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1967/05/25 第55回国会 参議院 参議院会議録情報 第055回国会 地方行政委員会 第9号
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1967/05/25 第55回国会 参議院

参議院会議録情報 第055回国会 地方行政委員会 第9号

#1
第055回国会 地方行政委員会 第9号
昭和四十二年五月二十五日(木曜日)
   午前十時五十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月二十五日
    辞任         補欠選任
     木暮武太夫君     中津井 真君
     岸田 幸雄君     横山 フク君
     辻  武寿君     北條  浩君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         仲原 善一君
    理 事
                林田悠紀夫君
                吉武 恵市君
                松澤 兼人君
                原田  立君
    委 員
                岸田 幸雄君
                小柳 牧衞君
                沢田 一精君
                高橋文五郎君
                津島 文治君
                中津井 真君
                中村喜四郎君
                林田 正治君
                横山 フク君
                鈴木  壽君
                林  虎雄君
                松本 賢一君
                市川 房枝君
   国務大臣
       自 治 大 臣  藤枝 泉介君
   政府委員
       自治大臣官房長  宮澤  弘君
       自治省行政局長  長野 士郎君
       自治省税務局長  松島 五郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木  武君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関す
 る法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
○地方公務員災害補償法案(内閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(仲原善一君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 地方税法等の一部を改正する法律案、国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。
 まず、地方税法等の一部を改正する法律案の補足説明を願います。松島税務局長。
#3
○政府委員(松島五郎君) 地方税法等の一部を改正する法律案につきまして、補足説明を申し上げます。
 お手元にお配りしてございます「地方税法等の一部を改正する法律案関係資料」という部厚いつづりがございます。そのつづりの三分の一ほどを開いていただきましたところに新旧対照表がございます。この新旧対照表によりまして御説明させていただきたいと思います。
 今回提案をいたしております地方税法等の一部を改正する法律案は三条からなっておりまして、第一条の関係は、昭和四十二年度分の地方税から適用するものとして、必要な改正規定を定めてございます。第二条の関係は、昭和四十三年の一月一日以後に施行することといたしておりまして、昭和四十三年度分の地方税について適用するものをあらかじめ改正しておこうという趣旨のものでございます。第三条は、昭和四十二年分の退職手当等に係る道府県民税及び市町村民税等の臨時特例に関する法律、これは先般成立したものでございますが、この法律の一部改正を規定したものでございます。
 まず、第一条関係から御説明申し上げます。一ページの第十五条の九の改正でございますが、今回延滞金を四銭と二銭との割合で計算される期間を明確にしようとする趣旨で、地方税法全般にわたって改正を行なっておりますが、その改正の一部でございます。
 次に三ページにまいりまして、第十六条の二の改正規定は、「納付又は納入の委託」に関します規定でございます。改正の内容は、国税通則法の第五十五条の規定に準じまして、徴収猶予または差し押え財産の換価猶予を受けましたもの以外のものでも納付の委託を受けることができるようにいたそうとするものでありまして、四ページの上欄の二号、三号が、そのために新たにつけ加えられております。
 次に五ページの二十条の四の二の規定でございます。これは延滞金あるいは過少申告加算金、その他各種加算金の計算の基礎となります税額についての端数計算の規定でございます。現在は延滞金等の基礎になります税額が百円未満の端数があります場合には、これを切り捨てる。税額そのものが全額で百円であります場合にも切り捨てるということになっておりますのを、税制簡素化の趣旨から、税額の端数については、千円未満のものを切り捨て、税額そのものにつきましては二千円までを切り捨てて、延滞金、加算金等の計算の基礎にしようとするものでございます。
 次の六ページにまいりまして、第二十条の九の三という規定を新たに加えております。これは災害等がありました場合は納期限の延長をすることができるようになっておりますが、その場合には延滞金を免除し得る規定を設けようとするものでございます。
 次に七ページにまいりまして、上欄のまん中ほどのところに、「第四十二条の三から第四十二条の六まで」とありますが、従来の規定は「第四十二条の三から第四十二条の五まで」となっておりましたのを、四十二条の六を新たにつけ加えたものでございます。これは租税特別措置法で四十二条の六という規定が新設されまして、開発研究費につきまして税額控除の制度が設けられたのでございます。しかし住民税の基礎となります法人税額につきましては、開発研究費の税額控除以前の税額をとって、租税特別措置法の改正の影響が地方税には当然に及ばないようにいたそうということで改正を加えたものでございます。
 次は九ページにまいりまして、第二十四条の五の規定であります。この改正内容は「障害者、未成年者、老年者又は寡婦」で、住民税のかからない範囲を、前年の所得金額が、従来二十四万円まででありましたのを、二十六万円まで引き上げようとするものでございます。なお、現行法の第二項を削除いたしましたのは、現行法の第二項では、いま申し上げましたような障害者が、所得が二十四万円以下でありましても、事業専従者を持って事業をやっている場合には、住民税を課税することとなっておりましたが、それを削除いたしまして、そういう場合でも住民税の非課税の取り扱いにしようとするものでございます。
 次は一一ページにまいりまして、第三十二条の改正でございます。この第三十二条の改正は、いわゆる専従者控除の限度額の引き上げをしようとするものでございまして、青色につきましては、十万円のものを十二万円に、白色の申告者につきましては、六万円でありますものを八万円に引き上げようという改正でございます。
 次は、一三ページへまいりまして、第三十四条の改正でございます。第三十四条は、現行法で申しますと「所得控除」に関する規定でございますが、そのうち扶養控除は、御承知のとおり一人について四万円控除するのが現行法の原則でございます。しかし、もしも配偶者がない場合には、配偶者控除を受ける方がないわけでありますので、その場合には第一人目の扶養親族に限りまして七万円まで扶養控除額を引き上げるという規定でございます。しかしながら、配偶者のうちに、前年の合計所得金額が五万円をこえる配偶者がある場合、つまり控除対象配偶者にならない配偶者があります場合に限り、扶養親族のうちの第一人目を一万円低くいたしまして、六万円にするという規定でございます。しかし、この際これを改めまして、配偶者の前年の所得金額が五万円であるかどうかを問わず、第一人目の扶養親族控除を七万円まで引き上げようとする改正であります。
 次は一八ページにまいりまして、第四十五条の三の改正でありますが、第四十五条の三は、所得税法の規定に基づきます確定申告書を提出されました方には、住民税については申告書の提出を要しないということにいたしまして、その確定申告書を提出したことをもって住民税の申告書が提出されたものとするという、申告手続の簡素化に関する規定でございます。
 次は二〇ページへまいりまして、第五十二条の改正でありますが、これは法人の均等割の税率を、従来、県民税につきましては一律に六百円でございましたものを、資本金または出資金額の段階によりまして税率に差額を設けることといたしまして、資本金一千万円をこえます法人につきましては年額千円、それ以外の法人につきましては年額六百円に改めようとするものであります。これに伴いまして、税率は、いつの資本金あるいは出資金額をもって判定するかという関係について、二項以下に規定してございます。
 次は二四ページへまいりまして、第五十三条の改正規定でございます。この改正は、大体規定整備関係でございますが、第十項で、いわゆる粉飾決算をいたしました場合に、法人税について更正が行なわれ、この更正によって減額となる法人税あるいはそれに伴う法人税割りを、翌年度以降において調整してまいるわけでございますが、その場合に、従来はその法人がさらに新たな別の法人と合併いたしたような場合の手続についての規定が欠けておりましたので、それを加えたものでございます。
 なお三〇ページへまいりまして、第十二項の規定を加えておりますが、第十二項の規定の改正は、法人税の均等割りにつきまして、事務所、事業所、寮等がありまする場合には課税がされるわけでございまするけれども、寮だけあります場合には、法人税の中間申告に相当する申告を出します場合に、その寮についてまで申告をする必要はないと考えますので、その点の簡素化をはかっておるものでございます。
 三一ページの五十六条の改正規定は、延滞金の計算方法の改正に伴う規定の整備でございます。
 次に三四ページへまいりまして、五十七条の規定の改正は、分割基準の簡素化についての改正でございます。従来は事業年度中の各月末現在の従業員数の総合計をもって課税標準を案分することとなっておりましたものを、原則として、各事業年度末日現在の従業員数だけで案分し得るようにいたそうとする改正でございます。なお、原則と申しますのは、三六ページに一、二、三と掲げてございますように、たとえば年度の途中で事業所が新設されたというような場合、あるいは事業年度の途中で事業所を廃止してしまったというような場合、あるいは企業によりまして事業年度中における従業員数の変動が非常に大きい、すなわち季節的に人数がふえたり減ったりするというような場合には、事業年度末日だけの数字だけをもって案分をいたしますと、実態に即さない場合がございますので、そういう場合には、事業年度中の各月末の従業員数を合計したもので案分するということにいたそうとするものでございます。
 次は、三八ページの六十四条の改正規定は、これも延滞金の計算方法の改正に伴います規定の整備でございます。
 次に四三ページへまいりまして、七十二条の十四の改正規定でございます。改正の第一点は、農業協同組合連合会が行ないます医療事業について、事業税を非課税としようとするものでございまして、いろゆる厚生連の行ないます医療事業についての非課税を加えたものでございます。
 次は五一ページへまいりまして、七十二条の十八の改正でございます。改正の第一点は、事業主控除を二十五万円から二十七万円に引き上げようとするものでございます。第二点は、住民税と同じく、専従者控除限度額を、青色申告者につきましては十万円から十二万円に、白色申告者につきましては六万円から八万円に引き上げようとする改正でございます。
 次に五三ページへまいりまして、七十二条の二十三の三の改正でございますが、これは先ほど住民税について申し上げましたと同じ規定でございまして、合併により消滅いたしました紛飾決算をした法人についての更正の場合の、新しい法人への繰り越しに関する規定を加えたものでございます。以下ずっと各税につきまして、それぞれ延滞金の計算方法の改正に伴います規定の整備が続いております。
 次は六四ページへまいりまして、七十二条の四十八の改正でございますが、これは法人事業税につきましての分割基準の合理化に関します規定でございまして、内容は、先ほど住民税の法人税割りで申し上げましたものと全く同様でございます。
 次は七三ページへまいりまして、七十二条の五十四の改正でございますが、これは法人税、事業税あるいは法人住民税の分割基準の改正と同じような意味において、個人事業税につきましても、二以上の府県で事務所、事業所を設けて事業を行なっております場合の分割基準の合理化をはかろうとするものでございます。
 次は七五ページにまいりまして、七十二条の五十五の改正でございますが、旧法の第二項の削除をいたしまして、所得税等について修正申告書を政府に提出しました場合、あるいは所得税等について更正決定を受けました場合には、その旨を申告しなければならないこととなっておりました現行法を改めまして、住民税についても共通の問題でございますが、そういう場合には、税務署で、地方団体が調べればわかることでございますので、納税者の申告の手続を省こうという趣旨のものでございます。
 次は七八ページへまいりまして、七十二条の五十五の二の改正でございます。これは住民税について申し上げましたと同じ意味で、個人事業税につきまして、申告の簡素化をはかったものでございます。すなわち、所得税の確定申告書を提出されました方は、事業税についても、その確定申告書の提出をもって申告があったものとみなすことによって、申告手続の簡素化をはかろうとするものでございます。
 次は八〇ページにまいりまして、七十三条の四、不動産取得税の非課税規定でございますが、産炭地域振興事業団が取得いたしました業務の用に供します不動産につきましては非課税にしよう。従来も土地は非課税でございましたが、その上に工場、建物等ができました場合も、これを非課税にしようとするものでございます。
 次に八二ページの七十三条の二十七の五の改正でございます。この改正は、事業協同組合等が、公害防止事業団の設置いたしました、あるいは造成いたしました施設を取得いたしまして、それを組合員に譲渡いたします場合、いわば事業協同組合が中間に介在することになるわけでございますので、その取得については不動産取得税を免除しようという規定でございます。
 次は八五ページへまいりまして、七十四条の二の改正でございますが、これは県分のたばこ消費税につきまして、百分の九から、一・三%上げまして百分の一〇・三としようとする改正でございます。
 次は八六ページにまいりますが、八六ページから九五ページまでの各税目につきまして、延滞金の計算規定の改正に伴います規定の整備が続いております。
 九六ページ以下は、市町村民税に関します規定の改正でございます。
 第二百九十二条の規定の改正は、法人税額の定義についての改正でございますが、先ほど県民税について申し上げましたと同じように、租税特別措置法の改正に伴いまして、第四十二条の六を加えまして、租税特別措置において行ないます開発研究費の税額控除が当然に住民税に及ばないようにいたそうとするものでございます。
 次は九八ページへまいりまして、二百九十五条の改正でございます。これは先ほど県民税で申しましたと同じく、障害者、未成年者の非課税範囲を二十六万円まで引き上げようとするものでございます。
 以下、特に御説明を申し上げますもののほかは、県民税の改正と内容が同じでございますので、省略をさしていただきたいと思います。
 一〇〇ページへまいりまして、三百十二条の改正でございます。これは法人均等割りの税率についての改正でありまして、従来は、下の欄にございまするように、人口段階に応じまして、五十万以上の市では年額二千四百円、五万から五十万未満の市では年額千八百円、それ以外の市町村では年額千二百円となっておりましたものを、人口段階による区分をやめまして、資本金または出資金額の大きさによって区分をすることといたしました。一千万円をこえますものにつきましては四千円、一千万円以下の法人につきましては二千四百円と改めようとするものでございます。なお、これに伴いまして、第二項において、それぞれ制限税率についても改正を行なっております。また、第三項以下は、その税率を適用すべき日はいつかということを具体的にそれぞれの法人に即して定めたものでございます。
 次は一一七ページの三百二十一条の五の二の改正でございます。この規定は、給与所得者についての市町村民税の特別徴収につきまして、従業員十人未満の小規模事業所におきましては、毎月徴収した特別徴収税額を、その翌月十日までに納めるということもたいへんだと考えられますので、納期の特例を設けまして、こういう場合には年二回にわたって納めていただくというような改正をしようとするものでございます。
 次は一二七ページの三百二十一条の十三でございます。これは分割法人につきまして規定の明確化をいたしますとともに、明細書を提出することになっておりますものを、その明細書を、事務所のあります全部の市町村ではなくて、主たる事務所所在地の市町村に対してだけ出せば事が足りるようにしようとする改正でございます。そのほか分割基準の簡素化をはかっております。
 次は二二七ページの三百二十八条の五の改正規定でございますが、これは、先ほど小規模事業所におきます月々の特別徴収額につきまして、納期の特例を設けることといたしましたが、同じ趣旨で、退職所得につきましての住民税の特別徴収につきましても、納期の特例を準用しようとするものでございます。
 次は一四二ページの三百四十八条の改正規定でございますが、土地改良事業団体連合会というものを新たに非課税団体として加えようとするものでございます。
 次は一四六ページの二十項の改正でございますが、これは都市交通対策に資するために私鉄等が設けます地下道、あるいは跨線道路橋というようなものについて、固定資産税の負担の軽減をはかろうとする改正でございます。
 次は一四七ページの三百四十九条の四の改正でございます。最近における大規模償却資産所在市町村の財政需要の増高の実態にかんがみまして、市町村が課税し得る限度額を引き上げようとするものでございまして、その内容は、一四八ページにもございますように、人口段階別に定められております課税限度額を、従来人口五万以上は全部十億円とおしなべてありましたのを、二十万人まで引き伸ばしてまいりまして、そこの段階を二十五億円にしようとする改正がその第一点でございます。それから、その市町村に所在します固定資産のうち、少なくとも当該固定資産の二割は課税し得るという従来の規定を、十分の三まで課税し得るというふうに、十分の二を十分の三に改めようとする改正が第二点でございます。さらに、基準財政需要額と基準財政収入額との割合で課税限度を定めておりますその割合を、従来の百分の百四十でありましたものを百分の百五十にこれを引き上げようとするのが改正の第三点でございます。
 同様の趣旨で、三百四十九条の五は、新設大規模償却資産につきまして、基準財政需要額と基準財政収入額との関係できまってまいります課税限度額を、従来の百分の百九十のものを百分の二百に、百分の百七十を百分の百八十に、百分の百五十を百分の百六十に、それぞれ一〇%ずつ引き上げようとする改正を行なっております。
 次は、一五九ページへまいりまして、四百六十五条は、市町村分のたばこ消費税の税率についての改正でございます。従来の百分の十五を三一%引き上げまして、百分の十八・一としようとするものであります。
 次に、四百八十九条は、電気ガス税についての改正でございまして、従来、三年間非課税の取り扱いをされておりましたものを、その期限満了に伴いまして、一般的に非課税規定の項に繰り入れようとする改正でございます。内容は、ポリプロピレン、アセチレン、アセトアルデヒド、及びポリプロピレン系合成繊維というような四種類の品目がございます。
 次は、一六三ページへまいりまして、四百九十条の二の改正でございます。これは、ガス税の免税点を、現行五百円を七百円に引き上げようとするものでございます。以下ずっと各税目につきまして、延滞金の規定の改正に伴います整備が続いております。
 一七三ページへまいりまして、七百条の三の改正規定は、軽油引取税につきまして、特別徴税義務者に義務違反等がありました場合には、今回は、取り消すことができるようにしようという規定の改正をいたしております。取り消しました場合には、特別徴収義務者がまだ未課税の軽油を保有しているというような場合があり得るわけでありますので、その場合には特別徴収義務者が持っているものに直ちに課税できるようにしようとする規定の改正でございます。
 次に一七四ページにまいりまして、七百条の四、第一項第五号の改正でございますが、「特約業者及び元売業者以外の者が軽油の製造又は輸入をして、当該製造又は輸入に係る軽油を自ら消費し、又は他の者に譲渡する場合における当該軽油」についての課税であります。従来は輸入だけしかございませんでしたが、自家製油をしたような場合もそういうことができるようにいたそうとするものでございます。
 次は一七七ページへまいりまして、七百条の十一の二の改正でございますが、これは軽油引取税の徴収を確保いたしますために、特別徴収義務者に対しまして、保全担保の提供を命じ得る規定を置こうとするものでございます。
 次に一七八ページへまいりまして、七百条の十一の三の改正でございますが、これは、先ほども申し上げましたように、特別徴収義務者であります特約業者に対しまして、担保の提供を命じたが、それに応じない、その他、特別徴収義務者として、このままにしておくことは不適当だという場合には、特別徴収義務者としての指定を取り消すことができるようにしようという規定を新たに設けようとするものでございます。
 次は一八七ページへまいりまして、七百三十四条の改正規定は、法人の均等割り等の改正に伴います都の特例の読みかえ規定を改正しようとするものでございます。
 次に一九〇ページへまいりまして、附則の改正でございますが、附則第七項の改正は、開拓農地等の取得に対する不動産取得税の非課税の特別措置の延長を昭和四十七年三月三十一日まで五年間延ばそうとするものでございます。なお、これにつきましては、先般の特例法によりまして、五月三十一日まで一応二カ月間延長されておりますが、それをさらに昭和四十七年三月三十一日まで延ばすということでございます。
 なお、附則第九項につきましても、農地の交換分合によります不動産取得税の特例について同様の改正を行なっております。
 次は一九二ページの附則第六十五項の規定の改正は、区分所有にかかります住宅の固定資産税の軽減措置についての合理化をはかるための規定の整備でございます。
 次は一九九ページの附則九十四項へまいりまして、生命保険事業を行なう法人の事業税の課税標準の特例を規定しております。生命保険会社が厚生年金基金またはこの連合会と契約を結びまして、厚生年金関係の仕事を取り扱うという場合に、その収入保険料につきましては、当分の間事業税の課税標準から除外しようという改正でございます。
 次に二〇〇ページの附則九十五項の改正は、交通安全対策の見地から、その設置が要請されております自動列車停止装置につきましては、昭和四十二年一月二日から昭和四十七年一月一日までの間に設置されたものに限りまして、課税標準の特例を設けて二分の一にしようとするものでございます。
 次に二〇一ページの附則九十六項の改正規定は、重油の水素化脱硫装置、普通水素化脱硫装置といっておりますが、硫黄を除くことによりまして、大気中の亜硫酸ガスの拡散を少なくしていこう、こういうことで、重油精製段階で硫黄分を減少させる装置をこれからつくっていくという問題がございます。そういうものにつきましては、昭和四十二年一月二日から昭和四十五年一月一日までに新しくできたものに限りまして、固定資産税について二分の一の課税標準特例を設けようとするものでございます。
 次は、二〇二ページの附則九十七項の、紙の製造に使われます電気ガス税について、当分の間その税率を百分の五に軽減しようとするものでございます。
 以上が、第一条関係の改正でございます。
 次に、第二条関係の改正について申し上げます。
 第二十三条の規定で、老年者の定義を、六十五歳以上の者で、前年の合計所得金額が五百万円以下の者であるというふうに限定をいたしましたのは、後ほども御説明申し上げますが、従来はこういう方々については、税額控除の規定がございましたのを、今回所得控除に改めようと考えておるのでございます。所得控除に改めてまいりますと、所得の高い方は上積みのみの税率が適用になってまいりますので、減税の幅が大きくなってくるということがございますので、そういった点を考慮いたしまして、老年者については、五百万円以下の者に適用するということで、五百万以下の者に限るとしたのでございます。
 三十二条の改正は、青色事業専従者と配偶者扶養親族等の控除は、納税者の選択によることができるように改正をしようとするものでございます。
 次は、二〇八ぺ−ジにまいりまして、第三十四条の改正でございます。これは、先ほど申し上げましたように、従来は税額控除でありました障害者、老年者、寡婦、勤労学生についての控除を、所得控除に改めようとするものであります。五万円といたしましたのは、従来税額控除が千円でございましたので、この千円を最低税率二%でもって割りかえしますと、五万円の所得に相当することになりますので、五万円の所得控除にいたそうとするものであります。
 次に、四十五条の三の改正規定でございます。二二四ページでございます。これは、先ほど第一条の関係で申し上げましたように、所得税の確定申告書を出されました方は、住民税の申告書を必要としないように一応改めましたが、なお来年度以降に適用いたします場合、さらに規定の整備をしておく必要がございますので、その関係の規定の整備をはかったものでございます。
 次は、二五七ページにまいりまして、第三条の改正でございますが、第三条によります改正は、昭和四十二年分の退職手当等に係る道府県民税及び市町村民税等の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律という形式をとっておりますが、内容的には、六月一日前に支払われました退職手当について、所得税法の改正法律によって計算をいたしました場合の、退職手当に対する住民税の過納があったという場合には、その過納分を、原則は特別徴収義務者に返すということになっておりますけれども、今回はそういう手続をとらずに、直ちに退職手当の支払いを受けた人、すなわち退職者に返すようにいたそうと、こういう改正でございます。それに伴いまして、関係条例について所要の調整をいたしております。
 以上が改正案の内容でございます。
#4
○委員長(仲原善一君) 両案に対する午前中の審査は、この程度にいたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(仲原善一君) 委員の異動についてお知らせいたします。
 本日、辻武寿君が辞任され、北條浩君が選任されました。
 午後一時まで休憩いたします。
  午前十一時三十三分休憩
     ―――――・―――――
  午後一時十九分開会
#6
○委員長(仲原善一君) 地方行政委員会を再開いたします。
 委員の異動についてお知らせいたします。
 本日、岸田幸雄君及び木暮武太夫君が辞任され、その補欠として横山フク君及び中津井真君が選任されました。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(仲原善一君) 地方公務員災害補償法案を議題といたします。
 前回、すでに質疑は終了いたしておりますので、これより討論を行ないます。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
#8
○松澤兼人君 ただいま議題となっております地方公務員災害補償法案について、日本社会党を代表して反対の意見を申し述べます。
 法案の内容としては、本委員会の審議の過程におきまして、政府はその提案理由の中におきまして、一、地方公務員法に基づき条例で補償の制度を定めることができるようになっているが、その数がきわめて少ない。二、特別職のあるものについては法律による補償の制度がない。三、国家公務員災害補償の制度が改善されて、地方公務員の補償との間にアンバランスが生じてきたこと。四、補償の実施体制においてもばらばらであることなどの点をあげて、この法案の必要性を力説していたのでありますが、ある面では地方公務員の公務災害に対する補償の改善と見られる点もあるのでありますが、われわれの立場からすれば次のような難点があるのでありまして、賛成することはできないのであります。
 その第一の点は、根本的な問題として、もとより地方公務員の災害補償につきましては、各地方団体の自主性にゆだねるべきものでありまして、都道府県、市町村と、その職員の間において行なわれる団体交渉の結果、それぞれの条例によって規定、実施さるべきものでありまして、これを統一的、画一的に、国家の手によって統制、運営しようとする本法案は、地方自治の本旨に反するものであって、もし条例において足りないもの、低いものがあれば、国は法律で一定の基準を設けて、それに達するよう行政指導を行なうべきであります。
 第二の点としては、もし一歩譲って、何らかの形で中央が管理運営をしなければならない必要があるとしても、法案の内容に示されている、基金が地方団体の負担金だけを当てにして、国からは何らの資金援助あるいは資金投下を行なっていないことは、片手落ちでありまして、納得できないのであります。
 第三の点は、政府は、この法案の基準を最高のものとして、それ以上の補償を削り、平均化しようとしているのでありまして、労使の慣行によって樹立されている条例によるそれ以上の補償内容を排除することを目標としているようであります。この点は質疑の過程で、法律基準以上のものでも、それが既得の権利であったり、または必要やむを得ないものならば認めるといっているのでありますけれども、法文の中にその保証がないのでありまして、これはわれわれとして納得がいかないのであります。
 第四の点は、基金の運営審議会あるいは中央、地方の審査会等に対しまして、職員の立場を代表し、その利益を擁護する人々の参加を明確にしておらないのでありまして、基金そのものが十分に民主的であるというふうには言えないのであります。
 最後に、政府がどのように強弁しても、この法律による地方公務員の公務災害に対する基金の補償は官僚的統制のにおいがふんぷんとしているものでありまして、基金の理事長、理事、監事等は、自治大臣が直接、間接選任するものでありますから、将来はおそらく官僚の古手がそのいすにすわり、自治省の外郭としての中央機構ができ上がるのではないかと心配するものであります。地方公務員の生活上、身分上の問題は、まず地方団体の自主的判断にゆだねるべきであり、その職務権限を中央に取り上げることは、どのような理由があるにもせよ、断じて承服できないところであります。
 以上の理由により私は本法案に対して反対をするものであります。
#9
○原田立君 私は、公明党を代表しまして、地方公務員災害補償法案に反対の討論を行ないます。
 本法律案は、地方公務員の公務災害補償の水準を、国家公務員と同一の水準まで統一的に引き上げるというものであると理解されるので、その趣旨については一応よいことでありますが、ただ、その技術的構成において、基金を設け、その基金に補償の実施を行なわせるということは、特にこの基金に対する自治大臣の監督権の強さ等を考えた場合、結局、地方自治団体の固有事務を一部剥奪することとなり、地方自治の擁護という点から反対せざるを得ないのであります。
 要するに、いま少し地方団体の自主性を尊重した法制にしてもらいたかったのでありまして、私は本法律案には反対の意を表明するものであります。
#10
○委員長(仲原善一君) ほかに御意見もないようでございますので、本案に対する討論は終局したものと認めます。
 これより採決を行ないます。
 地方公務員災害補償法案全部を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#11
○委員長(仲原善一君) 多数と認めます。よって本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 審査報告書の作成につきましては、先例により、委員長に御一任を願います。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#12
○委員長(仲原善一君) 速記を起こして。
 地方税法等の一部を改正する法律案、国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案を一括議題といたします。
 御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#13
○鈴木壽君 幸い大臣しばらくおられるということでありますから伺いますが、今回の改正部分、あるいはそれに関連したことじゃございませんが、若干見解を承っておきたいと思います。
 最近、最近というよりもかなり前から、地方税の税財源の充実強化というようなことが政府からいわれております。自治省のほうでそういうことを常に力説されておったのであります。しかし、毎年のようにそういうことが強調され、力説されていながら、あまりどうも税財源の強化充実という点になりますと、はっきりしたものが出てこない。景気が好況に向かったというようなときには、若干の税の増収が見られますけれども、また反対に、景気が悪くなった場合にはさっぱりだめだと、まあこういうこともございますし、どうも何年来強調されておったことが、一向に実らないではないかという気がするわけなんであります。そこで私は、先般も地方財政の充実というような点で若干お尋ねをいたしましたが、特にこの税財源の充実強化というようなことにどういう具体的な方法を考えられておるのか。これはひとつこういう機会に明らかにしていただきたいと思います。
 で、特に税財源の充実強化を叫ぶ一方、住民税等においては、これは減税も行なわれなければならないという、こういう問題も特に最近出てまいりまして、この国会におきましても、大蔵委員会等において大蔵大臣がはっきりそういうことを言っておる。あるいは税調等においてもこの問題を取り上げるというようなことにもなってきているようであります。こういう時点で、ぜひとも地方団体には自主的な財源を与えなきゃならぬという、これはひとり税というだけでもございませんでしょうが、大臣も強調しておられる問題でありますから、そういうこととの関連において、やっぱり具体的に税財源の強化、そういうようなことに対して、一つの方向というものが示されるべきじゃないだろうか、こういうふうに思いますので、その点についてひとつ考え方を承りたいと思います。
#14
○国務大臣(藤枝泉介君) 確かに御指摘のように、率直に申し上げまして、いろいろ地方の税源を強化すると言いながらも、従来目ぼしいものはなかったことは、認めざるを得ないところだと思います。それで、どんな具体的な方向かというお話でございます。先般もお答え申し上げたように、基本的には、国の補助金等を減らして、その分をむしろ地方の財源に与えるという方向だと思いますが、そういう中で考えられるのは、たとえば揮発油税の地方移譲をさらに大きくすると、あるいはたばこ専売益金を削って、たばこ消費税をもっと上げるとか、あるいは所得税と住民税との間の配分を考えていく。もっとも、最後に申し上げました所得税と住民税との配分を変えていくということにつきましては、実効があがりつつ、しかも、低所得の方々の負担増にならないようなくふうをいたさなければなりませんので、いろいろ問題があろうかと思いますが、考えられる方向としては、ただいま申し上げたようなことを具体的に考えていかなければならないと存じております。
#15
○鈴木壽君 いまのお話で、実はどうもまだはっきり理解できない点もあるんですが、たとえばですね、毎年国から地方団体へ出るいわゆる負担金、補助金、特に補助金という場合に、確かにたくさんの額でありますし、これを地方にと言っても、しかしこれは税という形で地方に与える、いわゆるわれわれがいま考えている地方税ですね、そういう形での、何かの形でということは、これはちょっとむずかしいんじゃないだろうかと思うんですね。たとえば交付税のような形とか、何かの交付をする形をそういうふうに考えないと、いまの税という、さっきから申し上げております、いわゆる地方税の上に何かプラスしてやるというような形では、この問題は解決できないんじゃないだろうかと思うんですね。
 私がお聞きしておるのは、いわゆる税財源、これはまあ何も狭く考える必要はありませんけれども、税財源という場合に、現在のわれわれが普通地方税といっておるもの、あるいは譲与税でもいいと思いますが、そういうものの形で、そういう中で、一体どうより多くの財源を得られるようにするのかということが、普通いわれる税財源の強化だろうと、こういうふうに思うわけですが、そういう点からしますと、ちょっと補助金云々ということは、地方財政一般としての問題であればともかくですね、税財源のという場合は、なかなかこれはすぐ乗っかってこないんじゃないだろうかと思うのであります。しかし、まあ他方、それはともかくとして、揮発油の税金、まあこれは、たとえば道路財源にというようなことで、四十二年度予算編成の際にかなり大臣なんかも努力されたことだと思いますが、また、たばこ消費税の税率の引き上げということも、昨年の臨時的な措置に続いてことし恒常的なものになって、その結果若干の率の引き上げが行なわれた。まあこういうことはありますから、今後の方向としては、具体的には、やはりこういうことによって税財源の強化をはかっていこうという、そういう考え方はわかるんであります。ただ、そういうことだけですね、これはまあ揮発油、ガソリン税の配分がどういうふうになるのか、これははっきりしない段階ですから、これ以上言うことも何でありますから、あまりこまかいことに触れておられないと思いますけれども、しかし、これをやってもですね、これによって税財源の強化というようなこと終われりというようなことにはならんだろうと思いますね。むしろ最後にお述べになった所得税と住民税との、まあ普通いう税譲関係ですね、こういうものがどう行なわれるのか、こういうことが一つの大きな問題であり、これによって、もしいま言ったようにうまく利用できれば、常に相当効果があるだろうと思うのですが、こういうことに対しては、もっとそういうふうに考えたいというような程度でなしに、一つの案をお持ちじゃない、だろうかと思うのですが、その点どうでしょうか。たとえばですね、税調に、四十年度ですか、少なくとも税財源を地方歳入のうちの半分くらい、五〇%程度に引き上げたいと、こういうことから、自治省で試案を出されたことがあったはずなんであります。で、その中に、所得税から住民税への税譲と申しますか、そういうことがかなり大きく取り上げてあったように思うんですが、そういうことについて、最近の自治省の考え方として、何か具体的なものを持っておられるのかどうか、そういう点をひとつお聞きしたいんです。
