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1967/11/11 第56回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第056回国会 大蔵委員会税制及び税の執行に関する小委員会 第2号
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1967/11/11 第56回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第056回国会 大蔵委員会税制及び税の執行に関する小委員会 第2号

#1
第056回国会 大蔵委員会税制及び税の執行に関する小委員会 第2号
昭和四十二年十一月十一日(土曜日)
   午前十時十四分開議
 出席小委員
   小委員長 足立 篤郎君
      大村 襄治君    鯨岡 兵輔君
      砂田 重民君    毛利 松平君
      阿部 助哉君    平林  剛君
      永末 英一君    田中 昭二君
 小委員外の出席者
        大蔵大臣官房財
        務調査官    細見  卓君
        大蔵省主税局長 吉国 二郎君
        国税庁長官   泉 美之松君
        専  門  員 抜井 光三君
    ―――――――――――――
十一月十一日
 小委員小宮山重四郎君、村上信二郎君及び中嶋
 英夫君同日小委員辞任につき、その補欠として
 砂田重民君、毛利松平君及び阿部助哉君が委員
 長の指名で小委員に選任された。
同日
 小委員砂田重民君、毛利松平君及び阿部助哉君
 同日小委員辞任につき、その補欠として小宮山
 重四郎君、村上信二郎君及び山田耻目君が委員
 長の指名で小委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 税制及び税の執行に関する件
     ――――◇―――――
#2
○足立小委員長 これより会議を開きます。
 今般新たに就任されました吉国主税局長より発言を求められております。これを許します。吉国主税局長。
#3
○吉国説明員 私、今回突然に塩崎主税局長が辞任をいたしまして、証券局からこちらに移ることになりました。また大蔵委員会でいろいろお世話になることと思います。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#4
○足立小委員長 税制及び税の執行に関する件について調査を進めます。
 質疑の通告がありますので、これを許します。平林君。
#5
○平林小委員 きょう初めにお尋ねしたいのは、四十二年度における税収見込みについてでありまして、この間私がお尋ねをしたときには、まだ補正を組むにあたっての、あるいは政策を決定するにあたっての税収見込みがはっきりしない、これは九月末決算を待ってから、もう少し見通しをはっきりさせたもとにしたいということでありまして、そのときはそのときなりの説明を受けたのですけれども、現在における収入見込みその他についてはどういう御見解になっておるか、それをひとつ聞かしてもらいたいと思います。
#6
○細見説明員 前回申し上げましたときにも、二千億を上回ることはおよそ予想がつきますが、具体的にどれくらいになるかは、今後の、特に九月法人の税収見込みも見込んだ上でお答え申し上げたいということを申し上げておったわけですが、九月決算につきまして大体の調査を終了いたしまして、もちろん全部の法人を調査したわけではございませんから、正確な九月決算の申告の税額が幾らになるかというようなことは予測できませんが、およその傾向といたしましては、私どもが見込んでおった程度のものは出てくるように思えますので、まあいまの段階では、前に平林先生にお答えしたときよりは若干税収が出るのではないかというような感じで考えております。具体的な数字につきましては、この月末に予想されまする補正予算の確定を目途に、私どものほうも鋭意計数を詰めておる段階でございますが、先般申し上げたときよりも若干自信を持って、二千億――三千億と申し上げておったものの、かなり上のほうに寄ってくるのではなかろうかというような感じになっております。
#7
○平林小委員 ここはもっと具体的な話を聞かしてもらう場所になっておるわけでして、したがって、それだからといって、こまかいところまで責任がどうだこうだというようなつもりはないわけでありますから、安心して答えてもらいたいのですが、いまの話は、結局は現段階においては、三千億円に近い程度まで主税局としては見込めるんじゃないだろうかというお答えのように聞いたよのですけれども、どうなんでしょうか。
#8
○細見説明員 具体的な数字、三千億になるとかあるいは二千何百億であるとかということは、まだ詰めておる段階で、確としたことは申し上げかねますが、先般八月末の収入歩合を基礎にして逆算すれば、二千三、四百億ぐらいが限度ではなかろうかということをたしか申し上げておると思いますが、それよりも若干上回るのではなかろうかという感じになっておる、こういうふうに申し上げたわけであります。
#9
○平林小委員 どういうところが変わって、そういう若干上回るような見込みというのが出てきたと少し説明してください。私もいまここで、八月の末の「租税及び印紙収入、収入額調」と九月のものを比較して見ておるのですけれども、この一ヵ月間――この一ヵ月間というのはきわめて大事な一ヵ月間ですけれども、どういうところに特徴が出てきていまのような見込みになってきたのですか。
#10
○細見説明員 どういうところと具体的に申し上げるのはなかなかむずかしいわけでございますが、税収を見込んでおりますときには、いろいろプラスの要因とそれからマイナスの要因というものを常に考えながら、見込んでいかなければならないことは、もう御案内のとおりで、私どもが先般来非常に消極的とも見えるような御答弁を申し上げておったのは、法人税収の大宗を占めます三、九月決算の九月決算の要素というものが、かりに引き締めの影響などがもうすでに出てまいるとか、あるいは決算態度が変わってくるというようなことで非常に控え目な利益が計上されるようなことにでもなれば、税収は大きく動くだろうというようなことで、その段階でただ申し上げれることは、収入歩合にして八月まで、あるいは九月までの経緯をたどるならば、およそ二千億を若干上回る自然増収が期待できるだろうということを申し上げておったわけでありますが、この段階になりますと、先ほども申し上げましたように、三、九月法人の全部を調査したわけではございませんが、九月法人のおもなものについて調査をいたしました結果、九月の法人税収入というもの、九月法人の申告というものは、それほど、当初私どもが見込んでおりましたものを下回るということでなしに出てきそうだということになれば、先ほど申し上げておりました八月までの収入歩合というものを引き延ばしたものよりは若干よくなるのではなかろうか、こういう感じになってまいった、こういうわけであります。
#11
○平林小委員 どうもはっきりしないんだが、この見込みというのは非常にむずかしいと思うし、あなた方、どういう資料で推定するかということは、かちっとした方程式はないと私は思うんですよ。それだから、非常に苦しいというのはよくわかるのですけれども、たとえば八月末と九月末のを見て私が感ずることはこういうことですよ。八月の末には前年度の収入歩合が三九・九%であったのに対して、ことしは四一・八%であるから、おおよそ一・九ですか、約二%違っておる。その伸びがある。八月であるから、四月から見れば四、五、六、七、八と五ヵ月間であって、一年間に延ばせばおおよそ五%近いものになろう。五%近いということは、一般会計全般の税収三兆八千億円の五%であるから一千九百億円、およそ二千億円というのが八月における推定根拠であったわけです。それなら、同じ計算で推定をもしかりにするならば、九月の末においては、前年度は四五・六%であったのに対して、ことしは四八%ということになっていますから、おおよそ六ヵ月間、半年で二・四%プラスである。もしこれを算術的に引き延ばせば四・八−五%ですね。依然として三兆八千億円の五%ということになれば、千九百億円ないし二千億円という数字しかはじけない。八月のときにはそれを基礎にして、推定見込みをわれわれに答えているわけですね。ところが、九月末の収入額調でも、それをもしかりに基礎にすれば二千億円前後だろう。しかし、あなたはきょうは、前回は二千三百ないし二千四百億円くらいであったが、最近はこれを若干上回るだろう。私が三千億円に近いのですかと言ったら、あとはもう何だか山手線みたいにぐるぐる回っていて、何を言っているのか私にはわからないんですね。であるから、こういう推定見込みを立てるのに、もう少しこれを科学的とはなかなか言えないでしょうけれども、われわれもいろいろな政策を検討する場合の基礎になるのですからね。われわれ自体も、財源がこのくらいあるからこれくらい政策をぶてるというものをマスターする必要があると思うのですよ。そういう意味で、いままでのあなたの説明は、大蔵省の税収見込みの説明というのは全くひょうたんなまずみたいなもので、一体ちっとも根拠がわからぬじゃないか。自信があるとかないとか言うけれども、悪くいえば、あなた方のそのことば、感覚、それだけで国の政策そのものも十分できなかったり、あるいは逆にいえばやり過ぎ――ということはいままでないでしょうけれども、一年だけ赤字が出たことがあるけれども、たいがいは自然増収が出てきておるわけでして、そうすると、もう少しわれわれに納得できるような根拠をここではひとつ説明をしてもらいたいし、いまのように山手線みたいにぐるぐる回っているような話は困るんだな、委員長、そういうことだと思うんだ。
#12
○細見説明員 私どもとして、どういう態度で税収を見ておるかということを申し上げておるので、別に責任を回避しようとかそういう意味じゃないのですが、おっしゃるように、マクロではスカッとした税収を見るということは可能だと思います。マクロの見方につきましては、近代経済学のやり方とかいろいろございます。しかし、それはあくまでも前年以前の実績をベースにして、その状態が同じであるならばことしはこういう税収が出るだろうということ以上は言えないわけでございます。私どもが、いま山手線のようだとおっしゃるいろいろのことを申し上げますのは、われわれはやはり具体的に当年の税は幾らになるか、昨年以前の傾向で推したならばこれくらいになるだろう、これはわりあいに言える話だろうと思います。それを、いままで申し上げておりましたのは、たとえば収入歩合のように非常に抽象化された計数で見ますと、ことしの税収は昨年どおりの経緯をたどるとすればこれくらいの税収が出るでしょうということをいままでは申し上げた。にもかかわらず、それだけでは不確かでありますので、本年度は、具体的にはどの程度の自然増収が出るかということを申し上げる前には、九月決算の申告見込みというようなものをある程度見通しをつけて申し上げたい。申し上げておったのは、去年の法人税の申告とことしの法人税の申告というようなものが同じであるのかないのか。確かに経済は全体として一三%とかあるいは一四%とか、あるいはさらに一六%も伸びるというようなことでございますが、これはGNPがそう伸びるということであって、その中で個人所得が伸びるのか、法人税が伸びるのかというのは、これはやはりその年その年の経済のパターンがございますので、それをある程度見通しをつけませんと、ことし幾ら自然増収が出るというととはなかなか正確にはできませんが、比較的正確に、あるいは精度の高いものにしていこうという努力の過程でそういうものをぜひ見る必要がある、こういうことを申し上げておったわけでございます。
#13
○平林小委員 逆にお尋ねしますが、それでは皆さんがいろいいな政策を決定する重要な時期に自然増なんかをはじくやり方というもののすべてを、どういうふうにしてやるということをひとつ言ってください。
#14
