くにさくロゴ
1967/08/22 第56回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第056回国会 大蔵委員会金融及び証券に関する小委員会 第1号
姉妹サイト
 
1967/08/22 第56回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第056回国会 大蔵委員会金融及び証券に関する小委員会 第1号

#1
第056回国会 大蔵委員会金融及び証券に関する小委員会 第1号
本小委員会は昭和四十二年八月十八日(金曜日)
委員会において、設置することに決した。
八月十九日
 本小委員は委員長の指名で、次の通り選任され
 た。
                奥野 誠亮君
                小峯 柳多君
                笹山茂太郎君
                砂田 重民君
                西岡 武夫君
                村山 達雄君
                毛利 松平君
                山下 元利君
                広沢 賢一君
                堀  昌雄君
                武藤 山治君
                村山 喜一君
                春日 一幸君
                広沢 直樹君
八月十九日
 小峯柳多君が委員長の指名で、小委員長に選任
 された。
―――――――――――――――――――――
昭和四十二年八月二十二日(火曜日)
    午前十時五分開議
 出席小委員
   小委員長 小峯 柳多君
      奥野 誠亮君    河野 洋平君
      藤井 勝志君    広瀬 秀吉君
      堀  昌雄君    武藤 山治君
 小委員外の出席者
        大蔵省銀行局長 澄田  智君
        参  考  人
        (三和銀行頭
        取)      上枝 一雄君
        参  考  人
        (第一銀行頭
        取)     長谷川重三郎君
        専  門  員 抜井 光三君
    ―――――――――――――
八月二十二日
 小委員毛利松平君、山下元利君及び村山喜一君
 同日小委員辞任につき、その補欠として河野洋
 平君、藤井勝志君及び広瀬秀吉君が委員長の指
 名で小委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 金融に関する件
     ――――◇―――――
#2
○小峯小委員長 これより会議を開きます。
 金融に関する件について調査を進めます。
 本日は、参考人として三和銀行頭取の上枝一雄君、第一銀行頭取の長谷川重三郎君の両君が御出席になっております。
 本小委員会では、金融制度及び金融機関のあり方について調査いたしておりますので、両参考人には忌憚のない御意見をお述べいただき、そのあとに質疑を行なうことといたします。
 それでは、まず長谷川参考人からお願い申し上げたいと思います。
#3
○長谷川参考人 ただいま委員長から御指名をいただきました第一銀行の長谷川でございます。本日は、今後の金融制度と金融機関のあり方というテーマで所見を申し述べるようにとのことで参上いたしました。この問題は、本小委員会においてすでに数々の参考人の方々がそれぞれの角度と立場から公述されておられますので、もはや問題点は出尽くしているかとも存じます。
 私の所属いたします第一銀行もいわゆる都市銀行の範疇に入っているわけでございますので、以下私の申し述べますことは、結論におきましては、全銀協の田實会長及び堀田副会長等のおっしゃったこととほとんど重複するであろうかとも思いますが、ただいま委員長からお話がございましたように、私は現在全銀協の理事の一員という比較的フリーな立場でございますので、協会の立場を離れてやや自由に、具体的な事例などを多少加えましてお話をさしていただきたいと存じます。個人的な意見ないしビジョンとしてお聞き取りいただきますれば幸いに存じます。
 お話の順序といたしまして、具体的な問題点に入ります前に、まず金融制度に関しまする私なりの基本的な考え方を申し述べさせていただきます。
 私自身、金融界に所属いたしまして約三十五年に相なりますが、このごろしみじみと感じますことは、金融というものはそれ自体が目的ではなくて、国民経済の中においてその成長発展のための一つの手段と申しますか、何かそういった性格のものとして把握する必要があるということでございます。これは俗に金融が産業を支配いたしますとかいうようなことがよくいわれますが、あるいはその逆に、産業のいうがままに金融が動くという単純な意味だけで申し上げているわけでもございません。金融は国民経済の発展並びに変化に即応すべきものであり、金融制度そのものも国民経済の変化に伴って流動していかなければならない。換言すれば、金融制度は、そのときどきの国民経済の背景を考えずには価値判断の対象とはなり得ないというような意味で申し上げているつもりでございます。
 私どもは、学生時代に、英国の金融制度が非常に完備されたものだと教わった記憶がございますが、英国経済自身の発展は、その後必ずしも順調とは思いません。この事実から見ましても、先刻申し述べましたように、金融そのものが目的ではなく、金融制度自体がどれほど理論的に完備されたように見えましても、ただその事実だけでそれがよい制度だとは言えないと思うのでございまして、広く国民経済的視野のうちに、その成長発展の過程のうちにおいて初めて金融制度の良否が判断され得るのではないかというのが、私なりの基本的な考え方でございます。
 以上を前提といたしますると、まず注目いたすべきことは、わが国の経済には、ここ一両年大きな変化があらわれつつあり、それが個々の金融制度に大きな影響を投げかけつつあるということでございます。現在のわが国の金融制度には、当然それなりの歴史がございます。焦点を戦後にしぼって考えてみましても、御高承のとおり、日本経済は資本蓄積の全くゼロの状態からスタートいたしまして、復興の過程を経て、その後高度成長を遂げて今日に至っておりますが、金融面でも、いわゆる資本の原始的蓄積の皆無から出発いたしまして、この産業の伸展にフォローして、極端なオーバーローンの時期を経過して今日に至っております。この間、金融制度としては、大体終戦直後から昭和三十年ごろまでに順次確立されてきた姿が今日そのまま踏襲されていると申せるでございましょう。ここに、現在の金融制度の中には、すでに過去数カ年間の経済の急変に即応し得ない問題点が発生しているのではないかと考えられる理由がございます。
 さらに、今後の情勢を展望いたしますると、これまで以上のさらに大きな変化が予想されるのでございます。すなわち、それは何と申しましても資本取引の自由化の影響と、国債発行に伴いまする資金の流れの変化とでございます。資本自由化の進むのにつれまして、金融界自体も外国資本との直接、間接の競争関係に立たされます上に、国際競争力強化のために、産業界に低利の資金を供給することが強く要請されるように相なります。と同時に、国債発行によって従来のルートと変わった資金の流れができてきておりますが、そのうちで資金を需要度の高い方面へ安定した供給を確保する仕組みが絶対に必要となってまいります。
 これを要しまするに、これまでの経済の発展の流れと、今日当面している課題とをからみ合わせて考えてみまするに、金融制度につきましても、またそれぞれの金融機関の合理化の努力につきましても、どうやら新しい観点から根本的再検討を加えるべき時期に今日立ち至っていると思う次第でございます。
 以上の見地から個々の金融制度を考えてみますると、問題点は決して少なくはございません。
 まず第一に、長期金融について申し上げてみたいと存じます。戦後の日本経済は、設備壊滅の時代からスタートをいたしましたため、設備資金はこれを長期金融にたよらざるを得ず、資金不足の情勢下にあって長期資金を確保するし、ここに長期金融機関の大きな存在理由と重要性とがあったと存じます。ところが、経済の飛躍的な拡大につれまして、企業側の充実もまた目ざましく、バランスシートの上に設備増加と両建て的に長期資金借り入れという勘定科目を記載しないで済むような状態にまで、一部巨大企業は今日立ち至っているのではないかと存ぜられます。
 試みに、この十年間の大企業の設備資金の調達のうち、一年間のそれぞれの企業の設備投資を分母といたしまして、これに対し減価償却と内部留保の和を分子としてその比率を考えてみますと、Aという製鉄会社は三十一年度にそれが八二%、三十五年度には六〇%まで低下して、要するに、四〇%は長期資金として借りておったということです。四十一年度にはそれが一〇六%に上昇しております。またBという自動車会社は、三十一年度に一〇一%から三十五年度には五八%と半減、四十一年度には一〇六%と回復いたしております。またCという化繊会社は三十一年度の五四%から三十五年度には七二%、四十一年度には実に一六八%へと上昇いたしております。つまり、設備の償却、内部留保の範囲内でかなり大きな設備投資が今日では実施できるわけでございます。もちろん、お金に色はつけられないわけでございますから、設備投資の増大の過程において、金融機関からの借り入れ増の形は生じ得るでございましょうが、これが形式的に長期借り入れという姿をきちっととらなければならない必要性が産業界の側において減少しつつあるというのが、昨今の現実ではないかと考えられます。
 以上は、都市を中心といたしましたいわゆる大企業についてのことでございますが、地方経済につきましても何らかの変化があらわれてきたし、また今後あらわれようとしているように思われます。これが第二の問題点かと存じます。すなわち、一県一行を中心といたしました金融制度は、戦争中からの連続ではございましょうが、地域経済の広域化ということは、経済の発展に伴う自然の成り行きでございまして、人口の都市集中あるいは新産業都市の発達とからんで、いわゆる地方の開発金融の問題は、今後は国民経済発展の一部として全国的規模において考えられるべきであり、このことは当然に従来の一県一行的な金融制度自身にも、少なからぬ変化を及ぼすものではないかと存ずる次第でございます。
 第三に、外国為替金融について申し上げます。現在、外国為替金融につきましては外国為替銀行法がございまして、この法律によっていわゆる外国為替専門銀行は貸し出しその他の業務に種々な制限を受けておるわけでございまして、この取り扱いにはもちろん歴史的な意味があるとは存じますが、現状において銀行業務の中から外国為替業務だけを分離抽象して金融の対象とするという考え方は、その背景の変化がいささか急激であり、そこに多少の無理が出てまいりつつあるように感ぜられるのでございます。と申しまするのは、わが国の産業構造は近年とみに重化学工業化されまして、その製品の輸出が今後の日本経済のにない手だと目されておるわけでありますし、輸出事務がこうした大メーカー自身の手によって取り運ばれる傾向も生じてきておると存ぜられます。
 具体的に申しますと、Aという自動車会社は輸出額の約九〇%が商社の手を経ずに、いわゆるメーカー輸出の形態をとっておるようであります。二、三の電機メーカーはほとんどが直接輸出となっておるようでございます。またBという造船会社におきましては、世界各地に出張所を設置して、輸出の引き合いにも応じておるような状態で、このような各メーカーはそれぞれ主取引銀行を持っております。そういたしますると、輸出部門のみを抽出して、それを外国為替専門銀行で取り扱うという考え方の背景がかなり変化してきているのではないかとも思われるのであります。
 第四に、中小企業に関する金融制度についてでありますが、この問題に関しては金融制度調査会においてすでに議論が相当進んでおるように伺っておりますが、これも今後の国民経済の変化、ことに流通段階の革新的変化を予想いたしまして、単なる救済金融的な角度でなく、もっと前向きの問題として見直さるべき時期にきており、これに対処する金融制度上の改革が望まれるのではないかと存じます。
 以上、最近のわが国の経済にあらわれつつある構造上の変化と、それに伴うべき金融制度再編成上の問題点をるる申し述べてまいりましたが、しからば、その合理化ないし再編成の方向はいかなる方向かというのが次の問題かと存じます。
 先ほど、今後自由化の進展に伴いまして金融制度の再編成がやむを得ないのではないかと申し上げましたが、欧米先進国の実例から見ましても、現在のわが国金融制度が複雑過ぎるということは事実のようでございます。
