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1949/05/17 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 内閣委員会 第13号
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1949/05/17 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 内閣委員会 第13号

#1
第005回国会 内閣委員会 第13号
昭和二十四年五月十七日(火曜日)
   午前十時三十一分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
五月十六日(月曜日)委員栗栖赳夫君
辞任につき、その補欠として深川榮左
エ門君を議長において選定した。
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○経済調査廰法の一部を改正する法律
 案(内閣提出衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(河井彌八君) これより内閣委員会を開会いたします。経済調査廰法の一部を改正する法律案、これを議題といたします。先ず経済調査廰次長の説明を求めます。
#3
○政府委員(田中己代治君) 経済調査廰法の一部を改正する法律案を提出するに当りまして、その提案の理由及び内容について御説明申上げます。
 御承知のごとく、経済調査廰の設置その他につきましては、すでに國家行政組織法の趣旨に則りまして、單独の法律により決定せられているものでありますが、この度國家行政組織法の実施、及び行政機構の改革に伴い、この趣旨に添う字句の修正程度の改正と、調査廰の業務の能率的運営のため、從來認められておりました関係行政機関に対して、報告を求めることのできる範囲を若干廣くする必要がありまして、この法案を提出いたした次第であります。
 その改正の主なる点といたしましては、第一に行政機構の改革に伴い、從來総理廰の外局であつたものを経済安定本部の外局とした点、第二に從來中央経済調査廰長官は、國務大臣を以て、これに充てることになつており、事実上経済安定本部総務長官が兼任しておつたのでありますが、今後経済安定本部の外局となる以上経済安定本部総務長官の下に、新たに國務大臣を置くことは從來の慣習上不適当であり、又一面経済統制励行の第一次責任官廰として、関係機関に対し、勧告することもできるのでありますから、國務大臣を以てこれに当てることが適当と思われますので、経済安定本部総務長官たる國務大臣を長官とすることとした点、第三に、從來経済調査廰長官及び管区経済調査廰長は行政監査をするため、関係行政機関から報告を求めることができることになつていたのでありますが、その事務の範囲を若干廣め、中央経済調査廰長官、革区経済調査廰長及び地方経済調査廰長がそれぞれの所掌事務を行うため、関係行政機関から報告を求めることができることとした点などでありまして、尚詳細に亘りましては、逐次御質疑に應じ御説明申上げたいと存じます。何卒愼重御審議の上、速かに御可決あらんことを御願いいたします。
#4
○委員長(河井彌八君) 私から政府にお願いします。大体逐條的に大綱だけの……。
#5
○政府委員(山口鐵四郎君) 改正点を御覧願う便宜を考えまして、お手許に配付いたしました経済調査廰法の一部を改正する法律案の説明資料を御覧になつて頂きたいと思います。只今提案理由として申上げたことが改正の要点という箇所に載つてておりまして、その次に傍線を附した部分がずつて掲載してございますが、この部分は削除する箇所でございます。傍線を附してその右側に書き加えてあるのが新たに修正する箇所でございます。それで現在の経済調査廰法で経済調査廰がどういうふうな職務を行うことになつているかという点について、極く概括的にお話して置く方が御理解を得るために便宜かと思いまするので、その点について申上げます。
 経済調査廰は昨年四月に発足したのでありますが、その任務とするところは、國民経済の実態に即して、その調和を図りつつ、速かな復興を図るために、警察制度の改善を機会として、新設された役所でございます。從來は経済警察に依存して、経済統制の励行を図つていたのでありますが、それだけでは不十分ということで、経済調査廰が新たに設けられることになつたのでありまして、一言で申しますと、経済調査廰の任務は経済統制の励行に強い反省を加え、総合的な、而も劃期的な方法によつて統制の励行を確保しようという任務を持つておるのであります。その方法といたしましては、闇の原因となつておる経済統制の不備欠陷を早期に発見いたしまして、その迅速なる改善を図るというのが、我々これを行政監査と申しておりますが、この行政監査が一つの方法であります。更に闇の根源となつておる穏根藏物資の調査をし、その供出の促進を図るということが第二の点でありまして、これは我々は物資調査と申しておるのであります。第三番目には励行を図るために、國民一般に対しまして、経済違反防止のために、指導、宣傳、啓發を図るというのが第三番の任務であります。
 大体調査廰はこの三つの方法によつて統制の励行を図つておるのでありますが、更に第四番目の仕事といたしまして、統制の励行というためには、一つの役所だけでやつていたのでは実は効果が十分に止らないのでありまして、農林省とか、商工省とかというような産業関係官廰は勿論、檢察廰、或いは警察というような関係機関の施策が一元的に運用された初めてその効果を挙げ得るのでありまして、さような見地に立ちまして、これらの関係機関の事務業務が総合的に一元的に行われるようにするために、調査廰が何と申しますか、斡旋役と申しますか、総合的な役割を演じております。そのために調査廰の中に経済調査委員会というものを設けまして、関係官廰の代表者が定期的に集まつて、励行方策の一元化につき協議をしておる次第なのであります。
 その外調査廰は檢察廰或いは警察というような機査機関に対して、或る種の勧告をすることができるようになつておるのであります。これが調査廰の任務でございます。そうしてこの調査廰の組織は、中央に中央経済調査廰というのがございます。その下に全國を八箇区に分けまして、八つの管区経済調査廰というのがございます。更にその下に都道府縣に一つずつ、北海道には四つ、合計全國で四十九の地方経済調査廰というのもございまして、中中、管区、地方というふうにピラミツト型に構成されまして、中央の指令が速かに地方に行き渡りまして、全國一体的の活動を組織的、計画的に行い得るようになつております。今更いうまでもなくこの統制励行というためには、どうしても全國一体的の活動が必要であることは、経済統制の性格上当然なのであります。調査廰はさような意味合におきまして、全國的な組織を持つておるのであります。そこに職を奉ずる、これらの先程申しました各種の任務を遂行する機関を経済調査官と申しまして、現在では三千五百名の定員を持つております。経済調査官は特にこの経済違反の取締のために、いろいろ任務がございますが、特に経済違反の取締のためには、或る種の権限を必要といたしますので、裁判所から令状、許可状を貰いまして、それによつてときに違反者の逮捕或いは臨檢、捜索、差押えというような警察その他の捜査機関が持つておりますような権限も與えられておるのであります。これが現在の経済調査廰法の大体の内容となつておるのであります。
 さてこれを今回改正ま箇所が二、三ございきして御審議を煩わすことになつたのでありますが、それにつきまして逐條的に簡單に御説明申したいと思います。
 先ず第一條の第一項でございますが、「内閣総理大臣の管理の下に、中央経済調査廳を置く。」というのは、これは安定本部設置法におきまして、その第十九條に、「國家行政組織法第三條第二項の規定に基いて経済安定本部に置かれる外局は、左の通りとする。物價廳、経済調査廳」となつておりまして、更に第三十三條に、「経済調査廳の組織、所掌事務及び権限は、経済調査廳法(昭和二十三年法律第二百六号の定めるところによる。」こういう條文が経済安定本部設置法に設けられることになつた関係で、経済調査廳法において、その第一條第一項のような規定を置いておくことが矛盾いたしますので、削除することになつたわけでございます。
 それから現在の第一條の第二項の八号でござにます。從來は、「隠退藏物費の調査及び供出の促進に関する事項」というのを若干修正いたしまして「隠退藏物識の調査並びに供出及び活用の促進に関する事項」というように、即ち「活用の促進」というように事務が若干拡がつたわけであります。これはどういうことかと申しますと、現在まで調査廳がやつておりました仕事は、隠退藏物資を発見いたしまして、これを産業復興公團に買取らせるところまでが調査廳の仕事だつたのであります。然るに産業復興公團がかようにして買取つた隠退藏物資が、これが本來は正規のルートに一刻も早く乘せなくてはいけないのでありますが、現在二億の滯貨があるということであります。かようなことでは、折角摘発しても何ら意味をなさないので、公團がこれを早くこのルートに隠退藏物資を乘せまして、一刻も早く活用するように仕向けなくちやならない、かような意味合におきまして、公團に対して活用の促進方を図るということも当然調査廳の任務或いは責任であろうという考え方から、かように修正をしたいと思うわけでございます。
 第二條に移りまして、「中央経済調査廳に長官一人、次長一人及び部長三人並びに政令の定めるところにより経済調査官その他所要の職員を置く。」というのは、この「政令の定めるところにより」ということは、これはもう定員法によりまして規定せられるところなんでありまして、かような字句は必要ないということから修正することになつたわけでございます。
 第三條第一項の「中央経済調査廳に中央経済調査廳官房、監査部、査察部及び物資調査部を置く。」といううち、「中央経済調査廳官房」というのを「長官官房」に直す理由は、これはどちらでもいいことかと思うのでありますが、從來の慣例は、官房は「長官官房というのが一般の例でございまして、調査廳官房、或いは農林省官房というようなことは例になつておらない関係で、この際改めたいと思う点でございます。第三條第二項の「官房及び各部の分掌項及び分課は、長官が、これを定める。」、官房及び各部の分掌事項及び分課は、法律によつて定めることになつておるのでありまして、さような点に対して長官がそれを定めるということは、行政組織法の関係で不適当なのでありますから、そこでその分掌事項或いは分課の更に内部組織の細目は、これは長官が定めるというように改正する次第でございます。
 第四條の、「長官は、國務大臣を以て、これに充てる。」というのは、「長官は経済安定本部総務長官たる國務大臣を以て、これに充てる。」というように修正するその理由は、先程提案理由の説明で申上げた通りでございます。
 第六條の「第一條第二項の事務に関し」の「第二項」を削るというのは、これは第一條の第一項を削つた関係で、第二項が当然第一項に変つて参ります関係で第二項を削ることにするわけであります。「中央経済調査廳及び関係各廳の間の連絡調整を図るため、中央経済地査廳に、中央経済調査委員会を置く。」というのを、「中央経済調査協議会」に直す理由は、この中央経済調査委員会というのは、先程御説明申上げましたような任務を持つておる委員会でございますが、國家行政組織法によとますと、かような連絡的な仕事をする会は、委員会という名称を用いることができなくなつた関係で、行政組織法の規定に從いまして「委員会」を「協議会」に改めるわけでございます。第六條の二項三項の修正点も同樣な意味合でありまして、「委員会」を「協議会」にし、「委員長」を「会長」にするというわけでございます。更にこの協議会の委員を從來はこの調査廳が総理廳の外局であつた関係で、内閣総理大臣がこれを任命していたのでございますが、安定本部の外局となつた関係で、その任命権者を経済安定本部総裁に変えることになつた次第であります。四項それから五項につきましても、先程御説明申上げた通りで御了解がお願いできると思います。第六條の二が新たに設けた規定でございます。「隠退藏物資の調査、供出及び活用に関する重要事項を調査審議するため、中央経済調査廳に中央物資活用審議会を置く。」「前項の審議会の組織、所掌事務、委員その他審議会に関し必要な事項については、物資活用審議会令及びこれを改正する政令の定めるところによる。」隠退藏物資の摘発或いはその活用というようなことは、直接國民に対して利害関係のあることでございまして、この事務の運営につきましては、愼重にこれをなさなければならんという見地から、只今総理廳の中に物資活用審議会というものを政令に基いて設けまして、民間代表者及び官廳代表者をしてこれを構成しておるのでありますが、経済調査廳が安定本部の外局になる関係で、この審議会だけを総理廳の中に残して置くというのは不適当と考えまして、この審議会を中央経済調査廳に設置するという狙いがこの規定を新たに設けた理由でございます。
 第七條の第二項でございますが、「管区経済調査廳は、内閣総理大臣の管理に属し、当該経済調査管区における第一條第二項の事務を掌る。」これも從來は総理廳の外局として置かれていた関係で「内閣総理大臣の管理に属し」という文字があつたのでありますが、中央経済調査廳と同樣に安定本部の外局となるという見地からさような文字を削つたのでございます。それから第八條の修正も先程中央経済調査廳について申上げた通りの理由で「政令の定めるとこにより」という字句は必要ないと考えまして、削ることになつたわけでございます。第九條につきましても中央経済調査廳の箇所について申上げた通りでございます。第十二條の第一項の「同條第一項及第四項中「第二項」を削る」というのも先程御説明申上げた通りでありますし、「委員会」を「協議会」に「委員長」を「会長」にするという趣旨も先程御説明申上げた通りでございます。その第三項におきましてこの管区経済調査委員会の委員の任命は從來は「中央経済調査廳長官がこれを任命する」とあつたのでありますが、この調査委員会の委員は調査廳の内部の官吏及び関係官廳の代表から成つておるのでありまして、調査廳の内部の官吏を委員にするときには、「これを任命する」という言葉が適切かと思うのでありますが、外部に人に対して調査廳の長官がこれを任命するというのは適切を欠く、むしろこれを「委嘱する」と直す方が適切かと考えて、この際修正したいと思うわけでございます。第十二條の二もこれもこの物資活用審議会が管区経済調査廳にも從來置かれておりましたこれを、新たに管区経済調査廳に設置するという理由は、中央における中央物資活用審議会の箇所で説明申上げたと同じ理由で、この第十二條の二を新たに設けた次第であります。第十三條の第二項の修正につきましても中央及び管区長について申上げた通りでございます。又第十四條の訂正理由も中央及び管区において申上げた通りでございます。
 第十七條も同樣であります。第十七條の第三項も地方経済調査協議会の場合の任命につきまして「任命し、又は委嘱する」というように直す理由も、管区経済調査廳協議会について御説明申上げた点と同樣でございます。第十九條についてもすでに御説明申上げた通りでございます。第三十一條についても同樣でありますし、第三十二條についても同樣ですべてこの第一條の第一項が削除になつた関係でございます。
 第三十三條「中央経済調査廳長官は第一條第二項第三号又は第七條第二項の規定による監査の結果必要があるときは、経済安定本部総裁に対し、経済安定本部令第十五條の規定による命令を発生するよように意見を具申することができる」というのを「第一條第二項」を削つたのは、すでに今まで何回も御説明申上げた通りでありますし「経済安定本部令第十五條」を「経済安定本部設置法第十五條第十四号」に改める理由を申上げますと、経済調査廳が行政官廳の事務運営振りを監査いたしまして、その不備欠陷を発見した場合には、その不備欠陷をかように直して頂きたいというように勧告するのでありますが、その勧告は実は調査廳の長官みずからが、その勧告権を持つておるのではないのでありまして、現在の経済安定本部令第十四條によりますと安定本部総裁が行政機関の長に対して指示をすることができるという趣旨の規定がございます。この規定に從いましてこの規定を発動して頂きまして、即ち調査廳の長官から安定本部の総裁に上申いたしまして、この規定の発動によつて指示権によりまして行政の不備欠陷を直すという建前を取つております。安定本部令十五條に現在はその指示権が規定してあるのでございますが、経済安定本部設置法第五條第十四項にこれが新たに規定されることになる関係で、この点について修正をいたす次第なのであります。
 最後に第三十四條第二項の修正点でございます。只今まで申上げました修正点は大体國家行政組織法の規定に即應するように、いわば字句の修正程度を我々は考えておるのでございますが、第三十四條の第二項は若干それと異なりまして、経済調査廳が発足以來、約八ケ月に亘つて業務を運営した結果事務の能率化を図るためには、この程度の修正が更に必要と考えまして、いわば実質的な修正点なのでございます。現在の規定によりますと、先程申上げました行政監査をするために必要あるときには行政機関から報告を求めることができることになつておるのでありますが、行政機関からの報告は、行政監査をするためではなく、むしろ隠退藏物資の摘発のためにも、或るいは又一般國民に対する指導、宣傳、啓発といつたような事務のためにも、即ち第一條に書いてございます、調査廳事務全般の運営のために必要と考えまして、その報告を求め得る範囲を拡げるというのが第二項の修正の理由でございます。現在この行政監査をいたしておるのは、中央決済調査廳と、それから管区経済調査廳のみでございまして、地方決済調査廳にはその権限はございません。併しながら隠退藏物資の摘発とか、或いは國民に対する指導、宣傳、啓発といつたような事務は地方経済調査廳もこれをなしておる関係で、かような意味の報告を行政機関から求めることができるようになると、その関係でこの中央経済調査廳長官、管区経済調査廳に限らず、地方経済調査廳長にもこの報告権限は認めさして頂きたい。從つて報告を求めることができる者及び報告を求め得る事項について、両面において若干拡げるという結果になるわけでございます。勿論この行政監査につきましては、地方経済調査廳は、今度といえども権限はございませんから、地方経済調査廳の長が行政機関から報告を求め得る事項は行政監査を除くその他の調査廳の事務ということになるわけでございます。
 以上をもちまして今回の御審議をお願いいたします修正箇所の、逐條的な御説明を終りたいと思います。
#6
○委員長(河井彌八君) 速記はよろしい。
   午前十一時三分速記中止
   ―――――・―――――
   午後四時十九分速記開始
#7
○委員長(河井彌八君) 速記を始めて。それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     河井 彌八君
   理事
           カニエ邦彦君
           中川 幸平君
           藤森 眞治君
   委員
           河崎 ナツ君
           荒井 八郎君
           城  義臣君
           佐々木鹿藏君
           岩本 月洲君
           新谷寅三郎君
           鈴木 直人君
           堀  眞琴君
           三好  始君
  國務大臣
  國 務 大 臣 山口喜久一郎君
  政府委員
   内閣官房長官  増田甲子七君
   内閣官房次長  郡  祐一君
   中央経済調査廳
   次長      田中己代治君
   総理廳事務官
   (経済調査廳官
   房会計課長)  山口鐵四郎君
   総理廳事務官
   (特別調達廳経
   理局長)    加藤 八郎君
   総理廳事務官
   (特別調達廳庶
   務部長)    岩永 賢一君
   統計委員会事務
   局長      美濃部亮吉君
   運輸政務次官  加藤常太郎君
   運輸事務官
   (海上保安廳長
   官)      大久保武雄君
ソース: 国立国会図書館
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