○細見説明員 非常にむずかしい御質問で、全部について申し上げられるかどうかわかりませんが、考え方といたしましては、たとえば所得税の中の源泉でございますと、具体的に来年の税収ということではじくわけでございますが、民間の雇用の伸びとかあるいは給与の伸びとかというようなものを考えまして、それがおおよそ所得階層のどの辺に出てくるであろうかというようなことも、過去の趨勢などを参考にしながら検討するというようなことでやっております。それから、たとえば法人税のようなものでありますと、物価とか生産とかというようなものの推移が明年どういうふうに動くであろうかということを計算いたしまして、それが法人税の課税標準としての法人所得という形にはどういうふうになって出てくるか、若干の調整が要りますが、そういうものをベースにして、そのほかのものにつきましては、消費の伸びとかあるいはそのほかいろいろな税収に関係がありそうな経済諸元を参考にしながら推定をする、こういうわけであります。
#15
○平林小委員 それだけですか。
#16
○細見説明員 はい。大筋を申し上げますとそういうことであります。
#17
○平林小委員 そういうものは頭の中で、ははあ、この見当だな、こう思ってやるのですか。それとも、皆さんが政府に対しこれだけはやりますというようなときには、何かそういうことの資料みたいなものはそろっているのですか。
#18
○細見説明員 一番私どもが使いますものは、何と申しましても過去の課税の実績、税務統計、これが一番正確な資料だということで、それにいろいろ経済企画庁あるいはそのほかのところで推算される諸指標を加除すると申しますか、そういうものを加えまして検討するというわけでございます。
#19
○平林小委員 いや、検討するのはわかっているのですが、そういうものがあるのですか、ないのですか。
#20
○細見説明員 それはもちろん経済企画庁なり、あるいは税務統計は国税庁でお出しになっておりますし、それからいろいろな来年度の経済見通しというようなものが出されますときに、企画庁で部内検討用としてある程度いろいろな資料を持っておられる、そういうようなものは参考として聞いております。
#21
○平林小委員 いや、それを参考として聞くのはわかるのだよ。けれども、それからいろいろなファクターを出して、電子計算機にかけるまではしなくても、こういう結論が出ますというような一応根拠になる資料はあるのですか、ないのですか。
#22
○細見説明員 もちろんそれなりの検討はいたしておりますから、資料としては一応のものはございます。ただ、それが客観的に批判に耐え得るものであるかどうかは、これはむしろ経済企画庁の問題かもしれませんが、予測でありますので、予測数字としては一応のものは持っております。
#23
○平林小委員 われわれに提示できるものというのは、どの程度まで提示できるものがありますか。
#24
○細見説明員 これは経済企画庁のことでございますので、私正確にはお答えできないかと思いますが、やはり見通しとしての数字、それにたしか雇用とか物価とか、生産指数あるいは貿易収支の見込みといったような、翌年度の経済見通しに関するいわゆる諸元になっておるものは、もちろん経済企画庁としては自信を持って世の中に公表しておるものであり、それ以外の、その積算と根拠ということになりますと、はたして公表できるのかどうか、その辺は私もつまびらかでございません。
#25
○平林小委員 私の感じとしては、この税収見込みを立てるというのが非常に非科学的というか、直観というか、あるいはそのときの情勢によって適当に曲げられるというと語弊があるかもしれませんが、結果的にはそういうものではじき出しているような感じをいまの質疑で感ずるわけですよ。そうじゃないというものがあるのですかね。
#26
○細見説明員 私の説明が非常にへたで、あるいは説明不足のためにそういう誤解を受けたとすれば非常に残念でございますが、私どもが申し上げたいのは、誠心誠意といいますか、できるだけの資料を持ってできるだけ客観的に推算しようということでいたしております。ただ、それじゃいままで税収が何べんも狂っておるじゃないかということになりますと、これはいまの日本経済におきまして統計数字というものが比較的おくれて出てくるとか、あるいは統計の不備というものがいろいろありまして、あるいはまた経済全体が非常に変動が激しいというようなことで、予測が困難だというような要素――私ども別にそのために責任を避けようということは申し上げませんが、非常にとらまえにくい。過去の姿をとらまえるのもなかなか統計数字がないわけでありますし、まして将来をつかまえることが非常にむずかしい経済であり、また統計その他の諸資料の整備状況であるというようなことを御了承願いたいと思うわけであります。
#27
○平林小委員 この議論はこれ以上してもあまりあれですから、ただ私の感想を申し上げておいたわけであります。
 国税庁長官にちょっとお尋ねしますが、九月の収入歩合で、たとえば源泉が四九・九になっていますね。この中にはもう利子配当の課税強化された分というのは含まれてこういう数字があがっているのでしょうか。
#28
○泉説明員 御承知のとおり、利子配当につきましては、七月から源泉徴収税率が、七月から支払うべきものにつきまして一五%に五%引き上げられ、また配当の源泉選択については二〇%に五%それぞれ引き上げられたわけであります。したがって、九月にはその七月の分と八月に支払って九月十日までに納めたもの、その二ヵ月分のものが入っておるわけであります。ただ、配当なんかでございますと、支払いのおくれておるものがございますので、これが全部二ヵ月分入っておるというわけにはまいりません。
#29
○平林小委員 法人税なども、これは特に九月決算で五二・九%と出ていますね。これなどは、やはりことしの九月決算の状況が反映している数字と見ていいのでしょうか。これはまだ低目でしょうか。
#30
○泉説明員 法人税は、御承知のように決算後二ヵ月以内に半分納付する、最近は即納率がだいぶ高まっておりますけれども、そういうことでございますので、この九月末に入っておりますのは七月決算まででございまして、九月決算の数字は十一月にならないと入ってまいりません。したがって、これはまだ九月決算の状況を反映をいたしておりません。
#31
○平林小委員 きょうはこの問題についてはこの程度で終えておきます。ただ、私、やはり税収見込みについての立て方とか、それはその年その年によっていろいろ条件が違いますから、一定のものはないにいたしましても、もう少し私どもでも大体推定できるようなものがあるのかないのかというようなことをさがしていきたいと思うのです。あなたはなかなかはっきりしないし、私は今度は一ヵ月くらいずつ漸次そういうのを勉強して、それぞれ聞いて、その推移の中から、何か特徴的なものがあるのかないのか、そういうことをやりたいと思っています。委員会ではなくて、毎月ひとつ勉強させてもらいたいと思っておりますから、そのつもりで覚悟をしておいてもらいたいということを申し上げて、きょうはこの問題については終わりたいと思います。
#32
○泉説明員 ちょっと、私から申し上げるのはいかがかと思いますけれども、御承知のように、年度途中におきましてその年度の当初予算の収入見込みに対しまして税収でどうなるかという場合、当初の間は、どれくらいその年度に当初予算に比べて自然増収があるかということは、なかなかはじきにくいのであります。年度がだんだん経過してまいりますと、本年の四月からたとえば九月までの実績はこうだとか、あるいは今後予想されるいろいろな問題があります。たとえば年末のボーナスが幾ら出るとか、年末の消費がどうなるかとか、そういったいろいろな状況を見込みまして、四月−九月がこれだけで、今後どういうふうな収入になるだろう。当初予算に立てました賃金、物価、生産の伸びに比べて現実の伸びの動きはどうなるか。その動きが当初予算に見込んでおった数字よりもふえれば、自然増収が出てくる可能性が強くなる。そういうことでいろいろはじいておるのでございまして、したがって、年度当初一、二ヵ月くらいの間は、どうしてもやむを得ずその月末の対前年の収入歩合がどれくらいよくなった、それを年率換算してみるとどれくらいでございましょうというようなあやふやなことを申し上げておるわけであります。これは必ずしも正確な自然増収の見込みにはなりません。年度がだんだん経過してまいりまして、やはり来年の予算あるいは当年の補正予算ということに関連してだんだんと正確に見積もりをしていくことができるようになる。これがもし何か電子計算機が非常に発達しまして、一定のデータを与えればすぐに電子計算機で予測できるような世の中になれば、これは自然増収の見込みも非常に楽になってまいるかと思いますが、現状におきましては毎年毎年の経済の形が違っているわけで、予測がなかなかむずかしいという事情もひとつ御了承いただきたいのであります。そういう意味で、年度途中で当年の自然増収幾らということは、なかなか確たる数字は申し上げにくい場合が非常に多いということでございます。
#33
○平林小委員 私はただ、年度途中で予算の補正をしなければならないときもありますし、こうしたことは長い間議論しているものだから、いまあなたのお話しのように、そろそろ電子計算機を使ってでもなるべく正確なものをはじいていくというようなことを、しかもガラス張りでやっていくような時代が来ているんじゃないだろうか。これは来年度予算編成にあたって、財政硬直化の問題が議論されているときに、私はこの税収見込みというものはいまの程度のことだけでは十分なことにならぬではないか、そういうことを考えると、もう少し大蔵省当局の人たちがわれわれに対しても納得のできるような税収見込みの立て方などを研究してもらわなければならぬじゃないかと思うのですがね。これはそういうことを申し上げておきまして、次の問題に移らしてもらいます。
 きょうは私は、実は清涼飲料の問題で、コカコーラの最近の状況につきまして少き聞きたいと思いまして、政府のほうのお考えもひとつ聞かしてもらいたいと思うのです。最近のいわゆる飲料類というのですか、物品税をかけているほうの飲料類、その中にはジュースもあれば、シロップもあれば、あるいはコーヒーもあれば、紅茶もあれば、ラムネ、ココアなど、多士済々ですが、特に炭酸飲料ですね。コカコーラはこの中に含まれていると思うのでありますけれども、炭酸飲料の中に占めるコカコーラというものはどのぐらいの位置を占めているんだろうか、ちょっと現状につきまして御説明をいただきたいと思うのです。
#34
○泉説明員 御承知のとおり、ラムネは現在物品税課税になっておりませんので、ラムネを除きました炭酸飲料につきまして、私どもの直接の課税資料でございませんのでたいへん恐縮でございますが、全国清涼飲料工業会で調べておる数字がございます。これによりますと、昭和四十一年度におきまして、総生産高が五十五万六千三百キロリットル、そのうちコーラ類が二十一万四千五百キロリットルで、三八・六%を占めておったのであります。ところが、四十二年度におきましては、これは見込みになるわけでありますが、総生産量が八十一万一千二百キロリットルの見込みでありまして、そのうちコーラ類の見込みが三十四万三千二百キロリットル、四二・三%ぐらい、だんだんコーラ類の占める割合が高まってまいっておるのが現状であります。
#35
○平林小委員 初め、コーラというのは原液をアメリカから持ってきて、そうして日本のコカ・コーラ株式会社というところでさらに原液を薄めてコカコーラの製造会社へ持っていくというようなことになっておりまして、コーラの原液だけが日本へ持ってこられて、そしてあとは水で割るか何で割るかそれはわかりませんけれども、いまのような四十二年度三十四万三千キロリットルですか、こういうようなものになっておるというふうに聞いておるのですけれども、以前はたしか輸入禁止品であって、それが自由化によって解除されて、そしてだんだん日本に売れ行きが広がっていったと私承知しておるのです。当初はもちろんゼロであったと思うのですけれども、輸入解除になりまして、それが輸入を認められるようになりましてから今日まで四二・三%のシェアを占めるようになったんですけれども、歴年でいくとどんなふうな伸びになっているのでしょうか、これはわかりますか。
#36
○泉説明員 念のために申し上げておきますけれども、御承知のように、コーラ類の中にはいまお話しのコカコーラとか、ペプシコーラ、ローヤルクラウンといった外国系のものと、日本系のものとがあるわけでありまして、外国系のものにつきましては、原液を輸入いたしまして、それを薄めて販売する。日本系のものにつきましては、コーラのもとになる、あれはたしか南洋産の果実だと思いますが、それを輸入いたしましてやっております。日本でも、日本系のリボンコーラ、ミッションコーラ、ウインコーラといったようなものもあるわけであります。したがいまして、先ほど申し上げましたコーラ類はこれらのコーラ類全体の数字でございまして、そのうちのコカコーラだけの数量ではございません。もちろん、これらの数量の中ではコカコーラが相当圧倒的なウエートを占めておることは確かでございますけれども、いま申し上げたのはコカコーラだけの数字ではございません。
