、この際それくらいのことはやりますということを、いまあなたがおっしゃったくらいのことは何とかやりますということを、この際言っていただかなければいかぬと思うのです。いかがですか。
#48
○藤井政府委員 大蔵省の担当課長の立場でいまこの場で明言するということはちょっと困られるのではないか、こう思いますので、あえて私のほうから答弁さしていただきますが、広瀬委員の御指摘のとおり私も思っております。少なくともこのような法案を通す以上、その法の目的である保安施設を完備さす、しかも相手は零細中小企業者である、こういう場合は、税制上においても優遇措置を講じなければならぬ。これは従来の企業減税、特別償却、こういった問題とは別個の角度から検討し、これの実施を断行すべきである。先ほど説明がありましたように、保安施設の障壁とか地下ピットであるとか、ガス検査設備、こういったものは少なくとも、最小限度初年度三分の一の特別償却、こういった線は必ず実現をせなければならぬと固く私も考えております。
#49
○広瀬(秀)委員 いまの政務次官の非常に熱情を込められた御答弁で、私も信頼してこの場は下がりたいと思います。ぜひとも大蔵省もひとつそういう気持ちに同調されるように強く望んでおきます。
 質問を進めます。
 消防庁にちょっとお伺いしたいのでありますが、この新法ができますると、いろいろ消防庁の役割りもそれに従って大きなものになってくるわけであります。このプロパンの操作について、技術的な知識といいますか、そういうようなものが非常に要求されるわけであります。こういう点で、特別な、新法を受けての主任が今度は点検をする、これは消防法に基づく点検というようなことも、家庭に立ち入ってもやるわけでありますが、そういう場合の専門的な知識というようなことなども相当要求されてくるのではないかと思います。そういう面での手だてといいますか、そういうものについて、どういうように構想を持って進められようとしているか、こういう点について伺っておきたいと思います。
#50
○高田説明員 ただいま御指摘の点につきましては、私どもも、今度法律的な制度といたしましては私どものほうに全く新たに入った問題でございます。ただ、実際の問題といたしましては、昨日の中村先生の御指摘のときにも私御説明申し上げましたように、実際は、こういった火気の取り扱い施設というものにつきましては、それなりの対象物として査察というようなことで過去においても消防当局において行なってきた面もあるわけでございます。したがって事実の上ではそういうことをやっておりましたけれども、法律的な制度としてそういうふうになりました以上は、私どものほうといたしましても、さらにそういったものについての、現地における指導監督――むしろ、指導と申しますよりも、保安的な規制の強化の面というような点から、そういう知識を涵養しなければいけないという点については、来年度は特に重点を置きまして予算的にも要求をいたしておるところでございます。したがって、ことしから、もうすでにその点については、事実上の啓蒙というものは動き出しておりますが、来年からのそういった要求はいたしております。その点につきましては、通産省の御協力も仰いで、そして私どものほうの消防機関における啓蒙もいたしたいと考えております。
#51
○広瀬(秀)委員 消防庁は、そういう点でも、この体制の中で、新法実施の成果をあげる協力体制が非常に大きくなるわけでありますから、御協力を要望しておきたいと思います。
 次に、いま高圧ガス取締法がある、施行令がある、容器保安規則がある、液化石油ガス保安規則がある、高圧ガス作業主任者、販売主任者試験規則がある、あと通牒がある、こういうような体系でいままでやってこられた。今度はこの新法ができる。法体系の問題として、普通の業者で、しかも特に零細業者が圧倒的だというような場合に、あまり、高圧ガス取締法の適用も受けます、これの適用も受けます、ああだこうだということになると、現実の姿において、そういう気持ちの上での負担というのが非常によけいになる。こういうものをつくるときに、高圧ガス取締法というものから少なくともLPGに関する部分は全部抜き出してこれにまとめてしまうというような、法体系の整備といいますか、そういうようなことで、LPG業者はこの法律を見さえすればもうすべていいんだ、こういうような法律のつくり方というものは、一体できなかったのかどうかということが一つあるわけであります。
 それから、今回は小規模導管供給の問題というようなものがこれに除かれておるわけですが、きのうの中村委員の質疑で、小規模導管による消費というような程度に理解をしていただくならば、この対象になってくるというような答弁もあったようでありますが、この問題はやがてこの法律の中に取り込まれるのかどうか。こういう問題について、これは井上さんと吉光さんと両方になると思いますが……。
#52
○吉光政府委員 こういう消費者関係に関連する取り締まり行政については、そこで全部一本化して、この中に全部包摂するほうがいいではないかという御意見であったと拝聴しております。私どももまさにそれが一番いいというふうに考えておるわけでございますが、ただ高圧ガス取締法は、従来事業所を中心にいたしました形での取り締まりをやっておったわけでございますが、今度新しくまとめましたこの法律自身は、むしろ事業所から離れまして、一般消費者という、家庭のほうの関係サイドに非常に多くの規定を置いておるわけでございますけれども、いわば高圧ガス取締法の特例法であるというふうな考え方でこの法案を立案いたしたわけでございます。したがいまして、できるだけ高圧ガス取締法とこの法律との間のダブリというものを排除したい。これにはそういう形で検討を加え、もう相当部分はダブリはなくなっておるわけでございます。ただ部分的に、規定上、仕事の形態が違っておると申しますか、一般消費者のほうにLPGガスを供給するという形と、もう一つ、逆に自分自身でボンベの中にガスを充てんするという行為、これは消費者向きじゃなくて、自分自身で製造するといいますか、そういう行為と一部向きの変わった面の行為もございますので、そういう面につきましては、一部高圧ガス取締法自身の中の取り締まりに残っておる面がございます。ただ、残りましたことによって、要するに仕事が違うからということで残っているわけでございますけれども、実際問題といたしまして、二つの規定が適用されることによって、業者自身が二重の負担をこうむるというふうなことにならないような配慮は、これは当然すべきではないかというふうに考えておりますので、現実に手数料等の場合におきましては、そこらの事情を十分頭に置きました上で、負担が過重にならないように配慮を加えるべきであるというふうに思っており、現にそういう準備体制を進めつつございます。
 それから、小規模導管供給の問題でございますが、これは実は昨日もお答え申し上げたわけでございますが、この法律は、いわゆる小規模導管供給の全部を排除いたしておるわけではございません。その一部もこの中には入っておるわけでございますけれども、ただ小規模導管供給形態というのが非常に千差万別でございます。ほんの数個の導管供給をやっている場合、相当大きな団地に至るまで導管供給をやっている場合、これは従来小規模導管供給ということですべて一括して、同じことばで使われておりましたけれども、その内容というのは、実は相当幅があるわけでございます。したがいまして、現実の問題といたしましても、現にガス事業法の適用を受けて、ガス事業者として導管供給されておる場合もございますし、あるいはまた、ただ単に高圧ガス取締法の高圧ガスの取り締まりという形で、現実にその許可を受けて事業をやっておられるというふうな方もあるわけでございます。全体といたしまして、こういう小規模導管供給による供給形態がだんだんとふえていく実情にございますために、やはりこの問題につきましては、もう少し長期的な立場から、どういう姿でそういう業態があったらいいかという点について判断さしていただくのが妥当ではないであろうかというふうなことから、さしあたりこの法案にはその部分を除いたわけでございます。したがいまして、私ども通産省に設けられましたガス部会におきまして、そこらの長期的な供給体制のあり方というものを踏まえて最終結論を出していただくよう現在お願いいたしておるわけでございます。したがいまして、そこの結論を待ちまして、結論が出ました場合に、ガス事業法に入れるか、あるいはまた新しいLPG業法と申しますか、そういうふうなものを立案するか、あるいはまた、本法案の一部について改正を加えるか、そういう点につきましては、そこらの結論の出方に応じまして、法体系の整備をそれに即応した形でやっていくのが一番妥当な考えではないか、このように考えております。
#53
○井上(亮)政府委員 ただいま吉光局長から答弁がありましたので、つけ加えることはあまりありませんが、ただ昨日もお答え申し上げましたように、小規模導管企業につきましては、これはきわめて零細な形態をとっているものから、相当多数の消費者に供給している形態をとっているものもございます。したがいまして、そういった小規模導管企業の実態を見まして、特に消費者の利益を守るというような観点を基礎にしながら、つまり私個人の考え方としましては、小規模導管事業の相当部分のものにつきましては、やはり公益性のある事業、ただいまガス事業法は公益事業法としての内容を持っておりますが、そういった性格をやはり持っているのじゃないかというふうに考えておりますので、ただいまガス部会で検討しておりますので、検討結果を待ちまして、私どもは、ガス事業法を改正して、小規模導管事業者についての法的位置づけを明らかにしたいというふうに考えております。
#54
○広瀬(秀)委員 その問題についてこれ以上詳しく将来の問題に立ち入るつもりはありませんが、やはり一つだけは重要な観点として言っておかなければならぬことがあると思うのです。やはり消費者の選択の問題、都市ガスがなかなか手が出ない、それで都市ガス業者、東京液化ガスがやったというようなことも、これは実態は東京瓦斯がやっているとだれも見ているわけです。そういうようなことは、これはガス事業法からいっても、厳密に言えば、私は違反行為であろうと思う。そういう見方すら一部にはあるわけでありますが、そういう面が一つある。しかも都市ガス事業としてはやれないので、液化ガスというふうに形を変えて、そういうところにどんどん大資本が進出をする、そうして零細業者のシェアをどんどん食いつぶすというようなこと、そういう問題も一つある。
 もう一つの問題は、団地等においてやはりプロパンのほうがいいという消費者の選択、そういうものに対してプロパン業者からこれを供給していく、こういう保安新法も出るわけでございますから、これらによって、その公益的な保安という面もかなり万全に近いものが担保されるとするならば、あえてそういう消費者選択というものを無視して、都市ガスでなければいかぬのだという形はいけないのじゃないか、こういうように考えるわけでありまして、それらを十分参酌されながらその問題については対処をしていただきたい。これは三局お互いになわ張り争いのような形は避けて、そういう立場で将来ひとつ考えていっていただきたいと思うわけであります。
 それから、最後に一つ伺っておきたいことは、この高圧ガス保安協会あるいはLPGの協会、さらに商業協同組合、商協、こういうようなものがあるわけでありますが、きのうからの中村委員の質問の過程におきましても、この新法を施行するにあたって、担当官などもあまりふやさないんだというようなこと、これだけの新法が出て、実際にこれを第一線の販売業者に徹底をさしていく、そして、保安度が法の期待するような形において、確実にこの法の精神というものが具現されていくというためには、業者の自主的な、任意的な団体というようなものの活躍する部面というものが非常に大きなウエートを占めるだろうと思うのです。こういうものに対して、どういうようにこの団体を指導し育成し、どういう役割りを果たさしていくか、商協と協会というようなもの。商協が現在ではあまりたいした役割りを果たしていない。まだ都道府県で結成されていないところも半分以上もあるということ。協会のほうはそれらに全部ある。こういうようなものがお互いになわ張り争いのようなことをやっておったのでは、うしろ向きのようなことをやっておったのでは、これは非常に問題があるだろうと思うのです。こういう団体の育成、それからそれに対して役割りをきちんと与えて、それに対する指導なりあるいは何らかの形における財政的な援助なども与えられる道はないのか。そういうようなことを通じてやはり適切な運営がなされるようなものを担保していくというようなことも当然考えなければならぬ。そういう問題に対しての通産省としての今後の考え方、指導のしかた、こういうようなものをひとつこの際明確に――これらの業者団体というようなものをどのようなぐあいに持っていくかということを、ほんとうに期待どおりの法律の精神に従ってその効果を正しく実現さしていくという立場に立っての方針をひとつ伺っておきたいと思うわけであります。
#55
○吉光政府委員 現在自主的なLPG関係の団体といたしまして、全国的にはいわゆる全協連と申しておりますが、全国LPガス協会連合会、これは各都道府県にございますLPガス協会の全国連合会でございますけれども、こういう団体と、それからいわゆる普通全商連と申しております全国プロパンガス販売商工組合連合会、こういう二つの全国団体がございます。先ほどお話がございましたように、それぞれ都道府県に単位組合を中心にした活動をいたしておるわけでございますが、これらの全協連のほうは主として消費者その他の保安の業務を主たる任務といたしております。同時にもう一方の全商連のほうは、中小企業団体法に基づきます経済団体でございまして、全協連のほうは各都道府県全部にそれぞれ団体を持っておるわけでございます。従来とも各都道府県のLPガス協会というものがいわゆる自主的な保安団体として非常に大きな実績を残していただいておるわけでございますけれども、今後この新法ができました場合におきましても、この都道府県のLPガス協会に、保安を主とする団体でございますので、相当分お願いしなければならない面が出てまいると思っております。たとえばこの法律の中で、一般消費者に対する書面の交付の実施の指導と申しますか、どういうようなことをどう書いて、最も簡潔に強く訴えるかというための表現の統一と申しますか、そういうふうなことについて、あるいはまた印刷物の配付のしかた等について、やはりこういう自主的な団体自身の力を借りることが多いのではないか。
 それから第二に、消費設備の調査の具体的実施のしかたの問題でございます。こういう問題につきましても、やはりこの都道府県の組合のほうで自主的な指導体制でやっていくということが必要ではないだろうか。あるいはまた従業員保安教育の実施の問題、あるいは保安台帳その他の帳簿の整備に関する指導でございますとか、そういうようなことにつきましては、従前にも増して各都道府県のLPGガス協会というものの自主的な指導体制を確立していただきたいと思っておるわけでございます。そういう点につきまして、役所のほうでやるべきことがあれば積極的に取り上げてまいりたい、このように考えております。
#56
○広瀬(秀)委員 末端の業者から見ますと、高圧ガス協会のほうにも会費を納めている、LPGの協会のほうにも会費を出している、それからプロパンガス販売商工組合、こういうところにも入っている、それぞれ三つのところから会費をとられている。それはしかも開店休業のようなところもある。何もはね返りというものが期待されないというようなことで、こういう面で非常に不満もあるわけであります。これは役割りも本来ならばあるわけなんですが、その役割りに従って必ずしもやってないで、休眠しているような状態も見られる。そうものについてはできるだけ――やはり販売商工組合というものが全部できるとするならば、これはほとんど大部分のものが加入をされる。しかも保安協会と一体化しているLPGガス協会、こういうようなものにもほとんど加盟をするというような形になれば、これなんかは何とかそういう方向で進めていけば、協同組合の組織化ということを徹底さしていくというような形の中で、単に商協という形じゃなしに、LPガス協会がいままでやってきたことも一緒になって、保安と取引の適正化の問題を中心にして、主たる仕事を一体化されたものでやるというような方向になれば、より効率的に、より実態に即した運営というものが、この新法を受けとめる業者側の自主的な体制として完備するのではないか、こういうようなことは当然考えられるわけなんですが、そういう積極的な方向というようなものは考えられませんか。そういう点をもう少し伺いたいと思います。
#57
○藤井政府委員 ただいま担当局長から御答弁いたしましたように、全協連と全商運、おのおのその性格が違うわけでございますけれども、広瀬委員御指摘の御趣旨はよく私も理解できるわけでございまして、現在すでにこの新法実施を目前に控えて、全国LPガス新法特別対策委員会というような動きもあるわけでございまして、でき得れば、いまおっしゃったような二重三重の組織でなく、保安の確保と取引の適正化という面、そのほかまた、先ほど御指摘のLPガス共済制度の問題もございますから、これは別に事業団をつくるにしても、そういうものを一本化してうまくいけるようにするためには、やはりばらばらな組織でないほうが好ましいというふうに私は思うわけでございまして、御趣旨の点十分拝承いたしましたので、検討させていただきます。
#58
○広瀬(秀)委員 きょうはこれで時間もきましたので終わりたいと思いますが、いずれにいたしましても、保安を向上させ、消費者に保安サービスを与えると同時に、消費者の不信を払拭する取引の適正化というようなものがこの法律によって担保されることは、業界の発展にとっても、また消費者にとっても、販売業者自身の発展にとっても、必要なことであろうと思うわけでございます。しかし、先ほど冒頭に申し上げましたように、この実施について、今日なお末端の、特に小零細業者というものが不安な気持ちを抱いておるわけでありまして、それらについては、この不安な気持ちというものに対して、だんだんの質問において御答弁もいただき、そう零細業者を痛めつけるようなものではないのだということもかなり明らかにされてまいったわけでありますが、法の実施運用等にあたっては、先ほど私が幾つか指摘したような、机上で考えたものと末端業者の受けとめ方というものが違うし、また消費者へのはね返りというようなものも違うというような面なども、きめこまかく政策の配慮として行ないながらこの法の運用というものをはかっていただきたい。決して小零細業者を脱落させ、整理を意図するものではないのだ、そういうことが現実の問題としても裏づけされて、実施の段階において裏づけされているような形の運用というものによって、小零細業者の存続、しかもこれは当然保安度を向上しながら、取引の適正をはかりながら、存続できるような体制というものに十分な配慮を加えてやっていただきたいということを強く要望いたしておきたいと思うわけであります。
 以上をもちまして、質問を終わります。
#59
○島村委員長 午後一時三十分から再開することとし、暫時休憩いたします。
   午後零時三十分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時五十三分開議
#60
○鴨田委員長代理 休憩前に引き続きまして、会議を開きたいと思います。
 質疑の通告がありますので、順次これを許します。吉田泰造君。
#61
○吉田(泰)委員 この前の国会で最後に十分ほどちょっと質問さしていただきましたが、重複する点もあると思うのですが、あらためまして六、七点お伺いをしたいと思います。
 まず第一の、これも前に重複すると思うのでございますが、この法案が前々国会において液化石油ガスの需給安定及び取引適正化法案というので上程されかけておりましたけれども、未提出に終わった。前国会で需給安定という点が後退いたしまして、保安の確保ということが前面に出てまいった。私はここでこの前も質問さしていただいたんですが、わずか一年の間に、前々国会と前国会との間に、非常に重要な法案であるこういう法案が、法案の名前まで需給安定から保安の確保ということに変えられたという趣旨を御説明賜わりたいと思います。
#62
○両角政府委員 LPGの需給の安定はきわめて重要な問題でございますが、たまたま御承知のように昭和三十九年の暮れから四十年の春にかけまして、LPG特にタクシー業界向けのLPGの一時的な不足問題を契機といたしまして、需給安定の必要性が高まったわけでございますが、その後、石油供給計画によります需給の調整がきわめて効果的に進められましたことともに、タンク能力の充実等もございまして、今日の事態に顧みますと、LPGの需給の調整というものは四十年以降きわめて順調に推移をしてまいっておると考えております。したがいまして、需給の調整をはかるための特別な法的措置ということよりは、より実際的に行政の指導の面におきまして供給の安定に遺憾なきを期するという方策を通じまして需給安定の効果を求めてまいりたいというのが当面の考え方になっておる次第でございます。さような趣旨から、本法案におきまして需給安定そのものにつきましては法律的には触れないというたてまえをとりまして、その調整措置は石油業法によります供給計画というものによってはかってまいるたてまえにいたした次第でございます。
#63
○吉田(泰)委員 いまの御説明ですが、私は、LPGの新しい法案、これにつきまして一番大事な点として、以下質問を申し上げていきますけれども、価格とかあるいは流通機構、需給計画も入っておると思うのですが、計量の問題、保安の問題、そういうことを含めた法案が提案さるべきである。ところが、いままで各委員の先生方から御質問がございましたけれども、事故の問題が非常に新聞紙上でやかましくなったり、マスコミで大いに取り上げられるということで、目下の急務であるということはよくわかります。理解ができます。だからといって、一番肝心な、しかもむずかしい点を何か疎外された。以下ずっと質問させてもらいますが、事故の問題、保安の問題よりかもっと根本的なもっと広い意味のいわゆる取引の適正化、そういう意味で見解を賜わったり御意見を伺いたいと私は思うのです。
 需給計画のことでございますけれども、なるほど御答弁のとおりだと思うのですが、目下保安の確保ということが前面に出てきたからといって、一年間のうちに変わらなければならぬほどいわゆる需給計画の大綱というかそれが根本的に立案されてなかったのか。ということは、将来問題点として需給計画の見通しあるいは供給計画についての大企業の独占的な行き方に対するどこかの規制、あるいは消費の備蓄問題、そういう問題について措置がなければ法案としては不十分ではないか、私はかように考えるのですが、どうでしょうか。
#64
○両角政府委員 ただいま御指摘をいただきましたように、価格の問題あるいは流通機構の問題あるいは需給の問題がきわめて大切な問題であるという点については、全くさように考えております。しかしながら、これを立法措置によりまして規制を加えてまいることが必要かどうかという点になりますと、現在のLPGの需給情勢ないしは今後予想されまする需給情勢等々から判断いたしまして、法的な面は石油業法によりまする法的措置をもって足りるというふうに考えておる次第でございます。LPGの需給は、ここ四十年度以降三年にわたりましてきわめて順調に推移をいたしております。特に本年の下期につきましては、中東動乱のために多少LPGタンカーの入港がおくれたというようなこと、あるいはアイソマックス設備等の故障等がございまして、一時的な供給のタイトが起こったことはございますが、直ちに緊急輸入の措置をとりまして、現在の段階におきましては、下期は需用二百三十六万トンに対して供給が二百四十五万トンというふうに、全く需給面からは問題のない状態になっておる次第でございます。かような点等を御勘案いただきまして、需給問題並びに価格問題につきまして今後とも、従来の線に沿いまして善処をいたしてまいりたいということで御了解をいただきたいと思います。
#65
○吉田(泰)委員 石油業法第三条にいう石油供給計画、これに基づいてプロパンガスの場合も通産省は生産数量及び輸入数量を割り当てられるのですか。
#66
○両角政府委員 石油供給計画はLPGを含んでおりまするけれども、これは割り当てという問題ではございませんで、各社の提示いたしまする生産計画、輸入計画といったものを積み上げてまいりまして、われわれが想定いたしまする需要量との間でどういう関係になってくるか、足りない場合には各社計画に対して増産を要請し、またきわめて過剰な生産が見込まれまする場合には各社の自粛を要望するといったような調整を事前に事実上加えながら作成いたす計画でございます。
#67
○吉田(泰)委員 いまのプロパンガスは石油業法第三条のそういうことに基づいて生産数量の規制とか輸入量の規制ができないということでございますけれども、行政指導ではたして私は完ぺきなことができるかどうかということで御質問したいのですが、いまプロパンガスが非常に普及いたしまして千二、三百万世帯といわれておりますけれども、通産省の想定では、これを提案なさったとき、年間の家庭使用量、いま需給計画をお持ちだと思うのですが、どういうような想定のもとに計画をなさっておるか、そういうことを伺いたい。
#68
○両角政府委員 昭和四十二年度について申し上げますと、石油業法上の供給計画におきまして、LPGの全体の需要は四百五万トンと推定をいたしました。またこれに対する供給は、輸入を合わせまして四百十二万トンという数字で作成をいたしたのであります。
 ところがその後、需要面が、経済全般の活況を反映いたしまして、また家庭消費の伸びを反映いたしまして、やや計画を上回りまして、約十万トン近い需要の伸びが出たわけでございます。したがいまして当方といたしましては、直ちに緊急輸入の手配ないしは精製所からの増産を求めまして、四百十九万トンという現在の供給見通しになっておる次第でございます。
#69
○吉田(泰)委員 そういう御答弁の中から、私は価格の問題で、卸価格、小売り価格、この問題についてちょっと言及してみたいと思うのです。
 この間から委員会でずっとこの法案の質疑を私拝聴しておりまして、先ほど冒頭で申し上げましたように、やはり一番肝心な点が抜けているんじゃないか。なるほど保安の確保ということは非常に大事でございます。大事でございますが、いわゆる消費者保護という考え方からするならば、保安という点だけが前面に出てきている。非常に大切なことであり、当然のことですけれども、それ以外のいわゆる流通機構の問題とか、小売り価格の問題とか、いろいろな問題点がなおざりにされておる。現に小売り価格――私、この間の中村委員の質疑を拝聴したのですが、五万六千軒からの小売り店があるといいますね。ところが、現実にこの法律を行なった以後の通産省の指導した姿の結論ですね、来年の暮れごろになった場合に、小売り業態が、一軒の小売り屋がどういうような状況になるというお考えでございますか。指導の終末ですね。この法案を通して、そして小売り店の指導をなさる、保安設備を整えてやるといいますけれども、平均どのくらいの規模になりますか、それからまず。簡単でけっこうです。
#70
○両角政府委員 予測はたいへんむずかしい問題でございまするが、いずれにいたしましても、たとえば現状で申しますと、LPGの小売り業者の従業員が十名以下というものが全体の約八割という、小規模な形態をとっておるわけでございます。かような個々の規模の零細さというものを、直ちにスケールを高めていくということは、いろいろむずかしい事情があろうかと思いますが、これは先ほど午前中に申し上げましたように、協業化ということを通じまして事実上の規模拡大という方向に指導をいたしてまいるべきと考えております。協業組合の結成の動きも全国的に出ておりますもので、本法施行後の小売り店の事実上の経営規模というものは漸次改善されてまいると考えます。
#71
○吉田(泰)委員 私は具体的な例で御質問しますが、小売り価格の調整がなかなか指導できないという現在の段階での小売り店をとります。そうすると、大体、全国平均で月三トンですか、そういう平均の販売量になるわけなんです。これは値段にいろいろな格差がありますけれども、利益計算をなさったことが、おそらく通産省の方、あると思うのです。各店がどのくらいもうかっているかということですね。そうすると、現在、私これは計算したのです。元売りが十五円から十六円。業界が新しい関係で、販売機構がまだ整然としておりません。しかし、卸売り価格が二十四円から二十八円。最終価格になってきますと、非常に高くなって、十キロ当たりが四百五十円から高いところは千四百円。ところが、その平均値をとってみて、三トン月に売ると、平均の利益で十キロ二百円あっても、三トンで収益が月六万円なんです。これは荒利益ですよ。これではたして通産省の想定しているような、行政指導をして、一人販売主任者を置いて、しかも二人、三人といいますけれども、小売り店の利益がないということは、考えなければいけないのは、元売り業者に収益のほとんどがいっておるということなんです。だから独占企業だけが非常に収益を得るであろう。そうして、一番被害を受けるのは、私はユーザーだと思うのです。利用者だと思うのです。それに対して何らの規制がない。需給計画についても、そういう抜本的な計画がないと、第一条に「公共の福祉」ということをうたっておりますけれども、公共の福祉というのは保安だけなのか。それ以外のものはどうするのか。それ以外のものは取り扱いにくいから、全部法案の陰に隠れてしまって、いわゆる事故が多いから事故に対する対策だけが急がれた。しかも、一番たいへんな、おそらく公益事業と同じような――都市ガスが九百万世帯、ところがプロパンガスはいまや千二、三百万世帯、そういう現時点をとらえた法案としては、私は、価格について、いわゆる元売りから小売りに至るまでのこの問題について、通産省がどういうように考えておるか。実際いうと私、元売り業者が幾らくらいの利益があるか全部計算したのです。そうすると、驚くことは、元売り業者だけの利益が上がって、しかも一番保安でも責任を持たなければいけないような、日々サービスをしなければいかぬようないわゆる小売り店業者に対しては、利益確保が行なわれてない。だから、何ぼ口をすっぱくして言ってみたところで、まして二百五十軒か三百軒の得意先をかかえて、容器つきの重いものを運んで、しかも十キロ当たり百円あるいは高いところは二百円、三百円のマージンをとってみても、現実に行政指導の同じような効果が生めるだろうかということについて、通産省がコストに対する行政指導ができないとするならば、これは私は問題点がある。利用者は多いのですから、客はある。客はあるけれども、元が締めてしまった。したがって、元がほとんどの収益を取ってしまった。こういった問題についてどういうふうに考えておられるか。保安じゃなくて、コスト面で……。
#72
○両角政府委員 ただいまお話がございましたように、零細規模の小売り業が必ずしも経営上楽ではないという点は、昨今におきます労務費の上昇その他を見ましても、一応推定されるかと思いますけれども、御承知のようにLPGの小売り業者は、さような経営上の採算の面では相当数が兼業というような形態で、薪炭、米穀商等がこれを兼ねておられる場合が多いわけでございまして、さような形態でカバーをされておる面もあろうかと思いますが、しかしそのこと自体が決して好ましいことではないわけであります。むしろ専業化を進め、かつ小売り業者の大型化を進めていくという方向に今後とも向けられるべきであるということはわれわれも考えております。かような面で、先ほど申しました協業化ということも一つの手がかりになるわけでありますが、いわゆる各LPGの流通段階におきますマージンが生産者もしくは特定少数のメーカーに集中しておるという点につきましては、必ずしも数字的にはさように申せないのではなかろうかと考えます。特に生産、輸入業者の仕切り価格というものの推移を見ておりますと、本年の最近の数字を見ましても、これは三十九年、四十年当時に比較いたしまして、キログラム当たり八円程度の値下がりを示してきております。つまり、卸売り業者に対する元売りの仕切り価格というものは八円ぐらい下がってきておる。また卸売り業者の小売り業者に対する仕切り価格というものを見ましても、同じく四十年当時から比較いたしまして、十円以上の引き下げを見ておるわけでございます。これに対しまして、小売業者の一般消費者に対します販売価格というものは、地方によりましてばらつきはございますが、おおむねのところ六十円ないし八十円という水準でここ一、二年横ばいを示してきておる。かような三者の比較関係から考えますと、特に昨今におきます価格の変更が流通段階で行なわれて、それが小売り業者もしくは卸売り業者の不利のために修正をされてきておるというような傾向にはないというふうに判断をいたしております。
#73
○吉田(泰)委員 説明はもう少し簡単にやってもらいたいのです。結論だけを言ってもらいたい。おたくでお調べになったのでは御売り価格が幾ら、小売り価格が幾ら――下がったとか上がったというのは、そのときの需給のバランスがあるのですから、関係ないと思うのです。それで利益の考え方を一緒に考えてみたいと思うのです。平均値をひとつ示してください。
#74
○両角政府委員 家庭用、業務用のLPGの卸売り価格は、四十二年十一月におきまして、生産、輸入業者段階で十七円五十銭、卸売り業者段階で二十七円ないし三十円、小売り業者で六十円ないし八十円ということになっております。
#75
○吉田(泰)委員 この数字ですが、これについて十七円五十銭のものが卸売り業者で二十七円から三十円、大体キロ当たり十円ですね。この価格、これを現在の消費量、家庭千三百万世帯で――工業用は抜きましょう。これは別の性格になると思うのです。家庭の消費、いわゆる使用者保護といいますか、そういう形からやはり立法が行なわれなければならぬと思うのです、公共性を持ったものですから。そうすると、大体一日ふろをたいて全部やると、いわゆる主婦連なんかの調べによると、月間で五十ないし六十キロを使う。そうするといわゆる全使用量、千三百万世帯にいま普及している。それで卸売り価格がキロ十円あるわけです。非常に運搬方法その他で合理化されております。ところが小売り価格の場合、この平均、いわゆる五万六千軒で月に三トンしか商いができない。下がったといいますが、これは競争だから下がると思う。公共性があるのにかかわらずコストに対する何らの規制がない。したがってこれを計算されたら一目瞭然だ。これを卸売り業者三千軒で分けておるのです。大小加えて三千軒しかないという通産省の調べでございますね。そうすると、いわゆる元売り業者あるいは卸売り業者が、いま局長の答弁のように、いわゆる値下がりがあったからと言いますけれども、収益性としては非常に高いものがある。これは計算して三千軒で割ると、小さい製造業者でも年間利益が二億出ております。小売り業者は五万六千軒で割ってみると平均して月六万円。これはこういう行政指導ではたしてほんとうに前面に打ち出した保安が守れるだろうか。そのことは行政指導に待つのだ。何らの規制がないのだ。しかも都市ガス以上に公共性があるじゃないか。都市ガスに対しては規制があるじゃないか。これはどうですか。このままほうっておいて、いわゆる保安という点で消費者は保護されますけれども、コストの上ではたして保護されるであろうか。需給関係も安定しているというけれども、おそらく変動があっても、元売り業者、製造業者は自由じゃないか。一部独占のそういう企業になっていくのではないか。現に先ほどの委員からも話がありまましたけれども、都市ガス会社いわゆるガス会社が公益事業法からそのままできないものだから別法人をつくっているじゃないか。そういう見解について――将来とも値段についてはおそらく主婦の方々は真剣に考えていると思うのです。保安のことも大事だけれども、そのほかは忘れられているのではないか、何ら規制するものがないのではないか。いわゆるほんとうの意味の公共の福祉とは何かという問題です。この第一条にあります「もって公共の福祉を増進することを目的とする。」この解釈をしてもらいたいのです。
#76
○両角政府委員 LPGの価格の適正化を進めるということが公共の福祉に含まれるではないかという御趣旨ではまことに同感でございます。したがいまして、LPGの価格は生産、輸入業者段階から末端の小売り段階に至るまでそれぞれ適正な価格水準でこれが取引をされるように指導をいたせということもまことにごもっともであろうかと思います。しかしながら、この価格形成というものは、いわば商取引もしくは需給関係によりまして決定をされてくることが原則でございまして、LPG関係について特にこれを法的に規制をいたすということは需用家各位の立場から考えましても必ずしも得策ではないのではないか。むしろ価格全般が適正に形成されますためには、一つは、供給を十分に確保してまいって、品不足のための値上げ等が行なわれないように配慮をしていくということ、また、御指摘いただきましたように、販売機構というものの合理化をはかりまして、いわゆる中間的な経費というものをできるだけ節約してまいるということ、さらに末端の小売り業者の個々の取り扱い量というものを増大をすることによりまして、末端段階の経理の健全化、合理化をはかるというような方策を通じまして、しかもその上に小売り業自体の間の自由競争というものが行なわれて形成されてくる仕組みが現在のところ最も望ましい方策ではなかろうか、かように考える次第でございます。
