くにさくロゴ
1967/08/03 第56回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第056回国会 本会議 第5号
姉妹サイト
 
1967/08/03 第56回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第056回国会 本会議 第5号

#1
第056回国会 本会議 第5号
昭和四十二年八月三日(木曜日)
    ―――――――――――――
  昭和四十二年八月三日
   午後二時 本会議
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 本日の議事における発言時間は趣旨弁明につい
  ては十五分質疑答弁討論その他については十
  分とするの動議(佐々木秀世君外二十二名提
  出)
 社会労働委員長川野芳滿君解任決議案(山花秀
  雄君外十一名提出)
   午後八時四十五分開議
#2
○議長(石井光次郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 本日の議事における発言時間は趣旨弁明については十五分質疑答弁討論その他については十分とするの動議(佐々木秀世君外二十二名提出)
#3
○議長(石井光次郎君) 佐々木秀世君外二十二名から、本日の議事における発言時間は趣旨弁明については十五分質疑答弁討論その他については十分とするの動議が提出されました。
 本動議は記名投票をもって採決いたします。
 本動議に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。――閉鎖。
  〔議場閉鎖〕
#4
○議長(石井光次郎君) 氏名点呼を命じます。
  〔参事氏名を点呼〕
  〔各員投票〕
#5
○議長(石井光次郎君) 投票者の通路をふさがないように、すみやかに投票願います。
  〔投票継続〕
#6
○議長(石井光次郎君) あとがつかえておりますから、投票を急いでください。――投票を急いでください。
  〔投票継続〕
#7
○議長(石井光次郎君) 通路をふさがないでください。投票者のために通路をふさがないでください。
  〔投票継続〕
#8
○議長(石井光次郎君) 投票者の通行を妨害しないでください。――投票してどんどん行ってください。
  〔投票継続〕
#9
○議長(石井光次郎君) 投票の妨害をしないでください。――投票の妨害をしないでください。
  〔投票継続〕
#10
○議長(石井光次郎君) 投票者の前をあけてください。
  〔投票継続〕
#11
○議長(石井光次郎君) 投票のじゃまをせずに、おりてください。――その通路をあけてください。その通路をあけてください。投票する人のために通路をあけてください。――済んだ方はどんどんおりてください。済まない方は投票してください。持って立ってないで、投票してください。――投票を急いでください。じゃまな方はそこをのいてください。どうぞ、うしろに待っている人がたくさんいますから、そこの通路をあけてください。――なるべくすみやかに投票してください。投票の済んだ方はおりてください。
  〔投票継続〕
#12
○議長(石井光次郎君) どうぞ、そちらのほう、前へ進んでください。そこいらあけてください。どんどん進んでください。前へ進んでください。前へ進んでください。
  〔投票継続〕
#13
○議長(石井光次郎君) 一向動きませんね。ちょっと、そこあけてください。――とにかく、そこいらあけたらどうですか。――あんまりいいかっこうじゃないですよ。テレビにとられて、あんまりいいことじゃありませんよ。
  〔投票継続〕
#14
○議長(石井光次郎君) 通してください。――通してください。
  〔投票継続〕
#15
○議長(石井光次郎君) 投票の妨害をしないでください。――投票の妨害をしないでください。
  〔投票継続〕
#16
○議長(石井光次郎君) 立ちどまらないで、投票を急いでください。
  〔投票継続〕
#17
○議長(石井光次郎君) 妨害しないでください。
  〔投票継続〕
#18
○議長(石井光次郎君) 立ちどまらないで、投票を急いでください。――道をあけてください。
  〔投票継続〕
#19
○議長(石井光次郎君) すみやかに投票してください。――すみやかに投票してください。
  〔投票継続〕
#20
○議長(石井光次郎君) すみやかに投票せられませんと、議長が時間の制限をせねばなりません。すみやかに投票願います。
  〔投票継続〕
#21
○議長(石井光次郎君) 投票をお急ぎください。――投票をお急ぎください。
  〔投票継続〕
#22
○議長(石井光次郎君) すみやかに投票されませんと、議長は時間の制限をしなければなりません。お急ぎ願います。
  〔投票継続〕
#23
○議長(石井光次郎君) 投票をお急ぎ願います。
  〔投票継続〕
#24
○議長(石井光次郎君) 投票願います。――どうぞ投票を進めてください。
  〔発言する者多し〕
#25
○議長(石井光次郎君) 静粛に願います。
  〔投票継続〕
#26
○議長(石井光次郎君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。――開鎖。
  〔議長開鎖〕
#27
○議長(石井光次郎君) 投票を計算いたさせます。
  〔発言する者多し〕
#28
○議長(石井光次郎君) 静粛に願います。
  〔参事投票を計算〕
#29
○議長(石井光次郎君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
  〔事務総長報告〕
 投票総数 三百五十八
  可とする者(白票)        二百六
  〔拍手〕
  否とする者(青票)       百五十二
  〔拍手〕
#30
○議長(石井光次郎君) 右の結果へ本日の議事における発言時間は、趣旨弁明については十五分、質疑、答弁、討論その他について十分とするに決しました。
    ―――――――――――――
 佐々木秀世君外二十二名提出発言時間制限の動議を可とする議員の氏名
      安倍晋太郎君    阿部 喜元君
      相川 勝六君    愛知 揆一君
      青木 正久君    赤城 宗徳君
      赤澤 正道君    秋田 大助君
      天野 光晴君    荒舩清十郎君
      有田 喜一君    井出一太郎君
      井原 岸高君    伊東 隆治君
      伊能繁次郎君    池田 清志君
      池田正之輔君    一萬田尚登君
      稻村佐近四郎君    上村千一郎君
      臼井 莊一君    内海 英男君
      浦野 幸男君    小笠 公韶君
      小川 半次君    小沢佐重喜君
      小澤 太郎君    小沢 辰男君
      小渕 恵三君    大石 八治君
      大竹 太郎君    大坪 保雄君
      大野  明君    大野 市郎君
      大橋 武夫君    大村 襄治君
      岡崎 英城君    岡本  茂君
      加藤 六月君    賀屋 興宣君
      鍛冶 良作君    海部 俊樹君
      桂木 鉄夫君    金丸  信君
      金子 一平君    上林山榮吉君
      神田  博君    亀岡 高夫君
      亀山 孝一君    鴨田 宗一君
      仮谷 忠男君    川野 芳滿君
      菅  太郎君    木野 晴夫君
      木部 佳昭君    木村 武雄君
      木村 俊夫君    菊池 義郎君
      岸  信介君    久野 忠治君
      久保田円次君    草野一郎平君
      鯨岡 兵輔君    倉石 忠雄君
      倉成  正君    藏内 修治君
      小泉 純也君    小平 久雄君
      小峯 柳多君    小宮山重四郎君
      小山 長規君    河野 洋平君
      佐々木秀世君    佐々木義武君
      佐藤 榮作君    佐藤 孝行君
      佐藤洋之助君    齋藤 邦吉君
      坂田 英一君    坂田 道太君
      坂村 吉正君    坂本三十次君
      櫻内 義雄君    笹山茂太郎君
      四宮 久吉君    椎名悦三郎君
      塩川正十郎君    塩谷 一夫君
      重政 誠之君    篠田 弘作君
      島村 一郎君    正示啓次郎君
      白浜 仁吉君    進藤 一馬君
      菅波  茂君    鈴木 善幸君
      砂田 重民君    砂原  格君
      世耕 政隆君    瀬戸山三男君
      關谷 勝利君    田川 誠一君
      田澤 吉郎君    田中伊三次君
      田中 榮一君    田中 角榮君
      田中 龍夫君    田中 正巳君
      田中 六助君    田村 良平君
      高橋 英吉君    高橋清一郎君
      竹内 黎一君    竹下  登君
      谷垣 專一君    谷川 和穗君
      千葉 三郎君    地崎宇三郎君
      中馬 辰猪君    塚田  徹君
      辻  寛一君    坪川 信三君
      渡海元三郎君    登坂重次郎君
      徳安 實藏君    床次 徳二君
      内藤  隆君    中川 俊思君
      中野 四郎君    中村 寅太君
      中村庸一郎君    中山 榮一君
      中山 マサ君    永田 亮一君
      灘尾 弘吉君    二階堂 進君
      丹羽 久章君    丹羽 兵助君
      西岡 武夫君    西村 英一君
      西村 直己君    根本龍太郎君
      野原 正勝君    野呂 恭一君
      葉梨 信行君    馬場 元治君
      橋口  隆君    橋本登美三郎君
      橋本龍太郎君    長谷川 峻君
      濱野 清吾君    原 健三郎君
      原田  憲君    廣瀬 正雄君
      福家 俊一君    福田 赳夫君
      福田 篤泰君    福田  一君
      福永 一臣君    藤井 勝志君
      藤枝 泉介君    藤尾 正行君
      藤波 孝生君    藤本 孝雄君
      船田  中君    古屋  亨君
      保利  茂君    坊  秀男君
      細田 吉藏君    益谷 秀次君
      増岡 博之君    増田甲子七君
      松浦周太郎君    松澤 雄藏君
      松田竹千代君    松野 頼三君
      三池  信君    三ツ林弥太郎君
      三原 朝雄君    箕輪  登君
      水田三喜男君    水野  清君
      湊  徹郎君    宮澤 喜一君
      武藤 嘉文君    村上信二郎君
      村山 達雄君    毛利 松平君
      粟山  秀君    森   清君
      森下 國雄君    森田重次郎君
      森山 欽司君    山口 敏夫君
      山崎  巖君    山下 元利君
      山田 久就君    山中 貞則君
      山村新治郎君    吉田 重延君
      和爾俊二郎君    早稻田柳右エ門君
      渡辺 栄一君    渡辺  肇君
      渡辺美智雄君    松野 幸泰君
 否とする議員の氏名
      安宅 常彦君    阿部 昭吾君
      阿部 助哉君    赤路 友藏君
      淡谷 悠藏君    井手 以誠君
      井上  泉君    井上 普方君
      石川 次夫君    石田 宥全君
      石野 久男君    石橋 政嗣君
      稻村 隆一君    江田 三郎君
      枝村 要作君    小川 三男君
      大出  俊君    大柴 滋夫君
      大原  亨君    太田 一夫君
      岡田 利春君    岡田 春夫君
      加藤 勘十君    加藤 万吉君
      勝澤 芳雄君    勝間田清一君
      角屋堅次郎君    神近 市子君
      川崎 寛治君    川村 継義君
      河上 民雄君    河野  正君
      木原  実君    北山 愛郎君
      久保 三郎君    久保田鶴松君
      工藤 良平君    黒田 寿男君
      小松  幹君    後藤 俊男君
      河野  密君    神門至馬夫君
      佐々栄三郎君    佐々木更三君
      佐藤觀次郎君    佐野  進君
      斉藤 正男君    阪上安太郎君
      柴田 健治君    島上善五郎君
      島口重次郎君    島本 虎三君
      田中 武夫君    田邊  誠君
      多賀谷真稔君    高田 富之君
      武部  文君    楯 兼次郎君
      千葉 佳男君    戸叶 里子君
      堂森 芳夫君    内藤 良平君
      中井徳次郎君    中澤 茂一君
      中嶋 英夫君    中谷 鉄也君
      中村 重光君    永井勝次郎君
      楢崎弥之助君    成田 知巳君
      西風  勲君    西宮  弘君
      野口 忠夫君    野間千代三君
      芳賀  貢君    長谷川正三君
      畑   和君    華山 親義君
      平岡忠次郎君    平林  剛君
      広沢 賢一君    広瀬 秀吉君
      福岡 義登君    細谷 治嘉君
      堀  昌雄君    武藤 山治君
      村山 喜一君    森  義視君
      森本  靖君    八百板 正君
      八木 一男君    矢尾喜三郎君
      安井 吉典君    山崎 始男君
      山中 吾郎君    山花 秀雄君
      山本 政弘君    山本弥之助君
      米田 東吾君    依田 圭五君
      横山 利秋君    渡辺 惣蔵君
      麻生 良方君    受田 新吉君
      内海  清君    小沢 貞孝君
      春日 一幸君    神田 大作君
      河村  勝君    小平  忠君
      佐々木良作君    鈴木  一君
      曾禰  益君    田畑 金光君
      竹本 孫一君    塚本 三郎君
      永末 英一君    西尾 末廣君
      西村 榮一君    門司  亮君
      本島百合子君    吉田 賢一君
      吉田 泰造君    吉田 之久君
      和田 耕作君    浅井 美幸君
      有島 重武君    伊藤惣助丸君
      石田幸四郎君    小川新一郎君
      大野  潔君    大橋 敏雄君
      近江巳記夫君    岡本 富夫君
      北側 義一君    小濱 新次君
      斎藤  実君    鈴切 康雄君
      田中 昭二君    竹入 義勝君
      中野  明君    樋上 新一君
      広沢 直樹君    伏木 和雄君
      正木 良明君    矢野 絢也君
      山田 太郎君    渡部 一郎君
      田代 文久君    谷口善太郎君
      林  百郎君    松本 善明君
     ――――◇―――――
 社会労働委員長川野芳滿君解任決議案(山花秀雄君外十一名提出)
         (委員会審査省略要求案件)
#31
○議長(石井光次郎君) 山花秀雄君外十一名から、社会労働委員長川野芳滿君解任決議案が提出されました。
 本決議案は、提出者の要求のとおり委員会の審査を省略して、議題とするに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#32
○議長(石井光次郎君) 御異議なしと認めます。
 社会労働委員長川野芳滿君解任決議案を議題といたします。
    ―――――――――――――
#33
○議長(石井光次郎君) 提出者の趣旨弁明を許します。田邊誠君。
  〔田邊誠君登壇〕
#34
○田邊誠君 私は、ただいま議題となりました川野芳滿社会労働委員長解任決議案について、社会、民社、公明、共産の四党を代表して趣旨の説明を行なわんとするものであります。(拍手)
 まず、その案文を朗読いたします。
  本院は、社会労働委員長川野芳滿君を解任す