#16
○国務大臣(藤枝泉介君) 先ほど私が補助金を減らして云々と申しましたのは、そういう国の支出が落ちる。したがって国税は相当減税ができるはず。その税源を地方にという、そういう考え方で申し上げた。それで、その典型的なものは、やはり最後に申し上げた所得税と住民税との取り合いの割合をどう変えていくかということもあるんでございます。ただ、いまお尋ねの、具体的にそれじゃどうしているんだということになりますと、先ほど申しましたように、よほどこれをうまくやりませんと、所得税は大幅に減税になる、しかし、その一部が移譲された住民税におきましては、これは住民税が、最低限の問題もございますが、上がるという形にならざるを得ない。なるほど所得税と住民税とを全部を合算してみれば、個人には減税になったというようなことでも、住民税だけを考えると増税になるというような問題がございます。それからまた、所得税の課税最低限と住民税の課税最低限が違いますから、住民税の課税最低限とその間にあるような人たちにおいては、実質的に所得税のほうはもう初めからかからないわけですから、所得税が幾ら減税になっても、それはその人にとっては、ただ増税になるというような場合も考えられるわけで、よほどこの所得税の一部を住民税に回すという場合に、技術的にいろいろ考えないと、ただいまのようなことが起こり得るわけでございまして、その辺はいろいろ事務的には研究をいたしておる段階でございます。
#17
○鈴木壽君 税務局長、あれですか、研究段階という大臣のいまのお話でございますけれども、たとえば所得税なら所得税、所得税から住民税のいわゆる移譲というような問題、もっと何かあなた方考えているところはございませんか。さっきも申し上げましたように、かつては、これ税調のほうへのいわば審議の際の参考にするための試案という形で、あらかじめ出されたものだろうと思いますから、したがって、外にはそういうことまではっきりした形では発表されておりませんから、その点はわかりますけれども、その後かなりの日数もたっており、さらに問題が、もうこれはかなりのんきでおっていいという段階でないようでございますし、何かあなた方の、事務当局と言っちゃことばは少し悪いのでありますが、実際仕事をなさっておる方々の作業の中に、もっとはっきりしたことを言えるようなことございませんか。
#18
○政府委員(松島五郎君) いま鈴木先生のお尋ねは、二つの点があるように受け取ったのでございます。一つは、地方税が地方団体の歳入構成等の面から見てどの程度あるべきかという問題と、それが一定の割合であるべきとして、現在よりもその構成割合を高めるべきであるとした場合において、具体的にそれをどういう形で国との間で税源の調整をしていくということではなかろうかと思います。第一点の地方団体の税収入が歳入構成のうちでどの程度であるべきかという問題につきましては、私どもも、かつては五〇%以上を占めるのが適当であるというような考えを持ちまして、一つの試案を税制調査会にはかったことがございます。しかしながら、この問題は、税制調査会におきましても、そういう意見も一つの意見ではあるということはございましたけれども、最終的な結論がまだ出ていない状況でございます。で、私はごく常識的に言って、地方団体が一つの自治団体である以上は、自まかないのできる財源というものが、少なくとも半分以上はなければならないということは、一つの常識として、やはり正しいのではないかというふうに考えます。しかしながら、最近におきます経済の発展に伴います日本全体の構造的変化を申しますか、から申しますと、ますます経済の地域的な不均衡というものが目立ってきております。したがいまして、どのような税制を組み立ててまいりましても、すべての団体に五〇%以上の税収入を与えるような地方税制というものが、はたして組み立てられるかどうかということは、一つの大きな問題であろうと考えております。一〇〇%のところもあり、五〇%のところもあり、一〇%のところもある。平均してみれば、地方団体全体としては五〇%以上だということでございますならば、私は可能性はもちろんあると思いますけれども、すべての団体を通じて五〇%以上だという地方税制を組み立てるということになりますと、非常に大きな問題があるように考えられるのであります。
 それは別といたしまして、かりに、すべての団体を通じてでなくて、まあ、地方団体全部を一つの団体とみなして、五〇%以上少なくともなければならぬという考え方に立ちましても、なお地方税としては、むろん五千億程度の増加がなければ、そういうふうにはならないのでございます。で、そうなりますと、一体、具体的にどういう税を地方税として国から移すことによってこの目的が達せられるかということになりますと、非常にむずかしい問題がございます。先ほど大臣から、所得税からの住民税への移譲ということについてお話がございました。これも大臣からもお話がございましたように、所得税を大幅に減税して、その分を地方税に回してもらうのだと、こういう考え方ではございますけれども、一般納税者からいえば、所得税が安くなることは、これは当然のことであって、それは地方へ移すというのは、何も理由がないではないかというふうな感情も非常に強いわけでございますので、所得税から地方税へ移すと申しましても、なかなか実際問題としては、一般の納得を得てこれを行なうということは困難なことであろうと思います。また、技術的な問題といたしましても、大臣から御指摘のありましたようないろいろな問題がございます。で、そういたしましても、かりにそれをあえていたしましても、先ほど来申し上げましたように、住民税については、一方減税の問題があって、課税最低限を上げていかなければならぬというようなことになりますと、いなかの町村へ行きますならば、そういたしましても、やはりその団体としてはそれほど大きな税収入を得ることができないというような問題がございまして、そういうふうなことがいろいろございまして、具体的に何を検討しているかということでございますけれども、私はここでまだ申し上げる段階ではございませんが、考え方としては、どの程度――移す場合にはどの程度の金が要るか、それをかりに所得税を移すと、どういう影響が地方団体にそれぞれあらわれてくるか、その場合に、それははたして実現可能性を持ったものであるかどうか。また、実現可能性を持たせるための技術的調整はどうかというような点を、検討を続けておるわけでございます。
#19
○委員長(仲原善一君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#20
○委員長(仲原善一君) 速記を起こして。
#21
○松本賢一君 ちょっと関連して。いろいろ鈴木さんの質問に対して答弁を聞いておったんですが、私どもしろうとですが、この問題の最も簡明な、しろうととして考えられる解決策として、地域格差の是正という問題からいくと、交付税をうんとふやすということが、一番わかりやすい方法だと思うのです。そこが、けさも陳情があったように、私どもは地方の中小都市に生まれ育ったものですから、そういう感じを非常に強く持つんですが、大都市のほうから見ると、大都市は困っている、困っているというお話もごもっともなお話で、人口過密というようなことで、非常に金が要るということで困っておられる。ところで、そうなるとですよ、貧弱な団体も大いに助けなければならぬ、大都市も助けなければならぬということになると、これは全体の金が、同じ一つの大きさのワクしかないとすれば、どう動かしてみたところで、知れたものではないかということなんですね、両方が足らぬ足らぬと言っているんですから。そうすると、これはもう、全体を大きくすると言っても、かりに地方交付税をべらぼうに大幅にふやすとすれば、今度は国のほうが困る、金がなくなっちゃって、というようなことで、補助金といったようなものを削れば、それは相当交付税も伸ばせるでしょうけれども、そこらの一体かね合いをどういうふうに現在の段階までに考えておられるか。その辺のところを一ぺん聞かしておいていただきたい。われわれも一生懸命考えてみるんです、悪い頭で。一ぺん聞かしてもらいたいと思うでのす。
#22
○国務大臣(藤枝泉介君) 大都市といいますか、そこの都市の財源を充実するというのは、やはりいまも話に出ましたような、所得税とか、そういうものを移譲を受けるという、いわば何といいますか、非常に産業の発達したところで、とりやすい、とりやすいといいますか、伸びる税というようなものを考えていくほかない。しかし、それじゃ今度は、地方の人口が減っていく方向では、そういうものは何らの影響をいたさないわけでございます。そういう税を一方で考えながら、やはり交付税の適正な配分を考えていくということじゃないかと思います。
 いま交付金というワクの中で、やれ過密について補正をするんだ、やれ過疎について補正をするんだということですから、これはほんとうに取り合いで、急変する人口動態等には追いついていないわけでございます。やはり大都市には伸びるような税源をいろいろくふうをして考えながら、交付税の、交付金の効果を大きく発揮できるような方向でしかないんじゃないかというふうに思います。
#23
○松本賢一君 ちょっといまの説明ではわかりかねるんですが、事務当局のほうからもう少しわかりやすく説明していただきたいと思うのです。
#24
○政府委員(松島五郎君) まことに卑近な例を引いて恐縮でございますが、いまここに二つの税があったといたします。それは国税でもなく、また地方税でもないという段階で考えていただきたいと思いますが、一人で十万納める税金と、税収入は同じく十万だけれども、十人で納める税金と、二種類の税金があったといたします。従来の考え方でございますと、一人で十万円を納める税金は、これは国税で持っていきなさい。同じ十万円であるならば、十人で納める十万円のほうを地方税としていただく。こういうような構成のしかたを今日までしてきていると思います。と申しますのは、結局地方団体は数多くございます。その数多くの地方団体に、できるだけ普遍的に行きわたるような税というものが必要だということから、そういう組み立て方をしているわけでございます。したがいまして、どうも一般的にいわれますように、地方税を貧乏な人ばかりから取っているじゃないかと、こう言われますけれども、結果的にはそういう形になるわけでございます。
 国税から所得税なり、そのほかの税源を移譲するといたしましても、これからこの経済の発展がこれほど不均衡になってまいりますと、移譲しても、やはりすべての団体に、十人で十万円を納める税金というものを地方税としてどうしても持っていかなければならぬという考え方では、もう処理ができない段階がきているのではないか。そうしますと、十人とはいわないまでも、三人、二人でもやむを得ないというような税源を地方税としては考えなければならぬ。そういうことになってまいりますと、申し上げるまでもなく、大都市でありますとか、あるいはその他の経済発展の大きなところにそれが税源として与えられる。しかし、その他の団体には、税源というのは、地方税を構成してみても、なかなか住民に行きわたらない、そういう形になっていくと思います。その行きわたらないところには交付税の交付によって調整をし、その住民の、十人のうちの三人か二人の納める税金でも、ともかく税源として可能性のあるところには与えられる。すなわち大都市には、あるいは経済的に発展したところには、税源として与えるというようなことでもって調整していくということが必要ではないかと思います。大臣のおっしゃられました趣旨も、そういうことであろうと思います。
#25
○松本賢一君 それでわかるんですがね。その考え方ですと、私は、いまのやり方と大同小異だと思うんですね。結局、いまも国税と地方税というものを、ある程度取り方が違って取っていて、そうしてその不均衡を是正する、財政需要額とか、財政収入額というような単位の計算の上に立って地方交付税というものが与えられているというかっこうですからね。いまの話だと、全体の総ワクには変わりないんですね。そうしてその中で多少ニュアンスの違った動かし方をしようということなんであって、いまのやり方と大差ないと思うんですね。それじゃなくて、われわれが考えるのは、もう少し抜本的なものの考え方ができないものだろうか。もう数年来、毎年のようにこの委員会でも繰り返し繰り返し同じ質問と同じような答弁とが繰り返されているわけですが、何か生まれてきませんか。
#26
○政府委員(松島五郎君) 抜本策ということになりますと、国民の国税、地方税を通じます租税負担というものに、これ以上の負担増を招かないという前提をとるか、とらないかという問題が一つあろうかと思います。私どもは、今日の状況から申しまして、国民の租税負担を、国税、地方税を通じてこれ以上にふやさない、すなわち国民の負担する租税総額というものは、もう一応現状に押えて、その上で地方財源をふやすということを考えるとすれば、結局国から地方に税源を移す。しかし国のほうはそれだけ税源が減るわけでございます。それだけ国の歳出を詰めていかなければならぬ。しからば何で詰めるかといえば、それは地方団体に出している補助金というものを詰めることによって、国は歳出を詰める。歳出を詰めたその余りと申しますか、余剰分を地方団体に税源として回す、こういう基本的な考え方以外に抜本的な方法というものはないのではないか。そうでないとすれば、国民の租税負担をこれ以上総量をふやすということ以外に方法はないというふうに考えられるわけでございます。
#27
○松本賢一君 ですから、そこで話が少しわかってくるんですよ。いまの補助金とかいうようなものをうんと大なたをふるって、そしてそれを地方に自主的に与えていくと、われわれ考えても、それが一番いい知恵だと思うのですよ。いま地方自治体というものが、財源全体が赤字が出て困っているという状態よりも、むしろ自主財源が乏しいということに非常に自治体の悩みがあるわけなんです。ですからそういう点で、早く補助金の整理と、いまの自主財源というか、交付税も含めた自主財源というものを地方にもっと豊富に、五〇%以上といわずに、もっと多くても私はかまわぬと思うのですが、そういったような形を早く招来するように努力をしてもらいたい。毎年毎年同じ質問、同じ答弁が繰り返されておるようなことで、もう毎年のように大臣もおかわりになるし、税務局長もしばしばおかわりになるしというようなことで、どうも同じ質問、同じ答弁が繰り返されるということで、ものごとが進展しないのですが、もうこの辺でひとつ思い切ったことをやってもらいたいということで、私関連質問ですからこの辺でやめますけれども、ひとつお願いしておきたいと思うのです。
#28
○国務大臣(藤枝泉介君) その意味で、先般も鈴木さんにお答えしたように、われわれも勉強いたしまして、地方制度調査会とか税制調査会等に対しましても、われわれは、このような具体的な考え方を持ちますというような試案をつくって、ひとつ議論の対象にいたしたいというふうに考えます。
#29
○鈴木壽君 地方財政の歳入の中に占める割合がどの程度でいいのかどうかという問題、これはいろいろ考え方もあると思いますし、しかしまた、その考え方があるといっても、的確にこれでいいのだというような線はなかなか出てこないと思うのですね、ほんとう言って。同じようなことは、国民所得に対する租税負担の割合なんかも、かりに二〇%がいいとか、二一%程度でとどめるべきだとかいうようなことも、一応の常識的なめどとしては言えても、そういう線を立てる、客観的な、万人を納得せしめるような根拠というものはなかなかないと思うので、私は、したがって、局長がさっきお話しになりましたように、地方税収の占める割合が五〇%以上あればいいという一つの常識的な線ということでおっしゃっておったと思いますが、そういうような点でいいと思いますが、しかし、地方税の歳入全体に占める率そのものを、たとえば五〇%という常識的な線でも、それにあまりこだわっておると、実際問題として、これはなかなか容易でないと思うのですね。現にいまのあなた方からいただいた資料を見ても、都道府県の税収入の地方の歳入中に占める割合というのは三一%しかございませんね、四十一年度決算で。それから市町村のそれが三七%、六%ばかり多くなっていますが、しかし全体としては、都道府県、市町村合わせた全体としては三三%になっています。これをいずれ五〇%というようなことにしましても、一七%をどうするというようなことになると、これはちょっとやそこらの税の移譲とか何かでは、なかなかこれは出てこないと思うのです。ですから、一つのいろいろ作業をするためにも、あるいはこういうことに対する一つの目標としてのそれはそれとして考えてもいいと思いますが、私は、実際の作業をしていくという点になりますと、あまりこういうものに縛られないでやっていくと。場合によっては、あるいは五〇%こすかもしれませんけれども、場合によっては四二、三%だということになるかもしれませんが、いまあまりこれを動かないものだというふうなことで考えていくと、ますますもって作業が進まないで、いつまでたってもまだだ、まだだということになりはしないか、こう思うのですが、それはさっきの答弁から、もちろん局長もそういうことを考えているわけじゃないでしょうけれども、そういうことを感ずるわけなんであります。むしろ税収入と、いわゆる一般財源といわれる他の、いまの制度でいったら交付税、譲与税というものがあると思いますが、そういうものを全体としてのやつを上げていくという考え方も、むしろ現実的な処理の問題としてはいいのではないか、こう思うんです。
 そういう点から一般財源のその割合を見ますと、これもさっき申しました資料から、都道府県段階で、いま税収入、地方譲与税、交付税等、いわゆる一般財源の率が五〇%ですね。それから市町村段階では五一%、全体で五〇%ということになっておるわけなのでありまして、これをもっと引き上げていくということで考えていくべきじゃない、だろうか、こういうふうに思うのであります。したがって、さっき私申し上げております税財源の云々というようなことだけでいまの地方財政のこういう問題を取り扱うには、なかなかこれはたいへんな問題だと思いますので、そういうふうに考えます。そうしますと、さっき触れました、大臣からもお答えのありましたような、補助金等の整理ということも、いわゆる税という形でということは、なかなかこれは実際問題としてたいへんだと思いますが、いわゆる一般財源を付与するという形なら、比較的と言っては悪いけれども、大きな困難なしにやれるんじゃないだろうか。困難という意味は、地方への移し方についてですよ。そういうふうに思うんですが、そういう点、大臣どうでしょう。
#30
○国務大臣(藤枝泉介君) 確かにお話しのとおり、地方の自主財源をふやす方法として、一つは地方税というものが考えられますし、一つは交付税、譲与等が考えられるわけでございます。だから、先ほど申し上げました揮発油税の地方移譲をさらに大きくするとか、たばこ専売益金を消費税という形で地方によけいにするとかということも、一つの方法でありますし、あるいは交付税の率を上げるということも一つの方法だと考えます。ただ、先ほど松本さんからちょっとお話がありましたように、交付税の引き上げだけでは、なかなか大都市の財源確保ということはむずかしいわけでございまして、そういう意味では、やはり地方税の拡充、それも小さなものをあさるのでなくて、国からの移譲という形での地方税の拡充ということもあわせて考えていかなければならないと思います。
#31
○鈴木壽君 ですから、地方税財源の拡充とか強化とかと言っても、いまその考えられることは、大臣がおっしゃったように、ガソリン税の一部を地方へ回すということ、あるいはたばこ消費税率をさらに引き上げるというようなこと、所得税から住民税のほうへ移してくるというようなこと、まあとりあえずやれるとなれば――抜本的ということばがさっき出ておりましたが、いまの税制、国税あるいは地方税制、これを一たんぱらばらにして出直すというのであればともかく、なかなか作業はそう簡単ではないと思いますが、だとすれば、いま言ったように、この三つくらいがとりあえず取り上げられなければいけないと思うのですね。しかし、また、所得税から住民税の移譲というのも、何べんもあなた方から聞かされておりますように、これやり方によってはとんでもない結果も出てくるので、ですからまあたいへんだと思いますが、ともかく、こういうような形しかないと思うのです。ところが一方また、住民税の減税あるいはその他の税の減税というようなことが、これは単に叫ばれておるだけでなしに、これはまあ当然の一つの行き方として出てきておるのですね。現にさっきも申しましたように、大蔵大臣は来年度からやるのだ、こう言っておりますから、そこら辺またなかなかかね合いの問題として、やっぱり私むずかしくなってくると思うのですが、それはともかくとして、来年度の住民税の減税ですね、これはひとつ、それこそこの担当の自治大臣から私お聞きしたいと思うのですが、大蔵大臣はどこかでやっておりますが、担当大臣の――大蔵大臣は何を言っておるのかと私は思うのですが、それはともかくとして、自治大臣、いかがでございますか。
#32
○国務大臣(藤枝泉介君) むしろ大蔵大臣がああいう発言を、答弁をしたことは、私どもは非常にけっこうなことだと思っております。どうせ大蔵省と私のほうとのかね合いになるわけでございます。
 で、御承知のように、先般衆議院の地方行政委員会で地方税法の改正案が通過する際に附帯決議をされまして、住民税については具体的に諸控除を来年は一万円ずつ上げるように努力しろということでございました。この御決議の趣旨に従いまして、私どもは検討してまいりたいと考えております。
#33
○鈴木壽君 大臣ね、きわめて用心深い御答弁なんでございますがね。検討してみたいと思います――おやりになるのでしょう。これはいいです、やらざるを得ないところまできていますからね。ところが、その各種控除を一万円ずつ引き上げるという程度のいわゆる減税でも、いわゆる総額からすれば、かなりの額の減税として数字的にははじき出されてきますね。こういう問題をどうこれは処理なさるおつもりなんでしょうか。
#34
○政府委員(松島五郎君) 大臣からお答えするのが適当かと思いますが、一応数字のこともございますので、私からお答えを申し上げます。
 来年度、かりに基礎控除、扶養控除、配偶者控除をそれぞれ一万円ずつ引き上げたといたします。そうしますと大体三百十億円くらいの減収になる見込みでございます。ただし、これは昭和四十二年度のベースで計算しておりますので、来年度のベースになりますとこれより若干ふえるかと思います。なお、本年度所得税法の改正をいたします。そうしますと、住民税のほうは一年おくれの課税でございますので、それが来年に影響してまいります。そのことによって約三百三十億円くらいの減収になる見込みでございます。両方合わせますと六百億をこえる大きな減収になるわけでございます。
 で、これを財源措置としてどうできるかという問題でございますが、本年度の住民税の所得割りの増収額は、県民税所得割り、市町村民税所得割りを合わせまして七百億円でございます。したがいまして、かりに来年度も同じ程度の増収であるといたしますと、これだけの減税を行ないますと、来年度は増収分が全部減税に消えていくという問題にもなるわけでございます。地方財政としても、これを地方財政のワク内でもって処理するということは、非常な困難が伴うものと考えているのでございます。もちろん、その他の税収入等につきましては、経済の動向がどうなるかというような問題もございますので、いまここで絶対にこうでなければならないということは申し上げにくいわけでございますけれども、いずれにいたしましても、非常な大きな減収でございますので、国における措置というようなものもあわせ考えまして対処していかなければならない、かように考えておる次第でございます。
#35
○鈴木壽君 いまから減収の穴埋めと申しますか財源――財政措置をどうするかなんということを聞くのは、どうも少し酷かもしれませんし、やぼかもしれませんけれどもね。これは考え方としては、あなた方の態度としては、いま言った相当な――附帯決議がついたようなあの程度の減税をやっても三百億円、あるいは四十二年度の所得税改正で、次の年へ越す地方税関係において三百三十億ですか、そうなりますと、かなりの大きなこれは減税でございますから、多少税の伸びがあったにしても、それを吸収してしまう。それは数字的には吸収できるかもしれませんけれども、しかしこれは、地方財政の実態からしますと、これはたいへんなことなんですよね、実情をいうと。いままで地方税の住民税の減税なんかをやらなかった。地方税の減税というものもほんとうにいろいろ要望があったし、やらなければならぬと思いつつも、手をつけ得なかったのはその問題ですね。穴があいたのをどうするか、これが解決できないうちはということであったと思うのですが、しかし、さっきも言ったように、やっぱりいまから――これはこれ以上私申しませんけれども、やっぱりはっきりした態度を持っていないと、それはせっかく減税をやった、一方においてさなきだに財政の需要の多い地方団体においてこの穴をどうしてくれるということで、たいへんなことになるのじゃないか。その点ひとつ――これ以上私申し上げませんが、特に大臣には考えておいていただきたいと思うのです。
 さて、しかし来年度において住民税の減税をするというのだが、実は来年度においてなさろうとする程度で、住民税のいわゆる減税というものがあれでいいのだというふうにお考えですか。それとも、まだまだ減税をしなければならぬし、というようなことをお考えになっておられるか、どうですか、その点は。
#36
○国務大臣(藤枝泉介君) 最初に御注意のありました、これはもちろん、いま税務局長も申し上げましたように、その程度の減税になりますと、地方税の中で処置できるものではございません。そういう意味で、大蔵大臣の答弁を非常に歓迎をしているわけなんでございますが、もちろん住民税、これはしばしばお答えして、おしかりを受けるかもしれませんが、まあ地方の、地域の需要というものは、地域の住民がやれる分に応じて負担をするという地方税の性格はございますけれども、しかし生活保護費基準の引き上げもございますし、国民の負担の現状もございます。衆議院の地方行政委員会で附帯決議をされた程度で足れりとするわけではございません。将来にわたってやはり所得税も関連しながら、課税最低限の引き上げは考慮していかなければならないものと考えております。
#37
○鈴木壽君 現在の住民税がもっと引き下げられなきゃならぬということ、これはまあ住民の側からも特に強く言われておるわけなんでありますが、一方、いままでは地方財政の現状も苦しいから、減税する余地はないのだということをしばしば言って、いわゆる減税をやってこなかったわけですね。いま一つは、いま大臣がおっしゃるように、地方の仕事はやはり地方住民がまかなうようにすることが大事だと思う。こういう一つの考え、ですから、多少高くてもがまんしてもらわなければならぬというような意味のことできておると思うのですが、しかし、私は、住民税の高いということは、これは何と言ったって否定できない事実なんでありますから、来年度おやりになろうというそういうこと。さらに引き続いて、私は住民税の減税というものをぜひ断行してもらわなければならぬと思うのですがね。その点検討するというようなことでなしに、たとえば所得税において、大蔵大臣は最近あれですね、四十四年度においては百万円まで課税最低限を引き上げるのだと、こうはっきり言明しておられますが、何かそういう一つのめどというものをお持ち合わせになりませんか、何か。私は百万円までという意味ではございません。
#38
○国務大臣(藤枝泉介君) 住民税については、いろいろほかにもまたあるのじゃないかと思います。というのは、例の均等割りを非常に低い額で押えておりまして、これは引き上げたらどうだという意見もありますが、しかし、これはやはりその住民の負担の問題あるいはそういう均等割りしか納めておらないような人の経済状態というものを考えてこれを引き上げるのは適当でないということで引き上げなかったわけでございます。そういう意味では、所得税は課税されないが、住民税が課税されているという方々は、一種の均等割りにやや収入をかけたもの的な性格があるのじゃないか。したがって、そういう低いところの税率をもっと下げたらどうだというような御議論もございます。そういうものとあわせて、ただ課税最低限を上げていくだけでなくて、そういう問題もございますので、いまのところ私どもは、たとえば昭和四十五年度に六十万とか七十万とかいう目標をいまは立てていないわけでございまして、いま前段に申し上げたようなことも考えながら、ひとつ考慮していきたいというふうに考えております。
#39
○鈴木壽君 この住民税の課税最低限の推移、これはいただいた資料の中にある。これを見ますと、若干ずつ課税最低限が引き上げられておるのでありますけれども、しかし、一方所得税のそれを見ますと、かなり住民税のそれとの差があるわけなんですね。そこで、いままでは、自治省では、差のあるのが当然だと、いうことできたと思うのでありますが、しばしばわれわれにそういうことを言っている。所得税の課税最低減が引き上げられたからといって必ずしも住民税のそれを引き上げる筋合いのものではないということでやってきているのでありますけれども、しかし、このひとしく所得に課税するという場合、それが所得税であれ、住民税という形をとるものであれ、やっぱり所得によって、生活を維持しておるというこういういまのお互いの生活の中で、やはり生活費というものを一つのめどにして、これは課税というものを考えていかなければならぬと思うのであります。所得税のほうでは、いわゆる最低の生活といいますか、一応のそれ、五人世帯ではこれくらいかかるから、その範囲で、それ以下のものについては税を課さないような一つの考え方のたてまえとして、いつの場合でも必ずしもきちっとこれにマッチしているわけじゃありませんけれども、大体そういうたてまえでやってきている。ところが、そういうことに対して、一方住民税のほうでは、その考慮というのは全然ないわけなんですね、いままで。これは別なんだという考え方、まあ負担分任とか、地域の仕事は地域のものでまかなっていくというようなこと、これも一応理屈の通ることかもしれませんけれども、しかし、問題は、私は生活をしなければならない唯一の元手である所得に対しての課税であるという観点からすれば、住民税はそんなこと考えなくてもいいのだと、こういう考え方は、これは私は間違っていると思うのです。その点どうです。
#40
○国務大臣(藤枝泉介君) そうなりますと、一体住民税の中の均等割りというのはなんだというような問題もあるわけでございます。もちろん、生活の元手である所得、したがいまして、その生活費にまで税金をかけるのはいけないではないかという御議論は、決してこれを否定するわけではございません。そういう意味で、同じことをいつも申し上げておるわけでありますが、そういう意味では、やはりいわゆる所得税の課税最低限以下の住民税のかかる人たちの住民税というものは、一体何なんだろうということだと思います。私先ほどちょっと申し上げましたように、一つの考え方として、市の均等割りなんだが、ややそれに収入的なものをかけたんだ、合わせたんだ。したがって、それはもっと税率が低くていいじゃないかというような議論をなさる方もございます。そういうことも考え合わせまして、原則として、生活のかてである所得、それは生活費に食い込むのはいかぬという一方の御議論を考えながら、しかもその住民税の持つ性格、そういうものを一方において踏まえながら、この住民税の軽減合理化というものをはかっていかなければならないというふうに考えております。
#41
○鈴木壽君 私はいま言ったような観点から住民税というものをもう一ぺん考える。それこそほんとうに根本から考え直さなければいけないと思っています。おっしゃるように、均等割りというものがあって、それでさらにまた均等割りに類したような低い税率の税金をという話でありますけれども、そういう形でやはり住民税というものを、しかもそれによって何といいますか、地域の仕事をするという一つの大きな柱になっている税でありますから、そういうものであって一体いいのか。現在のような形で一体いいのかどうかという、この実は基本的な検討をしなければならぬし、と思ってはおります。ただ、そういう意味からしますと、私の質問、ちょっと課税最低限の問題だけを取り上げておるのは、これは変になってくるかもしれませんけれども、しかし、一応私はそういうことを考えながら、なおかつ現在においてどう、いわゆる負担の軽減というものをはかっていくかということにおいて、この問題をいま問題にしているわけです。さればといって、私も所得税と同じような課税最低限でいいとは、いまの地方財政の状況といいますか、あるいは住民税の考えられておる性格から言って、そのまま所得税と住民税と課税最低限がひとしくなければならぬということは、私は申し上げるつもりはございません。それにしても、あまりにこうした大きな差というものは、しかし何とか一日も早く是正すべきじゃないだろうか、こういうふうに思っているわけなんであります。そういう点で、かりに来年度――私どもは今年度あたりからやってもらいたいと思っているのでありますけれども、来年度の改正で今度やるというその程度で満足して、なおさらに今後軽減のために検討しましょうという程度では、私はちょっとなまぬるいのではないか、こういうことなんであります。
 ですから、かりに所得税が百万円となった、あるいは住民税の課税最低限が八十万円にきめられても、私はけしからぬとは言うつもりはございませんが、しかし、いまよりももっと大きな額で課税最低限というものをきめてもらわないといけない。それを一日も早く達成してもらうように、ひとつ臨時的にでも、この案なり考え方を持ってもらいたいと思っているために、こういうことをいま質問しているわけでございます。やっぱりあれですか、来年のことをやって、それからさらに検討しましょうという程度のことしかいまのところ言われませんか。
#42
○国務大臣(藤枝泉介君) 現在のこの段階におきまして、われわれが集められる資料では、ちょっとまだ来年はこう、再来年はこう、そうして最終年度と申しますか、昭和四十五年にはこのようになりますということを申し上げるだけの資料がないことをたいへん申しわけなく思いますが、そういう状況でございます。
#43
○鈴木壽君 実は私ども社会党では、ここで党のことを持ち出すのも変でございますが、住民税の課税最低限の引き上げをもっと大幅にすべきであるという考え方で、四十二年度で六十万円程度、四十三年の時点では六十五万円程度、それからそれが平年度化された場合には六十六万円程度、こういうふうな一つの案を持っているわけなんですけれども、せめて私どもが言っておるこの程度をひとつ踏み切ってやれませんか、どうですか。
#44
○国務大臣(藤枝泉介君) 衆議院のあの附帯決議の各種控除一万円引き上げということになりますと、四十三年度におきましては五十三万程度に相なると思います。現在申し上げられるのはその程度でございます。決して四十四年度にやりませんと申し上げているわけではございませんが、具体的な数字はただその程度しか申し上げられないのは、はなはだ残念でございます。
#45
○鈴木壽君 大臣、ひとつ希望といいますか、要望として申し上げておきたいと思いますが、一方において所得税のああいうことが大蔵大臣からはっきり言われておりますし、むしろいま、その国民といいますか、住民にとっては、この住民税の問題が実は一番大きな問題として出ている。この中ではあるわけです。これと国民健康保険です、実は。しかし健康保険のことはともかくとして、これは非常な関心を持っておりますし、いまのお話から、あるいは衆議院における附帯決議等から、来年度は五十三万円くらいに引き上げがはかられるのだということになりますと、さらに一体どうかということについて、くどいようでございますが、非常な関心といいますか、切実な問題として、彼らはそれを要望しているわけですね。そういう意味でひとつ、あるいは私どもからしたら十分でないというふうに、あとで文句を言うかもしれませんが、ひとつこの程度は、たとえば四十四年度あたりにやっていきたいといったようなことを、次の委員会あたりでお話いただけるように考えていただけませんか。
#46
○国務大臣(藤枝泉介君) 大蔵大臣、その所得税につきまして、これは新聞の報道でございますが、四十四年までに五人家族で百万円にしたいという発表をなさいました。したがいまして、一般の国民の方々、その点については一種の生活設計、そういうことが考えられるわけでございます。ところが住民税がお先まっくらと申しますか、四十三年度にある程度のものがあっても、その先はよくわからぬということでは、これはいけないではないかという鈴木さんのお気持ち、わかるわけでございます。この次の委員会というお約束もできませんけれども、われわれも大いに勉強したいと思っております。
#47
○鈴木壽君 大臣お約束の時間ですから、もし何だったらお帰りになってもけっこうですが、これはやはりぜひともやってもらわなければいけないことなんだが、それの一つの証拠として、納税義務者が非常にふえてきていますね。所得税のほうでもふえておりますけれども、さらに地方税の、市町村税の所得割りの納税義務者の数というものはふえてきておる。おそらく四十二年度のそれは、四十一年度二千二百八十二万人ですか――二千五百万か六百万になるんじゃないですか、それはいいです。しかもそれは、こういうふうに所得税の場合と比べて多いということは、とりもなおさず、低所得者が課税されているということなんですね。そういう意味からいっても、私は、所得税を課せられない者がたくさん住民税の納税義務者となって納税をしなければならぬというところに、いまの大きな問題があると思うのです。ですから、これは単に頭数を減らすとかふやすということではなくして、実態がそういうことなんですから、これはほうっておけない私は問題だと思うのですよね。多く所得を取っておるそういう人がふえるのだったら、これは喜んでいいけれども、喜ぶのもこれはちょっとどうかしているが、私は率直に言って、低所得者の課税、それが行なわれておって、その数が、納税義務者が多いというのは、これは税そのものから言って、とんでもないことだと私は思うのです。さっきも言ったように、所得に対する課税のあり方としては。まあそういうこともございますから、大臣ひとつぜひ、この次にといっても、これはなかなかたいへんでしょうが、そのうちに少しでも国民を喜ばせるような一つのそれをぜひほしいと思うのですがね。大臣、よろしゅうございます。
#48
○委員長(仲原善一君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#49
○委員長(仲原善一君) 速記を起こして。
#50
○鈴木壽君 それから、住民税が高い、市町村の住民税が高いということの中に、いま私申し上げておりました控除等の関係で、課税最低限が低いところにあるという、そうしてかなりの率で課税されるということのほかに、一つは、地方団体でかなり多くのところに超過課税をやっているという問題があるのですね。しかも、その超過課税のやり方は、税率は限度である一・五倍の率でやっているところがかなりあるのであります。たとえば端的に一つの例を申し上げますならば、同じ所得の人で標準税率どおりに課税されておるところに住む人、A町ならA町におって、標準税率どおりにやると五千円納める人が、隣のB町で一・五倍の率でやっていると七千五百円ですわな。これは小さくない。それこそ増税をされているわけなんです。この額が、上積みになっているこの額が、また特に住民税が高いという気持ちにさせる大きなそれになっていると思うのですがね。どうです、この点。超過税率、超過課税をやっている場合、その税率ですね。これはまあいまの法律からすれば、自治体の考え方でどうにもやれるということになっておりますけれども、しかし、これは、いまのようなこの法律改正をやったとき、私ども警告したことなんですが、どこかに、私、速記録調べれば出てくるのじゃないかと思いますが、だれでもやっていいというためにつくったものじゃないと思うのですよね。どの団体でもかってにやってもいいということじゃなかったはずなんです。趣旨は、いわゆる特別な財政事情のところに対してということなんであって、これは法律の文章にはありませんよ。ありませんけれども、そういうことであったと思うのです。しかし、それがいま言ったように、相当軒並みと言っては少し悪いかもしらぬけれども、いなかのほうに行きますと、軒並みと言ってもいいくらいの最高限の一・五倍の税率でやっているものだから、さなきだに高い住民税が、なお一そうの重圧感をもって住民の上にのしかかっているわけなんであります。この点局長、どういうふうにごらんになっていますか。
#51
○政府委員(松島五郎君) 御指摘のとおり、現在の税法では、標準税率をこえまして五割以上まで税率を高めることができるようになっております。したがいまして、この標準税率をこえて課税をしている団体も相当数ございます。しかし、御指摘ではございますけれども、昭和二十五年に現在のシャウプ勧告に基づきます地方税制ができましてから、今日までの市町村民税の動きを見てまいりますと、最初は御承知のとおり、課税標準のとり方にも、所得税を課税標準にしてもよろしい、あるいは課税総所得金額を課税標準にしてもよろしい、あるいは税引き所得を課税標準にしてもよろしい、しかも税率は、所得税を課税標準にいたします場合は制限税率がございましたけれども、その他の場合は制限税率だけで、どういう所得の刻み方をして、どういう税率の刻み方をしても差しつかえない、こういうようなことでございました。さらに翌年度の昭和二十六年度の改正で、いわゆるただし書き方式というのが追加をされまして、市町村が課税標準のとり方に五つの選択が認められた。しかも、その税率もきわめてゆるやかな制限でございまして、ほとんど制限というには足りないような制限であったと思います。したがいまして、市町村民税の課税は、各団体によってもう千差万別と申しますか、でございまして、税負担も同じ所得の人に対して非常な違いがあったわけでございます。
 その後の市町村民税の改正の経過をたどってまいりますと、こういうような市町村のいわば自主性が最大限度に認められた課税方式から、地域間の負担均衡ということを中心にして、いかにしてこれらを調整し、規制していくかということに改正の重点が向けられてきたと思います。その結果、課税標準も漸次制限、整理されまして、本文方式とただし書き方式となり、さらに準拠税率というような制度が設けられまして、税率についても、ゆるやかではございますが、ある程度の規制が行なわれるようになった。昭和三十九年、四十年の二年にわたる改正によりまして、課税方式も統一をされ、税率も、所得の刻みも、税法に掲げるもの以外に別な刻み方をしてはならない。それぞれに適用される税率も、その税法に掲げるものの一・五倍までしか認めないというふうに強化をされてきたわけでございます。この経過は、いま申し上げましたようなことから、地域間の負担均衡ということを中心にして、いわば地方税法が最近改正をされてきたというのが現状であろうと思います。
 そうして到達いたしましたのが現在の改正でございます。その間に、御承知のとおり、ただし書き方式等がありましたときには、税負担が、同じ所得に対しても、極端なところは七倍にも達する町村もあったわけでございますが、最近ではこういうような調整をいたしました結果、そのような極端なものはなくなってきているのでございます。したがいまして、現在も超過税率をとっておるところはございますけれども、一・一倍から一・五倍までの超過税率をとっております町村は、全体のうちの三分の一程度に減ってきております。かつて、ただし書き方式が七〇%以上を占めていた当時に比べますと、超過税率をとっておるとはいいながら、非常に負担の地域間の均衡というものは推進されてきているものと考えられるのでございまして、これによる超過課税額も、四十一年度で百二十億程度でございまして、市町村税収入に対します割合は五%程度でございます。かつて昭和三十八年には、超過課税分が三百十三億ございまして、その当時の税収入額に対して二二%を占めていたというようなことに比べますと、かなり改善をされてきていると考えているのでございます。そこで、さらに進んで、この超過税率の問題をもっと制限すべきかどうかということでございますけれども、やはり自治団体というたてまえをとっております以上、どれだけの税金を納めるかということは、当該団体の議会の議決を経てきまってくる問題でございますので、やはりその団体がどういう仕事をするか、その仕事に応じてどれだけの負担を住民に求めるかということは、当該団体のやはり議会の審議を経て定められる幅がある程度あっていいんではないか、かように考えているものでございます。
#52
○鈴木壽君 お話しの法改正の経緯等については、私も一通り承知しているつもりです。それから、したがって現在の状況も、かつてのそれのようなことではなくて、かなりよくなっているということも認めます。ただ、しかし、これでいいかというと、そうじゃない。端的に言って、五割増しですよ。それは自治団体がいろいろな仕事をやっていくために、必要なものはそれぞれ処置していいのだということなんですけれども、確かにそういう、何といいますか、どの程度の率でやるかということの選択といいますか、決定のそれというものは、自主的にやっていいと思います。しかし、その幅が五割といったようなことでいいかどうか。私はだから当時、せめて一・三倍ぐらいにしなさい、標準税率ということでむずかしいという事情もわかります。しかし、さればといって、いま言ったように五割増しというようなことになるとたいへんなことになるから、せめて三割増し程度にすべきじゃないかというようなことを言ったのですけれども、原案のまま通ってしまいましたけれども、その程度の範囲で、自由裁量の余地を持っている、自治団体がそういうようなふうにやれるのだというようなことであれば、それは私はそれでいいと思いますが、五割増しというようなところがずいぶんあって、これは一・一倍までの市町村が四十五、一・二倍までが二百、一・三倍までが二百二十三、一・四倍までが百十三、一・五倍までが五百七十七と一番多い、こういうふうにみな固まってしまうようなことというのは好ましいことじゃないと思う。かつてのそれよりは、もちろん改善されておりますけれどもね。どうもこの点、あなたが、昔と比べればよくなっているのだからということなんですけれども、私は、これはさっきも言ったように、やってもせいぜい一・三倍、三割増しぐらいでとどめるべきじゃないかと思う。したがって私は法律改正の際には、ここに手をつけてほしかった、ほんとうは。いかがですか。
#53
○政府委員(松島五郎君) 標準税率という制度を定めております場合に、制限税率をどれだけまでにすべきかという問題は、非常にむずかしい問題でございます。自治団体であるから、制限税率も要らないのではないかという議論も一方にはございますが、さればといって、国民の税負担と直接関連する問題でございますので、その団体で判断すれば幾らでもいいというわけにはもちろんまいらないと思います。したがいまして、現在制限税率という制度が設けられているわけでございます。ただ、それじゃ制限税率が標準税率に対して幾らであればいいのかということについては、御指摘のとおり一・三という考え方もございますが、あるいは一・二という考え方もあろうかと思います。なかなかきめ手のむずかしい問題でございますが、現在は、御承知のとおり固定資産税につきましても標準税率が一・四、制限税率が二・一というふうに五割増しということで定められているわけでございまして、そういった事情を考えますと、やはりこういう市町村の基本的な税金でありますものについては、ある程度市町村自体が判断をする幅があってもいいのではないかと、かように考えておるのでございます。
#54
○鈴木壽君 あなた方はやはりあれだな、こういう問題は、これは幅があっていいことはわかりますよ。だから常識的に、あなたおっしゃるようにぴしっと、どれだけがいいかということになれば、なかなか一・二がいいか、三がいいか、あるいは足りなくて四にしようか、五にしようか、いろいろ考え方があると思います。しかし、常識的に言って、一体同じ所得で、A町ではさっき言ったように五千円であればいいものが、B町では一・五の超過課税をやっているからというので七千五百円だという、五割増しというのは、これは何といったって常識的に考えて高過ぎると思うな。自主的に地方団体がやっているからかまわんじゃないか、それぞれの事情があるだろうしということは、確かに一つの理屈ではありますけれどもね。これは国で、変な話だけれども、法律つくって、地方団体の意向いかんを考えないわけじゃないけれども、とにかく国で、国会の場で法律をつくりますね。その際に、私はいま言ったように、過酷にならない、差はあってもいいけれども、ひどい差のつくような、そうしてそれが住民の負担に重くのしかかるような、そういうことというのは、私は避けるべきじゃないかと思うな。確かにむずかしいです。一・三、二、私は二とも言いたいが、まあそういうことは常識的に、せめて三割増しぐらいなら、その中で取捨選択をさせるような、自主的に決定をさせるような、そういう幅は、私いま言ったように認めていいと思います。それをのべつ高くして、この幅を大きくして、しかも大多数の傾向が、ここにありますように一・五倍のところになっているというようなことは、私は好ましくないと思うのです。
#55
○政府委員(松島五郎君) 地方税の改正のあとを見てまいりますと、固定資産税につきましても、最初の標準税率が一・〇で、制限税率はたしか百分の三であったと思います。それはしたがいまして、標準税率に対する制限税率は五割以上であったわけでございます。それがその後の改正を経まして、百分の一・四と百分の二・一という五割増しになってきておる、幅が小さくなってきている。また住民税につきましても、先ほども申し上げましたように、極端なところでは、標準的な課税方法の六倍も取っていた町村もあったのが、最近はそれが縮められてきた。こういうことでございまして、こういう今日までの地方税法の経過をたどってまいりますと、市町村自体が自由に判断をして課税をするという、その幅が漸次いわば縮められて、全国的に負担の均衡ということが中心になって改正が進められてきたというふうに私どもも感じているのでございます。したがいまして、その傾向は、まあいわば一つの歴史の流れであるといたしますならば、今後においてこの問題はどうお考えになるかという場合には、そういうことも念頭に置いて問題を考えていかなければならぬ、かように考えておる次第でございます。
#56
○松本賢一君 いまの問題ですがね。さっき局長一・五倍の程度くらい自主的にやりたい、仕事をやるために、地方の自治体としての自主的なことにゆだねたらいいじゃないかとおっしゃるが、実際、実態が、いま鈴木さんが示されたように一・五倍のところにがたがたっと固まっているということは、これは独得の仕事をするためにそういう判断をしているということじゃなくて、私はそれなら、一・五倍であろうと、二倍であろうとかまわぬと思うのですよ。住民の納得の上に金を使うんだったら。そうじゃなくて、財政が苦しいから、やむを得ず一・五倍のところに固まってしまっているということだと思うのですね。大体そういう傾向をたどってきたということは、財政が苦しいから、みんな高い税金をかけておったやつを、だんだん国のほうから手を漸次差し伸ばしていって、不均衡の是正をやっていって、だんだん一・五倍のところまできたんであって、現在一・五倍でやっておるところは、やっぱり苦しいから一・五倍取っておるのであって、よその自治体よりうちはこれだけいい仕事をしているから、税金を一・五倍取っているという状態ではないのですよね。そこのところが私は問題だと思うのですよ。住民の納得の上で、いい仕事をするために税金が高いなら、それはまた自治体の自主性でもって、私どもの個人的な意見としては、たとえ二倍取っても、実際それだけりっぱな仕事をしているならいいですけれども、そうじゃなくて、財政が苦しいから、やむを得ず許される範囲内で一・五倍のところに固まってしまっているという状態じゃないかと思う。その辺の実態はどうなんですか。
#57
○政府委員(松島五郎君) ただいま松本先生から御指摘のありましたような事態は、あるいはあろうかと思います。ちょうど一・五のところが、吹きだまりのように数がたくさん集まっておりますことは、財政が苦しいから、法律で許された最大限まで納めていただこう、そうせざるを得ないという問題もあろうかと思います。ただ一般に常識的に申しますと、大きな市より小さな市、小さな市より町村が、財政が一般に悪いといわれておりますけれども、この超過課税の一・五の段階の率を見てまいりますと、人口五万以上五十万未満の市では、一・五倍までのものが、その市の数が一七%でございます。それから五万未満の市では二三%、町村が二八・五%というふうに、町村が比較的採用数が相対的な割合では少なくなっております。したがいまして、一般に財政力が弱いといわれます町村が、普通でございますともっと率が高くなるのが普通ではないかと思いますけれども、五万未満の市よりむしろ少なくなっているという状況でもございますので、ただ財政が苦しいからというだけで、ちょっと思われない節がございます。ただ、個々の団体がどういう事情でやっているかについて、詳細にただいま調査した資料を持ち合わせておりませんので、確定的なことはお答えいたしかねますけれども、そういう状況でございます。いま御指摘のような問題もございますので、将来の問題として、この一・五をさらに引き下げていくということになりますと、やはり地方財政に対する措置もあわせて考慮しつつ、問題を解決していかなければならぬと思います。
#58
○鈴木壽君 そういう話なんですけれども、これはどうもあなた方のそれを聞いておりますと、むしろ標準税率というものをつくってやらせるという、あの法改正そのものが、どうも考え方としてくずれてくるような考え方だと思うのですが、従来から見ますと、あなたもおっしゃるように、確かにこれは幅といいますか、いま縮まっておりますし、私ども当時、あなたも言われましたように、A町では、たとえば千円納めればいいものが、隣の町に行ったとたんに五倍も六倍にもなったというような、そういう例が前に多かったものですから、いま問題にしたわけですが、それも当時から見ると確かによくなっておりますけれども、私は、いま住民税が高いといって、減税をしなければならぬといっているときですから、こういう点で、いわゆる住民税が高く、重くのしかかっているという、そういう実態を少しでもなくしていくようにしなければならぬと思うのです。それを単に、自主的にやれるのだ、やるべきだしというようなことでおるべきではないし、したがって、私は法律できめておる一・五倍という税率、これは早急に改める、もっと幅を小さくして、それはその後の財源措置といいますか、そういうことについては、もちろんお話しのように、別途考えていくということにしないといけないと思うのですが、何かお話聞いておりますと、これでもうよくなったんだからいいのではないかというふうに聞こえますけれども、単に将来検討するということではなしに、引き下げについて一つの考え方を、もっとはっきりおっしゃっていただきたいと思うのです。
#59
○政府委員(松島五郎君) 先ほど来申し上げておりますとおりに、今日までは住民税についても負担の均衡ということを中心にして改正が進められてきた、これは私は一つの歴史の方向だと考えております。しかしながら、いま一・五になりましたものを、これで来年なり再来年なり、直ちに一・三なり一・二にするように改正するかどうかということになりますと、私もまだ検討不十分で、確定的なお答えをいたす段階にないことを御了承いただきたいと思います。むしろ問題は、そういうような制限税率一ぱいまで、先ほど松本先生からお話がございましたように、財政困難なるがゆえにただそれだけの理由でやらなければならぬという事態を別途解消していくという努力がなされるべきではなかろうかと、かように考えている次第であります。
#60
○鈴木壽君 それはせんじ詰めれば、松本さんのおっしゃったように、これは財政が苦しいからということなんですよね。特別に他と違った仕事をするのでも何でもない、何でもないと言っては少し悪いけれども、そうでしょう。市町村へ行ってごらんなさい。この仕事をするためにこういうふうに高い税率をきめてやっているのだというところは、ほとんどありません。何となしに、とにかく苦しいからということなんです。だから、それはあなたのお話のように、別途考えなければ――いかにして地方に財源を与えて、少しでも苦しい現状を直していくようにという、それはもちろん当然やらなければならぬ。ただ、いまの時点では、町村では多少の財源が与えられたといっても、これをはずす気持ちはないのですよ。はずしませんよ、黙っておったらこれは。それから、私のほうは秋田ですが一・五までやっているところがずいぶんある。私は特に関心を持ってこの問題を見ておりますが、いま言ったように、市町村がおしなべて貧乏なところですから、そういうことのためにやりますが、さればといって、何かほかに財源があるといっても、じゃすぐはずせるかというと、必ずしもそうではない。考え方が、貧乏なところでしかたがないが、住民ももちろん納得しておりませんし、ぶうぶう言っておりますよ。議会ではただ町長なり村長が、村財政の苦しさのやむを得ざる理由を述べて、こうせなければいかぬと言われると、議会の人たちもそうだなということで、住民は何も納得しない。みなぶうぶう言っているけれども、またいなかだから、それをいなかの人たちははっきり外へ出してどうのこうのということもやれないものですから、そのままになっておるのですね。私は、ですから、少し荒療治のようだけれども、そういうことで事実上の増税をされている人、そういう人を私は救済すべきだと思う。もちろんそれによって、さっき百二十億円程度というお話がありましたから、これのうちどのくらい何かの形で穴埋めしなければならぬという問題が出てくるでしょうが、そういうことを私は考えておりますが、その点については、きょうはこの程度にしておきます。
 それから、住民税が高いということ、先ほどからいろいろ言われておる課税最低限の引き上げということで、いろいろと問題になって言われておりますけれども、いわゆる標準世帯のこの問題ですね。課税最低限を引き上げる際に、何の控除をどの程度控除額を引き上げるとかいう、それの扱いによって、標準世帯はあるいは救われるかもしらぬけれども、独身者とかそういう人は、あまり救われないという問題が一つあると思うのですね。私は端的に言うと、たとえば扶養家族控除を二万円引き上げるというような形で、課税最低限度の引き上げを、総額として十万円引き上げたとか十五万円引き上げたとかやっても、独身者なんかはやはり依然として税金が高いということから免れることができないのですね。だからその際に、私は独身者等のこともあわせ考えて、まず基礎控除、それからもう一つ私は、地方税との関係もありますけれども、給与所得控除、こういうものも忘れないでこれは手をつけてもらわないといけないと思うのですが、どうですか。
#61
○政府委員(松島五郎君) 御指摘のとおり、家族構成によりまして控除の適用される種類が異なりますので、ただいま扶養控除を幾ら引き上げましても、独身者には及んでいかないという問題は御指摘のとおりでございます。で、結局、控除金額を引き上げるという場合、どこに重点を置く、すなわちどういう家族構成に重点を置くかという考え方の問題であろうかと思います。全体について引き上げ、独身者も、あるいは五人家族の家庭も全部引き上げられることがあれば、一番望ましいわけでございますけれども、一定の減税財源というものを前提といたしました場合に、どこに重点を置くかということの問題について、ただいま御指摘の点は考えていかなければならぬと思います。
 基礎控除を引き上げますと、御承知のとおり全体に及びますので、独身者についてももちろん適用があるわけでございます。しかし配偶者控除なり扶養控除なり引き上げましても、独身者には当然には及ばないという問題は、もちろんこれは申し上げるまでもないことでございますが、あるわけでございます。給与所得控除の引き上げは、これは給与所得者については、独身者であろうと家族を持っておられる方であろうと、ひとしく及ぶわけでございます。ただ、給与所得控除のような場合には、独身者でも四万円なら四万円は当然及んでくる。家族五人持っておる方でも、同じ四万円しか及ばないということになると、生活費という面から見れば、相対的に家族持ちにとっては十分でないではないかという問題がございます。そこで、扶養控除の引き上げというようなものが組み合わされていかなければならぬ、かように考えるわけでございます。
#62
○鈴木壽君 だから私は、何も給与所得控除だけ引き上げたり、基礎控除だけ引き上げろという意味じゃなくて、そういうことをむしろ組み合わせながら重点的に考えていかないと、家族持ちはいいのだけれども、独身者が、わずかの収入しか取れないものがやはり課税されるのだ、こういう事態が改善されないということから申し上げておるのです。確かに給与所得控除の問題、これは私いま申しましたように、単独に住民税だけということで考えるわけにもいかないだろうと思う。これは所得税の関連もありますしね。しかし住民税の場合でも、いわゆる勤労者、これがやはり何と言ったらいいか、損したと言っちゃ悪いが、まあ仮借なくとられているわけですね。よくクロヨンとか何とか言うそうだけれども、やっぱり勤労者のことを考えてみますと、給与所得控除というものを、所得税もそう思いますが、所得税、住民税をあわせて、もっとこれは考えていかなければならない。と同時に、基礎控除も考えていく。こういうことがぜひ必要だと思うので、何も扶養家族控除をするなとか、そのかわり配偶者控除にどうという、そんなことじゃなくて、組み合わせの中でやるけれども、その点を特に考えていかないと、ほんとうの意味の減税にはならぬぞと、こういうことを申し上げたいわけなんです。
 基礎控除をかりに所得税の場合と匹敵させたような場合、どのくらいの金が、いまの時点で……。
#63
○政府委員(松島五郎君) 基礎控除を一万円引き上げますと、四十二年度ベースで約百二十億円の減税になります。現在、所得税の基礎控除は、今年度の改正予定が十五万円でございますので、差額が五万円になりますので、この五倍、五百億円をこえると思います。
#64
○鈴木壽君 基礎控除の引き上げということは、それは全体に響く問題ですから、いわゆるその後の減税をした場合の、控除額を引き上げて減税をした場合の、その後の処理というものは、これはなかなかいろいろ問題になると思いますけれども、しかし、私がいま申しましたように、そういう点までひとつ十分考えて、この住民税の負担の軽減ということをぜひやっていただきたいということを申し上げたいのであります。
 参考のためにお聞きしますが、市町村民税の納税義務者と、さっき私は所得税の納税義務者のことを言いましたが、はっきりした比較の数字は何か出ておりますか。
#65
○政府委員(松島五郎君) 住民税の所得割りの納税義務者は、四十一年度の調査では二千二百八十一万七千人でございます。これに対しまして、所得税の四十一年度、これは見込みでございますが、二千百五十七万五千人でございます。
#66
○鈴木壽君 ちょっとここの何といいますか、納税義務者の、市町村の住民税の場合のそれの推移と、それから所得税のそれと、何か次回あたりまでに表にしていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
#67
○政府委員(松島五郎君) 調製して提出をいたします。
#68
○鈴木壽君 三十五年度あたりからでいいですから。
#69
○政府委員(松島五郎君) はい。
#70
○委員長(仲原善一君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#71
○委員長(仲原善一君) 速記を起こして。
 両案に対する本日の質疑はこの程度にいたします。
 次回は公報をもって御通知いたします。本日はこれにて散会いたします。
  午後三時二十九分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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