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1967/08/01 第56回国会 参議院 参議院会議録情報 第056回国会 議院運営委員会 第3号
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1967/08/01 第56回国会 参議院

参議院会議録情報 第056回国会 議院運営委員会 第3号

#1
第056回国会 議院運営委員会 第3号
昭和四十二年八月一日(火曜日)
   午後一時五十八分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         鍋島 直紹君
    理 事
                沢田 一精君
                徳永 正利君
                加瀬  完君
                永岡 光治君
                多田 省吾君
    委 員
                後藤 義隆君
                土屋 義彦君
                任田 新治君
                中津井 真君
                丸茂 重貞君
                山内 一郎君
                森  勝治君
   国務大臣
       国 務 大 臣  木村 俊夫君
       国 務 大 臣  増田甲子七君
       国 務 大 臣  松平 勇雄君
   政府委員
       人事院事務総局  島 四男雄君
       職員局長
       総理府総務副長  上村千一郎君
       官
       行政管理庁行政  大国  彰君
       管理局長
   事務局側
       事 務 総 長  宮坂 完孝君
       事 務 次 長  岸田  実君
       議 事 部 長  海保 勇三君
       委 員 部 長  佐藤 吉弘君
       記 録 部 長  若江 幾造君
       警 務 部 長  西村 健一君
       庶 務 部 長  上野山正輝君
       管 理 部 長  二見 次夫君
       渉 外 部 長  荒木外喜三君
   法制局側
       法 制 局 長  今枝 常男君
   説明員
       防衛庁人事局長  麻生  茂君
       防衛庁装備局長  国井  真君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○公正取引委員会委員長及び同委員の任命同意に
 関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(鍋島直紹君) 議院運営委員会を開会いたします。
 公正取引委員会委員長及び同委員の任命同意に関する件を議題といたします。
 まず、政府委員の説明を求めます。
#3
○政府委員(上村千一郎君) 公正取引委員会委員長北島武雄君は、七月三十日任期満了となりましたので、同君の後任として現委員山田精一君を、また、山田君の後任に有賀美智子君を任命いたしたく、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第二十九条第二項の規定により、両議院の同意を求めるため、本件を提出いたしました。
 両君の経歴につきましては、お手元の履歴書で御承知願いたいと存じますが、いずれも経済及び法律に関する学識経験を有する者でありますので、公正取引委員会委員長、公正取引委員会委員としてそれぞれ適任であると存じます。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに同意されるようお願いいたします。
#4
○委員長(鍋島直紹君) 御質疑のある方は、御発言を願います。
#5
○多田省吾君 このたびの公正取引委員長の任命に関しまして一言だけお伺いしたいと思います。
 それは、前北島委員長がまあ独禁法の番人、あるいは物価の番人というような姿で非常に活躍しまして、消費者側等から評判がよかったわけでございます。しかるに、去年の十二月ごろから辞意を表明したといわれております。で、去年の十二月といえば、ちょうど家電大手六社に対するいわゆる排除命令が出まして、審判に持ち込んだわけでございますが、そのトラブルから辞意を表明したのではないかというようなうわさも立っております。で、官房副長官に先日伺いましたときには、半年前から政府は慰留につとめたが辞意をひるがえすに至らなかったというお話も聞きました。また、このたびは、主婦連とか、あるいは消費者側から北島委員長の留任を求める声が非常に強かったわけでございますけれども、このたびのこの辞任に関連しまして、その実情というものをお話し願いたい。
 また第二点は、山田新委員長並びに有賀新委員は硬骨漢あるいは新しい婦人委員として非常に期待を持たれているわけでございますけれども、前北島委員長の線にのっとって、いわゆる独禁法の番人としての路線を、また消費者側の味方としての路線を進んでいくのかどうか、この二点をお伺いしたい。
#6
○国務大臣(木村俊夫君) 形から申しますと、総理府の総務長官がお答えする事柄でございますが、便宜私からお答えいたします。
 北島前委員長が非常に公取委員会の仕事に功績をあげられまして、このほど惜しまれて退職されたわけでございます。いまお話のありましたような事情で辞意を漏らされたことは、私ども承知しておりません。私に明らかにされましたのは、もっぱら御自身の健康状態でしばらく閑地につきたいという個人的事情のために、ぜひ辞職をしたいという、かたい御決意でございました。しかしながら、政府におきましては総理を初め、われわれ極力慰留につとめてまいりましたが、個人的事情からその辞意が非常にかたいために、その辞意をひるがえすことを断念いたしました。そういう事情でございますので、御了承願いたいと思います。
 また、その後任として、本日御同意をお願いしております山田精一君並びに有賀美智子さん、これは私ども、公取委員長並びに公取委員の職務上から、非常に慎重に選考いたしました。数ある候補者の中からこれぞと思う候補者を選考いたしました結果が、山田精一君と有賀美智子さんでございました。このお二人の経歴等は、資料によって御存じのとおりでございます。私ども政府としては確信を持って御同意を願っておる次第でございます。どうか、北島委員長の業績を引き継ぐには最も適当な人物として御支持をお願いしたいと思います。
#7
○委員長(鍋島直紹君) よろしゅうございますか。加瀬君。
#8
○加瀬完君 私は、先般来、公団、公社等特殊法人の問題で質問を重ねてまいったわけでございますが、最近になりまして総理をはじめ閣僚が相当強硬な調子で行政改革をなさるというように伝えられておりましたので、一部安心もし、一部はたしてできるかという不安を持っておったわけでございます。そうすると、はたせるかな、本日の「産経」でございますか、「官僚、早くも強い抵抗」、こういう見出しでこの間の事情が報ぜられました。あるいは「毎日」も「次官会議で物言い」、「行管庁の動きに反発」という記事が掲載をされておるわけでございます。で、私が半ば不安に思いましたのは、たとえば、最近の日本住宅公団の人事で、大蔵省の造幣局長でありました半田剛氏が、やはり大蔵省の出身でございました潮洸氏の後任として就任をされております。造幣局長が住宅公団の理事として適任かどうかという問題もございますけれども、それ以上に、やはり私が伺いました世襲制というのが相変わらず正されておらないではないか。首都高速道路公団の副理事長も萩原辰郎元東京都副知事がやめますと、今度その後任に、やはり東京都のワクで前東京都副知事の御子柴氏が就任している。さらに、大蔵省の代表として日本銀行政策委員でありました庭山慶一郎氏が日銀の政策委員を七月二十八日付でやめますと、同日付で中小企業金融公庫の理事に就任をしております。世襲もやめませんければ、横すべりもさっぱりとどまっておりません。これは公団ではございませんが、認定法人でございます日本船舶振興会の山下正雄理事長、元運輸省の船舶局長、これがやめますと、さらに運輸省の船舶局長でございました芥川輝孝氏がきまる。至るところに官庁のなわ張りが厳として存在しているわけでございます。これでは政府の方針がどのように強く出されましても、一体そういう政府の方針なんかはどこ吹く風、こういった相変わらず官僚機構の隠然たる存在というものを、われわれは認めないわけにはまいらないわけでございます。それだけにとどまりませんで、公団等の機構についても政府は全然掌握をしておらないという点も、指摘をしなければなりません。たとえば、新東京国際空港の役員の中には参与というものはございません。ところが、総裁通達というもので参与制度をきめまして、池田廸弘、これは経済企画庁、米川健夫、これは行管、馬場知巳、これは国鉄・東京建築工事局長、この三名の参与というものの任命をしておるわけでございます。公団や特殊法人の人事や運営について、一体政府はどれだけの管理、監督の能力を持っているかという点で、あまりのずさんさに、私どもはあきれているわけでございます。
 そこで本日は、その点について質問を進めたいと思うわけでございます。こういうように、公社、公団等の整理といいましても、政府直轄の各官庁の高級公務員が相変わらず天下りを当然の権利と考えているような姿勢を正さない限り、問題の解決はできないと思うのでございます。今朝来の「大幅な整理を警戒」、「事務次官会議運営面にも注文」、こうはっきり抵抗をされました点について、官房長官はどうお考えになっていらっしゃいますか、御所見を承ります。
#9
○国務大臣(木村俊夫君) 今朝の新聞等にいま御指摘のような記事が載っております。それは先般――と申しましても、先週の金曜日に閣議が行なわれまして、従来の行政改革、特に公団、公社等の整理統合につきまして政府の強い決意のもとに、それを担当する閣僚協議会を設けたわけでございます。それにつきまして私どもの考え方によりまして、これを事務次官会議にかけずに直接閣議でこれを決定いたしました。それについて事務次官会議でもいろいろ意見が出たことは事実でございます。しかしながら、新聞等で伝えられるような意味において、われわれ政府の行革に対する事務官僚の抵抗とは私どもは感じておりません。おそらく事務当局におきましては、私ども政府の当時の政治判断に基づく行政改革に多少不安等もあったかも存じませんが、政府の決定に対する官僚の抵抗とは私ども感じておりません。そういう意味におきまして私は、そういう事務次官会議の意見等は、十分行政運営のけじめをつける点においては、多少参考にはいたしますけれども、一切そういうものにとらわれずに、今後の行政改革を進めていきたいと存じております。
#10
○加瀬完君 そうおっしゃいますが、政府は、今日のいわゆる高級官僚あるいはこれらの人によって運営されております官庁の実態というものを御存じでございますかね。と申しますのは、私も公社、公団といったようなものを整理をしていけば、ある程度、行政改革の目的が達すると思って質問を重ねたわけでございますが、この人たちにとりましては、公団や公庫が整理統合されても痛くも、かゆくもないわけです。そのほかに民間の関係会社、あるいは自分の官庁で人事権を持っているところの、あるいは出資、補助、委託、こういうような関係にあるところのいわゆる隠れ法人、これは正しい名前でないかもしれませんが、そう言われる認定法人というものが相当数あるわけですね。そこに公団、公社へ行くのと同様にやはり就職をしているわけです。この隠れ法人と言われる認定法人が、どのくらいの数あるという御認定でございますか。
#11
○国務大臣(木村俊夫君) いわゆる隠れ法人という名前でございますが、これは、政府が公社、公団、事業団、そういうものの設立を認めないために、一段落としたと申しますか、そういう法人に切りかえたものが隠れ法人と言えば確かにいまおっしゃるとおりなものになると思います。その数につきましては、いま手元に資料を持っておりません。
#12
○加瀬完君 その認定法人が全部悪いというわけではございません。この補助金の対象団体だけでも各官庁関係は百七十二団体ございますね。そのすべてを私は洗っておりませんが、いま一例をあげますと、公社、公団の天下りと少しも変らない状態ではないかと思われるものがございますから、以下幾つか例をあげてみたいと思います。
 農林省に農業共済基金というのがございます。この専務理事は内藤一郎さん、これは水産庁の調査資料課長でございます。理事長は安田さんでございます。これも農林省の出身であります。農業信用保険協会というのがございます。理事長は斎藤誠さん、元農林事務次官。常務理事は筒井敬一さん、近畿農政局長。監事は福島三好さん、大蔵省近畿財務局理財部長。中央開拓融資保証協会というのがございます。専務理事は大智譲さん、北陸農政局農政部長。野菜生産出荷安定資金協会というのがございます。理事長は小林誠一さん、元園芸局長。常務理事は和気洋さん、統計調査部農林統計課長。中央酪農会議というのがございます。理事は大坪藤市さん、元畜産局長。
 国鉄関係になりますと、日本交通公社――財団法人でございます。会長は村上義一さん、元運輸大臣。専務理事は津上毅一さん、運輸省の観光局長。鉄道弘済会、会長は滝清彦さん、元東鉄局長。理事長は小林重国さん、国鉄の常務理事。その他理事は――長尾頼隆さん、新潟鉄道監察局監察役。中畑三郎さん、新幹線の総務局長。公文広嗣さん、札幌鉄道監理局長。大田盛三さん、熊本鉄道監理局長。村松幸円さん、新潟鉄道局長。交通協力会、会長芥川治さん、会計検査院長。理事長安田正三さん、国鉄船舶局長。理事樋口菊郎さん、大阪鉄道教習所長。運輸調査局、理事長吾孫子豊さん、元日本国有鉄道副総裁。専務理事堀口大八さん、国鉄関東支社長。日本観光協会、会長平山孝さん、運輸次官。専務理事西阪文雄さん、国鉄関東支社長。しかも、この運輸調査局というのと交通協力会というのは、目的は全く同じことをやっているのです。
 大蔵省にいたしましても、日本酒造組合中央会、あるいは全国蒸溜酒造組合中央会、日本洋酒酒造組合、全国卸売酒販組合中央会というのは、それぞれ国税庁関係のものが全部就職をしております。
 厚生省にいたしましても、財団法人厚生団、あるいは結核予防会、社会福祉事業振興会、これらにも次官でございますとか、局長でありますとか、こういう方たちがみんな行っているわけであります。たとえば、結核予防会を例にとるならば、理事長が山口正義さん、労働衛生研究所長。理事の若松栄一さん、厚生省公衆衛生局長。同じく聖成稔さん、環境衛生局長。こういうように全部局長クラスが行っているわけでございます。
 さらに、通産省になりますと、これは顕著でございまして、たとえば、日本機械デザインセンター、専務理事の橋田貫一さん、大臣官房。日本生産性本部常務理事の黒川弘さん、これは仙台通産局の総務部長。海外建設協力会、専務理事渋江操一さん、これは建設省関係でございまして、建設省の計画局長。
 また、もとへ返しまして、通産省関係の日本自転車工業会、専務理事の久木元勇さん、これは大臣官房。日本合成ゴム株式会社、社長は松田太郎さん、商工省事務次官。それから常務の安永一雄さん、日本開発銀行理事。常務の永瀬真悦さん、通産局長。日本輸出雑貨センター、専務理事の井染寿夫さん、大臣官房。理事の太下初治さん、大阪通産局。理事の石田孜さん、大阪通産局。日本ミシン輸出振興事業協会、理事の一之瀬岩三さん、これも通産省重工業局。九州、中国、東海鉱害復旧事業団というのがございます。九州の理事長は通産省の大阪通産局長。それから九州の理事が同じく福岡通産局の燃料課長。それから中国の理事長は仙台鉱山保安監督部長。それから前に返りまして、九州の理事は熊本の農地事務局長。発明協会というのがございます。これは理事長は高吉友次さん、商工省の貿易局。常務理事の千葉弘毅さんは通産省福岡通産局の石炭部長。それから機械工業振興協会、専務理事の堀合道三さん、これは通産省の軽工業課長。全国中小企業団体中央会の常務理事、これは通産省中小企業庁の協同組合課長。海外電力調査会の専務理事は、通産省の東京通産局長。
 さらに日本プラント協会、これは御存じのように各プラント関係の会社が出資をしてつくっているものでございますが、実際の事務担当の副会長、あるいは専務理事、常務理事というものは、たとえば副会長は藤崎辰夫さん、これは元工業技術院長であります。それから専務の天岩旭さん、これは日本機械輸出組合技術相談室の事務局長、常務の宮城恭一さん、これは軽工業局アルコール事業部長というように、全部通産省関係から行っております。しかも、プラント協会は、この前指摘をいたしましたジェトロと同じように、通産省の職員が何名かプラント協会に出向をいたしております。二年くらいたつと、また帰ってくるという組織になっているわけでございます。このように、隠れ法人ということばは必ずしも当たっておりませんけれども、特別の法律によって役員人事に国が関与するもの、あるいは政府の出資または委託、補助金等を与えている法人、こういう数はかなり多いわけでございます。その役員には必ずといっていいほど監督官庁から人が送られております。この人については、政府は何らのチェックをする権限というものを持っておらないようでございます。こういう状態を見過しておりまして、次官会議等からもの言いをつけられるということになりましては、一体政府は、この官僚機構の実態というものを御存じなのか、あるいは官僚、官吏に対する万全の策が行なわれているのか、こういう疑問を持たざるを得ないわけございます。この点はいかがですか。
#13
○国務大臣(木村俊夫君) いまおあげになりました諸法人は、認可法人がほとんど大部分であったように承りました。私どもでは、その中に、種類を二つに分けまして、もともと公社、公団、公庫等、事業団を含めまして、いわゆる特殊法人に相当するものがその設立を認められなかったため、いわゆる認可法人に格下げをしているもの、たとえば、今回の繊維工業構造改善事業協会、貿易研修センター、こういうものと、それから各省の大臣の専決事項になっておりまして、外郭団体として社団法人、または財団法人として認可を受けたもの、この二つにわれわれは分類しておりますが、前者のほうは、これは新聞等でいわゆる隠れ法人として指摘されている種類のものでございます。従来たびたび御報告申し上げ、また御注意を受けましたように、公団、公庫等の役員の選考については、内閣官房においてこれをチェックするという方針を申し合わせております。ただ、そういうようないわゆる隠れ法人が、これからもし続出することになれば、そういう意味で非難を受けますので、そういう意味の隠れ法人も閣議了解の中に含めてチェックしたい、こういう方針でございます。しかしながら、その余の、各大臣で専決いたします認定法人の問題につきましては、まだ内閣官房においてチェックするに至っておりません。これはあまりにも雑多なものがございますし、はたして内閣官房としてそこまで関与することがいいか悪いか。あるいは一般の行政改革の方針として、一般的にそういうものに対する注意を与えまして、先ほどお話のありました行革に関する閣僚協議会等、一般的な申し合わせでそれを注意、監督することがいいか、われわれはどちらがいいか、まだこれについては考慮中でございますが、各個のそういう外郭団体についての役員まで内閣官房においてチェックすることは、少し行き過ぎではなかろうか、こういうように考えております。
#14
○加瀬完君 いかなる方法であろうとも、チェックしないで済むならば、それが一番いいわけです。しかし、現状においてはチェックできない。チェックする気もない。そうなりますと、いま数字はあげませんでしたけれども、この認定法人はやはり二十万ないし二十八万、あるいは多いのは四十万をこす報酬を払っているわけですね、役員に。したがいまして、公社、公団と何ら変わるところがない。公社、公団がとめられて、行く道がないということになって、こういう認定法人というものをつくって、そこにもぐり込ませるならば、やはり公社、公団と同じように、退職官僚のはけ口ができるということになれば、これはやすやすと使われるような情勢ではないかということを、私は心配するわけであります。高級官僚のモラルというものが非常に高まっておって、とめられるまでもなく、国民の批判を受けることのないような体制であるならば、何をか言わんや。しかし現状は、いま言ったように幾つでも認定法人をつくって、それに補助金をやる、出費をする。そうして、それに役員を割り当てるということになれば、これは公社、公団と何ら変わらないじゃないか。と言いますのは、御存じのように公務員法百三条には、「私企業からの隔離」ということがきめられております。これらは私企業と見ないわけです。公社、公団あるいは特殊法人に高級官僚が天下りをするのも、それは政府機関に転任をしていくという見方をして、私企業という見方をしないわけです。ですから、これは何らチェックされることなく、もうオープンでいけるわけです。そこに私どもは、幾ら公社、公団の整理をやったって、片一方ですいすいと公社、公団にかわるものができてしまっては、まるでこれは、なんのことはないじゃないか。袋の一方から水を入れても、底がなくて流れてしまうというのと同じことじゃないですか。それをチェックいたしませんということでは、済まされない問題じゃないかと思います。といいますのは、単にこの認定法人に高級官僚が流れるというだけではなくて、非常に、この公務員法百三条の「私企業からの隔離」ということが、私は確実に行なわれておらないという点を指摘したいわけなんです。
 時間の関係上、先に進みます。人事院に伺いますが、この「私企業からの隔離」の百三条によれば、監督、指導の地位にあった者がその関係団体に就職することは一応禁じられておりますね。
#15
○政府委員(島四男雄君) いま仰せのとおり、職務上関係のあった職員は、その営利企業の地位についてはならないということは、まさにそのとおりでございます。
#16
○加瀬完君 大蔵省の金融検査官は、銀行や相互銀行等の常時検査の担任をする役ですね。
#17
○政府委員(島四男雄君) そのとおりでございます。
#18
○加瀬完君 それが監督下の銀行等の役員になっても支障がございませんか。
#19
○政府委員(島四男雄君) その関係を少し御説明申し上げたいと思います。確かに私ども国会に御報告申し上げている報告書の中に、そのような関係にある職員が銀行に行っているケースもございます。ただ、これについては私ども若干御説明さしていただきたいと思いますが、もちろん、その離職前五年間にその者がついておりました職務上の地位というものと、これからつこうとする当該営利企業の地位との関係において、はたして密接であったかどうかということがポイントになるわけでございます。しからば、その密接であるかないかという判定でございますが、その職務上の関係というものの中にはいろいろございます。まさに、いま御指摘のような検査というものも一つございます。ただ、検査と申しましても、全く裁量の余地のない、単なる手続的、技術的のような場合もあれば、あるいはある程度、事業の存立にもかかわるような場合もございます。したがって、ただ検査ということばだけでもって直ちにすべていけないのだと判断はいたしておりませんので、あくまでも具体的な、どういう権限行使をしたかということをみまして、私どものほうは承認、不承認の基準をきめているわけでございます。
#20
○加瀬完君 この中山作三郎さん、神田貞雄さん、入江要一さん、これはいずれも銀行局の金融検査官、これが国民相互銀行の常務、福島相互の取締役、東洋相互の常務に就任をしているわけです。認可の条件は、具体的に関係がないという、あなたのおっしゃるとおり。しかし、具体的に関係がないということは、将来に対して関係を生じないという保証にはなりませんね。過去五年間の経歴に関係があったかどうか。そして特に関係のあるところは、退職後二年間、そのポストには就職を禁じているということは、就職した将来にわたって関係が生ずることをおそれての、これは規定ですね。とすると、三人は全部検査官ですよ。しかも、検査をする対象になっております相互銀行のそれぞれ役員にみな就職している。将来、具体的な関係がないという保証がどこにございますか。
#21
○政府委員(島四男雄君) いま御指摘のありました三名の方々は、具体的にその在職中にそのような相互銀行の検査をした実績がございません。なお、将来の関係でございますが、そのような保証がないじゃないかということは、それはもちろん、そのとおりでございますが、私どもやはり、その方の過去の経歴であるとか、あるいはついた地位であるとか、あるいは就職先の企業の性格であるとか、そういうものを判断して、まずそのおそれがないというふうに判断した場合に、そのような承認をしておるわけでございます。
#22
○加瀬完君 たくさん例をあげますから――あなたのほうは、支障がないということで承認したわけですから、ここで支障があるという立場を出せるはずのものではありません。林兼石油、ここに宮崎隆一さんが就職されました。これは長崎の関税監査官。それから伊藤忠に取締役として片桐良雄さん、これは東京の税関長。林兼石油にしても伊藤忠にしても、いずれも輸入品目を扱う商社です。それに税関関係のものが入っていく、これが無関係と言えますか。
#23
○政府委員(島四男雄君) 確かに、この税関の官職におられた方が全然関係ないとは申しませんが、ただ、その関係というものは私どもはあくまでも実質的な関係にはなかった。したがって、密接でない、こういう判断をしております。
#24
○加瀬完君 百三条の「私企業からの隔離」は、将来の関係でいろいろ弊害の生ずることをおそれての規定ですね。あなたのほうは、いままで密接な関係にあるかないかだけでこの規定を見ておりますが、そういう見方が一体この法律の趣旨に沿うかどうかという問題は、別にまた残ると思います。
 次に、山内健男さん、この方は東京税関の輸出課長、これが東京港木材倉庫にいっていますね。それから山口勲さん、東京税関の業務部長ですね、これが鈴江組倉庫。それから横浜税関の業務部長であった力石常吉さんが山九海運。津川功太郎さん、神戸税関の兵庫埠頭の出張所長、これは神戸荷造運送の相談役。三井倉庫の神戸支店には宮崎捨勇さん、神戸税関の総務部の人がいっている。このように同様のものが十名おります。税関関係のポストにいたものが税関と関係の深い会社に就職しているわけです。
 税金関係でいいますと、たとえば白牡丹酒造というのがありますね、広島県に。これは広島国税局の査察官でありました日下雄之助さんという方がこの白牡丹酒造の常務に就任している。「いそのさわ酒造」というお酒屋さんがございます。ここの常務には福岡国税局の徴収部長であった神田芳彦さんというのが就任しております。「いそのさわ」というのは福岡市にある酒造会社です。地域関係からいっても、旧ポストと新しい就職先からいっても、全然これは問題にしないほうがおかしいじゃないか。あなた方のほうは問題にしていない、関係はあるけれども、軽微だということなんです。みんな将来問題が起こらないという保証は、何回も繰り返しますけれども、ありますか。起こりそうなはずなんです。その国税局で税金を扱った者が、その国税局に税金を納める、しかも大口税金を納める酒屋さんの常務になって入っている。これが妥当な人事と言えますか。これをみんな認めている。認めていないのは一人もありませんから、一体人事院は何をやってきたか、どこにチェックする能力というものを残しているのか、疑いたくなる。いかがですか。
#25
○政府委員(島四男雄君) ただいまの先生のおことばでございますが、公務員法のこの法の趣旨がどこにあるのか、ただいま先生のおっしゃるところによりますると、将来にそういうおそれのあるということをむしろ規制するのが、この法の趣旨ではないかというようなおことばがございましたが、実はこの法律の本来のねらいは、もちろんそれがないとは申しませんが、やはりこのような在職中の関係というものが一番ポイントでございます。したがって、もしこれを野放しにするならば、ある企業につこうとする下心を持って、特定会社に職務上の地位を利用していろいろ利便を与えるということになりますると、公務の公正を害するおそれがある、あるいは官紀の弛緩を招くということが、この法律の本来の規制のねらいでございまして、ただ、それを将来の関係に向かってどこまで規制するのかということになりますると、これはとらえ方としては千差万別でございます。私ども、もちろんそういう点を全然見ないとは申しませんが、その関係であまり強く打ち出しますと、これは非常に就職するケースというものがなくなってしまう、あまりに厳重にこれを規制いたしますと、やはり憲法に規定されております職業選択の自由という規定との関係で、いろいろ問題が起こる。その辺のかね合いが非常にむずかしい問題でございます。
#26
○加瀬完君 私も、お役人であったからといって民間会社へ一切就職することはけしからぬというやぼなことは申しません。しかし、百三条に「私企業からの隔離」ということが明文化されているにもかかわらず、その取り扱いがはなはだ問題だということですよ。
 それなら、次はどうですか。農林省の園芸局の経済流通班長でありました縫直己さんという方は、横浜の丸中青果の常務になっていますね、前の職務に関係があります。それから運輸省の岩倉左門さんという方は名古屋、大阪、東京陸運局の整備部長、自動車局の整備課長、これが京阪自動車の取締役になっている。徳永元之さん、これは関東海運局東京支局船舶検査長という役ですね、これが来島ドツクの嘱託になりましたね。伊藤左内さん、大阪航空保安事務所長になられた方、これが関西国際空港ビルに就職しているのです。郵政省の中川勇三さん、信越電波監理局の監督部長ですよ、これが北日本放送の技術局につとめていますね。それから同じく郵政省の浅川貞男さん、これは熊本郵政監察局長、渡辺正さんは監察局の上席監察官、宮本重郎さん、これは仙台の郵政局長、これらはいずれも日本郵便逓送株式会社の取締役になっていますね。官職にあったときの地位を利用しての就職とは言えないにしても、非常に深い関係のところに就職していますね。これも、あなたのほうはみな認めている。こういう例を拾ってまいりますと九十一名ございます。四十年、四十一年で九十一名承認、二百七十五名のうちの三分の一だ。これではチェックしていると言われない。チェックしたものがありますか、何人か。
#27
○政府委員(島四男雄君) ただいまの三分の一は――四十年、四十一年の報告書に載っているケースの三分の一は関係があるじゃないか、こういうお話でございますが、これは実は関係があるからこそ人事院のほうに承認を求めてきているわけでございます。もし関係がなければ、初めから持ってこないわけであります。
 なお、その点をチェックしていないじゃないかという点でございまするが、私どもでは各省に相当指導しておりまして、各省からいろいろ御相談をいただいております。その段階において相当、これは承認にならぬということを事前に指導しております。この報告書以外にも相当不承認となっているケースがあるわけでございます。
#28
○加瀬完君 不承認の数は知っていますけれども、何人もないのですから、ここで私は問題にしません。
 その次に、工事契約とか物品購入の関係を生ずるような、たとえば旧ポストの利用によって新ポストの成績の向上が期待される、こういう関係の就職は承認されないことになっていますね、いかがですか。
#29
○政府委員(島四男雄君) その契約関係でございますが、工事契約あるいは物品購入契約、いろいろの契約がございますが、そういう契約関係があれば一切だめだ、これは一つの理屈かと思いまするが、私どもではやはり、たとえば、建設会社で申しますると、かりに一年の建設完成工事高が百億ある、その会社において五千万円の契約をしたということになりますれば、その会社にとっては〇・五%でございます。そのような、金額から見れば決して少なくない金額の契約でございまするが、やはりその会社の業績に与える影響等を勘案いたしまして、契約高によりまして承認を与えているケースも幾つかございます。
#30
○加瀬完君 そうすると、次の関係は承認を妥当と認めたわけですね。たとえば、運輸省の端山経久さん、これは神戸海運局の船舶部長、それから関東海運局長、これがヤンマーディーゼルの取締役になっていますね。ヤンマーディーゼルというのは、御存じのように、海運関係の機械をつくっている会社でございますね。片山彬さん、これは運輸省の港湾事務所長、東亜港湾の工事部に入っていますね。農林省の蘭実さん、これは長崎干拓建設事務所長、これがブルドーザー工事の取締役になっている。
 それから通産省の細川平五郎さん、仙台通産局の需給課長、これが北日本電線に行っていますね。それから小野公さん、これは重工業局の産業機械課技術班長、これが川崎重工の機械営業部へ就職をしている。北海道開発庁の佐々木敏雄さん、それから小田島政次さん、津田忠博さん、これらは開発局の土木試験所の研究部長、それから開発建設部長、あるいは開発建設部事務長という立場の方々、それが二人は北海道開発コンサルタントに就職をしていますね。一人は日本道路の北海道支店長。ブルドーザー工事あるいは北海道開発コンサルタント、みんなそれぞれ過去の官職と関係のあるところへ就職しているわけです。
 それから、こういうものを拾ってみますと、四十年、四十一年で北海道開発庁が六人、通産省が五人、運輸、農林、郵政省が各三人、大蔵省が一人。二十一人おります。これはみんな、おたくの言うように、軽微だということでパスしている。これも軽微ですか。富士重工業の常務になりました佐方信博さん、これは郵政事務次官ですね。これは関係があるけれども、契約高が少ないということでパスしている。郵政省と富士重工業との契約関係、御存じですか。
#31
○政府委員(島四男雄君) それはたしか富士重工でつくっておりますスクーターに関する契約かと記憶しております。
#32
○加瀬完君 三十九年には一億五千九百万、四十年には――これは集配用の車両ですね、一億九千七百万、四十一年には三億一千四百万、こういうようにまあ累増しているわけでございます。佐方さんが就職しましてからだいぶふえている、五四%もです。なぜノーマークでこういうのを就職させるのですか。これでも関係軽微と言われますか。事務次官ですよ。お答えをいただきたい。
#33
○政府委員(島四男雄君) その方が御就職されるときに、私どもいろいろ調査いたしまして、富士重工との関係をしさいに検討したわけでございますが、ただいま御指摘のような契約があったことはそのとおりでございます。ただし、富土重工全体にとりまして、その金額というものは比較的軽微なものである、このように判断したわけでございます。ただ、その方が就職してから、富土重工業との関係が非常に濃くなったではないかという点は、あるいは御指摘のとおりかと思いますが、私ども、そこまで実は審査をして判断を下すということがなかなかむずかしいということを率直に申し上げたいと思います。
#34
○加瀬完君 この建設省等の事業所関係が建設会社へ就職いたしておりますね。これが大体建設省で二十二名、農林省で九名ございます。特に地域との関係の者が就職している例が非常に多い。たとえば、宮崎佳久さん、これは熊本の用地官、それが三井建設の熊本出張所長になっている。農林省ですね、これは。建設省の竹内一義さん、これは北陸地建の、富山工事事務所の課長、黒部工事事務所長、これが大豊建設の新潟支店の次長になっている。例をあげますと、農林省の近藤睦男さん、これは東北農政局の用地課長、これが西松建設の東北支店の嘱託になっている。あるいは建設省の中島光次さん、九州地建、それが大林組の福岡支店長付ということになっている。その地域につとめておって、その地域の私企業に入っているわけですね。過去にも関係がありますし、将来にも当然これは関係が生ずるのじゃありませんか。こういうのもフリーパスですね。どういうことですか、これは。
#35
○政府委員(島四男雄君) 確かに、建設省の方が土建会社に行っている例は幾つかございます。ただ、フリーパスとおっしゃいますが、決して私どもは野放しにしているわけではございませんので、あくまでもその契約高というものを見まして、その工事会社の業績に与える影響というものを勘案して、承認、不承認の判断を下しているわけでございます。
#36
○加瀬完君 契約高ということは、私も記憶にとどめておきます。あとで問題にいたします。
 次に、製品の監督とか検査、こういう関係の地位におった者は、やはり未承認要件になりますね。
#37
○政府委員(島四男雄君) 未承認でございますか。ちょっとただいまの御質問……。
#38
○加瀬完君 製品を監査する、あるいは検査をする、あるいは特許権を認定するといったような立場にある者が、その関係のところへつくことは、いけないということになっているのでしょう。
#39
○政府委員(島四男雄君) その程度によりまするけれども、一応この審査の対象にはなります。
#40
○加瀬完君 いや、対象にはみんなしているのだ、あなたのほうは。対象に全部していて、全部通しているわけだから、その対象にしているか、していないかということを問題にしていない。未承認の要件になるかどうかということを問題にしている。
#41
○政府委員(島四男雄君) 場合によっては承認にならないケースもございます。
#42
○加瀬完君 じゃ、その場合を伺いましょう。技術院の電気規格課長、あるいは電気試験所の主任研究官、特許庁の電気審査官というものは、その関係の会社に行けますか。
#43
○政府委員(島四男雄君) そういう職にある方々が具体的にどのような権限行使をしたかということを見ませんと、そのことだけではちょっとお答えしかねると思います。
#44
○加瀬完君 農林省の肥飼料検査所長は、肥料製造会社に就職できますか。
#45
○政府委員(島四男雄君) この場合も、やはりどの程度の職務上の関係があったかということを見ませんと、ただその官職だけで直ちにある地位につけるか、つけないかという御質問は、ちょっと私としてもお答えしかねると思います。
#46
○加瀬完君 これは、法律の解釈論になりますから避けますが、たとえば、通産省から日本電気へ就職をいたしました東常義さん、柿沼敏雄さん、三洋電機に参りました矢川豊さん。住友電気に参りました青木秀実さん。東立通信に参りました宮沢永次郎さん。電気規格課長あるいは電気関係審査官、あるいは試験所の主任研究官というもの、この人たちは過去に、あなたのおっしゃるように軽微であったかもしれません。しかし、悪いですけれども、日本電気なら日本電気から今度は持ち込まれるいろいろの特許あるいは検査、こういうものには、かつて、その地位にいた者でありますから、いろいろコネもあるわけですね。当然、将来これは問題を生じますね。これがみんなパスしていますね。
 それから福岡肥飼料検査所長の片岡秀雄さん、東京肥飼料検査所長の原田新作さん、こういう人たちは大東肥料、住友化学という肥料をつくる会社に全部行っていますね。それから農地訟務官というものは、御存じのように、これは農地法についてのいろいろな争いについて取り扱いをする係ですね。これが四十一年の承認内容に、農地訟務官佐藤勝馬さんが帝国観光に行っております。それから新居芳郎さん、これが湘南観光に行っております。帝国観光、湘南観光というものを調べますと、業務内容はゴルフ場の建設を主とする会社ということになっています。そうすると、農地の転用というものが当然出てくるわけです。農地の転用を扱った農地訟務官が、その会社に入っているわけです。会社は農地の転用を扱わせるために、この人たちを入れている。この人たちによって農地の転用がスムーズにいくという運びになる。それでも、一体、関係が軽微だから就職さしてさしつかえがないという判定が下せるのですか。下せないものがどこかに出てきますか。いまのあなたのような、人事院のやり方ですと、下せないものも出てきますか。ゴルフ場ですよ、農地を転用してゴルフ場をつくるという会社に、その農地転用の係が就職をしているわけです、無条件で。おかしくありませんか。
#47
○政府委員(島四男雄君) 私のほうの審査のポイントは、主として在職中の関係をとらえております。そのことのよしあしはいろいろ御批判があろうと思いますが、やはり将来の関係についてそういうおそれがあるのではないかという点は、あるいはそういう点がある場合もあろうと思いまするが、その点についてまで判断の基準に入れるということは、実際問題として非常にむずかしいということでございます。
#48
○加瀬完君 こういう例が四十、四十一年で二十八名ございます。内訳を申しますと、通産省が十九、農林省が六、建設省が二、科学技術庁が一、こういう数字であります。あなたのような御説明ですと、これは私企業禁止の届け出によって判別をする必要というものは、さらにないことになります。で、どうにも抜けられないものになりますと、あなた方のほうでは、顧問または嘱託、これは非役員であるという理由で全部承認しておりますね。
 そこで、顧問あるいは嘱託で採用された者の経緯を見ると、これは磯野太郎さん、繊維局長です。いすず自動車の顧問になりましたね。それからすぐ取締役になりましたね。河北正治さん、これは建設省の土木研究所長、これが大成建設の理事ということで三十八年の七月に入った。三十九年の七月になると大成道路の常務になっています。それから樺島正二さん、これは建設省の四国地方建設局長、これが奥村組の顧問――三十九年七月十五日、それが四十年の七月十五日には常務取締役になっております。角田榮さん、これは関東地方建設局の営業部長、これも奥村組の顧問、続いて取締役。梶本保邦さん、これは運輸省観光局長、初め京成電鉄の嘱託、続いて京成観光の副社長。非役員で入れて、少したつとすぐ役員にするわけですね。役員は重視するが、非役員は軽く見るという形をとっておりますけれども、こういう形で非役員でとった者が――顧問という名でとった者が三十四名、嘱託が三十三名、その他、理事とか参与、相談役、調査役等が十七名。八十四名がこういう形でとられております。しかし、百三条は、「職員は、……営利を目的とする私企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、又は自ら営利企業を営んではならない。」とありますね。顧問は役員と同様の地位と、百三条においてはこれは解しているわけじゃありませんか。いかがですか。
#49
○政府委員(島四男雄君) ただいまの御質問でございますが、顧問と役員との違いがどこにあるかということになるわけでございますが、私どもでは、役員の場合とそうでない場合とは、若干取り扱いを異にしております。これは、人事院規則の一四‐四というところにもございますが、役員である場合とない場合とを問わず、いずれも法の精神に反するかどうかということが一つのポイントでございます。第二の基準としましては、その任用または離職について特別の事情があったかどうか。それから、さらに役員については、そのほかに特に公共の利益に反することがないかどうかという点で、役員につきましては若干きつい縛り方をしております。
 したがいまして、ただいま御指摘のような、顧問としてだいぶ大ぜいの方々が就職しているではないかという御質問でございまするが、非役員であれば野放しにしているというわけではございません。ただ、離職して直ちに役員につけない場合も、非役員の場合はつけるという場合が幾つかございます。たとえば、先ほどやはり御指摘のございましたような、建設省の方がある工事会社にいく場合に、その契約関係を見て、契約高が少ない場合には承認しておりまするが、その場合も、私どもでは直ちに役員に就任することは御遠慮願う。ただし、そういう方々でありましても、相当期間を経て、その間特に問題とすべきような事情がないということに判断された場合には、その後役員として就任することは承認しております。したがいまして、ただいま、まず顧問として承認になった方々が、その後すぐ役員についているではないかという御指摘でございまするが、そういう方につきましても、いま私が申し上げたような観点から判断して、いずれも承認しているわけでございます。
#50
○加瀬完君 百三条の二項に、「職員は、離職後二年間は、営利企業の地位で、その離職前五年間に在職していた人事院規則で定める国の機関と密接な関係にあるものにつくことを承諾し又はついてはならない。」とございますね。これは離職後二年間は、離職前五年間に在職していた人事院規則で定める国の機関と密接な関係にあるものについては就職ができないということは、間違いございませんね。
#51
○政府委員(島四男雄君) そのとおりでございます。
#52
○加瀬完君 先ほど、あなたの説明を伺っておりますと、「私企業からの隔離」というものを非常にゆるく解しておりますね。ところが、「私企業からの隔離」の歴史を見ますと、二十三年の改正で、離職前二年であったものを五年としたわけですね。また内容は、「営利企業を代表する地位」というものであった、いわゆる役員に就任することだけを禁じておった。ところが二十三年の改正では、全部を対象としたわけです。強まっているわけです、二十三年から見れば現在は。しかも、二十三年の改正では、いま言ったように規制が強められてあるはずであるのに、あなたの説明を聞いておりますと、扱いはむしろゆるめられている。たとえば、役員というものに就任するだけに非常に限定している。しかし、役員と匹敏する顧問に就任することにはひとつもワクをかけてない。で、相当期間ということばがこの中に出ていますね、相当期間というのは一体どのくらい。
#53
○政府委員(島四男雄君) おおむね一年程度と考えております。
#54
○加瀬完君 離職前五年間に関係のあるものには、離職後二年間は就職できないということでありますから、相当期間というのは二年間と、これは当然認定すべきでありませんか。
#55
○政府委員(島四男雄君) 確かに百三条第二項だけを見ますると、先生のような解釈にあるいはなるかと思いまするが、その次の第三項の規定の中に、「前二項の規定は、人事院規則の定めるところにより、……人事院の承認を得た場合には、これを適用しない。」と、こういう規定がございます。
#56
○加瀬完君 人事院規則というのは法律じゃありませんね、法律ですか。
#57
○政府委員(島四男雄君) 法律ではございません。
#58
○加瀬完君 政令でしょう。政令や命令というものは法律には優先できないたてまえですね。これは法体系です。したがいまして、百三条で二年間というものをきめてあれば、人事院規則で一年と解釈することは違法ですよ、これは。そうじゃありませんか。
#59
○政府委員(島四男雄君) その関係は、まさに人事院規則は法律ではございませんが、法律の中にこの人事院規則にゆだねる旨の規定がございまするので、人事院規則によって私どもは運用しているわけでございます。
#60
○加瀬完君 ゆだねるのは法律で限定されたワクでゆだねられているのです。二年と限定されているものを一年にしていい、六カ月にしていいという、そういう効力というものは政令にはないはずです。これは法制局長がおりますから法制局長に聞いてもいいですけれども、どうですか。
#61
○政府委員(島四男雄君) その関係は、確かに人事院規則の中身をどのように解釈するかということにかかっていると思いまするが、二年間たてばあえてこの法律を待つまでもなく自由に就職できるわけでございます。ところが、これを第三項の規定は二年間を待たないで、あえて人事院が承認する場合を規定しているわけでございまして、当然二年以内において承認できる場合というものがあり得るということは、理の当然かと思います。
#62
○加瀬完君 それは法律論になりますが、あなたも専門家のはずだ、法律のワクできめられているものを狭めたり広げたりすることは、政令でできないことはおわかりのはずだと思う。そこで具体的に進めます。
 次の者はどう解釈しますか。今井善衛さん、これは通産省の事務次官ですけれども、昭和三十九年十月二十三日に事務次官を退任して、四十年の五月二十八日、日本石油化学株式会社の顧問に就任しておりますね。理由は、「地位が非役員である顧問であること」といって承認をして、四十年の十月二十九日、同社の専務取締役に就任をしておりますね。承認の理由は、離職後相当期間経過しているということであります。相当期間というと、幾らたっていますか。
#63
○政府委員(島四男雄君) 今井さんの場合は、たしか日本石油化学でございますか、その会社と今井さんの在職中の関係を調べてみますと、今井さんが企業局長をやっておられましたときに、石油化学の機械の輸入割り当てですか、たしか四件ほどしたことがございます。これは主として重工業局の所管でございまして、その関係は非常に軽微なものであるという判断を下して、承認をしたわけでございます。
#64
○加瀬完君 非役員である顧問であるからということで、承認をしたわけですね。
#65
○政府委員(島四男雄君) 確かに、その方が最初から役員で就任申請が出た場合には、私のほうは承認しておらないはずでございます。
#66
○委員長(鍋島直紹君) ちょっと加瀬君、官房長官がちょっといまお忙しいようですが、まだ御質問ございますか。いいですか。
#67
○加瀬完君 いいです、また帰ってから……。
#68
○委員長(鍋島直紹君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#69
○委員長(鍋島直紹君) 速記を起こして。
#70
○加瀬完君 この顧問になってから六カ月しかたたなくて、同じ年のうちに顧問の就任の申請と役員の就任の申請を出しているわけですね。満一年にならないで承認している。
 それから先に出しました佐方信博さん、四十年の六月一日退職、四十一年五月十三日に十一カ月で富士重工の常務に就任をしている。だから申請をすればフリーパスではありませんか、人事院は。どこに一体チェックがあるか。あなたは、関係が少ないと言ったが、集配用車両のほとんどを富士重工で納めておって、関係が少ないとは言われませんよ。百三条というものは全然基準として適用されておらない。
#71
○政府委員(島四男雄君) いろいろ御批判はあろうと思いますが、私どもでは最近の天下りに関する世論の動向も十分勘案いたしまして、慎重にやっておるつもりでございます。
#72
○加瀬完君 これが慎重と思われますかね。国家公務員法できめられているものを、ひとつも法の精神を尊重しないで、各役所から持ってくれば、いろいろ理屈をつけておりますよね、あなたのほうで。しかし、関係軽微であるとか、非役員であるとかで、六カ月か十一カ月しかたっていないのを相当期間経過をしたと、こういうことでみんな許可している。許可するとき、どうこう言っておりませんよ。それで一体、人事管理が完全にできると思いますか。人事院総裁が来ないで、あなたに聞くのは失礼かもしれませんが、あなたは担当だから、どうです。
#73
○政府委員(島四男雄君) 私どもで毎年、この天下り関係で承認しておる件数は百二十名から百五十名ぐらいでございます。一年間に離職する方がおおむね二万名ございまするが、この中で私どものほうで特に承認しているケースが百五十名内外ございます。で、この数字がはたして妥当かどうかという点は、いろいろの観点から御意見があろうと思いまするが、私どものやっております審査基準といいますか、承認する基準はおおむね妥当なものだというふうに考えております。
#74
○加瀬完君 二万名と言ったって、二万名が全部対象になるわけじゃないでしょう。あなたのほうの対象になる二万名というのは、ことばは当たりませんけれども、下級公務員から高級公務員まで全部含めて二万名、給仕でやめた者まで含めて二万名。あなた方、人事院の対象になるのは二万名じゃない。二十名か二十五名でしょう、一応保留されるのは。あとはほとんど通っている。そして通す理由を人事院で考えている。もっと言うならば、通るようにあなた方は役所のほうに教えているんじゃないですか、こういう理由で申請すれば通りますよと。なれ合いですよ。これは、人事院というのは、各官庁を人事管理においてチェックしなければならない立場にありながら、なれ合いでしょう、位官庁と。うそですか。事実そうでしょう、これは。
#75
○政府委員(島四男雄君) なれ合いとおっしゃいますけれども、決して私どもは、そのようなつもりでやっておるわけではございません。私どもの承認基準は、むしろ各省の方々から見れば、非常に厳格過ぎるという御批判もあります。
#76
○加瀬完君 これは、幾らやったって水かけ論ですからね。実態はこのようだということを、松平長官お聞きいただいて、このような人事管理で行政改革がスムーズに進むと、長官お考えになりますか。チェックするほうとチェックされるほうと、なれ合いでみんな通しちゃっている。こんなていたらくで、どんなにやったって、私はできないと思いますけれども、長官御所見いかがですか。
#77
○国務大臣(松平勇雄君) 人事管理に関しましては、私どものほうの所管事項でございませんので……。
#78
○加瀬完君 行政改革ができるかどうかということです。
#79
○国務大臣(松平勇雄君) まあ私、人事管理は、ただいまも伺っておるように、人事院なりあるいは内閣でもって適正に行なっておるものでございまして、私は、行政改革がこの面でもって支障を来たすというようなことはないと考えます。
#80
○加瀬完君 逃れて恥なしという態度でしょう。事務次官といったら最高でしょう、これは。それで、自分のほうといろいろ契約を結んでおった会社に、二年間という期間があるにもかかわらず、十一カ月で赴任する。契約はその翌年には倍になる、こういう状態を正当と認められますか。契約高が少ないとおっしゃった。
 それじゃ契約高の多いほうを、これから問題にしますがね。防衛庁に伺いますが、「読売」に、「自衛隊に兼業将校」「定年控えた現職一佐」「不動産部長見習い」「休暇の形で慣例」、というのが出ていますね。「朝日」には、おたくのほうで注文する大口一件について何人というように防衛庁の退職者を会社に受け入れさせると、こういう報道も出ている。これはお認めになりませんか。
#81
○国務大臣(増田甲子七君) 加瀬さんの御指摘の一佐は、見習いでなくて、ちょっと様子を見にいったという事実はございます。しかして、その際に、不適当と思われる名刺を使いまして――三日ばかり様子を見るというその第一日目のことだったと思います。直ちに、新聞を見ましたから厳重に調査をいたしまして、その翌日に免職いたした次第であります。
 それから、自衛隊がいろいろなことをしゃべっておる事実はないのでございます。
#82
○加瀬完君 この営利企業への隔離ということが自衛隊法にも同様にございます。そこで伺いますがね、防衛庁本庁には装備局というのがございますね。補給、通信、船舶、航空機課等の各課から成り立っておりますね。それから、陸、海、空各幕僚監部のもとにも、陸上には施設、補給、武器、通信、化学、輸送、航空という課がございますね。海上には管理、艦船、航空機、武器一、二課。航空には装備部として装備、調達、補給、整備、こういう課がありますね。しかも、陸上方面隊各師団にも大体同様のポストがございますね。それから、海上地方総監部にも駆潜隊、掃海隊、魚雷艇隊、掃陸隊、航空隊、通信隊、陸上と航空には補給処、それから装備補給群というのがありますね。その中では、品物を求めるのに需品、武器、施設、通信、こういうものに分担をさして調達が行なわれておりますね。この点は認めますね。
#83
○国務大臣(増田甲子七君) そのとおりでございます。
#84
○加瀬完君 そうすると、これらのそれぞれの責任者が、関係のある営利企業に就職することは許されておりますか。
#85
○国務大臣(増田甲子七君) これは各種の制約がございまして、その制約に従いまして、われわれは承認したり承認しなかったりいたしておる次第でございまして、この精神は人事院のやっておる精神と同じ精神でやっておるつもりでございます。
#86
○加瀬完君 よくわかりました。
 それから、工場駐在員制度というのがございますね。調達実施本部から各軍需工場に派遣されている工場駐在員というものがおりますね。現在何名でしょう。
#87
○国務大臣(増田甲子七君) 加瀬さんにお答えいたします。
 現在駐在員は十一事務所一出所、合計二百三十名でございます。
#88
○加瀬完君 もっと多いんじゃないですか。航空関係が十三カ所で二百七十人、船舶が七カ所九十人、その他が百八十人という数じゃございませんか。――数はいいです。
 そこで、この駐在官と工場の関係は、契約当事者の甲と乙という関係になりますか。
#89
○説明員(国井真君) ただいまお尋ねの点は、ちょっと私いま誤解があるといけませんと思いますので――駐在官事務所の駐在官が契約に直接タッチをするかと、こういう意味でのお尋ねでございますか。
#90
○加瀬完君 契約当事者は、これは防衛庁なりあるいは調達実施本部ですね。しかし、それから出ている駐在官は、大ざっぱに言って、その契約をする会社関係と相対しますと、甲と乙という関係のワクの中を見てよろしいか。
#91
○説明員(国井真君) 駐在官は、これは調達実施本部長の指揮監督を受けるわけでございます。したがって、機構的には調達実施本部の出先機構というような形になるわけでございます。そこに駐在をする機構という形でございます。
#92
○加瀬完君 それはわかりますよ。だから甲と乙の関係の中に入れてもいいだろうということです。入りませんか、契約上。
#93
○説明員(国井真君) この点は契約上、まあ甲といいますのは、契約の当事者として調達実施本部長が契約の責任者になっておりますので、まあ甲自身ということはちょっと解釈上むずかしいかと思います。したがって、その甲の監督指揮を受ける者と、こういうことでございます。
