くにさくロゴ
1967/07/13 第55回国会 参議院 参議院会議録情報 第055回国会 逓信委員会 第18号
姉妹サイト
 
1967/07/13 第55回国会 参議院

参議院会議録情報 第055回国会 逓信委員会 第18号

#1
第055回国会 逓信委員会 第18号
昭和四十二年七月十三日(木曜日)
   午前十時五十九分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 七月十三日
    辞任         補欠選任
     迫水 久常君     鬼丸 勝之君
     鈴木  強君     久保  等君
     白木義一郎君     二宮 文造君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         森中 守義君
    理 事
                植竹 春彦君
                寺尾  豊君
                西村 尚治君
                森  勝治君
    委 員
                鬼丸 勝之君
                古池 信三君
                郡  祐一君
                新谷寅三郎君
                平井 太郎君
                谷村 貞治君
                安井  謙君
                久保  等君
                永岡 光治君
                光村 甚助君
                横川 正市君
                二宮 文造君
                石本  茂君
                鈴木 市藏君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  小林 武治君
   政府委員
       郵政政務次官   田澤 吉郎君
       郵政大臣官房長  竹下 一記君
       郵政省簡易保険
       局長       武田  功君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        倉沢 岩雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和二十二年以前の郵便年金契約に関する特別
 措置法案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(森中守義君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 初めに、委員長理事打合会の結果について御報告いたします。
 本日の委員会においては、昭和二十二年以前の郵便年金契約に関する特別措置法案に対する質疑を行なうことになりましたので、御了承願います。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(森中守義君) まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日付をもつて、白木義一郎君が委員を辞任され、その補欠として二宮文造君が選任されました。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(森中守義君) これより議事に入ります。
 昭和二十二年以前の郵便年金契約に関する特別措置法案を議題といたします。
 御質疑のある方は、順次御発言を願います。
#5
○光村甚助君 この前、自民党の西村委員から質問されたようなことと大体似たり寄ったりなんですが、私は社会党の立場として御質問申し上げたいと思います。
 初めは私はこの法案は賛成したほうがいいんじゃないかと実は考えていたんですが、内容をよく検討すると、反対せざるを得ないというような考えに最近変わっているんです。それはどういうことかといいますと、契約者の間からも、たまに私たちのほうに電話がかかってくるわけですね。小額の年金もらいに行くのに、相当の電車賃を使って取りに行くのは困るから、何とかしてくれないかという電話なんかがありますので、こういう措置を講じたほうがいいのではないかという個人的意見を持っていたんですが、よく皆さん方の意見を聞いておりますと、どうしても賛成できないということです。そこで、この特別措置をとろうとする理由を、あなたのほうからいただいたやつに書いてあるんですが、どうしてもそれだけでは納得できない。先ほど言いましたように、契約者の要望もあるんですが、大部分の内容は、郵政省の私は便宜主義じゃないかと思いますが、もつと、これに書いてある以上に、もう少し詳しく御説明を願いたいと思います。
#6
○政府委員(武田功君) この特別措置をとるに至りました動機でございますが、戦前から契約されております年金は、戦後の異常な社会情勢の変動によりまして、現在として見ますと、この対象になっております六十万件をとりましても、平均百七十五円というような非常に小額な年金でございます。したがいまして、現在から見れば、もう年金としての価値が薄れておる、こう言わざるを得ないわけでございます。また、こういう小額の年金を年一回、大体小額でございますので、年一回払おうということにいたしておりますけれども、それをそのつど郵便局まで取りに来るという手間もたいへんなことでございますので、ぜひそういうような手間を省いて、そうして加入者の便利をはかりたい。また、かねてからお尋ねのように、あるいは物価にスライドをさせてくれというような御要望も熾烈なものがございましたが、私どもは、いろいろと関係方面とも討議いたしまして、その結果、やはりこの年金の性格上、これをスライドさせるというようなことはとうてい困難でございます。したがいまして、そうなりましたら、むしろこの際、多少時期はおそくなったわけでございますけれども、一時的にこれをまとめて支払って、そうして今後の加入者の不便を取り除いてあげるということが、やはり一番筋ではなかろうか、こう考えたわけでございます。そういたしますことによって、あわせて、年金事業といたしましても、その経営の効率化もはかり得るというわけでございます。私どもの内部的な便宜というよりも、やはり加入者の利便ということをまず第一に考えたわけでございます。したがいまして、今度繰り上げて支払います関係上、加入者の心情も考え、また、いままでの事業に対する貢献度、また、今後のそういったような効率化に対する報労的な意味も含めまして、特別付加金をつけて、そして、この際整理をしたい。ただ、時期がもっと早い時期にやるべきであったかもしれませんけれども、つい今日に至ったわけでございます。
#7
○光村甚助君 どうも私は保険局長の答弁はこじつけだと思うのですよ。あなた方は、これにも書いてあるように、「買える恩給」として、国営事業を信頼して入ったのですよ、実際に。それを、物価が上がったからといって、契約者のためにこれはやるので、国の便宜主義じゃないとおっしゃるのですけれども一、契約者がそのころ土地でも買っていてごらんなさい、いまごろ相当にもうかっていると思う。だから、契約者の便宜のためにこれはやるというのじゃなくて、国もほとほともてあましているのではないですか。そういうこと、あなたとここで議論してもこれはもうしかたがないのですが、二十二年の十二月三十一日以前の契約者に限った理由はどういうことなんですか。また、それからも一だいぶ物価がどんどん上がっているのですが、将来またこういうこと再び起こらないですか。
#8
○政府委員(武田功君) 先ほども申し上げましたように、この動機が、主として戦前の契約、こういうことを第一といたしまして、これを整理をはかることが妥当なことではないかということから発足したわけでございます。したがいまして、いつの時期をもってするかということが、いろいろと問題になるわけでございます。端的に申し上げますと、あるいは戦前ということで、あるいは終戦時をもってその区切りとしてもいいかとも思いますけれども、たまたま、この二十二年、二十三年あたりが非常に激変なときでございまして、制度的にも、最高制限額を例にとってみますと、二十一年の十月には六千円、それが二十三年の一月には二万四千円に上がった、こういうようなこと、また、最低制限額の点でも、三十円から二百四十円に上がった、こういうこと、これら彼此考えまして、制度的に入り得べき時期ということを主にして、一応この辺で区切りをつけたほうが妥当ではなかろうか、こう考えた次第でございます。ただ、仰せのように、額で何円以下のものがどうだというような点も一つの基準かと思いますけれども、やはりこれは任意年金でございまして、その中には、定期年金もございますし、いろいろとそういう内容から見ますと、額の多寡で基準を立てるということはやはり適当ではない。したがって、時期で切ろう。時期で切るならば、制度的に大きく変わったところで一つの区切りとしよう、こういう意味で、二十二年の十二月の末日までをもって区切りとしたわけでございます。
#9
○光村甚助君 契約者は国営事業を信頼して、老後の生活保障を郵便年金に託した事情にかんがみ、とあなたのほうでもおっしゃっているのです。郵便年金法の二条の二に、国が保証するというのは、年金額の実質的価値を維持するということで入ったのじゃないかと思うのです。これは、あなたのは苦しい答弁になると思うのですけれどもね、どういうお考えなのでしょうか。非常に無理な質問かもしれません。
#10
○政府委員(武田功君) 確かに戦争中は、ああいったような異常な事態でもございましたので、いろいろな方面が戦争遂行のために力を向けておったという時代であったと思います。したがいまして、御指摘のように、募集にあたりましても、そういうことが特に強調されたということは、これはもういなめない事実でございまして、私どもも、非常にそういうことのためで入られた加入者の方にはお気の毒に思います。ただ、この制度のたてまえ等から申しまして、やはり郵便年金は任意年金でありますので、全体の仕組みが他の強制保険のようなわけにまいらないわけでございます。そういうことから、結局、この年金そのものの契約を履行するという以外に道がございませんでした。また、法律におきましても、国がその支払いを保証するというようなことがございます。ただ、あるいは言いわけがましくなるかもしれませんけれども、この第二条の二は、この法律及び約款に基づきました契約についての支払いを国が保証するということ、こういうようなふうに解釈しておりまして、もしこれが事情変更によって、この契約内容が自動的に変わるというような点でございますならば、昨今できております国民年金法とか、あるいは厚生年金法のように、明確な規定がなければできないのではないかと、こう解釈しておる次第でございます。
#11
○光村甚助君 この間の西村委員の質問に、大臣も年金やめたらどうだと思っているというお話があったのですが、やめたらどうだと思うということは、契約者がなくなるということですね、なくなるから、そういうお考えが出ると思うのです。一時金を支給して契約を消滅させるというようなことになった、そうなると、契約者は郵便年金に入っているよりか、土地を買うか、株でも買ったほうがいいじゃないかという考えが自然出てくると思うのです。だから、契約者が少なくなって、維持が困難になるからやめようかということよりか、国民年金やほかの年金のように、スライドをするというようなことはできないものですか。それというのは、ただ金を貸していただけでは、これは貨幣価値が下がってくると、同じだから、ある程度不動産に投資するとかなんとかして、郵便年金といって名を売ったものを、こういう時代になったからもうやめるのだということは、私は郵政省にとっても不名誉なことだと思うのです。何とか便法といったって、そう簡単に便法が出るわけじゃないのですけれども、将来スライド制をとるというようなお考えはございませんか。
#12
○政府委員(武田功君) 先般の大臣の答弁の内容は、常々私どもも検討しておりますし、また、あるいは郵政審議会、あるいは行政管理庁あたりからの勧告等にも一部指摘もございます。そういうことから見まして、現在、社会保障あるいは社会保険というものが相当進んできておるときに、この任意年金の存在がどうであろうかということ、また、一般の需要がこういったような長期のものにどの程度の魅力を持つかという点、こういう点を総合勘案した上で、これを検討していけば、将来あるいは存廃の問題まで突き詰めていかなければならないと、こういったような御答弁であったかと思います。
 いまお尋ねのスライドの問題でございますが、私どもも、今後将来におきましては、戦後のあのような異常な物価の変動とかいうことは、おそらくもうあり得ないだろうと思っておりますけれども、ただ、こういう年金的なもののやはり一番の魅力というのは、仰せのような、あるいはスライドと申しますか、変額年金的なものであろうかと思います。したがいまして、私どもも、変額年金の創設というものが可能であろうかということをいろいろ検討しております。ただ、現在のところでは、確かに御指摘のように、この運用という点においては、とうてい理想的な変額年金をつくることは困難ではなかろうかと、こう思っております。ただ、まず、この整理が終わりましたら、私ども、一般的に年金の問題と真剣に取り組みまして、変額年金なり、あるいは企業年金的なもの、そういったような新種年金の創設を突き詰めて検討していきたいと、こう考えております。
#13
○光村甚助君 あなたのほう、これを持っておりますか。この二ページにも「取扱期間内に、上記のアによらないで年金契約が消滅したものについては、特別付加金のみを支給する。」とあります。これはどういうことなんですか。
#14
○政府委員(武田功君) ただいま拝見いたしましたこの案は、これは当初立てておりました一案でございまして、いまこの委員会に御提出しております法案の内容とは変わっております。
#15
○光村甚助君 それはどうも失礼しました。
 まあ、この財源が問題になるのですが、二十二年以前の契約者の積み立て金は、当時どういう方面にお使いになっていたのでしょうか、まあ軍事費とか、いろいろうわさされていますが。
#16
○政府委員(武田功君) 大体保険、年金をあわせまして、積み立て金の運用は、戦前と戦後とそう大きく差はございません。かりに戦前の昭和十八年ごろをとってみますと、社債、株式が約二〇%、それから公債が一九%、地方債が二一%、その他地方団体の貸し付けと、そうしてなお三十数%を預託すると、こういう形で運用しておりまして、十一年−十五年ぐらいのところが公債がかなり多くなっておりますが、十八年ごろになりますと、現在申し上げたような程度の比率でもって運用されております。
#17
○光村甚助君 まあ軍事公債なんかも相当に買っておられる。そこで、私たちが問題にしたいのは、その財源を企業内でまかなうということが、社会党が一番不満に思っていることなんです。その理由は何かと申しますと、御承知のように、去年ですか、農地報償が通りましたね、それから今度も、在外財産を補償しろという法律が通るのです。それにもかかわらず、年金を積み立ててだいぶ――全部とは言いませんが、いまお話しのように、公債も買っておられるのですよ。それを私が、企業内でこれをまかなうということに非常に不満を持っているのです。これは西村委員からも質問がありましたけれども、私はまだ納得できませんので、もう少し詳しく御説明願いたい。
#18
○政府委員(武田功君) これに要します原資が約三十億でございます。そのうちの半分の十五億は、大体これは契約準備金で積み立てておりますので、残るところの特別付加金として出します分の約十五億が、これが剰余金をもって財源としよう、こういうふうにしたわけでございます。確かにこの点、そういういわゆるプラスアルファ的なものは、あるいは一般会計で出すべきじゃないかという御議論もございます。私どもも、そういう意見を受けまして、関係方面ともいろいろ折衝したのでありますけれども、ただ、繰り返し申し上げますように、この任意年金であるところの郵便年金、これは本来の仕組みから、やはりすべてのことを企業内で処理するということと、それから類似の保険にいたしましても、貯金にいたしましても、いろいろ制度はございます。そういうものとの関係等から考えまして、やはりこの措置は企業内でやらなければならない、こういうふうになったわけでございます。
#19
○光村甚助君 これはあなたと議論しても平行線をたどると思うのです。これは西村委員の質問に大臣の答弁もありましたがね。いま大臣がいませんから、議論はしませんがね。任意のものだからといって、企業内でやる、農地報償もわれわれの税金で出す、私にはちっとも関係のないことなんですね。権外財産だってそうなんです。しかも、この年金の積み立て金のうち、いわゆる公債を買って、時のやはり戦費にだいぶ協力しているのですね。それにもかかわらず、やはり契約者の積み立てとか、それだけでやって、一般会計から出さないということは、ここで議論しません、大臣がおれば議論しますが、これは納得できない。これは社会党の納得できない第二点なんです。いわゆる圧力団体があれば政府も出す、年金契約者が五十万か何ぼあるそうですが、これも組織すれば相当の圧力団体になると思う。ここら私は納得できないのですが、さっきも言いましたように、議論はいたしません。
 そこで、この契約準備金というのですか、それはやはり二十二年からこちらに契約した人もその準備金の中に入っているのでしょう。そうしますと、二十二年以前の人たちの契約を解除してそれを出すのに、二十二年からこちらに契約した人の積み立てからも出すというのは、非常に不合理じゃないですか。私は年金に入っておりませんが、もし入っておれば文句言います。おれが入っていままで積み立てたやつで、何で戦前のやつを補償せんならぬか、こういう点はいかがですか。
#20
○政府委員(武田功君) 先ほどもお答えいたしましたように、特別付加金の分について、その財源を剰余金に求めたという次第でございます。しからば、その剰余金でございますが、確かに、いま発生しております年間二億ないし三億の剰余というのは、この六十万件の契約も含めて、現在ある契約の積み立て金から生じますところの剰余でございます。大半は、確かに仰せのように、新しい高額の契約というものから出てくることは事実でございますが、ただ、この高額者に対する支払い準備の点は、これは契約準備金で積んでおりますので、その点は不安はございません。ただ、特別付加金をこの剰余金に財源を求めたという点に問題があろうかと思います。私ども、先ほどから申しますように、企業内で措置をするということに相なりました上は、やはり財源としては剰余金をもって充てよう、ただ、今後の分につきまして、なお引き続き年間の剰余も出てまいりますわけでございますので、できるだけ早い機会に、支出をいたしました剰余金の分を補てんできるように、運用の面でもできるだけの配慮をして、これを補てんしていこう、こういう考えでございます。
#21
○光村甚助君 これぐらいにしておきましょう、納得できませんがね。
 これが通ったら、この周知方法はどういうふうにやられますか。
#22
○政府委員(武田功君) 郵便局と地方保険局を使いまして、まず各加入者に案内を出します。また、新聞、ラジオ等も利用いたしまして、一般的にも周知をはかりまして、なお、現在支払い中のものは郵便局ですぐわかりますけれども、だいぶん支払っておらない分がございますので、そういう面につきましては、あるいは住所のわからないのもあるかもしれません。私どもは、そういうものにつきましては、本籍調査を進めるなり、できるだけの手を打ちまして、事前に十分徹底をはかりたい。ちょうど実施まで相当期間がございますので、それだけの努力を積んだ上で、できるだけの多数の加入者の申し出を受けたいと考えております。
#23
○光村甚助君 さっきの質問をちょっと蒸し返すようになるのですが、恩給はやはり今日まで十二回改定が行なわれているそうです。統計で聞きますと、最低が百二十一倍から、最高三百十九倍までスライドされているということなんですがね。先ほども大体聞いたのですが、今後こういうことはどうしても考えられないのですか。ただ、いままでどおり、郵便局の外勤に、年金を取ってこい、ことしの割り当ては何ぼだということで、新しい年金も何もお考えにならないのですか。
#24
○政府委員(武田功君) 先ほどもお答えいたしましたように、私どもの研究課題の一番大きな問題は、変額年金でございます。その変額年金の検討にあたりましては、お尋ねのように、企業内でやる限度というものも明らかになりますので、さらに、それの上にどういうふうにするかということは、ひとつ今後、御指摘の点もあわせまして検討しておきたいと思っております。
#25
