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1967/10/11 第56回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第056回国会 決算委員会 第3号
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1967/10/11 第56回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第056回国会 決算委員会 第3号

#1
第056回国会 決算委員会 第3号
昭和四十二年十月十一日(水曜日)
   午前十時四十九分開議
 出席委員
   委員長 鍛冶 良作君
   理事 吉川 久衛君 理事 小峯 柳多君
   理事 小山 省二君 理事 高橋清一郎君
   理事 佐藤觀次郎君 理事 華山 親義君
   理事 吉田 賢一君
      篠田 弘作君    菅波  茂君
      丹羽 久章君    水野  清君
      中村 重光君    安井 吉典君
      浅井 美幸君
 出席国務大臣
        農 林 大 臣 倉石 忠雄君
 委員外の出席者
        内閣総理大臣官
        房参事官    森 宏太郎君
        大蔵省主計局主
        計官      嶋崎  均君
        厚生省社会局長 今村  譲君
        農林政務次官  草野一郎平君
        農林大臣官房長 桧垣徳太郎君
        農林省農林経済
        局長      大和田啓気君
        農林省農地局長 和田 正明君
        農林省畜産局長 岡田 覚夫君
        農林省園芸局長 八塚 陽介君
        食糧庁長官   大口 駿一君
        食糧庁業務第一
        部長      馬場 二葉君
        会計検査院事務
        総局第四局長  鈴木 治久君
        農林漁業金融公
        庫総裁     大澤  融君
        専  門  員 池田 孝道君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和四十年度一般会計歳入歳出決算
 昭和四十年度特別会計歳入歳出決算
 昭和四十年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和四十年度政府関係機関決算書
 昭和四十年度国有財産増減及び現在額総計算書
 昭和四十年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (農林省所管農林漁業金融公庫)
     ――――◇―――――
#2
○鍛冶委員長 これより会議を開きます。
 昭和四十年度決算ほか二件を一括して議題といたします。
 農林省所管及び農林漁業金融公庫について審査を行ないます。
 まず、農林政務次官より概要説明を求めます。草野農林政務次官。
#3
○草野説明員 農林省所管の昭和四十年度歳入歳出決算について概略を御説明申し上げます。
 まず、歳入につきましては、収納済み歳入額は一般会計において二百一億二千七百余万円、食糧管理特別会計各勘定合計において二兆四千五億九千三百余万円、国有林野事業特別会計各勘定合計において千二百二十億千二百余万円、農業共済再保険特別会計各勘定合計ほか七特別会計の総合計において七百八十五億三千八百余万円となっております。
 次に、歳出についてでありますが、支出済み歳出額は一般会計において三千九百六十七億七千六百余万円、食糧管理特別会計各勘定合計において二兆三千九百三十億九千余万円、国有林野事業特別会計各勘定合計において千百八十五億八千八百余万円、農業共済再保険特別会計各勘定合計ほか七特別会計の総合計において六百十七億三千九百余万円となっております。
 これらの経費は、農業の生産性の向上と総生産の増大、農業生産の選択的拡大、農業構造の改善と農業の近代化の推進、農産物の流通合理化、加工及び需要の増進並びに輸出振興、農産物の価格安定と農業所得の確保、農業資材の生産流通の合理化及び価格の安定、農業経営担当者の養成確保と農業従事者の就業促進及び福祉の向上、農業団体の整備強化、林業の振興、水産業の振興、農林漁業金融公庫資金の拡充、その他農業災害補償制度、災害対策公共事業、食糧管理、農業共済再保険、国有林野事業等の諸事業の実施に使用したものであります。
 次に、これらの事業のおもなものについて御説明申し上げます。
 まず第一に、農業の生産性の向上と総生産の増大といたしましては、支出済み歳出額は千二十五億七千二百余万円であります。
 農業基盤の整備といたしましては、生産の選択的拡大の方向に即し計画的に事業を実施いたしました。まず土地改良事業につきましては、堰堤工事、用排水路等の工事を国営かんがい排水事業として百十七地区実施いたしましたほか、都道府県営土地改良事業七百五十七地区、団体営土地改良事業二千九十五地区のかんがい排水、畑地かんがい、暗渠排水、農道、客土、圃場整備等の事業と、本年度新たに設けられた農林漁業用揮発油税財源の身がわり事業として、農業用道路整備事業二百七十五地区の事業について助成いたしました。
 また、愛知用水公団事業につきましては、愛知用水事業の施設管理とあわせて鶴川用水事業に助成するとともに、水資源開発公団が行なう群馬用水及び印旛沼開発事業を前年度に引き続き実施し、本年度新たに設けられた利根導水路事業についても助成いたしました。
 干拓事業につきましては、農業の経営規模の拡大をはかるとともに、国土の造成及び保全に資するため、干拓堤防、干拓地の道路、水路等の建設工事を国営二十九地区、代行二十三地区について実施いたしましたほか、県営事業五十地区につき助成いたしました。
 農用地開発事業のうち、開拓事業につきましては、新振興対策関連の建設工事と開墾作業等の促進を重点に、国営六十一地区、代行二百四十五地区の事業と、農家の経営規模の拡大、成長農産物を主体とする営農の伸長、農産物需給の動向に即応した耕地面積の確保をはかるための開拓パイロット事業国営十九地区、都道府県営百九十四地区、団体営百八地区の事業を推進いたしました。
 また、農地開発機械公団に対しましては、建設機械の購入、更新等の経費に充てるため、九千万円の出資を行ないました。
 なお、八郎潟新農村建設事業につきましては、八郎潟中央干拓地にモデル的な新農村を建設するため、新たに八郎潟新農村建設事業団を設立して二億円の出資を行ない、同事業団に農地整備、公共施設、入植者に対する営農訓練施設等の造成を実施させることとして助成をいたしました。
 特定土地改良工事特別会計の事業につきましては、国営かんがい排水事業、直轄及び代行干拓事業等につき引き続き工事の進捗をはかり、一般会計からの繰り入れ、借り入れ金等を加えて実施し、その支出済み歳出額は、二百九十二億九千四百余万円でありまして、特に八郎潟干拓事業につきましては、中央干拓の干陸を推進し、地区内工事を実施いたしました。
 次に、試験研究事業及び技術の普及事業等といたしましては、まず試験研究事業につきましては、農林水産業の近代化に必要な技術的基礎を強化するため、試験研究機関の運営費の充実、特別研究の推進及び研究用機械、施設の整備を行ないましたほか、種苗の保存導入のために必要な施設及び冷害対策に資するための施設等の新設を行ないました。また、都道府県試験研究機関に対する助成について、指定試験事業及び総合助成の方式の改善を行ないましたほか、総合実験農場の増設を行ないました。
 技術の改良普及につきましては、農業改良普及事業及び生活改善普及事業について、最近の農業事情の変化に即応して普及事業の効率化をはかるため、普及所の管轄区域を広域化する等普及体制を整備するとともに、生活改善普及職員の増員をはかったほか、機動力の増強、普及員研修施設の設置等につき助成を行ないました。
 畜産経営技術の指導事業につきましては、畜産技術の向上及びその普及をはかるため、前年度に引き続き畜産研修事業の強化、畜産コンサルタントによる効率的集団指導の推進、畜産新技術開発実験施設と畜産経営モデル施設の設置に対して助成を行ないました。
 蚕糸技術の改良普及事業につきましては、蚕業改良指導員及び嘱託蚕業普及員に対する人件費の助成並びにこれら普及職員の研修の拡充強化を行なうとともに、新たに蚕業改良指導員の普及活動の効率化をはかるため、機動力の充実につき助成を行ないました。また、前年度に引き続き主要養蚕県に蚕業研修センターを設置して蚕業技術及び養蚕経営の高度化をはかりました。
 農業改良資金制度につきましては、技術導入資金の貸し付けワクの拡大をはかるほか、農家生活改善資金及び農業後継者育成資金につき農林漁業用揮発油税財源身がわり事業として、これに必要な資金を助成し、貸し付けワクの大幅な拡大をはかりました。
 開拓地の営農振興といたしましては、開拓地の振興対策として既入植者の営農安定と生活環境の整備を重点に実施し、開拓者資金融通特別会計から四十三億三千四百余万円の資金を貸し付けました。また、開拓者の離農援助を充実するとともに、新たに集乳冷却施設の助成、中央開拓融資保証協会の利用増大に備えるため、同協会に二千七百万円の出資を行ないました。
 第二に、農業生産の選択的拡大といたしましては、支出済み歳出額は七十五億七千三百余万円であります。
 畜産の生産振興対策といたしましては、畜産経営の基礎となる飼料生産基盤を整備し、飼料自給度の向上をはかるため、草地改良事業を拡大実施するとともに、新たに農地開発機械公団に建て売り方式による共同利用模範牧場の設置事業を実施させたほか、飼料作物の生産施設等に対し助成を行ないました。
 また、酪農の安定的発展をはかるため、新たに国の定める指針に即し、都道府県及び市町村に酪農近代化計画を樹立させるための調査を行なうとともに、乳用雌子牛の集団育成事業に対して助成したほか、新たに国の種畜牧場の一部を活用し、優良雌子牛の育成を大規模に実施いたしました。さらに、実畜の導入及び改良増殖、家畜衛生対策の推進並びに国の種畜牧場の施設整備等を実施し、畜産農家の振興と生産性の向上に積極的に寄与いたしました。
 園芸の振興対策といたしましては、果樹農業の生産振興につきまして、果樹園経営の集団化を促進し、果樹農業の生産性の向上をはかるため、農林漁業金融公庫の果樹植栽育成資金の融資ワクを五十億円に拡大したほか、新たに国内ブドウ作農家の経営合理化をはかるための醸造用ブドウ生産合理化パイロット事業及びリンゴ品種更新のための苗木共同養成事業に助成するとともに、果樹農業機械化研修施設を設置するための調査及び苗木の養成等を行ないました。また、引き続き果樹園造成用ブルドーザーの導入等につき助成いたしました。
 野菜花卉の生産振興につきましては、今後、需要の増大が見込まれる野菜の生産の安定的増大とその生産性の向上をはかるため、野菜指定産地制度についてその対象品目に白菜を、対象地域に北九州地域を加え、追加指定産地に対して生産合理化施設の導入につき助成したほか、加工用トマトの共同育苗圃の設置等について助成いたしました。
 甘味資源作物の生産振興につきましては、甘味資源特別措置法に基づき、てん菜及びサトウキビの生産振興をはかるとともに、でん粉原料用カンショ及びバレイショの生産合理化を推進してまいりました。
 てん菜につきましては、集団省力栽培推進のための栽培用機械の導入等につき助成したほか、新たに奨励品種決定調査及び日本てん菜振興会の運営費について助成いたしました。なお、北海道につきましては、てん菜生産振興のための土地改良事業を拡充し、所要の畑地土地改良事業につき助成いたしました。
 種子島、屋久島等南西諸島におけるサトウキビにつきましては、引き続き土壌改良のためのトラクターの導入等につき助成するとともに、新たに矮化病対策等として国立サトウキビ原原種農場を設立して健苗の供給確保をはかることとしたほか、サトウキビ生産振興のための土地改良事業につき助成いたしました。
 また、でん粉用カンショ、バレイショにつきましては、引き続きカンショ、バレイショ種苗対策事業及びカンショ栽培合理化推進実験集落の設置等に助成したほか、新たに省力機械化栽培の普及等をはかるための原料用バレイショ栽培合理化実験集落等に助成いたしました。
 米麦等の生産合理化につきましては、主要農作物の優良種子の確保、地力保全、植物防疫事業を引き続き実施するとともに、圃場条件の整備された地区において、大型機械を中心とする高度な集団栽培方式の普及をはかるため、新たに高度集団栽培促進事業を推進いたしましたほか、前年度に引き続き米麦生産流通合理化モデルプラントの設置に対して助成し、米麦等の生産及び流通の合理化をはかりました。
 以上のほか、特用作物の生産振興につきましては、引き続き優良種苗の確保につき助成するとともに、落花生及び茶のほか、新たに亜麻、ハッカ及び畑作なたねの省力機械化栽培のための助成をいたしました。また、養蚕生産の合理化につきましても、機械力の導入による近代的な養蚕経営を確立するため、新たに養蚕協業機械化実験組合の設置につき助成したほか、蚕の上蔟方法を省力化するため、前年度に引き続き自然上蔟指導集落の設置につき助成し、生産性の向上をはかりました。
 第三に、農業構造の改善と農業の近代化の推進といたしましては、支出済み歳出額は百八十八億六千五百余万円であります。
 農業構造改善事業につきましては、事業実施の推進体制の強化をはかるとともに、一般事業地区を増加する等事業の一そうの促進をはかりましたほか、新たに農業経済圏育成事業計画の樹立に着手いたしました。
 農業機械化の促進につきましては、土層改良用、重粘土土層改良用の大型トラクター、収穫作業の機械化推進のためのコンバイン、ドライヤー等の導入、ヘリコプターの農林水産業への利用を促進するための利用調整、乗員養成、 ヘリコプターの設置等につき助成を行ないましたほか、農業機械化研究所に対し追加出資及び運営費の助成を行ないました。
 農業近代化資金融通制度につきましては、本年度における農業近代化資金の融資実績は、五百九十億円に達し、前年度に比較して八十七億円の増加を示しました。
 本年度の財政措置といたしましては、融資ワクを拡大し、都道府県が行なう農業近代化資金利子補給事業に対し、補助金として十九億八千余万円の助成を行ない、さらに、農業近代化資金の債務保証を行なう都道府県農業信用基金協会に対する出資補助金及び農業近代化資金取り扱い事務費補助金を都道府県に交付しました。また、農業近代化資金の借り受け資格者及び融資対象の範囲の拡大等を行ない、本制度の整備拡充をはかりました。
 第四に、農産物の流通合理化、加工及び需要の増進並びに輸出振興といたしましては、支出済み歳出額は五十二億六千余万円であります。
 農産物の流通改善対策につきましては、まず、家畜及び畜産物のうち、食肉について、食肉センター、食鶏出荷合理化施設の設置並びに家畜市場の再編整備等に対する助成を引き続き実施するとともに、新たに鶏卵取引の合理化に資するため、鶏卵規格取引促進施設の設置に対して助成し、食肉取引の近代化と小売り業者の経営の合理化等をはかりました。また、生乳流通の改善合理化をはかるため、集送乳路線の整備を計画的に実施いたしました。さらに、国内産牛乳の消費の安定的拡大等をはかるため、学校給食用牛乳供給事業に対する助成を行なうため、畜産振興事業団に三十五億円の交付金を交付いたしました。
 青果物の流通改善対策につきましては、引き続き自主的な出荷調整を促進するための流通改善協議会を開催したほか、大消費地域への野菜の安定的供給の確保をはかるための指定産地制度につきさきに申し上げたとおりその拡充をはかるとともに、新たに野菜の需給見通し及び指定産地経営改善計画の樹立に助成いたしました。また、キャベツ及びタマネギの生産安定資金制度を維持するために必要な追加資金の造成に助成いたしました。
 以上のほか、生鮮食料品の流通改善対策の一環として、中央卸売り市場の開設整備計画に基づき、その開設及び整備の拡充をはかるため、東京都ほか十五都市について施設の整備につき助成を行なったほか、新たに地方卸売り市場に対する行政の基本的方向づけのための調査を行ないました。
 農産物の加工及び需要の増進につきましては、農林関係企業の経営の合理化を促進するため、その実態を調査して中小企業近代化計画を策定し、積極的な指導等を行なうとともに、日本農林規格の普及を推進するための指導及び日本農林規格協会の行なうJASに関する宣伝普及事業に対する助成を引き続き行ないました。また、このほか農産物加工企業の合理化に資するため企業合理化試験研究費の助成を行ないました。
 農産物の輸出振興につきましては、輸出貿易の健全な発達に寄与するため、輸出農林畜水産物の検査事業を実施いたしましたほか、海外における生糸の消費宣伝及び調査活動を強化するため、日本絹業協会に対する助成を増額するとともに、輸出生糸の検査事業の充実をはかりました。
 第五に、農産物の価格安定と農業所得の確保といたしましては、支出済み歳出額は千二百八十二億二千四百余万円であります。
 まず、食糧管理、農産物価格安定及び甘味資源対策の各事業につきましては、農家経済と消費者家計の安定とを目的としてその制度を運営していることから、その運営の健全化をはかるために、一般会計から食糧管理特別会計に対し、調整資金として千二百五億円を繰り入れ、この調整資金の取りくずしによって食糧管理勘定に生ずる損失額を処理することといたしました。
 さらに、農産物等安定勘定に六億五千九百余万円、砂糖類勘定に五十二億六千三百余万円の繰り入れを行ないまして、それぞれ農産物等及び砂糖類の売買により生ずる損失を補てんすることにいたしました。
 国内産大豆及びなたねの保護対策につきましては、本年度は四十年産なたね三万九千トンにつき交付金を交付しました。
 このほか、輸入にかかる砂糖の価格調整並びに国内産糖及び国内産ブドウ糖の価格支持のための砂糖及びブドウ糖の買い入れ及び売り戻しの業務を行なう糖価安定事業団に対して、同事業団の業務運営に必要な経費に対し助成するとともに、てん菜糖十四万トン、カンショ糖五万九千トンの買い入れ及び売り戻しの対価の差額の一部を交付金として交付いたしました。
 次に、畜産物の価格安定につきましては、畜産振興事業団の行なう価格安定業務の円滑な実施をはかるため、同事業団に三億円の追加出資を行ないました。
 また、糸価安定特別会計につきましては、保有生糸の売り渡し等により繭糸価格の安定をはかりました。
 第六に、農業資材の生産流通の合理化及び価格の安定といたしましては、支出済み歳出額は三十六億八千四百余万円であります。
 肥料及び飼料の品質を保全し、その公正な取引を確保するため、肥飼料検査所において肥料の検査取り締まり及び指定飼料の検査を実施するとともに、肥料の需給及び価格の安定に資するため、硫安の生産費調査及び肥料の卸、小売り市況調査を行ないましたほか、農薬検査所において農薬登録のための検査事業を、動物医薬品検査所において指定医薬品の国家検定等をそれぞれ継続実施し、品質保持につとめました。
 また、流通飼料につきましては、需給及び価格の安定をはかるため、政府操作飼料に従来の品目のほか、新たにトウモロコシを加え、これら輸入飼料の買い入れ、保管及び売り渡しにより生ずる損失を補てんするために、一般会計から食糧管理特別会計へ三十四億円の繰り入れを行ないましたほか、地域的に飼料の需給安定と生産及び流通の合理化をはかるための調査を行ないました。
 第七に、農業経営担当者の養成確保と農業従事者の就業促進及び福祉の向上といたしましては、支出済み歳出額は十八億四千余万円であります。
 農業近代化推進のにない手となる農業経営者の養成につきましては、経営伝習農場等の研修施設の整備を促進するとともに、新たに農業専修学園及び地域営農研修施設の設置について助成いたしました。また、ラジオ農業学校、自営者冬季学校等農村青少年の集団活動に対する助成を拡充するほか、農村青壮年を海外に派遣しました。
 このほか、農業改良資金のうち、農業後継者育成資金の資金ワクを大幅に拡大いたしました。
 農業従事者の就業促進につきましては、農家労働力対策事業を実施し、農業委員会組織による協議会の開催等に対して助成をしましたほか、農業移住促進事業に対して助成を行ないました。
 農業従事者の福祉の向上につきましては、すでに述べましたように生活改善普及事業の充実をはかるとともに、農業改良資金のうち、生活改善資金の貸し付けワクを大幅に拡大いたしましたほか、農山漁村電気導入事業及び農山漁村同和対策事業を引き続き実施いたしました。また、新たに山村の振興に必要な基本調査を実施し、これに必要な経費につき助成を行ないました。
 離島振興につきましては、離島振興法に基づく離島の振興対策事業として、農業基盤整備事業のほか、治山、造林、林道、漁港修築、海岸及び電気導入の各事業に助成いたしました。
 第八に、農業団体の整備強化につきましては、支出済み歳出額は二十二億八千四百余万円であります。
 農業委員会等の活動を促進するための指導援助を強化するとともに、農業協同組合の合併を積極的に推進したほか、農林漁業団体職員共済の給付内容の改善を行ないました。
 また、開拓農業協同組合の事務処理体制の補強をはかるとともに、前年度に引き続き土地改良区の財政再建方策の指導を行ないました。
 第九に、林業の振興といたしましては、支出済み歳出額は二百七十六億四千二百余万円であります。
 治山事業につきましては、治山事業長期計画の実施に伴い、国有林野事業特別会計の治山勘定に百三十一億九千四百余万円を繰り入れて実施したほか、林道事業、造林事業、林業構造改善対策事業、保安林整備管理事業、森林計画樹立事業、林業普及指導事業、林産物生産流通改善対策事業等について、それぞれ助成いたしました。
 林業構造改善対策事業は、前年度に地域指定をしました地域のうち、九十一地域について初年度事業の実施に着手し、今後計画的に推進することといたしております。
 また、別途に森林開発公団による水源林造成事業のため三十二億円、融資造林の拡充をはかるため、農林漁業金融公庫に対し八億円の政府出資を行ないました。
 第十に、水産業の振興いとたしましては支出済み歳出額は百五十億八千八百余万円であります。
 沿岸漁業及び中小漁業の近代化につきましては、沿岸漁業構造改善対策事業として経営近代化促進対策事業、漁場改良造成事業を実施し、また、カツオ・マグロ漁業等について経営の実態調査及び改善指針の策定を行なうとともに、漁況海況予報事業を実施しましたほか、国立水産研究所及び水産大学校の整備充実を促進し、さらに、都道府県水産試験場の試験調査に対する助成、水産業改良普及事業の強化、漁村青壮年育成対策事業及び内水面漁業振興対策事業等について助成を行ないました。
 水産物の流通対策につきましては、主要生産地における冷蔵庫、冷蔵運搬船、水産加工施設等の事業及び生鮮魚類容器改善事業、冷凍魚普及宣伝事業に対し、前年度に引き続き助成を行なうとともに、新たに農山村地帯における農協が冷凍ショーケースを設置する事業について助成を行ないました。
 漁業生産基盤の整備につきましては、第三次漁港整備計画に基づき漁港修築等を重点的に実施することとし、特に内地の第一種及び第二種漁港の補助率を引き上げ、これに対する助成を行ないましたほか、大型魚礁設置事業を前年度に引き続き実施し、新たに農林漁業用揮発油税財源の身がわり事業として漁港関連道の整備事業及び浅海漁場の大規模な開発のための調査を実施いたしました。
 水産資源対策につきましては、瀬戸内海栽培漁業センターの設置及び運営、北海道サケ・マスふ化場の事業の拡充強化、内水面重要資源の維持培養等のための助成、国際漁業交渉に対処するため、前年度に引き続き生物調査を実施しましたほか、新たに水質汚濁防止のための調査を実施しました。
 海外漁場の開発につきましては、新漁場開発調査のための大型調査船の建造に着手するとともに、オーストラリア周辺海域の調査を行ないましたほか、海外漁業基地における漁船乗組員と現地住民との接触を円滑化するため、海外駐在員の設置に対して助成いたしました。
 第十一に、農林漁業金融公庫資金の拡充につきましては、前年度に引き続き農林漁業の生産力の維持増進に必要な長期かつ低利の資金の融通を促進し、この結果本年度の貸し付け決定の総額は約千百億円となっております。
 また、本年度におきましては、農業構造改善事業推進資金の貸し付け対象事業範囲の拡大、林業構造改善事業に必要な融資制度の設置等公庫資金の融資内容の改善簡素化を行ない、資金融通の円滑化をはかった次第であります。
 なお、本年度の貸し付けの原資につきましては、国の財政事情から出資金の節減が行なわれ、借り入れ金の増大を見るに至っております。このため、農林漁業金融公庫の収支の均衡をはかる必要がありましたので、一般会計から補給金として、八億九千七百余万円を交付いたしました。
 第十二に、農業災害補償制度につきましては、支出済み歳出額は二百五十七億三千余万円であります。
 農業保険費の当初予算額は、二百二億八千余万円でありましたが、四十年産水稲及び陸稲等の風水害、冷害等による異常災害の発生に伴う再保険金支払い財源の不足補てん等のため、五十四億四千九百余万円の補正追加を行ないました。
 第十三に、災害対策公共事業の推進といたしましては、支出済み歳出額は三百十二億千余万円であります。
 災害による国土の荒廃を防止するため、係におきましては、海岸保全事業として国営三地区を実施しましたほか、県営百六十地区につき助成しました。
 漁港関係におきましては、海岸保全事業として百六十六港の継続工事、九十七港の新規着工の工事につき助成しましたほか、チリ地震津波対策事業につき助成しました。また、災害復旧事業及び災害関連事業につきましては、農業、林業、漁港関係を含め、三十七年災は一〇〇%、三十八年災は八六%から一〇〇%、三十九年災は六七%から一〇〇%まで、四十年災については、補正予算及び予備費をもってそれぞれ所定の事業進度を達成いたしました。
 最後に、農林省所管の主要特別会計の各事業といたしましては、食糧管理特別会計の事業の国内米については、買い入れ予定七百五万トンに対し、実績は七百十七万トン、売り渡し予定六百六十八万トンに対し、実績は六百六十六万トン、国内麦については、買い入れ予定百四万トンに対し、実績は百二十一万トン、売り渡し予定百二万トンに対し、実績は百四万トン、輸入食糧については、買い入れ予定外米百六万トン、外麦二百六十七万トンに対し、実績は外米百七万トン、外麦二百六十三万トン、売り渡し予定外米九十七万トン、外麦二百四十四万トン、小麦粉十七万トンに対し、実績は外米九十五万トン、外麦二百四十三万トン、小麦粉十七万トン、農産物等については、カンショでん粉及びバレイショでん粉の買い入れ予定七万六千トンに対し、実績は五万三千トン、売り渡し予定はありませんでしたが、実績は九万トン、砂糖類については、てん菜糖、甘庶糖、ブドウ糖及び沖繩甘庶糖の買い入れ予定八万一千トンに対し、実績は二十万一千トン、売り渡し予定十二万九千トンに対し、実績は三十二万四千トン、輸入飼料については、大麦、小麦及びふすま等の買い入れ予定百七十七万トンに対し、実績は百五十九万九千トン、売り渡し予定百七十六万五千トンに対し、実績は百五十一万六千トンとなっております。
 次に、農業共済再保険特別会計の農業勘定につきましては、四十年産水稲及び陸稲等の異常災害の発生に伴う再保険金支払い財源の不足補てん等のため、三十億五百余万円の補正追加を行ない、また、同勘定再保険金支払い財源として予備費十三億八千五百余万円を使用し、支出済み歳出額は百七十一億六千余万円となりました。なお、一般会計から同勘定へ受け入れた再保険金支払い財源不足補てん金は、本年度受け入れ分十六億三千百万円を加え、累計百九十四億二千五百余万円となっております。
 また、家畜勘定につきましては、支出済み歳出額は二十億八千三百余万円であります。
 国有林野事業特別会計の国有林野事業勘定につきましては、立木及び素材の売り払いのほか、林道事業、造林事業、治山事業及び官行造林事業等を実施するとともに、民有保安林の買い入れを行ないました。また、この勘定の特別積み立て金を取りくずし、林業振興のための財源として一般会計へ四十五億円の繰り入れを行ない、林業施策の進展をはかりました。
 治山勘定につきましては、民有林地内の復旧治山、予防治山、防災林造成、保安林整備、特殊緊急治山及び地すべり防止事業等を実施いたしました。
 以上、昭和四十年度のおもな事業の概要について御説明申し上げましたが、これら事業の執行につきましては、いやしくも不当な支出や非難さるべきことのないよう常に経理の適正なる運営について、極力意を用いてまいりましたが、昭和四十年度決算検査報告において、なお不当事項として相当の件数の指摘を受けておりますことは、まことに遺憾に存じます。
 今後とも指導監督を徹底いたしまして、事業実施の適正化につとめる所存であります。
 何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。
#4
○鍛冶委員長 次に、会計検査院当局より検査の概要説明を求めます。鈴木会計検査院第四局長。
#5
○鈴木会計検査院説明員 このたび会計検査院第四局長を拝命いたしました鈴木でございます。何とぞよろしくお願い申し上げます。
 昭和四十年度農林省所管決算検査報告の概要につきまして御説明申し上げます。
 昭和四十年度決算について指摘いたしましたものは、工事関係二十一件、五千二百余万円、物件関係一件、七百余万円、保険関係十四件、一億四千三百余万円、補助金関係百二十件、三億九千余万円、計百五十六件、五億九千四百余万円でございます。また災害復旧事業に対しまする早期検査の結果、補助金の減額を要するものと認めましたものが二億六千九百余万円ございます。
 ただいまから、検査報告に記載してございます順序に従いまして簡単に御説明申し上げます。
 まず工事について申し上げますと、百三十五号から百三十八号まで及び百五十五号の五件が工事の施行にあたりまして設計または予定価格の積算が適切を欠いたりしたなどのために、ひいて工事費が高価となっていると認められるものであります。
 百三十九号から百五十四号までの十六件は、工事の施行にあたり監督及び検査が適切でなかったためコンクリート堰堤等の工事の施行が設計と相違いたしまして、その強度が設計に比べて低下していると認められるものでありまして、監督、検収の充実強化など、適切な処置を講ずることが緊要と認めます。
 次に物件について申し上げます。
 百五十六号は自作農創設特別措置特別会計に所属する財産の管理が適切を欠いていると認めるものでございます。
 次は保険でございますが、百五十七号から百六十六号の十件は、農業共済保険事業の運営が適切でないという事態でございます。このような事態につきましては、毎年度の検査報告に掲記してその適正をはかるように注意を促しているところでございます。
 百六十七号から百七十号までの四件は、漁船再保険金を過大に支払っているという事態でございます。
 次に補助金でございますが、百七十一号から二百七十二号までの百二件はいずれも公共事業関係のものでありまして、工事の施行が不良となっているもの、出来高が設計に比べて不足しているものというような事態でございまして、指摘金額が昨年に比べ減少いたしておりますが、これはこのような事例を毎年度の検査報告に掲記して注意を促しましたし、また四十年、これらの不当な事態の発生を防止するため、適切な処置を講ずるよう改善の意見を表示したところでもありまして、関係御当局の努力の結果によるものでございますが、なお今後一そう指導、監督の強化徹底をはかるなど、工事の適正な施行について配慮の要があると認めるものでございます。
 二百七十三号から二百八十九号までの十七件は、公共事業関係を除きます一般補助金の関係のものでございますが、事業費を過大に精算しているものなどでございます。このうち二百八十九号は、都道府県が国からの農業改良資金助成補助と、自己資金を財源とする農業改良資金関係の貸し付け金に対するものでございまして、借り受け者に対し、本制度の趣旨を十分徹底させていないというふうなことなどのために、借り受け者が事業を全く実施しないで保有していたりして、都道府県の貸し付け金の運営が適切を欠き、ひいて補助金が所期の目的に反して使用されている事態でございまして、関係当局の改善方を期待するところでございます。
 また二百九十号は、昭和四十年発生災害復旧工事の査定を了したものに対しまして、早期検査を行ないました結果のものでございますが、指摘金額が昨年に比べ大幅に減少いたしております。これは毎年度の検査報告に掲記いたしましたと同時に、四十年の改善意見を表示いたしましたが、これに対しましての関係御当局の努力の結果によるものと言えるものでございます。しかしながらなお一そう体制の強化をはかるなど関係当局の特段の努力を期待しているところでございます。
 次に改善の意見を表示した事項について申し上げます。
 改善の意見を表示いたしましたものは三件でございます。
 八七ページの(1)号は、国営かんがい排水事業の施行が全般的に遅延しており、このため計画した事業効果の発現がおくれ、投資効率が低下して不経済な結果を来たしているものが多数見受けられましたので、改善の意見を表示しましたものであり、また九六ページの(2)号は、国営干拓建設事業の施行につきましては、本事業が農耕用地を造成するため干拓の工事を施行するものでありますのに、多数工場用地等に転用処分され、中には売却処分に至らないまま遊休して、不経済な事態となっているものがありましたので、改善の意見を表示したものでございます。
 次の九八ページの(3)号は、国有林野の交換につきまして、交換による林野の取得が計画的でなかったり、また渡し財産の価格の評定が適切を欠いていると認められるものがありましたので、これらについて改善の意見を表示したものでございます。
 不当事項または改善の意見を表示した事項のほか、今後予算の執行等にあたりまして留意を要すると認めましたものは、農業構造改善事業等の補助事業により取得した施設機械について、取得後の管理活用にも十分注意し、事業効果が発揮されるように配慮する必要があると認めるもの、輸入麦類の包装麻袋について、需給事情を的確に把握して、なるべく経済的に使用するよう配慮する必要があると認めるもの、国内米の運送について、俵、かますより軽量な麻袋包みのものが逐年増加していることに即応いたしまして、適切な運送諸掛かりを算定するよう配慮する要があると認めるものでございます。
 最後に、昭和四十年中改善の意見を表示し、昭和三十九年度決算検査報告に掲記いたしました地方拓植基金造成費補助金に関するもの、及び農業改良資金助成補助金を財源とする技術導入資金の運営に関するもの、及び補助工事の施行及び災害復旧事業費の査定に関するもの、並びに輸入飼料の売り渡しに関する事項につきまして、その後の是正改善の処置状況を一〇四ページ以下に記載してございます。
 以上、簡単でございますが、昭和四十年度決算検査報告の概要の説明を終らせていただきます。
#6
○鍛冶委員長 次に、農林漁業金融公庫当局より、資金計画、事業計画等について説明を求めます。大澤農林漁業金融公庫総裁。
#7
○大澤説明員 農林漁業金融公庫の昭和四十年度の業務の概況につきまして、御説明申し上げます。
 まず、昭和四十年度の収入支出決算について御説明いたします。
 昭和四十年度における収入済み額は二百二十六億三千八百万円余、支出済み額は二百十八億八千二百万円余でありまして、収入が支出を超過すること七億五千六百万円余となっております。
 以下、これを収入、支出の部に分けて御説明いたしますと、まず収入の部におきましては、本年度の収入済み額は二百二十六億三千八百万円余でありまして、これを収入予算額二百二十二億八千八百万円余に比較いたしますと、三億五千万円余の増加となっております。
 この増加いたしましたおもな理由は、貸付金利息の収入及び運用収入が予定より多かったためであります。
 次に、支出の部におきましては本年度の支出予算現額二百二十三億一千五百万円余に対し、支出済み額は二百十八億八千二百万円余でありまして、差し引き四億三千五百万円余の差額を生じましたが、この差額は全額不用となったものであります。
 この不用額を生じましたおもな理由は、委託金融機関に対する手数料及び借入金利息の支払いが予定より減少したためであります。
 次に、昭和四十年度における損益について申し述べますと、本年度の総益金二百四十億三千三百万円余に対し、総損失は二百二十九億九千七百万円余でありまして、差し引き十億三千六百万円余の償却引き当て金繰り入れ前利益をあげましたが、これを全額滞貸償却引き当て金及び固定資産減価償却引き当て金に繰り入れましたため国庫に納付すべき利益はありませんでした。
 次に昭和四十年度の貸し付けの概要について御説明いたします。
 昭和四十年度中における貸し付け決定総額は一千九十八億七千七百万円余で、前年度に比し八十五億七百万円余の増加となっております。
 これを業種別に申し上げますと、農林漁業経営構造改善四百二億五千三百万円余、農業構造改善(土地基盤整備)四十億一千万円余、土地改良二百九十六億四千六百万円余、林業九十七億四千三百万円余、漁業七十六億四千九百万円余、共同利用施設、新規用途事業及び乳業六十一億九千八百万円余、自作農維持九十億三千二百万円余、その他三十三億四千二百万円余となっております。
 以上貸し付け決定状況につきまして御説明申し上げましたが、これに対しまして四十年度の貸し付け回収実績は三百六十三億二千二百万円余で、前年度の回収実績に比較いたしますと六十九億八千七百万円余の増加となっております。
 この結果、昭和四十年度末における貸付金残高は四千五百六十億七千五百万円余となっております。
 次に、昭和四十年度の貸し付け資金の概要について御説明いたしますと、本年度における貸し付け資金の交付額は一千一億六千六百万円余でありまして、これに要した資金は、政府の一般会計からの出資金八億円及び産業投資特別会計からの出資金五十六億円、資金運用部資金からの借入金七百六十三億円及び簡易生命保険及び郵便年金の積み立て金からの借入金十億円並びに貸し付け回収金等の百六十四億六千六百万円余をもって充当いたしました。
 以上が昭和四十年度農林漁業金融公庫の業務の概況であります。何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。
#8
○鍛冶委員長 これにて説明聴取を終わります。
    ―――――――――――――
#9
○鍛冶委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中村重光君。
#10
○中村(重)委員 ただいま昭和四十年度に実施してこられた諸施策について、その概要を政務次官から御説明を願ったわけです。続いて、会計検査院から、政務次官お聞きのとおりの決算上についての、これまた概要の説明を伺った。若干改善の方向は見受けられるけれども、依然として留意事項、不当事項、改善事項というものが多く指摘されておる。もちろん農林行政は非常に広範であり、複雑多岐でありますから、全然そうした事項について指摘を受けないということは私もあり得ないと思う。その点は理解できるわけでありますけれども、いま会計検査院からの報告を聞いておりまして、内容的にきわめて重大な指摘があるということ、たとえば農業近代化のために非常に重要である、中心的なものでありますところの構造改善事業等に対しまして、市町村に対し、あるいはまた組合に対して補助されたその補助金が正当に使われていない、実施した事業が働いていない、全然使用されていないし、また当初わずかの期間これを使用したけれども、あとはそのままこれを遊ばせておるといったような指摘があるわけです。こうした問題はきわめて重要な点ではなかろうかと私は思うのです。私は、三十九年度の農林省関係の決算審議に際しましても、こうした不当事項の指摘が非常に多い、この点に対しては十分に反省をし、このようなことが改められるように万全を期すべきではないかということを指摘をし、またいろいろとその考え方に対しましてもお尋ねをいたしてまいったところであります。四十年度のこの決算に際しまして、いま政務次官は会計検査院の説明をお聞きになったのではなくて、相当前からこれらの内容に対しましては明らかになっておったでありましょうし、御承知になっておったところであろうと思うのでありますが、これらの指摘事項というものが姿を消すために、その後どのような方策をおとりになったのか、まずその点に対して伺いまして、重要な指摘事項に対して二、三続いてお尋ねをしてみたいと思います。
#11
○草野説明員 中村委員からの御指摘の点、まことに農林省といたしまして遺憾に存じております。前年にも非常にたくさんの指摘を受けまして、農林省といたしまして細心の努力を払って何とかこれがゼロになるようにと思って努力いたしたのでありますが、前年よりも半数程度にとどまったということは、まだ努力が足りなかったのか、そこまで進んだのか、そう言ってしまえばおしかりを受けるでありましょうが、何ぶん農林省の事業というのが非常に零細な部分が相当多数にのぼっておるということが、件数を多くしている大きな原因になっておると思うのでありますし、同時にまた災害復旧などにおきまして、きわめて緊急のことでもあり、そうしたことが結果的にそういう事態を招いたことは、農林省の対策といたしまして十分でなかった点は当然でもございますが、なお今後改善しなければならぬ、努力しなければならぬ余地が相当残っておると思うのであります。つきましては、非常に注意もいたしまして、指摘を受けました事項については、手直しをやらせるとかあるいは補助金の返還を命ずるとか、それぞれ適切な措置はとっておるのでありますけれども、地方の農林省の出先及び都道府県等を通じまして、指導監督の体制を整備強化いたしますとともに、担当職員に対する指導研修あるいは業者選定等の適正化、こういったことに対して、事業実施の効率化と粗漏のない方法に不断の努力を傾けておるわけでございまして、こういった問題に、できればゼロになることを目標といたしましていま真剣な努力を続けておるところでございますが、なお前年に対してゼロにならずにこうした数の指摘を受けていることは、農林省としては実は遺憾に存じておる次第であります。
#12
○中村(重)委員 詳細にわたってお尋ねをすることは、時間的な制約がありますので、たいへん残念でありますけれども、本日はそれができないわけです。政務次官から概要説明の中に、いろいろ施策を講じられた内容として、開拓地の対策であるとかあるいは卵価安定の問題、干拓地の問題等々いろいろあげられたのでありますが、そうした政府がいろいろな施策を実施しながらなお農業生産というものがなかなか伸びない、いわゆる農業基本法にありますところの他産業との格差をなくするという方向ではなくて、むしろこの格差が開いておるということに対しましても、基本的な問題として反省をしていかなければならない点があるのではないかというふうに実は思うのであります。開拓地の問題にいたしましても、ここでは「開拓農業協同組合の事務処理体制の補強を図るとともに、」云々というようなことで、いろいろ施策を講ぜられた点をあげておられるのでありますけれども、そうした施策を講じながら、開拓者が非常な熱意を持って入植しながらどんどん離農をしておるという事実はどこに原因があるのであろうか。御説明がありましたように、ほんとうに開拓農というものを育成するために熱意を持って取り組んでおられるのであろうか。そうではなくて、むしろ開拓農業というものは生産があがらない、したがって離農をさせるという方向に進めておるというような点がなきにしもあらずだと私は思うのであります。もちろん、全面的にそれをやめさせようということではありますまい。だがしかし、開拓者の中におきましても小農的なものあるいは能率があがらないというようなものは離農をせしめるというふうなことをことさらやっている、ここに私どもが開拓地等に参りまして具体的な問題として考えさせられる点があるわけであります。
 きょうは、そういうような一つ一つの問題に触れることが実はできないのでありますが、卵価の安定の問題に対しましても私は非常にふしぎに思っておるところがあります。基金をおつくりになった。そして国は三分の一の支出をしておられる。関係の都道府県が三分の一出し、そして生産者が三分の一出しておるわけでありますが、そうなってまいりますと、公的機関から三分の二の資金というものが出資されて基金はできておる。ところが、この基金に加盟しておるものは総合農協のいわゆる鶏卵生産者ばかりであって、専門農協である日本養鶏組合に所属する生産者あるいは全鶏連に所属するところの生産者というものがなぜにこの基金に入れられないのであろうか。これは私はふしぎに思うのでありますが、政務次官自身もその点は首をかしげるところではなかろうかと思います。これは国が直接やっていない、基金協会のいわゆる基金の理事がやっておるのだということをよくいわれるのであります。だがしかし、農林省がこれを指導しておることに間違いございませんし、三分の一の資金を支出しておるというこの事実の上に立ちますならば、少なくとも養鶏業者は本人が希望する限り全部これに加盟をさせるということが当然ではなかろうかと思うのであります。そのような差別扱いをし、不当な処理をされるということは、私は独占禁止法上の問題点でもあろうと思うのであります。これらの不平等な扱い方をどのように是正しようとしておられるのであるか。仄聞するところによりますと、遠からず基金の理事会等を開いて、いまだ加盟が認められていないこれらの生産者を加盟せしめるべく農林省は指導しているとも伝えられておるのでありますけれども、必ずしもその点がはっきりしていないのであります。この点に対する明確な方針をこの際明らかにしておいてもらいたいと思います。
#13
○草野説明員 明確な答弁をせよということでございますから、御納得のいくようにひとつ畜産局長から答弁をいたさせます。
#14
○岡田説明員 ただいま御質問のございました鶏卵安定基金の問題でございます。御承知のように卵価の安定を目的といたしまして設立をいたした基金でございます。設立の当初主としてこれに関係いたしましたのが、全販連を中心といたします総合農協の連合会であったわけでございます。そういうことで、総合農協を中心として出発いたしたわけでございますけれども、定款には、全国的な規模におきまして調整販売をいたしますものはこれに加入できるというふうなことになっております。現在、お話のように日鶏連並びに全鶏連がこれに加入したいという申し込みをいたしておるわけでございますが、これにつきましては、基金を中心にいたしまして全国的な調整販売をどの程度行なっているかというふうな実態の調査をいたしまして、報告を取りまとめることにいたしておるわけでございます。その結果をもちまして、加入を認めるかどうかということになるわけでございますけれども、農林省といたしましては、単に総合農協だけでなくて、全国的に調整販売をいたしまして、卵価の安定に寄与するという団体については、広く門戸を開放すべきであるというふうな考え方で指導いたしておるわけでございまして、今後もそういう指導をいたしたいと考えておる次第でございます。
#15
○中村(重)委員 畜産局長は、この設立当初からの事情を御存じになっていないと思う。このために時間を多くとるわけにまいりませんから、私は承知をいたしておる点だけを指摘しておきます。
 少なくともこれは全販連の、もとの総合農協のみが設立当初これに参画をしたのでありません。都道府県もこの設立に対しては、全部農林省から招集され、あるいは、農林省は直接都道府県等の意見を徴してこの設立をはかられた。また日鶏連も、設立当初準備会に参加をしておる。にもかかわらず、どうしたことか、この日鶏連はこれに参加を認められなかったという事実があるのであります。初めあなたがお答えのとおりですよ。全販連のもとの総合農協の人たちだけが集まって、こういうものをつくろうじゃないかということで意見が一致してつくった。あとで専門農協である全鶏連も、あるいは日鶏連も、そんならわれわれも加盟させていただきたいんだ、そういう希望申し込みがあって、ならば広く門戸を開放するんだからさしてみようじゃないか、そういうことになっておるのであれば、私はこれは不当であり、不平等であると申しません。しかも、あなたが御承知のとおり、全販連と全鶏連との間には、飼料取引等の関係等々から、非常に感情的な対立がある。したがって、全販連は、日鶏連は入れたいけれども、全鶏連を入れるのにはちょっと、というような点があるんであります。しかし、そういう感情的な対立のために、少なくとも国が三分の一の資金を支出しながら、当初からこの設立に参加をしておるものを今日に至るまでこれに加盟させないということは、明らかにこれは不当であり、不平等な扱いである。いまあなたの御答弁のような、何にもなかったというようなことでなくて、事実は事実としてあなたもよく御承知になっていらっしゃる、私はそう思うのであります。あえてここでその真相をお答えにならなかっただけでありますから、私もあえてあなたから、続いてその真相について答えてもらおうとは思いません。最後に御答弁がありましたように、広く門戸を開放しなきゃならぬ、少なくとも不平等であってはならぬ、そういう考え方の上に立って、もっと積極的に、いわゆる理事会においてこれが加入を認めさせるという方向に指導をしていかなければならないのではないか、そのように思うのであります。ひとつあなたの決意だけでけっこうですから、お答えを願います。
#16
○岡田説明員 私といたしましては、定款の規定に従いまして、当然加入できるものにつきましては、これは加入を認めていくということで指導いたしてまいりたいというふうに考えております。
#17
○中村(重)委員 構造改善事業の問題であるとか、あるいは酪農の問題等についてもいろいろお尋ねしたいことばかりなんですが、現在、酪農の問題ということに対して、いわゆる明治であるとか、あるいは雪印であるとか、あるいは森永であるとか、こうした大乳業業者というものだけが保護される、いわゆる不足払い制度になっているのだ。だから、これらの問題に対しては、いまのように原料乳だけでなくて、不足払いは飲用乳までこれを拡大していくということでなければならぬということは、一般の酪農の農民の要求であり、願いであります。これらの点に対しても、農林省はそのことの必要性というものは認めておるのであろうと思うのでありますが、なぜに依然として原料乳だけを不足払いの対象にしておるのか。いまこれら乳業資本というものが、この不足払い制度を利用して、不当な利潤を上げておるという事実に対して、この公然の秘密になっておるということに対して、耳をいつまでもおおうておるということであってはならないと思うのでありますが、この点に対しても一応ひとつ考え方を明らかにしていただきたいと思います。
#18
○岡田説明員 ただいま御質問のございました不足払いの問題でございますが、御承知のように原料加工乳につきましては、価格条件が不利であるというふうな状態を補正をいたしますために、加工原料乳について、不足払いを行なうということになったのでございます。これは御承知のように、直接生産者に対する助成ということになるわけでございます。市乳につきましては、御承知のように、地域によりまして非常に価格が違っております。また取引条件その他も非常に違っておりまして、自由な取引によって、価格が形成されるべきものであるというふうに考えておるわけでございます。したがいまして加工原料乳につきましては、不足払い制度を実施いたしておるわけでございますけれども、市乳原料乳について、不足払いを行なうというふうな考えを現在持っておらないわけでございます。
#19
○中村(重)委員 いかにあなたがお答えになろうとも、この不足払い制度を悪用していいですか。保証価格と基準取引価格との間に、御承知のとおり、その差額は不足払いということで、国がこれを支出をしておる。ところが原料乳はそういう不足払い制度があるから非常に安い。飲用乳は非常に高い。だからして、原料乳として買い上げて、それをたとえば北海道から東京へ持ってきて、高い飲料用の牛乳として販売をしておるという事実は、これは隠すことのできないところなんでしょう。そうすると不足払い制度によって国から保証さして、それでもうかって、安く買い上げたものを高く売って、またそれでもうかるということが、今日公然と行なわれておるではありませんか。たとえばあなたがお答えのとおりです。また飲用の牛乳にまで不足払い制度を拡大するということに、時間的にいろいろと準備があるという点をある程度肯定するといたしましても、この不正な行為に対して、これをなくするというような措置が当然講じられなければならぬではありませんか。外国から粉乳が入ってくる。そして今度はまたなま乳とまぜて、これを学校給食用等に出しておる。これは異質のものだから、やはり人体にも相当の影響があるであろう。いろいろとあの手この手でもって、乳業資本というものはもうかっておる。ところが酪農農民というものはこれはしいたげられて、なかなか採算がとれない。ところで先般のように牛乳小売り価格を二円、三円と引き上げるというようなことで、乳業資本というものがもうけておるということに対して、それをほどほどにもうけさせ、そしてそうした酪農農民の生産意欲をさらに高めていくというような方向ではなくて、むしろ消費者にその犠牲を転嫁して、問題を解決しておるというのが今日の姿ではありませんか。なぜにこういうようなことに対してもっと農林省畜産局は積極的な対策を講じないのか。不正防止のためにもほんとうに国民があるいは酪農農民が納得するような措置を講じられないのであろうか、私は全くふしぎに思うのであります。ある人は、これは口の悪い言い方でございましょうが、現在の農林省の畜産局は乳業資本の畜産局だというような非難があるということ、これは私が言うのではなくて、多くの国民の声をあえて申し上げておるのでありますけれども、それらの点に対しては反省をし、これらの不正不当なやり方を是正をするというための当然あなたのほうにおいては決意がなければならぬと思う。
 時間の関係から続いて私は申し上げますけれども、この不足払い制度というものが、一元集荷多元販売というので、酪農農民並びに消費者を保護するという方向である。ところが、これらの乳業資本が生産地を非常に撹乱をさせて、生産農民を分裂をさせて、一元集荷でなくていわゆる多元集荷というような方向に現実にあるということをあなたは知っていらっしゃるかどうか。これらの点に対しても、農民を保護するという立場から、もう少し積極的な措置を講じられなければならないのではないかと思う。これらの点に対してはどのようにお考えになりますか。
#20
○岡田説明員 御質問の第一点の、加工原料乳として買われたものが市乳に回されておるではないかというふうな点でございますが、これはもちろん加工原料乳として使用するものについて不足払いをするというたてまえになっております。工場に入りました数量とできました製品とをチェックいたしまして、その量を確定をいたしまして、不足払いをしておるというのがたてまえでございますし、また、そういうふうなことでやっておると思います。したがいまして、加工原料乳として買われたものが市乳に回されておるという事実は、私は全くないというふうに考えておるわけでございます。
 それから、指定生産者団体をつくりまして、不足払いの実務機関といたしておるわけでございますが、これはもちろん、それと同時に、一元集荷多元販売という牛乳の生産流通に対する一つの基本的な考え方を実現するための機関としての役割りを果たしておるわけでございます。この指定生産者団体につきましては、でき上がりましてまだ日が浅いわけでございます。したがいまして、一〇〇%、全部の生産されました生乳を把握しておるという状態には現在ございません。しかし、次第にその把握範囲を拡大しておるのが現状でございまして、われわれといたしましては、全生乳を把握することが最も理想であるということで、指定生産者団体の育成強化のための積極的な努力をいたしておるわけでございます。遠からずそういうふうな形に発展をしてまいるのではなかろうかというふうに考えておる次第でございまして、畜産局といたしましては、申し上げるまでもございませんけれども、牛乳の生産から流通、消費に至るまでを一貫をして所管をいたしておるわけでございまして、生産から消費がスムーズに合理的に行なわれるということを最も望ましいことと考えまして、そのために生産、流通、消費の段階につきましていろいろな施策を講じておるわけでございます。特に乳業工場、なかんづく、大企業のために畜産局が配慮するというふうな考え方は全く持っておりませんので、その点は御了承をお願いしたいと思うわけでございます。
#21
○中村(重)委員 不足払い制度が原料乳に限るんだ、そしてそれに使用されたものだけを確認をして、そして不足払いをやっている、それがたてまえだ――たてまえであろうと思う。ところが、私が指摘しましたようなことが事実ある。あなたも目にはそれを見てないかもしれないが、耳には入っているはずです。しかしここでいろいろなうわさがありますということを委員会で答弁はできないでしょう。しかしこれは事実はあるんだから、たてまえであってもそれを抜けていくんだから、事業家というものはそこのところは巧妙にやるんです。それが酪農生産農民に影響を与え、酪農振興の妨げになっていなければ、私はあえて申しません。しかしそのことが非常に重要な成長産業である酪農振興に大きな影響をもたらしておる、この事実というものは重視していかなければならぬと思うのであります。その観点に立って、飲用牛乳に対する不足払い制度というものを考えていき、さらに、現在の制度を悪用していろいろと不正不当なことが行なわれているというこの事実に、ほんとうにあなたがお答えになったようなたてまえが正しく守られるようにやっていくのでなければならぬ。たてまえはそうであるし、全然そういうことがないのだというような断言のしかたというものは私は正しくないと思う。全然事実のないことを私はあえてここで申し上げるのではないのであります。やはり私どもがこういうことがあるということ、これはもう公然の秘密みたいになっておるんだということを申し上げておるのでありますから、静かにそれには耳を傾けて、事実を調査して、そういうこともなくなり、うわさというものも出ないように十分これに対処していくということが、少なくとも畜産局長としてのあなたの責任ではありますまいか。答弁を明確にするということだけが決していいことではありません。静かに耳を傾けていく。そうして調査はやはり調査としてしていく。そういう態度があなたとしては必要ではありませんか。どうです。
#22
○岡田説明員 たてまえとしては、先ほどお話を申し上げましたようなのがたてまえでありますし、私は、そういうことはないと信じておりますけれども、そういうことがあるとすればこれは問題でありますので、十分調査をいたしまして、そういうことがないようにしてまいりたいというふうに考えております。
 ただ、申し上げておきたいと思いますことは、不足払い制度が施行になりまして、原料乳地帯についても非常に酪農の熱意が出てまいりまして、最近生産がかなりふえてきつつある、こういうふうな事態がございまして、不足払い制度の効果がかなり出つつあるのではないかというふうな実は判断をいたしておるわけでございますが、先生の御指摘のようなことがもしもあるとすればいろいろ問題もございますので、十分調査をいたしまして、そういうことがないように努力をいたしたいというふうに考えます。
#23
○中村(重)委員 問題をあげれば数限りないのですよ。一元集荷多元販売の問題に対しましても、ただこうした大きな乳業資本というようなものがこれを分裂させるというようないろいろな工作をやっているということも事実ですけれども、生産組合の中にプラント業者というものが入って事実上この生産組合を指導しておる、牛耳っておるというこの事実は、これはあなたも知っていらっしゃると思う。いろいろ畜産局として対処しなければならぬ点が多いのです。たくさん私は事実を知っておるけれども、短い時間にその事実を一々あなたに申し上げあなたの考え方を伺うということができないわけであります。
 ともかく私はほんとうにこの農業政策というものはきわめて重要である。農業の発展がなくして、農業政策というものがほんとうに地について安定しなければ、ほんとうにその国の経済の安定というものはあり得ないのだ。私は非常にこの農業を重視している。したがって、農林省の行政というものはきわめて重要であると思うのであります。各局ともにそれぞれ重要な任務を担当しておるのでありますが、ともかく成長産業であるところのこの畜産振興という立場から、畜産局の負っておる責任というもの、使命というものはきわめて重要であると思うのでありますから、ひとつ十分調査すべきものは調査をし、改善すべきものは改善をし、ほんとうに畜産振興のためにがんばってもらわなければならぬと思うのであります。
 かんがいの問題と関連をして水利の問題をお尋ねをしておきたいと思います。
 いろいろ水利施設に対して私どもはいろいろな情報を伺っておるのでありますが、抽象的なことを申し上げてもしかたございませんから、具体的な事実を一点申し上げてどのように対処しておるのか伺ってみたいと思うのですが、今度の干害は非常に深刻である。農地局長も御承知のとおり私は長崎県でありますから、長崎県その他の府県の調査あるいは見舞い等に回りまして、長崎県の千々石というところに行ってみたところが、団体営でやった水利施設が、耕地面積六のところに四割しか給水されない。耕地面積四に対して六給水されておる。そこでこの四の耕地面積を持っておる人は六の水をもらっておるのだから、まくらを高くして寝ている。ところが四の給水しか割り当てられていないところの農民というのは夜も寝ることができない。徹夜で水をあげるために一生懸命がんばっておる。そういうところからこの団体営で行なった水利施設に対する不満というものが爆発して、これは明らかに不正であり、不当である。ある町の顔役がこういうことを意識的にやっておるのだから、これを改善しろということをもう二、三年前から言っておるのだけれども、どうしても改めてもらえないということで、実は不満をぶっつけられたのですが、農地局長は調査もまだしておられないのではないかと思うのですが、団体営でこういうでたらめなことが行なわれておるということは、私は許せないことだと思うのです。農地局長、こういう事実に対してはどのようにお考えになりますか。
 また一般的にこうしたものの設計、監督、施工等の指導についてはどういうことをやっていらっしゃるか。
#24
○和田説明員 ただいま御指摘の千々石の団体営の件に関しましては、お話が抽象的でございますし、私もよく実情を知りませんから、実態については調査をいたします。
 一般的に団体営に対する監督はどうかというお話でございますが、これは地元の要望を受けて実施をするというのが土地改良事業の本来の趣旨でございますので、なるたけ団体営の場合は県等で設計等はいろいろ指導をし、さらに実施の段階におきましても十分指導いたしておるはずであり、またそういうたてまえになっております。
#25
○中村(重)委員 千々石の問題は抽象的じゃないですよ。私は抽象的に言ってもしようがないから、具体的な問題として一つあげましょう、耕地面積六に対して水は四だ、四に対して水は六やっておる。一方は水は多いのでこの干ばつでも寝ておるのだ。一方は夜も寝ることができなくて、実は徹夜で水あげをやっておるのだ。このくらい具体的なことはないわけです。だからこういうことはいいのか悪いのかということです。私が申し上げたことが適当でなかったと思われるならば、具体的な事例をあげたのだから、調査をやって、そういうことは是正させるなら是正させるというような考え方がこの際明らかにならなければいけないじゃありませんか。
#26
○和田説明員 千々石の団体営のことについては私実態を把握いたしておりませんので、至急調査をいたしました上で善処いたしたいと思います。
#27
○中村(重)委員 農地局長、私は事実をあげていろいろ申し上げておるのだ。決してあなたを批判したり攻撃しようと思って言っておるのではないのです。今度の干害に対して明らかにこういうけしからぬやり方は是正をしてもらいたいという切実な農民の訴えなんですよ。ほんとうに悲痛ですよ、この干害地における農民の心情というものは。だからひとつ誠意をもってあなたも答弁をし、誠意をもって調査をし、是正すべきものは是正をするという取り組みをしてもらうべきじゃないですか。感情的にあなたを何も非難攻撃を私はやっておるのではないのですから。あなたの答弁が、あなたの答弁の態度というものから何か不満があるんじゃないかと感ぜられるのです。あなたの性格かもしれないけれども。あなたを私よく知っておるから、そういう方ではないと思うけれども、どうも答弁態度から何かそういうものを受ける。これは私はずいぶん前から知っておった。もう何年も前から知っておったけれども、取り上げないでおったのです。ところが今度の干害でたいへんな争いができて、これが感情的になったらどういうことになるかわからぬと思って心配しておるのです。だからあえてきょうはこれを取り上げたわけなんです。水争いというものはなかなか複雑なもんだから、こういう問題を取り上げるということについても若干個人としてはちゅうちょせざるを得ないのです。しかしあえて問題が問題だからきょうはこうして取り上げてきたわけですから、そのつもりでひとつやってもらいたい。
 次に伺いますが、七十年ぶりという激甚な干害が発生したわけですが、従来の措置としていろいろ諸対策を講じてこられたわけですが、今度のこの激甚災害に対して、従来の措置の面から反省をされておる点がいろいろあるのじゃないか。こういう点が足りなかった、こういう点はもっと積極的に処理していかなければならぬとかいろいろと考えられた点があると思うのですが、非常に重要な点としてはどういう点がございますか。
#28
○草野説明員 ただいまの御質問の御要旨は、七十年ぶりの大干ばつでどういうことが感ぜられたかというふうの御質問だと思いますが、七十年ぶりといいますと、大体そういう干ばつが想像できるかできないかということでございます。したがって防災対策というものが一体何年ぶりくらいな災害の対策というものを予想しておるかということにも問題があろかと思いますが、とにかく今度の災害はおっしゃるとおりの七十年ぶり、二カ月ないし三カ月間たっても四ミリとか五ミリしか雨が降らぬという状態でございますから、おそらくいままでの予想以上に出ておると思うのであります。予想以上に出ておる場合は、いままでの常套手段でないことをやる以外に方法がございませんが、その以上の方法をとるといたしましても、何でもやっていいかというわけにもいきませんので、万般の施策をいまやっております。したがってこれはただ干ばつというものがどこで終わるのか、終わるときというものを切らなければならぬのでありますけれども、そういう切り方もいまのところできておりませんが、しかしできるだけのことは全部いたしておるつもりでございます。
#29
○中村(重)委員 私がこういうことを言うのは、今度私ども現地を見て農民からいろいろ声を聞き、あるいは都道府県、市町村等から陳情を受けると、ともかく小規模ダムをつくってほしいのだということです。私は小規模のダム――小規模といっても一千トン以上になろうかと思いますけれども。現在は三万トン以上でありますが、そうでなくてやはり一千トン程度以上の小規模のダムというものをたくさんつくっていくということが必要ではないか。これが今回の干害の経験として考えさせられたことではないのか。そういう点に対してはどのようにお考えになっておりますか。
#30
○和田説明員 今回の干ばつに関連をいたしまして、小規模のため池をたくさんつくったらどうなのかという御趣旨を含めての御質問であったと思いますが、実は従来から農林省といたしましてのため池に対する対策といたしましては、大きなもの、小さなもの含めましてそれぞれ国営、県営、団体営というようなことで、特に干ばつ常襲地帯に対しましては、かんがい排水事業として助成をいたしてまいったのであります。あわせて小規模な受益面積のたいへん少ないものにつきましては、中村委員も御承知のように、農林漁業金融公庫の被補助融資の三分五厘の融資のあっせん等をいたしまして処理をしてまいりました。それとあわせて実は常襲干ばつ地帯に対しましては、小さなため池を幾つもつくるのも一つの方法ではあろうと思いますが、水の開発を総合的に考えまして、あるいはある場所にダムをつくるとか、頭首工をつくるとかいうような形で水を引いてくるとか、あるいは地下水を活用するとか、そういう問題もございますので、大規模なもの、あるいは小規模なもの、それぞれそういう水のない地帯に対応して調査費等を計上して、具体的に事業化をするための準備をいたしておる地区も全国に多数あるわけでございます。今回の問題といたしましては、やはり本年の災害が七十年来等々でいろいろ現地についての御苦労のほどはわかるわけでございますので、一定の基準に合いますものについては、今後とも積極的に団体営なり県営なりでかんがい排水事業を実施してまいりたいと思いますが、あわせてごく小さいものにつきましては、公庫の三分五厘融資等をできるだけ活用いたしまして、そして地元の事情に対応いたしたい。なおあわせて本年非常な干ばつでございますことと関連をして、旧来のため池が干割れ等を生じておるものも相当多いようでございます。これらはそのまま水をためますと、漏水をするとかそういう問題にもなりかねませんので、でき得れば災害復旧の事業としてこれを取り上げて補修をしていくというようなことで対応をいたしてまいりたいというふうに思っております。
#31
○中村(重)委員 いま農地局長お答えのとおり、老朽のため池なんかが亀裂をしておる。だからこれの補修を早急にやらなければならぬということは、これは当然だと思う。特に農林省において、これを救農土木事業としてやりたいのだということを明らかにされたようであります。これは私はきわめて適切であると思います。ところがこの実施の時期あるいは規模、これがやはり問題だと思うのです。決定はされたけれども、非常に先になってこれがやられるのだ、また予算の関係から十分行なわれないということであってはならない。御承知のとおりに、このため池等に対する補修に救農土木事業をやるということは一石二鳥である。これは水稲なんかも完全に五割ないし八割くらいに痛めつけられたのだけれども、畑作農家というものは壊滅に近い。果樹も相当いかれている。しかも果樹は永年作であるから、御承知のとおりにことしだけではなくて、二年、三年というそういう長い期間にこれは減収という形に実はなっている。従来小農は農業だけで食っていくことはできないというので、出かせぎあるいは日雇いをして現金収入をはかっている。今度は水を出さなければならないということになって、そういう日雇いもできない。それで現金収入が全く断たれている。あすからの生活をどうするかということが今日の農村の実態なんです。だから救農土木事業等もこれをすみやかにやらなければならぬきわめて緊急性があるのですが、いつごろからどういう予算規模でこれをおやりになるという考え方か、ひとつその点を伺ってみたい。
#32
○和田説明員 ただいまのため池の補修につきましては、具体的に堤に干割れを生じたとかあるいは水をためます底に干割れを生じたというようなため池につきましては、実はいろいろなため池の実情に応じて工事をやる方法にも千変万化あろうと思います。現在現地に担当官を派遣いたしまして、モデル的な工法等について現地で指導を行なっておりますが、災害復旧事業でいたします場合には、場所によっては本年内だけの工事で終わるものもございましょうし、またことしはとりあえず干割れだけを埋めておきまして、その後に水漏れ等を生じて二年目、三年目にさらに手を加えていかなければならない場所もあろうかと思いますが、一応でき得るならば、従来の災害復旧と同趣旨でございますので、本年度内に予備費等の支出をできるだけして対応ができますように、今後査定が終わり次第大蔵省と打ち合わせをして処理をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
 ただ、救農土木等の関連につきましては、実は災害復旧でございますからもちろんそこへ賃金収入を得させなければならない農家をできるだけ雇用する必要もございます。それだけでは十分でない場合等もあろうかと思いますので、既定の土地改良事業等にもあるいは他省の事業等にもできるだけそういう農家が雇用されて賃金収入が得られるように、今後そういう人夫の配分についても県を指導してまいりたいというふうに考えております。
#33
○中村(重)委員 本年度内に予備費等をもって実施していく。だから、これはすみやかにおやりにならなければならぬと思う。天災融資法の発動並びに激甚災害の指定という形になるのでありましょうから、ともかく災害が起こった、災害救助法を適用するというような、そういうかまえですみやかにこれを実施していくということでなければならぬと思う。非常に深刻な実態に対しましては、重ねて申し上げませんが、ともかくこれだけはどういう無理をやっても、いろいろなむずかしい条件があったといたしましても、これを排除して乗り越えてやっていくということでなければならぬと思うのであります。
 それからいま一つ、私どもが非常に個々の農民から不満をぶつけられることは、災害が起こった、直ちに水をあげなければならない、そのためのいろいろな事業をやらなければならぬというので事業をやる。ところがこの一つの事業費というものが五万円以下である。それからその金額の面だけではなくて、たとえばパイプであるならば四十ミリ以下はだめなんだとかむずかしい基準がある。そういうことを知らないでやった。やったところがあとになってそういうことを言われたんでは、早く対策を講じた者はそれだけ樹木にいたしましても果樹にいたしましても枯らさないで済んだし、あるいは最小限度にとどめた。畑作の場合におきましても水稲の場合においてもそうなんですが、そういう最も迅速にやった者がいわゆるその基準に該当しないということではねられるということは、これは適当ではないじゃないかということをよく言われるのであります。私どもも行政上の立場からいたしますならば、そういう点はもっと弾力的におやりになる必要があるのではないかと思われますが、いわゆる五万円以下というようなそういう金額の問題あるいはいろいろな内容的な基準の問題等に対して、どのような弾力的な措置をおとりになろうと考えていらっしゃるのか。
#34
○和田説明員 第一に五万円以下の問題でございますが、中村委員御承知のように、台風等がまいりました場合の災害復旧におきましても、一工事十万円以上というのが国庫補助の対象になりまして、それ以下の小災害につきましては地方公共団体の起債等で処理をするというのが現在の制度のたてまえになっておるわけでございます。そこで、やはり干ばつも一つの災害でございますので、全体としての制度のバランスということが必要でございますから、一カ所五万円以下というような小さな応急工事等につきましては、国が直接助成をいたしますということは、水害等とのバランスもございまして適当ではないというふうに考えております。そういうものにつきましては、今後県なり市町村なり地方公共団体で水害等における小災害に対応いたすような問題として処理するならするということであろうかと思います。ただ私どもといたしましては、でき得べくんばあまりアウトだというものが起きませんように、一団地ごとにとらまえまして、たとえば幾つか井戸を堀ったというような場合におきましては、団地全体としての水の合理化というふうに、そういうものを取りまとめて工事費を検討いたしたいと思いますから、そういう形をとります場合には、ある程度団地としての農用地がまとまっております場所では救い得るのではないか、こういうふうに処理をいたしたいと思います。
 それから後段のパイプ等につきましてのお話でございますが、これもやはり応急対策とは申しながら、今後のかんがい事業の一つとして、国としては助成をいたしておる関係もございますし、過去の例等から考えまして、一回限りで消耗をされるような消耗的な機材にまで国が補助するということは制度的たてまえとしていかがかというふうに考えております。パイプ等につきましても、ことしは品不足等の事情もございましたから、具体的な基準をつくります場合には、十分そういう事情も考慮して基準をつくっていきたいとは思いますが、多分に消耗品的なものに対して国が直接補助するということは、従来の例その他国の補助制度というたてまえから考えて適当ではないのではないかというふうに考えております。
#35
○中村(重)委員 私は、法律であるとかいろんな規則、制度というものを全然問題にするなというようにまでは言わない。しかしいまの台風等の例をおとりになったのですが、そういう場合は実施する事業というものが土木であるとかあるいは河川その他そういう公共施設等にまあ大体多いわけですね。ところが今度のように、農作物というものが、何というかいま一千億と言われておるのでありますが、こういう大きな災害というものが出るということはめったにないわけです。その対象となる者がたぶん農民であるということ、そういう面からやはり特殊な問題として取り上げて、きわめて弾力的なやり方をやる。あなたが言われたように、いろんな台風等の点について、五万円以下なら五万円ということについて無理があるのなら、これは都道府県、市町村やりなさい。そして特別交付税等においてこれを見ていくのだというような、そういうような弾力的な措置が当然行なわれなければならないのだ、こういうわけです。例外としてやはりこういう問題を考えていかなければならないのじゃないかと思うわけです。きょうは自治省あるいは大蔵省からお見えになっていらっしゃると思いますが、時間の関係がありますので、この点はひとつ政務次官どのようにお考えになりますか。
#36
○草野説明員 消耗品に対する助成は従来あまりなじみがないほうなので、しかし今度は異常災害であるからというお話でありますが、ただいま特別交付税の関係等のお話がありました。その点についてはすでに自治省との間にも話し合いもただいま進めております。そういう努力をいたしておるというところでございます。
#37
○中村(重)委員 それから、これまたいつも指摘されることですし、この農民の不安があるのは、米麦等における共済金というものがある。この共済制度というものは畑作の農作物にも拡大をしなければならないのじゃないかということが今回の経験として特に重視をされてきておると思うのであります。特にまたこの共済金の概算払いということをやらなければならないし、いつもこれをやるということを言っておるのでありますけれども、現実に支給されるのは忘れたころだ。だから、この共済金というものは、ともかくほんとうにすみやかにやってもらいたいということを農民は心から願っておるのでありますし、また行政上の扱いとしてもそういうことでなければならない力ともかく従来のような、早くやるというけれどもなかなか早くならないというこの現実に対して、今回はどのように対処しようとお考えになっておられるのか、伺っておきます。
#38
○大和田説明員 今回の干害につきまして、水稲等につきます被害が著しいものにつきましては、できるだけ早い機会に、概算払いで窮乏している農家の経営、家計の安定に資したいというふうに考えて、現在作業を進めております。共済金の支払いは、御存じのように共済組合、連合会、農林省という三つのものが事務的に相当複雑な手続をいたしませんと、やみくもにいたすわけにもまいりませんので、現在農林省からも係官が九州方面に飛んで、連合会の指導に当たっております。したがいまして、被害が極端にひどい農家に対しましては、早いところは十月末までに概算払いができるつもりでおります。またそうでないところもできるだけ十一月末までに概算払いができるように、現在せっかく団体を指導督励をいたしておるところであります。
#39
○中村(重)委員 委員長から申し合わせの時間だから協力しろという御要請があったのですが、農林大臣は十一時半にここへ来るということでしたが、農林大臣は約束の時間に来ない、十二時半になってもやってこない。そういうことであっては、残念ながら委員長のそうした協力要請に対してそう私ばかりが応ずるというわけにはまいらない。
 次にお導ねをするのですが、予約の供米代金が御承知のとおりに支給されておるのでありますが、この返済が今度は問題になってくるのじゃないか。この返済に対してどのようにお考えになっているか。供出ができないのだから、この代金を返さなければならぬというような事態が起こってくる。従来は返すときは利子をつけろということであったわけですね。こういう天災の場合においても、従来のとおり利子をとるのか、これはとってはならぬと思う。とるということになれば問題だと思う。だから利子は当然免除すべきだ。それから返済する時期、これは当然延期をしなければならぬと思うのです。そういうことに対してどのようにお考えになっていらっしゃるか。
#40
○馬場説明員 今度の災害で予約米の売り渡しができなくて概算金を返す必要がある農家が出ることは予想されるわけでございますが、この概算金の返納につきまして、ただいま御指摘の加算利子については、災害の程度に応じて減免する措置を従来ともとっておりますので、従来の例に準じて措置いたしたいというふうに考えております。
 それから返納の期限でございますが、九州地区は一月末が期限になっておるわけでございますけれども、これは返納期限を延期した例もございませんので、指定集荷業者が生産者にかわって代位弁済をするということで、従来措置いたしておる次第であります。
#41
○中村(重)委員 従来は従来でしょうけれども、農作物だけの被害が一千億を突破するという状態にあるんですよ。そうしてその水稲だって五割、八割、九割ぐらいもういかれている。だから従来の台風なんかのときのようなことじゃない。だから概算払いとか何とかそういうようなことじゃなくて、こういう場合はもうこの事態に対処してともかく延期するということ、それからその被害の程度において利子の減免を考えるということでありますが、それは一割かそこらしかやられていないというような米作農民の場合は、これはあなたが言われるようなことも当てはまると思うのであります。ともかく東北方面のようにほとんど米だけだというようなところであるならば、またその一割かそこらしか米はやられていないのだということで、それは程度において減免ということもありましょう。しかし、少なくとも西日本地帯−四国、九州等が中心になっておるのでありますが、こういうところはもう畑作というものもやっている。いわゆる米作というものがきわめて少ない。私の長崎県のごときはあなたも御承知のようにきわめて米作は少ない。そういうことですから、やはりもう全面的にやられたという考え方の上に立って、原則として利子はこれを免除していくのだ、むしろ免除しないほうが例外だというぐらいの考え方で対処していくのでなければならないのじゃないか、こう思うのであります。あなたの答弁の中からは事態の深刻さというものをほんとうに何か感じとっておられないような感じがいたします。免除するのが例外だという考え方であっては、この深刻な事態に対処できないのである。適切な措置が講じ得ないのではないかというように私は思う。必要もないのに延期をしたりあるいは減免をすることはもちろんないと思います。しかし今度はそうではない。ともかく扱い方としてはいろいろありましょうけれども、今回のこの干害に対する基本的な方向というのか、そういうものがあろうと思うのです。それをひとつ伺ってみたいと私は思っている。
#42
○草野説明員 ただいま食糧庁の部長から御答弁申しましたことは、これは役人になるとああいう答弁をするのがあたりまえで、またあれが原則論なんです。したがって、その被害の程度に応じてというのは、干ばつ地と申しましてもいろいろの被害があるようでございますから、一割ぐらいな被害もあるでしょうしあるいは五割以上のところもあるでしょうから、全般的に申せばそう言う以外に方法がないのであります。したがって、ただいま問題にしておいでになりますような深刻な被害のあるところは、これは減免するのが当然でございます。しかし軽微な被害のところへ減免するのかというと、そういうわけにはいかぬと申しております。役人はやはり慎重でありますから、そう言うのは私はやはり当然だと思っております。
#43
○中村(重)委員 まあそれでよろしいでしょう。だから基本的な考え方は、この事態の深刻さというものに従来の考え方を逆に当てはめていかなければ適切な措置は講じられないのである、こう申し上げておる。だからその上から出てくるのは、――これは国税庁から来ていないから、これもあなたから、政務次官会議等がありましょうからひとつ持ち出してもらわなければならぬと思うのですが、所得税の対象農家というのがあるんですね。ところが昨年の収入、それから本年の収入というものによっていわゆる予定納税というものをさせられる。予定納税、これは今回は免除しなければならぬ。少なくとも来年三月十五日の確定納税期に一本に扱っていくということでなければ、従来のとおり予定納税をしなさい、こういうのでは税金を納めなければならぬ。これはひどいと思う。だから今回は例外として予定納税はやらせない、三月十五日の確定申告一本で取り扱っていく、そういう態度を決定される必要があると思う。
#44
○嶋崎説明員 私、農林省関係主計官の嶋崎でございます。私は分野が違うので責任を持った答弁をするのはいかがかと思いますが、所得税の仕事もやったことがございますので、簡単に御説明いたしますと、御承知のように所得税の減免に関する法律というものがございまして、災害のときに、具体的には今度の場合果樹等につきましては特別農業者ということで、七月の申告を第一期の申告として、この秋十一月に申告をしていただくことになるわけでございますが、その場合災害等の事由によって、昨年の基準額によって予定納税をするという扱いにつきましては、やはり税法の現在の手続からして何らかの手続を必要とするわけであります。この点につきましては国税庁としましては現在簡易に処理できる手続を別に考えているようでございます。その点御了承願いたいと思います。
 それからさらに二期の納税時期がきているわけでございますが、納税の時期につきましても災害に応じまして納税の猶予の手続がありますから、それぞれ税法に定めたところによって適切な処理をされたいと思うわけでございます。
#45
○中村(重)委員 その簡易な扱いというのですが、いかに簡易な事務処理をしても、予定納税で現実に税金をそこでいわゆる予納しなければならぬということになったのではどうにもならない。だからあなたがおっしゃったいわゆる簡易というのは、今回は申告は申告としてするけれども、現実に税金を予納をするというのをやらないで、それを延期するという意味なのか、私はそれが非常に重要だと思っている。
#46
○嶋崎説明員 あまりでしゃばり過ぎてあるいは間違っているかと思いますけれども、私が承知する限りにおいては、十一月の申告を簡易な手続で処理するというのは、当年度の所得の見積もりというものは災害によって、たとえば前年百万円あった、しかしことしは被害が激甚で所得がゼロになったというような場合に、いまの制度では前年の所得額を基準にして計算をすることになっているわけでございます。しかし十一月に簡易な手続で、災害を受けて所得がなくなる見込みであるという手続をとるような制度をつくりまして、そして具体的に四十二年度の所得の見積もりが小さくなるわけでございますから、それに対応して税金が軽減もしくは免除される、申告をする人については、納税をしないで済む、あるいは納税額が小さくなるというふうな形になるのは当然である。それからそれとは別に、すでに申告をしておる人で――というのは果樹等のウェートが小さくて水田の面積が非常に多いというような場合、蔬菜その他のウェートが高いというような人につきましては、七月の申告でもうすでにやっておりますから、それの二期分は具体的な納税の義務が発生するわけであります。それについて徴税面から徴税の猶予の措置がとられて、最終的には確定申告で精算をする、こういう手続になるように事務を進めておるというふうに聞いております。
#47
○中村(重)委員 次にお尋ねいたしますが……。
#48
○鍛冶委員長 中村君、大臣はどうも午前中に来られぬようだから、昼にしましょう。それであとまた大臣が来てから……。
#49
○中村(重)委員 それでは大臣が来てから大臣に対するお尋ねをしましょう。
 次に伺いますが、これもまた非常に私どもが問題点として指摘したいのは、この自創資金とかあるいは天災資金あるいは開拓農に対する災害資金等々の貸し付けが行なわれる、そういう場合にあまりにも形式に流れ過ぎるというきらいがあるのではないか。たとえば保証人は六十歳以上であってはならぬというようなこと、あるいは農地等を担保にするというような場合におきましても、時価相場二十万円程度反当するものが一万円程度にしか評価をしないとか、あるいは保証人の資格というものが農地はどの程度を持っておらなければいけないとか、いろいろむずかしい条件がある。そのために、ほんとうに金を借りなければならぬところの貧農というのか、小農の人たちは金を借りることができないということがこれは現実の姿ですが、こういう点は今回の干害に対して特に深刻な問題として何とかひとつこういう点は改善をしてもらわなければならぬということが、これは農民の声でもあろう。だから、これらの点に対してはどのようにこれを改善していこうとお考えになっておられるのか明らかにしてほしいと思うのです。
#50
○大和田説明員 私ども、天災融資法について申し上げますと相当毎年多数の貸し付けをやっておりまして、だんだん実務になれるに従いまして、御指摘のようにそう無理なことをやることはまずないというふうに思います。特に公庫の貸し付けにつきまして、農地を反当一万円で評価するというお話がございましたが、最近では時価の七、八割程度まで評価することにいたしておりまして、私もしあとでお伺いできれば具体的な例を伺って善処いたしますけれども、いままでの経験に照らしまして、相当天災融資についてもむしろ弾力的に運営をいたしておるというふうに申し上げてよかろうと思います。ただ今回の干害が相当大きな被害でございますから、なお私ども実務の点で農家に迷惑をかけてはいかぬわけでありますから、いろいろ御指摘の点も十分考慮して誤りのないように心がけたいと存じます。
#51
○中村(重)委員 保証する農民が農地をたくさん持ってない小農であるという場合には、保証能力が低いということで、たくさんのものをそろえなければ融資が事実上されない。それがまあ富農になってくると償還に対して不安を、貸すほうも保証に立つほうも感じないんですね。ところがやはりこの貧農に対しては、償還されない、できないという場合は、自分たちが保証かぶりをしなくちゃならぬということで、なかなか保証を引き受けてくれない、ましてや一人か二人でいいのならばいいんだけれども、能力がないからといって現実にたくさん立てさせている。だからして、実際は担保に提供するところの農地も十分持ってない、保証人が立ってもらえないということで、金を借りないということがこれは事実なんです。
 それから申し上げた六十歳以上の者は保証資格がないというふうなこと、これもおかしい、六十歳以下である。なかなか農民というのは自分のせがれに対して、いわゆる後継者に対しましても、その土地の名義変更というものをもうできるだけ延ばしていくというふうな傾向にあるのです。だからして年齢的に資格のある者は農地の所有者ではない、年齢的に資格のない者が農地の所有者になっている。だから適当にそこをごまかすというか弾力的な扱いを借りるほうがやって、後継者をもって保証人にするというようなこと等々いろいろある。だからあまり形式に流れてはいけないのじゃないか、弾力的に扱っていくということが一つと、ほんとうに金を借りたい小農に対して金を貸し付けることができるようにしていくということ、そういうことをひとつお考えにならなければいけないのではないか。
 私は農民に対するところの融資はある意味において危険負担ということをおやりになってもいいと思う。今日零細な中小企業者等に対していわゆる保証協会制度というものが行なわれておるでしょう。それも今日は独立採算制ということによって、なかなか信用のない者にはその保証協会の保証等もうまくやってくれないのです。しかし少なくとも保証協会制度ができたということは、金を借りることのできない者に対する信用力をつけていこうということにある。そういう場合は危険負担というものがある、代位弁済ということを相当覚悟してあの保証協会の制度というものができたんだから、私は農民の場合におきましてはこの保証協会に対する保証をさせる、させぬにかかわらず、ある程度いわゆる危険負担、焦げつきというものもやむを得ない、そういう考え方の上に立って融資の道を、そういう力のない者に対しては切り開いていくということでなければならないと思うのですが、その点あなたはどのようにお考えになりますか。
#52
○大和田説明員 災害問題等につきまして実は先ほど申し上げましたように相当弾力的に運営をいたしておりますので、貸し付け実務についてそう御批判を伺うことは私ども実はあまりないわけでございます。あるいは一般的な問題ではなくて、先生御関心のある特定の信連の事務のやり方の問題であるかとも考えますので、実情をよく調べまして、もしも他の県と違っておるようなやり方をやっておるとかあるいは不適当なことをやっておるとかいうことであれば、私どもまた特段の指導をいたしたいと思います。
#53
○中村(重)委員 それじゃ、あとは保留して午後にやります。
#54
○鍛冶委員長 この際午後二時まで休憩いたします。
   午後零時五十七分休憩
     ――――◇―――――
   午後二時五分開議
#55
○鍛冶委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 中村重光君。
#56
○中村(重)委員 農林省所管の決算で、実施してこられた諸問題についてこの際大臣にいろいろお尋ねしたいことがたくさんあるわけですが、残念ながらきょう大臣は時間がないようでありますが、今度の七十年ぶりといわれる異常干害によって非常に深刻な打撃を被災農民は受けておるわけです。その反省として、従来とってきた措置の面で、この際改善というのか、推進していかなければならないことは、水源確保の問題、並びに具体的にはどうしても各町村というのか、部落というのか、そういう地帯に小規模ダムを建設していくということがきわめて適切な措置であるというように思われるわけです。
 先ほど農地局長にいろいろお尋ねをしたわけですが、農地局長とされても、ともかく水源確保に重点を置き、それに伴っていろいろと適切な措置を講じていかなければならないという意味の答弁があったわけです。ところが、小さいため池に対しては従来どおり例の金融公庫の三分五厘の融資ということを考えておるのだというようなことであったわけですが、私は、この小規模ダムをこれからどんどん建設をしていくということに対しまして、やはり法制化しなければいけない、具体的には、国がこの災害に対しては大幅の責任を持たなければならぬという考え方の上に立って、最終責任者としてやはりそのダムの国庫補助というものは少なくとも四分の二、事業費の半分は国が責任を負うということにして地元負担を軽減していくのでなければ、せっかくそういういい制度をつくりましても、仏つくって魂入れずというので、実際はなかなかでき得ないという結果になるのではないかというように思うわけです。大臣も今回の干害に対しては相当頭を痛めておられ、いろいろと諸施策を目下講じておられるところでありますが、従来の反省としてただいま私が申し上げたことについても考慮しておられるのではなかろうかと思うのでございますが、一応この際考え方を伺ってみたいと思います。
#57
○倉石国務大臣 ただいまのお話は私どもも全く同感でありまして、いろいろ水管理について、こういう機会をよい反省の機会といたしまして対策を考究してまいりたいと思っております。
 今回の干ばつの地域は、いままでは台風常襲地帯ということで、むしろ干ばつよりも雨等の災害が多かった地域であります。したがって、たぶん樹園地などをおつくりになる方々もそういうことは念頭にあったでありましょうが、今回のような干ばつということには比較的注意をしなかったのではなかろうかという感じもいたすのであります。こういう際に私どもは、たとえばいまため池のお話がありましたけれども、そういうことについてもまず応急的な施策、さらに恒久的な施策を講じてまいらなければならない。ただいま、たとえば四国地方などでも愛媛県で水管理について大きな調査をいたしております。逐次そういうことで、水管理については、再び今回のようなことのないように、ひとつこの際大いに検討して施策を進めてまいりたい。したがって、そういうことの補助事業等について、事業費の拡充等についてもこの際ひとつ並行して考究いたしてまいりたい、こう思っております。
#58
○中村(重)委員 考え方はよくわかったわけですが、具体的な問題として、従来の施策の反省の中から、やはり多目的ダムというようなそういう大型のものも、もちろんより必要性が増してきたわけですが、小規模ダムといったものが絶対的に必要だということが十分考えさせられたわけですから、そういうことをこの際推進するために、ただいまの御答弁のように、応急的施策あるいは恒久的施策として考えられる用意があるのかどうか、その点を伺っておきたいと思います。
#59
○倉石国務大臣 ただいまいろいろな角度から、県からは詳細にいままでも被害等について報告がありましたが、これからはさらに恒久対策についてそれぞれの県当局もいろいろ中央に意見を申し出てまいりまして、したがって私どもとしては、そういうものを参酌いたしまして、ただいまお話しのようなことも必要であれば大いにやってまいりたい、こう思っております。
#60
○中村(重)委員 先ほど来相当時間をいただきまして、いろいろ干害の問題に対しましても具体的な問題点をお尋ねをし、お考えを伺った。
 ともかく今回は、従来の台風等における公共施設というものが中心になっての災害でなくて農民が決定的な打撃を受けた、現金収入の道が完全に断たれてしまった、あすからの生活をどうするかという、全く悲痛深刻そのものなんです。私も農村等を歩いてみたのですが、ともかく水を上げるために徹夜でやっている。水争いがあったが、水源が枯渇したために争いの原因がなくなってしまってけんかも絶えたというような、何とも言えないような状態にあるわけです。したがって、諸施策に対しては従来の制度というようなことにとらわれることなく災害救助法を発動する、その精神の上に立った取り組みというものが必要であろうと思うのでありますから、その点に対しての大臣の一つの考え方だけをあとで伺ってみたいと思うのであります。
 それから、この際国務大臣として農林大臣に伺ってみたいと思うことは、農業災害だけでなくて、水が第一もう枯渇してしまった。したがって完全断水地帯というのが非常に多いわけです。離島等において完全断水ということになってまいりますと、もうどうしても船でもって、あるいは飛行機であるとかヘリでもって水を運ばなければならぬという深刻な事態になる。熊本県の牛深がそういうことになりまして災害救助法が発動されたというように伺っているのですが、これは熊本のみにとどまらない。離島を多くかかえておる府県におきましてはすべて同じであろうと思うのです。私は長崎県でありますが、長崎県でも制限給水が五市三十一カ町村、その中に渇水地区三百八十三カ所、それから完全断水個所が二市四カ町村というようなことで、これから完全断水突入を予想されている町村というものが非常に多いわけです。したがって、これは船その他の方法をもっていま飲む水を実は運んでおるというようなことで、農作物を守るということもさることながら、人間の生命をどう守るかという点に実はかかってくる大きな社会問題、人道問題になっているわけですが、手深だけでなくて、こういうような地帯に対しては当然災害救助法を発動しなければならないというふうに思うのですが、国務大臣としての農林大臣はどのようにお考えになるか、ひとつ伺ってみたいと思います。
#61
○倉石国務大臣 御承知のように、政府は今般の災害につきまして、総理府総務長官を中心にいたしまして、関係各省及び事務当局が参加をいたしまして万全の対策をいろいろ検討いたしておるわけでありますが、先般閣議におきましても、厚生大臣からただいまお話しのような離島に対する災害救助法発動について御報告がございました。私どもはまことにけっこうなことであり、そのようにして島民、住民の憂いをなからしめることをやるべきであるということで、厚生大臣の御報告をまことに喜んだ次第でありますが、精神は、いま申し上げましたように、厚生大臣の考えておりますことと私どもと全く同感でございます。ただ、具体的な問題になりましたら私つまびらかにしておりませんので、厚生省から事務当局が参っておると思いますのでそちらのほうから報告をお聞き取り願いたいと思います。
#62
○中村(重)委員 時間の関係がありますから厚生省の事務当局からはあとで御説明を願うことにいたしますが、ともかく、ことさら牛深だけだということでもって災害救助法が発動されたのじゃなくて、発動しなければならぬという原因があって発動をしたわけですから、多少軽重の差はありましょうが、離島に対して船でもって水を運ばなければならぬということは、これは当然災害救助法を発動しなければならぬということに私はなるのであろう、こう思うわけです。特にそうした離島等におきましては農漁民がほとんど八割程度居住しておるわけでありますが、厚生大臣の所管であるけれども、実際は、農民の生活をいかに守っていくかという立場においてはむしろ私は農林大臣が強力にそのことを推進していかなければならないのだ、こう思いますから、積極的にひとつ閣議においてイニシアをとってすみやかにそうした発動がなされるようにやってもらいたいと思います。
 それから天災融資法の発動が二十日ごろだということを災害対策特別委員会において大臣はお答えになっておるわけです。その中で、近く集計がまとまるからというようなお答えがあるようであります。もちろんその集計も必要でありますが、都道府県、市町村、特に当該農民といたしましては、天災融資法がいつ発動されるのか、それから、同時に激甚災害の指定というようなものがなされるであろう、そのことを実は待っておる。末端の市町村等になりますと、現実にそれが発動されたということになりませんと、いろいろ窓口での臨機応変の措置といいますか、そういうことをちゅうちょするというような傾向が多分にあるわけでありますから、発動しなければならないのだということがもう大体考え方としてそこではっきりいたしております以上は一日も早く天災融資法を発動する、同時に、激甚災害は同時指定でございましょうから、そのことも明確にしていくということでなければ私はならないと思うのであります。それに伴いまして、天災資金であるとかあるいは自創資金であるとか等々の貸し付けが行なわれるわけでありますけれども、そのことも、先ほど申し上げましたような異常な事態であるからという立場の上に立って、できるだけそうした融資あるいは補助等についてもすみやかに措置してもらわなければならないと同時に、開拓農民等がともすればその対象からはずされるというようなことがあるのでありますから、そういう場合には、いろいろ従来の制度というか、そういうような慣習というか、あまりそういうものにとらわれないで、ともかく人間を救うんだ、農民をここで絶えさしてはならぬというような考え方の上に立って、この際ひとつ勇断をもって、大臣は農民全体の生活を守る、農業の発展という方向から対処してもらわなければならないと思うのでありますが、以上申し上げた数点に対してこの際大臣の考え方を聞かしていただきたい。
#63
○倉石国務大臣 このたびの災害につきまして、私どもは大体調査報告を受けまして、政府におきましては、天災融資法を発動するということにつきましてはもうほとんど既定のことでございますから、政府側といたしましてもしばしば機会を見てそのことを申しております。ただ、いまお話のように、その集計をいたして、激甚を指定いたしたり、自創のワクをきめたりいたしまして、一日も早くこれを実行することによって被災民に安心のできるような措置を講ずるように督励をいたしておるわけであります。
#64
○中村(重)委員 これで終わりますが、災害対策特別委員会において二十日という一つのめどを明らかにされたのでありますが、二十日よりおそくはない、二十日より前に発動するというようないまのところの実態であるのか、その点をひとつ。
#65
○倉石国務大臣 なるべく二十日をめどにして、ぜひ早く発動して諸般の施策を進めてまいりたい、こう思っております。
#66
○鍛冶委員長 浅井美幸君。
#67
○浅井委員 昨年十月ごろですか、いろいろと問題になりました国有の農地、いわゆる農地改革の際に買い上げた農地ということで、その農地を地主に返還するのに、時価変動を無視して、坪二円六十銭単位くらいで返還しておるという問題。この衆議院決算委員会にも取り上げられた問題でありますけれども、そのことについていろいろと地域庶民のきびしい批判を受けて、そして改正案等がまた引っ込められた、そういうことについて農林大臣は御存じでしょうか。
#68
○倉石国務大臣 前回だいぶ話題になりました件は、私が就任する前でございましたが、承知いたしております。
 そこで、そのことについて農林省はさらに再検討いたしまして、いま政府部内において各省のこれに対する見解を聴取いたしまして、政府の最終的態度をきめてまいりたいということでやっておる次第でございます。
#69
○浅井委員 その当時、十月に問題になったときに農林省が一応方針をきめたはずです。現在の問題ではなくて、去年の十月の問題であります。そのとき農林省の方針が決定されております。新聞等でも報道されたわけですけれども、それを具体的に大臣は御存じなんでしょうか。
#70
○倉石国務大臣 ちょっと伺いますが、この前、何か一万円とかなんとかいう話のあれでございますか、ことしの十月……。
#71
○浅井委員 いや、去年の十月です。
#72
○倉石国務大臣 いま申しましたように、その経過は聞いております。
#73
○浅井委員 その当時、十月のそのころ、農林省の方針きめたでしょう。それを御存じでしょうか。
#74
○倉石国務大臣 それは私がいまお答えいたしましたように、各省においてこの問題についてそれぞれいろいろな見解を持っておる役所もあるでありましょうから、そういうことについて各省の意見を徴して検討を進めておる、現在はそういう段階であります。
#75
○浅井委員 その当時、農林大臣御存じないみたいですが、不用の国有農地を旧価格で地主に返すという農地法施行令の改正はたな上げにして、急いで東京や大阪などの大都市周辺や北海道で国有農地の実態を調査しよう、その結果に基づいて農地法施行令改正案を練り直すか、または次の通常国会で新しい立法措置をとる、さらにその間、農地法の第八十条に基づいて、旧地主から申請されてくるところの転用や返還請求は慎重に取り扱うことにして、この点近く農政局長通達にする、このようにきめたのです。そのことについて御存じかどうかということを聞いているわけです。
#76
○倉石国務大臣 いま私がお答えいたしましたように、これは農林省として、この農地改革によって政府が買い上げまして、現在ペンディングになっているような土地についてどのようにするかという農林省としての方向、一応試案をつくりまして、その試案について各省の意見を徴しておる、こういうことでありますので、農林省が態度をきめて、それを各省にいっておるわけではありません。そういうことで、現在われわれとしては、こういう方向でいったらどうだろうということについて意見を徴しておるのが今日の段階であります。
#77
○浅井委員 各省の意見ということでございますけれども、これは国有の農地で農林省所管なんです。当時農林省の国有農地の取り扱いの方針は、共和製糖事件に続いて政界の黒い霧が非常にうわさされた。そういう点で、佐藤総理も、当時の愛知官房長官に、この問題は慎重に再検討するように、そういう指示をしたわけです。その指示に基づいて当時の松野農林大臣が、この衆議院の決算委員会で、ただいまそういうことについての返還はストップをしておると言い、それが会議録に出ております。それにもかかわらず、十月以降何ら改まっていない。大問題になって、そういう世間の批判を浴びた問題です。それは農林省の方針として、返還を慎重に扱うということをきめながら、実態調査という名前にかりて、そして引き延ばしておる。その間の事実について農林大臣御存じかというわけです。
#78
○倉石国務大臣 いまお話のような時期にお話のような処置がとられた、その当時の農林大臣の申し上げておることは、根本的な検討が終わるまでは現行法による処理は慎重にやるように、こういう指令をいたしておるわけでありまして、したがって、私どももやはりこの当時の農林大臣の指示は尊重するというたてまえをとっておることば当然のことであります。法に定められた、たとえばその後の状況を見ましても、道路であるとか学校の敷地であるとか、そういうことについては適法に処理しておるものもありますが、いまさっき申し上げましたように、私どもこの問題について慎重にやるという態度については変わりはないのであります。
#79
○浅井委員 慎重に取り扱うということでありましたけれども、旧地主の返還をその間は相当規制するという意味に解するのでしょうか。それとも、いわゆる慎重にだけ取り扱って、従前と変わっていない、そういうふうに解釈してよろしいのですか。また、この方針の発表後、旧地主への返還、転用の件数、面積、単価を明らかにしてもらいたいと思います。
#80
○倉石国務大臣 やむを得ないものは、いま申しましたように、公共性を持っておるようなもので必要なものは、一応定められた手続に従って処理をいたしておる、そういうことが今日の段階でありますが、事務的なことにつきましては、後刻政府委員のほうからお答えいたすことにいたします。
#81
○浅井委員 東京都の例でいきますと、十月に問題になりまして、その後十一月に六件、五万八千三十七平米、十二月に百六十五件、五万八千九百三十六平米等々、一月、二月、三月で合計すると、この慎重に取り扱うという方針が出てから四百八件、何ら変わっておりません、また本年度に至ってもやはり四月以降九月の十日までに百四十九件、二万一千六百五十三平米がわずか一平米当たり約三円、そういう安い値段で払い下げられておる。これはその当時国会で大問題になっていろいろと大騒ぎをして指摘をされた事件なんです。それを依然として続けておるということについては、あなたどう考えるのですか。
#82
○和田説明員 先ほど農林大臣からお答えを申し上げましたように、当時御承知のようないきさつで問題が起こりましたので、政令を改正して、新しい基準で処理することは当分たな上げをいたしまして、今後実態調査をいたしたい、関係各省の意見を聞いたりして根本的な対策をきめることにしたわけでございます。現行の制度そのものにつきましてもその際に今後慎重に処理する旨を当時の松野農林大臣から方針としてお示しを受けまして、いま先生は東京都の例をおあげになりましたが、私が手持ちをいたしております全国的集計でまいりますると、対前年度あるいは対前々年度と、件数、面積とも比較をいたしますると、たとえば四十一年度の下半期――問題になりましたのが下半期でございますので、その下半期と前年度あるいは前々年度の下半期と比較をいたしますと、慎重に処理するという農林省の方針に従いまして、件数、面積ともに著しく少なくなりました。
 たとえば、面積で申し上げますならば、四十一年度と四十二年度との比率では三六%ということで慎重に取り扱っております。少なくとも学校でございますとか、公営住宅でございますとか、道路、水道、公園等、公共的なものにつきましては現行法で具体的に処理をせざるを得ませんし、その他諸般の事情で万やむを得ないものに限って処理をいたしましたので、いま申し上げましたような面積でも対前年度三六%というふうに実績数学が示しておりますように、慎重な処理をしてまいったわけでございます。
#83
○浅井委員 いま急いでその後実態を調査したというのですが、この九月に実態調査は終わったわけですが、一体その実態調査の結果はどう出たのでしょう。
#84