#37
○細見説明員 いま長官が申し上げましたような前提でお聞き願いたいと思います。
 三十六年に七千五百七十キロリットルになりまして、これが三五三%の伸びです。それから三十七年には二万七百四十九キロリットルになりまして、これが対前年二七四%。三十八年になりますと四万六千六百二十九キロリットルになりまして、これが対前年二二五%。それから一二十九年が八万四千五百四十五キロリットルで一八一%。四十年が十四万キロリットル程度だと推定されまして、これが一六六%。それから先ほど話が出ました四十一年度が二十一万四千五百キロリットルとしますと一五三%、四十年、四十一年は推定が入っておると思います。
#38
○平林小委員 いや、コカコーラの場合は、いまのお話ですと国産のものもあるというけれども、ほとんどは外国のものでしょう。それから私の持っている四十一年度の資料だと、課税の価額四百五十億八千六百万円の炭酸飲料の中で、輸入品はわずかに三百万円となっているけれども、実情はコカコーラの占める割合が多くて、これは外国のものばかりではないというのは当たらないのじゃないのでしょうか。
 まあこれは別にいたしまして、私の言いたいのは、いまのは数量でもっての割合が四二・一二%になっていると言われましたけれども、課税価額の面からいきますと、その割合はどのくらいになったのでしょうか。これはやはり数量とパーセンテージは同じだから、同じなんですか。
#39
○細見説明員 推定の域を出ませんが、御承知のように五%の従価税でございまして、価額が高いものですから、コーラ飲料の系統が、税額のウエートでは先ほどの四二%よりはかなり高い、四八、九%ぐらいにはなっておろうかと思います。
#40
○平林小委員 私も課税価額の面から、これは税金のかけ方が最近多少変わったのですけれども、見ますと、四十一年度でおおよそ炭酸飲料の課税価額四百五十億円、これは十ヵ月計算ですからそれよりもっと多くなると思うのですけれども、そのうちの約五〇%はコーラが占めている。それから四十二年度になると、推計になりますけれども、大体六百億円ぐらいの課税価額に対しましてコーラの占める割合はやはり五〇%をこえるのじゃないかと思うのですね。そうすると、わが国の炭酸飲料の中に占めるコーラの存在というものは、もう半分以上、五〇%をこえてきておる。まあコーラは好きな人が飲むのだからこれはしようがないけれども、しかしながら、炭酸飲料をつくっておるわが国の会社を調べてみると、三千も三千五百もあるんですね。そうして資本別に見ると、それは五万円とか十万円というのももちろんありますけれども、百万円以下の、こう調べますと、ほとんどこまかい小さな企業がやっておるわけですね。三千五、六百あるといいましても、季節的なものも入っていますし、それからまた廃業したものも消していけば、そんな数にならないかもしれませんけれども、ほとんどが小さな企業でやっておるわけです。ところが、このコカコーラの進出以来、炭酸飲料の中では五〇%はこえるという。しかもその伸び方、いまお話を聞きますと、毎年相当高い伸びですね。私はこの点から考えまして、国内産業保護ということを考えますと、何かやはり考えなきゃならぬ問題があるんじゃないだろうか、こう思いまして、きょうはそのお尋ねをしたわけなんです。
 それで、私が聞きたいことは、このコカコーラの会社は皆さん大体どういうふうに承知しておられるでしょうか。私の知っておるのは、アメリカから原液を持ってきて、日本コカ・コーラ株式会社がそれを受けて、それをさらに薄めてコカコーラの製造会社、全国に十六ヵ所あって、そこで製品にして全国に販売をするというシステムになっておると聞いておるわけでありますけれども、大体そういう認識でいいかどうか。
 それからもう一つは、その相当の利潤ですね。このわが国で販売したところのもうけ、これは本国へ送金しているのですか、それとも国内蓄積になっているんですか。つまり、わが国の炭酸飲料の中で五〇%をこえるシェアを占めるコカコーラ、しかも原液を持ってくるだけであるという、原液を飛行機で持ってきて――飛行機だろうと思うんだが、そうして薄めて売って相当の利潤がある。どのくらいの利潤があるか。私はこの間九月決算で調べてみたのですけれども、これはまあ国税庁長官のすることだけれども、相当の利益があるわけですね。これは本国輸送しているわけですか。その出た利益はどんな仕組みになっているのでしょうか。そこら辺はわからないですか。
#41
○泉説明員 まず、先ほど基本的に申し上げましたように、コカコーラはコーラ類の一つでありまして、先ほど申し上げました数字はコーラ類全体でありまして、その中には外国系資本のペプシコーラ、ローヤルクラウンもあるし、それから日本系のリボンコーラ、ミッションコーラ、ウインコーラがありますということを申し上げたのであります。それから、先ほど先生が外国系のものというのは、それは製品を輸入した、そして関税とあわせて物品税を課税した場合の数字がそこにおっしゃる数字でありまして、したがって、日本系のコーラ類もその数字に示されるよりはもっと多くあるということでございます。
 それから、いまお話しのように、コカコーラについてだけ申し上げますと、コカコーラにつきましては日本コカ・コーラ株式会社というのがございまして、これがコカコーラの原液を輸入いたしましてこれを――全国の十六地区にコカ・コーラボトリング会社というのがございます。これはそれぞれその地域の名前をとっておりまして、たとえば東京でございますと東京コカ・コーラボトリング、それから千葉県に利根コカ・コーラとか、あるいは大阪のほうに近畿コカ・コーラ、こういったそれぞれ十六社がございまして、その十六社で原液を買いましてそれをボトリングいたしまして販売する、こういうことになっております。いまお話しのように、日本コカ・コーラは相当多額な利益を得ております。これはもうお話のとおりでございますが、それが送金されているかどうか、私のほうではまだ調べておりませんが、いずれ国際金融局に聞きましてお答えいたしたいと思います。
#42
○平林小委員 いまコカ・コーラ株式会社が日本で大体十六社になっておりまして、私、この間東京コカ・コーラボトリングの七月期決算状況を見ましたら、七月期の所得として二十三億六千九百万円、これは半期決算ですから、そうすると年間でいえば、四十六億から五十億円くらいに所得がなりはせぬか、十六の会社全般で見ると相当なあれになっておると思うのですけれども、これはお調べになったことがないのですか。
#43
○泉説明員 その点は調べておりますが、ただコカ・コーラボトリング会社は東京が一番最初にできたのであります。各地にできたのはそれよりおくれておりますし、それとまた東京が消費の一番大きな中心地でございますので、東京のコカ・コーラボトリング会社の利益はいまお話しのように、半期で相当多額の数字にのぼっておりますが、他の地区ではそれほど大きな数字にのぼっておりません。たとえば近畿コカ・コーラでございますと、これは一年決算でございますので、昨年十二月の決算の数字しかございませんが、七億八千万円の所得になっております。それからでき立てのところでございますと、まだ利益をあげるに至っておらない。それから先ほど申し上げましたように、全国の十六のボトリング会社のほかに日本コカ・コーラ株式会社、これが総元締めの会社でございまして、この利益が相当多額であるということを先ほど申し上げたのであります。たとえて申し上げますと、四十二年六月、これも半期決算でございますが、六月決算の申告税額が三十三億円にのぼっております。
#44
○平林小委員 十六社の大体の現状は、東京コカ・コーラボトリングは公表されておりますけれども、よその分のと一括して、どういう状況であるかというようなことは資料としていただけますか。
#45
○泉説明員 法人税法に基づきまして、申告所得の公示をいたしておる分は差し上げられると思います。
#46
○平林小委員 その分だけでもあとでいただきたいと思うのです。国税庁長官がこれは心配をする側ではないのだろうと思うのですけれども、ここの会社の広告費ですね。私、こう見ていると非常におじょうずだと思うのですよ、広告のしかたが。たとえば野球場のようなところに、ぱっとこうある。私、去年メキシコに行ったら、何ですか、闘牛場のまん中にそれだけでかい字で「コカコーラ」、ほかの広告は何もない。独占的な広告のしかたをしている。何だかこの間の話では、国体なんかでもだいぶコカコーラの広告がいろいろ議論になったという話を聞いておりますけれども。それから町へ出るとコカコーラの看板が目立ちますし、それから「コークを飲もう」というようなことで、映画俳優ですか、歌うたいか知らぬけれども、テレビに出たりしている。そうしてスポットには出るけれども、劇映画には出てこない。非常に効率的な広告のしかたをしている。コカコーラの宣伝をするために相当の広告を使っていると思うのです。この間、私、広告宣伝費が売り上げに対して占める割合というのを調べてみたのですけれども、第一位から第二十位までにコカコーラの会社は出てきていない。それがかなりあれだけのはでな広告宣伝をしているのだけれども、どのくらいなのかと思っているのですが、こういう調査をしてありますか。
#47
○泉説明員 調査はしております。
#48
○平林小委員 売り上げに対して何%くらいになっておりますか。
#49
○泉説明員 広告宣伝費は、日本コカ・コーラ株式会社が支出しております場合と、それからさらに先ほど申し上げました各地のコカ・コーラボトリング会社が支出しておる場合と両方ございますのであれでございますが、日本コカ・コーラが宣伝をいたしておるのがかなり大きなウエートを占めておりまして、その売り上げ高に占める割合は二三%程度にのぼっております。
#50
○平林小委員 二三%ですか、私の調べたのでは、大正製薬のようなのが一番はでで、売り上げ高に対する広告宣伝費の割合は二八・一%でトップだったのですが、そうすると、コカ・コーラは二三%ですから、それよりはるかに上回っているということですね。私、別な資料で見たのですが、資生堂が一二・一%、藤沢薬品一二%、田辺製薬九・七%、武田薬品八・四%、塩野義製薬五・七%、三共が五・五%、製薬会社が非常に広告費は多いのですけれども、コカ・コーラの場合二三%というのは最高ですね。
#51
○泉説明員 最高かどうか、私も自信はございませんが、率として相当高いものであることは確かでございます。
#52
○平林小委員 広告費は厳正に行なわれているでしょうか。私ちょっと感じたのですけれども、たとえば地方にある看板ですね。ああいうのは、広告としてみなされるわけですか、あるいはその会社の必要経費という形になるのでしょうか、広告費課税の問題は別ですけれども。そういったものも全部広告費の中に入って、いまのパーセンテージになっているのですか。
#53
○泉説明員 税法上におきましては、例の看板などにおきましては、これは資産として計上することになっておりまして、その看板を建てたときに、すぐに損金に見込めるというわけではございません。ただ広告宣伝費の内容を調べてみますと、そういった看板もさることながら、何といってもテレビ、ラジオ等の広告媒体を利用しているのが非常に大きいように見受けられます。
#54
○平林小委員 いまの課税上から見た状況、その他から見まして、コカコーラの会社の進出によりまして、国内のいわゆる炭酸飲料、大メーカーは別として、小さなものに相当影響を与えているように思いますけれども、どういうふうにみておられますか。
#55
○泉説明員 御承知のように、国内の炭酸飲料を製造いたしておりますものは、サイダー及び課税になっておりませんけれども、ラムネが非常に大きなウエートを占めておったわけでありますが、だんだんとラムネに対する国民の嗜好がなくなってまいりまして、ラムネは衰退の一途をたどっております。それからサイダー類にいたしましても、大資本はともかくといたしまして、中小企業の製造しているものが多いわけでございますけれども、その中小企業の製造しておるサイダーの伸びは非常に低い、むしろ中には製造を廃止するといったものもあらわれているようでございます。これは結局、コカコーラを含めまして、コーラに対する嗜好が、先ほども数字が出ましたように、非常にふえていっている。そのために、そういったサイダー類が影響を受け、あるいはジュース類が影響を受けている、こういった状況だと思います。
#56
○平林小委員 いま国税庁長官は、日本人の嗜好だ、こう言いましたけれども、やはりそれを上回る広告宣伝があると思うんですよ。私らたまに飲むのですが、確かにこれはからっとしてうまいことはうまいですよ。だから、それは国民が飲むものをいけないと言うわけにはいかないですけれども、しかし嗜好の変遷というよりは、むしろ巨大な一つの企業としての宣伝力、売り上げ高に対する二三%の広告宣伝費、それがむしろ国民の嗜好を変えさせているということになるのじゃないかというふうに見ているのです。ですから、日本の清涼飲料というものは、いまは五〇%だけれども、しかし、今後このままの状態でいきますと、ほとんど独占に近いものになってくるおそれがある。いま正直いって日本はねらわれているんですよ。そういうことを考えると、私は別に国粋主義者というわけじゃないけれども、国内産業に与える影響を考えますと、何らかの措置をとらねばならぬ。国内産業に問題があれば、いかに貿易自由化ということでありましても、調合香料の輸入をとめるということもできないわけではないと思うのです。輸入自由化のときの一つの約束になっているんですからね。これはもうちゃんと貿易自由化をやるときに、輸入禁止というものの削除をするときの条件になっているわけです。それは現在国内産業に影響を与えていないかというと、私に言わせると、もうその割合が拡大していることから見て、これは目に見えて国内産業を圧迫していることは事実である。そうすれば、最初の条件に戻るということが必要なのじゃないか。これは国民がどうしてもだめだというなら別だが、さっき言いましたように、むしろ巨大な宣伝が国民の嗜好を変えているものだから、そういう措置をとることが汎国民的なものになると私は思っております。そういうことを考えますと、きょうは他の御質問もあるでしょうから、これ以上申し上げませんけれども、同僚の方々にも十分考えるべきだということを私は意見として申し上げておきたいと思うのです。
 そこで、国税庁長官には、先ほどお願いいたしました資料をぜひお願いしたいと思うのです。なお、この問題についてもう少し研究をしたいと思いますし、国内産業に与える影響がどういうふうに出ているかというようなことも調べていきたいと思いますので、ようございますね。
 それから送金の問題について、これは国税庁ではないのですが、大蔵省のほうですが、だれでもいいのですが、どういう状態になっているか。私は本国へは送金していないのじゃないかと思うんですよ。むしろそれが蓄積されているのじゃないかと思っている。コカ・コーラ会社がその資金を蓄積しているということは、逆にいえばコーラの資本力が他のところに演出していくというおそれがある。私は、別にコーラを目のかたきにしているというわけではないのですけれども、考えなきゃならぬ問題がありますよということを申し上げまして、質問は終わっておきます。あとはひとつ、資料をもらってからにしたいと思います。
#57
○泉説明員 なお、私から申し上げるのはどうかと思いますが、お話しのような点は産業行政に属しますので、通産省と農林省と両方の所管になっております。私のほうは課税の面だけはお答えできますが、それ以外の面になってきますと、ひとつ……。
#58
○平林小委員 いいですよ、必要な資料は私のほうから……。これは大体農林省の農林経済局企業課だとか、消費経済課だとか、畜産局牛乳乳製品課だとか、食糧庁業務第二部食品経済課だとか、いろいろ関係があるのでして、国税庁ばかりじゃないのですけれども、私に言わせると、国税庁は最も近い資料をつかめる官庁だから、そういう意味で特に資料をもらいたいと思っているのです。ひとつお願いします。
#59
○足立小委員長 永末英一君。
#60
○永末小委員 このごろ京都の町々に物品税新設反対というステッカーが山ほど張られているのです。それはどういうことかというと、どうも繊維品を対象にした新しい物品税ができるらしいというので、京都は繊維の中小企業が多いですから、非常に戦々恐々としている。物品税新設を企てているかどうか、お答え願いたい。
#61
○細見説明員 物品税新設の問題は、私どものほうで具体的に物品税新設を考えておるということから発生したわけじゃなくて、御案内のように、財政硬直化の問題にからみまして、財界方面から主として出ておるわけでありますが、税収の大宗を、いまのように直接税に置かずに、もっと間接税にシフトしたらどうかというような議論が出まして、その過程で、御案内の一般売り上げ税というような議論もあります。しかし、一般売り上げ税ということになりますと、また各方面の抵抗もあるというようなことから、一部の方が、たとえば物品税で奢侈的なものに課税する方向をとったらどうかというような議論がありまして、そういう議論が世の中で行なわれていることは承知いたしておりますが、われわれがそれを取り上げまして当面どうするというようなことは、いまだ税制調査会にもそうした議論は出ておりませんし、われわれもそういう意図を持っているわけじゃございません。
#62
○永末小委員 物品税と売り上げ税と、二つあるのですけれども、売り上げ税も新設は考えておりませんか。
#63
○細見説明員 新設というのを、いつまでで考えるかということになりますと、これは先の先のことまではわかりませんが、明年度の税制改正で売り上げ税を実施するというのには問題が多過ぎるのではないかというのが、税制調査会の少なくとも当面の意見でございます。
#64
○永末小委員 そうしますと、来年度は問題が多過ぎるが、それは長期的に考えていこうというのですか、どうですか。
#65
○細見説明員 税制の問題としましては、やはり直接税と間接税のウェートをどうするか、あるいは所得税などの軽減と財政需要とのからみ合わせとかいうようなことで、今後もたびたび出てくる議論であろうとは思いますが、実施いたします場合には、非常に問題も多い。それで検討は続けてまいらなければならぬと思いますが、いつ実施できるかということになりますと、お答えするほどまだ検討は進んでおらない、かように申し上げるよりほかにありません。
#66
○永末小委員 そうしますと、現時点では、次の通常国会に出す用意はないと了解してよろしいか。
#67
○細見説明員 いまのところ、そのとおりでございます。
#68
○永末小委員 それでは、同じく財政硬直化で、間接税をどうとかこうとかという問題の中で、酒税を上げろという話がありますが、酒税を上げるという計画はございますか。
#69
○細見説明員 明年度の具体的な税制につきましては、このあと政府の税制調査会あるいは自民党、与党の税制調査会等もいろいろ御議論もございましょうし、各方面の議論が煮詰まってまいりませんと、具体的なことは申し上げかねますが、私どもは各方面の意見を承りまして最後に政府の案をきめるわけでございますが、そういう意味で、まだ上げるとも上げないとも、具体的な方向で議論が出ておる、かようには承知いたしておりません。
#70
○永末小委員 酒税の場合には上げるということだけが問題ですが、酒税の中におけるいろいろな不均衡も是正しようという考えがありますか。
#71
○細見説明員 具体的な案が出ておりませんので、いまこの段階でどういう案があるかは存じませんが、もちろん各方面の要望を聞いてまいります場合に、もし不均衡があるとすれば、不均衡の是正というようなことも当然議論として出てまいろうと思います。われわれはいま具体的な意見を持っておりませんし、具体的な意見もわれわれに出されておりませんので、即答は具体的にお答えできませんが、いろいろな案は出てまいろうかと思います。
#72
○永末小委員 不均衡是正の中で、四十一年七月十五日の当大蔵委員会でみりんの税金のことを研究をお願いしておいた。前塩崎主税局長は慎重に検討するということですが、自来これは二年近くたとうとしておるわけです。大体検討は済んでいるのだと思いますが、残念ながら塩崎局長がいなくなったものですから、新任の吉国主税局長にきょうはその門口のことを申し上げようと思いましたが、所用があっておられませんから、これはひとつ検討しておいてください。
#73
○細見説明員 われわれが検討課題としてあずかっておることは承知いたしております。
#74
○永末小委員 もう一つは、先ほど炭酸飲料の中でコーラ飲料というものが伸びてきた経過を伺ってきたのでありますが、酒の中にもこれはいろいろ変化が来ておるのじゃないか。つまり、ある文明史家の見方をかりますと、人間の舌が味わえる種類が多ければ多いほど、そういう食品を発明し得る人間の集団が文明の度が高いのだ、こういう説をなす者がある。といたしますと、酒につきましても、いろいろな種類がふえて舌が楽しむというのは、やはり日本国の文明の度合いを盛んにするのではないかと思うのですが、原則的なところはどうですか。
#75
○細見説明員 日本でいろいろな酒の消費がだんだん高度化し、しかも種類もふえていっておるということは、そのとおりで、それ自体は好ましいことだと思っております。
#76
○永末小委員 その場合に酒税法という法律があって、法律で酒税の対象になる酒類というものはこれとこれとこれであるということがきめてあるわけですね。法律できめますと、これは一見身動きならぬようなかたい壁、沖繩返還のジョンソンの壁以上かたい壁があるような気がするわけです。そうしますと、いまのように実際に人間の舌がデリカシーを求めるということになりますと、酒類に対してもそういういろいろな変化が、食品の変化とともに、酒類に対する嗜好の変化もある。その場合に酒税法はかたい壁になって、新しい種類の製造というものをもし制限するというようなことがあったら、酒税法は変えなくちゃならぬとお考えになるかどうか。
#77
○細見説明員 一方では酒税は非常に収入の大宗を占めておりますし、したがって、そういうことでかなり重い税を負担願っておりますので、その間のバランスの問題というものは慎重に考えなければならないし、また、ことばは適当でありませんが、脱法的ないろいろなものが出てくるというような場合に、旧来の商品に対して、税の多くかかっておる商品に対して非常に強いショックになりますから、そういうことを考えて、永末先生の言われるほどしかく流動的にやれるかどうかは知りませんが、しかし、国民の嗜好が変わっておる現状を無視して酒税法というものがあり得るとはわれわれは考えておりません。
#78
○永末小委員 いいことを言っていただきましたが、確認しておきますが、嗜好が変わるから、それをつくる者ほそれに合わしたものをつくる。一部分は脱法的現象を呈する。そうすると、やはり法律はその現実を追っかけて変えなくちゃならぬという部面が出てくる、これはそういう意見ですね。もう一ぺん確認しておきますが、よろしいか。何か言うてください。
#79
○細見説明員 そういうことだと思います。
#80
○永末小委員 そこで、もう一つ検討いただきたいのは、しょうちゅうというのがありますね。しょうちゅうというのは酒税法で非常に厳格に規定してある。二種類のしょうちゅうが酒税法ではきめてございます。ところが、しょうちゅうというのは、元来が日本古来の飲みものではありますけれども、特に戦争直後のいろいろな酒類の不足のときに、一番簡単に酔っぱらえる日本国有の飲料だというのでなかなかはやった時代がある。しかし、戦後二十二年たちますと、しょうちゅうを飲用するお客さんというのは総体的に低下をしてきておる。そうしますと、しょうちゅうをつくっているほうは、これに対して何らかの手直しをして、もうちょっとこれをいまの嗜好に合わせたものを飲ましたいと考える。当然出てくると思うのですね。そうしますと、そういうものが出てこようとする場合には、やはり酒税法はその飲料に対して、しょうちゅうのワクからはみ出るならば、別の酒類のワクをつくって、それに税金をかける、そういうことが先ほどの原則からいきますと筋じゃないかと思いますが、いかがですか。
#81
