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1967/12/19 第57回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第057回国会 商工委員会 第5号
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1967/12/19 第57回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第057回国会 商工委員会 第5号

#1
第057回国会 商工委員会 第5号
昭和四十二年十二月十九日(火曜日)
   午前十時五十五分開議
 出席委員
   委員長 島村 一郎君
   理事 天野 公義君 理事 宇野 宗佑君
   理事 鴨田 宗一君 理事 田中 武夫君
   理事 中村 重光君 理事 麻生 良方君
      遠藤 三郎君    大橋 武夫君
      岡崎 英城君    岡本  茂君
      神田  博君    黒金 泰美君
     小宮山重四郎君    小山 省二君
      齋藤 憲三君    坂本三十次君
      櫻内 義雄君    田中 六助君
      丹羽 久章君    橋口  隆君
      武藤 嘉文君    岡田 利春君
      佐野  進君    中谷 鉄也君
      塚本 三郎君    近江已記夫君
      岡本 富夫君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  椎名悦三郎君
 出席政府委員
        内閣法制局第四
        部長      角田礼次郎君
        警察庁刑事局長 内海  倫君
        通商産業政務次
        官       藤井 勝志君
        通商産業大臣官
        房長      大慈彌嘉久君
        通商産業省化学
        工業局長    吉光  久君
        通商産業省鉱山
        局長      両角 良彦君
        通商産業省公益
        事業局長    井上  亮君
 委員外の出席者
        国税庁直税部審
        理課長     大塚 俊二君
        運輸省自動車局
        整備部長    堀山  健君
        参  考  人
        (雇用促進事業
        団副理事長)  江下  孝君
        専  門  員 椎野 幸雄君
    ―――――――――――――
十二月十八日
 韓国製しぼり製品の輸入禁止等に関する請願(
 浦野幸男君紹介)(第五一五号)
 中小企業金融対策等に関する請願(井出一太郎
 君紹介)(第六四一号)
 同(小川平二君紹介)(第六四二号)
 同(小沢貞孝君紹介)(第六四三号)
 同(吉川久衛君紹介)(第六四四号)
 同(中澤茂一君紹介)(第六四五号)
 同(羽田武嗣郎君紹介)(第六四六号)
 同(林百郎君紹介)(第六四七号)
 同(原茂君紹介)(第六四八号)
 同(平等文成君紹介)(第六四九号)
 同(増田甲子七君紹介)(第六五〇号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に
 関する法律案(内閣提出、第五十五回国会閣法
 第一四六号)
     ――――◇―――――
#2
○島村委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律案を議題として、審査を進めます。
 この際、参考人出頭要求の件についておはかりいたします。
 本案審査のため、雇用促進事業団副理事長江下孝君を参考人として御出席を願うことに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○島村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
#4
○島村委員長 この際、通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。椎名通商産業大臣。
#5
○椎名国務大臣 現在御審議をいただいておりますこの法律案について、これまでの委員会の質疑を通じ、提案理由説明におきましてなお不足の部分があると存じますので、この際、補足説明を申し上げたいと存じます。
 すなわち、本法第二条第三項についてであります。
 まず、一般消費者等に対する液化石油ガスの販売形態といたしましては、容器に充てんされた液化石油ガスを一般消費者等に現に引き渡し、同時にその所有権を移転するいわゆる重量販売と、容器に充てんされた液化石油ガスを一般消費者等に現に引き渡しますが、所有権の移転は、液化石油ガスが現実にメーターを通過したときに行なわれるいわゆるメーター販売との二つがございます。
 さらに、第三の形態と申しますか、あるいはメーター販売の一つの形態とも申しましょうか、一般に小規模導管供給とか集合配管供給とか呼ばれるものがございますが、これは容器から発生した液化石油ガスが各戸に連結された配管を通ってそれぞれの家庭に送られるものであります。
 本法第二条第三項で定義いたしております液化石油ガス販売事業は、この第一及び第二の形態並びに第三の形態のうち、容器に充てんされた液化石油ガスを一般消費者等に現に引き渡すものをいうのであります。したがってこれらについては本法の許可を受けることにより販売を行なうことができるものであります。
 次に、第二条第三項のカッコ内において単に引き渡しといわず、「現に引き渡し、」と書きまして、引き渡しをさらに限定しております趣旨でございますが、ただいま御説明いたしましたとおり、本法におきましては、三つの販売形態を対象とすることとしておりまして、これらはいずれも販売業者が、容器に充てんされた液化石油ガスを一般消費者等のもとと申しますか、社会通念上の一般消費者等の敷地内に配達して引き渡すものであります。しかるに、単に引き渡しと申しますと、法令上、広義に、物に対する支配を移すことという意味に用いられることもございまして、これを液化石油ガスの場合について申しますと、たとえば、販売業者が自己の施設において、実際にはみずから管理している液化石油ガスにつきまして、法律上は、そのガスを引き渡したという形式をとることも考えられます。このようなことが行なわれますと、販売業者はその液化石油ガスに対しまする保安管理責任を、一般消費者等に転嫁することになりまして、これは消費者の保護に欠けることになります。また、経済的な面におきましてもこのような形で相当大規模な液化石油ガスの供給が行なわれます場合には、公益的見地から、本法の規制では十分ではないと考えられます。
 かように考えまして、本法における販売形態は、現実に配達して引き渡すものに限ることといたしまして、その点を明確にするため「現に引き渡し」と表現した次第であります。
 最後に、液化石油ガスの販売諸形態につきましての考え方でございますが、第一のものは、簡易な施設で済むという利点はありますが、取引量の明確化、ガス切れの防止、保安の確保という観点から一般的には第二、第三の形態が望ましいと考えております。したがいまして、メーターの設置経費の負担等から、一挙にこれに移行することには、販売事業者のみならず消費者側にも問題がありましょうが、漸次その方向に進みますよう指導、助成をしてまいる考えであります。
    ―――――――――――――
#6
○島村委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。中村重光君。
#7
○中村(重)委員 ただいま大臣から、提案理由についての補足説明が行なわれたわけでございます。この補足説明が行なわれなければならないところに、私はこの法律案のきわめて不明確ないうのか不十分な点があると考えておるわけであります。LPG業者が現実に導管によって供給をしておる。だがしかし、導管によってLPG業者がガスを供給するということはいわゆるガス事業法に触れるというような点から、都市ガス事業者を中心にいたしまして、都市ガス事業法違反であるというような反発というのかそうした指摘が起こっておるということもこれまた事実であります。そこでこの法律案は妥協の産物というような形において「現に引き渡し」ということで、いずれにも解釈される。導管供給をこの法律案において認めるのだというようにも解釈される。また一方、そうではなくて導管供給は都市ガス事業者においてのみ行ない得るのであって、LPガスの販売には導管供給は認められないのだというような考え方を持ち、それぞれの業界人がみずからの立場に立って有利にこれを解釈しておるというのが事実であります。さきの特別国会においてこの法律案が成立することができなかったということも、さきの委員会において私が指摘をいたしましたように、政府がいわゆる消費者保護という観点の上に立つ重要な法律案の提案時期が会期末において提案されたという、そういう無責任な点にもあるわけでございますけれども、以上私が申し上げましたような、非常にあいまいであり混乱であるということも、立法府であるところの国会においてこれを成立させることができず、継続審議にしなければならなかったゆえんであります。いま大臣の補足説明によって大体わかりました。
 そこで、重ねて私はお尋ねをいたしますが、ただいま大臣が補足説明をいたしましたのは、この法律案の第二条第三項によるのでありますが、これは販売形態である。液化石油ガスを容器に充てんしてそれを現に引き渡すということは販売形態であって、そこで導管というのか配管というのか呼び方はいろいろございましょうが、そうした管を通して消費するということは消費形態である。都市ガスの場合においては、ホルダーから家庭のメーターまで供給する形態、これがすなわち販売形態である。LPGの場合はそうではない。LPGの場合は容器に液化石油ガスを充てんしているのだから、これを消費者の家庭に、もっと端的に申し上げますと敷地内に持ち込んでそれを引き渡す。消費者がどういう形態で使うかということは消費者の自由である。そのままメーターをボンベにつけて消費するという人もありましょう。あるいは販売者から引き渡された容器とあらかじめ配管されておったその管とをつないでこれを消費するという形もあるのではないか。LPガスのいわゆる導管または配管、そういう形態は消費形態である。この点については、現実にいま行なわれておるそうした導管による消費形態というものをこの法律案によって正確に認めることであるが、これをいささかも否定するものではない。どうしてそうしなければならなかったか。第一条の目的にあるところの保安の確保、それから取引の適正化ということは、メーター販売をさらに奨励し、配管による消費というものをさらに奨励していく、そういう方向であるべきだという考え方の上に立っておられると理解してよろしいのか。非常に重要な点でありますので、その点をひとつ明確にお答え願いたいと思います。
#8
○吉光政府委員 御指摘がございましたように、どういう形態によって消費するかということにつきましては、まさに消費者の選択の自由が働いてまいるということが最もよいことであると考えております。そういう消費者の選択の自由というものが常に尊重されなければならないわけでございますが、この第二条第三項では販売事業という形で事業の定義をいたしました関係上、さっきお示しいただきましたような販売と消費という点についての御質問があったことだと思うわけでございます。三項はあくまでもこの法律で取り締まりの対象になります販売事業の定義をいたしておるわけでございます。先ほど最後にお話がございましたように、あるいは大臣からもお答え申し上げましたように、この販売形態の中で、ボンベ供給のものとメーター売りのものにつきまして、 メーター売りのほうがよりりっぱな販売形態である、同時にまた、消費者にとってもそれが適当なものであるというふうに私どもも考えておるわけでございます。いろいろの経緯はございますけれども、ともあれそういう基本的な考え方においてはまさに御指摘のとおりでございまして、私ども特別に異論を申しはさむべき筋合いのものは何もない、このように考えております。
#9
○中村(重)委員 第二条の「現に引き渡し」というのをカッコ内に入れておるわけですが、第一条の保安の確保と取引の適正化ということが目的でございますから、その目的を達成するというのかその方向に推進をしていくというためには、従来やっておるボンベの一本売り、そのことに重点を置くのではなくて、メーター売りであるとか、あるいはまた配管を通して消費するというようなこと、それをカッコ内に入れて例外的に扱うということは適当ではないのではないか。むしろ現実に、このボンベの一本売りということを否定するわけにはまいりませんから、その形態をやはり認めなければならない。同時にこの目的に沿うような販売形態ということをさらに推進していくというためには、これはカッコ内ではいけない。そのいずれもが同列において行ない得る事業という形になぜになさらなかったのか。特にカッコ内に入れて例外的に扱われた真意はどういうことなのか。
#10
○吉光政府委員 私ども、実はいろいろと検討いたしたわけでございますが、現実の実態関係だけに着目いたしまして、先ほどお話ございましたような、将来のあり得べき方向というふうなこと、と申しますよりか、むしろ現実の実態がボンベの一本売りと申しますか、ボンベそのもので売っていくということが非常に大きなウエートを占めておりますことに着目いたしまして、カッコの外にそれを書き、さらに、現在まだ少数でございますけれども、現実の問題としてメーター売りが一部行なわれておるのでございますので、そういうものもこの中に入っておるのだという意味で、販売業者の定義の中に入れたわけでございます。
#11
○中村(重)委員 現実は、それは現実としてこれを認めていく。それじゃ、それが問題があるならば、やはりこれを是正をしていくということは私は必要だと思う。しかし、そういう交通整理的なものでよろしいのか、そうであってはならぬと私は思う。LPガスが非常に普及しておる。そしてそれに伴って事故というものも増加をしておる。そういうことを改善をしていかなければならないという考え方の上にお立ちになったのではないか。それならば、現実がそうだから、こういうことで、目的に合うところのあるべき姿というのを、なぜに第二条においては例外的にお扱いになるのですか。少なくとも第一条の目的というものはこの現実というものにウエートを置いておるものではないと私は思う。そうでしょう。保安の確保というのは、やはり導管をもって供給するというのか、消費をするというのか、そういう形態が望ましいと私は思う。取引の適正化というのは、メーター販売を行なうということが最も適切な行き方ではないかと私は思う。それならば、カッコ内に入れて例外的に扱われるということは、目的そのものを達成しようという意思の上に立ってない。単なる交通整理というような消極的な考え方の上に立って第二条の第三項というものを考えたということになる。これは都市ガスとの関係、いろいろ問題がありました。妥協の産物ということで、こうした矛盾というか、不十分なものになったんだろうと思うのです。
 そこで、あなたに端的にお尋ねいたします。私がいま申し上げたようなこと、また大臣の補足説明の中に第二の形態、第三の形態が望ましいというようなことであったのでありますが、あなたのほうとしてもそのようにお考えになっておられるのか、またそういう方向でさらに指導しこれを奨励をするという考え方の上に立っておられるのか、そのことをひとつ明確にお答えください。そうすれば、私は質問を先に進めます。