#77
○吉田(泰)委員 私はいまの需給計画、いわゆる供給が満たされた場合は自然な原則に従ってそんなに高くならぬだろうという、結論的にはそういうお話かと思うのですが、現に通産省が専門的に考えたいわゆる供給計画でも、現実的に一年間で変わっているじゃないか。私が言いたいのは、前々国会では需給計画ということで表に出さなければいけなかったのが、保安の確保に現に変わっているじゃないか。それと同時に、いま局長は、いわゆる規模の適正化をはかることによって収益は確保できるとおっしゃいますが、私はできないと思うのです。なぜできるか聞きたい。私は荒利益を言うたのですよ。だから私はその方策を聞きたいのです。現在のままで小売り店がいろいろ生産を高めることをやれば収益がもっとあがってやれるという御答弁がいまありましたが、どの程度収益があがるのか。そういう保証的な形になりますか。月に三トンくらい売っておって、協業化で広めると言いますが、私の言いたいのは、都市ガスとか電気とか、そういう公共的なものの使用家庭についても根本的に通産省が考え直してくれなければ、これは議論にならぬと思うのです。それはできないのだと言ってしまえば……。立場は違いますが、最も利用家庭も多いじゃないか。電力とか、地方公営事業でやっている水道とかあるいは都市ガスは九百万世帯、それよりも上回ってきたじゃないか。千三百万にのぼるじゃないか。それを同じようなメジャーで考えていくのはいかぬじゃないか。これはどうですか。供給が余ったらいけるのだという考え方、いわゆるメーカーに対しては行政指導でできるのだという考え方でしょうが、行政指導ではたしてできるか。将来幾つかのブロックに分かれてきて、はっきり言うと生産者が寡占体制になると私は思うのです。独占とまでは言わなくても、寡占体制になっていくだろう。そういう場合に、その人たちがコスト調整をかってにできるじゃないですか、それはどうですか。それのできない処置がありますか。幾つかのブロックに分かれて寡占体制になって、元売りがかってに値段をきめてしまう。ところが使用者はそれを利用したいのですよ。その使用者には利用者保護という観点からいえば何もないと思うのですがね。
#78
○両角政府委員 御質問の趣旨を取り違えておりましたらお許しいただきたいと思いますが、現在LPGの生産は石油精製業の工場において行なわれ、また石油化学の工場において行なわれ、また輸入はそれぞれ輸入専業者が行ないまして、合わせまして二百四十ぐらいの供給源があるわけでございます。かような供給源が散在をいたしておりまして、相互に激しい競争を行なっておるというのが実情でございます。したがいまして、何らかの特別な利益をはかり得るような、そういう高い値段のLPGの供給が行なわれると仮定しましたら、直ちにそれは競争によってチェックされるというのが精製、輸入段階における実情でございます。したがって供給源からの供給というものは、今後とも不当に高い値段になっていく方向ではない。逆に言いますと、小売り末端段階における仕入れ価格というのは決してつり上げられる方向にはいかないと思います。供給確保される限り、小売り段階における仕入れ価格というものの上昇傾向はとらないと思います。さようなことは石油精製業、石油化学もしくは輸入業者に対する石油業法上の行政指導によりまして十分はかってまいることができようかと思います。ただ、お尋ねの末端段階における利益をどうやってあげることが保証されるかという点は、これは末端段階の経営の問題であり、いわば規模の問題であります。また経営者の努力の問題でもございます。競争の問題でもあります。いろいろな面が相重なりましてきめられるべき事柄であろうかと存じております。
#79
○吉田(泰)委員 いまの局長の御答弁で私はもう一度お伺いしたいのですが、私はいま小売り業者の利益の問題をわかりやすいように一例をあげただけで、そのことが目的じゃないのです。やはり法の精神にのっとって抜本的にやらなければいかぬということはよくわかるのですが、はたして現実的にそういう時点でできるかという一例として御説明申し上げたのです。私がいまお伺いしたいのは、ほんとうの公共的な事業として認められ、公共の福祉ということが――私は少なくとも、主婦連の皆さん方でも、家庭の皆さん方はLPG法案に満足していないと思うのです。ただ保安ということが全面的に出て、事故が多いから何とかしなければいかぬということは、趣旨は賛成なんです。それ以外のものは全部隠されてしまったというのが私は実感だと思うのです。ということは、大都市に住んでおられる方は実際使用になっておられないと思うのです。地方に行きますと、ほんとうにいわゆる格差が激しいのです。激しいのは元売り業者の売らんかな政策ですね。千三百万世帯もの利用があるのに、公共の福祉と銘打って保安確保だけでいいのかどうかということを再度私は聞きたいのです。このままでいいのかどうかということですね。卸売り価格はあとで触れますが、末端価格の場合、十キロのボンベが大体四百五十円から多いところは千四百円、そういう非常に差がある。これも現実ですね。ほんとうにひどい差があるのです。いま局長の答弁のように平均六百円から八百円、その程度だと思うのです。元売り価格が二百七十円から三百円。そういう問題について、このままでいいのかどうか。おたくが元売り業者を行政指導する、それによってコストが安定するかどうかということをちょっと聞きたいのです。
#80
○両角政府委員 確かに一千三百万世帯の消費物資でございますから、価格にあまりばらつきがあったりあるいはあまり変動したりすることは避けるべき性質の物資であろうと思います。しかしながら、しからばLPGの価格を公定することがいいか、あるいはLPG小売り業者というものを既存業者だけに限定して、新規の参入を制約するような方向で営業面での許可制の基準を強めることがいいかというような問題を考えますと、それは必ずしも消費者の立場から見ましてもその利益につながるとは言いがたい面も多いのではなかろうかと思います。したがいまして、価格のばらつきがあるから、しからば一本価格でいいかということではなくて、やはり極端なばらつきは当然是正しなければならないわけでございますが、しかしやはり最終的には小売り業者間の自由競争による価格の差というものはある程度認めていかざるを得ないと思います。特に御承知のように、北海道、東北、九州といったような地域は、LPGの供給源とその分散しました需用家の地理的な関係が他の地域に比べて非常に不利であり、いわば遠いということからくる販売価格の上昇という現象もあるわけでございまして、さような面から見てある程度のばらつきはやむを得ない、これを一本化することは必ずしも適当ではないのではないかというふうに私は考えております。
#81
○吉田(泰)委員 小売り価格について質問を申し上げまして、コストの規制とか、そういうむずかしい問題に触れてきたのですが、私は逆に、小売り価格の規制じゃなくて、小売り価格が非常に不安定になった原因を言おうとして申し上げたのであります。もっともとへ返って、メーカー、元売り業者、これに対する行政指導ですか、私はやはりプロパンガスの供給の公共性というのは幾つかの条件があると思います。私の意見としては、いわゆる供給価格の安定――小売り価格のことを私は論じていますが、そのもとは供給価格なんです。それの安定ということ、常時貯蔵する保有量の規制の問題、これは持たなければいかぬのじゃないか。午前中の答弁で、来年の三月までには七十二万トンの備蓄能力があるという御答弁がございましたが、行政指導で指導してきたのだというのではなくて、そういう規制があるかどうか、しなくていいのか。公共性の問題ですよ。もう一つは、やはり保安の確保、この三つがそろうべきじゃないか。小売り価格を規制するということではなくて、小売り価格を規制する前段のところにもう少しメスを入れるべきじゃないか。このことを私は言いたいのです。小売り業者のデリバリーとか値段の差というものは地域によって多少あると思うのです。しかしそういうことを通じて、いわゆる小売り価格の安定ということについて、少なくとも公共の福祉といって第一条にうたうならば、そういう問題についても政府がほんとうに考えるべきじゃないか。何にも触れてないじゃないか。小売り価格の安定については、国の公共事業に対する助成策もなければ、またこれに対する指導の方策もないじゃないかということですが、これはどうです。
#82
○両角政府委員 元売り価格の規制の必要があるかないかという御趣旨でございまするが、元売りの値段というものは、これが上がってまいる場合はどういう場合かと申しますと、必ず需要に対して供給が不足しておる場合でございます。したがいまして、われわれとしては、元売り価格が上がらないような行政指導という面は、緊急輸入方策におきまして、あるいはアイソマックス設備のフル稼働によりまして、とにかく供給を確保する、供給量を常に需要に対してオーバーさせる方向で措置を講じていくということによって、いわば元売り価格の引き上げは行政指導上絶対にこれをチェックする手段があると考えております。またそれ以下に下がっていくということは、必ずしも行政指導上これをチェックする必要はないのであります。むしろ元売り業者間の競争によって下がることは最終消費者にとっても利益であろうと思いますから、さようなことはチェックする必要は必ずしもないと考えております。
 また備蓄につきましても、先ほど御指摘をいただきましたように、備蓄能力が三十日から五十日、五十日から六十日、いわば六十日という最適正な備蓄能力が明年度できてまいる現状におきまして、これを特に法的な規制を加えるということは、現段階において必ずしも必要ではないというふうに考えておる次第でございます。
#83
○吉田(泰)委員 いまの供給が需要を上回るほどの見通しが立ったというお話でございますが、その見通しがくずれた場合どうするのですか。一年間に、現におたくの見通しと過去の見通しを見てみますと、おそらく現実に相当狂ってますよ。それについてはもうしかたがないということですか。
#84
○両角政府委員 お話しのように、需給計画がぴたっと現実とマッチすることはなかなか困難でございます。特にLPGにつきましては、海外からの輸入が三割程度ございまして、これが国際的な要因によって変動いたすということもございまして、適正な需給計画を立てましても、そのとおりものが動かないということは当然あり得ると思います。その際は、私どもとしましては、常に四半期ごとに計画の見直しをいたしておりまして、先ほど申しましたように、たとえて申しますなら、本年の下期につきまして、需要増、供給減という事態に対処しまして、緊急に中近東から四万トンの輸入手配を行なったというような、そのつどそのつど手を打ってきておるわけでございます。さようないわば中間是正というものは常に行なっておる次第でございます。
#85
○吉田(泰)委員 いまの御答弁で、供給過剰はあってもいわゆる不足はないんだというような想定に原則的に立っておると思うのですが、その計画がもし狂った場合はどうするかということと、それとプロパンガスのいわゆる家庭における使用量の通産省が立てておられる見通し、これは需要と供給のことですから、需要計画がないと、供給計画は余るとか余らぬというのはおかしいと思うのです。それについて一番冒頭で、いま千三百万世帯使っておりますけれども、将来どのくらい使用量が伸びるという想定のもとに計画を立てておるか、供給計画を立てる場合にどういう計画のもとにやっておられますか。
#86
○両角政府委員 家庭用のLPGの需要の見通しにつきましては、全国の動向で申し上げますと、四十二年度は四十一年度に対しまして、一四・二%増という見通しとなっております。四十三年度につきましては、対四十二年度比二二・一%増、四十四年度につきましては、対四十三年度比一一・四%増等々、四十六年度までの五カ年の計画を立てて、想定をいたしておる次第でございます。
#87
○吉田(泰)委員 そういういわゆる需給計画の上に計画的に通産省は立っておられると思うのですが、やはり新しいLPG法案を提案するというときに、少なくともいわゆる供給計画が需要より余っているのだという想定のもとに、もし足らなかったらどうするかということは、やはりわれわれとしては、あるいは一般の国民としては、ほんとうに知りたいことだと思うのです。というのは、現実に変わってきたから。これはつい一、二年の結果です。去年、おととしは現に中近東動乱があったから変わったじゃないかというような、なまなましい経験があるわけです。そういうことについて通産省が全然触れていない。行政指導でもう手を打っているからそれでいいのだという考え方でやっておられる。価格安定についての何らの規定がない。たとえば備蓄能力にしても、行政指導はするけれども、いわゆる義務は全然ないわけですね。しなくてもいいのですね。たまたま備蓄能力ができたというだけで、行政指導によって七十二万トンですか、できるであろうということだけであって、しなくてもいいわけですね。その点、どうですか。
#88
○両角政府委員 お話しのような、供給が需要に対して不足する事態が起きたらどうするか、それはどういう方策で可能であるかという御趣旨でございますが、われわれといたしましては、LPGの最大の供給源である石油精製業からのLPG供給というものにつきましては、石油業法上の供給計画というものによりまして、事実上の需給調整を行なってきておるわけでございます。また石油化学及び輸入業者に対しましては、それぞれかりに供給の不足が見込まれます場合には、事前に対LPG市場に対する増産、増出荷というものを要請をしてまいってきております。また今日まで、各業界ともわれわれの要請に対しては常に御協力をいただいてきておるわけでございます。かりにこれを法律上命令できるということを書きましても、実態は全く私は同じであると考えます。
#89
○吉田(泰)委員 石油業法第三条の適用をプロパンガスは除外される、入ってないと先ほどの御答弁で局長は言われましたね。
#90
○両角政府委員 もう一度申し上げますが、石油業法上の供給計画には、LPGを含んでおるわけでございます。
#91
○吉田(泰)委員 それでは通産省の策定したいわゆる石油業法第三条に基づくLPGの輸入量、精製数量、それはどういうふうに規定しているのですか。たとえばことしは……。
#92
○両角政府委員 石油供給計画によります四十二年度のLPGの需要は四百五万トン、それから供給は四百十二万トン、在庫は二十七万トン、かように計画を立てております。
#93
○吉田(泰)委員 それでは、一番最初に私は質問したので、おそらく速記録に出てくると思いますが、石油業法第三条で、通産省がプロパンガスの輸入量の規制、製造量の規制をするという項を入れたらどうかと私は質問したのです、そのときに、プロパンガスは入っていない。じゃあ、ないのですか。違いますか。
#94
○両角政府委員 私の御答弁が多少ことば足らずであったと思いますが、割り当て制はとっていない。これは石油製品も全く一緒でございまして、LPGを含みまするいわゆる石油業法上の石油製品の供給計画、生産計画の策定にあたりましては、その生産割り当て制というものはとっておりませんということは申し上げましたが、品目としてはLPGは含まれておるわけでございます。
#95
○吉田(泰)委員 私はよくわからないのですが、新法ができる場合に、ある一つの想定のもとに、たとえば供給計画が需要を上回っているんだ、いまの通産省の考え方はそうなんです。ということは、需要が供給を上回ることはなかろう、そういう想定のもとに、ということは供給が余るんだという考え方でございますが、そういう余らない場合の規制がぼくは価格安定につながると思うので、足りなかった場合必要ないのですか。私これはしろうとの質問だと思うのです。何か一つの法律をつくるのに、いわゆる供給は余るんだ、プロパンガスは常時余っているんだという考え方に非常な誤りがあると私は思うのです。これはどうですか。
#96
○両角政府委員 お話のとおり、常に供給が需要を上回るということを前提にいたしているわけではございません。そうではなくして、常に需要想定というものに立ちまして供給が下回らないように供給源の確保に努力をいたしておる、こういう趣旨でございます。また今後とも、いわば需要に対して供給が円滑に行なわれ適正な在庫が保持できるように供給計画というものを定めてまいりたい、かような趣旨でございます。
#97
○吉田(泰)委員 そういう計画ですね。なるほどよくわかるのですが、ところが、行政指導であって、何らの規定が、義務がないと思うのです。たとえば備蓄に対する考え方とか、そういう需要に対してなるほど余るように行政指導するんだということですが、元売り業者とか製造業者に対してそういういわゆる義務があるかということですね。義務がなかったら、足りなくなってもかまわないじゃないですか。これはどうなんですか。
#98
○両角政府委員 御指摘のように、法的な義務はないわけでございます。しかし、かりに法的の義務がなければやらないままで過ぎるかといいますと、必ずそういう際には、現在のLPGの流通のシステムからいたしますれば、かりに義務を強制しないといたしましたときに、供給が不足したときには値段が上がる、上がれば当然輸入がふえるから生産がふえるという、いわば自然の調節が行なわれるはずでございます。さようなことのないように、いわばそういう時間をむだにしないように、適正な供給が確保されるよう製造業者、輸入業者に対してわれわれは常時連絡をとってまいっておるわけでございます。
#99
○吉田(泰)委員 そういう輸入業者あるいは製造業者に対して通産省が常時連絡をとってやっておるというのではなくて、それを法律的な規制をするのが私は公共性だと思うのですが、どうですか。常時連絡をとっておるという形じゃなくて、いわゆる需用者が保護されるような、使用者が保護されるというようなたてまえからするならば、公共性というのはそういうものに対する規制じゃないですか。その規制がなくして、常時連絡をとっておるからというようなことで法のこの考え方が生かされるだろうか。コストの安定とか下のほうへきた場合にそれができるかどうかということですね。
#100
○両角政府委員 今日まで私どもは、さような方法によりまして輸入業界並びに生産業界の全面的な協力をいただいておるわけでございますが、かりに、それでは不十分だ、むしろわれわれの行政指導に従わないという場合があると想定いたしましたら、その場合には、現在の石油業法によりまする生産計画もしくは輸入計画の変更勧告というものが大臣の権限に与えられておりますので、さような法的措置を講ずることになろうかと思います。しかしながら、これはあくまで勧告でございまして、やはり法的な義務という点では、最終的には、先生のお考えになっておられまするような御趣旨にはまだ足りないかと思いますが、そういう方法までは現行法の体系で可能になっておる次第でございます。
