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1949/05/22 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 内閣委員会 第17号
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1949/05/22 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 内閣委員会 第17号

#1
第005回国会 内閣委員会 第17号
昭和二十四年五月二十二日(日曜日)
   午前十一時十五分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
本日委員荒井八郎君辞任につき、その
補欠として一松政二君を議長において
選定した。
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○総理府設置法の制定等に伴う関係法
 令の整理等に関する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○通商産業省設置法の施行に伴う関係
 法令の整理等に関する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○地方自治廳設置法案(内閣提出、衆
 議院送付)
○厚生省設置法案(内閣提出、衆議院
 送付)
○厚生省設置法施行に伴う法令の整理
 に関する法律案(内閣提出、衆議院
 送付)
○賠償廳臨時設置法の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○海上保安廳法及び海難審判法の一部
 を改正する法律案(内閣提出、衆議
 院送付)
○特別調達廳設置法案(内閣提出、衆
 議院送付)
○運輸省設置法案(内閣提出、衆議院
 送付)
○労働者設置法案(内閣提出、衆議院
 送付)
○経済安定本部設置法案(内閣提出、
 衆議院送付)
○農林省設置法案(内閣提出、衆議院
 送付)
○農林省設置法の施行に伴う関係法令
 の整理に関する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○國家行政組織法の施行に伴う労働関
 係法律の整理に関する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○小委員の選任の件
○國家行政組織法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○國家行政組織法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(河井彌八君) これより内閣委員会を開会いたします。
 ちよつと速記を止めて……
   〔速記中止〕
#3
○委員長(河井彌八君) 速記を始めて下さい。すでに本委員会の一應の決定を見ております修正案につきまして、総司令部から許可が來たもの三件を議題といたします。即ち総理府設置法の制定等に伴う関係法令の整理等に関する法律案、通商産業省設置法の施行に伴う関係法令の整理等に関する法律案、地方自治廳設置法案、この三件であります。この三件はすでに懇談会において意向が決定いたしておつたのであります。
#4
○中川幸平君 質疑を打切つて直ちに討論採決に入られんことの動議を提出いたします。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(河井彌八君) 中川君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(河井彌八君) 御異議ないものと認めます。それでは採決いたします。三件を可決すべきものと議決して差支ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(河井彌八君) それでは御異議ないものと認めます。それではこれは決定いたしました。本会議における委員長の口頭報告の内容は委員長に御一任願います。尚三案の報告書に附する多数意見者の御署名を願います。
   多数意見者署名
   〔総理府設置法の制定等に伴う関係法令の整理等に関する法律案及び地方自治廳設置法案〕
     城  義臣  中川 幸平
     新谷寅三郎  岩本 月洲
     下條 康麿  藤森 眞治
     一松 政二
   〔通商産業省設置法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案〕
     荒井 八郎  岩本 月洲
     鈴木 直人  新谷寅三郎
     藤森 眞治  佐々木鹿藏
     中川 幸平  城  義臣
     下條 康麿
  ―――――――――――――
#8
○委員長(河井彌八君) 次に厚生省設置法案及び厚生省設置法施行に伴う法令の整理に関する法律案、これを議題といたします。
#9
○中川幸平君 原案は予備審査を数回続けておるのでありまして、質疑を打切つて直ちに討論、採決に入られんことの動議を提出いたします。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#10
○委員長(河井彌八君) 中川君の動議に御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○委員長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。それでは討論に入ります。
#12
○藤森眞治君 私はこの設置法案中第二十九條の附属機関の中で、健康保險審査会と船員保險審査会或いは健康保險審議会、船員保險審議会、こういうふうな同一性質のものは、おのおの違つた法律の関係もありましようが、同一の性質のものは今後一本に纒めて頂く方がすべてに都合がいいのじやないかと考えますので、將來これを一本にして頂きたいという希望を述べまして、本案に賛成いたします。
#13
○委員長(河井彌八君) 別に御発言がありませんならば、採決いたそうと思いますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○委員長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。然らばこの両案に賛成の諸君の挙手を願います。
   〔総員挙手〕
#15
○委員長(河井彌八君) 全会一致であります。本会議における委員長の口頭報告の内容は委員長に御一任願います。尚両案の報告書に附する多数意見者の御署名を願います。
   多数意見者署名
     中川 幸平  岩本 月洲
     城  義臣  新谷寅三郎
     下條 康麿  藤森 眞治
     一松 政二
  ―――――――――――――
#16
○委員長(河井彌八君) 次に賠償廳臨時設置法の一部を改正する法律案、これを議題にいたします。
#17
○一松政二君 外に御質疑がなければ、直ちに質疑を打切つて、討論を経て採決をして頂いたら如何かと存じます。動議を提出いたします。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#18
○委員長(河井彌八君) 一松君の動議に御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#19
○委員長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。別に質疑、討論がありませんならば、直ちに採決に入りますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○委員長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。それでは賠償廳臨時設置法の一部を改正する法律案に同意の諸君の挙手を願います。
   〔総員挙手〕
#21
○委員長(河井彌八君) 全会一致であります。本会議における委員長の口頭報告の内容は委員長に御一任願います。尚報告書に附する多数意見者の御署名を願います。
   多数意見者署名
     中川 幸平  城  義臣
     新谷寅三郎  岩本 月洲
     下條 康麿  藤森 眞治
     一松 政二
#22
○委員長(河井彌八君) それでは暫く休憩いたします。
   午前十一時三十一分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時十九分開会
#23
○理事(中川幸平君) 午前に引続いて再会いたします。海上保安廳法及び海難審判法の一部を改正する法律案を議題に供します。速記を止めて。
   午後二時二十分速記中止
   ―――――・―――――
   午後三時二十六分速記開始
#24
○理事(中川幸平君) 速記を始めて。先刻の一松委員の動議を採決いたします。
#25
○藤森眞治君 今堀君なんかとよく了解を得て……。委員長は議事進行の権限があるのですから、委員長の良心の下に議事を進行して貰う。殊に堀君、カニエ君がおられん場合の意向もよく酌んで、委員長の権限において良心的に進めて貰うということを了解を得たのですから、よくそういうように御動議を採決して頂きたいと思います。
   〔「採決なしでいいでしよう」と呼ぶ者あり〕
#26
○理事(中川幸平君) ではさように進行いたします。
 海上保安廳……只今のこの法案に対して御発言もなければ、これから採決することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#27
○理事(中川幸平君) 御異議ないと認めます。
 衆議院の修正を含んだ原案に対して賛成の方の挙手を願います。
   〔総員挙手〕
#28
○理事(中川幸平君) 全会一致で可決されました。本会議における委員長の口頭報告の内容は委員長に御一任願います。尚報告書に附する多数意見者の御署名を願います。
   多数意見者署名
     城  義臣  一松 政二
     岩本 月洲  下條 康麿
     鈴木 直人  藤森 眞治
     佐々木鹿藏  河崎 ナツ
     新谷寅三郎
  ―――――――――――――
#29
○理事(中川幸平君) それでは特別調達廳設置法案を議題といたします。
#30
○城義臣君 本案につきましては、予備審査で質疑を十分行なつておると思いますので、この際質疑を打切つて、直ちに討論に入ることの動議を提出いたします。
#31
○理事(中川幸平君) 只今の城さんの動議に御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#32
○理事(中川幸平君) それでは御異議ないと認めます。直ちに御意見のある方の御発表を願います。
#33
○下條康麿君 特別調達廳設置法案の中で、局に関する部分は、行政組織法の第七條の原則通り局を部にすることを適当と考へます。実は外に外局については、資源廳と引揚援護廳がありますが、これは引揚の方がポツダム勅令の関係で我々の手が付かないのであります。又資源廳につきましては、事情が大分異なると思いますが、成るべく原則を活かして行きたいということから、特別調達廳にはお氣の毒ですけれども、これは原則通り局の部に改めることを提案し、後はその関係に條文の整理であります。さような修正案を提出いたします。
#34
○理事(中川幸平君) 只今の修正案について御賛成の方の御挙手を願います。
   〔総員挙手〕
#35
○理事(中川幸平君) 全会一致と認めます。
   ―――――・―――――
#36
○理事(中川幸平君) それから修正の部分を除いた原案について採決いたします。賛成の方の挙手を求めます。
   〔総員挙手〕
#37
○理事(中川幸平君) 全会一致可決せられました。本会議における委員長の口頭報告の内容は委員長に御一任願います。尚報告書に多数意見者の御署名を願います。
   多数意見者署名
     城  義臣  一松 政二
     岩本 月洲  下條 康麿
     河崎 ナツ  佐々木鹿藏
     藤森 眞治  新谷寅三郎
  ―――――――――――――
#38
○理事(中川幸平君) 次は運輸省設置法案を議題といたします。
#39
○新谷寅三郎君 一、二お尋ねしたいことがあるのであります。海上運送法案によりますと、海上運送法案中の重要な事項が運輸審議会の方にかかるようになつておるのであります。造船業法案の関係はどういうふうになつておりますか、その点をお伺いします。
#40
○政府委員(加藤常太郎君) 造船業法案は衆議院において今までのところ審議未了になつております。
#41
○新谷寅三郎君 この造船業法案関係では大体どういう事項が運輸審議会の方にかかる予定でございましようか。
#42
○政府委員(壺井玄剛君) お答え申上げます。事業の開始、廃止の許認可と、一々の造船許可につきまして運輸審議会に付議する予定の案になつておりましたのでございます。
#43
○新谷寅三郎君 もう一つお伺いしますが、運輸審議会に関する事項でございますが、海陸の運賃調整のような事項につきましては、運輸審議会にかけた方がいいように思われますが、如何でございますか。
#44
○政府委員(加藤常太郎君) 運輸審議会にその点も諮るようになつております。
#45
○新谷寅三郎君 今の政務次官の御答弁でございますが、これは設置法の六條にないようですが、何か他の條文にでも出ておるのですか。
#46
○政府委員(加藤常太郎君) 海上運送法案の中にそれに似通つた文句が入つております。
#47
○新谷寅三郎君 質疑を打切ります。
#48
○藤森眞治君 この海運局の海運調整部、この海運調整部というのはどんなことをやりますか、仕事の内容を詳細に御説明願いたいと思います。
#49
○政府委員(壺井玄剛君) 海運調整部は海運四局を一纏めにいたして、海運、鉄道、自動車と三つの單位で運輸省を構成するというアイデイアの下に海運局に置いておるのでございます。併しながらこの部は海運総局長官のような強力に海運総局を統制する意味ではございませんで、大体総務課、調査課というようなものを置く予定でございまして、單に四局のコーデイネイシヨンと申しますか、調整と申しますか、そういうものを行う、そういう意味でございます。
#50
○藤森眞治君 これは事務的の一つの連絡機関と解してよろしうございますか。
#51
○政府委員(加藤常太郎君) 全くさようでございます。
#52
○藤森眞治君 もう一つお尋ねしますが、二十一條の第三に、運輸省に運輸省参與二十名以内云々とありますが、この運輸省参與というのはどういうふうな性質のものでございますか。
#53
○政府委員(壺井玄剛君) 從來海運関係と鉄道関係において詳しい経驗者などをお頼みいたしまして、運輸行政のいろいろな権限、その他について諮問に近い参與会というものを設けております。その参與のうちで今回の設置法が通りましたら、そのうちから参與を置くと、こういうのであります。
#54
○藤森眞治君 これによると「省務に参與させる」とありますが、只今お聞きすると、諮問機関のようなお話ですが、これは省務というと、諮問機関でないような感じがしますが、如何ですか。
#55
○政府委員(壺井玄剛君) 今私が申上げましたのは、人選についての考えでありまして、この設置法に出ております通り、今後の省務のことについてのお尋ねを、人選のことをお聞きされたと間違いましたが、諮問機関につきましては、新らしい運輸審議会ができますから、それを諮問機関といたします。
#56
○藤森眞治君 この運輸省においても相当今度行政整理で首切りもある。今お話を承ると、今度の行政整理なんかの人がこの参與になるというお話ですが、この行政整理とこういう点が少し矛盾が來るというようなことはございませんか。
#57
○政府委員(加藤常太郎君) この参與制は名誉職でありまして、無給でありまして、余り費用が要りませんので、予算関係は何ら関係はありません。人員の点においても関係ありませんです。
#58
○政府委員(壺井玄剛君) 只今海陸両方に二十名ずつ参與がございまして、両方合せまして二十名くらいのなるわけでありますから、参與の数は相当減るようにお考え頂けばいいのじやないかと思います。
#59
○藤森眞治君 成る程予算面にはそう大した何はないというお話ですが、こうして法律にちやんと出て來ますと、一方には行政整理ということがありますので、何だか受ける感じから行きましても、これが是非必要ならば止むを得ませんけれども、そうでないと、何だか感じの上からも行政整理ということとそぐわないような氣がするのですが、そういうふうにはお考えになりませんか。
#60
○政府委員(加藤常太郎君) 御説御尤でありますけれども、大體運輸のいろいろの行政の面につきまして、いろいろ意見を聞き、又省務関係にあるものは、余り行政整理の面では大して関係なかろうと思うのですが、御趣旨の点は十分酌み取りまして二十名を決定したそうでありますので、できるだけ簡素化するようにいたしたいと思います。
#61
○佐々木鹿藏君 將來海運の拡張はどれくらい程度に考えられておるか、現在と又今後一年の海運船舶の状況、その他船舶に対する輸送計画等についてお示しを願いたいと思います。
#62
○政府委員(壺井玄剛君) この問題につきましては、國際関係が相当デリケートでございます。はつきりしたことはちよつとこの席では申上げかねると思うのでありますが、大変有望に進みつつあると私共期待できるのではないかと思います。
#63
○佐々木鹿藏君 現在の船によつて輸送されておる数量はどれくらいありますか。又この鉄道によつて輸送されておる数量、これは分りませんか。
#64
○政府委員(壺井玄剛君) 大体毎月汽船によりまして百五十万トンぐらい。機帆船によりまして約三百万トンぐらい。それから鉄道によりまして大体月一千万トンぐらいであります。この船の方の数字は戰前に比べますと、距離が非常に平くなつております。戰前におきましては遠い距離、ドイツ、イギリスまで行きました。距離を低めまして毎月五百万トンぐらい運んでおります。戰前から言いますと三分の一ぐらい、距離を全部入れますと十分の一以下ではないかと思います。
#65
○佐々木鹿藏君 陸送の運賃と、船によつて輸送される運賃との差はどういうのですか。
#66
○政府委員(加藤常太郎君) これは品種その他によつて、又距離その他によつて違いますけれども、大体大畧、倍額、陸上の倍額が海上、詳細は機帆船、汽船、その他によつて、料率が違いますが、大畧倍額程度であります。
#67
○佐々木鹿藏君 私共の記憶しておる範囲では、鉄道を海送によれば、逆に海の輸送が半額以下だと記憶しておりますが、それが鉄道による倍額ということは、どこに欠陷があるか、政府においては、はつきり掴んでおられると思いますが……
#68
○政府委員(壺井玄剛君) 船の方の運賃の上がりました最大の原因は、優秀船が全部戰爭中に壞減いたしましたことと、外洋に配船ができませんので、外洋に出るべき船を以て、沿岸の航海をやつておりますことから生ずる不経済が、相当部分あるということの二点が、非常にコストが高くなつた最大の原因であります。尚鉄道の方は、半額であると申されましたが、これは行程率が半額という意味でございまして、コスト計算からいたしますと、これを倍にしなければコストが償わないのではないかと思われるのでございます。即ち半額ではありますが、それは一般会計の繰入金か、或いは旅客運賃による利益を以てカバーするか、何らかの方法でカバーしておるがためである、ということでございます。
#69
○佐々木鹿藏君 そうすると、鉄道輸送については、政府が補助金その他によつてカバーしておるが、海運にあつては、その補助金のないということですか。
#70
○政府委員(壺井玄剛君) 細かく船の方の運賃のことを申上げますと、今政務次官の言われました、鉄道に比べて倍であるというのは、全体の分でございまして、このうち百トン以上の汽船につきましては、船舶運営会というシステムがございまして、この船舶運営会に対しましては、一般会計から補給金が出ておる形になつております。そういう意味におきまして、汽船の運賃は、鉄道にほぼ匹敵するぐらいの引下げを講じておる次第でございます。
#71
○佐々木鹿藏君 遠距離ならば、運賃は船の方が安くなり、近距離であるから高いという御説明でありますが、私の経驗では、百トン乃至三百トン、五百トンの船を動かしてもやはり鉄道の半額でやつた実績を持つておるのですが、それが、さようなことになるということは、ほぼ運航の仕方が惡いということに結論はなると思いますが、その改善の方針等を承わりたいと思います。
#72
○政府委員(加藤常太郎君) 從來、十数年前に、大体陸上の運賃と、海上運賃とは、お説の通り海上近距離の場合には、半額程度であつたのでありますが、最近は今申したように、総務室長から話があつたように、陸上の鉄道運賃は、旅客その他でペーいたしまして、現在の鉄道運賃は、実質の採算点でありませんので、嚴密に言いますと、七割か、十割程度の予算で補給しております。海上は、今話がありました通り多少最近におきましては、運航能率の低下ということもありますが、海外貿易その他の関係から、又はあらゆる面から見まして、多少貨物の減少としう点から運転率も確かに惡いのでありまして、かような意味で、陸海との運賃の調整が、從來とは、多少とも変化いたしております。今後その対策につきましては、相当廣汎な、大規模に対策がありますが、できるだけ機帆船程度の建造は貨物とよくマッチいたしまして、建造計画をいたしまして、現在持つておる船舶をフルに回転いたしまして、海上の運賃その他の調整を図つて行きたいと思うのであります。
#73
○佐々木鹿藏君 議論は相当あると思うのですが、大体こうした隘路は、はしけ又は陸地におけるところの設備の不完全ということに基因すると思う。でありますから、政府はこの陸揚の場合のクレーンとか或いは岸壁の修理とかいうことについて、どういう方法を講ぜられておりますか。
#74
○政府委員(加藤常太郎君) 現在船舶の運航能率、回転能率の減退は、水陸関係の接岸その他港湾施設の関係及び港湾荷役関係のいろいろな隘路のために多少回転率が落ちておることは確かでありまして、現在のような予算下でありますので、できる限りこれが拡充を図りたいのでありますけれども、予算と睨み合して、港湾関係の施設の拡充にはできるだけそれを廻したいという氣持であります。
#75
○佐々木鹿藏君 これは大藏大臣に言わなければならん問題でありますが、併し当局として大藏大臣と交渉の必要がある。鉄道に今莫大な補給をしながら経営をしておる。然るに海に対しては岸壁その他の設備が不完全である。日本は四面皆海であつて、海によらなければ輸送ができないということは論を待たない。であるのに、こうした地形上、天惠を與えられた日本というものに対して汽車輸送などに重点を置いて輸送するということは、日本の國力をますます衰微さすという原因になると思いますが、まあこれは希望にして置きましよう。
#76
○政府委員(加藤常太郎君) お説の通りでありまして、この点は大いに國家としても勘案いたさなければならん問題であります。運輸省関係においても、港湾施設の予算は本年度は皆無でありまして、ただ港湾局が港湾の修築その他に関しまして三十七億の予算がありますが、これは港湾の施設でありまして、接岸その他陸上の荷役機械類には皆無であります。今後それが大藏省と折衡いたしまして、お説の副うように運輸省としては努力いたしたいつもりでありますが、遺憾ながら現在の状態はさようであります。
#77
○佐々木鹿藏君 最後に、もう時間がありませんから……海の輸送を強化するよう強く要請することを述べて私の質問を終ります。
#78
○堀眞琴君 実は鉄道監督局という名称についての些細な質問なんでありまするが、運輸省で取扱つております行政はいずれも監督行政でありますが、鉄道の現業は日本國有鉄道で以て行うことになつておりますが、この面から申しますと、鉄道監督局の行う監督行政も、それから海運局の行う監督行政も、自動車局の行う監督行政も、監督行政としては同じ性格のものではないかという工合に考えるのでございます。この監督という字は外の部局にはないのに、鉄道でけに監督とつけられた理由を承りたいのです。
#79
○説明員(荒木文吉君) これは名前の問題でございまして、成る程お説の通りに、今度運輸省が、日本國有鉄道というものがコーポレーシヨンになつて、運輸省から離れますと、監督行政だけしか残らんわけでありまして、いわゆる残りました行政地方に鉄道局はでございますが、現在地方に鉄道局は沢山存在しております。鉄道局というものがございまして、その鉄道局は、実際に鉄道の運営をする監督行政をやらない運営機関でありまして、それと紛わしく考えられますので、一應今度新らしくできます鉄道につきましては、その実質を現すという意味におきまして、鉄道監督局というふうにしたわけでございます。
#80
○堀眞琴君 その点につきまして、重ねて質問いたしたいのでありまするが、例えば東京鉄道局とか或いは仙台鉄道局というように地名なり、何なり、そういうアトリビユートが上の方に、アトリビユートと言うか、地名がつくのではないかと思うのですが、その点から申しますれば、東京鉄道局とそれから運輸省の鉄道局とは決してまぎらわしいことにならんと思います。その点について如何でありましようか。
#81
○説明員(荒木文吉君) そういうことも考えられるのですけれども、名前の問題は從來の沿革がございまして、いわゆる運輸省から今までのように事業の運営というものが除外されまして、運輸省に残りますものは鉄道のいわゆる監督行政だけでありますという趣旨を表わしたいという関係でございます。特に東京鉄道局、名古屋鉄道局と上に名前がつくわけでございますけれども、一般的に鉄道局という場合も、抽象的に申します場合も多いわけでありまして、從來の沿革と現在の状態からおきまして、鉄道監督局という名称の方がよろしかろう、こういうふうに考えておるわけであります。
#82
○堀眞琴君 もう一つお尋ねしたいのですが、海運幌に海運調整部という部があるが、これは海運だけの調整をやるということになつておる部局だろうと思うのですが、併し陸運と海運との総合調整を図るということは非常に大きな問題で、單に官房だけの仕事では到底やり得ないのではないかという工合に考えるのでありますが、その点どういう工合に考えになつておるか、御答弁を願いたいと思います。
#83
○政府委員(加藤常太郎君) 今の海運調整部の問題は先程官房廳から話した通りでありまして、海陸の輸送調整につきましては、官房でやりますと、官房の機構内部で十分やれると思います。又命令系統その他につきましては次官の手許でやりたいと思つております。
#84
○堀眞琴君 そうしますと、海運調整部というのはどういう仕事をするのですか。それをちよつと。
#85
○政府委員(壺井玄剛君) 先程御説明申上げたのでございますが、大体中に総務課と調査課ともう一つ特殊財産課という区別があるのでありますが、その三つを置く予定でございます。総務課と申しますのは大体海運四局の間の調整、コーデイネイシヨンを行なうところでございます。海運の四局は他の三局即ち船舶局、船員局、港詳局が單に運輸という言葉で以ては繋がれない面がございます。併し海、船という点では十分に繋がれる面があるのでございまして、その面からいたしまして、この四つを軽いバンドを掛ける、そうしてそれが一つのユニツトになる。そのユニツトと鉄道のユニツト、自動車のユニツト、この三つのユニツトを以て運輸省を構成する、こういうアイデイアでございます。
#86
○堀眞琴君 それから運輸省の、審議機関か何らよく分りませんが、運輸審議会という機関が設けられることになつておるのでありますが、これは諮問機関なのか決議機関なのか余りはつきりしないのですが、尤も場所によりますと、諮問機関のように見えるようになつておるのでありますが、名前から申しますると、勿論審議機関だろうと思いますが、「公平且つ合理的な決定をさせるため、運輸審議会を常置する」という條項から申しますと、議決機関のように見えるのであります。運輸審議会の性格が明確を欠いておるのではないかという工合に考えるのでありますが、その点について伺いたいと思います。
#87
○政府委員(加藤常太郎君) 御説の通りでありまして、これは実質的には諮問機関でありますが、実情におきましては多少とも從來のような諮問機関でなく、その意見の決定を尊重してという字句もありますが、これはまあ具体的に言いますと、諮問機関とやや決定機関の意味も多少入つておるというような、諮問機関でありながら相当その決定を尊重するという立場のものであります。
#88
○堀眞琴君 そうしますと、性格は極めて不明瞭だということになるわけですね。
#89
○政府委員(加藤常太郎君) 不明瞭ではありませんが、諮問機関であつて決定を相当尊重するという機関であります。
#90
○堀眞琴君 今度の行政各省の組織法において、この委員会、審議会の、つまり決議機関としての合議機関と、それから諮問機関としての合議機関というものをはつきり区別するということが原則になつておると思うのであります。そのために今まであつたものを幾分整理いたしまして、或るものは委員会とし、或るものは審議会として整理したと思う。ところが審議機関ともつかず、諮問機関ともつかん、而もその間の関係ははつきりしておると言うのですが、名称から受ける感じは審議機関で、而も決定するというこの條項から言いますと決議機関であつて、これは國家行政組織法の根本原則に反するのではないかと、こういう工合に考えるのですが、その点は如何ですか。
#91
○説明員(荒木文吉君) これは國家行政組織法第八條の規定によります機関でございまして、外局たる委員会とは性格を異にするわけでありまして、この性格は正に國家行政組織法第八條によつて置かれます審議機関でございます。併しこの審議機関は、勿論合議体でございますから、結論を見出すために、決議の方式によらざるを得ませんが、その決議の方式によつてその審議会の意見が決定されるわけであります。その決定を運輸大臣が尊重いたしまして、運輸大臣が行政処分をすると、こういうふうになりますからして、これは一つの内部機関でございまして、各地方鉄道局の免許というような行政処分は、飽くまで運輸大臣がその名において、その責任において実施するわけであります。運輸審議会は、その運輸大臣の行政処分の過程におきまして、その諮問に答えるわけでございます。併しその諮問に対して、運輸大臣はこれを十分に尊重するというわけでございまして、從來の極めて軽い意味の審議会とは違つた意味合いを持つて、相当実質的な力を持つておりますけれども、その法律的な性格は飽くまで審議機関であります。
#92
○堀眞琴君 政府委員の説明は大変私は間違つておると思うのです。どんな機関であるにしろ、合議機関であるならば、その意思は決議によつて決める。諮問機関と雖も諮問された事項についてその意思を決定する場合にはすべてその決議により、その審議会の一員がその意思を代表してその意思を決定するということはない。審議会において決議されて決まるから決議機関だというような考えはとんでもない間違いだと思うのです。要するに決定された意思内容がどういうふうな拘束力を持つておるかによつて諮問機関と決議機関というふうに分れると思う。政府委員の説明のようになりますというと、諮問機関か決議機関が全くますます分らなくなつて來る。むしろ政府委員の説明では何もかも決議機関と見ていいのではないかというような結果になるという工合になる。
#93
○政府委員(加藤常太郎君) 諮問機関であることには間違いはありませんです。
#94
○堀眞琴君 今政府委員の方から諮問機関であるというお説があつたのですが、私も確かにそうあるべきだと思うのです。ところでその諮問事項の中の第一でありますが、日本國有鉄道における基本的な料金及び運賃の設定、それに対する認可というのがあるのでありますが、これは財政法の第三條、今はつきり覚えておりませんが、によつて國会の承認を得て決定するということになつておるのでありますが、この運賃乃至は料金の認可という事項はどういうふうな場合を含むのか、その点の御説明を願います。
#95
○説明員(荒木文吉君) これは本文の冒頭に、「運輸大臣は、左に掲げる事項について必要な措置をする場合には、運輸審議会にはかり、」こうなつておるのでありまして、財政法第三條及び特例によりまして、御承知のように運賃は國会において決まる、從つて現在の運賃法によつて決つておるわけでありまして、ここに書いてあります基本的運賃及び料金の設定と申しますのは、それ自体をここでやる、こういうわけでございませんで、必要な措置と申しますのは、例えば運賃を値上げするということになりますと、この原案を作つて國会に提出する、その原案を作るに当つて審議会に諮問する。こういう趣旨でございます。
#96
○堀眞琴君 そうしますというと、原案を作成するということであつて、これを認可するということにはならんのであると思うのですが、認可と出ているのですが……
#97
○説明員(荒木文吉君) 御承知のように現在國有鉄道の運賃は貨物運賃及び基本運賃、る扱い運賃が運賃法で決つておる、小口貨物運賃等は貨物の基本賃率、旅客運賃とを参酌いたしまして、運輸大臣が決める。こういうことになつておるわけでございます。旅客運賃一円四十五銭とか車扱い運賃というような基本的なものが法律によつて直接決りまして、比較的瑣末なものでありますと、運輸大臣みずから決めておる。こういうことであります。今度コーポレーシヨンになりますというと、運賃法を別のところで修正いたしまして、その瑣末なことをコーポレーシヨンの総裁だけで決めるということでは、公共の利益を十分確保できないということで、そのコーポレーシヨンの総裁單独で決めてはいけないから、運輸大臣の認可を受けて決める。こういうふうにすでに成立しました日本國有鉄道法施行法の附則の中でさように運賃を修正いたしましたので、その認可を審議会にかけて決める。こういうことでございます。
#98
○城義臣君 質疑を打切り討論に入ることの動議を提出いたします。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#99
○理事(中川幸平君) 城さんの動議は成立いたしました。城さんの動議に御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#100
○理事(中川幸平君) それでは質疑と打切つて討論に入りたいと思います。
#101
○佐々木鹿藏君 私は本案を修正したいと思います。
運輸省設置法案の一部修正案
○目次中「第十九條―第二十八條」を「第十九條―第二十九條」に、「第二十九條―第三十八條」を「第三十條―第三十九條」に、「第三十九條―第五十五條」を「第四十條―第五十六條」に、「第四十條―第四十四條」を「第四十一條―第四十五條」に、「第四十五條」を「第四十六條」に、「第四十六條―第五十條」を「第四十七條―第五十一條」に、「第五十一條―第五十五條」を「第五十二條―第五十六條」に、「第五十六條―第五十九條」を「第五十七條―第六十條」に、「第五十七條」を「第五十八條」に、「第五十八條」を「第五十九條」に、「第五十九條」を「第六十條」に、「第五十條・第六十一條」を「第六十一條・第六十二條」に、「第六十二條」を「第六十三條」に改める。
 第十九條第一項中「六局」を「七局」に、「鉄道監督局」を「鉄道局」に、「自動車局」を「自動車局観光局」に、同條第二項中「観光部」を「運輸調整部」に改め、同條第三項を削り、同條第四項中「鉄道監督局」を「鉄道局」に改め、同項を第三項とし、同條第五項を第四項とする。
 第二十一條第三項を削る。
 第二十二條第一項第二十二号から第二十四号までを削り、同項第二十五号を第二十二号とし、同條第三項を次のように改める。
3 運輸調整部においては、第一項第十六号に掲げる事務のうち運輸に関するものをつかさどる。
 第二十三條第一項第一号中「及び実施計画の設定」を削り、同條第二項第一号中「海事」を「海運」に改め、「金融並びに」を削り、同條第三項を削る。
 第二十四條第二項第一号を第二号とし、以下順次一号ずつ繰り上げ、同項に次の一号を加える。
 一 造船に関する事業の再建整備
 第二十六條第二項中「臨時の事務として」の下に「港湾に関する事業及び倉庫業に関する事業の再建整備、」を加える。
 第二十七條の見出しを(鉄道局の事務)に、同條第一項及び第二項中「鉄道監督局」を「鉄道局」に改める。
 第二十九條中「第三十八條」を「第三十九條」に改め、同條を第三十條とし、以下順次一條ずつ繰り下げ、第二章第二節中第二十八條の次に次の一條を加える。
(観光局の事務)第二十九條 観光局においては、左の事務をつかさどる。
 一 運輸に関して、観光事業の発達、改善及び調整を図ること。
 二 運輸に関して、観光地及び観光施設を調査し、及び改善すること
 三 観光宣傳に関すること。
 附則第一項中「第五十四條」を「第五十五條」に、「第五十五條」を「第五十六條」に改める。
 修正の理由であります。
 (一)大臣官房観光部を観光局に昇格すること。(二)運輸に関する総合調整及び実施計画の設定に関する事務をつかさどらしめるため、運輸調整部を大臣官房に設けること、(三)参與制度を認めないこと、及び鉄道監督局の名称を鉄道局に改めること等のため、修正をする必要がある。
 以上を修正したいと思います。
#102
○理事(中川幸平君) 外に御意見がありませんか。御意見がないようでありますれば、只今の佐々木さんの修正の動議について賛否を伺います。佐々木さんの修正に御賛成の方の挙手を願います。
   〔挙手者多数〕
#103
○理事(中川幸平君) 多数と認めます。
  ―――――――――――――
#104
○理事(中川幸平君) その他の原案について賛否をお尋ねします。賛成の方の挙手を願います。
   〔総員挙手〕
#105
○理事(中川幸平君) 全会一致と認めます。それでは運輸省設置法案は修正可決されました。本会議における委員長の口頭報告の内容は委員長に御一任願います。尚報告書に多数意見者の御署名を願います。
   多数意見者署名
     河崎 ナツ  新谷寅三郎
     佐々木鹿藏  藤森 眞治
     鈴木 直人  岩本 月洲
#106
○理事(中川幸平君) それでは十分間休憩いたします。
   午後四時二十七分休憩
   ―――――・―――――
   午後四時四十八分開会
#107
○理事(中川幸平君) それでは休憩前に引続き開会いたします。労働省設置法案を議題といたします。本法案につきましては、衆議院の修正案が來ておりますので、簡單に政府から衆議院の修正の説明をして頂きたいと思います。
#108
○説明員(富樫総一君) 先程お配りいたしました一枚刷りのガリ版でございますが、衆議院で修正されたのでございます。これはこの前にも一遍説明したことがございますが、改めてもう一遍簡單に読みながら説明いたします。労働省設置法の一部を次のように修正する。「労働省設置法中「國会は、労働省設置法(昭和二十二年法律第九十七号)の全部を改正するこの法律を制定する。」を「労働省設置法(昭和二十二年第九十七号)の全部を改する。」に改める。」これは原文がこのようになつておるので、こう改正するということだけでございます。
「第七條第三号中「國有鉄道地方調停委員会專賣公社地方調停委員会」を「國有鉄道地方調停委員会及び專賣公社地方調停委員会」に改める。」これは二つの委員会の間に「及び」が抜けておりましたので、このようにしたのでございます。
「第十三條第一項中中央職業安定審議会の項の目的の欄を次のように改める。」「公共職業安定所の業務その他職業安定法及び失業保險法の施行に関する重要事項を調査審議すること。」原文には失業保險法という言葉がなかつたのでありますが、これが入つたのでございます。これは今回のすでに両院を通過して成立いたしました失業保險法の改正によりまして、公共職業安定審議会が失業保險法の施行に関する事項を審議するということに改正になりましたので、これと合わせるためにかようになつたのでございます。
「第十六條第一項中労働者災害補償保險審査委員会の項の目的の欄を次のように改める。」「労働者災害補償保險の保險給付に関する決定についての不服の申立を審査すること。」これは原文にはそれ以外のことも或る事項が入つておつたのでありますが、これも労災保險法の改正によつてこのようになつたのでございます。この二つの、安定法と労災保險法の改正の事項は五月中に実施することになりますので、六月一日から実施される設置法に改正することになつて両方丁度いい工合になるわけでございます。
「第二十條第三項中「公共企業体労働関係法(これに基く命令を含む)を「公共企業体労働関係法(これに基く命令を含む。以下同じ。)」に改める。」「以下同じ」というのが抜けておりましたので入つたのであります。以上でございます。
#109
○理事(中川幸平君) それでは質疑のある方はお願いいたします。
#110
○委員外議員(佐々木良作君) 別にお願いして置きましたように、今朝の本会議におけるこの問題と関連しまして、委員外発言を許して貰いたいのであります。
#111
○理事(中川幸平君) 佐々木議員から発言の要求がありましたが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」「簡單に」と呼ぶ者あり〕
#112
○理事(中川幸平君) それでは一つ簡潔にお願いします。
#113
○委員外議員(佐々木良作君) 簡潔と言うたつて内容がはつきりしなかつたらできないですよ。先程の本会議におきます労働大臣の御答弁は、余りはつきりしていませんので、改めて質疑を整理して御質問いたします。労働省設置法案を政府がお出しになつたのは四月の二十二日でございます。それから労働組合法案及び労調法案をお出しになつたのは四月の二十八日でございます。日にちがこれだけあるわけですが、そのおのおの國会に御提出になつたわけでありますが、設置法と後の労働組合法及び労調法との間には、この労働組合法の衆議院の修正になつて出て來た附則の七項によつて修正しなければならなかつたような明らかに法規行な矛盾があつたと言うのです。この法規的な矛盾を御承知で政府はお出しになつたか、或いは全然知らずにお出しになつたか、この点第一点であります。
 それから第二点、労働組合法の附則の七項、修正でできました七項によりますと、七項による労働省設置法の改正規定の中に、労働関係調整法との関係で必要な改正、即ち労働省の公共事業の指定の問題ですね。総理大臣と主務大臣との……。この改正がなされているわけであります。この労働組合法と調整法とは共に公布の日から三十日を超えない期間において、政令で定める日に施行するというふうになつております。若しこの設置法の施行の目標である六月一日以降において、労働関係調整法が組合法より後になつて施行されるということになつたときには、明らかに労働大臣の権限に属すべき公益事業の追加指定に関する権限が、労調法関係では労働大臣にまだ権限が残つているし、それから設置法関係では労働大臣にはない、こういう事態が起る虞が明らかにあるわけです。これをどういうふうに調整されるお考えか。
 それから第三点、本來、衆議院で労働組合法案で修正されておる七項の問題は、これは労働省の設置法自体にも関係する問題であつて、設置法自体の改正である、設置法自体の改正である設置法自体の改正であるならば、当然に設置法自体の附則なりその他によつて改正されるなり、或いはこれをその法律の中でやるべきである、而もまだ設置法はここで審議されておるように、決定されてもなくてまだ審議中であります。改正しようとすればできますし、又内閣で一旦撤回して修正しようとすれば十分できる筈であります。それをなぜやらずに別の法律であるところの組合法の衆議院の修正で十分だという観点をお取りになられるか、以上三点お答えを願いたい、委員長に予め断つて置きますが、余りはつきりしませんでしたら、はつきりして頂きたいそのための再質問をするかも知れませんから……
#114
○國務大臣(鈴木正文君) 佐々木さんの御質問にお答え申上げます。本会議の答弁は言葉の足りないところがあつたかも知れませんけれども、只今佐々木さんの方で整理してお問い下さいましたので、私の方も一應整理してお答えし、尚細目の條文の点につきましては、政府委員がおりますから聞いて頂きたいと思います。
 第一番の点は、これは卒直に申上げますけれども、そういう御指摘になつたような形で書くこともできるのでありまして、それが御指摘になつたような形で設置法の中でそういう條文が書かれておらないということは一種のミステイクだと卒直にこれを認めます。それに対しましての処置は後に申上げる通りであります。
 御答弁が相前後するかも知れませんが、順を追つて申上げますと、労働省の設置法はこの國会で幸いにして皆さんの御賛成を得さえすれば、六月一日から施行されることになつております。ところが組合法及び労調法の改正法はこれも幸いにして通りましたならば、六月中旬以降から諸般の準備の関係もあり、施行されることに大体なつておるのであります。これがために設置法は一應現行法を基礎として立案され、まあ今のところ現行法が有效でありますので、そういう形を取つたのであります。ところで新らしい組合法及び労調法によりますと、佐々木さんからも御指摘になりましたように、労働大臣の権限に若干の変更がなされることとなること、これは御説の通りであります。これらの新らしい法律の施行に際しまして、設置法の変更が必要となつて來るというわけでありますけれども、國会の提出の前後、非常に切迫してどちらが先に通るか分らない関係もありました。これらに対して政府の原案におきましては、只今も申したように、所要の措置を入れておらなかつたので、衆議院におきまして組合法の附則においてこれに対する処置を取つて修正されたのでございます。労調法の関係事項を組合法の附則で以て措置したというのは、御承知の通りに、労働大臣の権限その他につきましての変更に関する部分が組合法の方にもありまするし、労調法の方にもありまして、その項数が組合法の方が多いのでありまして、從つてどちらでなければならんということはありませんが、組合法の方に多くあつたので、衆議院の方で便宜一括してこの処置を取られたものと思うのであります。政府におきましては、この趣旨に却しまして、組合法と労調法との施行期日を同一とし、この間に矛盾のないように処置する考えでございます。こういう修正、これはどちらも通りましたので、そういうふうに措置するつもりでございます。こういう修正措置は予め設置法においてされるべきじやないかという御意見もありますけれども、その点については、組合法及び労調法の施行期日が後になりますので、衆議院の修正の方式に從つて行つて、前後矛盾することはなく実施して行けると、そう考えておる次第でございます。
#115
○委員外議員(佐々木良作君) 今のお答えでは、第二点の答えは含まれていなかつたと思います。つまり労調法が組合法よりも後に施行になるような可能性が、必ずしもないとは言えませんわけでありますから、そういうふうに実施になつたときには、ブランクができて、労調法関係では、労働大臣の権限に公共事業の指定権が属するし、それから処置法関係では、労働大臣の権限はないという事態が発生することになるので、これに対する御答弁がなかつたと思います。
#116
○説明員(富樫総一君) 先程大臣が御答弁申上げましたように、労調法の関係事項と組合法の関係事項を一括して、衆議院におきまして修正されましたので、お話の通り、將來組合法の施行期日と労調法の施行期日が異つて行われた場合には、確かにそのような矛盾が生ずると考えます。ただ衆議院におきまして、便宜一括して修正された趣旨は、この二つの改正法律案の施行期日を同一にされるという趣旨に基づくものと考えられるのでございます。從いまして、政府といたしましては、その修正された趣旨を尊重いたしまして、責任を以てこの二つの法律の施行期日を同一にいたしまして、相互の矛盾のないようにいたしたい、こういうふうに考えておるのでございます。
#117
○委員外議員(佐々木良作君) 大体お答えは分りましたが、そうすると結論は、第一は、提出されたときの両法律の條文的矛盾は、政府は認めておられた、或いは認められるということですか、つまりミステイクであつたというわけですね。
#118
○説明員(富樫総一君) そうでございます。
#119
○委員外議員(佐々木良作君) それから二番目の矛盾は、これを同時に実施するということを、政府で責任を持つて行こうということで矛盾を解決したい、こういうことでございますね。大体それならば矛盾なく施行できると思いますが、一言だけ意見を述べさして頂きたいと思います。明らかに矛盾である法律を修正される場合には、政府提出でありますから、國会法の何條だか、五十九條だか何かに基いて、これは当然政府で行われるべき筈であつて、ここに明らかに一つ間違いがあつたと思います。それから衆議院の修正が、同じような関係であるから、條項が多いからここに一纒めにしておると、これは明らかに法律を非常に便宜的に解されたことでありまして、設置法案おのおのに関する問題、つまり労組法の附則の七項で修正になつておる問題、これを各法律を無視して一からげに修正したことに間違いがあるので、設置法の四條の十八号の問題であれば当然に、これは明らかに切離して設置法の修正でやらなければならなかつた問題だと思います。本來この三つの法律が、別の法律で実施されるという訳の分らんことになるのです。労働省では一つでやられておつても、國会内では委員会も別々であるのに、それが妙な恰好に提出されておるものだから、こういう矛盾が出て來たと思うのです。私はこの矛盾を十分政府の力で責任を明らかにしながら、今後こういう立法上の間違いがなされないように、強く希望いたしたいと思います。
#120
○國務大臣(鈴木正文君) 了承いたしました。
#121
○理事(中川幸平君) 外に御質疑ありませんか。
#122
○藤森眞治君 大臣にお尋ねしたいのですが、先達て労働災害保險、失業保險と社会保障制度の関係についてお尋ね申上げた際に、労働大臣は、國の最高政策が保險行政を一本にするということになれば同意はするけれども、それまでは現在のまま行きたいと、こういうふうな御答弁であつたように了承いたしておりますが、現在社会保障制度を推進するというために、アメリカの調査團からも、早く一元化する方がよかろうという勧告書も参つております。我々も、一日も早く社会保險というものが一本になりまして、只今厚生省の所管になつておりますが、厚生省といわず、どこといわず、とにかく一本になるということが、これが社会保障制度を一日も早く実現する本だと思いますので、もう一度これについて御所見を承りたいと思います。若しこの社会保障制度についてそういうふうなお考えありとすれば、労働省から進んで現在持つておられるのを一元化するような方向にお進みになるかどうか、この点をお伺いいたします。
#123
○國務大臣(鈴木正文君) 社会保障制度の問題は、日本の現段階に合せてこれをどういうふうに本來の本格的な形に仕上げて行くかという問題は、社会保障に対する世界的な考え方の形式自体については、凡そ疑問がない、大体の通説があるにいたしましても、これを現在の日本の段階に合せる方式におきましては、愼重に檢討を要すると存じます。一方審議会も進んでおりまするし、只今御指摘の点及びそれに副つての考え方、これは一つの有力なる考え方であり、基本的の考え方であることも、よく認めております。審議会の結論等にも待ちまして、愼重にこの問題に善処して参りたいと存じます。
 結論が出た場合に、労働省からこれを移すという決心があるかという問題は、國策の問題でもありまして、仮りに厚生省から移すという場合においても、同樣、國務大臣といたしましては、政府の全体的の決定したところの方式に從つて、これを移すこともあり、又受取ることもあると存じます。
#124
○藤森眞治君 國策が決定すればということでありますが、私のお尋ねしましたのは、現在労働省に災害保險或いは失業保險があるということがよくないと、であるから、早くこれを、勧告文には厚生省と書いてありまするが、一元化する方向に向けたがよいという勧告を受けておるわけであります。この勧告について、労働省は只今のこの保險行政を一元化する方に進んで行かれる御意思がないか、こういうことを承りたいのであります。
#125
○國務大臣(鈴木正文君) 現在の日本の実情及び労働行政その他の関係におきまして、現在労働省関係にこの二つがあるということが、別に惡いとは考えておりません。先程からも繰返して申上げましたように、新らしい段階に即し、新らしい結論が出て参りました場合には、そういつた問題は國務大臣として、一省一局に拘泥することなく善処いたすことは、これは私に限らず、すべての國務大臣同樣だと思つております。
#126
○藤森眞治君 只今この社会保險で離れておりますのが、労働災害保險と失業保險で、これが労働省に移つておるだけでございます。これを社会保障制度を推進するために、労働省から自発的に進んで積極的にお進めになるお氣持はないかということを私はお尋ねいたします。
#127
○國務大臣(鈴木正文君) 進んで今やつておるところの二つを提供云々という問題につきましては、先程お答え申上げた通りであります。廣い意味における社会保障制度に完成というものが、日本に限らず時代の問題として重要であることは、重々認めております、社会保障制度に対する結論を生み出すために進んで協力し、これを推進するということは、御指摘の通りであります。
#128
○カニエ邦彦君 この機構によりますと、労働行政の面におきまして、労働行政は主として労働省の所管において当然なされなければならないと思うのですが、外の設置法を見ますると、運輸省の中に、特にこの海運関係の労働行政、又失業対策の問題、或いは保險の関係のものというようなものが入つておるのですが、これは当然労働省の今回の機構の中へ織込まれなければならないというように思うのですが、この点はどうやつて、これだけが労働行政の一還から外しておるのかということ。それから將來これに対して労働省としてはどういう考え方でおられるか、又どうやつて行かれるおつもりか、その点をちよつと……
#129
○國務大臣(鈴木正文君) 御指摘の船員についての問題を切離しておるというのは、これは船員については特殊の御承知のようないろいろな性格、事情がありまして、その実情に即してそういう考え方をいたしておるのでありまして、大体これは世界的にも一つの通例となつておると存じます。尚將來につきましての問題でありますけれども、大体船員の関係は、今も申上げましたような形で以て性格を持ち、世界的にもそういつた形で措置されておるというような事実もございますからして、今俄かにこれを労働省の中に全部移して來るということを考えておるわけではありませんけれども、御指摘の点に從つて尚十分研究はいたしたいと思います。尚もう少し詳細な特殊の行政関係等につきましては政府委員から説明いたします。
#130
○説明員(富樫総一君) 労働省設置に際しまして、関係方面の学識経驗者達を集めました労働省設置諮問委員会におきましても、当時非常に問題になりました。又司令部関係ともその点につきましていろいろの当時労働省設置に際して問題になつたのでございます。併しながら先程も大臣から申上げましたように、世界的に通例となつておるように、海の上において、一つの船の中におつて、仕事と住居が一緒になり、特殊の技術、それから船長と船員との関係といつたように、渾然一体となつておるものを、労働行政の面だけを陸上労働と同じように切離すということは、如何にも技術的に困難であるということで、できるだけ労働行政については一元化するという方針で労働省を設置した際におきましても、そういうことで切離したわけでございます。併し今日においても、例えば船員の労働爭議の調停というような問題については、一般の労働委員会でやつてよいじやないかという意見もありまして、できるだけ労働省に技術的に、可能な限り一元化して行く方向に研究したい、こういうふうに考えております。
#131
○カニエ邦彦君 その点は大いに檢討を要さなければならないと思うのでありますが、現在のこの表に見ますると、労働省の中で失業に関しての、失業者に対するところの世話は何課でやつておられますか。
#132
○説明員(富樫総一君) 職業安定局におきまして、最近仕事の重点を失業対策に置きまして、各課が、これに総合的に協力しておりますが、その中心事務は同局の失業対策課において行なつております。
#133
○カニエ邦彦君 現在失業対策課では何人おられますか。
#134
○説明員(富樫総一君) 約三十五名と承知しております。
#135
○カニエ邦彦君 今後政府は失業者の数が増すことは、この表によつて見ましても予想せられる数は可なり厖大なものと思うのですが、ましてそれに伴う労働爭議も可なり多く増加するのではないか。從つてこれらの失業者を世話するところの者が三十五名である。而も今回の機構から見ても、又人員の面から見ても、これを増加しないというように私共は考えておるのですが、一体三十五名で何人の失業者の世話ができるか。これに対しては聊か私は疑問を持ちます。三十五名の人間で一應何百万という者の世話をどうやつてやるのかということについて、ただやれるとかいうようなことでなくして、これは重要な問題ですから、一つ具体的に、この三十五人でどうしてやるのだということを御説明願いたいと思う。
#136
○政府委員(齋藤邦吉君) 先程失業対策課の課員の数が三十数名ということを申上げたのであります。失業対策の行政の内容は廣汎でありまして、只今申上げました失業対策課と申しますのは、失業対策の中の一部である緊急失業対策法による失業対策事業を企画するわけでございます。実施運営等におきましては、すべて安定所なり、或いは事業の実施は市町村或いは府縣等が行うのであります。即ち緊急失業対策法に基く失業対策事業を本所は企画いたしております。その企画の面を担当するだけでは三十数名で十分やれるものと考えております。尚失業対策の行政の全般につきましては、その後職業紹介事業その他等、或いは失業保險の事務各般に亘つておりますので、本省におきまして、一般会計におきまして百八十一人、それから特別会計で七十人、大体三百名程度の職員が本省でやつております。安定所におきましてはこの失業対策の第一認の事務をやつております。失業対策が三十数名というだけではいろいろな問題を解決するというわけには参らんとかように考えておる次第であります。
#137
○カニエ邦彦君 只今の御説明によりますと、要するに失業対策の企画だけをやるのであつて、全体の失業対策に関しては、全機構において殆んどやるのであるというように聞き取つておるのでありますが、そこで全体の今度の労働省のこの機構では、とにかくもう目前に見えております大きな失業者並びに労働行政をなして行くということがこの機構ではやれない。現在でも十二分にやつておられるように見受けないのです。これはいずれ行員の問題にも関連しますから、定員の場合に詳しく聞きたいと思うのですが、時間がございませんから、ごく大まかに考えて見ても、とても今の組織機構ではやつて行けないのではないか。そうして現在までの組織機構でやつておられても、いろいろ我々地方へ出るい監督面に至つても、又職業安定の面に至つても非常に十分でないと思うのです。これはもう政府が如何ようにおつしやいましても現実がそうなんですから……これに対して今回の機構を縮小して行く、少くともまあこういう場合ですから、現在の機構をそのままにするというならまだ考えようがあるのですが、ところがこれを全体において縮小して行く、これでは納得が行かないと思うのです。これに対して大臣の確信のあるところを一つ御説明願いたい。
#138
○國務大臣(鈴木正文君) 失業対策の問題と対比して考える場合におきまして、人を殖やしたいという考指摘の見解も御尤もでありますし、又私共もそれを考えないわけではございませんでしたけれども、同時に國全体の行政整理の問題と睨み合せましてこれを調和して、そうしてその進むところを決定しなければならないという立場におきまして考慮した結果、今申上げましたごとく失業対策の第一線、それから実体というものは、飽くまでも第一線の安定所の方にあるのが実情でございまして、從いましてこの方面につきましては、整理の率というものも他の一般よりは一割だけ低くして、二割に止めと置いたということを以て先ず一應満足し、そうして一應それを諒とし、極力精鋭を集め、それから仕事の組織その他の改善を加えまして、時代に即應して参りたいと考えておるわけでございます。
 又將來の問題につきましては、失業が更に徐々にか急激にかどしどし殖えて來るというような場合におきましては、常に固定的なものであるとも考えておらないのでございまして、行政整理は二次も三次もあるのであるから、その際更に減される部門もありましようし、更に機構を統合して事務の眞の能率化を図るという面も將來生れて参りましようし、又新らしく時代と共に必要になつて來るところの面に対しましては、敢てこれは労働省関係のみではありませんけれども、固定的に如何なる部門も一人も殖やしてはいけないという、そういつたことが永久に亙つて附いて廻るわけでもないと考えておる次第でございます。御指摘のような失業対策の部門というふうなものは、將來変化が生ずるというような場合におきましては、ここに本多國務大臣もおられますけれども、又そのときに適当に善処しようという考えも只今ではあるようでございますが、当面は國策の一つであるところの行政整理に、労働省といたしましては、できるだけ最小限度を以て合せて行くと同時に、労働行政の刷新によつてこの機能を発揮して行こうという考え方で以てこの処置に落ちついたわけでございまして、御了解を願いたいと存じます。
#139
○一松政二君 大体質疑も終了したものじやないかと私は想像するのでありまするが、質疑の終結について私は動議を提出いたしたいと思います。お諮りを願います。
#140
○理事(中川幸平君) 一松さんの動議に御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#141
○理事(中川幸平君) 御異議ないと認めまして、直ちに討論に入ります。
#142
○鈴木直人君 私は衆議院の修正案を含む政府原案について賛成するものでありますが、ただ一つ強い希望を申上げて置きたいと思うのであります。これはこの委員会の審議途中において、各委員から同樣の希望がありまして、そうして強く希望を申上げつつ私は賛成するという態度を持つようになつたわけであります。
 それは公共職業安定所の機構であります。この仕事は第一線において行う事業でありまして、將來は縣に仕事を委讓して、縣の機構の中に包含せしめて、そうして仕事をすることが最も効果的であるということを考えておるものであります。これは職業安定法に規定されておりまする機構でありまするが故に、この労働省設置法を修正するということになりまするというと、職業安定法に関連をするようなことになつておりまするために、実はこの機構を本委員会において改正をしなかつたのであります。將來は職業安定法の改正等によりまして、そうして將來公共職業安定所は縣にその仕事を委讓しまして、そうしてやられんことを希望するものであります。そういう意味からして、そういう希望をいたしまして賛成いたします。
#143
○藤森眞治君 職業安定所の問題は、昨日も懇談会において申上げて、皆さんの満場一致の賛成を得て、只今鈴木さんの強く要望されたところと私も同じ趣旨においてこれを強く要望いたしまして、本案に賛成いたします。
#144
○堀眞琴君 今日日本の生産を復興させるためには、労働行政というものが非常に重要であるということは申上げるまでもないのであります。そこへ持つて來まして、行政整理並びに企業整備に伴ない、失業者がますます多くなつて参るのでありまして、この失業対策の面から申しましても、労働行政というものは今後ますます機構を拡充して、その機能を十分に発揮するようにいたさなければならんと私は思うのであります。ところが今回の設置法によりますというと、僅かに四局でありまして、各省のうちでも一番小さい機構になつているのであります。通商産業省等に比ベますと、恐らく三分の一の機構じやないかと思うのであります。何も機構が大きいからどうの、小さいからどうのという意味で申上げているわけではないのでありまして、実は行政機構を簡素化するというためには、行政事務の科学的な分析を行なつて、それを再編成することによつて行政の簡素化をしなければなりません。ところがこの設置法案は、ただ機械的に行政を簡素化するのだというので、局を減らすというやり方をやつているのでありまして、これは全く行政能率の澁滯を來たすばかりでなく、今後の重要な労働行政の面において大きな支障を生ずると、こう考えざるを得ないのであります。大臣官房のうちに労働統計調査部を置くということにつきましても、私は反対なのであります。今日労働行政上の施策を立てる上におきまして、調査統計というものが非常に大きな役割を演ずるということは、これは申上げるまでもないのでありまして、これは労働省当局の方も十分に認められているのであります。そういうような理由からいたしまして、私は今度の労働省設置法案に対しましては反対を表明するものであります。
#145
○理事(中川幸平君) 他に御発言もなければ、採決に入ります。それでは本設置法案、衆議院の修正を含めて賛成の方の挙手をお願いします。
   〔挙手者多数〕
#146
○理事(中川幸平君) 多数と認めます。衆議院修正通り可決いたしました。本会議における委員長の口頭報告の内容は委員長に御一任願います。尚報告書に附する多数意見者の御署名を願います。
   多数意見者署名
     一松 政二  岩本 月洲
     下條 康麿  鈴木 直人
     新谷寅三郎  佐々木鹿藏
     藤森 眞治
  ―――――――――――――
#147
○理事(中川幸平君) 次は経済安定本部設置法案を議題といたします。経済安定本部設置法案に対しまして、衆議院の修正がありますので、便宜政府から簡單に説明して頂こうと思います。
#148
○政府委員(森永貞一郎君) では衆議院で経済安定本部設置法案に対しまして、加えられた修正案の修正の要点を御説明申上げます。
 第一点は、官房次長及び各局の次長、通計次長三名を政府の原案よりも増加いたしました点でございます。現在経済安定本部には一官房十局ございまして、次長が通計十四人おるわけでございますが、今回の政府提出の原案におきましては、一官房六局に機構を縮小いたしまして、次長の数も通計八人ということになつておつたわけでございますが、官房並びに生産局及び生活物資局の事務の運営の実情に鑑みまして、次長各一人ずつを増加することが適当だというので、官房と生活物資局と生産局の三局に限つて、次長を一人ずつ増加いたしまして二名といたしました。その点が修正の第一点でございます。爾余の点は、これは字句の整理でございまして、例えば物價廳長官は國務大臣を以て充てるということになつておりましたが、経済安定本部長官たる國務大臣を以て充てるというように、当然内容として予定しておりましたように字句を修正いたしました。その他若干の点が修正になつておりますが、いずれも法制技術上の字句の修正でございます。以上簡單でございますが御説明申上げました。
#149
○理事(中川幸平君) 御質問のある方はどうぞ。
#150
○堀眞琴君 内部部局の第七條第四項でありますが、「本部に、顧問及び参與を置く。」という規定があるのでございます。顧問の職分としましては「重要な部務に関して総務長官に対して意見を述ベさせ、参與には、部務に参與させる。」というのでありますが、この言葉だけからは必ずしも顧問と参與との関係が明確ではないのであります。つきましてはこの点について、御説明を願いたいと思います。
#151
○國務大臣(青木孝義君) この顧問及び参與は、顧問は大体外部から学識経驗者を以て二十名以内で組織をいたしております。参與はこれは勿論外部からでありまするが、いわばこの経済安定本部の種々なる各課、局におきまするところの特別な專門的な援助者という意味で、そういう面の学識経驗者を以てこれに充てておる次第でございます。
#152
○堀眞琴君 そうしますというと、二十人の顧問というのは、本部にただばらばらに存在するのですか、それとも顧問会議というようなものを持つて、一つの諮問機関として、本部の総裁の諮問に應えるということになりますか。その顧問のだけ先ず伺います。
#153
○國務大臣(青木孝義君) 顧問は二十名以内の方々を以て組織されて、そうして一つの会議体をなしておるわけでございます。
#154
○堀眞琴君 参與は各局の局長の補佐みたいな仕事になるのでございますか。
#155
○國務大臣(青木孝義君) 大体その通りでございます。專門的なエキスパートとして特に御援助を願う、こういうことでございます。
#156
○堀眞琴君 その顧問と参與とですが、学識経驗者と申しましても、いろいろあると思いますが、私の想像するところでは、顧問に任命される人は、学識経驗者でも、参與に任命される人よりは若干学識経驗なりが深い人というように想像されるのでありますが、その点の区別は如何なものでございましようか。
#157
○國務大臣(青木孝義君) おつしやる通り、その点は多少違いまして、実は学識経驗者であり、而も業界、実際的な立場でいろいろ御活動中の方を特にお願いして行く。例えば日銀総裁であるとか、或いは石川一郎氏であるとかいうような方をお願いしておる次第であります。
#158
○堀眞琴君 参與ですか。
#159
○國務大臣(青木孝義君) 顧問です。
#160
○堀眞琴君 参與は例えばどういう方ですか。
#161
○國務大臣(青木孝義君) 参與は稻葉さんなんかをいたしております。
#162
○堀眞琴君 顧問と参與の仕事の内容は大体分つたのでありますが、併し二十人もの顧問を置きまして、そうしていろいろ諮問される。更に各局に参與、私は何人置かれるかお聞きしなかつたのでありますが、更に又、各局に参與を置かれるということになりますと、行政簡素化という政府の方針にもむしろ反するのではないか。顧問と参與を一体になされて、そうして顧問の会議でもいい、参與の会議でもいいですが、それを強力なものにして、そうしてその知識を行政上の仕事の上に反映させるというようなことになすつた方がいいのではないかと思いますが、その点は如何ですか。
#163
○國務大臣(青木孝義君) その点は、第一の顧問の方は、これも二十名以内となつておりますが、事実はもつと数が少いのであります。参與は二十名以内となつておりますが、これも僅かな数で、而も特に日本の復興計画とか、何とかいう問題があれば、特にそういうところへ御援助を願うというようなことで、二十名以内といつても、一、二名とか、或いは二、三名とかいう経驗しか持つておらんのであります。
#164
○堀眞琴君 それから本部の内部部局でありますが、殊に昔は労働局というものがあつたのでありますが、今度の設置法では労働局というものがないのであります。この労働に関する企画立案というものは、今度の行政上に非常に重要な意味を持つて、單に資金の計画であるとか、或いは物の計画というだけでなく、それと並んで同じような重要性を持つて來ると思うのでありますが、資金や物についてはそれぞれこれを管掌する局があるのでありますが、労働に関しては、これが局から課になつておるのですが、非常にその取扱い方について、私は不公平な氣味があるのじやないかと思うのですが、その点についてお尋ねをしたいと思います。
#165
○國務大臣(青木孝義君) 御承知の通り、労働省がございまして、主として実施面、計画面に亙りましても、労働省がやつておりまするが、私のところも、從來労働関係の総合計算の一環という意味で、重要視はいたしております。併しながらこれは御承知の通りに、こういうものは、やはり人間といいますか、その人によることが多いと存じまするし、殊に私共のような安定本部というようなところでは、数だけ多いから、それでよろしいということにはならんと自分は考えますし、こういう意味で、今回の行政整理に伴いまして、課にはなりましたけれども、併し官房にこれを併置いたしまして、長官なり、次長なりというものにその人を得さえすれば、十分その職責を完うすることができると信じまして、こういうようにいたした次第でございます。
#166
○堀眞琴君 そうしますというと、官房長や、官房次長がいわば労働の方の立案計画をなさる、こういうことになるように承るのですが、私は官房の長なり、次長はそれぞれ本部内の連絡調整の仕事もありましようし、その他本來的な仕事が相当あると思うのです。その上尚労働の仕事をやるというのでは片手間になるのではないか。むしろやはり元の通りに労働局を置かれる方が正しいのではないかという工合に考えます。只今の御意見では労働省の方でも、労働の立案、計画の実施をやつておられる、そう申せばその他の省においてもやはり物の面について、資金の面について立案、計画、実施をされておるのであります。若しそういう点から申しますならば、経済安定本部というものは要らないものだ。各省に一切の仕事を還元してもよいという議論まで発展するのではないかと思う。私はそういう意味においてこの経済安定本部におきましては、労働の立案、計画、安定本部というものは、飽くまでも計画官廳であつて実施官廳ではないのであります。若し安定本部が実施官廳であるというお考えを少しでもお持ちになるならば、これはとんでもない誤りであつて、飽くまでもこれは計画官廳であり、総合的な計画をやるところのフアンクシヨンを持つていると思う。そういう意味から申しまして、労働省が実施官廳であり、行政官廳である。他方これに対し経済安定本部は計画官廳である。そういう意味の行政官廳として労働に関する企画、立案を総合的に行うために、労働局を置かれるのがいいのではないかという工合に考えるのであります。その点についてもう一度お尋ねしたいと思います。
#167
○國務大臣(青木孝義君) 私の申上げたことは、経済安定本部の性格というものについて、私自身が誤認をいたしておるわけではないので、おつしやる通り総合企画の場所であつて、計画ということ、或いは政策全体についていろいろといたしておりまするが、御承知の通り各省との連絡及び企画、立案ということに当つておるのでありまして、この意味で私共も十分この仕事をやつて参りたいという考えでおる次第でございまして、その人を得、而もその数が多少減じましても、十分その仕事がやつて行けるという確信の下にかようにいたしたのでございます。
#168
○一松政二君 外に質疑もないようでありまするから、経済安定本部の設置法案に対する質疑打切りの動議を提出いたします。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#169
○理事(中川幸平君) 一松さんの打切りの動議に御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#170
○理事(中川幸平君) それでは御異議ないと認めます。直ちに御意見のある方は御発言願います。
#171
○堀眞琴君 質疑の際に労働の問題に関しまして、経済安定本部の國務大臣にいろいろ御質疑申上げたのでありますが、これはどうも労働の今後生産の上において占めるその役割から考えまして、労働局というものを是非とも経済安定本部の中に置くことが必要であるということを考えまして、私は労働局を内部部局の一局として置くことの修正案を提出いたします。
#172
○カニエ邦彦君 私は只今の堀君の修正案は極めて適切なものと思いますので、これに賛成いたします。
#173
○理事(中川幸平君) 修正案をちよつと朗読して下さい。
#174
○堀眞琴君 修正案を朗読いたします。
 第十四條の次に第十五條としまして、これは第二節の附属機関の前であります。十四條の次に第十五條として一條加えるのであります。
 「第十五條 労働局においては、労働に関する基本的な政策及び計画の樹立並びに関係各行政機関の事務の総合調整及び推進をすることをつかさどる。」
この一條を入れまして、第二節附属機関以下順次一條宛繰下げるということであります。
尚その一ケ條の修正を附加することによりまして、條文の整理をいたさなければなりません。次に読み上げます。
 日次中「第六條―第十四條」を「第六條―第十五條」に、「第十五條」を第十六條」に「第十六條―第十八條」を「第十七條―第十九條」に、「第十九條―第三十四條」を「第二十條―第三十五條」に、「第二十條―第三十二條」を「第二十一條―第三十三條」に、「第二十條・第二十一條」を「第二十一條・第二十二條」に、「第二十二條―第二十七條」を「第二十三條―第二十八條」に、「第二十八條―第三十一條」を「第二十九條―第三十二條」に、「第三十二條」を「第三十三條」に、「第三十三條」を「第三十四條」に、「第三十四條」を「第三十五條」に、「第三十五條―第三十八條」を「第三十六條―第三十九條」に改める。
 第六條第一項中「六局」を「七局」に、続いて「建設交通局」を「建設交通局労働局」に改める。
 第七條第三項中「建設交通局に次長二人の下に「、労働局に次長一人」を加える。
 第八條第一項中第十三号を削り、第十四号を第十三号とし、以下順次一号ずつ繰り上げる。
 それに前に読上げたものがそのあとへ続くわけであります。以上のような條文の整理をいたしたい。こういうわけであります。
#175
○理事(中川幸平君) 他に御意見ありませんか。御意見がないようでしたら採決に入ります。
 先ず堀君の提出の修正案につきまして採決いたします。この修正案に御賛成の方の挙手を願います。
   〔挙手者多数〕
#176
○理事(中川幸平君) 多数と認めます。
  ―――――――――――――
#177
○理事(中川幸平君) 次いでこの修正にかかわる部分を除く衆議院送付案を採決いたします。これに賛成の方の挙手を願います。
   〔挙手者……〕
#178
○理事(中川幸平君) 総員……よつて本法案は修正議決せられました。本会議における委員長の口頭報告の内容は委員長に御一任願います。尚報告書に附する多数意見者の御署名を願います。
   多数意見者署名
     岩本 月洲  下條 康麿
     鈴木 直人  河崎 ナツ
     堀  眞琴  カニエ邦彦
     新谷寅三郎  佐々木鹿藏
     藤森 眞治
#179
○理事(中川幸平君) 次に農林省設置法案と農林省設置法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案を一括議題といたします。農林省設置法案につきましては、御承知の通り衆議院で修正可決されておりますが、便宜修正箇條を簡單に説明して貰いたいと思います。
#180
○説明員(細田茂三郎君) 衆議院で修正しました農林省設置法の修正案を簡單にお話申上げます。内容は極めて簡單でございますが、第三條につきまして、農地局の所掌事務の中で「土地改良事業を行うこと」という條章がありますが、土地改良事業という言葉が非常にいろいろな解釈がございますので、これを詳しく規定をしたいというのがこの修正の趣旨でございます。そこで括弧いたしまして「土地改良事業(かんがい排水、開墾、干拓、農地又はその保全若しくは利用上必要な施設の災害復旧その他土地の農業上の利用を維持増進するのに必要な事業をいう)」そこに書きましたような事業を称して土地改良事業という、こういうふうに詳しく規定をいたしましたわけであります。そこでそれ以下に出て参りますところの土地改良事業という言葉は、すべて同一な規定になりますので、その必要によりまして改めましたのみでございます。
#181
○三好始君 今度の農林省設置法によりますと、農業協同組合部がなくなりまして、單に第四條の農林省の権限の中の一項目と第八條の農政局の事務の一項目として協同組合に関係した規定が掲げられているに止まるのであります。農業協同組合が農村の將來にとつて非常に重要視されている際に、設置法がこのようになつていることは我々にとつて聊か了解に苦しむのでありますが、この点に対する農林大臣の御見解を承りたいと思います。
#182
○國務大臣(森幸太郎君) この問題につきましては、先般一應お答えしたと記憶しておるのでありますが、農業協同組合が今回組織を改めまして、耕地農、農業を営む者は全部、もとより強制加入ではありませんけれども、全部が農業協同組合というものの組織をいたしたのであります。それでありますから、農林省の農政は主としてこの農業協同組合というものを主眼として、相手方としてすべてが行なわれて行かなければならないと考えておるのであります。從つて農政局に殊更に農業協同組合部というものを設けることは却つてこの農政執行の上に適切でない、かように考えまして、農政の全般に対する相手が農業協同組合であるというこの氣持で農業協同組合部というものを殊更に設けなかつたわけであります。
#183
○三好始君 それでは農業協合組合に関する事務を所掌するために農業協同組合課というようなものを設置される予定でありますかどうか、その点をお伺いいたします。
#184
○國務大臣(森幸太郎君) 内部の課の組織におきましては、便宜上農業協同組合課というものを設けてもいいと、かように考えているのであります。
#185
○三好始君 このことについてはのち程御意見も出る模樣でありますので、次に移りまして、今般の設置法では資材調整事務所が廃止される予定になつておるわけでありますが、このことに関連して一、二お伺いいたします。資材調整事務所が廃止されます理由として、今日調整事務所の行なつている事務の一部を地方廳へ委讓する。残つた事務を食糧事務所の一部としてやつて行く、こういう予定になつておる。こういうふうに了解いたしておるのでありますが、地方廳へ委讓する事務は臨時物資需給調整法に基く指定生産資材の枠を外した物資に関する事務だけを委讓されますのか、それとも枠を外さないものにつきましても、地方廳へ委讓される物資があるのか、この点を先ずお伺いいたします。
#186
○國務大臣(森幸太郎君) 取扱をいたしまする物資につきましては、未だはつきり決定いたしておりませんが、枠を外すことのできないもののみを取扱う、枠を外したものはすべて地方に委譲するとは限らないのであります。御承知の通り七月三十一日を以てこれを廃止いたします。そこに一應の整理を行なうのでありまするが、その後においてもこの資材調整事務所で取扱わなければならないというものは資材調整事務所を廃止いたしましても、食糧事務所においてこれを暫定的に取扱う方針を持つておるわけであります。
#187
○三好始君 只今の御答弁は指定生産資材の枠と、地方へ委譲する物資に関する事務とは直接に関係がないというふうに了解してよろしうございますか。
#188
○國務大臣(森幸太郎君) その通りであります。
#189
○三好始君 そういたしますと、同じように指定生産資材の枠内にあるものは、或るものは食糧事務所の資材部の形で取扱われ、或るものは地方廳へ移譲される、こういうことになりまして、重要物資の調整について混乱が生じはしないか、こういう虞れが一應考えられるわけでありますが、この点についての大臣のお考えを承りたいと思います。
#190
○國務大臣(森幸太郎君) その取扱います物資が連合國等の関係いたしておりまする物資でありまして、これはどうしても政府自身がその割当配給等の統制を所管しなければならないという品物は、これは暫定的でありまするが、食糧事務所において、これを資材部として取扱わなければならんと思いますが、その他の意味におきまして考えられる物資は、地方廳に委讓してもよいとかように考えておるわけであります。
#191
○三好始君 私は同じような指定生産資材が或る物は食糧事務所の資材部で、或る物は地方廳で、こういうことになりますと、一般國民にとりまして、物資によつて取扱をする機関が異なるわけでありますから、その点で統制の混乱が起りはしないだろうか、こういう趣旨でお尋ねいたしたわけでありますが、その点は如何でしようか。
#192
○國務大臣(森幸太郎君) これは今統制されておりましても、將來も統制をすることも要らないというようなものは、これは地方に委譲しても差支ないのであります。例えば近き將來において考えられるような資材といたしまして、現在統制いたしておりまする品物で、これがもう將來統制を外してもよいというふうに考えられるものが出て來ると思いますので、現在におきましては同じく統制をいたしておりますものでも、地方廳に委讓するものであり、又止むを得ないものは依然として政府がこれを統制するということになると思うのでありますが、まだいずれどういうものをするかということははつきり申上げられません。
#193
○三好始君 只今の大臣の御答弁に関連するわけでありますが、地方廳へ委讓する事務に関しての御趣旨は、將來近いうちに統制が解除されるものでなかろうか、こういう認識を若し一般に與えますとすれば、その統制自体は非常に混乱を生ずることが予想されるのであります。そういう統制が近い將來にこの物資についてはなくなるのだと、こういう印象を與えることはできるだけ避ける方がいいのじやないかと思いますが、その点は如何ですか。
#194
○國務大臣(森幸太郎君) そういう懸念は絶対ないとも考えられませんが、政府もこれを取扱い、そうして地方廰にも取扱わすというように、あちらにもやりこちらにもやるということはしないのでありまして、物によつてこれを区分して参りまするから、決して統制を混乱せしめるようなことはないと、かように考えているわけであります。
#195
○三好始君 そういたしますと、地方廰に委讓した物資については、資材部で取扱う物資に比べて統制がやがて廃止されるという時期が近いのだ、こういうふうなことはないと考えていいのでありますか。
#196
○國務大臣(森幸太郎君) その通りであります。
#197
○カニエ邦彦君 議事進行に関して……発言中ですが、私先程の設置法案のときに、議事進行に関してという発言を求めているに拘わらず、そのまま採決を行なつたのですが、これは甚だ遺憾に思うのです。ついては議事の進行に関しまして、一應重要なことがございますので、発言を求めているのですが、ちよつと委員長から秘密会にして頂きたいと思いますが、一應関係のない方は出て頂くといいのですが、お諮りいたします。
#198
○理事(中川幸平君) カニエ君から秘密会の要求がありましたが如何いたしますか。
#199
○鈴木直人君 我々が非常に崇敬しておるカニエ君の発言であり、議事進行に関して秘密会を要求するということは確信のある御発言であると思うのでありますが、今運輸省設置法案の審議中であるので、若しそういうことであつたならば、この設置法案をする前にあつてもよかつたのではなかつたかと思つたりしているのです。それを秘密会にして、今これの又質疑を延ばすという程度の重要性を持つものだとは思うものの、まあ一つその点はこれを進めて進められないものでもないのでしようけれども、これも進めて、それから後に秘密会をした方がいいのじやないかというふうに……私は内容が分りませんですけれども、カニエ君の言われることだから恐らくそうだろうと思うけれども、併しながら進めているのですから、進められたらどうでしようか。
#200
○理事(中川幸平君) 速記をちよつと止めて下さい。
   〔速記中止〕
#201
○理事(中川幸平君) 速記を始めて……質疑を続行いたします。
#202
○三好始君 先程の質疑に続けてお尋ねいたします。資材調整事務所を食糧事務所の資材部という形に持つて行くことに予定されておると承つたのですが、そういたしますと、今日の食糧事務所の事務が非常に厖大であり且つ重要なものであるわけでありますが、その中で又重要性を持つておる資材の可なり大きな事務が入つて行く、こういうことになりますと、食糧事務所長の能力から申しまして、能力の限界を超える虞がありはしないかと、こういうふうに我々心配いたすのでありますが、この点について農林大臣はどういうふうにお考えになつておりますか、承りたいと思います。
#203
○國務大臣(森幸太郎君) この問題についても先般お答えいたしたのでありますが、現在やつておりまする事務を一層簡素化いたしましてやる場合には、決して差支えない、完全に事務が行われる、かように確信を持つておるわけであります。
#204
○三好始君 この点について先般の御答弁によりますと、今日食糧事務所で行なつておる事務の中には、例えばわら工品の檢査であるとか、大臣のお言葉をそのまま借りますと、下らない事務は相当沢山ある、こういうお話でありますが、わら工品の檢査その他の一部の事務は、やり方によつては或いは簡素化し、縮小できるものがあると思いますけれども、全般的に申しますと、食糧事務所の事務にいたしましても、資材調整事務所の事務にいたしましても、そう大幅に縮小できるものとは我我考えられないのでありますが、そういたしますと、食糧事務所長の能力の点から言つて、私達は重大な食糧行政の事務なり資材調整の事務の双方に支障を來しはしないか、こういうふうに心配いたすのであります。重ねて大臣のはつきりしたお答えを頂きたいと思います。
#205
○國務大臣(森幸太郎君) 繰返すようでありますけれども、決して支障を來たすようなことはない、かように考えておるわけであります。
#206
○三好始君 若し地方廰に委讓する事務が、大臣が予想しております程委讓できなくて、今日の資材調整事務所の事務が相当多くの部分そのまま直接政府機関の手によつて行わざるを得ない、こういうようなことになりますというと、食糧事務所に資材部を設けるということが実質上の出先機関の整理にはならないような結果になつて、却つて先程來申しておりますように、食糧事務所の事務と資材方面の事務の、この重大な二つの事務を強いて一人の所長で見て行く、こういうことになつて相当の無理ができはしないかと、こういうふうに思うのでありますが、先程の御説明によりますと、どの程度の事務を地方廰に委讓するかは未だ決らない、こういうふうに承つたのでありますが、大臣の今のお見通しでは、大体のところで相当分量の事務が地方廰に委讓し得る確信が持てますかどうか、その点をお伺いいたします。
#207
○國務大臣(森幸太郎君) 先程も申しました通りに、これだけの、これこれのものということを今申上げることはできませんけれども、地方廰に委讓しました残りのもの、政府として責任上やらねばならんというものを食糧事務所に資材部として行いまして、その人間もこれに相伴つて参るのでありますから、決して御心配下さるようなことはないと、かように考えておるわけでございます。
#208
○鈴木直人君 私は発言しまいと実は思つておりましたのでありますが、同僚の三好君の御意見尤もだと思うのでありますが、私はこの実際の情勢を見ますというと、食糧の増産というものは現在縣知事が全責任を持つて、そして各地方事務所を使つた或いは農業協同組合の力強い援助によつて、そして仕事をしておるわけです。そして又供出につきましても知事が全責任を持つてやつておるわけです。この物資不足、資材不足の場合において、食糧を生産するという最も力強いところのものは、やはり資材を與えるということであります。從つてやはり食糧の生産の責任を持つておる者が資材を持つということが、私は現実の場合に一番いいことだと思うのです。であつてこの生産をし、計画をし、そして或いは生産の割当をし、そして又いろいろ金融の世話をし、資材の世話もする、そして総合的に農村の食糧生産ができるようにして行くということが最も農民の立場から見ても、私は現実的なことだと思うのであります。この資材調整事務所は二、三年前において臨時物資調整法ができて、そうして統制資材を取扱う場合に、関係方面の意向によつてとにかく國が責任を持つて配給しろというようなことになり、國が責任を持つて配給するならば、國みずからがこれを配給しなければならんというようなことからして、そういうことからして各省において資材をみずから配給する機構ができた。例えば運輸省の道路監理事務所とか、或いは商工省の商工局出張所とか、或いは文部省においてもそういうふうな機構が末端にでき、そうしてすべてが國の出先機関においてそれが行われ、急速にそれが行われて、そのために國の人員も殖えたわけでございますが。併しながら私はそのスタートの際に、すでに間違つていたと思うのです。それを各省がそれぞれの生産をするものに思い切つてそれを與えて、そうしてそれに指図して、そうして生産と計画とか睨み合したところの資材を與えてやるというような、一元的な方法が私はよかつたと思うのです。正にこれは官僚統制の弊害である。各省が事務をどこまでも自分で持つて行きたいという考え方というものが私はそこに現れて來たので、いわゆる官僚の一つの考え方が機構に現われて來たのだと思うのであつて、現在は私はやはり理想としては、農村の必要なところの資材、肥料にしても、肥料は國がやつております。すべてのものは知事を信頼して、そうしてそこに一括して與え、そうして生産量の責任をその代り持つて貰う。そうして資材の配付、その他について思う通り行かないということであるならば、これは農林大臣なり各省大臣が知事に対して強い権限を持つので、このときは丁度知事が公選になるというときで、知事が公選になると直接指揮命令ができなくなるというあのときにできたものでありますが、その後法律が改正され、自治法も改正され、或いはその他の法律も改正されて、やはり信事と雖も從來と同じように農林大臣の下級機関と同じような指図権を持つことができる。又言うことをきかなかつた場合には、これは内閣総理大臣に対して知事の罷免権を行使することができるというところにまでなつておるのでありますから、やはり生産の責任にある者に資材を與えて、そうして一緒に生産をして行くことが却つていいことである。又農民からみてもです。私はその方を希望するのではないかと思う。ただ問題はこの生れたところの資材調整事務所というものを今廃するというようなことであり、まあ現実に廃止されるということは辛いことであるわけでありますので、さようなことで以てそれが食糧事務所の方に吸收されるというのであるけれども、私はやはり食糧事務所に行くということはよくないと思う。食糧事務所はやりは食糧の買上げ、それに必要な檢査とか、そういうところに專從すべきであつて、それを食糧事務所の方にやるということはやはりよいことじやないと私は思うのです。併しながらこれは政府案がまあ全面的にやる得ないということで、供出とかいうところの必要な範囲内におけるところのものをやるのだというのだから、それは止むを得ないと思いますけれども、私は成るたけ委讓して行くということが理想と考えておるのでありますが、これに対する農林大臣の御意見をお伺いいたします。
#209
○國務大臣(森幸太郎君) 鈴木さんの今お述べになりましたことは私もさようなことを理想といたしておるのであります。決して官僚統制を固持して行きたいという……官僚に氣分があることも認めるのでありますが、今日はさようなことは漸次是正をして行かなければならないという氣持は今お述べになりましたと同感であります。ただこれを今急速に廃止いたしまして、そうしてこれを地方廳に讓り得るという場合に、尚この統制の資材の品物によりましては、今暫くの間政府として責任を持つて配給しなければならないというものについてのみ政府は考えて行きたい。かように考えておりますので、これは漸次撤廃いたしまして、地方自治体に委任するということは至極結構なことでありまして、自分もさようなことを考えておるわけであります。
#210
○カニエ邦彦君 只今の鈴木さんの、全部資材調整事務所の所管事務を委讓するということについて、私はさようなことを政府が今回行われるのならば、非常にいいと思うのです。これは行政整理の簡素化の面からいたしましても、その方がいいのじやないかという感じがするのですが、併し現在の政府の御答弁によるようなことでありますと、どうも私は三好君の先程言われた資材調整事務所はやはり存置すべきであるという考え方がいいのじやないか、こういうふうに考えるのであります。というのは、仮に政府の方では、今大臣が御説明になつたように、或るものは地方廳へ業務を移管してやらせるのだ、或るものはこれはやらされないのだということになりますと、却つてその機構が複雜になるということ、それから一般國民大衆から、農民、漁民の立場からいたしますると、さようなことをやられることにおいて、大いに不便を感ずる、迷惑を感ずるという結果に実際は相成ろうかと思うのであります。これはどういうことでそういうことになるかと申しますと、現在のあの資材調整事務所ができましてから今日まで、非常に農民も、又漁民も、特に零細な業者程、農林省の出先機関である資材調整事務所の信頼は高いと思うのです。この点は、非常に今まで府縣でやつておつたよりも、殆んですべての面倒を見て呉れる面におきましては、末端のところまで、零細なものにまで分けて呉れるという点では、非常に前の地方廳がやつておつた当時と違うと、地方廳が前にやつておつたのは、成る程今の政府がやつておるやり方よりも、人は成る程少なかつたそうです。それは農業会とか、或いは漁業会の團体に割当てた枠の品物を大枠にして、そうして團体がそれを各業者に分けておつたというやり方を今までやつておつた。ところが、そういうことでやつておつた関係上、どうしても地方廳でやると、地方の有力者とか、或いは組合の組合長であるとか、理事長であるとかいう幹部の間で操作が行われて、そうして零細な末端の業者は極めて不公平な取扱を受けておつた。ところがこれが地方廳から國になりましてから、國の官吏は、そういつた地方の有力者或いは又縣会議員、或いは町会議員とか、そういうような有力者には関係せずに、どしどしと國の責任においてやつておつた、而もそれらのことが公平に末端まで行届いておつたというような点で、初めの間は、この新らしい資材調整事務所ができた当時は、非常に不便であるように感じておつたらしいのですが、最近はもう二年も経ちまして、鍬はどこ、糸はどこ、網はどこ、油はどこ、何はどこという工合にちやんと分るようになつた。そうして非常に便利になつてと言つておる状態なんです。ところが今度の政府のおやりになることによりますと、これが又新らしい機構に変つて、或るものは地方廳に委讓されるということになると、或るものは又縮小された機構の中の國の機関がこれを扱うというようなことになりますと、國民の側、いわゆる農民、漁民の側から見ますると、着物は國の出先官廳へ取りに行く、羽織の方は地方廳に行くというようなことに相成ろうと思うのです。そうしますと、結局一体何と何とを地方廳に取りに行くのか、何と何とを國で取るのかという点は、これは慣れるまでの間、判然と分るまでの間、非常に混乱して來るという点と、それから農民なら農民が、一つの農業の営む上におきまして、一つの線にそれぞれ物を貰いに行かなければならんという結果に相成りまして、これは國民側から見ますると、非常に不便であるという結果になろうかと思うのです。そこで結論といたしましては、鈴木君が先程言われるように、もういつそ全部、或ひは多少の弊害はあつても、地方廳に渡してしまう。或いは、もうどつち途統制がここでなくなるのですから、だから現在のままで、そういう中途半端なことをせずに、現在のままで存置せしめてやつて行かれる方が、大体私は正しいのではないか、又國民もその方を希望して喜んでおるのではないかと、こう思いますが、この点について一つ、これは國民側からは非常に重要な末端組織の問題になる仕事ですから、一つ大臣の責任あるお考えをお聞かせ願いたいと思います。
#211
○國務大臣(森幸太郎君) 資材調整事務所の存置如何につきましては、是非とも置いて貰いたいということをやかましく言う面もありますし、これは地方に委讓して呉れた方がよいと、こういうことを希望する面と、二つあるのであります。どういうふうな立場においてそういうふうに二つに分れるか分りませんけれども、とにかくこれは私といたしましては、將來においては廃止すべきものということを理想と考えておるのであります。併し、先程來繰返して申しましたように、今直ちにこれを全部開放いたしまして、地方自治体に任せる段階になつておらないと、こう考えますので、暫定の措置として先程來申しました方法を選んでおるわけであります。併し、それがためにこの物資を受ける地方の人々が混乱するというようなことは、恐らくないのではないかと、かように考えておるわけであります。從來はこの物資の生産も非常に少くて、配給いたしました切符が物と換らないというような事情でもありましたですが、今は生産も、亦配給のルートも、今お述ベになりましたように、相当の日数によりまして、秩序を持つて参りましたから、これを一部開放いたしまして、地方自治体にお任せいたしましても、決して混乱するというようなことは私はないと、かように考えておるのであります。併し、理想といたしましては、漸次こういうふうなものはすベて地方自治体にお任せしてよいのではないかと、こういうことを考えておるのであります。
#212
○カニエ邦彦君 今大臣が混乱をせないということをおつしやいますが、非常な混乱をすると、これは馴れてしまえば大体お互に分ると思うのですが、馴れるまでの間は、やはり今までの制度が変りますと、半年なり一年なりというものは、これはやはり混乱することは間違いないと思うのです。そこでその混乱するとせないということは別といたしましても、一應私なら私、大臣なら大臣が、あなたが一つの所に行けば用が足りるのを二つの異なつた箇所に行かなければ用が足りないということは、一應どつちがよいと思われますか。その点一つお聞きしたいと思います。
#213
○國務大臣(森幸太郎君) お答えするまでもないと存じますが、今日の物資の事情が、これを一つにどちらにも偏らすことができ得ない、こういうことを考えているわけであります。
#214
○カニエ邦彦君 そうなりますと、やはり答えて言うまでもなく、それはもう当然一つの所に行つたらすベての用が足りるということの方が便利でもあり、それは適当だというお説のように思うのですが、そうしますと、やはりそういう不便を敢えてしてまでも、何も二つに分ける必要がないじやないか、それなれば、やはり私の言うように現存しているものを、それが現存したからと言つて、國力にどれだけ影響するとか、或いは國家再建に厖大な支障を來すというものでない限りは現存される方が正しいのじやないか、こう思いますが……
#215
○堀眞琴君 ほんの一つか二つお尋ねしたいのですが……
#216
○理事(中川幸平君) 簡潔に願います。
#217
○堀眞琴君 簡潔にいたします。僕は何も自分の意見は余り述ベないつもりですが……内部機構の問題でありますが、新らしい設置法によりますると、從來ありました統計調査局が部になつているのでありまするが、今日農林統計が農林行政の上に非常に重要であるということは申上げるまでもないと思います。その重要な統計調査に関する局を部にされた理由をお尋ねしたいと思います。
#218
○國務大臣(森幸太郎君) 皆さんにおかれましても、この行政面について御研究を積んでおつて下さると思いますが、戰爭後いろいろの行政面が殖えて参りまして、殊に戰爭に負けましてからは、あちらにも局を拵え、こちらにも拵えというふうに、非常に部局が殖えて参つたのであります。又関係方面の指令等によりまして、殊更に新らしく部局を設置された面もある。ところがこの部局が全く何といいますか、自分というもののみを考えまして、相互間の連絡が非常に欠けているのであります。これはこの敗戰後の行政組織建直しの一つの私は弊害と考えるのでありますが、一つの局の中におきまして、部を設けておるという場合に、この部は自分の部であつて、他の部は知らないというような、誠に自分の部に忠実であつて、相互間の連絡協議ということが殆んど疎かになつておつたような情勢があります。今御質問のありました統計局も、これは関係方面から食糧の配給上はつきりした基礎を掴めということの勧告によつてできた局でありまするが、片一方に農業改良局というのができまして、農業改良局というのは、今日の農業の技術面から、又いろいろの講習等、すベての面に向つて指導して行く、こういうことが改良局の仕事になつているのでありますが、その農業改良局と統計局というものは一心同體、離るベからざるところの関係を持つているのであります。もとよりこの作報は一面においては嚴正公平な統計を作り出すという大きい一つの使命を持つておりまするが、その使命によつて作り上げられたる統計そのもの、今の日本の農業の実態を掴むということによつて改良局の主管いたしておりまする増産の指導、技術の指導ということが関連を持つて参つて來るのであります。全くこの改良局の仕事と統計局の仕事とは不即不離なと申しますか、切離すことができ得ない情勢にあるのであります。これを一つにいたしまして、何とか名前を変えて両方が一つになつたという立場から、名前もどつちつかずの名前にしようというようなことも研究いたしたのでありますが、敢えて名前に捉われることは要りませんので、農業改良局のうちに統計部というものを設けまして、そうしてその統計部の先程申しました最も大事な基本となるベき統計事務につきましては、局であつた時代と少しも変らない陣容を以てその仕事の完結を期したい、こういう氣持を持つておるわけであります。
#219
○堀眞琴君 只今のお話ですと、農業改良局の仕事と統計調査の仕事とは両両相俟つてやらなければならんというお話でありますが、私は統計調査の仕事はですね、農業改良にも勿論根本の問題と思うのでありますが、併しそれより以上に統計調査の仕事というものは全農林行政の基礎をなすものだと思う。單に農業改良局だけの仕事に基礎を與えるものではなくて、全農林省の政策の根本となるものが統計調査だ、こういう工合に私は考えるベきではないかと思うのです。そういう点につきまして、農林大臣はどういう工合に考えていられるか、もう一つ重ねて伺います。
#220
○國務大臣(森幸太郎君) 誠に御尤もな御意見でありまして、私もさように考えているのであります。殊に改良局と統計局とは先程申しましたような関連性を持つておるのでありますが、この作報関係の統計局の今まで携わつておりましたこの仕事は、今お述ベになりました農林行政の根基をなすことは勿論であります。それでありますので、この改良局と統計局とを一つにいたしましても、今まで掫つておつたところの統計局の事務執行の上において、分量の上において決して疎そかに考えずに農業政策の基本をなすものだという氣持で行政を進めて行きたい、かように考えております。
#221
○堀眞琴君 農業改良局と統計調査の仕事との関連はよく分つたのでありますが、大臣も認められておるように、統計調査の仕事は全農林行政の基礎をなすものだということになりますと、農政局の仕事も農地局の仕事も、畜産局の仕事も、蚕糸局の仕事も、調査統計が基礎になるということはお認めになつておると思うのです。そうしますと、農業改良局に統計調査の仕事を置くよりはむしろ大臣官房の方に置かれた方が、統計調査の仕事をやる上においても、亦全農林行政をおやりになる上においても、却つてその方がいいのじやないかと思いますが、その点について重ねて御意見を承りたいと思うのです。
#222
○國務大臣(森幸太郎君) 官房という……今度設けられるのでありますが、これは普通の経済安定本部のごときものと多少意味が違つておりまして、從來大臣関係の秘書、文書、こういう総合的な事務的なことをやるように官房の仕事はなつておりますので、やはり技術方面は、独立いたしました農業改良局というようなものに一つにした方が、その仕事の上から申しましても妥当と考えたわけであります。
#223
○堀眞琴君 余りしつこく重ねて質問を申すとなんですから、時間もないですが、もう一つ質問させて頂きたいのですが、外局に置かれる食糧廳の部局についてでありますが、從來食糧管理局におきましては、総務部、経理部、業務部、こう三部になつております。ところが今度の外局の食糧廳は総務部、食糧部、食品部、こう三部になつておるのです。で食糧廳で扱うところの食糧管理の上での経理の仕事というものは特別会計の上においても相当大きい額を占めると思うのです。そういうような大きい額を占める経理の仕事、而も特別会計の経理の仕事を恐らく総務部でおやりになるだろうと思いますが、総務部の一課において担当させるということは、事務の内容から申しましても不当ではないかと思うのですが、その点について御質問をしたいと思います。
#224
○國務大臣(森幸太郎君) 総務部でこの経理をやりましても、別段に差支えないではないかと、かように考えておるのであります。御承知のように食品局を廃止いたしました関係上、食糧部を作つたのでありますが、この経理部の面につきましては、從來経理部というものがあつたのでありますが、これを総務部として取扱つて別に支障なしかような観点からこういうふうに決めたわけであります。
#225
○堀眞琴君 重ねて御質問しますが、前は総務部と経理部となつておりました。今度は、総務部一つになつております。つまり総務部を経理部と一緒にして総務部にされたのだろうと思いますが、併し何と申しましても、四千億というようなところの特別会計を扱うのでありまして、これを一課において支障なくやり得るということは、なかなか実際問題として大変なことだと考える。でき得べくんばこういうようなことについて農林当局としてこのお考えをお直しになるような御意向がおありになるかどうか、それだけ最後にお尋ねして、私の質問を終ります。
#226
○國務大臣(森幸太郎君) 内部の充実を図りまして、課は三つに分れておりますが、それによつて、経理の方面も完全にやり得るということを考えておるのであります。
#227
○三好始君 特に戰時中以來日本の農林行政が食糧行政を中心にして運営されて來たわけでありますが、我々が山林の状態を考えます時、日本の山林行政、林野行政の重大性を痛感いたすのであります。そこで農林大臣として林野廳の機構なり、或いは事務の内容なりにつきまして、將來山林の荒廃を防止して、進んで山林の育成を図つて行く上にどのようなお考えを持つておりますか、それを一つお伺いいたします。
#228
○國務大臣(森幸太郎君) 随分大きい御質問でありますが、日本の山林は從來、官有林と申しますのと、皇室林と民有林とあつたのでありますが、これが今皇室のものが國家に委讓されまして國有林になつたわけであります。而も戰時中資材等の関係から保安林というものが御承知のように相当あるのでありますが、この開放を非常に強要されまして、保安林が相当開放されて來たのであります。そこへ戰爭中に燒き盡されたために資材の必要に迫まられまして、急激にこの木材の必要を感じたのであります。推算によりますと一年に一億五千万石の生産が予想されるに拘わらず、需要は二億五千万石という、年々一億万石も余計生産率よりも消費しておつたというようなこと、殊に里山が手近いためにどんどんと利用されまして、遂にその結果は河川の洪水を起すというような被害が年々繰返されておるような情勢になつておるのでありまして、どうしても國土保安の上から申しましても、一時の急いで森林の復活をしなければ國土危うしと言つてもいいと思うのであります。それにつきましては、この皇室から國家に移りました國有林の整理等も行わなければなりませんし、又そういう林野を國家が所有しておることは果して、林業行政の上にいいか惡いかということの檢討を加えますと、相当これは民間に委讓した方がいいと考えられる部面があるのであります。又保安林におきましても、從來開放されておりました部分においても、更に保安林として制定した方が國土保安上必要だと考えられる分も相当あるのであります。又この林野、牧野の開放につきましても、今日耕地の関係から相当開放すべき牧野地も考えられているのであります。今國有林の調査も大体五ケ年計画で終りを告げると思つておりますので、この際山林行政を根本的に建直しまして、そうしてはつきりといたした林業行政を立てて、そうして治山治水の目的に副うようにいたしたい、かように考えているわけであります。今回の行政整理におきましても、相当の各省関係で整理をせなければならんのでありまするが、成るべく林野廳におきましては、独立の廳として御承知の定員法が定められまして、林野廳、食糧廳、水産廳、この三つと本省と四つ、おのおの独立した定員法が定められましたのであります。併しながら林野局におきましては最も末端におきまする重要なのは、林野の盗伐とかいうものを監督する役でありまして、これは森林主事という名がついているのでありますが、これは各國有林を監視いたしまして、盗伐等を防ぐ責を持つ、いわゆる警察のような仕事をいたしておるのであります。実に危險な立場におつて仕事をしておつて呉れる人でありまするが、こういうふうなものも相当欠員があるのでありますが、行政整理としては一應一割ということは予定いたしているのでありまするが、実際において果してこの一割が森林主事に整理できるかということは、実体を掴みまして、不可能であるというようなことも考えられますので、この林野廳全体の定員の中においてこれを按配しまして、できるだけこの出先にいるところの営林署なり或いは森林主事というような方面には減員ができ得ないというような場面も考えられるのでありますので、この廳の内部において相互融通をいたして行きたいと考えているのであります。いずれにしましても、この森林行政の重大さは申上げるまでもないのでありまして、今後一層の力を入れて行かなければならんと考えているわけであります。
#229
○三好始君 最後にもう一つお尋ねいたしますが、只今の問題に関連して、木炭事務所が実は廃止の声が相当高かつたのでありますが、今回はそのことについて確か大臣であつたかと思いますが、木炭なり薪炭の統制は遠からず廃止されるべきものであるから、そういうふうに統制の廃止まで一應の見通しのあるものを取扱つている木炭事務所も、今俄かに機構を改めなくとも、統制自体の廃止に伴つて近いうちに廃止してもいいのだ、こういつたような意味のお話が確か委員会であつたものと記憶をいたしているのでありますが、木炭事務所をどういう形にするか、全然統制自体を地方廳に委讓してしまうか、或いは何らか別個の形態をとるべきか、こういう問題につきましては、いろいろな角度から意見があると思うのでありますが、私は先程お尋ねいたしました森林の荒廃に関連いたしまして、木炭なり薪炭の統制撤廃がこれ以上に森林の濫伐を誘発するような結果になることは、嚴に警戒しなければいけない問題じやないかと思うのでありまして、この点について木炭なり薪炭の統制撤廃、從つて遠からず木炭事務所は廃止されるのではなかろうか、こういう一部の見解に対しまして農林大臣のお考えを承わりたいと思うのであります。
#230
○國務大臣(森幸太郎君) 薪炭の事情は御承知の通り一時非常な危險を考えさせられたのでありますが、今日では非常にこれが出廻りもよくなつて参つたのであります。この薪炭につきましては、御承知の通り自給自足のできる縣と、非常に生産する縣と又大都市になつておる消費する縣と、この三つに分れるのであります。これが今地区的に分れておりますけれども、統制のために輸送運賃等がプールされておりますので、非常にこの自給自足のできる府縣におきましては、隣りから隣りへ持つて來る、その間に非常に運賃、手数料が加算されておるのであります。それが結局全國的なプールの計算のために、そういうふうなことになつておりますので、でき得べくんばこの自給自足のできる府縣に対しましては、その縣の自治統制に任せまして、そうしてこれは撤廃すべきものであるという構想を持つておるのであります。これは今日の統制形式が政府の一方的考えを以てできないというような事情もありますけれども、現にこの薪炭に対しましては、相当の修正をいたして行つてもいいのではないか、かように考えておるのであります。そうしました場合に木炭事務所はどうなるかというようなこともおのずから考えさせられるのでありますが、木炭行政といたしましては、その自給自足のできる府縣におきましては、これは無論廃止して、一應森林課において取扱つて貰つて、縣に自由に取扱つて貰つていいのではないか、かように考えるのでありますが、近い將來にいつこれが撤廃する段階に入るかということは今申上げる機会でありませんので、実は一時薪炭なども開放の形式を取つたのでありますが、やはり関係方面といたしましては、生産縣と消費縣との間のプールを今暫く継続した方がいいというような勧告もありまして、これを現在継続いたしておるわけでありますが、漸次これは統制の方式を変更して行きたい、かように考えておるわけであります。
#231
○下條康麿君 ちよつと三好君の質問に対する御答弁の中で、一つ確めて置きたいことでありますから、簡單に御答弁願います。営林主事の定員を減らすことについて御意見の開陳があつたのですが、それは現在閣議決定では一割になつております。欠員もあるし、又実際運営上、縣に一人しかいないのでありますから、これを減らせば非常に困る。営林主事を減らすことは事実方できないと思うのでありますが、それについては林野廳の定員の範囲内において整理するということで大変満足しておるのですが、それと同樣な問題が同じ営林署の職員の一般職員につきまして、とにかく昭和二十年度には五千三百八十八万石の伐採、三十万町歩の造林というような大きな計画を持つておりました。予算の関係では一割査定になつておるのに、今度の行政整理案では二割となつております。これも無理ではないかと思いますので、これは又林野廳の定員の範囲内でよろしく御考慮を願つて、その計画実行が支障なく行けますように願えれば結構なんですが、その点について……
#232
○國務大臣(森幸太郎君) 今回の行政整理は事務の簡素化をいたすということを第一に考えておりまして、そのために、行政整理のために末端の者が迷惑し、從つて國民が迷惑するというようなことは、行政整理の目的であつてはならないと考えておるわけであります。從つて今下條委員から御質問のありました林野廳におきましても、この末端の営林主事に活動していて呉れる面につきましては、一應一割とか二割とかいうような整理の基準が定まつて、人は減らすわけでありますが、その末端において仕事に差支があるというようなことも、林野廳内部においての融通をして行きたいと、かように考えております。
#233
○一松政二君 質疑終了の動議を提出いたします。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#234
○理事(中川幸平君) 一松さんの質疑終了の動議に御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#235
○理事(中川幸平君) それでは御異議ないと認めまして、質疑は終局したことといたします。
 暫時休憩いたします。
   午後六時五十六分休憩
   ―――――・―――――
   午後七時十八分開会
#236
○理事(中川幸平君) それでは休憩前に引続いて会議を開きます。農林省設置法案につきましてこれから討論に入りたいと思います。御意見のあります方は賛否を明らかにしてお述べを願います。尚修正意見がございましたら、討論中にお述べを願いたいと思います。
#237
○鈴木直人君 私は農林省設置法案の政府原案に対する修正意見を持つているのであります。その修正案につきましては、お手許に差上げてあるのでありますが、これを朗読いたします。
  農林省設置法案の一部修正案
 農林省設置法の一部を次のように修正する。
 第五條第二項中「農業改良局」を「農政局に農業協同組合部を、農地局に管理部、計画部及び建設部を、農業改良局」に改める。
 第六條第三項及び第四項を削る。
 第八條に次の一項を加える。
2 農業協同組合部においては、前項三号に掲げる事務をつかさどる。
 第九條に次の三項を加える。
2 管理部においては、前項第一号から第三号まで、第五号から第七号まで及び第九号に掲げる事務をつかさどる。
3 計画部においては、第一項第四号に掲げる事務及び第八号に掲げる事務のうち國営の土地改良事業を実施するための調査及び計画に関するものをつかさどる。
4 建設部においては、第一項第八号に掲げる事務のうち國営の土地改良事業を実施するための設計及び工事に関するものをつかさどる。
 第三十八條第一項中「農地部」を「管理部」に、「開拓部」を「計画部」に、「土地改良部」を「建設部」に改める。
  修正理由
  農地民主化の基盤となる農業協同組合に関する事務の重要性に鑑みて農政局に農業活同組合部を設置すること及び農地局の事務量に鑑みて次長制を改めて管理部、計画部及び建設部の三部制とする必要がある。
 その要点と理由を説明いたします。
 修正せんとするところの要点は、農政局に農業協同組合部を設置するということが第一点であります。第二点は農地局の次長制を止めて管理部計画部及び建設部の三部を設置するというこの二点であります。
 第一点の農地局に農業協同組合部を設置するということについて理由を説明いたします。参議院の内閣委員会におきましては、本会の各省設置法の審議に当り相当の部分において各省の法案の中に國家行政組織法の第七條の規定に反するところの條項が非常にあつたのでありまして、これについて將來暫定的に一ケ年の間認めるというような申合せの下に、実は審議を進めて参つておるのであります。この精神から見まして、この内局に部を置くということは第七條の精神に反する修正案でございます。併しながら何故第七條の精神に反するような修正案を敢て出すかということについてその理由を申上げますと、この各省の設置法案を通じまして、最も大切と思うところのものは、通商産業省におけるところの石炭の問題というものは、國家的に最も重要な問題であると思います。もう一つは農林省の食糧の増産、或いは農村の健全化或いは発達ということが最も重要なものである、こういう認識を持つておるのであります。從いまして、この二点につきましては、國家行政組織法の第七條の規定にも拘らず、現在の日本の段階においてはこれを必要と認めて、そうしてもうすでに資源廳におきましては、局を敢て認めたのでありますが、農林省におきましても、この重要なる農林省の使命から見て、ここにこの四つの部を内局に敢て置くことを提案するのであります。この第一の農政局に農業協同組合部を置くということは、これは先程三好委員の質問だつたと思いますが、これに対する農林大臣の答弁がありまして、農政局は殆んで全部が協同組合の仕事をする局である。実質的には農業協同組合局である。であるからしてそこの中に敢て部を置く必要はないというような農林大臣の意見があつたのでありますが、併しながらこの農業協同組合は、現在の我が國の農地改革によつて農村の民主化と農業経営改善の基礎が一應はでき上つて、そうしてその上に立つて全國的に農業協同組合が一應の整備を終らんとしておる段階にあるわけであります。從いましてこの段階においてはいわば赤子であつて、こをは今後一ケ年くらいは、農政局というのは農業協同組合部ではあろうけれども、大臣の説明によりますというと、農業協同組合課という課を置くというお話さえあるのでありますからして、これを部にいたしまして、そうして全國の新らしい農地改革後における農村の新らしい機構、この農業協同組合というものを力強く推し進めて行くことが必要である、私はこう信ずるものであります。そういう意味におきまして、私は敢て農政局に協同組合部というものを置こうという修正案を出しておるのであります。
 第二の農地局に三部を置くという点でございます。これにつきましては、私は主としてこれは事務の能率化という点から修正案を提出しているのであります。それは現在五部十六課によつて処理されているところの農地の事務が、今度は農地局に統一されることになつたわけであります。一農地局に從來五部十六課ありましたものが統轄されまして、そうして局長の下に次長は一人でございますけれども、その他は十六課になるわけでございまして、これはやはり行政機構として、從來の過渡的な行政機構の見通しの段階として、これは一年度におきましては、或いは農地局にそれぞれの課を分属させるということになつて來るのでありますけれども、五部もありましたところのものを今バラバラにいたすということは、却つて能率を阻害しはしないかということを考えまして、一ケ年を限つて、この法案にはそういうことはありませんけれども、我々の考え方はそういう考え方で進んであるのでありますから、その暫定的なものとして三部ぐらいにこれを認めて、そうして各部を管理部、計画部、建設部というようなものにいたしまして、次長制を省いて、局長の下に三部を置くということが、やはり官廳事務を能率化するという上において最も効果的であろう。そうすることによつてこの農地局の重要なる使命を達成することができるであろう。こういうふうな考え方からして農地局に三部を設置することを提案いたした次第でございます。
 以上提案理由を説明いたしました。
#238
○理事(中川幸平君) 他に……
#239
○三好始君 私は農林省設置法案の一部を改正いたしまして、次のように修正することを主張いたしたいのであります。
  目次中「第二款作物報告事務所(第四十一條・第四十二條)」を「第二款 資材調査事務所(第四十一條)第三款 作物報告事務所(第四十二條・第四十三條)」に、「第四十三條―第七十二條」を「第四十四條―第七十三條」に、「第四十四條・第四十五條」を一第四十五條・第四十六條」に、「第四十六條―第四十九條」を「第四十七條―第五十條」に、「第五十條―第五十三條」を「第五十一條―第五十四條」に、「第五十四條―第五十六條」を「第五十五條―第五十七條」に、「第五十七條・第五十八條」を「第五十八條・第五十九條」に、「第五十九條―第六十二條」を「第六十條―第六十三條」に、「第六十三條・第六十四條」を「第六十四條・第六十五條」に、「第六十五條―第七十一條」を「第六十六條―第七十二條」に「第七十二條」を「第七十三條」に、「第七十三條・第七十四條」を「第七十四條・第七十五條」に、「第七十五條」を「第七十六条」に改める。
  第三十五條第一項中「作物報告事務所」を「資材調整事務所 作物報告事務所」に改める。
  第二章第三節中第二款を第三款とし、第四十一條に第四十二條とし、以上第四十九條まで順次一條ずつ繰り下げ、第一款の次に第二款として次の一款を功える。
  第二款 資材調整事務所
 (所掌事務)
第四十一條 資材調整事務所は、本省の所掌事務のうち、農林畜水産物及び農林畜水産用物資の割当及び配分についての調整、これらの物資の輸送並びに資金についての調整に関する事務を分掌する。
2 農林大臣は、所務の一部を分掌させるため、所要の地に資材調整事務所の出張所を設けることができる。
3 資材調整事務所及び出張所の名称位置、管轄区域及び内部組織については、農林省令で定める。
 第五十條中「第五十三條」を「第五十四條」に改め、同條を第五十一條とし、以下第五十四條まで順次一條ずつ繰り下げる。
 第五十五條第三項を削り、同條第四項中「、前項の事務については官房長の」の削り、同項を第三項とし、第五項の第四項とし、同條を第五十六條とし、以下第六十二條まで順次一條ずつ繰り下げる。
 第六十三條中「第六十四條」を「第六十五條」に改め、同條を六十四條とし、以不順次一條ずつ繰り下げる。
 附則第四項を削り、第五項を第四項とし、第六項中「前二項」を「前項」に改め、「資材調整事務所及び」を削り、同項を第五項とする。
 資材調整事務所を存置することに伴ないまして、所掌事務を明らかにし、それに関連した條文の整理を行なうものでありますが、資材調整事務所を存置するように農林省設置法案を修正する理由を申上げてみたいと思います。
 今日の資材調整事務所の事務を大幅に地方廳乃至協同組合などに委讓し得る段階に到達すれば、このような臨時的機関は当然に廃止さるべきものでありまして、このような形で行われる出先機関の整理には私は賛成なのであります。ところが今日はどの程度の事務を委讓できるか、全く不明でありまして、恐らく大幅の委讓は困難でないかと思われるのどあります。從つて今俄かに資材調整事務所を廃止することは、徒らに混乱を生ずるだけでありまして、むしろ委讓すべき事務が一應確定し、或いは見通しが付いた後に、その実情に應じて資材調整事務所を如何にすべきかを考慮することが適当でないかと思うのであります。今回の機構改革に当つて食糧事務所に資材部を設けて、ここで資材調整事務所の事務をとつて行くことになつておると聞いておるのでありますが、これは性質の異なる二大事務を同一の所長が所掌して行くことになりますと、所長の能力の限界を起えるものと考えられるのであります。それは單に私の独断ではなくして、私の調査した範囲では食糧事務所の所長の見解でもあつたのであります。このような実情でありますから、食糧事務所に資材部を設けることを強行することによつて食糧行政と資材に関する行政のいずれにも支障の生ずる虞れが多分にあると考えられるのであります。又今日甫材調整事務所は零細農民、中小企業者に対しても公平な資材の配分をなすものとして、これら多数のものの支持を得ておるようでありますが、今回の措置によつて零細農民、中小企業者の利益は軽視される虞れも感ゼられるのであります。又今回の行政機構改革によつて整理される予定になつておる出先機関は、運輸省の道路運送管理事務所と、旧商工局の出張所と、農林省の資材調整事務所の三つの機関でありますが、前の二つについてはそれぞれ分室の中で多少数が少なくなるだけで実質上残る形になつておるのであります。ところが資材調整事務所の場合は分室は設ける方法がない関係もあつて、食糧事務所に事務を移すという、私から考えますというと、改惡になつておると言えるのであります。
 以上総合いたしまして私は物資の統制経済自身について、今日と異なつた結論が出るまで混乱を來たす虞れのある資材調整事務所の食糧事務所をの吸收は見合すべきであると考えるのであります。これが修正案を提出する理由であります。修正案の正確な内容につきましては印刷物を速記に残して頂くことにいたしまして、私の修正案提出の理由を申上げたわけであります。
#240
○理事(中川幸平君) 他に御発言ありませんか。
#241
○カニエ邦彦君 只今の説に私は賛成いたします。
#242
○理事(中川幸平君) 別に御発言もありませんようでありますから、討論は終局したと認めて御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#243
○理事(中川幸平君) それでは御異議ないと認めます。それでは採決に移ります。農林省設置法案について、只今の討論中にありました鈴木さんの修正案を問題に供します。鈴木さん提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔総員挙手〕
#244
○理事(中川幸平君) 全会一致であります。よつて鈴木さん提出の修正案は可決されました。
  ―――――――――――――
#245
○理事(中川幸平君) 次に三好さん提出の修正案を問題に供します。三好さん提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔挙手者少数〕
#246
○理事(中川幸平君) 少数と認めます。よつて三好さん提出の修正案は否決されました。
  ―――――――――――――
#247
○理事(中川幸平君) 次に只今採決されました鈴木さんの修正にかかる分を除いた衆議院送付の農林省設置法案全部を議題に供します。修正部分を除いた衆議院送付案に賛成の方の挙手を願います。
   〔挙手者多数〕
#248
○理事(中川幸平君) 多数と認めます。よつて農林省設置法案は多数を以て修正可決されました。本会議における委員長の口頭報告の内容は委員長に御一任を願います。尚報告書に附する多数意見者の御署名を願います。
  多数意見者署名
     城  義臣  一松 政二
     下條 康麿  鈴木 直人
     佐々木鹿藏  新谷寅三郎
     藤森 眞治
#249
○理事(中川幸平君) 次に同設置法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案を議題にいたします。これについて御質疑ありませんか。
#250
○一松政二君 本法案は法案自体も簡單でありますから、質疑を省畧して直ちに採入に入ることの動議を提出いたします。
#251
○理事(中川幸平君) 一松さんの動議に御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#252
○理事(中川幸平君) 御異議ないと認めます。それでは直ちに採決いたします。本法案に賛成の方の挙手を願います。
   〔挙手者多数〕
#253
○理事(中川幸平君) 多数と認めます。よつて本法案は可決されました。本会議における委員長の口頭報告の内容は委員長に御一任願います。多数意見者の御署名を願います。
  多数意見者署名
     城  義臣  一松 政二
     下條 康麿  鈴木 直人
     佐々木鹿藏  新谷寅三郎
     藤森 眞治
#254
○理事(中川幸平君) 暫次休憩いたします。
   午後七時三十七分休憩
  ―――――――――――――
   午後八時二十五分開会
#255
○理事(中川幸平君) 休憩前に引続き会議を開きます。
 國家行政組織法の施行に伴う労働関係法律の整理に関する法律案を議題といたします。政府からの説明をお願いいたします。
#256
○説明員(村上茂利君) それでは簡單に御説明申上げます。この法律は極めて事務的な内容でございまして、第一條第二條共に委員会の名称の変更でございます。第一條は労働基準法に関するものでございまして、賃金委員会、中央賃金委員会、技能者養成委員会、労働者災害補償審査委員会、この委員会の名称を審議会とこう改めておるのでございます。それから第二條におきましては、労働者災害補償保險法の一部改正でございますが、この労災保險法のうちには、労働者災害補償保險委員会というものと、もう一つ労働者災害補償保險審査会、委員会と審査会とこう二つあるのでございますが、その前者の保險委員会を審議会に改めまして、「保險審査機関」とありますのを、「労働者災害補償保險審査会」とこれを第二項として改めておるのであります。それから次は第三條でございますが、御承知のように職業安定法におきまして、或る程度定員その他につきまして、労働大臣が権限を持つておるのでありますが、それらにつきましては、今回國家行政組織法によりまして、改正をすることになつたのでございます。内容はこの法案にございます通り誠に技術的な、事務的なもので、名称の変更に止まるものでございます。簡單でございますが……
#257
○岩本月洲君 只今の法案は非常に簡單な技術方面のことでありますから、質疑を打切つて討論採決に入ることの動議を提出いたします。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#258
○理事(中川幸平君) 岩本さんの動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#259
○理事(中川幸平君) 御異議ないと認めます。それでは直ちに討論に移りたいと思います。
   〔「採決」と呼ぶ者あり〕
#260
○理事(中川幸平君) 別段御意見もないようでしたら、討論終結したものと認めて御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#261
○理事(中川幸平君) 御異議ないと認めます。それでは採決に入ります。本法案を問題といたします。本法案に賛成の方の挙手をお願いいたします。
   〔挙手者多数〕
#262
○理事(中川幸平君) 多数と認めます。よつて本法案は可決すべきものと決定いたしました。委員長の報告は委員長に御一任願いたいと思います。多数意見者の御署名を願います。
  多数意見者署名
     一松 政二  城  義臣
     鈴木 直人  藤森 眞治
     佐々木鹿藏  新谷寅三郎
     岩本 月洲
  ―――――――――――――
#263
○理事(中川幸平君) 尚先刻本委員会に付託されました請願、陳情の審査のために、小委員を設けるということになつておりますので、委員長から藤森さん、一松さん、岩本さん、堀さん、三好さんの五人の方に、非常に御迷惑ですけれども、その審査の衝に当つて頂きたいということでありますから、どうぞお願いいたします。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#264
○理事(中川幸平君) 御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#265
○理事(中川幸平君) それではこの五人の方にお願いいたします。
  暫時休憩いたします。
   午後八時二十九分休憩
   ―――――・―――――
   午後八時五十一分開会
#266
○理事(中川幸平君) 休憩前に引続いて会議を開きます。
 國家行政組織法の一部を改正する法律案、この法案は、前に出たのと、後に出たのと二つあります。これを一括議題といたします。先ず政府の御説明を願つて置きたいと思います。それから先の法案につきまして、衆議院の修正もありますから、併せて説明を承わつて置くことにいたします。
#267
○政府委員(佐藤功君) 國家行政組織法の一部を改正する法律案、これは只今委員長がお話になりましたように、二つ出ております。第一の方は、第十七條の改正など含むものでございまして、第二のものは、國家行政組織法第二十七條に基きまして、各府、各省それから委員会、廳、公團を一覧表にした別紙をつけるものでございます。それで、その提案理由は、もうすでに前に御説明申上げましたので、衆議院の修正の部分を主として申上げます。第一の改正法案の衆議院におきまする修正は、第一点は、つまり政府原案にありませんでしたものを附加えましたわけでありますが、その第一点は、これは小さな問題でありますが、第五條第一項の中に内閣法とありまして、法律番号をつけていなかつたのを、法律番号を入れられた点であります。
 それから第二点は、これは政府の原案でございまして、それはそのままに衆議院でお認め願つたものであります。それは第七條の中に、「特に必要がある場合においては、前項の官房及び局に部を置くことができる。」という第二項を入れた点でございます。これは各府、各省の官房、及び内局に部を置けるというのでございまして、御承知のごとく、この改正案を出すると並行いたしまして、政府が各省設置法の中に部を置いておるわけでございます。
 それから次は、第十七條でございますが、これは、いわゆる次官制度に関係するものでございます。政府の原案におきましては、第十七條の次官を國家公務員法のこの前の改正に從いまして、一般職といたしまして、從つて第二項の次官の権限を、專ら事務的な事項に限つた案を原案として出しましたのに対しまして、衆議院で、そこに政務次官というものをお入れになりまして、それの下に事務次官というものを置くという、そういう構成の下に政府原案に対して、大きな修正を加えられたわけでございます。即ち第十七條といたしまして、一々読むことは省畧さして頂きますが、要するに「法務府、各省及び法律で内閣総理大臣その他の國務大臣がその津に当ることと定められている行政機関に政務次官各一人を置くことができる。」そしてそれは、特別職である。そしてその事務は、「その機関の長たる大臣を助け、政策及び企画に参画し、政務を処理する。」ことといたしまして、尚それの任免についての規利を入れられたわけでございます。即ち現在の改正以前の國家行政組織法を第十七條に定められております次官というのを、政務次官というふうに考を変えられまして、そうしてそれの下に今度は專ら省の事務を整理いたしますところの事務次官というものを置くという構想でございます。即ち「各省に事務次官一人を置く。」としまして、それは「省務を整理し、各部局及び機関の事務を監督する。」というわけでございます。それに伴いまして、御承知のごとく、現在あります政務次官臨時設置法が國家行政組織法の施行と同時に効力を失うことになつておりますので、それに代るものとして、國会との連絡交渉に当るという任務を持つ参政官というものを置くことにいたしまして、参政官設置法というのを衆議院の方で御提案になつて本院に廻つておるわけでございます。
 それから第三の改正点は、これは政府原案と同じでございまして、総理大臣秘書官二人と現行ありますのを、國家公務員法三人以内とありますために、それを三人と改めるというのは、それは政府原案と同じでございます。そうして先程の十七條の関係から附則といたしまして、若干の必要な規定が設けられてあるのであります。例えば特別職の職員の俸給等に関する法律の一部を改正いたしまして、政務次官は内閣官房長官と同等の給與にするというような点を附則で定められておるわけでございます。以上が第一の改正法案に対しまする衆議院の修正案でございます。
 それから第二の國家行政組織法の一部を改正する法律案、即ち別表をつける法律案でございますが、それには若干修正が加えられておりますが、これは大きな点ではございません。例えば、各公團の法律の改正案が今日國会に出ておりまするが、それの審議の状況と睨み合しまして、技術的な修正を衆議院の方が加えられておるわけでございます。以上御説明いたします。
#268
○理事(中川幸平君) 御質疑がありましたらどうぞ。
#269
○鈴木直人君 私が先ず御質問いたしたいと思いまするのは、今までありました政務次官の、大臣及び次官に対するところの権限関係と、從來の政務次官の性格と今度の政務次官の性格との違いの点について、それを明らかにしたいと思いまして、質問いたすわけであります。從來ありました次官、即ち今回の事務次官の権限は、その省の長たる大臣を助け、省務を整理し、各部局及び機関の事務を監督するということになつておりまするから、事務次官につきましては、從來の次官とちつとも性格が変つておらないように法規上はなつておりますが、政務次官につきましては、それぞれその廳の長を助けて政務に参画し、國会との交渉事項を掌るということになつておるのに対して、今度は「大臣を助け、政策及び企画に参画し、政務を処理する。」ということになつております。そこでこの「國会との交渉事項」というやつがなくなつたわけでありますが、「政務を処理する。」ということは如何なることを意味するのか。端的にいえば、大臣の代理をして、そうして事務次官の上に立つて、そうして事務次官が政務次官の指揮監督を受けて大臣を助けるような形になるのか、或いは政務次官と事務次官とが対等の形において大臣を助けるようなことになるのかという点を御伺いしたいのです。
#270
○政府委員(郡祐一君) 衆議院で御修正になつた分でございますが、政府としてこの修正を理解しておりまする点は、先ずお尋ねの從來の政務次官とこのたびの政務次官との性格を考えまするに、從来の政務次官は政務に参画して國会との交渉に当ると申しておりまするが、國会等の交渉については、多くの参政官等が活用されると申しまするか、参政官の仕事はその方に比較的重点が置かれる。勿論政務次官もいたすことでありまするが、國会との交渉等につきましては、参政官はむしろこれを專らその仕事として與えられるというような意味合で参政官を考える、そういたしますると、その余の從來の政務次官について政務に参画するというのは、やや政務次官の仕事をこのたびの改正に比ベては弱いものにいたしておるように存ずるのであります。これに対して新らしい政務次官は、明確にその省の政策或いは企画政策と申しまするから、それが政治的の一つの大きい方針に関係する場合が多いと思いまするが、更にその省の全般的な企画というものに参画をいたす。從いまして從來の政務次官が政務に参画いたしましたのに比ベまして、常時省の行政の基本的な方針というものに参與いたしまするし、そうして政務次官は大臣を助けまして、この政治面の、勿論行政官廳ではありまするけれども、それの政治面の方を担当いたすのが政務次官であると存ずるのであります。これに対して從來の次官を事務次官と、特に名称もはつきりと事務を担当することを明らかにいたしまして、そうして事務次官は一般的な省の行政を整理いたしまして、そうして各部局の事務を監督いたして参るわけであります。從いまして從來と比ベて事務次官は、省務を整理する点については從來と同樣でありまするが、これに対して新らしい政務次官というものが政策なり企画に全面的に参画するという点で、政務次官というものが從來よりはつきりした性格を持つと存ずるのであります。その地位は、政務次官は特別職でありまするし、その給與は官房長官とこれを同じくいたしておりまするが、事務次官の給與は只今のところ、まだはつきり決まつておりませんけれども、恐らく一般職の最高の十五級職に相成ると思いますが、給與の点で政務次官が事務次官より遥かに高い点もありまするので、政務次官が事務次官の上席に相成ることと存じます。併しながら大臣不在の場合にその省の事務を代理いたしますというような、省の事務につきましては、事務次官は事務を整理するということに規定いたされておりまするから、それらの面では事務次官が大臣を助け、大臣に代るという工合に運用されて参るものと考えております。
#271
○鈴木直人君 政務と省務との考え方でありまするが、政務を処理する場合には常に省務をよく知らなければならないわけであつて、省務と政務とを分離して、そうしてこれは政務であるというようなことは、省務というものの内容を常に知つて、そうしてそれを政策方面に考えて、そうしてそれが企画に参画する、或いは政策に参画するということが出て來るわけなんですが、只今の御説明によりまするというと、省務という分につきましては、直接大臣を助けるのであつて、政務次官を経て助けるのではない。從つて政務につきましては、又直接政務次官が大臣を助けるのであつて、まあ事務次官より資格は上にあるということなんでありますが、大臣の代理をする場合には、省務については事務次官が代理をする、政務については政務次官が代理をするということになるわけなんですが、この点が実際面におきまして、現在の政務次官よりはやや内部的に力を持ち得るようにはなつたと思いまするけれども、まだ物足りないような感じがするので、これは一に両次官の間におけるところの運営によると思いますけれども、この規定だけを見ますというと、まで事務次官が非常に強いような感じがするのであります。確かにそのやり方については、相当考慮の結果こういうようなことになつたのだと思いまするが、いわゆる新聞等によりまして、副大臣を置くのだというようなことが考えられておつたが、吉田総理大臣がそれに対しては一蹴をした、それために政務次官というような、こういうものができたのだというようなことが新聞に出ておりますが、その一蹴をされたところの副大臣というものと政府次官というものとの考え方について、もう一度御説明願いたいと思います。
#272
○政府委員(郡祐一君) 吉田総理の見解についてお話がございましたので、私も吉田総理につきまして、承知をいたしておりまする吉田総理の考え方を申上げますると、日本の政治なり行政なりを発展さして行くためには、政務と事務とがはつきり分界されることが必要である。政務と申しまするか、この吉田総理のこの問題のときに直接承知をいたしましたことをありのまま申上げるのでありまするが、政治に当ります場合に、とかく外國でも欠点を指摘されるのは、行政事務について詳ひらかでない点である。それから又事務を扱いまする者は政治の方針なりというようなものに全く疎い点である。併しながらこれは中心はいずれかの場合に置くものであつて、事務を扱う者は政策が決定されるまでは如関なる意見を具申してもよろしいけれども、政策が決定いたされましたらば、政策を遂行される者は大臣なり政務次官なりであつて、事務次官がその遂行される政策について、決定された政策について自分の意見を混えるというようなことは絶対に許すべからざるものである。日本の事務について從來非難さるべき点があれば、そういう点が非常に非難さるべきものだろう。又政治を扱われまする側においては、行政の細かいことに一々指図をいたそうとしても、亦これを習熟いたそうとしても、これはなかなか一つの技術であつて、大きい根本の政策なり企画の点を押えて頂けば、それで十分ではないのだろうか。そういう意味で副大臣といい思想の中には、そういう両者が混淆してしまつた感じがあるから、自分は採らないのだというような意見を聞いたのでございます。これは今お話がございましたから御報告申上げるのでありまするが、それでこの事務次官なるものは、現在でも國会の政府委員には政務次官とそれから各省の局長をいたしまするけれども、原則として事務次官は政府委員にいたしておりません。それは各省の行政事務が近頃非常に多忙でありまして、一つ一つの認許可でありますとか、細かい人事でありますとかいうようなことで事務次官の仕事の分量が非常に多うございます。この事務次官が國会の会期中に國会に出席をいたしておりましては、事務に支障を來すという意味合で、事務次官は非常に特殊な省の場合以外は政府委員にいたさない方針を取つております。そのような意味合で省務といいますと一應非常に廣いようでありまするが、省には多くの仕事がございますが、その大部分はルーテインな仕事が多うございます。それらの仕事は一括して事務次官に任せる。さような意味合で大臣不在の場合は事務次官がこれを代決いたす。併しながらその省の大きな政策でありまするとか、方針に関しまするものは、すべて政務次官の意見を聽く。政策を、政務を処理いたしまする上に必要なものは勿論政務次官の目を通して頂かなければならないのであります。從いまして今後の運用として書類、事の基本に関しまする部分、例えば許可認可事項を持つておりまする省で考えられますことは、如何なる方針を以て参るかということは、政務次官がすべてこれを書類によつて決裁されることであり、その後の許可認可という具体的の問題につきましては、事の重要なのは別としまして、実際的には事務次官が処理する。只今鈴木さんのおつしやいましたように両者をきちんと区分することはこれはなかなかむずかしいことであると思いまするが、大体の重点をそういう工合に振分けて参ることと思いまするし、又お話の通り実際の運用ということが非常に大事なことで、運用によつて決定する部分は多いのでありまするが、大体衆議院で御修正に相成つた御趣旨はそのようであり、又そのように運用して参るものと考えております。
#273
○鈴木直人君 次に特別職に政務次官がなつておるようでありまするが、必ずしも全部政務次官は國会議員であるというように規定しておらない。この含みは如何なる理由からでありましようか。これはそのときの事情によつて達識決驗者とかそういうような者をも政府委員に任命することができるようにしておいた方がよろしいというようなことにおいて特別職というふうに書いてあるものであるかどうかをお聞きしたいと思います。
#274
○政府委員(郡祐一君) 仰せの通り非常に達識の者がありまする場合に、これを拒否するという必要がないという意味合で特に國会議員という限定を置かなかつたのでありまして、併し政務を処理するという性格から考えまして、國会議員ためことを本体といたしておるものと考えております。
#275
○新谷寅三郎君 今の政府委員の御答弁で確めて置きたいことが二、三あるのですが、政務次官が政務を処理する、事務次官は省務を整理するというように分れておる。政務次官は政務に関して大臣を助けるので、事務次官は政策によつて決つた方針に基いた具体的な事務を整理して行く。こういうふうにお答えであつたと思う。そこで政務次官と事務次官の関係ですがね、そうしますと、事務次官は政務、つまりあなたのお話によれば政策については権限はないということになるのでしようか。そこの点が一つ。それから仮に、これはやはり事務次官もそれについては勿論当然実際上関係すると思うのですが、それについては政務次官が責任者であるから、政務の処理に関しては政務次官は事務次官を指摘することができるのかどうか。この点がまだ明瞭でない。
 それから次の問題は、政務の処理に関しましては政務次官は事務次官のところに書いてありますように、各部局及び機関の事務を監督することができるのかどうか。これは事務次官を通じて初めてやれるのか、或いは政務次官がみずから各機関を監督できるのかどうか。その点をお聞きしたいと思います。
#276
○政府委員(郡祐一君) 政務を処理するという言葉は省務を整理するという言葉、その用語にも区別をしておるのでありまするが、省務と申しまする場合に、これが非常に廣し範囲を持つておりますことは認めなければならないと思うのであります。從いまして事務次官が触れます場合も、その省の政策なり企画なりを決定いたしまする場合にも勿論これに、新谷さんのおつしやいますように、触れて参ることと思うのであります。これは政策であるから事務次官は触れないということはないと存じます。ただその政策なり、企画なりが決定いたします段階においては、恐らく省務を扱います上においては、事務次官が判を捺して、それから政務次官が判を捺すというようなことに相成ろうと思いますが、そのような意味合で或いは省議を開くような場合において両者が相共に事柄に参與いたしますることはその通りだろうと思います。ただその政務を実際に処理いたして参る、大臣の命を受けてこういうような政策をこういう工合に遂行いたせというようなことに相成りました場合に、政務次官のむしろ固有に近い権限に相成つて参ろうかと思います。それから各部局なり各機関の事務を監督いたしまするのは、ここに監督と申しまするのは、人事なり事務なりの監督であるわけであります。從いまして、政務次官にそのような意味合での監督ということは特に申す必要がなく、ただ政策を処理いたして参ります上に必要な部下の指揮がありますれば、これは上官である、明瞭に上官であるのであります。これを指揮監督いたしますることは、当然に起つて参ると思いますけれども、事務の執行について純粹の事務官僚でありまする各部局長以下につきましては特にその事務上、或いは人事上の監督を書く必要はないという意味合で政務次官には書いてないものと存じます。
#277
○新谷寅三郎君 お話でまだよく分らん点があるのです。これは恐らく衆議院の修正は政務次官の根限を或る程度はつきりとして、政務に関する限りは政務次官つまり事務官僚でない方面の力を強くしよう、こういうことだと思うのですが、その点から見まして、今のお話の中で政務を処理する場合には政務次官が大臣の補佐官なんですね。從つて事務次官の職責から見ますと、政務を処理する権限がないのですから手つとり早い話ですが、事務次官が判を押してから政務次庁が判を押すといすことではなくても、事務次官の判がなくても政務次官は政務を処理する権限を持つておるのだろうと思います。つまり事務次官を抜きにしてでも政務次官は政務に関しては処理ができるのだという意味なのかどうかということ、具体的に言いますと、そういうことまで考えているのかどうかということが一つ。それからあなたの御説明も大体分るのですが、今申上げたような趣旨から行きますと、事務次官の方については「省務を整理し、」その後に「各部局及び機関の事務を監督する」ということに明瞭に謳つてある。片方の政務次官の方にはその点がないのです。やはりこれは現実の問題としては、そういう指揮権というものは事務次官を通じて持つているのだというふうにしか考えられない。実際にもそう動くのじやないかと思うのです。若し仮に政務の処理に関して局長、課長等に対して監督権を持つているのだ、監督権を持たした方がいいのだということであれば、事務次官の條文と同じようにやはり政務次官に関してもそれぞれ各部機構を監督するのだということを明瞭にした方が趣旨に副うのじやないかと思うのですが、なぜそれが書いてないのか、書いてなくても上官だからいいじやないかというお話ですけれども、その点から言うと事務次官でも上官だからいいじやないかということは同じようなことになると思うのです。片方の方に書いていないのは何か特にそうしてあるのか、その点が少し曖昧な点があるのじやないかと思うのですが、如何ですか。
#278
○政府委員(郡祐一君) お尋ねにもあつたのでございますが、私は政策の決定等は場合によりましては、大臣、政務次官が決定をいたし、事務次官以下が全く参画しないような場合も起り得ると思います。ただ先程もちよつと省務の考えで申しましたような、事務が政策の決定まで省内で事務を通じて自由な発言をすること、これはむしろ認めるべきことじやないであろうかというような意味合で事務次官が発言する場合が多いと思います。政策なり、政策に触れます企画については仰せの通り事務次官を抜いてしまう場合もあろう、それは考えます。それから政務の処理と申しますると、政策が決定いたしました後に、役所の内部的事務というよりも、むしろそれを実際に執行して参る面が多いのだと思います。その関係において部下を使いまする場合、政務の処理の場合にどれだけ部下を使うことが起つて参るか、個々のケースについて考えないと分らないことでありまするが、これに対して事務の系統、局部長以下のいわゆる純粹なパブリツク・サーバントというものについては、事務次官がその身分上についても大臣を補佐して、監督いたしまするとか、その事務がまじめにやられておるか、その事務に習熟していないものについては更に習熟するように監督をいたすとか、その後位の人について監督をいたすとかというような面の事務的な補佐をいたす、これは官廰の身分上の関係を規律いたしまする上にその意味での大臣の補佐者というものははつきりして置くことが必要だという考であろうと思つております。
#279
○新谷寅三郎君 まだ一、二わからない点があるのですが、もうこの問題はこの程度でやめますが、最後に先程鈴木君の質問に対する御答弁の中に、政務次官が給料が上だ、事務次官と大臣との間になるようなものだから、政務次官の方が上なんだというようなお話がありましたが、給料だけではその職務関係の上下ということは考えられないと思う。やはりどういうふうな職責を持ち、從つて権限を持つかということによつてこれは決めて行かなきやならんと思うのですが、給料の上下ということは別といたしまして、先程これに関して大臣不在の場合の事務というものは事務次官が代理するのが恐らく通例になるだろうというようなお話がありましたが、そういうことになりますと、今のあなたのお話のように政務次官というものはやはり脇の方にちよつとお添物のように置かれた恰好になりまして、勿論政務に関しては同じように大臣不在の場合には政務次官が代行するのだと言われるのだろうと思うのですけれども、政務と事務との関係があなたも認めておられるようにしかと明瞭でない、大体において事務次官が代行するということになつて行きはしないかと思うのです。そういたしますと、衆議院の方で修正された趣旨が非常にここでぼやかされて明瞭になつて來ないというような嫌にいがあるのですけれども、その点は衆議院の修正案で政務次官の方が事務次官よりも上であつて、副大臣ではないけれども、政務に関しては処理権を持つておるのだ、これは大体省の大臣がいない場合には省の代表機関であるというような程度にまで行つておるのかどうか、若し御存じならば、そこまでの点について御答弁願いたい。
#280
○政府委員(郡祐一君) お話の点が副大臣の場合と、政務次官、事務次官に分けました場合との差別が一つだろうと思います。省の扱いまする仕事は、御承知の通り、何と申しましても事務的な部分が非常に廣うございます。それで事務次官につきましては、常時省におりましてさような事務を遅滯なく國民のためにいたして参るというのが事務次官でありますので、そういうようなものにつきまして事務次官が代決をいたして参る、これは衆議院でもそのようにお考えになつてこういう御修正をなすつたように承知いたしております。ただ基本的な政務の面につきましては、政務次官が主たる補佐者になるというのでありまして、おつしやるように、しかく明瞭なものではございませんから、事務の整理という点で、從つて事務の面では事務次官が代る場合が非常に多いということに相成るだろう。これはただ決して政務次官の地位を私は低くするものではなく、むしろ廣い意味で、大臣が政策を遂行する上の実際の執行者、政務次官によつて代理をされるという実際の面と、事務の面との分れ方になるだろうと思つております。これは別に申上げなくてもいいことでありますが、鈴木さんにお答えした順序でございますが、これは例の政務次官、事務次官、参與官というように、並べるときにいたしておりましたのが、今度政務次官、参政官、事務次官という並びになるのではないであろうか。これは仕事を離れた意味合で申上げたのであります。
#281
○堀眞琴君 政務次官についてお尋ねいたしたいのですが、大臣を助け、政策及び企画に参画し、政務を処理する前の方の政策及び企画に参画しという点は、これはこの文面でも確に分る。政務と事務とに分けて、両者をそれぞれ別個にするということも確に私はいいことだと思います。鈴木さんや新谷さんのおつしやつてることは、要するに現在の行政機構というものが官僚機構の行政である、これを打破するために政務次官というものが下部機関に対して十分監督の権限を持たなければならんというところにあるだろうと思う。官僚、官吏はノイトラリテートの性格を持つということは、当然私は將來において考えなくちやならないわけで、そういう点から言えば、政務と事務というものははつきり区別することが正しいと思う。ただ現在の段階において、果してそういう工合に、政務と事務と区別して、政務次官が政策に参画するというだけでは、十分に両者の権限の関係というものがうまく行くかということが問題になると思う。その点について私から質問したいと思います。
#282
○政府委員(郡祐一君) お尋ねを苦しはつきり了解しておらないでしたら質して頂かなければ相成らんのでありますが、或る程しかく政務し事務ははつきりと限界はできにくいといたしましても、現在の大臣にいたしましても、部下の事務次官以下が、事務について正しい執行をいたして参りまする場合には、多くのそれらの事件については、大臣が直接触れないでいい種類のものが多いのであります。日本の官僚が正しからざる行動をいたしておるかどうかという点になれば、批判の余地があろうと思います。一つの官僚機構が、一つの省につきまして、何某省という省でいたしまする事務につきましては、大臣が事務次官に任せておきまして、その事務の執行に格別支障のないような種類の事項が実は多いのであります。これに反して、基本的な政策を決定して参るというようなことには、大臣が直接触れて参らなければならない部分が、これは直接大臣の考え、大臣が政府の意向を体して政策を決定いたして参らなければならず、その政策について、事務次官以下の事務官僚に、それが実際に現われるように、こういうやり方をしろということを指図して、それから後は事務の方が扱いまするけれども、それまでの指図というものは、先程新谷さんのお話にもございましたように、むしろ事務の方を抜きまして、大臣が決定いたさなければならない部分がある。その限度において、政務次官が大臣を全面的に補佐し、又その部分については政務次官が直接の担当者となつて執行をいたして参る、こういう分れ方をするのだと思います。
#283
○堀眞琴君 その話は私にもよく分る、又そうあるべきだと思う。それには前提として、官吏はやはり中立性を持つて、そうして行政技術の忠実なる担当者となるということが前提になると思うのです。そういう前提の上に立てば、当然政務と事務とを区別することは確かに必要なことであり、政務次官が大臣を助けて政策並びに立案に参画するということは必要だと思う。ただ現在の官僚機構と申しますか、そういうものの上において、こういうような形で以て、果して政務次官の地位というものが、事務次官に対しての地位が保証されるだろうかということをお尋ねしておるのです。
#284
○政府委員(郡祐一君) これは必ずしも制度で万全に保証するということは、実は困難なことじやないかと思つております。それで政務官制度というものができまして、相当の年月を経ておりまするが、政務官の制度についてはしばしば変遷をいたしております。全く飾り物のような政務官の時代もございましたし、いろいろの変遷をいたしております。このたび政務次官について、衆議院の修正案にありまするような考え方というものは、今までの政務官に考え方としては一番進んだものじやないかと思つております。併し率直に申しまして、この政務次官の地位を強く保証いたしますというためには、むしろ將來の運用に俟たなければならない部分が非常に多いのじやないかと思つております。何と申しまするか、事務次官は、おつしやるように、それが事務の非常に中立性を持つた系統の最高のものである。政務次官は、何と申しまするか、大臣と一体となつて、或いは大臣となられる人が、政務次官としてそのような大臣と同じ面まで扱うというような、運用に習熟して参ることが望ましく、現在の段階で、直ちに指導的形態になかなかなりにくい、又制度として保証することがむづかしい、こう考えております。
#285
○堀眞琴君 私はですね、例えばワイマール憲法で、官吏の性格をノイトラリテートを持つものだと規定して、そういう面からこういう制度を出発させるということは正しいと思う。決して政務次官の制度に私は反対しておるのじやなく、ただ現在の機構の下にまうく運用ができるか。政府委員のお話では、今後の運用によつて是正して行くというお話でありますが、併し官吏制度は國家公務員法が布かれまして、官吏は全部公務員としての性格を持つたということで、一應は解決がつくと思いますけれども、併しまだ現在の官僚政治というものは、官僚政治といつては少し語弊がありますが、官僚制度というものは相当な鞏固なものがあると思います。性格は戰爭前と大分違つてはありますけれども、併し尚これを全く忠実は行政技術の担当者にするということは、相当時日を要するのではないか、こう思うのです。それで私はお伺いしたんです。それはそれとしまして、政務を処理するという言葉がある、政務を処理するということは、省内の政務を処理するようにお話になつたんですが、私はむしろ政務を処理するというのは、國会との関係であるとか、他省との関係、或いは一般内閣で決定した政策との関係ということについての政務を処理するという面が重点ではないかと思うんですが、その点については如何でございましようか。
#286
○政府委員(郡祐一君) おつしやる通りでありまして、その省の政務次官でありまするから、その省に関係のあることではございまするけれども、それが内閣全体、國会或いは政党というような意味の対外的な政務の処理ということだと思います。全くおつしやるように考えております。
#287
○堀眞琴君 そうしますというと、先程お話の参政官ですね。参政官というものが、これは專ら國会との連絡、交渉に当るというような工合に私は承知したんですが、そうなりますというと、政務次官と参政官というものとの関係が極めて不明瞭になるのではないかと思うんですが、参政官の職務といいますか、仕事について一應御説明をお願いしたいと思います。
#288
○政府委員(郡祐一君) これは初めにも申上げましたように、政務次官も、参政官も、國会に交渉を持つことは同じであるけれども、その重点の置き方が違うということを初めに申上げたつもりでございます。参政官は專ら國会……專らと申しては語弊がありますが、主として國会、從つて國会の開会中におきましてはその省と関係のある常任委員会なり、本会議なり、それらのこととの交渉を保つという点に專ら主眼を置いておる。政務次官はこれに対して、その次官という名前からでも考えられますように、常時……と言つて参政官が臨時のものという意味ではありませんが、参政官の活動の部分は國会というものに……これも必ずしも会期中という意味ではございませんが、國会というものに殆んど主たる使命がある。政務次官はその省全体を絶えず一年を通じて活動して参る。それに大臣を政策面において助ける者という意味合にも違いがある。これはその政策において可なりな差があると思います。ただ繰返して申しますが、政務次官と雖も勿論國会の交渉に当る。その意味でも國会との関係は両者が相共に助ける、政務次官はそれよりもつと廣い面の仕事をする、そういうことになるかと思います。
#289
○堀眞琴君 そうしますと、参政官の重点は国会との交渉に当るということになるわけでありますが、國会との交渉ということは、ただこの國会に出て來て、そうして委員会に出席するとか何とかいうことは、重点はその省で決定する政策、或いはその他の立案計画というものを参政官も一應頭に入れてそうして國会と交渉する、常任委員会に出て説明するということになるのでありまして、その仕事は政務次官と私は全く同じではないか。ただ重点を國会に置いて、或いは專ら大臣を助けて政策の立案計画に從うのだ、こういうことに重点があるということでありまして、全く同じだと私は思うのですが、そうしますというと、参政官を置く理由というものが極めて薄弱になるのではないかというような氣がいたしますが、その点についてはどうでございますか。
#290
○政府委員(郡祐一君) 國会を中心として國の活動が展開される場合が非常に新憲法の下で多いのであります。その部分に國会との接触において專らその使命として考える政務官がありますということは、私は制度として適当なものだと考えております。全く両者が同じ仕事をする、というようもむしろ政務次官の方が政策面を何かを拵えて参る面があるのであります。そういうように強く大臣を輔佐をいたす、それから今度その出た結果について國会等との連絡、交渉に当るという意味合で、その方を非常に強く扱います人間のありますということは、私は必ずしも重複したものではないように考えております。
#291
○堀眞琴君 もう一度お尋ねしますが、何度もお尋ねするようで恐縮なんですが、参政官がこの國会との連絡に当るために、どうしてもその省の政策なり、企画なりの立案に参画しておらなければこれはできないと思う。次官が大臣を輔佐して作つた政策、或いはその計画というようなもの、方針というようなものをただ参政官が受継いで國会に來て説明するということでは十分の説明ができないと思う。参政官も同じように若し認めるとするならば、その省の政策なり、方針の立案計画に参画しなければいけないと思います。ところがその國会との交渉だけということになりますというと、甚だ参政官というものの存在の意味が薄くなると思う。私はそういう意味で、若し参政官が、おつしやるように大臣を輔けて、次官がその政策方針を決定して、それを國会において、委員会において説明し、乃至は政党との連絡に当るということでは非常に意味が薄いし、それから又若しも次官と同じように政策に参画し、その方針の決定に当る、そうしてその上で國会との交渉に当るというのなら、それはもう参政官も同じようにしなければ、政務を処理するというようなことがあることによつて政務次官も同じように國会との交渉に当ることができるのですから、何も私は二人必要はないのじやないか。然るに政務次官は省務を何ら見るものではないのです。これは全く政務だけを見るもので、而も大臣を輔けて政策方針の決定に参画するというだけの仕事でありまするから、その政策や方針を決定するについても、これはもう大臣は省内において次官と相談をして行くだけで決めるものじやなくて、閣議の方針によつて決めるとか、或いは國会との交渉によつて決めるということになるのでありまして、そういう面から申しますと、政務次官はやはり國会との交渉が相当多くなると思うので、そうしますというと、参政官と政務次官との区別というものは全くそういう点ではなくなつて來る。そうするというと参政官は要らないのじやないか。それから又前のように政務次官と大臣が決定した方針なり政策を持つて來て、そうして委員会でだけ交渉するというような、そういうような役目だけだつたら、これは全くその実質を伴わない参政官になりはしないか、こういう工合に考えるのですが、その点は如何ですか。
#292
○國務大臣(本多市郎君) いろいろと分析して非常に権威ある御意見をお伺いいたしまして、むしろ私といたしましては非常に参考になつているのでございますが、この大臣を中心として政務次官、参政官、事務次官共に各省の最高機関でありまして、もとよりこれが一体となつて有機的に活動しなければならんと思います。ただこの規定に定められましたのは、それぞれの職の主たる性格を示したものでありまして、その間全く堀さんのお話の通りに、有機的に活動する、それには政務次官が國会との連絡にも当るけれども更にその方を特に重点とする性格の参政官というものも置く。これが必要であるか否かということになりますと、意見の相違でありますが、それくらいな機関を設けて置くということが國会との連絡も緊密になり、又國会の意見と政府との間においても総合的な運用ができよう、こういう考えで一つこれを見て頂きたいと思つております。
#293
○三好始君 参政官の設置法ですが、あれは本委員会に付託すべきか、運営委員会に付託すべきかということが一應問題になつたようでありますが、現在運営委員会で審議中だと聞いております。併しながら我々は御承知のように設置法、定員法で非常に忙しいときを過しておるために、参政官の問題について十分に法案を檢討する余裕が、率直なところ今までになかつたのであります。從つてこれからの御質問は多少そういう方面の研究不足の点が現われて恐縮いたすかも存じませんが、二三お尋ねいたしたいと存じます。
 第一番の問題は、参政官と大臣、参政官と政務次官、参政官と事務次官、こういう相互の関係がどういうふうになつておりますか。その点を先ず承わりたいと思うのであります。
 第二の問題は政務次官を國家行政組織法に規定する以上、参政官もやはり國家行政組織法の中に規定するのが、一應行政機関を総合的に把握する上から言つて適当ではないかという氣持がいたすわけでありますが、参政官についての具体的な規定を國家行政組織法に規定いたさないで單行法で出した理由につきまして、所見をお伺いいたしたいと思います。先ずこの二点についてお尋ねいたします。
#294
○政府委員(郡祐一君) 第一段の点は先程來申上げましたことで盡きておるのではないかと存ずるのであります。
 第二段の点につきましては、政務次官はこれも先程申上げましたように、まあお尋ねにもありましたように、國会議員の場合が多いと思いますが、國会議員たることを要件といたさない特別職でございます。從つてこれが國家行政組織法の系統から出て参ることは当然でありまするが、これに反して参政官は國会議員たることを要件とし、且つ常任委員会の委員であるというような寄接な結びつき方をいたしております。從つてこれは國会法の系統によつて立法さるべきものだという考えで單行法に相成つておると存じております。
#295
○三好始君 只今の問題はつきり了解しがたいのですが、あとに讓りまして、この國家行政組織法の一部を改正する法律案の中に参政官という字句が出てくるわけでありますが、そういたしますと、参政官の問題がはつきり決らない以上、我々はこの法律案を最終的に決定することは勿論できないということになるわけでありますが、念のためにそのことをちよつと申上げて政府のお考えを承りたいと思います。
#296
○政府委員(郡祐一君) 現の参議院において御審議になつておる法律であり、只今御指摘の点は行政組織なり参政官の性格に何ら触れるものではございませんで、現在特別職の給與の別表の中にある政務次官について特に官房長官並みと同樣な給料にいたすということにするために、同じところに給與の違つたものが出て参りまするから、それを別の法律として参政官といたしましたので、他の法律が仮りに成立いたさんというような場合には、勿論その参政官と直しました部分が効力を発生しないというふうに御了解を願います。
#297
○佐々木鹿藏君 質疑はこれくらいにされまして……
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#298
○理事(中川幸平君) 佐々木さんの動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#299
○理事(中川幸平君) 御異議ないと認めます。それでは質疑は終局したものと認めます。この際お互いの意見を纒めるために暫く休憩をいたします。
   午後九時五十四分休憩
   ―――――・―――――
   午後十時二十九分開会
#300
○理事(中川幸平君) 再会いたします。本日はこれにて散会いたします。
   午後十時三十分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     河井 彌八君
   理事
           カニエ邦彦君
           中川 幸平君
           藤森 眞治君
   委員
           河崎 ナツ君
           城  義臣君
           一松 政二君
           佐々木鹿藏君
           岩本 月洲君
           下條 康麿君
           新谷寅三郎君
           鈴木 直人君
           堀  眞琴君
           三好  始君
 委員外議員
   経済安定委員長 佐々木良作君
  國務大臣
   農 林 大 臣 森 幸太郎君
   労 働 大 臣 鈴木 正文君
   國 務 大 臣 青木 孝義君
  政府委員
   内閣官房次長  郡  祐一君
   総理廳事務官
   (経済安定本部
   総裁官房次長) 森永貞一郎君
   総理廳事務官
   (行政管理廳管
   理部第一課長) 佐藤  功君
   運輸政務次官  加藤常太郎君
   運輸事務官
   (海運総局総務
   室長)     壺井 玄剛君
   運輸事務官
   (海上保安廳長
   官)      大久保武雄君
   労働事務官
   (職業安定局
   長)      齋藤 邦吉君
  説明員
   農林事務官
   (大臣官房文書
   課長)     細田茂三郎君
   運輸事務官
   (大臣官房文書
   課長)     荒木 文吉君
   労働事務官
   (大臣官房総務
   課長)     富樫 総一君
   労働事務官
   (大臣官房総務
   課勤務)    村上 茂利君
ソース: 国立国会図書館
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