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1967/10/11 第56回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第056回国会 石炭対策特別委員会 第4号
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1967/10/11 第56回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第056回国会 石炭対策特別委員会 第4号

#1
第056回国会 石炭対策特別委員会 第4号
昭和四十二年十月十一日(水曜日)
   午後二時十六分開議
 出席委員
   委員長 多賀谷真稔君
   理事 藏内 修治君 理事 田中 六助君
   理事 三原 朝雄君 理事 八木  昇君
   理事 田畑 金光君
      鹿野 彦吉君    佐々木秀世君
      佐藤 孝行君    山村新治郎君
      井上  泉君    細谷 治嘉君
      渡辺 惣蔵君    池田 禎治君
      大橋 敏雄君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  菅野和太郎君
        労 働 大 臣 早川  崇君
 委員外の出席者
        文部省初等中等
        教育局長    天城  勲君
        通商産業省石炭
        局長      中川理一郎君
        通商産業省鉱山
        保安局長    西家 正起君
        運輸省港湾局参
        事官      見坊 力男君
        運輸省鉄道監督
        局民営鉄道部長 山口 真弘君
        労働省労働基準
        局長      村上 茂利君
        自治省財政局財
        政課長     首藤  尭君
        日本国有鉄道貨
        物営業局長   原岡 幸吉君
    ―――――――――――――
十月十一日
 委員斎藤邦吉君、篠田弘作君及び木原津與志君
 辞任につき、その補欠として佐藤孝行君、山村
 新治郎君及び井上泉君が議長の指名で委員に選
 任された。
同日
 委員佐藤孝行君、山村新治郎君及び井上泉君辞
 任につき、その補欠として齋藤邦吉君、篠田弘
 作君及び木原津與志君が議長の指名で委員に選
 任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 石炭対策に関する件(石炭関係の当面する諸問
 題)
 派遣委員からの報告聴取
 石炭鉱山の保安確保に関する件
     ――――◇―――――
#2
○多賀谷委員長 これより会議を開きます。
 この際、去る九月及び十月に本委員会より石炭鉱山等の実情調査のため、北海道地区及び九州地区に委員を派遣いたしましたので、派遣委員よりそれぞれ報告を聴取することといたします。
 北海道班、三原朝雄君。
#3
○三原委員 北海道班を代表いたしまして、私から報告いたします。
 北海道地区に参りました派遣委員は、委員長の多賀谷真稔君、自由民主党の鹿野彦吉君、三原朝雄、日本社会党の井手以誠君、八木昇君の五名で、それに現地より、自由民主党の篠田弘作君、日本社会党の岡田利春君、渡辺惣蔵君、民主社会党の小平忠君が参加され、九月二十五日から二十九日までの五日間にわたり、北海道地区における石炭事情を調査してまいりました。
 まず、初日は札幌におきまして札幌通産局、札幌鉱山保安監督局、道及び道議会、産炭地市町村大手の石炭協会、中小の石炭鉱業協会、道炭労、道炭職協等と懇談を行ないました。
 通産局、鉱山保安監督局からは、北海道における石炭鉱業の概況と保安対策について説明があったのでありますが、特にその中で労働力の不足によって生産の確保がむずかしいので、緊急対策として、保安の確保、高賃金、環境改善の必要があるとの説明が注目されるところでありました。
 道庁よりは、産炭地振興関係と離職者対策での要望があり、産炭地市町村からは、産炭地市町村の財政援助等について要望が出されました。
 石炭の労使では、大手の使用者側からは、需要確保対策、資金、経理対策(特に中小企業金融公庫が開銀並みに石炭の融資ワクを設定されたい)、
労務者の確保対策としては募集対象区域制限の緩和、職業安定所の炭鉱への優先紹介、坑内労働の制限年齢の引き下げ、現行移住資金制度の不合理の是正、炭鉱住宅改造、改築費の助成、医療体制の充実等を中心に労働力の確保策について要望があり、中小の使用者側は、大手と中小が石炭政策の中で差別されておるので公平な政策を望むとし、安定補給金の二百円に増額、中小炭鉱金融、租鉱の買い上げ、鉱員確保策等について要望があったのでありますが、特に会長の私見として企業合同の必要性について強い意見が出されました。
 道炭労は、石炭の将来に夢を与えてほしいとし、保安の確保と雇用の安定、炭鉱の福祉、文化施設の充実、若手労働者の確保策としての道立鉱山学校の設置等について要望し、道炭職協からは、四十二年度予算における石炭鉱業自立安定費の拡大、労働力の確保(賃金の引き上げ、生活環境改善、鉱山学校の設置と資格付与)、保安教育施設の拡充と保安監督の強化等を中心に要望がありました。
 二日目は、三菱南大夕張の新鉱開発と北炭夕張に参りましたが、南大夕張は、原料炭の新鉱開発を行なっており、四十四年度から出炭を始め、四十八年度に九十万トンを出炭することを目途に、目下開発中の炭鉱でありますが、ここでは会社側からは、労働者の道外募集の認可、職業紹介の炭鉱優先、移住資金制度の改正、炭鉱住宅への助成、
医療関係の充実、炭鉱労働者の最低年齢の引き下げ、北海道炭の手取り増対策、鉄道運賃の通算制の延長等について要望のほか、特に開発資金の確保策として、新鉱では開発資金を集中的に必要とするので貸付ワクを拡大し坑道には新鉱であるという点を加味した坑道掘進補助金を適用してほしい旨の要望がありました。
 労職組からは大夕張も含めまして、厳寒僻地の土地であるので、外便所、外水道の炭住を早急に改善し、炭鉱病院のみで公立病院のない大夕張地区に、医療施設の充実をはかり、炭鉱災害の遺族援助は国で行なってほしいとの要望がありました。
 北炭夕張では、会社側からは、炭層が褶曲しており、ガスの発生が多く、採炭が深部化しておるので、ガス抜きの投資も多く、坑道掘進が全般的におくれておるので生産減となっており、原料炭需要の多い時期に生産が減退しておることは遺憾であるとし、四十七年度の清水沢の新鉱開発を強く期待しておりました。
 労組からは、労働者の定着策と清水沢の新鉱開発の助成のほか、特に夕張二坑の中央に排気立て坑の実現を保安面から要望されましたので、再び会社側に会いその点をただし、保安には万全を期するように要望し、会社、労組、札幌鉱山保安監督局に、それぞれ文書で本問題の解決策を本委員会あてに提出するように要請してまいりました。
 三日目は、中小炭鉱で暖厨房用炭を主力としておる朝日炭鉱と、原料炭を中心とする住友赤平に参りました。朝日炭鉱は年間十二万トン規模の出炭で、四十四年に十二万トンベースとなる典型的な中小炭鉱でありますが、炭層はほぼ垂直で、坑内条件もよい炭鉱でありまして、需要面も一応安定しており、労使ともに特別の要望もなかったのでありますが、中小炭鉱対策の充実と労働力の確保策はここでも要望されたところであります。
 住友赤平では、会社側からは、坑内条件が悪く、自然発火の可能性が多いため、保安対策上、岩石坑道、ガス抜き、通気、炭じん対策等の投資が多いのに加え、石炭の輸送費が割り高であるので、流通血の合理化について要望があり、また他の炭鉱同様、労働力の確保策についても要望がありましたが、ここでは優秀なる鉱業学校を持ち、若年労働力の確保に努力しておることが注目されました。
 労職組からは、原料炭の価格体系の再考と大手への安定補給金の交付を内容とした原料炭の生産拡大対策、賃金のアップのワク撤廃等、労働条件の向上、住宅改善と一万円年金等の雇用安定策、保安行政、監督官の増員等保安の確保について要望がありました。
 四日目は、明治昭和、雨竜、太刀川の二鉱の労使と沼田町で懇談し、その後留萌市産業会館、留萌港の石炭焔頭、羽幌炭鉱に参りました。
 明治昭和、雨竜、九州鉱山大刀別の三鉱はともに空知の北部沼田町にあり、三鉱で年間、五十万トン余の出炭をし、そのほとんどが電力用炭であります。ここの三鉱はともに地理的条件が同じであるため、要望も同趣旨であり、沼田町、三鉱の労使から次の要望がありました。
 一、地理的条件からトラック輸送が最適であるので、輸送路の道路の整備と除雪対策(特に久、期の輸送確保のため)
 一、多雪寒冷地区であるので、特に外科医等医師の確保と医療施設の充実
 一、留萌港の北炭貯炭場使用許可(トラック輸送の場合の使用許可)
 一、国鉄恵比島駅に、業者負担によらない石炭積み込み用ホッパーの設置の四点であります。
 留萌市における陳情の中で特記すべきは、小平町であります。小平町においては、住吉、日新、福久の三鉱が相次いで閉山し、同町の石炭産業は終末をつげたのでありますが、炭鉱の閉山に伴い天塩鉄道も閉鎖をし、その影響を受けて、石炭の町であった同町の財政もきわめて逼迫しておるのが実情であります。そのうち、特に、学校の建設に要した起債が、炭鉱の閉山に伴い学校施設の休遊とともに残り、町の財政収支に大きな負担となっております。また、鉄道の閉鎖に伴い、通学の高校生の交通費が過重負担となったための助成等が必要となり、炭鉱に依存する町の閉山は、町の死活につながる社会問題でありますので、これら財政の再建策について強い要望が出されたのであります。
 留萌の港湾整備は、現坂の石炭積み出し施設二百万トンを、四十五年度までに三百万トンに拡張整備しようとするものであります。
 羽幌炭鉱においては、会社側からは、特に出炭量が多いということで、中小の系列に入っておりながら、安定補給金の交付を受けられなかったので、その交付を切望し、電力用炭が中小系列のため大手に比して低いので、値差を撤廃していただきたい等の要望があり、労職組からは、炭住が数戸建てのハーモニカ長屋であるので、隣室の会話等がみな聞こえるので、種々生活上の不便が多く、その改築改造の融資、補助を中心に、医師の補充と医療関係の充実、炭鉱従業員に対する所得税減免措置等について要望がありました。
 以上、名所における要望点のおもなるものを列記したのでありますが、北海道における石炭の概況について申し上げますと、北海道の炭田は石狩炭田を中心として、北に天北、留萌炭田あり、東に釧路炭田、西に茅沼炭田があり、埋蔵量は、全国の四八%に当たる百億トンといわれ、そのうち、石狩炭田は日本最大の炭田で、埋蔵量は五十八億トンもあり、炭質優良で開発の歴史も浅く、将来の増産が期待されるところでありますが、現在稼行中の炭鉱は第三紀層の瀝青炭がその大部分を占めている関係上、可燃性ガスの発生量がきわめて多く、九州の四倍にもなっております。
 炭層は摺曲が多く、また断層も多く見られ、急傾斜層を採掘する結果、炭の軟化、粉化度が大きく、炭じんの発生が多いのであります。
 鉱山は山間僻地の採炭が多いため、鉱害の発生は少ないのであります。北海道においては、このような条件のもと、昭和四十一年度においては、生産量が二千二百九十六万トンで、全国の四五・四%を占め、常用労働者は四万三千五百六十五人、能率は四十五・五トン、エネルギーの消費構成は、石炭が過半数の五〇・六%を占め、石油が二五・一%、水力一四・四%となっております。
 これが四十二年度の見込みでは、生炭量が二千百六十万トン、労務者が四万人を切りそうであり、能率も四十一年度の四十五・五トンをわずかではありますが下回るものと想定されております。
 もちろんこの減産の原因は、坑内夫千四百人、請負夫九百人という労働力の不足に起因することは明らかでありますが、北海道における石炭問題を要約すれば次の諸点であろうかと思います。
 第一に労働力の確保対策であります。労働力の不足は北海道に限ったことではなく、斜陽を叫ばれておる石炭産業全般の問題でありますが、特に五千万トンの維持を旗じるしとして再建に乗り出したわが国石炭産業にとっては、ゆゆしき問題であります。
 近来の石炭産業を見るに各社ともに、労働力の不足が原因となって生産が減退しつつあり、需要の多くなりつつある原料炭にその弊が多くあらわれておることは、石炭の将来を暗くし、労働倒産すら懸念されるところであり、早急にその確保策が望まれるところであります。北海道の石炭鉱山はほとんどが僻地にあり、しかも酷寒の地にあります。それにもかかわらず、医師の不足に起因する医療施設の不備といまだ外便所、外水道の炭住が多く、しかも賃金は他産業に比し劣悪であり、毎年七%のアップより認められない政策賃金であります。これでは若年労働者ならずとも、労働者の確保は困難であろうかと思われます。
 労働力の確保策の第一は、まず石炭産業の将来に夢を与えることであり、石炭の位置づけを明確にすることであります。
 第二は、保安対策に万全を期し、炭鉱災害に対する恐怖感を払拭することであります。
 第三は、外使所、外水道等の前近代的な炭住を改造改築するとともに、医療問題等は、人道上の立場からも国の強力な施策で、その充実をはかり、労働環境の改善を行なうことであります。
 節附は、賃金についても労働者をつなぎ得る賃金とし、年金についても一万円にする等その改善を行なうべきであります。
 第五は、政府の関係でありますが、道外募集を認めるように行政基準を改善し、職業紹介や移住資金についても、他産業への移住が有利となっておる現行制度を改めて、再就職に有利になるよう、制度の是正が望まれるところであります。
 問題の第二は、保安対策についてであります。
 北海道においては、傾斜層の採炭とガス、炭じんの発生が多いため、特に保安対策に重点を置かなければなりません。保安確保は事、人命に関する問題でもありますので、すべての対策の基盤をなすべきであることは言うを待ちませんが、特にガス抜き徹底、傾斜採炭の機械化、後退式の坑道掘進、監督官の増員、保安教育の徹底等が必要とされるでありましょう。
 第三は、流通機構の整備であります。
 北海道におきましては、昭和四十五年度には雑炭を入れまして二千七百万トンの出炭が予想される反面、道内の需要が減退いたしますので、北海道炭の需要拡大のためには道外への輸送コストの低減等、流通価の考慮が必要となってまいります。そのためには、流通の共同化、スラリー輸送の実現、港湾の整備、石炭専用船の建造等流道面の合理化が早急に行なわれなければなりません。
 第四は、鉱区調整ないし再編についてであります。
 鉱区の訓整については、名企業とも最近、前向きの姿勢で取り組んでおり、今日までも相当の効果をあげておりますが、いかにせん部分的な鉱区調整が大部分でありますので、地下資源の有効利用と石炭産業の合理化という大乗的見地から、この際相当大規模な鉱区の再編を考える必要があり、その推進、が望まれるところであります。
 その他もろもろの問題がありますが、それらは別の機会に譲ることとし、以上をもちまして、簡単ではございますが、報告を終わります。
#4
○多賀谷委員長 次に、九州班、田畑金光君。
#5
○田畑委員 石炭対策特別委員会委員派遣九州班について、その概要を御報告申し上げます。
 九州班の派遣日程のうち、三池炭鉱の災害関係につきましては、すでに一昨日の委員会で御報告いたしましたので、この部分を除いて申し上げたいと存じます。
 まず派遣日程を申し上げます。
 私ども九州班の一行は、十月二日筑豊地区に入り、穂波町の旧三菱鉱業飯塚炭鉱のあと地に造成する飯塚団地を視察した後、稲築町の山野鉱業に参りました。山野においては、まず、昭和四十年六月の大災害でなくなられた方を祭る慰霊塔に生花を供え、黙祷をささげた後、犠牲者の未亡人、遺族が働いている第一靴下山野工場を視察し、さらに山野鉱業、山野鉱業労働組合、山野鉱業職員労働組合及び三井鉱山山野事務所より、それぞれ説明並びに要望を聴取いたしました。続いて、山田市のアサヒ縫製加工、セラミック化学、田川市の田川タイル、直方市の中泉団地を視察した後、中間市において鞍手工業用水の工事現場、大正鉱業の鉱害による曲川、堀川の実情等を視察いたしました。
 翌十月三日は、北九州市若松区にある電源開発株式会社若松火力発電所におもむき、概況説明を聴取した後、所内を視察いたしました。続いて、若松文化体育館小ホールにおいて石炭販売業者との懇談会を行ない、大手炭鉱の販売業者、中小炭鉱の販売業者、石炭販売商社の意見を聴取した後、八幡製鉄株式会社において概況説明を聴取し、戸畑製造所を視察いたしました。
 翌十月四日は、福岡市において、石炭関係者との懇談会を行ない、福岡県、福岡県議会、福岡県鉱業市町村連盟、福岡県鉱業関係市町村議会議長協議会、日本石炭協会九州支部、西九州石炭鉱業会、北九州石炭鉱業会、産炭地域進出企業連合会、日本炭鉱労働組合九州地方本部、全国石炭鉱業労働組合西日本事務局、全国炭鉱職員労働組合協議会九州地方本部、福岡県鉱害対策被害者組合連合会、福岡県鉱害家屋被害者組合連合会、福岡県教育委員会及び福岡県教職員組合より、それぞれ意見を聴取いたしました。その後、佐賀県に入り、唐津市の九州電力唐津発電所を視察いたしました。
 翌十月五日は、多久市役所において、三菱鉱業古賀山炭鉱の閉山問題について、古賀山炭鉱、古賀山炭鉱労働組合、古賀山炭鉱職員組合及び多久市より、それぞれ説明並びに意見を聴取いたしました。続いて伊万里市の長浜窯業団地、伊万里合板を視察し、さらに便宜隣県の長崎県松浦市の調川団地まで足を伸ばし、その後、佐賀市に戻り、佐賀県庁において、佐賀県、佐賀県鉱業市町村連合会、長崎県及び長崎県鉱業市町村連合会と懇談会を行ない、愚見を聴取いたしました。
 以上をもって、全日程を終わったのであります。
 次に、各地において要望された主要事項について申し上げたいと存じます。
 第一に、山野炭鉱においては、労使双方から、増加坑内場排水費補助金の実現、自己救命器等保安機器の開発整備とその全額国庫補助、炭鉱労務者確保のための炭鉱離職者臨時措置法の再検討の三点について要望があったほか、会社からは安定補給金を早急に交付されるよう要望がありました。また、その際、漆生鉱業所から増加坑内場排水費補助金について、三井鉱山山野事務所から昭和四十七年に有効期間が満了する臨時石炭鉱害復旧法の延長について、それぞれ要望されたのであります。
 第二に、北九州市における石炭販売業者との懇談会においては、日本石炭協会九州支部から、国鉄運賃、港湾作業料金、海上運賃等石炭流通経費の値上げ抑制、石炭輸送適合船腹の不足に対処しての近代化石炭専用船の追加建造、スケールバージ輸送の早期具体化、石炭輸送適合船腹の解撤対象よりの除外、需要確保対策としての九州炭車焼火力の追加建設、官公庁の石炭優先使用の堆進について要望があり、北九州石炭鉱業会並びに西九州石炭鉱業会からは、大手の炭価との値差の解消、中小炭鉱の電力用炭納入ワクの拡大と納入率の維持、電力用炭販売株式会社の納入炭代繰り上げ払いの継続について要望がありました。次いで九州石炭販売業者からは、石炭生産力の安定増強、特に中小炭鉱の経営安定対策の確立について要望があったほか、若松埠頭株式会社から流通合理化資金借入金の返済期限の延長について、その事情説明とともに要望がありました。なお、その際、北九州市から、日本炭礦再建計画に関連する地域における北九州市の地上計画に対する国の援助の促進、響灘事業計画の推進について要望されたのであります。
 第三に、福岡市における懇談会においては、それぞれ次のような要望がありました。
 まず、福岡県からは、石炭専焼火力の増設、安定補給金の増額、ビルト対策の強化と鉱区の統合調整、大型石炭専用船の建造、保安施設に対する国の助成と被災者援護の強化、労働条件の向上と生活環境の整備、石炭対策特別会計の効率的運用、幹線道路及び団地進入市町村道の整備、九州縦貫自動車道福岡−北九州岡の早期着工、篠栗線臼井駅までの延長の促進、自動車工業等の中核企業の導入、進出企業に対する事業税の減免補てん措置、産炭地域振興事業団の出資制度の拡充と予算ワクの拡大、工場貸与制度の強化、工場用地に対する譲渡所得の特別控除、鉱害復旧年次計画の策定と予算の確保、鉱害復旧における県負担の一〇%以下への怪減、鉱害復旧関係機関の統合とその強化充実、緊急就労対策事業の期限の延長、国の直轄または高率補切による大規模公共専業の集中的実施等のほか、産炭地域農業の振興、地方公共団体の財政対策、文教対策等について要望がありました。
 次いで福岡県鉱業市町村連盟からは、中核企業の導入、特に疲弊のきびしい地域への国営事業、公社等の進出、進出企業の設備に対する国庫助成の強化、過密都市よりの進出企業に対する奨励金及び税制上の優遇措置、進出企業に対する事業税の減免補てん措置、進出企業に対する開発銀行、中小企業金融公庫融資の金利引き下げのための利子補給、岸炭地域振興事業団の支部の権限の拡大、産炭地域振興事業団の融資対象事業の拡大、融資比率の引き上げ、金利の引き上げ、運転資金融資の増額、事業団造成用地の価格の引き下げ、事業団の出資制度及び工業用水道に対する資金量の大幅増額とその実施の拡大、事業団による閉山炭鉱遊休地の高度利用、産炭地域地方公共団体の公共事業に対する離島振興法並みの高率国庫補助と対象事業の範囲の拡大、終閉山に伴う地方公共団体の特殊な財政需要に対する地方債、地方交付税の特別措置、事務職員及びカウンセラー配置等のための僻地学校に準じた財政援助措置、鉱害復旧の早期達成と国庫補助率の大幅引き上げによる地方公共団体の負担の軽減、改組される鉱害事業団の全額政府出資、その本部の九州設置による地元意思の反映、暫定補償、家屋自体、営業補償等に対する国債補助、緊急就労対策事業の延長とその吸収ワクの拡大、炭鉱離職者求職手帳失効者並びに新たな炭鉱離職者吸収のための全額国庫負担による大規模な特別救済土木事業の実施、終閉山の影響を受けた中小商工業者に対する特別融資制度及び特別保証制度の拡充強化、産業基盤整備事業の円滑な執行のための調整資金制度の創設等のほか、公共事業の繰り上げ施行、産炭地域農業の振興等について要望がありました。
 次に、福岡県鉱業関係市町村議会議長協議会からは、石炭の位置づけ五千二百万トン程度の確保、中小炭鉱に対する金融の強化、安定補給金の増額等による閉山続発の防止、保安の確保、第二次産炭地域振興実施計画完全実施のための予算措置と法令の整備、諸事業に対する離島振興方式に準ずる高率国庫負担制度の創設、国営事業、公社等の進出と民間誘致企業に対する融資、税制上の優遇措置、中核企業の定着と地場産業の育成、産炭地域振興事業団の事業範囲の拡大、融資対象の拡充、融資条件の改善、閉山炭鉱あと遊休地の活用に対する国の助成措置、鉱害復旧の総合的、計画的促進、地元市町村の鉱害復旧の負担の解消、緊急就労対策事業の延長とその事業双単価の引き上げ及び吸収ワクの拡大等について要望がありました。なお、その際山田市より、現在経営困難のため操業停止におちいっているセラミック化学について、同社は、山田市に豊富に埋蔵されている粘土を原判としてセラミックタイルを製造する会社であり、今後、山田市が窯業を重点の一つとして発展する上に、中核となる企業であるので、その存続再建について援助されたい旨陳情があったのであります。
 続いて、日本石炭協会九州支部からは、炭鉱離職者の炭鉱再就職を促進するため、職業安定川における炭鉱離職者の就職指導等にあたっては、炭鉱優先をさらに徹底するよう指導すること、職業安定所の求人に際して、炭鉱と他産業の募集開始時期の間隔を最低二十日確保すること、及び第二種移住資金を第一種に優先するよう引き上げること、労働力の流出を防止するため、炭鉱離職者求職手帳の発給条件を厳格化するとともに、諸種の援護措置は炭鉱再就職が困難な場合に限定すること、産炭地域または鉱業用地内の内職センターの設置に対する優遇措置を検討すること、炭鉱労務者住宅の新改築並びに近代化整備に対する助成、若年労働力確保のため、炭鉱が設置する鉱業学校、養成所の施設充実等についての助成、坑道掘進補助金の予算ワクの大幅増額、改組される鉱害事業団において総合復旧が行なわれる場合には、鉱業権者の負担増を来たさないよう負担の限度と免責を明確化すること、総合復旧の場合でも重鉱害あるいは軽微な鉱害等、場合により金銭賠償を活用すること、このため臨鉱法の復旧不適地制度を明確化するとともだ、無資力鉱害についても国による金銭賠償もできるようにすること、改組される鉱害事業団の従来の賦課金にかわる手数料は、極力低率とすること等について要望がありました。
 次に、北九州石炭鉱業会並びに西九州石炭鉱業会からは、石炭の位置づけ五千万トンが絶対必要であることの再確認と社会全般に対するその徹底、政策実行にあたって大手、中小とも公平を期すること、安定補給金等の早期交付、来年度安定補給金の最低トン当たり二百円の確保、労務者確保のため、労働環境改善に対する助成、移住資金、雇用奨励金等を他産業と同等以上にすること、国による中卒者養成機関の設置、中小企業の金融公庫の貸し付け限度の一億円への引き上げ、合理化事業団による運転資金の融資、石炭鉱業向け金融機関の一元化による資金の確保と企業の特性に見合う融資条件の緩和、機械貸与制度の充実、保安施設並びに機器に対する補助率の引き上げと融資ワクの拡大、機械技術センターの設置による新鋭機械の紹介、技術指導、中堅機械鉱員の養成、再教育、石炭技術振興助成金の増額と助成対象の拡大等のほか、閉山対策、鉱区調整、鉱害復旧の早期、実施について要望がありました。
 次いで、九州産炭地域進出企業連合会からは、長期運転資金の融資ワクの増額、事業団の直貸し、貸し付け金の対象範囲の拡大、貸し付け比率を事業団六〇%とすること、不動産取得税及び固定資産税の減免措置の運用緩和、官公需の優先発注と民需のあっせん、電力料金の値下げ、若年労働力の確保について要望がありました。
 次に、日本炭鉱労働組合九州地方本部からは、石炭の位置づけ五千二百万トン程度の確保、政策需要及び官公庁等の暖房用石炭使用の推進、販売公社的機構の設置による銘柄の廃止と販売機構の一元化、鉱区の調整と適正規模への再編成、労働基本権の確立と政策賃金の打破、保安法規の抜本的改正と強力な行政措置、監督官の大幅増員、保安改善に対する国の財政措置、保安不良炭鉱、終堀による閉山以外のスクラップの中止、滞留離職者対策を行なう国の機関として、炭鉱離職者援護協力というようなものを九州等に設置すること、官公庁等への離職者の積極的雇用、中核企業の誘致とそれへの滞留離職者の再就職の推進、昭和三十七年四月以前の離職者の援護、一般失対事業及び緊急就労対策事業のワクの拡大と賃金の引き上げ、CO特別法の具体的内容についての早急な話し合い、退職者の未払い賃金の完全確保等について要望がありました。
 次いで、全国石炭鉱業労働組合西日本事務局からは、労働条件の引き上げと安定補給金の増額による大手、中小間の賃金格差の是正、保安機器の整備拡充、保安管理の指導強化、保安教育の徹底、炭鉱住宅の新増改築資金の融資、公営住宅の活用、持ち家制度の促進、炭鉱医療機関の一元化、石炭産業一本の健康保険組合の設立、今次三池三川鉱災害による遺家族、CO患者に対する万全の援護について要望がありました。なお、その際観世音炭鉱労働組合から、安定補給金の早急な交付、坑道掘進補助金の条件緩和による中小炭鉱への交付、鉱職員、坑内外すべてに及ぶ年金の支給、中小炭鉱の長期運転資金についての事業団保証方式の拡大と限度額の引き上げについて、また、全国石炭鉱業労働組合新大峰炭鉱支部から、増加坑内揚排水費補助金について、さらに、楠久炭鉱労働組合から、七月集中豪雨による土砂くずれ、主要扇風機の埋没に関し、損害額の国家資金による融資あるいは補助、伊万里溝の総合開発、北松炭田の特性に対する坑道掘進補助金の考慮について、それ、それ陳情書が提出されたのであります。
 次に、全国炭鉱職員労働組合協議会九州地方本部からは、昭和四十三年度予算の拡大、特に増加坑内揚排水費補助金の確保及び炭鉱保安専用機器開発費補助の増額、貯炭対策、賃金の引き上げと生活環境の整備、賃金遅欠配の防止、閉山における賃金債権一〇〇%の保障、保安教育の強化、鉱害復旧対策等について要望がありました。
 次いで、福岡県鉱害対策被害者組合連合会並びに福岡県鉱害家屋被害者組合連合会からは、総合復旧計画の推進、臨鉱法における追加工事規定の新設、復旧不適地の処理規定の削除、鉱害復旧事業団の機構の強化、これに関連する現在の評議員会の機能、農地の区画整理を伴う復旧における換地処分、臨鉱法による暫定補償金に対する課税の廃止、合理化法による鉱区再採掘の中止、和解仲介委員会の権限の強化等について要望がありました。
 次に、福岡県教育委員会からは、岸炭地教育振興のため、補導数量、事務職員の配置、学級当たり収容人員の緩和、学校施設の鉱害復旧費の設置者負担の軽減等について要望があり、最後に、福岡県教職員組合からは、擁護教員の配置等のほか、定時制高校教育の円滑化のため労働条件の向上について要望があったのであります。
 第四に、多久市における古賀山炭鉱閉山問題については、会社側から含水帯に当たり、技術上困難となったものであり、無理しても採算不可能の出炭ベースとなる旨説明があり、労働組合からは、保安上または炭量枯渇ならやむを得ないが、技術的に問題はあるとしても稼行可能と考えており、採算上も三菱全体でカバーできる程度のものである。したがって閉山には反対である旨の意見が述べられたのであります。また、職員組合からは、保安上可能かいなか、資金経理上可能かいなかの二点につき、三菱職員組合連合会として問題を解明するとの説明があり、さらに多久市からは操業継続について要望がありました。
 最後に、佐賀市における懇談会においては、それぞれ次のような要望がありました。
 まず、佐賀県からは、古賀山炭鉱の存続に対する配慮、産炭地域振興実施計画の具体的推進についての強力な措置、産炭地域振興事業債制度の新設とその元利償還金についての地方交付税による補てん、伊万里湾総合開発の助成、中核企業の導入と事業団の拡充強化、鉱害復旧年次計画の策定とその予算の確保、地方公共団体の負担の軽減、炭鉱離職者の地元就職措置の強化、緊急就労対策事業の事業費単価の増額、保安ぼた山処理事業の補助率の引き上げのほか、産業基盤の整備、農業対策、文教対策等について要望がありました。
 次いで、佐賀県鉱業市町村協議会からは、古賀山炭鉱の存続、杵島炭鉱の安定、閉山炭鉱遊休地の政府買い上げによる高度利用、産炭地域振興実施計画の年次計画の具体的策定、伊万里開発に対する早急な結論の提示、産炭地市町村道路の整備の計画化、事業団の機能の拡充強化、鉱害復旧事業の促進、産炭地域中小企業者に対する特別融資制度の改善、炭鉱住宅の改良、ぼた山の防災施設の完全化等について要望がありました。
 次に、長崎県からは、産炭地域振興実施計画の早期実施、産炭地域振興対策事業債の早急な新設、政府直営工場の建設、事業団造成用地の価格の引き下げ、鉱害復旧における無資力、無権者の早期認定、地すべり、鉱害競合災害の早期復旧、西彼杵郡北部地域の電話自動化と主要市外局への即時通話の早期実現について要望がありました。
 最後に、長崎県鉱業市町村連合会からは、ビルド鉱対策として労務者の確保、ビルド鉱に対する安定補給金の確保、離島の産炭地域振興等について要望があったのであります。
 以上の諸項目は多岐にわたりますが、いずれも重要なものであります。本委員会はもとより、関係政府機関においても十分これを検討し、適切な措置を講ずることを強く要請して、九州班の報告を終わります。
#6
○多賀谷委員長 これにて派遣委員からの報告は終わりました。
     ――――◇―――――
#7
○多賀谷委員長 次に、石炭鉱山の保、安確保に関する件について、三原朝雄君外、五名から自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党の四派共同提案にかかる決議をいたしたい旨の申し出があります。
 この際提出者に趣旨の説明を求めます。三原朝雄君。
#8
○三原委員 ただいま提出されました石炭鉱山の保安確保に関する件について、自由民主党、日本社会党、民主社会党並びに公明党を代表して趣旨を御説明申し上げます。
 まず案文を朗読いたします。
   石炭鉱山の保安確保に関する件(案)
  今回の三井三池炭鉱における坑内火災事故の発生にかんがみ、政府は、人命尊重の見地から、今後更に炭鉱保安の確保に万全を期するとともに、当面、次の諸点について特段の措置を講ずべきである。
 一、三池災害の事故原因を徹底的に究明するとともに、責任の所在を明確にすること。
 二、保安監督体制を更に強化するとともに、三池天草炭田に鉱山保安監督署を設置すること。
 三、保安機器の開発を促進し、自己救命器の携行を義務づけるとともに、その助成については本年度補正予算において考慮すること。
 四、保安関係法規の再検討を早急に行ない、その規制を強化すること。
 五、炭鉱地帯における医療機関に、高圧酸素量を設置する等医療の万全を期すること。
 右決議する。
  〔拍手〕
 以上であります。
 本決議案の内容はただいま朗読いたしましたとおりでございます。炭鉱災害を防止し、保安を確保することの重要性は再三指摘し、強調したところで、いまさら申すまでもありませんが、この際、今後再びかかる災害が発生しないよう、関係者の一段の努力を強くお願いし、趣旨の説明にかえる次第であります。何とぞ各位の御賛同をお願い申し上げます。
#9
○多賀谷委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#10
○多賀谷委員長 これより三原朝雄君外五名提出の石炭鉱山の保安確保に関する件を本委員会の決議とすべしとの動機について採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#11
○多賀谷委員長 起立総員。よって、動議のごとく石炭鉱山の保安確保に関する件を本委員会の決議とすることに決しました。
 ただいまの決議について政府の所見を求めます。菅野通産大臣。
#12
○菅野国務大臣 ただいま石炭鉱山の保安確保に関する件について委員会の決議が行なわれましたのでありますが、この決議の御趣旨を尊重し、今後の保安対策に遺漏のないよう、万全を期してまいる所存であります。
#13
○多賀谷委員長 なお、本件の政府への参考送付等の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  (「異議なし」と呼ぶ者あり)
#14
○多賀谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
     ――――◇―――――
#15
○多賀谷委員長 次に、石炭対策に関する件について調査を進めます。
 当面する石炭関係の諸問題について質疑の通告がありますので、これを許します。渡辺惣蔵君。
#16
○渡辺(惣)委員 時間がありませんので、集約して簡単に質問いたしたいと思います。私の質問は、運輸省及び国鉄に対する質問、それから文部省と自治省に対する質問、二点であります。した、がいまして、それぞれの関係筋から適宜御答弁願いたいと思います。
 特に運輸省にお伺いいたすのでありますが、北海道のような遠隔の地方におきましては、石炭産業の興っておりますところは例外なしに僻地であります。したがいまして、九州や常磐のように古くから交通の発達しておりますところや、山岳地帯でない地帯におきましては、運送その他についてはかなり便利な地方にありますので、運送上の流通経済に及ぼす石炭の影響というものは、北海道ほど強くはないと私は判断するのであります。御了承のように北海道は、一番先に石炭が出ました茅沼炭鉱にいたしましても、これは石炭があるからこそ岩内線が明治の初めに敷設されたのであります。また、小樽から手宮、幾春別に敷かれました鉄道も、同じように石炭あればこそあの僻陬の地に鉄道が敷かれたわけです。いまわれわれが北炭と呼んでおります北海道炭礦汽船にいたしましても、もともとは北海道炭礦鉄道会社であって、明治二十二年に開設して以来、四十一年に国鉄に買収されますまで石炭専用の鉄道として発達しておるわけです。したがいまして、今日、北海道の炭鉱は例外なしに僻地山間の地帯で、石炭あるがゆえにこそ鉄道が敷かれ、したがいまして運搬が行なわれているという特殊な地帯でありますので、それだけに鉄道に対する依存度というものは非常に多いわけであります。したがいまして、今日の状態では、鉄道に関連しております全国の全貨物運送の中で、石炭の輸送が占めておる比率は、四十年度で鉄道の内陸輸送の上で取得しておりますパーセンテージが一八、海上で一六というほど、国内の全貨物における石炭輸送の依存度は大きなものになっており、したがって石炭の輸送に関しまして鉄道の収益もまた非常に高いウェートを今日においてもなお占めておる、こう私どもは理解するのであります。
 そこで、まず今日の北海道の産炭地におきましては、なおこれからも鉄道に対する輸送上の依存度は非常に強いのでありまして、現在におきましてもビルド山であります芦別の三井の山を中心にいたしまして、石炭を留萌港に輸送する、苫小牧まで直送すべきスラリー輸送がまだできておらない。また苫小牧及び室蘭の輸送というものが詰まっておる。そこで留萌港に輸送するために、芦別から留萌に通じます芦別−深川の路線をつなぐためにいわゆる芦深線の建設が進められておりますが、この芦別−深川をつなぎ、そして留萌に鉄道を直通させる芦深線の工事というものの展望がどうなっておるかについて、ひとつお伺いいたしたいと存じます。
#17
○山口説明員 北海道の鉄道が石炭輸送を目的といたしまするものが非常に多いということは先生のおっしゃるとおりでございます。また、その輸送に対しまする鉄道への依存度というものが非常に高いということも先生のおっしゃるとおりでございます。
 そこで、石炭の輸送というものが非常に大量な輸送でございますし、その性質からいきましても、鉄道輸送というものが非常に適しているわけでございますので、今後とも鉄道輸送に依存することは依然として多いと私どもは考えております。ただ、いまお話の芦別−深川の路線につきましては、ちょっといま調査をいたしております。
#18
○渡辺(惣)委員 国鉄を動脈とする鉄道の輸送というだけではなしに、北海道にはただいまたしか十七の私鉄が敷かれていると思います。その十七の私鉄のうちで十一まで石炭関係の私鉄です。山間僻地の石炭を、輸送するために特別に私鉄が十一本も一敷かれておる。しかし、その私鉄のうちでも、最近の炭鉱の合理化政策で、たとえば三井芦別から芦別駅に至ります鉄道の路線でありますとか、大夕張から清水沢に至る路線であるとか、あるいは三井美唄から美唄駅に至る路線、その他羽幌にいたしましても同様でありますが、そういう名地の炭鉱で、かつては炭鉱円塚が直営をしていて、最近分離をして独立採算で行なっておりますが、いわゆる炭鉱の系列下に置かれている地方鉄道と、それからまるきり特定の炭鉱の系列下にない、しかも石炭を扱っておるところの鉄道があるわけです。たとえば留萌炭鉱のごときは一つのその例であります。
 そこで、われわれは特に石炭の危機突破の上から見て、流通経済の合理化のために努力をしておるわけですが、同じ私鉄であっても、直接特定の炭鉱の系列下にあります鉄道業務の場合は、当然親会社との間に話し合いがスムーズにいっておりますから、運送の運賃等についてはそれぞれの話し合いがついてスムーズにやっておる。しかし、炭鉱の山元の系列下にない地方鉄道の場合においては、運賃決定の上でとかく問題が起こりがちな状態で、輸送経費、流通経費の合理化をはかろうといたしましても、地方鉄道が採算第一主義の上につながっておりますために非常に困難を来たし、しばしばトラブルが発生をしておるという状態であります。
 そこで地方鉄道の運賃の決定というものについては、地方鉄道法第二十一条の規定によれば、「地方鉄道業者ハ旅客及荷物ノ運賃其ノ他運輸に関スル料令一ヲ出走メ監督庁ノ認可ヲ受クヘシ、」第二項では「監督官庁ハ公益上必要アリト附ムルトキハ運賃及料金ノ変更ヲ命スルコトヲ得、」こう規定してありますが、間違いないですか。
#19
○山口説明員 地方鉄道の運賃につきましては、先生御指摘のように、地方鉄道法に基、つきまして、運賃についての大臣の認可並びに運賃に関しますところの変更命令がございます。
#20
○渡辺(惣)委員 そうするとお伺いをいたしますが、運賃の決定はどういうふうに行なわれているかということです。時間がありませんから回りくどいことを抜きでずばり本論を申し上げます。一つの例として取り上げるのですが、たとえば国鉄の留萌線の恵比島という駅がございますね。その恵比島駅のすそに、十八キロの奥地に明治鉱業の昭和炭鉱というのと、それから古河雨竜炭鉱、太刀別炭鉱という三つの炭鉱があるわけです。これはどん詰まりでまさに陸の孤島であります。北海道のうちでも最も僻地に属するところであります。この陸の孤島であるところで三山年間約五十万トン前後の石炭を産出しておるわけですが、ここでは昭和炭鉱から恵比島に至ります鉄道はいわゆる留萌鉄道株式会社というのが経営しておるわけです。この会社は実キロ十八キロしかない。しかし貨物、乗客の運賃については十八キロを三倍にして、擬制キロと称して五十四キロ分の運賃を取得しておるのですが、これもいわゆる地方鉄道法第二十一条の規定によって、運輸省はどういう判断でこういうことを長年にわたって許可を与えておるのか、答えていただきたい。
#21
○山口説明員 地方鉄道の運賃の決定につきましては、その事業が事業としても成り立つし、同時に利用者の便益を促進しなければならないという点からいきまして、その事業が能率的な経営をいたしました励行におきますところの適正な原価というものを償うに足るだけの収入がなければ、当該野業としてはいわばつぶれてしまうわけでございますので、そういう適正な能率的な経営のもとにおける原価を償うに足るだけの収入というものを基準といたしまして、運賃の率等を定めておるわけでございます。それによりまして全体としての当該事業の経営を維持するというたてまえになっておりまして、この鉄道におきましては、旅客運賃におきましては営業キロ当たり三円五十銭、貨物運賃におきましては、先ほどお話がありましたように貨物営業キロ程の割り増しということで、擬制キロを用いまして二十キロ割り増しということでいたしておりまして、石炭につきましてはただこれを通算の制度といたしております。
#22
○渡辺(惣)委員 そうすると、運輸省はその擬制キロを認めているわけですか。実際上それだけの運行をしておらないのに、キロ数を倍もしくは三倍のキロ数で運賃の計算をしているということは、この法二十一条の規定によってなお合法的であり妥当である。この会社は独占企業で黒字の会社ですよ。たとえば、ここでは町役場ははるかに遠いのです。町役場まで三十キロくらいあるでしょう。病院もほとんどない状態で、それで町のほうはここへ町営バスを通して、そして地域の住民の便利をはかろうと思っているが、町営バスの願いを出せば、陸運局ではこれを許可しないで、そしてあべこべに留萌鉄道のほうに競願の暑熱を出させてこれをつぶしてしまう。私鉄とそれから陸運局との結合が非常に強くて、役場が公益企業としてバスを運行しようと思って、たとえばここでは地元に高等学校などは全然ありませんから、子弟の教育上これを町に通学させようといたしますと、とにかくバスがない。それから炭鉱ですから災害が多いのですよ。何しろ国鉄の路線まで十八キロあり、町の病院まで行きますのに三十キロもあるのですから、救急車がなければいかぬ。しかたがないから、このごろは町営のマイクロバスを使って、毎日病人を町まで出ていくのに輸送している状態なんです。そういうようにある特定の地域における独占の会社が黒字を出しながら、公益性を妨げて、そして独占利潤、黒字を出して便々としておる。それを運輸当局が広めて、何らの監督あるいは勧告を行なわないというのはどういうことなのか。あるいはそういう事実を知らなかったのか。事実だとしてもそれを今日認めておるのかどうか承りたいと思います。
#23
○山口説明員 お答え申し上げます。
 ただいまお話しの一つの点でございますバスの経営につきましては、私どものほうでございませんので、具体的な事案につきましてお答えできないのでございますが、ただ、バスの経営につきましては、当該事業における輸送事業というものを具体的に判断をいたしまして、あるいは町にやらせ、あるいは当該地におけるところの私営事業にやらせ、それによりまして一般の便益が促進されるようにという趣旨で免許をし、あるいは却下をしているわけでございます。
 それから貨物の擬制キロの問題でございますが、これは国鉄の運賃の場合と違いまして、国鉄の運賃の場合には、鉄道運賃は原則として全国一本の運営でございますし、しかも、運送距離が相当に長いわけでございます。それで鉄道の利益というのはやはり運送距離の相当長いところに利益があるわけでございますが、運送距離が非常に短い場合におきましては、コストは著しく高くなるわけでございます。したがいまして、その経費というものが運送距離の長短ということによりまして必ずしも比例するものではないわけでございます。そこで、地方鉄道が経営しております鉄道は、概して短い距離でございまして、こういう短い距離におきまして、距離に比例しただけの運賃ということでは、当該鉄道というものの経営はできないわけでございます。そういう観点から具体的な事情等を考慮いたしまして、場合によっては十割増し、場合によっては二十割増しというような擬制キロの制度を設けておるわけでございます。したがいまして、当該運賃につきましては、当方といたしましては合理的なものだというように考えております。なお、この擬制キロでございますが、この会社は、かつては実は三十割増しの運賃をいたしました。その三十割増しの運賃を二十割増しに改定をいたしております。
 それからなお、石炭につきましては、先ほどちょっと触れましたが、従来併算にいたしておりましたものを通算制にいたしております。通算制にいたしますと、全体の長い、いわば遠距離逓減的な制度の運賃の中でこの運賃を計算されるわけでございますから、したがいまして、それだけ運賃が安くなるということでございまして、当該会社といたしましては、二回にわたりましてそういう運賃調整をいたしまして、利用者の負担の軽減をはかっておるわけでございまして、私ども合理的な処置であろうと考えるわけでございます。
#24
○渡辺(惣)委員 次にお伺いいたしますが、この地帯は僻地でありますし、一般炭でありますから、非常に安値でたたかれておる。どうしても、この地帯の三つの山が空き抜くためには、流通経費を節約する以外に生きる道がないのです。そこで、あなた自身もいわゆる擬制キロ数の換算のしかたが短距離輸送の場合においてはやむを得ないのだ、こういう発言をしおるのだから、したがって、当該留萌鉄道が非常に強硬に運賃の値上げを――監督官庁がそういう姿勢ですから、当然私鉄のほうは利潤追求でがんばる。そのためにつぶさなくてもいいだろうと思いますが、危機に瀕しているわけです。五十万トンの石炭を出していながら、いま非常に危機に瀕しているわけです。そこで、この危機から脱出をするということになると、いやでもおうでも、この運賃の軽減をはからなければならない。そこで考え出されたのがトラック輸送をする。幸い産業道路が開発されて、留萌に参りますには、国道の舗装が完備しておりますので、恵比島を通って、そうして産業道路の峠道を突き抜けて、国道に出て留萌港まで出す、こうなると、一トンについて百五十円節約になるのです。一トンについて百五十円石炭の単価が助かる。そこで何としてもこれを、実行したい、こういうことで、貨車をどうしても擬制キロを直してくれないから、留萌港にトラックで直送をする計画を立ててやった。ところが今度は、私鉄と国鉄とが一緒になって話を合わせて、運送しても国鉄の留萌港における石炭の置き場を留萌港の国鉄の管理者が貸さないと言うわけですね。鉄道を使えば貸す。鉄道を使わないで、そうして海上輸送するために留萌港までトラックで輸送したものは、国鉄としては置き場を貸すわけにいかぬということで拒否されて紛争を続けておるのですが、御存じですか。
#25
○山口説明員 お答え申し上げます。
 留萌港におきまして、そういう貸し付けの申請があったかどうかということにつきまして、私どもただいま聞いておりません。ただ、先ほど先生からお話がありましたように、この運賃の問題は、当該石炭の企業にとりまして非常に重大な問題でもございますし、したがいまして、運賃の割引の制度というのもございまして、これは現地で事業者の方と鉄道事業者のほうといろいろ話し合いをいたしておりまして、ある程度の割引措置を講じております。ただ問題は、トラックで輸送するということについてでございますが、これは石炭の大量的な性格等から考えまして、その運送効率というものからいいまして、やはりどうしても中間で積みかえをするというようなことは必ずしも適切ではないのじゃないか。やはり大量的な性格からいきまして、鉄道で港まで直送するということが適当であろう、このように考えるわけでございまして、そういう意味で、この種の貨物が相当の距離もあり、また相当の数量もある場合には、鉄道輸送というものを根幹として各種の施策を講ずべきである、このように考えるところでございます。
#26
○渡辺(惣)委員 考え方かどうも国鉄――運輸省ですから地方鉄道や国鉄の便宜を擁護するのは職務上やむを得ぬと思いますけれども、石炭鹿業は国策としてとられているんですからね。ですからやはり国の政策としての視点から、もっと、一般の貨物輸送と違って非常に重要な時点に達しておるものだから、国鉄、運輸当局ももう少し視点を変えたところから答えをしてもらいたいと思うのです。あなたは石炭という貨物輸送の、運輸運送上の特殊性から、積みかえなどをしないで直送することが便利であるというお話でしたが、私はそれだからこそトラックで直送するものはすべきだと言っているのですよ。ところがあなたの答えは私の言っていることを言っているんですね。実は国鉄当局があべこべのことを言っているんです。そうでなくて、もしトラックで輸送するのなら恵比島までトラック輸送にして、そしてホッパーをつくって、そしてそこから鉄道にかけかえたらどうか。それは二重手間になるのですよ。第一、恵比島の駅前などは、今度も視察をしておりますが、そんな貯炭場をつくるところなんかないです。敷地が全然ない。トラックでわざわざそこまで十八キロを積んできて、そこで国鉄に積むなら、初めからから積みのほうがまだましだということになる。ですからわれわれが言っているのは、一貫してやるためになんで、国鉄を全部使わないというわけじゃない。何しろま冬になると三メートルくらい雪が降るのですから――もちろん雪道でもブルドーザーで全部除雪はしておりますけれども、冬場になるとトラック輸送は相当困難になることは事実です。そういう地帯だから、全部トラック輸送に切りかえるなんということはできる芸当じゃないので、全部といっているんじゃないですよ。業務上必要なものはトラックを使いたいといっているのに、トラックを使うならば留萌の埠頭の土場を貸さない、これは一種の妨害行為じゃないかと思うのですね。これは現に明治とかあるいは雨竜とか大刀別炭鉱だけじゃない。いまではここは芦別の三井とか赤平の住友とか、大手の炭鉱も使っておりましたが、ここは初めから遠距離輸送ですから、トラックも輸送しておりましたが、トラックの荷積みの規制が強化されたので、それでたとえば六トン車で八トン積むということができなくなったので、これはむしろ安全運転で、長距離であるから貨車の輸送がいいということで切りかえた。しかしここは特殊な、非常に近距離輸送なんで、積んだりおろしたりするよりも、かなりスピードを出して運送をスムーズにするためにはトラック輸送のほうが便宜がある、こういう状態でありますのに、特に沼田の三山に関してのみ恵比島から留萌だけの短い国鉄の距離を使わないというだけで、国鉄のほうは土場を貸すことを拒否している。他の線も、芦別あるいは赤平住友あるいは羽幌炭鉱等の乗り入れば認めているんですよ。しかし、この一番至近距離にあって一計貨物輸送が便宜がいい地帯を特に指定して拒否するという態度に対しては了解かできないのですが、いかがですか。
#27
○山口説明員 先ほどもちょっと申し上げましたように、留萌港におきますところのその借り入れの申し入れということにつきましては、運輸省としてはまだ存じておりません。石炭の輸送というものがいかに大きな国家的な意義を持つかということにつきましては、私ども十分考えておるつもりでございますが、ただ、先ほど申しましたように、石炭の性格等からいきまして、やはり山元から直送したほうが適切ではないか、このように考えるわけでございます。
#28
○見坊説明員 留萌港の石炭埠頭の現場は、北岸壁と南岸壁と二つございますが、北岸壁はマイナス八メートルを三バース、その背後に野積み場が三万三千三百九十四平米ございます。それから南岸壁は、やはり水深八メートル、二バース、野積み場八千三百三十四平米ございます。
 それで、いまお話しの国鉄の問題は、私のほうでは一応港湾管理者である留萌市から話を聞いたところでございますが、この野積み場は、大蔵省所管の普通財産でございます。これが港湾管理者に貸し付けられて、港湾管理者は国鉄に転貸しをいたしておる。国鉄は前年度の鉄道輸送の実績によって、その野積み場の割り当てを行なっておるというふうに聞いております。そして、明治鉱業が留萌港で取り扱っております石炭の量は、月一万三千トンから一万四千トンである。このうち、トラック輸送にかかってくるものが月四百トン程度。そこで、このトラック輸送された石炭は、港湾管理者のほうにおいて、別に木材の置き場がございますので、そこに別途石炭の野積み場として使用させておる。したがって、港湾管理者としては、現在のところでは港湾の利用上、そう支障はないのではないかというような話をわれわれは聞いたわけでございます。
#29
○渡辺(惣)委員 それはまことにずさんきわまる調査ですね。四百トンしか石炭を輸送していないのだ、こう言いますが、それは入れさせないから石炭がいかないのであって、それはとにかく鉄道輸送でみんな出ているやつを、鉄道でなければ――そのうちの何ぼかがトラック輸送にかわるはずのものを拒否しているために、四百トンくらいしか出せなくなっているわけですね。それから第一、ここは国鉄は市から又借りをしているのですね。そしてまた土場で各炭鉱からあれするのですから、国鉄は手をぬらさずに中間搾取しているのだな、又借りをして。沼田の三山は、トラックですと至近距離なんです。トラックで一時間くらいで留萌まで出ますから、これならば、山の土場から積み出してまっすぐ留萌に入れるのですよ。ほかの芦別とか赤平とかいう、貨車の輸送のほうが便利がいい地帯とは違うと思う。したがって、港の管理者である留萌市長は、実際は取り扱いに非常に苦慮しているわけですね。非常に間に入って困って、そしていま石炭の野積み場としてなるべく留萌港を拡大しようとしているわけです。にもかかわらず国鉄当局がそういう処置をして、荷物が留萌港にスムーズに出なければ他へ回すことになりますからね。そういうような問題がありますので、私はきょうのあなたの報告は、これは遠距離で電話をかけて調べたのだろうから、それ以上追及いたしません。数字その他については追及いたしませんが、ひとつきょうは通産大臣もお見えなんで、総合国策として石炭政策を推進し、ことに流通経済の問題が最大の問題になってきておる一番重要な時点なんで、これしか突破口がないのですから、この点につきましてはもう一ぺんひとつ大臣も政務次官も各局長も、運輸当局、国鉄当局とこういう問題について他にもいろいろ例があることだと思いますので、各段の努力を期待するわけです。
#30
○菅野国務大臣 お話しのとおり、二石炭産業につきましては、流通機構ということが重要な問題になっておりますので、ただいまのお話でその流通機構が不十分であるということを初めて承ったのでありますが、今後石炭産業の発展のためには、運輸省、国鉄などと相談しまして、十分流通を円滑にするように努力したいと考えております。
#31
○山口説明員 先ほど御質疑がございました芦別線の問題でございますが、芦別−納内間でございますが、芦別−石狩−新城間をごく最近でございますが着工いたしまして、そして新城−納内間、これにつきましては新線建設の認可は本年七月にいたしましたが、まだ未着工でございます。いまの予定では一応五十七年度に全線が開通する、こういう程度でございます。
#32
○渡辺(惣)委員 文部省の方いらっしゃったらお尋ねするのですが、今度の視察で各産炭地の市町村を回ってみますと、九州と北海道との産炭地の事情がかなり相違をしておる感じをわれわれは痛感するわけです。たとえば九州の場合は、山がつぶれますと地元に多数の家族やその他が滞留して、そしていろいろな問題をかもし出してきているという状態ですが、北海道の場合でいきますと、先ほど国鉄さんに質問いたしましたように、山間僻地ですから、山がつぶれるとこれは元も子も、全部その一部落、一つの町は完全につぶれてしまうのです。
 それで文部省にひとつお尋ねをしたいのですが、最近、この春に北海道の芦別市の高根炭鉱というのがつぶれたわけです。これは労使合わせましても五百人足らずの小山ですが、完全につぶれてしまったのです。ここは国道三十八号線から約六キロの山奥で、石炭以外に何もない。石炭あるがゆえに町づくりが行なわれ、小、中学校もできておったわけです。ところが炭鉱がつぶれたために、五、六年前ですかね、りっぱな校舎を、小、中学校を起債によってつくったのが、いま、現町点でおそらく十二、三人くらいの生徒が残っていますかね。これが全部つぶれてしまって、その子供たちも一これは開拓部落の入口付近の子供たちで、あとは山関係の人はみんないなくなってしまって、そこには店一つになってしまったわけです。そこで、この学校を芦別市では解体して、町へ引き取って養護学校の校舎に使用したいという教育長の意見である、こういわれておるのですが、しかし建物は起債を受けたが残額が残っておりますので、残額を処置するまでは解体、移築は認められないということですね。そうすると山の奥に堂々たるかつての威容を誇った新築の――山がつぶれるなんて思っておりませんから、りっぱな校舎をつくって、その校舎がそのまま何にも使われずに腐朽しなければならぬ。その地帯の入口のほうにあります十戸足らずの開拓部落の人々が、その校舎をひとつ使わしてくれ、養鶏場に使わせてくれという申し出をしてきているというのです。とんでもない計画です。それは使わないで腐らせてしまうわけにいきませんから、何か活用の道を地元の少数農家は共同事業で養鶏場をやりたいという構想まで言い出してきている。しかし転用するにしても、起債の残額が残っているうちは転用を認めない。移さなければ転用できませんから、そこの場所においては転用できないので、こういう場合には起債の残額を取り立てるために、あべこべに元も子もなくしてしまってもいいのかどうか。起債残額を取り上げるために、元も子も、元利全部パーにしてしまってもいいのかどうか。国家の非常に重要な大事な機構である学校が、そういうような措置でいいのかどうか。もっと弾力のある話ができないのかどうかという点がまず第一点。
 それからこの地帯は六キロも奥の山岳地帯で何もないのに、ここは炭量がたくさんあるものですから、将来継続できると考えたものですから、ここには学校がありますし、たくさんの人々が住んでいますので、特に市の当局が骨を折りまして、この地帯には公営住宅を二棟八戸、これもブロック建てです。これは自治省のほうからお答え願うようになるかもしれませんが、ブロックですから解体できないのです。これも借りた金は返していないし、解体してしまうとブロックですからだめになってしまうのです。市営住宅も三戸あるのですが、これも一建てっぱなしです。それから住宅公団の特定分譲地というやつが六棟二十四戸あるのですよ。これも職員住宅ですからりっぱなものです。転用して学校の先生がここに住んでおったのですが、学校もつぶれてしまった、校舎もパーだ。このりっぱな新築して数年しかたっていないブロック住宅なんかが全部だめになる。そうするとこの住宅公団の特定分譲地というのは、住宅公団の下請でつくったのは北海道の住宅公社、管理しているのは公団の管理課だそうです。
 そこでいま芦別の高根炭鉱の例を具体的に一つ申し上げてみましたが、同じ例がたとえば国道の沿線にある奈井江町にあります。三井の白山鉱という、これは七百人ぐらいの住宅地帯ですが、ここには鉄筋の四階建てのアパートも一あるのですが、これもおそらく起債を償還していないと思う。学校も同じく白山小学校、中学校、これも二年ばかり前に新築した学校が、全部合理化で上砂川町の三井砂川鉱にこの山は全部併合いたしましたから、峠一つ越えれば砂川に坑道がつながっていますので、住宅を全部たたきこわして上砂川町に移築して、どんどん人間をそっちのほうへ持っていってしまった、同じ資本の山ですから。この奈井江というのは、白山炭鉱がつぶれてしまったが、そこには小学校も中学校も独立したりっぱな校舎があります。それが全部、ほとんど農家を除く、あるいはごく少数の者を除く大半の人が移ってしまったので、校舎が半分以上、三分の二くらいあいてしまっている。これは先ほどの視察報告にもありましたように、留萌管内の小平町も同様のことを訴えられておるのですが、この点につきまして、一体学校の施設にしてもその他でも、起債の残額が残っているうちは、これは動かしちゃいかぬ、転用の便宜が与えられない。しかもこういうような使用不可能になったものに対しても、あくまでも元金はもちろんだが、利子の延納も認めなければ、残額償還をしなければ一切の転用は認められないということが事実かどうか。これからもさらにそういう方針を貫き通す腹であるのかどうかについて意見を伺いたい。
#33
○天城説明員 いま芦別の高根小学校、高根中学校の問題だと思いますが、私たち炭鉱の関係で閉山のようなことになった場合には、主として児童、生徒の就学上の問題を第一段に考えまして、就学の機会が奪われないように、また適当な教室で就学ができるようにということを考えております。お尋ねの学校におきましては、それぞれの授業が行なわれておると報告を聞いておりますが、実は施設の問題でございますけれども、私たち学校の建設に補助金を出しておりますが、補助による学校につきまして何らかの事情で目的どおり使えないという場合に他に転用することはいままでも一例はございますので、別にそのことで絶対に生徒のいない学校を立ち腐れにするというような考え方は持っておりません。ただお話の起債の問題ということでございます。この学校、実は補助金によって建てたのか、私、いまつまびらかにしておりませんが、起債の問題でございましたら、あるいは自治省のほうで一般論としてお答え願ったほうかいいかと思いますが、御趣旨におきまして、生徒のいない学校を立ち腐れにするようなことは、これは適当ではないと思いますし、私たちのほうでやるべきことでございましたら、事情を調べた上で措置をいたしたいと思っております。
#34
○首藤説明員 ただいま、廃山によりまして生徒のいなくなりました学校を他に転用する場合において、起債の残額が残っておるので、その転用はいかぬのだ、それを禁止をしておる、そういう考え方は、私どもとしてはもちろん毛頭とっておりません。ただ、これは私もつまびらかにいたしておりませんが、借り入れました先の、資金先の融通規則の区別の関係におきまして、ものがなくなる場合には、場合によっては繰り上げ償還等をしてほしい、こういうような希望を申し出るケースの資金もあろうかと思います。もしそのようなケースがございました場合には、ケース・バイ・ケースのものといたしまして、十分事情等を御説明いただきまして、もしどうしても返さなければならないものであれば、そのことの財政状況等の及ぼす影響を勘案いたしまして、しかるべき処置をとりたい。他に残っておるから移転してはならぬ、こういうような考え方は毛頭持っておりません。
#35
○渡辺(惣)委員 もつ一つ文部省にお尋ねしますが、これは北海道でも、九州でも訴えられたのですが、どこの地帯も、炭鉱地帯が荒廃をしてきておりますので、たとえば炭鉱の地帯などは一ぺん行って見ていただけばわかるのですが、ハーモニカ長屋が続いておって、そのハーモニカ長屋のまん中があき家になったり、またその隣があき家になったりして、同じむね割り長屋でも、まん中があいて、端々が残っているというようなそういう状態ですから、建物の管理もなかなか行き届かない。したがって、そういうところは子供の遊び場の巣になってしまって、しばしば子供が登校しないでさぼって、あき家で遊んだり、何も娯楽施設がないから、町へ行ってパチンコをやったり、駅の前の盛り場をうろついたりしているケースが非常に多いので、そういう点について非常に産炭地域では頭を悩ましておるのですが、これに対して特に炭鉱地帯は学校が人口の激減によって児童数も激減し、教室もあくということになっているのですが、いまそういう教育者として余剰労働力の出た面を特に補導教員として活用することが特に強調されておるのですが、文部省のいうカウンセラーの制度は、全国的にどれくらいそういう補導に当たっておる人たちがおるのか。特に炭鉱地帯ではカウンセラーの制度はどういうように活用されておるのか、お伺いしたいと思います。
#36
○天城説明員 いま御指摘のような事情は、私たちも現地から伺っておりますし、十分その点の配慮をいたさねばならぬと考えております。具体的にこういう地域の生徒指導の教員の配置でございますが、御案内のように、いま義務教育の小中学校の定数につきましては、計画的に規模の適正化をはかってきておりまして、本年度四十六人、明年度四十五人というふうに逐年適正規模に進めてまいっております。しかしこの過程におきまして、ただいまお話しのようないろいろな困難な事情を持った地域をかかえた県がございますので、こういう県につきましては、一応標準法によります定数でなくて、それらの事情を勘案したいわば別な最低保証という定数の予算上の措置をいたしておりまして、北海道の例で申しますれば、生徒指導関係の教員は、一般には二十一学級以上の学校に配置することになっておるのでございますが、産炭地につきましては十一学級あたりからも置けるようにいたしておりまして、この関係の補導教員が北海道では三十六名配置されております。その他全道については六十六人でございますので、産炭地域についてはかなり厚く補導教員の配置がいたされておるわけでございます。
#37
○渡辺(惣)委員 これは九州はどうなっていますか。福岡という例をとってもいいし……。
#38
○天城説明員 これは各県の、先ほど申しました最低保証をいたしておりますので、ある県内の県の配分のしかたでございますが、福岡県では、産炭地域に六十二名配置しております。
#39
○渡辺(惣)委員 これらの補導教員の人々の勤務の場所が、たとえばその地方の教育委員会などに勤務場所を置いて、そして指導しているのか、それとも実際上子供の補導を現実に家庭を訪問したり、市内を回ったり何なりして現地指導に中心を置いているのか、それとも単に調査など各学校のそれぞれ授業を担当している教師の指導督励の任を帯びさせているのか、どうですか。
#40
○天城説明員 ただいま申し上げました教員は、学校配当の教員でございまして、現地に即して直接子供の指導なり、家庭の訪問ができる態勢の教員であります。先ほどおっしゃいましたたとえば北海道ですが、地方教育局のようなところにおりますのは、われわれは充て指導主事という名前で呼んでおりますが、教員の身分で指導主事の仕事をしているものでございますが、それ以外に学校配置の教員がいま申したように産炭地に三十六名入っておる、こういうわけでございます。
#41
○渡辺(惣)委員 しかし、その学校に配置されている先生というのは、いまのカウンセラーの役目はできないんじゃないですか。授業を担当しなければならぬじゃないですか。学校のその他の仕事もしなければいかぬしね。その充て主事というのは、それは児童と直接接触する役目でないですね。
#42
○天城説明員 指導主事はいわば教師の指導に当たっているわけでございますが、いまその教員は学校に配置するということを申し上げましたのは、結局ちゅうぶらりんで教員がいるわけにまいりませんものですから、それぞれの産炭地域の学校に配置しているということを申し上げたわけでございます。現場に派遣した教員ということでございます。
#43
○渡辺(惣)委員 それにしてはしかし数が少な過ぎますね。
#44
○天城説明員 これは私たちのほうで個々にどこの学校に何名という配置をいたしたわけではありませんで、先ほど申し上げましたように、全体として、北海道のような教育上いろいろ困難な事情の地域を持っておられるところでございますので、普通の方式に加えまして二百七十八名の教官をプラスして予算上は配置しているわけでございます。それを道内におきまして、産炭地ですとか、あるいはそれぞれの事情に応じてこれを学校に配当をしているというのが実情でございまして、そのうち産炭地域に回っている人数が三十六名という実情でございます。
#45
○渡辺(惣)委員 文部省はそういう指導の方針をとっているだけなんですか。それとも予算措置の上で地方の県、道が全額負担ですか。文部省は、そのカウンセラーに対する特別の財政措置はどういうようにしておられますか。
#46
○天城説明員 これは一般の教員と同じように半額国画負担のワク内で見ております。国が二分の一給与を負担しております。
#47
○渡辺(惣)委員 それは半額だけですか。そうすると、地方がそれだけ教員をよけい教室の担当勤務以外に配置をするから地方の財政負担が強くなるわけですね。
#48
○天城説明員 これはたいへん基本的なことを申し上げて恐縮でございますが、現在義務教育の教員の給与は国が半分負担し、あとは地方財政に落とすわけでございますが、実際問題といたしまして国が負担すべき給与というものと、地方財政上の措置というものとをあわせてやっておりますので、その中にこれらの教員は含めて普通の教員と同じような予算措置をいたしておるということでございます。
 いま義務教育の教職員の定数につきましては、御案内のように定数法によりまして措置いたしておりまして、逐年児童数も減ってまいりますので、その減るところを学級規模を縮小することによりまして水準を上げていくという措置をとっております。しかし、法律のとおり実施いたしますと、児童生徒の減少が非常に激しい県におきましては年度ごとに教員の定数が非常に減ってまいります。そういうことは人事行政その他の上から望ましくないことがたくさんございますので、本来法律の基準でまいりますれば減るべき教員を、一定の方針によりまして最低保証として余裕を残しております。その考え方の中には、単に減少が急カーブでは困るということのほかに、やはりそれだけの余裕によっていろいろ困難な事情のカバーができるじゃないか。まあこういう考え方でいまのことを申し上げたのでございます。その中で、たとえば北海道二百七十八名が本年度最低保証として法律の基準以上に予算上の配置ができておりますので、その中で産炭地における補導教員に向けていただける用意がしてある、こういうことを申し上げたわけでございます。
#49
○八木(昇)委員 関連して。結局いまの文部省の措置では実情にそぐわないので、そこでやはり県としては、文部省から半額の国庫負担はこないけれども、教育の現場の実情からして、どうしても補導教員を置かなければいかぬという必要性を痛感して、全額県費負担でまかなって、そして補導教員を相当数配置しておるということがあるわけでしょう。
#50
○天城説明員 先ほど申し上げておりますように、これはいま法律で一定基準への増加を進めている際でございますので、しかもその経過の中で、いま言ったような急激なカーブを少しでもゆるやかにしようという形で毎年最低保証をやってきておりますので、それ以上の問題になってまいりますと、これは実は法律問題になるものですから、現行法の範囲内で最大限度の運用をいたしておることを申し上げたわけでございます。それ以外のさらにプラスの教員ということになりますと、これは法律を改正しなければならない問題でございますが、私たちといたしましては一応四十一五人まで学級の最高を縮めていくという政策を五カ年計画でとっているものでございますので、現在はその範囲内でその仕事を進めていきたい、かように考えているわけでございます。
#51
○八木(昇)委員 文部省の現在とっておるその方針というものについては、いま盛んに答弁をしておられるけれども、私が聞いているのは、もう県当局が全額負担で、県準独で補導教員を相当数置いているだろうということのその事実について聞いているのですよ。
#52
○天城説明員 国庫負担定数以上の県費まるかかえの教員が若干あろうかと思いますけれども、それを補導教員のためにどれだけどうしているかということについては、いまちょっと資料を持っておりませんし、私この場では詳細に存じませんので何ともお答えしかねるのでございます。
#53
○八木(昇)委員 そういうのは当然把握しておられると思うのですけれどもね。それで、それは天際現地の県としてはそうせざるを得ないからしでいるわけですよ。ですからやはりそういう点を考えて、少なくとも県が全額負担してまで配置しておるという事実には着目して、文部省としても対処してもらいたいというのが私どもの意見でしてね。そのことを現地の県の教育委員会も強く要望しておるのですよ。
#54
○天城説明員 確かに御要望の線は承りますが、ただ、実際に岐南四十五人ということを目標にいたしておりますけれども、実際にはもう学校の一学級当たりの規模は、小学校で三十三、中学校で三十七、八というのが実態でございまして、その上で、先ほど申したように、最低基準の上に前年との差の保証を特定の県にはいたしておるわけでございますので、御趣旨の、なるべく現場に教員を配置したいということはわかりますけれども、一応最高四十五人にしていこうという計画の過程でございますので、教員の配置その他をできるだけ合理的にしていただいて、それぞれの必要なところに必要な教員が配置できるように、県にも一そう指導してまいりたいとは思っておるのでございますが、現在直ちにこの進行中の計画を変えて、別途に国庫負担のワクをふやすということは、この計画が完成後の問題にしていただきたいということをわれわれも県のほうには申しておりまして、この従来のワク内でのくふうと、そのための指導をいろいろいたしておるのが実情でございます。
#55
○渡辺(惣)委員 この問題は非常に重要な問題ですし、きょう実は時間がないので、次にさらにいろいろ意見を承る機会を得たいと思っております。
 最後に一つ文部省にお尋ねしたいのですが、いま実は炭鉱では若手労務者が不足をしまして、青年労働者はほとんど山へ残らない。中高年齢層だけがかろうじて山へとどまって、平均年齢が四十歳前後というような高年齢層だけが炭鉱へ、残って、若年層がほとんど流出をするという状態であります。将来石炭政策の方針が堅持され、またそれがいま計画されているように遂行されたとしても、将来炭鉱が機械化された中で働く、新しい技術を身につけた若年労働者がほとんど喪失してしまう。そういう場面から、かりに国の政策として石炭政策が進められても、優秀な青年労働者が得られないために、新しい機械化に応じていかれないために、炭鉱が崩壊してしまう、こういうことがいわれておるわけですね。そこで、各企業別の炭鉱では、新しい視点から、青年労働者が炭鉱の中で働けるような体制を築こうということで、大手の山などでは鉱山学校というものをつくりまして、二年もしくは三年の、実務教育を施しておる。こういうケースがたくさんあるわけです。
 そこでこれも一つの例ですが、今度の視察で特に問題になったのですが、赤平市の住友系の山では、高等鉱山学校という名称を用いて、三年制の、学費も食費も全額保障の学校をつくり、全員寄宿舎に収容して三年間の教育を施して、実習訓練も学科訓練も継続しておる。ただし、今日の新しい時代の青年は、自分の鉱山学校における修学の課程がその山だけの就職には役立つけれども、それ以外に他の山に転出をしたり、他の職業に転出をしたりする場合において、何らの社会的な学歴とか価値判断の基準に通用しない、こういう各種学校では、落ちついて就学をし勉強をしようという希望を持たなくなってきているという現象があるわけです。
 そこで、この赤平の高等鉱山学校では、特に三年を履修した者に対しては、並行しまして札幌の道立の南高校と連絡をしまして、いわゆる定時制の教育と結びつけて、そして一年間の通信教育を施すことによって、定時制高校履修と同じ資格を通信教育によって付与する、こういう非常に苦しい方法をとっておるのですが、今日の各地で行なわれている鉱山学校というものを国貨で援助し、もしくはそういう公的な資格を与えて、勤労青年に希望を持たせるような措置について考えられないかどうか、所見をお伺いしたい。
#56
○天城説明員 一般に企業内訓練あるいはその他のいわゆる各種学校におきます技能教育と、それから高等学校の資格との関連をどうするかという問題は、お話のように鉱山学校に限らずあちらこちらにある問題でございます。
 現在、高等学校の定時制または通信教育の課程に在学している生徒が、これは文部大臣が指定することになっておりますけれども、一定の技能教育のための施設で教育を受けている場合には、その施設におきます技能教育の学習を高等学校における教科の一部の履習とみなす制度がある。ですから、いまのお話の赤平の住友の高等鉱山学校に学んでいる生徒が、同時にどっかの高等学校の定時制の課程の学生であるかあるいは生徒であるか、通信教育を受けている場合に、この赤平の高等鉱山学校の教科が高等学校の技能教科に当たるものが指定されておりますれば、併習の形でいわば同時卒業ができるわけです。二重負担を省こうという制度を考えております。そういう制度がございます。現在これは鉱山だけではございませんで、工業とその他で幾つか実施され二おりますが、いまお話の赤平の場合にはこれと併習すべき高等学校、特に鉱山関係の高等学校が付近にございませんので、積極的にこのことを進めるのでしたら、しかるべき高等学校に併習ができるだけ可能なような学科を置くなり、あるいはそういう通信教育を開設することによって、この連携制度を活用することが二心考えられるわけでございます。現在はまだ鉱山関係の学科を持つ高等学校が赤平の場合にはないようでございますので、直ちにそのことはできないかもしれませんが、方向としてはそういう措置がございますので、なおその点につきましてはそういう方法がそういう勤労青年の教育にとって最も望ましいことかどうかにつきましては検討してまいりたいと思っております。
 なお、各種学校につきましては、現在中学卒業後三年程度の各種学校もかなりございますし、場合によりますと高等学校卒業後でいわば短大レベルの各種学校もございまして、各種学校自身が高等学校や短大にならないで、独得の技能教育や実際生活に即した教育をする道を進みたいというものもかなりございますので、これにつきましても私は各種学校の整備という問題で別途検討は進めております。いまお話しのように、各種学校だけでは社会の評価があいまいだというお話も確かにございますが、各種学校の中にはむしろ各種学校でいくほうが本来の教育に即するのだという考えもかなりございまして、むしろ各種学校としての整備を非常に要望されておりますので、両面からこの勤労青年の教育の問題は考えていきたいと思っているのでございます。
#57
○渡辺(惣)委員 こういう産学共同の立場で一種のいまの赤平方式のような施設と方法をとっているものは、あなたの調査では全国的にどれくらいありますか。
#58
○天城説明員 幾つか例は存じておりますけれども、総数で幾つか、ちょっといま手元に資料がございませんので……。
#59
○渡辺(惣)委員 あなたはさっき、各種学校のままでいいのだという考え方もあるというお話がありましたが、それは花嫁学校やその他の学校と違いまして、これは一生の間それで職業教育を施していこうという一番大事なことなのです。ことに炭鉱というのは全国共通の労働市場になっていますので、したがいまして、若い青年に対してはそういう専門的な技能と教養を与える必要が、特に若手労務者の吸収の上から見ても大事なんです。特にそういうことの制度に対する検討を加える方針がありますか。
#60
○天城説明員 いま各種学校でいったほうがいいのだという御意見、これは何も全面的ではございません。いろいろな分野によって違いますが、確かにそういう御意見は社会にもございますし、各種学校の中にもございます。
 なおいまお話しの、高等学校と企業内訓練との連携の問題につきましては、現在いま手元に数字がないので数を申しかねますけれども、なお幾つかの問題点がございますので、私たちといたしましては提携方式についてさらに改善すべき問題点、どういうふうにしたら一そうこの関係がスムーズにいくかということにつきましては、目下関係者と申しますか、専門家あるいは現場におられる方々の御意見を伺って検討しておるときでございます。できるだく促進いたしまして、こういう面での勤労青年の教育の正しい道を拡充してまいりたいと考えております。
#61
○渡辺(惣)委員 大臣にお尋ねいたしますが、いまお聞きのとおりの問題につきまして非常に実現方が強く要望されておりますので、ひとつこの際、文部省の検討の段階に来ていると思いますので、大臣としてもこの実現のために御努力を願いたいと思います。大臣の所信を承りたいと存じます。
#62
○菅野国務大臣 産炭地の振興の問題につきましては、ことに教育の問題が重要性があると思いますので、いまのお尋ねの件につきましては、よく文部省とも相談しまして善処したい、こういうふうに考えております。
#63
○多賀谷委員長 関連質問があります。鹿野君。
#64
○鹿野委員 きょうの委員会で保安問題対策についての決議がなされたのでありますが、重要なる石炭産業の中において保安問題が一番の中心だというような感を私は深くいたしました。私も北海道の炭鉱視察の一行に参加いたしましていろいろな意見を承ってまいりましたが、労務者の確保という問題が第一番に訴えられたわけでございますけれども、労務者の確保がなかなかしにくいということは、離職者などの炭鉱に戻らないという長大の原因は、保安問題に対する不安が一番の問題だという感を深くいたしました。ことに経営者が幾ぶん考え方が古い、いわゆる十年前、二十年前の考え方で、現在の国民の、非常な生活程度が上がり、あるいは賃金も非常に上がった現状において、この労務者の確保についての心がまえが非常に古いのではないかという感を私は深くいたしました。そうした点から今度保安問題についていろいろな施策をやる必要があるわけですが、これについて通産当局が――私は皆さんとちょっと違うかもわかりませんけれども、経営者が、石炭産業に対する政府の助成が非常に手厚いために自主性を失って、何でも政府にやってもらえるという依頼心が非常に中心になっておるように看取されます。そういうようなことでは今後幾らてこ入れしても、石炭産業の自立というのが非常にむずかしいのではないかという感を深くいたしました。極論すれば、公団の半分が役人的な考え方に立っておるのではなかろうかというような気もいたしましたが、こうした点について通産当局としては、保安問題その他についても今後助成するについては経営者それ自身がもっともっと意欲的に、やはり自由主義に基づいたところの経営をやっていくのだという心がまえを助長するように指導してもらいたいものだと私は思うのです。この際保安問題についても、経営者の考えておるものと働く者の考えておる保安問題について非常な開きがあることを私たちは見てきたのですが、この際、働く人の立場から保安問題に対する各炭鉱の考え方を聴取いたしまして、これをもとにして監督あるいは指導をしてもらうということが必要なんだと思うが、これに対して保安局長いかがでございましょう。私はぜひそのようなことが必要ではないかという感をいたしましたが、御意見を付いたい。
#65
○西家説明員 ただいま先生のおっしゃいましたように、確かに鉱山保安対策にはまず経営者の考え方が第一でございます。それからさらには、ただいま先生がおっしゃいましたように、働く労働者と経営者が相携えまして、初めて保安確保というものができるというふうにわれわれは確信いたしております。
 現在では、鉱山の中には経営者と労働者の代表の委員からなる保安委員会という制度がございまして、これは月に少なくとも一回以上開かれておるわけでございますが、これらにおきまして十分労働者の意見を聴取するということが大切だと考えておる次第でございます。また経営者側が保安管理の責任を全面的に持つわけでございますが、そのサイドチェッカーとして保安監督員制度というものがございますが、この保安監督員の補佐をする人間の中にやはり働く労働者の中からの推薦者を必ず入れる、こういうことでやっておりまして、これらの人たちからも意見が出てくるかと思いますが、十分これらの意見も尊重いたしまして、労使が相携えまして保安の確保をはかることが絶対に必要だというふうに考えております。
#66
○鹿野委員 どうぞひとつそういうふうにとにかく保安を確保して、しかる後、働く人々の積極的な意欲を引き出すというようにしていただければ、私はたいへんいいのではないかと思います。
 次に、現在日本に亜炭産業というものがまだ非常に大きく存在をいたしまして、国策としての石炭産業の一環として力強く働いておるわけでございますが、どういうものかこの亜炭産業が石炭産業の保護、助成のワクから全く見捨てられて今日にまいっておるわけでございます。ところが今回基本的に石炭廃業の救助策がとられたわけですけれども、いままでも何らこれらに対する救助の手が伸べられることなく、今度あらためて基本的に救済策がとられるということになると、やはりこの競争の面からもますます亜炭産業の絶滅という方向に向かわなければならなくなるのじゃなかろうかと思うのであります。ところが、亜炭産業は亜炭産業として、カロリーが五千数百キロ、五、六百キロのものもいまどんどん出されているわけでございますし、そのほかにまた、亜炭産業自体が、農業に対する土壌改良の問題とかいろいろな重要なるところの使命を帯びておる。こうした問題について、やはり石炭と同じような立場にあって、亜炭も褐炭の中の一部に入るということは学者の定説になっておりますが、そういうことにおいて検討してもらいたい、もらうべきだ、こう思うのですが、この際通産大臣の御所見を承りたいのであります。
#67
○菅野国務大臣 お話しのとおり、この亜炭鉱業につきましては、今日までとりました石炭対策の中に含まれていないことは事実であります。しかし、亜炭鉱業は亜炭鉱業として今後政府としてはまた指導、助成に当たるべきじゃないかというように考えておりますので、まず亜炭鉱業の実情を十分われわれのほうでも調査いたしまして、その上で指導、助成の方策を考えてみたい、こう考えております。先般も、炭業課長に実情を調査せしめておりますので、その結果によってひとつ検討して、亜炭鉱業に対する対策を考えていきたい、こういうように思っております。
#68
○鹿野委員 まことにけっこうですが、ぜひどうぞ日本の中小企業の置かれておる立場を御認識くださって、通産当局においては御検討くださいますとともに、委員長に対しても私はひとつお願いしておきたいのは、当委員会においてもどれを取り上げてくださることをお願いいたしまして、私の質疑を終わります。
#69
○多賀谷委員長 理事会にはかりまして、その問題を提起いたしたいと思います。細谷治嘉君。
#70
○細谷委員 私は、産炭地振興問題と、一酸化炭素中毒症に関する特別措置法のその後の諸問題、二点について御質問したいと思います。
 せんだって、一石炭特別委員会が九州の各地を回られた際に、いろいろな要望事項があったのでありまするけれども、時間がありませんからその一点だけを、基本的な点をお聞きしたいと存じます。
 それは、五千万トン、いや五千二百万トンと、いろいろ議論があったわけですけれども、これは一体どういう意味なのか。たとえば補給金というものがつけられておるわけですけれども、中小炭鉱では補給金はもらわない。ところが、もらっておらないところがあるとすると、かえって負担がふえたというのであります。ですから、一体五千万トンというのは、これは日本の地下資源をどうしても活用するために国として是が非でも果たさなければならないような五千万トンであるということなのか、まあまあ出しておけというような単なる目標的なものか、目標的なものであるとするならば、一生懸命努力して、ある程度蓄積ということばはなんですけれども、努力したところは補給金をもらわないで、努力せぬで赤字を出したところが補給金をもらうというのは、現在の資主義体制からいけばおかしいじゃないか、こういう議論がありました。まことにもっともなことであります。私は、やはり五千万トンというのは単なる位置づけじゃないのだ、総合エネルギーの観点から、どうしてもこれはやり通さなければならぬものなんだ、そういう中から政策が生まれてくるのだ、こういうふうに理解しなければならないと思うのでありますけれども、この点はひとつ大臣の所信のほどを伺っておきたいと思います。
#71
○菅野国務大臣 五千万トンの産額をあげるということは、いま細谷委員の言われたとおり、これが基本です。石炭対策の基本は、五千万トンを産出するというのがその基本になっておるので、したがってその五千万トンということによっていろいろの対策を訓じておるのでありますからして、それは出ても出ぬでもいいというような、そんな考えではありません。五千万トンはぜひひとつ掘り出さなければならぬという考えですべての対策を講じておる次第でありまして、どうかそういう意味でひとつ御理解を願いたいと思います。
#72
○細谷委員 この問題についてはさらに申し上げたいのでありますけれども、そこまで確認しておけば、確認した上で政策は出てくるわけでありますから、何でもかんでも自由競争だという形じゃなくて、ある意味では他産業に見られないような社会化されたような政策、こういうものが出てくる。こういうことになろうと思うのであります。
 そこで、実は労働大臣は時間の関係があるのだそうでありますけれども、話がこっちにきてしまったものですから、もう一点、産炭地振興のことについてお尋ねしたい。
 この前私が質問をしたとき、いままでの産炭地振興というのは、結核患者の第三期の重病人に仁丹を飲ませるというやり方じゃないか、こう言ったら、大臣は、まあそういうことかもしらぬが、今度は少なくともアリナミンは飲ませますと、こう言っておったのですかね。そこでアリナミンの処方せんができつつあると思うのであります。せんだっても、七月と記憶するのでありますけれども、名地域ごとの産炭地振興実施計画というものができ上がりました。ところが、この産炭地振興実施計画を見ますと、私はたいへんな投資が要ると思うのであります。たとえば筑豊炭田に対する振興計画を見ましても、ばく大な投資が昭和四十七年までなされなければならぬ、こういう状態でございます。ばく大な投資を行なうということになりますと、それに必要ないわゆる産業基盤の整備というのを行なっていかなければなりません。そういうことになりますと、そこに進出する企業も、そこの自治体も、たいへんな負担になるのであります。そこで、現在産炭地域振興臨時措置法の確か十一条と存じますけれども、地域開発方式に基づく財政援助の方式がとられております。府県にはいわゆる起債の充当率の引き上げということによって、そしてその起債の元利についての利子補給という形で。市町村については補助率の引き上げという形で行なわれておるのでありますけれども、これは全く地域開発方式のタイプをそのまま持ってきたものでございます。原則的に、今日の産炭地というのは、地域開発方式を適用するような事態じゃないわけです。完全に穴に落ち込んでおるわけでありますから、これはやはり離島方式なりあるいは北海道の開発方式なりを使わなければならない。一定水準以上を使ったらば補助率も上げてあげましょう、起債の充当率も上げてあげましょう、そういうことではいけないのでありまして、一定水準のスタートに立つことができないというのが今日の財政実態なんであります。そこで、今日まで二年間、この特別委員会では、政府から出された法律案を修正をいたしまして、いわゆる一般財源に対する地域開発方式は、一割以上こえた部分についてのかさ上げなり利子補給、充当率の引き上げ、こういうことになっておったのでありますが、これを百分の六までしたわけです。修正いたしました。ところがもともとタイプが仁丹方式、いわゆる産炭地からとりますと仁丹方式、地域開発方式をとっておるものですからひっかからない。重病人ほどひっかからなのいであります。六条指定のところがひっかからないで、その周辺の二条地域だけがひっかかってきておる、こういう本末転倒の形態にこの二年間の実績が出てきておるのであります。でありますから大臣は、仁丹療法じゃだめだ、アリナミン療法以上のことをやるのだ、こういうのでありますから、地域開発方式ではない方式をとらなければ――今度の新実施計画は、今度こそやり通すんだということで練り直したのでありますから、そういう方式をとらなければならぬと思うのでありますけれども、いかがですか。これをまず第一にお尋ねをいたします。
#73
○中川説明員 ただいまお話しのございました産炭地振興について、当該地元の公共団体としての実情につきましては、先生のおっしゃるとおりだと思います。したがいまして私どもといたしましては、この産炭地振興の実施計画の実施を中心に、強力に進めていく場合におきまして、財政援助対象事業の拡大と高率補助という点に関しまして、市町村に対する補助率引き上げ制度等に関しましては、十分実情に沿うように関係省庁とも相談して改正するように努力をしたいと考えて、現在も進めておるわけであります。ただ、一つ申し上げたいと思いますのは、産炭地域の振興と申しますことは、単一の市町村だけで考えておるというようなことでは、なかなか根本的な問題の解決にはならない。その意味では相当広域的な地域の基盤を直す。たとえば基本的な道路でございますとか、基本的な鉄道幹線でございますとか、そういったものに、これは関係各省に御協力を要請して進めることではございますけれども、そういう基礎づくりからやっていって、かつ単位の地域に対して、その地域の自治体財政が無理を来たさないようにという、両面の配慮をしていって初めて実が上がるのではなかろうか、かように考えておるわけでございます。御指摘のような御意見に対しましては、可能な限り私どもも改善の方向で努力をいたしたいと思います。
#74
○細谷委員 石炭局長のおっしゃるように、産炭地振興を実施するにあたっては、市町村単位で、おれのところの市なり町村に何々の企業をやってくれというようなそんなことではいかぬのだ。今度の計画はそういうような形じゃなくて、この地域においてこういう総合的な開発をしよう。それからの波及効果でその全地域が生きていくようにしよう。ですから単なる市町村単位ということで、ものを考えないで、地域単位でも一のを考えるということについては、今度の実施計画は一歩前進したものと思うのであります。
 そこで局長、きょう産炭地域振興課長かわったんだそうです。ようやくものごとがわかりかけたときにかわっておるのだ。あなたのことばは厳密に言うともう何かわからない。あなたは補助率を引き上げる高率補助と言いましたね。高率補助にしてもらうのはいいのですよ。補助率の引き上げでは困るのです。どっちなんですか。補助率を引き上げるというのは、これ以上やったならば、そのこえた部分について補助率を引き上げる。そうじゃなくて、高率補助というのは二分の一という補助を三分の二にするとか、三分の二を八割にするとか、これが高率補助なんですよ。離島振興方式。どっちをとろうとするのですか。
#75
○中川説明員 現在考えておりますのは、いままでの仕組みの中での考え方でございます。その意味では先生の御意見とは違った方向になります。
#76
○細谷委員 補助率の引き上げは一定水準以上の部分について引き上げるということですね。それはやはり仁丹方式じゃないですか。それではだめだったのですよ。百分の十というのがいかぬで、修正して百分の六にした。それを百分の三くらいにしたらどうか、こういうことであったのですよ。結核症状第三期の人は、その百分の三だけの一般財源を投入すること、かできないのが今日。寝たきりなんですから、百分の三だけでも動けないのですよ。ですからこれはやはり補助率の引き上げ方式じゃだめなのであって、あなたのことばにありました補助率の引き上げになってはいかぬ。二分の一というのを三分の二にする、三分の二を八割にする、こういう方式でなければならぬ。これが大臣のアリナミン方式でいこう、こういうことだと私は思うのですよ。どうなんですか。その辺をはっきりしなければ意味ないですよ。
#77
○中川説明員 私、十分勉強しておりませんで、お答えがあるいは御納得いただいておらないかもしれませんが、現在考えておりますのは、確かにおっしゃいましたように六条地域のようなところではしたくても十分な仕事ができない。二条地域あたりで十分な仕事ができる。実際問題として補助金がそちらのほうにいっておるというような傾向と思うのでございます。そこで今回考えておりますのは、相当疲弊した市町村でございましても、一定の公共事業を行なおうといたします場合に、従来の事業、実施比率〇・〇六と申しますものを低めまして、実際の行なおうとする公共事業等がやれるように、対象を広げるということで考えておりますので、単なる補助率の引き上げという形ではなくて、実質上高率補助になるのと同じ結果に相なると考えております。
#78
○細谷委員 またそうなってくると話がこんがらがって、あなたのことばは時間をつぶしただけで、何も進んでいない。現行法は百分の六です。それを千分の三にしたって、ひっかからないのですよ、やれないのですから。それならば、補助率が二分の一であるものを、補助率を八割なら八割、いわゆる離島方式――私は奄美群島の振興方式までは申し上げておらない。かつてこの委員会に、奄美群島の振興方式でやったらどうかという法案を出したことはありますけれども、そこまで行かぬにしても、離島振興方式ぐらいはとるべきじゃないか。北海道開発方式ぐらいはとるべきじゃないか。あれはあなたの言うタイプじゃないですよ。仁丹方式じゃない、アリナミン方式。そしてそれがストレプトマイシン方式に行こうとしているわけだ。望みがある。仁丹は、どうなったってこれは結核の三期症状には対応できないですよ。ですから、これはまあ局長はあまりよくわかってないようですから、補助率の引き上げ方式ではだめであって、補助率を上げなければならぬ。一定の、そこまでやった、それから上について見てやろうという方式ではなくて、初めからのスタートのところで補助率を上げてやらなければ、かけ足できない、そういう実態にありますので、これは政策上の問題でありますから、大臣ひとつ、アリナミン方式でやりますと約束しているのですから、ぴしゃっとした方針を、補助率を上げることでやります。こういうことでやっていただかなければ、これはとても、計画をつくってもまた第一次の計画と同じであります。
#79
○菅野国務大臣 ただいまお尋ねの件、私もつまびらかにいたしておりませんが、いまの産炭地振興の問題については、私のほうもこれを決して軽くは考えてないのであって、いま離島振興の問題のお話がありましたが、それらもあわせ考えてひとつ検討してみたい、こう存じます。
#80
○細谷委員 ぜひそうしていただかなければ、今日までの五年間の実績、そして先ほどことばがありました事業対象を、範囲を拡大しますと言って拡大をしたのです。四十一年の拡大した実績を見ますと、これもまたやはり同じことなんです。そういう実績があるのでありますから、ぜひ御検討をいただいて、やはり何とか救われる、実効のある方式を採用していただくようにお願いしたいと思うのです。
 これに関連いたしまして、いま通産省が確認いたしました実施計画というのは、大体において四十七年までの五年間、この地域については二百二十億円だ、この地域については百億円の投資をするんだというのでありますけれども、その投資の内容は、道路にどういう投資になるのか、港湾施設にどういう投資をするのか、工場立地条件の整備のためにどういう投資をするのかという細目が全くわからない。新産都市計画よりも、工特計画よりも、もっと悪い。そこで私はそういう計画をつまびらかにすると同時に、やはり年次計画を――新産と工特では年次計画をつくらないのでありますけれども、これはいままでの五カ年間の経験から今度つくり直した実施計画であるから、ぜひともひとつ年次計画をつくって、そして年次計画のにらみ合わせの上において、市町村財政、県財政を考えながら補助率をきめていただかなければならぬ、こう私は思うのでありますが、ぜひそうしていただいて、早急に実施計画の中の細部の年次計画的なものをお出しいただきたい、こう思うのでありますが、いかがでしょう。
#81
○中川説明員 実施計画をほんとうに円滑に実施するというためには、ブレークダウンした年次計画を持っておったほうがより確実であることは、先生のおっしゃるとおりだと思います。ただ振興計画自身は非常に広範囲かつ膨大なものでございまして、これを年次的にブレークダウンするというようなことは、なかなかむずかしい点がございます。しかもこれは関係省庁等々の協力をもとにしてやっていくという仕組みでもございますし、かつまた予算は一般的には第年度主義で細まれていくという事情もございます。私どもとしては各省庁の協力を得て必要な予算の確保に万全を期していきたい、そしていま先生のお話がございましたように、毎年どれくらい進んだかということを年次的にケォローすることによって、おっしゃいましたような年次計画を持ったほうがベターであるということはよくわかっておりますが、その気持ちに適した征年度のフォローによってやっていきたい、かように考えておるわけであります。
#82
○細谷委員 フォローということは、年次計画がきまって、初めてフォローができるのであって、年次計画も全体計画もきまらないで、何がフォローできるのですか。フォローするというのは追跡していくということでしょう。追跡するのに材料がなくて何の追跡ができるのですか。そんなフォローなんというフォローはないですよ。ですから、九州の懇談会場で私は県知事なり市町村長にこういう計画についてということで。ポイントとして聞いたら、あなたのところの前の、きょうかわったそうですか、振興課長がそれがポイントである、それがなければできません。そしてそれは当然なこととして関係省庁の協力なり了解のもとにやらなければいかぬのであって、年次計画をつくるのも、フォローするのも同じなんです。かってに通産省だけでこの辺だろうということで、各省庁の協力も了解もなしに、話し合いもせずにやっても、これは絵にかいたもちです。ペーパープランです。それではいけませんよ。今度ひとつ早急に年次計画を出していただいて、それを年度の終わりには必ずフォローするという、こういうふうにひと?やっていただきたいことをお願いしたいのでありますが、大臣、いかがでございましょうか。
#83
○菅野国務大臣 いまのフォローという意味は、局長の言うたフォローという意味と多少変わった意味で御解釈になっておられるようでありますが、要は年次計画を立てるについては、やはり前年度においてどういうようにやったかということを一応調べて年次計画を立てなければならぬのであります。したがって、年次計画を立てるについては、お話しのとおり、、通産省だけではできないのでありますからして、各省ともよく相談して、そしてあらかじめ計画を立ててやるほうが仕事がしやすいのでありますから、通産省としてはやはり年次計画を立ててやりたいという希望を持っておりますから、できるだけ努力したいと思います。
#84
○細谷委員 わかりました。年次計画をつくって、それをフォローしていく、こういうことでありますから、了解いたしました。できるだけ早くそれをつくっていただきたいと思います。
 次に、労働大臣、お忙しいようでありますので、前国会の最終日にCO中毒症に関する特別措置法が成立いたしたのでありますけれども、いまだに政令、省令が出ておりません。相当重要な部分がこの法律では政令なり、特に労働省令にゆだねられておるわけでございます。現在どういうふうにこの政令なり省令が進んでおるのか、これをまず伺いたいのであります。
#85
○村上説明員 CO特別法におきましては、施行期日を法律が公布された日から九十日以内に施行する、こうなっておるわけでございまして、それが十月の二十五日でございます。それで関係政省令といたしましては、施行日を定める政令と施行規則がございまして、御承知のようにCO特別法の施行規則の内容は、健康診断その他医学的な観点からの事柄等がございまして、八月一ばいから九月にかけまして専一家会議等を開催いたしまして、その規則の内容となるべき事項につきまして、専門家の意見を聞き、そうして規則の案をつくったわけでございます。この政省令につきましては関係審議会として二つの審議会がございまして、中央労働基準審議会、労災保険審議会、二つございますが、労災保険審議会には十月二日、中央労働基準審議会には十月五日に詰問をいたしておりまして、自乗それぞれ審議会を二回持たれておりますが、さらに引き続いて審議が行なわれる見通しでございます。
 なお、これに関連いたしましてCO中毒患者の障害等級の問題でありますが、障害等級専門家会議の御意見等も聞きました。現在の七級と十二級との間には医学上の中間段階を設定するのが妥当であるという見解がございまして、第九級を設けたい、かように考えております。これは労働基準法施行規則、労災保険法施行規則をそれぞれ改正をいたしまして、それらの規則改正案とあわせて審議会へ諮問しておるというのが現状でございます。
#86
○細谷委員 二つの審議会で労働省の案なるものを中心にして労働省令の案というのが検討されておるようでありますけれども、その中でいろいろな問題点が出てまいっておると思うのでありますけれども、どんな点か。いまちょっと障害等級の問題が出ましたが、幾つかの問題点が出ておるといままでの審議会の経過を承っておるんでありますが、どんな点が出ておるのでしょうか。
#87
○村上説明員 労災保険審議会におきましては炭鉱災害の定義をさらに拡大すべきではないか、あるいは労使に義務づけられた予防に関する義務規定について特別な省令を規定すべきじゃないか。あるいは健康診断につきましていろいろ御意見がございましたが、労災審議会ではその程度までしか進んでおりません。労働基準審議会ではけさ十時から開いておりまして、お昼ごろまでの段階では、健康診断、アフターケアとか、関連条項がそれぞれ検討されております。主として労働省側の意見がその程度の段階までしかまだ出ておりません。障害等級をどうするか、そういった問題についてはまだ詳細な議論は展開されておらない状況でございます。
#88
○細谷委員 いままでも長い間いろいろ議論され、労働省の御答弁もいただいたわけですけれども、大臣もかわっていらっしゃるし、基準局長さんはもう、五年連続やっていらっしゃるのですが、安全御生局長さんというのができたしするのでありますが、非常に頭の回転の早い早川労働大臣でありますから、過去の経緯というものは十分くみ取っていろいろな意見が出ておると承っておるのでありますが、できるだけ早く従来の経過等を盛り込んだ政令、省令等を出していただいて、悩んでいる患者を一日も早く安心させていただき、病気療養に専念できるようにしていただきたいと思うのでありますが、大臣、時間が詰まっているようでありますので、大臣の所信のほどを承りたいと思うのであります。
#89
○早川国務大臣 CO立法につきましては前国会で与野党一致で成立いたしまして、その成立の際、いろいろな質疑応答が参議院の社労委員会でなされました。また質疑の過程に盛り込まれたいろいろな問題を含めまして、期限の十月二十五日まで施行細則省令をきめるつもりでございます。なお現在起こりましたCO災害の方々にはまことにお気の毒でありますので、これは当然さかのぼってこのCO立法の恩典に浴すということになっておる次第でございますので、この点は十月二十五日までお待ち下さい。はっきりした政令ができることをお答えを申し上げる次第であります。
#90
○細谷委員 私の耳にもいろいろ入ってくるわけでありますが、たとえばごく最近の朝日ジャーナルによりますと、三池災害というのは組合分裂してから災害がどんどんふえていったじゃないか、安全問題、保安問題等のチェックが足らなくなったのではないか、こういうようなことが書いてございます。医療の問題にいたしましても、せんだっても申し上げたのでありますけれども、どうも科学者としての医者の診断ではないような面がありまして、若干感情的なものも加わった診断になっているのではないか、こういうような感じもいたすのであります。さらには、あまりここで詳しく申し上げませんけれども、前の経過にからんだ問題もあるようでございます。この問題は労働省としてはやはり労働者の生命を守り、保安を守り抜いていかなければならぬ。災害が起こらないように十全の予備的装置を考えていかなければならない、こういうのが労働省の非常に重要な任務であろうと私は思うのであります。そういう点では、生旅を担当する省とは違って労働者のいろいろな問題を守るという立場でありますから、これはむろん私は労働組合に片寄るというわけではない、経営者のほうに片寄るというわけではありません。やはりそういう基本的な立場に立って客観的に問題を処理していただくことが必要である。これが労働省の絶対譲ることのできない立場だ、私はこう考えておるわけでございます。たとえば、労働省がこういうことをやるならばひとつ経団連を通じて圧力をかけるぞ、こういうようなことを言ったとか言わないとかいう声もありますし、またいろんな問題もあるようでございます。ここまで来たので、いろいろな複雑なものがありますけれども、それをみごとに労働大臣の手元で解きほぐして、この立法のおい立ち、そういう経過、それから悲惨な状態、こういうものをひとつ解決してやっていただきたい、こういうことを私は心から望んでおります。大臣にきょうは具体的にこれ以上申し上げませんが、具体的な大臣の決意のほど、あるいは方針等を承りたいと思います。
#91
○早川国務大臣 細谷委員が炭鉱労働者あるいはCOの犠牲者に対して非常に熱心にあたたかくお考えいただいておることを聞いて、私は心から敬意を払いたいと思います。同時に、労働省は各局各課一人残らず、労働者の福祉向上、日夜それ以外のことは考えない省なんでございます。そういう観点から、特に炭鉱労働者にはCO立法という、ほかの労働者にはない特別措置も立法いたしました。同時に、通産行政の面で整理された離職者に対しては、これまた特別の炭鉱離職者臨時措置法をつくったわけであります。そういう意味で、ただいま御指摘のように、災害の問題は直接は通産省の所管でありまするが、労働省としては、監督権、基本権というものもありまするし、現在許されました権限の範囲内で通産省にもいろいろ勧告もしまた協議もいたしておるわけであります。今後ともこのように災害が起こりますと、炭鉱労働者になる人がなくなることになったらたいへんなことであります。そういう点から申しましても、われわれといたしましては権限の範囲内で、今後こういった災害の起こらないように最善の努力を請じてまいりたいと存ずる次第でございます。
 最後にもう一つ、COの患者、そういう人たちに対しましては、いままでの経過はいろいろございますけれども、私は、筋の通ったことは最大限に労災補償でやるけれども、筋の通らぬことはいかに炭鉱労働者の場合でもできませんので、その点は、いま問題になっておる三池の第一組合の、片っ方は病気がなおっておる、片っ方はなおらぬといって非常にもめておる問題がございますけれども、これはあくまで公正な医者のほうの判断を待ちまして、その結果によって処置いたしたいと思ってせっかく努力いたしておりますので、そのこともあわせて御報告を申し上げる次節でございます。
#92
○細谷委員 大臣、もう時間がないようでありますので一言。
 せんだって石炭特別委員会で、当時三十九名――おとといの段階では五十四名にふえておるわけであります。現実には日がたつに従って入院患者がふえておるのですが、三十九名の段階で二班に分かれて私どもも石炭特別委員会の方々とお見舞いに行ったのであります。ある患者が、この間も局長に申し上げたのでありますけれども、本人は自分では一つも異常と思っていないのでありますけれども、実は赤い薬と黄色い薬があるのでありますけれどもその区別ができない。それから、幾つ薬を飲んでいいかということを医者から指図を受けているのにそんなも一のは意に介していない。本人に聞きますと、正常だ、記憶力も前と変わりません、ただ吐きけがするだけです。頭ががんとするだけです。こういうふうに言っておりました。その経過を見ますと、ある病院に行きますと、あんた、たいしたことない、寝ておれ、こういうことであった。ところが、どうも頭が痛い、吐きけがするというので違った病院に行ったところが、やはりだめだ、入院しなさい、そして高圧タンクに入りなさい、こういうようなことになって治療を受けた、こういうのがあります。あるいは脳波のテストをいたしますと、三十九名異常なし、ただ一人、ボーダーラインがある、こういうことだけでありましたけれども、脳波の試験を他の病院でやりますと、やはり脳波にある程度の異常がある、こういうことを医師が言っておりました。それだけに私どもショックを受けました。これは私ばかりではない。委員全体が、どうも机の前で話を聞いたのと患者に実際会った印象では違う、たいへんな差があるということを、これは与野党の委員すべてが言っておったところであります。それだけにひとつ大臣、これは三池の三十八年の災害で組合原性病なんという新しい精神病ができたということを言う医者もおるのでありますけれども、やはり医学は科学でありますから、科学的に結論を出していただく。せんだっても申し上げたのでありますけれども、学者必ずしも良医ではないということもあるわけでありますから、その辺は労働者の生命を守る立場の労働省において客観的に結論を出していただいて、その結論に基づいて筋の通った処理をひとつしていただきたい、こう私は考えておるわけであります。最後に、大臣のその点についての所感を承りたいと思います。
#93
○早川国務大臣 全く細谷委員のお説のとおりで、同感でございます。あくまで客観的な医者の判断、また第一診で病気がなおっているといわれている人が多いのですけれども、それでも異常があるという者もおりますので、再診の道を開いております。こういった問題は政治的な配慮とかあるいは会社の利害と離れて、そういうものは一切排除して、日本のそういう道の最高の医者の権威ある医学的判断に付して収拾をつけたい。全く同感であります。
#94
○細谷委員 ちょっと一言…。大臣のことばを聞いてわかりました。具体的に申し上げますと、昨年の六月二十何日ですか、一応担当の医者の結論というものがあったわけですが、その結論に基づいていろいろなまた話し合いが進められた。それで一診、二診、三診、こういう制度も具体化したわけでありますから、言ってみますと、労働省もあの第一診の結論に気持ちとしてこだわらないで対処していただきたいということを強くお願いを申し上げます。
 文部省に最後にお聞きしたいのでありますけれども、実は産炭地の教育というのはかなり大きく陥没をいたしておるのであります。したがって、ひどいところになりますと半分以上も生活保護を受けておる。準要保護児童も一ある。たいへん事務量も多いのであります。そういうことでありますでの、せんだっての国会におきましては、産炭地については定員標準法で四十五名でありますけれども、三十五名くらいにしていただけないだろうか、そうしますと、全国的にそういう措置を講じていただくと十八億円程度の金がかかるのでありますけれども、そういう措置を講じていただきたいということを中心にした法律案が出ておったのでありますが、残念ながら通りませんでした。そこで現在は標準法の附則三項か何かに基づいてやっておると思うのでありますが、附則三項というのは四十三年の三月末で終わるわけであります。附則三項をどういうふうに取り扱おうとしておるのか。それから附則三項だけではどうも十全を期するわけにはいかぬというのが実情でありますが、これに対してはどういう対処のしかたをなさろうとしておるのか、考え方をお尋ねしたいと思うのであります。
#95
○天城説明員 標準法のことにつきましては先刻御案内のところでありますので、詳しくは申し上げませんが、一応来年度から改正標準法が完全実施されることになっておるわけでありますが、これも附則の三項に基づきまして、児童、生徒の急減のある都道府県につきましては、急減緩和の措置を講じておるわけでございます。本年いろいろ御議論のございました事務職員につきましても、一定の措置をしたわけでございます。これはお話のように、準要保護児童の多い学校につきまして特別の措置をいたしたわけでございますが、今後もこの四十二年度の措置が維持せられていく、来年度も考慮いたす考えでございます。御指摘の附則の三項でございます。四十三年三月三十一日ということになっておりますが、特別の事情がある都道府県につきましては四十五年三月三十一日までさらに延長も認めておりますので、これらの措置によりまして特別な地域の対策を進めてまいりたい、かように考えております。
#96
○細谷委員 標準法は大体来年で一応四十五名になるわけですね。この標準法については来年度以降どういうふうになさろうとしておるのか、この点をお尋ねしておきたいと思います。たとえば四十五名というのをまた五年計画なら五年計画で四十名にするとか、こういうような考えがおありかどうか。
#97
○天城説明員 一応四十三年度で予定の最高四十五人ということが実現するわけでございますが、その後の定数の問題につきましては、単に四十人ということだけでなくて、いろいろな角度から検討すべき問題が出ていると思います。お話しの事務職員の問題ももございます。いろいろございます。したがいまして、いまにわかにどうするという結論は出ておりませんが、全般的に検討すべき問題が出ております。特にこれを実施する段階におきましては、財政上の問題も非常に大きな問題でございますので、それらを含めて検討していくというのが現在の考え方でございます。
#98
○細谷委員 標準法についてはいろいろな面から検討をして結論を出すということでありますが、とりあえずのところは、ひとつ四十三年三月三十一日というこの附則三項は、産炭地については特別な事情のあるということで、二カ年間の延長が認められておるようであります。ぜひそういうふうにやっていただいて、なお全体として産炭地の教育の陥没が防ぎ得ないというところに対しては、全国的な中において、その産炭地の教育の陥没を防ぐようにひとつ御配慮をいただきたい。いわゆる附則三項の運用にあたっては、十分な御配慮を産炭地にいただくようにお願いしたい、こういうことでございます。
 それから、十三学級以下については事務職員というのが配置されておらないと思うのでありますけれども、これもかなり機械的でありまして、産炭地には問題があろうと思う。やはり大きな学校になればなるほど、産炭地では学級数によらないで、保護率、準要保護者のパーセンテージ、こういう問題もあると思うのでありますから、画一的な措置ではなくて、実態に即するような事務職員の配置、増員ということがぜひ必要ではないかということが第一点。
 もう一つは、そういう中において産炭地の教育がおくれないようにということで、たとえば図書を備えようじゃないかという形で図書室も整備されつつある。ところがPTAの負担でやっておった。これは交付税に算入したから、PTAからそんなものを出してはいかぬ、こういうことになったのでありますけれども、交付税というのは、これがこの分ですよと判こを押された千円札とか一万円札をもらうならいいですけれども、そうじゃないわけです。そういうことでありますから、具体的な事務職員はもちろんのこと、たとえば司書教諭なり司書教諭の補助者、こういう問題は、法律の本法は、置かなければならぬ、ただし当分の間、こうなっているわけですが、もうそろそろ戦後二十二年、当分の間というのが二十二年続いたのでありますから、もう当分の間というのはいいかげんにしておやめになって、本則に戻ったほうがいいのではないか、こういうふうにも言うことができるのであります。この辺のことも十分ひとつお考えいただいて、財政的にもあるいは日常の事務的にも、たいへんな苦難に直面しておる産炭地の教育を救っていただきたい、こう私は思うのでありますが、この点についてひとつお聞かせいただきたいと思います。
#99
○天城説明員 全体の附則の趣旨、これは御指摘のとおり私たちも実態に即してできるだけ最善の措置をとっていきたいと考えております。なお全般に教員定数の問題とか、あるいは産炭地におきます教育運営上の財政負担の問題についていろいろお話がございました。これは御案内のことでございますが、私たち要保護、準要保護の就学奨励費におきましても、二分の一という原則に対していわゆるかさ上げの方式もとっておりますし、その他文教施設関係の率におきましても、そういう措置をとってきておるわけでございます。できるだけ産炭地の困難な状況に適応するような措置は進めてまいっておるつもりでございます。
 なお、事務職員の問題が出ましたけれども、あ厚と司書教諭の問題あるいは全般に教員の配当をくして指導が十分にいくようにというお話でございますが、御趣旨において私たちも同感でございます。特に養護教育の問題を含めまして、教員定数全体の問題にも関係がございます。先ほど申したように、一応四十三年度で予定の最高四十五人は実現できるわけでございますが、お話しのようないろいろな問題が出ておりますので、ひとり事務職員の問題としてではなく、今後の問題として定数の問題は検討してまいりたいと思っております。
#100
○細谷委員 養護、司書教諭はどうですか。
#101
○天城説明員 ただいま申し上げましたように、養護教諭の問題司書教諭の問題も一同じでございまして、御指摘のように養護教諭は長い間附則で本則を骨抜きにしているとよくいわれているのでありますけれども、これは養成の問題と、それから現場における需給の問題というものが普通の教員よりも複雑になっておりまして、一方では鋭意養護教諭の養成に努力をいたしますと同時に、あるいは資格付与の講習会を重ねる等、供給面の努力も重ねておるわけでございますが、結論的にはやはり学校の定数問題でございますので、いま一応この四十三年までの現行の計画が終了いたしました段階で、養護教諭の問題に対しては、司書教諭の問題も含めて、教員全体の問題として検討してまいりたい、こう思います。
#102
○多賀谷委員長 本日はこれにて散会いたします。
  午後五時三十分散会
ソース: 国立国会図書館
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