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1967/07/29 第56回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第056回国会 本会議 第3号
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1967/07/29 第56回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第056回国会 本会議 第3号

#1
第056回国会 本会議 第3号
昭和四十二年七月二十九日(土曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第三号
  昭和四十二年七月二十九日
   午後二時開議
 一 国務大臣の演説に対する質疑
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 国務大臣の演説に対する質疑
   午後二時六分開議
#2
○議長(石井光次郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 国務大臣の演説に対する質疑
#3
○議長(石井光次郎君) これより国務大臣の演説に対する質疑に入ります。山花秀雄君。
  〔山花秀雄君登壇〕
#4
○山花秀雄君 私は、日本社会党を代表して、第五十六国会における佐藤内閣総理大臣の所信表明演説に対する質問を行ない、佐藤総理の率直なる答弁を求めるものであります。(拍手)
 質問の第一は、佐藤内閣の外交政策についてであります。
 まず、第一回日ソ外相定期協議が去る七月二十一日から開かれたのでありますが、そこで最大の成果は、北方領土を含む日ソ平和条約の締結についての交渉ルートができたことであります。北方領土問題は、日本国民の長い間の懸案であり、特に択捉、国後がわが国固有の領土であることからして、日ソ平和条約の交渉を促進するよう、全国民を代表して総理に要請しておきたいのであります。
 しかし、ひるがえって考えてみまするに、佐藤総理は、今秋の訪米にあたって、日本民族の悲願である沖繩の返還についてどのような構想をもって臨むつもりか、この点についてまず総理の所信を承りたい。
 言うまでもなく、現在の沖繩は、アメリカ国のベトナム国侵略戦争の前線基地として、南爆や北爆に日夜爆撃機が飛び立ち、また、基地拡張のために土地の新規接収が強行され、沖繩住民は不満と不安の日々を送っているのであります。(拍手)アメリカ国が沖繩を支配する法的根拠は平和条約第三条にあるとされているのでありますが、今日では、平和条約第三条は、国連憲章第七十八条に違反し、かつ、日本国憲法にも違反しているのであります。まして、アメリカ国で沖繩を軍事基地として使用する法的根拠はどこにも見出すことができない、全く不当という二字に尽きるのであります。(拍手)国連では、昨年の第二十一回総会においても植民地独立付与宣言の履行に関する決議を採択し、特に住民の解放を阻害するような軍事基地の使用を差し控えるべきであることを承認したのであります。先般の琉球新報社の世論調査によりますと、沖繩の祖国復帰を希望する者が七六・七%、このうち、即時全面復帰が四三・八%の多きに達しているのであります。さらに、七五%の住民が米軍基地の存在に不安を感じているのであります。私は、佐藤総理が、このような沖繩住民の意向について真摯に受け取るべきだと考えるのでありますが、総理の感想を、真心のこもった感想を、この議会を通して沖繩の同胞に明らかにされたいのであります。(拍手)
 さらにまた、先般下田駐米大使が沖繩の核つき返還に言及したのであります。佐藤内閣は表面上これを否定しておるのでありますが、先ほどの琉球新報社の調査によれば、核つき返還に賛成するのは、わずか一一%にすぎないのであります。佐藤総理は、よもや、沖繩住民の圧倒的多数が反対する核つき返還を考えているなどとは、私は推量したくありませんが、秋のアメリカ国訪問における沖繩返還の具体的構想を、この際明確に国民の前に知らしてもらいたいのであります。(拍手)
 外交政策の第二の点は、佐藤首相の南ベトナム国への訪問のことであります。
 この問題につきましては、特別国会におきましても、わが党の同僚からも鋭く総理の真意を追及したのでありますが、総理は、頑迷固陋の立場をとり続けたのであります。すなわち、六月二十三日の本会議場においては、わが党勝間田副委員長の質問に対して、「南ベトナム国に行っても、日本の中立的立場はそこなわない。むしろ和平の道を探ることがアジアの繁栄と安定のためであり、私はそれに寄与したい。」と答えたのであります。また、七月六日にも、わが党の堂森議員の質問に対して、「ベトナム国に平和を招来することは、国民全体の願いであり、世界人類の願いでもある。そのために、アジアにある国の首相として積極的に実情を把握したい。」と答えておられるのであります。
 私は、総理のこの答弁の中に、大きな矛盾を発見するものであります。すなわち、昨年の通常国会において、同じ佐藤内閣の外務大臣である椎名君は、「ベトナム国での米国の行動は、極東の安全維持のためであり、日本は、そのために施設、区域を供与する義務がある」と答弁し、したがって、ベトナム国戦争で、日本は純然たる中立の立場にないということを、再三にわたって述べておるのであります。佐藤総理は、この椎名前外務大臣の答弁を佐藤内閣の態度であると認めていたはずでありますが、三木外相の共存外交に共鳴されて、中立の立場をとるよう、方針を変更されたかどうか、この際、はっきり総理の所見を承りたいのであります。(拍手)
 また、六月二十三日、大内兵衛、茅誠司、湯川秀樹氏らの日本の良識を代表すると思われる各氏が、佐藤総理の南ベトナム国訪問を取りやめるよう、政府に申し込まれ、アピールを発表したのであります。その理由として、佐藤総理の南ベトナム国訪問は、総理の主観的意図にかかわらず、日本が南ベトナム派兵国の立場に同調したものと国際的に受け取られる、また和平の道を積極的に探るといっても、戦争当事国の一方だけを訪問することは、公正な調停者としての資格をみずから放棄するにひとしいという二点であると思うのであります。(拍手)わが党はこのアピールに全く心から賛意を表するものでありますが、佐藤総理はこれを国民の声として聞く耳を持つかいなや、明らかにされたいのであります。(拍手)
 加うるに、三木外相は、七月二十四日、ソ連アカデミーにおける講演において、「ベトナム和平のためならどこへでも行く、どんな努力でもする、ハノイとは国交がないので、行こうとしても行けないが、招待してくれれば行きたい、喜んで行くつもりだ」と言っておるのであります。私はベトナム戦争の真の平和を欲する立場をここに見出すものでありますが、これは佐藤内閣の外相の発言ですから、おそらく総理も同じ心境であろうと推察するものであります。したがいまして、佐藤総理がベトナム戦争の和平のために真にハノイを訪問する意向があるならば、幸いわが党の佐々木委員長を中心とする代表団が北ベトナム国を訪問いたしますので、その際総理の招聘を要請することもやぶさかではありませんが、佐藤総理も三木外相と同じ考えを持っていられるやいなや、その決意を承りたいのであります。(拍手)
 外交政策の最後に、佐藤内閣の最近の経済外交について質問したいのであります。
 先般、第二回東南アジア開発閣僚会議並びにアジア太平洋閣僚会議が開かれまして、佐藤内閣の経済外交ははなばなしく展開されておるのであります。しかしながら、私はそのはなばなしさの陰に一まつの不安を感ぜざるを得ないのであります。それは先般の佐藤総理の韓国訪問に端的にあらわれています。すなわち、総理は、今回の韓国訪問については、終始大統領就任式に出席する儀礼的な訪問だと強調されたのでありますが、佐藤・朴会談においては韓国の第二次経済五ヵ年計画の目標を短縮するために、総理は全面的な協力を惜しまないことを約束したのであります。私は、同様のことが佐藤総理の東南アジア諸国訪問において行なわれるのではないかということをおそれるものであります。
 今年度における経済協力資金は、輸銀資金三千億円及び経済協力資金二百九十億円が計上されているのでありますが、その使途は、さきの韓国の場合に見られますように、全く無計画、無原則的に行なわれているのであります。しかもこれらの資金は、国民のとうとい税金であり、かつ預金でありますが、佐藤内閣は、国内においては、生産者米価を低く押えたり、健康保険料率の引き上げをはかっておりながら、経済援助についてはきわめて寛容で、おおばんぶるまいを行なっておるのであります。
 その典型的な例は、インドネシアに対する最近の新規援助であります。すなわち、破綻寸前のインドネシア経済を維持するために、佐藤内閣は六千万ドルの借款を決定したのにもかかわらず、その交換公文については、国会の承認さえ求めていないのであります。これは明らかに憲法第七十三条に違反するのでありまして、国会軽視の最たるものと断ぜざるを得ないのであります。(拍手)しかも、こうした経済援助のすべてが、反共政権を維持するためのものであり、その意味では、政治借款という非難を浴びても否定できないのであります。佐藤総理の明快なる答弁を望むものであります。
 次にお尋ねしたいことは、佐藤内閣の政治姿勢についてであります。
 さきの特別国会は、いわゆる政治の黒い霧を一掃するため、解散、総選挙のあとを受けて、政界の浄化を最大の課題とした、かつまた、政治汚職の根源となるべき政治資金の問題について、きれいな政治ができますように法的措置を講じて国民にこたえなければならない国会であったことは、言うまでもありません。このため、特別国会の開会に先立ち、特に党首会談が持たれ、わが党の佐々木委員長と佐藤総理との会談の席上で、佐藤総理は、「政治資金規正法と公職選挙法の一部改正はどの法案よりも優先して実現する」と述べたのであります。不肖私もこの会談に立ち会っておりましたから、はなはだ意を強うしたのであります。
 そして三月十四日、本院本会議場における施政方針演説においても、佐藤総理は、「私は、政治に携わる者が、全国民の代表者たるにふさわしい道義感のもとに行動することを期待するとともに、議会制度の根幹をなす選挙制度を改善し、さらに政党の体質改善を促進してその倫理性を高め、もって国民の信頼にこたえる清潔な政治の実現につとめる決心であります。」といみじくも演説をされたのであります。また、五月四日、参議院予算委員会では、あなたは、「政界の浄化、政治資金規正の問題は、国民の政治に対する至上命令だと考えております。」と述べられたのであります。「私自身総理であり、同時に総裁でありますから、万難を克服して、これを国会で御審議していただきたく、そうして審議だけでなくて、必ず成立を期待する、こういう決意であります。」と言明されました。さらにまた、六月八日の本院本会議場において、政治資金規正法提案問題に対するわが党島上議員の質問に対し、あなたは、「審議会の答申を十分尊重し、いやしくも大骨どころか小骨一本も抜くようなことはございません」とはっきり答弁をされたのであります。(拍手)六月二十二日、政治資金規正法及び公職選挙法の一部改正法案の本院本会議提案に際しての質疑でも、あなたは、「私は、ぜひ各位の御審議によりまして、御協力のもとに本法案を成立さしていただきたく、この上にも努力いたします。」と言明されたのであります。
 このように、一国の総理が繰り返し繰り返し公約された政治資金規正法がついに成立しなかったということは、まことに重大なことであり、佐藤総理の終生ぬぐうことのできない大きな政治責任であるといわなくてはなりません。(拍手)しかし、佐藤総理は、この公約を実現するために、はたしてどんな努力を払ったのでありますか。
 選挙制度審議会の答申が出されて以来、自民党がいかに法の精神を曲げるために狂奔したかは、国民周知の事実であります。このため国会への法案提出が引き延ばされ、あなたが小骨一本抜くようなことはいたしません、法案が提出されてから御批判くださいと大みえを切ったのにもかかわらず、大骨、小骨はむろんのこと、群がる野犬に骨の髄まで食い荒らされて、路上に横たわる残骸のようなあまりにもむざんな形で、国会のしかも終末近くになってようやく提案された、このような自民党の動きに、佐藤総理は何を努力されたのですか。あなたは自民党の総裁である、にもかかわらず、全く傍観的な立場をとり、党内のこの動きを容認するがごとき姿勢を示し、形式的に答申尊重、国会成立等々を宣伝するのみで、何らの積極的、具体的対策をやらないのであります。そして便々としてその日その日を過ごされてきたあなたのこうした政治姿勢こそ、国民の名において糾弾されるべきであります。(拍手)
 また、国会提案後も、自民党は委員会審議に従来の慣例を破り、八人の与党委員の質問者を立て、政府提案の法案に対して、与党である自民党が異例の審議引き延ばしをはかったことも明々白々であります。(拍手)これに対してわが社会党は、自民党の質問者残余の分も全部受け入れ、国会会期の大幅延長も認め、政治資金規正法の成立をはかって、国民の期待にこたえるため、あらゆる努力を払って審議に協力したのであります。
 しかるに、政府・自民党は、防衛二法案には審議打ち切り、強行採決の策動を演じてみたりして、議長にたしなめられて、その面目を失墜したことはあなたも十分御存じのとおりであります。(拍手)事、政治資金規正法となるや、これを成立させる熱意は全くなく、逆に妨害するために狂奔していたのがあなたの政党であります。総理も、野党側の出席要求を全く無視して、公職選挙法特別委員会にただの一回も出席しないという不熱心さを示したのであります。(拍手)
 このように、佐藤総理が公約を破り、みずから強調した政治道義確立の課題を踏みにじった責任は、重大といわなくてはなりません。佐藤総理がいかに鉄面皮であるかということは、七月二十七日選挙制度審議会総会に出席して、まことに遺憾でありますの連発の低姿勢の、もみ手戦術に出たことが伝えられておりますが、わが党として、この際断じて許すことのできない発言を当時政府は行なっておるのであります。この際これを明らかにしたいと思います。
 讀賣新聞の報ずるところによりますと、審議会島田委員の総理に対する質問に、総理の答弁は、「少なくとも継続審議にするように指示していた。しかし、衆議院公職選挙法特別委員会で、社会党の質疑打ち切りの動議などあって混乱した。そうでなければ結果は違っていたと思われる」と述べたのであります。盗人たけだけしいとはこのことであります。(拍手)社会党は申すまでもなく、民社党、公明党、共産党、一体どの党が審議打ち切りの動議を出したのですか。私は、この法案審議をめぐっての、全野党の名誉のために事実問題を明らかにしたいと思います。総理大臣、はっきりわれわれの納得のいく答弁を強く要求するものであります。(拍手)
 総理は初め、審議会の答申を尊重して、絶対に立法化することを明言されました。法案提出の際も小骨一本抜きませんと大みえを切りました。また審議の途中、継続審議にはすると言われました。しかるに委員会開会予定日に小沢委員長は所在をくらまし、雲隠れして、ついに審議未了、廃案となったのであります。すべての国民がきれいな政治を希望し、その出発点の選挙は、明るく正しく行なわれる第一歩として、政治資金規正法の成立を心より期待していたのであります。この国民各位の要望にこたえる道は、政府は責任をもって本国会に法案を提出することであります。公約を実行するために努力することは、政権の座にあろうが野党の立場であろうが、政治家として欠くことのできない任務であります。(拍手)
 政府の最高責任者であり、与党自民党の最高責任者である佐藤榮作君の、責任ある政治家として、全国民の前にこの本会議場を通して政治資金規正法の取り扱いに関する申し開きを強く要求し、再質問を留保して、私の質問を終わるものであります。(拍手)
  〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕
#5
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。
 沖繩問題についてのお尋ねでございますが、琉球新報の調査をまつまでもなく、沖繩百万の同胞、これは祖国復帰を心から願っております。また、沖繩同胞ばかりでなく、日本国民の念願でもあります。しかし、この事柄は、同時に、ただいま沖繩が極東の安全保障において果たしておる役割り、これも私どもは無視はできないのでございます。(発言する者あり)いままで絶えず同じことを言うておると言われますが、そのとおりでありますから、これは別に変えるわけにはまいりません。(拍手)私は、今秋アメリカに参ります際に、日米間の最も重大な問題でございます沖繩復帰の問題について話し合うことは、これは当然であります。もちろんであります。この機会にその具体的構想を発表しろ、こういうお話でありますが、私は、外交上の問題を、この機会に、現在の段階で発表することは適当でない、かように考えますから、その点はお許しを得たいと思います。(拍手)
 第二、南ベトナム行きの問題でございます。これをやめろというお話でございますが、ただいままでのところ、皆さん方からも、また七人委員会からもいろいろのお話を聞いておりますが、私の旅行を変更するような気持ちにはまだなっておりません。そこで、諸君が言われますように、南ベトナムへ行けば、日本の中立的な、いわゆる軍事協力をしない立場、これが維持できない、かように言われますけれども、私は、在来のわが国の方針、これを変更する考えはございません。私のいわゆる中立的立場ということについていろいろ御心配をしていらっしゃるようでございますが、いままでも、軍事的協力はしないという、これはもうはっきりしたわが国の独自の態度でございます。(拍手)この態度を続けてまいるのでございます。しかし、ただいま南ベトナムにおけるこの紛争、この状態は、私どもも多大の関心を持っておるのであります。社会党の諸君ももちろんさようだと思います。さように考えますと、実情を十分把握し、選挙が行なわれた後におけるその責任者と話し合うこと、そうして和平への端緒を見つけること、これは私どもに課せられた当然の責務だ、かように私は思うのであります。(拍手)こういう場所をよけて通るというようなことは、私はしないつもりでございます。
 また、七人委員会の諸君が、フリーハンドを失う、かようなことを言われますが、私どもは独自の考え方を持っておるのでありまして、いわゆるフリーハンドというようなものをとやかく言う筋のものではないように思うのです。わが国の外交は独自であることが皆さんからの要求でもある、私はかように理解しておりますので、この七人委員会の諸君の進言には、十分伺いましたが、賛成はできないのでございます。次に、三木外務大臣が七月二十四日ソ連のアカデミーで発言したといわれております事柄について、私も同一の考えであるかというお尋ねであります。私は心から平和を熱願しております。ぜひともベトナムにそういう事態が招来するように、したがいまして、ベトナムの和平に真に役立つなら、積極的にそういうような役割りが果たせるなら、私は北に行くことも別にやぶさかではございません。(拍手)したがいまして、たぶん、外務大臣の発言も、私のただいま申すような気持ちではないか、真に和平に役立つ、積極的に和平の道がある、かような場合には出かけることにやぶさかでない、かような考え方だと思います。
 次に、経済外交についてお話をいたします。
 お尋ねがありました韓国やインドネシアについてでございますが、韓国との経済協力に関する協定は、国会の承認を得た案件でございます。第二次開発計画であろうが、これは私どもがこの協定に基づいてそして協力をするということにやぶさかでないのであります。
 また、インドネシアの問題は、私が申し上げるまでもなく、御承知のように、ただいま政策的に行き詰まっておる、経済の安定に資するために、私ども先進国がこれに協力をしようというのでありまして、お尋ねのように、いわゆる反共政府を維持するために特別な政治借款をするような考えではございません。しばしば申し上げますように、開発途上にある国々、それに対し、ことに東南アジアの開発途上の国々に対して、先進工業国である日本が積極的にその役割りを果たすという、これは国際的な日本の役割りだ、私はかように考えておりますので、十分御了承いただきたいと思います。(拍手)
 次に、私の政治姿勢について、批判を交え、ときに叱咤されたのでございますが、私が所信表明でもことばを尽くして申し上げましたように、政治資金規正についての考え方は、今日この段階におきましても、まだ初心に変わりはございません。したがいまして、私は、諸君の協力を得るために法案を作成し、国会に提出いたしたのでございます。しかしながら、ついに審議未了に終わりましたことは、まことに遺憾でございます。私は、国民各位が政界の浄化を願い、また民主政治を守るという意味におきまして、りっぱな政党の活動の基盤をつくるその政治資金規正については、多大の関心を持たれたと思いますので、この機会に、この法案が審議未了になったことを、国民に対しましてもつつしんで遺憾の意を表したいと思います。
 そこで、総理は何をしたかというお話でございますが、私はこれについて一々申し上げません。(発言する者多し)しかし、おそらく、私が総裁として、また総理として、これらの事柄について非常な熱意を持ったことは、心ある国民はすべて了承してくれると私はかたく信じております。
 また、十九日の国会混乱の事柄につきまして、その実情を説明しろということでございますが、私は十分当時の速記なども見まして、そうして結論を去る選挙制度審議会の総会において発表いたしたのでございます。これより以上は私は申し上げません。
  〔発言する者多し〕
#6
○議長(石井光次郎君) 静粛に願います。
#7
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) (続)最後に、皆さん方から、この国会に提案すべきだ、かような御批判がございますが、私は、この国会はたいへん短いのでありますので、過去の審議の経過にも顧みまして、この国会に提案することは適当でない、かように考えたのであります。近い機会に提案をいたしまして成立をはかる考えでございます。(拍手)
#8
○議長(石井光次郎君) 山花秀雄君から再質疑の申し出がありますから、これを許します。山花秀雄君。
  〔山花秀雄君登壇〕
#9
○山花秀雄君 ただいま総理大臣の答弁を伺っておりますと、全く国会を軽視した答弁であります。私は二つ三つについて再質問をいたしたいと思います。
 まず第一に、二十七日の選挙制度審議会における政府の答弁は、社会党が質疑打ち切りをやったから混乱してこういう結果になったのだ。こういうことを言っておりますが、先ほど申し上げましたように、社会党も民社党も公明党も、あるいは共産党も、全部が質疑打ち切りなんかやっておりません。質疑の協力をやっておるのであります。私はこの点だけは国民の前に本国会においてはっきりしていきたいと思うのであります。御答弁願いたいと思います。
 もう一つは、公職選挙法の委員会において、社会党と民社党と公明党が三党そろって委員長に継続審議の申し入れをやったのであります。総理大臣も、なるべく継続審議にしてもらいたいというふうなことを言っておりました。当然、委員長がこれを受けて、総理大臣の意を体すべきであります。ところが、委員長がこの継続審議の申し入れを抹殺したということは、党員として、総裁に対して申しわけない行為と思いますけれども、しかし、総理大臣は、その党員の党紀違反に関するような問題に対してどう処置をされるか、これをひとつ答弁願いたい。
 それから、この問題は国民が耳をそばだてて聞きたいところであります。それは国会を通して国民に訴えなくてはなりません。総理大臣がこの問題に関して成立の熱意があれば、事詳細に国会に報告すべきであります。(拍手)それを、こまかいことは報告できぬというのは、本国会を侮辱した言動であります。(拍手)これに対して総理の明快なる答弁を願うものであります。(拍手)
  〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕
#10
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。
 先ほどの点は、この二十七日に私が審議会で申しました点は、速記をごらんになればよくわかると思いますが、当時の委員会が混乱した、混乱の原因は一体どこにあるか、それを十分速記を調べたのでございます。そこで、私がその結果に基づいて審議会で発言したのでございます。この点では、さらにもう一度当時の速記録を十分お調べ願いたいと思います。(拍手)
 第二の問題といたしまして、継続審議を三党で委員長にいろいろ話をした、申し込んだ、しかし、総理も継続審議賛成であったではないか、こういうお話でございますが、ただいまの委員会が、混乱した後のことだろうと思いますので、さような事実は私は存じ上げません。
 また第三の問題、これは最も重要な点でございますので、ただいまお話がありましたように、この政治資金規正に関する審議の経過については、これを詳細に報告しろ、こういうお話、これは私もさように思います。しかし、先ほど来その要点要点は私がお答えしたとおりでございます。これで御了承願います。(拍手)
     ――――◇―――――
#11
○竹内黎一君 国務大臣の演説に対する残余の質疑は延期し、来たる三十一日午後二時より本会議を開きこれを継続することとし、本日はこれにて散会せられんことを望みます。
#12
○議長(石井光次郎君) 竹内黎一君の動議に御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○議長(石井光次郎君) 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決しました。
 本日は、これにて散会いたします。午後二時四十九分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        内閣総理大 臣 佐藤 榮作君
        法 務 大 臣 田中伊三次君
        大 蔵 大 臣 水田三喜男君
        文 部 大 臣 剱木 亨弘君
        厚 生 大 臣 坊  秀男君
        農 林 大 臣 倉石 忠雄君
        通商産業大 臣 菅野和太郎君
        運 輸 大 臣 大橋 武夫君
        郵 政 大 臣 小林 武治君
        労 働 大 臣 早川  崇君
        建 設 大 臣 西村 英一君
        自 治 大 臣 藤枝 泉介君
        国 務 大 臣 木村 俊夫君
        国 務 大 臣 塚原 俊郎君
        国 務 大 臣 二階堂 進君
        国 務 大 臣 増田甲子七君
        国 務 大 臣 松平 勇雄君
        国 務 大 臣 宮澤 喜一君
 出席政府委員
        内閣法制局長官 高辻 正巳君
        内閣法制局第一
        部長      真田 秀夫君
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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