 る。
  右決議する。
  〔拍手〕
以上であります。
 以下、その理由について御説明申し上げます。
 私は、個人としては、川野芳滿社会労働委員長は、学識経験豊かで、その人柄はまことに温厚篤実でありまして、私は、日ごろ先輩議員として深い敬愛の念をもって日々接しておったのであります。しかしながら、国権の最高機関としての国会における重要な役割りを果たすべき常任委員長としては、遺憾ながらきわめて不適格であると断ぜざるを得ず、ここに私情を乗り越え、国家、国民の立場に立って断固その責任を追及し、社会労働委員長の職を解かんとするものであります。(拍手)
 私は、いま川野芳滿社会労働委員長の解任決議案を提案するにあたって、日本の議会制民主主義を守り、育てべき立場からも、また、全国民の注目する中で、国会が本来果たすべき役割りから考えても、まことに遺憾にたえないものがあることを痛感するのであります。ここに解任決議案を提案をするその根本の理由は、大きく議会民主主義に対し一大警鐘を打ち鳴らすことにあることに思いをいたし、何とぞ本院各位の同意のもとに、泣いて馬謖を切るの決意と勇気をもって提議いたさんとするものであります。(拍手)
 私が川野社労委員長の解任を求める第一の理由は、川野委員長が議会民主主義のルールを全く無視し、正常なる国会審議をじゅうりんした点であり、ひいては、憲法に対する挑戦を行なったことであります。すなわち、社会労働委員会におけるたび重なる卑劣な暴挙の事実に対してであります。(拍手)
 いやしくも憲法に明記するごとく、国会は国権の最高機関であり、唯一の立法機関であります。それゆえにこそ、国民に対し国会が課せられた責務はきわめて重大であります。よって、当然に各委員会は十分なる民主的討論の時間と場が保障され、厳正中立の立場に立って委員会の運営に当たることが、常任委員長に課せられたまた当然の任務であります。しかるに、川野社労委員長は、第五十五特別国会以来しばしば自民党の不当な圧力に屈し、与党理事の横車を押す言い分をそのままうのみにし、一方的な議事運営をはかろうとしてまいったのでありまして、これに対し私ども野党は、国会正常化を守り抜くため、忍耐に忍耐を重ね、ときに委員長に対して直言をし、ときに委員長に対してその行動をいさめ、これが是正をはかってまいったというのが今日までの事実であります。(拍手)
 ところが、今臨時国会に入るや、いままで温厚無気力に見えた川野委員長が、ものにおびえた馬車馬のごとく暴走いたしまして、(拍手)去る一日、二日両日にわたる社労委員会の未曾有の混乱を呼び起こしたのであります。すなわち、去る八月一日は、社会労働委員会理事会が午前十時過ぎから開かれ、今国会における委員会の審議日程について打ち合わせを行なったのでありますが、自民党側からは、ただ即刻健康保険法の審議に入るべしという、全く場当たり的な、やみくもの発言があったのであります。私ども、社会、民社、公明の野党三派はそろって、臨時国会全般を展望し、付託案件全体を通じての日程を定むべきであるということを主張いたしまして、与野党の対立があったのでございますけれども、特に私どもは、従来の例から見て、毎週毎週の審議日程について、当然これが労働省所管の議案を審議する日程と、厚生省所管の議案を審議する日程を明確に区分をし、その上に立って円滑な審議を進めてきたという過去のとうとい体験に照らして、今国会においても当然火曜日は労働省所管の議案につき、水曜日、木曜日は当然厚生省所管の案件についてこれが審議に当たるべきであることを繰り返し主張してまいったのであります。これに対して何らの反論を加えることなく、ただ健保法の審議を始めるというまことに子供じみた発言に終始しておった与党の態度は、はたしてこの国会において、政府から提案をされ、国会に付託をされた数々の重要案件に対して、これが真剣な審議と議了をはからんとする態度であるとはとうてい言いがたいと断ぜざるを得ないのです。(拍手)
 このような状態で、審議が理事会において十分尽くされておらなかったわずか三十分を経過した十時三十分過ぎ、突如自民党齋藤邦吉理事の委員会開会要求が出され、委員長はこれを一方的に採決をいたしまして、その上に立って委員会の開会を強行いたしたのであります。
 われわれは、この態度は、従前の、与野党の理事の意見の一致の上に立って委員会の開会が行なわれてきたという過去の例を踏みにじるものであるという観点に立ち、川野委員長のこの暴挙に対してきびしく抗議をいたしたのでありますけれども、しかし、その際に坊厚生大臣が立ち上がり、何か口の中でわめいたのでございまするけれども、この坊厚生大臣の発言が、重要な意味を持つ健康保険法改正特例法案の趣旨説明であったと自民党は称しておるのであります。このことは、いま申し上げたとおり、話し合いの場である理事会の正常な運営を破壊する、委員長としては全く許しがたい暴力的行為であり、まさに問答無用のファッショ的言動であるといわなければなりません。(拍手)
 ところが、さらに驚くべき暴動が引き続く二日に起こりました。一日の暴挙に対し、これは当然不当であり、無効であるという私どものきびしい追及によって、良心の一かけらも残っていないと見られた川野委員長と自民党も、一応混乱の事態を引き起こしたことに深く陳謝し、厚生大臣の提案説明をあらためて行なうことをついに認めざるを得なかったのです。まさに馬脚をあらわしたといっても言い過ぎではないのであります。その上に立って、八月二日午前十時過ぎから開かれた社会労働委員会理事懇談会において、このような混乱を再び巻き起こすことは、まさに天下にその醜をさらすことになるのであって、この際、委員会の円満な運営をはかるために、与野党を通じて厳粛な申し合わせをすることが、民社、公明を含めて、野党から提議されたのであります。その結果、理事懇談会は、次の三項目の申し合わせを確認いたしました。
 第一、委員会は慎重審議をすること。第二、したがって現在通告のある社会八名、民社三名、公明二名、計十三名の質疑を認める。第三、この間、質疑中は円満な運営を行なう。
 私は、この際、議員各位に御報告申し上げたいのは、いままでしばしばの申し合わせが一方的に破棄されてきたというその経緯に照らし、この際、与野党が明確にこのことを確認する必要を痛感いたしました。私は、以上の三項目について逐一委員部に命じてこれが筆記を命じ、その委員部の記録を読み上げ、その上に立って、川野委員長以下与党、野党の理事がすべて満場一致、この確認をいたしたということであります。(拍手)
 この申し合わせに従って、社会労働委員会は十一時二十分から委員会が開会されて、今国会における国民注視の的である健康保険臨時特例法に対する臨時国会初めての質疑に入り、その第一陣として社会党両院議員総会長の佐藤觀次郎委員の質問が開始をされたのであります。しかるに、その後わずか一時間、議員の良識をもってしてはたれしもが夢想だにできない、自民党による質疑打ち切りの動議を川野委員長が取り上げたことによる大混乱が惹起したのであります。一時間前に行なった公党間の約束を厚顔にも破り去り、全くのだまし討ちによる委員会の強行採決を行なったことは、まさに目的のためには手段を選ばない暴挙を行なったということであり、その責任はまさに重大といわなければなりません。(拍手)私どもは、この川野委員長の暴挙は、天人ともに許し得ないことであると断ぜざるを得ないのです。(拍手)したがって、このファッショ的行為によって、国会の権威を全く失墜し、国民に大きな政治不信を与えたことにつき、川野委員長はみずからその資格を喪失したといわなければならず、その席にとどまることをいさぎよしとせず、即刻委員長を辞すべきであると考えるのであります。(拍手)
 私が本決議案を提案する第二の理由は、川野社会労働委員長の手によって強行採決をしたと称する健康保険法及び船員保険法の臨時特例に関する法律案が、国民の生命と健康並びに社会保障制度そのものにかかわる重要案件であるということであります。
 ここに言うまでもなく、健康保険制度は国民の健康と生命を守るための最低の保障であります。ことに、経済が高度成長を続けておる今日、この日本の経済の成長に取り残され、その恩恵にあずかるどころか、かえってそのしわ寄せを受けておる中小零細企業に働く労働者にとって、この健康保険こそは生命の綱ともいうべき重要な社会保障制度であります。
#35
○議長(石井光次郎君) 田邊君、制限の時間が過ぎました。結論を急いでください。