#12
○吉光政府委員 先ほど大臣のお話にございましたように、ボンベの一本売りからだんだんとメーター売りのほうに、全体の行政自身も進めなければなりませんし、現実のあり方自身につきましてもそういうふうにあることが、これは取引の適正化の観点から申し上げましても、あるいはまた保安の確保という点から申し上げましても、あるいはまたガス切れの防止という観点から申し上げましても、非常にりっぱな形態であるというふうなことにつきましては、私どももそのように考えておるわけでございまして、将来の方向といたしましては、積極的にそういう方向に指導助成してまいりたいというのが基本的な考え方でございます。
#13
○中村(重)委員 小規模導管供給というものが本法の対象になるということは明確になったわけですが、その小規模導管供給というのは、実体論としてどういうことが考えられるか。大臣の補足説明の中で大体わかってまいりましたが、単にアパートの一棟とか二棟とかというその棟数とかいうものによるものではない。あるいは団地の三十とか、五十とか百とか、そういう戸数によってきまらない。やはり公益事業局長名で、昭和四十一年度に地方通産局長あての通達が出ておるのでありますが、それを読むと大体わかりますけれども、同一の敷地内、その敷地内においてアパート一棟ということもありましょう。あるいは五棟ということもありましょう。あるいは団地の三十戸ということもありましょう。あるいは百戸ということもあるかもしれない。そうした同一敷地内ということがこの小規模の導管による供給というのか消費というのか、そういうような形態であるというように理解してよろしゅうございますか。
#14
○吉光政府委員 いわゆる小規模導管供給、あるいは集合配管供給といわれておりますものの内容は、非常にはっきりしない、通常に使われておる概念でございまして、非常に広い内容を含んで用いられている場合、あるいはそれが狭義に用いられている場合、いろいろあるわけでございますけれども、いま御質問いただきました、この法律で申し上げております小規模導管供給でございますけれども、これはあくまでも容器に充てんされているものが一般消費者等に現に引き渡されておるという形態をさしておるわけでございまして、その形態は、現に引き渡されておるという事実関係があれば、それが一棟であるとかあるいは何十戸とかいうふうな、そういう戸数には全然関係のないものでございまして、法律的に現に引き渡されておるということで限定いたしてまいっておる、こういう考え方でございます。
#15
○中村(重)委員 そうすると、現に引き渡されていない形態、そういう引き渡されたという事実関係はない、敷地を越えてこれが現実に引き渡された形態であるということには考えられないような場合、いわゆる大規模LPガスの供給形態、それはどの法律によって規制をしていこうとお考えになっていらっしゃるか。
#16
○吉光政府委員 御質問の大規模供給形態と申しますか、ここで規定しているもの以外の導管供給形態と申しましょうか、そういうふうなものにつきましては、現実の規制の問題といたしましては、高圧ガス部分につきましては高圧ガス取締法の規制を受けているわけでございます。なお、それが個別的に審査されまして、ガス事業法上にいうガス事業に該当するものにつきましては、ガス事業としての事業許可制度が別に存在いたしております。
#17
○中村(重)委員 そうすると、公益性の非常に高いそうした大規模な供給形態――公益事業の内容については、私からいまさら申し上げる必要もございません。そういうものはガス事業法の対象になる。小規模供給形態、この法律案にいう現に引き渡された事実関係、そういうようなものから見ると、この法律案の対象になるということはわかりましたが、谷間というのか、そういう中間的なものはいずれの法律の対象にもならない、高圧ガス取締法によってこれを取り締まり、規制をしていくということ以外にないのだということでございましたが、それでよろしいとお考えになりますか。
#18
○吉光政府委員 高圧ガス取締法の取り締まりは、あくまでも保安観点のみからの取り締まりでございます。したがいまして、そういういま御質問のような事業形態に対応した何らかの事業規制と申しますか、公益事業的な観点からの事業規制も必要ではないであろうかというふうな感じがいたしておるわけでございますけれども、現状におきましてどういう事業規制形態というのが最も適当であるという点につきまして最終的な判断は得ておらないものでございますので……。ともあれ、そういうふうなものについて何らかの形での事業規制というふうな形態が必要になるのではないであろうか、このように考えております。
#19
○中村(重)委員 高圧ガス取締法というものによりましても、この保安の確保という点からいきまして不十分な点があるということは、あなたも御認識のとおりであろうと思うのです。また、取引の適正化ということは、私は大規模のものは都市ガス事業に、小規模のものは本法案の対象に、そうしたいずれの法律案の対象にもならないいわゆる谷間にあるもの、中間的なものと申しますか、そういうものは何とかしなければならないと思うがというような、そういうあいまいな考え方というものは私は問題があると思う。消費者の利益を守っていくという考え方の上にお立ちになるならば、いささかもそうした中間的に放置されるものがあってはならない、そのように考えるのであります。先般の委員会において公益事業局長から、ガス部会において検討しておるのだというお話があったのでありますが、私はいまあなたがお答えになった点が、いまガス部会においていろいろ検討しておるところではなかろうかというように感じるのでございますが、公益事業局長にその点ひとつお答えを願いたいと思います。――それでは、あなたからでけっこうです。
#20
○吉光政府委員 御発言のとおりでございまして、そういう公益事業規制の根本問題に触れる問題でございますので、そういう公益事業規制の角度からどうあったらいいかということを、現在ガス部会で審議いただいておるわけでございまして、これは、お話ございましたように、いささかも放置できるという性格のものではございませんので、検討を急ぎまして、その上であらためて御審議をお願い申し上げる、このように考えておるわけでございます。
#21
○中村(重)委員 私は非常に問題を感じますが、先に進ませてもらいます。
 公益事業局長は、要求もしておるし、この法律案の中には当然――席をお立ちになることは適当ではないのじゃありませんか。
 次にお尋ねいたします。この第二条の四項「この法律において「液化石油ガス器具等」とは、主として一般消費者等が液化石油ガスを消費する場合に用いられる機械、器具又は材料であって、政令で定めるものをいう。」とありますが、この政令ではどういうことを定めようとお考えになっておられるのか。いま吉光局長からお答えになりましたように、この導管供給というものが現実に行なわれているし、現実に引き渡すという形態の中においてはこれを認めていくのだということでございましたが、この中には導管について規格というのか、そういうことが政令の中にはっきり明記されるということであるのか、その点をひとつ明らかにしておいていただきたいと思うのです。
#22
○吉光政府委員 第二条の四項でございますが、現在頭に描いておりますもの、政令できめようと思っておりますものは、圧力調整器、あるいはゴム管、金属管というような配管関係、それからコック、燃焼器具というふうなものについて定めたいと思っておるわけでございますが、具体的に準備のできたものから順次政令で指定してまいりたい、このように考えております。
#23
○中村(重)委員 それから、私が先日の委員会でも指摘したのですが、価格の規制がないというのがこの法律案の問拠点であると私は考えておるのであります。ところが、価格の規制をやるということになってまいりますと、これは従来それをやっておりますのは公益事業の対象となる業種でございますから、公益事業ということに指定をしなければ価格の規制はできないというようにお考えになっておるのであるかどうか、その点はひとつはっきりお答えを願いたいのであります。
 ところが、現実にLPガスの価格というものは非常に差があるわけですね。私が調査したところによりますと、十キロボンベでもって四百五十円というのがある。それから千二百円ぐらいで販売されているのがある。主婦連の調査した資料を私は持っておるのでありますが、どうしてこんなに差があるのか、ここで分析をすることになっておるのでありますが、それほど品物の品質に差があるのだろうか。必ずしも私はそうだとばかりは言えないと思う。いずれにいたしましても、何らかの形において価格を規制をしていく、そこで消費者を保護していくというようなことは、物価政策の面からいたしましても非常に重要であると思うのでございますが、この点に対してはどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
 それから、いまおわかりでしたら、LPガスの価格はどういうことになっておるか、それをひとつ明らかにしてほしいということと、それから流通経路はどういうことになっておるか。流通経路とともに、元売りと卸の間のいわゆる卸価格というものは幾らか、それから卸から今度は小売りに売るわけでございますから、その価格はどうか。もう一度繰り返しますと、生産者または輸入業者が卸に売る価格というものは大体わかっておるはずであります。それが第一段階。それから今度卸から小売りに売る、これが第二段階になります。その価格は大体どの程度になっているのか。小売りから消費者に売る価格は、私が指摘いたしましたように、非常に差があるのでありますが、そうした、メーカーから卸の段階、卸から今度は小売りの段階においても、こうした小売りと消費者の段階におけるような差があるのかどうか、そこらあたりはどうなっているのか、明らかにしてほしいと思います。
#24
○両角政府委員 お尋ねの第一点の、価格の規制を行なう必要があるかどうかという点でございますが、御承知のように、LPGの価格が安定的であるということは、たいへん望ましいことと存じます。特に需要家数が千三百万という膨大な数にのぼっておりますので、なるべくLPG価格が安定的であるということは、これを推進をいたす必要があろうかと考えております。さような意味におきまして、今日まで、過去における価格変動の大きな原因であった供給の弾力性の不足ということを解消いたすために、備蓄能力、タンク能力というものを充実いたしまして、季節的な変動による価格の幅というものをできるだけ狭める能力が、現在できてきております。また末端におきまして、ややもしますと過当競争というものが行なわれまして、非常な価格の乱れを来たしておる実情にかんがみまして、それらを協業組合等の結成を通じまして秩序ある販売たらしめていくというような行政指導を今後とも続けていきたいと考えております。かような方策を通じて、一般的にLPGの価格の安定をはかってまいるということは、十分努力をいたす所存でございまするが、これを法的に規制するかどうかという点につきましては、やはり現在五万軒ございまする末端業者の、販売の自由競争によって得られる価格というものに期待をいたすのが、一番消費者利益に対応するものであろうかと考えております。しかしながら、冒頭お尋ねのございましたように、将来大規模な導管による供給というようなものがふえてまいると仮定いたしまして、かつそれが公益事業的な色彩を強めてまいるといたしますならば、その見地からする価格の規制ということは、さような方向でまた検討いたす必要があろうかと考えております。
 次に第二の、価格の差、ばらつきが非常にはなはだしい事例がある、これはどういうわけであるかという御指摘でございます。事実私どもの調査によりましても、地域的にはきわめて異例な価格が末端において存在いたしておるということは承知をいたしておりまするが、一般的には、大体六百円から八百円くらいが七割くらいのウエートを持っておろうかと思います。さらにそれ以上の価格につきましても、八百円から一割くらい高い程度までのものが大部分でございまして、極端な事例は別にいたしまして、おおむね全国的に見まして、価格は現在の段階におきまして、小売り業者で六百円ないし八百円というふうに理解をいたしております。しかしながら場所によりまして、地域によりまして、特に北海道、九州あるいは東北地方といった需要家が山間僻地に散在いたしておりまして配給基地から遠く離れておるというような場合には、輸送費、配達費等々がかさみまするために、ある程度全国平均を上回る小売り価格になる例が多かろうかと存じます。したがいまして、さような理由によりまする価格のばらつきでございますので、LPGの品質の差による価格の差というものとはとっておらない次第でございます。かかる極端なばらつきに対しましては、その実情を調べまして、組合等を通じまして適宜措置をいたしてまいりたいと存じております。
 次に第三点の、価格の実態がどうなっておるかという御指摘でございますが、現在、生産、輸入業者におきまする販売価格は、平均いたしまして十七円五十銭、卸業段階におきましては平均いたしまして二十七円ないし三十円、小売り業段階におきましては大体六十円ないし八十円というのが実態でございます。
 第四にお尋ねをいただきましたLPGの流通経路でございますが、これは大きく分けまして、今日四つくらいの流通経路があろうかと存じます。その一つは、生産者または輸入者から元売り、卸、小売りを通じて消費者に渡る一番段階の多いものでございます。その第二は、元売り業者がなくて、生産者から直接卸売りに行くものでございます。その第三は、卸売りにかえまして、元売り業者の支店、出張所を経由して販売をいたしておるものでございます。その第四は、卸売り業者がございませんで、生産者から直接小売り、卸の兼業者に流しておる、あるいは協同組合等に流しておる、こういう形態でございます。おおむねこれらの四つの形態がございますが、このほかさらに、場所によりましては二次卸、三次卸、あるいは一店卸といった特殊な流通機構が介在をいたしておる場合もございまして、全般的に見ますと、かなり複雑な経路になっておるかと考えております。しかしながら、かような流通経路は今後漸次これを合理化をいたしていく方向で努力いたしたいと考えております。
#25
○中村(重)委員 いま両角局長お答えのとおり、流通機構、流通経路が非常に複雑になっているのですね。だが、これは何とか合理化していかなければならぬわけですね。それと、価格の面についても野放しでなくて、もっとやっぱり強力な行政指導をしていく必要があるのではないかと思います。都市ガスよりも供給戸数においてもはるかに上回っているというようなことばでは表現できないような普及率を示しておる。ですから、価格の規制の問題も、公益事業でなければならないということではなくて、公益事業というものはいろいろな要素から組み立てられていくことになってまいりますから、やはり消費者を保護するという立場の上に立って強力にひとつ推進をしてもらいたいと思います。
 それから、小売り販売業者が独禁法に触れる行為をやっているという事実が見受けられる。ある特定の小売り販売業者が消費者団体との間に価格の特約をやるわけですね。そういう場合に、この消費者団体に対し、あるいは特定の小売り販売業者に対して締めつけをやろうとする。これは全く私はけしからぬことだと思う。独禁法に触れる行為をやっているというような例があるようであります。そういうことを御存じになっていらっしゃるかどうか、これに対してはどのような指導をしていこうとお考えになっていらっしゃいますか。
#26
○両角政府委員 小売り業者で独禁法に触れる販売形態があるという御指摘につきましては、私どもは承知をいたしておりませんが、御承知のように、小売り業が事業協同組合ないし協業組合を結成いたしまして、そうして価格の連携をとりまして販売をいたしますることは、現在合法化をされておると承知いたしております。それ以外の形態によりまする何らかの不当な価格に伴う販売条件が付されておりましたら、それは公正取引委員会において御検討をいただくことが適当かと存じます。
#27
○中村(重)委員 時間の関係がありますので、先に進めますが、今度は許可基準というのが非常にきびしくなってまいりました。その他いわゆる技術能力とか、それから経理の能力であるとか、新しい業者が許可を受けるということについても、これは相当チェックされてくるであろう。同時に既存の零細な業者というものは事実上経過措置は六カ月であるとか、あるいは一年半であるとか、その内容によって定められておるようでありますけれども、そうした経過措置がありましても、救済できないというような形のものがあるように私は感じるのでありますが、まず順次それをお尋ねしてまいりますが、この貯蔵設備というのは設備基準というのがあるだろうと思うのでありますが、これについてはどのようにお考えになっていらっしゃるかということが一点であります。
 それから調査義務、分析義務というのが今度はあるわけでありますが、このLPガスの保安の確保、取引の適正化ということをはかるために規制をいたします措置によって、キログラム当たりどの程度の価格上昇がもたらされるであろうとお考えになっていらっしゃいますか、おわかりでしたら、ひとつお答えを願いたいと存じます。
#28
○吉光政府委員 貯蔵施設についてどういうふうなことを考えておるか、それから調査義務等についてどういうことを考えておるかというふうな御質問が最初にあったのでございますが、すでに先生御承知のように、貯蔵施設は容器置場でございまして、この容器置場の位置なり規模なり構造というふうなものについて規定いたすつもりでおります。ただ、現実の問題といたしまして、貯蔵施設自身の位置、規模あるいは構造というふうなものにつきましては、現在高圧ガス取締法関係でも規制を受けておる構造のものがあるわけでございますけれども、現状におきましては、すべての販売店に設置を強制いたしておりません。したがいまして、今回の法律でふえてまいりますものは、新たにそれを設置するという人についてでございまして、この点につきましては、現実の保安の確保という問題と、現実の事業の実態というふうな問題とをよく頭に描きました上で、実情に即した形で処理してまいりたい、このように考えております。
 それから、調査義務のほうでございますけれども、これも調査義務の内容はいろいろとあり得るわけでございますが、調査の項目あるいは回数というふうな問題につきまして、できるだけ現実の実態に合ったような形、特に、販売業者に不当にしわ寄せがされないような形で、実情に合わせた形で、項目なり回数等について研究させていただきたい、このように考えております。
 なお、これらの義務を履行いたしますことによって大体どの程度のコストアップが出てまいるかという点でございますけれども、私どもの感じといたしましては、十キログラムのコストに対しまして大体二円か三円程度のコストアップというふうなことになろうか、このように考えております。
#29
○中村(重)委員 十キログラム当たり二円か三円のコストアップということですが、私が、あえてこれをお尋ねいたしましたのは、こうしたいろいろなむずかしい規制が行なわれることになった、これに籍口して価格の引き上げという形になっては、一方において消費者は保安の確保ということによって利益をもたらされることになるのだけれども、他方、価格の面において非常な負担をしいられるということになっては相ならないという点から、やはりあなたのほうも指導をやる意味において重要な問題点ではなかろうかと感じましたからお尋ねをしたわけです。
 そこで、今度は、第二十七条による液化石油ガスの分析が行なわれることになる。ところが、これは充てん所だけがこの分析の対象になっている。私はこれでは不十分だと思うのです。やはり元売り段階で分析というものがなされなければ、十分な分析の実をあげることはできないのではないか。なぜメーカー段階において分析義務を負わせるということをなさらなかったか、その点はいかがですか。
#30
○吉光政府委員 現実の取引形態といたしまして、充てん所自身でいろいろとブレンドされる場合が非常に多いわけでございます。したがいまして、これらの技術規格というふうな点を規制いたします法律的な規制の根拠といたしましては、こういう充てん所の段階で規制するのが最も適当であろうというふうに考えたわけでございます。ただ、メーカー等の段階における問題につきましても、これは当然に放置できない問題でございまして、法律上の義務は課しておりませんけれども、この新しい分析制度ができることを契機にいたしまして、メーカー関係におきましても分析を厳重にやるように行政指導で対処してまいりたい、このように考えております。
#31
○中村(重)委員 この法律案が非常に不十分だという点はたくさんあるのです。政務次官もお聞きのとおりですが、そういう点もありますね。今度メーカー段階で厳重に分析をするように規制していきたいということ、その必要はあなたは重要点としてお認めになったのですね。それならば、なぜそこまでおやりにならなかったのか。なるほど充てん所は必要であるということは私も認める。しかし、何といっても、この原料を供給しているいわゆる元売りの段階でそこから品質をよくしていくということでないと、やはり元売りよりも充てんの段階の業者になってくると弱くなってまいります。力関係という点からいたしましてもなかなかうまくいかない。それから、分析の結果、規格に合っていないものはだめなんだからと言いますけれども、そこらあたりも力関係によって相当問題点が出てくるような感じがいたします。だからして、この後、メーカー段階についても、単に行政指導ということだけではなしに、法律的に規制をするという方向に整備される必要があるであろうと思います。
 それから、全国に充てん所は大体どのくらいありますか。また、分析設備は一台どのくらいかかるとお考えになっていらっしゃいますか。
#32
○吉光政府委員 現在充てん所の数は四千八十でございます。また、いまの分析器具でございますけれども、これはガスクロマトグラフィーを考えておるわけでございますが、この製造メーカーの数は全国で十社以上ございまして、十分に供給し得るものというふうに考えております。
#33
○中村(重)委員 そうすると、いまはっきりしなかったのですが、分析設備は四千八十、充てん器具を備えつけるのは十社かそこらということですね。
#34
○吉光政府委員 先ほど申し上げました四千八十というのは充てん所の数でございます。それから、ガスクロマトグラフィーを製造しております会社、これは製造のほうでございますが、分析器具を製造しておる会社は十社以上ございますし、しかも、猶予期間を一年半以上置いております。したがいまして、その間には十分に供給が需要に追いつくというふうに考えております。
#35
○中村(重)委員 私が言うのは、充てん所は四千八十で、充てん段階で今度は分析をしなければならないでしょう。そうして今度は、ここで容器に分析の規格を明らかにさせるのでしょうから、そうなってくると、その四千八十の充てん所全部に分析設備がなされなければならぬと思うのですよ。だから、それは一台当たりどのくらいかかるかということです。資金的にもっと突っ込んでお尋ねいたしますが、そうした取引の適正化をはかる消費者保護のために要する費用は相当膨大な額になるのでありますが、それをどのような形で援助しようとお考えになっていらっしゃいますか。
#36
○吉光政府委員 分析機の性能にもよるわけでございますが、大体普通の品物でございますと四十万円程度でございまして、耐用年数は五年になっております。それから、分析のための物品費は年間五万円程度かかろうかと思うわけでございます。したがいまして、こういう分析義務を課せられることによりまして、大体年間販売量が五百トン程度ということを前提にいたしますと、十キログラム当たりで二円六十銭程度のコスト負担になるというように計算いたしております。
#37
○中村(重)委員 質問に対して的確にお答えになっていらっしゃらないのだが、分析器具を備えつけなければ分析できない。そうすると、一台あたり四十万円とおっしゃるのですが、それは簡単に調達はできない。これだけではなくて、いろいろ今度は規制がきびしくなってまいりましたから、相当膨大な設備費用というものが必要になってくるわけです。あとで総括的にお尋ねはいたしますけれども、そうした保安の確保あるいは近代化というための長期低利の融資をするということは、さきの委員会で私の質問に対してお答えになっていらっしゃいますから、それでわかっておるわけですけれども、こうした具体的にはっきりしているその設備費用というものに対してはどうしたいということもまずお考えになっていらっしゃるのではないか。ただ規制をするということだけでなくて、そこまであなたのほうとしても検討をしていかれる必要があるだろうと私は思うわけです。あとで一括してそういうことはお答え願えばけっこうです。
 それから今度は、先にも触れましたように、この技術の能力とか事業の健全性、それから賠償能力とか、いろいろきびしい条件の規制が行なわれてくるということになってまいりますと、零細企業者はどうしても淘汰されてくるのではないかと私は思うのでございます。その淘汰される業者の数をどの程度見ておるのか、それから淘汰されないように、やはり小規模業者の協同化という方向を推進していかなければならぬとお考えになっていらっしゃるのでしょうか、それに対しての考え方はどうなのか、ひとつ明らかにお答え願いたいと思います。
#38
○両角政府委員 LPGの保安の確保並びに取引の適正化に関する法律が将来施行されました際、それによりまする企業の整理あるいは小売り店の整理といったことは、一切考えておらない次第でございます。したがいまして、どのくらいの数ということは、想定はいたしておりませんが、いずれにせよ現在の末端小売り業の体質がなお脆弱であって、これを大型化しあるいは合理化しあるいは近代化する必要は多々ございまするので、さような方向に即しまするよう協業組合の結成、あるいはこれが不可能な場合には事業協同組合の活用等々を、政府資金を投入いたしまして推進をいたしたいと考えております。
#39
○中村(重)委員 頭からその整理をしようとはお考えになっていらっしゃらない。しかし、こうしたきびしい規制が行なわれてくるということになってまいりますと、どうしても零細業者というのは淘汰されてくるのですよ。だから、やはり十分調査をなさったのでしょうから、経過期間を置いても、どの程度その設備改善ができない業者があるのかということは把握しておられる必要があるのではないかと私は思う。そういうことでなければ、私は、血の通ったというか、生きた行政というものはできないような感じがするわけです。それに対してはどうしていくのだということですね、それは当然私はあるべきだと思います。しかし方向としては、いまあなたは、協同組合あるいは協業化の方向へ推進をしていきたい、こういうことでございます。業者もそういう考え方の上に立っておるのではないかと思いますから、要はこれを実行するということにあると思います。
 それから、事故発生の場合の補償の措置ということが必要であるということは、見解は同じであろうと思うのでございます。そこで、自賠責任保険のような強力な保険あるいは共済制度というものをつくる必要があるのだろうと思うのでございますが、この点に対して具体的な考え方は持っていらっしゃいますか。
#40
○吉光政府委員 私ども、まさに御指摘のとおり、そういう体制をつくる必要があるというふうに考えておるわけでございまして、現在、関係業界のほうで自主的に措置されております段階で、関係業界全体の負担金ができるだけ少なくなるような形で一括加入制度というふうなものについて推進していただいたらどうであろうかというようなことで関係業界のほうとも御相談申し上げておるところでございます。
#41
○中村(重)委員 こういうことも私は同時にやるくらいの準備がなされなければいけないと思うのですよ。いまでも事故が頻発している。そういう中には業者が賠償能力がないということで、被害者が非常な痛手を受けておることは御存じだろうと私は思う。それならば、こういう規制と同時に、賠償の問題をどうするかということで、かりに共済制度なんていうのが望ましいということだけではなくて、同時にそういう制度をつくるということでなければならぬ。たとえばこれは私の私案ですが、ボンベの記号番号というのをつけて、それによって保険に入れるという措置等があるわけですけれども、そういうことをおやりになる必要があるのだろうと私は思うのであります。保険というのか共済制度、そういうものはいま話をしておるというのですが、どの程度具体的になっていますか。いつごろからそうした強制的な制度というものをつくりあげるということになりますか。
#42
○吉光政府委員 現在相談しておりますものにつきましては、今月中には成案を得る予定でございまして、この法律施行と同時に、あるいはそれより先にでもできるだけ早くスタートしていただきたい、このようなことで御相談しております。
#43
○中村(重)委員 いろいろな角度からお尋ねをしたわけですが、この法律の目的を達成するということになってまいりますと、消費者の受益がもたらされる、その反面において業者の負担がそこへ出てくるわけであります。そのためには、第一条の目的達成のための保安設備であるとか、あるいは近代化設備であるとか、それに伴うところの協業化促進をやるとか、長期低利の融資をするというようなこと等々お答えがあったわけですが、私はこれを近代化促進法の対象業種に指定をする必要があると考えておるのでありますが、中小企業庁、見えておりましょうね。この点に対しては部内において話し合いをされたのだと思うのでありますが、いかがですか。
#44
○両角政府委員 LPGの小売り業につきまして中小企業近代化促進法の指定につきましては、十分その方向で検討をいたしまして、また中小企業庁とも協議を進めておるわけでございますが、全国五万軒にわたります広範な地域にわたる多数の末端業者でございますので、これが実態の把握をいたしまして、その上で適切な近代化計画を立てるということは、いろいろな準備も要しますので、現在慎重に中小企業庁と交渉を進めておる最中でございます。
#45
○中村(重)委員 大蔵省の主税局か国税庁がお見えだろうと思うのですが、今度保安設備とか近代化設備をやる、特に一台当たり四十万円以上という分析の設備をしなければならぬという形になってなってまいりますが、そのためには特別償却の措置ということが考えられなければならぬと思うのでございますが、この点はどのようにお考えになっておりますか。
#46
○吉光政府委員 ただいま大蔵省のほうから直接の担当のほうの部局の方がお見えになっておりませんので、かわりまして私が現在までに大蔵省と交渉しておる事項につきまして御説明申し上げます。
 お話のとおりに、こういう保安施設、あるいはまた特に新しく追加になりました分析器具等につきまして、特別償却制度が必要であるという点につきまして、私どもも同感でございまして、現在、障壁でございますとか、あるいは地下ピットでございますとか、あるいは先ほどお示しの分析機でございますとか、そういうふうなものにつきまして特別償却制度を採用してもらいたいということで、大蔵省と内々打ち合わせを進めております。と同時に、大蔵省のほうでも積極的にこの問題と取り組みたい、こういうふうな基本的な態度を示しております。現状はそのとおりでございます。
#47
○中村(重)委員 この点非常に重一要ですから、政務次官、あなたはかって大蔵政務次官もやっていらっしゃったのですから、こういうことこそ特別償却措置を実施しなければならぬと私は考えるのでありますが、あなたのお考えはいかがですか。
#48
○藤井政府委員 先般の当委員会で広瀬委員の御質問に対してもお答えを申し上げたわけでございますが、いま局長から経過の報告がございましたけれども、事の性質上、税制面からもぜひ優遇措置を考えなければならぬ、私も積極的に努力いたしたい、こう考えます。
#49
○中村(重)委員 それから、私はメーター売りというのを推進していくために必要なことだと考えておりますのでお尋ねをするのでございます。これは大蔵省にお尋ねするんですが、メーター販売をいたします場合に、どの程度消費されたかという、その売り上げ高というのはメーターに出る、こういうことなんです。ところが、従来LPG業者の販売というのがボンベ一本売りという形であったために、その売り上げを直ちに帳簿に計上するということになってまいります。それが課税の対象になる。メーター販売をいたしますと、販売量というものがそこに出ますから、価格もそれをはじいたらすぐ幾らということが出るわけですね。ですから私は、そのメーターに出た販売量、それによる販売高というものを課税の対象にすべきだ、そのように考えるのでございますが、あなたのお考え方はどんなものでしょうか。ということは、この法律案で、ボンベを現に引き渡すということを強調されておるのですね。先ほどの通産大臣の補足説明の中でも、所有権が相手方に移転をするんだということになっているわけです。所有権が移転をしたんだから販売をした、そこでその重量によって当然売り上げ高が幾らかということがわかるんだから、その段階で捕捉をして、そうして課税の対象にするということになる可能性もなきにしもあらず。税金をたくさんとろうとすると、どうしてもそこらあたりに目が向くでしょうから、これでは私はメーカー売りというものの足を引っぱるという形になる、そんな感じがいたします。ですからこの点は、今後課税の対象としてどういうことで進めていこうとお考えになっていらっしゃるのか。
#50
○大塚説明員 ただいま御質問の、ボンベにメーターをつけまして消費量を算定できる場合の売り上げをどうとらえるかという問題でございますが、税の面で売り上げをとらえます場合には、やはりそのもとにございます業者と消費者との間の契約が基礎になってまいります。業者のほうでメーターを確認いたしまして、消費量を算定して料金を請求するという形態でございますれば、ただいま先生のお話がございましたように、そういう売り上げの把握のしかたは可能だと思います。ボンベを引き渡しまして、そのボンベに入っておりますガス量だけの代金を請求できるという形の契約でございますれば、それもやはりボンベを引き渡したときを売り上げ計上の時期と考えるということになるだろうと思います。
#51
○中村(重)委員 初めのところは聞き漏らしたのですけれども、ボンベを現に引き渡したときを売り上げと考えるといういまのお答えだったですね。これは都市ガスとの関係上、法律としてはこういうことにしなければならない。ところが、あなたのほうの課税の対象というものは、やはり角度を変えてお考えになってよろしいのではないか。ボンベを現実に引き渡したのだけれども、それには計量器がつくわけでしょう。それには幾ら消費されたということが出るわけでしょう。それでないとお金をもらえない。いわゆる計量器をつけて、それで消費された額を受領する事業をいう、こうあるのですよ。現に引き渡すというところばかりに目を向けて、あとにあるそれによって消費された額を受領する事業をいう、だからやはりメーターに出た量が販売量としてあなたのほうでは課税の対象として捕捉していかれていいのではないか。ガス事業者の場合、そうでしょう。タンクからずっと導管で供給されまして、そしてメーターに出ますね、それだけが実は販売量であるという形で課税の対象になっていくのですよ。私はその限りでは同じに扱わなければ不公平だと思う。せっかくの取引の適正化、保安の確保ということで通産省としてはこうした法律案を提案するわけですから、政府全体が一体となってこうした制度を推進していくためには、当然そういう扱いにすべきだと思います。それはお考えになりませんか。
#52
○大塚説明員 私、取引の実態につきましてあまり的確な知識を持っておりませんで恐縮でございますが、ただいまお話がございましたように、都市ガスあるいは電力、これは検針基準と申しまして検針量だけの売り上げの計上を認めております。したがいまして今度のプロパンガスにつきましても、ボンベにつけたメーターによって消費量を算定し、それだけの代金を請求するという形でございますれば、このメーターの検針によっていわゆる検針基準という方法は認められると思います。
#53
○中村(重)委員 その件は明確になりました。
 それで、これは念を押しておきますが、これは通産省の両角さんのほうですが、ここまであなたのほうもやはり考えておいて、そして業者にただ要求する、販売事業者に規制をするということだけでなくて、やはり融資の面、課税の面、そういうことで業者を守っていく、そしてその目的を完全に達成していくということでなければならぬと思います。大蔵省に対してその点積極的な強い態度をもって話い合いをするという考え方がありますか。
#54
○両角政府委員 ただいま御指摘をいただきました趣旨に沿いまして、十分大蔵当局と協議をしたいと思います。
#55
○中村(重)委員 時間の関係がございますので、井上局長に、一間一答の形式でなくて、まとめてお尋ねいたします。
 都市ガス事業者の数については、私の調査したところによりますと、三百戸とか五百戸とかいうような小規模供給業者というのがあるように思います。そうした小規模の都市ガス事業者というのはどの程度なのか。それから、供給しているところのガスの種類というものはどういうものなのか。それから、三百戸とか五百戸程度の供給というので公益事業の態様をしておるというようにお考えになっていらっしゃるのか。これはLPG業者の場合はもっと多数の戸数、世帯に対して供給することがあり得る。それが公益事業ではないという扱いを受けることになるのですね。現に引き渡したり、そういう事実によってはそういうことになるわけです。ですから、それらの点についてのお考え方はどうなのか。それから、LPガス等のタンク供給方式というものがいま行なわれていると思いますが、そういう販売形態を奨励をしていこうとお考えになっていらっしゃるか。それから、LPガスと都市ガスとの価格差というものはどういう程度だという御調査になっていらっしゃるのか。それから、都市ガスの価格は非常に不均衡のようです。LPガスが先ほど申し上げたように、品質の関係もありましょうが、同じ量でもって四百五十円あるいは千二百円、千三百円というのがあるように、都市ガスの場合についても価格が非常に不均衡である。それから、カロリーもまちまちである。こういうことは公益事業としては私は問題があるように感じます。それから供給義務というものもサボっておるように思われますが、これらの点に対して公益事業局はどのような指導をし、どのような監督をしていらっしゃるか。五点にわたってお尋ねをしたわけですが、ひとつお答えを願いたいと思います。
#56
○井上(亮)政府委員 お答えいたします。まず第一問の、都市ガス業者の数でございますが、都市ガスの事業者数は昨年末、今年初めで二百二十三社ございます。
 それから、供給戸数が小規模のものは三百戸くらいのものもあるのではないかというお尋ねでございますが、私どものほうの調査によりますと、千戸未満の業者の数は二十六社ございます。ちなみに五十万戸以上が二社。
 それからガスの種類でございますが、種類につきましては、これは先生も御承知のように、一般に大きな過密都市におきます都市ガス事業者は、各種ガスの混合供給形態をとっております。石炭ガス、重油ガス、その他混合ガス形態をとっております。しかし中には天然ガスを中心にやっている都市ガス業者もございます。種類といたしましては、天然ガス、石油系ガス、石炭系ガス、その他オフガス等も利用いたしております。
 それからLPGと都市ガスとの価格差のお尋ねでございますが、LPGの価格が地域によりまして相当ばらつきが大きいことにつきましては先般来いろいろ数字も出ておりますので省略さしていただきます。都市ガス料金の水準でございますが、これは現実には大体五千カロリー程度の供給というのが普通だと思いますけれども、便宜各地の価格を比較しますために一万カロリー当たり平均ということで見ておりますけれども、これによりますと、たとえば東京瓦斯、大阪瓦斯というような大都市のガス事業者は一万カロリー換算で五十一円程度でございます。しかし現実にはカロリーがもう少し低いわけでございますから、立米当たり三十四円というようなのが現実でございます。
 それからばらつきといたしましては、九州は大都市周辺は大体東京や大阪と同程度のものでございますが、地域によりますと相当な辺地もございます。六十三円程度のところもございます。それから北陸地区におきましても、安いところは四十九円程度でございますが、高いところは地域によりまして六十円程度のところもございます。以上のようなばらつきがございます。
 それから次の御質問はカロリーの点でございますが、カロリーの点につきましても、供給形態、供給方式によりまして、御承知のように三千六百カロリーくらいのところもありますし、五千カロリーくらいのところもありますし、一番大きいところでは一万カロリー程度のところも地域によってあるというのが実情でございます。しかし一番多いのは四千五百カロリーくらいから七千カロリーくらいの間が一般的でございます。
 なおお尋ねの中のまず第一には、都市ガス業者といいましてもきわめて小規模な都市ガス事業があるのではないかということでございますが、確かに私ども承知しております中に、これは例外的でございますが、三百五十軒程度のものもままございます。五百軒程度のものもございます。先ほど千戸以下が二十六社あるということを申しました。この程度の戸数でございましても、その当該地域につきまして導管をもって住民にガスを供給しておるわけでございまして、消費者のほうから見ますと、この程度でありましてもガス事業者のほうは独占性を持つわけでございます。導管を引いて供給するというような形態からいたしまして、消費者はなかなか自由な選択ができない、簡単にやめるわけにはいかないというような点もありますし、また地域性もございます。したがいまして、この辺のものにつきましても、私は消費者保護の見地から公益事業規制をなすべきだ、こう考えております。
 それからなお、最後にお尋ねの、都市ガス事業者は全部が全部ではないまでも供給義務を怠っておるのではないかということでございますが、確かに供給義務を完全に果たして消費者のすべての方々に満足を与えているとは私も考えません。しかしながら、大部分の企業におきましては、地域住民の消費者の福祉のために、できるだけ保安の点を注意しながら、導管供給によりましてガスを絶やさないよう、戸数がふえてまいりますれば導管をさらに延長してやる努力はいたしております。しかし私どもといたしましては、なお先生の御指摘にありましたように不十分な点がきわめて多い、特に地方の都市ガス事業の中にはそういった点があるというふうに感じておりまして、これらの点につきましては、私どもとしましては、ガス事業の新しい五カ年計画をただいま検討中でございまして、この五カ年計画を来春春々にも、おそくも三月中には作成いたしまして、消費者に対する今後のサービスの拡大につきまして、この計画の中で十分に盛り込みたいというふうに考えておる次第でございます。
#57
○中村(重)委員 私が申し上げるのは、ガス事業法の対象業者となりますと、価格の規制というものも形の上ではあるが、独占性を与えられるというところに問題があるわけなんです。いわゆる消費者の選択の自由というものがなくなるわけですね。それが大規模のものであるとわかりますよ。しかし千戸以下というのが二十六社とおっしゃるのでしょう。中には三百とか三百五十というものもあるのだ。それ以上のLPガスを供給している業者というものがあるけれども、それはいわゆる公益事業の対象にはならない、こういうことにいまではなっているわけです。これはいわゆる「現に引き渡し」という形態を備えておればそういうことになる。私は都市ガスがLPガスよりもカロリーが高い、それから価格が安いということであるならば消費者が保護されてくることになると思う。消費者の利益がもたらされてくるのだから、そこで独占性という形において保護されるということは私はよろしいと思う。そうでなくて、ただ導管で供給したんだということだけをもって公益事業として取り扱われる、いわゆるガス事業法の対象にするということは、私は不公上平だと思うのです。そういう形式によって左右されてはならないような感じがいたします。消費者の立場からものを見る、そしてそれを許可すべきか許可すべきでないかということを判断をしていくということであるべきだと思う。今日地域によってはLPガスの業者と都市ガス業者との間に争いが起こっておることがたくさんある。都市ガス事業の供給をやりたいというので許可の申請をする。ところが反対が起こるという形で、相当長期間にわたって許可を受けることができないでおるということも私は事実だろうと思うのであります。だからして、その申請書というものはいろいろな条件が整っておったという書類上の問題だけで事をきめるべきではない。供給しようとするカロリーがどの程度なのか、価格はどうなのか、これをLPガスの、早く言えば「現に引き渡し」というような形でやることは可能な地点か不可能な地点なのか、LPガスの供給は価格の面においてどういうことになるのかという消費者の利益を考える、またこれに供給をして消費者の今日までの利益を守ってきたそれら関係の業者は、そのためにどういう影響を受けるであろうかというもろもろの点から判断をして、これを決定をしていくという態度でなければならない。このためには、都市ガス事業というものはどうあるべきかということを基本的にここで確立をしていく必要があるのではないかというように私は考えます。単に導管供給であるということだけでもって都市ガス事業としての許可をしていくという態度はとるべきでないというように考えるわけであります。したがって、あなたの基本的な考え方というものを実はただすということが私の質問の目的であったわけであります。だから、あなたがこの後の取り組む考え方というものを、この際簡単なことばでけっこうですから、時間の関係もございますので、お述べ願いたいと思います。
#58
○井上(亮)政府委員 ただいまの中村先生のお考えにつきましては、私も基本的に賛成でございます。お話しのような筋で考えておるわけでございます。私も単に導管で供給しているから公益性があるとは申しておりません。そういう意味ではなしに、導管で供給しております場合には、消費者の立場から見ますと、やはり購入につきまして消費者の選択の自由が奪われる、そういう面が一つどうしても必然的に出てくる。それからもう一つ、今度は別の角度から見ますと、そういった多数の消費者にガスを供給する、しかも地域的に独占性が付与されるというようなことになりますと、よけいそういった事態になりますので、あくまでも私は、この公益事業規制につきましては、消費者の保護という、利益の確保というような見地から規制を配慮してまいりたいと考えます。
#59
○中村(重)委員 まだいろいろお尋ねしたいこともあるわけですが、田中委員の質問の時間の関係もございますので、これで終わります。
 先ほど私がお尋ねいたした点で問題点として指摘をしたわけですが、都市ガス事業の拡大というか、いま私が申し上げましたような都市ガス、いわゆるガス事業法の対象となる業者のあり方等をいろいろな角度からいまガス部会で検討されておるのだろうと思うのであります。そこでLPGの販売業者は、大規模業者であっても現在の段階においてはガス事業法の対象にはならない、こういうお答えが吉光局長からあったわけです。また一方、そうした大規模事業というのは本法の対象にもならない。そういうものは谷間に放置されることになる。これは業者が放置されるということだけではなくて、そうしたいわゆる中規模というか、LPG業者でいいますとこれは大規模のものも入るわけでありますが、単に高圧ガス取締法による規制だけで、他のどの法律の対象にもならない業者からガスを供給される消費者と、その他の法律の対象となる業者から供給される者との利益がどう違うかということです。これは井上局長よく聞いておいてくださいよ。そこで、もしそうした高圧ガス取締法だけの対象になっている業者から供給されている消費者に事故が起こった、損害が発生をした、その原因を究明していったところ、これがガス事業法あるいは新法の対象になっておったならば、その賠償の責任というものはここで明らかに行なわれることができるのだ、あるいはこの種の事故は起こらなかったのだということになってまいりますと、私はそこに国を相手とするところの損害の賠償要求が起こってくる可能性なしとしないと思います。その場合におけるところの国の責任はどういうことになるのか。そうした第三者に対抗し得ることがあるのかどうか。ひとつそこを明確にお答え願っておきたいと存じます。
#60
○井上(亮)政府委員 先ほど吉光局長が御答弁されましたのは、この法案に即しまして「現に引き渡し」を受ける形態をとられますLPG業界についてのお答えであったと思います。確かに御指摘になりますように、「現に引き渡し」の形態をとりませんで、ガスを相当大規模に供給するというような者につきましては、先般来お話し申し上げておりますように、私といたしましては、ガス事業法の法体系を改正いたしまして、この中で適当なる、実情に合った位置づけをLPG小規模導管企業に与える必要があるというふうに考えております。
  〔委員長退席、鴨田委員長代理着席〕
 ただいまこれらについては、どのような法的位置づけが最も妥当であるかというような点について検討中でございます。私どもとしましては、できるだけ早く結論を出しまして、いやしくも消費者の利益にもとらないように、あるいは保安の面から見ましても遺憾のないように、できるだけ早く検討をいたして善処いたしたいというふうに考えております。
#61
○中村(重)委員 おっしゃるように、このガス事業法の改正を考えている。しかしそれはこれからの作業なんです。ところがこの新法というのは、ここでかりに今度の国会で成立をいたしたといたします。そうすると、実施は間もなく行なわれることになる。そうなってまいりますと、この新法に基づいての許可を受け、そして消費者に供給する、その対象となる消費者はこの新法によって保護されるという面が出てまいります。都市ガス事業の場合におきましては、その対象となる業者はガス事業法によって保護される利益を亨受することになる。そのガス事業法の改正が行なわれるまでは、ただ高圧ガス取締法の対象になるにすぎない。その間においてある種の事故が起こったといたします場合、これが新法あるいはガス事業法の対象となっておる業者から供給を受けておったならばこの事故は起こらなかったのだ、事故が起こってもその賠償措置というものが行なわれることが可能であったのだということが後日発見されたといたします場合、私はそうした谷間に放置したということに対して、被害者は国を相手に損害賠償というものを当然起こすであろうと思う。消費者というものは、都市ガスの場合はわかるといたしましても、いわゆる新法の対象となっておるLPGの供給業者であるのかあるいはそうでないのかということはわからないのであります。したがって、そうした善意の消費者に対して国が責任を負わないというわけにはまいりません、それらの事故が起こった場合におきましては。だからして、そうした短い期間であったにいたしましても、ブランクのそうした期間において国の責任に帰するような事件が発生したという場合の責任は、国は負う用意があるのかどうかということを私はお尋ねをしておるわけです。
#62
○吉光政府委員 御指摘ございましたように、現在の取り締まりは、保安面を中心にいたしまして高圧ガス取締法で取り締まっておるわけでございます。したがいまして、保安的な事故等につきましては、高圧ガス取締法で可能な限り取り締まりをそのまま続けていくことになると思いますけれども、その取り締まりの体制と新法の取り締まりの体制とには一部差があるわけでございます。ただ、先ほど損害賠償問題等のお話が出てまいったわけでございますけれども、要するに、何と申しますか、特に家屋等におきます調査義務でございますとか、新たな義務が課せられておる事項は販売業者のほうにあるわけでございますけれども、こういうふうな事項につきましては、つとめて私どもは、先ほどおっしゃいましたような谷間と申しますか、事業規制のない事業というものは比較的大きい事業体に属しておりますので、この法律に準じました形で実際上の指導は強化してまいりたい、このように考えておるわけでございまして、いまの国家賠償との関連等につきましては、その損害が起こりました具体的な実態に対応して判断すべきものであろうかと思うのでございまして、ともあれ、そういう事業規制それ自身は急いでやらなければいけないという点につきましては、御意見全くそのとおりでございまして、私どもも急いで新しくこの谷間を消していくことの作業をやらなければならない、このように考えておる次第でございます。
#63
○中村(重)委員 すなおに考えると、こうした販売業者に対する規制、これは結果的に消費者に対する利益をもたらす、こう考えなければならぬ。私もそういう考え方をもってこの法律案の審議に当たっておるわけです。ところが、そうした谷間にある業者に対しては、消費者を保護するという前提の上に立って強力な指導を行なってまいる、しかもそれが適切な指導であるということは言うまでもないわけです。しかし、必ずしも罰則がそこにあるわけでもございません。業者があなた方の指導に従わなかったという場合もあり得るであろう。不幸にしてそこで事故が発生をした、新法並びにガス事業法の対象にならない業者であったとする。そうすると、そのいずれかの法律の対象になっておってその規制を受けて販売行為をやっておったならば、これらの事故というものは起こらなかったのだということが私はあり得ないとは言えないと思う。そうすると、当然その消費者は国を相手にして損害賠償等を起こしてくるという可能性があるのであります。問題は、この法律案もきわめて不十分である。都市ガス、いわゆるガス部会においていろいろと問題点をいま検討して埋めておるというようなことは、私は政府として怠慢であると考えておるわけであります。だからして、ガス部会で検討しておる問題が、消費者を保護するという立場からきわめて重要な問題点であるとするなら、すみやかにその結論を出すということ、そうしてそれぞれの法改正なりあるいはそれぞれの制度というものを有効に確立をしていくということ、それが私は必要であると思う。同時に、あなたがいまお答えになったような単なる答えではなくて、強力にひとつ業者を指導して、そうして保安の万全を期していくというように対処してもらいたいということを強く要望し、最後に政務次官のお答えを願って質問を終わります。
#64
○藤井政府委員 ただいま御発言のございました趣旨は、その事業の公益性という点に着目されましていろいろお話ございまして、私も御趣旨の点全く同感と思います。現在ガス部会において検討を急いでおるわけでございますが、ひとつ一日も早く結論を得て法の万全を期したい、このように考えております。
#65
○鴨田委員長代理 次に、参考人並びに政府委員に対して質疑の申し出がありますので、これを許します。田中武夫君。
#66
○田中(武)委員 私は本法案について若干の質問をいたしたいと思うわけですが、もうすでに同僚委員がだいぶん質問しておられますので、できるだけ重複する点は避けたいと思っておりますが、事の次第によってやはり触れます。その場合は端的に、簡明にひとつ御答弁をいただきたい、このように思います。
 そこで、実は本法案の第二条二項の一般消費者等の定義のところで、自動車を除くとなっておる。その点で実は質問する予定になっておりましたが、警察庁刑事局長が緊急会議か何かで時間を急いでおられるようでございますので、その点についてまず先にはしょっての質問になりますが、お伺いいたします。おそらくやその緊急会議ということも、いまから私が質問することに関係があるのではなかろうかと思うわけでございます。と申しますのは、いま世をあげてといいますか、LPG税法に対するタクシー汚職が毎日のごとく新聞に報道せられておる。この法案もLPGであります。しかし自動車を除くのだから、この法案とは関係のないことではあるけれども、LPGという点においてやはり一言触れておかなければならないと思うわけです。
 そこで警察庁刑事局長にお伺いいたしますが、きのうのテレビのニュース、そしてきょうの各新聞等に報道をせられている新しい事実、こういうばかなことはあり得ないとは考えますが、大阪のタクシー協会の市田という理事と井上専務理事が、当時大阪府警の捜査第二課長をしておった太田という人に、献金するにあたって、そのことについていろいろ相談をした、そういうことが弁護士の弁明書の中から出てきた、こういうことでございます。かりにそういうことがあったといたしましても、警察官がどのように答えようとも、そのことか違法性を阻却するものではない――あるいは、どういうことを聞いたのかまだわかりませんが、かりに具体的に話をして、それはけっこうでしょうと、かりに答えたとしても、私は、違法性を阻却するものではない、この点だけをはっきりしておきたい。警察官の指示によってやりましたからといって、刑法の違反にはならないということではないと思います。同時にまた、これは本人についてよく聞かなくてはならぬと思うのですが、概括的に、このようなことは政治献金としていいんですか、というくらいのことは聞いたかどうかわかりませんが、そういうことに対して警察官が何らかの指示とか相談に応ずること自体もおかしい。警察庁の刑事局長の見解をただします。
#67
○内海政府委員 大阪府警察の当時の捜査二課長をしておりました太田君が、三十九年の十二月ごろに、ただいまの御質問になりましたような、大阪のタクシー協会の人が政治献金の問題について質問に来た、これに対して若干の答弁をいたしたという問題についてでございますが、この問題は、まず事実を最初に申し上げます。
  〔鴨田委員長代理退席、委員長着席〕
 その事実と申しますのは、当時の捜査二課長でありました太田君が、この問題について新聞にも発表し、また私どもにも申しておる内容でございますが、これは次のとおりでございます。
 三十九年の十二月ごろに、両名の人が参った。そして、いまこういうふうなLPガスの法案等の問題あるいは営業許可の問題等が起きておるときであるが、そういう場合に、もし政治献金等をした場合にはどうだろうか、こういうふうな相談といいますか、意見の解明――相談に来たようであります。
 これに対しまして太田君は、まず政治献金という問題については、政治資金規正法という法律がある。したがって、まずその法律に違背するかどうかということをよく、しっかりと確かめなければいけません。第二番目に、そういうふうな諸般の状況があるならば、たとえそれは政治資金規正法の法律上の手続に従っておったとしても、あるいはその献金の趣旨あるいはその時期、あるいはその相手方、こういうふうなものによっては、贈収賄の問題の起こる可能性があると考えられるから、そういう点については弁護士の方とよく相談すべきではないか、というふうな意味合いで答えをし、自分としてはそういうふうな危険なおそれのあることは、なるたけならばやらないほうがいいのではないかという意味合いのことを言ったように思う。こういうことでございまして、応待した時間は全部で十五分前後であった、こういうことを言っております。
 以上が当時の太田捜査二課長の、新聞にも発表し、また私どもにも申しておる内容でございます。
 これについて私どもは、一応所見を申し上げますと、こういうことのみならず、あるいは選挙の問題その他についても、警察に対しましては質疑、相談というふうなものは行なわれておりますし、またそういうことでわかる範囲のことは、間違いのないようにいろいろ答弁もしておることはよくございます。しかしながら、常に私どもが言い、かつまたそれぞれの当路者が感じておることは、そういう場合においても、いささかでも間違いがあってはいけないし、また誤解を受けるようなことがあってもいけないし、ましていわんや不当な言質をとられるようなことがあってはいけないということで、きわめて慎重でございます。今回の場合におきましても、太田君はきわめて慎重な態度で答弁し、またそういうことに関して答弁の内容も以上申し上げたようなことでございます。もちろんそういうふうなことが、現在捜査されておる事柄について影響を与えるべきものでは全くないと思います。
 なお私どもとしましては、太田君の発言というものはきわめて正当な、間違いのないことを言っておる、かように思います。
#68
○田中(武)委員 現在捜査が進められておる事案に対して関係はないということは、いわゆる刑法の適用といいますか、そういうことに対して違法性を阻却するものではない、これははっきりしておきたい。
#69
○内海政府委員 私のいま申しましたように、太田前捜査二課長の申しておる内容がこういうものでございますから、現在の捜査の中におきましてこの言が違法性を阻却するなんということはもとよりございませんし、また検察庁の捜査に何らの影響を与えるものでない。これは私は確言申し上げます。
#70
○田中(武)委員 御承知のように警察官には二つの面がある。行政警察としての面と司法警察としての面があると思う。行政の面につきましては、いろいろ法解釈をして、そして指示を与えることはけっこうだと思う。司法警察官の立場からでは、よほど慎重でなくてはならぬ。かりに警察官が言ったとおりにやったとしても、それが刑法のある条項に該当するならば、当然これは犯罪を構成する。したがって、行政警察の面と司法警察の面とにおいて、警察官へのそのような事前の相談についても、やはり態度も異なるべきではなかろうか。かりにどのような解釈を警察官がいたしましょうとも、あくまでも法の行政的解釈にすぎません。法の解釈の最終的な決定は最高裁が行なうわけです。往々にして、こういうことはいかがでしょうかということを警察に聞く場合はあると思います。しかし警察官としてのいわゆる行政、司法の両面を持っておること、そして法の解釈は最終的には裁判所がきめるのだ、こういうことを明らかにしながら回答すべきだと思います。今後そのような措置というか、そのような指導、通達等を全国的に行なってもらいたいと思いますが、いかがでしょう。
#71
○内海政府委員 まず、もう一度申しますが、ただいま私申し上げましたように、太田君は何ら法規の解釈をいたしておりません。ただ事実に対して事実をもって答えておる、これだけのことでございます。
 それから第二の問題でございますが、お説のとおりでございます。しかし、おのずから法律に対する一般的な解釈というものがございますから、そういう知識を持っておる限り、その知識を教えるということはあり得ると思います。それはどこまでも職権に基づくものであってはならないし、また有権的なものであってはならないということは申すまでもございません。したがいまして、私どもは、いま仰せられるまでもなく、そういうふうな点に関する警察官、とりわけ幹部警察官のあり方については、厳重に申しておるところでございます。特にこういうふうな、選挙あるいは非常に微妙な問題にわたるものでございますから、とりわけ厳重な注意をいたしており、今後ももちろん注意を喚起するつもりでおります。
#72
○田中(武)委員 そこで、こういうことがたまたま起きた機会に、いままでもやっておろうが、あらためて全国の警察官に対して、警察庁としていま言われたようなこと、あくまでも有権解釈をしてはならないといいますか、そういう態度を堅持すべきである、こういうふうなことを通達というか何というか、私は知りませんが、そういうことを全国の警察に対して注意を喚起するといいますか、そういう方法をとってもらいたいと思いますが、いかがですか。
#73
○内海政府委員 私ども、そういうことについてより慎重であるようにということの注意はもとより当時もいたしております。また今後においても喚起をいたしたいと思います。
 ただ、申し上げておきますが、職権をもっていろいろ解釈するというふうなことは私どもはいたしておりませんし、またいろいろ聞いてくれば、先ほど言いましたように、事実上いろいろお教えするということは、これは当然あり得ることであります。しかし、どこまでもそういう事実の問題でございますから、その点の区分けははっきりするように十分いままでもいたしておりますし、もちろん今後に対しても、そういう点については注意を喚起していきたいと思います。
#74
○中谷委員 ちょっと関連で一点だけお尋ねをいたしたいと思います。
 田中委員のほうから質問がありましたとおり、大阪の府警の当時の捜査二課長に、現在被疑者になっておる諸君が相談に行ったという事実を検察庁あてに上申書を出したというふうなことは、いわゆる暴露戦術じゃないかということで、非常に一般国民のひんしゅくを買っている事実だと思うのです。ただ念のためにお尋ねをしておきますが、先ほどの刑事局長の御答弁の中に、太田という課長さんのお話は、上司に報告したところによると、現在そういうふうな営業許可であるとか税法の問題が論議されているときであるから問題だ、なるべくそのようなことをしないほうがいいと言ったと思うという、こういう御答弁が局長のおことばからあったと思うのです。そういたしますと、まず善意に解釈をいたしまするけれども、時間はわずか十五分であった、しかも三年前のことだ、よく覚えていないということで、正確を期して言われたというふうにも理解できるけれども、そういうふうなことについてはあぶないことだ、いけないことだと思う、いけない可能性が強いんだからやめておきなさいと私は申しましたという報告が局長のところになかった趣旨にもとれる。そういうことを言ったと思うということでは、そのときのいわゆる応待がはなはだあいまいである。あるいはいわゆる暴露戦術などにおいてつけ込まれる可能性がある。ちょっといまの局長のおことばは不正確であった。おそらくそういうことはいけないことですよ、やめておきなさい、ということではなかった、言ったと思うということなのかどうか。それでもけっこうですが、事実の真相を明らかにいたしたい。いかがですか。
#75
○内海政府委員 本人の記憶に対して言っていることでございます。しかしながら本人がはっきりいたしておりますことは、先ほど言いましたように、政治資金規正法の手続によるべきものであるということと、それから弁護士によく相談すべき問題であるということで、要するに課長としてどうしなさいとかこうしなさいとかいうことを言うべき立場ではないはずでございます。ただ時期的に見てそういうふうなことを行なうことが、いやしくも自分自身捜査二課長でございますから、場合によればこういう問題について捜査をしなければならない立場でございます。そういうふうな面から考えると、時期的に見てもそういうふうなことは行なわるべきでないという意味合いのことを自分としては言っておると思う、こういうふうなことを言っておるわけであります。だからいまおっしゃったように、また田中委員のおっしゃるように、やはり警察官の立場というものは、決定的なことを言うべき立場ではございません。やはりこう思う、あるいはこういうことではなかろうか、あるいはこういうふうな法律がありますよ、これがそういうふうな質問を受けた場合における警察官の立場であろうと思う。したがって、政治献金というものが、たとえそういう時期であっても法規の手続に従い、合法的に行なうというものであったならば、それは警察官の立場で言ってはいけない、やるべきでない、やはり慎むべきものだ、弁護士に相談しなさいというふうに、権威ある相談すべき者にその判定をまかすべきであろう。ただ、しかし、そういうふうな相談を受けた以上、太田君としても、こういう時期、そういう趣旨の問題その他において贈収賄のおそれがありますよということははっきり言っておる、こういうことでございます。
#76
○中谷委員 もう局長の御答弁でけっこうですし、警察自身もこのことで非常に迷惑しておられることだと思うので、これ以上お聞きしませんけれども、何々と思うと言ったということと、何々だと言ったと思うということとは別でございますね。ですから先ほどおっしゃっておるのは、何々と思うとこういうふうにおっしゃった趣旨に了解してよろしいかどうかということでございます。
 それからいま一つ私はこの機会にお尋ねしておきたいと思いますけれども、田中委員のほうからも指摘があったわけですけれども、従来警察庁という役所は、そういうふうな相談に応じないというふうな一つの前提をとっているのではないかという私は気がするわけです。ですから警察自身にそういうふうな問題についてそういうふうに相談する。そして思惑を持ってそれを聞きに来る。そして現に暴露戦術に出てくる。その場合、警察でそういうことを教えてもらったのだからいいと思いましたというふうに利用される可能性があるということが非常に問題ではないか。警察の、いわゆる一般にやっている家事相談とか法律相談とかいうものとおのずから別個のものではなかろうか。むしろそういう問題については消極に解すのだということで、厳正な法の立場から、いわゆるそういうふうな何かややこしい問題については、むしろ法に触れる可能性を強調する、かりに相談に応ずるという場合であれば、そういうことを強調するということが相談に対する態度であろうと思う。そういうふうなことでなければ、あとで非常に問題が出てくる可能性があると思いますが、いかがでしょうか。
#77
○内海政府委員 お説のとおりでございます。したがって太田君の答弁も、その点はむしろあなたのおっしゃったような意味合いで答弁をいたしております。
 それから相談ということが、新聞などには、相談に来た、あるいは本人の上申書には相談に行った、こう言っておりますけれども、相談というのは、やはりいろいろの事柄を込めて言っておることでございます。われわれは、単にそういう人が質問に来た、その質問に対しては、そういうものには政治資金規正法がありますよ、だから先ほど言いましたように、むしろ危険なおそれがありますよということをはっきり言って、すべて弁護士に御相談なさい。私はやはり答弁としてはっきりした答弁が行なわれておる、こういうふうに思っております。
#78
○田中(武)委員 それではこれから本題に入ります。
 まず第一に本法案第一条の目的を見ながら、この法案の性格は何か、こう考えた場合にぴんとこないものがあるのです。この法律の性格は何です。もっとくだいて言うならば、これは事業法的なものが強いのか、それとも保安法的なものが強いのか、それとも消費者保護という点に重点が置かれたものなのか。そのすべてだと言うだろうが、この法律案の性格というものが十分につかめませんが、いかがです。
#79
○吉光政府委員 この法律が広く目的といたしておりますところはあくまでも一般の消費者保護でございます。その消費者保護のやり方の手段といたしまして、最近起こっております災害を防止するということ、それからまた取引条件等にも乱れがございますので、取引を適正化する、こういうことによりまして一般消費者を保護してまいろうというのがこの法律の基本的な目的でございます。ただ、こういう目的を達成いたしますために、現状のLPG販売業界の実情をながめました場合に、LPG販売業界自身がやはり体質のりっぱな販売業界であるというふうなことが望ましいわけでございまして、こういう目的を達成いたします過程におきまして、やはりLPG業界自身の体質改善がはかられなければならぬ。しかしこれはこの法律自身が直接ねらっておるところではございません。
#80
○田中(武)委員 一般消費者保護だと言うが、この法律の中に、積極的な一般消費者保護の規定がどこにありますか。まずいろいろの用語の定義をうたって、それから販売業者の許可制、製造業者の指定、器具の検定、備蓄その他に若干の規定がある。たとえば第十四条の書面の交付、こういうことはおそらくいままでは、口頭あるいは十分なる契約というかっこうでなくプロパンガスの供給をしておった。ところが十四条で、これから書面を交付する、そういう点が消費者の保護だ、こう言うのですか。積極的に消費者を保護するという条文はどこにありますか。
#81
○吉光政府委員 何ぶんにも、先生御承知のとおり、LPガスというものは非常に急速に需要がふえてまいったわけでございまして、したがいまして、一方においては販売業者自身も急速にふえてまいっております。そういうふうなことから、LPガス自身の特性について家庭で知識不十分な点というふうなものがあるわけでございまして、そういう意味での啓蒙というふうなものにつきましては、政府自身もやる必要があるわけでございますけれども、LPG業界自身がみずから保安をサービスすると申しますか、そういう感じで業務に従事してもらえるならば、最もりっぱな啓蒙ができるのではないであろうか、こういうふうな感じから、そういう販売業者につきまして、先ほど御指摘ございましたような書面の交付とか調査の義務とかいうふうなものを現実の義務としてかけたわけでございまして、現実の問題としましては、相当数の販売店におきましてこういうふうなことはすでにやってもらっております。しかしこれはあくまでも指導でございますので、全国すみずみまでこういう制度として行なわれることが望ましい、このように考えたわけでございます。と同時に、また最近の事故の実態からまいりまして、ガス器具等が不備でございますために事故が起こっておるという事例も相当あるわけでございまして、そういう意味から、ガス器具等につきましても適切な規制を加える必要がある、こういう角度から、これもやはり災害を防止することによって消費者を保護しよう、こういう気持ちからでございます。あるいはまた新しく、販売等につきまして、その品質、規格等についての規制を設けておるわけでございますけれども、これも現実の取引面におきまして相当取引秩序が乱れておるというふうな事情がございますので、そこらに対処いたしまして、品質、規格等表示いたしますとともに、同時にまたその中に有害物質が入ることを除去するということの角度からとらえておるわけでございまして、これはそういうふうな取引自身を適正にすることによりまして消費者を保護してまいろう、こういう感じから出ておるわけでございます。
#82
○田中(武)委員 この法律は消費者保護を重点とした法律でございます――それならば積極的に消費者保護の規定がどこにあるか。これに対して的確な答弁があなたできません。あなたが言ったのは、当然いままでやられておること、やらぬばならぬこと、たとえば供給契約は書面でするのがあたりまえ、器具にいたしましても、家庭用品あるいは電気用品その他について、それぞれ規格を定め、それぞれの監督がある、あるいはJISマークというものがある。したがって消費者保護だというなら、これが消費者の保護になりますということが出てくる条文がなくちゃなりません。ところがこれはいわば消極的な、その点だけを注意的にあるいは当然やるべきことをうたったにすぎないのです。したがって、私はこの法律を積極的に推進しなくてはならないという熱意を失いました。積極的に消費者の保護を守るのは何条何項かということを言ってください。
#83
○吉光政府委員 直接的に条文に書いておりますことにつきましては先生御指摘のとおりでございます。ただ、こういう条文を積極的に設けましたその効果といたしまして、それによって災害が防止され、あるいはまた取引が適正化されるというふうな究極の効果と申しますか、これは販売店自身を規制するところにねらいを持っておるわけではございませんで、むしろ販売店あるいは器具等が規制されることによりまして、消費者が保護される。これは結果としてでございまして、御指摘のとおり一つ一つの条文について消費者保護という積極面からのとらえ方はいたしておらないわけでございまして、こういう販売等が規制されることによりまして、結果として消費者が保護される、こういうふうに考えておる次第でございます。
#84
○田中(武)委員 それなら最初の答弁をそういたしなさい。この法律は一言に言って性格は何か、こう聞かれたときに、これは何々を目的にした法律ですということは、あなた一言で答えられない。なるほど目的は第一条に書いてあります。しかし、これは三つから成り立っておりますね。販売等を規制するということ、災害を防止するということ、そして公共の福祉を増進する、こういうように書いてあるわけですね。それで、販売等を規制して、取引の適正化をやるというが、この登録制にすることとか指定すること、そういうことがはっきりとして、取引の適正に具体的にどうつながるのか、あるいは若干の保安についての義務を販売業者等に負わせることによって災害の防止にどうつながるのか。それがあわせて公共の福祉の増進になるんだ、こううたっておるのですが、はたしてこの法案全条文を読んでみて、何か新しいこういうことがありますという条文がありますか。
 たとえばこれも何回か同僚委員が触れたと思いますが、販売価格に対して特にこういう事態があるときにはこういう措置をとります、そういう規定はないわけです。石油業法の十五条の価格の問題、これはしかし小売り業には及ばないのですね。少なくともその辺の規定が積極的になくて、これが消費者保護だと言い得ますか。両角さんのほうは、石油業法は小売り価格の問題じゃないんだから、石油製品になるわけだな。だからどっちでもいいから答えてください。
#85
○両角政府委員 御指摘のとおり、石油業法第十五条によりまして販売価格の標準額を通商産業大臣が定めます場合は、精製業者もしくは輸入業者の石油製品でございまして、小売り末端業者のケースは含んでおりません。
#86
○田中(武)委員 だから、消費者の保護だというのならば、少なくとも小売り価格に対して緊急の措置をとり得るような、著しく高騰し、あるいはこれで業者を保護といいますか業者の業法的な意味を持つならば、著しく下落する場合においては云々という、そういったような積極的な条文がなくして、はたしてこれが消費者保護立法でございますとまかり通ることができますか。
 さらにまた、先ほど来あるいは先日来同僚委員がいろいろと質問をしておられますのは、条文でいうならば二条三項の問題です。ところが、二条三項は、結局は通産省内においても十分なる――なるほど作文はできた、しかしいろいろつっついてみるとニュアンスが違う、考え方が違う。そうしてその態度は総合エネルギー調査会の審議に譲っておるじゃないですか。ならば、この法律は臨時立法なのか。これは恒久立法のていさいをとっておりますね。とっておりながら、重要なる販売業者の定義が明確にならずして、まだ総合エネルギー調査会の部会の審議にゆだねるという態度はいかがですか。それともこれは恒久立法の体をなしておるが、さしあたりこれだけのことをやりたい、こういうことなのか、どうですか。
#87
