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1967/08/02 第56回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第056回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第3号
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1967/08/02 第56回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第056回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第3号

#1
第056回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第3号
昭和四十二年八月二日(水曜日)
   午前十一時四十四分開議
 出席委員
   委員長 小澤佐重喜君
   理事 大石 武一君 理事 渡海元三郎君
   理事 丹羽喬四郎君 理事 古川 丈吉君
   理事 島上善五郎君 理事 堀  昌雄君
   理事 門司  亮君
      赤澤 正道君    小泉 純也君
      白浜 仁吉君    高橋 英吉君
      永山 忠則君    大柴 滋夫君
      西宮  弘君    吉田 之久君
      伊藤惣助丸君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 藤枝 泉介君
 出席政府委員
        自治省行政局長 長野 士郎君
        自治省選挙局長 降矢 敬義君
 委員外の出席者
        議     員 篠田 弘作君
        議     員 島上善五郎君
        衆議院法制局長 三浦 義男君
    ―――――――――――――
八月二日
 委員久保田鶴松君、岡沢完治君及び伏木和雄君
 辞任につき、その補欠として西宮弘君、吉田之
 久君及び伊藤惣助丸君が議長の指名で委員に選
 任された。
同日
 委員西宮弘君辞任につき、その補欠として久保
 田鶴松君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 閉会中審査に関する件
 公職選挙法の一部を改正する法律案(篠田弘作
 君外四名提出、第五十五回国会衆法第二九号)
 政治資金規正法及び公職選挙法の一部を改正す
 る法律案(島上善五郎君外四名提出、衆法第二
 号)
     ――――◇―――――
#2
○小澤委員長 これより会議を開きます。
 去る七月二十八日本委員会に付託になりました篠田弘作君外四名提出の公職選挙法の一部を改正する法律案を議題といたします。
    ―――――――――――――
#3
○小澤委員長 まず、提案者から趣旨の説明を求めます。篠田弘作君。
#4
○篠田議員 ただいま議題となりました公職選挙法の一部を改正する法律案について、その提案理由とその内容の概略を御説明申し上げます。
 日本国憲法は、主権在民の思想に基づき、民主主義の原則に立脚して、地方自治の理念を高く掲げ、地方公共団体の議員はもとより、その長について、住民が直接これを選挙する住民自治の制度を採用いたしているのであります。
 これにのっとり、日本国憲法の施行と同時に、地方自治法が施行され、地方公共団体の長は、選挙人が投票によりこれを選挙し、その任期を四年とする制度が確立されたのであります。
 御承知のとおり、都道府県知事の選挙は、新憲法施行に先んじて、昭和二十二年四月に行なわれ、自来今日に至っておるのでありますが、その現実を見ますると、去る四月十五日に執行された統一地方選挙後の現状におきまして連続五回当選の知事五人、四回当選の知事四人、三回当選の知事十四人でありまして、都道府県知事のうち、まず本法案の対象となる三選以上の知事は、二十三人となるのであります。これらの方々が地方自治進展のために、日夜その努力を傾注せられていることに対しましては、深く敬意を表するものであります。
 従来知事の多選制度について、その利害得失が種々論議されているのであります。その利点としては、特に一貫した長期計画に基づく重要施策の実施、あるいは複雑専門化している地方行政に精通することによって能率的行政が期待される等のことが述べられているのであります。しかしながら、他面において、新憲法制定の当初より危惧されておりました知事の長期在任に伴う重大な弊害があらわれていることも事実でありまして、私は一々ここにその具体的の華例をあげることを省略いたしますが、地方自治体の内部のみならず、国との関係におきまして、また地方住民との関係その他におきまして、多くの問題が各方面において惹起されていることも事実であります。
 本来民主主義は、その歴史的沿革から見ますれば、その基本理念において、長期にわたり行政執行権がひとり占めされ、それがさらに強大化されるようになることとは、本質的に相いれない観念でありまして、同一人が長期間知事の職にあり、その地位の保有期間が長ければ長いほど、制度的必然的に、行政執行権がひとり占めされ、その強大化の危険を内包するに至り、民主主義の本質に相反する傾向を生ずるのは免れ得ないところであります。アメリカをはじめとし諸外国におきまして大統領あるいは知事の再選、三選を禁止しておりますのは、まさにこのような趣旨からなされているものと思うのであります。
 また、知事の長期在職は、一面におきまして、中央との関係において割拠化の傾向を伴い、自治体内部の関係において行政の偏側化の傾向を招来する等、制度的に種々の弊害を内包し、地方自治の伸展を妨げ、他面におきましては、行政権力がますます選挙と密着することにより、選挙が選挙民の自由に表明せる意思によって、公明かつ適正に行なわれることを確保する憲法及び選挙法の趣旨に沿わない結果となると考えるのであります。
 以上の基本的な考え方に立ち、知事の在職の長期化に伴って、その弊害は必然的に制度自体に内包するという観点から、私どもは、一般的制度的に法律をもって知事の多選を禁止しようとするのでありまして、このことこそ、地方自治の本旨に沿い、かつ、選挙の公正確保の趣旨にも沿うのみならず、憲法が掲げる公共の福祉の要請にこたえるゆえんであると確信するものであります。
 なお、禁止の限界を四選に置きましたのは、以上の趣旨にかんがみ、立法政策上、四選以上を禁止することが妥当であると考えたからであります。
 また知事のみを対象として、内閣総理大臣、国会議員あるいは市町村長、特に六大市長等について何等の制限を加えないのは不公平ではないか、という議論もあろうかと思うのでありますが、内閣総理大臣につきましては、御承知のとおり、憲法は議院内閣制のたてまえをとり、国会の指名に基づいて国会議員から選ばれることになっておるのでありますから、知事と同一に論ずることはできないと考えます。また、国会議員は、議決機関の構成員でありまして、合議体でない独任制の機関である知事とは全く性質を異にするのであります。六大市長その他市町村長につきましては、知事とは行政執行面におきましてその権限等も異にし、その影響力も大いに相違するものと考えますので、現時点におきましては、特に弊害ありと認められる知事についてのみ、その禁止の措置を講じようとするものであります。
 なお、これが提案に至りました過程におきましては、問題の重要性にかんがみ、数年にわたりたびたび会合を重ね、その間、学者、評論家、知事経験者、報道関係者等の意見を聴取し、慎重に検討を重ねてまいりましたことをつけ加えておきたいと思います。
 次に、法律案の内容の大綱について、御説明申し上げます。
 現行公職選挙法第八十七条の次に第八十七条の二として新たに一条を加え、引き続き三期にわたって一の都道府県の知事の職にある者またはあった者は、当該都道府県の次の期の知事の選挙における候補者となることができないと規定し、連続四期目の当該都道府県知事の選挙に立候補することを禁止することといたしたのであります。これに伴って公職選挙法第六十八条第二号を改正して、立候補禁止の知事の氏名を記載した投票は無効とすることとし、なお第八十六条中立候補の届け出につき所要の改正をすることといたしました。
 その他以上の改正に伴い、この法律施行の日に、すでに四期以上知事の職にある者に対しては、所要の経過措置を講ずることといたしました。
 なお、この法律は、諸般の事情を考慮して、この法律の公布の日から施行することといたした次第であります。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。何とぞ、慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#5
○小澤委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
#6
○小澤委員長 これから質疑に入ります。
 本案に対し質疑の申し出がありますので、これを許します。堀昌雄君。
#7
○堀委員 提案者にお伺いをいたします。
 私も実はこの知事の多選がいろいろ弊害があるということは耳にいたしておるのでありますけれども、ここでは、「知事の長期在職は、一面におきまして、中央との関係においては割拠化の傾向を伴い、」と、こういうふうにいま御説明がございました。この「割拠化の傾向」というのはどういうことをさしておられるのかちょっとお伺いしたいと思います。
#8
○篠田議員 「割拠化の傾向」というのは、ことばが少しむずかしくなっておりますけれども、結局、中央なんかとはどうでもいいんだ、中央なんかと連絡をしないでも自分の力が大きいから自分の自由にやれるんだというような、そういう意味です。中央と連絡をする必要もない、こういったような意味で割拠主義といいますか、そういうことばを使ったわけです。
#9
○堀委員 地方自治の本旨からしますと、ちょっといまの御答弁だと――地方自治というのは、地方の住民の意思が反映をされておれば、必ずしも中央の言うことを聞かないからいけないということには、地方自治の本旨からするとそうならないのではないかというような感じもいたしますけれども、その点はいかがでございましょうか。
#10
○篠田議員 ただいまの説明において申し上げましたように、中央との関係は、いま言ったような割拠的な関係になる。それならば、住民との関係が非常にうまくいくかというと、自治体内部あるいは住民との関係におきましても非常な権力を持ちますから独裁的になる、こういうふうな両方の傾向があるわけであります。もちろん、住民の代表でありますから、住民の意思を十分に代表できればいいのでありますが、そこに多選知事の弊害が両面にあらわれてくる、こういう意味です。
#11
○堀委員 いまの問題は二つに分けて考えるべきではないか。要するに、地方自治の本旨に沿っておる限り、ほんとうに正しく住民の意思が反映されておるのならば、私は必ずしも中央の意向をそのまま体してやらなきゃならぬというふうには、地方自治というものはならないと思うのです。ただしかし、長期にわたってそれがだんだん専断的になって、必ずしも地方住民の意思をも含めて行政が行なわれないというところに実は問題があるのじゃないか。そういう中で、なおかつ中央との関係においても問題があるということは、これは確かに問題があろうかと私は思うのですが、最初の御説明のように、ただ中央に従わないようになったのはいかぬというふうな一面的な面では、ちょっと私ども納得ができないので、私がいま申し上げたような本旨ならば、これは私どももさように理解いたしますが、その点はいかがでございますか。
#12
○篠田議員 そのとおりです。
#13
○堀委員 そこで、ちょっとこれは自治大臣にお伺いをしたいのでありますけれども、いまここに「知事の長期在職は、」ということで、「自治体内部の関係においては行政の偏側化の傾向を招来する等、制度的に種々の弊害を内包し、地方自治の伸展を妨げ、他面におきましては、行政権力がますます選挙と密着することにより、選挙が選挙民の自由に表明せる意思によって、公明かつ適正に行なわれることを確保する憲法及び選挙法の趣旨に沿わない結果となると考える」、提案者はこう申しておられるわけです。
 いまの多選知事の問題の中で、私も、かつて山梨県において、教育長が、事前に教育長か何かをやめて、知事選挙をやって、そうして選挙が終わったらまた教育長に逆戻りしたというようなことを一ぺん聞いたことがあります。確かにそういう弊害が具体的にあり得ると思うのですが、こういうような問題でこれまで多少皆さん方自治省のほうで目につくような事例がございましたら、ちょっとお答えをいただきたいと思います。
#14
○藤枝国務大臣 長い間知事の地位にとどまっておるということは、一面においては長所もあろうと思います。しかし、いろいろな弊害が出てくる、その弊害をわれわれがどう見るかということにつきましては、いろいろ問題はあろうと思います。しかし、あるいは庁内における人事などが非常に偏向してまいったり、あるいは住民に対しても、一部住民と密着するというような事例は、私どもも経験的に認めておるところでございます。
#15