○和田説明員 実態調査は九月ではございませんで、本年六月に完了いたしまして、すでに六月末に次官会議、閣議にも報告し、世間にも発表いたしましたので、その内容を申し上げますと、まず調査の方法論でございますが、昨年十二月一日、現在の実情に基づいて調査をいたしました。その場合、主として農業用に使用できないものが問題でございますので、都市計画法の適用市町村についてはその全市町村、それから非適用の町村につきましては、北海道は約半分、都道府県は五分の一という程度の調査をいたしました。その結果、現在国有農地として所管をしておりますもの六千三十九ヘクタールのうち四千八百十四ヘクタールの調査が終わったわけでございますが、これについて申し上げますならば、すでに農業用の送水路あるいは公園等、公共施設に転換をするためにその決定が終わっておりますものが約千百ヘクタール、農耕適地として今後とも農業用として利用すべきものと考えられますものが約二千二百ヘクタール、それから現在すでに市街地の区域内に入っておりまして、ごく近いうちに市街化することが適当だと考えられますものが約六百ヘクタール、現在市街地の中へ組み込まれてはおりませんが、ごく近い将来に都市化が予想されるいわゆる都市近郊にありますものが約千五百ヘクタールございます。これらの調査帳簿はそれぞれ県及び村の農業委員会に備えつけておきまして、関係各省にもこれをお示しをして、これらの農耕適地であります二千二百ヘクタールはともかくといたしまして、近郊農地と、それからすでに市街地の中に転在をしておりますものにつきまして、公共用に使うことを優先するという趣旨で現在関係各省の利用計画を聞いておる、そういう段階でございます。
#85
○浅井委員 いまのお話で公共用地に使うという話でありますけれども、いまのままではできないわけでありますので、施行令の改正なり立法措置なり、まずそういう実態調査が終わった段階でありますので、大臣としても腹づもりはあると思います。いつごろ、どういう内容のものとして今後考えていくか。
 もう一点は、旧地主に返還しないで地価対策の面を考慮して、公共的な目的、たとえば子供の遊園地等にはっきりと使っていくそういう所信、この二点を明らかにしてもらいたいと思います。
#86
○倉石国務大臣 私どもの手元で、いま後段であなたがお話しになりましたように、こういうものは公共の用地として公共の用に供することがいいではないか、たとえば都会地などで子供たちの遊園地が乏しいのであるからそういうことに活用することがいいではないか、そういうような御意見がなかなか多うございます。
 しかし、一応買収農地につきましては、法の定めるところに従ってやはり旧地主の了解も得なければならないということもございますので、ただいま農地局長が申し上げましたように、いろいろな角度から政府部内において検討をいたしまして、その結論を待って対処してまいりたい、こういうことで、寄り寄り関係省の間で研究をいたしておる、こういう段階であります。
#87
○浅井委員 じゃ農地局長、施行令の改正の問題、立法措置の問題、いま大臣は答弁しないで行っちゃったわけですけれども、この問題はどう考えていますか。
#88
○和田説明員 旧所有者、つまり農地改革当時の所有者から一種の強制力をもって土地収用に類するような強制買収をいたしたものでございますから、その所有権を自作農創設の目的以外の目的に使用する場合にどのように考えたらよろしいかということは、法律論としては憲法論との関連が多分にございまして、単に政令をいじるとかなんとかいうことで片がつくかどうか、基本的に問題がございます。
 そういう意味で、いかように利用するか、関係各省とも実際の必要と申しますか希望と申しますか、そういう具体的な使い道等を十分検討した上でわれわれとしてもいろいろ調整をしなければならない問題がありますので、単に政令を直すとかなんとかという問題ではなくて、やり方によっては法律を必要とするだろうと思っておりますが、何ぶんにも憲法論、特に所有権の問題とも関係する問題でありますから、慎重に各方面の意見を聞きまして対処いたしたいというように思っております。
#89
○浅井委員 その問題はもう去年から論議されている問題なんです。憲法上疑義がないという問題もあるし、いわゆる私有権侵害になるかならないかという問題が論議をされたのです。そこで昨年において施行令の改正なり立法措置をしようということにきまったのです。だから実態調査をしようということなんです。そしてその当時の農林大臣が払い下げはしてもいない、そう言っているにもかかわらず現状としては払い下げをしておるんです。それについてどうだと言ったらば、適法にやっておる。それではまるで国民を愚弄している、ばかにしている。払い下げはしていませんと言いながら適法なものは払い下げしておる。この事実をどうだと言っているんです。あなたはいまパーセントを引かれて、前々年度と前年度を対比されて、少なくなっておるという。そういう慎重に取り扱う問題が、やはりあなた方のその実態調査自体を長くやっている間にどんどん払い下げを進めていけばいいという考え方のように勘ぐられてもしようがないと思う。
 この問題について明らかに農地報償の問題がある。農地報償法で旧地主に対する報償はされておる。そのされておるのにさらにまた返還する。この問題もまだはっきりしていない。そういうこともあって大きく問題となったこの国有地の返還問題について、一年たってもまだ明らかな結論が出ない、まだ各省と相談して検討中であります。あまりにもお役所仕事過ぎませんか。ですから、その点についてどういうふうにするのか、それを私は聞いているわけです。
#90
○和田説明員 必ずしもお尋ねの趣旨がわからない面もございますので、あるいは的はずれになるかもしれませんが、もう一度従来の問題点を整理して申し上げますと、現行の、現在生きております農地法の第八十条という規定がございまして、公用、公共用、その他公益上やむを得ない事情があるときには、自作農創設のために買収した農地であるけれども、これを、買収を実質的に取り消すのと同じ効果で旧地主に返して、そして公用、公共用、その他やむを得ない公益上のために使うことができるという現行法があるわけでございます。前回問題になりました政令は、公用、公共用、その他公益上やむを得ないものに使うという具体的な用途がきまらない前に、市街地の中などに含まれた農地等については、だれが見てももう農業用には使えそうもないから、そういうものは一括して処理をしてしまおうという考え方の政令改正案でございました。
  〔委員長退席、高橋(清)委員長代理着席〕
これは他の機会等にも早く処理をすべしという御意見が、たとえば参議院の決算委員会等でもございまして、そういう趣旨でいろいろ研究した結果が、昨年の政令で、一定の基準に該当いたしますものには、公益に利用するという具体的な事実がきまらない前に、農地としての観念を捨てたいという政令改正を考えたわけでございます。その部分が問題になりましたので、それはたな上げをいたしました。しかし、現行法で公用、公共用、その他やむを得ない公益に農地を使う場合には、旧地主に返すべしという八十条の規定は現に生きておりますし、それから下級審ではございますが、各種の裁判所におきましても、それは旧地主に返すべきである、また、旧地主から請求があれば返さなければいけない義務があるというような判決の例もございます。
 そういう現行法の規定がございますので、先ほども申しましたように、今後の取り扱いについては、現行法の規定の取り扱いについては十分慎重にやるという前大臣の御方針に基づいて慎重に処理をいたしまして、従来よりも少ない件数で、ものごとに当たってはおりますが、道路や公園や学校敷地や公団住宅等に対して、農業用の土地としての環境を持っておりません土地を使用することは、現実の社会の動きの中でやむを得ませんから、やむを得ない範囲のものについてはやはり現行農地法八十条で処理をいたさなければ社会全体のいろいろな動きが回転をしていかないという事情もございますので、したがって、万やむを得ないものについて慎重に処理をした結果、扱ったものが従来よりもはるかに件数の少ない数字になっておるということを申し上げております。
 第二に、たな上げをいたしました問題に関連しては、先ほど若干の数字を申し上げましたように、本年の五月ごろには実態調査の集計を終わりまして、それを関係各省にお示しもし、関係各省での公共用あるいは公用への利用のしかたについて各省の具体的なお考えをいま伺っておるわけでございますが、それを九月末までに各省からお出しをいただきたいと申し上げてまいりましたが、まだ全部が出そろっておりませんので、具体的な使い方がどうであるかということがきまらなければ法律、制度としていかようにすべきかという方針もきまりませんから、各省のお考えがまとまりました上で具体的な方法を検討する、そういうふうに申し上げておるわけでございます。
#91
○浅井委員 いまあなたは、やむを得ざる公共、公用地のみに払い下げておるというニュアンスの話ですけれども、実際にあなたはその数字を――それ以後、去年の十一月以後確かにいわゆるやむを得ざる公共用地のみに払い下げられたのか、それとも、個人が払い下げてもらってすぐ転用しておる事実がありますが、それをあなたは御存じでいまそういうような答弁をなさっておるのですか。
#92
○和田説明員 私は先ほどから公用、公共用のみしかやらないとは申し上げておりませんので、公用、公共用、その他公益上やむを得ないものというのが現行法の規定でありますから、従来もそういう方針で処理してまいりましたけれども、それをできるだけしぼって、急ぐものの範囲に限定して処理をしたということを申し上げておりまして、全部が全部公用、公共用だけだというふうには申し上げておりません。
#93
○浅井委員 それじゃいままでとちっとも変わっておらぬということじゃないですか。慎重に取り扱うというけれども、数字の上においたって一つも変わっていない。あなたは前々年度比より少ないというが、東京都を例に見たって一つも減っていません。それをあなたは減っておるとおっしゃった。もちろんいままでの条文に当てはめた、公共用地に対するものとしては払い下げなければならないという農地法の第八十条、これはわかるのです。それが、いままで適法に払い下げておったことが問題になってきたのです。わずか買い上げ当時の二円六十銭平均、東京都の場合では一平米三円。この値段が問題なんだ。それに対して、時価に対する対価あるいは農地報償費を引いた額とか、いろいろ都の案が示された。それをいままで、問題になって約一年ほおかぶりしたままそのままずるずるとやっているという事実を私は言っているのです。あなた自体がそこで幾ら答弁をされても、そのときに同時に問題になった論点は、そのような周囲の地価変動をあまりにも無視した価格、隣が一坪六十万円、新横浜駅の民有地は坪当たり六十万円、その土地の隣が坪三円、二円六十銭平均、それでもって払い下げる。そういう地主に対する特定的な恩恵というものは非常におかしいじゃないか。それに対して何とかしょうということであったわけです。だからそれを緊密にやろうということで実態調査をしたわけです。それがこの九月で一応出たわけです。いまあなたは発表しないとおっしゃっている。一応実態調査は終わっています。それをまたぐずぐず延ばしているから、私はその点について、一体いつになったらやる気があるのか。これは当時世論を巻き起こした問題なんです。それをいまだに平然として置いておく役人のスローモーぶりを私は指摘しているのです。
#94
○和田説明員 先ほど件数を申し上げましたのは、私、勘で申し上げているのではないのでございまして、もう一度全国数字を申し上げたいと思いますが、三十九年度におきまして転用をいたしました面積は百四十六万一千六百七十八平米、それから四十年度は百九十四万四千七百七十七平米−でございます。四十一年度には七十万二千五百三十六平米ということで、著しく数字の違うのがいま申し上げた数字でおわかりをいただけると思いますが、要するに、慎重に処理するということで従来とも慎重に処理はしてまいりましたけれども、万やむを得ないものに限定をするということで処理をしてまいった実績がいま申し上げた数字でありまして、全国合計では対前年比三六%になります。東京都はあるいは多いかもしれませんが、それは東京都の都市化が急激であり、それによって取り巻かれ、農業の環境が悪くなった土地が多いというような事情によるものと思いますが、全国的には十分慎重に取り扱っている実績がいま申し上げた数字であります。
 それから、実態調査は先ほども申し上げましたように今年五月終了いたしました。それを公用、公共用に主として使うことについて、農林省が使うわけではございませんから、関係各省に具体的な使用の方法をいま尋ねておるわけでございますが、それがまだ関係各省から出そろわないので農林省として具体的な方向がまだ立ち得ないということを申し上げておるのでありまして、いたずらにじんぜん日を送っておるなどという事実は全くございませんので、そういうことはおっしゃらないでいただきたいと思います。
#95
○浅井委員 いつまでにやるのですか。
#96
○和田説明員 関係各省の利用のしかたについて具体的な案をお願いしておりまして、それを現在九月末までに出してもらうようにお願いしておりましたが、まだ完全に各省から出そろいませんので現在督促をいたしておりますが、具体的な利用のしかたがはっきりいたしました上で、法律論もございますので、内部で十分打ち合わせをして処理をいたしたいと思います。
#97
○浅井委員 いつまでですか。
#98
○和田説明員 松野大臣はでき得れば次の通常国会にというふうに申し上げておりますが、私どもも間に合えば次の通常国会までに法律的な処置が必要なものについては検討いたしたい、こう思っております。
#99
○浅井委員 スローモーということをあなた言わないでいただきたいと言いましたけれども、その間に七十万平方メートルの地主の人たちがどんどん批判を浴びたまま払い下げを受けているのが事実なんですよ。そのときには松野さんはその後払い下げを全部ストップしておるということをここではっきりと言明されておる。そのときの会議録を一ぺんおとりになってあなたごらんになるといい。ところが、全部ストップしておるという大臣の発言にもかかわらず、いまあなたがおっしゃったように全国的に七十万平方メートルという払い下げが行なわれているじゃないですか。その点についてはどうなんです。
#100
○和田説明員 私先ほど若干説明が足りませんでしたが、先ほど申し上げました数字は払い下げをした数字ではなくて、現行法でも払い下げといいますか、要するに農地改革による買収を実質的に取り消すと同一の効力を発生いたします前に事業主体にしばらく貸し付けをいたしまして、確かにその事業に使うことを確認をしてから処理をしておるわけでございますが、ただいま申し上げましたような数字は、事業主体にとりあえず貸し付けをしております数字でありまして、そのまま旧地主に払い下げをした数字ではございません。そこのところは私の説明の不足でありましたので、訂正します。
 ただ、現行法でそういう手続をとりましたものにつきましては、今後法律改正あるいは新たな立法等をいたしましても、やはり現行法が生きておりますから、そういう意味では実質的な払い下げということになるかと思いまして、そのところの説明を省略したわけでございます。
 なお、先ほども申し上げておりますように、当時松野大臣がお答えになりましたことは、今後の取り扱いについては、万やむを得ない範囲で慎重に処理するという気分のことをお答えになったものというふうに私は理解をいたしております。また、当時大臣からもそういう処理をするようにという御指示で処理をしてまいったわけであります。
#101
○浅井委員 あなたと水かけ論をしてもしようがないのだけれども、このことについての当時の議事録あるいは新聞報道には、そのことについて農林大臣から慎重に取り扱え、あるいは佐藤総理からも慎重にこの問題については扱うようにという指示が出ております。これはやはり佐藤内閣の四十一年十月の決定方針であったはずです。ところがいままでと同じような姿でやってきている。慎重にということについては、これは何もあなたのおっしゃるように少なくなったから慎重になったというのではないのです。いろいろと問題になったからそれをやめようということだった。そういうニュアンスの話で慎重に取り扱う、あるいは松野さん時代全部ストップしておりますとはっきりとここで答弁しておる。だから、それが私はおかしいと言っておる。
 その間もう一つ問題点がありますけれども、農地報償の問題に触れておきたいのですが、四十年の四月に農地報償費として約一千五百億円が支払われることにきまったわけです。その旧地主に対する報償の進みぐあいはどうなっておるか。それに対して、資格があるのにまだ何の通知もないという声も聞いておる。これが一点。
 もう一点は、旧地主への買い上げ価格での返還はいろいろ物議をかもした問題であります。旧地主への報償と返還をやると重複になりますので、この点に対する考え方はみんな多くの国民が納得いかない問題で、これは明らかに法律的にされていない。この点についての政府の立法措置、これをしなければならぬはずです。これに対してはどういうように考えますか。
#102
○森説明員 総理府で農地報償を担当しております森でございます。ただいまの御質問に対してお答えを申し上げます。
 農地報償業務の進捗状況でございますけれども、この三月三十一日で市町村段階におきまして法律の規定に従いまして締め切りをいたしまして、受理した総件数が百十八万七千四百五十二件でございます。これにつきまして市町村でいろいろ審査をいたしまして、これを県に上げまして、県は市町村から回ってきたものを認定をいたすわけでございますが、九月末で認定をいたしました認定済み件数が百十五万千二百十七件でございます。比率にいたしますと九七%になっております。それからこの県が認定をいたしましたものをさらに総理府のほうに報告が参りまして、総理府のほうで審査をいたしまして、これを大蔵省のほうに国債発行の請求をいたすわけでございますが、大蔵省に国債発行を請求いたしました処理済みのものが百六万三千九百六十九件、進捗率が約九〇%でございます。大蔵省のほうでは総理府から回ってまいりましたものをさらに審査されて、日銀に対して発行の令達を出すわけでございますが、すでに令達済みのものが百二万五千三百四十九件、率にいたしますと八六%、これはやはり九月末の数字でございます。さらにこの日銀の段階で御本人に対しまして国債を交付する通知をいたしました通知済みのものが、これは九月末のものがまだまとまっておりませんで八月末でございますが、八十七万七千四百五十七件、九四%と相なっております。これを金額的に見ますと約一千億に相なるわけでございます。
 次に、二番目の御質問の農地報償で報償金をもらって、一方農地法八十条で払い下げを受けたものについて、いわば二重取りというか、二重の利得が得られることになるが、それに対して先般の八十条の問題との関連でどういうような取り扱いにする考えかというお話がございましたが、これにつきましては、実は農地報償法、正確に申し上げますと、農地被買収者等に対する給付金の支給に関する法律でございますが、これが四十年の六月に施行になっておりますが、この法律立案の当時、あるいは国会の審議の段階におきましてこの問題が当然問題になりまして、これについては、どういう取り扱いをすべきかということのいろいろな政府部内の検討並びに国会における御論議がございまして、その結果、これにつきましては、法律の第二条第二項の中で、第一号でございますけれども、農地報償の金額を算出する場合の基礎といたしましてのいわゆる農地被買収面積でございますが、その面積の計算上、八十条によって政府から旧所有者に売り払われたその面積については、四十年の三月三十一日までに払い下げたものについては控除する、差っ引く。四十年三月三十一日と申しますのは、農地被買収者の給付金法の施行の日が四月一日になっております。先ほど六月と申し上げましたが、これは公布の日でありますが、四月一日にさかのぼって適用になっております。その四月一日の以前、農地報償で給付する以前までに八十条で払い下げを受けたものは被買収面積から差っ引いて報償金額を計算する、こういうような規定で、いろいろな議論の末なったわけでございます。
 かようになりましたのは、結局、一方で農地報償の手続をいろいろ進めていく段階で、御承知のように、被買収面積と金額が見合って被買収面積の多寡によりまして金額をこまかく一定の算式に基づいて計算するということに相なっておりますが、その場合において、一方八十条の旧所有者に対する売り払い措置がこれも順次売り払いが行なわれてきているということと見合いまして、それらが両方からみますと、実際問題として手続上給付金額を算定することが非常に困難になるというようなことに相なるということで、結局法律施行前と施行後と分けまして、施行前におきましてはこれは差っ引く、しかし施行後においては、農地法八十条によって払い下げを受けたものであっても農地報償法の給付金の額の計算上は別にその問題は触れないという現行法の形になったわけでございます。
 昨年も、先生のおっしゃるような農地法八十条のいろいろな問題が出ました機会におきまして、この八十条によって売り払いを受けようとする者が、一方もうすでに農地報償法によって給付金をもらっている場合において、それをいわば放置して、一方時価に相当すると非常に安いような価格で払い下げを受けるということは二重に利得にならないかといういろんな議論は出たわでけございます。私ども総理府といたしましては、この農地報償法の法律の施行責任、施行事務を担当いたしております部局といたしまして、これについての割り切り方といたしましては、やはり立法当時のいきさつもございますし、それから、そもそも農地報償法で給付金をもらった場合において、今度は八十条によって資り払いを事後的に受けた場合に、すでにもらった報償金を返させる、返還を命ずるというようなこととか、あるいは返還を命ずることあるべしという条件のもとに給付金を出すということは、やはり法律制度として非常に不安定な制度ではないか。また、実際にすでに使ってしまったような人に返還を命ずるということも問題があるということもございますし、それから一方また、八十条によっていま申し上げたもののほかに、いわば動いている時点でいろいろ計算するということも問題があるというようなことから、やはり現在の給付金法二条の規定どおり、八十条の問題はいろいろあるといたしましても、これは立法当時においてその点を割り切った上で法律を制定し、これを施行しているという立場上、現在の法律は現行のまま、特にこれについて検討をし、改正するという必要はないものというふうな考え方でおるわけであります。
#103
○浅井委員 簡単にいえば、結局二重取りがやむを得ないというのですね。
#104
○森説明員 これは二重取りあるいは二重に利得するという御意見はあるわけでありますけれども、農地報償につきましては、御承知のように、これは対価ではございませんし、また補償でもございません。報償という形の、まあいわば一種の一方的給付という考え方でございます。したがって、いまお話のような二重取りという形、いわば同質のものを二重に取るというものと必ずしも考える必要はないのではないかというような考え方で私どもはいるわけでございます。
#105
○浅井委員 むずかしい法律のことは私もわかりませんけれども、戦後いわゆる農地解放ということから、そういう旧地主、大地主から政府が買い上げた。それに対して報償法で補った。一応うなずけるわけです。ところが、それが現在地価が高騰して、かく一般の国民が困っておる。そして今後都市再開発等のいろいろな問題があって、都市の住宅、あるいは公園、あるいは道路等の設置で非常に土地がないので困っておる。それに対する施策として、こういう国有農地の払い下げを、いわゆる八十条は生きておるからまあやむを得ない、そういういき方で、農地報償はそのまま生かして、そして払い下げたものにもそのまま恩典としてやっておる。あくまでもこれは二重取りだと私は思う、戦時中に多くの国民は戦災者として被害を受けた。それに対して補償はされていない。また、ダイヤの接収もあった。ダイヤは持ち主がわからないからといって、それは接収しつばなしで、今度はどんどん放出しておる。その放出価格は買い上げ時代のではない。時価で放出しておる。それらの点を考えると、この農地の問題だけについては非常に恩典が与えられておる。これは、農地局長、いわゆる八十条は生きておるけれども、こういう姿があっていいのか、あなた自身としてそれを矛盾として感じませんか。その点はどうでしょう。
#106
○和田説明員 決算委員会の席でございますから、私が軽々に私見を申し上げることは適当でないと思いますが、先ほど来申し上げておりますような経過で現在政府部内で慎重に検討いたしております。
#107
○浅井委員 あなた自身がはっきりとした御答弁をなさらない、都合の悪いことは御答弁なさらないのですけれども、こういう実情に現在農地がある。緊急的な問題であるわけです。国民はこれについて非常に不満を持っておる。ですからこれが問題となって取り上げられて、それが一年間も放置されて、そうしていまだに実情がはっきりしない。実態調査の結果が、各所に問い合わしておるけれども返事がこないという、その点を私はあくまでもスローモーだと思うのです。こういう問題について、てきぱきした処置をするのが、国民の政治に対する不信を取り戻す大きな政府の方針でなければならないわけなんです。それをわれわれが、こうやって、こういう場で追及しなければ、声を大にしなければ動こうとしないような態度に見えるわけです。
 だから、この問題についてあなた自身にいろいろとお聞きしたけれども、あなた自身はこれは慎重に取り扱っておる、私は慎重に取り扱っていない、そういう対立になっているわけで、あくまでもこれは、いまの私たちの感覚で、当時の農地の買い上げ時代の二円六十銭平均というような不当ないわゆる安い価格で払い下げられ、そして払い下げを受けた者がすぐ転売をしておる、そうして巨額の富を得ておる、さらに農地報償法でもってその農地報償費をもらっておる、そういう事実をこのまま漫然と送っておるということについては、これはあくまでも怠慢であると私は指摘したいのです。ですから、この点について、農地局長も本気になってこの問題についての是正あるいは法律、施行令の改正、この点をやってもらいたいと思うのです。あなた自身の決意はどうでしょう。
#108
○和田説明員 調査が終わっておらぬのではございませんので、どういう環境のところに現在の国有農地があるかということは、先ほど数字も申し上げましたように、実態調査は終わりましたわけです。ですから、それを、総理も言われましたように、公用、公共用に優先して使うとするならば、どのような公用、公共用に使うかということが関係各省なり関係市町村でまず具体的な計画が出てこなければならない。その場合には、たとえ子供の遊び場一つつくるにしましても、各種の施設を要しまする等、経費も必要でございますから、予算面の手当ても必要でございます。そういう意味で、関係各省なり関係地方公共団体において、それを公用公共用に優先的に使うについて、具体的にどのように考え、どのように予算措置をするかということを現在関係各省に検討をしていただいておりまして、その数字があがってきておらないということを申し上げておるので、調査が終わっておらないわけではございません。
 それから、なお若干議論にわたって恐縮でございますが、なるほど農地改革のときから相当の年数を経ました間に、いろいろの事情で土地の価格は変わってまいりましたが、現行の八十条は、払い下げというよりは実質的に自作農創設という目的で政府が強制買収をしたものを、その目的に使わないのでございますから、政府の強制買収を取り消すという自主的効果を考えて、収用目的以外に使う考え方で処理をしておるわけでございます。政府が買収するしないにかかわらず、現実の社会情勢の中では、地価の値上がりがありましたから、たとえば政府の買収にならないでも巨万の富を得た人はおるわけでございまして、要するに、別に巨万の富を得たことが農地法の責任ではなかろうと思うのです。ただ、この八十条の処理を前回直そうとしたときに、先ほど来いろいろ言われましたような具体的な問題がございますので、実態調査し、さらにいま申しましたように、公用、公共用にできるだけそれを優先して使う場合の各省の具体的な利用方法、それに伴う予算措置等について関係者で検討いただいておるわけでございます。それらの具体的数字をなるべく早くお出しをいただいた上で、先ほどもちょっと触れました憲法論とも関係がありますから、法律論を詰めて、できるだけ早い機会に法律改正等の手続をとりたいというふうに思っております。
#109
