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1967/08/07 第56回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第056回国会 本会議 第9号
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1967/08/07 第56回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第056回国会 本会議 第9号

#1
第056回国会 本会議 第9号
昭和四十二年八月七日(月曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第八号
  昭和四十二年八月七日
   午前十時開議
 第一 国務大臣木村俊夫君不信任決議案(山花
  秀雄君外四名提出)      (前会の続)
 第二 健康保険法及び船員保険法の臨時特例に
  関する法律案(内閣提出)
 第三 船員保険法の一部を改正する法律案(内
  閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 本日の議事における発言時間は趣旨弁明につい
  ては十五分質疑答弁討論その他については十
  分とするの動議(佐々木秀世君外二十二名提
  出)
 日程第一 国務大臣木村俊夫君不信任決議案
  (山花秀雄君外四名提出)   (前会の続)
  質疑終局の動議(佐々木秀世君外二十二名提
   出)
  討論終局の動議(渡海元三郎君外二十二名提
   出)
 佐藤内閣不信任決議案(佐々木更三君外六名提
  出)
 日程第二 健康保険法及び船員保険法の臨時特
  例に関する法律案(内閣提出)
 日程第三 船員保険法の一部を改正する法律案
  (内閣提出)
   午前十時十九分開議
#2
○議長(石井光次郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 本日の議事における発言時間は趣旨弁明については十五分質疑答弁討論その他については十分とするの動議(佐々木秀世君外二十二名提出)
#3
○議長(石井光次郎君) 佐々木秀世君外二十二名から、本日の議事における発言時間は趣旨弁明については十五分質疑答弁討論その他については十分とするの動議が提出されました。
 本動議は記名投票をもって採決いたします。
 本動議に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。――閉鎖。
  〔議場閉鎖〕
#4
○議長(石井光次郎君) 氏名点呼を命じます。
  〔参事氏名を点呼〕
  〔各員投票〕
#5
○議長(石井光次郎君) 投票をお急ぎ願います。
  〔投票継続〕
#6
○議長(石井光次郎君) すみやかに投票せられんことを望みます。
  〔投票継続〕
#7
○議長(石井光次郎君) あとがつかえておりますから、急いでください。
  〔投票継続〕
#8
○議長(石井光次郎君) 急いでください。――急いで投票してください。
  〔投票継続〕
#9
○議長(石井光次郎君) お早く願います。
  〔投票継続〕
#10
○議長(石井光次郎君) すみやかに投票せられんことを望みます。
  〔投票継続〕
#11
○議長(石井光次郎君) ただいまから二十分以内に投票せられるよう望みます。その時間内に投票されない方は棄権とみなします。
  〔投票継続〕
#12
○議長(石井光次郎君) 残りの時間はあと十分でありますから、投票漏れのないよう御投票願います。あと十分でございますよ。
  〔投票継続〕
#13
○議長(石井光次郎君) なるべくすみやかに御投票願います。
  〔投票継続〕
#14
○議長(石井光次郎君) いまだ投票されない方は、なるべくすみやかに、時間内に投票されるよう願います。
  〔投票継続〕
#15
○議長(石井光次郎君) 時間もあとわずかでありますから、なるべくすみやかに御投票願います。
  〔投票継続〕
#16
○議長(石井光次郎君) 順次お進みください。
  〔「議長、ここに鈴がない」と呼び、その他発
  言する者多し〕
  〔投票継続〕
#17
○議長(石井光次郎君) いまだ投票なき方はすみやかに御投票願います。――御投票願います。――いまだ投票されない方は急いで投票してください。――制限時間がまいりました。投票漏れはありませんか。――投票漏れはありませんか。――投票漏れはありませんか。――制限の時間がまいりましたので、投票箱の閉鎖を命じます。(拍手、発言する者多し)投票箱閉鎖。開匣。――開鎖。
  〔議場開鎖〕
#18
○議長(石井光次郎君) 投票を計算いたさせます。
  〔参事投票を計算〕
#19
○議長(石井光次郎君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
  〔事務総長報告〕
 投票総数 二百五十九
  可とする者(白票)       百九十四
  〔拍手〕
  否とする者(青票)        六十五
  〔拍手〕
#20
○議長(石井光次郎君) 右の結果、本日の議事における発言時間は、趣旨弁明については十五分、質疑、答弁、討論その他については十分とすることに決しました。(拍手)
    ―――――――――――――
 佐々木秀世君外二十二名提出発言時間制限の動議を可とする議員の氏名
      安倍晋太郎君    阿部 喜元君
      相川 勝六君    愛知 揆一君
      青木 正久君    赤城 宗徳君
      赤澤 正道君    秋田 大助君
      天野 光晴君    荒木萬壽夫君
      荒舩清十郎君    有田 喜一君
      井出一太郎君    井原 岸高君
      伊東 隆治君    伊藤宗一郎君
      伊能繁次郎君    池田 清志君
      池田正之輔君    稻村佐近四郎君
      宇野 宗佑君    上村千一郎君
      植木庚子郎君    臼井 莊一君
      内海 英男君    浦野 幸男君
      小川 半次君    小川 平二君
      小沢佐重喜君    小澤 太郎君
      小沢 辰男君    小渕 恵三君
      大石 八治君    大石 武一君
      大久保武雄君    大竹 太郎君
      大坪 保雄君    大野  明君
      大野 市郎君    大橋 武夫君
      大村 襄治君    岡崎 英城君
      岡本  茂君    奥野 誠亮君
      加藤常太郎君    加藤 六月君
      鹿野 彦吉君    鍛冶 良作君
      海部 俊樹君    桂木 鉄夫君
      金丸  信君    金子 一平君
      金子 岩三君    神田  博君
      鴨田 宗一君    仮谷 忠男君
      川野 芳滿君    菅野和太郎君
      木野 晴夫君    木村 武雄君
      木村 俊夫君    菊池 義郎君
      北澤 直吉君    吉川 久衛君
      久野 忠治君    鯨岡 兵輔君
      熊谷 義雄君    倉成  正君
      藏内 修治君    小平 久雄君
      小峯 柳多君    小宮山重四郎君
      小山 省二君    河野 洋平君
      佐々木義武君    佐藤 榮作君
      佐藤 孝行君    佐藤 文生君
      佐藤洋之助君    坂田 英一君
      坂田 道太君    坂村 吉正君
      坂本三十次君    櫻内 義雄君
      笹山茂太郎君    志賀健次郎君
      始関 伊平君    椎名悦三郎君
      塩川正十郎君    塩谷 一夫君
      重政 誠之君    篠田 弘作君
      澁谷 直藏君    正示啓次郎君
      白浜 仁吉君    進藤 一馬君
      菅波  茂君    鈴木 善幸君
      砂田 重民君    瀬戸山三男君
      關谷 勝利君    田川 誠一君
      田澤 吉郎君    田中伊三次君
      田中 正巳君    田中 六助君
      高橋清一郎君    竹内 黎一君
      竹下  登君    谷川 和穗君
      千葉 三郎君    地崎宇三郎君
      塚原 俊郎君    辻  寛一君
      坪川 信三君    渡海元三郎君
      登坂重次郎君    床次 徳二君
      中尾 栄一君    中川 一郎君
      中川 俊思君    中曽根康弘君
      中野 四郎君    中村 寅太君
      中村庸一郎君    灘尾 弘吉君
      二階堂 進君    丹羽 久章君
      丹羽喬四郎君    西岡 武夫君
      西村 英一君    西村 直己君
      野原 正勝君    野呂 恭一君
      葉梨 信行君    馬場 元治君
      橋口  隆君    橋本龍太郎君
      長谷川四郎君    長谷川 峻君
      八田 貞義君    早川  崇君
      広川シズエ君    廣瀬 正雄君
      福家 俊一君    福井  勇君
      福田 赳夫君    福田 篤泰君
      福永 一臣君    藤井 勝志君
      藤枝 泉介君    藤尾 正行君
      藤波 孝生君    藤本 孝雄君
      船田  中君    保利  茂君
      坊  秀男君    細田 吉藏君
      本名  武君    益谷 秀次君
      増岡 博之君    増田甲子七君
      松浦周太郎君    松澤 雄藏君
      松田竹千代君    三池  信君
      三ツ林弥太郎君    三原 朝雄君
      箕輪  登君    水田三喜男君
      湊  徹郎君    宮澤 喜一君
      村上  勇君    村上信二郎君
      村山 達雄君    毛利 松平君
      粟山  秀君    森   清君
      森下 國雄君    森田重次郎君
      森山 欽司君    八木 徹雄君
      山口 敏夫君    山崎  巖君
      山下 元利君    山田 久就君
      山手 滿男君    山村新治郎君
      吉田 重延君    和爾俊二郎君
      早稻田柳右エ門君    渡辺 栄一君
      渡辺  肇君    渡辺美智雄君
 否とする議員の氏名
      阿部 昭吾君    井上  泉君
      井上 普方君    伊賀 定盛君
      江田 三郎君    枝村 要作君
      岡田 利春君    加藤 万吉君
      勝間田清一君    唐橋  東君
      河上 民雄君    工藤 良平君
      小松  幹君    後藤 俊男君
      神門至馬夫君    佐藤觀次郎君
      佐野  進君    島本 虎三君
      武部  文君    千葉 佳男君
      中井徳次郎君    中谷 鉄也君
      芳賀  貢君    畑   和君
      浜田 光人君    平林  剛君
      平等 文成君    広沢 賢一君
      広瀬 秀吉君    福岡 義登君
      古川 喜一君    武藤 山治君
      山本 政弘君    山本弥之助君
      米田 東吾君    依田 圭五君
      渡辺 惣蔵君    浅井 美幸君
      有島 重武君    伊藤惣助丸君
      石田幸四郎君    小川新一郎君
      大橋 敏雄君    近江巳記夫君
      岡本 富夫君    沖本 泰幸君
      北側 義一君    小濱 新次君
      斎藤  実君    鈴切 康雄君
      田中 昭二君    竹入 義勝君
      中野  明君    樋上 新一君
      広沢 直樹君    伏木 和雄君
      正木 良明君    松本 忠助君
      矢野 絢也君    山田 太郎君
      渡部 一郎君    田代 文久君
      谷口善太郎君    林  百郎君
      松本 善明君
     ――――◇―――――
 日程第一 国務大臣木村俊夫君不信任決議案(山花秀雄君外四名提出)(前会の続)
#21
○議長(石井光次郎君) 日程第一、国務大臣木村俊夫君不信任決議案を議題とし、前会の議事を継続いたします。
 提出者の趣旨弁明を許します。野間千代三君。
  〔発言する者多し〕
#22
○議長(石井光次郎君) この際、三十分間休憩いたします。午前十一時三十七分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時二十五分開議
#23
○議長(石井光次郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
     ――――◇―――――
#24
○議長(石井光次郎君) 先刻の本会議において、事務当局の手落ちによって、号鈴を机上に置かなかったことは遺憾であり、今後十分注意いたさせます。
    ―――――――――――――
#25
○議長(石井光次郎君) 日程第一、国務大臣木村俊夫君不信任決議案を議題とし、前会の議事を継続いたします。
 提出者の趣旨弁明を許します。野間千代三君。
  〔野間千代三君登壇〕
#26
○野間千代三君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました国務大臣内閣官房長官木村俊夫君不信任決議案の趣旨の説明を行ないたいと存じます。(拍手)
 まず、案文を朗読いたします。
    国務大臣木村俊夫君不信任決議案
  本院は、国務大臣木村俊夫君を信任せず。
   右決議する。
  〔拍手〕
以上であります。
 以下、その理由を申し上げます。
 第一に、官房長官は、はたしてその職責を果たしてきたかどうかということであります。
 内閣法第十二条によれば、内閣官房長官の最も重要な職務は「閣議に係る重要事項に関する総合調整」ということであります。「重要事項に関する総合調整」とは、単なる事務的処理ではなくて、国民に公約した政府の政策を遂行する内閣総理大臣を補佐し、閣内を取りまとめ、内閣の政策実行の推進役であるということでなければなりません。しかるに、木村官房長官は、佐藤内閣の反動政策を推進することのみに意を用い、国民の要望する重要政策実現には意識的に怠ってきたといわなければなりません。(拍手)これ、理由の第一であります。
 第二は、特に政治資金規正法案の取り扱いに対する木村長官の態度であります。
 すなわち、去る特別国会に提案された政治資金規正法案の提案に至る経過並びに提案後の取り扱いは、全く政治の浄化を期待する国民の願いを裏切ったものでありましたが、佐藤内閣の政策推進の柱たるべき官房長官が、これを廃案にするにきゅうきゅうたる自民党の代弁者たることにつとめたばかりでなく、ついにこの法案を葬り去ったことであります。
 第三の理由は、今臨時国会における国会運営の不当さに対する官房長官の怠慢の点であります。
 すなわち、国民を欺瞞して、今国会を健保国会という名に隠して、国会の真になすべき国民的要求の多くの政治課題を解決することを放任し、あまつさえ議会制民主主義を危殆に瀕せしめるに至った今日までの木村官房長官の政治的無能さについてであります。
 以上が、本決議案を提出する理由の主たるものでありますが、さらに私は、以上の理由を少しく詳細にすることによりまして、不信任の趣旨を一そう明らかにいたしたいと思います。
 まず、官房長官木村俊夫君の政治的手腕についてであります。
 木村長官は、不幸病に倒れた福永健司前官房長官のあとを継いで、就任日なお浅く、その政治手腕を云々することは時期尚早との意見があるかもしれません。しかし、木村長官は、副長官の時代を通算すると決して短いものではありません。また、佐藤内閣のその性格から、木村俊夫君がその識見と手腕を買われたのではなくて、佐藤首相得意の派閥人事の産物として突発的に任命されたものであるかどうか、いずれにいたしましても、木村官房長官の政治的手腕は、残念ながら決して高いものとは言いがたい。
 木村俊夫君は、一見英国流の紳士然たる容姿は、大ものぶった尊大な態度の多い保守党議員の中ではまれに見る議員と見ておったのであります。したがって、あるいは戦後最大の反動内閣といわれた岸内閣とその反動性において兄たりがたく弟たりがたしと世評の高い佐藤内閣の官房長官たること自体に、あるいは木村俊夫君の政治手腕を高からしめることのできない原因があるのかもしれないと思うのでありますが、しかしながら、政治資金規正法案流産の経過一つをとってみても、木村官房長官は失格だといわざるを得ません。(拍手)
 木村官房長官は、自民党内強硬派を全く説得できず、佐藤首相が、衆参両院を通じて、一応とにもかくにも、そして腹の中はどうあれ、またその法案はもちろん無価値なものではあるが、今国会において成立を期すと言明しているにもかかわらず、党内強硬派を説得するどころか、閣議の重要事項の総合調整という官房長官最高の任務を怠り、内閣と与党との間の調整、つまり、内閣法第十二条にいう官房長官のもう一つの重要な任務、「内閣の重要政策に関する情報の収集調査」の任務を怠ってきたこと、それは結局は木村俊夫君がその官房長官としての政治的手腕がなかったのだと断ぜざるを得ないと思うのであります。(拍手)社会党の政治資金規正法修正案に内閣をして同調せしめ、与党を説得してこれが成立に努力することこそが、真に国民に黒い霧解散後の自民党の公約を実現する最高の道であったはずであり、それが重要政策に関する情報収集、調査の任務を果たすことであったのであります。
 去る七月二十七日、選挙制度審議会の総会において、木下委員は、このように審議会を無視するなら、今後審議を続けることは税金のむだ使いである、首相は国民に道義的責任を負うて即時退陣すべきであると、口をきわめて、率直に国民の意見を開陳されました。まさにそのとおりであります。官房長官木村俊夫君は、この総会に同席していて、官房長官として、いま何をすることが真に総理に対するその職責であるかを考えられたのでありましょうか。政治資金規正による政界の浄化がいかに大きな国民的世論であるかを、この日この審議会で、あなたは一そう強く感じられたのではないのですか。いま一度、あなたが補佐すべき佐藤首相の政治資金規正に関する発言を拾ってみると、いわく、「審議会の答申は尊重する」いわく、「立案にあたっては小骨一本抜かない」そして廃案にしておいて、佐藤首相はいわく、「はなはだ遺憾であります」いわく、「私の気持ちは国民が知っている」等々でありまして、山花国対委員長の代表質問のことばではないが、盗人たけだけしい鉄面皮さであったのでありますが、内閣の大番頭たる木村官房長官、あなたはこれに対して一言半句も忠告することがないのであります。閣内において世論、正論を主張し、佐藤首相をして反省せしめる努力を傾注するならば、あなたの政治家としての評価はさらに大きく高まることでありましょう。私は、あなたのために深く心から悲しむものであります。
 次に申し上げたいことは、政府・与党の国会運営の無定見ぶりについてであります。これに関する木村官房長官の無責任ぶりについてであります。
 特別国会において、政府・自民党が最大の懸案とした健保特例法案が、野党の力、国民の力によって廃案に追い込まれるや、やみくもに臨時国会を召集した政府の政治道義のなさこそ、まさに国民的指弾に値する政治的罪悪であります。(拍手)この国会において、万一政府の政治課題が通過できなかったことがあったならば、それは直ちに政府の政治責任の問題であって、無定見に臨時国会を召集すべきものでは断じてありません。それこそは、行政府に立法府を従属させようとするファッショ的、国会軽視の考えであって、国権の最高機関と、これを成立させている主権者たる国民に対する重大な侮辱といわなければなりません。(拍手)臨時国会を召集するならば、国会がしなければならない国民的要求は、健保特例法にあらずして、国民生活の中に山積している多くの国民の要求を解決することが、実は政府と国会の今日的任務なのであります。しかるに何ぞや、政府は、もし政府にとって健保特例法案が政治的重要課題であるならば、特別国会における廃案の責任を負うて、直ちに総辞職することこそが、政治の折り目を尊重する政府の姿勢でなければならないはずではないでしょうか。(拍手)
 しかるに、佐藤内閣は、その責任を国会、特に野党に押しつけてきたのであります。政管健保、つまり労働者階級の底辺にある千二百万人の組合員、船員健保二十五万人の組合員、影響を受ける国民は三千万人に及ぶこれらの人々から、単年度七百四十五億円にのぼる膏血をしぼり取る健保特例法案のみを上程する臨時国会を進めてきているのであります。木村官房長官、あなたは、この不当な政府のやり方に猛省を促す高い政治理念、信念をはたして持ち合わせていたのでありましょうか。そればかりではありません。本臨時国会においてすらも、なお特例法案が通過しないと見るや、ついに政府は、自民、社会、民社、公明の四党間に締結された申し合わせ事項をも一時間半のあとに弊履のごとく破り捨てるという、いわば社会、民社、公明野党三派をだまし討ちにするという暴挙をもあえて行なうに至ったのであります。今日再び政府・与党は、国会の会期をかって気ままにもてあそぼうとしていることを耳にするにつけて、私は、あらためて八月二日のあの事態を思い起こしたいと思います。(拍手)
 四党間の申し合わせば次のとおりでありました。すなわち、一、委員会は慎重に審議する。二、したがって、現在通告のある社会八名……
#27
○議長(石井光次郎君) 野間君、時間ですから、結論を急いでください。
#28
○野間千代三君(続) 民社三名、公明二名、計十三名の質疑はこれを認める。三、この間、質疑中は、委員会は円満な運営を行なう。自民党の川野社会労働委員長が会議を主宰し、四党の理事が会合して、そして自民党の理事が字句の多くに意見を述べてでき上があったこの申し合わせ事項は、記録にも明らかにとどめられた政党間の厳とした約束であったのであります。議会は政党間の信頼に立った……
#29
○議長(石井光次郎君) 野間君、制限時間を過ぎましたから、発言を終わってください。
#30
○野間千代三君(続) 協定の上に初めて成り立っているとすれば、だれが、しかも一時間余の間に破り去られると推測するものがあったでありましょうか。まさに天上天下ともに許すべからざる行為であります。この協定破棄の通告、つまり……
#31
○議長(石井光次郎君) 野間君、制限の時間がまいりましたから、発言の中止を命じます。
  〔発言する者多し〕
  〔野間千代三君発言を継続〕
#32
○議長(石井光次郎君) 野間君、発言の中止を命じました。野間君、降壇を命じます。
  〔野間千代三君なお発言を継続〕
#33
○議長(石井光次郎君) 執行を命じます。
  〔発言する者多し〕
  〔野間千代三君なお発言を継続、降壇〕
    ―――――――――――――
#34
○議長(石井光次郎君) 質疑の通告があります。順次これを許します。中谷鉄也君。
  〔中谷鉄也君登壇〕
#35
○中谷鉄也君 私は、ただいま提案せられました官房長官木村俊夫君不信任案に対し、日本社会党を代表し、数点にわたり、提案者にお尋ねいたします。
 最初に、質問を明確にするため、内閣法第十二条を引用いたします。すなわち、同条によれば、内閣官房は、「閣議事項の整理」「閣議に係る重要事項に関する総合調整」「内閣の重要政策に関する情報の収集調査」となっているのであります。右法文より見て、内閣官房長官の基本的職責と、右職責遂行のため必要欠くべからざる官房長官の政治姿勢のあり方はおのずから明らかであろうと思いますが、少なくとも官房長官たる者は、その職責遂行にあたっては、無批判的に総理に従属したり、追従したり、迎合したりはしないという政治姿勢を堅持することが最小限の基本的姿勢と考えますが、いかがでございましょうか、まず提案者にお尋ねをいたします。(拍手)
 質問の第二は、右官房長官の職責から見て、今日に至るまでの同長官の実績であり、業績でございます。すなわち、木村俊夫君は、福永前長官が病に倒れたあと、にわかにその職を継ぎ、就任以来三ヵ月を経たのでありますが、わずか三ヵ月の間に、総理に対する無批判的従属を矢つぎばやに繰り返してきたと、その実績を指摘せざるを得ないのであります。
 すなわち、その明らかな事実の第一は、政治資金規正法改正案の審議に関してであります。
 いまを去る六年前の第一次選挙制度審議会の答申以来、本年四月七日、第五次回審議会の答申を受けながら、政府・自民党は、党内調整に名をかりて、その法案提出をおくらせ、さらに法案の内容については、大骨小骨の骨を抜き、審議にあたっては小沢委員長の雲隠れ等、ありとあらゆる術策を弄し、むざんにも、前特別国会において同法案を廃案ならしめた、おおうべからざる悪質な事実を指摘いたします。改正法案は、廃案になったのではなくて、政府・与党の手によって廃案にせしめられたというのが、文法的にも、政治的にも、法律的にも正確な表現であるということを重ねて申し上げます。(拍手)そして、かかる経過は、まさに政府と国民の結び目に権力という大なたをふるうことによって、政府と国民との間に政治不信の裂け目をつくり上げたものと断ぜざるを得ないのであります。本来、政治の清潔を確保し、国民に対し、政治の信頼を取り戻すための改正法案が、かえって廃案という運命の中で、国民の政治への信頼を失わしめ、不信を増大せしめたということは、何としても許しがたいことであります。かかる国民への政治不信を増大せしめた原因の一つは、官房長官木村俊夫君が、反動的な佐藤総理の政治姿勢にひたすらに従属し、何ら長官としての職責を果たさなかったことに重要な責任があると考えるが、、提案者の御答弁をいただきたいと思います。(拍手)
 第二の質問は、次の点であります。
 思えば、過日総理の行なった行政事件訴訟法第二十七条に基づく異議申し立ては、集団示威行進という憲法に保障する表現の自由の侵害であります。それは、司法権の独立と行政権とが交錯する重大な問題でありました。異議申し立てなどとは、まさに伝家の宝刀の行使であり、みだりに行使すべきでないことは、法制定当時から強く主張せられたところであります。伝家の宝刀を抜くということ、かりに本議場に例をとるならば、それは議長席に置かれている振鈴、すなわち号鈴の行使にも比すべきことであると私は考えます。私の国会法に関する知識によりますと、衆議院規則二百十八条、すなわち、第九十回帝国議会において、昭和二十一年六月二十一日、当時の議長の手によって、振鈴、すなわち号鈴が鳴らされたという事実があるだけであります。それは、すなわち、空前絶後のことであります。議長が号鈴を鳴らされるのは、まさに緊急非常のときに限ります。多数の国民、多くの識者の反論を押し切り、首相が異議申し立てにより司法権に介入したことは、議場において、議長がみだりに振鈴を鳴らされる行為に匹敵すべきであります。これこそ司法権に対する行政権の侵害であったのでございます。国民の政治に対する信頼を裏切る、これより大なるものはございません。しかも、かかる権力の乱用に関して何ら反省をせず、権力の乱用をあえてし、しかも権力の乱用に対する無感覚な反省のなさ、まことに強く糾弾されねばならぬところでございます。(拍手)そして、総理、政府あるいは与党のこれらあしき措置に対し、木村官房長官は何ら今日に至るまで防止の努力、抑制の努力を傾けた事実がないのであります。かかる職責上の怠慢をおかした人が官房長官の職にいまなおとどまることは、とうてい許し得ないと思うが、提案者の御答弁を求める次第でございます。(拍手)
 思うに、前国会、政治資金規正法改正案に関するわが党島上議員の緊急質問に対し、佐藤総理は、改正法案につき、小骨一本抜かぬなどと答弁したのであります。その答弁の空疎にして、そらぞらしき、まさに、そのそらぞらしさにおいて、最近のあしき先例たり得ると私は思うのであります。
 さて、木村俊夫君は官房長官就任の談話として、政府と国民との結び目になりたいなどと語った事実があります。にもかかわらず、同君の就任以来わずか三ヵ月間における唯一の業績は、国民と政府の間に権力のなたをふるい、その結び目を断ち切ろうとしたことに尽きるのであります。そのことに思いをいたしますならば、その就任の辞のそらぞらしさは、まことに小骨一本抜かぬと称し、大骨を抜き去ることをあえてする総理の巧言と軽重相ひとしく、いわゆる兄たりがたく弟たりがたく、まことに巧言あって誠意なしの典型がここにあると思うのでございます。(拍手)かかる巧言令色が、国会の名において、政治の名において許されてよいものかどうか。佐藤総理にせよ、木村俊夫君にせよ、ともに「巧言令色鮮きかな仁」といわざるを得ないと思いますが、提案者のお考えをとくとお伺いする次第でございます。(拍手)
 さて、私はこの壇上において、いまはなき緒方竹虎氏が……
#36
○議長(石井光次郎君) 中谷君、時間ですから、結論を急いでください。
#37
○中谷鉄也君(続) かつて吉田内閣の大官房長官であったことを想起せざるを得ません。緒方竹虎氏は、吉田総理の退陣に、官房長官として重大な示唆と助言を行なわれたことは、戦後政治史の中に明らかな事実であります。その緒方竹虎氏と木村俊夫君とを比較するなどということは、まことに比較の対象を失し、世間でいう、はかりにかからないのであります。
#38
○議長(石井光次郎君) 中谷君、制限時間が過ぎましたから、発言を終わってください。
#39
