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1967/05/16 第55回国会 参議院 参議院会議録情報 第055回国会 逓信委員会 第6号
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1967/05/16 第55回国会 参議院

参議院会議録情報 第055回国会 逓信委員会 第6号

#1
第055回国会 逓信委員会 第6号
    ―――――――――――――
昭和四十二年五月十六日(火曜日)
   午前十時三十八分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         野上  元君
    理 事
                植竹 春彦君
                寺尾  豊君
                西村 尚治君
                森  勝治君
    委 員
                古池 信三君
                新谷寅三郎君
                谷村 貞治君
                鈴木  強君
                永岡 光治君
                光村 甚助君
                横川 正市君
                石本  茂君
                鈴木 市藏君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  小林 武治君
   政府委員
       郵政政務次官   田澤 吉郎君
       郵政大臣官房長  竹下 一記君
       電気通信監理官  畠山 一郎君
       電気通信監理官  浦川 親直君
       郵政省郵務局長
       事務代理     森  圭三君
       郵政省簡易保険
       局長       武田  功君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        倉沢 岩雄君
   説明員
       郵政省建築部長  奥山 恒尚君
       会計検査院第二
       局長       井上  鼎君
   参考人
       国際電信電話株
       式会社取締役社
       長        大野 勝三君
       国際電信電話株
       式会社取締役副
       社長       八藤 東禧君
       国際電信電話株
       式会社常務取締
       役        板野  学君
       国際電信電話株
       式会社常務取締
       役        清田 良知君
       国際電信電話株
       式会社常務取締
       役        甘利 省吾君
       国際電信電話株
       式会社取締役・
       研究所長     新川  浩君
       国際電信電話株
       式会社取締役   黒田 義晴君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○簡易生命保険法の一部を改正する法律案(内閣
 送付、予備審査)
○昭和二十二年以前の郵便年金契約に関する特別
 措置法案(内閣送付、予備審査)
○参考人の出席要求に関する件
○郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に
 関する調査
 (郵政事業の運営に関する件)
 (国際電気通信事業に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(野上元君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 初めに、理事打合会の結果について御報告いたします。
 本日の委員会においては、簡易生命保険法の一部を改正する法律案及び昭和二十二年以前の郵便年金契約に関する特別措置法案の説明を聴取した後、参考人の出席を求めることを決定し、郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査に対し、質疑を行なうことになりましたので、御了承を願います。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(野上元君) これより議事に入ります。
 簡易生命保険法の一部を改正する法律案及び昭和二十二年以前の郵便年金契約に関する特別措置法案を議題といたします。
 まず、政府から提案理由の説明を聴取いたします。田澤政務次官。
#4
○政府委員(田澤吉郎君) ただいま議題となりました簡易生命保険法の一部を改正する法律案について、提案理由を御説明申し上げます。
 この法律案は、特別養老保険の被保険者につき、簡易生命保険金額の最高制限額及び全保険種類の保険金額の最低制限額をそれぞれ引き上げるとともに、保険金の倍額支払い及び家族保険における廃疾保険金の支払いの範囲を拡張しようとするものであります。
 まず、保険金額の引き上げについて申し上げます。現在、保険金の最高額は百万円に制限されておりますが、最近における社会経済事情の推移及び保険需要の動向を見ますと、この金額では、特に死亡保障を厚くして国民経済生活の安定を確保しようとする特別養老保険の機能を十分に発揮することができませんので、特別養老保険の被保険者について、保険金額の最高制限額を百五十万円に引き上げようとするものであります。また、現在、保険金の最低額は五万円となっておりますが、最近の経済事情のもとにおきましては、保険金額としては低額に失し、保険的機能を果たすに不十分であり、最近の新規契約について見ましても、保険金額五万円の契約はきわめて少なく、しかも、逐年、減少の傾向をたどっておりますので、この際、保険金額の最低制限額を十万円に引き上げようとするものであります。
 次に、保険金の倍額支払いの範囲を拡張することについて申し上げます。現在、簡易保険の保険金の倍額支払い制度は、このための特別保険料を徴収しておりませんので、被保険者が不慮の事故等により死亡した場合に限って、保険金の倍額を支払うことにしておりますが、法定伝染病による死亡は、不慮の事故等による死亡と同様に考えるのが適当と認められますので、被保険者が法定伝染病により死亡した場合にも、保険金の倍額を支払うことにしようとするものであります。
 次に、家族保険における廃疾保険金の支払いの範囲を拡張することについて申し上げます。現在、家族保険については、主たる被保険者が廃疾になった場合に限り、廃疾による保険金の支払いをしておりますが、加入者の保険的保護を一そう厚くするため、被保険者たる配偶者または子が廃疾になった場合においても、廃疾による保険金の支払いをしようとするものであります。
 以上がこの法律案の提案の理由であります。
 何とぞ、十分御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願いいたします。
 次に、ただいま議題となりました昭和二十二年以前の郵便年金契約に関する特別措置法案について、提案理由を御説明申し上げます。
 郵便年金制度は、国民の経済生活の安定とその福祉の増進をはかる趣旨のもとに創設されたものでありますが、昭和二十二年以前に締結された郵便年金契約は、社会経済事情の変化によりまして、今日、年金として存続する意義の乏しいものとなっております。
 この法律案は、これらの契約の加入者の利便をはかるとともに、今後の郵便年金事業の運営の効率化に資するために特別措置をとろうとするものであります。
 その内容について申し上げますと、まず、この特別措置の対象とする契約は、昭和二十二年十二月三十一日以前に効力が発生した契約で、この法律施行の際に有効に存続中のものといたしております。
 次に、取扱期間を昭和四十三年一月一日から昭和四十四年十二月三十一日までの二カ年間とし、この取り扱い期間内に年金契約者等から年金契約を消滅させる旨の申し出があったものについて、その契約を消滅させ、年金受け取り人等に年金の支払いにかえて、特別一時金を支給しようとするものであります。
 特別一時金の額は、年金の繰り上げ支払い金、分配金の繰り上げ支払い金及び特別付加金の合計額といたしております。このうち、年金の繰り上げ支払い金は、年金契約上期待される将来の年金を繰り上げて支払うものでありますが、事務取り扱い上の便宜等を考慮いたしまして、昭和四十三年一月一日を基準として、その額を計算することといたしております。次に、分配金の繰り上げ支払い金は、定期年金に限るものでありまして、年金支払い期間満了の際に分配すべき剰余金を繰り上げて支払うものであります。また、特別付加金は、対象となる契約が、多年にわたり事業の発展に貢献してきたものであること、この特別措置が事業運営の効率化に資するものであることなどの点を考慮し、年金等の繰り上げ支払い金に付加して支払うものでありまして、その額は、経過年数及び年金額によって定めることにいたしております。
 以上申し上げました特別一時金の額は、個々の契約によって異なりますが、一件平均の支払い額は五千円程度となります。また、この特別措置の対象となる年金契約の件数は約六十万件で、特別一時金の支払い所要額は約三十億円でありますが、昭和四十二年度といたしましては、十億円が予算に計上されております。
 この特別措置は、事業として可能な範囲で最善の措置をとるものでありますから、加入者の大多数がこれに応ずるものと確信しております。一方、事業自体といたしましても、小額の年金契約を保有することの負担が除かれまして、事業運営の効率化がはかられますので、今後の事業の発展に資するものと考えている次第であります。
 以上がこの法律案の提案の理由であります。
 何とぞ、十分御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願いいたします。
#5
○委員長(野上元君) 両案に対する質疑は、次回に譲ることといたします。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(野上元君) 次に、郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を議題といたします。
 参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 本件のうち、国際電気通信事業に関する調査のため、国際電信電話株式会社社長大野勝三君、同副社長八藤東禧君、同常務取締役板野学君、同常務取締役清田良知君、同常務取締役甘利省吾君、同取締役・研究所長新川浩君、同取締役黒田義晴君、以上七名の方を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(野上元君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#8
○委員長(野上元君) 質疑を行ないます。御質疑のおありの方は、順次発言を願います。
#9
○横川正市君 私は、過去の実績のよかったか、悪かったかということを論議するものではなしに、今日の実績として残されている点で不合理ないし――当然これは予算その他の問題に関係はいたしますけれども、改善すべき問題だと考える点で一点質問をいたそうといたしているわけですが、そういう点からいたしますと、郵政大臣の出席がぜひ必要であったわけなんで、所用で出席できないということですから、おもにひとつ政務次官から御答弁をいただいて、後刻大臣の意思はそれと変わらないことをひとつ確約をしておいていただきたい、こう思います。
 その第一は、郵政省の建設関係の状態を見ておりますと、最近関東のある県で実際に行なわれております実績は、統括局ですね、統括局に該当する局で本建築されて、そして、そのいわば、何といいますか、そういう減価償却の面からする年数といいますか、これは本建築ですから、五十年ないし六十年という、そういう長期のものであろうというふうに思うのでありますけれども、その建物の大半が取り払われまして、そして新しい建築に入っておるわけなんです。この状態は、まず第一に、当初建てられましたときの情勢というものをちょっと判断してみますと、乏しい建築予算で非常に多くの場所から必要を迫られて最小限の需要に応じようとしてやられた結果じゃないかというふうに判断をするわけなんであります。そういう面からいたしますと、私は最近までの郵政省の建築の状態の大半が、非常に需要が多くて予算が少ない、結果的にいろいろな不都合が起こってきているというふうに見られる点があげられるのじゃないかと思います。その一番大きな例というのは、年末年始における作業をするための臨時の仮設建物、これが非常に多いわけなんですね、実際の建物の中に。そこで私は、予算上からいきますと、仮設建物を建てなければならない必要経費を、たとえば六十年というその年限と比べてみて、それだけのものを建てておいて、そして、その六十年間に償却をしていく、あるいは二十五年で償却するというような年次計画のもとで計算を立てたら、こういうようなものはなくなるのじゃないかというような気もするわけであります。
 それから、私どもは郵政省の建物そのものを見ておりますと、ほかの同種といいますか、類似産業と比べてみまして、建物が非常に劣っているわけなんです。そういう劣っている建物のやむを得ざる状況といいますか、これは一体何が原因なのか。これは過去の実績なんでありますから、その点をひとつ説明をいただいて、逐次御質問していきたいと思います。
#10
○政府委員(森圭三君) ただいま先生おっしゃられました、私どもの局舎が特に年末にかなり新しい局でも狭いという形が現実に各地にあらわれているのは御指摘のとおりでございますが、実情を申しますと、いま先生おっしゃいました中の関東の統括局と申しますのは、あるいは前橋局ではなかろうかと思いますが、この局は、昭和二十五年の業務量を基礎にいたしまして二十七年に鉄筋で新築になった局でございまして、当時はやはり、昭和三十年以降に御承知のような郵便物数が倍増するというような状況は予測いたしておりませんでしたし、また、当時は、最近に比べまして、建設予算というものも非常に乏しいのでございまして、まあ、かつかつ目先数年を見て建てたという現状でございましたので、現在の業務量にいたしますと、とうてい建てかえなければ――建てかえるといいますか、改築しないと業務をやっていけないという状況になりましたので、現在改築中というのが実情でございますが、その他にいたしましても、やはり昭和三十四、五年ころ手をつけました局舎につきましては、特に大都会を中心といたしまして近郊地の発展度合いというものの見方がかなり甘かったと申しますか、こんなに発展するとは思っていなかったという関係が相当影響して、建てて数年でやはり特に年末には仮設をつくらないと業務をやっていけない、そういうような状況があらわれておろうかと思います。
 それからもう一点は、これは特に近郊地に多いのでございますが、年末のピークの一週間くらいになりますと、特に小包の配達物数というものが平生の四倍か五倍にふえる場所がございます。これは特にデパートが地区配をしない地域というところの近郊では、配達物数が非常に、える。そういうところでは、当初からそういうものを予想して局舎を鉄筋で建てておいたほうがいいのか、あるいは、やはり一週間か十日だけは仮設で小包の配達を済ましたほうがいいかということについては、ちょっと問題があろうかと思います。あるいは本建築を建てるほうが不経済施設になるんじゃないかというような、そういうものもございます。しかし、全般的にいいますと、三十四、五年くらいまでに建てましたものにつきましては、やはり多少将来増の見通しが大都市と近郊地については甘かったというようなことも反省いたしまして、三十九年度以降につきましては、やはり将来の発展の見方のランクをつけまして、一番多いところ、特に近郊地あたりでは、将来増というものは今後十年間で二倍半くらいまでは見込まなければいけないんじゃないかということであります。いなかになりますと、十年間に三割から四割くらいしか伸びないだろうというようなランクをつけまして、将来増を見込んで坪数を算出して計画いたしておりますが、やはり三十八、九年までのものにつきましては、相当な見通しの間違いというようなことから、特に年末には相当の仮設をつくらなければならないというような状況があらわれたのが現実の姿でございます。
#11
○横川正市君 政策的には、いま言ったように、仮設をしたほうがきわめて臨時的なものだからいいんじゃないかと思われる点については、これは特殊な例としてあると思うんですが、たとえば東京都内であれば、目黒の局は建てた翌年に仮設を建て、杉並も仮設を建てたというふうに、仮設の状況というのはいわば見越しの誤りだというふうに判断できるかどうかという点があるわけなんですよ。そこで、政策的にいえば、年末年始は一時的に急増するからたいていは仮設でいいんじゃないかという考え方で局舎を建てておるのではないかというふうに思われるくらいに、仮設の場所が多いわけですね。埼玉県の熊谷の局なんかに行きますと、仮設のほうが大きいというふうな事例があるわけです。そういう事例というのを見ておりますと、通常の平均物数と、それから年末年始の急増する物数というものとを比べながら、仮設がやむを得ないんだという判断で、基準というものを決定しているのじゃないだろうかというように思われる点があるので、この特例の問題については、別にこれは小包の集中局もできることですから、逐次改善されていくんだろうと思うんですが、一般的に毎年仮設をしなければいけない状態は、政策面で変えていく必要があるんじゃないか、こう私は思うんです。
 そこで、実際問題として、私ども下部へ行っていろいろ聞いてみますと、建築関係については、一応の基準というのがあって、基準に基づいて建てられているから、ある程度の見越しの上で建てるということについては、相当問題があると思います。その問題の一つに、会計検査院の検査の結果、基準外のものについてはきびしくおしかりをこうむるというような意見がちょっとあるわけなんですがね。これは検査院のほうでは、いままでずいぶん建てられた建築のそういう状態を見られて、文書または口頭ないしは現場での注意をされたというような事実がおありなんでしょうか。
#12
○説明員(井上鼎君) お答え申し上げます。
 ただいまの先生の御質問は、面積の算出基準につきまして会計検査院が批難ないしは注意をしたことがあるかどうかという御趣旨でございますが、算出基準につきましては、会計検査院といたしまして従来これについて批難ないしは注意というようなことをいたした事例は一つもございません。
#13
○横川正市君 もう一点検査院にお聞きしたいのですが、たとえば基準に基づいて建てられてある場合は問題ないわけなんですが、そのときの基準外で相当見越しをされたと思われるような状態で建てられたものについては、どういう取り扱いをされますか、その現場を実際に検査に行かれた場合ですね。
#14
○説明員(井上鼎君) 一応算出基準というものがございますから、したがって、検査にあたりまして算出基準をこえているというものについては説明を聴取するということは、これは検査の方法としてございます。しかし、その現地の実情あるいは将来の発展というようなことで現場でそれぞれ納得のいく説明を承わっておると思います。したがって、われわれといたしましては、そういったものについては、検査を了として済ましておるわけでございます。
#15
○横川正市君 私は、問題は、金持ちはますます金がもうかって貧乏人はますます損をするというような意味合いで、郵政の場合でも、いま事例に出た一、二の局をとってみましても、普通であれば、間に合うように建てていれば、まだ三十年も三十五年も使用ができるものを、これを全部取り除いて新たに何億かの予算というものを投入しなければいけない、そうしないと業務が行なえないというような、これはもう個人じゃこういうことはしないわけですね。お役所だからできるわけです。それで、役所でできるなら、もう少し国民に理由の説明のできるやり方というものがあっていいんじゃないだろうか。ですから、三十四、五年、以前における状態というのは驚異的な経済の発展もありましたことですし、それから、それ以前は地方への分散政策をとっておりましたのが、これはもう国の方針でもって必然的に都市集中化というかっこうになってきました。その著しい変わり方というものがあるわけですから、私は以前のものを責めようとは、前段で申し上げましたように思わないわけで、これからどういうふうにこれからの需要に対して対処していくかについて、一応三十九年ごろから改善をされたとは言いますけれども、実際に改善されたかどうかを、私は実は神奈川県下の新局、たとえば厚木であるとか、それから、こちらの、あれは戸塚ですか、戸塚管内になりますか、もう一つ手前になりますかな、あの局を実際に見ますと、そうしますと、おそらく二年もたないんじゃないかという気がするわけです。ことに相模原とか大和とかいうような地点は、これは膨大もない住宅地としての発展の可能性というものを持っているわけですね。ですから、私は、そうなれば、置局については、数局の置局計画があるのだから、それから当面はどうなのかという点での実際の計画面も出てくるだろうと、これが一つです。
 それからもう一つは、やはり局舎のスペースのとらえ方として、どこまでの範囲内ならば大仲間に合うかという点の見越しをしているのか、その点はこの膨張係数の非常に激しい点についての考え方はどうでしょう。
#16
○政府委員(森圭三君) 発展度合いの十分な、いまお話出ました、たとえば大和とか相模原というようなのは、確かに何年か先には相当伸びるだろうということが当初予測されましたが、その形がどういう形になるかということにつきましては、少しはっきりしないと、それから、とりあえずの業務量はそう多くないと、そういうところの局舎の建て方といたしましては、一応敷地面積はかなり広くとっておいて、それで建て坪とすれば、鉄筋でまあ目先の業務量に見合ったような形で局舎を建てているというのが現状だと思います。それで、これにつきましては、先ほどもお話の出ました、とりあえずはその敷地の中で年末業務などには仮設で対処していく。それで、将来の全体の伸び方というものがかなり安定して落ちついたときに、まあ、がっちりした大きいものに建てていくというような扱い方をいたしておると思います。
 それから、最初お話のございました、まあ三十四、五年まではやむを得ないとおっしゃっていただいて、まことにありがたいわけでございますが、これからの局舎の建て方というものをどういうあれでやっていくかということにつきましては、まあ最終的にこれでいこうということにしているわけではございませんが、いまのところ、年末業務につきましては、年賀の差し立て、到着、配達はやはり本局舎の中でやれるような予備室は一応持っていったほうがいいんじゃないか、大体それで十年先ぐらいまでの伸びというものを見て建築は計画いたしておりますが、ただ、小包につきましては、特にこれを十年先までの小包の物増をその局舎の中でやれるというような面積までとるのがどうもはたして妥当なのかどうかということについては、ちょっといろいろ問題がございまして、そこまで踏み切れてない。特に東京都内ですと、先ほど御指摘ありましたように、小包の集中局というものが建設中でございますし、初めに申しましたような近郊地の特別に配達がふえるところとか、そういうようなところもございますが、そこらはむしろ、多少敷地に余裕をとって仮設で対処していくのがいいんじゃないかというような考え方で最近は取り組んでおります。
 それから厚木の局も約十年ちょっとたっておりますので、確かに狭いのはわかっておりますが、おそらく近く手をつけなければいけない状況じゃなかろうかと思っております。
#17
○横川正市君 まあ全体として見て、関東管内が少しおくれていますね、その建築の、改築、増築の度合いというのは。それはどういう理由かちょっと私わかりませんが、いまのように一つの方針が立てられていれば、私はまずまずスペースの問題としては解決するのじゃないかという気がいたします。そこで、できるだけ私は、やはり年賀はもう通常予備室でもってまかなえる程度のもので、相当長期間の見通しの上に立った入れものをつくってもらう、これはひとつ実施してもらいたいと思う。小包はいずれこれまたコンテナとかなんとか、いろいろな対策が出てくると思いますから、この際ですから、それまで含めてということは、別の方針が出ればそれに越したことはありませんから、要望いたしませんが、そういうふうに、ますをまず一つつくってもらいたい。
 それからもう一つ、これは前回もちょっと防犯関係で申し上げたのですが、少なくとも無集配局あたりは、これは格子を入れるとか、安全庫をつくる等で、あるいは大型の金庫を入れる等、当然公衆に対する信用を高めることはできると思うのです。集配局は、これは鉄筋で建てるという方向に変えられないものでしょうか、集配局全部。これは普通局、特定局関係なしに鉄筋にする必要があるのじゃないか、これはどうでしょうか、方針としては。
#18
○政府委員(森圭三君) 御指摘のように、集配局もかなり最近はいなかへ参りましても、町の中心地ではかなり鉄筋の建設がふえておりますので、特別の山奥を除きましては、鉄筋で建てられたらこれに越したことはないと思っておりますが、何ぶん、従来の建設予算の折衝の過程では、やはり一定坪数以下のものは木造でなければ予算がつかないという実情でございますので、絶えずそこまで持っていくということは、実行上はむずかしいと思います。
#19
○横川正市君 私は、木造で建てられている郵政省の坪単価というのを見ますと、相当高いものですよ。あれは軽鉄骨かなんかでやりますと、もうちょっと出せばできるのじゃないかと思われる。普通の設計ならばできるのじゃないかと思うのですね。そういうくふうをしていく必要があるのじゃないかと思うのですが、どうですか、専門家の数字は。木造モルタルでなくて、軽鉄骨かなんかで、防犯、それから火災その他、同時に、年数等から勘案してみて、そのほうが経済的じゃないかと思われるのですが。
#20
○説明員(奥山恒尚君) 先生のおっしゃられるような考え方も確かにあると存じます。まあ軽量鉄骨というようなものがございまして、比較的木造の単価にやや割り増しすればできるというようなこともございますが、やはり軽量鉄骨というのは耐火構造としては認められておらないのでございます。そういった点もございまして、その点では鉄筋建物とは異なり、防火の面では木造と同様かと思います。しかし、いろいろな構造がございまして、あるいはブロック造ではどうか、そういった構造段階別にそれぞれ単価が違っております。いろいろなケースをどういうふうに郵便局舎に適用するかということについては、非常に重要な研究課題だと思いますので、なおよく十分検討さしていただきたいと思います。
#21
○横川正市君 前回の委員会のときにも私はこの点で触れたのですけれども、郵政省は国の仕事なんだからという意味で、対国民からの信用という面で一応維持をされてきた面が非常に強いわけですね。ところが、だんだん社会の状態が変わってまいりますと、これは国のものだろうと民間のものだろうと、そんなものに区別をつけないようにだんだんなってきているような状況があるので、そこで、防犯対策についても、まあ何%か事故が起きてもそれは危険負担なんだという考え方で仕事をやっていくのじゃないのかと聞いたら、監察局長は、絶対そういうことはありません、ゼロにするのです、こういう答弁です。それならば奥山さん、特定局へちょっと行って見られたらどうでしょうか。あの大型の窓が格子一枚入っておらない。施錠だけの状態になっているわけでしょう、設計は。ですから、もう何にもそういう危険の度合いのない国ならばあるいは通用しますけれども、だんだん社会の状態が変わってきて、あれで通用するという考え方というのは、郵政省のたてまえとしては、少しやはり変える必要のある問題なんじゃないか。私は特定局に入っていきまして、あの事件が起こったときずいぶん見ました。あちこちそうして見てきたときに、これなら入ってもしかたがないなというような設備ですね、手を伸ばせばすぐ手の届くところに施錠があるわけですから、それをどう変えていくかということも、これは将来の建築の問題としては必要なんじゃないでしょうか。その点を含めて、私は、できればこれは特定局の集配局、それから普通局、これは鉄筋でやったらどうだろうか、そのほうがいろいろな意味でいいじゃないか。予算の問題があるから、これは事務当局じゃちょっとあれですから、大臣が見えてからお聞きしたいと思うのですが、そういう方針を立てて、そして予算はどうかということを考えられるのが、これはもう当然事務当局としては差し迫った問題じゃないかと思っているわけですがね。いま、あれ、あのままでしょうか、それとも、暫定的に格子でも入れようという考え方ですか、どういうあれでしょうか、その方針としては。
#22
○説明員(奥山恒尚君) この問題につきましては、先般監察局長から、大体の省としての防犯協議会で検討した結果について、どういうふうに将来したらいいかというお話があったと思います。とりあえずは、ねらわれている対象物を警戒をする考えで、装備、いろいろな設備を強化したいという、たとえば防犯ベルでありますとか、レーダードッグでありますとか、そういったものでやる、警報装置によってすぐ探知するという形でもってやりまして、それでもなお不十分なものについて、そういった局舎施設的なものについても必要であるということが結論づけられれば、そういったこともさらに検討していこう、そういう話に実はいま現段階はなっておるわけであります。
 それから、われわれのほうで一応設計方針というような目標がございまして、その防犯的な事項といたしましては、周りの門やへいの高さをある一定の高さ以上のものにする、それから容易に見通しができないように、窓にはブラインドとか不透明なガラスを使う、どうしても不法侵入のおそれのある窓には、必要な場合に格子を設けるとか、網入りガラスにするとか、そういった一応の方針はきめておるわけでございます。実態は、先ほど先生のおっしゃられましたように、最近の社会情勢の悪化に伴いまして、そういった事件の性質が内容的に変わってきておりますので、それに対応した新しいものに変えていく必要があるかとも思うのであります。
#23
○横川正市君 これは政務次官、私は実は、官庁機構の中を知らないわけじゃないですがね、よく知っている上で、郵政省の建物がどうしてほかの同業者の建物と比べてみて悪いのか。これは青森県でも同じでしょう。それでどうして悪いのかという点、何か変えようとする意思が全然ないような気がするのですね。そういう意思があるけれども金がないというのがほんとうかもしれません。これはなければそれでいいのかという問題なんで、何かこれに対して金をつくる考え方というものを考究すべきだというふうに思うのですがね、どうでしょうか。
#24
○政府委員(田澤吉郎君) 先ほど来いろいろ横川先生からのお話を承っておったのでありますが、ごもっともでございまして、ただ、事務当局から言わせますと、いろいろ予算上の問題でなかなか思うようにいかぬということでございますが、やはり私も青森県の状況も見ていますし、あるいはまた、東京都内も二、三見たわけでございます。さらに京都の一つのモデルになる中央郵便局というものを見ましたが、やはり京都の郵便局のような、ああいう幅の広い局舎がやはり今後つくられなければいかぬと、それがほんとうの理想じゃないかと思うわけでございます。おそらく大臣もそういう考えであろうと思いますので、今後できるだけ横川先生の考え方をいれまして、局舎の近代化のために努力を払ってまいりたいと、こう考えておりますので、よろしくお願いいたします。
#25
○横川正市君 私はまあ通り一ぺんにここで質問をしたらそれで終わったというんじゃなしに、実は非常に具体的な対策がすぐこう生まれてくるように期待をする点は、いまの点なんですよ。
 それから特定局を見ていただきますと、特定局の中には国営、それから公営、私営というのがあるんですね。それで残念ながら私営の単価は四万円ぐらいでできた単価のものがずいぶんありますよ。ですから、行ってみますと、もう建てつけから違うんです。これは何かといって行ってみますと、ああこれは私営だなというふうにわかるんです。ああこれは国営だなとわかる。それぐらいに違う。ただ、その局舎料というのは同じに払っていますね、全部。まあそういうような点もありますし、私営でこれはもう国営よりかりっぱな局舎があると言ったら、これはもうぜひひとつこういう局舎があるから行ってみれと言っていただきたいと思います。私はずいぶん回りましたけれども、これは私営だという局舎で、国営で建てたものよりかりっぱな局舎はありません。しかし、設計とかその他は全部本省とか郵政局がやっているわけです。設計は私営の場合でもですね。そういう設計をやる場合には、いま言ったように、たとえば格子の問題とか、安全庫の問題とかという方針をすぐ出してもらいたいわけですよ。それから建てたものを、幾ら局舎料を払うかという場合に、これはもう当然差をつけるべきだと思うんだけれども、それができない。できない事情というのは多少まあ私ども承知していますが、できない。しかし、私はまあ、いまのように見劣りする局舎というものを見ながら、無集配局はもうやむを得ない事情があると思うんです、いろんな意味で。集配局ぐらいは鉄筋で建てるという、そういう方向をきめて予算措置をとっていくべきじゃないか。これはもうすぐかかったらどうだろうかというように思うわけなんですがね、どうですかね、それは。
#26
○政府委員(森圭三君) 国費で建築いたしております特定局の予算につきましては、まあ昨年度からやはり百坪以上ぐらいのものは鉄筋でということで要求いたしまして、昨年度は認められなかったのでございますが、本年度は一応百坪以上の要求を出しまして、四十二年度には百五十坪以上のものは鉄筋でということで予算に盛られているのが実情でございまして、まあなお努力は続けていきたいと考えております。
#27
○横川正市君 まあ、これは金のかかる話ばかりするので申しわけないんですが、同時に、設計の中に、いまどの郵便局へ入っていきましても、休憩室というのは、内外勤全部入れて一つしかありません。しかも、畳の部屋で、まあスペースに従って四畳半のものがあったり、六畳のものがあったり――これはいまのあれでいくと何・何平方メートルというわけでしょうが、そういう畳の部屋があります。普通の外勤者の場合には、これは区分をする自分のたなですか、そこがいわば弁当を食べたり休憩したりするところになっているわけなんですが、これは休憩室として必要なのは、私はまあ、たとえば、ある局へ行くと、シャワーをつくってある局もありましたし――新しい局ですね、それから一応、何といいますか、設備は整っておるようですが、そういう局でも、まだ外勤者の休憩室というのは持っておらない。これを当然設計の中に入れるべきだと思うのだが、なぜかというと、もう雨にぬれて帰ってくるとか、暑くてどうにもならぬというように、外勤の人たちというのはちょっと言いあらわせないくらいな苦労を毎日なめているわけですよ。だから、シャワーが必要だと思う。あるいは雨の日にはかわかすものが必要だというくらいな特殊な事情というものは自然現象であるわけですね。しかし、それに対しては、何にも設備としてとっておらないというのは私はふしぎだと思う。もちろん、最近は二階とか何かに外勤の区分室というものがつくられているという傾向がありますから、そういう関係で、何かスペースをとるのにむずかしいという点もあるのだと思いますけれども、私は、自然現象に非常に左右されて働いている者に、ある程度の設備をつくってやられるというものがあっていいんじゃないかと、それだけの設備をしていいんじゃないかという気がするのですがね。この点はどうでしょうか。これは郵務も関係ありますし、建築も関係あるわけですが。
#28
○説明員(奥山恒尚君) 一応建物の計画をする段階で、いわゆる所要坪数調書というものを、面積調書というものを事業局の郵務局のほうからいただいて、それに基づいて計画をいたします。その際にもいまお話しの休憩室その他というものの所要面積はこのぐらいであるからこの面積を確保するということで、その面積に相応する面積を休憩室用として計画しておるわけであります。それの調書の中で、単独に休憩室が設けられない場合には、まあ宿直室と兼ねる、まあそういったいろいろなケースによってのとり方が変わってくる場合があります。いまのところは、そういったことで要求の面積調書に基づいて計画決定をいたしておるわけでございますが、実際の使用状況からいたしまして、先生の御指摘のように、外務員その他の休憩にふさわしくないところも非常に実際としては起こっておるということでありまするが、そういったことをさらに建築設計の場合もこのことは取り入れていかなくてはならないと、かようには考えております。
#29
○横川正市君 郵務当局はどうです。
#30
○政府委員(森圭三君) 休憩室の現在の算出、特に外勤の控え室は、まあ最大、出勤員一人につき一平米という形で算出をいたして、まあ建築のほうに、設計の数字に入れていただくように要求しておるわけでございますが、まあ現在の算出基準そのものにつきましても、かなり社会情勢のこう発展してないときからのものでございますので、なおいろいろ検討してみたいと思っております。
#31
○横川正市君 保土ケ谷の郵便局は去年ですかな、落成したのは。あそこのシャワーを私見ましたが、まだ一年もたっていないのに、シャワーの口がすっかりこわれてしまいまして、そうして実際上ものの用に立っておらないものが二つか三つ、何かぼろでこう縛りつけてあるのを見ました。全体的に、つくられたものがああいうものであっても困るわけなんですが、ただ、場所がどうも少し使って適当な場所じゃないのじゃないか。トイレのすぐ横にあって、裸であそこに行くなんというのはちょっとどうかと思われるような、もちろん、あれはビニールか何かの幕を引くようになっておるのだと思いますがね、使うときには。ですから、私は、スペースがもしとってあれば、あとはまあ使う人に非常に便利なような、現地の人たちの意見を十分聞いてやらないというと、せっかくつくってやって、あれはまああまり利用されないのじゃないかというような気がいたしますがね。おそらくあれは特別にあそこだけ、シャワーのついているところで見たのは保土ケ谷だけでしたから、別にほかのところにもいいところがあるのかもわかりませんが、もっと現場の人たちの意見をやはりある程度聞いて、そうして使いやすい便利なものにする方法をとったらいいのじゃないかと思うのですが、それは設計屋さんのほうは専門家ですから、いいと思ってやっておるので、現地からとやかく言っても、それはおれのほうがいいのだと言う傾向なきにしもあらずなのかどうなのかわかりませんが、ああいうものは現地の人たちの意見というものを聞いてやるわけですか。単に何といいますか、そうした局舎の業務の運行上必要なものが最優先的で、あと付属的なものはそれに付随して建てられているということで、便利その他ということよりか、あればいいというようなことのほうが先になるような気がするのですが、こんな状態がちょっと見られたのですね。ああいうものをつくるときには、実際どういうふうに検討されてやるわけですか。
#32
○説明員(奥山恒尚君) 保土ケ谷のシャワーの問題につきましては、実際の担当者によく確かめておりませんから、明確ではございませんですけれども、私、推測いたしますると、シャワーをつけるというのは、いまの設計の基準上からは明確にはなっておりません。浴室や何かでありますと、上がり湯のかわりにそのところにシャワーを置く、そういうことはやっておりますけれども、保土ケ谷の例のように、単独に外部にシャワーを置くというのは特異のケースでございます。おそらくテスト的な意味もあるだろうと思いますが、そういった外務員の方のからだを即座に洗えるようにしたいというふうな御希望がありまして、設計のある程度固まった段階でそういったことをあとで取り入れるという形のために、多少そういった無理があったかもしれませんけれども、比較的使いよい場所であるということでその場所に設けたという事情、おそらく設けた場所その他につきましても、十分現業の職員の意見もいれた上で決定されたものであろうと想像いたしております。結果として使うのに非常にぐあいが悪い、あるいは、こわれておるところもあるということでありますれば、適当でなかった点が残っておるかもわかりません。よくその点は検討いたしまして、今後の参考にしたいと思っております。
#33
○横川正市君 大臣が見えたから、大臣に総括的にひとつお聞きをしてお返事いただきたいのですが、私ども、第一次五カ年計画、それから第二次八カ年計画と、郵政の建築関係の実施にあたっては、相当な苦労をいたしてまいっておることを承知をいたしておるわけであります。ことに郵政省の業務というのは、当初五カ年計画を立てるまでに、私どもはずいぶん意見を聞きましたときは、こういう意見が先行しておったような気がするのです。それは、郵政の業務量というのは、これは国民のそのときの経済状態その他によってきめられるものであって、局舎がよくなろうが悪くて済まされようが、実際の業務の量、それから収入その他には一切関係がないのだ、だから局舎に投資するということは、一般企業が利潤をあげて、それを減価償却をしていくような意味での投資ができないから非常にむずかしいのだ、こういう考え方があって、局舎問題について本腰を入れた方針がとられておらなかった。しかし、社会情勢から他の類似産業その他の建築がどんどんよくなってくる。いま電電公社と郵政省を比べてみますと、それは明確な違いが出てきておるわけです。これではならぬというので、おそまきながら五カ年計画、八カ年計画、その後だんだん建築予算が累増してきて、ことしも二百億以上というワクをとったことになっておるわけですが、それでも、当初に手をつけておらなかったために、現実には相当の予算をとりましても、まだまだ追いつかないという現状なんじゃないかというふうに思っております。これが現状なんじゃないかと私は判断しておるわけです。大臣はどう現状を見ておるか、これはひとつ現状の認識についてまずお聞きをいたしておきたいと思うのであります。
#34
○国務大臣(小林武治君) これは横川委員がいろいろこういう御指摘をなさっておりますが、そのとおりだと思うのでありまして、郵政省の郵便局の建物がよその官庁の建物に比べて非常に劣っているということは、これは否定できません。やっぱり郵政省として一番大きな問題は、局舎問題であろう、従来ややもすれば、きたない建物があったら郵便局と思え、こういうことまで言われておる環境の悪いところでいい仕事をしようといってもこれは無理なんです。どうしても私は、従業員の保健衛生上はもとより、仕事の能率をあげるためにはよい環境をつくる、したがって、よい局舎をつくってやる、また、十分な局舎をつくってやるということが、郵政省としては一番大きな仕事である、かように確信をしております。最近におきまして、幸い、方々に局舎ができておるが、お話のように、できてすぐ困っておる、年末処理のできないことはもちろん、平常事務の運行にまで支障を来たしておる局舎が全国に相当あるのでありまして、これは最初の局舎計画が悪かった、不十分だったということは、結果から見て言わざるを得ない。だから、こういうことのないようにしたいというので、最近は敷地の購入その他においても相当気をつけておやりになっておるようであります。全般論としまして、早急にいままでのおくれを取り戻す、こういう意味においても努力をしなければならぬ。ことしはむろん郵政本庁の庁舎の建築費が入っておりますが、これで初めて二百億をこえる、こういうふうな膨大な予算が成立をしようとしておるのでございますが、来年度などは一そうこの予算を厚くする、私は借り入れでやってけっこうだということで、何も郵政省の収入からこれを出す必要はないので、財政投融資その他で、保険の借り入れ金等において資金を思い切ってひとつ投入する必要があると思うのでありまして、御意見は全く同感でございます。
#35
○横川正市君 私の現状認識その他で同じだということでありますが、こまかく私が質問しておった内容について、あわせて答えがありましたから、私はあとは要望だけにしておきたいと思うんですが、私どもは、郵政省の職員側の立場といいますか、あるいは職員側がつくっております労働組合の立場といいますか、そういった立場から離れて、公平な意味で郵政省を見ても、郵政省の今日置かれております問題というのは非常にたくさんあるような気がするわけです。その中でも、建物はことに一番大きな問題なんじゃないか。ですから、私の要望は、せめて、無集配局はやむを得ないものとしても、集配局、普通特定の差別なしに、全部鉄筋で相当スペースをとって建てられるような、そういう状況というものをぜひひとつ具体化するように努力してもらいたい、これが一つ。
 それからもう一つは、職員の中に仕事の面から来る対社会的な非常なアンバランスが生じておるわけでありまして、ことに郵便の外勤は事業の基幹でありますのに、対社会的にも、また実際上の取り扱いの面も、本人の自己意識の問題もあろうと思いますけれども、その面からもいろいろ問題があるわけでありますから、これらのことを満足させるためにも、局舎のスペースの中に休憩室だとか、あるいはシャワー室であるとか、あるいは雨にぬれて帰ってきたときには乾燥する部屋であるとか、そのくらいのものは、ある程度の局以上は備えるべきじゃなかろうか、そういう待遇の面とあわせて、ぜひひとつ改善をしてもらいたい。この努力の結果あるいは具体化というものを、私どもはこれから監視するわけではありませんで、十分見て実績をあげるように期待をしたい、このことをひとつ申し上げて私の質問を終わります。
#36
○国務大臣(小林武治君) これは私が御質問にお答え申し上げると同時に、郵政省の幹部にこれを守ってもらいたい、こういう意味で申し上げるのでありますが、普通局や集配局は当然鉄筋にすべきである、そういうことを意識してやってもらいたい、かように考えております。私は、郵政省の建物につきまして、従来非常なアンバランスがある、これは私は郵政省の幹部が金の取りやすいところはつくったが、取りにくいところはつくらなかった、どこへ行っても、保険局、貯金局というようなものはりっぱなものができておるが、郵便局は一番――一番と言っては語弊があるかもしれないが、われわれのほんとうの仕事の中心である郵便事業に対しては金が取りにくいということで、局舎の改善ができておらぬ。どこへ行っても、保険局なんか、えらいものができておる。貯金局なんかは、まことにりっぱなものができておる。これなどは郵政省全体の局舎のバランスをもう少し考えるべきではなかったか。ただ、こっちのほうは繰り入れ金その他で金が取りやすいから漫然とつくれた、一方は金が取りにくいからおくれた、こういうことにも思われるのでありますから、こういうようなことがないようにぜひしたいと、こういうことを考えております。
 それから郵便の外勤員のための施設なんかは、私もよく局舎へ行ってみますが、一番きたない。休憩室にしても作業室にしても一番きたない。私はこういうところは一番きれいで、いい場所であり、また、よい施設をしなければならぬと、こういうふうに考えておりますし、いまのシャワーとか乾燥室とか、こういうような休憩室とか、これはもう当然非常に大事な施設として取り入れなければならぬと思っております。私は実は、最近これは小田原の郵便局へ行ってみたのでありますが、あそこなんか、せっかくの浴場をつくっても従業員があまり使用しないと、こういうようなことを聞いたが、これは従業員に使用してもらわないと、せっかくいい施設ができても何にもならぬと、こういう点は私はもう部内にもひとつ十分使われるように考えてもらえないか。もうふろ場はやめようかなんということまで言う人がおりますが、こういうことのないように、やはり、もっとも、快適なものでなければ使わない、どういうこともありますから、使われやすいものをつくる。お話のような施設は大事な施設として十分配慮しなければならぬ、かように考えております。
#37
○横川正市君 浴室使われないのじゃなくして、あれは薪炭ですか、何か一週間に一回ぐらいしかわかせないような費用しかいっておらないというところに、実際上使われない原因があるのじゃないでしょうか。それは毎日わかしているのに使われない、そういうことはおそらくないと思いますが、おそらく一週間に一度とか二度しかわかさない、毎日ほしいという要望というのは非常に強いのじゃないかというように思いますが、これは答弁は要りません。当然事務当局の方が聞いておりますから、現地を調べてもらって、そして大臣に報告していただければいいと思います。
#38
○光村甚助君 思いつきのようで悪いのですが、きのうの毎日新聞あなたごらんになりましたか。郵政互助会というのに郵政大臣はどういう権限と義務を持っているのですか。まず、それからお聞きしたい。
#39
○国務大臣(小林武治君) これは、郵政互助会は、御案内のように、民法上の公益法人にすぎないということばは、これは語弊がありますが、民法上の公益法人にすぎない。したがって、郵政大臣の監督権も民法にきめられた限度においていたすと、こういうことで、年度の終わりには収支決算書を出してもらうとか、あるいは財産目録を出してもらうとか、こういうきまり切ったことの調書を求めておる、こういうことでありまして、平常の事務等につきましては、何ら関与すべきでもないし、関与しておらない、こういうことでありまして、実は、この問題について郵政省に資料の提出を求められた、こういうことでありますが、郵政省はさような資料を出すべき立場にないと、こういうことであります。これはあとで御質問があると思いますが、昨日の決算委員会において、大森委員から郵政省の資料をひとつ出してもらいたい。私はこういう返事をしておきました。私どもが資料を出す立場ではない、したがって、郵政省としては、互助会から資料の出せるようにあっせんをいたしましょう、あっせんの限度にすぎない、したがって、出すか出さぬかは、これは互助会の御自由であって、郵政省は強要する権限はありませんけれども、そのことを御承知の上で、あっせんするということで御了解を願いますと、こういうことを申し上げました。
#40
○光村甚助君 いや、民法上できめられた範囲と言ったって、私は民法がどんなものか知らない、具体的に。これでは、私も昔は十何年前この互助会の会員で、掛け金をかけておった、こういうのがこんなにでかく大新聞に出ますと、二十何万、おそらく三十万くらいの互助会の会員は非常に不信を抱くだろうと思うのです。だから、ただ民法上のきめられた範囲の権限しかない、その内容はわかりませんので、互助会からあなたのほうに決算の報告があった場合に、どの程度の報告があって、貸し付けに不正があるとか、あるいはないとか、そういう点まで権限があって注意を与えるのか、こういうところへ貸しちゃいけないというところまで権限があるのですか。もうちょっと具体的に御答弁願います。
#41
○国務大臣(小林武治君) 端的に申し上げますれば、さような権限はない、こういうふうに考えております。
#42
○光村甚助君 それならば、あなたに聞いたってしかたないのですけれども、「参院決算委で近く追及」と書いてありますから、私もこれにはびっくりしているのですが、一度法制局あたりにお聞きになったらどうですか。そういう民法上の、郵政省の職員がつくっている互助会の貸し付けの限度のことまで決算――国会の問題になるかどうか、法制局にお聞きになったほうがいいのじゃないか、そういう意思はお持ちないですか。
#43
○国務大臣(小林武治君) 私はそういうことは、たとえば補助金でも出しているとか、何か人事の権限をわれわれが持っているとか、そういうことがない限りは、国会の問題になるべきでない、こういうふうに私は思いますし、御注意がありますから、あとで法制局に聞いてみましょう。最近たとえば参議院の予算委員会でベル協会のことが問題になりましたが、これは補助金を受けている、政府から三千万円、こういう関係でもって当然国が関与すべき問題でありますが、互助会にはそういう関係が一切ない、民法上の監督というものは業務の内容まで立ち入って監査をするとか、いろいろそういうことはできない。そういうことをしておらない、こういうことであります。
#44
○光村甚助君 郵政互助会だけでなくて、電電公社の全部の職員もやっておる。鉄道もあれば警察もあります。これは電電公社の共済会というのですか、あっちこっち貸し付けがあると思います。そういうのが決算委員会の問題になって資料を出せと言われても、私もあなたと考えは同じです。ところが、追及しようという人が社会党の同僚のわれわれ議員なんです。よく聞いてみなければわからないのです。別に私も郵政出身だから味方をするわけではないのですが、国会の権限の範囲内かどうかということでちょっと不審な点があるし、国会の範囲でなくても、不正なことをやって一部の人がもうけているといえば、どっかで追及しなければならぬ、警察がやるのか、検察庁がやるのかわかりませんが、だから、その点ははっきりしなければ非常に疑惑を私は招くと思うのです。きょうの新聞を見ますと、これもやっぱり相当に「郵政互助会で追及」と書いてあるのですね。内容を見ますと、あまり追及されたような内容じゃないですね。郵政省にほんとうに民法上の会の資料まで提出せんならぬ義務があるのかどうか。さっきあなたがおっしゃったように、これについてはあっせんしたいと言っておられるから、これははっきりしないとやはり今後問題になると思うのです。この点をもう少し納得するような答弁をしてもらいたい。
#45
○国務大臣(小林武治君) 私ははっきりしておると思うのです。われわれはそういうものを提出する関係者ではないということを申し上げると同時に、もし互助会からそういうものがほしいならば、われわれはあっせんしてやりましょう、しかし出さないかもしれませんよ、出すことをわれわれは強要する権限も何もないのだから。こういうことをはっきり申し上げてあります。これは共済会も同様でありますが、共済組合はこれは違うのです。政府関係機関であるから、これは政府、国会も関与する。国鉄にも電電公社にも共済組合、こういうものには関係があります。が、共済会とか互助会というものは、政府関係でも何でもない、政府に関係ない、こういうことであります。民法上の法人の許可をしたものにすぎない。ですから、もう一つ、いまのお考えのことはひとつあらためて法制局には聞いてみたいと思います。私はないと思います。
#46
○光村甚助君 もう一つお聞きしますが、特定郵便局長の地位が相撲の年寄りの株のように売買される、これは非常に郵政大臣、あなたにとって不名誉なことだと思うのです。これは特定局長が定年で退職する場合に、その後任をめぐってそういうことが言われていると思うのです。特定局の制度のあり方については、われわれも非常に意見を持っておりますが、こういうことがあるのかないのか。あなたはあるとはおっしゃらないでしょうけれども、しかし、こういうことが新聞に載ったりすると、郵政省の職員の局長なんというのは、株で売買されるなんということは非常に不名誉なことですから、こういう点、疑惑を一掃する措置をとってもらいたい。制度のあり方については、われわれ意見を持っておりますから、いずれ、あとの機会にこの問題はお尋ねしたいと思います。
#47
○国務大臣(小林武治君) これは議員の言論の自由で何を言われても、われわれもやむを得ませんが、私どもはそういう事実はないと、かようにお答えを申し上げておきます。ああいう新聞にしても、ああいう見出しをつけられることは、われわれ郵政省の名誉のためにも、はなはだ遺憾であった。ああいう事実はありません。こういうことをはっきり申し上げておきます。
#48
○鈴木強君 ちょっとその点ですね、郵政大臣。特殊法人の場合の大臣の監督の範囲ですがね。いま光村委員に対するお答えがありましたけれども、かつて科学技術財団ですね、十二チャンネル。この経営が非常に相当の負債をかかえておりまして、いま放送内容についても問題があると私は見ておりまして、こういうことがありましてこの委員会でも論議したことがあるのです。これは私またあらためて十二チャンネルの問題はやりますが、郵政互助会の場合、郵政省と全逓の諸君が集まって十分協議をし、融資する場合でも、資産運営委員会というものを開いて、そこできめてやるわけですから、私は規約の点がどうかということはいまここで触れません。ただ、大臣権限の問題についてだけちょっと伺っておきたいのですが、それは設立の場合に三十四条ですね、公益法人の設立については、「祭祀、宗教、慈善、学術、技芸其他公益ニ関スル社団又ハ財団ニシテ営利ヲ目的トセサルモノハ主務官庁ノ許可ヲ得テ之ヲ法人ト為スコトヲ得」。したがって、法人の認可は大臣がしているわけですね。そうなりますと、法第六十七条に、主務官庁の法人業務の監督というのがありますが、これによりますと、「法人ノ業務ハ主務官庁ノ監督ニ属ス」と、「主務官庁ハ何時ニテモ職権ヲ以テ法人ノ業務及ヒ財産ノ状況ヲ検査スルコトヲ得」と、これが六十七条。それから設立許可の取り消しも、「其目的以外ノ事業ヲ為シ又ハ設立ノ許可ヲ得タル条件ニ違反シ其他公益ヲ害スヘキ行為ヲ為シタルトキハ主務官庁ハ其許可ヲ取消スコトヲ得」、七十一条にございます。ですから、もちろん、営業収支決算といいますか、そういうものの報告もするでしょうし、その営業の中に不当なものがあると認めたときは、大津はこれに対して検査を命じることもできるわけです。ですから、そういうふうに私は理解しておるのでして、一切認可して内容にタッチできないのだという大臣の御所見は、ちょっと従来から私やってまいっておる関係があるものですから、もう少し御研究なさっておいたほうがいいのじゃないか、こう思いますので、その問題点だけ指摘しておきたい。内容については私ここでよくわかりませんから、一応組織上はちゃんとしっかりしたところでやっておるわけですから、この内容はもう少し調べてみなければわかりませんが……。
#49
○国務大臣(小林武治君) これは特殊法人ではむろんないわけです。特殊法人ではありません。民法上の単なる公益法人であります。財団法人、特殊法人というのは、法律その他によって、ある程度何らかの形で国家権力とか国家意思が関係しておるものが特殊法人、いわゆる特殊法人と称するものがそういうものである。これは普通の民法上の財団法人である、このことは監督権の上において非常に違う。それで、いまのようにきめられておって、業務報告書とか、いろいろなものを出せ、こういうことになっております。この互助会自体については、設立の上では、むろん、管理者側と組合側とお話しの上でできておる。が、これは内部の問題であって、民法上の許可については、これはいろいろの条件を付していない。もしこれを取り消すとか何か解散ということは、この法人が公益に反する、こういうふうな認定をした場合には、そういうこともあり得るわけでありますが、通常いままでのやり方においては、一々業務内容に関与しないということが一つの慣例であって、また、一般にそういうふうに行なわれておるということであります。しかし、問題になればまたいまの権限行使くらいのこともあり得るかもしれませんが、いままでのところは、そういうことをしておらない。普通の慣例においては、これらの問題について業務内容等については一々口を出さない、そういうことでやっております。
#50
○鈴木強君 ちょっと私は特殊法人としての前提で言っていますから、ですから、郵政互助会ですか、これがそういう特殊法人でないということになれば、私の意見、別ですがね。私の意識と違えば、私の意見とおのずから違うのですから。私は特殊法人だ、こう思うのです。そう思っていますから質問しておるのですが、そうでなければ、これは大臣おっしゃるとおりです。
#51
○国務大臣(小林武治君) これはあらためて申し上げておきますが、特殊法人ではありません。民法上の単なる公益法人である、こういうことであります。
#52
○鈴木強君 わかりました。
#53
○光村甚助君 郵政六法、だれか大臣に見せてください。一六二ページ、一六三ページですが、第八条の、「郵政大臣は、必要があると認めるときは、民法第六十七条第二項の規定によりその職員をして法人の業務および財産の状況を検査させることができる。」「前項の規定により検査を命ぜられた職員は、身分を示す証票を携帯し、関係人の求めがあるときは、これを呈示するものとする。」、こういう規定があるのですね。そうすると、いろいろなあなたの子分と言っては悪いが、役所の人に、行って見てこいと言うことはできるわけですね。これ、一ぺんもやったことがないのですか。今後やるつもりはありませんか、問題になったら。さっき言った特殊法人ということも、それも聞かしてもらいたい。
#54
○国務大臣(小林武治君) これは事実問題としてやったことがない、そういうことであります。光村委員としてもよく御存じのように、構成そのものがお互いの信頼感によってこれはできておる、こういうことであるからして、やはりそういうことをすることはむしろ好ましくないというような気分もありはせぬか、互助会側においても、また官側においても、そういうことでやった事実はない。ただしかし、これが世間で疑惑を受けるような問題があるとすれば、やはり検査をしてもらわなければならぬかもしれません。しかし、いま申しますように、特別な書類を要請したこともありませんし、いままでのところは、これによっての報告をとっておらぬ、こういうことであります。
#55
○光村甚助君 しかし、こういう規定がありますと、たとえば、どの議員からにしましても、この条項を引用して、あなたはこういう権限があるじゃないか、こういう新聞に出ておるようなことがあれば、一応調べてみなさい、調べた結果は、大臣が調べるのだから、調べた結果は大臣のほうから資料として提出しなさいと言われたら、どうしますか。それでも、私は関係ないからあっせんをしますと、それで逃げられますか。そういう点も一応法制局によくお聞きしなさいと、こういう注文をしているのです。
#56
○国務大臣(小林武治君) 御注意の点はひとつ検討してみたいと思います。
#57
○鈴木強君 最初に、郵政大臣に一、二お尋ねしたいのですが、いま公労協の賃金紛争の問題で政府としても最善の努力を尽くされておると思いますが、けさ閣議がありましたですね、そのあと引き続いて関係閣僚の皆さんの懇談会が開かれるという、けさニュースを聞いたのですが、予算委員会その他におきましても、総理大臣以下、ことしはひとつ調停段階で解決するように努力をしたい、こういうことで公労協の諸君にもすでに意見も伝わっておるわけです。問題は、いまや国会の開会中のこともありまして、大蔵方面からいろいろ意見のあることも聞いておりますが、問題は、早期に調停段階で解決すると、こういう方針には変わりはないと思いますが、そういう立場に立ってきょう懇談会を持たれたと思いますが、どのような経過か、お差しつかえがあればいいのですけれども、別途機会もあると思うのですから、お差しつかえがなくても、もしここで教えてもらえるのでしたら、その概略だけでもお聞かせいただきたいと思います。どうでしょうか、あすストライキを控えておりますけれども。
#58
○国務大臣(小林武治君) 私は実は、きょうの閣議におきまして、政府がとにかく誠意ある――誠意あるとは何かという内容は、有額回答でもことしはやって、でき得るならば調停段階でまとめたいと、こういう熱意と申しますか、誠意があることは事実であります。さような誠意をさる日に官房長官と労働大臣から公労協の方々に申し上げたわけであります。ところが、そのすぐ直後にストの宣言をする、あるいは、その他のストの準備指令を出すということは、私はあまり感心しない。すなわち、誠意というものは、労使関係はお互いの誠意を示すべきであって、政府がさような誠意を持っておるのに、いまの組合等においては、去年と同じようなやり方をいままでしておられる。このことは、私としては非常に遺憾である、こういうことを私はきょう閣議で述べたのであります。だから、これは相互の問題であるからして、お互いにひとつそういうつもりでやってもらいたい、こういう希望を述べて、そのあと引き続いて閣僚懇談会をいたしたのでありますが、その懇談会においては、やはり政府の熱意というものは別段変わりはない。それで、府府が当事者じゃない、調停の段階において三公社五現業がそれぞれの意見を表明する、こういう形であるが、それについては、従来の態度をひとつ堅持をして、できるだけひとつ早目に混乱なしにおさめるという前提のもとに、回答なり意見を述べようと、述べることを内閣も了承したと、こういうことできようおそらく、公労協の方に労働大臣と官房長官がお昼にお会いになるのじゃないか、そういう政府の態度を伝えると同時に、公労協においてもひとつこれに相対応するような誠意ある態度を持ってほしいということを申し上げる。
 それで、もう一つ、一体誠意ある回答とは何かと、こういう問題も出たのでございます。これは私はここでいま言明することはどうかと思いますが、もし、なんなら、ひとつ速記をとめていただいて。
#59
○委員長(野上元君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#60
○委員長(野上元君) 速記を始めてください。
#61
○国務大臣(小林武治君) そういうことで、とにかく、政府の誠意なり熱意はこの際示す、しかし、これ、示すについては、これはもう調停の段階においてやるから、各当局としては意思が違う、たとえば全逓当局等においては、まだあとになり、おそらく十七日か十八日になる。きょうやるのも、あしたやるのもあると、こういうことでありますから、各当局の意思表示は別々になるが、そういう趣旨を政府が了解をしたと、こういうことであります。
#62
○鈴木強君 私は労使間の話でありますから、ここで大臣にとやかく言う筋もどうかと思いますが、ただ、お述べになりましたようなことでしたら、いままでわれわれが張りつめて見守ってきた気持ちからしますと、少しもの足りなさを感じるのですね。もの足りなさというより、少しがっかりしたような気もするのですがね。最近の物価の上昇その他から見て、民間単産の賃金アップ、こういうことから見て、少し私はがっかりしたということが適当だと思うのですが、これは大臣のおっしゃるように、労使とも誠意を持ってやることが前提ですから、そういう意味で、このストライキ行為に対する批判というのはいろいろあるでしょうけれども、現実に生きた労働運動というものがそういう行為に出ようということは事実ですから、そういうことについて、ひとつ国民大衆の便益を損じないように、できるだけ早く解決するということは、これは労使の良識にかかることだと思うのです。ですから、そういう意味で、なお大臣としても、郵政、電電、この二つの大きな公労協の中の組合を持っておられる大臣ですから、一つ一つあなたの誠実と正義と情熱を傾けて、ことしは非常にかつてない姿に労働組合のほうも早期解決を望んでおるわけですから、そういうよい慣行を打ち立てるために、政府のほうでも思い切って最善を尽くしていただくように、これは強く私は希望しておきます。大臣からひとつ決意を。
#63
○国務大臣(小林武治君) 御希望は了承いたしました。
#64
○鈴木強君 それから、予算でちょっと私、郵政省の首脳部の人事のことについてあなたに伺ったんですが、考えておらないと、こういうお話でしたから、私もそうだろうと思っておったんですが、どうも最近いろいろ情報が流れてきまして、情報というのはこういうようないろいろな業界紙ですがね、それを見ますと、もう六月中旬に次官が勇退するという前提に立って、かなり具体的なポストまで、だれがどこへ行くというような、そういうことまで文字になっているわけですね。どこから私は出るか知りませんよ。これは大臣がやらぬとおっしゃるのですから、われわれは大臣を絶対信頼しておりますから、こういう質問をするのはかえって失礼かと思いますが、ただ、人事の問題は、この前も私申し上げたように、前の大臣がやって、そこへ新しい大臣が来るというような人事はちょっとおかしいのじゃないかということも申し上げたとおりですが、ですから、これは非常に全体の士気に影響することでして、こういうふうな情報が漏れてきますと、これはだれだって一生懸命やろうと張り詰めている気持ちの中で、しかも、国会開会中ベストを尽くしているのに、一方でこういうような情報がどんどんと流れてきますと、当事者にしても、あるいはわれわれ郵政に関係する者から見ても、きわめてまずいな、こういう気持ちがするものですから、ですから、これはもう一回大臣に、たいへん失礼ですけれども、あなたのほんとうの気持ちを、前と同じだと思いますけれども伺いたい。
#65
○国務大臣(小林武治君) 私はそういうものを情報とは思わない。どこからデマが飛ぶかもしれぬが、おそらく郵政部内においては、幹部の間においてそういう話は絶対にありません。で、申すように、私は先までやらぬと、こう申し上げたわけではない。少なくとも、たとえば、いま郵政省設置法の改正をやっております。関東に郵政局をつくる、あるいは電気通信監理局をつくりたい、こういうことでありますから、そういうものが通れば、そういう関係の人事異動があるのは当然でありますが、そういう時期まではもう異動等は考えておらない。したがって、外に出るはずはありません。あったらだれかがつくったにすぎない。郵政部内には関係のないことでございます。
#66
○鈴木強君 これはあなたそう言われるけれども、情報とは思わないと言うけれども、ぼくらにはしょっちゅうこういう通信を毎日送ってきますね。これを見なさい。こうちゃんと――そう思わぬなどと一方的にものを言ってもだめですよ。私はそう思うんですが、見解の相違か何か知りませんが、そういうものも出ているんですから、事実。
#67
○国務大臣(小林武治君) これは私は何も包み隠しをするわけではありませんが、事実こういうふうな考え方は何もやっておらぬ。また、したがって、どなたもそんなことは――私が何も言うたこともないものを部内から漏れるなんということはあるはずがありません。私はこれを見て初めて教えられる、こういうこともあるのかなあと。この程度にしか言われない。
#68
○鈴木強君 大体わかりました。設置法がもし改正になって――あれは監察局を二つなくするようになっていますがね、そういうふうなことがある場合には、これは当然でしょうね、異動というのは。しかし、なかなか設置法は通らぬわ。それでわかりました。
 それでは、きょうは、国際電電の皆さん、たいへんお忙しいところをおいでいただきまして、社長以下ありがとうございました。
 当面私は問題になっている諸点について伺いたいと思いますが、できますれば、あらかじめひとつ事業概況等を御説明いただきますれば、非常に質疑をするのに都合がよいのでございますが、できましたならば、そういうような配慮をとっていただきたいと思います。最初に、概要をひとつ。
#69
○参考人(大野勝三君) それでは、最近の国際電信電話事業の概況につきまして御報告いたします。
 まず、四十一年度における事業の概況、次に本年度の事業計画の概要という順序で御説明申し上げたいと存じます。
 四十一年度の設備拡張改良関係の第一は、衛星通信商用化の実施であります。当社はかねてから衛星通信の商用化に備え、鋭意茨城衛星通信所を拡充整備してまいっておりましたが、御存じのように、国際商業衛星通信機構によるインテルサット二号衛星の太平洋上打ち上げが成功いたしましたので、これにより本年一月から対米及びハワイとのテレビジョン中継業務を開始いたしますとともに、対米電話回線の増設を行ないました。
 第二は、当社太平洋横断ケーブルと英連邦東南アジアカーブル(SEACOM)との接続完成であります。この両ケーブルがグアムにおいて接続されました結果、昨年九月から香港、シンガポール方面に対し、また、本年三月からオーストラリア、ニュージーランドに対し、ケーブル回線の新増設や、短波無線回線の一部ケーブルへの収容がえが行なわれまして、これらの地域に対し、いままでより一そう良質のサービスを提供することとなりました。
 以上述べましたように、いわゆる広帯域幹線の一そうの充実により、回線の新増設が比較的容易になり、また、需要も増加しておりますので、四十一年度においては、次のとおり回線の新増設を行ない、それぞれサービスの改善に充てました。
 国際電報回線につきましては、クアラルンプールとの間に一回線を新設しましたほか、ソウルに対し一回線増設し、国際加入電信回線につきましては、クアラルンプールの新設のほか、アジア及びヨーロッパ方面に対して、それぞれ十二回線、米国に対して六回線、全部で三十二回線の新増設を行ないました。国際電話回線につきましては、前に述べました衛星回線の使用開始、シーコム系ケーブルへの接続等もありまして、北米に対し十八回線、シーコム対地を含めアジア方面に対し十二回線と、いままでに例を見ない合計三十回線の新増設を行ないました。
 第三は、遠隔制御方式による新送受信所の開所であります。現在大阪府にあります河内送信所及び埼玉県にあります福岡受信所は、いずれも周辺の住宅化に伴って空中線敷地の拡張、空中線の建設などに非常に困難を生ずるようになりましたので、三重県上野市及び茨城県北浦に、大阪、東京の中央局から直接無線送受信機をコントロールするいわゆる遠隔操縦の新送受信所を建設しておりましたが、上野送信所は本年四月に、北浦受信所は五月二十二日に、それぞれ運用を開始する運びとなり、今後の短波通信の拡張に対しましても十分対処し得る体制を整備いたしました。
 続いて営業の概況について申し上げます。
 貿易の伸長、回線の新増設等によるサービスの改善によりまして、主要各業務とも順調な伸びを示し、いずれもこれまでの最高の取り扱い量となりました。
 主要業務別に見てまいりますと、四十一年度の国際電報取り扱い数は五百四十一万余通となり、前年に比べ七分八厘の増加となっております。
 国際加入電信につきましては、昭和三十一年の業務開始以来、毎年著しい取り扱い量の増加を示しておるのでありますが、四十一年度におきましても、あとで述べます商社専用電信回線の漸増があるにもかかわらず、対アメリカ、ヨーロッパを中心に増加しまして、百三十一万余度に達し、前年度に比べ一割九分の増となっております。
 国際電話につきましては、太平洋横断ケーブル開通後の品質改善に伴う増加傾向が四十一年度にも持続し、本期間の取り扱い数は七十一万余度となり、前年度に比べまして実に三割六分の増加となっております。
 専用電信回線業務につきましては、一般商社に対しましても、昭和三十七年から逐次、対北米、ヨーロッパ、フィリピン、香港、オーストラリアについて、その販売を開始してまいりましたが、四十一年度は新たにその販売対地を台湾、シンガポールに広げたこともありまして、二十四回線増加し、年度末の専用電信回線総数は百十七回線となり、前年度末に比べると二割六分の増加となっております。
 なお、専用回線の料金につきましては、外国側における料金低減の傾向など、最近の諸般の情勢を考慮し、また、わが国の貿易振興に寄与する観点から、米国、オーストラリア及び東南アジア各地に対する専用料を本年三月一日及び四月一日から一〇ないし三七・五%値下げいたしました。この料金低減により利用者の受ける利益は、四十二年度において総額約四億四千万円と推定されます。
 次に、四十一年度における経理の概況を申し上げます。
 以下申し述べます数字は社内的には決定しておりますが、まだ株主総会の決議を経ておりませんので、その点お含みおき願います。なお、数字は億単位で申し上げますので、御了承願います。
 まず、四十一年度の収支状況は、営業収益百七十九億円で、前年度に比べまして三十一億円の増加となっております。一方、営業費用は百二十二億円でありまして、前年度に比べて十四億円の増加となりました。これらに営業外損益及び特別損益を加減いたしました四十一年度の利益金は三十四億円となり、前年度に比べて十二億円増加となりました。
 資産状況につきましては、四十一年度末の資産総額は三百二十六億円でありまして、そのうち、流動資産は百十五億円、固定資産は二百十一億円となっております。一方、負債総額は百六十一億円で、そのうち、流動負債は五十八億円、固定負債は七十億円、引き当て金が三十三億円となっておりまして、差し引き当社の純資産額は百六十五億円となっております。
 以上で四十一年度の概況の報告を終わりまして、続いて本年度事業計画の概要について御説明申し上げます。
 本年度におきましては、引き続き衛星通信等広帯域幹線の建設を重点的に行なうとともに、遠隔制御による上野、北浦両送受信所の一そうの整備及び対外回線の増強を進めることといたしました。設備投資総額七十九億三千万円を予定しております。
 その主要な項目を申し上げますと、その第一は、衛星通信の関係でございます。国際商業衛星通信機構の今後の計画としては、昭和四十三年度に電話千二百回線分の容量を持つインテルサット三号衛星を太平洋、大西洋上に打ち上げ、さらにインド洋上にも衛星を配置し、いわゆるグローバルシステムを一応完成させることとなっております。
 当社茨城衛星通信所の現在の施設は、国際標準規格を満たしてはおりますものの、実験用設備をとりあえず改良したものでありますので、現施設の隣に直径二十七・五メートルのアンテナを持つ本格的な設備と新局舎を建設することとし、目下その工事を進めております。これは本年末までに完成させる予定であります。
 また、インド洋上に配置される衛星を通して欧州諸国とも通信できることとなりますが、これに対しましては、衛星の位置の関係上、地球局は大阪以西に限られますので、この地方にも同様の地球局を建設する計画で、日本電信電話公社のマイクロ波回線との干渉等を考慮しながら候補地の検討を行なっており、明年末には完成させたい考えであります。
 第二に、日韓広帯域幹線建設の関係でございます。日本−韓国間の通信需要は、ここ数年来著しい増加を示しており、両国間の通信連絡を拡充強化する必要がありますが、短波無線回線の拡充は、周波数の関係から非常に困難な状況にあります。そのため、新たに対流圏散乱方式により電話百二十回線容量のものを、日本側・島根県浜田市−韓国側・蔚山付近の舞龍山間に建設することとし、本年二月一日、韓国通信当局との間に「日韓通信幹線建設協定」を調印いたしました。昭和四十三年前半開通を目途に鋭意準備中であります。
 第三に、日本海海底ケーブル建設の計画でございます。この計画は現在の長崎−ウラジオストック間の旧型電信ケーブルにかえて、直江津−ナホトカ間に近代的な高品質の海底ケーブルを建設し、日本と欧州諸国との通信を改善強化しようとするものであります。
 当社はかねてから大北電信会社と、この計画に関する諸問題につき、数次の会合を持って折衝してまいりましたが、昨年九月コペンハーゲンにおけるソ連を含めた三者会談及び昨年十二月東京における大北電信会社との二者会談を通じ、基本的事項については、ほぼ意見の一致を見ましたので、引き続き欧州関係諸国の意向打診をしてまいりました。多くの諸国はこの計画に賛意を表しておりますが、最近に至り、一部の国で本幹線利用に対する態度が消極的になったため、大北電信会社としては、最終的な調印決定に至っておりません。順調にまいりますれば、明年後半開通の目途でありましたが、若干遅延のやむない状況であります。
 第四に、東南アジア海底ケーブル計画関係でございます。この計画は政府御当局において推進しておられるものでありまして、全体計画としては、日本、台湾、フィリピン、ベトナム、カンボジア、タイ、マレーシア、シンガポール及びインドネシアを結ぼうとするものでありますが、第一次計画としては、まず台湾、フィリピン、タイ間を建設しようというものであります。
 申すまでもなく、この計画は日本と密接な関係にある東南アジア諸国との通信を画期的に改善することになるものでありますから、当社といたしましては、その早期実現を期待して引き続き調査検討を行ない、政府御当局の御指導を仰ぎつつ、これが実現にできる限りの御協力を申し上げる所存であります。
 第五は、遠隔制御方式による送受信所関係でございます。これは前に述べましたとおり、すでに運用を開始または近く開始しようといたしておりますが、引き続き遠隔制御の送受信機を増備し、旧送受信所で運用中の回線を逐次、新送受信所に切りかえて行く計画でありまして、四十三年末までに一応完成させる予定であります。
 第六は、対外通信回線の拡張でありますが、業務量の増加に対処するとともに、サービスの改善をはかるため、加入電信回線三十六回線、電話回線十三回線、専用電信回線四十六回線、その他合わせまして合計百回線余りの新増設を予定しております。
 なお、世界的な傾向である運用の合理化に対応するため、将来、加入電信交換の全自動化及び電報中継の機械化を実施する計画でありますが、本年度はこれに備えて一部の準備を進めることにいたしております。
 以上で事業概況の説明を終わります。
#70
○鈴木強君 御説明を聞きますと、国際電気通信関係は非常に順調に終始をしているようでございまして、まことに同慶にたえません。皆さんの御苦労に感謝いたしますが、なお二、三私はぜひお伺いをしたいと思います。
 この毎年度の事業計画というものを郵政大臣が承認することになっておりますが、これがいつも年度を越してしまうようなことがありまして、何回かここで指摘されたのです。ことしはいつ許可になりましたか。
#71
○国務大臣(小林武治君) 三月三十一日、前年度の最後の日に認可になりました。
#72
○鈴木強君 従来からやっておったことから比較してみて、大臣の熱意がわかります。これはもうほんとうはもう少し早目に十分検討して、できるだけ早く認可を与えて、計画を順調に四月からやれるようにしたほうがいいと思いますから、これはやはり希望として申し上げておきます。
 それから、その次に、衛星通信は実用化に入ったわけですが、これから日本の科学者を総動員をして衛星本体の打ち上げということを真剣に考えていくわけです。これが各省ばらばらになっておるのですから、一元化についても、政府も本腰を入れてくれると、こういうことがいま確認されておるわけですが、郵政省は郵政省として、それぞれ大臣お考えだと思いますが、国際電電としてインテルサットに一応依存しているわけですね。ですから、いずれ、これはやはり国内の本体打ち上げの時期も早いと思いますが、そういう意味で、それらに対する考え方というものは両てんびんを当然かけるようになると思いますが、そういう配慮はどういうふうにしておられますか。基本的な考え方でいいですから、それをお伺いしたい。
#73
○参考人(八藤東禧君) お答え申し上げます。
 政府におかれまして、国内衛星開発推進のためにいろいろと御方針を御決定になりやっておられることは、おっしゃるとおりでありまして、国際電電としては、私たちはインテルサットに加入しておることによって得ている知識経験というものを、あるいは私たちが社内においてみずからやっている研究等あらゆるものを御利用いただける限り御利用いただくということで、これら政府の方針に対して御協力申し上げたい、かように思っております。
#74
○鈴木強君 国際電電のいまお持ちになっておる研究所ですね、こういうところでは具体的に本体の打ち上げについての研究というのはいま当面はやっていないのですね。その点はどうですか。
#75
○参考人(八藤東禧君) 申し上げます。
 国際電電の衛星通信に関する研究と申しますと、大まかに二つございます。一つは、国際共同体の一員として国際的にいま研究をやっております多目的衛星とか航空衛星とか、これは一員としてそれに参加してやっております。
 それからまた、他のもう一つの研究というのは、いま先生のおっしゃったような国内の衛星打ち上げに関する研究でありますが、これはそれぞれの専門がございまして、私、技術のことは詳しくございませんが、国際電電として担当するような研究項目があるならば、それはもちろんのこと、KDDとして身近なものについて研究していく、こういうことであります。そちらのほうも直接に打ち上げに関連するかと言われると、先生のほうが技術はお詳しいでしょうが、次から次へと連関がございまして、ある一部分についての研究も、これは見ようによっては、国内開発のための一部分でもあり得るでしょうし、そういう研究は国際電電としてもやっておるわけでございます。
#76
○鈴木強君 いずれ衛星の打ち上げということが近い将来考えられますから、まあ国際電電がいままでいろいろ研究されました貴重なデータもあるでしょうし、そういうものについては、政府の各機関の協力体制の中で十分に効果を生かすように、ひとつ積極的に働いてもらいたいと、こう思います。
 それから、最近私たちはテレビジョン中継の外国の実際の姿も見ることができるようになったのですが、この前も私が申し上げましたように、電波の使用料ですね。こういうものは、この前ちょっとお話がありましたような形でいまやっておられるのですか。電波使用料というのは、最終的にはどういうふうになっているのですか、この使用料は。
#77
○参考人(八藤東禧君) 使用方法でございますか。
#78
○鈴木強君 使用料と申しますか、テレビジョンが宇宙通信を使って放送する場合の電波の使用料ですね。使用料金は取らないのでございますか。
#79
○参考人(八藤東禧君) 料金でございますか。料金は、国際的にきまっておりますところの一単位当たりの料金、これを適用してKDDとしては共同体に支払いまするし、それからまた、それをもとといたしまして、国内のKDDの費用を加えましたものを放送協会からちょうだいしておる、こういうことは在来どおりでございます。御認可いただいたとおりでございます。
#80
○鈴木強君 それが少し高いと、使用料が。そういう意見が前からありまして、その点について私もこの前少しく検討をお願いしたわけですが、これは国際的な一つの基準で、日本側の意見だけでやることはもちろんできないと思うのですが、そういうことはしょっちゅう外国との折衝もあるでしょうから、その辺の努力は、少しまけさせるような努力はしてもらったのでしょうか。
#81
○参考人(八藤東禧君) おことばに甘えるようなことで、てまえみそのようなことで恐縮でございますが、実はこの三月、第二十五回理事会が開かれましたときに、そのテレビ料金が問題になったのでございます。と申しますのは、大西洋におきましては、御存じのアーリーバード、私どもインテルサット一号と申しておりますが、これを使ってテレビを伝送するということをやっておるのでございます。これの料金と、太平洋で現在私たちが使用しておりますインテルサット二号の料金とでは、こちらが半分、向こうが倍ぐらいということになっておるのですが、一部ヨーロッパの国からは、やはり太平洋でいまの日本の行き方は安過ぎる、高くしろ、ヨーロッパ並みにしろ、しかも、今後インテルサットのこれまでの財政状況その他いろいろ考えてみれば、料金を上げるということはなかなかむずかしいことである。一たん下げたらなかなか上げにくい。財政状況から考えてみても、大西洋のアーリーバード並みに倍にしろ、日本がやっているあれを上げろという御意見が非常に出た。今回ばかりでございませんで、この一月末にありましたところの第二十四回においても、ヨーロッパ側から提案があって、一月の場合には、まあ次のときまで臨時的に現状のままでアンバランスで認めようということになった。それが今度の場合において、太平洋も上げろ、こういうことでございます。日本といたしましては、これは非常に抵抗いたしまして、アーリーバードの性能上やむを得ずそういうふうな料金計算でやっていることで、アーリーバードよりも進歩した技術を使っている、能力のある第二号の星を使っている、しかも、日本の政府がすでにこれを認可し、日本のKDDが国内において放送分野に実施し、日本がアメリカと協定しているこの料金をこの際引き上げるということは、いずれの点から見ても同意しがたいということで反対いたしました。結局、ヨーロッパ側も、それではしかたがないから、本格的にテレビのみならず、あらゆる料金の基本的な検討をごく急いでやろう。それができるまでは、では大西洋側も半分に下げようか。幸い、向こうはインテルサット二号のF3が上がりまして、そういうことに一致した、こういうようないきさつもございます。
#82
○鈴木強君 これは非常に、いまにわかにどうということはないんですけれども、前からの懸案でもありますし、将来に向かっても出てくると思います。使用料の問題は、できるだけまあひとつ、できれば安くするのに越したことはないわけですから、そういう努力をさらにしていただきたいと思います。
 それから、この中にもあります日本海海底ケーブルのジャスクの問題でちょっとお尋ねしますが、何かここに書いてありますのを見ますと、昨年の九月のKDDと、グレートノーザンと、ソ連の郵政省ですか、この三者で話し合いをして、計画というか、構想をきめたわけですが、ところが、その後の折衝で、ヨーロッパ側の中に、一部消極的な態度をとっている国があって、そのために、グレートノーザンとの間に最終的な調印ができておらない、こういう御報告なんですが、この消極的な国というのは、これはどこでございますか。差しつかえがなかったら言ってくれませんか。
#83
○参考人(板野学君) お答え申し上げます。
 この一部消極的という中には、オーストリア、それからオランダ、ベルギー、それからドイツ、こういうのが含まれておりますが、ドイツのほうは、目下のところ、これには利用の意思はない、こういうふうな表明をいたしておるわけでございます。
#84
○鈴木強君 そうしますと、西欧を含めた当初の計画というのは、いまの段階ではデッドロックに乗り上げた、こう見ていいんですか。
#85
○参考人(板野学君) 先ほど申し上げましたように、ドイツはこれを利用する意図はないということでございまするけれども、その他のフランス、スイス、あるいは北欧諸国等はこれを利用したいという意向を表明いたしておりまするので、私ども、モスクワからの陸地線のルートを少し変更をいたしまして、できるだけ西ヨーロッパとの通信をひとつやりたいということで、目下交渉を進めておる次第でございます。
#86
○鈴木強君 そうしますと、東欧諸国は大体いいわけですね。東欧諸国はどうなんですか。
#87
○参考人(板野学君) 東欧諸国はみな賛成でございます。
#88
○鈴木強君 そうしますと、ソ連――モスクワまでいきますね。それから東欧関係はよろしい。それから、その先の特にオーストリアですか、それからドイツというのは、西ドイツだと思うのですがね。そこいらが、特に西ドイツはそんな意思がないということですから、これははっきりしていますが、その他のベルギー、オランダ、これらの国は、さらにオーストリアを含めて折衝をして、ある段階まで、これはたしか明年の十一月に開通予定でしたね、当初の計画は。それまではまだまだ交渉というのは続けていって、当初の計画が実現できるように、ドイツにももっと反省を求めるとかという努力をやると思いますけれども、大体どこの辺が限界であるか、来年の十一月開通ということは、当初のお話で私聞いておりますからね。それを大幅に、まさか二年も三年も延ばすわけにはいかないでしょう。最終的に、西ドイツも、オーストリアもだめだということになったら、一部、計画を修正をして、いつごろそれを開通しようという立場に立って、交渉は大体どこがめどというふうにおつけになっておるのでしょうか。
#89
○参考人(八藤東禧君) お答え申し上げます。
 まことにごもっともな御質問でございまして、私どもも日夜苦慮しておる次第でございます。先生のおっしゃいましたように、ドイツ国に対しましても、今後ともなお態度変更についてアプローチするつもりでございますし、ごく最近においても、西ドイツの郵政省の高官が参りましたときも、私どもとその間に話し合いがあったわけでございまするし、努力するつもりでございまするが、はたしていつになるかという問題でございますが、お話の中にも出ましたように、現在参加を表明している国だけを対象として踏み切るか、踏み切らないか、これがまずきまると、相当近い期間において期日がはっきりしてくるのでございます。このために、グレートノーザンは二度モスクワを訪問しております。その二度目の訪問の結果は、私どもにまだ参っておりません。グレートノーザンといたしましても、現在参加を予想する範囲内においての国を相手に、これをするかしないか、最後的に腹をきめなければならぬ段階になっておると思いますので、おそらく近いうちにイエス、ノーが来るだろうと思います。それが一つでございます。
 それからまた、グレートノーザンがさらに慎重な態度に慎重を加えたということは、板野常務から申し上げました西欧諸国の一部の消極的な態度にございます。これが今後のアプローチによってもう少し有利に展開する場合に、そうすると、まあ、なくてもやろうという時期が、前にその可能性が出てきますと、その時期がまたもう少しずれるかもしれません。というのは、どうせやるならば、三月に広げたいというのが、いま私ども日夜苦慮をしておるところでございます。ともあれ、おそらく今月じゅうだろうと思いますが、グレートノーザンから第二次モスコー訪問の結果の報告が来ることになっております。大体その二段がまえの時期、大ざっぱに申しまして、第一段でまいりますれば、その時期につきまして、ちょうど担当の甘利常務がおりますので、もう少し詳細にひとつ……。
#90
○参考人(甘利省吾君) 当初の、来年十一月末と申しますのは、本年の二月に発注するという前提で進んでおりました。それが、現在三、四、五と大体三カ月おくれております。この完成期につきましては、問題が二つありまして、局舎の建設と、それからケーブルの布設と、この二つとも冬にかかりますと、工事が非常にむずかしくなりますので、冬にかかる前に、その局舎の建設と、それからケーブルの布設の両方が終わるようにということで折衝をしておりました。しかし、現在もうすでに五月でございまして、かりに今月の末に決定して発注したとしますと、実際の布設は二月あるいは三月ということになります。また、六月一ぱいで発注が決定いたしますと、布設はおそらく来年の四月ということになるかと思います。したがって、現在の工程ではすでに二、三カ月の遅延はいたしておりますが、実際決定しまして工事にかかりますときには、これはメーカーとの相談も必要でございますが、あらゆる方法を講じて、できるだけ当初の来年末までという線で建設するように努力するつもりではおります。大体かような状態でございます。
#91
○鈴木強君 甘利さんのお話ですと、ことし二月調印をすることを前提にして考えた場合に、来年の十一月と、こういうことですね。そうしますと、約二十二カ月くらいですかね、そのくらいかかるわけですね、いよいよ調印になってから。それはわかりました。
 そこで、政府と電電と基本的な態度を聞いておきたいのですが、いま八藤副社長の話もありましたが、もし一部の国が参加しないと、当初の計画から見まして、そういうときには、最終的にどうしても一部の国は不参加だということがわかったときには、それを除外して前に進んでいくのか、そのときにはもう少し考え直してやるというのか、その基本的な姿勢というものをぼくは伺いたいのですよ。
 それから郵政大臣には、こういう折衝について、もちろん国際電電が当面当事者としてやられておりますが、国際電電としても、郵政大臣との緊密な連係をとってやられると思いますけれども、大臣としての、いまの基本的な考え方についてこれはこの際伺っておきたいと思うのです。これは非常に重大な、今後国内的な問題が出てきますからね。私はそのことをあとで伺いますが、そういう点との関連でこの基本計画というものをどうしていくのかというのは大事なことですから、この際、通信政策そのものは郵政大臣のやることですから、そういう意味でこの点も大臣に伺っておきたい。
#92
○国務大臣(小林武治君) これは多少の障害があってもぜひ実現させたいと、こういうふうに政府は考えております。
#93
○参考人(大野勝三君) 当社といたしましては、基本的な姿勢は、あくまでも対欧通信のための幹線にしたいということでございますから、ただいま消極的な態度をとっておる国とも、さらに折衝いたしまして、これらを含めた当初の計画どおりの方針で進めたいと、かように考えております。
#94
○鈴木強君 それはわかっておるのですが、次に、もし脱落するところがあった場合に、そのときにはもうそれはやむを得ぬから除外して前に進んでいくと、そういう姿勢かどうかです、これは最悪のことですがね。そうでないと見当つかないです、これは。
#95
○参考人(大野勝三君) まだ消極的態度を示しておりますと言っても、最終的なものではないと私どもは考えておりますので、基本的な姿勢はやはり当初計画どおりということであります。どうしても今後の折衝によりまして、二、三の国が脱落するということでありますれば、それはそのときにまたひとつ政府御当局の御意見も伺いまして、なるべくこの幹線だけは建設したいと考えております。
#96
○鈴木市藏君 ちょっと関連。このデンマークのグレートノーザンとこの日本海海底のケーブルの問題は、昨年日本の新聞に出たのは、私の記憶では、朝日新聞が一番初めだと思っているのですが、朝日新聞の夕刊に出ました。そのときに、この問題における日本のつまりこういう全般の姿勢というものは一体どういうものであるかということについて、ちょうど当委員会が開かれておりませんでしたので、おたくのほうの会社のしかるべき人に電話をおかけいたしまして事情を聞いたんですけれども、まあ私は非常に消極的だという印象を受けた。で、いまもお話を承っておりましても、グレートノーザンはすでにこの三者会談の後、二回にわたってモスクワに行って会談したと言っているのだけれども、どうして国際電電のほうはそういう会談に積極的に自分のほうも参加していくという、報告を待つと――先ほどのあなたのお話では、モスクワとの話がどうなっているかということの報告を待つというような態度でしたけれども、それは私はよくわからないのです。どうしてそうなのか。これをきめるときの三者のいきさつもあるのでしょうけれども、なぜかグレートノーザンにイニシアチブをとられているという感じがするわけなんですが、この点についての積極性というものが、どうも御答弁の中からもうかがわれないということで、これはひとつ同僚議員の質問もありますけれども、いま少しこの問題について、特に最近における東欧諸国と日本との貿易等の増大というような面から考えてみましても、非常に急がれるものの一つだというふうに考えております。したがって、この点についての姿勢をいま少し積極的に、前向きの方向でやっていくということが必要だというように思いますけれども、どうなんですか。
#97
○参考人(八藤東禧君) お答え申し上げます。
 先生のおっしゃるとおり、最近の東ヨーロッパ大陸と日本との関係から考えてみましても、これは重要だということを私どもは認識しております。消極的ということでおしかりを受けまして、まことに申しわけありません。しかし、先生のお話の中にありましたように、在来の交渉の経緯、いきさつというものがありまして、ナホトカから西のほうにつきましては、グレートノーザンがソビエトロシアとの間に、これはソビエトロシアとグレートノーザンとの間に、非常に長い、国際的な通信に関しては関係がございますので、その関係でグレートノーザンがやはりソビエトロシアと打ち合わせをするという進め方になっております。ソビエトロシアもそれをまた承知しております。そういう事情でございます。消極的と申しますよりも、先生のおっしゃったように、いままでの話し合いの結果、そういう形式をとっておるということでございます。
#98
○鈴木強君 ちょっと速記をとめてください。議事進行について。
#99
○委員長(野上元君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#100
○委員長(野上元君) 速記をつけて。
#101
○鈴木強君 ちょっと順序がおかしくなりますけれども、大臣の御都合もあるようですから、ちょっとお尋ねをしますが、実は十八日から二十五日まで東京で通信衛星暫定委員会、すなわちICSCですか、略称。こういう会議が開かれることになっておるのですが、郵政大臣もここに御出席になってごあいさつをなさるということ、そういうスケジュールがあるようですけれども、これは通信衛星との関係もありますし、われわれも非常に重要視しているわけです。郵政省として大臣はこの会議に、議題も多少私新聞程度で知っておるんですが、どういう議題がこれにのぼってくるのか、そして日本の代表はどうなるのか、それからもう一つは、大臣として、この会議を東京で開くわけですから、その意義のあるところを了とされて出席されると思いますが、衛星について日本の所信をおそらく披瀝するようになると思いますね。どういうふうな考え方を述べようとしているのですか。いずれこれは十八日にはわかることですから、もしなんでしたらこの際、あらかじめ明らかにしていただきたいと思います。
#102
○国務大臣(小林武治君) 今度の会合は、いま国際商業衛星通信機構、こういういわば一つの私的団体の会合であるということで、政府は関係を持ちません。しかし、日本の通信については影響のある問題だからして、郵政大臣も出席し、あいさつもし、また、懇談もしたいということでございまして、これは定期的にアメリカでやったり日本でやったりしておる民間機構の会合である、こういうふうに了解をしております。
#103
○鈴木強君 それはわかりましたが、そうすると、そこへ行ってあいさつするのは儀礼的な、うも日本に会合を開いてもらってありがとうという、そう言うだけのことですか。要するに、日本の通信衛星に対する郵政省の、あるいは政府の考え方というようなものをここへ述べるということはしないわけですか。
#104
○国務大臣(小林武治君) KDDがそれを使用して、現にアメリカが使っておる、こういうことでありますから、その影響は日本の通信も関係がある、こういうことで私が出る。しかし、目的はやはりおもに日本の通信主管庁として儀礼的に出る、特別な、実質的な審議に加わるとか、注文を述べるとか、こういう会合ではないわけであります。
#105
○鈴木強君 これは私は希望をするわけですけれどもね。もちろん、この主管大臣として御出席なさるのはけっこうですから、もう一歩、もしお出になるなら、衛星通信に対する日本政府としての基本的な考え方もあるわけですから、そういう点も世界の諸君に向かってやはり言うことは言う、日本の考え方を。そういうようなふうに私はしてもらいたいと思うのですがね。どうですか。ただ、どうも御苦労さまです、よくいらっしゃいました、ウエルカムだけじゃ、ちょっともの足りないと思います。
#106
○国務大臣(小林武治君) これは明後日開かれるので、まだ間がありまするから、お話のようなこともごもっともと思います。したがいまして、あいさつ等の中にも、しかるべき一つの考え方は入れておきたい、かように思います。
#107
○鈴木強君 それではその点でいいです、大臣への質問は。
 次に、いまの続きになりますが、日本海海底ケーブルが完成をいたしました場合、ちょっとこれは先のことですけれども、しかし大事なことですから、この際、もう一回あらためて聞きたいのです。というのは、現在のグレートノーザンですね、この電信線というものが当然廃止されていくと思うのです、いまある海底ケーブルは。したがって、そうなりますと、具体的に長崎の廃局問題が出てくると思うのです。したがって、グレートノーザンの現在の電信線というものは、当然新しい計画が完成いたしますと、なくなっていく、この点は再確認したいのですが、そういうことになりますか。
#108
○参考人(大野勝三君) 仰せられましたとおりの海底ケーブルができますと、旧長崎−ウラジオ線は廃止いたします。それに伴いまして、長崎局も廃止の方針でおります。
#109
○鈴木強君 そうなりますと、現在長崎にある、これは営業所ですか、営業所というものは当然なくなってくると思うのでございますがね。そういう場合に、由緒ある長崎、しかも、全九州の国際電信電話についていろいろとめんどうといいますか、所管をしてまいりました、所掌してまいりました通信に対するサービスがダウンをしてくるということが出てきますね。ダウンというのは、いろいろとお客さんに対するサービスも入ります。通信のことですから、どこへ持っていきましても、ずっと機械的に接続していけば、そう、タイミング的に見てじゃないのですけれども、ただ要するに、お客さんが電報局――営業所があれば、そこへ来ていろいろなことがやれるという、そういう意味におけるサービスの低下ということを言うのですけれどもね。そういう意味からいって、ただ廃止してしまえばいいということではなくして、何かその営業所の特にお客さんに対するサービスの面で、現状よりかダウンしないような形のものを考える必要はないのだろうかと、こう思うのですけれども、九州の特質というものは別にないかもしれませんけれども、いままであったものがなくなっていくわけですから、そういう場合に、九州の人たちから見れば、長崎にあればいろいろな面で便利だったと、ところが、これがなくなっていくということになると、その面におけるサービスというものはどうしても落ちていくと思うのですね。そういうものに対しての対応策というものは何か考えておられるのでしょうかね。具体的にまだ考えておらぬというのですか、遠い先のことだから。
#110
○参考人(八藤東禧君) お答え申し上げます。
 おっしゃいますように、長崎が廃局になりました場合に、お客さまに対して御不便を与えるということはたいへん大事なことでございます。与えないように、お客さまの便宜を十分今後とも考えたいと思いますが、実際問題といたしまして、いま一日に長崎局で受け付けますのは五、六通でございます。そして、あそこを通過する通信はなるほど一千数百通ございますが、これは全部機械的に東京、大阪へ持ってこられるわけでございまして、長崎に落ちない、あれは全然ないわけでございます。それからまた、あそこは配達をやってないわけでございまして、すべてあれは電信電話公社によって配達しております。したがって、問題は、先生おっしゃいましたように、窓口においでになるお客さま、一日五、六通のお客さまに対して最善の道を講ずる、こういうことでございますので、その点に対して慎重に研究いたしたいと思っております。
#111
○鈴木強君 ぜひこのサービスの面を十分御配意いただいて――格別のひとつ配意をする必要があると思うのです。そういうことをお願いしておきます。
 それから、もっと重大な問題が起きてくるのは、やはり職員の関係だと思いますね。現在長崎には何名、人がおられるのでし、ようか。
#112
○参考人(八藤東禧君) 五十五名でございます、管理者を含めまして。
#113
○鈴木強君 その五十五名の方々の配置転換とか職種転換とか、そういうものをどういうふうにしていくかということは、これはたいへんな御苦心の要るところだと思いますが、しかし、その問題が私は解決をしない限りは、廃局はできないと思うのでございますね。現在合理化によって首を切るようなことはしないと、こういうことは会社としても組合のほうに約束しておるのでございますか。
#114
○参考人(八藤東禧君) おっしゃるとおりでございまして、合理化等におきましては、全部犠牲者は出さないというのが当社の方針でございます。
#115
○鈴木強君 そうなりますと、配置転換、職種転換、あるいは何か一部くふうをしてやるか、そういう点が当面考えられますけれども、これからまあその点に対する組合との交渉もあると思いますから、私はこまかいことは言いませんけれどもね。少なくとも、この計画がいよいよ実現いたしますと、そういう問題が出てきますから、その点については、労使間において十分ひとつ最高の配意をいただいて、それらの処遇について、措置について万全を期してもらいたい。幸い、上野とか北浦の両送信所の問題、福岡の受信所の廃止の問題、こういう問題もかなり順調に、順調というか、うまくいったようで、非常にこの点はよかったと思いますが、そういう例もありますけれども、とにかく、あすこは九州から一番近いところで、どこでしょうか、名古屋ですか、そこら辺になると思います。ですから、北浦なんかと違いまして、福岡と違いまして、九州から東京に持ってくるというようなことは、なかなか配置転換する場合でもむずかしいと思います、職種転換をして持ってくる場合でも。そうなりますと、定年があと三年とか四年とかという人もあるでしょうし、いろいろと転勤のできないような条件の人もあると思います。一体そういう人をどうするかということが非常に私は問題だと思うのですけれども、その点に対する何か方針があるのでございますか。
#116
○参考人(大野勝三君) たいへんありがたい御趣旨のお話を伺いまして感謝するのでありますが、全く先生のおっしゃったことと同様な考え方で組合とも十分話し合いをし、のみならず、御本人個々の意思や希望も十分にひとつ聞いて、そうして皆さんが満足のいくような、納得できるような条件で配置転換なり、それぞれの処置を講じたい、かように考えております。
#117
○鈴木強君 私は郵政大臣にも聞いておいてもらいたいのですが、かつてこれは逓信省から出発して、国際電信電話というのは、電電公社になり、電電公社からまた国際電信電話株式会社、こう歴史的に見ると続いているわけですね。われわれは国際電信電話株式会社ができるときに、労働組合の立場に立って反対したけれども、通っていますからそれはいいのですが、そういう歴史的な経過があるのですから、ちょうど私がたまたま組合をやっておりましたので、昭和二十七年の八月一日から全部公社になった。そうして二十八年の四月一日から今度は会社になったわけですから、その間、七、八カ月の間電電公社員だった。そのときに電通労働組合というものがありまして、その労働組合が労働条件については公社側と話し合いをし、その確定したものによって国際電電に送り込んだわけです。待遇はどうするとか、あるいは定年制はどうするとかいうことをあらかじめきめまして、そういう安心をもって出ていってもらった。今度は私はその逆の形が出てくるんじゃないか。これは基本的には会社があらゆる努力をして配転、職転をやってもらう、これはもう当然のことですよ。そういう最善を尽くしてもどうにもならぬ、中にはひとつこの際、それだったら電電公社のほうに私は行ってもいいという人があるかもしれません。そういうふうなときに、一体これをどうするかという問題が考えられる。ですから、これは年数を通算するのをどうするとか、退職手当だとか、いろいろなことがまじってくると思いますが、やはり、そういう問題も含めて政府も考えておかぬと、ただ単に国際電電だけの労使間で解決できない問題が私は出てくると思います。少なくとも、一国の国際通信政策として出発をしてくるわけですから、そういう事態に立ってやはり何か知恵を働かせてやらなければならないということも、一つの考え方として私は出てくると思います。ですから、そういうときに、郵政省として十分に耳をかしてもらいたい。私はここで具体的にどうこうということは言いませんけれども、ただ、私の一つの考えついたことですけれども、そういうこともやはり真剣に考える中でこの問題をひとつ進めませんと、首切りをしないと言ったって、結果的に見ると、どうにもならぬ事態が出てくると思います。非常に合理化については、この問題が解決しなければ実際にできないということは、そのことが首切りをしないことに通ずるわけですし、非常に大事な計画ですから、そういう点もちょっと申し上げてみたのですけれども、私はもちろん、具体的にどうしてくれということは言いません。ただ考え方だけ言っておきますから、ひとつこの点は大臣の頭の中に十分に入れておいてもらいたい。会社のほうもそういう気持ちがないと私はとても配転、職転はできませんよ。私はそう思いますから、その辺をひとつ肝に銘じてもらいたいと思います。
#118
○国務大臣(小林武治君) これは私がのみ込んでおってもしようがないので、速記として残しておくように。さような場合には、郵政省といえども、できるだけのあっせんその他の労をとりたいと思っております。
#119
○鈴木強君 それから、さっき大臣に意見を聞いておきましたICSCの会議のことですが、国際電電としては具体的にこの会議には提案する議題というのはあるんですか。
#120
○参考人(八藤東禧君) 積極的に提案する議題はございません。
#121
○鈴木強君 インド洋の衛星通信計画というものは、さっき概要の中でお述べになりましたが、この中に地上局の設置についてどうしても関西以西に一カ所設置する必要がある、こういうことを述べられているのですが、インド洋衛星の計画を実現する場合に、当然のことでございますが、そういう場合、いろいろと韓国を含めて問題が論議されると思いますから、その場所をたとえば日本の下関あたりに置くのか。その場合に、韓国のほうはそれでいいのかどうなのかという関連が出てくると思いますね。その辺については、韓国側とも十分了承を得ておかなければならぬと思うんですが、そういったことについて、今度の会議の中でも当然触れられると思うんですがね。その辺は韓国が来てみなければわからぬので、事前に話をしてはおらないのでございましょうか。ここにははっきり結論が出ておらないようですから、大体どの辺に設置をしようとしているのか、それについて韓国側も大体よろしいというような意見があるのかどうなのか、この辺をひとつお伺いしておきたい。
#122
○参考人(板野学君) お答え申し上げます。
 電波に関する調整の問題がお話のとおりあるわけでございましてこれは実際には、郵政省が韓国側と折衝するということになるわけでございまするけれども、私どもは郵政省のお手伝いをする、こういう意味合いにおきまして、かねて韓国の郵政省のほうといろいろ話はしておりましたが、ごく最近、先方から向こうの担当の技術者が二名ばかり参りまして、現在この問題につきまして、KDDのほうにおきまして非公式に折衝を始めております。また、この問題につきましては、郵政省のほうとも十分連絡をとり、郵政省のほうも非公式に話を進めておる次第でございまして、これの大体の見込みでございまするけれども、実際に本格的に折衝をするということになりますと、私の聞いておりまするところでは、正式にインド洋衛星に対する地上局の電波が割り当てになるというときに、本格的に折衝が始まる、それで事前に打ち合わせをしておりますが、大体韓国側も一九七〇年以降、七一年になりますか二年になりますか、そのころには地上局を設置するというような計画を持っておりますので、相互の話し合いによってこれが円満に解決するのではないかというふうに私ども予想をいたしておる次第でございます。
 それから地上局の位置でございますが、大体山口県の山口市の付近あるいは秋吉台、このようなところを一応選んでおりまするが、これも電電公社側との話し合いは大体済んでおりまして、今後は韓国側との具体的な話し合いに入る、こういう段階でございます。
#123
○鈴木強君 韓国は今度この会議に出ますか。
#124
○参考人(板野学君) この会議には出ません。
#125
○鈴木強君 官房長、これは外交的なことに、最終的には外務省の窓口になるかもしれませんが、いまのお話のように、郵政省が基本的にやる仕事だということですが、郵政省としては、どういうふうな段階までいっているんですか。
#126
○政府委員(竹下一記君) 実は省内でこの問題を取り扱っておりまするのは電波監理局長でございまして、ただいま出席いたしておりません。私、この問題につきましては全く存じませんので、帰りまして十分連絡もしますし、検討いたさせます。
#127
○鈴木強君 まあ大臣が帰られていますから、御質問がそういう意味でできないのですが、ではやむを得ません、ですから、ひとつ早急にお調べになりまして別途お知らせ願いたいと思いますが、ものごとは積極果敢に推進することが必要だと思いますから、できるだけ早めに手を回していただいて、計画に支障のないように、ひとつ御配慮いただきたいと思います。
 そこで、国際電電の場合、このインド洋衛星通信が実用化された場合に、国際電話というものをこの衛星を通じて主にやろうとしておるのかどうか。それから、これが実際に動き始めた場合の影響、販売計画とか、あるいは回線計画とかいうようなものはまだできておらないんでしょうかね。
#128
○参考人(板野学君) お答え申し上げます。
 目下具体的にはいろいろ検討中でございまするけれども、私ども大体の予測をしておりまするところによりますというと、まあ電信電話、テレックス等含めまして、また、もちろん、衛星通信によるテレビも取り扱いますが、大体日欧――日本とヨーロッパ間につきましては、六九年度におきまして、回線数にいたしまして、まあ五十二チャンネルばかり利用する、それから、それによりまする収入といいますか、各業種別のものはここに詳細なことが載っておりませんが、大体六九年度で四十五億程度の日欧間の収入がある。これをおのおの衛星、それから日本海ケーブル、ジャスク、それからコンパックケーブルによるもの、一部あるいは無線が残るかもしれませんが、そういうものに振り分けまして、今後さらに詳細に販売計画、回線計画を立てていきたい、このように考えておる次第でございます。
#129
○鈴木強君 そうすると、まだ最終的なものはできていないようですから、もし差しつかえなかったら、ひとつ大綱ができましたら、ぜひ見せていただきたいと思いますので、その点よろしゅうございますね。
 それから本年三月の期における収支の見込み、財政の収支見込みですね。収支見込みというか、営業成績といいますか、収支状況、これは報告受けましたが、その中で、特に料金を値下げした分がありましたですね。わが国貿易の振興に寄与する観点から、アメリカと、オーストラリア、東南アジアに対する専用料をことし三月一日及び四月一日から一〇%ないし三七・五%引き下げをいたしましたと、こういうふうになっておりますが、これは米国に対して幾らやったのか、オーストラリアに幾らやったのか、この点ちょっと最初に教えてくれませんか。
#130
○参考人(板野学君) お答え申し上げます。
 対米本土につきましては、電話音声回線でございますが、対米本土に対しましては大体一〇%、フィリピンに対しましては電信、これは電話はございませんで、電信回線にいたしまして二八・六%、香港、台湾、韓国につきましては、これも電信回線でございますが、三七・五%、タイ、マレーシア、シンガポール、インドネシアにつきましては、これは電信回線につきましては二五%、対オーストラリアの電信回線につきまして一二・五%、このような率の値下げをいたしました。
#131
○鈴木強君 これは「外国側における料金低減の傾向など、最近の諸般の情勢を考慮し、」とありますが、これは国際電電独自の判断でお下げになったのですか。
#132
○参考人(板野学君) ただいま先生おっしゃいましたように、大体国際の間の最近の専用料金の値下げ等を参考にいたしまして、これを決定いたした次第でございます。
#133
○鈴木強君 これ、どうしてアメリカとオーストラリアと東南アジアだけに限ってこういうことをしたんですか。他の対欧、対アフリカ、対南米、こういうところはどうして下げなかったんでしょうか。
#134
○参考人(板野学君) 対欧につきましては、この専用料金をきめます場合に、イギリスその他各国との取りきめ上のいろいろなまだ解決すべき問題点がございました。一つには、また衛星回線等も現在対欧とはございませんので、将来この衛星回線その他の回線状況を見まして、ひとつ判断をしていきたい、こういう考え方でございます。
#135
○鈴木強君 利用者のほうから見ますと、たとえば対欧向けの商売をやっている人から見ると、対米だけやってどうして対欧はやらないんだ。また、アフリカのほうと商売をやっている人から見ますと、やはり同じような不満が出てくると思う。ですから、私は国際的なそれこそ国際電報電話ですから、料金低減は、これは会社の経営が成り立って、今後いろいろな宇宙通信開発をやろうというときに、金も要るでしょうけれども、しかし、それもだいじょうぶだ、この際、お客さんのサービスで料金を下げましょうということは賛成です。賛成ですが、その決意はいいんだが、おやりになる場合には、もう少し全国際的な規模、国際的な立場に立って検討すべきじゃないか、こういうふうに小がけに出した場合に、利用者のほうから見て、そういった不満が当然出てくると思うのですね。その点のお客さんからの反応というものはなかったかどうか。こっちだけでけっこうでしたというような反響があったのか。私はちょっとその辺のやり方はもう少し統一的な方針でやったほうがよかろうと、こう思うのですけれどもね。特別にできない事情というものがあればこれはやむを得ませんよ。そうでない限りは、やはりなぜ一括してオール国際的にやらなかったのか、こういうふうに思うのですが、その点、私誤解であったら解いてもらいたい。
#136
○参考人(八藤東禧君) お答え申し上げます。
 料金の取り扱いに対する一般的態度といたしましては、まことに鈴木先生のおっしゃるとおりだと思います。しかしながらもやはりこれは専用線、電報、テレックス、電話、テレビ、いろいろそれぞれ業種業種によりまして、各国間の料金のいろいろな交渉や取りきめ方が違っておるのでございまして、このたびは、専用線で、しかも宇宙通信が到来した、またはシーコムケーブルが完成したというふうな技術的な発展が料金低減の直接的な動機になってきておるということが、有力な一つの原因でございまして、ただいま板野常務から申し上げましたように、ヨーロッパに対しても同様な心がまえでまいりたいのでございますが、それにはいろいろなまだヨーロッパの各国との間の交渉の経緯もございますし、また、インド洋上の衛星通信の開設とか、あるいはジャスク計画の完成とかというふうな技術革新というものが取り入れられてくるあたりが一番のきめどころになりはしないかというふうなことで、先生のおっしゃいますような態度で今後臨んでまいりたいと思います。
#137
○鈴木強君 四十二年度の事業計画は、いま私が質問いたしましたのですが、国際的な通信計画を主としておやりになると思うのですが、まあ経営の内容を拝見しまして、そう私は心配いたしません。いたしませんが、やはり負債も百六十一億あるようですから、そういうものをどういうふうに返済して健全経営をしていくかということになりますと、かなり混乱が予想されますので、そういう際に、四億四千万という収入減になるわけですから、ですから、四十二年度計画の中で、この四億四千万というものは当然当初出した計画から差し引いておると思いますけれども、そういうことは郵政省に事前に事業計画を相談すると思いますが、そういう中でもって料金値下げをしようという話が出てきて、この四億四千万というのは、当初の考えた予算の収入から差し引いたもので収支し得ると、こういうふうに理解してよろしいのですか。
#138
○参考人(清田良知君) 郵政省に出しました事業計画書は、すでに値下げを考えて出してございます。この点は、会社の一般の計画としては、事前に十分に郵政の御当局と御相談申し上げてございます。
#139
○鈴木強君 このことによって四十二年度計画が多少なりともそごを来たすというようなことは絶対ないでしょうね。
#140
○参考人(八藤東禧君) ないと私たちは考えております。
#141
○鈴木強君 それから最後に、これは過去のことですけれども、せんだって日ソ航空協定に基づいて相互乗り入れが実現できましたね、日本とソ連の間に。あのときNHKがなま中継をやろうというので計画をいたしました。ところが、何か知らぬが、どこにそごがあったか、行き違いがあったか知りませんが、あれがなま中継できなくなったでしょう。そして何か録画でやったようですが、ああいうことは、せっかく画期的な相互乗り入れの場面を国民も期待しておったわけですから、できればなまでやってほしかったのですが、時間的な関係その他もあったかと思いますけれども、少し何かその間にまずいというか、行き違いがあったのでしょう。どういう点があったのでございましょうかね。
#142
○参考人(八藤東禧君) 先生のおっしゃいますとおり、現在まで上がっておりますインテルサット第一号、第二号の星を経由してのテレビジョンについては、おっしゃいましたようなトラブルが、大西洋におきましても、また、私ども日本の太平洋におきましても、あるわけでございます。これは率直に申し上げますと、インテルサット全体としての計画としては、一九六八年、明年に初めて世界的な星ができるのだ、その際には、大きな容量を持ったところの千二百チャンネルの、すなわち、海底ケーブルを十本も引いたような大きなものが上がることになっているのでございますが、それが急遽アポロ計画と結びついて、できるならやろうじゃないかというので上げたのが、いまのセカンドのインテルサット二号の計画でございまして、初めからやはり容量あるいは使用のしかたについては多少は無理がある。無理があるけれども、やはり一日も早く実験、試験あるいは実用に供したほうがいいんじゃないかということで踏み切った星なのでございます。そのために、テレビジョンをやりますときに非常に大きな回線を必要といたします。それは他の電話等に使っております使用を一時とりやめまして、そしてテレビにかえるというようなことが、どうしてもいまの二号衛星ではやむを得ない技術上と申しますか、施設上の実情でございまして、そういうことが起こると、電話の営業をしているところの経営体と、テレビをやっているところの間で、どうかこの時間に譲ってくれないか、その間電話を切ってくれないかというような交渉をお互いにやるわけでございます。交渉がたまたまうまくいきました場合には、テレビの放送ができますけれども、とてもいまのところ自分の電話はどうしてもあれだから譲れないのだという国が出ますと、テレビはできない。これは大西洋でも起こっておりますし、太平洋でもある。そういうのがいまの二号衛星の状況でございます。これが今度の東京会議で、太平洋上に二号衛星の第四号が上がると、まあ容量は相当たっぷりになってきますから、こういう問題も非常に少なくなってくると思うのですけれども、少なくともインテルサット当初の目的の一九六八年のグローバルシステム、これまでの間に私どもも苦心惨たんする次第でございます。そういうような意味の事前のやりとり、各通信事業体間のやりとり、これはある。しかし、幸いに、モスクワの場合においては、ああいうようにソビエトロシアからフランスへ、フランスからアーリーバードを通してアメリカ大陸へ、そしてまた、陸を通って太平洋を通ってこっちへ来たということができた。一部録画になりましたのは、私が承ったところによりますと、何かこちらの国内向け放送時間その他の関係で一部が録画になった、こういうふうに私は聞いております。
#143
○鈴木強君 これはただ単にソビエトだけでなくて、これから全世界でそういうことが出てくると思いますが、それをコントロールするのはコムサットでやるわけですか。ある計画が出ますね、そうすると、これを日本が直接向こうとかけ合うということはなかなかむずかしいでしょうから、そういう場合のコントロールというのはコムサットがやってくれるわけですか。
#144
○参考人(八藤東禧君) 太平洋に関する限りは、私のほうから、マネージャーたるわれわれのコムサットという会社が、アメリカの会社としてでなく、インテルサットのマネージャーとしてこれこれの話をします。そうすると、向こうのほうがそれぞれ現地のアメリカの電信電話会社に対して交渉をするということでいままで話をやっております。
#145
○鈴木強君 そうすると、特別にソ連側の何か意図的なあれがあってということでなくて、純営業上の問題とか、あるいは時間的な問題によって直接の、ストレートのなま中継ができなかった、こういうふうなことでございますね。
#146
○参考人(八藤東禧君) 私の承知いたしておりますところでは、全然ソビエト側においてこれに対して反対されたということはない。むしろ、太平洋上のいまの電話回線を一時借りがなかなかむずかしかったという状況なのでございまして、あの放送のとき私も見ておりましたが、空港等におけるソビエト関係の方々が非常に協力的に出ておられたように考えておる次でございます。
#147
○鈴木強君 これは日本の国民から見ると、衛星を使った国際的な中継というものは非常に国民が関心を持っているわけですから、たとえばNHKがモスクワから中継するという報道がありますと、みんなが期待をしているわけですよ。ところが、それが一瞬中断され、録画になって入ってくることになりますと、期待がかなり裏切られたかっこうになるわけですから、だから、あらかじめ、そういう計画を国民に示される前に、いま言ったルートを通じて、十分に相手側の実情も確かめて、この場合は録画でなければできない、この場合はなまでやれるというようなことを十分掌握されて、NHKなりあるいは民放のほうにやりませんと、ああいう、国民から見れば何だ、期待を裏切ったというような形が出てきますから、その辺の配慮をお願いしたい、こう思いまして、これで質問を終わります。
#148
○鈴木市藏君 私は、国際的な電報の問題については、後日また時間を得て質問したいと思いますが、きょうは関連の問題で二、三お尋ねしたいと思うのです。
 一つは、率直にお聞きいたしますけれども、アメリカの打ち上げたつまり通信衛星ですね、インテルサット一辺倒の、これだけに何か国際放送の死命を制せられるといったような、そういう傾向があることを非常におそれるのです。事業計画を見ましても同様であって、これはいまの国際的な諸関係や、あるいは広く日本の利益という立場から見ましても、きわめてこれは危険な行き方ではないか。たまたま、いまモスクワ放送の問題も出ましたけれども、それだけにとどまらず、日本全体がやはり進むべき基本方向としての平和共存政策という関係のもとにおける電波行政がどうあらねばならぬかという、この基本の問題ですよ。私はこれがまだ確立されていないんじゃないかという気がするんです。そこで、今日のままのような状態でいったら、おそらく電波植民地化といわれるようなものの一環の中に組み込まれる危険が非常に大きい。どうしてそれじゃ一体この危険を除却していくことができるか。たとえば、モスクワの空港乗り入れのときの問題も、聞くところによると、電話回線云々ということがありましたけれども、そのほどんど大部分はアメリカの軍事的な電話の必要のためにその余地がなかったということも聞いております。だから、そういうふうなことで非常に軍事的、あるいはまた、電波を通ずる植民地化という方向が進んでいる今日、このインテルサット一辺倒の体制をとっているということはきわめて危険で行き過ぎではないか。そこで、ソ連のほうでも通信衛星を上げるということが言われておりますが、これは、もしそういう事実がはっきりしたときには、これはひとつ参加する、共同参加の方向に踏み切る用意があるかどうかという点を、これははっきりひとつお答え願いたい。
#149
○参考人(八藤東禧君) お答え申し上げます。
 電波行政の方針につきましては、私ども国際電信電話会社が申し上げる立場にないと存ずる次第でございまするが、最高行政、政治方針ということを離れまして、ソ連が衛星組織をつくるとしたらばどうするかという問題についての国際電信電話事業体としての立場から申し上げます。
 先ほど先生方から御意見がありましたように、ジャスク、日本海底、これも実質においては日本海のケーブルを引く端末はソビエトロシアに上がっております。それからまた、ソビエトロシアに上がりましても、その国内大部分は非常に長大な距離は、ソビエトロシアの協力によって、実質上の参画によってできる次第であります。こういうふうに私どもは、将来どういうふうに国際衛星通信組織が発展していくか、おそらく各国とも五里霧中で模索していると思うのでございます。私ども、将来どうなるかということは、もちろん絶えず勉強いたしまして、私どもの考えも、常に決して植民地化するものでもなければ、決して軍事目的とするものでもなくて、あくまでも日本の国益、日本の国際的電気通信上の利益を確保し伸展していくという方向で、必要であるものは行ない、必要でないものは行なわない、こういう方針で経営していきたいという方針をとっております。
#150
○鈴木市藏君 この問題については、私はあとでひとつ時間を持ってやりますけれども、それから次の問題で、さっきちょっと関連でもお尋ねいたしましたが、このグレートノーザンとの関係における日本海海底ケーブルの問題については、どうも国際電電の立場は消極的過ぎる。この会談に参加するという申し入れを行なったり、あるいは、それを担当する責任者がきまったり何かして積極的にやっているんですか。その御自身のほうの担当官というのは、現在この会社、グレートノーザンだけでなくて、モスクワにおけるところの交渉なんかにタッチしているんですか、具体的に。それからもう一つの問題は、むしろ西ドイツがこれについて難色を示すということはあり得ることだ。これはむしろ技術的な問題や何かではなくて、もっぱら外交上の問題がからんでいると想像されますよ。だから、したがって、こういうふうな問題を控えての関係でありまするから、非常に国際間のいまこういう問題がデリケートですから、私はおそらく単なる一会社というような立場での事務的な判断では乗り切れない面が出てくると思うのです。もっと広く国際政治上の視野を持った立場で問題を解決していかないとやれないんじゃないかという気がいたします。だから、そういう点から見て、こういうふうなことについての、つまり常時――先ほどからのあなたのことばのことばじりをとらえるようで申しわけありませんけれども、平気でロシアというような発言をするような感覚では、とてもではないけれども、これは乗り切れるものではないですよ。だから、こういう点について、いま少し担当者が国際政治上の諸問題についてもっと知って、やはり視野を広げてやらないとできないことじゃないかと、こういう点でグレートノーザンあたりに先を越されているのじゃないかという気がするんです。だから、モスクワあたりに乗り込んで行って、積極的にやるという姿勢がとれないものかどうか、これを最後にお聞きしておきます。
#151
○参考人(八藤東禧君) おしかりを受けまして、まことに申しわけありません。私はたとえばソビエトロシアの電気通信次官をやっておりますクロコフというのは、私の十年来の親友でありまして、しょっちゅう手紙をやっております。この間コペンハーゲンで一週間も続けざまに飲んだんですが、当人に対してロシアと言っても、ウイ・ロシアというので、つい口ぐせになっています。これは国際感覚の欠除より、むしろ国際的になれ過ぎているのじゃないかということでございます。
 はたして幹部はこの問題にタッチしているか、打ち明け話でございますが、一昨年でございましたか、大野社長がみずから最後の、最後通牒に近い手紙をグレートノーザンに出しておりまして、あまり消極的過ぎるじゃないか、ぐずぐずするじゃないか、もう返事をよこさないなら打ち切るという手紙を出しまして、初めて最近のラストスパートが出てきた。これはグレートノーザンの社内の事情がございましょう。けれども、そういうことをやってきたのでございまして、私どもはグレートノーザンに引っぱられているものではないのでございます。ただ、グレートノーザンが長い間のソビエトロシアとの間の電気通信の内部的ないろいろな関係がありまして、このグレートノーザンを仲間に入れることが有利であると判断してやっているのでありまして、そういう意味で、グレートノーザンには協力してもらっている次第でございまして、決して私どもは引きずられているつもりはございません。ただ、やはりそうなりますと、向こうは向こうなりの台所勘定がございましょうし、いろいろございますので、それを一々根気よく解きほごして進めているというのが現状でございまするが、おしかり受けませんように、今後ともこの問題に対しては積極的に取り組んでまいりたい、かように思っている次第でございます。
#152
○委員長(野上元君) 他に御発言もなければ、本件に対する質疑は、本日はこの程度といたします。
 この際、参考人の方々に一言お礼を申し上げます。
 参考人の方々には、御多忙中にもかかわらず、長時間にわたり、本委員会の調査に御協力くださいまして、まことにありがとうございました。委員会を代表して厚くお礼を申し上げます。
 次回の委員会は五月二十三日火曜日午前十時を予定し、本日はこれにて散会いたします。
   午後一時三十七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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