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1967/12/13 第57回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第057回国会 決算委員会 第3号
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1967/12/13 第57回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第057回国会 決算委員会 第3号

#1
第057回国会 決算委員会 第3号
昭和四十二年十二月十三日(水曜日)
   午前十時十三分開議
 出席委員
   委員長 鍛冶 良作君
   理事 吉川 久衛君 理事 小峯 柳多君
   理事 小山 省二君 理事 四宮 久吉君
   理事 佐藤觀次郎君 理事 華山 親義君
   理事 吉田 賢一君
      菅波  茂君    葉梨 信行君
      水野  清君    中村 重光君
      鈴切 康雄君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 中曽根康弘君
 出席政府委員
        運輸政務次官  金子 岩三君
        運輸省航空局長 澤  雄次君
 委員外の出席者
        運輸省鉄道監督
        局国有鉄道部長 黒住 忠行君
        運輸省自動車局
        業務部長    蜂須賀国雄君
        会計検査院事務
        総局第三局長  増山 辰夫君
        日本国有鉄道総
        裁       石田 禮助君
        日本国有鉄道理
        事       長瀬 恒雄君
        専  門  員 池田 孝道君
    ―――――――――――――
十二月十三日
 委員安井吉典君辞任につき、その補欠として野
 口忠夫君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員野口志夫君辞任につき、その補欠として安
 井吉典君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和四十年度一般会計歳入歳出決算
 昭和四十年度特別会計歳入歳出決算
 昭和四十年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和四十年度政府関係機関決算書
 昭和四十年度国有財産増減及び現在額総計算書
 昭和四十年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (運輸省所管、日本国有鉄道)
     ――――◇―――――
#2
○鍛冶委員長 これより会議を開きます。
 昭和四十年度決算外二件を一括して議題といたします。
 本日は、運輸省所管及び日本国有鉄道について審査を行ないます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中村重光君。
#3
○中村(重)委員 きょうは、国鉄石田総裁に合理化問題について詳細に質問をする予定にいたしておりましたが、けさの国対で、予算委員会に国鉄総裁に出てもらって、そこで横山委員からいろいろな角度から質問するという方針が決定をいたしました。したがって、昨日の同僚委員の質問に関連をいたしまして総裁の見解を伺ってみたいと思うのです。
 昨日、国鉄労働組合が順法闘争を行なっておるようであります。そしてたいへんな混乱が起こっておるということでございます。昨日、国鉄総裁の答弁を聞いておりましたが、労働組合が合理化に反対することはおかしいと強い語調でこれを批判いたしておったようであります。その詳細にわたりましては総裁から伺ってみたいと思いますけれども、十五日まで順法闘争を続けるということを新聞に報道いたしておりますが、現状はどうなっておるのか、またこの順法闘争がどういう形で影響をもたらしておるのかといったような点について、またその問題となっておる点はどういうところにあるのか、この解決に対して、総裁はどういう態度、対策をもって臨もうとしておられるのか、それらの点について一応伺ってみたいと思います。
#4
○石田説明員 この合理化問題につきまして、組合のほうと意見が合いません結果、ついに組合のほうは順法闘争に入った。これがために非常な多数の方に御迷惑をかけておるということは、私としては何とも申しわけない、できるだけ早い機会にこれを解決したいというふうに考えております。
 実はけさも総評の堀井君、さらに動力車組合の委員長である兼高君、その他十名ばかりの人に会ってその話をいたしたのでありますが、これはひとつわれわれも関係理事とさらによく懇談して、できるだけ早い機会においてああいう迷惑のかからぬようにいたしたいということで最大の努力をいたしております。
#5
○中村(重)委員 いまの答弁では私の質問に対してお答えになったことにならない。ただ、乗客に迷惑をかけるのだから早く解決するように努力をしたいということだけでは、いま申し上げたように私のあなたに対する質問の答えにはならない。解決をするということは当然です。そういつまでもダイヤが乱れて大混乱におちいるということが続いてはならない。どうしてそういう混乱を起こす形になったのか、その原因はどういうことなのかという点ですね。それから昨日の順法闘争というものがどういった影響をもたらしておるのかという点。さらにまた、順法闘争ということは、新聞の報道によりますと、組合側としては、乗客が完全に乗り終わらないうちは発車をしない、いわゆる見切り発車の禁止、おくれを出しても無理な回復運転は行なわないということです。こういうことは当局と取りかわした安全運転綱領を忠実に守っておる。そういうことであるならば、これは当然のことであります。今日の交通事故というものはきわめて深刻なものである。ともかく事故が起こらないということは、国鉄の場合といえども、あるいはその他バス、自動車、あらゆる交通機関に携わる人たちが最大限の努力をしていかなければならぬことは当然であります。そのためにあなたと取りかわしておるところのこうしたいわゆる安全運転の具体的な方針を守っていくということは歓迎すべきことだと思うのです。あたりまえのことをやるのだ。大混乱が起こったとするならば、こういう守らなければならないことを守らないでやっておった、そういうことが事故を引き起こす原因にもなってきておったのではないかということになってまいりますと、私は基本的な点に問題が伏在しておるように感じるわけであります。そういった無理なやり方をしておるのに、さらにまた五万人のいわゆる首切りという形に発展をするような合理化計画というものに対して、労働組合がこれに反発をしておるということは、みずからの生活を守っていくということだけでなくて、いわゆる交通の安全をはかっていくという交通に従事する労働者としての責任感というものもそこに働いておるのではないかというような感じをもって私は受け取っておるわけです。それらの点に対してあなたの考え方を伺ってみたいと思います。
#6
○石田説明員 お答えいたします。
 いまの順法闘争というのは、中村さんのおっしゃるところによると、輸送の安全というものを確保するためには当然やるべきことじゃないか、用心すれば用心するほどいいんだ、こういうことでありますが、いわゆる過ぎたるは及ばざるがごとし、つまり何もああいう順法闘争をやってしいて列車のスピード化をしない、あるいは発車をするのに規定以上に列車を発車させぬということは、これは安全といえば安全なんだが、ツーマッチなんだ。何もそこまでいかなくたって安全というものはちゃんとこれまで守ってきているんだ。ああいうことをやるために列車の運転というものはおくれて輸送力が減少してきている。そのために大ぜいの人に迷惑をかけるということであれば、要するに問題はきわめて簡単です。だれが考えても最も合理的な方法でもって輸送、運転をしろ、こういうことになる。それがちゃんと守られる。きめられている規則があるのです。そのとおりやればいいんです。それ以上にやるということは、私はこれは中村さんの御良識に訴えて、これは過ぎたるは及ばざるがごとしということでやはり是正してもらわなければならぬ。国鉄は、輸送の安全ということについては最大の努力をしている。私なんかの考えから言えば、輸送の安全というものがあって初めて輸送力というものがある。安全のない、安全を土台にしない輸送力なんというのはこれはナンセンスであるということで、国鉄はいかに輸送の安全というものに対して最大の努力をしているかということは、これはひとつ御了承願いたい。
 現在われわれが合理化によって五万人の人間を何とか整理しよう、こういうことは、御承知と思いまが、職員の勤務時間というものが近く一週間に二時間短縮せられる。それがために二万人の人間を入れなければならぬということと、それからさらに第三次計画によって輸送力がふえる、したがって輸送量もふえる。したがってこれを見るべき三万人の人間がよけいに要る。合計五万人の人間が要る。
 それで問題は、ここに新たに五万人の人間を現在の四十六万余の国鉄職員の上に加えてやるか、あるいはいろいろのくふう、合理化、機械化その他によって現在の四十六万余のうちから五万人の人間を浮かして配置転換によってこれをやるか、こういう問題であります。これにつきましては、何もわれわれが現場員の労働量をふやしてやろうというわけじゃない。できるだけ合理化というものによってやる。たとえばいままで人海戦術式にやった保線の仕事なんというのを、これを人力にかえるに機械力をもってして、そうして人間を浮かしていく。それからまた国鉄の仕事の中でもって国鉄職員の貴重な労働を使わないで済むものをこれをひとつほかに委託してやる。たとえば貨車、客車の掃除のごとき、みんなそうなんです。そしてさらに回帰延長と申しますか、客車なり機関車の検査というものを、機械の発達によって、いままでは二十万キロ走ったらやるというのを、これを三十万にふやすとか四十万にふやすというようなこと、これは当然やらなければならぬ。こういうことはいま始まったことではないのです。たとえば昭和三十二年から四十一年の間に第一期、第二期、第三期と分けてあらゆる方式で合理化をやった結果、それによって三万七千六百人の人間を浮かして、配置転換をやって、それだけふやさないで済んだ、こういうこと。
 御承知と思いますが、国鉄のいまの収支の状態を見ますと、人件費というものが最近は一年に一割以上もふえていくというようなことで、経費というものは非常に増大しておる。これは物価アベレージに対する各人のペイというものはそれにつれて上げていかなければならぬということでやむを得ぬと思いますが、問題は、つまり人間をふやすということによってその経費が非常に増大しておる。現に今日でも輸送収入に対して六割一分か六割二分というものは人件費だ。これは国鉄というものが独立採算のもとに経営している以上は、できるだけこういうものは頭数をふやさないで、それによって収支のバランスをとっていく、つまり独立採算のもとに能率的にやっていくという上からいえば当然のことだと思う。何もこれがために職員の苦労を増すということは絶対にないのだから、そしてまたこれによって首切りということは絶対にしないのだ、こういうことを御了承くだされば、国鉄がやる合理化というものは当然のことである。これは何も国鉄ばかりでなく、各企業でもいまやっておることだ。それによって初めて各企業というものは生きていくことができ、発展していくことができる。国鉄しかり。この点はどうぞ誤解のないようにお願いいたしたいと思います。
#7
○中村(重)委員 具体的な点については私どもはわからない。ただ問題は、経営者としてのあなたはやはりそれなりの方針というものがなければならないと私は思う。したがって、その考え方というものに基づいて労働者に対して協力を求めていくということになる。それに対して労働者は労働者の立場から現在の労働条件というものはどういうことであるのか、これを一番よく知っておるのは経営者であり労働者である。その点に対して、いまあなたが計画をしておられる、いまここでお答えになりましたようなもろもろの点において労働者はどうしても納得がいかない。現在ですら労働強化である。その上に配置転換あるいはいろいろな計画をお立てになってこれを実施しようとしておられると思うのでありますが、それは無理である。したがってその計画というものは変更してもらいたいということであろうと私は思うのであります。しかしあなたは断固として計画のとおりこれをやるのだという態度をおとりになっておられる。昨日の答弁の中からもそれがうかがうことができるのであります。それで労働者としてはがまんができないのだというので順法闘争という形に入っていった。ところがその順法闘争というものが新聞で報道されておりますようなことであるならば、ともかくこれは当然のことをやっておる。また安全綱領どおりの運転で、当局も手が出ないと書いてある。これは順法闘争、あなたのほうできめておることをやっておるのだからこれはどうにもならないのだ。いまあなたはそういうことまでやらなくたっていいのだ、こうおっしゃるのだけれども、私どもは現場を全然見ていないのだから実はわからない。わからないのだけれども、ともかく乗客が完全に乗り終わらないうちは発車しない、これは乗っておるときに発車されたんでは、これはたいへん危険であります。これはやってもらいたいことです。おくれを出しても、無理な回復運転は行なわない。これはできるだけスピードアップをやるとか、あるいは回数をできるだけ多く運行するといったようなことは、多くの乗客を運ぶことになるんだから、そういう面においてはこれは非常に便利であると思うのであります。そういう一面からはこれは利益をもたらすということになるのだろうけれども、そういう無理なやり方というものが事故を起こすということになってくると、これはたいへんなことになるのだろうと私は思うのであります。だからして、安全綱領というものをつくって、まずこれを基本にしてやっておられる。ところがそのとおりのことをやると、列車や電車がおくれて大混乱におちいる、交通は麻痺するという形になってくる。これは私は、基本的にたいへんな問題点が伏在をしておるような感じがするわけですから、そのことを実は申し上げておるのであります。
 いずれにいたしましても、経営者としてのあなたの考え方、これに同意できぬ労働者、この間において問題が発生をして、乗客が今日非常な不便をし、迷惑を受けておるということでありますから、これはやはり解決をしてもらわなければならない。ただ当然やらなければならないことをやっておるのだから、これに従わない労働者というものはけしからぬというような態度では、問題の解決にならないのではありませんか。いろいろあなたは考え方についてお示しになりましたが、そうした合理化にいたしましても、労働者に対して無理な労働を押しつけていくというような、労働者がどうしても受け入れられないようなそういう合理化計画というもの以外に、私はまだいろいろと経営そのものを合理化しなければならぬ点がたくさんあるのではないかと思うのであります。たとえば政治路線、これは赤字路線という形になっておるのでありましょうけれども、こういうところにもメスを入れていく必要があるのではなかろうか、複雑な統制機構という形になっておるのでありますから、そういう機構を整理していくというようなことも私はやってもらえるのではないか、また当然やらなければならないんじゃなかろうか。さらに会計検査院の不当事項としての指摘にもあるわけでありますけれども、建設工事等にからむところのいろいろのむだな費用、むしろこれは不当不正とさえ考えられるようなそういう費用の支出もあるようでありますから、そういうものを節減をしていくというような方法もあるのではないでしょうか。あるいはまた建設公団等に対して、投資や出資をやっておられる。こういうことに対してもあなたのその不動な非常に強い姿勢、信念、そういった点を生かして、政府に対して、あなたが無理と考えておられることはこれを是正させる、そういう態度をもって臨んでいくというような点等々、私はほんとうにやらなければならぬところの合理化というものがあるような感じがいたします。
 ところがそういう点に対しては、政府がどうしても聞いてくれないというので、あなたは引き下がってくる。そして労働者に対してのみ強い合理化を押しつけていくというところに問題があるのではないか。安全綱領において定めておることを忠実に実施することが、こうしたダイヤがたいへん乱れて乗客に迷惑をかける、こういう形になってくるとするならば、私は経営者としてのあなたが反省をしなければならない点が多々あるような感じがいたします。だからそれらの点についてあなたの考え方をただしておるわけです。
#8
○石田説明員 ただいまのお話のうちで、対政府関係について、私の態度が弱いのではないか。そのために政府はなかなか言うことを聞いてくれぬ、その飛ばっちりが労働者のほうへいったというお説でありますが、これに対して私はノーと申します。私は自分のできる範囲においては最善を尽くしてやっておるつもりでありまして、今後ともその点については一歩も退かぬ。その飛ばっちりを労働者に、わが国鉄職員に持っていくなんということは絶対にやらぬ。これは私の良心に基づいて、あなたに言明しておきます。
 それから、さらにお話のうちで、今度の合理化問題というのは労働強化じゃないか、こういうことをおっしゃいましたが、これは再三私が申しておりますように、絶対に労働強化じゃないのです。ただ人力を機械にかえる、あるいは国鉄職員がやっておったものを他に移すとかいうことで、絶対にこれは労働強化でない。その点は組合のほうとしても異議はないと私は考えます。
 さらに、ただいま申された国鉄の運転方式でありますが、さっき申したように、国鉄のいまの運転方式というものはどこまでも輸送の安全というものに基づいて、むしろ用心し過ぎたような規則で、ちゃんとやっておるのです。それ以上にやるということは、不必要にそれ以上にやるということです。これはつまりそれだけ国鉄の輸送力が減るということになって、その結果が多数の人に迷惑をかけている、こういうことなんです。現にああいう順法闘争をやっているが、順法闘争をやったために輸送力が減って、それがために五十万なり七、八十万の人に迷惑をかけているというならば、これは何もそこまでやらぬでいい。やるというところに、われわれの組合に対する不満があるのです。これはもう少し乗客の立場に立って、ひとつ考えてもらわねばならぬ。
 第一、これはバスに関する問題でありますが、この間私は北陸へ行ったときに、金沢で、総裁、ひとつ金沢のいなかのほうへ国鉄のバスをやってくれと言う。一体何であなたはそういうことを言うかと言うと、つまり国鉄のバスほど事故の少ないバスというものはない。そうしてストライキがないのだ。これだけたよりになるバスのサービスというものはないのだ、こう言うのです。なぜ一体事故が少ないかと言えば、きわめて合理的な労働条件で働いてもらっておるということなんです。民間のバスに非常に事故が多いということは、オーバーワークです。そういうぐあいに、国鉄としては職員の立場を考えてやっておるということは、これはあなた、ひとつ御記憶願いたいと思うのです。決して無理なことはしない。私はあなたが組合に行って、国鉄が無理なことをしているかと言ったら、ノーと言うだろうと思う。絶対にそれはやっていません。いまの順法闘争なんというのは、これは少し技術的な問題になりますから、私はちょっとその点はしろうとなんだから、今村君にあとで説明してもらいますが、これはあなた、ひとつ新宿駅や何かに実際に行って見てごらんなさい。なるほどこれは組合のほうはストライキのために順法闘争――順法闘争となると、なかなか名前がいいようなんだが、順法過ぎるのだ。これは過ぎたるものは、やはり不順法ですよ。この点はひとつ御了承願わなければならぬということであります。
 さらに、さっき申しました不正支出の問題、これはまことに申しわけないけれども、この点については汚職ということと不正支出、つまり国鉄の金というものをむだに使ってはいかぬのだというようなことについては、ずいぶん私は口やかましく言っておるのでありますが、不幸にしてこういうことが出たということは、私はこれは決して悪意でやったのではないと思うのです。これはまあ弘法にも筆の誤りということがありますが、やはりこれは人間がやるんだから、たまにはこういうミステークもあるというあなたの寛大な気持ちで、これを見ていただきたいと思う。私としては今後ともそういうことは絶対にないようにするということは当然のことであります。
 それから、新線建設に対する出資の問題ということは、これはもう法律できめてあることなんで、国鉄としては、これは好むと好まざるとにかかわらず、やはり、いわゆる順法でやらなければならぬ。しかしこれは、一体この法律はいいか悪いかということについて私は相当議論があると思う。議論はありますから、この問題については徐徐にやりますが、ひとつあんまり気を短くしないで見ていただきたいとお願いしたいと思います。
#9
○中村(重)委員 いみじくもあなたは順法ということをおっしゃった。その順法というものがたいへん無理になっているのだということ、そういった点について、いずれにいたしましてもよくない点は直していかなければならぬと思うのですね。また、労働組合とあなたとの間に安全綱領というものをつくって、それはそのとおり実施しておる。ところが、そのことがあなたとしては、行き過ぎだ、そういう必要はないのだということをいま言っておる。だから、安全綱領どおりにやることがいいのか悪いのか。あなたが悪いと思うならば、そういうものを直していくということにしなければならないだろうし、安全綱領を守らないで、ただ一人でも多くの乗客を運びさえずればいいんだという形になってくると、私は、たいへんな事故が起こってくる原因になるというように思うわけです。無理であるのか無理でないのか、それは現場を見なければ私どもは判断はできない。できないのだけれども、ただあなたは、いままでのとおり、やっているとおりにやりさえずればいいのだ、そのことは、ただ運びさえずればいいんだという形にも私は通じてくるような感じがします。だからして、それらの点はあなたも責任者として、また現実にその業務に従事するところの労働者の諸君の意見というものを十分聞いて、ほんとうに安全運転をやるようにしなければならない、このように私は思うわけです。いずれにいたしましても、問題を解決してもらわなければなりません。こういう混乱というものをいつまでも続けておくというわけにはまいりますまい。順法闘争をやっておる、いわゆるあの定めておるところの安全綱領、そのとおり実施していくことがこういう混乱になったとするならば、どこに安全綱領を守るということの混乱をひき起こす原因があるのか。それは人の面なのか、いわゆる労働合理化によって人を減らすという行き方、あるいは配転というようなことではなくて、もっと人を充実をしていくということにおいて問題が解決するという形になる面も私はあるであろうと思う。だからして、かたくななあなたの考え方というようなことだけを押しつけていくということは正しくない、責任者として十分労働者の主張に対しても耳を傾けていく、そして労使一致して安全輸送を確保していくという態度でなければならないと思います。いろいろこれらの点に対しても、私もある程度具体的な事実を知っておることもありますのでお尋ねをしたいのですが、時間の関係もあるわけでありますから、その他の点に対して二、三お尋ねをいたします。
 昨日同僚委員の質問に対しまして、国鉄運賃は特定のものに対して上げるということをあなたはお答えになったようであります。あるいはまた、五カ年計画もこれを計画のとおり実施するということを言明されたのであります。ところが中曽根運輸大臣は、国鉄運賃は上げない、五カ年計画もこれを延長するというような談話を発表いたしておるようであります。この点は、総裁としてのあなたと運輸行政全般の責任者である大臣との間に食い違いがあるような感じがいたします。これらの点に対しては大臣とあなたは今日までの間に話し合いをされたのではないかと思うのでありますが、だとするならば、あなたの方針と大臣の考え方というものとが食い違うということになってまいりますと、この面またたいへん問題が生ずるような感じがいたします。大臣との話し合いはどういうことになっておるのか。また昨日の委員会においてお答えになりましたように国鉄運賃も上げる、五カ年計画は延長するのではなくてこれを計画どおり実施するという強い態度をもって当たられるのか、この点に対してのお答えをひとつ伺ってみたいと思います。
#10
○石田説明員 定期割引の是正に関しまして、運輸大臣と私の間に意見の相違があるのではないかということを申されましたが、実は中曽根さんが運輸大臣になりましたときに私はあいさつに参りまして、そのときに直接にいま直面しておる最も重大な問題は通勤通学の問題なんだ。あの交通地獄なんということは全く国鉄としては申しわけない、何とかこれをひとつ解消してやらなければならぬ。――解消ということはできないから緩和というところまでは持っていきたい。それについては輸送力をふやすということだけに問題がしぼられてきている。しかしこれをやるについては普通の利息のつく金をもってしてはとてもこれは収支がつかぬ。収支がつかぬということは国鉄が独立採算の上に経営をしなければならぬという立場からいって維持できないことになってしまう。どうしたってこれは通勤通学の割引率を是正をしなければならぬ。大体通勤の割引なんということは、つまり定期外のお客の犠牲においてやっておるわけなんです。やはり大蔵省あたりでも言うように、利用者負担ということに持っていかなければならぬ。ことに昭和二十四年以来このことをやっておるのでありまして、すでに国鉄はこれがために七千六、七百億も犠牲になっておる。いまはもうすでに年貢のおさめどきではないか。これはひとつ通勤通学者に考えてもらわなければならぬということで、私は運輸大臣にも話をしておきましたが、しかし運輸大臣としては国鉄に関する問題というものについては私以上にしろうとだ。これをほんとうに御了解にならなかったと思うのであります。この点はさらにひとつ運輸大臣とひざを交えて懇談をして、食い違いのないようにいたしたいと思います。要するに私の説明というものが十分でなかったということに私は考えて反省しておる次第であります。
 さらに五カ年計画の延長でありますが、国鉄といたしましてはいまの交通地獄、さらに幹線輸送の過密ダイヤ、したがって輸送の安全に対する懸念というものから考えて、五カ年計画というものは――五カ年計画じゃなくて七カ年計画ですね、四十六年までにやる。これについてはひとつできるだけやりたいと思うのでありますが、これは何といったってやはり資金の問題その他の関係がありまして、それについては一々政府の査定を受けねばならぬ。承諾を得なければならぬということがありますので、国鉄総裁としてはいたしたいとは存じますが、はたしてこれができるかできぬかということは、これは神さまに聞いてみなければわからぬ。この点については私はできるだけ努力いたしまして計画どおりに実現したいということに考えております。
 それから、さっき順法闘争ということについてさらに繰り返しお話がありましたが、これは国鉄がいまの輸送規則をつくるにあたりましては、ほんとうにいわゆる専門的の立場からまた実際的の立場から考えて、これならだいじょうぶだ、こういうことで現在の輸送規則はつくったのでありまして、これについてはちゃんと組合のほうでも、決してあれは悪いということはないのだ。ただそこにストライキというものをする、こういうふうになると、へたすると法律にひっかかって、またいろいろの犠牲者を出すということがありますので、順法という、これは私はきわめて巧みなる方法だと思いますが、その名においてさっき申したように必要以上に用心している。必要以上に用心していることは用心ではないですよ。結局それによって起こってくるものは何かというと、これは輸送力の減だな。それが今日ああいう多数の人に迷惑をかけているということでありますので、すでにいまの輸送規則は、あれで運転規則はけっこうだ、こういうことで組合は承知しながら、さらにその上に大きなエキスを加えてやるということは、これはやはりストライキのための順法闘争、目的、この詳しいことにつきましては、これは私は実はしろうとなんです。ここに専門家がおりますので、説明させますから、どうぞひとつお聞きください。
#11
○中村(重)委員 それは時間の関係がありますからあとで……。
 これで時間の関係がありますから、あなたに対する質問は終わりますが、あなたはいまの順法闘争の問題について、必要以上のことをやっている、こういうことを言っておられる。ただ、順法闘争のそういう問題だけをやめろ、いや、やめぬということでは解決しません。その根となっているものをやはり解決をする、そこにあなたは重点を置かなければいけません。まあしかし、あなたはいずれにしても、非常に強い信念を持って事に当たられる人であるということはよくわかる。これらの問題の解決にあたっては、年は古いけれども感覚は新しい、そういう態度で総裁、臨まれなければなりません。あなたの考え方をあくまで無理に押しつけていくということであっては私はならぬと思う。
 また、五カ年計画の問題に対しても、国との間に、政府との間に予算折衝をやらなければいけない、聞いてくれるか聞いてくれないか、これは神さまでなければわからないのだ――それは、あなたがユーモアにお答えになったんだから、私はあえてそのことばじりをとらえようとはしないんだけれども、少なくともこの五カ年計画というものは、国鉄が政府との間の話し合いによってこれを計画のとおりやるとか、あるいはこれを延ばそうじゃないか、そういう簡単なものじゃないわけです。この五カ年計画、電化複線化等いろいろあるわけですが、これに対しては、地方自治体というものがいろいろな角度から財政的にこれに協力をしておる。計画のとおりこれを実施されるものであるという期待を持っておるわけです。先般の委員会においても、五カ年計画は計画のとおり実施するか、これを延長するということはないかということに対しては、着工年限は若干おくれるであろうけれども、完成時はこの計画のとおりこれをおくらせることはないということを強く言い切ったのであります、私の質問に対して。だからして、神さまでなければわからぬというようなことであってはなりません。こういう点にこそあなたはやはり強い態度をもって対処していく、これがあなたに対する信頼というものをさらに強めていくことにもなると私は思う。真に労働者の理解と信頼と協力を得る総裁としての任務を遂行していくというために、それらの点に対して私はほんとうにあなたのその信念を遺憾なく発揮してもらいたいということを強くあなたに求めまして、私のあなたに対する質問を終わりますが、最後にひとつお答えを願いたい。
#12
○石田説明員 さっき申し上げると私が言ったんですが、けさ実は総評の議長の堀井君、それから動力車組合の委員長の兼高君その他に会いまして、とにかくよく私の希望を申しておきました。そして考えを――とにかく多くの人に迷惑をかけるなんてことは、これは組合としても決してよくないし、国鉄としては最も責任を感じますから、もう国鉄の考えについて了解できないことであるかもしれない、また、していない結果だと思うんだが、ひとつこの際新たにお互いに会って、お互いの立場をよく考えて、謙虚な気持ちでひとつ話し合ってくれということで、私は、これはさっそく労使の間にまた話し合いが始まるだろうと思います。近いうちにいまのような交通の乱れをなくすようにいたしたいと思っております。
 それから、国鉄の第三計画でありますが、これは四十年から四十六年までの七カ年、こういうことでやったので、四十年、四十一年、四十二年の三カ年については大体計画どおりにまいっております。この問題は、これからの問題なんです。ということは、つまり、通勤輸送の問題に関しましては、これは初め計画を立てたときの計画じゃだめなんです。ということは、輸送量がふえたためにあれだけのものじゃだめだということで、通勤輸送につきましては、五千二百億とかなんかというやつをさらに七千一百億にふやしたということで、ここにまた予算が狂ってきたということと、さらに申し上げておかなければならぬのは、あの第三計画を立てた時分には、政府というものはあの計画を認める。政府の計画として認める。同時に、それに対しては財政的の裏づけをする、こういうことになっておったのでありまするが、しかし、あの計画を立てた時分の収支の状態というものとその後の収支の状態とはすっかり変わってしまった。そこに、政府はあれについて財政的の裏づけをするからという約束をとったからといって、こういう証文があるからぜひやれ、こういうことはちょっとできない。まるで数字が違ってきている。この点は私は新しい折衝に待たざるを得ぬ。そういうことで、そこに非常に食い違いができてきているんだということと、さらに中村さんに申したいのは、この通勤輸送の問題について一番悩んでいるのは土地の買い付けの問題、たとえば東海道線のごときいまだに解決せぬ。これは無理をやれば解決するかもしれぬが、やはりできるだけ相手の立場も考えて、できるだけその被害を少なくしょう、こういう態度で出ていますために、どうも土地の買い付けというのは予定どおりいかぬ。そのために工事がおくれるということで、初めわれわれが期待しておった期待というものがどうも少しはずれる可能性がだいぶ出てきた、こういうことなんで、私としては、第三計画というものの実現については、最善は尽くしますが、やはりその間にいろいろな食い違いのためにおくれることがあるかもしれぬということは、これはあらかじめひとつ御了承願っておきたいと思います。
#13
○鍛冶委員長 吉田賢一君。
#14
○吉田(賢)委員 ちょっと総裁にお願いしておきますが、時間がだんだん切迫しましたので、私もできるだけ簡明にやりますから、ひとつ簡単明瞭直截にお答え願います。
 きょうは、現在の国鉄財政の実態、これに対する方策、五十五国会におきましても若干触れたのでございますけれども、きょうは少し掘り下げてみたい、こう思うのです。
 申し上げるまでもなく、私のこの質疑の根拠は、大体あなたがすでに御承知でありまする監査委員会の報告書をもとにしております。私は、国鉄の財政につきましては、国鉄のこの監査委員会の調査の結論というものは相当権威を持って見るべきでないか、こう思っております。
 そこで、国鉄は、四十年決算によりますというと、ざっと二兆七千億円ほどの固定資産を持っておりますし、四十六万の職員を持ち、年間七十億の旅客を運んでおり、また、二億トンにのぼる貨物を輸送しております。経済並びに国民生活の上でも重要な使命をになっておるといわにやなりません。この背景を持った国鉄であります。
 そこで、財政の実態を四十一年の監査報告書、四十年の監査報告書を通じて見ますと、これはたいへんな症状におちいりつつある、こう思うのであります。四十年に発足しました例の第三次長期計画、これは七カ年に二兆九千七百二十億円を投資することになっております。これは国策としてでき、あるいは鉄道につきましていろんなたくさんな権威者が集まった懇談会等々でいろいろ検討をいたした結果でございますが、この点抽象的でありますけれども、いかがでしょうか。三十九年も赤字経営であり、四十年も赤字経営であり、四十一年も赤字経営であるというならば、三年連続の業務実績は全部赤字なんです。そこで前途にそれなら黒字に転換し得る可能性は見い出し得るかといいますと、どうもこいつは監査報告書を通覧いたしまして出てこない。
 そこで、これは元来三次計画を立てるときに財政の見通しというものをしっかりしなかったのじゃないだろうか、国鉄財政ですね。中期経済計画を背景としたことはこれは書いてありますけれども、国鉄財政自体の見通し、計画というものはなかったのでないだろうか、こういうふうに思うのです。あるいはあったといたしましても、これはあやまちであったかどうか。輸送力の増強であるとか安全確保であるとか等々いろいろと理由は述べられておりますけれども、しかし、どうもこの実態から見ますと、国鉄自体の三次計画に伴う財政の見通しというものにあやまちがあったんじゃないだろうか。この点について率直にひとつお述べ願いたい。
#15
○石田説明員 第三次計画を達成するにつきましてわれわれが想定した収入支出の問題があったが、その点については確かに私は大きな誤りがあったと考えております。この点については何とも申しわけがない。その一番大きな問題は何かというと、つまり御承知のとおり、終戦までの国鉄というものは日本の輸送というものに対して独占的の地位をとっていた。ところが、この後における国鉄の状態というものはどうかというと、道路の発達それからほかの競争の輸送機関の発達によりまして国鉄の独占性に大きなひびが入った。ことにその点は三十八年から以後著しい勢いで競争力がふえているということのために、われわれが第三次計画を立てた時分の想定に比べまして収入というのは非常に減っている。たとえば運賃の値上げをやったのは四十年であります。運賃の値上げをやったときにはやはり一般の抵抗というものが出るのはあたりまえでありますが、しかし、その抵抗の度というものは三十二年、三十六年の運賃の値上げをやった当時に比べてひどいということで、そこに非常な歳入というものに対する見通しに誤りがあった。そこへもってきて、さらに、昨日も申し上げたんですが、この第三次計画を想定するにつきまして、運賃の値上げというものによってこの収入を増加するということを考えて、第三次計画懇談会におきましてはこれを処置してくれ、そして運賃値上げというものは決定したのでありますが、いよいよ実行ということになったら政府から物価問題の立場からまかりならぬ、こういうことで十一カ月も運賃値上げはおくれた。それがためにまず千二百億から千三百億くらいの収入というものに対する見通しが誤ってきたということが問題です。
 さらにもう一つ申し上げたいことは、収入の上においてそういう場合に非常な見通しを誤ったということのほかに、支出の面においてまた大きな誤りがあった。つまり、国鉄があの計画をつくったときには過去における支出増というものの数字を見まして、それによってやったのでありますが、その後におけるベースアップの点が全く予想外に大きなものであったということで、人件費などはこの前に比べて非常な大きな上がりをしている。最近、四十年以後におきましては一年に一割以上の人件費が上がるということのために、現在においては輸送収入に対する人件費というものは六一%とか六二%というようなえらい勢いになってきたということです。そうしてもう一つは、やはり工事費の非常な膨張だということで、すべてどうもわれわれの思惑に差ができたということで、こういうようなまずい決算報告を出さざるを得ない、こういうふうになった次第であります。
#16
○吉田(賢)委員 そこで、経費のうち四十二年度末における三カ年の計算によりますというと、大体収入は計画よりも千五百億円下回る、支出の計は四百億円上回る、これは人件費増ということが指摘されております。この増については、また国策全体の一つの傾向といたしまして最近消費物価高というものが大きく影響しておることもいなむわけにまいりません。したがいまして、これはやはり国全体、国策全体、政治行政全体、経済全体の影響の一つのしわ寄せという問題もある。ただしやはり国鉄の立場といたしましては、本来みずからの計画、みずからの体質、みずからの運営、みずからの経営自体に何か問題がなかったかということに最重点を置くということが第一お考え願わなければならぬ点だろう、こう思うのです。
 そこで、営業の実績がふるわない。財政は国も硬直しておるが、国鉄もまさに硬直状態です。この硬直の一つの原因といたしまして、監査報告書が指摘しておるところによりますというと、旅客の輸送量伸びず、貨物の輸送量は全然伸びず、この貨物の輸送量伸びずということが一つの重大な課題であると私は指摘したいのであります。それにもってきまして、利子はふえるは、利子を払わなければならぬ、減価償却、いまおっしゃった人件費等もあります。さらにまた三次計画の所要資金の資金源もこれは相当困難らしい。こういうような、言うならばいろいろな悪循環というものが営業実績を不振におとしいれ、財政硬直化の主要原因になったのではないかという判断ができます。
 そこでしからば、財政は硬直化状態におちいっておる、どうすればいいのか。これは具体的な打開策がなければならぬというので、監査報告書も二つの視点からこれを指摘しております。一つは国の財政の措置に求めております。国の財政にたよる方法であります。きのうからここの席でも論議がありましたが、これにたよる方法が一つ。もう一つは国鉄業務自体の改善。この二つの柱を立てております。しかし私をして率直に言わしめるならば、まだ適切に急所をつくというところまでいっていない、あるいはまたこれだと思うような名案が出ていない、こういうようなうらみなきにあらずです。
 そこで国にたよる方法でありますが、この監査委員会は五つの方法を提案しております。一つは、通勤輸送設備の投資とか資金、そういうものについて政府の出資とかあるいは利子の軽減とか、長期負債の返還の延期だとか、こういう措置を一度検討してみたらどうか。第二点は、採算に合わない赤字線の経営について国の財政措置を求めたらどうか。三点は公共負担の是正、客貨物運賃の高率な割引の是正ないしは補償の問題。第四点は市町村への納付金の減免措置。第五点は、都市鉄道の高架化の国鉄負担金について国の財政措置を求めてはどうか。これらはやはり一括して法律の改正を含むということまで触れていかなければならぬ、こういうことになっております。
 そこで、これにつきまして時間があればゆっくりと伺いたいのでありますが、ないためにひとつ簡単に願いたいのですが、この五つの問題について、ずばっと、国鉄といたしましては、検討の方針とか具体的な対案とか、ないしはそのノー、イエス等についてどういうふうなお考えがまとまっておるんでしょうか、この点いかがですか。
#17
○石田説明員 お答えいたします。御承知のとおり第三次計画の基礎をなしたものは、内閣によってつくられました国鉄基本問題懇談会であります。あの結論にも言っておりますとおり、つまり国鉄というものが、これまで公共性というもののもとに運賃というものが非常に安く押えつけられてきておる。それがために自己資本の流入率というものが非常に小さい。そこへもってきて、いわゆる公共負担という政府の政策を国鉄の犠牲においてやっている。このお荷物が非常に大きい。たとえば、この公共負担の問題につきましては昨日も申し上げたと存じますが、昭和二十四年から昭和四十二年までの間において一兆二百ものお荷物を国鉄にしょわせている。運賃は安くて自己収入は少ない。というところへもってきてそういうお荷物をしょわせられたということは、つまり今日の輸送力の少ない原因をなしている。通勤通学の問題にいたしましても、幹線輸送の問題にいたしましても、交通地獄といい、過密ダイヤといい、その原因はみんなそこに来ている。これを懇談会でも言っているようにやはり政府としても考えねばいかぬ。だからして政府というものは公共負担の是正というものと出資というものについては真剣に考えたらいいだろう、こういうことを申した。これは監査委員会がそういうことを主張するのはこれは私は当然のことだと思います。
 さらにその後に残った問題は、地方納付金の問題。これが、御承知のことと存じますが、昭和二十八年に実行された地方税におきましては、国鉄の輸送施設に対しては固定資産税を課しちゃいかぬ。こういう規則がある。もっとも町の中にあるいわゆる国鉄の宿舎だとか、厚生福祉の施設に対しては、これは当然固定資産税を払わねばならぬのでありまして、払っておるのでありますが、昭和三十一年において、地方の財政が非常に苦しいということで国鉄に納付金というものがかかってきたわけです。これはもともと国がやるべきものです。国鉄がやるべきものじゃない。つまり、どういう次第か存じませんが、国鉄というものがついに昭和三十一年からこれを引き受けて今日まで、昭和四十二年までの計算をすると、約千億近い納付金というものをしょわされてきている。これはさっき申したように、国のやるべきものだ。国鉄のやるべきものじゃないんです。ということで、ことに最近における国鉄の財政状態というものは、御承知のとおり非常な困難の情勢にきておりまして、もしもこういうようなことが続くにおいては、通勤輸送の改善なんということは絶対にできぬ。これははなはだ相済まぬが、ひとつかんべん願いたい。国鉄としてはつまり払う力はないんだ。だから払わぬ。こういうのです。
 この点につきましては、私は理屈の上からいえば国鉄の言うことは筋は通っている。自治省あたりに対してもどうか筋を通してくれ。ただ地方の財政が苦しいから何とかしろというようなことは、これは全く便宜主義なんで、これは問題にならぬ。これは私としてはとことんまでひとつファイトせねばならぬ。そしてかくのごとくにして政府の出資というものとともに通勤通学の割引きの是正ということによって得た資金を、通勤通学の輸送の問題、いまの交通地獄をひとつ緩和したい、こういうように考えておるのでありまして、国鉄がいまの財政事情において非常に苦しい中、これはどうしてもやはりやらねばならぬ。
 さらに高架化の問題が出ましたが、この問題につきましては、いま建設省、大蔵省と自治省との間に交渉しておるのでありまして、近いうちに私は具体案ができて実行に移すことができるのじゃないかというふうに考えております。
#18
○吉田(賢)委員 国の財政措置に国鉄財政硬直化の打開策を求めようと仰せられることは一応わかるのです。一応わかりますけれども、根本的にきわめて重大な難問にぶつかるわけです。といいますのが、国の財政自体が御承知のとおり月下硬直化でてんやわんやでございます。四十三年の一般会計の予算の編成で四苦八苦の状態であります。きのう発表したところによりますと、五兆八千五百億と大蔵大臣は一応出した。ところが内情を見てみますと、これは当然増が六千七百八十億円あるのであります。そういたしますると、当然増を加えましてほとんどこれはもう一千億余りしか残らぬのです。つまり新規経費ないしは政策経費というものは出てこないのです。これが現状なんです。これをもし、さらに国の財政におんぶ、おんぶということに国民全体が指向いたしましたならば、まさにこれはイギリスのポンドあるいは西ドイツのエアハルト退陣のような、まことに不幸なあとを追う危険もあります、というような実情にある。これに向かっての要求なのでありますから、これはよほど問題を考えてもらわねばならぬのであります。
 もう一点。この市町村納付金の問題であります。納付金の問題につきましては、これはまあ言うならば日本の財政の一つの恥部にあなたや監査委員会はお触れになっておるのです。と申しますのは、いまの日本の地方財政というものは、ほとんど自己の財政をもって、自主財源をもって運営できない実態にありますので、ほとんどが国にたよっておる。こういうわけでありまするから三割自治とまでいわれるのです。憲法の趣旨から見ましてもおかしな話なんです。それほど自主財源を持っておらぬのです。財源の再配分をしろ、あるいはまた行政事務の再配分をしろというようなことを臨時行政調査会では勧告をしておるような実態にもあるわけなのであります。こういうときでございまするので、納付金の問題について、市町村に向かって、過去合計千億も払っておるということ、それもわかりますけれども、さて、それにおっかぶせていくということになったら、また向こうも、弱いところにしわ寄せという問題が起こってくるわけなんです。でありまするから、なるほど四十一年から二年にわたりましては若干黒字が出ておりますけれども、これは交付税率が二割九分五厘から三割に上がりましたことと、それから特別交付金が出ましたことと、あるいはその他若干の新しい財源が設置されたということに起因するのでございまして、だからこういうような難問を控えて持っておるのです。こういうことでありまするから、一般的に国の財政の措置にたよろうとする行き方につきましては、よほど真剣に考えねばならぬ。これが一つ。
 それからもう一つは、国鉄業務自身の改善は一体どうなのか。業務自体の改善ということは、私は国民の立場において申し上げるのです。一億の国民は、国鉄の業務はそれは完全にして何らの改善の要はないとは認めておりません。第一、生産性の向上の余地はあるのかないのか。これも強く指摘しております。もっと利用者本位に経営したらどうか。こういうことも強く指摘しております。もっと業務を能率的に運営してはどうか、あるいはまた工事資金についても、もっと効率的にこれを使ったらどうか、こういうような点は幾つか指摘しておるのでございます。特に私は、生産性の向上につきまして、もっと積極的な施策がなければならぬのじゃないだろうか。これはほんとうに率直なものの青い方をしますけれども、四十六万の職員の諸君にしましても、昔の後藤新平さん時代のあの気風が若干でも残っておったらたいへんですよ。へたな公務員気分が残っておったらたいへんであります。ともかく四十六万というひとつの特殊企業体でありまして、世界に類例のないこれはマンモス団体でないかとさえ私は考えておる。だからこれが近代的な生産性を上げるということ、たとえば東海道の新幹線におけるあのすばらしい業績なり、あの能率なり、あの生産の実態を見てみますると、これはもう鉄道オンリーです。それほどに絶賛をしておるのです。
 鉄道といえども、貨物の輸送量が、企画庁の統計によって見ましても、三十五年から四十一年まで横ばいです。輸送量全体としまして七年、八年、九年がピークです。ところが一般の国内輸送はどうかといったら、三十五年から四十一年まで五〇%ふえております。鉱工業生産性の指数から見ますと、一〇〇%ふえております。こういうような経済統計、輸送統計によって見ましても、国鉄の貨物輸送だけ一体なぜこんなに横ばいをするのであろうか。ここに問題があるわけなんです。ここに根本的な国鉄自体の営業内部の構造改善をする必要があるんじゃないだろうか。構造の改善というものは、総裁以下四十六万人全員が一致してこれは国民のためにせなければならぬ。こうして四十六万の職員自身も生涯安んじて、心配なしに、家族も食えるし、社会的な地位も文化生活もできるというふうにせなければならぬ。こういうふうな両全を期するためには、痛いけれども、体質の改善をやるというくらいの積極的な手をとっていかなければならぬのじゃないだろうか、こう思うのです。ですから、問題は、私は国の財政にたよるということが重点にあらずして、みずから硬直化を打開するために、国鉄の業務自体の改善をはかる。いま申しましたような数個の方針を打ち立てる、真剣にこれに取り組んでいくということが、この打開の道でないだろうか、こういうふうに考えるのでございますが、この営業の施策、特に貨物輸送の施策あるいはまたいまコンテナ輸送の強化が相当発達しております。これは便利重宝といって称賛を博しております。しかしこれとても四十六年にようやく十万の何ができるらしいですが、こういうような点から見ましても、そんなものじゃ追いつかぬのです。いまの超技術革新といいますか、原子力時代に入りましたいまは、いまの国鉄のあんな程度の速度の改善では追いつきません。もっとどんどんと改善していくという対策を立てなければならぬ。三次計画の手直しはうんとやったらいいだろうと思うのです。こういうことにかんがみまして、あらゆる総合施設――自動車輸送どんどんと発達する現状にもかんがみまして、反面から見ますと、いま交通地獄、交通戦争といっておりますが、日本じゅう新しい幹道がどんどんできております。できておりますけれども、国鉄が貨物輸送についていまの三倍、五倍というような輸送力を発揮いたしまして物を輸送するということになりましたならば、そして三十台でも五十台でもよろしゅうございます、車両を引っぱっていくことになりましたならば、短いところはトラックにまかして、長いところを国鉄で引き受けたということになりましたならば、私は交通戦争はなくなるんじゃないだろうかと思う。来年から交通はもうあらゆる意味におきまして貨物輸送なんかに規制をするのでございますが、国鉄はこういう面におきまして特段の対策をみずから立てることが必要でないか、こういうふうに思うのです。いかがでございましょう。
#19
○石田説明員 第一に政府の出資問題についてお答えいたしますが、われわれが政府に出資を要請しておりまする根拠は、通勤輸送の増強に関して、これはつまり政府の人口政策、住宅政策からきたものでありまして、団地をつくってその足を見るということは政府は一向やらぬ、それが国鉄にきておる。その足を見るべくどうしても非常な安い金を持ってこなければできないということで、ここに政府の出資ということを要請しておる次第でありまするが、日本の大蔵省のいまのふところがらいいますと、われわれは四十三年度の予算において三百九十億を要請しておりますが、私はこれは無理だと思う。
 そこで妥協策といたしまして、一つ利子の補給をしてくれ、それも一年や二年じゃいかぬから、七、八年続けてやってもらいたい。こういうことで大蔵省としてのみやすいような案を出しまして、いま折衝しておる次第であります。
 そうして納付金の問題でありまするが、これはさっきも申しましたように、国鉄としての仕事じゃないのです。国の仕事だ、つまり臨時に国鉄が引き受けたということがいま大荷物になっている次第でありまして、今日においてはすでに千億も納付したのだから、もうこれでいいじゃないか。国鉄としてやろうといっても事実できないのです。こういうことで折衝しておるということはさっき申し上げたとおりです。
 それから国鉄自体の改善でありますが、これはごもっとも千万です。さっきも申しますように、つまり国に対していろいろの要請をし、また通勤、通学の割引も是正をするというようなことをするときには、まずもって国鉄というものが自分の姿勢を正す必要がある。そこにおいて国鉄における合理化という問題が出てくる。そこにおいてつまり労働組合あたりといろいろ問題が起こっておるのでありますが、これはよく労働組合にひとつ了解してもらって、それでこの合理化というものに徹したいと思う。
 それから積極的の合理化、つまり国鉄の投資効果というものをあげる問題につきましては、これは私が三十二年に監査委員長になりましてから、六年間監査委員長をやっておったのでありますが、これは民間人の頭から考えて、国鉄というものはこの点については非常な反省をしなければいかぬ。要するにこれはうしろに日の丸の旗が立っておる。そこに不沈艦船というものが出てくるということで、この不沈艦船論というものを払拭して、ほんとうに企業精神というものを高揚してやらなければいかぬ。こういうことで非常にやかましく申しまして、最近における国鉄の営業意欲というものは私は相当のものだと思っている。たとえばその結果国鉄労働組合なんというものは、去年かいつでしたか、申しておったのでありますが、最近の国鉄人というものは営利にきゅうきゅうとしてなんとかかんとか――私は、これはけっこうなことじゃないか。まだ足らぬ。もう少し営利にきゅうきゅうとしなければいかぬということでやっておるのでありまして、最近における国鉄の旅客輸送の問題、いわゆる貨物輸送の問題については、これは昔に比べると相当に面目を一新したものがあると思う。ただ問題は、旅客輸送についてはこれは相当に国鉄としてはもうできるだけのことをやっておる。そのために国鉄の収入の大きなものをなしておるのは旅客輸送です。問題は貨物輸送だ。これにつきましては外の原因としては第一次製品というものの輸送量が非常に減ったということ、その一番大きな問題は石炭なんです。石炭の輸送というものは国鉄全体の輸送量の二割五分を占めている。それが御承知のとおり、いまの石炭業というものは非常な低い状態にありますので、その結果が国鉄の収入に非常に響いてきている。それから砂利の問題というものまたしかり。これにつきまして、国鉄としてはこれにかわるべく工業製品というものをあさった結果、一時は二億千トンというものを切ったのですが、最近はそれをだいぶオーバーしてきている。これはつまり国鉄というものが、旅客輸送に比べて貨物輸送については、どっちかといえばはなはだ見劣りしたのでありますが、最近は私は面目を一新してきつつあると思う。
 ただ問題は、ここにやっかいな問題がある。ということは、国鉄の輸送力というものが過去において非常に貧弱だった。何ら弾力性がない。そのために貨物の忙繁期なんかになると、始終滞貨というものがある。結局それがために荷主というものが迷惑をこうむった。その国鉄の輸送力欠乏のために起こってきた現象は何かというと、つまり製造家なり荷主そのものが自分で輸送機関を持つということ、今日においてはトラックというものが非常に増加しておりますが、あの大部分というのは路線業者のトラックじゃないのです。全く自家用のトラック。今日においては、自分のトラックで運ぶよりは国鉄で運んだほうが安いと思うのですが、すでに一たん持った以上はこれを捨てるわけにいかぬ。これはトラックばかりでなくて、船舶なんかもすべてそうなんです。こういうことで、この点については、だんだん改善されつつある。
 私が特に力を入れておるのは引き込み線の問題なんですが、引き込み線なんというものは、国鉄全体の輸送の五割以上を占めておる。これはドア・ツー・ドアのトラックに対する対抗としては一番大きな武器なんです。何とかしてひとつ引き込み線というものをできるだけたくさんつくってもらう、そしてこれを利用してもらうということにつきまして、最善の努力をしておるのであります。さらにそして、いまやっておる問題は、自家用の貨車の問題。たとえば油のタンクカー。これなんかも、持っておって結果はあまり持ち主に幸いすることが少なかった。これはいかぬということで、だいぶ思い切って輸送条件を変えました。それについてはまた、方々にオイルターミナルというようなものをつくりましてやっております。
 それからセメントにつきましては、方々にセメントターミナルというものをつくって荷主の便をはかっておるということで、だいぶ今日においては積極性が増しておるのでありますからして、御期待にそむかぬような結果になることは、近き将来において私は期待することができるのじゃないかと思う。
 それからオイルコンテナーの問題は、非常な勢いでふえておりますが、これについては財政の許す限りできるだけふやすということでやっておる。
 さらにそして、最近やっておりますのは自動車の輸送なんです。いままでは自動車を貨車で輸送することはやっておりませんでしたが、これをやろう。アメリカあたりでは自動車生産の三分の一というものは貨車で輸送する。なぜ国鉄ができぬかということで、やりました結果、最近においては一カ月に三万二、三千の自動車というものが国鉄の貨車において輸送されておるということで、はなはだこれは遅々たるものでございますが、すでに堅実に伸びておる。
 どうぞひとつ、ここ一、二年先ということを申したいのでありますが、そうはいきませんが、まあ四、五年の間には相当にすばらしい状態が出るのじゃないか、こういうふうに考えております。
#20
○吉田(賢)委員 答弁は要りませんから、御要望申し上げますが、ひとつあなたが在任中に、この点は明確にやっておいてほしいと思うのです。
 一つは、いたずらにと言うと語弊がありますけれども、やはり経済効果を考えない新路線がどんどんできることについて、強く相当な規制をするということで、国鉄自身が政府関係の方面と交渉もしていかれたいと思うのです。
 もう一点は、やはり親方日の丸という意識を払拭することが重要であります。
 それからさらに、あなたらの立場から、今後いろいろとおやりになると思いますけれども、民間企業に比して、特にトラック中心にした輸送に比べて、いろんな点で見劣っていやしないかという点に、さらにさらに御反省願って、そして長期計画の――それとは若干違いますけれども、これらも織り込みまして輸送力増強をはかってもらいたい。
 こういうことを強く御要望申し上げておきます。あなたも何年もこれからおられるわけではありませんから、十年も二十年も総裁じゃないのですから、あなたのような強い方が、この辺はひとつ大きな柱を立ててやっておく必要があろうと私は思うのです。
 そういうことを強く御要望申し上げまして、終わります。
#21
○鍛冶委員長 それでは総裁、時間がおくれて相すみませんが、どうも御苦労さまでした。中村重光君。
#22
○中村(重)委員 国鉄の幹部に対して私は要望もしたいし、またお尋ねをしたいこともあるのですが、ただいま総裁に私は、労働者の労働強化を伴うところの合理化というものが問題であるということで、いろいろ問題指摘をし、またお尋ねをしたわけです。先ほど総裁からるるお答えがあったわけですけれども、たとえば運賃の値上げの問題にいたしましても、国鉄の運賃というものは非常に安いのだから、これを引き上げるのは当然である、また労働者の五万人整理を伴うところの合理化の問題にいたしましても、これは労働者が合理化に反対をすることはおかしいのだというような、きわめて高い姿勢をもって対処しようとしておられる。
 私は、経営の合理化というものは絶えず進めていかなければならないと思うのでありますけれども、現在国鉄が非常に経営に苦しんでおる、多額の赤字が出ている。それを緩和する。赤字克服のために、これを料金値上げに求める、あるいは労働者に対するところの労働強化を伴う合理化に求めていくという安易な態度というものは、反省をしなければならないのだというように思うわけです。
 私もいろいろな角度から先ほど来総裁に申し上げたし、また吉田委員もいろいろな角度から意見を述べておったのであります。鉄道建設公団に対する出資投資と二重投資の面もある、あるいは国鉄事業の公益性というような点からいたしまして、たとえば固定資産税を現在納めていることが妥当なのかどうか、あるいは国がみずから負担しなければならないものに対して国鉄に重い荷をしょわせているといった点等々、改善しなければならない点が多々あるだろう。やはり幹部としては、総裁を補佐するという立場から、それらの点にメスを入れていく、そういう態度であるべきだと思うのです。
 それらの点に対して具体的にいろいろお尋ねしたいこともありますけれども、きょうは運輸省関係の質疑に入らなければなりませんから、その点は省略をいたしますが、不当事項、会計検査院から指摘されておる点に対して、二、三お尋ねをしてみたいと思うのであります。
 不当事項の三六七に、保守用踏切舗装工事、これは三十九年十二月に契約をしておるようでありますが、この保守用通路と隧道の中央にある保守用通路とを隧道出入り口で連絡させる五十九カ所の踏切を舗装した。ところが、踏切舗装は、これを通行する保守用車両が実用化されていないためほとんど利用されていない、こういう指摘があるのでありますが、どうして使用価値のないこうした保守用の踏切舗装をやったのか。その前に、三十九年十月の工事で、同じく踏切の舗装工事をやって、そしてこれを全然使用しないままに撤去したということがあるわけであります。続いて十二月に、これを利用できないということがわかりながら、舗装工事を行なった。そして百七十万円のとにかくむだな経費を使っておる。こういうような指摘があるのでありますが、どうしてそういうことをおやりになったのか。まず十月の経験という点からして、私はやるべきではなかったんだと思いますけれども、その経過について伺ってみたいと思います。
#23
○長瀬説明員 お答え申し上げます。
 ただいまの御指摘につきまして、新幹線が開業する前にこの計画をいたしておりまして、これに基づきまして、先ほどの御指摘の保守用の踏切の舗装工事を行なったわけであります。したがいまして、その後において、開業後におきましての状態から考えまして、軌道が――軌道と申しますか、レールの安定といいますか、それが非常にまだ不安定であった、あるいは作業方式につきましての検討が十分でなかったというような点から、ただいま御指摘のような点がございましたことにつきましては、確かに遺憾に思うわけであります。しかし、これが使用価値がないということではないわけでございまして、最近になりまして軌道も安定してまいりましたし、また線路状態も安定しておりますので、踏切の舗装の工事を行ないました点につきましては復元をはかっております。現在八十カ所のうちで、約半数は最初の計画どおりこれを使っております。
 それから、車の問題につきましても、現在いろいろと検討いたしておりまして、この保守用の舗装の踏切が有効に活用できるというような状態になりつつある、この点につきましては、当初の計画が、若干十分の検討が行なわれなかったという点につきましては御指摘のとおりでございます。しかし、現在におきましては、これを半数以上は使っているということにつきまして御了解いただきたいと思います。
#24
○中村(重)委員 いずれにいたしましても、当時は保守用車両が実用化されていなかったということでございますね。それはわかっていたはずなんです。だから、これを軌道整備の作業を行なうということになって支障が起こったから、工事が竣工して間もなく撤去をした、そうして百七十万円のむだな経費を出しておるという指摘があるわけです。私が申し上げたのは、十月にもやった、それを十二月続いてやっているのですから、計画が進められて、まだ十月のときには竣工していなかったのだろう、そこで、全然使用価値がないということはおわかりでなかったのだろうと思うのです。二カ月のことですからね、わかるような気がしますけれども、いずれにしましても、保守用車両というものが実用化されていないということはわかっておったはずなんです。この点は、私は、会計検査院の指摘というものから考えて、あまりにも無計画であった。この指摘は一、二カ所にすぎないのでありますけれども、これらの実にむだな経費というものが相当額使われているんじゃないか。限られた会計検査院の陣容からいたしまして、またこの検査方法からいたしまして、そうしたむだを発見をするということは非常に少ないと思うのです。会計検査院の指摘もあるとかないとかということではなくて、やはりこうした国鉄がかなりの赤字を出している、そういうような点からいたしましても、もっと注意をして、こういう点こそむだを排除していくという態度でなければならぬと思うのです。
 次にお尋ねしたいのは、道路と鉄道との立体交差の点でございますが、三十九年末完成が百七十八カ所の計画でありました。ところが、四十一年の九月に五十一カ所完成をしておるということでございます。まだ相当残っているでありましょうし、これもまた計画に基づいて、さらに次から次に立体交差を進めていかなければならぬような点がずっとあるわけでありますが、どうも建設省その他の関係との話し合いというものがうまくいかない、二年あるいは三年というような長年月を要しておるというようなことでありますが、事故防止という立場から、私はこの立体交差というものを計画どおり進めていくというような点について十分対処してもらわなければならぬと思いますが、現在の状態はどういうことになっているのですか。
#25
○長瀬説明員 ただいま御指摘の新幹線の踏切につきましては、今後こういうような事態が起こらないように私どもとして十分注意いたしたいと思います。
 それから、鉄道の立体交差化の工事につきましては、確かに御指摘のとおり、工事の計画ができましても、道路管理者との協議がなかなかととのわない、あるいは地元の関係の面におきましてもいろいろと問題があるというような点から、実施につきましては、確かに御指摘のとおり渋滞し、あるいはなかなか施工がスムーズに進まないという点がございます。これにつきましては、今後とも建設省と事前の調整を行ないまして、さらに地方におきます協議会等を通じまして円満に解決するように、私どもとして努力いたしまして、踏切の除去につきましては、熱意を持って今後改善につきまして進めたいと考えております。
#26
○中村(重)委員 ともかく、私は地元の問題で、長崎の浦上平たん線の問題それからこの電化、複線化、これは下関工事局が担当しなければならない。もうそれらの問題に対して、精力的に実は協力をしてきたわけです。地元が非常に反対をしたという問題も、喜々津−諫早間の複線の問題については、下関工事局の原案のとおり地元を説得して、これをのませることに成功したわけですが、それらの問題を通じて、私は、非常に情熱が足りないような感じがします。下関工事局の松本局長が乗り出してきたけれども、実は私が下関へ行って、局長が乗り出しなさい、直接反対をしておるそうした住民を説得しなさい、それ以外に解決の道はないのだ、私は立ち会って、工事局長と地元との話し合いのあっせんをやったのです。そこで解決の曙光を見出したのです。その間相当長い期間がかかっているんですよ。私は、幹部の人たちがこういう計画を立てたのだから、この計画遂行、必ずやるのだという熱意、情熱を持って対処するならば、問題の解決を非常に促進をするということになると思う。計画をお立てになることはいいのだけれども、その計画を実行するという点について熱意が足りない。
 第三次五カ年計画の問題でもしかりであります。先ほど総裁は、どうもこれをさらに延長するのではないか、計画どおりの完成というものに、何というか、熱意を失っておるような感じを私は受けたのです。どうも役所の計画を見てみると、五カ年計画、八カ年計画と計画を立てる。それが非常におくれてくる。おくれてくると、また計画年度を変えて、その立てている計画が終わらないのに、また次の年次計画を立ててこれを延ばしていくというような巧みなやり方をやっている。そういう態度であってはならぬと私は思う。
 立体交差化の問題というものが、いわゆる安全輸送という立場、事故防止という点からいたしまして、私が申し上げるまでもなく、非常に重要なことでありますから、そういう点に対しては、もっとひとつ責任を持ってこれを遂行するという態度であるべきだと思う。建設省の関係その他いろいろある。非常に困難でありましょうけれども、これは建設省もまた、当然あなた方と同じ気持ちになって問題を解決しなければならないと思う。
 それから土木工事の点ですが、国鉄の工事というのは、元請と下請の関係というものが、一般の土木工事と比較をいたしますと、リベートということではないのですが、ピンはねということになりますか、いいことばで言うと手数料ですが、この手数料は元請の手数料――手数料ということはは当たらないでしょうが、元請が落札金額を下請に対して非常に辛く請負をさせて利潤をあげておる、こういうことが伝えられておる。これは国鉄関係の工事は最高だといわれておる。どこにそういうような原因があるのですか。工事の積算というものが甘いのか、あるいは下請に対してあまりにも辛く請け負いをさせておる、そういうことなのか。そうだとすると、私はたいへん工事が粗雑になるだろうと思う。下請制度というものを全然なくするということはそう一挙にはできないでしょうけれども、少なくとも工事契約をいたしましたならば、その契約者が責任を持ってみずからこれをやる、工事に当たるという態度でなければならぬと私は思う。そうしなければ、工事も粗雑な工事が行なわれる、あるいは単価の面におきましても、甘い単価をはじき出さなければならぬということになってまいりますと、たいへんな損害だと思うのであります。そういう点はいまのいろいろな声に対してどのように考えていらっしゃるのか。元請が直接工事に当たるというパーセンテージとそれから下請に出しているというパーセンテージ、これがどういうことになっておるのか、伺ってみたいと思います。
#27
○長瀬説明員 ただいまの立体交差の工事につきまして、国鉄が熱意が足らないという御指摘でございますが、国鉄といたしましては、踏切の安全というような点から、先ほど申しましたとおり、建設省あるいは地元と十分協議いたしまして、この完成につきましては十分熱意を持って進めておるつもりでございます。またそのようにさせておるつもりでございます。ただ、先ほども御指摘のように熱意がないという点につきましては、私どもは十分熱意を持ってこれの改良工事につきましては努力をいたしておるつもりでございます。
 第二の、請負と下請の関係につきましては、私実はあまり詳細には存じませんが、先ほどの御質問では、工事の積算が甘いというのが原因ではないか、こういうような御指摘でございます。工事の積算につきましては、現在国鉄におきましては、工事の積算室というものをつくりまして、それによって工事の積算についての妥当性を十分検討いたしまして、それによって工事を積算いたしております。したがいまして、甘いというような点につきましては、私どもはないと思います。私が伺っております点につきましては、むしろ国鉄の工事は非常に辛いというようなふうに考えております。
 それから元請と下請の関係の問題につきましては、私十分存じません。元請の責任者が責任を持って工事を遂行するという体制につきましては私ども当然と考えております。
#28
○中村(重)委員 これで国鉄に対する質問は終わりますが、できるだけ元請に、落札者に責任を持って工事をやらせる、そういうことであるべきです。
 それから、いま私がお尋ねした比率についてあなたがお答えできないということはわかります。それだけの資料は用意しておられないと思います。しかしわかっておるはずです。そういう資料をやはり幹部の人たちは見てみなければならぬ。あまりにも下請に出し過ぎておる。それから下請の単価がどうで、元請がどれだけ利潤をあげておるか。これはやはり積算が甘いのか、あるいは下請にあまり辛く出しているのか、そうなってくるとどういう結果が起こるのかということを判断されるべきではないでしょうか。そしてこれを是正するということに努力すべきではないでしょうか。私の質問に対しては、きちっとした比率に対してのお答えができないにいたしましても、もう少し中身のある答弁があるべきだと思うのですよ。積算が甘くないのだ、これはあなたの信念であるならば、それはそれでよろしい。しかし、ただそれだけを声を大にして強調されてもそれは答弁になりません。もう少し具体的な、実はこういうことなんだ、それは甘くないのだけれども、どうも下請に対して辛くなっている、こういう点はこう改善していかなければならぬと思うというような、そういう答弁がなければならぬと私は思う。まあおわかりになってそこまでお答えにならなかったというのであるかもしれません。時間の関係もございますから、さらに突っ込んでお尋ねをし、お答えを求めることはきょうは省略をいたします。十分それらの点に対して注意をしてもらいたいと思う。
 それから、もっと熱意を持って当たってもらいたいと申し上げたのは、その長崎の喜々律−諫早間のいわゆる諌早線と申しますか、それに対して下関の松本工事局長がみずから乗り出してきて問題の解決に当たった。局長が出てくれば地元民の信頼度というものは非常に出てくる。局長がこう言うのだからもうどうもならぬだろう、そういう気持ちを起こす。そうしてまた局長も直接聞くのですから、これはやはり国鉄側が譲るべきだという判断もすぐできるわけです。これは解決の曙光というものがそういう形で導き出されたという一つの実例から、全般的な点で申し上げたわけですから、どうかひとつそれらの点は十分この後注意をして対処してもらいたいということを要望いたしまして、これで国鉄に対する質問を終わります。
#29
○華山委員 関連して。簡単にお尋ねいたしますが、事実を申しますと、私がある市役所に、小さな市役所でございますが行っておりましたところ、そこの係の人が市長に決裁を求めに来た。その内容は、町の踏切を鉄板で改装する。そのことのために市で負担をしてもらいたいということで鉄道から同意を求めてきた。市長は非常なけげんな気持ちでおりましたけれども決裁をいたしましたが、その内容を見ますというと、大体七割程度はその市で負担するということになっている。おそらくこれはこの市の特別の事情があるわけでもありませんから、全国的に行なわれているのではないかと思うのです。踏切の改装につきましては特別交付税というふうな計算の基礎にも何にもなっておらない、そういうふうなことでございますが、鉄道のほうではこの市町村道、そういうものの踏切の改装につきまして何かの原則をもって市町村に負担させているのかどうか、この点を伺っておきたい。
#30
○長瀬説明員 踏切の改良につきましては、たとえば現在幅を広げるあるいはまくら木で行なわれておりますものを舗装するというようないわゆる改良工事につきましては、国鉄、地元、それから建設省とのルールがございまして、最近またこれも変わるようなことを聞いておりますが、一定のルールによってそれを施工いたしております。はっきり覚えておりませんが、たしかお互いに三分の一ずつというようなルールになっておると思います。こういう正確なルールによって踏切の改良工事の負担を行なってきております。
#31
○華山委員 事実を提示しろと言えば私は提示いたしますけれども、三分の一、三分の一、三分の一というふうなものではございません。また、市町村道は建設省は関係がないと思うのです。私は半々ということでもあるならばそうかなと思う気もいたしますけれども、七割、その程度のものを市町村にその文書では負担させている。どういうことなのか、その点を伺ってみたのでございますが、いま御回答がなければ私は事実をもっとお示しいたしますから御説明を願いたいと思いますが、市町村道につきましては半々という原則があるのでございますか。建設省は関係ないと思います。
#32
○長瀬説明員 市町村道につきまして、いまお話しのようなことでございますが、たしか、工事の内容によりまして三分の一あるいは半分といろいろな種類はございますが、手元に資料がございませんので、後ほど調査いたしましてお答えいたします。
#33
○華山委員 私簡単に申し上げたいのでございますけれども、そういう原則によってやっていられるものであるならば、丁重な文書をよこして同意を求めることはあるまいと私は思うのです。おそらくはその規定を越えた負担を市町村にさせているから同意を求めるというふうなことがあったのではないかと思うのです。その点につきまして国鉄の中央でおわかりにならないならば、ひとつどういうふうなことでああいうことが行なわれているのかお調べを願って、是正すべきものは是正していただきたいと思います。
#34
○長瀬説明員 御指摘のことにつきましてはよく調査いたしまして、検討いたします。
#35
○吉川委員 関連。いま中村、華山両委員からの問題に関連をしまして、私は国鉄の立体化促進法とでも言いますか、これは建設省とも関係があろうと思うのですけれども、むしろ運輸省の問題じゃないかとも思います。政務次官もおいででございますから、お聞き取りを願いたいけれども、非常に交通量がふえてまいりまして、事故が年々累増しております。これに対処するために、その安全を確保するために立体化促進法のようなものを制定する段階ではないかと思うのですが、その辺はどんな見通しでございますか。お見通しがなかったならば、そういう御検討をひとつ進めていただきたいと建言をいたしておきます。
#36
○黒住説明員 踏切の整備に関しましては、従来から踏切道改良促進法というものがございます。また最近は御承知のように通学路に係る交通安全施設等の整備及び踏切道の構造改良等に関する緊急措置法というものがございます。これらの法律は普通の立体交差でありますとか踏切の構造改良あるいは保安施設の整備というふうなものに関する法律でございます。そのほか最近非常に問題になってまいりましたのは連続の立体交差、高架化というようなことばを使っておりますが、この連続立体交差に関しましては、その内容的な費用の負担の問題あるいは促進の問題等につきましては、現在運輸省、建設省あるいは国鉄で協議をいたしておりますが、この連続立体化を促進いたしますための特別の立法は現在のところございません。従来の踏切道改良につきましては二法ございます。それによりまして整備を行なっている次第でございます。後者につきましては今後どうするかというような問題でございますが、まずその内容的な費用の負担と整備のこれからの計画等を関係省でもって確立していきたいというようなことで、目下協議しておるような現況でございます。
#37
○吉川委員 それでは運輸省では、華山委員の質問に対してはお答えできるわけでございますね、費用の負担区分の内容を持っている法律があるといたしますれば。
#38
○黒住説明員 ただいまの負担区分につきましては法律に規定はございませんで、国鉄と道路側との関係につきましては、道路と鉄道との交差に関する建設省と日本国有鉄道の協定というのがございます。これは非常な詳細な協定でございますが、この協定によりまして現在は施行しておるわけでございます。
 なお、立体交差化、高架化につきましては、新しい事態でございますので、この協定を直接適用するよりも、新しい協定等をつくりましたほうが促進になるのじゃないかということで、先ほど申し上げましたように両省で目下協議中であるということであります。
#39
○中村(重)委員 それでは運輸省の関係でお尋ねをいたしますが、まず会計検査院に、指摘事項の補助金三一〇についてお尋ねをいたします。
 長崎県の壱岐郡石田村壱岐空港整備、九百三十二万八千円の工事に対して、これは全額でございますから同額の補助が出された。ところが、工事費から除外すべき額として百二十万七千円、この点に対して適正ではなかったという指摘がなされておるわけですが、これ以外に、調査に当たって、この飛行場建設に伴って、実にずさんであった、むだな経費というものが使われておるということを御調査にならなかったかどうか。そういうことはなかったのかどうかということをお尋ねしてみたいと思います。
#40
○増山会計検査院説明員 その他の重大な不当なものについては、検査報告に掲記するに至るものは認められませんでした。
#41
○中村(重)委員 よく聞き取れなかったのですが、この飛行場というのは、政務次官が一番よく知っておられるのだけれども、ここ一カ所でしょう。ヘリポートは郷ノ浦にあるのですね。ところが、飛行場はここだけでしょう、どうですか。
#42
○増山会計検査院説明員 飛行場はここだけでございます。
#43
○中村(重)委員 この飛行場建設は、地元長崎県から建設に対しての要請がある、これに基づいて航空局がおやりになるわけですが、これは、いわゆる工事費全額を国が負担をしておるわけですから、したがって設計、施行の面において、国はあらゆる観点からしさいにこれを検討して、そうして決定をされておるはずなんです。ところが、この飛行場が完成をいたしまして、航空局のほうでは現地においでになったと思うのですが、この飛行場が使いものにならない、飛行機が飛び上がることができない。それは、専門語ですから私はよくわからないのですけれども、ともかく、山がすぐ近くにあるので、それに突き当たる。これではだめなんだというので、あらためて設計をおやりになって、やり直させる、公聴会もまた振り出しに戻ってあらためてやったわけですね。そのために、一千二百万だと思うのでございますが、そういう経費が必要になってきた。ところが、どうもこれは国が負担するということは適当じゃない、これは問題になるということをお考えになったのだろうと思う。そこでこれは地元長崎県が負担しろということになったようであります。長崎県もどういうことなのか、よほど財政にゆとりがあるのかどうか知りませんけれども、承知いたしましたといって全額これを負担して、工事をやりかえた。これは県議会で当然問題になっておるわけですが、どうしてそういうことになったのか。実は設計をするときに家があった、その家があったために山が見えなかった、それでそういう結果になったのだ。実に私どもの常識ではわかりません。国が工事費の全額をお出しになっておられる。それを工事の手直しをおやりになって――国は当初の九百三十二万八千円以上をお出しにならなかったかもしれない。しかしいずれにいたしましても、長崎県がこれを出したのですから、むだな経費が二倍以上支出されたということに変わりありません。公の費用であることに変わりはない。どうして、そういうむだがなされなければならぬようなずさんな設計施行をおやりになったのか。これは運輸省航空局といたしましては、自分のほうは知らないんだということで済まされる問題ではございますまい。会計検査院はこの点、国が直接支出をしているのじゃないのだから監査の対象にならぬというようなことであったかもしれませんが、しかしい、ずれにしてもこの監査にあたって、それらの問題が関連して起こっておるということの調査はなされたのじゃないかと私は思います。当時の責任者でなかったということでお答えができないのかもしれませんけれども、ともかく関係者があまりにも無関心というのか無責任というのか、会計検査院もこの点は反省してもらわなければならぬと思いますが、運輸省としても長崎県としても、実に私はけしからぬことだと思うのであります。それらの点に対してのお考え方をひとつ聞かせていただきたい。
#44
○澤政府委員 お答え申し上げます。
 この壱岐空港は、先生御承知のように第三種空港でございまして、県において工事施行をした空港でございますが、お話しのように、飛行場の設計につきましては航空局といたしましても御相談にあずかり、また指導してまいったわけでございます。工事の施行途中におきまして、さらに飛行場の安全を確保するために工事の一部手直しを行なったということは遺憾でございます。今後、このようなことのないように十分留意してまいりたいと思います。
#45
○中村(重)委員 そういう答弁で済まされる問題じゃございませんよ。一部手直しなら、九百何十万ですかそういう程度の工事でありますから、そこに百万とか二百万とか金がかかったというならば、それはあなたの答弁も当たるかもしれない。当初の工事費九百三十二万八千円は物価の上昇、いわゆる資材等の値上がりという関係もあったのかもしれませんけれども、一千二百万程度出しておるのですよ。これでは全くつくりかえでございましょう。手直しじゃございませんよ。あまりにも無責任ですよ。言いかえると、九百三十二万八千円がパアになったのですよ。しかもその飛行場の飛行機が飛び上がるところに家があって山が見えない、そんなばかなことがありますか。あなたは当時の責任者でなかったのではないかと思うのですが、当時の責任者でなかったとすると、これは私から声を大きくして言うと全くあなたにはお気の毒なのだけれども、まあしかし航空局としてはきわめてずさんです。
 同じようなことが対馬にもあるのですよ。竹敷に水陸両用の飛行場をつくったのです。何回飛びましたか。十何回しか飛んでないのですよ。使いものにならないじゃないですか。やめてしまったでしょう。それに地元は用地を提供し、その他ターミナルとか、いろいろな関係の施設をやり、七百数十万円の金を出したのです。航空局はたしか二千数百万円だったと思います。そういう金を出して、これもパアでしょう。そして対馬にはいまは飛行場一つないのです。今度はヘリポートをつくるというので起債を六百万円認めた。これは一千二百万円かかるのです。そういうことでヘリポートをつくった。ところがそのヘリポートは、つくっただけで、ヘリは飛ばないのですよ。これはだれの責任ですか。おそらくこれは対馬の厳原町の町長の責任問題で、やめなければならぬという形に発展するかもしれない。これは直接関係はないのだといってしまえばおしまいですが、少なくともヘリポートをつくった、長崎県も起債を認めて取り次いだということになってくると、長崎県としても責任がある。単にトンネルするのじゃないのだから………。
 壱岐と対馬は並んでおるのですよ。二カ所が二カ所ともそういう貴重な国の経費をむだにする、あるいは地元の町村に対して大きな犠牲を要求して、そしてそれもむだになる、そういうことが現に行なわれているのです。だから、工事の面において一部手直しをやらなければならなくなったことはまことに遺憾でありますということで済まされる問題ではございません。どうですか。
#46
○澤政府委員 対馬空港の問題につきましては、これはさきの特別国会でも先生に航空局のほうから考え方をるる御説明申し上げたわけでございますが、その当時航空会社が非常に事業の発展意欲を持っておりまして、地元もまた飛行場をつくることに非常に熱心でございました。それで対馬にも水陸両用の飛行場ができたわけでございますが、その後国内の航空企業が非常な赤字に相なりまして、路線の廃止ということをやってまいったわけでございます。それで御指摘の対馬の飛行場――水陸と申されましたが、実際は水上飛行場でございます。これにつきましてもその使用の水上機をどうしても関係企業は売却しなければならないという事情になって、これを中止したわけでございます。航空事業というものは純然たる私企業の形でやっておることは御承知のとおりでございます。ただ私企業であるから全然採算の合わないものを全部やめていいということでもございません。これは公益事業であることと私企業であることと両面から航空当局としては指導してまいっているわけでございます。この対馬の担当企業が非常な赤字でございまして、これをやめざるを得なくなった、こういう事情でございます。対馬につきましては、今後陸上飛行場の設置が可能かどうかということについて、航空局としても慎重に検討し調査をしてまいりたいという考えでございます。
#47
○中村(重)委員 実態はあなたの答弁のとおりじゃございません。長崎航空、これは実際は長崎県が中心でやっているのですね。形態は私企業であります。しかし当時申請のときに、水陸両用の旅客機というものはほとんどないわけであります。だから危ぶまれた。だいじょうぶだろうか。航空局はだいじょうぶだ、これでやれ。長崎県は足踏みしたのです。しかし航空局ではそういう形で指導なさったのです。当時の監理部長は私の質問に対してそれを認めている。速記録をお読みになればわかるのだ。けしからぬと言って私が追及したところ、いや必ず飛ばします、飛ばなかったらどうするのだ、責任を持ってそれにかわる措置を講じますと答えておられます。赤字が出たからやめたのじゃないのです。赤字もあります。一回飛んで一万円も損するというのだから。ところが水陸両用機ではもう使いものにならないのですよ。またかえてみた。初めのころは事故ばかり起こるから、それでもだめなんでしょう、やはり水陸両用機ではだめなんだということになってやめたのだ。それが真相ですよ。そこで今度はそれにかわるという気持ちも多少あったと思うのでありますけれども、ヘリポートをつくることを認めて、そして町としてはヘリポートをつくった。西日本空輸がこれの輸送に当たろうということになったのだけれども、ヘリを飛ばしてみると、壱岐に長崎航空が飛行機を飛ばしてくる。これと競合するという形になって、これも赤字が出る。年間五千万円程度赤字が出る。長崎県がそれを負担すれば飛ばす。長崎県としては、初めから赤字を二千五百万から五千万負担するという約束はできないという形になって、とうとうこれも西日本空輸は申請を取り下げたのですよ。飛行場もそのままつくってヘリポートも事実上使いものにならない。こんなむだな話がありますか。これは私企業だからというような形で片づけられるものじゃありません。飛行場の建設は全額国庫負担じゃございませんか。国が補助しているじゃございませんか。これはあなた国費の乱費ですよ。そしてこういうことは離島住民に対する大きな背信行為です。この後どうするかということです。
 当時関係をいたしました西日本空輸、長崎県、それらの関係者と話し合いをやって問題の解決に当たるのか――長崎県は飛行場建設に対して調査費も計上しておるそうであります。飛行場建設ということに対しても、運輸省航空局としては私は責任があると思うのです。それに対してはどうなさるのか。明確にヘリポートの問題と陸上飛行場の問題に対する考え方を、ひとつこの際明らかにしてもらいたい。
#48
○澤政府委員 対馬に陸上飛行場をつくるかどうかということにつきましては、両面の調査を行なわなければならないと思います。一つは、ここに飛行場をつくりまして、一体採算的に今後私企業が定期を組めるかどうかという経済調査が非常に重要であろうと思います。もしこれを技術的につくりましてまた飛ばなくなれば、またただいま先生のようなおしかりを受けなければなりません。これは慎重に経済的調査をやりたい。
 それから技術的に、対馬は御承知のような地勢でもございます。ここに陸上飛行場をつくるには、相当巨額の金がかかります。それでも私たちは先生にお約束申し上げましたように調査を続けてまいりたい、このように思っております。
#49
○中村(重)委員 そうすると、調査をするということは調査費を当然計上しなければならないと思うのですが、いまのところ四十二年度の予算には計上していないように思うのですが、四十三年度に調査費を計上して調査に当たるという考え方ですか。
#50
○澤政府委員 これは、四十二年度には対馬の調査費は含まれておりません。今後予算要求その他の形で対馬の調査費を獲得してから調査をしてまいりたい、このように思っております。
#51
○中村(重)委員 それでは時間の関係もありますから先へ進みたいと思いますが、ヘリポートについてのお答えがなかったので、それをひとつ……。
#52
○澤政府委員 ヘリポートにつきましてもさきの特別国会でお答え申し上げたとおりでございますが、これは関係地元からの要請によりまして、航空局といたしましては、これはえらい形式的なことを申し上げるようで恐縮でありますが、航空法の規定に基づいてこれを審査し、認可しておるという状態でございまして、これを審査いたしますときには西日本空輸がヘリコプターを飛ばすという意思があったわけでございます。ヘリポートができる段階になってどうも採算的に不可能だということでこれを取りやめた事情もございます。政府といたしまして、西日本空輸におまえのほうは最初飛ばす意思を表明したのだからどんなに赤字が出てもやれというわけにもちょっといかない事情にございます。大体そのような事情であります。
#53
○中村(重)委員 ともかくそういうことだけではだめですよ。ヘリポートをつくった、ヘリを飛ばさせるというような形になって、やはり前の飛行場の関連もあってそういう形に発展をしてきたのだが、赤字が出るというので西日本空輸はこれを取り下げた、どうにもしょうがないのだということではだめです。どうしたら問題が解決するかというところまで取り組まなければだめじゃないか。解決策がないことはないでしょう。方法は幾らでもあるでしょう。長崎県がこれに対してどう対処するかという点もありましょう。あるいは長崎のどこかの地点にヘリポートをつくって、長崎−博多、博多−壱岐、対馬を飛べば採算がとれるかもしれない。いろいろな角度から検討していく、そういう態度でなければ私はだめだと思う。だから、西日本空輸も長崎県もあるいは地元のそうした関係の町村もあなたのほうと一体となってこれを検討する、そして問題の解決を導き出す、そういう態度であるべきじゃないでしょうか、いかがですか。
#54
○澤政府委員 ヘリコプターの輸送は採算的に従来成り立たないわけでございます。これは機材の維持費が高い、あるいは非常に高額の運賃をとらなければその維持費を補てんできないというようなことで、ヘリコプターによる定期輸送というものは世界的にも非常に経営困難な事業でございまして、国が何らかの補助をするというようなことでございましたら、これは企業に対してもヘリコプターによる定期を最初意思を表明したのだからやれということはできるかと思いますが、現在の状態におきまして、国が一企業に対してそういうことを採算を度外視してやれという指導をすることは非常に困難ではないかと思います。ただ、長崎県なり関係市町村が、自分のほうも適当な措置をあわせて考慮するからそれでやれ、こうおっしゃるのでございましたら、私どものほうも一緒になってそれが採算的に成り立つかどうか、それから航空の安全上もそれがいいかどうかというようなことをあわせ検討してまいりたい、こう思っております。
#55
○中村(重)委員 私は、経過としては非常に無責任だと思いますよ、あなたの答弁は。西日本空輸に申請をさせて準定期という形で許可をする準備がもう整っていたのです。あなたのほうは腹をきめておったのですよ。定期というのは、これはどうしても法的に問題がある。かといって、団体輸送ということでは問題は解決しない。だからして準定期ということを考える。それで準定期で、それじゃ認可をいたしましょう、そこまできておる。あなたのほうもその許可をすべき西日本空輸その他に積極的に督励をしてこられた。私は関係しているんだから、それは知っている。ところがとたんにいま言う赤字が出るという見通しの中に立って、その赤字をどうするかという――西日本空輸は飛ばしたかったんだけれども、大株主である九州電力とか西鉄とか西日本新聞とか、そういう関係において、特に九州電力において、ちょっと待ったということになって、これはとんざした。結局これを取り下げるということになったんですよ。だからヘリコプターというものは旅客輸送としてはやはり問題があるんだということならば、当初からあなたのほうでは準定期という形でこれを許可するというような方針をお示しになるべきじゃなかったのです。お示しになったんだから、長崎県を呼び西日本空輸を呼び、あるいは地元の町村を呼んでお話し合いになったんだから…。ところがいま言う補助金の問題等々で、これはいま実現をしていないんだ。だから私は、そういう関係者に集まってもらって、問題の解決に乗り出しなさい、こう言っている。国が赤字を負担する、補助金を出しなさいとはっきり言ってない。私は出してもいいと思うのだ。いわゆる飛行機輸送に対しては補助の道が開かれているんだから、特に離島振興という立場等から考えて、特殊なケースとして、法的にこれを整備しなければならぬ点があるならば、それをやって補助の道を開くべし、もうその段階であると私は思うのであります。私はそう思うからその点を提起しておるのでごさいますけれども、たとえそれがそのとおりにならなかったにいたしましても、まだやるべき、手を打つべき余地は残されておると思う。だからして積極的に解決をしなければ、島民に対しても私は相すまぬと思う。航空局としても、長崎県としても、あるいはまた西日本空輸としても、私は当然責任を持つべきだと思うのであります。関係者相集まって問題の解決に乗り出す意思がありますか。
#56
○澤政府委員 またおしかりを受けるかもしれませんが、地元からの案を添えての、具体的な案を地元で立てられて、そうして航空局のほうに御相談があれば私のほうといたしましては、慎重に検討いたしたいと思います。
#57
○中村(重)委員 そういう形式の問題に何のためにこだわるのですか。いいですか、二千数百万の金をそのまま国は出しておいて、これが使いものにならないんですよ。いわゆる空路を開設しなければならぬというその考え方の上に立って、それだけの費用を支出なさったんです。何らかの形においてそれを生かすというような態度があってしかるべきじゃございませんか。それならば、地元からこうこうだといって関係書類を添付してお願いをいたしますということで出さなければ、あなたのほうとしてはそういう関係者を呼んで話し合いをするというようなことができないんですか。それはおかしいと思うのですよ。われわれとしては、少なくとも対馬、壱岐の飛行場建設にあたって、一千億という金がむだになった。これも事実。対馬において二千数百万の費用がむだになった。これも事実でありますから、何とかしてこれを生かしていくことを要求するのは、わが決算委員会としては当然のことだと私は思う。これを生かすべきです。これは離島振興、島民の福祉のために考えたことでありますから、このままほっておいたんでは、そのことが実現をしないのでありますから、だからして形式がどうであろうとも、あなたのほうは呼びかけることだって差しつかえないじゃございませんか。そうじゃございませんか。
#58
○澤政府委員 先生の御意見、まことにごもっともでございますが、航空会社全般の考え方が、このところ非常に大きく変わってまいりました。御承知のように、四、五年あるいは三、四年前までは、各航空会社が自分の路線を拡張しよう、そうしてあらゆるローカル空港、あるいは島にも自分の路線を伸ばそう、こういう熱意に燃えておったわけでございます。ただ、それに伴いまして、各地方、県その他も飛行場の建設に非常に熱心に努力されたわけでございまして、国といたしましても、そういう県の御要望に沿うべく地方空港の建設を行なったのでございますが、その後航空会社が路線を実施していきますのが非常な赤字でございまして、これは単に長崎県だけではございません。全国にわたりまして航空会社の経営内容が非常に悪化したということで、目下航空局としましては、各航空会社の航空の再編成、あるいは航空会社の経営内容の改善ということにつきまして、積極的に指導をしてまいっておるわけでございます。ただ、何でもかんでも採算に合うことだけを考えろということではございません。やはり許可事業、認可事業でございまして、公益事業でございますので、その各ローカル、ローカルの福祉、公益ということも考えながら、指導をしてまいっているわけでございます。その再建整備計画が順調に進みますと、私は五年以内には国内の航空会社というものは非常に経営的にも健全な形になるのではないか。そのときにおきまして、あるいは一時切った路線ということで、その地方の方に非常に御迷惑をかけているようなところは優先的に、その会社は健全な会社として、また路線を伸ばすことができるようになるのではないか、このように考えております。
 長崎県も航空については非常に御熱心でございましたが、やはり長崎航空は経営が非常に不振になりまして、これも全日本空輸との協定によりまして、十二月からその路線の一部を全日空がお預りするというようなことで、この経営改善にも努力をいたしてまいっているわけでございます。
 一般的にそういう事情でございまして、この御指摘のヘリコプターにつきましても、西日本空輸が長崎県あるいは関係の市町村と十分御連絡の上、これなら採算が立つというところで案をおつくりになるならば、私のほうとしてはそれを慎重に検討してまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。何とぞ御了承を願いたいと思います。
#59
○中村(重)委員 これだけにかかっておったのでは、ほかの大事な問題が質問ができなくなりますので、とにかく私は、もっと責任を持って当たってもらいたいということです。だから、そういう形式を論ずるときではない。せっかく投じた費用というものをむだにしないように、生かすように、十分対処さるべきだということでありまして、その点を申し上げておきます。
 次に、個人タクシーの問題についてお尋ねをいたしますが、個人タクシーの免許の状況及び方針について伺ってみたいと思います。
#60
○蜂須賀説明員 個人タクシーの免許につきましては、現在自動車運転者に対しまして希望を与えるとともに、業界に新風を注入いたしまして、道路運送法の目的であるところの、公共の福祉の増進をはかるという趣旨でつくられたものでございます。免許にあたりましては、個人タクシーが旅客サービスに関しまして、現在一般利用者から非常に要望をされておりますので、これにかんがみまして、利用者の期待にこたえるために、今後とも積極的な意思表示をしていく方針でございます。
 個人タクシーにつきましては、御承知のように、免許を受けた者がみずから運転に従事するという特殊性がございまして、いわゆるタクシーにおきましては、ハイヤーとタクシーといいますか、車庫待ち営業と、いわゆる流し営業とあるわけでございますが、個人タクシーは流し営業が中心になっております。したがいまして、個人タクシーの免許をする地区につきましては、流し営業なりつじ待ち営業なりできる場所において現在免許しております。現状は、全国で四十八都市を免許しておりまして、業者数で調べた数字がございますが、一万一千七百六業者ございます。これは十月末の現在の数字でございます。
#61
○中村(重)委員 行政管理庁から八月二十一日に、個人タクシーの免許促進を、という点で勧告をされたのですね。これはどう措置しましたか。
#62
○蜂須賀説明員 個人タクシーの免許につきましては、各地区とも現在一年以内で処理しておりますが、東京におきましては、三十九年のオリンピックの開催の当時、これに刺激されまして、非常に多くの申請が出てまいりまして、そのために処理はおくれておったわけでございます。したがいまして、運輸省としましては、この処理の促進をはかるために、現在東京陸運局に、個人タクシーの処理に対しますところの特別な処理体制をつくりまして、年度内に、当時四千五百件の申請が残っておりましたが、その三分の二にあたるところの三千件を処理する方針で、現在着々とり進んでおります。現在までのところ、それ以来千五百八十五件を処理いたしまして、約半数処理しておりますので、年度内には予定の三千件は処理できると思っております。
#63
○中村(重)委員 三十八年の十月に経済閣僚懇談会が持たれて、免許は申請があれば随時処理する、必要増車両の設定はしない、こういうような了解が与えられておりますね。ところが、どうも行管からの勧告の内容を見てみると、当時は四千件程度これは未処理である、そういうことになっておる。この勧告の中にある必要増車両の設定はしないということを、あなたのほうはどう理解をしておられますか。
#64
○蜂須賀説明員 これは、当時陸運局に自動車運送協議会というのがございまして、陸運局長が自動車運送協議会にその地区の必要車両数を諮問いたしまして、答申を得てやっておったわけでございます。したがいまして、必要車両数というものをきめまして、それによって法人タクシーの増車あるいは免許、個人タクシーの免許ということをやっておったわけでございます。その後、行政方針としまして、申請があれば逐次処理をするという方向で進んでおります。したがいまして、個人タクシーにつきましても、毎年千件程度は処理しております。現在、各陸運局ともそういうように車両数をきめなくて、そして随時処理しておりますが、ただ数が非常に多いわけでございまして、タクシーの免許申請が、個人タクシーを含めますと、年間に四千件ぐらい申請が出ておりますが、これらを処理するために、現実の調査は、書類審査はもちろんでございますが、現地に行きまして車庫があるかどうかということを調べておりますので、処理の都合上、ある程度まとめまして処理しておるような現状でございます。
#65
○中村(重)委員 そうすると、個人タクシーの免許の申請があった、そういう場合は、基準に合致しておれば、必要増車両の設定はしないのだから、これを認めていく、そういう態度で対処していきますね。
#66
○蜂須賀説明員 そのとおりでございます。
#67
○中村(重)委員 そうだとすると、二度まで行管の勧告を受けるというような態度、そういうことであったということは、私はきわめて無責任だと思う。少なくとも経済閣僚会議の了解事項ですから、もっとてきぱきと審査をして、認可するものはこれを認可していくという態度であるべきだったと思う。しかしその基準に合致しておるならば、これを認めていこうという態度ですから、それはそれでよろしいと思う。
 そこで問題となってくるのは、免許基準というのが非常にきびし過ぎる、そういうことになるのではないか。基準に合致しておるならば認めていこうというような態度はいいといたしましても、これを審査する場合に、免許をしようという態度で臨むか、できるだけこれを避けようという態度で臨むかということによって変わってまいりますね。ですからともかく、いまの基準というような点に無理があるように私は考える。無事故である、これは事故をひんぱんに起こすような者は、たいへんな問題でありますから、これはある程度内応によって検討の余地は十分残されていかなければならぬと思う。年齢の点について、四十歳から五十五歳、経歴であるとか、事業計画の適切性というようなことについて、私はあまりに基準がきびし過ぎるような感じがする。必要資金を六カ月以上にわたって安定した状態で確保する。いまは、自動車というのはほとんど割賦販売でしょう。そういうようなものを六カ月間も運転資金を含めて、自分の金だとして持っておらなければいけないというような、そういうことは私は不必要だと思う。だからあまりにもきびし過ぎる。
 時間の関係で委員長から盛んに催促をされておるので、もう問題点をここで一括して申し上げて、お答えをいただきます。
 実に非常識きわまると思うのは、住居と営業車庫との距離が、徒歩で行ける区間でなければいけない。具体的には二キロ、こんなばかなことがありますか。バスで行こうとも電車で行こうともいいじゃありませんか。個人が経営するのに、何のために一キロとか二キロとかいって、営業車庫と本人の居住するところとの区間をきめなければならぬか。そんな筋合いはないじゃありませんか。経済閣僚会議の了解事項というものがある。この必要増車両の設定はしないという点は尊重していかなければならない。だがしかし、何とかしてこれを認めないようにしようという、他からの圧力というものもいろいろあろうと思うのでありますが、そういうことによって、必要以上にこういう非常識と考えられるような、きびしい条件をつけておるような感じがする。どうですか。
#68
○蜂須賀説明員 個人タクシーは、ただいま申し上げましたように、免許を受けた者が運転をするわけでございまして、内部におきまするところの監督体制がございませんので、人間に重点を置いておりまして、現在本人の年齢とか経歴、あるいは法令の順守状況、あるいは健康等について見ておるわけでございますが、この内容につきまして、各陸運局が現地の実情に応じまして基準を設けてやっておるわけでございますが、この基準につきまして、いろいろと御批判がありますので、現在、地方の陸運局の基準をとりまして要件としておりますけれども、ただ年齢等につきましては、本人の社会的、経済的な安定性とか、いろいろ職業に対する定着性とか、交通の法令の順守状況とか、いろいろの問題を見まして一応きめたわけでございますが、ただこれはあまりにルーズになりますと非常に悪いと言いますか、サービスの悪い業者が出てまいりましても、非常に監督しにくいのでございまして、現在評判のいいのも、ある意味におきましては厳選をしているためにいいと思っておるわけでございます。
#69
○中村(重)委員 あなたの答弁は説得力がないです。ともかく評判もよろしい。確かにわれわれは何か個人タクシーに乗ると安心しますね。もうそこへ来ておったら、個人タクシーのほうへ手をあげたくなるのです。これは事故率からいっても千台当たり個人タクシーの事故が四十丁三件に対して法人タクシーはそのほぼ九倍程度で三百四十八・四件。これは法人タクシーと個人タクシーといったら、事故が九倍も違うというのだからたいへんだ。それだけ安心感がある。これはあなたが言うように、年齢的にも無理をしない年齢だということ、そういう一面は私はあると思う。しかし、少なくとも五十五歳――だいぶお互いに寿命が長くなってまいりましたが、しかし、四十歳から五十五歳ということは、あまりにも年齢基準がきびし過ぎると思う。少なくとも三十以上になったら私は認めてもよろしいと思う。だから、三十五歳ぐらいにこれを引き下げていくということが当然であると思うのですが、この点はどうお考えになるのか。
 それから、この必要資金を六カ月以上にわたって安定した状態である、これも私は不必要であると思う。これをどのように緩和なさるか。
 それから住居のことについては、個人を中心だとおっしゃった。なるほど属人主義。わかりますよ。わかるけれども、いまの住宅事情等から考えて、何も車庫とその住宅が二キロ以内になければならぬとか、徒歩で行く地点であるとかいうのも不必要じゃありませんか。これは非常識ですよ、こういうことは。これをどう緩和しようとお考えになるのか。はっきりお答えを願いたい。
#70
○蜂須賀説明員 これは個人タクシーにつきましては、ただいま申し上げましたように、免許を得た者がそのまま自分で運転をするために、実際の労働時間がいわゆる法人の場合は労働基準法とかあるいは片一方では会社の監督がありますが、個人の場合はそれがないために、個人の恣意によって労働できるわけでございます。したがいまして、たとえば夜間、早朝等におきましては個人タクシーは比較的少なくなっておる。また現実の運営につきましても、自分の肉体に応じましてやるためでございましょうけれども、からだの強い者は非常に十二時間以上オーバーして相当な過労になるような営業をする。またもちろんからだの弱い方はむしろ楽な営業をしておりますけれども、そういう面で実際の営業時間等におきましてまちまちになるおそれがあるわけでございます。そういう面を見ますと、やはり本人が精神的にも安定しないと悪かろうと思っておるわけでございます。年齢等につきましては現在もその面から法令の順守状況とか実際の動きというものを見ておりまして、これらについて慎重に考えたいと思っております。
 ただ、先ほどお話がございましたような資金面等につきましてはあるいは距離というようなものにつきましては、地方におきましてはあるいは行き過ぎがあるかと思いますので、この点につきましてはさらに検討したいと思っておる次第でございます。
#71
○中村(重)委員 これは検討してみたいと思うということよりも、このくらいは大臣に答弁を求めなくとも、あなたのほうでその改善という態度で責任を持って大臣に対してこれを認めてもらう、そういう態度でいくべきですよ。これはともかくいまの基準は非常識です。
 さらに代務者の条件がきびし過ぎるのもまた驚くですね。代務者の条件というものは、私から申しますが、病気その他の事故がある場合免許基準に相当する条件を持つ代務者でなければならぬ、こういうことが事実上行なわれますか。いいですか。その代務者を探して、だれだれを代務者にいたしますといって書類を出さなければいけないのでしょう。そして十五日以上ぐらいそういうような病気等でなければならないのですよ。属人主義であるから、その人は全くその日に働かなければ生活することができないような状態の人たちだ、こう考えなければいけないのですよ。自分が働いて、車を走らせて、その利益をあげて所得を得て生活をするんだから。だからして代務者を認めるということは形式だけですよ、これじゃ。第一そういうものを探すのにそういう状態にならなければ探せないのだから。これを探すのにどれだけの日数がかかります。そういう人が事実上なかなか見つかるものじゃないのです。かといってだれでもよろしいと私は言わない。あまりにもこの代務者の条件というものがきびし過ぎる、現実問題として不可能なことをきめておる、私はこのように感じます。その点あなたはどうお考えになります。
#72
○蜂須賀説明員 代務者につきましては現在大都市等の個人タクシーの多い土地におきましては組合ができておりますので、その協会におきまして代務者を指定しておりまして、この人が病気の者に対しましてかわっておりますが、現に代務者というのは先生のお話がございましたように病気になったらすぐ見つけるということはむずかしいわけでございまして、団体においてそういう代務者をある程度準備しておりますというのが現状でございます。
 なお代務者の資格でございますが、これにつきまして個人タクシーにつきますところの個人的な資格を指定しておるわけでございまして、これに準じて考えておるわけでございますが、これにつきましても従来からいろいろ議論がございまして、現在検討しておるわけでございます。
#73
○中村(重)委員 何かわかったようなわからぬような答弁ですが、ともかくこの代務者はその免許を受ける者と同じような条件というようなことでなくて、ほんとうに病気とかその他――これまた人間ですからね、やむを得ない用事、親がきょうだいが、さあ病気をした、けがをした、いろんなことでこれは一週間もあるいは十日も旅行しなければならぬということだって起こるですよ。そういう場合に、それはいまあなたが言うようにあらかじめそういう者を探してちゃんと準備しているんだとおっしゃるけれども、なかなかそういうものでもないですよ。予測しないような事故が起こってきた、そのために代務者を探さなければならぬ、そういう場合に、あまりにもむずかしい条件ですとなかなかそういう人は見つからない。そうすると車は走らない。走れないのだから所得の道が閉ざされる。生活ができなくなるじゃありませんか。もう少しこういう点は実情を十分勘案して条件を緩和していくという態度であるべきだと思う。
 それから個人タクシーの免許の権利を譲り渡すということは非常に多いようでありますが、これは認めておられるのかということと、譲り受け人の資格というものは、これも条件があるのか。
#74
○蜂須賀説明員 これは譲渡の場合につきましては、現行法におきましても免許に準じて実はやっておるわけでございまして、当然譲渡を受ければその人は免許と同じかっこうになってやるわけでございますので、資格は準じております。
#75
○中村(重)委員 実際はそうじゃないようです。いわゆる譲渡の場合はよほど緩和しておるようです。扱いとしてですよ。私の調査したところによりますとね。このことは、車をふやさない、いわゆる必要増車両の設定をしないというのだけれども、ここにウエートが置かれているということは、私はその面からでもわかるのです。だからこれは属人主義という形であるならば、権利の譲渡というような場合等も条件は同じであるということですね。そして実際そういうことでなければならぬ。そして基準というものを引き下げていくという形であるべきものである。
 ここで政務次官にお答えを願いたいのですが、いまあなたお聞きになって、私が問題を指摘をしていたことと、いま答弁があったこととお聞きになって、これを改めなければならぬという点が多多あるとお考えにならないかどうか、あなたの考え方をこの際お聞かせ願いたい。
#76
○金子政府委員 私は、個人タクシーの条件等について、まことに申しわけありませんが、不勉強で、いま初めて中村委員の解説で承知いたしたのですか、条件はたいへんきびしいような――その当時といまとは非常に変わっていますから、多少条件については検討すべきじゃないかなと私は考えております。しかし個人的な意見です。
#77
○中村(重)委員 個人的な意見ということでありますが、政務次官ですから、個人的なそういう感触というものが実際は実を結ぶように、改善されていくように、ひとつ取り組んでいただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 それから法人タクシーの免許基準というのがいま十台以上ということになったわけですね。これはどういうことからそういうことになったのか。十台以上ということになってまいりますと、新免は事実上不可能になるということになるのではないかと私は思うわけです。これは十台ということになってまいりますと、場所の問題、それから資金量の問題等もいろいろあるわけですね。そうなってくると、市街地以外は事実上、新免というものはできなくなるという形になるのではないか。それから資金力の弱い人、そういうものが法人の免許を受けるということは、事実上これは締め出されてしまったという形になるのではないか。そう思うのですが、あなたはどうお考えになりますか。
#78
○蜂須賀説明員 これは十台以上ときめておるわけではございません。ただ地方の都市におきまして、都市都市の実情、つまり地域の事情等によりまして、たとえば大都市におきましては現在の車両数が何両以上ということをきめておるわけでございまして、十両以上にきめた都市もあると思いますけれども、いなかにおきましては、もちろん二両、三両で免許できる。十両以上ときめたわけじゃございません。
#79
○鍛冶委員長 中村君、簡潔に願います。
#80
○中村(重)委員 農村というそういうような形の場合に十両以上ということにしてないのではないかと思うのですが、市の周辺、むしろ町村、新しくできた市の地域、そういうようなところ、それは従来は三台以上であった。そこで申請をした。ところがなかなか聴聞会は開かれない。もう一年以上もたっておる。その途中に十両以上ということに変わったというので、とたんに今度は書類を出し直さなければならぬ。その書類はかっこうをつけるだけならよろしいのだけれども、なかなかそうはいかない。今度は公聴会の際にその中身というものをきびしくやられるのだというので、ついにこれが認められなかったというようなことで気の毒な人たちというものがたくさん出ている。私は一連のそうした動きを見てみると、どうも新免を認めまいというような、そういう観点でいろいろな制度をきびしくしていっているような感じがしてなりません。いまあなたが十両以上ということは別に規制しておるわけじゃないんだというならば、当時三台で出しておったということは、これはもうある種の既得権ですよ。それを認めている、いわゆる公聴会の際にそれを対象として審議をしてその可否を決定すべきだ、そうあるべきだと私は思う。ところが、現実にはそうではない。私が申し上げたようなことになっておるのですが、その点どのようにお考えになりますか。
#81
○蜂須賀説明員 地方の各陸運局で処理しておるわけでございますが、実際の運用等につきましては経過措置をしておると思いますけれども、これにつきまして実情をただしてみたいと思っております。
#82
○中村(重)委員 経過措置をしておればいま私が指摘したようなことはないですね。あるいは私の知る範囲でそういうようなきびしい態度をとったのかもしれない。しかし私は事実を知っていまあなたにお尋ねをし、不当性を指摘をしておるわけですから、具体的なことについてお尋ねになるならば、あとで具体的な事例をお示しすることはやぶさかではございません。ともかくそういうことである。
 さらに、国が一つの国策として進めておる団地政策なんです。たとえば下請工場というのが団地の中に十社、二十社、三十社と入る。そうして協同組合を組織をする。ところが当然これはバスで労働者を運ぶという形になってまいります。そういう場合に白ナンバーというものはこれは協同組合には認めない。各企業が直接その労働者を使っているんだから、その企業が自分のところの労働者を運ぶためならばそれを白ナンバーと認めようけれども、協同組合としてはこれを認めないんだというような態度をおとりになっておるようでありますが、私はこれはあまりにかたくなな態度であると思うのであります。それはその企業がバス一両なら一両で従業員を大体同じような方向から運ぶだけの、それだけの従業員がおれば私はよろしいと思う。ところが労働者はずっと散在をしておるわけでありますからそうはいかない。だからして幾つもの工場の同じような、方向の労働者というものをバスに乗せて運んでいくというような、そういうやり方が私は適当であると思う。そうなってまいりますと、協同組合にこの白ナンバーを認めていくという態度であるべきだと思うのであります。ところがこれをなかなかお認めにならないのですが、それはどういうことなんですか。
#83
○蜂須賀説明員 協同組合に認めないということは別に出しておりませんけれども、現地でおそらく協同組合の問題と既存のバスの問題あるいは自家用との問題というものに関連いたしまして、営業行為になるかどうかというような問題があろうと思いますが、よく調べておきます。
#84
○中村(重)委員 営業行為、いま私が申し上げるとおりであります。いいですか。国策でその団地に入るんですよ。そして幾つもの工場が、なるほどその工場が独立採算で個人経営という形でその団地の中ではやっている。やっているんだけれども、そこへ協同組合をつくってしかもその中には共同施設、共同作業というものもあるわけなんです。それならば弾力的な運営としてその協同組合に自家用としての免許を与えてやればいいじゃございませんか。そうしなければ問題が起こるというのです。どういうことが起こるのか。ほかの企業の車に便乗したという形をとってまいります。途中で事故が起こった。事故が起こったならばこれは労災の対象にならない。これは問題なんですよ。だからして業務用のいわゆる限定許可という形ではなくて――農業経済連等には業務用の限定許可をしておられるんですね。ああいうような業務用の限定許可ということではなくて、協同組合に白ナンバーを認めていくというようなそういう弾力的な措置をおとりになることが私は適当であると思います。そのとおりにお考にえなりませんか。
#85
○蜂須賀説明員 よく検討いたします。
#86
○中村(重)委員 私はこの問題は前も商工委員会で取り上げてきた。私の質問に対して与党の諸君も運輸省のかたくなな答弁を聞いて全く非常識だと言っておこっておった。そういうことこそもっと弾力的な態度をとるべきだ、ただそのときに、経済連等がやっておるようないわゆる業務用としての限定許可は認めましょうというお答えはあったんです。少なくともあなたのいまの答弁よりも前向きの答弁ですよ、何年前の答弁が。これは人がかわったから方針がぐるぐる変わってくるということであってはなりません。少なくとも当時、検討する、しかもはっきり業務用の限定許可を認めるとまでお答えになったんです。それではいけないということに対しては、十分誠意をもって検討いたしますとお答えになったんだから、いま何年先になって同じような問題を私が質問して、よく検討します――まあ、あなたは答弁のための答弁ではないでしょう。あなたの表情から私が受ける感触は、まあ何とかしなければならぬなという気持ちでお答えになったような気はするけれども、どうも検討します、検討しますの連続ではどうにもならない。どうですか。
#87
○蜂須賀説明員 その問題につきましては、前向きの方向で検討いたします。
#88
○中村(重)委員 それでは、まだモーターボートの問題その他いろいろお尋ねをしたいことがありますが、同僚委員の質問がありますので、それが終わってからということで、質問を留保いたしまして交代をいたします。
#89
○鍛冶委員長 吉川君。
#90
○吉川委員 私の時間がなくなってまいりましたので、ごく簡潔にお答えを願いたい。
 空港関係に限って若干お尋ねを申し上げます。
 昭和四十二年十二月現在、わが国における空港は、第一種二カ所、第二種十七カ所、第三種二十八カ所、その他九カ所、計五十六カ所あるといわれております。この建設費には百億近く使用されておりますが、特に第三種空港は、空港整備法第九条によりまして、それぞれ事業費を各地方公共団体に対し、内地は五割、北海道は七割五分、離島は全額の国庫補助をしておりますが、いまだに使用していない空港が数カ所あると聞いています。先ほど中村委員の御指摘になったものもその一つでございましょうが、これは補助の目的を達していないと思われますが、いかがでございましょう。また、交付範囲が明確でないものがあると思われますが、いかがでございますか。こういう問題に対して今後の行政指導、監督の方針、どのようにやっておいでになる御所存か伺いたいのでございます。
#91
○澤政府委員 ただいま御指摘になりました空港のうち、全然使用いたしておりませんのは、先ほど御質問のありました対馬の水上飛行場、これはただいま休止をいたしております。
 それから、佐渡の空港が、これはまだ正式の供用開始に相なっておりません。これは使用されておりませんが、来年四月から小型機によりまして新潟と佐渡との間の路線定期を行なうことになっております。
 その他の空港は、たとえば北海道におきます第三種空港は、いわゆる定期は飛んでいないところが多いのでございますが、夏季路線不定期便で使用し、あるいは、使用事業者と申しますか、農業農薬の散布あるいは観光飛行その他に使用されておる状態でございます。
  〔委員長退席、小山(省)委員長代理着席〕
#92
○吉川委員 いろいろありますが、松本なんかは私のところだから、ローカルの問題はいま触れませんが、どうしてその使用ができないままになっておりましょうか。計画がずさんであったのか、何かその後において何らかの事情が発生をしたのか。
#93
○澤政府委員 御指摘の松本空港、いわゆる定期としては使用いたしておりませんが、路線不定期として夏季大阪との間に東亜航空が就航いたしておったわけでございます。
 それで、これは先ほども御答弁申し上げましたが、全国的に四、五年前までは、各航空会社がどちらかといいますと非常に数が多かった。その各航空会社が、自分の路線を拡張しようという意欲が非常に盛んであったわけでございます。それから、各都道府県におきましても、これらの航空会社と提携をいたしまして、自分の地元に定期航空をやらせたいという御希望が非常に強かったために、各府県におきます飛行場の設置ということの熱が非常に盛んでございました。航空局もこの御要望に応じて飛行場をつくる補助をいたしてまいったわけでございます。
 その後の航空界の状況といたしまして、各航空会社とも非常な赤字になってまいりまして、あるいは破産直前の状態になってまいりまして、それで一昨年の末以来航空局におきましては、各航空会社の企業の再編成あるいは合併とかいうことを指導してまいりまして、各航空会社も、非常に採算の悪い路線につきましてはその意に反して一部休止し、あるいは休止せざるを得ない、こういう状況になってまいったわけでございます。しかし、現在私のほうで指導いたしております国内航空の再編成ということが進みましたら、これは五年以内に非常に強い航空企業の体制ができてまいると思うのであります。
  〔小山(省)委員長代理退席、委員長着席〕
そういたしますと、これはやはり私企業ではございますが、公益企業でございますので、そういう一部休止あるいは休止した路線も再開をする、こういう状態に相なるものと期待いたしております。
#94
○吉川委員 昭和四十年度末現在、東京国際空港外十九カ所で飛行場敷地内の国有財産を民間に貸し付け中のものは、土地七十五万二千五百平方メートル、貸し付け料が八千二百四十万円、が三万一千八百平米、貸し付け料が千十五万円となっております。国有財産を民間会社が借り受けて空港ビルを建設し、それを運輸省、法務省、厚生省、農林省等が出先機関の庁舎として借り受けております。その借賃でございますか、その算定基準について。また空港ビルの建設は、国、民間いずれが建設したほうが国にとって有利であるか、その辺をお聞かせ願いたいと思います。
#95
○澤政府委員 第二種空港におきましてはこの飛行場敷地は大部分が国の行政財産に相なっております。それで、これをいわゆる航空関係事業者が航空事業のために使用する場合にはこの貸し付けを行なっておりまして、その使用面積あるいは貸し付け料の額につきましては先生のおっしゃったとおりでございます。それで、ただ国の官庁その他の建物につきましては、原則として国がこれを建造いたしまして――民間にターミナルビルその他を建てさせましても、そのうちの官庁部分につきましてはそれを買い上げることを原則といたしております。大部分のものがいわゆる国有財産のほうに相なっております。
 それから、ターミナルビルを民間に建てさせるのがいいのか、あるいは国自身がこれを建てるのがいいのかという問題につきましてはいろいろ議論が分かれております。ただその最初の事例といたしまして羽田の東京国際空港におきましてターミナルビルをつくりますときに関係者相寄り協議いたしまして、国の予算で全部をつくるよりも民間にこれをつくらして、国の使用する部分はこれを買い上げるということのほうが国の財政上も使用する金が少なくて済むし、またターミナルとしてのいわゆる輪奐の美を誇るりっぱなターミナルができるのではないかということで閣議の了解を得まして、民間の会社に東京のターミナルビルをつくらしたわけでございます。これがその後日本におきましては先例となりまして、全国の空港にほとんど民間会社がターミナルビルをつくる、あるいは県の飛行場におきましては県みずからつくっておるところもありますが、そういう事例に相なっております。
#96
○吉川委員 各飛行場の使用にあたって離着陸、滞留等、機種別の使用料及びその算定基準について御説明を願いたい。昭和四十年度の使用料の金額と収納未済額はどのくらいになっておりますか、使用料未済会社に対する債権管理法上の債権保全措置はどのようにされておりますか、その諸点について……。
#97
○澤政府委員 飛行機の着陸料につきましては、これは最初着陸料を決定いたしますときに、世界の航空界の飛行場の着陸料の例をとりまして、大体その高いほうの部門のまん中程度といたしまして、そして国内の飛行機につきましては、国内線につきましては大体その三分の一程度、これは国内企業の助成の意味もございまして三分の一程度に定めまして、その後物価上昇あるいは諸外国における着陸料の上昇に比例いたしましてこれは上げてまいっております。たとえばDC8でございますと、この着陸料は大体十一万円程度でございます。YS11でございますと一回三千百円程度ということに相なっております。それでこの着陸料の延納と申しますか収納のおくれておりましたのは、先ほど御指摘の時期におきまして約二千二百万円程度でございましたが、その後各航空会社の納入を督促いたしまして、現在では納入がおくれておりますのは三百万円程度に相なっております。
#98
○吉川委員 新国際空港は当初富里に設けられるというので、そこの面積が二千三百ヘクタール、七百万坪といわれております。滑走路は四千メートルが二本、二千五百メートルが二本、三千六百メートルが一本――これは横風用といわれております――事業費千九百三十八億一千百万円となっておりましたが、現在成田は面積が一千六百五ヘクタール、三百二十万坪、滑走路が四千メートルが一本、二千五百メートルが一本、三千六百メートルが一本――これは横風用といわれております――事業費千二百四十二億八千百万円となっております。このように縮小された理由いかん。また現在用地買収、工事の進捗状況はどうなっておりますか、このように計画が変更されて、これで将来の新東京国際空港としてその機能は達せられるものであるかどうなのか、その点お伺いいたします。
#99
○澤政府委員 御指摘のように新東京国際空港につきましては昭和四十年十一月に関係閣僚懇談会におきまして富里に一応内定をいたしたわけでございます。これは正式な政府の決定ではございませんで、関係閣僚懇談会で富里にしようということを内定いたしたわけでございます。そのときの坪数は御指摘のように約七百万坪でございまして、四本の滑走路をつくろうということであったわけでございます。その後地元におきます反対が非常に強く、そこで国有地、県有地を非常にたくさん含んでおります現在の成田に、しかも地域を三百二十万坪に縮小して決定いたしたわけでございます。それでこれは正式に決定をいたしまして、政令を公布して成田につくるということを昨年決定いたしたわけでございます。これは御料牧場その他県のいろいろな農事試験場その他の土地がございますので、富里に比べていわゆる関係住民に御迷惑をかける範囲が少しでも少なくなるということでございます。それで、三百二十万坪に縮小いたしまして、滑走路も三本にいたしましたが、この三本の滑走路を使用いたしまして、十数年にわたりまして国際線を処理する能力があり、十分新空港としての価値を維持するということで、現在計画を進めているわけでございます。
 それで、現在の状態でございますが、現在は、昨年七月四日に閣議決定いたしまして関係住民のための対策を政府として強力に推進する。たとえば、騒音地区には畑かんがいを実施いたしまして、周辺には市町村道の開発を行なう、あるいは上下水道を整備するというような住民対策を実施することをお約束いたしますとともに、現在は敷地内の土地の購入について公団が地元の方と折衝いたしております。現在までにすでに十名の方と契約ができまして、租税特別措置法が新しく施行されます来年一月以降には土地の購入が非常に進んでまいる、このように考えております。それで、四十三年度一ぱいに土地の購入を完了し、また、工事を四十三年度後半から一部進めてまいりましたら四十六年四月からは四千メートルの一本の滑走路は竣工できるという計画で、目下強力に地元の方と折衝を進めておる次第でございます。
#100
○吉川委員 これで使命は達せられるのですか。
#101
○澤政府委員 成田の新空港では当初案に比較して地域が狭いので使命が達せられるかという御質問かと思いますが、この二本の滑走路は、距離が千五百メートル離れておりまして、同時使用が可能でございますので、約二十六万回の能力がございます。しかも、成田にできますのは国際線だけでございますので、供用開始後相当の長期にわたりまして使命を達成する、このように考えております。
#102
○吉川委員 局長はおっしゃるけれども、私はいまの成田の空港では将来は十分ではないと思う。私は決算委員長のときに、刺激を与えない程度にそっと現地の調査をやりました。そうしましたら、全学連の連中や左翼教授連中が、一坪、二坪の土地を買いまして、所有権を主張して抵抗をしておりました。なかなか用地買収も容易でなかった。ですから、その点はひとつ十分慎重に、しかも強力に――やり始めたら、土地収用法もあるんですから。これはぜひとも大臣の御決意を伺いたいのでございますけれども、富里から成田に変更された。富里程度の規模でなければ、日本の将来の中央の国際空港としては十分ではないと考えております。それについて、将来についての考え方もひとつあわせて、成田空港というものをすみやかに実現してもらいたいということをお願いします。
 それから、ついでに大臣に伺いたいのですが、メキシコオリンピックが近く迫ってまいりました。そのついでにブラジルへ乗り入れる問題が日航から要請されておりますが、その見通し等についてもあわせて伺って、私の質問を終わります。
#103
○中曽根国務大臣 東京新国際空港の問題は、万難を排して断固としてこれはやり抜くつもりであります。いろいろいきさつはあったでしょうけれども、今日全国民が待望していることは、すみやかに国際空港を完成することでありまして、このことについては不動の決心を持って政府として全力を傾倒するつもりでおります。
 それから、ブラジル線への新しい航路開拓につきましては、局長から答弁させます。
#104
○澤政府委員 来年の一月にメキシコと航空協定を締結いたしまして、それがもしできましたら、オリンピックまでにまずメキシコまでの乗り入れを実施したいと考えております。
#105
○鍛冶委員長 佐藤観次郎君。
#106
○佐藤(觀)委員 中曽根運輸大臣をお呼びしたのは、昨日――きょうも石田国鉄総裁がここに来られて、いま赤字の大きな原因は、通学通勤定期のために赤字がふえておる、しかし、これは国鉄の責任ではなくて国の責任である、政府の責任である、それだから、断固として自分たちは通勤と通学定期の値上げをするということを言明されました。大臣はこの点についてどういうふうにお考えになっておられるか、伺いたいと思います。
#107
○中曽根国務大臣 国鉄総裁石田禮助氏は、私が最も尊敬しておる今日の人士の一人であります。老骨をひっさげまして、老いの一徹と申しますか、ともかく全国鉄の運命を双肩にになって、十河さんと同じように、線路をまくらに討ち死にするという以上の決心を持っておやりになっておることは、非常に私は感謝にたえないところでありまして、齋藤實盛のような感じもいたします。こういうりっぱな、一生懸命国鉄のためにおやりになっておる大先輩の御健在を心から私は祈っております。国鉄再建のために総裁が非常な御決心を持っておることは、私はよく承知しておりますし、敬意を表しておるところであります。
 国鉄は、御存じのように、第三次増強計画をやっておりまして、幹線輸送あるいは保安強化あるいは通勤輸送、こういう三つの大目的のために相当な投資をやらなければならぬのであります。それで、赤字の大きな原因が通勤定期にあることも事実であります。端的に申し上げれば、普通のお客さんが百円払うところを、学生定期は約十三円くらいしか払ってない、また、一般のサラリーマンは平均して約三十一円強払っておるにすぎない。法律では、五十円まで取っていいということになっておるわけです。しかも一番増強を要するところがそういう通勤区間でありまして、このために複々線にしたり、あるいは高架にしたり、あるいは膨大な車両をラッシュアワーのときに使うためにそのほかの時間は遊ばせておるわけでありまして、それが非常にむだになっておるわけであります。あるいはその膨大な通勤列車のアパートが必要である。それはみな近郊に持たなければなりませんから、その土地の買収費も膨大なものになるわけであります。そういう点から見ても通勤関係というものが非常な問題であるということは、私もよく承知しております。そのために、今度の計画におきましては、利子補給とか、あるいは国鉄側の希望では政府の投資約三百九十五億円とか、あるいは地方団体に対する納付金の廃止とか、あるいは通勤定期の値上げ約三百億円というような要望を出しておることも、御存じのとおりであります。これらのために総裁が非常な決意を持って御努力になっておることは、私は非常に感謝し敬意を表しておるのでありますが、運輸大臣の立場はまた国鉄総裁と違う立場があると思います。大体来年度予算の問題は、大蔵省あるいは経済企画庁長官とまだ話してないわけです。現在は補正予算を成立させることに一生懸命なのでありまして、いずれ補正予算が通ったら、大蔵省財政当局及び企画庁長官等と来年度経済の規模、物価の問題、公共負担の問題その他について全般的な話し合いをして、総合的な見地に立って国鉄問題も処理さるべきであるという考えを私は持っておるわけです。したがって、今日の状態におきましては、通勤定期は学生やサラリーマンの負担にもなることでございますから、できるだけ上げないほうがいい、それが政府の物価対策に協力するゆえんでもある、そういう考えを私は持っておりまして、そういう考えを持ちながら財政当局と将来交渉し、あるいは企画庁長官等と来年度の物価問題等も考慮しながら最終的に判断をする、そういう考えに立っておるわけであります。したがって、国鉄総裁と国務大臣たる中曽根が意見が違うのは当然で、そのポジションの相違からくることでございまして、総裁の地位に私が埋没したら国務大臣の資格はないだろうと私は思っております。そういう考えでありますから、ぜひ御了承願いたいと思います。
#108
○佐藤(觀)委員 石田さんも、いま大臣が言っておられるようにりっぱでございます。中曽根さんも、新進気鋭で、断固としてやられる人でありますから、そこは非常にけっこうでありますが、現在あれだけの赤字をかかえておる国鉄を、どういうふうなことをしたら値上げをしないで経営ができるか、名案でもあるでしょうか、ちょっとお尋ねします。
#109
○中曽根国務大臣 なかなか名案というものはありませんが、政府関係が相当強力な援助を与えることによってできるだけ回避したい、そういう考えを持っております。
#110
○佐藤(觀)委員 値上げをしないということは国民の待望しておることなんですが、きょう石田総裁からもいろいろお話がありましたが、その中で、物価に影響するということを運輸大臣が言われるけれども、五兆の予算の中で三百億ぐらい上げても影響はないと自分は確信を持っておる、だから、中曽根運輸大臣と刺し違えても断固として自分の意見を貫く、こう言っておられましたが、中曽根さんはどういうふうに対処されますか。
#111
○中曽根国務大臣 刺し違えたら、私のほうが体力があるので勝つにきまっておるから、そういうむだなことはしないように私はいたしたいと思いますが、総裁の言われることはよくわかるし、国鉄ができるだけ独立採算制の線に沿うように非常に努力しておることも多としておるのであります。しかし、やはり来年度、たとえば学生に対する授業料の問題であるとか、あるいはそのほかの公共料金の問題であるとか、いろいろな問題もあるのでありまして、国鉄だけの視野でものを考えてはいけない、そう私は考えております。
#112
○佐藤(觀)委員 それからもう一つは、第三次計画、五カ年計画といっておられますが、その五カ年計画もなかなか簡単に運輸大臣は許可されそうもないようでありますが、石田総裁は、きのうもきょうも、どういう場合があってもこれは変更しない――石田総裁の話によりますと、これをやれば国鉄の赤字がなくなるという確信がある。絶対にこの計画は延ばさないということを言っておられるのですが、大臣は何かその点についてはっきりしておらぬ点があるのですが、どういうお考えでございますか、その点も伺いたい。
#113
○中曽根国務大臣 国鉄の第三次輸送増強計画は、私はいい考えであると思って賛成しておるわけです。しかし、いまの問題につきましては、総裁の態度はみごとであると感嘆しておりますが、私は私の立場もあるわけであります。
#114
○佐藤(觀)委員 大臣の時間がありませんから、最後の結末をつけますが、私たちの意見としては、上げないにこしたことはないのですが、上げないために国鉄が合理化をやって五万人を首切るという話もあるし、現にいま順法闘争が行なわれておりますが、そういう禍根がやはり政府の施策のためにくるひずみになると思う。結局それに入る労働者が非常に困るので、一番泣くのはそういうようなところにいくのじゃないかということが心配されます。そこで、私は、少なくとも国鉄の意見、石田さんの話を聞いてみますと、非常にもっともなような点もあるし、そうかといって、中曽根大臣のように、上げないで済めばこんないいことはないと思うのですよ。両方全うするようなことをしなければだめだ。実際に私どもはそういう点について国民は迷うだろうと思うのですが、大臣は断固として値上げされないのかどうかということを、もう一ぺん将来のために伺っておきたいと思います。
#115
○中曽根国務大臣 私は、断固として値上げしたいということを言っておるのではないのでありまして、まだその点は未定だと言っておるのであります。そうして、これから財政当局と交渉して、いろいろな諸般の計数その他を調べた上で総合的に判断しよう、そういう考え方に立っておるのであります。しかし、運輸省を担当する大臣としては、現在の状態におきましては、サービス官庁としてできるだけ上げないほうに努力すべきであると考えております。
#116
○佐藤(觀)委員 ことばじりをつかまえるわけではありませんけれども、そうすると、石田さんが、断固として上げる、こういうことをここできのうもきょうも悲壮な決心で言われたのですが、そういう場合には、いまのところでは認めるかもしれぬという弱腰でございますか、その点お聞きしておきたいと思います。
#117
○中曽根国務大臣 石田さんは石田さんのお考えがあるので、私はりっぱだと思って尊敬しておるわけです。私は私の立場があるので、それはおそらく補正予算が通ってから政府内部において調整すべき問題である、次元と時間が違う問題であると思います。
#118
○鍛冶委員長 小山省二君。
#119
○小山(省)委員 昨日からきょうにかけて、四十年度の国鉄の決算についていろいろな角度から審議が行なわれたわけで、この質疑を通して私どもが考えましたことは、国鉄が四十年度を基点として第三次長期計画というものを立てたわけでありますが、すでに初年度から大幅な赤字を出すというようなことで、長期計画の前途というものは非常に危ぶまれてきた、一体そのような計画にそごを来たした原因というものはどこにあるのだということを総裁にいろいろ問い詰めたわけであります。いろいろ原因はありますが、主として取り上げられることは、人件費が非常に加算されてきた。毎年毎年のベースアップで非常に人件費が膨大になってきた。それからこの長期計画を立てるときに政府に大幅な出資を要求した。しかるに、政府の都合か、この長期計画に盛られているようなそういう政府の出資なり投資なりあるいは金利の補給というものがなされなかったというところに赤字の大きな原因が生まれてきた。それから貨物の運賃収入が急激に減少した。いわゆる取り扱い量が急変した。こういう、大きくいえば、それらの要因によって赤字を出すような結果を来たした、こういうことになるわけです。いまそのことについて運輸省はどういう考えを持って対処されるか、指導監督の立場にある運輸省の基本的な方針というものを聞きたかったわけです。佐藤さんが大臣を呼ばれて大臣の見解をただされたわけですから、私は重ねて申し上げることは、ちょっといまの点から見て必要ないような感じがいたすわけでありますが、このうち、人件費の増強につきましては、これは総裁も力強く、合理化対策というものを今後も強行する、こういう形においてこの問題については不動の決意を表明されたので、一応われわれはこれを了承したわけであります。金利負担の問題については、これは長期計画を立てたときに当然運輸省もこの計画を承認したわけですから、財政当局がいろいろな財政を口実に国鉄に対する出資を拒否しても、運輸省の立場からいけば、私は、当然、国鉄のこうした実情を考えたとき、政府に向かって大幅な出資を要求してしかるべきだと思う。同時に、必要なら金利負担も持ってやる。総裁もしばしば、国策によって過重な負担を国鉄はしているんだということを言明しているわけです。したがって、それらの点について、大臣は今後補正予算を通したあと十分ひとつ検討してみるということであります。私はもう検討の段階は過ぎていると思う。少なくとも五カ年計画、長期計画を立てるときに、運輸省の基本的な考え方というものが出ていなければならぬ。そのときにこの長期計画に対して検討するというならば、私は大臣の答弁について納得するのですが、たとえそれはどなたが大臣になられようと、私は、この基本的な方針が、大臣がかわることによって変更されるということなら、長期計画なんというものは成り立たないと思うのです。やはり運輸省は一貫してその既定方針というものを貫いてもらわなければならぬ。これは国鉄の責任者というものはたいへんな責任を負わされることになるので、私はこの点について――次官、おかわりになった早々でたいへん恐縮ですが、将来いろいろ大臣と御相談の機会もあろうと思うのでありますが、十分ひとつ国のいまの窮状に対して理解ある態度をもって御支援を願いたいというふうに考えております。
 それから納付金につきましては、たいへんこれは私、総裁の考え方とは少々違った考え方を、わが党においても打ち出しておるのです。その一つは、国鉄のみが固定資産税に相当する納付金の負担をしないということは、国鉄と同じような立場にある私鉄その他が同様な負担をする、固定資産税を納めておるというようなことと引き合わせて、はなはだ不均衡だ。国鉄だけこれを免除するということは不均衡になるおそれがある。これが第一の理由であります。
 第二は、三公社あるいは国有林野、発電施設等、地方公共団体が所有する固定資産について、固定資産税に相当する負担を求めるという納付金の制度のこれは一環をなすものであるから、国鉄だけがこの対象から免れるということはできない、こういうこと。それから国鉄の事業用資産が所在するところの市町村の財政に重大な影響を持つということ、それから国鉄の納付金については、私鉄等に対する固定資産税以上の負担軽減の措置がすでになされておる。こういうような理由からこの国鉄の納付金の軽減という、あるいは免除という点については、相当各方面から強い反対もあることは事実であります。したがって、この納付金の廃止にかわるべき何らかの財政的な措置というものを、私は運輸省で考えてやる必要があるんじゃないかというふうに考えておるのでありますが、これまた他の問題とからんでひとつ十二分に御検討の際考慮していただきたい、こういうふうに御要望を実は申し上げておくわけであります。
 私はきょうは、実はやはりタクシーの問題について、運輸省の基本的な考え方をただしたいというので質問通告をしたのですが、これは中村さんがちょうど十二分に当局の考え方をただされたので、私は重複になるような懸念があるのでありますが、ただひとつこの際お尋ねをしておきたいということは、個人タクシーについては、確かに多少、審査をして資格要件に合ったものに対しては許可が出ておる。しかし法人タクシーについては現在千三百五十四件、全部保留のままになっておる。それに引きかえて既存の法人については、未処理の件数が一件もないのです。全部許可をしておる。増車についての許可をしておる。また新聞紙の報ずるところによると、乗車拒否一斉取締まりということをやっておる。乗車拒否をするということは、いかに車が不足しておるかということを反面物語っておると思うのです。私どもの選挙区の三多摩については、最近たくさん団地が新しくできるのです。大きいところはもう一団地で一万、一万五千、二万という団地が幾らもできる。これらの団地の人はいずれも、当局が地価の安いところを求めるという関係もありまして、通勤にはたいへん不便を感じておる。たまたま雨が降る、病人が出た、そういう問題について、常に選挙民から訴えられることは、交通上バスの回数が非常に少ない、タクシーが近所にない、こういう苦情をわれわれのほうに訴えてきている。しかるに東京の陸運局においては、今日まで一件も新しいハイヤーの許可をしておらぬ。こういうことはあまりにも実情に合わな過ぎると私は思う。既存のタクシー会社に対しては全部増車の許可を与えておるということと引き合い見て、私はあまりにも既得権というものを擁護し過ぎる感じがあるのじゃないか。長いものは何年ですか、数年も願書を出したまま、一向に、これに対する許可であるか不許可であるかということが保留のまま放置されておる。かりにこの人たちは、車庫になる土地も求めなければならぬでしょう。それだけのいろいろな準備をして出しておるのです、それが四年も五年も保留されて、財政的の負担も相当なものだろうと私は思うのであります。こういう問題について私は、出先の陸運局にまかしておいては、とうてい問題の解決はできない、本庁において断固としてひとつ方針を決定して、その方針によって新免の許可を出すあるいは出さないということを確認してもらいたいと思うのでありますが、先ほど中村さんも指摘しましたように、閣僚懇談会の確認事項ですか、申し合わせ事項ですか知りませんが、これが依然として実行されないということで、行政管理庁の監査で指摘をされた。少なくとも私は、閣議の決定ではないとしても、その関係閣僚の確認事項というものが出先の人によって変更されて一向に実行されないということは、いかにも不見識な話であると思う。そのような権威のない申し合わせなり確認なりなんというものは、将来守られないなら行なう必要はない。さような考えを持ったのでありまして、個人タクシーにつきましても、一部許可になったとはいえ、大部分というものは保留されておるのが現状であります。この個人タクシーを行なっておる面から、交通事故が非常に少ない――さっきも中村議員が指摘をされましたが、それらも監査の結果に十分指摘をされておる。非常に安全だ、交通事故が少ないということです。したがって個人タクシーというものは、もう少し寛大な考え方において許可しても差しつかえないというふうにわれわれは考えております。ひとつこのことに対して、次官の御見解をこの際承っておきたい。
#120
○金子政府委員 前段の御要望の点は、大臣にもひとつ十分小山先生の意思を伝えて、国鉄に対する問題について、力の入れ方をもう少し強めるように努力いたしたいと思っております。
 東京の個人タクシー並びに新規タクシー営業の申請、こういったものが実情に沿わない、依然として既存業者を擁護する立場で免許の扱い方がされておるという御指摘でございますが、私はそういった具体的な事務的なことを、不勉強で申しわけありませんが、説明も承っておりませんけれども、大体想像してそういうことがあるなということは私個人も考えておるわけです。十分御意見を尊重いたしまして、御期待に沿うように努力をしたいと思います。
#121
○小山(省)委員 次官のお考えはよくわれわれも了承いたします。その方針でひとつぜひ今後いろいろの面で監督をしていただきたいと思います。
 現在申請されておる法人、個人タクシーの営業許可というものは、いつごろ問題の解決がはかれる見通しでありますか。たとえば現在届け出ておる件数は三年なりあるいは二年なり一年なりのうちに不許可であるか許可であるか、そういう決定というものができるものかできないものか、またこれは当分見通しがつかないというようなものであるか。出願者にとっては私はたいへん重大な問題である。見通しのないものをいつまでも許可されるものと思って待っておるということも、これはやはり生活に及ぼす影響等もあると思います。それらの既存の届け出になっておる営業許可をどう取り扱うかという問題について、ひとつ関係者から御答弁を願います。
#122
○蜂須賀説明員 タクシーの免許証につきましては、従来から各陸運局で処理しておりますが、実情に応じて処理をやっておりまして、東京以外では大体一年半以内くらいに処理しておりますけれども、特に東京がおくれております。東京につきましては、昨年来労務管理の問題、乗車拒否の問題等が非常に多く出まして、さらに本年に入りまして個人タクシーの処理に全力を注いでおりますので、そのためにおくれております。なおこれにつきましても東京陸運局でよく調べまして、できるだけ早く処理したいと考えております。
#123
○小山(省)委員 新しい団地が造成された場合に、それに対するそういう足の問題を解決するために、そういう地区については私は特別な条件緩和の処置を講じてもらいたいというふうに考えております。この点いかがですか。
#124
○蜂須賀説明員 よく事情を調べまして処理したいと思います。
#125
○鍛冶委員長 それでは華山親義君。
#126
○華山委員 ただいまの小山議員の御質問中に、鉄道のこのたびの合理化についてわれわれは了承した、こう言われましたが、われわれは了承しておりませんので、その点あとで問題が起きるといけませんので、議事録にとどめておきたいと思います。
 それからひとつ伺いたいのでございますけれども、陸運関係につきましては、前に新潟の事件があり、長野の事件があり、このたび大阪の事件があった。とにかく現在のいろいろなそういう事件の、何といいますか、またかというふうな、あそこにだけ集中している傾向があります。これは地方における水道事業についてもそういうことがございますけれども、そのたびごとに反省されたと思うのでございますが、どういうわけで陸運関係にたびたびこういう事件が起きるのか。特に幹部におきましてそのことが多いのでございますけれども、どこかに私は体質的な問題があるのじゃないのか。たびたびのことでございますから、十分反省をなすっていると思いますけれども、その反省の結果どこに欠陥があるのか局長にお伺いいたします。
#127
○蜂須賀説明員 陸運関係につきまして、たびたび新聞紙上に出ておりますような問題が出たことにつきましては、はなはだ遺憾に思っております。これにつきまして、われわれとしまして、陸運局におきましては、業界が、トラックで言えば二万二千のトラック業者がおります。タクシーも個人タクシーを含めまして一万六千から業者がおるわけでございまして、こういう非常に数が多いということと、それからその業者の業界では何といいますか、業界の実態が非常におくれておりまして、そういう点で考え方についても問題があろうかと思っております。
 なお運輸省方面におきましても非常に許認可事務が多いわけでございまして、これらの事務をできるだけ自由裁量をなくするような方向で処理することによりましてできるだけ防止したいと考えております。
#128
○華山委員 そうしますととにかく許認可が多過ぎるということと、そういう方面の業界が腐っている、その二つから起きている、そういうことで私は御答弁を受け取ります。その点は私はあなたと同感です。それでよろしゅうございますね。
#129
○蜂須賀説明員 そういう問題も原因かと思いますが、それが全部だということにつきましてはなお検討してみたいと思っております。
#130
○華山委員 なお検討というのは一体何のことですか。いままで始まってから、長野にあり、新潟にあり、このたびの大阪にあり、まだどこが悪いのか検討し尽くされていないのですか。そういうことじゃこういう問題は私は撲滅できないと思う。
#131
○蜂須賀説明員 実はそれが大きな原因でございます。それだけが原因であるかどうかにつきましては、なおまだほかにも原因があろうかと思いますので、そういう意味で、そういう方面につきましても、さらに詳しく調べてみたいということでございます。
#132
○華山委員 私は決して陸連関係の地方の職員、そういうことをあしざまに言おうとは思いませんけれども、長い年月の間同じ仕事で、許認可の仕事ばかりを続けて、そうしていまあなたの言われるとおり、あまりたちのよくない業者と会っている。その間に人間が幹部級に至るまでには人間の本質が変わってくるのじゃないか。そうしてああいう問題を起こすことに平気になって問題が起きるのじゃないか、私はこういうふうに思います。いかがでございますか。
#133
○蜂須賀説明員 運輸省におきましても、全省職員が自粛自戒いたしまして、こうならないように努力するつもりでございます。
#134
○華山委員 そういうふうな抽象的なことでは私はいけないときが来たのじゃないかと思う。それで先ほどから個人のタクシーの問題とかいろいろな問題で局長にお聞きをいたしましても、歯切れのいいお答えがない。そこに私は何か業界からの圧迫、業界からの誘惑、そういうふうなことが存在するのじゃないか。そうして今日のLPガスまでいったのじゃないか。私は非常に悪い業界だと思う。この業界そのものに粛正のメスを入れなければ、役人だけが自粛なんといってもこれはできない。多数の役人の中には、そういう面の誘惑にあるいは甘言に乗ぜられる者だってあり得るわけなんです。そういう業界にメスを入れて、そちらのほうから粛正するというふうなことは、あなた方が許認可権を持っているのですから、絶対の権力を持っているのですから、私はできると思う。そういう点につきまして、役人だけを責めないで業界を粛正してもらいたい。そういうことを御方針の中にお考えになれませんか。
#135
○蜂須賀説明員 誘惑とかその他に対しまして断固排しているつもりでございますが、なお業界の姿勢につきましても、今後十分指導していくつもりでございます。
#136
○華山委員 政治家としての次官の御決心を伺いたい。このたびのLPG問題にいたしましても、政治家がたとえ刑事問題になるかどうかは別問題といたしまして、ああいう態度では、ああいう事態を起こすということでは、私は業界も粛正されないと思うし、また政治家がそういう態度である限り一般官僚に対してもみせしめがつかないと思う。特に私、先ほどの意見もありますとおり、相当悪い業界だと思うので、その点につきまして、私も抽象的になりますけれども、粛正をしていただきたい。この点について次官のお考え――大臣に伺うところですけれども、次官、ひとつかわって、伺っておきたい。
#137
○金子政府委員 御意見ごもっともでございまして、いまのようなたびたび不祥事件が起こることは、まことに遺憾に存じます。政治家にも、ほんの一部の政治家にそういう不心得な方がいらっしゃって、われわれも非常に大きな迷惑をこうむるということは、いかにも残念に存ずる次第でございます。
 ただ、この陸運関係の業界は非常に質が悪いんじゃないかという御意見がいま述べられておりましたが、まあ業界というのは、許認可によって企業あるいは産業、そういったものを起こしておるものは、えてしてそういった姿になりがちではなかろうかと思うのでありますが、いずれにしましても、いま華山先生の申されるとおり、官僚が粛正される前に、やはり政治家がまずえりを正すべきじゃないか、御意見のとおりであります。
 新しい大臣は、いろいろそのために、就任早々、業界と最も接触の強い課長補佐、係長クラス、出先のそういった方々、数を言うと百人くらい、配置を転換する、いわゆる業界と悪のつながりができないように、ひとつ人事の交流をやってのける、あるいは心がけの問題は当然でございますけれども、そういったことで、いかにして運輸省にたびたび起こるそういった問題をこの際一挙にぬぐい去ってしまうかということで、だいぶ頭を悩まして努力をされておるようでございます。
 なお先生の御意見は十分伝えまして、今後ともひとつ一段と努力を続けて、早く国民にそういう疑惑、不信感を持たれておる運輸省の立場を正しい姿になしたい。私も心から情熱を込めてひとつ努力をしてみたいと考えております。
#138
○華山委員 蛇足になりますけれども、私の経験を一つ申し上げておきたい。
 私は県庁で副知事をいたしておりました。その際に、ああいういなかでございますから一般の例にはなりませんけれども、私はあまり感心した業界ではありません。
 もう一つは、各県庁には陸運事務所というものがある。陸運事務所の職員の身分というものは、一面において県知事の指揮下にあるわけです。ところが、仕事の関係上、知事が指揮をする、監督をするというふうなことはあまりないのではございますけれども、所長というものは、着任をしたときと任務を離れるとき以外にはあいさつには一ぺんも来たことがない。大体いろいろな報告でもすべきかと思うけれども、報告もしたことがない。それが一人の所長であるならばその人の個性だというふうに私は思いますけれども、どの所長もそうだということであるならば、これは全国一般的なことであると私は思う。運輸省の、少なくとも陸運事務所系統の役人というものは、役人としての常識を持ってないのじゃないか。
 それから、極端に申しますならば、そういうふうな関係で、陸運局長が県に来たって、県庁なんかに顔出しをすることは一ぺんもない。会社には顔出しをする。会社の供応は受ける。県庁には一ぺんだって顔出しをしたことはない。それで、バスの問題とかいろいろそういう問題がありますと、県庁の副知事がわざわざ陸運局まで陳情に行かなければならない。その部下が県庁職員という身分を一面で持っているという、まことに不合理な面がある。こういうことは、制度そのものにもおかしなことがあるのかもしらぬけれども……。私は、あそこの役人の方々、一般の職員のことを言っているのじゃありませんけれども、悪い風習があるのではないか、そういうふうに思います。この点について別に私はどうしろこうしろということの御答弁も求めませんけれども、そういう点について反省の余地というものは十分にあるのではないか、そういうふうに考えます。
 とにかく、局長が県に来たって、知事や、私や、部長や、一ぺんだって顔出しはしません。バス会社には顔出しをする。そういうふうな実態ですから、私は、実態を申し上げまして、もっともっと陸運関係職員、特に神部関係職員が、調子を新たにするような具体的な方策をひとつとっていただきたい。この点大臣にもお伝え願いたいのでございますけれども、次官及び局長に申し上げておきたい。
#139
○蜂須賀説明員 ただいまの御趣旨を体しまして地方の陸運局長、陸運事務所を指導するつもりでございます。
#140
○華山委員 これで終わります。
#141
○鍛冶委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
  午後二時十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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