#101
○吉田(泰)委員 現在のこの考え方、新法第一条でいわれておる公共の福祉ということは、これは完ぺきだと局長お考えですか。これでいいんだとお考えですか。これだけ聞きたい。根本的にこれでいいんだろうかということですね。
#102
○両角政府委員 公共の福祉の面から価格が適正な水準に維持され、また常に供給が確保されるということは必要でございます。しかしながら、それをする方法といたしましては、現在の保安の確保及び取引の適正化に関する法律の中で法的な措置を講ずる必要はないと考えます。
#103
○吉田(泰)委員 その場合、消費者保護の立場から、いわゆる公共の福祉ということですね、いわゆる保安だけでいいという考え方。コストの維持、価格の安定に対する法律的な規制というものは、この法律の中で全然ないじゃないか、私はあくまでこう思うのですが、必要ないというのではなくて、非常に公共的な、いわゆる都市ガス九百万、それより多い千三百万の需用者がおるプロパンに対して、この法律でいいんだという考え方自身に――保安の確保ということはわかりますよ、わかりますが、それでいいのかということは、私は消費者の立場に立てば非常に疑問が残ると思うのです。もう少し流通機構の問題とかコストの問題とか保安の問題、すべてを含めて、いわゆる公共の福祉ということを願っておると思うのです。ところがそれ以外のものが全部飛んでしまう。事故が非常に多発しているということで、保安の確保ということが前面に出てしまった。少なくとも消費者保護の立場というものは後退してしまった。私はこういうように考えているが、どうですか。
#104
○両角政府委員 もちろん消費者の保護はこれを十分に期すべきでございまするけれども、保護する方法といたしまして、たとえば価格の法的な規制を加えることとか、あるいは事業許可制にして営業的な面からのチェックを強化することとか、そういったことは法律上必ずしも必要はないし、また必ずしも適当な方策ではないというのが私どもの考え方でございますが、さりとて消費者の利益を無視しておるというわけではないので、逆に消費者の利益というものは、当然自由な競争というものが行なわれ、そうして価格の面でむしろその土地土地の条件によりまして自由な競争の結果の自由な価格形成というものが行なわれることが、消費者にとっても便宜なことではなかろうかというわけでございます。
#105
○吉田(泰)委員 先ほど小売り価格に触れましたが、現実に四百五十円から高いところで千三百円、千四百円しておるということも、やむを得ないということですか。
#106
○両角政府委員 現在の段階では自由競争が行き過ぎまして、いわば過当競争的な場合に形成されます不当に安い価格というようなものがかりにあったといたしましたら、さようなものは必ずしも好ましくないと思います。また非常に販売業者の数が地区によりまして少なくて、いわば供給独占のような形になっておりまして、非常な高い価格で供給が行なわれておるという場合には、それもまた好ましくない姿であります。しかしさような場合に、それを法令上規制すべしという方策ではなくして、むしろ過当競争の場合には競争が正常北されるよう、また少ない供給業者の場合には消費者サービスのための事業所の数の増大であるとか、あるいは取り扱い量の拡大であるとかを通じまして、価格の合理的な引き下げをはかってまいるということが望ましいというふうに考えます。
#107
○吉田(泰)委員 それでは出てきた問題について単刀直入に質問申し上げてみますれば、そういう結論が出るのですが、私は少なくともそういう問題に対して、コストを法律的にきめるとかいうのでなくても、公共の福祉というならば、それに対する、公共性を持ったような国の助成策があってもいいのじゃないか。たとえば輸送方法の問題とか、あるいはきょう午前中あった税法の問題とか、そういう具体的ないわゆる助成の策が何もない。当然自由競争従って――まあ不当に安いとか不当に高いのはいけないけれども、競争のコストのアンバランスはしようがないじゃないかというのであれば、私は少なくとも、いわゆる保安の確保だけであって、公共の福祉なんということは要らないと思うのですよ。いまの局長の答弁からすれば保安の確保だけでいいと思う。コストに対するいろいろ根本的な考え方、もう少しいわゆる消費者保護の立場からの立法であってほしい、こう考えます。
#108
○両角政府委員 御趣旨はよく理解いたしておったつもりでございますが、政府側といたしまして、かようなLPG業界の現状をより消費者の利益のためにも改善をする必要は当然あるわけでございますが、それに対しましては、いわゆる政府資金の供与でありますとか、あるいはLPGタンクの建設に対します財政資金の投入でありますとか、いろいろな面で、また税制上の要望を出しておることを午前中御説明申し上げたようでございまして、要するに、いろいろな面で現在のLPGの流通業界の改善をはかってまいるということは当然努力をいたすべきことと思っております。また、それを通じて消費者利益の確保をはかってまいるということは、私どもは当然の課題として承っておるわけでございます。
#109
○吉田(泰)委員 いまコストの問題で小売り価格に触れましたけれども、流通機構の問題で改善を加えなければいかぬ、もちろんおっしゃるとおりです。また、それをしなければコストの維持安定をはかれないと私は思うのです。しからばどういう流通機構の改善をするのか。いまおっしゃいましたが、どういうふうにしようとする計画があるかということ、これは消費者は知りたがっていると思うのです。するんだというのでなくて、具体的に何からどういうふうに取り上げていこうとしているのか。そうしなければ、言うだけではコストの維持安定はできないと思うのです。これはどうですか。
#110
○両角政府委員 問題は、末端の零細業者の改善の問題が一番消費者利益につながる直接の問題だと思いますが、この場合はやはり取引単位の大型化、たとえばボンベを大型にするとか、あるいはメーターの取りつけが可能になるような程度の資力に早くなっていただくとか、そういう方向を通じての単位当たりの小売り業の規模の拡大あるいは取り扱い量の増大という方向に進めていくことが必要ではないかと考えております。このためには現在の零細業の資金量というものではなかなか困難な面もございますので、中小企業高度化資金というようなものを投入してそういう方向に協力をしてまいりたいということでございます。
#111
○吉田(泰)委員 いまの小売り業者にいわゆる早く資力をたくわえて、堅実になってもらわないといけないというのですけれども、局長、簡単に言いますが、八〇%ぐらいですか、小売り業者は兼業らしいです。ところが、十キロ三百円の卸を買ってきて、安いところで四百円あるいは四百五十円ぐらいで売って、十キロ当たり百円のマージンをとって、月平均三トン売ってこれは幾らになるか。利益なんというのは三万か六万ですよ。具体的にどうやって蓄積するんですか。ということは、私は、小売り業態をよくするのは、コストの安定をはかるのは、小売り店の指導も大切であるけれども、小売り店にはほんとうに保安の確保ということを前面に押し出せばいいと思うのです。もう一つのコスト面は、私は元売り業者にあると思うのです。小売り店では改善のしようがないじゃないですか。資力をたくわえるといっても、そうはいかない。平均月に三トン売って、あるいは兼業もあるでしょうが、利益なんかないじゃないですか。資力をたくわえられないじゃないか。それで改善しろなんていっても無理だと思うのです。
#112
○両角政府委員 もちろん現在の状況で個々の小売り業者がその営業改善のために十分な資力があるというふうには私どもも考えておりません。非常に不足しておると思います。しかしながら、それをつける方策は元売り、卸売り段階にあるという御意見でございますが、もし元売り、卸売り段階で不当なマージンというものが形成をされておるならば、それは当然是正をはかっていかなければならないと思いますけれども、小売り段階自体をとらえますならば、そこにおいては、個々の力で不足するものはみんなの力を合わせて、いわば協業化の努力によって改善をはかっていただくということが実際必要ではなかろうか、かように考えております。
#113
○吉田(泰)委員 私は、現在の商品の中でこういう公共性のある品物が――これはガスですから品物というのもおかしいですが、こういうものが、一キロ十五円から最終価格百五十円、高いところをとればですね。高いところは十倍になっているんですね。こういうものは、いわゆる行政指導が一番しやすいのはメーカー、輸入業者だと思います、通産省の場合。不当な利益はとってないとおっしゃいますが、現実に流通機構の段階において、どこがどうか知りませんけれども、先ほどの平均じゃございませんが、やはり少なくとも使用者には十倍になっているんですよ。この問題をどこかでコスト安定の何か努力を政府が指導しなくて、自由競争にまかせておくということでは、私は、石油業法によるこういう立法の精神にも反するんじゃないか。片一方で公共性を持っているということであればですね。
#114
○両角政府委員 もちろん公共的な重要な意義を持つ物資であるわけでございますが、しかし、これを供給してまいる供給源としての立場から見ますと、LPGも非常に重要な物資でございますが、また、その他の石油製品もやはり同様に国民経済を動かす上において重要な役割りを果たしておるわけでございます。これらはすべて国際的な市況の問題もございますし、また、国際的な供給源に依存しなければならない問題もございまして、直ちにわが国内だけの価格体系をもって律し切れないいろいろな事情があるわけでございます。したがいまして、元売り価格あるいは仕切り価格というものにつきましては、国際的な市況等によりまして、ある水準というものはやはり精製業者あるいは輸入業者は維持せざるを得ない。それを大きく上回った仕切り価格であるならば、それは私どもとしましても警告をいたさなければなりませんが、現段階におきましては、国際輸入価格水準をやや下回っておるのが現状でございます。
#115
○吉田(泰)委員 石油業法第十五条で、石油精製業者のコストを通産大臣が標準額を定めることができるという一項がありますね。プロパンガスもこれを適用されますか。
#116
○両角政府委員 標準価格を定める必要がある場合には、プロパンガスもこれを定めることができます。
#117
○吉田(泰)委員 必要があるときはということは、いまは必要ないということですか。
#118
○両角政府委員 法律の規定によりまして、需給関係について著しい混乱が予想されるとき、そのおそれのあるときに、標準価格を定めることができるということになっておりますので、その要件に該当いたしまする場合には、当然LPGといえども、標準価格を設定する必要が生じてまいるわけでございます。
#119
○吉田(泰)委員 そうすると、現在の見通しでは、先ほどるる御答弁があるように、そういう需給計画の現在の段階においては、石油業法第十五条をプロパンガスに適用する必要がないということですね。
#120
○両角政府委員 現状から申し上げますならば、先ほど申し上げましたように、今年度のLPGの需給バランスというものは二十七万トンの在庫を持って越年を考える状況でございまして、特に需給に著しい変動がある事態とは考えておりません。
#121
○吉田(泰)委員 たとえば今年のスエズ動乱がありましたね、ああいう場合には現実に値段が上がりましたね。
#122
○両角政府委員 末端価格においては変動を見ておりません。
#123
○吉田(泰)委員 それはいろいろな見方によると思うのですが、これは水かけ論だからやめます。
 ただ、ここで井上公益事業局長さんにちょっと尋ねたいと思うのですが、いまLPGの公共性について長いこと、コストの問題で御議論を申し上げたのですが、井上局長のLPGに対するほんとうの見解をちょっと聞きたいのです。公共の福祉という銘を打って、いわゆるこのLPGの新法ですか、これが提案されていますが、これについて、いわゆるLPGの公共性が、おたくの管轄の都市ガスとどういうふうに違うのか、そのことだけちょっとお伺いしたいのです。
#124
○井上(亮)政府委員 LPGのただいま御審議いただいております法案、これは主として一本売りを対象にして公共の利益のためにどのように国が規制するかということが主眼であろうというふうに考えております。先ほど来先生と鉱山局長が御議論をしていただいておりますが、私は、先生の御意見もよくわかります。わかりますが、やはり御議論を聞きまして、いま一本売りの問題について両角局長はお答えになっているんじゃないか。これが私どもの立場というと語弊がありますが、たとえば導管供給というようなことで必ずしも消費者が自由に選択できなくなる、こういう事態になりますと、単なる自由競争原理では消費者の保護ができないということになろうかと思います。したがいまして、電気についてもそうでございますが、あるいは都市ガス――都市ガスということはガスを多数の消費者に供給しているただいまのガス事業です、こういうようなものについて公益事業規制を課しておりますのは、そのような見地から規制をいたしておるわけでございます。ただいまの御議論は一本売りということになりますと、両角局長がお答えになりましたような考え方になるのではないか。しかし先生の御意見も私は貴重な意見としてよくわかります。
#125
○吉田(泰)委員 いまの井上局長の御答弁で、なるほどプロパンガスの売り方の現状、都市ガスの状況、これは十分よくわかります。理解もできます。そのとおりだと思うのです。ただ私ここで問題にいたしたいのは、LPGの配給のあり方です。いわゆる各家庭に配る方法、これについて都市ガスのように画一的にいかない、選択の自由がない、こういうことでそのこともよくわかりますが、現実に新法が生まれるという場合に、少なくとも公共的に千三百万世帯に広がってきた現在の段階においては、別の角度で考えなければいけない時代に来たんじゃないか。たとえば消費者の奥さん方の御意見は――少なくとも各メーカーによってプロパンガスも成分あるいはコストにおいてまちまちな格差はあるけれども、使う消費者はそこまでの知識も何もないのです。それは専門的にはあるんですよ、販売の方法とかいろんなことがあります。ありますが、一般の主婦がいま望んでおるのは、どんなときが来てもそんなにコストの変動の影響を受けないような、そういう消費者が保護されるような立法であってほしい。保安の確保も大事であるけれども、個々の家庭においてそんなに変動があったり、そういうことはいかぬじゃないか。そのくらいのことはいわゆる「公共の福祉」と第一条であるように、保安の確保と同時にコストの安定方策も打ち立ててもらいたい。ところが、非常にむずかしいだけに、いままでの業界のあり方とか都市ガスの問題、導管配給のあり方、いろんな議論と理解が非常に入り乱れておるために、かえって消費者保護という立場が飛んでしまったのではないかというのが消費者大方の御意見だろうと考えます。消費者は、使う場合になれば、ガスの成分なり使用量なりメーカーの種類によってもあまり関係ないのです。たとえばエネルギーの大きさ、カロリーの大きさ、そんなことまでも影響ないほど消費者は知らないわけなんですよ。したがって、熱量を規制したり、あらゆる規制はいわゆる政治の政策の場においてしなければならぬ、法律の場においてしなければならぬ。一般の人を啓蒙して教えることはできないと思うのです。ただ千三百万の公共的な物資である、そういう理解の上に立った法案の立法が望ましい、こういう考え方を私は持つのです。したがって、供給計画の中にも規制が要るのじゃないか。できない場合、たとえば供給計画が大幅にくずれた場合にどうするか。法律ですから、必ずしもそういう想定の上に立った計画というものも完全ではない。なかった場合、どうするか。あるいは元売り業者に対して、いわゆる石油業法第十五条でいうような規制と標準額を定めるような考え方を、公共的に大きいからつけていいんじゃないか。そのことによって小売り価格が安定するんじゃないかというふうに考えるのですが、これは鉱山局長どうですか。もう一回、ひとつ。
#126
○両角政府委員 御趣旨はよく私も承って理解をいたすわけでございますが、たとえばLPGの価格の安定をはかるということはきわめて消費者利益のためにも大事なことだと思います。ただ、どういう方法でLPG価格を安定していくかというやり方といたしましては、第一に、LPGの価格がなぜ不安定であるかということは、季節的に需要が冬場と夏場とたいへん違う。そこで供給体制のほうで弾力性がございませんと価格が乱れる。そういうことに対します方策としては、御指摘をいただきました備蓄タンク能力の増強ということで弾力性を供給面に与えて、それで冬場と夏場を通じての価格の安定化をはかってまいりたい、こういう趣旨でございます。
 また、価格の安定を乱しておる第二の原因として、需給が乱れる、いわば供給が不足するという場合に価格のつり上げが行なわれるということは当然避くべきである、そのためには供給体制の万全を期してまいりたい。
 それから第三には、過当競争による不当な安値売りということも、業界のためにもまたひいては長い目で消費者のためにも好ましくない、これは協業化を通じて適正な競争に改めていくべきだ、そういういろいろな方策を通じましてLPG価格の安定というものを期してまいるべきものと考えております。
#127
○吉田(泰)委員 私は公共性ということを前面に出して特に価格の問題で質問申し上げたのですが、いま小売り店の皆さんが経営上非常にむずかしい段階にきている。事実非常に収益もない。改善の方策はなかなか立てにくい現状だということは通産省の皆さん方はよく御存知だと思う。もう一つ、われわれも都会選出でありまして、皆さん方政府委員の方も都会だと思う。したがって、わりあいLPガスについては、いわゆる家庭における普通の都市ガスほど関心をお持ちになっておるという現状の認識が実感としてあまりないのではないかと思う。これは非常に失礼な言い方ですが、われわれも非常に少ない。いなかへ行ってみればわかるのですが、そういうことからするならば、コストの安定ということが非常にたいへんなことであるということだけは消費者の認識として残っておるのです。ところが、政府の認識はいわゆる保安確保、もちろんこれも非常に大事なんです。またこの問題につきましては中村委員やたくさんの方々から御質問になりましたので、私は控えます。この二つのものが私は公共の福祉に結びつくと思う。したがって、先ほどちょっと述べましたけれども、どういう考え方の助成策を持っておるか。ただそれをやれというのでは私はコストの安定はできないと思う。元売り業者に対しては規制できない、小売り業者に対しては協業化をはかるんだということだけでコストの維持安定がはかれるだろうか。いま井上公益事業局長が申しましたように、一本売りであるだけによけい根本的な対策をとらないと、コストの安定がますますむずかしくなる。したがってたとえば容器の問題、メーターの問題、いろいろなことがありますね。ありますが、私が望みたいのは、政府の政策としていわゆる助成策をどのようにとるのか。助成策も何もとらないでコストの安定といっても無理です。元売りは規制できない、しかも助成策はとれない、行政指導だけでやるということで、はたして公共の福祉と銘打ったコストの維持安定ができるかどうか。それをお伺いしたいと思います。
