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1967/03/30 第55回国会 参議院 参議院会議録情報 第055回国会 逓信委員会 第4号
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1967/03/30 第55回国会 参議院

参議院会議録情報 第055回国会 逓信委員会 第4号

#1
第055回国会 逓信委員会 第4号
    ―――――――――――――
昭和四十二年三月三十日(木曜日)
   午前十時四十五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月三十日
    辞任         補欠選任
     古池 信三君     木村 睦男君
     和泉  覚君     渋谷 邦彦君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         野上  元君
    理 事
                植竹 春彦君
                寺尾  豊君
                西村 尚治君
                森  勝治君
    委 員
                木村 睦男君
                郡  祐一君
                迫水 久常君
                白井  勇君
                新谷寅三郎君
                鈴木  強君
                永岡 光治君
                光村 甚助君
                横川 正市君
                渋谷 邦彦君
                石本  茂君
                鈴木 市藏君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  小林 武治君
   政府委員
       文部省社会教育
       局長       木田  宏君
       郵政大臣官房長  竹下 一記君
       郵政省電波監理
       局長       淺野 賢澄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        倉沢 岩雄君
   参考人
       日本放送協会会
       長        前田 義徳君
       日本放送協会副
       会長       小野 吉郎君
       日本放送協会技
       師長・専務理事  三熊 文雄君
       日本放送協会専
       務理事      赤城 正武君
       日本放送協会専
       務理事      野村 達治君
       日本放送協会専
       務理事      浅沼  博君
       日本放送協会理
       事        川上 行蔵君
       日本放送協会理
       事        志賀 正信君
       日本放送協会理
       事        長沢 泰治君
       日本放送協会理
       事        佐野 弘吉君
       日本放送協会総
       合企画室総務   野村 忠夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認
 を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(野上元君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 まず、委員長及び理事打合会の協議事項について御報告いたします。
 本日の委員会においては、前回に引き続き、放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件の審査を行なうこととなりましたので、御了承願います。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(野上元君) これより議事に入ります。
 まず、委員の変更について報告いたします。
 本日付をもって、委員古池信三君及び和泉覚君が辞任され、その補欠として木村睦男君及び渋谷邦彦君が選任されました。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(野上元君) 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。
 質疑のある方は、順次御発言願います。
#5
○横川正市君 まず、放送法関係の質問を具体的にお聞きをいたしたいと思います。
 現行の放送法は、昭和二十五年の六月の一日に、電波法それから放送法ともに成立をいたしまして、自来、その法律のもとで放送関係の運営が行なわれてきたわけですが、さきの国会で、放送法改正については、ほぼ私どもも了承する改正案というものまでこぎつけて、その新しい放送関係に対処する段階でのこの法改正というものが実現を見るのではないかと言われるまでに至っておったわけですけれども、突然とした事情で成立を見ないで今日を迎えているわけであります。
 そこで、郵政当局は、放送法をこの国会に提出するというたてまえのもとで、現在この準備をされているようでありますけれども、その準備の段階はどこまでいっているのかという問題であります。
 まず第一に伺いたいのは、郵政省内では一体どこまでの作業が進んでいるのか、それから、その作業の過程で、与党側との連絡はどこまで進んでいるのか、しかも、それはさきの国会にほぼ成立を見るであろうと期待された案とどこが違うのか、その点をひとつこの際明らかにしてもらいたい。
#6
○政府委員(淺野賢澄君) 昨年夏でありましたか、御存じのような次第で、まことに遺憾ながら流れたのでありますが、その後、当時の共同修正案並びに党からいろいろ御開陳のございました修正意見、並びに、その後私どもで検討いたしまして、なお条文整理を要する点も出てまいりましたり、非常に難解でありましたり、若干考え方等を変えたい、たとえば二条、五十一条、こういった問題、それから衛星の利用というものが思ったよりも早く出てまいりまして、国際中継等もきわめてこのところ順調に行なわれておるわけであります。こういった面に関する法的措置その他、大体問題点の整理はいまいたしております。ただ、なかなか見てみますと、調整を要する点がまだ多々残っておりまして、まあ事務的に最後の詰めの段階をいまやっておる次第であります。
#7
○横川正市君 実は私の知りたいのは、この国会では放送法を電波法の改正とともに出すという態度はきまっているのだ、これは私ども承知をしておるわけなんです。ところが、出すという態度はきまっているが、一体どこまで進行しているかについては承知いたさないものですから、しかも、これは政府の考え方が新たにこの国会に意思表示されるのではなしに、すでにさきの国会で共同修正案というようなものが出されて、そして、いわば新しい事態に対処すべき法改正というものについては、九分九厘私どもは到達したのではなかろうかというふうな、そういう考え方に立っておったのですが、これはさきの国会で成立を見なかった。そこで、さきの国会でそういう状態になったものが成立を見なかったという問題から端を発して、いま関係官省が非常に難航しているのだということになりますと、私ども非常に勘ぐるわけじゃないけれども、放送法に対しての前向きの姿勢よりか、うしろ向きの法改正のほうが何か出てくるような危険を感ずるものですから、そこで、一体どの程度の検討が現在行なわれて、問題点としては何か。まあ衛星関係が法的措置として一項加わるということになれば、それほど私どもむずかしい問題じゃないのじゃないかと思うんですが、問題はやはり、さきに共同修正されたものと現在いろいろ検討されている内容との間にどこが違うのか、これはひとつはっきりしておいてもらいたいと思うんですよ。私どもはやはり法が出てきたということでは、この問題に関する限り、少し手おくれではないかと思うんですが、事前に改正の内容について知っておきたい。そうむずかしい問題じゃないと思うんですが、たとえば、こういう点についてはこうだ、あるいは、こういう条件についてはこうだ、どういう点がまだ結論を得ていない問題だというふうに、その点、個条的でいいですから、ここでどうですか。
#8
○政府委員(淺野賢澄君) 去年の廃案になりました状況をごらんいただきますと、まだその段階でないということは御理解いただけると思います。まだなお時間をいただきたいと思います。
#9
○横川正市君 郵政大臣、具体的に問題点はあとで聞きますが、放送法を提出するという大臣の意思表示の面からいってみて、局長の答弁ではだいぶむずかしそうな、難産しそうな見解なんですけれども、法改正は出すたてまえを堅持しておられる。そういう意味合いから、この国会への提出の時期とかなんとか、そういったものは明らかにできませんか、この際。
#10
○国務大臣(小林武治君) ただいまのお話でありますが、昨年共同修正の案ができた、こういうことでありますが、あの共同修正そのものについて各党の間にまだ異論が出たために結局通らなかった、こういうことになるからして、あの共同修正案そのまま提案してしかるべきものかどうか、こういうことも考えなければなりませんし、ことに自由民主党の方面にあれに対する不満が相当強かったということは御承知のとおりであります。そういうことで、その点も考慮しなければならぬし、それから、いまの段階におきましては、実は要綱等も大体できたように聞いておりますが、まだ私ども省議としてこれを検討しておりません。したがって、今後それができても、与党内でのいろいろの調整等の問題もありまして、なかなか困難な事情があると思います。したがって、確実に今国会に出せるかどうかということになると、私は多少はっきりした返事は申し上げられないのじゃないか。そのつもりでいるのですが、はたしてそうなるかどうかということについては確言ができない、こういう状態であると思います。
#11
○横川正市君 そこで、これは認識の違いかどうかわかりませんが、相当重要視しているから難航しているのだ、裏を返せばそういう説明もつくかと思いますが、二十五年当時の放送法制定当時と比べてみまして、今日NHKの問題とか、民放の問題とか、衛星通信の問題とか、電波の行政分野というものはどんどん質を変え広くなってきているわけですから、だから、そういう質を変えて、しかも、広範囲になってきているのを、依然として二十五年のときの放送法でいいかという一つの認識の違いが私はあるのじゃないか。あとで私お聞きしたいと思いますが、大体放送行政に対してずいぶん不信が出てきているわけですね。VとUとFのそれぞれの一貫した使い方、使用法についても全然明確な答えが出てこないものですから、一体どうしているのだというちまたの意見というものは強くなってきている。それから、ことしのNHKの予算は七百億円ちょっとでありますけれども、民放のスポンサー料その他を入れますと、少なくとも千四、五百億という膨大な予算になっているわけなんであって、NHK一本でやられていた当時の、二十五年当時の放送法というものと、それから民放がここまで発展してき、しかも、衛星通信へ切りかわってくるという段階での放送法というものは、私は非常に急がなければならぬというのが今日の状況じゃないか。その急がなければならないのだという考え方のもとで、いま大臣もはしなくもちょっと触れましたように、与党の中に異論があるのだ、これは実は異論の内容を知りたいわけですが、前の共同修正案が通らなかったのも、これは法案の審議の過程でああいう背信行為というものがあったということは前例にあまりなかったくらいですが、どたんばにいって与党内の不一致が法を流産させてしまったという前例を持っている。そこで、与党内部の問題は何だといって勘ぐるわけじゃありませんけれども、追及してみると、いわば利権であるとか、まあ、いわば個人のいろいろな都合であるとか、電波の公正厳正なたてまえとは異質なもので与党内の意見が一致しないのじゃないかということが、ずいぶん記事や何かになっている。そうなると、放送法を現在必要とするたてまえで、厳正公正な放送業自体の要求に適合してつくりたいという立場からとってみますと、与党の考え方というのはいささかうしろ向きの状態になるのじゃないか。この点を行政官庁である郵政省、郵政大臣はどういうふうにとらえて、どうしようとされているのか。私ははっきりしなければならぬ時期がこの国会だと思っているわけです。そういうたてまえから、法の改正についての提出時期というものを聞いているわけなんで、この点ひとつもう一回明らかにしていただきたいと思います。私の疑点等がなければ、これは一番いいわけですがね、何が一番提出に対して障害になっているのか、この点もひとつ明らかにしていただければ、ひとつお願いしたいと思います。
#12
○国務大臣(小林武治君) いまのお尋ねでありますが、昨年の修正が与党内でも相当の異論が出たということは、あの問題に主たる重点があったと、こういうことはおわかりと思いますが、その問題についても、あるところはわれわれとしても与党と調整しなければ出せないということはおわかりだと思いますが、こういう問題について相当強い異論があった。党の方がある程度代表的にお話しになったと思いますが、しかも、それに対して相当強い異論が出たために、ああいう事態になった。ああいう問題につきまして、あの修正案そのままで出せるかどうか、こういうことはわれわれとしては考えなきゃなりませんし、こういうことを主として相談しなければならぬ、このためにおくれていると、こういうことも言えますし、いずれにしましても、十分与野党とも話し合いの上でこれを調整しなきゃなりませんが、そこまでまだいっておらぬと、こういうことであるわけであります。ほかに事務的な問題とか通信衛星の問題は追加すればいいわけでありますから、そうたいした問題ではない。それから、まだたとえばいろいろ最近の料金の問題等についても一体いまのような定め方でいいのか、いまのような間接的な定め方でいいのかという問題もあるわけでございまして、これはNHKにもそれぞれ意見がございましょうし、国会等のほうにも意見がある、こういうことで、これらの問題も当然提起しなければならぬ、かように考えております。いずれにいたしましても、古いものをそのままにしておくということは許されない、できるだけ早くやらなければなりませんが、しかし、これらの調整ということについては、相当の手間がかかる、こういうことでありまして、いま急いではおりまするが、まだその調整の段階に至っておらぬと、こういうことです。
#13
○横川正市君 まあひとつ認識の違いではなしに、現状、非常に要請の強い状態だが、与党側の中にある意見の調整ができないために法律化されておらない。しかも、国民の電波をめぐってたいへん一般的には問題が醸成されている、このことだけは、これはだれが見てもはっきり私はするんじゃないかと思うんですよ。そういう認識のもとで、監督官庁である、行政担当官庁である郵政省がどう対処されるか、小林郵政大臣としては就任されてからの一大問題だと私どもは思いますし、それから間違ったものがつくられれば、これは将来にわたって非常に大きな禍根を残すということは前例がたくさんあるわけですね。もう各大臣の、時期とその許認可されたいろんな問題をめぐって、いわば忌わしいいろんなことがあったことを私どもは十分承知をしての上で、やはり改正というもののたてまえというものを立てていくべきだと私どもは思っておるわけなんで、この点はひとつはっきりと腹に入れておいていただいて、そして改正については、ぜひ前向きで努力をしてもらいたいと思います。
 その問題と関連して、どうもこれはほじってむずかしいむずかしいと言っている点を一々ほじるようなかっこうになりますけれども、二、三関連してお聞きいたしておきたいんですが、いま、はしなくも大臣が触れましたNHKの聴取料、聴視料というようなものはどうあるべきかという問題なんですが、前の光村委員の質問に答えて郵政当局も、それからNHK側も、それぞれ答弁されております。で、この放送の自主性というものは放送法で、しかも厳重にきめられておるわけですが、その厳重にきめられたものにいささかの介入もいたさないという、そういうたてまえを貫くとすれば、私はこれはいまのような審議会というようなかっこうのものではなしに、当初二十五年の放送法ができるときに、放送行政については放送委員会というようなものをつくって、そこで厳重な、いわゆる自主規制について放送の公正厳正を期すべきだという意見が大半を占めておりました。しかし、いつの間にか、これは審議会に変わって、今日のよらな形態になってきているんですが、いまの放送界におけるいろいろな問題をとらえてみますと、たとえば放送行政のあり方についても、被害をこうむったというような意味でのいわば意識というものが私はあるんじゃないかというふうに思うわけなんです。その被害をこうむったという意識が放送界にあるということは、これは放送の、臨放の答申案の中で電波監理委員会といった民主的な監理機関を実現していく、こういうことが必要なんだというような意見を出し、しかも、その意見に対して、政府はどういう法改正をしようかという点については、いささかもこれはまだ私ども察知することができない状態にあるわけなんです。その改正の根本である、いわゆる、いまのような審議会の制度でいくというのか、それとも、放送委員会とか、あるいは電波監理委員会というようなものが、独自に放送の総元締めになる、そういう考え方をとるのか、これは非常に私は大切なところだと思うので、これをひとつお答えいただいて、それから、その上に立って大臣が考えておられる、一体現行聴取料あるいは聴視料というものはこれでいいのかどうかというお考えになっておる内容を御説明いただきたいと思うんですが、私は前段の場合に、放送総元締めというものは、やはり自主性のある放送委員会あるいは監理委員会というようなものがつくられて、そこで万般の問題が処理され、それから、民放はスポンサー料にたよっておるわけでありますけれども、NHKの場合には、放送の必要な計画に基づいてこの聴視料というものは自主的な判断によって徴収される、こういう形をとるのが妥当なんじゃないだろうか。というのは、前段を、もし郵政省が何らかの行政上の、あるいは内閣が何らかの影響力を持たせたい、人事権も予算も、それから番組に対しても何らかの意思表示をしたいというようなことが、かりにも腹の中にあるとすれば、私は聴視料というのは、たとえば法律でこれをきめてしまおうと、そうすれば、もう予算を握ってしまうわけですから、そういうたてまえでは、人事権ももちろん発動され、それから運営、番組の編成等まで、非常に有形無形の介入が可能な状態をつくっていくことになると思う。将来にわたって、これは決して私はその放送行政の面ではプラスにならない、マイナスの面が非常にたくさん出てくるんだと、こう思うわけです。これはなぜかといったら、人間何かの力を持ったときに、釈迦やキリストのように全く厳正公正ということはあり得ないわけなんで、小林さんが非常に厳正公正な立場で運営ということをするので、なおかつ、財政的な基盤確立のためには法律できめたほうがいいと、こう思っておっても、後世はそれをとらないということはあり得るわけなんだから、その点は私はやはり危険なものとして排除すべきだと思うんですよ。それで、放送自体は、これは国民が毎日見てよしあしというものは、その良識と社会水準の中でこれはいいとか悪いとかいう判断というものはついていくわけなんだから、そこはひとつ国民を信頼した放送行政というものをやるべきじゃないか、私はそういうたてまえで前段の根本問題、それからこの料金問題、聴視料というものについてどういうお考えなのか、この際、ひとつ御説明だけお伺いしておきたいと思います。
#14
○国務大臣(小林武治君) このいまの放送委員会とか、あるいは審議会というものを行政機関として考えるか、一つの諮問機関として考えるかによっていろいろ違う。終戦直後は御承知のように、一つの行政機関として複数の機関が――複数による協議機関ができたが、これはあまり効果を発揮しない。ことに、日本ではいわゆる複数の構成による行政機関というものが、国情と申すか、国民性と申すか、よい結果を生まない。現在でも、たとえば行政管理庁に行政監理委員会というものができたわけですね。はたしてよい効果が出るかどうかということについても、私、疑問に思っております。それで、いずれにしろ、そういうものができれば、また、これに対して権限とか責任とかいうものが生じまして、できれば、もっと私はいまより強いものができやせぬかと、いままでは、もっと介入――介入というとことばが悪いが、監督強化とか、いろんな面において、とにかく、そういうものが増加するであろうと思うから、必ずしも私は適当でないと思う。こういうふうに考えておりまするし、また、郵政省の現在の監督権を強化しなければならぬと私は思っておりません。ただ、たとえばNHK自体は公共機関ではありまするが、いかにも独立性――番組その他については、お話のとおり、自主的におやりになるのが当然でありますが、経営とか管理とか、こういう問題についても、今日のままでいいかどうかということについては、多少の疑問を世間でもお持ちになっております。それで、予算一つにしましても、歳出をきめることは、もうNHKの独自にきめられると、きめるその標準は放送法に書いてある。こういう目的のために予算をきめるのだと書いてあるが、これ一つとらまえても、これについては、いろいろの程度の問題が、世間から見てあれはぜいたく過ぎる、これは中庸にかなっている、これは過小だ、こういうふうないろいろな問題がありますが、それらについては、NHK自体が判断するだけで、世間のただ一般の風潮があるだけで、だれもこれをチェックする機関がない。NHK自身の自主規制にまかされている、こういうことでありますから、これらにつきまして、番組などとは全然別個に、管理そのものについても、多少これを批判する場合があったらどうかというふうな議論もいまあるわけでありますが、そういうわけでありまするが、いずれにしましても、これは、まあ民放ならば、番組が悪ければ視聴率が減る、NHKでは番組はどうであっても視聴率には関係がない、また、収入も関係がないと、こういう状態にありますが、番組自体は、これは私ども常に、国民のための電波が国民的立場で公正に運用されるように、自主的にひとつおきめをいただき、また、そういうふうなたてまえになっております。で、こういうことで一番大事なことは、やっぱり言論とか、そういうことの関係がありますからして、番組に対しては相当神経質であってもいいし、また、役所からこれに口出しするとかいうようなことは、もとよりあってはならぬと、こういうふうに私は考えております。しかし、いずれにしましても、もし機構をつくればいまよりか、もっと私は何らかの責任あるいは権限増加を来たすであろう。したがって、私はそう好ましい事態ではないのではないか、かように考えております。
#15
○横川正市君 ここで結論のつく問題じゃないですから。私どもは少なくとも、この放送法とか電波法に関する限り、一方的な、政府が考えたことが、あるいは与党だけが了承したことが、というだけでなしに、私どももやはりでき上がった法律については賛成をするというたてまえをとりたい、こういうことから、公正な法律のできることを期待しているわけであります。問題点はたくさんあるわけですから、その点については、なるたけひとつ公開できるようなところでは公開しながら、多くの意見を取り入れて、間違いのない法律をつくってもらいたい、これが私どもの念願なんです。
 そこで、いま幾つかの問題の中に、たとえば各放送関係の経営委員会の構成基準なんかをつくられておりますけれども、三つの条件がそれぞれ選択の基準になっているようです。まあ、国民的な立場を代表できるとか、あるいは豊かな視野を持った人であるとか、あるいは公正な運営が期待できるとかいうような、いろいろな委員会の構成についての選択をする場合の基準みたいなものがあるわけですが、この基準なんかを見ておりまして、たとえば放送番組向上委員会というやつの議事録を私は見てみたのですが、この中にあげられている幾つかの問題を見ますと、何か時代の格差といいますか、そういったものを感ずるわけなんです。年齢的に見ますと相当な人じゃないかと思うのですがね、高田元三郎さんとか、以下何人かの人がここに連ねられて、放送法そのものについて、私は年代別にして区別をするわけにいかない、一様にたくさんの人に見てもらうための放送をするわけですが、時間帯で区切ったりなんかして、質のいい放送というものに心がけている。そういう心がけているのだが、実際に取り上げてみますと、何か時代の差というものがあって、必要以上にいろいろな文句を言う委員会になっておらないかというような気がするわけで、この経営委員会そのものの人的な配置といいますか、あるいは思想的な配置といいますか、その選択については相当広範な中から、しかも、年齢的にいえば、おそらくここに出ているのは明治のクラスになる人が大半じゃないかと思われるクラスなんですが、まあ、すでに大正も年齢からいえば明治と匹敵するくらいになっているし、それから、昭和に入っても、昭和二十年の八月十五日の前とうしろでは、だいぶ育ってきた素地が違うわけですから、そういう何かバラエティーに富んだものを経営委員会の構成の中で取り上げるべきではないかという実は考えを持つわけなんですけれども、当然法改正のときに論議をされる一つの素材として、まずこれはどういう考え方で経営委員会の構成というものをやられようとされるか。あの人がいいだろう、この人もいいだろうという中で、なおかつ、そういう構成上のいろいろの条件というものを加味したものにしたらどうかと私は思うのですけれども、この点ひとつ御意見を伺いたい。
#16
○国務大臣(小林武治君) これはもうお話しのとおりでございまして、いろいろの常識のあるバラエティーのある委員が任命されたほうがけっこうだと、そういうふうにあるべきだと、また、年齢的にも私ども考えにやならないと思いますし、経営委員会の交代の時期もまた始終ありまするから、これはここで公にお約束というわけにいきませんが、ひとつ皆さんの御意見も拝聴して参考にしてきめるようにしたいと、こういうふうに考えます。
#17
○横川正市君 もう一つの問題点は、現行放送法ではやはりワク外になってしまいまして、新たな法律を必要とする問題で、このNHKの持っております体質と、それから民放の持っている体質というのを、これははかりにかけるわけじゃありませんけれども、行政上も、それから一般的な国民の受け取り方の上でも、これを同等の、いわゆるNHKはNHKの持っている特質、民放は民放の持っているその性格を、これをバラエティーに富ませて、国民がそのいずれかを自分の好みに合って選択をし、これを聴取すると、そういういわば自然にでき上がってくる均衡といいますか、そういったものがあるだろうと思うのだけれども、しかし、とらえ方とすれば、やはりNHKを中心としたかっこうというものが出されておって、そうして風当たりもだいぶNHKにはいろいろ強いようであります。しかし、実際上は民放というものの取り扱いをどうするかについてのはっきりしたものが現行放送法にはないものですから、民放はどういう地位を持つべきなのかという点については、おそらくどこの機関でもあまりはっきりした見解というものを表明したところがないようであります。ただ、民放連あたりが、民放のあり方について非常に何回かの会合を持ち、あるいは意思表示をされて、私どものところにも、その会合の結果の資料というものを持ってきているわけですが、郵政大臣としては、民放の地位というようなものをNHKとあわせてどういうふうに考えておられるか。この点も法律をつくる場合には非常に大切な要点だろうと思いますので、これはひとつ説明をできるだけやっていただきたいと思います。
#18
○国務大臣(小林武治君) これは御承知のように、従来の放送というのは、日本放送協会法みたいなものであったところに、終戦後、占領軍が複数の商業放送というものを新しく導入したと、それをある程度法的規制をするために、この放送法というのは、世間でよく言われるように、木で竹を継いだような、ある程度の混乱したような形の放送法ができ上がっていると、これは世間でもそういうふうに申しておりますし、そのとおりであろうと。これをある程度体系づけるというか、責任分野と申すか、それぞれの使命を発揮させるということのために、今度の改正においても、そういうところにやはりある程度の重要さを認めてやらなければならない、かように思っております。で、NHKにつきましては、もう従来から長い間の伝統があって、公共放送とまあとにかく称してそういう使命を持っておりまするが、民間放送については、公共性はあるが公共放送とは言わないで、商業放送としてある程度自由にやると、こういうことになっておりますが、電波そのものについての社会的の使命というものはおのずからあると思うのです。NHKが公共放送と称し片っ方は公共的だというような、ある程度自由を認められる。しかし、幾ら自由を認められておっても、社会に対する責任というものはおのずからこれはなければならぬと、すなわち、いまのように世間で悪口言われるような事態があってはいけない。ある程度国民の教養なり、国民の生活向上なり、あるいは、いまの健全なる娯楽を提供するなり、こういうところに民放としての責任もなければならぬと、こういうふうに思いますが、実際問題としましては、やはり片っ方は一つの営利事業である。公共性を持ちながら営利事業である。一方は全然営利ということを目的としない、こういうふうに区別があるから、経営そのものについてもおのずから違った形が出てきておる。しかし、私どもは前から申すように、電波というものは、これは一社のものじゃない。これは国民のものだ。すなわち、国民の付託によってこれを運営しているのだと、したがって、その電波が国民のために役立つように活用されなければならぬということは、もう包括的なこれは責任であると、こういうふうに思うのでありますが、いまのところはその程度しか言われないのじゃないか。それでまた、これをいろいろな点で規制するということになれば、これは一種のやはり言論報道機関のあれになるというから、これもやはりそれぞれの国民的使命というか、責任を感じての自主的の番組の向上と、こういうことにつとめてもらわなければならぬと、これらについても、各社とも番組審議会を持っておりまするから、そういうところが常識的にいまの電波のそのものの使命というものにひとつ徹してやってもらいたいと、かように考えて、はなはだ抽象的でありますが、まあ、いまのところはその程度しか申し上げられないのじゃないかと思います。
#19
○横川正市君 この問題も論議すればたいへん問題がありますが、いずれ、またの機会に譲って、次に、いま、まあ民放には教育放送、学校放送等については義務づけをいたしておらないわけです。そこで、この間大臣が閣議で問題として提起をされて、文部大臣と共同で検討すると、前向きで検討することになったと報道されておりますテレビでの大学通信教育についてですね、これは発想だけのものなのか。まあ悪くいえば、一つのアイデアの提供ぐらいで、これから肉づけをしていくものなのか。それとも、相当練られて、問題点として出ております、たとえば最終問題としては、卒業者に対する資格の問題とか、あるいは一般社会での通常学校教育を受けた者の受け入れ態勢という、いわゆる社会機構とのマッチの点であるとか、または、放送を通じての教科課程についての具体的な問題であるとか、そういったことがもうすでに具体化されて俎上に上がったものなのか。今日やはり通信教育を受けて、大体一カ年ぐらいスクーリングを受けて資格を獲得しているという、この大学での通信教育というものもあるわけなんですが、それらとの関係も加味しながら、どういう構想でテレビの大学通信教育というものをやろうとされているのか、これをひとつ詳しく説明してもらいたいと思うのです。
#20
○国務大臣(小林武治君) これは実はまだ発想というところでありまして、実はこれを閣議でなぜ持ち出したかということは、こういう大問題は役所同士の相対ではこれはもうきまらない。したがって、閣議によって方向づけをひとつしてもらおう、これはいいからやろうと、こういうことになれば、今度は真剣に各省関係がこれを討議をして、そうして準備を進めると、こういうことになりまするから、私としては、まずその発想を閣議に持ち出して、それで閣議がそういう方向をひとつ進めろと、こういうことになれば、今度真剣に関係閣僚でもってこれを相談しようと、こういうことでありまして、最近の閣議におきまして、それはもういまの時世において、通信教育というものはあるが、通信教育はこれはただ目で字を見てやるのだ、テレビを通ずるものとはまるで違うから、だから、それだけでも、はるかに効果が大きいしするからして、これはやる方向でひとつ検討してもらいたいと、こういうことになりましたから、これは主として内容自身は文部省の問題でありまして、文部省がそういう学校を認める、そうして国家の資格を付与する。したがって、どういう科目、どういう時間、こういう教育内容については、文部省がある程度の案を立ててもらいたいと、そういうことで、郵政省としては、それに電波の時間が提供できるかどうか、また、いまの機構でやれるか、あるいは、もっと波をふやさなければならぬ、いろいろな問題がありますから、そういう文部省の規模をまずある程度きめてもらって、それで、お互いにNHKも入れて相談をしよう、こういうことでありまして、いま申すように、政府としては、そういうことをひとつやろう、こういう方向でまあ検討に入ったという状態でございます。
#21
○横川正市君 これはNHKからは通信高校でこの間第一回の卒業生を出したわけですが、あなたのほうでは、たとえば資格の問題とか社会の受け入れとかいうような問題は、第一回の卒業生を出してみたたてまえから見て、どういうふうに評価をされているか。また、非常に大学教育ということになれば、教科課程というものが複雑になってくるわけなんですが、一体、放送のたてまえからすれば、隘路としてどういうものを考えられるか。これはすでに爼上にあって文部省は検討しているということなんですから、私はやはり関係は当然NHKが関係するたてまえと思われますので、御相談されたかどうかわかりませんけれども、一応発想された郵政大臣の発想に対して、協会側としてはどういう考えを持っておられるか、お伺いしたい。
#22
○参考人(前田義徳君) ただいまの問題につきましては、私どもは非常な積極的な関心を持っております。ただいま大臣がおっしゃったように、まだ事実上、実際問題として、NHKがお話を承るという段階にはございませんが、私どもがさきに放送による広域性の通信高等学校というものをつくったときから、すでに第一には、この卒業生のあと始末をしなければならないという問題それからまた、社会の複雑化に伴い、通信高等学校を中心として考えなくても、やはり大学高等教育というものを市民化しなければならないという二つの考え方から、実は当初から何か可能性があるかどうかということは、NHKの内部においては検討してまいっております。現在、それでは、それに対してどういう考え方を持っておるかということになりますと、私どもとしては、通信高等学校は、御承知のように、この三月、第一回の卒業生を出し、その総数は二千名をこえまして、実に全国の通信制高等学校卒業生の三分の一強をNHKの学園から出したというようなことを考えましても、ただいまの大臣のような御発想が一日も早く軌道に乗ることを期待をしているわけです。それでは一体、文部省あるいは郵政省との関係でわれわれは何を必要とするかという問題になると思いますが、これについては、国立大学あるいは公立大学等においては、まだ大学教育の通信制を実施しているところはほとんどございませんが、私立大学等においては、少なくとも、今日すでに七つの大学が通信制の大学教育を、もうここ十年来、十年以上行なっておりまして、私どもとしては、これとの関連において、当面もし必要とするならば問題を考えるべきだというたてまえを従来からとっている。その実験的なものとしては、ラジオ、テレビジョン両方の放送網をもって、組織的ではございませんが、これまで十年間にわたって主として人文科学の面で大学教育の特別講座を実施しております。したがいまして、私どもとしては、私どもの立場から考えている問題としては、これらの大学が一つの連盟をおつくりになって、そして第三の波を与えられるならば、私どもは広域性のテレビ、ラジオによる大学教育というものは必ずしも困難でないという考え方を持っております。
#23
○横川正市君 そうすると、大臣、一番問題は何かというと、私は総理それから関係者が心を砕いて、たとえは夜間中学、高校を出た者――定時制ですね、定時制を出た者を昼間と同等に受け入れてもらいたいとか、独学でやった者についても同等の取り扱いをすべきだとか、いろいろあるわけですが、そういうことを言ってみても、いま学歴第一主義が社会の機構そのものですね。そのものが受け入れる立場として、一体、そういうような教育を受けた人たちをどうするかという点になると、まあいろいろな疑問を残している段階で、これを解決する一つの方法としては、これがたとえば卒業者に対するところの資格の問題についてどうするとか、それから現在個人的ないろいろな努力でもってスクーリングを受けて卒業証書をもらっているけれども、しかし、それはきわめて社会的には水準の低い状態に置かれている、これをどうするかとか、いろいろ複雑な、しかも重要な問題があるわけなんだが、そこまで触れてやるという考えか。それとも、一般国民のいわゆる大学水準の教養といいますか、社会生活に必要な教養程度のことで、あとは現行どおりとされるのか。そこまで腹をきめたやり方をするのか。現行いわば一般教養的なもので、有害ではない、非常に有益だろうというようなことでやられるのか。その腹のきめ方の問題が大切だと思うのですが、どうですか。
#24
○国務大臣(小林武治君) これはもうそのとおりであります。単に一般教養という意味ではなくて、国の資格を認めて、そうして、そのものが世間に評価されるようにならなければならぬ。こういう問題につきましては、たとえば国の機関がたくさんありますし、政府関係機関もあるし、そういうようなところでやはり先に立ってそういうふうな資格を認めるとか、こういうふうな方向までいかなければいけない。これは総理大臣もすでに国の資格を認めて、その資格にふさわしいようなことを、待遇的にも世間の評価もされるようにしたい、こういうお話がありましたが、そうでなければならないと、かように考えております。
#25
○横川正市君 そこまでいって私は問題なのは、たとえば郵政省一つとってみましても、つとめながら夜間部を出て私大を卒業した者がいますね。これはたいへんな苦労をして卒業するわけでありますが、それを郵政の機構の中でどういう地位に置いておるかというと、私は非常に頭脳、能力というものをいわば死蔵しているようなかっこうでもあるわけで、官庁そのものがそういう取り扱いをしておるということを反省しないと、私は問題の解決にならぬと思うので、この点もひとつ含めて十分な論議をしてもらって、最終的には、これを私どももただアイデアだけでは済まされない非常に大切なものだと思いますから、実施をするように、ひとつお願いをしておきたいと思います。
#26
○国務大臣(小林武治君) これはお話のとおりでありまして、われわれの部内も、私は従来の取り扱いをよくつまびらかにいたしませんが、御趣旨のようなことで指示をいたしたいと思います。
#27
○横川正市君 そこでもう一つは、さっきの改正案のときにも問題になりましたけれども、事業免許という形での法改正については、現行どうお考えになっておられるか。
 それから放送網を整備する場合に、いま民放連では、キー局を抜かした各県の放送会社がいわゆる相互乗り入れ問題、それから二局案、こういった問題を提起をいたしておりますが、それについての考え方はどうか。
 それからもう一つは、UとVとFの行政上の方針といいますか、これがもうなかなか一貫をしたものではないものですから、たとえば免許についての見通しも立たない。ところが、一方においては、株式の資金集めをしてしまった、何年もたっているという点もあるわけです。さらに、これが何年もいくということになれば、それらについての不信行為も出てきそうだということで、非常に問題化されてきておるわけでありますけれども、これらの方針を立てられるたてまえはとっておられると思いますけれども、非常に急がなければならぬということを考えるわけですが、この点についてどうされようとされるのか。時間がないから三つかためてお聞きをいたします。
#28
○政府委員(淺野賢澄君) 最初の事業免許制をとるべきではないか、こういった御意見でございますが、この点につきましては、前の原案、改正案におきましても、当初、答申、それから自民党の意見、社会党の意見、それぞれこれは全部違っておるわけであります。それで、そういった面で、最後におきましては、原案のような状況になりまして、事業免許制という形ではない案ができてまいっておる次第でございます。これも今後出します場合の一つの問題点であろうと思いますが、とにかく、昨年出しました原案におきましては、そういった面がございません。今後は、いろいろ御意見を十分に拝聴をしながら、なお検討を要する点の一つと思われます。しかし、これはなかなか、さっき大臣も申し上げましたように、非常にむずかしい内容であろうと思っております。
 それから相互乗り入れ、または一地域に二局を考えるべきではないかと、こういった御意見でございますが、これにつきましては、いろいろことばの使い方もあるわけであります。民放の皆さんが言っておられることばを見ておりましても、これはまた非常に、一つのワクはないわけであります。結局、現在の放送法を中心としました免許体制でまいりますと、営業区域と申しますか、事業区域と申しますか、区域というものがないわけであります。そういった点がなしに、あくまで技術的な、電力の強さによってエリアをきめてまいっておりますので、自然、こういったことばの面につきましても、一定した、一つのワクにはまったことばになってこないわけでありまして、民放の皆さんにおいても非常に困っておられるということは事実であります。それで、結局、いままでどうやっておったかと申しますと、基本計画、それから第一次チャンネルプラン、こういったものをつくります場合にこの点が出てくるわけでありますが、その前提といたしまして今後考えていかなきゃいけない点は、少なくとも二系統を考えなければならないという臨時放送関係法制調査会等の答申もございまするので、そういった点がやはり中心になってくるんではないか。そのエリアはどうしていくかという面につきましては、これは別途考えていくべき問題でありまして、相互乗り入れ、または云々というのは、それから派生してくるように考える次第でございます。
 それからU、V、FMにつきまして一貫した方針がどうもないようである、この点をすみやかにひとつ明確化すべきだと、こういった御意見でございますが、現在とっております体制といたしましては、昭和三十四年でありましたか、チャンネルプランの基本方針をきめましたときに、UとVの混在はしないというふうにいたした次第でございます。そういうふうにいたしましたのは、難視聴区域の解決策としまして、地方の小さな二次局、それから微小局、こういった問題で、どうしてもVの波が足りなくなりまして、その結果、そういった難視地区解消のためにはどうしてもUを使わざるを得ない。とは言いながら、UとVを親局のあるところで使いますと、これまた混乱を生じますので、三十四年の現在におきましては、UとVとは混在は認めない、ただし、二次プラン以下の局において難視地区解消のためには使ってもよろしい、こういう体制で現在までまいっておる次第であります。しかし、その後十年近く相なっておりますし、Uの開発研究も非常に進んでまいっております。外国を見てみましても、ほとんどと言ってよいほど、UとVとは併用して使っておる。輸出の面を見てみましても、オールチャンネル法のあるアメリカを筆頭といたしまして、豪州も全部UとVを両方使っておりますという現在の情勢から見てみますと、UとVとの混在をどうするかという問題自身も、一つの問題点とはなってまいっておるわけであります。特に答申の線にございました二系統云々という線が出てまいりますと、Uというものはやっぱり一つの大きな財源である。しかし、おっしゃいますように、無方針で使ってはならない、りっぱな方針のもとにこれは使っていく必要がある、こういった点が一つの問題点であろう、かように考えております。
 FMにつきましては、やはりおっしゃいますように、実用化試験局でここ十年、また、NHKの実験におきましては数年間実施いたしてきておるわけであります。まだ正式の使用というふうには至っていないわけでありますが、これまた、中波との関連におきまして、音声放送の総合的な使用計画をつくるべき必要が非常に考えられる。といった面から、おっしゃいますような線に従いまして、こういった面につきましては、慎重に考え方を打ち立てるよう、努力いたしてまいりたい、かように考えております。
#29
○横川正市君 もう少し関係して質問がありますけれども、郵政大臣、予算委員会に呼ばれているようですから、私は一応大臣への質問は終わりにしたいと思います。
 それじゃ、ちょっとNHKに二、三問お伺いしますが、徳島でUHFの大電力の実験をやられて、オールチャンネルの受信機を二百台か何か試作をされたようですが、この試作はどこでやられて、その価格は大体、これは大量生産すればその見通しとしてはどういう価格でできるかという点もあわせてひとつ説明いただきたいと思います。
#30
○参考人(三熊文雄君) いまのオールチャンネルの受信機につきましてお答えいたします。
 NHKでつくりました二百台は、十二社でつくっております。しかも、大きさが大体十九インチのものを大多数つくったものですから、値段としまして、会社によって違うのですが、大体のところ、六万円から七万円見当というところでございます。そのうち、一番問題になります、いわゆるオールチャンネルにしたために、いままでのものよりどれだけ値段が高くなったかという点を申し上げますと、安いものでは二千円増ですが、大部分のものが大体四千円近くいままでのものよりも高くなっております。しかしながら、ただいまお話に出ましたとおり、量産が進んでいきますと、この四千円増もだいぶ安くなるのではないか、こう思うのですが、どの程度安くなるか、ここでお答えするだけの資料がいまだありません。
#31
○横川正市君 もう一点は、NHKで出しております、たとえばNHK学園であるとか、それから番組向上委員会であるとかという、そういう放送のために関係があるというような考え方で、あるいはNHK自体の放送の質の向上のためにということで、実際上の資金的な援助をしているのはどことどこですか。そして金額はどのくらいですか。
#32
○参考人(川上行蔵君) おもなところは、NHK交響楽団、それからNHK放送文化事業団、NHK放送学園、それから最後に一つ、お話がありました放送番組向上委員会ということになっております。
 それからN響に対しましては、年間予算二億九千七百万円ほどを四十二年度に予想いたしておりますが、その中で二億の予算を立てております。放送文化事業団につきましても、これも四十二年度二千八百五十万の予算を考えて計画を立てておりますが、その中で、NHKが二千万を助成いたしております。それからNHK放送学園は、四十二年度は三億三千四百万という予算を立てて考えております。その中で、NHKは二億八千万を助成いたしております。それから最後の放送番組向上委員会は、年間二千三百万の予算の中でNHKが千二百万を負担しております。
#33
○横川正市君 そこで世論調査関係とか、あるいは番組の向上委員会と、なおこれは部外にあまり出されておらない書類のようですが、これの取り上げ方で、たとえば新聞等では、世論調査そのものをあまり重視すると、番組そのものの質が落ちるんじゃないか、これはどうも一般と逆な現象のようにとられるようですが、いわゆる底辺主義というものがとられて、世論にあまりたより過ぎるということはどうかなという意見もあるのですが、一体、世論調査そのものをどういうふうに放送の進歩性とか質の向上とかいうものに取り上げるのか、機関があれば機関、あるいは日常どういう選択をされているのか、この点を説明していただきたいと思います。
#34
○参考人(浅沼博君) きわめて一口に申しまして、視聴率というものの見方でございますけれども、視聴率というのは単にその時点においてどれだけの方がそれをごらんになったか、全部をごらんになったのか、一部をごらんになったか、ともかく、ダイヤルをお回しになったかという程度にしか大体視聴率調査というものはわかっておりません。したがいまして、視聴率調査というものに全面的に依存するということは、これは問題がございまして、私どもは世論調査機関を使いまして、あるいは外部のいろいろな機関の統計調査を調査いたしまして、それをできるだけ啓発的に使っていこうというふうに考えております。しかし、全く視聴率というものを無視する態度は、これはやはりマスコミの一種としては一つの冒読行為でありますので、独善的行為でございますので、それを啓発的に使うということが最も大事なのではないか。イギリスのBBCのある有名な経営者ですが、視聴率というものは海図でいえば船の進路を示すものでもない、また、海の深さを示すものでもない、単に船がどの方向に動いているかというのを示しているのである、というようなことを申しております。それで、私ども、世論調査機関では、そういった単なる視聴率調査のほかに意向調査と申しまして、どういうものを希望するかという、さらに内容を深く掘り下げたような調査も行ないまして、いろいろな方法を使ってその番組に対する関心度、満足度、そういったものを調査いたしまして番組に反映さしている状況でございます。
#35
○横川正市君 いろいろ努力をされている点はわかるのですが、先ほど郵政大臣もちょっと触れましたけれども、私どもが家庭で子供たちと接触しているときに、やはり自分の古さというものを感ずると同じように、この機構が古ければ、見ている一般国民の中の各層というものが、一体これで満足しているかどうかという点の答えというものは、私は完全には得られないんじゃないかと思うのです。それで、たとえば、ここで千二百万円向上委員会に出しているが、それは船のいわば指針程度で、実際には運営上の参考意見だと言われるわけですけれども、しかし、何といっても、これは大きい影響力があると思います。たとえば、私が見ていて、聞き流し程度のものであっても、ここではだいぶとらえて指摘しているようであります。一つ例をとりますと、子供の時間に出てくる「ひょうたん島」の中に「ガバチョ」という人の名前が出てくる、それを今度は民放のだれかが「ガバチョ」ということばを使ったら、それはどうもいかぬというふうに言われるというのは、使い場所でたまたま形容が違った、だからこれはいかぬというふうなことは、これは言ってみれば向上委員会は少し古いのじゃないかというふうに思われる点もあるわけなんで、この点はぜひひとつ日常の運営では、いわばNHKに対して、まじめ人間的な放送をしていると言われるくらいの一つのNHK的な体質が出てくるということでなしに、もっと公共放送というたてまえをとりながら、多くの人を相手にしているわけですから、放送それ自体に研究を加えるということを私はすべきだと思います。全部見ているわけじゃありませんから、どれがどうこうという批判はできませんが、大体総体的に見てどうだろう、ことに四十一年度の放送を総評されている関係者の評を見ますと、NHKの放送そのものにおもしろみがないとか、あるいは進歩性がないとかということが出てくるわけであります。娯楽がどうこうというわけじゃありませんが、全体としてそういうふうな評を受けるようなことはどうかなと、いかに公共性を持っていても、というふうな気がするのですが、新しい番組も出ることですから、その点は世論調査そのものにたよらないということですから、それはいいが、やはり全体をとらえて質の向上を考えるべきじゃないかと思います。四十二年度の構想を聞いて私の質問を終わりたいと思います。
#36
○参考人(前田義徳君) まことに御説のとおりでございまして、先ほど浅沼専務からお答え申し上げましたように、世論調査あるいは視聴率調査あるいは番組意向調査等につきましては、これは参考の資料というたてまえでいるわけでありまして、放送文化研究所におきましては、それとは別に、番組制作の根本的研究もいたしております。概括的に申しますと、放送番組というのは一つの創作でございますので、その意味では、やはりそれに当たるNHK全体が、御発言のございましたように、やはり前向きで新しい世代にもこたえ得る番組をつくっていくということが、最終目標の中の大きな柱の一つになろうかと考えております。そのために、それと並行して各種委員会を持っているわけであります。そういうことは外には出てまいりませんけれども、かなり私どもとしては努力しているわけでございます。
 そういう意味で、私どもとしては、四十二年度の番組編成の基本方針及びこれに基づく新しい番組についても、そういうたてまえを堅持して前進してまいる方針でございます。ただし、非常に番組に対する一般の方の考え方というものも、文化的、あるいは社会生活の内容が進歩すればするほど複雑となり、また多様化されてまいりますので、これにこたえ得る努力を一そう続けてまいらなければいけないというふうに考えております。
#37
○横川正市君 ちょっともう一言。
 淺野さん、いまの徳島のUHFの大電力の実験段階は、実は実験段階でなしに、相当実用化への道を開く可能性というものは十分あるわけですからね。そうすれば、オールチャンネル方式の機材の製作について、これは郵政省としても当然、業者関係との当然の関係が出てくるわけだが、一体これからの売り出しについては、オールチャンネルをやるべきではないかというような、これは当然いつかの時期にやらなければいかぬと思うのですがね。これはなぜかといえば、コンバーターをつけるとか、それから買いかえるとか、たいへんですよ、時間がかかって。だから、ある程度余裕期間、二台目はどうかといわれるような時期に、私はいまのVで聞けるダイヤルだとか、スイッチだとか、あるいはUで聞けるスイッチというものは、もうすでに新しくつくられる場合には、いまの価格ぐらいのところで当然スイッチ一本で切りかえられるようなものへ、当然可能なわけなんだから、そういう行政官庁としても前向きの姿勢というのが必要なんじゃないか、これが一つ。
 それからNHKの会長に。学校放送が、たとえばもう一チャンネルNHKに渡って本格的な大学放送などというようなものが手がけられる。これは高校もまぜて、おそらくやられると思いますけれども、予ての場合には、機構とか、料金、聴視料の問題とか、こんな点についてはどういうふうに変わっていくか、この二つだけ、一つずつ。
#38
○政府委員(淺野賢澄君) ただいまお示しのとおりでございまして、Uの実験の様子を先般私も徳島で見てまいりましたが、結果は非常によいようでございます。同時に、受像機につきまして、先ほど三熊技師長お話しになりましたが、これまた非常に性能はよいようであります。お金の点にしましても、四千円くらい、それが大量になりますと、二、三千円アップでよいということも聞いております。したがいまして、あとは、ただいまお示しのような、いかにこれを軌道に乗っけるかという問題になるのではないかと考えております。三月で一応第一期の実験を終わりまして、あと第二期の実験が四月、五月、NHKでやっていただくようなことになると思いますが、その過程におきまして、メーカー側とその点はお話のような点でいま考えていく予定にいたしております。特に法律まで出す必要はないと思いますが、大体輸出の面から見ておりましても、各国両方使っておりますので、一応中間周波数も大体正式にきめておりますから、あとは、そういった報告が出てまいりますと、また、体制ができてまいりますと、円満に動くのではないかと、かように考えまして善処いたしてまいりたい、かように考えております。
#39
○参考人(前田義徳君) 後段の点につきましてお答え申し上げますが、この広域の通信大学制度というものができる場合に、NHKとしてまず考えなければならないことは、新しい波による全国ネットを建設するということにかかってくると思います。建設に関しましては、その年度の受信料を使うという考え方でなしに、これはやはり外部資金によって、長期返済の方法でこれを建設すべきであるという考え方をいたしております。
 番組の実施、制作につきましては、先ほどもちょっと触れましたが、私の構想としては、現在すでに七つの、私立ではございますが、相当権威ある大学が、その大学限りにおいての通信教育を行なっており、スクーリングもいたしておりますので、これらの大学に一つの連合体をつくっていただく形で私としては御協力願えるならば、番組制作そのものについては、すでに一つの方向が示されることになるであろう。したがって、番組費及びそれと関連するいろいろな管理経営の費用については、もしそのような事態が可能であれば、昭和四十三年度から始まる長期構想の中でこれをどう消化するかという問題にかかってくると思いますが、最初から、まあ何年制になるかは別として、全教科を実施する必要もないと考えられますので、これは順を追って長期構想の中で消化し得る限度のものではないか、このように考えております。
#40
○西村尚治君 それでは私から、ごく簡単に数点につきましてお尋ねをいたしたいと思いますが、まず予算総則ですけれども、四十二年度の予算総則を見ますと、第八条は、従来のそれと表現が違ってきております。これは、おそらく昨年のこのNHK予算の当委員会におきましての質疑がありました、その結果で、こういうふうに改められたものと思うわけでございますが、これに見合うものとして、収支予算書に前期繰越収支剰余金二十億円というものが計上されております。この二十億円の、計上されたその算定の根拠といいますか、内容といいますか、そういうようなものをちょっとお知らせ願います。
#41
○参考人(志賀正信君) ただいま御指摘くださいました総則の、昨年度と本年度との変更点につきましては、この第八条のところだけでございます。
 第八条の問題につきましては、前期繰越収支剰余金の扱いについてでございますが、四十一年度の予算を御審議の際に、当委員会におきましていろいろ御指示がございましたので、その後検討いたしまして、また、四十二年度の財政全般の状況から勘案をいたしまして、この前期繰越収支剰余金を、あらかじめ見越し額を予算に計上する方法をとったものでございます。もともと、この前期繰越収支剰余金は、前年度までの総収支の差金でございまして、決算時において確定をいたしますものでございますが、確定をいたしましてから予算の対照表にこれを計上する方式をとっておりましたが、今回、あらかじめ見越し額を決定いたしまして予算化することをきめたものでございます。
 趣旨から申しまして、借り入れ金の返還または設備の新設、改善というふうに、資本の充実にこれを使用するように本来の趣旨ができておりますので、今回、二十億を予定をいたしまして、新年度の予算に計上することにいたしましたのも、建設費総額百九十億の財源としてこれを計上いたしましたものでございます。
 二十億の金額につきましては、本年度に、四十年度から四十一年度へ繰り越しました前期繰越収支剰余金は、総体といたしまして、この中に建設費の繰り越しも含んで、一応決算時において剰余金として出てまいりますが、これを除きまして約四十億ございまして、この中で四十一年度の総則に従いまして、十一億を建設関係に振り当てて使用いたしてございます。この中には、四十一年度中にサテライト局の建設を百二十局予定いたしましたが、さらにこれを促進いたしますために、十三局をふやしまして、現在百三十三局で工事を進めておりますが、これらの費用にこれを振り当てたものでございます。現在残っております二十九億のうちで九億円を、四十一年度の附帯決議の御趣旨もございましたので返還金にこれを使用いたすことにいたしております。二十億五千万が残額でございますが、この予算編成の際に本年度末までにこれを使用することを差し控えまして、見越し額として明年度にこれを持ち越すということをきめまして、この二十億五千万のうちから二十億だけ明年度予算に繰り越すことを予定をいたしまして予算に計上いたしましたものでございます。
 繰り越し予定の二十億につきましては、明年度は百九十億の財源ということに充てておりますことは、ただいま申し上げたとおりでございまして、百九十億の中で外部資金約五十四億、それから減価償却費等におきまして百十六億ございますが、それとこの二十億の前期繰越金剰余金をもちまして百九十億の建設をすることにいたしておる次第でございます。
#42