○浅井委員 最後に、関係各省とできるだけ、実態調査を終わったんだから、いわゆる土地利用に対して考えておる、そういうことはわかるのですけれども、その方針について大体実態が出ているのですから、たとえば非常に公共用住宅という大きな土地が少ない、いわゆる小さな農地が多い、だから、これは公園にしょう、と政府の方針としてきめれば、その方向で私はきまると思うのです。それぞれ各省がこれは公園だ、これは住宅だ、これはほかの公共用の使用に付する、それぞれのセクト主義な考えから主張を繰り返しておるんではなくて、このことについてはこういうふうにやるのだという方針をきめれば、私は、それで大体の方針というものはきまると思うのです。各省の意見を聞くことは、これは非常に順当のような考えでありますけれども、いつまでたっても意見はまとまらないと思うのです。ですから、私はその方針を明らかにせよ、たとえば児童遊園地をつくるということに方針をきめて、そうして、それに対してこういう通達をし、その調査を待って目的を果たしていこう、そういう方針をきめて当たっていくべきだと私は思うのです。それをあなたは、いま関係各省に当たって調査をしておる、まだいわゆる八十条の問題はどうするのか方針をきめていないで、それで使用目的をきめるということは、私は非常に不可能だと思う。八十条の法律をこういうふうにする、だからあくまでも公共用に使うのだ、これはもう八十条は生きているわけです。だから、その八十条に対して、その公共用をどのように当てはめるのだ、そういうはっきりとした政府の方針を立てない、いわゆる関係各省の意見ばかりをまとめておるのではしようがないと思います。私はその点について少し疑問に思います。どうですか。
#110
○和田説明員 どうもお尋ねの御趣旨が理解できないのでございますが、先ほどお答えをいたしましたように、できるだけ公用、公共用に優先して使うという考え方、政府の方針はきまっておるわけであります。ところが、具体的にその国有農地のあります場所、あるいは一件当たりの面積、そういうことで何に使えるかということは、私が使うわけではございませんから、それぞれ児童公園なら児童公園、あるいは住宅施設なら住宅施設というふうに、それぞれの所管庁で、あるいは市町村で現場を見られて、それの一番いい公用、公共用の利用のしかたを現在御検討いただいておるわけでございます。数省からはすでにそういう具体的な利用の計画等についての報告を受けておりますが、まだ関係省全部からのが取りまとめられていないということを申し上げておる次第であります。
#111
○中村(重)委員 厚生省社会局長、先ほど農林大臣に私がお尋ねしました今度の干害に伴って厚生省は調査しておられると思うが、制限給水あるいは断水という事態が起こっておる。離島ということになってまいりますと、牛深の例のように、船ではどうにもならなくて、自衛隊の飛行機をかって運んだという事態が起こってきたわけです。ああいうように、離島等において断水という状態になって、深刻な状態にあることは御承知のとおりであります。あなたのほうで調査しておられると思いますが、そういうことで災害救助法を発動しようといまのところ予定をしておる地区はどの程度あるのか、まずそこをひとつ聞かせてください。
#112
○今村説明員 お答え申し上げます。
 先ほどお話がありましたように、天草の離島牛深、それから御所浦町、もう一つは竜ケ岳という小さい島がございますが、その三市町村には、県知事の申請に基づきまして、九月二十九日から発動ということにしたわけでございます。これは――いまの御質問に入ります前に、災害救助法発動に至るまでの手続を申し上げます。
 これは、普通大風が吹いて住家が一千戸あるいは五百戸というふうに滅失したというふうな場合には、災害救助法の政令に基づきまして、一定の基準がありまして、それがあれば知事さんは、厚生大臣に相談しなくても、即刻発動してよろしい、こういう規定になっております。ただ、それだけでは災害というのはおおわれませんので、たとえば、ずっと昔でありますが、新潟の弥彦山で、みんなお参りに来て、押し合いへし合いで数百人のけが人が出たというようなことがありました。あるいは瀬戸内海で紫雲丸事件というのがあって、何百人というのが死んだのか漂流しているのかわからぬというような突発的な事件があったわけであります。そういうふうに一定の基準に書きにくいものは、厚生大臣に知事から――これは電話でも何でもよろしゅうございます。こういう事態である、したがって発動してよろしいか、発動権は知事にございますが、その場合に、一定の戸数とか死亡者とかなんとかいう大きなものは政令に書いて全権委任でございますが、それ以外の特定の突発事故で何が出るかわからぬものは厚生大臣に協議する、こういう仕組みになっております。
 それで、実は今度の干害につきましても、九州なり佐賀なり長崎なり非常に心配しておりましたが、最初は農業用水あたりが非常に中心になって、飲料水までは、ぎりぎりのところそれほどのことでもなさそうだというので、七月、八月、牛深でも九月の五日前後くらいまでは何とか、かつかつやっておったわけでありますが、その後に急速に各自の井戸水がどんどん干上がってくるというような状況、もちろん市でも漁船を頼んだり、あるいは自衛隊の船を頼んだりというふうにして、水俣あるいは阿久根ですか、あそこから運んでくる状況でありますが、井戸が干上がってくるに従がって運ぶ量がどんどん上がってふえてくる。ところが必要最小限度の飲料水につきましても、大体九月末現在くらいで一日に一人十五リットルくらいだろうと思います。そういうふうな状況で、これでは伝染病も出てくる、皮膚病も出てくるというふうな状況、しかも市町村長にしてみますと、本来水の供給は市町村長の責任でありますけれども、いまや陸の中では金さえ出せばトラックでも何でもということになるかもしれませんが、ああいう特殊の離島であって、船舶で運ぶよりほか方法がなく、島内では水が一滴も出ないというふうな状況でありますので、船舶の手配、これは市町村はとても手に負えない。自衛艦もございますけれども、これは水船というものはほとんどございませんで、甲板にキャンバスを張って二十トンか十トンとか運ぶという状況でございますので、これもあまり当てにはできない。といって漁船はみな漁業関係とかなんとかで、これは災害救助法の発動という、知事の権限でいわゆる非常事態として協力命令あるいは業務従事命令というふうなものを発動しないと、金だけの問題ではない。金さえあればこれは特交でもらえば金ぐらいはすぐ出る。ちょっとことばは悪いのですが、問題はそこまでいかぬと船も手に入らない。漁船はこれは魚を入れるところを全部洗いまして、キャンバスを張って運ぶので、せいぜい二十トンから十八トンとかいうような小さな漁船を五、六ばい集めなければならぬ。これはなかなか生活ができぬ。これは県に頼んで県知事が強制を発動しなければならぬというふうな状況に立ち至ったというふうな状況でございますので、県から詳細な資料をもらいまして、十月五日になりまして、知事申請の日付にさかのぼって発動する、こういうふうな決定が出たわけでございます。したがいまして、これは熊本にも佐賀にも長崎にも――佐賀はないかもしれませんが、それぞれ離島というふうなものがありますので、そういう状況になりまして、県知事のほうで、とても地元の市町村長では手に負えない、しかも船なりタンクローリーなりというふうなものの徴発といってはことばが悪いのですが、災害救助法として協力命令あるいは業務従事命令を出しますが、そこまで持っていかなければ市町村くらいではどうにもならない。しかも工業用水それから農業用水が一切ストップして、人間の必要最小限度の生活の水を確保するだけでもそれだけの行政権力が必要だというふうな状態になりますれば、それは災害救助法ももともとこんな事態は想定していなかった法律のようでありますけれども、やむを得ないのじゃないか。生命身体に直接的に影響があるというふうな、こういうことで発動したような次第でございます。これは長崎にも離島がございますし、熊本にも鹿児島にもございます。あるいは天草のほかの地域にもございます。そういう地域で道都府県知事が市町村にまかせられない。災害救助法第二十四条、第二十五条、その辺のいわゆる協力命令の発動というしかけでないとどうにもならないという事態になれば、県のほうからそれぞれ厚生大臣に対する協議申請という形で出てまいるものというふうに考えております。
 それから水の関係につきましては、環境衛生局の水道課で技官を天草諸島に派遣して実態を調べたり、いろいろやっておりますから、各市の、先ほど申しましたように断減水の状況とか水の保有量の問題というものは関係筋のほうで詳細なものを調べておりますが、あわてて参りましたので、その資料を手元に持ってまいりませんので、状況をつまびらかにいたしておりません。
#113
○中村(重)委員 形式的な手続としては私もわかっているし、災害救助法の発動が、そういう意味では知事権限であるということも知っています。知っているのだけれども、あなたが詳細な答弁の中であげられたように、従来例のないような形において災害救助法というものが発動されている。ところが、やはり従来の形式にとらわれて、非常に深刻な事態であるけれども災害救助法まで発動をしていないというような府県もあるだろう、こういう事態に対しては、厚生省は県からの報告を待つまでもなく、やはり積極的に乗り出して適切な措置を講ずる必要があるのだ。水の問題に対しては、最終責任はやはり国なんだから、水がなければ生きていけないのですから、そういう点に対してどのような適切な措置を講じておるのかということを私はお尋ねしたいということから、災害救助法に対する取り組み方をあなたに明らかにしてもらいたいということでお尋ねをしたわけです。
 だから、先ほど私が例として長崎県で完全断水をやっている地区が幾らある、それからまさに突入しようとしているところがある、その中には離島が相当入っているわけですから、完全断水であるということになってくると、当然水を運んでいかなければならぬ。県が災害救助法をまだ発動していないにしても、しなければならないという事態であるということはもうあなたのほうではわかっているだろうと思う。だから、そういう点に対して詳細あなたの調査した結果を聞かしてもらいたかったということが一点であります。
 それから、災害救助法を発動いたしましても、あなたが言うように、金だけであってはどうにもならない。だがしかし、災害救助法を発動することにおいていろいろと措置することはできる。できるけれども、先般閣議でいろいろ牛深の災害救助法を発動することと関連いたしまして、水の問題をどうするか、この渇水にいかに対処するかということにおいて議論をしたのだけれども適当な考え方は出なかった。まさしく自衛隊にすがりついておるというような実態なんです。だから、船で運んだりあるいは飛行機で運んだりするといたしましても、そうそれが長く続くものではないので、何らかの措置を講じなければならぬということに私はなると思う。そうした応急的あるいは恒久的な対策について、あるいは先ほど私が申し上げましたように、申請がないけれども、どういう状態かということをあなたのほうは把握して適切な措置を講じていく必要があると思う。だから、そこらに対してひとつ実態をもっと詳しく聞かしてもらいたいと思うのです。
#114
○今村説明員 第一点の各県の渇水状況、これは端的に申し上げますと、熊本県の天草あるいは熊本の本土といいますか、大きい市のある大陸のほうでありましても、最初はいわゆる産業用水、農業用水の確保ということが問題で、県庁にいわゆる対策本部というものを、これは八月早々ぐらいにつくっておったわけでありますが、飲料水まで火がついて、県で、熊本県だけでありますが、対策本部を緊急につくりましたのは九月二十五日という状況で、この部面においては飲料水は比較的少量なものでありますから、県としてもその準備がおそかったということはいえるかと思います。現在厚生省の水道当局で九州方面あるいは四国の西のほうというところまで詳細に調べておりますが、その資料を持ってまいりませんでしたのは申しわけないのです。
 第二点の御質問でつくづく思いますのは、たとえば天草のように、あるいは長崎の離島のように、結局毎年の天水天水ということでやっておりますのは、恒久対策というものが非常に不十分じゃないか。たとえば厚生省でいいますと、水道水源地の確保の問題あるいは簡易水道の問題、いずれも一万トンとか二万トンぐらいしか入らないような非常に小さなものしかない、あとは天水にたよるというふうなかっこうなので、しかし、これはいますぐ災害救助法の関係でということでなしに、いわゆる水道対策あるいは簡易水道対策あるいは建設省のダム関係とも関連あると思いますけれども、その辺の対策は同時的に発動してもらわないと、ことしには間に合わないにしても、来年、再来年というふうな問題に大きな禍根を残すのじゃないかということで、原正省のほうでそれぞれの主管局に私どものほうからいろいろ注文を出しております。しかし、現実、おっしゃいますように、人間が生きる最低限度の水というぐらいなものは、船であろうが、ヘリコプター――ヘリコプターというのは幾らも積めぬと思いますけれども――というふうなものについてはいままで前例がありませんけれども、災害救助法発動に踏み切ろうじゃないか、そのかわり知事としてはそれに全力をあげて船を集め、それから熊本では酒屋さんの酒づくりに使うタンクローリーみたいなものをいっぱいかき集めておるのですが、それが一番問題になりましたのは、十月の二十日ごろには新酒の仕込みになる、その水タンクをみな返してくれという話になりまして、市町村と業者のかけ合いでは話にならぬ、状況によれば、知事がそれを強制的に借り上げるというふうなかっこうまでせなければならぬほどの事態になってきております。そういう状況で、各市町村ごとのデータは持っておりませんが、御了承いただきたいと思います。
#115
○中村(重)委員 そうすると、船で水を運ぶ、そういうことに対して災害救助法を従来発動したことはないけれども、今回はそれでも災害救助法を発動して差しつかえない、そういうことをそうした干害地の都道府県に対して通達をしておるのですか。そういうことで指導しているのですか。しておるけれども、なおかつ先ほどあなたがあげられた町村以外に災害救助法を発動したという報告があなたのほうにきてないということですか。その点どうです。
#116
○今村説明員 お答え申し上げます。
 熊本県に関しましては、離島以外の状況をだいじょうぶかと聞きましたら、それ以外はいまのところはだいじょうぶだ、いわゆる本土側といいますか、熊本とか八代とか、あっちのほうのところは、不足は不足であるが飲料水が干上がってしまうという状況ではないということであります。それから長崎県は、一週間ぐらい前、熊本の災害救助法発動以前でありましたが、そういう状態で、いろいろ離島あたりで心配なんだが、災害救助法を発動することが可能であるか可能でないかという程度の電話がございました。そこで、これは離島でどうしても船で水を運ばなければ干上がってしまうというふうな状況であるならばそういうこともあり得る、したがってその辺の詳細なデータを出してくれぬと困る、こう言っておきました。鹿児島でもそういう動きが――あそこはそれほど困っていないのですが、離島が若干ありますので、単に照会程度の意味で、そういうことは可能でしょうか、一応念のために伺いたいという電話が入っております。中村(重)委員 十二日に衆議院の災害対策特別委員長が上京してきて、そこで災害救助法を私があげたような事態に対しては当然発動すべしという申し入れをたぶんすることになるであろうということを伺った。それで、あなたは先ほど例外として、今回は災害救助法を、船で離島に水を運んでおるというような場合については発動するということを認めたものだと思うのです。しかもそれは県の知事の権限であるのだということであった。ところが、いまのお答えだと、何かそういうような災害救助法を発動しなければならぬというような、たいへん水不足で困っておる、船で運ばなければならぬというようなそういう事態があるとするならばデータをひとつ送れということをあなたのほうで指示したというならば、それは自動的に県が発動するのではなくて、やはり厚生省が災害救助法を発動するということを一々指示しているという形になる、あなたの答弁からうかがえることは。それならば、私がお尋ねをしたように、どの県で、そしてその県の町村の渇水状態はどうなのかということを積極的に調査をしていくというようなことがなければいけない。私の質問に対しては、的確にそういう深刻な事態を調査をして答弁し得るというような準備がなされておらなければいけないのであります。それがなされていない。何も私はあなたのことばじりをとらえていろいろ申し上げるわけじゃないのだけれども、どうもそこらあたりがはっきりしていないじゃありませんか。災害救助法の発動という問題に対してデータを送れというようなことは、それを待って何ぶんの指示をするという形にとられるのじゃありませんか。はっきりしてないように思いますよ。どうですか。
#117
○今村説明員 それは仰せのとおり災害救助法ができまして初めての適用でございまして、いままで前例が積み上がっておりませんので、私どもも少しおろおろしたというふうな問題がございます。
 それから非常に申し上げにくいことを申し上げますが、市町村長が水を供給する簡易水道あるいは水道事業についていろいろな行政責任、経費負担責任がございますので、災害救助法発動になりますと、その日から市町村長は経費を持たないで知事が全部経費を持つのでございます。そうなりますと、県としましては、その波及するところ、補助金なのか、災害救助法なのか、特別交付税交付金なのか、しかもその辺の目当てが内部的に要りますので、そこで非常にもやもやするというところが一つございます。
 端的に申し上げますならば、単に水を運ぶなら金さえあれば何ぼでも運べる、こういう状況だと思う。ただ問題は、内陸ならばトラックであれ、あるいは給水施設に導管を布設するなりというようないろいろな方法があろうかと思いますが、離島で船を徴用命令のようなものまで出さなければどうにもならぬというようなことならば災害救助法発動の意味はありますけれども、ただ経費負担が重いというなら、その筋から申し上げますならば、これは災害救助法の人命保護の問題ではなしに地方財政の負担軽減の問題でございます。これは災害予備費という問題も一つあり得ると思いますし、一つには特別交付税交付金が六%というような問題もありますし、そっちでけりをつけるのが財政負担としますれば本筋ではないか。しかも、そういうような発動をすれば一切その分は持たぬでよろしい、発動しなければ市町村だ、そう言って、私のほうでやれやれとネジを巻きますと、その辺は県知事さんのほうとしてもいろいろ県内の御事情もございますので、その辺が実は苦しいところだと思います。
#118
○中村(重)委員 率直な答弁ではっきりするわけですが、私も実はそのことを指摘したかった。だからこの問題を特に取り上げたのです。財政負担の面から責任回避をやるということは、都道府県にしても私は許されぬと思うのです。現実に離島の町村に水がないのだから、これは従来の形式にとらわれることなく、財政の問題は二の次だと思う。どうして人間の生命を守るかということに重点を置いた取り組みがなされなければならぬ。ところが、現実にはいまあなたが率直にお答えになったようなことがあるのだから、それを厚生省が克服していく、そしてそうした財政上の問題については、こういう異常災害なんだから特別交付税その他いろいろな方法があろうと思う。また、そういうことで国が責任を持って処理していくということでなければならぬと思う。だから、災害救助法をさっそく適用するということが私は何よりも重要だと思いますから、そういうことをやってもらわなければならぬと思います。その点はもう少し明確に――実態をただこういうことだということでつかんでおるだけではだめですから、それを克服することについてこの後どういう取り組みをされるか、明らかにしてほしい。
#119
○今村説明員 だいぶおしかりをいただきますが、これはこういうことでございます。
 水道関係は環境衛生局の水道課ということで技官を派遣して調べております。ある程度のデータは、先生の御満足いくところまではどうか知りませんが持っておるわけです。きょう私あわてて参りましたので、関係局長に連絡してデータを持ってくるのを忘れたわけです。それは私帰りまして、熊本ばかりでなしに、そのほかの周辺の県の市町村の状況も水道系統はわかっております。わかっておりますから、それを調べた上で、災害救助法はもうすでに三例でありますが、発動した例がありますので、決して発動しないのがいいなんという気持ちはございません。離島についてほんとうに飲み水もないというならば発動してしかるべきじゃないかと私ども思います。ただ、そういう条件の場合には、ほんとうに一般の人の煮たきから飲み水というようなものがぎりぎりのところまでいってないと、たとえば農業用水だ、工業用水だということで使い過ごしておいて、こっちのほうがなくなったから災害救助法発動ということになると、災害救助法の発動としては非常に困るという状況が一つございますので、その辺の実態を調べました上で、県からもどういう対策であるかという事情をよく確かめてみたい、こういうふうに思います。
#120
○中村(重)委員 それは心配する必要はありませんよ。農作物より人間が生きることが大事です。飲み水がない。だから、ある水を畑にかけたりいろいろ工業用水にじゃんじゃん使って、そして災害救助法を適用させて財政負担を免かれようじゃないかなんというさびしい根性を出しもしませんし、出せるようないまの状態じゃありません。しかし、あなたがそのことを杞憂されるということは、それなりにむだじゃありませんが、ともかくそういうことにとらわれないですみやかにこれを発動する、そういうことでやってもらいたい。なるほど水の問題になってくると、環境衛生局長ですから、環境衛生局長は水のそういうことを調査する、あなたのほうは災害救助法の発動というようなことに対して積極的に乗り出していかなければならないわけですから、ウエートはやはりあなたのほうにかかっている。ともかく水の問題でもいろいろと責任回避等をやる、国も負うべき責任をなかなか負わないという面がなきにしもあらずであります。
 御承知のとおり、昭和三十九年の「現代の映像」で報道された長崎の水の問題、非常に深刻な状態である。なお今日に至るまで解決してないでしょう。長崎市も隔日六時間の制限給水、この状態が続くともう断水状態になりますよ。「現代の映像」でこれはたいへん大きな社会問題になった。だからして、これが来年でも解決し得るのか、そういう恒久対策が行なわれているのかというと、なかなかそうではない。これとても県と市との間に負担割合等を通じてなかなかもたもたして多目的ダムの建設にいまだ着手してないということが実態なんです。そういうことはやはり最終責任を持つ国がもっと責任をあらゆる角度から持って指導し、監督し、みずから財政負担をしなければならないところは積極的にしていくという形で解決をしていかなければならないんではないか、このように実は思うわけであります。率直な考え方を出してもらったんですから、要は実行でありますから、すみやかに処理してもらいたいと思います。
 次に、農地局長に先ほどお尋ねをいたしておりましたことに続いて二、三お考え方を明らかにしてほしいと思うのです。
 先ほど経済局長から金融の問題に対しての考え方をいろいろ明らかにされたんですが、私が調査をいたしておりますことと経済局長の答弁とは必ずしも一致しない。現実には国のほうとしてはいろいろとできるだけ弾力的な措置をしておるのだとは思うのですけれども、やはり末端では国が考えておるような、あるいは指導しておるような方向へ進んでいないというような点も多々あるだろうと思うのです。しかし、一応の考え方を明らかにしていただいたんですからあなたにお尋ねしたいことは、開拓の農家が私は今回の災害では最も深刻な打撃を受けておると思うのです。御承知のとおりに、水田というものを持っておるわけではありません。ほとんど畑作にたよっておるし、それから果樹、ところが果樹も壊滅に近いような打撃を干拓地等においては受けているわけです。畑作の場合は、これはバレイショ、カンショ、ショウガ、蔬菜は言うまでもなくもう全滅という状態であります。ところがこの開拓農家が、自分たちは人間疎外という状態にあるのだ。なかなか金が借りられない。天災融資法を適用されても、総合農協に入っておる者はそういう面から融資の道が開かれてくるんだけれども、そうでない者はなかなかできないんだ。悲痛な叫びを実はあげているのです。この開拓農家に対して、今次干害に対する助成の措置をどのように進めていこうとお考えになっていらっしやるのか、明らかにしてもらいたいと思います。
#121
○和田説明員 開拓農家につきましては、できるだけ天災融資法による融資とか、そういうものの融資の活用を期待いたしておるわけでございますが、やはり金融でございますところの関係で、できるだけ運用の妙味を発揮するとは申しましても、総合農協との間でなかなか天災融資法による貸し付けが受けられない開拓農家が一部生ずるという実情を私どもは承知をいたしております。それらに呼応いたしますために、別個に政府の特別会計で災害資金の貸し付けということを実施をいたしておりますが、今回の九州地方におきます干ばつに関連しての開拓農家の被害の実情につきましては、各県からの要望等を今後具体的に煮詰めまして、天災融資法等で実際に借り受けのできません開拓者に対しては、いま申しましたような災害資金の別ワクの貸し付けを実施するということで処理をしてまいりたいと思っていますが、その資金の貸し付けの条件は、三年据え置き、九年償還で年利五分五厘という制度でございますが、その制度を活用してまいりたいと存じております。
#122
○中村(重)委員 それから、公庫資金の五年間延長をやりましたね。それと同じように政府資金の償還期限を延長していくということも必要ではないか。それから利子の問題は当然ですが、その点もあわせてやらなければいけないのじゃありませんか。
#123
○和田説明員 開拓者の過去の借入金が今回の災害のために償還できないというような実情も開拓者の中の相当数にあろうかと思いますが、その点につきましては、お話のように、一般農家の場合と同様に、延納その他の措置は現に指導いたしておりますが、今後も実情に即しまして、償還期限の延期なり何なり手当てをいたしたいと思います。
#124
○中村(重)委員 一般農家と同様――一般農家も今度の場合は比較できないという実態ですが、なかんずく開拓農家は深刻であるということは、私から貴重な時間をもってあなたにいろいろ申し上げるまでもなく知り尽くしておられると私は思いますから、特にひとつ開拓農家に対しては特別の配慮をしなければならない、こう思いますから、そういう考え方で対処してもらいたいと思います。何か開拓農家は、自分たちは国の政策に協力する、こういう形で入植をしたのだが、その後開拓農家は要らないのだというまま子扱いに実はされておるというようなことを盛んに言っておる。具体的ないろいろな事実等から申し上げて、そういうような不満を持つということも必ずしも当らないではないというように思われる点もあるわけです。それから開拓農家が、どうもそのままではいけないというので総合農協に加入しようというようなことがあるわけですね。ところが、総合農協に入るということになってまいりますと、加入金というものが、農協別に違うのでしょうけれども、ある農協のごときは二万五千円、三万円だというので、いまの開拓農民で二万も三万も加入金を出して総合農協に加入するということはなかなかできない。だから特定のものだけしか実は入っていないというような農協がだいぶあるわけです。だから、あなたのほうで、総合農協に開拓農協を吸収するというような考え方もあるやに伺っているのでありますが、もしそうだとするならば、やはりそういうような方向で、きめこまかい施策を講じていくのでなければ、一緒になりなさいということで一方からあめとむちみたいな形でぜひ入らなければならぬように――開拓農協ではどうすることもできないのだというので、あたたかい手を差し伸べていかないで、そういうことで入らせるような方向へ進めていく。それでは問題は解決をしない。弱い者は弱い者のように、いかにこれを守っていくか、そういう中で一体化をはかるというのなら一体化をはかるという方向でなければならないと私は思う。そういう点を御存じになっていらっしゃるかどうかわかりませんけれども、このあなたの開拓農協に対する基本的な考え、私がいまあげたような具体的な事実に対してどのようにお考えになるのか。またそれに対してこの後どう対処しようとなさるのか、伺っておきたいと思います。
