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1967/07/06 第55回国会 参議院 参議院会議録情報 第055回国会 逓信委員会 第16号
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1967/07/06 第55回国会 参議院

参議院会議録情報 第055回国会 逓信委員会 第16号

#1
第055回国会 逓信委員会 第16号
昭和四十二年七月六日(木曜日)
   午後二時二十五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 七月六日
    辞任         補欠選任
     北條 雋八君     黒柳  明君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         森中 守義君
    理 事
                植竹 春彦君
                寺尾  豊君
                西村 尚治君
                森  勝治君
    委 員
                郡  祐一君
                白井  勇君
                新谷寅三郎君
                谷村 貞治君
                鈴木  強君
                永岡 光治君
                光村 甚助君
                横川 正市君
                黒柳  明君
                石本  茂君
                鈴本 市藏君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  小林 武治君
   政府委員
       郵政大臣官房長  竹下 一記君
       郵政省簡易保険
       局長       武田  功君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        倉沢 岩雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○簡易生命保険法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(森中守義君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 初めに、理事打合会の結果について御報告いたします。
 本日の委員会においては、簡易生命保険法の一部を改正する法律案に対する質疑を行なうことになりましたので、御了承願います。
#3
○委員長(森中守義君) まず、委員の異動について御報告いたします。本日付をもって、北條雋八君が委員を辞任され、その補欠として黒柳明君が選任されました。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#4
○委員長(森中守義君) 速記を起こして。
#5
○委員長(森中守義君) これより議事に入ります。
 簡易生命保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 御質疑のある方は、順次御発言を願います。
#6
○横川正市君 六七年の年号だけしか打ってありませんが、「今日の郵政」という冊子の二九ページに、昭和二十六年に赤字を解消し健全経営の基礎が築かれたという項があるわけですが、これは二十年以前と、それから二十年後における物価の上昇、いわゆる経済の変動に伴って起こってきた保険企業に対する収支のアンバランスが、その後の努力によって、二十六年に大体赤字が解消して健全経営の基盤が築かれたんだと、こういうふうに私どもは理解するわけですが、この二十六年までに赤字を解消したその業務内容といいますか、これは二十六年以降今日までの保険の累積した業務成績との関係で、どういう実績を今日数字的に示しておるのかどうかですね、その累積は、実は私は先般も質問いたしましたように、民間保険と簡易保険との国営企業としての特徴といいますか、そういったものを顕著にしなければならぬだろう。その顕著さというのは、戦前における国策的な、いわゆる戦争遂行のための資金調達、それから戦後において財投その他国策に対する協力等の、いわゆる加入者に対する還元方式の上で、国策的なにおいが非常に強くて、加入者に対する保護といいますか、いわゆる民保との競合の中で、少なくとも加入者に対する還元のあり方として、その企業内容というものは目的が変わってくるべきではないか。すなわち、この国営企業というものが零細な、しかも、経済的にいえば、ある一つのラインから以下の人の入るべき預貯金としての保険、こういうような面からすれば、還元その他については、実は特徴としてあげるべきものとしてやるべきではないだろうか、こういうふうに考えるわけで、その考え方に基づいて、まあ努力の結果としては、二十六年までに赤字が解消したわけですから、その後、十数年の業績というものは、これはまあ黒字への転換の形態でありますし、黒字経営の内容であるわけですから、そういう黒字経営の内容というものは、簡易保険の特徴として顕著にあげられるものがあるのではないか。こういうふうに、これは非常に抽象的な言い方ですが、実際的には、二十六年までの赤字解消のための努力、これはこういう要素がありました、二十六年以降の黒字累積の要素はこういうわけで、これだけの加入者に対する還元の、まあ利益としてですね、相手側に与えるように企業というものは経営されておりますと、そういった点で、もっと具体的に説明されていいのではないかと思いますから、この点をひとお聞きいたしたいと思います。
#7
○政府委員(武田功君) いまお示しのありましたその冊子、手元にございませんので、どういうあれか、ちょっと的確なお答えにならないかもしれませんが、大体御指摘のように、戦後のインフレ高進に伴いまして、事業費の膨張が相当な打撃を事業に与えております。そのために、付加損を主因といたしました欠損が二十四年度まで続きまして、二十四年度末では十七億五千万円という赤字を累積したわけでございます。これが回復策といたしまして、まず何といいましても、新規募集を大量にとるということが、これが保険事業の根本でございます。したがいまして、その点に一番の重点を置き、また、制度的にも、たとえば五年払い込みの比較的短い保険を設けるとかというようなことに努力いたしまして、その結果、二十四年度におきましては、たとえば剰余金で、五億九千七百万円の赤字になっておりましたのが、二十五年になりますと、今度は逆に十億の黒字、十億の剰余金を得たといったようなこと、また、契約面で見ますと、二十五年になりますと、たとえば平均保険金も、二十四年度の四千六百五十円というのから、八千十一円というふうに上がりまして、さらに二十六年では一万円をこえるというような形になったわけでございます。特に簡保的な特色と申し上げるには、適当じゃないかもしれませんけれども、簡保といたしましても、あれだけの事業の挽回には、やはり大量契約の獲得ということを主眼に置いて努力したわけでございます。
#8
○横川正市君 私は実は、計数とか企業成績とかというものをこれは数字の上で説明してもらうのに一番特徴的なのは何かといえば、簡易保険の特徴は一体何ですかと問われたときに、明確に答えられるものがあっていいのではないかという点を、実は非常に力点を置いてお聞きいたしている−わけなんです。そこで、大臣に就任されて何年というような、いわば新しい分野で郵政大臣になられたんじゃなくして、われわれの大先輩として郵政事業にずっと関係をされ、関心を持っておられる、そして、いま最も責任ある地位にあられるわけなんですが、この簡易保険業務の今日的な様相というのは、どういうように評価をされているでしょうか。私は一面でいえば、たとえば会計制度の面でいえば、電電公社が公社に転換をされて、著しい発展規模、それからサービスの内容の拡充強化というふうに、全く官庁会計、郵政省の一部門であった局当時から比べてみますというと、まるきりその内容を変えるほどに転換をいたしておるわけであります。その転換は、企業そのものが内容的に転換したというだけでなしに、サービスの面でも、これはもう特徴的なサービスをやっておる。もっとも、独占企業ですから、そういうサービスが他と競合しないので、競争上での結果というものを見るわけにはまいりませんけれども、しかし、前後の比較の面からのサービスというものは、問題にならないくらい伸展をいたしておるわけであります。そういう一つの会計制度上から見た企業というようなものを見ましても、これは保険事業というものは一体今日的な姿でいいのか。しかも、保険の場合には、民保とこれだけ激しい競争裏の中にある企業のわけなんですが、この競争裏の中にある保険、国営保険として今日のこの状態でいいのか、これは会計から見たものです。