くにさくロゴ
1949/05/11 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 逓信委員会 第8号
姉妹サイト
 
1949/05/11 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 逓信委員会 第8号

#1
第005回国会 逓信委員会 第8号
昭和二十四年五月十一日(水曜日)
   午後二時二十九分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○簡易生命保險法案(内閣送付)
○郵便年金法案(内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(大島定吉君) 只今より委員会を開きます。簡易生命保險法案及び郵便年金法案について質疑を続行いたします。速記を止めて……
   午後三時二十三分速記中止
   ―――――・―――――
   午後三時三十八分速記開始
#3
○委員長(大島定吉君) 速記を始めて。
#4
○小林勝馬君 二三の点をお伺いしたいのですが、第一條にありますところの「確実な経営により、なるべく安い保險料で提供し、」とありますが、一般の保險料とどれくらいの差があつて、どういうことになつておりますか、簡單に御説明願いたい。
#5
○政府委員(岡井彌三郎君) これは民間の簡易保險とは各々保險料の掛け方が違いますので、正確に取調べるということはできませんが、大体の比較したものがありますので、それを例を挙げて申上げまして御参考に供したいと思います。例えば十五年満期養老保險の保險金額一万円のもの、これに対する簡易保險と民営との比較を申上げますと、加入年齢が十歳の者、簡易保險六百九十円、民営におきましては六百七十三円、二十歳で簡易保險六百九十円で民営は六百九十四円、三十歳でありますと簡易保險六百九十円、民営六百八十九円、四十歳でありますと簡易保險七百四十八円、民営が七百十七円、五十歳でありますと、簡易保險八百五円、民営八百一円というふうになつておりまして、大体保險料といたしましては同じであります。大同小異でありまして差はありません。然るにこの第一條に「なるべく安い保險料」とありますが、これは簡易保險は主として少額契約を取扱つておりますから、普通ならばどうしても保險料が高くなりますのに、実際に民営保險とそう違わないということは、実質的に考えまして簡易生命保險は安くなつているということが言えるのじやないかと私共は考えております。
#6
○小林勝馬君 次に第十七條の、保險金額を最高五万円最底五千円と決定してあります根拠を御説明願いたいと思います。
#7
○政府委員(岡井彌三郎君) 最高制限を五万円にいたしましたのは、この差上げましたそれの第七表、物價指数、生計費指数及び賃金指数、これにあります通り昭和十九年度におきまして、このとき簡易保險が二千円になりましたが、このときの物價指数であるとか、生計費指数、賃金指数を百といたしまして昭和二十三年度と比べて見ますと、丁度大体百倍程度になつております。賃金の方は百倍になつております。少しそれより下でありますが、物價指数の方は大体百倍になつております。そうしたことから見ますれば昭和十九年が二千円でありますから、二十万円にすべきであると思います。それから又もう一つの見方がら行きますと、昭和二十三年度の一月と比べて見ますと、昭和二十三年一月には二万五千円でありましたが、物價の方は昭和二十三年度の十二月で、少し前になりますが大体二倍になつておりますから、大体これから見ますと五万円で丁度いいということになります。つまり昭和二十三年度の一月と比べますと倍にして丁度いいのでありますが、昭和十九年と比べますと、これは二十万円にすべきであつて、五万円では低過ぎる、こういうことになりますが、先きも申しました関係上、大体今回は五万円に止めざるを得なかつたような次第であります。最低五千円にしましたのは、現在は一千円でありますが、大体附加保險料の二割ということになつておりますが、五千円の保險にいたしますと保險料が大体三百円手当ですから、三百円の二割といたしますと六十円くらい、こういうことになります。事業費として使用することのできる附加保險料は六十円、ところが実際におきまして現在契約を維持する費用は一件当り百円掛かつております。百円掛かつておるのに六十円しか入らないということですから、これでも相当採算割れということになります。簡易保險は社会政策的な事業であるというので、せめて五千円にしたい、実際上國民の要望から申しましても五千円以下の保險金額では貰つても何の役にも立たんというようなことで、実際にも價値がなく、経営上これでは困るというのでその限度を大体五千円としたわけであります。
#8
○小林勝馬君 次に三十一條の倍額支拂の問題でございますが、この倍額支拂をやつて独立採算制になつてから経営上に差支ないかという点を伺いたいのと、それから三十二條に、「保險金額の一部を支拂う。」というふうになつておりますが、三十二條、三十三條の「一部」というのは如何程のあれになりますか。
#9
○政府委員(岡井彌三郎君) 倍額支拂制度を始めて保險経営上困ることはないかという第一の御質問でございますが、これはここにも書いてあります通り、被保險者が保險契約の効力発生後二年を経過した後でありますから、実際上この規定が発動しまして倍額を支拂うようになりますのは、これから二年先のことであります。この二年先におきましては簡易保險事業は相当の剩余金を出しまして、以前に経営困難のために中止しておりました民間の利益配当、我々の方で言う長期還附金、この復活さえ可能であるというような経営状況になりますので、倍額支拂制度を始めても決して経営上困るということはないつもりでおります。御参考までに、二年後にこれがために支拂女金額が年額どれくらいに殖えるかと申しますと、大体これは先きのことですから、全くの推算でありますが、大凡そ一億二千万円程度の増加に進むように考えております。又その程度の額なら経営上困るということはありません。
 それから三十二條の傳染病、災害以外の原因で死亡した場合に支拂う保險金の額でありますが、これはこの法律によつて約款で定めるわけでありますが、その約款におきましてはかように決めるように予定しております。それは若し一年以内でありましたならば、今までに拂つた保險料の金額、一年以上二年未満で死亡した場合には保險金額の二分の一、これを支拂うことに予定しております。又現在もそうなつております。
#10
○小林勝馬君 三十五條に「保險金を支拂う責に任じない。」とありますが、これは一般民間の保險と同樣であるか、特に簡易保險だけこういうふうになつておるのでありますか、その点をお聞きしたいのと、第三号に「故意に被保險者を殺したとき。」と相成つておりますが、これは他殺の場合を言うのかどういうことを言うのか。
#11
○政府委員(岡井彌三郎君) 第一の御質問の保險金を支拂う責めに任じないつまり免責條件でありますが、これは民間と殆んど同じであります。ただ民間におきましては、犯罪によつて死亡した場合には大体の会社が支拂わないということになつておりますが、簡易保險におきましては、以前はそうでありましたが今度の法律によりまして、犯罪によつて死亡した場合にも保險金は支拂うということになつております。それから三十五條の第三号の「保險契約者が故意に被保險者を殺したとき。」とありますのは、これは過失によらないという意味であります。つまり他殺の場合であります。
#12
○小林勝馬君 次に四十五條の契約の乘換の問題ですが、通常の場合解約して新契約を締結する場合とどういうふうに違うか……
#13
○政府委員(岡井彌三郎君) 通常解約して新たに保險に新契約に入るといたしますれば、解約の場合の還付金は普通の場合によりますれば、積立金の八〇%乃至九八%しか還付しません。ところが乘換の場合になりますと、その積立金の全額を支拂う、この点が第一の違いであります。それからもう一つ違いますことは先程申上げました通りに通常の解約をして、新契約に入ります場合でありますと、前の契約と今度の新らしい契約との何らの関連がありませんから、折角長い間昔の契約に対して保險料を拂つて、それを解約して新たな一つの保險に入つて、それで二年以内に事故がありました場合には、やはり先きにも申しました三十二條の適用を受けまして、一年以内でありましたら今までに拂つた保險料、二年末満でありましたならば保險料の二分の一だけしか支拂いませんが、乘換の場合でありますと、一年未満で死亡しました場合に保險料だけでなくして、保險金の一割ということになりますから、相当有利になります。新らしい契約の保險金の一割を支拂うというこになりますから、その点が相当有利になつております。一年以上、二年以内に死亡しました場合にはこれは保險金は貰うようになつておりますから、この点は同じになつております。
#14
○小林勝馬君 そうすると保險局の方としては乘換を積極的に勧誘されるのか、希望によつてやられるのか、いずれであるか。
#15
○政府委員(岡井彌三郎君) これは申上げるまでもありませんが、加入者の全く自由な意志によつてやりたいと思つております。ただ周知だけはいたしたいと思いますが、加入者が厭やだというのを勧誘してやらすという意思は毛頭持つておりません。
#16
○小林勝馬君 六十九條の二項の「前項の保健施設に要する費用は、國の負担とする。」とありますが、この國というのは國の一般会計のつもりで書いてあるのか、保險事業の特別会計の負担という意味かこれをお伺いしたい、保險事業の場合だつたら保險事業の負担とした方がいいのじやないか、かように思いますが、その点どうですか。
#17
○政府委員(岡井彌三郎君) これは簡易保險事業特別会計の負担でありまして、國の一般会計の負担の意味ではございません。然らばはつきりとさように書いたらいいじやないかという御質問でありますが、成る程おつしやる通りのようでもありますが、一方におきまして、これはこの法律はすべて簡易保險事業のことを規定しているのでありまして、簡易保險事業につきましては、保險年金特別会計というものがあつて、一般会計とは全く別の会計でやつているということはもうはつきり分つておりますので、それを前提といたしまして規定いたしました関係上、これは言わなくても分つているというふうに我々も考えたが故にかようにいたさせたのであります。
#18
○小林勝馬君 第七十條の積立金の運用の問題ですが、これは郵政省が運用するのか、大藏省が運用するのか、この点を一つお聞いたします。
#19
○政府委員(岡井彌三郎君) これはもとより逓信省で運用する建前でやつたのであります。但し現在は御承知の通りの事情を以ちまして、それが停止しているわけでありまして、その間この法律の効力が制限を受けるという結果になるかと思います。
#20
○小林勝馬君 そうするとこの運用は逓信省がやるということで立案したというだけで、今後逓信省が運用することにこの法律としては私共了解していいのですか、どういうことになるのですか。
#21
○政府委員(岡井彌三郎君) もとよりその筋の了解も得ました上でこの法律を規定いたしました以上、私共としましては全力を挙げてこの法律通りにやる、つまり逓信省が全面的に、運用できますように努力しなければならん又いたしたいと思つております。
#22
○下條恭兵君 今の小林委員の質疑に関連しまして運用の再開で一つ大臣にお尋ねしたいと思うのですが、私は前回運用の再開は料金の値上げに関する経営面から申上げたのですが、今の小林君の質問並びに岡井局長の御答弁で段々はつきりしたことは、少くも運用再開することによつて料金の値上げに向うことができるということは、私は今の御答弁から窺い知ることができると思うのです。で、そういう意味からすると、單に独立採算制の問題、郵政の特別会計に影響がないからという前回総務局長の御答弁であつたでありまするけれども、今お聞きするとこの点は深水さんの御質問に局長のお答えになつたところによると、一千万円のものは昨年度においても郵政特別会計の方に廻わしてあるということで、これもやはり裕りさえ出れば郵政特別会計の方も運用を蒙るということははつきりしたわけでありますが、そうなるとこれは速かに少くもこの法律を施行することによりまして、これはもう運用再開の條件は整つたものと考えられるのであります。でありますから、いつからこれを運用再開をおやりになる御計画なんですか、この点を一つ大臣から伺いたいと思います。
#23
○國務大臣(小澤佐重喜君) この問題につきましては当委員会でもいろいろお話申上げましたが、國会、衆参両院は勿論のこと、例えば特定局長会議とか或いは全逓組合というようなものもすべてこれは本來の姿に帰つて逓信省で運用することが適当だという、むしろ國の輿論的な形にまで進んでおるのであります。ただ問題は関係方面の指示の結果、大藏省でいわゆる資金の一元的統制というような意味から現在大藏省で取扱つておるのでありまするが、この程度のものを分離しても、それほど日本の資金関係に惡影響を及ぼすというようなことは考えていませんので、要は先づこの関係方面の了解を得るには日本政府として一定した方針、即ち郵政省に戻して運用するんだというような結論を一本にして、そうして関係方面と交渉しなければならんと思うのであります。從つて大体事務的の折衝も継続いたしておりまするが、現段階においてももう事務的折衝の時期でなく、大きくこれを政治的に解決すべき時期だと考えておるのであります。では政治的時期はいつかということになりますと、これは衆議院あたりでも決議案が明日か明後日出るのじやないかと思います。そういうような方向に進んで参つておりますので、私は今まで大藏省と逓信省との事務折衝、又大藏大臣の考え方等を相当檢討いたして参りましたが、この決議案を若し衆議院で通過した場合には、このときこそ私が政治的に閣内においてそうした折衝に取り掛かる時期じやないか、こう考えておりますので、これがうまく行きますれば、少くとも來月あたりから実際できるのじやないかと思います。それは勿論やつた上でなければ分りませんので、今直ちにいつからこれを実行するということはお答えできませんけれども、速かにこうした方面で解決をつけて元の逓信省で扱つた時代と同じような方法で國民の輿論に應え、又それを実施したいと考えます。
#24
○小林勝馬君 両法案に対する質疑をこの辺で打切らんことの動議を提出いたします。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#25
○委員長(大島定吉君) 小林君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#26
○委員長(大島定吉君) 御異議なければ質問は終つたものと認めます。
#27
○政府委員(岡井彌三郎君) 御説明申上げる際にちよつと失言いたしておりました。この法律を施行するにつきましては何らの経費を要しません。附加えて申上げます。
#28
○委員長(大島定吉君) それでは質疑は盡きたようでありますから、討論に入りたいと思います。つきましては、御意見のあります方は本法案に対する賛否を明かにしてお述べ願いたいと思います。
#29
○小林勝馬君 討論も省略して直ちに採決に入られんことの動議を提出いたします。
   〔「賛成」と呼ぶものあり〕
#30
○委員長(大島定吉君) 小林君から討論打切りの動議が出ましたが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶものあり〕
#31
○委員長(大島定吉君) 御異議ないものと認めます。直ちに採決いたします。郵便年金法案並びに簡易生命保險法案、両案に対して原案通り可決することに御異議ない方は、御起立を願います。
   〔総員起立〕
#32
○委員長(大島定吉君) 全員起立でございます。よつて両案は全員賛成を以て原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 それでは委員長の口頭報告は、両法案の内容、本委員会における質疑應答の要旨、及び表決の結果を報告することに一つ御承認を願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶものあり〕
#33
○委員長(大島定吉君) 御異議ないものと認めます。つきましては、委員長が議員に報告する報告書には多数意見者の署名を付することになつておりますから、両案に御賛成の方は順次御署名を願います。
 多数意見者署名
    渡邊 甚吉  小林 勝馬
    深水 六郎  千葉  信
    下條 恭兵  市來 乙彦
    松嶋 喜作
#34
○委員長(大島定吉君) 御署名洩れはございませんか。ないものと認めます。
 これを以ちまして本委員会は散会いたします。
   午後四時六分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     大島 定吉君
   理事
           小林 勝馬君
           渡邊 甚吉君
   委員
           下條 恭兵君
           松嶋 喜作君
           深水 六郎君
           市來 乙彦君
           千葉  信君
  國務大臣
   逓 信 大 臣 小澤佐重喜君
  政府委員
   逓信事務官
   (簡易生命保險
   局長)     岡井彌三郎君
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト