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1949/05/23 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 懲罰委員会 第5号
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1949/05/23 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 懲罰委員会 第5号

#1
第005回国会 懲罰委員会 第5号
昭和二十四年五月二十三日(月曜日)
   午後二時二十三分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○議員星野芳樹君の懲罰事犯の件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(太田敏兄君) ではこれから開会いたします。
#3
○大野幸一君 本日御出席の紅露在外同胞引揚特別委員長に対してお尋ねしたいと思いますが、よろしうございますか。
#4
○委員長(太田敏兄君) どうぞ。
#5
○大野幸一君 先ず第一の紅露議員にお尋ねしますが、草葉隆圓氏が議員星野芳樹君を懲罰する動議の趣旨説明をされた中に、星野議員は從來特別委員として非常に非協力であつた。それがために審議が遅々として進まなかつたというようなことがあります。殊に委員長が御婦人でありましたような関係で、一層その点について星野議員の態度に非協力なところがあつたと私は存ずるのであります。とこうありますが、こういう感じが星野議員に対してあなたは感じられましたか、どうでしようか。
#6
○委員外議員(紅露みつ君) お尋ねの点ですが、どうも私は遺憾ながらそれを肯定せざるを得ないのでございまして、星野委員はどうも協力が願えなかつたと思いますし、私は婦人であるという何も、相当に星野委員の行動に現われておつた、そう考えられます。
#7
○大野幸一君 例えばどういうことですか、一、二例を挙げて見れば……。
#8
○委員外議員(紅露みつ君) 協力願えなかつたというようなことは、細かい点では随時現われておつたのでございますが、最後の討論の、いや最後の日でございましたか、その討論もそうでございますが、その前にいろいろ報告書をまとめます上において、この点は後で審議をする。こういうような決定を見ましたときにも、それに服さない。大多数で決つたことでございますのに、議事進行に名を借りて発言を求められた。で、私は発言を許しましたところが、それは議事進行でなくて、すでに或る部面について保留されておる、そうして決定されておる保留の面について、故意にそういうところへ持ち出して意見を述べられ、そういうふうな混乱に導くというような態度がはつきり出ております。
 それから私が女であるということについての星野委員の御態度ですが、これは実に何と申しますか、姑が嫁をいじめるというようなふうに形容しましようか、小姑というものが嫁に対すると言いましようか、実に執拗に私に附き廻られるんです。そうして委員長がちよつと遅れたというてはもうそれをなじられます。ちよつと起つて便所に行こうと思えば、どこへ行くと言われます。玄関に出ようと思えば、玄関まで附いて來て、いろいろ議事の進行とか委員会の方向とかいうものについて、抗議ですかなんか、いろいろなことを言われますので、私も実は閉口いたしたのでございます。そういうまあ点が今考えられます。
#9
○大野幸一君 事は併し重大ですがね。となると、婦人の委員長が一体委員長として適任かどうかというようなことまで、世の中に批判され出すことになつて、他の婦人議員に対して非常に迷惑なことになると思いますのですが、まあ事実あつたとしたならば止むを得ないのですが、この点考慮されてお答えになつているのでしようか。
#10
○委員外議員(紅露みつ君) お言葉でございますけれども、それが婦人議員に迷惑になると考えましようか。私はむしろそれは反対に考えられるんじやなかろうかとも存じます。それでここへは私の、婦人議員に対するという何が出ておりますので、それにお答え申上げておりますのですが、一体これはなんでございましようか、私からもお尋ね申上げたいのでございますが、これが主眼ではなかつたように私は考えておるのでございますが、その誰某ということを指摘いたして、軍國主義、或いは反動だと言われたということについてはどういうお考えをお持ちになつておられるのですか。私はそれが主眼だと思つております。尚附随として、婦人議員であつたということもというように私は今まで承知いたしておつたのでありますが……。
#11
○大野幸一君 その通りですから、あなたのおつしやることが主眼になつておりますから、その他の点についてはよろしうございましよう。それでは当日の委員会において定足数が欠けておる。これを北條委員から特に指摘されたのですが、あなたが委員長席にお出になつてそのまま議事を進行されたという事実はございますのですか。
#12
○委員外議員(紅露みつ君) 報告書のことでございましようと存じますが、報告書を作りますにつきましては、十五日から審議が始められまして、十八日に委員長、理事に一任するということに決定いたしました。それから明る十九日に、委員長理事に一任で、或一部分を保留するということに最後的な決定を見ました。そしてその両日共定足数は十分ございました。ここに私はその日の出席委員の名薄も持つております。
#13
○大野幸一君 私がお尋ねするのは問題を惹起した言説をなしたその日の委員会には定足数が欠いていたと言う人があるのですが……。
#14
○委員外議員(紅露みつ君) それはこれではないかと思います。最後の討論でございますが、只今申上げました一部保留いたしまして、その他の理事、委員長一任ということになつておりましたが、この一部分保留しましたところは、十九日に最後の決定を見ました時に、それは削除されましたので、從つてそれに対する討論というものは自然消滅いたしたものでございましたのであります。それで委員会は正式の決定は済ましてしまつたのでございますが、尚星野委員、細川委員から、それでは折角私共討論の機会を狙つていたのに、自然消滅したのでは遺憾だという何がございましたし、これは御意見を伺つておきました方が妥当だと思いましたので、それは聊かどうも異例だというような感じがいたしましたけれども、御意見を伺うことにいたしました。そのときはもうそういうわけでございますので、定足数は欠いておりました。そのことであろうと思います。
#15
○大野幸一君 星野議員の問題の発言をした時に、委員会は閉じられていた……。
#16
○委員外議員(紅露みつ君) 閉じられてはおりませんですが、決定をいたしまして、將の閉じようといたしました。そうして重大な決定がございましたので、何人かお帰りになりました。後は委員長理事に一任の保留の個所は削除されて、討論のことは自然消滅だというので、それが決定になりまして、大部分の委員が帰られたのでございます。併し星野委員の細川委員から折角討論の機会を待つていたのに、自然消滅になつて遺憾だという強い御意見がございましたので、それではやはり御意見を伺つて置くことは妥当だと考えましたので、定足数は足りませんでしたけれども、それから御意見を伺うことにいたしまして……、さようでございます。速記も呼びまして、そうして細川委員が一時間、星野委員が二、三十分でございましたか、はつきり覚えておりませんが、異例であつたと思いますが、意見を伺つたのであります。
#17
○大野幸一君 そうすると、結論に影響するような討論は全部済んでしまつていた。そこで討論に間に合はなかつたという要求があつたので、意見を述べて貰つた方が穏当であろうというので、意見を述べて貰つたと、こういうことでありますか。
#18
○委員外議員(紅露みつ君) 少し違うかと思いますけれども、それは討論がするという個所が削除されて、討論がもう自然消滅いたしたのでございます。
#19
○大野幸一君 そすですか。
#20
○委員外議員(紅露みつ君) はい。併しやはり何かそこについて御意見が述べたいとおつしやられるのでございますから、やはり伺つた方が穏当であろうと存じまして伺いました。
#21
○大野幸一君 それで、この言動をされた時に、あなたは委員長席においでになつたのですか。
#22
○委員外議員(紅露みつ君) おりました。
#23
○大野幸一君 その時に、あなたはこれに対して取消し又は注意を促すことはされなかつたですか。されたですか。
#24
○委員外議員(紅露みつ君) それは御注意も申上げましたし、それから委員会が済みましても、是非これは取消して頂きたい。すでにその時に外の委員から穏やかに済まされないという意思表示がございましたので、是非これは取消して頂きたい。あなたとしても御名誉のことでもないし、私共委員会として、私としては好ましいことでないから、どうか取消しを頂きたいということを、それから食事をいたしましたりしましたので、もう大変私は繰返してそれをお願いしたのでございますけれども……。
#25
○大野幸一君 その言動の中に特定の議員を挙げて、こうした反動的議員を除名する決議をすることが、これが最も引揚促進に有効な手段だと断定せざるを得ないのであります。こういうような意味のことがありますが、ここが皆さんを刺激したのでございますか。
#26
○委員外議員(紅露みつ君) はいそうだと思います。
#27
○大野幸一君 その前に「而も政治の中枢である國会の中にも、こうした軍國主義的な影響下に、或る人々があるということを実に結論せざるを得ないのであります。」これも……。
#28
○委員外議員(紅露みつ君) そこは両方とも刺激した点だろうと思います。
#29
○大野幸一君 どうも有難うございました。
#30
○松井道夫君 紅露さんに引続いてお尋ねいたしますが、あなたは吉村隊事件については引続き委員長の席におられたのですか。
#31
○委員外議員(紅露みつ君) 報告書をまとめます段になりましてからは、少しも離れずにおりました。
#32
○松井道夫君 これは吉村隊事件の審理が始まつてからどうですか。
#33
○委員外議員(紅露みつ君) 吉村隊の審理ですか……。審理が始まりました時には、先月の十二日からでございまして、二、三、四と続いたのでございます。それから五月の六日に飛んだのでございますが、四月の十二日が始まりの日で、私は勿論この日に出席いたしました。ところがその前から舞鶴の受入れが、昨年は四月の十七日に引揚再開の予告が参りましたので、早く行かなければ、若し受入態勢に不備の点があれば、用意させなければなりませんので、非常に急いでおりました。今にも昨年よりは早く引揚げの予告があるだろうということを予想されておりましたので、それでもうこれは間に合わないのではないかということでございましたので……。
#34
○松井道夫君 事情はそれでよろしうございますが、ただこの審理に何回ぐらい立会つていらつしやつたかということをお聞きしておるのでございます。
#35
○委員外議員(紅露みつ君) 十二日の初めの日に私は出席しております。それから三日、四日は代理を立てております。それから五月六日も私は病氣になつて出られませんでした。但しこの模様については私はずつと勉強しておりますから……。
#36
○松井道夫君 それは結構ですが、そうすると、吉村隊事件を審理したのは何回ぐらいですか。
#37
○委員外議員(紅露みつ君) 四日でございます。
#38
○松井道夫君 その中あなたは一回出られたのですか。
#39
○委員外議員(紅露みつ君) そうでございます。
#40
○松井道夫君 後は報告書の取りまとめをおやりになつたのですね。
#41
○委員外議員(紅露みつ君) そうでございます。
#42
○委員外議員(星野芳樹君) 五日でございませんか。初めのを入れて……。
#43
○委員外議員(紅露みつ君) 四日でございます。もう一日は証人でありませんで、参考人と呼んだそうでございまして、それは証人の中に入つておりません。
#44
○松井道夫君 証人喚問のことを聞いておるのではありません。証人喚問も勿論審理でありますけれども、結局吉村隊長事件の調査のために委員会を開いたことを聞いておるのです。報告書を作成になつたのは別ですけれども……。
#45
○委員外議員(紅露みつ君) 正しく四日委員会を開いておるか、参考として懇談でやつたか、そのところは調べないと私も分りません。
#46
○松井道夫君 決議書の方は、何回ぐらいお調べになつておりますか。
#47
○委員外議員(紅露みつ君) 十五日から十九日まで五回でございます。
#48
○松井道夫君 そうですか。それで証人尋問にはお立会にはならなかつたというのですが、証人の誰々を呼ぶというような決定のあつたときに、お立会でしたか。
#49
○委員外議員(紅露みつ君) 勿論立会つております。
#50
○松井道夫君 こういうことは、それならば御承知でございますか、淺岡委員が、曉に祈らされた人の数についての証人の証言が食い違つたので、証人十数名の中一人だけが、即ち吉村隊長だけが、四十二名だということを言つておる。他の十数名が百数十名だと言うておるといつた状態のときに、更に吉村隊長に好意を持つておる隊員数名を呼んで調べなければならんということを、主張されたというような事実を御承知ですか。
#51
○委員外議員(紅露みつ君) それはいつのときでしよう、何しろ長い審理でございましたし、日数が、回数が五、六回と申しましても御承知の通り、この委員会は朝十時から始めて晩の十時までというような長い時間でございますから……。
#52
○松井道夫君 お聞きしますが四そういうことがあつたかどうか。あなたのお立会になつておられんときかも知れませんが。
#53
○委員外議員(紅露みつ君) そういうことがあつたかも知れませんね、長い時間でございますから。
#54
○松井道夫君 あなたのおつしやるのは、第一回の審理のときをおつしやるのですね。後はあなたはお立会になつておらんわけですね。
#55
○委員外議員(紅露みつ君) 聞いておりますし、速記録は見ておりますが、そういうふうに抜き出されると、調べて見ないとはつきりとお答えできかねます。
#56
○松井道夫君 それであなたの目から見られて、審理並びに決議書作成に関して、岡元議員なり、矢野議員なり、或いは淺岡議員が、土にこの吉村隊長を庇護するというような感じを受けられたような行動がありましたか、これらの議員に……。
#57
○委員外議員(紅露みつ君) そういうことは全然感じておりません。
#58
○松井道夫君 それからやはり同じ審理並びに報告書の作成の件に関して、これらの議員が甚だ非民主的に押し通すといつたような行動に出られたようなことがありませんでしたか、あなたはそう感じたことはありませんか。
#59
○委員外議員(紅露みつ君) そう感じておりません。それはこういうことが考えられるのでございますね、今國会にこれを一應のまとまりをつけて、中間報告のできるようにしたいという申合せが済みましてからは、日が少なかつたものですから、一應まとめるという線に向つて皆努力して頂いたのでございます。それでその途中におきまして、いろいろお考えの違う点もありましようから、それで日がないから、どうしても御一緒になれない点は、少数意見で出して頂くということにして、とにかくまとめるということが申合せられて決定しておりますので、どうかその線に沿つてということで進みました。途中で或いはそういう感じを與えたかも知れませんが、私としては、そういうふうに考えておりません。
#60
○松井道夫君 或いは星野君に、そういつた感じを與えたことがあるかも知れんという……。
#61
○委員外議員(紅露みつ君) そうでございますね、併しその申合せに基いて、決定に基いて考えますと、そうは考えられないわけでございますけれども、或いはそういう点があられたかも知れません。
#62
○松井道夫君 それでこの特別委員会で、これは特別委員会だから党派的に、こういうことはよそうではないかというような申合せがあつたのですか。
#63
○委員外議員(紅露みつ君) それは改めてそういうことを申し合せた何はございませんけれども、常に超党派的ということは口癖のようにお互いに申しておりますので、皆さんの考えの中に、それはしつかり滲み込んでおると思います。
#64
○松井道夫君 ところが淺岡委員、矢野委員、岡元委員らが党派的に行動されたと、あなたとしてそう見られた、或いは感じたことはございませんか。
#65
○委員外議員(紅露みつ君) そういう感じは持つておりません。
#66
○松井道夫君 それからこれは先程大野議員からも質問のあつたことですが、あなたに対して非常に非協力的で、しつこくてということがあつたのですが、それは星野君が非常に自分の所信に忠実で熱心の余り、そういうしつこくやつたといつたような感じでありましたか。或いはそうでなくして何か他意があつて、みんな行動に出たと感じられましたか、どうですか。
#67
○委員外議員(紅露みつ君) そうでございますね、それはむずかしいお尋ねだと思いまして、測りかねますが……。
#68
○松井道夫君 あなたの感じをおつしやつて頂けばそれでよろしい。或いは星野君が所信に熱心に余りであつたかも知れない。そう考えられますか、そうでないと考えられますか。
#69
○委員外議員(紅露みつ君) そのために、私に対してどうかということは、ちよつと申上げかねますけれども、星野委員が熱心だということは確かに認められます。
#70
○松井道夫君 熱心ですと、ついしつこくなりまして、殊に御婦人だとやはり或る意味で弱いものだから、ますますしつこくやるということもまあ考えられます。又特に他意があつて、或いは困らしてやろう、いじめてやろう、そういつた惡意でやられる場合もあるでしようし、星野委員の場合はどうですか。
#71
○委員外議員(紅露みつ君) 星野委員は熱心だということは認められますけれども、この問題に関しては、どうも妨害されるというような感じを私は相当に強く受けました。
#72
○大山安君 紅露さんに二、三の点をお尋ねしたいと思います。只今松井君が質問されたようですが、その星野議員がよく廊下に出てまでしつこく聞くということを聞いておつたのですが、そういう場合、その動作というものに何らか感ずるものがありますのですか。そういうことが……。
#73
○委員外議員(紅露みつ君) いろいろ私に附添つていられたことについてでございますか。
#74
○大山安君 いられると同時にその動作とか……。
#75
○委員外議員(紅露みつ君) 動作という意味が分りませんが、星野委員は……それがどういう意味でお尋ねかよく分らないのですが、女だからというようなその異性間のお氣持なんかは少しも持つておらないことははつきりしております。ただ御自分の主張されることを……御自分の主張、それから思想、そこへ何とかして引つ張つて行こうというようなお氣持が強いのであつたろうと私は思います。異性に対する厭な感じというものはちつともそういうものは持つておらないと思います。
#76
○大山安君 今一点をお尋ねします。この吉村大尉が引揚者の促進に対してどういう関係になつておるのですか。その点をお知りになつておれば……。
#77
○委員外議員(紅露みつ君) お尋ねの意味がよく分らないのでございますが……。
#78
○大山安君 吉村大尉と引揚者の繋りですな、というのは、これをお尋ねするのは、この発言中に吉村大尉と相通ずることがあるからこれを排除しなければならんという意味がありました。でありますから、吉村大尉と引揚者との関係ですな。
#79
○委員外議員(紅露みつ君) それは、そのことは私よく読んでおりませんが、吉村隊長と相通ずる点と星野委員が言われた星野議員の言でございますね。それは吉村隊嫡というものが星野議員の御説から行きますと、非常に軍國主義的なものであつて、いわゆる反動の尤なるものであると、こういうふうにお考えになつておられると思います。それでその隊長と同じような考えの者が日本にも沢山あるのであつて、而も國会の中にそうした軍國主義的残滓の思想をこびりつかせておる者が、そうしてそれが指されたところの人達が、その中のこれが又尤なるものである、こういうふうにお考えでおつしやつたのだと思うのであります。
#80
○大山安君 そうしますと、引揚者と吉村隊長とは直接には何も縁故関係はないのですね。
#81
○委員外議員(紅露みつ君) 只今のところ……。
#82
○大山安君 ただ氣持によつて、吉村隊長は軍國主義である、それにひとしい思想であると指摘した……。
#83
○委員外議員(紅露みつ君) そう承知しております。
#84
○大山安君 承知しておられますが、そういうことで証人はあるとして、これは実際に関係はないことになつておるようですか。委員会のつまり各委員の発言中でも何ら関係はないということにもなつておりますか。ひとり証人ではなく……。
#85
○委員外議員(紅露みつ君) 証人喚問いたしました時分は勿論引揚げて來た証人として呼び出されました人達が、その部下もおりましたし、その近親の人もおりましたし、いろいろ関係がございましたけれども、それはその証人喚換の人にそう言つたのでありまして、その後におきまして、引揚者というものを直接吉村隊に結びつけて語つておらないのでございます。
#86
○遠山丙市君 ちよつと先程の委員会の進行の模樣のうちにおいて、星野委員の行動、そういうことについては大体分つたのでありますが、ちよつと深くお尋ねいたしたいと思うのでありますが、実はこう見渡しましたところ、懲罰委員の大部分のお方は星野君も入れまして法務委員でありまして、長い間委員会で星野君の議事の進行のその態度を知つておるのであります。我々の見るところでは今もお話がありましたように、非常にお仕事は熱心である、いろいろ発言もあります。殊に私らの方の法務廳関係のいろいろな法律案といたしまして、共産党の人々にお氣に障るような法律案もあるのでありますが、しつこく廊下に出て來てわあわあ言うとか、決つてしまつたのに又後に残つてまだ一言言わして呉れなんということは未だ曾てなかつたと私は思うのでありまするが、この委員会に関しまして、特にそういうことがあつたということでありますから、今紅露さんの御発言では御訂正なさることはございませんか。間違いはございませんか。今申しましたように、法律委員会においては長い間星野君とおりますが、そういうしつこく委員長をくちやくちやにするような行動は曾て取られなかつたのであります。御婦人であるせいか、特にソ連に関しまする一つのことが中心になつておりますせいか、何か知りませんけれども、この引揚委員会に関して特に非常にしつこかつたように聞こえるのでありますが、この点は間違いございませんか。
#87
○委員外議員(紅露みつ君) その点は間違いございません。それで私の考えを申させて頂きますならですね。法務委員会等においてはそういうことがおありにならなかつた。それじやなぜそういうことができたかということでございますが、私は、私が婦人の委員長であるということは誠に從たることであると私は思うのでありまして、問題がそういうふうに考えの、何と申しましようか、思想的なものを強く出さなければならないというような考えになられたのではなかろうかと思います。つまり非常に何か吉村……調査中のことですが、取上げる事項につきましても、そう言えば反ソだ、そういう取上げ方は反ソじやないかというように、直ぐ思想が出て來ます。これは問題自体がそういうふうに思想的な対立を生むと申しますか、問題自体にそういう性格があるのじやないかというような私感じがいたしますのでございますが、やはりそういう点からじやなかつたかと思われるのでございますけれども、とにかく非常に星野委員は御自分の考えを何としても押し通そうという意味から、私なんかにひどく喰い下る。或いは執拗に私個人についてもどこまでも私に附纒つて自分の考えに縛つて行こう、こういうようなことが私には考えられるのでございます。
#88
○遠山丙市君 そうすると、最後に一点だけ、委員長としての、いよいよとどのつまりの纒めるということになつて來てから、大体の空氣で星野さんの方が数が多くて纒まつて行くのか、それとも星野さんの意見がどうも少数で入らないような空氣でありましたか、どうでしようか。
#89
○委員外議員(紅露みつ君) もう一遍伺わして頂きます。
#90
○遠山丙市君 あのいよいよ最後の纒めに入りましたときの空氣ですね。そこに集まられた委員諸君の今までの発言によつて、星野さんの言われることがよいとして、その方が多数に見受けられたか、又はその反対のように見受れられましたか。
#91
○委員外議員(紅露みつ君) 星野委員の方が少いと思います。
#92
○遠山丙市君 そうすると、少いとお思いになつた。それを強く言われるということは自分の説は通らんけれども、速記録に特に掲げて置かなければならんというような頭に支配されてやつておつた空氣はありませんか。
#93
○委員外議員(紅露みつ君) ございました。
#94
○遠山丙市君 よろしうございます。
#95
○委員長(太田敏兄君) それから紅露さんにちよつと伺いたいのですが、新聞などで拜見すると、今度の吉村隊の事件が始つてから、岡元委員長代理という名で新聞なんかに意見を発表したり、結果を話されておりましたですが、談話を発表されましたが、それは岡元議員が委員会或いは理事会席で正式に委員長代理となつておつたのですか。
#96
○委員外議員(紅露みつ君) 委員長代理というのは私よく存じておりませんが、そういうのは正式にあるとは思つておりませんのでございますけれども、元來でございます。あすこは各部を決めておりまして、そうして岡元委員は理事でございます上に、企画を受け持つておりまして、從つてこの吉村隊の資料がございますね。そういうものも蒐集しておりましたし、その企画でございますので、この方の担任、これを担任するというわけじやございませんでしたけれども、企画であるために、これを主として調査しておりました。それから理事でございます関係もあり、資料も持つておりまする関係もありいたしましたので、私がお願いいたしまして、そうして勿論お願いしますれば、理事の間で話合い頂けると、こういうようなつもりでお願いいたしたのでございます。
#97
○委員長(太田敏兄君) 新聞で岡元委員長代理談というのを見たことがありましたから、そういうことが正式になつておつたかどうかと思いまして……。
#98
○委員外議員(紅露みつ君) 正式に決めていたしたことはございません。
#99
○委員長(太田敏兄君) それから淺岡、岡元、矢野三議員、そういうような反動的議員を除名する決議をすることが、そうすることは引揚促進に有効な手段であるというようなことを星野君が言つておりますが、この三人の委員の方は、そういう反動的と申しますか、或いは保守的と申しますか、思想を持つておられる人であるとお思いになつておりますか。或いはそうでないか、その点を伺いたいと思います。
#100
○委員外議員(紅露みつ君) 特にこの方々が反動的であるという感じを私は持つておりません。
#101
○委員長(太田敏兄君) 進歩的であるとも考えませんか。
#102
○委員外議員(紅露みつ君) 進歩的と申しますか、どの程度でございますか存じませんが、私は普通だと存じております。
#103
○松井道夫君 委員長、ちよつと一、二点補足したいと思います。
#104
○委員長(太田敏兄君) どうぞ。
#105
○松井道夫君 引揚促進委員会で星野君が熱心なことはよく分りましたですが、外の方々もみな熱心でおられますか。
#106
○委員外議員(紅露みつ君) そうでございます。先程も申上げましたように、この委員会は始まりますと、非常に時間が長いものでございますから……。そうして大変回数も多いのでございまして、つい二、三日前のことですが、議院運営と回数が同じということでございます。そういうふうな状態でございますので、なかなか全員揃うというようなことがいたしにくいのでございます。
#107
○松井道夫君 淺岡委員、矢野委員、岡元委員は熱心の方ですか、或いはそうじやないですか。三人の方は……。
#108
○委員外議員(紅露みつ君) 熱心でございます。
#109
○松井道夫君 熱心の方ですね。
#110
○委員外議員(紅露みつ君) ええ。
#111
○松井道夫君 熱心だということは引揚促進に熱心だという意味になりますか。
#112
○委員外議員(紅露みつ君) 熱心ということは委員会によく出席する。そういう意味にとつておりますが……。
#113
○松井道夫君 引揚促進の特別委員会ですが、この三人の方々もその目的である引揚促進そのものについて、これはやはり委員会に熱心であられるということであれば、熱心だと普通は解されますが……。
#114
○委員外議員(紅露みつ君) 勿論熱心でいらつしやると思います。その点も……。
#115
○松井道夫君 星野君に言わせれば、反ソ的と誤解されるようなことをすると、引揚げを却つて阻害する。ソヴイエトだから感情を刺戟する。だからこの三人は反ソ的なことを急に言い出すから、どうも引揚げには熱心じやない、こういう結論に達するのだという趣旨の、そう聞える言葉があつたのですが、どうですか。
#116
○委員外議員(紅露みつ君) 星野委員はそういうふうにお考えになつておられるのかも知れません。
#117
○松井道夫君 委員長としてそういうふうに感じておりますか。
#118
○委員外議員(紅露みつ君) 私はそういうふうに感じておりません。
#119
○松井道夫君 三人の委員は引揚問題そのものについて、引揚げて來ることについて熱心に行動しておるのじやないですか。
#120
○委員外議員(紅露みつ君) 引揚促進に全力を挙げておると思います。その点はどなたも同じと思います。
#121
○松井道夫君 今の吉村隊事件を取り上げたことなどについてのニユース・ヴアリユーですね。国会議員ですから、誰しも選挙のことを考えないことはないのですが、ニユース・ヴアリユーということを狙つて、勿論引揚げの実態を調査するにあるのですけれども、ニユース・ヴアリユーという点も狙つて、その方が少し勝ちを制したような、重点がそつちの方へ行つてしまつたような意味はなかつたですか。
#122
○委員外議員(紅露みつ君) 私はニユース・ヴアリユーを狙つてというよりも、この問題が國民全体の関心が大きいだけにニユース・ヴアリユーが生まれて來たのだと逆に考えられるのでございますが、決してそれを狙つて動かれたというようには考えられません。
#123
○松井道夫君 この三人の議員がニユース・ヴアリユーを狙つて動かれたと感ぜられるような点はございませんでしたか。
#124
○委員外議員(紅露みつ君) 私はそんなふうに考えておりません。
#125
○松井道夫君 結構です。
#126
○大野幸一君 委員長は淺岡委員や、岡元委員や、矢野委員といつも意見が一致しましたか。大概は一致したのですか。
#127
○委員外議員(紅露みつ君) さようでございますね。どの問題についてということもございませんが、そう衝突することはございませんでした。
#128
○大野幸一君 この人達と星野議員との間には思想的な隔りはあるのですね。相当にそれはお認めですね。
#129
○委員外議員(紅露みつ君) はい、考えられます。
#130
○大山安君 紅露議員の氣持として、吉村隊長の行動は、國民又は引揚の残留者、引揚完了された者に対してどういう感じを持たれるかということについて、例えばいい人間であつたか、惡い人間であつたかという感想を伺いたい。
#131
○委員外議員(紅露みつ君) 大変むずかしいお尋ねでお尋ねのようにいろいろな批判が加えられていると思いますが、私自身としての考えは、委員会の多数で決められたことでございますし、成るべくこれを引揚の促進に役立つようにいたして行きたいと思つて参りましたので、余り突込んだ御質問は……。
#132
○遠山丙市君 事実は究めて、それでその有罪無罪を断定しなければならんと思いますから、感想というものをお尋ねになるのもどうかと思いますけれども、お答えにならんので、事実だけを究明して、その上で白黒を付けましてはとこう思つております、御了承願いたいです。よろしいですか。
#133
○大山安君 はあ。
#134
○委員長(太田敏兄君) 外に紅露さんに対して御質問ありませんか。
#135
○松井道夫君 星野君から何か弁明が……。
#136
○委員外議員(星野芳樹君) 大分沢山出ましたから弁明さして頂きます。
 先ず第一に紅露委員長が、婦人委員長であつたがために、いろいろ先程申された附き纒うとか、執拗に言われたとか言いましたが、私は紅露委員長が婦人であるが故に非常に遠慮していたのであつて、若し男子の委員長であつたらもつと強硬に要求すべきことは要求する人間であり、曾て矢野氏が委員長であつたときも、非常に不公平な言動があつたときは常に抗議して、このときは、もう雷の割れるような大喝をされましたが、それでも屈しなかつたので、こういう、婦人だから、おとなしいから、弱いからということは全然ないので、これは、紅露委員長の惡く申しますならば、ひがみだと思います。そうしてそのうちですね、私が委員長に特にお責めいたしたのは、舞鶴、これは私としては甚だ不満なんであります。吉村隊事件を取上げられて、そのまま舞鶴へ行かれてしまつた、それから御病氣であつたかも知れませんが、お國に帰られてしまい、ずつとおいでにならなかつた。委員長という人が、こういう重大なニユースになつておるものを取上げられて、いなかつたということは非常に不満でありましたが、特に舞鶴港においての言葉が、これは新聞の記事ですから、本当に言われたのかどうか分らないけれども、吉村隊事件は檢査廳の問題にはなるまいということが新聞に出ていたのであります。これは委員会といたしましては、檢察廳の問題になるかならないか、これを断定するのは司法権の問題であつて、委員会の権限ではないので、これは重大で、抗議する必要があるとそれから留守中、又お帰りになつたときも一言申上げた。これも、確かにお氣に触つたかも知れません。
 それからもう一つ私法務委員会など見ておりますと、伊藤委員長など甚だ御熱心で、我々議員が遅れても必ず委員長席に先に着いておられる、外の委員も定刻に出席すべき筈ですが、委員が遅れても伊藤委員長などは先に出席して坐つておられる、ところが引揚委員会は、紅露さんは割合に纒つていたようにいわれますが、実は外の委員達は非常に熱心であるのに拘らず余り出席しなかつた、そういうのはなぜかというと、出席している岡元、淺岡、矢野三議員ばかりで喋つていて、外の人は喋らないので、面白くないというので、出られないというのが多いのであります。これは外の委員の証人として呼ばれれば明らかであります。國協党の鈴木憲一氏、社会党の天田氏、木下氏、こうした人にお聞きになつても、それから緑風会の人として北條氏にお聞きになつても明らかだと思うのであります。こういうので、なかなか出席が惡い、その際でありますから、委員長は特に先に出席して頂かなければならん。ところが定刻相当過ぎた時間に、委員長が廊下で以て外の人と話をして、なかなか行かれそうもない、そこでまあ私は、委員長が行かないなら私も行きませんよということを言うて、委員長は早く行きなさいと……、そうしてやつと部屋に入つたけれども、又外に出てから話されるので、それは委員長は席に坐つていなければと、こういうことは言つております。こういうことが失礼であつたらいたし方ありませんが、これは委員会をまじめに運営する上から、これは発言せざるを得ないと思うのであります。
 それから私共の発言に対して、私共から見れば甚だ不公平な態度があつたと思うのであります。岡元委員がちよつと手を挙げると直ぐ岡元委員を指名されますが、私共は声をからすまで委員長と言わないと指名されない、そういう事情にありましたので、これについては私も委員の席から立つて紅露さんの席に行つて、委員長余りひどいじやないかということを幾らか申上げた、こういうことは、これは何も婦人委員長だから特にということではなく、委員として当然のことをなしたのだと思います。それから附纒つて意見を述べたと言いますが、引揚は重大なる國際的、外交的問題でありまして、私も相当の、身を犠牲にしてもこれを解決しようと思つただけに、いろいろ考えたのでございます。委員長ともなられた方は、これをじつくりとお聞きになる機会を與えられたいと思つて、時々伺つたことは止を得ないと思うのであります。
 それから私が審議の妨害をしたということを断定されておりますが、このことについても紅露委員長の考え方が、こうでありますね、引揚委員会だから、議論をしないで纒める、併しこの引揚の問題は、実に深刻な問題であつて、一歩誤れば在外同胞を見殺しにする結果になる問題でありますから、これは正しいと思う意見を伏せて置くべきでなく、一方で先へ原案が出されても、これに対して間違つているなら、これは正しいと思う所信を述べなければならない、これをどうも御婦人といつちや失礼ですが、紅露夫人が、何でも纒めよう、纒めようという御意思が強過ぎて、一方的に出たものが、それが正当であるか正当でないかより、ともかく先へ出たものに纒めようとされる点で、ここにいろいろな議論が出たんだと思うので、これに対しては愼重な議論をしたことはちつとも妨害では私はないと思つておるのであります。而も具体的の事実として、それは、その派生する議論の、両方意見の相違から、やや感情に走つたような無駄もやつております。併しそれは決して私共だけではないのであります。その証拠には、これは紅露委員長に後程委員の方から伺つて頂きたいと思いますが、例の岡元案なるものができまして、それに四十七ケ條の疑点がある、そうしてこれを一つ審議することになつた席上、二十四だけ審議したところが、岡元委員と天田委員が、何だか分らない感情の対立によつて、天田君も俺はそれじや立つ、岡元君も俺はそれじや立つと言つて、立つて行つた、要するに私は北條君、細川君、その外紅露委員長もいられたと思いますが、これが夜遅くまで審議して四十七ケ條を纒めたという事実がございます。
 それからその次には今度は結論についての問題が出ました。これが北條私案と岡元私案が出まして、岡元私案が撤回されて北條私案を本として審議することになりました。これに対しては理事と細川委員と北條委員も参加して決定するということになつたのであります。ところがその日はどうしたことか岡元議員はラジオの放送か何かあつたので全然出席せず、出ましたのは紅露委員長と私と北條委員とであります。そして北條委員の案に対して私も随分異論がございました。北條議員との思想の差も相当ございます。併しながらこれは実に談笑のうちに手つ取り早く解決して、結論をあの日のうちに出したということも御記憶だと思うのであります。このことも委員の方から確かめて頂きたいと思うのであります。こういうことを見ましても、私が審議を妨害したというのは実に一方的であると思うのであります。例えば岡元君の案の中で「推定される」というのを北條君が「考えられる」に直したらどうかということで、三十分も討論をして固執をしている。こういうことが議事妨害でなくて、私が正当な理論を言つたのが議事妨害だということは、これは余りにも一方的であると思うのであります。
 それから矢野、淺岡、岡元三議員が、委員会において非民主的であつたかどうかということに対して、紅露委員長は非民主的なところは聊かもないと言われましたが、この点については先程言つたように、鈴木憲一議員、或いは木下議員、天田議員に証言を求められてお聞きになれば、これが如何なるものであるから明らかであると思うのであります。而も席上矢野委員のごときは割れるような勢いで以て卓を叩いて私に詰め寄つたことも数回ございました。
 それから法務委員会との比較でございますが、法務委員会で出席している樣子は遠山委員からお話がございましたが、なぜ私がこういう非難を受けるに至つたか、それは余りにも委員会が非民主的に運営された、而も重要な問題に拘わらず非民主的に運営されたからであつて、このことは私が先程指摘した数人の議員にお伺いになれば明らかであろうと思うのであります。
 それから少数意見を速記録に留める意見があつたのではないかという遠山さんの意見がございましたが、その少数意見を速記録に留めることさえもいろいろの事情を申しまして、これを喰い止めようとしたのであります。私は初め岡元私案に対して、四十七ケ條の疑点がございました。これを除こう、これがいかんという疑点であります。更にこれには加えなければならん、一方のことを書いて一方のことを書かなければいかんから、加えなければいかんという意見をまだ保留されていたのであります。そしてそれを討議した上に決するというのに、その加える方も段々時間がなくなつたということで決められて行つて、そして最後にこれは当然速記を取つて討論すべきものと初めは決まつていたのが、時間がないからこれは速記ができないというような事情に段々追い詰められて、而も最後の日に私が議事妨害をしたということと、この発言とが何か関係があるようでございますが、私の発言は最も終りで、議事が終りまして、何らの時間も要せず十分間に冷靜に述べた言葉であります。