○堀委員 特に私どもは、後段のほうですね、「行政権力がますます選挙と密着する」ということは、これは私ども非常に選挙の公正を害するというふうに思いますし、ちょっといま私が事例を設例しました点なども、まさに行政権力と非常に密着した選挙の形態であった、こう思うのでありますが、これはどうも私は――私が承知したのは単に山梨県の事例でありますけれども、かなり多選知事の中にはやはりそういう行政権力が選挙と密着したという事例が他にもあろうかと思うのですが、それについての御見解を伺いたい。
#16
○藤枝国務大臣 一々具体的な例をおあげするだけの資料を手元に持ちませんけれども、たとえばそういう長い間知事の座にあるというようなことから、その中にある市町村長というようなものが心理的な影響を受ける、あるいは選挙に際して特にそういうようなことがあるという事例は、私ども経験的に見ておるわけでございます。
#17
○堀委員 次に、提案者にちょっと御質問をいたしますが、ここでは市長の問題は別個に取り扱う、こういうふうにはっきり書かれてあるわけでありますが、今後の問題として、この問題は知事だけに限られるのか、一応こういうふうに知事の多選禁止が終わると、次には市町村長にも及ぼそうというようなことになるのかどうか、そこらについての今後のお考えをちょっと聞かしていただきたい。
#18
○篠田議員 私の立場は自民党内の知事多選問題懇話会の会長として提案しておるので、いままでの研究その他は全部知事に集約しておるわけです。したがいまして、知事多選問題懇話会が市町村長の問題をあらためてやるかどうかということは、懇話会の性質上まだ何とも言えませんし、あらためてだれか役者がかわりましておやりになることは別に反対はいたしませんが、われわれの会の性格が知事多選禁止でございますから、御了承願います。
#19
○堀委員 いまの市町の問題と知事の問題は、確かに多少違います。ですから、ここでは提案説明でも市長その他には触れない、こういうふうになっておりますから、私どもも一応その点はそのように了解をいたしますが、この問題については、あまりに長期になると、やはり似たような弊害が起こる余地はあるんじゃないかと思うわけですね。ですから、その点は今後の問題になるのでありましょうが、この法案のあり方について自治大臣は大体賛意を表されるのかどうか、その点をひとつ自治大臣からお答え願いたいと思います。
#20
○藤枝国務大臣 これは、提案されるについては、わが党が党議としてきめられたわけでございまして、党員の一人として私はこれに従わなければならぬと思います。ただ、政府の立場といたしましては、前にも他の委員会でお答えいたしたかと存じますけれども、こういう問題は、元来は地域住民の意思によって決定さるべきものであって、法律的にやるべきではないという立場をとっております。しかしながら、現実の問題としては、地方政治も非常に政党化いたしておりまして、したがって、住民の意思をはっきりあらわそうといたしましても、そういう政党化の事態においてはなかなかむずかしいこともあろうと思います。したがって、また政党といたしまして、そういう弊害を除去するような努力――あるいは新人の養成であるとか、後継者の養成であるとか、そういう努力を政党もさるべきものであるというような観点に立っておるわけでございます。そういう意味でひとつ……。しかし、これが国会に提出され、御審議の対象になっておるのでございますから、十分御審議の上、よき結論を得ていただきたいと考えております。
#21
○堀委員 終わります。
#22
○小澤委員長 次に門司亮君。
#23
○門司委員 私はごく簡単にお聞きをするのでありますが、これは議論をすればかなり長い議論が実はあろうかと思います。
 きょうはごく簡単に一つだけ聞いておきたいと思いますが、この中で、いま堀委員から聞かれました「知事の長期在職は、一面におきまして、中央との関係においては割拠化の傾向を伴い、」こう書いてありますが、この問題は非常に重大な問題でありまして、いま提案者の説明のように、知事が中央の言うことを聞かないというような場合を一応予測されているが、現行自治法の中に、知事に対する罷免権が総理大臣に与えられております。もとより総理大臣が直接これを罷免するわけにはまいりませんが、こういう理由があるからといって、高等裁判所にこれを訴えることによって罷免権が与えられておる。これとの関連は一体どうなりますか。知事がそうした中央の言うことを聞かない場合の処置は、すでに自治法において講じられておる。そして地方の政治と中央の政治とが一体化するように、すでに処置ができておるものだとわれわれは考えておる。その辺は一体どうなります。こういうことになってまいりますと、知事の罷免権との間に問題が生じはしないか。したがって、この提案の理由はいささか行き過ぎではないかというように考える。その他の問題において知事が中央の意見を聞かないというようなことは、私は現行の法律制度の上においては、いま申し上げましたようにできないことになっておると考えており、中央政府が、もしどうしても知事が割拠主義で中央の意思に従わないという場合には、いま申し上げましたように、自治法において処理されることになっておりますので、こういう理由は納得しがたいのでありますが、その点に対するお考えをひとつ聞いておきたいと思います。
#24
○篠田議員 割拠ということばが少し中央の面だけを強く印象されておるようでありますが、中央の言うことを聞かないという意味ではありません。先ほど堀委員のおっしゃったように、住民の意思を反映していい政治をやるということが重大でありますから、場合によっては中央との意見の衝突なんということは、これはあっていいし、またざらにあることだ、また現実にあります。そういうことじゃなくて、知事の権力というものが強大化してくると、中央もどうでもいいし、住民もどうでもいい、そういうふうになりがちであるということを表現するために書いたのであって、少し文章がかた過ぎたということでございます。
 それから地方自治法に、内閣総理大臣が知事を罷免することができるということにつきましては、ここに衆議院法制局長が見えておりますから、ひとつ説明していただきます。
#25
○三浦法制局長 ただいま門司委員の御指摘になりましたような規定は、地方自治法に確かにございまして、これは国の機関としての知事が、いわゆる法令違反とか特別の管理違反とかなんとかという特別の事態に該当する場合においてそういうことが発動できる、こういうことでございまして、今度のこの知事四選禁止の問題として考えておられるいわゆる割拠化という問題は、ことばの表現の適、不適は別問題といたしまして、御承知のとおり最近における地方行政は非常に複雑でございまして、地方だけでいろいろなことをやっていくというだけでは、実際の地方自治の伸展には役立たない。また中央の委任事務等もたくさんございまして、両者が非常に密接な関係によってやっていかなければならないのでございます。それは地方自治の本旨に沿いながら、そういう形において進行していくべきものだと考えまするが、そういう場合において、中央と地方との間に疎隔を来たして、その間のスムーズな運営が――運営と申しますか、接触と申しまするか、そういうことがいかない場合があり得る、こういう意味にさっきの割拠化という意味は使ってあると思っております。
#26
○門司委員 これで私はあまり長く押し問答をやろうとは思いませんが、そうだとすれば、もう一つの問題は、同じように地方自治法の中には、住民の意思によってリコールの制度が設けられております。したがって、もし中央の意向を聞かないで、そしてそのことが住民に非常に大きな障害になる、住民の不幸になるという場合には、住民自身の判断によってこれを罷免することができる規定が設けられております。この規定は、その施行に際して非常に複雑な手続が要るとか、あるいはたくさんな時日を要するとかいう問題は、具体的の問題として私はそういう問題があろうかと思う。しかしながら、制度の上においては、そういう自主的の、いわゆる自治の本旨に従ってという住民自治の形がとられておる。憲法の九十三条は明らかにこれを示しておるのであります。この九十三条を受けてリコールの制度が自治法に認められておるのであって、私は、当然そうした住民の意思によって決定さるべきものが、さらに法律の力によって制限されるということは、この自治の本旨といささか違いはしないか。憲法の九十三条の意思において多少違いはしないかという点が考えられるのであるが、この憲法との関係はどうなりますか。
#27
○篠田議員 このリコールの問題と、知事の四選以上、多選を法律で禁止するかどうかの問題について相当長い間議論しました。法律でもって禁止するということは、法律の持っておる性格からいいまして、結局人間の守るべき道徳の最低の基準というものが法律である。交通違反を起こしてはいけない、人の物を取ってはいけない、人を殺してはいけない、そういったような最低の基準をきめておるのが法律でありますから、そういうことを法律でもってきめるということ自体に非常な議論がわれわれの内部にもあったわけであります。
 リコールの問題につきましては、何か非常な大きな失策とかあるいは犯罪の事実とかいうものが――犯罪があればもちろん司法権が発動しますが、犯罪に至るまでの重大なる問題についてはリコールということが考えられるけれども、実際においてそこまでいかない知事の多選の弊害をこの禁止法の中においてうたっておるわけでございます。知事が犯罪を犯して検察庁に検挙されるとか、あるいはまた非常な大失策をやってリコールを受けるとか、そういう具体的な問題ではなしに、実際の権力の集中であるとか、あるいは常時選挙をやって、人間の関係からあるいはまた補助金の関係とか、あるいはその他役所の電話とか自動車とかいろんなものを使ってやっているというような、そういうような問題も含めて、リコール以前、犯罪以前の問題についてここで説明しているわけであります。したがいまして、リコールに至るような問題についてここで論じておらないわけであります。
#28
○門司委員 私は、いまの御答弁には納得しがたいのでありますが、御承知のように、憲法が示しております自治の概念というのは九十三条に書いておりますように、住民の自覚と責任においてその行政を行なうということが私は正しい憲法の九十二条の解釈だと思います。これを受けて立ったのが九十三条であって、したがって、その行政の衝に当たる首長並びに議会議員あるいはその他の吏員等は、住民の直接の選挙によってこれを行なう。しかし、その直接の選挙によって行なった者にもし非違があるとすれば――いまの刑事犯だけではありませんで、いろいろ行政の問題についてかってなことをしておるということになれば、住民のリコールが行なわれることは私は当然だと思います。したがって、自己の責任において首長並びに議会議員あるいは吏員を選挙したそのたてまえにおいて、もし自分たちの意思に沿わざるものがあれば、自分たちの意思によってこれを罷免していくという、私は自治の本旨はここにあると考えておる。しかるに、この自治の本旨を法律によって制限していこうということになると、自治を破壊していくことになりはしないか。任命権者はどこまでも住民であります。任命権者である住民の意思に従わないで法律がこれを禁止するということは私はいかがと考えます。この憲法との関連性についてもう少し詳しい御説明をひとついただきたいと思います。
#29
○三浦法制局長 確かにお話のとおり、憲法の九十二条は、地方公共団体の組織運営につきましては地方自治の本旨に基づいて法律で定めるということでございまして、また九十三条では、地方公共団体の長は住民が直接選挙するということで、御指摘のようなことが憲法の上に明示されておることは私もそのとおりだと思います。ただしかし、問題といたしましては、知事の長期在職ということに伴いますところのいろんな弊害、そういうものがかりにあるといたしました場合において、これをどういうふうな措置によって阻止することが好ましいかどうか、こういう点から考えました場合におきまして、先ほどの住民のリコールの方法もございましょう。しかしながら、そういう弊害自体が制度自体に内包しておりまして、制度的、必然的にそういう事態が長期在職に伴ってあり得るという見方がかりに成り立ち得るといたしますならば、そういう観点からまたこれを制約することは、私は地方自治の本旨、原則に沿うゆえんであり、それが憲法の言っておる公共の福祉の要請に沿うゆえんにも該当するのじゃないか、かように考えるわけであります。
#30
○門司委員 いまのお話でありますが、なるほど九十二条には法律によってこれを定めるという規定は設けております。しかし、その規定を設けておることは、あくまでも自治の本旨に従ってということである。したがって、その次の段階に出てきます憲法九十四条は何を示しておるか。ここでは地方の自治体に対します権限を与えておる。しかし、その自治体自身の行政権に対しましても住民は監査の請求権を持っておる。あるいは条例に対する改廃の権利を持っておる。したがって、今日の日本の自治行政のたてまえから申し上げてまいりますならば、任命権者である者が住民である限りにおいては、罷免権あるいは行政の処置に対します処置は、刑事事件は別といたしまして、住民の意思に沿わざるものは住民の意思によって改廃することができるという規定が憲法の九十四条に規定されておる。
 私は、こういうことを考えてまいりますと、いまの御答弁だけで――弊害があるから国がこれをやってあげるんだということ、住民の意思では手が届かない、憲法はそうできておる、法律ではそうできておるが、しかし、なおかつ弊害があるのだから法律でこれを取り除いてあげるんだという国の高所からのお考えだとするならば、それも私は一つの考え方だと思う。しかし、そのこと自体が、いま申し上げましたように、直ちに憲法に規定しておる住民の意思、住民の権利というようなものを阻害することになりはしないかということでございます。この点はもう少し私は明らかにしていただきたい。
 提案者の気持ちとしては十分わかります。そうは言ってもなかなかそうはいかないので、こういう法律を設けたほうがよくないかという、これは抽象的な議論ではわかりますが、しかし、実際の自治行政自体のたてまえから憲法との関連性をとってまいりますと、いまはそういう制度がずっと法律で設けられておるのであって、あくまでも住民の意思によってものを定めていこうとする現行憲法のもとでは私はいかがかと考える。これがほかの、国に任命の権利があるとか、あるいはそういう住民の意思によらない一つの行政機関の意思によってきめるというなら、これは行政機関の行政措置として法律で定めることも私はけっこうだと思います。しかし、現在の憲法はそういうことになっていないと私は考えております。したがって、法律もそれに従ってできておると考えております。知事が悪ければ、いつでも罷免することは、県民の自由意思によってできる。知事がかってに補助金その他をいろいろ自分の都合のいいところに分配するということがあるならば、それは監査委員会にこれを監査請求することが住民の意思としてできる。条例が間違っておるとするならば、条例の改廃の権利も、やはり住民の意思によってこれを訴えることができる道が開かれておるのであります。
 この点は、私はこれ以上もうきょうは時間もございませんので議論はいたしませんが、提案者においても、政府におきましても、私は気持ちは一応わからぬことはないが、しかし、その辺の解釈が十分に納得のいくようにできませんと――これは市町村長にまで及ぶことは当然でございまして、知事だけがよろしいわけはございません。県民だけが住民ではございません。市町村民も市町村の行政を受けておるのであります。知事だけということは、あまりにも国と地方との関係だけを考え過ぎた問題ではないかというように考えるのでありまして、その辺をもう一度ひとつ、どちらからでもよろしゅうございますが、御答弁を願っておきたいと思います。
#31
○篠田議員 この法律をもって禁止するということは、先ほど申したように、われわれの仲間といたしましても――研究の仲間でありますが、これはもう最後の最後の問題で、法律で禁止するということについて一番大きな問題は、まず第一に憲法との関係はどうであるか、こういう問題であります。憲法との関係は、憲法学者であるとか、学識経験者であるとか、評論家であるとか、いろいろな人を呼びまして、あらゆる角度から疑問を発しまして、少なくもわれわれの調べた範囲内においては憲法違反ではないということがわかった。それでは、なぜ法律で禁止するかという問題ですが、まずこういうこともあります。党の運営でもって、ひとつそういう者を公認しないようにしたらいいではないかという意見もある。ところが、全部が公認候補じゃありません。ある場合には、党が公認しなければ中立でも立つ、あるいはまた反対党へ行って立つというような場合もしばしばありまして、党の公認ということで四選、五選の知事を縛るということは不可能。それならいまの段階において知事自身の自覚というか、自制というか、そういうものでやるかというと、現状は、当然多選知事ほどますます強いし選挙も楽であるということでそうもいかない。そこで結局、自律しないものは他律するということが必要ではないか。それはいま言ったように、門司さんとわれわれとの間に立場の食い違いがあるかもしれぬが、こうすることが地方自治の本旨、民主主義の原則に沿うゆえんであるというわれわれの結論です。これにはもちろんずいぶん議論があると思う。党内にもあります。ですから、もちろんあると思いますが、そういう解釈のもとに、要するに自律しない者は他律する、それでは法治国であるから法律でやるのがいいのじゃないか、憲法に違反しないとすればそれがいいじゃないか、こういう結論なわけです。
#32
○小澤委員長 以上で本日の質疑は終わりました。
     ――――◇―――――
#33
○小澤委員長 この際、おはかりいたします。
 篠田弘作君外四名提出の公職選挙法の一部を改正する法律案につきまして、閉会中もなお審査を行なうことができますように、議長に対し閉会中審査の申し出をいたしたいと思います。これに御異議はございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#34
○小澤委員長 御異議なしと認めまして、さように決定いたします。
     ――――◇―――――
#35
○小澤委員長 次に、去る七月二十八日本委員会に付託になりました島上善五郎君外四名提出の政治資金規正法及び公職選挙法の一部を改正する法律案を議題といたします。
    ―――――――――――――
#36
○小澤委員長 まず、提案者から趣旨の説明を願います。島上善五郎君。
#37
○島上議員 ただいま議題となりました政治資金規正法及び公職選挙法の一部を改正する法律案につき、私は日本社会党、民主社会党及び公明党を代表し、その提案理由とその内容の概略を御説明申し上げます。
 政府は、選挙制度審議会に対し、選挙区制その他選挙制度の根本的改善の方策について諮問しておりますが、同審議会は、去る四月七日、最近の政治情勢にかんがみ当面緊急に措置することを要する事項として、政治資金の規正及び連座制の強化等を中心とした「政治資金の規正等の改善に関する件」について、政府に答申をいたしました。
 政府は、この答申を受けた場合、答申を尊重し勇断をもって実行することを再三にわたり公約してきたのでありますが、自由民主党との意見調整に名をかり、政府案作成段階で重要な数点に変更を加えて前国会に提出してきたのであります。しかるに、そのいわゆる骨抜き案すら廃案にしてしまったのであります。緊急に措置すべき事項としての答申であり、前国会で国民が最も成立を期待していたものでありまするから、当然今国会に再提出さるべきものと考えましたが、その提出も見られず、よって日本社会党、民主社会党、公明党の三党共同提案として、答申に沿うた改正案をここに提出した次第であります。
 次に、この法律案の内容について、御説明申し上げます。
 まず、政治資金規正法の改正についてであります。
 第一に、政治資金の寄付の制限についてであります。
 まず、寄付の総額につきましては、個人のする寄付にあっては最高額を一千万円とし、会社その他の団体のする寄付にあっては最高額二千万円、最低額五十万円の範囲内において、それぞれ団体の規模に応じて制限を加えることといたしました。この場合、会社のする寄付につきましては、資本金のほか収益をも基準とし、労働組合等のする寄付につきましては、その組合員数に応じて十段階に区別して制限することとし、その他の団体のする寄付についてはその規模等を表示する尺度を求めることがきわめて困難であるため、一律に前年の支出額の十分の三に相当する額を限度とすることとしたのであります。また、制限額の範囲内において寄付をする場合には、政党及び政治資金団体に対する寄付については制限を設けないこととし、それ以外の政治団体または個人に対する政治資金の寄付については、同一の者に対して、年間五十万円をこえてはならないことといたしました。
 次に、国または公共企業体と請負契約の関係にある者及び日本開発銀行等四政府関係金融機関から融資を受けている中小企業以外の会社のする寄付につきましては、前の政府案では請負契約額、融資額の比重が低いものを除外していましたが、本案では一律に一般の場合の二分の一に制限することといたしました。また、国から補助金等の給付金の交付を受け、または資本金等の出資を受けているいわゆる特定会社その他の特定の法人のする寄付につきましてもこれを禁止することといたしましたが、これらの場合において国と関係のない地方公共団体の議会の議員または長の候補者等に対してする寄付については適用を除外することといたしております。
 なお、地方公共団体と請負契約関係にある者、地方公共団体から補助金等の給付金を受けている会社その他の法人等のする寄付についても、国の場合に準じて、制限ないし禁止することといたしました。
 さらに欠損を生じた会社のする寄付、匿名及び他人名義の寄付並びに外国人等のする寄付につきましても禁止することといたしました。
 以上の政治資金の寄付の制限と関連して、その違反者に対する所要の罰則規定を設けることといたしております。
 第二に、政治団体の届け出並びに収支報告及びその公表等についてであります。
 すなわち、政治団体の届け出があったときは、その内容を公表して、これを国民に周知することとするほか、会計帳簿及び収支報告書に記載すべき内容等について改善、合理化を加え、政治資金公開の趣旨を徹底することといたしました。
 第三に、政党等の定義についてであります。
 今回の改正によりまして、政治資金の寄付に関しましては一定の制限が加えられることとなり、かつ、政党本位の政治活動の推進をはかるため、政党に対する寄付と政党以外の政治団体に対する寄付を区別して制限することとなりますので、政党と政党以外の政治団体との区別を明確に規定することといたしました。
 また、政党中心の資金調達を容易にするため、各政党について一つの団体を限って政治資金団体を設けることを認め、これに対する政治資金の寄付については、政党と同様の取り扱いをすることといたしました。
 このほか、党費、会費及び政治活動に関する寄付等についても、その内容を明確にして、規制の合理化をはかることといたしております。
 以上申し上げましたほか、これらの改正に伴いまして、個人が寄付を政党または政治資金団体に対してした場合には、その寄付金について課税上の優遇措置を講ずるとともに、その他必要な関係規定の整備を行なうことといたしております。この場合、法人の寄付金については、課税上の優遇措置の必要はないものといたしました。
 次に公職選挙法の改正について申し上げます。
 第一は、公職の候補者等の寄付の規制についてであります。すなわち、公職の候補者等が選挙区内にある者に対してする寄付は、政党その他の政治団体または親族に対してする場合を除き、全面的に禁止することとしたほか、公職の候補者等がその役職員または構成員である会社その他の団体がこれらの氏名を表示しまたはこれらの者の氏名が類推されるような方法でする寄付についても、政党その他の政治団体に対してする場合を除き、一切禁止することといたしました。また、後援団体のする寄付等についてはこれを禁止するとともに、後援団体以外の団体で特定の公職の候補者等を推薦しまたは支持するものについても、後援団体に関する制限に準じて制限を設けることといたしました。前の政府案においては、公職の候補者等がもっぱら政治上の主義または施策を普及するために行なう講習会等において必要やむを得ない実費の補償を認めることになっていましたが、これは答申を逸脱しざる法化するおそれがありますので禁止することといたしました。
 第二は、連座制度についてであります。いわゆる連座制につきましては、選挙運動の実態にかんがみ、数個に分けられた選挙区の地域における選挙運動または多数の選挙人が属する職域または組織を通じて行なう選挙運動を主宰した者をも連座対象者の範囲に含めるとともに、公職の候補者または総括主宰者等と意思を通じて選挙運動をした公職の候補者の父母、配偶者、子または兄弟姉妹については、公職の候補者と同居の有無にかかわらず、連座対象者の範囲に含めることとし、同居している父母、配偶者、子または兄弟姉妹については、公職の候補者と意思を通じているものと推定することといたしました。
 また、選挙犯罪を犯し罰金の刑に処せられた者については、当該選挙犯罪がきわめて軽微なものである場合を除き、裁判所が情状により公民権を停止しない旨を宣告することができる制度を廃止することといたしました。
 その他、昨年実施された永久選挙人名簿制度の運用上の欠陥にかんがみ、選挙人名簿の登録回数を増加する等その合理化をはかることといたしました。
 また、答申の重要な眼目である本法施行後五年を目途として政治資金はすべて個人の寄付及び党費または会費によることを実現するための原則を確立いたしております。
 なお、実施時期については、昭和四十三年一月一日とすることといたしました。
 以上がこの法律案の要旨であります。この法律の早期成立は国民の至上命令ともいうべき強い要請であることに思いをいたし、かつ前国会においても相当審議された事実にかんがみ、すみやかに審議を進められ御可決あらんことを望みます。(拍手)
#38
○小澤委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#39
○小澤委員長 これより質疑に入ります。
 本案に対し質疑の申し出がありますので、これを許します。古川丈吉君。
#40
○古川(丈)委員 本法律案につきましては、いろいろな点から御質疑申し上げたいと思うのでありまするが、時間があまりありませんので、私は主として本法案の二十二条から二十二条の七までを中心として質疑を申し上げたいと思います。
 提案者に伺いますが、この法律案の中で意味がはっきりしない点がありますので、質問をする前にその文章の意味をただしておきたい点が一つあります。
 それは、これは前の政府案にもあって、われわれどうもわからなかった点でありまするが、二十二条の二の二項に「国又は公共企業体と国有財産の低額の対価による譲渡又は貸付けその他の特別の利益を伴う契約の当事者」こういう字句があります。それと、その次のページにやはり「地方公共団体と請負契約その他特別の利益を伴う契約の当事者」という字句がありますが、その「特別の利益を伴う契約の当事者」というものはどういうものであるか、ひとつお伺いしたい。
#41
○島上議員 この点につきましては、前国会で藤枝自治大臣からもしばしば答弁がありましたが、私は私なりにお答えしますが、もし藤枝自治大臣との答弁の食い違いがあったらこれはまた大臣に質問していただくことにしまして、特別の利益を伴うという場合と、特別の利益でないが普通の利益を伴う場合と、二通りに大臣は解釈しておったようです。私もそのように解釈します。普通の請負関係あるいは融資を受けている関係は、これは特別の利益というふうにみなさない。普通の利益である。普通の利益を伴う当事者。特別の利益というのは、国有財産を非常に安く払い下げたり、そういう普通の場合以外にごくたまにある事例のことをさしているものと私は思います。
#42
○古川(丈)委員 自治大臣云々はちょっと聞こえない話で、提案者自身の御意見を伺ったわけです。いまのお話で「国有財産の低額の対価による譲渡」という文句があるのです。それはわかっておる。「又は貸付け」もわかっておる。「その他の特別の利益を伴う契約」というのは一体どんなものかということを伺っておる。
#43
○島上議員 それはいろいろあるだろうけれども、一々その事例については、やっぱり自治省当局か政府当局でないと的確に――答弁の的確、正確を欠くといけませんから、そういうその他の特別の事例については、やはり政府当局者の答弁のほうがよろしくはないでしょうか。
#44
○古川(丈)委員 三党共同提案ともいうべきもの、しかも日本の国会における有力な三党提案者が、その内容については自治省に聞いてくれじゃ、これは答弁にならぬ。私はあくまでも提案者の、この特別の利益を伴う契約の具体的な例、一つでもいいからひとつお示し願えればありがたい。
#45
○島上議員 ぜひとおっしゃるならば、いまここに資料がないので、次の機会に資料を持ってきてお答えしますが、ここのところは前の政府原案にわれわれが修正を加えた部分ではないのですよ。ここは前の政府案とそっくり同じ部分なんです。同じものなんです。ですから自治大臣の答弁と私の答弁とが違うということはあり得ないわけなんです。
#46
○古川(丈)委員 私は政府に聞いておるわけじゃないので、政府案が出ておる場合には政府に聞きますけれども、政府案はいま出ておらない。それで社会党、民社党――社会党が答弁できなければ民社党でも公明党でもどなたでもけっこうです。これをひとつ答弁してもらいたいと思います。
#47
○島上議員 だからさっき一つあげましたね。それ以外にどうしてもとおっしゃるならば、資料を集めて次の機会にお答えします。いまここでひょっと思い出すほどの――事例ですから、想定するのじゃなくて実例ですから、誤ってはいけませんから、正確を期する意味において。
#48
○古川(丈)委員 これは答弁にならぬと私は思う、だれが聞いたって。もともとこの法律はもとの古い法律もあるわけですが、これはわれわれもこんな法律はおかしいと思っておった。しかし、今度は三党が責任を持って出されるような法律の案文ならば、それに答えられぬというようなことでは(堀委員「答えられぬのではない」と呼ぶ)だれも答えられぬじゃないか。もし堀君が答えるならば堀君から答えられてもけっこうですが、こういうような無責任な提案はないと思うのです。
#49
○島上議員 これは答えないと言っているわけじゃないのです。事例ですから事実を答えなければならぬ。その事実が的確を欠いておったのではいけませんから、資料を集めてこの次の機会にお答えしますと、こう言っているわけなんです。
#50
○古川(丈)委員 私はいまの答弁は答弁になっておらぬと思います。幾ら言っても答弁ができない、こういうことで私は次に進みたいと思います。
 大体一千万、二千万と区別された点はどういうことなんでしょうか。
#51
○島上議員 これは自治大臣の答弁と食い違ってはいけませんから、私は私なりの解釈がないわけではありませんけれども、要するに二千万ではよいが二千一万はいけないという、つまりそういうはっきりした基準というものはないのです。ないけれども、あなた方のこの前の質問のことばをそのまま借りれば、二千万までは善で二千一万は悪である、その根拠いかんという御質問がこの前しばしば繰り返されましたが、二千一万は悪であるという別にしっかりした理論上の根拠があるわけではない。ただし、一つの会社からあるいは特定の個人からあまり多額に過ぎる政治献金を受けますと、政治に対して悪い影響を及ぼすおそれがあるというので、どこかで線を引かなければならぬわけですね。そのどこかで引く線が、個人の場合一千万、会社の場合二千万が妥当であろう、こういうことでございます。
#52
○古川(丈)委員 私の質問をはき違えておられる。私は二千万が適当だ、一千万が適当だと言っているわけではないので、個人と法人とが、片一方は二千万とされ、片一方が一千万とされた理由はどこにあるか、こういうことを聞いておるのです。
#53
○島上議員 それもいま言ったように、法人の場合二千万の線が妥当であろう、こういうこと、個人の場合もいままでの寄付の実績があるのです。個人で一千万以上寄付したのがありますけれども、しかしおおむね個人は一千万以下なんですよ。いままでの実績を見ましても、個人の場合一千万の線が妥当であろう、こういうことなんです。
#54
○古川(丈)委員 私はこの前、自治大臣との政府原案の質疑応答の中で、会社、法人の二千万というものは大体実績をもととしてきめた、こういうお話で一応納得いたしておりました。ところが、そのときの政府の答弁では、個人については一千万というのはほとんどないのだ、もし事実に基づいて、現実の問題を標準としてやられるならば、私は個人は一千万では多過ぎる、あるいはもし個人を一千万とするならば法人はもっと上げていいじゃないか、こういうことを私自身が思っておるから、私はあなたに聞いたわけだ。ところが、あなたは何でもかんでも政府の――それじゃ政府案が出るまで、これは質疑したってむだなようにも思う。だからあなたが責任を持ってお答えになるならば、自分で、政府は政府としても、それをよくそしゃくしてそれに賛成をする、それでそのとおりだ、こういう自信を持たなければ私はこの法案は提出すべきものではない。そんな不見識な法律の提案というものがあってはならぬ。たとえば私が政府案に対して質問するときには、答申が出ても、答申を十分理解して、政府が自信を持ってこれならいいということでなければいかぬということを政府に聞くつもりであったけれども、今度あなたの場合は、何でも聞けば、政府案にもそうなっておった、政府案にもそうなっておったというのでは、これは政府案が出なければもう問題にならないので、自信のないのもはなはだしいし、まさか日本の大政党三政党が共同提案されるのに、代表者がそんなことに答えられないとは私は予期しなかった。それじゃもうこれはこのくらいの程度でやめます。
 現在二千万以上寄付できる会社というものは幾らくらいありますか。
#55
○島上議員 私の記憶ですから、多少不正確であったらあとで事務当局から補足してもらいますが、去年は二千万をこえた団体が、たしか八団体だと思います。それから個人の場合、一千万をこえたのが二人だと思います。
 それから、あなたは自信がない、自信がないとおっしゃいますが、私は自信をもって答えております。政治資金は団体のをやめて個人に限るべきもの、こういうたてまえに立っておるのです。ですから五年後はやめるとしております。
 そこで、法人二千万、個人一千万というのは、少しバランスがおかしいじゃないかという御意見もありますが、個人を中心の献金に切りかえよう、こっちはやめてしまおうという意味なので、そういう思想に立っておるので、個人はバランスの上から少し多過ぎるような感じがいたしますけれども、そういう個人の寄付に限るという思想の上に立っているから、個人のほうは少し額が多い、数字を高くしておるわけであります。
#56
○古川(丈)委員 私は、法人がいけない、個人に限るということを問題にして聞いておるわけではないのです。この規定によって――二千万以上寄付できる団体、法人というものは幾らありますかということを聞いておるのです。私はこういうことを考えておる。これは政府原案にいたしましても、ただばく然と会社は二千万とか、こういうことで切るのはおかしい。政治資金はこのぐらい現実に必要なんだ、それだからこの程度で切るというような収支の見当がついておらないで、ただ規制するだけでは、これは問題にならない。そういうことを私は根本に考えておる。だから二千万以上の寄付ができる――何も特別の条件がなければ八十億円以上の資本金でなければ二千万寄付できない。そういう会社が現在日本に幾らあるか。それからまた、従来の実績を見て、そういう会社が全部寄付しておるとは限らない、寄付は本人の意思ですから。そうすると、従来の実績から見て、会社は幾らあるか、そのうちで二千万とすれば、そういうことで集まる資金というものは幾らできるかということを、これはやっぱり政治資金を全体としてこのぐらいの規模にしようというからには、へたな会社経営でもそのぐらいのことはみな考えますよ。これは最も大事な、日本の政治を左右しようとする政治資金規正に、そういう計画性のない法案というものは私はないと思う。だから、いま現実に日本の資本金八十億円以上の会社は幾らある、それから二千万を最高限とすれば幾ら集まる、しかしながら、従来はその条件の合っておる会社でも、必ずしも全部は出しておらない。従来はこのぐらいの比率だ。寄付は強要するわけにいかぬ。従来の実績においてもこのぐらいの金が出るのだぐらいのことは見当つかないで、ただばく然と二千万ならいい、一千万ならいいでは、これはお話にならぬ。私はこの法律の根本問題は、そこに大きい問題があると思う。政治資金は現在は使い過ぎる、これぐらいの程度に押えるというのには、現在の政治資金は幾ら動いておるか、それを今後はこの程度でまかなうようにするという計画がなければ、政治資金規正法というものはお話にならぬと私は考えておる。だから、現在そういうものが幾らあるかということを考えないで、ただばく然と二千万とか、気分でやられたら、大きな国の政治に影響することを気分や思いつきで金額をきめられては私は困ると思う。そういう点から、これは答えができない。
#57
○島上議員 できますよ。
#58
○古川(丈)委員 それでは幾らあるのですか。
#59
○島上議員 不幸にして、あなたの考え方と私の考え方でだいぶ違いがあるのですが、それはできます。この次の委員会までに必ず出します。正確な資料を出しましょう。大体私は二百四十ぐらいだと記憶にありますけれども、国会の答弁ですから正確を欠いてはいけませんから、資料を出せというなら即座にここで資料をというわけにいきませんから、この次の機会に資料を出しましょう。
#60
○古川(丈)委員 法律案の提案説明をするときに、まだそんなことぐらい調べてないじゃ、これはずさんもはなはだしいと私は思うのですよ。これはずさんもはなはだしいと思う。これはおこられるかもしれませんけれども、私はほんとうに議論をする値打ちがないように思う。そんな準備で提案されたら、ほんとうのことを言うと、国会は迷惑すると私は思うのです。私は真剣に思っているのですよ。政府案が出たって私は同じことを言う。二千万寄附できる会社が幾らある、従来の実績からいったらそのうちの何割ぐらいが寄付しておる。そうすると、そういう会社は幾らある。こういうことくらいの見当はつけておかないで、それすらも次の委員会までに調べておくじゃお話にならぬけれども、これ以上言ってもしかたがないでしょう。
 次に移ります。
 国または公共企業体と請負契約の関係にある当事者が制限を受けるわけだが、そういう適用を受ける会社はどのくらいあるか。
#61
○島上議員 ですから、そういう会社の数とか、そういう問題についてはいまここに準備してないから、この次必要な資料をちゃんと出しますよ。
 それからあなたは、これに該当する会社は幾らある、こうおっしゃいますけれども、該当する会社は寄付しなければならぬというものじゃないのですよ。該当する会社で一応これだけという制限の線を引いただけで、該当する会社はこの該当する金額を寄付しなければならぬというものではないのです。その範囲内で寄付は自由なんですから。古川丈吉個人なりあるいは自由民主党なりが、そういう方面に非常に信頼と支持を受けて、いままで出さなかった会社まで出せば、この制限内でもいままで以上の資金は集まることになると思うのです。
#62
○古川(丈)委員 私は、先ほどから申し上げておるとおりに、該当するものがそのまま出すとは思っていない。どのくらいの数がそれに該当する、しかも従来はこのくらいの率で政治献金をしておるから、大体このくらいの見当になるということを大まかにでもつかんでおかなければおかしいんじゃないかということを申し上げておる。そういうことを言っているので、あなたの答弁と私の質問とピントが違う。その点だけひとつお含みいただきたい。これも結局資料がないということですからしかたがありません。
 それでは特別の関係のものを二分の一にしたということはどういうことですか。
#63
○島上議員 あなたも御承知かと思いますが、第一次審議会の答申では、国と請負関係にある者あるいは融資を受けておる団体は全面的に禁止すべしという答申だったのです。そこでこれは選挙制度審議会の答申をした理由を私なりにそんたくするわけですが、ほんとうならば国とそういう契約等の経済上の関係のあるところは、会社、法人も全部全面的に禁止すべきであるが、それを一ぺんにやったのでは政党の活動に支障を来たし、あるいは混乱の起こるおそれがあるというので、答申では、過渡的な措置として、五年を目途に全部法人、団体はやめなさいという思想です。その五年の過渡的な措置として一般の会社、法人は五十万円以上二千万円、国と関係のあるものは半分にする、こういう答申をなさったと思います。これについては私どもは独自の考えを――率直に言うならば少し不満があるのですよ。しかし、答申を尊重するというたてまえでこの案をつくったものですから、この国との関係にある者を半分にしたのはどういうわけだというのは、いま言ったように、選挙制度審議会が、全部禁止したのでは政党活動に支障を来たし、あるいは混乱を起こしてはならぬという配慮からこうしたものだと私は推察しております。そういう意味で私どもも賛成しておるわけです。
#64
○古川(丈)委員 あなたいま言われたことは、二分の一なんかにするのはおかしいと思います。もしいけないなら、あなたが言われたとおり全部だめ、いけないことにする。二分の一にするという理屈は私はないと思う。そういうことを根本的に考えておる。その二分の一にするという理屈が私にはわからない。これは、やめるならあっさり全面的にやめるべきであって、二分の一にするという理屈は立たぬということを私は根本的に考えておる。
 もう一つ私があなたの答弁に満足しないところは、選挙制度審議会の答申がこうだといったって、これはあなた方の提案じゃないですか。選挙制度審議会が出しているわけじゃない。少なくともあなた方が提案して、あなた方自身がその理由を説明できなければ、審議会に聞いてくれじゃ提案者の説明にならぬのです。私の言うことは無理ですか。私はそう思う。審議会から出たからやったと言うが、審議会から出たことは百も承知です。政府はそれを尊重するという意味は――政府のやり方にも私は不満があるけれども、政府はある程度の束縛をされる。しかし、あなた方は何も束縛される必要はない。あなた方は自由です。独自の立場でそれを採択すればいい。採択すればあなた方はただ理屈なしに盲従するわけじゃない。こういう理由でこの答申に賛成だという説明ができないようなことでは、答申の内容そのままを引用してきて、答申が出ましたからというのでは、繰り返しますけれども、大政党の代表の答弁とはちょっと聞こえませんね。どう思いますか。
#65
○島上議員 選挙制度審議会はそういうふうに考えたであろう、選挙制度審議会の答申をわれわれは尊重したからということで引き合いに出しましたが、われわれ自身も、したがって五年間の過渡的な措置としてはこれが適当であるという自信を持って出したわけでございます。
#66
○古川(丈)委員 私の言うことと、答弁とは合っておりませんけれども、このくらいにとどめます。
 ただ、いま隣から二十分に制限されていると言っていますが、私は二時間でも三時間でも質問したいことはたくさんあります。先ほど来申し上げているとおり、今度の政治資金規正法というものは、金を寄付する側ばかり制限をしておって、そして金のかかる費用の点の問題がここでは計画されていないから変な規正法が出ているわけです。私は根本的にそう思う。それが大きな問題です。これはここで議論したってなかなか議論は尽きません。
 もう一つは、政府案では質問してなかったのですが、御承知のようにこれは寄付を制限されておる。自分の持っている金なら際限ないわけです。そうすると、皆さん方革新政党の諸君が、金持ちは金を使って選挙できる、貧乏人は選挙できない。これは浄財を寄付されて貧乏人でもりっぱに選挙できるようにしなくちゃならぬ。それをむしろ押えて、金持ちだけは幾らでも金を正式に使えるわけです。そういうことは、従来主張しておられた野党の皆さん方からいえば、根本的に矛盾するような点がこの法律案にはあるのではないか、その点はどうですか。
#67
○島上議員 ふだんの政治活動と選挙の場合の活動と二通りあると思いますが、選挙の場合につきましては、御承知のとおり法定選挙費用というものがありますから、私どもは法定選挙費用を守ってきれいな選挙をするたてまえを貫くならば、金持ちであろうと金のない者であろうと、たいした違いのない選挙運動ができると思います。それからふだんの政治活動につきましては、個人中心、個人が事前運動としてやる活動はなるべくやめて、政党の政治活動を中心にやる。選挙に立候補するような人々は、その政党の政治活動の先頭に立って、大いに模範的に活動する、こういう姿が望ましいと思います。政党の政治活動につきましては、いままでもそれぞれ各党財政事情が違う中にあってそれぞれやってまいりましたので、政治資金規正法ができまして、いままでよりもかりに寄付が窮屈になったといたしますならば、今度は党員の拠出負担をふやすとか、いろいろ党が各自にくふういたしまして、その集まった資金を有効に使う政治活動をやったらよろしいかと思います。
#68
○古川(丈)委員 時間があまりありませんから、あと二、三で私の質問を終わりたいと思います。
 この法律では、この前の国会で、政府提案で警察庁の刑事局長、法務省の刑事局長の答弁は、この取り締まりについては、むしろ刑事政策からいえば、同じ刑罰を科しておるのに、取り締まりが非常に弱いような感じを受けた。それはこの法律の二十二条から二十二条の七に対する違反に対しては刑罰が科せられる。私はわが国の刑罰というものは、あるいは刑罰の対象になる犯罪行為というものは、あるいは自然犯、法定犯に分けられた場合に、法定犯の場合におきましても、そのときその場所において反社会性、社会に対する危険性というものが私は当然伴うべきものだと思う。ところが今度のこの法律においては、一つも反社会性のないものでも刑罰の対象になる。この間稲葉君あたりは私所有権の制限の問題という立場から言っておられたけれども、私は、日本の刑事制度のたてまえからいって、反社会性でないと思われるようなことに、たとえば極端な例をいいますと、私は一往働いて五千万円の金を残した、りっぱな政治家を立てたい、自民党の中でもりっぱな人がたくさんおるから、自民党をよくするためにそのうちの特に優秀な人十人に五百万ずつ寄付したい、これなんか非常にほめるべきことだと思う。ところが、これは今度は刑罰の対象になる。いままでの刑罰というものは、少なくとも反社会性の、社会に対する危険性のあるその行為については当然その中に含まれておる。ところが今度は、そういう行為でないものに刑罰を科する。刑罰以外の適当な処分をされるなら別問題といたしまして、刑罰を科す。日本の刑事制度の歴史からいいますと、非常に大きな変革である。これは政府案もそうなっておりましたから、島上議員もそれを踏襲しておられるわけだけれども、これもあなたに聞いたってやはり同じことを言われると思う。私は根本的にそういう考え方を持っておる。
 それからもう一つは、非常に何でもかでも連座制、連座制といいますけれども、やはりこれは自分の意思で決定したことは自分が責任を負うというのが原則であって、推定するとかあるいは認めるとかいうことで、意思の有無にかかわらず連座制の適用ということは、これはなるほど社会一般向きには喜ばれるような議論かもしれませんけれども、まじめに考えた場合には、やはり行為者の自分の意思に基づく行為についての責任、そういうものでなければ私はいかぬと思う。だから連座制の規定の拡大、拡大ということは私はやたらにこれを統一すべきものではない。そういう意味の条文をほんとうに含んでおります。親族であれば、同居しておれば、意思の有無にかかわらずと書いてありますが、私はそこに一つのやはりけじめというものがあると思う。そこはわれわれも悪い行為に対してこれをゆるやかにせいとは申しません。けれども、やはり行為の責任というものは、その責任の限度はそこでやはり区別すべきものだと思う。
 私はこれで、時間がないから結論を言いますけれども、大体政治資金はかからぬようにすることがまず先なんで、政治資金をかからぬようにすることをほったらかしにして、そして規制ばかりしてもいかぬ。私は、現在の日本の政治で、戦後非常に日本の国はよくなっておる。政治は非常にいいんだけれども、人間の欲望というものは、さらによくなった以上に先へ先へといくものですから、いつでも国民の中の声というもの、政治に対する批判というものは政治の不平ばかり、それが大きく聞こえて、それで何だか政治が悪いように日本の現在の政治に対する批評はなっておるように思う。われわれは少なくとも後援会なんかへ行って、社会党のやること、政府のやること悪口ばかり言っておるけれども、こういうようなこともやっておるのだということで、ある程度国の実際の政治の認識を持たしておる。そういう点からいえは、政治資金――選挙運動でありませんが、そういう面については相当私は金をかけても――これはもちろん政府のやることかもしれませんけれども、そういうことをやらなければならぬ。そういう面が日本の政治として私は非常に欠けておると思う。私は政治の場合、今度の共和製糖の問題が起こったからこの問題が出てきたのだけれども、悪い金を取ってはいかぬ、これは原則です。しかし、その取り締まりは厳格にやる、これも私は賛成だ。それからもう一つは、金を政治資金としてもらっておきながら、これを私生活に使う。これは税法上の問題であって、これも厳格にやらなければならぬ。私生活は全然別個にやらなければならぬ。それからもう一つ、選挙のときに多額の金を使ってはいかぬ。いわゆる買収の金を使ってはいかぬ。これも私は賛成です。
 この三つの点は注意しなくちゃならぬけれども、それ以外においては政治資金は縛ることはない。同じ財産を持っている人でも、同じような資本金でも、その会社の政治に対する関心が深いのと深くないのとによって寄付の額が違う。それはそれでいいのであって、それを均一に規制することはおかしなことだ。いま申し上げましたように、政治資金である限りその三つの点さえ十分注意してやれば、その三つの点をいま私が申し上げましたようにかなうようにあらゆる努力をしなくちゃならぬ。そういう努力をしなければならぬけれども、網をかぶせて政治資金だけ、ただ金を集めることだけ規制しようということは根本的に間違っておる、私はこういう考えを持っておる。私は意見を最後につけ加えまして、あとの点は質問を保留いたしまして、きょうの私の質問はこれで終わります。
#69
○小澤委員長 次は大石武一君。
#70
○大石(武)委員 それじゃ質問をいたします。
 実はきょう提案理由の説明があったばかりで、詳しい内容を拝読いたしておりませんので、正確なことは申し上げかねますけれども、この野党連合の提出された法案の内容は、政治資金に関しましては選挙制度審議会の答申の内容を十分に尊重されたように見受けますが、そういう内容でございましょうか。
#71
○島上議員 選挙制度審議会の答申を最も忠実に尊重して法文化したものであります。
#72
○大石(武)委員 この選挙制度審議会というのは、内閣の一つの諮問機関でございますね。内閣が委員なんかをお願いして、それである問題、この場合には政治資金の問題、選挙の制度の問題でございましょうが、そういうものに関して世論とか世論を聞きたいというお考えで、政府が人を任命して、ある問題を諮問して、選挙制度に関する問題を諮問して、その答申をもらって、そのもっともなもの、いいものは政府が尊重してこれを行政に生かすということだと思うのでございます。ところが、この選挙制度審議会というものが、そのうちに社会党、民社党、公明党の何か政策上の相談と申しますか、何か指導機関にでもなったのでしょうか、あるいはそういうお考えでございましょうか、それをお聞きしたいと思います。
#73
○島上議員 選挙制度審議会設置法の第三条ですかによりまして、政府は答申を尊重しなければならないという義務を負うております。私たちは政府じゃありませんから、その設置法による義務はありません。ありませんが、私たち野党からもそれぞれ選挙制度審議会の特別委員として入っておりまして、審議してまいりました。審議してまいりまして、この政治資金規正の答申については賛成をし、むしろ推進をしてきた関係があります。ですから第一には、政府がこれを文字どおり尊重して国会へ出すことを期待しておりましたが、前国会では残念ながらだいぶ骨を抜いて出しました。その骨を抜いた案までも廃案になってしまって、今度の国会に出してこない。こういうような事情がありましたので、私たちはその骨を抜いた部分をつけ加えて、尊重して――尊重する義務をわれわれは政府のように課せられておるわけではありませんけれども、緊急に措置すべき事項であるという点においても、また規制の内容においても賛成なんですから、われわれはこの審議に加わって賛成したわけですから、それで出したわけです。もちろん、いま余分なことですけれども、選挙制度審議会の答申といえども、かりに私たちが賛成できないものがありますれば、これは国会においても、もちろん反対します。
#74
