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1967/08/17 第56回国会 参議院 参議院会議録情報 第056回国会 本会議 第7号
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1967/08/17 第56回国会 参議院

参議院会議録情報 第056回国会 本会議 第7号

#1
第056回国会 本会議 第7号
昭和四十二年八月十七日(木曜日)
    午前零時十九分開議
    ―――――――――――――
#2
○議事日程 第十号
  昭和四十二年八月十七日
   午前零時十分開議
 第一 社会労働委員会において審査中の健康保
  険法及び船員保険法の臨時特例に関する法律
  案について速かに社会労働委員長の中間報告
  を求めることの動議(安井謙君外一名提出)
  (前会の続)
 第二 国家公務員等の任命に関する件
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一
 一、健康保険法及び船員保険法の臨時特例に関
  する法律案の中間報告
 一、社会労働委員長から中間報告があった健康
  保険法及び船員保険法の臨時特例に関する法
  律案は、明十八日正午までに社会労働委員会
  で審査を了することの動議(加瀬完君提出)
 一、社会労働委員長から中間報告があった健康
  保険法及び船員保険法の臨時特例に関する法
  律案は、議院の会議において直ちに審議する
  ことの動議(沢田一精君外一名提出)
 一、健康保険法及び船員保険法の臨時特例に関
  する法律案(内閣提出、衆議院送付)
     ―――――・―――――
#3
○副議長(河野謙三君) これより本日の会議を開きます。
 日程第一、社会労働委員会において審査中の健康保険法及び船員保険法の臨時特例に関する法律案について速かに社会労働委員長の中間報告を求めることの動議(安井謙君外一名提出)を、前会に引き続き議題といたします。
 沢田一精君外一名から、成規の賛成者を得て、
 質疑終局の動議が提出されました。
 これより本動議の採決をいたします。
 表決は記名投票をもって行ないます。本動議に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行ないます。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#4
○副議長(河野謙三君) すみやかに御投票願います。――すみやかに御投票願います。――まだ投票なさらない諸君は、すみやかに御投票願います。――すみやかに御投票願います。――ただいま行なわれております投票につきましては、自後五分間に制限いたします。時間がまいりますれば投票箱を閉鎖いたします。すみやかに御投票願います。――すみやかに御投票願います。――時間がまいりますれば投票箱を閉鎖いたします。すみやかに御投票願います。――すみやかに御投票願います。
 制限時間に達しました。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#5
○副議長(河野謙三君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   参事投票を計算〕
#6
○副議長(河野謙三君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百十四票
  白色票          百二十一票
  青色票           九十三票
 よって、質疑は終局することに決しました。
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名     百二十一名
      林   塩君    横井 太郎君
      植木 光教君    山崎  斉君
      二木 謙吾君    前田佳都男君
      白井  勇君    伊藤 五郎君
      林田 正治君    大谷 贇雄君
      横山 フク君    寺尾  豊君
      笹森 順造君    植竹 春彦君
      新谷寅三郎君    鬼丸 勝之君
      山本茂一郎君    中津井 真君
      林田悠紀夫君    佐藤 一郎君
      山内 一郎君    柳田桃太郎君
      宮崎 正雄君    船田  譲君
      平泉  渉君    八田 一朗君
      和田 鶴一君    木村 睦男君
      高橋文五郎君    内田 芳郎君
      大森 久司君    園田 清充君
      野知 浩之君    源田  実君
      熊谷太三郎君    温水 三郎君
      川野 三暁君    長谷川 仁君
      沢田 一精君    吉江 勝保君
      石井  桂君    豊田 雅孝君
      稲浦 鹿藏君    江藤  智君
      大竹平八郎君    大谷藤之助君
      徳永 正利君    青柳 秀夫君
      佐藤 芳男君    平島 敏夫君
      山下 春江君    山本 利壽君
      堀本 宜実君    塩見 俊二君
      鍋島 直紹君    近藤 鶴代君
      石原幹市郎君    上原 正吉君
      古池 信三君    郡  祐一君
      斎藤  昇君    米田 正文君
      栗原 祐幸君    久保 勘一君
      北畠 教真君    西村 尚治君
      中村喜四郎君    内藤誉三郎君
      任田 新治君    土屋 義彦君
      高橋雄之助君    玉置 和郎君
      藤田 正明君    岡本  悟君
      奥村 悦造君    楠  正俊君
      黒木 利克君    金丸 冨夫君
      日高 広為君    丸茂 重貞君
      山本  杉君    谷村 貞治君
      木島 義夫君    谷口 慶吉君
      柴田  栄君    後藤 義隆君
      竹中 恒夫君    天坊 裕彦君
      中野 文門君    西田 信一君
      迫水 久常君    田中 茂穂君
      梶原 茂嘉君    八木 一郎君
      森 八三一君    三木與吉郎君
      西郷吉之助君    木内 四郎君
      林屋亀次郎君    安井  謙君
      増原 恵吉君    平井 太郎君
      青木 一男君    小山邦太郎君
      重政 庸徳君    小林  章君
      近藤英一郎君    田村 賢作君
      鹿島 俊雄君    井川 伊平君
      赤間 文三君    津島 文治君
      青田源太郎君    紅露 みつ君
      小林 武治君    剱木 亨弘君
      松平 勇雄君    高橋  衛君
      吉武 恵市君    中山 福藏君
      小柳 牧衞君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名      九十三名
      鬼木 勝利君    原田  立君
      山高しげり君    黒柳  明君
      矢追 秀彦君    中沢伊登子君
      石本  茂君    市川 房枝君
      中尾 辰義君    片山 武夫君
      田代富士男君    二宮 文造君
      高山 恒雄君    多田 省吾君
      宮崎 正義君    小平 芳平君
      向井 長年君    渋谷 邦彦君
      山田 徹一君    北條  浩君
      辻  武寿君    和泉  覚君
      白木義一郎君    鈴木 市藏君
      達田 龍彦君    前川  旦君
      戸田 菊雄君    竹田 現照君
      相澤 重明君    山崎  昇君
      木村美智男君    村田 秀三君
      小野  明君    田中寿美子君
      矢山 有作君    野々山一三君
      松本 賢一君    杉山善太郎君
      大森 創造君    大矢  正君
      森中 守義君    柴谷  要君
      小柳  勇君    中村 英男君
      伊藤 顕道君    加瀬  完君
      小酒井義男君    光村 甚助君
      久保  等君    大和 与一君
      岩間 正男君    須藤 五郎君
      春日 正一君    森  勝治君
      鈴木  力君    中村 波男君
      川村 清一君    柳岡 秋夫君
      瀬谷 英行君    稲葉 誠一君
      吉田忠三郎君    渡辺 勘吉君
      小林  武君    鶴園 哲夫君
      林  虎雄君    中村 順造君
      野上  元君    武内 五郎君
      松永 忠二君    北村  暢君
      鈴木  強君    阿部 竹松君
      藤田藤太郎君    占部 秀男君
      森 元治郎君    鈴木  壽君
      永岡 光治君    秋山 長造君
      岡  三郎君    藤田  進君
      成瀬 幡治君    亀田 得治君
      大倉 精一君    近藤 信一君
      椿  繁夫君    横川 正市君
      木村禧八郎君    佐多 忠隆君
      岡田 宗司君    藤原 道子君
      加藤シヅエ君    松澤 兼人君
      羽生 三七君
     ―――――・―――――
#7
○副議長(河野謙三君) 討論の通告がございます。順次発言を許します。中村順造君。
   〔中村順造君登壇、拍手〕
#8
○中村順造君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま提出されました健康保険法及び船員保険法の臨時特例に関する法律案の審査の過程における中間報告を求める動議と、まず反対党の言論を抑圧して行なうこの暴挙に対し、激しい憤りをもって断固反対の意思を表明、反対討論を行なうものであります。(拍手)
 本法律案自体、社会保障の基本理念を遠くかけ離れ、単なる一片の保険行政で、その行き詰まり打開の方策として、低所得階層の国民を対象に、保険料率の引き上げ、薬代負担の増加など、国民生活を圧迫する悪法であり、国民の名によって廃案にすべき法律案であることは、いまさらあらためて議論をする必要のないものでありますが、いま中間報告を求められた動議の過程から、私はこの際、この法律案が、第五十五国会から第五十六国会にかけて行なわれた衆参両院における審議の経過と結果について、多数を占める自民党に強い反省を求めながら、若干の意見を交え討論を行ないたいと存ずるものであります。
 すなわち、本法律案が、第五十五国会の末期におきまして、野党の強い反対に逢着をして、まさに廃案にならんとしたとき、自民党の福田幹事長は、野党各派に対し、この際継続審査案件として臨時国会に継続することを要請するとともに、国会の正常化を約し、多数の横暴と少数意見の抹殺など行なわないことを公党の約束として、臨時国会をこの法律案のみで開会することといたしたのであります。御承知のように、臨時国会は七月二十七日に開会されましたが、その後わずか数日を出でずして、八月二日衆議院社会労働委員会におきまして、わが党質問者の最初の一人が質問終了後、突如として自民党はその本性を暴露し、例の質疑打ち切り、討論省略、強行採決らしきものを行なったのであります。本法律案の審議の過程で国会が国民の信を失う一大原因は、実にこの八月二日の暴挙に端を発したのであります。みずから国会の審議の正常化を約した与党のこの理不尽にして横暴なやり方は、まさにすり、きんちゃく切り、かっぱらいに類する徒党的な常套手段で、これに憤激した野党各派の根強い抵抗闘争が衆議院本会議場に展開されたのであります。そこで衆議院議長は、与野党の各派に反省を求め、みずから調停案を提示し、国会審議の正常化について協力を求めましたので、一応野党各派もこれを了承するところとなったのであります。しかしながら、わが党内部におきましては、みずから理不尽な強行採決による委員会の議決を正当なものとする一方的な理解に立ち本会議を開会した事実に立ち、いわゆるよごれた手による調停を不満として、徹底抗戦の抵抗闘争を継続すべしとの結論に達し、わが日本社会党は断固として戦いを進めてまいったのであります。
 この間わが党は、一たん了承された議長あっせんに対し、他党との信義を重んずる意味におきまして、成田書記長辞任にまで事態は発展いたしました。今日、公党の約束はおろか、あらゆる公約をじゅうりんして恥じない自民党、特に政治資金規正法の審議の過程におけるごとく、あの破廉恥な行為からして、与党としての総裁、幹事長など関係者は、この成田書記長の、信義を重んずることにみずからの政治生命をかける高道な人格識見に対し、謙虚な気持ちに立って、みずから多くを学ぶべきであると確信するものであります。
 かくして八月七日、本法律案は衆議院から本院に送付されたのでありますが、みずから良識の府としての本院の与野党は、ともに本法律案の慎重審議を確認し、審議を尽くすことにより国民の負託にこたえることを申し合わせ、社会労働委員会は、わが党山本委員長を中心にしてきわめて熱心に慎重審議を重ね、質問者も、藤田委員、柳岡委員、藤原委員と順次質疑を続けておりました。
 ところが、八月十四日、何に血迷ったのか、まさにやぶから棒のように、自民党の玉置委員がいまだかつて前例のない質問者交代などといった動議を提出したため、委員長は直ちに速記をとめ、委員会を一応休憩したのであります。この事態の以前におきまして、社会労働委員会の理事会は八月十一日すでに八月十六日までの日程を決定し、昨日は参考人の出席を求め、広く意見の聴取を行なうことがきめられておったのであります。こうした情勢の中で八月十四日、すなわち玉置委員が議事の妨害を試みたその日、自民党は衆議院の八月二日の事態と全く同じ暴挙を繰り返さんとして中間報告を求める動議の提出を準備し、議長にその手続を行なったのであります。しかし、良識の府の議長は、その時点における中間報告はあまりに唐突であり、適切でないと判断をし、さらには、わが党の慎重審議の強い要求を否定する理由もないため、引き続き社会労働委員会において審議を進め、少なくとも参考人の意見聴取までは自民党も自重するようとのあっせんがなされたのであります。かくて、自民党の不逞なたくらみも一応は回避されたのでありますが、ついに昨日、ここに遺憾なくその本性を暴露し、中間報告を求める動議を提出したのであります。
 御承知のように、国会法五十六条の三には「各議院は、委員会の審査中の案件について特に必要があるときは、中間報告を求めることができる。」と定められております。「特に必要があるとき」――一体、本法律案審査の過程で特に必要とは何か。これは自民党政権独裁の中での必要悪であり、断じて許すことのできない政治悪であります。
 戦後、わが国議会史上、特に参議院におきましては、今回の中間報告は実に十一回目にあたりまして、そのいずれもが国会の混乱を招き、国民の政治に対する不信の原因となっておることは、何人もこれを否定することはできないと確信するものであります。すなわち、昭和二十八年第十六国会におけるスト規制法、昭和二十九年第十九国会における警察二法、昭和三十一年第二十四国会における教育二法、同年第二十五国会におけるスト規制法存続案、昭和三十三年第二十八国会における日本労働協会法、同年第二十九国会における校長の管理職手当法、昭和三十四年第三十一国会における最低賃金法案及び防衛二法、昭和三十八年第四十三国会における失対法等改正案、最近におきましては昭和四十年第四十八国会における農地報償法案、その他、委員会において多数暴力によって採決済みと称して委員長報告を行なった破防法、農業基本法、三十七年度補正予算、暴力行為処罰法案、近くは日韓条約及び関連三法案、自民党単独審議の日米安保条約等、実にその回数は数え切れないほどのものがあるのでありまして、みずから国民の政治不信、議会制民主主義の破壊に墓穴を幾回となく掘ったと言っても決して過言ではないと存ずるのであります。
 こうした経緯の中にも、ときには、このことの反省に立ったこともあります。昭和三十八年七月、問題の失対法改正案審査にあたり、自民党は、会期末と社会労働委員会の委員長が野党の委員長であるとの配慮から、一回も質疑を行なわず、ただ提案の趣旨説明を行なった、いわば審査中の案件でないものを強引に中間報告を求めたことは、いまだお互いの記憶に新たなところであります。結果的に、本院の本会議は実にえんえん四日間にわたり、さすが強引の自民党も、国民世論の前にみずからの非を悟り、反省をせざるを得ない状態となったのであります。野党たるわが党も、こうした現状に立ちまして、その後七月五日、与野党各会派の申し合わせとして、参議院の各会派は、議院の正常な運営をはかるため、少数意見の尊重と議員の審議権確保に留意するとともに、議院の品位と秩序の保持に互いに協力することとし、次のとおり申し合わせる。
 議案の中間報告は、審査につき委員会中心主義を採用している国会法の趣旨にかんがみ、みだりに行なわないこと。
 中間報告に関連し、本会議の運営が混乱した実情にかんがみ、今回のような中間報告は行なわないよう努力すること。
 以上の申し合わせを行なったのでありますが、さらにその際、議長は、この事に関し、「私は参議院の議長として、議案の審議は常に十分行なわなければならないものと考えております。先般来議事が混乱しましたことは、まことに遺憾でありますが、この事態が今回のような中間報告に端を発したものであることにかんがみまして、今後各会派の御協力を得て、このような議事の進め方を避けるよう最善を尽くす所存であります。」と、その所信を表明されたのであります。
 以上の経過は、昭和三十八年第四十三国会における失対法改正案に対する審議経過であり、その際における中間報告に対する、議長を含めての本院全体の冷厳なる自己反省の結論であります。「のど元過ぎれば」のたとえもありますが、政治に虚偽や一時的なごまかしは断じて許されません。公党間の約束の尊重や、議長の所信表明が、年月とともに消滅すべきでないことは当然でありますが、自民党はその後も昭和四十年五月、農地報償法の審査でこの公約を無視して中間報告を行ない、いままた三たび公党間の約束も無視して、健保の中間報告を求めておるのであります。
 以上、私は、健保法案の性格と衆参両院における本案審査の経過、さらには、中間報告なるものの本院における歴史的事実について申し述べてまいりました。いまさら、反対の第一の理由は何、第二の理由はこれこれと言わなくても、新憲法下、議会制民主主義を守りながら、国民の負託にこたえる任務を持つお互いが冷静に謙虚に、特に本中間報告を求めた自民党がみずからその罪悪感を意識し、さきに私が説明いたしました中間報告に関する各会派の申し合わせを忠実に順守する態度がまず強く要求されるのであります。しかるに、自民党幹事長は、本案が本院に送付された時点にすでに中間報告を示唆し、一昨日は、瀬戸山副幹事長もまた、中間報告による本案処理を公言しておりますが、院には院の伝統と歴史があります。この発言は、申し合わせの中にある、みだりに行なわない項に適合し、公党間の申し合わせをじゅうりんし、他院に及ぶ内政干渉として断じて非難さるべきであります。この際、与党たる自民党の諸君もいたずらに多数におごることなく、また唯々諾々として党幹部の指導に盲従することなく、みずからの使命感と院の伝統を自覚し、理非曲直を明確にし、謙虚に国民の期待にこたえるべきであることを諸君に警告をいたします。諸君は、おそらくこの私の警告を無視して、本中間報告を強行し、単なる健保の赤字解消という成果に酔いしれることと存じます。しかし、政治に志す者として、今日の、反対党の言論を封殺してこの中間報告の強行は、必ず他日国民の諸君に対する不信、自民党の多数党としての土台の崩壊という現実となって、諸君の多数の上にあぐらをかいたあぐらの根底に重大な危機の必ず来たることを重ねて警告し、強く諸君の反省を求めるものであります。
 わが党は、今国会における健保の戦いにおいて、公党としての信義を重んずるため、委員長、書記長の辞任という重大な犠牲を払いましたが、このことは、自民党の多数横暴と、弊履のごとく捨て去るみずからの公約と信義のじゅうりん、幾たびとなく行なわれる申し合わせ確認事項を黙殺しての破廉恥な行為と、二者それぞれ相対照するとき、厳正な国民の正しい審判は、必ずわが日本社会党に下ることを私は確信するものであります。私が先ほど来申し述べてまいりましたように、幾たびとなく議会制民主主義を破壊するこの中間報告が繰り返されてまいりましたが、われわれは常に隠忍自重、自民党の横暴に対処してきたのであります。今回もまた、この暴挙に対し、不必要な議事の引き延ばしを行なわず、堂々の国民の前において論陣を張り、その正邪を問うものでありますが、中間報告そのものが、その歴史的事実において、また今日の政治の実態から、強く国民の政治不信、また、わが国議会史上の一大汚点として、長く後世の歴史に残ることを知らなければならないのであります。(拍手)馬耳東風、馬の耳に念仏のたとえもありますが、私が本議政壇上より、声を大にして、わが国議会制民主主義を守るため、政治を国民のためにと叫び続けても、多数に思い上がった与党の諸君は、単に反対党である野党の一議員の反対討論として聞き流すでありましょう。しかし、おごる平家にも限界のあることを知らなければなりません。一時的には目的のために手段を選ばないことも、幾たびか繰り返されるうちに、国民の政治への不信は深く静かに世論の中に潜行し、やがては他日重大な時局を迎えることは、今日の政局に当たる者として十分自覚しなければならないことは当然であります。常に独占資本と結託し、政界と財界との醜い結合が、ときに黒い霧となるような金権政治を行なう中で、国会審議にあたっては、まず反対党の言論を抑圧して行なう最も卑劣きわまる多数暴力による中間報告が、みずから議会の名誉と品位を傷つけることは、賢明で経験豊かな提出者の安井君も十分承知の上でのことと思います。かつて、いまはなき草葉隆圓君は、その力量手腕、ともに卓越した有能な政治家でありましたが、私の記憶では、中間報告に直面するたびごとに、草葉君のあの雄弁が思い出されてなりません。しかし私は、別の意味で、つまり、中間報告と関係のない有能な草葉君を思い出したいのであります。提出者の安井君もだんだんとその風貌が草葉君に似てきたようでありますが、すでに幾たびか国務大臣の職務を経験され、将来大成の期待される政治家として、この際、軽挙盲動を慎み、大いに自重自愛されることを望むとともに、一大勇断をもって、いまからでも決しておそくはないので、本中間報告を求める動議を撤回されることを、他日の大成を期待する安井君に望むものであります。
 過去の歴史が証明するごとく、中間報告なるものは、いまだかつて一度も、野党の要求によってなされたものはなく、ことごとく与党自民党の要求による動議であることは、中間報告それ自体、反民主的、反議会制であることを立証するものであります。日本の議会制民主主義を守るため、国民の政治に対する信頼を守るため、本中間報告を求める動議の撤回を求めて、私の反対討論を終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
#9
○副議長(河野謙三君) 戸田菊雄君。
   〔戸田菊雄君登壇、拍手〕
#10
○戸田菊雄君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました健康保険法及び船員保険法の臨時特例に関する法律案が、緊急に本会議に中間報告をされることに対しまして、断固反対の意を表明いたし、以下その理由を申し述べたいと思うのであります。
 ただいま、提案者の安井議員に対しまして、わが党の占部議員と前川議員から、なぜ中間報告を求めねばならないのか、この点について、具体的にして、きわめて要を得た質問があったわけであります。聞けば聞くほど、中間報告を求める必要はない、このように私は判断をせざるを得なくなったのであります。
 いま、国民の生活は、四十二年度の予算の性格からも明らかなように、大資本奉仕のインフレ予算によって、生活はますます苦しくなっておるのが現状であります。
 四十二年度政府予算は、御存じのとおり、一般会計で四兆九千五百九億円で、対前年比一四・八%の増であります。財政投融資計画におきましては二兆三千八百八十四億円で、対前年比一七・八%の増となっております。また、地方財政計画は四兆七千七百十四億円で、対前年比一五・四%の増となっており、このほか四十六の特別会計や国鉄、電電、専売の三公社など政府機関の予算を総計いたしますると、実に財政全体の規模は約十五兆円にのぼるのであります。さらにまた、国民総生産の見通しは、四十兆九千五百億円の三五%に及ぶ巨大なものであるわけであります。このような大型予算は、明らかに、佐藤内閣が言うように景気中立予算ではなくて、景気刺激のインフレ予算であることは間違いありません。公債発行は二年目を迎え、八千億と、昨年の七千三百億を七百億円も上回る巨額なものを計上いたしておるのであります。一度アヘンの味を知ればやめられぬように、国債は急速に累積するでありましょう。政府債や金融債とともに、日銀の買い上げや貸し出し担保の対象となり、財政インフレヘの道を大きく開くことは必定であります。佐藤内閣は総選挙後公約を踏みにじり、消費者米価の値上げをはじめ、酒、牛乳の値上げを黙認いたしておるのであります。政府が発表いたしました物価上昇見通しは四・五%といわれておりまするが、この維持は不可能でありましょう。また、四十二年度の所得減税額は一千五十億であり、八百億円近い税の増収見込みに対してはあまりにも貧弱と言わなければなりません。しかし、一面、大衆減税に熱意を持たない政府は、資本家に対しましては利子、配当所得の優遇について特別の配慮をいたし、徹底した資本奉仕の政策をとっているのであります。こういった大企業本位の経済成長の陰で、産業間の地域格差は広がり、物価の値上がり、公害と事故をふやし、住宅、交通、教育、医療などに国民生活の緊張と苦痛が激しくのしかかってきているのが、これが現下の国民生活の実態であろうと思うのであります。自民党佐藤内閣の政治は、このように人間性を破壊し、生活を極度に圧迫しているのであります。そうして、これらの原因は、アメリカに従属し、第三次防衛力整備計画に示されておりますように、軍備増強と軍国主義復活を目ざしていることは明らかなところであります。
 このような状況のもとで、今回、政府管掌健康保険が改悪されようといたしているところに、私たちはきわめて警戒いたすのであります。社会保障、そして労働――経済成長の高さに引きかえ、国民の所得水準は世界でもベネズエラに次いで二十一位であります。社会保障水準は、諸外国に比較いたしましてきわめて低いのであります。社会保障は政府の長期計画の大きな柱であるのにもかかわらず、その位置づけがないことは、全く政府の怠慢と社会保障政策の貧困さを物語っているものと思うのであります。このような背景のもとで行なわれます今回の法律改正は、これまた、きわめて重要と言わなければなりません。皆さんすでに御承知のとおりでありますが、佐藤内閣は、みずからの無策によって生じた政府管掌健康保険の赤字を、労働者に一方的な負担増を課することによって解消いたそうとしているのであります。すなわち、保険料率を千分の六十五から千分の七十へ、労働者負担は約百十六億円であります。一部負担金の引き上げで初診料は百円を二百円へ、入院時三十円を六十円など、二倍に引き上げ、かつ、薬剤一部負担新設、外来診療一日一剤につき十五円を負担せしめ、その負担割合は、労働者が六、事業主三、国庫負担はわずかに一であります。政府原案による負担増は、すべて政府健康保険に加入する一千二百十万人の労働者の一方的な負担増となるわけであります。かてて加えて、一千二百十万人労働者のうち、標準報酬月額三万円以下という低賃金労働者は六一・二%を占めている現状からすれば、明らかに過重であり、全く冷酷な措置と言わざるを得ません。
 本来、医療保障は、自助、相互扶助の保険主義を排除し、社会保障は国民の権利であるとの立場に立ち、すべての国民に、ひとしくよい医療を無料で保障する、いわゆる保障主義を志向するものでなければならないのであります。それにもかかわらず、健康保険の問題を、もっぱら保険財政の収支の面からのみ論ずる佐藤内閣の態度は、明らかに誤りであり、健康保険制度及び医療制度にある諸矛盾を解決しようとせず、赤字の責任を労働者及び零細開業医に転嫁するのは、本末転倒もはなはだしいと言わざるを得ません。ことに、一部負担金の引き上げ、薬剤費一部負担の新設は、患者の受療を抑制し、早期発見、早期治療の原則に著しく反するばかりでなく、特に、薬剤費一部負担制は、制度の基本にかかわる重要な問題であり、軽々に取り上げるべき問題ではないと思うのであります。
 以上申し上げましたように、この臨時特例法案なるものは、暫定対策に名をかりて、四十三年度に予想されます自民党と佐藤内閣の健康保険制度抜本改悪に通ずる第一歩であることは、いまや明白なところであり、断じて容認することはできません。わが党は、これら基本的立場に立って、社会労働委員会における法律審議は、国会に提出されました順序に従って行なうべきでありますが、佐藤内閣は、無謀にも、「本会議において説明したとおり」という、前代未聞の手段によって強行してきたわけであります。このような自民党と佐藤内閣の暴挙に対して、全委員会における審議をストップして対抗したところであります。
 さらに、健康保険臨時特例法案の審議にあたりましては、十二名の全委員が質問に立つことをきめるとともに、保険財政赤字の積算基礎が全くでたらめである事実を明らかにし、しばしば政府は、その答弁不能におちいったのであります。このことは、国民大衆に対する欺瞞行為であると思うのであります。保険医療費の四〇%を占むる薬剤費については、薬価調査にあたって、某製薬会社が卸業者に対しまして、四割ないし五割も高く報告するように圧力をかけた事実のあることが明らかとなりました。この一事を見ましても、薬価を適正に押えれば、健保の赤字などはたちどころに解消することができるのであります。かりに百歩下がって、そのことを認めたとしても、四十二年度の税の自然増収は、政府発表の数字でありまする七千三百億をはるかにこえて、おおむね一兆円をこえるのではないかというのが、私たちの計算であり、こういうことになりまするならば、政府管掌保険の赤字が五百六十三億円と言われておりますが、この赤字は優にこれらの自然増収によって解消できるのではないかと、私たちは断言せざるを得ないのであります。また、政府管掌健康保険運営のずさんさにつきましては、当該労働者をはじめ国民大衆から多くの憤激を買っているところであります。このようなわが党のきびしい追及の前に、佐藤内閣は慎重審議の原則、議会制民主主義を踏みにじって強行採決に持ち込もうといたしたのでありますが、社会党を中心とする野党各派の攻勢により、佐藤内閣は窮地に立たされたのであります。また、再三にわたって開かれました四党国対委員長会談も決裂を重ねましたが、卑劣にも佐藤内閣は、人道上からも一日も早く制定を急がなければならないCO中毒法案を健保臨時特例法案にからませようとしてきたのであります。かかる行為は、人道上許すべからざるものであり、公党にもあるまじき、佐藤内閣の正体を暴露したと言わなければなりません。特別国会で廃案に追い込まれながら、佐藤内閣は、みずからの権力を乱用して、引き続きいま、臨時国会を召集し、健保臨時特例法案を、ぜがひでも成立させようとするその反動性については、断固追及をしなければならないところであります。このように、国民の健康と生命にかかわる重要問題であればこそ、この本院において政府が提案をいたした際、所管大臣の坊厚生大臣は、提案理由の説明にも慎重審議ということを言っているのであります。こういう重要法案を、なぜ緊急に本会議に中間報告を求めなければならないのか、私は非常な疑問を覚えるのであります。
 そこで、安井議員から占部議員と前川議員の質問に対しまして答弁をされておりましたが、中間報告を求めることのできる国会法五十六条の三の規定、この中の必要性といわゆる緊急性、この問題について答弁をされておりましたが、私どもには一向に、その具体的にして正当な理由がわからないのであります。「特に必要」とは、政治的に判断したという安井議員の答弁でありますが、私は、これほど主観的で歪曲拡大した一方的な考え方はないと思うのであります。全く詭弁であり、独静的だと言わなければならない。筋は通らないが、自分の思うことは暴力的に、無理やり数にものを言わせて、力づくでねじ伏せようとする政治的な判断であったことが明瞭であると思うのであります。しかも、緊急性という問題からいたしましても、私にはよく理解ができないのであります。国会の会期は八月十八日まであるわけであります。民主憲法下におきましては、わが同僚議員が指摘をいたしましたように、委員会制度をとっていることは御承知のとおりであります。したがって、国会の審議の中心は委員会にあることは言うまでもないところであります。その委員会中心主義をボイコットする、しかも絶対多数、あなた方は与党であります。その政府が出している法律案をボイコットする、そうして委員会では、議長は審査をしたと言っておりますが、十分な論議まで行なわれたとは言えないのであります。これは明らかに委員会制度を破壊に追いやり、ひいては議会制民主主義を根本的に破壊する自民党の皆さんの暴挙と言わなければならないと思うのであります。こういう観点から考えましても、この中間報告に対する皆さん方の態度には、私どもは、どうしても理解することができないのであります。しかも先ほど来、多くの同僚議員から、本議場を通じて訴えられておりますが、衆参両院を通じての本法案の審議を顧るとき、まことに寒心にたえないのであります。
 前述いたしました特別国会での悪事に加え、さらに木臨時国会におきまして、衆議院におきましても十分な審議が行なわれないままに、当初、社労委理事会において十二名の質問者をきめ、わが党の佐藤觀次郎議員が質問を始め、わずか一時間足らずで、自民党議員の質疑打ち切り動議を採決し、起立多数でこれを可決し、委員長が散会を宣言したとしておるのであります。この間わずかに三秒というに至っては、物理の能力をこえた、鬼神の悪行とも言うべく、国会の運営の手続を無視し、多数の暴力によって国会の正常化をじゅうりんしたものと言わざるを得ないのであります。
 このことが、国会運営を不正常に導いた一切の根源であっただけに、かかる経過をそのまま認め、これらの法案を参議院に送付したことに対して、まず私は、強く反対せざるを得ないし、かてて加えて、参議院においても、あと三日も審議期間があるにもかかわらず、暴力的に力づくで、国会法と参議院規制を無視し、中間報告を強要した自民党と佐藤内閣の不当な態度は、断じて認めることができません。いま、国民大衆は、この政府提案の悪法の行くえを、大きな関心を持って見守っているのであります。主人公であります加盟関係者の労働者をはじめ、国民の大多数があげて反対する、この心情と切実な願いを、いまこそ、国会は冷静になり、すなおにくみ取り、その期待に沿うのが、国会の任務であると思うのであります。また、事態を一そう混乱に導き、悪化させようとする自民党と佐藤内閣の態度は、まさに、国会の正常化をみずからじゅうりんし、民主主義の危機を招来するものと断ぜざるを得ません。
 私は、以上のような理由から、この中間報告を求める動議を直ちに撤回されるよう、強く要求をいたしまして、私の反対討論を終わります。(拍手)
     ―――――・―――――
#11
○副議長(河野謙三君) 沢田一精君外一名から、成規の賛成者を得て、
 討論終局の動議が提出されました。
 これより、本動議の採決をいたします。
 表決は記名投票をもって行ないます。本動議に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行ないます。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#12
○副議長(河野謙三君) すみやかに御投票願います。――すみやかに御投票願います。――まだ投票なさらない諸君は、すみやかに御投票願います。――すみやかに御投票願います。――まだ投票をなさらない諸君は、すみやかに御投票願います。――すみやかに御投票願います。――すみやかに御投票願います。――すみやかに御投票願います。――すみやかに御投票願います。――投票漏れはございませんか。――投票漏れないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#13
○副議長(河野謙三君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#14
○副議長(河野謙三君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百十五票
  白色票          百二十一票
  青色票           九十四票
 よって、討論は終局することに決しました。
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名      百二十一名
      林   塩君    横井 太郎君
      植木 光教君    山崎  斉君
      二木 謙吾君    前田佳都男君
      白井  勇君    伊藤 五郎君
      林田 正治君    大谷 贇雄君
      横山 フク君    寺尾  豊君
      笹森 順造君    植竹 春彦君
      新谷寅三郎君    鬼丸 勝之君
      山本茂一郎君    中津井 真君
      林田悠紀夫君    佐藤 一郎君
      山内 一郎君    柳田桃太郎君
      宮崎 正雄君    船田  譲君
      平泉  渉君    八田 一朗君
      和田 鶴一君    木村 睦男君
      高橋文五郎君    内田 芳郎君
      大森 久司君    園田 清充君
      野知 浩之君    源田  実君
      熊谷太三郎君    温水 三郎君
      川野 三暁君    長谷川 仁君
      沢田 一精君    吉江 勝保君
      石井  桂君    豊田 雅孝君
      稲浦 鹿藏君    江藤  智君
      大竹平八郎君    大谷藤之助君
      徳永 正利君    青柳 秀夫君
      佐藤 芳男君    平島 敏夫君
      山下 春江君    山本 利壽君
      堀本 宜実君    塩見 俊二君
      鍋島 直紹君    近藤 鶴代君
      石原幹市郎君    上原 正吉君
      古池 信三君    郡  祐一君
      斎藤  昇君    米田 正文君
      栗原 祐幸君    久保 勘一君
      北畠 教真君    西村 尚治君
      中村喜四郎君    内藤誉三郎君
      任田 新治君    土屋 義彦君
      高橋雄之助君    玉置 和郎君
      藤田 正明君    岡本  悟君
      奥村 悦造君    楠  正俊君
      黒木 利克君    金丸 冨夫君
      日高 広為君    丸茂 重貞君
      山本  杉君    谷村 貞治君
      木島 義夫君    谷口 慶吉君
      柴田  栄君    後藤 義隆君
      竹中 恒夫君    天坊 裕彦君
      中野 文門君    西田 信一君
      迫水 久常君    田中 茂穂君
      梶原 茂嘉君    八木 一郎君
      森 八三一君    三木與吉郎君
      西郷吉之助君    木内 四郎君
      林屋亀次郎君    安井  謙君
      増原 恵吉君    平井 太郎君
      青木 一男君    小山邦太郎君
      重政 庸徳君    小林  章君
      近藤英一郎君    田村 賢作君
      鹿島 俊雄君    井川 伊平君
      赤間 文三君    津島 文治君
      青田源太郎君    紅露 みつ君
      小林 武治君    剱木 亨弘君
      松平 勇雄君    高橋  衛君
      吉武 恵市君    中山 福藏君
      小柳 牧衞君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名      九十四名
      鬼木 勝利君    原田  立君
      山高しげり君    黒柳  明君
      矢追 秀彦君    中沢伊登子君
      石本  茂君    市川 房枝君
      中尾 辰義君    片山 武夫君
      田代富士男君    二宮 文造君
      高山 恒雄君    多田 省吾君
      宮崎 正義君    小平 芳平君
      向井 長年君    渋谷 邦彦君
      山田 徹一君    辻  武寿君
      和泉  覚君    白木義一郎君
      鈴木 市藏君    達田 龍彦君
      前川  旦君    戸田 菊雄君
      竹田 現照君    相澤 重明君
      山崎  昇君    木村美智男君
      村田 秀三君    小野  明君
      田中寿美子君    矢山 有作君
      野々山一三君    松本 賢一君
      佐野 芳雄君    杉山善太郎君
      大森 創造君    大矢  正君
      森中 守義君    柴谷  要君
      小柳  勇君    中村 英男君
      伊藤 顕道君    加瀬  完君
      小酒井義男君    田中  一君
      光村 甚助君    久保  等君
      大和 与一君    岩間 正男君
      須藤 五郎君    春日 正一君
      森  勝治君    鈴木  力君
      中村 波男君    川村 清一君
      柳岡 秋夫君    瀬谷 英行君
      稲葉 誠一君    吉田忠三郎君
      渡辺 勘吉君    小林  武君
      鶴園 哲夫君    林  虎雄君
      中村 順造君    野上  元君
      武内 五郎君    松永 忠二君
      北村  暢君    鈴木  強君
      阿部 竹松君    藤田藤太郎君
      占部 秀男君    森 元治郎君
      鈴木  壽君    永岡 光治君
      秋山 長造君    岡  三郎君
      藤田  進君    成瀬 幡治君
      亀田 得治君    大倉 精一君
      近藤 信一君    椿  繁夫君
      横川 正市君    木村禧八郎君
      佐多 忠隆君    岡田 宗司君
      藤原 道子君    加藤シヅエ君
      松澤 兼人君    羽生 三七君
     ―――――・―――――
#15
○副議長(河野謙三君) 暫時休憩いたします。
   午前三時一分休憩
     ―――――・―――――
   午前七時八分開議
#16
○議長(重宗雄三君) 休憩前に引き続き、これより会議を開きます。
 これより、安井謙君外一名提出の中間報告を求めることの動議の採決をいたします。
 表決は記名投票をもって行ないます。本動議に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行ないます。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#17
○議長(重宗雄三君) すみやかに御投票願います。――すみやかに御投票願います。――すみやかに御投票願います。――ただいま行なわれております投票につきましては、自後五分間に制限いたします。時間がまいりますれば投票箱を閉鎖いたします。すみやかに御投票願います。――まだ投票をなさらない諸君は、すみやかに御投票願います。――時間がまいりますれば投票箱を閉鎖いたします。すみやかに御投票願います。
 制限時間に達しました。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#18
○議長(重宗雄三君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#19
○議長(重宗雄三君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百四票
  白色票           百十五票
  青色票           八十九票
 よって、社会労働委員会において審査中の健康保険法及び船員保険法の臨時特例に関する法律案について、すみやかに社会労働委員長の中間報告を求めることに決しました。
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名      百十五名
      林   塩君    横井 太郎君
      植木 光教君    山崎  斉君
      二木 謙吾君    前田佳都男君
      伊藤 五郎君    林田 正治君
      大谷 贇雄君    横山 フク君
      寺尾  豊君    笹森 順造君
      新谷寅三郎君    鬼丸 勝之君
      山本茂一郎君    中津井 真君
      林田悠紀夫君    佐藤 一郎君
      山内 一郎君    柳田桃太郎君
      宮崎 正雄君    船田  譲君
      平泉  渉君    八田 一朗君
      和田 鶴一君    木村 睦男君
      高橋文五郎君    内田 芳郎君
      大森 久司君    園田 清充君
      野知 浩之君    源田  実君
      熊谷太三郎君    川野 三暁君
      長谷川 仁君    沢田 一精君
      吉江 勝保君    石井  桂君
      豊田 雅孝君    稲浦 鹿藏君
      江藤  智君    大竹平八郎君
      大谷藤之助君    徳永 正利君
      青柳 秀夫君    佐藤 芳男君
      平島 敏夫君    山本 利壽君
      堀本 宜実君    塩見 俊二君
      鍋島 直紹君    石原幹市郎君
      上原 正吉君    古池 信三君
      郡  祐一君    斎藤  昇君
      米田 正文君    栗原 祐幸君
      久保 勘一君    北畠 教真君
      西村 尚治君    中村喜四郎君
      内藤誉三郎君    任田 新治君
      土屋 義彦君    高橋雄之助君
      玉置 和郎君    藤田 正明君
      岡本  悟君    奥村 悦造君
      楠  正俊君    黒木 利克君
      金丸 冨夫君    日高 広為君
      丸茂 重貞君    山本  杉君
      谷村 貞治君    木島 義夫君
      谷口 慶吉君    柴田  栄君
      後藤 義隆君    竹中 恒夫君
      天坊 裕彦君    中野 文門君
      西田 信一君    迫水 久常君
      田中 茂穂君    梶原 茂嘉君
      八木 一郎君    森 八三一君
      三木與吉郎君    西郷吉之助君
      木内 四郎君    林屋亀次郎君
      安井  謙君    増原 恵吉君
      青木 一男君    小山邦太郎君
      重政 庸徳君    小林  章君
      近藤英一郎君    田村 賢作君
      鹿島 俊雄君    井川 伊平君
      赤間 文三君    森部 隆輔君
      青田源太郎君    紅露 みつ君
      小林 武治君    剱木 亨弘君
      松平 勇雄君    高橋  衛君
      吉武 恵市君    中山 福藏君
      小柳 牧衞君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名     八十九名
      鬼木 勝利君    原田  立君
      山高しげり君    黒柳  明君
      矢追 秀彦君    中沢伊登子君
      石本  茂君    市川 房枝君
      中尾 辰義君    田代富士男君
      二宮 文造君    高山 恒雄君
      多田 省吾君    宮崎 正義君
      小平 芳平君    向井 長年君
      渋谷 邦彦君    山田 徹一君
      白木義一郎君    鈴木 市藏君
      達田 龍彦君    前川  旦君
      戸田 菊雄君    竹田 現照君
      相澤 重明君    山崎  昇君
      木村美智男君    村田 秀三君
      小野  明君    田中寿美子君
      矢山 有作君    野々山一三君
      松本 賢一君    杉山善太郎君
      大森 創造君    大矢  正君
      森中 守義君    柴谷  要君
      小柳  勇君    中村 英男君
      伊藤 顕道君    加瀬  完君
      小酒井義男君    田中  一君
      光村 甚助君    久保  等君
      大和 与一君    岩間 正男君
      須藤 五郎君    春日 正一君
      森  勝治君    鈴木  力君
      中村 波男君    川村 清一君
      柳岡 秋夫君    瀬谷 英行君
      稲葉 誠一君    吉田忠三郎君
      渡辺 勘吉君    小林  武君
      鶴園 哲夫君    中村 順造君
      野上  元君    武内 五郎君
      山本伊三郎君    松永 忠二君
      北村  暢君    鈴木  強君
      阿部 竹松君    藤田藤太郎君
      占部 秀男君    森 元治郎君
      鈴木  壽君    永岡 光治君
      秋山 長造君    岡  三郎君
      藤田  進君    成瀬 幡治君
      亀田 得治君    大倉 精一君
      近藤 信一君    椿  繁夫君
      横川 正市君    木村禧八郎君
      岡田 宗司君    藤原 道子君
      加藤シヅエ君    松澤 兼人君
      羽生 三七君
     ―――――・―――――
#20
○議長(重宗雄三君) 午前九時三十分まで休憩いたします。
   午前八時二十分休憩
     ―――――・―――――
   午前九時三十八分開議
#21
○議長(重宗雄三君) 休憩前に引き続き、これより会議を開きます。
 これより健康保険法及び船員保険法の臨時特例に関する法律案について、社会労働委員長の中間報告を求めます。社会労働委員長山本伊三郎君。
   〔山本伊三郎君登壇、拍手〕
#22
○山本伊三郎君 私はまことに残念でありますけれども、これから中間報告をやりたいと存じます。
 院の常任委員長として報告いたしますので、主観をまじえず、委員会の事実を皆ざま方に御報告をしたいと存じます。
 なお、社労委員会における各質疑者の委員にお断わりしたいのでございまするが、昨晩、質疑者の質疑の内容を検討いたしましたが、これはすべてが実は核心に触れた質疑であります。したがって、これをなるたけ多く含めようといたしましたけれども、これを全部収録いたしますと、約七時間ほどかかる予定でございました。それを一時間程度に縮めましたので、皆さん方の発言の内容はやや不十分でありますけれども、その点御了承願いたいと思います。
 ただいま議題となりました健康保険法及び船員保険法の臨時特例に関する法律案について、国会法第五十六条の三の規定により、委員長の中間報告を求められましたので、本院の議決を尊重し、社会労働委員会における審査の経過を公正に報告することにいたします。
 社会労働委員会においては、本案の付託以来、参議院の良識にのっとり、円満に、慎重に審議を続けてきたのでありますが、このような結果になったことは委員長としてまことに遺憾と存じます。
 まず、法案の内容について申し上げます。政府が運営に当たっている健康保険、いわゆる政府管掌健康保険及び船員保険は、三十八年から収支の均衡がくずれ始め、四十一年度末にその累積赤字は九百七十八億円に達し、四十二年度以降なお赤字傾向を続ける状態となったのであります。政府管掌健康保険の被保険者数は、中小企業における労働者千二百十六万人であって、その家族を含めると二千四百五十七万人となり、また、船員保険の被保険者数は二十六万人、家族を含めて七十七万人、両方合わせると実に二千五百三十四万人がその制度に含まれておるのであります。これらの制度が運営の危機に直面することは、これら多数の働く者の健康保持の危機にもつながるといえるわけでありまして、早急に根本的検討に着手しなければならない事態となってまいったのであります。このような情勢のもとで、今回の法案は、本年度、すなわち四十二年度に生ずる見込み赤字単年度分を解消することを目途として、とりあえずの措置を講じようとするものであります。したがって、今回の措置は、「当分の間」の特別措置である旨を法案の中にも特に明記して提出されてまいったのであります。
 政府提出原案の内容とする特別措置は次のようなものであります。
 第一に、健康保険法第七十一条の四第一項に関連する保険料率の引き上げをはかることでありまして、政府管掌健康保険にあっては、現行の千分の六十五を七十二とすることによって〇・七%引き上げる、船員保険にあっては、疾病部門の疾病給付にかかる部分、すなわち健康保険に対応する部分の保険料率について、現行の千分の五十四を六十とすることによって〇・六%引き上げることであります。ただし、船員保険は、御承知のとおり健康保険のほか厚生年金、労災保険、失業保険のすべてを包括している総合的な制度でありますので、今回の保険料率の改定において、同時に労災保険にかかる部分につき〇・二%の引き下げをあわせて行なったのでありますから、全体の料率計算においては差し引き〇・四%の引き上げとなってくるのであります。この措置によって、健康保険については満年度三百二十五億円、船員保険については七億五千万円の財政効果を期そうとしたのであります。
 第二は、健康保険法第四十三条の八の第一項並びに船員保険法の第五条一項及び二項に関連する被保険者の一部負担に関する措置でありまして、三つの事項を含んでいるのであります。すなわち、一つは、初診時における一部負担金について、現行の定額百円を、倍額の二百円とすることであります。二つは、入院時において、最初の一カ月間支払うことになっている一部負担金について、日額三十円を、倍額の六十円とすることであります。三は、外来において投薬を受ける場合に、被保険者本人に限って、薬代の一部を負担する制度を創設することであります。すなわち、一剤の薬価が十五円をこえる場合には、定額十五円を支払うこととされるのであります。ただし、療養の継続給付を受けている者に対しては、これらの者がすでに雇用関係から離脱している事情を考慮して、薬代負担の通用を免除することとなっております。入院時の一部負担も、従前どおり、一日三十円とする減免措置が講じられているのであります。右の一部負担に関する措置は、船員保険にあっても、これに準ずることとされておりますが、船員の業務外傷病に要する費用は、もともと、三カ月間は船舶所有者の負担とされていますので、入院時の負担の改定は、船員保険においては、被保険者に関係がないということになっているのであります。この一部負担金に関する一連の措置によって、政府管掌健康保険にあっては百七十億円、船員保険にあっては一億二千万円の財政効果を期そうとしたのであります。なお、以上の特別措置のうち、保険料率に関する部分は、政府管掌健康保険と船員保険に対してだけの特別措置にとどまりますが、一部負担に関する措置については、健康保険法の適用を受けている、いわゆる組合管掌の健康保険制度にも、また、健康保険法の例によることになっている各種共済組合制度にも、一様に及ぼされるものであります。
 このような政府提出案に対して、衆議院において、次のような修正が行なわれたのであります。
 第一に、保険料率の引き上げ幅について、政府管掌健康保険、船員保険、ともにそれぞれ、〇・二%を縮小することとなりました。その結果、政府管掌健康保険の保険料率は、政府原案の千分の七十二から千分の七十となって、原案が期待した財政効果からは、九十二億円が減少をすることとなったのであります。一方、船員保険にあっては、疾病部門の一般給付にかかる保険料率を、政府原案の千分の六十から千分の五十八に引き下げられ、これによって財政効果は、二億五千万円が減少することになったのであります。
 第二に、一部負担に関する措置のうち、薬代負担について、負担免除者の範囲を拡大することであります。すなわち、免除基準を被保険者の所得に置くこととし、ボーナスなどの臨時収入を除いた収入月額、いわゆる標準報酬月額が二万四千円以下の者には、薬代負担を免除することにしたのであります。この免除限度額は、扶養家族がある場合には、豪族一人につき六千円を二万四千円に加算した額にまで引き上げることとしているのであります。これによって、政府管掌健康保険被保険者については、約七割に相当する者が薬代負担を免除されるという説明がされております。この修正の結果、一部負担に関する措置に政府原案が期待した財政効果は、政府管掌健康保険にあっては九十億円が減ぜられ、船員保険にあっては五千五百万円が減じられる結果となったのであります。
 第三に、この特別措置が「当分の間」という不明確な期間のものとされていた点を改めて、この法案を二年限りの時限立法とすることにしたのであります。そこで、第一条の規定の中にあります「当分の間」という字句を削除して、附則の中に「この法律は、昭和四十四年八月三十一日限り、その効力を失う。」旨を規定したのであります。
 最後に、施行期日に関する修正がありまして、保険料引き上げにかかる部分は八月一日から、初診時、入院時の負担にかかる部分は九月一日から、薬剤負担にかかる部分は十月一日から施行することとされたのであります。
 以上の衆議院修正に伴う財政効果をまとめますと、政府原案が考えていた七百四十五億円の赤字対策には、満年度において百八十二億円の不足を生ずることとなり、特に四十二年度には、実施時期のズレによるものを加えて三百十九億円の赤字を繰り越していく案となっているのであります。
 以上が衆議院送付にかかる法律案の内容であります。
 次に、質疑の内容を説明いたします。
 本案の参議院における審議態度をどうするか決定するには、衆議院における特異な経過がきわめて重要な要素となりますので、まず簡単にそれを申し上げたいと存じます。
 御承知のとおり、本案は、五十五特別国会から実質上引き継がれたものでありますから、先国会からの経過を申し述べる必要があると思います。
 この法案が衆議院に提出せられたのは四月の二十六日でありました。続いて五月三十日衆議院本会議において趣旨説明がなされました。しかし、その後委員会に付託されてからは、この法案を優先して審議すべきだという主張をする与党と、すでに付託されていた他の法案から順次審議に移るべきだという野党各派との主張が対立して、五回の理事打ち合わせが決裂しておるのであります。そして約一カ月を経過したのであります。
 六月二十八日に至ってようやく質疑が開始され、二十八日、二十九日、越えて七月に入って五日、六日と質疑が継続されましたが、七月十二日に至り、社会党委員の質疑中、自民党議員から突如質疑打ち切りの動議が提出されたため、混乱のまま休憩、散会となり、二十一日の最終日に持ち越されて、ついに審議未了となったのであります。
 第五十六国会に移って、七月二十七日、前国会に提出された法案と同一法案が再び提出されたのであります。委員会においては、当初から正常な運営に入ることができず、八月一日に理事打合会の途中で突如委員会開会が宣せられて、混乱のうちに提案理由の説明がなされたのであります。翌八月二日、前日の混乱収拾を話し合った結果、慎重審議を行なうたてまえで十三人の野党委員の質問を認め、質疑中は円満に運営するという了解が成立したのであります。ところが、同日社会党委員の質疑に入って一時間後にまたまた質疑打ち切り動議が提出されたため、委員会は大混乱となったことは、御承知のとおりであります。
 その後八月四日から七日に至る衆議院の本会議の運営は、すでに御承知のところであります。
 参議院社会労働委員会は、前国会においては一回も審議を行なっていないのにかんがみ、また、衆議院における実質審議の足らざるところを十分補足する必要があることを特に考慮して、慎重審議を行なう必要を痛感しつつ、衆議院からの法案送付を待っていたのであります。
 衆議院の混乱が生じたその日に直ちに非公式の理事懇談会を開いて、与野党理事間の申し合わせとして、一、その運営は十分な審議を尽くす原則を確立すること、二、法案付託が予定される七日には定例日でなくとも審議に入ること、三、参議院社会労働委員会の伝統的な協調ムードをこわさないように心がけることを申し合わせたのであります。
 ところが、法案の送付がおくれたため、七日からの審議に入ることは物理上不可能となったのであります。そこで、再び理事懇談会を開き、質疑通告者が、社会党六名、公明党一名、民社一名、自民二名と、合わせて十名あること、混乱の原因をつくるような質疑打ち切りはしないよう心がけることを再確認したのであります。ところが、法案が本院に送付されると同時に会期延長の報道記事が流れ始めたことは御承知のとおりであります。そこで、八日午前十一時五十分理事会を開きましたところ、与党理事から、いまのところ会期延長は考えずに、会期十日までとして審議を尽くしてもらいたいという申し入れがあり、そのためには、与党野党含めて十人の質疑通告者があるから、一人二時間に制限してくれないかとの与党からの申し出でがありました。しかし、現実に会期延長のうわさが流れている情勢のもとでは、審議時間の割り振りをするには、延長しないという確約が必要であるということとなり、一応休憩して、午後一時三十五分、再度理事会を開きましたところ、会期延長はないものとの一応の了解のもとに、しかし、質疑時間制限はしないで審議を進めることとし、藤田藤太郎委員から質疑に入ることを決定したのであります。そして直ちに午後一時四十分、厚生大臣から提案理由の説明を、衆議院修正内容に関しては、自民党修正の部分については衆議院社会労働理事藏内修治君から、民社党修正の部分については和田耕作君から、それぞれ説明を聴取したのであります。引き続いて藤田藤太郎委員の質疑に入りました。五時五分休憩して理事会を開き、審議日程の打ち合わせに入りましたところ、与党理事から重ねて、会期延長は前提としなくてよい旨の発言があったのであります。そこで、九日は定例日ではないけれども定刻に開会すること、正常な運営のもとで慎重審議を行なうことを再度申し合わせて、藤田委員の質疑を続行することにしたのであります。
 ところが、九日に至り、衆議院において会期を十八日まで延長する議決がなされましたので、その後の審議日程をあらためて考慮せざるを得ない事態となったわけであります。理事打ち合わせの結果、十一日には審議行なうこと、土曜日曜を休みとし、十四日からは連日審議を続行するとと、また、十六日は参考人を呼んで意見を聞くことを申し合わせたのであります。この取りきめに沿って、十一日には柳岡秋夫委員が、続いて十四日には藤原道子委員がそれぞれ質疑を行ないました。ところが十四日に、藤原委員の質疑に関連して小柳委員が行なった質問に答えて、政府委員が政府管掌健康保険の四十一年度決算に関する説明を行なっている最中に、玉置和郎委員から議事進行について発言があったため委員会は混乱を来たし、午後四時十分から審議が中断されたのであります。その間各党の交渉がありまして、十五日未明に至りようやく正常運営の軌道が敷かれ、十五日には午前十一時四十分から再開いたしました。そして藤原委員に続いて小平委員、小柳委員が質疑に入り、片山委員もまた関連して質疑を行ない、午後七時過ぎまで審議を続けたのであります。
 十六日午前十時半から六人の参考人を招いて意見を聴取いたしました。続いて午後一時二十分から総理大臣の出席を求め、小柳、小平、片山の各委員がそれぞれ質疑を行なったのであります。総理大臣退席の後も、引き続き大蔵大臣及び厚生大臣に対する質疑を続行することとしたのであります。その間において、片山委員に続いて小柳委員に発言を許した際、突如船田委員から「委員長」と呼ぶ発言があったため委員会は再び混乱し、午後三時三分、休憩を宣せざるを得なくなったのであります。その後は委員会を開会するに至らず今日の事態に至ったことは、まことに残念と存ずる次第でございます。
 次に、委員会における審議の内容について報告いたします。
 まず最初に、藤田藤太郎君の質疑は、今回の特別措置法案作定の前提となっている政府の基本姿勢に関して、大別して五つの基本事項にわたって行なわれたのであります。
 まず、今回の特例措置法案が、赤字対策としての労使負担を優先させている考え方に関し、医療保障を含む社会保障制度に取り組む基本理念について次のような質問をしたのであります。「技術的に収支を合わせて給付を行なうことだけで社会保障が果たせるというものではない。大事なことは、制度の前提をなす基本理念である。社会保障制度を目ざすなら、所得の再配分という機能を強化していくことを、その目標とすべきではないか。保険方式に片寄り過ぎて赤字が生じたら、労使の負担でまず処理するのが当然であるという態度では、社会保障制度としての前進はあり得ないのじゃないか」とただしました。これに対して厚生大臣は、「労使の負担だけで処置していくつもりではない。国民経済力の充実に応じて、できるだけ国庫の補助もふやしていくつもりである。現在とられている保険方式においても、国民皆保険制度の趣旨からして、民間の保険における原則とは違った方法を十分に考慮していく。また、現在のような労使負担優先がよいか、あるいは国庫の負担を並行させるのがいいか、それは、基本問題として抜本対策で考えたい」との答弁がありました。また、経済企画庁長官からは、「社会保障の方法として、所得の再配分を通じて社会保障を進めることの重要性は認めるが、その方法として二つの道が考えられる。一つは、再配分率を引き上げていくやり方であり、他は、再配分のもとになる所得自体を増大させる政策をとることである。前者の方法として今後五カ年間に国民総所得の二%に当たる一兆円を社会保障に振り向ける計画である。しかし、まだ当面は、完全雇用を目ざした経済の成長をはかることによって、その財源をつちかうことがより大切であると考える」との答弁がありました。
 重ねて藤田委員は、その基本姿勢に対して、「生産を高めることは、国民生活を向上させるためでなくてはならないはずである。しかるに、生産の伸び率はここ十年間に四倍になるのに、賃金の伸び率は名目五〇%、実質で二五%にすぎないではないか。このため、社会保障制度審議会は、せめて日本の社会保障水準を、昭和三十六年当時のヨーロッパ諸国の水準に昭和四十五年には到達すべきことを勧告し、それには、四十二年度の社会保障関係予算を一兆円に乗せる必要がある旨を特に強調した。しかし、現実の四十二年度の予算にあらわれた数字は、その七割の七千二百億円にしか達していない。欧州では、すでに振りかえ所得の対国民所得比率は一五%ないし二〇%となっているのに、ようやく四十六年に二%を加えた七・五%で国民はしんぼうせよというのであるか。生産を伸ばすことが先だ先だと言っているうちに国民生活が取り残されていく姿は是正していかなければならない。本年度の税収入でさえ、予算編成当時に比べて多くの増収が見込まれているのだから、もっと国庫による保障方式を強めることが可能なのではないか」とただしました。これに対して宮澤長官は、「五年後の目標である七・五%は、フランスの二一%、西独の一六・六%、イタリアの一二%に比べて低い。しかし、その財源となる税収を増徴することは、高額所得層が厚い場合はともかく、その層の薄い現在の日本では、大衆の税負担を高くしなければならないことになる。もっと高い累進税率を課することができるようになったときに、ふやすことを考えたい」と答えたのであります。
 続いて藤田委員は、問題を政府管掌健康保険制度に限定して、国庫補助に関する政府の従前の約束について次のようにただしました。「三十二年に、政管健保が最初の赤字五十四億円を出したときに、その対策として被保険者に対して保険料率の引き上げ、一部負担を行なうことと見合って、国庫から三十億円を補助することにした。その際、政管健保は、組合健保と違って、中小企業を中心とする健康保険制度であるから、何とかして今後くずれることのないように守っていこうじゃないかということで、委員会において、大蔵大臣も厚生大臣も、三十億円の補助の継続を約束したのである。ところが一年たつと、これが十億に減じ、三年目からは五億に減じて三十九年に至っておる。そうしておいて、またまた赤字が出たから、一部負担の増額あるいは新設ということでつじつまを合わせるという問題の出し方は納得できない」と、その責任を追及したのであります。これに対して、熊崎政府委員から、「確かに三十二年に三十億の補助金導入をした際に、当時の池田大蔵大臣から、この三十億の国庫補助はずっと入れるという言明があった。しかし、その後政管健保の財政が立ち直ってきたこともあり、また、国の施策拡充との関連も生じて、翌年には十億に、三十五年からは五億に減じたが、ともかく国庫補助という精神だけは貫いてきた」旨の答弁がありましたが、藤田委員は、そのような事実の列記だけでは了承できないとして質疑を留保されたのであります。
 その問題については、関連質問で、他の委員からも、「三十二年の財政対策では、労、使、国の三者三泣き論で取り組んでおきながら、黒字が出たら、被保険者側の一部負担はそのままにしておいて、国だけがその国庫補助を引き込めてしまうという態度は納得できない」旨の指摘がなされました。
 さらに今回の特別措置の一つの柱となっている一部負担に関する政府の見解について、次のようにただしました。「三十二年に、初診時、入院時の一部負担を創設した際の議論として、病気になって保険給付を受けることは、健康な人に比べて得をしているのだから、受益者負担の原則が適用されてしかるべきだという見解があった。隣の人が病気をして給付を受けたから、その人が得をしたと思う人がどこにいるか。政府はいまもなおこのような考え方から、病気になった者に追い打ちをかけるような案をつくったのか」とただしました。これに対して厚生大臣及び熊崎政府委員から、「受益者負担論に立つのではないが、費用の公平かつ妥当な負担方法として考えたものである」と答弁し、なお、「欧州の先進社会保障制度にも一部負担制度があるのだから、一部負担を導入することが医療保障の後退になるとは考えない」との説明がありました。
 藤田委員は重ねて、「イギリスは八五%国庫が負担し、フランス、イタリアは二対一の割合で事業主が負担しているのだから、被保険者の保険料負担はきわめて低率である。また、日本と同様に労使折半をたてまえとする西独では、被保険者の一部負担は処方せん料だけであり、しかも、その額は、日本の金に換算して二十二円から五十六円までに限られている。このような前提条件を無視した比較論は納得できない」との論議が展開されたのであります。
 最後に、今回新設されることになる薬代負担の背景に触れ、政府委員から、「四十年度の総医療費は一兆千七百十六億円、うち薬剤費の占める割合は三八・二%であった。四十二年には総医療費が一兆四千億円に達する見通しであり、薬剤費の比重は四〇%に及ぶだろうこと、及びその増加原因は、新薬の開発のほかに診療報酬点数の仕組みにもあることが明らかにされ、また、医薬品の生産は、四十年度の総生産額四千五百七十六億円、そのうち五五%が医家向けとなっている」ことの説明がなされました。
 このような薬の使用状況及び生産状況を前提として、薬が使用段階に入ったら、保険のワクによる規制がなされているのに、製薬企業だけが自由経済体制の中に置かれているために、次のような矛盾が生じていることの指摘がなされました。すなわち、薬務行政においては、どの薬が最も有効であるかの選定と周知が全くなされていない、すべて自由企業の意思のままに同種同効の薬の使用が放任されていること、新薬の研究開発費に振り向けられる経費ならともかく、広告宣伝に使われる経費までを医療保険がかぶっていること、医療機関の購入価格を下回る価格で安売りが行なわれているというのに、保険における使用価格を定める薬価基準が医療機関の購入価格調査を基礎として高く定められていることの三点が強く指摘されたのであります。そして、もしこれら三点についての適正措置がとられて、その一割の節減がはかられるならば、年間五百六十億円の経費が、二割なら千百二十億円の経費が保険経済から浮いてくることになる。制度を直さない責任をたな上げにして、矛盾を含んでいる薬代を各人に負担させるというのは本末転倒しているのではないか、特に今回の薬代負担制度による財政効果は、満年度においても三十六億円、四十二年度は十五億円でしかないとすればなおさらのことであるとの質疑が行なわれました。これに対して坂元政府委員から、同種同効医薬品の整理、医家向けの販売姿勢の是正、広告の規制、技術開発の促進については、抜本対策とは別に行政指導をもって改善努力を進めるつもりであると答弁がありました。自由企業体制の製薬企業と医療保険の接点となっている薬価基準の適正化については、中医協において審議を進めつつある旨の答弁がなされたのであります。
 次に、藤田委員の質疑を終わって、柳岡秋夫委員が質疑に入りましたが、同君の質疑は、大別して四点にわたっております。
 まず、大蔵大臣の出席を求めて、医療保険制度に対する見解をただしましたところ、次のような見解が披瀝されました。「保険制度でやるということは、政府が関与しないでやっていくということであって、財政のいかんによって補助するかしないかを条件とする制度ではない。基本的には掛け金でまかなえるように所得水準を上げていくことが必要である。ただ過渡的な措置として、国庫が補助することはあっても、たてまえは、あくまでも保険原則であるべきである。今回の国庫補助は応急措置として行なったもので、基本原則とは別なものである。社会保障対策予算を拡充していくべきことは言うまでもないが、その配分には順序があるものと考える」との答弁があったために、前回における厚生大臣及び経済企画庁長官の答弁と食い違いがあるものとして、柳岡委員はあらためて質疑することを保留したのであります。この問題は、その後十五日に政府の統一見解として、大蔵大臣から次のような再答弁が行なわれたのであります。「先日は医療保険一般についての見解を述べたのであること、しかし、国民健康保険のように事業主負担のないものや、日雇い健康保険のように保険料負担のきわめて低いものについては、相応の国庫負担をすべきであり、また、政府管掌健康保険についても、その被保険者が中小企業従事者である実情を考慮して、その健全な運営をはかるために必要があるときには国庫からの補助を行なうことも考えるべきである」との補足答弁がなされたのであります。続いて 「二百二十五億円の国庫補助について、その積算基礎」についてただしましたところ、大蔵大臣から「一定の率あるいは基準がないので、四十一年度に百五十億円の補助をきめたときの割合を頭に入れ、その五割増しにして、赤字全体の三割という金額にした。しかし、これが今後の基準となるというものではない」との答弁がありました。
 柳岡委員は、さらに国庫補助の性格に関してただすため、健康保険法第七十条の三の規定、すなわち「国庫ハ……予算ノ範囲内ニ於テ政府ノ管掌スル健康保険事業ノ執行ニ要スル費用ノ一部ヲ補助ス」という規定が、特に政府管掌健康保険に対して設けられた趣旨を取り上げて、「この規定は、政府管掌健康保険だけを対象としたものである。組合管掌健保は対象からはずされているのに、現に赤字をかかえる組合管掌健保の一部に対して補助金が支出されている。このような現実から見て、この規定を単なる赤字対策としての補助規定と解するものではなく、もっと積極的な国庫によるささえを意味するものと解しなければ、わざわざ規定を設けられた趣旨が没却されるのではないか。したがって、今回の一部負担改定措置が期待している四十二年度に、わずか三十七億円ぐらいのものは、七十条の三の立法精神からいって、国庫で補助するのが当然でないか」とただしました。これに対して、「健康保険法第七十条の三の規定は、政府管掌健康保険に対する健全育成の意味を込めた補助規定である。したがって、赤字が出たら補助し、黒字になったら補助はしないというものではない。」旨の確認がありましたが、「その補助は、保険のたてまえをくずさない範囲で行なうものであるから、赤字を全部国庫が見るというわけにはいかない。しかし、今後国庫補助の性格をどのようにするかは、抜本対策の中で検討することにしたい」という答弁で、見解の合致を見るには至らなかったのであります。
 さらに柳岡委員は、「現在までの累積赤字の処理をどうするか」についてただしましたが、「抜本対策の中で検討する。」との答弁しか得られませんので、同委員は、その処理を被保険者の負担にしわ寄せすることのないよう、特に希望をせられたのであります。
 次に、「衆議院の修正によって生ずることになった百八十二億円の単年度赤字、及び四十二年度はさらに実施時期のズレに伴って別に二百十七億円もの穴ができることになった、今回の特例措置によって、なお政管健保財政の崩壊を救う自信があるか」とただしましたところ、「新たに借り入れ金によって措置せざるを得ない」旨の答弁がありました。
 次いで、今回の特例措置がとろうとしている料率の引き上げ、一部負担の改定は、抜本対策まで再び繰り返すことがない旨の確認がなされた上、「しからば四十三年度にも当然生ずることが予想される百八十二億円の赤字をどう措置するか」とただしましたのに答えて、「抜本対策を四十三年度にはスタートさせることによって、赤字を生じさせない努力をする」との答弁がありました。
 次いで柳岡委員は、「そもそも政管健保は、構造的な欠陥が原因で必然に赤字を生んでいるのであるから、具体的な抜本対策が示されないのでは、関係者の不安は解消せず、四十二年度からスタートするものであれば、審議会への諮問時期、答申時期の見通しを示してもらいたい」と詰め寄ったのであります。「抜本策には、制度に関する事項と診療報酬に関する事項とがある。そのうち診療報酬に関する事項は、中医協だけでやれるので、目下点数表の合理化について審議中であること、及び医業経営実態調査は、十一月を目途として検討中である」旨の答弁がありました。
 続いて藤原道子委員の質疑に入りました。
 まず、政府管掌健康保険に加入している中小企業労働者の恵まれざる労働環境、特に健康管理対策のおくれ、低収入から生ずる栄養摂取量の不足が疾病率を高めている実態を取り上げて、それが政管健保の財政を悪化させる大きな原因となっていること、これに対する対策を怠って、赤字補てんの責任を被保険者にしわ寄せすることの矛盾をただしたのであります。これに対して「労働基準法に依拠した安全衛生管理者の設置義務を拡大し、定期健康診断の励行と強化していく方針」が示されましたが、両者の関連に対する的確な答弁は得られなかったのであります。また、「政府管掌健康保険よりさらに給付も悪く、また財政ももっと悪化している日雇い健康保険を何ゆえ放置しておくのか」とただしましたのに対し、「保険料収入が給付額の二割にしか達していない。これを一挙に引き上げるわけにもいかないので、抜本対策の中での検討に見送ったのである。」との答弁があったのであります。
 藤原委員は、さらに問題を、今回新設されようとする薬代の一部負担制度に移して、中小企業労働者に高年齢層が多いことから、成人病等の長期にわたる薬剤投与を受ける人が多数あることを取り上げ、ただでさえ心理的苦痛を持っているのにその上に経済的苦痛を加えることとなる非情さを指摘したのであります。これに対して、「公立病院のデータに基づく外来薬剤の投与推計によれば、九〇%が二剤以下であり、かつ十五円以下の薬剤が多く配合されていることから、月四百五十円の負担で足りると考えている」との答弁があり、それが長期に及ぶ場合の救済については、回答が得られなかったのであります。
 次いで同委員は、「このような薬代負担という新しい制度は、政府管掌健康保険の赤字対策として生み出されたものであるのに、黒字運営を続けている組合管掌や共済組合にも及ぼされるというのはどういう意味なのか」とただしましたのに対し、厚生大臣からは、「組合管掌や共済組合の中にも財政が悪化しているものがあること、診療機関の窓口事務の煩瑣を避けることなどが一率に適用の理由である。」という答弁がありました。
 さらに、藤原委員は、現在でも医療機関の地域的偏在や医師、看護婦等の不足から受診機会の不均等が存在している。薬代負担の制度は、受診の抑制になるおそれがあるので、制度上の欠陥に基づく受診機会の不均等に、経済面から拍車を加えるものであること。薬代負担を免除されることとなる人たちが、低所得者である旨の証明書を提示しなければならないために、みじめな思いを抱くこと、また医療における差別が生じるおそれのあること、医療担当者の事務量を増加させることなどをあげて張い反対を表明されたのであります。
 次に、小平芳平委員の質疑に入りました。同委員はまず「今回の特例措置法案によって、被保険者、患者の負担は一五%から一七%に増加することになるが、政府は、負担限度というものについて科学的な目標を立てているのか。そういう科学的な基準なくして、わずか二%だけの増だけだという感覚でもって、病院へ行くにもバス代がなくて歩いている者がいるという病人に対するのはあまりにも酷ではないか。」と今回の措置をつくった基本態度についてただしました。これに対しては、「国民健康保険では六〇%以上の料率引き上げが行なわれている。その保険料率は、換算比較をすると千分の七十五になるものが多いのであるから、この程度は均衡を失するものではない」との答弁がありましたが、その科学的根拠に触れる説明はなされなかったのであります。
 続いて小平委員は、政府管掌の意味をただした上、その運営の責任を持つ政府の行政努力に及んで、次の諸点を取り上げたのであります。「一人当たりの医療給付費について、これを制度別に見ると、国民健康保険が最も低く、組合管掌健康保険がこれに次ぎ、政府管掌健康保険、日雇健康保険の順に高くなっている。また、都道府県別に見ると、平均二万六百二円に対して、高い府県は一・五倍にも達し、反面、低い府県はその八割にとどまっている。その原因を究明して対策をどのようにとっているのか」とただしましたところ、「的確に原因がつかめないが、出来高払いという診療報酬制度に根本的な原因があるように考えられるから、抜本対策において解決したい」旨の答弁がありました。
 次いで、「そのような出来高払い制のもとにおいても、不当な診療請求をチェックすることによって、相当の適正化ははかられるはずであるが、保険医に対する指導監査にどれだけの努力を払っているのか。正しい診療を行なっている医師がばかをみることがないようにするためにも、不正者に対しては、二年以内の保険医取り消しをするだけではなまぬるいのではないか」とただしましたのに対し、「監査より指導に重点を置いていくことにしている。なお、問題を起こした保険医に対して、医師免許の取し消しを行なうかどうかにまで進めるかは、抜本対策で検討する」旨の答弁がありました。
 同委員は、そのあと、内閣総理大臣に対して、次のことをただしました。「赤字は制度の欠陥から生じている。制度の改革を急ぐべきことについては、すでに四年前に審議会が勧告を出しているのに、今日まで着手し得なかったことの責任をどう感じているか。それなのに、今回の特例措置は、最も大きい部分の負担を患者に背負わせる案になっていることをどう思うか」とただしました。これに対し、総理大臣から、「今回は二年限りの応急措置であって、抜本対策は早急に取りかかるよう準備を進めている」との答弁がありました。さらに、「薬価基準の中にある購入価格との矛盾と医薬品の政府納入価格における不合理」についてただし、総理大臣から、「実態調査が実施できる条件が整ってきたので、急いで適正化する」旨の答弁があったのであります。
 小柳委員が次に質疑に入りましたが、同委員は、内閣総理大臣及び厚生大臣に対して、次の点を強く主張したのであります。「今回の特別措置は、もっぱら四十二年度の赤字見込みを解消するための応急措置としてつくられている。しからば、その赤字を埋める財源が他にあれば、その必要はなくなるわけである。いま最も論議の焦点となっている事項は、薬代の一部負担制度の新設であるが、その財政効果は、四十二年度にわずか十五億円、四十三年度には三十六億円、合わせて五十一億円である。ところが、四十一年度の収支決算を見ると、政府が見込んでいた赤字一千四十六億円は、決算では九百七十八億円となって、六十八億円も多い見込み違いが生じている。この六十八億円は、右の五十一億円を十分にカバーすることができる金額である。それならば、この薬代一部負担の新設は見合わせてもいいのではないか」とただしましたところ、「四十一年度の収支は過去の累積赤字にかかる事項であるから、将来の四十二年度赤字対策に振り向ける性格のものではない」との答弁でありました。同委員は、重ねて、「四十二年度の赤字見込みについても、決算が出るまで延期することにすべきではないか」とただしたのに対して、「薬代一部負担は財政効果を期することと、特例措置の中の柱として打ち立てることとの、二つの意味を持っているのであるから、延期することも考えられない」という答弁であったのであります。そこで、「柱として立てることは、抜本対策の中にもすべり込ませる意味か」とただしましたところ、「抜本対策の中でそのままこれを踏襲することはしない」との明言がなされたのであります。
 次に、片山武夫委員は、内閣総理大臣及び厚生大臣に対して、本案と抜本対策との関連はどうなるのか、保険原則と保障方式とをどう考えているのか、組合管掌健康保険の被保険者との間に存する相違をどう配慮しているのかの数点にわたったのでありますが、その答弁は他の委員に対するものとほとんど同様でありまして、省略をさせていただきます。
 なお、委員会は、本法案の重要性にかんがみ、参考人六人の出席をわずらわしてその意見を聞くことにいたしました。
 次に、参考人の意見及び委員との質疑の概略を申し述べたいと存じます。六人のうち、総評政治福祉局長の安恒良一参考人、法政大学講師の吉田秀夫参考人及び大阪府保険医協会副理事長の桑原康則参考人はそれぞれ反対の意見を述べられ、健康保険連合会常務理事の加藤俊三参考人、武蔵野赤十字病院長の神崎三益参考人及び日本石炭協会嘱託の松本栄一参考人はそれぞれ賛成の意見でありました。
 賛否の意見のうちおもなるものを申し上げますと、まず、安恒参考人は反対理由として次の諸点をあげられたのであります。政府管掌健康保険の赤字はすでに四年前に予見されたものであり、政府に対して改革措置が促されたにかかわらず、放置されたまま推移して、毎年毎年暫定赤字措置がなされることには被保険者が納得しないこと、過去十年間に疾病率が二倍に増加してきた原因が生活環境、労働環境の悪化に基づくものであるにもかかわらず、働らく者の負担によってその費用をまかなうことには反発を感じること、特に今回新設されようとする薬代の一部負担は、結核の場合には月千三十円の負担増となり、成人病の場合には五百五十円ないし千九百六十円の負担増となるだけでなく、事業主と被保険者間の費用負担割合について、実質的に被保険者のほうを重くする結果を来たすこと等の三点をあげられたのであります。そして抜本対策の中で、国、事業主、被保険者の負担比率をどうするかをきめた上で赤字対策は措置されるべきであるとの意見でありました。これに対し、黒木利克委員が、現在の日本のような出来高払い制のもとでは保障方式にはよれないと思うが、あくまですべての医療を無料で国費によってまかなうことを考えておられるのか。また、一部負担については、ソ連でも薬剤は全額患者負担であり、イギリスでも処方せんのほか、出来高払いの歯科治療については受診のつど一ポンドの負担があることをどう考えられるのかと質問したのに対して、一挙に保障方式に転換することは困難かもしれないが、一歩一歩その方向へ進むべきだと考えている。その立場からも患者負担に比重のかかる今回の案には反対である。また、一部負担の是非を論ずるのに、政治体制、経済体制の全く違うところを取り上げて問題を提起されるのでは議論のしょうがないという応答があったのであります。
 次に、吉田参考人は、医療費増加の原因の大半が政府の無計画な制度の取り組み方にあったことを指摘し、患者負担制度の非合理性を反対の理由とされたのであります。
 次に、桑原参考人は、反対の理由として、次の三点をあげられたのであります。一部負担の増加は、組合管掌健康保険では支払った費用の還元給付がなされるのに、政府管掌健康保険にはそのような付加給付がないから大企業と中小企業との間の格差が一そう開くことになること、したがって、今回の特例措置は低所得労働者にのみ負担がかけられる結果になることが第一点、薬代負担によって初診時に最低二百六十円が必要となり、また、慢性疾患の場合には、その負担が大きくなることから、受診率の低下を来たすおそれが、実例に徴して明らかに予想されることが第二点。医療機関の窓口における薬代徴収事務の繁雑さに基因して、負担免除者と医師との間に不信を起こすおそれがあるを第三点としてあげられたのであります。
 賛成の意見を開陳された三参考人の論拠は、次のようなものでありました。
 まず、加藤俊三参考人は、今回の案が、必ずしもよい案だと言えないが、赤字の累積を最低限に食いとめるためにはやむを得ないのではないかと前提して、薬代の一部負担制度は、受益に相当する負担という公平の見地から、また、薬剤費の増加抑制の見地からも必要であることを主張されたのであります。これに対して、柳岡委員が、「負担の公平ということが、薬代負担の根拠だというなら、抜本対策の中にまで入ってくるということになるのか」と質問したのに対し、「当然、抜本対策の中に入れるべきものと考える」と答えられ、政府の答弁と食い違った理解をしておられたのであります。
 次に神崎三益参考人は、医療保障制度には、一歩一歩徐々に改正を加えていくより方法はないと前提し、薬剤費が総医療費に占める割合が、六年間に二倍にもなるという日本の特異な現象は、手を加える必要がある。無料ということは、人のさもしさをそそることになるから、一部負担を取り入れる必要がある。しかし、負担免除者の区別をする事務の煩瑣と、負担増に伴う早期診療の抑制には特別の配慮を要する。国庫の支出は、医療費に対するより、先に病院等の施設費に回すべきである。冷房のない病室で、病人は、内からの熱と外からの熱とに悩まされている姿は問題である。根本的改革がやれない責任は、行政当局と立法府との両方にあるという、大局に立っての中間的賛成意見であったのであります。
 次に、松本栄一参考人は、今回の措置はやむを得ないとは考えるが、毎年毎年、当面の赤字を糊塗している政府の態度は承服できかねることを論じ、また、収入の増加ばかり考えるのは片手落ちであって、支出面にも手を入れて、医療費の伸びを正常な姿に直す努力が必要である旨を強調され、薬剤の使用量にリンクして、診療収入が増加することになっている診療報酬体系の合理化措置を並行すべきことを述べられたのであります。
 以上が社会労働委員会における本案審査の経過及びその内容の概略であります。
 さきに申し述べましたように、昨十六日、参考人の意見聴取後、内閣総理大臣の出席のもとに、総括的質問を行なって、その後の審議を続行しておりましたところ、午後三時ごろ、突如、船田譲委員から、「委員長」と呼ぶ発言があって、審議が中断したため、直ちに理事会を開いて、収拾策を打ち合わせたのでありますが、しかし、委員会を再開するに至らず、本日のこの事態となった次第であります。
 以上報告いたします。(拍手)
     ―――――・―――――
#23
○議長(重宗雄三君) ただいまの中間報告に対し、質疑の通告がございますが、沢田一精君外一名から、賛成者を得て、
 中間報告に対する質疑、その他の発言時間は一人十分に制限することの動議が提出されました。
 よって、この時間制限の動議について採決をいたします。
 表決は記名投票をもって行ないます。本動議に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行ないます。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#24
○議長(重宗雄三君) すみやかに御投票願います。――投票開始から相当時間が経過しております。すみやかに投票されませんと、議長は投票時間を制限せざるを得ません。投票をお急ぎください。――すみやかに御投票願います。――ただいま行なわれております投票につきましては、自後五分間に制限いたします。時間がまいりますれば投票箱を閉鎖いたします。すみやかに御投票願います。――まだ投票をなさらない諸君は、すみやかに御投票願います。――すみやかに御投票願います。――時間がまいりますれば投票箱を閉鎖いたします。すみやかに御投票願います。――すみやかに御投票願います。
 制限時間に達しました。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#25
○議長(重宗雄三君) これより開票いたします。
 投票を……させます。議場の開鎖を命じます。(発言する者多く、議場騒然)
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#26
○議長(重宗雄三君) 投票の結果を報告いたします。(議場騒然)
  投票総数          百……
  白色票          百二十二票
  青色票           五十七票
 よって、中間報告に対する質疑その他の発言時間は、一人十分に制限することに決しました。(拍手)
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名      百二十二名
      林   塩君    横井 太郎君
      植木 光教君    山崎  斉君
      二木 謙吾君    白井  勇君
      伊藤 五郎君    林田 正治君
      大谷 贇雄君    横山 フク君
      寺尾  豊君    笹森 順造君
      植竹 春彦君    新谷寅三郎君
      鬼丸 勝之君    山本茂一郎君
      中津井 真君    林田悠紀夫君
      佐藤 一郎君    山内 一郎君
      柳田桃太郎君    宮崎 正雄君
      船田  譲君    平泉  渉君
      八田 一朗君    和田 鶴一君
      木村 睦男君    高橋文五郎君
      内田 芳郎君    大森 久司君
      園田 清充君    野知 浩之君
      源田  実君    熊谷太三郎君
      温水 三郎君    川野 三暁君
      長谷川 仁君    沢田 一精君
      吉江 勝保君    石井  桂君
      豊田 雅孝君    稲浦 鹿藏君
      江藤  智君    大谷藤之助君
      徳永 正利君    青柳 秀夫君
      佐藤 芳男君    平島 敏夫君
      山下 春江君    山本 利壽君
      堀本 宜実君    塩見 俊二君
      鍋島 直紹君    上原 正吉君
      古池 信三君    郡  祐一君
      斎藤  昇君    河野 謙三君
      米田 正文君    小林 篤一君
      栗原 祐幸君    久保 勘一君
      北畠 教真君    西村 尚治君
      中村喜四郎君    内藤誉三郎君
      任田 新治君    土屋 義彦君
      高橋雄之助君    玉置 和郎君
      藤田 正明君    岡本  悟君
      奥村 悦造君    楠  正俊君
      黒木 利克君    金丸 冨夫君
      日高 広為君    丸茂 重貞君
      山本  杉君    谷村 貞治君
      木島 義夫君    谷口 慶吉君
      柴田  栄君    後藤 義隆君
      鈴木 万平君    竹中 恒夫君
      天坊 裕彦君    中野 文門君
      西田 信一君    迫水 久常君
      田中 茂穂君    梶原 茂嘉君
      八木 一郎君    森 八三一君
      三木與吉郎君    西郷吉之助君
      木内 四郎君    林屋亀次郎君
      安井  謙君    増原 恵吉君
      杉原 荒太君    青木 一男君
      小山邦太郎君    重政 庸徳君
      小林  章君    近藤英一郎君
      田村 賢作君    櫻井 志郎君
      鹿島 俊雄君    井川 伊平君
      赤間 文三君    森部 隆輔君
      津島 文治君    青田源太郎君
      紅露 みつ君    小林 武治君
      剱木 亨弘君    松平 勇雄君
      高橋  衛君    吉武 恵市君
      中山 福藏君    小柳 牧衞君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名     五十七名
      鬼木 勝利君    原田  立君
      山高しげり君    黒柳  明君
      矢追 秀彦君    中沢伊登子君
      市川 房枝君    中尾 辰義君
      片山 武夫君    田代富士男君
      二宮 文造君    北條 雋八君
      高山 恒雄君    多田 省吾君
      宮崎 正義君    向井 長年君
      鈴木 一弘君    山田 徹一君
      和泉  覚君    白木義一郎君
      相澤 重明君    田中寿美子君
      松本 賢一君    大矢  正君
      森中 守義君    伊藤 顕道君
      加瀬  完君    小酒井義男君
      光村 甚助君    久保  等君
      大和 与一君    岩間 正男君
      須藤 五郎君    森  勝治君
      柳岡 秋夫君    瀬谷 英行君
      小林  武君    林  虎雄君
      千葉千代世君    山本伊三郎君
      北村  暢君    鈴木  強君
      藤田藤太郎君    鈴木  壽君
      永岡 光治君    秋山 長造君
      岡  三郎君    藤田  進君
      亀田 得治君    椿  繁夫君
      横川 正市君    木村禧八郎君
      佐多 忠隆君    藤原 道子君
      加藤シヅエ君    松澤 兼人君
      羽生 三七君
     ―――――・―――――
#27
○議長(重宗雄三君) これより順次質疑を許します。……(議場騒然)……周辺の議員は各自の議席に……(議場騒然)これより順次質疑を許します。瀬谷英行君。
   〔瀬谷英行君登壇、拍手〕
#28
○瀬谷英行君 中間報告を山本委員長からお伺いをいたしましたが、本来ならば、約七時間を要するそうであります。七時間を要する中間報告を一時間に詰めるということ自体ずいぶん無理な話だと思うのでありますが、詰められた一時間に対して、質問をさらに十分に制限しろ、こういうようなことは、どう考えても無理難題というものであります。朝めし、昼めし、晩めしを一緒に食って、すみやかに消化すべしというのと同じようなことであります。このような無理難題がこの法案を暗礁に乗り上げている最大の原因であるということを、特に政府、与党の諸君は十分にお考えをいただきたいと思います。
 この法案の衆議院における審議がどんなものであったかということは、すでにお互いによくわかっているところでありますが、山本委員長の報告によっても、きわめて不十分かつ無責任である、このように断言せざるを得ないのであります。委員長は、私情をまじえず、きわめて客観的に報告をされたのでありますが、それでも、なおかつ衆議院の参議院に送付をされた経緯などというものは、およそ立法府として理解しがたいことばかりであります。となりますと、当参議院は、衆議院で事実上審議されなかった埋め合わせをする義務があるのではないかというふうに考えられます。したがって、われわれ参議院としては、十分に衆議院における穴埋めを行ない、慎重な審議をこれからも行なう必要があると思います。しかるに、その一番の責任者である政府・与党である自民党の出席がかなり欠けておるということは、この審議に対する熱意のほどを疑わざるを得ません。腹が減るのはお互いに同じなのでありますから、審議が終わってから、休憩に入ってから抜けてもらいたいと思います。そのことを一言苦言を呈しておきたいと思います。
 参議院における審議は、ともかくも円満、慎重に続けられてきた、こういう報告でありますが、しかし、円満、慎重に続けられてまいりましたところの審議が、途中において一回挫折をした。その理由は、社会党の質問者の質問の最中に、その了解を得ることなく議事進行の動議を出した人がいる。その人の名前を言えば、本来ならば赤面をしなければならないはずでありますが、逆に、にこにこ笑って喜ぶのでありますから、私はその人の名前は言えないのでありますが、しかしながら、質問者の順序を変更する動議を他の党の者が出したという例がかつてあるかどうか。衆参両院はもとより、貴族院の昔にさかのぼっても、おそらくそういうことはないんではないかと思うのでありますが、このような例が許されるのかどうか。こういうような処置が円満、慎重な審議に対してどのような影響を与えたのか、その点をお伺いしたいと思います。
 また、政府・与党である自民党は、この法案の審議に対して、何を主張し、いかなる態度で臨んできたのでありましょうか。衆議院における修正提案の経緯は、きわめて奇々怪々、とうてい常識をもって考えられないところであります。その修正案なるものは、だれも知らない間に提案者によって読み上げられ、それが審議をされ、討論採決をされたような形でもってぬけぬけと参議院に送付をされている。こういうおかしなやり方で送付をされてきたものを、参議院がそのまま受け取るわけにはまいらないのではないかと思うのでありますが、衆議院送付の修正法案に対する態度として、参議院としていかにあるべきか、この点も委員長にお伺いをしたいと思うのであります。また、衆議院がそのとおりだったならば、参議院は一体どうであったか。特に政府・与党である自民党のこの法案に対する態度、審議の熱意、こういうものは、私どもとしてもきわめて重大な関心を払わざるを得ません。しかしながら、先ほどの中間報告によりますと、熱心な質疑を行なった人々は、いずれも野党の諸君であります。残念ながら与党の自民党の質問者の熱心な意見といったようなものは、聞き漏らしたかどうかわかりませんが、中間報告では聞くことができませんでした。また、私どもが見聞した範囲におきましても、社会労働委員会において、自民党の諸君が熱心に発言を求めて審議に加わったという光景を、だれも見ていなかったように聞いております。仕方なくなく議席にすわる、時間のくるのを待つばかりというような態度は、自民党の諸君になかったのかどうか。もしそういうことであれば、多数を擁する政府・与党の態度としては、きわめて遺憾であると言わざるを得ないのであります。責任ある政府・与党の態度がそういうことであって、この法案を成立をさせるという気があるのかどうかということも、その次にわれわれは疑ってみなければならないところであります。委員長にお伺いいたしますが、自民党の諸君からどのようにまじめな提案があり、発言があり、審議が行なわれたか、その点をお聞かせ願いたいと思うのであります。