 それから委員長代理のことでございますが、委員長代理を委員長が任命することは御自由でありますが、私は理事の一人となつておりますが、この委員長代理の任命について何らの御相談にあずかつておりません。
 それから引揚促進に岡元、淺岡両氏が熱心が、このことについて松井議員から疑義がございましたが、私もこの人達が主観的には熱心だと考えております。併しその熱心なるものがまじめであるかどうかということに対しては私は大いに疑いを持つております。その例を申上げますれば、淺岡信夫氏は曾て辻嘉六氏から引揚促進費用に使うと言つて三十万円の金を貰つております。そうして私は引揚促進運動に関する限り大抵報告を聞いておりますが、あの不当財産取引調査委員会に届いておると思うのですが、各引揚促進團体から淺岡委員からも一銭も金を貰つていないということを言つている筈であります。この辻嘉六さんから貰つたのは確か昭和二十二年の春だつたと思いますが、春から以後淺岡氏が引揚促進の大会を開かれたか、或いは引揚促進團体に寄附されたということを知らないのであります。こういうことが主観的に熱心なのと、本当に民主的に熱心なのとを私は疑わざるを得ない点であります。
 又岡元義人氏に対しては、引揚促進についても、亦厚生についても主観的にも甚だ熱心であり、よく動く方であります。併しながら引揚者に対する一口五十万円の復金融資というのがありました際、九州でこれが正式の機関によつてどの團体にこれを貸出すかということが一應決定された後に至つて、岡元君が集めました二十七ケ件を持込んで、この二十七ケ件をなぜよこさないかということをあとから捩じ込みまして、そのために九州の厚生課長が東京までやつて來て、遂にそれを格外として入れたというようなことがあり、後にこれが引揚者全体の枠についていろいろの疑義が生じて、引揚者團体全國連合会において相当問題になつているという事実も聞いております。こういうような事実がございますので、私は主観的に熱心だと言つても、それが本当にまじめなものだとは受取れないのであります。
 そういうこともありますし、それから引揚促進問題に対しては紅露委員長は三人の方と殆んど意見が一致されておると言うのですが、実際審議の過程を見ますと、紅露委員長とこの三人だけは一致されていたようであり、更に民自党からときどき出席される方は必ず淺岡氏に同調されておりましたけれども、これは甚だ私にとつては奇異なのであります。なぜかと申しますと、民主党の伊東隆治氏、この方は前に外務政務次官もされた方であり、外交的に識見の深い方で、民主党でも尊敬されている方と思いますが、この方の考え方では吉村隊事件を取上げることにも反対されておりますし、私がこの引揚促対についてはともかくソヴイエトを動かさなければならないのであり、ソヴイエト当局が最も神経を尖らしているのは國際情勢、もつとざつくばらんに言えば米ソ関係であり、これに対して日本國民の態度は特に一方的にしないこと、そうして平和國家として民主國家として立つことをはつきりと示して行くことであるということを語り合つておりまして、この点は伊東隆治氏もよくお分りになつて同意を述べておられるので、民主党におられる紅露先生が淺岡君や岡元君のごとく敵本的な考え方の方と同意見だというのは、甚だ私共には不可能な点であつたのであります。
 こういう意味で私がどうも一方的で議事を妨害したもののようになりますが、その多数意見というのは決して絶対多数の意見ではなく、岡元、淺岡、矢野君等の意見に対しては社会党の天田君、木下君も重大なる意見の差があり、國協党の鈴木憲一君も意見の差があり、緑風会におきましても穗積眞六郎氏、北條秀一氏も重大なる意見の差がある。この人達が殆んど熱心に委員会に出て來ている人であります。こういう意味でこの委員会において私の意見も少数ではありました。併しこの人達の、淺岡君や矢野君の意見が絶対多数であつたということは絶対ないのであります。而もこういう重大な問題に対しては、よく審議して行こうじやないかということが、北條委員から幾度も言われているのであります。
#137
○委員長(太田敏兄君) それでは星野さん、紅露さん、有難うございました。では木内さん……。
#138
○委員外議員(木内キヤウ君) 女の委員長だから馬鹿にしたということは、紅露さんはそうお感じになつたかも知れませんが、私はそう感じません。それは星野さんのおつしやる方が私は正しいと思つております。
 それから委員会というものがこの問題を起したのは、各個人の思想の違いからだと思つております。そのくらいの程度であります。
#139
○松井道夫君 それじや私から一遍……。矢野さん、淺岡さん、岡元さんの行動について、星野氏は反動的乃至は非民主主義的だと非難しておられますね、その非難に当るような行動が実際あつたのでしようか、全面的でなくても……。
#140
○委員外議員(木内キヤウ君) つまり熱意が両方ある、それが思想の違いからしよつ中喰違つていたと思います。
#141
○委員長(太田敏兄君) それじやどうも御苦労さんでした。
#142
○委員長(太田敏兄君) それでは暫時休憩いたします。
   午後三時三十四分休憩
   ―――――・―――――
   午後四時十三分開会
#143
○委員長(太田敏兄君) それでは再開いたします。それでは質疑を打切つて、討論に入つて異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#144
○委員長(太田敏兄君) それでは……。
#145
○松井道夫君 私は本事犯に対しては、遺憾ながらこれを懲罰に付さなければならないという結論に達したのであります。
 五月十九日在外同胞引揚問題に関する特別委員会における星野芳樹君の発言は、これを総合いたしますと、吉村隊長が軍國主義的な思想を持つている。これを庇護した淺岡、矢野、岡元議員も從つて軍國主義的な影響下にあるものと断せざるを得ない。かかる淺岡、矢野、岡元議員は、反動的議員として除名するのが適当であるという趣旨になると存ずるのであります。苟くも占領下の日本において軍國主義的な思想を持つておるということが、その指摘されました人にとつて、重大な名誉の毀損ということにならざるを得ないと存ずるのであります。又議員として、指名の上、かかる軍國主義的の思想を持つが故に、参議院が除名の決議をなすべきだ、かように言われることは議員としての最大な侮辱を感せざるを得ないと存ずるのであります。星野議員の弁明を聞きまするに、星野議員が淺岡、矢野、岡元三議員に反動的思想があり、それが一脈吉村隊長が抱いておると察せられる軍國主義的な思想に通じておるというように判断したについては、星野議員の思想傾向から言いまして、そう感ずるについて尤もであると察せられるような事柄があつたようにも思われるのであります。併しながら特殊の思想を持つている者が、その主観の観察に捉われまして、これと異なる思想系統を持つている人々を直ちにかような言辞を以て攻撃することはこれは当を得ざるものがあると存ずるのであります。その字句と違う主観思想傾向が今日の日本におきまして、尚支配的の部分を占めておる、淺岡議員は自由党の議員でありまして、衆議院の最近の選挙におきまして自由党が絶対多数を占めたということは御承知の通りであります。世間では自由党は反動的である。いわゆる非民主的の傾向を持つ議員が多いということを言うておる向きもあるのでありまするが、自由党を選出いたしました國民は決して自由党が軍國主義的な思想を持つておるとは考えておらないのであります。社会党、労働者農民党、乃至は共産党と比べまして、その階級的立場、或いは思索の進歩的であるかどうかといつた点に多少の、或いは多くの差がある。そういうことはありましても、それが軍國主義的であり、或いは占領下に排撃きるべき反動的のものであるというまでには考えておらないと信ぜられるのであります。そういう社会常識のあるところにこの三議員が軍國主義的な思想を持つておつて、議員としての資格がないのである。除名すべきものであるということを言われまするならば、この三人の議員がその名誉が非常に毀損されたと思い、又侮辱されたと思い、社会一般も又この参議院がさような思想を持つておるのではないか、自分達が考えておるより以上な軍國主義的な反動的な議員でないかというように誤解する虞れがある。この故を以ちまして、自己の主観から言いまして、それが正しいことであると信じましても、又他の主観の人達の立場も亦察しまして、これは攻撃するにつきましても、相当な言葉を用いなければならないと存ずるのであります。星野議員が今の特別委員会においてなした言説は自分の主観をむき出しにいたしまして、そうして結局人を侮辱し、人の社会的評價を不当に低めるような言葉をいたしたことに帰著いたしまして、議員として、議院内においての発言の自由、言論の自由の範囲を逸脱しておられると存ずるのであります。故に私は結局さような言説をなしますることは、議院の体面を汚すことに帰著すると存ずるのであります。それで如何なる懲罰をすべきかということを考えまするに、星野君が先程申しましたように、星野君の思想傾向から言いまして、今の三議員の行動は頗る非民主的なものがある。又その三議員の言説によりますると、引揚を阻害する結果になると確信いたしまして、かかる議員は、民主的社会の民主的構成を持つた議会においては、除名せらるべきものであると仮に信じたといたしまして、ではございません、信じまして、かような発言をしたということでありまして、そういうふうに考えるにつきまして尤もな事情もあつたように窺われるのであります。それらの情状を考えますると、最低の戒告の処分をするのが最も相当であると存ずるのであります。
 尚附言いたしたいことは、思想傾向の甚だ異なる集まり、議員の集まりが他の集まりの主張を排斥いたしまして、自分の集まりの正しいと思う見解を記述の著し、推進していこうとしまする場合には、間々行き過ぎまして、非民主的と思われるような行動に、行き過ぎる行動に陷るということは、あり勝ちなことでありまするので、今の三議員の行動が、非民主的であると星野君が感じたということを以ちまして、必ずしもこの三議員がひどい非民主的な人であるという結論にも達するということは言えないと存ずるのでありまして、お互い星野君も三議員も、熱心の余り、自分の主観が正しいと信ずる余り、かような問題が起きて來たのではないかと存ずるのであります。かかる双方の主観が衝突するというような場合には、我々も將來かような問題が起きないように、その言説につきましても十分注意して、相当な言葉を使うべきものだと思うのであります。
 以上を以て私の討論を終ります。
#146
○委員長(太田敏兄君) 外に御発言はございませんか。
#147
○大野幸一君 私は本件事案については処罰に値いしないものと思います。その理由は、海外引揚特別委員会において星野君が全く眞摯に熱心に働いていたということは、各ここに本日関係者として出席せられた人の証言によつても明らかなのであります。こういう熱意を持つておられた星野議員や、片や淺岡、矢野、岡元三議員も共に熱心でありましたでしようが、その思想傾向においては距たること遠いのであります。その間にあつていろいろ意見の衝突はありましたでしようが、全議員の一貫したる傾向から見れば、この三議員が常に行動をせられておつて、そうして吉村隊長問題については意見が常に一致していた、ここで吉村隊長が軍國主義的な影響下に、軍國主義を持つていたということをかねがね星野議員が考えていて、これを庇護するがごとく感じて、そこでこれと一緒に考うるときに、吉村隊長が軍國主義であり、これを庇護すると考えた星野議員がそれを表示するために、こういう人は軍國主義的な影響下にあると、こういうことを言わんとしたのであります。そうして又淺岡議員、矢野議員、岡元議員に対して反動的議員であるから除名するということ、これが最も引揚促進に有効な手段と断ぜざるを得ないのであります。と言つたのは、彼の本当の信ずるところの信念において意見を発表したに過ぎないのであります。三人に対するところの体面を害さんとしてぶん投げたものでなくして、意見を引揚委員会に対して発表したのでありまして、その究極するところのその思想を発表したに過ぎない、我々は思想を発表するに何ら拘束を受けないのであります。それとこの議院内の言論の許される範囲との間におけるこの限界をどこまで認めるかということが非常にむずかしいことでありまするが、併し民主主義國においては軍國主義と違いまして、武力、実力、暴力を一切排除する代りに、或る程度まで議論と言論とにおいて相手を屈服しなければならないし、相手を説得せしめなければならない、そこに言論はやや緩和し、やや拡張し、その範囲を拡げて行かなければならないと思うのであります。本日のこの例をとりまするならば、本日最も新らしい証拠といたしまして、衆議院において昨日椎熊三郎議員が「暴力に屈す共産党」と題して朝日新聞に載つておりまするところの本会議におけるところの言説の一つを御紹介いたしまして、これと比較いたしまして、星野君のこの言論が大同小異であると、こういう点を見て貰いますれば御参考になると思うのであります。「共産党の諸君は口を開けば暴力、権力に反抗して日本の民主化をはかるというが、共産党の本來の性格はそうでない、彼らは暴力革命で目的を達しようとする非民主的暴力の結党である、それが端なくも小西君に加えた暴行によつて明らかにされた、殊に志賀君の如きは後難を恐れてか小西君のところへ立花君を連れて行つたという行動を何と思うか、これを暴力に屈する共産党といわずして何と言えるか、新憲法下の今日、國会内で親分子分とか暴力で問題を解決するような反動思想が、なお國会の一部に残存すると誤解されるのを心配する」云々と報じております。本日の朝日新聞の第一面にこういう記事が載つております。この言説と星野君のこの國会内においても軍國主義的な影響下に、或る人があるということを言つたことと、反動的議員があつて、これを除名する決議をした方が却つて引揚促進をよろしいと言つたことと大同小異であります。少数党が多数党に対して或る程度の攻撃と説得をなすために許されたる私は言論の自由だと思うものであります。外國の諸議会におけるところの討論においても、かくのごときくらいの程度の言論は許されておるように私は見るのであります。從つて星野君は言説は、私は決して言論の範囲を逸脱しておるものではない、特に若しも決定文として、漠然と五月十九日の委員会において不穩の行動があつた、議院又は議員を悔辱し、又は議院の品位を失墜したというような漠然たる決議文では何もならない、若し判決を下すとすれば、事実こういうことが星野君のこの言説、誰でも見られるような、この「國人の中にも、こうした軍國主義的な影響下に、或る人々があるということを実に結論せざるを得ないのであります。」という点と、「淺岡議員、矢野議員、岡元議員、こうした反動的議員を除名する決議をすることが、これが最も引揚げ促進に有効な手段と断せざるを得ないのであります。」と、こう言つたことは議院の品位を傷つけた、こういう事実を認定して、そうして処分する必要があろうと思いますのに、ただ漠然と星野君の責任を問うような決議文をするということは、理由を言わずして結論だけを言つたと同じになるから、私は松井委員のような意味の懲罰の裁定には反対するものであります。
#148
○委員長(太田敏兄君) 外に……。
#149
○遠山丙市君 私は討論に先立つて一言申上げたいのは、私の討論の趣旨は大部分松井議員のお説と類似をいたしておりまするので、努めて重複を避けまして、極めて簡單に申述べて見たいと思うのであります。
 吉村隊長が如何なる意図の下にかかる蛮行が行なわれたかどうかは別といたしましても、今日國民全体のこの問題に対しまする反響、空氣というものから見て見まするというと、吉村隊長こそは國民の敵である。我々同胞を苦しめたる典型的な人間であると、こう思い込んでおるのであります。かかる徒輩と同一の思想を持つておると断じましたる発言、この発言こそは、而も名指しを受けましたる議員諸君の名誉を失墜し、ひいては参議院を軽視する言葉であると言わなければならないのであります。星野議員の問題になつております発言中、甚だ相通ずる思想を持つておられる議員であつたようであります淺岡、矢野、岡元諸議員の、いわゆる反動的議員の除名を議決して云云という言葉は誠にその当を得ないものと言わなければならないと、こう思うのであります。今段々と大野議員の御説も拜聽いたしましたが、我々の恐れておりまするところの問題は、國会を通じまして、議員の中に少数ではありましようが、懲罰を受けることによつて天下に名を成そうとするという人もあるのであります。これはお互い警戒を要しなければならんと思うのであります。思想的の対立、進んで言葉が荒くなつてこういう発言があつたとは考えておりまするけれども、以上申上げましたように、吉村隊長と同一思想を持つておる議員が、それが國会内におられる、而もそれは淺岡、矢野、岡元の諸議員であると言わるるに至りましては、実に程度を越えておりまする発言であると信じておるのであります。同僚に対して罰を着せることはお互い余程愼重に考えなくちやならん問題でありまするが、かかる意味において私は涙を飲んで馬シヨクを斬る氣持で星野君の発言そのものは有罪と断ぜざるを得ないのであります。有罪と断じますると、如何なる罰にすべきかという点でありまするが、この点につきましては戒告を以て臨まれるのが妥当であると考えておる次第であります。以上。
#150
○齋武雄君 星野君の委員会における言説は、議場における言葉の範囲を逸脱しないと考えるのであります。從つて星野君は無罪を主張します。この点については大野さんの議論に賛成します。
#151
○大山安君 私はこの件につきまして、総合的に判断しまする場合に、これはどうしても言論の限界を越えておるものと思います。これについて主張点として申しまするものは、第一定員数云々ということが言葉されたのについて私は質問いたしました。これについて星野委員の答弁するところに考えますときに、定員は欠けていたということは事実らしいのでありまするが、これは出席議員が同意の上開会をされた、委員会と同樣の性質を持つた委員会であると言うことができると思います。
 又第二点といたしまして、星野議員が反動という言葉を使つておることを質問いたしました。この答弁するところは、吉村氏と同樣性の点があつたと言われましたが、この点は私が考えますときに、吉村事件というものに関與されていないということが本日紅露証人の証言によつて判明いたしたのであります。この場合考えるとき、吉村の社会における影響を憂慮したという点、それから第三点といたしまして、淺岡君、矢野君、その他一人の、岡元氏であるか知れませんが、この議員らを除名する決議案云々ということを発言したことにつきましての質問に対して、星野氏は確乎たる信念の下の言葉であつたということでありました。この点を考えますときに、單に当事者間限りに止まる範囲のものでなくして、廣く社会に公表される場合においては、その相手方の信、不信ということの問題は、これが常識で判断が下し得ると思います。この事態を引揚者及び留守家族、更に一般社会人が聞いたとしたならば、如何なるものであるかということも想像に難くないと思います。故にこの場合にこれを発言する、しないということは、社会に及ぼす影響が大なるものであると思うのであります。殊に発言者として國会議員であり、最高の指導者というべき資格者として、又、國会議員の秩序ということも考えた場合に、國会議員関係法規もあるということを考えるときには、該当事項でないか、あるかということとなると思えるのであります。これを引揚実行のために、又その熱意のために除外すべきであるという点を深く考えるときには、これを有効適切に指導若しくは注意をいたさなければならないのじやないかと思われるのであります。例えば昔、大岡越前守は子供の爭奪爭いが起きたときに、その子はいずれの子たるやを知るために、その子の母というべき二人の者にその子の手を引かせて見て、その手を離した者に引取らせたというような判決を下したということがあります。本件も同樣の目的を眞に達せしめるためとしたならば、一般通念として如何に思想上と雖も、忍びざるところを忍んで、耐え難きところを耐えてなすということが、これが眞の熱意であると言わなければならないと思います。かくのごとく発言をされたということは、更に参議院としての権威を維持するためにこれは國会法に該当すべきものと思いますので、これに懲罰を加えることが適当と思うのであります。
#152
○委員長(太田敏兄君) 大山さんの御意見は、懲罰に付すべしというのですか。
#153
○大山安君 付すべしというのです。
#154
○委員長(太田敏兄君) その懲罰は何……。
#155
○大山安君 よつて本件は最も重いところを望むのではあるが、熱意のあつたということは認めざるを得ないものであるからして、最低を科すべきものが至当と思います。
#156
○荒井八郎君 私の意見は遠山君の有罪論と変りありません。よつて星野議員に対しまして有罪を主張いたします。それでその刑は成るべく一つ軽くやつて頂きたい、そういうわけであります。
#157
○委員長(太田敏兄君) 別に御意見がありませねば、これより採決に入りたいと思います。只今松井委員外三名から戒告の懲罰に付すべしとの御発言がありました。又大野委員外一名からは懲罰に付するを要しないとの御発言があつたのであります。先ず大野委員外一名よりの懲罰に付するを要しないという御発言に対して御賛成のお方の起立を願います。
   〔起立少数〕
#158
○委員長(太田敏兄君) 少数と認めます。
 次に松井委員外三名よりの國会法第百二十二條による公開議場における戒告の懲罰に付すべしという御意見に対しまして、御賛成の方の起立を願います。
   〔起立者多数〕
#159
○委員長(太田敏兄君) 多数と認めます。よつて國会法第百二十二條によりまして、公開議場における戒告を與えることに決しました。
 つきましては、戒告文は委員会が起草することになつているのでありまするが、その文案はここに出ておりますが……。
#160
○松井道夫君 委員長一任。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#161
○荒井八郎君 文案委員長一任、そういうことで……。
#162
○委員長(太田敏兄君) これを読みまして、これに対して御批判を願います。
   戒告文案
  議員星野芳樹君は、昭和二十四年五月十九日の在外同胞引揚問題に関する特別委員会において、通称吉村隊事件に関する調査報告書に対する討論中、他の議員に対して不穏当の言を用い、議院の体面を汚した。議員の職分に顧みて、誠に遺憾である。
  よつて國会法第百二十二條第一号により、ここに、これを戒告する。
#163
○松井道夫君 文案に賛成です。
#164
○委員長(太田敏兄君) 異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#165
○委員長(太田敏兄君) それでは戒告文は只今朗読した文案通りに決します。それから本会議におきまして委員長の口頭報告をいたさねばなりませんので、委員長報告の文案は委員長に御一任願つてよろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#166
○大野幸一君 少数意見の報告をお願いいたします。
#167
○委員長(太田敏兄君) それではこの前の委員会で御承認願いました懲罰権の適用範囲に関する調査に対しまして、多数意見者の署名をお願いいたします。
  多数意見者署名
    荒井 八郎   遠山 丙市
    大山  安   松井 道夫
#168
○委員長(太田敏兄君) それではこれで散会いたします。
   午後五時二分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     太田 敏兄君
   理事
           荒井 八郎君
           松井 道夫君
   委員
           大野 幸一君
           齋  武雄君
           遠山 丙市君
           大山  安君
  委員外議員
           星野 芳樹君
           紅露 みつ君
           木内キヤウ君
ソース: 国立国会図書館
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