○中谷鉄也君(続) それは、かつて中原のシカを追うた猛虎と、トラに似てトラにあらざるものをはかりにかけるようなものといわなければなりません。しかし、比較に困惑を感ずるとはいえ、冒頭引用いたしましたごとく、内閣法第十二条に明らかに規定されているとおり、一官房長官は、単なる事務官僚ではありません。
#40
○議長(石井光次郎君) 制限の時間がまいりましたから、発言の中止を命じます。
  〔発言する者多し〕
  〔中谷鉄也君発言を継続〕
#41
○議長(石井光次郎君) 中谷君、発言の中止を命じます。
  〔中谷鉄也君なお発言を継続〕
#42
○議長(石井光次郎君) 中谷君、発言の中止を命じます。
  〔中谷鉄也君なお発言を継続〕
#43
○議長(石井光次郎君) 中谷君、降壇を命じます。
  〔中谷鉄也君なお発言を継続〕
#44
○議長(石井光次郎君) 執行を命じます。
  〔発言する者多し〕
  〔中谷鉄也君なお発言を継続、降壇〕
  〔野間千代三君登壇〕
#45
○野間千代三君 中谷鉄也君の質問に対して簡潔にお答えいたします。
 中谷鉄也君が指摘されましたように、官房長官の任務は、内閣法第十二条に明記されております。一つは「閣議事項の整理」、つまり、これは事務上の整理であると考えてよろしいと思います。したがって、そう重要な事項ではございませんが、第二項に「閣議に係る重要事項に関する総合調整」と明記されております。「閣議に係る重要事項」という意味は、これは閣僚がその内閣の重要な政策を進めていこうとしているときに、多くの意見があるであろうけれども、その際に、内閣の政策実現の方向を総合調整して、内閣の政策実行力を正確に具体化するための閣議の各閣僚間の意見を統一するという任務が、この「閣議に係る重要事項に関する総合調整」ということであろうと思います。そう考えたときに、木村官房長官は、たとえば質問者の中谷鉄也君が指摘されるように、政治資金規正法案を立案するという場合、あるいはそれを閣議決定して、そして国会においてそれを可決させるために、多くの意見があろうけれども、いま国民が要望しているのは、政治資金規正法を国会で通過させ、そして政界浄化に関する国民の政治的要望を確立すること、確立する方向に首相を補佐することが官房長官の最高の任務であるといわなければなりません。(拍手)木村官房長官は、そういう意味では、この政治資金規正法の立案と国会上程とその通過のために、全く重要事項に関する総合調整の任務を放棄しておったか、あるいはその重要任務遂行に政治的手腕が欠けておったか、そのいずれかであろうといわなければなりません。これがまず第一であります。
 第二は、内閣法第十二条の二項によれば、「内閣の重要政策に関する情報の収集調査」という任務があります。これは、国民の今日の政治要求が何であるか、政治資金規正法案をどのように作成し、つまり、選挙制度審議会の意見をどのように尊重して規正法案を立案し、そして、それを国会において成立させなければならないということが国民の要望である、つまり、これが官房長官が収集すべき世論であり、国民の要望であると正確につかみ、そして、それを内閣が具体化するように内閣総理大臣を補佐し、内閣の国民に対する責任、国民の内閣に対する要求を実現するようにつとめることが、この第二項にいう、「情報の収集調査」の任務であるといわなければなりません。(拍手)この問題についても、木村官房長官は、子の任務を全く果たさなかったと断言せざるを得ません。これが、内閣法にきめられた内閣官房長官の職務内容に対して、木村官房長官がこれを果たさなかったという、内閣官房長官としての政治的手腕とその責任を果たさなかったという私の提案理由の大きな論点であって、質問者の中谷議員の言われていることと全く同じであります。(拍手)
 次に、中谷議員の質問の、国民の結び目になろうと木村官房長官が就任の際に言われたその任務を、はたして木村官房長官は果たしていたかどうか。この点については、今日までの政治資金規正法案の取り扱い、あるいは国会運営に対する官房長官としての任務の取り扱い、――あるいは今日国民が要望している国会に対する要求は、ただ単に健康保険特例法を問題とするだけではなくて、官房長官が結び目であるならば、いまこの国会でしなければならないのは、あるいは内閣がしなければならないのは、水害による国民の被害を救済し、あるいは公務員賃金など、多くの国民の生活を改善し、あるいは原爆記念日を前にして、世界の平和を確立するために、ベトナム戦争をやめさせるという国民の要望を閣議において決定し、それをこの国会において解決せよということが、国民の現下における政府や国会に対する要望であります。(拍手)もし官房長官が、国民と政府との結び目になろうとするならば、そうした方向において閣議を決定し、そして、首相を補佐することが内閣官房長官の任務であるといわなければなりません。(拍手)そういう意味では、官房長官木村俊夫君は、国民の結び目としての任務を、これまた果たさなかったといわなければならないと思います。(拍手)
 最後に、「巧言令色鮮し仁」、官房長官木村俊夫君の言動はどうであったかと申しますと……
#46
○議長(石井光次郎君) 野間君、時間ですから結論を急いでください。
#47
○野間千代三君(続) これは、私が提案説明の中でるる申し上げましたように、また、質問者の中谷鉄也君が言われるように、国会における答弁や、あるいは今日までの多くの木村官房長官の言行は、政治信念やあるいは官房長官の任務を尽くそうとする熱意には、全く欠けているといわなければなりませんので、中谷鉄也君の指摘するとおりであると私は存じます。
#48
○議長(石井光次郎君) 野間君、制限時間が過ぎましたから、答弁を終わってください。
#49
○野間千代三君(続) 以上、答弁を終わります。
#50
○議長(石井光次郎君) 千葉佳男君。
  〔千葉佳男君登壇〕
  〔議長退席、副議長着席〕
#51
○千葉佳男君 上程されております国務大臣木村俊夫君の不信任決議案の趣旨説明に対しまして、二、三御質問いたします。
 私どものこのバッジの裏には、第三十一回選挙と書かれておりますが、私は、この第三十一回選挙というのは、戦後の日本の政治史におきまして画期的なものになるであろう、このように考えておるものでありまして、かつまた、この三十一回選挙に初めて当選いたしました者として、実はまことに誇りに思っておりました。
 なぜかと申しますならば、言うまでもなく、黒い霧解散、出直し国会といわれておりますが、私ども社会党にも、三十三名おりますが、この三十三名の新人議員を含めまして、百二名の新しい議員が政界浄化という国民の期待の中に新しく生まれたのであります。深夜、徹夜と、このように断続しております本会議、この会議の中で、幾人かの新人議員が、あるときは提案、あるときは質疑のためこの壇上にのぼっておりますが、異口同音に唱えておりますことは、この三十一回選挙で選ばれた私どもに課せられた最大にして、そして最高の責務は、国権の最高機関としてのこの国会の権威のために、そして日本の民主主義、議会主義を守らねばならぬ、このように言われておったと私は理解しております。
 そのために、私どもは何をなさねばならないか。言うまでもなく、それは数々の疑惑を持たれた政治にまつわる金、それを国民の前にガラス張りにする政治資金規正法を、この出直し国会の中で、すべての案件に優先して確立すべきであったと私は思うのであります。(拍手)勇断をもって、あるいはえりを正してと、たびたびの佐藤総理の言明があるにもかかわらず、全くむざんにもさきの五十五特別国会におきまして廃案になり、この五十六臨時国会には提案すらされていない状態であります。私は、これがあえて民主主義の死だとか、あるいはまた議会政治の死であると、こういうふうにわめき立てようとは思いません。しかしながら、少なくとも民主主義を死に至らしめる道であり、そしてまた議会主義が危殆に瀕する道である、これだけは私は断言できると思うのであります。(拍手)
 国務大臣木村俊夫君は 内閣官房長官として内閣総理大臣を補佐し、自民党・佐藤内閣が公約したこの政治資金規正法案を実現しなければならなかったはずでありますが、どのような努力をなされたか、詳しく提案者にお尋ねいたしたいと思います。
 むろん、木村君が補佐すべき佐藤総理大臣は、みずからの罪をのがれるためには指揮権を発動するという暴挙もあえて辞さない一方、昨日、藤枝自治大臣不信任の投票のときでありましたが、部、下を助けなければならないのに、平然としてあそこの席にすわっておる、衆人環視の中で平然としておるという精神の持ち主であります。そしてまた佐藤総理は、口で言うことと、願で考えていることと、腹で実際やることと、この三つがまるきり違うというたいへん器用な方でございますので、補佐役であり女房役である木村俊夫君は、その辺、呼吸をのみ込むのにたいへん苦労されておることと思いますけれども、提案者の野間さんは、官房長官のその心情はいかにあったとお考えでありますか。この辺も、もし差しつかえございませんでしたら、お尋ねいたしたいと思うのであります。
 さて、私が第二にお尋ねしたいのは、この正常ならざる国会運営は一体どこからきたのか、もう一度振り返ってみたいと思います。私ども社会党が動議を連発しておる、のろのろ投票しておる、こういうふうな姿が正常ならざるものとして、あるいはテレビを見ておられる方が錯覚するかもしれません。しかしながら、これは本末転倒であります。よって来たる最大の原因は、あの二日の社労委員会の強行採決である。(拍手)これは全く疑う余地はありません。むろん、いままでも数々の強行採決が繰り返されてまいりました。しかし、ある人は言っております。今度の強行採決は前代未聞である、このように言っております。むろん、幾たびも繰り返されてまいりました強行採決でありますから、採決の方法については、いままでもやってきたことであり、また絶対多数を持っておられます皆さん方、自由民主党の方々でありますから、あるいは――、あるいはであります、大きくは言いません。あるいは今後も、かもしれません。だから世人が前代未聞だ、こういうふうに言っているのは、強行採決その方法ではない、別なところにあります。どこか。これは委員会に入る前の四党間の取りきめであります。何人かの人々もすでに指摘いたしておりますけれども、理事会の取りきめ、しかも、文書で取りきめたこの取りきめ、社会党八名質問させる、公明党、民社党それぞれ質問させる、慎重審議をいたします、麗々しくもこれを書いたわけであります。これが、第一番目のわが党の佐藤觀次郎両院総会長の途中に打ち切った、つまり、このだまし方が前代未聞である、こういうことであります。私は、ある人が――話し合いというからには、その根底にお互いの信頼がなければならないと思います。ところが、こういうふうなだまし討ちというのは……(「それはいかぬ」と呼ぶ者あり)これは全く言うとおり遺憾であります。まことにいかぬ、これ以上の不信行為はないわけであります。むろん、私どもがもう一歩下がって冷静に、しかも合理的にものごとを考えてみるならば、もしあの強行採決がなしに、委員会で十分審議を尽くしていたら、いまごろどうなったか。われわれがのろのろ歩く間に、そのかわりに討論に十分な時間を尽くしておったらどうなったであろうか、こういうふうな不正常な状態、これは出なかったのではなかろうかと私は考えております。
 官房長官の木村俊夫君は、稲永長官の病のあとを受けて長官になられましてから、いまだ日も浅いとはいいながら、当選七回という輝かしい経歴の持ち主であります。二十四回、二十六回、二十七回、二十八回、二十九、三十、三十一と、途中二十五回には落選されたようでありますが、七回当選という実に輝かしい経歴と堂々たる経歴を持たれたこの議会人の先輩、この議会の先輩が、このようなルールを確立するために、からだを張ってがんばらなければならぬが、内閣総理大臣の佐藤榮作君をどのようにして一体補佐されて、議会主義の確立、ルールの確立のために努力されたか、ひとつ御提案の野間さんにお尋ねいたしたいと思います。
 第三番目に私がお尋ねしたいのは、総理大臣の佐藤榮作君が、この秋、南ベトナムに行かれるといわれておりますけれども……
#52
○副議長(園田直君) 千葉君、時間ですから、結論を急いでください。
#53
○千葉佳男君(続) それに対する木村官房長官の心境について、ひとつお尋ねいたしたいと思います。総理大臣は、かつてなくなられました池田総理大臣と総裁を争っておりました。そのときに、東洋の巨人ドゴールだ、こういうふうにして売り出したのであります。それは当時アメリカやイギリスの反対を押し切って中国を承認したドゴールの勇気、そしてまた日ソ国交回復を敢然として行なった鳩山総理を思い出させまして、何かこの新しい、新鮮な期待感というものを感じさせました。看板に偽りありでありまして、今回は打って変わって、動乱の南ベトナムに佐藤総理みずからが出て行く、こういうふうなことを言明しておりましたが……
#54
○副議長(園田直君) 千葉君、千葉君、制限時間が過ぎました。発言を終わってください。
#55
○千葉佳男君(続) これはまさに殿御乱心であります。先ほど中谷議員も言いましたが、吉田総理大臣に対するかの緒方竹虎さん――この殿御乱心のときには、それを戒めるのが内閣官房長官である木村俊夫君の私は光栄ある任務である、このように思うのでありますが……
#56
○副議長(園田直君) 千葉君、千葉君、制限時間がまいりましたから、発言の中止を命じます。
  〔発言する者多し〕
  〔千葉佳男君発言を継続、降壇〕
  〔野間千代三君登壇〕
#57
○野間千代三君 千葉佳男君の質問に対してお答えをいたします。
 第一点の御質問は、政治資金規正法の、内閣の今日まで取り来たったやり方に対して、官房長官木村俊夫君はどういうことをしておったのかという御質問でございますが、これは、すでに私が提案の際にも申しましたように、全く何もしていないという一語に尽きます。(拍手)したがって、千葉君のこの第一点の質問に対しては、そのように簡単にお答えをしておくことにとどめます。
 第二番目の、佐藤首相のああした性格に対して、木村官房長官は補佐するのに非常に苦労をされただろう、それはどうでしょうかという御質問であります。私は、佐藤首相の性格をよく承知しておりますので、官房長官が補佐をする際にはたいへん困るだろう、したがって、木村官房長官も非常に困られたに違いないと思いたいのでありますが、やはり木村官房長官にも佐藤首相と通ずるものがある。したがって、あまり苦労をされないで、何にもしないで今日まできたのだというふうに推測せざるを得ません。そこに、官房長官としての政治的手腕の不足や、あるいは無責任についての、私どもの指弾すべき大きな点があるだろうと思います。(拍手)そういうふうにお答えを申し上げます。
 第三番目に、強行採決の際に官房長官はどういう努力をされたのだろうか、こういう問題でありますけれども、もし官房長官が、真に官房長官としての任務を尽くそうとするならば、当然国会を本来の次元、つまり、四党が申し合わせをしたあの次元に引き戻すことが、最も正しい官房長官としての態度でなければならないと思います。(拍手)ところが、今日の事態は、私ども日本社会党が、何とかして議会制民主主義の基本である政党間の信義の上に立った国会を実現しようとして努力をしなければならなくなっている。つまり、内閣官房長官がその職責を果たさなかったことは、これを見ても明らかであります。そう答える以外にはございません。
 第四番目に、南ベトナムを佐藤首相が訪問されようとしているけれども、これに対して官房長官としてはどういう態度をとったらいいのか、そういう御質問でございますが、いま佐藤首相が南ベトナムを訪問することは、アメリカのアジアに対する侵略を支持し、協力することになることは明らかであります。いま、しなければならないことは、アメリカをして北爆をやめさせることであります。(拍手)したがって、内閣官房長官が国民の意見を尊重して、内閣総理大臣に対する補佐の任務を完全に果たそうとする熱意と責任感があるならば、木村官房長官は、敢然として佐藤首相に対して……
  〔発言する者多し〕
#58
○副議長(園田直君) 静粛に願います。
#59
○野間千代三君(続) 南ベトナム訪問をやめさせることを直言すべきであります。(拍手)そして、佐藤首相をして、アメリカに対して北爆をやめさせる大きな行動を起こすように、木村官房長官は自分の職責をかけて佐藤首相に忠言をしなければならないと思います。ところが、今日の木村官房長官には、そうした政治的手腕や、あるいは力量や、あるいはまた、世界の平和、日本の平和を確立していこうとする、国民とともに進もうとする熱意が全くないと断ぜざるを得ないのが、最後に私どもの不信任案の大きな理由の一つであります。そのようにお答えを申し上げます。
 以上であります。(拍手)
    ―――――――――――――
  質疑終局の動議(佐々木秀世君外二十二名
   提出)
#60
○副議長(園田直君) 佐々木秀世君外二十二名より、質疑終局の動議が提出されました。
 木動議を採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行ないます。佐々木秀世君外二十二名提出の質疑終局の動議に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。――閉鎖
  〔議場閉鎖〕
#61
○副議長(園田直君) 氏名点呼を命じます。
  〔参事氏名を点呼〕
  〔各員投票〕
#62
○副議長(園田直君) 投票漏れはありませんか。――なるべくすみやかに投票せられんことを望みます。――すみやかに投票せられんことを望みます。――立ちとまらないで、すみやかに投票せられんことを望みます。
 ただいまから二十分以内に投票されるように望みます。その町間内に投票をされない方は棄権とみなします。
  〔投票継続〕
#63
○副議長(園田直君) 残りの時間はあと五分でありますから、すみやかに御投票せられんことを望みます。
  〔投票継続〕
  〔「提案者がいないじゃないか、提案者がいな
  くてもいいのか」と呼び、その他発言する者
  多し〕
#64
○副議長(園田直君) 時間もあとわずかでありますから、すみやかに投票せられんことを望みます。――いまだ投票されない方は、すみやかに時間内に投票されんことを望みます。
  〔投票継続〕
#65
○副議長(園田直君) 投票権は尊重したいから、なるべくすみやかに投票せられんことを望みます。――制限時間がまいりました。――投票漏れはありませんか。――投票漏れはありませんか。――投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。聞匣。――開鎖。
  〔議場閉鎖〕
#66
○副議長(園田直君) 投票を計算いたさせます。
  〔発言する者多し〕
#67
○副議長(園田直君) 投票箱の閉鎖を命じましたから自席にお帰りください。自分の席へお帰りください。――参事が計算に行きますから通路をあけてください。――計算を命じております。参事の通行を妨げないよう通路をあけてください。通路をあけてください。
  〔参事投票を計算〕
#68
○副議長(園田直君) 場内交渉係以外の方は自席にお戻りください。
 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
  〔事務総長報告〕
 投票総数 二百五十二
  可とするもの(白票)      二百二十
  〔拍手〕
  否とするもの(青票)       三十二
  〔拍手〕
#69
○副議長(園田直君) 右の結果、質疑は終局するに決しました。
    ―――――――――――――
 佐々木秀世君外二十二名提出質疑終局の動議を可とする議員の氏名
      阿部 喜元君    愛知 揆一君
      青木 正久君    赤城 宗徳君
      赤澤 正道君    秋田 大助君
      荒木萬壽夫君    荒舩清十郎君
      有田 喜一君    井出一太郎君
      井原 岸高君    伊東 隆治君
      伊藤宗一郎君    伊能繁次郎君
      池田 清志君    稻村佐近四郎君
      宇野 宗佑君    上村千一郎君
      植木庚子郎君    臼井 莊一君
      内田 常雄君    内海 英男君
      浦野 幸男君    江崎 真澄君
      小笠 公韶君    小川 半次君
      小川 平二君    小沢佐重喜君
      小澤 太郎君    小沢 辰男君
      小渕 恵三君    大石 八治君
      大石 武一君    大久保武雄君
      大竹 太郎君    大坪 保雄君
      大野  明君    大野 市郎君
      大橋 武夫君    大村 襄治君
      岡崎 英城君    岡本  茂君
      奥野 誠亮君    加藤常太郎君
      加藤 六月君    鹿野 彦吉君
      賀屋 興宣君    鍛冶 良作君
      海部 俊樹君    桂木 鉄夫君
      金子 一平君    金子 岩三君
      上林山榮吉君    神田  博君
      亀岡 高夫君    亀山 孝一君
      鴨田 宗一君    仮谷 忠男君
      川島正次郎君    川野 芳滿君
      菅  太郎君    菅野和太郎君
      木野 晴夫君    木部 佳昭君
      木村 武雄君    菊池 義郎君
      北澤 直吉君    吉川 久衛君
      久野 忠治君    久保田藤麿君
      鯨岡 兵輔君    熊谷 義雄君
      倉石 忠雄君    藏内 修治君
      黒金 泰美君    小泉 純也君
      小平 久雄君    小峯 柳多君
      小宮山重四郎君    小山 長規君
      小山 省二君    河野 洋平君
      河本 敏夫君    佐々木義武君
      佐藤 孝行君    佐藤 文生君
      坂田 英一君    坂田 道太君
      坂村 吉正君    坂本三十次君
      櫻内 義雄君    笹山茂太郎君
      志賀健次郎君    始関 伊平君
      椎名悦三郎君    塩川正十郎君
      塩谷 一夫君    重政 誠之君
      島村 一郎君    正示啓次郎君
      白浜 仁吉君    進藤 一馬君
      周東 英雄君    菅波  茂君
      砂田 重民君    世耕 政隆君
      瀬戸山三男君    關谷 勝利君
      田川 誠一君    田澤 吉郎君
      田中伊三次君    田中 榮一君
      田中 角榮君    田中 正巳君
      田中 六助君    田村 良平君
      高橋 英吉君    高橋清一郎君
      高見 三郎君    竹内 黎一君
      竹下  登君    谷垣 專一君
      谷川 和穗君    千葉 三郎君
      中馬 辰猪君    塚田  徹君
      坪川 信三君    渡海元三郎君
      登坂重次郎君    床次 徳二君
      内藤  隆君    中尾 栄一君
      中垣 國男君    中川 一郎君
      中曽根康弘君    中野 四郎君
      中村 寅太君    中村庸一郎君
      中山 マサ君    灘尾 弘吉君
      二階堂 進君    丹羽 久章君
      丹羽喬四郎君    丹羽 兵助君
      西岡 武夫君    西村 英一君
      西村 直己君    野田 卯一君
      野田 武夫君    野原 正勝君
      野呂 恭一君    葉梨 信行君
      橋口  隆君    橋本登美三郎君
      橋本龍太郎君    長谷川四郎君
      長谷川 峻君    八田 貞義君
      濱野 清吾君    早川  崇君
      原 健三郎君    原田  憲君
      広川シズエ君    廣瀬 正雄君
      福家 俊一君    福井  勇君
      福田 赳夫君    福田 篤泰君
      福田  一君    福永 一臣君
      藤井 勝志君    藤枝 泉介君
      藤尾 正行君    藤波 孝生君
      藤本 孝雄君    船田  中君
      保利  茂君    坊  秀男君
      細田 吉藏君    堀川 恭平君
      本名  武君    前尾繁三郎君
      益谷 秀次君    増岡 博之君
      増田甲子七君    松浦周太郎君
      松澤 雄藏君    松田竹千代君
      三池  信君    三ツ林弥太郎君
      三原 朝雄君    箕輪  登君
      水田三喜男君    水野  清君
      湊  徹郎君    武藤 嘉文君
      村上  勇君    村山 達雄君
      毛利 松平君    粟山  秀君
      森   清君    森下 國雄君
      森田重次郎君    森山 欽司君
      八木 徹雄君    山口 敏夫君
      山崎  巖君    山下 元利君
      山田 久就君    山手 滿男君
      山中 貞則君    山村新治郎君
      吉田 重延君    和爾俊二郎君
      早稻田柳右エ門君    渡辺 栄一君
      渡辺  肇君    渡辺美智雄君
      斎藤 寿夫君    松野 幸泰君
 否とする議員の氏名
      阿部 昭吾君    井上 普方君
      石野 久男君    工藤 良平君
      佐藤觀次郎君    佐野  進君
      戸叶 里子君    中谷 鉄也君
      福岡 義登君    細谷 治嘉君
      美濃 政市君    村山 喜一君
      山本弥之助君    依田 圭五君
      浅井 美幸君    小川新一郎君
      大野  潔君    近江巳記夫君
      岡本 富夫君    沖本 泰幸君
      斎藤  実君    中野  明君
      樋上 新一君    広沢 直樹君
      伏木 和雄君    正木 良明君
      松本 忠助君    山田 太郎君
      田代 文久君    谷口善太郎君
      林  百郎君    松本 善明君
     ――――◇―――――
#70
○副議長(園田直君) 討論の通告があります。順次これを許します。佐野進君。
  〔佐野進君登壇〕
#71
○佐野進君 私は、日本社会党を代表し、ただいま議題となりました木村内閣官房長官の不信任案に対し、賛成の討論をいたします。(拍手)
 国務大臣内閣官房長官の任務は、申すまでもなく、内閣の大番頭として内閣総理大臣を助け、国民に公約した政策を実現することにあります。内閣法第十三条に、「内閣官房の事務を統轄し、所部の職員の服務につき、これを統督する。」、内閣法第十二条は、「内閣官房は、閣議事項の整理その他内閣の庶務、閣議に係る重要事項に関する総合調整その他行政各部の施策に関するその統一保持上必要な総合調整及び内閣の重要政策に関する情報の収集調査に関する事務を掌る。」とあり、その職務の重要性は、近年国務大臣に昇格したことでも明らかであります。
 内閣官房長官木村俊夫君は、福永前官房長官病気辞任のあとを受け、去る六月二十三日官房副長官から長官に昇格した際、記者会見で次のように語っております。「官房長官の職務は、政府と国民を結びつけることであり、また政府と国会のかなめと考えている。さらに国民とのギャップを埋めるよう微力を盡くしていきたい。」と言っておるのでありますが、その後の行動は、内閣法の職務も、また記者会見における御抱負をも何一つ実行せず、特に今回の国会の混乱を招いているのであります。かかる官房長官は、すみやかにその責任を感じ、その席を去るべきと考え、不信任案に賛成をいたすものであります。(拍手)
 以下、数点にわたり賛成の意見を申し上げます。
 まず第一に、国会デモ規制に対する総理の異議申し立てに関連してであります。
 この措置は、政府の司法権に対する行政上の指揮権の発動であり、総理権限の拡大、乱用であることは、同僚議員のすでに明らかにしたところであります。しかも木村官房長官は、同様のデモが許されれば、直ちに何回でも異議申し立てをすると言明しておりますが、憲法に保障された民主政治にとってきわめて重要な集団行動による表現の自由を制限することは、みずから公約した国民とのギャップを埋めるということができないのみか、逆に国民を国会から遠ざけ、民主主義の基本である主権分立の破壊に通ずるものであり、この役割りを推進する官房長官は、断じて許しがたい反動的政治家と断ぜざるを得ないのであります。(拍手)
 第二は、政治資金規正法改正に対する取り組みについてであります。
 昨年末、佐藤内閣の現職閣僚をはじめとする職権乱用、公私混同、利権政治等、いわゆる政界の黒い霧が発生したことは記憶に新たなところであります。先般の国会解散、総選挙は、このために行なわれたことも周知のとおりであります。こうした政治腐敗に対する政界浄化の世論の高まりに対し、政府は選挙制度審議会に諮問し、同審議会は去る四月七日当面緊急に措置すべき事項として政治資金の規正及び連座制の強化等を中心とした政治資金等の改善に関する件につき答申したのであります。政府は、答申を尊重し、早期に成立をはかることを再三にわたり国民に公約したのでありますが、自民党との意見の調整に名をかり、政府案作成の段階で原形の姿をとどめぬ骨抜き案を作成し、その案すら廃案にしてしまい、ついに今国会にも提案しなかったのであります。