○西村尚治君 前期繰越剰余金二十億ということでこの二十億を計上されたということは、先回の当委員会における質疑の趣旨からいいましても、従来はこれがゼロで計上されておった。それが国会の予算審議の場に出ないで、裏でというわけじゃありませんけれども、この経営委員会の決議だけで処理せられておったものが、こういうふうに表面に出すことで直接国会の審議の対象になったという点では、私はこれは前進だと思いますが、いまおっしゃいましたこの二十億円というものは、承りますと、建設費の百九十億の原資に充当せられるということです。この二十億円が大体大事を踏んでだいじょうぶというところでお出しになっておると思いまするけれども、決算をしてみないと正確には決定的にはわからないわけですね。いま三月三十日、大体の見込みはお立てになっておると思いますが、二十億は大体確保せられる、確保というか、残る見込みでありまするかどうですか。もしこれがふえる場合には差しつかえありませんけれども、万一見積もり違いで減るということになりますると、この八条によってかげんをする。かげんというのは、この建設工事がそれだけできないということになるわけですね。そこの見込みはどうですか、二十億円だいじょうぶだということですか、それとも、増減がありそうですか、その辺を。
#43
○参考人(志賀正信君) あらかじめ見越し額を予定をします問題でございますので、総則といたしましては、決算期前にこの金額を載せました予算が発効いたしますため、あとで決算の結果、増減があったときには、という表現をいたしておりますが、ただいまのところは、二十億は確保できる見込みでございます。
#44
○西村尚治君 それからカラーテレビの問題でございますけれども、事業計画書を見ますと、カラー放送拡充のため云々と、これは重点的に整備をはかるということになっておるわけですけれども、このカラー化のための経費につきまして、先回のこの委員会で光村委員の質問に志賀理事のお答え、たしか十三億、そのための諸経費十三億という御答弁があったように思います。私の聞き違いかもしれませんけれども、これはどうも少し少な過ぎるんじゃないかと、民放の首脳部からカラー化する話を聞きますと、どうもカラー化するのにはずいぶん経費がかかるのだ、数十億かかるのだ、これはわれわれの非常な悩みのたねだとよく聞くのですが、キー局のカラー化をするのにそういったことですのに、全国的なスケールでおやりになるNHKのカラー化のための経費、これは四十二年度だけに限ったことではないのですが、ですけれども、少し少な過ぎるような気がしますが、私の聞き違いなのか、それとも、ほかに施設費とか、そういったようなもので漏れておるものがあるのか、それ全体でどうなんでしょうか。もう一度ちょっとそこを説明していただきたいと思いますが。
#45
○参考人(志賀正信君) 先般光村委員の御質問に対しましてお答え申し上げましたのは、カラー化の時間増に伴いまして、明年度カラーに上積みをする総経費について御説明をしたものでございます。総額十三億六千万というふうに申し上げましたが、このうち、運用経費が約十一億でございまして、そのほかに、普及を促進する経費とか、あるいは、このカラー化の実施のために技術改善の経費等がございまして、総額十三億六千万というふうに運用経費として御説明申し上げたものでございますが、ただいまの先生のお話にございましたように、設備の関係につきましては、当時御説明を省略いたしましたので、それをつけ加えさせていただきたいと思います。
 四十二年度のカラー関係の設備費につきましては、建設費総額の中で約十八億円ございます。なお、現在までにすでに約四時間カラー化をいたしておりますので、それに、ある程度の設備を持っておりまして、現在まで約二十億のカラーの設備費を投資いたしております。以上でございます。
#46
○西村尚治君 大体わかりました。
 ところで、このカラーテレビの放送時間ですけれども、今度四十二年度の計画では、七時間三十分ということに予定せられておるようでありますが、第二次六カ年計画による当初の最終年度における目途としては、たしか三時間半、現在とあまり違わないところに置いてあったように思いますけれども、それを一挙に倍近くここまで、七時間半まで急にそういうふうに持ってこなければなぜならないのか、その辺がどうもちょっと私どもまだわからない気がするのでありますが、まあ、カラーテレビのセットを持っておる人からすれば、時間が長いほうがいいと思いますけれども、まだ聴視者三十万程度の現段階におきましては、一挙にそこにいく、それは余裕があればそれもけっこうでしょうけれども、それもさることながら、それよりもむしろやはり難視聴区域の解消といった点をもう少し重点的に指向してもらう必要があるんじゃないかという気がするのですが、これはどうでしょうか、どなたか……。
#47
○参考人(前田義徳君) 印象的に私もそういう疑問をお持ちになるかと、そして、それは当然であろうと、はなはだ失礼ですが、そういう気持ちで伺っておりました。このカラーテレビジョンの長期計画を上回っての実施の必要性というものは、幾つかの点で考えられるわけでございますが、まず、この白黒の受像機の数からいって必要がないではないかという点につきましては、受像機は御承知のように、このカラー送信は白黒でも受信できるという、いわゆるコンバーティブルシステムでございますので、白黒の所有者に損害を与えない方式をとっているわけでございます。それから、そういう点では、このように三時間半の予定を昭和四十二年度末において七時間余り実施するということについては、聴視者全体には御迷惑をまあ一般的におかけしない方式であるということ、それからまた、それでは一体なぜ必要かという問題につきましては、当委員会でも実はカラー化の促進を考えるべきではないかという御意見もかねがねございました。しかし、それにも増して私どもが拡大すべきであると考えましたのは、まあ世界全体の放送事業界の趨勢から見て、この際、やはり拡充しておく必要もあるということがかなり大きな問題点となっております。これは宇宙中継とも関係がある問題でございますが、御承知のように、現在カラー放送を行なっておりますのは、アメリカ、それから、実験的ではありますがフランス、ソビエトでございます。で、これと関連して、ヨーロッパの各国の放送局は、ことしの十月からカラー化に踏み切る予定になっております。こういう環境の中で、私どもとしては、やはりこのカラーの放送時間を従来の予定よりも繰り上げることによって、これは一般的な国際事情にも適応する体制をとり得るということを考えております。さらに具体的に申し上げますと、明後年に迫っているオリンピック、これは各国協力のもとに、実は衛星中継あるいはその他の中継が行なわれるわけでありますが、この点につきましても、いろいろな施設が準備されておらなければならないという点、それからまた、これは一部の問題になりますが、たとえば来年のグルノーブルの冬季オリンピックにつきましても、フランス放送協会は一部をカラー化するというたてまえにもなっており、NHKは最近グルノーブルの放送権を十万ドルで、沖繩を含む日本全体の放送権を獲得しております。こういうような関係から申しましても、実際的にこれらの投資を効果的に進めていくためには、やはり四十二年度を、その次に来たる長期構想のもとの潜在初年度と考える場合には、この程度の増強はしておくべきであるという考え方で御検討を願っている次第でございます。
#48
○西村尚治君 大体わかりました。まあこれは、それはそれでけっこうでございましょう。ただ、それをやめてもらいたいということじゃ毛頭ありませんので、それと並行して、難視聴区域の解消ということを、これはまあ放送法七条に、私いまさら申し上げるまでもなく、「あまねく日本全国において受信できるように」というのが、日本放送協会に課せられた最大の私は使命だと思うわけであります。その線に沿って皆さん従来も非常に努力をしてもらいましたし、今度新年度でも、百二十局の完成、五十局の中継局の着工ということで努力はしていただいておる。しかも、その結果が、四十二年度末にはカバレージが九五・五%になるということで、その点の努力は非常に多とするわけですけれども、まだやはりそれにしても、四・五%というものが残っておるわけでありますね。これを何とかひとつ急速にカバーできるような御努力を願いたい。特に、残されております四・五%というところはみなへんぴなところで、山奥で、文化とか娯楽、そういった面から取り残されておるところ、これを、カラーテレビも大事でありましょう、宇宙中継も大事でありましょうけれども、何とかもう少しやる方法はないものかどうかということであります。現在これが解消対策としては、まあここに計上してありまする百何十局かのサテライト中継局、それから共同聴視の方法いろいろあるようですが、ちょうど、聞くところによれば、サテライト局と共同聴視施設の中間をいくような、もう少し簡易なといいまするか、手軽な、小型のサテライト局というのですか、もう少し安上がりの、カバーする範囲が少し少なくなっているけれども、むしろ、そのほうが経済的で合理的だというような機械というのか、施設というのか、そういうものが開発研究されつつあるように聞いておるのですけれども、これは技術担当のどなたか、そういうことについての状況、見通しというものはどうでございましょうか。
#49
○参考人(三熊文雄君) お答えいたします。
 いまお話しになりましたとおり、百二十局来年度やる予定なんですが、それでは九五・五%。それを、数としては非常に少ないのですが、何とかして、たとえば九八%まで上げると仮定いたしますと、いまの計算によりますと千地区、一地区で場合によりますと二ないし三の放送局を置くという場所も相当あるので、千二百程度置かないと九八%にならないわけです。いわゆる来年以降におきまして二・五%増にするために約千二百程度置かないと、そういうような九八%カバレージということはできないというような計算になります。したがいまして、そういうたくさんの局を置くということになりますと、いままでどおりの方式では、いろんな意味で金もかさみますし、同時にカバレージが少ないものですから、それに相応した施設というものがここで考えられるべきだという点におきまして、いまお話のありましたとおり、ことしにおきましてそういう試作をいま考えています。
 いまおっしゃいましたとおり、いろんな方法があると思うのですが、いわゆる共同聴視的な受信をしまして、そして、その受信からおろして、その町とか、町といいますか、村の一隅に送信機を小さいのを置いて、そして、たとえていいますと、百世帯ぐらい一度にカバーするというようなぐあいのものもいま考えています。でき得れば、郵政省とも御相談しまして、それに対しまするいろんな技術的な検査基準その他もいろいろと考慮していただいて、できるだけ簡易な方法でそういうものを運営していきたいというので、いま、その地区につきましても、本年度ある程度、まあ十局程度になりますか、そういう地区を選びまして、そして郵政省と一緒に御相談しながら進めていきたい、このように考えています。
#50
○西村尚治君 それは十地区という話でしたが、いまのサテライト局は大体いま二千万円前後かかるわけですが、ずっと安くて、しかも、範囲の、何といいますか、共同聴視よりか少し範囲が広い、サテライト局より少し狭いようなところを個別に救済していける、そういったねらいのものなんですな。そして、それは、今後の見通しはどうなんですか。本年度中、新年度中にでも試作の結果だいじょうぶだということで、その翌年度からは大々的に普及といいますか、救済の手が伸ばし得る見込みかどうか、その点ちょっとあわせて。
#51
○参考人(三熊文雄君) いまのお話の十地区になるかどうか、まだここではっきりいたしませんのですが、でき得る限り十地区程度考えてみたいというつもりでおります。それは、いまお話しになりましたとおり、値段がどの程度になるかわからないのですが、でき得る限り、機械とすれば安くできる、そして、いろんな点で効率的なものにしたいと、こう思うのですが、ただ問題になります全体的な費用は、その機械の値段もさることなんですが、道路建設その他にわりに金がかかるわけなんです。したがって、二千万円という中に道路の建設その他が相当入ってくる金でして、いまのようにやりましても、うんと安くなるかどうかはっきりはいたしません。しかしながら、でき得る限り安くしていくという方法で試作のものをつくっていきたいと、こう考えています。それによりましてカバーするのが、大体二百とか三百とかという地域を目標としていきたいと思いますので、来年度におきましても、それが成功しますと、そちらの方向のものが相当出てくるのではないかと、こう思います。ただし、現在、四十二年度の百二十局のものは、大体のところ最低七百世帯を目的にしております。したがって、平均千世帯ぐらいカバーできるというつもりでおるわけなんで、四十三年度におきましても、その七百なり五百なり世帯というものをカバーする置局というものと、それから、いまお話ししました二百とか三百という小さいものと、両方がまじっていくのだろうと、こう思います。行く行くは、その小さなものが多くなりますが、それまでの期間はやはり送信機のパワーの大きなものもある程度必要だ。たとえていいますと、三ワットとか、大きなものになると十ワットというものも必要である。それと、いま、先にお話ししたのは、ミリワット級と、こういうものなんですが、その両方がしばらくは並行していくんではなかろうか、先々になりまして、いわゆるミリワット級の方向に大部分が移っていくというような感じでございます。
#52
○西村尚治君 ひとつぜひそういった面を開発していただきまして、これが将来、民放のほうも、そういったNHKのリードによる技術開発の線によって民放のほうもずっとついていけるというような点で、さらに進む御努力を願いたいと思いますが、こういうぐあいにNHKの御努力によって大体カバレージも一〇〇%にだんだん近くなっていきつつあるわけなんですけれども、この際、選挙のときの政見放送というものを現在ラジオでやっておるわけですが、テレビによる政見放送というものはまだないわけです。ここまで普及してくる、また、さらに今後一〇〇%の線に近づこうということで努力をしてもらっている。この際、もうそろそろテレビによる政見放送というものに踏み切ってもいいのじゃないかという気がするんですよ。これはもちろん、公職選挙法等の関係がございまするから、いろいろな点、検討しなけりゃなりませんけれども、これに対する郵政省及びNHKのお考えを承りたいと思いますが、どうですか。
#53
○政府委員(淺野賢澄君) 選挙のための放送利用でありますが、これは御存じのような公職選挙法によってきめられております。それによりまして、ラジオでは政見放送、テレビでは経歴放送だけということになっておりまして、ただ、立ち会い演説を先般の選挙におきましても、二、三の放送局でやられたようであります。立ち会い演説につきましては、これは放送会社の自主的な編集権、自主性に基づいて現在おやりになっておるわけです。報道として中継放送をやられたわけでありまして、この点は現在のところ、公職選挙法とは関係がない形でやられたわけです。同時に、放送会社の報告を見てみますと、非常に好評であるというふうに書いてございます。ただいまのお話の線もございますので、NHKさん等の御意見も聞き、また、大臣の御判断も聞きまして、まあこういうカバレージも非常に広くなりました現在、指示がありましたら、これは自治省でございますので、よく話し合いと申しますか、意見を申し上げに参りたいと、かように思います。
#54
○参考人(前田義徳君) ただいま電監局長からお話がありましたように、まあ個々の問題につきましては、自主的見解において一応選挙に寄与するという使用のしかたをしてまいっておりますが、率直に申しまして、まあ明年度末に少なくともカバレージが九五・五%になるという状況におきましては、これはもちろん、自治省の問題でございますが、やはり選挙にテレビを使うべき時期が来たというように私は考えております。ただ、これをいかなる形にするかという点につきましては、NHK自体におきましても、たとえば選挙区とNHKのステーションとの食い違いというものもまだかなりございます。それからまた、一番大きな例は、たとえば高松地区のように民放があってNHKがないという地区もあるわけでございます。したがいまして、個々の問題をどのように処理するかという研究が、NHKとしては必要であると考えておりますが、概括的に申し上げるならば、やはりテレビは選挙に使うべきであるという考え方を持っております。
#55
○西村尚治君 だんだんそういう方向にいくのではないかと私ども思うわけですが、特に、いま電監局長のお触れになりました立ち会い演説会、これは非常に労力と時間のむだが多いのではないか、わりあいに効果が薄いのではないかということを痛感するわけなんです。特に東北だとか北陸だとか北海道というようなところ、先回の総選挙の際にも、せっかく数十カ所で立ち会い演説会を開いても、聴衆はほとんど来ないというふうなことで、そういった点をあわせ考えますると、この立ち会い演説会のほうの中継ということもひとつ、これもまた、もちろん公職選挙法との関係がございます。自治省の主管になるわけでございますけれども、個々の民間局では自主的に報道番組としてはやっておるようですけれども、これをひとつ今後、制度として、個々の候補者の政見放送とあわせて立ち会い演説会の中継、これも全部やるのではなくて、数カ所で、人の集まるようなところで立ち会い演説会をする、それを全国に放送するというような方向にだんだんいくべきではないかという気が私どもいたします。すでに、そういう雪国の出身の人からは、そういう希望も、ちらほら聞く状況でございます。いまお話しのように、選挙区とテレビ局との区域の一致しない点というような点もあろうかと思いまするけれども、今後の問題として、この辺のことをひとつ御検討願っておいたらと存じます。
 それから、きのうテレビを見ておりましたら、ウ・タント国連総長のニューヨークにおける記者会見の宇宙中継の報道がございました。この宇宙中継というもの、民間放送でもちょいちょいやっておるようですけれども、NHKの新年度宇宙中継について、どういう計画をお持ちですか。また、予算にはどの程度のものを計上なさっておりまするか、それをちょっとどなたか……。
#56
○参考人(浅沼博君) インテルサット2号が太平洋に上がりましてから、いろいろと利用しておりますが、現在までに大体アメリカ、カナダ、メキシコ、それから国連から二回、合計九回実施しております。方針といたしましては、まず第一に、世界的に注目を浴びるような大きなイベントの中継ということをまず第一に置いております。それからニュースのほうは、御承知のように、電信で入るほうが非常に早うございます。しかし、それにいたしましても、画像を必要とするニュースといったようなものは、これも宇宙中継の大事な対象にいたしたい、スペシャル・イベントとニュースというものを基本にして宇宙中継を実施していきたい、そう考えております。したがいまして、かなり突発的事項が多うございますので、年間の計画はほかの番組のようには立てられないのでございますけれども、ただいま考えておりますのは、四月にはカナダ、それから、できましたらソビエトからもやりたいと思っております。それから六月には、ヨーロッパ放送連合と共同いたしまして、世界の五十数カ国が参加する宇宙衛星による世界一周という、非常に大きな企画番組かございます。この計画に日本からNHKが参加することになっております。大体そんなようなことでございまして、普通の番組のように年間計画を申し上げることができないのは、はなはだ残念でございますが、予算といたしましては、四十二年度は一億二千万円を計上いたしております。それで、大体この金額で二十回足らず年間できるのではないかと思っておりますけれども、ヨーロッパあたりから中継する場合、もちろんソビエトも含みますが、これは星を二つ使わなければなりませんので、大西洋の星と太平洋の星二つ使わなければなりませんので、費用は倍加いたします。そうなると、一回やりましても二回分くらいの費用が取られてしまうというようなことになりますと、二十回という計画も、若干、中継する地域によって変動してまいるだろうと思います。
#57
○西村尚治君 いま浅沼さんの話で、大体スペシャル・イベントとニュースという方向に重点を置いての宇宙中継を計画しておると、たいへんけっこうだと思います。民放などではボクシングだとか、ハワイの状況中継だとか、いろいろやっておるようですけれども、あれはあれで商業ベースでやることだからけっこうだと思いますけれども、何しろ高い回線料を使っての中継でございますので、NHKとしては、あくまで公共放送としての使命――私がいまさら申し上げるまでもありませんけれども、その線を強く打ち出されて、民放があれをやっているから、これをやっているからということで、娯楽番組というようなものであまり競争するというようなことでなくて、できるだけ国際文化の交流だとか、国際親善の増進だとか、そういうほうに役立つという面で、ひとつそういった宇宙中継なども考えていただきたい、そういった点で、ただいまの御方針全面的に私どもも賛意を表しています。このことは、国内放送についてもやはり同様に言えることだと思いますけれども番組の内容等につきまして、まあそういう点ますますひとつ御配意をお願いしたいことと、先ほど申しました難視聴地域の解消、そういったようなこと、民間放送とはおのずから違う面で公共放送の使命の達成ということで、今後ともひとつ一そう御努力願いますように御希望申し上げまして、私の質問を終わります。
#58
○委員長(野上元君) 午前の質疑は、この程度といたしまして、午後一時四十五分まで休憩いたします。
   午後零時四十三分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時五十三分開会
#59
○委員長(野上元君) 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。
 御質疑のある方は、順次御発言を願います。
#60
○光村甚助君 私はおととい質問させていただいたのですが、おとといの衆議院の予算委員会における社会党の猪俣委員の質問の要綱が新聞に出ております。その内容は、政府に内閣調査室というのがございますが、そこからNHKが七百三十万円という金をもらっているという新聞記事でございます。昨年もことしも予算書にはそれが出ておりません。これは業務上この金をもらっているということになると、交付金ではないかと思うのですが、どこの欄に入っているのですか。
#61
○参考人(小野吉郎君) 雑収入の中に入っております。
#62
○光村甚助君 御承知だと思うのですが、内閣調査室というのは一種の諜報機関なんです。そういう諜報機関から金をもらって資料を提供されているということは、一体どういう資料を提供されているのですか。
#63
○参考人(小野吉郎君) 内閣調査室の御依頼によりまして、そういった資料を提供いたしておりますことは新聞記事にありますとおりでございます。ただ、この資料は、依頼によって、NHKがやらぬでもいい仕事をやっておるわけではございませんで、NHKといたしましては、ニュース番組編集の必要上、世界各国の短波放送を受信いたしております。この問題は、何もNHKがそういった御依頼に応じなくとも、政府といわず、だれでもそういった受信機と外国語を解し得る能力があれば、だれでもこれは取り得るものでございます。たまたまNHKといたしましてはこの依頼のあるなしにかかわりませず、本来NHKニュース番組編集上の必要から世界各国の短波放送は日常必要業務として聴取しております。ただ、その問題を翻訳あるいはそれの聴取といったような手数を省く意味合いにおいてコピーをくれてほしい、こういうような要望でございまして、そういう意味合いから別段に諜報活動に協力することでもございませんし、だれでも聞き得るものでございますので、そのコピーを依頼によって差し上げておるという筋合いのものであります。
#64
○光村甚助君 いや、これには内閣調査室が調査を依頼し、必要経費を出しているということなんですが、ただコピーでしたら調査を依頼するというのじゃ意味が少し違うと思うのですよ。新聞記事から見ると、何か諜報機関の下請をして、その代償として七百三十万円もらっているというような印象を受けている。このコピーなんというのは一体どういうものなんですか。
#65
○参考人(小野吉郎君) 新聞記事の書き方は多少そのような、先生のおっしゃるような誤解の生ずるおそれがございます。この内閣調査室の依頼によりまして、別段にNHKといたしましてはそういった別段の調査を特にいたしておるわけではございませんで、依頼のあるなしにかかわらず、日常必要業務といたしまして外国短波の受信の聴取をいたし、これを国内国外におけるニュース番組の素材として活用いたしております。そういった面が政府としても参考になるということで、直接受信機を備えてお聞きになってもそういう目的は達せられるわけでございますが、たまたまNHKで日常業務としてやっておりますので、その写しがもらいたいということで、これを提供しておるに過ぎないわけでございます。
#66
○光村甚助君 いままで私たちは雑収入の内容を聞いたことがあるんですが、七百三十万円というような相当のお金が雑収入の中に入っているということは聞いたことございませんので、今後こういう膨大なお金を、膨大――まあ億を単位にすればたいした金じゃありませんが、日常われわれから考えますと、七百三十万というのは相当膨大なお金ですので、今後誤解のないように、こういう雑収入は、やはり聞かれた場合には、こういう内容のものがあるということを今後報告していただきたいと思います。この新聞にあるように、CIAあたりからNHKが金をもらっているというようになると、この予算をつぶしてしまおうかと思ったんですが、それほどでもないので安心しました。今後そういう誤解のないように、ひとつわれわれにも説明をしていただきたいと思います。
#67
○参考人(小野吉郎君) お説のとおりでございまして、この雑収入の中には明確に金額は入っております。そういうものがあるということは御説明をすべきものであると思います。何しろ四十二年度予算と申しますと、この予算書に計上してありますとおり、十億円の雑収入の中の七百三十万でございますので、一々そのようなことを明記いたしませんでしたことはまことに相済まぬことであります。
#68
○光村甚助君 私はこれで終わります。
#69
○鈴木強君 大臣御就任以来たいへん御苦労に存じますが、これらの逓信委員会に関連する事業については、たいへんな見識家でありますから、私は心から敬意を表しながら、以下質問をしたいと思います。
 まずNHK予算の国会への提出の問題でありますが、これは放送法に基づいて大臣がお出しになっているのでございます。先般、あとからまたお尋ねいたします、非常に問題をかもしました報道番組の介入問題等の意見が閣議で御発言になりました際に、大臣が、特にNHK予算の提出について触れられておりますが、これは各新聞とも大体同じように書いておりまして、ここにコピーを持ってきておりますが、従来、NHKの予算というものが国会に提出されるまでの手続について、大臣は二月二十一日の閣議で、現在NHKの予算は機械的に、郵政省を通じ国会に提出され、承認を求めることになっているが、今後は郵政省の手で、予算編成を通じ行政指導をしたい、こういうふうに語ったと報じておるのでございますが、私もちょうど十一年間、国会での審議に参画しているのでございますが、大臣が、機械的に、何か形式的に国会に承認を求めるようなことをやっておったのは、どうもまずいのだ。したがって、これからはそうでなくて、大臣の監督権の範囲においてのことだと思いますが、行政指導をしたい、こういう御意見のようですけれども、従来どういうまずいことがあったのでしょうか。
#70
○国務大臣(小林武治君) まずいことがあったかどうか、別にしまして、何だか予算というものは、郵政省はさわれない、国会はさわれない、こういうことが従前言われておるわけです。予算を郵政省を通じて出すということは、私はもう、これは単なる物理行為じゃない、やはり行政行為である、郵政省が受理して、これに意見を付して出すということは。だからして、もし物理行為のようなことをやっておるなら、それは間違いだ。やはりこれは行政行為であるということは頭に置いて考えていきたい、そういうふうに思っております。
 それで、国会にしても、国の予算というものは国会は修正できる。ところが、NHKの予算はさわってはいけない、こういうふうな慣習というか、法理解釈というか、そういうことになる。そういうことになっておればやむを得ない。それがいいか悪いかは立法論の問題で、現在そういう法解釈になっておれば、それしかしかたがないということになります。それで、予算を受理するということは、予算を受け取るということは、受け取るについて、ただ機械的に、出たものを――私がよく言うのは、ベルトに乗せて出すだけである、こういうふうなことについては考えなければならぬ。私は、この問題が立法論になるか、解釈論になるか、解釈論はあなた方もいままでおきめになっておる。しかし、そういうことでいいかどうかということについて疑問を持つのは、これは解釈論でなくて、あるいは立法論といわれてもかまわぬわけです。私は、予算が郵政大臣を通じて出るということは、やはりその予算が適正であるかどうか。やはり、けさもお答えしましたが、私は番組の問題と管理の問題は、多少違って考えてもいい。番組等には介入してはいけないということは、われわれもこれを是認するが、管理自体がやはり適正であるかどうかということについては、これは国家機関としても関心を持ってしかるべき問題じゃないかというふうに思っております。何か聞くところによると、この予算も、国会でも修正はできない。そして出たものはそのまま、否決するか、これを通過せしむるか、承認するか、この二つしかない。こういうことであって、予算の運営あるいは予算の使用というものについては、もう何も関係がない、こういうことに相なっているのは、私はたてまえからいってどうかと、こういうふうに思います。すなわち、むろん、いま立ち入り調査とか監査とか、そういう権限は一切ありません。ここを通ったものはNHKにおまかせするんだ、いかなる使い方をしてもわれわれは口は出せない、こういうふうなかっこうは、これは立法論としては私は必ずしも適当だとは思わない。しかし、いまはそうだといわれれば、いまはそれに従います。それから、いまの予算を出すということについて、一体、予算を出す前にどうか、ただ完成したものを、そうですかと、こうやるのも一つの受理の方法だ、出す前に多少の相談にあずかることはどうか、こういうふうな考え方があるわけです。いい、悪いの御批判はあろうと存じます。
 だからもしできるならば、予算を組むについても、もうできたものは、おまえは、一切コンクリートみたいなものだからさわっちゃいかん、手も足も出しちゃいかん、こういうことが、一体いまの制度として適当なやり方かどうかということについて、私は多少の疑問を持っている。しかし、いまのところはそういう御解釈だそうでありますから、それに従う。こういうことであるが、立法論として、私はひとつ考える余地がないかということをいま思っております。すなわち、予算が編成される前に多少御相談を受けるとかどうとかというようなことができないものかどうか、というふうなことを私は考えている。これは許されないといえば、もうそれはそのままでいまはしております。
 それから予算が、国会でも皆さんが、二日や三日でこれだけのものわからぬ、こういうことを言われれば、これは言われるのはあたりまえだと思う。私どもも今度の場合なんかでも、なにしろ三十一日までに通していただかなければならんということになる。それだから、われわれも、これはわずか二日か三日しか見るあれがないわけです。それがやはり扱い方として適当な扱い方かどうか、こういうふうなことも考えております。しかし、いまは私はいままでの解釈に従う。こういうことはそれでよろしいが、今後の考え方として、立法論的にどうかという疑問を持っている、こういうこと。
 それからもう一つは、受理して出すということは、単なる物理行為か。こういうことと、行政行為であるのかどうか。その考え方に、またそれの内容によって違ってくると思うのでありますが、どうもそこの点、まだはっきりいたしません。物理行為のようなことを言われておりますから、今度の予算は大体物理行為のようなわけで、全然さわっちゃいかんというから、さわらないでこちらにお出ししている、こういうかっこうであります。
#71
○鈴木強君 大臣の御発言は、非常に私たちの気持ちにさわる点が幾つもありまして、それが、いわゆるラジオ受信料の全免の問題と同じようなあなたが考え方を持っておられるということは、よくわかりました。
 それで、やはり立法論として考えた場合に、明確になっているのです、これは。NHKの収支予算、事業計画というものは、経営委員会がこれを決定する権限がある。経営委員会が決定したものを、法律第三十七条に基づいて郵政大臣に協会が提出いたしますね。そうしますと、「郵政大臣が前項の収支予算、事業計画及び資金計画を受理したときは、これを検討して意見を附し、内閣を経て国会に提出し、その承認を受けなければならない。」ですから、立法上はもう明らかなんです。
 ただわれわれも、一面あなたが言われているような、経営委員会で決定する前に、たとえばことしFM放送四十局を新設したい。ただし、その周波数がNHKに割り当てられるかどうかということもあるでしょう。ですから、そういう問題について、全然郵政省とノータッチで何も相談しないということはないのです、実際の運営上においては。ですからいろいろな意味において、あなたのところまで一々いかぬかもしれないけれども、やはりそういった長い間の慣習というものが、――われわれも十一年やっておりますけれども、この問題は、法律上やらなくてもいいのです。やらなくてもいいが、やはりそういう接触をしなければ、実際にNHKのすべての事業計画というものは決定できない部面があるのですから、私は、実際行為としてはそれをやっていると思う。管理局長もおりますから、もし違っておれば答えてもらいたい。
 そういうことをやりながら、きまったものが国会に出る。そうしてあなたが検討して、意見書を付する権限がある。ですから、この点はこうなっているが、これはまずい、こうしたほうがいいという意見を付するのは自由なんですから、その意見を出して、これを国会で審議して、確かに修正権というものはない。承認するか、否決するか、どちらかなんですから、どうしてもだめな場合には、否決してもう一回やり直せといえばいいのです、国会の行為は。ですから、あなたの意見書というものはかなり重要視されて、従来も毎年大臣は検討されて、意見書を付して国会に出しておるわけですから、私は、立法上の精神に基づいて、郵政大臣というものはただ機械的に国会に出すとは思っていないのですよ。これはやっぱり、歴代大臣は歴代大臣として、法律に基づくそれぞれの立場から、指導できる点は指導をし、そうして予算を組み、そしてこの国会に出してきて審議しているわけですからね。どうもあなたが、立法上ちょっと問題があると、だからそれをおれはこうしたいのだ、これはわかりますよ。もしあなたがそういう考え方であれば――われわれは反対ですけれどもね、反対だけれども、あなたがそういう考えを持っておるならば、法律改正として別に考えることはできるけれども、さっきの発言を見ると、そうじゃなくて、少なくとも今度は、郵政省の手で予算編成を通じ行政指導したいということですからね。その辺の、行政指導したいということがぼくにはわからぬので、確かに、承認を求めることについてのいまの手続上法上こういう点をこうしたらいいというような考え方をあなたが持って、それをまた検討されるということは、これはあなたの自由ですからね、国会に出すまでは。だから、いいですけれども、そうでなくて、やはり予算編成を通じて行政指導したいということですから、行政指導を通じてそういうことをやるということは、やっぱりそれはいろいろの問題が出てくると思う。それじゃその指導によって、出てきた予算をあなたの手で修正できるかというと、できやしません、法律上。ただ意見書をつけて出せばいいわけです。だから、そんな形式論よりも、実際にあなたが監督権を持っているのですから、いろいろな意味において、NHK当局とも、経営委員会できめる場合にも、およその意見を聞かしてくれということを言うのもけっこうですし、また、大所高所からして、協会がやろうとするその計画が円満に行なわれるような形に立っての、私は、陰になりひなたになってのあなたの考え方というものを会長に伝えてもらうということを、私は、それは放送法上に示されたNHKの自主権を侵害しない範囲においては、これはやり得ることだと思うのですよ。その辺を、明確に、現在の立法上やっていることについてまずい点があるならば、法律改正の問題としてこうするのだというならばいいのですけれども、どうもみそもくそも一緒にしたようなやり方でやられておる。われわれの受け取るのは、放送法の問題もそうですけれども、何か放送法ではそういうことができないにかかわらず、できるのだというふうにわれわれとるのですよ。そういうような法律ですからね。聞いてみると、いやそうじゃなくて、そういうことはどうも直したほうがいいのだというふうに私は思うのだとあなたは言っているのですが、その辺にギャップが実際にある。それが随所に出てきているような気がするのです。私はもう、立法上はいまやっているNHKについて何も問題ないし、過去においても、失礼ですけれどもね、前の大臣が機械的に判こ押して出しているとは思わない。かなり意見書を付して国会に提案されているわけですから、何かそれ以上に、あなたが実際大臣に就任されてみて、具体的にこういうことがまずかったという点があったら聞かしてもらいたいというのが質問の趣旨だったのです。そういうこといかがですか。
#72
○国務大臣(小林武治君) これはもうお話しのとおりでございます。ただ実際問題として、意見書が、従来の意見書は、まあ大体ことしもそうでありますが、似たようなものが出てきておる。これについて郵政省が何か特別な意見書を、特別な意見を付さなければならぬというようなことは、これはなかなか大きな問題となりますし、国会もお困りだろうと思う。われわれのほうで、ここは、こういうところはまずいというようなことを具体的につけてきたら、国会のほうは修正権もありませんからね、非常なお困りな事態が出てくるのじゃないか。こういうことで、自然まあ郵政省も、よく世間で言えば、これは私が言うわけじゃないのですが、おざなりな意見書がいままで出てきておる。こう言われるのは、おざなりになるような法制のたてまえになっているのではないかとも私は思うのです。ですから、そういう面が、私は立法論としても、意見書は役に立つか立たぬか、これは将来の問題に対してあるいは役に立つかもしれないが予算に対しては何にも役に立たぬ――もっとも、国会でけしからぬということで否決されれば役に立つ問題もありますが、こういうことはなかなか実際問題としてむずかしい問題。少なくともことしはいまの皆さんの御解釈に従ってやったものでありますし、法律を直さぬ限りは、御意見のように行なわなければならぬということであります。
 そこで、いまお読みになったようなことは、そういうふうな発言をしたかどうか、私も確かな記憶はありませんけれども、立法論的にはいろいろな意見があろうと、そういうことがたまに私の口から出ることがある。そういうことであります。
#73
○鈴木強君 これは趣旨は一応わかりましたから了解しますけれども、やはり見方によりますと、放送法のたてまえから大臣の監督権限というものが、あなたも言っていたように、番組そのものに対するものと、管理上に対するものと、やっぱり分けませんと誤解も出てくるし、ことに厳正中立、不偏不党、公正中立のたてまえをとる報道機関、NHKですから、むずかしいと思いますけれども、こういうところの発言なんかも気をつけていただかないと、そのことがNHKに対して介入をし、監督権の強化になるのだというふうにとられる。あなたが将来こういう点が悪いからこういう点を改めたいのだとはっきり言ってくれればいいのだけれども、そうは出てこないとすれば、われわれはそうとりますよ。とんでもない、大臣は錯覚を起こしている。実際放送法知っているのかと、新聞を見るたび私はとれるのです。
 そういう意味でお伺いしたので、趣旨はわかりますが、われわれはこの際言わせてもらえば、いままでも、協会として、あなたに相談する前にある程度相談しつつ経営委員会が承認を経、それを大臣に出して、大臣がこれは検討されて、そして意見書を付してわれわれのところに出しているわけですから、そう機械的に出ておるとも思いませんし、この意見書というものがかなり協会の運営について――大臣の意見というものは尊重されるべきものですから、そういう点ではわれわれも参考になるし、協会もその意見書を十分に体しているわけですから、その意見書に対して、十分大臣の意見も出ているわけですから、あなたが予算編成段階で介入できるようなそういうことは根本的にこれはいまの協会の問題に関係するわけですから、その点を私たちはあくまでも反対するわけで、明確にして……。趣旨はわかりました。そういう考え方はあまりお持ちにならぬほうがいいですよ。先輩に対してだけれども。
#74
○国務大臣(小林武治君) 御発言よくわかりました。
#75
○鈴木強君 次に、光村委員、横川委員からもお話があったと思いますが、先だって大臣の所管事項を伺いまして私は、国会に提出予定または、検討中の法律案について申し上げたいと、六つ並べているのですけれども、どれが予定されるのか、検討されるのか、よくわからぬのですよ。その六つのうちですね、特に私が聞きたいのは、電波法及び放送法の一部を改正する法律案は臨時放送関係法制調査会の答申に伴う所要の改正を行なうようにしているという説明を受けました。ところが、私はいろいろ雑誌や新聞やこういう通信を読んでみるのですが、たまたま、あなたの三月十八日に共同通信放送懇談会という席上での御発言が載っている記事を見ました。それを見ると、放送改正は今国会に提出しない、新免問題は任期中に緊急を要するものは処理したい、こういう意見を明らかにされた。こういう記事を見まして、これはまあ大臣が御説明になったのは二十三日の日ですから、十八日から見ると五日たっていますから、そういう御方針だったが、いやそうではなくて出すことにしたのかどうかわかりませんが、けさの話を聞いてみると、どうも自信がない。おそらく共同通信放送懇談会の席上であなたがお述べになった放送法改正は無理だ、この国会ではしたがってジェスチュアとして出すようにするというふうに見られるのだが、こういうふうに出すのだが実際は出せぬと、失礼ですけれどもそういうふうにとれるわけです。われわれはこの放送法改正については、非常に年来の主張でありましたし、内容はもちろんいろいろありますけれども、とにかくこれをひとつ軌道に乗せて、日本の放送行政というものを本来の姿にやっていきませんと、いままでのように、もう四分五裂して――宇宙通信やFMの新免を考えて、早く放送法の改正を提出してもらいたい、こういう希望を強く持っているだけに、どうもこの記事が気になりました。幸いこの委員会がありましたので、大臣にそれらのいきさつを聞いておきたかったのですが、どうなんでしょう。
#76
○国務大臣(小林武治君) これはかねてからの郵政当局の考え方として、ぜひ早い機会に出したいと、こういうことを思っておるわけでありますが、何ぶんにも昨年のこの法案が不成立に終わったときのいきさつからいきますと、せっかく一部のほうで共同修正案ができたということでありましたが、たまたま与党内にいろいろな強い反対が起きたりして結局いけなかった、こういう事情もありますので、あの取り扱いにつきましては、私ども政府といたしましては与党との調整がつかなければ出せない、こういう事情もありますので、またその後、通信衛星その他追加すべきものあるいは補足するものの用意もいたしておりまするが、そういうことのために事務当局が一応の案をまとめておるのでありまするが、そういう調整についてもまだ始めておらぬ。そういうことでありますから、しっかりした見通しということになれば、私もいまここで申し上げられることは、この国会に出すことは非常に困難な事情になりはせぬか、こういうふうな程度のことはお答えできると思いますが、しかし、われわれ取りやめたということじゃなくて、もちろん準備を進めておるということでございまするので、そのまま予定にはいたしておりまするが、究極のところ非常に困難ではないか、そういうふうに考えております。
#77
○鈴木強君 ですから、共同通信放送懇談会の席上で言われたことは、これは間違いないわけですね。
#78
○国務大臣(小林武治君) それほどはっきり言ったかどうか私もはっきり記憶しておりませんが、そういう気持ちが私にあることは事実でございます。
#79
○鈴木強君 ですから、そういうことが非常にまた、せっかく張り詰めているわれわれからいってみると、何か前の足をかっぱらわれたような気がするのです、率直に言って。むずかしいことであっても最善を尽くしてやはりこの国会に出してもらう。われわれもまた意見はありますから、そういう前向きの姿勢でないといけぬと思う。たまたま民間の共同通信懇談会の席上で気軽に大臣はおっしゃったかもしれませんが、そういうことはやはりすっと伝わりますから、放送法はこの国会には出ないそうだね……、放送関係の当事者は敏感です。そうなると、その影響は、じゃ一体どこにくるかというと、次の新免です。U、FMそういうものにはね返ってくる。あとから御質問いたしますが、特例によってことしの十月三十一日まで延ばしてやりますね。それまでの免許期間にやったものは十一月一日からさらに再免許をして、という特例をつくって七カ月間繰り上げていたわけですね。そういう措置もあるだけに、いままでUにしてもFMにしてもたくさんのあれがある。それから北九州あるいは名古屋とか近畿とかそういうところの広域圏といいますか、そういう地域からの置局設置の問題も相当出ているから、そういう人たちが非常にまた異常に活動し始める気がしてしようがない。それは放送行政を乱すことになる。あなたの投じた一石がたいへんな波紋を描いておるということをひとつ頭の中へ置いてもらいたいと思うのです。こういう私的な席上であったかもしれませんが、非常に大切な御発言だ。大臣としては、従来のわれわれが郵政大臣からここで確認した意見と違うのです。大臣の引き継ぎがどうであったかしりません。しかし、われわれとしてはもってのほかだ。おそらくわれわれは出てこないと思いましたが、二十六日に出ておりますから、たいへん失礼ですけれどもやる気なくした。それではいかぬ、また自分自身のことではないですか、これは国家的立場に立っての放送をどうするかということですから、私たちもこれに対してここまではっきりした以上は何としてもひとつやりたいという私は熱意を持っているのですよ。ですから何とか新しい法律改正の中における放送行政の中で次の問題に、新免の問題については手をつけてもらいたいというのが私の悲願であり熱意である、そういう気持ちを持っている。われわれの気持ちにもつと具体的に沿える私は発言をしてもらわぬと、前回からのいきさつからいってこれは納得できぬですよ。
#80
○国務大臣(小林武治君) これは作業を中止しておるわけじゃありません。しかし、私どもはそのつもりで準備を進めておるということは変わりありません。
#81
○鈴木強君 まあしかし、そうは大臣おっしゃるけれども、前の御発見ですと無理だということじゃないですか、私はそうとりましたよ、私だけだったのでしょうか……。だからもっと前向きの姿勢で事務当局を鞭撻しても困難があり、与野党内の調整も必要でしょうが、与野党の意見を伺うことも必要ですよ。そういう意味で、虚心たんかいに党派を乗り越えて取り組んでいきませんとなかなか成功しません。だから徳安さんが社会党の意見も事前に十分に聞くと約束しておきながら、作業段階でわれわれに聞かなかったじゃないですか、それもやはりこの前のむずかしくなった原因の一つになった。私は本会議でもこの問題について特に質問いたしましたよ、総理は十分に皆さんの意見をよく聞いてやりたい、こういう答弁をしているから、それだけにいま始まった話ではなくて、四十年に答申が出て一年二年と、二年以上もたっているから、それだけにこの国会にわれわれはたいへんに期待をしておりました。いいかげんなことじゃなくて、もう少し熱意のある答弁をしてくれませんか。
#82
○国務大臣(小林武治君) よくわかりました。御趣旨はごもっともと存じます。
#83
○鈴木強君 これはそうなりますと、ちょっと質問をしていいかどうかなという迷いがあるのですけれども、しかし、非常に心配なものですから、一つか二つ関連をして伺いたいのでございます。
 さきに申し上げましたように、十一月一日から再免許になっておりますが、昭和四十年五月二十六日に放送局の免許の有効期間の臨時特例に関する規則というものを省令第十五号でお定めになりました。そして昭和四十年六月一日から四十二年十月三十一日までの間に免許されたものは十一月一日から再免許は更新すると、極端に言えば、十月三十一日に免許したのを十一月一日になってまた再免許をしなけれならぬということになっているわけですね。この趣旨は、やはり当時放送法が国会に提案され審議されておる、したがって、できるだけ新法成立後の新しい行政体制の中でやったほうがベターだということでこういう措置をとったと思うのですね。これは監理官から聞きたいのですが、それらと、いろいろ事務的な問題もあったでしょう、いまここで放送法が出るか出ないか、新立法でやるかやれないかたいへんな問題になっている、もしだめの場合にはこの精神というものがどうなってくるのでしょうか、省令、特例が一体どうなってくるのかということまで関係しているのです。十一月一日以後の新免については、一体どうしていくのか、いままで考えておったことがくずれるわけでしょう、だからその辺の関係、放送との関係とに私はこの新免の影響は出てくると思います。それが一つ問題でありますが、それからUプランについては、別な意味の御質問で、NHK徳島がいま実験をやっております。五月ごろ一応の成果を得てやりたいということでいろいろの準備を進めておられるようでけっこうですが、しかし、さっき申し上げた静岡とか長野とか、あるいは全国大体十地区ぐらいで業績収入が二十億くらいあるところは最低二局の置局が可能であろう、要するに共倒れしないのだという予測もされているようでありますが、一体そういうところに新しく免許をするとすればVではとても無理でしょう、そうすると、UということになればU本来の形が出てくるでしょうし、NHKの徳島がスタートした時分から、それと同じようなことが全国十カ所に出てくるということになると思います。それだけでなくて、さらに今後、最低単数局に複数局置くということになりますと、たくさんの申請が出てくるわけです。二十五社これに対して反対している、意見がいっていると思いますが、いずれにしてもそういうチャンネルをどうするかというプランを、ただ単にNHK徳島だけの問題でなくて、親局として使う場合に、これは一体どうするかということが、われわれが十数年前にVプランを立てたときのことを思い出していただきまして、これがほんとうに公正妥当に使えるようなことを進めていかなければならない、そういうことをいまからやっておかなければならぬと思うのです。ただ単に、私は、静岡とか長野とか、業績二十億だからといって、それで両立できるからよかんべえということで、このUとかVとかいうことは認可することはもってのほかだと思います。これをやらなければ非常な乱れが出てきますが、交通整理を再びやらなければならぬ。ですから、そういう意味においてはこれだけを早くやって、その上で前車の轍を踏まないように公正なチャンネルプランを国民に示して、そして妥当な公正な判断のもとに認可していくということをやっていただかないと困ると思う。
 それから、われわれはFMについても何回かここでやってきているんです。四年前に、西崎監理局長は、ちょうどいまごろでした。桜の花が咲くころにはちゃんとやりますということを私に明言した。じゃ、四年たって桜の花が四回咲いたけれども、まだどうなっている。無責任もはなはだしい。それはなぜかというと、FMの実験局は法律改正になったらやります、けっこうでしょう。私もFMは第三の大事な電波ですから、これはやはりUと同じようにやったほうがよろしいということで私も了承した。しかし、それも法律が流れた。ことし四十局ですか、NHKのほうもふやすようですが、民間のFMの申請者は一体どうなんですか。おれのほうはどうするのかという相当苦情があると思います。そういうものとの一連のものがあると思いますから、そう簡単に新免の問題について触れられないと思いますよ。あなたは何か法律が通らなければ、新免というやつは任期中にやっちゃおうという気持ちかもしれませんが、なかなかそうはいかぬ。もしそうであるとすれば、あなたの構想をぜひ伺っておきたい。私はいま申し上げましたような気持ちを持っておりますから、どうでございましょう。
#84
○政府委員(淺野賢澄君) 一番最初の、免許の期間の問題につきましてお答え申し上げます。御指摘のように、今回の再免許はことしの十一月となっております。四十年の五月二十六日の、先ほど御指摘の省令によりまして、今回に限り二年半といたしております。普通でございますと、放送法、電波法で、放送局は三年以内、かようになっておりまして、省令によりまして一応三年ときめておりますので、臨時特例によりまして今回二年半といたした次第でございます。この意味につきましては、いま先生御指摘のとおりでございまして、なお若干ほかにも二、三意味がございますが、大体のところはいま御指摘のとおりであります。それで鋭意、法律改正の当時の大臣も非常に御努力になったのでありますが、今日御存じのような状況で間に合わなかった。再免許もいよいよ十一月に近づいておるわけでございます。再免許の手続きの面で申し上げますと、手続きは六カ月から三カ月以内に申請書を出す、かようになっております。したがいまして、今回の再免許につきましては、現行法でおそらくやるよりないのじゃないか。かりに順調に進みまして改正ができましても、もう五月からの申請書受理になっております。現在の法体系のままで再免許を行なうようにするのではないか、かように考えております。
 それから免許関係でございます。免許関係につきまして貴重な御意見をちょうだいいたした次第でございますが、これにつきましても昨年たびたび委員会におきまして御指摘がございましたが、緊急の場所についてはどうするかという、また処置すべきではないかというような強い御意見もありましたことは事実でございます。そういった点等ございますが、しかし、やはり最後の波でありますUとか、FMになってまいりますと、慎重な計画がやっぱり必要である。FMにつきましても、いま御指摘のように、きわめてこれは急がれたのでありますが、おくれてまいりました理由は、やっぱり音声放送としての一体化された慎重なる計画であろうと思います。しかし、とはいいながら、緊急という問題とのかね合いの問題になってまいりまして、やはり時期というものもあるのではないか、しかし、そういった場合においても計画だけは、基本計画はしっかり立てる必要がある。この点は今後郵政省全体としまして慎重に考えていかなければならない、かように考えております。
#85
○鈴木強君 もうあなたはまるっきり大臣の指示があって法律改正をあきらめているような私は印象を受けてしょうがない。だから、そういう点がもう一連の、やはり郵政省の内部事情というものを表には出すなというが、出さないということは見せかけでしょう。というのは、いま十一月一日が免許更新だと、なるほど、これは逆算してくればあなたのいうとおりになる。しかし、これは省令でしょう。この省令を動かすことはできるのですよ、いいですか、いいでしょう。これは変えたっていいでしょう。法律改正というものが通るなら、それが一番ベターでしょう。あなたもそれは認めるでしょう。だから、できるだけ法律改正をして、その上で新しい放送行政のもとにチャンネルプランをしたほうがいいという考えですよ。そういう前向きのことを私は言っている、拙速主義じゃなくて。だから、FMについてはずいぶん急いだけれども、前の郡さんはいなくなったけれども、前の大臣のときにそういうことをいうかち、だから法律改正をすることが目の前にあるのだから、そのほうがいいでしょう。こういったが、そのことは何かしらこの省令そのものにこだわっちゃって、これを動かし得るのだという前提に立てば、放送法そのものとの関係ではどうにでもなる。だから、あなたのいうことは、放送法はだめなんだ。だから、省令というものを生かしていくには逆算して三カ月なり、四カ月なりということでいきたいというが、それはいかぬ。私はもっと本来の放送法改正というものに取っ組んで、できなければできないで、こういうところがだめだということをいってくれればいいでしょう。その努力もしないであなたはいいましたけれども、熱意の問題なんです、問題は。いま積極的にやっておるからもう少し待ってください。いまやっています。もし、いうならばこういう点とこういう点が問題ですから、野党もひとつこの際協力してくださいと大臣からいったっていいじゃないですか。われわれだってそれに協力する意思は持っていますよ。そういうことが全然出ないから、私はたいへん失礼だけれども、書いてあっても実際には出さぬというふうに意思の統一がしてあるのじゃないかというようなうがった、たいへん失礼ですけれども、見方をしたわけなんです。あなたのかんにさわったかもしれぬが、私の言わんとすることもわかるでしょう。だから、そういう後退したことをここで言うべきじゃないですよ、あなた。やっぱり放送法を国会に出すというのだから、前と同じ精神で出してもらって早く通して、それからわれわれは新免をやりたいというのが筋じゃないですか。それをまるっきり後退してしまった意見になったということで私はいま怒ったわけです。そうでしょう。そこらをもう少し大臣との気脈も通じなきゃならぬし、監理官というのは局長さんですからね、そうでしょう、どうですか、大臣。これは局長に答弁さしてもかわいそうだから……。
#86
○政府委員(淺野賢澄君) 先ほども申し上げました点で若干私の真意が通じていないようでございますので申し上げますが、当初の予定でありますと、昨年通りますと、ことしの十一月に間に合います。こういう予定で二年半となったものと考えておりまして、もう六カ月前に手続をいたしますので、放送会社におきまして、これは相当膨大な資料がありますが、この省令にも乗っけてありますが、各社がこれぐらいのものになると思います。これをつくるのはすでにやっているわけでございます。それでやっておりますと、本国会にかかりました法律がかりに五月末に通りましても、これは相当問題だろうと思います。もうすでにそういう準備にかかっておりまして、六カ月前から受け付けるということで、もうすでにそういう態勢になっております。ですから、おことばを返してまことに失礼ではございますが、少なくとも昨年に通っていないということは、今度法律を出し、通るということを前提にいたしましても、ことしの再免許につきましてはほとんど間に合わない、こういう意味で申し上げたのであります。
#87
○鈴木強君 省令を変えればいいのじゃないですか、十二月にしても一月にしてもいい。
#88
○政府委員(淺野賢澄君) その点は、あとほかに二、三理由があると申し上げました点でちょっと申し上げにくいと思います。
#89
○鈴木強君 いいですよ。われわれにそういう、憶測であっても、考え方を持たせぬようにやはり発言をしてもらいたいし、また郵政省のかまえというやつもしてもらいたいということを僕は言いたいのです。郵政省の考え方のほんとうのところは大体わかったのです。そこで私は念のために伺っておくのだが、緊急地区の場合ですね。この問題をどう解決するか。たとえば近畿なんかもだいぶうるさく言ってきているでしょう。それからもう一つ、最低二局設置の方針で案が出ましたがね。これは置いたって悪いことないですよ。いまの法律では一局以上置いていけないということはないのですから。ただ、私が心配しているのは、それによって共倒れにならぬように、十二チャンネルもあとから伺いますけれども、あんなようなことになってしまってはメンツないですよ、何と抗弁しようと。ですから、そういう場合をおもんぱかって、最低二局については慎重に両立するという見通しがなければむずかしいぞと僕は個人的にも言ってきたのですが、そういうことで考えついたのが業績年収二十億くらいの十の地区について、緊急地区と一緒にやろうという魂胆があるのじゃないですか。この点はどうですか。
#90
○政府委員(淺野賢澄君) 二十億という点はどういった点か、私どもは全然存じませんが、二十億とか、そういう点は全然まだ考えておりませんし、まだ作業も一切いたしておりません。将来の研究課題である、かように考えております。
#91
○鈴木強君 大臣、その点どうです、緊急地区……。
#92
○国務大臣(小林武治君) いまの放送法の問題は、私は野党、社会党の諸君にこれだけの熱意があるとは実は知らなかった。はなはだ連絡が悪くて申しわけないと思います。われわれ与党方面からはあまり早く早くとこういうお話もなかったのでありまするし、実はいま鈴木さんがおっしゃるように、そんな熱意がおありになるならばまたわれわれも考えなければならないが、その点私どもは連絡のしかたが非常に悪くて恐縮いたしますが、しかし、いま非常な熱意を承りましたので、何もこれが悪いわけじゃありませんから、私どもは前向きでひとつ相談をいたします。