それから人事の面で見ますと、たとえば民間保険の場合には、職員の検定試験というようなことが行なわれております。これはもちろん非常に激しい競争の中で生き抜いていこうとする資本主義下における保険の業態ですから、これは当然その企業の全体の、何といいますか、中心的な役割りを果たすのは金融面と、それから、それに携わる人的資源と、こういう面でありますから、人的資源に相当大きな力を入れるということは当然なんであります。ところが、郵政の場合は、郵便貯金、保険と、大体外務職というような、俸給的な、あるいは雇用条件的な同一条件下に置かれる人がおりまして、それが何ということなしに人事の交流をしているという現状なんであります。ただ人的な面からいたしましても、会計上の面からいきましても、やはり民保と太刀打ちできるような状態にないんじゃないか。
 それから三つ目の問題としては、今度は機構、サービスの問題ですね。大臣はこの間、郵便局舎の建築問題では、私に答えられたよりか事務当局に対して、現状はきわめてこれは遺憾な状態だと、少なくとも普通局、特定局にかかわらず集配局以上は鉄筋で建てられるのは当然なんだ、というふうに答弁をされております。しかし、こういう問題からとらえてみますと、目抜きのところに高層建築がどんどんでき上がってくる民間保険なんかの、いわゆる不動産投資、そういったものと比べてみまして、おそらくは、保険関係の投資額というものは、今日の郵政事業の中における割合というものは、全く微々たるものなんじゃないか、そういうことから起こってくるいわゆる対信用という度合いは、国営事業だからという意味での古い観念にとらわれた信用に維持されておったんであって、新しい何か近代的な機構の中での保険事業に対しての信頼、そういったものはまだまだつちかわれてはいないのではないかというふうに、比較してみますと、いろいろな面で今日の保険事業に対しては考えるべき余地というものがあるんだろうと思う。先般、大臣が来られないときに、保険局長にお聞きいたしましたところが、たとえば服装などはこれから変えていきたいんだというような話がありますけれども、もっと何か国営保険としての特色はこれで、それから、こういうふうにやっていきますというように、それがないと、私はどうも、この国営保険というものはマンネリズムにおちいってしまって、どうも企業そのものに新鮮味というものが出てこないような気がするんですが、これは総括的な意味で大臣からお答えいただきたいと思います。
#9
○国務大臣(小林武治君) これは非常にごもっともなお話でありまして、私どもも、いまは、最も国営保険の特徴であった無診査保険というものが、昭和二十二年に独占でなくなった、こういうことが一番大きな時期でございまして、あの以後は、一体民保と比べてほんとうに違ったものがあるかというと、それは正直いえば、多少それはいろいろありますが、大きく見て、ない。結果的に見て、ただ契約が五兆円になって、一兆数千億円の積み立て金で国家財政において大きな役割りをしておる、こういうことが結果論として非常に大きな特徴になっておる。また、その特徴になっておるということは、募集に当たる郵政省が、運用権がきわめて狭いと、こういうことにもつながることでありますし、それからもう一つの特徴は、とにかく二万近くの窓口がある、こういうことは、民保全体であっても、これだけの窓口はなかろうと、こういう特徴は持っておりますが、保険の性格的な面からいって、そういう特徴はきわめて微少であると、こう言わざるを得ないのでありまして、私、この前のこの委員会からもそういう御質問が出ておるのでありまして、最近の郵政審議会においても、一体国営保険として特徴が出せるのかどうか、こういうことについてこの際格段の検討をしてもらいたいということを諮問を申し上げておるのでございまして、いろいろ考えなければならないことが多いと思うのでございますが、事実はお話のとおりてあります。電信電話−電話が非常に進歩したということは、これはまぎれもない事実で、私も戦後これほど進歩発展したものは、ほかの企業においてはない、こういうふうに考えておりますが、しかし、一番大きな原因は、機械化ができた、要するに、合理化がほんとうにできたということであるのでありまして、これがもし人の仕事であれば、これだけの進歩はあり得ないのでありますが、機械の日進月歩、こういうことのために、あれだけのサービスの改善ができた。多くのものが自動的になったということが、大きなサービスの改善の原因でありますが、これは人のせいではなくて、機械のせいである、こういうことであって、一番大きな原因は、機械による合理化ができたということでございます。これに比べれば、保険とか郵便とかいうものは、御承知のとおり、機械にたよる部分はきわめて僅少でありまして、大部分が人力にたよらなければならない。したがって、合理化の余地というものは非常に少ない、こういうことでありまして、多少会計を直すとか、そのほかのことをやっても、場合によっては公社公団等にしても、とてもあのような進歩は望むことができない本質的な差がある、こういうふうに私は考えておるのでございます。
 外務員の関係におきましても、実は郵政従業員の中には、民間の外務員よりか、はるかに資質もよし、手腕も大きい方が多いのでありまして、外務員等については、まことに私どもはりっぱな方が多い、こういうふうに自負いたしておるのでございまして、これらの方がもし民間に行ったならば、一そう大きな成果をあげられるのではないかと思うほど、りっぱな方がそろっておるのであります。しかも、人的な養成その他については、いま研修所等でいろいろ養成しておりますが、私ども、郵政従業員を見ますと、保険からほかへ回るという人はないのです。郵便でも貯金でも保険に回りたい、優秀な人というようなことをいうと語弊がありますが、とにかく、そちらから保険に回りたい、こういうのが一つの大勢ではないか、私はかように考えておるのでありまして、これはいろいろの利点があるから、そういうことになると思うのでありまして、非常にけっこうな傾向だと思うが、私は郵政従業員全体から見れば、保険にみんな行きたがるというふうな傾向は、事業全体としては非常に考えなければならない。すなわち、保険に行きたいということは、保険に何らかの利点があるということになれば、それが均てんするようなことを他の部門においてもせねばならない、私はこういうふうな考え方をいたしております。
 いまの服装とか、あるいは庁舎とか、いろんなことを改善をしなければならないと思いますが、しかし、何といたしましても、合理化には限度があり、人間の資質の向上、また、働く意欲、こういうものを向上させることが、やはり保険振興の一番大きな要素ではないか、かように私は考えておるのでございます。したがいまして、結論的に申せば、私は、これは国営保険にふさわしいようなことをひとつ考えるとともに、従業員がそのためになお一そう努力するようないろいろの環境をひとつつくらなければなるまい、かように考えております。
 なお、あるいは、あとで質問が出るかと思いまますが、私は、保険事業は一体どういう事業だ、社会保障事業か、どういう事業か、こういうようなこともお考えになっておると思いますが、これを始めたのは要するに、個人の老後の安定あるいは社会福祉、こういうことから始まったのでありまして、いまの積み立て金なんていうものは結果的に出てきただけの話であって、したがって、個人の生活安定あるいは老後の保障、こういうことから出れば、国家による社会保障がない場合には、それは一つの社会保障というふうに広く見ていいのでありますが、いまのように社会保障制度が別にできて、これが相当今後進んでいくということになれば、究極においては、一体、簡易保険とか、あるいは保険というものは何かというと、私は国家保障が完全にいくとは思われない、したがって、やっぱり補完作用として自己防衛というものが個人にはどうしても必要だ、こういうことで、国による社会保障と同時に、個人の意思による、広くいえば一種の社会保障の補完作用だ、こういうふうに思うので、これは両々相まってやっぱり保険事業あるいは簡保事業というものは、私は、これからなお発展せしむべきものである。すなわち、国家保障にはそれほどの信頼は将来にわたっておけない、こういうふうに私は考えておるのであります。
#10
○横川正市君 大臣の答弁でも、新味というもの、実は奇想天外なものがあって、こうすればいいじゃないかという、そういうものがないということは、これは私も、そういう悩みを、質問しながら持っておるわけなんです。ところが、そういう悩みを持ちながらでも、これならばできるではないかという問題というものを幾つか私考えてみたわけですね。たとえば、民保の中の生保協会が、生命保険外務員の専門課程による試験を実施をされて、それによって職員のいろいろな質の問題を考えておる、こういう点があげられておるわけです。これをそのまま簡易保険の中に持ってこられては、これはたいへんだと私は一面思っているわけです。こういうかっこうのものがもしとられるようなことになれば、ただ現状の郵便貯金、保険等のこういう業務、業種の中にある人たちの問題を本質的に何か改善する考え方というものは郵政省が考えていいのではないだろうか。この点を実は私は私なりに考えてみました。
 そして一番に思ったのは、たとえば、郵便の外務者が保険とか貯金に行きたいというのは一体何なんだ、これは端的にいえば、社会的な一つの何といいますか、外見の問題もある、それから、いろいろな収入の問題もある、それから仕事に対するところのいわば重労働あるいは軽労働という問題もある。しかし、そういうものがあるけれども、郵政省としては、保険も貯金も郵便も同じ種類であって、同じ給与であって、同じような待遇をしておる、同じような服装をさせるというふうに、同一な待遇その他というものをやっておるわけなんですが、たとえば、警察官はなぜ共済組合十五年か、あるいは自衛隊はなぜ十五年なのかというふうに、共済組合の審議をしたときに一番問題なのは、いわゆる労働力としての活動の一つの限界といいますか、そういったものが全体としていわゆる事務系統その他と比べてみて、これは長続きしない職種だということが、もう最大の原因になっている。共済の受給権利を十五年というふうにして、一般の職員は二十年にしたんだ、こういういわば種類の分け方をしているわけです。そういう種類の分け方も一面取り入れていいのではないか。
 それから実際上、いま大臣ちょっと触れられたように、保険のほうがいいからみんな行きたがるんだと言うけれども、保険というのは特殊能力を必要とするわけなんです。年齢がある程度いったら保険に適しているということでもないわけです。それから長年勤続したら保険に適しているということでもないわけです。いわば、これは若くても、年とっていても、特殊的な能力を持っている、そういう場所へ三つの事業部門から、ただプールで、それぞれそのときの、いわば何といいますか、裁量といいますか、あれはよかろうとか、これはどうだろうかということだけのことで人事の異動をさせているという形態、これは私は実際には、事業そのもののマンネリ化という最大の原因がそこにあるのだというように思うわけです。どういうふうにしてやるかといえば、やはり保険の場合には、保険の能力をどう持つかということをいろいろな面から検討して人事ということを考えていく必要があるのであって、それが全然なされておらない。ある局に行きますと、年間の暦年で割り当てられた割り当てが消化できない、消化できないので、職場に入ってみますと、課長と職員とが毎月にらみ合いっこをやっているわけですね。どういうにらみ合いっこをしているのかというと、何を毎日出ていってぼさぼさしているのだと、こういう目つきで見ている。片っ方のほうは、そんなこと言ったって、とれないものはしかたがないというようなかっこうで、課長との間に冷たい関係というものが持たれているというふうに、これは相当外勤の職場にそういう空気というのは多いのじゃないかというように思うわけですね。それがいわば上局では、数字の面で大体年間の目標額は達成された、その中には、きわめて優秀な成績をあげてくれる者がいる、それには表彰もしよう、出張もさせよう、そういうことでやっているが、事業全体としては、非常に私は不安な、あるいは職場の中だけが非常に沈滞した空気というものになり下がっているのではないか、これをどう改善していくかという、その点が必要なことだと私は思っているわけなんですよ。これの解決策は、それは急には私どももありません。この間、郵務局に私どもが質問したときは、郵務の人たちがどうして保険に行きたがるのか、そうすると、保険へ優秀だからとられれば、郵便の仕事をする者はみんな優秀でなくなってしまう、郵政省の基幹事業である郵便が、そういう人的構成で行なわれるということは重大問題ではないかという質問をするわけです。保険の場合には、その特殊的な事情もありますから、人的な構成というものはどうしたらいいのか、その点が私は、日常の業務の中に三つの事業があるわけですが、それぞれに備わった適切な、いわば前任者がやっておったから後任者もそのとおりやれば間違いがないのだというような退嬰的な態度ではなしに、もっと斬新策というものを事業の中に出したらどうか、人的なものとしては、そういうように私は考えるわけです。
 それからもう一つは、この間もちょっと問題を提起をいたしましたけれども、たとえば物価の動向等を見ますと、大体十年ぐらいの間に日本の円の価値というのは、一九五五年の百円が、一九六五年、十年の間には六十九円に下がっているというふうに、これは国会から出ている「レファレンス」の中に、各国の貨幣価値の問題が載っているわけです。この数字によって見ますと、日本はもう二十八番目なんですね、その貨幣価値の下落の状態というものは。そういうふうに貨幣価値に変動があるということ、これを今度具体的にいいますと、労校保険−学校に行くための保険というやつを加入者にすすめますね、そうすると、その実際上の二、三年くらいの学費のかかりぐあいは一体どのぐらいかかっているかといいますと、三年くらい前と比べてみますと、国立で一六%以上、私立になると二三%以上というような、そういう学校経費というものが増大をいたしているわけです。そうすると、今日納めた千円という保険料は、その子供が成人して高校、大学というふうに行くときには、今日のままいくかどうか、経済の動向ですからわかりませんけれども、少なくとも千円としての値がないものを学費として蓄積しておるという結果になるわけです。これは私は、国一営保険の場合は、そういうような場合にはどういうふうにしますというような、何か保証があって、これは特色ということになるのではないか。
  〔委員長退席、理事森勝治君着席〕
もちろん、企業経営でありますから、その経営の面で利益があがった場合と、あがらない場合と、いろいろあると思うのでありますけれども、しかし、国のやっている保険だから、戦前は戦争協力のための貯蓄であり、戦後は公共投資、いわゆる財政投資のための原資であるということに、あまりにも束縛を受けておったんでは、私たち、実はそういう面で、加入者に対する利益の還元というものは、もう全然見込みのないものになってくるのではないか。そういう点を資料の面から出しながら、一つ一つ私どもは、今日の国営保険としこの特色というものをその面から出していったらどうだろうか。
 それからもう一つ、同じ問題でありますけれども、たとえば、昭和四十年四月の相続税に対する非課税なんかが、保険の場合に、五十万円が百万円になりました。それから、いまの物価その他からいきますと、資料の中に出ておりますけれども、税制上の恩典といいますか、これは、物価の上昇度合いというものはどのくらいに見るか、それぞれ資料のとり方によると思うのでありますけれども、これはたしか企画庁の資料だと思いますが、大体今日では、戦後の物価上昇率について四百四十三・一倍になっているんだと、そういうまあ、当時は二百円の大体控除率があったので、その倍率をすれば、八万八千六百二十円に該当する、今日の税制からいきますと、最高額は三万七千五百円しか控除率として生命保険の控除はされておらない。募集のときには、控除をいたします、これは税金の控除になりますと、こう言っているけれども、数字の面からいきますと、これは全然問題にならない、半数以下の控除率にしかなっておらない。しかも、この金は長期の積み立て金で、それがしかも、国の国策に相当大きな貢献度合いを持っている、こういうことになれば、当然私は、所得控除などというものは、全額所得控除をやったらどうかという面があるのです。
  〔理事森勝治君退席、委員長着席〕
ですから、私は、総括的に大臣にお聞きをしているのですが、国営保険の特徴というものは、これは単に無診査でございまして、あるいは窓口がたくさんあります、あるいは集金は各戸ごとに行なっております、こういうことでのものの考え方というものは、非常に古過ぎるのではないか、もっと近代的な企業の経営のあり方としてはこういう特色がありますというやつを、いわゆる加入者に対する還元利点として羅列していくことが、企業のあり方ではないかと思うわけなんですが、もちろん、民保と国営企業との競合がありまして、民保がサービスを増強すれば、国営企業がブレーキをかけるということもありますけれども、事実、民保は多種多様な運用をいたしまして相当な利益をあげまして、そうして、どこの町に行きましても、民間保険の会社などというものは、こんなりっぱなものが必要かと思われるような高層ビルを建てて、それでもなおかつ収益をあげているという企業形態をやっております。それならば、国営企業の特徴というのは、二万以上窓口があって、それには全く事業費としては金がかかりませんし、しかし、そのかからないかわり、加入者に対してはこういう還元を行なうのですというやつを私は企業の中に特色として出すのがほんとうなのじゃないだろうかというふうに思うわけですが、その点どうでしょうか。
 それからもう一つ、これは前の保険局長のときにも私は申し上げたのでありますけれども、少なくとも健康管理のための施策というものについては、い、ずれの部面よりかもすぐれているというような施設を持ったらどうか。健康診断をするための自動車が大体広域地域に対して運転されているとか、あるいは、ある個所については、相当そろった診療機関というものを持っているとか、いわゆる加入者に対する保護というものをそういう面から強化していったらどうなのか。いまの企業ではそんなサービスはできませんと、保険年金事業団のせめて老人ホームとかセンターくらいしかできませんというのではなしに、私は、それだけのことをやるように企業としては努力すべきなんではないかという、こういう点を考えているわけなのですが、これは奇想天外な考え方なのか、企業努力としてできることなのか、これはぜひひとつ大臣考えてみていただきたい、こう私は思うのです。
#11
○国務大臣(小林武治君) お話のことは、私は奇想天外とは思いません。十分御意見を参考として、ひとつ検討してまいりたいと思っております。
 なお、一番終わりに言われた健康管理の問題でありますが、これは御承知のとおり、終戦−戦争中途まではあれぐらい完備した健康管理の施設を持っておったわけでありますが、要するに、簡易保険もあれだけ普及して全国民的な範囲にまで広まっておる以上は、国民全体の健康管理のために差し出すべきである、こういうことで、あの当時持っておった簡易保険の診療所というものを一切を厚生省に引き渡して、いま全国にある保健所というもののもとは、ほとんどあれは簡易保険で持っておった施設であるのは御承知のとおりでありまして、そういうことでありまして、もう全国民的な範囲にまで広まったものの管理を私どものほうで特に持つということについては、政府の中にもいろいろ異論があるのでありまして、わずかに残っておる診療所等においても、むしろ、これの運営というものはきわめて私は不適当な状態にある、こういうことでは、わずかばかりやるなら、むしろないほうがいいくらいな状態のものがいまの状態でありまして、したがいまして、さようなこともぜひ考えなければならぬのでありまするが、いまの健康管理の問題については、どうもそういうふうな障害がいまある、こういうことであります。
 還元の問題につきましては、もういま話しのように、保険の事業団のやっておるものは相当にふえてはまいっておりますが、しかし、全体から見ればごくわずかなものである、こういうことも言えるのでありまして、これらの拡充というものを考えなければならぬ。ことに、私はお話のように、簡易保険の料金などは全額所得控除でいいじゃないかなんということは、私は十分われわれとしても主張すべきことではないか。民間保険と違って、簡易保険の料金だけはそういうふうにすることがけっこうじゃないか。い、ずれにいたしましても、お話のあったことは十分ひとつ参考として検討いたしたいと、かように考えます。
#12
○横川正市君 私は実は、きょうは何時間でも質問するつもりでいたのですが、あまりきょうは質問してほしくないようですからやめますが、あの簡保の持っている特色という点からすれば、ことに所得控除なんというのは当然全額やっていいのだというふうに考えていいと思うのです。これは民保に、何といいますか、遠慮する必要のないことなのではないか。それはなぜかといいますと、運用そのものがまるきり違うわけですからね、運用の範囲そのものが。だから、そういう点を特色としてとらえながら、私は、保険の特色というものを出していってもらいたい、これを、ぜひひとつ実現をするようにお願いをしたいと思います。
 それからもう一つ、この間保険局長に質問をいたしましたところが、これはまあ生命表その他からいってみて、一体採算とれるかどうかわからないという話でしたが、加入年齢の制限なんですが、五十歳あるいは五十五歳等の加入制限年齢というのがあるわけです。これを五十歳は五十五歳、あるいは六十歳は六十五歳ぐらいまで加入年齢というものを、これを引き上げたらどうか。もちろん、これには掛け金の問題その他出てくるとは思いますけれども、しかし、総合的に、ある計数を得るならば、それほど掛け金の問題に関係なしに保険というものはやれるのじゃないかというように思うのは、この表で見ましても、五歳ぐらいの違いで、わずかに二百円か二百五十円ぐらいしか違わないわけなんです。ですから、それが急に三百円も五百円も八百円も違うというようなことにならないのじゃないか、こういうふうに思うので、これはぜひひとつ検討して、加入年齢については、次の機会にどうだというやつの御返答をいただきたい、こういうふうに思います。前段は、ひとつ努力してくれるということですから、それに期待をして、あとのやつにお答えをいただいて、私はきょうはやめます。
#13
○国務大臣(小林武治君) ただいまのことはひとつ検討をして、できるだけ具体的な御返答を申し上げたいと、かように考えます。
 なお、私は、簡易保険がどうも民間保険に比べて高い、こういう評判が前々からありましたので、たとえわずかでもいいから保険料について再考する余地はないかということを私は事務当局に指示しておりまするが、一体、保険料で見たらいいのか、還元することにしたほうがいいのか、この点もひとつ考えなければならぬ。もし還元できるならば、そのほうがあるいはいいか、保険料を下げることと、どちらがいいか、こういうこともひ一とつぜひ検討しなければならぬと思いますが、民間よりかどうも政府保険のほうが不利であるというようなことをいまだに言われておることは、私は、国営保険としてはあまり適当でない、こういうことも考えておって、これも検討をしてもらっておる、こういうことでございます。
#14
○光村甚助君 二つだけ、御迷惑でしょうが…。
 加入保険が満期になって保険金をもらいに行く場合に、十五万円以上は戸籍の抄本か住民票が要るということでございますが、最高制限がもう百五十万にもなれば、十五、万円というのはほんのわずかです。十五万円で人を疑ったりするということになれば、募集する面にも非常に影響すると思います。百五十万円になった今日、五十万円ぐらいに引き上げる意思はないかどうか、それが一点1いや、引き上げてもらいたいということです。意思があるかではない。
 それからもう一つは、人の命がだいぶ延びたというのですが、昔は人生は五十年と言いよったのだけれども、いま七十歳ぐらいまで生きている。八十歳ぐらいまでの満期の保険ができないか。その二つをお聞きしたい。
#15
○政府委員(武田功君) 第一の点の満期保険金受け取りの際の手続でございますが、これは現在、約款でも、戸籍謄本または抄本あるいはまた住民票というものを持ってきていただくということにしておりますが、手続の簡素化その他、先生のお尋ねのような趣旨もございまして、三十七年から大体手続を簡素化いたしまして、そうして十五万円以下の場合は要らないと、こうしております。十五万円以上でございましても、住民票といったようなものは比較的簡単にとれますので、いまもってそれを続けておるわけでございますが、ただ、私どものほうといたしましては、今度制限額も上がれば、なるほど、それに伴ってそういう扱いも少し変えてもいいかと思いますので、検討させていただきますけれども、ただ、これは保険に入りますときに、謄本とか、そういうものを添えて申し込みをするわけじゃございませんので、その点で年齢の違いとか、いろいろと、最後の満期になりましたときに、かなりそういう事例が出てまいります。したがいまして、やはりそのときに計算変えをしなければいけませんので、そういうことも考えまして、一応住民票でもいいからはっきりとした書類をつけていただきたいと、こういうふうにしております。
 なお、額の点が、十五万円は、あるいは五十万だったらこのごろはそう問題じゃないじゃないかと、こういうような御趣旨でもありますれば、この点は検討させていただきたいと思います。
 それから、もう一点の、八十歳満期とかいったようなもので、保険の種類でございますけれども、これはまあ、簡保はこの制度を立てます当初から、終身保険というものを一つの保険の最も保険的なものであるということでつくりまして、それと、それから養老と、こういう立て方にしております。民間のほうは、終身という種類じゃなしに、八十歳満期、八十五歳満期と、こういったような養老保険的にしているのです。かりに平均寿命が延びたと申しましても、生残表の上から見ますと、八十歳、九十歳という高齢はそう数はふえてもおりませんし、そう多いようでもございませんので、実質は、私のほうの養老とあまり変わらないのじゃないかと思います。ただ、まあ最近こういったような需要が相当ありといたしますれば、私どものほうも、特に終身ということばをきらう向きもございますので、もう少し検討さしていただきたいと、こう思っております。
#16
○委員長(森中守義君) ちょっと速記とめて。
  〔速記中止〕
#17
○委員長(森中守義君) 速記起こして。
 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○委員長(森中守義君) 御異議ないと認め、本案に対する質疑は、これにて終局いたします。
 なお、討論採決は次回に譲ることといたします。
 次回は七月十一日火曜日午前十時を予定し、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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