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1949/05/16 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 内閣委員会 第12号
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1949/05/16 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 内閣委員会 第12号

#1
第005回国会 内閣委員会 第12号
昭和二十四年五月十六日(月曜日)
   午前十一時十三分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○大藏省設置法案(内閣送付)
○大藏省設置法の施行等に伴う法令の
 整理に関する法律案(内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(河井彌八君) これより内閣委員会を開会いたします。議題は大藏省設置法案、大藏省設置法の施行等に伴う法令の整理に関する法律案、この二件であります。先ず大藏大臣より両案について両案提出の理由の御説明を願います。
#3
○國務大臣(池田勇人君) 只今議題となりました大藏省設置法案につきまして、その提案の理由を御説明申上げます。
 來る六月一日から國家行政組織法が施行されるに伴いまして、從來大藏省官制を始め多くの單行法令によつて規定されております大藏省の組織に関する諸法令を、國家行政織組法に適合した一本の法律に整備統合いたし、又内閣の方針に從いましてこの際大藏省の機構を整理縮小いたしますとともに、去る五月四日連合國軍最高伺令官より日本政府宛に発せられました「日本政府の國税行政の改組に関する件」により徴税機構について相当思い切つた改革を行う必要がありますので、この法律案を提出した次第でございます。
 本法案の内容の概要は、先ず大藏省の機構の整理、縮小等について申上げますと、本省機構は從来官房及び七局でありましたものを、官房及び五局に整理いたしました。即ち給與局を廃止し、その事務を主計局に吸收するとともに、從來の理財局、國有財産局及び管理局の三局の事務を理財局及び管財局の二局に調整所掌させることといたしました結果二局を減少いたしました。局内の部等につきましては、從來の主計局の第一部及び第二部、主税局の監理部、理財局の外資部、管理局の財務部の六つを削減いたしました。尚、近来財務行政に関する渉外事務が極めて複雜多岐に亘り、特に今回新設される米國対日援助見返資金の管理に関する事務は極めて重要でありますので、この際本省に財務官一人を設置して渉外事務の総轄に当らせることといたしたのであります。
 又外局は、從來の專賣局が六月一日から日本專賣公社となります外、会計士管理委員会及び同事務局を廃止いたしまして、その事務を理財局に吸收させることといたしました結果、二部局を減少することとなりました。又証券取引委員会は、事務局の部制を廃止して、次長一名とし、造幣局及び印刷局は國家行政組織法の建前から、それぞれ廳と改めることといたしましたが、廳内の部については縮減を行なつております。
 次に、徴税機構につきましては、冒頭に申上げました連合國軍最高司令官に覚書に基づきまして、先ず中央においては、新たに外局として國税廳を設置し、現在の主税局から税関行政に関する事務並びに租税制度の調査、企画及び立案に関する事務を除いた、主として内國税の賦課徴收に関する事務をこれに所掌させることとし、地方においては、國税廳の地方支分部局として新たに國税局を設置し、現在東京以上十一の財務局から、同じく内国税の賦課徴收に関する事務を分離してこれに所掌させるとともに、残りの理財部及び國有財産部系統の事務は新たに財務部を東京以下八ケ所に設けてこれに所掌させることといたしたのであります。從いまして、今後徴税事務は國税廳、國税局及び税務署と完全に独立した機関によつて運営せられ、その他の事務は本省及び財務部によつて運営せられることと相成つたのであります。
 以上が今回の機構改革の概要でありますが、その他細部の点については、国家行政組織法に即應して、それぞれ規定の整備を図つた次第であります。何とぞ御審議の上速かに御賛成あらんことをお願い申上げます。
 次に、大藏省設置法の施行等に伴う法令の整理に関する法律案について、その提出の理由を御説明申上げます。
 御承知のように、國家行政組織法及び各省設置法の施行に伴いまして、從來の総理廳、法務廳等は府と改め、外局は委員会及び廳とし、從來のいわゆる委員会は外局たる委員会と区別するため、その名称を調査会、審議会等に改めることとせられたのであります。大藏省といたしましては、さきに設置法案の提案理由でも申上げました通り、造幣局と印刷局とが廳となり、專賣局を日本專賣公社の設立と同時に廃止し、從來外局であつた会計士管理委員会を廃止して、その所掌事務を理財管に移すことといたしたのでありまして、これらの機構改革に伴いまして各種の関係法令を整理する必要がありますので、これを一括いたしましてこの一本の整理法案に取り纒めた次第でございます。從いまして、この法律案の内容につきましては、主として名称の変更等に伴う字句の修正が大部分でありまして、特に御説明申上げる程のこともなかろうかと存ずるのでありますが、ただ公認会計士法の改正につきましては、若干実質的な改正を加えてありますので、その要点を申上げたいと存じます。即ちさきにも申上げました通り、從來公認会計士及び会計士補に関する事務は、会計士管理委員会が大藏省の外局として所掌して参つたのでありますが、これを廃止して本省の理財局に移すことといたしました関係上、同法中会計士管理委員会に関する部分は、それぞれ大藏省又は大藏大臣に改めることとし、別に本省の附属機関として公認会計士審査会及び公認会計士試驗委員を設けまして、公認会計士制度の運営に関する重要な事柄につきましては、この審査会の議決を経るとか、或は審査会に諮問するとかいたしまして、民主的な運営を図るとともに、公認会計士等の試驗は同試驗委員をして行わせることといたしたのであります。
 以上、簡單ではありますが、この法律案の提案の理由並びに内容の概畧を御説明申上げた次第でございます。尚、國税行政機構の改正に関する連合國軍最高司令官からの覚書に基き、大藏省の設置法案の修正を要するものがありますことは、先程御説明申上げた通りでありますが、これに伴いまして、從來の財務局から國税局を独立せしめ、財務局を財務部とする等のため、やはり関係法令の整理を要するものがありますので、事務手続等の終了次第、本法律案についても修正をお願いすることになつておるのであります。
 何とぞ御審議の上、速かに御賛成あらんことをお願いする次第であります。
#4
○委員長(河井彌八君) 御質疑がありますれば、この際……
#5
○カニエ邦彦君 御提案になりました法律案の相当の部分に亘つて、又改正が出ておるようでありますが、この改正に伴う点を一つ御説明願いたいと思います。
#6
○國務大臣(池田勇人君) 提案いたしました際は、大藏省の機構は大体從來通りのつもりで提案いたしたのでございますが、去る五月四日に、先程申上げましたように連合國軍最高司令官から、國税行政に関しまして、從來の主税局、財務局、税務署、こういうやり方でなしに、税の賦課徴收の実際面は國税廳を大藏省の外局として設け、そうして從來の十一ケ所の財務局の中から、國税に関する事務を別に國税局として設け、そうして國税廳、國税局、税務署、この一本で行くベきだ。こういう指令が出ましたために、相当廣い範囲でこの設置法案の修正を願うことに相成つたわけであります。それで先程申上げましたように、地方の財務局の中で、國税事務の分は國税局に移し、その他の分は財務部として規模を縮小いたしまして残ることに相成つたわけであります。
#7
○三好始君 議事進行について……本日の審議は設置法に限定せられるのですか、それとも定員法も関連して、質疑してよろしいのですか、特に大藏省は定員法に伴う全般的な問題も関連するわけでありますから、そういう点についての質疑は差支えないかどうか、お聞きしたいと思います。
#8
○委員長(河井彌八君) 大体設置法だけにお願いしたいと思いますが、時間もありませんから……併し尚定員法ももとより審議を願わなければなりませんし、もう一歩進めまして、大藏省のみならず、全行政機構の改革に從つての全体の経費の節減等に関して詳細な説明を求めなければならんと、かように考えておりますから、便宜上、時間もありませんから、今日は機構の改正の点について審議をそれに限りたい。かように考えております。如何でございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。
#10
○堀眞琴君 大藏省設置法の御説明を聞いたのでありますが、実は主計局の問題であります。御説明の主計局では、予算の編成をやるわけなんですが、ところがこの予算という問題ですね。政策の根本をなす問題であり、而も單に大藏省一個の問題でなくて、各省に共通の問題であり、その性質から申しまして、これは大藏省の主計局が主管するよりは、むしろ予算廳というようなもので以て、総理廳乃至総理廳と同格のもの若しくは内閣直属の機関にするのが私は適当だと思いますが、これは歴史的な理由もありまして、大藏省の中に入つておるのであります。要するにイギリスの方のあの行政機関を見まして、大藏省の事務を主管しておつたものが総理大臣になつたというようないきさつもあるので、こういうような事情から申しまして、又アメリカでは、予算問題は大統領直属機関として置かれておる。政策の根本を決定する予算でありますからして、これを將來内閣直属機関とする御意思があるかどうか、その点を先ずお伺いしたい。
#11
○國務大臣(池田勇人君) お尋ねの点は、十数年前から議論のあるところでございます。私の私見を以ていたしますれば、この予算の編成には、どうしても、附きものが歳入の点でございます。歳入、歳出は一つの目で見るべきが最も効果的だと考えております。又歳入歳出の問題は、一般金融との連絡が非常に密接でありますので、私といたしましては、やはり大藏省に置いた方が適当だと考えております。外國の例をお引きになつたのでありますが、アメリカにおきましては、予算は大統領直属になつておりますが、イギリスにおきましては、やはり大藏大臣の方で編成することに相成つております。
#12
○堀眞琴君 予算は確かに歳入、歳出共一ケ所においてこれを見ることができるようにすることが望ましいのであり、又金融との関連も考えなければならんことは仰せの通りだと思います。併し先程申上げましたように、予算そのものが各省に亘る性質を以ておるのであり、大切の政策の根本をなすものであり、從つて総合的な観点から予算というものを編成しなければならんということは、これは御承知の通りだと思うのであります。そういう観点から申しますというと、將來乃至は近い將來に、行政機関を根本的に改革する用意があるということを総理大臣が申されておるのでありますが、その際、この予算を切離しまして、内閣の方に移されるという御意見は大藏省内には全然ないんでございますか。
#13
○國務大臣(池田勇人君) 私の考えでは、根本的行政改革がありましても、行政機構の改革がありましても、やはり大藏省へ留めて置くことが適当であると考えております、尚大藏大臣は御承知の通りに、一つの大藏省の行政大臣としての立場と、國庫大臣としての二つの立場を持つております。予算の査定等におきましては、國庫大臣という立場から審議いたしておるのであります。実際問題といたしまして、これは内閣直属にいたしましても、歳入とか金融等の関係もございますし、又今のような状態でありましても、予算の審議は閣議で決定いたしておるのでございます。私はこれを内閣へ持つて行くことは「改善にあらずという考えを持つております。
#14
○鈴木直人君 大藏省設置法案が、同日提出せられた法律案に一應修正が加えられて、再提出になつて配付されたのでありますが、これによりますと、地方出先機関として、從來財務局がありましたが、これが財政部に変更されるようでありますが、そうすると從來の財務局が全然なくなりまして、そうして財務部というものになつたのでありますか。
#15
○國務大臣(池田勇人君) 先説御説明申上げましたように、大藏省の地方部局としては、お話の通りに財務局は全國に十一ケ所ございます。而してこれが所掌事務の内容は、大部分が國税の補完徴收であつて、その他の部分が國有財産の管理処分或いは主計局の出先といたしまして、予算執行についての事務、或いは又銀行局、理財局の出先機関といたしまして、銀行檢査、金融事務に携わつておつたのであります。併し國税事務の重要さが増して來るに伴いまして、御承知の通り五月四日にGHQから國税事務を一本に執行するような方法で行けという指令が参りまして、從いまして本省におきましては國税廳を設け、地方の財務局からは國税事務を離しまして國税局とし、そうして税務署に直結するという方式を取つたのであります。從いまして從來の財務局は、國税事務が國税局として外の官廳となる関係上、残りの主計、理財、銀行、國有財産、こういう事務につきましては財務部として残すことにいたしたのであります。併し仕事が減つて参りましたので、從來財務部の仕事をやつておつたのは國税と同樣に全國十一ケ所でございますが、これを縮小いたしまして、例えば九州では福岡、熊本、とありましたのを、福岡だけにする。或いは東京におきましては、東京、神奈川、千葉、山梨、そして又別に埼玉、茨城、栃木、群馬、長野、新潟とありまして、関東信越財務局、東京財務局と二つありましたのを、東京財務部といたしまして、以上の関東並びに信越を一つの所でやります。又金沢の財務局におきまして残つた福井、富山、石川の三縣を統轄いたしまする財務の仕事は、他の財務部に統合する、こういうふうな方法を取つたのであります。
#16
○鈴木直人君 第十三條の財務部の名称、位置、管轄区域でありますが、從來財務局がありました場所は、例えば九州等におきましては多年熊本にありましたのでありまして、財務局が福岡にあつたと申しましても、恐らく去年あたりできたのですが、或いはできていないか、私共とすれば去年あたり一部分の管轄を持つてできたものと思うのであります。多年九州にありましたところの中心である財務局が、この際福岡に変つてしまうということは相当の打撃でありますし、人数等も、職員等も相当おるというような関係で、いろいろな問題を惹起するのじやないかと思います。この位置において財務部の所管が変更されるのは、恐らく熊本から福岡に行くものだけであつて、あとは全部從來のままであると思います。勿論先程の説明のように、それが國税廳の方に國税局ができて、そうして從來の財務局があつた場所と同じ、その管轄区域に國税局が置かれるように第三十七條になつておりますが、この財務部も必ずしも現在こういう機会に他の方面に移動するという必要はないと存ずるのでありますが、この点について、どうしてそういうようなことをされたかということをお聞きしたいと思います。
#17
○國務大臣(池田勇人君) 先程御説明申上げましたように、從來の財務局がありました所に國税局でずつと残します。併し國税事務を除きました財務部の仕事は非常に少くなるものでございますから、從來の十一を充てて置く必要はない、こういう考の下に金沢と関東信越、熊本を整理することにいたしたのであります。九州におきまして福岡に統合しては不便ではないかという御意見のようでありますが、やはり仕事が縮小すれば、それだけ役所も減らすのが至当でないか、こういう考の下に熊本は外の金沢、関東信越と同樣になくすることにいたしたのであります。而してそれならば昔から熊本に税務監督局があり或いは財務局があつたんだから、財務部の仕事も熊本に持つて行つたらどうか、熊本に置いたらどうかという問題があるのでありますが、それは先程申上げましたように、仕事が少くなつたんだから統合した方がいいという考の上にいたしたのであります。尚、それじや九州を一つにするのならば、熊本に置いたらどうか、福岡は新らしくできた所だから、こういう御意見も出るかとも思うのでありますが、やはり九州ではずつと昔から財務局、税務監督局についても福岡に置いたらどうかという議論は相当あつたのであります。この際整理統合ということから申しましても、福岡に持つて行つた方がいろいろな面から便利がいいのでないかというので、本案のようにいたした次第であります。
#18
○鈴木直人君 福岡に持つて行つた方が便利でないかという理由の下に、從來昔から熊本にありましたのをこの際に福岡に持つて行くことにされたようでありますが、その程度の根拠でありまするか、或いはもつと深い、どうしても福岡に持つて行かなければならなかつたのだという根拠がありましたならば、お聞きしたいと思います。
#19
○國務大臣(池田勇人君) 二つあるのを一つにするという前提の下に、どつちに持つて行つたがいいかということになりますと、まあ福岡の方がいいのでないか、この程度でございます。
#20
○中川幸平君 徴税と財務の方と仕事が別のようでありますけれども、やはり大藏省関係の役所に違いがないのだから、同じ建物の中で國税局と財務部とあつても差支えないと思うので、さような関係から、必ずしも財務部の仕事が少くなつたから数を減す必要がないように思う。從來の財務局の所在地に國税局と財務部とを併置しても差支ないような考が、ないどころでない、非常に利便でないか。今鈴木さんの言われるように、從來熊本にもあつたものを、それを福岡へ財務部だけを持つて行つたというようなことが、却つて繁雜であり、非常に地方民が迷うようなやり方になりやせんかという感じをするのであります。從來の財務局のあつた所に國税局と財務部と併置した方が非常に迷わないでいいのでないか。出先機関の事務所にしましたところが、やはり幾分か財務部の仕事も無論手傳わなければならんというような感じもいたします。さような点からいたしますと、これは熊本へ行かなければならん、これは福岡へ行かなければならんというような、迷うようなお考でない方がよくないかという私共考を持ちますが、その例はひとり九州のみならず、北陸地方の金沢……福井、石川、富山、これらにいたしましても、一方は金沢、金方は大阪へ行かなければならんというような非常に迷うようなやり方に思いますが、その点一つお答をお願いいたします。
#21
○國務大臣(池田勇人君) 御説御尤もの点があるのでございますが、何分にも官廰の数をできるだけ少くしようという政府の方針に從いまして、統合できる所は統合するという考の下に、本案のようにいたしたのであります。尚、財務部の仕事は税務署ではいたしておりません。先程申上げましたように、金融機関の檢査とか、或いは予算の執行についての大藏省地方部の監督とか、こういう税金のこととは直接関係がない役所に今度なつたのであります。從つて或る程度規模を縮小しようという考えの下に、かようにいたしたのであります。
#22
○城義臣君 先程鈴木委員から、第十六條の点で、從來財務局というものが熊本にあつた、それを何のために熊本の方を止めて福岡の方にしたかというようなお説でしたが、これに対する大臣の見解はどうも私共は納得ができないのであります。九州の地理的関係から見ましても、福岡はいわゆる北九州の中心ではありますが、九州全体という面から見ますれば、これは熊本が当然交通の面から言いましても中心となつておるのであります。その点から考えて見ても、私共は熊本を廃して福岡に統合したというようなやり方に対しては、どうも承服し難いのであります。尚この歴史的な観点に立ちましても、これはその事情をかれこれ言いますと大変長くなりますが、これについて大臣は我々を十分に納得させるだけの、何かもつとはつきりした事情があれば、この際伺つて置きたいと思うのでありますが、如何でございましようか。
#23
○國務大臣(池田勇人君) 一つにした場合、熊本に置くか、福岡に置くかということは本当議論のあるところだと思うのでありますが……
#24
○鈴木直人君 今までそこに置いたものを、何故新らしく持つて行くかということなんです。
#25
○國務大臣(池田勇人君) 仕事の分量から申しますと、福岡縣という縣は非常に仕事が多いのであります。私も十四五年前に熊本財務局の直税部長をいたしておりましたが、税金にいたしましても、九州全体の税金の約五割を福岡縣一縣で納めます。そういたしますると、地理的ということになると、あそこは中心のようでありまするが、大分から熊本に行くのが便利じやないかと申しますが、やはり福岡の方が便利じやないかと考えます。佐賀、長崎も同樣でありますが、私は仕事の分量から言つたら福岡にある方が実質的にはよいじやないかと考えております。
#26
○城義臣君 只今のお説によりますと、私共はまだ納得できないのでありますが、例えば交通の点を御指摘されましたが、これは主観的な見方で、科学的に檢討を加えて交通量とか、乃至は果してどちらが利便であるかということについて、いろいろと見方がありましようが、福岡の方が九州の中心で、交通的に利便だという説明は、どうも私共には強弁であるような感じしか受け取れないのであります。これ以上は討論になりますから、機を改めますが、十分その点を御勘考願いたいということを申上げて置きます。
#27
○鈴木直人君 只今交通の関係を言われましたけれども、地理を見ますればはつきりするように、福岡は九州の北の端であります。南には鹿兒島があります。宮崎がありますし、大分がありますし、熊本があります。北には福岡、佐賀と長崎があります。九州の中心は交通の関係から見れば、明らかに熊本にあることは間違いないのです。ただ先程のお話のように、例えば福岡縣が相当事務が多いというようなこと、或いはその他のいわゆる九州のセンターが福岡に移行しつつあるというような情勢があることは間違いないのでありますが、從つて九州の経済的な、政治的な、或いはいろいろないわゆるセンターが熊本から福岡の方に移行しつつある。そういう関係からして、曾てあつた九州総監府……或いは行政管理廰でしたか、九州を中心にやるところの知事があそこにおつたというようなことがありまして、そういうふうな傾向にあるということは認められるのであるが、併しながら交通の関係が福岡の方が非常にいいということは、これはもう全然ありません。ただ私の申しまするのは、從來から沿革的にずつと熊本に九州の財務局のセンターがあつたものを、今この際に單なる事務的な簡單な事情から、それを熊本から福岡にただ單に便宜的に移すというような、極めて官僚的な中央集権的な、上から見て官僚的にその地方の実情というものを深く考えないで、單なる事務的、便宜的な簡單な考え方からそういうふうな考え方になられるということについては、再考を促したいということを申上げて置きたいと思います。
#28
○堀眞琴君 ちよつと機構のことについてお尋ねいたしたいのでありますが、先ず第一に、給與局を廃止して、その事務を主計局の吸收することにしたというのでありますが、給與の問題は政府職員に取つて最も大きな問題であり、これを所掌する機関というものは相当大きな規模でなければならんと思うのでありますが、これを主計局に吸收されたことはどういう理由によるのかということを、先ず第一にお尋ねしたいと思います。
#29
○國務大臣(池田勇人君) 御説の通り、給與の問題は非常に重要な問題でございますので、別に給與実施本部というのができまして、仕事はその方へ移ることになるのでございます。
#30
○堀眞琴君 そうしますと、給與の問題は実施本部が主として当る、從來の給與局でやつておつたものをやる、こういうことですか。
#31
○國務大臣(池田勇人君) さようでございます。
#32
○堀眞琴君 それから外局の中の國税廳と主税局関係でありますが、御説明によりますと、國税廳の方が徴税事務一切を行うことになつており、主税局というのは單に租税制度の調査、企画立案、それから関税行政事務だけを行うということになつておる。そうしますと、主税局というものの主管する事務というものが非常に範囲が狹くなつて來、而もその事務の性質から言えば、当然國税廳の事務と同じような性質、関税事務と言つたつて、これは國税廳の中に関税部というようなものをそこへ附けてもいいし、又別個に部を設けても、関税行政の事務を行えると思うのでありますが、主税局と國税廳を別個にした理由、それをお尋ねしたいと思います。
#33
○國務大臣(池田勇人君) 從來租税制度の企画立案並びに徴税の監督を主税局でやつておつたのでございますが、賦課徴收或いは下級官廳の監督は別にした方が施行がよく行く、こういう考えの下に、主税局は單に立案企画ということに止めた次第でございます。お話のような考え方もあるのでありまするが、関係方面といろいろ折衝いたしました経過からいたしまして、只今のような機構でやれという指令が來た次第でございます。
#34
○堀眞琴君 もう一つお尋ねしたいのですが、外局の中の会計士管理委員会というものが理財局の中に吸收されることになつております。御説明を見ますと、会計士制度の運営に関する重要な事柄については、審査会を設けるとか、或いは試驗委員制度を設けてその会計士の試驗を行うとかということが書いてありまして、これが非常に民主的な運営を図ることになつた、こういうことなんですが、從來の会計士管理委員会の方が、却つて民主的な運営を行うことができると思うのでありますが、その点について御説明願たい。
#35
○國務大臣(池田勇人君) 機構の縮小ということから本案のようになつたのでありますが、実際問題といたしましては、從來と変りなくやつて行く考えでおります。
#36
○堀眞琴君 実際問題としては、從來と余り変りないとおつしやいますが、審査会となりますと、これは諮問機関であります。ここに書いてありますのは余りはつきりしないのでありまするが、議決機関と考えていいのですか、それとも諮問機関と考えていいのですか、その点を御説明願いたいと思います。
#37
○政府委員(河野通一君) 今度できます新らしい審査会は、諮問機関ということでやつて参つております。只今大藏大臣から御説明がありましたように、この度会計士の管理委員会を整理いたしましたのは、行政機構全体の簡素化という点からしまして、行政機関としての委員会を整理する。こういう建前で行政機関たる委員会を整理した、運用については、形式はお話の通り諮問機関と決議機関というふうに違いますけれども、運用の実体につきましては、今計制度の重要性に鑑みまして、十分民主的に且つ從來と変りない運営をやつて行く、かように考えております。
#38
○堀眞琴君 審査会を、曾て決議機関であつたものを諮問機関にした。そうしてその運営を從来と余り変りないということは、ちよつと私はおかしいと思うが、諮問機関とあればこれはここに説明されておるように、重要な事項については諮問を受けるだろうが、併し諮問を受けずともその会計士に関する事務を行うことができるわけでありますからして、可なりその運営の仕方において、議決機関であつた会計士管理委員会の方がより民主的だと私は思うのでありますが、その点についてもう一度お伺いしたい。
#39
○政府委員(河野通一君) 会計士の審議会は、今申上げましたように諮問機関たることを原則といたしまするが、会計士及び会計士法の懲戒事件につきましては議決いたす機関になつて参ります。尚、試驗の制度につきましては、公認会計士試驗委員、今度新らしくできます試驗委員が試驗を行うことになつておるのであります。大藏大臣が行うことになつております。
#40
○堀眞琴君 私がお伺いしたのは、その試驗委員とか、或いは懲戒のことに関してではなくて、会計士の関する事務の民主的な運営というその問題であります。議決機関の方が民主的な運営だと私は考えるのでありますが、これを諮問機関にすればより民主的でなくなる、こう考えるのが当然だと思うのですが、その点についての御見解をお伺いしたいと思います。
#41
○政府委員(河野通一君) 只今申上げました通り、行政機関、つまり全体の懲戒とか、その他の試驗とかいうことを除きました全体の行政事務に関する点につきましては、行政機関としての管理委員会を廃止いたしました関係上、これを諮問という制度に直したのでありますけれども、お話の点で決議機関と諮問機関とでは、正にその審議会が、管理委員会の権限という点から言いますと、何と申しますか、幾らか権限が少くなつたようなふうに考えられまするが、この点に対しては、大藏大臣からも御説明がありましたように、実際の運用によつてやつて参りたい、かように考えております。
#42
○堀眞琴君 端的にお尋ねしますが、諮問機関の方が民主的だ、こういう工合にお考えですか。
#43
○政府委員(河野通一君) 諮問機関の方が民主的だとは考えておりませんが、諮問機関になりましても、その運用におきまして、從來の管理委員会と同じような運用方法をとつて参れば、特に民主的でなくなるということにはならん、かように考えます。
#44
○堀眞琴君 私がお尋ねしますのは、議決機関と諮問機関と、どちらが民主的だと考えるかということであります。
#45
○政府委員(河野通一君) 形の上からどちらが民主的かということは、ちよつと私から意見を申上げることはむずかしいのでありますが、現実には実際の運用によつて、民主的にもなり、非民主的にもなるのじやないかというふうに私は考えております。
#46
○堀眞琴君 確かに運用の点も問題だと思いますが、例えば國会を議決機関として設置する場合と、國会を諮問機関として、例えば大政翼賛機関として設けるという場合と、どちらをあなたは民主的だとお考えになるのですか、ちよつとお尋ねいたします。
#47
○政府委員(河野通一君) 私から國会の問題までも申上げますと、甚だ申訳ないのでありまするが、会計士管理委員会に関する限りにおきましては、諮問機関であつても、運用によつて十分その点は民主的に政府としてやつて参れると確信いたしております。
#48
○堀眞琴君 もう一度重ねてお尋ねいたしますが、國会が議決機関として設けられることによつて、初めて民主的運営もできるのだと思うのです。國会と会計士の問題を一緒にすることは必ずしも当を得たことでないと思いますが、民主的なる運営という点からは、やはり議決機関として置くことが正しいのではないか、こういう工合に考えるのでありますが、政府のお答によりますれば、諮問機関でも十分民主的な運営ができる。こういうお話でその点納得できないのですか、これは理財局に吸收することにしましても、議決機関として設けることが、都合の惡いような何か理由があるのですか、それだけを最後にお尋ねして私は質問を打切ります。
#49
○政府委員(河野通一君) 特段に議決機関であつては非常に困るという理由はございません。
#50
○三好始君 銀行局の事務の一つに「当せん金附証票の発賣を管理し、その取締を行うこと。」こういう項目があるわけでありますが、今日各種の富籖の類が多数現われておりますが、こうしたものを財源に当てることの可否については、以前から相当議論があつたことでありますが、今日ではこれが非常に寄與しておるわけであります。政府はこうしたものを將來続けて行く方針でおられるがどうか、これが一つの点であります。それから過去の財源としても実績はどういう状態であるか、この点も併せてお伺いいたします。もう一つの問題は、造幣廳の問題でありますが、法文によりますと「造幣廳は、造幣事業を行うことを主たる任務とする。」、こういうことになつておるわけであります。そういたしますと、造幣廳の任務におきましても、これをいつまで維持して行く必要があるかということについて一應の問題があると思うのであります。これに対する見通しを伺いたいと思います。
#51
○國務大臣(池田勇人君) 富籖、宝籖の問題につきましてはお話の通り相当議論があつたのであります。施行の状況を見ますると、相当財源にもなり、そうして考えておつた程の弊害もないので、このまま続けて行きたいと考えております。これによりまする政府の收入は二十億くらいだつたと思います。第二の御質問の造幣廳は、もう金属貨幣というのは殆んど意味をなさないというお話でありますが、只今一円、五円を相当数量鑄造いたしております。又こういう仕事は一端廃めてしまいますと、非常に復旧がむずかしいのでありまして、そのときに情勢に應じまして規模は縮小はいたしております。即ち今回の行政整理におきましても、現業官廳は二割を整理するのを、造幣局においては三割を整理するという方針でやつておりますが、技術としてはこれは独立國家としては是非こういうものは必要なことでありますから、規模は縮小いたしますが、やはり存続して行きたい。殊に日本が國際経済に参加して行くということになりますと、是非ともなければならないものだと考えております。
#52
○藤森眞治君 國税廳が置かれまして、國内徴税の重要性が非常にはつきりいたしまするわけでございまするが、これにつきまして一番関係のありますのは税務官吏の問題でございまして、先般も本院におきましては税務官吏についての緊急質問がありましたが、徴税が重大さを加える程、尚この税務官吏については十分に考えなければならん点が非常にあるのでございまして、これにつきましていわゆる税務官吏の綱紀粛正、或いは官紀粛正という点についてどういうふうにお考えになつているかを伺いたいと思います。それから次に、只今アメリカからシヤウプ博士が参つておりますが、これにつきましていずれ税制改革がある。そういう改革があるものと予想されますが、そういう際におきまして、大藏省設置法案による機構の改革等が起ることはございませんか。その辺の見通しを伺います。それから第三には、四十一條におきまして税務署の附属機関として財産調査会の外二つの調査会がございます。これはいわゆる末端における國民との直接の折衝の調査機関でございます。先程申しました税務官吏の綱紀粛正、これなんかにもこれは非常に問題があるのでありまするから、これによりますと、この決め方等は政令で定めるとしてありますが、この調査会の構成の工合、或いはどういうふうにして人を選ばれるか、そういう点をお伺い申上げます。以上三点をお伺い申上げます。
#53
○國務大臣(池田勇人君) 税務官吏の綱紀粛正につきましては、お話の通りに現状は誠に遺憾千万でございます。從來からの歴史を見ましても、税金が非常に高くなる場合には常に起ることでございます。例えば昭和十年頃、或いは昭和十五年頃から十七年くらいにかけてあり、それで一旦止まつたと思つたら、最近又非常に徴税強行によりまして不正事件が続発する、誠に遺憾千万でありまして、私といたしましては好ましくない者は、今回の整理によりまして大体四千人余りを減員することになりますので、十分不正分子の排除に努めますると同時に、予防と申しまするか、税務官吏の素行を調査し、非違を摘発する職員を置きまして、事前に防止したい。何と申しましても相当の常識があり、相当の経驗のあり者を沢山入れることが第一だと考えますので、有能は人格高潔な者と入れ換えるということもやつて行きたいと考えております。次に、シヤウプ博士が來られて、只今日本の税制につきまして檢討を加えつつあるのでございます。これによつて機構に改革が起るかという御質問でありまするが、私はもう機構の点はこれでよいのじやないかと考えております。只今のところ機構についてのあれはないのじやないか。ただ徴税の外の機関、例えば昔ありました所得税調査委員会というふうな恰好のものにつきましては、こちらからも設置方を強く申出ておる次第でございます。官廳の機構改革はこれで大体いいのではないだろうかと思つております。財産調査会とか、増加所得税調査会とかについてでありますが、増加所得税調査会というのは、以前に財産税をやりまして、亦これの更正決定とかいろいろなものが残つておるのでございます。今のところはございませんが、財産税の更正だとか、或いは三年前にありました増加所得税の更正、こういう問題があつたときにこの機関が必要でありますので置いております。制度上置いておるのであつて、実際は動いておりません。ただ税の時效が五年という関係がありますので、置いておる次第でございます。
#54
○藤森眞治君 財産税なんかはそうでしようが、この増加所得税調査会、これは始終活動するのでしよう。
#55
○國務大臣(池田勇人君) 只今増加所得税というものはございませんが、三年前に増加所得税がございまして、若し調査した結果、増加所得税につきまして更正をするというときには、調査委員会にかけなければならんので、一應名目的には置いて置くわけであります。
#56
○鈴木直人君 十九條によつて地方財務部の更に下部機関として、財務部支部並びに管財支所及び出張所というようなものを置くことになつておりますが、この財務部支部、その他の区域は、どういう所に置こうとして……。勿論從來ありました機構とどういう関係を持つかということをお聞きしたい。
#57
○國務大臣(池田勇人君) 從來も各縣に大藏省地方部というものを置いております。それが残ることに相成るのでございます。
#58
○鈴木直人君 財務部が非常に縮小されて、事務も非常に縮小された後におきましても、そのようなものを出先機関として置かなければならんというはつきりした理由をお聞きしたいと思います。
#59
○政府委員(河野通一君) 財務部は先程大藏大臣から御説明がありましたように、從來の財務局の中の税以外のものを以て構成することに相成つたわけでございますから、從來の財務局よりも非常に仕事が少くなつておるというわけでありまするが、今お話になつております支部に当りますものは、從來の地方部であります。地方部の仕事は、從來と何ら変つてなく、むしろ一部の仕事につきましては、例えば予算の執行面等におきましても仕事がむしろ殖えて参るという面もあるのでありまして、この点に関する限りにおいては、今回の機構改革によりまして、実質上の事務の減小というものはないわけでございます。
#60
○佐々木鹿藏君 今國民を挙げてこの税の問題に悩んでありますが、この税を喜んで出し得る、出させたいという考えの下に、この今はつきり分らないのですが、調査委員だとかそういう機構を迅速に作るというお考えがあるかどうか、あるとすれば、具体的にどういう方法によつてしたいのだという御意思か、お考えを伺います。
#61
○國務大臣(池田勇人君) 御承知の通りに所得税が明治二十三年に施行されましてからずつとこの方、納税者の選出いたしました所得調査委員会というのがありまして、税務署長が所得税、営業税、或いは営業收益税、臨時利得税を決定いたします場合には、納税者の選出した所得調再委員会に諮問して決定するということに相成つておつたのであります。この所得税には從來前年の実績によりましてその年の所得税を納める、いわゆる実績課税のときに行われておつたのであります。然るに一昨年來、前年の実績というのでなしに、その年の予算によつて課税するということに相成つたのであります。即ち予算によつて納税者が自分の所得を自分で申告して納める、こういう建前になりました関係上、所得調査委員会を廃めたのであります。別に予算申告納税制度ということに変つたことと、もう一つはこういう思想があるのであります。事税に関する限りは國家と納税者とは利害相反しておる。利害相反しておる場合に、納税者の選出した調査委員会が決めるというのでは、取ろうとする國家の方を制肘することになるというので、理ぞ的によくないという考え方もあるのであります。私は当時主税局長で、この問題につきましては関係方面と十分意見を鬪わしたのでありまするが、理論的には向うの言うことが通つております。併し実際面におきますると、御覽の通りうまく行つておりません。これは一つの税務官吏の素質が低下しておること、又経済界が非常に複雜多岐に亘つていること等、いろいろな問題がありまするが、うまく行つておりません。從つてこの施行の結果を見まして、納税者の選出した委員以外の者も入れて、公正な判断のできるような人を以て組織するいわゆる諮問機関を作つてはどうかということに考えておるのであります。そうすると問題の予算申告納税の制度とどうマッチするかという問題になるのでありまするが、先般來いろいろな研究をいたしました結果、いわゆる確定申告が出て、それを構成する場合に付議するような機関にしてはどうかという説もございますし、又御承知の通りに予算申告納税制度にいたしましても、今年は六月中に出すのでありまするが、第一回の予算申告納税をいたした後、一度付議するというような方法をとつてはどうかというようないろいろな考え方もありまするが、私は今の情勢から言えば、理論的には置かないことがよいかも分りませんが、実質的には是非とも必要な機関だと考えておりますので、実は一昨日シヤウプ氏に会いましたときにも、私の意見は十分言つて置いたのであります。できるだけこういう機関を置くような方法で折衝いたしたいと考えております。
#62
○佐々木鹿藏君 置くという御意思ははつきりいたしましたので結構だと思います。そこで納税者が選挙によつてやるということは、公平を欠くということも考えられますが、併し今までの事例から言いますと、公平を欠いていないので、税務と調査員との間に円滑を欠き、支も納税も今のような段階になつておらんことは御承知の通りであります。そこでそうしたような納税者のみで選ぶということが不公平だと考えるならば、官選と言いますか、それを半分と納税者が選挙すべき者半分とで迅速に調査委員会というようなものをお作りにならないと、すべて税務署の問題に対しては、何々党に相談に行けば即時に解決するという傾向があることは御承知の通りであります。そこで國家を誤らすのは、こうしたものが大きな誤まりの先端になることだろう、こう憂えておりますから、速かにこの委員会の設置を実現するよう御努力あらんことを希望いたします。
#63
○カニエ邦彦君 今回の機構改革によりまして、從來の大藏省所掌事務を全然廃止されたという部分はございましようか、でありますれば、何々かということを御説明願います。
#64
○政府委員(河野通一君) 今度の機構改革で事務自体につきましては、例えば運営方法を変えて参りますとかというようなことにつきまして、事実上事務の簡素化を図つております。併し事柄が他へ移りますとか、或いは廃めてしまうというようなものは、特に大きなものはございませんが、一例を申上げますと、只今大藏大臣から申上げましたように、給與局の事務の一部を給與実施本部でやることにいたしまして、残余の一部分だけを主計局へ残すこういうことにいたしたのが一点であります。もう一つは、これも極く些少な問題でございますけれども、從來管理管の方でやつておりました外國人の財産に関する管理、処分等の事務の一部を賠償廳の方へ移すことにいたしました。これは極く僅かな事務でございますが……。その他の点につきましては大きな異動はございません。ただ設置法上大きな移動と申しますれば、專賣公社というものが独立いたしましたため、大藏省の局から離れたということがありますが、これはもうよく御存じのことと思うのであります。
#65
○カニエ邦彦君 そうしますと、全体的には大して仕事の量についても変つていない。ただ今回の機構改革で從來やつたところの局部の変更だけであつて、実質的には大した変更も削減もないということに了承して差支えございませんか。
#66
○政府委員(河野通一君) 只今私から御説明申上げました以外の点につきましては、さように御了承になつていいのでありますが、尚蛇足でございますが、今般の大藏省設置におきまするところ機構改革につきましては、事務の運営方法につきまして、十分これを簡素能率化して参りたいという点に重点を置いております。事務そのものを減らして参るということよりも、むしろ事務の運営方法を簡素能率化して参りまして、機構の簡素化ということを図つて行きたい、かように考えております。
#67
○カニエ邦彦君 只今承わつておりますと、所掌所務を非常に能率的に行われるように言われたようですが、そうしますと、大藏省の所管理務の中で私が考えまして、非常に分別のはつきりしないような点が一点あるように思うのですが、それは税関におけるところの上屋倉庫の所管でありますが、この上屋倉庫と、又これに要する諸関係の施設の所属について、運輸省と大藏省の間に非常に明確を欠いておるような点があるように見受けられるのでありますが、これに対しては一應はつきりと分るところの御意思があるのか、又どの程度まで只今のところその所革がはつきりされているのか、この点を一つ伺いたい。
#68
○國務大臣(池田勇人君) 上屋その他のいわゆる港湾行政につきましては、海運局ができました当時から、なかなかはつきりしないところがあつたのであります。その後又終戰後税関事務が非常に殖えて参りましたので、將來の問題としては、港湾行政につきまして統一的な措置をとらなければならんと自分は考えております。只今のところでも大体今まではそう困るという程でもなかつたのでありまするが、今後はこの問題につきましては港湾行政統一の方向で考えて行きたいと思つております。
#69
○カニエ邦彦君 次に、金融の監督の一元化を大藏省で図つておられるようですが、農林省の中金の所掌事務並びに監督が農林省所管事項として行われている。而も又大藏省の所管事項を眺めますと、これ亦農林中金の指揮監督を大藏省がやつているというような点が見受けられますが、これに対しては、どちらかにでも一元化せなければならないと思うのですが、この点についてはつきりされる御意思があるか、又これははつきりできないのかどうかということについて伺いたいと思います。
#70
○政府委員(河野通一君) 金融機関の監督の一元化の問題は、数年前からいろいろ問題になつている点であります。できますことならば、監督の一元化ということを図るべきだと私共は考えております。但し只今お話しが出ました農林中金とか、商工中金等につきましては、その仕事が農林省所管の事務或いは商工省、今後は通産省になりますが、通産省所管の事務と極めて密接な関係がございます。その点からこれを完全に農林省なり通産省から切離してしまうということは困難な実情に現在のところ相成つております。併しながらいろいろな点で、今後ともできるだけ金融機関の監督事務を一元化する方向において大藏省としては考え、又折衝もして参りたいと、かように考えております。
#71
○カニエ邦彦君 これは内部機構の問題ですが、主計局を初めとして、各局においては調査に関するいろいろな所掌事務があるのでありますが、これが官房に調査部を又設けておられるというような点が極めて却つて複雜に亙るような感じを受けるのですが、この点については一体今度の機構では統一的に、調査部があれば調査部を置かれたらよかろうし、又各局において調査をやつておれば、かような調査部を設置する必要がないように思うのですが、この点について……
#72
○政府委員(河野通一君) 調査部と各局の調査に関する事務との関係でありますが、これはできるだけ運用においてはダブらないように考えて参りたいと思いますが、例えば主計局の問題につきまして、予算、決算、会計制度そのものの調査につきましては、どうしても実際予算、決算等をやつておりまする主計局で調査をいたしませんと、なかなか地についた調査もできないというような点もあります。從いまして各局において当然これらの所掌事務に関する制度の調査は行わなければならんと思うのであります。調査部におきましては、むしろそういう具体的な個個の制度等ではなくして、全体の財政とか、或いは金融とか、そういう全体の調査をいたしまして、大藏省の事務の執行を便にしたいというふうに考えている次第であります。
#73
○カニエ邦彦君 どうも今の御答弁では納得行かないように思うのですが、これが各省に亙つての関連があつて、そういう意味でおつしやるならばいいのですが、各省内の各局に、いろいろの所管によつて調査される事項も違うのでしようが、官房に調査部を設置される限りにおいては、やはりそこにおいて一元的に調査をされた方が、事務の能率の上から言つても又專門的な立場から言つてもその方が合理的じやないかという……又これは附加えて申上げるのですが、非常に各省共に調査機関というものが非常に多くありまして、我々としてはこの調査に関する人並びにこれが費用というものは相当大きいのじやないか、ましてこれを一元的に一大調査廳というようなものを、今ある内閣の調査廳のようなものを一元的にそこで行なつた方がいいのじやないか、こういう考えからして、まあ今のところそういうわけにも行かないとすれば、せめて各省の中の調査事項は少くとも一元化の要があるのじやないかと、こう思うのですが、この点重ねてお伺いします。
#74
○政府委員(河野通一君) お話の点は至極御尤もだと思います。今ここで例えば主計局について申げますると、会計制度とか、予算制度に関する調査、或いは主税局について申上げますと、租税制度の調査又立案に当然関係いたしますが、こういう具体的な、何と申しますか行政事務は、当然各局の所掌する仕事になつておるわけであります。例えば今申上げた租税制度、会計制度についてもそうでありますし、又銀行局について申上げますと、金融制度、例えば日本銀行法を如何にするかという問題、又普通の銀行制度をどういうふうにして行くかという問題は、現実にその関係の仕事をやつております、所掌いたしておりまする所管部局がこれを見て参りませんと、どうしても抽象的な議論になつてしまうというような点でございます。ここで言つております調査というのは、直ぐその後に参ります法律案を作つたり、或いは法律案までに参りませんでも、その政令を作つたりいたしますその基礎になる調査という意味でありまして、その元の財政経済全般に関する調査というのじやございません。その法律案なり或いは立案をいたしますために必要なる調査を行う、こういう意味に相成つておりまするので、どつかで統一的にこれを行いますことも、これも一つの考え方でございますけれども、そういたしますと、例えば税について申上げますと、主税局にもそういう人間が必要である、立案をやらなければならん人間をどうしても必要である。調査部にも主税のことについてやらなければならん、銀行のことをやらなければならん、財政のこと予算に関することを調査する人もいなければならんということで、却つてそこが人の節約になりそうで却つてならないのじやないかというような点も考えられます。尚今申上げました調査とか、立案とかいたしますために特別の課を設けるというような所は割合少いのであります。今このために直接各局に設けますものは、主税局が、只今御説明申上げました通り、租税制度の單なる企画立案調査の部局に相成りまするので、この主税局におきまして税制課或いは調査課といつたものができますと思われまするが、その他の点につきましては、これらの制度を調査をいたしますために特別に調査課を設けるつもりじやございません。
#75
○委員長(河井彌八君) 如何でしようか、これで今日は散会いたしまして、更に改めて大藏省関係についての内閣委員会を開きたいと思います。今日はこれで散会いたします。
   午後零時三十一分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     河井 彌八君
   理事
           カニエ邦彦君
           中川 幸平君
           藤森 眞治君
   委員
           河崎 ナツ君
           荒井 八郎君
           城  義臣君
           佐々木鹿藏君
           岩本 月洲君
           新谷寅三郎君
           鈴木 直人君
           堀  眞琴君
           三好  始君
  國務大臣
   大 藏 大 臣 池田 勇人君
  政府委員
   大藏事務官
   (大臣官房次
   長)      河野 通一君
   大藏事務官
   (主計局第二部
   長)      石原 周夫君
   大藏事務官
   (主税局監理部
   長)      正示啓次郎君
ソース: 国立国会図書館
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