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1949/05/17 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 逓信委員会 第10号
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1949/05/17 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 逓信委員会 第10号

#1
第005回国会 逓信委員会 第10号
昭和二十四年五月十七日(火曜日)
   午前十一時三十二分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○簡易郵便局法案(内閣提出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(大島定吉君) これより逓信委員会を開会いたします。簡易郵便局法案を議題に供します。昨日に引続いて質疑を続行いたします。
#3
○小林勝馬君 大臣にこの際お伺いして置きますが、この簡易郵便局と無集配特定局との関係を先ずお伺いしたい。
 第二点といたしまして、現在窓口機関のないようなところは相当辺鄙なところだと思いますが、今後設けられる窓口機関は皆簡易郵便局でおやりになる御方針であるかどうかという点でございます。
 第三点は、現在の無集配局は段々に簡易郵便局に切替えをする方針であるのかどうか、又この取扱事務量が増加して行けば、昇格をして無集配局が特定郵便局に切替えられて行く方針かどうか。
 第四点は、本年度はどの程度の無集配局と簡易郵便局を置かれる、御予定か。第五番目に、この設置に関する予算はどういうふうになつておるか。先ずこの五点をお伺いして置きたいと思います。
#4
○國務大臣(小澤佐重喜君) 第一点は、特定局と簡易郵便局との関係でありまするが、昨日もお話ししましたが、この法案の狙いは言うまでもなく、今日の日本の予算は経済九原則の線に副いまして、その一環として逓信特別会計も独立採算制というものが要請されて参りました。その可否についてはいろいろ御議論もありましようが、とにかく私共は当然独立採算制というものを堅持すべきであるという見地の下に立つて、すでに御審議も終つて、予算も編成されてあるのであります。從いましてその独立採算制から來る当然の結果といたしまして、從來無集配特定局或いは無集配郵便局というようなものを、一昨年は二百ぐらい、昨年は百ぐらい増加いたしましても、尚一般國民諸君からの要望に副いかねておるというようなのが現状であります。從つて予算的措置さえ足りるならば、即ち予算の許す範囲内においては、今年度においてもできるだけ沢山の特定郵便局或いは無集配郵便局を設置いたしまして、國民の要望に應えるのが公共性を持つ逓信事業として当然の責務であると考えておるのであります。ところが今申上げました通り、非常に独立採算制を採つた結果、予算が嚴格に査定されておりまするので、この要望に應えることができません。併しながら先程も申上げました通り、逓信事業の公共性ということは寸亳の変化もないのでありますから、この際いわゆる独立採算制を堅持しながら逓信事業本來の性格を持つ公共性というものを活かすことが必要であるという見地からこの法案が出たのでありまして、從つてこの法案は最終の目的ではないのであります。今のような事情に迫られて止むなくこうした法案を作つたので、不満足ではあろうけれども、これで満足して貰うという趣旨から……從つてこの郵便局ができましても、尚こうした郵便局じやない、本來の特定局或いは無集配郵便局が適当であるという個所があつて、而も予算的措置を講ずることができ得る範囲内において、これと並行して特定或いは無集配局の存置も考えられますが、その数というものは今直ちにお答えできませんけれども、こういうことも並行して行なつて行くつもりであります。ただ御承知のように、提案の理由にも申上げました通り、現在郵便局のない町村が約千八百からあります。從つて從來のような予算経過を辿つて行くというと、この千八百の郵便局のない町村に、少くとも一町村一つの郵便局を作るのに十年から十五年かかるというようなことになつております。私共はこういう要望があつた場合に、少くとも一村に一つぐらいの郵便局を設けることが適当であろうという見地で、この法案を設けたのであります。從いましてこの簡易郵便局の形は將來無集配郵便局になる前提といたしまして……この無集配郵便局を設けてもそれだけの事務量がないというところにこの簡易郵便局を設けるというのが狙であります。これが大体第一と第二の窓口事務関係の両方のお答えになると思いますが、又同時に無集配局と特定局との関係ともなると思うのであります。
 最後の予算の問題でありますが、この郵便局を仮に今年中に三百設けましても、五百設けましても、予算的措置には何ら異議はありません。現在のこの予算で実施できます。例えば千の村から申込んで、而も適当だと認められた郵便局が千できましても、新らしい予算措置を全然講じませんでもできるような仕組になつております。
#5
○小林勝馬君 次に第一條に、「郵政大臣が郵便局の窓口で取り扱うべき事務」ということになつておりまして、第六條におきまして、「委託契約により委託すべき事務は、郵便……」とありまして、この郵政省設置法から行きまする印紙の賣さばきという問題がそこに書き込んでない、いわゆる印紙の賣さばきをやるということを明言してないのでございますが、この印紙の賣さばきという問題は、設置法の第三條の二項に附帶業務として印紙の賣さばきということになつております関係上、第一條乃至は六條では印紙の賣さばきはできないことに相成りますが、これは如何ようにお考えになつておりますか。
#6
○國務大臣(小澤佐重喜君) これは当然できる趣旨で拵えましたもので、「郵便」の中に含むという解釈で入れなかつたのであります。十五條の第三項に、「手数料の月額は、郵便切手類及び印紙の賣さばき手数料と合算して」ということになつておりますから、当然これは扱うという前提の下に考えているのであります。ただ特にそれを入れないという理由は、「郵便」の中に切手と印紙は当然含んでいると、こういう趣旨で入れなかつたのでございます。
#7
○小林勝馬君 この郵政省設置法の三條の二項から行くと、郵政省は郵便貯金、郵便爲替並び郵便振替貯金、簡易生命保險及び郵便年金の以外は附帶事業として別にわざわざここに書き足してあるような状態で、これはやはりここにおいても、この第六條においても、郵便、郵便貯金及びその他の附帶する業務ということに入れなくてもよろしいのかどうか、いわゆる只今の御説明の十五條の、当然それは入つておるものだと思うという御答弁でございますが、その程度でよろしいのかどうかをお伺いして置きたいのであります。
#8
○國務大臣(小澤佐重喜君) その点につきましては、只今の第六條の「郵便」という言葉の中には、切手の賣さばき等の郵便に附帶する業務も入るという解釈で参つております。
#9
○小林勝馬君 次に、十九條の「郵政大臣の行う監督は、第一次には、当該簡易郵便局のある地域において郵便物の取集及び配達の事務を取り扱う郵便局の長及び当該云々」とありますが、この設置法では、第十五條の三項に郵便局は地方郵便局の事務のうち、現事業務のみを扱うということに相成つておるのに、これが現業のみ扱うということになつておつて、こういう監督の業務はどういう論拠によつて行われるか、これについて設置法を改正するか、どちらか改正しなくてもよろしいかどうかということを伺います。
#10
○國務大臣(小澤佐重喜君) これは法律の表面解釈から申しますと、今小林君のお考えのような考え方も起きるのでありますが、大体簡易郵便局の構想は、集配郵便局の出張所というような根本的な考え方で行つておりまするから、從つて監督という文字は使つておりまするけれども、丁度集配郵便局の一つの窓口を減らして、そこへ一つ持つて行つたというような構想の下にできておるのであります。從つて行政的に直ちに設置法の規定のいわゆる監督管理の意味ではなくして、同じ現業の中でその郵便局長が自分の局内の一部の専務としてこれを見るという見方からこの規定を設けておるような趣旨であつて、例えば局長がその下の課長であるとか、或いは係であるとかいうものを監督すると同じ考え方の監督であつて、そういう監督は、やはり設置法から見ますというと、一つの現場行政である、管理行政ではないというような考え方ですが、文字の使い方は、只今小林委員の言われるようなことで適当じやないかも知れませんけれども、それ以外に適当な文字もないものですから、分り易くもあるし、こうしたのであります。
#11
○小林勝馬君 次に、無集配局の設置標準乃至は簡易郵便局の設置標準というものがありましたら一つ波説明願いたいと思います。
#12