#128
○両角政府委員 コストの安定と申しますか価格の安定をはかるためにどういう助成策を講じておるかという御質問でございますが、一つは、先ほど申しましたように、価格の安定をはかるために一番大事なのは貯蔵能力でございます。このLPGタンクの建設、増設につきましては、開発銀行からの資金投入という方策を準備いたしております。また価格安定の第二の方策としては、過当競争をなるべく正常化していただく。このためには、やはり協業化という方向で、ボンベの大型化なりメーターの取りつけなり、消費者サービスに結びつくような、そういう末端小売り業の体質改善が必要だ。このためには高度化資金を投入いたすたてまえになっております。そういうことのほかに、税制上の特別証券等も現在大蔵省に要望いたしておるようなわけであります。
#129
○吉田(泰)委員 現在の小売り店が五万六千軒あるというのですが、いま新法が提案されて、各府県ごとに非常にかけ込み認可が多いと思う。こういう業者が非常にふえる。現在は要件がそろえば認可しなければしようがない。小売り店がますます既得権益を取ろうと思ってずいぶん申請を出す、こういう問題。ますます小売り店業者がふえていく。ふえていくときに、これはおそらく何年くらいかかって――通産省がどういうような形にしろ協業化という線をいま打ち出しておられるならば、小売り店の末端のコスト安定のためにどのくらいの末端販売機構を想定なさっておるか。どのくらいの程度までもっていこうとしておるか。
#130
○両角政府委員 理想的な小売り規模というものを想定いたしますと、月間十トンないし十五トン程度の販売取り扱い量があるような規模が望ましいと思います。
#131
○吉田(泰)委員 それは、たとえば大体三トン売るために三百軒売りますね。二百五十軒から三百軒くらいの得意先を持たなければいけないのです。私の調べではそうです。通産省のお調べもそうでした。そうすると、たとえばコストの調整がなくて、おたくのいま言うよな小売り店の理想像が十トンとするならば、これは計算してみたら私は不可能だと思うのです。それは局長、十トンで計算してください。おそらくいまの小売り店の扱う数が七百五十軒くらいになりますね。これはおたくの調査ですよ。私の調査じゃないのですよ。三トンで二百五十軒くらいだというのですからね。そうすると十トン売るためには約三・三倍売らなければいけませんね。そうすると、十トン売って七百五十軒顧客をかかえて、十トンの収益といったら、元売り価格のせいもありますが、平均とってみるとおそらく十キロ百円ぐらいしかないですね。そうするとその収益が十トンで約十五、六万ですね。販売主任者を置いて、七百五十軒顧客をかかえて、従業員二人、三人ではいかなくなるのです。そうすると、おたくの想定しておる姿では私は採算は成り立たぬと思うのです。現在の販売機構、流通機構を、おたくの想定されたそういう理想的なものの上では、採算、収支が合わないと思うのですが、どうでしょう。十トンで想定されて、何名の人を使って、何ぼ収益が上がって、どういう形になるということをお考えになっておりますか。
  〔鴨田委員長代理退席、委員長着席〕
#132
○両角政府委員 協業化の例で申し上げますと、かりに協業化によりまして、それに参加されました小売り業者が全部で十五トンというものを月間販売いたすと仮定いたしますと、コストは、専門業者が三トン売りまする場合に比較いたしまして、大体三割下がってくるという計算でございます。したがいまして、従業員の数は約倍、二人が四人くらいにふえるということは不可避でございますが、売り上げの面から申しまして、販売コストは三割くらい合理化されるという予測になっております。
#133
○吉田(泰)委員 そのことは、収益性、生産性が上がっていってよくなるということはわかります。もちろん当然です。たとえば、単純に算術計算で、十トン売ってとにかく百円として十万円ですよ。私はわかりやすく説明するのです。それで販売主任者を置いて、小売り価格がいかぬ、もう少し小売り価格の幅を認めろというなら幅の認め方も私はあると思うのです。これは流通機構というものを私は一例をあげておるのですよ。おたくのいわゆるこの新法による小売り店の人の終末の結果がそういう想定だとすると、そんなにコスト維持できるような資本力を持ったような販売組織はできないのじゃないか。できますか。十トン売って三割上がるとか上がらぬとかいうことでなくて、収益結果を見るわけですね。何ぼ利益をやろうが、考えられる販売コストはきまっておるでしょう。おたくもいま平均を言われた。人を置いて、全然もうからぬじゃないですか。それでそれやれ、あれやれと言うてみたところで、体質改善ができるかどうか。大体これはこの席上の質問にはふさわしくないかもしれませんが、十トンでほんとうに結論的にそれでやっていけますか。
#134
○両角政府委員 ただいま申し上げましたように、専門業者で単独で販売をいたしておる業者が、かりに五名集まって、そうして月間十五トンという販売規模に高めますならば、その場合のコストは三割下がるということでございまして、結局現在の個々の事業者の方々が横につながることによってむだな経費を節減される余地は多く残されておる、それが協業のメリットだ、それを進めることがとりあえずの改善の方策ではあるまいかと存じます。
#135
○吉田(泰)委員 よくわかりましたが、十トンですか、十五トンで五人ですか、それで三割下がる。大体小売り価格とコストの安定、コストのことが、価格のことがいま問題になっておるのですがね。局長はいま三割三割とおっしゃっていますが、頭の中では幾らにお考えになっておるのですか。望ましい小売り価格は幾らだと思いますか。
#136
○両角政府委員 それは、現段階におきまする六十円ないし八十円の平均の小売り価格を前提に置いて想定しております。望ましい望ましくないという問題ではなくて、それを想定した場合の計算結果でございます。
#137
○吉田(泰)委員 そうすると、六十円としますね。六十円で、卸売り価格が三十円。その三十円のマージンで、協業化で五人ですね。そういうことですね。三割上がるとか上がらぬとかいう問題じゃないですよ。最終コストですから、小売り価格マイナス卸売り価格を五人で割ればいいんですね。そういう販売組織、販売機構そのものに私は問題があるのじゃないかと思うんです。ということは、採算合いませんよ。あなたがやったって採算つかぬと思うんですよ。単純計算で計算してみなさい。月で見ても荒利益四、五万ですよ。その中から経費がかかって、給料を払うんですよ。一人の金額はわずかです。しかも協業化した結果の所産ですよ。そんなもので保安の確保がはたしてできるのか。私が言いたいのは、法律はできても保安の確保はできるのか。収益が上がっていないんですよ。それをどうするかということを、私はもう少し流通機構の中で、やはり政府として法律的に規制したり指導したりして、ほかの手があるのじゃないか。ということは、元売り価格と卸売り価格の段階に至る問題があるのじゃないか。たとえば十五円のものが、元売り価格にいくときは十キロ百五十円にも上がるわけです。卸にいくまで、小売り価格よりもうんと利幅が大きいわけですよ。しかも輸送設備もいいわけなんですよ。私が一番最初にコスト規制ができないかと言ったのはそういう意味なんです。小売り店のところでいかに通産省が力を入れて協業化をはかってみても、たいして効果ないぞという私は結論なんです。これはもし間違いがあったら言ってください。いま局長が言われたことを現実に裏書きしているじゃないですか。収益がないものに保安をやれといってもできませんよ。メーターつけろといっても、どうしてつけますか。つきませんよ。政府が全部金を貸してやってもつきません。そんな状況のときに、どういうふうにコストの安定をはかるかということは、最後のコスト規制なりコスト指示なりをやらなければならぬことがあるのじゃないか。ただやれといっても、できないじゃないか。ぼくはそう思うんですがね。最終的なおたくの結論、いま局長が結論されたような、五人くらい集まって協業化すれば三割下がる。上がる下がるの問題ではなくて、荒収益がもうきまっておるわけですよ。六十円から三十円になって、三十円の差ですね。月の収益、荒利益ですよ。五人ですから一人に割ってごらんなさい。それでどうしてやれるのですか。
#138
○両角政府委員 御趣旨はよくわかるのでございますが、先ほど申し上げましたように、生産業者の元売り、仕切り価格というものは、これは国際価格を切っておるくらい安く現在卸売り業者に流しております。卸売り業者はそれを受けまして、三十円くらいの値段で小売り業者に流しておる。小売り業者がそれを六十円ないし八十円で売っておるというのが実情でございます。したがいまして、それをもってしてもなおかつ末端小売り業の経営は決して楽ではない、蓄積は困難であるということは、先生御指摘のとおりだと思います。しかし、だからといって、じゃ中間のマージン、受け渡し価格というものを法的に規制することは、われわれとしては必ずしも適当でない。もちろん末端の企業の体質改善をはかることは大切でございますが、これは先ほど来申しましたように、資金の投入等も含めて協業化を進めて少しでも現状よりよくしていくという方向でやってまいることが実際的ではないか、かように考えます。
#139
○吉田(泰)委員 いまのコストの価格の問題は水かけ論になりますからこの辺でやめますが、現実に私はいまの時点でとらえてほんとうに申し上げたいのは、現在保安の確保が前面に出ておっても、私が一番危惧するのは、消費者の方々が非常に心配しておるのは――いま公益事業局長からお話のありましたような都市ガスとの相違もわれわれは全部よくわかっておるのです。ところが、一般の消費者はそういうことに関係ないのです。したがって、コストの安定とかコスト維持、そういう問題、保安の確保あるいは流通機構の改善のあり方、そういったものをすべて含めていわゆるLPG法案として提案をしてもらいたいというのが大かた千三百万世帯の声だと思うのです。ところがあまりにむずかしいし、結論的に聞いてみれば、あまりたいしたことはできないと私は思うのです。現在の政府のあり方ではたいしたことはできないのじゃないか。ということは、この法案を提案するにあたって、いわゆる国の助成策がどうしても伴わなければ、仏つくって魂入れずで、この法案はたいして効果はないだろう。いや、ほかの公共の福祉という意味で保安の確保ということならあると思うのです。ところがもう一つ隠れた公共的な性格、公共の福祉という点からするならば、事故の問題はいままでもうさんざん皆さん質問がありましたので、私はコストの面からだけ御質問申し上げたのですが、そういう面から政府の本格的な助成策、協業化だけなんだというたよりないことでなくて、いまのメーターの問題でもどういうことをやるのかとか、実際小売り店につけろといっても、これはつきませんよ。いま収支バランスで議論したように、絶対につかないと思うのです。あるいは大型化をはかる運送、輸送の方法ですね。そういう問題、それについて政府が根本的な助成策をとらなかったならば、いわゆる第一条でいう公共の福祉はなかなかはかり得ない。また、末端に至って小売り店を集めて、保安の確保の訓練をして、いろんな意味で法案の趣旨を徹底さした場合でも、衣食足りて何とやらで、もうかってないのにそんなに保安の確保が現実問題としてはたしてできるかということですね。だからほんとうに政府が抜本的な助成をする、そういう考えがあるならば――この問題についてはほんとうにうちの党は賛成なんです。しかし、そんなことがないならおかしいじゃないかというのがわれわれの考え方なんです。最終的に、もう質問を終わりますが、そういうほかの助成策はほんとうの意味でどう思っておるのか。協業化をはかるというがいま想定した大体十五トンくらいでは、私は、結論的に保安の確保すらもなかなかやりにくいんじゃないか。業者はもうかっていませんよ。そういう意味ではなかなか協力しにくいのじゃないか、私はそう思うのです。これは私の意見ですよ。だから局長の意見として、いわゆる立法の精神の公共の福祉、千三百万世帯をかかえたそういうグルントの上に立ってどういう政策をしようとしておるのか、最後に明快な回答を承って私、質問を終わります。
#140
○両角政府委員 ただいま御指示をいただきましたように、助成施策というものを特に末端小売り業を重点に充実を期さなければいかぬということは、まことに御指摘のとおりでございます。ただいままでに申し上げましたように、それが協業化施策なりあるいは備蓄設備に対する財政資金の投入なり、あるいは税法上の優遇なり、それでなお不十分であるということは、私どもはさように考えます。しかしながら、現在の段階におきまして、五万軒存在する各販売店を効果的に集約統合する具体策ありやということになりますと、これまたなかなかむずかしい問題もございまして、近代化促進法等の指定等につきましても、またこれから検討を加えまして、その近代化計画の推進というようなことで小売り業者の合理化、近代化をはかってまいることも、われわれとしてはいま十分に検討いたしておる最中でございます。したがいまして、現段階におきまして先生の御満足いただけるような助成策がないという御指摘は、われわれとしましてもまことに残念でございますが、今後とも協業化の拡充を軸といたしまして、政府側の十分な財政資金投入をはかって、この法案の趣旨に対応する小売り業の充実をはかってまいりたいと考えます。
#141
○吉田(泰)委員 最後に通産次官にお伺いをいたしますが、われわれこのLPG法案の趣旨には、事故も多いですし、保安の確保ということで全く心から賛成なんです。ただ、先ほど来質問申し上げましたように、一番肝心ないわゆる公共の福祉の点が、保安の確保ということだけが前面に出てきた。いま局長の御答弁の中で、しからば小売り店の問題について具体的な方策ありやということでございますが、私もないと思う。非常にむずかしいと思う。したがって、一番問題は、私の申し上げたいのは、逆に相当需要量のある、相当売れる品物が、将来いわゆる寡占体制――独占とまではいかなくても、寡占体制になっていくだろう。そういう問題について、コストの維持をはかれるようないわゆる石油業法の第十五条を適用するような具体的な方策――私は小売り店を言うておるのじゃないのです。小売り店はそろばん置いたら非常に気の毒なんです。したがって、そういう方面の基本的な考え方、いわゆる寡占体制、あるいは独占とまではいかなくても、そういう体制に移行することをチェックするようなものであってほしい。したがって、そういう意味でこの法案が私は非常に不満なんだということなんです。だから、そういう意味で、しからばいま小売り店のむかと言ってみても、私は非常にむずかしいと思うのです。むずかしいから、もっとできやすい点をはっきりチェックできるような法案であってほしいということを望みます。
 これは次官に望みまして、質問を終わります。
#142
○藤井政府委員 先刻来、吉田委員から、新しい法案審議にあたりまして、理想的な法案成立を期せられての御熱心な御質疑、私も非常に敬服をいたしておるわけでございます。ただ、吉田委員もお認めのごとく、現実の急いだ要請と、そしてこの理想的な法案、特に公益事業としての規制というものを、価格面においても、あるいはまた他の保安面においても、取引の公正化においてもくみ入れなければならない、こういう点、あるいはまた先ほど公益事業局長から一本売りの場合とそれから導管で配給する場合の分野の調整、これはすでに話が出ておりますように、本年の十一月の総合エネルギー調査会のガス部会において目下検討中でございます。したがって、そのような検討の結果を待って公益事業としての規制を今後法案に識り込むことは、当然時代の推移とともに考えなければならない、このように思うわけでございます。ただ、私は、やはり適正な競争の原理によってこの価格の形成をするという基本的なかまえ、これはおのおの政治的な立場によって見解は違いましょうけれども、これは基本的な原則である。それに持っていって、いかにして公益性を確保するためにこの行政を規制するか、この調和の問題につながるわけでございまして、要は一刻も早くこの法案の成立を急いで、何よりも大切な人命の尊重という面において手配をいたしたい。その後実施の面において引き起こったいろいろな矛盾、問題点は、法律は人間がつくるのでありますから、また改正をすればよろしい、このように考えておりますので、吉田委員の御指摘の御趣旨は十二分に拝聴し、今後の法律作成にあたっても十二分に考えていきたい、このように考えます。
#143
○島村委員長 近江巳記夫君。
#144
○近江委員 このLPG法案につきましては、相当な議論が戦わされたわけでありますが、いままで出ておらなかった問題を特に重点的に御質問申し上げたいと思います。
 まず第一点は、この第三条の事業の許可、このLPG販売業を許可事業とする理由、その点についてまずお聞きしたいと思います。
#145
○吉光政府委員 事業を監督いたします立場、いろいろ法制上の規制のしかたがあると思いますけれども、一番きびしい規制のしかたが事業許可制であることは先生すでに御承知のとおりでございます。事業をやりました後に事後届け出、あるいは事業をやる前に事前届け出、これらもすべて事業の規制のしかたでございますけれども、一番きびしい規制のしかたが事業許可であるかと思うわけでございます。