#36
○田邊誠君(続) しかるに、その健康保険において、保険料率を大幅に引き上げ、その患者一部負担を倍増させ、さらにその上に薬剤費の患者負担制度まで新設しようとすることは、佐藤総理の言う社会開発、人間尊重が全くまやかしであり、働く国民の犠牲の上に築こうとする政策であることを暴露したものにほかならないといえましょう。
 国民にはかり知れない犠牲をしいるこの政策の一端である本法案は、きわめて重要な問題点を内包していることは周知のとおりであり、このような重要法案については十二分の審議と討論が行なわれなければならないことは、また、けだし当然であります。ゆえに、川野委員長が、本法案に対し、今国会において、いまだ十分の審議をほとんど行なっていないにもかかわらず、一方的に与党の圧力に屈して強行採決を行なったことは、言いかえれば、本法案が日本国民の健康と生命……
#37
○議長(石井光次郎君) 田邊君、時間が過ぎております。
#38
○田邊誠君(続) 社会保障制度そのものにかかわる重要法案であることを国民の目からそらし、国民が事の本質を知ることをおそれた行為とのみ考えざるを得ないのであります。よりて、川野芳滿委員長が、委員長としての資格全くなしと断言するも、けだし当然のことであります。
 さらに、私が、川野芳滿社会労働委員長解任を求めんとする第三の理由は、社会労働委員会が置かれておる、その重要な位置と役割りにかかわるものであります。
 いま、ここに述べるまでもなく、国政にとって、国民の生命と健康を守り、これを発展させること、そのことこそが、わが国会と日本の国政に与えられた任務のうち、その最大なものであり、われわれが果たすべき最低の条件であると考えるのです。わが社会労働委員会は、これらの崇高な任務を与えられ、とりわけ枢要な位置にあるだけに、社会労働委員長に課せられた任務もまた重大であることも……
#39
○議長(石井光次郎君) 田邊君、時間が過ぎておりますから、結論を急いでください。
#40
○田邊誠君(続) また当然のことといわなければなりません。私がここに直言いたしますならば、社会労働委員長は、たとえ政府が、また、たとえ与党が、一方的な強行方針をもって臨んだといたしましても、委員長は、その審議にあたって、みずからの重要な地位と役割りからする独自の判断によって、何よりも法案審議を十分に保障し、何よりも国民各階層の意見を十二分に反映させるよう心がけ、たとえそれが少数意見であろうと、これまた十分にその内容を検討、消化して、特にこのような重要問題に関しては、その成立をあせることなく……
#41
○議長(石井光次郎君) 田邊君、結論を急いで、発言を終わってください。
#42
○田邊誠君(続) 問題を国民の前に明らかにして、社会労働委員長としての職責を全うしなければならないのでありますが、これらの重要な職責を放置して、いまここに、国民の前に社会労働委員会が果たすべき役割りに対し大きな批判を受けておることは、全く遺憾しごくといわなければならないのであります。(拍手)
 いま、このように白日のもとにさらされております社会労働委員長の無責任きわまる軽挙盲動は、その一つ一つをとってみても解任に値することは、皆さん方もすでにおわかりのとおりであります。(拍手)私は、この事態が起こることを憂慮し、第五十五特別国会、第五十六……
#43
○議長(石井光次郎君) 田邊君、結論を急いで、発言を終わってください。
#44
○田邊誠君(続) 臨時国会の場にてしばしば川野芳滿委員長に対し、その公正にして慎重な委員長としての言動をとられることを強く要請をしてまいりました。しかし、一昨日から昨日にかけるあの暴挙は、いかに川野委員長が円満な人格者といえども、そのみずからの意思を放棄し……
#45
○議長(石井光次郎君) 田邊君、あまり時間が超過すると発言を中止しなければなりません。すみやかに発言を終わってください。
#46
○田邊誠君(続) 自民党の一方的な圧力に対して何ら抵抗することなく、その意思をそのまま自分の意思とはき違えた上に立った行動が、今日の事態を招いた最大の原因であることを、私はここに皆さんの前に明らかにしなければならないと考えるのであります。(拍手)
 本院各位が御案内のとおり、自民党が権力を通じて今日まで数多くの暴挙を行なってまいりましたけれども、しかし、昨二日において、理事懇談会における厳粛な約束をその一時間直後においてこれを踏み破るというこの事態は、いまだかつてない未曾有の暴動であるといわなければならないのです。(拍手)
 私は、この際、川野委員長がみずからその責任の重大性に目ざめ……
#47
○議長(石井光次郎君) 田邊君、結論を発言せられないと中止するかもわかりませんよ。
#48
○田邊誠君(続) その誤りに気づくならば、当然のこととして辞任すべきであると考えるのでありまするけれども……
#49
○議長(石井光次郎君) 中止させますよ。
#50
○田邊誠君(続) その反省と辞意を表明せぬままに、いま私どもの解任決議案の提案を受けるはめに至っておるのであります。以上、ここに私が……
#51
○議長(石井光次郎君) 結論を発言しなさい。
  〔発言する者、離席する者多し〕
#52
○田邊誠君(続) 静粛にしなさい。
#53
○議長(石井光次郎君) 静粛に願います。――静粛に願います。
#54
○田邊誠君(続) 以上、ここに私が心痛を込めて提案いたします社会労働委員長解任決議案について、議員各位の良識ある判断による御賛同を賜わりたいことを強く要望いたしまして、私の川野芳滿社会労働委員長に対する解任決議案の説明を終わるものであります。(拍手)
    ―――――――――――――
#55
○議長(石井光次郎君) 質疑の通告があります。順次これを許します。後藤俊男君。
  〔後藤俊男君登壇〕
#56
○後藤俊男君 私は、ただいま提案されました川野芳滿社労委員長の解任決議案に対しまして、若干の質問をいたさんとするものであります。(拍手)
 御存じのように、川野芳滿委員長は、(「りっぱな委員長だ」と呼ぶ者あり)すでに当選九回を数え、まことにりっぱな委員長であろうと思うわけでございます。いままで、通産政務次官をはじめといたしまして、院にありましては運輸及び交通委員長、大蔵委員長、さらに運輸委員長を歴任いたし、さらに今日は、社会労働委員長の重責をになっておられるのでございます。そして一方におきましては、列国議会同盟会議をはじめといたしまして、数度にわたり諸外国を歴訪されて、つぶさに各国の議会制度を視察するなど、まことに博識ある本院の一員であろうと思う次第でございます。さらに、よわい六十八歳を数えられまして、その人格の高潔さは、院の内外を問わず、豊満として満ちあふれておるわけでございます(拍手)これは衆人の認めるところであろうと思う次第でございます。私もひそかに尊敬の念を抱いておりました一人でございます。
 しかるに、ただいま川野委員長に対しまして、ここに解任決議案を提出されましたことは、まことに意外であります。さらに、私の最も遺憾とするところでございます。
 申すまでもなく、社会労働委員会は、国民の健康と生活を守る、いわば国民の命にも直接関係する法案を審議する大切なる委員会であることは、申し上げるまでもないと存じます。しかも、わが国の立ちおくれた社会保障制度の飛躍的向上は、今日国民のひとしく願望するところであります。社会保障制度の基本は、国民の命を預かる医療と、老後の生活を保障するところの年金にあるといわれておるわけでございます。しかるに、政府・自民党は、こうした国民の非願を無視し、何ら抜本的対策を講じないのみか、その制度的後退すらはかろうといたしておるのであります。このたびの提案がその最たるものであろうといえると思う次第でございます。(拍手)すなわち、臨時特例法によると、保険料率の引き上げ、初診料、入院時一部負担の倍額増加、さらに外来患者の薬代を一部負担させようとする法律案でありますが、これは保険財政の悪化を理由に、国民にその責任を転嫁しようとするものであります。ひいては医療保障から国民を締め出そうとする以外の何ものでもないと思う次第でございます。しかも、先ほど解任決議案の提案説明にもございました、二日の午前には、四党間で約束された、社労委の審議は慎重審議を行ない、しかも円満に委員会を運営するという三点の紳士協定を無視し、さらにその一時間半前には、川野委員長が、一日の委員会混乱について遺憾の意を表したところでございます。その舌の根もかわかないうちに、国会におけるルールを踏みにじり、多数の横暴をほしいままにし、言語に絶する暴挙は、日本国会史上に一大汚点を残したといえるだろうと思います。(拍手)そこで、私は提案者にまず第一点として質問をいたします。