○國務大臣(小澤佐重喜君) この法文の根拠から申上げますというと、第十五條の三項がそれに当ると思うのであります。つまりこの郵便局に対しましては、二万円を超えない範囲で手数料に相当するもの、即ち委託事務に対する反対給付、即ち報酬というような考えで参りまするが、その額が二万円と打切つたということは、二万円は大体事務担当者一人と、それから補助者一人くらいを置いて、精々二人くらいで扱つた場合がこの二万円に当ると、少くとも三人以上の人がおるようになつた場合には、この簡易郵便局は許さない、その場合には無集配郵便局に昇格して、新らしい、現在と同じような郵便局を拵えるという考え方で行つておりますから、その額が二万円でありまして、從つて二万円以上の手数料があるような場合には、普通の郵便局に改造すると、こういう構想の下に進んで参つております。
#13
○小林勝馬君 無集配一局に要する大体の経費と、この簡易郵便局に要する大体の経費はどのくらいにお考えになつておりますか。
#14
○政府委員(小笠原光壽君) 無集配特定局の実際の運営に要しておりまする経費は、この数字は昨年度末の支出でございますが、勿論局の大小によりましていろいろ経費が変つて参りますが、大体局長以外の職員が三人以下の局におきましては、月額、從業員の人件費を除きまして一万三千円程度の経費を要しております。これは從事員の人件費を除外いたしておりますので、この外仮に二人いれば六千三百円ベースで要するに二人分の人件費が必要になる、こういうことでございます。それから簡易郵便局の方は、これはこの法律案に書いてありますように、一番多い場合において最高月額二万円、こういうことになつております。若し事務量が少なければ、それに應じて取扱手数料の金額は月額は少くなるわけでございます。
#15
○小林勝馬君 第四條の郵政窓口事務は委託としてやるべきではないかと思うのでございますが、この点についてはどうですか。
#16
○國務大臣(小澤佐重喜君) その趣旨はどういうのでしよう。
#17
○小林勝馬君 次の第五條をお願いいたします。委託契約の期間は三年とするという、この三年とする理由の根拠をお伺いしたい。
#18
○國務大臣(小澤佐重喜君) この三年は完全な理論の裏付というものはありません。最初二年とも考えたり、或いは四年とも考えたり、五年とも考えたり、現に起草する際においても言つたのでありますが、これは一應解除の契約がありますけれども、この解除の契約を適用するというよりも、予め或る程度の年限をつけて、そうしてその済んだ場合には、例えば普通り特定局に轉換するということにして、この年限が丁度來るから轉換するということにしても、このけじめをつけて置いた方が便利であるという趣旨でありますから、三年になろうと、二年になろうと、四年になろうと、別に理論的に見ました場合にどうという考えはないのでありまして、丁度我々の任期が二年がよいか、三年がよいか、四年がよいかということと同じ根拠でありますが、まあ石の上でも三年ということでありますから、三年ぐらい努力すれば一つの仕事の、簡易郵便局の事務量、或いは村民からの要望量というものが形はつくのであります。そういうような意味で大体の目安で三年ということにしたのであります。
#19
○小林勝馬君 第六條でございますが、保險、郵便保險、簡易保險、郵便年金を取扱わせることは、歩合手当等の点からいつて、特定局との間に面倒が起りはしないかということが第一点、それから第二点といたしまして、爲替、貯金事務は非常に事務が面倒で、事故が多くて、整理には困りはしないかという点が第二点、第三点といたしまして、保險、年金、爲替、貯金の取扱は一應止めておいて、この程度にうまく行つてからこれを始めたらどうかと思うのでございますが、如何ように考えますか。尚もう一点お伺いしたいことは、これだけ面倒な爲替、年金その他をお取扱いになるのに、振替貯金はどうしてやらせないのか、その四点をお伺いしたい。
#20
○國務大臣(小澤佐重喜君) この保險の問題で、既設の郵便局の領域を侵して、延いては現在ある郵便局の方の事務量が減る。從つてその手当の基礎となるものが減るのではないかという御議論でございますが、私共もその点は幾分かあることは認めるのであります。併しながらこの郵便局を認可する場合には、大体一つの部落、或いは一対というようなことを考えて行きますので、できるだけ既存の郵便局の事務量がこの辺ならば影響はないという点だけを調査いたしまして、これを認可しようという考えでおりますから、幾ら認可いたしましても、今までその村に、隣村にしかなかつたものを、今度は又その隣村にできるということになれば、勢いそういうことは全然ないとは言えませんけれども、併しながらその量というものはできるだけ少くならんというような方法で認可をして行きたい。こう考えております。それから貯金事務の問題でありまするが、この貯金事務についても相当困難であろうと思います。或いは保險などという事務は可なり困難でありましようけれども、これは大体この事務担当者、町村長がみずからこれをやるということは殆んど想像いたしておりませんので、その吏員の中の適当な人間を、郵便窓口事務の担当者というものを決めまして、その担当者は町村長から、即ち請負業者、契約者からの推薦によつて逓信局長が適当な人物かどうかを考査し、而も適当であるということが決まりますれば、その集配郵便局に一定の期間見習いをさせまして、この程度ならば單独に事務を扱わせても大丈夫だというときにおいて初めてその窓口事務の開始を許そうというのでありまするから、直ちに素人を持つて來て直ぐそれをやらせようというのではないのでありますから、その点は余り心配しないでもいいんじやないかと思いまするが、いずれにいたしましても、三年も四年もかかつて漸く完全な事務を扱える人が、一月や二月の見習いの程度において完全にそれが行えるということは理論的に考えても、又想像いたしましても、それは三年やつた人より事務能力がない、又事務の知つておる範囲は少いことは常識上明らかであります。明らかでありまするが、これはそういう不慣れなうちは監視……集配郵便局の中の、例えばその職員の中の適当な人が三日に一遍、最初は毎日、お終いには三日に一遍、或いは四日に一遍くらいは行つて見まして、指導をしながら監督をするというような方法を考えまして、運営の面でこの欠陷を補つて行きたいと、こういうふうに考えております。從つて当初においては、最初は或いは現在の郵便局で扱つているよりも事故も多ければ、間違つた事務をすることもあると思いますが、これは何しようといたしましても、新らしい仕事は大体そういう欠陷があるから、できるだけないような方法でこの事務の運行を期したいと考えております。それから振替の問題は貯金局長から……
#21
○政府委員(村上好君) 振替は、この簡易郵便局では扱わない建前で進んでおります。この郵便局で扱います事務の種別は、郵便貯金におきましては、定額郵便貯金と、それから通常貯金、この二種類を扱います。通常貯金は自局で預入した金額の限度内で拂戻しを認める。それからもう一つは、現在高証明を貯金支局即ち原薄保管廳で現在高証明をしたその通帳の貯金はここでも拂戻しを認めるという範囲で貯金はやらせることになつております。爲替は、小爲替の受け拂いだけこれをやらせるつもりであります。電信爲替と通常爲替と、これは事務が複雜でありますので、させないつもりであります。差向きそれだけに限定して考えておりまして、振替貯金並びに國庫納金の取扱、恩給の取扱その他はいろいろ事務が複雜になりますので、それは取扱わせない予定でございます。
#22
○小林勝馬君 只今の説明で、取扱い程度が判明いたしましたのでございますけれども、電信爲替なんかがむしろこういう山間條地の所で必要があるので、電信爲替のようなものはお許しになつた方がよろしいのではないかと思いますが、そういう御意向はないものですか。
#23
○政府委員(村上好君) この山間僻地の局は、直ちに電信が開通されることは期待しておりません。さしづめ極めて簡易な郵便並びに爲替、貯金ということを前提として考えておりますので、一般的な電信爲替という制度をそれに及ぼすことは考えていないのであります。或いは遠い將來に必要があれば、そのとき考慮してもよろしいと考えます。
#24
○小林勝馬君 次に十一條の公務員の適用を除外しまして、法令により公務に從事する者とみなすということが、どういう意味であるのか、又そういうようにしてどういう実際の効果があるのか、利益があるのかということを伺いたい。
#25
○國務大臣(小澤佐重喜君) これは勿論公務員法に基く公務員ではございませんで、結局その受給者は、即ち町村の公務員、或いは協同組合の職員という性質には少しも変りはないのでありまして、こちらの事務を委託するだけでありますから、ここで委託事務を取扱う者は公務員とは言わんとはつきりいたしているのでありますが、ただここに問題がありまするのは、郵便事務を取扱う者は原則として、公務員、或いは殊に政府の現金を出納する者は、現金出納官吏とかいうような会計法上の規定がございまするので、その規定の牴触しないために、その取扱の範囲内では公務員とみなすということ、この法律の擬制によつて相当効果を上げるという趣旨であります。
#26
○小林勝馬君 次に第十三條におきまして、「必要な施設を設備し、及び経費を支弁しなければならない。」一体公共團体がどのくらいの経費を負担すればよろしいのか。その大体の價額はどういう御予定でございますか。
#27