○光村甚助君 大臣がお見えになりましたので、一言だけ。いま政府委員のほうから聞いたのですが、この間西村委員からも質問があったのです。戦前の年金の運用の率もお聞きしました。そうすると、やはり軍事公債にも使われていたようですね。去年の農地報償で千数百億、今度、在外財産の補償で千九百億というのが一般会計から出るわけですね。農地報償も在外財産も一つも私はもらわないのだけれども、私の払った税金からも払う。片一方、年金を積み立てて軍事費にも使ったやつが、一般会計からもらわずに、企業内の金で払う。しかも、二十二年からこっち年金に入った人も幾らか負担する、どうも私どもは納得できない。わずか三十億のうちの半分ぐらいをどうして、時の政府が使ったのですから、一般会計から出せないのですか。この間、西村委員に対する大臣の答弁を聞きましたが、これが私ども社会党が反対する一番大きな理由なんです。圧力団体が小さいから、それでこういう案が出るなんという、ひがんだことは言いませんが、これは片手落ちじゃないかと思うんですがね、ひとつ大臣のお考えをお聞かせ願いたい。また、将来、ついでに言っておきますが、二十二年からこっち年金に入った人も、こんなに物価がどんどん上がれば、またこういうことが起きかねないと思うのです。その点について、さっき政府委員からもお聞きしましたけれども、大臣からひとつもう一度お聞きしたいと思います。
#26
○国務大臣(小林武治君) これは一応の議論としてあり得ることであって、一般会計からある程度見てもらいたいということは、これは私どももやはりそういうことも一つ考えたのでございます。したがって、その向きと折衝も十分した、こういうことでございますが、しかし、この問題はこの問題だけで片づかない、他にいろいろ波及する問題がございまして、こういう特別会計でやっているものに一般会計からある程度の繰り入れとか、こういうような手段をとるということは、ほかのいろいろの問題に関係があるから、これだけの決定はできない、こういうことでいろいろ折衝いたしましたが、われわれとしても、この際、この問題の処理としてはもうやむを得ないと、こういうことでわれわれもこれでがまんをした、こういう事情があるのでございまして、私は、この委員会のそういう議論に対しては、それはもう条理が通らないと、こういうふうな考えを持っておりません。そういうことも考えられると。しかし、これはこれだけの問題でなくて、非常にいろんなことに波及するというふうな事情もあったのでありますから、郵政省として、あるいは政府としては、このような結論にやむを得ずなったと、こういうふうにひとつ御了承願いたいと思います。
#27
○光村甚助君 重ねてお聞きしますが、特別会計でやっていたから知らないんだと。当時の軍事公債でも買っていなければいいのです。これは相当投資しているんですね。そうすると、一般会計に寄与しているわけなんです。それが一つと、一つは、あなたのほうで、これはいまこの案は出しておられないそうですが、ここにもあなたのほうで出しておられるこの特別措置案に、「これらの契約の加入者は、「買える恩給」として国営事業に信頼し、老後の生活保障を郵便年金に託した事情にかんがみ、」−政府のほうでも、「買える恩給」、国営事業を信頼し、老後の生活を保障する、こうして契約をとっておるわけですね。郵便貯金なら、これは昔の、戦前の郵便貯金なら私たちも納得しますがね。しかも、政府事業が「買える恩給」ですよと言って宣伝して、そうして、やったものが、特別会計だからといって、わずか今日百五十円だとか、あるいは千円だとかいって、それで政府の人たちの良心は一体私はどういうことなんだろうかと思うんです。これは大臣を責めてもしかたがないんですけれどもね、これでは年金は、郵便局の外務員が募集に行っても、年金に加入する人があるでしょうか。いまも保険局長に言ったのですが、将来この年金事業をやっぱりずっとやっていかれるつもりなんですか。
#28
○国務大臣(小林武治君) これの問題については、前回もここでお答え申し上げましたが、年金事業そのものについては、一つの岐路にある、どうするかというふうな存廃に関する問題まで、この際検討しなければならぬと、かように考えております。ことに、いまの年金が現在でも年額三千円、かようなものはもう全く年金の機能は持っておらぬと、こう言えるのでありまして、私は先般も、厚生年金も一万円、また、国民年金も夫婦一万円と、こういうふうになってきておりまするから、少なくとも、現在一万円ぐらいにならなければ年金の値打ちはないということは、もう、一つの常識ではないかと思うのでありますから、こういう毎度自身にも考察を加えるとともに、年金そのものを一体やるのか、やらぬのか、こういう問題も考えなきゃならぬ。年金というものが世間の信用を非常に失墜しておるということは、もうお話のとおりでございますから、さようなこともひとつ根本的に検討したいと、かように考えております。
#29
○光村甚助君 まあ行管からの勧告もあるようですが、ひとつ郵政省はその場限りじゃなくて、ひとつ年金制度については抜本的に今後考えていただきたいと思います。
 この措置ができますと、地方保険局とか郵便局等の要員対策ということは一体どうなんですか。
#30
○政府委員(武田功君) 地方保険局及び郵便局の年金事務に携わっております要員は、この六十万件全部整理されますと、やはりそれに伴って若干減員をせざるを得ないと思います。ただ、現在のところ、いろいろと支払い事務の合理化をはかっております関係で、件数に比較いたしましてこれに当たっております従事員の数は非常に少なうございます。したがいまして、この六十万件の契約もほとんど集金はしておりませんし、また、支払い中の数も少ない、こういうところから見まして、もしかりに六十万件全部明年度に終了した、こういうふうになりますと、おおむね百人近くの減員になるのではなかろうか、こう思います。これは郵便局と保険局合わせました数でございます。ただ、この措置法のたてまえが、加入者の選択権を認めまして、申し出のあった分だけについて整理をする、こういうふうになっておりまするので、この二年間の整理期間中にどのくらいの申し出があるか、その数によりまして、ただいま申し上げました減員数は相当変更される、こう思いますけれども、まるまる取りに来たということを仮定いたしまして、二年間で約百名近い減員、こういうふうなわけでございます。
#31
○光村甚助君 この措置で三十億という金が出ていけば、年金勘定の剰余金が少なくなる。そうすると、年金資金の運用ということは一体どうなるのでしょうか、その見通しをちょっと聞かしていただきたい。
#32
○政府委員(武田功君) これは剰余金が現在二十三、四億ございます。その中で、二年間で使います分が約十七億、こういうふうになりますので、剰余金そのものが全部ゼロになるわけじゃございません。それから、なお、積み立て金といたしまして現在二百数十億ございますので、この分の運用によってその剰余もまた出ていくわけでございます。なお、私どもは、保険、年金あわせまして積み立て金の運用をやっておりますので、たとえば高利回りの債券部分等をできるだけこの年金勘定のほうの積み立て金の運用に回す、こういうことによりまして、一分でも五厘でも運用利回りを上げて、そうして剰余金の不足分を補てんしていこう、こういう考えでございます。
#33
○光村甚助君 この特別措置は、沖縄在住の人にはどうなりますか。また、相当これは問題になると思うんですが。
#34
○政府委員(武田功君) これは二十二年末以前の契約でございますので、沖縄の分も当然この対象に入ってくるわけでございますが、御承知のように、沖縄の問題は、郵便貯金、保険、簡易保険を含めまして、年金の問題も現在支払いができないような状態になっております。この問題につきましては、沖縄の加入者の方の要望と、当方の支払う額との間において、かなりの開きがございますので、まず、沖縄問題の解決の中において、この沖縄の年金問題も同時解決をはかっていきたいと思いますが、内地の方に対してのこの措置の精神なり趣旨は、沖縄の加入者の方にも十分行き渡るような配意をもって、沖縄問題の解決のときに同時解決したい、こう考えております。
#35
○光村甚助君 今度の措置法案が通れば、一番多くもらうのは幾らか、一番少ないのは幾らくらいの金額ですか。
#36
○政府委員(武田功君) 一番高い場合は、おそらく二十二万前後の方が出てくると思います。二十二年十月一日加入で、当時二十歳の女子の場合をとってみまして、これが三十年保証即時終身年金の年額六千円というものに入ったと仮定いたしますと、この方は二十二万八千三百円、大体この辺が一番高いところじゃないかと思います。それから一番低いほうは、二十一年九月三十日加入の当時六十八歳の男子、即時終身年金で年金額が三十円、こういう例をとりますと、この方は千八百九十円。ただし、これは一番新しいものでございますので、付加金の額も少し少なくて千八百九十円、この辺が一番低い額じゃなかろうかと思います。
#37
○光村甚助君 保険法がこの間通って、最高制限額が上がったのですが、年金でも最高制限額を引き上げるお考えはないですか。
#38
○政府委員(武田功君) 確かに御指摘のように、年金の制限額につきましても、そのときに応じて保険同様に引き上げるべきであったかと思います。この点は、あるいは怠慢の御非難も受けなければならぬかと思います。ただ、戦後、保険事業の建て直しということに全力を省としてはあげておりまして、そういう関係もございますのと、年金では、本件のごとくいろいろとむずかしい問題がございましたので、実は年金のほうはそのままにして今日に至っております。私ども、先ほどから申しますように、できるだけ早い機会に、また限度額も上げて、そうして同時に、新種年金の創設ということに真剣に取り組みたいと考えております。
#39
○光村甚助君 保険では第十回生命表を使っているのですね。年金では第五回生命表を使っているのはどういうことですか。これも一緒にできないのですか。
#40
○政府委員(武田功君) 多少年金と保険とは扱いが違いましたので、現在の姿はそうなっておりますが、これも今後は新しい生命表を使うほうが妥当だと思います。
#41
○光村甚助君 最後に要望しておきますが、先ほども大臣にも言ったように、郵便年金は大正十五年ですか、それからだいぶ郵便年金で名を売っているわけですが、これがじり貧におちいってこれをやめなくちゃならないというところまで追い込まれておるということは情けないということで、大蔵省あたりが進めておる変額年金制度とか、いろいろなものを今後研究していただいて、郵政省の中から郵便年金が消えていかないような、何か新しい年金を考えていただくように要望しまして、私の質問を終わります。
#42
○委員長(森中守義君) 午前中の質疑はこの程度にとどめ、午後一時零分まで休憩いたします。
   午前十一時四十五分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時五十五分開会
#43
○委員長(森中守義君) 休憩前に引き続き、逓信委員会を開会いたします。
 この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日付をもって、鈴木強君が委員を辞任され、その補欠として久保等君が選任されました。
    ―――――――――――――
#44
○委員長(森中守義君) 午前中に引き続き、質疑を行ないます。
 御質疑のある方は、順次御発言を願います。
#45
○石本茂君 私は、いま提出されておりますこの特別措置法案の趣旨には賛同しておりますのでございますけれども、この際、関連いたしております一、二のことにつきまして、非常に未熟な条件の中で質問さしていただきたいと思っております。
 その一つは、まずお伺いしたいと思いますのは、現在郵便年金の加入者の現状でございますが、ごく最近の加入件数とその内訳といいますか、いわゆる終身年金と定期年金に分けまして、その辺の状況をお聞きしたいと思います。
#46
○政府委員(武田功君) 四十一年度の新しい契約でございますが、件数で一万七千二百八十五件、年金額五億二千六百六十二円というのが、四十一年度の新契約でございます。それを合わせまして、現在の郵便年金の総契約は、件数で百九万四千三十三件、年金額といたしましては六十三億七千六百四十一万三千円というのが現状でございます。
 なお、お尋ねの種類別に申しますと、これは大体比率で御説明申し上げますが、定期年金がほぼ八八、九%でございまして、その差が終身年金というふうになっております。
#47
○石本茂君 そこでお尋ねしたいと思いますのは、これは昨年の九月の二十六日でございましたか、行政管理庁のほうから郵政省にあてまして、年金制度に対する勧告がありました。その要旨を拝見いたしますと、そこには、資金運用のこともございますし、この制度につきましては抜本的にやはり考えるべきこと、またさらには、今回出されましたような小額のものについての意見があったと思うのですが、これに対しましては、本年の五月に郵政省が回答されておりまして、この要旨を拝見しておりますと、この後段のところに、今後老齢年金たる終身年金を中心として発展を考えるべきであると、特にこれは任意年金制度でございますから、郵便年金の果たすべき役割りは非常に大きいのだということが書かれておるわけでございます。いまお伺いいたしますと、むしろ、この定期年金のほうが非常に大きな率を示しておりまして、約一割そこそこが終身年金の加入者であるというふうなことから考えますと、はたして、ここに書いてありますように、老齢年金でありますところの終身年金を中心に、どのように一体今後一割のものを三割、五割とふやしておいでになりますのか、その辺の御所見を伺いたいと思います。
#48
○政府委員(武田功君) 私ども、やはり年金制度を考えますときは、年金の本来の趣旨はやはり老齢年金ではなかろうかと、こういうことがこれは基本的な考えでございます。行管の勧告の趣旨は、御案内のように、現在のいろいろ公的年金が進みました今日、こういう任意年金がはたしてどういうふうにいくのかということについて抜本的な対策を考えろ、こういう趣旨でございまして、やはりそういうことを受けまして、私どもも、基本的には、終身年金あるいは老齢年金というものが主でなければならないと、こういう基本的考え方をここに述べたわけでございます。ただ、確かに御指摘のように、現在やっております年金そのものは、先ほど申し上げましたように、定期年金がほぼ大半を占めております。ただ、これは多少言いわけになりますけれども、募集上の難易の問題もございます。また、一般の国民の方の需要の動向もございます。特に今回お願いしておりますようなこの特別措置の対象になる六十万件にも及ぶ小さい契約、これがかなりいまの年金事業の伸展に一つの壁になっておるわけでございます。まず、それを取り払うために、私どもはこの措置を考えたわけでございますが、そういうようなところからいたしまして、募集もこの数年来目標額を変えないで、そのまま据え置いた形で進めてきておりますので、こういう姿になっておるわけでございます。ただ、確かに、今後年金制度の持って行き方というものを十分検討しなければなりませんが、いま私どもも、一般の需要動向をどう分析判断するかということと、それから公的年金の間にあって、こういうような任意年金をはたしてどこに位置づけするかということに苦慮しております。もう少し時間をいただきまして、その動向を見きわめた上で、あるいは御指摘のように、定期年金を主体とするような立て方になることも考えられると思いますが、この行管に回答いたしました当時は、年金の本来の姿、あり方ということから、こういったような回答を出したわけでございます。
#49
○石本茂君 そうしますと、現実ではございませんので、これは一つの理想といいますか、そうありたいと、そうあるべきだということを強調されたということは理解できるわけでございますが、今回のこの特別措置法の対象になりますものを見ましても、当時のお金にいたしますと、二百円といえば相当な金額でございますが、現在それが四千円あるいは五千円というものになりまして一時的にいただきましても、ほんとうに一カ月のお小づかいにも満ちませんし、着物一枚すらも買えないというような現状を考えますときに、こういううたい文句もけっこうでございますけれども、それもできないかもしれない。現に一割しかいないのだという現実を分析されますと、一昨日も大臣も申されておりましたが、年金法につきましては、存続するか廃止するかという存廃論まで出てきているのだということを申されておりますので、こういうふうな理想的なことばじゃなくて、ほんとうに真剣にどうあったら国民のためにこの制度を維持していけるかと、あるいは、ためになるのだということをお考えいただく文章が、私は一国民の立場に立ちまして、ほしいと思うわけでございます。
 それから、なお重ねましてですが、これはもちろん恩給とは違いますし、それから、いま盛んに言われております例の海外の財産補償でございますとか、あるいは農地報償でございますとかということで、大きな経済の変動等に伴いまして起こってまいりました諸条件、もろもろのことをいま国家が非常に大きく取り上げようとしておりますし、また、取り上げておりますときに、任意だからしかたがない、それはもうやむを得ないのだ、戦争に負けたんだ、経済の変動があったんだと言い切って今日このような措置をとられようとしますと、これは、ここにうたい文句になっております老齢年金云々と言われましても、一生懸命将来を楽しみにしまして、老後の安心感のためにここで投資してみたところで、また同じことが再び繰り返されないとはだれも保証できないわけですから、どうか、その辺にも真剣に思いをいたしていただきまして、何かよい方策を私ども国民のためにお示しいただきたい。
 ただ一つここでお伺いいたしたいと思いますのは、現在終身年金に入っておりますことによって、どのような、恩典と言ったらこれは語弊がございますが、どのような、加入者自身の得と言ってもおかしい、ことばが当てはまりませんが、入ってよかったと、入ったればこそ、こういうことの私は恩典に浴するのだと、こういうものの利用もできるのだというようなものがございましたら、この際、教えていただきたいと思います。
#50
○政府委員(武田功君) 私ども、簡保並びに年金両事業の福祉施設といたしまして、現在、ホーム及びセンター、それから診療所を持って、これを簡保年金福祉事業団で運営をさせております。ただいまのところ、ホーム、センター合わせまして二十五カ所、また近くは、明年度中には大体少なくとも各県一カ所はホームまたはセンターのいずれかができるというふうになっております。診療所も現在二十八カ所ございます。で、そういうものは他の民間保険には例のないものでございまして、私ども国営簡保事業だけの施設かと思いますが、これを利用できるということがやはり一番の恩典かと私どもは考えております。
 なお、この特別措置によりまして権利の消滅する加入者に対しましても、現在ホームに入っておられる方はもとより、まだ入っていない方でもその利用は、従来の加入者と同様な扱いをするべく、事業団のほうにも話を進めておるわけでございます。
#51
○石本茂君 その恩典のあり方につきまして伺いましたが、いまホームとおっしゃっておりますが、このホームの利用率といいますか、それからまた、利用したいと思う人がたくさんいると思うのですが、その者がどの程度現在利用できる状況にありまして、そして利用率といいますか、どの程度までに加入者自身がこれを利用しておりますのか、ごく簡単でけっこうでございますから、ちょっと一言お示しいただきたいと思います。
#52
○政府委員(武田功君) 加入者ホームは、短期の利用と長期の利用がございます。長期は、各所ともほぼ満室でございます。相当数の方が申し込みをしてはいれないというような状況で、待っておられる状況でございます。短期のほうは、平均いたしましておおむね八割程度じゃないかと思いますが、利用人員は、長期が現在のところ、四十一年度は四百二十九名、それから短期の延べ利用人員は二十二万一千人といったような数でございまして、センターのほうは、先ほど申しますように、明年度逐次ふえてまいりますので、もっともっと利用率が上がると思いますが、ホームのほうは、ただいまのところ、十一カ所の計画が終わりましたので、長期の利用は今後はなかなかむずかしいんではないか。はなはだ少ない数でございますので、加入者の皆さまに多く利用していただくというには、ちょっと数が足りないかもしれませんけれども、まあ短期のほうは相当利用率を上げていきつつあるわけであります。
#53
○石本茂君 それからもう一つ重ねてお伺いしたいのは、この約一〇%をこえました終身年金加入者の階層と言えば、ことばに語弊がございますが、どのような状態、生活環境におられます方が主として加入されておりますのか、もし当局においておわかりでございましたら、お尋ねいたします。
    ―――――――――――――
#54
○委員長(森中守義君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 迫水久常君が委員を辞任され、その補欠として鬼丸勝之君が選任されました。
    ―――――――――――――
#55
○政府委員(武田功君) 先ほど申し上げました八九%あるいは八八%対一一、二%という問題でございますが、これは件数で申し上げておるわけでございまして、いまお尋ねの階層別というのは、残念ながら、私のほうで的確なそういう調査をいたしておりませんので、ちょっと申し上げかねますけれども、あるいは、これは古い統計ではございますが、御参考にしていただけるかと思いますのは、これははなはだ古い統計でございまして恐縮ですけれども、この契約対象になっておりますものですが、昭和の十一、二年ごろにとりましたものを見ますと、大体無職と申しますか、そういったような一これは産業別でございまして、無業というのが四五%、それから商業、これが一三%程度、工業と農業がそれぞれ約一〇%、それから公務員と申しますか、公務自由業というのが一九%というところがおもなところでございまして、ちょっとお尋ねの趣旨に合わぬかもしれませんが、まあ多く、つまり、一般の中小企業と、それから農家の方というのが、当時のおも立った階層じゃないかと思います。また、最近では、それぞれいわゆる企業年金とか国民年金ができておりますので、大体商業関係、農業関係の方がおもじゃないかと思います。
#56
○石本茂君 そういうふうに考えますと、やはりこの公的な年金制度、特に昔でございますと、恩給法等の適用を受けることのできない人々が自分の老後を考えて、そういう年金を利用されたと思うのでありますが、まあ今回の措置されようとしております金額等につきましては、いまさら私のようなしろうとがどうこう言うものを持っておりませんが、どうか、今後とも、そういうことを念頭に入れていただきまして、そして、いわゆる補償される団体等というものをやはり考えていただけないものかどうか、それを一点お伺いしたいのでございます。
 それからなお、最後にもう一つお伺いしたいと思っておりますのは、この法律の第一条というところに、この法律の目的が示してございますが、そういうものを拝見しておりますと、もちろん長い年月を経てきておりますので、当時といまとは違いますが、やはり最後にはこれは福祉を増進するんだということが――国民の経済生活の安定と、そして国民福祉を増進することを目的とするんだということを示してございます。そうなりますと、やはり経済生活の安定、国民の福祉ということが掲げられております限り、任意加入であったからまあそれはしかたないんだというようなことで、必ずしもふさわしいスライドという意味ではございませんが、先刻もちょっと申しましたが、他の諸団体等におきましても、当時の情勢といまとを比較いたしまして、当時のことを持ち出しまして、海外財産を補償してくれとかなんとかという状態でございますなら、そういうこともやはり加味できなかったものかどうかということを、やはり考えたいわけでございますが、要するに、二百円が四千円になった五千円になったということは言えるかもしれませんが、何かしら心の中で少しばかりやはり安心して加入してみたところで、いまと同じことが二十年先にあったとしますと、これはやはりうっかりはいれないということで、長期のものにつきましては、終身のものにつきましては、今後非常に重点を置こうとされましても、非常に困難でありますし、むしろ不可能なような気がするのでございますが、いまお伺いいたしました二つの点につきまして、あわせて簡単な結論でよろしゅうございますが、お聞きしたいと思います。
#57
○政府委員(武田功君) 第一の今後の問題の扱いでございますが、私ども、先般来当委員会でも御答弁申し上げておりますように、今後、年金のあり方あるいは種類、また、その資金の運用という点につきまして十分検討していきたいと思っております。その中でやはり一番魅力のある年金は変額年金ということになりますれば、それを中心として創設の能否というものを検討していくことを考えております。
 それから第二点の問題でございますが、確かに、私ども、任意年金なるがゆえに、ただ単に、いわば切り捨てといったような気持ちではございませんで、いろいろと農地報償なり何なり、他の補償的なものもございます。私どもも、補償という面も考えないことではございませんでしたけれども、いままで御答弁申し上げましたように、この仕組みの問題はともかくといたしましても、他にやはり保険もございます。また貯金もございます。そういうものとの均衡、また、すでに保険にいたしましても、措置いたしたものもあるわけでございます。そういったものとの均衡等も考えまして、私どもとしては、額は必ずしも多くはございませんけれども企業としては精一ぱいの努力をして、何とかこれで今後の手間を省いて、そうして従来の契約を解除できたら解除したいと、こういうつもりで立てた次第でございますので、その点、御了承いただきたいと思います。
#58
○石本茂君 最後に一つだけ大臣にお伺いしたいと思うのでございますが、大臣は一昨日も、この郵便年金制度につきましては、もう存廃云々ということもちょっと申されておりましたけれども、これは話はちょっと違いますが、きょうの新聞でございましたが、このボーナス合戦を目ざしまして、ものすごく郵便貯金が高位を示して、他の銀行側が文句を言っておるというようなことが出ておりましたけれども、年金をそういうふうな方向に絶対持っていけないものでございましょうか、どうでございましょうか。大臣のこのことに対する所見――先日伺ったのでございますが、重ねて承ってみたいと思います。
#59
○国務大臣(小林武治君) これはいろいろ申し上げましたように、いまのところ、年金というものは少なくとも月一万円くらいなければ意味がないと私は極言しても差しつかえないと、かように思うのでありまして、まあ最低が年額三千円なんというものは、むしろこっけいである。これは当然直さなければならない。それからもう一つは、これの始まった時分には、公的年金というものはほとんどなかった時代に始まって、現在においては、厚生年金等も一万円年金、そういうものが実施されておるし、国民年金でさえ、夫婦でもって一万円と、こういうふうになっておりますから、まあ小額の年金では補完作用にもならぬと、こういうことでございます。したがって、また、いま一番顕著な戦後の変動の影響を受けたのは、この年金制度でありまするが、いろいろうまいことを言って募集した、こういう非難を受けて、政府事業として信用を一番失墜したものはこの事業でございます。したがって、また、これをおすすめする場合にも、もう少し何かこの、ためになると、また、公的年金でいけば、大体まあこれからどうやらやれるんだと、こういうときになると、郵便年金などというものが、必要そのものがなくなるんじゃないかと、こういうことも言われておりまするし、私どもは、魅力のある、何か特別なことができなければ、こういうものは世間の信用問題であり、役に立たない、かように考えております。少なくとも最低限などは、こんな状態に置いては、もう役所自体がどう思っているかというふうな、世間から疑われることもありますので、私ども、制度的に少なくとも、ある程度魅力のあるものにできないと、こういうことになれば整理も考えなきゃならぬじゃないかと、かように考えております。私どもとしては、いま話があった変額年金というようなものもありますから、もし世間の役に立つような新しい種類が入れられるなら考えるし、そうでなければ、ひとつもっと根本的に考える、なお、二十二年までで打ち切っておりますが、その後においても、とにかく小額年金というものがあって、ほとんど意味がない、これらも私は当然また考えなきゃならぬのじゃないかと思う。二十三年以降の問題についても、年金の値打ちがないと、こういうものについては、私はおっつけ考える必要はある、こういうふうに思うのでありまして、まあ世間から見て、なるほど年金だなあと思われるようなものができなければいけないと、かように考えておるので、お話のようなことは、ひとつこの際、続いて検討いたしたいと、かように考えております。
#60
○鈴木市藏君 いまの大臣の最後に言ったことから質問を始めることになるわけなんですけれども、結局、この個人の負担で老後の生活を保障するという、いわゆるいまのこの年金ですね、私はもうこれに根本的な矛盾があると思うのですよ。ですから、やっぱりこの国が責任を持つ社会保障、ここの充実、まあ拡大の方向に向かっていくべきであって、能力のある者は、まあ何とか年金というようなことでもやれるでしょうけれども、そうでなく、一般の国民の立場から見ると、やっぱり年金は社会保障制度という形で一本に統一するほうが望ましい、そうすべきだ、したがって、その掛け金をかけて、まあとにかく郵便年金のような形でやれる者は幾らかいいけれども、そうでない者との間に、やっぱり若干の老後生活という意味において、国のやる制度としては、片手落ちになる危険がある。私は、まあ民間の業者が、あるいはまあ銀行なり保険会社なりがやるというのは、これはある場合、そういう企業としてもあるでしょうけれども、少なくとも国が老後の生活を保障するという場合には、公平を原則としなきゃいけないと思うのです。その意味からいって、私は今回の、まあこの年金の昭和二十二年まで、こういう経過的な措置をとったということは、将来にわたって、郵便年金という、この制度そのものを廃止するという一布石ではないかと、そういう考え方の一つのあらわれではないかというふうに受け取ったわけですが、この考え方は一体、当局のほうにかなり成熟したものとしてあるのかどうか、この点をお聞きしたいと思う。
#61
○国務大臣(小林武治君) これはお話のように、理論的に申せば、いまの社会保障は医療保障と所得保障と、こういうことになっております。所得保障は、いまのいわゆる厚生年金、国民年金あるいは企業年金、こういうようになっておりまして、社会保障が十分に発達すれば、こんな補完作用としての個人の自己防衛というものは要らない、これは当然そういうことは言えるのでありますが、私もまあ厚生大臣やってみまして、一体、社会保障がほんとうに十分な機能を発揮するためには、国民所得あるいは国民生産が大きくならなければ、どうせ一つのものを分配するんだからして、他の公共事業にもいく、また、社会保障にもいく、お互いの分配の問題でありますから、なかなか日本の国民生産の程度では、いわゆる欧米でやるような社会保障というものはむずかしい。したがって、私は、過渡的の問題として、やっぱり個人の自己防衛あるいは個人の補完作用が必要だ、したがって、私は、郵便年金も、また簡易保険もやっぱりこれは必要であると、こういうふうに思います。ただ、年金自体が十分な機能を発揮するなら、私はまだ補完作用としての存在意義があると思いますが、いまのような小額のものはもう全然補完作用にもならぬと、ただ役所にとっても事務繁雑であり、個人によっても迷惑なことだと、そういうようになりますので、私は、ある程度の年金を月々保障できるような制度ができるなら、まだ存在価値がありますが、いまのような最低年額三千円だとか、そういうふうなものでは、これは全体の平均をいうても、月一万円にならない。少なくとも一万円くらいなければ、年金とは私は言えないんじゃないかと、かように思っておりまして、いま申すように、これらの存廃についても私は考えなければならぬ。しかも、まあ保険とか貯金とかいうのは、これは鈴木先生などは御異論があると思いますが、積み立て金等において、いろいろの公共社会資本の充実等にも役立っておるが、年金の積み立て金などはごく些少なもので、そういう意味さえもない。結局は、当初の目的が個人の所得保障という目的から出発しておって、その個人の所得保障の目的が果たされない、こういうときになっては、私は、まず今日のこの案が第一歩じゃないかということをいまおっしゃったのでありますが、とにかく、こういうばかばかしいものだけでも、できるだけ早くやめたいと、そういうことでこれは出発しておりますから、いまのような、一体、年金はどういう用をなすか、こういう本質論に立ち返って私は検討すべきものであると、かように考えております。これを今度やることは、役所の事務の繁雑も解けまするが、個人にとってみましても、非常なわずらいがなくなる、加入者にとっても、わずらいがなくなる、こう言えるのであります。役所がずるい考えをするならば、今日三十億円を払わぬでおいて、運用すればどんどん利益を生むと、こういうことになるのでありますから、将来にわたっての利息とか、あるいは運用上の利益までこの際一緒に返してしまう、こういうふうなことで、個人も、加入者にとっても、私はその点はいいことではないかと、かように思います。したがいまして、こういうことでもって、戦前の常識をはずれたようなものを整理すると同時に、今後続いてひとつ、戦後の小額年金などというものについても、私は考えをめぐらさんければならぬと、その上で一体、たとえば月一万円年金というものが、加入者が喜んではいれる、こういうふうなことになれば、私は続けていきたいと思う。そうでなければ、それも考えなければならぬと、こういうふうに考えておりまして、まあ一がいに、はっきりは申し上げかねるが、さようなことも頭に置いてこれが出ておる、こういうふうに申し上げます。
#62
○鈴木市藏君 大体、大臣がそういう御答弁ですから、事務当局もそういう方向だろうというふうに推察して差しつかえないと思いますが、そこで、いまちょっと出ましたけれども、この資金運用の効率いかんという問題ですね。これは実際は、簡保や郵便貯金と違って、非常に額が少ないし、いま言ったように、事務の手続も煩瑣だし、これは一体どういうことになっているのですか、資金運用の効率という点については。
#63
○政府委員(武田功君) 簡保、年金積み立て金あわせまして総合的に私のほうは運用をしております。ただ、勘定を分けております関係で、保険勘定と年金勘定と分かれますが、年金勘定の分といたしますと、大体七分に回っております。
#64
○鈴木市藏君 それは、七%というのはかなり高率だと思いますが、短期ではなくて、かなり年限を見たその運用効率の七%だと、こういう意味でございますか。何か具体的にひとつ例があったら示していただきたいと思います。七%を出す根拠を。
#65
○政府委員(武田功君) 運用にあたりましては、直接融資の分と、それから債券を持ちます分と分けてやっております。特に年金は、ただいま大臣からも御答弁ありましたように、額も少ないことでもございますし、また、こういったような問題もありますので、その振り割りをきめますときに、債券部分のほうを主として年金で持つと、こういうふうにいたしますと、債券の中には七・三%、四%というものもございますし、したがいまして、保険のほうがかりに六・五%ちょっとというときでありましても、年金勘定の分はそういう操作によりまして七%維持できると、こういう意味でございます。
#66
○鈴木市藏君 これは金額も少ないということもあるでしょうけれども、かなり運用の効率が、七%ということになればあるわけですから、そういう意味からいうならば、運用の面においては一応の存在価値があるということも言えるわけでございますね。この点、さっきの廃止の問題と関連がありますので、ひとつ資金運用の面では、俗なことばでいえば、味のある運用ができるかのように見えるのですが、この辺どうでしょう。
#67
○国務大臣(小林武治君) 味のあるようにしておると、実は年金のほうは金額も少ないから、有利なものを優先して充てておると、こういうことで一緒に運用しておるが、一応充てるのを、有利なほうに充てておる。ことに、これは議論があったわけでありますが、剰余金からある程度出しておる、こういうことになりますと、やはりその剰余金をまた補てんすると申しまするか、有利な運用をすることによって年金勘定のほうをひとつよくしようと、こういうふうな意向、意図もあって、いまのようなことをしております。しかし、これは全体としては、やはり年金、保険一緒に運用しております。だけれども、充てるときに、そういうふうに充当しておると、こういうことだけでございます。とにかく年金の剰余金を使うということになると、これからもできるだけそっちのほうを有利にして、そして補てんをしていきたい、こんな考えもあって、いまのような扱いをしておるということでございます。
#68
○鈴木市藏君 そこで、今度特別加算なんかをする、その倍率の根拠ですね、これは社会経済の変化と言っておりますけれども、倍率の根拠になったものはどういうものがあるのでしょう。まず項目で先に言ってもらいたい。特別加算をした根拠ですね。項目でひとつ言っていただきたいと思います。
#69
○政府委員(武田功君) 特別加算というお尋ねは、特別付加金のことかと思います。これは私ども、できるだけたくさん差し上げられればということがもともとでございますが、先刻来申し上げておりますように、企業内で措置するということになりますと、その財源の問題がございます。したがいまして、財源を見まして、大体剰余金から出す、その際の限度といたしまして、他の分配金のものも含めて今回三十億のうち十七億を出せる、こういうことから見ますと、ちょうど繰り上げ年金支払い額の平均額が二千五百円になるのでございます。したがいまして、ちょうどその倍ということにできますので、そこで、まず原資としての平均二千五百円というものをあてがいまして、それを今度は年金額と、それから経過年数と、その二つの要素をもって配分をきめたわけでございまして、お尋ねのような、どれとどれの要素をもって、ということではございません。
#70
○鈴木市藏君 あなた方の提案理由の説明の中に、郵便年金事業の運営の効率化に資するために特別措置をとろうとするものであるというのも一つありますね。効率化に資するというそのメリットは、今回の加算の中には含まれていませんか。
#71
○政府委員(武田功君) これはやはり事業の合理化ということに役立つものでございますので、そういうものは要素として入りますが、それが幾らといったような形はちょっと御説明申しかねます。
#72
○鈴木市藏君 先ほどあなたのおっしゃった、つまり、企業内処置をとったというのは、いわゆる金のやりくりの処置であって、そのことにいま言ったこと、つまり、郵便年金事業の運営の効率化に資するということから浮いてくるつまりあれは、当然やはり今回の特別付加金のほうに算入すべきだろうと思うのです。だれが考えても、そうしなければ、そこでもって廃止になっちゃうのですから、これを考えなければならないというのはどういう根拠なのかわからないのですが、当然あなたたち自身の法律の提案の一つになっているのですから、これを現在幾らと見積もろてこの金の中に加えたというのがなければならないはずだと、趣旨からいってそう思いますが、いかがでしょうか。
#73
○政府委員(武田功君) 私がただいま御答弁申し上げましたのは、どれが幾ら、これが幾らということをこまかく申し上げかねる、こういった意味でございまして、もとより私どもは加入者の利便と、そうして事業の運営の効率化、それで、この二千五百円という平均の特別付加金の性格を申し上げますと、いままでの事業に対する貢献度、また、今後のこの効率化に対する貢献度、それから、どなたにも平均余命表を適用して繰り上げ支給をいたします。したがって、加入者のこういうことに対する心情、こういう点もこの意味づけの中に入っているわけでございます。
#74
○鈴木市藏君 私は、局長、あなたはあとのほうのことば、あとのほうの答弁はつけ足しだと思うのです。つまり、これは企業内処置として行なったもので、この年金関係の剰余金によって、二千五百円を倍額にしたのだ、こういうことなんですけれども、おそらく、すべての人が考えることは、結局、物価の値上がりに対してのある程度の見合ったものとしてこれを五千円にしたのだ、平均五千円にしたのだ、これはだれが考えてみてもそうだと思います。これが非常に少ない、問題にならないほど少ない付加金ですけれども、しかし、事業の能率の向上に役立つ、運営の効率化に役立つという意味から、これをもう今回でもって廃止するという場合に、上積みするものが一体どのくらいかということは、私は試算のときに出るべきだと思う。いまあなたは答弁でそういうことを言っているけれども、おそらく付加金の金額を幾らにするかということは、これによって生ずる事務の能率の効率化に資する面を私は見積もっていなかったのじゃないかという気がしてならないのですが、この点はどうでしょうか。
#75
○国務大臣(小林武治君) これはあまり率直なお答えでおしかりを受けるかもしれませんが、これは何がしかの付加金をつけるべきである、世間でも現在打ち切りについては常識である、それを幾らにするかというと、これはいろいろと考え方があります。内容をいろいろ分析すればありますが、私ども率直に申せば、あれやこれや入れて腰だめでやった、こう言わざるを得ないのであります。それは実は、これを整理することによって、メリットも、われわれが最初勘定したときは、やっぱり一六億であるとか七億であるとかいうメリットは出ておる。しかし、これを、私が申し上げましたように、繰り上げ償還するためには、これの積み立て金を運用することによると、利益がやっぱり六、七億出る、こういうことで、これは先払いをするということでもって、いまの三十億をそのまま置けば長い間にはいまのような額が出る、それを勘定すればメリットとこれとは、一応帳消しと言ってははなはだ相済まぬ話でありますが、そんなかっこうに出た、これは途中の経過だけ私は申し上げておきます。
 それで、郵政省としましては、せめて三倍くらいは出したい、七千五百円、こういうふうなことも出したのでありまするが、結局、大蔵省とのいろいろな折衝の過程において、また、原資の関係も一あって、まあ倍の五千円、こういうふうに落ちついたということであります。
 それじゃ、その二千五百円の中に何が幾ら入っておるかというようなことは、率直に申して説明申し上げにくいことで、何やかやを入れて、一つの腰だめとして、これでひとつがまんしてもらおうじゃないかというようなことに相なったと、はなはだいいかげんな答弁というおしかりを受けるかもしれませんが、事実はそういうようなことで最後の詰めをしたということでございます。あまりはっきり申し上げて、まことに相済まないんですが、事実はそうでございます。
#76
○鈴木市藏君 私、最後にひとつこういうことも考えられないかということで、私の希望的意見を加味した質問をするんですが、この五千円を返しても、返された一時は思いもかけない金が入ってきたということになるんでしょうが、たいして喜びもしないんじゃないか。それよりも、この三十億という金を何か老人保護施設あるいはガンセンターをつくるとかいったものに、生きて使う、まとまった金でこれを使うから、済まないけれども、年金の人たちに一たとえば郵便年金記念日本ガンセンターとかということでひとつやれないものか、そういう積極的な方向での生きた使い道ということは考えられないんでしょうか。これはまとまるから三十億ですが、個々に分散すれば、いま言ったとおり、わずかな金ですから、そういうときに、やっぱり少なくとも国がイニシアをとって生きた方向でひとつこれをやる、私はそのほうが積極的だと思うんです。それでもし足りなければ、それを土台にして、いま言ったようなことを国はやる、これでひとつみんなどうだということで、むしろ、この人たちに納得してもらったほうが、はるかに何か政治として生きている感じがいたしますが、この点どうですか。
#77
○国務大臣(小林武治君) いまお話しのような御意見は当然あり得ることでございますが、実は、この法案が出るまで、非常にたくさんの非難の投書をいただいたのでございまして、こういうものをそのままにしておくあほうがあるかと、こういうおしかりばかりで、この法案が出てからほとんど投書はございません。一応これでとにかく、ある程度のものが手に入る、こういう見通しをおつけになったことと思いまするが、そういうことで個人個人にしますれば、やはりこれはもらいたいという考えがみなお強いと、こういうふうに思います。私どもは、いま社会福祉施設につきましては、すでにもう簡易保険の事業団を通じても、年に四十億円以上出して、老人ホームとか、いろいろやっておりますし、また、貸し付けにおきましても、運用の面において、お話のようなことは、ひとつ十分こたえてまいりたい、かように考えておりまして、これはとにかく、個人にお返しすることが加入者の本意にかなうのじゃないか、かように考えて、御趣旨のことは、他の方法において、できるだけ充実してまいりたい、かように考えております。
#78
○横川正市君 私は、最近の経済情勢と、それから推移というものについて、どういう見通しを立てているか、これはいろいろな学説があるからわかりませんが、この法律案は、いままで与党質問でも、野党質問でも、一様に、非常に取り扱いについては不満を表明いたしておるようですが、しかし、この不満を押し切ってこの法律が出されて、結果的に、大臣、たとえば金の呼称を、いまの呼称からゼロを二つ取って呼称をされるというように、貨幣価値が変わった場合、今度は逆にこの法律案があったために、契約案件に対して、非常に多くの損を契約者に与えるという場合も想定できないことでもないと思うんです。これは経済がどういう変動があるかわかりませんから、私は仮定のことになりますけれども、しかし、この契約を締結したときは、光村委員からも御質問がありましたように、あるいは与党質問にありましたように、この契約当時の国と加入者との間の非常に厳格な契約条項あるいは老後の安定のためのしっかりとした確約づくで契約が結ばれている、しかし、その後、経済が膨張経済をとり、インフレ経済に移行し、貨幣価値がどんどん下落をしてきて、いま証書というものは無価値になっておるわけです。それが逆に、これから数年を出ずして、もし日本の経済が名実とも一に安定経済に入り、そうして、もうフランスもイタリアも、その貨幣価値に対する呼称、いわゆる単位の置き方というものを全部変えてきているわけなんですが、そうなってまいりますと、これは現有恩給あるいはこの種の年金等の契約については、おのずと自然に価値が出てくるというふうに、時代の趨勢というものが変わってくる可能性というものはあるわけです。しかも、最近の新聞等で報道されるところによりますと、そのことは、池田さんのときには非常に強く否定しておりましたが、佐藤さんの時期に入ってから、逐次貨幣価値の呼称についてだんだん意見が強まってきておると判断をされるわけですが、そういうような場合の取り扱いとして、一体どう取り扱われるか、これは私は、インフレから今度はデフレへ変わったときの長期契約についての補償問題としての取り扱いはどう考えられているか、この点ひとつお伺いいたしたいと思います。
#79
○国務大臣(小林武治君) これは衆議院でも、こんなことをやったらデノミをするときのじゃまにならぬか、こういうふうな質問があったのでありますが、政府としては、もう御承知のように、佐藤総理大臣は衆議院でデノミというものはない、こういうものはあり得ない、こういう答弁をされておりまするし、また、政府自体がこれからの物価の上昇というものはないようにしょう、今年度も四・五%とか六%とか、こういうものでとどまる、こういうように努力をしておるのでありまして、あらゆる施策が要するに、物価の異常な騰貴のないようにということでやっておりますので、政府の立場としてはやはりそういうふうなものを予見するというようなことはいまあり得ない、こういうたてまえをとっておりまするので、われわれは、総理が政府としてデノミをしない、こういうことに信頼をするというか、そういうことを目標として考えていくべきであるということで、いまのことについては、私ふぜいがお答え申し上げることではない、かように考えております。
#80
○横川正市君 実は郵政大臣が謙遜して言われているから、それじゃこの際、だからそういう展望の論議はしなくてもいいんじゃないかということにはならぬと思うんですね。私は、これは全然別個のことで、引例することは当たらない点もあろうかと思いますけれども、私どもの逓信委員会で新谷さんの郵便法審議のときの質問があるわけなんです。それは、郵便法というのは、いわゆる労働関係の問題に事業法として罰則を云々するというような、そういう関係の労働問題には関係しないでしょうねと言ったら、時の大臣は、労働問題には関係いたしません、こういうふうに答弁をしているから、郵便、いわゆる事業法によるところの罰則というのは労働問題には関係しないものというのがずっと鉄則になってきております。ところが、中郵事件では一応意見が出て一つの結論が出ましたからいいですが、いわゆる検察当局は一つのテストケースか何かわかりませんが、事業法による罰則というやつをどう規定づけるか、そのための問題としてあれは取り上げたという事件がありまして、私はやはりこのことはどういうふうにあるべきかという点は、いわゆる責任を持って想定をし展望をし回答を与えていくことが必要なのではないか、こういうふうに思っておるわけで、そういう点から考えますと、いま大臣は、日本の経済はいわゆる安定へ向かっているし、物価その他についてもその方向が出ていると言いますけれども、ことしの想定からしても、すぐ消費者米価の値上げについて、いまのきめられる生産者米価が、一万九千二百円をこえて五百円になったときであっても、ことしの消費者米価についての値上がりについては、相当大幅が予想されるというふうに、これは物価の問題に最も影響のある米価については、予想が一つ出ております。それから、ことしは、総理は本会議その他で、四%にとどめたいということを言っておりますけれども、これは一般の学者やあるいは統計等を見ますと、もうとてもそういう段階ではない、悪くいくと七%をこえるのではないかというような見方もいたしておるわけで、そういうことをいろいろ勘案してみますと、いまの状態の中で、私は実は、こういうものは早く解決しておいたほうがいいぞという情勢下で、この法律というものは審議していると思っているわけですね、いまの情勢からいけば。しかし、それがあまりにも激しさを増してまいりますと、これはどこの国の呼称も、いまのこれほど高い単位で価値の呼称をしている国というのは私はないんじゃないかと思うんです。イタリアがどうなっているか、イタリアはたしか、まだ呼称を変えているかどうか承知をいたしませんが、フランスはすでに行なっております。それからアメリカのドルとかイギリスのポンドとか、それからスイスのフランとかいうような、全くの安定した貨幣価値というものがあるわけですね。一面において、日本の円の呼称だけが、いま千円単位からもう一万円単位といったような呼称状態になっている。それからゼロ二つ取ったときに、現在の契約されている年金の価値というものは一体どうなるんだという点もありますので、これは大臣、そういうときにはしかたがないんだというかっこうにするのか、もっと大臣として見識ある態度をとっておくのか、これは私は非常に大切なんじゃないかと思うからお聞きをいたしているわけなんで、これ以上は質問はいたしませんから、ひとつもう一回御答弁いただきたいと思うんです。
#81
○国務大臣(小林武治君) さようなことは私ども予見をして、そのときはこうする、こういうようなことは申し上げる段階でない、申し上げるべきでない、かように私は考えます。
#82
○横川正市君 これは国民の契約者に対する保護といいますか、利益を守ってやるという立場の役所が、今度出されたこの法律案はいわば整理法律案、ちょうど小額保険整理をやったのと同じように、いわば役所側からすれば、事務上の能率化、ないし、これよりあまり出ないような考え方で整理をするということが、私は一つの目標になるのではないかと思うのですが、そのために、非常にいろいろな意味で加入者に対する利益というものを、これをいまこの委員会が議決することによって剥奪する結果になるわけですが、本来ならば、整理のときのものの考え方というものは、これは国と国民との関係ですから、農地報償法の場合に、四百四十三倍のうちの二分の一計算で当時の倍率というのを計算をし、今度の在外資産の処理の問題も、おおよそ農地報償の問題と関連して計算が出されているようであります。もっとも、六千億は大体二千億台になりましたから、農地報償よりかもっと計算率は悪くなっているかわかりませんけれども、いずれにしても、これは在外資産の場合には、全く在外資産の評価というものが、ほとんど資料の面では明確でないというところに、倍率を下げた最大の理由があると思うのです。そういう整理法案を出して、私どもはこれを見たときに、一面、企業の面から見ますと、一体、年金事業というものは国営事業として将来成り立たないということを前提としているのか、それとも、将来は形を変えてでも相当展望の上では発展をするという、そういうたてまえでの整理なのかという、そういう点もこれは明確にいたしておかなければいけないと思いますが、まず、この点をお聞きをいたしたいと思います。
#83
○国務大臣(小林武治君) これは先ほど鈴木委員の御質問にもお答え申し上げましたように、いまの国民年金の普及あるいは企業年金、厚生年金あるいは各種の共済年金、こういうものが普及すれば、必ずしもこれは必要なものということは言えないのじゃないか、一つの単なる、要するに、公的年金、強制年金の補完作用にすぎない、それを補うものにすぎない、こういう立場に相なると思う。ことに国民年金が農村あるいは中小企業、こういうところに普及して、そして年金の額がもう少し高額になれば、だんだんやはりこれは魅力を失う、まあ特にぜいたくをしたい人はこういう補完作用の年金に入るということもありますが、ぜいたくをしたくない人はこんなものに入らぬでもいい、こういうふうな階層が非常に多い。それで、主としてこれが始まったのは、やはり低所得階層と申すか、農山村あるいは中小企業、こういうところが加入者としての階層であったろうと思いまするが、国民年金の普及等によっては、要するに、最低の年金はこれによって保障されるというときが私は必ず来ると思うのでありまして、大いに前途有望だと思ってわれわれはいるわけではありません。先ほど申したように、魅力があるような制度ができるならば別であるが、そうでなかったら、やはりこれは先細りになるよりほかないのではないかというふうな私は見方をしているわけであります。
#84
○横川正市君 もう一点お聞きをいたしますが、それぞれの方の質問の中で、大臣はこの問題を始末をするのに、省側としては、もっと加入者に対してサービスをしたい、こういう気持ちを持っておったんだが、経過的には、大蔵省との折衝の中で、一般会計からの補てんもできず、また、その金額の率においても、やむなく五千円にとどめたという、そういうことを言われておるのでありますけれども、私は、事業官庁と、それからこれに対してある程度の監督権を持ちながら全体の財政を運営している大蔵省というものとの間に、もう少し、どちらが優位であるとかないとかというんじゃなくして、対等に話ができて、少なくともこれらの結論についてはたいていの人間ならばこれはもうやむを得ないんじゃないかと思われるような案をつくるのが、実は事業官庁として非常に大切な点じゃないかと思うのでありますけれども、大蔵省との折衝の過程で、もう少しそれらの問題を明確にして相手側を説得することがどうしてできなかったのか。まあ、いわば死んだ子の年を数えるような話でありますけれども、その点は私どもは、大蔵委員会にいる者の話をいろいろ聞いて、そして逓信委員会で論議している、それが、一つの部屋に入って私どもが話したときに、われわれは何も逓信委員会の委員だから遜色を持っておるというような気は一つもしておらぬ。だから、委員会とかなんとか国会の場では対等にやりながら、今度は役所間の問題になりますと、どうも相手側の意見に屈服させられてしまったんではないかと思われるような節が非常に強い。そういう郵政省には、大蔵省に対して何かいわゆるコンプレックスを感ずるようなものがあるのかどうか、非常に残念だと思うような節があるわけなんですけれども、この点、大臣はもう全くの実力大臣で、大蔵大臣と折衝されたんだろうと思うのでありますが、どうして、まあやむを得ない、あるいは、もうここまでしかしかたがなかったということよりか、郵政省の案が相手側をなぜ納得せしめ得なかったのか、この点をひとつ最後にお聞きをして私の質問は終わりたいと思います。
#85
○国務大臣(小林武治君) これは、まあ郵政省が非常に力が微弱であったと、こういうことを申し上げなけりゃならぬと思いますが、お話のように、大蔵省とも十分な折衝を続けてきたのでありますが、いまの一般会計からひとつ補てんしてもらいたい、また、せめて三倍にしてもらいたい、こういうようなことは、私どもはもう相当期間強く交渉をしたができなかった。しかし、最後に向こうがそれを認めなけりゃ結局これはできないと、こういうことまで相なったわけでありまして、それだけの力は大蔵省はお持ちなのが、いまの制度のたてまえでもございます。もっとやるべきだったとは思いますが、われわれとしては、十分な努力をしたが及ばなかったと、こういうことで、これは経過としてはさような経過をたどったのでありますが、しかし、出した以上は、これはわれわれ郵政省の責任でございまして、そういう経過は別として、われわれはまだきわめて不十分であったということをいまでも考えておりますが、力が及ばなかったと、しかし、最後はこれは郵政省の、郵政大臣の責任としてお願いをしておると、こういうわけであります。それで、これはまあ笑い話になって恐縮でございますが、郵政省に理解のある方々にひとつ大蔵委員会や財政部会等でもって、もっと御主張、御援助をいただけなかったかなという説まで世間にはあるのでございます。しかし、過般のたとえば郵便貯金の利下げの問題などは、これはもう相当に大蔵省の圧力と申しますか、その他の強力な圧力はありましたが、これらは、私どもから、一種の郵政省としては生命線だと、こういうことで、とにかく相当な圧迫、強圧に対しましてもはね返して、あれだけはおかげさまでそのままで通ったと、こういう事態もありますし、御注意の点はもう今後われわれも十分ひとつ考慮して、そして、いまのようなおしかりを受けないようにひとついたしたいと、かように考えております。
#86
○委員長(森中守義君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#87
○委員長(森中守義君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
#88
○森勝治君 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました昭和二十二年以前の郵便年金契約に関する特別措置法案に対し、反対の意を表明するものであります。
 反対の理由は、今回の措置が、全く年金加入者の一方的犠牲のもとに行なわれるということであります。
 今回の措置は、すでにその存続意義を著しく減少した小額契約を何らかの形で整理をし、幾らかでも古い契約者の不満を緩和しようとするものであって、趣旨そのものには、私ども必ずしも反対するものではありませんが、しかしながら、このきわめてささいな解決策が郵便年金事業のうちにのみしわ寄せをされて、結局、加入者団体のみの犠牲のもとにおいて講ぜられるところが問題なのであります。
 そもそも、郵便年金事業は大正十五年に広く国民大衆の老後の生活安定をはかることを目的として創設され、社会保障の施策に何ら見るべきものがなかった戦前におきましては、唯一の国営年金制度として、社会保障制度の先駆としての使命を今日までになってきたところであります。
 しかも、いわゆる「買える恩給」という当時のキャッチフレーズを掲げまして、国家機関により積極的にその普及奨励がはかられてきたものであり、国民大衆は国の経営する年金制度を信頼をし、また、老後の生活安定を心から信じまして、きわめて乏しい収入の中から多額の掛け金を捻出し、これに加入したものでありますが、社会情勢の急激な変革のために、今日においては、全く当初の目的にそぐわないものとなり、加入者の心理を裏切ったものとなってしまったのであります。
 この加入者の心情に思いをはせますならば、その救済策としては、たとえ全面的な物価スライドは不可能であるといたしましても、国民年金をはじめとする他の公的年金において、ある程度のスライドが考えられているのに比較いたしましても、郵便年金について相当額を一般会計から支出をし、これに報いることが国家としての当然の責務であると考えるところであります。
 このことは、郵政審議会の答申の中におきましても、強く主張されているところでありまして、今回その趣旨を全く無視し、剰余金からわずかの涙金を支給して整理をしようとすることは、断じて容認せられないところであります。
 また、今回の特別付加金の財源を年金勘定の剰余金に求めることは、私どもの納得できないところでありまして、保険事業及び年金事業の剰余金は、これを加入者に分配すべきことが法律に明記されているところであり、他の事業の剰余金とはその性格を異にするものであります。すなわち、加入者は剰余金分配に対する期待権を有するものと考えるものでありますが、しかるに、今回、年金勘定の剰余金の大半を、剰余金にあまり関係のない旧契約者への救済として支出することは、一般加入者の当然の権利を侵害するものであり、このことは、国民の郵便年金に対する信頼をますます失わしめることになるものと考えるのであります。
 国営事業であるがための資金運用面でのきびしい制約のもとに、民間企業に比べて非常な悪条件をしいられて体質を悪化せしめられている上に、さらに、このような特別措置の財源までが、すべて加入者にしわ寄せされるようなことであっては、どうしてこの事業の将来の発展を期待することができましょうか。
 また、一方におきましては、先ほどの発言にもありましたように、農地報償、引き揚げ者団体等にも国より相当額の補償が講ぜられております今日、善良なる年金加入者に対する措置として、国よりの補償が何ら講ぜられないところに、根本的な誤りがあると指摘せざるを得ないところであります。郵政当局はこの年金制度に対し、抜本的改善策を考究しない限り、この郵便年金事業の発展はとうてい期待することができないものと考えるものであります。
 以上で私の反対討論を終わります。(拍手)
#89
○委員長(森中守義君) 他に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#90
○委員長(森中守義君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 昭和二十二年以前の郵便年金契約に関する特別措置法案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#91
○委員長(森中守義君) 多数と認めます。よって本案は、多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#92
○委員長(森中守義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
#93
○国務大臣(小林武治君) 本案につきましては、慎重御審議をいただき、御可決くださいまして、まことにありがとうございます。
 また、反対討論あるいは審議中の要望、御注意は、一々ごもっともな点がございますので、今後十分ひとつ注意してまいりたいと存じております。
 ありがとうございました。
#94
○委員長(森中守義君) 次回は七月十八日火曜日午前十時を予定し、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト