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1949/05/18 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 法務委員会 第16号
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1949/05/18 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 法務委員会 第16号

#1
第005回国会 法務委員会 第16号
昭和二十四年五月十八日(水曜日)
   午前十一時二十九分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○裁判所職員の定員に関する法律の一
 部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
○法務局及び地方法務局設置に伴う関
 係法律の整理等に関する法律案(内
 閣提出)
○犯罪者予防更生法案(内閣提出、衆
 議院送付)
○犯罪者予防更生法施行法案(内閣提
 出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(伊藤修君) これより法務委員会を開きます。裁判所職員の定員に関する法律案を議題に供します。前回に引続きまして質疑を継続いたします。尚質疑に入る前に、政府において内容について少し御説明願いたいと思います。
#3
○政府委員(岡咲恕一君) 裁判所職員の定員に関する法律の一部を改正する法律案の内容につきまして、提案理由におきまして、その概要を御説明申上げましたが、更に私からその具体的な内容につきまして、多少補足的な御説明を加えたいと存じます。
 つきましては、お手許に法律案参考資料をお配り申しておりまするが、その参考資料の最後に定員の変更の内容一覧表というものがございまするので、それを御覧願いたいと思います。
 現在判事は九百五十七人おりまするが、この判事の定員を昭和二十四年七月一日から三十三人増員いたし、十月一日から更に二十六人を増員いたす次第でございます。七月一日からの三十三人の増員は、刑事訴訟法の施行のため地方裁判所へ十七人増員いたしまして、民事訴訟法の改正のため高等裁判所へ八人、地方裁判所へ八人増員いたすわけでございます。十月一日からの二十六人の増員は、うち十三人は家庭裁判所の機構拡充に廻しまして、家事審判法の改正のための増員でございまして、うち十三人は少年法の改正のための増員でございます。現在の定員は判事九百五十七人が、この増員によりまして、千十六人になる次第でございます。
 次に判事補でございまするが、これは現在の定員では三百二十五人でありますのを、本年の七月一日から十九人増員いたしまして、更に十月一日から二十八人増員いたすわけでございます。七月一日からの増員は刑事訴訟法の改正のため、地方裁判所へ十三人、民事訴訟法の改正のため、地方裁判所へ六人の増員をいたし、十月からの増員につきましては、家庭裁判所の機構拡充のための増員でございまして、それは少年法の改正のための増員でございます。現在三百二十五人の定員が三百七十二人に増員されるわけでございます。
 次に簡易裁判所の判事でございまするが、現在六百九十三人でありますのを、今年の七月一日から三十五人増員いたしまして、七百二十八人となるわけでございます。これは刑事訴訟法の改正のために二十四人、民事訴訟法の改正のため十一人を増員いたすわけでございます。
 次に調査官でございまするが、これは現在二十人ありますのも、今年の七月一日から二人増員いたしまして二十二人といたすわけでございます。現在調査官は最高裁判所に置かれておりまするが、この新らしい二人の増員による調査官は主として東京の高等裁判所に配置いたされる予定のように承つております。これは最近に至りまして行政事件が甚だ殖えまして、主として税務関係、或いは特許事件といつたような事件の調査に充てる予定のように承つております。
 次に裁判所事務官でございまするが、これは現在二級の事務官は千百三十九人ありまするのを、千三百四十七人に増員いたすものでございます。この増員は現在裁判所の臨時職員として認められております六十七人を振り替えるものと、檢察審査会の三級事務官から二級事務官に昇格いたす者百四十一名、合計二百八人増員となるのでございまして、そのうち八百十九人は裁判所法の一部改正法の施行によりまして書記官又は書記官補の方に振替えられまして、更に昭和二十四年十月一日からは行政整理によりまして、五人減員いたしまして、裁判所事務官といたしましては結局八百十四人になるわけでございます。
 次に三級の事務官でございまするが、これは現在五千五百八十四人おりまして、これを二十六人減員いたしまして五千五百五十八人にいたすわけでございます。これは臨時職員から振替えられる者が百十八人、それから檢察審査会の方に二級への振替によりまする減員が百四十一人でございまして、更に営繕関係の職員を三人減員いたしまして合計二十六人減員となるわけでございます。
 次に三級事務官から裁判所書記官及び裁判所書記官補に振替えられました者の残りが二千五百八十一人になるわけでございます。今年の七月一日からはこの員数に五十五人増員せられまし二千六百二十六人と相成るわけでございますが、この増員は刑事訴訟法のこの施行のために地方裁判所へ四十九人、最高裁判所の統計課へ六人増員いたすわけでございます。それから今年の十月一日からは行政整理のために十人減員いたしまして、それから少年保護司として七十三人増員いたすわけでございます。結局六十三人の増員となり、十月一日からは三級事務官の定員が二千六百九十九人と相成るわけでございます。
 次の書記官でございまするが、これは裁判所法によつて新らしく認められました官でありまして、一級の者が三人、それから二級の者が四百九十四人、三級が九百五十九人でございます。これは刑事訴訟法の改正のため地方裁判所へ五十八人、民事訴訟法改正のため高等裁判所へ二人、地方裁判所へ二十九人、簡易裁判所へ二人、最高裁判所法廷の立会書記として五人合計九十六人増員と相成るわけでございます。三級の書記官は九百五十九人でございまするが、五百八十七人増員いたしまして千五百四十六人となるわけでございます。これは刑事訴訟法の改正のため地方裁判所三百三十二人、簡易裁判所二十七人、民事訴訟法の改正のため高等裁判所へ二十人、地方裁判所へ百三十七人、簡易裁判所へ七十一人増員いたすわけでございます。
 次に書記官補でございまするが、これは二級三十一人、三級二千十八人でございます。これが本法律案の定員の変更の内訳でございます。尚最近におきまする最高裁判所及び下級裁判所の事件は甚だ錯綜いたしておられまして、年々逓増の傾向にございますし、実はこの度の増員を以て果してよく事務の処理を完全にいたすことができるかどうかという点につきましては、多少疑問がございまして、裁判所といたされましては、もつと多数の増員を希望せられるわけでございまするが、國家財政の関係もあり、且つ裁判官の、或いは書記官という者の補充は、必ずしも容易ではございませんので、その任用の困難な点も多少考えまして、取敢ずこの程度の増員で我慢いたすということにいたしたわけでございまして、或いは又將來事情が許すならば、増員いたさなければならないだろうと、かように考えております次第でございます。
#4
○委員長(伊藤修君) この増員と、今度の行政整理との関係はどういうふうですか。
#5
○政府委員(岡咲恕一君) 行政部におきましては、公務員の減員と申しますか、成るべく余剩の人員を減らして、最小限度の人員を以て行政事務に当つて行くという方針を政府で建てられまして、行政の簡素化並びに定員の圧縮を試みているわけでございますが、裁判所の事務の負担量から申しますと、裁判所といたしましてはもつと増員をいたすべき必要に迫られておりまするし、目下の行政整理の問題は、行政を担当いたしております公務員を減員いたすのでございまして、併しそれも刑務職員、檢察官と申しますものは、整理の対象から外しておるような次第で、必ずしも一樣に整理をいたすわけでございませんので、その職種なり或いはその職能によりまして、多少の差別を認めることは、これは当然であると考えておる次第であります。裁判所における現下の甚だしく事務の錯綜いたしております現況に鑑みますると、行政部において定員を減員いたしましても、それとはかかわりなく裁判所において増員をいたすことは、緊急必要であると考えまして、裁判所における職員については増員を認められた次第でございます。
#6
○岡部常君 この際ついでに承つておきたいのでありまするが、最高裁判所の問題を主としてお尋ねいたしますが、この前の國会で各判事に秘書官を設置せられることになつたのであります。その際に反対の意思を表明せられた同僚もありましたのですが、現在秘書官は全部充員せられておりますか。又その秘書官の中に判事出身の方がおられるのではありませんか。おられたならばそれはどの位な割合になつておりますか、承つておきたいと思います。
 それから現在の裁判事務が非常に多忙を極めて処理陣営の不足ということは御尤もなことに私も感じておりますが、裁判所に実際出入りして見ますると、成る程忙しいことは忙しいと思いますが、机の上などを見、或いは机の配憶などを見ると随分乱雜を極めておる。ひが目か知れませんが、從前よりもだらしがないように見受けられるのであります。これはまあいろいろ原因もありましよう、設備が悪いというようなこともありましようが、何か司法省から裁判所が離れてから、特に監督の目が届かないというような感じがせられるのであります。これは私だけの見方の間違いかも知れませんが、從前の司法省の実力といいますか、威力が及ばなくなつてこういうふうになつたのじやないかというようなふうに感ぜられるのでありますが、その監督はどういうふうにしておられますか。具体的の御説明をお願いいたしたいと思います。
#7
○説明員(内藤頼博君) お答え申上げます。裁判所における秘書官のことでございますが、先般の改正によりまして、秘書官の制度も設けられましたが、現在秘書官として任命されておりますものは最高裁判所長官の秘書官だけでございまして、その他の裁判官の秘書官はまだ任命を見ておりません。それは最高裁判所の廰舍が、御承知のように元は民事地方裁判所としてできた廰舍でございますが、廰舍を使つております関係上、判事室が十五人の判事のために、長官は別として三つしかございません。そういつた部屋の設備の点などから実際の問題として秘書官を任命するのに支障がございますので、まだ任命を見ていないのでございます。これは元の大審院の廰舍が戰災の復旧をいたしますとそちらに移りまして、それぞれの設備ができますので、そういたしますれば直ぐに秘書官の任命を見ることと存じております。これも新廰舍の復旧も間もなく完成することと思いますので、その際に秘書官は置かれることになると思います。
 それから裁判所の職員の規律の問題でございますが、誠に岡部委員のお説の通り、私共規律の必ずしも十分に引締つていない点を認めざるを得ない次第でございます。これは現在の廰舍が非常な小さい狹い所へ最高裁判所、高等裁判所、地方裁判所が一緒に入つておりまして、職員が執務いたしますのに十分なスペースを持つていない。そのために机その他が極めて雜然たる観を呈している止むを得ない面があるのでございますが、他面におきまして戰時中の何と申しますがごたごたした氣分、その日暮しのような氣分から、役所一般に規律が十分に保たれなかつた。それが戰後又同樣な空氣が残つていたのであります。而も戰後新らしく採用された職員が多いために、從前のような規律に慣れた人達が少くなつている。そういつた面からもやはり岡部委員の目から御覧になりましても、何か昔とは非常に違つて來たというようなお感じをお受けになるだろうと思います。で裁判所といたしましても、そういつた点につきましては非常に心配しているわけでございまして、殊に新らしく公務員制度もできました今日、新たな公務員としての自覚、覚悟なりをはつきり植付けまして、新らしい意味の役所としての規律を打ち建てたいということを努力しているわけでございます。最高裁判所の職員の監査系統について申し上げますと、事務局は事務総長の下に各局長がおりまして、各局に又課長がおりまして、それぞれその局課の職員の監督をいたしておるわけでございます。今後十分に努力をいたしまして、新らしい意味での規律の立つた役所に一日も早くいたしたいということを念願しておるわけでございます。
#8
○岡部常君 秘書官がまだ任命せられておらないというのは初めて承知して驚いたような次第でございますが、予算は恐らく通つておることと思いますが、その点はどういうふうになつておりますか。又建物部屋などが整備せられれば秘書官を任命せられるということでありますが、大体その目鼻が、予定がついておりますか、どういう資格の人を御採用になる予定でありますか、お分りでありましたらお知らせ願いたいと思います。
 それから裁判所の事務所の規律の問題に先程触れて御説明を頂きました。全く御同情すべき点もあろうかと思いますが、まあ私共行つて見ました感じから申しますと、随分雜談ばかりしておられる。配給物の話などまだいい、スポーツの話もいいといたしましても、ダンスの話をするとか、まあとても雜然たるものを感ずるのであります。御承知のように各種、各階級の人が出入りする所でありまして、相当その影響というものが考えられることを私は常に憂えておるのでありますが、どうぞ今後とも十分御注意を願つて、どこから見ても尊敬せられる裁判所でありたい。そういうふうに希望をいたすのであります。
#9
○説明員(内藤頼博君) 秘書官の予算の点にちよつとお話がございましたが、秘書官の予算を本年度初めて組まれましたようなわけでございます。從いまして先程申上げましたような廰舍の設備その他が整いますれば、直ちに任命に移ると存じます。尚どういう人を任命されるかということは、大体は各裁判官がそれぞれに人選されることになると存じますが、まあ私共が仄聞と申しますか、ほぼ推察いたしますところでは、やはり或る程度法律事務ということの分る若い人が欲しいというような意向を漏らされておるようであります。
 又裁判所職員の規律につきましては、今後私共におきまして十分に戒飭いたしまして、御趣旨に副うように努力いたしたいと存じます。
#10
○岡部常君 秘書官の法律の学問をやつた人とか、精進しておる人ということは当然でありましようが、この前あの法案を通すときに、判事の数も少いときであるから、有能な判事をそういうことに使わないようにというような希望を述べられたことがあるように記憶いたしておりますが、その点をやはり御考慮に容れられることをお願いして置きます。
#11
○松井道夫君 只今の岡部委員の質問に関連してお尋ねしたいと思いますが、最高裁判所の新廰舍は現在どういうことになつておつて、いつ頃完成して引移られるのでありましようか。
#12
○説明員(内藤頼博君) 御承知のように戰災復旧工事でいろいろ工事に困難に伴つておりますし、又思うように進捗しないようないろいろな事情があるようでありますが、從つて完成期も段々に遅れておるような状態であります。現在のところでは今年の秋には完成してすべてがあちらへ移れるというふうに考えております。
#13
○委員長(伊藤修君) 他に御質問ございませんか。では質疑はこれを終了することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○委員長(伊藤修君) では質疑はこれを以て終局いたします。
#15
○岡部常君 討論を用いることなくして、直ちに採決に入る動議を提出いたします。
#16
○委員長(伊藤修君) 只今の動議に御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○委員長(伊藤修君) では討論は省略いたします。直ちに採決に入ります。議案全部を問題に供します。議案全部に御賛成の方は御起立を願います。
   〔総員起立〕
#18
○委員長(伊藤修君) 全会一致、原案通り可決すべきものと決定いたしました。尚本会議におけるところの委員長の口頭報告の内容につきましては、予め御了承を願つて置きます。御養成の方の御署名をお願い申上げます。
 多数意見者署名
    深川タマヱ  大野 幸一
    齋  武雄  星野 芳樹
    來馬 琢道  松井 道夫
    岡部  常  遠山 丙市
#19
○委員長(伊藤修君) 次に法務局及び地方法務局設置に伴う関係法律の整理等に関する法律案を議題に供します。では本案について先ず政府委員の簡單な御説明を一つお願いたします。
#20
○政府委員(村上朝一君) この法律案は法律廳設置法が改正されまして、從來の司法事務局と庶務関係、人権擁護関係の駐在官の制度を合せまして、法務局及び地方法務局設置に伴う整理を主といたしたものであります。條文の数から申しますと、大部分はその整理に属するのでありますが、第二点といたしまして、戰爭中施行されておりました戰時民事特別法及びこれに基く戰時登記特別手続令というものがありまして、これは戰時民事特別法が廃止されました後も当分の間効力を有するということにして残されておつたのでありますが、この際整理の意味におきまして、この特例を廃止いたしますと同時に、そのうち所要の規定を不動産登記法及び非訟事件手続法の商業登記の規定の中に取入れたのが第二点でございます。
 最後に第三点といたしまして、この法務局及び地方法務局の設置に伴いまして整理されます法律の中に、改正を必要といたします他の規定を含んだものがありますので、それらの規定につきまして小範囲の改正をしたしたのであります。
 時間の関係上この第三の改正点についてやや詳細に申上げますと、先ず不動産登記法の改正におきまして、これは第十九條であります。從來登記薄の謄抄本の交付等に関する手数法は司法省令で定められておつたのでありますけれども、最近の立法の傾向といたしまして、かような手数料の額は法律の委任に基いて政令で定められるのが通例でございますので、この不動産登記法の第二十一條を改正いたしました。手数料の額は政令を以てこれを定めるということにいたしました。
 次に同じく不動産登記法の関係におきまして第三十五條に一項を加えましたのでありますが、これは將來明治三十五年の勅令第五号に基いて省令によつて登記嘱託官吏として指定されたものについては、登記の必要な代理委任状を要しないものとされておつたのでありますが、かような不動産登記法に対する省令を勅令で設けたについて如何かという疑義が從來からもございましたので、この際この勅令を廃止することにいたしまして、第三十五條に一項を設けまして、法律の中に根拠を置くことにいたしたのであります。
 次に非訟事件手続法の改正でありますがこれは第十八條にございます。この中におきましても從來商業登記の手数料が省令で定められておりましたのを法律の根拠に基く政令を以て定めることといたしたのであります。これは非訟事件手続法の百五十六條の二として入つております。
 次に戸籍法の改正でありますが、戸籍法は第五條として入つております。この中におきまして戸籍法の第五條第二項、これは從來手数料の額は法律を以てこれを定めるという規定になつておりまして、戸籍手数料の額を定める法律がございまして、その額を細かく定めておつたのでありますが、物價事情等によりまして手数料の額が変ります都度改正法律を御審議願つて來たのであります。併しながら地方自治法の二百二十二條にありまして、地方公共團体の長が徴收すべき手数料は政令で定めるものということにされておりますし、その他各種の手数料によつて同様法律によつて政令に委任されているのが一般でございますのと、それから法律でその都度定めるということは、物價変動に即應し難い事情もございますので、第五條の第二項を「手数料の額は、物價の情況、戸籍の謄本の交付等に要する実費その他一切の事情を考慮して、政令でこれを定める。」ということにいたしたいと考えるのであります。
 次に第六條の司法書士法の改正の中で第十一條第一項第二号を改めまして、現在司法書士に対する懲戒処分としての過ち料の額が五百円を限度といたしておりますのを、これでは現在の経済情勢からいたしまして、司法書士に対する者督を全うすることができない実情でございますので、二万五千円に引上げるという点が実質的な改正でございます。
 その他は概ね整理又は引用條文の整理等で、或いは不用規定の廃止等であります。尚御質問に應じて御説明いたしたいと思います。
#21
○委員長(伊藤修君) 第五條の戸籍の手数料に関するところの改正文案によりますれば、いろいろな條件がついて政令で定める、こうなつているのですが、第十八條の場合はただ政令に讓るだけとあるのです。それから第十九條の場合も……。これはやはり戸籍の場合の第五條の場合と同じ表現にしてはどうなんですか。
#22
○政府委員(村上朝一君) 只今御指摘の通り第五條の手数料の額に関する規定は條件が上つてございますし、戸籍法の第五條、それから第十八条による非証事件手続法第百五十六條第二項の規定及び第十九條不動産登記法の中にございます動産登記第二十一条第三項の規定、これはいずれもただ政令を以てこれを定めるということになつておりますので、均衡を失するきらいがございますのでこの政令で定める基準を法律で示しておくということが適当かと存じますので、この点は戸籍法の例がよかつたかと只今では考えております。
#23
○委員長(伊藤修君) 財政法との関係ですが、一定の條件をつければ政令に委ねることができるということはどういう御見解ですか。
#24
○政府委員(村上朝一君) 財政法第三條の規定は、一般的な國の徴收すべき收入について法律で規定がございますので、現在の戸籍法が制定されます際に、財政法第三條はまだ適用になつておりませんでした関係上、財政法第三條の適用があるまでは、政令の定めによることをさまだけないという戸籍法第百四十三條の規定が設けられておるのであります、これは早晩財政法第三條の規定が適用されることを考慮いたしまして、その際法律に切換えることであつたのであります。そうしまして、その後法律に切換えたのでありますが、その後の状況を見ますと、財政法の第三條は國の收納する手数料に関する規定でありますので、特例が認められまして、郵便料金、鉄道運賃等特殊のものについて当分の間、適用されることになるのでありまして、財政法の建前から申しまして、法律を定めなければならないということもないかと存じます。殊に財政法は國の收納する手数料に関する規定でございますので、地方自治法の公共團体の收納する手数料につきましては政令で一般に委任しております関係上、戸籍手数料は市町村の收納する手数料でありますので、この点、政令に委任いたすことが適当ではないかと考えております。
#25
○委員長(伊藤修君) 登記の手数料の場合も同様ですか。
#26
○政府委員(村上朝一君) 登記の手数料につきましては國の收納する手数料でありますから、財政法第三條の法文の趣旨から申しますと法律で定むべきものでありますけれども、先程申上げました通り、法律によりまして特例が認められまして、特殊のもの以外については政令で定め得ることになつておりますので、必ずしも法律でその額を直接規定する必要もないかと考えております。
#27
○松井道夫君 只今の御説明で了承したわけですが、今のような関係の法令も、又今の特例のようなものもこの資料の中に入れて置いて頂くと非常に分りいいと思います。後でもよろしうございますから、その点希望を申上げて置きます。
#28
○委員長(伊藤修君) この程度で休憩します。
   午後零時十八分休憩
   ―――――・―――――
   午後一時四十八分開会
#29
○委員長(伊藤修君) これより午前に引続き法務委員会を開きます。犯罪者予防更生法案及び犯罪者予防更生法施行法案、両案を一括して議題に供します。先ず法案について衆議院の修正にかかる部分について政府委員に御説明願います。
#30
○政府委員(齋藤三郎君) 修正点は大きく分けますと二つございます。一つは職員の任用に関する規定でございますが、これは実質的には全然変更がございませんで、ただ職員の任用に関する規定は人事院規則で一本に定めたい、こういうふうな要望がございますので、修正されたものでございます。從いましてこれにつきましては、多くを申上げる必要はないとか存じます。第二点は、法案の三十三條の一項の四号の規定についてでありまするが……。
#31
○委員長(伊藤修君) その前に二十五條、そういうものがあるでせう、一つ一つ御説明願います。
#32
○政府委員(齋藤三郎君) その二十五條の事務官の中から命ずる。」という規定を抜きましただけで、これもやはり職員の任用に関する分でございまして、人事院規則で七月一日までにこの委員会の局長は事務官の中から任命するという趣旨の規則をお出しになる予定になつております。從つて抜いた次第でありまして、要するに特別の任用に関する分は人事院が統轄しておるから、人事院の規則でやつて、いろいろの規則を各方面にばらばらに散在させることはよくないと、こういう関係方面の意向もありましたしいたしましたので、この二十四條、二十五條、二十六條というのは同じ趣旨でございます。それで三十三條の一項の四号でありまするが、この規定は刑法の改正、刑事訴訟法の改正を前提としての規定であります。相並行しての規定でございまして、刑法二十五條の二で、裁判所が特に必要があると認められるときは、執行猶予をする際に観察に付するという言渡しができる。こういう規定が刑法改正案の二十五條の二になつておつたんであります。それに並行いたしましてさようなふうにして、執行猶予中特に裁判所が必要ありと認めて保護観察に付した者は、この三十三條の規定によりまして、この委員会が保護観察をやるんだ、こういう規定であります。提案いたしました立案の考えでは、執行猶予について殊に思慮分別の十分にある大人について執行猶予に付する際に、更に保護観察を付するということは、却つて述効果、反対のいろいろな刺戟をして工合が悪いということは、重々承知いたしておつたんでありまするが、ただ特に裁判所が必要があつて、無條件では執行猶予になしにくい。併し或る種の條件を付してそれを保護観察して呉れるものがあるならば、執行猶予もでき得るというふうにして、執行猶予の運用の幅を広めることも可能ではないか、そのような考えでこの三十三條の四項を入れたのでありまするが、衆議院の法務委員会の御審議の際は、さようなことも理論としては十分考えられる。併し從來の経驗に徴して見ると、法務廳が立案の際、さようなことを考えておつたにしろ、現在は別個の機関である裁判所がなされるのでありまして、これを運用の際、從來無條件で執行猶予にしておつた者について、遵守事項を決めて、それを保護観察に付するということは甚だ運用上不当の結果を生ずる虞れがありはしないかという点を非常に御心配になりまして、更にかような制度について今まで全然なかつたのでありますが、会期の押し迫つた今日、さような大きな変革をすることはなかなか思い切つてやることができないので、これは十分は研究をして、或いは又保護観察の若干の実行をやつた結果、その実績を見て後に考慮すべきではないか、かようなお考えからこの案を修正されまして、満十八歳未満の者について執行猶予の言渡しを受けた場合には、勿論禁錮以上のものでありまするが、禁錮以上の刑について執行猶予の者は、執行猶予の期間中当然に保護観察に付するような改正がなされた次第であります。これは満十八歳は現在の制度の通りであります。現在の制度は、満十八歳未満の者が執行猶予になりますと、言渡しをした裁判所に対應する檢察廳から、少年審判所に通知がございまして、そうしてそれについて少年審判所が観察をいたしておるのであります。その根拠になりまするものは、昨年末の國会において御修正相なりました少年法の六十九條という一番おしまいの條文でありまするが、それによりまして、旧少年法が犯罪者予防更生法ができるまで保護観察に関する必要なる規定が有効であるなら効力を有するというふうに改正に相成りまして、そうして旧少年法の第六條において「少年ニシテ刑ノ執行猶予ノ言渡ヲ受ケ又ハ假出獄ヲ許サレタル者ハ猶予又ハ假出獄ノ期間内少年保護司ノ観察ニ付ス」こういう規定がありまするが、この規定によりまして、現在犯罪者予防更生法が施行されるまで、満十八歳に満たないで禁錮又は懲役の刑について執行猶予の言渡がありますると、保護観察に付しておりますので、この現行法の程度において本法案が受継いでやるようになつたのであります。それで三十三條がさように改正に相成りましたに從いまして、又の項の三十四條の第二項で、「又は刑法第二十五條ノ二の規定により、裁判所が定めた遵守事項」ということはある得ないことになりますので、これを当然に削除すること、それから四十六條におきまして、地方少年委員会又は地方成人委員会が、執行猶予の言渡を受け保護観察中の者について、「遵守すべき事項を遵守しなかつたことを理由として、」この「又は地方成人委員会」と、「遵守すべき事項を遵守しなかつたことを理由として、」、これだけは要らないことになりますので、これを削除した次第だあります。結局運用におきましては、十八歳未満で執行猶予になりますと、その期間中この保護観察に付せられますので、執行猶予が御承知のように、一年以上五年の期間を定めて執行猶予をしておりますから、二十三歳未満のうちは場合によつては保護観察に付するということなのでございます。それでかような修正についての法務廳としての考え方でございまするが、これは私共の最初の考えでは、先程申上げましたように、執行猶予の幅を廣くして、保護観察制度を強化すると同時に、執行猶予の幅を廣めよう、こういう趣旨でございまするが、運用の上で御心配になるということも、これ又無理からん点もあると思うのであります。と申上げますのは、本年度の予算が、この法案についての予算が、全体で二億円程でございまするが、この二億円という予算は今日まで、現在もさようでありますが、今日まで少年審判所及び司法保護委員会、さような方面に割当てられておつた予算でありまして、結局現有勢力を結集いたしまして、それを切替えてこの法案の運用に当る、かようなことになつておりますので、余りに低く対象者の数が殖えると十分の実績を挙げ得ないという解釈もあるのでありまして、さような点から言いまして、私共としては当初はさように考えておりましたが、衆議院でさような御心配ならば必ずしもそれに対して反対すべきものでもない、こういう関係で、將來はこの法案の運用について、十分勉強いたしまして、日本において初めての制度でありまするので、十分研究もし、又十分勉強もして実績が上りまするならば、相当の予算も頂戴して、そうして執行猶予の幅を廣くするなり、或いは又更に一歩を進めまして、宣告猶予制度と、この保護観察の制度を並びとるというところまで進めたいものだと考えておりまして、衆議院の修正の理由としてお述べになりましたのも、この原案が必ずしも悪いというのではないが、刑法の改正という大きな事項を、早急に是非を決定するのには時間もないから、当座のところ現行制度でやつたならばどうかという点でありまして、將來については十分研究をして、或いは宣告猶予の制度を考える必要もあるのではないか、こういうことも理由にお述べになつておつたような次第でございまして、私共もさような理由であれば、これ又十分理由のあるものと考えまして、かような修正に相成つたような次第であります。
#33
○松井道夫君 衆議院の修正のうち、第三十三條第一項第四号についてでありますが、只今の御説明によりますと、この点は、これは現行法と同じであつて、現行法から一歩も半歩も進んだのじやないという趣旨の御説明でありましたが、青年の犯罪というものが現在非常に問題になつておるのでありまして、これは終戰後の特殊事情もあると存ずるのであります。それでこの青年の犯罪に保護観察という制度を適用いたすということは、非常に意味のあることではないかと存ずるのであります。現に今の犯罪者予防更生法におきましても、十四歳以上二十三歳に滿たない者を一括して青少年と呼んでおられるのであります。その間に十八歳未滿といういわゆる少年期のみの保護で行くと、どうもこういう新らしい法律を作られて大きな抱負を持つて進まれれというときに当つて、聊か意に滿たないものがあると存ずるのであります。この十八歳を更に進めまして、例えば二十三歳、この法律にいわゆる青少年全部を対象にいたすということでありましたら、何か特別の不都合でも生ずるのか、その点を伺いたいのであります。
#34
○政府委員(齋藤三郎君) 二十三歳ということも十分考えられると存じます。ただ二十三歳がよいか、二十歳がよいのか、大体の考え方が、結局相当物の分つておる、自分というものについて十分責任を取り得るような思慮分別をなす者について、執行猶予をして、更にいろいろ観察したり指導したりすることが、却つて執行猶予の本來の目的を達しないのではないかと、こういう大体の考え方でありまして、二十三歳ということにいたしますると、御承知のように、執行猶予の最高五年という期間がございますので、二十八歳ということになりますると、少年が上ではないか。又一面から言いますると、戰爭前犯罪が三十四、五歳頃が一番多かつたのが、終戰後の特殊の事情から、現在では二十歳ぐらいが一番犯罪が多いと、刑務所における受刑者の年末の統計によりすると、二十二歳の受刑者が一番多いと、かような現状でありまして、而もその犯罪の動機、原因たるや極めて單純なるものが多いと、さような点から、二十三歳までやるということも十分理由がある考え方であると存じます。
#35
○宮城タマヨ君 兒童局長が見えておりますようでありますから、厚生省の兒童局長に質問してよろしうございますか。
#36
○委員長(伊藤修君) どうぞ。
#37
○宮城タマヨ君 わざわざ兒童局長においでを願つて有難うございました。二、三お伺いしたいと思つております。それは兒童福祉法が制定されましたときに、十八歳以下の少年が全部含まれることになりますと、それは非常に結構だとあのときも申したのでありますが、ただそのときに私共懸念いたしましたのは、十四歳から十八歳までの四ケ年の子供で虞犯少年、不良少年といつたような者をお扱いになることは、特別の施設がなければどうであろうかということを申しましたが、何か特別の施設をいたしまして、例えば收容所にいたしましても、特別なものを作るということでございましたら、その後兒童福祉法が実施されまして以來のその実施状態、成績は如何でございましようか。この犯罪者予防更生法案につきましていろいろ伺います上に参考にしたいと思つて伺いますわけでございます。
#38
○政府委員(小島徳雄君) 宮城委員の御質問でございますが、兒童福祉法におきまして、十四歳以上のいわゆる虞犯少年につきまして取扱うことが規定されたが、その施設についてどういうふうになつておるかと、こういう御質問のように考えます。
 御承知の通り、兒童福祉法が昨年の九月一日に実施されました。又少年法が新らしく今年の一月一日にでき上りまして、今兒童福祉法の改正案が國会の衆議院を通過いたしまして、衆議院に出ておることと思いまするが、これによりまして、この問題が一應関係方面とも関係官廳ともよく連絡いたしまして、大体こういうふうになるのではないかと我々は考えております。今のお話の虞犯少年というものを、今度の兒童福祉法の改正案に伴いまして実施することになりますると、いろいろ施設の問題につきましては、相当の整備の問題もあるということは、我々も十分了承いたしておるのでございまして、この問題につきましては、我々といたしまして將來とも努力したいと思うのでございます。現在といたしましては、結局不良少年の関係といたしまして、少年教護院という施設がございますが、その施設を拡充整備するということと、今までにおきまして少年教護院に入つておつた兒童につきまして、場合によりましては、少年教護院に收容をしなくても、他の養護施設等に收容することによつて目的を達するような兒童もございますから、そういうような配置轉換というものを考えまして、できる限りその精神に副つて整備いたしたいと、かように考えております。
#39
○宮城タマヨ君 私の伺いますことは、実施されて今日までの成績はどうでございましようかということでございます。例えば教護院に十四歳以下の者と、十四歳以上の者を一緒に入れますということは、十五、六歳前後の子供がセツクスの方面に関することで、十四歳以下の者に惡い影響を與えるというようなことが、あの当時の問題になつておつたと思つております。一例を申しますれば、そういうことでございますが、その懸念いたしました点はどういうふうに解決付いておりましようか。
#40
○政府委員(小島徳雄君) 今御心配の点、これは少年教護院に限らず、普通の我々扱つている教護施設についても同樣の問題がございます。この問的につきましては、兒童福祉法の最低基準におきまして、それぞれ年齢別の関係のことも考慮いたしますし、久今のような收容する場合におきまして、年齢の構成によりまして、他の者に影響をする場合につきましてのことも考えまして、できる限りその收容する兒童の取扱いにつきまして、その虞犯の程度の関係、或いは年齢の程度というような問題につきまして、できる限り区別をはつきり設けて收容保護したい、かように考えて、現在もできる限りそういうことでやつて行つているのであります。
#41
○宮城タマヨ君 重ねて伺います。それでは教護院で、今までございました教護院をそのために内部の施設を区画なさいましたという所がございますか、区画收容なさいましたというような所が……。
#42
○政府委員(小島徳雄君) 今のお話でございますが、御承知の通り兒童福祉法は昨年四月に実施されまして、その後少年法等の改正の問題がございまして、その点でいろいろの問題がございまして、眞に今のように、今度の兒童福祉法の改正案に伴いまして、いわゆる虞犯少年というものが、こちらの方に入ることが非常に多くなる。從いまして措置をいたしましては、今までの、昨年からの実施というよりも、今後にそういう問題が非常に多く起つて來ると、かように我々は考えております。
#43
○宮城タマヨ君 そうすれば昨年以來、その点についてはまだ何ら手が打つてないと承知してよろしゆうございますか。
#44
○政府委員(小島徳雄君) 現在におきましても、相当いろいろな措置を打つておるのでございますが、実際問題として現在教護院に送られる兒童というものが、年齡関係において十四歳以上の少年というものが割合に少いということによりまして、実際問題の扱いといたしましては、ただその数が少いからということの実情になつておるのであります。從いまして今のように非常に数が殖える場合におきましての措置といたしましては、もつと大所から考えなければならん。こういうふうに考えております。
#45
○宮城タマヨ君 この一ケ年においての、この虞犯少年について、つまり十四歳から十八歳まで、その年齡が延びましたそのものについての予算はどのぐらい出ておりましようか。
#46
○政府委員(小島徳雄君) 予算といたしましては、私の方といたしましては、いわゆる養護施設に入つた者、そういうような教護院に入つた者を一應全部纏めて予算をとつております。從いまして区別しておりませんが、全体といたしまして、それらを含めて本年度において約五億円、こういうことになつております。
#47
○宮城タマヨ君 もう一つ伺います。この兒童委員と民生委員とを兼ねておるということについての問題は随分でございますが、兒童委員で子供の問題、殊にこの虞犯少年の保護の問題について何か困つた、この今のままの構成では困るというような声が集まつておりませんでございましようか。
#48
○政府委員(小島徳雄君) 兒童委員と民生委員とをどういうふうに扱うかという問題につきましては、兒童福祉法と制定当時におきましても非常な問題がありましたし、今日におきましてもこの問題につきましては、相当な根本問題として研究を続けております。一つの考え方といたしましては、いろいろの意見といたしましては、兒童委員というものは民生委員から完全に切離すべきじやないか、こういうような意見もございます。又或いは兒童委員のみを專門的に扱つたような、そういうような民生委員を設けたらどうかというような意見もございます。これらの問題につきましては、非常に長い間の民生委員制度の根本問題の改変になりますから、愼重に取扱わなければならんというわけで、目下我々の方で研究いたしておるのであります。ただいろいろ問題の子供が発生する場合におきまして、いろいろの家庭の問題がありまするが、我々が各從來のいわゆる虞犯少年の問題とか、不良化の問題を扱つた場合の実例に徴しましても、その本人ということよりも、その家庭における実情というものが、非常に本人の不良化ということに非常な至大な関係を有するということが実証的になつております関係上、一人の虞犯少年というものを未然に起らないように防止するがためには、その家庭からその改善を図るということが極めて必要である、こういうような見地から申しますると、一人の家庭に、或いは民生委員が行き、或いは兒童委員が行くということも一つの方法でありますが、同時に兒童委員としても適任であり、民生委員としても適任の人が、本当に全國十三万人の民生委員に選ばれますれば、一番それが好都合であろうと思いますが、実際問題といたしまして、今のように全國の民生委員十三万人が必らずしも兒童委員として全部適任ということには申し兼ねます関係上、この際この問題につきましては、いろいろ研究したらどうかという問題につきましては、我々といたしまして將來の研究問題として今考究中でございます。
#49
○宮城タマヨ君 民生委員と兒童委員の関係については仰せの通りでございますが、私共は地方を歩いて見ますというと、どこでも聞きますことは、民生委員としての仕事を十分に果せば、もうそれ以上、兒童委員の仕事はできないという声が非常に強いのでございます。そうしていろいろな事情を伺つて見ますというと、これはまあ歴史もございます関係から、民生委員の仕事というものの主体は、やはりこの民生事業、民生委員としての初めの仕事に重点を置いて、子供の問題については從のような考をしておるような、又そう考えざるを得ない仕事の量の嵩ばりじやないかというように考えられております。その点につきましても随分問題でございますが、今度十四歳以下の少年、全部の少年につきまして、少年院も收容保護しないし、又この観察保護制度におきましても十四歳以下の者は観察保護に付されないということになりますというと、それは皆兒童委員の手に入らなければならなくなつたと思いますのでございますが、これは実に大きい問題ではないかと思うのでございます。殊に十四歳以下の子供の不良化は御存じのように非常に強くなつて参りますし、專門家の話を聞きますというと、十四歳以下の者で不良兒として、或いは犯罪兒として表面に現われて來ますところの者は、それ以上の年齡の者に比べましても、その保護の対象としますこととして考えましたときに、非常に悪質だということを言われております。その悪質の者が全面的に兒童委員の肩に掛かつて参りましたとなりましたら、どういうふうに消化されて参るのでございましようか。それについてその対策を伺いたいと思つております。
#50
○政府委員(小島徳雄君) 仰せの通り、現在の民生委員は全國に約十三万ございますが、これはいわゆる無報酬ということで、名誉職ということで現在いろいろ仕事を仰せ付かつておるわけでございます。從いまして、相当他に專業の職業がありながら、そういう仕事を持つておる関係上、相当重荷になつておることは我々も認めます。それに比べまして、兒童福祉法に伴いまして、兒童委員の重要な十四歳以上の虞犯少年、或いは十四歳以下の虞犯少年という問題を扱うということになりますと、極めて兒童委員の任務が増加いたしまして、現在困つておる上に非常に迷惑をかけるということにつきましては、よく我々も了承いたしておるのであります。然らば我々といたしまして、如何ように対処すべきかという問題につきましては、私共も先般閣議に青少年不良化防止対策というものを決定いたしましたように、この問題は警察と学校と家庭と兒童委員、そういうものがそれぞれの分担を以と協力するということが極めて必要であると考えております。そういう方法で政府の方策も決定いたしております。例えて申しますれば、現在におきまして、学校に非常に長期の欠席の兒童がおる。そういう者は先生が割合に無関心でいる。そういうことになりますと、それを一々兒童委員というものが未就学兒童ということを調査することは大変なことでございます。從いまして、そういう問題につきましては、学校の先生から兒童委員に通知して貰うというようなことにして、お互いにその任務に應じまして、連絡協調することになりまして、非常に省けるのじやないか、そうしてうまく連絡が行けるのじやないかということで、根本対策を決めて政府の閣議決定になつておるようなわけであります。同時に根本問題につきまして、そのような無報酬の兒童委員、民生委員という制度の外に、今日におきましては、いわゆる本当の有給のケース・ワーカー專門家を置かなければならんということで、御承知の通り兒童福祉法におきましては、兒童福祉司という專門のケース・ワーカーを、今日におきましては不十分でございまして、員数が足りませんけれども、本年度におきましても、或る程度増員いたしまして、將來におきましては、民生委員、兒童委員のいわゆる無報酬のケース・ワーカーの外に、眞にその有給な練達堪能なるそういう兒童福祉司というものを増員いたしまして、これらの本当の兒童福祉の面の円滑なる運営に資したいということで、現在政府は考えておるのでありまして、本年度においても増員を或る程度実施いたします。將來におきましては、根本問題としましては、民生委員、兒童委員の根本制度の改革の問題と、福祉司の積極的な全國的な増員の問題とを睨み合せまして、この問題は解決すべきものと考えておるのであります。
#51
○宮城タマヨ君 今仰せになりましたように、不良度に低い犯罪の軽度の少年については、それで十分であろうかと思つておりますけれども、非常に隔離收容保護をしなければなりませんような、不良の度の強い者に対して、その今ございます教護院を強化するとか、或いはもつと收容保護しますところの設備をするかというような、もつと機構の上に加えなければならないというようなお考えはございませんでございましようか。つまり私の心配いたしますのは、十四才以下の子供でついそつちの問題に子供が流れて行つた場合に、それが本当に仕合せになるように保護し、矯正して頂けるかどうかという点を非常に懸念しておるのでございます。
#52
○政府委員(小島徳雄君) 私共といたしましては、最近或る縣におきましては、学童関係のいわゆる不良化傾向というものの全部一齊調査をいたしました。そうしてその不良化傾向というものの家庭、交友関係を全部に亘りまして一つの表ができておるのでありますが、それによりますと、その子供というものが或いは新制中学におきまして、或いは小学校におきまして二%或いは三%という数字が出ておるのであります。そうしてその内容をよく調べて見ますというと、非常にその家庭的におきまして、或いはお兄さんとか、或いはお父さんの関係とか、家庭におきましてそういうような非常に子供を繞る関係におきましての環境が極めて悪いのが大部分であります。そういう意味におきまして兒童の不良化の問題、子供自身の性格も無論ありましようけれども、家庭ということに相当の注意、指導を向けるということが不良化防止の根本の一つの方針であるというように我々は考えております。今のようにどうしてもやらなければならん一つは、非常に悪質の不良少年に対してはどういうふうに考えておるか。これは今のような兒童委員ではなかなか困難ではないかと思います。これらの問題につきましては、現在のところにおきましては、兒童福祉司という專門のケース・ワーカーによつて指導しなければならん、かように考えておるのであります。
#53
○宮城タマヨ君 実際各所で言われておりますことは、兒童福祉法が実施されましてから以來、まあ予算の関係もございまして、施設も十分でございませんことも大いに関係しておりますけれども、兒童委員ができ、專門の兒童福祉司ができまして、子供の保護に当られておりますけれども、ますます兒童の不良の問題が各地方とも非常に叫ばれて、前から心配されて、子供の問題と言えば、もう今日は不良化問題、犯罪の問題ばかりなのでございます。そういうときに、殊に問題になります一番若くて矯正しなければならない十四歳以下の子供に対しましては、特別のここに施設でも設けて、そうしてこのまあ家庭を調査してどうこうするということも勿論根本問題としてございますけれども、できた子供をどうしようかということは、あの傳染力の強い子供達でございますから、非常に随分窮屈だと思いますが、それに対して十分な予算を取つて、厚生省で一つ大いにやつて頂きたいということを希望いたして置きますのでございます。それにつきまして今年度の兒童福祉施設に対しまする予算、それから教護院等についての予算を御面倒でございますが、一つ刷り物にでもしてお廻しして頂きたいと思つてお願い申上げて置きます。
#54
○委員長(伊藤修君) 四十六條の、地方少年委員会は刑の執行猶予の言渡を受けて保護観察に付されている者について、猶予の言渡を取り消すべきものと認めるときは檢察廳に取消しを通告しなければならない。こういうのがありますが、この政令は從來あつたのでございますか。
#55
○政府委員(齋藤三郎君) 從來本年の一月一日から、少年審判所ではかようなことを内容とする観察規則というものを政令でかように出しております。その考えはやはり保護委員会は根本においては本人の保護をやるのでありますが、ただ法律上のいろいろな問題を本人のために強いて曲げるということまで考えるのではありませんが、例えば仮出獄でも場合によつては取消す、そのことが却つて本人が再犯を重ねたり、大きな犯罪を犯す、その前にやはり仮出獄を取消すという意味から、さような考えから少年観察事務規則というものを廳令で出しておる。
#56
○委員長(伊藤修君) そういうことが、執行猶予の取消しを廳令でできるのですか。
#57
○政府委員(齋藤三郎君) 通知をするのです。決定は勿論裁判所でやられるのですが、執行猶予中に犯罪を犯して刑の言渡しを受けた場合に、本人、それを担当しておる者が知つておれば、他の裁判所で事件を担当しておる少年で、執行猶予中の者を観察しておると共に……。
#58
○委員長(伊藤修君) そういう取消に相当すべき事項を知つたときには、それを通知するのですね。
#59
○政府委員(齋藤三郎君) そうです。第一線の実際に少年を担当しております少年保護司が、観察少年について、観察の解除、これは非常に本人に有利な点、仮退院、仮釈放、刑の執行猶予の取消を相当と認めるときには、その旨を少年審判所に報告しなければならん。こういう規定を出しておりまして、それによつてその事実を知つて審判所が更にそれを判断する、これはやはり仮出獄の取消し、或いは有罪の言渡しがあつたので、取消ししなければならないという場合には、やはり檢察廳へ審判所の方から知らせる。執行猶予については……。
#60
○委員長(伊藤修君) 仮退院のときには、檢察廳に知らせるというのは、何か明文があるのですか。
#61
○政府委員(齋藤三郎君) それは明文はございませんが、扱いはさようにいたしております。
#62
○宮城タマヨ君 ちよつとお尋ね申上げます。今厚生省の兒童局長の答弁によると、十四歳以下は全部引受けることにしたが、それに対して施設の何ら具体的なものはなかつたように私は伺いました。それで犯罪者予防更生法案の年齢でございますが、十四歳以下は保護観察の対象になつておりませんということが、本当に一番大事な十三・四歳という子供達を結局野放しにするのではないかというので心配でたまらないのですが、どういうわけでこういう十四歳以下の者は、この中に入らなかつたのでしようか。
#63
○政府委員(齋藤三郎君) この法案は終戰直後、二十一年でございますが、私まだこの職にありませんときから、足掛け四年やつておりまして、いろいろ関係各省、関係方面と折衝の上作られたのでありまして、そのときどきで若干、若干どころか根本的な考えも変つたこともございます。要するに十四歳未満の者は刑事責任がないのだ、そうしてこの犯罪者予防更生法案は、一つの刑事政策の意味を多分に持つておるというもので、それは法務廳でなすべきだ、併し刑事政策以外のものは一般の社会政策、社会事業と申しますか、そういう方面で担当すべきだという考え方、これが結局は少年院から十四歳未満を落すというようなことになつておるのでありまして、この犯罪者予防更生法案は、要するに少年についての非常に有利な点、犯罪を犯してから観察に付せられて、そうして少年につきましてだけでございますが相当の犯罪を犯しても少年委員会の観察に付する、そうしてその観察が無事に解除せられれば、それで既判力を生じまして、その犯罪については何ら改めて責任を問われるようなことはない。非常にこの犯罪者予防更生法案が、一般の社会事業的というよりは、非常に刑事政策的な色彩が濃厚でありまして、さような点から十四歳未満については一般の社会政策、その方面で手当てすべきである。こういう考えで、この問題を決定したと、私はさように考えるのであります。
#64
○宮城タマヨ君 この十四未満の者でも、強制力を以て決定しなければならないような子供は、家庭裁判所の方に廻るのでございますね。
#65
○政府委員(齋藤三郎君) これは今度の少年法の改正に触れる点でございますが、從來は無條件に犯罪に当る行爲につきましては、十四歳未満であつても優先的に家庭裁判所がこれを処理いたしました。場合によつては、兒童相談所に廻すというのであつたのでありますが、今回の改正は十四歳未満の少年は、家庭裁判所には優先的には参りませんで、兒童相談所へ参りまして、兒童相談所が何らか強制的な措置を、或る短期間やる必要があるという場合には、裁判所に事件を送致して、その方法なり、期間なりを決定して貰つて、それでやる。こういうふうに改正になつた次第であります。
#66
○宮城タマヨ君 その強制的な決定を要するということは、もつと具体的には、どういうことなのですか。
#67
○政府委員(齋藤三郎君) 例えて申上げますと、少年について或る期間、非常に絶対安靜にして置くというようなことが、本人の心身に安靜状態をもたらしまして、非常に資質なり、性格が良くなるということは、多年東京少年審判所の鑑別所でおやりになつているところでありまして、そういう治療的の意味合でなされる場合か多いのではないか。さように私厚生省の事務当局から聞いております。
#68
○宮城タマヨ君 そうすると、家庭裁判所が鑑別所に送るという決定の場合だけでございますか。
#69
○政府委員(齋藤三郎君) 兒童相談所なり、兒童相談所に附属するその系統の施設で、強制的な措置を或る期間、たまたま必要があつた場合には期間を附してやるということになるわけでございます。鑑別所というわけではないのであります。
#70
○宮城タマヨ君 そこで收容保護する、例えば少年院へ送るとか、或いは保護所に、保護所は鑑別所になるのでございますけれども、それから兒童福祉法以外の、何か強制的にこの子供は隔離しなければならないというような事実は、そういう子供が非常にあるわけでございますか、もう一遍又帰すということがどうも解せないのでございますが、どういうわけですか、その強制的にという、強制的という意味は、むしろ一般から隔離する、もつと言つてみれば少年院にでも入れるということが、強制力を以て決定するということではないかというように解釈したのでございますが。
#71
○政府委員(齋藤三郎君) さように改正ではなつておらんのであります。少年院には十四歳未満は入れない、保護観察所もこれを引受けられない、少年院でも引受けられないということになりまして、家庭裁判所にある間、審理中は法律の建前から、運用から言いますと、観護所に入れることも可能であります。観護状を出せば観護所に入れることができるが、通常は二週問であります、更新して四週間、そうして決定する場合には、三種の決定をすることになる。そのうち二種類が執行不能と決定いたしましても執行不能となります。結局兒童相談所に渡す。兒童相談所が受取つて見て、何らか矯正的措置が必要であるという場合には、家庭裁判所の承認決定を得てそうしてやる。こういうことになるわけでございます。
#72
○星野芳樹君 第五條の二項に「日本國憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壞することを主張する政党その他の團体に加入している者は、中央委員会の委員となることができない。」と、こうあるのですが、こういう暴力で破壞することを主張しているという政党とか團体が具体的に存在しているとお認めになつているのですか。何党、何團体がそれに該当されるのか、ちよつと伺いたい。
#73
○政府委員(齋藤三郎君) 現在のところはございませんです。
#74
○星野芳樹君 そうすると、現在結社の届出が出ている政党、團体、これは全然ないのですね。
#75
○政府委員(齋藤三郎君) 現在のところさような政党はないと存じます。
#76
○星野芳樹君 そうすると、この項は、現在の政党團体には全然適用されない。將來若しそういうものが生じたらそうだというだけで、現在の政党にはないということは確信できるわけですね。
#77
○政府委員(齋藤三郎君) 衆議院の委員会でも、法務総裁がさように申しておられますので、私その通り申上げます。
#78
○星野芳樹君 これは併し將來そういうものが発生する虞れもあるというお考えでお入れになつているのでしようが、私の考えでは、そういうものが発生したときにそういうものは取上げるべきで、何かここにこういうものを入れると、現在存在するものをそう誤解しているというように一般から見られ易いので、これは敬いた方が穏当ではないかと思うのですが、その点は如何でしようか。
#79
○政府委員(齋藤三郎君) 將來そういうものが起ることがあるかも知れんという表現よりは、むしろ起つては大変だという考えでありまして、なぜこんなものを入れたかというと、國家公務員法にもございますように、その他いろいろな法律にございますので、そういう場合が万が一に起つた場合にも支障がないようにと、これだけの單純な意味であります。
#80
○星野芳樹君 只今の答弁では、國家公務員法にもあるというわけで、結局外のものを眞似をしているということになるので、それよりも率直に今の情勢を判断して、こういうものが起り得るというような予測を持つということは、それを又誘発する原因にもなることなので、これはむしろ入れない方がいいというように考えられるのでありますが、どうですか、除く意思はございませんですか。
#81
○政府委員(齋藤三郎君) 特段の意味はないのでございまするが、やはり入れた方がよかろうという、いろいろ研究の結果入れたわけでございます。
#82
○委員長(伊藤修君) 只今の御答弁は、この團体についても同樣ですか。その他の團体……。
#83
○政府委員(齋藤三郎君) 同じであります。
#84
○委員長(伊藤修君) 暴力團体はないということですか。
#85
○政府委員(齋藤三郎君) 現在知らないという程度で……。
#86
○委員長(伊藤修君) ないとは言い切れないのですね。
#87
○政府委員(齋藤三郎君) それは分りませんが、まあ今あるかというとない。よく調べると分りませんが。
#88
○委員長(伊藤修君) よく勅令で取消される團体がありますから、ないと言い切られるのはどうかと思う。今日にもあるかも知れない。
#89
○政府委員(齋藤三郎君) 政党のことだけでございます。
#90
○委員長(伊藤修君) さつきの四十四條の問題ですがね。從來内規ですか、ルールですか、お決めになつたことを今度成文化したということは、どんな意味があるのですか。先程のお答えでは、從来そういう内規とか、省令とかというものがあつたからとおつしやるが、それを法文化した趣旨はどこにあるのですか。本來はこれは成年に対する執行猶予の規定があつたために、それを書かんがためにこの規定が設けられたのであつて、たまたまそれに少年の場合をも便乘されたに過ぎないのではないですか。だから成年の場合を削つたならば、四十六條は全部削るべきものでないですか。
#91
○政府委員(齋藤三郎君) 或いはそういう意見も成立ち得ると思いますが、ただ現在やつておることで、そう悪いことがない……。
#92
○委員長(伊藤修君) 悪いことがないというのでないが、取消されることは重大だから、だから少年院に入れるより監獄に入れることになるから、だから少年に対しては不利益な結果を招來するのじやないかと思いますが。
#93
○政府委員(齋藤三郎君) 勿論そうなんです。
#94
○星野芳樹君 今の問題ですね、暴力で破壊すると認められるに至つた。これはポツダム勅令によつて解散すべきものと認められる、そうしたらその断定が下されたところで、この暴力を以て破壊すると認定されるわけですね。そうしたら解散されるので存在しないし、だからそういうものは、こういう條項を入れて置く必要がないのじやないか。ポツダム勅令が適用される、認定されるまでは、そうだかどうだか分らない。何を以てこの暴力を以て破壊すると認定するのですか。認定されたらもう解散になる。解散になるまでには、誰も認定していない。そうなると全然必要ないじやないですか。
#95
○委員長(伊藤修君) 今のような御趣旨の場合は、加入していた者はということになるのですね。
#96
○政府委員(齋藤三郎君) 認定は勿論、愼重を期すれば確定判決ということになると思いまするが、ただそれを待つてやれば一番間違いないでしようが、ただこの法律の建前からは、やはり任命する者及びそれについて承諾を與える國会が、結局この中央委員の任命につきましては第四條にございますが、両議院の同意を経て法務総裁が任命するのでございまして、國会がやはりこの條文を御判断になつて、そうして同意をなさるか、同意をしない、こういう理由で同意できないという……。
#97
○委員長(伊藤修君) いや、今の御質問の趣旨は、暴力團というものが、暴力團体というものが今分らない。認定されて初めて暴力團体となる。その即座に解散命令を食うから、團体はなくなつてしまうでないか。だから加入しておる者という表現では足らないということになるのです。加入しておらない者に瞬間なつてしまう。そういう場合はどうだ、こういうお尋ねです。だから事実上加入しておるという者はないのじやないか。若しそういうことを認定されればすぐ解散される、團体がなくなるから加入していないことになる。だからそういうものはないのじやないか。だから規定する必要ないのじやないかという御質問です。
#98
○政府委員(齋藤三郎君) これは必ずしも確定判決を待つてでなければ認定できないとは考えなくてもよろしいのではないでしようか。
#99
○星野芳樹君 それならばどういう機構によつて、どういう機関がこれに認定するのですか。暴力革命を、暴力を以て政府を倒そうとしておると、どういう機関がどういう機構を以てこれを認定するか。或る党、或る結社を……。
#100
○政府委員(齋藤三郎君) 結局この判定につきましては、この任命に当る各段階がいろいろこれを解釈して当嵌めて、それに当嵌るかどうか。例えば三項の、同一政党というものに属する者、この属するというのが、一体どういうようなことかというような点について、いろいろこれまでも御質問があつたのでございますが、必ずしもこういう團体だと、これは確定判決なりその認定、別の方の法律の系統で認定して解散を命じて初めてその團体だということにならないのではないか、併し愼重を期すればやはりそういうことで政党に属するかどうかということもやはり政党に問合せをして、そうして政党からこれは自分の党の党員だというようなことからまあ決めるのが無難でありましようが、併し理論としては、必ずしもこの手続に当るものが結局判定をして運用するということになるように私は考えております。
#101
○星野芳樹君 今のお答えですと、どうも他を顧みて物を言うようで、率直に焦点についてお答えがないようですが、つまり或る團体、或る政党が暴力を以て政府を顛覆せんと主張しておる、これを誰が認めるか、その機構ですね。今当事者というと、具体的にどういう当事者を見ておるんですか。
#102
○政府委員(齋藤三郎君) 法務総裁が第一に、これがかような條件にも当嵌らないし、そういう團体にも属していないために中央委員として適任者であるというように大体考えられるわけです。そうして國会にこれを承認を求めるべくお出しになり、國会が又いろいろな関係條文、そのうちには当然五條の第二項、只今御指摘になつたようなお考えで御判断になつて、そうしてそれについて同意をされるか同意を拒まれるか、それによつて同意を得れば法務総裁が任命する、これだけのことになるので、この段階においてやはり第二項も亦三項も同樣であります。勿論適当なる教養、研究、学識、経驗を有するかどうかということも判断されるということになつております。
#103
○星野芳樹君 それではその問題はこれで措きまして、具体的に今存在しておる政党、團体は暴力を以て破壊するものではないと言われたので、当然共産党もそうじやないと考えられておると思うのです。ですから共産党も任命し得ると思うのですが、ところが若し第一回に共産党を任命いたしませんと、共産党の側ではこういう條項がある、そうして共産党は除かれた、彼らは共産党をこの暴力を以つて政府の顛覆をしようとしておるのだということをデマ宣傳をする、こういうふうに出て來るんですね。そうして非常に民心を撹乱する原因を作るわけです。そういう点から言つてもこれは出さん方がいいんじやないか、こういうものがなくて、共産党は比例から言つて少なかつたから出ないというのはまだ問題がないが、こういうものがあつてそれで出ない、これは大きな問題になるのじやないかと思います。
#104
○政府委員(齋藤三郎君) 先程私申上げましたところで訂正をお願いしたいのでありますが、只今の、政党にさようなことに当るものはないというふうに申上げましたが、團体のうちには、現在團体は非常に地下に、表面に出ていないようなものがございまして、あるかないかは分りませんですが、それで特定の党から出さなかつたからその党がこの條項に当るというふうに私共は考えておりませんので、多数のうちには或いはそういう方もないとは限らんと思いますが、御心配の点はないのじやないかと思いますので、削る必要はないと考えております。
#105
○星野芳樹君 そういう理屈で言えば、特定の党から出なかつたからこれに当つておると認めるという三段論法は成り立ちません。併し一般の社会的の空氣のうちで、特にこういうものを出して、そうして共産党員を入れない、こうなりますと、そういう誤解をする向も非常に多いと思います。ですからむしろこんなものはお入れにならない方がいい、こう考えるのですが、如何ですか。
#106
○政府委員(齋藤三郎君) この法案につきましては先程も申上げましたように、非常に長い年月いろいろな方面と十分考究いたしまして、これがやはりかような形の方がいいという研究の結果でございますので、御心配の点も或いはさようかとも存じまするが、理論的にはそんなことは勿論ない筈であります。
#107
○星野芳樹君 御答弁によると、長い年月いろいろなる面を考慮して、長い研究の結果だということを言われますが、こういう答弁法は止めて頂きたいと思います。というのは、どこか偉い人達が長い時間をかけて、いろいろな角度から考慮してこれが決まつたんだから、國会議員なんか馬鹿だから盲判を押せという態度と同じです。これはいかんです。いろいろな角度で長い時間をかけて、いろいろな各度から研究した、それを縷々説明しなければこちらが責任あるものとして断定が下せないなんということは……。
#108
○政府委員(齋藤三郎君) さような意味で申上げたわけではございません。いろいろ研究の結果、これはそう深く考えて、特段にこの点に重きがあるわけではございません、この程度のものは入れて置いた方がよかろう、こういう考えで置いたわけであります。
#109
○星野芳樹君 そのくらいにして置きましよう。
#110
○委員長(伊藤修君) 何か中央委員について御腹案があつたならばこの際お伺いして置きましよう。
#111
○政府委員(齋藤三郎君) 実は腹案がございますのですが、まだ國会の御決定もないうちに責任ある交渉もいたし兼ねておりますので、御当人の御意向も分りませんから、分り次第一つ申上げたいと思います。
#112
○岡部常君 極く細かいことでございますが、三十四條の二項の第四号、「住居の轉じ、又は長期の旅行をするとき」という、その「長期」というのはどのくらいを指すつもりでございますか、すでに一ケ月とか十五日とか、大体の程度が示されておりますが、現在の仮出嶽取締規則には期間を二つに分けてあましたが、何かそういうお考えはありませんか、長期というのは大体どういうところをお指しになりますか。
#113
○政府委員(齋藤三郎君) 現在では十日ということになつておりますが、十日では非常に短か過ぎるんではないか、具体的に何ケ月とかいうことまでは考えておりませんですが、或る程度観察に支障を來さん程度の長期という程度に考えております。
#114
○大野幸一君 三十三條の第四ですが、「刑法第二十五條ノ二の規定により、遵守すべき事項を定めて刑の執行を猶予されている者」、これは刑法が改正になつたことを前提にして規定されておるんですか。
#115
○委員長(伊藤修君) これは修正になつております。
#116
○大野幸一君 それでは三十四條の二項の第一号に「一定の住居に居住し、正業に從事すること。」、失業状態にあるというときにはどうなりますか、それを一つ……。
#117
○政府委員(齋藤三郎君) 三十四條の二項は極めて漠然とした規定でございますが、大体において平和な、平穏な市民生活を送らせようという考えでありまして、勿論失業しておつた場合に、それが正業に就かないというようなことには考えておりません。むしろ犯罪に近いような行動、又そういう闇屋とかいうようなものを指しておるのでありまして、勿論失業者は考えておりません。
#118
○委員長(伊藤修君) 本法には仮出嶽の取消の規定はあるようですが、仮退院の取消という制度は必要はございませんか。何かありますか。
#119
○政府委員(齋藤三郎君) ございます。裁判所に申出ることになつておるのでありますが、四十三條にその規定がございます。その二十三歳を前後といたしまして、地方少年委員会、或いは地方成人委員会が裁判所にそのことを申出て、そうして裁判所の決定によつてなすとこうことになつております。
#120
○松井道夫君 三十三條の第四項でありますが、これを第一号にのみ限つた趣旨がちよつと分らないのでありますが、例えば第四号でこれは衆議院の修正案に從うわけですが、この修正された第四号に当るもの、これにも必要の場合があるのではないのですか。この点はどうでしようか。
#121
○政府委員(齋藤三郎君) 勿論この観察は一週間に何回行けというふうな形式的なものではございませんので、必要に應じて繁閑適切を得るようにいたすのでありますが、一項以外は法律で大体期間が決まつております。少年院ならば、二十歳仮出嶽ですと裁判所が期間を決めまして、残つておる刑の執行の未了期間だけ、執行猶予の場合も裁判所が期間を決めておりますので、その期間はやはり保護観察をするという建前の方がよろしいのではないか。勿論実際の上において必要のなくなつた者は、適当なところで極めて簡單なやり方をいたしますが、形式的なやり方をいたしますが、ただ少年院の二十四條の点は、これは全部どこまでやるかということを委員会に任されて、期間だけを家庭裁判所が決められないのでありますから、一項につきましては任せられてある方で決めると、こういう期間を決めるという建前をとつた次第であります。ちよつとそこに違うやり方をする必要がないのじやないかという点、誠に御尤もでありまして、立案中でもいろいろ議論をいたしまして、やはり裁判所で決めた期間だから、その期間出しておる間はやはり執行面で何らかやはり監督するという建前の方がよくはないかというので……この方がよくはないかというので……。
#122
○松井道夫君 併し四項ではその期間中であつても、これは保護関係で決めた期間にしても、とにかく一旦決めたのでありますから、その期間中で必要がない、保護の観点から言つて必要がないというときに、その権限を持つておる者が解除した方がいいと思うのですから、まあ一番結構でございましようが、この第四号で執行猶予、例えば五年といつたような、それも結局裁判所の立場からすると保護観察をすることを、別に現在の改正された、修正された後では、保護観察の方は別に裁判所としては、勿論どちらも考慮に入れますけれども、別に條件を付けるわけでもありませんし、大体観察をするということも別にしていないのであります。要するに保護観察の方は保護機関に任して執行猶予するのは五年なんですから、執行猶予と保護観察はもとより密接な関係がありますが、むしろ別問題で、例えば五年というような長期の言渡しのあつた場合に、本人が改悛して、その環境からいつても全然必要はないという場合に、裁判所は執行猶予を五年付けて仮出所を言渡して、執行猶予をしたという場合に、それに観察の方が引摺られて、形式的にいつまでも、とにかく保護観察をいたすということは行き過ぎる場合もあるのではないかと思うのでありますが、保護観察の大きな仕事を一手に引受けるという大きな抱負を持つておる保護機関ですから、少くともこの四号ぐらいの場合はですね。考慮した方がいいのではないか。どうでございましようか。
#123
○政府委員(齋藤三郎君) 條文が変つて参りましたので、又修正になりますと、勿論裁判所は事項に決めて、そうして條件付にするということにはならないのでありますが、ただ執行猶予の期間を申しますと、やはり裁判所でも一つの心配と言いまするか、或いは場合によつて刑法で定めておるような事態が生すれば取消さなければならない。取消す或いは取消すことができるという建前になつておりますので、一種のやはりそこに條件というようなものがあるようにも考えられます。建前としては……運用の上では十分に愼重にいたしますが、建前としてはこの期間内はやはり保護観察をして行くという、ただそれだけのつもりであります。ただこの二十四條の場合でありますと、期間を何も決めないで、家庭裁判所が地方少年保護委員会の観察に付するという決定をされるのでありますから、最高限も決めなければいけませんし、その期間内であつても停止、解除、少年院も同樣でありまして、少年院も家庭裁判所が少年院に送致という決定をなされれば、執行機関で最高は一應は二十歳までにいたしまして、その期間執行面の判断で、矯正教育の目的を達したという場合には、いつでもできるだけ早く出すということにいたしておりますので、それを踏襲しただけでございます。
#124
○鬼丸義齊君 二、三点承わりたいと思います。この第一に書いてありますが、改善ということと更生と二つありますね。改善と更生の相違はどういうふうに確然と区別されるか、勿論区別されべきものでありましようが、改善と更生との区別、それからそれを一字一句区別しておる実益ありやということが第一点。それから第一條二項の國民に対する自然義務と解してよいか、若し違反するものがあつても法律上これを強制することはできないのであります。自然義務として解していいのかどうか、第一條について先ずお伺いいたします。それから第二條によりまする、その青年と少年との区別、これはどういうふうに解していいのでありますか。若しこれを、成人という言葉が今度新らしくできておるようですが、そうすると成人とすると、尚その青年、少年には未成年、成年と書く必要があるのだろう、成人として書いたならば二十三歳以上が成人であつたならば、以下は未成人であるのじやないかというふうに考えるのでありますが、その点を伺いたいと思うのであります。
#125
○政府委員(齋藤三郎君) 第二点がちよつと聞き取れなかつたのでございますが。
#126
○鬼丸義齊君 第二点の第一條の二にありまする國民のこの自然義務というのですか、何ですか、「すべて國民は、前項の目的を達成するために、その地位と能力に應じ、それぞれ應分の寄與をするように努めなければならない。」國民に義務を命じております。これは自然義務と解していいのですか、或いは特にそれは自然義務は一体國民に法令を以て命ずるような必要は特にあるか、こういうことをすべての法律に定めることになつたら殆んどもう数限りがないのであります。若しそれが字句だけであるというならば別ですけれども、單に書きつ放しで國民に命ずるだけのような條文は無制限に今後作ることになるならば、殆んど数限りなくあるのだから、殆んど書くのが無用というのではありますまいが、希望があるならば、もう少しそれについてそれを國民をして遵法せしめる何らかの手段方法を考えなければいけないのじやないかと、こういうふうに考えるのであります。
#127
○政府委員(齋藤三郎君) 第一点の改善と更生は場合によつては同じ意味になる場合もあるかも知れませんが、改善というのは主として本人の心的、本人の内的な性格なり、そういうものを考えております。更生は社会的本人の地位と、本人は非常によくなつたが、やはりその正業に就けないというような場合に、やはり本人が社会に復帰するためには本人の性格が陶冶され、そうして善良な人間になつて、社会的の安定したどつかの椅子のいいところに落付けるという場合に、やはり更生したという言葉の意味で、改善だけでは足らないので、本人が性格がよくなつたが、併し社会的な就職もできない、又家庭の環境もまだ十分これなら安全だと、これならもう大丈夫だというところまで行つていないというときは、更生を又図る必要があるのじやないかと、かようなことになつたのであります。第二点の第二項につきましては、これによつて具体的な命令を以て義務を課するというよりは、この第一條全体が本法の目的を書いた次第でありまして、六十何條に当る法律を全部一々見ないでも大体この法律の趣旨は一條で大体分る、かような規定があればやはり一般の國民が法律を、この法律の詳細を知らなくても、國民に親しめて周知徹底を図る上においてもよろしかろうというつもりで第一條ができておるのであります。第二項は、要するにそのような一体過ちを犯した者の改善更生を図るということは、單なる官廳側だけでいたしておりましては到底目的を達成しないので、すべての國民がその地位と能力に應じてそれぞれこれに應分の援助と協力をして頂きたいという趣旨でありまして、さような趣旨でございます。それから第二條の青少年という文字を使いましたのは、未成人という言葉もまだ熟していないのではないか。ただ少年と言いますと、少年法では二十歳未満ということにいたしておりまするので、二十歳までが裁判所或いは少年院とかという方面の年限でありまして、そこから出て参りました若干の年数を入れまして、二十三歳をまあ青少年という言葉で現わした次第であります。
#128
○鬼丸義齊君 第一條の二項がこの法律の目的を現わす意味において書いたとするならば、國民をしてかくかくのことをなさしめないがために、なさしめる目的を以て目的をするならばともかくも、この種文字の書き方では、明らかに國民に対して一つの法が命じておるようなふうに見えます。「努めなければならない。」それじや目的を示すのではなくつて、國民にそれ自体命じておることになりませんか。それから尚第一條にありまする「社会を保護し、」とありますのは、これはどういうふうに解していいのですか。
#129
○政府委員(齋藤三郎君) 犯罪者が再犯を犯さなくなり、又犯罪の予防活動が助長せられる。それによつて治安が維持せられ、そうして社会が防衞せられ、保護される、かような意味であります。
#130
○鬼丸義齊君 私の活字の間違いかどうか分らんですが、第三條の三行目にありまする「地方支分部局」、これはこういうことでやはり文字に間違いはないのですね。間違いないとすれば、これは活字が悪いのかしら……。
#131
○松井道夫君 法案にはそうなつておるようであります。
#132
○鬼丸義齊君 やはりそうですか。これはどういう意味ですか。
#133
○政府委員(齋藤三郎君) 國家行政組織法にかような文字を使つておるのであります。
#134
○鬼丸義齊君 文字を使つておることはともかく、この法案の審議に当つて、國家行政組織法がどのようにあろうとも、あなたの言われることは、先程から聞いておると、何だか私はこの法案として一つ出す場合には一字一句十分なる意義を備えて、それ自身やはり定義というものを持たなければならん。ただ社会的の用語とか、或いは二十歳までやつておるのは除外してあるからどうも青年にするのはおかしいからというようなことでなくて、ここで法案を審議する場合には根本となるわけです。いよいよ実行に移す場合には、一字一句大きな意味を持たなければならんのです。その意味において、すべてこの際明確にして置きたいために伺つておるのであります。國家行政組織法にどう書いてあろうが、そんなことは問題でなくして、本法制定に当つては、この書かれた文字がどういう趣旨において書かれたのかという意味を一つ伺いたい。
#135
○委員長(伊藤修君) 中央委員会がいろいろな地方組織として持たなければならない官廳がございまするその地方の所掌事務を分掌させる機関といたしまして、そうしてこの地方少年保護委員会並びに地方成人保護委員会を置く、こういう趣旨でございます。
#136
○鬼丸義齊君 そうすると、こういうふうに解していいんですか、この中にあるかないか実は甚だ調査ができていませんが、その地方支部ができる場合この支部を置く。それから地方分何とかができるということがあるんですか。地方支分部局と、こうなつていますが、部の場合、分の場合、支の場合、こういうふうなものを作る場合を予想してこういうふうに書いたというのですか。
#137
○政府委員(齋藤三郎君) この行政組織法の第九條に、「第三條の各行政機関には、その所掌事務を分掌させる必要がある場合においては、法律の定めるところにより、地方支分部局を置くことができる。」と一つ書いておるんですが、監督下の地方組織と……。
#138
○鬼丸義齊君 いや、支分部局を置くことができるという……。
#139
○政府委員(齋藤三郎君) 官廳の組織は國家行政組織法でやることになつておりまして、その中央廳に対する監督下の地方組織といたしまして、地方支分部局という新らしい概念を行政組織法で定めております。要するに中央廳が法務府の外局として中央更正保護委員会、その地方組織として地方少年保護委員会を置くということに相成るわけでございます。
#140
○鬼丸義齊君 それならば殊更ここに書かんでもいいではないか。行政組織法にちやんとそういうものを各官廳に作らしておられるものならば、この中央委員会というものもそういう行政官廳であるならば、殊更にこの中にそれを書かなければ、そういうものを置くことができないという理屈にはならない。若しあなたの今おつしやつたごとくあるならば、この例に倣うならば、苟しくもすべての委員、すべてのものを結成するためには、すべて行政組織法の中にあるこんなようなものを書いて作つて行かなければならないということになる。
#141
○政府委員(齋藤三郎君) かような文字は必ずしもなければならんということはないと思います。ただこの中央委員会と地方少年保護委員会及び地方成人保護委員会との関係を明らかにするために、かような新らしい一つの組織の概念と言いまするか、それを入れまして、これが國家行政組織法の九條にいう地方組織、新らしい制度で言うと、地方支分部局、こういうことをまあ明らかにしたのですが、法務廳設置法の一部を改正する法律案の十三條の七にもこのことが書いてあるのでありますが、この法案の中に「委員会に設置及び組織」ということが出ておりますので、これを入れれば明らかになるという意味合いにおいて採択したのであります。
#142
○鬼丸義齊君 やはりそれには部局とありますか。
#143
○政府委員(齋藤三郎君) 十三條の七には、「中央更生保護委員会……。
#144
○鬼丸義齊君 行政組織法の方にも地方支分部局とありますか。
#145
○政府委員(齋藤三郎君) 地方支分部局とあります、何かの飜訳かと存じますが。
#146
○鬼丸義齊君 まあ、分所ですね。これに繋がりのあるものが何か中に欲しいですね。そうでなくてもこれとの関連が分らない、行政組織法の何かの規定によると言つて書かないと。ちよつと珍らしい書き方だ。どうしても頭が悪いから分らない。それからこの第五條の中央委員会の委員の中に、「教養、経驗、学識及び人格を有する者でなければならない。」と、これは大変結構なことで、制限がいろいろあるのですが、中央委員には例えばよく欠格者としてありまする前科を持つ者とか、或いは確定前科者であるとか、或いはいわゆる確定の刑余者であるとか、公民権を持たない者、いろいろな者がありましようが、何でもそれは差支ないという意味なんですね。それが先ず一点と、それから四十五條の第二にあります「裁判官のあらかじめ発する引致状により、」とありますね、これはどういうふうになるのでしようか。この委員会で引致状の発令、発付方を裁判所に求めた時分には、裁判所はそれを発することが適当なりや否やということを判断することを裁判所に許される意味なんですか。委員会から求められたならば、裁判所は無條件にその令状は出さなければならんことになるのですか。それはどういうふうにお考えになるか。若し裁判所において引致状を出すことを、令状を出すことが適当であるかどうかということを裁判所の判断に余裕を與えることがあるとするならば、それに対するやはり資料というものがなければならんと私は思う。委員会が発令を求める場合には、関係書類なら関係書類を備えて、そうしてその裁判所に令状発令の必要ありや否やの判断を請う。そこで裁判所の方はその判断に基いて令状を発する。或いは令状を発することは不適当だという場合には、それを停止するかということの余裕が残されるのであるかどうかを第二に伺つて置きたい。第四十五條の第二項、審理のためとか……。
#147
○委員長(伊藤修君) 速記を止めて……。
   〔速記中止〕
#148
○委員長(伊藤修君) 速記を始めて下さい。
#149
○政府委員(齋藤三郎君) 中央委員の資格につきましては、ここに極めて簡單に書いてありまするが、國会の同意を得て任命するということになつておりますので、一般職でなしに特別職とすると考えております。引致の場合は裁判所に裁量の余地があるものと考えております。
#150
○鬼丸義齊君 そうするというと、第五條では式会において判断するのであるから資格に対しては殊更書かないのだ。こういうふうに承わつてよろしい……。議会の承認を経るのであるから、その資格等については適格や不適格は別段書かんでも、もうすでに、教養、経驗、学識及び人格を有する者だけでいいわけでありますか、併しそれは余りにも外の制度とは大分変つておるのでありますが……。
#151
○政府委員(齋藤三郎君) これにつきましては一般の官吏のような制限はございませんで、要するに國会の承認ということで十分賄えるというふうな考えで、これだけの條件を附けておる次第であります。
#152
○鬼丸義齊君 第四十五条の仮出獄を停止することの決定ができた時分に、それを審査するときには「あらかじめ発する引致状により、その者を引致させることができる。」というこの引致は、これは本人が逃走とかいうようなふうな憂いのあるときでなくても、すべて引致して差支えないという意味ですか、他の刑事訴訟法との均衡上から見まして、苟しくも停止決定をなした時分には何ら逃走の虞れなきにも拘わらず、特に令状を持つて來て引張つて來なければならんというのは余りにも氣短か過ぎると思います。他法刑事訴訟法の勾引状との場合と対比して考えて見ますると、余り余裕がなさ過ぎるように考えるのでありますが、どうですか。
#153
○政府委員(齋藤三郎君) 審理その他の必要のある場合に引致状による引致せさることができるのでありまして、勿論逃走の虞れなくして、いつでも審理のあるときは出で呉れというふうに言つて出さなくてもよろしいと思います。
#154
○大野幸一君 一條の二ですが、「應分の寄與」というのは、これは物質も含むのですか……。
#155
○政府委員(齋藤三郎君) そこまで別に具体的にどういうあれをやれというのではなくて、ただ國民に協力して欲しいという、こういう趣旨から……。勿論これによつて確定した物質上の義務を課するという趣旨では全然ございません。
#156
○大野幸一君 その質問は明日から続けます。
#157
○委員長(伊藤修君) それではこの程度にして今日は散会いたします。
   午後三時三十七分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     伊藤  修君
   理事
           鬼丸 義齊君
           岡部  常君
           宮城タマヨ君
   委員
           大野 幸一君
           齋  武雄君
           遠山 丙市君
           深川タマヱ君
           來馬 琢道君
           松井 道夫君
           松村眞一郎君
           星野 芳樹君
  政府委員
   法務政務次官  遠山 丙市君
   法務廳事務官
   (調査意見第一
   局長)     岡咲 恕一君
   法務廳事務官
   (民事局長)  村上 朝一君
   法務廳事務官
   (少年矯正局
   長)      齋藤 三郎君
   厚生事務官
   (兒童局長)  小島 徳雄君
  説明員
   法務廳事務官
   (最高裁判所事
   務総局総務局
   長)      内藤 頼博君
   法務廳事務官
   (最高裁判所事
   務総局人事局第
   一課長)    守田  直君
ソース: 国立国会図書館
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