○國務大臣(小澤佐重喜君) この問題はまあ事務量にもよりましようけれども、私共の構想といたしましては、殆んど一文も掛けずにこの郵便局が始められるだろうという考え方なんであります。例えば役場の窓口が三つか四つあつた場合に、その扱つている窓口を一つだけ郵便局の窓口にいたしまして、そこへ衝立でも立てて、そうしてその郵便事務を担当して貰う。從つて窓口は多少役場の方で抑えられましようが、これは役場の建築物にもよりましようけれども、適当にそれを整理して一個所の窓口、そこに集めるという考えでありますから、從つて筆とか、墨とか、硯とか、椅子、テーブルという問題がありましようけれども、これも村役場に一つや二つの机や何かはあるのですから、新らしく入れるというようなことをせんでも、差当りは、從來のそういう備品をそのまま使用しながら、一應この窓口の開始が可能ではないか。こういうように考えておりまするので、それをどういうようにするかは私共の方では干渉いたしませんけれども、惟うに我々といたしましては、先ず最初は殆んど建設のための、設置のための金というものはない程度でやつて貰つて、段々事務量が多くなりますれば、自然受託者の方でも考えると思うのでありますが、我々の想像しているところでは、殆んど新らしい経費は役場の方でも掛けないで済むという方針で考えております。
#28
○小林勝馬君 十五條の取扱手数料の段階、基準が立てておられるかどうか、立てておられるならば概略を……
#29
○國務大臣(小澤佐重喜君) この便郵切手類、或いは印紙の賣捌手数料はこの前御審議を願つたあの法律の通りであります。それから書留とか、或いは爲替というようなものは大体のコストができております。一つの書留の実費はどのくらいかかる。そういう実費の計算を省令で決めまして、そうして一件について書留であるならば幾ら、貯金なら幾ら、或いは振替なら幾らという一定のコストができておりますから、それを合算したものがこの手数料になるのでありまして、從つて直ちに事務量の総全額は一ケ月千円とか、或いは千五百円、或いは三千円のところがあるかと思います。それじやそういう場合には人間を殖やさなければ困るのじやないかと思いますが、窓口開始事務は午前中とか、隔日とか、これによつて半日は役場の事務を行い半日は窓口事務をいたす。これはおのずから事務量の繁閑によつて受託者それ自体が決定すべき問題であつて、その申請に基いて郵政省が省令を以て、この郵便局は午前中だ、隔日だということを、向うの申請を調査いたしました結果適当なる許可をする。こう考えております。
#30
○小林勝馬君 最後にお伺いしたいことは事故が起つた場合の責任でございますが、この取扱者に対する責任と監督者に対する責任とを如何ようにお考えになつているか。それから又金銭の損失とか、そういう問題を起こした場合の取扱者に対する責任と、監督者に対する責任だけ明らかにして頂きたい。
#31
○國務大臣(小澤佐重喜君) この委託契約の当事者は、言うまでもなくこれは村であれば村長、組合であれば組合長と契約をいたしまするし、又契約をする場合におきましても、村であれば村会の議決を経まして、そうして村長と契約をいたすのでありますから、その契約の内容を……。從つて逓信省に対しまして、國に対しまして損害を與えた場合には、その損害賠償は如何なる損害でありましても必ず町村を相手に取るつもりであります。又組合の場合も組合全般に対してその損害を取るつもりであります。たまたま担当者が横領とか或いは詐欺をしたとかいうような場合におきましても、直接にはこちらには関係ございませんから、そういう場合には村長と使用人との関係が別に生じましよう。又組合長と職員との関係は新たに生じましようけれども、逓信省とはどこまでもその契約書即ち村長、組合長を相手に損害の賠償をいたさせたいと考えております。
#32
○松嶋喜作君 私は最後の質問をしたかつたのです。これは相当額々と起る事例ではないかと思います。故意にしろ過失にしろ、そうして今の公共團体、大きなところは別ですが、小さい組合などは相当信用してから事務につけさせるというお話ですが、この点が非常にこの制度として心配になつて來ます。この点を伺おうと思つておつたのですが、今の御答弁で大体分りましたが、相当起りはしないかという杞憂を持つております。
#33
○國務大臣(小澤佐重喜君) 尚附加えて申上げたいのでありますが、大体町村役場、協同組合から希望があつたような場合には、実際的にはやはりできるだけ協同組合にしない。極く特殊な場合に限つて、役場の位置が遠くにあつて組合がこちらにあるというふうな場合を考慮して組合を考えたのであります。そういうような場合におきましても、お話のように相当組合もなかなか基礎が確立されてないものも見受けられますので、これと契約するに際しましては、御指摘のように若し損害があつたような場合にそれを賠償できる能力があり、又監督も十分できるというような内容を具体的に調査いたしまして、これを認可いたしたいと考えております。
#34
○深水六郎君 第十五條に、取扱手数料の月額は、二万円を超えることができないということに相成つておりますが、事務量が非常に殖えて來て、二万円を超えるようになれば、直ぐこれは集配局にされるつもりですか。集配局の予算というものは今年は何局というふうに、予算で決まつておるのですか。それをやつてしまつたあとで、こういう場合に非常に最初の考え方と違つて二万円も三万円も四万円も局務が進んで大きくなつたという場合には、これはどういうふうに考えておられるのですか。
#35
○國務大臣(小澤佐重喜君) 大体一番最初の構想は、この制限を設けることがいいか惡いかということは相当研究したのでございますが、関係方面でもこういう規定があつた方がよろしいという希望がありまして、只今のようにしたのでありますけれども、その事務量が段々増加いたしまして、そうして二万五千円になつたとか、二万六千円になつたかという場合においては、直ちにその郵便局を廃止するということはないのでありますが、ただ役場に入る金が少くなるというだけでありまして、直ぐ、二万円超えて損するから俺は郵便局は止めるんだという者もありますまいし、そういう場合においては実際問題に適合して我々の方では、事務量が多いのに二万円じや合わないから止めるというような場合は、こういう事情で特定局は來年度の予算でなければできない、或いは今年の予算でこういうものまで置けんのであるから、我慢をしてやつて貰いたいというような、具体的問題に当嵌めてこの話合いをして行きたい、こういうふうに考えておりまするが、この二万円の額が果して適切かどうかということも、研究すればどんな議論もできるのでありますが、今申しました通り、関係方面の方でも、或いは余り事務量の多いものをこうした簡易な組織で扱うことを好まないというような意見も出たので、一應二万円と決めましたが、運用に当りましては、只今お話しになつておる点を十分考慮して、又そういう場合には、予算の点も多少無理をいたしましても、それだけの事務量のあるところは大体に普通局にしたい。
#36
○深水六郎君 協同組合、その他の組合がこういう局を開きたいということになれば、既設の局との距離とか、その他のことは考えずに、いつでも大体認可されるつもりですか。
#37
○國務大臣(小澤佐重喜君) それは全然いたしません。つまりどの組合から出ましても、これは役場の場合も同じですが、或いは地域的に見まして、又人口の密度等睨み合せまして、現在の局の側でやるということは、どんな場合でもやらないのでありまして、例えば同じ村であつても、一つの部落、二つの部落が非常に繁華に密集した人家、人口がある場合、距離が二里も三里も離れておるという場合は許すという趣旨でありまして、勿論数字的に一里とか、二里とかいう具体的制限はいたしませんけれども、同じ一里であつても、山が非常に高くて、その部落とこつちが不便だとか、その間に道路がなくて不便だとか、或いはその間に川があつて橋がないというような具体的事情を斟酌いたしまするから、必ずしも里数で制限をすることはできませんけれども、同じ現在の郵便局の、何と申しましようか、そういう範囲を眺めまして、範囲外だというようなところへ設けて行きたい、こう考えます。
#38
○深水六郎君 田舍とか、何とか想定しておるわけじやなく、非常に大きい都会の中で、或る組合が自分のところでやりたいというようなことが相当起つて來ることと存じます。そういう場合に、距離がどのくらい離れておればいいか、例えば市なら市が、現在無集配局を請願しておるけれども、なかなか許して呉れない。だから自分でやりたいという場合、そういうときでも距離の……、今の無集配局が、一キロとか、一キロ半とか制限がありますが、そういうことには関係なく、大体繁華な都市あたりは、大体一キロ程度離れておればやつて頂けるのか。
#39
○國務大臣(小澤佐重喜君) それは実際今の無集配局を設ける標準と同じものであります。無集配局を設けた。併しながら予算がない、併しどうしても必要だというときに、相手方が丁度いいところがあるから、この法律によつて設けたいという場合に、これを認可するのでありますから、その標準は、特定局を設ける場合の標準と全然相違なく、同じ考えで進みます。
#40
