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1967/08/16 第56回国会 参議院 参議院会議録情報 第056回国会 本会議 第6号
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1967/08/16 第56回国会 参議院

参議院会議録情報 第056回国会 本会議 第6号

#1
第056回国会 本会議 第6号
昭和四十二年八月十六日(水曜日)
   午後五時八分開議
    ―――――――――――――
#2
○議事日程 第九号
  昭和四十二年八月十六日
   午前十時開議
 第一 国家公務員等の任命に関する件
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
一、公務員の給与改定と人事院勧告実施について
 の政府の方針に関する緊急質問をこの際行なう
 ことの動議(加瀬完君提出)
一、健康保険法及び船員保険法の臨時特例に関す
 る法律案につき社会労働委員長の中間報告を求
 めることの動議をこの際議題とすることの動議
 (沢田一精君外一名提出)
一、社会労働委員会において審査中の健康保険法
 及び船員保険法の臨時特例に関する法律案につ
 いて速かに社会労働委員長の中間報告を求める
 ことの動議(安井謙君外一名提出)
    ―――――――――――――
#3
○議長(重宗雄三君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。
     ―――――・―――――
#4
○議長(重宗雄三君) これより本日の会議を開きます。
 加瀬完君から、賛成者を得て、
 公務員の給与改定と人事院勧告実施についての政府の方針に関する緊急質問をこの際行なうことの動議が提出されました。
 これより本動議の採決をいたします。
 表決は記名投票をもって行ないます。本動議に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行ないます。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#5
○議長(重宗雄三君) すみやかに御投票願います。――すみやかに御投票願います。(「議長、傍聴席に参議院議員がいた。どうするのだ」「投票やり直しだ」「議長、おかしいぞ〕と呼ぶ者あり)静粛に願います。すみやかに御投票願います。――まだ投票なさらない諸君は、すみやかに御投票願います。
 議員傍聴席に本院議員が入っておりましたことは、まことに遺憾であります。議長は適切なる措置をとります。
 すみやかに御投票を願います。(「議長、どういう処置をとるのだ」「適切な処置の内容を言え」と呼び者あり)――すみやかに御投票を願います。(「採決中に全然異質の問題を問題にするとは何だ」「そんな運営ありますか」「やり直し」と呼ぶ者あり)――ただいま行なわれております投票につきましては、自後五分間に制限いたします。時間がまいりますれば投票箱を閉鎖いたします。すみやかに御投票を願います。――すみやかに御投票願います。――時間がまいりますれば投票箱を閉鎖いたします。すみやかに御投票願います。――まだ投票をなさらない諸君は、すみやかに御投票願います。
 制限時間に達しました。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#6
○議長(重宗雄三君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#7
○議長(重宗雄三君) 演壇周辺の議員は、各自の議席にお戻り願います。――御降壇願います。――議員の降壇を命じます。
 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         百四十五票
  白色票           二十五票
  青色票           百二十票
 よって、本動議は否決せられました。
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名      二十五名
      鬼木 勝利君    原田  立君
      黒柳  明君    矢追 秀彦君
      中沢伊登子君    市川 房枝君
      浅井  亨君    片山 武夫君
      二宮 文造君    北條 雋八君
      高山 恒雄君    多田 省吾君
      宮崎 正義君    小平 芳平君
      向井 長年君    渋谷 邦彦君
      鈴木 一弘君    山田 徹一君
      辻  武寿君    和泉  覚君
      白木義一郎君    鈴木 市藏君
      達田 龍彦君    前川  旦君
      戸田 菊雄君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名     百二十名
      林   塩君    横井 太郎君
      植木 光教君    山崎  斉君
      二木 謙吾君    前田佳都男君
      白井  勇君    伊藤 五郎君
      林田 正治君    大谷 贇雄君
      横山 フク君    寺尾  豊君
      笹森 順造君    新谷寅三郎君
      鬼丸 勝之君    山本茂一郎君
      中津井 真君    佐藤 一郎君
      山内 一郎君    柳田桃太郎君
      宮崎 正雄君    船田  譲君
      平泉  渉君    八田 一朗君
      和田 鶴一君    木村 睦男君
      高橋文五郎君    内田 芳郎君
      大森 久司君    園田 清充君
      野知 浩之君    源田  実君
      温水 三郎君    川野 三暁君
      長谷川 仁君    沢田 一精君
      吉江 勝保君    石井  桂君
      豊田 雅孝君    稲浦 鹿藏君
      江藤  智君    大竹平八郎君
      大谷藤之助君    徳永 正利君
      青柳 秀夫君    佐藤 芳男君
      平島 敏夫君    山下 春江君
      山本 利壽君    堀本 宜実君
      塩見 俊二君    鍋島 直紹君
      近藤 鶴代君    石原幹市郎君
      上原 正吉君    古池 信三君
      郡  祐一君    斎藤  昇君
      河野 謙三君    米田 正文君
      栗原 祐幸君    久保 勘一君
      北畠 教真君    西村 尚治君
      中村喜四郎君    内藤誉三郎君
      任田 新治君    土屋 義彦君
      高橋雄之助君    玉置 和郎君
      藤田 正明君    岡本  悟君
      奥村 悦造君    楠  正俊君
      黒木 利克君    金丸 冨夫君
      日高 広為君    丸茂 重貞君
      山本  杉君    谷村 貞治君