○大石(武)委員 ちょっと話がおかしいと思うのです。選挙制度審議会におきましては初めから結論がきまっているわけではないのです。委員がみんな集まって議論しているうちにだんだんと結論がきまってくるわけです。だから、社会党は内容が全部賛成とか反対とか言うのはおかしいのであって、お互いが議論し合っておる間に結論が出るのであって、その結論に対して賛成、反対をきめることでありまして、初めから賛成だからこれに従うというのはおかしいと思います。また、その内容につきましては、政治資金の問題については賛成かもしれませんが、選挙区割りその他につきましては全面的に反対だということであります。これはどうかしりませんが、新聞、ラジオその他のマスコミの報道ではそのようでございます。でありますから、いまの御答弁はちょっとおかしいのでありますけれども、それはそれとして、一体審議会とかなんとか、いろいろな審議会がたくさんございますが、こんなものを頭から尊重して、国会がその結論に従って、その答申の内容どおりに国会で決議して、法律をつくらなければならぬというものの考え方は根本的に間違っていると思う。これは政府の諮問機関であります。諮問機関であって、何ら政府を拘束する権限はない。ただ尊重しなければならぬというのでありますが、いいものは尊重するけれども、悪いものは尊重してはならない、結論といえども。わずか数十人の委員が集まったって、その人は日本の行政万般にわたる、あるいは選挙制度その他の問題についても、一つの問題に対して、すべてのものを調査し、すべての資料を集める能力も何もない。そんなものは役所から資料をもらうだけです。役所の資料をもらって、資料に基づいて判断するだけでありますから、必ずしも日本の役所が総合的に立案するものよりいい案ができるはずはない。ただ、それを全面的に考えて、日本の行政なりすべての大きな見地から考えて、それを調整するだけの役割りはありましょうけれども、それ以外の何ものもないのです。この意見を何でもかんでも尊重しなければならぬというのは大きな間違いであります。やはり行政府は、その審議会に諮問はしますけれども、答申のあったものについて、参考にすべきものは参考にすべきであって、これをうのみにして全部尊重するなんということは行政府としてすべきではないと思う。いわんや、この審議会と国会は何の関係もない。こんなものは国会は考慮する必要がないと思う。政府が参考にすべきであって、政府がその答申に基づいて立法する必要がある場合にはその法案を国会に提出するでありましょうが、われわれは国会議員の立場からこれを自由に審議すればいいのであって、審議会が出したから、その答申を尊重してそのとおりにきめなければならぬと主張するそのことが、私は国会無視の考え方だと思うのです。いやしくも社会党、民社党、公明党というものは、在野党として、与党の自民党以上に国会の権威、国会の言論、国会の決議というものを尊重しなければならぬ立場にある人なんです。そういう人が、わが自民党が、幾ら自分の内閣であり、政府の出したものであっても、十分に審議して、正しいものは正しい、悪いものは悪いという観点からこれを判断しなければならぬと主張しているのに対して、社会党――公明党はどう言っているか知りませんが、社会党を中心とする方々は、まるで審議会が出した答申を全部うのみにしなければならぬ、一言一句も変えてはならぬ、これを国会で審議しなければならぬと主張するのは実に情けない。国会議員としての、あるいは国会を構成する政党としての立場を忘れたものの考え方ではないかと私は考えております。ですから、もう少し社会党も民社党も公明党も、国会を構成する重大な大政党として、国会が自由濶達に正しく能力を発揮してこれを審議するということが、私は一番望ましいことだと考えます。そのように御忠告いたしたいと考えます。まして前国会におきましては、この法案は廃案になりました。それは廃案になる理由があったからだと思います。自民党のわれわれは、こんなものは正しい法案だと思わないから、たとえ政府が出したものであろうと、われわれは国会議員の立場からこれを審議して、まだまだこんなものは立法化する価値がない、時期でないと判断しましたから廃案に追い込んだわけであります。あなた方も審議して廃案になったのです。たとえ自民党の勢力に押された、多数に押されたとしても、国会で廃案になったのです。それを二度政府が提案するということは大きな間違いです。それを十分に反省して、国会の議論を十分に取り入れて、新しい法案として出すならまだ話はわかりますけれども、それをそのまますぐに一週間か五日置いて国会に提案するということは、実に情ないものの考え方だと思うのです。政府が提案しないから、措置をとらないから、私たちが選挙制度審議会の内容そのままをうのみにして、それを完全に尊重して出しましたなんというのは、私はあまり権威がないと思うのですが、いかがなものでしょうか。
#75
○島上議員 あなたの御意見は御意見として伺いましたが、私どもと考えの違うところもだいぶあります。一致しておるところもあります。もちろん国会は立法府ですから、十分審議する独自の権限があります。それをいささかも否定するものではありません。ただし、私たち野党三党が共同提案しましたゆえんのものは、先般の選挙制度審議会の政治資金規正に関する、連座制強化に関する答申は、私どもも加わって審議をして――初めから結論が出たのではなくて、審議をして結論が出て、その結論にわれわれが全面的に賛成だから出したのであって、出したからといって国会の審議権を否定しておるわけではないのです。国会で十分に御審議されまして、前国会でも審議されましたが、今国会でも、余すところあまりありませんけれども、十分に審議されまして、立法府としての審議権を発揮してきめられることは、何ら否定も制約もしておるものではございません。
#76
○大石(武)委員 じゃもう一言私の考えを申し述べます。
 前国会では、総理大臣が、この法案の成立に努力しなかった。一つも努力しなかったために廃案になったという非難が世間にあるようでございますが、これは私は間違いだと思います。総理大臣とは行政府の長であります。自民党の総裁は兼ねておりますけれども、総裁と総理大臣とは、必ずしも全面的に権限も人格も同じでありません。別個であります。でありますから、総理大臣としては、この法案の立案をまとめて提案しました。そのあとは、その審議がどうであるかということは、総理大臣は国会に号令をかける必要はない。国会の審議にまかせる。そういう態度をとった佐藤総理の態度は間違いではなかったと思うのです。それを選挙制度審議会あたりでは、総理大臣が努力しなかったと非難するけれども、非難するほうが間違いであって、審議会は政府に答申するだけの権限であって、通るか通らないかは全然関係のないことです。それを国会が通さないのは遺憾であるなんて言うことは、少し思い上がっておる態度であると思います。これだけ発言して私の意見を終えたいと思います。
#77
○島上議員 総理大臣は、小骨一本も抜きません、今国会で成立を期します、こういうことを何回も公の席上で国民に対して公約をしておるのです。その国民に対して公約をしたことを実行しようとしないから、当然総理大臣の責任が問われるわけです。総理大臣であると同時に一党の総裁なんですから、党をまとめてリードする力もなければ、提案者である政府の首班として、これを今国会で成立させると言いながら、成立させるための具体的な行動を何らとらなかった。ですから非難されるのは当然なんです。非難されれば、選挙制度審議会に行って、低姿勢で、はなはだ遺憾であると言って謝るのも当然でしょう。
#78
○大石(武)委員 総理大臣は、答申の小骨一本抜きませんと言っても、それは内容――自治大臣の答弁ではありませんけれども、内容のよい点は小骨一本抜かないと言ったのだと思います。どなたかほかの政党みたいに、何でもかんでも、一字一句変えてはならぬというのは言語道断の話であって、正しい真髄については小骨一本抜かないという方針だったと私は解釈いたします。それは当然のことである。しかし、その法案を作成するのは、ここにおられる自治省の権限であります。総理大臣が直接その内容を出すのではないのです。ですから、その方針で出されたその方針を自治省では受けまして、その方針を中心としてこの法案を出したと思うのです。そして総理大臣は政府の長でありますから、当然全力をあげてこれを通るように努力したいと約束するのはあたりまえのことなんです。法案を提出した以上は、それを通してもらいたいと希望し、言明することはあたりまえのことです。しなかったらおかしい。ひるがえって、総理大臣は国会に対して何らの号令をかける権限がない。何もそんなものはない。ただ、国会へ予算と法案を提出するだけの権限しかない。それをどうしようかということは国会議員の権限です。ですから、自民党の総裁でもあるから、総裁としてそういうことを希望をされたのでありましょうが、自民党の多数がこれに賛意を表さなかった。われわれは独裁の政党ではありませんから、たとえ総裁が希望されたことでも、必ずしもこれは全知全能の神さまではありませんから、時期的にタイミングから考えても、あとからそういうことを……(「不見識だ」と呼ぶ者あり)お聞きなさい。あなたのほうの提案者の説明に対して私は質問しているのですからお聞きください。そういうことですから、それで別に自民党の党員の多数がそれに賛意を表さなかったら、これは廃案になっただけのことでございまして、ぼくはその立場において、やり方において、間違いはなかったと思います。あえてこんなことは議論することはございません。
 これで私の質疑を打ち切ります。答弁は要りません。
#79
○小澤委員長 次に、伊藤惣助丸君。
#80
○伊藤(惣)委員 ただいま提案されました社会党、民社党、公明党、三党共同提案のいわゆる政治資金の規正は、現今の腐敗せる政界のただ一つの解決の道である、私はそのように思います。また、かねて国民の声でもあると思います。
 そこで、これは佐藤総理の発言でありますが、前回の特別国会におきまして、第五次審議会に急を要する事項として政治資金の規正の答申を求めたわけであります。そして国民の期待にこたえるかのような態度をとったのでありますが、その後総理は、あの三月二十日の衆議院予算委員会におきまして、答申が出れば謙虚な態度で立法化する、法制化をする、またその後の本会においても、骨抜きにしない、大骨も小骨も抜かない、このような発言もしております。さらには、この政治資金の規正こそ国民の至上命令である、このようにも大みえを切っております。しかし、結果的には廃案となったわけであります。その結果から見るならば、総理、自治大臣等の態度、またはそのような大言壮語しながら廃案としてしまったその釈明というものを私ははっきりすべきである、国民の前に明らかにすべきである、このように思うわけであります。いまや、国民の嘆きというものは怒りに変わっております。
 今度の提案につきましても、わが公明党、社会党、民社党は、国民のその期待にこたえたい、また公明党のいわゆる一つの方針から見るならば、非常に不満ではあるけれども、一歩前進のために政府原案にあえて賛成して、しかも今回の提案の運びになったわけであります。こういう経過を通しまして、政府・自民党がすみやかにこの法案に対して賛成の心を表明し、国民の前に陳謝すべきである、このように私は思います。時間がございませんので、二、三の問題点をあげ、質問を行ないたいと思います。
 初めに、提案者にお伺いします。公明党は、答申にもありましたとおり、政治献金は個人に限るべきである、このように強く主張してまいりました。その主張をこの法案においてどのように尊重されているか、その点について伺いたいと思います。
#81
○島上議員 御指摘のように答申の中に、正確に申しますと、こういうふうに表現されております。第一の「政治資金の規正に関する事項」のところで、「政党は、できるだけすみやかに近代化、組織化を図り、おおむね五箇年をを目途として個人献金と党費によりその運営を行なうものとし、当審議会は差し当り、次の措置を講ずべきものと考える。」というふうにうたっております。これは表現自体が必ずしも的確ではないきらいがありますので、政党がみずから近代化、組織化をやって、五年後には個人の献金だけで運営するように、こういうふうにとれるわけですけれども、もちろん私どもはそれも必要だと思います。同時に、政党だけにまかせておいたのでは百年河清を待つようなことにもならないとも限りませんので、政党がそういう努力をすると同時に、法律的にもそういうふうに改正すべきものである、改正する必要がある。このように考えまして、今回提案しました附則の第十六条に、「この法律の施行後五年を目途として、政党その他の政治団体の政治活動に要する資金は個人の寄附及び党費又は会費によることの原則にのっとり、政治資金規正法及び公職選挙法の改正の措置が講ぜられるものとする。」五年後にはそういうふうにするということを法律的にも――この法律の表現にはずいぶん苦労をいたしましたが、法律技術的にこのようにすることが妥当であるという結論に達した次第であります。その精神は十分尊重しております。
#82
○伊藤(惣)委員 政治献金の税の優遇措置であります。この問題は、いままでは非常に黒い霧の原因でもあるといわれております。その問題についてどのように扱うのか、簡単に伺いたいと思います。
#83