 蛇足かとも存じますが、御参考までに民間金融機関に限って概略を申し述べてみますと、米国においては百貨店経営といわれる雑多な業務を兼ねた商業銀行を中心に、相互貯蓄銀行、貯蓄貸付組合、それに消費者金融機関が補完的役割りをつとめているようでございまして、英国の制度もこれに近いように思われます。西独は兼営主義といわれるだけあって、商業銀行が証券業務をもあわせ営んでおり、いずれにいたしましても、わが国のように商業銀行、信託銀行、外国為替専門銀行、長期信用銀行、相互銀行、信用金庫、信用組合、農業協同組合、さらに証券会社と業務分野をそれぞれ画然と法制的に分けている複雑な姿は、いわゆる先進国には類を見ないかとも存じます。カリフォルニア州よりも狭い国土に、これだけの多岐にわたる金融機関が合計千二百以上存在し、それぞれ支店を持って経営しているということは、それ自体考慮の余地のある問題かとも存ぜられます。と同時に、前述のように、わが国経済の急発展に伴って民間金融機関それぞれの特殊性が薄れ、いわゆる業務内容の同質化の傾向が出てまいりました今日、この時代の要請に応じて金融制度全体にわたって再検討を加え、再編成並びに金融法規の改変もこの辺で取り上げるべきではないかと存じておる次第でございます。このことはすでに田實会長、堀田副会長のお話にも出ておりますが、私といたしましても全く同意見でございまして、ロングランの問題としては、民間金融機関の同質化がやはり世界的な傾向であり、またわが国経済の時代的要請であると、都市銀行の側からこう申すと、どうも我田引水のようにも聞こえるのでございますが、私はもっと純粋な意味において今日の社会的要求に沿っていると信じておるのでございます。しかしながらその反面、現実問題として、現在の専門銀行がそれぞれ果たす役割りは一時に比して変化しつつあるとは申せ、まだまだ大きなものがあると存じます。先般も中山興銀頭取からこの席でお話があったように伺いますが、たとえば十年を期限とするような本格的な長期金融が、今後社会開発の方面なり中小企業の整備なりに所要される場合も多々あることと存ぜられます。これらを対象として、従来と多少型の変わった長期資金吸収の方法が次第にできていくであろうことは想像にかたくはございません。
 以上、要しますに、これまでに私の申し述べました金融再編成の方向は、いわば理論的に考えられる基本的路線でございますので、これが実行にあたりましては、十分な準備と慎重さが当然肝要であろうかと存じます。
 何と申しましても、現在の金融制度ないし金融機関には、歴史的な社会的な背景がそれぞれに結びついているのでございます。たとえば私の所属いたす第一銀行にいたしましても、すでに百年近い歴史を持っておりますし、また現在都市銀行中、支店数は少ないほうではございますが、なお約二百万口の口座の取引先を持っております。そして、私どもその経営の立場にある者といたしましては、それらの取引先とともに、株主、従業員に対しても重大な責務を負っているわけでございます。したがって、このような金融機関の再編成、たとえば合併という方法は最も簡明率直な合理化の形式とは存じますが、そういった変革にあたりましては、前、申し上げた社会的な影響を十分に考慮して問題を取り運ぶべきことは当然であろうかとも存じます。その意味で、今後金融制度調査会等、専門の場において各界の英知を集めて審議がなされますことを期待いたしておるのでございます。私なりの私見といたしましても、この際の措置として必要なことは、法制上あるいは行政面におきまして、異種金融機関相互間のかきねを取りはずすことをまず考えておくことがより実際的ではないかと考えておる次第でございます。
 先刻、合併の問題に少し触れましたが、わが国の金融機関の数の多過ぎる現状から見ましても、また合併は最も効果のあり得る金融機関のコスト引き下げの手段と考えられる点から考えましても、私ども当事者としては個人的な利害を度外視して、将来この問題に前向きに取り組むべきものと私は常々考えております。当局とされましては、異種、同種を問わず、合併を妨げている法規、環境を漸次改変して、金融機関同士の自主的な判断によって合併の時期を選択できるような素地をこの際つくっていただきたいものと存じます。合併の最終責任は、申すまでもなく当該金融機関にございまして、合併のタイミングは経営当事者の決定によるべきものでありますが、私は自分自身の経験から、合併は少なくとも金融逼迫期に行なわるべきものではないと考えております。
 この点、話がやや横道にそれるかとも存じますが、戦争中、第一銀行は三井銀行と合併し、帝国銀行となっておりました。終戦後間もなく、帝国銀行は二分割し、私どもは再び第一銀行に戻った経緯がございました。ここ数年前、米国で大銀行同士の合併が盛んに行なわれたのは御承知のとおりでございますが、必ずしも全部が全部、いつもうまくいっているわけではないようでございます。二年ほど前に、ある米国の銀行家が私に、多少冗談にではございましょうが、君のほうは銀行分離の経験があるようだが、やり方を教えてくれと言ったことがございます。帝国銀行の分離を内輪のつとめ人的な小ぜり合いの結果だというふうに誤解されている向きもございましたが、私は当時その中にいた人間として考えてみますのに、そうした面が全然なかったとは思いませんが、単にそればかりが原因であったとは考えません。と申しますのは、当時の金融情勢はいわゆるドッジ・ライン下という特殊な状況にありまして、御承知のとおり極端な金詰まりの様相を呈しておりました。一方、三井銀行にいたしましても、第一銀行にしても、それぞれ古い固有の取引先を持っておりまして、帝国銀行という屋根の中での資金の配分がはなはだむずかしくなってまいりました。そこで、当時の頭取であられた佐藤喜一郎氏は、このような事情をよく洞察されて、むしろ分離したほうがよいという決断を固められたものと私は考えております。したがって、帝国銀行の分離は、取引先を大事にするという銀行員のいわば本能によって行なわれたと私なりに解釈いたしております。また先刻お話し申し上げました、米国の銀行家が私に冗談を申した時期も、考えてみますれば、米国としては未曽有のタイトマネーの時期であったように思われますし、ともかく合併というような大事な問題はタイミングのとり方がきわめて重要なことと思われる次第でございます。
 いずれにいたしましても、先刻申し述べましたように、わが国の金融機関の数が多過ぎるという単純な事実から考えても、あるいは現下の金融機構再編成の論理から考えましても、銀行の合併は今後におけるわが国金融界最大の問題であろうかと存じます。そして、それが自由化を控えての産業界からの金融コスト引き下げの要請に対し、最も端的にこたえる方法でもあり、また先進国並みに規模の大きくなるわが国の各企業に対し、安定した資金供給を確保する唯一の道かとも思われます。ただ、そうした合併を考える場合に、その目的が、従来ある場合に考えられていたような一つの銀行のシェアの拡大でございますとか、あるいは特定の企業集団の利益のためとかいう単純なものであってはならないと存じます。合併は今後いわゆる異種、同種間、あるいは大小種々の組み合わせによって行なわれることが想定されまするが、その場合、どちらがどちらを合併したということでなく、もっと高い次元に立っての合併の構想が前提にほしいものと存じます。すなわち、世界的規模に成長いたしまする日本の企業をバックアップして、先進国並みに向上した国民生活にサービスできる、より高いレベルの金融機関を新しくつくり上げるという理念を持った合併こそが望まれるのでございます。
 以上、金融機構の再編成、あるいは金融機関の合併等を通じて、金融のコストを引き下げるという金融界としては多少大げさな問題について申し述べてまいりました。
 最後に、しからば現状の金融機関内部でさらにコストダウンの余地はないかという小規模の問題について、少しく事務的にわたりまするが、意見を申し述べさしていただきます。
 銀行界は、近年機械化等の導入により、すでにコストダウンについてはかなりの努力をいたしてきたと思うのでございますが、今後さらにこれを進める余地ありやと聞かれれば、結論的に申して、私は現機構のもとにおきましても、各行間のくふうと協調を重ねれば、まだコスト引き下げの方法はあると考えております。
 第一に、銀行の経費率でございますが、これは先日田實全銀協会長がこの席で申し述べられたとおり、米国のそれに比べると大体同様となっております。経費は、当然のことながら物件費と人件費とから成り立っておりますが、物件費の節約につきましては、各銀行とも真剣に努力はいたしておりますものの、どうやら限界に近づきつつあるようでございます。人件費につきましては、各行従業員の賃金も当然国民の所得水準にフォローしなければならないといたしましても、なお次のような点に問題があろうかと思います。
 具体例について申しますと、私が銀行に入りました昭和初期は、金融恐慌のあととて、コストダウンについてきわめてシリアスな時期でございましたが、当時、得意先係とか業務係とかいう名前で取引先の訪問を主として担当していた行員は、都市銀行において、大体同じでございますが、男子従業員のうち六%ないし七%でございました。いわゆる集金は一切いたさないことになっております。それが現在では約二五ないし三〇%にも及んでおります。これは一面では国民の貯蓄性向を高めるというメリットもあるとは思うのでありますが、過当競争のそしりは免れないとともに、銀行の資金コストという点に関し、やはり問題の余地があるかとも存ぜられます。
 第二には、先般地銀協会で新しい機械を採用することによって、相互の通信網の整備をはかるとか、あるいは都市銀行間で夜間交換の新制度を開始するとか、いろいろ銀行間の協力によって得られる事務の効率向上の問題でございます。どのように銀行間の協調態勢が進められれば事務的にお互いにコストダウンを行ない得るか、これも第一の問題とともに、掘り下げていけば今後相当の効果を期待できるのではないかと考えております。
 第三に、手数料の問題がございます。手数料は銀行のサービス業務の対価といたしまして、当然にお客さんからちょうだいいたすべきものでございますが、あるいは銀行間の過当競争により、あるいは相手方が公共の立場にあるゆえをもって、徴求をいたさない場合が相当にございます。過日、全銀協より大蔵省あてに、国庫金口座振りかえの手数料支払いを要望いたしたのでございます。要するに銀行はなすべきサービスはこれをいたし、いただくべき手数料はこれをいただくということによって、合理的に貸し出し金利の引き下げの努力をはかることが肝要であろうと思うのであります。
 以上、こまかいことを申し上げ過ぎたかと存じますが、貸し出し金利の引き下げに関連し、ここで一言申し述べさせていただきたいことがございます。それは、金利政策と貸し出し利息引き下げとの関係でございます。産業界に供給する資金の利率低減につきましては、金融機関のコストダウンが必要であることは確かでございますが、それと金利政策とを混同してはならないという点でございます。金利機能というのは最も間接的な、ある意味では最も賢明な国民経済運営上の、いわば生活の知恵とでも申すべきものと考えられます。したがいまして、この金利政策とコスト引き下げとを単純に混同してはならない。これは全く別の観点から価値判断の行なわれるべき問題かと存じております。
 以上、長々と申し述べましたが、これをもちまして私の公述を一応終わらせていただきたいと存じます。御清聴まことにありがとう存じました。
#4
○小峯小委員長 ありがとうございました。
 続いて上枝三和銀行頭取から御意見を承りたいと存じます。
#5
○上枝参考人 ただいま御指名をいただきました上枝でございます。
 きょうは、今後の金融制度と金融機関のあり方について所見を述べるようにということでございます。そこで金融業務に携わっております実務家の立場から、常日ごろ感じておりますことの一端を率直に申し述べさせていただきます。
 今日のわが国の金融制度及び各種金融業務の分野は、総じて昭和二十七、八年ごろまでに将来のことを展望しながら整えられたものでございますが、その後十数年を経ました現在、振り返ってみますと、これは不本意ではございまするが、経済の急激な構造変化に押し流されまして、あるいは一貫性を貫き得なかった点もあるかと思われます。金融機関の姿も業務分野の実態も、制度制定の当初の意図、理想とはかなり異なった面も出てきております。
 ところで、これからも経済社会が非常に早いテンポで進歩を遂げていくわけでありますから、このようなことがないように、十年先、十五年先のことを考えまして、しっかりしたビジョンをもって、それに向かって金融制度なり金融機関のあり方を十分検討しておかなければならないと思います。で、この場合忘れてはならないことは、金融の問題は根本的にはその根底にある資本蓄積の問題を解決しなければ解決したことにはならないし、さらにまた、民間部門と公共部門のバランスも考慮に入れる必要があるかと思います。
 わが国の資本蓄積の度合いは、たとえば一人当たりの個人金融資産の蓄積で見ましても、アメリカなどに比べまして大きな隔たりがあります。したがいまして、あるべき金融の理想構造として、かりに今日のアメリカの姿を頭に描きます場合に、――おそらく私もそうなる可能性はあると思いまするが、このような基本的条件の違いを十分に認識しておくことが肝要でありまするし、また現実の金融制度の望ましい姿として、一足飛びに将来のビジョンと結びつけるということには問題もあるように思います。