 木村官房長官は 会期末の国会討論会において、政府は政治資金改正案の成立を熱望している、ぜひ成立させてほしいと言われたが、このときすでに自民党内においては廃案とすることが決定的になっておったのでありまして、この言明は、まさに国民を愚弄するもはなはだしいといわなければならないと思うのであります。(拍手)もしほんとうに答申を尊重し、早期成立をはかる気持ちがあるならば、国民とのギャップを埋め、政府と国会とのかなめの役割りを果たし、今国会に提出するか、あるいは日本社会党、民主社会党、公明党の三党共同提案による改正案をすみやかに可決するよう努力することが必要であり、かかる努力を何もせず、口先だけで国民の期待を裏切る厚顔な官房長官に対し、断固その責任を追及するものであります。(拍手)
 第三点は、健康保険法臨時特例に関する法律案についてであります。
 本国会は去る七月二十一日に終わった特別国会のあとを受けて開かれた異例の臨時国会であります。この国会において前に廃案となった政治資金規正法改正案は提出せず、国民大衆、わけても低所得者の生活を圧迫する健保特例法案に限って強行審議を進めておる政府の政治姿勢は、全く逆立していると申さなければなりません。提案理由や答弁にありますように、健保特例法が成立いたしますならば、低所得者の負担を増加させ、早期診断、早期治療をはばみ、また治療中断を招き、国民の健康を破壊する結果をもたらすことは必至であり、公害、交通事故、労働災害等が多発しているとき、国民の負担増加、患者負担によって事を解決せんとする態度は断じて許さるべきではありません。(拍手)
 今度の改正によって七百四十五億円の赤字が、政府負担二百二十五億、行政努力二十五億を加え、二百五十億を引くことによって四百九十五億の被保険者負担を、修正案によって百八十二億減額するとするならば、残りは三百十三億の増収案であります。四千億に近いといわれる自然増収のある中で、わずか三百十三億の政府負担がどうして不可能なのか。そのため審議打ち切り、強行採決によって国会の混乱を招き、国民の不信を招いている原因は、木村官房長官のその職務努力の欠除を追及せざるを得ないのであります。
 第四に、官房長官としての能力の欠除であります。
#72
○副議長(園田直君) 佐野君、時間ですから、結論を急いでください。
#73
○佐野進君(続) 歴代官房長官は、それぞれ個性を持ち、その政治的判断は、事の正否はおくとしても、一応評価されております。前任者の不慮の病気によりその地位を得た木村長官は、その幸運に酔い、その職務を忘れ、いたずらに権力者に追従し、政治混乱の原因をつくっております。先に述べたように、デモ規制法における警察権力に迎合する態度、政治資金規正法では党に屈服し、健康保険特例法案に対しては厚生官僚の言いなりになり、国会の混乱に際しては、具体的な……
#74
○副議長(園田直君) 佐野君、制限時間が過ぎましたから、発言を終わってください。
#75
○佐野進君(続) 対策も立てずこれを放置し、政府と国会とのかなめの役は何ら果たしていない、近来まれに見る無能力な官房長官といわざるを得ません。(拍手)このことは、官房長官というよりは、官房副長官としてその職にあったことのほうが国民のためにしあわせであったと断ぜざるを得ません。(拍手)
#76
○副議長(園田直君) 佐野君――佐野君、制限の時間がまいりましたから、発言の中止を命じます。
  〔発言する者多し〕
  〔佐野進君発言を継続、降壇〕
#77
○副議長(園田直君) 工藤良平君。
  〔工藤良平君登壇〕
#78
○工藤良平君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました国務大臣木村俊夫君の不信任決議案に対しまして賛成の討論を行なわんとするものであります。(拍手)
 本不信任の理由につきましては、その趣旨の説明並びに中谷、千葉両議員の質問を通じまして明らかにされたところでありまして、真に当然であり、これを何人も否定するものはないと信ずるのであります。
 木村官房長官は、ごらんのように一見まことに紳士に見えるのであります。福永官房長官のあとを受けての就任でありますので、さぞかしりっぱな人格を持った方であろうと私は信じていたのであります。自由民三党の中にも一片の良心があることを私は期待をいたしておったのであります。いま、このよごれた、国民の信頼を失った政治、多数の暴力をもって国会審議を無視した政治を立て直すために、全力をあげることを心から期待をいたしたのであります。しかし、その期待は完全に裏切られたのであります。(拍手)この三ヵ月足らずの間における木村君の業績は、この現存のよごれた政治を立て直すどころか、ますます反動化し、国民を忘れ、困った者を足げにしてなお顧みない佐藤総理の番犬と成り下がったのであります。(拍手)
 申し上げるまでもなく、官房長官は内閣のかなめであり、国政の連絡調整に当たり、番頭的役割りを果たすことがその任務であることは明らかであります。したがって、国民無視の政治を正すために国務大臣としての立場を与えられ、その権限が強化されたのであります。
 第五十五特別国会は面五十七日間の長い期間でありましたが、政府の改悪と不手ぎわによって、国民大多数が強く希望する政治資金規正法をはじめ、数多くの法案が葬り去られたのであります。その経過を顧みるとき、この民主主義のルールを忘れた国務渋滞の罪は、まさに官房長官としての重大なる責任に帰属することは当然であります。(拍手)私は強い憤りをもって、このような政治をつくり出した閣僚、とりわけ総理補佐の重任に当たる木村君に対しまして、すみやかにその職を辞し、その罪を国民の前に謝すべきであると考えるのであります。(拍手)
 第二の理由は、本臨時国会の開催にあたり、廃案となった政治資金規正法をはじめ、数多くの法案や、先般の関西、九州を襲った水害対策をはじ
 め、物価、住宅、税制、農業の振興、中小企業対策など、早急に措置しなければならない事項が山積しているにもかかわらず、政府は、健康保険関係法の改悪のみに集中して、法案の強行成立をはからんとしてきたことであります。
 八月二日の社会労働委員会における混乱と、問答無用の野党無視の態度は、多数の暴力の上にあぐらをかいた政府の意図によるものであるといわなければなりません。(拍手)防衛関係二法、健康保険関係法案審議における再三にわたる委員会の撹乱、国会審議の場における暴力の配置などは、目に余るものがあるのであります。国会周辺における陳情、デモの規制強化、重要法案審議にあたっては必ず数多くの暴力を配置し、正常な国会運営が行なわれているにもかかわらず、ことさらに権力機構を通じて話し合いを排除するなど、近時これらの行為はますますその度合いを増しているのであります。(拍手)
 これがはたして、民主主義を唱え、国民の多くの輿望にこたえ得る官房長官の態度でありましょうか。この姿こそ、明らかに民主政治の破壊であり、再び肝黒政治へと踏み込む危険きわまりないファッショ的暴政といわなければならないのであります。(拍手)
 次に、第三の理由は、木村君がはたして官房長官としての国政を担当する人格を備えているかどうかということであります。
 木村君は、六月二十二日夜の認証式終了後、首相官邸の記者会見においてどのような抱負を述べられたか、あの日をあなたはいまよもやお忘れではあるまい。(拍手)私がいまここで申し上げるまでもなく、繰り返して申し上げませんが、政府と国会とのつなぎ目はどうでありました。政府と国民とのつなぎ目はどうでありましたか。この木村俊夫君の発言は、まさに政府と国会とのつなぎ目をしっかりとつなぎとめるのではなく、国会と自民党との腐った継ぎ目のぼろ隠しにしかすぎなかったのであります。(拍手)
 さきにも述べましたごとく、防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案の審議にあたっての強行成立、国民の大多数から強く要請されておりました政治資金規正法の廃案、とりわけ一酸化炭素中毒関係法案の審議におきましては、その法案の提出とこれが成立を故意におくらせ、会期ぎりぎりにおいて卑劣にも他の重要法案などにからませての措置は、何としても許すことはできないのであります。(拍手)
 皆さん、三池のCO中毒患者が、そしてその家族が、人間としての最低の能力、人間の生命を保つための最低の限界としての要求を続け、公邸におけるすわり込み、この炎天下のもとにおいて閣僚、さらに関係各省への陳情行動など、涙ぐましい努力が続けられたことは、よもやあなたは知らぬはずがございません。七月二十一日の夜半、本院におきましてCO中毒関係法案通過の瞬間、傍聴席の家族たちが目がしらを抑え、抱き合って喜ぶ姿を、木村長官、あなたは他の閣僚とともにぶ然として見下していたのであります。私は、そのときの官房長官の姿を、私の目に焼きついた非人間的な冷淡なあの顔を忘れることはできないのであります。(拍手)政治家の良心としても許すことはできないのであります。
 このような人格では、官房長官としての責任はもちろんのこと、この重大な政局を、正常にして国民の立場に立っての政治をまかせることは危険千万といわざるを得ないのであります。(拍手)
 いまや、日本の政治は危機に瀕しておるのであります。大多数の国民は、いまわれわれに、崇高な人格と、国民を愛し、人間の生命を尊重し、大衆の生活の安定をこそ求めているのであります。(発言する者あり)黙って聞きなさい。重き病に倒れ、生活苦におののき、一家が路頭に迷う数多くの国民のいることを、木村君、あなたは御存じですか。高度成長の中における日本の産業経済発展の中で、その犠牲になっている数多くの国民のいることを、君は御存じですか。生活苦に追われながらも、日本再建のために、また平和を求め、民主主義を守り抜く努力を続けておる多くの国民のおることを、あなたは知っていますか。高い城壁に囲まれ、数多くの警官に守られた首相官邸の奥深く鎮座している君には、それはわかりはすまい。(拍手) 国民の健康と生命を守るために開かれた今次国会は、国民の大多数がその成り行きを見守ってきたのであります。多数の暴力の上に国会審議を冒涜した今次国会における政府の態度は、まさに民主主義の破壊であり、日本政治の危機といわなければならないのであります。この渋滞した国政、政治のいかんは今後の政治のあり方に大きな影響を与えることは言うまで毛ないのであります。日本の政治の危機に直面し、政治の外に置かれ、何も発言できずにじっと涙をこらえておる数多くの人々のためにも、この際、国務大臣木村俊夫君の不信任決議案に対し、心から賛意を表明するものであります。
 何とぞ、真に国政を憂うる与野党一致しての協力を期待いたしまして、私の討論を終わる次第であります。(拍手)
    ―――――――――――――
  討論終局の動議(渡海元三郎君外二十二名提出)
#79
○副議長(園田直君) 渡海元一二郎君外二十二名より、討論終局の動議が提出されました。
 本動議を採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行ないます。渡海元三郎君外二十二名提出の討論終局の動議に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。――閉鎖。
  〔議場閉鎖〕
#80
○副議長(園田直君) 氏名点呼を命じます。
  〔参事氏名を点呼〕
  〔各員投票〕
#81
○副議長(園田直君) 投票漏れはありませんか。――なるべくすみやかに投票せられんことを望みます。――立ちどまらないで、すみやかに投票せられんことを望みます。
  〔投票継続〕
#82
○副議長(園田直君) すみやかに投票せられんことを望みます。
  〔投票継続〕
#83
○副議長(園田直君) ただいまから二十分以内に投票されるように望みます。その時間内に投票されない方は棄権とみなします。――いまだ投票されない方は、なるべくすみやかに時間内に投票せられんことを望みます。
  〔投票継続〕
#84
○副議長(園田直君) 残りの時間はあと五分でありますから、すみやかに投票せられんことを望みます。
  〔投票継続〕
#85
○副議長(園田直君) 時間もあとわずかでありますから、なるべくすみやかに投票せられんことを望みます。
  〔投票継続〕
#86
○副議長(園田直君) 間もなく投票箱の閉鎖を命じますから、直ちに御投票ください。
  〔投票継続〕
#87
○副議長(園田直君) 投票漏れはありませんか。――制限時間がまいりました。投票漏れはありませんか。――すみやかに御投票ください。
  〔投票継続〕
#88
○副議長(園田直君) 投票漏れはありませんか。――制限時間がまいりました。投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。――開鎖。
  〔議場開鎖〕
#89
○副議長(園田直君) 投票を計算いたさせます。
  〔参事投票を計算〕
#90
○副議長(園田直君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
  〔事務総長報告〕
 投票総数 二百七十
  可とする者(白票)       二百十二
  否とする者(青票)        五十八
#91
○副議長(園田直君) 右の結果、討論は終局するに決しました。(拍手)
    ―――――――――――――
 渡海元三郎君外二十二名提出討論終局の動議を可とする議員の氏名
      阿部 喜元君    愛知 揆一君
      青木 正久君    赤城 宗徳君
      赤澤 正道君    秋田 大助君
      天野 公義君    荒木萬壽夫君
      荒舩清十郎君    有田 喜一君
      井出一太郎君    井原 岸高君
      伊東 隆治君    伊藤宗一郎君
      伊能繁次郎君    池田 清志君
      稻村佐近四郎君    宇野 宗佑君
      上村千一郎君    植木庚子郎君
      臼井 莊一君    内田 常雄君
      内海 英男君    浦野 幸男君
      江崎 真澄君    小笠 公韶君
      小川 半次君    小川 平二君
      小沢佐重喜君    小澤 太郎君
      小沢 辰男君    小渕 恵三君
      大石 八治君    大久保武雄君
      大竹 太郎君    大坪 保雄君
      大野  明君    大野 市郎君
      大橋 武夫君    大村 襄治君
      岡崎 英城君    岡本  茂君
      奥野 誠亮君    加藤常太郎君
      加藤 六月君    鹿野 彦吉君
      賀屋 興宣君    鍛冶 良作君
      海部 俊樹君    桂木 鉄夫君
      金子 一平君    金子 岩三君
      神田  博君    亀岡 高夫君
      亀山 孝一君    鴨田 宗一君
      仮谷 忠男君    川野 芳滿君
      菅  太郎君    菅野和太郎君
      木野 晴夫君    木部 佳昭君
      木村 武雄君    北澤 直吉君
      吉川 久衛君    久野 忠治君
      久保田藤麿君    鯨岡 兵輔君
      熊谷 義雄君    倉石 忠雄君
      藏内 修治君    黒金 泰美君
      小泉 純也君    小平 久雄君
      小峯 柳多君    小宮山重四郎君
      小山 省二君    河野 洋平君
      河本 敏夫君    佐々木義武君
      佐藤 孝行君    佐藤 文生君
      佐藤洋之助君    坂田 英一君
      坂田 道太君    坂村 吉正君
      坂本三十次君    櫻内 義雄君
      笹山茂太郎君    志賀健次郎君
      始関 伊平君    塩川正十郎君
      塩谷 一夫君    重政 誠之君
      篠田 弘作君    澁谷 直藏君
      正示啓次郎君    進藤 一馬君
      周東 英雄君    菅波  茂君
      砂田 重民君    世耕 政隆君
      瀬戸山三男君    關谷 勝利君
      田川 誠一君    田澤 吉郎君
      田中伊三次君    田中 榮一君
      田中 角榮君    田中 龍夫君
      田中 正巳君    田中 六助君
      田村 良平君    高橋 英吉君
      高橋清一郎君    高見 三郎君
      竹内 黎一君    竹下  登君
      谷垣 專一君    谷川 和穗君
      千葉 三郎君    塚田  徹君
      坪川 信三君    渡海元三郎君
      登坂重次郎君    徳安 實藏君
      床次 徳二君    内藤  隆君
      中尾 栄一君    中垣 國男君
      中川 一郎君    中川 俊思君
      中野 四郎君    中村 寅太君
      中村庸一郎君    中山 マサ君
      灘尾 弘吉君    二階堂 進君
      丹羽 久章君    丹羽喬四郎君
      丹羽 兵助君    西岡 武夫君
      西村 英一君    西村 直己君
      野田 卯一君    野田 武夫君
      野原 正勝君    野呂 恭一君
      葉梨 信行君    橋口  隆君
      橋本登美三郎君    橋本龍太郎君
      長谷川四郎君    長谷川 峻君
      八田 貞義君    濱野 清吾君
      早川  崇君    原 健三郎君
      原田  憲君    広川シズエ君
      廣瀬 正雄君    福家 俊一君
      福田 赳夫君    福田 篤泰君
      福田  一君    福永 一臣君
      藤井 勝志君    藤枝 泉介君
      藤尾 正行君    藤波 孝生君
      藤本 孝雄君    船田  中君
      保利  茂君    坊  秀男君
      細田 吉藏君    堀川 恭平君
      本名  武君    増岡 博之君
      増田甲子七君    松浦周太郎君
      松澤 雄藏君    松田竹千代君
      松野 頼三君    三池  信君
      三ツ林弥太郎君    三原 朝雄君
      箕輪  登君    水田三喜男君
      水野  清君    湊  徹郎君
      宮澤 喜一君    村上  勇君
      村山 達雄君    毛利 松平君
      粟山  秀君    森   清君
      森下 國雄君    森田重次郎君
      八木 徹雄君    山口 敏夫君
      山崎  巖君    山下 元利君
      山田 久就君    山手 滿男君
      山中 貞則君    山村新治郎君
      吉田 重延君    和爾俊二郎君
      早稻田柳右エ門君    渡辺 栄一君
      渡辺  肇君    渡辺美智雄君
 否とする議員の氏名
      安宅 常彦君    石川 次夫君
      石橋 政嗣君    板川 正吾君
      江田 三郎君    小川 三男君
      太田 一夫君    岡本 隆一君
      加藤 清二君    勝間田清一君
      角屋堅次郎君    川崎 寛治君
      栗林 三郎君    小林 信一君
      佐藤觀次郎君    佐野 憲治君
      島口重次郎君    島本 虎三君
      戸叶 里子君    中井徳次郎君
      中澤 茂一君    中嶋 英夫君
      永井勝次郎君    楢崎弥之助君
      西宮  弘君    野口 忠夫君
      野間千代三君    長谷川正三君
      華山 親義君    平林  剛君
      細谷 治嘉君    三木 喜夫君
      村山 喜一君    森  義視君
      森本  靖君    横山 利秋君
      渡辺 惣蔵君    有島 重武君
      伊藤惣助丸君    石田幸四郎君
      小川新一郎君    大橋 敏雄君
      沖本 泰幸君    北側 義一君
      小濱 新次君    鈴切 康雄君
      田中 昭二君    広沢 直樹君
      伏木 和雄君    正木 良明君
      矢野 絢也君    山田 太郎君
      渡部 一郎君    川上 貫一君
      田代 文久君    谷口善太郎君
      林  百郎君    松本 善明君
     ――――◇―――――

#92
○副議長(園田直君) 投票が終わりましたから、自席にお帰りください。(拍手)
 国務大臣木村俊夫君不信任決議案につき採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行ないます。本決議案に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。――閉鎖。
  〔議場閉鎖〕
#93
○副議長(園田直君) 氏名点呼を命じます。
  〔参事氏名を点呼〕
  〔各員投票〕
#94
○副議長(園田直君) 投票者の通行を妨害しないでください。投票者の通路をあけてください。
  〔投票継続〕
#95
○副議長(園田直君) 投票者の通路をふさがないように、すみやかに投票を願います。
  〔投票継続〕
#96
○副議長(園田直君) 投票者の通路をふさがないように、すみやかに投票を願います。
  〔投票継続〕
#97
○副議長(園田直君) 立ちどまったり、投票者の通路を狭めないようにして、すみやかに投票を願います。
  〔投票継続〕
#98
○副議長(園田直君) 投票者の通路を妨害しないでください。
  〔投票継続〕
#99
○副議長(園田直君) 投票漏れはありませんか。
  〔「ある」と呼ぶ者あり〕
#100
○副議長(園田直君) すみやかに投票せられんことを望みます。
 ただいまから二十分以内に投票されるように望みます。その時間内に投票されない方は棄権とみなします。
  〔投票継続〕
#101
○副議長(園田直君) なるべくすみやかに投票せられんことを望みます。
  〔投票継続〕
#102
○副議長(園田直君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。――開鎖。
  〔議場開鎖〕
#103
○副議長(園田直君) 投票を計算いたさせます。
  〔参事投票を計算〕
#104
○副議長(園田直君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
  〔事務総長報告〕
 投票総数 三百二十八
  可とする者(白票)        百十二
  〔拍手〕
  否とする者(青票)       二百十六
  〔拍手〕
#105
○副議長(園田直君) 右の結果、国務大臣木村俊夫君不信任決議案は否決されました。(拍手)
    ―――――――――――――
 山花秀雄君外四名提出国務大臣木村俊夫君不信任決議案を可とする議員の氏名
      安宅 常彦君    阿部 昭吾君
      阿部 助哉君    赤路 友藏君
      淡谷 悠藏君    井手 以誠君
      井上  泉君    井上 普方君
      伊賀 定盛君    石川 次夫君
      石田 宥全君    石橋 政嗣君
      板川 正吾君    江田 三郎君
      枝村 要作君    小川 三男君
      大出  俊君    太田 一夫君
      岡田 利春君    岡本 隆一君
      加藤 勘十君    加藤 清二君
      加藤 万吉君    勝澤 芳雄君
      勝間田清一君    角屋堅次郎君
      神近 市子君    唐橋  東君
      川崎 寛治君    川村 継義君
      河上 民雄君    河野  正君
      木原  実君    北山 愛郎君
      久保 三郎君    工藤 良平君
      栗林 三郎君    小林 信一君
      後藤 俊男君    神門至馬夫君
      佐野 憲治君    佐野  進君
      阪上安太郎君    島上善五郎君
      島口重次郎君    島本 虎三君
      田中 武夫君    多賀谷真稔君
      高田 富之君    武部  文君
      楯 兼次郎君    千葉 佳男君
      堂森 芳夫君    内藤 良平君
      中井徳次郎君    中澤 茂一君
      中嶋 英夫君    中谷 鉄也君
      永井勝次郎君    楢崎弥之助君
      西宮  弘君    野口 忠夫君
      野間千代三君    芳賀  貢君
      長谷川正三君    華山 親義君
      浜田 光人君    平岡忠次郎君
      平林  剛君    平等 文成君
      広沢 賢一君    福岡 義登君
      古川 喜一君    細谷 治嘉君
      三木 喜夫君    美濃 政市君
      村山 喜一君    森  義視君
      森本  靖君    八百板 正君
      八木 一男君    八木  昇君
      矢尾喜三郎君    山内  広君
      山花 秀雄君    山本 政弘君
      山本弥之助君    米田 東吾君
      依田 圭五君    横山 利秋君
      渡辺 惣蔵君    有島 重武君
      伊藤惣助丸君    石田幸四郎君
      小川新一郎君    大橋 敏雄君
      沖本 泰幸君    北側 義一君
      小濱 新次君    鈴切 康雄君
      田中 昭二君    広沢 直樹君
      伏木 和雄君    正木 良明君
      矢野 絢也君    山田 太郎君
      渡部 一郎君    川上 貫一君
      田代 文久君    谷口善太郎君
      林  百郎君    松本 善明君
 否とする議員の氏名
      安倍晋太郎君    阿部 喜元君
      相川 勝六君    愛知 揆一君
      青木 正久君    赤城 宗徳君
      赤澤 正道君    秋田 大助君
      天野 公義君    天野 光晴君
      荒木萬壽夫君    有田 喜一君
      井出一太郎君    井原 岸高君
      伊東 隆治君    伊藤宗一郎君
      伊能繁次郎君    池田 清志君
      稻村佐近四郎君    宇野 宗佑君
      上村千一郎君    植木庚子郎君
      臼井 莊一君    内田 常雄君
      内海 英男君    浦野 幸男君
      江崎 真澄君    小笠 公韶君
      小川 半次君    小川 平二君
      小沢佐重喜君    小澤 太郎君
      小沢 辰男君    小渕 恵三君
      大石 八治君    大久保武雄君
      大竹 太郎君    大坪 保雄君
      大野  明君    大野 市郎君
      大橋 武夫君    大村 襄治君
      岡崎 英城君    岡本  茂君
      奥野 誠亮君    加藤常太郎君
      加藤 六月君    鹿野 彦吉君
      賀屋 興宣君    鍛冶 良作君
      海部 俊樹君    桂木 鉄夫君
      金丸  信君    金子 一平君
      金子 岩三君    神田  博君
      亀岡 高夫君    亀山 孝一君
      鴨田 宗一君    仮谷 忠男君
      川野 芳滿君    菅  太郎君
      菅野和太郎君    木野 晴夫君
      木部 佳昭君    北澤 直吉君
      吉川 久衛君    久野 忠治君
      久保田藤麿君    鯨岡 兵輔君
      熊谷 義雄君    倉石 忠雄君
      藏内 修治君    黒金 泰美君
      小泉 純也君    小平 久雄君
      小峯 柳多君    小宮山重四郎君
      小山 省二君    河野 洋平君
      河本 敏夫君    佐々木義武君
      佐藤 孝行君    佐藤 文生君
      佐藤洋之助君    坂田 英一君
      坂田 道太君    坂村 吉正君
      坂本三十次君    櫻内 義雄君
      笹山茂太郎君    志賀健次郎君
      椎名悦三郎君    塩川正十郎君
      塩谷 一夫君    重政 誠之君
      篠田 弘作君    澁谷 直藏君
      島村 一郎君    正示啓次郎君
      進藤 一馬君    周東 英雄君
      菅波  茂君    砂田 重民君
      世耕 政隆君    瀬戸山三男君
      關谷 勝利君    田川 誠一君
      田澤 吉郎君    田中伊三次君
      田中 榮一君    田中 角榮君
      田中 龍夫君    田中 正巳君
      田中 六助君    田村 良平君
      高橋 英吉君    高橋清一郎君
      高見 三郎君    竹内 黎一君
      竹下  登君    谷垣 專一君
      谷川 和穗君    千葉 三郎君
      中馬 辰猪君    塚田  徹君
      坪川 信三君    渡海元三郎君
      登坂重次郎君    徳安 實藏君
      床次 徳二君    内藤  隆君
      中尾 栄一君    中垣 國男君
      中川 一郎君    中川 俊思君
      中野 四郎君    中村 寅太君
      中村庸一郎君    中山 マサ君
