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1967/08/01 第56回国会 参議院 参議院会議録情報 第056回国会 決算委員会 第1号
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1967/08/01 第56回国会 参議院

参議院会議録情報 第056回国会 決算委員会 第1号

#1
第056回国会 決算委員会 第1号
昭和四十二年八月一日(火曜日)
   午前十時三十七分開会
    ―――――――――――――
   委員氏名
    委員長         亀田 得治君
    理 事         黒木 利克君
    理 事         中村喜四郎君
    理 事         温水 三郎君
    理 事         大橋 和孝君
    理 事         竹田 現照君
    理 事         黒柳  明君
                稲浦 鹿藏君
                内田 芳郎君
                大竹平八郎君
                川野 三暁君
                木内 四郎君
                久保 勘一君
                佐藤 芳男君
                高橋文五郎君
                仲原 善一君
                野知 浩之君
                山崎  斉君
                山本茂一郎君
                横井 太郎君
                小野  明君
                大森 創造君
                岡  三郎君
                佐野 芳雄君
                柴谷  要君
                達田 龍彦君
                二宮 文造君
                瓜生  清君
                岩間 正男君
                石本  茂君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         亀田 得治君
    理 事
                黒木 利克君
                中村喜四郎君
                温水 三郎君
                竹田 現照君
                黒柳  明君
    委 員
                川野 三暁君
                山本茂一郎君
                大森 創造君
                岡  三郎君
                柴谷  要君
                達田 龍彦君
                二宮 文造君
                瓜生  清君
                石本  茂君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  水田三喜男君
       通商産業大臣   菅野和太郎君
       運 輸 大 臣  大橋 武夫君
       郵 政 大 臣  小林 武治君
       国 務 大 臣  松平 勇雄君
   政府委員
       内閣官房副長官  亀岡 高夫君
       総理府総務副長
       官        上村千一郎君
       総理府人事局長  増子 正宏君
       公正取引委員会
       事務局長     竹中喜満太君
       行政管理庁行政
       監察局長     稲木  進君
       大蔵省主計局次
       長        相沢 英之君
       大蔵省理財局長  中尾 博之君
       国税庁長官    泉 美之松君
       農林省園芸局長  八塚 陽介君
       通商産業大臣官
       房長       大慈彌嘉久君
       通商産業省通商
       局長       山崎 隆造君
       建設政務次官   澁谷 直藏君
       建設省計画局長  志村 清一君
        ―――――
       会計検査院長   山崎  高君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐藤 忠雄君
   説明員
       大蔵省国有財産
       局長       松永  勇君
       厚生省薬務局長  坂元貞一郎君
       会計検査院事務
       総局第五局長   佐藤 三郎君
   参考人
       日本住宅公団総
       裁        林  敬三君
       日本住宅公団理
       事        稗田  治君
       日本住宅公団理
       事        尚   明君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和四十年度一般会計歳入歳出決算、昭和四十
 年度特別会計歳入歳出決算、昭和四十年度国税
 収納金整理資金受払計算書、昭和四十年度政府
 関係機関決算書(第五十四回国会内閣提出)
 (継続案件)
○昭和四十年度国有財産増減及び現在額総計算書
 (第五十五回国会内閣提出)(継続案件)
○昭和四十年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (第五十五回国会内閣提出) (継続案件)
○参考人の出席要求に関する件
○調査承認要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(亀田得治君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 これより昭和四十年度決算外二件を議題といたします。
 まず、昭和四十年度決算及び昭和四十年度日本専売公社の決算について、概要説明を聴取いたします。水田大蔵大臣。
#3
○国務大臣(水田三喜男君) 昭和四十年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受け払い計算書及び政府関係機関決算書を会計検査院の検査報告とともに第五十四回国会に提出し、また、昭和四十年度の国の債権の現在額並びに物品増減及び現在額についても、同国会に報告いたしましたので、その大要を御説明申し上げます。
 昭和四十年度予算は、昭和四十年三月三十一日に成立いたしました本予算と昭和四十年八月十一日、昭和四十年十二月二十七日及び昭和四十一年二月二十三日に成立いたしました補正予算とからなるものであります。
 昭和四十年度本予算は、農林漁業及び中小企業の近代化高度化の推進、社会保障関係諸施策の充実、住宅及び生活環境施設の建設の促進、文教の刷新充実及び科学技術の振興、社会資本の計画的整備、輸出の振興と対外経済協力の推進、雇用対策の強化等の重要施策を推進するとともに、国民の租税負担の軽減合理化並びに企業の体質改善及び国際競争力の強化のための減税を行なうこととして、編成されたものであります。
 なお、本予算成立後、国際通貨基金及び国際復興開発銀行への追加出資、給与改善、災害復旧、食糧管理特別会計への繰り入れ、道路整備特別会計への繰り入れ等に必要な経費の追加、租税及び印紙収入の減収見込み額を補てんするための公債発行等に関し、所要の予算補正を行なったのであります。
 昭和四十年度におけるわが国の経済を顧みますと、昭和三十九年末以来の金融緩和策の実施にもかかわらず、停滞状態を続けたのでありますが、政府の財政金融両面からの積極的な景気対策の実施と、生産調整等民間産業界の自主的な不況対策が進められた結果、停滞状態も次第に底をつき、昭和四十一年度予算における本格的な公債発行による財政支出の積極的拡大と大幅減税の実施が明らかにされたこともあって、昭和四十一年に入るとともに普気は回復過程に移行したのであります。
 このような経済の推移の結果、昭和四十年度の国民総生産は、三十一兆三千四百四十八億円となり、前年度に対し、一〇・三%、実質四・七%の増加となったのであります。
 また、鉱工業生産は、前年度に比し三・六%の増加となり、国際収支は、輸出の顕著な伸びがあり、さらには輸入が国内景気の停滞を反映して落ちついた推移を示したこと等により、年度間の総合収支で四億二千八百万ドルの黒字となったのであります。
 以下、決算の内容を数字をあげて、御説明申し上げます。
 まず、一般会計におきまして、歳入の決算額は三兆七千七百三十億円余、歳出の決算額は三兆七千二百三十億円余でありまして、差し引き五百億円余の剰余を生じました。この剰余金は、財政法第四十一条の規定によりまして、翌年度、すなわち、昭和四十一年度の歳入に繰り入れ済みであります。
 なお、この剰余金五百億円余から昭和四十一年度に繰り越しました歳出予算の財源に充てなければならない金額四百二十六億円余及び前年度までに生じた剰余金の使用残額五十三億円余を差し引きますと、二十一億円余が、昭和四十年度に新たに生じた純剰余金となるのであります。しかして、昭和四十年度に新たに生じた純剰余金二十一億円余から道路整備事業費の財源に充てられることとなる額五億円余を控除した残額十五億円余の二分の一を下らない額に相当する金額につきましては、財政法第六条第一項の規定によりまして、公債または借り入れ金の償還財源に充てなければならないこととなるわけであります。
 以上の決算額を予算額と比較いたしますと、歳入につきましては、予算額三兆七千四百四十七億円余に比べて二百八十三億円余の増加となるのでありますが、このうちには、昭和三十九年度の剰余金の受け入れが、予算額に比べて四百七十四億円余増加したものを含んでおりますので、これを差し引きますと、昭和四十年度の歳入の減少額は百九十億円余となるのであります。その内訳は、租税及印紙収入における増加額二百八億円余、納付金における増加額百十億円余、官業益金及官業収入における減少額十三億円余、政府資産整理収入における増加額七億円余、雑収入における増加額百十三億円余、公債金における減少額六百十八億円となっております。
 一方、歳出につきましては、予算額三兆七千四百四十七億円余に昭和三十九年度からの繰り越し額四百二十一億円余を加えました予算現額三兆七千八百六十八億円余から支出済み額三兆七千二百三十億円余を差し引きますと、その差額は六百三十八億円余でありまして、そのうち、昭和四十一年度に繰り越しました額は、前述のとおり四百二十六億円余であり、不用額は二百十二億円余となっております。
 次に、昭和四十一年度への繰り越し額の内訳を申し上げますと、財政法第十四条の三第一項の規定によりあらかじめ国会の議決を経て繰り越しましたもの四百七億円余、財政法第四十二条ただし書の規定により避けがたい事故のため繰り越しましたもの十一億円余、財政法第四十三条の二第一項の規定により継続費の年割り額を繰り越しましたもの七億円余であります。
 次に、不用額のうち、おもなものは、
 中小企業庁の中小企業対策費につきまして、事
 業計画を変更した事業協同組合等があったので
 工場等集団化資金貸し付け金等の貸し付けが少
 なかったことにより中小企業両度化資金融通特
 別会計へ繰り入れを要することが少なかったこ
 と等のため不用となったもの三十八億円余、労
 働本省の失業対策事業費につきまして、就職促
 進措置対象者が少なかったので中高年齢者等就
 職促進訓練費補助金を要することが少なかった
 こと等のため不用となったもの三十六億円余、
 厚生本省の環境衛生対策費につきまして、用地
 の選定難により一部市町村において事業を中止
 したので清掃施設整備費補助金を要することが
 少なかったこと等のため不用となったもの十億
 円余であります。
 次に、予備費でありますが、昭和四十年度一般会計における予備費の予算額は四百五十億円であります。その使用総額は四百四十九億円余でありまして、すでに第五十一回国会及び第五十五回国会において御承諾をいただいております。
 次に、一般会計の国庫債務負担行為について申し上げます。
 財政法第十五条第一項の規定に基づく国庫債務負担行為の権能額は千七十九億円余でありますが、このうち実際に負担いたしました債務額は千四十七億円余でありますので、これに既往年度からの繰り越し債務額七百八十四億円余を加え、昭和四十年度中に支出その他の理由によって債務が消滅いたしました額六百三十七億円余を差し引きました金額千百九十四億円余が、翌年度以降に繰り越された債務額になります。
 財政法第十五条第二項の規定に基づく国庫債務負担行為の権能額は三十億円でありますが、実際に負担いたしました債務額はございません。
 なお、既往年度からの繰り越し債務額一億円余は、昭和四十年度中に支出その他の理由によって全額が消滅いたしました。
 次に、昭和四十年度特別会計の決算でありますが、これにつきましては、特別会計歳入歳出決算によって御了承願いたいと存じます。
 なお、昭和四十年度における特別会計の数は、四十三でありまして、これらの特別会計の歳入歳出決算額の合計額は、歳入決算において七兆二千百六十億円余、歳出決算において六兆四千六十三億円余であります。
 次に、昭和四十年度における国税収納金整理資金の受け入れ及び支払いでありますが、資金への収納済み額は三兆千九十八億円余でありまして、この資金からの支払い命令済み額及び歳入への組み入れ額は三兆千八億円余でありますので、八十九億円余が、昭和四十年度末の資金残額となるのであります。これは主として国税にかかる還付金のうち支払決定済みであって支払い命令未済のものであります。
 次に、昭和四十年度政府関係機関の決算でありますが、日本専売公社、日本国有鉄道及び日本電信電話公社の決算の内容につきましては、別途それぞれの主務大臣から御説明申し上げる予定であります。
 また、その他の政府関係機関の決算の内容につきましては、それぞれの決算書によって御了承願いたいと存じます。
 次に、国の債権の現在額でありますが、昭和四十年度末における国の債権の総額は五兆六千三百三億円余でありまして、その内容の詳細につきましては、昭和四十年度国の債権の現在額総報告によって御了承願いたいと存じます。
 次に、物品増減及び現在額でありますが、昭和四十年度中における純増加額は三百六十五億円余でありますので、これを前年度末現在額二千七百五十億円余に加えました三千百十六億円余が、昭和四十年度末における物品の総額であります。その内訳の詳細につきましては、昭和四十年度物品増減及び現在額総報告によって御了承願いたいと存じます。
 以上、昭和四十年度の一般会計、特別会計、国税収納金整理資金及び政府関係機関の決算等につきまして、その概略を御説明申し上げた次第であります。
 なお、昭和四十年度の予算の執行につきましては、予算の効率的な使用、経理の適正な運営に極力意を用いてまいったのでありますが、なお、会計検査院から三百七十二件にのぼる不当事項について指摘を受けましたことは、まことに遺憾にたえないところであります。
 これにつきましては、今後一層経理の改善に努力を傾注いたしたい所存であります。
 何とぞ御審議のほど御願いいたします。
 次に、日本専売公社の昭和四十年度決算について、その概要を御説明申し上げます。
 まず、昭和四十年度の事業概況を御説明申し上げます。
 第一に、たばこ事業におきましては、葉たばこの購入は、数量で二十三万トン余、金額で千百十三億円余であり、予定に比べ数量で一万四千トン余、金額で六十四億円余減少しております。たばこの製造及び輸入数量は千八百二十億本余で、予定に比べ十六億本余減少しております。その販売数量は千七百四十四億本余、金額にして四千六百八十五億円余で予定に比べ数量では二十九億本余減少しましたが、金額では十一億円余増加しております。
 第二に、塩事業におきましては、塩の購入数量は国内塩八十四万トン余、輸入塩三百五十九万トン余、金額にして合計二百四十億円余であり、予定に比べ数量で四十七万トン余、金額では三十二億円余減少しております。
 塩の販売数量は四百三十九万トン余、金額にして三百二億円余であり、予定に比べ数量では四十万トン余、金額では三十億円余減少しております。
 次に、決算の内容を数字をあげて御説明申し上げます。
 まず、収入支出決算について御説明申し上げます。
 昭和四十年度における収入済み額は五千二十八億円余、支出済み額は三千六百七十億円余であり、収入が支出を超過すること一千三百五十八億円余であります。
 また、昭和四十年度の総収益五千四十一億円余から総損失三千八十九億円余を控除した純利益は一千九百五十一億円余でありまして、これから日本専売公社法第四十三条の十三第二項の規定により積み立てる、固定資産及び無形資産の増加額百五十九億円余を控除して算出した専売納付金は一千七百九十二億円余であり、その予定額一千六百四十二億円余と比べますと、百四十九億円余の増加となっております。
 以下、これを収入支出の部に分けて御説明いたします。
 まず、収入の部におきましては、収入済み額は五千二十八億円余であり、収入予算額五千四十七億円余に対して、十八億円余の減少となっております。この減少は、塩事業におきまして、塩の売り払い代が予定に達しなかったこと等によるものであります。
 一方、支出の部におきましては、支出予算税額は三千九百七十五億円余、支出済み額は三千六百七十億円余であり、差し引き三百五億円余の差額を生じました。この差額のうち、翌年度に繰り越した額は百二十二億円余、不用となった額は百八十二億円余であります。
 なお、昭和四十年度において、日本専売公社法第四十三条の二の規定により予備費を使用した額は、役職員給与支払いのため十三億円余、補助金及び交付金支払いのため五億円余、合計十八億円余、日本専売公社法第四十三条の二の規定により予算を流用した額は、職員給与支払いのため三億一千万円余、補助金及び交付金支払いのため六千万円余、合計三億八千万円余であります。
 また、日本専売公社法第四十三条の二十二第二項の規定により使用した額は、業績賞与支払いのため五億円余であります。
 次に、債務に関する計算について御説明申し上げます。
 日本専売公社法第三十五条第一項の規定に基づく昭和四十年度の債務負担行為の限度額は、塩事業費において七十億円、固定資産取得費において二十億円余、合計九十億円余でありますが、実際に負担した債務額は塩事業費において三十億円余、固定資産取得費において二十億円余、合計五十億円余であります。
 また、日本専売公社法第三十五条第二項の規定に基づく昭和四十年度の債務負担行為の限度額は一億円でありますが、実際に負担した債務額はございません。
 次に、日本専売公社法第四十三条の十四第二項の規定に基づく昭和四十年度の借り入れ金の最高限度額は、長期借り入れ金で四百億円、短期借り入れ金で一千六百二十億円、合計二千二十億円でありますが、実際に借り入れた額は、長期借り入れ金で三百二十億円、短期借り入れ金で、千二百三十億円、合計一千五百五十億円であり、短期借り入れ金は昭和四十年度内に償還し、翌年度へ繰り越した債務額はありません。
 なお、昭和四十年度の日本専売公社の決算につきまして、会計検査院から不当事項として指摘を受けたものはありません。
 以上が昭和四十年度の日本専売公社の決算の概要であります。何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。
#4
○委員長(亀田得治君) 次に、昭利四十年度日本国有鉄道の決算について、概要説明を聴取いたします。大橋運輸大臣。
#5
○国務大臣(大橋武夫君) 昭和四十年度日本国有鉄道決算書を会計検査院の検査報告とともに、本国会に提出いたしましたので、その大要を御説明申し上げます。
 昭和四十年度における日本国有鉄道の収入は、旅客収入におきましては、国民生活の向上にささえられてほぼ前年度と同様の伸びを示しましたが、貨物収入におきましては、経済界の不況を反映してさらに前年度を下回り、結局雑収入の増収を加えまして営業収入は前年度より約三百三十九億円の増収にとどまりました。
 他方、経費面におきましては、日本国有鉄道は極力経費の節約につとめ経営の合理化をはかりましたが、輸送量の増加に伴う経費の増加のほか、仲裁裁定による人件費の増加と耐用年数の改正に伴う減価償却費等の増加により、営業経費は前年度より一千二百四十五億円余増加いたしました。このため、損益計算上は、営業外の損益を含めまして約一千二百三十億円の純損失となっております。
 以下、収入支出決算の内容を勘定別に御説明申し上げます。
 損益勘定におきましては、収入済み額は約六千三百七十二億円、支出済み額は六千五百六十億円余でありまして、収入が支出に不足する額は百八十八億円余であります。これに収入支出決算に含まれていない営業外の損益等の金額を加減いたしますと、昭和四十年度純損失は、前述のように約一千二百三十億円となります。
 この決算額を予算と比較いたしますと、収入におきましては予算額約六千六百六十九億円に対しまして約二百九十七億円の減収となっております。その内容は、運輸収入におきまして二百八十五億円余、雑収入におきましては十一億円余の減収となっております。
 他方、支出におきましては、予算税額六千六百九十四億円余から支出済み額六千五百六十億円余を差し引きますと、その差額は約百三十四億円でありまして、そのうち、翌年度への繰り越し額は約百二十四億円で、残りの約十億円は不用額となっております。
 次に、資本勘定におきましては、収入済み額三千八百六十億円余、支出済み額三千八百五十七億円余であります。この決算額を予算と比較いたしますと、収入におきましては、予算額三千七百八十七億円余に対しまして七十三億円余の収入増加となっております。これは減価償却引き当て金の増五百三十一億円余、資産充当による収入増加約八十五億円に対し、損益勘定からの受け入れが五百十九億円余、借り入れ金及び鉄道債券が約二十四億円減少したことによるものであります。
 他方、支出におきましては、予算現額三千八百九十四億円余から支出済み額を差し引きますと、その差額は約三十七億円でありまして、そのうち、翌年度への繰り越し額は三十三億円余で、残りの三億円余は不用額となっております。
 最後に、工事勘定におきましては、収入済み額は三千二百九十八億円余、支出済み額は約三千三百十二億円であります。
 この決算額を予算と比較いたしますと、収入におきましては、資本勘定からの受け入れが多かったため、予算額三千二百二十億円に対しまして七十八億円余の収入増加となっております。
 他方、支出におきましては、予算現額約三千五百二十七億円に対しまして二百十五億円余の差額を生じておりますが、そのうち、二百八億円余は翌年度への繰り越し額であり、残りの六億円余は不用額となっております。
 この工事勘定の決算の内容に関連して主要施策の実績について申し上げますと、輸送の安全対策を推進するとともに、大都市付近の通勤輸送を改善し、幹線輸送力を大幅に増強する必要があるため、昭和四十年度から昭和四十六年度までの七カ年間に総額約三兆円にのぼる第三次長期計画を実施することとなり、その第一年目に当たる昭和四十年度におきましては、主要幹線の複線化、輸送方式の近代化、車両増備等の諸工事を実施いたしました結果、事項別決算額は、東海道幹線増設三十一億円余、通勤輸送四百二十八億円余、幹線輸送一千九十六億円余、電化・電車化・デイーゼル化百四十億円余、諸改良・取りかえ約六百二十三億円、車両(通勤を除く)約八百三十四億円、総係費百五十九億円余、合計約三千三百十二億円となっております。
 最後に、昭和四十年度の予算の執行につきまして、会計検査院から不当事項三件、改善事項一件、留意事項一件の指摘を受けましたことは、まことに遺憾にたえないところでありまして、今後さらに予算の効率的運用に一段の努力をいたすよう指導監督してまいりたいと考えております。
 以上、昭和四十年度の日本国有鉄道の決算につきまして、その概要を御説明申し上げましたが、詳細につきましては、さらに御質問のつど御説明申し上げたいと存じます。何とぞ、御審議のほどお願い申し上げます。
#6
○委員長(亀田得治君) 次に、昭和四十年度日本電信電話公社の決算について、概要説明を聴取いたします。小林郵政大臣。
#7
○国務大臣(小林武治君) 昭和四十年度日本電信電話公社の決算書類を会計検査院の検査報告とともに第五十四回国会に提出いたしましたので、その概要を御説明申し上げます。
 昭和四十年度における日本電信電話公社の決算は、前年度に引き続き黒字決算となっておりますが、損益計算上の利益金は、事業規模の拡大等による資本費用、人件費等の増大のため、前年度に比べ大幅に減少し、三百五十一億円余となっております。
 また、建設計画につきましては、補正予算で追加された三万加入を含め、加入電話百六万加入の増設をはじめ、予定の工程をおおむね順調に実施いたしました。
 以下決算の内容を勘定別に御説明申し上げます。
 損益勘定におきましては、収入済み額四千八百四十二億円余、支出済み額は四千八百十三億円余でありまして、収入が支出を超過すること二十八億円余となっております。
 この決算額を予算と比較いたしますと、収入におきましては、予算額四千八百十三億円余に対し二十八億円余上回っておりますが、これは電信収入、専用収入及び雑収入で三十五億円余の増収、電話収入で七億円余の減収によるものであります。
 他方、支出におきましては、支出済み額は、支出予算現額四千八百三十一億円余に対し、十七億円余下回っておりますが、この差額は翌年度繰り越し額九億円余と不用額八億円余とであります。
 資本勘定におきましては、収入済み額は三千九百三十四億円余、支出済み額は三千七百五十二億円余でありまして、収入が支出を超過すること百八十一億円余となっております。
 この決算額を予算と比較いたしますと、収入におきましては、予算額三千六百三十二億円余に対し三百一億円余上回っておりますが、これは電信電話債券が百八十五億円余、資産充当が七十九億円余、減価償却引き当て金が七十七億円余、設備料が二十三億円余、債券発行差損償却引き当て金が五億円余、いずれも予算額に比し増加したのに対し、損益勘定より受け入れが六十九億円余減少したことによるものであります。
 他方、支出におきましては、支出済み額は支出予算現額三千八百十億円余に対し五十七億円余下回っておりますが、この差額は翌年度繰り越し額五十七億円と不用額六千万円余とであります。
 建設勘定におきましては、収入済み額は三千五百八十九億円余、支出済み額は三千五百六十三億円余でありまして、収入が支出を超過すること二十六億円余となっております。
 この決算額を予算と比較いたしますと、収入におきましては、予算額三千四百六十八億円余に対し百二十一億円余上回っておりますが、これは資本勘定より受け入れの増加によるものであります。
 他方、支出におきましては、支出予算現額三千七百六十三億円余に対し百九十九億円余下回っておりますが、この差額は全額翌年度へ繰り越すこととしております。
 なお、昭和四十年度は日本電信電話公社の電信電話拡充第三次五カ年計画の第三年度に当たっておりますが、実施いたしました建設工程のおもな内容について申し上げますと、加入電話増設百三万加入の予定に対し約百六万加入、公衆電話増設三万四千個の予定に対し約二万九千個、市外回線増設四百三十四万五千キロの予定に対し約四百三十六万七千キロをそれぞれ実施いたしております。
 最後に、昭和四十年度の予算執行につきまして、会計検査院から不当事項三件の指摘を受けましたことは、まことに遺憾なことでありまして、日本電信電話公社に対し、経理事務の適正化、経費の効率的使用につきまして、今後一そうの努力をいたすよう指導監督してまいりたいと考えております。
 以上、日本電信電話公社の決算の概要を御説明申し上げましたが、詳細につきましては、さらに御質問をいただきまして、お答え申し上げたいと存じます。
#8
○委員長(亀田得治君) 次に、会計検査院より、昭和四十年度決算検査報告に関する概要説明を聴取いたします。山崎会計検査院長。
#9
○会計検査院長(山崎高君) 昭和四十年度歳入歳出決算は、四十一年十月二十二日内閣から送付を受け、その検査を了して、昭和四十年度決算検査報告とともに四十一年十二月六日内閣に回付いたしました。
 昭和四十年度の一般会計決算額は、歳入三兆七千七百三十億余円、歳出三兆七千二百三十億余円、各特別会計の決算額合計は、歳入七兆二千百六十億余円、歳出六兆四千六十三億余円でありまして、一般会計及び各特別会計の決算額を総計いたしますと、歳入十兆九千八百九十一億余円、歳出十兆千二百九十三億余円となりますが、会計検査院におきまして、決算額の総計から各会計間の重複額及び前年度剰余金受け入れなどを控除して、歳入歳出の純計額を概算いたしますと、歳入六兆九千九百九十一億円、歳出六兆六千百九億円となり、前年度に比べますと、歳入において九千七百六億円、歳出において八千百五十二億円の増加となっております。
 なお、国税収納金整理資金は収納済み額三兆千九十八億余円、歳入組み入れ額三兆二百四十二億余円であります。
 政府関係機関の昭和四十年度決算額の総計は、収入三兆三千三十二億余円、支出三兆千三百四十五億余円でありまして、前年度に比べますと、収入において四千七百四十五億余円、支出において四千三百九十三億余円の増加となっております。
 ただいま申し上げました国の会計及び政府関係機関の会計の決算額のうち、会計検査院においてまだ確認するに至っていないものは総計二百四十三億九千六百万余円でありまして、そのおもなものは、総理府の防衛本庁の項で百六億千二百万余円、航空機購入費の項で五十億百万余円であります。
 昭和四十年十二月から四十一年十一月までの間に、国及び政府関係機関等から提出された計算書二十一万七千余冊及び証拠書類五千六百八十九万余枚につきまして書面検査を行ない、また、二千六百余の官署等につきまして三万三千六百人日をもって実地に検査を施行いたしました。
 このようにして検査いたしました結果につき、その概要を説明いたします。
 まず、不当事項について申し上げます。
 不当事項として検査報告に掲記したものは合計三百七十二件でありまして、これらの態様別の金額を概計いたしますと、租税収入の徴収不足を来たしたものなどが五億三千五百万円、工事施行の計画等が適切を欠いたため経費の使用が不経済となっていると認めたものが五千三百万円、工事費等の積算が適切を欠いたため契約額が高価に過ぎたと認めたものが千七百万円、工事の監督及び検査が適切でなかったため支払い過大となっているものが七千六百万円、保険料の徴収不足を来たしまたは保険金等の支払いが適正を欠いたものなどが二億三千二百万円、補助事業の実施及び経理が適切を欠いたものが一億八千三百万円、職員の不正行為により国または政府関係機関に損害を与えたものが六千七百万円、その他が千九百万円、以上の合計が十一億八千五百万円となっておりまして、前年度の十四億八千四百万円に比べまして二億九千八百万円減少しており、また、災害復旧事業費の査定額を減額是正させたものは四億三千六百万円となっておりまして、前年度の十三億千万円に比べまして八億七千四百万円減少いたしております。
 これらの不当事項は、租税、工事、物件、保険、補助金、不正行為などの項目に分けて検査報告に記述してありますが、特に、工事及び物件、保険並びに補助金に関するものにつきまして説明いたします。
 工事及び物件につきましては、不経済な結果となったと認められるなどの事例を毎年指摘しておりますが、四十年度におきましても、総理府、農林省、運輸省、建設省、日本国有鉄道、日本電信電話公社などにおいて見受けられております。
 すなわち、工事につきましては、計画などが実情に沿わないため不経済となっているもの、積算が適切でなかったためひいて契約額が高価となったと認められるもの、監督が適切を欠いたため出来形が設計と相違しているのに、検査にあたりそのまま竣功検査を了しているものがあります。また、物件につきましては、購入方法が適切でなかったなどのため不経済な結果を来たしているもの、予定価格の積算が適切でなかったためひいて契約高が高価となったと認められるもの、管理が当を得なかったため国有地を無断で使用されているものなどが見受けられます。
 保険につきましては、厚生、農林、労働各省所管のものにつきまして、適正を欠いていると認められる事例を毎年指摘しておりますが、四十年度におきましても、船員保険、失業保険などの保険料の徴収不足を来たしているものや、健康保険、失業保険の保険金または漁船再保険の再保険金の給付が適切でないものが見受けられ、また、農業共済保険事業の運営が適切でないものも多数見受けられます。
 補助金につきましては、その経理が当を得ないものを毎年多数指摘して注意を促してきたところでありますが、四十年度におきましては、関係当局の努力のあとが見受けられ、不当な事例は相当数減少いたしました。しかしながら、農林、運輸、建設各省の公共事業関係のものにつきまして、工事の施行が不良となっているものなどがまだ多数見受けられます。また、その他の補助金につきましても、厚生省の簡易水道事業、農林省の農業構造改善対策事業などにおきまして、工事の施行が不良なものや事業費の精算が過大なものなどが見受けられます。
 次に、改善の意見を表示した事項について説明いたします。
 四十年十二月から四十一年十一月までの間におきまして、会計検査院法第三十六条の規定により法令、制度または行政に関して改善の意見を表示いたしましたものは九件であります。
 これらの内訳は、国の機関につきましては、農林省の国営かんがい排水事業の施行に関するもの、国営干拓建設事業の施行に関するもの、国有林野の交換に関するもの、郵政省の小包配達業務の運営に関するもの、労働省の都道府県労働基準局及び労働基準監督署における経理に関するものの五件でありまして、政府関係機関その他の団体につきましては、日本国有鉄道の自動信号化等工事に伴う撤去機械信号機器の活用に関するもの、日本電信電話公社の工事用図面の青写真焼きつけ等の請負契約に関するもの、日本住宅公団の土地買収予定価格の評定に関するもの、日本道路公団の高速自動車国道建設工事の予定価格の積算等に関するものの四件であります。
 ただいままでに申し上げました不当事項及び改善の意見を表示した事項のほか、検査の結果今後の予算の執行等にあたり留意を要すると認めたものにつきましても、これを検査報告に記載いたしました。
 以上をもって概要の説明を終わります。会計検査院といたしましては、適正な会計経理の執行について、機会あるごとに関係各省各庁などに対し是正改善の努力を求めてまいりましたが、なお、ただいま申し述べましたような事例が多数見受けられますので、関係各省各庁などにおいても、さらに特段の努力を払うよう望んでいる次第であります。
#10
○委員長(亀田得治君) 以上で、昭和四十年度決算に関する概要説明の聴取は終了いたしました。
 次に、昭和四十年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに昭和四十年度国有財産無償貸付状況総計算書について、一括して概要説明を聴取いたします。水田大蔵大臣。
#11
○国務大臣(水田三喜男君) ただいま議題となりました昭和四十年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに昭和四十年度国有財産無償貸付状況総計算書について、その概要を御説明申し上げます。
 まず、昭和四十年度国有財産増減及び現在額総計算書の概要について申し述べます。
 昭和四十年度中に増加しました国有財産は、行政財産八千九百七十四億円余、普通財産四千八百六十二億円余、総額一兆三千八百三十七億円余、であり、また、同年度中に減少しました国有財産は、行政財産二千四百二十億円余、普通財産五百十億円余、総額二千九百三十億円余でありまして、差し引き総額において一兆九百六億円余の増加となっております。これを昭和三十九年度末現在額三兆九千九百五十三億円余に加算いたしますと、五兆八百六十億円余となり、これが昭和四十年度末現在における国有財産の総額であります。
 この総額の内訳を分類別及び種類別に申し上げますと、行政財産においては、公用財産一兆七千四百三十三億円余、公共用財産七百五億円余、皇室用財産七百五十八億円余、企業用財産九千五百九十四億円余、合計二兆八千四百九十一億円余となっており、普通財産においては二兆二千三百六十八億円余となっております。なお、この普通財産のうち一兆六千八百三十六億円余は政府出資等となっております。
 また、国有財産の総額の内訳を区分別に申し上げますと、土地一兆六千百十三億円余、立木竹六千百三十一億円余、建物六千百億円余、工作物三千七百四十億円余、機械器具十四億円余、船舶千二十三億円余、航空機八百八十九億円余、地上権等五億円余、特許権等六億円余、政府出資等一兆六千八百三十六億円余、合計五兆八百六十億円余となっております。
 次に、国有財産の増減の内容について、その概要を申し上げます。
 まず、昭和四十年度中における増加額を申し上げますと、前述のとおりその総額は一兆三千八百三十七億円余であります。この内訳を申し上げますと、第一に、国と国以外の者との間の異動によって増加した財産は三千七百十八億円余でありまして、このうち購入、新営工事、政府出資等歳出を伴うものは二千八百十五億円余、寄附、交換、現物出資等歳出を伴わないものは九百三億円余となっております。
 第二に、国の内部における異動によって増加した財産は一兆百十八億円余でありまして、このうち、昭和四十一年三月三十一日現在において実施した国有財産の価格改定による増加は九千三百九十六億円余、各省各庁または各省各庁の部局等の間における財産の移管等調整上の増加は五百五十九億円余、土地の実測、立木竹の実査等整理上の増加は百六十二億円余となっております。
 次に、減少額について申し上げますと、その総額は二千九百三十億円余であります。この内訳を申し上げますと、第一に、国と国以外の者との間の異動によって減少した財産は四百四十一億円余でありまして、このうち、売り払い、出資金回収等歳入を伴うものは二百二十四億円余、交換、譲与等歳入を伴わないものは二百十七億円余となっております。
 第二に、国の内部における異動によって減少した財産は二千四百八十九億円余でありまして、このうち、昭和四十一年三月三十一日現在において実施した国有財産の価格改定による減少は千七百二十四億円余、各省各庁又は各省各庁の部局等の間における財産の移管等調整上の減少は五百七十三億円余、土地の実測、立木竹の実査等整理上の減少は百九十一億円余となっております。
 以上が昭和四十年度国有財産増減及び現在額総計算書の概要であります。
 次に、昭和四十年度国有財産無償貸付状況総計算書の概要について、申し述べます。
 昭和四十年度中に増加しました無償貸付財産の総額は四百二十二億円余であり、また、同年度中に減少しました無償貸付財産の総額は二十九億円余でありまして、差し引き三百九十二億円余の純増加となっております。これを昭和三九年度末現在額三百億円余に加算いたしますと六百九十三億円余となり、これが昭和四十年度末現在において無償貸し付けをしている国有財産の総額であります。
 この増減のおもなものを申し上げますと、増加したものは、昭和四十一年三月三十一日現在において実施した国有財産の価格改定によるもの三百七十六億円余、公園の用に供するもの四十二億円余、生活困窮者の収容施設の用に供するもの二億円余等であります。
 次に、減少したものは昭和四十一年三月三十一日現在において実施した国有財産の価格改定によるもの六億円余、公園の用に供するもの十五億円余、生活困窮者の収容施設の用に供するもの六億円余等であります。
 以上が昭和四十年度国有財産無償貸付状況総計算書の概要であります。
 なお、これらの国有財産の各総計算書には、それぞれ説明書が添付してありますので、それによって細部を御了承願いたいと思います。何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。
#12
○委員長(亀田得治君) 次に、会計検査院より、検査報告に関する概要説明を聴取いたします。山崎会計検査院長。
#13
○会計検査院長(山崎高君) 昭和四十年度国有財産検査報告につきまして、その概要を説明いたします。
 昭和四十年度国有財産増減及び現在額総計算書及び国有財産無償貸付状況総計算書は、四十一年十月二十九日内閣から送付を受け、その検査を了して、十二月六日内閣に回付いたしました。
 三十九年度末の国有財産現在額は三兆九千九百五十三億八千六百万余円でありましたが、四十年度中の増が一兆三千八百三十七億三千百万余円、同年度中の減が二千九百三十億七千万余円ありましたので、差し引き四十年度末の現在額は五兆八百六十億四千七百万余円となり、前年度末に比べますと一兆九百六億六千万余円の増加となっております。
 次に、国有財産の無償貸付状況について申し上げますと、三十九年度末には三百億二千四百万余円でありましたが、四十年度中の増が四百二十二億四千五百万余円、同年度中の減が二十九億六千四百万余円ありましたので、差し引き三百九十二億八千万余円の増加を見まして、同年度末の無償貸付財産の総額は六百九十三億五百万余円となっております。
 国有財産の管理について不当と認めましたものは、維持及び運用に関するもの一件であります。また、国有財産の管理及び処分について、会計検査院法第三十六条の規定により改善の意見を表示したものは、国有林野の交換に関するものの一件でありまして、これらはいずれも昭和四十年度決算検査報告に掲記してあります。
#14
○委員長(亀田得治君) 以上で昭和四十年度国有財産増減及び現在額総計算書外一件に関する概要説明の聴取は終了いたしました。
 これより質疑に入りますが、その前に一言、政府当局に対し要望いたしたいと思います。
 政府委員等の答弁についてでありますが、本委員会で審議いたしました、いわゆる共和製糖事件についての政府委員等の答弁中に内容が的確を欠き、前後の発言に食い違いを生じた点がありましたことは、はなはだ遺憾であります。つきましては、今後政府側の答弁は、十分な準備のもとに正確を期し、いやしくも誤解を生ずることのないよう注意されることを要望しておきます。
 これより総括質疑を行ないます。質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
#15
○竹田現照君 四十年度の決算審議を始めるにあたって、政府側に一言要望いたしておきますが、いろいろと審査を進めていく上に資料の提供あるいは政府側の出席を求めることが数多いのでありますが、いままでの経験によりますと、どうもそのことがスムーズに行なわれておりません。そのことが審議を非常に停滞をさせることにもなりますし、この委員会は、四十年度については、少なくとも本年の十二月中に審議を終えたいとの方針をきめておるところであります。これも政府側がこれに応ずる態度を十分に示していただかなければ不可能であります。したがいまして、そういう点を十分に考えていただきまして、政府側の積極的な決算委員会に対する出席を最初に希望し、その点についての所見をあらかじめ大蔵大臣からお伺いしておきたいと思います。
#16
○国務大臣(水田三喜男君) ただいまの御要望には十分沿うようにいたしたいと思います。
#17
○竹田現照君 それでは、それぞれ時間の関係もございますようですから、最初に官房副長官にお伺いをいたします。
 七月の五日の私の公社公団等に対するいわゆる天下りと称せられておる役員の任命につきまして御答弁をいただいたのでありますが、これは閣議決定で、事前に内閣官房長官と協議をされることに決定をされている、そういう御答弁でありました。しかし、最近各省一連のいわゆる高級人事が行なわれており、さらにこれからも続くようでありますが、それを見ておりますと、先ほど申し上げましたようなことが、はたして事前調整として行なわれているのかどうか、はなはだ疑問に思われるのであります。依然として各省が既得権としているようなポストが順送りに行なわれているように考えられてならないのでありますが、七月の五日の御答弁のとおりのことが行なわれているのかどうか、ひとつ明確にお答えをいただきたいと思います。
#18
○政府委員(亀岡高夫君) 先般当委員会で官房長官から答弁申し上げましたとおり、各公団公社関係の人事につきましては、官房長官において調整を強力に行なうというふうに申し上げていたわけでございます。その点に沿いまして、五月からの人事に関しましては十分なる配慮と検討を加えまして、各省の天下り的と称せられております事態をできるだけ少なくしていこうということで進めてきておるわけでございます。本年五月初めから七月の末までに、官房長官の手元に協議のありました特殊法人役員の人事は八十一件でございます。その内訳を申し上げますと、新任者が三十五名でありまして、部内より起用いたしました者が十二名、民間から採用いたしました者が三名でございます。
 なお、本年度に新設されます特殊法人について申し上げますと、中小企業振興事業団理事長には、日綿実業相談役をしておりました福井慶三君、また、石油開発公団総裁には、石油資源開発株式会社の会長であります三村起一君の起用を実は本日の閣議で決定をいたしておるような次第でございます。また、近く発足予定の動力炉・核燃料開発事業団理事長には、中部電力会長の井上五郎君の就任を内定をいたしておるような事情でございます。そのほか、繊維工業構造改善事業協会の理事長あるいは貿易研修センターの会長等にも、それぞれ民間人を起用する方針でございまして、政府といたしましては、今後なお一そう人材を求めまして適材適所の人事をはかる所存であるわけでございます。
#19
○竹田現照君 通産省関係の三つの人事については、通産大臣の御努力もあって民間人起用が行なわれていることは了承しておりますが、しかし、その他の公社公団あるいは関係法人のポストは、必ずしもそのように考えられていません。最近行なわれているNHKの新聞辞令等を見ましても、退任をされたそのあとには、それの関係のある省から送り込まれている。そういうようなことが事実上行なわれようとしているわけですけれども、先ほど答弁のありました新任三十五人のうち、部内任用を十二名、民間三名ということであります。そうするとあとの約三十というのは、従前どおりの人事が行なわれたというふうに理解してよろしいわけですか。
#20
○政府委員(亀岡高夫君) さようでございます。
#21
○竹田現照君 そうすると、民間の先ほど御答弁のありましたものを除いては、現状何ら改善をされていないと考えてもいいんじゃないかと思うのですけれども、官房としては、どのような実効をあげられたというふうに掌握をされていらっしゃるんですか。
#22
○政府委員(亀岡高夫君) 実は、先ほど申し上げました以外の方々につきましては、再任という方がだいぶ入っておるわけでごごいますので、この点はひとつ御了承いただきたいと思うわけでございます。官房といたしまして、内閣といたしましても、先般当委員会に答弁申し上げましたように、できるだけ適材適所、人材を登用をしたいということで、当委員会の御趣旨の線にもできるだけ沿いたいということで、できるだけ天下り的な印象を与えないような配慮を各省に強く実は申してきておる次第でございます。五月早々から始めてまいってきておるわけでございまして、各省においてもこの趣旨を逐次理解をしてくれてまいっておるものと考えておるわけでございます。今回通産省のほうにおかれましても、民間人の起用に実績を残していただいたということをもっていたしましても、政府の意のあるところを御了承いただけるものと考えるわけでございます。
#23
○竹田現照君 これは各省の人事が一通り済み、関係法人の役員の入れかえが済みますと、より具体的に御質問ができるのですけれども、私は、結果としてはいま申し上げましたようなことが出てくる公算が九九%方確実でないかというふうに思うのです、いま新聞でいろいろといわれていること、それから私が承知している人事のいま行なわれようとしているやりくりを見ますとですね。ですから、そうすると、官房長官が繰り返し御答弁をされているような閣議決定というものは、実質的に効果があらわれてない。そういうようなことが再びこの委員会において取り上げられることのないように、これは内閣官房としては、十分いままでの答弁の趣旨を生かして――生かせるような事前調整というものをぜひはかっていただきたい、そう思うわけであります。
 時間がだいぶおくれましたので先に進みますが、総務長官にも出席を求めたのでありますが、これは国会閉会後、それからこの国会の中で一番先に委員会を開くことをきめたのは参議院決算委員会です。したがって、出席要求も一番早いはずなんでありますが、他の委員会の出席等でおいでにならない。したがって、また副長官にこれをお尋ねせざるを得ないわけでありますが、そういうことが先ほど私が大蔵大臣に強く要望した理由でもあるわけですが、さきの委員会で長官からお答えをいただいて、それについてきょうはだめ押しをしたいというふうに考えておったのですが、副長官がかわって答弁できるということでありますから、お伺いいたします。
 この間、副長官が出席をされた六月の二十七日ですか、要求をして、七月の五日に資料が間に合いませんでした。ところが、出された経緯で、各省が出してくる資料について、いろいろと憶測して工作が行なわれているということを聞きましたので、官房長官に隠し看板なくそのものずばりの資料を出してくれ、こう言っておいたのです。そのとおり出します、こういう御答弁でありました。それで、七日の日に出ましたこの公社公団等に対する人事の一覧表、それから昨日六時近くに私がいただきました過去十年間にわたる民間会社へのいわゆる移行ですね、これは残念ながら私が承知している限りにおいても、かなり大幅なものが漏れています。これは副長官、総務長官の答弁を忠実に実行しておりません。これは各省庁はどのように私どもが要求したことについて理解をして出されているのか、私はわからぬわけです。ですから、これについていまとやかくやりとりしていても時間がありませんから、重ねて要求しておきますが、これは各省庁の本省局長級に準ずる者というのは、われわれの理解をするのは、これは地方の少なくとも長ですね、農政局長であるとか、通産局長であるとか、あるいは郵政局長であるとか、電通局長であるとか、そういうクラスまで具体的に求めている。ところが、閣議の了解人事以外はその必要がないだろうなんと言って資料を出しておらない省が相当多数あります。この民間人事の一覧表を見ますと、大体防衛庁がこれはまじめに出しているほうですけれども、それ以外はこれはだめです。もう一度慎重に各省に連絡をとっていただいて出し直していただきたい、いかがですか。
#24
○政府委員(上村千一郎君) ただいま竹田委員からのお話でございますが、その前に、この資料を提出するまでに至った経過だけを御報告申し上げます。
 実は当委員会から御要望になりまして、総理府が各省と連絡をいたしまして取りまとめた資料が、この二通でございます。その際は、過去三年以内に退職した本省または本社の局長以上並びに外局、地方機関のこれに相当する官職以上の者であって、政府関係機関の役員に就職した者及び国会議員立候補者、こういうふうに各省庁へ連絡をいたしまして、御提出を賜わったわけです。
 それから昨日提出いたした分でございますが、これは過去十年以内に退職した本省または本社の局長以上並びに外局、地方機関のこれに相当する官職以上の者であって、退職後一年以内に民間会社等に就職した者について報告を求めたわけでございます。
 それで、いま竹田委員が御指摘になった点でございまするが、実はこの本省または本社の局長クラス以上の官職、こういうふうに御連絡したわけでございますが、この御判断、どの程度が一体本省または本社の局長クラス以上に当たるのかということにつきましては、各省庁におまかせをいたしたといういきさつになっております。総理府といたしましては、各省庁から御報告賜わりました点を一括いたしまして作成をいたして資料として提出をいたした、こういういきさつに相なっておることを御報告申し上げておきたいと思います。
#25
○竹田現照君 いまの御説明どおりといたしましても私が了承している人事だけでも漏れているのはかなりあります、きのういただいた資料でも。ですから、さきに五日の日に、こういうことが当然予想されましたからくぎをさしてあったのです。それから、いま重ねて要求をしてありますから、もう一度検討し直して出していただきたいと思いますが、いかがですか。
#26
○政府委員(上村千一郎君) いま竹田委員のお話によりますと、ブロック局長以上というような意味になるわけでございますれば、そういうような意向をやはり入れまして、そうして各省庁ともう一度連絡いたしまして提出いたしたい、こう思います。
#27
○竹田現照君 その点重ねて要求しておきます。
 それで二十八日も、七月の五日も、長官、副長官と私のやりとりも、ともにコンニャク問答になりましたけれども、具体的にあなたのほうから出されました資料が、もうすでに御承知だと思うのですが、こういう現実にあなたのほうから出された資料と、私が再三にだめ押しをしましたことは
 一致しているのです、資料がですね、例の退職手当法五条の問題であります。総理府が出された資料で歴然たる事実であるにかかわらず、それでなおかつ、いままで私に答弁をしたようなことを繰り返しなさるのですが、抜本的にこの問題については、各省庁の良識というようなことでなく、政府全体としてこういうことのないように措置をするというお考えがあるのかないのか、具体的にお聞きをしたいのであります。その当日付でかわった者、あるいは議員に――これはもうこの資料の中にありますが、これは選挙が告示になりましてから次の日おやめになって立候補された方もおるのです。そういうような具体的な問題を、あなたのほうから出た資料の中でも提起をされているわけですから、この点についてはどうですか。これはあまり長いこときょう問答しようとは思いません。簡潔にお答えいただきたい。
#28
○政府委員(上村千一郎君) この前の当委員会で私から御答弁申し上げたこと、あるいは総務長官から当委員会で申し上げたことと、変わりは現在のところございません。と申しますのは、この資料拝見いたしますというと、実はこの前に竹田委員がおっしゃったように、退職をした日、その日に他の公団、公社へかわられたとか、この資料を拝見いたしますというと非常にいろいろ考えさせられる点があることは確かでございます。しかし、いろいろ検討してまいりますと、その前に人事管理上各省庁におきまして退職を勧奨しておった。そしてその実際の発令というようなものが、実は他の公団公社に御就任するというのと、日が切迫いたしておりまして、内部の実情が、人事管理上勧奨をいたした結果退職をいたしたということになりますと、表面上、日時が切迫いたしておりましても、退職手当法第五条の適用に当てはまる場合におきましては、一応それを適法というふうに見ざるを得ないのではなかろうかと思う。ただし、その御判定というものについては、各省庁におまかせをいたしておるわけであるから、そういうふうに勧奨退職の第五条として適用されてくるということになりますれば、ただ日時が切迫しておるというだけでは、これは必ずしも第五条違反というわけにはいかないであろうと、こういうふうに考えておる次第でございます。
#29
○竹田現照君 あまり問答やろうと思わないのですが、ここに資料が出ましたとおり、同日付で百三十七名も出された資料のうち、五十一名ですよ、翌日くらがえされたのが三十九名、締めて九十名ですよ。選挙に立たれた方が十六名、百三十七名のうち、百名をこすものが私が指摘をしたような具体的な例なんです。それを同日付というのは、これは勧奨退職じゃなく、公社等の理事への昇格なんですよ。ですから、いまの副長官のような説明というのはこれは当たらないのですから、前から勧奨しているとかなんとか言いますが、これは同期で次官が一人出たら、ほかの者は均衡上この省にとどまっておれないからやめる、こういうような一つの各官庁の人事の慣行なんかがありますから、これはあいつを次官にするので、おまえいるわけにいかぬからやめたらどうかというので、そのためにひとつ行き先はどこかやろう。これは勧奨じゃないのですよ、人事の都合上いろいろのことをやっているだけの話でありますから、これは具体的な資料が出ているわけですから、あらためてさらに検討してもらいたい。これは公社公団等の給与、そのほかについて、行管長官にお伺いいたしますが、検討を加えるという一つの考え方もあるようでありますから、この問題についてはもう一度検討し直していただきたいと思いますが、重ねてこれ……。この点について関連してお伺いしますが、これは偉いお役人だけに限ってこういう措置をして、それで一般の公務員、地方公務員は、たとえば選挙に立候補するためにやめるという場合には、必ずしもこういう扱いをしていないのですよ。たとえば次官にこの次の衆議院選挙に立たないかと、だれが次官を勧奨するのですか、大臣が勧奨をする。それに応じたとしても、あるいは一般の職員が選挙に立つというような場合に、選挙に立つということには変わりないと思うのです。そこで偉い人にだけはこういう優遇措置をする、一般の職員にはしないというのは、片手落ちもはなはだしいと思うのです。今後一般の職員にもこれに準じてやりますか、これ念のためにお伺いしておきます。
#30
○政府委員(上村千一郎君) 一般の公務員の方、必ずしも高級公務員に限ったわけではございません。退職手当法五条の要件に当たる以上、これは当然区別なく適用されるものだと思います。
#31
○竹田現照君 そういういいかげんなことじゃなく、具体的に選挙に立候補されているというような場合に、現にやっているわけでしょう。公示になってやめた次官なり局長が、この適用を受けて立候補されているのですね。だから一般の職員にもそういうことを適用するのかどうかということを聞いているのですよ。
#32
○政府委員(上村千一郎君) 先ほど申し上げておるとおり、一般職員におきましても、退職手当法第五条によりまして、二十五年以上の勤続年限、そして勧奨退職になっている場合、これは当然同じように適用されるものと思います。
#33
○竹田現照君 歯切れよく答えてください。私は選挙に限定しておりますから、選挙に立候補された高級公務員にはそういう扱いをしている。一般の職員にもするのですかということを聞いているのですが、できないというのだったら、高級公務員の立候補に対する優遇措置をやめてもらわなければ、片手落ちじゃないですか、どうなんです。
#34
○政府委員(上村千一郎君) 高級公務員の場合におきましても、選挙に限定いたしましても、それは勧奨の結果退職をされまして選挙に立候補をした、一般の場合におきましても、勧奨の結果退職をされ、その後立候補した、これは同じように扱うべきものだ、こういうふうに思います。
#35
○竹田現照君 そういうわけのわからない答弁をされちゃ……。それじゃ大蔵大臣にお伺いしますが、この前大蔵次官が神奈川補選に立候補されましたけれども、大臣勧奨されたのですか。君やめて今度の参議院の補選に立候補しないかと言われたですか、そうして立候補されたのかどうですか。いかがでございましょうか、具体的なことです。
#36
○国務大臣(水田三喜男君) 佐藤次官の場合は、本人が立候補する意思を表明して退職をしたということでございます。
#37
○竹田現照君 それでは本人が立候補の意思を表明して退職をされたのに、なぜ五条を適用されたのですか。勧奨退職じゃないじゃないですか。いかがですか。いいかげんなその場の逃げことばだけでごまかそうとしたってだめだよ、それは。
#38
○委員長(亀田得治君) 副長官答弁しますか。大蔵大臣、答弁してください。
#39
○国務大臣(水田三喜男君) いまの私の答弁が間違ったようでございまして、やっぱり事前に勧奨して、そうして退職したというようなことになっているそうでございます。
#40
○竹田現照君 これは大臣、次官に勧奨するというのは大臣しかないのですよ。そういうものはだれがやるのですか、勧奨するって。次官に部下がやったのですか。次官、今度おやめになって参議院の補選に立候補されたらいかがですかと。そんなものは勧奨にならないですよ。だから、具体的な例をあげてありますから、それは間違いならば間違いだとおっしゃったほうがぼくはすっきりしていいと思うのですが、いかがですか。来年の参議院の選挙を目前にいたしまして、こういう例がたくさんありますから、これはだめ押ししておかなくちゃいかぬと思うのです。いかがですか、大蔵大臣知らないのか。
#41
○岡三郎君 関連して。あなた、大蔵大臣が勧奨になっているそうだと言うのは、一体だれが勧奨しているのですか。そういう文書を作成して、いわゆる五条適用ということをしているということに、それは裏を返せばそうなっているのでしょう。水田さん、勧奨していないと、そう言っている。第一、文書上そうなっているのだ。これは明らかにそういう慣例になっているということを示唆していると思う。はっきり答えてください。
#42
○国務大臣(水田三喜男君) そういう手続がどうなっておるか私はよく知りませんでしたが、そういうような場合、これはむろん相談が大臣になくてきまることはございません。意思表示をした場合に、われわれのほうでも、これを、それはけっこうだからそうしなさいということはやっておりますが、そういう場合、退職した場合の手続というものは、大体いま言ったような手続でやられておるというような実情だろうと思います。ですから、私もそういうふうに申したわけでございます。
#43
○竹田現照君 いまの大蔵大臣の御答弁で一つの慣例になっていることがわかるわけですよ。ですから、これが偉いお役人のための慣例であって、一般の公務員にはそうじゃないというのでは、これは明らかに片手落ち。これを国家、地方公務員を含めてなべて広げるということがちょっと困るというのであれば、これは直ちにやめる措置をとられることが当を得ているわけですね。やめるべきなんです。そういう一部の人だけの慣例として行なわれているというふうなことはやめるべきなんです。いかがですか。
#44
○政府委員(上村千一郎君) この前にもいろいろ申し上げておるわけでございますが、竹田委員の御質問の趣旨よくわかるわけですね。が、総理府といたしましては、とにかく各省庁に、これは第五条でいくのか、あるいはそうでない第四条でいくのか、三条でいくのかということにつきましては、その判断は各省庁におまかせしてあるわけです。そういう関係なんです。たとえば高級公務員なるがために特別扱いをされる、そういう慣例がある、そうして一般はそうじゃないということであっては、これはいけないと思うのです。少なくとも法の適用におきましては、これは同じ立場にある、こういうふうに実は総理府としては考えておりますので、率直に御答弁を申し上げておる次第でございます。そうして、もしそこに高級公務員なるがために違った慣例があるというようなことがありますれば、これはこの前も申し上げましたように、これは検討いたすべきものである、こういうふうな意味でございます。
#45
○竹田現照君 時間がありませんから……。これは当然に検討すべきです。たった一ついま事例が出ましたが、これは大蔵大臣、変な慣行だと思われませんか。各省庁におまかせになっているそうですから、大蔵省の最高責任者としてこういう慣行はいかがお思いになりますか。やっぱりあたりまえだとお思いになりますか。
#46
○国務大臣(水田三喜男君) さっき申しましたように、私はその点にあまり詳しくないのですが、私の知っている限りでは、これは高級官僚だけではなくて、むしろ一般の公務員に対しても、やめられる場合、こういう勧奨ということでやめたという形をとっている場合が、実際には高級官僚よりも一般の公務員のほうに多いのじゃないか、この慣習はむしろ一般に多いのじゃないかというふうに私は考えております。
#47
○竹田現照君 具体的ないまあげられた例についてどうですか、どうお思いになりますかと聞いているわけです。一般の者の勧奨退職をしている具体的な例は私も知っていますから、それはいいです。いまの選挙に焦点をしぼってお聞きしている。この点についていかがですか。こういうことを、一般の職員が選挙に立つときに、そんな扱いをいましていませんよ。
#48
○国務大臣(水田三喜男君) これは一般と特に区別してそういうことがあるということは、悪いことだと思いますが、大体いま官吏の退職のことについては、そういう形をとっているのが私は多いというふうに思っております。
#49
○竹田現照君 これはいずれまたあとに尾を引く問題ですが、具体的に各省庁について、どういう扱いをしているか、総理府で調べていただいて、いずれまた総理府の審査のときにやるように、これは保留しておきます。
 次に、行管の長官、お葬式にお出かけだそうでありますから先にいたしますが、長官がかねがね言明をされておりました公庫、公団等の整理統合が、きょうは八月一日でありますから、今月はひとつ結論を出される月になったわけでありますが、どのように進捗をなすっていられるのかという点が一つ。
 それから行管としては、外郭団体の人事権を内閣が持てるようにすること、あるいは役員報酬、役員数の適正化などについて、今度新しく発足をいたしました行政改革閣僚協議会にはかった上で閣議決定を行ないたい、こういう法人に対しては国の監督強化をはかるという考え方がある、そういうことをお聞きをいたしておりますけれども、その実現性についてあわせて、この二点まずお伺いをいたしたいと思います。
#50
○国務大臣(松平勇雄君) 最初の、いま百八の特殊法人の調査状況に関しましてお答えいたします。
 現在百八の特殊法人の調査は、当庁の行政監察局に命じまして一応調査の段階は済みまして、ただいま行政監理委員会にその調査の報告をいたしておる段階でございます。これに基づきまして行政監理委員会としては一応検討されるわけでございますが、その行政監理委員会の検討の結果を勘案いたしますと同時に、また、行政管理庁といたしまして、関係各省庁と打ち合わせをいたして一応行政管理庁としての結論を出して、そうして行革本部なりあるいは臨時行政改革閣僚協議会にかけて決定をする段取りになるわけでございます。したがって、現在行政管理庁としてはまだ結論は出ておりません。しかし、毎々申し上げておりますように、八月末を目途としてわれわれの作業を終了したいというような考えがございますが、大体その目標でできると思うのでございますが、御承知のとおり、臨時国会が開かれましたし、またこれが延びるようなことになりますれば、各省庁の意見を徴するというようなことが多少おくれるということで、あるいは少しはおくれるかとも思いまするけれども、現段階におきましては、八月末に一応のあれを出したいというふうに考えております。
 それから第二の特殊法人の人事の問題あるいは報酬、退職金の問題を今度できた臨時行政改革閣僚協議会で決定するかどうかというようなお話でございますが、実は当初私どものほう、臨時行政改革閣僚協議会に予定しておりまする議題は、行政機関、これはもちろん特殊法人も含めまして、そういったものの機構の整理統合をまず第一に、この議題の目標にいたしておりますが、このほか審議会の整理統合、あるいはまた定員の問題等を議題にいたしておりまして、その人事の問題をここでやるかということは、いま議題にいたしておりません。したがって、これを臨時行政改革閣僚協議会で問題にするかどうかということはいま決定をいたしておりませんので、どういうふうになりますか、ちょっといまお答えする段階じゃないと思います。
#51
○竹田現照君 公団、公庫の整理について、たとえば前の国会で通りました石油開発公団は、石油資源の会社を一つなくしてこれを統合してあれをつくっております。しかし、あの法律の内容を見ますと、審議の過程から見ましても、三年の時限があるものなんですね。いまのSKのこれからの扱い方、三年後にまた国内資源の開発というようなことから考えて、特に石油というようなエネルギー資源の開発というむずかしい問題でありますから、そうするとまたぞろ、いまのSKと同じようなかっこうのものが開発公団から分離をしてできる可能性なしとしないわけです。これははっきりしないんです、通産省の考え方が。これからいろいろと三年間検討を加えると、こう言っている。そういうようなことを考えると、何か、何でも一つつぶせば一つ認める、こういうようなかっこうの公社公団の整理統合では、これは全く形式的だ、そう言わざるを得ないと思うのでありますから、そういう、いまたいへん世論がやかましいから、一時のがれの便法だと思われるようなかっこうの整理統合というようなものだけは厳に排していただくように、ひとつこの機会に要望しておきます。
 それから、けさの各紙が伝えておりますけれども、私がいま触れました閣僚協議会の設置について、きのうの次官会議でたいへん抵抗があったようでありますが、あの閣僚協議会というのは、行政改革というのは役人のレベル段階にまかしておったんじゃできないのだ、もう少し次元の高いところに移さない限り実行は不可能だ、そういう考え方のもとにあれが発足をしたと思うんです。ところが、たちまちにして官僚陣からの反撃があったと報じておりますね、けさの新聞は。ある新聞によりますと、官房長官は、断固これをはねのけて実行するんだという、強い記事もありますけれども、そのほかの新聞は何かさっぱりわからないのですね、出ておられた副長官の言は。ですから、閣僚協議会を発足させた趣旨というのは、いま私が説明をいたしました、高い次元でこの問題を解決しない限り解決をしないと、そういう考え方で発足したというふうに理解してよろしいですか。
#52
○国務大臣(松平勇雄君) 臨時行政改革閣僚協議会の設立の目的は、ただいま竹田委員の仰せられたとおりの目的でやったわけでございまして、御承知のとおり行政機構改革という問題はやはり高い次元で決定していかなけりゃならない問題が相当多いわけでございまして、そういった意味で総理大臣が議長となって、そして関係閣僚の協議をするということになっておるわけでございます。で、実は私もけさの新聞を見ましたのでありますが、実は、普通の閣議にかけまする議題というものは、一応慣例として事務次官会議にかけて、そして閣議にかけるというような段取りでございますが、今度の問題は、そういった事務次官クラスにおいてはちょっとまとまらないだろうというので、事務次官会議にかけずに、直接に閣議にかけて決定いたしたものでございまするから、事務次官のレベルにおいては、まだその内容やその他運営に関しましていろいろ不審の点があったということで、いろいろ御質問があったわけでございまして、私どもは決してそれに対して事務次官会議で非常に反抗があったというふうには解釈いたしておらないで、いろいろな御質問があるのは当然であるというふうに私どもは考えておりまして、閣僚の段階において決定したことも、やはり事務次官クラスにおいてこれにまた協力してもらわなければ、なかなかこの問題はむずかしい問題でございまするので、なるべく私は納得してもらっていくようにしたいと思いますが、しかし、そういうふうにもいかない問題があるから、その点は今後の運営によって強力に私はこの行政改革に進んでまいりたいというふうに考えております。
#53
○竹田現照君 これはいずれにしても、ものすごい抵抗を覚悟しながら行なわなければならない問題であることは確かでありますが、今月中の問題でありますし、期待のできるような結論を行管も内閣官房も一致してぜひひとつやっていただきたい。要望いたします。
 それでは、あの公社公団等の問題はこれで一応さておきまして、各省大臣の認可をするいわゆる民法法人等の問題について、国の財政のあり方等から考えてちょっと疑問の点がございますので、二、三のこの民法法人を取り上げまして、政府側の見解をお尋ねをしたいと思うのであります。
 その前に、最初はかなり古い話でありますが、国有地の払い下げとその利用の問題についてであります。財団法人商工協会なるものが通産大臣の認可法人としてあります。これが、昭和二十七年にこれの分身である施設部をなくして、国有地の払い下げを受ける手段として株式会社木挽館なるものを設立をして、中央区の木挽町、約二千坪の土地の払い下げを受けております。これはあれですか、通産省の、私の調査に対するお答えでもありますが、これはその以前にありました施設部が国有地の払い下げを受けるためにこういうものをつくったというその経緯については間違いございませんね、これをお伺いします。
#54
○政府委員(大慈彌嘉久君) 経緯でございますので私からお答えをさしていただきます。元商工省の焼けあとでございますが、戦争によって被災をしたあと地がごみ捨て場のように戦後非常に荒廃をしておりまして、その際に関係者の間で、この土地を活用いたしまして、商工業の振興、戦後の経済の復興でございますが、役立てたいという話が出たわけでございます。その際、財団法人日本商工業振興協会という財団法人を設立いたしまして、商品の展示と、それから業者に対する店舗、事務所の貸し付け、そういう施設をつくろうという計画をしたわけでございますが、組織についての若干の経緯がございました後、ただいま御指摘をいただきましたように、商工協会の施設部という形でスタートしたわけでございます。商工協会のほうはそれより先、昭和十七年の八月、戦時中でございますが、そのときにスタートしておりまして、目的といたしましてしておりましたことは、商工行政に関する調査研究、それから職員の福利厚生、そういうねらいで医療施設であるとか、あるいは遺家族の援護であるとか、種々の福利厚生関係の仕事をやっていたわけでございますが、その商工協会がやはり商工業の振興という目的もやっておりましたので、先ほど申しましたような施設部というのをこの中に設けまして、独立会計でこの土地を活用するということで借用した、こういう経緯でございまます。
#55
○竹田現照君 その借用したまではわかりましたけれども、それでこの土地を払い下げるのに、施設部を解散というのか何かして、金がなくてか、何かがあって、それで株式会社木挽館なるものをつくって土地の払い下げを受けたわけでございますね。それは間違いございませんか。
#56
○政府委員(大慈彌嘉久君) 施設部で借用して活用していたわけでございますが、大蔵省のほうから土地は払い下げをすべきものであるということで、そういう要望がございました。ところが、商工協会の施設部でございますと、ただいま先生のお話のように、資金難等がございまして、これは独立の会社組織にするほかないということで株式会社木挽館というのを設立したわけでございます。これが昭和二十七年の三月でございまして、自後、大蔵省から土地の払い下げを受けまして昭和二十七年の七月に契約を締結しておりますが、二十七年に払い下げを受けた、こういう経緯でございます。
#57
○竹田現照君 そのときの財団法人商工協会の会長さんと株式会社木挽館の社長さんはどなたですか。
#58
○政府委員(大慈彌嘉久君) 商工協会の会長は椎名悦三郎氏でございます。それから株式会社木挽館の社長も同様でございます。
#59
○竹田現照君 同一人がそういうかっこうの株式会社をつくられたわけでありますが、その当時の事情もありまして、いまでは絶対にそういうことは許されませんけれども、用途指定などのあれがしてありませんものですから、法律的には逃げる根拠にはなっていますけれども、いまはそんなことありませんが、その土地が、いまは全く目的とは全然違った形において利用されているのじゃないですか、東京のどまん中で。そしてそのおもやであった財団法人商工協会はどこへ行っているのですか。
#60
○政府委員(大慈彌嘉久君) 土地を払い下げを受けたときの株式会社木挽館の目的でございますが、これは不動産の所有管理並びに貸借及び器具、物品の販売ということになっておりまして、不動産の所有、それからそれを貸し付けるというようなことでございます。こういう目的に沿いまして、木挽館はこの土地の上に展示会場と、それから貸し事務所、会議所、この三つが大きな項目になるわけでございますが、そういう事業をやってきたということになります。
 で、一番当初のねらいは、先ほども申し上げましたように、戦後の復興ということであったと思います。それから事務所の貸し付け等につきましても、当時は事務所そのものがない、したがいまして、店舗を都心に準備をしまして手に入れるということはなかなかたいへんでございました。それを貸し付けること自体が非常な商工業の振興という時代であったと思います。その後、状況が変わりまして、最近はむしろたな子をさがすのに苦労するというようなことで、状況がすっかり一変しているわけでございますが、しかし、貸し付けそのものはずっと続いているというようなことであろうかと思います。展示のほうも、当初は非常に活用されたわけでございますが、二十九年ごろからだんだん展示の利用者が少なくなる、府県の関係も出ていくと、こういうようなことでございまして、結局、商品展示のほうの仕事はなくなりまして、貸し事務所、会議所――一般の貸しビルと、こういうことに変わってきたわけでございます。
 で、商工協会自身は、先ほどの株式会社木挽館を独立させるまでは、中に施設部ということであったわけでございますが、それを出ましてから本来の仕事に返ったといいますか、商工業の振興とそれから町内の福利厚生、この二つの仕事をやっております。
 場所はどこかということでございますが、現在は、霞町に商工協会が経営しております地方から出張してきた者の宿泊施設がございまして、そこに置いているわけでございます。
#61
○竹田現照君 ですから、いまや払い下げを受けるべき本来のおもやであった財団法人商工協会が霞町の通産省の宿泊所の中に看板を移してそこに――ひさしを貸しておも屋を取られたようなかっこうでありますが、木挽館は、その後民放会館設立等の話もあったようですが、これもうやむやでだめになっておる。いまは株式会社大都なるものに貸し付けて、全然この目的が、払い下げを受けた当初からはもう百八十度違ったようなかっこうになって運営をされているのですね、運営をされてこようともしている、こういうようなことは明らかに一つの法人というものを悪用して土地を利用していると私は言わざるを得ない。しかもこの払い下げも、昭和三十七年の衆議院の法務委員会において、これは民放会館のいざこざに関連をすることのようでありますけれども、わが党の河野議員の質問によりますと、この払い下げた一万三千円なる金額そのものがかなり安いですね。これはやはりいま官房長から御説明がありましたように、商工振興その他公の目的、いわゆる公共性を持ったものとして運営をされるという前提があるからこそ、あの大江戸のまん中をわずか一万三千円で払い下げたと私は思うのです。それをいまのような金もうけ仕事の不動産、貸しビル業になるということであれば、これは当然そのおもやである通産省としては何らかの、これは公共の用に利用するような形でこの土地を利活用するように行政指導があってしかるべきだ。それでなくてもいま都心に公共の建物を建てたい、あるいは住宅を建てたい、こういうようなことが事実上不可能になっているわけですから、これを、その当時の議事録を私は読み返してみましても、これは中央区の固定資産評価額でいっても三万八千八百円、興信所の調査による売買が坪十二万円、勧業銀行の調査によりますと坪十五万円、隣接地の東急ビルが取引されたときの価格が二十七万円というふうになっているわけです、あの土地が。それをわずかに一万三千円で払い下げをした大きな原因というものは、先ほど言った公共性を持ったものへの活用、これが前提であったと思うのです。それがまるきりおかしくなっているという、こういう事実は私は、まあいまの菅野大臣じゃないですが、その当時の商工大臣が認可した法人ではありますけれども、これはやっぱり、しかも先ほど私がお聞きしたように、商工協会が金がないために金を集める手段として株式会社木挽館、しかも椎名さんが同じようなかっこうで、頭が同じなのです。そういう形で発足をさせて取得をした土地なんです。それをいまの株式会社大都だなんというどえらい貸しビル会社を始めるということは、国有財産を管理する立場にある大蔵省としては、その当時は用途指定をしていないから煮て食おうと焼いて食おうとこれはしようがないのですと、こういうことだけで私は過ごされる問題ではないと思うのです。いかがですか、こういうこと。
#62
○国務大臣(菅野和太郎君) この木挽館の問題につきましては、実は私もけさ初めて承ったことでありまして、お話のとおり払い下げ価格が安いと思われておりますのは公共用という目的であったとも思うのです。それが今日では公共用じゃなくて普通の貸借の用に供したりなんかしておるということをけさ説明を聞きまして、これはやはり公共用に戻すべきじゃないかとも考えられるということで、実はこの問題について至急に検討していく、で、最初の公共用に戻すというようなことも考慮してやるべきじゃないかということを、けさまあ指令したような次第でございます。まあ竹田委員の言われることもごもっともだと思いますので、ひとつわれわれのほうでも検討して、できるだけ今後の運営については明らかにしたいと、こう存じます。
#63
○竹田現照君 通産大臣、たいへん前向きの御答弁で……。ぜひそういうふうにしていただきたい。
 国有財産局長、いまあそこを評価するとどのくらいの価格になりますか。
#64
○説明員(松永勇君) 私、いまあの土地がどのくらいの評価になるかということはちょっとわかりかねます。
#65
○竹田現照君 おおよそもわかりませんか。
#66
○説明員(松永勇君) 私、評価のほうについてはどうも詳しくないので、いま幾らというようなことは、正確に申し上げられないと思いますが、まあ銀座の四丁目からそう遠くない、まあ裏道にはなっておるということから、銀座の四つかどの三愛のあたりが三百五十万円という相続税の評価額がついておりますから、それから想定して幾らくらいであろうかというようなことは見当つくかと思いますけれども、しかし、何分にもそういう評価、私不得意でございますので、この席で申し上げることを差し控えたいと思います。
#67
○竹田現照君 これは、いずれにしても相当たいへんな財産なんです。まだ幸いにして木挽館から売られていないようです。木挽館の所有のようです。そして責任者も依然として椎名さんが会長で、もと商工省におられた吉田さんが社長のようです。できましたら、いま通産大臣がお答えになったように、これは商工協会の悪用というそしりをぜひ排除するように、早急にこの問題についての検討を加えて、何らかの結論を出していただくように要望しておきます。いずれまた近いうちにその経緯をお伺いをいたします。
 このようにですね、各省大臣、認可の法人を当たっておりますと、いろいろと悪用される危険がありますし、いま例を一つあげましたけれども、さがし出せばたくさんあると思うのですが、そのほかに、国の財政の問題でちょっとお伺いをいたしますが、今回、貿易大学校法案が出まして、貿易研修センターと修正をされまして国会を通りましたけれども、あの審議の過程の中で明らかになったのでありますが、政府並びに政府関係機関が十五億金を出すということになっております。ところが一般会計では一億しか金が組まれていない。あと十四億はどこから金を出すのだと、こう言ったら、ジェトロにある。ジェトロから出すんだという答弁だった。そこで、私は日本貿易振興会の、ジェトロの四十年度決算報告書を取り寄せて調べましたら、そこに輸出振興特別事業引き当て金というのがありまして、これが四十一年三月末で七億三千六百五十三万何がしがある。承りますると、年々これは五億くらいずつふえていくそうでありますが、その金を出して、この政府関係の出資が十五億円ある。こういうようなことでつじつまが合うわけですけれども、この日本貿易振興会法を私なりに検討しましても、こういうような金が三十九年度決算にはありません。四十年度から出てきているんですけれども、こういうようなかっこうは、全額政府出資の法人のこのジェトロとしては、当を得ているものかどうか、私はたいへん疑問である。
 会計検査院の方、おいでになっておりますか。検査院にもお伺いしますが、こういうようなものは振興会法の法律の何条に基づいてこういうような引き当て金を受け入れることが可能なんですか。これは大蔵省にも関係するわけですから、ひとつ御答弁いただきたい。
#68
○説明員(佐藤三郎君) この引き当て金は、いわゆる雑豆輸入基金協会からいわゆる貿易振興のためにということで提供されたものであると聞いております。したがって、貿易振興のための金ならば、ジェトロが受け入れることにおいては何ら違法性がないと考えております。
#69
○竹田現照君 これは私が調査をした範囲では、いまちょっとお話がありました雑豆輸入の差益、輸入業者から財団法人雑豆輸入基金協会に十何億か入れて、それをそのうち二八%を税金にして、この輸入基金協会の事務費その他を見て、約三〇%差し引いた約七〇%を通産省と農林省関係に配分する。通産省関係はジェトロに入れた。農林省関係は財団法人日本豆類基金協会に入れておる。年々歳々五億でありますから、十年たてば五十億になるわけでありますが、ばく大な金であります。私が疑問に思うのは、このジェトロの四十年度決算の七億三千万円は、ジェトロは自由にならないのだそうですね、この金は……。運用利益、このことだけが、ジェトロの……。私が聞いている限り、説明を受けている限りでは、ジェトロの年々のベースアップその他の関係もあって、運営全般で財政的に支障がある、そういうようなこともあって、これを基金にしてその運用差益を使わしている、こういう説明があった。そうすると、利子だけはジェトロのあれには活用できるけれども、基金として受け入れても預かり金みたいなものだ、言ってみれば。だから貿易研修センターにも十四億も本年度と来年度で出されるわけです、通産省から言わせれば……。そういうような金の出し方というものは、私はちょっと妥当でないと思う。農林省の場合でも、豆類基金協会にしてもその論法が成り立つとすれば、豆類生産者その他いろいろな問題について、この基金を積み立てて――豆類基金協会の設立の趣意書を見ると、五十億円、年六分の運用をして、それを豆類の生産者その他の問題に使う、こういうことになっておる。ところが、ジェトロの論法を適用すると、また農林省が何らかの形のものを設置しようとすれば、この基金を出させるということが可能になってくるでしょう。そうすると、各省が国の財政とは全然別な、国会の審議を経ない金が、いわゆる隠し金のようなものがこの法人の中に積み立てられているわけでしょう。そこに発言権を持っているというこういうあり方は、国の財政を運用する上においてどうも不当だ、おかしい、そう私は考えるのです。たった二つだけ例をあげておりますけれども、そのほかいろいろあるようです。それを全部ひっくるめますと、ばかにならないような金になりますけれども、これは財政運営の根本的な考え方に照らして、大蔵大臣、こういう金があるということはどうなんですか。
#70
○政府委員(相沢英之君) このような輸入差益を納付金あるいは寄付金の形で取りまして、それをそれぞれの輸出振興その他の目的に使うという例は、いま御指摘のとおりこの雑豆の輸入差益のほかにも過去においては相当例がございました。バナナ、腕時計あるいは自動車、パイナップルのかん詰め、あるいはさらにこまかい、かみそりの刃でございますとか万年筆、シャープペンシル等々、相当数がありました。しかしながら、現在におきましては、大部分そういう輸入差益の徴収の制度というものは、貿易為替の自由化に伴いまして割り当て制度が廃止になるにしたがい、ほとんど消滅しておりまして、わずかに現在はこの雑豆等が代表的なものとして残っておるにすぎません。で、この輸入差益をこういうような形で吸収いたしますことは、御指摘のとおり非常に問題がないわけではありません。本来ならば、これは関税の形で、関税率の引き上げというような形で輸入差益を徴収することがあるいは妥当かと思いますけれども、これはガットの譲許品目になっておりまして、関税率を上げることができません。しかしながら、国内産の豆類に対する価格対策等々からいいまして、これをそのままに放置いたしますと、輸入業者にいわゆる超過利益と申しますか、輸入利益が、まあいわば不当な輸入利益が落ちるという形になります。それを放置するのもどうかということがあり、片や、そういう利益があるならばこれを吸収して国内の雑豆その他の生産の奨励に充てるということが妥当ではないかということで、これは従来からも納付金の形で取っており、三十九年までは一般会計に納めておったわけでありますけれども、四十年からはこれを国内の豆の生産奨励、あるいは輸出振興に充当するということで、雑豆輸入基金協会というものを四十年の六月に設立いたしまして、瞬間タッチ方式によりましてこの協会が輸入差益を吸入し、その二分の一ずつをそれぞれジェトロ及び日本豆類基金協会に交付するというふうな方式をとったわけでございます。
 したがいまして、まあいろいろと問題点はございますけれども、現状におきましてはこういう方法によらざるを得ないという考え方でございます。
#71
○竹田現照君 これは、ある程度問題があるけれども、現状こういうことをやらざるを得ないというのは、どういうことなんですか。本来、三十九年まで一般会計に入れたというのですが、だから私は聞くのですよ。通産だ、あるいは農林だという省が、独自の判断でいろいろと、たとえば貿易研修センター等に金が出せるという、こういうようなあり方というものはおかしいじゃないですか。
#72
○政府委員(相沢英之君) 問題があるからと申し上げましたのは、それは、そういう輸入差益を放置することもこれはなかなか問題があると。といいまして、関税率の引き上げという形でやることもできないということで、まあこういう急場便宜な方法を考えたわけでございます。しかしながら、その超過利益は、言うなれば、形におきましては自由の寄付金ではございますけれども、しかし、やはりその使途については、国が全く放置することも――放置すべきではない、そういう性格の金ではないかということで、この雑豆輸入基金協会の吸収いたしました輸入差益につきましても、その半分ずつをそれぞれいま申し上げました豆類基金協会あるいはジェトロに入れることにつきましても、通産、農林両省の間で覚え書きを取りかわして、その両大臣の指示によってそれぞれの団体に出すことにしておりますし、また、それぞれの団体におけるところのその金の使い道につきましても、それぞれ両省の指示監督を受けるというような仕組みにしているわけでございます。したがいまして、かってに団体に使わせるというような仕組みにはなっていないわけであります。
#73
○竹田現照君 そのジェトロならジェトロが、言うなれば預かり金として受けているようなものなんです。これの運用利子が、先ほど私がお伺いをしたように、ジェトロのベースアップその他人件費の高騰等に伴って、ちょっとやり繰りがむずかしいから、それを引き当てるなんていうのは、これは大体間違っているのじゃないですか。そんなものは――それは職員のことだから、輸出振興だと、こういうふうにいえばそうかもしれませんければも、本来豆類生産者だとか、そういうものにこの金は使われるべき性格のものでないかと思うのです。それを、会の運営がもし足りなければ、ジェトロの人件費その他なんていうものは、全額国費なんですから、政府がこれは考えるべきです。六月二十二日の議運の委員会における加瀬質問について、ジェトロの海外駐在員の二百十名のうちの七十一名から通産、大蔵、農林関係の官庁出向者がいる、こういうことだってかなりのジェトロの人件費に関係があるとすれば、当然そういう別の面で措置をすべきであって、こういう本来性格の違う金を、何か預かるところがないからジェトロに持っていって引き当て金勘定の中に入れておき、何かあればそこから政府並びに政府機関等の出資金としてこれが活用されるのだということは、これは見のがしてしまえばわかりませんよ、法案審議の中で。そうすると、全然国会の審議を経ないような金が出せるものがいろいろなところにあるという、こういう財政のあり方というのが大体間違っています。政府出資なら政府出資、貿易研修センターなら貿易研修センターに十五億必要だというなら、十五億出せばいい。正式に国会の審議も経て、二年なり三年なりかけて。それが違う形でこういうところから出せるというような金があるというところに問題がある。いまの答弁のように問題もあるといっているわけです。こういう隠れ金みたような金があちらこちらにあるということは、これは国の財政を運用する上において、不当ですよ。検査院として、こういうことは全部わかっているのですか、いろいろなところにあるということが。
#74
○説明員(佐藤三郎君) いままでの経験では、これ以外にもう一つ、いま畜産振興事業団になっておりますが、これの前身のときに砂糖差益金を扱っておったことがございます。これは現在解消しております。それ以外は本件の程度でございますと、本院で承知しております。いまおっしゃったようなことについては、その二点については承知しております。あとの事態については承知いたしておりません。
#75
○岡三郎君 ちょっと関連して。
 これは農林大臣がおらぬけれども、大蔵大臣に聞きたいのですがね、これはまあ私の判断でいえば、豆を輸入すると、国内産の豆は、いわゆる生産者の一つの価格を維持するために、輸入する豆のほうが安い。しかしその輸入した豆を、ある一定のマージンを取って国内販売すれば、国内生産者が打撃を受ける。そういうわけで差益金という形が出てくると思うのですがね。かりにもしそうだとするならば、その金は輸出振興という問題に転嫁するのではなくて、こういう国際貿易の自由化の中において、砂糖なり、その他かなりいま相沢次長が言ったように、これはいま言ったような貿易自由化に伴ってなくなっていかなければならぬものだけれども、これだけ残っているというのは一体どいうわけなんですか、雑豆だけ残っているというのは。そのほかについてもビート糖とかその他てん菜糖、そういう生産者というものについて、かなり過去においては奄美大島とか、その他の黒糖とか、そういう問題との関連において生産費を保護しなければならぬ。ところがそれについては、自由化をして、豆だけ残っているというのは、これは大蔵大臣に聞くということはおかしいんですが、私はそういう面において端的に言うと、大蔵大臣、これは財政を預かっているから私伺うんですが、こういう金がもしも出てくるとするならば、それだけ国際自由化の中において、消費者が、国内の生産者を保護するという意味において高い豆を買わされているということに尽きるわけですよ問題は。全部それは国内のいわゆる消費者に転嫁されていくべきことになっておるわけです。そうするというと、その差益金というものは物価対策なら物価対策という面で国内の消費者にこれは還元されていかなければ私はならぬものだと思う。一定のマージンというものを置いて、つまりそうなるというと、その金は当然国庫に収納して、そうしてそれによって物価対策なら物価対策の費用としてこれを運用するなら運用するということにしなければ、私は片手落ちだというふうに考えるわけですが、この点どうですか。なぜ現在豆だけ残っているのか。まめまめしく残っているようですけれども……。それからいま言ったようにそういうふうにやるべきだと思うが、それはどうですか。国庫に収納すべきです。
#76
○政府委員(相沢英之君) 先ほど申し上げましたが、過去におきましては、このような輸入差益の徴収が相当な品目についてございました。現在は豆だけになっております。この豆だけになっておりますのも、これはやはり私どものほうから答弁申し上げるのが適当かどうか存じませんが、やはり国内における農産物の生産者に対する関係でございまして、農産物に関しましては豆以外についても現在においてなお外割りの制度というのは相当残っているわけでございます。特に雑豆につきまして内外の価格差が大きいので、その外割りに伴うところの輸入差益が発生をする。そこでその輸入差益を……
#77
○岡三郎君 どうするかという問題だ。
#78
○政府委員(相沢英之君) その輸入差益をどうするかという問題になるわけです。かつてはその輸入差益を昭和三十二年度以降国庫に直接納付しておったわけでございますが、これを三十六年以降、まずこれはジェトロが一応徴収する形をとりましたものですから、三十六年の下期以降はジェトロで取りまして、それを国庫に納付するという形をとっておったわけであります。しかしながら四十年に至りまして、この雑豆の輸入差益は国庫に納付して一般財源として使うべきではなくて、国内における豆類の生産者団体に還元し、かつまた、貿易の自由化等に伴いまして輸出促進にこれを使うべきではないかというような議論が生じてまいりました。そこで、先ほど申し上げましたが、四十年六月に雑豆輸入基金協会というものを設けて、これがこの輸入差益を瞬間タッチ方式で吸収することにし、先ほど申し上げましたとおり豆類基金協会及びジェトロにそれぞれその収益の半分ずつを交付するというような形をとっておるわけでございます。
#79
○岡三郎君 私は、それだからその点がおかしいと言っているんですよ。従来ですね、ジェトロならジェトロを経由して国庫に出す。当然ですね、輸入の差益ですから。国民がそれだけ高い豆を買う。生産者のほうは生産者の保護として農林省が手を打てばいいわけです。そこを間違って差益という安易な金をですよ、自由自在に切り刻んでそれぞれのふところへ入れておくということになってしまったんでは、これは問題はまた悪くなると私は考える。だからやはり差益なら差益というものは明確にして国庫に入れて、そうしてその中から農林省に対して豆なら豆のいわゆるその生産者に対して保護をするなら保護をするという費目に応じて明確に支出していくということにならなければ……。私はあとで聞きますが、この雑豆の基金がどういう構成になっているか、どういう中身は仕組みになっているか。これはどこの所管になっているか。ジェトロは通産省だけれども、これは農林省の関係になっているかどうか。大蔵省としてその点については抵抗しなかったわけですか。要するに、差益というものは、これは外貨の割り当てによって生まれてくるものであって、これは何も苦労して得ているわけじゃないわけです。だからその金を収納して、それぞれ豆の生産者なら生産者に対して農林省を通じて正当な支出をする。ジェトロ、そのほうでは貿易振興という名前において通産省のほうで組んでやることにならなければ、これは国民の負担において自由自在の金としてそこに温存しているということになると思うのです。だから当初の大蔵省の方針が正しいと思う。昭和四十年からそういうことになったのは、どういうわけかと聞いているわけです。ところがいまの説明で、大蔵省がそんな説明で納得したというならおかしいと思うのです。大蔵省は納得したのですか。何か政治的な裏があったのですか。
#80
○政府委員(山崎隆造君) 実は先ほど相沢次長から申し上げましたように、関税率を引き上げますのは、譲許関税でございますので、ガット上できません。そのほかにガットの条項では、関税以外の何らかの輸入課徴金として取ることもまずいという規定もございますけれども、その関係上、この点だけ残りましたのですが、かっこうをつけなければまずいということで、民間の財団法人で差益を取りまして寄付をするというかっこうでもって収納するというかっこうに編成がえいたしたわけでございます。
#81
○竹田現照君 それは大蔵大臣、先ほどから言っているように、どうも金の扱い方がおかしい、こういうような形で大蔵省はタッチできない。この金は財団法人豆類基金協会にあるわけですから、これは農林省がタッチ、ジェトロは通産省がタッチする。貿易研修センターというものに出すのは、これは先ほどの説明からいうと、だいぶ飛躍していると思う。ああいうものをつくるというなら、当然こういう金でないものでやるべきだと思う。こういう隠れ金のような形であるようなものを、ぼくはそのほかのほうも知っておりますが、きょうは二つだけにしぼりますけれども、こういうような財政の運営というものは、本来間違っておる、そう指摘しているのですが、大蔵大臣のこれについての見解をお伺いして、いずれまた大蔵省なり農林省なりの審議のときに譲りますが、きょうはあとの質問がつかえておりますから、大臣の見解をお伺いします。
#82
○国務大臣(水田三喜男君) 三十九年までやっておりましたように、やはりこういうものは国庫に納付されるということが私は一番いいことであるというふうに思っておりますが、なかなかそういかなくて、たとえば最近の例を見ますというと、交通違反の罰金、これを国に納めてもらって、国からあらためて交通対策費を出すというのが筋でございますが、そうじゃなくて、それを地方において交通対策費にし、国に納めないようにしたいというような形の動きはしじゅうございまして、私ども財政当局としては、そういうのはいけないのだというので、がんばってきておるものは、これ以外にたくさんあるという状況でございますが、三十九年当時においては、いま聞きますというと、やはり大蔵省もそういう見解を述べたのに、国会も政府の中でもいろいろなことがあって、これはこういう形で運営すべきだといって大体押し切られたというような形が実情かというふうに思いますが、筋としては、やはりこういうものは一応国庫へ収納して、出すべき予算はあらためて出すという形にするのがいい姿じゃないかというふうに私自身は思います。
#83
○竹田現照君 それで公社公団に関係して私がこのことを取り上げましたのは、こういうものができて、豆類基金協会には役員のうち常勤が二人専務と常務、これがみんな農林省のえらい人が行っているのじゃないですか。だからこういうような形で、いわゆる隠れ法人だといわれるようなものが、あちらこちらにできるということは、これは好ましくないわけですよ。だから私はいま取り上げたのです、これを。ですからいま大蔵大臣の御答弁がありましたように、本来この本筋が間違っておる。しかもまた、隠れ法人なんです、これはもう明らかに。そういうものであり、かつ、そのいわゆる隠れ法人が隠れ金を持って、政府の金以外の、いま論議があったような金が、いろいろな形において各省の裁量によって出されるという、こういうシステムというものは、これは財政のたてまえから早急にこれをひとつ直していただくように私は検討していただきたいし、いずれその問題は、先ほど申し上げましたように、農林省審査のときに、もう一ぺん詳しくこの問題について追及をいたしたいと思います。
 時間の関係があって、あとの質問者がありますから、一応私はきょうはこれでこの問題については保留をして質問をやめます。
#84
○岡三郎君 先ほど言いましたジェトロにいっている金と、それからいま言った雑豆の基金協金にいっている金の受け入れと、それに対する支出ですね、それに対する資料、それからその構成役員ですか、それをひとつ資料として御提出願いたい。
#85
○委員長(亀田得治君) 資料提出いいですね。
#86
○政府委員(八塚陽介君) ただいまお話になりました資料については提出をいたします。
#87
○黒柳明君 昼食時でありますので、簡結に質問していたただきたいと思います。関係の方、お願いします。
 健保国会も今明日中に衆議院で大きな山を迎えるらしいのですが、この健保に関して薬価基準というものが大きな問題になっております。この点から、私は薬の価格、薬価について若干質問をしたいと思うのですが、まず国の財政の責任者としての大蔵大臣にお伺いしたいと思いますが、当然政府が国費を出資して民間業者と契約を結ぶ、こういうときには財政法あるいは予算決算会計令などの規定に準じて行なっていく、たとえば、契約を結ぶときにおいては競争入札をやる、こういうことが当然でございますが、はたしてこの実が上がっているかどうか、これについて私いろいろ疑問に思うわけでございますが、まず大蔵大臣、この点についての御所見をお伺いしたいと思います。
#88
○国務大臣(水田三喜男君) 歳出予算の執行権限は各省各庁の長にございますので、各省庁はこういう薬品等の物品の購入にあたっては、法令及び予算の定めるところによって適正に行なっておるものと私どもは考えておりますが、その衝に当たっている各省から具体的な問題はお答えいたしたいと思います。
#89
○黒柳明君 私もそう思います。当然適正に行なわれているべきであるし、また各省庁にその責任はあると思いますが、ここに私、一例ですけれども、郵政省、厚生省あるいは防衛庁等の薬の問題についての資料、若干あるのです。また、調べてみましたけれども、相当数の薬を購入しております。当然薬の問題については統一価格で指示して、小売りの段階においては公取のほうで再販価格を認めている、こういう場合がありますけれども、あくまでもこの国庫の支出によって各官庁が購入する場合には、これは入札競争をやらなければならない。ところが、この私の調べによると、単価が統一されているのです。ということは、どこの省においてもどの薬屋が薬を卸しても、またどういう品目の薬を入れても、単価が統一されている。こういうことは、これは形式上には予算会計令に基づいて一応の手続きは行なわれている。ところが、実質上はこの個々の競争は行なわれていないのじゃないかと、このような疑問が多くあるのですが、重ねて大臣の御所見をお伺いしたいと思います。個々の実例を出しますけれども、そういうことがあることを前提にして、ひとつ……。昨日も総理が本会議で当然薬の価格に値幅がある、まちまちであることは、これは自由競争であるから当然だと、こう言われた、これはあたりまえです。ところが、政府が購入している薬に限って、その自由競争であり価格がまちまちであるべきですけれども、いま言ったように統一されている、こういうことなんですけれども、いかがでしょうか。
#90
○国務大臣(水田三喜男君) そういう実情を私は存じませんでした。
#91
○黒柳明君 公取の事務局長お願いをします。
 ここに資料がございます。たとえば関東逓信病院アイドロンという品目があるわけです。それに対していろいろ業者が入れているわけです。メーカーは塩野義製薬、この単価が全部同じ。これはこれだけじゃないわけです。ここに幾多ございます。東大病院あるいは防衛庁国立第一病院、種々ありますけれども、これは見ますと、すべて単価が統一されている。同じ品目であるならばどの卸業者が、どのメーカーが薬を入れても単価が統一されている。しかももう一点は、これはほとんど全部と言ってもいいくらい単価が統一されています。さらにもう一点は、契約の業者、卸業者が輪番制になっている。さらに製造メーカーも輪番制になっている。こういう資料がここではっきりするのです。これに対して公取の見解をお伺いしたいと思うのです。これはちょっと資料を若干ごらんになっていただいたほうがいいと思うのですけれどもね。
#92
○政府委員(竹中喜満太君) お話のような事実がございますとすれば、独占禁止法三条後段の不当取引制限に該当する疑いがあると考えます。すなわち、事業者が共同いたしまして相互にその事業活動を拘束して一定の取引分野の取引を制限する疑いがあると考えます。お話の輪番制というようなことがございましたけれども、入札価格を協定いたしまして、輪番で落札するというような例は、ほかの商品についても見られることでありまして、そういう事実があれば、独占禁止法違反として処置しなければならないと考えております。
#93
○黒柳明君 ただいま大蔵大臣は、当然公正な状態において購入がされているだろうと、こうおっしゃいましたけれども、事実はそうじゃないのです。今度は大蔵大臣にこれをごらんになっていただきたいと思うのですね。これを見て、いまの公取のお話ですけれども、疑いがあればじゃなくて、もうはっきりしているわけです、これは。全部これは単価が同じですね、全部。これは三十九年の四月から六月までがこれです。それから七月一ぱいまでがこれ。それから四十一年になってこのアイドロンに対しては単価が全部同じです。驚くほどきれいな数字なんです。さらにこれは国立病院、さらに東大病院、さらにこれは第二病院、防衛庁、全部同じです。これは事実です。よろしいでしょうか。こういう事実に対して、明らかにこれは公正なる競争によって国家が薬を購入していない。東大病院だけでも年間六億もの購入をしておる。これを各官庁全部とったらばく大な数字になるのじゃないですか。いま公取の事務局長さんがまだこの場でこの資料をごらんになっただけですから、疑いがあるならばこれは独禁法違反であると、こうおっしゃった、これはやむを得ないと思います。けれども、これだけの資料を見て、これは疑いがあるどころか、これは事実です、このことは。こういうことが行なわれておるということを踏まえて、ひとつ大蔵大臣、さきほどの答弁が当然変わってくるのじゃないかと思うのですが、いかがでしょう。大きな国損ですね、こういうことが行なわれておるということは。
#94
○国務大臣(水田三喜男君) さっきと答弁が変わってくるのじゃないかというのですが、変わってくるとすれば、適正に執行されておるものと考えて……
#95
○黒柳明君 されていない、事実は。
#96
○国務大臣(水田三喜男君) 適正に執行させたいものと考えるというふうに申し上げておきます。
#97
○岡三郎君 ふまじめだな。
#98
○黒柳明君 あれですね、いまふまじめだなと、こういう意見が出ましたけれども、私もそう思うのです。大蔵大臣、だから私は一番初め国の財政を預かるその責任者の大蔵大臣としてと、わざわざ私は前置きしたわけです。当然各省庁において責任はありますけれどもね。大蔵大臣がこういうことに対してやっぱり監督しなければならない責任と義務があるのではないですか。また、こういう不備があったらすぐ是正をする責任もあるのじゃないですか。これに対して先ほどは正確に行なわれておると思うと、これは事実認識がなかったからです。ところが、いまここでこういうことがあるという、これを知った上においては、いまの答弁はちょっとふまじめじゃないですか。しかも笑いながら、何ですか。笑いながら、とんでもない話ですよ。笑いながらへらへら言われて……。私だって一生懸命これに対して調べて一銭でも国損があってはならないと、こういうまじめな立場から調べた材料です。発言です。これをへらへら笑いながら……。当然そういうおことばが出るのもあたりまえだと思います。私は汗水流してやっておるのに、まして憤慨ですよ、そういうへらへら笑いながら答弁されたのでは。たとえ一言でも二言でも、まじめな態度で、そうしてほんとうに腹からやるというのならこれは違います、感じが、受け方が。何ですか、笑いながら。非常に私は憤慨です、いまの答弁。皆さんそう思うのじゃないですか、ここにいらっしゃる方は。まあ私はしつこいようですが、私いつもこういうことをやらなければいいのですけれども、どうもしようがない。いまの答弁に対して私は不満です。もう一回いまの事実認識を踏まえた上で、くどいようですが、疑いがあれば独禁法違反、疑いどころじゃない、事実です。その上に立って大蔵大臣がどうしていきたい、どうしなければならない、こういうまじめな前向きの御答弁をお願いしたい。
#99
○国務大臣(水田三喜男君) いまこれから、なぜそういうふうになっておるのかと、全部が同じになっておるかというようなことをあなたが順々にこれから関係者に聞かれるものと思っておりましたが、それによってこの事態が改善さるべきものかどうかということは、私ども当然考えなければなりませんが、全部がこういうふうになっておるというからには、いろいろそれには問題があるだろうと思いますので、この事実は、私はこれから十分検討したいというふうに考えます。
#100
○黒柳明君 そのことはまずおいて、もう一つここに、今度はこれはいま言ったのとは若干関連がないのですが、こういうことがあるのです。これは某一流大手メーカー、薬の。それが昭和四十二年一月十日、こういう文書を出しております。納入希望価格表送付の件、こういうタイトルで、弊社製品につきましては毎々格別の御勉売――勉強して売ってくれてありがたい、こういう意味で、御勉売賜わり厚くお礼申し上げます。さてこのたび弊社医家向け――お医者さん向け――主要製品の納入希望価格表を別表のとおりお届けいたしますから、一月十六日以降はこの価格表に基づき価格維持に御協力をいただきますとともに、倍旧の御購買を賜わりますようひとえにお願い申し上げます。要するに一月十六日以後その明示した価格のとおりに売ってもらいたいと、こういうことが某一流大手メーカーから卸さらに卸から医家向けに指示されておる。しかも薬品名、価格がここに明記されておる。マル秘とこう打ってある。これは明らかに私が思うには、この某一流大手メーカーが卸売り業者に対して価格指示をするということは、届け出違反である。届け出違反だ。さらに卸から今度は医者に対してこのとおりに拘束されているならば、これは私は二、三調べましたが、拘束されております。拘束されているとするならば、これは明らかに違反である。卸から医者に対しての再販の価格を指示する、こういうことはないはずですね。こういうことがまたここに出てきておる。これについて公取事務局長さんもこれをひょっと目を通していただきたいと思いますけれどもね。
#101
○政府委員(竹中喜満太君) 再販売価格維持契約の問題でございますけれども、医家だけが使用する薬品につきましては、再販売価格維持契約を締結することはできません。そういう論拠に立ちまして本件が問題になるといたしますれば、価格維持に御協力を願いたいというこのことばの程度がどのくらいのものであるか、非常に拘束性のあるものであるとするならば、これは独禁法上当然問題になると思います。拘束性がなくて、ただ希望する程度のものであれば、これは別に問題がない、こういうお答えをいたしておきます。
#102
○黒柳明君 それから前段のことに関しては。要するに、これは届け出違反じゃないかと、こういうことに対しては。
#103
○政府委員(竹中喜満太君) これは元来届け出る筋合いのものではありません。したがいまして、届け出の義務はございませんし、届け出られましても違法性を阻却することはございません。
#104
○説明員(坂元貞一郎君) ただいまの黒柳委員の御質問、今年の一月十日ごろに、某メーカーが自社製品の医薬品についての希望納入価格を全国の関係の方面に配っている事実は、先般私どもも厚生省としてそういう情報が入りましたので、これはたまたま本年の二月に、約三年越しの懸案でありましたいわゆる医薬品の価格の実態調査を政府として実施する予定にしておった、その直前、一カ月ぐらい前に起きたことのようでございます。したがいまして、私どものほうでただいまお話しのように、当該メーカーがこの希望納入価格というものを卸業者なり何なりに、はっきり強制をしたかどうか。つまり拘束性を持っている文書なり何なりであるかということを、目下調査をしている段階でございます。したがいまして、この調査の結果、はっきりいたしますならば、その事実に基づきまして厚生省としてもこの問題の結着をつけたい、こういうような考え方で目下おるわけでございます。
#105
○黒柳明君 私もこの文書に基づいて二、三当たりましたけれども、やっぱり希望価格には違いないですが、もしこの意図に沿わないと、メーカーからおろされぬ。やっぱり希望価格イコール押しつけ価格に当たると、こういうような話も聞きました。まあ当然これは相当の多数の業者に当たらなければならないことは知っていますよ。そうすると、この調査すでに半年たつわけですね。いつごろまとまって報告できる段階に至りますでしょうか。
#106
○説明員(坂元貞一郎君) 実は本件の事実を知りましたのは先月の中ごろでございます。それから急遽私どものほうで全国的にこの事実の有無、特に強制を加えておるかどうか、拘束性を持ったものであるかどうか、この点についての目下事実究明をやっておるわけでございますが、何ぶんにも半年前の問題でありますし、全国の関係業者というものを逐一調べるにはなかなか事実の究明が簡単にできないわけでございますが、鋭意いまその究明を詰めておる段階でございますので、私どもの観測としましては、今月の下旬ごろには、ちょうど先ほど申しました二月に実施しました薬価調査のおおよそのめども立つ段階だと、こういうふうに予測しておりますので、その直前ぐらいまでの間には、この事実がある程度はっきりなるだろうと、私どもはこういうふうに考えております。できる限りありとあらゆる方面の調査をいまやっておる段階でございます。
#107
○黒柳明君 私どもも二、三その実例知っておりますから、まあ、それに対して御協力もしたいと思うのですが、早急にこの結論をお出し願いたいと思います。
 それで、また先ほどの国家機関の薬の購入の件についてですけれどもね、大蔵大臣、大蔵大臣のほうとして、こういう例が三省であるわけです。早く各省庁で資料を取って、そうしてそれについての実態を徹底的に究明していただきたい。そこにもしこういう薬の購入という点について、少しでも国損があるならば、これは改めていかなければならない、こういうふうに私思うんですけれどもね、これに対して前向きの態度で善処していただくと、こういうふうな希望を持っているんですが、いかがでしょう。
#108
○政府委員(相沢英之君) 予算をつくります際、また執行する場合におきましても、個々の薬代まで大蔵省といたしましてそこまでこまかく立ち入ってやることはなかなか困難な点もございますが、まあそういうような現実の薬の購入状況であるといたしますと問題もあろうかと存じますので、できるだけそういう実態は調べまして、予算の編成等の際に参考にしたい、かように存じております。
#109
○黒柳明君 そうじゃなくて、できるだけとか、予算の編成のときに参考じゃなくて、こういう実態があるわけでしょう。これ三省だけですから、まだまだ各省庁こういうことがある。公取の人の話ですと、もうこれは公然の秘密だというんですよ。このことはあたりまえだと。いまさら問題になることがおかしいというような発言をしていらっしゃる方もいるんです。ですから、それに対して予算の編成のときとか、あるいはできるだけとか、こういう御答弁じゃなくして、早急に各省庁で薬の購入についての資料を提出しろ、省庁から。それで検討すると、このような態度を示していただきたいと思うんですが、どうですか。
#110
○国務大臣(水田三喜男君) いま主計局次長が言いましたように、ちょうど各省からことしの概算要求をいま徴取しておるときでございますので、その際にあわせてこういう問題も大蔵省で十分調査できるような措置をとりたいと思います。
#111
○黒柳明君 ちょっとはっきり聞こえませんで……。私はそれじゃ確認したいと思いますが、ちょうどいま予算編成にあたっておるので、各省庁から、この薬購入に対する資料を出してもらうと。そうして出した資料に基づいて十分に検討を加えていくと、このように理解してよろしいでしょうか。
#112
○国務大臣(水田三喜男君) よろしゅうございます。
#113
○黒柳明君 当然そうすべきであると思うのですが、これはすでに先ほども言ったように、各省庁から出てくれば大きな問題になるし、これを改善しただけで、健保云々だなんていうことは一ぺんに解決できるくらいの国損がここで防げると、このように感じます。これは当然である。これは重大問題じゃないですか。これはまたこの前の郵政みたいに何年間かさかのぼってやってごらんなさい。業者が輪番でこんな入札も形だけやって、だれが今年は入れる、だれが来年は入れると、全部きまっておる。そういうようなことを調べる。調べられないということはない。まあくどいようですから……。
 それから今度公取のほうにお願いしたいと思うんですが、当然こういうような事実を、またこれからお調べになっていかれるのですけれどもね、それが調べられ、また結果が出たら、ひとつ本委員会に資料として提出し、また実態をお知らせ願いたい、こう思うわけですが、いかがでしょう。
#114
○政府委員(竹中喜満太君) この問題はなかなかむずかしい問題だと思います。一つは一定の取引分野というものをどういうふうにとるか。個々の病院を一定の取引分野にとっていくということは非常にむずかしいことでございます。東京都内の公立の病院、そういう病院関係の取引についてそういうことが行なわれているということであれば、一定の取引分野と考えることができますけれども、そういうことについて私どもが調べるにあたって、購入者の方々の御協力も必要であるし、非常にむずかしい問題であると思いますけれども、できるだけ実態を把握いたしますように努力いたしたいと思います。
#115
○黒柳明君 大体、分野というのは国立病院――東大病院に行って事務局長に聞きますと、国立病院は全部単価が同じように指示されておると、厚生省から。こういうふうにはっきり明言しております。もしも単価が違うと私たちはおこられるんですと、だから、どこの国立病院に行っても単価は変わりありませんと、そのとおりですね、おっしゃるとおり。ですから、そのいままでの間違ってないとするイメージが間違いであったということに気づかない。そういうぐらい、この薬の購入問題に対しては慢性になっていながら、だんだん国民に大きな迷惑をかけている。こういう問題です。この問題について、ひとつ公取あるいは大蔵当局もいまの御答弁のように、早急に前向きでお願いしたいと思いますし、またその資料が出、結果が出次第、それに基づいてまたお尋ねもしていきたいと思います。
 それから厚生省はいらっしゃいますか、大臣は。政務次官いらしゃいませんか。いま、政務次官をお呼びしてくるということになっていたんですけれどもね。
#116
○委員長(亀田得治君) 厚生大臣は健保の関係で来られませんが、次官のほうはすぐ連絡をいたします。
#117
○黒柳明君 政務次官のいらっしゃる前に、会計検査院にですけれども、これは一般向けの、家庭には、もう新聞に出ていましたように、おまけ、添付、これがつけられていくんですが、国の機関においてこういうおまけがあるやいなや、この実態ですね。私は二、三あるやということも聞いているんですけれどもね。もしこういうことがあれば、これは物品の寄付になるのか、あるいは会計法上どのように処理していくのか、いかがでしょう。
#118
○会計検査院長(山崎高君) 国の医療機関で医薬品の購入にあたりまして、現品添付というような事実は、検査の結果は報告を受けておりません。もしかようなことがございますれば、好ましいこととは思われませんので、十分注意してまいりたいと存じます。
#119
○黒柳明君 まあ、これはもし国家の機関にそういうおまけがついていると、これはたいへんだと思うのです。しかしながら、聞くところによると、おまけがくっついてきている。しかもそのあとになると、また業者がそれを回収して集めている、そしてまた、しかるべき筋に売ると、こういうような不当なことをやっている。まあこれについては、はっきりした裏づけをいま調べつつありますけれども、しかし試供品名目で出されている、これはあるわけですね、試供品として。新薬が出た場合に試供品……、これはおまけになるかならないか、あるいは試供品に対して会計処理のときは、どのようにしているか。
#120
○会計検査院長(山崎高君) 試供品についての御質問でございますが、これは病院または診療所あてに提供されたものではございませんで、各個人に提供されたものと解釈されておりますから、国の経理として取り扱う必要はないものと考えております。
#121
○黒柳明君 今度、大蔵大臣にまたお伺いしたいんですけれども、この実態ははっきりしておりませんけれども、二、三いま調べておりますが。こういう要するにおまけ、添付、しかも、それをまた業者が集めちゃあ、しかるべきところに売ると、これは非常にこうかつなやり方だと思うのですが、先ほどのこととあわせて、この実態を掌握して、ぜひそういうことがあるなら、この不当な行為に対して防止につとめる努力もしていただきたいと思うのですが、いかがでしょう。
#122
○国務大臣(水田三喜男君) さっき申しましたことと関連いたしますので、あわせて私のほうで調査をいたします。
#123
○黒柳明君 十月二十一日の産経のトップに出ていましたけれども、要するにおまけ、添付のことについて、厚生省としては各業者に対して自粛を申し入れると、こういうようなことが明らかにされていますけれども、この添付薬について、その指導方針はどのようにきまったか、あるいは今後していくのか、お聞きしたいと思います。
#124
○説明員(坂元貞一郎君) 医薬品のいわゆる添付につきましては、薬業界の長い間の商習慣というような形で過去行なわれてきたようでございます。昨今医療保険の赤字問題が、これほどまで大きな問題になりましたこともございまして、昨年の秋に厚生省としましては、この添付問題につきまして、特に大手メーカーが、それまで非常にこの添付の問題について相当なことをやっていた事実がわかりましたので、いま申しましたように、昨年の秋、大手のメーカー二十社に対して私どものほうから、いかに長年の商習慣とはいえども、この添付というあり方は、やはり好ましくないというような観点からしまして、業界に、今後強力にこの添付の自粛策を講じてほしいということを強く勧告をいたしたわけでございます。そこで関係業界としましては、厚生省からのそのような勧告を受けまして、昨年の暮れから今年の初めにかけまして、添付自粛の方策を考えたわけでございます。特に私どもが注目いたしておりますのは、全部の医薬品についてこの添付というものがあるわけではないわけでありまして、いま問題になっております活性ビタミンとかあるいはアミノ酸とか、抗生物質とかいうような特定の種類の品目について、添付が非常に多かったわけでございますので、そのような特定品目の医薬品についての添付自粛策を、業界としてまとめたわけでございます。その実施が、今年の一月の中旬なり、二月の初めころから添付自粛の実施を始めたわけでありますが、ことしの春くらいまでは、黒柳委員も新聞等でお読みになったように、大手メーカーのほうは非常に添付自粛の成果があがったわけではありますが、一部の中小メーカーについて、まだまだ添付自粛という、われわれのほうの希望どおりの線にまいっておりませんので、ことしの四月、五月ごろまたねらい打ちまして、このような中小メーカーに対して、大手メーカーと同様に、添付自粛策を強く勧告をいたしたわけでございます。で、昨年までの状況と比べましたら、非常にこのいわゆる添付事実というものは、格段に下がって一応改善は見られていると、こういうふうに考えているわけでありますけれども、まだまだ完全な、われわれのほうの希望どおりの線にまいっておりませんので、新聞等にも出ておりましたとおり、近くもう一回このような点について自粛策を強力に指導をしてみたいと、こういうふうに考えておるところでございます。
#125
○黒柳明君 あと二、三問ですけれどもね、まあ、健保がいまがたがたして、衆議院でもめているらしいのですけれども、健保会計の中で、薬の購入費の占める率というものは、どのくらいになるのですか。
#126
○説明員(坂元貞一郎君) 担当の局長がおりませんので、私正確には申し上げられませんが、現在の総医療費のうちで、いわゆる薬剤費の占める割合というものは四割前後までなっていると、こういうふうに非常に客観的な言い方でございますが、総医療費のうち大体四割前後を薬剤費が占めている、こういうふうにわれわれは承知しているわけでございます。
#127
○黒柳明君 四〇%、私もそう記憶しているのです。大体四割くらいが薬の購入費ではないかと、こう記憶しておりますけれども、そうなりますと、いま健保の値上げで政府が一生懸命苦労していらっしゃいますけれども、こういう薬の購入に対しての態度を改めない限り、――大蔵大臣ちょっと聞いていただきたいのですけれども、たとえ健保の修正案が、きょうあたりつくられるというようなことですけれども、多少の薬価基準くらい引き下げたところで、これは国民としては納得できないと思うのです。なぜ健保は、赤字か、その半分くらいを占めるこの薬の購入代、これに対して態度がなっていない、こういうことじゃないですか。まずこういう姿勢を抜本的に直しませんと、だからわが党は抜本的にこの健保の問題を考えろと、こういうふうに繰り返し繰り返し主張しているわけです。もうちょっとくらいの修正案、手心を加えても、この問題はだめです。ウサギとカメの追っかけっこだ。またいつの時点においてか、値上げをせざるを得ない方向に向かっている。こういうところに大きな健保の問題が隠されている。この薬の購入、この態度を全面的に変えていけば、おそらく何十、何百億という国費がまたここで浮いてくる。何百億というのはちょっと大げさですが、何十億という国民の血税がまた浮いてくる。そうすれば、値上げ云々なんということは、またぐっと値上げ幅も落ちつくでしょう。ここらあたりに、わが党が主張する観点がある。抜本的に考えていきなさい、こういうわけですけれもど、最後に厚生省のほうから、この薬購入の態度についてこれは大きな問題がある、健保問題とからんで、抜本的にこういう問題から変えていかなければ、国民に納得できるような修正案もできないのじゃないか、こういうふうにわが党では検討してきているわけですが、いかがでしょう。
#128
○説明員(坂元貞一郎君) 医療品の販売の姿勢につきまして、先ほどからお話がありましたが、確かに現在の医薬品の販売態度というものは、いろいろ世論からもきびしい批判をいただいております。私ども厚生省としましても、従来からこの点については、特段の注意なり指導をやって、業界をいろいろそういう方向に導いてまいったわけでありますが、まだまだいろいろなところで問題があるわけでございます。先ほど来問題になっております医療機関側に対する販売姿勢の問題、具体的な例として添付の問題あるいはそれ以外に行き過ぎのサービスを、医療機関側にやっているというようなことも、今後できる限り早い機会に業界の自覚を促しまして、販売姿勢というものを、もうちょっと厳正に適正にやっていくように強力に指導してまいりたいと思っておるのであります。
 それから第二の点としまして、医療保険の赤字問題と関連しまして、薬価基準の問題が問題としてあるわけでありますが、私どもとしましては、医薬品の市場価格というものを適正にやはり把握して、それをいわゆる保険のほうで使用しまする薬価基準価格にしてもらいたい、こういうことで、従来から努力しているわけでありますが、その一番ポイントとなる薬価の実態調査というものが、過去数年できなかったわけでございます。そこで、四十一年度の薬価調査としまして、ことしの二月から従来と方法を変えまして、販売サイドの薬価調査を実施するということで、現在、先ほど申し上げましたような状況で集計を急いでいるわけでありますが、この薬価の実態を適切に把握して、それを保険のほうで、社会保険のほうで使います薬価基準価格としてそのまま反映をいたすというようなルールをつくってまいることも、当面の一番大きな問題だろう、こういうことで現在その薬価調査を急ぎ、そうして薬価基準の大改定をやる、こういうふうなルールを確立してまいるということで努力をいたしているわけでありますが、それやこれや、いろいろの総合的な方法で姿勢を正させるとか、あるいは薬価の適正な把握というものによりまして、薬価基準価格ういうものを適正なものにきめていくというようなことも、薬のほうから見ました医療保険の抜本策の一つの大きなポイントだろう、かように思っているわけでございます。したがいまして、そういう総合的な手段方法を用いまして、黒柳委員御指摘のように、医薬品業界全体の姿勢を正し、また医療保険の財政の健全化というものにも、間接的に資するように今後努力をしてまいりたい、かように思っておる次第であります。
#129
○黒柳明君 先ほどから大蔵大臣また公取の方、厚生省の方から前向きな御答弁をいただきましたが、くどいようですけれども、この問題は、国家全体としての問題でありますし、いまおっしゃいましたことばが、この委員会だけの単なる一時的発言のみにとどまらず、この問題を早急に、抜本的に検討して是正して、国民の血税を最小限にとどめていく、こういう態度で臨んでいただきたいと思いますし、もうともかくこういうことについて上司の方が全然気にしない、目を向けてない、だから、係員の方が、電話か何かで、ぱっぱと一本入れておけよというようなことが、いままでの通例なんです。だから、薬が下がっているというが全然下がっていない。各業者の言いなりの値段で入ってしまっている。全然下がっていやしません。それらのことを含めて、要望でございますけれども、至急にいままで私が要望し、またそれに対して発言ございましたことを資料を整え、また検討を加えていただいて、本委員会に資料を提出し、または結果を発言をしていただきたいと思います。また、私もそれに基づいてさらに各省庁の資料を検討してもいきたい、ここにまた質疑応答もしていきたい、こう思っております。ひとつよろしくお願いしたいと思います。
 以上であります。
#130
○委員長(亀田得治君) 参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 昭和四十年度決算外二件の審査に資するため、必要に応じ政府関係機関等の役職員を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#131
○委員長(亀田得治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、日時及び人選等につきましては、これをあらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#132
○委員長(亀田得治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 それでは暫時休憩し、午後二時半より再開いたします。
  午後一時五十分休憩
     ―――――・―――――
  午後二時四十六分開会
#133
○委員長(亀田得治君) ただいまから決算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、昭和四十年度決算外二件を議題といたし、総括質疑を行ないます。
 質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
#134
○大森創造君 住宅公団にお伺いいたしますけれども、昭和四十年度の決算でございますから、ちょうど住宅公団の表題に掲げておりました平城団地の問題が、昭和四十年の決算にかかわりがございますので、その問題についてお尋ねいたします。
 まず、平城団地の場所はどこでございますか、それからその規模を御説明いただきたいと思います。
#135
○参考人(林敬三君) ただいまお尋ねの平城団地でございますが、この地区は、奈良市の西北に位置します丘陵地帯でございまして、奈良市とそれから京都府の木津町、精華町の一部、これが入りまして、大きさで申しますと六百六十ヘクタール約二百万坪の区域でございます。
#136
○大森創造君 大体どの程度の戸数を建てて、人口はどの程度になる規模でございますか。
#137
○参考人(林敬三君) ちょうど買収をほぼ終わりまして、これからマスタープランをつくって、宅地造成の事業に入るのでございますが、約八年間かかると見ておりまして、その八年後には、戸数約一万六千二百戸人口にしまして六万六千人の住宅地を造成する予定に考えております。
#138
○大森創造君 そうしますと、大体住宅公団所管の団地の中では、日本一ということになりましょうね。
#139
○参考人(林敬三君) 非常に大きいほうに属しまして、いま名古屋の郊外にあります高蔵寺というのが、これより少し大きいのでございますが、その次に位するものというくらいに考えております。
#140
○大森創造君 次にお尋ねしますけれども、この用地の買収価格ですね。それの坪当たり単価、平方メートルではなくて、坪当たり単価及び総額をお示しいただきたいと思います。
#141
○参考人(尚明君) 平城地区の用地の買収は、この地区内の位置及び土地の所有者及びあっせん者によって分類されておりますが、大体坪当たり三千七百円から四千三百円の間で買っております。そうして、ただいままで合計、この地区内で八十二万六千四百二十六坪買いまして、契約額三十四億三千六百八十七万六千四百円になっております。
#142
○大森創造君 それでは、その八十二万六千四百二十六坪、金額にして三十四億三千六百万円ということでございますが、どこから買いましたか。その内訳をお示しいただきます。大づかみでよろしゅうございます。どなたから買いましたか。
#143
○参考人(尚明君) 買いましたのは、一番大きく近畿日本鉄道株式会社、これは近鉄自身が地主として土地を持っていたものと、個人から委託を受けまして、契約代理人として買ったものとがございます。次に、京阪と契約いたしております。これは相互土地という会社が持っていたものと、同じく個人その両方からの契約代理人としての京阪から買っております。それからいま一つ、富国開発という会社がございます。これも個人及び相互土地という会社の、これまた契約代理人という形で富国開発から買っております。そのほか個人から直接買っております。以上四つの分類と契約してあるわけでございます。
#144
○大森創造君 そこでお伺いいたしますけれども、一つの例を近鉄にとりますと、近鉄が住宅公団に売り渡す前の、近鉄が地主から、一般地主から買いましたその価格を御存じですか。
#145
○参考人(尚明君) 近鉄は、この地区におきまして、昭和三十五年ごろから用地を取得しているわけでございます。その価格については、詳しくは存じませんが、当初のころは数百円、しまいのほうで三千円あるいは場所によっては五千円とかいう、最近の値で買ってるというふうに聞いております。
#146
○大森創造君 念を押して言いますが、近鉄から買った価格は四千三百円が多いですね。住宅公団が近鉄から買った価格は、坪当たり四千三百円近辺でしょう。
#147
○参考人(尚明君) さようでございます。近鉄から買いましたのは、近鉄の所有している土地の全体を見まして、四千三百円で買っております。これは四十年の三月以降買っておるわけでございます。
#148
○大森創造君 そこで、四千三百円相当で近鉄から公団が買っておりますが、私の調べた限りでは、近鉄が買い始めたのは確かに昭和三十五年ごろからでございますが、三十六、三十七、三十八、三十九、四十と買っておりますけれども、その価格はお調べになって当然だろうと思うのですがね。おわかりになりませんか。
#149
○参考人(尚明君) 従前に幾らで取得したかということにつきましては、十分には調べておりません。
#150
○大森創造君 私は調べてしかるべきだろうと思うのですがね。私のほうで調べてみたところを申し上げますというと、昭和三十五年、三十六年当時は坪当たり三百円から六百円で買っております。いいですか、三百円から六百円。それから三十七年、三十八年当時で六百円から千二百円です。それから三十九年から四十年当時で千二百円から二千円どまりです。これ、現実に私は調べてまいりました。なお申し上げますと、三十七年の十二月二十三日に近鉄に土地を売った一覧表がございます。それを見ると、こう書いてあるのです。名前も書いてございますよ。山本佐助という人は八百六十三坪五合、立木があって単価一千百円、木下勇という人が一千九十三坪で立木があり単価一千百円、その次が一千百円、その次が九百五十円、その次が九百五十円、その次が九百五十円、こうしてずっと調べてみまするというと、三十七年十二月の時点では坪平均が一千円が相場です。近鉄が一般地主から買った相場は、坪当たり一千円が相場です。そうして昭和四十年の三月にその土地を住宅公団は坪四千三百円で買ったわけです。間接買収方式ですから、過去は問わないと言えばそれまでですが、私が調べたところでは、そういうふうになっております。最も安いところは坪当たり二百五十円で買った事実がございます。高いのと安いのとおしなべて平均してみますと、平均ただいま申し上げましたとおり千円です。そが四千三百円という価格差、四・三倍で買っているわけですね、住宅公団は。これはどういうふうに説明されますか。
#151
○参考人(尚明君) 住宅公団は、用地の買収価格を定めるにあたりましては、適正な時価を基準として買うということにいたしております。で、そのためには、不動産鑑定士による評価鑑定及びみずから公団が近郷の価格の調査等を行ないまして、これらの数値に基づきまして客観的と思われる、妥当と思われる価格を決定いたすようにいたしているわけでございます。この場合も、評価鑑定を依頼いたしましたところ、奈良側につきましては、鑑定評価をいたしましたのは、住友信託銀行と大和銀行でございますが、その平均で四千二百五円、それから京都側は、これは一年あと四十一年から買収したのでございますが、不動産研究所四千四百三十円、大和銀行四千四百六十円、住友信託銀行四千六百八十円、平均四千五百二十三円という鑑定評価の結果を得まして、これと住宅公団独自で周辺の土地等について調査いたしました資料、これは私どもその結果、奈良県側が四千三百円、京都側は四千五百円という結果で、鑑定評価とほほ同じような結果を得たわけでございますが、買収にあたりましては、これより内輪に買収交渉することにつとめまして、奈良側は四千二百円、京都側のほうを四千三百円以内で買うように決定いたしたわけでございます。
#152
○大森創造君 その点も私の調査と一致しております。そのとおりでございましょう。ただ、先ほど申し上げましたとおり、安いのは二百五十円、それから平均して千円というものが、昭和三十七年の十二月現在で大体坪千円くらいで近鉄は買収している。そうするというと、近鉄が一般地主から買収した買収金額の総計は幾らになるかというと、大体十一億です。それで公団が近鉄に支払ったのは二十五億ですね。そろばん入れますというと、近鉄は少く見積もっても大体十四億くらいと推定される巨額のものをもうけていることになるんですよ。近鉄が一般地主からの買い入れは十一億、そろばんを入れてみるとそういう数字が出てまいります。公団が同じ面積の同じ土地を近鉄から買ったために支払う金額が二十五億、差額が十四億、元金よりはずっと多い金額をもうけた勘定に相なるわけです。そういうことになるでしょう、これは、算術しますというと。いかがでしょう。
#153
○参考人(尚明君) 近鉄が元金をどれだけの資金を投じたかについては十分ではございませんが、公団の支払った額は、そのとおりでございます。
#154
○大森創造君 私は、いやしくも公団が住宅不足を解消するために、それから国民の生活安定と福祉向上のために税金を使うんだから、この程度の調査をしてしかるべきだと思うのですよ。いま言いましたように、近鉄と、それから京阪と露国開発というものですから、こういうものについては、ぼくはどのくらいで買ったのかということを調べるのは、簡単じゃなかろうかと思うのです。私だってわずかな期間で調べました。そうすると、いまのようなことが判明したわけです。過去は問わないと言っても、やはり過去は問題にしていいと思うのです。安いところは二百五十円から三百円、千円平均で買ったから近鉄の金は十一億ですよ。そうして公団へ売り値は二十五億ですよ。十一億投じて十四億もうかるという勘定になりますよ。買った値段が私が言ったとおり十一億ということになれば、もうけは十四億ということになるでしょう。
#155
○参考人(林敬三君) いろいろ、いまの点大森議員からお話がありましたが、これは土地を古く買った三十五年ごろには、まだほんとうの山野で、どうなるかわからないというときの山林の値段と、それから公団なり何なりが来て、いよいよ宅地開発をやることになって、これは開発して住宅地になるというときとでは、土地の値段というのは非常に違ってくるということはあろうと思います。それからまた、安い場所と、やはり要衝の地にあって高いところ、あるいは御承知のように、人によって売りたくない人と、それからすぐにでも現金化したい人、こういうものによって、土地の値段というのはたいへん、売りたいという意思と、買いたいという意思の強さによって、値段がぐっと変わってくるということは、御承知のとおりと思います。また、おそらく近鉄の買ったものでももっと高いものを――これはまとめて売らなければと思って、高い金を出して買ったところもあろうかと存ずるのでございます。これもしかし、やはり公団でここを開発したいという意思を持って、それからそれを関係市町村、関係府県というものと相談をして、公の意思表示ということによって土地を買うということになった場合の土地の値段というものは、やはり全然山野のときの値段とはずいぶん違ってまいるということも、御了承いただけると思うのであります。しかし、不動産を買って持っている人というものが、不当にもうけるというようなことについては、私どももいわゆる社会的観念からいって、そういうような結果になることも、非常に慎重に扱っていかなければいけないということは、よく存じておるのでありますけれども、一つのところをまとめて求めますとき、やはりそれは過去は問わないと言ったら、言い過ぎでありましょう。これはもちろん過去はある程度のことはありましょうけれども、しかしいつの時代、どこの場所をどれだけ買ったといって、その人が持っているということよりは、現在それを幾らで売ってもらえるか、幾らならば買い得るかということを基準にして、その妥当な値段というものが、客観的に見ての価値として妥当であるということであった場合には、これをまとめて買う、こういう方針をとってまいっておるのでございます。この土地につきましても、奈良側については十カ所の区域に分けて、その各個所ごとにまた三点を選んで、何十カ所というものについての評価をしてもらい、京都側についても、また同様な措置を講じてそれの平均値を出して、こちらの妥当な値段を考え、さらにこの地区のところでの売買の実例というものを求めまして、それから公団の独自の推定値段あるいはそれにかかった税金の歩合とか、いろいろそういうことも勘案いたしまして、この近鉄の地区については四千二百円ということを妥当と見たわけでございます。ちなみに、近鉄では、これずいぶん前で、私の来るずっと前でございますけれども、もちろん一つの営業でもございましょうから、もっと高くがんばったようでありますけれども、こちらの係員とずいぶん激しい折衝の結果、こちらの妥当とする価格のところに落ちついた、こういうことでございますので、その点御了承いただきたいと思います。
#156
○大森創造君 その点は、私はよくわかっております。そのとおりでございましょう、一般論として。しかし、私が調査した限りでは、昭和四十年の三月ですね、近鉄の土地を第一回に買収しましたのは。そうですね。そのときの価格が二千円と言っているんですよ。私は相当広範囲にわたってこれは聞いているんです。住宅公団が昭和四十年の三月に第一回の買収をした当時の時価が二千円であるということを言うている人が多数いる。それ以下という人もいるんです。ところが住宅公団は四千三百円で買っている、過去は問いません。二百五十円、三百円で近鉄が買ったということは問いません。十四億もうかったという勘定もあえて問題にしない。問題にすべきだとは思いますけれども、しかし、あえて繰り返して申し上げませんけれども、四十年の三月の第一回買収当時の時価は幾らかということを、相当広範囲に聞いたんですが、二千円と言っている。これは総裁にしても、お答えになっている理事の方も御存じないでしょう。二千円と言っているんですよ。そうすると、倍以上ですね、四千三百円ということになれば。総裁のおっしゃるお話はわかります。しかし、地元の人ですから、よくわかっているわけですよ。現在は幾らしているかと聞いたらば三千円、確かに値上がりしている。現在三千円。住宅公団が買収を開始した当時四千三百円で買った時点における価格は、二千円だということを異口同音に言っている。多少例外はございましょうけれども、私が相当広範囲に聞いた限りでは、二千円と言っている。現在でも三千円以上出ない。これはどういうふうに説明されますか。私は実地に当たって聞いているんですよ。
#157
○参考人(林敬三君) 公団でその当時価格を決定する上において調べました点は、先ほど申し上げたことの重複になりますのでございますが、不動産研究所、大和銀行、住友信託銀行、それから間に合う限りの資料をとりまして、それがいずれも四千円を上回っている金額でございます。公団で決定したのより高いのでございます。それから公団で近傍類地の地価を、売買実例その他でもって勘案して調べましても、やはり四千円以上になるのでございます。これは、まあこの土地というものは、客観的価値といいますか、絶対的価値というものでなくて、相対的価値で、やはり公団が出ていくということで上がる――公団か出ていくと言うといけませんが、どこの主体でありましても、これが住宅地になっていくということになると、山林の雑未林でほおったらかしてあったものが、たいへん値が出てくるということはありますし、それから大森さんがお調べになったように、そういうふうにまいりますときは、いやこんなところは幾らですと、こういうことはございましょうけれども、これが具体的にそれでは買うから、さあ幾らだということになると、またいろいろとそこに売り手と買い手の意気込みといいますか、必要性というものにおいての差が出てくるということもあって、こういまの御質問と私ども申し上げることとの食い違いがあるということでございましょうと思いますが、買う側から見て、国費を、国の資金をむだ使いしないように庶民住宅を建て得るということで、それを手に入れるということになったときの値段としては四千二百円及び四千三百円というところをもって妥当とし、まあ当事者にも私あとで聞いてみましたのですけれども、着任してから、これはむしろ、よくここまで下げて買えたと思うのだということを、正直に申しておるというような状態ではございます。
#158
○大森創造君 私は総裁、最近現地に行って聞いているんですよ。そうすると、先ほど申し上げたとおり四十年の三月公団買収時、四千三百円で買った当時の価格は二千円であった、現在でも三千円以上は出ないということは、私の新しいニュースなんですよ、相当広範囲に聞いているということを私は申し上げております。そうすると、四千二百円とか四千三百円とかという価格の決定をした基準は何ですか、一体。もう一回、どういう基準できめましたか、そういうものを。
#159
○参考人(尚明君) 先ほども申し上げましたように、ここの価格決定のときの具体的な資料といたしましては、奈良側につきましては、住友銀行の評価鑑定、大和銀行の評価鑑定、これを両者を平均いたしまして四千二百五円になりました。それから京都側のほうは、不動産研究所、大和銀行、住友信託銀行、これらの評価鑑定を平均いたしまして四千五百二十三円となりました。この資料と、私ども公団として独自で収集いたしました資料、これによりますと、その結果、奈良側のほうが四千三百円、京都側は四千五百円、こういうふうに出ました資料、これに基づきまして、私どもは買収にあたりましては、これ以内ということを旨といたしまして、奈良側を四千二百円、京都側を四千三百円というふうに決定いたして、さらにそれ以内に平均がおさまるように、こういうことにいたしたわけでございます。
#160
○大森創造君 くどいようですが、一つお伺いしておきますが、これは土地の値段ですね、いまの四千二百円奈良側、四千三百円京都側というものは、土地の値段ですね。
#161
○参考人(尚明君) 土地の値段でございます。しかし、こういうところは、すでに宅地としての値段でございますので、土地と上の立木その他を特に分けないで全体として評価する、通常こういう宅地化されるところの土地の評価というものは、そういうやり方をいたしておるわけでございます。
#162
○大森創造君 わかりました。そこで問題は、公団が独自で評価をするということはさておいて、一番問題なのは、やはり評価鑑定だろうと思うのです。鑑定人はいまの御説明によるというと、奈良側は大和銀行、住友信託の両方に依頼しておるようでありますが、この近鉄と大和銀行とは、よくよくの特殊な関係にあるということを御存じですか。
#163
○参考人(尚明君) いま申されましたよくよく特別の関係がある銀行というふうには考えておりませんで、一般的な取引はあったかもしれませんけれども、これは私どもは不動産鑑定士としては、独立の機関というふうに考えて依頼したわけでございます。
#164
○大森創造君 そこで、私は鑑定書というものは権威のある書類であるけれども、実はこれは裏返すと、どうでもできるような感じがするんです。大和銀行というのが、近鉄に二十六億八千万円の無担保融資をしている関係を御存じですか。
#165
○参考人(尚明君) 存じません。
#166
○大森創造君 その鑑定書には、金額が確かに先ほどあなたのおっしゃったような金額が書いてございますが、それが大和銀行であって、近鉄とはいま申し上げたように無担保で二十六億八千万円の融資を近鉄に渡しているわけです。そこで、鑑定書の金額のところを見て、その裏側を見ますというと、評価をする近鉄というものと大和銀行の関係という項がございますが、「何ら関係なし」と書いてございますが、無担保で二十六億八千万円というのは、少ない金額でございません。そういう融資をしているということなんですよ、大和銀行という銀行は。私は全国に何百もあると思うのですよ、こういう鑑定をする機関は。ことに私は変な感じがするのは、日本不動産研究所と申しますか、こういうものをどういうことか落としておりますね。そうして大和銀行を採用しているわけです。大和銀行に鑑定させたらこういう金額になるかもしれませんよ。それとあとは住宅公団のほうの評価ですから。私はこういう膨大な土地を買うときには、先ほどからお話しのように立木を入れて宅地というものを幾らに評価するかという第三者的な鑑定人の資格が大事だと思うのですよ。その場合に何百も全国にあるものを、最も権威のある不動産研究所というものを差しおいて、非常に関係の深い大和銀行というものの鑑定の評価を採用した。これはちょっと調査不十分のような感じがするのですが、いかがでしょう。
#167
○参考人(尚明君) 実はここへ並べたのが住友信託銀行と大和銀行だけの結果が出ているわけでございますが、いまお話がございました日本不動産研究所にも、同じころに依頼をしたわけでございますが、不動産研究所はちょうど忙しかったか何かいたしまして、この鑑定書の受領が他のところよりも一月以上おくれたわけでございまして、私どものほうが仕事を進めていく上において間に合わなかったわけでございます。それから京都のときには、これ一年後でございましたから、先ほども申しましたように、不動産研究所は間に合って採用させていただいている、こういうわけでございます。
#168
○大森創造君 それじゃ別な角度からお伺いしますけれども、四千二百円とか四千三百円という評価の中に、土地と立木以外のものも考慮して価格の上積みをしている事実はございませんか。
#169
○参考人(尚明君) 四千三百円の中には、何も上積みとかそういうものはなくて、土地そのものを全体として評価したわけでございます。この際ちょっと御説明申し上げますけれども、われわれが評価をいたします、これは不動産鑑定全体の評価のしかたにも共通のことでございますが、ごく素地の安いところでは、素地とその上の立木と分けて評価いたしまして、立木のあるところは、素地の上に立木を足して評価するというやり方が行なわれているところがございます。しかし、宅地化をするところ、そこでは上に木があるとかないとかいうことは、あまり宅地の可否そのものには関係ございません。そういうところでは、一般的にそういうものをひっくるめて田畑あるいは宅地、そういうのを宅地化ということで、全部それを個別に上物と分けたりしないで評価するのが、通例の評価でございます。この場合も、その後者の評価によったわけでございます。
#170
○大森創造君 まあ、あとでまたお伺いしますが、それでは京阪の場合、相互土地というものから買収した土地価格は坪当たり幾らだと思います、京阪が相互土地という土地ブローカーから買って、そして公団に売り渡しておりますけれども、相互土地から京阪電鉄が買った単価は幾らだと思いますか。
#171
○参考人(尚明君) 私どもと京阪との関係は、京阪を契約代理人にいたしたわけでございまして、相互土地の土地を京阪が代理人という形で買ったわけでございまして、京阪の所有になったものを買ったわけではございません。
#172
○大森創造君 それはそうでございましょうけれども、こういうことなんですね。それは契約代理人が京阪電鉄でございますけれども、それが内容は、相互土地という土地ブローカーから買収した土地価格が坪当たり二千五百円以下なんです。いいですか、二千五百円以下。そして二千五百円以下で買収して、すぐ公団に三千九百円で売っているわけです。そうすると、この京阪電鉄の買収原価は四億円ですね。買収原価が四億円で、公団には六億八千万円で、公団は六億八千万円で四億円の土地を買収しているわけです。それが日にちのズレは六日なんですよ。いいですか。京阪が相互土地という会社から買ったのが二千五百円以下である。そして六日たってから今度は契約代理人である京阪電鉄が公団に三千九百円で売却しているわけです。だからいま申し上げたとおり、原価は四億円で、六日たったら六億八千万で買収しているわけです、公団のほうでは。そういうことでしょう。
#173
○参考人(尚明君) 私どもの買収の所有権の移転といたしましては、私どもは相互土地から京阪を契約代理人として買収いたしたわけでございまして、相互土地から京阪との間に売買されたそういう登記上の事跡というものはないわけでございます。
#174
○参考人(林敬三君) 相互土地がまとめて持っております、あるいは買いまとめました土地、それはやはり先ほど申しましたような不動産を鑑定する専門機関の不動産鑑定士の評価と、それから近傍類地のこちらでいろいろと作成いたしました判定ということとを総合勘案して、その範囲内で相手方と折衝をいたして、坪当たり三千九百円ということを妥当と認めて、買うということにいたしましたわけでございます。で、その場合に、それを買うのを先方の都合でこの京阪が契約代理人に一括なりまして、そしてこちらへ売ったと、こういう次第なのでございます。で、この第一相互というものと京阪というものとは、ほとんど親会社と子会社といいますか、むしろ同一というぐらいの、にも考えてもいいぐらいの形のもののように聞いてはおるのでございますが、しかし、第一相互で買いましたもの、あるいはまとめましたもの、それを一括契約代理人は京阪ということになって、私どものほうはその交渉において、また、こちらの資料に基づきまして判定したところに基づいて、三千九百円を妥当ということで、その単価で買収をしたわけでございます。
#175
○大森創造君 あのね、こういうことなんですよ。京阪電鉄と第一相互という、相互土地と申しますか、こういうものが資金関係がお互いにやりくりしていることはわかっているんですが、そういうものから買収したときは坪当たり二千五百円以下なんですよ。六日たったらば、その京阪電鉄が、いまお話しのように、三千九百円で売却しているのですから、六日たったら、その第一相互から京阪電鉄を経由した瞬間に二億八千万円もうかった勘定になるわけですわね、これ。京阪電鉄がたった六日で二億数千万円の利益を与えているということになります。先のやつは近鉄が原価が十一億で買った、一般地主から。それを住宅公団は二十五億だから、十四億ですよもうけが、一応そろばんはじいてみると。今度の京阪の場合は、わずか一週間足らずの間に、二千五百円以下で買ったものが、二年も三年もたっていれば別ですよ、六日たったら三千九百円で売却しているのですから、四億円が六億八千万で住宅公団に売られていることになりますから、二億八千万円もうけということになります。
 それから、最後に言われた富国開発というところ、これを契約代理人にして、同社の重役がおのおの個人でどのくらい住宅公団に、富国開発という契約代理人を通じてどのくらいあなたのほうで買っておりますか。
#176
○参考人(尚明君) 富国開発との契約額は、おおむね二億一千九百七十万円くらいだと思います。
#177
○大森創造君 それはね、そのとおりでございますが、これも変なんですよ。地元民から坪当たり千五百円前後で買収して、これを富国開発を通じて公団に坪当たり三千七百円で売っておるわけです。これも買収原価が九千万円、一億足らずのところですよ、公団は二億二千万円、いまの話で二億二千万円前後で買収しているから、元手が九千万で一億三千万の利益を与えているということになるわけです。そうすると、公団は平城団地の買収に約三十五億の買収代金を払っていますけれども、いまのやり方でいくと、私は半分以上もうけられているということになるのですよ、この三つの会社に。京阪と近鉄と富国開発。そういうことになるわけです。私は国民の一人として、非常に素朴に不審に思うことは、三十五億円金を出して、実際そのいまの三つの契約代理人、それはその半額以下しか地主に払っていないのですね。これはいまの買収方式に疑問があると私は思うのです、素朴に。いまのような間接買収方式だというと、それは、御答弁はそういうふうに行なわれまするけれども、非常にふしぎだと思うのです。こんなにもうけさしていいものであろうかと思います。一方は住宅難ですよ。これでいいんでしょうか。再検討の余地はございませんか。
#178
○参考人(林敬三君) こちらで、先ほど申しましたようないろいろの調査資料に基づきまして、また、先方と折衝いたしまして、三十五億円払いましてこの八十数万坪を買ったわけでございます。それで、極力安く、そうしてまた妥当な価格で買うようにまあつとめてこの結果が出てきたと存ずるのであります。いまいろいろとお話がございました、前に買ったときこれだけだったじゃないか、そうしてあとこういうことで公団に売るとこれだけもうけてしまった。中間に入った者がもうけ過ぎるじゃないかという御指摘でございます。で、極端にその中間に入った者が、まあ純真素朴な地主という者からは安く買いながらもうけるということは、これはもう社会正義の上からいっても私も妥当でないと思うのでございます。で、公団としてもそういうことは極力避けて、そういう結果にならないように、中間に入って努力する者はまたずいぶん努力しているのでございますし、ずいぶん経費も使い、また資金も使ってやっておることと思いますから、妥当なもうけというものはあってしかるべき、またそうであるからまた一生懸命集めてくるという点もあろうかと存じます。しかしながら、それが大きな社会常識からいってあまりにも逸脱するような結果になるような買い方というものは、こちらとしても極力努力をいたしまして慎重に慎んでいかなければいけないと、かように考えておるのでございます。で、これいろいろ御指摘でありますが、先ほど申しましたように、やはり数年前、しかもそれがどうなるか、まだそこいらに公団が出てくるのやら出てこないのやら、あるいは電車としても駅ができるのやらできないのやら、そういうことのわからない時代、あるいは場所によって非常に悪いところ、あるいは早く金にしたいから、少しでも金が欲しいと、そういうような場合というものは安くて、そうしてそれと公団に売った単価とこれを比較するならばずいぶんそこではもうけがその中間に入った会社なり何なりで出てくるという点も、これは個々のケースではあろうかと思います。しかし、全体としては一応妥当なところでこれは売り買いというものができているというふうに私ども考えるわけでございます。
 ただ、先ほど京阪電鉄とそれから第一相互土地というものとのことについて、その中間でまたどれだけの差があるというようなお話でございましたが、あれはいわば全くの系列会社のようなものでございますし、おそらくきっとそれのいわゆる資本金といいますか資金というか、そういうほうのいろいろなこともありましたでしょうし、それから得ましたその間のある程度の利益というものをどうそれが両会社の間で配分したかということ、それぞれ彼らの間の経済原理というものがあってそういうことがいろいろあったろうと思うのでございますが、私のほうとしてはその四十年三月という時点、あるいは四十一年の初めという時点をとらえてその土地というものをまとめて買うというときに、妥当、適切で、しかも極力安いというもので買うということでこの契約を妥結した次第でございます。
#179
○大森創造君 お答えになりましたけれども、私は事実に即して言っていますから納得できないのですよ。現状でも三千円しない、四十年の三月に買収した時点においては二千円しかしていないというものが四千二百円、四千三百円で買っているわけですから。それから京阪の場合にはそういう関係ではございましょうが、富国開発にしても、近鉄にしても、最初申し上げましたように十一億円は元手であって、わずかの期間の間に十四億もうかって二十五億という数字ですから、いまお話しのような経費もかかっているでしょう、しかし、少しひど過ぎるじゃありませんか。私は住宅公団だからいいと思うのです。林総裁お忙しいから現地に行っていないでしょうが、私はなまの声を聞いているのですよ。これは非常にふしぎな買いものだと思うのですよ。住宅公団だからもつのですよ、こういう買いものをしたって。民間会社ならとんでもない、重役更迭ですな、社長は首です、こういうことをやったら。買えるのですから、これ以下で。私は半分くらいだと思うのですよ。先ほど申し上げたように、住宅公団は三十五億出す、住宅難解消だ、住宅の建設戸数を一戸でも多くしたい、最大のいまの政府の責任でしょう。その場合に、私はずらずら申し上げましたけれども、さっきの話、あなた応対はじょうずだけれども、実際聞いてみてくださいよ、現地に行って。四千二百円、四千三百円のときに二千円だというのですから、これは広範囲に聞いているのですよ。現在でも三千円しかしていない。過去は問いませんけれども、私はあまりにもいまの買収方式では中に入って契約代理人がもうけ過ぎていると思うのです。一方住宅難、これではひど過ぎると思うのですよ。ですから、お答えはそういうお答えでいいでしょうが、少しひど過ぎると思うのです、私は。中身ですよ。それはお答えはどうでもできますよ。その限りでは了承するけれども、事実に即して私は広範囲にわたって当たって聞いているのですよ、現地で。二千円で買えるというのですよ、これは。現在でも三千円以上していないというのですよ。しかも今度は、鑑定を依頼したのは大和銀行です。先ほど申し上げましたとおり、近鉄には二十八億八千万円の無担保融資をしているのですよ。どうしても私は納得できない。
 そこで別なことをお伺いしますが、これは買収方式がいいかどうかという疑問を投げかけておきます。どうしても納得できない。これはむだづかいじゃないかと思うのです。お答えはそれはできますよ。そういうようにすべきものでしょう、あなたのほうの立場とすれば。事実はそのうちに判明してきますよ、現地のほうから続々事実はこうだったということが。私はいやがらせを言っているわけじゃないですよ。素朴な目で、三十五億も使って、実際半分以下で買えたものをという声が相当あるのですよ。半分以下はともかくとして、私は相当なむだづかいがあるだろうと思う。住宅問題というのは最大の問題でしょう。そこで近鉄が四千二百円、四千三百円で売った中で、輸送力増強費というものが入っているんですか、住宅公団が買収した中に。
#180
○参考人(尚明君) そういう土地の代金以外のものは一切入っておりません。
#181
○大森創造君 ところが、これ入っていると言っているんですよ、近鉄のほうでは。名前を申し上げましょうか。高田開発局長が、きょうは八月一日ですからいまから二週間前六月十五日にちゃんと言明しているんですよ。私は非常にふしぎだと思うことは、全国の私鉄が、この場合もそうですよ、近鉄は三十五年のころからずっと土地を買い始めた。土地を買い始めて、そうして住宅地として開発をして造成をして、自己資金でもって家を建てるのですよ。そうすると、人口はふえてきますから私鉄はもうかります、お客が多くなりますから。そうして昭和三十五年、三十六年、三十七年と買ってきて、一体住宅公団の開発の計画が具体的になったのは大体三十八年のころでしょう、そうですね。三十八年のころから今度は近鉄がぐんとそこ買っているわけですよ、大きく大量に。数字を見るとそういうことになっている。そこで私の考えからすると、その辺に住宅公団ができる。住宅公団の計画がある前に、住宅公団の計画が発表される前に近鉄は自己資金でもってその辺の土地を買っている。宅地を造成して家を建てる。これは当然のことですね。やがて百貨店もつくるでしょう。駅舎もつくるでしょう。これはもうかりますからね。一番もうかるのは近鉄ですから、第一、平城団地のまん中のほうに近鉄京都線というのが入っているんですから、だから、もよりの駅のお客は多くなるわけでしょう。日本一に近いニュータウンができるのですから、住宅公団群を中心にして二百万坪の団地ができるのですから、その場合に四千二百円、四千三百円というものの中に当然近鉄が負担すべき輸送力増強費を入れておるというのは私は不謹慎だと思う。不謹慎どころか間違いだと思うのですけれども、いかがでしょう。
#182
○参考人(林敬三君) これは先ほど申しますように、一坪幾らという売り手と買い手の、それからまた客観的妥当性というものを見てきめた額でございまして、それはあくまで土地及び付加して一体をなす、上に乗っているものの値段でございます。したがいまして、輸送力増強費というようなものを含めてそれに上乗せをするとか、そういうことは絶対にいたしておらないのでございます。ただ、いろいろ近鉄は中での各般の収益を集めまして、そうしていろいろなことにまたそれを社業拡張に使っていくということは、これはあろうかと存じますけれども、私のほうとしてそういう目的を持って、あるいはそういう約束のもとに、あるいはそういう話し合いのもとに、あるいはそういう考えのもとにそういうことをやったということは全然ございません。ただ、あれがあそこに大きな何万人かのニュータウンができますればこれは輸送はしっかりやってもらわなければならないということは、私どものこれからのまた心配事項であり関心事項でございます。
 それから銀行でありますが、信託銀行でございますね。あるいは大和銀行というものの付属の鑑定機関というものもこれはやはり銀行のそこは信用もございますし、それから鑑定をする人というのは不動産鑑定士という特別の資格を持った人であって、それがあまりおかしい曲がったといいますか、そういうことをやったら、もうそれからあとは頼み手はなくなってくるというものではないかと思うのでございまして、それとまたほかのものと比べましても、さほどひどいこの間においてのばらつきというものはないように存ぜられますし、また、こちらで調査した数字とも大して違わないという数字が、これは作為的でなく、結果として出てきているという状態と存ずるのでございます。これ、初めに三十五年ごろから近鉄が自分のところの沿線だもんですから買っておりまして、そこへ公団がいろいろなところから大阪周辺でまず一つの最適地ということを見て出て行くという決心をしましたときに、もうすでに近鉄は相当大きな地主でそこに存在しておったわけです。そこで、そこと話をして、そうして円滑にまた土地のよく事情を通じておるものに、ある程度いわゆる一括代理を頼みまして、そしてこれが成り立った、こういういきさつなのでございます。
#183
○大森創造君 そうすると変な話なんですよね。いま総裁がお話しのように、昭和三十五年のころからずっと近鉄が買収をしたということですね。住宅公団がやがてここを開発するであろうということを予想しなくて買収してきた。公団は近鉄がすでに買収した土地を、これを契約代理人として指定をして近鉄から買収したと、こういういきさつになっておりますけれども、なぜそれならば住宅公団が開発計画を進める前に、三十五、六年ごろから買い始めたかといえば、これは私鉄として当然沿線の人口が多くなることを期待して自己の資本で買ってきたものですよね、これは。その場合に買収費の中に当然近鉄が自己負担すべき輸送力増強費を含めてあるということはどういうことなんでしょう。
#184
○参考人(林敬三君) 住宅公団としては、やはりあくまで土地の売買代金として支払ったものでございまして、近鉄の輸送力増強費というものをその中に含めて計算をしたものではございません。
#185
○大森創造君 ところがこれはもうちゃんと日にちわかっておるのですよ。名前はこれ読んでいただきたいと思うのです。いつまでたっても水かけ論ですから、私はいやがらせじゃない、不当に高く買っているということです。近鉄の高田開発局長です。これは同社の担当局長でございますけれども、七月十五日の日に、公団に売却した土地の価格、単価四千三百円の中に、将来の同社の輸送力増強費を一部含んだものであると、はっきり言明しているのです。これは事実言明しております。輸送力増強費というのはどういうものかということを質問したところが、駅舎を一カ所新設するその施設費が三億円かかる。その他信号機の増設、それから線路改良工事費などだというふうに答えているわけです。この近鉄という会社は御承知のように、私が説明するまでもなく私鉄界では最も規模の大きな電鉄会社で、当然自己負担において設備投資しなければならぬ費用まで住宅公団が持っているということを言明しているのですよ。これはおかしい話ではありませんか。
#186
○参考人(尚明君) それは全く住宅公団のほうとしては計算に入れて価格をきめたものではございません。会社が利益が若干でもあればそれを会社の中で回すつもりだというようなお話としては、それは利益があったときの一部を回すというようなことでおっしゃったのかもしれませんけれども、交渉経過の中において私どもは輸送力増強費などというものは全く受けつけておりません。
#187
○大森創造君 高田局長は輸送力増強費、具体的にいま申し上げているのですよ。駅舎を一つ新設するということと、信号機の増設ということと、それから線路の増設というようなことでこれだけ金がかかるので、これを含ましていただきましたと、交渉の中において。こういうことを言明しているわけですよ。そうすると、私はもう四千三百円の中身というものが怪しくなると思うのです。だから先ほど申し上げたように、四十年の三月の第一回買収時点におけるその土地の時価は二千円であるということも私はうなずけるだろうと思う。これは買収時点における単純売買だと思うのですよ。その土地の輸送力増強費を公団のほうで持っていただいておる、それは京阪の方も知っているのですよ。あの土地については近鉄はうまいことをやって輸送力増強費まで公団のほうに持ってもらっているということを、京阪の方も言っているわけです。言明しているわけですよ、七月十五日の日に。これはどういうふうに解釈すればいいのですか。
#188
○参考人(林敬三君) そういうことは絶対にございません。各鑑定機関に依頼しましたときも、もしそういうものを含めさせるなら、そういうことも書き入れてそうして評価をしてくれと言わなければ妥当な価格は出てこないわけでございます。公団で近傍類地の価格から推算をいたしますときも、やはりそれにそういうものも入れなければそういう価格は出てこないわけであります。いずれも入れておりません。で、四千二百円、四千三百円という数字が出たわけでございます。
 それから、私のわずかに短い経験でもございますけれども、実際、団地をつくりまして、そして特に駅をつくってもらうというようなときに、場合によりますが、私鉄のほうでつくるときもありますし、こちらでプラットホームや渡る橋なんかを、こちらがある程度やむを得ず費用を負担するというようなことをやってやる場合もあります。ですからもう土地の売買ということは、別に、いわゆる宅地を造成し、そしてニュータウンの建設をするという費用の中からそういうことを出す場合もあるのでございまして、この買収費の中にそこまで入れるということはないのでございます。おそらく、さっき尚理事から申し上げましたように、高田局長は、もうけがあったらばそちらに回すつもりで考えていますという意味をそういうふうに申したのではないか、かように考えます。
#189
○大森創造君 そこで、こういうこともあるんです。同じ日に、今度は京阪の吉田開発課長がこういうことを言っておられます。京阪電鉄のほうは自社沿線にあたる枚方市に四十万坪の土地を用意して団地を計画しているが、その隣に住宅公団が六十万坪買収して合わせて八幡団地を形成しようとしている。線路こそ団地の中には入っていないが、団地が完成すると人口はふくれ上がるわけだから当然輸送力増強をはからなければならない。かりにその一部の費用を公団に負担してくれと要求しても、公団が近鉄のように一銭も負担するわけではないだろう。ケースとしてどれほどの違いがわれわれのほうと近鉄のほうにあるとも思われないし、ふしぎな話だということは、同日の言明なんです。近鉄のほうでは高田開発局長が明らかに言明しているわけです。輸送力増強費、具体的に言っているわけです。駅舎の新設、それから信号機増設、線路増設に充てておりますということを。これを含んで公団のほうに見てもらっておりますということを言っているわけですよ。しかも、いま申し上げたように、京阪の開発課長がこういうことを批判的に言うているわけです。これは現に言明しているわけですよね。これはあなたと私の問答は、こうだああだということを言ったって、いつでもすれ違いになりますけれども、これは事実なんですからね。そこで一歩を譲って、高田局長が、輸送力増強費というものを相当の金額を見込んでいるとすれば、それであなたのほうでそのことを見込まないとするならば、これは土地価格はぐっと下がるはずです。しかし、りっぱに言明しているんですよ。輸送力増強費を見込んでもらって買収してもらっているというんです。しかも京阪電鉄のほうでは、これは私のほうでは同じようなケースでございますがケースとしてはそれほど違いはございませんけれども、近鉄のようなわけにはいきませんということを言っているわけです、同日に。これはどういうふうに解釈しますか。
#190
○参考人(尚明君) いまお話ありました京阪電鉄の課長さんが言っているのが正しいことだと、私は思います。公団は、そういった形の場合に土地価格に含めて増強費などを入れる例はございません。そのほうが一般的に皆さん御存じだと。したがって、京阪の課長が、もし近鉄の方がそうおっしゃっているとすればふしぎなことだというふうにおっしゃっただろうと思います。私どもは一切そういうものを用地費の中に入れて計算することはございません。いざ工事にかかる場合に道路との取り合いでもって、両方でどういうふうに負担するかということは、工事の段階では電鉄会社と駅前の広場をどういうふうにして共同でつくるかとか、あるいは跨線橋をつくるかとか、そういうときに工事の場合に協力することはございます。しかし、用地費にそういうことを含めることは一切ございまません。いまの京阪のほうの課長さんが言っている常識のとおりにやっているわけでございます。
#191
○大森創造君 高田局長は明らかに言明している。古い話じゃありません。二週間前です。そうするとずっと根底が狂ってくる。そうすると、私は鑑定人の評価というものも怪しくなるし、一つくずれると全部くずれてきますから、あとで時日がたつと判明いたしましょう。
 そこでもう一つお尋ねいたしますけれども、三番目に言われました富国開発というものはどういうものですか。契約代理人の富国開発。
#192
○参考人(尚明君) 富国開発という会社は、宅地の造成とか売買、賃貸借ということを目的として三十八年の五月に設立されました会社でございます。同社は本店を東京に置いておりますが、実質的な営業は、大阪の枚方市にあります枚方営業所で行なっておるわけであります。そして、富国開発というのと日本住宅公団が契約いたしました経緯は、富国開発が契約代理人となった土地は個人で六人、それから、ひとつ相互土地という会社七軒でございますが、この七軒の地主さんが全員が公団に参りまして、自分たちの土地を富国開発というのを契約代理人として契約してほしいという申し出がございましたので、契約代理人としたわけでございます。
#193
○大森創造君 これは、富国開発株式会社というのは昭和三十八年六月に、いまお話しのとおりにに東京都千代田区神田旭町の十一番地に設立されました。資本金は二百万円でございますけれども、これは前は事務所があったのですけれども、いまはないのですね。蒸発してしまったのです。現在どこになっていますか、事務所の所在地は。
#194
○参考人(尚明君) 現在仕事は支店であります枚方市朝日ケ丘二の二十一番地において業務を行なっておるようでございます。
#195
○大森創造君 その枚方市というところへも行ってきたはずなんですよ、私のほうは。これをごらんになったらおわかりになるのでございますが、全然ないのです。これはここで質疑応答してもわかりませんので、実際に枚方の場所に行ってみますると、お答えになっているようなのと実態は全然違うのです。それから、東京の富国開発という事務所はどこだとおっしゃいましたかな。
#196
○参考人(尚明君) 千代田区内神田二番地十三号。
#197
○大森創造君 これは、実態がないのですよ、いま。申し上げますが、あなたのほうではお調べにならないでしょうが、全部調べました。これは、住宅公団が大体計画を立てて用地買収を始める直前に突如富国開発株式会社なるものが設立されたわけです、突如。その直前なんです。そして、奈良市の鍋屋町二番地というところにいっているわけです、住宅公団よりも少し早く。そこで、公団の総裁がお答えのように、不動産業者も契約代理人とした場合には、身元調査をしたり、信用度合いを調べたり、過去の実績を調べるということですが、これは全然調べてないと私は思うのです。というのは、大阪市長にお伺いしてみますると、富国生命と間違っているのですね。課長がいないからわからないというのです、この場所が。その後調べてみると、全然実態がないのです。東京の事務所に電話かけてみたって電話がないはずです。そして、住宅公団に二億円以上の売買が完了したときに蒸発してなくなっているのです、この会社は。そこで会社の代表取締役とかその他の役員の方は全部土地買収の経験は全然ないのです。みんな呉服屋さんです。繊維業者なんです。岐阜の人と大阪の人と東京の人と、三人寄って住宅公団が大体用地買収を始めるという直前に、奈良市の鍋屋町二番地というところへいって、富国開発なるものをつくったのです。そうして二億円余の売買をやって大もうけしますというと蒸発してなくなっている。これはお調べ下さい。何ならここから電話してごらんなさい。行くえ不明なんです。これは総裁、身元をちゃんと調べる。それから契約代理人になる不動産業者というものは、信用度がどうだとか、過去の実績がどうだとかいうことをお調べになった結果、富国開発なるものを選定されたと思うのですが、私の調べた範囲ではそういうことなんです。その他あやしいことの数々が出てきます。奈良市の鍋屋町二丁目というところには、富国開発のみならず、大洋土地とか、この同じ場所にあります。富国開発というものの正体はわかりますか。繊維業者ですよ。現在はこういう会社はない。
#198
○参考人(林敬三君) この富国開発につきまして、私もいろいろとその当時のことを調査したのでございますが、これはこれが契約代理人になったのは、契約の際に関係の土地所有者全員が公団へ参りまして、そうして契約代理人は富国開発にしてほしいという申し入れがあったそうであります。それで地主が全員でこの会社を代理人にしてほしいということであったので、特にこの会社というものについては、いままで過去にどういうことがあったとかいういろいろ問題というものを聞いておりませんでしたので、地主の推薦ということによりましてこれを契約代理人としたということでございます。それから、なおその土地の一部分には呉服屋さんが多いということも、私も最近聞きましたが、抵当流れのようなことでこの土地をそういう人が持ったというようなところもあるというふうにも聞いているのでございますが、これは公団がここへいこうと決心をして、そうしてはっきりきまってきたのが三十九年なんでございます。そうして確定したのが四十年の三月でございます。そこでその前の三十八年からこういうところへいろいろな抵当流れか、あるいは買ったのか、そこの原因は知りませんが、公団のほしいと思う中に入ってきているわけでございます。それでそのときは公団がくるか、どこかの公社がくるか、あるいは会社の宅地開発部がくるか、そこはわからなくて、やはり入ってきたのかなというふうには思うのでございますが、とにかくそこに土地をそれだけ持っております。そうして全員がこれを代表にしてくださいということで、こちらは先ほど来申します鑑定価格、その他の割り出しました価格の金額の範囲内でこれを三千七百円でこの土地を買うことにいたしているわけでございます。そのときもやはりもちろん地主のほうはずいぶん高く主張したそうでございますが、折り合いまして、三千七百円ということで、こちらの鑑定評価の範囲内でございましたので、それで妥結をした、こういうふうなことだと存じます。
#199
○大森創造君 平城団地というものを計画されて、ここの町が住宅公団が必要だということで、いま言った富国開発が一歩早く買っちゃったわけです。住宅公団のほうで開発計画を進める直前に、奈良市に繊維業者が乗り込んで、繊維業者でもいいが、一時的に何人か寄って、そうしてあなたのほうに陳情したわけです。この土地を買ってもらうのは富国開発である。契約代理人は富国開発にしてくれというのです。富国開発という看板を掲げているが、内容は繊維業者、土地売買の実績がない者ばかりです。それが住宅公団の開発の計画の一歩前に先んじてすっと買ったわけですね。買ったからあなたのほうでは身分がどうあれ、過去の実績がどうあれ、信用度合いがどうあれ、買わざるを得ないという立場になったのだろうと思うのです。しかし、それではこの前のときに林総裁にお尋ねしたように、花見川団地の際に明らかに言明されたように、売買するその相手の不動産業者はしっかりした調査をするということをしていないわけですね。事実上買っちゃったから、これを相手にして契約代理人にしたということになりますね、これは。
#200
○参考人(尚明君) 富国開発の場合、先ほども総裁から申し上げましたように、物件を持っている所有者全部の希望といたしまして、富国開発を契約代理人としてくれということの申し出がありましたので、全員が押していることでございますから、事故等ももちろんないと考えまして、これを契約代理人として契約いたしたわけでございます。なお富国開発関係の土地が公団に渡ります前に取得している状況を見ますと、三十七年、三十八年、四十年というふうにわたって、三十七、八年ごろからやはりこれらの土地所有者は取得していたようで、公団の開発より前に相当量は持っていたように見受けられます。また、先ほどお話がありました枚方のほうとは、業務上におきまして先般私のほうで調査の必要がありまして、調べましたところ、ちゃんと電話も通じまして、事務も支障なく、私どもの調査に応じたことがございます。
#201
○大森創造君 私のほうの調査ではこうなんですよ。これは東京都千代田区神田旭町十一番地に設立された、トモヱ算盤ビルの四階、ここに写真がございますけれども、この、ほかの事務所に同居していたものであって、机一つの会社で、公団との取引が済むと閉鎖してしまって、現在は登記上の本店所在地に同社はない。そこで登記上の本店所在地はどこというふうに認定されておりますか。
#202
○参考人(尚明君) おっしゃられますとおりに、登記上ございます東京神田のほうのビルの中では現在事業をやってないようでございます。それで実際の仕事を先ほど申しましたような枚方のほうでやっているようでございまして、私どもの調査上必要なときには枚方と連絡をとったことがございます。
#203
○大森創造君 登記上の本店は枚方なんですね。
#204
○参考人(尚明君) 違います。支店が枚方になっております。
#205
○大森創造君 そうすると、あなたの連絡をとったのはどこと連絡をとったのですか。
#206
○参考人(尚明君) 枚方のほうと連絡をとったのです。
#207
○大森創造君 東京のほうは電話ないでしょう。
#208
○参考人(尚明君) ないようでございます。
#209
○大森創造君 枚方はありますか。
#210
○参考人(尚明君) あるそうでございます。
#211
○大森創造君 これは、私のほうの調べによるとないんです。登記上はどこですか、枚方ですか。これはすぐわかることですからね、あとで調べれば。これは私のほうで行くえ不明の会社なんですよ、だれという人が出ましたか、ないでしょう。どなたが電話しましたか。
#212
○参考人(尚明君) 住宅公団の用地課の職員が連絡しております。
#213
○大森創造君 どなたですか、これは現地について行ってみなければわかりませんが、私のほうはずっと調べているのですよ。そしてこれは所在不明なんですよ。これはあとから判明しますから。私はなぜこういうくどいことを言うかというと、抽象論ではだめなんですよ。これは現実に即したことを言うてもらわなければ困るのです。所在不明の会社なんですよ、行くえ不明の会社なんですよ、これは。これがちゃんと電話の連絡がとれて、こうだ、こうだというようなことを、受け答えするなら私もしゃべってみたい。そこで先ほど申し上げたように、全員が繊維業者であって、そうして住宅公団が買収を始めるその直前に、ばんと奈良市へ行って買収を始めて、全員で繊維業者が押しかけていって、私のほうであなたのほうの予定地を買っておりますから富国開発というものを契約代理人にしてくれということだから、あなたのほうではしかたがないから代理人にしたんでしょう。しかし、これはどうかと思うんですよ。これは私は、ちゃんとはかっていたろうと思うんです、この土地を、富国開発は。そうでなければ繊維業者がばっと寄って、土地売買の実績も何もないしろうとがこんなにやれやしませんよ。住宅公団の買収直前に買いまくって、そうしてずばっと二億何千万の商売をして、そうして店を閉鎖しておる。これが実態です、私のほうで調べた。
 それからもう一つ、平城の宅地の計画について地元の奈良市はどうかというと、反対ですね、この事情はおわかりでしょう。水源がないということです。財政負担にたえられないということで、建設大臣までにことしの五月三十一日に陳情書が出ているはずです。こういうものを、どうして公団が買収する前に奈良市のほうとの交渉を持たなかったんですか。
#214
○参考人(尚明君) 奈良市との連絡は三十九年の十月ごろからいろいろこの開発のことにつきまして打ち合わせを行なっておりまして、一応の賛意を得てこの土地を買うことに決したわけでございます。当時におきましても財政負担問題は今後協議する問題として、いろいろございましたが、いま先生の御指摘の問題で特に最近ここの開発について大きな問題になりますというのは上水の問題でございます。この上水の問題につきましても、私どもがこの地区の買収に入る前に奈良市ともいろいろ相談をいたしましたところ、奈良市自身として当時としても一つの拡張計画を持っておりまして、その中でおおむね協力できるということで始めたわけでございますが、非常に不幸なことに、奈良市の人口増加というのが、ちょうど私どもが仕事を始めたころの四十年ごろから急激に人がふえたようでございまして、昨年の夏は一部の断水が起きるというようなことで、奈良市といたしましてはここであらためてまたその計画の立て直しをしなければならない。ついては、そうなると、さらに日本住宅公団の大きな開発も数年後に控えておるここで、奈良市としては抜本的に水道計画を立て直さなければならぬということで、私どものほうにもその協力方を申し入れがあったわけでございまして、したがいまして、現状といたしましては、住宅公団も奈良市も、建設省あるいは近畿圏整備本部というところに、奈良市全体も含め、さらにこの平城の開発も含めて水源の基本的な計画を立て直していただくということをお願いしているところで、国のほうでもそれをお取り上げになって目下検討中というのが実情でございます。
#215
○大森創造君 時間がありませんから申し上げますが、私はまだ数点、どうしてもすれ違いになっているし、納得できないところがあります。というのは、三十五億円の金をもって、やはり実際は半分以下で地主から買っているという事実。これは幾ら林総裁が御答弁になられようと私は不思議でたまらない。近鉄は先ほど申し上げたように、十一億円の元手で、そうして十四億円のもうけができているということですね。三十五億、住宅平城団地のために投資をしたけれども私は半分以上がこれはもうけだろうと思うんですよ。
 そこで国税庁長官にお尋ねいたします。それと建設省政務次官にお尋ねいたしますが、きょうのやりとりの中で私は数点疑問が残る。第一、やはり幾ら経費がかかろうと私の計算では近鉄、京阪、それから第一土地、それから富国開発、こういうものは明らかに相当膨大な金額をもうけているわけですよ。これは申告がございましたか、国税庁のほうに。税金のほうはどういうふうになっているんでしょうか。
 それから政務次官ひとつ、これは私は、きょうは平城団地の問題をお伺いしましたけれども、決していやがらせではないんです、何回も申し上げておるとおり。で、大阪の光明池の用地、もう宅地造成されたはずですよ。それから東京の板橋の徳丸地区の用地の場合もそうですよ。その他いろいろあるんです。だからいまのような間接買収方式というものは、これはいかがなものであろうかという気持ちを私は持っているわけです。この点について国税庁長官と、それから建設省の政務次官にお尋ねしたいと思います、所見を。
#216
○政府委員(泉美之松君) お話の近畿日鉄及び京阪電気鉄道の申告しておる法人の所得は、土地を売却いたしました年度がそれぞれ数期かにわたっておりまして、四十年三月期をはじめとしまして、四十年九月期、四十一年三月期、四十一年九月期、四十二年三月期と五事業年度にわたっておりますので、その内容を個々に調べませんと、近鉄がはたしてどれだけの利益を計上しておりますかわかりかねます。それぞれ五事業年度の利益といたしましては、もちろん営業全体の利益、営業外を含めましての利益でありますが、それはそれぞれ各期とも十五億ないし十七、八億の申告がございますが、このうちにいわゆる平城団地の土地売却益が幾ら入っておるかということは、調査いたした上でないと申し上げかねます。
 それから、京阪電気鉄道につきましても、同様に二事業年度にわたって売却いたしておりまして、その申告所得額はそれぞれ二億九千あるいは二億八千九百万といった金額になっておりますが、この中に土地の売却による利益が幾ら入っておるかということは、申告書だけではわかりかねますので、内容を調査した上でないと申し上げかねます。
#217
○大森創造君 あのね、それじゃ富国開発はわかるでしょう、これは。この住宅公団の売買が終わるというとすぐ解散しちゃったんですから、この申告はあるでしょう。
#218
○政府委員(泉美之松君) 富国開発につきましては、私どものほうのところで受け取っておりますのは、申告所得はそれぞれ欠損の申告になっております。これによりますと、同社は売買の仲介をする会社であって、不動産を取得してそれを売却するという仕事はしていない、単なる仲介業務をやっている会社である、こういうふうな内容になっております。
#219
○大森創造君 そのとおりなんですよ。富国開発というものをこれを契約代理にして、実質はその中の重役と称する繊維業者、それが不当な利得をしているわけですよ。そして、所在不明になっているということです。これの所得が、短期間のうちに相当もうけているんですからね、私はこういう脱税はいかぬと思うんです。
 そのことと、それから政務次官に一言お答えいただきますが、私はきょうもまたすれ違いの答弁でございますけれども、どうしても輸送力増強費をはっきり公団に見てもらっておりますということが、いまから二週間前の高田近鉄開発局長の言明なんですよ。これは実際に会って聞いているんですよ。輸送力増強費を含めてもらっておりますということを言うているんですよ。その内容は駅舎だと、輸送力増強の内容というものはこういう項目に分かれておりますということをはっきり言明しているし、どうも数点私は疑問の点が多いので、さらに私は機会があったらお尋ねしたいと思うんです。どうも私はそういうふうに考えていまの買収方式というものは疑問が残る。それから不当なもうけをさしているんじゃなかろうかという感じがいたします。政務次官いかがでしょうか。
#220
○政府委員(澁谷直藏君) 用地の取得の方式といたしまして、間に第三者が介在するいわゆる間接買収方式といいますか、そういう方式が決して望ましいと私どもも考えておりません。でき得るならば公団が直接、じかに土地の所有者と交渉をいたしまして、直接の買収方式によって用地を取得していくというやり方が妥当であるというふうに一般論としては考えておるわけであります。しかしながら、現実に最近のような大量に宅地を開発しなくちゃならぬ、その切実な要求に迫られておるわけでございまして、その際大量に、しかも迅速に宅地を手に入れなくちゃならぬということになりますると、先生も十分御承知のように、現在非常に大量のまとまった宅地を迅速に手に入れるということが非常に困難なわけでございまして、しかも公団の職員にもおのずから員数に制限があるというようなことで、現実問題としてはなかなか公団の直接買収方式だけでやっていくということでは実際の現実の要請にこたえ切れない、こういう事情も一方にあるわけでございます。しかし、先ほどから熱心な御審議を拝聴いたしておりまして、いろいろと私ども建設省なり公団といたしましても、これは真剣に反省をし、検討をしなければならない問題点を数点含んでおるというふうに実は私も拝聴いたしたわけでございまして、公団とも十分ひとつ相談をいたしまして、今後できるだけそういった、少なくとも誤解が生じないようなひとつ努力を重ねてまいりたいと考えておる次第であります。
#221
○岡三郎君 関連。いま大森君の質問で、この前にも大森君が公団の総裁に質問したこととよく似ているわけですがね。この前にも決算委員会に現地の証人というか、現地の人が来ていてそれを置いて質問しておったわけですが、きょういろいろと質問のやりとりの中で鑑定人という話が出ましたが、俗世間では公団が土地の価格を上げて困ると言っているんですよ、正直に言って公団のために土地が上がって困ると、これは一つの話ですよ。公団が買いあさるためにその周辺の土地が値が上がって困るというのがいま言われていることばによくあるわけです。この点はよく考えてもらわにゃいかぬと思うのですよ。いまの土地対策というか、土地政策というのが貧困ですからね、結局上がるにまかしていまやらざるを得ないというところに公団のつらさも私はあると思うのです。そこで現実に、まあ当時二千円ぐらいで売買ができた。また現実においても三千円ぐらいの相場でその周辺の人が売っておる、こういうことについて、土地鑑定人というものを絶対視するということは私はいかぬと思うのです。これは公団が自分の金でないから、もしも自分の金ならば――かりにですよ、鑑定士が四千何百円とつけても、直接に行って現地を見て、多くの人がですね、それよりももっと安く買えたはずだし、買えるというならば、この問題については土地鑑定人に対するひとつの鑑定をしなければ私はならぬと思うのです、人間がやっていることですからね。土地鑑定人に対してどのように研究しているかわからぬけれども、私は一つは、土地鑑定人というものも神さまじゃないですから、どういう情実因縁というものが入ってくるかわからぬと私は考えざるを得ない。これはやっぱりそういう事実があるならば、直接やっぱり現地に行って実態調査というものをすべきであるし、それに基づいて一体そういう点が、部分的なものか――大森君の発言の中の部分的なそういうことばなのか、総体的にいって土地を売買した者がそういうふうなことを言っておるのか、こういう点についてやっぱり土地鑑定人、鑑定人ということばだけではなくして、具体的にやってもらわなければ私は困ると思うのですよ。このことが一つ。
 それからもう一つは、いまの質問の中で、やはり現実に近鉄の開発局長ですか、その者がこう言っているということをいま大森君が発言しているわけですよ。そういうことはあり得ないのだと公団は言っている。聞いてみればまことにもっともだけれども、現実に売り払ったところの会社の人間がそういうことを言っているのかどうか、ほんとうに責任者がこういうことを調査して、あなた方が聞いている報告と、現地における売買の中における話のやりとりというものは一体どうなっているのか、食い違っているのか、ただ、下からそういうことはございませんということを承って、それを国会で答弁せられているとは思いませんけれども、現実にそういうことを言われておるならば、その人を呼んで、あるいは、こっちから行って――私は委員長に頼むのだが、そういう人間が、そういう人があったら、これは参考人として呼んで明確にすべきであるし、もしここへ来て言えないというならば、係員を派してこういう問題についての実態調査をすべきだと私は思うのです。それから、そこを一歩譲っても、現実にそう言っているならば、公団の上のほうの偉い人は知らないけれども、現実に売買の中において、そういうことのやりとりがあったのかどうか、これは私は責任を持って調査すべき問題だろうというふうに考えるわけです。これは責めるということじゃなくて、事実としてそういうものがあるならば、これはやっぱり明確にすべきであるということは私は常識的だろうというふうに考えます。
 それからいま一つの、いま富国開発土地会社にかかわらず、公団としては土地を買う場合において、地主がこの人を代理人にしてくれと言っても、不確かなものであるならばそれはできないと、あなた方地主の中からそういう人を選びなさいということが私は当然だろうというふうに考えるわけです。地主がそういう人々にあやつられて幾らかの金をもらうなり、それは何かよくわかりませんけれども、知恵のある人間はそのくらいの演出はすぐやるだろうというふうに私は考えるわけです。そういう点で私は、この中でいま言ったことは、いま総裁が言っているように――総裁じゃなくて理事ですか、大森君が、その会社がどこへ行っているかわからぬと言っているのだ。ここでは、枚方のほうに電話かけると出たと言うのだよ。まことにあいまいで、どういう公団の用地課の課員が、だれが何月何日だれにかけたか、向こうはだれが出たのか、その電話番号はかくかくであると明確にすべきです。これは答えるべきですよ。質疑の中においては、この会社は二億ものいわゆる用地の売却という仕事をして、どこかへ消えてしまっている。登記面におけるところの本店はすでにない。こうなってくるというと、いま国税庁長官の泉さんが言ったように、国税庁に申告しているほうはこれは明らかだと言っている。一体どういう関係になっているか。これはそれぞれの役所の分域があるから私はここで言いませんけれども、端的にいって、枚方のそこのどこにだれがいるのだ、本店はどこなんだ、とにかく、あなた、日本の公団というものが幽霊会社と取引をしているということになったら、これはたいへんです。幽霊会社と取引しているということだったら、これは言いわけにならぬと思うのです。地主が言った、こう言った、この地主がほかのものに化けて出てきたかも私はわからぬと思うのです。あらわれ出たものは、その地主のかっこうをして、一グループがあらわれて、そこでみんなでやったかもわからぬ。そのくらいのことはやるかもわからぬ。また、真実の地主かもわからぬ。そういう点については、それはそれとして、いま一体その会社はどこにあるのか。これは国税庁のほうが調べ方が早いかもわからぬけれども、この点はやっぱり公団としては、本委員会に対して明確にすべき私は責任があると、こういうふうに私は考えます。やりとりの中でそういうことをあいまいにして言ってはならぬ、こういうふうに私は考えているわけです。それと同時に、国税庁としては、やっぱり明確にその所在を突きとめて、脱税という問題があるならば、これをぴちっとやらなければ私は困ると思うのです。その前に相互土地とか大洋土地とかいうものがあるようです。だから、こういう点について、いまの日本における、よく私は言っているわけですが、すべての会社が、いま繊維の方々が土地会社をやっている、ふしぎじゃないのです。銀行であろうと、パルプ会社であろうと、肥料会社であろうと、不動産業をやっていないものないですね。それは何を裏書きしているかというと、不動産業ほどもうかるものはない。やり方によってはこれはぼろもうけができる。企業を別にして、すべての会社がいまの日本の現実は不動産会社をやっているのじゃないですか。電鉄はもちろん、もう薬屋の会社までやっていますよ。これは一体何を物語っているかといえば、現在においてぼろもうけするのは土地以外にはないということをこれは言外に物語っているというふうに考えるわけです。そういう点で、やっぱり土地に関する点については、国税庁としても厳重に一つの査察班を設けて、土地専門のひとつ脱税という問題についてやる値打ちが私は十分あると思うのです、この点については。これはどの程度やっておられるか、いまここで聞きませんが、ひとつ土地会社というものがどのくらいあるか、すべての会社が不動産会社ありますから、これについて詳細にやって、ひとつどういうふうな税金の申告状況か、お知らせを願いたいと思うのです。こまかいものはあまりやらないで、不動産会社のひとつ納税状況というものを、国税庁にきつく注文をしておきます。これについて十分査察をひとつやって、その実態というものをこの委員会に報告してもらいたい。私はそれだけ――これを明確にしてもらわぬと決算の名に値しないと思う。
#222
○参考人(林敬三君) 土地を買う場合に、鑑定人の鑑定をとりまして、そして、それを一つの重要な基準といたします。これは言うまでもなく、私どものほうは少しでも当事者であって安く買おう、売るほうとしてはどうしても高く売ろうと思っている。どうしてもそこに心理が働きます。それを第三者に冷静にその状況に応じて、それのいろいろなデータに基づきまして鑑定をしてもらうということは大切なことだと思いますし、これを一つの大きな参考資料としてとることにいたしております。それで、これより越えるということはないように、特殊の何か理由がある場合は別として、越えて買うということはないようにいたしております。しかしながら、お話のように、それだけに依頼してそれだけできめているのではないのでございまして、ほとんど同じくらいの力を、みずから資料を集めまして、そして、いろいろな税の関係とか、あるいは、その他のいろいろな関係や、売買契約との関係から、総合的に数字を出してまいりまして、公団は公団としての一つの価格を出すわけでございます。事例によりましては、ずっと鑑定価格よりも何割も――四割くらい安くこちらは出して……
#223
○岡三郎君 委員長、私はああいうことを聞いていないですよ。
#224
○委員長(亀田得治君) ちょっと簡単にしてください。
#225
○参考人(林敬三君) 具体的にやるようにいたします。
 それから開発局長の話でございますが、これは先ほど御答弁申し上げたとおりでございますが、なお、私のほうからも開発局長には、その真意をただしたいと存じます。また、それによって御連絡を申し上げたいと存じます。
 それから富国の所在につきましても、もっと明確に私のほうも追及いたします。ただ、あの契約をいたしまして、すべてそれが終了いたしました当時においては、先ほど申し上げたところに本店があり、また支店があり、奈良に出張所があり、こういうことであった次第でございますが、これも私のほうとしても調査をいたしまして、御連絡を申し上げたいと存じます。
#226
○岡三郎君 これ以上言いませんがね、私が林総裁にお願いすることは、当時は本店があって支店があった、あたりまえですよ。あなたの言っていることはまことにもっともだけれども、抜けていますね。当時あっていまないのでしょう、本店が、登記面についても。だからですね、私はそこで、この前も公団が言っているように、信用調査というものをやらなければいかぬ。われわれしろうとが聞いていても、土地の売買やった会社が、そこに出張所があった、仕事がある程度終わったら、どこかへ行っちゃった、これは脱税のために、税金を納めないために、会社をつくり動く、人の会社をまた買った形にしてまたやる、もうこういうことがいま日常茶飯的にずっと行なわれているわけですよ。これは国税庁長官知っていますね。こういういろんなケースはもう土地に関する限りには、あの手この手で、ひどいやつは自分の地所でないやつを登記面で全部ごまかして売買しているという、こういう地面師というのがあるんです。ですから、私はその問題について端的にいま言っておるのは、そういうことがあってはならぬということで、公団としてはやっぱりしっかりしたものをそこへ相手方としてつくるということが、やはりいまの問題の中から出てきておる事実じゃないかと思う。だから、その点について、先ほど枚方へ電話かけたら出たという、だれかここで答弁しておったんですが、これは理事のほうからちょっと言ってくださいませんか。
#227
○参考人(尚明君) 枚方の支店の業務状況については、至急もっと的確に調べまして御報告申し上げます。
#228
○岡三郎君 的確に調べますと言って、いま電話かけたら出たと言っているでしょう、用地課の課員がかけたら。それはどういうことなんです。
#229
○参考人(尚明君) 課員の名前はちょっとはっきりしないのでございますけれども、ちょっとお待ちくださいませ。――大阪支所から調査のため枚方支店に連絡をいたしまして、相手は柴田という人が出ました。
#230
○岡三郎君 これはどういう身分の人ですか。
#231
○参考人(尚明君) つまびらかでございません。
#232
○委員長(亀田得治君) それでは、その富国開発の実態ですね、できるだけ詳細に調べて、至急報告してください。
 それから、先ほどの輸送力増強費、近鉄のほうでそういう説明をされているようですから、あなたのほうとしてさらに確かめて、どういうことがあるか、明らかにしてほしいと思います。
 なお、関連して岡君のほうからは、国税庁のほうにおいても調べてもらいたいということでありますから、長官のほうでも善処を願います。
#233
○政府委員(泉美之松君) 岡委員からお話ございましたように、不動産会社でいろいろ暴利的なことが多いということ、これはもう私どももよく承知をいたしておりまして、現在まで、過去数年間におきまして、そういった不動産会社を査察しました件数も相当数にのぼっているわけでございます。査察の対象にいたしませんでも、なおかつ、相当の利益をあげておるのもあります。同時に、思惑がはずれて欠損となっている会社もございます。したがって、お話のように、不動産会社につきましての課税の状況につきましては、取り調べました上で御報告申し上げたいと思いますが、何ぶん、御承知だと思いますけれども、全国に不動産会社は四、五万あるわけでございます。それを全部調査というわけにはまいりませんので、おもなものを調査した点で御報告することでお許しをいただきたいと、かように思います。
#234
○瓜生清君 時間もだいぶおそいようですから、私、ごく簡単に大臣に二、三の問題について質問したいと思います。
 昭和四十年度の決算書を見ますと、たしか、千二百数億の金がいわゆる食糧管理費として出されておると思います。そこで私、大臣にまずお尋ねしたいのは、ここ数年、米の価格がほぼ一〇%程度ずつ毎年上がっている。
  〔委員長退席、理事竹田現照君着席〕
おそらく、日本以外の先進国の間で、これは自由主義国あるいは社会主義国を問わず、国民の生活に一番重要な影響を持っておる食糧品というものが、一〇%も上昇し続けておるという国はほとんどないと思います。こういうような事態について、これはいろいろ農業政策の面もありますけれども、それは農林省のほうへお伺いするといたしまして、財政を預かっておられるいわゆる大蔵大臣の立場で、こういった傾向を一体どう考えておられるのか、それをまずお尋ねしたいと思います。
#235
○国務大臣(水田三喜男君) 生産者米価を決定するということはなかなかむずかしい仕事でございますが、従来から政府は財政の都合によって米の値段を左右しているのではないかということが言われておりまして、いつもその問題が米価決定を複雑にしておりました事から、私どもは、この数年は、財政の問題は一応あとからの問題として、米価としてそのあるべき値段をきめるということで米価問題とは取り組んできました。したがって毎年この算定方式が少しずついろいろ変わってまいりましたが、しかし、そのときにおいては一応理屈のついた米価の算定方式をとったということでございますが、結果から見ますというと、毎年の上がる率が、大体今日まで同じに来ているというのが実情でございますが、しかし、この米価決定の方式を見ますというと、やはり農村の労力費といえども、こういう計算にしなければこれは不合理であるというふうに、理論的ないろんな方式を考えてやってまいりますと、どうしてもこういう値段になるというので、私どもは、いままでの米価の決定はこれでやむを得なかったのではないかというふうに考えております。
#236
○瓜生清君 私が質問したのに、ちょっとお答えのポイントが変わっているのですが、たとえば農業保護政策とか農産物の価格安定のために、ある程度の財政支出というものはどこの国でもやっておることと思います。ですから、日本でもそういう方法をとられておるわけですけれども、こういうような状態で米の価格が上がっていく、そういう状態というものをとらまえて、日本の財政規模から見て、こういった事態を続けていく場合に、ある限度というものが来ると思うのです。その点について、現状はまだ、極端な言い方をしますと、生産者価格引き上げ、消費者価格据え置きと、そういったことがどの程度まで財政的に認められていくのか、そういう点について大まかな大臣の見解を聞きたいと思います。
#237
○国務大臣(水田三喜男君) およそ財政資金の効率という点から見ますというと、生活力のある人ない人も一律に同じような補助の金を使うということが最も効率的でない金の使い方であるということになろうかと思います。したがって、そういう面から見ますというと、食管会計にいま言ったような形の赤字を累積させて、これを一般の税金をもって埋めるというやり方は最も効率を阻害しているやり方ということが言い得ると思いますので、やはり食管制度ができた本来の立場に返って、この制度内で赤字を出さぬように処理するという運営を、やはり根本的にはすべきものというふうに私は考えております。
#238
○瓜生清君 大臣、そういうことは事実上できないでしょう。主計局の次長さんでもいいですから、ひとつざっくばらんに回答してもらいたい。もっと具体的に言いますと、去年米の価格、生産者の値段が上がった。ところが、消費者価格はそのまま据え置いておる、食管赤字が累積する。ですから、ことしの十月から一五%弱上げる、そういう経過があるわけでしょう。ところが、ことしまた生産者価格上がりました。そうしますと、おそらく、いつかは生産者価格を引き上げろといういわゆる農業者からの要求がある。消費者のほうは上げてもらっては困ると、こういう二律背反的な現象がいま出ているわけだから、それがいわゆる食管赤字という形で処理されているわけでしょう。そういうようなことがいまの日本の財政運営の上でどの程度まで許容限度があるのか、そういうことについて私は聞いているのです。
#239
○国務大臣(水田三喜男君) 許容限度と申しますと、そういう赤字を一般会計で処理できる限度ということになろうと思いますが、いま申しましたように、いまの食管制度が社会保障の意義を果たすような、そういう機能を制度が持っておることは、ある点において一面いいことであるとも言い得ると思いますが、もし社会保障制度として活用するのだとするならば、食管制度というものによってこれを活用することは最も効率の悪いことであって、ほんとうに生活力のない人たちを助けようという考えだったら、金の使い方がもっと効率的なものがあるということになりますので、そういう面から考えましても、単なる金額ではなくて、制度自身の運営の限度というものが私はあるのじゃないかと、いま少なくともその限度へ来ておりますので、それをやはり生産者米価と消費者米価の間の赤字をなくするような運営をやっていくんならともかく、そうでないいまのままでただ運営していこうとしたら、私は、この制度はやはり崩壊に瀕している制度であるというふうにも思っておりますので、ここを調整するのがいまのわれわれの仕事でございますが、家計の事情も考えなければなりませんし、物価対策も考えなければならぬというようなことから、国の一般会計に余裕のある限度において負担する。財政状態とのからみ合いで、まあ消費者価格も決定しておるというのがいまの実情でございまして、ある程度やむを得ないとは思いますが、これ以上一般会計がこれを負担するというような情勢になるのでしたらば、この制度自体について相当の考慮をしなければならぬというふうに私は考えております。
#240
○瓜生清君 そうしますと、一般会計から特別会計に繰り入れる余裕のある間は、いまの制度に大きな矛盾があっても当分続けていこうと、どうも、それを出すだけの力がなくなったときに、初めて食管制度に対して根本的な検討を加えるのか、いまからそういうようなことを早急に検討していくのか、その点、どちらなんです、大臣のお考えは。
#241
○国務大臣(水田三喜男君) たとえば今年度の状況を見ますというと、もし消費者価格を上げないとしますれば、当初二千五百億円の赤字が予想されたと、今回の生産者米価の値上げによって八百億から九百億の赤字がさらにこれにふえるということになりますというと、この食管制度、もうそのままいくのでしたらば三千四百億円ぐらいの赤字ということになろうと思いますが、そうであるとしますれば、もうすでに国の財政負担は限度に来ておると思いますので、いまからもう対策は考えなければならぬものだというふうに考えております。
#242
○瓜生清君 大体お考えがわかってきましたが、そこで大臣、私は去年七月にも、当時の福田大蔵大臣に聞いたのですが、ことしの秋から米代というものが約一五%弱上昇する。ことしの生産者米価はすでに上がっておる。ですから、消費者価格をそのままにしておけば、いま大臣がおっしゃったように、三千億という、そういう巨大な赤字というものを補てんしなければならない。それはほぼ限度であるということになりますと、私は少なくとも、このことしなり、あるいは来年の春までに食管制度というものをもう洗いざらい再検討するというような時間的余裕がないと思うのです。
  〔理事竹田現照君退席、委員長着席〕
 そうすれば、ことしの十月に一五%弱上げられるということだけで、消費者米価というものは、第二次の引き上げということは考えられますか、考えられませんか。
#243
○国務大臣(水田三喜男君) 私どもは、予算で御承認を願いましたように、十月に引き上げをするという予定を持っておりますが、これが、たとえば四月から引き上げるというようなことになりますというと、値上げ率というものは非常に少なくて済むということになりますが、いろいろな事情で、これが十月に引き上げるということになりますというと、ある程度引き上げの幅が上がるということになります。まず、それを一応ことしの予算では予定しておりましたのですが、相当の値上げをやったあとで、さらにまた、たとい生産者価格が上がって赤字が大きくなったからといって、第二次の値上げというようなことは、なかなか現実問題としては私はむずかしい問題だというふうに考えます。
#244
○瓜生清君 そうすると、その問題はそれでやめますが、こういうぐあいに理解したらいいわけですね。今度の十月に上がると、たとい来年生産者米価が上がっても、当分の間は現行の制度でいって、値上げというものは考えていないというところまで推測していいですか。その点いかがです。
#245
○国務大臣(水田三喜男君) いま私が言っておりますのは、今年度すでに値上げは、生産者米価上げておりますので、その赤字を置き去りにするのか、一緒にこの赤字のことも考えた値上げをするのかということになりますというと、四月ごろからの値上げということでしたらば、値上げ率を少なく借上げができるのですが、後年度に押し詰めて値上げするということになりますと、率もある程度上がることになりますので、したがって、これを全部、この赤字を値上げによって解消するという措置は困難であるというふうに考えておりますが、来年度のまた生産者米価とは無関係でございまして、これはどれくらい上がるか、それによって来年度の消費価格を幾らにするかというのは別の問題だと思います。
#246
○瓜生清君 私に与えられました時間がありませんですから、次の問題に移りますが、四十年度の決算報告の中で、中小企業対策に触れられております。その中に、四十年度というのは景気が悪い関係もあって、非常に中小企業の倒産が多かった。いまもそういうような傾向が依然としてありますけれども、私は、中小企業対策の中で政府はいろいろりっぱなことを言っておられますけれども、特に金融対策というものについて、もっと私は積極的な姿勢というものをとるべきではないか、こういうような考え方をするんですが、たとえば中小企業というのは、三百万、五百万の金を借りるのに非常に苦労しておる。なかなか一般の都市銀行では貸してくれない。ところが、大臣、私は渋谷からここまで毎日通っておりますが、あの青山通りのりっぱな建物といえば、これは銀行か、信用金庫か、生命保険ですよ。ですから、そういう金融機関の横暴というものが中小企業のいわゆる倒産というものに拍車をかけておる傾向があるのではないか。しかも、政府のそういうものに対する指導方針というものが徹底さを欠いておる、そういうふうな印象を受けるのですが、この金融政策と中小企業の関係について、過去のことはもう問いません。これからどう前向きの姿勢を打ち出していかれるのか、その点についてお伺いしたいと思います。
#247
○国務大臣(水田三喜男君) 中小企業の倒産の原因については、いろいろあると思いますが、しかし、いずれにいたしましても、中小企業に対する金融対策としましては、何としても金利を下げるということ、そうして必要な資金が金融機関から融資されるということが確保されることが一番重要だと考えます。そういう意味からいたしまして、いま中小企業に対する金融機関を見ますと、信用組合あり、信用金庫あり、相互銀行あり、政府の中小企業金融に対する機関ありで、いろいろたくさん中小企業金融機関というものは存在しておるので、いまそのあり方をまずどう合理化していくかというようなことが当面問題になりますので、この点を中心とした問題を、金融制度調査会にいま私どもは諮問しておりまして、検討してもらっておりますが、もうこの秋には答申ができ上がるという情勢になっておりますので、この答申を基礎にして、今後の金融機関のあり方、中小企業に対する金融のあり方というものについて、大蔵省としては真剣な取り組み方をしたいというふうに考えて、いま準備中でございます。
#248
○瓜生清君 金融制度調査会にそういう諮問をされておるということは、われわれもよく承知しておるわけですが、端的に申し上げますと、中小企業関係の金融機関といえば、政府の三機関、それから地方におきましては、何といいますか、信用組合、相互銀行、信用金庫、こうあるわけですけれども、そういうような中小企業関係の金融機関というのは、私が言うまでもなく、政府の管掌しておる機関は別にしまして、非常に資金コストが高くついているわけです。ですから、大蔵省のほうでも、それが企業の合併その他によって金融機関のあり方というものをこれから根本的に変えていかなければならない。それからまた、片方の都市銀行というのはもうけ過ぎておる。ここではなかなか中小企業に金を回さない。その矛盾というのは、私が指摘する以上に、大臣はよく御存じだと思います。ですから、金融制度調査会にいろいろなことを尋ねておられるその過程をよく私は承知しておりますけれども、それはただ大蔵省がひとつこの問題を考えておいてくれというようなものではなしに、こうこうこういうようなことがいいと思うが、それに対してどういうふうにあなた方は専門家として考えられるか、こういうやはり何といいますか、一つの方向というものは示唆しなければならないと思うのですが、そのことについては、この間からいろいろ新聞に出ていますけれども、大臣としては、この中小企業金融機関というものが、当面どういう形でいくのが一番いいのか、これは私案でもいいですから、大臣の考えておられることをひとつ率直に聞かしてもらいたいと思います。
#249
○国務大臣(水田三喜男君) いまちょうど御検討願っている最中でございますから、あまり具体的な意見を述べることは差し控えたいと思いますが、要するに、資本自由化というものを前にして日本の、ことに中小企業金融機関ではなくて、一般の金融機関が、もうこれは金融コストをいかにして下げるかということは、もう当面の課題でございます。それと対応して中小企業の金融機関が金融コストをどう下げるかということも、非常に重要な問題でございますので、この点を中心としたあらゆる金融機関の合理化政策を私どもはこれからやりたいと思っております。中小企業金融の政府機関は、いま中小企業が必要としている資金の一割くらいしか供給する力を持っておらない。九割というものは市中の金融機関によっているわけですが、市中金融機関の最近の様子を見ますと、中小企業に回す部分がいままでよりも相当多くなっている。大企業のほうにはいろいろな事情がありまして、手持ち資金が豊富だとか、いろいろ事情がありまして、大企業の貸し付けよりも、中小企業の貸し付け比率のほうが多くなっているという現状でございますので、そういう意味におきまして、市中銀行と中小企業金融専門機関の受け持つ分野、いろいろなもの全般をここで検討しなければいけない時期に来ていると思いますので、相当こまかい題目を中心に諮問しているという状態でございますので、この答申を待って相当広い改善策を考えていきたいというふうに考えております。
#250
○瓜生清君 その中には、大臣いまいろいろ進行中で答えにくい面もあるでしょうが、いわゆる中小企業関係の民間の金融機関の整理統合というものを強力に進めていくという、そういう考え方はございますか。ひとつ明確に知らせてもらいたいと思います。
#251
○国務大臣(水田三喜男君) いずれにしろ、日本の金融機関はいま千七百ですか、多種多様で非常に数が多いものでございますので、そういう問題もこれから当然考えなければならない問題だと思っております。
#252
○瓜生清君 最後の質問にしますけれども、その金融制度調査会の答申というものが九月ごろ出てくるわけですが、それがいわゆる大蔵省の一つの金融政策となって具体的にあらわれてくる時期はいつごろになりますか。
#253
○国務大臣(水田三喜男君) まだはっきりとしておりませんが、答申を受け取ったら、部内の検討を急いでこれは早く出したいと思います。
#254
○瓜生清君 そうすると、少なくとも次の通常国会くらいにはそういう問題が明確になるというふうに理解しておいてもよろしいのですか、その点を伺います。
#255
○国務大臣(水田三喜男君) 急ぐ問題だと思っておりますので、そういうふうにしたいと思います。
#256
○瓜生清君 いいです、時間ですから。
#257
○黒木利克君 行政管理庁に伺います。
 昨日の読売新聞、ここにありますが、これに「赤い羽根募金 裏切られた善意 施設へはたった30%」というような大きな見出しで六段抜きの記事が出ております。行政管理庁からこれは取材されたものと考えますが、私は、三つの観点から、行政管理庁の認識をただしてみたいと思います。
 一つは、この十月から共同募金が開始される、そのために、いま関係者がやっきになって日夜努力をしているのでありますけれども、彼らに対する士気、この士気に重大な影響がないかという問題であります。
 第二は、今回のこのことが事実とすれば、行管の措置は法律違反の疑いがある、違法行為ではないかという観点。
 第三は、さらにこのような行管の社会福祉の認識というものについて非常に問題がある。これは慈善事業の古い認識の程度を出てない。しかも、こういう認識でいろいろ行政の監察をなさる。また、新聞にこういうことが出るとすると、社会福祉の進展の大きな障害になる、じゃまになる。実は世論をミスリードする心配がある。現に大新聞の論説に、こういうような記事をもとにして、われわれから見ると、考えさせられる何というか、ミスリードをされたなという疑いを持たざるを得ない結果になっているのであります。
 私は、こういう観点から質問をしたいと思いますが、時間も迫っておりますから、できるだけ答弁は簡潔に願いたい。
 そこで、私は率直な実は感じとして、先ほどいろいろ社会党の方が質問をされておりましたが、むしろ、国税庁でも監察なさるならまだしもでありますけれども、どうも弱い者いじめというか、特に社会福祉、特に共同募金の配分等について、こういう監察をなさる。また、こういう世論をミスリードなさるようなことになるというようなことは、どうも私は実は釈然としないのでありますが、しかし、行政監察というのはなかなか威力がありますから、おそらく、共同募金も、あるいは厚生省も共同募金を指導監督しておりますが、やはり皆さんに迎合せざるを得ないと思います。そういう意味で、きょうは厚生省がこう言ったからとかというような、みのに隠れた弁解をなさらないで、行管としての率直な考え、認識をひとつ答弁をしていただきたいのであります。
 第一の質問は、この新聞記事によりますというと、行政管理庁では六月初めから共同募金の募金あるいは配分の内容などについて調査をしてきたが、来月早々には結論をまとめる、そうして募金の大部分を民間の社会福祉施設に配分するよう改むべきであるというような勧告を厚生省に出す予定であるということと、もう一つは、カッコ書きで、「“赤い羽根”に応ずる国民は、その金が社会福祉施設や生活困窮者に全部贈られるものと思っている。」、民間施設が経営困難で篤志家の寄付にたより、あるいは私財を投入しておるのに、こういう募金の半分が協議会などの組織体の運営財源になってしまうのでは、国民の善意を裏切る、こういう行政管理庁では指摘しておる、こういう記事があるのでありますが、はたして、こういう記事が事実なのか、あるいは、こういうことは架空のことなのか、事実かそうでないかを伺いたいのであります。
#258
○政府委員(稲木進君) お尋ねの点につきましてお答え申し上げたいと思いますが、新聞紙上に出ておりました記事が行政管理庁から出たのじゃないかということでございますが、私どものほうはこれを発表した事実はございません。どういう取材をされたか、実は私どももちょっといま了解しかねております。したがって、先ほどお話がありましたように、行政管理庁が何といいますか、世論をミスリードするというような気持ちは毛頭ございませんし、まあそういう点ではひとつ御了解を願いたいというように考えております。
#259
○黒木利克君 私はよけいなことは聞いていないのでこういう記事の内容がはたしてあったことかどうか、そういう考えが行政管理庁にあったのかどうかということを聞いている。
#260
○政府委員(稲木進君) 記事に書かれておりますのは私も読んだわけでございますが、共同募金の問題につきましては、昭和四十年の暮れから実は社会福祉事業に関する行政監察の一環として調査をいたしました。その結果、この監察しました社会福祉事業全般につきまして、四十一年の九月に厚生省に勧告をいたしております。その勧告の中に、内容の一部分として共同募金問題に触れておるわけでございます。その共同募金関係の問題につきましては、いろいろのことをわれわれは、行管としては厚生省に勧告したわけでございますが、その中で、共同募金として集まった金の半分ぐらいは、お話のありましたように、社会福祉協議会のほうに回されておるということは、いわば、先生から先ほどお話がありましたように、一般の募金に応じている国民のほうでは、そういう事実についての認識を十分持っていない。非常に古いかどうか知りませんが、共同募金として寄付した金は民間の社会福祉施設等に大部分が回るものであるという認識を一般の国民が持っていると、そういう国民感情から見れば、非常に食い違っている面があるのじゃないか、そういう点を指摘いたしております。
#261
○黒木利克君 ミスリードしたつもりはないとおっしゃるが、それは、私とあなたの論議の結果を判断してもらうことであって、私はミスリードしたと思うのでありますが、いまの答弁によると、共同募金の配分について、監察なり勧告なりしておりますね。
#262
○政府委員(稲木進君) やっております。
#263
○黒木利克君 それでは伺いますが、共同募金の配分について、行政管理庁が監察した、勧告をしたその権限根拠は一体どこにありますか。
#264
○政府委員(稲木進君) 監察は、厚生省の行政に対する監察でございます。厚生省の行政についての監察をいたしました結果、共同募金の問題に触れたわけでございます。したがって、その調査結果として、厚生省に検討してもらい、また、改善を要するとわれわれが判断した事項につきましては、これは勧告をするということは、行管設置法に記載されているところでございます。
#265
○黒木利克君 ここに行政管理庁設置法を持っておりますが、この第二条にはそういうこと書いてありませんよ。監察は、行政機関の監察と、それから、ここに列記してあります特殊法人の監察、それ以外には監察できないわけですよ。そこで、共同募金の監察については、厚生省が監督しておるから、厚生省の監督の範囲内で監察をしたのだとおっしゃりたいのでしょうが、厚生省は共同募金の配分については監督できないのですよ。あなたは社会福祉事業法を読んだことがありますか。この七十八条の第二項に、「国及び地方公共団体は、寄附金の配分について干渉してはならない。」という規定があるのですよ。したがって、厚生省も共同募金の配分については監督の権限はないのですよ。配分について監督ができないのに、行政管理庁が何で一体どういう根拠で監察なさいますか。
#266
○政府委員(稲木進君) われわれは厚生省の行政についての監察をするわけでございますが、厚生省の行政について監察する場合におきまして、厚生省が指揮、指導、監督の関係を持っている分野につきましては、われわれが調査することは一向差しつかえないというふうに考えております。
#267
○黒木利克君 厚生省は共同募金の配分については干渉してはならない。だから、これは監督外なんですよ。厚生省は監督の権限がないのですよ。それを、行政管理庁がどういう根拠で共同募金の配分について干渉ができますか。法律に違反してはいませんか。認識どうですか。
#268
○政府委員(稲木進君) 社会福祉事業法の七十八条の第二項に、「国及び地方公共団体は、寄附金の配分について干渉してはならない。」という規定が確かにございます。しかし、これは個々の配分先、一つ一つのいろいろな施設に配分されるわけでありますが、甲の施設に幾ら配分しろとか、乙の施設に幾ら配分しろ、これは多過ぎるとか、少な過ぎるということが問題で、そういうことは干渉してはならないという趣旨だろうと思います。
#269
○黒木利克君 これは私が立案した法律ですよ。しかも、参議院の法制局、衆議院の法制局に尋ねました。また、内閣の法制局にも尋ねまして、個々の配分についてはもちろん、そういう基本方針についても、これは禁止しておるのだ、これは公権解釈ですよ。法制局にお問い合わせになりましたか。
#270
○政府委員(稲木進君) たくさんの配分先がある、その一つ一つについてあげつらうということは、もちろん、この法の精神からいって反していることと思います。しかし、配分全体のやり方と申しますか、考え方、こういう点についてまでもこれを厚生省が指導監督してはいけないというふうには私どもは考えておりません。
#271
○黒木利克君 一体どこにそう書いてありますか。配分には干渉してはならないというのですから、個々であろうと、包括的であろうと、この法律の立法の趣旨は、これは干渉してはならないということですよ。これは法制局に聞きなさいよ。私は衆議院も、参議院、内閣の法制局にも確かめました、自分で立案しているのですから。これは行政管理庁としては越権行為ですよ。違法行為ですよ。こういうような違法行為に基づいた調査、これに国費を使っておるのですから、そこで私は決算委員会で質問しているわけだ。共同募金の問題はいろいろあります。それは、社会労働委員会で厚生省なりあるいは共同募金についてじっくりとただすつもりでおりますけれども、この決算委員会では、あなた方が違法行為をやっている、監督できないものを監察をしておる、そういう経費をむだに使っておると私は考えるから、この決算委員会で質問しておるのであります。一体だれがそういう解釈をしたのですか。
#272
○政府委員(稲木進君) われわれは厚生省が共同募金の配分その他の問題につきまして、共同募金会に対していろいろな行政指導をやっておる、その事実を踏んまえてわれわれが監察の結果、厚生省にわれわれの所見を申し述べるということは、私どもは違法だとは考えておりません。厚生省自体がそういう問題について行政指導を全然やっていないならば、これは一応非常に問題があるかもしれません。
#273
○黒木利克君 それじゃ、厚生省が法令違反をやっている、だからわしたちも当然やるのだということになりますよ。共同募金の立案も実は私がしたのです。共同募金ができたのは二十二年ですけれども、二十二年当時はまだ法律も何もありませんから、共同募金については、募金はこうしたらよかろう、配分はこうしたらよかろうということを二十二、三年当時は言っておりますよ。しかし、二十六年の六月一日から社会福祉事業法ができて、この中の七十八条二項で、「国及び地方公共団体は、寄附金の配分について干渉してはならない。」ことになった。これは第五条でしたか、民間社会福祉事業を行なう者の自主性を尊重せよ、政府は不当な関与をするな、こういう精神で立法してあるのですから、だから、二十二年、二十三年当時の共同募金についての厚生省の指導監督とかというものと、この社会福祉事業法ができてからのそれとは、事情が違うのですよ。
#274
○政府委員(稲木進君) 二十六年以降におきましても、厚生省は共同募金の会に対する行政指導をやっておるというふうに私どもは承知いたしております。
#275
○黒木利克君 それが法に違反しておるのですから、そういうことを監察すべきじゃありませんよ。厚生省が法律違反をやっている、だから行管もやっていいのだということにはならない。七十八条二項をつくるときには、私がさっき言ったように、法制局に確かめておりますから、あなたもひとつ法制局に確かめていただいて、違法行為ならば越権行為なんですよ。むだな経費は使ってはならぬ、こういうことになりますよ。この論議については、ひとつ政府の法制局にあなたは尋ねなさい。その後の結果に基づいて後日また論議をいたしましょう。
 そこで、第二の質問でありますが、このような勧告を出しまして、これはあなたはいろいろ発表しないと言いますけれども、行管から出たこと間違いないと思うのであります。しかも、大きな新聞の論説までこれを取り上げておる。こういうことにつきまして、私は、行管の社会福祉についての認識を実は問題にしたいのであります。勧告によりますと、先ほども申されましたけれども、国民は寄付金を社会福祉施設とか生活困窮者に全部贈られるものと思っておる、そこで、寄付金の大部分を社会福祉施設へ配分すべく改善をせよ、こういう御認識のようでありますが、いいですか、社会福祉施設や生活困窮者の保護というものは、憲法にも規定がありますように、あるいは生活保護法にも、児童福祉法にも規定してありますように、これは国の責任なんですね。国があくまでも徹底的にめんどうを見なければならない。そこで、共同募金をこういうような社会福祉施設に配分をするということは、政府のいわばしりぬぐいをしておるわけであります。これは会社党の方々から、あるいは日教組の方々から、こういう政府のしりぬぐいをするような共同募金はだめじゃないか、政府は責任をもっと果たせ、こういうような批判があるのは、これは当を得ておると思うのであります。むしろ、行管としては、こういうような勧告をなさるなら、そういう社会党さんの考えておるように、国の責任でやらせなくちゃならぬことを、民間のこういう善意とか浄財に依存しておることがおかしいじゃないかというのが、私は本筋じゃなかろうかと思うのです。
 それから第二に、社会福祉事業の対象というものは、生活困窮者とか、あるいは特に施設に入っておる者だけじゃないのであります。たとえば老人が八百万おりますが、老人ホーム等の社会施設に入っておる者はたった四万人であります。あるいは身体障害者が百四万人おりますすが、施設に入っておる人たちはわずかに四千人、精薄児とか精薄者は数百万でありますが、ほんとうにわずかな者しか施設には入っていないのであります。つまり在宅者なんですね。家庭におるわけなんですね。こういう人たちに対する援護も、これはりっぱな社会福祉事業なんですよ。あるいは家庭における子供、あるいは地域の子供、子供の遊び場所、あるいは交通事故でよく死にますから、事故防止もやるとか、あるいは子供クラブを大いに奨励して健全育成をはかる、非行防止をするとか、あるいは家庭における妊産婦の問題とか、あるいは一千万に及ぶといわれる低所得者の問題とか、これはみんな施設外の社会福祉事業の対象者なんですね。これに対して一体、共同募金は全然無関係でいいんですか。こういう人たちに何とかしなくちゃならぬというので、社会福祉協議会があっていろいろ社会福祉事業をやっておるのですから、施設だけに大部分をやれということは私はどうかと思うわけであります。一体、こういう勉強なさったことがないのかどうか、社会福祉事業の監察をなさるのに、大体終戦直後の、あるいは戦前の社会事業というか、慈善事業の観念の域を脱していないように感じるのですけれども、一体、監察官の監察なさった人たちの平均年齢は何歳でございますか。
#276
○政府委員(稲木進君) 私ども監察しました趣旨は、決して社会福祉事業を後退させようというような考え方ではなくて、むしろ、社会福祉事業というものはもっと前進させるべきであるということをたてまえにしてやって監察をしたわけであります。したがって、先生がおっしゃいましたように、たとえば身体障害者に対するいろいろな施策なり何なりというものは非常におくれているから、もっとこれを拡充する必要があるというようなことは、この監察の別の項目でもって厚生省に勧告をいたしております。なお……
#277
○黒木利克君 いいですよ、平均年齢おわかりにならなければやむを得ませんが、一体、行管は国民感情とか国民の善意にそむくとか、こういうふうに書いてありますが、一体、これは国民のほんとうの感情なのか、行管の古い監察官の感情なのか、私はいささか疑問に思うのです。というのは、一体、国民感情とおっしゃるけれども、施設のない地域というのがたくさんあるのですよ。社会福祉施設のない地域がたくさんある。そこの地域住民の感情というのは、いなかのごとく農村にそういう施設はないのですから、農村の人たちからまき上げてそれを都会の施設に持っていく、けしからぬと、むしろ地域に還元すべきだと、こういう人たちも多いのですよ。だから、国民感情と一からげにきめつけるというのは、私はどうかと思うのであります。一体、国民感情というのはどういうふうに測定なさったのですか。
#278
○政府委員(稲木進君) 国民感情をどういうふうに測定したかと聞かれますと困るわけでありますけれども、やはり一般に募金に応じている人たちは、いままでの募金の周知宣伝のためのビラ、あるいは、いろいろなそういうものを見た場合におきまして、大体そういう感じでもって募金に応じているというのが一般であろうと私は理解しております。
#279
○黒木利克君 それは募金の一つの方法で、そのやり方は私は古くさいと思うから、これはいずれ、社会労働委員会で徹底的に追及してみたいと思いますが、少なくとも行政監察をなさるには、やはり社会福祉事業の進歩の方向は何なのか――いま逆行させるようなことはしていないのだとおっしゃるけれども、結果的には逆行しておるのです。私はしかも、行管のこういうような認識が大新聞の論説に取り上げられて、共同募金というものが、さも何か間違った配分をしておるような印象を国民に与えておると、非常に私は心外に思っておるのですが、私が実は共同募金とか社会福祉協議会の立案をしたのですが、そのモデルになったアメリカのひとつお話をしてあげますから、これは十分に聞いていただきたいのです。
 実は大正二年ですから、いまから五十年前に、クリーブランドというところでこの共同募金が始まった、これを日本はまねたわけであります。当初は社会事業から財界に、あまりにしつこく寄付募集を要請される。それからまた、どうも聞いてみると、いろいろな重複がある。それなら、われわれが財界でひとつ団体をつくってファンドをつくってやるから、ひとつそんなうるさいことはやめなさい、われわれにまかせなさいということで、慈善博愛連盟というものができた、これが共同募金制度の始まりなんです。ところが、やはり財界ですから、だんだん自己防衛せざるを得ない。そこで今度は、社会事業施設側が反発をして、それならというので社会事業側が別の今度は社会福祉協議会という団体をつくった。お互いがいがみ合った。しかし、結果的には、いがみ合っても何にもならぬので、両者が合体をしたわけであります。だから、いわば共同募金と社会福祉協議会が合体をした。その後、いまから三十年ほど前になりますけれども、社会事業が新しいアメリカでは飛躍をしまして、今度は地域の調査をして、そこの一体、住民の社会福祉の必要は何かということを発見をした、それを実現するために社会事業を活用していく、こういう運動が起こったのであります。これが共同募金運動、社会福祉協議会活動というわけなんでありますが、現在では、アメリカでは共同募金をやって、その金の一部を社会福祉事業と共同募金の合体したところに分担金を納めるのですから、だから、あなたたちが否定している社会福祉協議会の人件費とかというものは、当然共同募金がまかなっているわけであります。しかも、アメリカでは、最近では、こういうような社会福祉というのは、事故で生活に困窮してから、あるいは、けがをしてから、子供が非行化してからではだめじゃないか、やはり予防を主に置かなくちゃならぬのじゃないかというようなことになりまして、最近の共同募金活動というのは、そういう予防に重点を置いて、その予防ということは結局、地域の調査をして、必要を事前に察知して、そうして共同募金で金を集めてそれを満たしていく、だから共同募金は目的募金になる、そのおぜん立てば全部社会福祉協議会がやる、しかも、これには重大な意義があるのです。日本の共同募金はそこまでいっておりませんが、その過程にあるわけなんですけれども、最初は、社会福祉協議会も、あるいは共同募金も、社会事業の専門家がやっておったのですけれども、その専門家だけじゃだめだ、やはり国民が参加し、国民が協力するという体制にならなければならぬということになったのですけれども、最近は、国民が社会福祉の主体になって、そうして政府機関とか社会福祉施設とかいうものは国民主体の援護機関あるいは社会資源に位置づけられるつまり社会福祉事業の民主化というものが、そこで成立をしておるわけです。ちょうど日本はその発展の過程にあるわけなんですよ。だから、現行法は五十年前のクリーブランドのモデルしか材料がありませんでしたから、そういう古い型のものしかつくれませんでした。しかし、戦後社会福祉事業法が成立のときに、社会福祉協議会という新しい制度を織り込んで、そうしてアメリカだけではありません、先進国ではみなそうやっておるのでありますが、社会福祉事業の民主化をやろう、国民が社会福祉事業の主体となっていこうという努力を盛んにやっている。だから、共同募金の配分の方向もだんだん変わりつつある、これが進歩の方向なんですよ。その進歩の方向に水をさすようなことをおやりになっておって、何が一体、社会福祉事業の進展に協力していると言えますか。そもそも、私は、こういう社会福祉の、特に民間運動ですから、こういう共同募金の配分に政府は関与してはならぬということは、福祉国家では非常な弊害があるわけですね。政府の責任で、国民の健康で文化的な生活を保障するというのですから、政府の責任だから、結局、役人がそれの担当に当たる、結局、役人が独善になっていく、役人が専断、横暴になっていく、だから、それを防止するために、民衆が、国民が社会福祉の主体ですぞと、これは民間運動でやるのだ、そうして政府機関がいわばこれに協力していかなければならぬのだ、こういうことを目標にわれわれが努力している。また、官僚のそういう独善というのが福祉国家の弊害とすれば、それを何とか防止しなければならぬというので、社会福祉協議会なり共同募金が始まったわけです。それが日本の社会福祉事業の大目標なんですよ。だから私は、行政管理庁が共同募金の配分に関与していく、いま言った国民感情の名においてけしからぬという、これこそ官僚独善なんです。こういうことにならぬように、共同募金、社会福祉協議会というものが私は少なくとも立案されたと思うのですよ。私らはそういう意味で、ひとつ行政管理庁は、もっとやはり社会福祉の方向をちゃんと勉強をして、そうして適切な監察をなさるように、これは忠告をいたしておきます。
 ただ、いまの論議でおわかりになったと思いますが、私は、行政管理庁がこの共同募金の配分について監察をし勧告をするということは違法行為なんですから、これは勧告をする予定らしいですから、そういう違法行為をなさるおつもりかどうか、いままでの論議を通じて、まだ認識が足りないのかどうか、これ幾らでもやりますよ。行管のひとついまお考えを伺いたい。もう時間がありませんから、私の言いたいことは大体尽きましたから、行管に最後にその御認識を伺いたい。
#280
○政府委員(稲木進君) 先生のいろいろな高邁な御意見は、私どもつつしんで拝聴し、今後の資料に、われわれ参考にしたいと思いますが、ただ、私どもが言いたいことは、共同募金というものを社会福祉協議会に全然渡すなとか回すなとかなんとか言っているつもりは全然ございません。しかし、共同募金を、募金活動をするときに、一般にいわれていることは、民間の社会福祉施設等に金がいくのだということで、募金活動が行なわれている、そういうことならば、やはりその結果も違っているのですから、もし社会福祉協議会にたくさんいかなければならないということならば、厚生省はそういう趣旨を、この募金は社会福祉協議会にも回って、社会福祉協議会の活動の資金になるのだ、こういう点をもっと国民に周知徹底させてもらいたい、そういうことを私どもは厚生省に申し上げておるわけです。
#281
○黒木利克君 そういう配分についての干渉じゃありませんか。社会福祉協議会に、じゃあ、いままではだいぶいっておるが、こんなものは社会福祉に、大部分は施設にやるべきだ、逆にいうと、社会福祉協議会に対する配分を否定なさっているんですよ。あなたの認識の改まったことはけっこうですが、そういうことを厚生省に言わせること、そういう認識が実は法律違反なんです。これは民衆の運動ですから、これは共同募金自体が国民の支持がなければ成功しないのですから、共同募金自体が考えることなんですよ、それは世論がおそらく批判するでしょう、共同募金自体の死活問題ですから。それを役人がつべこべ言いなさんな、まだつべこべおっしゃりたい気持ちがあるのか、八月の配分の勧告についておっしゃいますか、それを伺いたい。
#282
○政府委員(稲木進君) 八月に勧告するということは、新聞に何かそういうことを書いてありますけれども、私どもはまだその問題について、いつごろ勧告するとか、また、勧告の中身をどうするかということは決定いたしておりません。十分に先生の御意見も参考にして、そして今後の検討を続けていきたい、こう思っております。
#283
○委員長(亀田得治君) 他に御発言もなければ、本日の審査はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#284
○委員長(亀田得治君) 次に、調査承認要求に関する件を議題といたします。
 本委員会といたしましては、今期国会開会中、国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査を行なうこととし、この旨の調査承認要求書を、本院規則第七十四条の三により、議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#285
○委員長(亀田得治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#286
○委員長(亀田得治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、同調査のため、必要に応じ政府関係機関等の役職員を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#287
○委員長(亀田得治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、日時及び人選等につきましては、これをあらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#288
○委員長(亀田得治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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