 そこで、われわれのとるべき態度はどうかと申しますると、将来の経済社会が金融に期待するものは一体何かということをしっかり見きわめまして、それにこたえるための金融制度、金融機関のあり方を衆知を集めて検討し、地道に、しかも漸進的に完成していくことではないか、このように存じます。
 私は、今後の日本経済の方向に照らしまして、金融界に要請される事柄は、まず第一に、産業界の国際競争力を強化するために協力すること、端的にいえば、低利、安定資金の供給であると考えます。貿易、資本の自由化が本格化するに伴いまして、産業界がきびしい合理化をやり遂げなければならない今日、この要請には何としてもこたえなければならないと思います。
 第二には、中小企業、流通部門の近代化、さらにまた都市化など経済構造の変化に伴う金融面への要請があります。今日の経済の状況から見まして、これからは生産部門よりは流通部門、大企業よりは中小企業の合理化がより一そう重要となりましょうが、このような趨勢は、当然金融に対しまして大きな変化を要請しております。
 さらに第三番目には、所得革命という大変化に伴う要請であります。生産と消費とのバランス、産業界の水準と国民生活水準との均衡ということを考えますると、今後金融はもっともっと国民大衆の中に入り込まねばならないと思います。
 それでは、以上のような国民経済の要請にこたえるため、金融機関、金融制度はどうあるべきか、それにつきまして私の考えを申し上げます。
 まず第一に、経営の合理化を徹底することであります。すなわち、資金の質と金融機関の内容を充実しまして、低利、安定資金の供給ができるようにするということであります。昭和三十年代は成長に必要な資金の供給という量の確保が第一の責務であったのでありますが、四十年代になりますと、それとともにさらに質を重視するという、基本的に異なった態度を堅持しなければならないと思います。
 ところで、わが国の都市銀行の資金コストは、人件費、物件費などのいわゆる経費率は、アメリカの銀行と比較して遜色がありません。ただ、総原価で見ますると、預金利子や預金構成などの相違から約一%程度割り高になっております。これを是正するためには、たとえば小切手の普及によって支払い方法を近代化して、預金構成をまず改善すること、これもやっていかなければなりません。しかし、それよりもわれわれ自身が経費を切り詰めるために、自分の銀行内はもとよりでありますが、銀行業界、金融界全体としまして協力してやらなければならぬ合理化の道はまだたくさんあると考えます。今後とも努力を重ねてまいりたいと存じます。
 第二番目には、このような経営の合理化を促進するためには、適正な競争が十分行なわれるように環境の整備をすることが必要であると思います。有効適正な競争が経営の合理化を促進することは、金融機関の場合も産業界と同じであります。もっとも金融業は資金という同じ商品を取り扱いますので、個々の銀行がその特性を発揮するのにはなみなみならぬ苦心が必要でありましょう。また、公共性の強い仕事でありますから、競争にもおのずから節度が大切であるのは申すまでもありません。競争と協調とをじょうずに組み合わせまして、社会の要望にこたえるべきであると存じます。
 ところで、最近金融界も開放時代の競争に備えまして、合併や提携を進めてはどうかという声があがっております。ただ、現在の法制が窮屈過ぎるというのであれば、その道を開くという意味で改めておかれるということは非常にけっこうかと存じます。ただ地域社会との関係もございますし、それぞれの金融機関には歴史もあり伝統もありまするし、それに得意先との関係もございますので、これは口で言うほどやさしいことではないと存じます。私の考えでは合併もお客さま本位に考えることでありまして、いたずらに威勢を張るためとか、強者が弱者を併呑するごときであってはならないと存じます。
 次に申し上げたいことは、経済構造の変化に伴いまして、金融に対する要請もおのずから変化があるということであります。
 その第一は、大企業のみならず中堅、中小企業、流通部門あるいは都市再開発といったような分野からも、今後従来以上に金融機関、特に都市銀行に注文が多くなってまいるものと存じます。また、情報、知識産業からの需要もいろいろ起こってまいりましょう。その上、個人生活と関連のある部門に対しましても、新しいサービスを開発しまして、生活水準の向上に協力いたすべきでありましょう。
 都市銀行は、資金量におきましても、知名度におきましても、また長年つちかわれました行員の資質にいたしましても、国民経済の中で相当なウエートを持っておるものと信じております。この力を総合的に十分に発揮いたしまして、新しいサービス、新しい商品をつくり出しまして、経済界及び国民大衆に利用していただくことは、われわれの社会的責任であると存じます。
 戦後、各国とも、いわゆる商業銀行の他位が相対的に低下しておりまするのは、このような経済社会の新しい要望をいち早くキャッチし得なかったためか、あるいはそうすることを困難にした事情があったためでありましょう。これは大いに反省すべき点であります。
 最近になりまして、各国とも、商業銀行が新しい仕事を開発し、中期、あるいは農業、消費と各方面に進出しつつあることは御承知のとおりであります。外国の例がそのまま当てはまることではございませんが、時代と社会の要請に即した方向で新しいものを創造することこそ自由経済の妙味といえましょう。金融制度も、また行政も、これが実現しやすいように配慮されますことをお願いいたしたいと存じます。
 それでは、いわゆる専門金融機関の必要性はもうなくなったのかと申しますると、私は現在の段階ではそうではないと思います。たとえば中小企業金融機関について見ますると、中小企業の分野では、これから労働力不足が本格化してまいりまするし、後進国の工業化も進展することでもありまするので、その近代化促進のために中小企業金融機関の必要性は一段と高まっております。具体的に中小企業金融機関のあり方をどうするかという点につきましては、すでに金融制度調査会で御検討いただいておりまするので、その御意見を尊重していくべきだと存じます。すでに量的にも質的にも成長しまして、現在の衣では間に合わなくなっておる金融機関は、早く脱皮して、新しい衣のもとで御活躍願うと同時に、これまでどおり専門のワク内にとどまっていかれる機関には助長策を講ずべきものと存じます。たとえば、現状では中小企業向け貸し出しは相対的に危険度の高いものでございまするので、税法上中小企業向け貸し出しに対する貸し倒れ準備金の積み立てを思い切って高率にするなどというようなことをするならば、金融機関のほうももっと中小企業金融に熱意を示すことになるものと思われます。御一考をわずらわしたいと存じます。
 次に、長期金融機関について触れますると、昭和三十年代と四十年代とでは長期金融のあり方に変化があるのは当然のことであります。三十年代が技術、生産規模の水準引き上げのために設備資金を供給することが中心の仕事であった時代といたしますならば、四十年代は、開放体制下の効率競争に勝つために設備あるいは流通を合理化する資金や、さらにまた社会開発のための資金を必要とする時代であります。そこで、長期金融機関は、本来の長期信用、少なくとも十年以上の資金を、低利に安定的に供給する体制を整えるべきであると存じます。
 ところで、現在長期信用銀行が主要な資金源としておりまする金融債の消化が困難であるという問題があります。
 当面の方策といたしましては、資金運用部による消化とかあるいは日本銀行のマーケットオペレーションの対象にするといったことが考えられまするが、基本的方向といたしましては、やはりこれは国民大衆による消化ということをもっともっと考えるべきではないかと思います。
 なお、これに関連いたしまして一言申し上げますならば、国債につきましても個人消化を積極的に推し進めていくべきではないかと考えます。券面金額の小口化あるいは期間、金利の多様化をはかる一方、消化方法につきましても郵便局の窓口を通じて売るということをぜひ御検討願いたいと存じます。このような個人消化の促進こそが公社債市場育成の近道ではないかと私は考えます。
 最後に、一言つけ加えさせていただきますると、金融制度も金融機関も、ともに社会正義に合致することを理想とすべきものでありまして、権力あるいは力のあるものの優位性を助長することだけが目的になってはならないと思います。まじめに努力しているものはそれにふさわしい知恵と資金が得られるべきでありまして、こういうふうになりますならば、経済界の競争は適正に行なわれ、効率は向上し、日本経済はダイナミックな発展を遂げるに違いないものと信ずる次第であります。
 御清聴を感謝いたします。
#6
○小峯小委員長 ありがとうございました。
    ―――――――――――――
#7
○小峯小委員長 それでは、これから質疑に入ります。
 通告がありますので、順次これを許します。奥野誠亮君。
#8
○奥野小委員 ちょっと用事を持っていますので、先に一言だけお尋ねさしていただきたいと思います。
 ただいまお二人のお話を伺っておりましても、今後の金融機関の役割りとして、産業界に低利の安定した資金を供給していかなければならない、その使命を果たしていくためには、基本的にはやはり金融機関を強固なものにするために合併の問題が大切なことだというふうに伺ったわけでございます。その際には、異種金融機関の合併も必要だろうし、大小さまざまな問題もあわせて考えてしかるべきではないかというふうな御意見も伺ったわけでございます。そういうふうな環境を整えていくという意味においても、公正な金融機関相互の競争を刺激していくということを当然やってしかるべきではないか、こう思うわけでございます。しかし、それがあまりに激しくなると、上枝さんが指摘されましたように、弱肉強食をあまり強くすることもいかがなものだろうかというお話ももっともなことだろうと思います。しかしながら、公正な金融機関の競争を刺激していくということになりますと、どうしても預金者の保護の道を講じておかなければならない。預金者保護の道を講じておかないと、どうしても金融機関の保護のほうに重点が置かれてしまう。従来そういうきらいがあったのじゃないかと私は思うのですけれども、おっしゃるようなことを考えていきますと、公正な競争を刺激してしかるべきではないか。それを可能にするためには、あわせて預金者保護の道についてもいろいろなくふうをこらしておかなければならないのじゃないか、こう思うのですけれども、これらの点について御意見を伺わなかったのですが、何かお考えがあればあわせてお教えをいただいておきたいと思います。
 なおもう一つ、公正な競争を刺激するためには、やはり堅実な金融機関であるかないか、それが大衆にある程度のみ込めるようになっていってしかるべきである、こう思うわけでございますが、そういう具体的なあらわれが配当率などに出てくると思うのですけれども、現在の金融機関の姿から見ると、過小資本であるし、オーバーローンの今日、配当の若干の増額くらいのことはたいしたことじゃないのだというようなところから、銀行局長はさしあたり統一経理基準を設けていきたいんだ、こういうことを言っておられるわけでございます。これは銀行協会内部においても、いろいろ話し合いで進めていける性格のものでもあろうと思うのですけれども、やはりある程度金融機関の実態が公表利益等に反映されるようにならないものだろうかという感じもするわけですけれども、こういう統一経理基準の問題についてどういうお考えを持っておられるか、どういうふうな話し合いの態度をとっておられるか、そういうことにもお触れいただければしあわせだ、かように考えるわけであります。
#9
○上枝参考人 いろいろ多方面にわたる御質問で、ちょっと私から御回答が漏れるようなことがございましたら、あとでもう一ぺんお答えいたしたいと思います。