#125
○和田説明員 開拓農協につきましては非常に数が多うございまして、しかも一組合当たりの組合員の数もきわめて少ない弱小の開拓農協が多いわけでございます。今後やはり一つの団体と申しますか組織として動いていきますためには、現状では必ずしも今後の活動の基礎としては薄弱であるというのが一般的に多うございますので、今後この開拓農協につきましては、それぞれの地方の実情なり現在の活動状況に応じながらいろいろ対処していかなければならないというふうには考えておりますが、一般的に申しまして何にも増して相当程度離農者その他の借金等もかかえておりますので、それらの実情を把握しつつ今後開拓農協のあり方は、おっしゃいますようないろいろなこまかな点も考え、またいろいろな経過措置も含めながら処置をしていきたいというふうに考えて、だんだんといろいろな手を打ちながら処置をしていきたいというふうに考えております。
#126
○中村(重)委員 やはり弱いものは強くしていかなければならない。これを育てていくということでなければならないと私は思う。総合農協に入りましても、貧農だというので肩身の狭い思い、総会等においても発言も差し控え、すみのほうにすわっておるというようなことでは気の毒だと私は思う。やはり開拓農協がどうして生まれてきたかという歴史的な点というものも十分勘案しながら、できるだけの施策を講じていくというようなことでなければならぬと思う。特に今回壊滅的な打撃を干害によって受けたというような点等、こういうときこそあたたかい施策を講じていく必要があるだろう、こう思います。せっかくひとつベテランの農地局長、そこらあたりは遺憾なくやられると思うのですが、十分対処してもらいたいと思う。
 それから大臣にお尋ねしたかったのですが、まあ農林省としても推進していると思うのですが、景気対策として公共事業の一律七%の繰り延べが行なわれてきている。災害地に限ってはこれをやめてもらいたいというような要求というものがなされておるわけですが、農林省として災害地に対するこの公共事業の繰り延べということを中止をするのだというようなことでいま交渉を進められておるのかどうか。あるとするならば、現在それはどういうことになっておるのか、伺っておきたいと思います。
#127
○和田説明員 御承知のように景気過熱対策ということで一般的に公共事業の一部の繰り延べということが実施をされたわけでございますが、私どもとしては今回の干ばつということばかりではなしに、できるだけ全体としての影響をカバーをいたしますために、補償がおくれて仕事ができないでいるとか、いろいろそういう実情に即した事業主体ごとの繰り延べということをくふうをしてやってまいっておりますが、西日本の実情等もございますので、お話のような点も十分考慮をいたしまして、実際にはたとえば救農土木的にこれを利用して賃金収入を落としてやらなければならぬというような実情もあろうと思いますので、繰り延べ等につきましては特定のところへしわ寄せしていきませんように十分配慮しながら、実情に応じた事業を選んで繰り延べをしていくというようなことで措置をしたいというように考えます。
#128
○中村(重)委員 政務次官、いまの点ですが、いま農地局長からお答えがありましたが、私もそのように考えております。公共事業をなるべく繰り延べて――これはほとんど道路であるとか港湾であるとか住宅であるとかそういうものですから、そこへ現金収入の道を開くということ、いわゆる災害農民を優先的に就労させるというようなことば、これはでき得ることなんですね。だからして災害地に対しては実情に応じて公共事業の繰り延べをこの際緩和していくということが私は必要であろうと思う。積極的にひとつ進言されてこれの実現を期する必要があると思う。あなたはどのようにお考えになりますか。そういうことで推進する意思がありますか。
#129
○草野説明員 何も一律的にそうした異常災害のところにまで同じなたをふるうなんということは、これは愚なことでございますから、ひとつ実態に即しながら緩急よろしきを得て弾力的な政治をなすべきだ。したがって御意見のとおりだと考えております。したがってそういう方向に努力いたしたいと思っております。
#130
○中村(重)委員 まだいろいろ御質問したいことがあるのですが、まだあとで質問したい方がありますので、やめます。
 ただ農地局長、考え方だけを聞かせてほしいのですが、この国営干拓建設事業の施行についてという会計検査院の指摘があった。三十二年度から四十年度までの間に工事を完了しまたは中止したもの六十四地区九千九百十ヘクタール、ところがその中で農業以外の用途に売り払い等の処分をしたり、処分に至らないまま工事を中止し、または打ち切り完了したものが、この九千九百十ヘクタールの二五・九%である二千五百六十六ヘクタール、この金額は五十三億五千二百四十五万円余というような指摘が実はあるわけです。これはいつも私どもは、せっかく漁業権を取り上げたりあるいはその他いろいろな方法でもってこの国営干拓を起された、ところが農地に使わないで他の目的に転用する。これは地方自治体等に払い下げしておるのだが、その払い下げも払い下げ目的によってこれを使用しておるのではなくて、これがまた他に貸し付けをやったり転用したりしている。こういうことは国費の非常なむだである。遊ばしておるということになっておると、この元利の償還というようなものは――全くこれ以上のむだは私はないと思う。一方においてはこういうようなむだをそのままにしておいて、そうして長崎干拓のように漁民の反対にもかかわらずこれを強引に干拓を推し進めていこうとしておる。これは矛盾この上なしというところです。だから干拓というものを何か全国的にこう配分をしてやろうとお考えになっておるのではなかろうかという錯覚すら実は起こすのであります。まさかそういうことではないであろうと思う。こうした干拓をどんどん活用していく、そして検査院から指摘されたようなことがないように、もちろん私ども毎年こうしたむだはないようにしなければならぬということを指摘いたしておりますが、依然としてこれが改善されていないというようなことから考えまして、どうも漁民の反対等を押えて強権発動までやって干拓をやるという意味がどこにあるのであろうかというような感じを強く受けるのですが、あなたはどう思われますか。
#131
○和田説明員 御承知のように、終戦の直前後を通じまして、非常に食糧事情が困窮をいたしました関係で、いわゆる緊急開拓ということで着手をいたしました干拓地が、たとえば当時はイモでも麦でも何かつくれればよろしいという意味で、農地を急いでつくっていくということでございまして、その後の経済事情の変化等で、農業用としての使用は農家にも希望がない、また、付近の急激な都市化傾向に伴いまして、御指摘のように、事業を開始いたします最初には農地として利用することを考えておりましたものが、その後の経済事情の変化で農業用以外に利用されたものが若干数字あることは事実でございます。
  〔高橋(清)委員長代理退席、委員長着席〕
ただ、一般的に干拓事業をいたします場合には、概して申しますならば、歴史的に見まして、やはり沿岸への上流河川からの土砂が逐次堆積をいたしまして、いわゆる州というようなものができてきて海面が浅くなる。そういたしますと背後地の排水が不良になってくるので、先へ新しく堤防をこしらえて、背後地の排水も配慮しながら、土地も造成していかなければならないということで、歴史的に見ましても、徳川時代以来百年なり五十年なりを一期として干拓が行なわれてきたということも事実でございます。概して申しますならば、そういう条件を前提にして、一方では工業用地、住宅用地等に土地がつぶれたりいたしますし、食糧自給という大命題もかかえておりますことなので、そういう条件を頭に置きながら、干拓ということを考えておるわけでございまして、御指摘のように、全国至るところに何か干拓地をばらまいておるということではないので、これはいろいろな視野から総合開発的な立場で海面をつぶして農地にしたいという非常に強い地元の要望があって、しかもそういう総合開発的な事業を実施することが国全体としても非常に経済効率がよろしいというふうなものをしぼって採択をするというふうに、最近としてはものの考え方を変えておりまして、検査院当局から指摘を受けておりますものは、大部分が終戦直前後の緊急開拓時代に着工して、その後の経済事情の変化でやむを得ず転用せざるを得ないというケースが多いわけでございます。今後ともそういう多目的に使われることが明白なものを干拓地として開発するのではなくて、地元の地域開発的な視野での農地行政、あるいはいま申しましたような海面がだんだんと背後地から流れてまいります土砂等で浅くなっていって、背後地の排水が悪くなってきておるというような自然条件、そういうものを加味しまして、今後の干拓地の採択は十分慎重に取り扱おうということで、最近はそういうふうにいたしておりますし、今後もそういう考え方で処理をしていきたいと思っております。
#132
○中村(重)委員 何も会計検査院は終戦後にやったことを毎年毎年同じようなことを限られた紙数を費して書いているのじゃないと思う。やはりそれがあるんだから、そうした遊休地等はこれを有効に活用していくようにしなければならぬ。かってに使用されている、具体的にあげているでしょう、無断使用をやらしているとかなんとかいろいろな事項を、たしか七つか八つあげていると思うんですよ。そういう問題は積極的に取り組んで解決をしなければならない。それをやっていない。したがって、依然としてこれを指摘せざるを得ないという形で指摘されているのではありませんか。あなたが言われたような事情というものもあるでしょう。あるならあるでこれはやむを得ないということにもなりましょうから、指摘されておる問題について解決されることはこれを解決していくという必要があるということです。それをやっていないところに問題があると思う。
 それから、お答えのように、干拓を何も各地にばらまくというようなことではないのだろうと思う。それはあなたの答弁のとおりだろうと思うのですけれども、ただ、いまあなたがお答えになった地元、地元とは何ぞやということなんです。具体的な問題としていま申し上げました長崎干拓の場合におきましても、千数百名の漁民はそれに徹底的に反対をする。最初は絶対反対をしておったのは三漁協であったが、現在は十二漁協全部が反対をするという形に事情が変わってきた。あなたはこれが円満に解決し実施の方向に進むことを期待しておられたであろうと思う。それがあなたの期待とは逆な方向に進んでおる。そうしてやむを得ないということでこれに同意をする者までも反対にかり立てたということはどこに原因があるのであろうか。長崎県が措置よろしきを得なかったのか、あるいは公有水面埋め立ての申請を求めたあなたのほうが漁民を無視するという形になったのではないか。それらの点はどのようにお考えになっておられるか、また見通しはどう持っておるのか。
#133
○和田説明員 干拓地の問題につきまして、先ほどの御質問に対する私の答弁、不足をいたした分がございましたのですが、検査院の指摘をしておりますような愛知県の鍋田あるいは岡山県の笠岡地区等につきましては、干拓工事がだんだんと進行いたします過程の中で、工業用地等に転換をしたいという地元愛知県なり岡山県等の意向がありまして、そういう考え方で処理をしてまいりましたところが、いろいろなことがこじれまして、なお遊ばしておる分がありますことは遺憾でございますので、こういう点につきましては私どもとしては、できるだけ早く逐次片づけたいということで、いずれも現に地元との間に相当詰めました、単価等を含めて相談をいたしておりますので、やはりいつまでも遊ばしておくことがないような、国費の回収ということには一そう努力をいたしたいと思います。
 それから、第二の、長崎干拓の問題でございますが、これはもう地元の先生でございますので、中村委員十分事情は御承知のとおりであろうと思うわけでございますが、実は私は先般、参議院の農林水産委員会でも、社会党の達田先生から同趣旨の質問がございましたときにもお答えをいたしたのでございますが、最近長崎県知事が上京してまいりまして、やはり地域開発という立場で取り上げてもらいたいということで、県も関係市町村も一丸になって希望していた干拓でもあるので、ぜひ国として既定方針どおり進めてもらいたい。その場合に、現在漁業をやっております関係漁民の立場というものは当然考えなければならないし、適当な時期に県民である漁民側の立場に立って長崎県知事が農林省との話の調整をいたしたいという県側の決意の表明等もありましたわけでございます。私は、県庁がただ、反対するのは悪人であるという考え方ではなしに、地域総合開発という立場でこれらの漁民の立場に立って話し合いをしていきたいという考え方を強く打ち出しております事情等も考慮いたしますと、いままで紆余曲折はございましたけれども、私としては見通しは明るくなっておるのではないかというふうに考えておりますし、あれは、あの干拓をやめますと、背後地の海岸堤防のかさ上げをしなければならないというような事情もございますので、地元関係市町村なり知事の非常に強い要望もございますから、できるだけ漁民との間の話も円満にまとめて、早期に既定方針どおりに着工する努力をしたというふうに考えております。
#134
○中村(重)委員 いまあなたがお答えになりますように見通しはそう明るくない。実は私ども社会党の県本部におきまして、国内農業を発展させるという方向で原則的にこれに賛成をするという態度をとってきてきた。したがって絶対反対に迎合するという形は避けてきた。ところがどうも農林省並びに県のやり方が無用な混乱を起こさせるという方向にある。今度の公有水面の埋め立て修正にあたってやはり農民の同意を得るという努力をしないまま申請をやった。いわゆる強権発動という形に形式的にはなると思うのですが、これは適当ではなかった。このことが全部の農協を反対にかり立てた。しかも長崎県が同意する方向にある。
 いわゆる条件によって賛成をするという態度をとってきて、絶対反対の旗をおろしてきたんだ。そういうところには公有水面の埋め立てをこういう形でやるのだという了解を得る努力を前もってすべきだったと思う。そういうことはやらないで、一挙にこういう態度を、あなたのほうが、申請をしてきたんだからやった、こう言えばおしまいだが、少なくとも長崎県が当然責任者であったから、公有水面の埋め立ては、あなたのほうが申請という形をとったわけでしょうが、そういう土壌づくりというのか、おぜん立ては当然長崎県がやるべきであった。にもかかわらず、私がいま申し上げたような努力をしない。全体の漁民が反対したところが、にわかに了解運動をいま始めておるということでしょう。こういうことでは決して明るい方向に進みません。だから絶対反対を唱えて旗をおろさないでがんばっておられる漁民の方々も、これはさらに自分たちの主張が正しかったという確信をさらに強めておるということが実態です。しかも最近長崎県は養殖漁業という形であれを淡水化してそこに入れるというようなことを明らかにしたのです。ところが、その他のそうした干拓における淡水化、それに基づくところの養殖漁業というものがうまくいっておるのか。これはなかなかうまくいかない。いっていないというような実態というもの等を調査をして一なかなかこれは反対というものの旗をおろそうというような状況ではございません。私は大蔵省所管の当委員会におきましても大蔵大臣の見解をただしたのですが、ともかくいま三年間予算をつけてこれを執行しないでまた予算をつけるというようなやり方は、決算の立場から見てもどうしても賛成しがたい。だからしてもうこれをやめて出直すのか、あるいは補償額をここで明示して一あなたと、私は電話で話したこともあるのでありますが、ほかを調査をしておるのだから、補償額は一応確実でなかったにしてもある程度出る。だからそういうことで漁民の不安というようなものを幾らかでも解消するという努力をすればいいのに、それもやっていない。やるべきことはやらないでおいて公有水面埋め立てということによって強権発動をして強引にやるんだという態度を示されたことは、明らかにむちゃな行き方である。あまりにも反対している者の考え方というものを無視した態度であると私は思うのです。そういう態度の中からは決していまあなたがお答えになったように解決の方向には向かうものではありません。だからしてむしろ私は出直すということのほうが適当ではないかというふうに思うわけです。しかしいまあなたがここで出直しますというような答弁はおそらくできるものではありますまい。そういう期待はいたしませんが、ともかくいまのような状態ではだめであるということです。それと強権発動、いま申請はそうしたけれども、この後はそういうことは現実にはやらないならやらないということで誠意を持ってこれに対処していくということでなければならぬと思うのですが、あなたの考え方を最後に伺って、私はきょうは一応この質問を保留して終わりたいと思うのですが、どうですか。
#135
○和田説明員 干拓でございますので、やはり公有水面を埋め立てをいたしますが、埋め立ての免許権者は中村委員御承知のように県であります。いずれかの時期に干拓に関します公有水面埋め立て免許の手続を県知事としては踏まなければいけないのでありますが、先ほど来若干御意見がございましたように、免許の手続として関係市町村の意見を聞く段階が、確かに一時の措置として早過ぎたということは私も思いまして、その手を打つ前にすべきこととして、関係各組合から代表委員を出してもらっていまお話しのような金額の交渉なり、あるいは干拓後の生活対策なりを一本にまとめて話し合いをする組織をつくってほしいということを県に申し入れをいたしまして、県が現在鋭意そういう補償を含めた問題を話し合いをいたします組織づくりに努力いたしておるわけでございます。私といたしましては、そういう組織づくりができました上でお話のような数字を全体として示す、その他その後の対策等を含めまして国がやるべきこと、あるいは県にやってもらうこと等も含めて具体的なこととして話し合いを進めていきたい。ただそういう形で進みます過程の中で、大多数の者が理解をして協力をしてくれるかどうかということは今後の問題だと思うのですが、私としてはできるだけの手を尽くし、できるだけの努力をいたしまして、話し合いを円満に進めていきたいという気持ちには、この前お答えをいたしました以後変わっておらないわけでございます。
#136
○中村(重)委員 いまあなたのお答えの中で、市町村の同意を得るということが早過ぎた、それはもちろん早過ぎたと思うのですが、問題は、あなた御承知のとおりに公有水面埋め立ての許可というものがなされると、漁業権の問題というものが今度は漁民の権限から失わられるということになりますね。そこに大きな不安を感じておるから、条件によっては賛成しようという態度を示しておった漁民も、補償がどうなるのかわからない、漁業権というものが事実上取り上げられてしまったということなら反対に回らざるを得ないじゃありませんか。だからそういうことに対してもっと誠意を持って対処していくということでなければいけないのです。ただ、いまあなたが、円満にことを解決するように努力をしていきたいというあなたの考え方はそうだろうけれども、そのとおり事態が動いてない。すべての県にしてもその他の関係者がそのとおり動いてない。だからあなたがそういう考え方なら全体がそういうように動くようにしなければならないと思います。そうしてとにかく誠意を持って話せば通ずると私は思うのです。だからどうしてもだめなら今度はやむを得ないのだ、大多数が賛成したのだからやむを得ないのだということではなくて、やはり反対をしておるという人はそれなりに生活権の問題で言っておるのだから、メンツにとらわれることなく、あっさり出直すべきは出直す、そういうような態度でなければ、一たんこぶしを振り上げたんだから国のメンツにかけて貫徹しなければならぬというようなそういう態度であってはならぬと思う。やはり反対をしておる人は反対のための反対ではない、生活権という問題である。しかも反対漁民のやっている漁業というものは漁業の中でも成長的な漁業であることであるし、有明海というものが養殖漁業に最も適しておるものであるし、少なくとも年間十億程度の利益をあげておる地帯であるというようなこと、その重要性というものも十分お考えにならなければならないのではないか。そういうことであらゆる角度からこの問題に対処して、適切な問題解決をはかっていくということでなければ私はならないと思います。最後にいま一度お考え方を明らかにしていただきたいと思います。
#137
○和田説明員 地元が地域開発的な立場で、県知事並びに市町村長がいまなおあの事業の早期着工、促進ということを希望いたしております。ただ、関係漁民に対する補償その他を含めての地元での従来の接し方が、おっしゃるような意味では若干情に欠けておったきらいは確かにございます。そういう意味で、最近は私ども県庁その他地元との連絡もよくなり、冒頭申し上げましたように将来への期待は明るくなったというふうに考えてもおりますし、無理押しをしないようにできるだけ誠意を尽くして説得しながら、円満に着工できる方向に持っていきたいというふうに考えておる次第でございます。先生も地元でございますので、よろしく御協力をお願いいたします。
#138
○鍛冶委員長 浅井美幸君。
#139
○浅井委員 北東北のビートの問題ですけれども、その補償問題についていまいろいろ検討中だそうでありますが、それらのことについてまず長官の考え方をお伺いしたいと思います。
#140
○大口説明員 北東北のてん菜の問題についてのお尋ねだと思いますが、北東北すなわち青森県並びに岩手県、秋田県の一部につきまして、新たにてん菜の生産を導入いたしましててん菜糖の生産を開始したのは数年前でございます。その導入いたしました当時、国といたしましてはてん菜振興地域に同地区を指定いたしまして、てん菜の生産を進めまたフジ製糖株式会社が青森県に工場を設立いたしまして、砂糖の生産を開始してすでに数年を経ておるわけであります。てん菜糖を導入いたしました当時の計画といたしましては、ほぼ数年後に同地域のてん菜の生産量が工場の採算点に達する数量に計画的に拡大化されるということを前提に、国も各県当局もてん菜の生産の指導、奨励に当たってまいったのでありますが、一昨年を境といたしましててん菜の作付面積並びに生産量が停滞もしくは若干下降ぎみになってまいったのであります。かたがた国内における砂糖の価格というものが、製糖業者の設備過剰等が原因となりましてしばらくの間きわめて低迷状態に推移をいたしておる関係上、同地域に工場を設立いたしましたフジ製糖といたしましては、連年赤字操業を続けておるというのが現状であったのでございます。本年の三月に至りまして、フジ製糖株式会社としてはこのままの状態でさらに本年てん菜糖の生産を続けることはとうていできないということから、工場の閉鎖を決定し、その旨を県当局並びに農林省に通告をしてまいったのでございます。ところがその当時は、すでに本年度のてん菜の栽培について農民は着手をいたしておる時期でありましたので、私どもといたしましては、本年のてん菜をすでに生産をしておる生産農家に対しては、工場閉鎖に伴う打撃をこうむることのないようにすべきであるという見地から、本年栽培をされるてん菜の処理につきまして、いろいろ各方面の協力を求めつつ今日まで努力してまいったのでありまするが、遺憾ながらフジ製糖の現地にございまする工場は、同会社の労使間の関係が非常にうまくいかないということから、この設備を使って本年のてん菜糖の生産を継続することが不可能であるということになりましたことと、それからまたできましたてん菜を輸送手段によって北海道に輸送をして砂糖にするということは、本年の北海道のてん菜の生産量その他から見て、必ずしも北海道のほうで引き受け手がないというようなことから、やむを得ず先般県当局と協議の結果、本年のてん菜につきましては、国は最低生産者価格相当額についての金額をてん菜の生産量もしくは作付面積に応じて支出をする、なおできましたてん菜は農家並びに農協等の努力によって飼料あるいはアルコール原料等に活用することによって、何とかして従来の、工場が閉鎖をする前の状態において、てん菜生産農民が、工場の原料の買い入れによって受けておった所得レベルを確保するように配慮するという趣旨の結論に到達をいたしたのであります。
 なお同地域は、明年以降につきましては、農林省としてはやはりてん菜にかわるべき作物への転換等について、さらに現地の県当局等の協力を得て、作付転換等について今後まだお世話をする必要があると思いますが、本年のてん菜の処理についてはいま申し上げたような次第でございます。
 以上が、北東北てん菜の昨年末あたりから今年にかけての経過のあらましでございます。
#141
○浅井委員 大体経過はわかったのですが、いまの東北四県に対するビート栽培は、政府の奨励作物として非常に積極的にその施策を進めてきたわけです。したがって相当の国庫の補助金等も出して、この生産に当たってきたわけですけれども、現地の農民たちの意見でありますけれども、わずか数年足らずで政府が奨励しておったものが急にやめることになった、これに対する政治不信は非常に強いものがあります。これに対する政府の考え方、また長官自身の考え方はどうでしょう。
#142
○大口説明員 先ほど申し上げましたのは、単なる経過でございまして、私どもが数年前に同地域をてん菜の振興地域に指定をして、県当局等の協力を得て生産を奨励してまいったのにかかわらず、かかる事態に立ち至ったということは、少なくとも現地の農民諸君が国並びに県の施策に信頼をして今日まで栽培に専念をしてこられたということが、突如としてこういうことになったということについては、まことに農民諸君にとってお気の毒であるというふうに思いますと同時に、私ども今後かかる施策を推進する場合においての非常に大きな反省の材料にすべきではないかというふうに痛感をいたしておる次第でございます。
 かかる事態に立ち至りました理由を述べればいろいろ理由はございまするが、ただいま御指摘のような結果になりましたことが、農民の信頼を裏切るという結果になったことについては、私ども非常に道義的な責任を感じておる次第でございます。
#143
○浅井委員 時間の関係もありますので、率直にお尋ねしたいのですが、いま政府の考えておるのは、トン当たり、たしか六千九百七十円、いわゆる最低生産者価格という線できめられているわけですけれども、いままで農民はこれを少し加工して工場渡し実勢価格が四百十円プラスされて七千三百八十円で工場へ渡しておりました。そしてさらにそれに見合うところのビートパルプとしての還元を受けていた。それは飼料代が市販で買うよりもトン当たり大体四百円ほどの還元代金として利益があった。したがって、農民あるいは農協では七千七百八十円の補償をしてもらいたい、そのことを非常に強く要求しておりますけれども、政府ではこのことについて予算措置がなかなかできないのでと言って渋っておりますけれども、これに対して、いわゆるそれらの精神的な打撃、政治不信、まあ過当保護、過ぎたる保護であったとしても、いわゆる昨年の買い付けの六千九百七十円を物価高騰の時代にそのまま当てはめるということは、私としては非常に不当なようにも思うのです。この点に対する見解はどうでしょうか。
#144
○大口説明員 ただいまおあげになりました最低生産者価格六千九百七十円並びに従来の慣行取引価格としてプラス四百十円を加えた七千三百八十円というのは昨年の価格とは実は違うのでございます。北東北のビート会社とビート生産農民との取引価格というのは、従来北海道におけるてん菜の生産農民と製糖工場との間に価格の取りきめができますと、その価格に五十円をプラスした価格というものが北東北の生産農民と製糖会社との間の取引価格になるという慣行が続いておったわけであります。
 そこで北海道におきましては、本年のてん菜の取引価格として七千三百五十円、すなわち昨年に対しまして百三十円アップということが決定をされたのでございます。今年におきましては、北東北はすでに三月十日に工場閉鎖が決定をいたしておりまするので、具体的には北東北の農民と工場との間に価格の取引がないわけでありまするから、私どもとしましては、もしかりに工場が閉鎖をしなかった場合には、おそらく北東北では農民と工場との間に七千三百八十円というものが取引価格として決定をせられるであろうということは、私どももそのとおりであろうと思います。
 そこで問題は、従来工場と生産農民との間に価格が決定をされます場合には、その価格というのは、工場が指定をいたしまする集荷場所まで農民が堀り起こして持ってまいって、それで工場側が指定をするような形で不用部分を切り捨てるというような形で引き渡す金額になっておるわけであります。本年は何とかしててん菜を砂糖の用途に使うべくあらゆる手段を講じていろいろ研究いたしましたが、遺憾ながら今日の時点では現地の工場を使うこともうまくいかず、また北海道に送って砂糖にすることもうまくいかないということから、やむを得ずその処理を現地の農民並びに経済連が最も有利と思われる方法で処理することにゆだねる。すなわち集荷場所まで持ってくるという経費をかけないで、またできたてん菜も農民がそのまま飼料用もしくはアルコール用に自由に処分をしてもかまわないということにいたしたのでありまして、いまおっしゃられまする四百十円の差額というものは、大根を生産者の所有に帰属せしめたままで処理をすることによって、飼料もしくはアルコール用に処理をすることによって平均四百十円というものはまかないがつくであろうということが県並びに経済連の現在の見通しでございます。私どもは、それがまかないがつかなかった場合の相談はまた別途する必要があろうかと思いますけれども、一応そういうことでやっておるわけでありますので、従来の所得から四百十円だけ切り落としたということにはならないと思います。
 それからもう一つは、従来は大根を工場に渡しましたあとで、砂糖をしぼったあとのかすのいわゆるビートパルプというものをフジ製糖としては現地の農民に還元をいたしまして、現地の農民はそれを自家用のえさに使おうとあるいは転売をしようと自由ということになっておりまして、それが市価より大体四百くらい安い価格で還元をいたしておりました関係で、その四百円というのは期待利益になっておるということは御指摘のとおりであります。この点につきましては、国が糖価安定法によって最低生産者価格を決定をしてやっておるという制度のもとにおいて、国が責任を持って補助金その他の名目で財政負担をし得る限度というのは、おそらく最低生産者価格ということになろうかと思いますが、しかし農民が現実にそういう所得を得ておったことも事実でありますので、この点については、私ども、内々の話としては、各地方自治体がこの分についての穴埋めについてはある程度のお世話を願うということを期待いたしておるわけでありますが、何ぶん地方自治のことでありますので、私どものほうからこうせい、ああせいということをいろいろ指図をするということもいかがかと思いますので、そういうふうなことを私どもとしてはお話し合いを通じた結果、期待をいたしておるというふうに御理解いただきたいと思います。
#145
○浅井委員 経済連と農民に植え付けのまま買い付けて、そうしてあとの処分をまかすというのですが、アルコールあるいは飼料といまおっしゃいましたけれども、アルコールはわずか四千トンか六千トン。八戸のアルコール工場だったと思いますが大体六万トン以上ことしも生産、わりあいに豊作だということを聞いております。したがって、その処理、アルコールはほとんどできない、十分の一もできない。あと飼料と言いますけれども、なまのままで飼料をあまり食べさすと、畜産のいわゆる牛や馬には非常によくないというふうにいわれております。そうすると、これは大半が腐るわけです。こういう点からいろいろと、ただ一律財政的なもので六千九百七十円というふうにきめられるのは非常に不当である、そういうふうにいわれております。いまビートパルプの還元代金、いわゆる飼料として還元されるものについて地方自治体でめんどうを見てはという内々の話であるという話ですが、これは長官も御存じのように、地方自治体の財源というのは非常に少ないわけです。これの四百円というのは地方自治体でめんどう見ろということは理屈ではわかるのですけれども、なかなかそれだけの財源は地方自治体にはないわけです。これに対するしわ寄せは農民にそのまま切り捨てごめんできそうな感じなんですけれども、この点はどうでしょう。
#146
○大口説明員 アルコール用に転用し得る数量というのは、ただいまおっしゃられた程度だと思います。
 それから、それ以外のえさ用に向ける場合に、えさとしてあまり食わせるとよくないという事情もあるようでございますが、しかしこれは要は食わせ方でございまして、私どもが現在承知いたしておる範囲では、岩手県はほとんど飼料用として全部処理ができるであろうというふうに聞いております。青森県は何ぶん数量が多いためにアルコール用並びにえさ用として処理をしてなお若干残りがあるということが起こり得るかもしれませんが、しかしいずれにしましても、ただいまおっしゃられたように大半が腐るということにはならないと思っております。
 それから地方自治体の問題をきわめて回りくどく申し上げましたが、実はこの問題の相談には知事並びに県当局がしばしば上京されて十分相談ができておるわけでありまして、ただこういう席で県はこれを引き受けましたということを申し上げることが、また県の中において不測の議論を巻き起こすこともあろうかと思って、私はやや回りくどいことを申し上げておるわけでありますから、その点は私の申し上げておる期待をしておるというのは、相当程度に確実の実現性のある期待ということばとしてお聞き取りをいただきたいと思います。
#147
○浅井委員 その点でも私はいろいろな面から先般政府に申し入れたわけですけれども、公明党として七千七百八十円という補償までしていただきたいということと、それからビート栽培の転換をこれからやらなければならないのですけれども、先ほど長官はいろいろとこれから考えていくというお話ですけれども、抽象的に北東北の畑作振興に対する積極的な対策を努力するということできているわけです。事実上寒冷地適作物としてビートが選ばれて、そしていままで奨励を受けて、それに約二万戸の農民が従ってきた。そして酸性の非常に多い土壌なので、非常に適しているというわけで張り切ってきた。ところが来年からどうしたらいいのかというのがいま非常に農民たちの当面の問題なんです。はたして何をやったらいいのかちょっと困る。オカボにしようかそれともジャガイモにしようかということでいろいろといま悩んでおりますけれども、収穫期を迎えて、来年の用意をしなければならない農民たちに、今後こういうふうにきちっとするのだという具体的な方針を私はすみやかに食糧庁としても農林省としてもこれは発表してやることが親切だと思うのです。
 なおいまこういう席上で、地方自治体の四百円の補助、ビートパルプの還元代金という、飼料のあれをこういうところで発表してはいけないというようなお話のように受け取れました。何かいろいろと問題がある。だけれども私は、これはやはり明らかにちゃんと六千九百七十円に対していわゆる還元代金として四百円出すのだということをはっきりと公表したほうが、私は農民の政治に対する不信を一日でも早く払拭することができるのじゃないかと思うのです。私はその辺に政治的な問題でいろいろと苦慮なさっていらっしゃるのでしょうけれども、何かすっきりしないものを感じるのです。どういうことでそのように知事が了承しているのだけれども発表できないのですか。
#148
○大口説明員 別にこれは発表してはいかぬとかいいということを申し上げているのではないので、実は、もしかりにこの席で私が、県はそういうことで約束をして出すはずですということをはっきり言えば、県の議会では国から言われてやるのはけしからぬという趣旨の御質問に知事が困られることは確かであります。やはり知事としては、県の自治体の独自性から、御自分の判断で、国からの指図でなくそういう措置をおとりになるということのほうが実現性がスムーズであろうと思います。しかし一方において生産農民としては、何らかの形としてだれが出すにしても早目にはっきりとした確約が出たほうが安心だという点はお説のとおりであります。おそらく現地においてはその点は間もなく明らかになる時期であろうかと思いますが、先ほど私が回りくどい表現を用いたのは、そういうことを配慮しているだけでありまして、発表することが政治的にどうのこうのと、そういうことではないのでありますから、その点は誤解のないようにお願いいたしたいと思います。
 なお来年以降の問題につきましては私どもできるだけ現地の農民がスムーズに転換ができるということについては、農林省の園芸局を中心に、今後いろいろ努力していただくことになろうかと思いますが、園芸局長が見えておりますので、園芸局長のほうからお答えをいただきたいと思います。
#149
○八塚説明員 転換作の問題につきましては、確かにただいま先生がお話になりましたように、私どもといたしましても、あの地帯に対する経営上の適作物としてビートを奨励してまいったわけでございますから、そのビート作が来年以降期待できないということになりましたことは残念でもございますし、しからば転換をどうしようかということもなかなか重要な問題でございます。ただビート作を結局中止せざるを得なかった一つの理由が、水稲の開田なりあるいは陸稲の面積の増等もございましてということでありますので、私どもといたしましては、できるだけ地元の農家あるいは地元の町村の要望を入れつつ、転換を指導してまいるというふうに考えておるところであります。ちょうど現在各県が地元の町村の要望をとりまとめ、県でさらにそれを検討して、こうもしたい、ああもしたいという要望を持ってきておられます。きょうあたりもなお県当局と私どものほうでいろいろ技術的に打ち合わせをいたしておるような状況でございます。
 いずれにいたしましても、なかなか技術的にもむずかしい問題ではございますが、長官が先ほど来お答えを申し上げておりますように、従来の奨励をいたしてまいりました経緯もございます。あの地帯の農業事情等からも考えまして、できるだけ誠意を持って慎重に今後転換作に対応してまいりたいというふうに考えております。
#150
○浅井委員 長官のことばじりで悪いのですけれども、いま知事のメンツが大事なようなお話で、農民のほうは何というか、何か捨て置かれたような感じの答弁でありますが、何も県当局だけの責任ではないのです。農林省自体もこれに対して推奨をし、奨励したわけです。ですからはっきりいうと、知事のほうで四百円持つということがわかったならば、早急に私は発表すべきだと思うのです。いま長官のお話では、農民のほうはわかっているようなお話でありますけれども、農民のほうは全然わかっておりません。私は数日前に現地に行っていろいろな人たちと話し合ってまいりました。ちっともそのことについては納得もしておりませんし、ただ県議会がどうのこうの、知事がどうのこうのという、スムーズにいかないという政治的な問題では私はないと思うのです。ですからその点で私は申し上げたのですけれども、長官も内容をお話しし過ぎたのかしれませんが、その点私はちょっと解釈に苦しむわけです。私はすみやかにこれを公表して、いわゆる政府の行政責任として、この問題に対する補償をこういうふうにやるのだということを明確に訴えるべきだと思うのです。このビート栽培の政府の買い上げ価格としてこうだということを明確にしないと――いま園芸局長の答弁でも、まだいま慎重討議している最中であります。まだどうやっていいか手探りでありますから、補償もまだはっきりわかっていない、そういう非常に不安な実情、窮状を私は申し上げているわけです。まして青森県の三戸ですか、あの辺の地帯は陸稲、オカボにしたのですけれども、オカボはまた全然不況でありまして、収穫も五分の一ぐらいになっております。これに対する補助等も考えておられると思います。これもあとでお聞きしたいのですけれども、その点で長官は、今日すみやかにこれは公表すべきであると私は思うのです。その点はどうでしょうか。
#151
○大口説明員 別に知事のメンツとかそういうことを申し上げているつもりはないので、やはり国と地方自治体との関係というものは、そういうものであるべきだということで申し上げたわけですが、ただ回りくどいことを言っても、言ってしまったので結局同じことですが、実は県は出しますと言っておりますということですから、隠したことにちっともなっていないわけでありまして、また県知事がこの前相談のときにはそういうふうにいたしますということを言っておられることも、これは事実ですから、県知事が地元にどういうふうに発表されておりますかは私は詳しく存じませんけれども、もしこれがまだあやふやなものであれば、いままでの農民が期待しておった金額との関係で、もっともっと騒ぎはあと尾を引いていると思いますが、しかしいずれにしてもただいま御指摘になりましたように、農民の不安を早く取り除くことが先決問題であるという点については私は全く異議はありませんので、早く農民がそういうふうにして、少なくとも本年の措置についてのめどをはっきり承知をするという方法を講ずることについては、私もその線でやってまいりたいと思っております。
#152
○浅井委員 では、六千九百七十円と四百円がプラスされて、七千三百七十円、これが実際農民に渡る価格で、あとのいわゆる実勢価格というか、四百十円の工場渡しの分は考慮されない、そういうふうに受け取っていいでしょうか。
#153
○大口説明員 国が財政資金として負担をするのは六千九百七十円、それから県が予算措置等を講じてめんどうを見るのが四百円程度というふうに聞いておりますが、従来の取引慣行価格と最低生産者価格との差額に相当するところの四百十円は、農民の処理にまかせられておる大根、えさ、アルコールその他のもろもろの用途に転用することによって平均四百十円の手取りが実現されるものと期待をいたしておるということでございます。
#154
○浅井委員 それからいわゆるフジ製糖の青森工場ですね。あれに対しては今後どのように措置されますか。これは開設するときに、北海道東北開発公庫から十三億の融資を受けて操業を始めて、わずか五年足らずでありますけれども、その辺についての考え方はどうでしょうか。
#155
○大口説明員 現地の工場の処理の問題につきましては、まだ私どもとしては確たる結論が出たようには聞いておりません。また食糧庁がこれをどうするこうするということを食糧庁の意思だけでやってしまうというわけのものじゃございませんが、ただいろいろ巷間伝えられるところでは、この設備をどういう形で活用するかという話ではいろいろ出ておりますけれども、まだその話はそれほど進んでおると思いません。また私どもとしましても、本年のてん菜がいよいよ砂糖以外の用途に使われるということは、先ほど来御指摘になっておりますように、従来手塩にかけて栽培をしておった農民としては非常に悲しむべきできごとであろうと思います。ところがその大根をまだ掘りもせぬうちから、工場の嫁入先がきまるというのはあまりにも農民感情を無視したことになりかねないので、私はこの結論をそう急いで出すべき性格のものではないというような配慮も一方においては持っております。
#156
○浅井委員 それで私たちは――農地局長いますか――転換畑地に対しては、緊急に土地改良事業を実施して、これに要する費用は全額国庫負担をしなさい、こういう申し出をしております。それから二番がてん菜栽培のために購入した農業機械等の農家の自己負担金を補償する。いわゆるてん菜栽培のためにトラクターを買ったその附属設備、トラクター自身は全部に使うか使わないか、ちょっとよくわかりませんけれども、てん菜栽培のために買った農業機械の自己負担金の補償、あるいは転換後の収入を確保するための資金の確保等について必要な措置。それから四番目が、栽培中止によって被害を受ける酪農農家に対する保護育成。それから転換農家の各種営農資金の金利を引き下げて償却期限の延長等の優遇措置。それから六番目が、転換農家に対して減税措置を講ずる。こういうことを私たちは考えておりますけれども、これに対してはどうでしょうか。
#157
○八塚説明員 先ほど来お答えを申し上げましたように、私どもといたしましても、従来栽培を奨励してまいりました経緯もございますから、転換の対策については十分な誠意を持って対処いたしたいというふうに考えております。
 そこで具体的に、たとえば転換に関連をいたしましての土地改良を今後する、たとえば団体営等を行なっていく、あるいは酪農その他畜産関係の施策を行なうというようなことにつきましても、地元等から要望も出ております。私どももできるだけそれを採用して、転換先の対策といたしたいというふうに考えておりますが、ただ全額国が見るのだという線はとっておりません。と申しますのは、従来もたとえば鹿児島県等におきまして、暖地ビートの転換をやったわけでございます。その当時におきましても、私どもの考え方といたしましては、そういう転換のために通常以上の予算の配付をいたしたわけでございますが、補助率であるとか、あるいは補助の採択の基準であるとか、そういうものは別に特別の措置をいたさなかったのでございます。そういうこともございますし、できるだけの配慮はいたしたいと思っておりますが、全額国庫負担あるいは特別に補助率を上げるというふうなことは考えていないのでございます。
 なお、資金、金利、減税等につきましては、まだ地元ともよく打ち合わせをいたしておりません。具体的にあまり要望を聞いておりませんので、ただいまの段階では、正直に申し上げまして、研究いたしておりませんので、何ともお答えいたしかねるということでございます。
 なお、二番目にお触れになりました機械等についてでございます。従来、三十七年以来、あるいは省力のためのトラクター、あるいはああいう畑地帯でございますから、土壌の改良をしなければならぬというようなことで、深耕用の機械等、補助金額にいたしまして約二億程度の補助をいたしております。これは私ども、なるほどここでビートの栽培をやめるわけでございますが、元来あの地帯の畑作でもって、きわめて適当な、かっこうの機械であろうと思います。話によりますと、地元等ではこういうものは使えない。使えないので、これはますますわれわれの全部負担になるのだというふうな受け取り方をいたしております。事実てん菜栽培を中止するというショックがございますから、そういう反応があるということもわからないわけではございませんが、私どもといたしましては、せっかくあの地帯の畑作のために入った非常にけっこうな、適当な機械でございますし、他の地帯とかわりまして特別に入ったようなものでございますから、これはぜひ現地で、むしろ元気を出して活用してもらう、災いを転じて福となすということのほうが、実は地元としておっしゃってこられる本筋だと思っておるのでございますが、いまおっしゃったように、そういうショックもございますし、これは少し言い過ぎかもしれませんが、やや元気のない地帯でございます。できるだけ今後あれを活用するような方向で指導をしてまいりたいというふうに考えておるのでございます。
#158
○浅井委員 あと和田さんのほうからありませんか。
#159
○和田説明員 いま園芸局長からお答えをしたことに、つけ加えることはございません。
#160
○浅井委員 一応次官と長官にお伺いしたいのですが、農業政策の一応失敗であるとも言われているわけですが、今後の日本の農業に対して大きな転換期を迎えておりますが、こういうこと自体をさらに全面的に次官としてもどのようにしていくという、あなたの決意なり、あなたの方針なりをお伺いしたいと思います。
 それから食糧庁長官には、先ほどお伺いしましたオカボ、陸稲が三戸地帯においては特に五分の一ほどの収入になっておりますが、これに対する対策はどういうふうになさるか、それをお伺いしたいと思います。
#161
○草野説明員 結果的といいますか、現実的に失敗という言い方もできますが、初めから失敗と思ってやったわけではないので、よかろうと思ってやったことがその他の条件変化の結果こういうことになってきたのでありますから、農政一大転換の時期でもありまするし、経済的にも大きな飛躍でありますから、そこには若干の凹凸もあります。その凹凸の中での犠牲を受けたということでございますから、そういうことに対してはやはりこれを貴重な経験としながら、これに省みながら今後ひとつ十分な、周到な方法をとらねばならぬ、さように考えております。
#162
○八塚説明員 陸稲の問題というのは、私のほうの御質問の意味がちょっとつかみかねたのですが……
#163
○浅井委員 陸稲がものすごく不作なんです。それに対する保護対策をひとつ……。
#164
○桧垣説明員 農政局長なりあるいは経済局長がおればお答えいたすところでございますが、米麦等の天災による減収が起こりました場合には、一般的な制度として御案内の農業災害補償制度による共済金の支払いということが行なわれるわけでございます。ただしそれにつきましては、一定の条件、引き受け条件がございますが、引き受け条件に応じて加入をいたしておりますオカボにつきましては、農業災害補償制度によって救済をするわけでございます。
#165
○浅井委員 よくわかっておらぬようですから、この問題これはおいておきますけれども、先ほどの次官の答弁は私は受け取れないと思うのです。初めから失敗を覚悟してやったんではない、たまたまそういうふうになってきたんで、それを大きな貴重な体験としてとおっしゃいますけれども、これは長官の答弁と全然ニュアンスが違うのです。これはあくまでも失政なんです。いわゆる政治の失敗なんです。農業政策の失敗なんです。それを謙虚に認めて、そしてこれをほんとうに政府の責任において転換をし、農家に安心を与えるという姿勢がなければならないのです。ところがあなたの答弁は、全然ニュアンスの違いがあるわけなんですけれども、私は次官がそういう考え方を持っておるならば、今後の日本の農業政策、いわゆる経済体制をきめていく大事な自給自足の問題でありますし、大きな問題だと思うのですけれども、次官がそういうような考え方でもって今回の青森の問題を持っておるならば、いわゆる九州の干害対策もこれは強力に進まないと思うのですけれども、私は次官のそのお考え方に対してもう一度お聞きしたいと思うのです。
#166
○草野説明員 どういうふうにお聞きとりいただいたか知りませんが、政治の失敗、そうきめつけていただいてもそれはけっこうです。けっこうですが、しかしこれは経済的な問題の一つの大きな蹉跌が原因となってきておりますので、それをどう受け取るかということはこれは農政上の問題でもありましょうが、その結果からくることに対しても万全の対策をとることは当然であります。したがって農民に対して不安を与えるとか、あるいは今後転換すべきこの農政の途上において、希望の持てるような方向へすべての努力を傾けることはこれは必然のことでございます。したがって、そこで私たちが足踏みをするとか不安を持たせるとかそういうことはあり得ないことであります。したがって申し上げたことに対して、何かこう消極的な面だけをお聞きいただいておるようでありますが、さようなわけじゃありません。
#167
○浅井委員 次官はわかっていらっしゃらないと思うのですがね。これは三十七年に甘味資源自給力強化総合対策としてやったのです。これを三十八年において政府は砂糖の自由化を決定してあえて国内の甘味資源を圧迫するような措置をとったのです。これは明らかに日本国内の甘味資源の育成というものを無視したやり方なんです。これをあなたはわかっておっていまの答弁をなさっているのでしょうか。
#168
○草野説明員 わかっておってということはどういうことでしょうか。
#169
○浅井委員 私は文句は言いたくはありませんけれども、やはり三十七年に日本の甘味資源を育成するために政府は奨励作物としてビートを植えつけさせたのです。そしてみんな不安がっているのをいろいろ農業指導員等が行ってつくったのです。やりかけたのです。そうしたならばコストの安い砂糖をどんどん入れてきたわけでしょう。当然輸入の糖価と国内糖価との差があるわけですよ。それに対して政府があえてそれをとるということ自体が、国内産業を圧迫しているわけですよ。私は長官だったらよくおわかりだと思うのですけれども、その点長官どうでしょう。
#170
○大口説明員 いまの問題を政務次官が御存じなくお答えになったのだとは私は全然思っておりません。いまの輸入糖と国内糖との問題は、先生が御指摘になりましたように輸入糖は確かにコストが安うございます。国内産糖の競争はとうていできないわけでありますから、現在輸入糖を原料とする製糖会社から糖価安定法に基づいて一定の金額を、課徴金を課しまして、それを国内産糖の高い価格とプールするという措置を講じておるわけでありますから、砂糖が自由化をされたことに伴っての国内産糖に対する影響というものは完全に遮断をする制度ができております。したがいまして私は今回の東北ビートの問題が砂糖の自由化に結びつけて論議をされておる向きがあることは承知をいたしておりますが、私はそれ以外にいろいろ原因があることはここで時間の関係があるのでるる申し上げませんが、少なくとも現在の国内の砂糖の値段が非常に安い、低迷いたしておることは、私は砂糖の自由化の直接の結果とは思っておりません。また現にそういうふうに砂糖業界の人も理解はいたしておるはずでございます。ただ砂糖の自由化というものがある程度突然の措置であったがために、すべてのその後に起きた問題は全部この自由化に結びつけて議論されがちであることは私も否定はいたしませんが、現在の国内の糖価の低迷というのは先ほど申し上げましたように、砂糖の自由化直後に国内の製糖業者が争って設備を拡張をして自由化後における市場の占有率を高めようということに狂奔をした結果、需要に対して設備が倍以上になっておるということが原因でございまして、私は自由化をしたために国際糖価の荒波がじかに国内に押し寄せた、それが東北ビートの破滅を招いたというような因果関係とは思っておりません。おことばを返すようで恐縮でございますが、私どもはそういうふうに理解をいたしております。
#171
○浅井委員 長官の意見も私ももっともだと思うのです。けれどもまた一面から見れば、砂糖の自由化を控えていわゆる砂糖業者の企業がいわゆるその設備を大きくするということで、工場を立てた、その工場を立てたためにいわゆる政府が引っぱって農民に生産を奨励した、そういうような見方もできるという意見もあるわけです。さらにはいわゆる米価だけが特恵措置をとられて年々上がっていく。したがっていわゆるビートをつくるよりも米をつくったほうがいいという農民の心の底にあるところの、何といいますか経済的な問題からビートをあえてつくらなかった。それに対する政府の強制力がなかった。だからだんだん減ってきた。そういう米価対策も大きく影響しているというふうにも言われております。したがってそれらの諸観点からいきますと、やはりビート対策に対する政府の一貫した方針が定まっていないと私は思うのです。その点はどうでしょうか。
#172
○大口説明員 ですから私は先ほどこの前に立って申し上げたことは、決して私どもに責任がないとか、そういうことを申し上げておるわけではございませんが、いろいろ私どもが感じておりまする原因のすべてはいま先生がお触れになりましたので繰り返すことはいたしませんが、しかしこの問題がいろんな要因の積み重ねで招来された。それを政府を批判する向きから見れば、政府の方針の一貫しておらないということばで端的に要約されておることもこれまた事実であります。
#173
○浅井委員 最後に私が望んでおきたいことは、約二万戸に近いこういうビート栽培をした農家に対して、すみやかにあたたかい保護措置あるいは救済措置をきちっととっていただきたい。このことを長官に望んでおきます。
 これで私の質問を終わります。
#174
○鍛冶委員長 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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