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1947/11/14 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 予算委員会 第20号
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1947/11/14 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 予算委員会 第20号

#1
第001回国会 予算委員会 第20号
  付託事件
○昭和二十二年度一般会計予算補正
 (第七号)(内閣送付)
○昭和二十二年度一般会計予算補正
 (第八号)(内閣送付)
○昭和二十二年度特別会計予算補正
 (特第三号)(内閣送付)
  ―――――――――――――
昭和二十二年十一月十四日(金曜日)
   午前十時四十五分
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○昭和二十二年度一般会計予算補正
 (第七号)
○昭和二十二年度一般会計予算補正
 (第八号)
○昭和二十二年度特別会計予算補正
 (特第三号)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(櫻内辰郎君) 只今より開会いたします。本日は午前中は閣議で大臣は御出席がないそうであります。午後は御出席になるそうでありますが、大蔵事務当局がお見えになつておりますから、大蔵事務当局に対して御質問を願いたいと存じます。服部教一君。
#3
○服部教一君 私は大蔵大臣に質問したいのですけれども見えておりませんから、その質問は別にいたしまして、大蔵省にも関係のある問題でありますから、実は安本長官も、又農林大臣もおいでになるところで話したいと思つておるのでありますけれども、時日も切迫するし、今見えております大蔵省の当局の方は、どの係りであるかはつきり分かりませんが、いろいろ細かい問題についてお聽きしたいと思つておるのです。近畿地方の奈良県を初めとし二府六県は今年は大きな旱害がありまして、先日來この二府六県の陳情委員が八十人ばかり参りまして、そうして各大臣、総理大臣に陳情をしたのであります。そのことは今日見えております大蔵省の当局の方はご存じでありますか、そこははつきりいたしませんが、この旱害は奈良県の如きは、もう何十年來の大旱害である。その外二府六県に亘つての大旱害であります。これに対する援助のことでありますが、ほんの僅か、今年の追加予算で五千萬円ということになつておるのでありますけれども、それは東北の水害に対する補助との比較から言うても甚だ少くありまして、その詳しいことは陳情書も出しておるし、大蔵省の方でも大蔵大臣にも政務次官にも話されておりますから、よく分かつておると思うのでありますが、これは打つちやつといて貰うと困るのです。この問題は今度の追加予算で更に追加して貰いたいと思つておるのでありますが、聞くところによりますと、予備費の中から出そうというようなことも聞いておるのでありますが、それはどこまで出すということに決つておりますか。その金額の如きも、もう臨時國会は間もなく済むのでありますから、今日お見えになつております大蔵省の当局の方が、これについてどこまで関心されておるか、どういうふうにそれをやるか。これの具体案をどこまで研究されておりますか。そこを一つお聽きしたいのであります。
#4
○政府委員会(福田赳夫君) お答えいたします。奈良県外近畿二府数県の旱害につきまして、只今お尋の陳情書でありまするが、先般お見えになりまして、詳細にお話は承つておりまするが、固よりこの陳情團からお話を承るまでもなく、農林当局から詳細にお話は承つておるのであります。今囘補正予算を編成いたしまするに当たりまして、九百二十一億円というような大きな金額となりまして、而も各省の要請からいたしますれば、これは非常に一部分に過ぎないような状況であります。その中で旱害の関係いたしまするのは、公共事業費というところでありますが、公共事業費の予算は約五十二億円に相成つたようなわけであります。五十二億円という額は、公共事業の全体の要請いたしましると、これではなかなか不足だ。御満足の行かないような面もあるのであります。その中のやり繰りといたしまして、旱害のために五千萬円を割くということに決定いたしまして、御審議をお願いいたしておりますところの予算案ができておるわけであります。ところがその後に至りまして、各省から更に補正予算の更に追加という額が非常に沢山今要請されておるのでありまして、その中には旱害関係は五千萬円では足らない。更に出すんだという要請もあるわけであります。外の方の要請もいろいろ沢山あるのであり間するが、それら全体との睨み合わせにおきまして、この旱害の問題も十分一つ考えて行きたい。かように考えておるのであります。その場合におきまして、これを予備金から出しまするか、或いは追加予算として計上いたしまするか、又その額をどういたしまするかということは、この大きな今後の追加予算の要請全体との見合いにおいて決定いたしたいというふうに考えておるのでありまして、只今誠に遺憾でありまするが、具体的な計画をお話し得る段階に立到つておらないのであります。
#5
○服部教一君 よく分かりましたが、これは是非とも、今のままの五千萬円で放つて置かずに、これに加えて今後出すようにして貰いたいのであります。これはそう簡單な問題と違うのでありますから、是非これを増加するということにやつて貰いたいのであります。今我々の方においても、これの具体案を研究しておるのであります。これは又それができるまで関係の所へ突き詰める積りでおるのでありますが、どうか今日ここに見えておりますお方において、これはただ経費多端のことはもう承知しておるのでけれども、その理由のみで引き延ばすというようなことのないように、一つお願いをいたして置きます。
 次に、この頃大蔵省の税務省の方たちから、地方の人たちから、給料が足らんで生活できないというような書類が沢山参つておるのであります。職員宛に、私だけじやない、外のお方にもやはり同様來ておることと思います。これはその手で書いて、各自が書いておるので、給料にもいろいろありましようけれども、七百五十円じや到底食つて行くことはできません。家族三人食つて行くことはできんとか、いろいろ書いておる。それらを読んでみると、如何にも待遇が惡い。どうしてああいうものを打つちやつてありまと思うようなことが沢山あるのであります。これらのことは私が言わんでも、大蔵省においては十分御承知だと思いますけれども、どういうわけでああいうものを打つちやつてあるのか、それを伺いたいのであります。
#6
○政府委員会(福田赳夫君) お答えいたします。税務省の職員というものは戰時中、又戰前から、割合に他の官吏に比べまして待遇が低かつたのであります。それは予算の関係等もありましてそいうことに、長い間の歴史的な発展からさようなことになつておるのでありまするが、併しながら今日の税務官吏の地位というものは極めて重要であります。今囘提出いたしておりまする予算案が、本当に健全なものとして、これでやつて行けるかどうかというのも、一に懸つてこの税務署員がその能力を完全に発揮しまして、そうしてこの予算に掲げた收入を確保し得るか否かという点に懸つておるのじやないかとさえ考えておるのであります。從いまして從來の税務官吏の地位というものは、ここで再検討してみなければいかんというふうに考えておるのであります。すでに閣議におきましてもさような考え方から、税務官吏の待遇改善のことを決定して、只今法制的な手続きを進めておるのでありますが、大体におきまして、この税務官吏が他の官廰に比べて決して劣つていないという程度まで昇給等の措置によりまして、更にその上に、各省の役人並にしたその上に、特別の出張、例えば非常に危険のある仕事に出張するというような場合、又滞納処分で非常にむずかしい嫌な仕事をするというような場合でありまするとか、或いは非常にむずかしい調査に從事する場合でありますとか、さような特別の場合におきましては、特別の手当を支給するというような措置を講じまして、そうしてこの待遇改善と同時に、職務が完全に執行し得るというような体勢を作つて行きたいと、かように考えておるわけであります、これが実現いたしますれば、税務官吏の待遇問題は相当改められるとかように考えております。
#7
○服部教一君 税務官吏の待遇が他の官廰よりも低かつたというようなことは、私共には甚だ不満に思うのであります。これは何としたかて同じようにしなければならんと思うのであります。そういうようにしたいと思う今のお話に対して、是非ともこれを実行して貰いたいのであります。次にこの税務署にだけというわけではありませんけれども、官吏の何といいますか、收賄というようなことのないように、もつと職務を嚴正に行なつて、不正な金を貰うというようなことのないように、若しそれがあつたならば嚴重にこれを処分するということにして貰いたいのであります。随分方々で不正な行爲のあるということを耳にしておるのであります。これは十分に取締をして貰いたい。それと共にその待遇をよくして、人数を減しても待遇をよくして、人数を減しても待遇をよくするということにして貰いたいのであります。その税務官吏の事務執行に対する大蔵省の監督、それからその粛正はどういうふうにされておるのか、その点一つ伺いたいのであります。
#8
○政府委員会(福田赳夫君) 税務官吏におきまして、只今御指摘のような話を時折聽くのでありまするが、誠に遺憾なことだというふうに考えておるのであります。今囘待遇の改善もいたしますと同時に、職務を嚴正に執行して貰いたいということ、この両建てで進みたいというふうに考えておるのであります。從來とも税務職員が職務を執行するという場合におきまして、財務局というものがその上についておりまして、そうしてその執行の嚴正ということに努力して参つておるのであります。更に今囘給與改善の措置と同時に、この職務の嚴正なる執行ということにつきましては、特に念を入れましてやつて行きたい。かように考えておるわけであります。成るべく一つさような方針を地に移して行きたいというふうに考えておるわけであります。
#9
○服部教一君 もう一つ伺いたいのであります。官吏、学校教員なんかの退職した者の恩給でありますが、これは実に小学校教員なんかの恩給を貰つておる人が、僅かの恩給に対して、その儘に打つちやつられておるから生活上困つておる人が沢山ありまして、私共のところへそのことを方々から言うて來ておるのであります。金は要るけれども、困れば皆が困るようにせんと、インフレを防ぐために、ただ困つておる者も何も放つて置くということでなしに、やるなら一様にやはり公平にやらなければならんと思うので、インフレ対策はそんな小さい問題だけで防ごうなんかと考えておつても防げるものでないのであります。そのことは今大蔵大臣も見えませんし、今申しませんが、大蔵省の方において、ただ言うて來るものだけ、やかましく言われるものだけをやる。金が足らんのであるから、どうしても要求の多いところにやる。又要求を余り言うて來ない弱い声に対しては打つちやつて置くということのないようにしたいと、こう思うのでありますが、その恩給対策についてどういうふうに今お考えになつておりますか、又それは何時……今度の通常予算にでもお出しになる積りか、どういうふうになつておりましか、それを伺いたいのであります。
#10
○政府委員会(福田赳夫君) 恩給は、現在物價が非常に騰貴しておるにも拘わらず、從來の俸給を基礎にいたしまして、從來の恩給法によりましてしきゆういたしておるわけであります。これは現在の物價情勢から見ますと、誠に気の毒な状況になつておるというふうに私共も考えておるのであります。これはいろいろな経緯があるのでありまするが、現在におきましては、私共は決してそれを忘れておるわけではありませんが、これを改正いたしまして、これが改善を図るというようなことがちよつとむずかしいようなことに相成つておるのであります。将來におきましては、私共はこれは決して等閑にいたしておるというわけではないのであります。常々さようなことは考えておるのでありますがるが、将來とも努力はして見る考でありまするが、只今の見透しといたしましては、今近い将來直ちにこれが是正されるというような見透しはなかなか困難でありまして、いろいろ複雑した経緯がありますので、この点を一つ御了承をお願いいたしたいと思います。
#11
○服部教一君 これだけにして置きます。
#12
○委員長(櫻内辰郎君) 池田君、大蔵事務当局に対する御質問はございませんか。
#13
○池田恒雄君 ありません。
#14
○木内四郎君 大蔵事務当局ではちよつと工合が惡い、……若し安本の事務当局の方であるかも知れませんが、若しそうだつたら安本の事務当局に伝えて資料をだして頂きたいと思います。私から申上げるまでもなく、財政と金融とは全く一体をなすべきものであり、又財政の方におきましては一般会計、特別会計、分かれておりまするけれども、やはり一体に考えるべきものだと思うのであります。今度一般会計の方は形式的に辻褄を合わしておられるようですが、特別会計の方では非常な赤字が出ておるようであります。又租税の方もなかなか納まつていない。或いは産業の方の資金も今後相当要るだろうと思うのですが、大蔵大臣は原則として健全金融で行きたい。蓄積資金の範囲内で金融を賄つて行きたいというようなことを、原則としてではありますが、云つておられる。それにつきまして私は、政府の方から特別会計の資金の需要の状況、或いは一方においては租税の滞納、時間的のずれ、それから一方資金の蓄積、即ち資金の蓄積と需要、この両方を睨み合わした表を、一つ政府の方から出して頂きたいと思います。若し今主計局長から概略のことでもお答え願えればあれですが、或いは安本から出して貰つた方がいいということならば、安本へ伝えて頂いて参考にお出し願いたい。それを一年纒めてでなく、四半期とか、できれば月々の資金の蓄積、或いは需要というものを対比して頂けると非常に結構だと思います。この委員会の参考までに一つお願いして置きます。
#15