 かかる重要なる内容を含んでいる本法律案につきまして、社会労働委員長として、十分なる審議を尽くすため、いかなる努力をなされたのか。また、前代未聞の今回の暴挙に対しまして、人格円満にして豊富な経験を持たれる川野委員長として、いかなる心境におられるか、その御感想を承りたいのでございます。
 今次臨時国会は、先般の特別国会と同様に、総選挙後に開かれたものであります。それだけに、われわれが国民に果たすすべての役割りはきわめて大きいものがあろうと思う次第でございます。先般の解散は、いわゆる政府・自民党の永年の病根に根ざした政治の腐敗、不正が契機となって、国民の政治に対する不信が増大し、議会制民主主義の危機が叫ばれた中で総選挙が行なわれ、佐藤総理自身も、積年の病弊をぬぐい去ろうとする重大なる意義を持つ総選挙であると国民に強く訴えた次第でございます。その言をまつまでもなく、われわれが果たさなければならない第一の義務は、いかにして政治の不正、腐敗を一掃し、国民の政治不信を取り戻し、民主的な議会政治を確立するかにあったはずであります。この点からして、川野芳滿委員長はいかなる努力をなされようとしたか、提案者の明快なる御答弁をお伺いいたしたいのでございます。
 次にお伺いいたしたい点は、本法律案について、川野委員長はいかなる見解をお持ちになっていたかということであります。
 私も社会労働委員会の一員といたしまして、これまで川野委員長の言動についてはつぶさに見聞をしてまいりました。川野委員長は、当初から中立的な立場で委員会を民主的に運営すべき地位にありながら、自由民主党の走狗と化して、みずからその任務を放棄し、もっぱら法案の即時成立のみに狂奔していたかのように見受けられたのでありますが、私は、提案者の率直なる御意見を賜わりたいと存じます。その真意は、川野委員長本人の言にまたねばならないにいたしましても、このたびの特例法案が審議を深めれば深めるほど、国民にその反動ぶりが暴露されてまいりました。ひいては、より広範な国民大衆の怒りを買い、反対運動に拍車をかけることをおそれるのあまり、くさいものにふたをしたまま国民の目をごまかし、むしろ一方的に法案の強行採決をはかろうと当初から計画したと断ぜざるを得ないわけでございます。(拍手)特に、先般の特別国会の終盤における社会労働委員会が、満足に開会されなかった事実を見ても明らかであると思う次第でございます。もしそれが事実であるとするならば、川野委員長は、この一事をもって委員長たる資格を欠くものであるのみか、議会民主主義を否定するものとして、許すべからざる行為であり、国民の代表たる資格をみずから放棄していると断ぜざるを得ないわけでございます。(拍手)
 次にお伺いいたします第三点は、本法律案提案に至る経過と、その問題点についてであります。
 現行保険制度については、いまさら私が申し上げるまでもなく、昭和三十七年、社会保障制度審議会の答申により、早急に抜本的対策を講ずるよう強い勧告を受けてきたところであります。その後も再三再四にわたり、同様の勧告がなされてきたのでありますが、政府は、これらの答申や勧告についていかなる努力を払ってきたのか、私ははなはだ疑問に感ずる次第でございます。
#57
○議長(石井光次郎君) 後藤君、制限の時間が過ぎましたから、なるべく簡単に願います。
#58
○後藤俊男君(続) すでに申し述べましたように、昨年、本年と、政府は保険料の引き上げをはじめ、新たに初診料、入院料の引き上げと薬代の一部負担などの制度を導入いたしまして、もっぱら被保険者の犠牲によって保険財政の帳じりを合わせることのみにきゅうきゅうとしてまいった次第でございます。私は、これのみによって今日の医療保障の目的は達せられないと思うのでございます。したがいまして、当然政府は抜本的な対策を確立するために、それ相当の努力をなしてきたと思うのでありますが、その点につきまして、提案者の御意見をお伺いいたしたいと思う次第でございます。
 さらに、川野委員長が、政治家としての良心があるならば、委員会の場におきまして、十分にそうした方向が将来にわたり早急に確立されるように、最善の努力を払ってしかるべきであると考えるのでありますが、川野委員長は、いま申し上げました点につきまして、さらに国民の負託に十分こたえるよう、いかなる努力をされたかを、提案者にお伺いいたしたいと思う次第でございます。(拍手)
 さらに、本特例法案が及ぼす影響についてであります。言うまでもなく、国民の生命と健康を預かる医療保障は、憲法に保障された国の果たすべき最低の義務であります。したがって、国民がひとしく受けることは、国民に与えられた当然の権利であります。ましてや……
#59
○議長(石井光次郎君) 後藤君、制限時間が過ぎました。これ以上超過すると発言を中止せなければなりません。結論を急いでください。
#60
○後藤俊男君(続) 病状の早期発見、早期治療こそ、医学的に見ましても、その前提であるはずであります。しかるに、このたびの保険料の引き上げは、その基本前提を根本的に否定するのみではなく、患者を売薬店に走らせ、医療保障から締め出そうとするもので、社会保障制度を大きく後退させようとするものであります。(拍手)この点につきまして、提案者の明確なる御答弁をお伺いいたしたいと思う次第でございます。
 以上の点につきまして、いろいろと提案者にお伺いをいたしましたが、最後に、私は川野委員長の良識に訴えたいと思う次第でございます。川野委員長は、すでに申し述べたごとく……
#61
○議長(石井光次郎君) 制限の時間がまいりましたから、発言の中止を命じます。
  〔発言する者多し〕
  〔後藤俊男君発言を継続〕
#62
○議長(石井光次郎君) 発言の中止を命じます。
  〔後藤俊男君なお発言を継続〕
#63
○議長(石井光次郎君) 後藤君……
  〔後藤俊男君なお発言を継続〕
#64
○議長(石井光次郎君) 発言をやめてください。
  〔後藤俊男君なお発言を継続〕
#65
○議長(石井光次郎君) 後藤君……
  〔後藤俊男君なお発言を継続〕
  〔発言する者、離席する者多し〕
#66
○議長(石井光次郎君) 後藤君、発言の中止を命じます。
  〔後藤俊男君なお発言を継続、降壇〕
  〔田邊誠君登壇〕
#67
○田邊誠君 後藤俊男君の質問に対してお答えをいたしまするけれども、その前に議長にお願いしておきたいと思います。きわめて貴重にして、しかも重要な内容を含む質問でございまするから、これに対する答弁も当然慎重でなければなりません。したがって、議員各位の静粛な傾聴を、議長に特にあらかじめ要請しておきたいと思います。後藤議員にお答えをいたしまするけれども、きわめて広範多岐にわたる質問でございまするから、もし私の答弁に漏れた点がございましたならば、どうか再質問によって究明をされたいと思います。(拍手)
 まず、質問の第一は、本五十六臨時国会において、自民党政府も重要な案件であると称した健康保険及び船員保険の臨時特例に関する法案に対して、国民の負託にこたえるために、本国会並びに当該する社会労働委員会が、はたして十分な審議を尽くしたかいなかという点であったろうと思います。また、この審議を尽くすために、その責任者である川野芳滿社会労働委員長がいかなる努力を傾注したかという点であったろうと思うのであります。
 私は、去る五十五特別国会からこの五十六臨時国会に至る社会労働委員会の審議の経過をここに静かに振り返ってみまするならば、私どもが、国民の負託にこたえて重要法案を正常な姿で慎重審議するために、その運営の円滑化をはかるべきことをしばしば主張してまいりましたけれども、遺憾ながら、与党自民党は、あくまでも単純に健康保険法の審議ばかりをあせるそのために、社会労働委員会に特別国会において付託された十数本の重要案件を、一つ一つ着実に審議し、議了するという方法をとらなかったのであります。私どもは、当然、いずれも国民にとって重要な意味を持つ案件でございまするから、これを手ぎわよく、一つ一つ審議をしていきたいと、繰り返して主張してまいりました。そのためには、付託順序に従って当然審議をすることを主張したのでございまするけれども、ついに、これがいれるところとならなかったのです。これらの法案の中には、児童福祉法、児童扶養手当法、国民年金法、こういった、国民のいわば底辺に呻吟する人たち、あるいは心身障害を受けてその生活に非常な不自由を来たしておる子供たち、あるいは老後の生活を国民の手によって救わなければならないお年寄りの人たち、こういった人たちのいわば待望する法案をまずもって私どもは審議をし、これを議了し、その上に立って十分な審議日程を策定して、この健康保険法の審議に入ることが最も正常であり、最も得策であることを、十分意を尽くして与党に説いて回ったのです。にもかかわらず、ついに、与党の無理押しをするその審議の進め方によって、健康保険法は一点の審議を尽くすことなくして、特別国会において審議未了、廃案のうき目にあったのです。
 かく考えてまいりまするならば、この五十六臨時国会におきましては、前車の轍を踏まないために、臨時国会全体をながめて、私どもに課せられた数多くの付託案件をいかに手ぎわよく審議するかということが当然の任務であります。まさか、大自民党の議員諸君が、あのような特別国会における暴挙を再びすることはあえてないと確信いたしまして、私どもは静かにこの審議日程に対する主張をやってまいったのでありまするけれども、これまた受け入れるところとならなかったのであります。
 しかも、一日の社会労働委員会理事会は、午前十時からわずか三十分間、審議日程について意見の相違があったというそのことだけで、強行採決、委員会開会となったのであります。私は、民社党の田畑理事、あるいは公明党の浅井委員等、条理を尽くした主張があったその直後でありまするから、もし川野委員長がもう少しく野党の言い分をお聞きいただけましたならば、もうしばらくの時間をもって、この審議日程が円滑な結論を得たと確信いたしておるのです。こういう状態のままに、一日は、御承知のとおり、厚生大臣が混乱のうちにきわめて簡単な提案説明を行なったというのです。前国会においてもその中身について何らの提案説明をしない暴挙をいたしました坊厚生大臣が、再びこの重要法案の中身についてほとんど触れることのない提案説明をするようなことでは、国民が注目をするところのこの法案の審議に入ることはとうていでき得ないのは、これまた理の当然であろうと思います。(拍手)
 したがって、私どもは、こういった状態を払拭し、何かきょうの議場にしばしば起こったような、ああいう怒号の中でなくて、静かに審議をすることが最も望ましいことであり、急がば回れのたとえのごとく、この議了にとって最も早道であると考え、翌二日には、社会労働委員会は十分な審議を尽くすべきである、そのためには野党の質問は当然これを許すべきである、さらに、その質問中は……(発言する者あり)与党の皆さん、よく聞いてください。その質問中は委員会は円滑に審議を行なう、こういうことを明確に確認したのです。これをわずか一、二時間後に破るような恥ずかしいことをあえてしたところに、この重要法案が今日社会労働委員会において十分な審議が尽くし得なかった最大の理由があると私は考えます。(拍手)
 こう考えてまいりますと、川野委員長がとってまいった本法案に対する審議への熱意と努力というものは、残念ながら国民の負託にこたえるものでは断じてないと私は考えざるを得ないのでありまして、このことを質問者に答弁することはきわめて遺憾でありまするけれども、事実そう思ってお答えをいたす次第であります。(拍手)
 質問の第二は、このような暴挙をいたしました川野委員長は、はたしてどのような心境であられるかという質問であります。
#68
○議長(石井光次郎君) 田邊君、残りの時間がありませんから、簡単に願います。
#69
○田邊誠君(続) 承知しました。
 もちろん、私が川野委員長の心境をつまびらかに察することは、あるいはでき得ないかもしれませんけれども、しかし、川野芳滿委員長といえども、後藤議員の質問にありましたとおり、長い国会議員としての豊富な経験の持ち主でありまするから、その経験に照らして、今日の事態を招いたことに対して、心ならずもこのことを行なったとお考えではないかと私は推察いたします。(拍手)しかし、もしそのような心境でないといたしまするならば、これはまた事は重大であります。良心の苛責に耐え切れないという状態であるならば、もちろん、その責任を負って現在議長の手元にその職を辞す辞表が提出されておると思うのです。それがまだないところを見ますると、川野委員長の現在の心境は、自民党と一体となってこの暴挙をやったその事実に対して、いささかの反省もなく、むしろ、与党と通じて行なったこの暴挙に対して、野党をだまし討ちしたということに対して、ほくそ笑んでおるのではないか、こういう気もいたすのでありまして、私はきわめて残念に思うのであります。(拍手)
#70
○議長(石井光次郎君) 田邊君、制限時間が過ぎました。答弁を終わってください。
#71
○田邊誠君(続) 質問の第三は、政治の不正、腐敗をこの際一掃して、民主的な議会政治の確立が急務であるけれども、この一端をになう社会労働委員会の責任者として、川野委員長が政界の浄化と議会の民主的な運営のためにどのような努力をされたかという質問でございます。けだし、もっともな質問でございます。国民が最も聞きたがっておるところの核心に触れた質問でございます。したがって、このことを明らかにしないことには、これはどうしても国民の負託にこたえるゆえんにはなりませんので、私は手短にこれに対してお答えをいたしたいと思います。
 御承知のとおり、去る特別国会における重要法案は数多くありまするけれども、その中でも、国民の注目を集めましたその議題は、一つに政治資金規正法あり、一つに防衛二法あり、そして健康保険法、失業保険法等があったと思います。ところが、健康保険法案については、政府・与党はあせりにあせって、今日強行突破をはからんといたしております。ところが……
#72
○議長(石井光次郎君) 田邊君、制限の時間がまいりましたから、発言の中止を命じます。
  〔発言する者多し〕
  〔田邊誠君発言を継続〕
#73
○議長(石井光次郎君) 発言の中止を命じます。
  〔田邊誠君なお発言を継続〕
#74
○議長(石井光次郎君) 田邊君、発言を中止しております。
  〔田邊誠君なお発言を継続〕
#75
○議長(石井光次郎君) 田邊君、発言の中止を命じます。――田邊君、降壇を命じます。
  〔田邊誠君なお発言を継続〕
#76
○議長(石井光次郎君) 田邊君、降壇を命じます。
  〔田邊誠君なお発言を継続〕
#77
○議長(石井光次郎君) 田邊君、降壇を命じます。――降壇を命じます。――執行を命じます。
  〔発言する者多し〕
、〔田邊誠君なお発言を継続、降壇〕
#78
○議長(石井光次郎君) 本島百合子君。
  〔発言する者、離席する者多し〕
#79
○議長(石井光次郎君) 静粛に願います。――各位は議席にお戻りください。
  〔議長退席、副議長着席〕
  〔本島百合子君登壇〕
#80
○本島百合子君 私は、民主社会党を代表いたしまして、ただいま提案されました川野社会労働委員会委員長の解任決議案に関し、若干の質疑を行なうものでございます。(拍手)
 質疑に入ります前に、川野社労委員長に対し、私は個人的に非常に尊敬をいたしております。同時に、お互い九州人でございますので、すべてのことに対し正邪をわきまえ、私利に走らない人だと考えておったわけであります。ところが、昨日の委員会におきましてそのイメージはもろくも打ち破られてしまった。(拍手)ほんとうに心から残念に思い、なお、本日は解任決議案に関し質疑をいたさなければならなくなった私の立場を、非常に残念に思っておるわけでございます。
 まず、私はこうした立場に立ちまして御質疑を申し上げるわけでありますが、今回の健康保険法及び船員保険法の臨時特例に関する法律案、これは国民の健康にきわめて重大な影響を有する法律案であったわけであります。しかるに、これが十分な審議も行なわれずに、政府・自民党の国会運営上の、また時間的な判断から、昨二日の社労委員会の混乱の中で一挙に採決されるに至ったことは、はなはだしく国会審議の権威を失墜せしめた暴挙であり、国民の政治不信の念をさらに一歩進める行為であって、議会制民主主義を政府みずから否定するものであると断ぜざるを得ないのであります。(拍手)
 さきの特別国会におきまして、本法案が委員会に付託されてから、ほとんど実質的な審議を行なうことなく、いたずらに採決をあせる自民党の無謀な、むちゃな順序変更のために混乱が起こり、しかも、会期末に至って、自社取引とさえうわさされておりますところの、一挙に九法を通過させるに至ったいきさつがございます。(拍手)そこで、私は、社会党の提案者である田邊さんに対し、この点を国民の前に明らかにしてほしいことを、まずもってお伺いいたすわけであります。(拍手)こんなことは、議会史上いまだかつてないことだという批判をされたのであります。その酷評のいまだ消え去らない今日、二日の社労委員会の状態であり、何という醜態をさらけ出したことでございましょう。国民にきれいな政治を約束しているにもかかわらず、自粛政治が総選挙後半年で破れたという責任は、一切をあげて自民党の負うべきことであることは、いまさら言うまでもありません。(拍手)
 国民の健康を守るための健康保険法の改正については、社会の関心が最も強く、いままでにない強い反対運動が日を追うごとに激しく繰り返されております。このことは、政府の失政を国民にしわ寄せさせ、国民の犠牲において健康保険を存続させようとすることに、国民の怒りは爆発してきたと見るべきでございましょう。(拍手)外にかかる空気が強まっているにもかかわらず、政府・自民党は、安易にこの法律案の通過を修正案によってすりかえようとしたものであります。この点について、提案者はどう考えられておりますか。あなたが自民党代表であるならば、私はここでこっぴどくその非を述べるところでございますが、社会党のあなたには問うすべもありません。そこで、委員長がこの法案と取り組んでどんな誠意を示したかをお知らせ願いたいと思うわけであります。
 国民の生命を守るために、社会、公明、民社の三党は、あらゆる困難を排除して委員会審議の正常化につとめてまいったわけで、二日の午前十時からの理事懇談会においては、四党申し合わせ事項を成立せしめ、質問者十三名の発言が行なわれることになって、委員会は十一時二十分に再開されたのであります。私ども野党側は、どんなことがあっても明三日、つまり本日でございますが、質疑は続行されると信じて疑わなかったのであります。昨日は社会党、そして本日は民社並びに公明党が質問を終える、こういうことであろうとお互いが話し合い、ほんとうに国民のためにこの健康保険法の内容を明らかにする機会がきたと私どもは喜んでおったわけであります。しかるに、自民党の国会対策委員長はすでに十二時に質疑打ち切りのいわゆる指令をお出しになっておったことが、あとになって明らかにされたわけであります。私どもはぺてん師だとののしる前に、日本の大政党といたしましての自民党の皆さん、これでよいとお考えになるでございましょうか。それから三十分後には、あの大混乱の醜態を天下にさらしたわけであります。しかも、質疑打ち切りの瞬間から法案採決まで、全く何が何だかだれにもわからなかったのです。川野委員長はうわずった声で、ことばにならない声を出したにすぎず、罵声と怒号の中で委員会は終わったのであります。議会政治を守り、国会の権威を回復すると称した佐藤総理は、半年前の総選挙の公約は忘れられたのでありましょうか。(拍手)今回の責任はすべて自民党にあることを、私は再び国民に強く訴えるものであります。(拍手)
 このときの状況を、いま一度速記録によって明らかにしたいと考えます。
  天野(光)委員 委員長、議事進行。委員長、
 議事進行について発言があります。質疑打ち切
 りを願います。
  川野委員長……(発言する者多く、聴取不能)
 起立多数。
  坊厚生大臣 ただいまの修正案については、
 政府としては……(聴取不能)ものと考えます。
   〔委員長退場〕
    午後零時三十六分となっております。
 この速記録の中から、どうしてあの修正案を含めての法案が通過したと考えられるでございましょうか。(拍手)あの混乱の中で自民党の修正案が可決されたことになっております。
 政府は、法律案を提出するとき、四十二年度赤字七百四十五億円の見込みに対し、被保険者を犠牲にして赤字保険財政の切り抜けをしようとするこの暴挙は、国民の猛烈な反対を受け、とうていその成立をはかることができ得ないと認めざるを得なくなったのであります。そこで、今国会には修正をほのめかして昨日を迎えたのであります。この混乱の中での採決とは、川野委員長の判断は全く常軌を逸しているといわなくてはなりません。したがって、この採決は不当きわまりないもので、健康保険特例法が成立したと認めることはできません。このことは国民衆目の一致するところであると信じております。川野委員長は、委員長なる資格を有しないといっても過言ではありません。この点、私の考えが違っているかどうか、提案者にお尋ねするものであります。(拍手)
 このたびの健康保険の改正に該当する被保険者は千百七十万人、船員保険で二十五万人とありますが、皆保険の日本では、健保が社会保険全体の一大支柱となっており、これが改悪は、医療保険の大幅な後退につながるものといわなければなりません。特に、政管健保の被保険者は低所得層に多いといわれ、その六八%は三十人以下の小企業、零細企業に働いておる労働者であり、その平均賃金は三万円以下といわれております。今回の値上げによって大体二千二、三百円程度の負担増になると、陳情者たちは訴えておるわけであります。物価高に悩まされておる勤労者は、本年もまた、五人標準世帯を例にとりますと、物価の値上がりによる支出増は五、六千円以上といわれております。
#81
○副議長(園田直君) 本島君、残りの時間がありませんから、なるべく簡単に願います。
#82
○本島百合子君(続) かてて加えて保険料の値上げで、私たちの健康と生命はだれが保障してくれるのですかと、強いことばで抗議しております。この点、田邊さんは労組出身でいられますので、数字については明らかな方だと思いますので、特に勤労者の置かれておる今日の状態を説明していただきたいと思うわけであります。
 修正案によりますと、入院料や初診料はそのまま据え置きとして倍額の値上げ、保険料率を千分の七十二を七十といたしましても九十億円、薬剤の一部負担を標準報酬第十五等級以下に免除いたしましても、九十億円余でございます。合計いたしてわずかに百八十億円程度の手直しにすぎません。この程度の手直しをするならば、臨時特例法を提出せずに、四十三年度からの抜本改正を行なうまでわずかな期間でありますので、国民大衆の家計を守るためにも、提出は見合わせるべきであったと思います。
 たびたびの野党議員の質問に対しても、政府は、抜本的改正の内容も、そしてその時期も、いまだに明らかにいたしておりません。真にその抜本的改正をやる意思があるやなしや、はなはだ疑わしい現状であります。こうした点について、政府は、四十年に、四十一年度から抜本改正に着手すると言明しながらも、現在まで何らなすところなく、昨年に引き続いて本年もまた、被保険者に対し一方的に赤字の責任を転嫁しようとしているのであります。一体、今日の政管健保の膨大な赤字の責任は、だれにあると考えているのでありましょうか。健保制度を今日倒壊の危機にまで追い込んだのは、まさしく政府の怠慢の結果なのであります。政府はその責任の重大さをはっきりと認識し、明年度より直ちに本制度の抜本的改正に着手することを確約すべきであると考えております。したがって、本法案を廃案として、抜本的な改正のされた新しい法律の施行を主張するものであります。
 こうした観点に立って、昨日の社労委員会における採決は無効であり、本法案は完全に廃案にすべきであると考えておりますが、提案者にこの点念を押してお尋ねいたしますので、明確にお答えを願いまして、私の質問を終わりたい、と存じます。(拍手)
  〔田邊誠君登壇〕
#83
○田邊誠君 先ほど後藤議員の質問に対して明確にお答えができなくて、たいへん申しわけなく思っておる次第であります。
 本島議員の質問に対して、簡明率直にお答えをいたしたいと考えます。
 まず、今回の社会労働委員会における、去る八月一日、二日にわたる引き続いての混乱の事態は、国会の権威をみずからそこない、国民に対して大きな政治の不信を招いたのではないかという、御意見を含めての質問でありましたが、まさにそのとおりでございます。私は、特に社会保障の問題を取り扱う社会労働委員会は、これはいわばじみな委員会でございまするだけに、きわめて慎重にしてしかも正常な姿で運営をはかることが当然要求されるところだろうと思うのであります。さらに、いわば底辺にあえぐ国民に対してあたたかい手だてを講じようとするのが、その社会保障のいわば出発であり、そしてまた、委員会もその精神にのっとって審議をしなければならないのでありまして、付託案件についても、一面、目に見えないような案件であっても、その中に内蔵する事柄は、きわめて国民生活にかかわりのある重大な問題であります。こういった点から、私どもは、この重要な数多くの案件を取り扱う際には、いろいろな観点からの見方はありまするけれども、いずれも重要な付託案件でありまするがゆえに、当然、順序よく、手ぎわよくこれが審議をしなければならないことは、本島議員のよく御理解のあるところであります。
 このような状態で、五十五特別国会において、本島議員を含めて私どもは、福祉三法をまずもって審議し、その次に当然健康保険法、船員保険法の特例法案に対して十分な審議を尽くすべきであるということを主張してまいりましたけれども、与党のきわめて暴挙による順序変更の強行によって、この私どもの正常な運営がおかされたことは、返す返すも残念であると考えるのでありまして、いまにして思えば、本島さんが特に強調された、あの福祉三法を先に審議しておりまするならば、特別国会から臨時国会にわたる今日の混乱はあるいは避け得たではないかと私は考えるのでありまして、順序変更が自民党の手でなされたことは、きわめて遺憾であろうと思うのであります。
 かくして、五十五特別国会は、その終末に、社労委員会においても十数本の重要法案がいわば山積みとなりました。これを一体どのように処理するかということが、たいへんな腐心がいったところであります。しかも、その中には、御案内のとおり、三十八年十一月の三井三池における大爆発によって災害にかかりましたいわゆる一酸化炭素中毒症にかかった人たちに対する特別立法をどうやって成立させるか、しかも、国民が大きな不安と疑問を持っているこの健保法をいかにして廃案に持ち込むか、こういういわば重要なせとぎわに立って、私どもはたいへんな苦慮をいたしたのであります。その結果、社会党書記長を中心として与党との間において折衝を行ない、このCO立法を成立させる、健康保険法は審議未了、廃案にする、さらに、失業保険法、最低賃金法は継続審査にする、こういう実は取りきめをいたしたのであります。このことは、本島さんが言われましたとおり、いろいろな面であるいは御心配をかけたかと考えるのでありまするけれども、私どもの真意は、あくまでもCO立法の成立と健保法の廃案にそのねらいがあったことをぜひとも御理解いただきまして、今日の事態に対して、さらにひとつ一致協力をした活動を賜わりたいと深く念願する次第でございます。
 今国会における自民党がとってまいった暴挙は、これはもう国民の名において許すことのできないことであります。しかも、本島さんの御質問の中にもありましたとおり、八月一日、八月二日、この二日間の事態は、これはまさに公党間におけるところのりっぱな約束を、自民党の皆さんもその目で確認されておるのであります。それでも、私どもは、いままでの経験に照らして、もし万一それを破棄するというようなことがあっては困ると思いましたので、先ほど申し上げましたとおり、その中身について一々読み上げ、これを確認いたしまして、理事懇談会における申し合わせ事項といたしたのであります。私は、もし与党が、二日の昼過ぎにおいてあの暴挙を行なうという計画的な意図がありまするならば、当然、理事懇談会において、いや、野党からいろいろと言い分があるけれども、それをのむわけにはいかない、自分たちは本日社労委員会において強行突破せざるを得ないのだから、理事懇談会において申し合わせをするようなことがあれば、その直後に信義にもとるようなことをしなければならぬのだから、残念ながら申し合わせをするわけにはいかないと言うのが、これがまずもって常識的なことではないかと思うのです。ところが、口ではりっぱに約束をいたしました。申し合わせ事項を確認いたしました。その一時間後に、その申し合わせを全く足げにし、どろぐつでこれを踏みにじって、あの強行採決をしたのであります。これでは、何の約束をしても、どんな申し合わせをしても、その足元からこれが破られるということであっては、全くもう民主政治は破壊であります。話し合いによる国会の運営もとうていでき得ません。そういった面で、いままでややもすれば、社会党や野党がいろいろと抵抗したからああいうことをやったんだという言いぐさがありましたけれども、今度だけは、野党に責任の一半をかぶせる何ものもないのです。(拍手)これがいままでの暴挙と質的にも量的にも異なる自民党のまさに一方的な暴動であったということを、私は皆さんの前に明らかにしたいと思います。したがって、本島さんの言われるとおり、この暴挙は与党・自民党の責任に帰すべきであることは、質問者の御趣旨と全く同感でございます。
 この間にあたって社労委員長はいかなる誠意を示したかという御質問がございました。私も実は、先ほどの提案説明と質問に対するお答えをしながら、きわめて心痛むものがございます。川野委員長はその人柄が温厚であるだけに、私は、心の底では、ああいうことをしないで、申し合わせ事項に従って審議を続けたいという気持ちがひそんでおったのではないかと、いまでも推測をしておるのです。
#84
○副議長(園田直君) 田邊君、残りの時間がありませんから、なるべく簡単に願います。
#85
○田邊誠君(続) しかし、心の底で川野委員長がいかなる心境であったといたしましても、現実に社労委員会においてとったところの委員長の態度は、この事態に対して、冷静に事を処し、議会制民主主義に守り抜かんとするところの権威とその努力を示すことの一かけらもなかったことに、私はきわめて遺憾を感ずるのであります。したがって、委員長の誠意ありやいなやという本島さんの御質問でありまするけれども、私は、一日、二日にわたるところのあの社労委員長のとった態度は、議会人として、断じて許すことのできないことであるといわざるを得ません。(拍手)したがって、通例であれば、委員長はその非を認めて、当然責任をとってやめるべきであるという御意見は、先ほど私が趣旨の説明をいたしたとおりであります。今日私がいまここで御答弁を申し上げておるその瞬間においても、川野芳滿さん、願わくはみずからその非を認めて辞表を議長に提出しないか、こういうように私は実は思っておるのであります。(拍手)
 自民党から修正案が出されました。しかし、私どもは、理事懇談会において、その内容が、料率において、政府原案千分の七十二を千分の七十、すなわち、千分の一が約四十六億に当たりますから、約九十二億の実は是正であります。あるいはまた、薬剤の一部負担のうち……
#86
○副議長(園田直君) 田邊君、田邊君、制限時間が過ぎました。答弁を終わってください。
#87
○田邊誠君(続) はい、終わります。
 薬剤の一部負担についての是正がありましたけれども、薬剤負担の新設が持つ重要な意味合いというものを私ども考えるときに、あくまでも薬剤の一部負担を国民に押しつけることは、これはどうしても許せない、このように私は考えておる次第であります。
 最後に、政府は抜本改正に対してどのような熱意があったか、こういう御質問でございましたけれども、社会保障制度審議会等においてしばしば言われてきた抜本改正へのそのプロセスというものに対して、四十三年から実施をいたしますならば、すでに八月でありますから、四十三年度の予算の概算要求の時期でありますだけに、当然政府は抜本改正のその骨組みについて国民の前に明らかにすべき時期に到来していると思いまするけれども、それをいまだなしておらないその怠慢に対して、私どもは断じて許すわけにはいかないと思います。
 社会労働委員会における一日、二日の事態は無効ではないか、まさにそのとおりです。あの事態は、私どもは、議会政治を守ることからいって、断じて許すことはできません。一日、二日の社会労働委員会の強行突破は、あくまでも無効であり……
#88
○副議長(園田直君) 田辺君……
#89
○田邊誠君(続) 不当であることを……
#90
○副議長(園田直君) 田邊君……
#91
○田邊誠君(続) 私はお話し申し上げて、答弁を終わる次第であります。(拍手)
     ――――◇―――――
#92
○副議長(園田直君) 本日は時間の関係上この程度にとどめ、明四日午前零時十分より本会議を開き、本日の議事を継続することといたします。
 本日は、これにて延会いたします。
   午後十一時三十六分延会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト