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1949/05/22 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 法務委員会 第19号
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1949/05/22 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 法務委員会 第19号

#1
第005回国会 法務委員会 第19号
昭和二十四年五月二十二日(日曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○認知の訴の特例に関する法律案(衆
 議院提出)
○還付期限後拾得物を自治体警察費に
 充当の請願(第六百二十六号)
○遺失物法改正に関する請願(第七百
 十一号)
○栃木縣小山町に簡易裁判所及び檢察
 廳設置の請願(第九百八十八号)
○福島市の東北少年院に関する請願
 (第千五号)
○東京都府中町の少年保護院設置計画
 変更に関する請願(第千十八号)
○島根縣津和野町に簡易裁判所及び区
 檢察廳設置の陳情(第百八十九号)
○長野縣赤穗町に簡易裁判所設置の陳
 情(第三百八十五号)
○釧路司法事務局大樹出張所存置及び
 昇格に関する陳情(第三百九十二
 号)
○兒島市に簡易裁判所及び区檢察廳設
 置の陳情(第二百六十七号)
○労働者の債権に関する法的措置の陳
 情(第三百三十六号)
○きよう正保護事業費全額國庫補助等
 に関する陳情(第三百八十二号)
  ―――――――――――――
   午後四時三十八分開会
#2
○委員長(伊藤修君) では法務委員会を開きます。本日は認知の訴の特例に関する法律案を議題に供します。前回に引続き質疑を継続いたします。別に御質疑がなければ、質疑は終局することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(伊藤修君) では質疑はこれを以て終局いたします。この法律案につきまして、当委員会において修正の御意見もありましたから、お手許に配付してある通り修正案を起草いたしまして、この委員会案として議題に供したいと思いますが、御異議ございませんですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(伊藤修君) それではこの修正案を議題に供します。修正案を読み上げます。
 今次の戰爭において、戰地若しくはこれに準する地域に臨み、若しくは國外において未復員中その他これらと同様の実情にあつた死亡し、又は國内において空襲その他戰爭による災害のため死亡した者について、子、その直系卑属、又はこれらの者の法定代理人が認知の訴を提起する場合には、民法(昭和二十二年法律第二百二十二号)第七百八十七條但書の規定に拘わらず、死亡の事実を知つた日から三年以内にこれをすることができる。但し、死亡の日から十年を経過したときはこの限りでない。死亡の事実を知つた日がこの法律施行前であるときは、前項に規定する三年の期間は、この法律施行の日から起算する。
  附 則
この法律は、公布の日から施行する。
#5
○委員長(伊藤修君) 別に御発言もなければ討論はこれを以て終結することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(伊藤修君) 討論はこれを以て終結いたします。直ちに採決に入ります。
 先ず委員会提出にかかるところの修正案を問題に供します。修正案全部に御賛成の方の御起立を願います。
   〔総員起立〕
#7
○委員長(伊藤修君) 全会一致を以て修正案通り可決すべきものと決定いたします。
#8
○來馬琢道君 只今修正案を可決いたしたのであります。然るところ本法律案は頃常に簡單なものであります。それで衆議院提出の本案の表題はこのままにいたしまして、内容については尚委員長において專門員と御協議の上然るべく整理してこの庶子の認知の手続を簡便にするように取扱われることを希望いたします。さようにして採決あらんことを希望いたします。
#9
○委員長(伊藤修君) それでは修正部分を除く原案全部を問題に供します。修正部分を除く原案全部に御賛成の方は御起立を願います。
   〔総員起立〕
#10
○委員長(伊藤修君) 全会一致原案通り可決と決定いたしました。尚本会議における委員長の口頭報告の内容は、予め御承認を願つて置きます。尚御賛成の方の御署名を願います。
  多数意見者署名
    齋  武雄  星野 芳樹
    松村眞一郎  來馬 琢道
    松井 道夫  鬼丸 義齊
    大野 幸一
#11
○委員長(伊藤修君) それでは懇談のため暫く休憩いたします。
   午後四時五十六分休憩
   ―――――・―――――
   午後五時五分開会
#12
○委員長(伊藤修君) 休憩前に引続きまして会議を開きます。
 請願及び陳情を緊急上程いたします。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○委員長(伊藤修君) では上程することにいたします。
 先ず請願の六百二十六号還付期限後拾得物を自治体警察費に充当の請願、及び七百十一号の遺失物法改正に関する請願、両案を一括して議題に供します。紹介議員大野君の説明を求めます。
#14
○大野幸一君 請願第六百二十六号及び第七百十一号の紹介議員といたしまして、請願の要旨及びその理由を申上げます。拾得物の還付期限経過後のものを自治体警察の費用に充当したい要望について、というのであります。
 由來拾得物の最終の所有権は、いずれも國庫に帰属しておりました。併しその取扱が、今回地区及び自治の二者に警察制度がなつたために、自治体警察に屆出られた拾得物は、それを自治体警察の收入として、その経費に充当することを要望する。こういう意味であります。由來、自治警察は、地方警察に協力して、時には又費用を非常に支出している場合が多く見られます。こういう場合も考慮されまして、自治警察に屆出た拾得物を、その還付期限経過後自治警察の收入とされんことを望むものであります。尚本請願は、東海各市市議会議長会において議決せられて、その代表者として、岐阜市議会議長松原喜八の請願にかかるものであります。
#15
○委員長(伊藤修君) 両案はいずれも立法事項でありますから、これを採擇して、会議に付することを要するものとし、且つ内閣に送付することを要しないものとすることに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○委員長(伊藤修君) それではさよう決定いたします。
  ―――――――――――――
#17
○委員長(伊藤修君) 次に九百八十八号栃木縣小山町に簡易裁判所及び檢察廳設置の請願を議題に供します。簡單に專門員から説明いたせます。
#18
○專門員(泉芳政君) 紹介議員大島定吉、植竹春彦、請願者は栃木縣下都賀郡小山町長高崎秀雄外五十四名であります。東北線の小山町を中心とする栃木縣下都賀郡一帶は、大小工場及び各種官公署が多数に存在いたしまして、栃木縣下の重要な地位を占めておるのであります。一市三十四ケ町村の廣大な地域を包容する当地方に簡易裁判所並びに檢察廳がないために、司法事犯殊に経済事犯の処理に極めて不便であるから、司法事務の迅速なる処理のため、当地方の産業、経済、文化の中心地で、且つ交通の利便に惠まれている小山町に簡易裁判所及び檢察廳を設置せられたいという請願であります。
#19
○委員長(伊藤修君) 本請願に対して政府の御意見を伺います。
#20
○政府委員(山口好一君) 只今の請願の御趣旨は、政府といたしましても了承いたしておりまして、ただ初めての請願でありまするので、実情調査のために、宇都宮の檢察廳の方に今その調査をいたして貰うように手続をいたしております。尚最高裁判所ともよく協議いたしまして、できるだけその実現に努めたいと考えております。
#21
○委員長(伊藤修君) 裁判所の方は……。
#22
○説明員(内藤頼博君) 最高裁判所におきましても、請願の御趣旨は十分に御了承申上げるのであります。現地の裁判所等の意見その他十分に研究をいたしまして、御趣旨に副うようにいたしたいと思います。
#23
○委員長(伊藤修君) 本請願はこれを採択いたしまして会議に付し内閣を送付することに決定して御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#24
○委員長(伊藤修君) さよう決定いたします。
  ―――――――――――――
#25
○委員長(伊藤修君) 次に福島市の東北少年院に関する請願を議題に供します。
#26
○專門員(泉芳政君) 紹介議員橋本萬右衞門君、請願者は福島市議会議長松本忠雄外一名であります。福島市の信夫山の山ぞいにありますところの東北少年院は、その位置が不適当なばかりでなく、その建物も非常に不完全なために、今年の二月十六日夜集團逃走がございまして、これをきつかけに四月二十六日まで二ケ月半の間に九回、延人員にして百二十三名の收容兒が放火を伴う波状的な集團脱走をいたしました。その都度市民は火災、盜難の被害を被り、極度の不安に襲われ、連日連夜安眠を妨げられておるという現状であるから、民生安定のため速かに適切な処置を講ぜられたいという請願であります。尚この少年院はいわゆる特別少年院でありまして、先般当法務委員会におきましては福島市に議員派遣の際に具さにその実情を見て参つたことを附言いたして置きます。
#27
○委員長(伊藤修君) 法務廳の説明を。
#28
○政府委員(佐藤藤佐君) 請願の御趣旨は誠に御尤もでありまして、法務廳といたしましても、東北少年院の建物その他の設備が不完全でありまして、更に適当な候補地を得まして、そこに理想的な少年院を建てたいというつもりで計画中であります。幸い宮城縣に相当廣大な地所が手に入りましたので、予算の許す範囲内において急速にここに少年院を建てまして、移轉いたしたいと考えております。尚特殊少年院を本年の一月一日から東北少年院の一部に附置してございましたが、設備不完全な東北少年院に特殊少年を收容するということは如何にも適当でありませんので、これは先般全部盛岡の少年刑務所の一部を仕切りまして特殊少年院と指定し、それに狂暴な少年をその特殊少年院に移送いたしましたので、先般たびたび起りましたような不祥事件は今後福島においては起らないであろうと考えております。
#29
○鬼丸義齊君 ちよつと政府委員に伺いますが、少年院の設備が不完全であるとか、或いはその組織が不十分であるとかいうようなことのために再々事故が起りますることは、この設備の不完全なことが却つて少年の不良性を彌が上にも倍加することになりはしないかと思います。從つてただ徒らに数を殖やすのみで、不完全なことになつて大事な少年期における少年が、そうした逃走とか或いはそれ以上の大罪を犯して、それがために遂に一生を罪の子として、罪の人として暮さしめるようなことになりますれば、むしろ設置自身が少年を不良に導くことになる。そこで私は今日の行刑の実際から見ましても、余りにも不完全であり、恐らくは行刑の実情というものはもう完全に今は破壞されてしまつておるような氣がしてならない。又行刑の目的が、從來考えておりましたいわゆる行刑の目的というものは、殆んど実行されていないで、設備の不完全なために、刑期の三分の一ですか、期限が來ることを持つて、本人の改悛というような点については、更生というような点についてはもう聊かも考慮を拂うことなく、そのまま出しておるというような現状等に絡みまして、何とか行刑上については一段の一つ御研究と設置の完全を期して貰うべく努力をして貰いたいということを希望いたして置きます。
#30
○政府委員(佐藤藤佐君) 行刑及び矯正保護の施設の改善につきまして有力な御発言を得まして、私共としては誠に感謝いたしますと共に、從來私共の力に及ばなかつたために十分な予算も得られませんので、設備が不十分なままになつておつたために、たびたび不祥事が頻発いたしまして、この点につきましては誠に遺憾に堪えないのでございまして、今後とも仰せのように十分予算を獲得いたしまして、設備を改善いたしたいと考えております。
#31
○委員長(伊藤修君) 本請願につきましてはこれを採択いたしまして、会議に付し、内閣に送付することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#32
○委員長(伊藤修君) それではさよう決定いたします。
  ―――――――――――――
#33
○委員長(伊藤修君) 次に東京都府中町の少年保護院設置計画変更に関する請願を議題に供します。
#34
○專門員(泉芳政君) 請願者は東京都北多摩郡府中町財團法人明星高等学校内兒玉九十外数名でありますが、大体この府中町に存在する高等学校、中学校その他の教育施設七つばかりが連名で請願しておるものであります。紹介議員は藤井新一。趣旨とするところは、この府中町内の旧東海学校跡の敷地を法務廳が買收して、少年保護院を設置するという計画も聞いておるが、同地区には各種の学校が密集しておる。その予定地を隔たる百メートルに一つ、五百メートルに一つ、四百、八百、千五百、千六百、千二百、そういつた割合に手近かなところに八つばかりの学校がある。それでいわばその府中町の文教地区を形成しておるので少年保護院を設けられるということは、これらの学校の生徒に惡影響を與えることが、予想されるから、この設置計画を変更して呉れという請願であります。この各学校との距離は只今申上げたように近くは百メートル、四百メートル、五百メートル、八百メートル、千五百メートル、千六百メートルというような距離であつて、この余り遠くない所に府中刑務所があることをこれに附加えて置きます。