○政府委員会(福田赳夫君) この資金の関係は、政府の支拂超過額がどうなるかということに、非常に重大なる関係をもつておるのでありましてその観点からも財政の收支の均衡ということが、特に必要な問題となつて來るのであります。その中におきまして、一般会計におきましてはこれは年間を通じますると、收支の均衡が取れておるわけであります。併しながらこれを時期的に見ますと、一般会計におきましても非常にまずい問題があるわけであります。即ち一般会計の資金繰りの中で、租税でありまするが、これは今囘の追加予算を見ますると、大凡そ千三百億円になるのであります。その内上半期即ち第一・四半期、第二・四半期において徴收になつたものは、僅かに二百六十億ぐらいな額なのであります。今後千億以上の額というものが、六ヶ月以内に徴收されねばならないということになつておるのであります。而も今後六ケ月と申しましても、その内第三・四半期即ち十月、十一月、十二月に千億以上のものから、どれくらい取れるかと云いますと、只今税法の改正案を上程せんとしておるのでありますが、それが成立し、施行になるのが十二月からとなるよいうような点もありまして、この十月、十一月、十二月の收入になるという額は、これは大した額が期待できないのであります。從いましてこの第四・四半期、即ち來年の一月から三月に非常に大きな額がかかつて行くというような状況になるのであります。特別会計の方におきましては、これはお手許に資料が差上げてありまする通り、これは相当大きな赤字が出ておるわけであります。更に復興金融証券の問題等もありまするが、それから更に地方財政の赤字というようなことがありまして、これら財政関係のものの資金というものが、通貨増発に非常に強く響いておるのであります。通貨増発と財政資金の相関の関係と申上げますると、この四月という月はちよつと変調な月でありまするが、この四月には通貨増発高が六十七億円でありまして、財政資金の放出は逆に五億円の收縮になつておるわけであります。五月にはこれが通貨の増発が七十三億の支拂超過、即ち通貨増発高七十三億円の中で六五%というものは財政資金の超過が原因をなしておる。六月は通貨増発が六十六億円でありまして、財政資金の放出超過というものは二十三億円、三五%が財政資金がそれを占めておるというような関係なのであります。七月は通貨増発高が七十四億でありまして、それに対しまして財政資金の放出超過が七十一億、即ち九五%というものがこの財政上の原因のよつて通貨増発を來しておる。それから八月はこれが更に惡化いたしまして、六十九億円の通貨増発に対しまして、九十七億の財政資金の放出超過というものがあるのであります。即ち財政資金の放出超過が通貨増発に対しまして、一三九%を占めておる。九月は五十七億円の通貨増発に財政資金の放出超過が六十一億円、即ち一〇六%になるというような関係でありまして、第二・四半期全体としては二百一億の通貨増発に対しまして、その全部が財政資金の放出超過であるのみならず、更にこの産業資金の面まで食い込んで財政というものが、通貨増発の原因を構成しておるというような状況になつておるのであります。即ち通貨増発高第二・四半期、二百一億に対して、財政資金の放出超過は二百三十億、即ち一一三%になつておるというような状況を呈しておるのであります。そこで然らばさような状況でありますこの関係を、産業資金、財政資金を通じてこれを観察いたしますと、第一・四半期には、これは実績になりますが、実績が國庫財政におきましては六十五億二千三百萬円の需要であります。地方財政においては二億円、それから一般金融即ち産業資金になるのでありますが、一般金融におきまして百四十七億円、それから復興金融金庫の関係から七十五億二千八百萬円、それから直接投資が七億円、合計いたしまして二百九十六億五千百萬円、かような金を第一・四半期には使つておるのであります。それに対しまして金はどういうふうに供給いたしましたかと申しあげますると、預金の増加、これが二百八十三億四千五百萬円、ところが第一封鎖預金の減少がありまするので、それの減少額というものが一方あるわけであります。これが二百十億九千二百萬円、それから直接投資七億円、結局この差額というものが通貨増発になつたわけでありまするが、先ほど申上げました通り、通貨増発は四、五、六を通じまして、二百六億七千萬円とかように相成りまして、その尻というものが二百六億七千萬円の通貨増発になつてきておるというような状況でございます。それから第二・四半期の実績を申上げますると、第二・四半期におきましては、財政資金の、國庫において支拂超過が二百三十億円、先程申上げました数字であります。それから地方財政が一億円、それから一般金融即ち産業資金でありますが、これが百五十二億円であります。それから復興金融金庫の関係が百五十三億三千百萬円、それから直接投資が十五億円、合計五百五十一億三千百萬円となつておるのであります。これに対しまして資金をどういうふうに供給いたしましたかと申しますと、自由預金の増加が四百四十七億四千六百萬円、それから第一封鎖預金の減少、これは減少であります。減少額が百二十二億九千二百萬円、それから直接投資十五億円、結局差額というものが通貨増発になるのでありますが、二百一億八千四百萬円の通貨増発になつておるというような状況であります。これを結論的に申しますると、この通貨増発が第一・四半期では二百六億七千百萬円、それから第二・四半期には二百一億八千四百萬円となりまするが、この中相当重要なる部分を、この財政資金の放出というふうな影響しておるというようなことに相成つておるのであります。更にこの関係が第三・四半期にはどうなつて行くかという問題でありますが、これはまあいろいろな角度から検討しておるのであります。即ち一つの重要なる問題は税をこの三・四半期にはいくら取るか。これが非常な問題であります。それからもう一つは政府の歳出の方を三・四半期においては、どれくらいまで切り詰めるかというこの二つの重要なる問題があるのでありますが、これをそう努力をして参らず、今まで程度の調子で行くというふうな考え方をいたしますると、財政資金の支拂超過は第三・四半期においては三百三十億になるのであります。地方財政が二十五億、それから一般金融が二百三十億、復興金融金庫の関係が百四十億、それから直接投資十五億、それから農業会等でやつておる融資の関係が相当殖えて参るのでありますが、これが四十億、合計七百八十億というふうになるのであります。これに対しまして資金の供給面を見ますと、自由預金の増加が五百五十億、それから第一封鎖預金の減少が百二十億、直接投資十五億從つてこの差額が三百三十五億円となるのでありますが、これが通貨増発になる。三ケ月間に三百三十五億円の通貨増発になるという一應の計算が出るのであります。これに対しまして、これで見るとお分かりになるように財政資金が三百三十億の支拂超過であるという場合におきましては、通貨増発が三百三十五億になる。第三・四半期における態勢といたしましては、國庫財政が赤字になるだけが、即ちこの通貨増発を來すというふうな関係におかれておるのであります。三百三十億円という國庫財政を考える場合におきましては、税は下半期千億以上の額という中で、二百五十億という計算をしての話であります。二百五十億の税を第三・四半期にとることができるかどうかというと、これは並大抵の努力ではできないのであります。相当の努力を要するので、一面國庫の支出の方におきましても、相当努力をして参らんといかんという情勢でありますが、更に徴税と國庫の歳出ということにつきましては、努力をいたしまして、そうして成るべく三百三十億の支拂超過額というものを圧縮したいというように考えておるのであります。第四・四半期につきましてはまだ正確な見透しというものが立つておらないのでありますが、併しながら第四・四半期には、國庫の関係第三・四半期に比べますと、非常に楽になるということは、第四・四半期には、今囘の税の改正等の措置が全面的に威力を発揮するという状況になると共に、申告納税の更正決定等も非常に進んで参る予定であります。只今資金計画といたしましては、第三・四半期即ち年末を控えての点が非常な問題でありまして、これを乗り切り得ることが最も山をなしておる。この乗り切りに政府としては最善の努力を盡しておると、かような状況であります、
#16
○木内四郎君 只今政府委員から、極めて詳細な御説明がありまして、第一・四半期、第二・四期半期、第四・四半期又第三・四半期についても大体分つたのですが、第四・四半期ついては、まだできておらぬということであり、且つ非常に楽観的なお見透しをしておえらるのですが、我々必ずしも楽観的に見えることができるかどうか。大いに疑問に思つておるのです。第四・四半期には、資金蓄積と、又一方において特別会計の方の需要を、一般会計は勿論でありますが、更に地方財政、産業資金は殊に今、楽観しておられたが、相当の時間のずれがあると思われるのでありますが、そういうことを考慮に入れて、計表にしてこれを出して貰うわけには行きませんか。第一・四半期、第・二四半期、第三・四半期のものは勿論ですが、後の見透しについても、これを計表にしてみると、頭の纒まりがいいと思います。
#17
○政府委員(福田赳夫君) 第一・四半期、第二・四半期の実積につきましては、計表にすることが可能でありますが、第三・四半期は只今申し上げました通り、まだ不確定要素というものが非常にあるのであります。税を幾らとるうという問題、それから歳出をどういうふうにしなければならんかというような問題があるので、申上げましても、計表というようなことにいたしましても、なかなか誤解を生み易いような数字になると思います。只今申し上げたような程度で御了承を願えれば幸甚かと考えるのであります。
#18
○木内四郎君 なかなか、いろいろ困難な事情のあることは分かるのですけれども、大蔵省証券の発行の限度を四百億円なら四百億円と決めたり、いろいろなことをするについては、相当金盛り、その他國庫だけについても、いろいろなお見透しがついておられると思いますが、若しできなければ仕方ありませんけれども、そういう将來の資金積見込みというようなことが分かつておれば、それに対比して要る方の金ははつきりして來るのですが、どの程度に時間的のずれを見て行くかということだけの問題であります。殊に大蔵大臣は資金蓄積というものに非常に重きを置いておられるので、分かる程度でいいのですから、若しできたらそういうものを安本なりなんなりから出すように伝えて頂きたいと思います。できなければ仕方ありません。なお序にちよつと一つ伺つて置きたいのは、六・三制の問題でですが、六・三制の予算は今度は七億に削られて非常に皆心配おる方面もあるのですが、聞くところによると來年度は百億とか、或いは次の年になると二百億にもなるというようなことも伝えられておるのですが、六・三制の予算の來年度或いは明後年度の所要額、それを種類別にしたり、或いは地方地方の負担を別にして、簡單にご説明願えれば仕合せだと思います。
#19
○政府委員(福田赳夫君) 六・三制の予算は本年度だけ事業費即ち建設費でありまするが、この中には七億円入つていることは御承知の通りであります。当初政府において考えておつたのは7億円ではありませんで、十四億でありました。七億円は不足しておるわけであります。十四億円を考えた際には、これと並行いたしまして地方におきまして十七億を出しまして、総額は三十一億円という建設費になると考えておつたのであります。三十一億円はどういう金であるかと申しますと、今年から六・三制は実施に相成りまして、そして新制中学校の一年生は既存の建物に遣り繰りをして入つておるのであります。ところが來年になりますと、二年生ができて來るわけです。二年生を入れる校舎というものがないわけです。それをこの三十一億円を以て造ると考えておつたわけであります。從いまして更に來年度になりますと、再來年度にはいるべき三年生の校舎を造らなければならんということが問題となつて來るわけであります。この金が幾らになるか、かようなことになるのであります。三十一億円というのは、これは校舎の建設費ばかりの話ではありますが、その他の教員の俸給等の経費もあるのであります。只今詳細な資料を持つておりませんが、それらを合わせますと本年度は五十億くらいな額になるのであります。それから來年度はどういうことになりますかと申しますと只今申し上げました第三年生の宿舎を建てるところ建設費、これはまだ詳細な検討はしておりませんが、文部当局が概算をしておるという程度の数字でありますと、百億を超える金額になると思うのであります。勿論大蔵省におきましてはさようの金額を了承しておるわけではありません。相当に検討の余地ありというふうに考えておるのではあります。それから更に二十四年度になりますると、やはり五、六十億、二十五年度にも五、六十億、更に二十六年度に五、六十億というような数字になるというふうに、文部当局は申しておるわけであります。尤も只今申上げる数字は、すべて三十一億円に対応する建設費だけの話であります。人件費等の系統も逐次殖えて参るということは、これは必至の情勢にあるわけであります。
 それから更に只今申上げた数字は、新制中学校、即ち高等科の代わりに組替えされる部分だけの話でありまするが、この外に新制の高等学校というものができて來るわけであります。これが相当な金を必要として來るのであります。これは來年度から頭を出して來る関係になるのでありまするが、この関係のものが幾許になりまするが、まだ文部当局から話を伺つておりません。そらから更にその他の聾唖の者に対して義務教育をするというものも新制度の一つの構成分子となつておるのでありますが、これ亦相当の金を要するというような状況になるのであります。只今分かつておる程度を申上げますと、大体さような程度であります。
#20
○委員長(櫻内辰郎君) 姫井君、大蔵事務当局に対する御質疑をこの際お願いいたしたいと思います。
#21
○姫井伊介君 税務署の拡充の計画並びに現状、税務署職員の待遇改善のことでありますが、これは他の方よりすでに御質疑があり、御答弁があつたのならば、速記録によつて了承いたしますから略されて宜しゆうございますが、若しなかつたというふうに予算の中に織り込まれておりまするか。殊に税務署職員の待遇につきましたは、御承知の通りもう非常な大きな問題があるのでありますが、この辺の御説明お願いしたいと思います。