 そこで、御質問は、なぜそのようなきびしい事業許可制というものをこの法律で採用したのか、こういう御質問であろうかと思うわけでございます。実は、いままでこのLPGの販売店の設置につきましては、その設置自身が保安上の角度から許可にかかっておったわけでございます。施設につきましての許可制を採用いたしておったわけでございます。ところが、施設自身につきましての許可というふうなことから判断いたしますと、従来の運用の経験でございますけれども、どうしても、ともすれば設備に手抜かりができると申しますか、あるいはまた、実際にやっていただきたいこの法案の中のねらいといたしておりますところの販売業者を通じての保安認識の高揚と申しますか、そういうふうな点についての力と申しますか、あるいはまた、一方におきまして取引を適正にいたしますために、長期的な販売契約を結びながら仕事をやってまいるというふうな、そういう力の面、あるいはまたそこが不足いたしておりますために、かえって消費者に迷惑をかけるというふうな事例もあるわけでございまして、一たん災害――これはめったに起こらないことが望ましいわけでございますけれども、販売所における災害が起こりました場合に、周辺に対して賠償負担をすることができない、そういうふうな形であったのでは、本来の意味での災害防止ということはできないのではないだろうか、こういうふうな角度から、いま申し上げましたような保安――災害を防止し、あるいはまた取引を適正にする根本的な問題といたしまして、その前提となるべき事業自身がきわめて健全なものでなければならないというふうなことに立脚いたしまして、事業許可制を採用いたしたわけでございます。
#146
○近江委員 この許可制ということ、私はそれに関連をしてお聞きしたいのですが、昨今問題になっておりますタクシー汚職この問題などは、一番この代表的な問題であろうかと思います。そうしたいろんな汚職、そういったことが非常にこういった問題をめぐって発生しておるわけでありますが、通産省としても、これは運輸省の問題であると片づけることができないと思います、全部これは商工に関係のあることですから。そういった点で、そうしたいろんな要素をはらんでおります。したがって、最近のそうした汚職、そうした根本的な底にメスを入れて、どういうことからそういうような汚職が発生しておるか、そういった点についてひとつ見解を聞きたいと思います。まず最初に両角鉱山局長、それから次官にお願いします。
#147
○両角政府委員 私、LPG税法の問題につきましては、新聞紙上で承知いたしておるだけでございまして、まことに遺憾なことだと存じております。
#148
○吉光政府委員 先ほどの御質問、法律を立案する場合にあたっての心がまえとしてお答えをさせていただきたいわけでございますけれでも、こういう許可制を採用いたしますと、ともすれば汚職源になりやすいということはあり得るわけでございます。したがいまして、私どもの立場といたしましては、できるだけ許可の基準を明確にして、そうして裁量の余地のないものにしていく、そういう制度をつくることが、先ほど御指摘がございましたような変な汚職への道からのがれることのできる唯一の手段ではないか、このように考えております。
#149
○藤井政府委員 せっかくの御指名でございますから、一言お答えをいたしますが、いま担当局長から答弁があったわけでございますが、化学工業局長から、特に基準を示す、こういう話でありました。私はできるだけそれが望ましいと思います。ただ、基準を示すことによって、また現実にこれを当てはめる運用という面において現場で困る、こういう面もある。そこにやはりいろいろ人間がやる運用の妙をいたさなければならぬ。結局そのような関係に携わる人間の道義的な責任感、これが最終的な保障でなければならぬ、このように思うわけでございまして、できるだけあやまちのないような法律あるいは規則を制定すると同時に、最後の保障は官吏の道義の問題である、このように考えるわけでございます。
#150
○近江委員 いま両局長、次官の御意見を賜わりました。私はここでけんかをする気はありませんが、両角鉱山局長はあまりにも簡単に片づけておる。もう少し誠意を持って答弁したらどうですか。
#151
○両角政府委員 事実LPG税法の汚職問題は、当方としましては全く事情がわかりません問題でございますし、われわれとしては、一国民として遺憾であるとともに、また役人といたしまして、さような問題が起こらないような心がまえで今後とも対処してまいりたい、こういう趣旨で申し上げたような次第でございます。
#152
○近江委員 こうした許認可の行政、これが種々のそうした弊害を生んでいる。能率阻害あるいは汚職、そうした原因の大きなものになっている。さらに根本的には、次官がお答えになりましたが、そうしたわれわれの自覚、そうした問題もあるわけでありますが、そうした許認可行政、これがタクシー営業あるいは運送業、こうした免許をめぐって非常に問題になってきているわけです。また、これは政府のほうでも、臨時行政調査会の答申にも、許認可行政の整理をするということがうたわれております。行政管理庁もその線に沿って種々の勧告を出しておるということは皆さんも御承知のとおりです。このようなときに、新たにそういう許可制を持ち出すというのは時代錯誤ではないか、このようにも考えられるわけです。このことについて行管、通産にお聞きします。
#153
○佐藤説明員 われわれ行政管理庁で行政監察に携わっておる者でございますが、原則といたしまして、各省庁の業務の運営状況を調査いたしまして、もし改めるべき点がございますれば、その点を勧告するというような立場で業務をやっておるわけでございます。いまお話にございました臨時行政調査会の答申、それで個別の許認可事項を三百七十九件指摘いたしておりまして、それをわれわれ推進するように監察をやっております。現在も第二次の推進として調査をやっておるわけでございますが、その許可、認可等をどういうぐあいに整理したらいいかというような基準といたしましては、臨時行政調査会がこの答申をいたしますときの基準といたしまして、その許可、認可等を設定した当時の背景、事情が現在非常に変化しているというようなもの、あるいは規制が非常に形式的でございまして実質的な効果がないと思われるもの、あるいは法律に明確な根拠がなくて規制をやって国民に迷惑をかけておるもの、こういうものは廃止したほうがいいのではないか、こういう基準を立てております。
 なお、下部機関への委譲につきましては、処分が形式化しておるから、その下部機関の副申どおりになされておるというようなものは下部機関に委譲したほうがいいのではないか、あるいは地域社会の行政を適切に運営するために当該地域を管轄しておる機関にやらしたほうがいいのではないか、そういうものを委譲として考えておるわけであります。
 なお、許可あるいは規制を緩和いたしまして届け出にするというようなものにつきましては、許可制となっているために処分方法が非常に過重になっているとか、あるいは有効期間を廃止してもたいした支障がないのではないか、こういうようなものは有効期間を廃止して規制を緩和する、そういうような考え方で臨時行政調査会は三百七十九件の許認可事項の整理を勧告いたしておりますが、われわれも、この基準に基づきまして、現在やられておるものについて監察して、これに該当するものがあれば、その緩和について、整理について勧告するという立場で現在運営しておるわけでございます。
#154
○吉光政府委員 許認可行政につきまして、これがつとめて簡素化されるということが望ましいという点につきましては、まことにお示しのとおりでございます。ただ、この法律におきまして許可制を採用いたしましたのは、先ほども御説明いたしましたように、保安の問題、災害の問題というものは人身事故に関連する重大な問題でございますし、きわめて緊急性を持っておる問題でございます。と同時に、実は事後届け出、要するに爆発が起こった後におきまして何らかの手を打つということは非常にむずかしく、むしろ事故の起こる前に防がなければならない、そういう手段を多数準備しなければならないような性格の行政であろうかと思うわけでございます。したがいまして、先ほどの許認可行政自身について一般的に私ども自身が常に反省しなければならないという点につきましては、全くお示しのとおりでございますけれども、事本件につきましては、そのような意味から、従来とも先ほど申し上げましたように、設備につきまして、販売店施設等につきまして許可制が高圧ガス取締法時代からとられておる、こういう経緯のものでございます。
#155
○近江委員 行管からもらったこの資料でありますが、これで見ますと、勧告はしたけれども、未処理のもの、これは各省ずっと見てみると、厚生省がトップで九十九件、その次に通産が三十三件、それからずっと下がって建設省が十五件、あとは八とか二とか一という数字であります。なるほど現在実施をしておるそのことについて、そのような行政勧告をする、そうした基準のお話もいまありました。しかし、いまから出てくる法案についても、その他の各種業態から考えて類似するものがたくさんあります。その上から判断をして、これは適切でないというようなことがある程度予測されるわけです。そうした勧告とまでいかないにしても、事前のそうした検討というものが政府当局においてなされているかどうか、私はこう思うのです。そういった点どうですか、話し合いができておりますか。
#156
○吉光政府委員 私どもこういうものを立法いたします場合には、まず通産省で立案いたしました上で行政管理庁のほうにも御相談申し上げますし、それから内閣法制局のほうにも御相談申し上げた上で提案いたしておりまして、それぞれのチェック機構でチェックをしていただいた上で御提案申し上げているわけでございます。
#157
○近江委員 そうすると、行管自体のあり方についてもこれはまた一つの議論すべき問題が出たと思うのですが、これはまた別の機会に検討したいと思います。
 ここで、法案の第三条第二項に盛られている内容ですね。これはこの程度のことであるなら、あらかじめこまかいそうした基準というものを明示しておいて、届け出制にして、そうしてその監督官庁は基準に合致しているかどうかという、そうした点を十分な監視をし是正をすることで私は十分にその目的を達することができると思う。ここで届け出制ということについてできるものかできないものか、その点をほんとうに検討したかどうか、さらにもう一ぺんその見解を聞きたいと思う。これは通産と行管とにお願いします。
#158
○吉光政府委員 ここに書いてございます二項のうちの一番重要な問題は三号と四号でございます。特に三号が非常に重要な意味を持つわけでございまして、その申請書に記載いたします中に、販売施設につきまして、その位置、構造、設備、こういうふうなものについて事前に許可を要するということにいたしておるわけでございます。たとえば販売施設の位置につきまして、これが公衆施設から非常に近い距離、たとえば学校等、あるいは公会堂というような人の多数出入りするところから非常に近い距離にあるとかどうとかというようなこと自身は事前にチェックしてみる必要があるわけでございます。いまのが位置の問題でございます。あるいはまた、この構造等につきましても、火気との関係その他いろいろな形態があるわけでございますが、あるいは障壁を設けますとか、そういうふうな点につきまして、まさに御指摘のように、書類を出させて、そうしてあとそれに対して勧告をするかあるいは撤去命令を出すかという手もあるわけでございますけれども、現実の問題といたしましては、そういうふうなものにつきましては、要するに事前に書類でチェックするというふうなことであれば、しかもその内容を変えさせるということであれば、許可制の内容に非常に近いものだと思います。またこれがそこまでいかないというふうなことでございますと、一たん学校の近くにつくられたものについて、これは違法行為であるかもしれませんけれども、つくられたものについて事後に撤去させるというふうな事態も出てまいりますし、一たんつくりました障壁の壁の厚さをあとでまた練り直させるというふうなことにもなるわけでございまして、事前に計画の段階でじっくりと基準に適合しておるかどうかという点について審査しました上で、さらにこの法律は、許可を受けましてもすぐにそれが使用できるというふうなことになっておらないわけでございまして、それを使います場合にはさらに使用前の検査が必要である、こういう保安物件を扱っております関係上、使用いたします前にさらに具体的な品物についての検査を受けて、検査に合格した後でなければ使用できないというふうな、そういう全体の仕組みになっておるわけでございます。こういう災害防止上非常に重要な案件でございますだけに、やはり現行制度では許可制が最も適当ではないであろうか、このように考えたわけでございます。
#159
○佐藤説明員 いま御指名ございましたのですが、先ほど申し上げましたように、われわれは行政監察のほうに従事しておるものでございまして、それは、実際に各省庁が運営をやっております状況を見ましての結果の判断をするわけでございまして、立法論として、届け出がいいか、許可がいいかということを申し上げることはちょっとできない立場におるわけでございます。先ほどお話がございましたように、私どもの管理局のほうに一応法案の形で御連絡があったということでございますが、管理局のほうで検討いたしたかと思いますけれども、これはおしかりを受けるかもしれませんが、部内の連絡がございませんで、私伺っておりませんので、何ともここでお答えいたしかねる次第でございます。
#160
○近江委員 この石油業法の石油製品販売業は届け出制になっておる、十三条に出ておりますね。石油業法ではそれらが届け出制になっておる。それをいま局長からもずっと答弁がありました。しかしながら私が先ほど申し上げたように、こまかいそうした規定を設けておる、たとえば学校のところに置いてはいけないとか、そういうことは当然ですが、商売をしようとしたときには、規定を見て、不適当であるということなら、そういうところに置くわけはありません。また届け出と同時にすぐ調査すればいい。その監督指導というものを強化していけばいい。何も弊害はありません。そうした点からもう一度ひとつ答えてもらいます。
#161
○吉光政府委員 いまお示しありました石油業法におきまして、石油製品の販売業者につきまして届け出制が採用されておるわけでございますが、この石油製品の販売業者の届け出制につきましては、趣旨が、何と申しますか、販売業者自身がどういう実情、状態にあるかという、そういう意味で現状を知るというところに重点があるわけでございます。それと違いまして、私のほうのこのLPGの販売事業者の販売許可につきましては、これはむしろどこに何があるかということを知るのみでは災害の防止という観点から見ました場合には不十分である。もちろん相当多くの人間を使いまして、届け出を受けたら、すぐそこの現場に行って調査して、そして受けたとおりつくっておるかどうかというふうなことを確認する手段があるわけでございますけれども、ただそのためには相当膨大な人員が必要になってまいりますし、むしろこういう災害の防止というふうな観点に立ちました場合には、やはり事前に許可を受けた上で、そして許可を受けたところに従って建設し、さらにこういう一番災害の大きいものにつきましては、その施設を使います前に、またそのとおりできておるかどうかの検査を確認を受けました後に使い始めるくらいの体制が最も必要な事項ではないだろうか、このように判断いたしました上で許可制として立案いたしたわけでございます。
#162
○近江委員 これはどこまでいっても平行線をたどるのではないかと私は思います。しかし許可制にしたからスムーズにいくか。それはいろんな利点もあるでしょう。しかしながら、あのような不正事件、汚職を生み出すその根源になっているというこの事実ですね。さらに私先ほど申し上げました行政管理庁も、臨時行政調査会の答申にも、そのように許可制というものは好ましくない、政府はそのような勧告をしておきながら、あえてそれをするということについては、それは問題がある。相当真剣にこの問題をほんとうに討議してきたかどうか、そういった明確な線がきまってないように私は思うのです。ですから、今後そういった方向にしていく考えはないかどうか、結論としてお聞きします。
#163
○吉光政府委員 お示しのような許認可行政が簡素化されるという点につきましては、私どもも全くお話のとおりの気持ちで考えておるわけでございます。そういうような、特に営業の自由に対して規制を加えるというふうなことも、規制の加え方は程度がゆるいほどよろしいという点も十分に承知いたしておるわけでございますけれども、先ほど来申し上げましたような、こういうケースの場合に、やはり営業の自由というふうなことで考えるか、あるいは災害を防止するという、そちらの積極的な、要するに他人への迷惑をできるだけ少なくするというふうな観点から考えるか、そこらの軽重比較の問題でございまして、私どもも常に、こういう事業を許可制にするか届け出制にするかというふうな点につきましては、非常に慎重に扱ってまいっておるわけでございます。特にその点につきましては、法律立案過程におきまして、内閣法制局の審議を受けます場合にも、たとえば報告の徴収ひとつ書くにいたしましても、非常に慎重な配慮がなされた上で認めていただいておるわけでありまして、今後とも、いまお話ございましたような許認可行政の簡素化、こういう点につきましてはますます留意してまいりたい、このように考えます。
#164
○近江委員 この問題についてはこれで終わりますけれども、要するに、届け出制にすれば保安の確保はできないという考え方は、これはおかしいです。直ちに監督官庁が基準に合うかどうかを調査して、悪ければやめさせればいい、強化すればいいのです、いまいろいろ答えをされましたけれども。そういった点からいけば、これは今後大いに考えていかなければならない、私は今後の問題だと思います。この点はこれで一応終わります。
 その次に、第五条の許可の基準ですね。この三号に「その事業を適確に遂行するに足りる経理的基礎及び技術的能力を有するものであること。」このようになっております。この「経理的基礎」というのはどういうことを意味しているのですか、まずこれをお願いします。
#165
○吉光政府委員 第五条第三号の「経理的基礎」でございますけれども、一応審査いたします着眼といたしましては、次の二点について行ないたいと考えております。
 第一は、万一災害が発生いたしました場合に、第三者に対して相当の損害賠償を行なうようなことになるわけでございますけれども、それに備えまして、十分な損害賠償能力があるかどうかという点が第一でございます。この点につきましては、この賠償能力それ自身どの程度のものが適当であるかというふうなことにつきましては、具体的な問題として運用基準で画一的な通達を出すつもりでおりますけれども、賠償能力の合計につきまして、一事故につきまして、物的損害でございますと五百万円、人的損害でございますと一千万円、これは人的損害のトータルでございます。一千万というくらいのことを考えておるわけでございまして、これは現実に五百万円、一千万円、現にお金を、現金を持っておるということが必要なわけではないわけでございまして、たとえばもし損害保険等に加入いたしますと、大体標準的な販売店――これは小さいほうの標準的な販売店でございますけれども、それで考えました場合、年間の掛け金が六千円くらいでこれは済むわけでございますので、これを審査いたします場合には、そういう形での保険契約に加入いたしておるかどうか、端的に、保険契約に加入いたしておるかどうか、あるいはまたこの保険制度にかわるべく業界内で共済制度がございます場合には、その共済制度に加入しておるかどうかというふうな画一的な形で審査いたしてまいりたい、このように考えております。