      灘尾 弘吉君    二階堂 進君
      丹羽 久章君    丹羽喬四郎君
      丹羽 兵助君    西岡 武夫君
      西村 英一君    西村 直己君
      野田 卯一君    野田 武夫君
      野原 正勝君    野呂 恭一君
      橋口  隆君    橋本登美三郎君
      橋本龍太郎君    長谷川四郎君
      長谷川 峻君    八田 貞義君
      濱野 清吾君    早川  崇君
      原 健三郎君    原田  憲君
      広川シズエ君    廣瀬 正雄君
      福家 俊一君    福田 赳夫君
      福田 篤泰君    福田  一君
      福永 一臣君    藤井 勝志君
      藤枝 泉介君    藤尾 正行君
      藤波 孝生君    藤本 孝雄君
      船田  中君    保利  茂君
      坊  秀男君    細田 吉藏君
      堀川 恭平君    本名  武君
      増岡 博之君    増田甲子七君
      松浦周太郎君    松澤 雄藏君
      松田竹千代君    松野 頼三君
      三池  信君    三ツ林弥太郎君
      三原 朝雄君    箕輪  登君
      水田三喜男君    水野  清君
      湊  徹郎君    宮澤 喜一君
      武藤 嘉文君    村上  勇君
      村山 達雄君    毛利 松平君
      粟山  秀君    森   清君
      森下 國雄君    森田重次郎君
      八木 徹雄君    山口 敏夫君
      山崎  巖君    山下 元利君
      山田 久就君    山手 滿男君
      山中 貞則君    山村新治郎君
      吉田 重延君    和爾俊二郎君
      早稻田柳右エ門君    渡辺 栄一君
      渡辺  肇君    渡辺美智雄君
     ――――◇―――――
#106
○副議長(園田直君) この際、一時間休憩いたします。午後四時四十七分休憩
     ――――◇―――――
   午後六時四十六分開議
#107
○副議長(園田直君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
     ――――◇―――――
    ―――――――――――――
#108
○副議長(園田直君) 提出者の趣旨弁明を許します。矢尾喜三郎君。
  〔矢尾喜三郎君登壇〕
#109
○矢尾喜三郎君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま上程されました佐藤内閣不信任決議案の趣旨説明を行ないたいと存じます。(拍手)
 まず、案文を朗読いたします。
    佐藤内閣不信任決議案
  本院は、佐藤内閣を信任せず。
   右決議する。
  〔拍手〕
 その理由といたしまして、
 一、佐藤内閣は、政界浄化のため国民が強く期待している政治資金規正法案に対して全く熱意がなく、佐藤総理みずから、さきの国会で成立させると言明しておきながら、審議会答申を自民党の党利党略のもとに骨抜きにした上、さらに、政府・与党が共謀して、あらゆる手段をもって審議を引き延ばし、しかも、政府・自民党の都合で、会期延長を行いながら、成立させないという状態に持ち込んだ。しかも、今国会に提出する意思は全くなく、これは、政治の黒い霧を一掃し、政治を浄化しようという国民の強い期待を裏切る行為であります。(拍手)
 一、佐藤内閣は、人間尊前の政治を公約に掲げながら、社会保障、減税、物価対策など、国民の生命と健康、生活を守る政策に全く誠意がない。特に、公害、交通事故、労働災害などによって国民の健康と生命がむしばまれつつあるとき、健康保険等臨時特例法案を成立させて国民の負担を増加させようとする態度は、医療保障制度を破壊し、国民の健康を破壊する政治というべきである。(拍手)
 一、佐藤内閣は、第三次防衛力増強計画を決定し、憲法第九条に違反する軍備増強を進めるとともに、佐藤総理の南ベトナム訪問計画をきめ、従来政府のとってきたベトナム参戦国とは違う中立的立場で戦争の平和解決に努力するという言明をいつの間にやら捨て、和平のための日本の発言権を放棄して、ベトナム参戦国の側にくみする態度を強めている。これは、日本国民を戦争の危機に巻き込むおそれを増大させ、平和を願う国民の気持ちと日本国憲法の精神を踏みにじるものである。(拍手)
 一、佐藤首相は、国会周辺の集団示威行進について、国会審議権の公正な行使を妨げることはないという東京地方裁判所の判決に対し、二度にわたって、不当にも異議申し立てを行なった。これは、政府の司法権に対する第二の指揮権発動であり、首相みずから、憲法に保障された表現の自由を踏みにじり、三権分立の民主国家の原則を破って、不当に法を歪曲する職権乱用行為である。(拍手)佐藤内閣のかかる行為こそ、国民の批判をおそれて、民主政治を弾圧せんとする反動的性格のあらわれであり、平和と民主主義を基本とする日本国憲法の精神に全く相反するものであります。(拍手)
 これが、本決議案を提出する理由であります。(拍手)
 ここで私は、以下その理由を詳しく述べたいと存じます。
 佐藤内閣は、人間尊重の政治を公約に掲げ、佐藤総理みずから、しばしばこのことばを繰り返してまいったのであります。だが、その佐藤内閣のもとで、労働災害や交通事故あるいは各種の公害はますます激増し、国民の健康と生命はむしばまれているのであります。今日、健康保険の赤字が問題となっている一因にも、このような災害や病気の増加があることは、言うまでもありません。(拍手)
 しかるに、人間尊重を口にする佐藤内閣は、この健康保険財政の赤字増加を口実として、受益者負担の保険空義思想を喧伝し、国民に赤字負担を迫る健康保険等臨時特例法案をさきの国会に提出いたしました。しかし、国民の総反撃とこれを代表する野党の主張が通って、ついに審議未了となったのであります。(拍手)しかしながら、国民いじめに執念を燃やす政府は、与党多数の力を悪用して、今国会に再提出し、何としてでも成立させようとしているのであります。
 一体、国民の健康を守る医療保障のあり方として、赤字解消の財源対策だけを追い求めるのが、健康にして文化的な国民のための政治といえましょうか。(拍手)これは、医療機関の診療を避けて安易なる売薬でがまんする患者をふやすだけであり、赤字を減らして医療保障を破壊し、国民の健康を破壊するものであり、およそ佐藤総理の言う人間尊重の政治とは逆の人間破壊の政治というべきであります。(拍手)
 また、佐藤内閣は、大企業や資産所得を不当に優遇する合法的脱税法である租税特別措置法を拡大し、利子、配当優遇措置の三年延長等の改正をさきの国会においてやりました。このような資産所得のみを優遇しようとする態度は、法のもとで平等であることを規定した憲法第十四条の違反であります。(拍手)そして、大企業や大資産家への減税を行ないながら、一方では、稲作農家の切実な要求を押えて、生産者米価の決定には、政府・与党のなれ合いで、ごくわずかの引き上げしか行なわず、しかも、出産者米価の引き上げを理由に、消費者米価の大幅引き上げを予定するなど、国民生活を圧迫する政策を進めようとしておりますが、まさに冷酷そのものの政治といわねばなりません。(拍手)
 次に、政治資金規正法の改正については、政府はしばしば答申尊重、早期成立を言明していたはずであります。しかるに、自民党の党利党略的な圧力によって、答申の精神を大きく曲げた背抜き案を先国会の末期にようやく提案し、その上、それすらも成立させまいとする政府・自民党の態度は、全く国民を欺くものだといわねばなりません。(拍手)
 そもそも、この政治資金規正法の改正が国民世論に大きな期待を持たれる原因は、昨年の国会で問題となった佐藤内閣の現職閣僚をはじめとする数々の職権乱用、利権行為など、政治の腐敗を一掃することにあることは言うまでもありません。(拍手)佐藤内閣のもとで数々の政治の腐敗を生み、政治浄化の世論が高まったことに対し、その佐藤内閣が政治浄化の努力を怠るとは、何たることでございましょうか。これこそ、佐藤内閣には政治の腐敗に対する何らの反骨もないことを示すものであります。われわれは、このような厚顔無恥、無責任な佐藤内閣に、これ以上わが国の政治をまかせるわけにはいかぬのであります。(拍手)
 さらに佐藤内閣は、第三次防衛力増強計画を定め、憲法違反の軍備増強を進めております。これと並行して、今国会では、自衛力の範囲の問題や、戦闘爆撃機保有の問題等について、しばしば従来の政府見解を拡大しようとする発言を行ない、わが党議員の追及に前言を修正するなど、無責任な態度を示したのであります。また、自衛隊員の適格者名簿を秘密裏に作成したり、自衛隊員の国内留学を進めたり、また米軍砂川基地の拡大をはかるなど、秘密のうちに軍備を増強し、戦争への道を進もうとする意図が濃厚であります。(拍手)
 特に、アメリカが四十七万人の軍隊をベトナムに送り、ますます戦争をエスカレートせんとする南ベトナムに、佐藤首相みずからが訪問しようとすることでありますが、これはきわめて重大な意味を持っているのであります。交戦中の南ベトナムを訪問した外国の元首は、これまでわずか四人であり、その四人はいずれも参戦国の元首であります。佐藤総理の南ベトナム訪問は、アメリカのベトナム侵略戦争への協力の姿勢を一そう明確にし、参戦国側への傾斜を強めて、わが国の和平あっせんへの自主的立場を放棄するものであります。このことは、ひいては自衛隊の海外派兵への道を開き、日本を戦争に巻き込む危険を増大させるものであります。現に、自由民主党の内部にさえ、佐藤総理の南ベトナム訪問には批判の声があるではありませんか。(拍手)
 フランスのドゴール大統領は、アメリカのベトナム戦争は、アメリカの醜い戦争であると、堂々とアメリカを批判しております。しかるに、佐藤内閣は、きゅうきゅうとしてアメリカに追随し、ついに総理みずから交戦国の一方である南ベトナムを訪問しようとしている。この佐藤内閣の軽薄な態度は、日本民族の進むべき道を誤らせるおそれさえあるといわなければならないのであります。(拍手)
 しかも、以上のごとき、国民の生活を圧迫し、国民を戦争の危機にさらす政治を進めながら、これに対する国民の批判をおそれ、憲法に保障された表現の自由を踏みにじり、正当なる国民大衆の集団示威行進さえ弾圧する態度は、民主主義政治家のとるべき態度とはいえないのであります。(拍手)しかも、裁判所の判決に対して、全く実態に合わない口実をもって異議申し立てを行なうごときは、行政権による司法権の侵害であり、明らかに職権乱用というべきであります。(拍手)
 かつて佐藤総理は、昭和二十九年の造船汚職に関係して、当時の犬養法相の指揮権発動によって、危うく免れた経験をお持ちであります。(拍手)このとき、世論はごうごうとしてこれを非難し、ついに、時の吉田首相は、犬養法相を罷免せざるを得なかった。いままた佐藤総理は、第二の指揮権発動ともいうべき行政権による司法権の侵害を、一度ならず二度までも強行した。これだけでも、佐藤総理はすみやかに責任を感じて辞職すべきであります。(拍手)しかるに、佐藤総理には何らの反省の色さえなく、佐藤内閣にはもはや民主的な姿勢は一かけらもなく、専制政府の反動的性格にこり固まっていると断ぜざるを得ないのであります。(拍手)
 以上が私の内閣不信任決議案の趣旨説明でありまするが、最後に、私は、佐藤総理に一言忠告を申し上げたいのであります。
 佐藤総理は、国民の声を聞き、民主政治を守ろうとする一片の良心があるならば、佐藤内閣の非民主的行為を冷静に反省し、本決議案が議決される前に、すみやかに閣僚の辞表を取りまとめて、内閣総辞職を行なうべきであります。(拍手)それこそが、政治家としての終わりを全うし、国民に尽くすべき佐藤総理のとるべき唯一の道であります。
 私は、佐藤総理に心からの忠告を申し上げ、佐藤内閣不信任決議案の趣旨説明を終わりたいと存じます。(拍手)
    ―――――――――――――
#110
○副議長(園田直君) 討論の通告があります。順次これを許します。坂田道太君。
  〔坂田道太君登壇〕
#111
○坂田道太君 私は、ただいま社会党より提出されました内閣不信任案に対し、自由民主党を代表して反対討論を行なわんとするものでございます。(拍手)
 佐藤内閣は、本年一月の総選挙の結果、国民の、圧倒的多数の支持を得て成立を見たばかりでございます。(拍手)しかも、その後、世論に著しい変更をもたらすような重大な政治的与件は、何ら起こっておらないのでございます。(拍手)この時期にあたって、何らの理由もなく、あえて無理やりに不信任案を出しましたことは、党利党略以外の何ものでもございません。(拍手)国民は、むしろ、内閣不信任案提出を党利党略のためもてあそぶ社会党の政治的不見識こそ糾弾するでございましょう。(拍手)国会の、重大な権限たる内閣不信任案を、あまりにもむぞうさに、あまりにも無責任に政争の具としてもてあそぶことは、国権の最高機関たる国会の権威をみずから冒涜するものであります。(拍手)
 すなわち、これが内閣不信任案に反対する第一の理由であります。
 佐藤内閣は、昭和三十九年十一月、池田内閣のあとを受けて、国政の衝に当たってまいりました。その後二年有余、日韓国交の正常化、ILO八十七号条約の批准など、長年の懸案を次々に解決し、さきの特別国会においては、最終的な戦後処理案件ともいうべき在外資産問題にも終止符を打ったのであります。
 佐藤内閣は、組閣以来、内政においても着々その成果をあげ、特に、最近における経済の安定成長は着実な足取りを示し、一町心配をいたしました物価上昇も鈍化し、国民生活も安定のうちに逐次向上発展を遂げつつあるのであります。
 また、この経済の成長と呼応し、わが国に対する各国の期待と信頼のもと、その国際的地位は急速に高まりつつあるのであります。(拍手)これは、佐藤内閣が自主平和外交を展開し、アジアの安定と世界平和に貢献してきたからでございます。(拍手)
 また、わが国が自衛力を高めていきますことは、独立国家として、国民の生命と財産とを守るために当然のことといわなければならないと思うのであります。(拍手)
  〔発言する者多し〕
#112
○副議長(園田直君) 静粛に願います。
#113
○坂田道太君(続) これらの佐藤内閣の実績に対しましては、国民の大多数が一番よく承知をいたしておるのであります。(拍手)最近の世論調査によりますと、佐藤内閣の支持率はむしろ上昇の傾向にあるのでございます。(拍手)
 これが、内閣不信任案に反対する第二の理由であります。
 第三の理由は、提出の動機についてであります。そのねらいが健康保険臨時特例法案の引き延ばしにあることは明瞭であります。(拍手)
 この特例法案の成立をはばむことは、とりもなおさず医療保険制度を崩壊に追いやるものであり、それは決してあなた方が言うところの勤労者大衆の利益を守る道ではないと思うのであります。(拍手)しかも、世のマスコミがあげて、社会労働委員会で可決されましたわが党の修正案を歓迎している事実を、社会党は何と見ておるか。(拍手)しかも、社会党の諸君が、本案に反対する一部の勢力に迎合し、医療保険の実態を直視することなく反対を続けることは、われわれのはなはだ心外とするところであります。
 さきの特別国会において、われわれは文字どおり寛容と忍耐をもって野党と折衝してまいりました。しかも、その最終段階では、わが党の福田幹事長と社会党の成田書記長との間におきまして、特別国会に引き続き臨時国会を開く、臨時国会においては社会党は審議に協力する、物理的抵抗は行なわない旨を確約したのであります。(拍手)
 しかるに、社会党は、その舌の根もかわかないうちに、健保特例法案を廃案とすると宣言いたしました。(拍手)社会党の諸君には、審議協力どころか、初めから審議する気持ちはなかったのでございます。(拍手)だからこそ、審議引き延ばしに終始したのであります。そこには、あなた方が言うところの一片の良識も良心も持ち合わせておられないのでございます。(拍手)
 政治資金規正法案についても、いろいろと理由を述べ、内閣の責任を問うておられますが、これを審議未了とするかいなかは国会自身の問題であって、内閣の責任ではございません。
 およそ、議会制民主主義は、与野党間の円満な話し合いによって行なわれるべきことは、言うまでもございませんが、最終的には多数決によるべきことも、また当然過ぎるほど当然なことでございます。(拍手)もし少数野党が、多数決原理を尊重せず、審議を拒否し、あまつさえ実力を行使するに至っては、それは議会制民主主義の破壊であります。(拍手)
 この二、三日の本会議における社会党の集団による投票妨害、演壇占拠は、全く彼らの本質、その反民主主義の実体を国民の前に暴露したものでございます。(拍手)われわれは、このような反議会的、反民主主義的な暴挙に対しては、国民の名において敢然と対決し、あくまでも議会政治を守り抜くことを誓うものであります。
 以上、社会党提出の内閣不信任案には、全く理由なきものとして、断固反対を表明するものでございます。(拍手)
#114
○副議長(園田直君) 安井吉典君。
  〔安井吉典君登壇〕
#115
○安井吉典君 私は、日本社会党を代表し、ただいま議題とされております佐々木更三君ら提出、佐藤内閣不信任決議案に対し、ただいまの自民党の討論に反駁を加えながら、賛成の討論をいたしたいと思います。(拍手)
 自民党政府の大企業中心の高度経済成長政策の結果として、資本の集中、集積は著しく進んだ一方、勤労者の名目所得は増加しても、おそるべき物価高で暮らしは楽にならず、農民の離農、中小企業の倒産は毎年その数字の記録を更新し続けております。都市は住宅難、交通戦争、公害等の過密、農山漁村は病気になっても医者がいないという過疎、そのための地方財政の危機、これらの事態は、池田内閣の時代より、佐藤内閣に移り、ひずみ是正どころか、ますます悪化をきわめてきているのであります。(拍手)
 ここで、はなはだ奇妙なコントラストは、このような事態に対するいまはなき池田前総理と佐藤総理の認識の違いであります。
 池田さんは、かつて、みずからの政治への批判にこたえて、「貧乏人は麦を食え」とか、「中小企業の一人や二人は」という例の名文句を吐かれたのであります。彼の人柄は、きわめて率直であり、正直であったのであります。だから、池田さんという人の政治態度に対する批判を越えて、その人間的魅力が国民を引きつけていたと思います。ところが、佐藤総理になってから、総理自身の口から出ることばは、「人間尊重」であり、「社会開発」であり、さらに、ことしになりましてから、新語として「風格ある社会」というのであります。佐藤総理の現実の政治とはうらはらな、全く正反対のりっぱなことばが総理の口から出るたびに、国民はただことばのむなしさを感ずるのみであり、佐藤内閣に対する国民の不信は日を追うて高まりつつある事実をまず指摘しなければなりません。(拍手)
 私が佐藤内閣不信任案に賛成する理由の第一は、政府提出健保特例法案の反国民的性格と、この法案処理の社労委における自民党の暴挙についてであります。
 政管健保は、主として中小企業従業員を被保険者とするものであり、その保険料値上げは低所得労働者と中小企業経営者と双方の負担を増大するものであり、ことに、初診時と入院のときの一部負担金を倍増し、薬価の一部負担を新設するがごときは、医療保障の充実への国民の願いや、世界の国々の努力の方向に全く逆行するものであります。(拍手)政管健保の財政が困難な事態になっている事実にわれわれは目をおおうものではありませんが、これらの保険財政への国の支出の大幅増額を行なう努力は十分せず、また医療保障制度の抜本的改革はサボタージュしながら、佐藤内閣は、病床に伏す病人の犠牲で財政再建を行なおうとしているのであります。(拍手)われわれは、これを断じて許すわけにはまいりません。
 医師の団体もこの法案に絶対反対をしており、自民党修正案と称するものに対しても、去る二日、日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会の三団体は、次のような声明書を出しております。「健保特例法案の自民党修正案は、国民医療を益々混乱に陥れ、被保険者の人格に関する過誤を犯したものと判断する。」、「医療機関の事務の繁雑化は到底この改悪を受入れ得るものでなく、患者を不当に区別する心理的影響も重大である。この際薬価一部負担は全廃すべきである。医の倫理を蹂躙する自民党の修正案に三団体は挙げて反対する。右声明する。」と言っているのであります。(拍手)
 私は、これまで自民党の委員会における強行採決を幾たびか経験し、そのたびに憤激を重ねてまいりましたが、去る二日の社労委での事態は、従来とは趣を全く異にした、悪質きわまりないものであったのであります。(拍手)先ほどの指摘のように、両党間の話し合いもあったわけでありますから、われわれは、理事会において当然自民党は審議に協力するものと考えておりました。したがって、理事会におきましては、社会、民社、公明党の野党十三人の残りの質問者が終わるまで円満に委員会を運営する旨の約束を、これは両党間の話し合いでありますから当然のこととして、これをしかも文書をもって取りかわした。ところが、約一時間余りたってから、最初の質問者の質問中に打ち切り採決を行なったのでありまして、これはまさに前代未聞の事態であります。(拍手)
 私は、これは議会制度や民主主義の問題というよりも、それ以前の、人間の道徳、政治道義の問題であると思うのであります。(拍手)実行する気の全くない約束を結んで野党を欺き、その虚を見て打ち切り採決を強行する。この一事により、自民党は、いまや全く無責任政党になり果て、卑劣なぺてん師や詐欺師の集団と疑われてもいたしかたないと思うのであります。(拍手)われわれは、かかる政党の統率者としての佐藤総理・総裁に、この大切な日本の政治をこれ以上おまかせすることを、国民とともに断念しなければならないと思うのであります。(拍手)
 去る三日以来、この本会議場におきまして、わが党をはじめ野党各党の政府・自民党に対する激しい不信感が渦巻き、抵抗が続いております。その一番大きな原因は実にここにあるのであります。国民の生命と健康を守るこの重大な健保特例法案をほとんど審議させないまま、卑劣なやり方で委員会審議を打ち切ったことによるはなはだ高価な報いがこの本会議の事態であることについて、自民党の諸君の深い反省を私は要求したいのであります。(拍手)
 私が内閣不信任決議案に賛成する第二の理由は、政治資金規正法改正の問題についてであります。
 昨年の政界の腐敗事件の続発をきっかけに、金が政治を支配するという事実を国民ははっきりと知ったのであります。そのゆえにこそ、世直し選挙と呼ばれた一月の総選挙後の第五十五特別国会は、政界浄化の国民のこの切実な期待にこたえなければならない大きな責任を持っていたと思います。ところが、選挙制度審議会の答申を受けての政治資金規正法改正法案は、第一の段階で、与党自民党の手により審議会答申の線からの徹底的な骨抜きが行なわれ、特別国会提出後の第二段階では、自民党の側の露骨な審議引き延ばしにより、総理自身ただの一度も委員会に出席されないまま廃案とされ、そして、いま第三段階の今臨時国会には、佐藤内閣は再提出の熱意ゼロなのであります。すなわち、佐藤総理は、この改正法案に対し、小骨一つ抜かないという名言をはじめ、さまざまな言明や約束をしていたのをことごとくほごにし、金を出してくれる財界のほうにだけ顔を向け、腐敗政治一掃のための国民の痛いほどの願望を平気で踏みにじったのであります。(拍手)
 この政治資金規正問題に対しては、総理や自民党の諸君の想像以上に国民の憤激は大きいのであります。たとえば、八月二日のある朝刊の投書欄にも、千葉県の七十歳のある農民は、「私たちは、子供のころから、うそをついてはいけない、約束は守らなければいけないと教えられてきました。佐藤内閣総理大臣閣下、どうかわれわれ国民を失望させないでください。」と述べているのであります。ある夕刊のコラムは、辛らつにもこう書いておりました。「日本人の平均寿命は男六十八歳、女七十三歳をこえるに至ったという。ところで、佐藤総理は、政治資金法廃案のことで国会で追及された際、私の熱意は心ある国民は知っていると思いますと答えたが、まさに長生きの国の総理大臣にふさわしい。」というのであります。(拍手)
 清潔な政治、真に国民のための政治の実現には、腐敗政治をことさらに温存しようとする政府やうそつきの総理大臣は国民にとって全く無用無益であるということを申し上げなくてはなりません。(拍手)
 私が佐藤内閣不信任案に賛成する第三の理由は、佐藤内閣の反動的でかつ戦争協力的な政治態度についてであります。
 現在、佐藤内閣は、同じ自民党の中でも右翼片肺飛行という評価を受けているそうでありますが、第一次の組閣以来、その右翼反動化は年を追うて顕著となってまいりました。先ほどの指摘もありますように、とりわけ、国会周辺デモ規制の問題をめぐって、東京地裁判決に対し、二度にわたり指揮権を発動し、司法権に介入した佐藤総理の態度は、その右翼反動性を証明する一例であります。この国会周辺デモ規制は、デモや集会、国会請願等の憲法に保障する国民の権利に対する重大な制約であり、すなわち、民主主義に対する挑戦であり、ファシズムに通ずる道であると私は思うのであります。(拍手)
 われわれは、佐藤内閣ほど、憲法を空洞化し、その反動性を露骨にした内閣を戦後知らないのであります。(拍手)昨八月六日は、二十二回目の広島原爆記念日でありました。平和の証人としての原爆ドーム保存工事も、国内はもとより、全世界からの浄財で完成いたしました。佐藤総理は、日本国民の心に深く刻印された戦争否定の精神や、原爆許すまじの願望をよもやお忘れではないと思うのであります。(拍手)しかしながら、佐藤内閣は、第三次防衛計画を立て、さきの特別国会で防衛二法案を強行採決させ、先ほどの指摘のとおり、自衛隊適格者名簿の作製を自治体に強要しております。また、さきに総理は、韓国大統領就任式に参列したおり、ハンフリー・アメリカ副大統領と会見し、いままた、近く南ベトナムを訪問しようとしているのであります。これら一連の事実は、佐藤内閣が憲法に違反してわが国の戦争能力を高め、対米従属の外交方針を一そう進める中で、アメリカのベトナム侵略戦争への加担をいよいよ強めるのではないかと、国民は多くの疑惑と、むしろ恐怖の目をもってながめているのであります。(拍手)わけても、総理の南ベトナム行きは、自民党内でも反対論や慎重論があるということを先ほど指摘されましたとおり、アジアの平和を愛する日本国民の意思を無視する危険きわまる行動であり、絶対に許すことはできないと思うのであります。(拍手)
 以上、私は、三つの立場から佐藤内閣不信任決議案に対する賛成の理由を述べてまいりました。私は、あげて数うべからざる佐藤内閣の政治的罪悪の数々に対し、国民にかわって糾弾し、佐藤内閣のこれ以上の存続は日本国民の不幸であることを断定し、すみやかな退陣を強く要求いたしつつ、この討論を終わりたいと思います。(拍手)
#116
○副議長(園田直君) 麻生良方君。
  〔麻生良方君登壇〕
#117
○麻生良方君 私は、民社党を代表いたしまして、ただいま提案になりました佐藤内閣不信任案に対しまして、主として議会制民主主義を守るという立場から、賛成の討論を行ないたいと思います。(拍手)
 本年一月の総選挙で、佐藤内閣は国民の支持を得たといたしまして政局を担当いたしておりますが、前五十五特別国会並びに本五十六臨時国会におけるありさまを見ますと、どうしても佐藤内閣はすでに政権担当の任にたえられなくなったといわざるを得ないと私は思います。その任でないものが政局を担当することは、わが国、わが国民にとって不幸きわまりないことでございます。われわれは、特に健保国会の現状よりして、即刻佐藤内閣がその職を辞し、新しい政権担当者にその席を譲るべきことを主張しなければならないときが来たと断ぜざるを得ないのでございます。
 われわれの不信任の大きな理由は、佐藤総理が自己の内閣の責任において国会に提案した法案に対して、全く無責任きわまりないという一点に尽きます。
 すなわち、前特別国会において健保特例法案は廃案になりましたけれども、この法案が臨時国会を召集してまで審議をしなければならぬ佐藤内閣にとっての重要法案であるとするならば、他の法案とからませつつ審議不十分のまま廃案としてくずかごに投げ捨てたことは、全く不可解といわなくてはなりません。佐藤総理は、政府提出の法案がみずから率いる自民党によって廃案になったことの意味をどうとらえておられるでありましょうか。
 しかも、そのような自信のない法案を、一字一句訂正せず、一週間後に臨時国会を召集して、そっくりそのまま提出をしたということでございます。このような提案の態度には、健保特例法案に対し国民の各層から寄せられた批判にこたえる謙虚な態度がちっとも見られないのです。もし佐藤総理が健保法案の成立をはかりたいという熱意をお持ちでございましたならば、十分に期間を置いて、国民の批判にこたえ、慎重に法案を練り上げるべきでございました。ところが、このことを捨てて顧みなかった佐藤総理の態度は、まことに、何事も学ばず何事も忘れなかった、十九世紀当初、ナポレオン時代直後のブルボン王朝の態度にも比すべき頑迷固陋な態度といわなくてはなりません。