 次は徴税の方法でありますが、これは素人考えであります。それは沢山な税務署職員を以ちまして、俗にいう風潰し式に徴税の徹底を図られまするということも一つの方法でありましよう。それは國民の心持にやはり一つの暗い印象を與えることにもなるのであります。地方に市町村民税というがありまして、これの課税につきましては、それぞれその地方におきましていずれ適当な方法を設け、その人の收入、資産状況によつて、階級的に若しくは点数によりまして、課税標準を作つてやつておるこおとは御承知の通りであります。そこで私はこの一般課税のつきましては、そうした市町村を基本体といたしまして、それに更に地方の地区によりまして、委員制度などを設けまして、話合いの中に適正なる納税額を印し合わせていく、或いは近く提案されようとしておりまする生活協同組合とでも申しますか、今はできておりませんが、そういう機関でもあれば、やはりそういうものを使つて、共同責任において納税の義務を果たすように仕向けて行く。
 自主的に責任を持つてやるという方法が、徴税の適正化並びに徹底化を図る上におきまして、民主的な方法ではあるまいか、ただ特別の対象に対します留もの或いは法人に対しまするものなどは、これは税務署の手を煩わさなければなりませんが、今申しました課税方法は市町村自体と税務署の協力を無論求めなければいけないのでありますが、相協力してやりまするならば、朗かな気持の中に納税の義務が盡されるのではないか。ただ取上げられるといつたような観念を捨てさせることによりまして、そういう機構を以て行くということはどうでありましようか。これを全國的に改革を断行するということにつきましては、或いは危険があるかも存じません。從いまして試験的に或府県をその希望によりまして、或いは府県單位でなくても、もつと小さい範囲でもよろしうございますが、お試みになりますことはどうでありましようか。今の申告制におきましても十分なる成績を挙げていないと聞いておりますが、それはやはり共同責任体系が整えられていないからだと思うのであります。この点につきまして当局のお考えを承りたいと思います。
 なお大臣に対しまする質問を保留させて頂きまして、他の私の伺わんとする事柄は分科会において質問させて頂きます。
#22
○政府委員(福田赳夫君) 税務署職員の待遇改善につきましては、先程御質問がありましたのにお答えいたした通りであります。それからこの税務署をどういうふうに拡充して参るかという具体案につきましては、只今資料を持つておりませんので、別途の機会にお答えいたしたい。かように存じます。
 それから次に税のとり方の問題でありまするが、これは今囘の追加予算によりましても、非常に税の額が多額になつて來た関係で、どういうふうにしてとつて参るかということが、大きな問題となつて來ておるわけであります。当局におきましても非常に苦慮しておる問題なのであります。現在におきましても税務署に地方それぞれの専門の知識があり、或いは有力なお方というものに協力委員というものをお願いいたしまして、そうしてその人の御活躍に非常にあずかつておるのでありますが、今後はそういう人間の御協力を更にお願いしなければならんというふうなことはますます必要が大きくなつて來るというふうに考えるのであります。それからお話の共同責任を以ちまして或集団で相談をして頂くというようなことでありますが、これはやり方としては一案でありまして、從來からもさような仕組をとつておるところもあるのであります。これは全國的にこうすべしということはやつておりません。併しながら税務署長の裁量におきまして、これはそういう方が適当であるというようなケースにおきましては、そういうことをやつておる税務署長もあるわけであります。例えば化粧品の納税をするという場合に、同業者が寄り集まつて、そうしてあなたは幾ら、あなたは幾らというふうなことをする。この同業組合の御審議を煩すというようなことをやつておる向もあつたのでありまするが、なかなか最近の税は税額が多額でありまして、そうしてどなたも納めることに対して、非常な困難を伴うというような状況であります。大きくいいますると、そういうような仕組がなかなか動きが惡いというふうな状況にもなつておるようであります。併しながらお話の点もありまするから、その点も一つ十分になお考えて参りたいというふうに考えております。
#23
○姫井伊介君 今の徴税の方法の問題について少し言葉を添えさせて頂きたいと思いますが、地方の税務署に任意的にやらせておる。それをもう少し計画的に強力にやつて行く方法をお考え願えないか、今までのやり方でありますと、横の均衡がうまくとれてか行ない。そこで私素人案によりますと、収入資産を点数制に全國的にそれを整理して行きます。そうして一つの業種別団体ということよりも、さつき申しましたように、地区的の団体の方がむしろいいのじやないか。この点数によりまして横の均衡がとれて行くのであります。從いましてその市町村に対して所得税なら所得税を大体基本算定いたされまして、この市町村に対しては何千万円だとかいう、米の供出方法みたいに割当てられますると、その範囲におきまして、その市町村が更に地方的の団体と協力いたしまして、更に税務署にも相談いたしまして、点数によりまして割当制をやる。そこに無理がなくして、從來最も困難とされておりまする新円階級の未知数の収入とでももうしますか、そういうようなものが或程度までは調査されるのじやなかろうか。近所の見る目で凡そ分つて來るのであります。その方がさつき申しましたように、よりよい効果を挙げるのじやなかろうか。かように考えますので、そのことだけを申し添えて置きます。
#24
○委員長(櫻内辰郎君) 波多野君、貿易庁に対する質疑はありませんか。
#25
○波多野鼎君 私は爲替の問題について聽きたかつたのですけれども、昨日の話のような事情もありまして、ちよつと御返事が願えないような様子でございますから、差控えて置きます。
#26
○委員長(櫻内辰郎君) 川上嘉君、大蔵当局に対する質疑がありましたらこの際……。
#27
○川上嘉君 私は主税局関係ですが、主税局関係の方、出ておられますか。
#28
○委員長(櫻内辰郎君) 主税局は今日は見えていないのです。外に大蔵事務当局に対する御質疑はございませんか。
#29
○川上嘉君 中小工業者に対する資金融通の準則ですが、これが講じられていないようでありますが、そのために中小工業者が、最近の話によりますというと、相当な闇成金から金を借りる、そうするとつきに一割、一年間に十二割という利息を拂わなくちやならない。そういう人達は直接生活にひつような生産に携つておるわけでありますが、そのために闇で金を借りて來ておる手前、生産費が非常に上る。そうして從つて製品は高價で売らなければならないという結果、消費者がそれを負担しなければならない。そういう結果から当然にインフレはますます昂進して來る。そうして闇成金はますます太る。こういつた結果に相成つておりまするが、こうした中小工業者に対する資金融通の点について、なんらかの措置が講じられなくちやならないかと思うのですが、どうしようか。現在で行きますと。甲種と乙種の種別はできております。大体鉄鋼とか石炭とか、或いは見返り資物とか、そうした甲種のものには優先的に借りられると、次に乙種というものがあるが、殆ど乙種というのが、実際適用されておないということを聞いておるのですが、その問の事情を一つお願いします。
#30
○政府委員(福田赳夫君) 中小企業というものは、今後の日本の経済行動におきまして、非常に重要な地位を持つて來るということは、これは申すまでもないのであります。むしろ中小工業が中心になる経済行動を行うというくらいに考えておるのでありまして、從つて例えば中小企業の育成というようなことにつきましては、特に関心を持つておるわけであります。その場合におきまして、資金を中小企業にどういうふうに供給するかという問題がお尋の点でありまするが、中小企業と申しましては、これはいろいろあるわけであります特にその中には、いわゆる闇行爲をするというような者も相当にあるに違いないのであります。大体方針といたしまして、中小企業の育成には、これは力に注ぐということでありまするが、併しながらなおも闇をするという者に対して、これを助成するとかなんとかという考は、これは又同時にとつておらないのであります。併しながら公正なる将來の日本経済の構成分子となるべき中小企業は、これは極力育成して行くという見地で、これは普通の事業より特に目を注いでおるわけです。只今お尋の資金融通準則におきましても、中小企業だからと言つてこれを順位を下げておるということはないのです。例えばいくら小さくても、町工場でありましてはも、金属工業に属するものは、これは金属工業に属するものは、これは金属工業としての扱を受ける。それから中小企業の中には、貿易品を作る下部機構になつておるものが非常に沢山あるのでありますが、これらは又最優先順位として扱うのであります。如何に小さくとも、石炭、肥料等と同じ扱を受けておるわけであります。決してそれを差別扱をしておるというようなことはないのであります。そういうふうにあの順位表というものは、大企業でありましても、小企業でありましても、等しく適用になるのでありますから、更に中小企業につきましては、なかなか從來銀行等の取引から考えましても、金の入手が困難だろうというような見地から、特に中小企業だけに対しましては、復興金融金庫におきましても、或一定額を商工中央金庫に前渡しをしまして、そうして商工中央金庫から相当機動的に貸出し得るというような仕組まで作つておるわけであります。その普通の金融よりは、特に意を用いておるという点、御了承を願います。
#31
○西郷吉之助君 今の川上君の質問に関連しております。極く簡單に……。私は昨日午後本委員会において、今川上君が御質問になりましたことに関連した貸出し順位の問題につきまして、お尋ねいたしましたところが、安本長官より一両日中あたり、甲の二のものは全額新円貸出しをするようなお話があつたのでありますが、或いは本日からでも御実施になつたのではないかと思いますので、若し実施されたならば、その甲の二に対する業種はどういうふうなものであるか、又その以下の、乙以下のものでも、或いは繰上げたりした業種があるならば、そのものもこの機会に、今日の午後からでも結構でありますから、当局から御発表願いたいと思います。
#32
○委員長(櫻内辰郎君) 川上嘉市君、貿易庁に対する御質問ありましたら……
#33
○川上嘉市君 第一に爲替の問題でありますが、最近の貿易使節団のあの取引の爲替レートを聞く所によりますと、可なりの高下があります。或ものは百円そこそこでできておるものもあるという話を聞いておりますが、どのくらいでありますか。若し間違つておつたら御訂正願いたいと思います。或ものは四百円近いような話もある。あおれで結局内地の相場と見合いまして、ドルの値段で以て注文を受けて、その時に内地のそういうふうな非常に高いものはドル……同じドルに対して円を余計やるというような政策をとつておられるらしいですが、それが極端にひどくなるというと、例えば、先程想像を申し上げましたように、或ものは百円、或ものは四百円ということになると、結局内地の方で、生産費をうんと下げておる人が高い、物を輸出する。その損失を負担するような格好になりまして、非常に不公平になるが、それと同時に、いけないことは、仮に円が非常に安くなつた。こうなるというと、そのために、全体の日本の円の爲替というものはだんだん下げるというような傾向を助長するのではないかというような懸念がありますが、これに対して現状或いは将來どういうようにおやりになりますか。それらの点についてお尋ねしたいと思います。
#34
○政府委員(新井茂君) 現在の日本の輸出品の輸出の仕方は、御承知の通りに、貿易庁が、輸出品を買上げまする價格は大体公定價格を基準にいたしまして、それに必要な諸掛り等を加えました價格を以て買上をしておるような次第であります。從いまして内地の各物品の價格というものは、非常にでこぼこがありますような点からいたしまして、お話の通り、ドルに対する率を見ますると、非常にでこぼこができておる、こういうようなわけでありまいて、從つて中には相当に円の方の側からみまして高いものもございますが、これらにつきましては、非常に高い價格で、円の全体の率を非常に惡くするようなものにつきましては、輸出品の買上をいたしまする時に、そういうものは、余り円の惡いものは買上をいたさないというような方針によつて、そういうものの輸出は認めないというようなことにいたしておるような次第であります。併しながら現在において、非常に円の側から見て不利なものでありましても、将來相当輸出見込があるというようなものにつきましては、多少円の率の惡いものにつきましても、買上をいたしておるような次第であります。
#35
○川上嘉市君 大体の最高と最低の数字を、若し実数を伺うことができなければ、何倍という、最低に対して最高は何倍くらいという、倍数だけでも一つお知らせ願いたいと思います。
#36
○政府委員(新井茂君) 只今細かい資料をちよつと持つておりませんが、相当高いものと安いものとがございまして、その率は或いは十倍くらいになるものも中にはございます。併しそれは極端な例でありまして、大体から申しますると五、六倍程度の範囲と思います。
#37
○川上嘉市君 五、六倍程度ということになると、私は実はそれは無理があるのじやないかというような感じがいたします。無論輸出も非常に必要でありますけれども、安いものと高いものとの爲替レートが五、六倍、十倍に廻るとうことならば、これは余りに不自然でありますし、仮に外のものでも安ければ行くというものがなきにしもあらずと思いますけれども、それまでして出すのは、その仕事に対して本当に補助と申しますかにしても、余りにまずい仕方だというような感じがします。これをもう少し正当にやりませんというと、正常に近いところでやりませんというと、結局その事業というものは本当に発達しないのであります。余りに甘やかされ過ぎるというような感じがするのでありますが、これは是非一つ改めて頂きたい。そうしないというと、必ず間接に円がこれくらい安いものもあるのだということになるので、日本の爲替全体を非常に害するようなことが來やせんかと考えております。そして万々一爲替が下るならば、これは本当の平和会議ができまして、その後に諸外國が日本へ投資するようなことにでもなりますというと、五十円が丁度十セント、そうすると、日本の普通の会社の株式が額面通りで五十円としますと、一ドルで十株買える。こういうふうなことになると、日本全体の株を買い占め得るというような結果になる。そういうふうなことを助長するのは、やはり円の安過ぎることからで、そういうふうなことが数多くなればなる程、それに近付いて來ると思います。これは是非一つ、余り無理のないところに改めたいと、こう考えますが、それに対する御意見を一つどうぞ……。
#38
○政府委員(新井茂君) お話の通り、貿易庁といたしましても、余り不利なものは外に輸出をいたしたくないのでありまするが、御承知の通りに大変日本の貿易が入超になつておりまする関係もありまして、一面から申すと、できる限り又輸出をいたしたいというふうな両方の立場がございまして、それをどの辺で線を引くかということは、大変むずかしい問題でございまするが、お話の通り非常に不利なために、日本の円の率を非常に惡くするというふうなものにつきましては、從來も買上をいたしておらないのでありますが、今後ともお話の趣旨は十分注意をいたしまして、買上をいたしたいと思います。
#39
○川上嘉市君 本年の今までの輸出入貿易の額を、若しお知らせ願えるならば、伺いたいと思います。それから年度末或いは年度末までの全体の見込み、これもお伺いしたいと思います。それから実は昨年度におきましては輸出入のどのくらいの収支になるかということ、國全体として計画的にやつておられまして、幾らでしたか。昨年の上半期に三十億とかいうような数字であるというような記憶がありますけれども、そういうふうな全体の傾向がありましたけれども、今貿易庁でおやりになつておる計画、つまり大きい目標としておられるかという点を、一つお伺いしたいと思います。
#40
○政府委員(新井茂君) 只今のお話は、将來の貿易の計画という意味でございますか。
#41
○川上嘉市君 そうでございます。それと、実際のげんざいのまでの輸出入の数字でございます。
#42
○政府委員(新井茂君) 昨年までの収支はもうすでに発表になりましたが、ドルで申しますと、大体、一億八千万ドルの入超ということに相成つております。
#43
○川上嘉市君 それは入超ですな。
#44
○政府委員(新井茂君) 入超でございます。それからこれは総司令部において対日理事会で御発表になつた数字でございますが、今年の六月末までのバランスは、大体入超は三億二千万ドルという発表になつておるのであります。将來の見透しは、大変むずかしい問題でございまするが、今後どの程度の輸入があるかということに大部分依存して参るようなわけでありまして、只今のところ予想は非常に困難でございまするので、その辺のところを御了承願いたいと思います。
#45
○川上嘉市君 今年の六月までの数字は大分前にも聞いておりますが、それからもう四ヶ月経つておりますが、その後になつて情勢が好転しておるが、或いは惡化しておるか。その上期の一億四千万の後はどうなつておるのでしようか。
#46
○政府委員(新井茂君) 多少やはり入超が少しづつ殖えて参る情勢であると存じております。
#47
○川上嘉市君 そうすると、年内で、昨年と比較しますと、上期よりも入超が殖えるものと了解して差支ありませんか。
#48
○政府委員(新井茂君) 大体そういう情勢にあると存じます。実は入超バランスの関係は、日本側にははつきり申すと正確に分りませんので、総て司令部において扱つておられます関係でございまして、正確な数字は私共としてまだ入手をしておりませんが、大体の輸出入の関係から申しますと、入超が少しづつ殖えて参つておるという状況であるのであります。
#49
○川上嘉市君 そういたしますと、仮に今年が三億とすると、四億八千万ということで、いわゆる貿易資金の五億ドルというものは年内になくなつてしまいやせんかと考えるのでありますが、先程貿易の計画という点についてお話がなかつたのですけれども、少なくとも政府で何か計画をお持ちだと思いますが……。そうせんと、一体來年から後どうするんだか。又この貿易関係の事業を振興するにいたしましても、そこに目当てというものがないといかんと思いますが、(「その通り」と呼ぶ者あり)是非一つ、それをお知らせ願いたいと思います。
#50
○政府委員(新井茂君) 実は貿易の計画というものは、大変むずかしい仕事でございまして、輸入に関しましては大体が総て連合総司令部の方で御決定に相成るようなわけでございます。それから輸出の方面につきましては、私共といたしましてもできる得る限り正確なる計画をいたしたいとは考えておりまするが、非常に世界経済の動揺が甚だしいような現状からいたしまして、なかなか正確な見透しはつけ難いというふうな関係もございまして、実は計画を発表……計画と称して発表をいたすほどのはつきりしたものを持たないような現状でありますが、併し最近政府部内におきましても、輸出入囘轉転基金の問題に関連いたしまして、或程度の計画を、比較的実現の可能性の多い計画を立案中でございまするので、それができ上がりましたならば、適当な機会に関係方面とも連絡の上で発表をいたしたいと、かように存じておりますが、もう暫く御猶予を願いたいと思います。
#51
○川上嘉市君 最近に貿易使節団が参りましてから、どのくらい全体でできたのでありますか。
#52
○政府委員(新井茂君) 十月末までの計算によりますと、契約のでき上がりましたものは約四百万ドル少しであります。
#53
○川上嘉市君 四百万ドルというと、どうも輸入に対して本当に九牛の一毛というような感じがするのでありますが、先程お話があつた貿易の計画は、今立案中だというお話でありますけれども、案があるけれども、発表ができんというならば宜しゆうございますけれども、そうでなくして本当に見当が付かんというのですと、甚だ心細いような氣がいたします。是非案を立つて、そのりそうに向つて何処までも邁進して頂きたいと考える。それから今朝発表がありましたいわゆる白書、あれだけで以てどれくらいの輸入になりますか。例えば米が幾ら、何が幾らというようなことがありましたけれども、大体の見当は如何ですか。それに対して見合うべき輸出ができ得るかどうか、大体の見当でいいのですが、承りたいと思います。
#54
○政府委員(新井茂君) 今日発表になりました需給計画と輸出入の関係につきましては、実は私まだ詳細にあれいたしておりませんので、後程調べましてお答え申し上げます。
#55
○委員長(櫻内辰郎君) お諮りいたします。午後一時三十分より再開することにして、午前中の質疑はこの程度で打切りたいと存じます。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
   午後零時十四分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時九分開会
#56
○委員長(櫻内辰郎君) それでは開会いたします。政府委員、お願いいたします。
#57
○政府委員(福田赳夫君) 先程西郷委員から、産業資金貸出の順位の問題につきましてお尋があつたのでありまするが、お尋の如く大蔵省におきましては明日附けを以て告示を出しまして、金融緊急措置令施行規則によりまして、新円を以て融通し得る額の範囲の拡張を行わんとしておるのであります。今囘の改正は甲の二の順位の産業の事業設備資金又は運転資金、これをすべて新円を以ていたすということにいたす趣旨の改正であります。現在この金融機関が産業資金を貸出す場合におきましては、甲の一の順位に属するもの、又は超重点産業に属するもの、並びに貿易関係のものにつきましては、すべて新円を以て貸出すという措置を講じておつたのでありますが、今囘更にその範囲を甲の二の産業にも及ぼす。かようなことにいたすのであります。産業経理に当りまして、封鎖貸出、又新円貸出というものが並び行われまして、これが事業運営上少なからざる支障が出ますのに鑑みまして、先般現行制度を採用したわけでございまするが、大蔵省におきましてはさような状況に鑑みまして、逐次この産業の貸出は新円一本にいたして行きたいという考え方を持つておるのであります。最近におきまする貯蓄増強の状況等が相当顕著なる好成績を挙げつつあるのでありまして、その状況に鑑みまして、今囘甲の二の産業資金にも、これを拡張するというふうな措置をとつたわけであります、
 それから、先程西郷さんからは更に甲の二の産業としてこの順位に属する産業はどんなものがあるかとお話であつたのでありますが、これは産業資金貸出優先順位表というものに詳細に出ておるのでありますが、その主たるものを申上げますると、例えば採鉱業につきましては採鉱業については金鉱でありますとか、銅鉱、鉛鉱、鉄鉱硫化鉄鉱というようなものが、その甲の二に属しておるのであります。又金属鉱業にありましては非鉄金属精錬業の中、金に関するもの、又銅に関するもの、鉛に関するもの等がこの甲類のこの中に入つておるわけであります。それから通信器具製造業、こういうものが概ね甲のにのに属しております。それから製鉄用機械器具製造業、鉱山用機械器具製造業、繊維機械器具製造業、蚕糸用機械器具製造業、工具、かようなものが甲の二の中に入つておるわけであります。これはいちいち申上げますると大変なものでありまするから省略いたします。
 それから運転資金にありましては、設備資金が甲の二に属しておるのでありますが、例外といたしまして設備資金が甲の二でありましても、運転資金は乙でありますとか、或いは設備資金の方で甲の二でなくて、或いは乙というものが運転資金におきましては甲の二であるというような種類のものがあるのでありますが、例えば採鉱業の中でアンチモン鉱というものの採鉱につきましては、設備資金は乙でありまするが、運転資金は甲であるとかようなことになつておるのであります。それからクロム鉱、マンガン鉱、タングステン鉱、モリブデン工の如きは大体アンチモン鉱と同様なことになつておるのであります。これはいちいち申上げますと、大変なことでありますから省略いたします。
#58
○大島定吉君 私は先ず非戰災税についてお伺いしたいと思いますが、煙草は嗜好品の域を脱しまして、生活必需品であるにも拘わらず、今囘煙草に大幅値上を断行いたしますると共に、新たに非戰災税を設けましたことは、大衆課税であると同時に、固より敗れたる國民の当然の負担であるとするならば、何をか言わんやであります。財産税は再び徴収せずと政府は先に財産税を課税いたしまする時に言明いたしておりまするにも拘わらず、今囘非戰災税を課しますることは、名前を変えたる一つの財産税である。かように考えております。而も財産税を納めました方々は相当現在悲境にある方が多いように見受けられますので政府の目論んでおりますだけの税金が果して納税し得るかどうか。誠に寒心に堪えないものがあると存じますが、政府のこれにつきましてはの所見をお伺いいたしたいと存じます。
#59
○政府委員(福田赳夫君) 非戰災者特別税は仰しやるとおり一種の財産課税となるわけであります。政府は財産税は今後やらんということにつきましては、さような財産課税的性質のものは一切やらんということは申上げておらなかつたように承知しておるのであります。先般実施いたしました財産税、この式の財産全般にる規模の財産税というものはやらないということは申上げておるのでありますが、まあそれは別といたしまして、この非戰災者特別税というものは、いろいろな角度から批判の余地はあるように思うのです。併しながあ戰災者と非戰災者、この経済の状況というものが日を経つに從いまして非常に隔りが出て來るような状況も見えますので、今囘大きな追加予算を出す一環といたしましてこれを実行するというような仕組になつたわけであります。それから六十五億円という見積りに対しましては、これは政府におきましては確乎たる見透しをもつておりまして、決してこれは見積り過大であり、又とれないものが出て來るということはないというように確信いたしております。
#60
○大島定吉君 次は申告税のことについて、ちよつとお伺いしたいと思うのでありますが、御承知のように税に対する懸念がまだ我が國におきましては一般に徹底しておりませんところに、今囘所得税を申告税にいたしましたことは、税収入の上に大きな破綻がありはしないか。かように考えておるのですが、固よりこの税のことは或方面の了解がなくてはできえないことであると、かように考えまするが、これらのことにつきまして、政府は再び元に還すというような意思はないとは思いますが、この点につきまして政府の確乎たる信念をお伺いしたいと存ずるのでありまするが、私経ちの見るところでは、政府の予定するが如き申告によつては税収入は得られない、かように確信いたしておるのでありまするが、この点につきまして政府の御答弁を頂きたいと思います。
#61
○政府委員(福田赳夫君) 申告制度は本年度最初の試みでありまして、仰しやられるとおりに、その成績は極めて不良であります。併しながら制度自体といたしましては、これは非常に長所を持つた制度でありまするので、これは今後この制度を発展育成するということを講じたならば、将來のためには非常にいい制度になるのじやないかというふうに考えておるのであります。申告の成績が惡かつた関係上、いわゆる更正決定をするということになるのであります。更正決定をするということになりますれば、申告をしたというだけが手数上の無駄をやつたということになるのでありまして、非常に遺憾なことでありまするが、只今の状況では、税の大部分というものを更正決定に俟たなければならんというふうになつておるのであります。併しながら只今申上げました如く、制度といたしましては、これはなかなかいい点も持つておりまするから、今後これを育成して参りたい。かようなことを考えておるのでありまして、今俄かにこれを変改するということは考えておりません。
#62
○大島定吉君 只今、再び調査の結果訂正するというようなお話でありまするが、現在におきまして滞納が、政府はすでに百億というように申しておりまするが、或いは百億が百五十億か二百億かわかりませんが、地方自治体におくいまする滞納も非常に大きな数字に上つておりまして、而も市街地における自治体の如きは、四十%しか納税がないというようなところまで行つておりまする関係を見ましても、申告税を、これを又調査してやるということにつきましては相当困難が伴うのじやないのかと、かように考えておりまするが、この点につきましては政府は税務官吏を動員いたしまして相当やることと思いまするが、この点を適当に政府におきましても、納税者を余りにも刺激しないような訂正方をお願いしたいと、かように存ずるのであります。尚政府は新円所得者に対しては、これをやつておるのか、一応御説明を願いたいと思うのであります。
#63
○政府委員(福田赳夫君) 新円所得者と申しまするか、インフレに乗じまして闇利得を多額に収入しておるという者の課税の問題でありまするが、これは闇利得であるという関係上、なかなか捕捉が困難な点があるのであります、併しながらこれはどうしても捕捉しなければならんというところには來ておるわけであります。経済が平時の状況でありますると、さような一種の事業上から出て來るところの所得というものが割合に少いのでありまするが、只今いろいろの角度から計算して見ますと、闇所得に、即ちその大部分を占めるところの雑多の事業所得というものの量というものは非常に多いものであります。多いと申しましても、金額のみならず、その外の所得とのバランスにおきまして非常に多いことになつておるのであります。これをどう捕捉するかというのが、これ加税の大問題になつておるわけであります。今般所得税法の改正をいたしまして、七万円超過のものにつきまして、税率を二パーセント乃至一〇パーセントの引上げをいたすというのも、さような方面の所得を捕捉しようというような狙いから來ておるわけでありまするが、実行上におきましても、罰則の強化でありまするとか、抜打的にいろいろな調査をいたしますとか、できる限りのことをやつておるのでありますが、併しながら実効は、なかなか思つた通り挙がらんというのが実情でありまして、今後とも、この方面には税務当局の総力を挙げてやつて行くというふうに考えておるわけであります。
#64
○大島定吉君 本日の新聞によりまして、安定本部は、飲食店の休業は、尚この上続けて行くようなお話でありまするが、最近見まするところによりますると、只今申上げましたように、殆ど闇商人と同じようなことで営業を続けておつて、而も遊興飲食税というのは、政府に更に納入しないで激減しておるというような状況から考えまして、大蔵省が税収入を見るという見地からいたしまして、これらの業者に統制品だけでも、而も酒は自由販売にもなつておりますので、統制品だけでも売らせて開業せしめるというような御意向が、税の収入の見地からいたしまして、大蔵省にあるかどうか、お伺いしたいと思います。
#65
○政府委員(河野一之君) お答え申上げます。遊興飲食税は、本年の四月から地方税の方に移管されまして、國税としては只今徴収いたしておりません。併し地方税の財源として遊興飲食税の収入を多くするために、料飲店を統制品だけでも売らせて開業するという点につきましてはこれは現下の食糧事情その他各般の点から考えまして、いろいろ論議のある点でございまして、大蔵省といたしましては、仮に地方税といたしましても、その目的のために料飲店を再開することを希望するというような考え方は、現在のところ持つておらん次第であります。
#66
○委員長(櫻内辰郎君) 大島さんにちよつとお諮りしますが、厚生大臣が見えて、厚生大臣は三時頃までという話でありますが、厚生大臣に対する質疑をこの間に挟みたいと思いますが……。
#67
○大島定吉君 後一つ簡單に……。インフレ防止の建前からいたしまして、通貨が非常に不安定でおることは大きな問題であると存じます。而もこれらの問題につきましては、食糧問題、貿易関係等いろいろありますが、ただ残されました問題は、クレジツトの問題にかかつておると存ずるのでありますが、政府はこれらの問題につきまして、何とか手を打つておるのかどうか、その点、簡單で結構でございますから……。
#68
○政府委員(河野一之君) 我が國の経済を再建、復興するために、外國の援助の必要なことは申すまでもないことでありまして、政府が今囘の予算を編成いたしますにつきまして、健全財政を堅持するという建前で編成いたしましたことにつきましては、この問題がその裏に挟まれた一つの大きな問題でありまして、日本の健全財政が成立つのでなければ、外國のこの失われた我が國の信用を囘復することができない。從つて外國の援助も期待できないという大前提に立ちまして、この健全財政をモツトーとする予算を編成いたした次第でございます。この点につきましては、明年度の予算編成についても、同一の方針がとらえるものと存じますが、少なくとも予算の面において、そういうような覚悟を持つてやつております。その他八月からの貿易再開の問題、囘転資金の問題等この一連の関係でありまして、その具体的のいろいろな点につきましては、目下安本及び大蔵省理財局を中心といたしまして、いろいろ画策をいたしておりますが、只今のところ、その具体的内容につきまして申上げ得るような段階になつておらない次第であります。
#69
○委員長(櫻内辰郎君) 厚生大臣に対する御質疑を願います。三時半までに、三人の質疑でありますから、そのお含みで御質疑を願いたいと存じます。奥むめお君
#70
○奥むめお君 失礼でございますが、ちよつと数字を調べておりますので、お先に……。
#71
○委員長(櫻内辰郎君) それでは服部教一君。
#72
○服部教一君 厚生大臣には、私は厚生委員としても申上げましたし、また多年お心易く願つておりますから、個人的にもお願いをしておるのでありますが、方々からいろいろな問題につきまして、私が委員となつておるために要求がありまして、やはりこの予算に関係のあることでありますから申上げたいと思うのです。又厚生省においてそれぞれ局長なり係の方がおられまして、研究されておるのでありますから、どうせそれらの機関に御命令になつてやつて貰わなければならんこともあると思います。それで明日から御旅行だということでありますから、折角お忙しいところをおいで頂いたのでありますから、要点だけを申上げたいと思います。
 その一つは青少年禁酒問題であります。この青少年禁酒法の問題は多年の問題でありまして、この議会においても、もう何年になりますか、二十年來の問題とされておりながら、実効をされずにあるのです。これは一つ、是非とも実行するようにしたいと思うのですが、厚生省の方から法案を出して貰えば尚いいと思うておるのです。それで厚生省の方で法案を出すというようなことの御相談も、厚生省内において、お願をしたい、それが一つであります。そこでこの議員の方から出すものは今着々と準備しております。どちらになつてもこれは実行したいと思つております。それで厚生省の方で衛生の係の者に青少年禁酒法についての意見をしつかりと決めて貰いたいと思うのです。禁酒法案についてはそれが一つです。
 次に玄米食の問題でありますが、これは実に大きな問題でありまして、専門家の多くの人の研究によれば、日本が玄米食を実行すれば、日本の病氣の八割まで助けることができる。こういうことをいうております。果してそれが厚生省における今日までの研究において、そういう問題についてどういう研究ができておるか。それを発表して貰いたい。それができていないとすれば、これは徹底的に科学的の研究をして貰いたい。これは衛生試験場に玄米食に関する研究部を設けて、そうしてやつて貰いたいと思うのです。米についても二割は節約できる。これを実行すれば日本の主食問題が殆ど解決できやしないかと思うておるのであります。その研究もただ常識ならば誰でも知つているので、そうでなしに医学的の立場から、徹底的に研究して、これを発表して貰いたい。この玄米食を主張する医者の仲間では又、厚生省が始終、よく研究もせずして、そうして研究したらしく天下に発表して、いや消化が惡いとかなんとかいつて、邪魔されておる。厚生省が妨害しておるという声がもう多年あるのです。それだからこれは國民衛生上大問題であり、又経済上においても、今日は非常な大切な問題でありますから、こういう大きな問題をどの程度に研究されているか。私共はこれを疑つているのです。もつと真面目に研究して貰いたい。そうして衛生試験場においてちやんと玄米食研究という係りの専門家を置いて、そうしてこの問題は、何も今年からの問題に限らない大きな問題、アメリカの如き、或いはイタリーの如き、小麦は白くしてパンを拵えておつたのが、この頃日本でいえば玄米、向うでいえば小麦の上皮の取らぬやつ、それを粉にしてパンに製造してやつておるというのです。それでこれは一つ研究を科学的にして貰いたい。そういう機関を作つて貰いたい。こういうことを私はお願をしたいのであります。
 第三にこれは厚生大臣も先日厚生委員会においてもうされたておりました通り、誰でも知つておることでありますが、公衆風呂屋であります。世界を歩いて、私は始終そう思つておる。日本の風呂というものは、誠に便宜であるが、非常に不潔なものであります。風呂の中で身体を洗う。実に不潔です。それでこれは厚生大臣も、厚生委員会のときにいわれておりまして、よく御承知であるのです。知つておりながら等閑にしてあるのです。そうだからこれもこの風呂の湯を科学的に研究して、そういう黴菌いるとか、どういうふうになつておるということを研究し、又一つは、全國の風呂屋に湯の中で身体を洗つてはいけない。ただ温まるだけで、浸たるだけであつて、一切湯の中で洗つちやいかんという紙を一枚づつどの風呂屋にも貼つただけでも、私は衛生上非常に宜いと思つておるのです。罰則を入れるということは、これは第二でありまして、そうせんでもいいのです。衛生上、公衆風呂の中で身体を洗つちやいけない。温まるだけである。これだけの厚生省からの触れを全國の風呂屋に貼り出しただけでも、非常な効能があると思う。これは日本の風呂が簡便でありながら世界の恥になつておる。そんな汚ないことはヨーロツパにおいても、或いはアフリカ、南米に至るまで何処へ行つたつて、ああいう日本の風呂のような汚ないものはないのです。どうぞこの点を一つお願をしたいのであります。これも科学的に研究することそれから一般に触れを出す案文を一つ練つて貰いたい。この二つです。どうかお願いいたします。
#73
○國務大臣(一松定吉君) 服部委員の御質問に関しまして、その御質問の順序に從つて私の所見を申上げて見たいのであります。先ず第一点は、青少年に対する禁酒法を制定するについての私の所見を訊されたのでありますが、私は青少年が酒を飲むことによつて害のあることはよく承知しております。故にこれらの点についてなるたけ飲まないようにして保健衛生の立場から、若しくは思想方面の立場からもこれらのことは飲むがいいか、飲まないがいいか、勿論飲まないがいい。私かように考えております。これらの問題に関しましては、服部委員御承知の如く、私が昭和三年に代議士に出まして以來今日まで、どの議会にもどの議会にも、禁酒法の請願若しくは決議案、建議案それから法案というものが出て論議されたのではありまするが、一方においては、これに反対するところの手続がとられたことは、服部さんの御承知の通りであります。私はそれらの両方の意見をよく拜聽もし、研究もして見たのでありまするが、今日只今の私の考ではでは、これを法律を制定して取締るということは、私は必ずしも適当でない、かように私は考えておるのであります。むしろこういうことは、いわゆる家庭において、もしくは教育においてそういうようなことは、自然にこれは惡いのだということを自分から了解をして、そうしてこれらの者に、酒をのまないようにするということの方か正しい遣り方ではないか、私かように考えておるのであります。若し体に害があるということであれば、害のあるものは悉くこれは法律をいて似て、取締らなければならんという結論になりましようが、この酒を飲むということが、害になるという場合もあつて、或学説によると、即ち酒は長寿のもとである、酒は百薬の長だという言葉も昔から言いふるされておることは御承知の通りであります。問題は程度の問題である。僅か酒を二三杯くらいのんで、ぽつと紅潮をさして、なんとなく非常に氣持がよくなつたという程度であるか、酒をのんで管を巻いて、そうして近所隣の人にめいわくをかけ、友人に助けられなければ歩行ができない。或いわ酒を沢山飲んで嘔吐をあげたり、人の頭をぶん殴るとか泣くとかいうようなことがあれば、これは盆がなくて害の多いことありまするが、ちよつと小さい杯に一、二杯くらい飲んだということで、必ずしも害があるということに、直ちに断定はできんのではなかろうか、かように甲論乙駁しておる。これらのことを法律で似て制約するということは、今少しく研究しなければならんのではないか。かように私は考えておるので、問題は程度の問題、つまり程度の如何を問はず酒を禁ずるということになりますと、煙草にしても同じこと、煙草にしても煙草を量を過ごすということになると、眩暈がする、痰が出る。それがために却て病氣を促進せしめるというようなことになる。併しほんの少しばかり飲むということは害がないという。こういうようにいろいろ飲む人と飲まない人とに議論をさしておれば議論は盡きないことであります。故に議員の中でも、いわゆる禁酒法に賛成する議員あり、禁酒法に反対する議員あり。こういうことは服部さんの御存知の通りでありまして、これらのことは、これは私は法律で以て禁止するということよりも、いわゆる個人々々の精神の修養、教育という方面から、むしろその弊害のないような方面かに導くということが正しいのではないか。かように考えておるのでございますから、今私がこれらの法律案を出して、厚生省案として出して云々ということについては、只今はそういう考えを持つておりません。併しながらいわゆる國会の皆さまは、國家意思の最高機関にあらされる方でありますから、皆さま方が御提出になつて、皆さまが御審議の上、そうしてこれが法案となれば、勿論厚生省は皆さまの御意思を尊重して、これらの法律の施行に当らなければなりませんが、それらのことは政府がするということより、むしろ立法府であるこの國会において、そういう御提案になつて、御審議相成るということであれば、私共はそのいわゆる高論卓説をよく拜聽いたしまして、國会の意思に從つて行動いたしたい。かように私は考えておるのであります。どうかさように御了承賜りたいのであります。
 玄米食の問題、これ亦同じく衆議院におきましては、服部委員が衆議院議員でおありになつたときに、常にこれを御主張になりまして、衆議院の中に玄米食を試食する会まで服部議員は御開催相成りまして、私共はその試食会に出て、そうして舌鼓を打つて成る程うまいなあと言つて、大いに賛成の意思を表したこともありました。そのときには、非常に玄米食ということに対しても國民も関心を持ち、議員諸君も関心を持つて、だんだんそれが宣伝せられつつあつて、明治神宮の表参道のところには、二本博士が特に出張されて、参拜者に安價にお奨めになつた。私は家内を連れて数囘試食したという経験を持つております。又服部さんのお奨めによつて高圧釜という釜を買いまして、これを自分の家庭においてやつたこともあるのでありますが、これに対しましては、やはり炊事の方面においていろいろ支障もありまするし、又医学の方面から言いますると、玄米食必ずしも保健衛生上宜しくないという議論もあるのでございますが、これは服部さんの御希望のように、厚生省においてどの程度に研究しておつたかということを、未だ私は調査しておりません。早速調査いたしまして、既に研究がこれこれになつておつて、これは弊害があるという結論を得ておるのか。或いは非常に有効であるという結論を得ておるのであるか。或いは実際研究が積んでいないのか。これらの点を早速取調べまして、適当の機会に発表をいたすことにいたしましよう。さよう一つ御了承を願いたいのであります。玄米食を國民がやることによつて、米が二割節約ができるというような御意見もあつたようでありまするが、果して二割の節約になるのか、それがために却て薪炭を沢山使つて、燃料不足のときに、今日それがいいのであるか、どうであるかというようなことも、やはりこれは研究してみる必要があろうと思います。そういう点につきまして厚生省において長さ、研究したことをよく取調べまして、適当の機会に発表するということにいたしましよう。一つ御了承賜りたいのでります。
 公衆風呂の不潔、これはもう私全然貴方と同じ考え、私は風呂に毎日入ります。毎日入るということは、そういうことであるかというと、私は風呂の中に手拭を持つて入つたことがない。必ず体を綺麗に洗つてしまつて入つて、風呂の中で数秒間温まりまして、それから外に出て、そうして体を綺麗にして又入つて、二度入るのですが、手拭を使つたことがない。そうして上がつて冷水浴をして綺麗にして着物を着るという習慣でございます。私は公衆風呂に余り入つたことはありませんが、併し公衆風呂に対する経験もいくらも持つております。公衆風呂に参りますと、貴方の仰しやるように、風呂の中で頭の毛を洗い、甚だしきは嗽いをしておるというようなことがありまして、実に私は日本人が風呂に入つておるとこをの作法というものを非常に実は憤慨をしておる一人、あなたと同じでございまするから、この自分の家にある風呂でも、風呂の中には手拭を持つて入らないように、体を綺麗にしなければ入らないように、というまで家庭の者に言い附けてやつておることでありまして、全くあなたと同感でございます。でございますが、厚生省という保健衛生の立場から、そういうことを全國の浴場に訓示するだとか、或いはそういうことをしなければならんという政令を出すとかいうようなことは、これはまあ少し行き過ぎじやないかと思いますが、場合によればそのくらいの必要があると私は考えておる。況や近頃の浴場は一週間に一遍か、或いは十日間に一遍でなければ、湯に入れないというところに行つて見ると、もうまるで、「ごぼう」を洗うどころでない、片足入れたら片足は中に入らない。風呂の中では、どうも茶碗やいろいろなものを台所で洗つた水を放り込んだようなもので、つまり肥しのようなものであるというようなことは、確かに保健衛生上宜くありません。あなたの仰しやるように、世界の人が、日本の風呂というものに対して非常に非難攻撃しておるというのは、如何にも御尤もである。私も向うに洋行した時分に、それらの点をよく自分が見聞しておりまして、日本人の風呂の入り方ということについては、全くあなたと同じ考えでありますから、これらの点についても大いに一つ浴場内の清潔運動というようなものを、国民運動を起こすとか、或いは保健衛生の立場から、いろいろな方法によつて、教育なり、或いは宗教なり、いろいろな運動なり、ラジオなり、新聞なり、演説なりということで、一つこういうことを是正して見たいと予て考えておるのでありますから、あなたの御趣意は尊重いたしまして、できるだけこれが実現に努力いたします。かようなことを一つ申上げて、誤答弁に代えたいのであります。
#74
○服部教一君 能く分かりました。ただ私一言申上げたいのは、何でも法律でやるとか、或いは官庁から取締の書いたものを貼り出すとかいうようなことをせずに、禁酒の問題にしましても、道徳的に家庭の親が能く言うて聴かし、或いは学校の教師が能く言うとかいうよいなこと。それはよいことでありますけれども、この日本の国というものは、幾ら民主国になつたと言うてもなかなか三十年や五十年でアメリカのようなことにはならんと私は思うておる。ずつと幕府時代からお上の命令というものに馴れておる国民ですから、何でも早く実行させようと思つたならば、これを命令的にやる必要もあるわけで、いちいち国民の了解を求めて分かるようにしてということは、なかなか二十年や五十年経つてもできるかできん分からんと思うのです。それから全部実行できんにしても、たとえば禁酒問題の如く、今日は二十歳までは禁酒禁煙になつておりますけれども、二十歳にならん者が酒を飲んだり煙草を喫んだりしておる者が沢山あります。それさえも取締りできんのに、又その上ということになると尚困るから、それはそんなものを法律で出さん方がよいという議論もあるのです。それは能く承知しておるのですけれども、私はやはり出した方がよいという意見です。なぜかというと、ヨーロッパ、アメリカあたりを歩いて見ても、そういうことをやかましく言つておる。アメリカあたりのステートによつては、今でも厳重にやつておるところがある。それらに行つて見ると、やはりそういうものがあるというために、酒を飲む者の数は非常に少いのであります。ただ打つちやつて置く所へ行くと、それはもう十二、三の子供から、片つ端から喫んでおるという所がある。例えば私の見たところでは、南米のパラグアイの如き、行つて見ると道の中で、学校へ行く子供でも喫んでおる。それを見て、成る程日本は禁じてあるがためにいいなという感じをしたのでありまして、これはやはり法令でやつた方が、私はよいと思うのです。それでありますから、一つよく、今仰しやつたように、今参議院においても衆議院においても、禁酒法の問題はこれを段々固めつつありますから、その節はどうぞ今仰しやつたようにこれを実行できるように、大々的に御賛成をお願いいたして置きます。
#75
○國務大臣(一松定吉君) 服部委員の熱心なる御希望に対しましては、敬意を表します。併しながらまあこれは議論ですが、実行されんことでも法律で以て一つどんどん取締れば、日本人はそれに従うのだというような御論議をは、これは私はどうかと思う。実行されないようにもんでも、その法律を出せば幾分は実行されるから、効果はあるじやないか。実行されたその部分だけ効果があるじやないか。こういうことでありましようが、然らば実行されない方面から見ると、法令を軽視するということになるのでありまして、これはむしろ面白くないのみならず、今日いわゆる法治国でありますが、その法治国は民主的法治国でなければならん。いわゆる民主主義に徹底したる法律でなければならん。だから、そういう点につきましても、あなたの御意見のあるところは十分に私は考慮いたしますが、今直ちにこれらの点を法律を以て禁止するとかいうようなことについては、今少しく私も今御意見の通り研究さして頂きたいと思います。これ以外の点は、いろいろ意見はありますけれども、もう幾ら議論したつて、これは議論すれば盡きませんから、この程度に一つ御免蒙ります。
#76
○委員長(櫻内辰郎君) 奥むめお君。
#77
○奥むめお君 厚生大臣にお伺いしたいと思いますことは、敗戦以後益々社会の生活条件が深刻に悪くなりまして、巷の声といえば、まだ帰つて来ない夫や息子を持つておる婦人の涙の叫び。或いは働こうにも、託児所がない。入れて貰いたい母子寮もない。こういうふうな生活物資がないということと共に、そういう問題が非常に沢山絡み合いまして、沢山の婦人が随分苦しんでおるのでございますが、厚生大臣におかれましては追加予算編成に当たりまして、きつとそういう問題で非常な御苦労をして下さいましたことと思いますけれども、ほんの一例、例えば沢山の託児所、それから母子寮、乳児院、こういうふうな社会施設が焼けまして、そうしてなかなか復旧ができないのでございますが、こいうふうな予算につきましては、どういう御検討をして下さいましたかということを、一つ伺いたいと思います。それからそういう施設に対する補助金が今度全廃されまして、差当り各種の社会事業施設が非常に困つておりますのでございますが、それに対してどういうふうな処置をおとり下すつたかということを伺いたい。先ずその二つを聴かして頂きます。
#78
○國務大臣(一松定吉君) 敗戦日本が今日各方面における生産が十分でないがために、国民が疲労困憊の極度に達しておるという点は、あなたと同じ意見を持つております。そういうときに、戦災者が家がない。復員した人が頼るべき所はない。或いは失業した人が職を求めても、職を得ないというような人に対しまする厚生省としての保護の施設はどうなつておるか。これらの点に対しましてはできだけの手を盡しておりますることは、御承知の通りであります。失業しておりまする人に対しましては、職業補導所というものを拵えまして、それらの人の補導をし、それらの人の職業を求めて就職のできるようにして差上げる。失業者に対しましても、失業者に対する救助の手を延ばしまして、生活保護法の規定を援用しておる。引揚者に対しまする更正の資金を貸し与えてあつて、それらの方が不満足ながら全く無一物よりも、その生業資金によつて自分の生活の確保のできるようにお力を添えて上げる。或いは病院にいたしましても、花柳病の取締等にいたしましても、でき得べき限りの手を盡しておりまして、今の私の方としては、いわゆる社会保障制度にまでこれらの社会施設は進まなければならんという考で、そういうことも、既にこれらの権威者に意見を聴いておるというような状況でございます。でございますから、それらの点が著々実施されるということになりますれば、それに必要なる予算というものは勿論計上しなければなりません。最近皆様の御協賛を得ました児童福祉法、こういうような画期的の法律も、これが実施せられることになりますれば、相当の予算を要します。それらの点も大蔵省に交渉して相当の予算を計上するという考を持つておるのであります。それ以外の、例えば国民健康保険、或いは公衆衛生に関する費用というようなものも、こちらの満足するだけのものは計上されておりませんけれども、追加予算にも相当に織り込まれておりまするから、これも追加予算などの御審議の結果これが確定するということになりますれば、その方にもこれを使うことができまするならば、今までよりも、より多く社会施設に対する拡充強化ということは実現しようと考えておるのであります。
#79
○奥むめお君 有難うございました。社会事業施設に対する補助金は、廃止によつて削られましたのは、百万円に満たない金ではございますけれども、全体としてこれまでの財布予算の立て方、又予算編成上の跡を見ておりますると、厚生省の予算というものは、大変軽く見られて削られ易かつたように私共考えております。これは私、二十年ばかり社会事業施設の経営者として苦労をいたしておりましたので、こういう問題について、特に感ずるところが多いものでございますから、非常に国家としても社会としても、こういう施設に対して特別の関心と好意を寄せないということを、私いつも大変残念に思つていたのであります。今度新憲法の精神によりまして進んで参ります日本の政治というものは、国民生活の安定と、国民が文化的にして衛生的な最低の生活を保障されるということが建前になつております。今日非常に沢山の不幸な人が保護の途を与えられないで苦しんでおるのでございますから、この上ともに、もう是非厚生省の予算が沢山にとられて、そうして必要な施設が著著と、一番先に復興して行くように、大臣にお骨折りを願いたいと思うのでございます。今日は時間もございませんので、箇条的に申上げた申上げたいと思つておりましたけれども、時間もないので、別の機会にお願いに上がりたいと思つておりますが、今一つお伺いいたしたいと思いますことは、今日不良少年と申しますか、司法省の促護下に関係になつております不良少女、不良少年の問題が、世の中の大きな悩みになつておるのでございますが、私共考えて見てますと、司法省というものは、まあ殊に今度の新憲法によりまして、司法省の機構というものも、ずい分変つて参りますから、司法省の中へこういう保護事業を持つということは間違いだと、こういうふうに考えております。司法省というものは、法律の番人をする所なんでありまして、保護の仕事は全部厚生省に纏めて、そうして予算も十分とり、それを物資の裏付けも十分にして頂いて、又地方の地元の人達ともよく連絡をとりませんことには、今までのことを考えましても、司法省という本省だけあつても、地方の地元に出張先のない司法省において、現場の司法保護事業の関係を持つておもために、地方のこの仕事だけは一般の社会事業とは別扱いをいたしますのでございます。そうして生活保護法というものは民生委員の仕事になつておりますけれども、司法保護委員は、生活保護法を自分が活用しようとしるのには、どうしても厚生省関係の方へ渡りをつけて頼まなければいかん。又物資の裏付けも、枠が地方にありましても司法省の方にはその枠がないから、これも非常に不自由である。こういうふうなことをいろいろ考えますと、どうしても地方の地元との密接な関連を持つためからいいましても、厚生省で全部そのような仕事を引き纏めて、もつと系統的におやりになるという御方針はないのでございますかどうか、伺いたいと思うのであります。
#80