○細見説明員 具体的なお話になりますと、現行税法との間の調整ということが必要になってまいるわけで、私が申し上げましたのは、広く文明論として、永末先生の文明論はまさにおっしゃるとおりだと申し上げておるわけで、現行の酒税法をどうして維持していくかということと、その過程で、国民全体としての大きな嗜好の変化、それから部分的に起こってまいりますものをどう調整してまいるかということはこれは別なものとして、大きな方向とそれから当面措置をする方向とは、税を具体的に執行しておる立場として若干の留保をさせていただきたいと思います。
#82
○永末小委員 別の問題ではなくて、私の文明論を承認されるならば、その目ざすところに従いつつ法律の改廃を考えていく、あるいは法律を変えていく、新しい酒と称するものが出てくるならば、それはやはり酒税法の対象にしていく、こういうかまえでないといかぬと思うのです。いまある酒税法の壁を固守して、それから少し変わったものは、いまあるワクの中でなくては酒類として認めないのだということになりますと、文明が退化しますね。そこのところはどうですか。もう一ぺん言ってください。具体的にしょうちゅうというものを出して意見を伺っておるわけです。
#83
○細見説明員 具体的な話になりますと、その影響するところ非常に大きいですし、酒税法というものは、もちろんそれが千古不易なものだとは思いませんが、この体系を一朝にして変えるには、影響するところも広範でございますし、慎重に検討させていただきたいと思います。
#84
○永末小委員 私、最近沖繩に参りましたが、沖繩には、あわもりしょうちゅうというのがございます。これは米からつくったしょうちゅうですが、戦争で現地がめちゃめちゃになったものですから、しばらくはつくれなかった。ようやく三年もの七年ものというものが市販に出るようになった。沖繩の現地の人は、これを必ず割って飲むわけです。いま出ましたミッションコーラみたいなもので割っている人もいますし、セブンアップと称する外国産の炭酸飲料で割っておる者もいます。同様なことで、やはり日本のしょうちゅうも割って飲もう。昔は酔っぱらえばいいというので、そのまま飲んで胃かいようになった人もたくさんおると聞いておるのでありますけれども、それは別といたしまして、割って飲もうということになりますと、割るためのしょうちゅうというものをつくる必要性が出てくる。そうしますと、いままでの単なるアルコールだけというしょうちゅうではなくて、それにあるいはあるかおりであるとか、ある味わいであるとかいうものを添加されて、主体はいままでのしょうちゅうであるけれども、別種の酒類というものをつくる。これはほかのリキュール、スピリッツというような外国生まれの味つけではなくて、日本の風土の中でできた一種の味わい、味つけ、かおり、こういうものを添加しようということになってくれば、つまり、いままでの酒税法にはない新しい酒類というものが出てくる。そういうものはやはりぼくは認めてやるべきだと思うのですが、いかがですか。出てきた場合にですよ。
#85
○細見説明員 具体的な問題で、私、科学的な知識がございませんので、どれだけ新しいものになるのか、実はよくわかりませんので、お答えはちょっと差し控えさしていただきたいと思います。
#86
○永末小委員 それは大体いまの酒税法における酒のきめ方がややこしゅうございまして、考えてみれば、もとは大体同じ穴のムジナみたいなもので、アルコールですね。アルコールにいろいろな操作をして、炭などでこしてみたり、あるいはそれににおいをつけたり、いろいろなことをしながら、びんに入れてみますと、別種の酒のごとく考えておる。しかし、中身はアルコールであるということなんだと思うんですね。といたしますと、同じしょうちゅうの場合でも、もとは同じ原料でありますけれども、それに何かの手直しがされる場合に、新しい酒の種類の発生する余裕というもの、余地というものを、酒税法をつくった人が余地があり得るのだという感覚で見ていただかなかったら、いまある中に押し込むということになると、だいぶ話が違うと思いますが、もう一ぺん答えてください。
#87
○細見説明員 ただ私、飲むほうはあれですが、あまり酒のこと詳しくないのです。たとえば特級、一級、二級といったような清酒の問題にしましても、全体にやはり法律で規制して酒税法の体系というものができておる面がございますので、一般に飲む立場でいろいろ新しいものが出てきたりするのは、それ自体けっこうなことだと思いますが、いまの酒税法の体系というものが全部ぶっこわれるということになりますと、それはやはりまた別の国税の中で酒税収入の減少する現状ですから、現行法をどういう形で維持しながら、あるいは現在の税収をどういうふうにして維持しながら、しかも新しいものに適用していくかというのは、これはほんとうにむずかしい研究問題であり、いまここで具体的なお答えができないのは非常に残念でございますが、今後の問題であり、現状においては非常にむずかしいとしかお答えできないと思います。
#88
○永末小委員 たとえば果実酒類と称しておるものがございます。しろうとはこれを見ますと、全部果実からつくっておるのかと思いますね。ところが、商標をつけてある果実酒類というのは、むしろアルコールにいろいろな糖類、香味料、色素、水を加えてつくっておる。それが主力部隊であるというような果実酒類があるわけですね。あるいはスピリッツ類、リキュール類でも同じであって、アルコール原料に操作をして、においやあるいは味を加え、色を加えてつくっておる。カクテルというのもおかしいわけですね。もとは一緒なんだ。いろいろな酒が入っておる。二度混合しておるだけだけれども、ぼくはあまりカクテルを飲まぬことにしておりますが、それは別として、私が申し上げたいのは、そうやって人間の嗜好によって新しい種類の酒ができてくるという場合には、酒税法は非常に大まかに何とか類何とか類としてその中でのバリエーションは認めておると思う。ところが、しょうちゅうということになりますと、いままでの固定観念からすれば、しょうちゅうとはこんなものだ、これはアルコールそのものを薄めたにすぎないのだという観念がある。ところが、しょうちゅうに対する飲み方、先ほど沖繩の話を出しましたが、そういうぐあいにしょうちゅうが飲まれてくるとすると、それに見合った新しいしょうちゅうというものをベースにした酒類が出てくる。それは当然の勢いだと思うのですね。その場合に、酒税法にあげてあるような何とか酒類何とか酒類というものの、いわばワクに入らない場合には、新しい酒類をつくって、そうしてその存在を認めて、いわば認知をして税金をかける。それは酒類全体のバランスの中で税金をかける。あたりまえのことだと思うのですが、そういうことをするにはどういう難関がありますか。
#89
○細見説明員 具体的に十分勉強してまいっておらなかったので、まことにあいまいな答えになるかと思いますが、やはり酒類はいろいろ税額が差等を設けた種類になっておりますから、その間のバランスをどういうふうにするかという問題、あるいはそのバランスをとるときにどういうメルクマールでバランスをとるかというような問題が検討問題として残るだろうと思います。
 それから、おっしゃるようなものが現実に新しい酒として出てまいりまして、それがどの程度嗜好に受け入れられて、また、世の中に出ていくものであるかどうかというその辺も、法律を改正するということになりますと考えなければならない問題だろうと思います。
#90
○永末小委員 問題は、とこにそれぞれ箱はあるわけだが、その箱に入らない酒が出てくるわけですね。そうしますと、あなたのほうで張らせる紙は、しょうちゅうという紙を張るか、スピリッツという紙を張るか、そういう証紙の問題が出てくるわけです。また、いま申しましたように、新しいしょうちゅうに対する需要というものは、ベースはしょうちゅうだ、しかし、それはスピリッツにもならぬし果実酒類にもならぬというようなものが出てきた場合に、厳格に酒税法を適用すると、しょうちゅうにかおりや何かをつけたものはいかぬということになるわけだが、そうすると出てくる余地がないが、出てくることをお認めになりますか。
#91
○細見説明員 出てきた場合に、それを現行法でどういう酒の種類として課税するかという議論が、現行法を前提にすれば起こってくる問題だと思います。
#92
○永末小委員 そうすると、まず現実を認める、そういうものが出てきた場合に、酒税法全体の構成から一体どう位置づけるかということは検討に値する問題である、このようにあなたは考えられておると理解してよろしいですか。
#93
○細見説明員 ですから、現状ではスピリッツになって、バランスとしてはかなり高い税額になっていくということになるわけだろうと思います。
#94
○永末小委員 しょうちゅうをベースにしてスピリッツほどまでいかぬもの、ただししょうちゅうはきわめてアルコールの含有量が多いんですから、すぐにスピリッツになるのか、しょうちゅうとスピリッツの間であるのか。沖繩返還の基地の問題みたいなものだ。核基地つきであるか、本土並みであるか、自由使用であるかというようないろいろのバリエーションがある。だから、いまのように、しょうちゅうとスピリッツの間というものもあるわけだ。そういうものができたら検討されますか。
#95
○細見説明員 それは現実に対して法令を適用していかなければならないことは当然のことであります。
#96
○永末小委員 これで終わります。
#97
○足立小委員長 田中昭二君。
#98
○田中(昭)小委員 政治家の税金還付の問題でございますが、この問題はだいぶん事も済みまして処理されておると聞いておりますが、まずこの問題の出発点は、法律の趣旨に適合しないような事案が起こりまして、国税庁の見解並びに申告指導に誤りがあった、ミスがあったということはいままでの経過で大体明らかであります。その被害をこうむってマスコミの表面に踊らされたのは議員でございます。議員が一番悪いようなことに世間で言われておる。これはこれとして、納税者である国民に対しても、その責任上、その問題が起こった出発時点にもう一ぺん立ち戻って、重要な点だけでけっこうですから、その状態を簡単に説明願いたいと思います。
#99
○泉説明員 これはもう御存じだと思いますが、昭和四十一年分の所得の申告につきまして、政治家の方々は、歳費以外に事業所得であるとか給与所得あるいは山林所得などそれぞれの所得がおありになるわけでありますが、そういった所得のほかに、政治家としてのいわゆる政治献金等の収入があるはずだ。これにつきまして、従来の税法の規定は必ずしも明確でなかったわけでありまして、そのために、従来は法人から受けるものが一時所得であり、個人から受けるものは贈与税の対象になるといったような考えがあったわけでありますが、しかし現実を見ますと、そういうことではなしに、やはり何らかの人的役務の提供をしてその対価として得ておられる場合が相当多い。そういう場合になりますと、雑所得として認めるべきであり、雑所得ということになりますれば必要経費の控除問題が出てまいります。そういうことで、四十一年分の所得税申告のときにそういう趣旨のことを書きまして、そういった収入がありますれば申告していただきたい、そのときに、その収入を得るために必要な経費は控除します、そうして所得の計算をいたします、こういうことを申し上げたのであります。そのときに、国税庁のほうの指導に一部誤りがございまして、歳費あるいはそれ以外の給与所得しかない場合においても必要経費が控除できるかのごときことを申し上げたのであります。その結果、歳費及び歳費以外の給与所得しかない人で政治活動に伴う必要経費がこれだけある、したがって、それを必要経費として引いてもらいたいということで申告をなさる。その結果、源泉徴収の所得税から還付する必要が生じたもの、あるいは還付するまでには至らないけれども、その他の所得の申告に伴う税額が本来あるべき税額より少なくなっておる方、こういった方が生じたわけであります。
 その後、私どもはその点に気がつきまして、本来そういう給与所得しかない人は、給与所得控除以外に必要経費が認められるものではありませんので、そういったものを認めるべきではない、それから同時に、雑所得の収入のある場合においても、その必要経費は収入を得るための必要な経費でありまして、それが赤字になるというようなことは原則としておかしい事柄であるということで、その内容を調べてみますと、確かに政治活動に伴う必要経費として秘書を雇い、あるいは事務所を借り入れた、これは確かに政治活動に伴う必要経費だと思いますけれども、同時に、それは雑所得のみでまかなうべき性質のものではなくて、議員としての歳費とそういった雑所得双方でまかなうべき性質の必要経費と思われます。したがって、そういったものは、議員としての収入に按分して必要経費を認めるべきだ。そうしますと、雑所得の収入から引けるものは申告された必要経費のトータルではなくて、その按分する分だけしか引けない、こういうことになるわけであります。そういうことで、私どものほうといたしましては、確定申告を出していただきました方につきまして、恐縮でありますけれども、修正申告をお出し願いたいということを申し上げまして、本日の段階におきましては大体処理を終了いたしておる状態でございます。
#100
○田中(昭)小委員 この問題でミスがあったということなんですが、それはいまも長官のお話のとおりに、国税庁において一番問題になりましたのは、歳費の収入しかないのに必要経費を認めるというような指導をしたということが一番問題ではないかと思いますが、それはそうですね。
#101
○泉説明員 さようでございます。
#102
○田中(昭)小委員 この問題で議員はいろいろな点で批判をされたことは先ほど言ったとおりでございます。また、国税庁の誤りによって、地方国税局の所得税課並びに税務署というものも、いままで忠実にやってきた自分の仕事に対して根本からくつがえすような国税庁の指導方針を聞いて、担当官もその場ではどうすべきなのかという問題の苦情も私は聞きました。またその後、私も九州をずっと回りましたときに、国税局の所在地におきましてはそのような苦情も聞きますし、また、一般の講演会などでもこの問題に触れますと、その結論はまた後ほど申し上げますが、そのようなことを言っております。ここでこの問題で一番被害をこうむったのはだれなのか、ただ議員の名誉を傷つけるようなことで、それで済まされていいものかどうか。善良なる多くの納税者は納税に対する不信を持って、国民の納税意識を傷つけたことは間違いないと思うのです。はたしてこの責任はどのようにすれば果たされるのか。ただ国税庁のミスだということに内部において処理されるものなのかどうか。何らか国民に責任のある処理をすべきではないか。長官もよく御存じのとおり、当時の新聞の社説によりましても、全部、これは国会の名誉においても議員の名誉のためにも、一人一人はっきりして、それを国民に問うべきである、このような状態が当時の世論だったのです。ここで長官にそれを全部名前をあげて発表しなさいと言っても、しないことを私も知っておりますから、勇気があればそれはしていただきたいと思いますが、いろいろ申し上げました点で長官の責任あるまた勇気ある御説明をひとつお聞きしたい、こう思うのであります。
#103
○泉説明員 先ほど申し上げましたように、国税庁の申告指導の誤りから生じまして、そういった本来税法上認められないような申告書が出てまいって、その結果議員の方にたいへん御迷惑をおかけし、また世間一般に納税に対する不信を招くような結果になっておりますことは、たいへん遺憾に存じております。国税庁といたしましては、そういった事態の発生したことにつきまして非常に責任を感じて、内部的な処理はいろいろはかることにいたしております。当面の問題としましては、その事態を是正することが第一に必要でございますので、その事態の是正をはかることにいままで全力を尽くしてまいっておる、こういった状況でございます。
#104
○田中(昭)小委員 そうしますと、その国民の世論にこたえてそれを明らかにするということはやらなくて、ただ国税庁の内部において内部処理をやって是正をするということだけにとどめていいものでしょうか、どうでしょうか。
#105
○泉説明員 先ほど申し上げましたように、そういった税法上認められないような申告書が出てまいりましたのは国税庁の指導の誤りでありまして、したがって、議員の方が悪いからそういう申告が出たというふうではございません。したがって、一人一人のお名前を明らかにすることはお許しをいただきたいと思うのであります。
#106
○田中(昭)小委員 私、さっきから言っておりますように、あの当時の状態と現在処理されるまでには、佐藤総理や大臣の委員会での発言も、私はそのようには受け取っておりません。それじゃ申し上げますが、塩崎主税局長もこの問題については関係があったわけでございますが、主税局の結論としては、雑所得については損益の通算を行なわないことが至当ではないか、そのように言っております。その言っておることと、現在処理されたということには、私は何か矛盾を感ずるのです。その処理された根拠、具体的にその数字をもってでも説明をお聞きして、そのような見解はいつだれの指示によってやったのか、また、ほんとうは税法改正を要するのではないかという意見もあるわけですけれども、このようなことについては長官としてはどのように……。
#107
○泉説明員 塩崎前主税局長がお話をされたのは、おそらく雑所得の赤字を他の所得と損益通算することは問題があるということだと思います。したがって、現行法の解釈としてどうかということになりますと、現行法の解釈としましては、雑所得にかりに赤字がありました場合、その赤字を他の所得と通算するということは起こり得ることであります。ただ、趣味娯楽のための場合、この場合には雑所得――御承知のとおり競馬競輪のような場合の雑所得の赤字は他の所得とは損益通算しないということになっておりますが、それ以外の雑所得でございますと、現行法におきましては損益通算をするというたてまえになっております。したがって、解釈問題といたしましては、政治家の所得に対する課税のあり方をどうすべきかということについて、従来の税法の規定が必ずしも明確でございませんので、解釈としましていろいろな解釈をする余地は出てこようかと思いますけれども、現行法の制度からいたしますと、雑所得の、いまの趣味娯楽以外の雑所得の赤字がかりにあった場合、それを損益通算しないということの主張は税法改正をして明確にすることが一番望ましいことである、解釈としてはなかなかいろいろな解釈があり得ることだと思っております。
#108
○田中(昭)小委員 もう少し具体的に、そのような見解をいつだれがどのようにやったかというようなことをお聞きしていますし、それじゃもう一回繰り返しますと、なぜ具体的にと言うかといいますと、歳費だけで必要経費があるといって申告した者もいますし、それから歳費のほかに雑所得があって赤字が出て還付の請求をした者もおりますし、今度は雑所得の内容によっても、収入が幾つもあって、片方の収入からはそれはそのまま黒字なんだけれども、片方の雑収入のほうからは赤字である、そういう場合がいろいろあろうと思うのです。それを具体的にどう処理したか、それをお聞きしなければ問題の解決にならないと思うのです。いろいろな、いつだれがどうした、責任問題はまた別にしまして、これは別な機会に私もう一回――この次の委員会が十四日でごさいますが、総理もアメリカへ行っておりませんし、この問題については最後はひとつはっきりさしていただかなければいけない、こう思うのです。ですから、それはそのときに譲るとしまして、ここではそれより前に、国税庁はこの問題に対して、さっきもおっしゃった内部的に処理をした、是正をしたとおっしゃるその是正したものを正式にこういう委員会で聞いておりません。ですから、その点をはっきりしていただきたい。
#109
○泉説明員 それも先ほど申し上げましたように、給与所得だけの場合には、給与所得控除以外に政治活動に伴う必要経費というものを認めることはないわけでありますから、したがって、そういう給与所得だけの方が政治活動に伴う必要経費があるから、雑所得の収入がゼロでその必要経費だけあるから、その必要経費を赤字と見て、他の所得、歳費あるいは他の給与所得から控除してくれという申告が出ておるわけでありますけれども、それを認めるわけにはまいりません。したがって、その政治活動は伴う必要経費の申告はやめていただいて、そういう必要経費がないものとして申告をしていただく、そういう意味で修正申告を御提出願っておるわけであります。
 それから、雑所得の収入がある場合におきましても、先ほど申し上げましたように、政治活動に伴う必要経費という中には、その政治活動に伴う雑所得の収入、それから歳費等議員としての――事業所得とか配当とかいったようなものは別としまして、そういう議員としての地位に伴う収入、それでまかなうべき必要経費でございますので、したがって、そういった必要経費がありましても、その収入按分によってその必要経費を認める。そういたしますと、むしろ雑所得の収入がおありになる場合に――政治家としての雑所得でございます。そうでない雑所得は別としまして、政治家としての雑所得があります場合に、それと歳費などで按分してその必要経費を見るということになりますと、これは原則としてその雑所得のほうが赤字にはなりません。したがって、そういうことで赤字になるから他の所得から引いてくれということで還付の請求をされておったり、あるいはその他の申告すべき所得から引くような申告になっておる場合に、それを認めることができません。これまた、修正申告書を御提出願って、それによって不足する税額を納付していただく、こういう措置をとっておるわけでございます。
#110
○田中(昭)小委員 おそらくこれを聞いておる皆さんも、いまの長官の言っていることは間違いじゃないと思いますけれども、私はどうもぴんとこないのです。ですから、実際具体的に、たとえば名前は言わなくていいですから、歳費がこれだけあった、雑収入が、政治資金もあり、ほかの雑所得もあった、このように赤字が出ておった。いま重大な発言がありましたけれども、これを按分してというようなお話がありましたが、按分してどのようにやったのか、まずそれをお聞きしましよう。
#111
○泉説明員 雑所得の収入があって、政治活動に伴う必要経費があるというような場合には、その政治活動に伴う必要経費というのは、その雑所得の収入だけで負担すべきものではなくて、政治家としての活動に伴う歳費を含めた収入で見るべき性質のものだ。その一番極端な場合が、歳費だけしがなくて、しかし必要経費はおありになる。しかし、その必要経費は税法上損金として認めることができません。それからだんだんと政治家としての雑所得の収入がある場合が出てきます。その場合にはその収入と歳費と両方で必要経費は見る。したがって、必要経費がかりに五十万円かかったといたしますと、歳費が五百万円で、雑所得の収入が二十万円だ、こうおっしゃれば、その五十万円の必要経費を五百万円と二十万円で按分する。そうすれば二十万円の部分にはとても赤字が出るという状況になりません。したがって、この方はそういっっ必要経費の申告をして、歳費のほうに食い込むことはできないのですから、そういう必要経費の申告はやめていただきたい、こういうことで修正申告を出していただいているわけです。
#112
○田中(昭)小委員 私はよくわかりました。でも、この問題はまだわからないような方があるようです。ですから、いまのように数字を具体的にあげて説明されるのが一番いいと思うのです。
 そこで問題なんです。たとえば歳費が五百万円あった。政治家としての雑収入が二十万円あった。その二十万円に対して五十万円の経費を申告された。それを五百万円と二十万円の収入金に按分して、その二十万円の雑収入に食い込まないように経費を見ました。こういうことですね。そうでしょう。
#113
○泉説明員 さらに正確に申し上げますと、歳費五百万円ということですが、この中には例の非課税の通信交通費も入っておるわけであります。
 それから、したがってそういうふうに按分いたしますと、雑所得の収入があって、むしろ課税しなければならぬという実情になるわけであります。その分については、まあおそらく必要経費と認められるからというので申告をされたのだろうと思いますが、とりあえずは修正申告を出していただいて、いまそういうことで還付いたしておりますものを修正申告によって納めていただく、それだけの処理をいたしまして、政治家としての雑所得の収入と必要経費の中身をさらに点検して、あとどうするかという処理の問題はまだ延ばしておるわけであります。とりあえずの措置といたしまして、還付いたしました税金をお返し願う、この措置をとっておるわけでございます。
#114