 それからいまの問題、複数局の問題等については、私も必ずしも複数局全部必要とは思いませんし、これはやっぱり事業でありますから採算とか経営とかそういうものは十分考慮しなければならぬ、こういうふうに思うのでありまして、したがって、画一的にどうこうなんということはあり得ないというふうに考えております。
#93
○鈴木強君 画一的ということじゃなくて、大体二十五あるんですよ、いま一局しかない県が。ですから、その県に最低二局を置いてくれという意見と、それじゃそこは成り立たぬからやめてくれという意見があるのです。
 そこで、大臣として、たとえば北九州の場合とか名古屋の場合とか、あるいは近畿の場合等については特に緊急地区として、周波数はどういうふうにいわれておるかしりません、UとかVを使って、電波との関係があるからわかりませんが、いずれにしてもそれはとりあえず手をつけるということでしょうか。そうしますと、これは業績年収二十億というものは、いろいろ情報がありますから、私もそれを根拠にして伺っておるのですが、そういう根拠があるのです。ですから二十億あれば大体併存できる、共存共栄できるだろうという見当から逆算したらしいのですが、そういう地区が十ある、調べてみると。したがって、そこらは緊急地区と同じようにやってもらえないだろうかという、やはり希望があるわけですよ。ですから大臣は、そうすると、全然いま緊急地区を考えていない。私はこの質問は、法律がおそらく通らぬだろう、したがって、新免をするのだという、そういうふうなかっこうの質問のしかたでたいへん恐縮ですが、しかし、それはそうでなくてやってくれということを言っておるから、大臣もそういう趣旨を言ってくれましたから……。確かに中身ですから、中身ならば、われわれによく相談してくれるでしょう。たいへんタイミングとしては私の質問がまずいのだけれども、念のために、どうもあぶないように思うから、その点どうだろうかということをここで念を押したかったので言ったのです。三地区をとりあえずやるのですか。あとはあとで答弁してください。
#94
○国務大臣(小林武治君) まだいずれも考えをまとめていない。しかし、これをいつまでも放置しておくべきでない、こういう考えを持っておりますし、もしそういう事態がくれば何も限定された、いままで言われた地区に限らないでやろう、こういうふうに思います。いずれにしても、このUの問題というのは徳島の実験局の結果というものが五月末ごろでないと出ない。それが出ればいまのUのプランというようなものもやはりその場限りで行き当たりばったりでやるわけにいくまい。したがって、ある程度全国的な割り当ても考えなければならぬ、こういうふうに思っております。
#95
○鈴木強君 それはひとつ慎重にやってもらいたいと思います。
 それから、この意見書の中には、「事業計画中、放送網の建設計画については、免許方針との関連において、変更の必要が生ずる場合もあると考える。」とありますが、これはどういうふうに解釈したらいいのでしょうか。これは特に具体的に免許方針との関連というのだから、新法との関連でもあるでしょうし、そうでないかもしれません。いろいろあるのだが、抽象的でわからないのです。どういう意味ですか。
#96
○政府委員(淺野賢澄君) このことはこの一両年、二、三年でございますか、同じような書き方を意見書に……(「去年は違いますよ、ちゃんとやはり法改正という問題が出ておる。」と呼ぶ者あり)
 実は一番問題になりますのは、FM放送です。FM放送で今回の置局は四十局というふうにお手元の予算の中に入っております。このポイントをきめます場合に広域圏との関係、将来の正式に民放を許可いたします場合の地点等との関係、すべて影響してくるわけであります。そういった点等から少なくとも用心をしながら場所をきめてまいりたいという気持ちもあります。ですから、そういった計画によって変わるとか、NHKさんのお考えの場所が変わることも、あるいはあるかもしれません、こういう意味でつけたわけであります。
#97
○鈴木強君 これはちょっと協会のほうからも会長伺いたいのですが、これは大臣からも伺いたいのです。十二チャンネルの再建の問題については、きょうは協会予算の関係ですから、私は次回に譲りますけれども、いま盛んに十二チャンネルの再建案というものが報道されております。それで特にわれわれが大臣に伺っておきたいのは、その再建案の中で従来の教育放送としての性格というものをかなり変えるような内容が伝わってきております。たとえば放送時間をかなり延長して、いま五時間半を何か九時間か十時間やるらしいですね。それで従来ちょっと再建途上で一時スポンサーをつけてやったことがあります、自主番組をつくりまして。そういうものをかなり多く取り入れてスポンサーをつけていこうというのが一つ。それからもう一つは、NHKとか、あるいは他の民放からも相当供給番組というものを出してもらって、リスト提出をしてもらって、その中には放送したものもあるかもしれぬし、まだ放送しないものもあるかもしれない。その中から供給していただいて十二チャンネルが使いたい、こういうふうないろいろな案が伝わっております。これはどうなんでしょう。そういうことは単なるうわさで、全然あなたは知らぬのですか。新谷郵政大臣の当時、私承ったのでは、あまり具体的なことを答えてくれませんでしたけれども、いずれにしても免許をし、認可をした郵政省とすれば、ああいう十二チャンネルの風前のともしびのような姿をいつまでも続けていくということは非常に困ると思うのです。これを早く再建するということは至上命令です。義務だと思う。そういう意味で、実はもしNHKが供給番組をやるということになると、放送法第九条との関連で合法かどうかという論にもなると思うのです。これはいま沖繩テレビですか、琉球放送、沖繩テレビのほうにはNHKは供給しておりますね。あれは法律的にはどうなんですか、ちょっとこの機会に伺っておきたいのですが、ニュースはストレートで沖繩テレビのほうに行っておりますね、NHKから。もし十二チャンネルへそういうような番組提供があった場合には、沖繩と同じように応ずるつもりなんでしょうか。法律上の解釈とも関係しますけれども、沖繩の場合にはああいった潜在主権しかないところで、総理もかなり力を入れて先島のほうにいまテレビの置局を考えて準備を進めてもらっているわけですけれども、ちょっと条件が十二チャンネルと違うように思いますけれども、法律的な解釈、そういうお話はNHKでは聞いてないのですか。聞いていればそれに対する何か対策を考えられておられるかどうか。
#98
○参考人(前田義徳君) 私どもとしては、沖繩の問題については多少背景が異なりますけれども、やはり放送法第九条の七、「放送番組及びその編集上必要な資料を第五十一条に規定する一般放送事業者の用に供し、又は外国の放送局に提供すること。」という事業の範囲に入ると考えております。
#99
○鈴木強君 そうすると、大臣はそういうお話を聞いておりますか。これは一つの仮定のようなお話で恐縮なんですが、NHKがそういう再建計画を持っていると聞くもんですから、持っているならば、科学技術財団のほうから切り離して科学館のほうにだけ別の法人をつくるというような話まで伝わっておりますね。そこへNHKが金を出すとか出さぬとかいう話まで巷間には伝わっております。そういう話、聞いておりますか。
#100
○国務大臣(小林武治君) 書面等においてまだ出ているものはありません。NHKの関係等も世上に伝わったことがありますが、これもいまは解消して何の関係もありません。それであれの再建につきましては、とにかく負債が五十億、累積赤字が三十億、こういうお話でありまして、これにつきましては、今度はかわった首脳部から口頭でもってこれらの借金の肩がわりをして、そして借金そのものは財団のほうに移して、そして放送事業部としては借金のない形で出発をしたい、こういうことを言うてきております。その方法としては、いまあなたの言うように、スポンサーもある程度つけたいとか、いろいろなことを言っておりますが、まだ正規の書類は出てきておりません。いずれにしましても、まず借金の整理、こういう負担をなくして出かけることが今後の健全経営の基盤であろう、かように考えて、さような向きのことは申しております。
#101
○鈴木強君 会長、この第九条の七ですね。合法的に考えていると、こうおっしゃるわけですが、その場合ですね、十二チャンネルからそういう要請があったとしますね、提供しますね。そうするとそのときの金はどうなんですか、具体的にいってその場合には無料でこういうふうにやることになるのですか、それとも幾らか金をとることになるのですか。
#102
○参考人(前田義徳君) 無料ではございません。これはやはりNHKが経費をかけてつくったものでございますから、その再使用については、一定の基準に従ってお金をちょうだいするというたてまえでございます。特にこの著作権等関連する番組については、著作権の処理が非常に大きな問題でもございますので、したがって、無料というたてまえは考えておりません。
#103
○鈴木強君 そうすると、時間がないものですから……。いま沖繩テレビに提供しておるものとか、あるいは琉球放送に提供しておる娯楽番組ですね、これの金はどうなっておるのかということを私は知りたかったのですが、一体どの程度の貸し料といいますか、使用料というものをとってやるのかということは、後ほどもしわかっておりましたら知らしてもらいたいと思います。
 それからもう一つ、この意見書の中を拝見しますと、2の中に、「協会は、その事業の運営が国民の負担においてなされているものであることにかんがみ、その財政の健全性を将来にわたり確保するため、経費節減に対する認識を新たにし、経費の効率的使用について格段の努力をする必要がある。」これはまことにもっともなことだと思いますが、特にあれですか、「経費の効率的使用」とか、あるいは「経費節減に対する認識」ということを書いたことは、大臣として何か思い当たることがあるのですか、いままでの協会の経営の中でそういう特に指摘しなければならない理由があったんでしょうか。
#104
○政府委員(淺野賢澄君) 協会も年々拡大整備してまいりました。ほとんどテレビのカバレージもラジオに近づいてまいっております。その影響するところ非常に大きいものもありますし、したがいまして、約二千万世帯から集まってまいります聴視料のことでありますから、りっぱに使ってやっていただきたいといった意味の一般的なこれはことばでございます。
#105
○鈴木強君 具体的に何か問題があって、これはこうしたほうがいいというふうな指摘ではないのですね、抽象的なものですか。
#106
○政府委員(淺野賢澄君) さようでございます。
#107
○鈴木強君 それから意見書3の最後のほうに「テレビジョン放送の難視聴地域の解消の促進」これはまことに時宜を得た意見だと思いますが、これはただこう書きましても、中継局をつくる場合ですね、周波数の割り当てが違ってきますね。Uを使うかVを使うかは別としまして、微電力サテライト局にするか、いずれにしてもこういうことを言うからには、周波数の割り当てについては郵政省はいかような相談にも応ずる、心配するな、まかしておけ、こういうことで書いたんでしょうね。
#108
○政府委員(淺野賢澄君) さようでございます。
#109
○鈴木強君 それからいま大臣、郵政省と大蔵省の間で登録税法の改正について何かお話がなされておると思いますが、その際、一般放送局の場合ですね、登録税として、一件あたり五万円を課すというような動きがあるようでございますが、NHKの場合はこれはどうなりますでしょうか、この登録税は当然免除になると思うのでございますけれども、その点は折衝の中では出ておりませんか。
#110
○政府委員(淺野賢澄君) これはかからないことになっております。
#111
○鈴木強君 きまったのですか。
#112
○政府委員(淺野賢澄君) はい。
#113
○鈴木強君 それから一般放送局のやつは、やはり五万円でやむを得ないということですか、一件当たり。
#114
○政府委員(淺野賢澄君) これは政令にゆだねておりまして、現在の考え方では政令の段階におきましては、まだ大蔵とそこまで詰まっておりません。詰まってはおりませんが、大体、放送局のうちの難視聴対策に関するものにはかからない、こういった面でなお折衡中でございます。
#115
○鈴木強君 まあ、公共放送というか、放送が公共的な使命がずいぶんあるものですから、できるだけ政府のほうではとりたいと思うでしょうけれども、やむを得ずやるという方針でひとつ折衝してやってくれませんか、これは私もお願いしておきます。
 それからもう一つ大臣に。長い期間の懸案で、私の意見なんですけれども、いま沖繩はああいうふうに潜在主権しかないわけです。これに模範農場とか、マイクロウエーブとか日本政府は一億数千万円の金を使って投資をして技術を提供しておるわけです。ところが先島群島なんかはいま盛んに、総理も行かれて、気の毒だというのでピッチをあげて関係者は努力をしていただいているので、やがてうれしいニュースが聞けると思うのでございますけれども、この際、施政権の返還についてはなかなかむずかしいが、自主的に施政権が返還されたと同じような形で政府は努力すると、きょうも予算委員会で総理は答弁されていましたね。そういうものの一環から考えて、私は少なくとも日本国民であるし、沖繩の人たちが。である以上は、内地と同じようにNHKのテレビもストレートでもって全部見れるようにしてやるべきではないかと思うのです。そのためには、まあ施政権はないが、潜在主権がある。そこにNHKの、昔那覇に放送局がありましたように、NHK放送局をつくって、そうして沖繩の人たちも内地と同じように、このNHKの放送が見れるような、そういう施設を早急にやったらどうかというのが年来の私の主張なんですけれども、なかなかいろいろな点がありまして、むずかしかったので、予算委員会で総理に伺ったほうがよかったかと思うのですけれども、所管大臣として、そういう点どうですか、そういう点ひとつ前向きで検討をしてもらうわけにはいかないでしょうか。
#116
○国務大臣(小林武治君) ごもっともな御意見でございまして、やはり政府の問題として取り上げて、ひとつ前向きに善処したい、かように考えます。
 なお、これは余談でありますが、いまの先島の石垣島と宮古島にできた放送局は、日本政府の援助資金で約七億円、これを沖繩政府に無償譲与するということを閣議できめております。
 それからなお、ここには直接関係ありませんが、電話料金が沖繩と内地は国際料金で扱っております。これをひとつ内地並みにしたいということで、一割五分以内で日本側の取り分を減らすということで、内地並みにすると、こういう話し合いが大体できまして、いま沖繩電電公社の総裁も出てきておりますが、沖繩側も自分の取り分を取り、若干おつき合いいたしましょうということで、その協定をいま電電公社でやっておりますが、これらはいわゆる内地並みの料金になる。いまのようなことは、いずれの問題についても進めていきたい、かように考えております。
#117
○鈴木強君 非常にいまの電話の問題でも、長い間、争っておった問題ですから、そういう終止符を打たれるということは、私は非常にけっこうなことだと思うのです。多少公社の収入は減るかもしれませんが、ひとつその点勇断をもってやられたことに対して敬意を表します。ぜひ正式に調印できるように、なお御努力いただきたいと思います。
 それからもう一つ、大臣にいやなことなんですけれども、この際伺っておきたいのですけれども、二月二十一日の閣議で、さっきもちょっと申し上げましたが、ああいった一連の問題が議題にのぼりましたときに、大臣が例のTBSの番組偏向の問題について、郵政当局が実情を調べた事実を報告すると同時に、偏向を指摘された会社の社長は陳謝をし、遺憾の意を表明したという報告をなされ、それに関連して、二、三の閣僚から意見を出された。これは新聞の報道ですが、その中で私はちょっと見のがせないのは、政府はもっとNHKを活用すべきだと、それはなぜかと言うと、NHKの場合は、予算も経営、人事も国会の承認事項じゃないか、だからしてもっとNHKを活用して、NHKももっとそれに協力する必要がある。政府の窓というものを一つつくってやったらどうだろうかというような御発言があったように承るわけです。しかし、私はこの発言は、何か聞くところによると、オフレコにしておったのだが、どっかからか漏れて、小林大臣も答弁を記者会見でやらなければならない羽目におちいったということですが、案外それくらいやるわけですから、政府もかなり神経を使ったと思います。しかし、放送するときには重大な関心を持ちまして、社会党は番組介入調査特別委員会というものをつくりまして、不肖私が委員長になりまして、六、七回会議を開きまして、詳細検討いたしましたが、その結果あなたにも申し入れ書をお渡しいたしましたが、そういうような経過があるわけです。そこで正式に、私は委員会の席上で一言触れておかなければならない、大事な問題ですから申し上げますが、もしこれがほんとうだったらとんでもない考え方の飛躍であって、番組への介入ということを政府がみずからやろうとするものである。これは憲法とか放送法に示された不偏不党、公正中立な放送をやるという、その限りにおいて、何びとといえどもこの番組に対する介入は許されないわけでありますから、そういった意味から言ってたいへん問題だと思います。日本は戦後二十年の間自民党の政権が続いております。こういう中でその一党の政見というものを報道機関であるテレビ、ラジオを通じて、そのマスコミによって自己の政府の考え方をやっていくということになりますと、きまった政策そのものについて正しく国民に知らせるということであればいいんですけれども、そうじゃなくて、やはり一つの自民党としての色合いを持った問題がどんどん出ていくということになりますと、これはたいへんな国民に対する悪影響が出てくるわけですね。これはどの党が天下をとってもそうなると思う。ですから私はこの発言を聞いたときに、非常に憤慨をすると同時に、何回も何回もわれわれはいろいろな話を聞いておりました。もう十数年の間にいろいろな話を聞いておりましたけれども、今度ほど私は腹の立ったことはないですね。ですからそういう点、非常にオフレコのことですから、大臣もここで話しにくい点があったら私は立ち入って聞こうとはしませんけれども、少なくとも私どもの心配がないようにしてもらうということが大前提ですから、その趣旨に立って、担当の郵政大臣としては今後NHKと言わず民放と言わず番組については自主的な立場に立ってやる、さらばといってわれわれもどんなくだらない番組でもいいということではないですよ。これは憲法とか放送法に保障されております、そういうものにのっとってやるのが原則なんですから、私はそういう意味で申し上げているのですから、ひとつこの際明確に、大臣、この委員会を通じて国民に政府の意図するところを明らかにしていただきたい。こう思って質問したわけです。
#118
○国務大臣(小林武治君) これはもう本会議あるいは予算委員会その他においていろいろ問題を提起されたのでありまして、その際も私明確にお答えしたのですが、そういう介入したこともないし、また介入する意図もない。ただ、あの際は多少誤解を招くような行為があったとも思うから、そういう誤解も将来招かないように気をつけてまいりたいと、こういうふうに申しておるのであります。それでいろいろお調べになった結果、まあそういう事実もなかったということはおわかりいただけたと思いますが、私どもも十分気をつけてまいりたいと思います。
#119
○鈴木強君 いやいや、全然そういうことじゃないのですよ。先般われわれはあなたにも警告したように、やはり郵政省として十分に慎重に配慮していただかなければならぬ点は幾つか指摘をして差し上げてありますが、そこで、私は繰り返しませんけれども、やはり非常に微妙ですから、郵政大臣の閣議における発言というものは。それは閣僚個人がいろいろな感想を述べるということは一つの方法として全部これを否定するというわけにもいかぬと思いますが、少なくともこういう微妙な段階において放送法なり憲法なりとの抵触を相当考えないといけないので、少なくとも番組に対する批判というものは国民がするわけですから、そういう意味において皆さんのおとりになった行動の中にもやや軽率に過ぎた点があったのじゃないだろうか。もっと慎重な態度でおやりになるべきだし、それから「日の丸編」の「現代の主役」ですね。あれなんかだって、あの前の日に放送する前に放送局長とスポンサーと皆寄って見ているのですよ。見ているのです。そしてよろしいと、これは。ということで次の日に放送した。それで閣議で言われてまたもう一回見た。そうしたらこれはどうもまずかったと、そんなばかな話はないですよ。少なくともああいったドキュメンタリー的なものは全部事前に、いうならば皆試写をして、内容について確めてあったのです。このことは泉編成局長に番組介入調査特別委員会にきていただいて確めてあります。そういうふうに念には念を入れてスポンサーもみずから認め、編成局長もみずからいいと言っておきながら、次の日になっておかしいというのは、政府が言うからおかしくなっちゃう。そういう影響がある。そしてそのときにたいして影響がなくても、番組を編集する人たちの中にどこかそういうものが残ってきて、だんだん自分の思うものがやれなくなってしまう。そのスポンサーも動揺してくるという、そういう心理作戦というものをねらったのじゃないかと考えられる節もあるものですから、私は党の調査の中で、大臣のおっしゃるように調べてみたけれども、何もなかったようだというのは、そうじゃないですよ。それは大いにあなたにも申し上げているようにわれわれの意見を申し上げているし、まだこれは中間段階ですから、かなり調査を進めておるわけですから、その点もひとつ含んでおいていただきたい。
#120
○国務大臣(小林武治君) 了承いたしました。
#121
○鈴木強君 何ですか。
#122
○国務大臣(小林武治君) よくわかりました。
#123
○鈴木強君 ラジオの受信料免除のことについて、私は、光村委員もすでに伺っておるようですが、時間の関係もあるから重複を避けますが、ただ、単独立法でも出すというようなことについて、あるいは放送法の改正をやってもというようなことについて、まあ放送法がいま検討中で、どうも日の目を見そうもないんですけれども、それはひとつ努力してもらうとして、もし――もしですよ、放送法制調査会の答申に伴う全般的な放送法、電波法の改正ができないときには、単独立法をこの国会に出す、あるいは次の臨時国会に出して、昭和四十三年四月一日からラジオは無料にすると、こういう御所見と承っていいんでございますか、四十二年度の予算に関係しないということは。法律は出すんでしょうか、この国会に。
#124
○国務大臣(小林武治君) いまの法律は出したいと、こういうふうに思っておりますが、方法、時期等については、なお十分ひとつそれぞれの向きと相談の上できめたいと考えております。
#125
○鈴木強君 あと若干NHKのほうにお尋ねをしたいんでございますが、第二次六カ年計画の最終年度に来年四十二年度予算はなるわけです。顧みて、第二次六カ年計画というものは、皆さんの努力もありましてかなり成果をあげていると思うんですが、協会としてはいずれこの年度が終わった後に新しい一つの計画というものをお持ちになると思うんです。これは一つ宇宙通信もあるでしょうし、カラーテレビの問題もあるでしょうし、いろいろ備えた態勢というものがあると思いますので、そのことを伺う前に、私はいままでの成果について一体どういうふうになっているでしょうか。たとえば第二次のチャンネルプラン等も、たしか千局くらいあったと思いますね。こういった置局計画は四十二年度予算で全部済むようになるんじゃないかと思いますけれども、いずれにしてもそういう計画に対する成果というものとして、簡単でいいですから、お考えになっていることがありましたら明らかにしていただきたいと思います。
#126
○参考人(前田義徳君) 私どもとしては、明年度で終わる第二次六カ年計画の実績は、当初予想したよりもはるかに好成績をおさめたと思っております。
 その第一点は、難視聴地域の解消でございますが、第二次六カ年計画の六カ年間の考え方に比べますと、御審議いただいている明年度予算を含めて、その成果は大体一六〇%に達するものと考えております。したがって、六〇%だけ予定を上回って完成するということが言えると思います。したがって、これと関連して、いわゆるテレビのエリヤが、当初考えられたものよりも、四十二年度末においては多少ともエリアが上回って広がるという結果になるわけでございます。このことは一見非常に簡単に見えますけれども、先ほど来各委員の方々から御質問をいただいたように、われわれの第一の重点目標は難視聴地域を解消するということでございまして、その点については少なくとも第二次六カ年計画は明らかに成果を説明しているというようにいささか自負いたしております。
 それからまた、その後の情勢の進展に応じまして、第二次六カ年計画はいろいろの御議論もあるようでありますが、まあ国内のエレクトロニクスの産業の発展のためにも、いろいろな番組、特にカラーテレビジョンの問題その他がかなりの効果を、NHKのみならず、産業界一般に与えているという確信を持っております。そのうちで、特にこれはまだ目に見えて出てまいりませんが、それからまた、あるいは特別の議論の対象となるかもしれませんが、いわゆるNHKの近代化のために、この六年間の措置はやがて昭和四十三年からかなりの効果をあげ出すであろうという確信を持っております。これはその意味では、昭和四十二年度予算は、第二次六カ年計画の最終年度であると同時に、新しい経営近代化のための潜在的初年度である、そういうことが言い得る段階に達したというように私どもは自負いたしております。
#127
○鈴木強君 まあ会長の述べられるようなことについてはおおむねわれわれもよくわかります。たいへん御苦労であったと思いますが、そこで問題は、これからの長期計画なり、協会の経営をどうしていくかということが、国民にとりましても非常に問題だと思います。それで、まあ来年というか、四十二年度が最終年度ですから、一体その先どうなるか。要するにNHKはもうおよそ全国の局舎も、陳腐化したものは大体新しくして、環境もよくなってきている。したがって、まあまあラジオ料金も免除するということであるから、ですからまあここへきたら経営が安定期に入って、そして多少テレビの料金ぐらい下げてもらおうじゃないかというような期待をやはり持っていますよ。ですから、NHKは一体これからどういうところに、第三次六カ年計画というか、第三次五カ年計画というか、それは別といたしましても、来年、再来年からのNHKというものは一体どうなるのか。われわれからすると、まず放送衛星の問題がありますから、これらも、昭和四十五年でしたかね――四十五年ごろにはまあ打ち上げをやるというような計画ですから、それまでに一体どういう態勢をしいていくのか。それまでに難視聴地域というものが一体どうなっていくのか。これからの置局というものでも、赤字置局になるのじゃないかと思いますね、率直に言って、非常に山の中に入っていきますからね。そういうことを考えると、そう簡単にいかぬと思うのだが、しかし、なかなか専門的にそこまでわかりませんよ、一般の視聴者は。ですから、テレビを少しまけてくれるだろうと、こういう期待を持っておりますね。そこいらがいまの第三次六カ年計画というか、次の新しい長期計画の中で、経営を一体安定化して、多少でもそういうゆとりが出てくるのかどうか。そういう大綱だけでもいいから聞かしてもらえませんか。まだきまっていないのでしょうか。きまっていないのならここで聞くわけにいかぬですけれども、しかし、会長の考え方でもいいですわね、個人的な。
#128
○参考人(前田義徳君) まだ確定はいたしておりません。私どもは昨年来事務的にまずその基礎的検討を開始しており、私といたしましては、ことしの夏ごろまでに第三次長期構想をはっきりさせたいと考えております。まあ第三次長期構想というものを、何年間で仕切るかという問題は、私としては少なくとも十年間ぐらいの動向を考えてみて、その中で五年にするか、六年にするかという技術的問題も起こってくると思います。
 ただ、はっきり申し上げられることは、第三次長期構想の基礎となるものは、先ほども関連して申し上げましたように、経営の近代化に伴う効率の測定ということが一つの基礎になると思います。で、大体昭和四十三年八月ごろになりますと、あらゆる部門において経営の近代化は完成いたしますが、それと関連して、財政規模がどうあり得るかという問題と関連して、ただいまの御質問のように聴取料が値下げができるのかどうかという見通しもついてくると思います。率直に申しまして、私どもは第二次六カ年計画の実行に際しまして、前会長あるいは前々会長を通じて当委員会に対して少なくともNHKはいかなる、革命的な経済変動があれば別ですが、そうでない限り、昭和四十二年度まで値上げは考えないということは、はっきり申し上げたと記憶いたします。これに対して巷間、あるいは初めからさばを読んでいたから、値上げしないで済むんだろうというような解釈もあるようでありますが、私どもとしては値上げをしない、できるだけ聴取者に負担をかけないというたてまえで、これまで六カ年計画を実行してまいったわけであります。したがって、この精神は、長期構想の中でも受け継ぐべきものという考え方を持っております。まだ私自身の構想ですから、数字的に確定したものではありませんが、少なくとも私といたしましては、昭和四十三年、四年くらいまでは値下げが困難であるとしても値上げはしないというたてまえで、長期構想のスタートを切りたいと、このように実は考えているわけなんですが、先ほどお断わりしたように、まだ基礎的数字を確定しておりませんので、この点については何とも申し上げかねるというのが実情であります。ただ、第三次構想の最終目標は、いままで四十二年間の陳腐化したいろいろな施設、あるいは社会的要請によってふえてきた波の処理、それと放送事業の技術革新のスピードに追いつく準備及び、できればある程度追い越しておくという、一応の目標が達成されましたので、私といたしましては、第三次構想は逆に、集約的方向に向かって一歩を前進させるべきだという考え方を持っているわけでございます。
#129
○鈴木強君 その最後の、集約的な方向に持っていくという点は私も同感でして、ぜひそういうふうにしていただきたいと思う。ただ、会長のいまお述べになりましたものは、経営委員会のどうとかいうことじゃないと思いますけれども、私は一つ問題をかもしたのは、何といっても、ラジオ料金の全免問題ですよね。これはわれわれが、光村委員を中心によく申し上げたことです。われわれは、ラジオの受信者が一体どういう階層にあって、どういう地域にお住まいの方々がお持ちになっているのか、そういう実態調査も十分してみませんと、なかなか全廃ということは出し得なかった。ただし、ここまできたんだから、何とかそういうことも考えてみたらどうかという意見を出したんだが、それはできませんというのが会長のお答えで、きたわけですね。ところが、何といつも私が残念なのは、やり方もけしからぬですよ。ああいう、もう放送法を忘れて何か四月一日からやめるのだというようなことを、一月の十日にきめて、それで総理が大阪に行って選挙中にぶつというようなことも不見識きわまると思いますが、それはともかくも、結果的に見て、単独立法でも出してこの国会に出してやるということを、いま大臣もお述べになりましたね。そうなりますと、今度はラジオ料金については少なくとも全部免除するということになるのか。あるいはカーラジオ等については除外するということになるのか、その点わかりませんが、少なくとも世帯中心のラジオは全廃しようという思想のようですね。これは官房長官の福永さんの意見と郵政大臣の意見と、ちょっと食い違いがあるのは、福永さんは全免しようというのは、免除しようというのは、山の中とか貧困者とか、いろいろそういう気の毒な人たちの世帯なんだから、と言っていました。私どももそれは賛成です。ところが、実際に調べてごらんなさい。FMステレオのりっぱなものを持って、バーを経営し喫茶店を経営し、十分余裕のある人たちがおるでしょう。東京、大阪を中心にして、ほとんどそういう人たちでしょう。そういうものまで、はたして全免していいかどうかという問題は、論議として残りますよ。私たちは、むしろ基地周辺の――この前、立川の先の基地を見てきまして、この委員会でも申し上げました。四キロでしたか、二キロでしたか、その距離を少し、二キロぐらいふやしてもらいたいということを申しましたけれども、今度の減免の中にはそれが入っていない。それで、なにか政府が、総理が言っちゃったものですから、どうしてもこれはやらなければならんというのでもって、免除のそれを拡大しまして、四十二万世帯にして、かっこうをつけたのじゃないですか。だから、これは妥協の産物というか、総理のああいう発言ですから、やらざるを得なかったので、協会がこれに屈服して、形を変えて四十二万世帯を減免した。それにもってきて、今度全部免除する法律を出そうというわけですから、そういう余裕があるならば、テレビの三百三十円を三百二十五円でもいいからという声が出てきますよ、そうでしょう。私は、その辺は非常に料金問題として残ってくると思うのです。
 私は、ここで深くこれを論議しようとは思いませんけれども、そういう一面には、第三次六カ年計画か五カ年計画か、知りませんが、新しいビジョンに立って構想を皆さんがお持ちになっても、料金というものは、そういう面から国民の頭から抜けてきませんからね。なかなかむずかしい面があると思うのです。値上げするなんていうことはとても不可能でしょうけれども、これからも値下げしたらどうかという意見がずっと出てくると思う、私は。その辺に対して、協会が果たすべきビジョンというか、これからこういうことをやらなければならない、それにはこれは借金が幾らある、経営上こうだということを明らかにせんと、納得しないと思う。一千億近い協会の経営になりますと、いろいろ金の使い方その他についてもいろいろな批判が出てくるでしょう。そういう意味から言っても、協会はみずからやらんとする仕事について、国民の理解を得ることがぜひとも必要だと思います。そういう意味において、正しくこれからのビジョンを早く出して、国民に周知をして、協会は公共放送としての使命をやっていくのだという姿だけは、ぜひ出していただきたいと思う。なかなか、会長のおっしゃる中で、料金の問題はつきまとってきますよ。その辺の配慮はどうですか。ラジオ料金全免、これは妥協の産物で、皆さんが屈服したのじゃないですか。それで拡大を十何カ所かやって、総理の顔を立てた、こういうことじゃないですか。
#130
○参考人(前田義徳君) 乙料金の問題については、いろいろと巷間で御解釈のしかたが異るということは、やむを得ないと思います。私どもが従来主張してまいりましたのは、置局の促進によって、乙料金は当然ある時期に甲料金にかわるというたてまえでいるわけでありまして、したがって、原則的には、そういう形において乙料金は解消されるであろう。その過渡的形態として、甲と乙という考え方があったわけであります。
 ただ、これを乙料金という形でなくして、ラジオ料金として見た場合にどうかという問題になりますと、これはまた性格がかなり変わってまいります。私どもの調査によりますと、お金があっても、まあFMのステレオとか、そういうものを楽しむためにラジオだけを持っておられる方がかなりふえているわけです。それからまたもう一つは、カー料金あるいはホテルその他の問題については、かねがね当委員会でも強く御指導いただきまして、これは料金の公正な負担、これを実現するためにも取るべきである。その努力を実は現在続けているわけでございます。
 ただ、辺地の問題であるとか、NHKが従来から考えている、そうして郵政大臣の認可を経て実行している免除、免除基準というものは、社会の進展に応じてそれぞれ増加する傾向があることは、社会的傾向として当然だろうと思います。問題は、先ほど基地の問題あるいはこれと関連する問題を御指摘いただきましたけれども、基地その他の問題は、これはNHK自体が考慮すべき問題ではなく、本質的には、国の施策との関連においてどうあるべきかという問題だろうと思います。したがいまして、今回の免除申請の中には基地の問題は含まれておりません。ただ、ただいま申し上げたように、従来からの基本方針に基づく、社会的欠陥をNHKとして当然補うべき幾つかの項目について免除を拡大したということでありまして、これは、御解釈はいろいろ成り立つとは思いますが、私どもとしては、当然やるべきことをやるのだという考え方でございます。
 また、今回の免除の総世帯数が四十二万をこえて、これは明らかに政府と妥協したのだろうと、こうおっしゃられるわけですが、今回の四十二万という数字は、これまでのNHK放送法ができて以来、昭和二十五年以降、実は免除のある年度間の免除の世帯総数としては最高のものではございません。昭和三十七年の免除の総数のほうがはるかに多いわけでございます。したがって、免除自体もいま申し上げましたように社会の進展に応じて社会的欠陥をNHKとして補うべき点に集中されるべきですから、ほとんど毎年免除の申請をしている。ただ、昨年、一昨年は、昨年はしなかったし、そういう事実もございますが、おしなべてほとんど毎年社会の進展との関連において免除の額をふやしているということは事実でございます。ただ、将来の問題として、この放送法が存続する限り、私どもの存立はこの放送法に根拠があるのでありますから、唯一の根拠でございますので、私どもとしてはこの放送法の精神を守ってまいりたいと考えております。ただ放送法との法理論だけでなしに、先ほど申し上げましたテレビジョンの置局のいわゆるカバレージの拡大と実際上との問題、あるいは物価の騰勢あるいは経済社会の実情等勘案してわれわれの事業計画はどの方向に将来重点をおくべきか、その事業計画の重点施策と関連し、社会的に必要と思われる限度における聴取料の額を将来やはり第三次長期構想と関連して考えていくことは当然でありまして、その意味においては私どもは私ども独自の立場から、先ほど申し上げましたように第三次長期構想の確立と関連して、近い機会に、良識を集めた、内外の良識を集めた料金問題の特別の委員会も持ちたいということを私は考えているわけでございます。
#131
○鈴木強君 当然やるべきことを怠っておって、政府に言われたから免除基準を一部改正したとおっしゃいますけれども、これは会長としていまここで公にそうしか言えないでしょう。しかし、私はそう思わぬのです。ですから、一応あなた方が免除基準をこう設けて、四十二年度の予算を編成する当時ある程度の段階までいって、言われてふやしたことはこれは間違いないのです。だからそういうことばはわれわれには通用しないのです。これは宮澤経済企画庁長官から小林郵政大臣に意見が出てきて、その前の長いいきさつというのがあります。私はそのいきさつについて全部知っておりますけれども、ここであえて言おうとは思いませんが、やはりわれわれも今日までNHKの生々発展をこいねがって、唯一の経営の基盤である、収入源である受信料というものをどうすべきかということについては、これはもうたいへんな配意をしてきておるわけでありまして、そういうためにこそ何回か意見を出してきているわけであります。しかし、その意見に対して会長が公に言っておきながら、途中でこういう姿を変えて言明したということはどうしても私は納得できない。そんなことではNHKはつぶされますよ。そういう点は十分ひとつ、政府のほうでもこれは十分考えてもらわなければならないし、協会としてもやはりき然たる態度で、あえて妥協することのないようにしてもらいたい。こう思うのです。ほんとうに皆さんが心から、予算編成時から基準を拡大しようという考え方であったならばこれは納得できますけれども、そうではないようですから、私の聞く範囲では。こういう点を失礼かと思いますが申し上げておきます。
 時間がありませんので、あと一つ二つお聞きしておきますが、最近、契約の拒否とか、あるいは不払いの受信者というものがかなりふえてきているように思いますが、そのパーセンテージはつかんでおられますか。
#132
○参考人(佐野弘吉君) ただいま御質問の、契約の拒否ということでございますが、おそらく収納関係の停滞といいますか、未払い、未収ということも含めての御質問かと存じます。ただいま御指摘のように、最近におきます都市構造の変化とか、あるいは生活環境の変化というようなことで、受信者の常時不在あるいは経済上の理由等をもちまして契約あるいは収納においてかなり停滞ぎみを増しておるということは事実でございます。非常に大ざっぱに申しまして、ただいまパーセンテージをつかんでおるかという御質問でございますが、収納関係におきまして、数字的に見ますれば、全受信料収入に対比いたしまして一〇〇のうち〇・二ないし三というようなパーセンテージが収納上の未収金額という形であらわれております。また、契約につきましては、先ほど来御指摘の、基地関係で一部この基地免除の非該当空港、あるいは大阪等の伊丹空港というようなところでも若干契約をしぶるような空気がございまして、これはおおかたほぼ一万弱というふうに推定をいたしております。
#133
○鈴木強君 ことしの予算で、これらの欠損引き当て金として五億円を積んでおりますね。
#134
○参考人(佐野弘吉君) はい。
#135
○鈴木強君 私は、この五億円を組んでおるんだが、この五億円というのは、契約拒否なり、あるいは受信料の不払いなりをする連中が遺憾ながら出てきた。こういうものは困るわけですから、協会としてこれをなくするための対策というものが十分に、これこれこうやって見て、なおかつこの程度の欠損は予算上組まなければならぬということだと思うのですが、具体的なそういう防止対策といいますか、そういうものについてはどうやっておられますか。なかなか相手ががんこなものだから苦労されておると思うのですが、しかし、万難を排してやるべきものはやらなければならぬと思いますが、そういう意味で、五億円欠損があるだけに私はこれを承認するのには具体的な対策を聞かないとできぬものですから、大事なところですから。
#136
○参考人(佐野弘吉君) ただいまの御質問にやや間接的な御答弁になろうかと思いますが、ただいま先生の御指摘の、約五億円というのは、正式に申しまして四億七千万円の計上が正確な数字だと思います。ただいまの御質問の線に沿いまして一つの例としてお答え申し上げたいと思いますが、三十九年度のこれに関連する数字で御返事を申し上げます。と申しますのは、三十九年度で未収分は四十年度に引き続き徴収をいたしてまいっておりますので、最近におきましてはこの三十九年度の数字が一番正確なものでございますが、これがその年度におきましては六億二千万円ほどの未収額という形で一応予算上あらわれたかと思います。ただし、この数字は翌年度中に二億一千万円、要するに三十九年度中には収納できなくて翌年度の四十年度におきまして二億一千万円、あとで徴収が完了いたしております。したがいまして、この六億から二億円を引きました四億五千五百万円というのが決算処分額の正式な数字になるわけでございますが、このうちに、私どもの立場から申しますと、この調定控除額と申しまして、転居先の不明とか、海外へ行かれるとか、あるいは世帯がなくなるというようなことで、当然控除さるべきものが一億三千万円、また同時にもう一つ、一億一千万円ほどが廃止による解約、これは受信機が盗難、消失その他の理由によりまして廃止届けが私どもに受理される、そのときに実際に事実廃止されておるということが確認されておるものが一億一千万円、合わせまして二億四千万円というものが先ほどの四億五千万円から差し引かれて残り二億円が純未収額という形で残っておるわけであります。しかし、この三十九年度の未収額も、引き続き四十年、四十一年度等において数百万円ずつ回収が可能になって、これまでの平均値から申しますと、大体六、七百万円ずつが、あとで、次年度、次々年度等において回収される、こういうようなやりくりになっております。以上をもちまして、この収納関係で一部の数字的なお返事をいたしたわけでございますが、このこと自体も、率直に申しまして、三十八年度等から見ますと増大傾向を見せております。ただいま御質問を受けました、これらの関係にどういう努力をいたしておるかということでございますが、大かた、先ほどの、常時不在、あるいは共かせぎというようなことで常時不在でございますが、これらの方々に対しましては、前納制度の利用あるいは郵便振り込み、預金口座自動振り込み、あるいはアパート等の管理人に預託を願うというような形をいたしておりますし、また経済上なかなか支払いできないというような方々には、集金訪問の回数をひんぱんに重ねまして、あるいは月給なり収入のあったあとにいただくというような形で、希望の日にちを調節をしていただくというような努力をいたしております。また不払い関係につきましては、常時、通知状、督促状の反復発送あるいは訪問等をいたしておりますし、私どもの協会の責任者がそれぞれの段階別で訪問をして説得するというような努力を重ねてまいっております。先ほど来私が申し上げましたこと、あるいは先生が問題といたしておりますことにつきましてもう少しく御説明申し上げますと、たとえば単身の世帯というものが三十年度には百十万と目せられておりましたのが、昭和四十年には三百十八万になっておるとか、あるいはテレビが低所得者層に普及しておって、これらの、年間三十万未満というような方の所有率も増大しておるというようなこと等も含めまして、収納契約等の困難が事実あらわれておりますし、しかし、ただいま申しましたような努力を重ねることによりまして、次年度あるいはそれ以降におきましても、これらの未収金の徴収に非常な努力を重ねておるという実情でございます。
#137
○鈴木強君 わかりました。まあ、ひとつたいへんでしょうけれども、あらゆる努力を尽くしていただきたいと思います。
 それからさっきも会長言われましたが、合理化というものがかなり急ピッチで進んでいくと思うのでありますが、この際私は労使関係等についてもちょっとお尋ねしておきたいのですが、合理化というのは確かに一つの方向として是認しなければならぬと思います。ただ、そのやり方でありまして、合理化のやり方がそこに働く労働者にしわ寄せされるということになると、これは労働組合やっぱり反対しますから、合理化というものが、ラジオもテレビを見ていただく人も、またこれを経営する人も、国民一般も、みんながよくなるということになりますと、これは労働組合も合理化を認めざるを得ないと思う。ですから、そういう意味において、私は集約年度に向かってさらに合理化が進んでいくと思いますが、そういう場合に、一方に日放労という労働組合もあるわけですし、よくその計画についても事前に協議をして、理解納得の上で協力していただくというようなことをぜひとってもらいたい。それから新放送会館ができたりしまして、非常に奥のほうで作業をしていただいておるのですが、まだまだわれわれが調べてみましても、ある部門におきましては作業条件等において非常に悪いところがあります。ですから、そういう点は、金がかかってもひとつ思い切って作業環境をよくしてやるというようなことの一つの配慮をしてもらいたい。そう思うのであります。ことし日放労が皆さんとの間で賃上げ交渉をして五・七%のアップを一応この予算の中に組んであるようでありますが、日放労は一万円の要求をしているわけでありますから、大体四分の一ぐらいでございましょうか。私も関連産業との賃金の比較等も自分で調べてみました。しかし、決してこれはNHKが同種の業種から比べて高いどころか低い。ですからその待遇の問題についても考えてほしい。しかも正月も盆もないわけでしょう、第一線で働いている人たちは。われわれがお茶を飲みながら聞いておっても、朝早く起きてきて放送してくださるわけですから、そういう作業条件等もありますので、例年のようなおそらく附帯決議がつくと思いますが、その待遇改善等については、できるだけひとつ業績を上げて弾力条項の発動等も考えてやってもらいたいと存じますし、それから基本的な労使間のあり方については、先ほど会長に所見をただし、またできるならば思い切って積極的に作業環境の整備はやってもらいたいと思うのですよ。労働組合より先に手を打つぐらいの積極的な態度でやりませんと、この合理化というものは皆さんが思うようにいかないと思いますから、その点もひとつ勇断を持って労使関係の正常化といいますかという点もひとつ考えてもらいたい。どうでしょう。
#138
○参考人(前田義徳君) お説のとおりであります。たてまえとしては、私どももその方向に努力を続けていると考えております。
 NHKの近代化は、幸いにも将来の事業量の増加を見通しながら数年前に手をつけたために、したがって、首切りとかそういうものはないわけなんですが、当面の問題としては、新しいこの定員量と申しますか、労働力の強化を伴わない環境を原則的に打ち出すことが必要である、このように考えておりまして、先ほど来長期構想の中で申し上げたとおり、昭和四十三年夏以降の効果測定をこの夏ごろまでに実施することによって、明年度中に新しい定員の構想を打ち出したい。したがいまして、これと関連する人件費のあり方、あるいは職場環境のあり方なども、最終的に構想を打ち立ててこれを実行してまいりたいという考え方を持っております。この経過的期間の中で実際上の問題として個々の職場について多少の問題点が出ておることは承知いたしておりますし、私の立場から申しますと、この点もあるいは非常にそっけない気持ちとお聞き取りいただくことになるかもしれませんが、ある最短期間の経過的期間において、すべての職場が同じような環境にあり得なかったことについては、私自身も遺憾に思っておりますけれども、この点はただいま申し上げたように、わりあいに早い機会に是正される可能性があるということを申し上げたいと思います。
#139
○鈴木強君 最後に。これは会長にこの前も私は伺ったのでありますが、例の公務員制度審議会の会長を会長はなさっているのですね。あのときにきっぱりと、私はもうやめますと、こうおっしゃいました。私はその答えを了としておりましたが、最近ちょっと新聞等を見ていますと、佐藤総理があなたの説得にかかって、あなたもまたぐらついたというような記事をちょっと見ました。
 そこで、これはわれわれが本会議等でも労働基本権の問題等についてただしましても、あるいは当事者能力においては公労協で問題になっている問題についても、本来ここでやっていただくわけですね。池田さんと太田さんの会談の結果出たわけですが、それがたな上げされて運営上やられているわけですね。あなたは辞表出されているわけですね。受理されているかどうかわかりませんが、辞表出しておられる。そうすると、開店休業の状態に公務員制度審議会はあるわけです。それが公務員制度審議会をいまやっているから結論は待ってと言っているわけです。公務員制度審議会が政府答弁の便法に使われているわけでありまして、これは非常に困ったことだと思うのです。そういうこともあって、会長は最近ぐらついているのではないかというように思いましたから、この機会でありますから、再度ですけれども、会長を辞退されたその心境というものは、この前の答弁と同じように変わっておらないのかどうか。しつつこい説得でぐらついて、やろうとしておられるのか、その点を最後にただしておきたいと思います。
#140
○参考人(前田義徳君) 前回お答え申し上げたとおりでありまして、私自身はぐらついておりませんし、また、ただいま先生の御指摘された、巷間に伝わる、私が佐藤総理にくどかれておるという事実もございません。
#141
○鈴木市藏君 ひとつ、時間の関係もありますので、最初大臣にお聞きしたいと思うのですけれども、いわゆるNHKの四十二年度の収支予算並びに事業計画、資金計画に対するあなたの出す意見書なんですけれども、この意見書というものの性格は、先ほど何か同僚議員の質問にもお答えになっていたようですけれども、どういう性格のものだと御判断しておられるのかお聞かせを願いたいと思います。
#142
○国務大臣(小林武治君) これは性格はやっぱり郵政省の意見がこれを適当と思うか、あるいは欠陥があると思うかどうかという、そういう意見ではないかと、こういうふうに思います。
#143
○鈴木市藏君 この意見書の性格は、三十七条に基づいて出されているものだと思いますけれども、NHKのつまり収支予算に対して意見を付することのできる者というのは、日本広しといえども郵政大臣ただ一人なんですね、これ。ですからあなたの付する意見というのは、非常にそういう意味では重要性を持つわけです。先ほどあなたは、つまりいままでは機械的でおざなりで云々というようなことを言って、何かこれにある考え方というか、方針というか、そういうものを盛り込みたいかのごとき姿勢を示し、発言の中にそういう姿勢があるやに受け取られるようなことばもありましたけれども、一体この意見書の性格をめぐってどうあるのが一番望ましいと考えているのか、率直にひとつ御意見をお聞かせ願いたいと思うんです。
#144
○国務大臣(小林武治君) これはもう意見書は読んで字のごとく、国会の参考になるように郵政大臣がこの内容が適正であるか、あるいは不適正であるか、こういうことについての意見を述べる、こういうことであります。
#145
○鈴木市藏君 参考になるようにというとちょっと違うんじゃないかという解釈を持つんですが、国会の承認を受ける事項というのは、あなたの意見書を含めて国会の承認事項になるんですか、それともあなたの意見書は単なる参考でよろしいんですか、どうですか。
#146
○国務大臣(小林武治君) 国会の御承認は、予算そのものに対するものじゃないかと思います。
#147
○鈴木市藏君 これは非常に重要な私は問題だと思うんですが、一体、放送法の解釈によって大臣がいま国会の承認を受けるのは予算のみだということをおっしゃっておりましたが、一体ほんとうにそうなのかどうなのかという問題について、いままでの慣例は、私たちは大臣の付された意見書をも含めて国会の承認事項である、こういうふうに考えていたのでありますが、この放送法の三十七条の解釈を単なる参考だというふうにとる根拠は一体どこにあるか、どういうところから出ているか。
#148
○国務大臣(小林武治君) 私はそう思っておりますが、これは法の解釈の問題でありますから、必要ならひとつ法制局長官にでも述べてもらうということにしたいと思います。
#149
○鈴木市藏君 委員長、どうも妙なことをお聞きするようですが、これはいままでのこの委員会の慣例もあることですので、一大臣の発言によってこれが左右されるというようなばかげた問題じゃないと思う。われわれは大臣の意見書の持っている性格、その本質的な重要性というものはここで明らかにされないと、一体国会の承認事項になっている、この委員会で論議すべき承認事項になっているというものが、そうでない単なる参考だということとは、ずいぶんこれは本質的に違いますので、明らかにしてもらう必要がある。どなたが明らかにできる適任者であるかお聞かせを願いたいと思います。
#150
○委員長(野上元君) ちょっと速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#151
○委員長(野上元君) じゃあ速記を起こしてください。
#152
○政府委員(淺野賢澄君) 大臣が申し上げましたのは、付してということで御了承をお願いいたします。
#153
○鈴木市藏君 いままでこの問題についての解釈が統一されていなかったということを、はしなくもここで暴露するわけですけれども、NHKの収支予算の国会に対する承認事項というのは、ずいぶん長いことやっているはずですがね。私は逓信委員会に来て年月浅いから、いままでのことはよくわかりませんけれども、いまごろになってそれが承認事項のワクの中に入るものなのか、単なる参考事項なのかということが、当の責任者があいまいな話をしていたのじゃどうにもならぬ。一番根本に関する問題、この承認事項に属するものなのか、そうでないのかということがわからないというのじゃ非常に困る。これはもうどこで解釈を正規なものとしてするか、これは非常に重要な根本問題ですから、論議をひとつこの点で明らかにしないことには、何を承認するのか、われわれはめくらで論議をするということになると非常に困りますので、委員長、ひとつこの点についての善処を要望しておきます。
 ついでにちょっと聞きますが、この点についてNHK自体は、大臣の意見書なるものを国会の承認事項のワクの中のものというふうにお考えか、それともそうでないのか、いままでの慣例に従ってNHK自身の意見も聞いてみたいと思います。
#154
○参考人(前田義徳君) はなはだデリケートな御質問で、私どもの予算は国会との関係におきましては、この条章が明瞭なように、NHKの予算案を郵政大臣に提出して、郵政大臣はそれを御検討になって意見を付され、それを閣議で決定して国会に提出されるわけでございます。したがいまして、私としては郵政大臣の意見がどのようなものであるかということについては、有権的解釈はちょっと困難なように考えます。
#155
○鈴木市藏君 逃げなくてもいい。これは別に政治的な問題じゃないですから、これははっきりとさしておくということが非常に重要なことなんですから。
#156
○参考人(前田義徳君) 私どもは、いままでは郵政大臣が意見書を付されるということは、国会との関係で、第一には内閣から私どもの予算案を国会に提出するという一つの何といいますか、手続上の問題と、第二に三十七条の三項その他を考えますと、実は郵政大臣の御意見は、私どもの運命を左右する可能性を持っていると、このように解釈いたしております。
#157
○鈴木強君 ちょっと関連。いまの問題、これは大臣、ぼくはいままでこの予算に対して大臣が、こうだああだという意見をつけられるわけですね。その意見を付して国会に出てきたものを、われわれが承認するわけですから、そして、しかも三項にありますように、あなたの意見が計画を変更させるようなときには、これは協会の意見を聴取することができるということですから、そういう意味において、それを含めてわれわれは承認事項と心得ていたんです。ところがいま大臣の御説明ですと、そうでない単なる参考だということですから、そうなると、ちょっといままでのわれわれの理解と違いますから、われわれは意見書を付したときに、こういう意見書があったじゃないか、NHKはこれに対して一体この年度はどういうふうな予算の効率的な使用についてやってきたか、どういう意見書に基づいてやってきたかということを聞いている。われわれはそういうふうに考えておりましたから、ここで即答できなければ、ちょっと休憩して、法制局長官呼んで意思統一してからしてください。ぼくらそう思っていたから、常識的な解釈です。
#158
○委員長(野上元君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#159
○委員長(野上元君) 速記を起こしてください。
#160
○鈴木市藏君 私は、先ほど申し上げましたように、第三十七条の解釈は、当然大臣の意見書は国会の承認事項のワクの中にあるものだという解釈をとっておりますから、その立場で質問をするわけですから食い違うかもしれませんが、この決着はどうしてもつけてもらわなければ、何を承認するのかわからなくなりますから、ぜひお願いしたいと思いますが、この四十二年度の意見書と四十一年度の意見書を読み合わしてみますと、私はいささか違うんじゃないか。さっき大臣はまあこれの法的な解釈についても、われわれとは異なった意見を持っているので非常に楽な気持ちといいますか、安易な気持ちで問題をおとりになっているようでありますけれども、この意見書が当然、先ほどNHKの会長のことばのようにNHKの死命を制するほどのものだとさえ言われているにもかかわらず安易にとられているという点は、了解にむしろ私たち苦しむわけでありますが、そういう立場で出された意見書であるにしては、かなりこの意見書は四十一年度とは性質を異にしているように思うのです。で、四十一年度の、先ほどちょっと同僚議員も四十一年度の意見書との違いについて質問いたしましたのですけれども、たとえば電波局の答弁のときに、昨年も同じようにと言っていましたけれども、四十一年度のときには、やはり大臣の意見書なるものは、「放送法制の改正との関連において、あらたに免許方針が策定される場合には、」というふうにこの意見書は書いてあるのだが、四十二年度になってみると、この放送法制の改正との関連においてということばは全然なくて、「免許方針との関連において、」云々というふうに一挙になっているわけですが、だからこういう点も違っている。明らかに放送法の改正の問題については、四十二年度は四十一年度とは姿勢が違うという点もうかがわれますし、それからまた何か気負った感じがするわけですね。たとえば、「国民から付託された使命を深く認識し、厳正な態度をもって」云々というようなことを言っているのですが、それからまた協会は国民の負担においてなされているものであることにかんがみて、財政の健全性を将来にわたり確保するため云々とかいうふうに、四十一年度なんかにはなかったようなことば、むしろこの政治的な姿勢が抽象的なことばではあるが出ているという点において、四十一年のときの意見書と、四十二年のとき付された意見書とは私は性質が違う。この点においての、先ほど、したがって承認事項かどうかという問題をめぐって議論が出たわけですけれども、この点についてはどういうふうな立場でこの意見書が出されたのかお聞かせ願いたい。