#94
○加瀬完君 甲側の人だということに解釈してよろしいですね。
#95
○説明員(国井真君) 甲側に存在する者でございます。
#96
○加瀬完君 その甲側の人が乙側に就職することは、これはどういうことになりますか。よろしいですか。
#97
○説明員(国井真君) いまの点は人事局長のあれでございますから、お答えがあると思いますけれども、この点も先ほど長官がお答えいたしましたように、人事院の扱いに準じていろいろ判断をしておるわけでございますが……
#98
○加瀬完君 だから、それでどうなんだというのです。
#99
○説明員(麻生茂君) 先生おそらく御存じのことであると思うのでございますが、自衛隊法の第六十二条には人事院の百三条と似たような規定がございますが、そこでは「隊員は、その離職後二年間は、営利を目的とする会社その他の団体の地位で、離職前五年以内に従事していた職務と密接な関係のあるもので総理府令で定めるものについてはならない。」と、こう書いてあります。
#100
○加瀬完君 わかりました。それはわかっている。ですから、いま言った甲側の駐在官は乙の会社にそのまま就職することができるのか、できないのか。端的にそれだけお答えいただきたい。
#101
○説明員(麻生茂君) そこで、その問題でございますが、いま読みましたが、総理府令の中で営利企業体の地位を定めているわけでございます。そこでは、「営利企業体の役員又は役員に相当する地位」と規定しておるわけでございます。したがって、「役員又は役員に相当する地位」にならない場合は、この六十二条の二項は直接適用にはならない、こういうことになるわけであります。
#102
○加瀬完君 それは百三条と違いますよ。あとで伺います。
#103
○説明員(麻生茂君) 先ほど私は、人事院と同様なということで、全く同じとお答えしたわけでございません。
#104
○加瀬完君 同様でありません。はなはだ違っております。それはあとで伺います。
 昭和三十九年、四十年度における防衛庁との契約高の大きいものの順に会社名を上から十あげてください。
#105
○説明員(国井真君) 私ここに持ってまいりましたものは、実は四十年、四十一年ということで資料を持ってきておりますが、よろしゅうございますか。
#106
○加瀬完君 四十年度だけでもけっこうです。
#107
○説明員(国井真君) それでは、四十年度の契約高の大きい順に申し上げます。
 三菱重工業、これが……
#108
○加瀬完君 金額はいい。
#109
○説明員(国井真君) 三菱重工、それから石川島播磨重工、川崎航空機工業、三菱電機、新明和工業、川崎重工業、日本電気、富士重工業、三井造船、小松製作所、以上でございます。
#110
○加瀬完君 そうすると、いまおっしゃられた契約高の多い会社に、国家公務員法百三条に類する、あるいは自衛隊法六十二条の内容に該当すると思われるような人たちの就職はできませんね。
#111
○説明員(麻生茂君) 先ほどお答えいたしましたように、当該職務と離職前五年以内に従事した職務と密接な関係のあるもので防衛庁の登録会社になっており、その登録会社の役員またはこれに相当するものにはなれないわけでございます。
#112
○加瀬完君 これに相当するものというのは何ですか。
#113
○説明員(麻生茂君) 役員と実質的に同様な働きをしている者を申すわけでございます。したがって役員という名前にとらわれないで、実質的に判断するという意味で……。
#114
○加瀬完君 顧問は。
#115
○説明員(麻生茂君) 顧問という名称だけで判断してはいかぬと思うのでありまして、顧問の実質、その顧問という肩書きを持っている人間がどういう働きをしているか、その会社の意思決定に直接参加しているか、会社を代表するような役割りをやっておるか、そういう具体的な職務内容に照らして判断すべきだろうと思います。
#116
○加瀬完君 それでは具体的に、次の方たちはどうして承認されたか、ひとつ伺います。
 いまおっしゃられました三菱重工業、これは航空機、船舶の会社ですね。三十九年には契約高は百億九千万、四十年には二百三億八千万、ここには海上幕僚長の庵原貢さん、海幕の石渡博さん、海将であります。同じ海将の矢幡孝一さん、海将補の関戸好密さん、第五術科学校長の空将・鈴木順二郎さん、幹部学校長の空将・小島喜久さん、このほか一佐以上で十一名が就職しておりますね。一応申しましょう。石川島播磨重工業、これも三十九年には三十七億九千万、四十年には九十二億四千万、これも船舶、航空機エンジン及び同修理という会社ですね。ここには海上幕僚長の海将・中山定義さん、第三術科学校長の海将補・永瀬芳雄さん、それから技術本部第三研究所長の空将補・中村治光さん、それから東部方面総監部の陸将補・川合了さん、補給統制処の空将補・坂本善輝さん、将官だけでも六名が就職しておりますね。
 それから、日本アビオトロニクス、これは四十年の契約高は百八億、非常に大きくなりましたね。これはバッジというのですか、自動響戒管制組織の輸入品を扱っている会社、ここには技術開発官の空将・永盛義夫さんが行っておりますね。それから川崎航空機工業、ここも契約高は非常に大きい。陸幕から三名、海幕から三名――海幕監査課長も行っておりますね。それから三菱電気、ここは武器、電波機器、通信機器ですね、ここには顧問に自衛艦隊司令官の海将・三上作夫さんはじめ、幹部学校長の陸将・岸本重一さん、高射校の榎本健二郎さん、第四術科学校長、これは通信関係の学校ですね、その空将補・梅崎実さんというように、ここにも五名行っておりますね。日本電気になりますと、これは契約高は三十九年には十九億四千万、四十年は二十四億八千万、通信機器、電波機器を扱いますね、将官、一佐で十五名が就職しておりますね。航空幕僚も行っていますね。それから通信団長というのが二名、通信学校副校長が一名、通信課長が二名、通信関係の者が大ぜい行っているわけですね。それから富士重工業、ここも航空機の製造会社でありますのに、航空集団の司令部付の海将補が行っていますね。小松製作所、弾薬、車両納入会社、ここへ武器補給処の一佐及び陸幕付の陸将が行っておりますね。それから日本製鋼所、これはロケット発射機や艦艇搭載装備を提供する会社ですね、ここに呉総監付の海将補・清水鶴造さんが行っていますね。それからダイキン工業、これは弾薬の製造ですね、そして主取引先は防衛庁という説明まで会社要覧に書いてある。ここには武器補給処長が行っていますね。新明和工業には海幕付海将が二名、それから技術部の海将補が一名行っている。こういうように、幾らでもありますよ。東芝エレクトロニクスシステムというのがありますね、ここへも高射学校の陸将補、自衛艦隊の司令官、それから北部航空方面隊司令・空将・水町勝城さん、それから第一補給処の副処長といったように、関係のある者がほとんど就職をしている。もっと言いましょうか。関係のある会社はみんな調べましたよ。たとえば、いすず自動車、富士重工業、プリンス自動車、トヨタ自動車販売、トヨタ車体、日産自動車、東京カーテンオール工業、水田さんが会長。沖電気工業、ダイキン工業、大日工業、大日産業、松下通信工業、日本航空電子工業、芙蓉化学工業、川崎重工業、富士電興、東京芝浦電気、国際電気、住友電気工業、松下電器産業、神鋼電機、日立製作所、日本電子機器、住友ゴム、横浜ゴム、月星ゴム、伊藤忠、三井造船、日本鋼管、日本製鋼、東京航空計器、日本飛行機、日本航空機製造、全日本空輸、日本無線、大金製作所、佐世保重工、日立造船、佐世保造船所、舞鶴重工業、石川製作所、富士通信機、シェル石油、出光興産、藤倉電線、島津製作所、武蔵菱和、MSTS、住友精密工業、東京螺子製作所、大日日本電線、東洋通信機、日本発条、帝国車輌、アラビア石油、近畿車輌、日本船舶通信、日本兵器、七十二社ですね。これは全部、多いところでは六、七名、少ないところでも一名の退役の将官クラスがみな行っている。将官関係だけで調べましても、七十二社に対して百六十八名が就職している。で、しかも、これらの会社の契約高は、防衛庁の幹部が行って契約高が上がっているという事実が非常に多い。逆に言うなら、防衛庁との契約高が増加した前後に多くの制服が入社している。これでも関係がないといえますか。
#117
○説明員(麻生茂君) お答えいたします。
 先ほど、防衛庁の将校以上の退職者の就職先につきまして御質問があったわけでございますが、その大部分は顧問でございます。この顧問は、会社の意思決定に参加するような立場にある顧問ではないようでございまして、やはり役員またはこれに相当する地位であるというふうにわれわれは認定しておりません。ただ、いまお話に出ました中で、永盛空将は、これは日本アビオトロニクスの取締役でありますから、これは役員であります。それから水町空将も東芝エレクトロニクスの取締役でありますから、これは役員であります。これらにつきましては、その在職中、辞職前の五年間に従事した職務と、これらの企業との密接な関係というものをよく検討いたしました結果、差しつかえないということで承認をしておるわけです。
#118
○加瀬完君 それでは、私も、おたくのほうに防衛庁縁故者名簿というのがありますね、資料がないですから、これを全部調べましたよ。そこで、防衛庁と全然関係のない民間会社にいった者は何名ですか。それから関係のあるところにいった者は何名ですか。一佐以上でけっこうです。これには出ていないものがありますね、落ちているのが。しかし、これだけでもけっこう。
#119
○説明員(麻生茂君) 取引関係と申しましてもなかなかむずかしいので、われわれといたしまして、昭和三十七年から四十一年までの過去五年間に民間会社に就職した一佐以上の人数を調べてまいりましたので、その数を申し上げておきます。昭和三十七年から四十一年までの過去五年間に民間会社に就職いたしました一佐以上の人員は六百四十一人でございます。そのうち、防衛庁の登録会社に就職した者は二百九十五人、全体の約四六%でございます。それから非登録会社に就職した者は三百四十六人、約五四%となっております。
#120
○加瀬完君 登録会社でなくても調達庁の請け負いをする建設会社――これは登録会社になっていないでしょう……。
#121
○説明員(麻生茂君) いま申し上げましたこの登録会社は、帳簿に登録されております千四百四十一の登録会社について調べたわけでございます。しかし、これ以外に、調達庁には建設関係の五千六百二十八という登録会社がございますが、一佐以上で施設関係、建設関係に従事している者はきわめてわずかでございます。
#122
○加瀬完君 制服の一佐以上の退職者のうちで、不明及び自営者は――自分で商売をしている自営者は、陸が五十四、海が八、空が十一。なくなられた方は陸が三、海が二、空が三、以上と就職者を入れると、合計が九百三十六名になりませんか。六百四十一名とは違いませんか。
#123
○説明員(麻生茂君) 私の持っております資料によりますと、これは三十七年から四十一年までの五カ年でございますが、八百七十四人になります。退職者数でございますが、八百七十四人でございます。ちょっとつけ加えさせていただきますと、そのうち、民間会社にまいりましたのが六百四十一人、こういうことでございます。
#124
○加瀬完君 その二百九十五名が関係のある会社、三百四十六名が関係のない会社という御説明でございますけれども、数字は逆になりますね。これには関係のあるものが除かれております。調達庁関係の会社に入っている者が相当おりますよ、これが全部これから除かれておりますね。そうすると、少なくみても、四百五十名前後が関係のある会社に就職しております。関係のない会社には二百八十名前後、こういう数に、これから拾っていくとなりそうです。四六%と五四%というのは逆で、少なくみても五〇%は、一佐以上の退職者が防衛庁と関係のある会社に就職していると、大ざっぱには言えると思います。それが、あなたの説明によると、みんな顧問あるいは嘱託というものだから、六十二条には違反しないということですけれども、違反をしないように顧問という名前で入らせているにすぎないじゃないですか。実質的には、その顧問の中には、契約にもタッチしている者もありましょう。あるいは技術者もいるんですから、実際の会社の技術、経営にも中心になって働いている者もおりましょう。あなたのさっきの御説明だと、これらは全部役員に匹敵すべきものだ。これがみんなフリーパスで入っているんじゃないですか。
#125
○説明員(麻生茂君) 先ほど先生のあげられた中には、嘱託、顧問、あるいは参事というような者もあるのじゃないかと思います。社員の人もあるのじゃないかと思います。それから顧問として入っておりますのは、先ほど私から申し上げましたように、われわれ退職のときに、それぞれ行き先のことをしるさせてあるのでございますが、その中で、具体的にわれわれ検討した結果、会社の意思決定に参加するような地位の活動をしないということで、われわれは退職を承認しているわけでございます。
#126
○加瀬完君 常識で考えてもおかしいでしょう。会社の経営にタッチしない者を高給で何で会社が雇うのですか。会社の経営によりタッチをして、業績をあげ、利潤をあげるという前提があるから、退職者を会社に入れるのじゃないですか。そうでないとすると、一番最初に伺いましたように、あまり役に立たないだろうけれども、しばらくの間、捨て扶持をくれて置いてくれというので、お前のところとは百億の契約をするのだから、ここへ三人入れろ、四人入れろ、こういう契約で制服を入れているんですか、そうじゃないでしょう。
#127
○説明員(麻生茂君) いま御質問のありましたような事実はございません。
#128
○加瀬完君 事実がなければ、会社で働いてもらえるから入れるのでしょう。あるいは契約を回してもらいたいから制服を入れるのでしょう。それが会社の実際の仕事にはタッチしていないと、どうして言えますか。タッチしていない者に月給を払っているばかはいないでしょう。
#129
○説明員(麻生茂君) 私の申し上げましたのは、会社の仕事にはタッチしないというわけではありませんが、会社を代表するような意思決定には参加していない、こういうことでございます。顧問でありますから、会社と何らかの関係のあることは、それはもちろんでございます。しかし、会社の重要な意思決定をするというようなポストにいない、こういうことでございます。また、そういう運用もしていないということでございます。
#130
○加瀬完君 では、あなた方は――私はいろいろ材料もありますよ、この顧問の者は、契約のときに全然ノータッチだと言い切れますか。かつて制服であった者が三菱重工業、石川島播磨重工業、あるいは日本電気と入っていますね、こういう者がいろいろの契約の面で全然表に出てこないと、あなた方、言い切れますか。言い切れるなら、こちらにも材料がありますよ。
#131
○説明員(国井真君) ただいま御意見の点は、顧問等が直接契約当事者という、責任者という形で出てくるということはまずないわけでございます。ただ、会社の中でどういう役割りをいたしますか、その点は私どもつまびらかにしないわけでございます。
#132
○加瀬完君 契約当事者ではありませんよ。しかし、自衛隊のそれぞれのところへ入ってきていませんか。この人たちが入ってきていませんか。これは、たとえば何でもいいのですよ、日本アビオトロニクスのところになぜ技術開発官の永盛空将が行っているのですか、取締役で。あるいは三菱重工業に第五術科学校長の空将・鈴木順二郎さんがどうして行ったのです。それで、もとのところに全然関係がないということをあなた言い切れるか。
#133
○説明員(麻生茂君) 永盛氏……。
#134
○加瀬完君 個人的なことはいいです。
#135
○説明員(麻生茂君) これは、その防衛庁における在職期間中、技術開発官をやっておりました。したがいまして、技術の開発等につきましてのその資質というものを認められて、日本アビオトロニクスの技術関係の取締役につかれたものであるというふうに考えております。もちろん技術関係をやっているわけでありまするから、直接いわゆる営業として防衛庁に接触するというような関係にはございません。
#136
○加瀬完君 たとえばダイキン工業は、さきにも申しましたが、弾薬の製造ですよ。そして主取引先は防衛庁。ここに武器補給処長の陸将補・久保功さんという方が行っているわけです。弾薬製造の会社で主たる取引先は防衛庁。そこへ防衛庁の武器補給処長が行くということも、どう考えたって、これは防衛庁と無関係と言い切れますか。
#137
○説明員(麻生茂君) 久保元陸将補は顧問の形で入っておるわけであります。いわゆる役員として入っておるわけではございません。ただ陸上自衛隊につとめておりましたから、弾薬についてのいろいろな知識も持っておられるわけでありまして、その知識を大いに利用して、いい弾薬をつくるということであろうかと思います。
#138
○加瀬完君 武器補給処というのは武器をつくるところじゃないのです。武器を補給するところなんです。補給処の処長であった者が武器を製造する会社に顧問でも何でも入っている。そうすれば、これは当然かつてのコネであった武器補給処のほうとも関係があるのだから、これは契約高が大きくなるということが期待されるから、ダイキンでは武器補給処長であった久保陸将補を採用するということになる。それが顧問であろうが、嘱託であろうが、役割りははっきりしているのです。これは人事院に聞きますがね。こういう契約高の多い会社にいまのような関係で入っていることを妥当とお考えになりますか。
#139
○政府委員(島四男雄君) 国家公務員法第百三条と自衛隊法第六十二条の関係で申しますると、ともに法の精神にはかわりないと思います。ただ防衛庁には防衛庁の承認の基準といいますか、御方針があることと思いますので、私どもいまの関係を見て、直ちにどうこうという批判をする立場にはございません。
#140
○加瀬完君 六十二条と、あなたのほうの百三条とあまり守られておらないですけれども、自衛隊法の六十二条はなおさら守られておらないという御感想がありませんか。よく守られているお考えですか。最初の説明は、役員または役員に当たるような仕事をするところには就職をさせないというたてまえだ。じゃ、顧問は何だと言ったら、顧問はその就職させないたてまえのワクの中には入れてない。入れないという前提でみんな顧問ということで入れている。これは全部ほとんど顧問です、入れているのは。取締役というのは一、二名しかない。こういうことで人事管理がまかり通るというならば、六十二条は何のためにあるのですか。なくたって同じです。こういうことを見過ごしておりますから、自衛隊に兼業将校というような問題が出てくる。
 増田長官に伺いますが、これは、上は将官から下は兵隊まで職業補導所という感じですね、自衛隊は。そう私が言うのじゃない。そういう評判がもっぱらだ。何か免許をとったらやめちゃう、下のほうは。上のほうは黙って少しやって、顧問でまた入ろうということになって、上から下までこれは職業補導所だ、訓練所にすぎない。自衛隊には賛成じゃありませんけれども、いくら反対の私でも、これじゃ自衛力が増強されているとは、とても認められませんね。一佐と言えば昔は大佐です。それだけの権力のある立場の者が不動産部長見習い、おたくのほうも休暇の形で慣例ですよと、これでは、こういう慣例がまかり通っておっては、いかに武器を買い込んだところで、使う人間そのものがこういうことでは、どうにもならないと思いますがね。訓練所でないと言い切れますか、こういうやり方で一体、長官。
#141
○国務大臣(増田甲子七君) 加瀬さんにお答えいたします。
 お説は相当ごもっともな点が多々あると私は考えております。そこで、まず何といいますか、TBRという不動産会社と自衛隊とは全然関係がないわけでございまして、しかしながら、自衛隊員という身分をもってちょっと様子を見にいくということは、従来隊付になればやらしておるそうでございます。今度新しい会社に就職する、様子を見てこい、ところが本人はそれが少し出過ぎておりまして、人の名刺を削って、肩書きだけをとって、そこに自分の名前を入れたという、こういう事例が明瞭になりましたから、直ちにその日に首を切ったわけであります。厳粛に私は綱紀というものを粛正してまいりたいという所存でございます。
 それから第六十二条と、国家公務員法では第百三条でございまするが、第六十二条には、営利企業体の役員またはこれに相当する地位につけさしてはいけない。これはもう承認もできないわけであります、長官も。長官が承認できないものを承認した事例は全然ございません。このことをぜひ加瀬さんにおいても、各般の就職していらっしゃる事例を御存じでございましょうから、その点は敬意を表しまするが、顧問その他の立場でございまして、顧問その他の立場というものは企業体の意思決定、行動等を左右する立場ではないということでございます。
 それから、元自衛隊の幹部がそれぞれの関係軍需――昔のことばで申しまするが、関係軍需会社の顧問、嘱託等になりまして自衛隊に出入りするというような姿は、あまりおもしろくない姿でございまして、私はこれを禁止してまいるつもりでございます。
#142
○加瀬完君 私の調べによりますと、九百三十六名の退職者のうち八百五名が就職をして、その中の四百五十名前後が防衛庁と取引関係のある会社に就職しているという事実は、長官がよほどこれは本腰を入れて将来取り扱ってまいりませんと、この弊というものを除去するわけにはまいらないと思う。六十二条の解釈でございますがね、六十二条は「私企業からの隔離」ということで、こういうふうに述べておりますね。「隊員は、営利を目的とする会社その他の団体の役員若しくは顧問の地位その他これらに相当する地位につき、又は自ら営利企業を営んではならない。」、第二項に、「隊員は、その離職後二年間は、営利を目的とする会社その他の団体の地位で、離職前五年以内に従事していた職務と密接な関係のあるもので総理府令で定めるものについてはならない。」とありますね。で、「団体の役員若しくは顧問の地位その他これらに相当する地位」とあるわけですよ。ですから役員、顧問、これは初めからもう役員、顧問はつけてはならない地位ときめられているわけです。それにまた、これらに匹敵するような地位のアルファというものが加えられている。ところが、あなた方は、顧問というものは、これは百三条の解釈のほうだけれども、初めから除いている。除けられるはずのものじゃないでしょう。
#143
○国務大臣(増田甲子七君) これは官房長官の留守中でも、私お答えしてもいいんですが、加瀬さんのちょっとお読み違えじゃないですか。六十二条の第一項は、隊員が現職中に顧問の地位についてはいけない。隊員として営利企業の地位を兼ねちゃいけない。それから第二項がございまして、隊員はやめた後に二カ年間は離職前五年以内に従事していた職務と密接な関係のあるものについてはならない。こう定めてあります。今度は同じく六十二条でございますが、自衛隊法施行規則第六十二条の第一項がございまして、やめた後についてはいけないというその中には、「営利企業体の役員又は役員に相当する地位」ということでございまして、隊員自身が――現在一佐であるとか、あるいは二士であるとか、そういう者が、酒屋やたばこ屋をやっちゃいけない、また、その顧問をやっちゃいけない、こういうことでございまして、やめた後にはいいのじゃないか。
