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1949/05/17 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 法務委員会 第15号
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1949/05/17 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 法務委員会 第15号

#1
第005回国会 法務委員会 第15号
昭和二十四年五月十七日(火曜日)
   午前十一時五十二分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○裁判所法等の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○認知の訴の特例に関する法律案(衆
 議院提出)
○公証人法等の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○檢察廳法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(伊藤修君) ではこれより本務委員会を開きます。先ず裁判所法等の一部を改正する法律案を議題に供します。前回に引続き質疑を継続いたします。
#3
○松井道夫君 この度裁判所法の一部を改正する法律によりまして裁判所書記に関する制度に根本的な改革が企てられたのであります。これは政府の提案理由にありますように、極めて適切な、裁判所書記の職務にいろいろ変更が來されました事態に即應いたしました適当な企てであると私存ずるのであります。新民訴、新刑訴によつて我が國の民事訴訟、刑事訴訟に画期的な改革がなされまして、それに即應してその裁判所書記の職務が頻る重要性を加重いたしましたので、それに即應をいたすためには、勿論優秀なる書記を得なければなりませんし、終戰後戰時中のいろいろの無理が崇りまして、裁判所書記の素質が低下しておるという非難もございます。その点にも鑑みまして、何らかの書記制度の改革が予想せられておつたのであります。又この裁判所書記の待遇、素質を向上いたしまするには、それと並行いたしまして待遇をも改めなくちやならんのはこれは当然であります。今回この改正によりまして、一般事務官と異なつて裁判所書記官というものが認められたということは、又裁判所書記官と裁判所書記官補であります。そういう制度になりますということは、非常に適当なことであると考えるのであります。この法案を審議するに当りまして、今申しましたような改正の参考に資するために、この書記に関するすべの関係事項をこの際明らかならしめたいと存ずるのであります。それで私は政府に対しまして、この裁判所の書記に関する資料、参考とするべきあらゆる資料の提出をお願いしたいのであります。それで、先ずお尋ねいたしたいことは、現在の書記の待遇というものはどういうことに相成つておるか。國家公務員法によりまして職階制というものが作られたのでございまするが、現在この書記の職種、号級と言いますか、そういうものが、他の裁判所の事務官と比較してどういつたことに相成つておるのか、又それが一般諸官廳との対比におきまして果して如何なる地位に置かれておるのか、そういうことを伺いたいのであります。参判所当局乃至は法務廳当局において書記の責任、それからその仕事の繁忙さ、そういつたものに顧みまして、果して満足すべきところに定められておるのかどうか、それに関連いたしまして、確か國家公務員法に、附則でありますか、昭和二十六年からこの裁判所の職員を特別職にいたすというようなことがあつたと記憶するのでありまするが、これは如何なる狙いであるのか。書記の関係におきまして將來特別職になつた曉、どういうことをいたそうと考えらおられるのか。先ずその辺をお尋ねいたしたいと思います。
#4
○政府委員(岡咲恕一君) 只今松井委員からお尋ねになりました採用の点からお答え申上げたいと思います。現行法におきましては、裁判所の書記は裁判所事務官から補せられておりまして裁判所事務官は一般職になつておりますことは御存じの通りでございます。アメリカの実例を見ますると、裁判所書記の地位は社会最にも極めて高く、又その待遇も非常に高いのでございまするが、その任用の資格を檢討いたしますると、多く弁護士たる資格を有する者が裁判所の書記に任用せられておるようでございます。只今松井委員のお述べになりましたように、裁判所書記、新制度によりますと裁判所書記官は、裁判官の事務を補佐すべき最も重要な職責を有しておりまする者で、できれば弁護士たる資格を有する者を以て充れるのが願わしいと考えております。裁判官が特に高い司法上の職責を持つておることに鑑みますると、裁判所書記官もできれば裁判官と同樣特別職にいたし、その任用資格といたしましても、現在よりももつと高い資格を求めるというふうにいたすのが理想的である、かように考えまして將來政府といたしましてはそういう方向に進みたいと考えております。尚この二十六年後の取扱いにつきましては、最高裁判所においてもいろいろ御意見があるかと考えまするし、具体的な問題につきましては、十分御協議を遂げまして処理いたしたいと考えております。それから書記の待遇に関するいろいろな資料の御要求でございまするが、最高裁判所が十分その点御調査ができておると考えまするので、最高裁判所にお願いいたしまして資料を頂載してお手許にお届けいたすようにいたしたいと考えております。現在におきましては、裁判所事務官を以て書記に充てております関係上、又裁判所事務官は一般公務員と同樣な行政官として取扱われております関係上、一般の諸官廳の事務官に比較いたしまして、特に優遇いたすということは困難ではないかと考えております。併し具体的に書記に補されておる者が如何なる取扱いを受けておるかということは、只今申しました資料によりまして御覧を頂きたいと思います。
#5
○松井道夫君 尚現在は一般職であるのでありまするから、その採用なども一般の採用試驗で採用されるであるだろうと存ずるのでありますが、事実上の問題といたしまして、現在試驗をいたしまするのに如何なる方法を採つておられるのか。又その試驗に應募しまする人達が果して相当優秀なる人が多勢……要するに試驗で採りまする採用したいと思うその丁度恰好な人が多勢受驗するというような状況でございましようか。戰時中でありますか、その直後でありますか、裁判所の書記の待遇が悪いために、どうもいろいろ採用の廣告を出しても集まりが悪いとかいうようなことが一時言われておつたと思うのでありますが、現在は経済情勢も変つて参りましたので、さようなこともなくなつたのではないかと想像いたしておるのでありまするが、今の点は如何でございましようか。國家公務員法を詳しく承知しておりませんので、お尋ねするのでございまするが、現実の問題として採用試驗は如何なるふうに運用されておるかという点……
#6
○政府委員(内藤頼博君) 私からお答え申上げます。裁判書記の待遇につきまして、この委員会におきまして常に御同情のある御意見を伺わして頂きますことは、私共非常に有難く存じております。先程岡咲政府委員からも説明を申上げましたように、裁判所書記官の仕事が一般の事務官の仕事とは、その性質において全く異なつております。そこで今回の改正におきましては、全く職種の異るために別個の官といたしまして、新たな制度を立てたわけであります。併しながらただこれだけでは御期待のような、実は待遇の問題まで解決するには至らないわけでございます。ただ今回は職種の別個であることを法制上明らかにいたしまして、將來その方向へ向う第一歩を踏み出したというに過ぎないわけでございます。從いまして今後裁判所書記官の職務内容を十分にいろいろ檢討いたしまして、その任用基準を定める、更にその待遇の是正にまで及んで行くというわけでございます。只今お尋ねの一般に裁判所書記官に対する志望と申しますか、素質はどうかというお尋ねでございましたが、現在のところそういうわけで、予算上向一般の事務官と待遇の上において異なる措置ができておりませんので、從來の面目を改めるに至つていないのであります。今後の考え方といたしましては、裁判所書記官の任用基準といたしましては、新制大学を卒業いたしまして、少くとも半年は書記官補の仕事をいたしまして、尚最高裁判所の定める試驗に合格した上で書記官に任命するというような任意基準を定めまして、その職務の内容を明らかにし、相当な待遇の定めをいたしたいというように考えておるわけでございます。只今お尋ねの試驗でございまするが、これは人事院で行なつております一般の試驗の外に、やはり最高裁判所で特別な書記官のための試驗を行いたいというように考えております。その内容は書記官の職務に必要な法律と、それから尚一般社会常識についての試驗を行いたいと考えておるわけでございます。一般の裁判所の書記になる志望でございまするが、そういうわけでまだ十分な今日結果が現われておりませんけれども、只今お話のように一般の情勢から可なりの志望を出ておるわけでございます。先般も人事院の方で試驗を受けまして、裁判所を志望して参りました者が四百五十名ばかりございます。その中で採用いたしました者が百二十名ございます。これは裁判所書記ばかりではございません。裁判所事務官も入つておりまするが、可なりその中から裁判所書記の仕事に振向けられるというふうに考えておるわけでございます。
#7
○委員長(伊藤修君) 他に御質疑ありますか。
#8
○松井道夫君 私近頃余り裁判所に行つても見ないので、樣子が分らないのでありまするが、長岡の裁判所の書記が昨年でしたか結核で亡くなつたのでありますが、これはどこのどういう役人でもそれは結核でなくなる人もあるのでありますから、特に取上げてどうこうという問題でもないかも知れませんが、いろいろ同僚の書記の話などによりますると、やはり待遇がよくないので十分療養をすることができないのだという話を聞いておつたのであります。尚その際聞いたのでありまするが、どうも長期欠勤するような人もぼつぼつ出ておるという話も聞いておりました。それで私一つ伺いたいことは、今のここ数年間で、或いは取年、一昨年、二、三年で結構でございますが、書記官のうちで死亡した者或いは長期欠勤した者、それから更に他に轉出いたした者、そういつたものの統計と言いますか、資料と言いますか、そういうものを頂載したいと思いますが、そういつた傾向に関しまして、この際ここで伺える程度伺つて置きたいと思うのであります。私の考えておりますることが、或いは余計な心配であるのかも知れません。ただそういう話を聞いたものですから、そんなことが多いのではないかと私は考えておりますので、その点お尋ねいたします。
#9
○説明員(内藤頼博君) お話のような事例、私直接には長岡のことを聞いておりませんけれども、そういうことがままあるのではないかというように承知いたしております。それは全くお話のように、待遇の面から非常に悲惨な状況に置かれておるという一面と、もう一つは御承知のように事件が非常に殖えております。從いまして裁判所書記の仕事の負担が非常な量になつているのでありまして、全く終日調書を書いて、而もそれで整理が付かないで、日曜まで調書の整理に当つておるという話を聞くのであります。從つて病氣になつた場合にも無理をして仕事をする。取るべき休養も取らないで、栄養も取らないでそういつた仕事に精進するために健康を害しまして、又平素の蓄えもないところからその療養も十分でなくて、お話のような事態に立至ることがあるということがままあるように私も承知しております。要する裁判所書記の待遇について相当な是正をいたしますと共に、裁判所書記の仕事につきましても尚檢討を加えまして、從來のような、ただ徒らに過重な仕事を負担させるという弊を改めて参りたいというふうに考えております。医療施設その他につきましても、政府職員共済組合の施設がございますけれども、裁判所といたしましても尚十分にそういつた点も考えて参りたいと思います。いろいろ國家財政の面、その他からその実現はなかなか困難と考えますが、私共できるだけの努力をいたしたいと存じております。尚只今お話がありました資料につきましては、早速調査いたしまして、お手許に差上げることにいたします。
#10
○松井道夫君 待遇につきましては大体以上に止めまして、職務内容でありますが、只今の御説明にもありましたように、私共見るところによりますと、負担が非常に多いように思うのであります。載いて置いた資料の中にもありましたが、件数にいたしますと、或いはそう大した違いがないのかも知れませんが、実際上の事務内容といたしまして、今の訴訟法の改正等にも應じまして、非常に多くなつているのではないかと存ずるのであります。勿論これが健康にも悪影響を及ぼしますことは、それは過労の状態になれば申すまでもないことであります。避けなければならないないのでありまするが、その書記の負担がどの程度に実質上増加しているものであるか、これは裁判所により、簡單な裁判所ならば又暇な人もあるでしようから、一概には申せないと存じまするが、ならして行きまして、どのくらいの過重になつておるものか、それが今の過労になる程度になつておるかどうか、その辺の御意見をお伺いしたいと思うのであります。又職務内容としまして非常に重要なことでありますので、この訓練を周密にしますことは、これは多くの事務を処理いたも最も正しい行き方なのでありまするからして、又その重要性に鑑みまして、その点からもこの訓練修習、訓練の方は十分にいたさなければならんと思うのであります。この修習訓練について如何なる方法を講ぜられるか、或いは將來どういつたことが考えられておられるか、その点お伺いします。
#11
○説明員(内藤頼博君) 書記の事務の負担量につきましては、御承知のように事件の増加に伴いまして、その負担が重くなつておるということ、又一つは御承知のように刑事訴訟法、民事訴訟法の改正によりまして、公判延における仕事の自主的な量が殖えて参つておるというわけでございます。ただ事件の件数は別としまして、訴訟法の改正に伴う職務の負担の増加は、まだ今日数字的の御説明を申上げるまでに資料もありませんし、数字的な御説明はちよつとむつかしいことではないかと思うのでございますが、まだ資料をお目に掛けるところまで行つていないわけでございます。ただその法律の改正によりまして、從來とは又更に増した職務の負担であることは当然推察できることでございます。次に研修のことでございますが、誠に御説の通りでございまして、書記が一人前にその職務を遂行するためには相当の修習に経なければならない。又特殊の研修をさせることが是非必要と考えております。今後若しも改正法が制定されまして、裁判所書記官、裁判所書記官補の制度がここに確立されまするならば、最高裁判所におきましては書記官に任命する前に必らず一定期間の研修を経る。それによりまして書記官としての職務が完全に遂行できる限りの研修をさせるだけの施設を設けたいということを考えているのでございまして、法律の面におきましても、或いは社会一般常識の面におきましても、裁判所の書記の職務を遂行するのに欠くるところのない人材の養成に努めるような研修機関の設置につきましては、できるだけ早い機会に具体化したいと実は考えておる次第でございます。
#12
○大野幸一君 本法六十六條なんですが、「司法修習生は、司法試驗に合格した者の中から、最高裁判所がこれを命ずる。」これら関連してお尋ねして置きたいことですが、昨日弁護士法案の審議の中に、私の質問に対して鍛冶衆議院議員から、將來司法研究所、それは法曹一元化の意味から弁護士会にこれを委ねて、弁護士から判檢事を採用するということが理想である。これについては法務総裁からの言に、司法試驗の法案に関連して、今の法律廳が主催をいたしまするが、將來はそういう弁護士会に委ねることが適当であろう、今は暫定的に法務廳で取扱いたいという答弁があつたということを言明せられましたが、ここにおいてそれは事実であるかどうかということを法務廳政府委員にお尋ねして置きたいことと、これに関する最高裁判所側の御意言、御見解はどうであるかということ、双方から御答弁が願いたいと思うのであります。
#13
○政府委員(岡咲恕一君) 大野委員のお尋ねに対してお答え申上げます。裁判所法の第十四條に司法研修所に関する規定がございますが、現在裁判所にございまする司法研修所は、裁判官その他の裁判所の職員の研究及び修養、並びに司法修習生の修習に関する事務を取扱うということになつておりますので、先程内藤総務局長からもお答えいたしたように、裁判官、殊に裁判所職員といたしまして、この改正法によつて認められまするならば、この裁判所書記官或いは書記官補というものの研究、或いは修養というふうな仕事は、これは性質上やはり最高裁判所に置かなければならないであろうと考えております。よつて研修所でいたしておりまする司法修習生の修習という問題につきましては、先だつて法務総裁からお答え申しましたように、將來弁護士連合会というものが設けられまして、その連合会におかれまして、十分弁護士に関する養成の面におかれまして効果をお挙げになるというふうになられますると、その連合会におかれまして、司法修習生の修習の事務をお取り扱いになるということが適当ではないかというふうに法務総裁もお答えいたしたのでありますが、政府委員といたしましても、それが結構ではないかと考えております。併しこれは今申しましたように、司法修習生の修習に限るのでありまして、裁判官その他裁判所職員一般の研究、修養というものを連合会に持つて行く、言換えれば現在行われております司法研修所をそのままそつくり連合会に持つて行くのは、やや行き過ぎではないかと考えております。
#14
○大野幸一君 いや、私の質問は少し過ちでありまして、司法修習生の養成所の意味のことでありますから、その意味で最高裁判所の方からお願いいたします。
#15
○説明員(内藤頼博君) お答えいたします。裁判官なり檢察官なりというものが、將來弁護士というものを基礎として考えなければならないということは、私共全くその通りと考えておるわけであります。從いまして司法修習生の修習と言つても、要するに究極におきましては、弁護士たる人の修習であるというふうに性格付けらるべきものと考えます。從つてその修習をどういう機関によつてされることが一番相当であるかと言いますと、將來はやはり日本弁護士連合会というような機関がその修習に当る。從つて今日司法研修所で行なつております司法修習生の修習は、やはりこういつた機関の手によつて行われるようになることが最も適当であろうというふうに私共考えております。
#16
○岡部常君 裁判所書記が裁判所書記官と改められますということ、これも誠に結構なことでありますが、又二級官が從前に比しますと著しく多くなり、又一級官もできたということは、これは非常に結構なことではありまするが、併しこれは、物には限度というものがありますので、その限度の点から見ますると、千五百四十六人の三級官に対して五百九十人、又それに対して一級官の三人というとこの比率は、外の官廳方面における比率と比べ併せましてどういうものであるか、どうも些か多過ぎるのではないかという感じがされるのであります。併しこれはまあ多いの越したことはないのでありましようが、從前いわゆる高等官、奏任官になることもなかなか困難であつたのが一躍して五百九十人にもなる。更にその中でいわゆる勅任にあたる一級官になる人というものも殆んど望めなかつた裁判所の職員の中から三人の人が出るということになりますと、何か人のために官を設けておるという感じが強くせられるのでありまするが、それも非常に立派なる人があつて、どうしても差置き難いということであればともかくでありますが、そういう人が現実におられるかどうか。又現在おられても、將來そういう人を以て当てなければならないか、当てなければならない地位であるか、又そういう人を將來長く得られるのであるかという点について聊か懸念を持たれるのであります。
 又もう一方、私はこれは判事と檢事の資格の点について曾て申したこともあるのであります。裁判所というものが新憲法において特段の地位を得るというときに、檢事に比して特にいい地位を獲得したそのことにつきまして、從前同じレベルにおつた判檢事の間に聊か問題があつたのでありますが、そのときに私はこの新らしき憲法下の司法権のために、むしろこれは檢事が忍んで裁判所の地位を高くするということで我慢されたらよいじやないかということも申したことがあるのでありますが、まあその理窟から申しまして、裁判官は地位が上つた、併しそれに從属するところの裁判所書記官という者の地位が著しく上りますれば、何だか又技判官の折角上つた地位がそれ程目立たないというような感情上の問題も出て来るような氣がするのであります。それらの点についての最高裁判所のお考えを承わつて置きたいと思います。
#17
○説明員(内藤頼博君) 誠に実情に即した御質問で、御尤もな御意見と存じます。只今お話の中で二級官と三級官の比率でございますが、これは今度の定員法、あとに御審議頂く定員法の改正におきましては、この比率は從來と変つていないのであります。実はこの点につきましては、やはり先程松井委員の御質問にお答え申上げましたように、ただ今回職制の異なる点を明かにいたしまして制度を立てましたので、その比率におきましては從來と変つていないのでございます。それから一級官三人でございますが、これは確かにお話のように今後の裁判所書記官、從來の裁判所書記という地位にはなかつたわけでございます。この点につきましては從來裁判所書記の仕事というものが、非常に一般の方々の御認識を得ないということが甚だあつたのじやないかと考えておりますが、裁判所書記、今後の書記官の職務について考えますと、相当の法律の素養が必要であり、相当の社会常識が必要であり、相当の又能力も必要であるということが考えられるのであります。從つてその職務の内容、それから今後任命される資格を考えて参りますと、その中の何人かに一級の官が必要であるというように考えられるのであります。御承知のように從來でもそうでありましたが、とかく待遇が悪い、その地位が低いということが一般に印象付けられておりますために、折角書記として一人前になるべき人が書記の仕事に終始できない現状でございまして、折角優秀な書記になれる人達が、途中から皆脇に参つてしまう、現在から申しますと、裁判所の事務局長であるとか、或いは事務局の小さなポストでありますけれども、事務局の課長でありますとが、更に簡易裁判所判事であるとかいうふうに、折角優秀な書記になるべき人が脇道に入れるのであります。こういつたことでありますれば、裁判所書記の事務がその実体に即したふうには参りませんので、書記官に地位にいて、而も相当の地位まで登れるという制度の必要性を感ずるわけでございます。書記官の仕事のことでございますから、一級だからといつて特に仕事の内容がどうということもないように考えられます。併しながらやはり、例えば最高裁判所で申しますれば、大法廷に立会い、それから高等裁判所で申しますれば特殊の部に立会う、それにはその書記としての技倆なり識見が必要でございまして、その意味におきましてこの一級の書記官の制度を設けたのであります。三人という数が非常に少いので、特に何か人のために設けたようにお考えになるかとも存じますが、実は三人というのは、予算上止むを得ず三人と止めたわけでありまして、制度から申しますれば、もつと相当の人数が置かるべきものでございますけれども、今回は止むを得ず三人に止めておるわけでございます。以上で御了承願います。
#18
○岡部常君 この三人のお方の略歴でも、大体のところちよつと伺えますでしようか。
#19
○説明員(内藤頼博君) そこの三人と申しますのは、実は具体的に誰と誰というふうには申上げ兼ねる状態でございます。これも要するに現在は一般職になつております関係上、人事院の方で基準を定めておりますので、人事院の基準によつて任命する外ないのであります。その基準に該当するかどうか、今後折衝に俟つわけであります。ただ御参考までに現在最も古く裁判所書記をしておる人の経歴と申しますか、略歴を申上げると、明治四十何年かに裁判所書記に任命されておりまして、その後裁判所書記をやつております。途中控訴院の書記をしまして、今日最高裁判所の書記をしておる人がありまして、これが最も古い人であります。御参考までにその人の経歴を申上げます。
#20
○岡部常君 私は本來裁判所の今度できます書記官、從前の書記の仕事というものの実は重要性も認めて、又これは相当の待遇を與えらるべきものだということについては私も同感であります。併しその人を選ぶ、又その修養を高めて行くことにつきましては、やはり松井委員が言われたように、私もこの点を愼重にせられるように希望する次第であります。又二級になること、或いは一級に拔摺せられることも、これは人事院の方の考試によるのでありましようけれども、これにつきまして先程松井委員が言われたように、裁判所関係の特別なる教養という点につきまして特段の御考慮を拂わつて頂きたいと考えるのであります。尚更に從前の書記というものに対する世の中の誤解を避けるために、これはあらゆる手を用いて世の中の了解を得られるように、又これは学校等との連繋もよく付けられて、そういて將來、今までのいわゆる裁判所の書記と違つた意味の立派な仕事のできる人を養成せられるように希望して置きたいのであります。この点に関するお考えもこの際承わつて置きたいと思います。
#21
○説明員(内藤頼博君) 誠に御説の通りでございます。今後裁判所書記の任用基準につきましても、それに伴う待遇につきましても、亦裁判所書記官を任用して参りますための研修の制度におきましても、只今お話のように是非私共努力いたしまして、できるだけ早い機会に最も合理的な制度を定めたいと考えております。國家財政上いろいろな制約を受けますけれども、最高裁判所書記官としてできるだけのことをしたいと考えておる次第であります。
#22
○岡部常君 ついでに法務廳のお方に伺いたいのでありますが、これは檢察方面における同等の地位の職種を持つておる人間が沢山あると思うのでありますが、それに対してのお考え、これは檢察の方には余り現われておりませんが、これにやはり伴つた御施策があるのでありますか。その点……
#23
○政府委員(佐藤藤佐君) 檢察廳法におきましては檢察事務官の制度がありまして、檢察事務官が檢察官の手足となつてその事務を補助する建前になつておるので、要するにただ從來檢察事務官の中には捜査の事務に從事する方と、檢察の事務の中で庶民的な事務に從事するものと両方に分れておるのでありまして、お互いにその職種を交替にして、檢察事務官としての機能を発揮できるように運用をいたしておるのでありまするが、檢察事務官の掌る職務の特殊性に鑑みまして、一般の公務員と異なる待遇をしたいということは、かねがね私共考えておるところでありまするし、又部内においても熾烈な要望があるので、目下人事院とも交渉いたしておるのでありまするが、幸い裁判所法の一部改正の、この法律によりまして、裁判所書記がその特殊な職種に鑑みて、裁判所書記官又は裁制所書記官補という優遇の途が開られまするならば、私共の年來の希望しておる檢察事務官についても、これに準じた優遇の途が講じられるのではないかと存じまして、この法案に対しては全幅の賛意を表しておる次第であります。
#24
○松井道夫君 ちよつと関連いたしまして、最高裁判所に伺つて置きたいのでありますが、こう書記官の制度ができましたら、裁判所に事務局の外に書記局というようなものができることになるのかということ、從來優秀な書記の中から事務局長になるというような途が勿論あつたわけなのでありまするが、將來も書記から事務局長、簡易裁判所判事とかいうような方に拔摺される者が出るのかどうか、尤も事務局の外に書記局というものができれば、書記局長に……これは拔摺でも何でもないのでありましようけれども、若し書記局ができるといたしまするならば、一級官といつたようなものを相当殖さなくちや釣合ができないようになると思うのでありますが、その辺の見通しを一つ。
#25
○説明員(内藤頼博君) 実は今日までの事務局の制度は專ら裁判所における司法行政を考える面においての制度でございまして、裁判そのもの仕事を扱つております書記の方に、書記局というものを今まで置いていない次第であります。尤もな御意見でございまして、今度我々の方におきましても十分その点について研究いたしたいと思つております。
#26
○委員長(伊藤修君) 先程から自由党の方々及び民主党の方々を再三呼びに行つておるのですが、今行く、今行くと言つて未だにおいでになりませんから、やむを得ませんので、午後一時半まで休憩いたすことにいたします。
   午後零時四十五分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時三十五分開会
#27
○委員長(伊藤修君) 只今から午前に引続いて委員会を開きます。認知の訴の特例に関する法律案を議題といたします。速記を止めて。
   午後二時三十六分速記中止
   ―――――・―――――
   午後二時五十五分速記開始
#28
○委員長(伊藤修君) 速記を始めて。
#29
○衆議院議員(古島義英君) 法務廳の意見でなく、政府委員の意見か知れませんが、いずれにしても法務廳を代表してあなたが意見を述べたのであるから、法務廳の意見として私は受取る。実際これが必要がないというようなことも考えておるようでありますが、訴を起す場合において、訴が起し得なかつたというようなことでない。戰地にあつて生死不明である場合においては、訴を起すことはなかなか困難である。そこで戰死したという通知が來たのであるが、ところが今通知が來た、実際は十八年に死亡しておる場合においては、どうしても訴を起すことはできないのであります。もうすでに死亡のときより計算してある以上は、死亡したときから計算……死亡を知つたときからと法律に書いてあれば何でもない。死亡したときからという以上は、今通知があつて死亡とたことを知つた、こういう場合もできない。このときには私もこの法律を拵える考えは、本人が場きている場合、本人が訴を起し得られる場合は、これは殆んど法務廳のお話の通りでありますが、ところがそうでなくて今頃通知があり、若しくはこれは戰死した場合、死亡した場合を予想しておる。死亡した場合でも公報が後で來るような場合においては如何ともいたし方がない。又公報の來ないような、軍属でも何でもないような者があつて、外地で死亡したという場合、これはどうしても認知の訴を起す方法がない。即ち檢事を相手として訴を起すことを予想して、この法律を考えたのです。然らば訴を起せたか、起せないかという問題よりは、今日起そうとして起せないということを救済しようというのが狙いである。殊にこれは請願も大分出ておるのでありますが、現在通知を受けた、通知を受けたがこれが出せんで困つておるという請願が衆議院の方には出ておつた。殊にそうでなくて、こういうことも予想せんければならん。戰爭の始まりましたときに應召されました人、嫁さんを貰つたばかりである。そうすると、若し万一嫁さんが妊娠でもしているというようなとき。妊娠していないでも籍を入れるというようなことをすると、その扶助料が嫁さん、若しくはその胎兒の方に來てしまう。これはいけないというので、慾の深い親があつて、それが殊更に嫁さんの籍を入れずにおいた。そのうち出征したが、その出征先で戰死した。こういうふうな場合においては今度は得たり賢しになるのであります。即ち嫁さんの籍を入れずに置いたがために、子供も摘出でない子供がそこへできてしまう。そのときには通知があつても尚このことを容易に里方に知らせずに置くから、通知があつた場合においても尚訴が起せない。そういうふうなときにはいたし方がない。もう泣き寢入りするより外ない。併しながら実際は式を挙げ、そうして相当な盛典を挙げた上に嫁入りしたのであるから、その子供というものは実質上の摘出子でなければならなのであるが、不幸にして籍を入れずに、そういう慾の深い父母のために遂にその子供までも摘出でない子供になつてしまうのは氣の毒である。このときにはやはり檢事を相手にして訴えればいいというのが、あの十七年の改正であります。それ程の改正をして子供を救済しようというだけの心持があるならば、戰爭で死んだ、公報が後で來る、又公報の來ないような場合があつても、それとやや事情を同じうするような場合に死亡した者の子供はこれを救済せねばならん、こう考えているのでありますから、あなたのお考えとは全く違うと思うのであります。それから四十四條でありますが、そういうふうな解釈にはならん。四十四條は勿論届出を怠つた場合にできるものであつて、催告をしてそうして届出をさせるようになつている。ところが二十四條の方に行くと、誤謬のあつた場合でも、若しくは届出をしないというような誤謬を直さん場合でも、そういうときには、この司法事務局の長の許可を得てやるということになつている。二十四條の戸籍の記載を法律が許さない場合、若しくはその記載に錯誤のある場合、若しくは遺漏がある場合、市町村長はその届出の通知をする。今度はそれを直すだろうと思うが、而も通知を受けたに拘わらずこれを直さずにおつた場合においては前項の通知をすることができない。又は通知しても戸籍の訂正の申請をする者がないときは、市町村長は監督司法事務局の長の許可を得てこれの訂正をすることができる。こうなつているのであります。この四十四條の準用による戸籍の訂正による死亡であつても、実際はそこに死亡の主が間違つているとか、或いは何かそこに誤謬があるというような場合には、この條項を入れて置かないとこの部分だけが拔けてしまう。そこで一切を包含しまうというのならば、やはり四十四條の規定の準用による二十四條のこの部分までも含ませないと片輪になつてしまうから、特に含ませたが、これは字句の問題じやない。四十四條の通知、四十四條を戸籍に持つて参りましたのは四十四條だけでなく、四十四條にこれを準用しているのが二十四條であるから、これを含ませようという自分の方の含みから入れたのであります。字句の問題であれば四十四條の、戸籍の訂正による死亡の記載、こうあるが、この意味を指しているのであります。何かの誤解があるだろうと思います。
#30
○松井道夫君 戸籍法四十四條の規定のうちで法務廳側からの御意見があり、それに対して更に提案者側からの意見があつたのでありますが、提案者側の意見について更に法務廳の御見解を……
#31
○政府委員(村上朝一君) これは四十四條の第三項で、第二十四條第二項の規定を準用しておりますのは、監督司法事務局長の許可を得てやることができるという意味において準用しているのでありまして、四十四條自体は戸籍の訂正に関する規定ではないと解釈いたします。
#32
○松井道夫君 私も十分研究を積んでいないのではつきりしたことは、確定的なことは申兼ねるのでありますが、どうも四十四條の関係では法務廳側の言われる方が本当じやないかと思うのでありますが、更に提案者の御研究を願う次第であります。次に、この法律が一体必要があるのかどうかという点については、私は提案者側に與したいのであります。只今縷々提案者の提案の理由の御説明があつたのですが、それに対して法務廳側から訴の提起が可能であつたかどうかということも考慮に入れなければいけないというお話でありますが、そういう法務廳側の御意見の場合もあるでしようけれども、私は法務廳側の御意見で律する場合は極く少い場合ではないかと思います。提案者側の述べられるようなのが適切な場合が多いのではないかと思います。この法律で行く場合に……。元來認知の問題は、これはお父さんの方から認知するなら問題はない。ところがお父さんは出征していない。恐らく認知して呉れるだろうとお母さんが考えておる場合が多いわけです。初めからもう愛想ずかしをして、その子供は知らんぞといつて出征したならば、これは直ぐ訴を起こすことができるかも知れん。ところが事実上は結婚したが戸籍は入らんというようなことで勇躍出征した。送る方も夫として送る。ところが懷胎しておつたというような場合、先程提案者が言われたのでありますが、それに似たような夫婦、法律上に結婚したような場合でなくても、とにかく子供が生れておつてもおらんでも、とにかく勇躍出征した。無事に帰つて來れば認知して呉れる筈なんだ。ところが如何せん、その人が向うに行つて、これは多くの人が死んだのでありますから、その死亡があつて、初めてさあ戸籍が入つておらなかつた、或いは認知して置いて貰わなかつた、どうするかということで問題が起きたときに、提案者が言われるように、すでに三年経つてしまつておる場合はどうにもならん。又三年経たんでも戰爭は終り、その他、その後進駐軍が來る、経済上の混乱があるということで、認知ということを痛切に感ずる余裕がなかつたような人も相当おるだろうと思います。それで更にこういう特例を作りまして、ここに書いてあるような、事実があつてから三年以内にこれを認知することになつておる。こういう今次の戰爭のような大戰爭は、これからは起らんと見なければいかんので、その跡始末をする意味において、私はこの法律が極めて必要であろうと思うのであります。それで私の今述べましたるところで大体お分りになつたろうと思うのでありますが、訴を起すことが法律上可能であつたかどうかということと、事実上訴を起すような状況にあつたかどうか、要する帰つて來れば当然認知して貰えるというような状況であれば訴を起すようなことは法律上不可能である。法律上不可能であつたかどうかということに大きな重点を置くことを私は心配しておるのであります。この点についての法務廳側の御意見を伺いたい。
#33
○政府委員(村上朝一君) 提案者がお示しになつたような事例におきまして、そのような法律によつて救済される場合が少くないと存じまするので、御趣旨においては誠に結構だと申上げたのでありますが、その他にもこの法律の適用がない場合に、同樣に救済すべき場合があるのではないか、権衡を失しないように十分檢討する必要があるのではないかということを申上げた次第であります。
#34
○松井道夫君 私先程法務廳側のおつしやることの意味を多少誤解しておりまして、只今の御説明で了解いたしました。成る程今次の戰爭に関しましては認知という課題を取上げたならば恐らくこの法律では十分でない、この以外にもいろいろこの不可抗力に近いような形で訴を起そうとして訴を起すことができなかつたというような場合がありますので、これだけではこの法律は十分でないという趣旨でお話しになつたということでありますから、了承できる次第であります。恐らくその通りでございましよう。尚、提案者に伺つて置きたいのですが、只今もすでに法務廳側からも更にお話があつて、この四十四條で準用いたしまする第二十四條二項は、これは戸籍訂正の規定であるけれども、これを準用して來ておる。四十四條は戸籍訂正の規定でないけれども、ただ單に第二十四條の戸籍訂正の規定を借りて來ただけなのだ、であるから必要でないと思うかということなんですが、その点先程御説明でよく解承できなかつたのであります。尚、御研究になるなら御研究になつて結構です。
#35
○衆議院議員(古島義英君) 四十四條は事実そういうことがあつても届出をしない者がある。若しくは届出を怠つておる者があるのを主としてやつておる。それから二十四條の方は、この法律上そういう届出ができないのであつて、若しくは錯誤があつた、若しくは著しく誤謬があつたというようなことを指しておるのでありまして、やはり四十四條から持つて行きませんと、その両方は含まんものでありますから、そこで怠つた者の分も、若しくは法律上の錯誤、若しくは届出を怠つたのでなく法律上許さないような場合も含めるという意味でやつたのであります。そういうことは予想されるかというと、あるのでありまして、四十四條では只今の戰時の場合を考えますと、戰死して通知があつたのであるが、その家庭に報告がありましても、それを何も手続をしないでそのままで置いたというようなことも考えられるのであります。ところが又二十四條の準用になりますと、これは法律上許さない場合もあるし、錯誤というようなこともありますが、よく年月日の錯誤その他の当然附けなければならん、この場合においては報告書を附けて出すのであるが、四十四條になりますと、檢案書であるとか、診断書というようなものを附けて出すのだが、そういうものを出さんという場合、町村町が誤まつてそれを受付けたならば、町村長が自分の方で又職権でやることもできますが、そうなかつた場合は、これはどうも如何ともいたし方がないというので、両方を含ませるために、怠つたものでも法律上、それが手続上、いかんということを両方含ませたい、こういう考えでやつたのであります。
#36
○松井道夫君 両方を含ませる趣旨ならば、四十四條を援用なさることは非常に結構でございまするが、更にその二十四條の方も御援用になつた方がはつきりするのじやないかと思います。
#37
○衆議院議員(古島義英君) 幸いに四十四條に二十四條を準用するということになつておりましたから、そこで四十四條をすれば催告をして、尚催告に應じて直さなかつた、催告に應じてその届をしなかつたというような場合、こういうのと、それから今のその法律で許さない場合、錯誤があつた場合、若しくは誤謬があつた場合、遺漏があつた場合ということを申すというと、どうしても二十四條が必要になつて來ますから、幸い準用ということになつておりますから、四十四條で足りると思います。
#38
○松井道夫君 併し四十四條の規定は、今のように怠つた場合に職権でやれるという規定でありますし、二十四條は間違つた場合にこれを職権で訂正できるといつた規定でありまするから、四十四條の趣旨で、この戸籍の職権記載をするその手続を二十四條から借りて來ただけであつて、飽くまでもこの四十四條は今の怠つた場合の規定でありますから、錯誤の場合も又こういう法律に書く必要があるならば、二十四條の方はどうなるのでしようか。殊にこの法律の條文では「四十四條の戸籍の訂正による死亡」とありますから、要するに錯誤の訂正と考えられる、つまり読める。四十四條による戸籍の記載、それから二十四條による訂正の工載、こういうふうに書くなれば、これははつきり直ぐ分ります。こういうところは御訂正に値するのではないのでしようか。
#39
○衆議院議員(古島義英君) 私はこういうふうな考えであります。片方は催告をしてもやらない。催告をしてもやらんときにはどうしてやるかというと、四十四條ではやりようがないのであります。そこでやはり二十四條の今の管轄地方事務所の長の許可を得て、そうして直すことができるようにしなければならん。四十四條は催告をする、催告に應じなければ又期間を決めて催告をする、こういうことだけでありまして、いよいよ何としてもやらんときはどうするかというと、やりようがありませんから、結局は二十四條の地方事務局の長の許可を受けて、これが訂正ができるというようなことにしないと、四十四條だけでは駄目です。さればといつて四十四條の方であれば、二十四條の方は改めて言わんでも準用になつておるから、そこで含ませようという考えである。つまり片方の四十四條は届出をなぜせんかという、しろということを催告する、やらないときは一週間乃至は二週間の期間を定めて又催告をする。それでもやらんときには、そのままで放つて置くときは、四十四條の法文だとそうなつてしもう。そこでそういうときにはやはり地方事務局の長の許可を得てやれるのだという意味において準用になつておるのですから、そこで第四十四條をやれば、今の法律の錯誤や何かの場合なんかというものは、これは余り含まんので、準用になつている根本の法の法條を適用すれば私はいいと思うのです。
#40
○委員長(伊藤修君) 本案はこの程度にして置いて、尚研究することにいたします。
  ―――――――――――――
#41
○委員長(伊藤修君) では次に、公証人法等の一部を改正する法律案を議題に供します。別に御質疑がなければ、御質疑はこれを以て終局することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#42
○委員長(伊藤修君) では質疑はこれを以て終局いたします。かねて委員会の修正案としてお手許に差上げておるような修正案ができました。これを委員会全員の提案として取上げることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#43
○委員長(伊藤修君) それではさよう決定いたします。では修正案を朗読いたします。
 公證人法等の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。
 公證人法等の一部を改正する法律案中
第十三條 裁判官(簡易裁判所判事ヲ除ク)檢察官(副檢事ヲ除ク)又ハ辯護士タルノ資格ヲ有スル者ハ試驗及實地修習ヲ經スシテ公證人ニ任セラルコトヲ得多年法務ニ携ハリ公證人ノ職務ニ必要ナル學識經驗ヲ有スル者ニシテ公證人審査會ノ選考ヲ經タル者亦同シ
とあるのを、
第十三條 裁判官(簡易裁判所判事ヲ除ク)檢察官(副檢事ヲ除ク)又ハ辯護士タルノ資格ヲ有スル者ハ試驗及実地修習ヲ經スシテ公證人ニ任セラルルコトヲ得
に修正し、第十三條の改正規定の次に
  第十三條の次に次の一條を加える。
第十三條ノ二 法務総裁ハ當分ノ間多年法務ニ携ハリ前條ノ者ニ準ズル學識經驗ヲ有スル者ニシテ公證法審査會の選考ヲ經タル者ヲ試驗及實地修習ヲ經スシテ公證人ニ任スルコトヲ得但シ第八條ニ規定スル場合ニ限ル
を加え、
 第十五條第二項中「所屬地方裁判所ヲ管轄スル控訴院ニ於ケル懲戒委員會」を「公證人審査會」に改める。
とあるのを、
 第十五條第一項第三号を第四号とし、第二号の次に次の一号を加え、同條第二項中「第三号」を「第四号」に、「所属地方裁判所ヲ管轄スル控訴院ニ於ける懲戒委員會」を「公證人審査會」に改める。
 三 公証人年齡七十歳ニ達シタルコトキ
に修正し、
 公證人法第二十八條第二項及び第三十六條第六号の改正規定中「其ノ他確實ナル方法」を「其ノ他之ニ準スヘキ確實ナル方法」に修正し及び
 第三十八條第二項中「其ノ文字」を「其ノ字數」に改め、同項及び同條第三項中「、嘱託人又ハ其ノ代理人及立會人」を削る。
とあるのを、
 第三十八條第二項中「其ノ文字」を「其ノ字數」に改め、同項及び同條第三項中「、嘱託人又ハ其ノ代理人及立會人」を「及嘱託人又ハ其ノ代理人」に改める。
に修正する。
 要するに十三條ノ二で以て資格の点について枠を設けたわけです。地域的枠、時の枠、資格の基準を……。次は公証人の年齢を七十歳ということに年齢をはつきりすること。今一点は、修正は、從來の原案では、公証人は單独でできることになつていたのが、嘱託人も立会つてこれをなすべきこと、こういう点が主要な点であります。
 では、修正案を含めて討論に入ります。別に討論もなければ、直ちに採決することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#44
○委員長(伊藤修君) では先ず委員会の修正案を議題に供します。委員長修正案に御賛成の方は御起立を願います。
   〔総員起立〕
#45
○委員長(伊藤修君) 全会一致可決すべきものと決定いたします。尚修正案を除く原案についての問題を供します。修正案を除く原案について御賛成の方は御起立を願います。
   〔総員起立〕
#46
○委員長(伊藤修君) 全会一致原案通り可決すべきものと決定いたします。
 尚、本会議における委員長の口頭報告の内容についても予め御了承をお願いいたします。尚、御賛成の方の御署名をお願いいたします。
 多数意見者署名
    星野 芳樹  大野 幸一
   大野木秀次郎  岡部  常
    松井 道夫  遠山 丙市
    岩木 哲夫  深川タマヱ
#47
○委員長(伊藤修君) 署名洩れはありませんか……。署名洩れないと認めます。
  ―――――――――――――
#48
○委員長(伊藤修君) 次に、檢察廳法の一部を改正する法案を議題に供します。前回に引続き質疑を継続いたします。御承知でもありましようが、本案の第一点の適格審査会に予備員につきましては、先に二十三條の改正の際、参議院において修正されて衆議院に送付いたしましたが、衆議院が容れなかつたのでありますが、この度はこれを政府原案として衆議院の考え方通り承認された次第でございます。そういう沿革はあるわけですが、御承知になつておると思います。別に御質問もありませんですか。
#49
○大野幸一君 十八條第二項第一号中、高等試驗を裁判所法第六十六條第一項の試驗に改めると、こういうことになつております。この高等試驗を裁判所法第六十六條第一項の試驗に改めるということになると、これはいわゆる司法試驗に改めることになると、こう思います。そうすると、改めるのじやなくて、これは当然の結果になるのじやないかと思うのですが、この点はどういう意味ですか。
#50
○政府委員(村上朝一君) 裁判所法六十六條第一項の試驗と申しまするのは、司法試驗法案が成立いたしますれば、司法試驗ということになるものであります。その点高等試驗とありますのも明確にするために、このように改正しようという趣旨であります。
#51
○大野幸一君 ちよつと質問が不十分だつたのですが、この高等試驗は最初にあつたのは外交科なり、行政科なりにうかつたものであつて、いわゆる從來の司法試驗を受けない者でも、檢事選考委員会にかけて檢事に採用できるという意味であつたのであります。ところが今度これを單に司法試驗にしてしまうならば、もう檢事どころでなくて、司法修習生として採用してしまうことになるのではないか、こういう意味です。
#52
○政府委員(高橋一郎君) お尋ねの趣旨と食違つて恐縮ですが、司法試驗を通りました者の大部分は、司法修習生を希望してその途を進んで参るのでございますが、場合によりまして、直接檢事になろうという者が実際にございます。そういうような場合には、この條項の適用があるものと考えるのであります。
#53
○大野幸一君 先程の御答弁で、この立法の解釈の趣旨は分りましたが、さてそうすると考えて見ますると、司法科試驗をうかつたに拘わらず、おれは司法修習生になるのは嫌だと、こう言つてまあ副檢事を志願する、こういう者がありますが、そういう変つた人を副檢事にしなければならんというような特別な事情があるか、こういうこと、それから副檢事に採用されておれば、今度の弁護士法によると弁護士にはなれないが、三年経つて試驗を受けて檢事になれる、こういうので司法修習をしなくて、言わばそれをもぐつて檢事になるというようなことがあり得る、そういうものに対してはどう考えておられますか、それからもともと高等試驗と言えば行政科、外交科を指したものであつて、この司法科を考えていなかつたのですが、今度は司法科というもの一本にしてしまう。こういうことになれば、むしろ最初の目的の高等試驗でという表示は、もう外交科、行政科がなくなつてしまえば、その意味はなくなつてしまうから、一層廃めてしまつてはどうか、こういうことを考えますが、どうでしよう。
#54
○政府委員(高橋一郎君) 折角高等試驗を通りながら、司法習修生の途を選ばないで副檢事になるという者は、数は極めて少うございます。併し事情を聞いて見まするというと、非常に家庭が困つておつて、多少でも收入の多い途を選んで行きたい。そのために司法修習生という正規の課程を経ないための不利益は止むを得ないというような氣の毒な人も現実に副檢事選考委員会に現われて参ります。そういうような人は第二号、第三号などに、実際比べて見ましても、素質は副檢事として十分ありますので、やはりこういう途を設けて置く必要があるのではないかというのがお尋ねの第一点に対するお答えであります。それから今度は、國家公務員法の建前によりまして、いわゆる從來の高等試驗というものがなくなりまして、それに相当するようなものは司法試驗だけが残るわけでありますが、從來の高等試驗でありますれば、行政でありましても一定の法律的な課目につきまして試驗をいたすわけであります。それで副檢事たるにはその程度でよろしいという從來の法律の建前だつたと思うのでありますが、今後は司法試驗以外には、どうも副檢事の資格として認めてよいような法律的な試驗というものは他にございませんので、高等試驗中司法試驗だけをここに書き上げたのであります。
#55
○大野幸一君 そうすると、副檢事から檢事になるには、今度はどういう試驗をするのでしようか。司法修習生を終えた程度の試驗をするのでしようか。
#56
○政府委員(高橋一郎君) 檢察官特別考試を受けて檢事になることができるわけであります。
#57
○大野幸一君 その程度はどういう程度ですか、修習生を終えた程度ですか。
#58
○政府委員(高橋一郎君) 檢察官の特別考試につきましては、昭和二十二年政令百八号を以て檢査官特別考試令ができておりまして、これは大体從來のいわゆる高等試驗程度というふうに考えられておりまして、例えば科目としては、「筆記試驗は、左の七ケ目についてこれを行う。」として、憲法、民法、刑法、刑事訴訟法といつたようなものを並べてありますわけであります。
#59
○大野幸一君 同じ試驗を二度繰返すことになりますか。
#60
○政府委員(高橋一郎君) 程度から申しますれば、そういうふうに言えるかと思います。ただその間に三年間の実務の修習を終えまして、その結果につきまして行うわけであります。
#61
○大野幸一君 その結果について行う試驗は、前の試驗と同じというのはおかしいですね。それはどうなんですか。
#62
○政府委員(高橋一郎君) ただ前に高等試驗に合格しております者につきましては、この檢察官特別考試令によりまして、「その者の願により、高等試驗において受驗した筆記試驗の科目の筆記試驗及び口述試驗の科目の口述試問を免除する。」ということができるようになつております。
#63
○大野幸一君 私の聞くのは、要するに司法研修所へ入らないで、そうして初めから檢事になつていた。そこで檢事に採用されるならば、司法研修所へ初めて入つたのと同じようにその程度の試驗をし、それから学力があるかどうか。應用能力があるかどうかということを試驗しなければ檢事には採用できないのではないのか、こういう意未ですが、この権衡がとれないのじやないか、こう思うのですがね。科目を免除されるとか、されないとかいうのでなくて、それでは副檢事になつて行く人は特殊なんです。
#64
○政府委員(高橋一郎君) 只今のお尋ねの点は、從來の高等試驗、司法科試驗を受けまして、その後二年間の司法修習を終えるというのが正規の筋途でありまして、ただそれ以外の特別の副檢事の途といたしまして、例えば第二号にありますような、「三年以上政令で定める二級官吏その他の公務員の職に在つた者」というような者からも採用し得ることといたしまして、そうして二年間の修習の代りに、やや年限の長い三年間の副檢事としての実務の経驗を終えさせまして、その上で更に高等試驗と同じような考試を経まして、即ち一方の司法修習生の方は先に高等試驗を終えて、後二年間の司法修習を終える、この副檢事の方は、先ず三年間の実務の修習を終えてその後で特別講習を受ける、そういうことで大体バランスがとれるのではないかというような考え方でできておつたように考えておるのであります。
#65
○大野幸一君 檢察官適格審査委員会の委員及び予備委員の任期はこの法律に定めてないようですが、他のこういう種類の委員会の委員は大抵任期が定めてあるようですが、これに定めてないのはどういうわけですか。
#66
○政府委員(高橋一郎君) これは政令に讓つてございます。特に任期について政令による運用において弊害がなければ、法律に特に書き上げるまでもないのではないかという程度の考え方だろうと考えます。
#67
○大野幸一君 政令ではどのくらいを予定しておるんですか。
#68
○政府委員(高橋一郎君) 檢察官適格審査委員会の第三條におきまして、委員並びに予備委員の任期は三年とする、ということになつております。
#69
○大野幸一君 そうすると法律で決まつておるんでしようか。
#70
○政府委員(高橋一郎君) 政令でございます。
#71
○委員長(伊藤修君) 二十三條に対する政令が出ておるんです。
#72
○大野幸一君 それから「檢察官適格審査会に、委員一名につきそれぞれ一名の予備委員を置く。」こういう意味は、特定の委員に対する予備委員は特定されておるという意味ですか。
#73
○政府委員(高橋一郎君) さようであります。つまり委員の方々には、衆議院、参議院その他の数の割合がございますので、予備委員が出る割合もその割合が変らないようにと、こういうような考慮からそういうふうにいたしてございます。
#74
○委員長(伊藤修君) 他に御質疑はありませんか……、では質疑はこれを以て終局することに御異議ありませんですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#75
○委員長(伊藤修君) それでは質疑はこれを以て終局といたします。討論は省略して直ちに採決することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#76
○委員長(伊藤修君) それでは直ちに採決に入ります。本案全部を問題に供します。本案全部に御賛成の方は御起立を願います。
   〔総員起立〕
#77
○委員長(伊藤修君) 全会一致、原案通り可決すべきものと決定いたしました。尚、本会議における委員長の口頭報告の内容につきましては、予め御了承を願つて置きます。只今御賛成の方の御署名をお願いいたします。
 多数意見者署名
    星野 芳樹  大野 幸一
   大野木秀次郎  深川タマヱ
    岡部  常  遠山 丙市
    松井 道夫
#78
○委員長(伊藤修君) それでは本日はこの程度を以ちまして散会することにいたしまして、明日は午前十時より開会いたします。それではこれにて散会いたします。
   午後三時四十九分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     伊藤  修君
   理事      岡部  常君
   委員
           大野 幸一君
          大野木秀次郎君
           遠山 丙市君
           岩木 哲夫君
           深川タマヱ君
           松井 道夫君
           星野 芳樹君
  衆議院議員
           古島 義英君
  政府委員
   法務政務次官  遠山 丙市君
   法務廳事務官
   (檢務局長)  高橋 一郎君
   法務廳事務官
   (調査意見第一
   局長)     岡咲 恕一君
   法務行政長官  佐藤 藤佐君
   法務廳事務官
   (民事局長)  村上 朝一君
  説明員
   法務廳事務官
   (最高裁判所事
   務局総務局長) 内藤 頼博君
ソース: 国立国会図書館
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