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1967/07/31 第56回国会 参議院 参議院会議録情報 第056回国会 本会議 第3号
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1967/07/31 第56回国会 参議院

参議院会議録情報 第056回国会 本会議 第3号

#1
第056回国会 本会議 第3号
昭和四十二年七月三十一日(月曜日)
   午前十時二十分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第三号
  昭和四十二年七月三十一日
   午前十時開議
 第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、請暇の件
 一、故議員松野孝一君に対する追悼の辞
 一、故議員松野孝一君に対し弔詞贈呈の件
  以下 議事日程のとおり
    ―――――――――――――
#3
○議長(重宗雄三君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。
     ―――――・―――――
#4
○議長(重宗雄三君) これより本日の会議を開きます。
 この際、おはかりいたします。
 西村関一君から海外旅行のため十一日間請暇の申し出がございました。
 これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。よって、許可することに決しました。
     ―――――・―――――
#6
○議長(重宗雄三君) 議員松野孝一君は、一昨二十九日逝去せられました。まことに痛惜哀悼の至りにたえません。
 山田徹一君から発言を求められております。この際、発言を許します。山田徹一君。
   〔山田徹一君登壇、拍手〕
#7
○山田徹一君 本院議員松野孝一さんは、頃日来入院御療養のところ、病状にわかにあらたまり、一昨二十九日こつ然として逝去せられました。同僚議員としてまことに痛惜にたえません。ここに御生前を回顧し、哀悼の辞をささげたいと存じます。
 松野さんは、明治三十八年三月秋田県大館市に御出生、昭和三年東京帝国大学法学部を御卒業の後、台湾総督府に入り、殖産局、米穀局の課長を歴任され、戦時下にあっては、食糧部長、逓信部長の要職につき、終戦後内地に引き揚げられてからは、農林省において開拓局第一部長、東京、仙台の農地事務局長となり、わが国の経済行政に多大なる貢献をなされました。
 その後、志すところあって弁護士となり、郷土のため大いに御尽力なされ、昭和二十七年衆議院議員に御当選、昭和三十三年には参議院議員に当選せられ、自来参議院議員に当選せられること三回、その間、法務委員長あるいは農林政務次官を歴任なされました。また、飼料需給安定審議会委員、裁判官訴追委員、裁判官弾劾裁判所裁判員としても国政に尽瘁せられたのであります。
 その卓越高邁な識見と重厚温和な人柄は、常に同僚、友人の厚い信頼と尊敬の的であり、ひとしく将来一そうの御活躍を期待するところでありました。
 しかるに、にわかに訃音に接し、松野さんのごとき練達博識の士をわが参議院から失いましたことを、国家のため痛惜しますとともに、いまさらながら追慕の情切なるを禁ずることができません。
 ここに、松野さんの御逝去に対し、謹んで哀悼の誠をささげ、衷心より御冥福をお祈りする次第でございます。(拍手)
     ―――――・―――――
#8
○議長(重宗雄三君) おはかりいたします。
 松野孝一君に対し、院議をもって弔詞を贈呈することとし、その弔詞は議長に一任せられたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。
 議長において起草いたしました弔詞を朗読いたします。
   〔総員起立〕
 参議院は議員正四位勲二等松野孝一君の長逝に対しましてつつしんで哀悼の意を表しうやうやしく弔詞をささげます
    ―――――――――――――
 弔詞の贈呈方は、議長において取り計らいます。
     ―――――・―――――
#10
○議長(重宗雄三君) 日程第一、国務大臣の演説に関する件(第二日)。去る二十八日の国務大臣の演説に対し、これより順次質疑を許します。小柳勇君。
   〔小柳勇君登壇、拍手〕
#11
○小柳勇君 私は、日本社会党を代表して、去る二十八日に行なわれました総理大臣の所信表明演説に対して質問をいたしたいと存じます。問題は、四つについて質問いたしたいと思います。第一は外交、第二に経済、第三に公務員の給与、第四に当面の問題であります健康保険法などの問題について質問いたします。
 第一の外交問題は、いま、どろ沼の様相を呈しておりますベトナム戦争終結に対しまして、総理はどのような行動をとられるか、この問題であります。総理も、その所信表明の中で言っておられますように、「真の平和の維持は世界人類の理想であります。」、また、「平和こそ不変の国是であります。」、こう申しておられるのであります。平和を基調とし、人類愛をその根本教義とするキリスト教の聖書に手を置いて、大統領に就任することを宣誓するアメリカの政府と国民が、なぜあのような残虐な行為を繰り返すのであろうか。われわれとしては理解に苦しむところであります。ベトナム戦争は、一口に言いますならば、内政干渉であります。いま、南ベトナム国民一人当たりにアメリカの国費が五十四万円ずつ注ぎ込まれておると言われておるのでありますが、アメリカ軍隊にとりましては遠征であります。他国への侵入であります。昭和四十年二月七日に北爆開始以来、すでに二カ年半になります。四十六万のアメリカ軍隊と六十万人の南ベトナムの軍隊の合計が百万人、これに対する北ベトナムの軍隊及びベトコンの数が約七十万人、その両者の激闘が続いておるのでありまして、戦争は軍隊だけの戦争ではございません。平和を熱願する無辜の民がこの惨劇の犠牲となっているのであります。
 さきのグラスボロでの米ソ会談で平和共存路線は確認されましたけれども、ソ連のコスイギン首相はこう言っております。「ベトナム問題の解決が、北ベトナム領土に対する北爆の停止と米軍の南ベトナム撤退という条件においてのみ可能である」、そういうように主張いたしておるようであります。言うなれば、大国であるアメリカが初めに大きく譲歩すること、これが和平の道を見出す一つのかぎである。また、ウ・タント国連事務総長も最近、「いろいろ条件はあるが、結局アメリカの北爆停止が先決条件であり、北爆が停止されれば和平への話し合いが始められるであろう」と、そういうように、北ベトナムの指導者と会談した後に確信をもって話しておるところであります。最近、アメリカの国会でも、北爆停止について激論が戦わされております。一つは、七月の二十六日、上院外交委員会でフルブライト外交委員長が、対外軍事援助に関する聴聞会の席で、「ベトナム戦争のために国内問題がおろそかにされ、それが黒人問題誘発の大きな原因となっている」と述べて、ベトナム政策の全面的検討を政府に迫っているのであります。次は、去る七月二十七日の上院本会議で、クーパー共和党議員が先頭に立って北爆の無条件停止を呼びかけ、これをフルブライト外交委員長、マンスフィールド民主党院内総務などが支持を表明いたしております。その主張は、アメリカは、北ベトナムの浸透阻止とハノイを交渉につかせるということを目的に北爆を始めたが、いずれも実現しないで、かえって米軍が増派され、交渉からはますます遠のいておるではないか、北爆は初めから誤算であった、こう指摘いたしておるのであります。アメリカの国内でもこのように、政治家や学者や識者、多くの人たちが北爆停止が和平への道であるということを主張いたしており、その主張は急速度に高まっているところであります。いまや、だれもが言いますように、和平のかぎはアメリカの北爆停止であります。この北爆停止のかぎをだれが、いつ、どうして使うか、このことが平和への第一の当面の問題であります。
 三木外務大臣は、さきの予算委員会で、わが党の羽生委員の質問に対しましてこう答えております。「双方の立場に立って、双方の考え方を理解しながら、ハノイに対しても、アメリカに対しても、お互いの立場を理解できるような橋渡しの役をつとめることが、この段階では非常に必要ではないか」と。また、「ウ・タント氏の提案のように、現状において戦線はもう拡大しないで、一度ここで凍結するという形が和平を早くもたらす一つの前提であると思う」、こう言われておるところであります。
 総理大臣は、さきの演説の中で、「あらゆる機会をとらえて和平実現のため努力したいと考えます。」と言っておられますが、今回南ベトナムを訪問し、また、秋にはアメリカを訪問されるようであります。南ベトナムに行かれた場合は、アメリカの軍隊や南ベトナムの軍隊の指揮者に会って、北爆停止を呼びかけ、また、南ベトナム解放戦線――べトコンの代表者とも会うべきだと思いますが、いかがでございますか。また、北ベトナムにも行って、アメリカが北爆を停止した場合の休戦の条件などもみずからの行動で確かめるべきだと思いますが、いかがでございましょう。なお、秋のアメリカ訪問のときは、国連事務総長の主張のように、和平への道はただ一つ、アメリカの北爆停止だとジョンソン大統領に進言すべきだと思いますが、いかがでございましょうか。また、和平のために具体的にどのような案を持って外遊されようとしているか、お伺いするところであります。
 質問の第二は経済問題であります。
 政府は、去る七月十四日の予算委員会で、わが党の木村禧八郎委員の質問に対して、「税の自然増収の見込みは九月の決算の実績を見なければわからない、いまはその予想を立てる時期ではない」と答弁されているのであります。ところが、その後一カ月もたたない七月二十五日、しかも、国会の終わった直後に、国債と政府保証債の合計千二百億円の減額発行を決定したのであります。その前提となるのは、二千億円をこえる税の自然増収を見込んでいるためといわれているのであります。「九月決算の実績を見なければわからない、予想も立てられない」と言った答弁は、うそであったのであろうか。それとも国会での言いのがれであったのかどうか、いずれにしても許しがたいことでありますから、ここで大蔵大臣の弁明を求めたいと思います。
 なお、国債減額発行を打ち出した前提は税の自然増収にありますが、大蔵大臣の明確な見通しについて御答弁を願います。本来ならば、国債の減額については、まず自然増収を裏づけに補正予算を編成し、その後なお自然増収があれば、それを国債の減額に振り向けるのが順序でありましょう。それを自然増収については明言を避けながら、国債の減額をきめたのは、国債の消化に頭を痛めている金融界の意向をくんだともいわれております。あるいは食管会計の赤字や健康保険の赤字補てん、公務員給与の引き上げ、災害対策等の歳出増要因に対する先制攻撃を加えて、財源難を理由にこれらの施策に対する財政的措置を値切ろうという魂胆があるのではないかとも考えられるところであります。新年度予算が決定して、まだ二カ月しか経過していない今日、突如として国債の減額を決定した根拠及びその理由をお伺いしたいのであります。
 政府が去る三月十三日に閣議決定をした「昭和四十二年度の経済見通しと経済運営の基本的態度」によりますれば、昭和四十二年度の鉱工業生産は、四十一年度に対し一四%の増加となり、生産指数は、昭和三十五年を一〇〇とすれば二三三・一となる見通しであります。また、民間の設備投資は六兆二千億円と見通しております。ところが、景気の好転に伴い鉱工業生産は増大の傾向にあります。設備投資も政府の見通しを大幅に上回る見通しで、去る七月十三日の経済審議会において、経済企画庁の幹部からもそのように報告されているところであります。これら、鉱工業生産や設備投資の見通しが当初の予想を大幅に上回っており、増大の傾向にあることは、民間企業の資金需要の増大を伴い、国際収支の赤字基調と相まって、景気の過熱ということも考えられるところであります。今度の国債の減額発行は、一応景気過熱に対する警戒信号を発するということが大義名分となっておりますが、反面、国債減額によって余裕のできた資金で、市中金融は緩和し、景気刺激に拍車をかける一面もあります。大蔵省は日銀の窓口規制などを通じて市中金融の引き締めを行なおうとしているのでありますが、これからの景気の見通し、さらに、今後、自然増収が増加すれば、なお国債を減額するのかどうか、大蔵大臣にお伺いいたしたいのであります。
 鉱工業生産の伸び、設備投資の予想以上の増大などから推計しまして、四十二年度の税の自然増収は約四千五百億円から五千億円ぐらいあるものとわれわれは試算をいたしております。したがって、千二百億円の国債の減額をしても、なお健康保険の赤字、食管会計の赤字、公務員給与の人事院勧告予算など、この財源で全部補正しても余りがあります。この余裕分は、高度成長経済のひずみ、すなわち、住宅とか、交通とか、中小企業、社会保障、農村などの対策に振り向けるべきだとわれわれは考えます。税の自然増収を国債減額にのみ振り向けるような政策には反対でありますが、税の自然増収の見込み、予算の補正などについて、今後の施策について大蔵大臣の見解をお伺いしたいのであります。
 第三の質問は、公務員給与の問題であります。
 御存じのように、今年の春闘は、景気上昇の波に乗って四千円から五千円の賃金引き上げが確定いたしたのでございます。大企業はもちろん、中小企業でも初任給をはじめ平均賃金が相当引き上げられております。ところが、国家公務員及び地方公務員は、三月末に八千円の賃金引き上げを要求しているにもかかわらず、今日まで何ら誠意ある回答が出ておりません。ILO条約批准のたてまえから言うならば、労働者の賃金は交渉の中できめられるべきであるし、労使対等の原則が確立されなければならないのであります。
 しかるに、日本の公務員には完全な労働法の保護がありません。賃金交渉をしても、賃金を決定する権限はどの当事者にもないのであります。人事院という代理機関を置いて、客観的に賃金を決定しているのであります。四月一日から八千円の賃金引き上げを要求している公務員に、八月ごろ人事院勧告が出ることも不都合千万であります。あまりにも労働基本権を無視しているものと言うべきであります。また、四月一日現在の民間給与を基準として計算いたしますから、四月以降ベースアップされた民間給与の分だけ低い基準で給与がきめられる慣習でありますが、これも大きな矛盾であります。人事院勧告が出ても、これは勧告であって命令ではありませんから、政府を完全に拘束しません。これも矛盾であります。過去八回にわたって実施時期がおくれ、公務員が数億の損をしていることも、まことにばかばかしい話であります。民間で上昇した一年分だけの水準で損をし、実施時期で六カ月間の損をすると、民間の同種の仕事に比べて、一年六カ月の水準のおくれになるのであります。毎年毎年このような質問をすることをまことに遺憾に思いますが、労働基本権を公務員に与える考えはないのか、団体交渉によって、しかも、労使対等の原則で賃金を決定できるような機構の改正が必要であると思うが、いかがでございましょうか、総理大臣の見解をお伺いいたします。一歩譲るとして、人事院勧告が出たら、これを尊重して、すみやかに完全に実施すべきだと思うが、どうか。財源の問題は、さきに申しましたように、税の自然増収もあったことなどで、財源がないとは言わせません。総理の見解をお伺いいたします。なお、人事院勧告の作業の進捗状況、勧告の時期などについて、総務長官からお伺いいたしたいのであります。
 第四の質問は、この国会の重要案件と目されております健康保険、最低賃金及び失業保険の改正についてであります。
 総理の所信表明の中には、最低賃金、失業保険の改正など、労働行政については一言も触れておられないのであります。この国会での法案成立については熱意もなく、また、労働問題全般についても取り組みが浅いと思われるのでありまして、まことに遺憾に存ずるところであります。最近、中小企業の悩みは、若年労働者、特に中学卒業程度の労働力の求人、定着が困難なことであります。事業主は、職安に依頼するだけでなく、遠く九州や東北、あるいは沖繩まで足を延ばして求人に奔走している実情であります。賃金の配慮、厚生福利施設の増設、拡充など、四苦八苦の状態であります。加うるに、親企業の人件費の予算単価が低いために、下請企業は人件費に利潤の全部を吸い取られる実態であります。大企業と中小企業との間の賃金格差を少なくすること、人件費の予算単価を引き上げることなど、最低賃金の果たす役割りが今日ほど重大な時期はないのであります。したがって、この役割りを果たす改正でなければ改正の意味はないと考える次第であります。
 健康保険の改正については大きな問題があります。そもそも、現在の保険の赤字を被保険者の負担によって解決しようとするところに根本的な間違いがあります。健康保険、特に政府管掌健康保険の赤字の原因には、大きく分けて二つの理由があります。一つは、医療費の増高に対して保険料の収入が不足することであります。二つは、大企業の労働者と中小企業の労働者との賃金の格差が保険財政を赤字にしているのであります。第一の問題はこうであります。昨年度を例にとってみますと、医療費の増加は二二・二%であるのに、保険料の収入はわずかに一四・七%しかふえておりません。しかも、受診率はふえているし、一日当たりの金額は大体二倍に増加しているのであります。医療は国際的水準であるのに、国民所得は世界で第二十一位であります。高い医療費と低い保険料ですから、保険制度である限り、保険料は赤字になるのが当然であります。第二の問題はこうであります。組合管掌の健康保険では、保険料の基礎となる標準報酬が三万七千四百円であり、事業主と労働者との間の負担割合は六対四であります。政府管掌健康保険は中小企業ですから、標準報酬が二八%も低くて、二万九千二百円であり、負担割合が事業主と労働者で五対五であります。したがって、料率が同じであっても、組合健保は黒字で、政府健保は赤字になるのであります。
 また、医療制度そのものにもたくさんの問題があります。昨年の国会で、当時の福田大蔵大臣は次のように述べておられます。これは私が言うのではなく、政府の責任者の一人である大蔵大臣が言われたのでありますから、よく聞いておいてもらいたいと思います。根本的な原因は――これは赤字の原因でありますが、根本的な原因は医療制度そのものにあると思う。つまり、今日の点数払い制度に問題がある。これでは給付が悪平等になり、点数をかせがねばならぬという傾向になって、どうしても医療費給付が膨張する。その膨張に対する歯どめはあるかというと、診療費審査制度はあるが、これがうまく働くことは困難だと思う。この歯どめの問題を真剣に考えねばならない、つまり、制度の問題である、と述べておられるのであります。福田大臣が言われたように、健保の赤字は制度的な問題であります。抜本的な医療制度の改正を施さねば解決しない問題であります。制度的な欠陥によって生じた赤字、しかも、被保険者としてはそれぞれ応分には負担しているのでありますから、制度的赤字、政策的赤字は、当然被保険者負担でなくて、社会負担として国の財政でまかなうべきであると考えるのであります。幸い、税の自然増収も増加したことでありますから、この法案はこの国会から取り下げて、一応補正予算でまかない、総理も言われるように、早急に抜本対策を国会に提出さるべきであると思います。そこで、抜本改正の提出の時期について総理大臣にお伺いいたしますが、抜本改正はいっこの国会に提出されるか、明確に御答弁を願いたいと思います。
 なお、医療制度、診療報酬、薬価基準などの基礎になる医業実態調査については、毎国会で約束されながら、今日まで実施できておりません。いつ、どんな方法でやられるのか、厚生大臣の見解をお伺いしたいのであります。
 質問は以上で終わったのでありますが、最後に、総理の決意を伺っておきたい問題があります。たとえば、健康保険の抜本改正と一口に言いますけれども、これはなかなか困難な仕事であります。しかし、やり通さねばならない国民的な一大事業であります。この場合、だれが一体ほんとうに責任を持って最終までやり通すかということであります。われわれは、長い間、たくさんの厚生大臣や厚生省の役人、あるいは各省の役人と接触し、関係してまいりました。勉強する人もおりますし、そうでない人もおります。よい人も悪い人もさまざまでありますが、一様に言えることは、とにかく国会を乗り切ろう、このような熱意だけは大体一致しているようであります。ところが、これだけでは国民的大事業は完成しないのであります。大臣から一課員に至るまで、国家的事業をやり通すという体制が現在の機構では欠けているのではないか。大臣の任期が短いことも一つの原因でありましょうし、政府の役人のポストの交代が早いことも一つの原因であるかと思います。一つの法案をつくり、一つの制度を改正するために、これに骨を埋めるという政府と官僚の体制を確立されなければ、保険法の抜本的改正はなかなか困難であろうと考えるが、総理大臣の見解を承り、私の質問を終わります。(拍子)
   〔国務大臣佐藤榮作君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(佐藤榮作君) 私に対する質問は、外交問題を中心にしてのお尋ねであったように思います。財政、経済問題等については、大蔵大臣から答えることにいたします。
 そこで、私の東南アジア歴訪、並びにアメリカに行くことにつきまして、その用務、目的は、これは他の機会にもしばしば申し上げたのでありますが、もちろん東南アジアについての親善友好を深める、認識を正しくする、こういうこともございますが、ただいま当面しての問題は、国際的にはベトナムにおける紛争解決のその方途をさがすことであります。ただいま小柳君が御指摘になりましたように、ベトナムの紛争解決のために北爆を停止するということ、これは平和回復への大きな一つのきっかけになる問題だと私も思います。この北爆停止と、こういう場合におきましては、北側におきましても、この北爆停止に見合う南越への浸透、これをやめると、そういう問題もあろうかと思います。しかし、今日、残念に思いますことは、ただいまのベトナムの紛争は、両関係者とも完全勝利を確信しておる、そういう状況のもとにありまして、ただいま平和へのあっせんをいたすといたしましても、門戸を閉ざしておるというのが現状ではないかと思います。私は他の機会にもしばしば申し上げましたように、とにかく今日悲惨な戦闘が行なわれておるのであるから、まずその戦闘をやめることだ、即時停戦、そうして関係者が一堂に会して話し合うことだ、そうしてただいまの、さしあたりの問題としては、南北の共存の状態ができること、そうしてベトナム人がベトナムの将来はいかにあるべきかということをきめるべきだ、かように私は考えておりますが、ただいま停戦、それすらできないのが現状でございます。もちろん、いま言われますように、アメリカに対しましても、この北爆停止ということを強く要望しろと言われます。あるいはまた、北側に対しましても、ソ連、その他東欧諸国等についても、この両者の間をあっせんするように努力してほしい。ちょうどただいま三木外務大臣も出かけましていろいろ話し合っておるのはこの問題でございます。したがいまして、あらゆる機会をとらえ平和回復への努力をする、これが政府の態度でございます。
 私が東南アジアに、ことに南ベトナムに参りまして、いろいろ選挙後の指導者とも話し合ってみるということは、ただいまのベトナム紛争をいかにして停止するか、このことが中心課題であることは申すまでもございません。私は、日本は日本独自の考え方で、先ほど来申しますような即時停戦を双方にお願いをしておるのでございますが、ただいまのところ、そういう段階になっていない、まことに残念でございます。
 次に、人事院勧告についてお答えをいたします。人事院勧告はもちろん、在来からしばしば申し上げますように、政府は人事院勧告を尊重する、こういう基本的態度でございます。同時にまた、この給与改善についての勧告を受けますと、この給与改善そのものが各方面に関連を持っておるという点からも、これは総合的に十分その対策を立てなければならないのでございます。したがいまして、問題は、誠意をもってこの人事院勧告と政府が取り組む、その態度が必要なことだと、私思っております。そういう意味で、在来からもこの問題と真剣に取り組んでおりますが、今回もまた、従前同様の態度でこれに臨むつもりでございます。ただいまいろいろのことを予想いたしまして、これに手を打ったらどうか、こういうお話でございますが、まだ人事院勧告はなされておりません。人事院勧告がありましたら、これに対しまして最善を尽くすという、これを私はお答えしておきます。また、自然増収が非常にあるから、したがって、今回はその処置がとれるのじゃないか、こういうお話でございますが、この人事院勧告の実施、これは財源的な問題もございますけれども、同時に、これを実施することによって経済諸般に及ぼす影響も十分考えなければならないのでありまして、ただいまの自然増収を直ちに歳出財源に振り向ける、こういう決心はただいまのところしておりません。
 次に、一般賃金の問題についてのお尋ねがございました。私は、最低賃金その他につきましても、これは継続審議でございまするから、この国会においてもちろん審議されてしかるべきかと思いますが、特にこの国会は、政府としては健康保険法の改正につきましてぜひとも御協力を得たいということを、特に重点を置いてお願いしておりますので、それらの点をも勘案されまして、何とぞよろしくお願いをいたします。もちろん、賃金の是正改善については、政府は積極的に取り組む考え方でございますし、そのために経済の発展も、同時にまた、生産性を高めることにも努力をしておるのでございます。特に中小企業等を指摘なさいましたが、これらの点では一そう生産性を向上さして、そうして賃金の是正をはかるようつとめなければならないと思います。
 次に、健康保険法の問題についてのお尋ねがございましたが、詳細は厚生大臣からお答えすることといたしますが、この健康保険の問題は、小柳君も御指摘になりましたように、これは制度上の問題だ、特に私どもも、制度上の問題だと、かように考えまするがゆえに、今回の処置をとるばかりじゃなく、根本的な制度改正をしなければならないと、かように考えております。しばしば声明いたしますように、応急的な処置を今回の改正でとりますが、同時に、基本的な、根本的な改正と取り組む。ただ、いかにもこれは広範にわたりますので、全部を一時に実施するということ、手がけるということは、まことに困難でございます。私は、四十三年度――来年度からその緒につくように努力する決意でございます。
 次に、最後にお尋ねがございました問題は、国の基本的問題であり、同時にまた広範な問題である。そこで人事等につきましても慎重でなければならない。どうも短期に人がかわる、こういうことでは、こんな大きな問題と取り組む姿勢でないのではないか、こういう御叱正を受けました。私は、この問題が基本的な問題であり、国家の大事業である、かように考えますがゆえに、絶えず最善の人事でこの問題と取り組むことを皆さま方にお約束いたします。(拍手)
   〔国務大臣水田三喜男君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(水田三喜男君) お答えいたします。
 最近の経済情勢を見ますと、景気は根強い上昇基調にある反面、国際収支は赤字基調に推移しておりますので、この情勢を反映して、金融もコールレートの上昇、債券価額の低落に見られるように、引き締まりの徴候があります。こういう情勢にかんがみまして、政府は、かねてから申し上げておりましたように、経済動向に即応しまして公債の発行額を調整するという基本方針に基づいて、今回、国債、政府保証債の減額措置をとった次第でございますが、御質問の第一点は、こういう減額措置をとる以上、税収についての見通しが判明しているのじゃないか、もしそうだとしたら、九月の決算を見なければわからないと言ったいままでの答弁はうそではないかということでございますが、これはうそではございません。いま判明しておりますのは、法人税が非常に順調である、内需が多いために消費税も順調だ、輸入がふえておるために関税収入がある程度多いということでございますが、この三つのうちで、やはりほかはたいした額ではございませんで、中心は法人税でございますが、いままで四、五、六月、三カ月の実績しかございませんが、この三カ月の実績でわかっております点は、昨年の収入歩合に比べて、昨年が三カ月で二一・六%の収入実績でございましたが、本年は二三・六%と二%向上している。三カ月の実績はそうでございますが、四月から五月にずれて、本年度の収入にずれた収入がございますので、これを調整しますというと、まだ三カ月の実績としては一%しか収入歩合がよくない、こういう状態でございますので、この三カ月を基礎にして全体を判断することは、まだこれは早い。結局九月の決算のあり方を見ないと、税収の見込みというものは、はっきり立たないというのが、ほんとうでございまして、これはうそではございません。そうだとしますというと、なぜそういう見込みのないときに、こういう措置をとったかということでございますが、これは先ほど申しましたように、千二百億円の減額ということは、経済諸般の情勢を総合判断して踏み切ったことでございまして、現在財源が七百億はっきりここに増収になったからということではございませんで、このことはこの見通しがはっきりしない間に踏み切ったということでございますので、この点から政府施策の意味というものを、十分にお考えいただきたいと存ずる次第でございます。
 そこで第二の質問は、政府がこういう措置をとるということは、民間の金融を緩和することであって、目的と違うんではないかという御質問でございましたが、そのとおりでございますので、政府の措置を受けて、日本銀行はこの緩和を緩和とはしないで、金融調整の措置を直ちにとることになりました。そうして、金融界に対して節度のある融資態度を要請し、また資金ポジションの指導を強化するという措置をとったことは、きわめて時宜を得たことでございまして、財政金融政策の一体化ということを実現しているこれは措置であるというふうに考えております。
 今後さらに、これを削減することがあるかどうかというような御質問でございましたが、これはもう経済情勢によることでございまして、非常に過熱状態というようなことが出てくるという状態でございましたら、やはり総需要をある程度調整するという必要もございましょうし、そうでなくて、こういう態度が順調に経済の成長を持続させるという方向に作用するということでございましたら、それ以上のことをしなくても済むということがあろうかとも思いますが、これは今後の経済情勢によることと思って、いまから何とも申し上げられませんが、しかし、税収が多く入ってくれば、これは政府が前から申しましたように、まず国債の依存度を下げるということに努力するのが、ほんとうであろうと思いますし、また、資金運用部資金に余裕が出れば、これは政保債を減らすということが原則でございますので、機に応じた措置を今後も続けていきたい、そういうふうに考えております。(拍手)
   〔国務大臣塚原俊郎君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(塚原俊郎君) 人事院勧告につきましては、総理から答弁がありましたので、簡単に申し上げますが、人事院のあり方と人事院勧告のあり方から、これを尊重することは、これは言うまでもないことであります。ただいま小柳議員の御質疑のように、今日まで長い問いろいろの御批判があったことも、私はよく承知いたしております。したがって、関係閣僚協議会、いわゆる六人委員会におきまして、今年は従来のマンネリを打破して、何らか一歩前進でもということを御相談いたしたのでございますが、いわゆる春闘の終わる前後、つまり人事院が調査に入る時期までに結論に達することができなかったのであります。したがって、今年のスケジュールと申しますか、計画と申しますのも、大体昨年と同じような形で、人事院は四月調査、それから八月中旬以降になると思いますが、勧告ということになるのではないかと考えております。その勧告が出ましたならば、政府はもちろんこれを十分尊重するたてまえで臨む考えであります。引き続き、六人委員会において御相談をいたし、従来のマンネリを打破して、一歩でも前進する態勢に持っていきたい、このように考えております。(拍手)
   〔国務大臣早川崇君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(早川崇君) 中小企業の人手不足の問題の御質問でございますが、これは中小企業だけの問題ではなくて、実は経済の発展するに反比例いたしまして、新規学卒すなわち若年労働力が出生率の急激な低下で減ってきておる。数字で申しますと、現在百五十万人の新規学卒がございまするが、五年後は百十万台に落ち込む、こういう実情でございます。しかし、他方、中高年者は十年後五百万人現在よりふえる、こういう背景に立っておるわけでございます。したがって、中小企業者は新規学卒、若年労働力につきましては、充足率が約三割、大企業は四割をこえておりまするが、まあそういった実情にあるわけで、いわゆる深刻な人手不足という状態になっておる次第であります。したがって、こういう背景を踏まえまして、労働省といたしましては、できるだけ中小企業に対しましては、職安を通じまして集団求人方式というものを設定いたしております。また同時に、中小企業に対しましては、中高年の人たちが就職できやすいように、本年度から新たにそういう中高年を雇う場合に月一万円の住宅奨励金の制度に補助することにいたしました。また、百二十億にのぼるこのワク内で中小企業の労働者に対する三十年の年賦返還による中小企業向けの住宅促進の融資の制度もつくってまいった次第でございます。それでもなお、全体が人手不足でございますから、その中の中小企業はなお不足でございます。したがって、中小企業の方々に対しましては、本年から新たに東京、大阪並びに名古屋に雇用相談員の制度を設けまして、こういう人たちに単なる若年労働力だけじゃなくて、むしろ余っておる中高年者、そして婦人労働力、こういうものを活用するいろいろな相談を今度受け付ける新たな雇用相談員を設けまして、中小企業者の人手不足に対処いたそうといたしております。
 最後にもう一つ、定着率が悪い。特に年少労働者が悪いわけでございます、中小企業におきましては。したがって、そういう人に対しましては就職の世話をいたしましたあと一年間、アフターケアをやろうということに新たにいたしました。同時に、この年少労働者、特に中小企業で受け入れておる受け入れ地の東京、大阪とか名古屋、そういったところの、職安に年少就職者相談室という制度を新たに設けまして、定着率を高めていこうと、こういったいろいろな施策を講じまして、中小企業の人手不足に対処いたそうといたしておる次第でございます。しかし、根本は、全体が人手不足でありますから、中小企業の生産性を高めて、そうして人手を節約する。こういった施策も政府としてあわせて行なっていくことによりまして、中小企業の人手不足というものの解決に取り組んでまいらなければならないと考えておる次第でございます。(拍手)
   〔国務大臣坊秀男君登壇、拍手〕
#16
○国務大臣(坊秀男君) 健康保険の問題につきまして、総理大臣からお答えがございましたが、細部の点につきまして、補足的に私から御答弁を申し上げます。
 近年、医療保険の財政は悪化の傾向をたどっておりますが、特に御指摘のとおり中小企業の被保険者を多くかかえておりまする政府管掌健康保険において、特にその影響が大きいということは、これは否定すべくもない事実でございますが、そういったようなことも含めまして、各制度間の格差の是正、また、保険財政の長期的な安定確立といったようなものをはかるために、抜本対策ということがどうしても必要であることは、申すまでもございません。ただ、しかし、現に巨額の赤字をかかえて、まさに制度が崩壊の危機に瀕しておるというこの政管健保において、抜本的対策が実現に至るまでの間、何としても、制度を維持するためには、臨時応急対策が必要欠くべからざる段階に相なっておるのでございます。したがって、この危機を乗り切るために、臨時応急対策を策定いたしまして、前国会で御審議を願ったのでございますが、審議未了と相なりました。そこで引き続き、本国会にまた御審議をお願いすることと相なったのでございます。この臨時対策が御審議、御決定をいただいたならば、抜本対策については、もうどんなことがあってもやらなければならないということに相なっておりますので、総理から御答弁申し上げましたとおり、四十三年をめどといたしまして、その緒についてまいる決意でございます。
 次に、医療経営の実態調査について、この調査の円滑な実施をはかるためには、関係各方面の十分な御理解と御協力を得ることが必要でありますが、政府といたしましては、従来、中央社会保険医療協議会――中医協におきまして御検討をわずらわしてきたところでありますが、現在、中医協において小委員会を設けまして、調査項目等について、鋭意検討が進められておるところでございます。医療保険制度の根本的な改革につきましては、今後とも真剣に取り組んでまいりたいと考えておりますが、御指摘の人事等の問題については、厚生省の中におきまして、私といたしまして最も慎重を期してまいりたいと、かように考えておる次第でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#17
○議長(重宗雄三君) 松本賢一君。
   〔松本賢一君登壇、拍手〕
#18
○松本賢一君 私は、日本社会党を代表して、まず、佐藤総理に対し、政治資金規正法ないし政治姿勢の問題について、質問いたしたいと存じますが、
   〔議長退席、副議長着席〕
いま、この壇上に立って、さきの国会の推移を考え、その終末を思いますとき、私の感想は、全く唖然たるの一語に尽きるのであります。
 佐藤首相は、この数カ月の間、政治資金規正法改正に関し、まことに豊かな表現をもって、しばしばその成立を国民に公約されたのでありました。「勇断をもって取り組む」、「国民の至上命令である」、「お茶を濁すようなことはない」、「小骨一本抜くようなことはしない」等々、いずれをとってみましても、後世に残るような名文句であります。昨年の黒い霧問題以来、政界の浄化を願っていた国民は、この総理の快いことばを聞くたびに、大きな期待を持ったのであります。一国の宰相が、このように繰り返し繰り返し公約したからには、まさか当てのはずれることはあるまいと考えるのは当然であります。ところが、その当ては、はずれたのであります。事もあろうに、総理自身の率いる自民党の手によって切りさいなまれ、総理、総裁が、小骨一本抜くことはないと言った公約はむなしくも一場の夢と化し、大骨も小骨もすりつぶして板に乗せて流すと言った一国対委員長の放言のほうが現実となったのですから、これでは、あいた口がふさがるほうがふしぎでありましょう。(拍手)
 最初に、答申を尊重すると言った総理は、与党内の反撃にあいまして、答申よりも後退した自治省案すら、これを守る努力をなさらなかった。そうして、でき上がった政府案なるものは、頭もしっぽも背骨もない、小骨だけを残す、おろし身のようなものであったのであります。しかも、それが衆議院特別委員会の場で、またまた与党である自民党の諸君の手によってすりつぶされ、板に乗せて流されてしまったのであります。その間、総理は、委員会に出席して、与党の諸君を説得する努力すら一回もしなかったのであります。これは明らかに佐藤総理の大失態であり、その責任はまことに重大であります。第一は有言不実行、つまり、食言の責任、第二に与党内のリーダーシップ皆無の責任、そうして第三の最も大きな責任は、政界浄化への国民の期待を失なわせ、政治不信をますます高めた責任であります。(拍手)
 もし、総理がみずから言うごとく、政治の姿勢を正し、風格ある政治を行なわんと欲するならば、このような失態に際しては、いさぎよく総理、総裁の地位を去って、その責任を明らかにすべきが本筋だと思うのであります。(拍手)しかるに、あなたは、所信表明演説の中で、ただ一言、「まことに遺憾」と言ってお茶をにごしておられるのであります。これはまことに白々しい、国民を小ばかにした態度でありまして、そこには何の政治姿勢、何の風格があるでありましょうや。あなたの言明された数々のことばは、そのときそのときでは決してうそではなかったとおっしゃるかもしれません。しかし、結果において、あなたは国民に対し大きなうそをつかれたのです。その責任を国民の前に明らかにしないで、「遺憾である」などと、あいまいな漢語でその場を糊塗しようとする、そのような姿勢こそ正さるべきものであります。(拍手)あなたは、遺憾ということばで責任を明らかにしたおつもりかもしれませんが、国民にはもちろん、私にも、何を意味するのか、わけがわかりません。現に、あなたが一昨日選挙制度審議会から受け取られた要望決議の中にも、「まことに遺憾である」と、あなたの使ったのと同じ文句が使われておるはずであります。この決議文は、あなたをしかっている決議文なんです。だから、遺憾などということばは、しかるときにも使えるようなあいまいなことばだと私は申し上げているのであります。そこで私は、この際、総理に対し、あいまいなことばでなく、公約がうそになった責任について、国民の納得のいくような、わかりやすい言明を国民にかわって要求いたします。この壇上から、はっきりおっしゃっていただきたいと存じます。(拍手)
 次に、総理は、今後の処置について、「この法案を近い国会に再び提案してその成立をはかる決意であります」と、こう言っておられますが、一昨日の衆議院において、総理は、山花さんの「今国会に出すべきだ」との質問に対し、「この国会は会期が短いし、過去の審議の経過を見て、この国会に出すのは適当でないと判断した」と答えておられましたが、あなたは一日も早く成立させたい、せめて継続審議に持っていくことを希望しておられたのでありますから、会期が短いということは理由にならないと思います。また、過去の審議経過というのは、野党のことではなく、自民党の引き延ばし策のこととしか解釈のしようがなく、これを理由になさることは、あなたの党内説得力の全くないことをみずから暴露するようなものだと思いますが、いかがでございましょうか。
 かくして、あなたがこの国会には提案する勇気がないとすれば、一体いつになったら政治資金規正法の改正が日の目を見ることができるかを憂えるものでありますが、一昨日、選挙制度審議会があなたに送った要望決議の中には、「政府はすみやかに答申の線に沿う改正案を国会に提出し、必ずその成立を期し、もって国民の期待にこたえてもらいたい」とうたわれていたはずであります。まさか、あなたは、この要望を無視するわけにはまいりますまい。いや、むしろ、あなたはこの要望によって勇気づけられたと私は想像するのであります。そこで、私が総理に御提案申し上げたいことは、われわれ社会党はじめ野党各派は、今日の事態を憂え、共同してこの国会に政治資金規正法改正案を提出しておりますが、その内容は審議会の答申を一〇〇%尊重したものであります。とすれば、あなたがもしこの野党の提出案に賛同され、与党を説得してその成立に協力されることになれば、あなたの本来の希望がことごとくかなえられ、一昨日の審議会の要望にも全く合致することになると考えるのですが、いかがなものでございましょうか。それでも、なおかつ、あなたは自民党内を説得する自信がおありにならぬのかどうか、その辺のところをあわせてお答えいただきたいと存じます。
 最後に私は、あなたがもし今後、自民党内のいわゆる車の両輪論などに押しまくられて、審議会が選挙区割り制の答申を出すのを、じんぜんと待つようなことをなさったとしたら、それこそ国民の怒りは爆発するであろうことを御警告申し上げて、この問題に関する質問を終わります。
 次に私は、七月豪雨の対策について、総理並びに関係各大臣にお伺いいたしたいと存じます。
 今回の災害は、長崎、広島、兵庫等の各県にわたり、三百ミリをこえる集中豪雨によって起こされたものでありますことは周知のとおりでありますが、その物的損害もさることながら、三百六十九人という多数の人命を失ったことは、まことに痛恨のきわみでありまして、衷心、御冥福を祈るとともに、この災害を教訓として、今後このような災害が再び起こることのないよう、政府並びに地方自治体が万全の対策を立てられることを要望してやみません。
 そこで、私、重点的に二、三お尋ねしたいのでありますが、非常災害対策本部長たる総務長官の国会報告にもありますとおり、今回の災害の著しい特徴は、山くずれ、がけくずれによる住宅の被害、並びに都市周辺の小河川におけるいわゆる鉄砲水による住宅被害、これが非常に多いのでありまして、たとえば八十八人の死者を出した呉市を例にとってみますと、山くずれ、がけくずれ、宅地くずれ千百二十八カ所、そのうち、大規模なもの二百十一カ所、しかも、そのうち四十三カ所で人が生き埋めになっておるのであります。このように多くの個所で災害が起こっております関係上、公共の損害が十三億円に対しまして、民間の損害が三十七億円に達しているのであります。以上のような特徴は、ひとり呉市だけではなく、神戸市をはじめ広島県、長崎県等の各地に共通の様相であり、したがって、今回の災害に対する復旧並びに今後の防止対策にあたって、急傾斜地における民有地、宅地をどう扱うかということが、大きな困難な問題となっておるわけであります。こういう個所の今後の処置が不完全であったとしますと、さらに次の災害を呼び、人命の危険をはらんでおるのでありますが、これからの台風時期を迎えて、政府は、いかなる対策を考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
 新聞の報道によりますと、政府の現地調査団長として、災害地を視察した澁谷建設政務次官も、また、続いて視察におもむいた西村建設大臣も、ともどもに、このような急傾斜地の災害防止対策としては特別立法を考える必要があると、現地で語っておられますが、私も全く同感でございまして、大臣、次官のこのことばが、ただ現地における気休め的発言でないことを信ずるものでありますが、事は急を要することでありますので、その後、立法措置に対する準備等、どのように進んでおるのか、また、この国会に何らか具体的な御提案がなされるのかどうか、お答えいただきたいと存じます。
 次に、もう一つの特徴としての、小河川の問題でありますが、これら小河川は、都市住宅の発展に伴って、川の形を失い、ふだんは水も流れない下水のような形となって、道路の一部となったり、不自然にゆがめられたり、俗に言う、いじめられてしまっているものでありますが、一たび大雨が降りますと、昔ながらの川の本性をあらわしまして、いわゆる鉄砲水が道路にあふれ、家屋に浸入して押し倒すという、おそろしいものであります。こうした小河川の災害に対しても、地方自治体にのみまかせず、国の手を差し伸べて、その復旧と次の災害防止策を講ずべきだと考えますが、政府は、いかなる対策を考えておられますか、お答えをいただきたいと存じます。
 次に、このたびの災害に対して、政府は、いわゆる激甚災害法の適用をきめられたのでありますが、これは聞こえはたいへんはなばなしいのでございますが、さて、実際に地方の都市に適用するとなりますと、この法律は、たいへんしゃくし定規にできておりまして、一カ所の損害額の大きい、いわゆる公共災害復旧の地元負担が、税収の十分の一をこえていなければ適用にならない。したがって、一カ所の損害額の小さい、いわゆる単独災害が幾らたくさんあっても、この恩典に浴することができないということになっております。ところが、今回の災害のように、がけくずれが何百カ所と起こったような場合には、全く実情にそぐわない法律であります。つまり、この法律をつくるときには、今回のような特徴のある災害を予想していなかったということができるのでありまして、この際、政府は、思い切った拡大解釈をとるか、さもなければ、今回のような特徴のある災害にも当てはまるよう、法律の一部を改正すべきだと思うのでありますが、この点、政府のお考えはいかがでございましょうか。
 なお、災害についてお尋ねしたいことは多々ございますが、時間の関係もありますので、割愛いたしますが、この機会に、私、注意を喚起しておきたいことは、東京をはじめ、大都市において大地震が発生した場合における対策であります。
 大地震は、台風、豪雨と同様に、わが国における宿命とでも申しましょうか、毎年ではないまでも、数年あるいは十数年に一回は、日本のどこかで大地震が発生しておりますことは、統計の示すとおりであり、ことに首都東京においてその発生の可能性が大きいことは、皆さん御承知のとおりであります。今日ただいまといえども、起こらないという保証はないのであります。そこで、東京はじめ大都市における地震対策は、政府において当然でき上がっておらねばならぬと存じますが、この機会に、概略国民にお示し願いたいと存じます。
 なお、今回の災害に際しましても、災害に対する平常のPRの不足が感ぜられたのでありますが、大震災に対するPRをも含めて、権威ある、しかもわかりやすい心得帳のようなものをつくり、各戸に配付することを考えられないものかどうか、お尋ねいたしたいと思います。
 次に、私は、原爆被爆者対策について、この際、総理並びに厚生大臣にお伺い申し上げたいと存じます。
 今年も、八月六日が目前に迫っております。日本国民のだれ一人として、あの忌まわしい広島、長崎を思い起こさぬ人はありますまい。そうして、二度と再びあのような悲劇を世界の上に起こさないため、唯一の被爆国である日本人のすべては、原水爆の禁止をその悲願としておるのであります。しかしながら、国民の悲願にもかかわらず、わが国の保守党政府は、歴代内閣を通じて、原水爆の禁止についてはまことに消極的であり、国民の禁止運動に対し、これを白眼視する傾向すらあることは、まことに遺憾なことであります。
 そうして、一方において、それこそ車の両輪として、すべてに優先して行なうべき原爆被爆者の援護に対しても、保守党政府はまことに冷淡であったのであります。戦後十二年たった昭和三十二年にようやく被爆者医療法が制定され、以来ほんのスズメの涙ほどの救済が行なわれてきておりますが、さらに十年たった今日、被爆者の切なる願いにもかかわらず、いまなお援護法の制定ができておりません。煮え切らぬ政府の態度に対して、衆参両院議員は、昭和三十九年に援護強化に関する決議を行なったのであります。その決議によれば、「政府はすみやかに援護措置を改善し、もって生活の安定に役立つようつとめるべきである」となっていますが、政府がこれを受けて実態調査に乗り出したことは、わずかながら前進と言うべきでありましょう。調査は今年の秋に済む予定だということでありますが、新聞の報ずるところでは、去る六月十六日、坊厚生大臣は、被爆者代表の人の、「もうくどくは申しません。この国会の会期中に、援護の手を打つのだという意思表示だけしてください」という切々たる訴えに対して、「調査の結果を見た上でないと何とも言えない」と答えられたそうでありますが、なぜそのような人をいらいらさせるようなことをおっしゃるのですか。国会の決議を受けて調査をするからには、援護措置をやるつもりで調査しているのではないのですか。調査をしてからきめるなどということは、役人の言うことであって、政治家の言うことではないと思います。(拍手)
 政府は、戦後処理として、旧地主補償や在外財産補償を実現させたのに、国民感情としてはまっ先にやるべき被爆者援護がなぜできないのか。役人の理屈を聞いてみますと、旧地主は国の権力によって土地を強制買い上げしたから、また在外財産については国が請求権を放棄したから、いずれも補償の責任があるが、原爆にはそうした国との関係が薄いと、こういうのが二の足を踏む理由だそうであります。私は、世界で唯一の被爆国の被爆者が他に類例のない放射能の魔力に侵されている姿は、小役人の理屈などはるかに越えたものであることを強調したいのであります。(拍手)さればこそ、国会が決議をもって援護を強調したのでありましょう。厚生大臣は、国会の決議よりも小役人の理屈のほうが大切と思われるのでしょうか、お伺いいたします。(拍手)地主補償に五百四十億を出し、在外財産に千五百億を出したことを、私とやかく言うのではありませんが、その同じ政府が原爆被爆者にわずか年間五十億か七十億の金を出したからといって、腹を立てる日本人はどこにもないと私は思うのであります。さきの国会において、戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案が可決されました際に附帯決議がついておりますが、その附帯決議は、三十九年の決議を受けまして、「政府は、すみやかに、原爆被爆者援護に関する法的措置を促進するため、関係者を含む特別の審議会を設置して、両院決議の実現をはかること。」とあります。これだけ重ね重ね国会からしりをたたかれながら、政府は何のちゅうちょ逡巡することがあるでありましょうか。
 私、最後に総理に要望いたします。審議会は直ちにつくると、いまここで国民に約束してください。それが八月六日を迎えるにあたって、犠牲者の霊に対するせめてものはなむけだと思うのでありますが、(拍手)総理の温情ある御答弁を期待して私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣佐藤榮作君登壇、拍手〕
#19
○国務大臣(佐藤榮作君) 松本君にお答えいたします。
 政治資金規正法案が審議未了でついに流れましたことについて、所信表明で私の考え方を率直に披露いたしました。私、今日もなお、政治資金規正法案、これが黒い霧の問題以来、政界浄化のために役立つものだと、かように考え、この成立を心から願っているものであります。この所信にはただいまも変わりはございません。私はただいま松本君からいろいろの御批判を受けました。また、これにつきましても謙虚に私はただいま伺ったのでございます。また、反省もいたしたつもりでございます。同時に、この国会を通じまして、たいへん期待をかけられました国民の皆さん方に対しても、私はつつしんで遺憾の意を表したいと思います。しかし、この問題は必ず近い国会に再び提出いたしまして、そうして成立をはかる考えでございます。
 この国会になぜ出さなかったか、かように言われますが、私は、この国会は、すでに衆議院でも答えましたように、会期が短いので、十分審議を尽くすことはできないだろう、かように考えまして、次の機会に譲ることにいたしたのであります。ただいま、野党三派で共同提案をした、これに賛成しろというお話でございますが、ただいま、野党には野党のお考えがあるだろうと思います。政府は、先ほどお答えしたような考え方で、この国会で審議することは適当でない、かように考えております。また、これはただ次の選挙制度審議会の答申を待っている、こういうようなものではございません。次の選挙制度審議会がどんな答申を出してきますか、今日予測は立たないのでございますし、また、この政治資金規正についての答申を出しました選挙制度審議会は、当時、緊急の措置としてこの問題を切り離して出したのでございます。したがいまして、私はいわゆる車の両輪論、こういうものとは別な考え方を持っておるのでございますから、その点も御了承を得たいと思います。少なくともこの問題が出まして以来、政界におきましては、非常な反省も行なわれておると、この事実は十分認め、高く評価してもいいのではないかと、私はかように考えております。
 次の問題点は、災害についてのいろいろのお尋ねでございます。被災者の方々に心からお見舞いを申し上げますが、この詳細につきましては、担当大臣からお答えすることといたしたいと思います。ことに、お尋ねのありました大地震対策など、これは絶えず私どもも考えていかなければならない問題でございます。ことに、かつての関東大震災を経験した私どもといたしましては、震災のおそるべきことはよくわかっております。これは避難誘導、さらにまた交通整理、あるいは通信の確保、水その他万般についての対策が立てられなければならない、かように考えております。政府は、あらゆる場合におきまして、この災害から国土を守る、同時にまた、国民の生命財産を守るという、この尊い責務があるのでございますから、そういう意味で抜かりのないようにいたしたい、かように考えております。
 次に、原爆被爆者についての援護の問題でございますが、これは、よく事情は御承知のようでございます。すでに医療の関係におきましては、決議の趣旨もございまするから、私どもは万全を期するということで、あらゆる努力を続けてまいっております。また、その援護の点については厚生大臣からもお答えがあったということですが、ただいまちょうど調査をしておる最中でございます。これが秋にはその結果が終結を見ると、かような次第でございますから、いましばらくお待ちを願いまして、そして、これの対策について、私どもが国会の決議を十分尊重する、その立場におきまして、しばらくお待ちをいただきたいと思います。
   〔国務大臣塚原俊郎君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(塚原俊郎君) 私に対する質問は、災害対策本部長としての今回の激甚災害指定について、これを改正する意思があるかないかということだろうと思います。今度の七月の豪雨に対しましては、タイミングよく激甚災害の指定をいたしましたことは御承知のとおり。あわせて、これに適用する措置を指定する政令もきめたのであります。しかし、お尋ねにもありましたように、激甚災害に指定された場合に、すぐ被災したすべての地方公共団体に特別の財政援助が行なわれるということは、全部が行なわれるとは限っておりません。激甚災害の指定は、御承知のように国民経済に著しい影響を及ぼし、かつ、当該災害による地方財政の負担を緩和し、または被災者に対する特別の助成を行なうことが特に必要と認められる災害に対して行なうものでございますから、激甚災害の指定に基づきます特別の財政援助も、また、いわゆる激甚法の立法の趣旨にのっとって、激甚災害による復旧事業費の中央負担額と地方負担額の財政負担能力を勘案する等の方法によってきめることになっているわけでございます。しかし、今回のような都市災害というもの、これは特有の現象であります。われわれは、これをよき教訓といたしまして、今後のこういった問題に対処する上にも重要な参考資料といたしまして、いろいろの研究は今後続けていく考えでございます。
   〔国務大臣西村英一君登壇、拍手〕
#21
○国務大臣(西村英一君) 今回の豪雨による災害にあたりましては、御摘指のとおり、急傾斜地の崩壊が非常に著しいために、人命、財産に多大の損害を与えた次第でございます。兵庫、広島、佐賀、長崎の四県につきまして、死者三百四十二人でございまするが、それを、がけくずれのために、あるいは洪水のために、その他の事故でどうなっておるかということを調べてみますと、がけくずれで八〇%なくなっております。二百七十四人。洪水で一九%、その他で一%ということになっておるので、たいへん今回の事故は、いわゆるがけくずれ、急傾斜地の問題を提供いたしておるのでございます。
 政府は、四十二年度におきまして、急傾斜地崩壊対策事業費を計上いたしております。しかしながら、法的な根拠といたしましては、現在の法律では十分でない点がございますので、今後これらの問題につきまして、法的なことを検討いたしておるのでございます。その内容といたしましては、やはり災害時における緊急避難体制を確立するということが一つ。また、建築物の規制、あるいは建築物を移転、除去した場合の助成の措置、あるいは対策事業費の実施等、それらのことを――それ以外まだいろいろありましょうが、内容といたしまして、立法を検討いたしておりまするが、何さまこの国会には間に合いそうもないのでございまするが、なるべく早い機会に、これは皆さま方の御審議を願いたい、かように私は考えております。
 なお、急斜傾地が民有地である場合が非常に多いのだが、その場合は一体どうするのだというお尋ねでございまするが、非常にむずかしい問題でございます。しかし、建設省といたしましては、今年は特にこの急傾斜地の全国的調査をいたしております。その結果を待ちまして、立法のときにもいろいろ考慮をめぐらしたい、かように考えておる次第でございます。
 次に、中小河川の問題のお話がございましたが、やはり人口の都市集中によりまして、ことに平地の少ない都市におきましては、ややともすると谷川であるとか、あるいは小河川のところに、その河川の流域に宅地の造成、住居の建設をやるわけでございまして、今回もそういうようなことによって非常に災害を受けたのは御指摘のとおりでございます。このような災害の実情にかんがみまして、われわれといたしましては、今後宅地の造成、住宅の建設等の規制を十分強化し、監督もまた十分やりたいと思っております。また、それとともに、小河川、谷川等における砂防、あるいは河川の改修等につきましても、今回の事故にかんがみまして、十分な措置を考えたいと思っております。
 もう一つの非常に大きい問題は、大都市における大地震の対策はどうかという問題でございまするが、この問題につきましては、都市計画の決定にあたりまして、いろいろなことを考えておるのであります。地震その他の非常災害につきまして、都市の防災上のことについては十分考慮をいたしておるものでございます。第一に、やはり大地震に対する都市防災上の対策でございます。建築物その他構築物が破壊されないようにするということ、また破壊された場合に火災が起こらないようにするということ、そのためには、市街地の枢要な部分には従来とも防火地域、準防火地域等の指定を行なっておるわけでございます。また、木造建築物を禁止するとか、建築物の不燃化等をいろいろ考えてやっておるのでございます。また、都市によりましては防災建築街区をつくって、これからこの街区をつくりまして、それ以上は火災が及ばないというような防災建築街区等をつくっておるのでございます。しかし、大地震によって大規模な火災等が起こりました場合には、もちろん、避難壕であるとか、あるいは避難場所等というようなものを確保するのは当然でございます。しかしながら、まだ都市においては広場等が少ないのでございますから、大都市における公園等の拡大につきましては、今後も考えなければならぬと思っております。四日市等の石油を扱う所につきましては、やはりこの緑地の防火地帯をつくるということを、十分これは考慮しなければならぬと思っておりますが、いずれも重要な問題でございまするから、政府は、都市計画にあたりまして、十分これらの点につきまして心配のないようにやるつもりでございます。(拍手)
   〔国務大臣藤枝泉介君登壇、拍手〕
#22
○国務大臣(藤枝泉介君) 七月災害に関しまして、市町村等の単独災害復旧事業につきましては、地方債をもってこれにあてまして、翌年度以降、その元利を基準財政需要額で見まして交付税で処置することにいたしております。ことに、激甚地の指定を受けた所につきましては、小規模の災害におきましても地方債で充てることができまして、これまた、元利について翌年度以降、元利補給並びに交付税で見ることにいたしております。また、本年度特別交付税においてこれを考慮することは、御承知のとおりでございます。
 また、大都市の地震等について、警察関係でございますが、古くは関東の大震災、あるいは伊勢湾台風、新潟地震等の体験をいたしまして、特にその際における、われわれ反省すべきものを反省しながら、警備計画をつくっておるわけでございまして、特に、交通対策におきましては、常に道路交通の状況の把握、あるいは交通機関の実態の把握等につとめまして、避難場所、あるいは避難誘導の方法等を計画し、設定をいたしますと同時に、緊急物資の確保のための交通規制等について常に計画を立て、しかも、東京都のような交通事情の激変する所におきましては、常に再検討を加えまして、これらの計画の万全を期しておる次第でございます。(拍手)
   〔国務大臣坊秀男君登壇、拍手〕
#23
○国務大臣(坊秀男君) 原爆被爆者対策につきましては、国会の決議等もございまして、その趣旨に従いまして、政府といたしましても、かねてから鋭意努力をいたしておるわけでございますが、医療、健康診断等のいわゆる医療援護につきましては、現行の原爆医療法によりまして措置を講じております。これらの措置につきまして、今後とも、さらに充実強化をしてまいる所存でございます。その他の援護につきましては、原爆被爆という世界的な、歴史的な特異性というものを重視いたしまして、さらにまた、国会のたびたびの御決議もございますので、その御趣旨に沿いまして、ただいま実態の調査をいたしておるのでございますが、この実態調査が秋ごろにまとまるという段取りに相なっております。この調査に基づきまして、私どもといたしましては前向きにこれに対する措置を考えてまいりたい、かように考えております。(拍手)
    ―――――――――――――
#24
○副議長(河野謙三君) 二宮文造君。
   〔二宮文造君登壇、拍手〕
#25
○二宮文造君 私は、公明党を代表して、総理並びに関係大臣に若干の質問をいたします。
 質問の第一点は、健康保険の問題についてであります。政府並びに自民党は今国会を「健保国会」と銘打って、健康保険法等臨時特例法案の成立を決意して、そのためには単独強行採決も辞せずとの気がまえのようであります。国民の信託にこたえるべき政党並びに政治家が、その名誉、利益の追求に障害となることについては、政治資金規正法のように、世論の待望するところであろうと、おくめんもなく廃案にして、しかも、顧みようとしない。反面、二千四百万人にのぼる中小企業、零細企業関係者の切なる願いにもかかわらず、財政窮乏を理由にして、あえて医療費の負担増をはかる、全くこれ国民不在の政治と断ずるよりほかにないのであります。現在の医療保険の財政危機は、医療費支払い制度の欠陥、医療費配分の不合理、薬品過大使用の放置、医療機関の規制と機能分化、医療制度近代化への努力の欠除等々、医療問題に対し、根本的にメスを入れようとしなかった政府の怠慢によるものであります。その結果として増大した赤字を、最も立場の弱い労働者や病人にしわ寄せする形で解決しようとすることは誤りであると思うのであります。政府は、抜本的解決のための特例であると強調しているようでありますが、こうした政府不信の中で、とうてい国民の納得するところとならないのでありますが、総理の見解を承っておきたいのであります。
 以下、数点について伺います。
 第一に、わずか一週間前に廃案となったものを、手直しもせず、そのまま提案することは無責任もはなはだしい。厚生大臣はその責任をどう受けとめようとされるのか、お伺いしたい。
 第二に、保険料率を千分の七十二という高率に引き上げるとのことでございますが、提案者の厚生大臣は、この料率引き上げがそのまま承認されると思っておられるのかどうか。大企業の組合健保でさえ千分の七十であり、政府管掌健保の場合、それに比べると著しい所得格差のある中小企業関係者であることに思いをいたすとき、いかにもその策定が不見識きわまると言わなければならないが、所見を承りたいのであります。
 第三に、医療保険制度の抜本的解決が望まれ、すでに久しい年月を経てまいっております。政府管掌健保についても、三十七年以来、赤信号は提起されてまいったのであります。しかも、その結論を見出さないまま、本特例法の場合のように、取りやすいところから取るという考え方はあまりにも安易に過ぎ、無責任きわまりないと思うのでありますが、どうか。総理も抜本的対策を示唆されているようでありますが、その目安をどこに置いているのか、問題の所在、考えられる解決策について具体的に明らかにしていただきたいのであります。
 第四に、保険者諸団体の統合はかねてからの懸案事項であり、それなくしては、国民皆保険の今日、給付内容、料率等々、被保険者相互間に不均衡が生じてくるのであります。政府の所見を承りたいのであります。
 さらに、薬務行政についてお伺いしたい。薬剤費の増大が保険財政を著しく圧迫していることは周知のとおりであります。もちろん、これは保険医療の場合、医師の収入が薬剤の使用にリンクする、したがって、薬剤の使用がルーズになるとこれまで指摘されてまいっておりますが、これらは薬価基準、ひいては薬務行政にも関連する重要な問題であります。この問題につきましては、去る七月十二日、本院物価対策特別委員会におきまして、公明党の田代委員より指摘されたところでありますが、たとえば、某メーカーの活性ビタミン剤二十五ミリ一錠は、健保の単価にして約十二円、それが医者に通常は四円前後で取引され、しかも、五千錠買えばそれだけの数量がよけいにおまけになって加えられる。さらに抽せんでブルーバード、あるいは東南アジア招待旅行という特賞までついております。逆算すれば、二円のものが、健保で十一円、十二円として請求できるという矛盾であります。医薬品の再販価格問題、保険医療制度の重要課題でありますが、総理は、これら具体的な問題についてどのように対処されていかれるおつもりかを伺い、あわせて政府の対策も伺いたいのであります。
 要するに、これほどの山積する諸条件の検討をなさずして、ただ安易に料率の引き上げ等による保険財政への考え方は、きわめて危険であり、総理の再考を強く要望するものであります。(拍手)
 質問の第二点は、政治資金規正についてであります。先ほども総理の答弁を伺いましたが、なお不十分なところがありますので、重ねてお伺いをいたします。
 総理は、その所信表明において、公党の倫理性を高めることこそ、議会民主政治に対する国民の信頼にこたえるものとしております。共和製糖事件、台湾バナナ輸入割り当てに見られる利権と政治資金の複雑なからみ合い、あるいは巨額にのぼる自民党の国会対策費の使途など、今日、国民各位の政治不信の声はきわめて根強いのであります。それは、いわゆる黒い霧解散、あるいは出直し国会等々のことばに端的に表現されているとおりであります。公党の倫理性を高める第一の条件は、政治資金規正法の抜本的改正にあることは言をまたないところであり、それに逆行する政党ないし政治家は、政治に対するみずからの資格喪失をさえ意味するのであります。総理が選挙制度審議会に対し「答申を尊重し、かつ勇断をもって実行する」と言明したことは賢明であります。しかし、問題は、まさにそれ以後にあり、総理は、その政治責任をきびしく追及されるべき立場にあります。
 そこで、総理にお伺いいたします。
 第一に、選挙制度審議会の答申も、政府原案も、ともに自民党の意向を十分に織り込み、結果としてきわめてゆるい、意に満たない改正案となったのであります。わが党は、それが不十分ながら、国民の期待にわずかでもこたえ、かつ、将来への足がかりとして一歩前進の意味をくみ取り、早期成立を決意したのであります。しかるに、何ゆえに自民党は廃案に持ち込んだかということであります。みずから提案し、みずから廃案に持ち込む、まさにマッチ・ポンプであり、国民に対するこの上ない背信であります。総理が数次にわたり成立を確約した重要法案が、このように与党の妨害により流産したのであります。このことは、すでに佐藤首相の党内における統率力がないということを証明するものであり、さらに、責任をもって与党を説得できないことは、内閣自体無力であるということにほかならないのであります。当然、無力な内閣は、総辞職してその責任をとるべきであると思うのでありますが、総理として、また自民党総裁としての釈明を強く要求します。
 第二に、伝えられるところでは、政府は、次の国会、すなわち秋の臨時国会か、さらには通常国会に改正案の提出の意図を固めたということであります。その際の政府案は、さきと同じ内容、すなわち廃案となったものをそのまま提出し、必ず成立させるものと理解してよろしいかどうか。また、自民党の意向を十分に取り入れてさらに提案し直すとも聞くが、いままでの案でさえ骨抜きとの批判が強く、これをさらに骨抜きにすることは、国民の期待にそむくものとして絶対に許されないと思うのでありますが、総理の考え方を明らかにしていただきたい。
 第三に、ただいまも総理の答弁がありましたが、目下選挙制度審議会で議論されております区制改正とは本改正案は当然切り離して緊急措置すべきものでありますが、総理は、この両者をからませない、しかも政治資金法改正案の成立を国民の前に確約するかどうか、所見を承りたいのであります。
 質問の第三点は、外交、特にベトナム――南ベトナム訪問についてであります。
 総理は、その所信表明で、国際情勢を展望しているかのようでありますが、その内容はきわめて項目羅列的であり、流動する諸情勢をいかにとらえ、いかに対処せんとするのか、全く不明確であります。明らかにされたのは、総理の外遊スケジュールにすぎないのであります。そこで総理に伺います。
 第一に、さきの韓国訪問といい、さらには今秋のアジア諸国、米国訪問といい、その面での総理の行動は、確かに意欲的であります。しかしながら、せっかくの努力も、訪問先によっては、国民はきわめて大きな危惧を抱かざるを得ないのであります。すなわち総理は、なぜ多くの反対を押し切って南ベトナム訪問を強行するのか、反共ライン強化ではないか等々の問題があります。総理の説明を重ねて求めたいのであります。
 第二に、消息筋の情報として、さきのグラスボロにおける米ソ会談、あるいはソウルにおける四国首脳会談以来、ベトナム和平、沖繩返還について、今秋から来春にかけて懸案事項が一気に解決するのではないかといわれているのであります。総理の台湾、南ベトナム訪問も、これらの情勢に即応し、いわゆるバスに乗りおくれるな式のものではないかと言う向きもあります。総理は、関係各国によるベトナム和平の動きをどのように理解しているか、具体的に御説明をいただきたいのであります。
 第三に、総理は、しきりにアジアの連帯感の高揚、ひいては平和と安全を強調してまいっております。しかし一方、対共産圏諸国に対する総理の弁明は、軍事介入はしない、相互に内政不干渉の立場で、どこの国とも仲よくするという、全く従来のままであります。これではまことに固定的であると、言わざるを得ないのであります。相互協力による平和と繁栄は、外交の鉄則であります。この際、中国、北朝鮮、北ベトナムに対し特使を派遣し、相互理解の糸口をつかみ、さらには国連加盟など、国際協力の場に乗せるまでの努力があってしかるべきだと思うのでありますが、総理の見解を伺いたいのであります。
 第四に、総理は軍事介入はしないとしばしば言明しておりますが、総理の言う軍事介入とは、たとえば、武器弾薬、兵力の供給に局限しての考え方であるかどうか。医療援助にしろ、経済援助にしろ、紛争当事国の一方にそれを与えることは、それだけ戦力を増強したことになり、いわゆる広義の軍事介入とならないかどうか。紛争の相手方に対しては確かに悪感情を抱かせ、それだけわが国の立場はマイナスになると思うのでありますが、軍事介入の意味をどう国民に理解させるか、伺いたいのであります。したがって、今回の南ベトナム訪問によるあらゆる意味での援助は、和平実現後それを供与することとすべきであると思うのでありますが、総理の見解をお尋ねしたいのであります。
 第五に、ベトナム和平後、十七度線に国連監視団の派遣が云々され、その際、自衛隊の参加が非公式に議論されているようでありますが、総理のこれまでの言明によれば、自衛隊法の改正がなければ不可能とのことであったのであります。そこで総理は、在任中は自衛隊の海外派遣を可能にするための自衛隊法の改正は絶対にしないと確約されるかどうか、承りたいのであります。
 第六に、政府においては、総理府の諮問機関である沖繩問題懇談会を強化し、総理の米国訪問までに成案を得ようとしているようであります。日米会談の重要議題たる沖繩返還の問題についての現在時点における日米双方の交渉経緯並びに今後の見通しについて、総理の説明を求めたいのであります。
 最後に、災害対策についてお伺いします。
 去る七月の西日本一帯にわたる豪雨災害は、天災よりもむしろ人災であるとの結論であります。急傾斜地への無計画な宅地造成、及び、それに伴う中小河川治水対策の立ちおくれ等々、政府の怠慢が多数のとうとい人命とその財産を一瞬にして失わしめる災害となったのであります。そこで政府にお伺いいたします。
 第一に、災害に対する責任体制が明確でないとの強い批判があります。昔であれば、これほどの災害を起こせば、家老は当然切腹ときめられたものであります。またまた本格的な台風シーズンを迎えるわけでありますが、災害に備え、政府はどのような責任体制のもとにこれに対処しようとするのか、お伺いしたいのであります。
 第二に、土地造成等規制法に関連し、総理は、私権に制限を加えても、宅地造成にきびしい規制を加えるべきだと、閣議で強い発言をしたようでありますが、具体的な考え方を説明願いたい。
 第三に、災害に際し、家屋の流失、倒壊等々のため、長年営々と築いてきた家庭が一瞬にして悲嘆のどん底に落とされてしまう。これらに対し、個人の信用ないし資力をもってしては回復はきわめて至難な場合もあり、政府の努力によりその補償ないしは救済の道を開くべきであると思うのでありますが、政府の見解をお伺いして私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣、佐藤榮作君登壇、拍手〕
#26
○国務大臣(佐藤榮作君) 重ねてのお尋ねでございますが、政治資金規正法案の流れましたことにつきましては、私、所信表明でも申し上げましたとおり、また、先ほど松本君のお尋ねに対しましてもお答えしたばかりでございます。別に新しいものもございません。その点で具体的に、これから一体どうするのか、もとの案をそのまま出すのかと、こういうお尋ねでございますが、これについては、私は、十分審議の経過を参考にいたしまして案をつくるべきではないか、かように考えております。しかし、もちろん先ほどもお答えいたしましたように、審議会が次の答申を出すことになっております。しかし、これはどんな答申が出てくるかまだ予測が立ちません。そうしてこの審議会が、資金規正に関する答申だけを特に緊急措置すべきものとして提案したのでございますから、その考え方は、政府はもちろん尊重するつもりでおりますし、いわゆる車の両輪論そのままではないことを御了承いただきたいと思います。
 次に、健康保険の特例法案について、これは廃案になりましたものをそのまま提出するわけでございますが、これはたいへん不見識ではないかということを言われております。確かに、いろいろの御批判があろうかと思います。もちろん、議員諸君の間におきましても、この案の取り扱い方等につきまして、最も適正な方法はいかにあるべきかという点で種々意見を交換しておられるようでございますから、しばらく私はその審議の経過に待ちたいと思います。
 またこの制度は、しばしば申し上げますように、保険制度のたてまえから申しまして、やはり保険料率を改正していくということが一つの柱であると、この点は十分御理解をいただきたいと思います。
 また、今回の特例法を重ねて出しましたことは、この保険制度が財政的に危殆に瀕している、そういう結果でございますから、ぜひ今回の国会におきまして成立さしたいと、かように考えておるのでございます。最初からいわゆる単独強行採決、さようなことを考えておるわけではございません。皆さん方の御審議、御協力を得まして、そうして円満に成立さしたいと考えておるのであります。
 次に、薬価がいろいろまちまちだ、こういうようなお話でございます。確かに薬価はまちまちでございまして、必ずしも一緒ではございません。これは自由競争価格でありますから、ただいまのように違っておることは、これはやむを得ないかと思います。しかし、医家用の医薬品の価格は、これは適正でなければならない、かように私は考えておりますので、同時に、定期的に薬価調査を実施いたしまして、この薬価の適正化をはかっておること、これはすでに御承知のとおりであります。この上とも努力してまいるつもりであります。
 また、今回の赤字の原因は、簡単に一口に申せば、制度的なものだと思いますが、何と申しましても、医学や薬学の進歩、その結果の影響もありますし、また、人口の都市集中から見まして、やはりこの薬の使い方等もいろいろ変わっておりますし、また、お互いの生活状況も改善されておりますから、そういう点で、もとのようなわけにいかないと思います。あらゆる方面におきまして、薬もいろいろ使われておる、かように私は考えております。このことは、いいことだと思います。抜本的対策は、この前申しましたように、四十三年度から実施の緒につきたい、かように考えております。
 次に、東南アジアの問題でございますが、これは、私はすでに申しましたように、相互理解、友好親善、それらの関係で参りますけれども、何といいましても、ただいまベトナムで紛争が続いておる――戦争が続いておる、これを和平に導くその端緒を見つける、これは私の最も大事な仕事だと、かように考えております。そういう意味で、先ほども北爆停止についての私の考え方を申し上げました。しかし、一方だけでこういう問題はなかなかきまらないものでございますから、南北両当事者が和平への希望、また努力を積極的に表現することによりまして、何らかのきざしが見つかるのではないかと思います。
 私が南ベトナムへ行くのは、これは取りやめたらどうかというお話でございますが、私は、ただいままでのところ、いろいろのお話を伺いまして、取りやめるという結論にはなっておりません。また、日本のこの問題についての考え方は、国際的にも十分理解されておりまして、誤解を受けるような問題はないようでございます。したがいまして、私は積極的に和平への道を探究する、これが私の仕事のようにも思います。
 また、南ベトナムに対しまして軍事介入、軍事協力はしないということを、しばしば申し上げたのでございますが、それはただいまも二宮君が言われるように、派兵だとか武器弾薬等の直接戦闘の用に供するもの、これをしないことは、もちろんでございます。そういう意味で、この点でははっきりいたしております。医療援助やその他の経済援助に関して、これは結局介入ではないか、かように言われるのでありますが、私は民生の安定、福祉の向上に寄与するということは、これは人道的見地からも当然のことだと思います。ことに国交関係が正常化しております国との間において、この程度のことをすることは、私は当然だと、かように思っております。北に対してなぜしないか、こういうお尋ねですが、当然疑問が起こるだろうと思います。北には、私どもただいま国交関係ができておりません。そういうこともございますから、この点はよくお考えいただきたいと思います。
 また、中共や北ベトナム、あるいは北鮮等に出かけたらどうかというお話でございますが、私はベトナムにおいて和平を願う、そういう立場から、非常に積極的に効果のある場合には、私は北ベトナムに出かけることにやぶさかではございません。しかし、これには十分その効果があるという、そういう積極的な状態になれば、私は出かけることは、ちっともやぶさかではございません。ただいまの状況におきましては、まだまだそういう状況ではないように思います。
 また、自衛隊法の改正についてのお尋ねがございますが、アジアの一国として何らかの和平の持続、維持、それには私どもも、やはり役割りを果たしたい、かようには考えますが、ただいま自衛隊法を改正してまでどうこうするというような考え方は、毛頭ございません。
 また、私が東南アジアに出かけるのは、もうすでに和平、あるいは沖繩返還の政治的スケジュールがきまっておるのではないか、そのバスに乗りおくれないために出かけるのじゃないかというお話でございますが、もしそういうような政治的スケジュールができておれば、たいへんしあわせでございます。これは私は、バスに乗りおくれる、どうこうというような問題ではなしに、そのような状態になれば、ほんとうに国際的にこれは望ましいことでありまして、ただいまさような政治的なスケジュールは全然ございません。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣坊秀男君登壇、拍手〕
#27
○国務大臣(坊秀男君) 健康保険の問題につきましては、総理からお答えがございましたが、二宮さん御指摘のとおり、現行の日本の医療保険制度の中にはいろいろと欠陥もございまして、そういった制度の欠陥をこれはどうしても是正、改正をしていかなければならない。いわゆる根本的な、抜本的な改善ということが必要であるということに相なっておりまして、その方向に私どもも鋭意検討を続けておるわけでございますが、そういったような根本的、抜本的な立て直しをやる上におきましても、さしあたって、当面の政管健保が逢着いたしておりまする財政危機を、これを乗り切ってまいりませんと、片方においては赤字対策あり、片方においては制度の抜本改正をしなければならぬということになりますと、非常に問題が困難と相なると、こういうようなことで、政管健保等の特例についての法案を前国会におきまして御審議を願ったのでございますが、残念ながらこれが審議未了と相なった。しかしながら、どうしてもこれは緊急対策として実現をしなければ、赤字対策もできないし、また、抜本対策もできないしというようなことで、ぜひこれを御審議、御決定願いたいということで、今国会に提出いたしました次第でございまして、どうかそこいらのところを御理解、御納得をいただきまして、御審議の決定を願いたいのでございます。
 政管健保の保険料率の引き上げにつきましては、今日政管健保が置かれておる、いま申し上げましたような財政危機の実態にかんがみまして、被保険者の方々にもどうか、国の負担も前年より五割増しておるのでございまして、そういったようなことをお考えいただきまして、この程度の負担をひとつ忍んでいただきたい、こういうわけでございます。
 なお、現在各制度間に、保険料負担の高低があったり、また、保険組合等の同一制度の中においても、この保険者間に、負担料率の格差が見られるのでありますが、これら負担の不均衡の問題につきましては、これこそ抜本対策の一つの重要な問題として検討をしていかなければならぬ問題だと考えております。
 次に、制度の抜本的対策につきましては、先ほど総理からお答えがございましたとおり、四十三年度を目途といたしまして、これを実施してまいりたい、かように考えております。
 医療保険制度の健全な運営に関連して、医療報酬体系の適正化、薬価基準の適正化、医療経済に関する調査の実施等、重要な問題が存することは御指摘のとおりでございますが、これらにつきましては中央社会保険医療協議会におきまして、診療報酬及び調査の両部会を設けまして、鋭意検討を進めておるところでございます。この審議の結果にまちまして、すみやかに対処いたしたいと考えております。
 なお、薬価基準については、定期的に薬価調査を励行いたしまして、薬価基準価格が実勢価格を反映さしていくこととしており、本年二月に実施した薬価調査の結果に基づき、近く薬価基準の全面改正を行なうことにいたしております。
 医療保険各制度間における格差是正の問題は、まさしく制度の抜本的改正にあたっての重要な課題でありまして、当面政管健保等の臨時対策を講じたならば、この問題に真剣に取り組んでまいりまして、国民皆保険下における給付と負担の公平を、何らかの形において実現するよう努力したいと考えております。
 今回の臨時特例措置は、確かに被保険者等の負担の若干増大を招くことは否定できませんが、今回の措置にあたっては、国も大幅な国庫負担を行ない、必要最小限の措置として、個々の被保険者の負担増はできるだけ押えておりまして、国民生活への影響もきわめて少ないと考えております。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣藤枝泉介君登壇、拍手〕
#28
○国務大臣(藤枝泉介君) 第五次審議会におきましては、御承知のように、選挙区制あるいは選挙運動の方法等、広範にわたって、選挙制度の改善についての御審議を目下熱心にやっておられるわけでございまして、どういう御答申が出るか、予断を許さないものがございますが、もちろん、この答申の取り扱いと、政治資金規正法改正案の取り扱いとは、別個の問題であることは、総理の重ねて表明されたとおりであります。(拍手)
   〔国務大臣西村英一君登壇、拍手〕
#29
○国務大臣(西村英一君) 私に対しては、災害のことでお尋ねがございましたが、建設省といたしましては、今回の災害の復旧につきましては、緊急対策としては、もちろん、河川の破堤個所を修理し、あるいは道路の不通個所を直す、仮橋の架設等、応急対策につきましては、既定経費をもってやったのでございます。ただいまは、災害復旧に対して、それぞれ査定官の派遣をいたして調査を進めておるところでございます。したがいまして、それが判明次第、災害復旧にかかりたいと思いまするが、特に今回の災害につきましては、ことに雨量が非常に多かったということにかんがみまして、将来の災害復旧に対しましては、再度災害が起こらないように考慮をしたいと思っております。
 また、これからちょうど台風のシーズンに向かいますので、この点につきましては、もちろん、水防体制を十分に強化する、あるいはまた、急傾斜地等につきましても、十分警戒体制をとりたい、かように考えておる次第でございます。
 それからもう一つの問題は、宅地の問題に触れましたが、宅地の問題は、もちろん、私どもも十分注意をいたしております。危険の地域に対しまして、住宅の建設、あるいは現在の宅地造成法の規制をもう少し強化する、あるいはまた、既存の宅地の改善等、あるいはまた、急傾斜地の崩壊等につきましても、十分今後対策を強化してまいりたいと考えております。
 また、今回、都市計画法の改正を国会に提案いたしましたが、その趣旨も、やはり土地利用を十分考えまして、りっぱな宅地を提供して、秩序ある市街地をつくりたいという趣旨でございます。十分宅地の問題には、真剣に今後も取り組んでいきたいと思う次第でございます。
 第三番は、流失したり、あるいは倒壊した個人の住宅の災害についての援助はどうかということでございますが、これは個人財産に対するほかの場合と同様に、その復旧の額について融資をやっておるところでございます。したがいまして、今回の災害のこの流失家屋等につきましての処置といたしましても、住宅金融公庫に本年度は十億の金を予定いたしておるのでございまするから、十分これによって需要は満たし得るものと確信をいたしております。また一方、この金融もできないような困難なものに対しましては、これは災害の公営住宅の建設を予定いたしておって、これによって救済をいたしたい、かように考えておる次第でございます。(拍手)
   〔国務大臣水田三喜男君登壇〕
#30
○国務大臣(水田三喜男君) 私への質問は、いま建設大臣がお答えになった問題だと思いますので、そのとおりだと存じます。(拍手)
#31
○副議長(河野謙三君) これにて質疑の通告者の発言は全部終了いたしました。質疑は終了したものと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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