 また、社会労働委員会の質疑において政府側の答弁というものをお聞きをいたしますと、いずれも抜本対策において解決を約束をする、こういうふうに要約をされるのであります。そういうことで具体的な答えを示していない場合が多いのでありますが、早急に抜本対策を講ずる意思があるというのならば、二年間の時限立法とすること、その場しのぎのおまじないにひとしい修正を行なうということに、一体いかなる意義があるのか、その点をさらに委員長にお伺いをしたいと思うのであります。
 公聴会は六人の参考人から意見を聴取をした、こういうことになっております。賛成、反対それぞれの意見を持つ参考人の見解でありますので、それを十分に聞いた上で、委員会におきましても、抜かりのない質疑を行ない、その公聴会の質疑に基づいて、さらに委員会を続行し、それに基づいて総理をはじめ各関係大臣に質問をするということが、せっかく公聴会を開いた趣旨を生かすゆえんではないかと思うのでありますが、そのようなことが十分に行ない得なかった理由は、一体那辺にあるか。われわれが聞く範囲におきましても、参考人もきわめて不本意な、制限された時間の中で、かいつまんだ意見の開陳しかできなかったというふうに聞いております。こういうようなことは、まことに残念だと思うのでありますが、公聴会のあり方としてこれでよろしいのかどうかということ、また、このような方法を行なったあとで、委員会が開かれましたけれども、その委員会におきましては、総理の出席を求めた。先ほど中間報告を求める動議を出した提案者の提案理由によりますと、公聴会を行なって、総理の出席を求めて質疑を行なったんだから、おおむね審議は尽くされたものだ、こういう意味の発言がございました。しかし、それは内容が大事であります。形だけは、なるほど総理も出席をしたということをわれわれは認めます。しかし、元来、この国会は、この法案を審議をするということを、主たる目的として召集をされた国会であるということは、総理自身が冒頭において明らかにしておるところであります。だとするならば、総理が予算委員会に出席をして審議を行なうと同じように、社会労働委員会に出席をして、少なくとも一日や二日は、熱心に審議に応ずるというのがあたりまえではないかと思うのであります。それを一時間か一時間半、このぐらいの時間では、飛行機に乗れば九州まで行ってしまう時間、そういうわずかな時間でお茶を濁して、そそくさと逃げていく、こういうことはまことに不可解であります。一体、このようなやり方が、審議を尽くしたということになるのかどうか。また、総理と一緒に大蔵大臣も出席をしておりました。十六日の社会労働委員会では、大蔵大臣にはついに発言の機会がないままに終わってしまったように記憶しております。せっかく大蔵大臣が出席をし、しかも、発言をしたくてうずうずしておったように見受けたのでありますが、それが何ら発言の機会なく終わってしまうということは、これまた、まことに委員会としては不本意ではないかというように考えるのであります。
 今回のこの法案は、その内容において、一体どのように国民にPRをされたでありましょうか。なるほど衆議院段階において、きわめてにぎやかにあの混乱した状態が、マスコミによって報道されました。しかしながら、何ゆえかくも混乱を招きながら国会において審議をしなければならなかったかというその原因、この法案の影響、その他の法案に対する影響なり、あるいはまた該当者に対する負担、こういうことについて具体的にはたして国民に同じような紙面をさき、スペースをさいて報道される努力が行なわれたというふうに認めてよいでありましょうか。もしも衆議院段階におけるこの法案の解明というものが不十分であったならば、それはやはり参議院段階において尽くさなければならないと思うのでありますが、社労委員長としては、今日に至るまでの段階において、はたしてこの法案の内容、その影響というものが十分国民にPRをされるように尽くされてきたというふうにお考えになるのかどうか、この点もお伺いをしたいと思うのであります。
 テレビ等におけるコマーシャルでは、しきりに薬の宣伝が行なわれます。しかしながら、いかにコマーシャルで宣伝をされましても、頭の痛くない者は頭痛薬を買う気にはなりません。胃腸のじょうぶな者が胃腸の薬を買う気にはならないのであります。受益者などということばを不用意に使ったようでありますけれども、病人が医師の診断を受け、あるいは薬を服用するということが、はたして受益者というふうなことばに該当するのかどうか、だれしも好んでじょうぶなからだで医師にかかる者はないでありましょう。酒のかわりに薬を飲む者もないでありましょう。だとすると、あくまでもこれは病人に対するあたたかい思いやりでもって医薬行政というものは行なわれるのが本来の姿ではないかと思うのであります。あたかも医者にかかったり、あるいは薬を飲んだりすることが道楽であるかのように、そういう考え方でもって接するということ自体が、根本的に誤っておるのではないかと思うのでありますが、その点の根本的な基本理念について、はたして審議の過程において与野党間において、あるいは政府の答弁において、どのような見解が披瀝をされたのか、その点についても委員長から十分にお伺いをしたいと思うのであります。
 また、八月の十六日になぜ委員会の審議を打ち切らなければならなかったか、こういう問題についても、私は疑惑を持たざるを得ないのであります。会期は十日の会期が十八日に延長されました。その十八日に延長されたということも、何も十八日でなければならないという差し迫った事情でもって延長されたとは思われません。なぜならば政府の考え方は、十日間延長する腹であったのであります。それを八日間に縮めたのでありますから、政府の考え方は、会期の延長の日数等についてもゴムひものように伸縮自在なのであります。それを考えるならば、十六日の段階においてどうしても切り上げなければならないという理由は、参議院には何らないと思うのであります。お盆の十六日にどうしても切り上げなければならないのは坊さんの檀家参りだけでありまして、参議院が審議をおろそかにしてまで十六日に切り上げるということは、これまた……
#29
○議長(重宗雄三君) 時間を超過いたしております。
#30
○瀬谷英行君(続) 国民の納得するところではないでありましょう。
 そこで、中間報告について委員長に、この扱い方について、大事なことでございますので、お伺いしたいと思うのであります。
#31
○議長(重宗雄三君) 時間がまいりました。
#32
○瀬谷英行君(続) 中間報告というのは、間の報告なんだ。まん中の報告です。中間と言う以上は、前があってあとがあるから中間なんだ。従来のように、この中間報告をもって最後的に審議を切り上げるというような方針をとるということは、国会法五十六条の三にありますところの緊急性ということになってくるのでありますけれども、先ほど私が申し上げたように、その緊急性というものは、参議院段階において何らわれわれは認められないのでありますから、一体、この処置はどのようにしたいというふうにお考えになっておるのか。委員会に戻して、そうして審議を続けてこそ、中間報告になるのであります。それをやらなかったら、中間報告でなくて、最終報告になってしまう。ここでもって最終報告にして、本会議でもってきめてしまおうというようなやり方は、拙速主義であると同時に、国民の気持ちというものを頭から無視した横暴なやり方になると思うのでありますけれども、一体、委員長としては、この中間報告の最後の扱い方はどうしたらよろしいとお考えになるのか、どうすべきであるというようにお考えになっておるのか。
#33
○議長(重宗雄三君) 時間がきました。
#34
○瀬谷英行君(続) その点を最後にお伺いをしたいと思うのであります。
 なお、内容的に質問をすることはまだありますけれども、まず、内容的な問題については、山崎君に譲りまして、こういう外側の問題について、委員長から納得のいくような御答弁を求めまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔山本伊三郎君登壇〕
#35
○山本伊三郎君 瀬谷さんにお答えいたします。
 第一点の御質問は、参議院の審議の過程で質問者の変更動議が出された。私も、いまだ経験をいたしておりません。しかし、法律上、そういう動議を出しても違法だとは思われないと思いますが、しかし、こういう動議を出さなければならない事情であったかということは、私は問題があると思います。と申しますのは、御存じのように、衆議院では相当いろいろと問題はありましたけれども、わが参議院の社労委員会では、きわめて順調に慎重審議をやってきたのであります。これは長年の社労の協調ムードだと聞かされましたが、それはなるほど、私も社労委員長になりまして、まだ二月そこそこでありますが、与野党の方々は非常に仲よくやっておられました。それだのに、この問題についてこのような事態の起こったということは、私は委員長として、きわめて遺憾だと思っております。
 それから第二点の、いわゆる衆議院における与党の修正の問題であります。衆議院において与党が修正をされたようでありますが、あの修正は、私は健康保険法の制度を全く知らないしろうとの修正だと思っております。何らかの圧力があったのかどうか知りませんけれども、やるなら、もっとはっきりしたやり方があると思うんです。特に薬代一部負担のあの修正のごときは、私はほんとうに理解に苦しみます。いわゆる世間体においては、低所得者に対する免除ということによって、何か社会保障制度の原則に沿ったような姿をしておりますけれども、実際は、これはしろうとのやったことでありまして、今後これが大きく健康保険法運営に問題を残したと思っております。したがって、この問題につきましては、特に衆議院では審議が十分されておりませんので、この問題に集中されて論議をされたことは、先ほどの経過――中間報告においてもおわかりになったと存じます。
 それから第三は、与党質問についての実情でありますが、これは私、内閣委員会にもおりましたし、大蔵にもちょっとやっかいになりましたが、与党の方々は、本人は非常に質問をしたい気持ちを持っておられると思うんですが、しかし、実際は党の実情から、やることのできない事情のあることはきわめて私は同情しておるわけであります。社会労働委員会におきましても、御存じのように、先ほどの報告にありましたように、最初の理事打合会では与党からも二名の実は質問者の通告を受けたわけであります。私は委員会の運営については、与党であろうが野党であろうが、意見のある人は十分尽くしてもらいたいという気持ちで運営してまいりました。したがって、初め与党から二名の通告がありましたので、非常に期待をしておったのでありますけれども、おそらく通告をされた方は残念に思っておられると思うんです。社労委員会には、御存じのように、社会保障については、非常にベテランが与党にもそろっておられますから、おそらく意見が十分あったと思いますけれども、先ほど冒頭に申し上げましたように、法案の通過を急ぐということから、おそらく質問を断念されたのではないかと思っております。
 次に、第四の政府答弁の問題でありますが、先ほども実はちょっと触れましたけれども、実は今度のこの臨時暫定対策は、全く支離滅裂と申しますか、政府のあの趣旨説明を聞きますると、いわゆる赤字解消対策であるという打ち出しであります。関西のことばで言えば銭この問題であります。そのつじつまを合わすために、この臨時対策、特別措置を講ずるということでありましたが、その内容を見ますると、先ほど申しましたように、新たに抜本対策とも言うべき薬代一部負担の制度が創設されておるのであります。したがって、これを見ますると、われわれといたしましては、やはりこの分だけは抜本対策に回しておけば、もっと衆議院における審議もスムーズに進み、すでに先ほど申しましたように、あえて臨時国会を開くまでもなく、前の特別国会で私は成立をしておるでないかと思うのであります。この点は、審議に参画いたしました一員といたしまして、きわめて残念に思っております。
 次に、第五に、参考人の意見を聞いた上で、十分審査をしなければならぬじゃないか、これはお説のとおりであります。参考人を呼んで  参考人というのは、国民を代表しての本案に対するきわめて重要な意見の開陳であります。これを重要な参考意見として、審議をそれから進めるというのが――予算委員会における公述人においても同様でありますが、しかるに、参考人が意見の開陳をされて、わずか一時間か二時間の後に、あのような事態になったということは、委員長としては、まことに残念であります。できれば、もう一日、実は委員会で審議をさしていただければ、残った方々は二人あります。また、公明党の小平君においても、二時間余りに制限をされております。五時間あれば、公明党の意見も十分私は出し得たと思うのであります。また、民社においてもしかりであります。そういう意味から、私は、今日一日、本会議でこういう事態のもとでやっておるならば、その時間を、なぜ社会労働委員会に下さらなかったかと思うことを、非常に残念に思っております。
 第六に、総理の出席の問題でありますが、これは実は理事打合会で、わが社会党の理事の諸君から、少なくとも三時間以上は必要だということを言われておりましたが、総理の都合があるということで、実は一時間に話がなったのでありますが、もちろん、一時間より若干延びております。しかし、私は、やはり国会のルールを守るということが大事だということで、まだ質問者はずいぶん残っておりまして非常に不満な方々が多かったのでありますけれども、やはり理事打合会できまった時間は守るべきであるということで、退席を私は許可したわけであります。
 次に、大蔵大臣の問題でありますが、これは、実は先ほどの、打ち切りの動議のような発言があったために、大蔵大臣が実はおったのでありますけれども、大事な大蔵大臣に対する質問は、昨日一言も出なかったわけであります。したがって、今度の暫定特例措置にいたしましても、抜本対策にいたしましても、厚生省は、きわめて実は弱い立場におると思うのです。常に大蔵省にいじめられて、主張も通らない。それがあの混乱の一つの理由であったと思うのです。大蔵大臣と厚生大臣の意見が合わない、すべてそういう経費の問題で実は合っておりません。ただ、二人並べておいて答弁をすると、気がねをしながら、厚生大臣が答弁しておる姿は、きわめて気の毒な態度だと思っております。したがって、大蔵大臣に鋭く委員会で追及することが、日本の社会保障制度の前進というものにつながると、私は思っておるのであります。
 次に、第八でありますが、本案の内容について、国民に周知されたかどうか、これについては、私は全く自信がありません。実は健康保険の臨時特例法という、これは法律自体、先ほど申しましたのは、内容の問題でありますが、立法形式としては、きわめて私は卑劣だと思う。出すならば、やはり健康保険法の一部改正法律案あるいは船員保険法の一部改正法律案で出すべきですが、暫定措置だということで、特に目をそらして、いわゆる本質的な料率の引き上げをしておるのでありますから、かりに時限立法にするという考え方があっても、私は、特例法でなしに、本法においての改正を堂々とやるべきだと考えております。
 次に、中間報告の問題でありますが、実は参議院の社労委員会におきましては、私が属しておるからというわけではありませんが、きわめて熱心に実はやりました。最終段階においては非常に遺憾なことがありましたけれども、きわめて内容的に論議をされましたので、私のほんとうの気持ちとすれば、中間報告でなくして、もう一日と言わなければ、十時間ぐらいあれば、りっぱに社労委員会としては、質疑打ち切り、討論、採決までやり得る自信を持っておったのでありますけれども、政治情勢というものはなかなか一社労委員長の思うままにいきません。ああいう状態になったことはきわめて遺憾であり、しかも中間報告というような、こういう事態を繰り返すこと自体が、国民に国会の威信の失墜を私は感じさせることだと思っております。したがって、できれば、まだおそくもないということであれば、もう一回社労委員会に返していただきまして審議を尽くしたいことが私の本心であります。(拍手)
#36
○議長(重宗雄三君) 午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時二十一分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三十八分開議
#37
○副議長(河野謙三君) 休憩前に引き続き、これより会議を開きます。
 中間報告に対する質疑を続けます。山崎昇君。
   〔山崎昇君登壇、拍手〕
#38
○山崎昇君 私は日本社会党を代表して、先ほど行なわれました健康保険等臨時特例法案に関する中開報告に対して若干の質問を行なうものであります。
 質問の第一は、本院社会労働委員会における審議の経過についてであります。健康保険等臨時特例法案は、さきの第五十五特別国会において、与野党含めわずか十二時間半という審議を行なったのみで、衆議院において審査未了、廃案となったことは周知のとおりであります。引き続き開かれた国会史上初の健保国会といわれる第五十六臨時国会においても、衆議院においては、わずか一時間という、審議らしい審議も行なわれないままに、自民党修正案なるものを、野党の反対にもかかわらず強行採決し、本院に送付されたこともまた周知の事実であります。
 申すまでもなく本法律案は、わが国社会保障制度の中核ともいうべき健康保険の中心的な制度であり、一千二百万人の被保険者、一千二百四十万人のその家族を擁する政府管掌健康保険に生じた赤字七百四十五億円の処理をどうするかという、国民の生活と健康にかかわる重要な案件であります。したがいまして、衆議院における審議経過から見て、本院においては、本法律案の問題点についてあらゆる角度から検討し、国民の納得のいくまで十分審議しも国民の理解を得ることこそが、本院に課せられた重大な責任であります。しかるに、昨日、参考人の意見を聴取し終わった段階で、突如として中間報告を求められ、社会労働委員長がその報告を行なったのでありますが、その経過について、さらに詳細にお聞かせをいただきたいのであります。
 第二は、本法案の内容について、七点ほど質問をいたしますので、委員長の見解とあわせて委員会における討議の内容についてお答えを願いたいのであります。
 第一点は、健康保険というものは、社会保障の一環として、将来は、社会保険方式から社会保障方式へと移行すべきものであると信ずるものでありますが、委員長はどのような見解を持っておられるか、また、委員会におきまして、どのような審議をされたのか、お答えをいただきたいのであります。
 第二点は、一歩譲って、現行の社会保険方式を認めるといたしましても、特に低賃金労働者の多数加入している政府管掌健康保険の赤字処理にあたっては、できる限りそれら国民に負担を加重しない方向で行なうのが、「社会開発」、「人間尊重」を政策の柱とする佐藤内閣にとって、当然の施策であったはずであります。しかるに修正案におきましても、なお、千分の七十という比較的賃金の高い組合管掌健康保険の被保険者と同率の保険料負担をしいているのは、一体いかなる考えに基づくものか、委員長の見解を聞きたいのであります。同時に薬剤費の一部負担についてのみ低所得対策と称する措置をとったにもかかわらず、保険料の賦課にあたっては何らの措置が講ぜられなかった理由についてもあわせて御答弁を願いたいのであります。
 第三点は、薬剤費の患者負担についてであります。このような、制度の基本にかかわる問題についても、しかも、二年間という時限立法において何ゆえにあえて行なうのか、きわめて理解に苦しむのであります。その上、修正案においては、いわゆる低所得者に対する救済措置をとったため、その財政効果は、原案の百二十六億から三十六億に減じ、ほとんど実効がないのであります。まさに当初の赤字対策として提案された臨時特例法案の意義は半減したと断言してはばからないものであります。それでもなおかつ、薬剤費の患者負担制度を残したことは、政府がいかに弁解しようとも、抜本対策の第一歩として臨時特例法案を提案したと思うのでありますが、この見解に対する委員長の考えを明らかにしていただきたいのであります。
 第四点は、本法律案が成立いたしますと、初診時、入院時の一部負担の増額、薬剤費の患者負担は、当然組合管掌健康保険及び各共済組合短期給付につきましても適用されることになるのでありますが、御承知のように、本法律案は、政府管掌健康保険及び船員保険疾病部門の赤字に対する暫定対策であったはずであります。しかりとすれば、比較的保険財政に余裕のある他の制度にまでなぜ波及させなければならないのか、委員長の御見解を聞きたいのであります。
 第五点は、修正案にあります薬剤費の患者負担に対する低所得者免除制度についてであります。この免除にあたって、具体的にいかなる方法をとるのかということであります。おそらく健康保険証に何らかの証明を付することになると思うのでありますが、このようなことは、低所得者の人権を侵すおそれがあり、かつ医者と患者の人間関係という医療の基本をも破壊するものと言わざるを得ません。しかも、このような措置は、医療機関における事務を繁雑にし、ますます医療内容の低下を促すことになることは当然予想されるところであります。したがいまして、かかる医療を阻害するばかりか、財政的効果すらないこの制度は、いさぎよく撤回すべきであると思うが、委員長の率直な御見解をいただきたいのであります。
 第六点は、今回の臨時特例法案における負担増について、水田大蔵大臣は、しきりに二百二十五億の国庫負担を行なったと強弁するのでありますが、負担増について言えば、修正案でも、労働者が百九十六億、事業主が百十六億円であることは明白であります。しかるに国庫負担は、昭和四十二年厚生保険特別会計健康勘定にも明記されているとおり、四十一年度百五十億円に比べ、七十五億円の増にすぎないのであります。今回の赤字対策が、いかに国民に過重な負担をしいているかは、これをもってしても明白でありますが、委員長は、今回の国庫負担について、いかなる見解をお持ちか、伺いたいのであります。
 さらに、政府管掌健康保険に対する国庫補助は、もともと法第七十条の三にも明らかなとおり、費用、すなわち保険給付費の一部を補助することになっているのでありまして、決して赤字の一部に限定されるものではありません。したがって、政府が言うように、政府管掌健康保険の危機であるというならば、さらに進んで保険給付費の一部を負担すべきことは当然であります。ましてや、今日の赤字の原因が政府の無為無策によるものであることが明らかな以上、なおさらであります。この法第七十条の三を委員長はどのように解釈されているか、お伺いしたいのであります。
 第七点は、政府は口を開けば保険だからと称し、国民の相互扶助を強調しております。しかしながら、委員会審議においても明らかなとおり、昭和三十八年度百二十六億円、三十九年度二百八十八億円、昭和四十年度百六十二億円、四十一年度百六億円の見込み違いを生じているのであります。すなわち正確なる数理計算のもと、予算、決算において収支相償うのが保険原理であるにもかかわらず、かかる大幅な見込み違いを生ずるのは、もはや政府みずから保険原理を放棄していると言わざるを得ないのであります。しかし、なお「保険だから」と強弁するのは、みずからのあいまいさ、ずさんさをたなに上げて、そのしりぬぐいを国民にさせようというへ理屈にすぎないと批判されてもしかたがありません。保険原理に明るい委員長は、かかる政府の詭弁に対し、どのように考えられるのか、お答えをいただきたいのであります。
 以上本法律案の内容について、七点にわたって解明したい問題点を申し述べましたが、国民の納得のいく御答弁を期待するものであります。
 次に第三といたしまして、本法律案に対する世論の動向についてであります。御承知のとおり、本法律案に反対する声は、被保険者である国民を中心に高まっています。佐藤総理が再度にわたる指揮権発動により、国会周辺のデモを規制したにもかかわらず、本法律案に反対を表明し、国会に集まった国民の数は十数万人に及んでおります。一方、医療を担当する日本医師会も、国民の健康を破壊する悪法だとして反対を表明いたしております。すなわち本法律案は、国民の大多数が反対を表明している悪法であります。にもかかわらず、力づくで成立させようとしているのは、自民党だけであって、佐藤総理の「声なき声を聞く」という所信は、いまや化けの皮をはがし、一握りの資本家が望むならば、他の大多数の声など圧殺してしまえという自民党の本質を暴露したものであります。この悪名高き法律案の審議に、職責とはいえ、尽力された委員長として、その苦衷並み並みならぬものがあったことと推察するのでありますが、委員長の偽らざる心情を吐露していただきたいのであります。と同時に、世論というものに対する見解についてもお答えをいただきたいのであります。
 最後に、来年度から始めると政府が公約しております医療保険の抜本改正に関連する問題であります。国民が暫定対策に耐えて、抜本改正を心静かに迎えることのできるためにも、この際、政府は抜本対策に関する基本方針を国民の前に具体的に明示し、国民の不安を一掃することが先決問題であると考えるのであります。政府は、本法律案が成立しなければ抜本対策に入れない、健康保険制度は崩壊をする、暫定対策は赤字の埋め合わせをするだけが目的であって、抜本改正に通ずる要素は入っていないのだと強調しておりますが、本法律案をしさいに検討いたしますと、いままで述べてきたような多くの矛盾、疑惑、問題点を内蔵しておるのであります。
 社会労働委員会のきびしい追及によりまして、抜本対策について今日まで政府が明らかにした点は、いわゆる抜本改正の三原則と言われるものでありまして、その第一点は給付の平等化、第二点は負担の均等化、第三点は保険財政の安定化というだけであります。第一点の給付の平等化とは、給付の底上げ、給付率の引き下げでそろえるのではないか。第二点の負担の公平化とは、いわゆる政府の受益者負担の構想から、患者に多額の負担を強要するものではないか。第三点の保険財政の安定化とは、一部負担の増額はもちろん、保険料率の引き上げによって、いわゆる政府の保険主義を押し通すのではないかとの不安に国民はかり立てられているのであります。また、本法律案に対し、政府が同意を与えた与党の修正案を見ましても、いわゆる低所得対策という名のもとに、薬剤一部負担に対する反撃を避けるため、その七〇%が救われると称する薬剤一部負担の免除措置は、健康保険の被保険者に薬剤費を負担するものと、そうでないものとの二重構造をつくり出したものであって、これが将来の差別診療の弊害を引き起こし、あるいは差額徴収制を採用する足場になるとも考えられるのであります。これらの疑問点についても、十分国民の納得が得られるような審議を続けるため、会期末までまだ二日間が残されているというのに、これまでいたずらにおざなりの政府答弁が行なわれ、本法律案が強引に成立さえすれば、あとは何とかなるというような安易な政府の考え方、国民の意思や国会の権威を軽視したような政府の態度については、社会労働委員会を運営する責任を有する山本委員長としても、なお多くの所感があることと思われますが、以上の諸点について、国民の注目を集め、保険数理については権威といわれる山本委員長から、率直に所見を述べられるよう希望して、私の質問を終わります。(拍手)
   〔山本伊三郎君登壇、拍手〕
#39
○山本伊三郎君 山崎さんにお答えいたします。
 第一点の本院における審議経過につきましては、先ほど瀬谷さんにお答えいたしましたとおり、衆議院の実態から見ると、本院における社会労働委員会の審議は、相当尽くされてきたと私は自負しております。しかし、まだまだ明らかにせなければならない問題も残っておりますので、この点は、少なくとも先ほど述べましたように、あと一日あれば問題点は解明し、特に政府における意見の相違が明らかになるので、これが一つの大きな審議過程における成果だと思っておりましたが、残念ながら、昨日、総理が見え、大蔵大臣、厚生大臣が見えましたけれども、なおかつ政府部内にも、この保障方式であるか、あるいは保険方式であるかの問題点が解明されなかったことは非常に残念だと思っております。
 次に、社会保険から社会保障――この社会保障という概念はまだきわめて複雑な説があります。学者の説もいろいろございます。わが国におきまして社会保障という文字が初めて使われたのは、やはり新憲法第二十五条二項であります。社会福祉、社会保障、公衆衛生ということで実は二十五条二項で使われておりまするが、それまで、戦前においては、社会事業とかそういう名前で、いわゆる社会保障のような考え方がありましたけれども、社会保障というものが初めて前面に出てきたのは戦後だと思っております。社会保険ということにつきましては、いろいろ問題があります。いわゆる国が負担を持つということが、ただ社会保障だというわけにも私はいかないと思うのです。しかし、現在の健康保険法のような、組合管掌においても政府管掌におきましても、先ほど申し上げましたように、昭和三十二年の法改正によりまして七十条の三を実は挿入したのでありますけれども、あれも定率とか、はっきりしたような考え方で入れておらないような答弁を大蔵大臣はしております。赤字が生じたならば、これに対して補助金を出すという考え方でありますから、国が一定の負担をするという形という意味でないようであります。しかし、この点の見解はわれわれと違います。
 で、社会保険、この健康保険の正体というものを見るには、やはりこの健康保険が制定された当時の社会事情というものが問題になると思うのです。本法ができたのは大正十一年であります。その以前に、大正中期は、御存じのように、日本の労働運動が燎原の火のごとく燃え上がったときであります。また、社会主義思想も非常に一般労働者あるいは国民の中に浸透してきたときでありますので、当時の政府は何とかこの労働運動を抑えようということが一つの大きい政策の柱でありました。それがために、治安維持法なり、治安警察法が続いて制定されました。しかし、そういう権力における弾圧ではだめだということから、労働者懐柔策という形をとって、初めて社会立法という名において健康保険法が問題になってきたのであります。したがって、その当時社会保障という考えから出発したのでなくして、労働者、労働運動の懐柔という点が大きな時の政府の考え方であったことは事実であります。
 大正十一年、ちょうどそのときは高橋是清内閣のときだと思います。担当大臣は、山本達雄氏が当時農商務大臣でありましたが、そこが担当しておりましたが、大正十一年にできまして、十二年から実施する予定でありましたけれども、たまたま十二年九月一日の関東大震災によりまして、これが無期延期になりました。越えて昭和二年、ちょうど若槻禮次郎内閣のときに、内務大臣――その当時内務省に移管され、内務省の外局の社会局が担当しておりましたけれども、内務省の濱口雄幸内務大臣のもとにこれが実施されたわけであります。
 そういう一つの健康保険法が成立したその社会事情なり、その過程を見ると、社会保険――われわれがいま思う社会保険というよりも、その政策はきわめてわれわれとしては問題になる性格を持っていたのであります。
 そういうものの思想を受けて、ずっと戦前は継承してまいりましたけれども、戦後、先ほど申しましたように、社会保障ということが非常に前面に出てきましたので、今日、社会保険から社会保障ということも政府が言うほどになってまいりました。時間がかかりますから、詳しくは説明いたしませんが、そういう歴史の過程を持っておる健康保険が、どうしても社会保障に移行しなければならないということは、社労委員会でも相当論議されました。したがって、今後、われわれが社会保険を――あとから抜本対策の質問がありましたから述べますけれども、今後、社会保険を社会保障へと移行する努力は、国民はもちろんのこと、政府も率先して考えなければ、抜本的な解決はでき得ないと思っております。
 次に、第三の、政府管掌の被保険者の問題でありますが、一部負担金が健康保険に取り入れられることについては、相当論議があります。かつて初診時における一部負担金がたぶん五十円だったと思いますけれども、当時の五十円は、いまのおそらく三百円、四百円の価値がありますけれども、この一部負担金を初診時に取るということの是非であります。薬代などとは別でありますけれども、健康保険が第一の目的とするところは、いわゆる疾病の早期診断であります。かかるときに、たとえ五十円でも、百円でも、二百円でも出すということは、所得の多寡を問わないところの健康保険でありますから、そこに一つの大きい問題があるということは、相当に論ぜられました。しかし、それがすでに制度として出てまいりますと、年々これが増額される趨勢になっております。それを、いま質問にありましたように、薬代一部負担という制度に、これをまた広げていこうというのが、今度のいわゆる臨時特例法の趣旨であります。これが一つ大きい問題であったことは、先ほど申し上げたとおりであります。
 あとにまたその質問が重複しておりますので、次に移りますけれども、次に、薬代一部負担の制度の、他の組合なり共済組合、いわゆる他の被用者保険の医療保険に類するものに対する影響でありますが、お説のとおり、この特例法の改正によって、単に政府管掌だけではありません、組合管掌なり各種共済組合のいわゆる短期給付と称する医療部門に全部影響することになります。
 ここでひとつ皆さん方に、先ほどの中間報告では十分言っておりませんでしたけれども、厚生省が、あの衆議院における低所得者に対する修正によって、政府管掌の被保険者のうち、約七割が免除対象になっておるということでありまするが、私はそうではない。これが経過をすれば後ほど明らかになると思いますけれども、政府管掌でも、私は三割だけが対象であるとは思っておりません。しかし、その他の組合管掌、あるいはまた、共済組合の関係のこの問題を考えますると、おそらく五〇%、五割は免除対象になるかならぬかであります。というのは、御存じのように、標準報酬なり給与が高うございますから、いまのいわゆる金額で固定した二万四千円というものは、これはどの組合でも適用されますから、率でありませんから、したがって政府管掌であるから、あるいは七割ぐらい免除されますけれども、他の組合においては、はるかに多くの人がこの一部負担金の該当者になるという私の見込みであります。
 それからこれに関連して、先ほどもちょっと触れましたけれども、低所得者がいわゆる免除証明書を持っていく場合に、私は二万四千円よりも低くもらっておりますということは、やはり人間として言いたくないと思うんです。それは虚勢であるかどうかは別といたしましても、だれしもが、私は低所得者でありますというようなことは言い得ないと思うんです。特に、私の体験したことでありますけれども、生活保護者の方の家族が高等学校に入るときに、私は生活保護者の娘であるということは、どうしても言えませんからということで、親に哀願をしたことも聞いております。決してその娘さんは自分の虚栄を飾っておると私は思っておりません。そういうことから考えまして、この制度は、いま山崎さんが言われましたように、単に低所得者の免除ということよりも、人格、人権に大きな影響があると私は思うのであります。したがって、先ほど申しましたように、このような修正をすることは、ほんとうの社会保障なり社会保険というものを知らないしろうとのやったことと言ったのは、そのことであります。こういう意味において、この点は山崎さんと全く同感であります。
 次に、国庫負担の問題でありますが、これも言う必要もございませんけれども、現在、健康保険には、原則的には、給付に対する国の負担金、補助金はありません。ただ事務費の負担だけしておりますけれども、したがって、政府管掌の場合が、赤字が出たから、いまおっしゃったように、若干の、今度は二百二十五億の国庫の補助をするようでありますけれども、それも赤字が出たからということであります。原則的には、政府はこの医療保険については何ら関与しないというのが原則だと大蔵大臣も豪語しておるのであります。そういうことでありますが、少なくとも年金においては、ことに厚生年金では二〇%の負担をしております。したがって、少なくとも、その率は幾らとは言わないけれども、冒頭に言われました社会保険から社会福祉という考え方が、かりに少しでも政府にあるなら、その点は今回の特例を通じてその点を考えるべきだと私は思っております。また、先ほどちょっと山崎さんが触れられましたけれども、組合管掌、あるいは共済組合が財政が豊かだと言われますけれども、そうではありません。なるほど、一部にはそういうことはありますけれども、年々医療費が増高しております。したがって、組合管掌にいたしましても、あるいは各種共済組合にいたしましても、この医療費の増高によって経済はきわめて悪化しつつある現状でありますから、したがって、政府管掌以外の組合に対しては、財政がいいから国が見ないんだという考え方は、社会保険から社会保障へのこの思想からいくと、私は間違っておると思っております。
 次に、法第七十条の三の性格についてお尋ねがありましたが、これも先ほどちょっと触れましたけれども、昭和三十二年だと記憶しておりまするが、政管健保が非常に赤字が出てきたということで、三十二年に三十億だと思いますが、政府から出すという一つの法的根拠としてこれがつくられたのであります。社労委員会の質疑におきましても、各委員から、また、当時の国会議事録を見ましても、政府は、政管健康保険については、いわゆるほとんど定期的に、定期的といいますか、定額的にこれを出そうという思想があったのだとうかがいますけれども、政府の見解はやや動揺しておるようであります。われわれはあの七十条の三の性格は、政管については引き続いて、財政が黒字であろうが、あるいは赤字であろうが、この政管健保を育てていくという思想を持った条項であると思っております。
 次に、保険経済の見込み違いであります。これは、実は厚生省のあるいは事務当局のずさん――ずさんと申しますか、あると思いますけれども、いま、わが国の医療保険は、医療費に左右されております。それと、いわゆる薬剤の問題があります。したがって、その見込みが違うということは相当完全にこれを把握することは、非常にむずかしいと思います。したがって、これが、いわゆる長期給付、年金のようなものでありませんので、疾病率がどう出るかという、いわゆる、悪疫などが流行するということで、やはり年々若干のそごがあることは、これは認めざるを得ないと思うんです。しかし、先ほどから言われましたように、累年その見込み違いということは、やはり厚生当局の見積もりのいわゆるずさんと申しますか、そういう点に私はあると思います。
 次に、本法律案の国民の世論はどうか。これは私のところにも、おそらく何千という陳情のはがきが来ております。一人にそれだけ来るんでありますから、これは、全部集めますと、相当な国民の反対ということはわかるのであります。また、昨日行ないましたが、参考人を呼びましても、先ほど報告いたしましたように、反対の人はもちろん、賛成の人でも、私は、比較的同情的に見ておりますけれども、まっこうから賛成と言うた人は一人もありません。やむを得ないということで賛成をされておるわけでありますから、これをもって見ましても、本法律案の実は、いわゆる性格というものを、国民が知っておるのでないかと思っておるわけであります。
 最後に、抜本対策の問題であります。これは相当むずかしい問題であります。医療保険の抜本というのは、いろいろあると思います。医薬分業の問題もありましょうし、現在、この医療保険でも、いわゆる被用者保険としては、先ほど来、山崎さんが言われましたように、政府管掌あるいは組合管掌の健康保険、あるいは諸種共済組合、そういういわゆる被用者保険だけでも数種類に分かれております。また、被用者でない、国民健康保険においても問題があります。これを統合するということについては、なかなか問題があります。
 先日、社会保障制度審議会から、正式な意見ではありませんけれども、会長から、若干、全部のそういう保険制度、社会保障制度の統一という意見が開陳されておりますけれども、理想としては言えますけれども、イギリスにおいても、御存じのように、国民保険法によって、一応統合されましたけれども、被用者と、被用者でない保険というものは、やはり、そこに一つの限界があると思いますので、なかなかこの健康保険、医療保険の統合ということも、ひとつ大きい問題があります。しかし、それも抜本的な改正の一つの問題点であります。
 また、先ほども申し上げましたように、給付の平等化、負担の公平あるいは保険財政の安定化、こういうことを厚生省で言っておりますけれども、あの社会労働委員会における審議の中では、そういう項目を羅列しておるけれども、具体的なものは何一つありません。また、これは、なかなか簡単に私は出るものであるとは思っておりません。これは、私が壇上でいま言っておりますけれども、いずれ、昭和四十三年に、私の言ったことを、総理大臣から、ここで答弁されると思う。そう簡単に抜本的改正ができるものではありません。したがって、今度の臨時特例法におきましても、そこが問題であります。私は、立法形式でもいかないというのが、二年間にいたし――実は最初は「当分」となっておりましたが、「二年間」と修正されました。二年や三年で実は抜本改正ができれば、いままでのこの種のいわゆる専門家は、そう苦労をしないと思うのです。ただ、政府は、この特例法を通すがために、四十三年から抜本対策の緒につくと言っておりますけれども、緒ということは、あるいは社会保障制度審議会とかその他に諮問するか、そういうことを始めるかしれませんけれども、実際に健康保険法なりあるいは船員保険法の医療部門に対して、具体的に法律案は私は昭和四十三年におそらく出ないと思っております。そういう下心がありますから、特例法という名において料率の引き上げ、しかも、新しい制度を創設するというものを持ってきたのです。もし二年後にそういうものができるとならば、いまの赤字の問題、先ほど数字を示しましたけれども、薬代がかりに――一部負担が本年度では十五億円ですよ。満年度で三十六億です。合わせて五十一億と、それだけのものでいわゆる赤字対策とは言えないです。そういう意味において、抜本対策をやる隠れみのとしてこの特例法があるということは、私は確信して疑わないものであります。
 それから最後に、先ほど瀬谷さんにもお答えしましたように、この中間報告についての私の気持ちは吐露したわけであります。私は、いまでもなおかつ粘り強く、人間でありますから、最後の瞬間まで、社労委員会に差し戻して、もう一回社労委員会の方々の審議をしていただくことを切に希望いたしまして、答弁を終わりたいと存じます。(拍手)
     ―――――・―――――
#40
○副議長(河野謙三君) 沢田一精君外一名から、成規の賛成者を得て、
 質疑終局の動議が提出されました。
 これより本動議の採決をいたします。
 表決は記名投票をもって行ないます。本動議に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行ないます。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#41
○副議長(河野謙三君) すみやかに御投票願います。――すみやかに御投票願います。――まだ投票をなさらない諸君は、すみやかに御投票を願います。――投票開始から相当の時間が経過いたしております。すみやかに投票されませんと、議長は、投票時間を制限せざるを得ません。投票をお急ぎください。――投票をお急ぎください。――ただいま行なわれております投票につきましては、自後五分間に制限いたします。時間がまいりますれば投票箱を閉鎖いたします。すみやかに御投票願います。――まだ投票されない諸君は、すみやかに御投票願います。――すみやかに御投票願います。
 制限時間に達しました。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#42
○副議長(河野謙三君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#43
○副議長(河野謙三君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百六票
  白色票          百十九票
  青色票          八十七票
 よって、質疑は終局することに決しました。
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名     百十九名
      林   塩君    横井 太郎君
      植木 光教君    山崎  斉君
      二木 謙吾君    前田佳都男君
      白井  勇君    伊藤 五郎君
      林田 正治君    岡村文四郎君
      大谷 贇雄君    横山 フク君
      寺尾  豊君    笹森 順造君
      植竹 春彦君    新谷寅三郎君
      鬼丸 勝之君    山本茂一郎君
      中津井 真君    林田悠紀夫君
      佐藤 一郎君    山内 一郎君
      柳田桃太郎君    宮崎 正雄君
      船田  譲君    平泉  渉君
      八田 一朗君    和田 鶴一君
      木村 睦男君    高橋文五郎君
      内田 芳郎君    大森 久司君
      園田 清充君    野知 浩之君
      源田  実君    熊谷太三郎君
      温水 三郎君    川野 三暁君
      長谷川 仁君    沢田 一精君
      吉江 勝保君    石井  桂君
      豊田 雅孝君    稲浦 鹿藏君
      江藤  智君    大竹平八郎君
      大谷藤之助君    徳永 正利君
      青柳 秀夫君    佐藤 芳男君
      平島 敏夫君    山下 春江君
      山本 利壽君    堀本 宜実君
      塩見 俊二君    鍋島 直紹君
      上原 正吉君    古池 信三君
      郡  祐一君    斎藤  昇君
      米田 正文君    栗原 祐幸君
      久保 勘一君    北畠 教真君
      西村 尚治君    中村喜四郎君
      内藤誉三郎君    任田 新治君
      土屋 義彦君    高橋雄之助君
      玉置 和郎君    藤田 正明君
      岡本  悟君    奥村 悦造君
      楠  正俊君    黒木 利克君
      金丸 冨夫君    日高 広為君
      丸茂 重貞君    山本  杉君
      谷村 貞治君    木島 義夫君
      谷口 慶吉君    柴田  栄君
      後藤 義隆君    竹中 恒夫君
      天坊 裕彦君    中野 文門君
      西田 信一君    田中 茂穂君
      梶原 茂嘉君    八木 一郎君
      森 八三一君    三木與吉郎君
      西郷吉之助君    木内 四郎君
      安井  謙君    増原 恵吉君
      青木 一男君    小山邦太郎君
      重政 庸徳君    小林  章君
      近藤英一郎君    田村 賢作君
      櫻井 志郎君    鹿島 俊雄君
      井川 伊平君    赤間 文三君
      森部 隆輔君    津島 文治君
      青田源太郎君    紅露 みつ君
      小林 武治君    剱木 亨弘君
      松平 勇雄君    高橋  衛君
      吉武 恵市君    中山 福藏君
      小柳 牧衞君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名      八十七名
      鬼木 勝利君    原田  立君
      山高しげり君    黒柳  明君
      矢追 秀彦君    中沢伊登子君
      市川 房枝君    中尾 辰義君
      片山 武夫君    田代富士男君
      二宮 文造君    北條 雋八君
      高山 恒雄君    多田 省吾君
      宮崎 正義君    向井 長年君
      渋谷 邦彦君    鈴木 一弘君
      山田 徹一君    和泉  覚君
      白木義一郎君    鈴木 市藏君
      達田 龍彦君    前川  旦君
      戸田 菊雄君    竹田 現照君
      相澤 重明君    山崎  昇君
      木村美智男君    村田 秀三君
      小野  明君    田中寿美子君
      矢山 有作君    松本 賢一君
      佐野 芳雄君    杉山善太郎君
      大矢  正君    森中 守義君
      柴谷  要君    中村 英男君
      伊藤 顕道君    加瀬  完君
      田中  一君    光村 甚助君
      久保  等君    大和 与一君
      岩間 正男君    須藤 五郎君
      春日 正一君    森  勝治君
      鈴木  力君    中村 波男君
      川村 清一君    柳岡 秋夫君
      瀬谷 英行君    吉田忠三郎君
      渡辺 勘吉君    小林  武君
      鶴園 哲夫君    林  虎雄君
      中村 順造君    千葉千代世君
      野上  元君    武内 五郎君
      山本伊三郎君    松永 忠二君
      北村  暢君    鈴木  強君
      藤田藤太郎君    占部 秀男君
      森 元治郎君    鈴木  壽君
      永岡 光治君    秋山 長造君
      岡  三郎君    藤田  進君
      成瀬 幡治君    亀田 得治君
      近藤 信一君    椿  繁夫君
      横川 正市君    木村禧八郎君
      佐多 忠隆君    藤原 道子君
      加藤シヅエ君    松澤 兼人君
      羽生 三七君
     ―――――・―――――
   〔「休憩」と呼ぶ者あり〕
#44
○副議長(河野謙三君) しばらくお待ちください。加瀬完君から、賛成者を得て、
 社会労働委員長から中間報告があった健康保険法及び船員保険法の臨時特例に関する法律案は明十八日正午までに社会労働委員会にて審査を了することの動議が提出されました。
 また、沢田一精君外一名から、賛成者を得て、
 社会労働委員長から中間報告があった健康保険法及び船員保険法の臨時特例に関する法律案は議院の会議において直ちに審議することの動議が提出されました。
 よって、両動議を議題といたします。
 これより順次討論を許します。吉田忠三郎君。
   〔吉田忠三郎君登壇、拍手〕
#45
○吉田忠三郎君 私は日本社会党を代表して、ただいま議題となりました沢田一精君の動議に対し、反対の討論を行ないます。
 その前に、議長に若干申し入れをいたしたいと思います。そのことは何かというと、ただいままでに理不尽にも動議、動議の連発で、私たちは一睡もできないのであります。したがいまして、私は非常に疲労こんぱいをいたしております。ために、早口で申しますと、健康にきわめて害を及ぼすのであります。したがって、私はわずか十分に時間を制限されておりますが、この時間内にはとうてい私はこの反対討論を終えるわけにはまいりません。やや言語障害になっておりますから、この際はゆっくり討論をいたしますことを議長に申し入れをいたしておきます。
 さて、本論に入りますが、先ほど安井謙君からわが党同僚委員の質問に答えまして、いろいろ私どもは拝聴いたしておったのであります。この答えは、ただ単に議員のみならず、本日、きのうから多数の傍聴者がおいでになっておりますけれども、どのように善意にとってみましても、答弁になっていないと私は言わなければならないと思います。安井君の答弁は、明らかに自己の勝手な判断による政治的なものと申し上げるほかございません。まさに盗人たけだけしい解釈と言わなくてはならないのであります。このような身勝手な政治的な判断を一般の解釈とするならば、そのときそのときによって勝手に変更が行なわれる危険性を持つものであります。特に多数を持っている政党が、かくのごとき判断を下すということは、まさにファッショ政治に通ずるもので、きわめて危険であることを、まず冒頭に警告をしておくものであります。
 さて、中間報告であります。諸君御承知のように、中間報告は、すでにわが党の同僚議員から先刻来たびたび指摘されてまいりましたが、先ほど来議長も認められておりますように、当時、特に自由民主党の諸君は、ごらんのように数が少なかったのであります。同時に、居眠りをしておる議員がたくさんおりましたから、私は重ねてこの際、皆さんにその内容を明らかにして、十分知ってもらいたいと思うゆえに再度重ねて申し上げます。
 国会法に示すとおり、「必要があるとき」と定められておりまするけれども、このことは、動議の提出著たる沢田君も御存じのように、わが国の法律用語は二つに使い分けをされているのでございます。一つは、「必要があるとき」その二は、「必要と認められるとき」となっているのであります。この場合、すなわち「必要と認められるとき」については、ややともすると、多数の判断にまかせられてみたり、時には、個人の独断におちいる危険性を持っております。しかしながら、「必要があるとき」という場合には、特にその理由が客観性、合理性を強く要求されているのは御承知のとおりであります。与党であろうと、野党であろうとも、あらゆる会派がこれを眺めてみて、何らの理由なく審議が引き延ばされているとか、あるいは審議中に緊急事態が発生、一日も早く審議案件を通過させなければならない、何人も、いかなる政党政派を超越しても、客観性、合理性を持つときに、初めて「必要があるとき」と判断されることは、本法改正を行なう際、自由民主党の小沢議員から強く指摘されてきたところであります。この点、自民党の諸君は、一見してわかることでありますから、当時の記録をよく読んでみてください。こうした点は、イギリスやアメリカを見習ったものであり、すでにイギリス、アメリカなどでは制度として採用されているのであります。たとえば、法案の審議開始以来、少なくとも三十日を経過しないと本会議にこれを取り上げることができない定め、しかも、賛成者は百四十五名の多数を必要とする、こうなっているのであります。先ほど来の安井君の答弁では、提案されて、審議開始をしてから一週間もたったではないか、こう言っておりますけれども、こうした例と比較をいたしますと、あまりにもかってな言い回し方と言わざるを私は得ないのであります。
 私は、この際自由民主党の諸君にさらに訴えたいのは、かりにこうした一切の措置が行なわれて本会議で審議をする際にも、十二分の討論時間――質問者の数を限定するというような、いままで自由民主党の諸君がしばしば強行してきたきわめて非民主的な、暴力的なやり方ではなくして、十分なる討論時間と審議の日数を加え、本会議にかわる委員会の機能、委員会にかわる本会議の機能を十分発揮することこそ、そのことを条件としてこの法律は成り立っているわけであります。自由民主党の諸君、いまからでも悪いことを改めるにはおそくはないのであります。
 諸君、われわれは、さきの第四十三回国会、昭和三十八年七月五日に、こうした事柄について申し合わせをいたしております。このことは、これまた先刻、当時議運の理事をやっておりましたわが党の中村議員から指摘をされたところであります。その後かなりの時間が経過をいたしておりますけれども、自由民主党の諸君は何ら反省を示さないのであります。のみならず、不見識にもほとんどがこの議場から退席をいたしておるのであります。でありまするから、私はもう一回ここで読み上げますから、十分この意味をくみ取っていただき、反省を求めたいのであります。
 すなわち、「参議院の各会派は、議院の正常な運営を図るため、少数意見の尊重と議員の審議権確保に留意するとともに、議院の品位と秩序の保持に互に協力することとし、」、そして、第一項に、「議案の中間報告は、審査につき委員会中心主義を採用している国会法の趣旨にかんがみ、みだりに行なわないものとすること。」、このことを申し合わせをいたしております。第二には、「中間報告に関連し、本会議の運営が混乱した実情にかんがみ、今回のような中間報告は行なわないように努力すること。」、第三は「本会議における交渉は、議院運営委員長及び議事協議員に限るものとする従来の慣行を再確認すること。」等々が申し合わせとなっているわけであります。
 しかも、またまた重宗議長は本会議をさぼって、おそらく寝ているのではないかと私は推察をいたしますけれども、おりませんが、この重宗議長は、そのときに所信の表明をいたしておるわけであります。すなわち、議長の所信は、「私は参議院の議長として、議案の審議は常に十分に行なわなければならないものと考えております。先般来議事が混乱いたしましたことは、誠に遺憾でありますが、この事態が今回のような中間報告に端を発したものであることにかんが、みまして、今後、各会派の御協力を得て、このような議事の進め方を避けるよう、最善をつくす所存であります。」ということを公に明らかにいたしておるのであります。
 諸君、いま私がここで再度申し上げましたことは、うそや偽り、そうしてわが社会党が捏造したものではないのであります。われわれは、議長はじめ、いまこそ、この申し合わせ当時に思いを寄せて、この際、ともども勇断をもって、しかもまじめにこの申し合わせを実行してまいらなければならないときではないでしょうか。自由民主党の諸君、わが党はこの申し合わせを率直に守る用意がございます。ともに守ろうではありませんか。(「社会党とは一緒に……」と呼ぶ者あり)何だ、君は。何を言っているのだ、君は。社会党と一緒になれないなんて、どういう意味だ、それは。ともに守っているのだ、これは。どういう意味だ。共同のこれは申し合わせをしているのだ。なぜ、社会党と一緒になれなかったら、これを共同で申し合わせをしたのだ。どうなんだ。中村君、その理由を言いなさい。言ってみなさい。議長、不見識だ。こんなことをかってに言っているのじゃない。何だ。何を言っているのだ。かってにぼくは言っているのじゃないのですよ。当時の国会の申し合わせ事項をぼくは言っているのだ。不見識なやじじゃないか。
#46
○副議長(河野謙三君) あとで速記録を見て善処いたします。
#47
○吉田忠三郎君(続) いま不見識な自由民主党のやじがございましたが、そのことは議長があとで注意をいたすと約束いたしましたから、討論を続けます。
 いま中村君のやじに明らかなように、自由民主党の諸君は、この大切な公党間の申し合わせを今日守ろうとする一片の誠意さえないのでしょう。その証拠は、沢田君のたびたびの動議に、そうしてただいままでの身がってな答弁で明らかだと言わなければならないと、私は思うのであります。しかも、委員会制度、委員会主義を全く無視して、与党たる自由民主党が、みずから国会法、参議院規則をじゅうりんするがごときは、まさに詐欺、ペテン師、三百代言のような、私の能力ではとても表現のでき得ないものと言わなければならないし、答弁そのものは全く言いのがれにすぎないのであります。このことは、院のためにも、中間報告を求める動議を提出しました安井君のためにも、私はきわめて残念なことだと思うのであります。国会法は第五十六条に、「審査中の案件」と特記をされております。この用語は、第五十六条のみにあらわれているものでありますから、私はあえてここで特記と申し上げる次第であります。その他の場合は、御承知のように案件とか、単に議案とかいう用語によって表現をされているわけであります。このことの意味は、参議院規則第三十九条と相まって付託をされたということと、審査をしているということは、おおよそ異なっておるのであります。特に中間報告を求める場合に、「審査中の案件」というのは、質疑、討論、採決等一連の委員会活動が完全に開始されたことを強く要求していることは、本院においてしばしば討議されたところであります。このことを承知している安井君なりあるいは沢田君が、全くこうした事柄に目をおおい、かかる動議を提出したことは、はなはだ遺憾と言わなくてはなりません。
 しかも、委員長に報告を求めておられまするが、先ほど山本委員長がるる報告をいたしました。私は提案者の諸君がどんな、そうして何のために報告を求めんとするのか、いささか議員の良識と常識を持つ者かどうかを疑うものであります。理解に苦しむのであります。沢田君も十分承知だと思いますが、審議が十分行なわれていない委員会の段階を、山本委員長がもし報告をいたすということになりますれば、先ほどの質問の中に、あるいは答弁の中にも多少ございましたけれども、その後における山本委員長の行動を、私どもは十分承知をしておりますが、きのう来、再三にわたって社会労働委員会の再開を宣言をいたしておったのでありますが、にもかかわらず、自由民主党の委員諸君が何人も出席せず、これは明らかに意図的に委員会をサボタージュしたので、したがって、審議はできなかったと私どもは見ております。山本委員長も、聞かれるならば、そういう答弁、報告せざるを得ないと私は思うのであります。もし、それ以外に何かあるということをもし言えるのであれば、私はこの動議の提出者たる沢田君がこの演壇から全議員に理解のつくような私は釈明が必要だと思うのであります。したがって、私はかかる観点からながめてみますると、今度の沢田君の動議は明らかに実質的に委員会審査の省略を心ひそかに作為をもってねらったものであり、この場合、中間報告に名をかりた委員会審査省略の提案とみなされてもしかたがないと私は思うのであります。前にも申し上げましたように、この本会議場において政府に対し質問いたし、各会派相互に討論を十分考慮いたし、審査日数を用意をして、その理非を国民に問うという、そういうようないささかなりとも良心があると認められるならば、私はこれまた別であります。しかし、全くそのことなくして、逆に時間制限を、ただいままではわずか十分間ということで、討論、質疑をかってに自由民主党の多数暴力によって打ち切ってきたのであります。多少やや反省したか、ただいまから若干時間を何か認めたようでありますけれども、かりにこれが二十分になろうと三十分になろうと、私は決してアメリカやイギリスの人々のまねをしようとは思いませんけれども、かかる重要な、国民の直接、間接的の生活の問題たる重要案件は、少なくとも私一人でも一日ぐらいの審議、討論、質疑等々の時間は与えてもいいのではないかと、私は思うのであります。アメリカの議員のように百五十時間とか、あるいは英国の議員のように二百時間も、私は皆さんから時間を拝借いたして討議をいたす用意はありません。ですけれども、そのくらいの自由民主党の諸君は熱意を持って私はいいのではないかと思うのであります。安井君の提案はしたがってまことに議会を無視し、非民主主義以外の何ものでもないと断じ、許しがたい事柄だと思うのであります。
 私はこの際、再度自由民主党の諸君に強く訴えます。健保特例法案は、今後国民生活にとって、重要な問題が存在をいたしております。このことは、先ほど山崎君の討論の中にも明らかであります。直接には政管保険に加入されておりまする一千二百万の人々、またその家族にとっては、生命の問題だけに重大であります。重大と言わなければなりません。しかも政府・自民党は、みずからの無為無策によって生じた政府管掌健康保険の赤字を一方的に労働者に負担増を課しておるのであります。みずからは、健康保険制度及び医療制度にある矛盾を解決しようともせず、ただ単に、健保財政面からの赤字の責任を労働者や零細開業医に転嫁するのは、本末転倒と言わなくてはならないのであります。この際は、むしろ、医療保障における今日までの保険主義を積極的に排し、社会保障は国民すべての権利でありまするから、かかる立場で、すべての国民にひとしくよい医療を無料で保障する、いわゆる保障主義を志向しなければならないのであります。
 かかる観点からいたしますれば、人命尊重を唱える佐藤内閣の施策としては、逆行もはなはだしいと言わなければなりません。口先だけの人間尊重ということになるのであります。佐藤総理大臣はきのうも社会労働委員会に、たったわずか一時間程度でありました、出席いたしたのは。しかも、わが党の同僚議員の質問に対し、きわめて誠意のない不勉強ぶりを暴露したのでありますけれども、先ほど来、山本委員長の御報告にもあったように、厚生大臣、大蔵大臣、そうして総理大臣が、それぞれ答弁が食い違っておるのであります。閣僚がそのようにして意思統一がされていない。しかも、国民が注目をいたし、期待をいたしておりました政治資金規正法の問題について質問いたしますれば、あの佐藤総理はきわめて、どういうものか、低姿勢になり、声が低くなるのであります。そうして、こうした国民に多大な影響を与えるこういう法律になりますると、たけだけしく威厳を表面に具体的に出す。薬価負担等々につきましても、わずか十五億の問題さえ、積極的に誠意を持って解決しようとしないのであります。こういう総理が一体、人命尊重を唱えるなどは、私は、おこがましいと言わなければならないと思います。今日、多くの労働者、あるいは日本医師会はじめ、医療各関係団体が絶対にこの法案に反対をいたしているゆえんは、ここにあるのであります。もとより、わが日本社会党もあげて断固反対をいたしておるものであります。
 しかるに、政府自民党は、みずからの権力を乱用して、引き続き臨時国会を召集をいたし、健保臨時特例法案を是が非でも成立させようと、はかってきたのでありますが、諸君、今臨時国会は、前の延長国会の延長で、そして、またも延長したのであります。私は、あえて申し上げます。自由民主党はもはや権力におぼれ、時間的な観念のないあきめくらになっているのではないかと思うのであります。しかも、第五十五国会では、この法案はまさしく廃案とされた法律案であります。しかるに、またまた自由民主党の修正案として、おくめんもなく、前に申し述べたとおり延長に延長を重ねて強引に再び提案をされてきたのであります。自民党諸君、もし諸君に一片の良心と良識があるとするならば、この際、国民に対して申しわけないという自責の念はないのですか。質疑打ち切り、強行採決などを直ちにやめて、十分審議をして、議を尽くすべきではないでしょうか。このことを先ほど山本委員長も報告の中で明らかにいたしておるのであります。したがいまして、これをすみやかに撤回をして、次の国会に提出する、そして国民の意見を十分聞きながら、これが決着をつけることこそ、民主主義というものではないでしょうか。この寛容の精神なくして、多数は民主主義であると、諸君の言うことをもってあくまでも押し切られるならば、きわめて危険であって、ファシズムと相通ずるものと私は強く指摘をいたすものであります。
 およそ議会運営は、政党間の信義に立ってこそ、はじめてその円滑を期することができるのであります。今国会では、政党間の信義について、二つの特徴的な事件が起きました。
 その一つは、衆議院で起こった問題であります。御承知のとおり、わが党の成田書記長が、政党間の信義を守るために党内の責任をみずからとったことであります。わが党書記長が議会運営の正常化のために各党と折衝した責任と、政党間の信義を守って出所進退を内外に明らかにしたものであります。まことにりっぱな態度であり、われわれも多く学ばなくてはならないものがあろうと存じます。
 もう一つは、本院でのできごとであります。参議院自民党の田中国会対策委員長が――よく聞いてくださいよ。健保特例法案の審議について、わが党の大和国対委員長から妥協の申し入れがあったと、新聞報道関係者に大々的に、しかもデマを発表した事件であります。このことは全く事実無根であり、あえてわが党に対する挑戦と謀略であって、きわめて卑劣な行為であり、わが党の断じて許すことのできないものであります。自民党の田中君はその責任を追及されるや、結果釈明状、つまりわび証文をわが党に入れたのであります。その内容は国民の前に明らかにされておりませんから、私はこの機会に国民の名において明らかにいたしておきますから、与党の諸君も十分よく聞いていただきたいと思います。
 第一に「大和君から自民党に対し、法案の修正等に関し、何ら申し入れをされた事実はありません」これは田中君が言っているのであります。第二に、「私のほうから大和君に対し、幾つかの問題を私的に話し合ったのが真相です」。第三は、「今後貴党との会談等については、単独で報道関係等に対して発表しないよう留意します」。第四に、「私の言動から」――これは田中自民党国会対策委員長の言動です。「私の言動から報道関係等に誤解を生み、社会党や大和君に迷惑をかけました点は、今後私の責任をもって十分釈明いたします」。「八月十日、田中茂穂署名」となっているものであります。
 衆議院の場合は、政党間の信義を重んじた成田書記長が、政治責任を果たしたりっぱな行動の一つの例であります。本院の場合は、政党問の信義どころか、他党をあえて謀略的に傷つけてやろうとした、お粗末にもまことにあさはかな国民から批判される最も許しがたい悪い例であります。
 自民党の諸君、わび証文といえば、私は徳川幕府時代の赤穂浪士を思い出さずにはおられません。時は元禄十四年、吉良義央を討たんとして、四十七人の浪士が江戸を目ざして下りましたとき、その一人である神崎与五郎が、馬喰の丑五郎、無頼な馬子にわび証文を入れた物語であります。主君のあだを報ずるために、その大目的のために、無体な馬子の言いがかりにも、武士の体面をあえてよごされてまでも、かんにんして、かの有名な、するがかんにん、なすがかんにんと、わび証文を書いたこのくだりは、箱根の茶屋での一幕として、今日なお、封建社会の時代精神の花として、語り継がれているところであります。元禄から隔たること二百五十年、一九六七年の国会で、田中自民党国会対策委員長がわび証文を取られたことは、資本主義社会の無責任時代の表徴として、後世に長く人の口に残る語りぐさでございます。(拍手)
 今度の動議の底流には、こうした田中精神が脈々と流れておることを感ぜざるを得ないのであります。議会主義を守る良心ありとするならば、自由民主党はいまこそ身をもって議会主義を守り、国会法と参議院規則とを守るべきであります。また、その機会は今日をおいてないのであります。どうか自由民主党の諸君、諸君は多数与党であります。すみやかに本来の大組織政党の姿に立ち返って、国民大衆の健康と生命を破壊する天下の悪法、健保臨時特例法案と、ただいまの動議を直ちに撤回しなさいと、私はこの機会に強く要求いたすものであります。
 最後に、私は、社会党案に賛成をいたし、自由民主党の反動的なこの提案に対し断固反対をいたし、討論を終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
#48
○副議長(河野謙三君) 村田秀三君。
   〔村田秀三君登壇、拍手〕
#49
○村田秀三君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となっております自民党沢田一精君の提出にかかわる健康保険及び船員保険等臨時特例法案について、直ちに本会議において審議することの動議に対し明らかに反対、社会党加瀬君提出の動議に絶対賛成の討論をいたさんとするものであります。(拍手)
 まず、沢田君提出の動議に反対する第一の理由は、この動議が自民党より提出されたことであります。審議不十分な本法案について、委員会審査の中間報告を強引に求め、あまつさえ本会議において審議し、もって成立の強行をはかろうとすることは、明らかに間違いであります。
 第五十六国会における本法案の審議経過を見るに、衆議院において自民党はいち早く一部修正をいたしました。その修正部分は、この法案の全体系から見れば、まことに取るに足らざるものでありますが、本来政府与党である自民党は、内閣提出にかかわる法案の作成段階において、常に関与しておることは間違いありません。特に本法案のごとき経済的にも、また生命と健康を守る基礎的条件について、国民生活に大きな影響を与える法案の準備には積極的に関与したことは明らかであります。にもかかわらず、法案が国会に提出されるや、間髪を入れず、みずからの手によってこれを修正するの挙に出たことは、無責任きわまる行為であり、国民と国会を愚弄するもはなはだしき態度であると言わねばなりません。しかも、本院社会労働委員会が審議を重ね、日を経るに従って法案の持つ思想と計画のずさんさが露呈されたことは、先ほどの山本社労委員長の報告でも明らかであり、反国民的なしろものであることが明らかになりつつあるのであります。
 そもそも本法案の政府原案は、政府管掌健康保険の赤字対策が主体であるとされております。千分の六十五の料率を千分の七十二に、初診料百円を二百円の倍額に、入院費一日三十円を六十円に、また、全く新たに薬価の一部を患者に負担させようとする制度新設を内容とする改正を行ない、これをもって昭和三十六年度以降の累積赤字分をここ一、二年の間に一挙に解決しようとしているのでありますが、このことは、過去における政府の無策をそのまま被保険者に転嫁する無責任きわまる暴挙と言わねばなりませんし、このようなどんぶり勘定式の解決策は小学生でもできる相談でありまして、そこには一片の行政努力も、また、誠意も感ずることはできないのであります。しかも、一、二年の間に赤字を解消し、しかる後に現料率をもってするならば、ばく大な黒字が出るはずでありますが、その処理についても何ら言及しておらないということについては、まことに低所得者からぶったくり、ふんだくりのあくなき行為と断ぜざるを得ないと思うのであります。(拍手)また、行政努力によって四十二年度二十五億円を生み出す計画のようでありますが、四十一年度の実績は、目標九十八億円に対し、六十八億円を達成している経過から見て、少なきに過ぎ、これは単に帳じりを合わせるための計数整理にほかならないと見ることができ、いかに仮定の数字と言いながら、不誠意をそのまま表現していると見ることができましょう。
 さらに、薬価の一部を負担させようとしているにもかかわらず、現行薬価基準と実勢価格の格差をそのままに保険財政計画を策定していることは、どうしても了解できないのであります。昭和四十二年度の保険医療費総額は一兆四千億と見込まれておりますが、うち、薬剤費は約四千五百億円ともいわれ、厚生省が調査したと言われる薬価基準に対する実勢価格、病院八〇%、診療所八五%をもって、その差額を類推すれば、都市と農村等の違いがあったといたしましても、四十二年度単年度において実に七百億円をこす差益を計上することが推定できるのでありまして、法律の改定を見るまでもなく、りっぱに赤字を解消することができると想定されるのであります。こうした事情を承知しながら、厚生省保険局長は、薬価基準の改定は九月に行ないたい旨述べておるのでありますが、少なくとも保険財政に重要な部分をなす薬価問題をそのままに、従前のとおり財政計画が出されておるということは、法案審議の基礎資料に重大な虚偽があったといっても過言でなく、当然に財政計画の再検討と、その上に立って法案の再提出をしなければならない価値のある問題であろうと考えるのであります。
 その他多くの矛盾が審議の過程で明らかになりましたが、特に制度の問題については、坊厚生大臣は、わが党の追及によって若干の答弁変更を行なってはおりますが、社会保障ではなく、保険主義を貫くことについてしばしば言明し、また、水田大蔵大臣は、社会労働委員会におけるわが党の小柳委員の質問に対し、薬価負担は制度の骨組みを残しておけば目的は達せられるとの答弁を行なったことは、新聞の報ずるとおりであります。政府が何と言いつくろおうとも、制度に対する考え方を、保障制から保険制度に切りかえ、政府の財政負担を将来に軽減しようと考えていることは、いまや明瞭であります。こうした政府の考え方は、将来、国民健康保険や共済組合などあらゆる医療制度、及び社会保障と称せられるすべての機構に貫かれるであろうことは、最近における政府の財政経済政策が、より高度の資本主義体制と競争の強化の方向にあることと符節して、もはや明らかであります。この法案に賛成しようとする自民党議員の諸君に私は聞きたい。
 政府管掌健康保険被保険者は一千二百十六万人、そのうち標準報酬月額二万四千円以下の方々は七一%の多きに達しておるのであります。この低所得者層に対し、さらに大きな負担を背負わせることは、病気になっても医者にかかるな、死ねと言うにひとしいことだとは思いませんか。そうしてまた、法案審議の過程で明らかになった誤謬、誤算は直ちに是正する謙虚さこそが、国民に責任を持つ政党と議員の任務であると考えませんか。しかるに、自民党は、原案一部修正でお茶を濁し、委員会審査の過程で明らかになった諸矛盾に目をおおって、強引に社会労働委員会の中間報告を求め、あまつさえ、本会議で審査する動議を提出して、一挙に案件成立をはかろうとすることは、国民の福祉と利益を忘れ、党利のみを優先せしめる、許すことのできない行為と断ぜざるを得ないのであります。責任をもって法案を提出し、さらに責任を加えて修正をした自民党が、これらもろもろの国民のためにならざる内容を承知の上で、法案の成立を急ぐことは、自民党こそ国民の利益を侵害する政党であると言われてもやむを得ないのではないかと考えるのであります。(拍手)このような理由によって、さらには山本社労委員長の良心と心情を思いやり、明十八日正午まで社労委において審議することの社会党加瀬完君の動議に賛成し、沢田君の動議には明らかに反対するものであります。
 反対の第二の理由は、政府与党である自民党が、多数の力によって中間報告を求め、一切の審議を拒否して、本会議で直ちに採決を強行することは、議員の審議権を無視し、議会制民主主義を冒涜するものであり、断じて許すことのできない行為であるということであります。自民党は、十四日午後四時に、社会労働委員会においてわが党の藤原道子議員の質疑が行なわれつつあるにもかかわらず、これを無視して、議事進行、発言者交代を意味する動議を玉置議員より提出させたのであります。これは明らかに議員の質問権を無視した行為であり、議員みずからが審議権を否定する行為であると言わねばなりません。本来、議員の任務は、審議を尽くすことであり、何人も侵すことのできない使命であります。しかも、参議院規則によりましても、当然に、委員会における一切の質疑を終了し、討論終局を待って採否を決定し、これを委員長が報告するというのが、あくまでも正しい進め方であり、これこそが、院の、そしてまた議員の任務であろうと思うのであります。先ほどの山本社会労働委員長の中間報告でも明らかなように、おそらく山本委員長の心底には、その重大な任務の前に、いかに強制された中間報告であるといえども、おそらく良心に照らしてじくじたるものがあったのではないかと推察、同情にたえないのでありますけれども、その報告に明らかなように、また、瀬谷、山崎両議員の質問によっても、審議は十分尽くされておらないことが明らかなのであります。しかも、問題点に対する明確な回答は、何一つ行なわれておらないのであります。にもかかわらず、いまだ続行中の委員会審議を多数の力をもってこれを停止せしめ、矛盾だらけの法案を本会議に引き出し、その矛盾をむしろ多数の力によって隠蔽しようとするがごときは、およそ事の理非をわきまえず、党利党略のためには一切を踏みにじって恥じない行為であり、国民に責任を持つ議員のなすべきことではないと考えるのであります。まさにこのような行為は、議会制民主主義を破壊するものであり、議員みずからがその墓穴を掘る行為であり、私は断固反対をするものであります。
 反対の第三の理由は、議長においてこの動議を取り上げることは、議長の権威をそこなうものであり、議長の権威を守るためにも反対せざるを得ないのであります。院の運営については、議長並びに委員長は共同の責任を持っているはずであります。とすれば、議長は、委員会の審議が正常に、しかも余すことなく尽くされているかいなか、常に委員長との連絡を密にし、措置をしなければならないはずであります。したがって、本会議において中間報告を求め、その上委員会審査を停止せしめ、本会議においての審議を許すことは、院の最高責任者としての議長が、その運営に共同の責任を持つべき委員長を窮地に追い込み、院の正常な運営を乱す結果ともなるでありましょう。そしてこのことは、多数党におもねり、その党利党略の走狗と見られてもやむを得ないのでありまして、みずから議長の権威を失墜し、議長に対する不信感が、おのずから院の運営を乱す遠因となるならば、国の政治にとって重大なる損失であろうと思うのであります。軽々とこの種動議を取り上げることについて反対であると同時に、動議提出それ自体が、本院紊乱の直接的要因であることにかんがみ、直ちに取り下げることを沢田君に警告し、反対の意思を表明するものであります。
 いずれにいたしましても、私は国民に責任を持つ議員の一人として、さらに参議院の権威と議会制民主主義を守る意味合いにおきましても、そして健康保険及び船員保険等臨時特例法案を本会議において直ちに審議することの動議に反対し、社会党が提出をいたしております明十八日正午まで慎重に委員会審査を継続する動議に対し心から賛成をし、討論を終わります。(拍手)
     ―――――・―――――
#50
○副議長(河野謙三君) 沢田一精君外一名から、成規の賛成者を得て、
 討論終局の動議が提出されました。
 これより、本動議の採決をいたします。
 表決は記名投票をもって行ないます。本動議に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行ないます。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#51
○副議長(河野謙三君) 投票漏れはございませんか。――投票漏れないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#52
○副議長(河野謙三君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#53
○副議長(河野謙三君) 投票の結果を御報告いたします。
  投票総数         百九十九票
  白色票           百十六票
  青色票           八十三票
 よって、討論は終局することに決しました。
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名      百十六名
      林   塩君    植木 光教君
      山崎  斉君    二木 謙吾君
      白井  勇君    伊藤 五郎君
      岡村文四郎君    大谷 贇雄君
      横山 フク君    笹森 順造君
      植竹 春彦君    新谷寅三郎君
      鬼丸 勝之君    山本茂一郎君
      中津井 真君    林田悠紀夫君
      佐藤 一郎君    山内 一郎君
      柳田桃太郎君    宮崎 正雄君
      船田  譲君    平泉  渉君
      八田 一朗君    和田 鶴一君
      木村 睦男君    高橋文五郎君
      内田 芳郎君    大森 久司君
      園田 清充君    野知 浩之君
      源田  実君    熊谷太三郎君
      温水 三郎君    長谷川 仁君
      沢田 一精君    吉江 勝保君
      石井  桂君    豊田 雅孝君
      稲浦 鹿藏君    江藤  智君
      大竹平八郎君    大谷藤之助君
      徳永 正利君    青柳 秀夫君
      佐藤 芳男君    平島 敏夫君
      山下 春江君    山本 利壽君
      堀本 宜実君    塩見 俊二君
      鍋島 直紹君    石原幹市郎君
      上原 正吉君    古池 信三君
      郡  祐一君    斎藤  昇君
      米田 正文君    栗原 祐幸君
      久保 勘一君    北畠 教真君
      西村 尚治君    中村喜四郎君
      内藤誉三郎君    任田 新治君
      土屋 義彦君    高橋雄之助君
      玉置 和郎君    岡本  悟君
      奥村 悦造君    楠  正俊君
      黒木 利克君    金丸 冨夫君
      日高 広為君    丸茂 重貞君
      山本  杉君    谷村 貞治君
      木島 義夫君    谷口 慶吉君
      柴田  栄君    後藤 義隆君
      鈴木 万平君    竹中 恒夫君
      天坊 裕彦君    中野 文門君
      西田 信一君    迫水 久常君
      田中 茂穂君    梶原 茂嘉君
      八木 一郎君    森 八三一君
      三木與吉郎君    西郷吉之助君
      木内 四郎君    安井  謙君
      増原 恵吉君    青木 一男君
      小山邦太郎君    重政 庸徳君
      小林  章君    近藤英一郎君
      田村 賢作君    櫻井 志郎君
      鹿島 俊雄君    井川 伊平君
      赤間 文三君    森部 隆輔君
      津島 文治君    青田源太郎君
      紅露 みつ君    小林 武治君
      剱木 亨弘君    松平 勇雄君
      高橋  衛君    吉武 恵市君
      中山 福藏君    小柳 牧衞君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名      八十三名
      鬼木 勝利君    原田  立君
      山高しげり君    黒柳  明君
      矢追 秀彦君    中沢伊登子君
      市川 房枝君    中尾 辰義君
      片山 武夫君    田代富士男君
      二宮 文造君    北條 雋八君
      高山 恒雄君    多田 省吾君
      宮崎 正義君    向井 長年君
      渋谷 邦彦君    鈴木 一弘君
      山田 徹一君    辻  武寿君
      白木義一郎君    鈴木 市藏君
      達田 龍彦君    前川  旦君
      戸田 菊雄君    竹田 現照君
      相澤 重明君    木村美智男君
      村田 秀三君    小野  明君
      田中寿美子君    矢山 有作君
      松本 賢一君    杉山善太郎君
      大矢  正君    森中 守義君
      中村 英男君    伊藤 顕道君
      加瀬  完君    小酒井義男君
      光村 甚助君    久保  等君
      大和 与一君    岩間 正男君
      須藤 五郎君    春日 正一君
      森  勝治君    鈴木  力君
      中村 波男君    川村 清一君
      柳岡 秋夫君    瀬谷 英行君
      吉田忠三郎君    渡辺 勘吉君
      小林  武君    鶴園 哲夫君
      林  虎雄君    中村 順造君
      千葉千代世君    野上  元君
      武内 五郎君    山本伊三郎君
      松永 忠二君    北村  暢君
      鈴木  強君    占部 秀男君
      森 元治郎君    鈴木  壽君
      永岡 光治君    秋山 長造君
      岡  三郎君    藤田  進君
      成瀬 幡治君    亀田 得治君
      大倉 精一君    近藤 信一君
      椿  繁夫君    横川 正市君
      木村禧八郎君    佐多 忠隆君
      岡田 宗司君    藤原 道子君
      松澤 兼人君
     ―――――・―――――
#54
○副議長(河野謙三君) 暫時休憩いたします。
   午後四時三十四分休憩
     ―――――・―――――
   午後八時十九分開議
#55
○議長(重宗雄三君) 休憩前に引き続き、これより会議を開きます。
 休憩前の動議の採決をいたします。
 まず、加瀬完君提出の、健康保険法及び船員保険法の臨時特例に関する法律案は明十八日正午までに社会労働委員会で審査を了することの動議を問題に供します。
 表決は記名投票をもって行ないます。本動議に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行ないます。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#56
○議長(重宗雄三君) すみやかに御投票願います。――投票開始から相当の時間が経過しております。すみやかに投票されませんと、議長は投票時間を制限せざるを得ません。投票をお進めください。――投票をお急きください。――投票漏れはこざいませんか。――投票漏れないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#57
○議長(重宗雄三君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#58
○議長(重宗雄三君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百六票
  白色票           八十五票
  青色票          百二十一票
 よって、本動議は否決せられました。
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名     八十五名
      鬼木 勝利君    原田  立君
      山高しげり君    黒柳  明君
      矢追 秀彦君    中沢伊登子君
      市川 房枝君    二宮 文造君
      北條 雋八君    高山 恒雄君
      多田 省吾君    宮崎 正義君
      小平 芳平君    向井 長年君
      渋谷 邦彦君    鈴木 一弘君
      山田 徹一君    中村 正雄君
      辻  武寿君    白木義一郎君
      鈴木 市藏君    達田 龍彦君
      戸田 菊雄君    竹田 現照君
      相澤 重明君    山崎  昇君
      木村美智男君    村田 秀三君
      小野  明君    田中寿美子君
      矢山 有作君    野々山一三君
      松本 賢一君    佐野 芳雄君
      杉山善太郎君    大森 創造君
      大矢  正君    森中 守義君
      柴谷  要君    小柳  勇君
      中村 英男君    伊藤 顕道君
      加瀬  完君    小酒井義男君
      光村 甚助君    久保  等君
      大和 与一君    森  勝治君
      鈴木  力君    中村 波男君
      川村 清一君    柳岡 秋夫君
      瀬谷 英行君    吉田忠三郎君
      渡辺 勘吉君    小林  武君
      鶴園 哲夫君    林  虎雄君
      千葉千代世君    野上  元君
      武内 五郎君    山本伊三郎君
      松永 忠二君    北村  暢君
      鈴木  強君    藤田藤太郎君
      占部 秀男君    森 元治郎君
      鈴木  壽君    永岡 光治君
      秋山 長造君    岡  三郎君
      藤田  進君    成瀬 幡治君
      亀田 得治君    大倉 精一君
      近藤 信一君    椿  繁夫君
      横川 正市君    木村禧八郎君
      佐多 忠隆君    藤原 道子君
      加藤シヅエ君    松澤 兼人君
      羽生 三七君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名      百二十一名
      林   塩君    植木 光教君
      山崎  斉君    二木 謙吾君
      前田佳都男君    白井  勇君
      伊藤 五郎君    林田 正治君
      大谷 贇雄君    横山 フク君
      寺尾  豊君    笹森 順造君
      新谷寅三郎君    鬼丸 勝之君
      山本茂一郎君    中津井 真君
      林田悠紀夫君    佐藤 一郎君
      山内 一郎君    柳田桃太郎君
      宮崎 正雄君    船田  譲君
      平泉  渉君    八田 一朗君
      和田 鶴一君    木村 睦男君
      高橋文五郎君    内田 芳郎君
      大森 久司君    園田 清充君
      野知 浩之君    源田  実君
      熊谷太三郎君    温水 三郎君
      岸田 幸雄君    長谷川 仁君
      沢田 一精君    吉江 勝保君
      石井  桂君    豊田 雅孝君
      稲浦 鹿藏君    江藤  智君
      大竹平八郎君    大谷藤之助君
      徳永 正利君    青柳 秀夫君
      佐藤 芳男君    平島 敏夫君
      山下 春江君    山本 利壽君
      堀本 宜実君    塩見 俊二君
      鍋島 直紹君    石原幹市郎君
      上原 正吉君    古池 信三君
      郡  祐一君    斎藤  昇君
      米田 正文君    小林 篤一君
      栗原 祐幸君    久保 勘一君
      北畠 教真君    西村 尚治君
      中村喜四郎君    内藤誉三郎君
      任田 新治君    土屋 義彦君
      高橋雄之助君    玉置 和郎君
      藤田 正明君    岡本  悟君
      奥村 悦造君    楠  正俊君
      黒木 利克君    金丸 冨夫君
      日高 広為君    丸茂 重貞君
      山本  杉君    谷村 貞治君
      木島 義夫君    谷口 慶吉君
      柴田  栄君    後藤 義隆君
      鈴木 万平君    竹中 恒夫君
      天坊 裕彦君    中野 文門君
      西田 信一君    迫水 久常君
      田中 茂穂君    梶原 茂嘉君
      八木 一郎君    森 八三一君
      三木與吉郎君    西郷吉之助君
      木内 四郎君    林屋亀次郎君
      安井  謙君    増原 恵吉君
      杉原 荒太君    平井 太郎君
      青木 一男君    小山邦太郎君
      重政 庸徳君    小林  章君
      近藤英一郎君    田村 賢作君
      櫻井 志郎君    鹿島 俊雄君
      井川 伊平君    赤間 文三君
      津島 文治君    青田源太郎君
      紅露 みつ君    小林 武治君
      剱木 亨弘君    松平 勇雄君
      高橋  衛君    吉武 恵市君
      小柳 牧衞君
     ―――――・―――――
#59
○議長(重宗雄三君) 次に、沢田一精君外一名提出の、健康保険法及び船員保険法の臨時特例に関する法律案は議院の会議において直ちに審議することの動議を問題に供します。
 表決は記名投票をもって行ないます。本動議に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行ないます。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#60
○議長(重宗雄三君) 投票漏れはございませんか。――投票漏れないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#61
○議長(重宗雄三君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#62
○議長(重宗雄三君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百十四票
  白色票          百二十二票
  青色票           九十二票
 よって、健康保険法及び船員保険法の臨時特例に関する法律案は議院の会議において直ちに審議することに決しました。(拍手)
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名     百二十二名
      林   塩君    植木 光教君
      山崎  斉君    二木 謙吾君
      前田佳都男君    白井  勇君
      伊藤 五郎君    林田 正治君
      大谷 贇雄君    横山 フク君
      寺尾  豊君    笹森 順造君
      植竹 春彦君    新谷寅三郎君
      鬼丸 勝之君    山本茂一郎君
      中津井 真君    林田悠紀夫君
      佐藤 一郎君    山内 一郎君
      柳田桃太郎君    宮崎 正雄君
      船田  譲君    平泉  渉君
      八田 一朗君    和田 鶴一君
      木村 睦男君    高橋文五郎君
      内田 芳郎君    大森 久司君
      園田 清充君    野知 浩之君
      源田  実君    熊谷太三郎君
      温水 三郎君    岸田 幸雄君
      長谷川 仁君    沢田 一精君
      吉江 勝保君    石井  桂君
      豊田 雅孝君    稲浦 鹿藏君
      江藤  智君    大竹平八郎君
      大谷藤之助君    徳永 正利君
      青柳 秀夫君    佐藤 芳男君
      平島 敏夫君    山下 春江君
      山本 利壽君    堀本 宜実君
      塩見 俊二君    鍋島 直紹君
      石原幹市郎君    上原 正吉君
      古池 信三君    郡  祐一君
      斎藤  昇君    米田 正文君
      小林 篤一君    栗原 祐幸君
      久保 勘一君    北畠 教真君
      西村 尚治君    中村喜四郎君
      内藤誉三郎君    任田 新治君
      土屋 義彦君    高橋雄之助君
      玉置 和郎君    藤田 正明君
      岡本  悟君    奥村 悦造君
      楠  正俊君    黒木 利克君
      金丸 冨夫君    日高 広為君
      丸茂 重貞君    山本  杉君
      谷村 貞治君    木島 義夫君
      谷口 慶吉君    柴田  栄君
      後藤 義隆君    鈴木 万平君
      竹中 恒夫君    天坊 裕彦君
      中野 文門君    西田 信一君
      迫水 久常君    田中 茂穂君
      梶原 茂嘉君    八木 一郎君
      森 八三一君    三木與吉郎君
      西郷吉之助君    木内 四郎君
      林屋亀次郎君    安井  謙君
      増原 恵吉君    平井 太郎君
      青木 一男君    小山邦太郎君
      重政 庸徳君    小林  章君
      近藤英一郎君    田村 賢作君
      櫻井 志郎君    鹿島 俊雄君
      井川 伊平君    赤間 文三君
      津島 文治君    青田源太郎君
      紅露 みつ君    小林 武治君
      剱木 亨弘君    松平 勇雄君
      高橋  衛君    吉武 恵市君
      中山 福藏君    小柳 牧衞君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名      九十二名
      鬼木 勝利君    原田  立君
      山高しげり君    黒柳  明君
      矢追 秀彦君    中沢伊登子君
      市川 房枝君    片山 武夫君
      二宮 文造君    北條 雋八君
      高山 恒雄君    多田 省吾君
      宮崎 正義君    小平 芳平君
      向井 長年君    渋谷 邦彦君
      山田 徹一君    中村 正雄君
      北條  浩君    和泉  覚君
      白木義一郎君    鈴木 市藏君
      達田 龍彦君    前川  旦君
      戸田 菊雄君    竹田 現照君
      相澤 重明君    山崎  昇君
      木村美智男君    村田 秀三君
      小野  明君    田中寿美子君
      矢山 有作君    野々山一三君
      松本 賢一君    杉山善太郎君
      大森 創造君    大矢  正君
      森中 守義君    柴谷  要君
      小柳  勇君    中村 英男君
      伊藤 顕道君    加瀬  完君
      小酒井義男君    光村 甚助君
      久保  等君    大和 与一君
      岩間 正男君    須藤 五郎君
      春日 正一君    森  勝治君
      鈴木  力君    中村 波男君
      川村 清一君    柳岡 秋夫君
      瀬谷 英行君    稲葉 誠一君
      吉田忠三郎君    渡辺 勘吉君
      小林  武君    鶴園 哲夫君
      林  虎雄君    中村 順造君
      千葉千代世君    野上  元君
      武内 五郎君    山本伊三郎君
      松永 忠二君    北村  暢君
      鈴木  強君    藤田藤太郎君
      占部 秀男君    森 元治郎君
      鈴木  壽君    永岡 光治君
      秋山 長造君    岡  三郎君
      藤田  進君    成瀬 幡治君
      亀田 得治君    大倉 精一君
      近藤 信一君    椿  繁夫君
      横川 正市君    木村禧八郎君
      佐多 忠隆君    岡田 宗司君
      藤原 道子君    加藤シヅエ君
      松澤 兼人君    羽生 三七君
     ─────・─────
#63
○議長(重宗雄三君) 健康保険法及び船員保険法の臨時特例に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 本日はこれにて延会することとし、次会は明日午前一時三十分より開会いたします。
 これにて延会いたします。
   午後十時十一分延会
ソース: 国立国会図書館
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