#35
○委員長(伊藤修君) 政府委員の御意見を伺います。
#36
○政府委員(佐藤藤佐君) 從來刑務所を新設する場合に、その地区の住民から設立について反対を受けた例がたびたびあるのでありますが、恐らくこの請願も同じような趣旨で反対されておることと思うのでありますが、御承知のように刑務所と違いまして、少年院は素質の惡い少年をそこに收容して矯正保護を加えて立派な少年に仕立てようという目的でありまして、文教地区における学校の教育目的と全然同一なんでありまして、ただ学校において收容する学生は割合に素質のよい学生が大部分でありますが、少年院に收容する少年は素質の惡い少年が大部分だという点が違うのでありまして、その教育の目的たるや全然同一でありますので、そういう観点から私としては府中町民が反対される理由がないものと考えております。併しながら若し少年が逃走してその地区の平安を紊し、或いは住民の生活を脅かすというようなことが全然ないとは断言できませんので、そういうような不祥事の起らないように万全の策を立てて、少年院の目的を貫徹いたしたいと考えております。
#37
○來馬琢道君 只今の説明でありますと、只今の專門員の朗読せられた及び説明せられたものによりましても、余り近いところに少年保護院があるということは明らかでありますが、何か少年保護院には、他の学校と余り学校に非常に影響を與えないように木欄でも作つて区別する設備がしてありますか。或いは私は方々で見て参りましたこともありますが、各少年院のように逃走することもできる。自制によつて逃走しない方がよいというような態度で設置されるのでありますか。その状況を少し伺つて置きたいと思います。
#38
○政府委員(佐藤藤佐君) 東海大学の校舍を買收いたしたのでありますが、あの校舍は御承知の方もございましようが、戰時中設けられた尨大な校舍でありまして、府中の郊外の平野の眞中に建つておるのでおりまして、他の学校がその附近にあるということは、私が下見聞したときには見当りませんでした。最近或いはその近所に学校が設立されたのかも存じませんが、非常に廣々とした平野の中の一角が東海大学の敷地になつておつたのでありまして、今は学校の設備をそのまま承け継いだので、何ら外壁等は設けてはおりませんけれども、少年院ができました曉には、容易に逃走のできないような設備にいたしたいと存じております。尚現在予想しておりまするのは、その少年院は大半は医療少年院として使用したいという考えを持つておりまするので、さようになりますれば、一般の少年院よりも逃走事故というようなことは滅多に起らないのではないかというように考えております。いずれにいたしましても刑務所と違いまして、少年院は余り高い外壁を設けて、少年の心を暗くすさませるというようなことをしてもいけませんので、成るべく明るく、窮屈な感じを與えないようにいたしたいとは考えておりますけれども、容易に逃走のできないような設備をいたすつもりでおります。
#39
○來馬琢道君 只今の御答弁でしたが、明星高等学校は相当古くからある学校でありますので、実地視察のときに見当らなかつたかも知れませんが、そんなに遠くないところにあるものだと思います。尚その辺について成るべくこれらの普通の学校の地帶に影響を與えないようにせられることが私共の希望するところであります。
#40
○委員長(伊藤修君) 本件は実地を見なければ、余り委員会としても分り兼ねますが、採擇は保留することにして如何でしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#41
○委員長(伊藤修君) では採擇は保留することにいたします。
  ―――――――――――――
#42
○委員長(伊藤修君) 次に百八十九号陳情島根縣津和野町に簡易裁判所及び区檢察廳設置の陳情並びに三百八十五号長野縣赤穗町に簡易裁判所設置の陳情、三百九十二号釧路司法事務局大樹出張所存置及び昇格に関する陳情、以上三件を一括して議題に供します。
#43
○專門員(泉芳政君) 島根縣津和野町の分から申します。陳情者は津和野町長鹿野明外一名で、この津和野町は島根縣の西南の端近くに位しまして、鹿足郡の政治の中樞であります。又隣の山口縣の隣接地区を含めての教育文化、経済の中心地であつて、いろいろな役所が沢山設けられておる。そうして警察も地区警察と自治警察と二つがあるが、逮捕状の請求に隣郡の益田町まで行かねばならないという状況で不便が非常に甚だしい。國営バスも開通になつて、郡内の至る所に連絡ができるという最も有利な地位にあるこの津和野町に簡易裁判所及び区檢察廳を設置せられたいという陳情であります。
 次に長野縣の赤穗町に簡易裁判所設置の陳情でありますが、これは同樣赤穗町長宮沢要二郎氏より提出されておるものでありまして、刑事事件は非常に増加しておるが、長野縣下においては、從來の区裁判所所在地の外に岡谷市、屋代町の二ケ所に設置されただけで、赤穗町附近区域は十二キロ離れた伊那簡易裁判所の管轄にあるため、非常に不便であるから、この地方の中心地である赤穗町に簡易裁判所及び区檢察廳を設置せられたいという陳情であります。
 三番目は、北海道廣尾郡大樹村長高橋新市外八名よりの陳情でありますが大樹村には長い間司法事務局出張所の設置がなかつたので、村民は最寄の司法事務局出張所へ行くために、非常に無駄な労力と経費を費していたのであるが、漸く昭和十八年に乙号の出張所が設置されることになつた。ところが、最近行政簡易化及び行政整理ということから、この乙号の出張所が廃止せられるということを耳にしているので、そうすれば又元の不便に逆戻りする結果になり、産業の進展を阻害するものである。当村は十勝國南部の中心にある大村で、現在の戸籍、供託事務については、六十数キロ離れた釧路司法事務局市出張所へ行くために、関係者が非常な不利不便を忍ばなければならんことになるから、是非ともこの大樹村出張所を存続して、尚これを甲号の出張所に昇格せられたいという陳情であります。
#44
○委員長(伊藤修君) 法務廳の御意見を伺います。
#45
○政府委員(佐藤藤佐君) 陳情の御趣旨は、いずれも御尤もと存ずるのであります。島根縣津和野町に簡易裁判所並びに区檢察廳設置の陳情につきましては、先般松江地方裁判所長並びに地方檢察廳の檢事正においても、実施見聞をして、設立することが適当だというような意見も具申されておりまするので、更に当方において調査を進めまして、成るべく御期待に副うようにいたしたい考えでおります。次に長野縣の赤穗町に簡易裁判所並びに区檢察廳設置の陳情でございまするが、この点はまだ本廳においても調査いたしておりませんので、至急調査をいたしまして、必要があれば御期待に副うようにいたしたいと考えております。更に北海道の釧路司法事務局管内の大樹出張所、これは乙号出張所であるのを甲号に昇格するようにという陳情でございます。只今の陳情の中に、行政整理のために廃止になるのではないかというような御心配もあつたのでありまするが、この点は廃止しないで、そのまま存続することに決定いたしているのであります。更に甲号に昇格については、もう少し土地の事情を現地の司法事務局と連絡いたしまして、調査いたした上で決定いたしたいと考えております。
#46
○委員長(伊藤修君) 只今の御意見は、裁判所と御一緒と伺つてよろしうございますか……。それではお諮りいたします。百八十九号島根縣津和野町に簡易裁判所及び区檢察廳設置の陳情、及び三百九十二号釧路司法事務局大樹出張所存置及び昇格に関する陳情、この両件はこれを採擇し、会議に付し、内閣に送付することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#47
○委員長(伊藤修君) それではさように決定いたします。
  ―――――――――――――
#48
○委員長(伊藤修君) 三百八十五号長野縣赤穗町に簡易裁判所設置の陳情につきましては、只今当局の御意見も目下調査中である、当委員会においても事実を調査しなければ如何ようにも決定し難いのでありますから、これは採擇を保留することに御異議ございませんか、よろしうございますか。……それでは採択を保留いたすことに決定いたします。
  ―――――――――――――
#49
○委員長(伊藤修君) 次に陳情二百六十七号兒島市に簡易裁判所及び区檢察廳設置の陳情、三百三十六号、労働者の債権に関する法的措置の陳情、三百八十二号きよう正保護事業費全額國庫補助等に関する陳情、後のやつは別個にいたします。二百六十七と三百三十六の両件を一括して議題に供します。
#50
○專門員(泉芳政君) 二百六十七号は、岡山縣兒島市に簡易裁判所及び区檢察廳を設置せられたいという陳情でありますが、これは本國会において先般簡易裁判所の設立に関する法案の改正案としてすでに両院を通過して、兒島市に設置を見ることに相成つております。それから三百三十六号の労働者の債権に関する法的措置、これも内容とするところは労務者等の報酬に関する先取特権についての保護を十分にして欲しいという陳情でありますが、これ又政府提出の民法改正案が両院を通過しまして、陳情の趣旨による改正が行われることに相成つております。
#51
○委員長(伊藤修君) 只今お聽きの通りでございまして、両件ともすでに当委員会におきまして、法的措置が講ぜられまして、陳情の趣旨は実現しておるのでございますから、ここに改めて採択する必要を認めないと認めて会議に付することを要しないと決定して、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#52
○委員長(伊藤修君) それではさように決定いたします。
  ―――――――――――――
#53
○委員長(伊藤修君) 三百八十二号きよう正保護事業費全額國庫補助等に関する陳情を議題に供します。
#54
○專門員(泉芳政君) 本件は愛媛縣司法保護委員大会、愛媛縣少年保護司大会が昭和二十四年四月七日に催されまして、その会の代表者として大野悌という人か、その大会の決議文を陳情として当参議院に送付して参つたものであります。犯罪は激増の一途を辿つておる。然るに現在地方にある矯正保護の機構は経済面と共に余りにも貧弱であり、殊にその使命たる矯正保護事業運営の資金を国の予算に計上しないで、前の通り依然として民間の助成に依存するがごとき現状下においては物質的、経済的の惡條件と機構の弱体のため、犯罪の追放絶滅は期し得ない実情にある。政府はこの國家的大事業完遂のため斯業経費の全額國庫負担と地方における矯正保護機構を速かに拡充強化せられんことを要望す。右決議する。という決議文であります。
 矯正保護事業につきましては、少年に関する分は全部國営を以てしなければならんことに法律上相成つておるのでありまするが、青年に関する分は未だに私の矯正保護事業を認めておりまするので、その点はこの決議案文にもありまするように、殆んど大部分の費用を民間の助成金に依存しておるような状況であることを附言いたします。
#55
○委員長(伊藤修君) 本件につきまして御質疑なり御意見がありましたら……。
#56
○政府委員(佐藤藤佐君) 保護監察制度は、その本來の性質から見まして言うまでもなく國家の事務でありまするので、そのために民間の負担を加重するようなことはこれを避けなければならないところでありまして、今般犯罪者予防更生法の施行を見ますれば、その実施の曉には民間の司法保護施設を利用する場合等におきましては、その費用を全部國庫から支弁することといたしたのであります。ところが保護監察以外の釋放者保護等につきましては、現行の司法保護事業法の建前から見ましてその経費の全額を國庫において負担することは困難でありまするので、司法第八條の精神に則りまして、これが保護助成に一段の努力を拂うつもりでおります。
#57
○委員長(伊藤修君) 本件はこれを採択いたしまして、会議に付し、内閣に送付することに御異議ありませんですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#58
○委員長(伊藤修君) ではさよう決定いたします。ではこれにて散会いたします。
   午後五時四十三分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     伊藤  修君
   理事
           鬼丸 義齊君
   委員
           大野 幸一君
           齋  武雄君
          大野木秀次郎君
           來馬 琢道君
           松井 道夫君
           松村眞一郎君
           星野 芳樹君
  政府委員
   法務政務次官  山口 好一君
   法務行政長官  佐藤 藤佐君
   常任委員会專門
   員       泉  芳政君
  説明員
   法務廳事務官
   (最高裁判所事
   務総局総務局
   長)      内藤 頼博君
ソース: 国立国会図書館
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