 日本の金融機関の数が多過ぎるということは、これは先ほど来御指摘があったとおりでございまして、どうしてもこれは数を減らすということも必要だろうと思います。しかし、それじゃどこを減らしたらいいのかということになりますと、これはいろいろ立場立場で意見の相違があると私は思います。何と申しましても、戦後ここまでくる過程におきまして、一番店舗がたくさんふえた金融機関、あるいは従業員が非常にふえた、こういうものから見ましても、中小金融機関が非常にふえたということは、これは事実だと思います。これは都市銀行と比較した場合にすぐに出てくるわけであります。金融制度調査会におきまして、まずこの中小金融機関をお取り上げになったということは、そういう意味では当を得た調査のあり方ではないか。と申しまして、それでは地方銀行あるいは都市銀行でどうかということになりますと、これまた、私は程度の問題になると思いまするけれども、ある程度合併統合があるほうが効率的であるということは、先刻も申し上げたとおりでございまするが、しかし、これはどの分野をとってみましても、現在日本でいろいろ共通した社会各方面に指摘されるようなことから申しますると、一つの企業というものには、それぞれやはり大きなビジョンをもたらすような経営になっておるわけです。特に都市銀行といい、地方銀行といい、これが合併ということがそう私は簡単に行なわれるものではないと思います。これは口では言えることでございます。また将来のビジョンとかあるいは今後の金融機関のあり方、あるいは制度を考える場合には、当然これはそう言わなくちゃいけないのでございまするけれども、現実はそういうことではないと思う。何ぶんたくさんの従業員がこれに付属しておるわけでございまして、一つ一つの銀行が競争という場において自己を主張し、自己を拡大していくということについて非常な熱意を持っておる。日本の高度成長というのは、やはり各方面にこういうことがあったから成長したのじゃないかと私は思います。したがいまして、この合併という問題になりますると、そういう点でも私は合併は非常に賛成なのでありまするけれども、その難易の問題になりますると、非常にむずかしいことがある。さしあたりのところは、いま金融制度調査会において御審議になつておるようであります。またその順序から申しましても、中小金融機関からということになっておりまするので、私はこの結論を待って順次整備していくほうがいいと思う。もちろんそれ以外に、各分野分野におきまして自主的に合併ができるということは、非常にこれは望ましいことでございます。これは大いに各方面で御協力なり援助していただいて、実が結ぶようにやっていけたらこれにこしたことはない。
 それから、預金者保護について質問があったのでございます。金融制度とかあるいは金融機関のあり方について、いままでいろいろな御議論があったのでございまするが、その中で資金放出面につきましてはずいぶん議論が微細にわたって行なわれておるのでございまするけれども、預金者ということについて――預金者保護という一般論は、これは御議論ございましたけれども、重点の置き方で、お客さまという立場の預金者についてあまり精密にわたって御議論が出ていなかったように思います。そういう意味の預金者保護、要するに善意の預金者をどうして保護していくかということは、非常にこれは大切なことじゃないかと思います。保険制度の問題は、今後さらにこれは御検討になられると思いますけれども、この問題は、銀行協会におきましても、すでにある程度議論が行なわれておりまして、私はその結論とあまり違った意見でもないのでございまするけれども、先ほど申し上げました、どうしても現在の金融機関といたしましたならば、低利で安定した資金をまず供給しなければいけないという至上命令から申しまして、これはそう大きなコストになるとは私は思いませんけれども、やはり資金コストが上がるような意味の預金保険制度というものは、供給の必要のある金融機関から申しますると、かなりこれは苦しくなってくる、こういうことが言えると思います。これは預金保険制度でやるかあるいは大蔵省の厳重な監督制によってこの実をあげていくかということは、これは今後大きな問題ではないかと思います。いまのところ、私は、現在のような段階であれば、まだもう少し様子を見た上のほうがいいんじゃないか、あんまり早目にこれをやりますと、やはりこの恩恵を受けるほうの金融機関が、安易な経営に走りはしないかということも一つの心配になる点じゃないか。それとどうしましてもコストが上がってくるというこの二点で、もう少し様子を見たらどうか、このように考えております。
 それから、配当金の問題でございまするが、この問題は経理基準の問題とあわせてお答えいたしたいと思います。
 私は、基本的には経理基準というものは反対ではないのでございますけれども、この問題は各金融機関に影響するところが非常に大きゅうございますので、協会のほうではまだ結論というところまではいっていないのであります。したがいまして、むろんこれは私個人の意見としてお聞き流しいただきたいのでありますけれども、逆粉飾の問題、これは従来の銀行行政というものが、銀行というものは特別にやはり信用を対象にした機関でございまするから、できるだけ内容を整備しておかなければいけないということから、未収利息の問題にいたしましても、なるべく銀行の内部留保がふえるようにふえるようにという政策をとっておられたことは、御承知のとおりであります。それから、利益が少し出過ぎた場合に、あるいは有税で積んでいくとかいうようなことも、実はある程度、これはあったわけでございます。しかし、考えてみますると、こういう点につきましては、むろんガラス張りでちゃんとやるべきだという御議論、これは当然だと思いますので、そういう趣旨は私は賛成でございます。
 ただ一つ、ここで申し上げておきたいことは、やはり銀行でございますから、配当につきましてはある一つの制約があるのじゃないか。配当を自由にして、やり方によっては高率配当ができるようなやり方もあると思うのでございますが、そのやり方が利益のみに走って、世間にこたえなくちゃいけない、いまの低利、安定した資金供給のほうに何かマイナスが出る、こういうようなことがあってはならないと私は思います。したがいまして、配当の自由化につきましては、御趣旨はけっこうでございますが、そういう点もよく考慮して、そして自粛自戒しながらやっていくという条件がつかないと、むやみやたらにこの配当を自由にするということはいかがなものかと、このように考えております。
#10
○小峯小委員長 長谷川参考人、何か補足することがありましたら……。
#11
○長谷川参考人 ただいま上枝参考人からお答え申し上げたとおりでございます。その最後の経理基準の問題につきまして、一言つけ加えさせていただきたいと思います。
 現在の銀行協会の中で、御承知のとおり全銀協はいま田實さんが会長、堀田さんが副会長、東京の銀行協会におきまして私どもと、それから興銀の中山さんが副会長というかっこうになっております。この問題はかなり事務的な問題が多いものでございますから、あまり大ぜいの席でいきなり議論が始まってしまうと、なかなかめんどうになります。さしあたりその四行の事務担当者が集まりまして、銀行局のほうといろいろ問題を詰めている最中でございます。結論的に申しまして、これはまことにごもっともなお話でもありますし、全体の空気といたしまして、その統一経理基準の方向へ向かうということはもう意見が大体一致しているように私は聞き及んでおります。それで九月からでも問題に具体的に取り組みたい――その前にもちろん銀行協会全員の賛同を得てのことでございますが、そういう方向に向かっているということを御承知いただいてよろしいのじゃないかと思います。ただ、現在問題になっている点は、これを九月から、いま大蔵省といろいろお打ち合わせして始まるにいたしましても、急に来年の三月まで全部そういう形に持っていくということはなかなか困難なことであります。猶予期間と申しますか、経過規定として三年くらいのことを考えてやっていただきたいというお考えが一つ各方面から出てきているように伺っております。
 もう一つ、銀行協会は御承知のとおり普通銀行だけで成り立っております。普通銀行と申しましても、都市銀行、地方銀行、合計で八十幾つ、したがいましてその最大公約数で答えを出すわけでございますから、なかなか問題がむずかしくなりますが、結局地方銀行のうちには、統一経理基準をかりに施行するにいたしましても、そのことの基本には御反対はないようでございますが、それがやはり相互銀行なり信用金庫なり、お隣におありになる金融機関も同じような基準でやってもらいたいという御希望があるように伺っております。それもまあごもっともなことだ。そのほかにこまかい事務問題が非常にあるようでございます。
 それから最後に、配当の問題でございますが、これは大体皆さんの最大公約数におきまして、もちろん現在の状態において配当の額はそうたいした金額ではそれぞれの金融機関としてないようでございますが、公共機関でもございますし、配当と申しますのは信用の一つの尺度で、一つの銀行だけが落とすということは、その従業員並びに経営者として非常にやりにくいことでございます。配当は大体同じでいくということを基本にいたしまして、その配当に対する準備金的な考え方が現在の制度に盛られていないので、そういう点もつけ加えて考慮していただきたい。いろいろ事務的な問題が出ているように伺っておりますが、結論として、前向きにこの問題と取り組んで、全銀協の一般委員会に取り上げて、順次運んでいくという形になるように聞いております。
 ちょっとつけ加えさしていただきます。
#12
○小峯小委員長 堀昌雄君。
#13
○堀小委員 この前から参考人の皆さんにいろいろおいでをいただきまして、かなりお話を承りました。きょうは少し角度を変えまして、ともかくこれまでに、同質化が必要である、再編成が必要であるという原則的なお答えはちょうだいをいたしておるわけでございますが、その中では、最近の資金の偏在の問題、国債発行に関する問題、所得構造の変化に伴う問題、いろいろお話がございました。
 実は最近、私、皆さんの全国銀行協会連合会がお出しになっている「金融」という資料の中身を少し拝見をいたしておりまして、たいへん適切な資料がここに出ておるのであります。「最近における預金者別、金融機関別預金の動向」という資料をずっと拝見しておりますと、ここで承ったほどに、どうもそんなに偏在をしているようにちょっと感じられないわけでございます。その中身をずっと見ておりますと、特に都市銀行の期末の残高で資料が出ております点は、この間も私、ちょっとドレッシングで申し上げましたので、必ずしもこの期末残高比較というのは適切な基準でないような感じがいたしますけれども、それで拝見しておりましても、都市銀行の場合にやや減ってまいっておりますのは法人預金の伸び率のほうが減っておるのであって、個人預金の伸び率のほうは最近、三十九年ぐらいから申し上げても、前年比が一二・一%、一五・九%、一六・六%、四十二年三月末が一七・七%と、個人預金はややどうも少し上がりぎみで、ふえつつある感じがいたします。その他のところを見ましても、たとえば相互銀行とか信用金庫とか、どんどんふえてきているかというと、おおむね横ばいか、ややふえるくらいでありまして、個人預金については必ずしも、どうも都市銀行の条件が悪いという感じもいたさないわけであります。全体のシェアのほうを拝見してみますと、確かに法人預金については、三十二年の三月に都銀が七四・七%のシェアが、四十二年三月に五九・二%に下がっている。あるいは個人も、三〇・四%あったものが二二・五%に下がった。こう下がっておりますけれども、この十年間の動きというものは非常に変化が大きいわけでありますから、最近の傾向だけから見ますと、その下がり方も、三十八年ぐらいのところから見ますと、やや落ちつきつつあるという感じがしておるわけなんです。
 そこで、いま同質化論とか多様化諭とかいうものが強くお話が出ておりますけれども、いまの都市銀行の一番大きな問題点の一つは、やはり証券保有の問題のほうが何だか大きいのではないか。預金の増加のほうは、まあまあというのでしょうが、ただ証券保有のウエートがどうも都市銀行に大きく出てきておるし、この傾向はなかなか早急にとまりそうにない。ほかのほうも預金の伸び率は同じだけれども、そっちへは証券はあまりいかないということのほうが、どうも私はこの問題としては大きな問題があるのではないか、こういう感じがするわけでございます。これはこの間堀田副会長もお触れになっておる点でありますけれども、この点についてひとつ上枝参考人、長谷川参考人からちょっとお考えを承りたいと思います。
#14
○上枝参考人 ただいま堀先生からお話がございましたとおりでございます。昨年あたりから中小企業の融資というものが非常にふえてきたことが一つ。それから昨年は流動性が大企業で非常に高まってきたということももちろん一つの理由でございまするが、貸し出しの非常に大きな分野が中小企業のほうへ回ってきた。それが最近になってきまして、大企業の流動性がだんだん、だんだん取りくずされてきつつある。同時に、ごく最近ではやはり大企業の融資がぼつぼつ出てきだした、これが私は現状だと思っております。その結果が、預貸率がかなり悪くなってきまして、おそらく、月によりますとこれからは一〇〇%というあれが出るんじゃないか、これは非常におそれておるのでございますが、現実はそうであります。ところが、その上にここで問題になりまするのは、預証率の問題でございます。預証率が平均しまして、――これは金融機関によって違うと思いまするし、これは買ったり売ったりというあれがございまするので、ある時限の残高というよりは、平均残で言うべきじゃないかと思うのですけれども、しかし一番重要なことは、その月その月に要請されるいろいろな政府関係の証券の買い入れにあると私は思う。それらを平均してみますると、やはり預証率が五〇%に達するようなことになる。これが現在都市銀行の非常に大きな問題になっている。実のところ、先ほど来問題として申し上げましたけれども、金融債なんかもその中の一環として出てきたわけです。私はこの点につきまして、金融債には金融債としての一つの考え方がございまするし、先ほど来のビジョンから見ますると、金融債というものはどうあるべきかということは、これはまた別途に考えていいと思います。ここでやはり考えなければならないことは、やはり政府関係の金だ。今後日本としましては、社会資本はどうしてもやらなくちゃならない。予算づけも、これは押えようとしてもなかなか押えられるものではないし、としますると、どうしてもこういう社会資本をやるのには、問題はだれが金を出すかということだろうと思います。これは税金で取るのにはおのずから限度がございます。しからば、これはやはり民間から出さなくちゃならない。この問題の解決がいま全然出されていない。これをもう少し根本的な問題としましたならば、民間資金と政府資金というのは一体どういう比率で考えたらいいのかという一つのワクというものが、いまのところははっきりと示されていないというところに、私は問題があると思う。今度の景気調整なんかから考えましても、それじゃ公債というものはもうやめてしまうほうがいいのか、一体どの程度やめたほうがいいのかというそれすらまだはっきりしないわけでございます。それが現在御指摘のような預証率に非常に影響する問題でございまして、これを銀行としましたら一体どういうようにやったらいいかということは、その基本のラインはきまらないわけでございまするから、私はこれはお返事するのが非常にむずかしいので、ただ非常に困っておるという以外にはお返事のしようがないわけでございます。
 そこで、一番大事なことは、結局公債というものは、やはりこれはことばから申しましても、市中消化ということばを使っている。ところが、現実は市中銀行消化と、銀行を入れなくちゃいけないわけですね。市中消化ということは、国民が消化するということでございまするので、先ほど申し上げましたように、これはやはり郵便貯金というものが公債を消化するのが一番いいのではないか、こういうことを申し上げたわけです。この問題は一ぺんに解決する問題でもございませんので、現在は非常になまぬるい方法かもわかりませんが、金融機関がそれぞれの資金ポジションを考えながら、政府からの割り当てをちゃんと消化しながらやってきている。したがいまして、片っ方では有価証券の売却もある程度非常にお恥ずかしいお話でございますがやりながら、調整をとってやっているというのが現状でございます。根本は、やはりこういった場合に、かりに国債がある場合に七千億になり、政府保証債が五千億になり、あるいは金融債がまた五千億になる。そうしますると、それ以外の株式の払い込みとか事業債とかいうことを考えましたならば、いかにもこれが大きいわけです。大き過ぎると私は思うのです。それじゃどの程度がいいのかということは非常にむずかしい問題でございまするが、それがきまらない以上は、この預証率の問題は非常にむずかしい。したがって、これを逃げようといたしますと、どうしても大衆に公債を持つような方法を講じていただくよりほかしようがない。それには、私は先ほど申し上げなかったのですけれども、公債であればひとつ免税措置を思い切ってとっていただく。これは政府の入り払いから申しましたならば、金利を安くするということと税金をまけるということとゼロになるわけですから、なるべくそこらに思いをいたして、何とかして国民大衆が公債を持つ、そういう方向にひとつ御指導していただきたいというのが、これは私個人的の意見でございまするが、お答えになったかどうかわかりませんが、申し上げます。
#15
○小峯小委員長 長谷川参考人いかがでございますか。
#16
○長谷川参考人 ただいま上枝参考人がお答えになりましたとおりでございまして、私つけ加えることも格別ないかと思いますが、先ほど堀委員からの御質問の御要旨、上枝さんがおっしゃったとおり全く困っているの一語に尽きるかと思います。ただ金融機関の合併の問題と公債発行による資金の流れの変化という問題を、私個人としてはそれほど密接に関連づけて考えないでもいいのではないか。いいのではないかというのは、それは一つの原因でありますが、金融機関の合併、再編成の問題は、公債発行による資金の流れという問題より、やはり資本自由化に伴う日本の企業の拡大というものに対応して、金融機関の再編成が必要ではないかというふうに私自身は考えます。これも実例でございますが、戦前と申しますか、私どもが銀行に入りました当時、大体いわゆる都市の大銀行というものは、資本金は一億円前後でございました。当時事業会社でその程度の資本金の会社は非常に少なかったように思います。現在は、今度方々で増資なさいますが、御承知のとおり鉄鋼会社なり電力会社のあれはかなり均衡を失してきております。そういう点にむしろ金融再編成ないし合併という問題の一つの論拠がよけいあるのではないかというように私は考えます。
 それから資金の流れの問題、これはいわば再編成に関してはサブの問題ではないかというふうに私自身は考えております。資金の流れの点につきまして、個人預金につきましては、堀委員の御指摘のとおり、私どものほうが不勉強で申しわけないのですが、拝見いたしておりませんでしたが、普通銀行、いわゆる都市銀行においてもなみなみならぬ個人預金の吸収については努力を払っております。おっしゃるとおり、問題はそれはまあまあ。パラレルに伸びているにしても、要するにそれに見合う公債をはじめとする証券の保有を、都市銀行のほうがよけい背負わされるという、その資金の流れの変化に問題があると思います。その点はいま上枝さんのお話しのとおりただ困っているだけだと思います。
#17
○小峯小委員長 関連質問を許します。藤井勝志君。
#18
○藤井小委員 ちょっと簡単に上枝参考人にお尋ねしたいのですが、その前提として、いろいろ非常に貴重な御意見をお二人から聞かしていただきまして、特に資本の自由化、それと公債発行という重大な金融財政制度の変化に直面して、私は金融制度のあり方について従来のいきさつ、沿革を十分考えなければならぬけれども、いわゆる抜本的に検討すべき時期だというふうに思います。
 その話は別として、この公債の市中消化の問題について、市中銀行消化というお話がございました。そのとおりだと思うのですけれども、この公債を直接個人消化にもっていくためには、郵便局の窓口利用、これは非常にいいことだと思うのですが、これはなぜできなかったか。それともう一つ、証券会社が公債消化について一役になおう、こういう意思表示をしたにかかわらず、銀行協会のほうで、ちょっとおれのほうのなわ張りというようなことで、少し証券界の要求に対してブレーキをかけられたやに仄聞するのですが、これは私の間違った情報であれば訂正いたします。
 その第一点のほうは、これは大蔵省のほうの関係だと思いますけれども、ぜひ郵便局窓口を積極的に利用すべきだという御提案に対して、私は大賛成なんですが、これを促進するもう一歩具体的な方途について、お考えがあればお聞かせ願いたいことと、済んだことですが、この銀行協会が、証券界がこれにタッチしようというのに対して、ブレーキをかけられたなにはないのか。これをひとつお答え願いたいと思います。
#19
○上枝参考人 ブレーキをかけたように見えたということでございます。そういうことはないと私は思います。
 それから、私が郵便局で公債を売ったらいいということを冒頭に申し上げましたが、公社債市場を育成しようとしても、いまのような割り当て制に類似するような消化では、なかなか市場というのは私はできないと思うのです。むろんニューヨークで見られるように機関投資家がたくさんあって、そういうところの売買とかなんとかで市場が非常にいんしんをきわめるということも、それはあり得るのでございますが、先ほど来申しますように、とにかく金融資本のストックというものが非常に少のりございますので、いまなかなかそこまでいかないと私は思います。結局どこかへ累積したものがどうにもならなくなる、市場へはこれはなかなか出せない、こういうのが実情なんです。電電債につきましても、私は売買について必ずしも完全な市場とは思っておりませんけれども、これは一例を申し上げるのでございますが、ああいうふうにやはり大衆が持ったものが市場形成には一つの前提条件になるということじゃないかと思うのです。考え方によれば、いやそんなことをしても、またこれはどこかへまとまってしまって、市場育成にはならぬですよ、こういうことをおっしゃる方もあると思いますけれども、何としても国民大衆がたくさん公債を持っておるということになれば、これはやはり売ったり買ったりができるはずでしょう。それが市場じゃないかと思うんです。それで、どうしてもこれは大衆に数多く公債を持ってもらうということが市場形成にも絶対必要だと私は思う。
 それからもう一つ申し上げたいのは、私は、これは他に伏線と申しますか、現在の国際収支の変調から金融引き締めをやらなくちゃいけない、また自粛しなくちゃいけないという問題が起こっておりますし、この国際収支を改善するための方途についていまいろいろ議論百出しておりますが、どうも一番根もとのところは、結局消費ムードを押えるということじゃないかということです。具体的にそれは投資を云々、あるいは政府関係で繰り延べをするというようなこと、これはむろん単なる手段、方便だと私は思うんです。根本はやはり国民の消費ムードというものがある程度落ちつかないと、この国際収支というのは根底において私は弱いと思う。したがって、これを何とかするためにも、――御承知のように今度の景気がまた過熱とは申せぬかもわかりませんが、国際収支面では明らかにこれは過熱といわなくちゃいけない。それになってきた原因は、やはり公共事業をうんとやった、国債を出してやったということが何といっても最初のきっかけでございましょうし、それに続いて民間の設備投資であり、消費の非常な行き過ぎ、こういうことだろうと思いますので、その根もとをなしておる大衆にひとつ公債を持ってもらうということで、消費のムードを少し押えていく。最近になりまして、財界におきましても貯蓄の重要性をこの際取り上げるという声がだんだん聞こえるようになってきましたけれども、これに並行して、社会資本は相変わらずやらなくちゃいけないのでございますが、ひとつどうしても国債を大衆に消化さすやり方をもう官民一致して研究していったらいかがかと思いますので、郵便局における小口公債の売り出しを御提案申し上げておる次第であります。
#20
○長谷川参考人 いま上枝参考人のお答えのとおりでございますが、証券会社が公債を扱うことについて、銀行協会が反対したのではないかというお話がございましたが、私の感じているところでは、ちょっと逆のような感じがするのです。と申しますのは、公債発行の方法が論ぜられたときに、御承知のとおりドイツの銀行などでは、銀行の窓口で公債の売却などの取り扱いもしているようでございます。そういうことを銀行の窓口でもやらしていただいたらどうかという議論が銀行協会の内部にあったことは事実でございます。これは銀行協会の統一見解として申し入れたことはあるいはなかったかもわかりませんが、そういうことはどうだろうという話が出た。それに対しまして証券業界のほうで、そんなことをされては自分のほうは困るという御反対があったというふうに聞き及んでおります。ただいま上枝参考人がおっしゃいましたように、ただいま一番問題になっております公定歩合の引き上げとか、いろいろな問題に関係しまして、やはり消費の抑制ということとからんで、政策が打ち出されるべきであるということ、郵便局の窓口での取り扱いになるかもしれませんが、全国津々浦々にネットワークを持ちます金融機関の窓口を利用するということも、あながち証券会社の仕事をそうディスターブするものではないというように私個人は考えております。ちょっと先ほどのお話、私は逆のような感じがいたします。
#21
○堀小委員 そこで、いま確かに困っていらっしゃる、困っているといっても始まらないんですね、これは。私はこの場合、ひとつ皆さんのほうで積極的に御検討をなすってみたらどうかと思うんですが、私は、かつて貸し出しの問題について、融資ルールというのを当委員会で取り上げてやったことがございます。これと同じような方法で、要するに預金の伸びとそれに対する限界的な国債引き受けの比率を一ぺん銀行協会かどこかできめちゃって、――要するに預金の伸び以上に国債を持てというのは、私は企業の問題から見ると、資本主義社会ではちょっとおかしいのではないだろうかという感じがするわけです。ですから、やはり能力に応じて国債を持つということで、いま資本主義ですから資本主義らしくおやりになったほうがいいんじゃないか。たいへん社会党から理解のあることを申し上げるのは何ですが……。そこらが少しきちんとなりませんと、結果としては結局資金がない。そこで日銀から金を借りようと思っても、こうタイトになってくるとそっちにもいけない。何が起こるかというと、金融債を売っ払っちゃうということです。では安く手放した金融債をどこが買うのかというと、信用金庫や相互銀行がそれを買うのだということになりますと、これはどうも私は筋の問題としてはおかしいのじゃないか、こういう感じがしますので、私どもはやはりさっきおっしゃったように、市中銀行消化も経済原則の上に立つ市中銀行消化でないと問題があろうかと思いますが、その点は皆さんのほうで少し御検討になる価値のあることではないのか。特に今後はタイトになってまいりますから、そういう点では非常に重要な問題になるのじゃないかと思うのですが、それについての御意見をちょっと伺いたい。
#22
○上枝参考人 おっしゃるとおりなのでございますが、それをいま速急に実行に移すということになりますると、やはり少し摩擦が大き過ぎるのではないか。やはり将来は順次その方向に持っていくべきじゃないか。先ほど堀先生から、いまの預金の状態はそう悪くないじゃないかというお話がございましたが、もちろん御指摘のその年代、時期をお取り上げになると、そういう数字が出ると思うのですけれども、これは多分に私は構造的な問題でなくて景気循環的な問題だろうと思うのです。したがいまして、構造的な問題としましたら、やはり都市銀行のウエートはだんだん下がってきている、こういうように御解釈を願いたいと思います。
#23
○堀小委員 そこで、いまの問題はそこまでにいたしまして、それでは今度は、今後の資金需要の状況というものは一体どうなるのだろうか。さっきすでに長谷川参考人から非常に具体的なデータもあわせてお話しになっておりますけれども、諸外国の資金供給の状態を少し見てみますと、よそは日本の場合と非常に違う点が一つありますのは、最近の減価償却は日本も非常に上がってまいりまして、一九五八年には資金供給の中に占める減価償却は二九二一%、この年はよかったのですが、その次は一七・七%ということで、ずっと一〇%台だったわけでありますが、最近一九六五年では三三・七というように減価償却はふえております。しかし、内部留保が日本は実は非常に比重が小さいわけであります。アメリカへ参りますと、減価償却が一九六六年でございますか、これで三九・四%という構成比になっておりますし、内部留保がそれに対して二四・二でありますから、問題にならないほど内部留保が大きいわけであります。西ドイツへ参りますと、ここは減価償却は昔から非常に進んでおる国でありますが、減価償却が五〇%ぐらいに対して、内部留保はそれでも八・九%ということで、日本の四倍に近いものが行なわれております。ですから、こういう中で日本の企業の問題の一つは、内部留保がもう少し厚くなるようになるべきだろうと思うのですが、そういうことに、だんだんなっていくのではないかという感じがいたします。
 株式の問題をちょっと調べてみますと、株式は最近特に情勢が悪くて、株式による資金のウエートは、一九六五年、日本の場合四・一%、社債が七・四%、社債はどうも各国を見ましてもウエートはこのくらいで、社債というのはアメリカなりイギリスなりその他の国を見ましても、そんなにたくさん出るものではないという感じがするわけであります。ですから、ここらの状態をずっと見通していきますと、借り入れ金依存度というものは方向としてはどうしても下がらざるを得ない。これはさっき長谷川さんもおっしゃいましたが、日本の場合に企業金融からだんだん国民の中での金融といいますか、そういう方向に転換せざるを得ない条件がすでに芽ばえてきて、いまの都市銀行の個人預金がやや持ち直しておるのも、消費者金融なりそういうものがかなりささえになりつつあるのではないかという感じがするわけであります。ですから、いま長期信用銀行も信託銀行もいずれも曲がりかどだと思うのですが、都市銀行といえども曲がりかどに立っておる点においては例外でない。その曲がりかどの一つの要素は、他面的には有価証券の保有という一つの問題からくる問題もありましょうし、もう一つは、少し長期的に見れば、貸し出しの構造的な変化、資金需要の構造的な変化というものからくるのではないか。そういうふうになってきたときに、預金高という問題は、実はネットで見ますと、個人預金というのが非常にウエートが高いわけですけれども、これまでは企業のそういうものにたよっておられたわけですが、だんだん都市銀行もそういう意味では変化をせざるを得ない方向に行きつつあるのではないだろうか、こういう感じがいたします。
 そういうときにもう一つの問題は、実は直接金融と間接金融の問題があります。いま外資、資本の自由化という段階にまいりましたときに、やはり確かに安い金利の資金を豊富に供給することは必要でありますが、もう一つ、いかにも日本の企業の資本構成が自己資本が少な過ぎるという問題は、そのままほっておける問題ではないのではないか。どうしても少し直接金融がウェートを増して、自己資本がもう少し充実されなければならぬ。これは競争をする際に、金利を払う金と金利を払わないでいい金――配当をすればそれは当然別でありますけれども、金利を払わなくていい金とで競争しようということでは、これはおのずから競争で非常にこちらが不利になるのは明らかです。そういう点にかんがみますと、直接金融も銀行側としてはちょっと問題が別なような感じがいたします。日本経済としてはもう少しこれを考えていかなければならない問題じゃないか、こういうふうな感じがいたします。前門のトラ後門のオオカミといいますが、そういうようなかっこうで狭められてくる条件というものがどうも非常にはっきり感じられるわけであります。
 それで、さっき私も再編成の問題は国債についてだけ申し上げたわけではないのですけれども、いろいろなことが曲がりかどに来ているので問題になっておるわけでありますが、それでは、そういう問題がはたしていまおっしゃっておられるような同質化というようなことだけで解決がつくのかどうか、私はこの間からずっとお話を承りながら、ちょっと疑問があるわけでございます。また、合併、再編成をしたからといってそれで片づくのかどうかという、そこもちょっと私は実は疑問があるわけです。ですから、合併、再編成の問題というものの中には、安い金利の資金を供給するという側面から見ると、合併、再編成というのは一つのメリットが確かにあると思いますが、ただ都市銀行自体のいろいろな問題だけから見たときに、一体これまでお話の出た同質化、業務の多様化、あるいは合併、再編成がそんなに起死回生の薬になるのかどうか、ちょっと私は何かそこがはっきりしない感じがいたしますので、今度はひとつ長谷川参考人から先にお伺いしたい。
#24
○長谷川参考人 ただいま堀委員のおっしゃいました点、まことに私どもの悩んでおることをみんなおっしゃってくださったような感じがいたします。一つの金融再編成という問題がいまおっしゃったいろいろな問題の万能薬になるかという点から申しますと、私は、そう簡単にはならない、しかし現状のままでいいかという点からいうと、こういうことが必要であるという意味にいまおとりいただければという気持ちが私はいたします。
 それから、直接金融と申しますか、要するに株式、自己資本の充実ということが日本の企業にとって、これから国際競争の立場に立つ場合に非常に必要なことだと思います。現状におきまして銀行がやや、それから一部の建設会社がやや資本金同額ないしそれ以上の内部留保を持っております。しかし、ほかは外国の企業とは比較にならないように思います。しからば、個人の投資家がそれによって増資をする場合に、それがうまくさばけるかという、証券界あるいは株式市場の問題があります。金融再編成と、われわれ金融に従事いたしております者が金融の側からだけ問題を申し上げてはおりますけれども、
  〔小峯小委員長退席、藤井小委員長代理着席〕
結局共同証券その他を含めて、証券株式市場全体の問題とのからみ合いにおいてでなければ、問題は決して解決はつかないだろう。
 それから増資なんという問題に関しましては、これは私自身よくはわからないのでございますが、いろいろな席で伺いますと、産業界の方々はやはり配当の損金算入とかそういう税制上の問題で、非常にやはり増資する意欲がないというようなことを、古い産業の経営者である河合さんが一番よけいおっしゃるわけでございます。そういう点もやはり問題があろうと思いますし、基本的にはさっきおっしゃった公債以外の証券、こういうものにつきまして、これはいま共同証券とか保有組合とかいろいろな形においてプールされております。これにつきましては、ただこれをわれわれは困っておると申し上げまして、それ以上はわれわれの立場としては申し上げられないわけでございます。やはりそこに基本的な問題は十分あると思いますし、何らかの意味におきまして、いろいろな角度から御検討いただきたい。むしろこちらからお願いしたい感じであります。
#25
○堀小委員 同質化、多様化の問題についてまだお答えがなかったのですが、どうもこの前から同質化、多様化ということばで、あるいはまたCDの発行の問題、銀行の発行の問題、いろいろとお話が出ておるわけですが、これは確かにアメリカでやっている制度としては、アメリカはそれなりの成果があがっておると思うのですが、ちょっと一足飛びに――アメリカのいまの銀行がやったらまあうまくいく。それはいろいろなアメリカにおける情勢の問題があろうかと思いますが、日本でいきなりいま銀行債というのですか、社債を出すとか、あるいはCDを出すとかいうようなことが、そうしかく簡単に多様化としてのメリットとしてはね返ってくるのかどうか。
  〔藤井小委員長代理退席、小峯小委員長着席〕
ここらはどうも、長期の展望ということなら、それは確かにわからぬではありませんけれども、いずれにしてもそういう点から見て、まあビジョンとしての同質化というのはわかりますが、今後はどうも都市銀行の皆さんもビジョンだけかいていて済む段階でなくなるんじゃないか。もうちょっとそういう問題は高いところで問題が明らかになってくるんじゃないかというような感じもしておるわけでありますが、そこらについての御意見をちょっと、ひとつ上枝参考人からお願いいたします。
#26
○上枝参考人 私も実はこの同質化と多様化というのは新しいことばで、どう解釈したらよいのか、迷っておるのでございます。日本の、先ほど大きな問題としておっしゃいました、直接投資のほうがいいか間接投資のほうがいいか、東洋人というのはなかなか直接投資のほうはいかがなものでしょうか。どうもそんな気がするのでございますがね。
 それで、アメリカのように法人のほうに非常な利益の蓄積ができていて、それが今度、個人のほうはそういうところから恩恵をこうむって、そして消費が行なわれるという、これは英米式のやり方はそうかもわからぬですけれども、どうでしょうか。欧州のほうでもそういう方向へ行くのはこれはたいへんじゃないかと思うのです。これは英米、特にアメリカの問題で、日本の場合にはやはり個人が蓄積をして法人のほうへ回してやるというこの行き方は、当分は変わらないと思うのです。
 そこで、いまのCDの問題になるわけでございますが、これは長期展望から見ればおっしゃるとおりなんで、そういうこともある。しかし、ニューヨークの空だけを見てこれは議論をしてはいけませんので、現実の問題で一番何が大事かといえば、CDを発行した場合には金利やコストが上がりはしないか。これは信託の場合にも同じことが私は言えると思うのです。何としましても低利の安定した資金を特に都市銀行は供給してやるということは、これはだれが何といっても絶対至上命令ですからね。それをしょっちゅう脳裏に置いてものを考えていかないと、どうもそれに支障を来たすようなことを、幾らビジョンと申し上げても、これはちょっとどうかと思うのです。しかし、ビジョンとしてだけ話をするときなら、それは私もそういうことも非常にけっこうだと思う。しかし、現実はそういうことでございまするので、これは何といっても一歩一歩前進と申しまするか、そういう方法でいくよりほかしかたがないと思います。
 先ほど来お話がございましたように、内部の留保の問題は税制の問題、ずいぶん過去何年間か申し上げましたけれども、これもなかなか限度がありまして、思うようにいかない。配当損金の問題も、これは税制調査会でもなかなか結論が出にくいようでございます。そうかと思うと、また資本市場のほうでは時価発行する、これはなかなかできない。アメリカの企業があれだけの内部留保をつくったのは、やはり時価発行というのが相当大きなあれになっておりますね。ところが、それは日本ではほとんど現在のような株式市場ではできそうにない。こういうことなので、私は冒頭に申し上げましたように、一挙になかなか間接投資から直接投資にいくとか、あるいは企業のほうが非常に栄えて、個人のほうはむしろこのほうからの恩恵によって、消費者金融や何かで生活のレベルのアップをするというそういう方向にいくのは、これはいまは夢として考えておいてよろしい。しかし、現実はやはりそういうことでなくて、一歩一歩見ていく必要がある。おっしゃるような方向に行けたら非常にけっこうでございますけれども、なかなかこれはイバラの道である。このように思っております。
#27
○堀小委員 その点よくわかりましたが、もう一点、いまの後段の話でありますが、資本の自由化のために必要なのは安い金利、大量の資金、これはまさしくその面から割り切ると、銀行をくっつけちゃうと店舗が半分になりますから、物件費ががしゃっと減る。そして人件費も減る。一人当たりの預金量はぽんと上がる、こういうことになりますから、まさに豊富な資金、安い金利というのは、一番手っとり早いのは、もう都市銀行をぱっぱっとくっつけちゃうのが、これが一番手っとり早いのではないかという感じが一つあります。
 それから、長谷川さんも先ほどお触れになりましたように、これから企業側の再編成はまだ進むだろうと思いますから、ますますビッグビジネスになって、片方は、鉄は将来は二つか三つでよかろうと私は思うのですが、そういうことにならざるを得ない。自動車もおそらく二つか三つになってしまうだろう。ところが、銀行のほうは十三もあってひしめき合うというのは、これは形としては何かおかしいような感じがしますから、将来的にはやはりだんだんそうならざるを得ない。問題は、これは産業界の再編の過程と別個の問題じゃありませんから、やはり何らか関連がありながら将来的には出てくるのではないかという感じもするのであります。しかし、理論としてはそうなんですね。合併すれば人件費、物件費は下がる、預金量は大きくなりますからコストは下がる。これは非常にはっきりしておりますから、いまの産業界対金融のバランスの問題はいいのですが、いざ合併問題は簡単ではないということは、いまいろいろお話を承ったわけであります。
 それから、特に三和銀行というのは、まさに合併銀行の一つのモデルでありますから、上枝さんから、当時とこれからとは違いますけれども、合併におけるメリットとデメリットというものをこの際少し伺っておきたいと思います。
#28
○上枝参考人 むずかしい御質問でありまして答弁に苦しむのですが、現在の日本の都市銀行の数が多過ぎるか少な過ぎるか、あるいは規模が世界の大きな銀行に比べてどうかということになりますと、それほど日本の銀行の規模は小さいということではないように私は思うのであります。といって、それでは十二の銀行がほんとうにいいのかどうかと言われると、これまたある程度数が減るのもいいことじゃないかと私は思います。自分がやったことを申し上げて非常に恐縮でございますが、私はこういった合併の場合には、一つの吸収をされる銀行と吸収をする銀行というような場合にはわりあいうまくいくでしょう。それからある種の、命令と申し上げるほどのことでなくても、何か社会的なそういう要請があって、どうしてもこれとこれは一緒にならなければならないという一つのきっかけということがあればこれまたある程度は可能かと思います。しかし、自由にしておいたままで合併がそれでは可能かというと、現在のような十二の銀行さんとも、皆さんりっぱにやっていらっしゃるのです。一つの大きな目標を掲げて皆さんやっていらっしゃるので、合併は非常ににむずかしいのじゃないか。私は合併の経験から申し上げまして、長谷川さんに非常に悪いのでございますけれども、こういう場合の合併として二つの合併というのは非常にむずかしい。三つであれば、ちょうどなべの底に三つあるようなもので非常にすわりがいい、こういうことが言えると思うのです。こういうことを何も宣伝するわけでも何でもないのでありますけれども、いま申し上げるのは、なべの底のようなかっこうでやらない以上はなかなかむずかしい。要するにむずかしいということを申し上げておるわけです。将来また情勢が変わりまして、いま申し上げましたように何かのきっかけができればそれは私は非常にけっこうだと思います。現在のところでは、なかなかこれはむずかしいということを申し上げておきましょう。
#29
○長谷川参考人 合併の問題でございますが、確かにいま上枝参考人のおっしゃったような日本人の島国根性か何か、そういうセンチメントはあると思います。ただ、これは銀行の問題と限らないのでございますが、私ども商売柄いろいろ合併に関します相談を事業会社から受けることが間々ございます。そういう場合に、主要な問題が大体四つございます。一つは人事でございます。一つは名前でございます。一つはその形式でございます。それからもう一つは株の比率でございます。この四つの大きな問題が解決すると、かなりスムーズにいくように私は存じます。
 昔といまとでは、従業員の方の気持ちも非常にドライになってきておりますが、やはりそういう点の割り切りは若い方がだんだん多くなってまいりますから変わっていくと思います。その場合に、名前の点についてはこのごろ二つ並べるのがよくはやっております。それから人事の問題は、合併を決意した人が自分の欲を離れれば私は簡単だと思います。それから一番阻害しておるのは、ただいま上枝さんがおっしゃったどちらがどちらを合併するかという点につきまして、それぞれの歴史もございますし、それぞれの企業としてのメンツもございます。そこにむずかしさがあります。
 それで、そうであるならば会社を新しくつくって両方がそこへ合同する形をとればその問題は解決すると思うのです。ただいまの税法では、そうすると税金をたくさん取られる。一つを残して一つを吸収すれば税金が非常に安く済む。そこにどれだけ私は違いがあるか存じませんが、そこらがかなりのデッドロックになっております。今後自由化を控えて、銀行だけの問題ではございません。企業の合併ということを促進される場合にそういう問題も税法上、私はしろうとで何も存じませんが、御研究いただく価値がある問題じゃないかというふうにちょっと思っておりますので、ふえんさせていただきます。
#30
○堀小委員 最後に一問。中小企業金融の問題について伺いたいわけでありますが、私この前から、だんだん都市銀行でも将来的には中小企業金融のウエートが高くなってくるのじゃないだろうか、こう思っております。しかし同時に、中小企業金融は御承知のようにリスクが伴うわけでありますから、皆さん方としてはその点が非常に問題がある点だろうと思いますが、この中小企業金融の信用補完の問題についてひとつ皆さんのお立場からお答えをいただきたい。これが一つ。
 それから長谷川参考人がさっき為替専門銀行のことをちょっとお触れになっておるわけでありますが、確かにどうもそういう言い方は少しきびし過ぎるかと思いますけれども、今日為替専門銀行のレーゾン・ゲートルの問題というのは、どうもわれわれも、ようやく曲がりかどではなくて、壁にぶち当たるところにきているのではないかという感じがいたしておりますが、皆さんいずれも為替銀行でありますから、その為替業務をやっていらっしゃる銀行といまの為替専門銀行とが、もうこの段階では必ずしも専門銀行の必要性というものはそんなにないじゃないかという感じがちょっと私いまいたしておりますので、この二点だけを伺って、私の質問を終わりたいと思います。両方からお答えをいただきたいと思います。
#31
○上枝参考人 第一点の中小企業金融の信用補完の問題でございまするが、これはこの間保証協会出指金の問題が無税でできるようになりまして、これは私どもは非常に名案と申しまするか、けっこうな案だと思います。保険公庫の資金ももっと充実させていただくほうがいいと思いまするけれども、これには財政の一つのワクがあるわけでございますが、できるだけこれもひとつふやしていただきたいと思います。何をおいてもやはり中小の皆さん方には、先ほど来のお話の安い金利を適用してあげなくちゃいけないということは申すまでもないことでございます。私のほうでは、できるだけ保証料に相当するものはそれだけ金利を低くしたらどうかというようなこと、これは全部が全部というわけにはまいりませんけれども、大体方向としてそういう方向を打ち出してやっておりまするので、資金面から申しましても約三割前後は提供を受けるわけでございますから、われわれとしましたら非常に助かる。私は常々銀行経営――三和銀行はピープルス・バンク、こういう名前を打ち出しておりまするが、これは要するに業種なんかのいかんを問わず、また階層のいかんを問わず、したがいまして大企業もやれば中小企業もやるのだ、要は金融機関というものは経済それ自体を反映するものでなくちゃいけない、このように思ってやっておるのです。そういう意味で、これはときによって多少違うのでございますが、融資面では全体の三〇%から二五%、そのぐらいのところをいつも目ざして中小金融をやっております。現在すでに、都市銀行を平均しまして二五・七%、約二六%になっておりまするが、私どものところは約三〇%近いところにまできております。したがいまして、信用補完の問題は、私の銀行としましたら非常に大きな問題でございまするし、また、やっている額もかなりの額に達しております。今後とも、この補完につきまして、政府方面におきましても、ひとつ何とか力を入れていただくということになりますると、非常に幸いだと思います。
 それからもう一つ、為替銀行、これは堀先生がおっしゃるとおりでございまするが、ただ店舗配置の問題もございますし、不採算店の問題がここに控えておるわけですね。そして、この問題を一挙におっしゃるように解決しようとしますると、やはり通産方面からもかなりの御意見が出るでございましょうし、また、貿易業者のほうからもいろいろ意見があると思います。営利を主体にしておりまする都市銀行が、そういう不採算店まで引き受けて、それではやるかというようなことも考えなくちゃいけないと思います。したがいまして、この問題は、これこそ時間をかけまして、専門銀行を順次少し脱皮さしていくということも必要じゃないか。同時に、為替銀行は為替銀行でそういう不採算店のほうへも少しずつ出ていって、採算を度外視してでも、日本の輸出貿易のためには何とかひとつ献身的な努力をする、こういう方向でやっていくべきじゃないか。ただ、店舗配置やら何かで、なかなかこれはむずかしい問題がございまするので、そういうことが条件になることはもとよりでございますけれども……。
#32
○長谷川参考人 中小企業の問題は、もう上枝さんがおっしゃいました。ただ、中小企業金融という問題の前提といたしまして、中小金融に対する助成と申しますか、そういう考え方に一つの問題があるのではないかと私個人としては考えております。と申しますのは、今後、工業部門において生産性の向上ということが非常に考えられると思いますが、最近アメリカから帰ってきた方のみやげ話に、流通部門における生産性の向上――ちょっとことばがパラドックスかもしれませんが、そういうことがアメリカ経済においてはこれから非常に進むのではないかということを言っていらっしゃった方がございます。いま、中小企業のうちで、流通部門にタッチしておられるものが、小売り店をはじめとして非常に多いと思います。これに非常に大きな変革が起こる。それに対する金融という問題になりますると、いわゆる救済的な面だけで、それに従って危険が多いから、補完という問題だけではどうも解決できない。中小金融の転業の助成と申しますか、そういった中小企業に対する基本の考え方の変化が前提に立って中小金融という問題は基本的には考えられるべきものではないかというふうに私なりに考えています。
 外国為替の問題については、私、先ほどちょっと触れましたが、それは要するに曲がりかどにきている。さればどうしていいか。これはもう、私ども、そう考えておりますし、専門銀行の立場にあられる方々も考えておられますが、私は逆に、外為専門銀行でおられる東銀のいままでの努力なり、現在のスタッフについては、非常に大きな敬意を払っておるものでございます。と申しますのは、あれだけいろんなところに支店を置き、また日本の国の運命といたしまして、そういう海外へ目を向けるということは絶対に必要なことでございます。それからこのごろ目ざましく発展してきておられるのが、海外での資金の調達を非常にやっておられます。そういう面におきまして、ああいう形のものが要らなくなったという意味ではなしに、むしろ東京というものが逆にいって国際的な金融マーケットになっていくでございましょうし、その時期をにらんで何かの変化が必要ではなかろうかという意味でございまして、あのスタッフといままでの努力というものについてはほんとうに感心して、よくあそこまでやられたという感じが私なりにしております。ちょっとつけ加えておきます。
#33
○小峯小委員長 広瀬秀吉君。
#34
○広瀬(秀)小委員 一つだけお伺いしたいのですが、公債をかかえて資金の流れが変わってきたというようなことも、金融再編成の一つの大きなファクターにもなっているというお話があったわけですけれども、いま国債が非常に値下がりをしているわけですね。それで、先ほども市中銀行の引き受けだというお話がありましたが、かなりの高率で市中銀行でシンジケート機関をつくって消化をされておるわけでありますが、四十八銭の手数料をいただいても、なおかつ十二銭台を割れば、これはキャピタルロスが大きく出てくるだろうと思うのですけれども、いまや五銭とか、あるいは九十八円の大台を割るかもしれぬというような情勢まである。もちろん、この公社債市場というものが非常に育成されてないという状況はわかるのですけれども、それ以外に、いまあれほど値下がりをしている、キャピタルロスまで出る、そういうところまで落ち込んでいるのは一体どういうところに原因があるか、これを都市銀行筋ではどういうように見られておるか。これはもちろん郵便局窓口での消化というようなことも提案をされておるわけでありますが、どうも国民はこんなことを見ていますと、とてもあぶなくて国債なんか買えないということにもなるだろうと思うのでありますが、そういう問題について、一体原因はどこらにあるのか、こういうことをどのように見ておられるか、これが一つであります。
 それからもう一つの点は、銀行筋では、もう国債の発行をうんと減らしてもらいたい、二千億ぐらいまではというような声もぼつぼつあがっておるようでありますが、単にそれだけでああいう値下がりというようなものが済むのかどうか。
 それからもう一つは、発行条件というようなものをやはり変えてもらわなければ困るという要求も出ておるわけですけれども、それらの問題について銀行側の率直な考えを、これからわれわれ国債問題をやるにあたりましても非常に参考になると思いますので、お聞かせ願いたい。
 またもう一つ欲ばって、もしできますならば、国債の場合に、これは株式とおのずから性格は違うにしても、やはりキャピタルゲインを求めて投資を国債に求めるという人もあるでしょうけれども、ゲインとロスの範囲というのはどの辺にあるべきなんだろうかというここらの問題これは株式の場合にはキャピタルゲインが非常に大きい問題があるわけなんですけれども、そこらのところを、たいへん幼稚な質問なんですが、お考えがありましたらお聞かせ願いたい。
#35
○上枝参考人 これは根本的には、やはり発行市場と流通市場とが遊離をしているということですね。これは先刻来たびたび申し上げましたように、流通市場をもう少し何とかしなくちゃいけないという一語に尽きると思います。それで今後見通しはどうかとおっしゃられても、これはちょっとお返事しにくいほどむずかしい問題じゃないか。
 それじゃ今後どういうように発行したらいいか、また条件をどうしたらいいか、またキャピタルゲインとロスの関係はどうかという御質問でございまするが、まず第一に、量を減らすということが根本問題としては第一条件ではないか。第二の条件として、発行条件を変えるということでございます。これは事務的に見れば非常にむずかしい問題じゃないかと思いますが、しかし将来のことを考えますと、やはりこういう景気循環のときには、少し条件を変えて出すほうがいいのじゃないかという気持ちが私はいたしております。しかし、もちろんこれは非常に重要な問題でございますので、関係方面でうんとこれを検討していただかなくてはいけない問題じゃないか。価格がここまで下がってまいりますと、これは発行するほうの政府側といたしましても非常に頭を悩ます問題じゃないかと思いますし、また受け入れるほうは、はっきりとこれは損がきまっているようなものでございますから、これを受け入れるについて、それじゃどういうように役員会で話をするかということになりますと、これまた非常にむずかしい問題であります。
 要するに、市場がないということが一番根本的に困った問題で、市場さえあれば、ときにはこういう景気循環の過程において起こる問題でございますから、キャピタルロスまでいくと困るのでございますけれども、ある程度のフラクチュエートは、私はあってもいいと思います。さしあたりのところ、ちょっとお答えにならぬかもしれませんが、名案というものはございませんので、とにかく量を減らしてほしいということ、また次の段階では条件を少し変えてもらったらどうかということ、それからゲインとロスの問題は、一つの限界を置いて銀行であれば考えなければいけないのですが、これは景気循環の過程においてはある程度は覚悟しなければいけない、このように考えております。
#36
○小峯小委員長 武藤山治君。
#37
○武藤(山)小委員 大体言い尽くしたと思うのでございますが、一、二点。
 先ほど長谷川さんの発言の中で、具体的なコストダウン策を三つ掲げられました。一つは、取引先等の担当者がかつては七%程度だったのが、現在は三〇%に達している、こういう過当競争の状態を、お互い金融機関同士で自粛して、そういう人員を別に振り向けたり、そういう形の節減は可能だろう。機械化によってお互いに節約して効率化をはかる。三番目に、手数料をいただいていない国庫受け入れ金やあるいは地方自治団体、これが三番目にあがったのでありますが、この手数料をもし徴収するようになると、大体どのくらいの金額に概算なろうとするのか。かりにこれを徴収しても、コスト引き下げにそれを及ぼさないで利益ばかりふえたのじゃ何の意味もないので、ついでに銀行も、この受け入れを手数料や何かを、現在取っていないものをかりに取った場合どのくらいの収入になるのか、その辺を、きょうわからなかったら、あとでちょっと数字を示していただきたいと思うのです。
 そこで、手数料をいただくようにした場合の収入と同時に関連して考えられることは、いま銀行の利益をざっと見ると、たいへんな利益が出ているわけです。半期で大体都市銀行が三百六十億、地方銀行が三百二十億、半期ですから、大体一年間には一千二百億か一千三百億程度の利益金を計上しているわけですが、こんな利益を銀行は見なければ経営できないものなのか。この利益をもっと減らしてコストダウンのほうへ回してもよさそうなものじゃないか、こういうしろうと考えを数字の上から感じるわけです。だから、手数料をいただくようにするかわり、必ず利益のほうをもっと引き下げて、それを利用者のほうに還元をする、こういうはっきりした方針があるならば、国庫受け入れ金であろうとも手数料を取ってもいいのではなかろうかと思うのですが、その辺考えていることを、もう一歩具体的なお話を聞かしていただければありがたいと思います。
 それからもう一つは、先ほど上枝さんは、いまの消費ムードを抑制する以外に、現時点では設備投資をお互い減らそう、自粛させようとしても、緊急必要なもの、合理化投資のものを、そう簡単に設備投資ばかり押えるということは正道でないような御意見で、消費ムードを押えるというお話がございましたが、いま住宅建設資金、住宅ローンあるいは車を買うときのオートローン、こういうものの金額が非常にふえてきて、地方銀行の実態調査だけでも、この四十一年三月の統計では、大体六百八十億円くらい地方銀行だけでも消費者金融に金を出している、こういうことが報道されているわけです。そうすると、特に財閥系銀行でない三和銀行さんや第一銀行さんは、こういう消費者金融について、こういう実態になってきているから、今後これを幾らか縮小するのか、それとも住宅建設、都市開発というものは非常に重要な、これから金融需要のあるところだという最初のお話を、今後さらに経営態度の中に強く示していくのか、その二点をちょっと伺っておきたい。
#38
○長谷川参考人 手数料の問題でございますが、これは御指摘のとおり、少なくとも都市銀行におきましては、それぞれかなりな収益をあげております。しかし、金利の水準と申しますのは、御承知のとおり全国の金融機関の一つの、平均値できめられてまいるものでございますから、かりに手数料をちょうだいしたから、都市銀行がいきなりそこでもってぴしゃっと幾つかの銀行だけが下げるというわけにはもちろんまいらないと私は存じます。しかし、いま私が申し上げたのは、必ずしも官公庁だけのものではなしに、要するに都市銀行間の過当競争というものを是正すれば、もっと銀行は収益をあげられる状態になるのではないかという問題点を申し上げたわけであります。そういうことを積み重ねていきますれば、結局いずれの日にか――それが武藤委員のおっしゃったように、急に幾ら金利が下がるというわけにはまいらぬと存じますが、それぞれの銀行単独でもコストダウンの余地がそういう問題点において存在するという意味にお受け取りいただけたらありがたいと存じます。
 それからもう一つ、中小金融の問題、これは上枝さんのほうもおそらく同じお考えかと存じますが、やはり流通革命と申しますか、そういう時期に対応いたしまして、金融機関にもおそらく非常な変化が――いまは小切手というものが金融の最も新しい一つの支払い手段でございますが、アメリカなどではもうちょっと別の制度、たとえばクレジット・カードとかいろいろなものが進んできつつあるように伺っております。各行ともそれぞれ研究しているようでございます。それと相並びまして、おっしゃるように、消費者金融というもの、要するに一般大衆に対する貸し出し、こういうものがやはりこれからの都市銀行の一つの大きなサービスであり、ビジネスであろうという点は、どちらさんも同じ御意見であろうと思います。ただ金融のフラクチュエーションがこのように激しい時代でございますから、どんどんそっちの方向にばかりいくというわけにはまいらぬと思いますが、全体のロングランの方向としてどうかという意味でございましたら、やはり、積極的に考えていくべきものと私どもは考えているわけでございます。
#39
○上枝参考人 消費ムードの問題でございまするが、私が先ほど申し上げましたのは、何も設備投資を押えぬでいいんじゃないかとか、あるいは財政の繰り延べなんかいいじゃないかとか、輸出はそんなに言わぬでいいじゃないか、それよりはむしろ消費ムードの問題じゃないか、そういう意味じゃなくて、まあそういうことも大事なんですけれども、それ以上に何か全般を引き締めるために、それとは全然性質の違うものとして消費ムードを引き締めるほうがいいんじゃないか、これは御承知のように、朝日がさめてから晩寝るまでに輸入品を使ってないものはないほどまあびまんしてきたわけですね。これが大なり小なり輸入の増勢に拍車をかけてくる、こういうことは国民の皆さんも御承知のとおりでございます。何とかこのほうを国産愛用とかなんとかということに少し切りかえまして押えていく必要はあるんじゃないか。これはすぐにレジャーとかなんとかにつながりまして、西ドイツでも問題になっておりまするように、賃上げと、働かなくなるというこのほうへつながっていってはたいへんじゃないか。それでまあ少しきびしいようでございまするけれども、消費ムードを少しやはり鎮静さすほうがこの際一番大事じゃないか。それ以外に、いまの政府方面における繰り延べも、設備投資の繰り延べも、これもやらなくちゃいけない。これは並行してやらなければいけないのですが、種類の違った意味で消費ムードのことを申し上げたわけでございます。
 それから、各種ローンの問題でございまするが、これがいかにもいま私が申し上げた消費ムードの抑制と何か相反することのような印象をお受けになっていらっしゃるかもわかりませんが、しかしこれは少し性質が違うのではないか。先ほど商業銀行の多様化の問題を申し上げましたが、大衆とやはり密着していって、大衆が望むことをやっていかなければならぬという意味から申しましたら、これはやはり研究もしながらではございまするけれども、新しいものとは取り組んでいかなければならぬ。特にコンピューター時代に入ってまいりますとこういうことが一番大事でございまするので、できるだけ消費ムードを上げないようなやり方で、こういう各種ローン、あのビジネス・ローンもそうでございましょうし、あるいは大衆の方の支払い手段、電気代、ガス代の振りかえの問題とか給料の振り込みの問題とか、あらゆるものに応用していって、できるだけコストを下げる、こういう中の一環としてこのローンもあるわけでございまするので、御了承願いたいと思います。
 それから利益が多過ぎるじゃないかという問題でございまするが、これは先ほど堀先生から御指摘がありましたが、まあ蓄積の問題にも関係する問題ですが、特に内部留保は、それじゃアメリカ並みの大銀行になれといっても、こっちのほうはなかなかそこまでいってないわけですね。それと、資本がいかにも日本の大銀行の資本金額は小さ過ぎるじゃないか。今度も増資をお認め願って秋にはやるわけでございまするが、そうなってまいりますと私は資本金に比べましても利益はそんなに大きくないと思うんですね。いわんやこれからは金利の問題がございまするし、なかなか利益をあげるということも世間でごらんになっているような楽なものじゃないので、自粛、自戒してやっておる次第でございます。
#40
○小峯小委員長 銀行局長、何かあったかな。
#41
○澄田説明員 手数料の計数の問題ですが、これは料率をどういうふうなものとして考えるかというふうな想定の上に立ちますので、後刻検討いたしまして……。
#42
○小峯小委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。
 両参考人には御多用中のところ長時間にわたりまして御出席をいただきまして、かつ貴重な御意見をお聞かせいただきましてまことにありがとうございました。小委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。
 次会は明二十三日水曜日、午前十時から開会することといたしまして、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト