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1967/03/30 第55回国会 参議院 参議院会議録情報 第055回国会 地方行政委員会 第3号
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1967/03/30 第55回国会 参議院

参議院会議録情報 第055回国会 地方行政委員会 第3号

#1
第055回国会 地方行政委員会 第3号
昭和四十二年三月三十日(木曜日)
   午前十時四十五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十九日
    辞任         補欠選任
     林田悠紀夫君     村上 春藏君
 三月三十日
    辞任         補欠選任
     村上 春藏君     林田悠紀夫君
     辻  武寿君     北條 雋八君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         仲原 善一君
    理 事
                林田悠紀夫君
                吉武 恵市君
                松澤 兼人君
    委 員
                岸田 幸雄君
                小柳 牧衞君
                沢田 一精君
                高橋文五郎君
                中村喜四郎君
                林田 正治君
                鈴木  壽君
                林  虎雄君
                松本 賢一君
                北條 雋八君
                市川 房枝君
   国務大臣
       自 治 大 臣  藤枝 泉介君
   政府委員
       自治政務次官   伊東 隆治君
       自治省税務局長  松島 五郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木  武君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選の件
○昭和四十二年分の退職手当等に係る道府県民税
 及び市町村民税等の臨時特例に関する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(仲原善一君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 委員の異動についてお知らせいたします。
 本日、村上春藏君が辞任せられ、林田悠紀夫君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(仲原善一君) 理事の補欠互選についておはかりいたします。
 ただいま理事に一名の欠員を生じておりますので、その補欠互選を行ないたいと存じます。
 前例により、互選は投票の方法によらないで、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、そのように取り運ぶことに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(仲原善一君) 御異議ないと認めます。
 それでは、委員長から林田悠紀夫君を理事に指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(仲原善一君) 昭和四十二年分の退職手当等に係る道府県民税及び市町村民税等の臨時特例に関する法律案を議題といたします。
 御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
#6
○鈴木壽君 こまかいことですが、二、三お聞きしたいと思います。
 この特例は、昭和四十二年の四月、五月に支払われた退職所得に対する、まあいわば特別の措置をすると、こういうことでございますね。したがって、一月から三月まで――これは四十二年分の退職手当云々でございますから、四十二年の一月から三月までに支払われたものについては従来のような形で課税されるということになると思うんです。そうしますとですね、すでに徴収したものもあると思いますね。これはいつかは還付しなきゃならぬといろことになると思いますが、その還付の時期、これは一体どういうふうになりますかね。
#7
○政府委員(松島五郎君) 一月から三月までにつきましては、現行地方税法の規定に従って徴収されることに相なるわけでございます。そこで、新しい法律、この辺の関係を少し御説明申し上げますと、現在の退職手当につきましては、本年度から御承知のとおり現年課税に、他の所得と分離をいたしまして、現年課税をすることに改められているわけでございます。そこで、従来でございますと、今年中に、すなわち昭和四十二年中に支払われます退職手当につきましては、四十三年になってから住民税がほかの所得と一緒に課税されるということになっていたのでございますけれども、今年から、いま申し上げましたようなことから、支払われたつど退職手当について計算される、こういうことになったわけであります。
 したがいまして、一月から三月までの分につきましても、すでに徴収されているものがあるわけでございます。一般的な原則から申しますと、所得の計算につきましては、所得税法の規定に従って、控除額等をそのまま計算することにいたしておりますので、本来でありますならば、所得税法の改正が行なわれましたときにさかのぼって、新しい計算方法によって過納となった分を還付するという手続になるわけでございます。ところが、所得税につきましても、今回特例法を提案をいたしまして、御審議をいただいているわけでございますけれども、まだこれから間に合うものは、なるべく早く減税の効果が及ぶようにいたしたいということで、四月、五月に退職手当の払われるものにつきましては、所得税のほうは源泉徴収の特例を設けているわけでございます。私どものほうは、源泉徴収の特例というふうに、所得税法にそのまま乗るわけにいきませんので、新しい所得税法、まあ将来国会の御審議をいただいて、まあ予定をしております新しい所得税法によったとしたならばそういう計算になるというのを、この際地方税法の中に取り入れまして、四月分、五月分の退職手当を計算をいたしまして減税をしていきたい、こういうことでございます。
