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1949/04/21 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 逓信委員会 第3号
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1949/04/21 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 逓信委員会 第3号

#1
第005回国会 逓信委員会 第3号
昭和二十四年四月二十一日(木曜日)
   午前十時五十三分開会
  ―――――――――――――
 本日の会議に付した事件
○郵便爲替法及び郵便振替貯金法の一
 部を改正する法律案(内閣提出)
○郵便法等の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
○簡易生命保險法案(内閣送付)
○福島縣大屋村大里に無集配特定郵便
 局新設の請願(第五号)
○白河局の電話交換方式変更促進に関
 する請願(第二十一号)
○郡山、猪苗代両局間直通電話回線設
 置に関する請願(第二十三号)
○喜多方局の電話交換方式変更に関す
 る請願(第四十四号)
○東京、郡山間直通電信回線再開に関
 する請願(第六十四号)
○福島局の電話交換方式変更に関する
 請願(第九十四号)
○小委員の選任の件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(大島定吉君) それではこれから開会いたします。日程に從いまして郵便爲替法及び郵便振替貯金法の一部を改正する法律案、郵便法等の一部を改正する法律案、簡易生命保險法案の三案を議題といたしまして、政府当局の提案理由の説明を聽取いたします。
#3
○國務大臣(小澤佐重喜君) 只今議題となりました郵便爲替法及び郵便振替貯金法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申上げます。
 我が國は終戰後連合國総司令部の指令により、外國との間における資金、爲替等の流通、移動は認められていなかつたのでありますが、昨年の六月連合國最高司令官の覚書によつて、我が國が万國郵便條約の関係約定に加入を申出ることを、包括的に承認されたのであります。從いまして近く爲替交換率の決定が行われるものといたしますれば、これに伴いまして郵便爲替及び郵便振替の制度の利用が強く要望されることと思われますので、万國郵便條約に附属する郵便爲替約定及び郵便振替約定に加入することにつきまして、昨日國会の御承認を得た次第でありますが、これらの郵便爲替及び郵便振替の料金につきましては、右約定にその基準が示されておりますので、具体的な料金額については、一々法律で規定するよりも、その基準を替えない範囲において命令で規定する方が適当であると考えまして、この法律案を提案いたしたような次第であります。何卒御審議の上速やかに御議決あらんことをお願いする次第であります。
 次にこれ又只今議題となりました郵便法等の一部を改正する法律案について提案の理由を御説明申上げます。
 通信事業は終戰の年を境といたしまして未曾有の経営難に陷り、毎年少なからぬ赤字に苦しんで参つたのであります。これがため私共といたしましては、極力能率の増進、経費の節約に努めまして、終営の立ち直りを策したのでありますが、因よりこれのみを以てしては、到底逐年増大する赤字を解消することは不可能でありまして、昭和二十年度におきまして創業以來初めての赤字借入れをなすの止むなきに至つたような次第であります。そればかりではなく、一面数次に亘つて料金の改訂をも行つて参つたのであります。料金の引上げについては、一般國民生活や諸物價に急激なる影響を與えないことを考慮しました結果、勢い不足額は一般会計からの繰入金によらざるを得なくなりましたことは、皆樣御承知の通りであります。
 ところが我が國の経済的自給態勢を速やかに確立するためには、特別会計本來の建前であります独立採算を確保する必要がありますので、昭和二十四年度の予算編成に当りましては、極度の経費の節減をしたのでありますが、郵政関係の予算については、收入が支出に約五十億円不足となりますので、この間における收支の均衡を図るため、止むを得ず郵便に関する料金收入の平均五割程度の増收を期待せざるを得なくなつたのであります。このためにはやはり各種郵便料金については平均五割程度の値上げを必要とするので、ここに郵便法を改正することにいたしたのであります。
 以下、改正の要点について若干御説明を申上げたいと存じます。
 前述の如く、今回の郵便に関する料金の引上は、原則として五割を目途としたのでありまするが、大衆の負担を避ける意味からも亦郵便の持つ公共性の点をも考慮して、第二種郵便物即ち郵便葉書につきましては、今回特に料金の値上をしないことにいたしました結果、その他の郵便物については若干五割以上の値上になつたものも生じたのであります。その著しい例が第一種郵便物封書でありまして、現行の五円に対し六割引上の八円となるのであります。
 第三種郵便物のうち、発行人又は賣捌人から差出されますところの官公報及び新聞と、第四種郵便物のうち盲人用点字の書籍、印刷物等につきましては、料金徴收上の便宜を考慮いたしまして、現行の五十銭を八十銭といたしたような次第であります。
 尚第四種郵便物のうち、通信教育のために差出されるものにつきましては、特に通信教育が教育の民主化と機会均等とを保障するものとして過般制定せられました学校教育法等の法令で新らたに制度化されて、重要な意義を有するようになりました点に鑑みまして、その主要な教育手段であります郵便の利用を容易にするため、第三種郵便物と同額の料金とすることとし、現行の四円を三円に引下げることにいたしたのであります。
 第五種郵便物即ち種子等につきましては、料金徴收上の便宜をも考慮しまして、現行の五十銭を一円といたしたのであります。
 小包郵便物につきましては、前に申上げましたように郵便葉書の料金据置による財源難を補う関係もありまして、約七割の引上げをすることといたしたのであります。尚一般の重量制限を超える小包郵便物で、郵便專用自動車の線路内各局相互間に限り取扱うものにつきましては、近距離貨物自動車の小口扱運賃との権衡を考慮して特に低廉に定めるのを適当といたしますので、逓信大臣は省令で一般小包郵便物の料金の百分の三十一の金額まで低減できることにいたしましたのであります。
 速達料につきましては、主として電報料金との関係を考慮しまして、現行の十五円を二十円にいたしたのであります。保險扱料のうち、通貨につきましては、通常郵便爲替を書留郵便で送る場合とほぼ同額の料金にするのを適当としますので、それと同額にしたのでありますが、通貨以外のものにつきましては、從來通貨の保險扱料との関係から不当に高額に定められておりましたが、これでは利用を喚起することが困難でありますので、実際の危險率が損害要償額の五百分の一程度で差支ない事情を考慮いたしまして、書留料相当額に損害要償額の五百分の一の金額を加えた金額をその保險扱料とすることにいたしたのであります。
 次に郵便料の引上に伴いまして、郵便爲替、郵便貯金及び郵便振替貯金に関する料金のうち、郵便によりまして書類の送達を必要とする取扱料金、即ち再度貯金通帳の発行請求、各種再度証書の発行請求等の料金につきましては、所要の郵便料金を上廻る程度に引上げました外、郵便振替貯金業務におきまして、加入者に賣渡す用紙の代金をその調整の原價を考慮して若干の引上をすることにいたしたのであります。
 尚郵便料金の引上に関連しまして、書留郵便物を亡失又は毀損しました場合における損害賠償額が現行では四百円となつておりまするのを六百円に改めました外、通貨以外のものを内容とする保險扱郵便物の損害要償額及び代金引換郵便物の最高制限額をそれぞれ五千円から五万円に引上げることにいたしたのであります。
 以上でこの法案の提案の理由を御説明申上げましたが、何とぞ十分御審議の上適当な御決定あらんことを希望する次第であります。
 最後に簡易生命保險法案の提案理由について御説明申上げます。
 法案制定の趣旨は、法の民主化を図るため、從來の法体系を改めて、保險契約に関する基本的事項を除くその他の事項は簡易生命保險約款に讓り、併せて最近における経済事情の推移並びに民法の改正に伴い必要な規定を設ける等のため、從來の簡易生命保險法を廃止し、新たに簡易生命保險法を制定しようとするものであります。以下法案のうち現行法と異なる主な点について御説明申上げます。
 第一に、法案におきましては、新たに法律の目的を掲げて、この法律制定の精神を明示して、あまねく加入者にこれを周知せしめることとし、併せてこの事業が國の経営する非営利事業であること、並びにこの事業の管理経営主体が郵政省であることを事業の基本法たる法案に規定したのであります。
 第二、この法案につきましては保險契約に関する事項の中、その基本的なものは法律に規定し、その他はすべてこれを約款に讓るものとしたのでありますが、從來はこれらの事項は、すべて法律の委任に基く政令と命令で規定されていたのであります。ところで保險契約は純然たる私法上の契約でありまして、政府と加入者とは全く対等の地位に立つて契約をするものであります。從いましてこの契約の條項を定めますには、法規の一形態である命令で定めることは妥当であるとは申されないのでありまして、かようなことは法規の形でなく、約款で定めるのが適当であるという見解によりまして、このように改めた次第であります。併しこの約款は政府の一方的恣意によつて定めることは民主的な行き方とは申されませんので、この約款を制定し又は改正するには、学識経驗者、加入者代表より成る簡易生命保險郵便年金事業審議会の議を経ることを要するものとし、保險約款はこれを官報で公示すると共に、別に郵便局前に掲示して公衆の閲覽に供することといたしたのであります。