#161
○政府委員(淺野賢澄君) 先ほど申し上げましたときに、昨年度の分にもあると申しましたのはこれは間違っているといいますか、三十八年度には実は同じようなことばが入っておる次第でありますが、ちょっと読み上げてみますと、「ラジオおよびテレビジョン両放送網の建設計画については、周波数の割当方針との関連において、変更の必要が生ずる場合があると考える。」ということを、実は三十八年度にきめておるわけです。これはちょうどFM放送が始まったときかと思いますが、周波数使用計画等との間で何か心配点があったのに違いない、かように存じます。それと同じ面が、先ほどの第三項の点がこれにからんでおるわけでございます、放送網の建設のほか云々というのは……。「なお、事業計画中、放送網の建設計画については、免許方針との関連において、」これはそういった意味であります。三十八年度にFM放送の実験局を設置を始めましたころと同じように、今回はFM局の設置も大体終わりに近づきまして、ことしの四十局の場所の選定というのは、いろいろの点で非常に影響するところが大きいものですから、特にこれが入っている、そういう点においては三十八年度の文とは全く同じでございます。
 それから、以下次の点に十分配意すべきである、1、2、3――これは気負っているというふうにおっしゃいましたが、いろいろとりようもございますが、四十年度、三十九年度は相当長く書いております。一項目から五項目まで事こまかに書いているわけでございます。その点を実はNHKには自主的に経営全般をお願いしておるわけでございますから、そういった点には細部に触れずに、当然大臣としてお願いをした立場において、どうぞりっぱにお願いいたしますということでこれを書いてあるだけであります。特に具体的にはないようでございます。
#162
○鈴木市藏君 この意見書のつまり性質というのは、要するにあなたの考え方が出たわけではないでしょう。これは大臣の考えでしょう。
#163
○政府委員(淺野賢澄君) これは事務当局が慎重きめましたところでございます。
#164
○鈴木市藏君 しかし、これは私たちの受け取りは、やはり郵政大臣の意見書ですから、事務当局は事務当局としての内輪な話はあるでしょうが、やはり閣議でも決定をされて、郵政大臣が、正式なつまり意見書ですから、郵政大臣としての意見を聞かなければならぬと思う、だから三十八年のときの郵政大臣の意見をいま聞いているんじゃなくて、つまり四十一年と違って、こういうつまり抽象的ではあるが、かなり政治的なにおいを持った意見書を付するに至った考え方の根拠はどこにあるかということを聞いているんです。大臣。
#165
○国務大臣(小林武治君) この意見書は私の意見書であります、だれがつくったかということは、これは内部問題でありますから……、これは私の意見とすればいいわけであります。
#166
○鈴木市藏君 それを聞いているんじゃなくて、それはいまの話でわかったし、四十一年度と性質が違うというふうにわれわれが受け取るのは、かなり意見書の中には、「国民から付託された使命を深く認識し、厳正な態度をもって事業の健全な運営に努めるべきである。」とか、それから「財政の健全性を将来にわたり」云々とかいう、ここ一、二年には見られないことばが載っているという点において、何か意見書にそういうものを必要とするような事項が、理由があってなされたものかどうなのかということを聞いているわけです。
#167
○国務大臣(小林武治君) しかし、私はここに書いてあるようなことは、やっぱり当然注意をしていただきたい。いままでのやつが多少おとなし過ぎたという気持ちがあれば、もっとわかりやすく書いてくれないかということも考えられるし、特別の注文をしたわけじゃない。
#168
○鈴木市藏君 これが特別な注文をしたわけじゃないと言われますけれども、先ほどもちょっと質問の事項にもありましたように、いわゆる――いわゆるですよ、偏向番組としてあなたが閣議で発言をされたことやなんかとみんな相互関係を持って見るわけですね。ですから、しかもその偏向番組を取り上げた日が、偶然かもしらないのだけれども、二月十一日だったというような日で、そういう関係から、抽象的であるだけに、むしろやっぱり一般的にNHKに対する郵政当局の姿勢の問題として受け取られる面がある。だから、別に他意がないのだ、わかりやすく言っただけなんだと言うのですけれども、それでは昨年度あるいは一昨年度の郵政大臣の意見書と違う点が浮き彫りになって出てこないので、何かこういうことを書かざるを得ない必要性というものが、具体的な事実の中にあるのか、あるいは今後やりたいと考えるあなたの考え方の中にあるのかを明らかにしてもらいたい、こういう質問なんです。
#169
○国務大臣(小林武治君) 具体的の事実はない。私どもはもっと明確に、たとえ抽象論であっても、明確に注意はしたほうがいい、またこういう方針でやってもらったほうがいい、こういうことで出しておるわけであります。このことは特別なNHKに負担あるいは責任を課する問題ではない、従来やっておることをもっと明確に打ち出した、こういうことであります。
#170
○鈴木市藏君 抽象的であるだけに、私はかえって不明確だと思っておりますけれども、これは意見書を付されて受け取りましたわれわれの立場としては、何かやはりこういうことに一連の政治的な意図を感ずるわけなんですけれども、まあそれはさておいて、NHK自身としてはどうですか、この受け取り方においては例年と違った点を感じませんか。
#171
○参考人(前田義徳君) 私どもといたしましては、当然、私は従来も放送法はわれわれにとってミニマムの準則である。したがって社会的にはもっと大きな、放送法の条項にとどまらず、全体的な責任を感ずべきであるという考え方を持っておりますので、この今回の大臣の意見書についても、そういう観点からこの意見書を受け入れたいという気持ちでおります。
#172
○鈴木市藏君 これが具体的でないだけに、かえって一般的なつまり姿勢で、私はある意味においては政治的な拘束性を持つおそれがあるやも知れずという心配を持つわけです。ここで、先ほどの問題で、まだ決着がつきませんが、こういう意見書が出されて、しかもこれが国会の承認事項ということになりますると、国民から付託された使命を深く認識して、厳正な態度ということになりますると、一体その内容は何かということにわたってやらなければ、ちょっとやっぱり審議というものはおざなりになる危険があるとさえ考えるわけなんですが、こういう点については大臣も他意がないと言っておりまするが、ともすると、こういうことばの持っているニュアンスというものは、えてしてやはり実務当事者に対しては一つのやはり政治姿勢を要求された、注文をされた、別なことばで言えば、何らかの注文をさせたというふうに受け取りがちなものでありますから、この点について大臣は全く他意がないと言っておりますから、あくまでもやっぱりNHKの自主性は貫いていくようにしてもらわないとならないというふうな希望を、ひとつこの際明らかにしておきたいというふうに思うのです。
 それから、ちょっと今度はNHK自身についても聞きたいと思いますけれども、今度の契約乙の問題とも関連いたしまして受信料というものの性格です。これは受信料というものは一体どういうものとしていわゆる明確に定義づけられているのか、この辺のところをひとつお聞かせ願いたい。
#173
○参考人(小野吉郎君) 放送法関係の条項を通覧しますと、これはただ単なるあるサービスに対する対価とは言えないと思います。NHKの必要業務並びにNHKが必要以外に特に関連して行ない得る業務の範囲は法定されております。その法定された業務を行ないますためには、営利を行なってはならない、広告を取り入れてはならない、一に受信料収入をもってまかなえという基本の計画の中に、契約はどういう対象であるとか、性格はどうしてきまるかというようなことがきめられてあるわけでございまして、特に三十二条の契約の条項につきましては、聞き得る施設を設ければそれによって契約をしなければならない。現実に聞いたか聞かないかはあえて問うておらないというような条項から見まして、NHKの法律によって付託せられた業務を運営するに必要な経費は、これはそういう設備を設けた人たちから徴収をするということになっておりまして、厳密なる対価を要求しておるものではない。その意味から申しますと、NHKが必要業務をささえるための利用者負担ということに、私どもは解釈をいたしております。
#174
○鈴木市藏君 そうすると、受信料というのは、結局いろいろなことを申されましたけれども、最終的には利用者負担、こういう解釈で統一されているようで、それでそう理解してよろしいですか、利用者負担と。
#175
○参考人(小野吉郎君) 利用者負担が、現実の利用でなく、利用し得る条件にある向きも含めましての利用者負担、こう解釈すべきものと考えます。
#176
○鈴木市藏君 そうすると、利用者がそういう設備を行なっておっても、NHKを利用するということはほとんどない。他の民間放送をもっぱら利用しているという場合には、利用者負担の原則で言うとどういうことになるのです、これは。
#177
○参考人(小野吉郎君) これは負担の範囲に入ると思います。おそらくそういった利用者負担の基本を法定いたしております限りは、例外的にはそういったNHKを聞かないで他の放送のみを聞く人も皆無とは申せないと思います。しかしながら、かたわら同時にあらゆる放送を聞いておる。少なくともNHKの放送は聞いておるであろう、こういういろいろ実情に基づきまして、聞くと聞かないにかかわらず設備を設置すれば、NHKに所定の受信料を払わなきゃならない、こう法定されたものと解釈いたしております。
#178
○鈴木市藏君 たとえば国鉄で乗りものに乗っていくなんというような場合は、運賃を出す、これはもうはっきりわかるわけなんでございますけれども、国鉄で行こうとした人がたとえば私鉄に乗っていくという場合がある。それにもかかわらず国鉄が私鉄の運賃をとるということはちょっとできないことなんです。だから、どうも利用者負担という原則だけでは、契約が、NHKだけが独占をするというのは私は出てこないんじゃないかという気がするのです。ですからこの受信料というものの性格を、いま少し何か明確に納得のできるような形で統一されることが非常に必要ではないのか。それからついでですが、ちょっと、昨年私がこの問題について前田会長に質問したときに、私の記憶に間違いがなければ、前田会長はこういうことを申されているわけです。NHKだって受信料なんか取りたくないのだ――まあことばは正確ではないでしょうが、本旨はこういうことです。NHKだって受信料は取るなといえば、取らなくたってりっぱにコマーシャルでやっていけるのだというようなことを申されたことがありますが、この受信料というものの性格がどうであるかが、私はNHKの性格をきめる基本であると思う。いわば言うなれば物質的な根拠ですから、この受信料の性格があやふやになるということになりますと、NHKそれ自身の性格もあやふやになりますので、この辺のところを、前年度そういうふうな御発言をなさっている前田会長の考え方というものについて、私は何かずいぶん大きな疑問をそのときに持ったわけです。今日においても、そういう考え方は依然として変わらないのか。私の質問はこういうことと関連しているわけだ――。つまり利用者負担ということならば、これは聴取した受信料の一部は当然民間放送の設備を拡大し、そういう技術面を整備するものに回すべきである。したがって受信料を一元的にNHKだけが徴収するのではなくて、徴収した分から、少なくとも技術面においては民間にも共同研究、共同利用あるいは共同設備をつくるような方向に向かって、そういうふうなものとして運用される面があってもいいのではないかという質問に対しての答えが、そういう前田会長の答えが昨年はそうだったのです。これは受信料の性格にも基本的に関係する。これは同時にNHK自体の性格にも関係する問題であるので、もう一度ひとつ改めてお伺いをしたいと思います。
#179
○参考人(前田義徳君) 結論的に申し上げると、私もそういう説明を申し上げたと思います。利用者負担ということであっても、これは個々の聴取世帯とは民法上の契約をいたしておるわけでございます。したがいまして、原則的に利用者負担の料金を基礎とする実際上の行動は、各世帯との民法上の契約によるわけですから、これは一対一の契約であるということが言えると思います。
 第二の点で、私かねがね考えておりますことは、この放送法は商業放送の経営と、NHK公共放送としての経営の基礎と峻別しているわけでありまして、その意味において非常にこの精神を没却しながら、あるいは料金をただにせよとか、あるいはNHKだけが聴取者から金を取っているからその分を回せというような俗論が、きわめて簡単に行なわれる。これはNHKとしては、私としてもきわめて遺憾なことだと考えております。一体公共放送を必要とするのかしないのかということが根本問題であって、しかも契約のあり方については、ただいま申し上げたような状況であり、これに対して番組面からも、放送法は調和ある番組を編成せよということを言っておるわけでありまして、したがって商業放送の営利を追求するための施設にNHKの料金を譲渡するなどということは、法の根本精神から言って全くおかしな話であるというのが、私の考え方であります。ただ、NHKが四十二年の歴史を持ち、幸いに全国大多数の方々の支持を受けて、非常に膨大に見える、実は御審議いただいておる予算案でも、大体一千億に近いのですが、しかしそのうちで聴取料の総額は七百五十億にしかすぎません。そういう形であるにもかかわらず、NHKの本質を誤解し、そしてNHKに対して何かただで金を集めているというような印象で、それが国民一般の常識だとするならば、私としては公共放送の存在の意義について、やはり重大な問題をはらむのではないかというように考えるわけであります。したがいまして、私としても一市民として考えれば、値段は安いほうがよく、できればただのほうがよろしい。ただのほうがよろしいというのであれば、NHKとしては番組みにスポンサーはつけないけれども、広告の時間ぐらいはつくってもよろしいという考え方を持つわけで、西ヨーロッパ、あるいは西ヨーロッパにおける公共放送もその制度を一部とっている国もあるわけであります。そういう意味で申し上げたので、私自身が実は商業放送をやりたいという意味とは全く別でございます。
#180
○鈴木市藏君 いまの会長の説明はそれなりにわかります。ただ、あなたがつまりここでNHKの料金について苦情を言っている向きに対してのコマーシャルをやるということは必要ないと思います。私たち自身のNHKに対してのいわゆる受信料というものが高いか安いか、あるいは使途についてどうかという意見はあっても、これはやっぱりある程度支払うべきものは支払うのが、一つのむずかしいことばじゃなくて、常識の範囲で考えられる点だというふうに思っております。決して不払い同盟をつくるとか、不払いが正しいとかいうふうに思っておりません。ただ、しかし、いまあなたのおっしゃったようなことで、営利を旨とする民間の放送にNHKの受信料を回す云々ということはできない、おかしなことだ、筋として通らないということをおっしゃっておりますけれども、たとえば通信衛星というものができてきて、これも実際はアメリカの商業会社が打ち上げているわけなんですが、こういうものに対して共同利用という面に対して、NHKもやっぱり何らかの形で参加するというような事態がこないとも限らない。そういう場合には大半が商業放送に使われるということがわかってしまう。なおかつこれにはNHKとしてもある程度の、まあ何らかの意味での財政的な負担に応じなければならないというような事態がくるやもしれないと予想されます。これは数年後には、あるいは早ければ来年あたりには予想されないとも限りませんから、そういうときにいまの会長の発言が矛盾のないように、一応ひとつお考えをそういうことも含めてあらためてお伺いしたい点です。
 それからついでに時間もありませんので、この間、あなたも諸外国においでになったと思いますので、一応私たちもその点はまだ十分に明らかにされていない点がありまするので、お伺いしたい点がある。それは日本のつまり放送協会のような、こういうふうな性格を持った一体放送協会が他の国にもあるのかどうなのか、諸外国のおしなべてその点もひとつあわせてお答え願いたい。
#181
○参考人(前田義徳君) たとえば衛星の利用であるとか、あるいは技術開発、あるいは放送文化の向上のための世論調査、あるいはこれと関連する事業等については、私どもはいわゆるオープン・ポリシーでいくべきであると、これは日本全体の放送事業のためにプラスになると、これは一放送事業者のためでなく、日本国民のために必要であると考える点については、従来も協力いたしております。特に日本自体が放送衛星を上げる場合には、これは当然あらゆる商業放送が参加できる構造と道を開くべきであるという考え方を持っております。それからまた、従来の置局につきましても、われわれが合理的に相手側と妥結できる範囲においてわれわれの財政負担をふやすことについては、遅疑逡巡いたしておりません。そういう意味では、私どもはやはり現在の日本の放送機構のあり方は、公共と商業放送の併存形式でございますので、放送の公共性という点から合理的な面については協力するということをやってきておりますし、今後もやるつもりでおります。
 第二の御質問のNHKのような形態がほかの国にもあるかということになりますと、アメリカの商業放送主義といったものだけが実は世界でただ一つの大国としては例外でありまして、大体NHK的な形式をとっているところが、ほぼ全部でございます。カナダはたとえば数年前までは、NHKと商業放送との関係のように、経営委員会はカナダ公共放送だけの経営委員会でございましたが、その経営委員会はその後商業放送をも含めての経営委員会という形になっております。オーストラリア、ニュージーランドはNHKと全く同じであります。それからイギリスのBBCはNHKとは多少変わった点がありますが、しかしいわゆる王様の、何といいますか、免許というたてまえをとって、政府はBBC成立以来、全く無干渉でございます。これはイギリスの社会制度が、やはり良識という点で先進国である結果にほかならないだろうと私は考えます。それから西ドイツ、イタリア、ベルギー、オーストリアその他西欧各国はほぼNHKと同じ形態をとっております。フランスはドゴール政権の中期までは国家機関としてこれをとっておりましたが、一昨年の放送法改正によって、ドゴール政権下にもかかわらず、逆にNHKに近づいた体制となっております。したがいまして、公共放送としては多少の相違はあっても、全世界的にほぼ同じ方向と形態をとっているということが言えるかと思います。
#182
○鈴木市藏君 そこで、先ほどの、つまり受信料自体の問題にちょっと戻るわけですが、本委員会でも二、三質問があって明らかになった点もありますが、つまり乙契約の受信料の問題でございます。先ほど大臣は単独立法をもってしても、乙契約の受信料については全廃の方向へいくべきだということを同僚議員の質問に答えておりますが、その考え方に変わりはないかどうか、承りたいと思います。
#183
○国務大臣(小林武治君) 先ほどの意見の問題でありますが、法制局の長官、次長等の責任者はおらぬそうでありますが、担当者に聞くと、これはやっぱり参考として出すんだ、こういう意見で、しかし、まだ政府の有権解釈というわけにいきませんが、そういう意見をいま聞いてまいりました。それだけのことを御報告申し上げておきます。私としましては、やはり意見と予算書は不可分のものだとなると、たとえば意見書に、この予算は承認すべからずという意見が出たり、いろいろ困難な問題が出てくるのでありまして、私はそれに国会が拘束されるとは思わない。いろいろな問題がありますが、要するに、これは最後的の解釈ではないが、いま中間的に聞いたところでは、そういうことだったと思います。
 それから、ただいまのお尋ねの乙契約の問題でありますが、これはいろいろの経緯を経てきておりまするが、すでにこれを特別徴収しなければならぬ、こういうふうにしないでもよいではないかという時期にきておる、こういう見通しのためにさような改正案を出したい。しかし、さっき申し上げたように、その時期、方法等については、なおいろいろの面で検討を要するものがあるので、これを調査をしておる、こういうことを申し上げておきます。
#184
○鈴木市藏君 どうもこの辺の歯切れが悪いのですが、なぜそこまで契約乙の場合こだわるのか。どういう社会的な理由があって契約乙を全廃することが正しいというふうにお考えなのか。その辺のところがどうも納得がいかないですから……。特に今度のNHKの予算を見ますと、契約乙がいままでずっと漸減の傾向を示しているということを言っておりますが、本年予算収支書を見ますと、年度内増加契約者数が十万ふえる見込みだということまで書かれているわけです。そういう状況とにらみ合わしてみて、なぜ一体乙契約が――これは大臣正確に申されませんでしたので、私のほうのことばがあるいは言い足りないかもしれませんけれども、乙契約の全廃を意味するような意味での単独立法でもかまわぬというのは乙契約を全廃するという、そういう意図でございますか。もしそういう意図とすれば、先ほど申し上げたような意味で、なぜそれをやる必要があるのかどうか。単独立法でもやらなければならないほどの緊急性、必要性といいますか、どういう社会的根拠から出ているかお聞かせ願いたい。
#185
○国務大臣(小林武治君) これは最近の問題でなくて、昭和三十九年ですか、この速記録を見ても同じような問題が出ておりまして、いわば数年来の懸案になっておる、こういうことが言えるのじゃないかと思います。詳しい理由を申せといえば申しますが、要するに、ラジオ、テレビというものがほとんど同じ地域にいくということにもなってきて、たとえばNHKも従前、テレビのカバレージが九五%以上になれば、これは廃止してもよかろうという御意見をお持ちになっておったのであります。いま実際問題として残るのは、テレビの見えない後進地域と申しますか、農山漁村、こういう地域であるし、また一方では低所得階層のものがテレビも見られない人が相当おる、こういうふうな社会福祉的な意味からも、これをやめたらよかろう、そういうのがいまのラジオ受信者の大部分の方である。またその後自動車とか、裕福なものが、テレビは要らぬから、ラジオだけ、ステレオだけ聞いている、こういうふうなものも出てきておりますが、要するにテレビ、ラジオの受信料の捕捉については非常にめんどうだというようなことが従来いわれておりました。場合によると、たった五十円取るためにその半額もの徴収費を要しておるということで、NHK自体も徴収については苦労をしておる。すなわちきわめて性格上も捕捉の困難なものである、それから料金自体もわずかに五十円、NHK全体の収入からすれば、わずかに一%にもならぬ、こういうふうなものを苦労をして取らぬでも、NHKの財政にはそう影響ないのじゃないか、こういうふうな事業の合理化と申しますか、そういう面、あるいは社会福祉的な面からいっても、これはやめたほうがどうだ。それからもう一つは、取らぬでいいものは、そう財政に影響もなくめんどうなものであればやめて、そういうふうな国民負担を少しでも軽減することはいいことじゃないか、こういうわけでありまして、これがNHKの財政に大きな影響でも及ぶということであれば、これは考えなければならぬが、そういうふうな問題でもなかろうからしてどうだ、しかも乙受信料とか甲受信料とかめんどうなことを言わないで、もっと簡素化というか、合理化というか、それで済むならそれでやったらどうだ、そういうふうなこともいわれておるのでありまして、これは要は、いま私が持ち出した問題ではなくて、数年来そういうことは論議をされてきておる。それを私が、もう長い間の論議だから、この辺でひとつ解決したらどうか、こういうことを私は考えておるのであります。
#186
○鈴木市藏君 大臣の言わんとしておることはわかりますけれども、社会的性格を持つものとしての全廃ならば、今度のNHK予算でも若干、先ほど来妥協の産物だと言われましたけれども、とにかく貧困家庭であるとか、そういったような一般にそういうことばで包括される家庭の受信料というものはほぼ九〇何%というほど免除になるわけですから、社会政策的な意味から言えば、契約乙の全廃ということはほとんど無意味に近い。そうすれば残ったものは何かということになると、車のラジオであるとか、あるいはホテルで百円入れればラジオが聞ける、そういうラジオ料金だとかいったようなものが全廃になるだけであって、その社会政策的な根拠というものは、ほぼ九〇何%達せられるという今日であるにもかかわらず、やるということは、何かこうこだわって、一たんこれを佐藤総理が選挙のときに公約みたいなことを言ったからという意味もあって、何かこだわっているというような感じもいたしますが、この点をさらに一点と、それからもう一点は、先ほど申し上げましたような、つまり受信料の性格がそういうことでもって、たとえばテレビだからそれはよけいだから、あるいはまたラジオのほうは五十円だから、こういう金額の差で問題を律していきますと、先ほど私が質問いたしましたいわゆる受信料の性格そのものに根本的な変更を加える一石になりますので、これはそうするとNHK自体の本来の性格にも影響を及ぼしてくるようなことにもなりますので、この辺のところはどうも少し大臣のお話は大ざっぱ過ぎて、きめのこまかさというようなものについて少し配慮が不足しているのではないかという感じもいたしますが、この二点についてはどういうお考えでしょうか。
#187
○国務大臣(小林武治君) 要するに、たとえばカーラジオにしても、もうカーを持っているような者はみんなテレビを持ってそれぞれうちでも納めておるでもあろうし、それからもう一つは、徴収のための捕捉の問題、現に全国に三百万台も四百万台もあるのに、NHKはいまだに五十万台とか幾らとか言っている。それほど徴収の困難なものでありまして、しかもその徴収の困難ということは、困難であるばかりでなく、徴収費もうんとかかる、五割もかかるような非常な努力、苦労をしてまでやるほどの料金であるかどうか、こういうことも私ども考えなければならない。それからこのことが私はNHKの受信料に根本的に影響があるとは思わない。これは受信料のお話は先ほどもお話がありましたように、NHKという公共放送を維持経営するために要る費用をこれは徴収する、こういうことが根本的な問題であるのでありまして、実はこれはきめ方がそういうふうにきめたから、これは国によっては税金でやっている国もありますし、日本の制度としてはこれは料金という形でもって経費を支弁する、そういうことになっておりますから、私は受信料の簡素化とか、あるいは一元化というものはできるが、受信料そのものに根本的な影響をこれによって与えるものとは考えておりません。NHKの放送を維持経営するために必要なものは、料金の形においてその契約者からいただく、こういう私の考え方は少しも変わりません。
#188
○鈴木市藏君 これについて、NHKの側のひとつ率直な考え方を伺いたい。
#189
○参考人(前田義徳君) 理論的に申しますと、甲乙の区別がなくなる、ことばをあらためて申しますと、全部がテレビ視聴地域に入るということであれば、これは理論は一貫できると思います。ただ利用者負担という観点から言いますと、社会政策上のものは別としても、かりにラジオ世帯が一戸であっても、私たちのたてまえとしてはこれをちょうだいするという原則を持たなければならないというように、私どは実は考えてきたわけでございます。それからまた、そういうことを貫かない限りは、やはり根本的問題がどこかに残りはしないか、ただ私どもとしては、社会政策上、ことに社会、各聴視者の経済負担を軽減するという方向には、当然努力すべきであるというように考えております。
#190
○鈴木市藏君 契約乙が最近増加の傾向にあるということで、今度のあれには約十万の増加を見越しておりますが、この傾向は今後も変わりありませんか。
#191
○参考人(佐野弘吉君) ただいま御審議を願っております予算書に当初世帯契約四十七万ほどになっております。これはこの年度を通じましてテレビジョンへの要するに契約甲への転換、あるいは契約乙そのものの廃止という形で見込まれておりますのが三十六万ということになりまして、来年の三月末、要するに一年後の四十二年度の末におきましては大体世帯契約は十二万くらいでとどまるだろう、こう算定をいたしております。他方いわゆる移動体、世帯契約は、先ほども数字が出ましたようにこの年度末七十万、したがって四十二年度四月の初頭七十万でスタートいたすわけでございますが、これを大かた四十六万ふえるということで百十六万ですか、これだけの増加になっておる、この中身を申し上げますと、ただいま大体五十一万の自動車契約の数字がこの年間で三十七万ふえまして八十八万に相なろうかと思っております。したがいまして、すべての数字を出し入れいたしましてこの四月の初頭の数字が来年の三月、この一年間で世帯が減って移動体がふえるという形で全体の数字では十万の増加になるというふうに見込んでおりますが、ただ現状のまま受信料体系が今後継続するということになりますれば、将来主としてただいま触れました移動体の、なかんずく自動車のカーラジオの契約というものは、かなりのスピードで増高はし得る、たとえば私どもの数字的な推定でございますが、四十五年度くらいには二百六、七十万、その財源としては十四億見当は見込まれる、カーラジオを主として推定をいたしますれば、契約乙を存続いたすといたしまして大体そのような趨勢を想定できると考えております。
#192
○鈴木市藏君 このカーラジオの場合にはカーステレオですね、最近出ましたカーステレオも契約乙の中に入るのですか。
#193
○参考人(佐野弘吉君) カーステレオでございますか。
#194
○鈴木市藏君 はい。
#195
○参考人(佐野弘吉君) 御質問の趣旨が、私実態を承知しないのでちょっと返答があれですが、自動車の中でございますか、の中にステレオ……。
#196
○鈴木市藏君 そうです。
#197
○参考人(佐野弘吉君) これはいただきます。
#198
○鈴木市藏君 そのカーステレオはアメリカなんかでは非常な勢いで流行しておりまして、日本でも聞くところによりますと、いま一カ月七千ないし七千五百くらいカーステレオが出つつあるということを聞いているのです。ですからいま言ったとおり、社会政策的な見地から見た契約乙の全廃ということは意味がありますけれども、もうこれはほとんど九〇何%かまでいっていることになると、したがって契約乙の全廃で利益を受けるのはほとんどカーラジオが中心だ、あるいはまた旅館、ホテルといったところが中心になるだろうと思うのです。それはどうもやはり社会政策的な見地からいっても正しくないし、今後ますますふえてくる収入源をみずから放棄するということは、私はことばとしても賛成できませんけれども、とにかくあなた方の言っている合理化の側面にもむしろ即していないし、あるいはまた受信料体系と言われているものの原則からいってもおかしいと思うし、こういうものをどうして強引にやらなければだめだというような形で問題を出してくるのか、この辺のところが非常に不明確でよくわからない。ですからこれを単独立法でもあえて出そうというのには、何かはかに意図するねらいがあるのではないかということを疑問に思わざるを得ないわけです。ですからこういう問題については、一度閣議できまったことかも存じませんけれども、よくよくひとつ衆知を聞いて、そうしてあえて単独立法で出すというようなことでなくともいいのではないかという考え方を持っているのですが、この点について、最後にひとつこの問題に関して大臣の意見を聞きたいと思います。
#199
○国務大臣(小林武治君) これは鈴木委員の御意見として承っておきます。
#200
○鈴木市藏君 次にちょっと問題を変えまして、先ほどもちょっと同僚議員からも質問がありましたが、つまり偏向番組の問題について、私はたまたまその日に「現代の主役」の「日の丸」を見る機会を得たものですから、非常におもしろく見ておりましたが、二月十一日の閣議で云々ということで、大臣がこの一部に思想的な偏向があったと指摘して、当局がその実情を調べたということの報告をしているわけです。で、新聞の報道によりますと、淺野電波監理局長がTBSにおもむいて、番組をもう一ぺん再録を見たというような話が伝わっておりますけれども、これは放送法の第何条を持ち出すまでもなく非常に危険な考え方であって、郵政省から係官を二名派遣したと、これはどういう権限で何を調査したのか、ひとつこの点も明らかにしてもらいたい。
 それから二つ目には、これは大臣から命令もしくは指示があって、その二名の係官を派遣して実情を調査したのかどうかということが第二の質問。
 それから第三は、現行法のどの条項を根拠にしても、そういうことは許されないと思うが、一体いかなる根拠に基づいてそういうことが行なわれようとしたのか、あるいは行なったのか、この三つをお尋ねしたいと思います。まず大臣から。
#201
○国務大臣(小林武治君) これは私どもが問題を提起したのでなくして、鈴木委員もよく新聞をごらんになったと思いますが、実は私はこの放送を見たこともない。ところが、翌々日の東京新聞に相当大きくこれは報道されております。放送会社に中止の電話がひっきりなしにかかってきた。あるいは一一〇番まですぐあの放送をやめさせろという電話がかかってきた。こういうことが新聞に出ておる。私は見ておらぬから、念のために電波局長に、あれを見たかいと聞いただけの話でありまして、そうしたら見ておらぬということで、電波局長に見に行ってこいとか、指示したわけではございません。したがって調査とか立ち入りとか、そういう問題ではありません。電波局長は放送会社の好意で見せてもらった、こういうことでありますが、見た結果、私に対して、あれは偏向しているとかいう報告があったわけではないし、私自身もこれについて悪いとか、警告だとか注意したとかということは一切ございません。そういうことでありまして、新聞に妙に伝えられておりますが、非常に誤解、誤報が多い、こういうように思っております。しかし、見に行ったということは、たとえ好意で見せてもらっても、世間から多少誤解を受ける心配があった、こういうように思いますので、これからそういうことのないようにいたしましょう、こういうことを私は申し上げているのでありまして、われわれは、こういうようなことについて介入をしたこともなければ、意図もない、しばしばこの席でもその他の席でもはっきり申し上げております。
#202
○政府委員(淺野賢澄君) いま大臣申し上げましたとおりでありまして、ただ見にこないかということで見ただけであります。もちろん、大臣からの命令でもありません。法的にもそういった問題はないわけでありまして、したがいまして、御心配になることは全然ないと思います。
#203
○鈴木市藏君 実はそういうことが、まあことばが過ぎれば介入になるわけなんですよね。圧力になるわけなんですよ。それはあなたの、あるいはまた郵政大臣の主観的意図がどうあろうとも、受け取る側ではそうは受け取らないのです。またそういうふうに世論も見ていますよ、世間もね。問題はそこにあるわけです。ですから大臣が、見たかと、いや見てないということで、すぐ見せるから来てくれということで行くといっても、行く場所や行く人が、そういう条件を持っている場合には、必ずそれは有形無形の圧力となってその当事者に反映してくるということは、これは普通の常識でわかることです。ですから私はこういうことは主観的意図いかんにかかわらず、やはり放送法で規定されている法的な条文を乗り越えたやっぱりやり方であって、明らかにこれは郵政省としてのこの処置は正しくない。今後そういう誤解のある点を避けると言っておりますけれども、すでに既成事実はそこでもって行なわれていたと見なければなりませんので、今後こういう問題について厳重なひとつ態度をとるということだけでは済まされないほどの社会的影響を、私はこの問題は与えた一つだというふうに思います。
 それからこの問題と関連して十一月には、つまり民放の免許の更新がやられるわけですね。ですからこの更新期を前にして、そういうふうなことがやっぱり政府の干渉であるとか、もっと悪く言うならば言論統制の方向に向かっての圧力ではないか、いわゆる自主規制という名目での放送の領域が狭まっていくものではないかというふうにとられるということは、これは避けがたいと思うのですね。私もそうとったし、そうとった向きもかなりあったやに見受けられます。ですから時期が時期であり、場所が場所であり、行く人が行く人だ、しかも、あんた自身が電波のつまり監理局長としてそこに出かけていって、向こうの好意で見たと言っても、私は出過ぎた正しくない行動だというふうに思います。この点についてもう過ぎたことだというわけにいきません。それは既成事実がそういうことですでに行なわれたということについて、何らかのやっぱり責任を明らかにすべき性質のものの一つだというふうに考えます。この点についてさらに御意見を聞かせてもらいたいと思う。
#204
○政府委員(淺野賢澄君) 私はそのように思っておりません。
#205
○鈴木市藏君 まあこれはそう思っていないという水かけ論みたいになりますけれども、既成事実の積み上げで、いつの間にかそういうふうなものに移行していくということは、非常に例のあることですし、歴史にも例がある。大きな問題では、自衛隊と憲法の問題が、その最も代表的なものだと思いますが、しかしそういう既成事実の積み上げは、私たちにとっては許されない問題だというふうに思います。しかし、これ以上はあなたとの間に意見が違いますから、これは水かけ論になりますから避けたいと思います。これ自身は私はあなたを別に責めているわけじゃないのです。小林郵政大臣が先ほど来からの一連の答弁の中でも明らかなように、何か非常に気負っているという感じがしてならない。もっと、郵政全般に対してもそうでしょうけれども、特に放送電波に対しての監督官庁の長として、もっと落ちついて問題を見る必要があるにかかわらず、非常に政治的に気負っている。これがわざわいしてあの偏向番組に対する発言となり、またあなたに命令されたのではないだろうけれども、そこに見に行くというような事実が出てきたのじゃないかというふうに思っているわけです。ですから、特別その責任を一局長であるあんたに向けて言っているわけではないのです。これは郵政大臣の姿勢自身の中にそういう問題がある、非常に危険だという点だけを言って、私はこの問題についてはこれはやめておきたいと思うのです。
 それから、次に教育と放送の問題について最後にお伺いしておきたいと思いますが、文部省の社会教育審議会が、近く教育と放送というものの白書だと思いますが、作成するというふうに伝えられておりますが、どういうものを目的としてやるのか、現在の作業の進展状況がどうなっているのか、この点をひとつ文部省のほうから係が来ておるようですから、ちょっと聞きたいと思います。
#206
○政府委員(木田宏君) いま鈴木委員から御指摘がありましたように、文部省の社会教育審議会教育放送分科会で、題はさだかにきまっておりませんが、いま御指摘のありましたような教育と放送というような仮の主題で資料の収集等を進めておられます。その趣意といたしますところは、本来、文部省といたしまして、教育放送の問題に関連して、なにがしかPRの資料をつくってきておるのでございますが、主として学校あるいは社会教育の現場におきまして利用しておる利用者の側に、どういうふうな利用の方法をするかという利用者のための手引きのような形のもので、大体これまで指導資料をつくってきたのでございます。しかし一面、すでに十分御承知のことと思いますけれども、NHKでは非常にたくさんな教育放送をしておられます。また民間放送におきましても、教育放送に取り組んでおられるわけでございまして、その教育放送が出されておる現状、状況、そういうその実情について、ただ利用者だけでなくって、もう少し一般に知っていただくという趣旨で、その現状を取りまとめてみたい。教育放送につきましての過去の経緯でございますとか、あるいは現在出ております放送の実情であるとか、あるいは諸外国の教育放送との比較であるとか、そういう教育放送の実態につきまして、もう少し広く関係者に御理解を願えるような資料をつくっていただくならば、非常に意味の深いことではないかという審議会の委員の方々の御意見によりまして、せっかく作業中でございまして、時期は大体秋ごろに完成のめどを置いて、いま盛んにいろんな専門の方々をわずらわして、部分部分の執筆をお願いしているのが、ただいまの状況でございます。
#207
○鈴木市藏君 いま説明された中には、当然学校教育放送も入っていると思いますが、教育の中で教育放送が占める位置づけですね、これをどう考えているか。これは文部省の方がお答えになったあと、ひとつNHKも答弁していただきたいと思うんです。
#208
○政府委員(木田宏君) 学校教育の――各段階の学校がございますが、この指導のあり方を効果的に行なう――あり方をというのはちょっと恐縮でございますが、指導自体を能率的に効果的に行ないますために、教科書のほかいろいろな教材、教具などが使われておるわけでございます。その教材、教具の中の有力な教材として、放送によります教育番組の利用ということを、文部省としても小中高等学校等にすすめておるところでございます。その趣旨は、結局NHKの公共放送としての大きな御協力によって、全国すみずみに至りますまで非常に内容の豊富な教材を提供することができるという利点を持っておるわけでございます。ですから、僻村におきましても、あるいはまた非常に不利な条件で勉強しております勤労学徒に対しましても、いい内容の番組を豊富に、そして必要な時期に提供できるという利便を持っておりますこの教育放送というものを、教材の有力な一翼として位置づけていきたい、このように私どもは考えておるわけでございます。
#209
○参考人(浅沼博君) NHKは、昭和十年から学校放送を開始いたしまして、大体昭和十六年ごろ、国民学校の学校令というもので正規にこれを授業に使用してよろしいという次官通達がございまして、それから正式に学校放送というものが誕生したわけでございます。その間の歴史は約二十六、七年になるかと存じますが、その間、逐次教科をふやしまして、ただいまでは幼稚園、保育所、小学校、中学校、それから高等学校、それから先ほど会長が申し上げました大学の一般教養課程の科目まで放送を続けております。この視聴覚教育と申しますものは、いままで私どもは大体教育というものは活字で習うものだ、活字で育ってきたわれわれは、つい想像がつかないほど、非常に威力の強いものでございまして、先進国はこの学校教育に視聴覚教育を非常にたくさん取り入れております。それからまた、いま文部省の方が言われましたとおり、教育の機会均等という点からいたしましても、マスメディアがこれに参加するということは、非常に有意義ではないかというような考え方で、NHKは長い間にわたって、また将来にわたっても、こういった教育放送をますます充実していこうというふうに考えております。
#210
○鈴木市藏君 これは文部省のほうにお聞きしたいと思うのですけれども、放送施設を使って全国一せいの学力テストということをやることがありますか。
#211
○政府委員(木田宏君) 文部省では、いままで過去数年間にわたりまして、小学校、中学校の、小学校にありましては五、六学年、中学校にありましては三学年、年によりましては二学年、三学年等に、その学習の到達度を知るための学力調査というのを行なってきたところでございます。で、その学力調査につきましては、年によりまして、実施科目が違うわけでございますけれども、国語とか、英語とか、算数、数学等、基礎的な教科を三教科あるいは五教科、実施をいたしました。そのほかに、英語でございますとか、あるいは国語でありますとかについての聞き取り、たとえば聞き取りで漢字を書くとか、あるいは英文を書くという、そういう聞き取りのための一つの手段として、あるいは音楽で学力調査をいたしました場合に、その音楽のメロディーを聞くというための方法といたしまして、NHKの教育放送のネットの御協力を得て、学力調査を実施したことがございます。
#212
○鈴木市藏君 すると、NHKの放送施設を利用してやった。ことしもこれはやるのでしょうな。
 それで、ついでですからもう質問をまとめていたしますが、テストの結果はどこに集められるのでしょう。そういう場合のテストの結果というものは、どこに集められるのか。NHKに集められるのか、それとも文部省に集められるのか。それからこのテスト、学力調査の出題される問題というものは、全部文部省が作成して、NHKの放送施設を利用するとさっきおっしゃったように、やることになるんだろうと思うのですが、ことしもまたそういう予定なのかどうか。これらをひとつ一括して簡単に御答弁願いたいと思います。
#213
○政府委員(木田宏君) 四十二年度は、従来行なってまいりました学力調査は休む予定にいたしております。従来実施をいたしましたテストの結果は、市町村の教育委員会で第一段階、さらに県の教育委員会で第二段階、最終的には文部省で調査を委嘱いたしました必要サンプル数につきまして、文部省でまとめて、それぞれの段階で学習指導上の参考にするように使ってきております。出題は、そのような経緯もございまして、従来文部省の初等中等教育局が担当でございますが、そこと、現在官房になっていますが、官房の調査課と担当の部局で関係者が問題を、文部省の責任でつくってきたわけでございます。
#214
○鈴木市藏君 そうすると、ことしは休むつもりだということなんですが、どういう理由なんでしょうか。あるいはまた、NHKや何かとの諸問題も少し複雑になってきたというような意味で休むのですか。それとも何かはかに理由がございますか。
#215
○政府委員(木田宏君) 従来実施してまいりました学力調査によりまして、私どもといたしましては、指導上の参考資料を各教育委員会に提供するということもさることでございましたが、教育課程の改定についての基本的なデータを得たい。また、教育の指導の効果が、教育の諸条件との関係でどのようにあがっておるものかということを見ていきたい。それもしょせん、教育課程の改定ということを念頭において実施をいたしてまいりました。教育課程の改定につきましては、過去数年間のデータによりまして、もう具体的な検討の段階に入りまして、四十二年度現在、ただいま初等中等教育局を中心にして、教育課程の改定作業に現に入っております。したがいまして、従来実施をしてまいりました必要目的というものについて、今年度必要がないからということでございます。
#216
○鈴木市藏君 今年度はやらないということですが、昨年度までこれをやっておりまして、しかもNHKはこれに協力をしておった、積極的に協力しておった。NHKの立場として、この文部省のやっていた学力テストに協力をするというその根拠は、一体どこにあるのか、どこから出るのでしょう。
#217
○参考人(浅沼博君) お答えいたします。先ほどちょっと申し上げましたように、NHKは長年にわたって教育放送を実施をしております。したがいまして、その効果測定と、それから番組の改善資料を得るために、実は文部省がそういった学力テストを始める前から、NHK独自でそういった測定をいたしております。昭和二十九年から、小学校の国語とか、あるいは中学校の英語について実施しております。文部省の学力テストの始まったのは三十一年でございます。NHKはその調査に合わせて、聞き取りテストを行ないました。これは、いま申し上げましたように、日常の学校放送番組の聴取効果というものを知ることと、それから学校放送番組の改善資料を得ることをねらいとしているものでございまして、御承知のように、NHKの学校放送番組は、教育課程の基準に準拠して制作しておりますので、番組をさらに充実させるための資料を得る目的で、NHKが自主的に学校放送の一環として聞き取りテストを行なったものでございます。
#218
○鈴木市藏君 NHKが自主的にやっているものを聞いているのじゃないのです。それはそれで目的があって追求しておられるのだと思いますが、文部省のつまり全国一せいの学力テストに協力するという理由は、どこにあるのかということを聞いている、端的にお答え願いたい。
#219
○参考人(浅沼博君) 文部省の調査に合わせて実施いたしますのは、調査を受ける側も、それから結果を分析したりあるいは評価したり、そういった点で利用する側も、非常に便宜が多いからでございまして、あくまでこれもNHKが学校放送の一環として自主的に利用させていただくという態度でございます。
#220
○鈴木市藏君 すでに御存じだと思いますが、この学力テストの問題については、日教組をはじめ日放労などの関係の労働組合が一せいに強く反対をしておりましたし、それから日本の下級裁判所、いわゆる地裁ですね、地裁でも違憲の判決も出ている。また同時に肯定の判決も出ているところもありますが、まだ法的に学力テストの位置づけが必ずしも定まっているとは思っておらないような状況ですから、こういうときに、NHKが何も文部省に協力をして、あたかも問題になる学力テストの下請をやるといったようなことは、ずいぶん行き過ぎだと思っているのです。いままで行き過ぎだったと思っているのだけれども、ことしはそういう趣旨もあったのか、取りやめということになったそうですが、もしこういうふうなことがまた再度繰り返されるようなことがあるならば、私は、やはりこの放送法の第一条の精神から見ても正しくない。このことは、だからNHKが独自でおやりになるならおやりになるで、それはまた一つの見識でしょうけれども、文部省と一体となり、あるいはその下請化して、放送施設を使っての学力テストをやらせるというようなことは協力すべきではない。これは放送法自体の精神からいって、不偏不党という立場からいっても、正しくない。それから先ほど申し上げましたように、多くの労働組合はこれに反対しているし、しかもまた、福岡の地裁と熊本の地裁からそれぞれ異なった判決が出て、まだこれが最終的にきまっていないというような問題でもありますから、私は、NHKがこれに協力したことは軽率であった。不見識でありかつ軽率であったというふうに考えております。したがって、今後もしこれがまた何らかの機会に復活されるようなことがあった場合にも、従前のようなそういう協力のしかたは、NHKとしては拒絶すべきが、本来の放送法のたてまえからいって正しいと思いますが、この点はいかがですか。
#221
○政府委員(木田宏君) 現在の放送法の規定によりまして、NHK、いわゆる日本放送協会は、教育番組について一つの使命をお持ちのように、私ども承知をいたしております。しかも、それが、その教育番組が、四十四条の五項にも明らかに書いてございますが、「当該番組が学校向けのものであるときは、その内容が学校教育に関する法令の定める教育課程の基準に準処するようにしなければならない」という明文の規定も入れられているところでございます。NHKが学校放送を実施されます場合には、当然学習指導要領の内容に準処して放送をなさる、もちろんNHKの自主的な立場で準処してなさることは当然でございます。そのようなたてまえにおきまして、私どもは学校教育の教育内容の改善充実、その向上ということについて、NHKが公共放送としての立場からいろいろと教育の問題、政府で掲げております教育の指導の基本方針に沿って御協力をいただけるものと、このように考えております。今年度学力調査を実施いたしませんことは、先刻申し上げましたとおりでございます。NHKの御事情とは何の関係もありません。
#222
○参考人(浅沼博君) ただいま先生のお話でございますが、NHKといたしましては、あくまでもこれは自主的に学校放送の一環として実施していくという考え方でいままでやってまいりました。したがいまして、本年文部省のほうはおやりにならないそうですが、私どものほうではNHK独自で四十二年度の英語の聞き取りテストを実施したいというつもりでございます。
#223
○鈴木市藏君 誤解をしないようにはっきり言っておきますが、私はNHKが独自でやる、それに文句を言っているわけじゃない、それを軽率だと言っているのじゃない。それはそれでおやりになっていいでしょう。ただしかし、NHKが協力をした学力テストは、やはり文部省の指導要領に基づいて、また学力テストの項目についても文部省の要請に基づいてやったということを言っているのです。そのときの学力テストの項目などは、NHK必ずしも独自のものではなかった。全国一斉の学力テストのときの項目は、やはり文部省の全国一斉の学力テストの項目に基づいてやったというところに、必ずしもNHKの自主性とか独自性が生かされたというふうにはわれわれは考えてない。むしろやはりこれは違憲であり違法である。いまも問題になっている学力テストに対して定見なく、見識なく、文部省の下請化したという点を言っているのであります。この点についてはこれ以上はもう意見になり、論争になるかもしれませんから避けて、私はここで最後に一つだけ希望を付して質問を終わりたいと思います。
 それは、つまり内閣調査室からのNHKに対する委託の事業に関して金がきている問題です。これは非常に重要な問題で、内閣調査室というのは――先ほど私がこの問題について、ちょっと諸外国の例も、NHKというものの諸外国にこういうものがあるかということについて聞いた中に含みとしてあったのでありますが、やはり一つの諜報機関でありまするから、そこの事業を委託をして、そうして委託されてそれをそこから金を取るというのは、NHKのやはり公共の精神から言って私はこれは正しくないと考えるので、雑収入わずか七百三十万何がしかの金で、金額は少ないかと思いますけれども、事柄の性質は非常に重要でありまするから、この点については、NHKの立場でしっかりとしたつまり見解をまとめて、次の機会にこの問題に対して是非の判断がつくように材料を提出して、われわれの検討にひとつ協力してもらいたい。これは私の考えとしては、このような委託事業はなすべきではない。ましてや金は受け取るべきではない。こういう強い私意見を持っておりますが、本日はこの問題について深く触れることを避けて、次回にひとつこれを検討できるように資料を出してもらいたいということを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
#224
○委員長(野上元君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#225
○委員長(野上元君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べ願います。
#226
○森勝治君 私は日本社会党を代表しまして、ただいま議題となっておりまする放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件につきまして、次の附帯決議を付して承認を与えることに賛成の意を表するものであります。以下案文を朗読いたします。
    放送法第三十七条第二項の規定に基づ
    き、承認を求めるの件に対する附帯決
    議(案)
  政府並びに日本放送協会は、次の各項の実施
 につとむべきである。
 一、難視聴地域の解消並びに受信障害防止対策
  を積極的に推進すること。
 一、協会は第二次六ケ年計画の完遂を期すると
  ともに、新放送体制の確立を促進すること。
 一、協会は経営の合理化、能率の向上をはかり
  従業員の待遇改善に資すること。
  右決議する。
 以上三点にわたる附帯決議案を朗読いたしました。
 御承知のようにこの収支予算案等は、昭和三十七年度を起点とするNHKの第二次六カ年計画の最終年度としての諸計画を各部内にわたり積極的に推進しようとするものでありまして、その大要は、放送の全国普及をはかるためのテレビ局の建設、教育放送番組の充実強化、カラーテレビ放送の拡大または放送衛星の開発、研究を積極的にするなどのほか、ラジオ料金の免除範囲を拡大しようとするものであります。以上の諸施策は、いずれもNHKの使命に照らしてほぼ妥当なものであると考えられます。わが党はこの収支予算等が適正に執行されることを期待いたしますとともに、この際若干の希望を申し述べてみたいと思います。
 その第一は、テレビ放送網の全国普及の早期達成についてであります。放送界が非常な発展を遂げております今日、なおテレビ文化の恩恵に浴しておらない家庭が百万以上に及んでおることは、皆さん御承知のとおりであります。しかもこれらの対象は、いずれも文化機関に乏しい後進地域である点に、NHKといたしましても十分思いをいたされまして、建設計画で論議をされました建設費の配分等再検討されて、テレビ放送網の積極的な建設について一そうの御努力を願いたいと存ずる次第であります。
 第二点は、NHKの厳正中立の堅持についてであります。NHKは、最近の情勢によりますと、国民のための放送から、ややもすれば政府のための放送の色を濃くしつつあるのではないかという風評を聞くのでありますが、今日放送は、受信機の驚異的普及につれまして、有力な言論報道機関としての性格を強めてまいりました。さらに番組のいかんは、世論の形成に重要な役割りを果たしますことは、御承知のとおりでございます。NHK当局はその存立と使命を十分に再認識されまして、いかなる障害があろうとも、それらの障害を排除して、憲法及び放送法により保障された言論報道の自由を十分に発揮され、今後とも番組の編成にあたりましては、一党一派にかりそめにも偏することなしに厳正中立を堅持されたいと思うのであります。
 第三点は、ラジオ放送体制の維持についてであります。テレビの発展に伴いまして、ラジオ部門は、ともすれば軽視されがちでありますけれども、さらにこれに加えまして、ラジオの受信料の全廃問題等の提起によりまして、さらにこの傾向が強められる環境にあります。しかしながら、今日におきましても、ラジオ放送は独特の領域を発揮いたしまして、国民生活の充実、向上に寄与しておるところであります。今後も、ラジオ部門等に携わっておりまする職員の士気を低下させるようなことはなく、さらにまた、番組の編成面につきましても、十分の配慮をわずらわしたいと思うところであります。
 以上、私の討論を終わります。
#227
○委員長(野上元君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#228
○委員長(野上元君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を問題に供します。本件に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#229
○委員長(野上元君) 多数と認めます。よって本案は、多数をもって、原案どおり承認すべきものと決定いたしました。
 次に、森君提出の附帯決議案を議題といたします。森君提出の附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#230
○委員長(野上元君) 多数と認めます。よって森君提出の附帯決議案は、多数をもって、本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 なお、ただいまの決議に対し、小林郵政大臣及び前田NHK会長から発言を求められておりますので、この際これを許可いたします。
#231
○国務大臣(小林武治君) 本件につきましては、慎重な御審議をいただいた上で御承認いただきましたことを、厚くお礼を申し上げます。
 なお、附帯決議につきましては、政府といたしましても、今後の放送行政にあたりまして、その御趣旨を十分に体してまいりたいと存じます。
#232
○参考人(前田義徳君) 非常に御熱心な各委員の御検討によりまして、昭和四十二年度日本放送協会の予算が承認されましたことに対し、深くお礼を申し上げます。
 ことに附帯決議三件に関しましては、私どもは最大の注意を払い、その実現に万全を期したいと思います。
 また、御質疑を通じて各委員が示されました理解ある御示唆に対しましても、十分私どもは今後の協会運営に取り入れてまいりたいと考えます。今後もどうぞよろしく御指導をいただきたいと思います。
#233
○委員長(野上元君) なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#234
○委員長(野上元君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 次回は公報をもってお知らせすることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時三十四分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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