○千葉信君 この法案の審議を早く終りたいということを委員長も非常に熱望しておられるようですが、このまま審議を続行することにいたしまして、もう時間も來ておりますし、相当私の質疑は時間を要すると思いまするので、又單に、午後速記をつけて継続したいと思います。お願いいたします。
#41
○委員長(大島定吉君) 時間の関係上、この程度で休憩にいたしまして、午後一時から再開いたしたいと思います。
   午後零時十四分休憩
   ―――――・―――――
   午後一時二十一分開会
#42
○委員長(大島定吉君) 休憩前に引続いて委員会を開会いたします。
#43
○千葉信君 大臣にお尋ねいたしますが、過日の大院における料金値上問題に関しての証人の発言にもありましたように、郵政事業の場合においては、諸外國の例から考えても、又我々の過去における日本の業績を見た場合におきましても、独立採算制ということが非常に見通しの立たない困難なものということは通念として我々は考えているわけでございますが、これに対して大臣はどこまでもこの独立採算制を維持強行して行かれるお考えであるか、そのお考えの基本となつているところは、現在の國家の置かれている客観的な條仲という立場からそういう方針をお採りになるのか、それとも大臣は採算が可能だという確固たる見通しの下にそれを維持強行されようとなさるのか、この点はつきり御答弁を願いたいと思います。
#44
○國務大臣(小澤佐重喜君) 独立採算制がこの郵便事業、或いは逓信事業に適当であるかどうかという問題は、おのずからその國の状況、或いは國でありましても、その國の経済情勢が結局正当付けるものではないかと考えております。從つて公共事業性のあるものはできるだけ料金は安く、そうして一般の大衆がこの料金が高いがためにこれの利用ができないという姿は望ましい姿ではないと思うのであります。そこに独立採算制と公共企業性を持つ郵政事業に対する今千葉君お話のようないろいろな議論が生じて來るのであります。我々は常に公共企業体が独立採算制を堅持しなければならんものであるというようなことは考えておりません。ただおのずからいずれにいたしましても、公共企業体でもいわゆる財源の要ることは明らかでありまして、この財源はどういう方法で負担するかという問題であつて、税金の方から埋め合せて料金を安くするという考え方もこれも最も適当な場合もあるし、又税金の方から取ることが却つて不当であつて、これを利用した具体的なつまり料金として経理を治めることが適当な場合もあるのでありまして、從つて我々は常に料金と國民の税負担というものが一定のバランスの取れた姿が望ましいのだとこう思うのであります。ところが現在のような情勢におきましては、日本の現在の経済状態を考えますという國と、民の担税力というものはもう最高限度に達している。從つて一般会計から、即ち國民の税負担によつて得ましたところの一般会計から、公共企業であるからと言つて百億も二百億も持つて來るという姿では、到底國民が納得しないのではないかと、こういうような見地に基きまして、独立採算制を根本として今年度の予算の編成をしたのでありまして、勿論現在のままにしてこういう支出、例えば見返り物資は價格補給金というものをなくして、これを公共企業に持つて來ればいいのではないかという議論をしたのでは、この議論は盡きないのであります。全般の予算の問題になつて來まするけれども、すでに予算が確定した今日におきましては、我々といたしましては、独立採算制というような問題はどうしても必至の状況であり、又独立採算制というもので進まなければ、少くとも今年度は一文の予算支出もできないということになつて來ますので、我々は今御審議を願つているこの法案で、この独立採算制と郵便事業本來の公共企業体というものの矛盾を調和しようというのがこの法案なんであります。でありまするから、今年度やつたことが直ちに來年度同じようにやるのだということは申されません。從つて郵便料金と税の負担との均衡が、來年度においては甚だしく税が安いので、むしろ郵便料金が高いんだというような観点に立つような財政状態になつた場合においては、今千葉君の御指摘のような一般会計から取ることも適当でありましようが、少くとも現在の状態ではやはり各企業体というものが独立採算制で行くべきものであつて、而も経済九原則に基き極度の均衡予算というものの一環としてやはり独立採算制を採つてこそ日本の総予算が均衡財政になるのである、こういう見地に立つておる次第であります。
#45
○千葉信君 私がこの独立採算制の問題を再度取上げますのは、今度のこの簡易郵便法案というものが考えられた基本の中にも、制約された予算の中で事業の公共性を如何にして話すかというところから出発したのにありまするので、重ねてこの問題について御質問申上げたいと思います。午前中の小林委員の御質問に対しても、更に又只今の大臣の答弁の中にも、独立採算制は経済九原則の要請に基くものである、從つて本年度予算におけるところのこの郵便事業における独立採算制というものは、経済九原則、或いはドツジ声明の線に副つてものであつて、これは一應至上命令という形において政府はこの方針を強行するものであるというそういう御答弁でございましたが、私共の承知する限りにおきましては、この通信事業におきましても、或いは國有鉄道におきましても、この独立採算制というものは、経済九原則そのものとは直接には関連するものではない。こういう経済九原則というようなものが一應の指令の形において取られます以前から、すでに電氣通信であるとか、或いは郵政、國鉄こういう方面に独立採算制という考えが一應それ以前から持たれておる。そうして我々の了解する限りにおいての経済九原則のいわゆる均衡予算という問題は、單に一部門におけるところの、或いは一特別会計におけるところの收支のバランス、均衡ということを強調したものでなくて、或いは國家の総体の予算における一般会計並びに特別会計を含んだところの均衡予算を強調したものであつて、決してこの経済九原則というものは直接にはこの独立採算制というものとは繋がりを持つていない。実はこれらに関しましてはこの非公式な席上におきまして、これは私共こういう表現を持いていいかどうか分りませんけれども、しばしば政府の諸君はその筋の関係ということをお話しになりますので、私もその言葉を援用さして貰いたいと思いますが、その筋の人と非公式の会談をいたしましたときに、只今の私のこの経済九原則と、いわゆる経済九原則が強調するところの均衡予算というものと、個々の特別会計その他における独立採算制というものは直接の繋がりを持つたものではない。ところが只今大臣が本当にそういうふうに曲解しておられるのか、或いは又大臣がよくお考えにならないためにそういうふうにお取りになつたのか、そういう傾向が実は今年度予算の編成の際にも非常に現内閣の編成した最初の予算に現われておる、而もそれを或る程度修正するという必要があつたために相当の時間を費やしたものである、こういう非公式な御意見を一應私共は承つたのでございますが、実は私は全くその意見と同意見なのでございまして、從いまして只今の御答弁のありました経済九原則という問題と独立採算制の問題は一應我々としては切離して、そうして一つ特別会計の場合、特に郵政事業のように、或いは又電氣通信事業のように、大きな公共性を持つ事業の場合、而も極端に荒廃しており、而も戰災の余弊がまた回復しておらない場合には、その事業におけるところの独立採算制というものは非常に無理がある。こう私は考える次第でありますが、これに対する大臣の解釈を承わりたい。
#46
○國務大臣(小澤佐重喜君) 経済九原則と逓信或いは鉄道事業の独立採算制度とは直接の関係はないのだという御意見の前提の下にお話しですが、これは解釈はどうにでもなると思う。千葉君のように解釈をされても間違いはない。私は解釈でも間違いはない。要は日本の経済はすべて関連性を持つものであつて、少くとも私の言つておるのは経済九原則の場合、均衡予算の一環として独立採算制を採つたのだというだけの意味でありまして、直接法福の解釈でそれが九原則の文言の解釈で、それが当つておるとか当つておらんとかいうことは、これは議論しても水掛論になるのでありまして、要は一つの経済が他の経済にお互いに関連しておるという事実だけはどなたも議論がないと思う。從つて千葉君も特に言葉を用いて直接に関係はないという趣旨はそれで私はいいのじやないかと思います。併し自分といたしましては、それよりも経済九原則というような関係方面から要請されたそういう線じやなくても、名前は違つても大体ああした構想で行く方が日本の経済の現状の復興の姿であると思うのであります。從いまして経済九原則がそれに当るとか当らんということよりも具体的に言つたならば、先程申上げた日本の國民の税負担が果して樂な程度になつておるかどうか、一般会計に余裕があるかどうかという問題がやはり本当の議論に近いことになつて來ると思う。だからその考え方からいうと、我々はもう國民の担税力というものは底をついておる、こういう見地に立ちますというと、これは若し昨年度の予算編成の方針に則つて、不足な部分は一般会計から繰入れをするのだという前提に立つというと、郵便事業においては約二百億、鉄道運輸事業においては六百億円から一千億を一般会計から入れなければならんというような予算編成当時の状況であつたのであります。そういう少くとも合計して千億という金額を税負担で補うということが日本の現状において適切な措置であるかどうかということが一番問題になつて來るのであります。そういうふうになつて來ると、仮にドツジ声明に基いた予算でなくても、或いは政府の試案として考えられたように、例えば五千四五百億程度の当初の予算からいえば、やはり独立採算制というものが必要であつたと私は考えておるのであります。その必要であつたという理由は、つまり税というものはこれ以上國民に課することは少くとも今年度においては無理なんだ。從つて若し一般からこつちに持つて來る、一般から特別会計に繰入れるところの余裕がないとするならば、先ず我我はあらゆる面において節約をする。節約をしてどうしても足らないというならば、これは料金値上げも止むを得ないことであるけれども、併しながら料金値上げはできるだけ避くべきところだというような、ぎりぎりのところまで料金の値上げを控えまして、そうして今回四十九億の値上げをいたしたことはすでに御説明申上げました通りでありまして、私共現在の程度では、仮に経済九原則が特別事業体即ち郵便特別会計に直接に関係がなかろうがあろうが、結論において日本の國民の税負担というものの現状から見ては、やはり独立採算制で行く方が適当であるという強い信念を持つております。
#47
○千葉信君 只今の大臣の御答弁に関連して、御質問申上げます。只今の大臣の答弁から参りますと、この独立採算制というものを將來も必ずこのままの状態において行くべきだという御意見ではなく、そのときの経済情勢に應じては変更を或いは余儀なくされるかも知れないという見解と承つて差支ありませんか。
#48
○國務大臣(小澤佐重喜君) それはその通りであります。公共事業性でありますれば、できるだけ安價な料金で便利に國民にサービスをするということが、公共企業体の本來の姿でありますから、苟くも他の財源を以てこの企業体の経営がなし得るという場合におきましては、速かにその方向に進むことがむしろ我々の大きな任務だと思います。
#49
○千葉信君 次の質問に入ります。実はこれは過日の参議院における逓信委員会の後の懇談会におきまして、私共参議院の立場から、できるだけ逓信委員会と逓信省とが緊密な連絡を取ることを実はお願いした筈でございます。そうして又大臣からも、できるだけそういう方向に向つて努力するということが力強くそのときお答えがございました。ところがつい今月十五日の朝日新聞の報道によりますと、我々としては非常に重大問題と考えておることが、非常に簡單に報道されておるということは、これはいろいろな部分がございますが、この朝日の新聞報道といいますのは、実は小澤逓信大臣が今度新らしく設置される郵政省の大臣、更に電氣通信省の大臣を兼任されるというあの報道でございます。私共はこのことに関しましては、実は逓信大臣は非常に御熱心に参議院における質疑にも應じておられますので、大臣が兼任されるということについては、双手を挙げて賛成するものではございますけれども、それはそれとして、実はあの報道の中にこういう事項がございます。今度郵政大臣が電氣通信大臣を兼任するということを考えた閣議の一つの理由としては、大体四項に分れておりますが、その中の第一項に將來電氣通信省は公共企業体式のものとなつて行くだろう。こういう考えの方に一應立たれた点もあるようでございます。私共実はこの公共企業体の問題につきましては、從來とも非常にこの点を懸念しておりましたし、それから又機会あるごとに國民がこういう疑惑を持つておる。公共企業体というよりも、むしろこれは最後には私企業の形に移行して行くのではないか。そうして而もその私企業の場合においても、日本國内におけるところの経済的な状態から言いまして、これはもう或る程度外國資本の支配の下に、この電氣通信事業が置かれるのではないかという國民が疑惑を持つておりますので、その点について再三政府委員のこれに対する考えを率直に承つて参つた次第でございます。今まではいつでもそういう問題に関しましては、こういうことを考えておらない。政府としてはどこまでも現在の國有國営という形においてやつて行く方針であるということを承つておつたのです。ところがこの新聞の報道によりますと、從來我々が非常に心配しておつたことが具体的に報道されておる。而も單に問題はこればかりでなく、先程吉田総理大臣は、これを裏書するようなことを発言されておる。而もその発言の内容というのは、政府の旧軍用の財産を拂下げるという答弁の中で、例えば專賣事業であるとか、或いは國有鉄道の事業であるとか、その他電氣通信省の所管する電氣通信業業そのものも、或いは拂下げるかも知れないというような談話も以前ございましたので、從つて私共はこういう問題について、一体どの程度に現内閣がお考えになつておられるか。その点が私共はつきり承わりたい点であると同時に、先程申上げましたように、こういう問題については少くとも報道機関が発達しておるから、簡單にこういう報道が出るのかも知れませんけれども、我々の要望しましたように、こういう重大な問題は勿論のこと、できるだけいろいろな問題について私共参議院の逓信委員会とは連絡を緊密にして頂きたい。この点を希望條件として、先程の点についての御答弁を承わりたいと思います。
#50
○國務大臣(小澤佐重喜君) 六月一日から発足いたしまする電氣通信省と郵政省に、私が郵政省に行つて電氣通信を兼務するというような問題は正式にはまだ決まつておりません。正式には決まつておりませんが、関係の、官房長官とか、或はい総理とか、党の幹部あたりはいろいろ議論をしておるようであります。現に新聞にも出ましたように、一應電氣通信には山口君、或いは郵政については僕というような記事も出ましたが、あの記事通りではございませんけれども、あれに似寄つたような話合いなどは事実あつたようであります。從つてこの問題に関する限り正式に決まりませんので、その問題を必ずそうだとは申されませんが、ただ千葉君の質問の趣旨はそれをどうこうというよりも、この記事と同時に現われました私が電氣通信大臣を兼務する理由の中の一つが、非常に重大な問題であるという御趣旨でありますから、直ぐその問題に移りますけれども、あの新聞に出たのは内閣官房長官が記者團との会見において、記者諸君から質問されて、今度の電氣通信省と郵政省の分離問題については、その大臣が決まつたかということを質問されたのに対しまして、大体私が郵政省が本務であつて、電氣通信を当分兼務することになるだろうということを答えたことが、あの記事になつて現われたのでありまして、その際こういう條件で兼務にさせるのだというようなことは毛頭一つも話しておらんそうであります。なぜそういうことまで私が知つておるかというと、今千葉君の言われたようなことが、衆議院その他あらゆる方面で私はその問題を聞かれておつたのであります。殊にジヤパンタイムスやなんかにも、私は見ませんけれども出たそうであります。そういう意味で私が否應なしにその問題を、具体的に誰からそういう記事が出たかという問題について調べて見なければならん立場に今まで置かれておつたのであります。昨日今日……これをいろいろ調べましたが、官房長官は、ああした條項の全部は勿論のこと、一つも触れておらないということをはつきり官房長官は申されておりますし、現に内容としても閣議でもそういう問題は一つも論議されてもいなければ、又議題に取上げてもいないのであります。いないのでありますけれども、ただ我々は、これは千葉君もイデオロギーの点で相違するかも知れませんが、自由主義を唱えておる我々といたしましては、從來の官営というようなものをできるだけ民営にして、能率的な運営にしようということの一つのイデオロギーを持つておることは千葉君御承知の通りであります。從つてこの点について党員といたしましても、或いは鉄道の民営とか、省営バスの民営とか、延いては電氣通信の民営化というようなことは党員中で主張するものも沢山ございます。ございますが、これは大体その方向に向つておる我々の政策でありますから、これを抑えるというようなことは敢えていたしません。自由討論的なことをやつておるということを抑えるということはいたしませんが、少くも政府部内においては直ちに電氣通信が分離と同時に民営に移管するとか、パブリツクコーポレーシヨンにするというような考えは政府として持つておりません。併しながらこれは未来永劫にそういうことはありませんというのではなくて、現段階では少くとも三月や四月の間にそういうことが具体化するということは決して私はないと思います。從つて今まで通り、千葉君の捉えられたその新聞記事があつたことによつて、今までの委員会における答弁とか、本会議における私の答弁が変つて來たというようなことは事実上ございません。從つて私の兼務する理由というものはそういう意味ではなくして、何十年間逓信省一本建で來ておるのを、今急に二つに分けるというと、人事に面におきましても殆んど幹部級の全部が異動になるという始末で、又備品等を考えますというと、このテーブル一つ、或いはこの椅子一つもどつちへ行くかという問題がありますので、ここで今直ちに專任大臣を設けるというと、幾ら專任の大臣が円満に行こうとしましても、二つに分けると何でも二つの共管だということで非常に問題が起るのではないか、而もその準備が済んでおりませんから、そうした無駄な爭いをなくすということで、いわゆる事務的の理由で若し兼務すれば私が兼務することになると思います。併し先程申上げた通り、この問題は正式に閣議で決まつたわけでもございません。総理から正式な話があつたわけでもないから、この通りになるということは言われませんが、若し私が兼務するということになれば暫定的であつて、事務の二省分立の一つの過渡期の措置となるのではないかと思います。
#51
○千葉信君 從來のいわゆる特定局制度問題なるものが、終戰以來非常に大きな労働問題として粉爭の原因だつたことは、これは大臣も御承知の通りでございます。從いましてあの特定局制度という惡い制度によつて災いされたところの從業員の受難の歴史というものは、非常にこれは大きな問題でありまして、個々の具体的な問題についてここで申上げるまでもないことだと思う次第でございます。あの特定局制度というものは、その創設の当時において一般の官尊民卑の氣風というものを巧みに利用しながら、而も経済的に事業の拡充発展を考えたものがあの特定局制度でございます。從いまして今度のこの簡易郵便局設置法案の中には、私共は経済性を非常に追及して、そうして公共事業を拡充させるという今度の方針におきましても、相当昔の特定局を設置したときの考え方と非常に相似点がある。具体的に申上げますと、例えば今度のこの簡易郵便局の場合におきましては、大体今までの御説明を承つておりますると、二人程度の職員でやつて行ける程度の仕事を委託するのだとこういうことでございますが、併し私共はこの考えの中には、例えば公共企業体であるとか、或いは協同組合であるとか、そういうところの現有の施設、而もその中に含まれておるところの職員にこの仕事をさせるものであるから、直接にはこの人々は今こつちの方でその待遇であるとか、或いはその他の労働條仲なんかを一應は考える必要がある、非常に安易な状態でこの仕事を委託することができるという考え方でこの計画がなされたものと思いますけれども、併しながら私共一方から考えますと、例えばそういう公共企業体でも、或いは協同組合でありましても、二人の從業員がどうしても必要だという事務量がある場合には、その二人の人々が他の仕事はやることができない、当然これはこちらから委託され、或いは而も一應二万円という範囲内においてこれは第十五條でも謳われておりますが、こういうこちらから支拂われる手数料の範囲内において從業員の待遇なり、或いは又從業員の俸給なり、そういうものを考えて行くような形に移行する。自分達の仕事の中からそれだけの人員をただ割くということはことはこれはあり得ない。一應最初に非常に事務量の少い場合にもそういうことも起りましようけれども、恐らくこういう問題が具体的にその事業の中で考えられるということになれば、事業自体も採算制を相当に考慮するでありましようし、從つて又郵政事業に從事するところの從事員のいろいろな諸掛かりというものは、当然これは手数料の範囲内において賄うというような恰好に移行する。而もそういうような形で行つた場合に從來の特定局によつて、あの請負制度によつて起つたところの労働問題は、再びこの簡易郵便局法の施行によつて起つて來るのではないかと私はこういうふうに考えるのでありますが、これに対して大臣はどういうふうに考えられるのであります。
#52
○國務大臣(小澤佐重喜君) 結論的に申上げますれば、そういうことは結果として起つて來ないと考えております。何故そうなるかといいますというと、私共は決して曾て特定郵便局ができたときの構想というものをそのまま持つて來たのではなくして、その欠陷というものを予め除去してここに考えたわけでありまして、例えば町村役場で仮にこれを要望いたしました場合において、事務量が殖えて、そうして事務量の割合に收入がないという場合は、直ぐ收入を上げるというような、利益を中心にして役場なり、或いは協同組合というものがこれに参画するというようなことだけは考えられません。勿論これは町村の財政とか、或いは協同組合の財政というものがありまするから、無制限にこれをどうこうということはできないどしようけれども、我々は多少この村費が嵩みましても、或いは村費が少しぐらい殖えても、換言するならば二万円という逓信省から來る金よりは多少損をいたしましても、この郵便事務の恩典に浴せるという村民全部の、大半の希望がそうであつた場合に限つてのみ、これは許すのでありまするから、決してその損得を考えて、そうしてその利益になるような人員の配置をして、むしろ労働を強化するというような形にしなければならんというようなことを考えておるのではらありませんで、むしろそういうことがあつてはいけないから個人には許さん。而も公共團体でも、極くしつかりした公共團体、而も協同組合というようなものは第二次的に考えて、原則として、役場にこれをやらせるという考え方でありまして、いろいろこの問題が出て、例えば特定局の開始などの陳情に來た人に、いろいろ意見を聞いて見ますというと、非常に期待してこの法案の通過を待つておりまするし、又そうした千葉君のような議論が全逓の役員諸君から、ずつと前からいろいろ聞いておりますので、私はそういう問題を特に重要視しながら、この法律の実現を期し、而も運用して行きたいと思うのでありまして、いろいろ煎じ詰めて、その反対々々の考えで行きますと、或いはそういうこともなきにしもあらずでありますけれども、要はそうした問題は、運用如何によつて、或る程度是正されるんではないか、こう考えておりまするので、若しこの法案が実施いたしますれば、十分千葉君の考えておる、いわゆる労働の強化とか、又役場の方でも独立採算制なりというような金儲けのため、或いは少くとも損しないというような立場でやるというようなものに対しては、許可をしない方針で行くとか、或いは現実の許可を與えないというような考えで、千葉君の心配を活かして行きたいと考えます。
#53
○千葉信君 重ねて御質問申上げますが、実は公共企業体におけるところの独立採算制というこの問題の発展が、こういうふうな形において、新らしく簡易郵便局というものを委託事務として設けて行くという形に発展した次第でございますが、このことは丁度國家にとつて文化的な、或いは又産業活動の上からいつても、どうしてもこういう事業は、発展させて行かなければならんということは、これは問題は違いますけれども、例えば六・三制というように、國民の文化或いは産業活動の上に基礎條件となつて大きく國家がこれに対する責任をとらなければならないという問題が六・三制度にありました。そういう点では非常に類似点があると思いますが、例えばその六・三制の場合におきましても、これは單に我我ばかりでなく、民主自由党の諸君なども主張されておつたのでございますが、あの三・三制に対する経費というものは非常に削減されて本年度は殆んどはつきりした形においては一銭も計上されておらないという状態でございます。これは一應我々の考えから申しますと、誠に狡猾なやり方でございまして、どうせこれはもう國民が必要とするものであるから、地方財政で賄うという形に行くであろうし、或いは又國民の寄附というような事柄にも便乘しながらでもこれは継続されて行くであろうと、そういう氣が、一應我々は持たれているのではないかというように考えざるを得ないのでございますが、今度のこの簡易郵便局法案にありましても、この事業の必要だということから、特に地方の対落などの実情を考えますと、どうしても通信機関が要る。そういうふうな要望を國家の責任において負担してやつて行こうとしないで、地方の負担なり、或いは又協同組合等の負担によつてこういう事業の拡張を図つて行こうとし、そして公共企業体としての公益性の立場から当然拡充しなければならない、負担しなければならない政府の責任というものを轉嫁するやり方が、今度のこの法案の行き方ではないか、私共こういうふうに考えておる次第でございますが、この点に関して大臣のお考えを承わりたいと思います。
#54
○國務大臣(小澤佐重喜君) 六・三制とこの問題と同じような考え方かというお話でありまするが、この考え方も私は否定しようとする者ではございません。ありませんし、又今千葉君が言わるる通り、一旦六・三制を布いておりながら、当丁の方針通りの補助金を與えずに途中で打切るというふうなやり方は、全く政府としては望ましくないばかりでなく、誠にこれは遺憾至極であります。遺憾至極でありますが、一体政治でも何でもそうでありますが、物事におのずから重大な問題というものがありまするので、その重点的に物事を考えておつて、或る場合には当然理論上そうであつた場合にもあとからの客観情勢によつて、或るものは実現されるというようなことはこれは政治ばかりでなく、世の中百般のことが私はそうだろうと思うのであります。そういうような意味で、今年度においては、六・三制というものは非常な憂き目を見ておりますけれども、これは永遠の姿ではなくして、本然我々日本経済の再建の第一歩を築くのだという大きな前提に立ちまして、遂に犠牲になつておるようなものだと思うのであります。まあ六・三制は本論ではありませんが、この問題については、六・三制と比較することも観念的理論としてはそうでありまするが、凡そ郵便局をやつて一村で損するというのは、どんなに大きく損しても五、六千円から一万円以下だと思う。この程度のものは損しても、月に五、六千円というものを村民全部が負担することと、郵便局がそこに一つ設けられて村民が利益を受くることと、どつちが便宜かというならば、恐らく私は村民の一人々々に聞いても村民全部が月五、六千円を負担しても、こういう文化の施設、即ち逓信事業というものが辺鄙な山村まで布かれるということを望むのじやいなかと思うのであります。つまり八千人あれば、八千人の人口ならば、一円程度の負担によつて自分の村に郵便局ができておるというようなことは、村民の、そう財政を苦しめるものでもないし、又同時に村の財政を窮迫にするというようなことは考えられません。そういうような意味から、理論から言うと、成る程いろいろな議論が出て参りますけれども、この村役場の負担が極めて少額であるという点、又而もこれは強制するものではなくして、これだけの負担になるぞということを予め委託せられたいわゆる町村或いは組合というものが計算をして見ます。計算をして見られて、例えばここに誰それが余裕があるから、君に担当して貰えば金も一つもかからずに済むとか、或いは殖えた場合には向うからも担当の補助金が來るから、女事務員の一人でも殖やすというようなことを、適当な計画を立てて申請をして來る筈でありますると、又そういう細かい申請を取りまして、成る程これは適当だという場合になつて、初めて逓信大臣が認可するものでありますから、そういうような意味で、これ又運用の面でも、相当その点に関する町村財政の影響、町村民に対するところの損害というようなことも適度に考慮しながらこれを運用して行きたいと思つておりまして、從つて千葉君の御心配になるような点は、運用の面で十分注意をして進んで行きたいと考えております。
#55
○千葉信君 以下の質問は比較的小さい質問でございますので、大臣の御答弁でなくともよろしうございます。政府委員の方にお尋ねいたしますが、第五條の契約の期間は三年ということになつておりますが、この契約自体は民法によるものであるかどうか、從つてこの契約に対して三年とございますけれども、例えばこれを無集配特定局に昇格するとこうような場合、或いは又委託されておりまするところの協同組合等の解散その他によつて、解約をしたいというような場合に、この第五條は何だか不便なところがありはしないかどうか、この点について御答弁を承わりたいと存じます。
#56
○政府委員(小笠原光壽君) この法律では一應委託契約の期間を三年ということにいたしております。尚この委託契約は私共は私法上の契約、こういうふうに考えております。從いまして、大体民法の規定が補充的に適用されると考えております。従つて契約自由の原則によりまして、尚その実際やります場合には、國と受託者との間に委託契約を結ぶことになります。その委託契約の約款において必要な解約に関する明文を約款に入れたい。かように考えております。それで只今御質問のよな、例えば非常に事務量が大きくなつてもはや簡易郵便局としてやるには不適当である、むしろ特定郵便局にすべきであるという事態が起きた場合等につきましては、その約款の中で解約できるような明文を挿入することにしたい。かように考えております。
#57
○千葉信君 重ねてお伺いしますが、簡易郵便局の局長は任命するのかどうかということが一つ。それからもう一つは、先程小林議員の質問に対して政府委員の御答弁によりますと、印紙切手の賣さばきという問題については、これは郵便事務の一部に包含されるというお考え方であり、この点は除いたという御答弁がございましたが、郵政省設置法案の第三條によりますと、郵便或いは郵便貯金、郵便爲替或いは郵便振替貯金、それから簡易生命保險及び郵便年金、こういうふうにはつきりなつておりまして、その次の項に「印紙の賣さばきに関する業務」というふうに明確に区別されておりますが、この点について実は午前中の政府委員の答弁と食違いがあるというふうに考えられますが、この点はどうでございますか。それから質問の第三点は、この委託によつて第十五條による二万円以下の手数料という問題を関連して、これを本年度予算にどういうふうにどの費目に計上してあるかということ、これが質問の第三点でございます。それから質問の第四点は、この簡易郵便局の本年度設置につきましては、無集配特定局の設置以外にこれを考えておるかどうかということ、或いは又無集配局の設置費の中からこれを一部を流用するというふうにお考えになつておるかどうか。これが質問の第四点でございます。
#58
○政府委員(小笠原光壽君) 最初の御質問の局長を任命するかというお話でございましたが、これはその受託者におきまして簡易郵便局の事務を取扱うものを、受託者において勿論任用するわけでございます。その場合に午前中大臣から他の委員の方の御質問にお答えいたしましたように、その主任ともいうべきものの任用につきましては、一應地方郵便局長の承認を得られるようにいたしたいと考えております。勿論その簡易郵便省の仕事につきましては、一切の責任をその受託者において負うのでございますけれども、現実の仕事の運用におきまして、或いは事故を起したり、或いは又利用者の方に不親切なことができたりするようなことがあつては誠に郵政局として困りますので、從いましてその簡易郵便局の実務の遂行の衝に当る主任の人事につきましては、一應地方郵便局長の承認を得た上で受託者が任用することにいたしたいと考えております。それから第二点の御質問の、郵便切手類の賣さばきに関する仕事は、この郵便という言葉の中に入らないではないかという御質問の点でありますが、その点につきましては政府としましては、その郵便という言葉の中に入つておるものと解釈いたしておりますので、それは先日御審議を願いまして郵便切手類賣さばき所及び印紙賣さばき所に関する法律の第四條で、「賣さばき人は、國の行う郵便に関する業務の一部を行う者として、云々」ということが書いてあります。これは要するにこの賣さばき人の切手の賣さばき、郵便切手類印紙賣さばき、そういうものを、郵便に関する業務の一部を行う者としてやるという考え方でありまして、即ち郵便という言葉の中には、郵便切手類等の賣さばきも入る、かように解釈しておる次第でございます。それから第三点としまして、この取扱手数料を予算上どういうふうにして支弁するかというお話でございましたが、これは今年度成立いたしました予算の範囲内におきまして、会計法の規定の範囲内においてできるだけ経費を節減いたしましてこれを捻出するようにいたしたい。かように考えております。万一それで足りないような場合には、予備費というような問題も、すでに成立しました予算の範囲内において考慮するということもあり得ることかと存じます。それから第四点の、今年度の設置については、無集配特定郵便局の外に簡易郵便局を作るのか、或いは無集配の経費の一部を流用するのかという御質問だつたと思いますが、今年度は只今のところ無集配特定郵便局を設置することは、今朝逓信大臣から説明申上げましたように非常に困難であると思います。それで、無集配特定局を設置できるかどうか、実はまだこれは逓信省といたしまして決定いたしておりません。又仮に作るにしましても作らないにいたしましても、この簡易郵便局の経費は、無集配局の経費を流用するというような考え方ではなしに、全然別々に、先程申上げましたような方法によりまして処理いたしたいと考えておる次第でございます。
#59
○小林勝馬君 さつきお伺いいたしました印紙の問題ですが、切手云々という答弁はあるのでございますが、私共としては印紙の問題をはつきりこれに謳わなくて、このあれで判別できるかどうかという疑念を持つているのですが、その点について如何ようにお考えになつておりますか、その辺をもう一遍改めてお伺いしたい。
#60
○政府委員(小笠原光壽君) 只今千葉委員の御質問にお答えいたしたのでありますが、先般御審議を頂きました郵便切手類賣さばき所及び印紙賣さばき所に関する法律案におきまして、その第四條に、「賣さばき人は、國の行う郵便に関する業務の一部を行う者として、」「その業務を行わなければならない。」という規定が入つております。これは即ち賣さばき人の職務であるところの郵便切手類並びに印紙の賣さばきに関する業務は、國の行う郵便に関する業務の一部である。こういうことにこの法律で明瞭にいたしておりますので、私といたしましては、郵便という言葉の中には、只今御質問の郵便切手類、印刷の賣さばきの業務も入る。かように解釈いたしておる次第であります。
#61
○千葉信君 只今政府委員は、切手の賣さばきに関する法案の方を根拠にされたようでありますが、設置法案の第三條から行きますと、明らかに郵便業務と切手賣さばきの業務というものと切り離してございますが、これは如何でございますか。そちらの設置法案の方を基本としてお答え願いたいと思います。
#62
○政府委員(小笠原光壽君) 私の説明が少し不十分だつたと思いますが、この郵便省設置法の方は第三條第一項第一号では「郵便」とこう書いてございまして、これを第二項におきまして、「前項の事業の外、前項の事業に附帶する業務」及び「印刷の賣さばきに関する業務」こういうふうに書いてございます。それで郵政省設置法の方の三條の「郵便」は、これは「郵便」とだけ書いたあるわけでございます。只今説明申上げました郵便切手賣さばき所及び印紙賣さばき所に関する法律の第四條は、「郵便に関する業務」こう書いてございまして、それから只今議題になつておりますところの簡易郵便局法案の第六條は、「郵便に関する郵政窓口事務」とありまして、この「郵便に関する」をいう言葉は、「郵便」だけよりは若干廣いので、これは只今の郵政省設置法の場合にただ「郵便」と書いてある場合よりは内容を廣く解釈できるわけでございます。そうして「郵便に関する事務」とこう言つた場合には、今の郵便切手類賣さばき所及び印紙賣さばき所に関する法律案の第四條の「郵便に関する業務」というのと一致して参りますので、この場合においては郵便切手類及び印紙賣さばきの事務をこの中に包含いたしておりますので、結局この簡易郵便局法案の第六條の「郵便に関する事務」という中には、郵便切手類及び印紙の賣さばきの事務を包含する、かように解釈いたしております。
#63
○委員長(大島定吉君) 速記を止めて。
   午後二時十四分速記中止
   ―――――・―――――
   午後三時八分速記開始
#64
○委員長(大島定吉君) 速記を始めて。先ず中野法制局第三部長の御説明を願います。
#65
○法制局参事(中野哲夫君) 只今問題になりました簡易郵便局法案第六條の、郵便に関する郵政窓口事務の中に、切手印紙の賣さばき業務が入るかどうかという点でありますが、今國会に提案し成立いたしました郵便切手類賣さばき所及び印紙賣さばき所に関する法律案というのがございますが、その第四條に「賣さばき人は、國の行う郵便に関する業務の一部を行う者として、公共の利益のため、誠実にその業務を行わなければならない。」という規定がございます。それでその規定の中の郵便に関する業務には印紙の賣さばきに関する業務が入ることは、この法律案の解釈上当然でございます。そういうふうな解釈で、片方の法律は國会が審議し、これを可決しておられまするので、簡易郵便局法案第六條の郵便に関する業務もこれと同じであると解釈すべきであると思います。それでただ簡易郵便局法案の方は郵便に関する郵政窓口事務と書いてございますが、これは要するに印紙の賣さばきを含む郵便に関する事務を簡易郵便局の窓口でやらせるというだけの規定でございますから、両方の二つの法律を通じて読みますると、この郵便に関する郵政窓口事務の中には切手の賣さばきということを含むものと解釈して差支ないのではないかと考えます。もう一つこれを反対に申しまして、仮にこの簡易郵便局法案の第六條に切手と印紙の賣さばきという事務を明文を以て書きますと、先の印紙賣さばき所に関する法律の方は印紙ということが書いてございませんので、その法律の読み方が読めなくなるというような逆な言い方をしますことになりますので、多少解釈上無理な点もないでもございませんが、法制局といたしましては以上申上げた通り、印紙賣さばき業務を含むものと解釈して差支ないとかように考えます。
#66
○千葉信君 ちよつと法制局部長にお伺いいたしますが、確か今日の参議院の内閣委員会の方で通過した筈でございますが、郵政省設置法案というのがあります。その郵政省の設備法案の第三條ではこういう表現になつております。それには、「郵政省は、左に掲げる國の公共事業を一体的に遂行する責任を負う唯一の政府機関とする。」そうして一、二、三号に分けて「郵便」、それから「郵便貯金、郵便爲替及び郵便振替貯金」「簡易生命保險及び郵便年金」とこうなつておりまして、第二項の方には「郵政省は、前項の事業の外、前項の事業に附帶する業務、電氣通信省から委託された業務及び印紙の賣さばきに関する業務」とこうなつております。一應ここでは印収賣さばきに関する業務というのは郵便という職種から分離されております。この設置法案の立場から考えますと、私共只今の設には直ちには承服できない点があると思うのです。この点如何でございましようか。
#67
○法制局参事(中野哲夫君) 先程ちよつと疑問のある点と思しましたのは、実はその点でございまして、今の日本の法制に郵便の定義を書いた法律がないのでございます。それで問題になつております点を判断いたしますためには、今御指摘になりました郵政省の設置法も重要な法律でありますが、印紙の賣さばきにつきましては、今國会においてつい先だつても、國の行う郵便に関する業務というので、切手の賣さばきと印紙の賣さばきのことを決めておるのでありまするが、その際の規定は國の行う郵便に関する業務ということでございますから、その法意を同じこの國会で御審議しておられまする而も印紙の賣さばきに関するこの簡易郵便局法案を解釈する場合には、一番有力な関連法規として読むべきではないかと、かように考えます。そういうことでありますと、この郵便に関する、先程の繰返しになるのでありますが、この第六條については印紙が入ると解釈せざるを得ないことになるのじやないかと思います。
#68
○委員長(大島定吉君) 外に別段御質疑がなければ質疑は盡きたものと認めまして、討論に入りたいと思いますが御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#69
○委員長(大島定吉君) 異議ないものと認めます。御意見の際は賛否を明らかにして御発言願いたいと思います。
#70
○小林勝馬君 民主党を代表しまして本案に賛成いたします。本案施行によりまして、いろいろ犯罪行爲その他が予想されますので、こういう点を特に愼重にお考えになつて施行に移されんことを要望するものでございます。
#71
○千葉信君 私は本法案に反対いたします。反対の第一の理由は、この郵政事業が到底成功不可能であるところの独立採算制を強行しようとしているために起つた点であるというのであつて、而もその独立採算制は政府の説明によりば経済九原則の要請に基くものであるという答弁でございますが、私はこの点については反対でございまして、これが反対の第一点でございます。第二点は当然國会が負担すべき公共事業施設の拡充計画に対して、正しくこれを負担しようとせずに、地方公共團体、或いは協同組合等の負担においてこれをなさんとしている点、これが反対の第二点でございます。第三点は從來の労働問題として非常に大きく社会の耳目を集めましたところの特定局制度のあの惡弊が、この法案の通過によつて再び招來されることが私の立場からすれば明らかであると考えられる点、これが反対の第三点でございます。以上でございます。
#72
○委員長(大島定吉君) 外に御意見がなければ討論はこれを以て盡きたものと認めて御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#73
○委員長(大島定吉君) 御異議ないものと認めます。これより本案に対し採決をいたします。本案を原案通り可決することに御賛成の方は御起立を願います。
   〔起立者多数〕
#74
○委員長(大島定吉君) 起立者多数。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。それでは委員長の口頭報告の内容につきましては、本法案の内容、本委員会における質疑應答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することに御承認を願いたいと思います。御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#75
○委員長(大島定吉君) 御異議ないと認めます。尚本院規則第七十二條によつて委員長が議院に報告する報告書には多数意見者の署名を附することになつておりますから、本案を可とされた方は順次御署名願います。
 多数意見者署名
    小林 勝馬  松嶋 喜作
    深水 六郎  渡邊 甚吉
    加藤常太郎
#76
○委員長(大島定吉君) 外に御署名漏れはありませんか。ないと認めます。これを以て委員会を散会いたします。
   午後三時十九分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     大島 定吉君
   理事
           中村 正雄君
           小林 勝馬君
           渡邊 甚吉君
   委員
           下條 恭兵君
           加藤常太郎君
           松嶋 喜作君
           深水 六郎君
           千葉  信君
  國務大臣
   逓 信 大 臣 小澤佐重喜君
  政府委員
   逓信政務次官  武藤 嘉一君
   逓信事務官
   (郵務局長)  小笠原光壽君
   逓信事務官
   (貯金局長)  村上  好君
  説明員
   参     事
   (法制局第三部
   長)      中野 哲夫君
ソース: 国立国会図書館
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