○島上議員 税の措置につきましては、これまた答申を引き合いにして大石君にしかられるかもしれませんけれども、「政治資金に係る課税については、たとえば個人の受けた寄附に対する課税、個人のした寄附についての優遇措置その他その合理化を検討するものとすること。」こうなっております。この趣旨を尊重いたしまして、個人の献金には優遇措置をすることにいたしました。その機会に、会社の寄付も全部優遇措置をしようという御意見がこの前の政府案にはありましたけれども、それは答申にもないことでもありまするし、ただ答申にないというばかりでなく、会社の多額の献金を全部優遇措置をしたならば、運用いかんによっては献金奨励法になりかねないおそれもありますから、会社の献金については現在ある種の優遇措置がありますから、それ以上の優遇措置は必要ない。そのように考えておるわけであります。
#84
○伊藤(惣)委員 本法案によりますと、四十二年の十二月から施行する、このようにございますが、はたして四十二年の十二月に施行の準備ができるようになっているのかどうか。初めに提案者に、またあとで自治大臣にお伺いします。
#85
○島上議員 この法律は、四十三年の一月一日から施行するようになっております。ただし、その中で一部については四十二年の十二月一日からと、この法律にございます。この法律そのものは、全体的には四十三年の一月一日から。これはこの前自治大臣の御答弁によりますと、六ヶ月ないし九ヶ月の準備期間が必要である。こういうことでしたが、法律が通過しましたならば、なるべく早く実施することが適当であると考えまして、私どもは最短距離を考えて、このくらいあれば国民に周知徹底させることができるのではないか、こういうふうに考えたわけであります。
#86
○藤枝国務大臣 これは当委員会におきましてもしばしばお答えをいたしたわけでございますが、会社あるいは個人等については寄付の制限をいたしますので、それらの方々に対する周知徹底あるいは選挙管理委員会の準備の状況、そういうものに相当期間がかかるということを考えまして、お答えをいたしたように、常識的には六ヶ月くらいの準備期間は要るのではなかろうかというふうに現在でも考えておる次第でございます。
#87
○伊藤(惣)委員 自治大臣に伺いたいと思うのですが、前国会において、あの政府提出の原案が廃案になったわけであります。先ほど申しましたように総理があのように大みえを切った。また、大臣もともにそのように各委員会において答弁されているように私は聞いております。その経過から考えて、現在自治大臣はどのように考えているか、その点の姿勢を伺いたいと思います。
#88
○藤枝国務大臣 前国会におきまして、私は政府提案が通過をいたしますことを念願いたし、もちろん国会の御審議のことでございますが、できるだけ国会の御審議の御便宜をはかるために資料その他十分整えまして、国会の御審議が渋滞を起こさないように努力いたしたつもりでございますが、不幸にいたしましてあのような結果になりまして、私の力の足りなかったことに責任を痛感いたしておるわけでございます。総理が本会議でも御説明申しましたように、当臨時国会は非常に期間が短いために、政治資金規正法に関する改正案は提出をいたさない政府の方針でございます。私といたしましては、近い国会にぜひ提案をいたし、そして御審議を願って成立をはかりたい、それが私の責任を遂行するゆえんであるというふうに考えておる次第でございます。
#89
○伊藤(惣)委員 私はいまの大臣の答弁に非常に不満であります。なぜかなれば、責任だとは言いますけれども、いままでの審議、また委員会等において確かに自治大臣は答弁はしておりました。しかし、いま一歩――与党内においてもいろいろな意見の食い違いがあったようにも思います。しかし、どうしても現在やらなければならない、また総理の言ったことに対しその関係閣僚は全力をあげて実現して初めてそこに政府または自民党としての権威が保たれるものではないか、私はそのように思います。そしてまた、自治大臣がその成立を目ざしてどのように努力したか、残念ながら、私はその話を聞いたことがありませんし、また見たこともないのであります。そしてまた、今回は非常に短い会期であるので、もっと長い会期に出したい、このようなことがありましたけれども、五十五国会は百五十七日間という長い期間であったわけです。しかしながら、そのような状態になっております。政府・自民党がやろうと思うならば、たとえば一日だってできるのではないかと思うのです一先ほどの健保法案ではありませんが、強行採決をしようと思うならば幾らでもできないわけはないのであります。私はそういう一つの事例の中から、自治大臣のこの政治資金に対する一つの見解をここで国民の前に明らかにしていただきたい、そう思います。
#90
○藤枝国務大臣 ただいまもお答えいたしましたように、政府提案の案件が通過をいたすことに何も努力しなかったではないかというおしかりでございますが、私といたしましては、自由民主党に対しましても常にこれが審議の促進方を強力に要請をいたし、そして自民党内の意見の統一を常に要請いたしておったような次第でございます。もちろん、私の力の及ばなかったことに対しましては責任を感ずる次第でございまして、近い国会におきまして提案をいたし、成立を期して私の責任を果たしたいと考えておる次第でございます。
#91
○伊藤(惣)委員 先ほど近い国会と言われましたが、その近い国会とはいつのことを言うのでしょうか、伺います。
#92
○藤枝国務大臣 これは総理が所信表明で申しましたように、そのとおりに考えておる次第でございます。
#93
○伊藤(惣)委員 官房長官はテレビ討論会において、いわゆる近い国会とは臨時国会か通常国会である、なるべく長い国会に提案したい。このように答弁しておりますが、そのとおりに受け取ってよろしいですか。
#94
○藤枝国務大臣 今後この臨時国会を除いて、臨時国会が開かれるような情勢にあるのかどうか、この点は今後のいろいろな事態をにらみ合わせなければいけないわけでございますが、官房長官の言明したとおりでございます。
#95
○伊藤(惣)委員 今回のこの政治資金規正法については、佐藤総理があのような大みえを切っておる。また、自治大臣も政治生命をかけているのではないかと思います。その点の見解を承ります。
#96
○藤枝国務大臣 少なくとも私は、私の責任においてこうした政治資金規正法の改正法案が成立するように努力をいたしますことが私の責任であると考えております。
#97
○伊藤(惣)委員 政治生命をかけて――よろしいですね。
#98
○藤枝国務大臣 政治生命というのはどういう意味をおさしになっておるか存じませんけれど、私としましては、私の責任を果たさなければならないと考えておる次第でございます。
#99
○伊藤(惣)委員 世界の議会政治の姿を見てまいりますと、一つの政党が政治生命をかけてやった場合、実現できない場合は大半総辞職もしくは解散になっております。私は、その点について真剣に政治生命をかけてやるならばやっていただきたいと思うのです。そうして国民の期待にこたえてもらいたいと思います。先ほど自民党の委員は、国民の前において発言したならばおそらくは袋だたきにあうような発言をしたようでありますが、このことはあくまで監視して、そうして政治生命をかけてやっていただきたい。このことを強く要望いたしまして私の発言を終わります。
#100
○小澤委員長 次に西宮弘君。
#101
○西宮委員 提案者に対してだいぶたくさんの皆さんから質問がありましたので、私はむしろ自治大臣にお尋ねしたいと思うのでありますが、今回三党が提案いたしましたこの案に対して、自治大臣はどういうふうにお考えですか、御所見をお聞きします。
#102
○藤枝国務大臣 私としましては、前国会に提案した政府案が最善のものと考えております。しかし、こういう御提案がありましたので、十分御審議をいただいてよき結論を出していただきたいと考えております。
#103
○西宮委員 前のが最善であって、したがって今度のは次善だ、こういうことになるのですか。それではどの点が今度のではいけないということになるわけですか。
#104
○藤枝国務大臣 いけない、いけるということではございませんので、一々私がこの御提案を御批判するのはいかがかと存ずるわけでございまして、この委員会におきまして十分御審議をいただきたいと考えておる次第でございます。
  〔「他の政党のやつを批判するのはおかしい
  よ」と呼ぶ者あり〕
#105
○西宮委員 いや、いや、自治大臣が政府案を出しておるわけです。したがって、自分の責任において出したものと、それから他の政党が出したものと、それを比較考量して、どういう点に問題があるとか、あるいはどういう点がいいとか悪いとか、これは当然に判断があってしかるべきだと思う。私はそのことをお尋ねしておるわけですから、その問題について、どういう点が違っておって、しかもその点はわれわれとしては賛成できない、そういう点をもう一度お尋ねをしたいと思います。
#106
○藤枝国務大臣 私どもは私どもなりに考えて提案をいたしたわけでございますが、それに対しまして、前国会においても野党の皆さんからいろいろ御批判がございました。そうした御批判の中にこういう提案が生まれたのだろうと存ずるわけでございます。したがいまして、それを一々御批判申し上げることは差し控えたいと思うわけでございまして、どこまでも国会に提案されました案でございますので、国会において十分御審議をいただきたい、私の心境はそういうことでございます。
#107
○西宮委員 それでは、その点についてはこれ以上お尋ねをしないことにいたします。
 しかし、いま自治大臣は、先般政府案として出したのが最善だ、こういう答弁をされたわけでありますから、少なくともその点だけは自治大臣の答弁として十分明らかにしておいていただきたい。つまり私の言う意味は、この前出したのが最善であるというならば、さらにそれから後退するというようなことが許される道理はないわけでありますから、少なくともその点だけは明確にしておいていただきたいと思うのですが、いかがですか。
#108
○藤枝国務大臣 政府といたしましては責任を持って御提案申し上げたのでございまして、その意味においては、政府としては、前回の政府提案をよきものとして御審議をいただきたいと考えたわけでございます。もちろん、それに対しましていろいろな御批判があることは、これは当然だと思います。
#109
○西宮委員 私の言ったのは、そのいわゆるよきものとして云々というのではなしに、いま藤枝大臣は、あれが要するに最善だということを言われたわけですから、それならば少なくともそれからさらに後退するというようなことが許されるはずはないと考えるわけです。したがって、最善だと言ったそのことばに十分な責任を持ってもらいたい、こういうことを申し上げておるのですから、もう一ぺんお答え願います。
#110
○藤枝国務大臣 私としましては、さきの国会に提案申し上げたのが、答申の趣旨を尊重した一番よろしい案と考えておることでございまして、今後におきましてもその点には変わりはないわけでございます。
#111
○西宮委員 それでは、これから先提案されるであろうと予想される案は、あれからさらに後退するということは絶対にない、こういうふうに了解していいわけですか。
#112
○藤枝国務大臣 後退とかどうとかいうのはどういう御議論か、あるいは政府案につきましても、野党の皆さんから非常に後退した、骨を抜いたというような御議論が非常にございましたが、私としましては、答申から後退いたしたというような考え方は持っていないわけでございまして、今後もそうした考え方で進みたいと存じます。
#113
○西宮委員 その後退とは何を意味するかということでの、いわば反問があったわけですけれども、私は、少なくともこれの出てきた沿革を考えてみれば明らかだと思うのです。要するに政治資金を規制しようというところに始まっておるわけですから、それがために、たとえば審議会の中でももっときつい規制を主張した人もあるし、あるいはそれに反対する人もあって、ああいう結論に最終的には落ち着いたのです。したがって、そういう規制のやり方からさらにそれを緩和するというものはこれことごとく後退だ、私はそういうふうに理解をして、もしそういう後退ということばが適当でないならば、あるいはその規制をさらに緩和するとか、そういうことばに置きかえてもよろしいと思うのですが、少なくともそういうことは絶対にあり得ないということをここで断言してもらいたいと思うのですが、いかがですか。
#114
○藤枝国務大臣 緩和するとかということでございますが、要するに答申の趣旨、それが考えておるところ、そういうものを忠実に法文化するということであろうかと思います。したがって、その答申が所期しておるところに従ってそれを法文化するということでございまして、緩和するとかあるいは後退するとかいうことではない。御批判は、もちろんあることは私も認めるわけでございますが、私としましては、答申の線に沿ってこれを法文化するということであろうと思います。
#115
○西宮委員 いわゆる緩和をするとか、後退をするとか、これは具体的にいろいろな点を指摘できると思うが、賢明な自治大臣は、そういう点は十分おわかりでしょうから、あえて一々申し上げるまでもないけれども、たとえばいろいろ答申の中で言っていること、あるいはまたすでに自治省が六月五日に発表をされた要綱がありますが、その六月五日の要綱等に比べると、この前提案されたものは、かなりの程度に緩和されているという点があるわけです。少なくとも四つ、五つはそういう点があると思う。ですから私は……(「法案の審議と関係ないじゃないか」と呼ぶ者あり)いや、いや、そうではありませんよ。この次に出すものはいつ出すか、それに関連して……(「社会党提出の法案じゃないか」と呼ぶ者あり)
#116
○小澤委員長 静粛に願います。
#117
○西宮委員 それに関連して自治大臣の見解を求めて、しかもそれが、この間のものが最善だと言われるから、そんならそれよりも一歩後退するということはないかということを念を押しているのですから、これは当然にいま野党提案のものに関連しての質問ですよ。(「法案に関係ないよ」と呼ぶ者あり)いや、いや大いにありますよ。時間が十分ありませんから、こまかい論議ができないのではなはだ残念でありますが、私は先ほど自民党の皆さんが質問をされているのを伺っておりまして、たとえば古川委員など、たいへん金がかかる、だからそっちのほうを規制するのがまず先ではないか、こういう質問をされておったのですが、これは提案者から答えていただいてもけっこうですが、私は金がかかるのではなしに、金をかけるのではないか、かけ過ぎるのではないかというところに問題があると思うのですが、いかがですか。
#118
○島上議員 これは私が質問の際にも言ったつもりですが、まさにそのとおりです。金がかかる、金がかかると、自動的に、自然的にどうしてもかかるようなものの言い方をする。ところが、金がかかるのと、金をかけるのとは違うんですよ。私は、古川君の言う実態は、金がかかるというよりも、金をかける、もしくはかけているというほうが正確だと思うのです。むしろ私たちは、むだな金をかけないように、まじめな政党の政治活動に、あるいは政治家の政治活動に金をかける、そういうふうに考えるべきものだと思います。
#119
○西宮委員 ただいま提案者の答弁がありましたけれども、私もその点は全く同感なんであります。したがって、この際そのことを明らかにしておきたいと思うのですが、これはこの前の特別国会のこの委員会の際にも、他の委員が指摘しておった点でありますが、いわゆる政治資金がかかり過ぎる、こういうことでありますが、その内容を見ると、実に多くのパーセンテージを飲食費が占めている。いわゆる飲んだり、食ったり、こういう金がたくさんのパーセンテージを占めている。こういう現実。あるいはまた選挙の際にばく大な金がかかる、これはまさに世論化しているわけです。しかもそういう点で、自民党の代表の方なども決してそれを否定しない発言を新聞等でしばしばしているわけです。あるいは選挙でない時期にたいへんな金がかかる。あるいはこれもこの次の機会に総理大臣にぜひ答弁を願おう、こういうことで私は官房長官から言質を一つ取っておるのでありますが、それはいわゆる国会対策費、こういう金なども、これが自民党の党内のことでありますから、どうお使いになっても、そういうことに干渉する限りではもちろんありません。しかし、いやしくも金がかかる、金がかかると言うならば、なぜこういうところに金がかかるのか、国会議員が国会で活動するのは当然なことであります。それに一億八千万という金を出さなければ国会議員が国会で活動しない、そういう実態があるならば、私はどうしてもこれは看過できないと考えるのでありまして、そういうところに要するに金がかかっている。だから、そういう点に何らの規制を加えないで、あるいは規制をしようとしないで、そういうことを放任する。さらに、たとえば選挙のない時期に金がかかる、こういう点を問題にされまするけれども、それならば、せっかく最初計画をした、選挙でない時期における、つまり後援会等の活動について規制を加えるということになっておったのを、最終の案ではこれを緩和をしてしまって、その後援会活動等にある程度の活動を許す、こういうことにしたわけですが、今度の三党提案は、その点をまたもとの答申の案あるいは自治省の六月五日の要綱案に引き戻しておるようでありますが、そういう点について、提案者はどういうお考えでこの点を修正したか――修正と申しますか、もとに戻したか、お聞きをしたいと思うのです。
#120
○島上議員 ただいま御指摘の点は、前の政府案の、公職の候補者等がもっぱら政治上の主義または施策を普及するために行なう講習会等において必要やむを得ない実費の補償を認める、こういう点だと思いますが、これをいたしますと、一体、主義または施策を普及するための講習会とそうでないものの区別が非常にむずかしくなるという点で、結局これはざる法になってしまうというおそれが多分にありますために、公職の候補者の選挙民に対する寄付を禁止する以上は、こういう例外規定を設けないほうがこの法律の実効をあげるゆえんである、このように考えてこれを取り除くことにいたしました。
#121
○西宮委員 それじゃ、その点はわかりました。とにかく先ほどの発言を伺っておりますと、要するに金がかかる、だからそっちのほうの規制が先だということを言われるのだが、もしそうであるならば、そういう点こそ、むしろ今度の案のごとく明確にすべきだというふうに考えるわけです。要するに、この問題が今日こういうふうに問題化されてまいりましたのは、あるいは選挙において、あるいは選挙でない平常時において、あるいはまた、さっき指摘したような国会内部の活動等においても、そういうばく大な金がかかっている。こういうところに問題があるわけでありますから、どうしてもそれを正しい姿に戻していかなければならないと考えるわけであります。これは朝日新聞の社説でありますが、「わが国の首相の地位がカネで左右され、カネで維持されているといっても、いいすぎではないことを、収支報告書は物語っている」、こういうふうにいっておるわけであります。私はこういうふうに新聞等から指摘をされるということはまことに残念しごくだと思うのであります。政治資金規正法等であの届け出の実態を調べてみますると、確かに私はこの新聞がここに指摘をしておるとおりだと思う。要するに現在の政権は、現在の政権つまり具体的に申し上げると佐藤政権でありますが、佐藤政権が最も多額の政治資金を集めている。こういう実態がきはめて明々白々であるわけでありますが、これは要するに現在の政治権力は金であがなわれ、あるいは金で維持されている、こういうことを示す実態だと言ってもあえて差しつかえがないのではないかと思うのであります。私はそういうところにその根本的な問題があるのだということを指摘しなければなりません。
 時間がありませんので、私は前に官房長官に約束をしてもらっておりましたことを繰り返して、幸いに自治大臣もおられますから御答弁をいただきたいと思うのであります。それは、私は法律を守る運動をもっと徹底さすべきではないか、こういうことを申し上げたのであります。これは私は先般法務委員会におきましても同じことを主張いたしました。というのは、たとえば選挙費用のごとき、これは全く法律を全然念頭に置いてないといって少しも差しつかえがないのであります。しかもそのことは、単に新聞や何かがそういうふうに請いているというだけではなしに、自民党の代表の方がそのことを明言をしておるわけです。談話が新聞に載っておりますが、一々朗読をいたしませんけれども、たくさんの談話が出ております。それなどを見ると、理想はたいへんけっこうだが、しかし現実は選挙には金がかかってとうていそういうことはできないんだ。こういうことを言っておるわけでありまして、そんなことでは、もう立法府にありまするわれわれが率先してその法律をじゅうりんしている、こういうことで、これは何としても国民の前に顔向けができないんじゃないかというふうに私は考えるわけであります。たとえば選挙制度審議会の島田武夫さんですね、あの人のことばだけ一つ引用いたしておきます。先般の座談会で述べておるのですが、「さきの選挙でも全部の人が法定選挙費用内で選挙をやると誓ったのに、ある党では法定費用のほかに借用証を入れて百万円を加えて渡している。選挙違反をやれ、といっているようなものだ。」こういうことを言っているわけでありますが、明らかに選挙違反をやりなさいということを初めから言っているようなもので、全然そういう点は最初から問題にされておらない。こういうところにそもそもの重大問題があるのだ。したがって、私がぜひお尋ねしたいのは、そしてこれは官房長官は総理に答弁をさせる、こういう約束になっておるわけでありますが、そういう点でまず第一に、確実に法律を守っていく、こういう点で、内閣全体としてその問題について責任を持って、内閣あるいはまた藤枝さんの所属をしておられます自民党の政党内でそういう運動を徹底させることができるかどうかということについてお答え願いたいと思います。
#122
○藤枝国務大臣 もちろん、内閣としましては順法運動といいますか、法律を守るということについて最善の努力をいたさなければなりませんし、そういう運動を展開する必要があろうと思います。ことにいま御指摘のように公職選挙法であるとか、そういったものにつきまして、ややもすれば法軽視の向きがあることは御指摘のとおり認めざるを得ないと思うのでございます。しかし、法律があります以上、その法律に従わなければならないことは当然でございまして、そういう面におきましては、われわれの所管をいたしておりまする常時啓蒙運動につきましても、そういう点に重点を置いて順法精神の涵養につとめてまいりたいと考える次第でございます。
#123
○西宮委員 過般は官房長官に、そのことについて総理から言明してもらいたい、こういうことをお願いして、官房長官は引き受けてくれたわけでありますが、ついにその後総理に出てもらう機会がなかったわけであります。自治大臣は、単にいまの自治大臣のお答えとしてだけではなしに、内閣の責任者としての総理大臣にそのことを明言をしてもらいたいと思うのでありますが、その機会を与えてくれるかどうか。
#124
○藤枝国務大臣 そういう御要求のありましたことは総理にお伝えをいたしまして、また総理におかれましても適当な機会にそういうことをやられると思いますが、この点はここで総理をいつどういう委員会に出席していただいてそういうことを言明されるかということを具体の問題としてはお約束いたしかねますけれども、その点につきましては総理に十分伝えまして、官房長官もお約束をしたようでございますから、適当な機会にそういう発言をされるようになることと存じます。
#125
○西宮委員 なお、私は総理に実はお尋ねをしたいことがあるわけであります。自治大臣の御答弁もいまいただきたいと思いますけれども、先般の国会で法案が流れてしまったときに、それは野党の動議のために流れてしまったんだ、こういうことを選挙制度審議会でも答弁をしておるという話を、これは新聞で読んだわけでありますが、自治大臣はその点についてどういうふうにお考えですか。
#126
○藤枝国務大臣 これは当委員会の理事会その他のお扱いでございまして、私は何も野党の方が、もちろんそれで――しかもこれは、これも私は新聞で読んだのでございますが、委員長は不規則発言だとおとりになっておるようでございますし、その動議があったから流れたとか、そういう因果関係のものではないと私は考えております。
#127
○西宮委員 そういたしますと、そういう点もぜひ総理にもただしたいし、さらにその根本的な問題としては、さっき申し上げた法律を守る運動、そういうものに対する総理の姿勢、あるいはこの前官房長官にお尋ねをしたのは――お尋ねというか、総理に取り欠いでもらったのは、先刻申し上げたいわゆる国会対策費、これがこういう場所で発表する筋合いのものでないというならば、どういう方法でもけっこうでありますから、内容を明らかにしてもらいたいということで、これまた官房長官は引き受けてくれたわけでありますから、そういうこともぜひ私は、政治資金を論議する限りにおいては、どうしても問題にしないわけにはいかないと思うのです。ぜひ総理の出席をお願いしたいと思うのでありますが、委員長、何とかこれを取り計らってもらいたいと思いますが、いかがですか。
#128
○小澤委員長 追って理事会がありました場合に相談をいたします。
#129
○西宮委員 なお、この問題を審議するについて、ぜひ選挙制度審議会の代表の方にもおいでを願いたいと思うのです。どなたでもけっこうでありますが、たとえば島田武夫さんなどは委員長をつとめたわけでありますから、ああいう人が適当ではないかと思います。これは理事会の選考におまかせをしてけっこうだと思いますが、とにかくこういう人にもぜひ出てもらって、参考人としての意見を聞かしてもらいたいと思うのですが、この点いかがですか。
#130
○小澤委員長 これも、先ほどお話のとおり、理事会で相談をいたしまして、是非を決定いたします。
#131
○西宮委員 それでは、時間も超過いたしましたから、これで終わりにいたしますが、私は、提案者に対しましては、せっかく重大な決意を持って提案をされておるのでありますから、ぜひこれが成立をするように、提案者としても最大の努力を払っていただきたいと思いまするし、それから委員長に対しましては、特に最後のお願い、総理と選挙制度審議会からの代表の出席、この点をぜひともやってもらいたいと思う。この会期中にその機会をぜひともつくってくれるようにお願いしたいと思います。その点、これはいま審議中の問題なのでありますから、ぜひこの会期中にその機会を提供してもらうように、委員長の特別のお計らいをお願いしたいと思います。
#132
○小澤委員長 それは先ほどお答え申したとおりでございます。
 次会は公報をもってお知らせすることといたしまして、本日は、これにて散会をいたします。
   午後二時四分散会
ソース: 国立国会図書館
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