 第三に、保險金の最高制限額の引上についてでありますが、最近物價の急激な高騰に伴い、現在の保險金最高制限額二万五千円によりましては、よく國民生活の安定を確保し制度本來の機能を十分に発揮することができなくなりましたのと、他面事業それ自体としても高額契約を獲得することによつて、努めて事業費の低減を図る必要がありまするので、ここに保險金最高制限額を五万円に引上げることにいたしたいと存じます。尚事業経営の合理化を図るため、最低保險金額を五千円にしたいと考えております。
 第四に、保險契約の乗換についてであります。御承知のように保險金は過去数回に亘り小刻みに引上げられました結果として、数個の小額の契約が多数あることは止むを得ないことでありますが、経済事情の推移に伴いまして、かような契約をもつている加入者は少からぬ不便を痛感しており、又政府も事業経営者として多額の事業費支弁に悩まされておりますので、ここに新たにかような契約の責任準備金を引当てとし、より高額の契約に乘り換える途を開くことにいたしました。
 最後に被保險者が保險契約の効力発生後二年を経過した後(復活の効力発生後一年を経過しないものを除く。)において不慮の事故その他不可抗力又は第三者の加害行爲によつて身体の外部に生じた傷害を直接の原因として被害の日から二ケ月以内に死亡したときは、保險金の倍額支拂をすることにしたのであります。尚身体の外部に生じた損害によらない場合でありましても、疾病による死亡の場合を除いて不慮の事故その他不可抗力又は第三者の加害行爲による死亡であることを保險契約者又は保險金受取人が証明したときも、同様に保險金の倍額支拂をすることにいたしたのであります。
 以上のような次第でありまするので、何とぞ十分御審議の上にいずれの法案も速やかに御決定あらんことをお願いする次第であります。
#4
○委員長(大島定吉君) 皆さんにお諮りいたします。只今大臣の御説明に対する質疑は次回に讓りたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(大島定吉君) 御異議がなければさように決定いたします。
  ―――――――――――――
#6
○委員長(大島定吉君) 日程によりまして請願第九号足立局内電話を東京局に編入の請願を議題といたします。紹介議員が見えませんので、新谷さん一つ代つてお願いいたします。
#7
○新谷寅三郎君 電務局長が見えませんね。
#8
○委員長(大島定吉君) 只今のは後廻しとして、政務次官が参られますまで前回に審議いたしました請願に対する採否を決定いたしたいと思います。
#9
○小林勝馬君 前回の審議いたしました付託番号、五号、二十一号、二十三号、四十四号、六十四号、九十四号、この六件に関しましては、これを採択し、内閣に送付するものと決定いたしたら如何かと思いますが、お諮り願いたいと思います。
#10
○委員長(大島定吉君) 只今の小林君の動議に賛成の方は……
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○委員長(大島定吉君) 御異議がないようでありますから、さよう決定いたします。
#12
○小林勝馬君 その際残余の分は一應保留いたしまして、本日の請願にかけるべく公報に載つておりました分も次回に延期したいということの動議を提出いたします。
#13
○委員長(大島定吉君) 小林君の動議に御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○委員長(大島定吉君) 御異議ないと認めます。速記を止めて。
   〔速記中止〕
#15
○委員長(大島定吉君) 速記を始めて。
  ―――――――――――――
#16
○新谷寅三郎君 法律案が相当沢山出る見込でありますから請願及び陳情に関しては小委員をお作りになつて、そうしてそこで下審査をして貰つて、その結果を本委員会で更に檢討するということにした方が進行が早いと思うのですが、若し御賛成があれば各派から委員を選んで、委員の数は大体六名程度にして、その指名は委員長において指名されるように御一任したいと思いますが如何でしよう。
#17
○委員長(大島定吉君) 只今新谷君の動議の小委員会を設置することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○委員長(大島定吉君) 御異議がないようですから、それでは私から御指名申上げます。中村正雄君、小林勝馬君、渡邊甚吉君、深水六郎君、尾崎行輝君、千葉信君、以上六名を御指名申上げます、小委員会の委員長は小委員において互選の結果委員長までお届け願いたいと存じます。それではさよう決定いたします。では本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時二十一分散会
 出席者は左の通り
   委員長     大島 定吉君
   理事
           中村 正雄君
           小林 勝馬君
           渡邊 甚吉君
   委員
           下條 恭兵君
           深水 六郎君
           新谷寅三郎君
  國務大臣
   逓 信 大 臣 小澤佐重喜君
ソース: 国立国会図書館
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