 ところが、このような提案後、一週間を出ずして、みずからの率いる党によってみずからの提案した法案の修正を行なわしめ、当初の法案がいかに自信のないものであったかをみずから露呈したのでございます。一体、このようなやり方は、国民に対して、政府が責任を持つ法案の作成、提案のあり方であるといえるでございましょうか。法案はあめ細工ではないのですよ。法案に対する佐藤内閣のこのような自信喪失の態度は、わが国の法律全般に対する国民の不信を招かざるを得ないでございましょう。法律に対する不信を招いて、どうして法治国家が運営されるでございましょうか。佐藤内閣は、いまや法治国家日本を瓦解せしめつつあるといっても言い過ぎではないのですよ。わが党は、法治国日本を守るため、法案作成の任にたえない佐藤内閣は即刻総辞職をすべきであると考えないわけにはまいりません。
 次に、わが党は、佐藤総理の議会政治に対する態度を憤激をもって糾弾しなければならないと思うのです。
 自民党は衆議院において過半数を制する多数党でございます。したがって、佐藤総理は多数をもってすれば何事をも意のままに決し得ると考えているのでありましょうか。もしそうだとすれば、この考えこそ議会政治を破る凶悪無比なものというべきでございましょう。多数は少数を前提にして初めて成立し得る概念であります。したがって、多数と少数とを乗せている全体の意思の向かうところを、常に多数が洞察しつつ、少数の意見をくむべきところをくみ上げて決がとられるところに、民主政治の真髄があるといわなくてはなりません。(拍手)まさに、多数決原理は、その意味では多数イコール少数者原理であるというべきでございます。もし、多数決原理を乗せているこの基盤を忘れて、安易に多数であれば何でもできると総理がお考えであるならば、それは多数横暴であり、多数という名の専制政治にほかならないのでございます。
 この意味で、衆議院社労委員会において、与野党の話し合いがつき円満に審議が始められたその直後に、与党自民党が多数をもって一方的に審議を打ち切ったという事実は、いかなる他の理由があろうとも、まさに専制政治の第一歩といわなくてはならないと思います。(拍手)
 われわれ民社党は、民主主義を守らなければならないと考えておる。民主主義を運営する大前提は討論と説得でありますよ。佐藤総理、あなたは、二年半前、政権の座についたときに何と言われたか。寛容と忍耐をもって政治を行なうと言われたではございませんか。その精神は、いまあなたの心の中からまるで鳥のように羽ばたいてしまったといわなくてはなりません。まことに残念しごくでございます。忍耐を放てきし、審議を無視した国会運営の一体どこに議会制民主主義が存在するでしょうか。あなたがいまやろうとしていることは、本来あなたの責任である七百数十億円にのぼる健保の赤字解消のために、議会政治の息の根をとめようとしているのであります。国家財政の大きさと比べれば、健保の赤字はきわめて小さいものといわなくてはなりません。健康保険制度の抜本策を立てる前にこれは処理し得る程度の量であります。この赤字を処理しなければ健保の抜本策が立たないなどと言うのは、まさしく本末転倒、白を黒と言いくるめようとする詭弁、強弁でございます。この程度の問題のために、あなたはいま、七十六年にわたって築き上げられてきた日本の議会政治を一挙にして崩壊せしめる危機を導いたといわなくてはなりません。健保赤字の命は短く、議会政治の命は長いのであります。このことをもし御存じないとするならば、あなたはすでに議会政治の指導者としての資格を喪失したものといわなくてはなりません。資格なき者がその座にすわられることをわが党は認めるわけにはまいらないのでございます。佐藤総理、あなたは直ちにその座を去るべきであります。これ、われわれが佐藤内閣に対する不信任に賛成する大きな理由でございます。
 最後に、佐藤さん、あなたの政治姿勢の中に対話の姿勢が欠除しているのではないでしょうか。健保の問題は、政治イデオロギーの問題ではなく、経済の量に関する問題であると私は思います。経済の量に関する問題は、時間をかけた話し合いと説得の中で必ず解決し得る問題であります。話し合いがつかないというのは、あなたに対話の姿勢が初めから欠除していたからといわなくてはなりません。本質的に話し合いのつくこの種の問題を、この臨時国会において繰り広げられたような方法以外に解決のできなかったことは、日本の国会の議員の一人として、まことに残念しごくでございます。
 議会運営の責任は、その多くの部分を第一党がになうべきものでございましょう。第一党の党首であるあなたは、その最大の責任者であることを十分に自覚しなければなりません。この両三日、衆議院において展開された状況は、心ある国民の目をおおわしめるものでございました。これに火をつけ、これを実行せしめた責任のその大半があなた自身にあることを、あなたはお忘れになってはなりません。
 政治の指導者は、時とともに移り変わるものでございます。しかし、すべての指導者が夢にも忘れてはならないことは、わが国の議会政治に対するその責任でございます。わが民社党は、わが国の議会制民主主義を守るために、ここに厳粛に、あなたの責任を問い、政権の座を去るべきことを要求するものでございます。
 以上、私は、主として民主政治に対する姿勢という一点について、佐藤内閣の責任を追及いたしました。しかし、佐藤さん、忘れないでください。あなたの責任はこれのみではないのです。いままで、あなたの内閣ができてから今日までの責任の数々を私がここで数えあげたならば、おそらく十日、二十日、一ヵ月はかかるでございましょう。このような事態にならないうちに、早くその座をお去りになったほうが、あなたの人生にとっても幸いであるということを御忠告申し上げまして、私の賛成の討論を終わらしていただきます。(拍手)
#118
○副議長(園田直君) 斎藤実君。
  〔斎藤実君登壇〕
#119
○斎藤実君 私は、ただいま議題となりました佐藤内閣不信任決議案に対し、公明党を代表し、賛成の意を表明するものであります。
 以下、その理由について申し上げます。
 佐藤榮作君は、政府・与党の総裁であり、国民のリーダーとしての一国の総理であります。行政上の最高責任者であります。しかるに、ただいま不信任案が上程されたという事実に対して、私は、国民とともに心より悲しみにたえないのであります。
 さて、佐藤総理は、前国会の施政方針演説の中で、「議会民主主義政治の確立につとめ、国民の負託に対する責任を誠実に果たしてまいります。」と、国民の前にその所信のほどを明らかにされたのであります。しかしながら、総理はほんとうに誠実であったでありましょうか。国民生活の問題については、佐藤内閣は、国民生活の安定と物価対策を公約して出発したにもかかわらず、今日まで、国鉄の料金、私鉄料金、消費者米価等の引き上げを相次いで行ない、物価の上昇に拍車をかけてきたのであります。特に、一般国民並びに低所得者層が重大なる影響を受けていることになるのでありまして、これでは、物価抑制策ではなくして、物価上昇対策ではありませんか。
 佐藤内閣の最大の失政は、政治資金規正法改正案を葬り去ったことでありました。佐藤総理は、さきの特別国会冒頭の施政方針演説で、清潔な政治の実現を公約いたしました。その第一として、政治資金規正法改正案を提案し、終始、答申を尊重する、あるいは、誠意をもって成立に努力するなど言い続けてきたのにもかかわらず、全く納得のできない形で葬り去られたのであります。
 八十年にわたり日本の政党政治の歴史は、一面から見れば、政治資金を中心にした買収、汚職の歴史でありました。大衆を欺瞞し続けてきた金権、独裁的政治の歴史でもあったのであります。したがって、政治資金を明朗な姿に規正し、民主政治の母体たる選挙の公正を期するため、その規則によって罰則を強化すれば、どれだけ日本の政治が公明になるかはかり知れないものがあると確信するものであります。
 今日の腐敗政治の現状は、決して、一時的な突発現象ではありません。これは、政府・自民党の本質的な体質によるものであります。すなわち、終戦後を見ただけでも、昭電疑獄事件、保全経済事件、炭鉱国管疑獄事件、造船疑獄、最近におきましては、共和製糖問題等、政治献金をめぐる汚職事件が相次いで起こっているのであります。これはすべて自民党を中心として発生したではありませんか。なかんずく、共和製糖グループをめぐる一連の黒い疑惑でありますが、政府・自民党は、今日まで隠し抜いてきたのであります。農林中金、あるいは農林漁業金融公庫、開銀の三政府金融機関を通じて行なわれた多額の政治融資と、その裏において行なわれた膨大なる政治献金が、多くの国民の批判を浴びたのであります。したがいまして、政治資金規正法改正は、政界における黒い霧を払い、国民の政治信頼を回復するための天の声であると確信するものであります。(拍手)
 ところが、一たび党内に反対論が起こり、ただならぬ空気が発生するや、総理の勇ましき名文句はうたかたのごとく消え去り、選挙制度審議会の答申はむざんにも骨抜きにされ、ついに廃案に追いやられてしまったのであります。その責任を総理は何と考えておられるのでありましょうか。
 佐藤総理は、去る二十八日、臨時国会における所信表明演説の中で、「審議未了となったことはまことに遺憾であります。」と述べておりますが、これは言い方が違ったのではありませんか。これは、「この法案が廃案になったのは、自民党の審議引き延ばしによるものであり、政府に熱意がなかったためであります。」と置きかえるべきではありませんか。(拍手)みずからの責任を回避して、よそごとのように、遺憾でありますで一切が済むという考えは、まことに無責任きわまりない佐藤内閣の本質を示したものといわざるを得ません。(拍手)この法案の提案趣旨及び佐藤総理の言質から言うならば、本来、内閣の運命をかけて成立をはかるべき法案が不成立に終わった責任をとって、内閣総辞職をすべきが当然であり、常道であると思うのであります。
 最後に、社労委員会における強行採決について申し上げたいのであります。
 八月二日、本院社会労働委員会における自民党の暴挙は、日本の議会民主政治の歴史に暗い汚点を残したといわざるを得ません。悪評高い健保臨時特例法案を強硬に上程し、議会民主主義の常道である話し合いの場をみずから封じ、腕力と暴力で可決したことは、全く民主政治を破壊するところの暴挙として、長く批判されることでありましょう。しかも、今国会冒頭におきまして、自民党福田幹事長が、一日または二日に強行突破だと放言したことは、多数専横をほしいままにする暴力言であり、議会混乱を誘発する言動として、深く猛省を促すものであります。(拍手)なお、理事懇談会においての慎重審議の約束も、一片のほごとして、公明、民社にはついに一回の発言もさせずに、突然、打ち切り動議、強行採決の暴挙をあえてし、委員会を混乱せしめたその責任をどのように考えているのでありましょうか。
 顧みれば、五十五、五十六国会を通じて強行採決及びこれに類する紛糾は、すでに五回に及んでいるのであります。理性の前に暴力が優先し、話し合いの前に独断が横行するときに、一体、政治が栄えた実例があるでありましょうか。特に、その際、持ち出されて可決されたという修正案については、委員会のだれも見たことがないものを、可決したと称するに至っては、無謀ここにきわまれりというべきでありましょう。(拍手)多数を頼んだ、その横暴に対する国民大衆の怒りのおのは、やがていまの多数党を少数党へと切り落とすことを、おのずから知るべきでありましょう。(拍手)この社労委員会の紛糾に端を発して、多数横暴、審議無視、強行採決等が行なわれたことは、まさしく民主政治の破壊行為であるといわざるを得ません。(拍手)
 議会政治の正常化は、いまこそ考えなければなりません。そのためには、自民党内閣が、その失政の責任を負い、総辞職するのが妥当であると信じ、本案に賛成するものであります。
 以上。(拍手)
#120
○副議長(園田直君) これにて討論は終局いたしました。
 佐藤内閣不信任決議案につき採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行ないます。本決議案に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。――閉鎖。
  〔議場閉鎖〕
#121
○副議長(園田直君) 氏名点呼を命じます。
  〔参事氏名を点呼〕
  〔各員投票〕
#122
○副議長(園田直君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。――開鎖。
  〔議場開鎖〕
#123
○副議長(園田直君) 投票を計算いたさせます。
  〔参事投票を計算〕
#124
○副議長(園田直君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
  〔事務総長報告〕
 投票総数 三百九十一
  可とする者(白票)       百五十六
  〔拍手〕
  否とする者(青票)      二百三十五
  〔拍手〕
#125
○副議長(園田直君) 右の結果、佐藤内閣不信任決議案は否決されました。(拍手)
    ―――――――――――――
 佐々木更三君外六名提佐藤内閣不信任決議案を可とする議員の氏名
      安宅 常彦君    阿部 昭吾君
      阿部 助哉君    赤路 友藏君
      淡谷 悠藏君    井手 以誠君
      井上  泉君    井上 普方君
      伊賀 定盛君    石川 次夫君
      石野 久男君    石橋 政嗣君
      板川 正吾君    江田 三郎君
      枝村 要作君    小川 三男君
      大出  俊君    大柴 滋夫君
      太田 一夫君    岡田 利春君
      岡田 春夫君    岡本 隆一君
      加藤 勘十君    加藤 清二君
      加藤 万吉君    勝澤 芳雄君
      勝間田清一君    角屋堅次郎君
      神近 市子君    唐橋  東君
      川崎 寛治君    川村 継義君
      河上 民雄君    河野  正君
      木原  実君    北山 愛郎君
      久保 三郎君    久保田鶴松君
      工藤 良平君    栗林 三郎君
      黒田 寿男君    小林 信一君
      小松  幹君    後藤 俊男君
      河野  密君    神門至馬夫君
      佐々木更三君    佐藤觀次郎君
      佐野 憲治君    佐野  進君
      阪上安太郎君    島上善五郎君
      島口重次郎君    島本 虎三君
      下平 正一君    田中 武夫君
      田原 春次君    多賀谷真稔君
      高田 富之君    武部  文君
      楯 兼次郎君    千葉 佳男君
      戸叶 里子君    堂森 芳夫君
      内藤 良平君    中井徳次郎君
      中澤 茂一君    中谷 鉄也君
      永井勝次郎君    楢崎弥之助君
      成田 知巳君    西風  勲君
      西宮  弘君    野口 忠夫君
      野間千代三君    芳賀  貢君
      長谷川正三君    畑   和君
      華山 親義君    浜田 光人君
      平岡忠次郎君    平林  剛君
      平等 文成君    広沢 賢一君
      福岡 義登君    古川 喜一君
      細谷 治嘉君    松本 七郎君
      三木 喜夫君    美濃 政市君
      武藤 山治君    村山 喜一君
      森  義視君    森本  靖君
      八百板 正君    八木 一男君
      八木  昇君    矢尾喜三郎君
      安井 吉典君    山内  広君
      山崎 始男君    山中 吾郎君
      山花 秀雄君    山本 幸一君
      山本 政弘君    山本弥之助君
      米田 東吾君    依田 圭五君
      横山 利秋君    渡辺 惣蔵君
      麻生 良方君    受田 新吉君
      内海  清君    岡沢 完治君
      折小野良一君    春日 一幸君
      神田 大作君    河村  勝君
      佐々木良作君    田畑 金光君
      門司  亮君    本島百合子君
      山下 榮二君    吉田 賢一君
      吉田 泰造君    吉田 之久君
      和田 耕作君    浅井 美幸君
      有島 重武君    伊藤惣助丸君
      石田幸四郎君    小川新一郎君
      大野  潔君    大橋 敏雄君
      近江巳記夫君    岡本 富夫君
      沖本 泰幸君    北側 義一君
      小濱 新次君    斎藤  実君
      鈴切 康雄君    田中 昭二君
      竹入 義勝君    中野  明君
      樋上 新一君    広沢 直樹君
      伏木 和雄君    正木 良明君
      松本 忠助君    矢野 絢也君
      山田 太郎君    渡部 一郎君
      田代 文久君    谷口善太郎君
      林  百郎君    松本 善明君
 否とする議員の氏名
      安倍晋太郎君    阿部 喜元君
      相川 勝六君    愛知 揆一君
      青木 正久君    赤城 宗徳君
      赤澤 正道君    秋田 大助君
      天野 公義君    天野 光晴君
      荒木萬壽夫君    荒舩清十郎君
      有田 喜一君    井出一太郎君
      井原 岸高君    伊東 隆治君
      伊藤宗一郎君    伊能繁次郎君
      池田 清志君    池田正之輔君
      一萬田尚登君    稻村佐近四郎君
      宇野 宗佑君    上村千一郎君
      植木庚子郎君    臼井 莊一君
      内田 常雄君    内海 英男君
      浦野 幸男君    遠藤 三郎君
      小笠 公韶君    小川 半次君
      小川 平二君    小沢佐重喜君
      小澤 太郎君    小沢 辰男君
      小渕 恵三君    大石 八治君
      大石 武一君    大久保武雄君
      大竹 太郎君    大坪 保雄君
      大野  明君    大野 市郎君
      大橋 武夫君    大村 襄治君
      岡崎 英城君    岡本  茂君
      奥野 誠亮君    加藤常太郎君
      加藤 六月君    鹿野 彦吉君
      賀屋 興宣君    鍛冶 良作君
      海部 俊樹君    桂木 鉄夫君
      金丸  信君    金子 一平君
      金子 岩三君    上林山榮吉君
      神田  博君    亀岡 高夫君
      亀山 孝一君    鴨田 宗一君
      仮谷 忠男君    川島正次郎君
      川野 芳滿君    菅  太郎君
      菅野和太郎君    木野 晴夫君
      木部 佳昭君    木村 武雄君
      木村 俊夫君    菊池 義郎君
      北澤 直吉君    吉川 久衛君
      久野 忠治君    久保田藤麿君
      熊谷 義雄君    倉石 忠雄君
      倉成  正君    藏内 修治君
      黒金 泰美君    小泉 純也君
      小平 久雄君    小峯 柳多君
      小宮山重四郎君    小山 長規君
      小山 省二君    河野 洋平君
      河本 敏夫君    佐々木義武君
      佐藤 榮作君    佐藤 孝行君
      佐藤 文生君    佐藤洋之助君
      坂田 英一君    坂田 道太君
      坂村 吉正君    坂本三十次君
      櫻内 義雄君    笹山茂太郎君
      四宮 久吉君    始関 伊平君
      椎名悦三郎君    塩川正十郎君
      塩谷 一夫君    重政 誠之君
      澁谷 直藏君    島村 一郎君
      正示啓次郎君    白浜 仁吉君
      進藤 一馬君    周東 英雄君
      菅波  茂君    鈴木 善幸君
      砂田 重民君    世耕 政隆君
      瀬戸山三男君    關谷 勝利君
      田川 誠一君    田澤 吉郎君
      田中伊三次君    田中 榮一君
      田中 角榮君    田中 龍夫君
      田中 正巳君    田中 六助君
      田村 良平君    高橋 英吉君
      高橋清一郎君    高見 三郎君
      竹内 黎一君    竹下  登君
      谷垣 專一君    谷川 和穗君
      千葉 三郎君    中馬 辰猪君
      塚田  徹君    塚原 俊郎君
      坪川 信三君    渡海元三郎君
      登坂重次郎君    徳安 實藏君
      床次 徳二君    内藤  隆君
      中尾 栄一君    中川 一郎君
      中川 俊思君    中野 四郎君
      中村 寅太君    中村庸一郎君
      中山 マサ君    灘尾 弘吉君
      二階堂 進君    丹羽 久章君
      丹羽喬四郎君    丹羽 兵助君
      西岡 武夫君    西村 英一君
      西村 直己君    野田 卯一君
      野田 武夫君    野原 正勝君
      野呂 恭一君    葉梨 信行君
      馬場 元治君    橋口  隆君
      橋本登美三郎君    橋本龍太郎君
      長谷川四郎君    長谷川 峻君
      八田 貞義君    濱野 清吾君
      早川  崇君    原 健三郎君
      原田  憲君    広川シズエ君
      廣瀬 正雄君    福井  勇君
      福田 赳夫君    福田 篤泰君
      福田  一君    福永 一臣君
      藤井 勝志君    藤枝 泉介君
      藤尾 正行君    藤波 孝生君
      藤本 孝雄君    船田  中君
      古川 丈吉君    保利  茂君
      坊  秀男君    細田 吉藏君
      堀川 恭平君    本名  武君
      前尾繁三郎君    益谷 秀次君
      増岡 博之君    増田甲子七君
      松浦周太郎君    松澤 雄藏君
      松田竹千代君    松野 頼三君
      三池  信君    三木 武夫君
      三ツ林弥太郎君    三原 朝雄君
      箕輪  登君    水田三喜男君
      水野  清君    湊  徹郎君
      宮澤 喜一君    武藤 嘉文君
      村上  勇君    村山 達雄君
      毛利 松平君    粟山  秀君
      森下 國雄君    森田重次郎君
      森山 欽司君    八木 徹雄君
      山口 敏夫君    山崎  巖君
      山下 元利君    山田 久就君
      山手 滿男君    山中 貞則君
      吉田 重延君    和爾俊二郎君
      早稻田柳右エ門君    渡辺 栄一君
      渡辺  肇君    渡辺美智雄君
      松野 幸泰君
     ――――◇―――――
 日程第二 健康保険及び船員保険法の臨時特例に関する法律案(内閣提出)
 日程第三 船員保険法の一部を改正する法律案(内閣提出)
#126
○副議長(園田直君) 日程第二、健康保険法及び船員保険法の臨時特例に関する法律案、日程第三、船員保険法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
    ―――――――――――――
#127
○副議長(園田直君) 委員長の報告を求めます。社会労働委員長川野芳滿君。
    ―――――――――――――
  〔副議長退席、議長着席〕
  〔川野芳滿君登壇〕
#128
○川野芳滿君 ただいま議題となりました二法案について、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、健康保険法及び船員保険法の臨時特例に関する法律案について申し上げます。
 近年、医療保険の財政は、各制度とも悪化の傾向にありまするが、特に政府管掌健康保険は、このままの状態で推移いたしますと、昭和四十二年度末までの累積赤字は千八百余億円になる見込みで、まさに制度崩壊のおそれすらあるのであります。
 このため、本案は、臨時応急措置として、初診時及び薬剤費の一部負担並びに保険料率について、特例等を設けようとするものであります。
 次に、船員保険法の一部を改正する法律案について申し上げます。
本案は、船員保険の失業給付の改善等を行なおうとするものであります。
 両案は、七月二十八日本委員会に付託となり、審議を行ない、健康保険法及び船員保険法の臨時特例に関する法律案に対し、自由民主党より修正案が提出されましたが、その趣旨は、
 第一に、薬剤の支給を受ける際の一部負担金について、低所得者に対する配慮を講ずることとし、標準報酬月額が二万四千円以下の者、また、被扶養者を有する場合は、一人につき、六千円を加算した額以下の者には、薬剤費の一部負担金を免除すること
 第二に、政府管掌健康保険の保険料率千分の七十二を千分の七十に改めるとともに、船員保険の保険料率についても、これに相応した改正を行なうこと
 等であります。
 八月二日、採決の結果、臨時特例法案は修正議決され、船員保険法の一部改正案は原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手、発言するもの多し)
    ―――――――――――――
#129
○議長(石井光次郎君) 健康保険法及び船員保険法の臨時特例に関する法律案に対しては、佐々木良作君外二名から、成規により修正案が提出されております。
    ―――――――――――――
#130
○議長(石井光次郎君) この際、修正案の趣旨弁明を許します。和田耕作君。
  〔和田耕作君登壇〕
#131
○和田耕作君 私は、民主社会党を代表いたしまして、ただいま議題となっております健康保険法及び船員保険法の臨時特例に関する法律案に対する民社党提案の修正案について、その趣旨を説明いたしたいと思います。
 まず、修正の本文の次のとおりでございます。
  健康保険法及び船員保険法の臨時特例に関す
 る法律案の一部を次のように修正する。
  第一条中「当分の間における」を削る。
  附則に次の一条を加える。
  (この法律の失効)
 第五条 この法律は、昭和四十四年八月二十一
  日限り、その効力を失う。この場合における
  経過措置に関し必要な事項は、政令で定め
  る。以上でございます。(拍手)
 以下、本修正案の趣旨説明を行ないたいと思います。
 私は、議員各位に心から訴えたいと思います。私どもは、前国会に続きまして本臨時国会でも、健保特例法案について真剣なる討議を繰り返してまいりました。御案内のように、各党それぞれの立場できびしい意見の対立がございます。しかし、各種の論議を通じまして共通の点がございます。それは、一日も早く公正なる抜本対策を策定せよということだと思います。現在の御承知のような本国会の審議の段階におきまして、この点に特に注目していただきたいと思うのでございます。
 私どもは、この健保特例法案を二ヵ年の時限立法とし、その間において公正なる抜本対策の策定、実施に関し、立法という国の最高機関の決定によって政府を強く義務づけるとともに、各党それぞれ責任ある医療政策の樹立に関し義務を負うようにすることが最善の道だと信ずるのでございます。(拍手)
 御承知のように、総理の諮問機関である社会保障制度審議会、また厚生大臣の諮問機関であります社会保険審議会でも、早くから繰り返し繰り返し抜本対策の樹立を強く政府に要求しておるのでございます。昭和四十年九月十五日、社会保障制度審議会は、両三年を目途として総力をあげていわゆる抜本対策を確立すべきことを要請しておるのでございます。また本年の答申でも、抜本対策を急速に確立する姿勢を明らかにするために、時限的な臨時の立法をするなどのくふうを加えることを強く要請しておるのでございます。同答申はまた、抜本対策の確立はまさに天下の声だといい、それは困難な問題だが、しかし問題点はすでに各方面から指摘されており、むしろ断を下すべき段階であると断言しておるのでございます。
 私はこの際多くを申し上げる気持ちはございません。国会の正常化という問題を直視しながら、またいろいろの立場からの御不満があることを承知の上で、現状における局面打開の最良の方法として本案を提案し、議員各位の御理解ある御賛同をお願い申し上げる次第でございます。(拍手)
#132
○議長(石井光次郎君) 質疑の通告があります。順次これを許します。淡谷悠藏君。
  〔淡谷悠藏君登壇〕
#133
○淡谷悠藏君 私は、日本社会党を代表し、ただいま述べられた川野芳滿委員長の健康保険法の臨時特例に関する法律案外一件につき、衆議院社会労働委員会における審議の経過並びに結果についての報告に対し、質問いたしたいと思います。(拍手)
 第一に、ただいまの御報告は、委員会の審議の経過並びに結果の実情を報告されたものか、それとも委員長がかってに創作しての報告なのか、きびしくお伺いいたします。(拍手)
 健康保険特例法案は、政府の経済財政政策の失敗と保険行政の怠慢によって生じた政府管掌健康保険七百四十五億の見積もり赤字を解消することを目的として、応急措置をやろうというのがその趣旨でありまするが、こうした政府の失態を、ただ被保険者と患者に負担を強制して切り抜けようとする悪法であります。この悪法を通すため、社会労働委員会もまた悪法にふさわしい横暴むざんなやり方をやっていたのであります。ただいまの御報告は、全然事実とは相違しております。