 したがいまして、一月から三月分のものにつきましては、すでに、いわば一たん事実が進行しておることでもございますので、原則に返りまして、新しい所得税法が成立をいたしましたときに、その所得税法の規定に従って課税所得の計算をいたしまして、それに地方税法の税率を適用したものが退職手当に対する住民税となる。そのとき過納の状態が生ずることがありますので、その際にはこれを直ちに還付をする、こういうことにいたす考えでございまして、別途提案をいたしております地方税法の一部を改正する法律案のほうにも、すでに過払いとなったものは、新しい所得税法の計算の規定に従ってやった場合に過払いとなったものは、直ちに還付の手続をとるということを規定をいたしておるわけでございます。
#8
○鈴木壽君 四月、五月の分についての取り扱い、これは新しく改正される所得税法が成立するものとして、それを前提にしながら、こういうことだと思いますね、これは。それでも、それを見越して特別なこういう措置をしようというのでございますから、もし、もしちょっと、いまの一月―三月、一月から三月までの間のものについての取り扱いについてもう少し考えていけば、この法律、とのいまの臨時特例のこの法律の中に、これは六月になるか七月になるか、八月になるかわかりませんが、このままでいけば、還付の時期がいつになるかわかりませんが、いずれかなりおくれる。その者を救済、と言っちゃ悪いのですけれども、何かとの中に盛り込んで、同じような取り扱いをして、できるだけ早くやるというような方法を考えてもいいんじゃないだろうかと、こう思ったわけですがね。そういう意味なんですが、その点どうでしょう。
#9
○政府委員(松島五郎君) お尋ねの点でございますけれども、考え方といたしましては、御指摘のようなやり方もあろうかと存じます。ただ私どもといたしましては、原則は、所得税法の計算の規定に現在の税法ではそのまま乗っかっているのが原則でございます。したがいまして、この特例法の提案をいたしませんで、そのまま推移いたしますと、所得税法が通過したときに、一月から三月までだけじゃなくて、一月から三月、四月、五月、あるいは所得税法が六月にかかるといたしますと、六月分というふうなものは、すべて現行法のままで計算をしておいた上で、所得税法がまあそういうふうに改正されたあとで、さかのぼって全部還付の手続とか、そういうことに問題が生ずる、こういうことになるわけでございます。しかし、それでは、せっかくこれからそういう減税をやろうというときに、あまりにもおくれ過ぎるということを考えまして、せめてこれからでも、法律的に間に合うところは、できるだけ早くその効果が及ぶようにいたしたい、かように考えて、四月分以降のものについてこういう特例の規定をいたそうというわけでございます。
#10
○鈴木壽君 そこは、その限りにおいてはわかりますが、だったら一月分からでも、いまそういうことを、いわば恩典でもないでしょうが、いずれプラスになることですから、早くできるような措置をここで考えても、それは一向差しつかえはない。むしろそういうふうにやるべきが親切なことじゃなかろうか、こう思っているのですが、その点どうです。
#11
○政府委員(松島五郎君) 先ほども申し上げましたように、そういう考え方、もちろんあり得ると考えるのでございます。ただ御承知のとおり、所得税法におきましては、別途特例法が出ておりますけれども、これは源泉徴収についての特例という形で、四月、五月分に支払われる退職手当についてのみ特例を設ける、こういうことにいたしておりまして、一月から三月分までについて源泉徴収したものを、さらに還付するということをどういうふうにやるという形にいたしておりませんので、法律の均衡と申しますか、このつり合いも考えまして、こういう措置にいたしたわけでございます。
#12
○鈴木壽君 どうもこれは、今回のこういう特例なり、所得税のいまの源泉徴収のやつ、親切なやり方のようですが、何かちょっと変なかっこうじゃないか、意図がね。これ以上申しませんが、そこで私もいまの所得税の源泉徴収の臨時特例に関する法律案、これを見ました。見ましたが、確かにお話のように、これにはそういうことがありませんし、私、あまり大きな問題でもないかもしれぬけれども、こういう親切を、いわば一つの親切というか、減税をしてやる、しかもそれを早く適用してやろうというのですから、もう少しさかのぼって、納付しておる者、これが新しく今度減税になるような場合の還付の仕方というものは、できるだけ早い機会にやることが、さっきも言ったように、親切なことじゃないだろうか。とすれば、今度のこれに、これは大蔵にかかっている、これとは若干違ってきますけれども、特例としては、私盛り込めるのじゃなかろうかと、盛り込むべきじゃなかろうかというふうに思うんですね。これは意見になってしまいましたが、これ以上あなた方どうするというわけにもいかぬでしょうけれどもね。じゃその問題、その程度にします。
 それで、現行法によるそれと、今度の改正になるそれとの、退職所得を段階等においてどういう程度に軽減が行なわれるかというようなこと、何か数字的につくったものでもございませんか。
#13
○政府委員(松島五郎君) 資料としてお手元に差し上げておけばよかったわけでございますが、手元にございますもので御説明を申し上げます。
 退職所得の収入金額が百万円の方で勤続十五年の方、ここまでは改正案と現行法では変わりございません。二百万円もらった方で勤続十五年の方をとりますと、現行では二万八千六百三十円の税額でございますが、これは県民税、市町村民税合わせてでございます。改正案では二万一千九百三十円になります。したがいまして六千七百円の減税でございまして、二八・六%の軽減割合になります。同じく二百万円の方が二十年間つとめてもらわれたといたしますと、現行法では二万一千九百三十円でございますが、改正案では九千八百五十円でございまして、一万二千八十円の減税になりまして、五五%余の減税率になります。それから同じく二百万円の方が二十五年つとめてもらったと仮定いたしますと、現行法では一万五千五百二十円課税されますが、改正案では全然税額がございませんので、全部軽減される、こういうことになるわけでございます。二百万円の方は、あと勤続年数が長くなるほどもちろん全然かかりませんので、すべて減税になると、こういうことでございます。
 それから三百万円もらわれた方で、勤続十五年の方はどうかと申しますと、現行法では六万七百五十円が、改正案では五万一千七百五十円になりますので、九千円の減税で、一五%ばかりの減税率になります。それからこの方が同じく二十年つとめておられたといたしますと、五万一千七百五十円で、新しい法律では三万六千円になりますので、三〇%ばかりの減税になります。この方が大体三十年つとめられますと、現行三万六千円でございますが、新しい法律案では税金がかからない、こういうふうな形になっております。
 なお、収入金額を幾つかの段階においてつくってございますので、いずれあらためて資料として提出さしていただきます。
#14
○鈴木壽君 それではあとで資料としていただきたいと思いますが、いまのお話しになったのは、道府県民税並びに市町村民税を合わせての額でございますね。そう理解していいですね。
#15
○政府委員(松島五郎君) はい。
#16
○鈴木壽君 じゃあ、あとでひとつ資料として。あとでと言っても、できるだけ早い機会がいいですね。お願いします。
 それから、これによって減税を受ける対象人員と言いますかあるいは減税額、こういうものもあとで資料として一緒に、もしできれば出してほしいと思いますが、いかがです。
#17
○政府委員(松島五郎君) 先ほどちょっと百万円のところで私間違いましたので、訂正をさしていただきたいと思いますが、百万円で現行法では四千四百六十円課税をされますが、改正案ではゼロでございます。失礼いたしました。
 それから、ただいまお話のございました納税義務者数等がどういうふうに変動するかということでございますが、改正前では十二万人程度の納税義務者がございます。それが、納税義務が全くなくなります者が三万人程度、約四分の一が全然なくなる。それから減税となります者が五万五千人でございます。四六%が減税をされる。したがいまして、両者合わせますと、十二万人のうち八万五千人、七〇%余が減税の効果が及ぶ、こういうことでございます。
#18
○鈴木壽君 いまお聞きしたわけですけれども、さっきの資料にあわせて、あるいは別の紙でいいですけれども、いずれ一緒にそういうのもお願いします。
#19
○政府委員(松島五郎君) はい、資料として提出させていただきます。
#20
○松澤兼人君 書類はできてあるんですか。
#21
○政府委員(松島五郎君) 納税義務者のほうは資料に印刷してございますが、さっきの所得段階別は、実はコピーをとってございますので、できるだけ早く印刷をして御配付申し上げます。
#22
○松澤兼人君 この委員会の審議中というか、それにできるようだったら、ちょっと委員長のほうに連絡して、お昼ごろというか、委員会開会中に届くようにしていただきたいと思います。
#23
○委員長(仲原善一君) 松島税務局長、いいですか。至急出していただきたいという……。
#24
○政府委員(松島五郎君) はい、ただいま手配をいたします。
#25
○鈴木壽君 いまのお話しくださったのは、これによって減税額がどのくらいになるのか。いま人員とかパーセンテージをお聞きしたんですが、ちょっと聞き漏らしたんですが、これによる減税額ですね、総額。
#26
○政府委員(松島五郎君) 十五億円を予定いたしております。
#27
○鈴木壽君 十五億円はあまりたいした数字でもないと思いますが、地方税における減税というふうに考えておるわけなんですか。
#28
○政府委員(松島五郎君) 地方税における減税でございます。
#29
○鈴木壽君 直接いまの退職所得にかかる税のことではございませんが、地方税の、住民税の課税最低限、四十二年度ではどの程度になるか。これはすでにできておるんじゃないかと思うんですが、どうです。
#30
○政府委員(松島五郎君) いま資料をちょっと調べておりますので、しばらくお待ちいただきたいと思います。
#31
○鈴木壽君 それじゃ、その前に、さっき減税額をお聞きしたわけですが、この退職所得についての税率ですね、道府県民税と、それから市町村民税と分けて、四十二年度でどの程度収入があると見込まれておりますか。
#32
○政府委員(松島五郎君) 県民税のほうが約五億でございます。それから市町村民税のほうが十億でございます。
#33
○鈴木壽君 これは税収として入る額ですね、いまの五億、十億というのは。もう一度すみません。
#34
○政府委員(松島五郎君) 減収になる額でございます。
#35
○鈴木壽君 だから、先ほど私減収になる額を聞いたら十五億とおっしゃいましたからね。それでなしに、今度は減収分を除いて入る額がどのくらいなのか。
#36
○政府委員(松島五郎君) 入る額、県民税で、減税がなければ大体七億、それから市町村民税で十四億程度でございます。
#37
○鈴木壽君 そうすると減税がなければ、いわゆる現行法でいって、県民税で七億くらい、それから市町村民税のほうで十四億くらいと。だとしますと、今度、さっきお聞きしました減税額の見込みは、都道府県のほうで五億と、それから市町村のほうで十億、こういうお話でございますと、残りは県段階で二億円、それから市町村段階で四億円、計六億円くらいしかないということになりますね。そういうことなんですか。
#38
○政府委員(松島五郎君) 大体推計でございますけれども、と申しますのは、退職所得だけ、これは実は国税のほうで分類をしたものが正確なものがございませんので、推計でございますけれども、大体そんな程度であると考えております。
 先ほどお尋ねのございました課税最低限でございますが、独身者で給与所得者の場合には、昭和四十一年が十六万四百四十一円でございます。それが昭和四十二年には十七万九百六十円になります。それから夫婦・子三人、いわゆる標準世帯といわれておりますものは、四十一年では四十二万三千十六円、四十二年が四十三万三千五百二十六円でございます。
#39
○鈴木壽君 これは住民税の場合に、これはまだちょっと、いまこの法律案とはかけ離れたことになって恐縮ですが、住民税の場合にいつも課税最低限のことが、低過ぎるという問題があるのですが、今回それをもっと引き上げようという、そういう努力をどの程度これはやりましたのですかね。四十一年度、二年度と比べまして、ほとんど違いがありませんね。
#40
○政府委員(松島五郎君) 課税最低限を引き上げるということは、私どもも常に念頭を離れない問題でございます。しかしながら、一方において市町村民税あるいは県民税の減収という問題を、地方財政でどれだけ受けとめていけるかという問題もございます。これらの点を考慮いたしまして、本年度は特別に基礎控除なり扶養控除を引き上げる、こういう形の課税最低限の引き上げについては、残念ながら地方財政の事情からできないという判断のもとに、行なわなかったわけでございます。ただ、御承知のとおり、所得税におきまして去年――昨年度も給与所得控除の引き上げが行なわれました。昨年行なわれました給与所得控除の引き上げは、本年度から住民税に当然影響してくるわけでございます。同じように、本年度の所得税の改正におきまして給与所得控除が大幅に引き上げられることになっておるわけでございます。これは明年度以降、住民税の上に非常に大きな影響が及んでくるのでございまして、ただいま所得税法で考えております給与所得控除の引き上げが行なわれますと、平年度、計算をいたしますと、三百三十億円くらいの住民税の減税が行なわれるということにもなるわけでございます。そういった事情も考えまして、今年度は特別な基礎控除の引き上げとか、あるいは扶養控除の引き上げというようなものは見送らざるを得なかった、こういう事情でございます。
#41
○鈴木壽君 これはいま申し上げたように、この法案と直接のそれじゃないですから、これはこれ以上私申し上げませんが、確かに地方団体における税収入、あるいはいろいろな財政需要、地方財政の状況からいって、そう大きな減税ということは期待されないということも、実情としては一応考えられると思うのですがね。しかし、税そのものからして、一方の所得税においては今度で七十三万円ですか、こうなっている。地方税だから四十万とか四十二、三万円でいいというのは、私はどういつでもいけない。そこに、いわゆるさっき言ったように、地方税に対する重税だ、重いと、こういう声がずっと前から出ておるのでありますから、これはやっぱり、減税になった分の穴埋めをどうするかということは、これは別に考えなければいけませんけれども、税そのものからして、こういう課税最低限が非常に低い。一方において所得税では、これも十分じゃありませんけれども、七十三万円も、やがては八十何万とか百万とか言っていますが、こういういわば片手落ちなことはしておかれないと思うのですがね。
 残念ながらいまお聞きしますと、今回の地方税の改正においても、そのことについてはほとんど触れられないと、こういう話であります。何か専従者控除とか、そういうこどの程度しかやっておりませんようですね。これはひとつ、これもいま質問ということでなしに、あとで地方税法の改正案が出た場合の問題にしておきたいと思いますが、やっぱり真剣に考えてみなければいけないと思うのですね。地方財政が苦しい苦しいという、じゃ個人の負担が重くていいかというと、そう簡単に、それでもしかたがないのだと言い切れないと思うのですよね、問題は。特に所得に対する課税でございますから、所得税とは違うといっても、所得に対してのやつですから、これは何といったって生活の基本をなすこの収入に対してのそれなんですから、それから考えていかなければいかぬと思うのですね。私、一挙に、所得税が七十三万円だからそれと同じにしろとか、それに近い六十万円とかいうようなことをいますぐと言うのじゃありませんけれども、まず一歩一歩それに近づくような努力は続けていかなければいけないのじゃないかと思うのですがね。だから税というものを、私は地方団体の仕事をするための税ということのほかに、個人に対して、住民が一体生活の上にどうなっているかということを、それを忘れない税法でなければいけないと思いますね。これはひとつ、さっきも言ったように、いずれあらためて考え方なり方針なりというものをお聞きしたいと思いますが、きょうこれでこの問題ついては、一応お答えをいただかない形でやめておきたいと思います。
 それから、こういう場合ですね。たとえば退職して何か――まあ団体なり何かにまた若干の給与を得て仕事をしているといった場合ですね。住民税としての取り扱いの問題です。たとえば、三月でやめて、四月からわずか一万円とか一万五千円とかいう金で働いている、そういう所得を若干でも得てやっている場合には、一万円あるいは一万五千円という額は、あるいは少な過ぎるかもしれません。該当しないかもしれませんが、まあ例として、そうすると、その人には四月以降その所得に対する税金と、それからいまの住民税が前年度分の所得によって課されますから、当然収めなければいけないということになってくる。その納めなければいけない場合に、特別徴収という形で源泉課税をしますね、それがまあたてまえだと思うのですね。そうすると一万円、二万円でもいいが、もらったやつが何も手に残らないというようなことが出てくるわけなんです。これはまあ当然じゃないかと言われればそれまでですが、退職して、いま言ったように、幾らかでも小づかいをと思ってやっている。それがほとんど税金にとられてしまって、手元には残らないという形が出てくる。その場合に、気の毒ですから、できれば特別徴収というかっこうでなしに、普通徴収の形でやれるという方法がないものかどうか。そこで町村へ行っていろいろ話をすれば、何とかやってくれるところもあるようであります、普通徴収にしてですね。ところが、この法の中では、そういう場合のやつというのは、法そのもので当然そういうふうにしてやれるんだと、申し出があればすぐやれるんだというようなかっこうにはなっていないので、いろいろこう調べてみても、そういうところがないのですが、そこら辺、あるのならどこにあるのか、あるいはないのか。ないとすれば何か方法がないものかどうか。そこら辺少しこまい問題ですけれども、実際にあちこちにあることなんですから、ちょっと見解を聞いておきたいと思う。
#42
○政府委員(松島五郎君) ただいまお尋ねの、前年につとめておられた、ところ新しい年に入ってからやめられたという方法についての特別徴収の問題でございますが、現在の法律では一月一日現在で給料を支払っておる者が特別徴収の義務を負う、こういう形になっておりまして、しかし、そのところからは、すでに三月なり四月なりにやめてしまったということになれば、これは特別徴収の方法はないわけでございます。
#43
○鈴木壽君 いまのやつは三百二十一条の三、こういうところからいまあなたのおっしゃるようなことが出てくる、こういうことですか。
#44
○政府委員(松島五郎君) 三百二十一条の四に、「市町村は、前条の規定によって特別徴収の方法によって個人の市町村民税を徴収しようとする場合においては、当該年度の初日において同条の納税義務者に対して給与の支払をする者のうち」云々と書いてございまして、要するに、一月一日に給与の支払いをしている者が特別徴収の義務を負う、こういうことになりますので、本来ならば、前につとめていたところの人が特別徴収の義務を負うのでございますけれども、特別徴収の段階に入って、もうすでにそこにつとめていないということになれば、特別徴収の方法はないわけでございますので、いま申し上げましたような場合には、特別徴収はできないものと、こういうふうに考えております。
#45
○鈴木壽君 それは当然できないのだということですか。
#46
○政府委員(松島五郎君) たいへんむずかしいお尋ねで、もう少し研究をさせていただきますので、しばらく猶予をいただきたいと思います。
#47
○鈴木壽君 私も実際にあることから調べてみても、何かいまあなたがおっしゃるように、当然ないのだとすぐ言い切れない扱いを市町村ではやっているのです。ようやく頼んで、頭を下げて頼んで、恩に着せられたようなかっこうでやっているところがあるものであるから。そうだとしますと、この申し出をしたらすぐやってもらえるように、法的にも何かあったほうが、そう三拝九拝してやらなくてもいいような方法がほしいと思うが……。
 それでは、それはすみませんが、私も実はあちこち調べてみたけれども、そういうところはないと思うが、あなたのおっしゃるようにストレートに当然だと、特別徴収しなくてもいい、こういうことであれば、それでは一体どこなのか、私はいま御指摘の三百二十一条の四あるいは三百二十一条の三、こういうところの関係の規定からはちょっとすぐ出てこないんじゃないかというふうに思ったものですから、ひとつお調べの上にあとで教えていただきたいと思います。
#48
○政府委員(松島五郎君) まことに申しわけございません。至急検討いたしまして、適当な機会にまたお答えを申し上げさせていただきたいと思います。
#49
○松澤兼人君 税収としてこの退職金の問題、地方財政計画をつくる場合には、減税ということで計画を策定されるわけですか。
#50
○政府委員(松島五郎君) そのとおりでございます。
#51
○松澤兼人君 そうしますと、もう当然こうなるということで、退職金は、先ほどあなたがおっしゃったように、これだけ減税になる、これだけしか取れないという計画で税収を計算し、それに見合う財政計画をお立てになる、こういうことですか。
#52
○政府委員(松島五郎君) 財政計画をつくります場合には、税収入に限らず、歳出におきましても、国会でいろいろ御審議をいただきます問題がございます。で、その結果によってあるいは内容の変わるものもあろうかと存じますけれども、一応政府といたしまして、一定の事項を予定しております場合は、それを織り込んで計画として財政計画をつくっておるわけでございます。
#53
○松澤兼人君 国会審議の様子にもよりますけれども、財政計画は非常におくれるわけですか。
#54
○政府委員(松島五郎君) 明日財政計画は提出されるというふうに私ども承っています。
#55
○鈴木壽君 いまのこれから離れて、地方税でも、別の問題で恐縮ですが、ちょっとお聞きしたいことがありますから、いきさつがどうなっておるのか、そこら辺をお知らせいただきたいと思うのです。
 というのは、国民健康保険税の低額所得者に対する減免措置でございますが、これはたしか昭和三十七年の法改正、三十八年から低額所得者に対するそういう措置をやって、一定額をきめ、さらに所得の段階で一定額を押えて、さらにその政令でそれにプラスする額ということをきめたはずなんです。当初一万五千円とか二万円とかというととをやって、現在は政令できめる額が三万円になっておるのですがね。これで当初考えたあのころの低所得者、被保険者の大体三〇%程度、こういうものに及ぼしたいということでやったはずなんです。あるいは結果としてそういうものが出てきたからこの程度ということであったかもしらぬけれども、いずれそういうことで、できるだけ低所得者の負担を軽くしていくということでやったわけなんですが、昭和四十二年度において、そういうことの政令で定める額三万円を引き上げるお気持ちがあるのかないのか、これをひとつお聞きしたいと思うのです。
#56
○政府委員(松島五郎君) 国民健康保険税の減税の問題につきましては、御指摘のとおり、大体納税義務者の三割をめどに減税をするというようなことで今日まで進んできております。昭和四十一年度においては、十万円以下の所得の入と、三万円に被保険者数を乗じた全額と十万円との合計額以下の人に対しては軽減をするというようなことは、御指摘のとおりでございます。四十二年度においてこれをどうするかという問題でございますが、ただいま厚生省ともいろいろお話し合いをいたしておりますが、私どもは引き続き減税の幅を広げてまいりたい、かように考えるわけでございます。
#57
○鈴木壽君 当初できたとろは、九万円プラス幾らというのであったと思います。その後十万円とプラス政令に定める額ということになって、そうしてその何といいますか、穴埋めとも言えないだろうけれども、調整交付金の中に金を見込んで市町村にやっておったはずなんですがね。いまもそういう形でやっておるわけですね。
#58
○政府委員(松島五郎君) そのとおりでございます。
#59
○鈴木壽君 これは調整交付金そのものにもいろいろ問題があると思いますが、それはともかくとして、今度四十二年度予算を見ますと、調整交付金が若干二十億円ばかりふえますね。それを当然予想して二十億全部じゃありませんけれども、その中で、いま言ったような、政令できめる額の引き上げのためにやったという、こういうことではございませんか。
#60
○政府委員(松島五郎君) 御承知のとおり調整交付金の率は五%というふうになっておりますので、もとがふえますと、調整交付金自体がふえる仕組みになっておりまして、必ずしもそのうちの幾らを減税のための増額に充てるというふうに、現在のところきまっておるわけではございません。
#61
○鈴木壽君 たしか率は一定の率で、もとがふえれば調整交付金もふえるというような仕組みなんですが、調整交付金は、必ずしも保険のいろいろ経費そのものをすぐ見ていくという性質じゃなくて、いろいろな使い道があるわけですね。いわゆる調整のしかたがあるわけですね。その中に、さっきも言ったように、当初低所得者に対する減税分として見ていったというのですから、内容としてはそういうことを、いま二十億上げたのはそのためだという意味じゃございませんけれども、使えるのじゃないかと思うわけだね、もしやる気であれば。まあそういう意味で、厚生省あたりどう考えておるのか、あなた方それをどう処理しようとしておるのかということを聞きたいわけなんです。
#62
○政府委員(松島五郎君) 私どもといたしましては、先ほども申し上げましたように、被保険者一人当たり三万円という額を引き上げてまいりたいと、かように考えておるわけでございます。厚生省におきましてもいろいろ検討しておられまして、しかし調整交付金につきましては、先ほど先生からも御指摘がございましたように、必ずしも減税のみのものでもございませんので、その他の要素等も考えなければならぬというようなことで、厚生省としてはなお検討中でございます。したがいまして、ただいま私どもの承っている話では、厚生省はある程度のことは考えているようでございますけれども、具体的にどうだという数字を確定する段階には至っていないというふうに考えております。
#63
○鈴木壽君 これはまあ政令でやればいいのだから、いますぐというわけにもいかないし、それから今度の地方税改正の中に別に成文として出すものでもないと思うのだが、四十二年度の地方税改正案は大体固まっただろうと思うのですが、その段階にそういうことは固めておくべきじゃないでしょうかね。
#64
○政府委員(松島五郎君) お話のとおり、地方税法の改正案を確定いたします場合に、政令事項ではございますけれども、この内容を固めておくべきだというふうに私どもも考えまして、厚生省と折衝を続けてまいっているわけでございます。しかし厚生省におきましては、先ほども申し上げますように、調整交付金の内容が、減税に対する交付金だけに限定されるというわけでもございません関係もございまして、なかなか話が具体的に煮詰まっていないというのが現状でございます。御指摘のとおり、一日も早く私どもとしましては、内容を確定をいたしたいと、引き続き努力を続けてまいる所存でございます。
#65
○鈴木壽君 最後に要望みたいなことを申し上げますが、これはやはりぜひ、大幅な引き上げということはなかなかむずかしいと思うし、調整交付金の総額からいっても無理だと思いますけれども、できるだけこれは、いままで年々、ほとんど毎年のように若干ずつ上がってくる、これは所得が多少ふえるという意味の、そういうようなものにやっぱり対応さしてやっていかないことには、低所得者の、おそらく当初三〇%程度といったが、いままでは三〇%ずっと切っているんじゃないかと思うのです、これは私単なる想像でございますけれども。ですから、やっぱり三〇%ぐらいを対象とするというような考え方で、できるだけの引き上げを早急にやるべきだと思うし、厚生省あたり、調整交付金の使い方について何だかんだと言っても、文句があったら、ぜひひとつ説得してやらなきゃいけないと思うのです。これはひとつ要望として申し上げておきます。
 ちょっと念のために、その対象の人員、人員というか、世帯数ということになると思いますが、いずれそれの当初三〇%といっておったのが、いま私三〇%だいぶ切れているのじゃないかと、こう言ったのだが、どの程度か、何かつかんでおるのがありましたら参考のために。
#66
○政府委員(松島五郎君) 計画といたしましては、三万円なら三万円の金額をきめました場合の予定といたしましては三〇%強、三二%程度でございます。ただ、これは、御承知のとおり、そういうふうにきめたからといって、実施するかしないかは、市町村のまあいわば自主判断によるわけでございまして、四十一度の実績、実際に市町村がどうやったかという実績は、まだはっきりしたものはわかりませんが、大体推定では二七%程度になっておるのではなかろうか、かように考えております。
#67
○鈴木武君 よろしゅうございます。
#68
○委員長(仲原善一君) ほかに御質問はございませんか。
 それでは午後一時三十分まで休憩いたします。
  午前十一時四十一分休憩
     ―――――・―――――
  午後一時五十一分開会
#69
○委員長(仲原善一君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。
 午前に引き続き、質疑を続行いたします。まず松島税務局長。
#70
○政府委員(松島五郎君) 先ほど御質問のございました点並びに配付いたしました資料について御説明を申し上げたいと思います。
 なお、まことに申しわけありませんが、先ほどこの退職所得にかかる減税を実施しなかったならば、県民税、市町村民税の退職所得にかかる税額はどのくらいかというお尋ねがございましたときに、県民税で七億、市町村民税で十四億と申し上げましたが、実はこれは減税を差し引いた残りの数字を間違って申し上げました。それに十五億を足したものが減税をしなかった場合の数字でございますので、すなわち三十六億余が減税前の数字でございます。訂正をさしていただきます。
#71
○委員長(仲原善一君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#72
○委員長(仲原善一君) 速記を起こして。
#73
○政府委員(松島五郎君) お手元にお配りいたしました資料のうち、半截のほうのものは、この課税最低限の引き上げによって納税義務者数においてどういう影響があるかというものでございます。改正前で十二万人、納税義務がなくなるものが三万人、減税の効果の及ぶ者がさらに五万五千人、全体として減税の適用を受ける者が八万五千人、こういう数字でございます。
 それからもう一枚目の大きな紙のほうは、退職所得の収入全額別、在職年数別に、それぞれ減税がどういうふうになるかという数字でございまして、百万円の欄では、十五年勤続の方は、今回の改正によって税額がなくなり、さらに二百万円をもらっておられます方は二十五年勤続になりますと、これもまた税額がなくなる。三百万円もらっている方で三十年になりますと税額がなくなる。五百万円もらった方で、三十五年勤続の方は税額がなくなる。こういう数字でございます。以下それぞれの金額ごとに勤続年数に応じてどれだけの減税があるか、掲げてございます。
 それからもう一つ、前年中に給与所得を受けておられた方で、本年に入ってから退職された方の特別徴収がどうなるかというお尋ねでございましたが、たとえば昨年までつとめておられて、今年に入っておやめになった方といたしますと、本年の四月一日に給与の支払いを受けている場合、すなわち新しく再就職をしまして、新しい給与支払い者から四月一日現在で給与の支払いを受けています場合は、特別徴収ができることに相なります。ただ実際問題といたしましては、こういう特別徴収義務者につきましては、給与支払い報告書が提出されませんので、新しくつとめた先が市町村でなかなかわからないという問題がございます。その場合には普通徴収でいくということになります。
 それから本人が特別徴収をしてもらいたいという申し出をなさいますと、これはだれから給与の支払いを現在受けているかということを把握することができますので、特別徴収ができるということになると思います。それから本年になってから再就職されました方でも、四月一日に給与の支払いを受けていない場合、この場合には、現在の法律では普通徴収によることになります。それから四月二日以後に退職いたしました場合、たとえば三月一ぱいまでつとめていて、四月二日以後にやめたというような場合には、これは普通徴収による以外にはないと考えます。
 それから、先ほどちょっとお話がございました、前につとめていたよりも新しいつとめ先の月給が下がったために、前年課税で非常に多くの税金をとられる場合に問題があるのではないかということがございましたが、原則的には特別徴収を新しい就職先の月給から引いてもらうわけでございますけれども、もしも前年度の所得が非常に多くて、ことしに入ってから新しいつとめ先でもらう月給をこえるという場合には、理論上は特別徴収ということになるわけでございます。ただ、こういう場合には実際問題としては、地方税法の三百二十一条の三にカッコ書きがございまして、徴収することが、「支給期間が一月をこえる期間により定められている給与のみの支払を受けていることその他これに類する理由があることにより、特別徴収の方法によって徴収することが著しく困難であると認められる」場合には、特別徴収の方法によらないことができるということになっておりますので、こういう場合には、本人の御希望によって普通徴収の取り扱いにすることが適当ではないかと、かように考えております。
 ただ実際問題といたしまして、月給から引き切れぬほどの場合がどういう場合にあるかということでございますけれども、前年に所得が月々十万円あった方、賞与を入れて、大体年収百五十万くらいだった人はどのくらいの税金がかかるかと申しますと、標準世帯でありますと、年額五万円程度の税額になるはずでございます。条件によって多少違いますけれども、大体五万円ぐらいの税額になるはずでございます。したがいまして、月割りにいたしますと、十カ月徴収いたしますのに、月五千円でございます。五千円の税金を特別徴収で納めていただくということになりますので、実際問題として毎月徴収する税額がそれらの月給をこえるということが通常はないのではないだろうか、かように考えております。
#74
○鈴木壽君 最後に御説明のあった問題ね、それこそ一番最後のあれですか、前年までは相当な給与を受けておる人が退職して、四月一日現在で一万とか二万とか程度の所得があるようなところにつとめている、こういうことでございますと、その場合には自動的に、いまの法のたてまえからすれば、特別徴収の適用を受けるわけですね。それはそれでいいんですが、その場合に、かりにその額が一万五千円とか二万円とか、ほんのたばこ銭程度で、名前を載っけて、ただ遊んでいるよりはという場合もなきにしもあらずですわな。そういう場合に、しかし特別徴収によって月々、六月から今後差っ引かれるというようなことになるんですが、いまあなたのあげた例として、十万円程度の者で月々五千円程度じゃないだろうかと、こういう話ですが、これは家族構成とか、その他によって必ずしもそうじゃなくて、もっと多い場合もあると思うんです。で、現に受けておる、再度の就職といいますか、した場合の給与を上回るというようなことはあまりないと思いますけれども、さっきも言ったように、手取りがきわめてわずかだということになる場合があるものだから、ですから、月々ほとんど残らないんじゃないか。というようなかっこうになるのは気の毒だから、そういう場合には、申し出があったら普通徴収に切りかえてもらう。で、月々にもらうのは、いま言ったように、差っ引かれたわずかの額でなくて、全体の額としては少なくとも、とにかく一万でも一万五千円でももらっているんだと、こういうことになることができるような、役場へ行って、市役所へ行って、何だかんだ頭を下げていってやらなくとも、単なる申し出程度ですぐやれるような法的な何かの保証があるのか、ないのか、私が見たところではないようだから、そこら辺どうかと、どういうことでございましたんですがね。
#75
○政府委員(松島五郎君) お尋ねの点は、法的に当然できるということにはいまのところなっておりません。ただ、先ほども申しました、月給を二カ月に一ぺんもらうとか、三カ月に一ぺんもらう。月給と言えるかどうかわかりませんが、そういうような場合、その他これに類する場合で、特別徴収によることが著しく困難な理由があると認められる場合という条件がございますが、そういう場合には特別徴収の方法によらないことができることになっておりますので、いわばその運用の問題として処理され得ると考えているわけでございます。
#76
○鈴木壽君 だから、運用の問題として、市役所なり町村役場へ行ってですね、いろいろ話をして、まあそうかというようなことで、ずいぶん手間かかるんだな、ほんとう言えば。やっぱりちゃんとやって、月々源泉徴収さしてもらいたいとか何とか、これはたてまえ上はそうですからね。で、こちらで一生懸命頭を下げて、これは苦しいとか何とか言ってやってもらう。そういうことをしなくてもいいように、何かいま言ったように、そういう事情ですからね、見ればすぐわかりますから、申し出をしたら、簡単に、よろしゅうございます、じゃ普通徴収にしていくということで、年四回に納めるような、そういう方法に法的にできるようなところがほしいという気持ちがあるんですがね。だから、いまの、それからしますと、たとえばあんたがあげた三百二十一条の三ですね、これなり、あるいは次の条項なんか見ましても、すぐにはそうはいかないように見られるものですから、何かの機会にひとつそういうことも考えてもらえたらどうかと、こう言うのですがね。
#77
○政府委員(松島五郎君) 御趣旨まことにごもっともでございますが、ただ、特別徴収という制度それ自体を客観的に運営をいたしてまいります場合に、かりに御指摘のような問題についてどう対処するといたしましても、やはり一定の基準、たとえば月々徴収される税額が、給与に対して何割以上になる場合かというようなことはやはりはっきりさせなければ、また争いが起こる、認定の問題が残るということにもなろうかと思います。しかし、また他面において、そういう形式的な基準でいくというと、かえって実情に合わないという場合もあろうかと思います。その辺の問題もございますので、せっかくの御指摘でございますから、私どももなお検討してまいりたいと思いますけれども、現在のたてまえは、運用の問題で解決をはかっていくべく、その辺は関係団体に対しても、私らのほうから徹底をさせてまいりたいと思います。
#78
○鈴木壽君 これはまた、いまお尋ねしておること、御説明しておられることとちょっと違うのですが、ぼくらの仲間で、選挙のあと出なくなった人ね、こういう人を、何も新たな所得がどこからもない場合――ですから、さっきの話とは一応別ですがね。住民税が前年度の所得のそれによって、これは相当な額なんですよね。すると、これは非常に実際問題としてつらい目にあっている人がずいぶんおるわけなんですね。これはいまいったように、これと違うので、さらに普通徴収の四回のやつを、何とかまた便法でもあれば、そのときどきつらい思いをしなくとも何とか納めることができる、こういう場合があるのですがね。何度も言うように、この問題とはちょっと違ったそれなんですけれども、それで市役所あたりに行って分割払いみたいな――もっとも四回に分ける分割を、さらにもっと分割してもらうような、あるいは二年とか、三年にまたがるというようなこともお願いしたとか、してもらうとかいったことを聞いたことがあるのですが、そういうことについて何か救済、救済といいますか、やれるようなのがありますか。
#79
○政府委員(松島五郎君) 住民税が前年所得を課税標準にいたして課税します関係上、ただいま御指摘のような問題が、一つの住民税課税上の問題としてあるわけでございます。したがいまして、この運用にあたっては、前年中に所得を有した方で、この課税年度に入りましてから所得が急になくなったという方については、適宜減免等の措置を講ずるように指導をいたしておるわけでございますが、ただ、いま御指摘のような事例が、社会的地位なり、あるいはそういった面から減免をあえて受けられるのに該当するか、あるいは御本人がそういう形でも税金を減免してもらうことを期待されるか、希望されるかという問題もまた別途あろうかと思います。で、それ以外の場合として、減免以外の問題としまして、徴収猶予の規定がございますけれども、この徴収猶予の規定は、現在は災害にあった場合とか、あるいは負傷をした、あるいは病気にかかったというような場合、あるいは事業を廃止したり、あるいは事業に著しい損失を受けた場合というような場合に、一定の場合に限られておりますので、いまのような場合に、直ちにこの規定に該当して徴収猶予になるということは、ちょっとむずかしいと思います。したがいまして、運用の問題といたしましては、三百二十三条の規定による減免の適用を受けるかどうかという問題であろうと思います。
#80
○鈴木壽君 減免してくれとか何とかということじゃなくて、納め方をもう少し長期にやってもらう、回数をふやして、あるいは長期にしてもらうとかというようなことによって、相当な負担ですから、それを幾らかでも緩和したような形にやれる方法がないかどうかということなんですが、お話のように減免規定は、天災、その他そういうふうな事情で、まさか国会議員選挙に落ちて収入がなくなった、だから減免してくれと、だれもそんなことは言いませんし、また、言ったってこれは適用されるものでもないと思いますし、しかし、また一方、実際問題からして、納めないというのじゃないけれども、なかなか苦しい。これはぼくらの仲間でそういう、この前の選挙で落ちてほんとうに苦しんだ人があるのです。市役所に何べんも足を運んで、これは私ははっきりしませんが、少し延ばしてもらうとか何とかというようなこと、これは大っぴらにできないと思います、いまのいろいろな規定からしますと。そういうことをやってもらったという話を聞きましたが、そういうことで、やはり納税者のいろいろな事情があるものですから、何かあまり、さっきも言ったような、何べんも何べんも行って頭を下げて、何だかんだと言わなくてもいいようなものがあれば、非常にいいと思うのですがね。
#81
○政府委員(松島五郎君) いま申し上げましたように徴収猶予という方法はございますけれども、これは先ほど申し上げましたような特定の場合に限られておりまして、先生のいまおあげになりました事例は、直ちに徴収猶予の事由に当たらないと考えられますので、そういう意味では何回延ばすということは非常に困難でございますが、ただ分けて納めるということをおやりになるなら、考えようによっては、徴収期の来るまで、月々それだけを留保していただいて納めていただくのも同じことであろうと思いますので、お答えになるかどうかわかりませんが、そういうような方法もあり得ると思うのでございます。
#82
○鈴木壽君 特殊なようなことの例で申し上げておるのですから、ちょっといまの法のたてまえからすれば、お答えにくいと思うのですが、これは市役所なら市役所に行った場合、市役所でも事情がわかって気の毒だと思うのです。しかしどうにもならぬ。こういうことで、何度か話し合いが続けられるわけですね。こちらでは、納めないというのじゃなくて、しかし、いますぐというような場合にはなかなか大金だ。あれでしょう、これは具体的に、たとえばぼくらのやつ、いま年間五百万くらいの所得になっているのですね。それで、今度地方税だというと、これは扶養家族とか、いろいろな問題もありますから、一がいには言えませんけれども、相当な額の住民税を納めなければいけないのですよね。おそらく、まあ、そのところにもよるでしょうが、そうすると一回に十万以上納めなくちゃいかぬ、こういうのがあるのですよね。そうなりますと、いま言ったように、何もないところに十万もいますぐ納めるわけにはいかぬ、何とかしてくれと、これは当然出てくるし、いまお答えのように、行っても、いやどうも困ると、こういうようなことでやるわけですがね。何か、当然納める気持ちもあるし、納めなければならぬと思っておるというような、そういうような事情の人には、何かの納めやすいようなことを考えてやっていいんじゃないだろうか。
#83
○政府委員(松島五郎君) まことにごもっともなお尋ねでございますが、まあ現在、住民税が前年課税の制度をとっていることに伴う一つの欠陥でございます。御指摘のような事例は、単に給与と申しますか、そういう形で所得を得ておられた方のみならず、前年中はかなり事業を大きくやっておられたけれども、最近になって事業不振になったというような方についても同じような問題が起き得るわけでございます。で、根本的には前年課税という制度を、所得税などのように現年課税に改めるかという問題にも関連してまいります。しかし、現在の制度のもとにおきましては、それが徴収猶予の事由に該当するなり、あるいは減免の理由に該当するなり以外には、ちょっと救済の方法がないのではないか、かように考えております。
#84
○委員長(仲原善一君) それではこのままで暫時休憩いたします。
  午後二時十六分休憩
     ―――――・―――――
  午後二時二十分開会
#85
○委員長(仲原善一君) 委員会を再開します。
 まず、委員の異動についてお知らせいたします。
 本日、辻武寿君が辞任せられ、北條雋八君が選任されました。
    ―――――――――――――
#86
○委員長(仲原善一君) 他に御質疑はございませんか。――別に御発言もないようでございますので、本案についての質疑は終了したものと認めます。
 これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もないようでございますので、討論は終局したものと認め、これより採決を行ないます。
 昭和四十二年分の退職手当等に係る道府県民税及び市町村民税等の臨時特例に関する法律案全部を問題に供します。
 本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#87
○委員長(仲原善一君) 全会一致と認めます。よって本案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、先例により、委員長に御一任を願います。
 次回は公報をもって報告いたします。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後二時二十二分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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