○田中(昭)小委員 頭が悪いのかなかなかよくわかりませんが、いま言うたように、かりに歳費が五百万円だった。五百万円でなくてもいいんですよ。五百万円と言いますと、その言ったことばの数字をもとにされる――そんな心配は要らないと思うのです。四百万円でもいいのです、三百万円でもいいのです、そんなことはあり得ませんけれども。かりにそれなら四百万円なら四百万円の歳費収入があった。そのほかに政治資金の雑収入が二十万円あった。その人が百万円の必要経費を申告してきた。この場合には四百二十万円という収入をもとにして、それを一〇〇として、その二十万円の占める割合を出して、その割合を必要経費の百万円にかけて算出して、その二十万円の収入に相当する分の経費と見た、こういうことでしょう。ですから、そこでそういうふうに按分した経費が、その雑収入の二十万円に相当する経費であるかどうかということをだれがきめたのかと私は言いたいのです。
#115
○泉説明員 この点は先ほど申し上げましたように、議員歳費あるいは給与所得しかない人も、政治活動に伴う必要経費はあるのだと思います。しかし、この場合には、現行税法では、そういったものは給与所得控除以外に引くことはできない。もちろん、そのほかに非課税の通信交通費が月十五万円ございますから、これが年額に直しますと、四十一年のときはたしか四月から十五万円になりましたので、それ以前は十万円だったと思うわけであります。したがって、正確に計算いたしますと、百六十五万円ですかになるのであって、百八十万円にはならぬようであります。しかし、そういった非課税の分でそういった経費はまかなうということになっておると思います。しかし、雑所得の収入がおありになりますと、その場合に、かりに必要経費が五十万円かかった、あるいはいまのお話で百万円かかったという場合におきましても、その雑所得の収入の二十万円で必要経費の百万円を引くべきではなしに、いま申し上げました歳費と非課税所得の通信交通費、それから雑所得の収入が二十万円、これらにおいてその必要経費がまかなわれておる、こう見るべきだと思います。そういう解釈が現行法の解釈としては一番妥当な解釈ではないか。そうしないと、歳費だけしかない人あるいは歳費と給与所得だけしかない人と、それから雑所得の収入がある人との間の課税のバランスということを考えますと、雑所得の収入が二十万円あれば必要経費百万円を赤字になっても認めるかということになってまいりますので、そういったこととのバランスからいいますと、いまの百万円という必要経費は、そういった政治家としての活動に伴う収入に按分する、しかし、配当所得とかあるいは事業所得がほかにおありになれば、そういった所得に按分すべき性質の経費ではないと思われますので、そういうふうな解釈で事を処理するのが妥当だ、こう考えたわけでございます。
#116
○田中(昭)小委員 ですから、もう簡単に言って、按分するというのはだれがきめたかというのです。それと、いま按分するということも、たとえば四百万円の歳費と二十万円の雑所得の収入があった場合に、いま長官の話では、必要経費の百万円に対応するのは四百二十万円だ、このようなふうに私は聞き取れました。あとでまで議事録を見てみればそのとおりになっていると思いますが、そういう考え方でいきますと、たとえば歳費だけでありましても、私たちのように党費をたくさん納めます、後援会に行けばいろいろな経費も要ります、そういうものを引くことが妥当であり公平をそこなわないものじゃないかというふうに思うのです。この点はもう少し煮詰めなければいけないと思うのですが、私が言いたいのは、そのように個々によって具体的な事情が違うのです。ですから、一人一人のその内容を個々に出して、このような場合にはこのようにしました、このような場合にはこのようにしましたというのが当然じゃないですか。私は言っておることの意味は十分わかりますけれども、何といってもそういう個々的な問題は、その人に合う所得の内容に応じて経費を引くという行き方でなければ、この問題は今後また禍根を残しますよ、正確に言って。そこまで考えて言っておるつもりでしょうけれども、私に言わしめれば、それこそ不公平はなはだしいものはない。ここで少し披露しておきますが、私が考えたわけではありませんけれども、ここにプリントしたものもありますが、諸外国の例を見ましても、西ドイツでは歳費には全然課税していないでしょう。またフランスでは所得率を五五%見ております。英米では個人の受ける献金は全部一応党に入れて、そうしてするというふうな仕組みになっておる。こういうことから考えれば、いまわが国のこのような状態が一番おくれておりますし、不合理、不公平これに過ぎるものはない。その上に重税に苦しんでいる。議員も普通の給与所得者みたいに源泉徴収では苦しんでおります。その上に政府のやり方が誤ったというこんなことで済まされるか、私はこう思うのです。具体的な一つ一つの例が違うのです。長官はそれを一つもおっしゃらない。あくまでも初めから三回も四回も、歳費だけしかない者は必要経費は引かれない、これは税法にはっきりしております、そういうことをおっしゃっている。その次には、歳費があって雑所得の収入があれば按分とおっしゃる。私は、その按分したことが、いい悪いは別にして、一番妥当であり、今後も禍根を残さないかという問題をここで少し聞いておきたい、こう思っておるわけなんです。国税庁が国会の会計課に出した「所得の種類と計算について」という書類のとおりやっていると国税庁は言っておりました。また、主税局の出したこのプリントにしましても、これは同僚の平林委員もこれに対しては相当な意見を持っておられました。私も同感です。どこを取り上げてみましても問題がたくさんあるのです。検査院の指摘によって三十七年ごろからこのようなことにしたということもございます。この検査院の指摘というものは、そのように法を拘束して、いままで調査して返しておったものを一ぺんに全部調査せずに返せという、そういう権限があるのか。また会計検査院の指摘によって、特に問題のあるものは、また金額の大きいものは調査して返しておったというのですけれども、こういうものも、こういうときに問題があるとか金額が大きいとかいうのが、それでは実際具体的に第一線ではどのように処理されておるか、こういう問題もあるのです。ですから、ここではそういう問題を一挙に解決することはできませんから、再度一つ一つの問題についてこのような場合にはこのようにしました、こうすればはっきりするのじゃないですか。どうでしょうか。
#117
○泉説明員 西ドイツがどうなっている、フランスがどうなっている、英米がどうなっているから日本もどうすべきだという議論、これは立法論としての問題で、先ほど申し上げましたように、わが国の所得税法の規定におきましては、政治家の所得に対する課税のあり方として必ずしも明確にできておりませんから、今後立法論としていまの所得税法を明確にする、これは望ましいことだと思います。ただ、そういう立法ができる前に現行法の解釈として、現行法規を前提としてどう処理すべきか、こういうことになりますと、先ほど申し上げましたように、歳費あるいは歳費と給与所得しかない場合におきましては、現在は給与所得控除以外に必要経費は認められないわけでありますから、したがって、そういった人とそれから政治家としての雑所得の収入がある場合とのバランスを考えますと、現行法としてはいまの議員としての歳費あるいは非課税の通信交通費、それからいまの雑所得の収入、こういったもので政治活動に伴う必要経費を按分していくよりほかに妥当な解決の方法はないのじゃないかということで、これは先ほどからお話がありましたが、私のほうで国税庁といたしましてそういう解釈を確立いたしまして、それで私の名前で今回そういうことにしたわけでありますが、申告指導の際には、そういった点について明確でありませんでしたために、御迷惑をおかけしたことはまことに申しわけありませんという手紙をつけまして、いま申し上げましたように修正申告を出していただいておるわけであります。個々の一々の金額をというお話でございますが、先ほど申し上げましたように、類型は歳費しかない人、それから歳費とある会社の顧問などをやっておられまして給与所得のある方、それから歳費と政治家としての雑所得の収入のある方、大体こういうように三分類できるわけであります。それぞれ先ほど申し上げましたようなことで修正申告を出していただいておるわけであります。
 なお、つけ加えて申し上げますが、確定申告後五月十五日までに更正の請求ができることになっておりますが、その更正の請求をされておる方もございます。そういった方は更正の請求の書類の取り下げをお願いいたしております。
#118
○田中(昭)小委員 結局、按分してやったわけで、一応やったんですからしかたない。その按分してやった結果を私は要求しておきます。ここで一々読み上げるのもどうかと思いますので、資料として要求しますから、いずれにしろ私の納得のいく点で出してもらいたい、こう要望しておきます。
 もう一つつけ加えておきますが、第一線のある国税局のある税務署に、この問題についてある議員さんの奥さんは三回呼び出されておる。そのあげくの果ては、税金を返してもろうたものをまた納めるだけではなくて余分に取られた。そのときのその奥さんの心境は、何でこういうことをしなければならないのですかと、それは真剣でございました。私もそのあとでしたけれども、これはこういうことになっておりますと、一応概略だけは雑談みたいに話しました。ですから、そういうことを考えてみれば、ただその内部で事務処理をしたというだけではなく、それは方法としてはそれしかないのですから、それをやったものはやったでひとつはっきりしてもらいたい。
 それからもう一つつけ加えておきますが、一ぺん返したものをまた取り上げたという場合に、法の規定するところによれば、加算税、利子税の問題もあると思うのです。このような問題は全部について取ったのか、それとも個々的に考えて取ったり取らなかったりしたのか、こういう点についてもう一回お聞きしたい。
#119
○泉説明員 この点につきましては、国税庁の指導の誤りによりまして生じたことでありますので、税金を還付いたしましたのを修正申告書の提出によって納付を求めましたが、それに伴う延滞税、加算税は徴収いたさないことにいたしております。
#120
○田中(昭)小委員 全部ですね。
#121
○泉説明員 さようでございます。
#122
○田中(昭)小委員 それでは一応きょうはこれで終わります。
#123
○永末小委員 関連。いまの点でちょっと確認しておきたいのですが、按分という話が出ましたが、その中で、国税庁の考えているのは、議員に出ておる通信交通費と雑所得の総額が按分の分母ですか。
#124
○泉説明員 按分の分母の総額は、いわゆる歳費と非課税の通信交通費の収入とそれから雑所得の収入、こういうことになります。
#125
○永末小委員 立法調査費は入っていないですね。
#126
○泉説明員 それは入っておりません。
#127
○永末小委員 そうしますと、歳費を入れておるのはぼくにはちょっとわからぬのだけれども、実際の取り扱いは、議員と称する政治家たる者が政治家の行動で得た雑所得と必要経費が出てくるわけでありますけれども、その雑所得の限度において必要経費は、たとえばいまの場合三百万円としましょう。三百万円としますと、雑所得が二十万円の場合には二十万円だけでやったというのではなくて、それに通信交通費百八十万円、歳費が四百万円、その全部を分母にして、その三百万円をそれぞれ歳費分は幾ら、通信交通費分は幾ら、雑所得分は幾らとやって、そして歳費のほうは一文も引かれませんからパー、通信交通費はわからぬから百八十万円までは見るけれども、それ以上になればパー、こういう計算をやったのですか。
#128
○泉説明員 そういうわけではございません。そういう按分比例の考え方でいきますと、雑所得の収入が二十万円しかない、しかし必要経費は三百万円かかった、したがって二百八十万円を他の所得から控除してくれとおっしゃるけれども、それはできない相談です。いまのような収入金額で按分すれば、二十万円に対して、いまの通信交通費の金額がかりに百八十万円とし、歳費が五百万円とかりにいたしますと、その六百八十万円といまの収入の二十万円で七百万円になりますか、七百万分の二十万分について必要経費が認められることになるわけでありますから、二百八十万円引くことではなしに、むしろ雑所得の収入の二十万円は必要経費を引いても残りの所得があるではありませんか、したがってそれは必要経費の二百八十万円の他の所得からの損益通算はいたしません、こういうことを申し上げたわけであります。
#129