 それから第二の審査の点でございますけれども、これはLPガスそれ自身につきまして、一たん消費家庭と契約いたしますと、やはり安定的に供給するということが必要になってまいりますので、卸との間に安定的な仕入れの契約ができているかどうか、要するに卸との間の仕入れ契約が常にふらふらしておるというふうなことのないように、仕入れ契約ができておるかどうか、これは契約書一本だけつけていただければそこははっきりわかるわけでございます。
 この審査の内容といたしましては、以上の二点を考えておるわけでございます。
#166
○近江委員 個々の企業実態をつかんでいくということは非常にむずかしいわけですよ。局長も御承知のとおり、この事業所数というのはざっと五万六千カ所あると聞いております。これだけの事業所を通産省あるいは県庁の役人がどのように客観的に判定できるか。無理なことを行政官にやらしていきますと、必ずそこには、いままでの例からいきますと黒い霧が発生する。必ずそこには腐敗が渦巻いている。これはできもしないことをやらせようという考えですね。こういったことも届け出制にすれば私はスムーズに解消していくのではないかと思う。ちなみに、この数は間違っおるてかもしれませんが、通産省のほうあるいは工業品検査所等を合わせると四十六人、都道府県二百五十六人という数を私は聞いております。間違いがあればまた直しますが、そうしたことは、実際にそこまで内容に立ち入って調査できるかということなんです。この点はどうですか。
#167
○吉光政府委員 非常に数が多うございますので、審査自身が粗漏になるということがあってはならないわけでございます。いまお話がございましたように、企業の販売店の数でございますけれども、販売店の数は全国で約五万六千現在ございます。ただこの制度が採用されましても、この五万六千店につきまして一々洗い直しはいたしません。これはこの法律の附則で、すでに許可を持っておりますものにつきましてはあらためてこの法律による許可は必要でないということで、あらためて五万六千を全部洗い直すというふうなことはいたさないことになってお喝わけでございます。ただ、そうは申しましても、いまから全然ふえないか、あるいはまた改築工事が行なわれないかということになりますと、これはやはり年々一部ずつの更新が行なわれるであろう、新しい販売店の設置も行なわれるであろうということは当然想像できるところであります。したがいまして、現在、先ほどお話のございました都道府県の監督職員は二百六十三名、それから通産省、通産局を合わせまして高圧ガスの関係の仕事をいたしておりますのが四十八人おるわけでございますが、それだけでは監督能力が不十分であるという意味から、実はこの保安上の問題に関しましては、地元の消防署長の意見書を添えて申請させるということにいたしたわけでございます。これは随所に地元消防署の協力をお願いいたしておる規定が入っておりますけれども、従来私どもの通産省なり県の高圧ガスの取り締まりの系統だけでは不十分でございますし、またそこだけに人員を充足することにいたしましても、それほど大きな――少ないよりは多いほうがいいわけでございますけれども、むしろ地元の消防署の協力のもとにやったほうが保安の確保の観点からより的確に監督行政ができるのではないだろうかという意味で、従前の高圧ガス取締法と違いまして、今回はあらためて消防署の協力をこの仕事の中にお願いを申し上げた次第でございます。
#168
○近江委員 次に十七条の「勧告等」ですが、この十七条の規定により価格を引き上げるような勧告をするのかということは問題です。なるほどそこには表面には出ていないかもしれない。しかし、あなたのほうの法律案想定問答集九四ページには、コストをまかなえないような低価格で販売しているときは、コストを支弁するところまで引き上げるよう勧告することはないとはいえない、こういうように書かれております。では、コストというのはこうした個々の企業のコストであるべきはずなんですが、個々の企業といっても、先ほど答弁がありました五万六千カ所、これに一々コスト計算をやらせるつもりかどうかということです。これは絶対にできもしないことを、十七条を拡張解釈するということは絶対に許せないことであります。企業努力で何とか引き下げようとしている業者に、ダンピングであるというらく印を押して、勧告に従わないときはその旨を公表するということは、これは全く人権じゅうりんといってもいいと私は思うのです。この価格に関することは十七条のらち外であるということをはっきりとしてもらいたい。この点はどうですか。
#169
○吉光政府委員 十七条の規定によりまして価格勧告をいたそうという気持ちは現在毛頭ないわけでございます。これを置きました基本的な理由と申しますのは、そこにも書いてございますように、事業の運営が適正を欠いておるために、災害の発生の防止あるいは消費者の利便の確保に支障を生ずるという場合でございまして、一応想定いたしておりますものは、たとえば容器置き場というふうなものについて、その貯蔵の能力と容器置き場との相対的関係におきましていささか狭くなり過ぎておるような場合、あるいはまたこの法律自身で直接的な制裁を考えていないような事項でございます。あるいは先ほど来御質疑の中にございました販売店の過当競争ということを反映いたしまして、非常に遠距離のところまで持ち込み販売をやりまして、しかも非常に危険性があるという場合でございますとか、あるいは販売数量に比べまして、これは初めの場合と違いましてだんだんと販売力が強化されました場合に、必ずしも従業員の数がそれに対応いたしていないとかいう場合にやることを考えておるわけでございます。あるいはまた、先ほどの経理能力の問題といたしまして、保険にかかっておるとかいうことを前提にいたしたわけでございますけれども、ところが許可を受けました後に契約期間の更新をいたしますときに、保険契約がすでに切れてあとはもう掛け金を払っていないようなものを発見いたしました場合、そういう場合にはこれによって勧告をしてまいろうということでございます。いまの価格問題等につきましては一応頭にないわけでございますけれども、ただこれは万が一という意味でございます。万が一乱売競争が起こりまして、普通一般に売られているよりかべらぼうな安い値段で、要するに販売コストを割った形で乱売されておる。これは普通の状況ではそう考えられませんけれども、群を抜いたべらぼうなものが出てきて、他人の製品の販売分野をそういう手段によって奪っていくというふうな事態がもしございました場合には、あるいはこの勧告を発動することもあろうかと思いますけれども、これはしかし万々一の場合でございまして、同時にまたこの勧告をいたします前に、高圧ガス等の審議会がございますけれども、その審議会にかけまして、そこで御意見を承った上で勧告措置をとる。役所の独断によって勧告措置はとらないというふうなたてまえにいたしておりますので、この勧告の条文自身が乱用されるということは万々生じないと思いますが、さらにそういう点につきましては慎重な配慮を加えてやってまいりたい、かよううに考えております。
#170
○近江委員 それから第五条の関係です。ここにあなたのほうでおっしゃっていることですが、米や雑貨と石油販売との兼業者が多いため、経営上十分な能力を有しないものが多いので、消費者に迷惑を及ぼしている。こういったこともあるのです。この趣旨は、第五条の第三号を使って、要するに兼業者を締め出して、いうならばそうした息のかかった専業者は大資本の系列販売、これを促進して価格のつり上げをしよう、こういう下心が私は感じられるのです。そこで兼業、専業の差別待遇をしないとはっきりとここで私は聞きたいと思う。また販売量によってチェックをして企業整理もしない、こういったこともはっきりと私はここで聞きたいと思います。以上、二点。
#171
○吉光政府委員 私どもこの法律を通じまして企業整理をするという気持ちは毛頭持っておらないわけでございます。あくまでも保安の能力を十分に備えた企業というものがあってほしい、こういう気持ちはございますけれども、しかしこの法律によって企業整理をはかっていく、こういう気持ちはございません。したがいまして、先ほどの兼業、専業の問題にいたしましても、兼業だから悪い、専業でなければならぬというふうな考え方は持っておりません。これははっきりと申し上げることができると思います。
#172
○近江委員 それではもう一言つけ加えておきますが、特に地方へいきますと、兼業でやっていかないと経営が非常に苦しいところもあるわけです。いまの局長の答弁で私はっきりしましたから、これ以上別に言うことはありませんが、そうした実態をよくお知りになって、そうした零細業者も守っていく、そしてなおかつ消費者サービスに万全を期していく、そうした点に十分今後の指導というものを適確にやっていただきたい、このように思います。
 それから事故の問題、前にもいろいろと何回も出ておりましたし、私もちょっと聞きましたが、昨年はプロパンを使っている家庭で百五十一件事故が起きましたね。三十六人死亡して二百一人の負傷者を出しております。ことしも、私のデータはちょっと古いのですが、九月末現在ですでに百二十六件、二十五人が死んでおります。二百三十四人の負傷者を出しております。こうした事実。ここでいままで起きた事故に対して、十分なそういう補償というものがされていますか。つかんでいますか、通産当局。
#173
○吉光政府委員 実ははっきりした数字を持ち合わせておりませんので、正確なお答えはできないわけでございますけれども、全部が全部うまくいっているというふうなことにはなっていないかと思うわけでございます。そういう意味におきまして、今度の法律の中におきましても、先ほど申し上げましたような保険制度あるいは共済制度の導入ということをはかってまいりまして、これはこの制度ができますと、実は新しく全国一本の形で販売業者の団体等ができまして、それが包括的に保険契約をいたす、これは非常に有利になるわけでございますが、そういうことによって事故が起こりました後の災害補償に万全を期したいという意味で、今度の経理的能力の中に、保険制度という中に、契約をいたしているか、加入いたしているかというようなことも入れたわけでございます。現状自身につきまして、必ずしもつまびらかにいたしておらないわけでございますけれども、販売業者自身が非常に零細な企業が多うございますだけに、必ずしも全部が全部御満足がいくような形での補償が行なわれていなかったのではないか、このように考えます。
#174
○近江委員 全部が全部十分満足な補償ができてない、この問題について通産省としてどうしますか。責任監督官庁としてどうしますか。今後の問題はわかりますけれども、いままで起きてきた事故に十分な補償が与えられていない。それに対してどうしますか。
#175
○吉光政府委員 これは申し上げるまでもないわけでございますけれども、こういう場合における補償と申しますのは、実は民法上の損害賠償でございまして、したがいまして、町当事者の間で話をつけておるということでございます。ただ、一件当たり幾らとかどうとかということで十分な補償が行なわれておるというふうなわけには至っていないかと思いますけれども、いわゆる両当事者の間の話し合いで問題が解決されておる、こういう状況でございまして、ただ私自身ここで十分の資料を持たないままでお答え申し上げておりますので、非常に恐縮でございますけれども、この爆発に伴う問題として苦情的なものが役所あるいは地方の出先機関等に特に積極的に入っておるというふうな状況ではございません。
#176
○近江委員 そうした問題も一度通産当局として検討してもらいたい。この点どうでしょう。
#177
○吉光政府委員 そういう補償問題につきましても十分配慮してやってまいりたいと思いますので、さっそく全国のほうでどういう状況でやっておるか、具体的な実態をつかまえてみたいと思います。
#178
○近江委員 それでは、その具体的な実態をつかんだ資料を私にいただきたいと思います。さらに通産当局としても、何とかその人たちを救ってあげるそうした方法を、なかなか困難と思いますが一度考えていただきたい、この点を要望しておきます。
 それから先ほども話がずっとあったわけでありますが、プロパンの値段であります。主婦連のプロパンガス使用についての実態調査、これは全国地域婦人団体の連絡協議会が出しておるものでありますが、この内容からも、ずっと見ていきますと、価格に非常に差があるわけです。十キロボンベでいきますと最低四百五十円、最高千四百円となっております。同じ商品で四百五十円から千四百円、こんなちっぽけな日本の国内で同じ商品と思えないような値段の開きがあるわけです。地域格差。この調査結果によりますと、四百五十円というのは愛媛県ですね。千四百円、愛知県。これは非常に特殊なケースということが考えられるわけです。しかし全国平均で十キロボンベの値段が六百円から七百円というのが三分の二、七百円以上が三分の一、八百円以上が五分の一もこの婦人団体の調査ではあった。地域格差というものはものすごいものです。一番高い長崎県で八百円以上が八五・六%、青森県で七八・四%。これに対して近畿や四国では大半が五百円から六百円。また同じ地域でも小売り、卸商よりも農協で買うと約百円ほど安い、こういった事実が出ておるわけです。こういう千数百円というようなべらぼうな値段、これは消費者を守る意味において通産当局としてどのようにこの問題を考えていらっしゃるか、この見解をひとつお聞きしたいと思います。
#179
○両角政府委員 価格のばらつきが地域によりましてたいへんはなはだしいということは、御指摘のとおりの事例があるかと思います。かような極端な千四百円というような事例はきわめて局地的なことかと思いますが、しかし一般論で申し上げますと、たとえば北海道、東北あるいは九州といったような個所におきましては、LPGの生産輸入基地から相当地理的に離れておりまして、また需要家が広範な地域に散在をいたしておるというような事情も手伝いまして、いわゆる持ち込みの販売価格というものは、その他の地域に比べまして割り高になるということはやむを得ないかと思います。しかしながら、御指摘の極端なばらつきにつきましては、当然この正常化をはかるべきものと考えております。
#180
○近江委員 具体的な方法は考えていらっしゃいますか。
#181
○両角政府委員 先ほど申し上げましたように、現在の価格のたてまえは、これをきめるのは末端小売り業者の自由でございますから、これを法的にどうこうということは不可能でございますが、さような極端な事例につきましては、なぜそのような価格が維持されておるかということは、商業組合を通じまして調査をいたしまして、事情を調べて対処いたしたいと考えております。
#182
○近江委員 どのように対処していくかということを聞きたかったのでありますが、その点はあくまでも消費者を守る、こういう立場で通産省としてもひとつ真剣な取り組みをやっていただきたいと要望しておきます。
 それからメーターの問題でありますが、これもいろいろと意見が出ました。大体私の聞いておる範囲では、現在一般家庭で使われているのは、十キロというのが相当多いわけです。しかし五十キロにしてメーターをつけていこう、こうした意見であるように私は聞いておりますが、いまの住宅の実態等を考えますと、五十キロを置くということは、やはりいろんな支障があるのではなかろうか、一般家庭としては十キロ、二十キロ等が一番使われるのじゃないか。なるほど五十キロにして使った部分だけ払えばいい、そうした利点もあります。安くなるだろうし、運搬等の経費の削減もできるだろうし、いろんなことが考えられます。しかし十キロ、二十キロの需要というものは決して減らない。こういった点において私はこの十キロ、二十キロ等の容器においても絶対にメーターをつけなきゃいけない。なぜかなら、家庭の主婦はみんな心配しているわけです。もうなくなったか、毎日の献立をつくるにしても、もうガスがなかったらどうしようもないわけです。いつ切れるかわからない。したがって早目に呼ぶ。それには当然残ガスがある。あるいはもっと悪いことを考えれば、業者自体が内容を少なくして持ってきても、これはわからないわけです。こうしたあらゆる不正を防ぐ意味においても、また家庭のそうした経済を維持していく面からいっても、これはメーターをつけるべきだ。なるほどいま二千円、三千円しているかもしれませんが、これを全部取りつけるとなると膨大な数になります。そうしますと、当然コストだってダウンしていきます。したがって、これを義務づけるべきである、十キロ以上の器については全部つけるべきである、私はこう思うのです。これに対する見解をひとつ聞きたいと思います。
#183
○両角政府委員 ボンベに対するメーターの取りつけが望ましいことは、御指摘のとおりであります。また、その場合のボンベの大きさは、需要の実態に対応して考えていくべきものでございまして、十キロボンベの需要が多ければ、その場合でも当然メーターの普及ということははかっていくべきものと考えます。ただ現在の段階におきまして、先ほど来お話が出ておりましたように、小売り業の小規模零細な実態を考えますときに、この多額の資金を要しますメーターの取りつけを法的に強制いたすということは、なお大きな負担を課すことになりますので、普及をすみやかにはかっていくという方向で、この促進をはかってまいりたいと考えております。
#184
○丹羽(久)委員 ちょっと関連して。いま近江委員から質問せられた五十キロというような線が出ているのだが、そういうようなことは、もうすでに大体方針はきまっているのですか。この液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律として、そういうような問題はまだ進んでいないと思うけれども、そういうようなところから、あなたのほうはもうすでに進められておるのですか、どうですか。その点ひとつお聞かせ願いたいと思います。
#185
○両角政府委員 ボンベの大型化ということは、小売り販売業の合理化のために、方向としては望ましい方向であるというふうには考えておりますけれども、二十キロあるいは五十キロボンベでなければならないというような法的な問題としては、当然考えておりません。
#186
○丹羽(久)委員 取引の適正化に関する法律に、そういうようなものは関連しているのですか。その点ひとつお聞かせいただきたいと思います。
#187
○両角政府委員 法律上の関連はございません。ただ、小売り業の体質改善あるいは販売能力の充実という面から考えまして、需要家側の需要が大きくなっていく場合には、ボンベの大型化もそれに伴って進めていくことが望ましいという趣旨でございます。
#188
○丹羽(久)委員 私は政府側の答弁をじっと聞いておりますと、液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化ということが、今度の法律で出ることになったが、そういうようなこまかい問題は、将来また新しい法律として出されて、あるいはそういうようなことは省例で定めるとかいうようなことは審議する機会があるのではないか、こう思っておるのです。近江委員の質問に対して政府のほうでは望ましいとかどうだとか言っておられるが、それは質問に答える一つの答弁であるとするならば、それでけっこうだと思いますが、何か私は聞いておるうちにだんだんと深入りしていって、実際はもう何かずっとできておるような感じを持つのです。だから両角さん、あなたはそういう点については大型化をすることが望ましいと思っておるというだけで、それはあなたの個人的見解ですか、どうですか。
#189
○両角政府委員 小売り業の体質改善をはかっていく一つの方策といたしまして、ボンベの大型化が望ましい方向であるということは通産省の意見でございます。
#190
○丹羽(久)委員 では、それは将来そういう方向に持っていきたいという通産省の考え方であるというだけのことでございますね。
#191
○両角政府委員 さようでございます。
#192
○丹羽(久)委員 そういうものがまた将来出されて、いろいろ審議をせられるということになるわけですか。あなたのほうはそういう指導方針をこれから進められていくという方針はすでに決定しておるのですか。
#193
○両角政府委員 そういう小売り業の体質改善方策を進めたい、その一つの内容としてボンベも取り上げていきたいという方針はありますけれども、法律的な問題として取り上げる意向はございません。
#194
○丹羽(久)委員 それでは近江委員に悪いけれども、関連しておりますので、もう一点だけお尋ねいたしたいと思います。
 今度の液化石油ガスの保安の確保という問題でありますが、二つ以上やるときには通産大臣の許可を得る、一県で一つの場合は都道府県知事への提出でいいというように、私は解釈しておるのです。そこで愛知県の場合を申し上げますと、愛知県で二件、プロパンを貯蔵していて、それが火を吐いて大事故になったということは御存じだと思うのです。それで付近住民は、非常に迷惑をするから、もう再びこれの設置をしてくれるなという猛烈な反対があって、ついにそれは取りやめるというような方針になった。それからこういうような液化石油ガスの保安の確保という法律ができるということについて、私はこれは非常にいいことであって大賛成であると思うのです。そこで私は、これからできてくるのに対しては、このような法律によって、厳重な指導監督のもとにうまく運営をしていただけると思うので、けっこうでございますが、現在できておるもののうちでまだまだ不十分なものがある。不十分ということは、これから新しくできてくる法律の構造といろいろと違った、昔のままの姿で、まだ危険性を伴っておるものがあるけれども、これに対しては指導監督をどのようにしていかれる方針かという点をひとつお尋ねしておきたいと思います。
#195
○吉光政府委員 この法律によりまして新しくいろいろの許可あるいはこの維持の基準なり出てまいるわけでございますが、御質問ございました、現にやっておる販売業者につきましては、その現にやっております許可をこの法律による許可を受けたものとみなしまして、さしあたりは現状のままで営業されるということになるわけでございますけれども、この新しくできました基準適合命令というのがございまして、これは一定の猶予期間をおきまして、いついつまでにこれだけのものを新しい基準に合わせるようにというふうなことが命令できるような形になっております。しかし、これはすぐにというわけにまいりませんので、それぞれの状況に応じまして基準適合命令を発動してまいる、基準に違反いたしているものにつきましては、そういう適合命令を発動いたしてまいる、こういうことになろうかと思います。
#196
○丹羽(久)委員 先ほど政府委員の説明に、こういうことをおっしゃる。人命尊重の上における、あるいは液化石油ガスによる災害を防止することを中心として、これがこの適正化の法案の趣旨であるというお話であった。それは私はもっともなことだと思うのですが、これからやっていくものはいいですよ。その趣旨であなたのほうは構造あるいはいろいろの規格を設けられて、それに当てはまらないものは許可を認めないという方針であるから、万全を期したものができ上がってくると思うのですが、私はもう一度申し上げるけれども、昔それで許可をもらったからそれでいいのだ、それば既得権を持っておるからやむを得ないじゃないかというなら、それは実際問題として、法律の趣旨というものは、これからできるものに対しては災害を防止し人命を尊重していく、前からあるものに対してはそういう事態が起きてもやむを得ないじゃないかということになる、こういう解釈になってくると私は思う。だから前からのはどうするのだ。前のものはやむを得ませんというのではいかぬじゃないか。私はそう思うけれども、その点はっきりしてもらいたい。
 実は私のほうで古くからある人で、あすこもやってもらわなければあぶない、あんなやり方をしておってもらっては危険だというところがある。そういうのに対してはこの際どういう処置をとられるか。液化石油ガスの保安の確保ということになると、前に許可をもらっておればいいじゃないかというようなことはおかしいと私は思う。既得権は認めて、それを移動せよとかなんとかいうのでなくて、それに対する十分な処置をとらせる、あるいは監督をする、そしてそういう声があったら直させるという条項がなぜ入らなかったか。あるいはもしもそれがほんとうに危険地域にあるとするならば、他の土地へ移すように政府が指導して、それに対する補助金とか貸しつけ金をするような制度を持つべきではないか。それが私は、あなた方のお考えになる机上プランでない、地についていくところの政策であり政治であると思う。私らの信望をになっていただいた、大臣代理である政務次官のお考えをひとつ聞かしていただきたい。
#197
○藤井政府委員 先ほどから関連でいろいろ質問がありました。お説のとおり法本来の趣旨は、保安の確保、取引の適正化というのが、法の基本的な路線でございます。ただ、局長のほうから先ほど来いろいろ答弁をしておりますことばの中に、特に零細企業者をこれによって統合する、廃止する、こういうことがねらいではないかという質問に対して、そういうねらいは持っておらない、しかし保安の確保と取引の適正化という基本的な原則はゆるめない。これが法の正しい精神であり、今度この石油ガス法の新法が制定される社会的な背景でなければならぬ、このように考えておりますから、丹羽委員のお話はごもっともだと思います。
#198
○丹羽(久)委員 いま政務次官からの御答弁でございますけれども、私は零細企業者の問題に対して、この液化石油ガスの保安の確保に伴ってそれに弾圧を加えるとか加えないとかいうことをせられるとは思っておりません。私は液化石油ガスの保安のあり方というものについての大乗的見地から申し上げる。大きなタンクに充満しているあれが、もしもの場合に破裂する事態が起きたときには、もうたいへんなことになると思う。最近はほとんどの自動車が、ガソリンが高いからということでLPGを使っておる。これはほんの小さなタンクに入れられて、そのタンクが爆発しないように非常に厳重な検査のもとに、通産局はこれに許可を与えている。だから、これは町の中を走っていて、もしも衝突しても――最初のときにはそれによって大きな事故になりはせぬかという心配、懸念があったけれども、それはないということが裏づけられたから、心配ない。これはもう決定的なものになる。けれども、タンクという問題についてはまだ不十分な点がある。そこで、今度の石油ガスの保安確保という問題について、これからの問題は、これでけっこうな、りっぱな法律だと思う。ところが、いままでのうちの不備な点があろうタンクに対しては何らかの考え方をしていかなければならぬ。既得権は十分に認めてあげてもけっこうだと思う。しかしながら、それに対する指導、監督はどのようにせられるか。文章の法律には関連がなくても、お考え方を明らかにしておいていただきたい。こういう点を私は申し上げておる。全然そういうようなことが頭にないとするならば、昔のままの旧態依然であるとするならば、そういうところから大きな事故が起きてくる。
#199
○吉光政府委員 私の先ほどのお答えがちょっと舌足らずでございましたようでございますので、あらためてお答えさせていただきます。先ほど、現にやっている人について、この法律の許可は必要でないと申し上げましたけれども、これは現に許可はございますので、附則のほうに書いてあるわけでございますが、一定の手続を経まして届け出をすれば、それで足りる。その場合その届け出をいたしました場合には、この法律の許可を受けたことになっております。そういう人と同じ扱いになるということになっておりまして、今度同じ扱いを受けます。
 この法律でございますけれども、基準に適合いたしておらない場合には、基準に適合させるような命令をすることもできますし、あるいはまた、これは十六条の三項でございますけれども、「その技術上の基準に適合するように販売施設を修理し、改造し、若しくは移転し、又はその基準に従って液化石油ガスの販売をすべきことを命ずることができる。」というふうに、新しくこの法律で許可を得た事業者と同じように、同じ監督を受けることになっておるわけでございまして、前の高圧ガス取締法によって許可を受けた、その基準だけを守っておればよろしいということにはなっていないわけでございます。ただ、先ほど「具体的な実情に応じて」と申し上げましたのは、実は基準自身の基本的なところはあまり変わっておりませんけれども、なおやはり許可基準が変わってまいるということはあるわけでございまして、そういう場合に一挙にこの命令だけで解決するということにはやはり無理もあろうかと思われますので、現実の実態に応じましてこの命令を発動するかどうか、具体的にこの基準に適合するような具体的な手段の取り方は、それぞれのケースによって違うかと思いますけれども、制度的にはこの許可を受けた販売業者と同じように基準を守らなければならない、あるいは基準に適合するような命令がまた監督官庁のほうにある、というふうなたてまえになっておるわけでございます。
#200
○丹羽(久)委員 それで了承できたのですよ。だから、既得権を認めても、悪いところがあったらそれを修正させる、その修理をさせる、そして新しい業者と同じかっこうにどこまでもやるんだ、こういうような御答弁をいただくならそれで私は満足だが、先ほどの話を聞いておると、前のものはそのままいくんだというような話ではちょっと困る、こういうことなんだ。ここに書かれておるようにやってもらえばそれで十分ですよ。了承しました。どうもありがとうございました。
#201
○近江委員 いまの関連質問、私はもっともだと思うのです。それは要するに、いろいろ若干の手心を加えられるというようなことがいままで往々にしてあったから――私は何も弁護するわけではありませんけれども、確かにそういう事実がよくあるわけです。したがって通産省としては、あくまでもそうした消費者保護という立場から、人命尊重という立場から、さらに私もこの点は強く要望しておきます。
 その次に、この前もお聞きしたのでございますが、販売事業者に貯蔵義務、調査義務等が課せられたわけでありますけれども、これについてもやはり相当金融上、税制上の特別措置というものが考えられなければならない。この点についてこの前の答弁では、このようにしたいというようなあれがありましたけれども、明確なあれはなかった。その後検討されましたか、この点は。
#202
○両角政府委員 保安の強化に伴いまして、零細な小売り業者を中心としまして、これに資金的な助成を加える必要があるという点は御指摘のとおりでございまして、特にそのために中小企業振興事業団を通じまして高度化資金の導入を行なえる道を聞いたことはすでに決定をいたしております。また、今後協同組合を通じましての各種の組合金融、あるいは中小企業金融公庫、国民金融公庫等を通じまする個々の企業者に対する政府資金の導入というような点についても積極的に道を開いてまいりたい、こういこうことでございます。
#203
○近江委員 じゃ、そのように実施方を強力に要望しておきます。
 それから、この器具等についても、大企業の製品は自社検定、中小企業の製品は検定を受けるというような内容ではないかと私は思いますが、この場合、そうした製品については全部政府が検定すべきである、このように私は思うのですが、その点どうですか。
#204
○吉光政府委員 この器具の検定でございますけれども、いろいろのやり方があろうかと思いますが、まず第一次的には、全部政府のほうで検定をしてもらいたい、こういう申し出があります場合には、これは政府が全部受け付けるという立場をとっております。ただ大企業になりますと、この検定設備と申しますか、いろいろな試験設備と申しますか、そういうふうなものを自分で持ちまして、そしてりっぱな技術者を持ちました上で、自分の製品について責任を持って基準に合った形でその検査ができる、こういうふうなものもあるわけでございまして、そういうふうなものにつきましては、ここに、国の検定のほかに、これは型式の承認をもらって、承認されたところに従って品物を製造してまいるというふうな場合にはこの国の検定制度からはずしたわけでございまして、この制度につきましては、実は電気用品につきまして取り締まりを現在やっておるわけでございますが、それと全く同じ制度をこの器具等につきましても採用いたしたわけでございます。
#205
○近江委員 その点の不公平のないように十分な配慮をやっていただきたいと思います。この点、要望しておきます。
 それから、小売り販売業者の大部分というのは、従業員が三名程度が多いわけです。大体販売量も月平均約四トンくらいと私は聞いておるのですが、こういう零細な規模である。そこで、第十九条の業務主任者とその代理者を選任しなければならない、こういう規定、実際これは零細事業者にとっては相当な負担となるのではないか、このように思います。こういった点、運用上どのような態度で臨まれるか、ひとつ見解を聞きたいと思います。
#206
○吉光政府委員 従来もこの業務主任者に相当いたします販売責任者制度があるわけでございますが、従来は、販売量に応じまして非常に規模の大きいものにつきまして二人以上というふうな制度であったわけでございまして、業務主任者自身はいままでもそれと同じような内容のものがあったわけでございます。ただ今回追加いたしましたのは、いま御指摘いただきました点は、この代理人の規定でございますが、従前、販売主任者だけでよかったところにおきましても代理人が置かれなければならぬというふうにつけ加えたわけでございます。これは、実は申し上げるまでもないわけでございますが、LPガスが非常に危険な爆発をする性格を持っている特殊の物質でございます。したがいまして、その業務主任者がいない場合に事故が起こるということもございますので、せめてそれを補佐する人、これは業務主任者ほどの資格は要求していないわけでございます。LPガスの特性についての知識を修得しておる、同時に一部修理能力を持っておるというくらいの軽い感じのものでございまして、知識の修得につきましても、講習会等を受けてそこで勉強しておる程度というわけでございます。それから経験にいたしましても、大体いま最低六カ月以上の経験があればよろしいということで、最初からこれをきびしくしてまいるということは、現実の企業の形態との関連もございまして、いろいろ問題もあろうかと思いますので、そこらあたりにつきましては、徐々にそういう規制を強化してまいるということで、最初のスタートの時点と、それからしばらくたった後の時点、だんだんと強化してまいる、こういう形で対処してまいりたい、このように考えております。
#207
○近江委員 もう時間がないようでありますので、いまの質問が最後でありますが、要するに、そうしたことが零細業者の締め出しに悪用されないかという心配があったものですから、いま聞いたわけです。また兼業者等は主任でないというようなことも将来言い出さないかどうか、そういう点が気にかかるものですから質問したわけです。この点はひとつ局長から、兼業者は主任でない、そういうことは言わないということを明確にここで答弁しておいてもらいたいと思います。その点どうですか。
#208
○吉光政府委員 まさにお示しのとおりでございまして、この法律自身が零細企業を整理するという気持ちで立案されたものでないこと、そしてまた企業形態といたしまして、兼業をやめて専業にしていこうとかどうとかいう気持ちは毛頭ございません。その事業をやっております場所あるいは販売量等によりまして、兼業のほうがより健全であるという場合もございますし、兼業が一がいにいけないというふうなことまでこの法律は書いておらないわけでございます。同時にまた、この法律の運用にあたりましても、この法律自身が企業整理を目的としたものではない、こういう精神を頭に描きました上で運用に当たってまいりたい、このように考えます。
#209
○近江委員 それでは最後に政務次官にまとめとして伺いたい。いまいろいろと議論があったわけでありますが、このプロパンガス自体のこれからの制度運用に関して、どういう態度、決意で臨んでいかれるか、最後にまとめとして感想を言っていただきたい。
#210
○藤井政府委員 しばしば議論が出ましたように、この法の目的は、保安の確保と取引の公正化、適正化、これが中心でございます。まあ人間のつくる法律でございますから、万全というわけにはまいりませんが、とりあえず社会の要請にこたえ、われわれが考え得る最善の内容を持った法律として、現時点においては最善だと心得て提案しておる次第でございまして、特にLPGが大衆生活に密着した公共性を持っておる、こういう点をわれわれはよくわきまえて、今後消費者保護に徹したい、しかも保安の確保、人命の尊重、こういう点もあわせて実現したい、このように考えております。
#211
○近江委員 以上をもって終わります。
#212
○島村委員長 次回は来たる十九日火曜日午前十時十五分理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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