 本法律案は、第五十五国会であらゆる手段を用いて強行しようとしたにかかわらず、ついに廃案となった法律案であります。したがって、第五十六回国会では新しく提出される法律案として扱わるべきものでありますことは常識でございますが、さる八月一日、社会労働委員会は理事会を開き、今国会に提出されておる法律案審議日程について打ち合わせ中、突如として委員長は自席から委員会の開会を宣し、坊厚生大臣が何やら口を動かすのと、委員会が混乱したのとほとんど同時だったのであります。すぐに委員長は衛視に取り巻かれて室外に立ち去ったのは事実のはずであります。いかに坊厚生大臣が棒読みをしたと強弁しましても、あの混乱と喧騒の中で提案が正規になされたとは、とうてい思えませんし、速記についてもこれを認めがたいのであります。むろん提案は正当になされなかったのであります。
 この不始末を収拾するために理事懇談会が引き続き開かれたのでありまするが、翌二日、理事懇談会は、一、委員会は慎重審議をする、二、したがって現在通告のある社会八名、民社三名、公明二名、計十三名の質疑を認める、三、この間、すなわち質問中は委員会は円満な運営を行なうという申し合わせを行なって、双方これを信義をもって守ることを約束したことは、川野委員長も御承知のとおりであります。われわれもまた、第五十五回国会の終末に公約をいたしました、審議に協力する態度をもって冷静慎重に審議を続ける態度をとってきたことをお認めになることと思います。
 こうして八月二日午前十一時十七分委員会は開会され、川野委員長から、一日午前の委員会混乱について遺憾の意を表したあと、健康保険法の特例法案の審議に入ったのであります。坊厚生大臣もまた、前日の政府案の提出の不満足を認めて、提案理由の補足説明ということで、実際は提案のやり直しをやったのでありますが、質疑はわが党の佐藤觀次郎君によって始められ、坊厚生大臣、水田大蔵大臣との間に真剣な質疑応答が続けられていったのであります。
 午後零時三十五分、この質問の途中に入場してまいりました、それまでの質疑応答の経過など一向知る由もないはずの自由民主党議員天野光晴君、この人物は本議場でもしばしばやじを飛ばすことによって有名な人物であります。この天野光晴君が突如議事進行に名をかりまして発言を求め、質疑打ち切りの動議を提出、公党間の申し合わせば一時間十八分後に自由民主党の天野議員によってみごとに破られ、委員会はたちまち極度の混乱と怒号のうちに続行不能におちいってしまったのであります。
 そのときの実情は、次の速記によりましてもまことに明瞭であります。すなわち、その速記によりますると、「○佐藤(觀)委員 先日、わが同僚の島本委員への本会議の答弁で、先ほど水田さんが言われたように、保険は保険のたてまえだということで、盛んにそういうことを……」ここで天野君が入ってまいりまして、天野委員は「委員長、議事進行。委員長、議事進行について発言があります。質疑打ち切りを願います。」そのときから混乱をしまして、速記録も、「〔発言する者、離席する者多し〕○川野委員長 ……」川野委員長しっかりお聞きください。あなたはこう言っておる。「(発言する者多く、聴取不能)」その間「起立多数。」これだけがただ速記録にとどまったのであります。その次は直ちに「……(聴取不能)」であります。坊厚生大臣は「ただいまの修正案については政府としては……(発言する者多く、聴取不能)ものと考えます。〔発言する者多く、聴取不能〕〔委員長退場〕午後零時三十六分」午後零時三十五分に始まると同時に時計がけ落とされてとまり、午後零時三十六分なのであります。これは少なくとも当日の委員会の経過であり、結果であります。
 それが、委員長の報告によりますと、あたかも正常に審議をされたとか、特に自由民主党の本案に対する修正案までが提出され、説明され、可決されたということでありますが、何によってその事実をお認めになったのか、何によってそのことがわかったのか、はっきり御答弁が伺いたいのであります。(拍手)
 これまでかつて見なかったほどの激しい怒号と混乱との中に何事も聴取できなかったというのが、当時の委員会の実情であったことは、当日の社会労働委員会の現場にいた人ならばだれでも知っているところであります。なぜ委員長はこの事実を事実として報告されなかったのか。混乱と怒号の一瞬に、報告に述べられているような事実を、このように正確に委員長が把握し得たというならば、川野芳滿委員長一人、超人間的な力を持った魔物のような存在であります。川野委員長、社会労働委員会は人間の委員会であります。あくまでも人間の常識の認め得る審議の経過並びに結果の報告を求めているのが、本院の意思と私は考えます。(拍手)委員長は、なぜその事実の報告はなされずに、委員長一人の幻想かあるいは事前の陰謀によって仕組まれていた経過並びに結果を、事実あったこととは全く無関係に報告をしたのか。あるいはまた、自由民主党の党利党略によるでっち上げか、そのいずれによってこの報告がなされたのか。明確に御答弁を願いたい。
 さらに、この報告には、重大なことが抜け落ちています。不法にも審議打ち切りの動議が出されたとき、社会労働委員会の理事であるわが党の河野正君が、委員長、あなたの前で、不信任の決議案をいち早く提出したはずであります。公党間の申し合わせの当然尊重さるべきことを信じ、審議がなお平穏に続行されるものと信じていた河野理事は、そのとき昼の休憩時間の打ち合わせのため、委員長のすぐそばにいたのでありますから、あなたの目の前に突き出された、この不信任案を見ていないはずはございません。「不信任動議だ」と叫んだ河野正君の声も、たくさんの人によって聞き取られているのであります。この明白な事実、しかも、この不信任動議によって、事後の委員会の運営に、重大な変化をもたらしたであろうことを、なぜあなたはこの報告で述べられなかったのか、御答弁をいただきたい。
 さらにまた、ただいまの報告での修正案の提案及び審議の実態は、少しも根拠のないことで、ただ混乱だけがあったわけでありますが、委員長は、いかなる資料に基づいてこの報告をつくり上げたのか、事情を詳細に述べていただきたい。自由民主党の健康保険法の修正案は、提案されたこともなければ、審議されてもおりません。修正案は、存在していないのであります。あるのは、ただうその委員長報告だけであります。お答えがあれば伺いたい。
 政府とその与党が通そうとする法案は、どんなことをしても通すのだという無理が、第五十六国会の審議を劈頭から混乱させて、そのあとの国会を麻痺させたことは事実であります。委員長、この事実は、あなたもよく知っているはずであります。多数を占める政党のやることは、どんな無理でも無理ではなくなり、どんな不法も不法ではなくなり、公党間の申し合わせなど平然と踏みにじられ、国会法も議院の規則も、法規、習慣、典礼など、影もとどめずまかり通るという最近の悪傾向こそ、国会の混乱の真の原因であります。国会の権威を落とし、政治に対する国民の不信を大きくし、ひいては、日本の議会制民主主義を危機にさらす重大事を招き寄せているのであります。この報告にも見られるとおり、事実に基づかず、速記録にもよらず、平然と虚構の報告書をつくり上げて、これを読み上げて事実の記録にしようとすることも、またこの傾向のあらわれの一つであります。多数党が欲すれば、うその報告も真実の報告になるなどと考えたら、これほどおそろしい錯覚はございません。多数におごる自由民主党みずからはごまかせても、国民を欺くことはできません。多数党の上にあぐらをかく川野委員長の独裁者的な幻覚は欺くことができましても、当時社会労働委員会にあって、自由民主党の暴挙をまのあたり見ていたわれわれを欺くことを絶対にできないのであります。また、これを見ておる国民の目を欺くことはなおさらにできないのであります。(拍手)
 川野委員長は三日の本会議で不信任の審判を受けました。実際には不信任の十分な資格を備えている川野君の不信任案は、多数決によって横暴にも否決されました。それに気をよくして、きょうはまたぬけぬけとうそだらけの報告をしておるのでは、いささかも反省の色を見ることはできないのであります。(拍手)川野芳滿君、たとえ少数で敗れたとはいえ、本院には多くのあなたを信任せざる人々のいることを忘れてはなりません。たとえ否決されたといっても、一たび不信任に問われたあなたは、熟思三省、厳粛に自分の心境を突きとめることが当然の態度でありましょう。
 川野委員長は、二日以後国会を異常な混乱におとしいれた責任が、多数を頼む自由民主党の圧力に屈して委員会の運営を誤った委員長にあることを、この報告にあたってなぜ考えなかったのか。わが国の議会制民主主義を守り抜き、議会政治の権威を取り戻して、国民の政治に対する不信をなくする政治責任をあなたは痛感しているのかいないのか、明確に御答弁を願いたい。(拍手)
 不当不法な国会審議に麻痺した感覚では、正常化を幾百回繰り返しましても、国会の権威は守れるものではなく、混乱、正常化、混乱、正常化の繰り返しは、議会政治のなくなるまで続くことを憂うるものであります。内容が全く事実と合わない報告に接し、川野委員長の政治的反省に多大な疑いを残し、あえて質問をしたのであります。御答弁が十分でなければ、あらためて再質問をいたしますことを申し添えて、一応質問を打ち切ります。(拍手)
  〔川野芳滿君登壇〕
#134
○川野芳滿君 淡谷君にお答え申し上げます。
 私の委員会運営の不手ぎわのために各方面に御迷惑をかけましたことについて、まことに恐縮に存じておる次第でございます。
 今回の提案されました政府管掌に関する保険は、私が申し上げるまでもなく、重大な法案でございますことは言をまちません。しかし、今回の臨時国会は、会期がわずか十五日でございまして、しかも、その会期の前半五日間はあらゆる行事がございまして、真に委員会を開かれる日数というものは十日にすぎないのであります。したがいまして、参議院等の関係も考慮いたしますると、わずかな日数しか審議の期間がないという、こういう常識論があるわけであります。そこで、本案が委員会に付託になりまするや、毎日、理事懇談会あるいは理事会を開きまして、議事の運営について、いろいろ御協議を申し上げたのであります。本会議の各党質問の終わりました三十一日の午後から委員会を開かせていただきたい、かようなことでいろいろお願いを申し上げましたのでございまするが、残念ながらその域に達しません。そこで、実は一日の日に、理事会におきましていろいろ御相談を申し上げたのでございまするが、残念ながら議がまとまりません。そこで、理事会において実は採決いたしました結果、多数をもって趣旨説明を聞くということになりましたので、その意見に従いまして、私は一日の議事運営をさせていただいたわけであります。(拍手)
 そこで、実は二日でございまするが、二日におきまして、理事懇談会において了解事項がなされました。すなわち、三項目の了解事項がなされました。そこで、私は、基本的には賛成いたしますということを申し上げたのでございまするが、その趣旨に従いまして、十三名の質問者のあることも承知いたしました。私といたしましては、できるだけそういう方々に質問を許したいと、かように考えておったのであります。ととろが、与党の側から突如として実は緊急動議が出されまして、(発言する者多し)そうして、質疑打ち切りの動議が提出されたのでございます。健康保険関係の法律案は、前特別国会においても、かなりの人数と時間をかけて、質問がなされたのであり、また当日は、佐藤觀次郎君の質問に前後して二人の関連質問者もございまして、三名の質疑を許しだので、さきの与党の質疑打ち切り動議を取り上げた次第でございます。
 さらに、不信任の書類の問題でございまするが、実は私に不信任の書類が出されたという話をただいま聞いたのでございますが、私は、実はそういう書類を見たことはございません。
 さらに、修正動議でございますが、これは藏内君が修正説明をいたしたことを私はこの耳で聞き取れたのであります。しかし全部の内容は、聴取できないところもございましたが、配付されましたところの修正案の書類で私は了解いたしたような次第でございます。
 なお、委員会報告書においては、実は私は皆さんの了解を求めたつもりでございまするが、混乱のために聞き取れない方もあったかのようでございます。しかし情勢報告は、実は報告しないこともあるのが通例であるかのように承っておるのでございます。
 以上、お答え申し上げます。(拍手)
#135
○議長(石井光次郎君) 淡谷君から再質疑の申し出がありますから、これを許します。淡谷悠藏君。
  〔淡谷悠藏君登壇〕
#136
○淡谷悠藏君 川野委員長、いまのあなたの御答弁を伺いましたが、これは報告書ほどのうそはありませんけれども、まだ多分にうそが入っております。特にこの御答弁ではっきりしますのは、あの委員会が、事実混乱のために聴取ができない面も多かったということをあなたは言っている。あなたがすぐそばにおって聴取ができなかったことを、あの委員会の席におった者が聞き取れたかどうか、はっきりわかっているじゃありませんか。事実は聞き取れていない。しかも、あなた自身が聞いたことは、質疑打ち切りの動議は聞いたと言っている。あとは聞いていないでしょう。速記録もいまあなたは初めて見たと言っておる。初めて見た速記録ならば、初めて聞いた速記録ならば、この速記録を訂正させるつもりでありますか。あるいは事実と違った速記録は無効でありますか。これははっきりあなたから御答弁を願いたい。速記者にも聞き取れないようなこうした議事運営が、そのままりっぱなうその報告書となって、この国会に提出される、こんなでたらめな審議がございますか。私はどうしても承服ができません。あなたのいまの御答弁では満足ができませんので、あなたの聞いたのは質疑打ち切りだけであったのか、あるいは速記者に聞こえなかった修正案のいきさつまでが、耳のいいあなたには全部聞こえたのか、その点を明瞭にお答えを願いたい。
 特に、自民党の諸君、自民党提出の修正案は配付したと言っておりまするが、だれも受け取っておりません。(発言する者あり)だれも受け取っていない。この配付をしない資料によって、審議もできない混乱のままに、まるでやみ討ち的にこの本会議で、自分かってな修正案までが一回の審議もなく、堂々とまかり通るようなこのでたらめなことを、川野委員長、あなだはお認めになりますか。重ねてあなたの御真意を伺いたい。(拍手)
  〔川野芳滿君登壇〕
#137
○川野芳滿君 淡谷君にお答え申し上げますが、第一点は、不信任の書類を見たかどうかというお話のようでございましたが、先ほど御答弁申し上げましたように、私は見たことはございません。
 さらに、修正文の問題でございまするが、私は、先ほどもお答え申し上げましたように、かすかな声ではございましたが、聞き取れました。さらに、個所によっては少し聞き取れない部分もございましたが、しかし、いま申しましたように、書類を見ますると、小さい声と組み合わせると、ぴったりしましたので、私は、それで了解をしたものでございます。(拍手、発言する者多し)
#138
○議長(石井光次郎君) 伏木和雄君。
  〔発言する者、離席する者多し〕
#139
○議長(石井光次郎君) ただいま伏木君の質疑の発言を許しましたが、その前に川野芳滿君から、ただいまの答弁の補足をいたしたいとのことでありますから、まずこれを許します。川野芳滿君。
  〔川野芳滿君登壇〕
#140
○川野芳滿君 先ほどの私の答弁に不十分な点があり、皆さまに御不満を与えましたことは、まことに遺憾に存じます。
 私に対する不信任案が提出されたかもしれませんが、喧騒の中で十分な確認はできませんでした。修正案の提出手続についても、通常の場合より十分でなかったことはこれを認めます。(拍手、発言する者多し)
#141
○議長(石井光次郎君) 伏木和雄君。
  〔伏木和雄君登壇〕
#142
○伏木和雄君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となっております健康保険臨時特例法案について、総理及び関係大臣に質問をいたします。
 質問に先立ちまして――ただいま川野社労委員長の委員会報告がございました。その報告によりますと、社労委員会において慎重審議を重ねてという報告がございました。これは全く事実と相反するものでございます。(拍手)私ども公明党は、前国会、今国会におきまして、ただの一たびも発言を許されなかったのでございます。しかもあの強行な採決であります。先ほどの委員長報告は、事実と相反し、全く国会を侮辱する発言であると思う次第でございます。(拍手)
 そこで、まず第一に、自由民主党総裁でもある佐藤総理に対して、政治の浄化についてお伺いしたいと存ずるものであります。
 本日まで六日間にわたる本院の審議の模様は、だらだら国会として国民各層に政治不信を与えたことは、われわれひとしく遺憾の念を持つところであります。この混乱の因について、総理、あなたはいかに考えられるか。もし、総理がみずから表明されたとおり、民主主義の原理に従って審議を尽くし――もう一度申し上げます。民主主義の原理に従って審議を尽くしておったならば、このようなだらだらした徹夜の間に健保法案の十分な審議を終了することができていたでありましょう。あなたは、近道を急がんとしてやぶに突っ込んだ旅人のごとく、民主主義を踏みにじる近道を急いで、かえってだらだら国会のやぶに踏み込み、時間がかかり、汚名を千載に残されたのであります。坊厚生大臣、川野委員長に対する不信任の決議は幾ら否決されたとしても、審議を打ち切って民主主義に弓を引いた事実だけは永遠に残るのであります。
 総理、われわれは反対のために反対をしているのではない。多数党たる自由民主党が、われわれの意見だけが正しい、少数党の意見のすべてに聞く耳を持たぬという行き方こそ、われわれすべてが排除しなければならぬファッショというものであることを指摘しているのであります。信頼の上に立った話し合い、語り合いこそ、対立する両者をつなぐ唯一の道であり、民主政治の基礎であることを知らなくてはならないのであります。あなたは言われた。聞くべきは聞き、取り上げるべきは取り上げると。総理はこの御自分の言明をどう考えられているか、今後、かかる審議の打ち切り、強行採決のごとき蛮行を絶対に行なわないように、国会法改正等によるうるわしき慣行をつくる用意があるか、国民の名において、私は、総理につつしんで要請し、かつお伺いしたいのでございます。(拍手)
 質問の第二点は、前国会で廃案となった健保特例法案をそのまま再提出した点であります。
 世論がこの法案に反対しているのは、単に保険料が上がるということばかりではありません。今日、この制度で、赤字の原因たる診療報酬体系、薬価基準などの抜本策をないがしろにして、小手先の急場しのぎに終始している姿勢に対して反対しているのであります。
 政府は、たびたび、抜本対策について善処すると言うのみで、具体的解決を避けて今日までごまかしてまいったのであります。それがごまかしであったことは、この六年間いまだ抜本対策が提示されないことでも明らかであります。政府はほんとうに抜本策を提示される用意があるのか、いつまでにやるのか、明らかにお示しを願いたい。もしも先ほどの修正案の期限に間に合わせるなら、その間国民にしわ寄せをせず、政府が負担すべきであると思う。総理のお答えを願いたいものであります。
 次に、厚生大臣にお尋ねいたします。
 その第一点は、診療報酬の問題であります。
 この診療報酬は、医療保険や公的な医療では一番重要な事柄であります。九九%までが保険診療や公的医療である今日では、医師の診療報酬を幾らにするかは、なかなかの難問であります。そのきめ方は、医師の生活の全体に影響するものであるだけに、妥当なものでなければなりません。しかし、そのことは、同時に、診療報酬を支払う側の被保険者や国民にも無理な支出をしいることのないようにすべきであります。したがって、診療報酬の決定には、いろいろ複雑な要素がからみ、まことに重大であります。政府の具体策を示していただきたいと思います。
 第二点は、診療報酬を割り出す重要な要素として、公正な医業経営の実態調査の問題があります。
 病院はもちろん、個人診療所であっても、それは一つの経営体であることは間違いない事実であります。経済一般の成長に伴う物価の上昇や社会の傾向につれて進む設備やサービスの向上といったものが、その病院や診療所でどうなっているか、敏速にとらえなければならないことは事実であります。さらに、医師の生活費や人件費、物件費あるいは減価償却や利子、また、患者のほうで支払えない徴収不能額など、特に重要な要件であります。ところが、これらの経営実態調査は第三者機関で行なうべきであるとわれわれは主張しておりますが、なぜそれが実施できないのか、また、厚生省の行なっている監査もきわめて不十分でありますが、これらについて、医業実態調査に対する政府の基本的な姿勢をお伺いいたしたいのであります。
 第三点は、薬価基準についてであります。
 これは保険医が診療に使う薬品の種類と価格を厚生大臣がきめているものでありますが、この一番大きい問題点は、この薬価基準の価格よりも、医師や薬剤師が購入するその値段、すなわち、実勢価格がかなり下回っている事実であります。薬の増産や合理化によって価格が下がれば、保険で支払う薬剤費も当然安くなるのが常識的な考えであります。ところが、実際は安くなっていない。それは、厚生省が下げるべき薬価基準を下げないからであります。そして、そのことは、被保険者が不当に負担しているということであります。薬価基準と実際の価格が大幅に違ってきているにもかかわらず、三十五年に改定しただけで、それ以来見送られているなど、まことに厚生当局の許しがたい怠慢といわざるを得ないのであります。(拍手)厚生大臣、薬価基準の改正はいつ実施なさるのか、明確にお答え願いたいと思います。
 さらに、関連してお尋ねすることは、保険薬価が九〇%バルクラインできめられていることについてであります。この比率は、昭和二十六年薬価基準が初めてきめられたとき採用された比率そのままの状態であります。当然これも改められるべきであると考えるが、大臣の所信をお伺いいたします。
 第四点は、医薬分業についてであります。
 日本の医療には、外国人などが見るとふしぎと思えるほど、わかりにくいことが多いということであります。その中に、日本の医薬分業の実態が指摘されているのであります。医薬分業という制度は、昭和二十六年六月に法律が公布され、三十一年に実施となってから、すでに十年の歳月を経過しているのでありますが、実際には、準備期間として二年間見送られる間に医師の反対が出て何度も延期されて、三十一年四月、やっと実施にこぎつけた状態です。しかも、実施になったとはいえ、実際には従前とたいした変化はなく、国会の審議の途中で、患者が希望した場合は医師が調剤できるという項目がつけ加えられて、医薬分業は事実上骨抜きになったのであります。今日では、医薬分業などということば自体が忘れられようとしております。日本の医療界の実情が、まだ医薬分業を実施する基盤や整備がなされていないといえばそれまでであるが、医師や薬剤師それ自体の知識を尊重し、特に医師の報酬を診断や技術中心とするためには、この分業は絶対に必要なことであります。政府の真剣な対策を望み、今後の具体策を表明していただきたい。
 医薬分業だけでなく、医療問題はとかく政治的に取り扱われ、政府が当然とるべき責任が果たされず、公約はそのつど流されてきました。これに対し国民の政府に対する不信感は根強いものがあります。医薬分業の実施の構想については深い関心を寄せていますので、さらに具体的に御説明を願いたいと思います。
 以上お尋ねした項目は、審議会の答申書にも明示されている抜本策の骨子ともいうべきものであります。現在の混乱した日本の医療界の立て直しには抜本対策以外にないのであります。政府の勇断を望むものであります。
 最後に、大蔵大臣にお伺いいたします。
 大蔵大臣は、特に政管健保に関しては、その対象者の実態をきわめて正確に掌握し、特別優遇措置を配慮されんことを熱望するものであります。
 そもそも政管健保は、その字に表現されるごとく、政府が当然保険責任者であります。その対象者は、中小企業、零細企業に従事する低所得階層の人々であります。したがって、生活環境も悪く、老齢者が多い関係から、どうしても罹病率が高いのであります。この特異性にかんがみ、社会保障的見地から大幅な国庫負担でこれを補い、抜本策を急ぐべきだと考えますが、大蔵大臣の特段の配慮ある答弁を期待するものでございます。
 以上をもって質問を終わります。(拍手)
  〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕
#143
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 伏木君にお答えいたします。
 御指摘になるまでもなく、議会制民主主義、この民主政治を守り抜く、この立場で私もこれまでいろいろ苦い経験をなめてまいりました。このたびの国会運営につき、また委員会運営につき、それぞれの御批判があることだと思います。一日も早く国会の正常化をはかって、そうして国民の期待に沿うようにいたさなければならないと思います。公明党、民主社会党、自民党、この三党が申し合わせをいたしましたのも、ただいま申し上げるような点に沿ってでございます。この申し合わせをいまさら読み上げるまでもないことでございますが、近く国会法を改正して、そうして議長によりまして不適当と認められる委員会の決議の場合には、これを委員会に差し戻すことができる、こういうような国会法の改正、さらにまた、少数党に対しましても発言の機会を与える、この二点についての申し合わせをいたしたのでございます。過去におきましても幾多の申し合わせが行なわれました。しかし、そのつど国民の期待に反しております。今回は、この申し合わせを忠実に実施に移して、そうして国民の期待に沿う決意でございます。何とぞよろしく御協力のほどをお願いいたします。
 第二のお尋ねといたしまして、廃案になりましたものをそのまま提出したことについて一言申し上げます。
 今回の健康保険の臨時特例法、これはどうしても緊急に処置しなければならない、さように政府は考えたのでございまして、そういう意味でこの成立を心から願っております。今回も前の臨時特例法案を重ねて出したわけでございます。この点の御了承をお願いしたいと思います。しかし、これは臨時特例法でございまして、何としても抜本対策を立てなければなりません。各種の審議会等がすでに政府にもたびたび勧告をしております。抜本的対策を立てるように、かように申しておりますので、政府もその考え方でございます。したがいまして、四十三年度におきまして、これ全部を取り上げるというわけにはまいりませんが、この抜本策を取り上げるその緒につきたい、かようにただいま準備をしておるような次第でございます。(拍手)
   〔国務大臣水田三喜男君登壇〕
#144
○国務大臣(水田三喜男君) お答えいたします。
 政府負担の問題についての御質問でございましたが、御承知のように、政管健保の累積赤字につきましては、医療保険全体の抜本的改正の際にこれを検討することにいたし、さしあたり、四十二年度、単年度の赤字を避けるために臨時緊急対策として提案されましたのが今回の法案でございます。したがって、その応急性にかんがみ、かつ、保険制度のたてまえに沿って、保険者と被保険者、患者と政府、それぞれが応分に負担しようとするものでありまして、そのうち政府の国庫負担は昨年の五割増となる負担増でございます。国民健康保険のような、いわゆる使用者がないという場合には、国家が使用主にかわって負担いたしますので、給付の四五%が国庫負担になるというのでございますが、この政管健保は全く性質を異にいたしますので、従来の負担を申しますと、三十五年から三十九年までは年々五億円の負担でございましたが、いよいよこれが赤字を出してきましたので、いまでは四十五倍以上に当たるという負担をようやくするようになったということでございまして、保険制度のたてまえから申しますと、ただいまの国の負担はもう相当多い、少ないものではないというふうに考えておる次第でございます。(拍手)
  〔国務大臣坊秀男君登壇〕
#145
○国務大臣(坊秀男君) お答え申し上げます。
 社会保険におきまして、診療報酬の問題は、非常に改善しなければならない点がたくさんあるということは御指摘のとおりでございます。私といたしましても、この問題に対処いたしますために、現に中央社会保険医療協議会にかけまして、そしてこの診療報酬体系の適正化の問題を鋭意審議してもらっておるところでございます。きわめて近いうちにその結果がもたらされることと相なっておりますので、この結果を見まして慎重に対処してまいりたい、かように考えております。
 また、医療経済に関する実態の調査につきましては、この種の調査は、調査を受ける側の理解ある協力がなければ真実な結果を得ることが困難と思われます。現在、御指摘のこの実施主体の問題をも含めまして、中医協におきまして研究をしてもらっておるのでございます。これもきわめて近いうちにその結果がもたらされますので、その結果に基づきまして、御期待に沿うような対処をしてまいりたい、かように考えております。
 それから薬価基準でございますが、本年二月には、医家向きの医薬品の販売業者の販売価格を対象とする薬価調査を行ないましたが、これを基といたしまして、近く薬価基準の全面的の改正を行ないまして、実勢価格と大きな開きがないように持ってまいりたい。本年末あるいは来年早々にこれは行なわれる予定でございます。
 それから薬価基準についての価格の決定にあたって、九〇%のバルクラインでやっておるが、これはどうか、こういう御質問でございますが、この点につきましては、九〇%が正しいか正しくないかというようなことについて、いろいろ議論のあるところでございます。私といたしましては、現在、この問題についても、中医協において、薬価基準の適正化の一環として審議されておるのでございまして、この結果によりまして対処をしてまいりたい、かように考えております。
 次に、医薬分業についての御質問でございますが、医薬分業の制度は、国民一般の慣習にかんがみ、漸進的な進展を期待するという姿勢で実施されたものでありますが、その後この制度の趣旨は必ずしも十分に浸透しているとは考えられないのでございます。受け入れ薬局側の体制の整備や、あるいは処方せん発行側の医師の協力など、諸条件の整備をいたしまして、前向きに努力をしてまいりたい、かように考えております。
 以上でございます。(拍手)
#146
○議長(石井光次郎君) これにて質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#147
○議長(石井光次郎君) 討論の通告があります。順次これを許します。西風勲君。
  〔西風勲君登壇〕
#148
○西風勲君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました健康保険法及び船員保険法の臨時特例に関する法律案、及び民社党提案の修正案に対し、反対の討論を行なうとともに、政府管掌健康保険及び船員保険に加入する一千三百万人の勤労者、さらには大多数の勤労国民にかわって、佐藤内閣とその与党・自民党をきびしく糾弾するものであります。(拍手)
 さて、健康保険法及び船員保険法の臨時特例法案につきましては、すでに第五十五特別国会の本院本会議あるいは社会労働委員会において、わが党がその問題点を的確に指摘いたしております。すなわち、その問題点とは次のとおりであります。
 第一に、健康保険制度は、国民の健康と生命を守るための最低の保障であり、特に、経済の高度成長にかかわらず、その恩恵にあずかるどころか、かえってそのしわ寄せを受けている圧倒的多数の中小零細企業労働者にとっては、命の綱、死活の問題ともいうべき重要な、最低の社会保障制度であります。しかるに、この特例法案のごとく、保険財政の赤字負担を一方的にこれら労働者に転嫁するのは、低所得者層の健康開発を目標とすべき佐藤総理の社会開発とは全く逆行するものであることを強く指摘せざるを得ないのであります。(拍手)
 わが国の生産力が先進諸国と比肩するほど急速な発展を遂げたにもかかわらず、その社会保障水準は、今日なお昭和三十五年当時の西欧先進諸国に遠く及ばず、かつ、先般策定された経済社会発展計画においても、生産第一主義の陰に隠れて、社会保障の長期計画は不在にひとしい状態にあります。
 第二に、わが国の医療保険及び医療制度混乱の原因は、再三にわたる社会保障制度審議会の答申並びに勧告があったにもかかわらず、今日までその改革に何ら手をつけようとせず、その基本姿勢すら示さなかったことは、佐藤総理の重大な政治的責任であります。(拍手)さらに、あるべき医療保障が、もっぱら保険財政の面からのみ論じられ、健康投資の概念なしに行なわれていることは、本末転倒もはなはだしいといわなければならないのであります。(拍手)
 第三に、早期発見、早期治療は、疾病構造が複雑化した今日、ますますその必要性を増しているにもかかわらず、初診時の一部負担金を引き上げることは、疾病対策のイロハもわきまえない暴挙であり、断じて許せないものであります。(拍手)
 第四は、政府が保険財政のつじつま合わせに狂奔している間に、寝ている病人から着物をはぎ取るにひとしい差額徴収という冷酷むざんな仕打ちが行なわれているにもかかわらず、まだその上に入院時の一部負担金を倍増させることは、厚顔冷酷な二重の追い打ちといわなければならないのであります。(拍手)
 第五に、薬剤費の一部負担新設は、制度の基本にかかわる問題であり、十分な生活が保障されていない患者に対して薬剤費まで負担させようとする前に、健康保険で使う薬剤の生産及び販売を管理、規制すべきであります。
 第六は、政府管掌健保に加入する労働者の六一%は月収三万円以下であり、その平均月収もまた三万円をやや上回る程度であります。しかも、これら低賃金労働者が負担する社会保険料は、厚生年金、失業保険も含めて、たとえば月収三万円の労働者で毎月二千百五十五円に達するのであります。ひな壇におる諸君の二千百五十五円とは、生活にかかる重みが全く違うのであります。
 また、この臨時特例法案による負担増は、労働者六、使用者三、国庫一という割合であり、これは、さきの第五十一国会における健康保険法の一部改正によるいわゆる三者三泣きの赤字負担に比べて毛、なお著しく不当であるということができるのであります。(拍手)
 第七は、行政努力による見込み額があたかも数字合わせではじき出され、そのため、医師の良心的医療に対してまで治療指針をたてに不当な監査を強行している疑いがあるということであります。
 第八は、この臨時特例法案なるものは、決して暫定的な措置といえるものではなく、制度の抜本的改悪につながるものでありますから、すみやかに撤回せよというものであります。
 このように、わが党が国会論議を通じて指摘したきわめて大筋な問題点だけでも八点を数えております。少なくともこれらの重要問題は、国民の前で十分討論し、その疑念を晴らすべきであります。ところが、一体審議がどれほど行なわれたでありましょうか。
 第五十五特別国会の本院社会労働委員会においては、わが党の委員わずか四名が質問しただけで、他の野党である民主社会党、公明党、共産党各党の諸君はだれ一人質問していないのであります。しかも、質問を行なった問題点も、赤字積算の基礎、薬価基準、薬剤費の一部負担と、ほんの序の口でしかなく、それに要した時間は、三百三十二億五千万円を一方的に労働者に負担させようとする、国民生活にとってはきわめて影響大である法律案の審議であるにもかかわらず、驚くなかれ、たった十時間三十分にすぎないのであります。
 かくて、わが党の島本虎三君が質問を始めてわずか一時間たつかたたない間に、自民党の諸君は、一切の慣例や法規を無視して、無謀にも審議打ち切りをはかり、この暴挙によって生じた混乱のまま、問題点の究明は、ついに国民の目の届かぬところへ隠し去られたのであります。すなわち、国民は、何ゆえにこのような負担をしいられるのか、その理由を納得できないまま、三百三十二億五千万円にのぼる膨大な負担を一方的に押しつけられようとしていることは、まことに遺憾といわなければならないのであります。(拍手)一体、このようなファッショにもひとしい不当な行為が、いやしくも議会制民主主義のわが国において許されるでありましょうか。断じて許されないのであります。私どもは、断固として政府と自民党の不当なやり口を追及するものであります。
 しかし、悪は栄えず、第五十五特別国会においては、当然の帰結ながら、臨時特例法案がついに廃案となったことは、天下周知の事実であります。しかるに、悪の根は深く、政府・自民党は、厚顔にも、何ゆえに廃案のうき目にあったかを反省せず権力の座にあることに目がくらみ、早々に臨時国会を開いて、原案のまま提出するという、恥知らずな行為を行なったのであります。すなわち、わが党の法案撤回要求や、社会労働委員会におけるわが党委員の質問に対して、何一つ満足な答弁もせず、その意思を一方的に踏みにじって強行採決をはかろうとしている政府・自民党の悪らつなやり口は、国民の生活と健康に何ら責任を持たない、全く無責任な態度といわざるを得ないのであります。(拍手)
 しかも、坊厚生大臣は、健保特例法が廃案になるという見通しが明らかになるや、廃案になれば、保険医に対する診療報酬の支払いをおくらす、第二には、診療報酬の緊急是正はやらない、第三には、ビタミン剤など大衆保健薬を保険給付からはずす、第四には、抜本対策は行なわず、赤字対策に終始するという大臣談話を発表して、健康保険の改悪反対に立ち上がっている保険医や大衆をどうかつしたのであります。
 この談話は、国民の生命と健康、医療行政に責任を持つ厚生大臣の談話としては、きわめて無責任な発言であり、みずから任務を放棄し、職権乱用を行なったものと断ぜざるを得ないのであります。(拍手)このような無責任な厚生大臣がいるからこそ、今日のような混乱が起こっていることを確認しなければならないのであります。
 したがって、わが党は、あくまでも慎重審議の原則にのっとり、数々ある問題点を再び本臨時国会で十分審議し、その審議を通じて問題を明らかにすることを要求したことは理の当然であり、これこそ正義の要求であり、国民の負託にこたえるただ一つの道であります。その意味において、わが党が審議に協力することを明らかにしたのであります。
 にもかかわらず、政府・自民党は、この自明の理を踏みにじり、性こりもなく暴挙をあえて行なったのであります。しかも悪質にも、審議打ち切り一時間前に、社会党八名、民社党三名、公明党二名の質問者を立てて、審議を尽くすという、社会労働委員会理事懇談会における公党間の了解事項をほご同然に破り捨て、あまつさえ、てまえがってにつくり上げた国民不在の修正案なるものを、だれもわからないうちに、やみからやみのうちにつくり出して、強行採決し、成立したと称しているのであります。先ほどの川野芳滿社労委員長の報告こそは、大うそとでたらめで固めた、全く盗人たけだけしいものであります。(拍手)このやり口こそ、今国会を混乱におとしいれたものがだれであるかを白日のもとに明らかにしたのであります。(拍手)
 いまや、自民党は、みずからこの手で公党たる資格を放棄し、ぺてん師に成り下がったと断ぜざるを得ないのであります。(拍手)審議に協力しなかったのは、まさに社会党に協力を要請した自民党そのものであることを明らかにしなければならないのであります。(拍手)国権の最高機関たる国会に課された責務を放棄した元凶は、だれでもない、佐藤内閣と自民党であることを私は天下に宣言するものであります。(拍手)
 もし今後、政府・与党によるこのような暴挙が許されるならば、いまやわが国の議会制民主主義は否定されたにひとしく、国民の平和と安全、生活の向上は、一体何によって保障されるのでありましょうか。このような議会制民主主義の否定の上に成立がはかられようとする法律案、国民の健康と生命を破壊する健保改悪案は、たとえ修正という装いをこらそうとも、その本質において何ら変わることのない、国民に対する犠牲の転嫁であることを明らかにしなければならないのであります。
 同時に、私どもは、民主社会党の修正案、すなわち、二年間の時限立法の提案は、すでにわが党の河野正理事が佐藤総理大臣に本院で質問をいたしまして、昭和四十三年から抜本改正に着手することを明らかにしているのであります。これから比べて一年の後退であります。さらに、無原則な妥協によって抜本改正を要求することは、抜本改正ではなくて、抜本改悪につながることを知らねばならないのであります。(拍手)そういう点で、まことに残念でありますけれども、民主社会党の修正案に反対であることを明らかにいたします。
 佐藤自民党総裁、最近、国会の中で、あなたのことを金魚と呼ぶ人がふえております。見た目は美しい、平和に徹する、社会開発、人間尊重、風格ある社会、口先と表向きだけは美しい、しかし、中身は煮ても焼いても食えない、すなわち金魚というわけであります。(拍手)風格のある社会を呼号する内閣総理大臣は、歴代内閣総理大臣の中で最も風格がないのであります。
 最後に、佐藤内閣総理大臣に心から訴えます。あなたに一片の良心があるならば、病気で困っているわれわれの仲間に対して、国民に対して一片の愛情があるならば、直ちにこの改悪案を撤回されることを要求して、討論を終わります。(拍手)
#149
○議長(石井光次郎君) 藏内修治君。
  〔藏内修治君登壇〕
#150
○藏内修治君 私は、自由民主党を代表いたしまして、政府提案にかかる健康保険法及び船員保険法の臨時特例に関する法律案につき、自由民主党の修正案並びに民主社会党の修正案及び修正部分を除く原案について賛成、また、政府提案にかかる船員保険法の一部を改正する法律案について賛成いたさんとするものであります。(拍手)
 わが国医療保険の中核をなす政府管掌健康保険は、今日深刻なる財政危機に直面いたしており、制度を維持して国民医療を確保するためには、当面何らかの臨時応急対策を講ずることが緊要であります。
 このため、政府においては、従来の予算措置を大幅に増額して、政管健保には二百二十五億円、船員保険には六億円の国庫負担を計上するとともに、保険制度のたてまえにのっとり、被保険者、事業主及び給付を受ける者の応分の負担によってこの難局を切り抜けることとして、保険料率及び一部負担金の改定を内容とする法案を今国会に提案いたしたのであります。
 今日、医療保険財政が窮迫しておることについては種々の原因が考えられ、制度的にも幾多の解決すべき問題点があることは、すでに指摘されているところでありまして、その抜本改革をはかり、将来長期にわたって医療保険が安定し、発展し得る基盤を築くことが必要なことは申すまでもありません。しかしながら、この抜本策を実施するためには、なお多くの検討と準備を必要とし、若干の日時を要するのでありまして、この抜本対策の確立まで現状のまま放置しておくことは、保険制度自体の崩壊を招来し、ひいては国民の保険に重大なる支障をもたらし、国民の健康と福祉に大いなる不安を投ずることは言うまでもありません。(拍手)われわれ自由民主党が本案提案を了とした趣旨もまたここにあるのであります。
 世間には、この事実にあえて目をおおい、ただ法案の廃案をのみ唱える向きがありますが、こうした立場は、はたして、政治に携わる者として責任ある立場であるということができるかどうか、はなはだ疑わしいと思うのであります。(拍手)
 本案の内容についての最大の問題点は、政管健保の赤字補てんの方法についてであります。野党の諸君は、その解決策として、一般会計よりの支出による補てんを主張せられるのでありますが、政府も大幅の支出をしていることでもあり、また、保険方式をもって運営すべきこの制度にこのような安易な方法をとること自体、制度の本質にもとるとともに、納税者である一般国民に対して、責任ある国費の支出であるとは申せないのであります。(拍手)特に、わが国の社会保障が医療保障にばく大なる支出を食われ、所得保障が伸び悩んでバランスを欠いている実情を考えるとき、軽率、かつ、世間におもねる態度は慎むべきであると思うのであります。(拍手)
 次に、内容のうち、まず、保険料率については、政府原案では、現行千分の六十五を千分の七十二に引き上げることとしておりましたが、修正案において、その上げ幅を修正し、千分の七十といたしました。政府管掌健康保険の被保険者は、主として中小企業の従業員であり、その負担の増加については、でき得る限りこれを押えることが必要でありまして、この自民党の修正は妥当な措置と考えるのであります。(拍手)
 次に、一部負担の改定に関しましては、現行初診時及び入院時の一部負担金の引き上げについては、すでに昭和三十二年以来十年間も据え置きとなっており、この間の物価の変動、消費生活水準の向上、さらには医療給付費の急増という事情を勘案して、政府原案は妥当な線と考えます。
 また、薬剤の一部負担金については、緊急事態にある政管健保等の財政対策としてやむを得ないものと存ずるのでありますが、なお所得の比較的低い階層を考慮し、所得税課税限度額をも勘案して一部負担を免除する措置を講じたことは、適切な配慮であると思うのであります。(拍手)
 次に、船員保険法の一部を改正する法律案につきましては、失業保険金の引き上げについての手続の簡素化をはかり、あわせてその給付の改善をはかろうとするものでありまして、これまた妥当な改正であると考えます。
 最後に、民主社会党提案にかかる修正案について申し上げます。
 右修正は、本案に有効期限を付し、時限立法の形式に改めんとするものでありまして、特例法の性格を明確にし、医療保険制度の抜本改正を促すものであり、われわれ自由民主党の本来の主張とも合致するものであります。(拍手)この見地から、われわれは民主社会党の修正にも賛成いたすものであります。
 以上、私は、政府提案にかかる健康保険法及び船員保険法の臨時特例に関する法律案につき、自由民主党並びに民主社会党の修正案及び修正部分を除く政府原案、及び政府提案にかかる船員保険法の一部を改正する法律案について賛成し、私の討論を終わります。(拍手)
#151
○議長(石井光次郎君) 岡沢完治君。
  〔岡沢完治君登壇〕
#152
○岡沢完治君 私は、民主社会党を代表いたしまして、ただいま議題となっております修正を含む健康保険法及び船員保険法の臨時特例に関する法律案に関する委員長報告に反対の意見を述べるとともに、民社党提案の同法修正案並びに船員保険法の一部を改正する法律案に賛成の討論を行なわんとするものでございます。(拍手)
 まず第一点は、いわゆる政管健保のあり方に関する総理並びに担当大臣の姿勢についてであります。
 一体、今回の健保特例法案が、圧倒的な国民世論によって反対され、国会におきましても、第五十五特別国会において廃案となり、また、本臨時国会におきましても、われわれ野党があげて反対の立場をとり続けているのはなぜでありましょうか。この点につきまして、総理や担当大臣が謙虚に、そしてまた、静かにお考えになったことがございますでしょうか。それは、政府が、健保赤字の原因を科学的に追及することなく、こそくな暫定的対策によって、被保険者、患者、保険医にその責任を転嫁し、社会保険制度の後退をはかろうとしておられるからであります。
 総理は、今国会の施政方針演説におきまして、医療保険制度について必要な施策を講ずるとともに、低所得の人々には一段の施策の充実をはかると言明されました。また、国民の生命と健康を預かる責任ある地位に立たれる坊厚生大臣は、おりに触れて、国民生活の安定と高度の福祉水準の実現をはかりたいと申されておるのでございます。しかしながら、ただいま政府から提案されております本臨時特例法案は、いま私が述べました総理や厚生大臣の言明とは全くうらはらな考え方と内容が盛られているのであります。すなわち、保険料率の引き上げ、初診、入院時における患者負担の倍増、ことに薬剤費の一部負担という新制度がこれでございまして、いかなる弁解をせられましょうとも、これはわが国社会保険制度の後退を意味する以外の何ものでもないのであります。(拍手)
 言うまでもなく、健康保険制度は、わが国国民の健康と生命を守るきわめて重要な柱でございます。ことに政府管掌健保の場合、標準報酬の月額からいたしましても、中小零細企業に働く勤労者がその主たる対象であることは明らかでございまして、被保険者には女子労働者や一般若年労働者が圧倒的に多いのでございます。きびしい労働条件のもとに強引な合理化が進められております今日の労務管理のもとにおきまして、これら中小零細企業の従業員の置かれております地位を知ります私たちにとりまして、今回の負担増が彼らにとりいかにシビアーなものであるかは、身にしみて感得できるのでございます。弱い者いじめの自民党の本質がここにもまた露骨な姿をもってあらわれたといわざるを得ないのであります。
 本国会の冒頭にあたり、総理は、本案について、社会開発計画の一環として低所得者層の健康開発をはかるための法案であると言われましたけれども、これはまさに羊頭を掲げて狗肉を売るのたぐいであると断ぜざるを得ません。(拍手)
 第二点は、政府の特例法案が赤字対策に腐心するのあまり、問題解決の抜本策を避けている点でございます。
 わが国の医療保険制度のあり方につきまして、昭和四十年に社会保障制度審議会が次のごとく答申いたしております。すなわち、医療保険制度に対する政府の態度に警告を発し、「かような状態が続く限り、医療保険制度の破局をもたらすばかりでなく、社会保障の均衡ある発展を阻止し、ひいては、わが国社会開発全般に一大障害となることは明らかである」と極言しているのでございます。これにこたえて、政府は、昭和四十二年度より抜本対策を講ずる旨しばしば強調してまいりました。ところが、すでにただいま昭和四十二年度に入っておりますが、今日依然として何らの抜本策も講じられていないではございませんか。かくして、その積年の怠慢の結果、四十一年度までに実に千億をこえる赤字を生み出したのであります。もちろん、これらの赤字の原因につきましては、薬剤の急激な増加、公害による疾病構造の変化、医学医術の進歩などによる医療費の急増等をあげることもできるのでありますけれども、何ものにも増しまして、政府が抜本策の確立を怠った結果であると断定せざるを得ないのであります。(拍手)しかるに、政府は、このみずから犯した政治責任について何らの反省も行なわず、不当にも、赤字解消のしわ寄せを一方的に弱き被保険者や患者に押しつけまして、みずからの責任を他に転嫁することは、全く非情冷酷、人間尊重の看板が泣く措置といわなければならないと思います。(拍手)
 第三点は、特例法案の内容、すなわち、初診料、入院料及び薬代の一部負担等の問題についてでございます。
 薬代一部負担のねらいは、まぎれもなく、財政の維持と受診の抑制でございましょう。一剤一日分十五円という金額は、一見少額に思われがちでございますけれども、御承知のとおり、今日窓口で受け取る患者の薬剤は、軽症の場合でもほとんど二剤以上になっているのが常識でございます。しかも、投薬は相当長期にわたることがしばしばであります。したがって、一つの病気の完全治癒までに要する出費の増は、経済力に乏しいこれら患者にとりましては容易ならぬ負担となることは、火を見るよりも明らかでございます。そして結局は、これら患者の受診を自然に抑制し、健康をいよいよ悪化させ、わが国医療行政の重大な後退を招くことにつながるものといわなければなりません。われわれが断じてこの改悪法案を黙視することのできない最大の理由はここにございます。
 さて、わが民社党は、政府提案の臨時特例法案を明確に二ヵ年の時限立法とし、この間に政府がわれわれと関係当事者並びに国民がともに明確に納得できるような抜本策を確立するよう義務づけるべく修正案を提出いたしました。幸い大方の賛成を得て成立するものと私は確信いたしております。修正案成立の上は、佐藤内閣はしかとこの国会の意思を尊重し、二ヵ年以内には必ず抜本策を策定するものと期待しておりますがゆえに、私は民社党修正案に積極的な賛意を表するものでございます。(拍手)
 この際、先ほど社会党を代表されまして西風議員から発言がございました。民社党の二年間の時限立法は、自民党の言明よりも劣るではないかという指摘でございました。しかし、ここでとくとお考えをいただきたい。私たち国会が国権の最高機関として議決いたしました法律案と、閣僚、内閣が言明する単なる空論とを同列に置く議論が西風発言になったと私は確信いたします。私たちは佐藤内閣が信用できないからあえて法律案に訴えたわけでございますけれども、先ほど西風議員は、佐藤総理並びに坊厚生大臣を口をきわめて罵倒し、信用のできないことを訴えながら、一方では、その言明を是認したことを前提とした議論によってわが党の修正案を批判されたのであります。(拍手)もし、自民党の、あるいは佐藤総理のことばが信用できるのであれば、すでに抜本策はことし以前に確立されたはずでございます。ここに、われわれがあえて国会の意思をもって佐藤内閣の抜本策確立の言明を確保するために修正案を提出したゆえんがございます。(拍手)
 なお、船員保険法の一部を改正する法律案につきましては、この際特に指摘をする点はございません。
 以上申し述べました諸点から、修正を含む政府案に反対、民社党提案の修正案並びに船員保険法の一部を改正する法律案に賛成の意見を述べまして、私の討論を終わります。(拍手)
#153
○議長(石井光次郎君) 浅井美幸君。
  〔浅井美幸君登壇〕
#154
○浅井美幸君 私は、公明党を代表しまして、健康保険法及び船員保険法の臨時特例に関する法律案並びに同修正案に対し、反対の意見を表明するものであります。(拍手)
 周知のとおり、本法案は、政府管掌健康保険の赤字補てんのために、あくまで応急的に措置するものでありますが、先ほどの総理及び関係大臣並びに川野社労委員長の答弁は、まことに抽象的であり、かつ、不誠意きわまるものでございます。(拍手)今日の健康保険財政の逼迫した原因を検討してみるとき、単に被保険者の増大、医療費の増高のみに原因があるのではなく、最も根本的にはその制度上に欠陥があることが明らかなのであります。すなわち、先ほど総理並びに厚生大臣が認められたとおり、抜本対策において解決されるべき制度的な問題が多々あり、本法案のごとき場当たり的対策では、何ら基本的解決とはならないのであります。一時的に小康を得ても、根本的解決でなければ、また来年度において同様の問題に直面するのであります。
 およそ、政治は、すべての施策にわたって果断なる処置をもって行なわれるべきであります。今日、このような最悪事態を招いたのも、政府の見通しの悪さと怠慢な行政が災いしていることは明らかであり、失政といわざるを得ないのであります。(拍手)それゆえに、本法案はさきの特別国会に提案される以前から、各方面より強い反対と批判を浴びたのであります。にもかかわらず、政府はかかる世論をも無視し、ついに去る八月一日、社労委員会において怒号と罵声の中で提案説明を強行したのであります。その提案のおもな趣旨は、単年度に見込まれる赤字七百四十五億円に対する場当たり的な穴埋め策でありまして、今日の重大な赤字問題はすでに数年前に端を発していながら、政府の放漫、無責任のゆえに、ついに今日のごとき最悪事態に立ち至ったのであります。
 国民の生命と健康管理を重点に置いて考えるべき医療問題を、単に赤字解消という財政面からのみとらえて形式的な保険制度のたてまえ論を展開し、あえて被保険者たる国民に負担をかけ、その責任を転嫁しようというのであります。かねてより総理は、人間の尊厳と福祉国家の樹立を強調してはばからないのでありますが、社会保障の充実こそ福祉国家社会の柱であると断ずるものであります。(拍手)
 しかるに、政府の経済政策は、今年度の予算編成を見てもわかるように、もっぱら大企業優先の施策であり、また、社会保障費の一般会計予算総額に占める割合は、常々総理の言われていることと矛盾することを明らかに立証しておるのであります。すなわち、中小企業対策費は総予算額の一%に満たず、社会保障費は一四・五%にすぎない。先進諸国の二五%と比較してはるかに劣り、福祉国家への道はほど遠い現状であります。また、産業の二重構造による中小企業従事者の労働過重と所得格差は種々の問題を惹起しており、これら零細企業従事者の生活は想像以上に逼迫しております。この事実を政府は深く認識し、福祉国家たるにふさわしい社会保障を強化すべきであります。
 そもそも、政管健保加入者は、その大部分が小零細企業の従事者であり、いわゆる低所得階層の人々で占められているのであります。これら零細企業に働く労働者及び経営者は、企業の不安と労働過重、そして諸物価の高騰に悩まされているのであります。ここで、さらに追い詰めるがごとく、生命と健康を預かる健康保険法を改悪して負担を増大させることは、基盤の浅いわが国社会保障を一そう後退させるものであります。(拍手)政府は、すべからく社会保障の見地に立って対処さるべきであると強く主張するものであります。
 政府は、これまで政管健保の赤字原因として、医療費の増高をしきりと訴えておりますが、医療費の四五%を占めるのは薬剤費であります。政府は。右顧左べんすることなく、勇気をもって、薬価基準あるいはバルクラインの引き下げ等の改定を行ない、それによって医療費の増高を押えるべきであります。その努力も払わず、一方的に値上げを強行する態度には、とうてい賛成することができないのであります。厚生大臣は先ほど、来年早々の実施を約されましたが、では、一体なぜ今日まで延期されたのか、その怠慢さにあきれるのでございます。(拍手)
 また、現行の診療報酬体系の矛盾のために、医師がその本来の医術によって正当な報酬を受けるべきであるにもかかわらず、一律に点数単価方式で評価されるのでは、不本意ながら、医師は投薬の増加をもって生活を守るしかないのであります。これは医師の実力に対する不当な評価であり、かつ、医療行政不在を示すもので、政府の怠慢これに過ぐるものはありません。政府はこれが是正に対する医業実態調査を何ゆえためらっておられるのか、理解に苦しむのであります。政府が行なうべきことを行なわずして、いたずらに保険財政の赤字を誇大に宣伝して国民大衆に負担を要求することには全く反対であります。(拍手)少なくとも、政府は、国民の期待している抜本改革の青写真を国民の前に明示し、その実行の決意を披瀝して、しかる後、当面の赤字問題をどのように解決するかを訴えるのが道理であります。しかるに、先ほどの総理の答弁でも、四十三年に抜本策を提示すると口約束をするのみで、その間においては赤字のすべてを国民負担に肩がわりしようとすることは、国民に対する重大な反逆といわざるを得ないのであります。今日まで六年間、もうすぐとか、善処するということばで引き延ばされてきた国民が、こういう答弁でどうして納得できるでしょうか。もうだまされないというのが国民大衆の心情であります。
 今回、政府原案に対する修正案が提案されましたが、修正案は昭和四十四年八月三十一日までの時限立法としようとするものであり、これは、政府が同時点までにどうしても抜本策を樹立しなければならないようにするための歯どめと称しているのであります。確かに、これは一歩前進の保障となることに違いありませんが、先ほど総理の「四十三年度に抜本策を講じる」という答弁から見ると、一年の延長を認めたことであり、他の時限法においても政府はしばしば延長を常としている例から見て、はたして有効な歯どめとなるか、はなはだ不安を感ぜざるを得ません。したがって、まことに提案者には失礼ながら、反対の態度をとらざるを得ないことを御了解願いたいのであります。
 さらに、われわれがはなはだ遺憾にたえないのは、同法案の審議に対する政府側の態度でありました。審議もしなければ話し合いもしない、強行突破あるのみというのでは、議会民主政治への挑戦であります。そして、その醜態の責任は、あげて自民党・政府の態度にありました。国民の失望と怨嗟の声が、総理には聞こえないのでありましょうか。過日の本会議において、総理は、「緊急やむを得ないので、どうか御審議のほどをお願いし、お互いに円満な審議をはかっていくように御協力のほどをお願いいたします」と述べられたが、その後の委員会審議の経過は、総理の発言と全く逆でありました。去る二日、社労委員会においては、最初の野党の質問を途中で打ち切り、審議を尽くさずに強行採決の暴挙に出たのであります。それも、同委員会の開会直前の申し合わせ事項を、わずか一時間後に約束を踏みにじったのであります。これでは、政党間の信義も道義もないではありませんか。公明党は前国会に引き続いてまだ一人も質疑をしていないのに強行採決するとは、その政治道義の上からも、また人間としての常識すら疑いたくなるのであります。
 また、先ほどの川野社労委員長の報告を伺い、私は、さらに強い怒りを押えられなかった一人であります。事実を隠しても、やがて真相はあらわれるものであります。国会の議場で、その神聖を冒涜し、議会民主主義を踏みにじった姿こそ、長き本院の恥辱として銘記されることでありましょう。三日、四日のこの本会議場での混乱は、したがって、この社労委員会の横暴な政府・自民党のファッショ的言論封殺に端を発したものであることは、万人ひとしく認めるところであります。総理は、特別国会の冒頭で、「道義に貫かれた議会民主主義の確立」とうたわれた。「多数党たるわが自由民主党は、謙虚な態度で聞くべきは聞き、とるべきはとって、わが国民主政治の前進のために真摯な努力を傾けたい」と言われた。私は、国民の名において、それを実行することを要求したい。
 幸い、昨日、自民、民社、公明の三党首が、議長立ち会いのもとに、国会正常化のために国会法を改正して、今後強行採決などの不当な採決については、それを委員会に差し戻すなど、国会が正常な状態で審議を尽くすことの基本的な意見の一致を見ました。総理も先ほどの答弁で言及されましたが、この申し合わせの忠実な実行を重ねて強く要求するものであります。
 以上の理由から、日程第二、健康保険法及び船員保険法の臨時特例に関する法律案については反対、日程第三、船員保険法の一部を改正する法律案は賛成、なお、日程第二の修正案に対しては遺憾ながら反対の意を表し、討論を終わるものであります。(拍手)
#155
○議長(石井光次郎君) これにて討論は終局いたしました。
 これより採決に入ります。
 まず、健康保険法及び船員保険法の臨時特例に関する法律案に対する佐々木良作君外二名提出の修正案につき採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行ないます。佐々木良作君外二名提出の修正案に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。――閉鎖。
  〔議場閉鎖〕
#156
○議長(石井光次郎君) 氏名点命を命じます。
  〔参事氏名を点呼〕
  〔各員投票〕
#157
○議長(石井光次郎君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。――開鎖。
  〔議場開鎖〕
#158
○議長(石井光次郎君) 投票を計算いたさせます。
  〔参事投票を計算〕
#159
○議長(石井光次郎君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
  〔事務総長報告〕
 投票総数 三百九十八
  可とする者(白票)      二百六十一
  〔拍手〕
  否とする者(青票)       百三十七
  〔拍手〕
#160
○議長(石井光次郎君) 右の結果、佐々木良作君外二名提出の修正案は可決されました。(拍手)
    ―――――――――――――
 佐々木良作君外二名提出の修正案を可とする議員の氏名
      安倍晋太郎君    阿部 喜元君
      相川 勝六君    愛知 揆一君
      青木 正久君    赤城 宗徳君
      秋田 大助君    天野 公義君
      天野 光晴君    荒木萬壽夫君
      荒舩清十郎君    有田 喜一君
      井出一太郎君    井原 岸高君
      伊東 隆治君    伊藤宗一郎君
      伊能繁次郎君    池田 清志君
      池田正之輔君    一萬田尚登君
      稻村佐近四郎君    宇野 宗佑君
      上村千一郎君    植木庚子郎君
      臼井 莊一君    内田 常雄君
      内海 英男君    浦野 幸男君
      江崎 真澄君    小笠 公韶君
      小川 半次君    小川 平二君
      小沢佐重喜君    小澤 太郎君
      小沢 辰男君    小渕 恵三君
      大石 八治君    大石 武一君
      大久保武雄君    大竹 太郎君
      大坪 保雄君    大野  明君
      大野 市郎君    大橋 武夫君
      大村 襄治君    岡崎 英城君
      岡本  茂君    奥野 誠亮君
      加藤常太郎君    加藤 六月君
      鹿野 彦吉君    賀屋 興宣君
      鍛冶 良作君    海部 俊樹君
      桂木 鉄夫君    金丸  信君
      金子 一平君    金子 岩三君
      上林山榮吉君    神田  博君
      亀岡 高夫君    亀山 孝一君
      鴨田 宗一君    仮谷 忠男君
      川島正次郎君    川野 芳滿君
      菅  太郎君    菅野和太郎君
      木野 晴夫君    木部 佳昭君
      木村 武雄君    木村 俊夫君
      菊池 義郎君    北澤 直吉君
      吉川 久衛君    久野 忠治君
      鯨岡 兵輔君    熊谷 義雄君
      倉石 忠雄君    倉成  正君
      藏内 修治君    黒金 泰美君
      小泉 純也君    小平 久雄君
      小峯 柳多君    小宮山重四郎君
      小山 長規君    小山 省二君
      河野 洋平君    河本 敏夫君
      佐々木義武君    佐藤 榮作君
      佐藤 孝行君    佐藤 文生君
      佐藤洋之助君    坂田 英一君
      坂田 道太君    坂村 吉正君
      坂本三十次君    櫻内 義雄君
      笹山茂太郎君    志賀健次郎君
      始関 伊平君    椎名悦三郎君
      塩川正十郎君    塩谷 一夫君
      重政 誠之君    篠田 弘作君
      澁谷 直藏君    島村 一郎君
      正示啓次郎君    進藤 一馬君
      周東 英雄君    菅波  茂君
      鈴木 善幸君    砂田 重民君
      砂原  格君    世耕 政隆君
      瀬戸山三男君    關谷 勝利君
      田川 誠一君    田澤 吉郎君
      田中伊三次君    田中 榮一君
      田中 角榮君    田中 龍夫君
      田中 正巳君    田中 六助君
      田村 良平君    高橋 英吉君
      高橋清一郎君    高見 三郎君
      竹内 黎一君    竹下  登君
      谷垣 專一君    谷川 和穗君
      千葉 三郎君    地崎宇三郎君
      中馬 辰猪君    塚田  徹君
      塚原 俊郎君    坪川 信三君
      渡海元三郎君    登坂重次郎君
      徳安 實藏君    床次 徳二君
      内藤  隆君    中尾 栄一君
      中川 一郎君    中川 俊思君
      中曽根康弘君    中野 四郎君
      中村 寅太君    中村庸一郎君
      中山 榮一君    中山 マサ君
      灘尾 弘吉君    二階堂 進君
      丹羽 久章君    丹羽喬四郎君
      丹羽 兵助君    西岡 武夫君
      西村 英一君    西村 直己君
      野田 卯一君    野田 武夫君
      野原 正勝君    野呂 恭一君
      葉梨 信行君    馬場 元治君
      橋口  隆君    橋本登美三郎君
      橋本龍太郎君    長谷川四郎君
      長谷川 峻君    八田 貞義君
      濱野 清吾君    早川  崇君
      原 健三郎君    原田  憲君
      広川シズエ君    廣瀬 正雄君
      福家 俊一君    福井  勇君
      福田 赳夫君    福田 篤泰君
      福田  一君    福永 一臣君
      藤井 勝志君    藤枝 泉介君
      藤尾 正行君    藤波 孝生君
      藤本 孝雄君    藤山愛一郎君
      船田  中君    古川 丈吉君
      保利  茂君    坊  秀男君
      細田 吉藏君    堀川 恭平君
      本名  武君    前尾繁三郎君
      益谷 秀次君    増岡 博之君
      増田甲子七君    松浦周太郎君
      松澤 雄藏君    松田竹千代君
      三池  信君    三ツ林弥太郎君
      三原 朝雄君    箕輪  登君
      水田三喜男君    水野  清君
      湊  徹郎君    宮澤 喜一君
      武藤 嘉文君    村上  勇君
      村上信二郎君    村山 達雄君
      毛利 松平君    粟山  秀君
      森下 國雄君    森田重次郎君
      森山 欽司君    八木 徹雄君
      山口喜久一郎君    山口 敏夫君
      山崎  巖君    山下 元利君
      山田 久就君    山手 滿男君
      山中 貞則君    吉田 重延君
      和爾俊二郎君    早稻田柳右エ門君
      渡辺 栄一君    渡辺  肇君
      渡辺美智雄君    麻生 良方君
      受田 新吉君    内海  清君
      岡沢 完治君    折小野良一君
      春日 一幸君    神田 大作君
      河村  勝君    小平  忠君
      佐々木良作君    曾禰  益君
      田畑 金光君    竹本 孫一君
      永末 英一君    門司  亮君
      本島百合子君    山下 榮二君
      吉田 賢一君    吉田 泰造君
      吉田 之久君    和田 耕作君
      松野 幸泰君
 否とする議員の氏名
      安宅 常彦君    阿部 昭吾君
      阿部 助哉君    赤路 友藏君
      淡谷 悠藏君    井手 以誠君
      井上  泉君    井上 普方君
      伊賀 定盛君    石川 次夫君
      石野 久男君    石橋 政嗣君
      江田 三郎君    枝村 要作君
      小川 三男君    大出  俊君
      大柴 滋夫君    太田 一夫君
      岡田 利春君    岡田 春夫君
      岡本 隆一君    加藤 勘十君
      加藤 清二君    加藤 万吉君
      勝澤 芳雄君    勝間田清一君
      角屋堅次郎君    神近 市子君
      唐橋  東君    川崎 寛治君
      川村 継義君    河上 民雄君
      河野  正君    木原  実君
      北山 愛郎君    久保 三郎君
      久保田鶴松君    工藤 良平君
      栗林 三郎君    黒田 寿男君
      小林 信一君    後藤 俊男君
      河野  密君    神門至馬夫君
      佐々木更三君    佐藤觀次郎君
      佐野 憲治君    佐野  進君
      阪上安太郎君    島上善五郎君
      島口重次郎君    島本 虎三君
      下平 正一君    田中 武夫君
      多賀谷真稔君    高田 富之君
      武部  文君    楯 兼次郎君
      千葉 佳男君    戸叶 里子君
      堂森 芳夫君    内藤 良平君
      中井徳次郎君    中澤 茂一君
      中谷 鉄也君    永井勝次郎君
      楢崎弥之助君    成田 知巳君
      西風  勲君    西宮  弘君
      野口 忠夫君    野間千代三君
      芳賀  貢君    長谷川正三君
      畑   和君    華山 親義君
      浜田 光人君    平岡忠次郎君
      平林  剛君    広沢 賢一君
      広瀬 秀吉君    福岡 義登君
      古川 喜一君    穗積 七郎君
      細谷 治嘉君    堀  昌雄君
      松本 七郎君    三木 喜夫君
      美濃 政市君    武藤 山治君
      村山 喜一君    森  義視君
      森本  靖君    八百板 正君
      八木 一男君    八木  昇君
      矢尾喜三郎君    安井 吉典君
      山内  広君    山中 吾郎君
      山花 秀雄君    山本 幸一君
      山本 政弘君    山本弥之助君
      米田 東吾君    依田 圭五君
      横山 利秋君    渡辺 惣蔵君
      浅井 美幸君    有島 重武君
      伊藤惣助丸君    石田幸四郎君
      小川新一郎君    大野  潔君
      大橋 敏雄君    近江巳記夫君
      岡本 富夫君    沖本 泰幸君
      北側 義一君    小濱 新次君
      斎藤  実君    鈴切 康雄君
      田中 昭二君    竹入 義勝君
      中野  明君    樋上 新一君
      広沢 直樹君    伏木 和雄君
      正木 良明君    松本 忠助君
      山田 太郎君    渡部 一郎君
      川上 貫一君    田代 文久君
      谷口善太郎君    林  百郎君
      松本 善明君
     ――――◇―――――
#161
○議長(石井光次郎君) 次に、健康保険法及び船員保険法の臨時特例に関する法律案中、ただいま議決されました部分を除く他の部分につき採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行ないます。この部分を委員長報告のとおり修正議決するに賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。――閉鎖。
  〔議場閉鎖〕
#162
○議長(石井光次郎君) 氏名点呼を命じます。
  〔参事氏名を点呼〕
  〔各員投票〕
#163
○議長(石井光次郎君) 投票漏れはありませんか。−投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。――開鎖。
  〔議場開鎖〕
#164
○議長(石井光次郎君) 投票を計算いたさせます。
  〔参事投票を計算〕
#165
○議長(石井光次郎君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
  〔事務総長報告〕
 投票総数 四百二
  可とする者(白票)      二百四十三
  〔拍手〕
  否とする者(青票)       百五十九
  〔拍手〕
#166
○議長(石井光次郎君) 右の結果、健康保険法及び船員保険法の臨時特例に関する法律案中、さきに議決された部分を除く他の部分は委員長報告のとおり修正議決いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
 健康保険法及び船員保険法の臨時特例に関する法律案中修正議決した部分を除く他の部分を委員長報告の通り決するを可とする議員の氏名
      安倍晋太郎君    阿部 喜元君
      相川 勝六君    愛知 揆一君
      青木 正久君    赤城 宗徳君
      赤澤 正道君    秋田 大助君
      天野 公義君    天野 光晴君
      荒木萬壽夫君    荒舩清十郎君
      有田 喜一君    井出一太郎君
      井原 岸高君    伊東 隆治君
      伊藤宗一郎君    伊能繁次郎君
      池田 清志君    池田正之輔君
      一萬田尚登君    稻村佐近四郎君
      宇野 宗佑君    上村千一郎君
      植木庚子郎君    臼井 莊一君
      内田 常雄君    内海 英男君
      浦野 幸男君    江崎 真澄君
      小笠 公韶君    小川 半次君
      小川 平二君    小沢佐重喜君
      小澤 太郎君    小沢 辰男君
      小渕 恵三君    大石 八治君
      大石 武一君    大久保武雄君
      大竹 太郎君    大坪 保雄君
      大野  明君    大野 市郎君
      大橋 武夫君    大村 襄治君
      岡崎 英城君    岡本  茂君
      奥野 誠亮君    加藤常太郎君
      加藤 六月君    鹿野 彦吉君
      賀屋 興宣君    鍛冶 良作君
      海部 俊樹君    桂木 鉄夫君
      金丸  信君    金子 一平君
      金子 岩三君    上林山榮吉君
      神田  博君    亀岡 高夫君
      亀山 孝一君    鴨田 宗一君
      仮谷 忠男君    川島正次郎君
      川野 芳滿君    菅  太郎君
      菅野和太郎君    木野 晴夫君
      木部 佳昭君    木村 武雄君
      木村 俊夫君    菊池 義郎君
      北澤 直吉君    吉川 久衛君
      久野 忠治君    久保田藤麿君
      鯨岡 兵輔君    熊谷 義雄君
      倉石 忠雄君    倉成  正君
      藏内 修治君    黒金 泰美君
      小泉 純也君    小平 久雄君
      小峯 柳多君    小宮山重四郎君
      小山 長規君    小山 省二君
      河野 洋平君    河本 敏夫君
      佐々木義武君    佐藤 榮作君
      佐藤 孝行君    佐藤 文生君
      佐藤洋之助君    坂田 英一君
      坂田 道太君    坂村 吉正君
      坂本三十次君    櫻内 義雄君
      笹山茂太郎君    志賀健次郎君
      始関 伊平君    椎名悦三郎君
      塩川正十郎君    塩谷 一夫君
      重政 誠之君    篠田 弘作君
      澁谷 直藏君    島村 一郎君
      正示啓次郎君    進藤 一馬君
      周東 英雄君    菅波  茂君
      鈴木 善幸君    砂田 重民君
      砂原  格君    世耕 政隆君
      瀬戸山三男君    關谷 勝利君
      田川 誠一君    田澤 吉郎君
      田中伊三次君    田中 榮一君
      田中 角榮君    田中 正巳君
      田中 六助君    田村 良平君
      高橋 英吉君    高橋清一郎君
      高見 三郎君    竹内 黎一君
      竹下  登君    谷垣 專一君
      谷川 和穗君    千葉 三郎君
      地崎宇三郎君    中馬 辰猪君
      塚田  徹君    塚原 俊郎君
      坪川 信三君    渡海元三郎君
      登坂重次郎君    徳安 實藏君
      床次 徳二君    内藤  隆君
      中尾 栄一君    中垣 國男君
      中川 一郎君    中川 俊思君
      中曽根康弘君    中野 四郎君
      中村 寅太君    中村庸一郎君
      中山 榮一君    中山 マサ君
      灘尾 弘吉君    二階堂 進君
      丹羽 久章君    丹羽喬四郎君
      丹羽 兵助君    西岡 武夫君
      西村 英一君    西村 直己君
      野田 卯一君    野田 武夫君
      野原 正勝君    野呂 恭一君
      葉梨 信行君    馬場 元治君
      橋口  隆君    橋本登美三郎君
      橋本龍太郎君    長谷川四郎君
      長谷川 峻君    八田 貞義君
      濱野 清吾君    早川  崇君
      原 健三郎君    原田  憲君
      広川シズエ君    廣瀬 正雄君
      福家 俊一君    福井  勇君
      福田 赳夫君    福田 篤泰君
      福田  一君    福永 一臣君
      藤井 勝志君    藤枝 泉介君
      藤尾 正行君    藤波 孝生君
      藤本 孝雄君    藤山愛一郎君
      船田  中君    古川 丈吉君
      保利  茂君    坊  秀男君
      細田 吉藏君    堀川 恭平君
      本名  武君    前尾繁三郎君
      益谷 秀次君    増岡 博之君
      増田甲子七君    松浦周太郎君
      松澤 雄藏君    松田竹千代君
      松野 頼三君    三池  信君
      三ツ林弥太郎君    三原 朝雄君
      箕輪  登君    水田三喜男君
      水野  清君    湊  徹郎君
      宮澤 喜一君    武藤 嘉文君
      村上  勇君    村上信二郎君
      村山 達雄君    毛利 松平君
      粟山  秀君    森下 國雄君
      森田重次郎君    森山 欽司君
      八木 徹雄君    山口喜久一郎君
      山口 敏夫君    山崎  巖君
      山下 元利君    山田 久就君
      山手 滿男君    山中 貞則君
      吉田 重延君    和爾俊二郎君
      早稻田柳右エ門君    渡辺 栄一君
      渡辺  肇君    渡辺美智雄君
      松野 幸泰君
 否とする議員の氏名
      安宅 常彦君    阿部 昭吾君
      阿部 助哉君    赤路 友藏君
      淡谷 悠藏君    井手 以誠君
      井上  泉君    井上 普方君
      伊賀 定盛君    石川 次夫君
      石野 久男君    石橋 政嗣君
      江田 三郎君    枝村 要作君
      小川 三男君    大出  俊君
      大柴 滋夫君    太田 一夫君
      岡田 利春君    岡田 春夫君
      岡本 隆一君    加藤 勘十君
      加藤 清二君    加藤 万吉君
      勝澤 芳雄君    勝間田清一君
      角屋堅次郎君    神近 市子君
      唐橋  東君    川崎 寛治君
      川村 継義君    河上 民雄君
      河野  正君    木原  実君
      北山 愛郎君    久保 三郎君
      久保田鶴松君    工藤 良平君
      栗林 三郎君    黒田 寿男君
      小林 信一君    小松  幹君
      後藤 俊男君    河野  密君
      神門至馬夫君    佐藤觀次郎君
      佐野 憲治君    佐野  進君
      阪上安太郎君    島上善五郎君
      島口重次郎君    島本 虎三君
      下平 正一君    田中 武夫君
      多賀谷真稔君    高田 富之君
      武部  文君    楯 兼次郎君
      千葉 佳男君    戸叶 里子君
      堂森 芳夫君    内藤 良平君
      中井徳次郎君    中澤 茂一君
      中谷 鉄也君    永井勝次郎君
      楢崎弥之助君    成田 知巳君
      西風  勲君    西宮  弘君
      野口 忠夫君    野間千代三君
      芳賀  貢君    長谷川正三君
      畑   和君    華山 親義君
      浜田 光人君    平岡忠次郎君
      平林  剛君    広沢 賢一君
      広瀬 秀吉君    福岡 義登君
      古川 喜一君    穗積 七郎君
      細谷 治嘉君    堀  昌雄君
      松本 七郎君    三木 喜夫君
      美濃 政市君    武藤 山治君
      村山 喜一君    森  義視君
      森本  靖君    八百板 正君
      八木 一男君    八木  昇君
      矢尾喜三郎君    安井 吉典君
      山内  広君    山中 吾郎君
      山花 秀雄君    山本 幸一君
      山本 政弘君    山本弥之助君
      米田 東吾君    依田 圭五君
      横山 利秋君    渡辺 惣蔵君
      麻生 良方君    受田 新吉君
      内海  清君    岡沢 完治君
      折小野良一君    春日 一幸君
      神田 大作君    河村  勝君
      小平  忠君    佐々木良作君
      曾禰  益君    田畑 金光君
      竹本 孫一君    永末 英一君
      門司  亮君    本島百合子君
      山下 榮二君    吉田 賢一君
      吉田 泰造君    吉田 之久君
      和田 耕作君    浅井 美幸君
      有島 重武君    伊藤惣助丸君
      石田幸四郎君    小川新一郎君
      大野  潔君    大橋 敏雄君
      近江巳記夫君    岡本 富夫君
      沖本 泰幸君    北側 義一君
      小濱 新次君    斎藤  実君
      鈴切 康雄君    田中 昭二君
      竹入 義勝君    中野  明君
      樋上 新一君    広沢 直樹君
      伏木 和雄君    正木 良明君
      松本 忠助君    矢野 絢也君
      山田 太郎君    渡部 一郎君
      川上 貫一君    田代 文久君
      谷口善太郎君    林  百郎君
      松本 善明君
     ――――◇―――――
#167
○議長(石井光次郎君) なお、ただいまの議決の結果、附則中に条項の整理を要するものがありますので、衆議院規則第百二十条により、この整理を議長に一任されたいと思います。これに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#168
○議長(石井光次郎君) 起立多数。よって、そのとおり決しました。(拍手)
 次に、船員保険法の一部を改正する法律案につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#169
○議長(石井光次郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
#170
○議長(石井光次郎君) 本日は、これにて散会いたします。
   午後十時五十一分散会
 出席国務大臣
        内閣総理大 臣 佐藤 榮作君
        法 務 大 臣 田中伊三次君
        外 務 大 臣 三木 武夫君
        大 蔵 大 臣 水田三喜男君
        文 部 大 臣 剱木 亨弘君
        厚 生 大 臣 坊  秀男君
        農 林 大 臣 倉石 忠雄君
        通商産業大 臣 菅野和太郎君
        運 輸 大 臣 大橋 武夫君
        郵 政 大 臣 小林 武治君
        労 働 大 臣 早川  崇君
        建 設 大 臣 西村 英一君
        自 治 大 臣 藤枝 泉介君
        国 務 大 臣 木村 俊夫君
        国 務 大 臣 塚原 俊郎君
        国 務 大 臣 二階堂 進君
        国 務 大 臣 増田甲子七君
        国 務 大 臣 松平 勇雄君
        国 務 大 臣 宮澤 喜一君
        内閣法制局長官 高辻 正巳君
        大蔵省主計局次
        長       岩尾  一君
        厚生省保険局長 熊崎 正夫君
        社会保険庁医療
        保険部長    加藤 威二君
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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