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1967/12/13 第57回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第057回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第2号
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1967/12/13 第57回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第057回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第2号

#1
第057回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第2号
昭和四十二年十二月十三日(水曜日)
   午前十時三十四分開議
 出席委員
   委員長 小澤佐重喜君
   理事 大石 武一君 理事 四宮 久吉君
   理事 渡海元三郎君 理事 丹羽喬四郎君
   理事 島上善五郎君 理事 堀  昌雄君
   理事 門司  亮君
      奥野 誠亮君    高橋 英吉君
      古川 丈吉君    山本 政弘君
      岡沢 完治君    伏木 和雄君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 赤澤 正道君
 出席政府委員
        自治省選挙局長 降矢 敬義君
 委員外の出席者
        議     員 松澤 雄藏君
        議     員 島上善五郎君
        議     員 岡沢 完治君
        議     員 斎藤  実君
    ―――――――――――――
十二月四日
 公職選挙法の一部を改正する法律案(篠田弘作
 君外四名提出、第五十五回国会衆法第二九号)
同月十二日
 政治資金規正法及び公職選挙法の一部を改正す
 る法律案(島上善五郎君外二名提出、衆法第三
 号)
同日
 小選挙区制等反対に関する請願外一件(堀昌雄
 君紹介)(第二三七号)
 同外四件(島上善五郎君紹介)(第二三八号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 公職選挙法の一部を改正する法律案(篠田弘作
 君外四名提出、第五十五回国会衆法第二九号)
 政治資金規正法及び公職選挙法の一部を改正す
 る法律案(島上善五郎君外二名提出、衆法第三
 号)
 公職選挙法改正に関する件
     ――――◇―――――
#2
○小澤委員長 これより会議を開きます。
 自治大臣が出席せられるまで暫時休憩いたします。
   午前十時三十五分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時三十五分開議
#3
○小澤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、自治大臣より発言を求められております。これを許します。自治大臣赤澤正道君。
#4
○赤澤国務大臣 私は、先般の内閣改造に際し、自治大臣兼国家公安委員長に就任いたしたのでありますが、選挙制度の問題につきましては、かねてから格別の御高配にあずかり厚く御礼申し上げます。
 御承知のように、今日、選挙制度につきましては、各方面から金のかかる選挙の実態に対して強い批判があるところでありますが、これを打破するためには、今後とも政党の近代化、組織化及び国民の政治意識の高揚につとめるとともに、個人本位の選挙から政党本位、政策本位の選挙に転換することが要請されているところであります。
 政府は、これらの諸問題を解決するため、さきに選挙制度審議会に対して、選挙区制その他選挙制度の根本的改善をはかるための方策について諮問したのでありますが、同審議会は、三年有余にわたってあらゆる角度から慎重に審議された結果、さる十一月二日その答申をいただいた次第であります。
 政府といたしましては、この答申の趣旨を尊重しつつ、さしあたって現行選挙制度に関し改善すべき事項についての改正法案を次の通常国会に提案いたすとともに、さきの特別国会に改正法律案を提出し審議未了となりました政治資金規正の問題につきましても、次の通常国会に改正法律案を提出いたす所存であります。
 次に、明年執行を予定されております参議院議員の通常選挙につきましては、明るく正しい選挙の実現に積極的に邁進すべきことは申すまでもありません。これがためには、制度の改善合理化等と相まって、国民一人一人が主権者としての自覚を持ち、高い選挙道義をはだ身につけることが必要であると考える次第であります。
 政府といたしましては、このため選挙の浄化運動を今後一そう広く深く国民の中に浸透させていく目標のもとに、民間における各種推進団体との提携強化をはかり、国、地方公共団体と民間団体が、力を合わせて効果的な啓発方法を講じてまいりたい所存であります。
 何とぞ、今後ともよろしくお願い申し上げる次第であります。
     ――――◇―――――
#5
○小澤委員長 この際、おはかりいたします。
 先ほどの理事会の協議によりまして、去る四日、本委員会に付託となりました篠田弘作君外四名提出の公職選挙法の一部を改正する法律案、及び昨十二日、本委員会に付託となりました島上善五郎君外二名提出の政治資金規正法及び公職選挙法の一部を改正する法律案の両案を議題とし、それぞれ趣旨の説明を聴取することに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○小澤委員長 御異議がないと認めます。
    ―――――――――――――
#7
○小澤委員長 まず、篠田弘作君外四名提出の公職選挙法の一部を改正する法律案について、提案者から趣旨の説明を求めます。松澤雄藏君。
#8
○松澤議員 ただいま議題となりました公職選挙法の一部を改正する法律案について、その提案理由とその内容の概略を御説明申し上げます。
 日本国憲法は、主権在民の思想に基づき、民主主義の原理に立脚して、地方自治の理念を高く掲げ、地方公共団体の議員はもとより、その長について、住民が直接これを選挙する住民自治の制度を採用いたしているのであります。
 これにのっとり、日本国憲法の施行と同時に、地方自治法が施行され、地方公共団体の長は、選挙人が投票によりこれを選挙し、その任期を四年とする制度が確立されておるのであります。
 御承知の通り、都道府県知事の選挙は、新憲法の施行に先んじて、昭和二十二年四月に行なわれ、自来今日に至っておるのでありますが、その現実を見ますると連続して五回当選の知事五人、四回当選の知事五人、三回当選の知事十三人でありまして、四十六都道府県知事のうち、まず本法案の対象となる三選以上の知事は、二十三人となるのであります。これらの方々が地方自治伸展のために、日夜その努力を傾倒せられていることに対しましては、深く敬意を表するものであります。
 従来知事の多選制度については、その利害得失が種々論議されているのであります。その利点としては、特に一貫した長期計画に基づく重要施策の実施、あるいは複雑専門化している地方行政に精通することによって能率的行政が期待されるなどのことが述べられているのであります。しかしながら、他面において、新憲法制定当初より危惧されておりました知事の長期在職に伴う重大な弊害があらわれていることも事実でありまして、私は一々ここにその具体的の事例をあげることを省略いたしますが、地方自治体の内部のみならず、国との関係におきまして、また地方住民との関係その他におきまして、多くの問題が各方面において惹起されておることも事実であります。
 本来民主主義は、その歴史的沿革から見ますれば、その基本理念において、長期にわたり行政執行権がひとり占めされ、それがさらに強大化されるようになることとは、本質的に相いれない観念でありまして、同一人が長期間知事の職にあり、その地位の保有期間が長ければ長いほど、制度的必然的に、行政執行権がひとり占めされ、その強大化の危険を内包するに至り、民主主義の本質に相反する傾向を生ずるのは免れ得ないところであります。アメリカをはじめとし諸外国におきまして大統領あるいは知事の再選、三選等を禁止しておりますのは、まさにこのような趣旨からなされておるものと思うのであります。
 また、知事の長期在職は、一面におきまして、中央との関係においては割拠化の傾向を伴い、自治体内部の関係においては行政の偏側化の傾向を招来するなど、制度的に種々の弊害を内包し、地方自治の伸展を妨げ、他面におきましては、行政権力がますます選挙と密着することにより、選挙が選挙民の自由に表明せる意思によって、公明かつ適正に行なわれることを確保する憲法及び選挙法の趣旨に沿わない結果となると考えるのであります。
 以上の基本的な考え方の上に立ち、知事の在職の長期化に伴って、その弊害は必然的に制度自体に内包するに至るという観点から、私どもは、一般的制度的に法律をもって知事の多選を禁止しようとするのでありまして、このことこそ、地方自治の本旨に沿い、かつ、選挙の公正確保の趣旨にも沿うのみならず、憲法が掲げる公共の福祉の要請にこたえるゆえんであると確信するものであります。
 なお、禁止の限界を四選に置きましたのは、以上の趣旨にかんがみ、立法政策上、四選以上を禁止することが妥当であると考えたからであります。
 また知事のみを対象とし、内閣総理大臣、国会議員あるいは市町村長、特に六大市長等について何らの制約を加えないのは不公平ではないか、という議論もあろうかと思うのでありますが、内閣総理大臣につきましては、御承知のように、憲法は議院内閣制のたてまえをとり、国会の指名に基づいて国会議員から選ばれることとなっておるのでありますから、知事と同一に論ずることはできないと考えます。また、国会議員は、議決機関の構成員でありまして、合議体でない独任制の機関である知事とは全く性質を異にするのであります。六大市長その他市町村長につきましては、知事とは行政執行面におきましてその権限等も異にし、その影響力も大いに相違するものと考えますので、現時点におきましては、特に弊害があると認められる知事についてのみ、その禁止の措置を講じようとするものであります。
 なお、これが提案に至りました過程におきましては、問題の重要性にかんがみ、数年にわたりたびたび会合を重ね、その間、学者、評論家、知事経験者、報道関係者等の意見を聴取し、慎重に検討を重ねてまいりましたことをつけ加えておきたいと思います。
 次に、法律案の内容の大綱につきまして、御説明申し上げます。
 現行公職選挙法第八十七条の次に第八十七条の二として新たに一条を加え、「引き続き三期にわたって一の都道府県の知事の職に在る者又は在った者は、当該都道府県の次の期の知事の選挙における候補者となることができない。」と規定し、連続四期目の当該都道府県知事の選挙に立候補することを禁止することといたしたのであります。これに伴って公職選挙法第六十八条第二号を改正して、立候補禁止の知事の氏名を記載した投票は無効とすることとし、なお第八十六条中立候補の届け出につき所要の改正をすることといたしました。
 その他以上の改正に伴い、この法律施行の日に、すでに四期以上知事の職にある者に対しましては、所要の経過措置を講ずることといたしました。
 なお、この法律は、諸般の事情を考慮して、この法律の公布の日から施行することといたした次第であります。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。何とぞ、慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
 なお、つけ加えてお願いを申し上げますが、お手元のほうにお配り申しました書類が、いま私が御説明申し上げましたのと一部違っております点を御了承いただきたい、かように存じます。
 以上をもって終わります。
#9
○小澤委員長 次に、島上善五郎君外二名提出の、政治資金規正法及び公職選挙法の一部を改正する法律案について、提案者から趣旨の説明を求めます。島上善五郎君。
#10
○島上議員 ただいま議題となりました政治資金規正法及び公職選挙法の一部を改正する法律案について、私は日本社会党、民主社会党及び公明党を代表し、提案理由とその内容の概略を御説明申し上げます。
 政府は、選挙制度審議会に対し、選挙区制その他選挙制度の根本的改善の方策について諮問しておりましたが、同審議会は、去る四月七日、最近の政治情勢にかんがみ当面緊急に措置することを要する事項として、政治資金の規正及び連座制の強化等を中心とした「政治資金の規正等の改善に関する件」について、政府に答申をいたしました。
 政府は、答申を受けた場合、これを尊重し勇断をもって実行することを再三にわたり公約してきたのでありますが、自由民主党との意見調整に名をかり、政府案作成段階で重要な数点に変更を加えて総選挙後の第五十五特別国会に提出したのであります。しかるに、その骨抜きの政府提案すら廃案にしてしまったのであります。緊急に措置すべき事項としての答申であり、国民が早期成立を期待していたものでありますから、当然次の第五十六臨時国会に再提出さるべきものと考えましたが、その提出も見られず、日本社会党、民主社会党、公明党の三党共同提案として、答申に沿うた改正案を提出したのに自民党はそれをも廃案にしてしまったのであります。
 その後、タクシー汚職事件の勃発等によって、政治資金規正法の改正が一そう必要となっているのに政府は今第五十七臨時国会にも提出しない方針なので、ここに日本社会党、民主社会党及び公明党は、再び三党共同提案として本案を提出するに至った次第であります。
 次に、この法律案の内容について、御説明申し上げます。
 まず、政治資金規正法の改正についてであります。
 第一に、政治資金の寄付の制限について御説明いたします。
 まず、寄付の総額につきましては、個人のする寄付にあっては最高額を一千万円とし、会社その他の団体のする寄付にあっては最高額二千万円、最低額五十万円の範囲内において、それぞれ団体の規模に応じて制限を加えることといたしました。この場合、会社のする寄付につきましては資本金のほか収益をも基準とし、労働組合等のする寄付につきましてはその組合員数に応じて十段階に区別して制限することとし、その他の団体のする寄付についてはその規模等を表示する尺度を求めることがきわめて困難であるため、一律に前年の支出額の十分の三に相当する額を限度とすることとしたのであります。また、制限額の範囲内において寄付をする場合には、政党及び政治資金団体に対する寄付については制限を設けないこととし、それ以外の政治団体または個人に対する政治資金の寄付については、同一の者に対し、年間五十万円をこえてはならないことといたしました。
 次に、国または公共企業体と請負契約の関係にある者及び日本開発銀行等四政府関係金融機関から融資を受けている中小企業以外の会社のする寄付につきましては、前の政府案では請負契約額、融資額の比重が低いものを除外していましたが、本案では一律に一般の場合の二分の一に制限することといたしました。また、国から補助金等の給付金の交付を受け、または資本金等の出資を受けているいわゆる特定会社その他の特定の法人のする寄付につきましてもこれを禁止することといたしましたが、これらの場合において国と関係のない地方公共団体の議会の議員または長の候補者等に対してする寄付については適用を除外することといたしております。
 なお、地方公共団体と請負契約関係にある者、地方公共団体から補助金等の給付金を受けている会社その他の法人等のする寄付についても、国の場合に準じて、制限ないし禁止することといたしました。
 さらに欠損を生じた会社のする寄付、匿名及び他人名義の寄付並びに外国人等のする寄付につきましても禁示することといたしました。
 以上の政治資金の寄付の制限と関連して、その違反者に対する所要の罰則規定を設けることといたしております。
 第二に、政治団体の届け出並びに収支報告及びその公表等についてであります。
 すなわち、政治団体の届け出があったときは、その内容を公表して、これを国民に周知することとするほか、会計帳簿及び収支報告書に記載すべき内容等について改善、合理化を加え、政治資金公開の趣旨を徹底することといたしました。
 第三に、政党等の定義についてであります。
 今回の改正によりまして、政治資金の寄付に関しましては一定の制限が加えられることとなり、かつ、政党本位の政治活動の推進をはかるため、政党に対する寄付と政党以外の政治団体に対する寄付を区別して制限することとなりますので、政党と政党以外の政治団体との区別を明確に規定することといたしました。
 また、政党中心の資金調達を容易にするため、各政党について一の団体を限って政治資金団体を設けることを認め、これに対する政治資金の寄付については、政党と同様の取り扱いをすることといたしました。
 このほか、党費、会費及び政治活動に関する寄付等についても、その内容を明確にして、規制の合理化をはかることといたしております。
 以上申し上げましたほか、これらの改正に伴いまして、個人が寄付を政党または政治資金団体に対してした場合には、その寄付金について課税上の優遇措置を講ずるとともに、その他必要な関係規定の整備を行なうことといたしております。この場合、法人の寄付金については、課税上の優遇措置の必要はないものといたしました。
 次に公職選挙法の改正について申し上げます。
 第一は、公職の候補者等の寄付の規制についてであります。すなわち、公職の候補者等が選挙区内にある者に対してする寄付は、政党その他の政治団体または親族に対してする場合を除き、全面的に禁止することとしたほか、公職の候補者等がその役職員または構成員である会社その他の団体がこれらの氏名を表示しまたはこれらの者の氏名が類推されるような方法でする寄付についても、政党その他の政治団体に対してする場合を除き、一切禁止することといたしました。また、後援団体のする寄付等についてはこれを禁止するとともに、後援団体以外の団体で特定の公職の候補者等を推薦しまたは支持するものについても、後援団体に関する制限に準じて制限を設けることといたしました。前の政府案においては、公職の候補者等がもっぱら政治上の主義または施策を普及するために行なう講習会等において必要やむを得ない実費の補償を認めることになっていましたが、これは答申を逸脱しざる法化するおそれがありますので禁止することといたしました。
 第二は、連座制度についてであります。いわゆる連座制につきましては、選挙運動の実態にかんがみ、数個に分けられた選挙区の地域における選挙運動、または多数の選挙人が属する職域、または組織を通じて行なう選挙運動を主宰した者をも連座対象者の範囲に含めるとともに、公職の候補者または総括主宰者等と意思を通じて選挙運動をした公職の候補者の父母、配偶者、子または兄弟姉妹については、公職の候補者と同居の有無にかかわらず、連座対象者の範囲に含めることとし、同居している父母、配偶者、子または兄弟姉妹については、公職の候補者と意思を通じているものと推定することといたしました。
 また、選挙犯罪を犯し罰金の刑に処せられた者については、当該選挙犯罪がきわめて軽微なものである場合を除き、裁判所が情状により公民権を停止しない旨を宣告することができる制度を廃止することといたしました。
 その他昨年実施された永久選挙人名簿制度の運用上の欠陥にかんがみ、選挙人名簿の登録回数を増加する等その合理化をはかることといたしました。
 また、答申の重要な眼目である本法施行後五年を目途として政治資金はすべて個人の寄付及び党費または会費によることを実現するための原則を確立いたしております。
 なお、実施時期は、選挙人名簿の登録回数増加の改正については昭和四十三年六月一日とし、その他の改正は昭和四十三年四月一日とすることといたしました。
 以上がこの法律案の要旨であります。この法律の早期成立は国民の至上命令ともいうべき強い要請であることに思いをいたし、かつ前々国会以来相当審議された事実にかんがみ、すみやかに審議を進められ御可決あらんことを望みます。
#11
○小澤委員長 これにて両案に対する趣旨の説明は終わりました。
     ――――◇―――――
#12
○小澤委員長 次に、公職選挙法の改正に関する件について調査を進めます。
 第五次選挙制度審議会の答申について説明を聴取することにいたします。降矢選挙局長。
#13
○降矢政府委員 お手元に御配付してございます第五次選挙制度審議会の選挙区制その他選挙制度の改善に関する答申につきまして、簡単に概略御説明いたします。
 第五次選挙制度審議会は、三十九年の九月に選挙区制その他選挙制度の根本的改善をはかるための方策を具体的に示されたいという諮問に基づきまして、約三年間審議を進めてまいりました。その結果、去る十一月二日に答申を決定いたしたわけでございます。
 審議会は、第一ページから書いてありますように、衆議院議員の選挙区制の改善、それから選挙制度一般の改善、参議院議員の選挙制度の改善という三項目に分けまして審議を進めてまいりました。
 衆議院議員の選挙区制の改善につきましては、「今日のような金がかかりすぎる選挙の実態から脱去し、個人本位の選挙から政党本位、政策本位の選挙に転換すべきであり、そのためには、中選挙区単記投票制の現行制度は改める必要があること、また、その改善策を検討するにあたっては、政党本位の選挙制度の実現を期し、あわせて国民の意思の公正な反映と政局の安定との調和を図るという考え方を基本とすべきであることについては、大方の委員の一致したところであった。」わけでございます。そういう観点に立ちまして、二ページに、第一委員会におきましては、具体的な改善策としては六つの案が提案されましたが、いずれも過半数の賛成を得るに至らなかったわけでございます。ただ、審議会といたしましては、二ページの中段以降に書いてありますように、「小選挙区制を柱としこれにより生ずるひずみを是正するため適切な方法を採ることが適当であるとする委員および小選挙区制を適当とする委員をあわせると、多数であった。」という採決の結果がここに書いてあるわけでございます。この詳細につきましては、九ページ以下に、「第一委員会委員長報告要旨」というのが添付してございますので、それによって御承知を願いたいと思います。
 それから、第二の選挙制度一般の改善でありますが、これは政党本位の選挙に関する改善策及び現行選挙制度に関する改善策につきまして、選挙運動を中心に審議を進めたわけでございます。政党本位の選挙制度に関する改善策につきましては、区制の具体的な改善策がまとまりませんでしたので、とりあえず、現行制度に関する改善策について、以下述べるような答申を決定した次第でございます。この詳細につきましては、同じように五七ページ以下に「第二委員会委員長報告要旨」というのが添付されてございますので、それによって御承知おき願いたいと思います。
 それから、第三部門の参議院議員の選挙制度の改善につきましては、参議院制度のあり方を議論いたし、かつ、それに基づきまして現行制度の区制、特に全国区制につきましていろいろの意見が提案されましたけれども、時間の関係もございまして結論に至らなかったわけでございます。その要旨につきましては、八五ページ以下に「第三委員会委員長報告要旨」というふうにして添付されてございますので、詳細それによって御承知おき願いたいと思います。
 四ページ以下に、「現行選挙制度の改善に関し下記の措置を講ずることが適当である、との結論に達した。」ということで具体の案が提案されてありますので、概略御説明させていただきます。
 一つは、立候補制度でありますが、現行の立候補届け出期間については、実情に即して短縮するようにする。現在、御案内のとおり四日間でございますが、大体九九%までは二日の間において立候補を終了しております。泡沫候補というようなものも考えまして、具体の案としては何日ということはきまりませんでしたけれども、そういう意味で実情に即して短縮するという提案をしたわけであります。
 それから、供託金の額につきましても、いろいろの案が提案されましたけれども、これは立法段階で考えるということで、適当な額というふうに提案されたわけでございます。
 選挙運動に関しましては、全体として、現行法のもとでももう少し自由化というものを考えられぬかというのが、審議会の大かたの考え方でございました。そういうものに基づきましていろいろ具体の御意見が提案されましたが、一つは、文書図画の頒布につきましては、現在、御案内のとおり通常はがき以外は頒布を許されておりませんけれども、もう少し文書図画について、もちろん選挙費用その他の関係もあります、したがいまして、必要な合理的制限を除いて自由化する方向で考える、こういう提案でございます。
 それから、言論につきましては、特に(2)と(3)の個人演説会及び第三者主催の演説会について御議論がございました。個人演説会の回数は現在六十回と制限されておりますけれども、これは自由にして、候補者の意思によって開催することができるというふうにいたしました。それに伴います立て札制度は廃止するというふうにいたしました。
 それから三番目の、第三者主催の演説会、座談会につきましては、いろいろ御意見がございまして、特に選挙運動費用との関係、実際上これを認める場合の告知の方法、したがって、文書図画との関係その他の関係がございまして、ここに検討するというふうにまとめられたわけでございます。
 それから四番目は、新聞報道、評論の自由と同じように、ラジオ、テレビにつきましても、規定が少し変わっておりますので同じようなスタイルに整備しろという提案であります。
 五番目は戸別訪問であります。戸別訪問につきましては、三次以来非常に議論のあったところでございまして、認めるべきである、あるいは制限すべきであるというふうに、いろいろ御意見がございました。この結論といたしましては、いわゆる選挙運動期間中において、確認団体として認められる政党に限り一定の時間、人数等を制限の上戸別訪問を認めてはどうかという考え方で提案されたわけでございます。
 それから連呼行為につきましては、国の場合の選挙と地方団体の選挙との間に若干の違いがございます。ただ、片方は流し連呼を認め、片方は認めないということでございますので、その辺の統一をはかるようにという趣旨でございます。
 それから第七の不在者投票管理者につきましては、選挙運動、特に業務上の地位を利用する選挙運動はできないものとする、こういう禁止規定をつくるべきであるというふうにまとめられたわけでございます。
 公営制度についてはいろいろ御議論がございました。
 一つは、現行のポスター掲示場設置の基準であります。これは法律でも政令に譲りまして、面積とか選挙人の数とか、こういうことで非常にこまい規定がございます。しかし、具体の現地におきましては、面積が非常に広くても選挙人の数が非常に少ない、あるいは沼とか川とかいろいろございまして、現地の市町村の管理委員会によってもっと効果的に設置することを考えさせる。したがって、市町村ごとのポスターの掲示場の数は、ある程度現行どおりにしておきまして、具体の配置についてはもう少し市町村の管理委員会が効果的ならしめたらどうか、こういう趣旨のもとに提案されたわけでございます。
 それから第二は、これは非常に技術的でありまして、同じ選挙において、ある候補者が他の候補者の代理として立ち会い演説会をやるという実例もございますので、そういうことは認めないという趣旨でございます。
 その次の、選挙公報の郵送制度でございます。これは主として大都市を中心に御議論のあるところでございますが、これは反面、いわゆる投票の入場券と違いまして、選挙の管理執行と非常に直接関係する問題であります。したがいまして、郵送できる制度は郵政省との関係でもありますし、また、いろいろな具体の場合を予想いたしますと、郵便によって結果的に配達されない、選挙運動期間が非常に短い、その間に不測の事故によって配達されないというような事態も生ずる場合の全体の効果等、もう少し具体的に詰めてみなければならぬ制度だと考えておりまして、提案の当初におきましてもそういう意味で検討するということにされております。
 次は、選挙運動費用の合理化であります。選挙運動費用の合理化につきましては、一つは、支出の制限を励行するような具体的な措置を検討すべきであるということと、それから、そういう意味も含めまして、選挙運動支出について、少なくとも国会議員あるいは知事あるいは五大市の市長程度までは、こういう支出を小切手によって行なうということを、もう少し明確にするようにしてはいかがかという提案でございます。それが一点。
 それからもう一つは、選挙運動費用の支出制限額がございますが、これにつきましても実情に即するようということになっております。御議論がございましたのは、たとえば労務者の労務費あるいは宿泊その他、もう少し現実に即したものにしたらどうかという点と、全体のそういう関連において、同時に運動そのものの、先ほど申し上げました自由化との関連におきましても、全体の支出制限額の検討を実情に即してやるようにというのが、(2)の提案でございます。
 最後は、いわゆる確認団体でありまして、現実には五大政党でございますが、その確認団体につきましては、一つは、演説回数の制限がございますけれども、これは個人演説会と同じように、もう少し自由にするという意味で制限を撤廃する。第二には、文書図画の頒布、政党が選挙運動期間中に政策普及のために頒布するものにつきましても現在制限がございますが、これもたてまえとしては自由にさせたらよかろう、こういうことで提案されたわけでございます。
 以上が答申の要旨でございます。
#14
○小澤委員長 以上で説明は終わりました。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後二時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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