○永末小委員 もう一ぺん確認しておきますが、いまの場合、計算を簡単にするために歳費四百万円、通信交通費百八十万円、雑所得二十万円としますと六百万円、それで三百万円必要経費をあげたとしますね。そうして歳費と通信交通費と雑所得とを全部分母にしますと、大体これは五割。そうしますと雑所得二十万円をあげてもあなたの雑所得からは必要経費は十万円だけです、こういうことになりますね。そういう計算ですか。
#130
○泉説明員 さようでございます。
#131
○永末小委員 それは問題だ。歳費というものは税法上給与所得だが、歳費を分母にしておるとは思わなかった。したがって、私の解釈では、必要経費は幾らになろうとも、雑所得二十万円の限度で終わりだという解釈かしらんと思っていた。いままで私もあなたのところの責任者に何べんか聞きましたけれども、雑所得の限度でパーでございます、そうだろうなということだった。雑所得と必要経費とにらみ合って、必要経費のほうが高いから赤字というのは最初のあなたの方針だったが、それは改められたのだから雑所得の限度で終わりです、これは理論的に通りますからそうだと思っておったのです。いまのお話を聞くと、そうではなくして按分でやる。そうすると、雑所得の一〇〇%までいかぬという現象が起こりますね。それが起こり得るとするならば、歳費と通信交通費、雑所得を入れた、いまの場合六百万円としますと、六百万円以上の必要経費を計上してこなければ、雑所得の二十万円に対しても全部は落ちぬ、こうなりますか。
#132
○泉説明員 六百万円のときちょうど二十万円で雑所得の収入支出とんとんゼロというふうになります。したがって、それ以下のときは雑所得の収入があるということになります。しかし、これにつきましては、先ほど申し上げましたように、四十一年分の申告のときに問題がありましたし、それから本来、現行税法ではそういった点についての規定が明確でありませんので、今後立法的に解決すべき問題があります。したがって、さしあたりの処理としてこういうことをするわけでございますから、その雑所得の収入があるということで申告をなさっている方につきましても、必要経費を引いた残りがあるわけでありますけれども、それに対して課税をするということはさしあたりしないという措置をいたしております。こういうことでございます。
#133
○永末小委員 理論的に歳費を分母に入れるということは私は少しおかしいと思うのです。最初から歳費をもって政治家活動をしているものではないと認めているわけです。そこから必要経費は計算しないのだからね。つまりそういうことが行なわれるとするならば、たとえば大学の教授がいろいろアルバイトをして文章を書く、講演をする、金をもらう。その場合に、必要経費の換算は、大学教授がつとめておる大学からもらう給与所得が分母になりますよ。そういう計算をしていますか。私はしてないだろうと思う。
#134
○泉説明員 いろいろ論議はおありかと思いますが、たとえば大学教授が外国から図書を購入しましたという場合に、その図書の購入費を必要経費として引く場合に、原稿料の収入だけで按分して引くかと申しますと、そうではない。やはり原稿料の収入を見る場合に、原稿料の必要経費となるものはそのトータルではなくて、その大学教授が講義をするためにその本を使うこともあるわけであります。したがって、大学からの給与の中で見られるべきものもあるということでございます。もちろん、大学教授の学校からの収入に対しましては、これは給与所得としての課税をするわけであります。したがって、図書購入費のトータルを原稿料から引くのでなしに、その割合を見たものだけしか原稿料の収入からは引かない。それを原稿料の所得として課税をします。こういうことでございます。
#135
○永末小委員 その場合には、大学教授の給与所得からは引かないのですね。
#136
○泉説明員 ことばがあれでございますが、給与所得の一部の中にその外国からの図書の購入費を支弁すべき部分がある、したがってその支弁すべき部分は――しかしこれはもう給与所得控除以外に引くわけでありませんから、その部分はしたがって引いてない形になる。そうしてその大学教授の報酬に伴うほうで見るべきものを引いた残りの必要経費を原稿料の収入から引きます。こういうことになるわけであります。
#137
○永末小委員 あなたの言っておられることはわかりました。これは理論的に問題になるから、立法上考えなければならぬ問題だね。
#138
○足立小委員長 大村襄治君。
#139
○大村小委員 配付資料について簡単にお尋ねします。
 九月末の収入額調を拝見しますと、収入歩合は前年度に比べてかなり伸びている。全般としてはそういうふうに見られるわけでありますが、所得税の源泉分を見ますと、わずかでありますけれども前年度よりも収入歩合が低い。これはどういうわけか。予算の見方その他のいろいろの関係もあると思いますが、その辺のお考えを主税局から……。
#140
○細見説明員 源泉所得税の伸びが予想外に低いことは事実でありますが、たとえば利子配当というようなものは七月以降のもので課税しておるわけですから、そういうものの収入は後半に見込まれるわけで、したがいまして、これは一年を平均しておりますから、前半で低くて後半で取り戻すというかっこうの収入構造にことしはなりますので、こういう形になっておるわけであります。
#141
○大村小委員 そういたしますと、源泉のうちで利子配当については時期的の問題がある。それを除く給与関係では、大体この当初予想したようなベースで収入されていると考えてよろしゅうございますか。
#142
○細見説明員 そのとおりでございまして、むしろ私どもはいろいろ新聞などにも出ていますように、年末のボーナスというのはかなり多く出まして、源泉所得税でも若干の増収が期待できると思っております。
#143
○大村小委員 資料についてはこれでけっこうです。
 それからもう一つ関連して伺いますが、四十三年度の予算編成も近づいてきているわけでありますが、政府の税調の審議のスケジュールとか、大体いつごろ答申を出すとか、その辺について主税局としてどうお考えになっておりますか。参考に話せる限り話していただきたいと思います。
#144
○細見説明員 明年度の税制につきまして具体的な審議に入るために、この十日に税制調査会の総会を開きまして、第一回は主計局長から明年度予算編成に伴いますいろいろの問題、歳出問題をお話をしてもらいました。この十七日に今年度の第二回の総会を開きまして、当面明年度に予想される税制上の改正をどういうふうな態度で対処していくかということを総会の場でいろいろ御議論願って、しかし具体案の作成その他は総会できめるというわけにもまいりませんので、例年の例に従いまして、臨時小委員会といったようなものを設けまして、そこで具体案を検討願い、早ければ十二月の二十日ごろに答申を得たいと考えておりますが、これは御案内のように、このあと補正予算の臨時国会もございましょうし、あるいは明年度予算の編成にからんだいろいろな問題もありますので、一応のスケジュールを十二月末ということを予定しておるというわけでございます。
#145
○大村小委員 わかりました。けっこうです。
#146
○平林小委員 ちょっと一言。税制調査会で先ほど議論になりました国会議員の歳費の問題について、何かかなり議論になったんですね。こうした問題について議論するような傾向があるかどうか。結局最近の税の制度の中で、国会議員というのは衆議院に四百何十名、参議院に二百五十名おりまして、それに与えておる歳費というものが一体何ぞやという問題がいま逢着している点だと私は思うのです。この歳費を現在の制度のもとでは給与所得と、こうみなしておるわけですが、政治家の得る所得は給与であるかどうか、この点が私はやはり根本的な検討課題だと見ておるわけです。最近は国会議員だけでなくて、私は正直言いまして、この間も自由職業人の所得について申し上げましたが、自由職業人の得る所得については事業所得としてみなされているものもございますね。そういう意味から考えますと、それとの対比においても、歳費をそのまま給与所得とみなすということが妥当なりやいなやという疑問を持っておるわけです。同時に、最近の傾向からいくと、たとえばこれは一つの例ですが、大学教授のような場合、これはやはり給与所得ですね。しかし、いろいろな面においてそうした知能をしぼってやるような職業は、単純労働と比較いたしまして、かなり高度なものがあると思うのですけれども、これも給与所得とすることが妥当なりやいなやという議論はやはりあると思うのです。いずれにいたしましても、最近の状況から見まして、いずれは理論的に解明しなければならぬ時期に来ている、そう見ているわけです。特に突き当たっている問題は必要経費の問題なんですけれども、政治家には一体必要経費はどれくらい認めるべきかというのもあると思うのです。この間私は映画監督をはじめいろいろな自由職業人についての必要経費についてある程度お尋ねし、私自身も検討はしておるのですけれども、それでは政治家には必要経費というものはどの程度認めるのが妥当なりやいなや。これを政治家でやるとやはりてまえみそということになりますので、しかるべき第三者にその検討をしてもらうというようなことも考えなければならないのじゃないのだろうかということを考えておるわけです。しかし、それかといって、政治家の場合に歳費とか必要経費が何とかという議論だけいたしますと、根本的には政治家が得ているところのいわゆる政治資金ですね、これが国民から見ますと非常に非難の対象になりますし、ガラス張りではないし、いろいろな隠されたことがある。これが政治そのものに対する信頼関係になっていますから、この問題も解明しなければならぬことがあるでしょう。逆にいえば、政治家が当選するために選挙資金というのがありますね、あの選挙にかかる経費、これはどういう位置づけをすべきものかというようなこともありますし、また当選している者と当選しないでこれから議員になりたいという者との比較の議論も出てくるでしょう、いろいろなことが私はこの問題にはあると思うんですよ。しかし、このことはお互い政治家ですから、あまり公式なところではしゃべらぬようなことにしていますけれども、しかしぼっておくべき性質のものではないと思うのです。そこで本来いえば、私はしかるべき第三者機関というものが、これだけ議会で議論になっているのだから、一つの方向というものを検討する動きがあってよさそうなものだなと実は思っておるのですけれども、税制調査会のほうではどうなんですか。
#147
○細見説明員 おっしゃる趣旨は、基本的には政治家の皆さんは政治活動をなさる上にいろいろ経費がかかる、金がかかる。これを一体いまの所得制度、議員の皆さんに対する報酬制度の中でどう考えるべきか。やはり基本的なものとしては、給与所得が相当部分あることは間違いないと思うのですが、議員に対する報酬がそういう給与所得だけでいいものかどうかというふうな議論、これは一つある議論だと思います。しかし、政治家の問題だけをことさら取り上げてあまり公然と申しますか、事情のわからない方々に誤解されるような形で審議するということも適当でないと思います。しかし、おっしゃるように公正な第三者の意見も入れながら、先ほど来問題になっておりますように、政治家に対する課税のあり方はどうあるべきか、あるいは政治家の必要な経費というものをどういうふうに所得計算の上で見ていくのかというようなことにつきまして、基本的に検討しなければならないことだということは考えておりますし、しかるべき機会に政府の税調におきましても、公式、非公式を問わず、何らかの形で意見を問いまして、政府でいずれこの問題の何らかの解決を迫られておるとすれば、その案をきめる前に相談をしたい、かように考えております。
#148
○平林小委員 この問題につきましては、国会の中にもしかるべき担当の機関がありますから、そうしたものの意向も十分尊重しながらやらなければならぬ問題でもありますし、同時にまた、公正な意見を第三者に求めるということも、むしろわれわれ自体が希望するということにならなければいかぬと思うのです。いまのお話を聞きまして、今後いろいろな方向が出てくると私は思いますから、きょうはこれでやめておきます。
#149
○足立小委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十分散会
ソース: 国立国会図書館
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