      谷口 慶吉君    柴田  栄君
      後藤 義隆君    鈴木 万平君
      竹中 恒夫君    天坊 裕彦君
      中野 文門君    西田 信一君
      迫水 久常君    田中 茂穂君
      梶原 茂嘉君    八木 一郎君
      森 八三一君    三木與吉郎君
      西郷吉之助君    木内 四郎君
      林屋亀次郎君    安井  謙君
      増原 恵吉君    杉原 荒太君
      青木 一男君    小山邦太郎君
      重政 庸徳君    小林  章君
      近藤英一郎君    田村 賢作君
      櫻井 志郎君    鹿島 俊雄君
      井川 伊平君    赤間 文三君
      森部 隆輔君    津島 文治君
      青田源太郎君    紅露 みつ君
      小林 武治君    松平 勇雄君
      高橋  衛君    吉武 恵市君
      中山 福藏君    小柳 牧衞君
     ―――――・―――――
   〔議長退席、副議長着席〕
   〔「休憩休憩」と呼ぶ者あり〕
#8
○副議長(河野謙一三君) これにて三十分間休憩いたします。
   午後六時四分休憩
     ─────・─────
   午後六時四十二分開議
#9
○副議長(河野謙一三君) 休憩前に引き続き、これより会議を開きます。
 安井謙君外一名から、賛成者を得て、
 社会労働委員会において審査中の健康保険法及び船員保険法の臨時特例に関する法律案について速やかに社会労働委員長の中間報告を求めることの動議が提出されております。
 また、沢田一精君外一名から、賛成者を得て、
 この中間報告を求めることの動議をこの際議題とすることの動議が提出されました。
 よって、中間報告を求めることの動議をこの際議題とすることの動議の採決をいたします。
 表決は記名投票をもって行ないます。中間報告を求めることの動議をこの際議題とすることに賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行ないます。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#10
○副議長(河野謙三君) すみやかに御投票願います。――まだ投票をなさらない諸君は、すみやかに御投票願います。――すみやかに御投票願います。――ただいま行なわれております投票につきましては、自後五分間に制限いたします。時間がまいりますれば投票箱を閉鎖いたします。すみやかに御投票願います。――すみやかに御投票願います。――すみやかに御投票を願います。
 制限時間に達しました。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#11
○副議長(河野謙三君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#12
○副議長(河野謙三君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百十四票
  白色票           百十九票
  青色票           九十五票
 よって、健康保険法及び船員保険法の臨時特例に関する法律案につき社会労働委員長の中間報告を求めることの動議を、この際議題とすることに決しました。(拍手)
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名      百十九名
      林   塩君    横井 太郎君
      植木 光教君    山崎  斉君
      二木 謙吾君    前田佳都男君
      白井  勇君    伊藤 五郎君
      林田 正治君    大谷 贇雄君
      横山 フク君    寺尾  豊君
      笹森 順造君    植竹 春彦君
      新谷寅三郎君    鬼丸 勝之君
      山本茂一郎君    中津井 真君
      佐藤 一郎君    山内 一郎君
      柳田桃太郎君    宮崎 正雄君
      船田  譲君    平泉  渉君
      八田 一朗君    和田 鶴一君
      木村 睦男君    高橋文五郎君
      内田 芳郎君    大森 久司君
      園田 清充君    野知 浩之君
      源田  実君    温水 三郎君
      川野 三暁君    長谷川 仁君
      沢田 一精君    吉江 勝保君
      石井  桂君    豊田 雅孝君
      稲浦 鹿藏君    江藤  智君
      大竹平八郎君    大谷藤之助君
      徳永 正利君    青柳 秀夫君
      佐藤 芳男君    平島 敏夫君
      山下 春江君    山本 利壽君
      堀本 宜実君    塩見 俊二君
      鍋島 直紹君    近藤 鶴代君
      石原幹市郎君    上原 正吉君
      古池 信三君    郡  祐一君
      斎藤  昇君    米田 正文君
      小林 篤一君    栗原 祐幸君
      久保 勘一君    北畠 教真君
      西村 尚治君    中村喜四郎君
      任田 新治君    土屋 義彦君
      高橋雄之助君    玉置 和郎君
      藤田 正明君    岡本  悟君
      奥村 悦造君    楠  正俊君
      金丸 冨夫君    日高 広為君
      丸茂 重貞君    山本  杉君
      谷村 貞治君    木島 義夫君
      谷口 慶吉君    柴田  栄君
      後藤 義隆君    鈴木 万平君
      竹中 恒夫君    天坊 裕彦君
      中野 文門君    西田 信一君
      迫水 久常君    田中 茂穂君
      梶原 茂嘉君    八木 一郎君
      森 八三一君    三木與吉郎君
      西郷吉之助君    木内 四郎君
      林屋亀次郎君    安井  謙君
      増原 恵吉君    杉原 荒太君
      青木 一男君    小山邦太郎君
      重政 庸徳君    小林  章君
      近藤英一郎君    田村 賢作君
      櫻井 志郎君    鹿島 俊雄君
      井川 伊平君    赤間 文三君
      津島 文治君    青田源太郎君
      紅露 みつ君    小林 武治君
      松平 勇雄君    高橋  衛君
      吉武 恵市君    中山 福藏君
      小柳 牧衞君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名     九十五名
      鬼木 勝利君    原田  立君
      山高しげり君    黒柳  明君
      矢追 秀彦君    中沢伊登子君
      石本  茂君    市川 房枝君
      片山 武夫君    田代富士男君