○吉光政府委員 御指摘のような問題点があるわけでございまして、これは率直に問題点があるというふうに私御答弁申し上げたほうがいいのではないかと思うわけでございます。
 ただ、ここで考えておりますこの保安の確保あるいは取引の適正化という問題につきましては、先ほど申し上げましたように、非常に急速にLPガスの需要がふえてまいりましたのに伴いまして、現実の災害自身か相当ひんぱんになっておる。あるいはまた取引面につきましても、計量の不備等がございますので、それらに対応するために、いままでの高圧ガス取締法の体系では処理しきれない多くの問題が出てまいったわけでございまして、したがいまして、そういう角度から実はこの法案を立案いたしたわけでございます。
 さらに先ほどお話ございましたように、これがいわゆる事業法規制といたしまして液化石油ガス販売事業のすべてについての規制は行なっていないという点では、なお残っておる分野があるわけでございますけれども、しかしこういう販売等についての規制行為を行ない、あるいは器具等についても一定の基準を設け、あるいはまた液化石油ガスの取引を適正にしてまいるというふうな方向で、実は保安の関係から申し上げますれば、高圧ガス取締法の特例法的な形で一般消費者に対するものをここに取りまとめておるという状況でございまして、法律の性格といたしましては、暫定的にこういう制度をとると申しますよりか、むしろやはり恒久的な制度としてこういう制度がふさわしい、このように考えておるわけでございまして、法律の性格としては恒久立法でございますけれども、さしあたりの緊急的な事態、要するに全体系についての整備は行なわれておりませんけれども、さしあたりの事態に対処するために必要な、すぐにやらなければならない事項について、さしあたり実施してまいるという基本方針で考えておるわけでございます。
#88
○田中(武)委員 一番基本となるべき定義があいまいであって法が動きますか。なるほど現在プロパンガスの災害事故は多過ぎる、あるいは取引においてもめくら取引をしている部門がある。そういう点に対して何とかしなくてはならないことはわかります。ならば、そういうことだけをまず規制しあるいは監督するところの純然たる保安法、あるいは取引法として出すべきである。そしてそれは臨時立法の形式をとるべきである。一番土台となるべき定義において意見が一致しておるというのならば、いまから私各関係局長にこまかく聞きますが、同じ答弁ができますか。そういうふうに定義をあいまいにして、省内において十分なる意見統一を見ずして、まず法律を出してくる、そうして後日エネルギー調査会の審議によってはっきりしていくのだということは、私は法律の提出者の態度として許されません。と申しますのは、いまはなるほど保安を早くしなければいけない、何とかしなければいけない、取引についても何とかしなければいけないことはわかる。しかし何も土台がはっきりしていない法律をそんなに急いで上げる必要があるかということを私考えているのです。したがって申し上げておるわけなのです。恒久立法の体をなしているが、定義につきましては総合エネルギー調査会の答申を待ってそれを改める、こういうことですか。
#89
○吉光政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、最近災害の発生事故が非常に多いというふうに申し上げたわけでございますが、現実に災害が非常に多く発生いたしておりますのは、いわゆるボンベ売りと申しますか、あるいはボンベにメーターをつけたと申しますか、一個ずつ家庭に持ってきましてやっておるものについて非常に多いわけでございます。いわゆる集団供給方式と申しますか、そういうふうなものにつきましてはやはり事故等もわりあい少ないわけでございまして、そういう一般の災害の防止等につきまして最も意を払うべきところは、さしあたりそういう問題であったわけでございます。先ほどお話がございましたように、定義の点につきまして、私どもはこれではっきりいたしておるというふうに考えておりますけれども、ただ、ある一定のこの定義に入ってこない分野の供給形態というものが現実には存在いたしておるわけでございまして、そういうこの定義に入ってきていない供給形態の問題につきましては、いかに事業規制があるべきであるかという点について、実は審議を現在別に行なっておるわけでございますけれども、全体の千三百万世帯のうちで、いわゆる配管供給と申しますか、そういうふうなことで現に供給を受けております世帯というのは約十三万世帯でございまして、そういう事業自身の数もわりあい少ないわけでございますけれども、そういう事業規制そのものにつきましては、別にさらに公益的見地から判断を加えてまいりたい、さしあたりボンベ売り等を中心にいたしまして、さらにまたいまの集合配管供給形態の一部もこの中に入っておりますけれども、さしあたりできるところからやってまいりたいというふうなことでございますので、そのように御了承いただきたいと思うわけでございます。
#90
○田中(武)委員 保安についてはとりあえず何とかしなければいかぬということはわかります。私はそれなら、保安に関する緊急措置としてあるいは臨時立法を出すべきだと思うのです。これは膨大な法律をつくったわりには中身があまりないのですね。しかも土台がぐらついておるということであっては、積極的にこの法案を審議し、通過させなければならぬという意義と熱意を私は失ってくる。それだけを申し上げておきます。
 次にこの二条一項の関係ですが、「液化石油ガス」とは、プロパン、ブタンその他政令で定める」こうなっておるのですが、現在の段階において技術的にプロパン、ブタン以外の液化石油ガスが出るような、いわば発見したというか合成せられるというか、そのような技術的な面はありますか。もちろんそういうのが出たら政令で追加したらいいと思うのですが、そのような液化石油ガスの技術的な面はいかがでしょうか。
#91
○吉光政府委員 現実にございます液化石油ガスでございますけれども、プロパン、ブタンのほかにエタン、エチレン、プロピレン等があるわけでございますが、ただしここにおきましてプロパン、ブタンだけの成分というふうに定義申し上げますのは、それらのものがミックスして入っておるという状況が多うございますので、そういう有効成分等をも含めまして判断いたします場合には、いま申し上げましたようなエタン、エチレン、プロピレンというものが入ってまいろうかと思います。
#92
○田中(武)委員 いや、新しく何か発見されるような方向にないのか、もし出てくれば政令で追加したらいい、こういうことになるのだと思いますが、いかがです。
#93
○吉光政府委員 いま申し上げましたプロパン、ブタンのほかにあるいはブタジエンでございますとか、あるいはエタンでございますとか、そういうふうなものが実は液化ガスそれ自身の生産構造の過程におきまして中に含有されて入っておるわけでございまして、したがいまして、ここではプロパン、ブタンのほかに「その他政令で定める炭化水素を主成分とする」というふうに書いておるわけでございますが、これ以外に新たなものというものが技術的に現在発見されておるかというふうな御質問でございますれば……。
#94
○田中(武)委員 発見せられる傾向はないか、こういうことです。
#95
○吉光政府委員 新たなるものが現に発見されておるというふうなことには私承知いたしておりません。
#96
○田中(武)委員 ではこの点はいいです。
 今度は二条二項、一般消費者の定義ですが、そこは「(自動車用のものを除く。)」となっておりますね。これはなぜ除いたか。ということは、一般消費、いわゆる家庭消費を主とするものと営業用とでいろいろ違うと思うのです。そういたしますと、あと三項、四項とこう見ていってみますと、本法にいうところの製造業者については自動車用のものでもこの適用はあるのですかどうですか。そのほかの販売業者あるいは器具等については適用がない、一般消費者から除くということであって、定義から除くということであって、この法律の全然適用外に自動車用のものは置くということなのか。条文をにらんで見たときに、私は製造の指定という点については条文はかかってくると思うのですが、どういう解釈ですか。
#97
○吉光政府委員 この法律におきまして自動車用のものを除きましたという点につきましては……。
#98
○田中(武)委員 その理由はあとから聞く。いま言っておるのは、三項、四項を見た場合に、販売業者、器具については自動車は除くことになりますが、製造業者の指定という点はどうなのかという点です。
#99
○吉光政府委員 製造業者等につきましては、自動車用のものにつきましては、義務として分析するという点につきましてははずれておるわけでございます。
#100
○田中(武)委員 いいですか、二条二項は一般消費者から自動車用のものを除くのですよね、消費者の定義。三項では販売業者を定義しておる。四項では器具を定義しておる。製造業についてはどうなのか。ここで、この法律の冒頭において全部が除けるということなら話がわかる。一般消費の中で自動車用のものを除くとしてあれば、各項にわたって見た場合には、製造業者の指定という点は自動車用のものでもかぶるのか、法律的にかぶると出るのじゃないか。
#101
○吉光政府委員 お答えが非常に不十分でございまして、十三条の「販売の制限」の規定でございますが、販売業者に対しまして、この指定製造事業者が「表示を附し、かつ、封を施した容器に充てんされているものでなければ、」「一般消費者等に対する販売をしてはならない。」というふうに義務づけておるわけでございまして、販売業者に対しまして、一般消費者等――これは自動車は除かれておりますけれども、販売業者の販売していい分野、販売業者が自動車のほうに売ってもいいわけでございますけれども、この指定製造業者との関連におきまして義務づけられた分野としては自動車用燃料は入っていない、こういうことでございます。
#102
○田中(武)委員 これは販売の規制でしょう。これを自動車用は全然この法の対象外にするのだというなら、自動車用を除くというところの持っていく場所が違うと思うのです。一般消費者のところに持ってくれば一般消費者に販売するということについて制限をする。だから私が言っているように、販売と器具については自動車用は除かれる、製造業者についてはどうなのか、こういうことです。この法律の解釈からいけば、製造業者はこの法律をかぶるということになると思う。言いかえるならば、この法律でいう製造業者、これはこの法律をかぶっておって、そして一般消費者等に対する販売業者と、おそらくスタンドのようなところで売るのだろうと思うが、自動車用のものが分かれていく、そこから下はこの法律の適用はありません、この上はありますよ、こう解釈するのですが、それでいいのですか。
#103
○吉光政府委員 いまの指定製造事業者でございますけれども、指定製造事業者の段階におきましては、家庭用でございますとか、工業用でございますとか、自動車用でございますとか、そういうふうな意味での区別はできないわけでございまして、したがいまして、これはあくまでもこういう指定された製造事業者で分析したものについて家庭用の販売のほうにつながってまいるわけでございまして、指定製造事業者自身の段階では、お話のように、自動車用でございますとか、あるいはその他の用でございますとかというふうな区別自身はいたしておりません。
#104
○田中(武)委員 それじゃ、実際はそうであるのかどうか私知りませんが、いわゆる「液化石油ガスを分析し及び容器に充てんする事業」であって――これはこの法律でいう製造業者ですよ。であって、自動車用のものを専門にやる場合はこの法律の指定を受けなくてもいいということになるのですか、受れる必要があるということになるのですか。
#105
○吉光政府委員 二十七条自身は授権規定というふうに私どもは解釈いたしておりまして、したがいまして、それだけのためにこの指定を受けるということは、この法律のたてまえからいきまして、指定制度自身が販売の制限につながっておる問題でございますので、一般消費者等に対する販売をしない場合におきましては、指定を受けるということ自身について法律上の効果は出てまいらないというふうに考えております。
#106
○田中(武)委員 そうすると、いわゆる一般消費者向けではなしに、自動車用専門で二十七条でいうような「液化石油ガスを分析し及び容器に充てんする事業」であっても本法でいうところの事業者でなく、したがって指定を受けなくてもいい、こういうことなんですね。
#107
○吉光政府委員 自動車用につきましては、お話しのごとく指定の必要はございません。
#108
○田中(武)委員 なぜ指定を受けなくてもいいという積極的な意義がございますか。保安という上においては一緒じゃないですか。一般消費者向けに分析、充てんする行為も、自動車用に容器に分析、充てんする行為も同じじゃないですか。
#109
○吉光政府委員 現実の問題といたしまして、自動車用のものにつきましてガス質の問題で事故が起こったという例がないわけでございますけれども、これはおそらく需要者が一般消費者等と違いまして相当強力なる力を持っておると申しますか、一般消費者以上の力を持っておりますので、質等の問題についても、充てん業者からの売買契約等に関しまして相当の実力を持った形で自分のほしいガス質のものを入手しているというところからきておるのではないか、かように考えまして、自動車用のものにつきましてははずしたわけでございます。
#110
○田中(武)委員 一般消費者用については、分析して混合率を幾ら幾らにしなければいけない、ところが、自動車用についてはそういうことでなくて、自動車業者の一番望むような混合率にする、そういうことでこれをはずした、そういうことですか。
#111
○吉光政府委員 一般消費者等と違いまして、これを使用いたします自動車側におきましては、こういう燃料についての一応の知識を持っておりますし、また自動車燃料としての特殊規格のものを使用いたしておるのでございまして、したがいまして、いわゆる家庭等を中心にいたしました一般消費者の保護体系とは体系が変わってもいいのではないか、このように判断いたしたわけでございます。
#112
○田中(武)委員 ぼくは製造の問題を言っておるのですよ。いわゆる分析、混合、充てんを言っている。あなたの答えておるのは販売の答えなんですね。そうじゃないですか。
 それでは自動車用についての保安はどうなのです。どこが監督するのです。もちろん製造業については高圧ガスの許可を受けておる。その面で監督する。それならば、同じプロパンガスの分析、充てんをする作業でありながら、この作業は自動車用であろうと一般消費者用であろうと同じなんです。販売から先は違います。あなたの答弁は販売から先を言っておるのです。製造段階において、この法律でいう製造とは分析と充てんですよ。これをなぜ別にしたのです。あなたの答弁は、販売を別にしたことについての答弁です。だからそれはこの法律もそうなっておるのです。私はそれは言っていないのです。製造段階においてなぜそれを別にしたのかと言うている。この法律全体から自動車用を除くのだということなら、自動車用を除くというのはカッコを置くところが違いますよ。一般消費者というところにカッコをして云々というのは、法体系からいって、あとの三項、四項――これだけはかぶるがあとはかぶらないと解釈できるのです。それが適用を受けないということなら、この条文の置きどころが間違いです。まず冒頭に、二条本文において自動車用を除くということにしていかなければ、この法文としてはそんな解釈はできません。法制局、いかがです。
#113
○角田政府委員 形式的には田中先生の御指摘のとおりなんですが、先ほど来御説明申し上げておるとおり、一連のつながりがあるように思います。結局、製造段階と販売段階とのつながりを申し上げますと、製造したものを販売するわけですが、その場合に、一般消費者等に対する販売におきましては、一定の基準に従って分析をし、充てんをし、かつ容器に表示を付する、そういうものでなければ販売してはならない、そういう前提を置いているわけです。したがいまして、自動車用燃料として使用される液化石油ガスを製造する者が二十七条で指定を受けるということは、その指定を受けることによって受ける法律的効果というものは、一般消費者等に対する販売とつながらない限りは論理的に無意味である、こういうことだろうと思います。そこで、確かに全体として、たとえば一条とか二条の冒頭で自動車用関係のものは全部除くという書き方もあろうと思いますが、ただいま申し上げましたように、二条の二項、三項、さらに二十七条あるいは十三条、そういうものの論理的なつながりを追っていきますと、おのずから自動車用燃料の関係が落ちてくる、適用にならない、こういうふうに解釈されるのではないかと思います。
#114
○田中(武)委員 どうも説得力がありませんね。法制局の部長さんとしてはあまり法律的に説得力のない答弁をせられたと思うのです。分析のぐあいが違うからとかなんとかいっているが、この条文からそんなものは出てきませんよ。いいですか、どこにそんなことが書いてあります。立法段階においていかなる事情があったとしても、法が一たん成立すると法律がひとり歩きするのですよ。これを後日見た場合に、解釈論としてそういう解釈が出てきますか。
 さらに、保安に重点を置くといって、自動車用の分析、充てんを除外してしまったら、第一条にいうところの取引の適正、そして保安の確保、いわゆる災害の防止の確保、福祉の向上ということにつながってきますか。当然これははっきりと製造業まで含める、製造業も入るのだという答弁になるか、でなければ、いまあなたが言っているように、製造業はのけるのだということなら、二条二項で規定をせずに二条本文で規定すべきである。形式的に云々ではありません。当然解釈論からくるところの法のていさいです。原則ですよ。いかがですか。
#115
○角田政府委員 私、先ほど申し上げましたのは、田中先生も御指摘のように二つ問題があると思うのです。自動車用燃料にかかるものを除外するかどうか、これは立法政策の問題で、先ほど吉光政府委員からお答えしたとおりでありますが、その次に、それを除外する場合にどういう形で除外するかということであります。これはこの法律を見ますと、やはり第一次的には販売業者に対する規制というものを中心にして考えておるわけであります。したがいまして、二条の定義で販売業者というものが定義されておる。ところが、その販売業者が販売をするにあたって、ある一定の資格を持った製造業者が充てんをして表示を付したものでなければ売ってはいけないというところで、販売の規制につながっています。ですから、指定製造業者自体に対する規制というのはいわば二次的と申しますか、販売業者の販売の規制の内容の一部をなしておる、そういう意味で、私は、自動車用燃料関係のものを真正面から除かなくとも、二十七条で十三条の指定を受けようと思う者は、当然自動車用燃料専門にやっておるような者は、そういう指定を受けても、わざわざ役所に手続をとっても何の利益もないわけでございますから、そういうことは論理的にあり得ない。あり得ないから、いまのように真正面からは除いていないだろう、こういう規定の書き方もあり得るだろう、こう申し上げたのです。
#116
○田中(武)委員 だろうというような答弁ですね。十三条はなるほど一般消費者に対する販売の規制、制限ですよ。だから、二十七条は十二条の指定ということで一般に販売しようとするものは云々と、こういうふうにかかってくるというのですが、これを法律だけ見たときに、自動車用を除くということについてどの部分が除かれるのか、あるいは全部が除かれるということについてはっきりしません。私はそう思います。だから、除かれるというなら、もっと除かれるような明確な規定がほしい。そうでなければ、入ると解釈したらどこがいかぬのです。自動車用であろうともプロパンガスには変わりはございません。保安に重点を持つということであるならば、製造段階においても指定をし、監督を受けるということにしてはいかがですか。もしかりに二十七条いうところの製造業者である、それが一般消費者のやつを目的とする自動車向け業者の場合、その一つの事業所のうち半分は指定を受ける、半分は除かれる、あるいは運輸省その他のほかのところからの監督を受ける、その全部をくるめてもちろん高圧ガスの監督を受けるということになるのですが、高圧ガスの監督を受けるからいいじゃないかというのだったら、この法律も要らないじゃないかということになるのですよ。その点いかがです。これは明確なる規定を欠いておる。法制局の答弁にいたしましても、なるほどあっちを見こっちを見ていったらそういうような解釈に類推されるということなんですね。そうじゃないですか。なぜ本文条項に持ってきてはいけないのです。積極的な理由を聞きます。法律というものは、なるほど関連条文を読まなくては解釈はできないことはわかりますが、なるべくならあっちを読みこっちを読みして初めて意味がわかるということでなく、まずその法律がどんなことを目的としているかということは、一条と二条の定義を読めばぴんとくるような法律が望ましいと思うのですけれども、二十七条を先に読んで、今度十三条にまた戻らなければならぬというような読み方は、専門家はできますが、そういう立法が望ましいと思いますか。そんな立法のしかたが望ましいと思いますか。よらしむべし知らしむべからずの昔ならむずかしい条文を書きなさい。今日この条文が、かたかなからひらがなになっただけでも、法律の立法技術というか作業においてもっとわかりやすくしようということじゃないのですか。昔のかたかなで文語体がひらがなの口語体になったというだけでも、わかりやすくしようというのと違うのですか。ならばなぜ二条の冒頭、二条の本文に書いたらいけないのか。よくわかるようにしなくてはいけないですよ。これをしろうとが見てすぐにわかりますか。たとえば、いまから自動車の用に供せられるところのプロパンガスのここでいう製造業者になろうとする者が、この法律を見て、はたして指定を受ける必要があるのかないのか判断がつきますか。
#117
○角田政府委員 ちょっと説明を補足させていただきますけれども、全体として、これは自動車用のものだけではなくて、工業用とかそういう一般消費者用のものは全部除かれるわけでございますね。その点は二条二項で、むしろ一般消費者等に対する定義をすることによって除かれておるわけでありまして、その点ちょっと私の説明が不足していたと思いますので、その点を加えさせていただきます。
 もう一つは、二十七条を見たり十三条を見たりという御指摘を受けておりますが、大体全体としてこの法律は販売業者に対する規制もやっておりますし、ガス器具等の製造あるいは販売に対する規制もやっている。さらにまた、それに伴ういま申し上げました指定製造業者なりあるいは指定検査機関なり、非常にいろいろな関係の規制が一つの法律の中へ全部入っておるわけであります。したがいまして、全体として非常にわかりにくいという御指摘は確かに私どもも感ずるわけでございまして、何とかわかりやすく書くということで、実は最大限に努力したつもりでございます。十三条、二十七条は確かに逆になっておりますが、これは先ほども申し上げたように、販売業者に対する規制ということがまずこの法律の中心であるということで、十三条が先に出てきたと思います。そして十三条で指定の根拠があるわけで、その指定は実は一般消費者に対する販売の場合にしか表示義務はないわけでございますから、そういう意味で二十七条を見た一般の製造業者は、たとえば先生の御指摘になりました自動車用関係のものの製造業者は、まあ十三条の規定を見れば自分は関係がないということがわかるであろう、こういうつもりでございます。
#118
○田中(武)委員 この問題私はもっと議論をしても議論はできると思うのです。しかしこれだけにこだわっていてはしかたがないから次へいきますけれども、私はこの法律の立て方はおかしいと思う。全般的にかぶる規定はやはり本文に持ってくるべきですよ。そうじゃないですか。本文でやるのが立法技術の常識じゃないですか。そうじゃないですか。おかしいけれども間違いではございませんのでどうぞよろしくということならここを通過いたしましょう。誤りでないというのならもっと議論を続けますが、いかがです。
#119
○角田政府委員 どうも突き詰めて御質問を受けますとはなはだ困るわけでありますが、書き方として、確かにわかりやすく書くためには、先生の御指摘のように、最初にそういう対象にならないものを包括的に大上段で抜いたほうがより適当な方法であろうということはいま感じております。
#120
○田中(武)委員 それでは、まああっちを読みこっちを読むと大体わかるけれども、しかし立法技術上まずかったということを認められるならけっこうです。原局どうだ。
#121
○角田政府委員 原局に対する御質問でございますが、私もむろん共同の責任を負うものでありますが、必ずしもわかりやすい書き方ではなかったという意味のことについては認めます。
#122
○田中(武)委員 そういたしますと、自動車用の保安はどこでやるのか、あるいはこの法律でいう取引の適正化はどこでやるのか。自動車は運輸省の管轄だから運輸省でやるのですか。それで運輸省はこれに対して、この法律に見合うような何らかの措置をするような根拠があるのかどうか。
#123
○吉光政府委員 自動車用の充てん所につきまして――これは自動車用でございましょうとあるいは一般産業用でありましょうと、すべて高圧ガス取締法で保安監督を行なっておるわけでございます。
 なお取引適正化の問題に関しましては、この法律の中には出ていないわけでございますけれども、先ほどちょっとお話し申し上げましたように、現実に自動車業界は一般消費者等と違いまして、自分で交渉能力を持っておるものでございますので、現在積極的にメーカー側と、自分で使います車のガスにつきましての品質、規格等についての検討を相互に行なっておるわけでございまして、ガス質が不良であるために事故を起こすというふうな例は最近起こっておりません関係上、質についての規制という点を積極的に取り上げなかったわけでございます。
#124
○田中(武)委員 自動車にプロパンを使うようになってからも最初のうちだいぶ事故が起きましたね。それを構造を変えてから事故が減った。現在事故があまり起きていないということ。それから販売価格等についても自動車業界は直接交渉する実力を持っておる。積極的に除いたところの理由はこの二つですか。強力に交渉する力のあるものに対しては、販売の適正化とうたいながらそれはらち外に置いていい、そういう解釈ですか。
#125
○吉光政府委員 私、先ほど申し上げましたのは、品質面からきた事故の問題について御説明を申し上げたわけでございますが、さらに構造面におきまして、いま御指摘ございましたように、昭和三十八年の十月に運輸省令が改正されまして、従来の自動車用の燃料タンク、着脱式、タンクをつけたりはずしたりしておりましたが、それを固定式のものに切りかえまして、それ以後事故はほとんど見当たらないというふうな状況でございます。それ以前におきましては、いま御指摘ございましたように、車両構造が変わる前におきましては相当の事故が起こっておったわけでございますけれども、これは車両構造上の問題でございまして、運輸省令で措置いたしております。私のほうの関係の質の問題につきまして、品質粗悪のための事故と申しますか、これは一般家庭では起こり得るわけでございますが、そういうふうな問題についての事故、現実の災害というものは最近ほとんど起こっていないというのが現状でございますので、そういう意味ではずしたわけでございます。
#126
○田中(武)委員 これは、自動車行政については運輸省がやっておられるからということであるならぼくはいいのです。あなたの答弁では私は納得できないのですよ。直接交渉する力を持っておる、だから法の外に置くのだ、こういう答弁になるでしょう。それは構造的な改革があったことは、いつだったか私この委員会かどこかで指摘したと思うのです。いわゆる道路運送法ですか、何条かでいうこの仕様に従って云々とかいう規定がある。それはガソリンを使うようになっていたものにプロパンを入れるのがこの法律にいうところの「運行」なのか。「運行」というのは自動車の仕様に従ってとかなんとかいう規定があるということを議論したことがあるのですよ。いまそんなことをやっているのじゃないのです。保安に重点を置いた場合、自動車用の充てんあるいは分析――分析が一般用と違うからと、こういうことか知らぬが、災害の防止の確保ということをうたっておって、それを野放しにする、少なくともこの法律の外に置くなら、運輸省でこういう監督、規制、検査をやっておるので、これでやらなくてもいいのだと、こういう積極的な答弁でなくちゃいけませんよ。運輸省も来てもらっているわけだが、いかがですか。これは運輸省がやっておるから除いたんだというのなら、そう言いなさいよ。交渉する力を持っておるから法の外に置く、そんなばかなことはないですよ。
#127
○両角政府委員 自動車用につきましては、取引の適正化の見地からいたしますと、現在自動車業界とただいまお話のございましたようにLPG製造業者との間では、それぞれ商業ベースでいわゆる商取引として相互に取引が行なわれております。したがいまして、一般消費者の場合のような知識のない弱体な消費者を保護するという見地とはいささか実態の趣を異にいたしておりますので、これは両業界の商的な話し合いにまかせることが妥当であろうということで、取引適正化からは除いております。
#128
○田中(武)委員 一般消費者の場合は民法でいう供給契約というか販売契約、自動車の場合は商行為である、だからほうっておいてもいいのだ、そういう答弁ですか。それでは保安のほうについてはどうなるのですか。この法律に、私が先ほど指摘したように、価格の調整等について積極的条文があるが、その条文が自動車用のものは除くということなら、いまの商行為として除外するのだということで私は納得します。しかし、この法律の性格は何かと一番先聞いたのですよ。取引の適正化、さらに吉光局長の答弁では、一番重点が保安に置かれておるような答弁をする。保安の面でどう違うのか。だから、これは他のところで十分監督ができますから除いておりますということならいいのですよ。また、通産省におきましても、高圧ガス取締法によって監督ができます、こういうことなら、これでいいのですよ。そうすると高圧ガス取り締まりで監督ができるなら、この法律は何を意味するのかということになるのですが、委員長、本会議の予鈴も鳴ったようですし、できることならば――本国会の本会議はもうきょうだけですから、本会議に間に合わせて参議院へ送り込みたい、このように考えておりましたが、このような答弁であり、このような時間的制約を受けてはもう時間切れです。したがって、本会議の予鈴も鳴ったことですし、今後の委員会の進め方についてひとつ委員長から指示をいただくか、あるいはこのままにして理事打ち合わせ会でも開くかして、これからの進め方をきめてください。
#129
○島村委員長 ただいまの御発言につきましては、その後段を選びたいと存じます。
 この際、暫時休憩いたします。
   午後一時五十五分休憩
     ――――◇―――――
  〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕
ソース: 国立国会図書館
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