 それから先ほどのおことばをお返しするようですが、非常に自衛隊が健全に育成されておるということについて、御批判を下されてた点については、非常に私は加瀬さんの御意見には敬服いたしております。ただ、自衛隊が職業補導所でないということを、この際申し上げておきます。
#144
○加瀬完君 まあ、長官はそうお答えにならざるを得ないでしょう。この六十二条の一項は、おたくのような解釈でなくて、当然二項の適用の場合にも、「顧問の地位その他これらに相当する地位」というものには、離職前五年以内に従事した職務とそれが関係のある場合は、離職後二年の間はついてはいけないという解釈も成り立つという法的解釈をなさる方もいらっしゃる。瓜田に履を入れずということがありますが、一番規律を厳格にしなければならない自衛隊であります。やめたあとは何でもいいということでは、これは筋が通らない。しかも、先ほど申しましたように、就職する者のほとんどが何らか自衛隊に関係のある会社へ入るということは、これは私はどうも規律厳正だというわけにはまいらないと思う。しかし、現状においては国家公務員でも、それから自衛隊でも、平然とこういうことが行なわれている。これでは自衛隊の幹部も含めて、日本の高級官僚には定年制はないということです。永久就職です。下級公務員だけに定年制があるわけです。身分の保障もないわけです。一佐以上の者はどこにでも就職できる。あるいは局長、部長クラスになれば、公団、公庫に向く者はそっちへ行く。そこを転々として退職金はふんだんにもらえる。それでいくと少し風当たりの強い者は認定法人にもぐり込む。もっと気のきいた者は「相当期間」が六カ月であっても会社の社長や専務になる。これでは、どこに一体、人事管理の筋が立つわけですか。厳格に解釈すべきなのか、ゆるやかに解釈すべきなのか。また、これは人事院に伺います。厳格に解釈しなければならないというのが、大体先ほども申し上げましたけれども、人事院規則の公務員の私企業への隔離をチェックする歴史的な理由でしょう。くどいようですが、二十三年の改正では離職前二年を五年に延ばしたでしょう、役員の地位というものについては延ばした。いずれにしても、とにかく国家公務員というものが私企業に無制限に入るということを禁じているわけですね。その趣旨が一つも生かされておらないじゃないですか。で、これは行管長官の担当ではないかもしれませんか、上村さん、あなたが――公社公団なんかのワクの中に、どんなに整理をしようと思っても、ずるずる、ずるずるこういうふうに、なわ目が解けたように高級官僚の天下りを当然と考える独善的な行動が行なわれておっては、しめしのつけようがないでしょう、そうは思いませんか。公団は取り締まりました、二つ減らしたらこっちへ三つできたという形で、これはどうなりますか。高級官僚の姿勢というものを正すには、人事院だってこんな腰抜けなやり方ではどうにもなりませんよ。法の精神をまるで曲げている。これは国務大臣もお二人いらっしゃるから、あとで官房長官に伺いますが、どうです、いま私があげたようなのが官僚の実態、これを野放しにしておいて行政改革なんてできますか、できるとお思いですか、どうでしょう。
#145
○国務大臣(松平勇雄君) 先ほど申し上げましたように、行政管理庁としては、組織あるいは運営の面をおもに担当いたしておりまして、人事のほうは人事院なり、総理府なりで監督しておるわけでございます。まあ行政機構改革に対しまして、人事の問題も一応関係がないことはないわけでございまして、私どもといたしましては、公務員法の百三条の解釈にいたしましても、自衛隊法の六十二条の解釈にいたしましても、加瀬委員のおっしゃったように、やはり法の精神というものは、どっちかというと、まあきつく規制するほうに重点をおかれておるのでございまするから、やはりそういった点に重点をおいて今後やはり人事を行なっていただいたほうがいいというふうに考えております。
#146
○加瀬完君 人事院に伺いますが、どうですか、私企業からの隔離というものは、二十三年の改正の精神に返って、ほかの官庁がいろいろ文句を言ったところで、もっとき然とした法の精神のとおりおやりになるという御意思はありませんか。
#147
○政府委員(島四男雄君) ただいま先生のおことばは、私ども人事院がいかにも法の精神を曲げているというような御意見のように承りますが、私どもは決して法の精神を曲げて運用していないという確信を持ってやっております。
#148
○加瀬完君 曲げているとはいいませんよ。ゆるめているといいますよ、的確に、法の精神のとおり運用していないということは言い切れる。なぜならば、先ほどから申しますように、二十三年の改正というものは、うんとワクをきびしくしたのですよ。しかし、うんとワクをきびしくしたような方向はとっておらないでしょう。しかも、これはあなた方のやっていることのいい悪いは――まあ悪いと思ってやっている方はないでしょうから、そこまでは問いません。しかし、いま私が述べたようなことが平然と行なわれておりますことを好ましい方向とお考えになりますか。自衛隊のこの実態、あるいは国家公務員のこの実態、これを好ましい方向とお考えになりますか。
#149
○政府委員(島四男雄君) 自衛隊に関しては一応さておきまして、私ども所管しております関係だけについて申し上げますると、確かに最近の世論の動向といいますか、天下りに関するいろいろの御批判のあることは事実でございます。私どもも、そういう善意のある御批判に対しては、十分謙虚に耳を傾けながら、今後も反省を深めまして、御趣旨のとおりにやっていきたい、このように考えております。
#150
○加瀬完君 天下りということばは、これは当てはまらない。悪いことばでいえば夜ばい人事だ、これは。野合ですよ。こそこそ、こそこそうまいことをやって、ずるずるずるとすべり込んじゃう、あとは口をぬぐって知らぬふりをするということが歴然です。こういうものをチェックできなければ、人事院としては人事管理が行なわれているというわけにはまいりませんよ。で、また行管の長官に聞いて悪いですけれども、あなた、行管は、これはワク内とかワク外とか、人事は私の担当でないとおっしゃっているが、そういうことを聞いているんじゃないですよ。国務大臣として、私がいま述べたようなことが当然のごとく行なわれている状態を見過ごして、行政改革ができますかということを伺っているのです。どうですか。国務大臣としてひとつお答えいただきたい。
#151
○国務大臣(松平勇雄君) いまだんだん伺っておりますと、防衛庁にいたしましても、それから人事院にいたしましても、承認のできないものは承認しないというような御答弁があったように、やはり法に従ってやっておられるわけでございまして、その点に関しまして私どもは適法と認めておるわけでございます。先ほども申しましたように、こういった法の趣旨というものは、なるべくルーズにならないような解釈をとるのが適当と思うのでございまして、したがって、解釈の面におきましても厳格にされるほうが、私は望ましいんではないかというふうに考えておるわけでございます。
#152
○加瀬完君 最初にいったことと、あとにいったこと、私よく聞き取れませんでわかりませんね。法に従ってといったって、このやり方は役人と役人の、法に明るい者が談合してやっていることだ。これはぴったり刑事事犯だというようなことは出てきませんよ。しかし考えてもごらんなさい。制服将校がやめました、かつての自分のいっておったような軍需工場までぞろぞろともぐり込む。一つの電機会社へ十五人も行っている。このていたらくが一体正しい退職後の就職と認められますか。次官をやめました、半年たちました、相当期間たちましたから、顧問でございましたけれども今度は専務になりました。こんなばかなことをやっておって、営々として働いている下級官僚が定年だ定年だといって攻められる。こういうことでは士気の高揚も、行政能率も上がるはずはないでしょう。あなたを幾ら責めたところで、同じ返事でしょうからやめますけれども、防術庁長官、あなたに最後に伺いますが、こういう自衛隊の状態ですね、自衛隊であろうとも、もちろん退職してゆうゆうと生活できないような給与というものにも根本の問題はあります。これでは退職後の目的を持って自衛隊に入っているきらいがないわけでもない。しかも、自分の関係しておったところへみんな入っているんですよ。これをさらに育成強化しようとは、まさかお考えにならないでしょうね。その点だけ伺います。相当ブレーキをかけていただけますか、こういうやり方には。
#153
○国務大臣(増田甲子七君) まず、あなたの先ほどの御発言の一佐以上は非常にうまいところへいっているけれども、二佐かあるいは尉官、あるいは曹、士の方は困っておるということでございますが、曹や士に対しては、特に退職後の就職ということについて、それぞれの所管において配慮せしめております。また俗なことばで言うと、非常に売れ口はいいのでございまして、つまり規律のある生活を営んだという人は、初めてその企業体にいっても誠の心を持って尽くすことができるというわけで、士や曹が困っておるような御発言には、実は非常に売れ口がよいということで御回答申し上げておきます。
 それから、だんだんのお説も私は敬服に値する点が多々あると思っております。なるべくならば、たとえ顧問であっても、そういうところへ入らせたくない。それにつきましも、いま非常に御配慮のあるおことばがございましたが、恩給というものは退職後の生活を保障するものであるということをわれわれは行政法で習いましたけれども、いまの恩給は退職後の生活を保障するようになっておりません。したがいまして、各般の就職をすることは、これはやむを得ませんが、でき得るならば防衛関係以外のものに就職するようにという方針で臨んでまいるつもりでございます。
#154
○加瀬完君 それは、さっき悪口を言いましたが、自衛隊の下級隊員は就職のつもりで入っているものが多いから、就職口は多いでしょう。私が問題にしたのは国家公務員です。下級公務員というものは、定年制というものがあって――制度はないけれども、事実定年がある。生活が困ろうがどうだろうが、塗炭の苦しみになろうが、それで打ち切りでしょう。ところが、上級公務員はこういうように公然と定年制のないような生活をしている。こういうものを、しかも、それを助長しているのが人事院のいまのやり方です。こういうことを一体許しておっていいか。こういうことを許しているような態勢の中で行政改革なんていったって、できるはずはないじゃないかということを指摘いたしたわけでございます。官房長官が参りませんので、時間もだいぶたちましたので、私の質疑は一応これで打ち切ります。
#155
○委員長(鍋島直紹君) 官房長官はいま記者会見中でございまして、もうちょっと時間がかかるかと思いますので、この問題については、また別の機会にお願いすることにいたします。
 他に御発言もなければ、公正取引委員会委員長に山田精一君を、同委員に有賀美智子君を任命するにつき、同意を与えることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#156
○委員長(鍋島直紹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時七分散会
ソース: 国立国会図書館
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