○國務大臣(一松定吉君) 厚生省の仕事が非常に重要であるということは、全く御意見の通りであり、そういう御意見を持ちになつていらつしやる方々の多数のあることに、私厚生当局といたしまして、誠に有難くお礼を申上げます。厚生事業が立派に完成いたしますれば、もうこの世のすべてのことは、この一本に纏めてもいいくらいで、いわゆる社会保障という制度が十分に拡充強化されて、これが実施せられるということになれば、政治は社会保障だというても、敢て私は過言でないというこらいに考えておる一人でございます。でございますから、それらの仕事をいたしますについて、予算を相当とるということは御尤もでありまして、私は就職以来、そういう考えを持ちまして、でき得べき限りの予算を請求して参つておるのでありますが、御承知の今日のような我が国の財政窮乏で、どの方面にも僅かの金が引張りだこになるという現状では、思うようになりませんが、併しこれは政府当局といたしましても、厚生省の事業は余程皆尊重してくれておりますから、皆、厚生省に対する予算がすくなかつたというようなことよりも、一歩前進しておるというようなことは確かでございますから、その点は一つ御了承願いたいのであります。ただ問題となりますことは、只今まで社会事業法によりまして、厚生省がそういう方面に相当の国庫の補助を出しておりましたが、これは御承知の、憲法の第八十九条でありますが、それらの補助というものを制限せられておりますがために、そういう慈善事業に対して国家の補助ができないことになつたことは御承知の通りであります。そこで然らばどうするかという点に対しましては、これはいわゆる生活保護法の救助の金額を殖やして、そうして生活保護という方面の立場から、これらの救助事業に向つて手を伸ばすということ、それ以外には、いわゆる共同募金制を設けまして、今全国にそれを展開して、そうして何億という金を集めて頂くというように厚生省の方から働きかけておりまするが、全国の人々も非常にこれらの点について熱意をお持ちになりまして、社会事業、特に慈善事業方面に、そういうような綺麗な金を義捐しようというような運動が大いに活発に行われ、若しくは行われんとしておるのでありますから、こういうことにいたしますれば、いわゆる互に助け合う運動のために、社会事業というものは、今までよりも一層活発にこれらの運営ができようと思うのでありますから、どうかそれらの点に対しましても、奥委員におかれましても、今まで以上に一つ御協力をお願いすることを特に希望していたしておきます。
 次には少年の保護の問題でありまするが、お示しのように少年保護に関しましては、厚生省と司法省と今両方に跨つておる部面があります。司法省の方で取扱つておりますものは、つまり罪を犯す虞のある少年を、司法省はやはり自分の方で保護するという立場で以て考えておつたのでありますが、これらの点は、参議院の皆さまからの御希望もございまして、又私もその御希望が正しいと考えまして、司法大臣にも交渉し、司法大臣もそれは尤もだということで、今度の司法省の解体で法務庁の創設に当りましても、これらの点は厚生省の方でこれを取扱うというようなことに、意見が一致いたしまして、いずれ近い内に法務庁法案が貴院に提出いたしことになりましようから、どうかそういうような御趣旨において御了承を賜りたいのであります。ただ少年裁判所にかかつて、犯罪を犯したけれども、これに実刑を科することはよくないからというので、或る期間保護しよう。保護施設に収容してやるということは、これは又罪を犯す虞のある少年とは、少し性質を異にいたしておりますから、それらの点は、相変わらず法務庁関係で保護するということになつておりまするが、これも厚生省の保護事業が拡充強化いたしますれば、行く行くは私の方にこれを移管して、私の方で温かき手を伸ばして、これを保護育成するということが正しいと思うのでありまするが、今日只今のところでは、まだそこまで進んでおりませんけれども、いずれこれは適当な時期が参りましたらば、さように実現することであろうと考えておるのであります。
#81
○奥むめお君 有難うございました。共同募金によつて、社会事業設備が、その事業の復興と、そうして拡充に乗り出しておることは、私共も大変喜んでおりまするところで、もう既に六、七億円の予算は立つておるということも聞いておるのでございますが、実際にはもつと上るかも知れないし、又是非上らせなければならんと思つておりますけれども、復興しなければならない施設というものは、実に緊急を要するもので、今日にでも、若し母子寮があつたら、お母さんが子供を預けて働きに行ける。そこに住まして貰つて、安んじて働ける。託児所があつたら、子供を預けて働ける。乳児院で預かるという建前になつたそうでございますけれども、乳児院が全国に、幾つあるのか。殆ど数えるほどもないのでございまして、これを増設しなければならないのでございます。一つ一つ非常に急ぐことで、これが一日遅れるだけ、社会の犯罪を殖やすと思うのでございます。又これが遅れるだけ、それだけ日本の民族の生命を弱めるのであつて、一日を争う仕事でございますが、これにつきまして又もう一つは、今までの社会事業というものは、従業員の犠牲において経営が成り立つたくらいの、非常に基礎の薄弱な仕事でありまして、その從業員の犠牲と経営者の命を懸けての苦労、その上に僅かに小さい社会事業施設ができておつた。その他には公共の社会事業施設があつた。こういう建前になつておりまするが、共同募金で、みんなが苦労して、一つ社会事業の復興のために苦労するのだと働きかけております今日、厚生大臣におかれましては、お金だけ集めても、その裏づけの物資がなければどうにもならないのであります。物資の裏づけをして、必ずミルクも出す、家を建てるのに釘も出す、セメントも出す、ガラスも出すという、実際に目に見える事業になつて、これが復興できるように、責任を以て裏づけ物資のことを保障して頂けるのでございましようか。これをお伺いいたします。
#82
○國務大臣(一松定吉君) 大変むずかしい御注文であるように思うのでありますが、日本の國に、今あなたの仰せになるような貴重な物資が、山と積まれておりまするならば、それはもう何も出す、これも出すということも言えますけれども、御承知のように、今日そういうような生活に必要な物資が多く欠乏しておるがために、非常に困つておるのであります、早い話が、電力の問題等にしても、何とかこれはしなければならん、どうすればいいか。石炭は三千万トン掘ろうといつても、今直ぐは掘れない、それを掘るにはどうすればいいかといつて、議会でも御承知の通り、あれだけの意見を闘かわして、今日そういう方面に努力しようというような立場におかれ、一面には水力電気の開発もしなければならん。水力電気の開発をやるについては、何を措いてもセメントが要るけれども、今セメントがないで困つておる。何とかして諸外國に懇請して、それを輸入させて頂いて、これらの重要な仕事に手をつけようじやないか。食糧に困つておるから、これを外國から輸入させて頂いて、困らないようにしようじやないか。いや肥料はどうであるか、何がどうであるかというようなときに、今あなたの仰せになつた児童福祉法が通過し、母子寮というものを拡充強化するについて、いろいろな物資が要る。これを直ちに思う存分に配給することができるという、その裏づけを責任を以てすることができるかという御質問に対しましては、今直ちにそういう責任は負えません。併しながら、そういうような責任を負うべく一生懸命に、あるだけの物資を以てこれに努力し、又そういうことの少しでも早く実現するように努力するということに対しては、責任を持ちますが、これ以上のことは、ちよつと今直ぐに、さあ家を造るのだから何を出せ、出しましようと言うわけには行きませんが、そういうように努力いたしましということについては、責任を持つということを以て答弁といたします。
#83
○委員長(櫻内辰郎君) 高田寛君。
#84
○高田寛君 一松厚生大臣は國立公園問題について、非常に大きな関心を持つておられることを承知しております。國立公園を整備いたしまして、國民の保健の向上を図り、併せて又観光事業の振興も期するというお話を度々伺いまして、私も極めて御同感の意を表する者であります。更にこの度補正予算を見ますと、厚生省の項目の中におきまして、新たに國立公園部というものを作るという予算を盛られておるのでありますが、その他にこの年度において、國立公園の整備のためにどれだけの計画を持つておられるか。あまり予算を拝見いたしましたところでは、これが現れていないように私は思うのであります國立公園の問題も、十数年前に國立公園ができまして、現在十三の國立公園があるのでありますが、國立公園が指定されましても、いろいろと、そこの住民は制限を受けるのみであつて、あまり開発もされていないという非難を、今日まで非常に多く聞いておるのでありますこの度一松厚生大臣が、非常にこの方面に御熱心になつておられるのでありますが、本來のこの補正予算に盛られた金額を以ちまして、具体的にどれだけの事業をなさろうと考えておられるのか。この点をお示しを願いたいと思うのであります。
 それから先般私が本会議のときに御質問いたしましたのに対して、厚生大臣から今日十三の國立公園があるが、これをこの度、七つばかり新しく又國立公園の指定を考えておるというお話があつたのであります。國立公園の数の殖えることも決して惡くはないのでありますが、ただ徒に数ばかり殖やしても何にもならない。今日でも既にこの狭い日本の中に、十三の國立公園がある。要は重点的な最も利用価値の多いような所を選びまして、十分一般の國民が利用し、又國外から來ます観光客も、便利に利用できるような施設をすることが、これが眼目であろうと考えるのであります。今年度に引続きまして、來年度の予算も既に大体お組みになつたと思うのでありますが、具体的に來年度におきましても、どのような國立公園の方の施設の設備をお考えになつておられるか。これを少し具体的にお示しを願いたいと思うのであります。
#85
○國務大臣(一松定吉君) 國立公園の拡充強化について、私は非常な関心を持つておられるということは、あなたのお示しの通りであります。実は私、こういうような考を持つに至りましたのは、先年欧米各國を観察いたしましたときに、あなたも十分御経験のあることと存じますが、スイスに参りましたときに、あのスイスがあれだけの小さい國でありながら、その國内至るところ、実に立派な施設を持つておる。そうして國立公園というものが、いわゆる完全に設備せられておつて、外客が年々歳々ここに遊ぶ者が非常に多くそれがためにスイス一國の財政は、外貨獲得によつて、それを賄う状態であるということを、見たり聞かされたりいたしまして、このときに実は非常な感激を覚えたので、これは、実に昭和十二年のことでありますが、このときの私の感想は、成る程、スイスは立派な國だ。又立派な景勝に富んだ國だ。併しながら我が母國の日本に比べれば、日本は至るところに、このくらいの風景は持つておる。スイスは山と湖によつて、これだけの名声を博しておる。我が國は、山あり、河あり、渓あり、海あり、それらの景勝は決してスイスに優るとも劣らない。日本もそういうような施設をいたしさえすれば、立派に外國人を誘致して、日本が、外貨の獲得もでき、窮乏したる日本の財政の援助にもなるだろう。こういうことを実は考えて、向こうから帰つたのであります。恐らくあなたが洋行なさつたときも、あなたは特に観光事業については非常な権威者でおありになりますから、そういうことは特に御研究の上、御帰朝になつたことと思うのであります。そうしております中に、御承知のように段々戰が始まつて参りますし、観光事業というようなことや、國立公園の拡大強化というようなことはやらなければならんけれども、それよりも先ず戰の方が先だというようなことのために、観光協会の仕事も一時停頓状態にあつて、國立公園も指定はしたけれども、十分の施設もなくて今日に至つた。然るに終戰後、もういよいよ講和会議も段々近づいて來た。日本の財政は益々窮乏しておる。のみならず外國との交際を、親善関係と密にし、そして外國の人々を日本に誘致し、これらの秀麗たる我が國の風光を大いに見て戴く。そうして自分が見たところが、日本のこういう土地は、こういうような立派な秀麗に富んだ土地である。自分だけでは惜しいから、家内も友人も呼ぼうということになつて、日本に遊ぶ人が多くなるだろう。從つて貿易ということも盛になるだろう。そうすれば外貨の獲得もできるだろう。親善関係を親密にするばかりでなく、外貨の獲得もでき、日本の財政も、これによつて救うこともできるだろう。一面において今までこういうような景勝の土地がいわゆる金持ちだとか、或い或特権階級だとか、或いはは文人、墨客の慰みにたいになつておつたのを、これを國民全部にこれを開放して、國民の誰もが、こういうような景勝の地に遊び、一日なり二日なり精神の修養に当てる。そうしていわゆる健康にして文化的になる國民にこれを持ち來すということについては、これはどうも國立公園を拡大強化するということが一番いいな、こう実は考え付いて、私が特に厚生大臣になつて以來、一つこういうようなことをつて見たい。こういうような考をもちまして、誠に畏れ多いことでありますが、陛下にもそのことを申上げましたところ、陛下も御関心をお持ちになりまして、それは結構だからやつたら宜かろうというようなわけで、それから私熱を入れるようになつたので、その時にあなたが、観光事業に非常に御熱心であることを聞き、一度お目にかかつて御高見を拝聴しようと思つておつたが、まだその機会に接しておりません。今日運輸大臣から聞けば、運輸省と厚生省と打つて一丸となつて、一つこういう立派な事業に踏み出そうじやないかという話を聞きまして、それは実に結構なことだから一つお話の上、この目的達成をしようということに、実は今朝もありまして、そうしてそうなりますと、あなた方のお話を承わろうと、こう思うておるのでありますが、取敢えず今日までの私の歴史は、そういうことでありますが、然らばどれだけの範囲においてこれを拡大強化するかということでありますが、いろいろ事務当局とも相談をして來たのでありますが、取敢えず七千何百万円という金を要求したのであります。財政の都合上、思うように参りませんので、まあ一つ今日局に上げるということもむずかしかろうから、今の公衆衛生局の中に、一つの調査をするということでなくて、一つ國立公園部とでもしてやつて、そうして調査、それと機構というようなものについて、一つ考えたら宜かようということになりまして、僅かに五百五十万円の予算を今計上されて、このことは認められて皆さんの御協賛を願うということになつております。五百五十万円という金は僅かの金でありますが、財政窮乏の今日、それ以上の金も要求できません。先ずこれだけあれば一通りの調査と、これらの機構の改革というようなことはできよう。それができて、勢い國立公園の拡大強化ということが実現されるという暁になれば、又國会の協賛を経て、いわゆる施設の方面に力を盡さなければならん。施設ということになると厚生省だけのことではいけない。やはり運輸省と協力して、いわゆる交通網というようなものを完備しなければならんだろうし、ホテルというものも立派にし、その他の施設に力を盡して外國の人々が喜んでこれらの國立公園を観察し、旅行し、そうして大勢の人々が日本に來遊することができるようにし、それが諸外國との、いわゆる交際を緊密にならしめる。一面にはそれらの人々の要求する、いわゆる土産物というような点について大いに工夫を凝らしたならば、これが又やがて貿易の一助成にもなるであろう。そうして一面には庶民の、何人もこれを利用して精神の修養ができるようにしようというようなことを考えておるのでありまして、私、九州方面から、その他の府県を時々視察に参りましたが、特にそういうことを考えておりまするが、まだ具体的にこうしよう、ああしようとは考えておりませんけれども、國家の財政には限りがありますから、これらの國立公園及び観光事業に対する交通というようなことは、これは政府の施設として勿論やらなければなりませんが、それらの予算の全部を政府が賄うということには行くまい。これは民間方面のこれらに認識の深いような人々にも相当に金を出して頂いて、全國を八つの区分くらいにして、そうして相当強力なる会社でも拵えて貰いまして、交通の方面、施設の方面……施設の方面でも先ずホテルの方面、或いは交通でも、汽車を綺麗にするとか、或いは電車を立派にするとか、或いは自動車を立派にして何時でも思う所に一日旅行で行つて帰ることもできるとか、或いはこの公園から他の公園に廻るための通路を拵えるとかいうような、いろいろの施設は沢山ございましようし、そういう点は國立公園の委員会というようなものも今あるのでありまするが、これらを拡大強化してそういうような権威者を集めて、そうしてこれらの方に御協力を願わう。こういうような実は私構想を持つております。これ以上に具体的のことはまだ明かに発表するだけの程度に達しておりません。さよう御了承を願いたいのであります。特にそういうようなことのなりますれば、あなた方のような権威の方に対しましては眞先に御賛成を願いまして、そうして一つ、これを実現して見たいと、かように考えております。
#86
○委員長(櫻内辰郎君) お諮りいたします。厚生大臣に対する質疑はまだ二、三人おありになりまするが、大臣は三時半にはどうしてもお出掛けにならなければならんところがあるそうでありますから、この程度で……
#87
○國務大臣(一松定吉君) 十分か二十分よろしゆうございます。
#88
○委員長(櫻内辰郎君) 教育の機会均等に並びまして、保健、医療の機会均等が行われなければならないことは申すまでもございません。これに対処する一つの施設といたしまして、國民健康保険制度があるのでありまするが、この制度の運営が行詰つており、或るものは中止状態にある。非常に不活発な状態にあるということは御承知の通りであります。これを整備し、これの運営の万全を期して行かなければならないのでありますが、この追加予算におきましては、僅か二億の計上しかないので、到底それを以てこの制度をうまくやつて行こうということは至難なことであります。お尋ねいたしますのは、この補助の二億円に対する以前に、厚生省としては幾らの予算を御請求になりましたかということが一つと、この制度を根本的に改革しなければ、今の手法における小さい範囲の組合組織で、殊に負担の均衡を失しておるような状態におきましては、その目的を達成することの困難なことも御承知の通りなんであります。これを如何に改革されまするか。そのお考えがございますかどうかといこと、更にさつき大臣がお話になりました社会保障の問題でありますが、今申しました健康保険制度が打建てられようとしておりまして、大臣も非常に御熱心にお考えになつていらつしやるのでありますが、そういたしましまするならば、この社会保障制度の計画を年次的にもお立てになりまするか、更にそれを実施する上におきまして明年度の予算からでも、年次的に処理されまするかどうかという点をお尋ねいたします。
 次には、さつき奥委員のお尋ねになりましたことを更に根本的に考えまして、新日本建設の上に社会事業を全面的に基本体系というものでありますが、この理由は申す必要もなく、御承知の通りであります。そういたしまするならば、これ又この計画をどういうふうにお立てにねりますか、又これの著手を明年度の予算からでもおやりになりますか、ただ計画を立てましても、それが予算化されなければ何の意味もないのでありまして、この点についてお尋ねいたします。
 それに続きまして、現在ありまする社会事業運営の厚生省の外郭団体といたしまして、全面的の組織のものがありますが、これ亦打つて一丸としたものでなければ、この基本体系に即応いたしまして、その使命を達成いたしますことの困難なことは御承知の通りでありますが、この外郭団体の総合一元化につきまして、如何なるお考えを持つておいでになりますか、更に共同募金制度を法制化するところにつきましてのお考を承りたいのであります。以上。
#89
○國務大臣(一松定吉君) 國民健康保険制度が、現行のままに放任しておけば、全くこれが壊滅の状態に一歩一歩前進する以外に方法はない。こういうような御趣旨の御意見は私は全く御同感でありまして、あなたの仰しやる通り私も考えております。この制度は非常に好い制度であるが、この制度のいわゆる運営が十分でないがため、これが壊滅に瀕するのみならず、組合員も年々歳々これが減少して行く。或いはむしろこれを有害無益の制度であるかの如く考える者なきにしもあらずというようなことで、非常にこれは心配しておるのであります。過般御承知の如く、全國の町村長会議が開かれましたときにも、これが非常に論議せられまして、私も全く同感でありまして、何とかしてこの好い制度を健全に発達させるように努めなければならないと考えておりまして、これをやりまするには、今までのような医者が熱心にこれに協力するという態勢を示さなければいかん。その次はいわゆる薬品というものが十分に配給せられて、そうしてこれらの目的を達成するよう万遺憾なきを期するようしなければならん。こういうことをするについては、やはり相当にこれ等の人々に対するいわゆる給与を豊かにしなければなりません。設備を十分にしなければなりません。それについては相当に予算が要るのだ。故にその予算のために、私は國民健康保険の予算として、ほとんど十三億円に近いだけのものを請求いたしたのであります。ところが御承知の如く、この健全財政を考えておりまする現政府といたしましては、どうもそういうような方面に使うというようなことについて、差上げたいけれども、無い袖は振れないというようなことで、これを査定いたしました結果、一億円に減じられました。これはどうも大変だ。そうゆうようなことがあつては、全くもうこは壊滅に帰してしまうのだということで、私は大蔵大臣に折衝いたしました結果、これを一億八千万円ということに増されまして、それでは駄目だということで、又折衝いたしましたところが、又一億八千万円、合計三億六千万円というものを認めてくれました。それでもいけない。いろいろ折衝の結果、少なくとも五億円くらいなければ、先ずこれらの壊滅に瀕しつつあるものを救い出すことはできないということを交渉いたしました結果、いろいろ経緯はありますが、とにかく三億六千万円というものを今日皆様にお願いしておるのでありますが、それ以上にはいろいろなことで節約するということを、國民健康保険の予算だけについては、節約ということを要求すまいというようなことで、今ではとりあえず四億円ほどの予算を認められて御審議を仰ぎつつあるのであります。併しそれでも私は足りないと思つておりますので、その足りないところは、他の方法において少なくとももう一億円くらいは出して貰わなければと、云うことで交渉しておりまするが、今提出しておりまする予算面には現れておりません。何らかの方法によつて一つ実現して、この予算制度を壊滅に向かわせないようにして、國民が喜んで國民健康保険制度というものを運用していつて、そうしてこれらの窮乏な人々が楽しく喜んでその治療を受けることができように、医者の人も喜んでこれに協力を惜しまないようにしよう、こういう考えを持つておるのであります。これ以上のことは、いずれ又、他の予算を編成するときに大いに大蔵省に交渉する積もりに考えておりますから、御了承賜りたいのであります。
 それから社会保障制度の問題でございますが、これは先刻ちよつと申し上げましたように、私は非常にこれに関心を持つておりまして、厚生事業というものは社会保障制度の一点であるというくらいにまで考えておりまして、これは社会保障の委員の諸君にこれらのことを諮問いたしまして、その委員会から答申案をえております。併しこれだけでは、まだ直ちにこれを閣議にかけて、そうして國会の御協賛を得ようという程度に行つておりませんから、これを練りに練りまして、そうして一つ案を得たいと考えておりまして、今そういうことを手続きをやりつつあるときででございます。それからこれをいよいよ國会にまで出そうということに対しましては、それ以前にアメリカの方からこの方面の制度の権威者の方がお見えになり、若しくはなりつつあるときでありまするから、そういう方の御意見も、大いに一つの参考のために取入れまして、そうしてこれを実施面に移したい。かように考えておりのであります。そういうことでありますから、すぐにも來年度から、明年度即ち昭和二十三年度からこれを実施すべく、局部的にこれを実施すべく予算をとるという程度には、只今行つておりませんが、或いはこれがいよいよ皆様に御協賛を仰ぐということになれば、これを一時に実施するということになりますると、何千億というような金がなければなりません。でありますから、できるだけ手をつけることのできるところだけから手をつけていきたい。いよいよ法案が通つて実施するということになれば、そういうような考えを持つておるのでありますが、今來年とかいうことは、まあそういうところまで運んでおらんことを御了承賜りたいのであります。それから厚生省の外郭団体、即ち隣保館だとか、或いは保健所だとか。或いは病院だとか或いは療養所だとか、或いは授産所とかいうようなそれぞれの外郭団体の社会事業があることは、私も承知しておりまするが、これらの仕事はそれぞれ創設の歴史とか沿革とかいうことがありますので、今直ちにこれを一元化するという程度にはまだ達しておりません。併しながらこれは理想として、正しいよいやり方でありまするから、これは徐々にそういう方針に進みたい。かように考えておるのであります。
 それからこの共同募金制度を法制化してはどうかということでありまするが、これは御承知の如く國民の慈善心に愬えて、極く清浄無垢な立派な義捐金を頂戴して、これによつて社会事業に乗り出そうという趣意でありますから、今これを法制化して強制力を持たせるということは、今のところでは考えておりません併しながらこれらの点につきまして、どうせこれは年々歳々こういうことを行うという考でありまするから、ただこの儘にしてただ慈善心愬にえるということではよくないのではなかろうかというようなことを考えておりまするから、これはいずれ、それらの厚生委員の皆さま方の御意見等を十分に拝聴いたしまして、有効にこれを実施のできるようにいたしたい。かように考えておるのであります。この点につきましては、更に又御高見を拝聴する機会があれば非常に幸せと考えております。
#90
○姫井伊介君 厚生省の外郭団体と申しましたのは、御承知の通り日本社会事業協会、或いは同胞援護会、民生連盟とか、そういうものがありまして、これを一つに纏めて部制にでもしてやつて行きますことが、社会事業自身の運営上非常に有効だと思うのでありまして、この点を特にお伺いしたいので、あとは社会事業の基本体系のことをお伺いしたのでありますが、それはさつきのお話で大体……時間もありませんから、これで打切りますが、その外郭団体はそういう意味であつたのであります。
#91
○國務大臣(一松定吉君) 今私、誤解しておりましたが、今あなたの言う社会事業協会、民生連盟とか、同胞援護会とか、母子愛育会というような、これに対しまする私の考は、先に申上げましたのと同じ精神でありますから、さよう御了承を賜りたいと思います。
#92
○委員長(櫻内辰郎君) 大蔵事務当局に対する御質問はございませんか。御質問がなければ、先程來、総理大臣の御出席を求めておるのでありますが、今、又ちよつとお見えにならんというような通知を受けましたので、本日はこれにて散会することにいたしまして、明日は午後一時半から開会したいと思いまするが如何でしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#93
○委員長(櫻内辰郎君) それでは、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十四分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     櫻内 辰郎君
   理事
           木村禧八郎君
           西川 昌夫君
           西郷吉之助君
           村上 義一君
   委員
           大野 幸一君
           岡田 宗司君
           カニエ邦彦君
           波多野 鼎君
           村尾 重雄君
           石坂 豊一君
           小串 清一君
           左藤 義詮君
           大島 定吉君
           木内 四郎君
           小畑 哲夫君
           佐々木鹿藏君
           鈴木 順一君
           田口政五郎君
           飯田精太郎君
           江熊 哲翁君
           岡部  常君
           岡本 愛祐君
           奥 むめお君
           川上 嘉市君
           河野 正夫君
           高田  寛君
           服部 教一君
           姫井 伊介君
           池田 恒雄君
           川上  嘉君
           藤田 芳郎君
  國務大臣
   厚 生 大 臣 一松 定吉君
   國 務 大 臣 和田 博雄君
  政府委員
   大藏政務次官  小坂善太郎君
   大藏事務官
   (主計局長)  福田 赳夫君
   大藏事務官
  (主計局次長)  河野 一之君
   貿易廳次長   新井  茂君
ソース: 国立国会図書館
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