      二宮 文造君    北條 雋八君
      高山 恒雄君    多田 省吾君
      宮崎 正義君    小平 芳平君
      向井 長年君    渋谷 邦彦君
      鈴木 一弘君    山田 徹一君
      辻  武寿君    和泉  覚君
      柏原 ヤス君    白木義一郎君
      鈴木 市藏君    達田 龍彦君
      前川  旦君    戸田 菊雄君
      竹田 現照君    相澤 重明君
      山崎  昇君    木村美智男君
      村田 秀三君    小野  明君
      田中寿美子君    松本 賢一君
      佐野 芳雄君    杉山善太郎君
      大森 創造君    大矢  正君
      森中 守義君    柴谷  要君
      小柳  勇君    中村 英男君
      伊藤 顕道君    加瀬  完君
      小酒井義男君    田中  一君
      光村 甚助君    久保  等君
      大和 与一君    岩間 正男君
      須藤 五郎君    野坂 參三君
      春日 正一君    森  勝治君
      鈴木  力君    中村 波男君
      川村 清一君    柳岡 秋夫君
      瀬谷 英行君    吉田忠三郎君
      渡辺 勘吉君    小林  武君
      鶴園 哲夫君    林  虎雄君
      中村 順造君    千葉千代世君
      野上  元君    武内 五郎君
      松永 忠二君    北村  暢君
      鈴木  強君    阿部 竹松君
      藤田藤太郎君    占部 秀男君
      森 元治郎君    鈴木  壽君
      永岡 光治君    秋山 長造君
      岡  三郎君    藤田  進君
      成瀬 幡治君    亀田 得治君
      大倉 精一君    近藤 信一君
      椿  繁夫君    横川 正市君
      木村禧八郎君    佐多 忠隆君
      岡田 宗司君    藤原 道子君
      加藤シヅエ君    松澤 兼人君
      羽生 三七君
     ―――――・―――――
#13
○副議長(河野謙三君) 中間報告を求めることの動議を議題といたします。
 中間報告を求めることの動議に対し、質疑の通告がございますが、沢田一精君外一名から、賛成者を得て、
 本動議に対する質疑、討論その他の発言時間は一人十分に制限することの動議が提出されました。
 よって、この時間制限の動議について採決をいたします。
 表決は記名投票をもって行ないます。本動議に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行ないます。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#14
○副議長(河野謙三君) すみやかに御投票願います。――すみやかに御投票願います。――すみやかに御投票願います。――投票漏れはございませんか。(「ありますよ」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票願います。――投票漏れはございませんか。――投票漏れないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#15
○副議長(河野謙三君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#16
○副議長(河野謙三君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百十四票
  白色票          百二十一票
  青色票           九十三票
 よって、中間報告を求めることの動議に対する質疑、討論その他の発言時間は、一人十分に制限することに決しました。
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名      百二十一名
      林   塩君    横井 太郎君
      植木 光教君    山崎  斉君
      二木 謙吾君    前田佳都男君
      白井  勇君    伊藤 五郎君
      林田 正治君    大谷 贇雄君
      横山 フク君    寺尾  豊君
      笹森 順造君    植竹 春彦君
      新谷寅三郎君    鬼丸 勝之君
      山本茂一郎君    中津井 真君
      佐藤 一郎君    山内 一郎君
      柳田桃太郎君    宮崎 正雄君
      船田  譲君    平泉  渉君
      八田 一朗君    和田 鶴一君
      木村 睦男君    高橋文五郎君
      内田 芳郎君    大森 久司君
      園田 清充君    野知 浩之君
      源田  実君    温水 三郎君
      川野 三暁君    長谷川 仁君
      沢田 一精君    吉江 勝保君
      石井  桂君    豊田 雅孝君
      稲浦 鹿藏君    江藤  智君
      大竹平八郎君    大谷藤之助君
      徳永 正利君    青柳 秀夫君
      佐藤 芳男君    平島 敏夫君
      山下 春江君    山本 利壽君
      堀本 宜実君    塩見 俊二君
      鍋島 直紹君    近藤 鶴代君
      石原幹市郎君    上原 正吉君
      古池 信三君    郡  祐一君
      斎藤  昇君    米田 正文君
      小林 篤一君    栗原 祐幸君
      久保 勘一君    北畠 教真君
      西村 尚治君    中村喜四郎君
      任田 新治君    土屋 義彦君
      高橋雄之助君    玉置 和郎君
      藤田 正明君    岡本  悟君
      奥村 悦造君    楠  正俊君
      金丸 冨夫君    日高 広為君
      丸茂 重貞君    山本  杉君
      谷村 貞治君    木島 義夫君
      谷口 慶吉君    柴田  栄君
      後藤 義隆君    鈴木 万平君
      竹中 恒夫君    天坊 裕彦君
      中野 文門君    西田 信一君
      迫水 久常君    田中 茂穂君
      梶原 茂嘉君    八木 一郎君
      森 八三一君    三木與吉郎君
      西郷吉之助君    木内 四郎君
      林屋亀次郎君    安井  謙君
      増原 恵吉君    杉原 荒太君
      平井 太郎君    青木 一男君
      小山邦太郎君    重政 庸徳君
      小林  章君    近藤英一郎君
      田村 賢作君    櫻井 志郎君
      鹿島 俊雄君    井川 伊平君
      赤間 文三君    津島 文治君
      青田源太郎君    紅露 みつ君
      小林 武治君    剱木 亨弘君
      松平 勇雄君    高橋  衛君
      吉武 恵市君    中山 福藏君
      小柳 牧衞君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名      九十三名
      鬼木 勝利君    原田  立君
      山高しげり君    黒柳  明君
      矢追 秀彦君    中沢伊登子君
      石本  茂君    市川 房枝君
      片山 武夫君    田代富士男君
      二宮 文造君    北條 雋八君
      高山 恒雄君    多田 省吾君
      宮崎 正義君    小平 芳平君
      向井 長年君    渋谷 邦彦君
      鈴木 一弘君    和泉  覚君
      白木義一郎君    鈴木 市藏君
      達田 龍彦君    前川  旦君
      戸田 菊雄君    竹田 現照君
      相澤 重明君    山崎  昇君
      木村美智男君    村田 秀三君
      小野  明君    田中寿美子君
      野々山一三君    松本 賢一君
      佐野 芳雄君    杉山善太郎君
      大森 創造君    大矢  正君
      森中 守義君    柴谷  要君
      小柳  勇君    中村 英男君
      伊藤 顕道君    加瀬  完君
      小酒井義男君    田中  一君
      光村 甚助君    久保  等君
      大和 与一君    岩間 正男君
      須藤 五郎君    野坂 參三君
      春日 正一君    森  勝治君
      鈴木  力君    中村 波男君
      川村 清一君    柳岡 秋夫君
      瀬谷 英行君    吉田忠三郎君
      渡辺 勘吉君    小林  武君
      鶴園 哲夫君    林  虎雄君
      中村 順造君    千葉千代世君
      野上  元君    武内 五郎君
      松永 忠二君    北村  暢君
      鈴木  強君    阿部 竹松君
      藤田藤太郎君    占部 秀男君
      森 元治郎君    鈴木  壽君
      永岡 光治君    秋山 長造君
      岡  三郎君    藤田  進君
      成瀬 幡治君    亀田 得治君
      大倉 精一君    近藤 信一君
      椿  繁夫君    横川 正市君
      木村禧八郎君    佐多 忠隆君
      岡田 宗司君    藤原 道子君
      加藤シヅエ君    松澤 兼人君
      羽生 三七君
     ―――――・―――――
#17
○副議長(河野謙三君) 午後九時三十分まで休憩いたします。
   午後八時九分休憩
     ―――――・―――――
   午後九時四十分開議
#18
○副議長(河野謙三君) 休憩前に引き続き、これより会議を開きます。
 これより中間報告を求めることの動議に対し、順次質疑を許します。占部秀男君。
   〔占部秀男君登壇、拍手〕
#19
○占部秀男君 私は、日本社会党を代表して、安井謙君から提出されております健康保険法及び船員保険法の臨時特例に関する法律案の中間報告を求める動議に対しまして、以下四点にわたって質問をいたしたいと思います。事は、社会保障制度に関連して、国民生活の将来に決定的な影響のある重大問題でありますし、平たくいえば、この重大な案件を委員会の審議の途中において、自民党の独断によって無理やり採決させようとする動議でありますのから、国民はその成り行きに疑惑と不安を抱いておりますので、疑問点につきましては、明快な御答弁をいただきたいと思います。
 質問の第一は、この中間報告を求める動議をなぜ出されたのか、その理由についてお伺いいたしたいのであります。言うまでもなく、この動議は国会法第五十六条の三に基づいて提出されているのであります。確かに同条では、「各議院は、委員会の審査中の案件について特に必要があるときは、中間報告を求めることができる。」と定められておりますし、さらに、「議院が特に緊急を要すると認めたときは……議院の会議において審議することができる。」とも規定されているのであります。しかし、この中間報告は、むやみやたらに求めることができるものではございません。それというのも、多数党の権利の乱用になるからであります。だからこそ、国会法では、国民の納得できる、筋の通った論拠に基づく緊急性と必要性がなければならぬことを明確に規定しているのであります。
 しかるに、提出者は、この動議を出すに至った必要性についても、緊急性に関しても、何ら説明をしていないのであります。これでは国民は、中間報告を求めなければならない必要性がどこにあるのか、緊急性とは一体どんな事態なのか、全くわからないままに採決されることとなるのであります。その結果が直接自分の生活に響く国民としては、納得できないのは当然であります。
 この動議の対象となっております健保等の臨時特例法案は、本院における社会労働委員会で審議されておりますが、その審議はきわめて円滑に行なわれてきたのであります。もっとも、去る十四日には、理事会が決定いたしました日程を、自民党側の理事が突如否定するような動議を出そうといたしまして、一時混乱はいたしましたが、その後、議長のあっせんで話し合いがつき、昨十五日は各委員の質問が真剣に行なわれ、本日はまた、広く国民の間から参考人の意見を聞き、佐藤総理の出席も求めて、この法案の核心に触れた質問が行なわれつつあったのであります。委員会はまことに順調に運営されていたのでありまして、中間報告を求める必要もなければ、また、緊急に処理しなければならぬ事態でもないことは、われわれだけでなく、国民のひとしく考えているところであります。一体、中間報告を求めなければならないどんな必要があるのか、緊急性がどこにあるのか、まず、この点を明らかにしていただきたいと思います。
 質問の第二は、中間報告を求めるこの動議は、議会運営の将来に取り返しのつかぬ悪例を残すだけでなく、民主的議会制度を破壊するおそれのある性格を持っていることを、提出者は慎重に検討したことがあるかどうか、また現在どう考えておられるか、お伺いをいたしたいのであります。なぜこのような質問をするかといいますと、この動議は、去る十四日社会労働委員会で質問者を交代させるという、わが国議会史上いまだかってない、むちゃな内容の動議を出そうとして、社会労働委員会を混乱におとしいれた玉置君の所属する自民党の議員によって提出されており、当の御本人である玉置君自身もその賛成者の一人になっているからでございます。
 一体、質問の最中に、その質問者を交代させろという動議を出そうとすること自体が、およそ良識の府といわれるわが参議院のできごととはとうてい思えない珍事であります。なぜならば、御存じのように憲法第五十一条は、「両議院の議員は、議院で行った演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない。」と、はっきり定めております。これは言うまでもなく、質疑、討論、採決は国会議員の固有の権利である、こうした考え方のもとに議員としてのその権利を保障している規定であることは申すまでもありません。発言中の議員を交代させるということは、その議員の発言を事実禁止することであります。したがって、国会法でも、本院規則でも、質問中の議員を軽々に交代させることは認めておらないのであります。交代させるには交代させることができるだけの理由があったときにだけ、たとえば、本会議においては国会法百十六条の場合のごとく議長が、委員会においては本院規則五十一条の場合のごとく委員長が、この両者のみに許されている権利でございます。それを、委員長でもない与党の理事玉置君が多数をたのんで押し切ろうとしたのでありまして、国会法に照らしてまことにあり得べからざることであるとわれわれは考えております。あるいは玉置君は、質問者を交代させることは、その結果において質疑の打ち切りと同じ効果を持つと簡単にお考えになったかもしれませんが、質疑の打ち切り動議と質問者を交代させる動議とでは、その性格において次元を異にした大きな開きがあるのでございます。
 質疑の打ち切り動議は、言うまでもなく、質問者そのものについてはこれを認めているのであります。つまり、憲法で定められた議員の固有の権利はそのまま認めた上で、その質問を中止させようとするものでありますが、玉置君らの交代の動議は、質問者そのものを排除することによって議員の固有の権利を事実上禁止させようとするものであります。明らかに憲法五十一条を否定しようとしたものであり、国会法や本院規則を無視し、国会議員の権利を侵害しようとしたものであることは申すまでもございません。
 もしこの動議が成立すれば、議会運営に大きな悪例を残すだけでなく、民主的議会制度を破壊する結果を招来するものであったと私は考えているのであります。幸いに、このことは議長のあっせんによりまして未然に防止することはできましたが、しかし、その当の本人である玉置君がまたまた今回の中間報告を求める動議の賛成者の一人となっているのであります。したがいまして、国民は、民主的議会制度の破壊、多数独裁の思想がこの動議の底に流れているのではないかと、大きな疑問を持つのは当然であります。提出者はこの国民の疑問を、すなおに、率直に解明していただきたいと思います。
 質問の第三は、今国会の会期に関連してであります。言うまでもなく、十八日まで会期は延長されております。本日は十六日でございますから、審議できる期間はなお三日残されているのであります。本日の審議は、参考人から国民のなまの声を聞き、佐藤総理の出席も願って、いよいよこの法律案の核心に触れた質疑が行なわれようとしているその大事なときであります。十分に会期もありますし、審議も重大な段階にきているこのときに、中間報告を突如として求める自民党の真意が私にはわかりかねるのでございます。特に、今度の臨時国会は、政府・与党も言うとおり、健保等の臨時特例法案に集中した国会でございます。審議の会期は、政府・与党が十分の見通しと計画のもとに事実上はきめられているはずであります。にもかかわらず、さきには会期を延長し、いままた会期を余したまま中間報告を求めるとは、普通の神経を持った者にはとうてい解釈のできない、全く不可解な動議であると思うのであります。提出者の真意を伺いたいと思いますが、どうか、われわれにわかるように、詳しく、的確に御答弁を願いたいと思います。
#20
○副議長(河野謙三君) 時間が経過しております。簡単に願います。
#21
○占部秀男君(続) 第四に、最後の質問は、提出者は、この動議の対象となっている健保等の臨時特例法案の内容を慎重に検討して、この動議を出されたかどうかという点についてであります。周知のように、この特例法案は、政府管掌の健康保険について、組合員の掛け金を引き上げ、薬代の本人負担を新設し、入院料及び初診料の本人負担分を値上げしようとするものでありますが、その影響するところは、単に政府管掌分だけにとどまらないのでございます。組合管掌分にも、中央、地方の公務員共済にも、さらには将来国民健康保険にも、したがって働く人々のほとんどの家庭に、負担の増加をもたらす結果を生むものであります。国民の間にこの問題について多くの議論が起こっているのは、必然のことであると私は思います。したがって、国民のこの疑問と不満に対し、解明を与えるだけの慎重な審議を尽くすのが、民主的な議会のあり方であり、国会議員の当然の任務であると思うのであります。しかるに、審議を途中で打ち切り、中間報告を求めたことは、そのこと自体が、議員としての本来の任務を放棄しようとする考え方か、あるいは、この法律案の重大な内容を的確に検討せずに軽々に扱ったかの、いずれかであると私は考えるのであります。もちろん、国会議員である提出者がみずからの任務を放棄しようとしているなどとは、とうてい考えられません。したがって、この法案の内容を慎重に検討しなかった結果、早まって中間報告を求めたのではなかろうかと私は疑念を持っているのでありますが、提出者の明快な御答弁をお願い申し上げたいと思います。
 以上で私の質疑を終わります。(拍手)
   〔安井謙君登壇、拍手〕
#22
○安井謙君 占部議員の御質問にお答えをいたします。占部議員の御質問は、四項にわたっておるようでございます。
 第一は、中間報告を求めたその必要性と緊急性についてでございます。御承知のとおりに、この臨時国会は、健康保険法、船員保険法の臨時特例に関する法律案を審議することを主たる目的にした議会であることは、御承知のとおりでございます。したがいまして、私どもは、この法案の審議の成り行きにつきましては非常な重大な関心を持って今日までながめてまいりました。会期も延長されまして本院で案件が審査されましてから、すでに七日間を経た十四日に至りましても、まだ社会労働委員会における審議の状況は三人目が片づくかどうかといったような非常に遅々たる状況であるやに私どもは伺っておったのであります。そこで、議事進行上の必要から進捗の動議が出たそうでございますが、この動議に対する結論が一向に出ないようでございます。したがいまして、私どもは、十四日の夕刻になりまして、この混乱した社会労働委員会の状況につきまして、委員長の中間報告を求める決意をいたしまして、議長にこの要請をいたしたわけでございます。しかし、これに対しまして、議長の裁定がございまして、御承知のとおり、十六日の午後一時までは中間報告をやらないで順調に審議を進めろ、こういう御裁定でございまして、われわれはこれに服したわけでございます。したがいまして、今日の午前中には御承知のとおり参考人の意見聴取も十分終わり、午後に至りまして、さらに締めくくり質問であるべき総理に対する質問も終わりました。そのあとは、質疑を打ち切って討論採決にいくのが、これは議会の常識であろうと思いますが、(拍手)これが一向に片づかないということで、今回この中間報告を求める動議をわれわれは提出いたしたわけでございます。
 そこで、必要性につきましてはそういう事情でございますが、同時に、緊急性はどうかという御質問でございます。緊急性については、御承知のとおり、五十六条の三に書いてありますことは、中間報告が終わったあとで緊急性があるかどうかの判断はされるべきものでありまして、いま中間報告を求めている際に緊急性云々は、これは法律に書いてないことでございます。(拍手)
 さらに第二項といたしまして、議会の民主的運営をやられるべきものであろう、こういうお話でございまして、私どもも、まさにそのとおりであろうと存じます。しかし、国会の会期はおのずからきまっておりまして、一週間たちまして、八日から十四日の夕刻に至りましても、まだ、非常に多くの予定されました質問者のうち三人目が終わらないというようなことでは、私どもは、これは慎重審議も度を越したものであるという感じがいたすのであります。そういうことでは、私どもには必ずしも正常な運営とは考えられないような事情でございます。
 また――これは質問に御答弁をいたしておるわけでございます。また、少数党と申しますか、野党の皆さんは、われわれ仄聞いたすところによりますと、どうもこれは廃案にするのだ、議了に応じられないのだというようなことを新聞等で承ります。そこで、私どもはよく国対委員長等から伺うのでございますが、どうも審議日程を幾ら交渉してもきめてくれないのだというように私どもは承っております。これではいつになったら終わるかわかりませんので、これまた私どもは、ほんとうに国会正常化のために、これは必要だと考えたわけでございます。
 第四番目に、法案の内容につきましては、修正されてまいりましたあの程度の健保法の特例措置というものは、これからの健康保険制度を健全化していく上からは当然必要なことじゃないかと、私どもは愚考いたしている次第でございます。(拍手)
#23
○副議長(河野謙三君) 前川旦君、
   〔前川旦君登壇、拍手〕
#24
○前川旦君 私は、日本社会党を代表し、ただいま自由民主党安井謙氏より提出されました中間報告を求める動議について若干の質問をいたします。
 なお、答弁は、ただいまのようなごまかしではなく、納得のいくように、懇切かつ丁寧にしていただきたい。その場限りのごまかし答弁は、かえって議事を混乱さすことを念のため申し上げておきます。
 質問の第一は、国会法の立法の精神に照らし、今回の健康保険法及び船員保険法の臨時特例に関する法律案に対し、国会法第五十六条の三第一項及び第二項を適用することが、はたして法解釈の上で妥当であるかどうかという点であります。
 御承知のとおり、国会法第五十六条の三では、「各議院は、委員会の審査中の案件について特に必要があるときは、中間報告を求めることができる。」、「前項の中間報告があった案件について、議院が特に緊急を要すると認めたときは、委員会の審査に期限を附け又は議院の会議において審議することができる。」と規定されているのであります。およそ、法の適用並びに解釈については、何よりもまず、立法の趣旨を尊重し、いやしくもその精神を踏みにじり、あるいはこれに逆行する解釈をしてはならないことは、法に対する基本的理念であり、法律解釈上の常識であります。同時に、法文は、これを厳密に解釈すべきであり、いたずらに拡大または類推してはならぬことも、またいまさら、申し上げるまでもありません。
 そこで、まずこの第一項で、「各議院は、……特に必要があるときは、」と規定されておりますが、一体、「特に必要があるとき」というのは、一般論としてどのような場合をさすのか。また、特に必要と認めるのはだれが認めるのか。議長であるのか、与党であるのか、それとも個々の議員であるのか、明確にしていただきたいのであります。さらに、今回のケースが、はたして特に必要があるケースであるのかどうか。この第一項に該当するものであるのかどうか。論理的に、かつ法理論にのっとって御説明いただきたいのであります。
 次に、国会法第五十六条の三第二項に明記されてありますところの「特に緊急を要することは一体どのような場合をさすのか、お伺いいたします。通常、特に緊急を要するという解釈については、国会法解釈上、二つの内容を含むことが一般的となっているのであります。その一つは、法律案の内容そのものに特に緊急を要する要素があるかないかということであります。第二には、法案の中身は別として、手続上緊急性があるやいなやの二点にしぼられるのであります。そこで、まずこの法律案の内容そのものに緊急性を認めることができるかどうかということでありますが、およそ、特に緊急を要する内容とは、たとえば案件の成立にあらかじめ動かすことのできない期日が予定され、何らかの決定が期日までになされないときは、法の施行上大きな混乱を招くおそれが予想される場合が第一、第二に、条約の批准等国際信義の上から期日までに結論を出すことが重要になる場合、第三には、案件の不成立により国の安全が著しく脅かされることの想定される場合、第四には、天災地異あるいは災害等、国民の生活に直接かつ深甚な影響のある場合というように、ほぼ四つの場合に集約されるのであります。
 そこで一体、あなたは、この法律案が、はたしてこれら四項に該当するほど重要な緊急性を持つ案件であるとお考えでしょうか。保険料の料率を引き上げ、初診料、入院料を値上げし、薬代を新たに徴収することが、一体わが国の安全を著しく阻害するでしょうか。わが国の国際的信義をそこなうでしょうか。あるいはまた、国民の生活を決定的に左右するでしょうか。あなたがいかに強弁なさろうとも、この法律案の内容そのものは、国会法第五十六条の三第二項に言う特に緊急を要すると認め得る内容ではないと私は思うのでありますが、あなたの解釈を納得のいくように御説明いただきたいのであります。
 次に、中身は別にして、手続上緊急を要するという点から見るならば、今日、国会の会期も残りわずかに迫り、一見緊急性を帯びているかのごとく見えるのでありますが、しかしながら、それほど緊急を要するものならば、それに値するだけの事前の処置というものを、たんねんに努力する姿勢が政府・与党にはたしてあったでしょうか。御承知のようにこの法案は、四月二十六日に衆議院に提出されました。第五十五国会は六月の末が期限であったはずであります。会期も終わりに近く法案を提出しておいて、手続上緊急性があると言えるでしょうか。法案を提出する以前に、政府は、総理大臣の諮問機関である社会保障制度審議会及び厚生大臣の諮問機関である社会保険審議会に対し、この問題を諮問されたはずであります。しかるに、この両審議会では政府案には合理性がない、特に薬価一部負担については審議会の中に強い反対の意向もあり、すべての新聞もまた反対の立場に立ったと聞いております。このようなまともな意見をねじ伏せて、合理性のない政府案を無理に承認させるために長い時間を要し、そのため本法律案の国会提出がおくれたことは巷間伝えられるところであります。であれば、法案の提出がおくれたのは、これひとえに政府の責任ではありませんか。この点、あなたはどうお考えになりますか。
 さらにまた、法案提出より今日まで、すでに百十二日を経過しておりますが、あなた方はその間、一体何をしていたのですか。慎重に審議しようというのがわれわれのたてまえです。これだけの日数があれば、慎重審議は十分できたはずであります。にもかかわらず、衆議院での委員会審議は十六時間五十六分、参議院、これまた二十時間に足りません。こうしたきわめてテンポののろい審議状態は、それ自体が緊急を要する案件でないことを、いみじくも物語っているではありませんか。およそ、みずから故意に危険を招きながら、なおその危険を非難する者があれば、まことに喜劇的であります。同じように、あらかじめ予定された案件を会期末に提案し、その後会期延長、臨時国会等で十分な時間があるにもかかわらず審議の努力を放棄しておきながら、いまさら何の緊急案件と言えますか。したがって、私は、当該案件に対して国会法第五十六条の三を適用し中間報告を求めることそのものに、法解釈上重大な疑問を抱かざるを得ないのですが、あなたはどうお考えになりますか、お答えいただきたいのであります。
 次に質問いたしますが、中間報告を行なった場合、委員会での審議を続行することが中間報告制度の本来の趣旨であるにかかわらず、今回もまた、次に予想されておりますのは、直ちに本会議で決着をつけようというのであります。このような議事運営を、あなたは議会の本来あるべき姿から見て正しいと思いますか、あるいは好ましくないが、やむを得ないとお考えなのか、あるいは、やってはいけないとは思っていながら、党の命令で泣く泣くやっていらっしゃるのか、あなた自身のお考えを、この際明らかにしていただきたいと思います。
 御承知のとおり、日本の国会制度は、戦後米国の議会制度の長所を取り入れ、常任委員会制度を設けて、本会議の前に慎重な論議を委員会にて行ない尽くすというたてまえをとっているのであります。およそ国会の論戦というものは、常に国民の意思を的確に反映していなければならないことは、いまさら論ずるまでもありません。これは与野党の別なく、議員たるわれわれが常に肝に銘じておくべきものだと、私は思うのであります。その意味から、常任委員会制度を取り入れたことは、旧帝国議会の運営に比べ、はるかに民主的であると評価すべきでありましょう。
 そこで私は、ここで一つ指摘をしておきたいのでありますが、それは委員会制度の先進国である米国では、中間報告なるものについてどのように規定され、運営されているかということであります。まず米国では、委員会にて審議省略の動議を提出せんとするものは、当該案件が委員会に付託された後三十日を経なければ、動議を提出することができません。提出後七日たっても動議の取り上げられないときは、さらにこの動議を本会議で審議することを求める動議をあらためて議長に提出し、議長はこれを受けて、全議員の署名を収集し、過半数に達したとき初めて、次の第二月曜日または第四月曜日に限って優先的に本会議で審議されるのであり、いわば二重にも三重にもチェックされているのであります。したがって、右の手続を全部完了するまでには短くて三十八日、長ければ五十日以上の日数を要することになるのであります。このことは、委員会の審議を省略するという、はなはだ正常ならざる方法をできるだけ押え、民主的討議を守ろうとする、まことに賢明なる手続であると言えるのであります。しかるに、わが国では、形式的には常任委員会制度を取り入れながら、その魂を忘れ、旧帝国議会の読会方式にも似た誤れる運営を慣行として取り入れ、国会法第五十六条の三となしていることは、常任委員会制度の趣旨を根底から危うくするものであると言わざるを得ないのであります。したがって、国会を真に討論の場とするならば、国会法のこの条項は絶対に乱用すべきものではなく、むしろ運営の面で死文化させてしかるべきだと思うのであります。しかるに、与野党の意見対立が激化するや、常にこの条項を適用して、みずから一つの意見を強権的に他に押しつけようとする政府与党の議会運営は、まさに議会制度の本旨に対する重大なる反逆であり、絶対にこれを許すべきではないと私は思うのであります。
 そこで、お伺いしたいのは、かかる中間報告というやり方が、あなたは議会制度の本来の趣旨から見て正しいとお考えなのかどうか。一般的にはどうなんですか。このケースではどうなんですか、明らかにしていただきたいのであります。同時に、米国の例にならって、これが乱用をチェックするための諸方策を将来において実現するお考えがあるのかどうか、あわせてお答えいただきたいのであります。
 第三に質問したいのは、今回の審議強行は、参議院史上例のない暴挙であるということであります。第一回国会より今日まで、国会法第五十六条の三を適用した案件といたしましては、たとえば、第十六回国会におけるいわゆるスト規制法案、第十九回国会におけるいわゆる警察二法案、第二十四回国会の教育二法案、第二十五回国会のいわゆるスト規制法存続案、第二十八回国会の日本労働協会法案、第二十九回国会の市町村立学校職員給与負担法の一部を改正する法律案、第三十一回国会の最低賃金法案並びに防衛二法案、第四十三回国会の失対法案、第四十八回国会の農地報償法案の十件でありますが、そのいずれの場合でも、中間報告に至るまでには、かなり長時間にわたり委員会での審議が行なわれているのであります。たとえば、スト規制法の例をあげますならば、昭和二十八年七月十一日に委員会に付託され、七月十六日から質疑に入り、十八日から二十一日までは全議員が現地を視察し、七月二十三日、二十四日は公聴会、その後連日、委員会審議が行なわれ、八月四日になり初めて中間報告の手続がとられ、八月五日に採決というふろに、中間報告に至るまでには良識の府・参議院にふさわしい、たんねんな討議がなされているのであります。警察法の場合でも、委員会に付託されてから中間報告まで二十三日の審議期間があり、同じく教育二法案でも四十三日、スト規制延長では十一日、日本労働協会法案では十六日、最低賃金法案では三十六日、防衛庁設置法及び自衛隊法の場合は三十五日、農地報償法では十四日間、それぞれ審議が行なわれております。しかるに今回は、八月八日に付託され、今日までわずかに八日間の審議であります。従来の例から見ましても、まことに異例の言論封殺と言わなければなりません。
 そとでお尋ねしたいのは、これほど短い期間であえて中間報告を求めねばならぬ理由は一体どこにあるのか。新聞によりますと、あるいは先ほどの安井さんの答弁によりますと、自由民主党は、社会党が審議引き延ばしのための質問をしていると発表されておりますが、一体その根拠はどこにあるのか。これは、真剣にこの問題と取り組もうとしているわれわれ社会党のみならず、全野党に対する重大なる侮辱のことばではありませんか。人間がほんとうに悪くなると、人のすることがすべて悪意に見えるといわれますが、まじめにやろうとする者をことさら悪意にとるのは、あなた方の人を見る目が徹底的に悪くなったのだと思いませんか。あるいは、党利党略のためには、野党の善意をも傷つけて顧みないのでしょうか。いずれにせよ、審議引き延ばしと言うからには、明確な証拠があってのことだと思います。この際、それを明らかに納得のいくまで説明願いたいのであります。と同時に、一体、中間報告という手段には歯どめがあるのかどうか。先ほどの先例を見ましても、次第に審議期間が短くなってきています。このまま推移すれば、やがて審議をせずに、いきなり中間報告ということになることも予想せざるを得ません。これを乱用すれば、憲法改悪であろうと、徴兵制度であろうと、自衛隊のベトナム派兵であろうと、何でも政府与党の意のままに行なわれるということになるではありませんか。これは、戦時中の国会よりもさらに悪いファシズムヘの道を開くことではありませんか。民主主義と議会制度を守らんとする限り、かかるやり方にはおのずから一定の限度、限界があるはずであります。この限界あるいは歯どめについて、あなたの見解なり、政府与党の見解を明らかにしておく必要があると思いますので、この際、明確にお答え願いたいのであります。
 最後に、政治モラルすなわち政治家の良心の立場からお伺いいたします。ただいまの動議をもし認めるならば、それは言論の自由をみずから押し殺し、みずから議会の墓穴を掘ることになることを憂えるがゆえに、特に念を入れてお伺いをいたすのでありますが、いま、あなた方のなそうとしていることは、国会における審議権の放棄であり、かつ、国民に対する重大な反逆行為であると思いますが、いかがですか。
 かつて、昭和十三年三月三日、第七十三回帝国議会において国家総動員法審議に際し、陸軍中佐佐藤某が、慎重審議を行なおうとする議員に対し、「黙れ」と叫んで、物議をかもしたことがありました。当時、保守派の議員といえども、かかる帝国陸軍の思い上がった言論封殺に対し、それぞれの良心に従って根強い抵抗を行なったことは、この議場内の古い議員の方の中にはいまだ記憶に明らかなものがあるはずであります。(拍手)さらにまた、昭和七年五月十五日、当時の犬養総理が最後に残したことばであるところの「話せばわかる」という一言は、自由主義者の良心を最も痛切に表現した、千金の重みを持つ真理であると私は思うのであります。
 今日、その魂を引き継がなければならないのは、自由主義者をもって任ずる自由民主党のあなた方ではありませんか。しかるに、あなた方が、話し合おうとする姿勢をすべて放棄し、むしろ「問答無用、撃て」という態度で議会運営をなさろうとするのは、一体何事でありますか。かつての自由主義者の良心は、一体どこへ行ったのですか。これは精神異常をすでに通り越して、まさに気違いざたと言わざるを得ないと思います。およそ「剣によりて立つものは剣によりて滅ぶことは古今東西を問わざる永遠の真理であります。(拍手)力にのみたより、権力によって覇道の政治を行なう者は、すでに人心そのもとを去り、まさに命脈の尽きんとする最後のあがきでなくて何でありましょうか。日本社会党は、あくまでも話し合いに基づく良識ある国会運営をはかっていきたい。われわれがやむなく、からだを張らざるを得ないような、あやまてる政府与党の国会運営を改めていきたい。自民党の皆さんに、先人のごとき良識のわずかでも残っているならば、いまからでもおそくはない。もう一度本件を委員会に差し戻して慎重審議をするか、あるいは、ただいまの動議を撤回するのが当然だと思うのでありますが、あなたにその意思があるやいなや。悔い改むるは早きにしかずと言いますが、あなたの政治家としての良心に、しかとただして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔安井謙君登壇、拍手〕
#25
○安井謙君 前川議員にお答えいたしますが、第一の御質問は、先ほどの占部さんと同じように、この中間報告を求める動議を出す必要性についての重ねての御質問のように承っております。御承知のとおり、国会には、おのずから期限がございます。(「こっちだよ」と呼ぶ者あり)前川さん、よく知っておりますが、皆さんに御返事をしているわけです。おのずから国会には期限がございます。先ほども申し上げましたように、審議が始まりまして八日目、あるいは七日間たちまして、まだ三人目の御質問がいつ終わるやら全然わからないというような状況では、その次の質問者のためにも議事進行上の動議が出ることは当然だと私は思うのであります。これが玉置さんが動議を出された理由であろうと思います。しかし、そのために、あとの結論がどうなったか一向わからぬということじゃ、私はまた不満でございます。したがいまして、先ほど申し上げましたように、十四日に、ぜひ委員長の見解を承りたい、こういう中間報告を求める動議を出したわけでございますが、議長の裁定がございまして、ともかく十六日の一時までは、そういうことでなくて審議を進めるということで、私どもは、したがって本日に及んだわけでございます。先ほども申し上げましたように、ことに、本日に至りまして、衆議院でもやっておりませんような参考人の意見聴取も十分に行ない、それに対する質疑も行なわれたやに、また、総理大臣の出席を求められまして、相当長時間の締めくくり質問もあったやに承っております。これは、どう考えましても、あと会期が二日しかないのでありますから、ここいらで討論、採決に入っていくのは、これは国会の常識であろうと思うのでございます。(拍手)これがどうも行なわれないようなので、その間の事情はいかがでありましょうかということを、いまお伺いをしたいということでございます。
 緊急性につきましては、先ほども申し上げましたように、これは五十六条の三の第二項でございます。いま私どもが求めておりますのは、第一項の中間報告を求めるという案件でございます。したがいまして、緊急性そのものにつきましては、ここで御答弁の限りではないのではないかと存じます。しかし、一般的に申しましても、会期もここまで迫っておりますならば、これはやはり緊急性これありと認めるのが当然であろうと存じます。
 また、緊急性の内容につきましては四カ条かおあげになりましたが、私どもは、これはそのときにおける状況によって緊急性を判断するべきものであり、内容、会期その他十分要件に相なるものと心得ております。
 第二番目に、中間報告は乱用すべからずという御意見、私ども、まことにそのように考えております。新しい参議院ができまして以来、十回中間報告が行なわれております。今度は日数が少し少ないようだというお話でございますが、会期を延長いたしまして、さらにあと二日しか残っていないということでは、私ども、決してこれはゆうちょうにかまえておるわけにはまいらないと思うのでございます。しかも、審議時間は二十数時間という――あれだけの法案にいたしましては、重要な法案ではございますが、条文そのものはそれほど複雑なものじゃございません。二十数時間やり、参考人の意見聴取もやり、そうして総理に対する締めくくり質問があれば、もう次の段階に至るのがしかるべきものだろうと存じます。この次には一体本会議で決着をつける決意かどらかということも言われましたが、これも委員長の報告を聞いてみなければわかりませんが、そういうこともあってよろしいのじゃないかと、私個人は考える次第であります。(拍手)
 なお、民主主義の擁護につきまして、戦前の例を引いての、いろいろ御意見に近い御発言がございましたが、私も、民主主義と議会主義を守ることについては、今後も皆さんともども手を握って大いにがんばっていきたいと存じますが、この中間報告は必要と認めます。撤回する意思は毛頭ございません。(拍手)
#26
○副議長(河野謙三君) 本日はこれにて延会することとし、次会は明日午前零時十分より開会いたします。
 これにて延会いたします。
   午後十時二十八分延会
ソース: 国立国会図書館
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