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1967/06/13 第55回国会 参議院 参議院会議録情報 第055回国会 地方行政委員会 第14号
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1967/06/13 第55回国会 参議院

参議院会議録情報 第055回国会 地方行政委員会 第14号

#1
第055回国会 地方行政委員会 第14号
昭和四十二年六月十三日(火曜日)
   午前十時四十五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月十三日
    辞任         補欠選任
     辻  武寿君     田代富士男君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         仲原 善一君
    理 事
                林田悠紀夫君
                吉武 恵市君
                占部 秀男君
                原田  立君
    委 員
                小柳 牧衞君
                沢田 一精君
                高橋文五郎君
                津島 文治君
                中村喜四郎君
                林田 正治君
                加瀬  完君
                鈴木  壽君
                林  虎雄君
                松澤 兼人君
                松本 賢一君
                市川 房枝君
   国務大臣
       自 治 大 臣  藤枝 泉介君
   政府委員
       自治政務次官   伊東 隆治君
       自治省行政局長  長野 士郎君
       自治省財政局長  細郷 道一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木  武君
   説明員
       自治省行政局振
       興課長      遠藤 文夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○昭和四十二年度における地方財政の特別措置に
 関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○住民基本台帳法案(内閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(仲原善一君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 地方交付税法の一部を改正する法律案、昭和四十二年度における地方財政の特別措置に関する法律案を一括議題といたします。
 提案理由の説明はすでに聴取しておりますので、これより補足説明を願います。細郷財政局長。
#3
○政府委員(細郷道一君) それでは、地方交付税法の一部を改正する法律案の補足説明をさせていただきます。
  〔委員長退席、理事吉武恵市君着席〕
 お手元の資料のまん中辺に法律案が入っております。便宜それに従って御説明申し上げたいと存じます。穴あきの法律案、活版のやつでございますが、それで御説明申し上げたいと思います。
 最初は、第十二条第一項の改正でございますが、これは御承知のように経費の種類、測定単位等を規定しておる条文でございます。それをそれぞれ改正をいたしておりますが、おもな点は、従来、「道路、橋りょう費」というのをそれぞれ別立ての種類として測定単位を別個に書いて計算をしておりましたのを、今回一本にまとめることにいたしました。
 それから「その他の土木費」につきましても、従来、人口、面積、海岸保全施設の延長と、三つの測定単位を使っておりましたが、このうち面積のうちで、砂防関係のものは河川費のほうへ統合いたしました。土地区画整理事業費の関係は、人口のほうへそれぞれ統合することにいたしまして、面積による測定単位を削除することにいたしております。
 それから市町村分につきましては、「道路橋りょう費」は府県の場合と同様一つにいたしました。そのほか新たに「下水道費」というのを設けました。最近の都市におきます事業の実態から見まして、「下水道費」を新しい経費の種類並びに測定単位として掲げました。従来は、この部分は都市計画費に一部入っている。また一部は清掃費の中に入っておったのでございますが、それぞれそれをまとめまして「下水道費」といたしました。その測定単位といたしましては「人口集中地区人口」を使うと、こういうことにいたしております。
 それから次の第十二条の第二項は、その測定単位の数値の算定を規定しておる条文でございます。いま申し上げました「下水道費」について、「人口集中地区人口」を新たに使うことにいたしましたのに伴いまして、それの数値の算定基礎をここに加えたものでございます。
 それから第十二条の第四項は、補正係数についての規定でございますが、今回投資態容補正というものを設けまして、従来種別補正でありますとか、あるいは密度補正でありますとか、あるいは特別態容補正等によって行なわれておりました投資的経費の需要の算定にあたって用いております補正をまとめまして、投資態容補正ということにいたしたい、かように考えまして、そういう補正方式を取り入れようとしておるものでございます。それに伴いますその根拠となります条文の改正を十三条第四項第三号ハでいたしております。
 それから第十三条第五項の表、これは経費の種類ごとに、どういう補正を適用するかというのをきめておる規定でございます。これはいま申し上げました補正の中で、投資態容補正といったようなものを設けることによりまして、従来ございました補正をやめて、そういうのに統合、合理化をいたしておるものでございます。たとえば十三条五項の表の道府県の中で、道路の延長というところで、従来は種別補正、密度補正、態容補正及び寒冷補正というのをいたしておりましたが、このうち種別補正、それから密度補正といったようなものは、今回これをやめまして、態容補正の中の投資補正に統合をいたしておるものでございます。こういうことによりまして、一方では算定の合理化をはかりながら、一方では算定の簡素化をはかっていくというふうな考え方でいたしておるものでございます。
 それから十四条の第二項というのがございますが、これは全く規定の整備でございます。
 それから別表は、御承知のように単位費用の改正でございます。今回、昨年の給与改定、あるいはそのほか国の法令等によりまして変わってまいりました経費、たとえば生活保護費といったような、そういったようなものもございますので、それらを単位費用にそれぞれ直しておるのでございます。なお昨年は、御承知のように特別事業債の発行に伴いまして、臨時に単位費用を、投資的経費の単位費用を割り落としを特にいたしておりましたが、それらは全部復活を本年はいたしておるのでございます。したがいまして、この別表全体、ほとんどの費目について変わっております。災害復旧費の元利償還費とかあるいは特定債の償還費といったようなものにつきましては、従来どおりの単位費用を使っておりますが、それ以外のものについては全部改正になっております。
 附則では、一つは公営企業金融公庫法の一部改正がございます。これは草地改良事業を今回公庫の融資事業の中に加えましたので、農林漁業金融公庫からの引き継ぎによるものでございますが、それを加えましたことに伴う改正をいたしております。
 それからもう一つは、後進地域の開発に関する公共事業に係る国の負担割合の特例に関する法律、これは、この負担割合の特例を定めるにあたりまして、過去三カ年間のそれぞれの財政力指数を使っておるわけでありますが、その中で、昭和四十一年度は特別事業債発行という特殊な事情のもとで、財政需要が削減、縮小されておりますので、その年度は三カ年の基礎に使わないでいこう、こういうことでございます。
 以上が地方交付税法の一部を改正する法律案の概要でございます。
  〔理事吉武恵市君退席、委員長着席〕
 それから次に、昭和四十二年度における地方財政の特別措置に関する法律案、これにつきまして御説明申し上げます。
 第一条は、趣旨でございますが、第二条に、百二十億の臨時地方財政交付金、そしてその中を第一種と第二種に分けまして、それぞれ九十五億と二十五億に分ける。で第一種の九十五億は、普通交付税と合わせて算定をするというのが第二条の第四項に掲げてございます。それから第二種のほうは、市町村及び特別区に対して交付をする。で、第一種のほうは、九十五億は、都道府県にこれを交付することにいたしております。したがいまして、第三条におきまして、都道府県ごとに計算をいたしました地方交付税によります財源不足額に案分をする、こういう規定を入れてございます。
 それから第四条は、第二種交付金の算定でございますが、これは道路、市町村道の延長で案分をするということが規定されております。
 それから第五条は、こういった第一種交付金、第二種交付金というものが、本年度の臨時措置として加えられておることに伴いまして、四十二年度分の地方交付税の特例を定めておるものでございます。特にその中で申し上げたいことは、第五条の第二項で、昭和四十二年度に限って基準財政需要額を算定する際に、特別事業債の償還費を測定できるように加えておることでございます。府県、市町村それぞれあるわけでありますが、昨年の発行されました特別事業債、それの償還費、本年度は利子だけでございますが、それを充てておることでございます。で、それは、それぞれ発行されました地方債の額に対しまして、千円の地方債の発行額に対しまして、府県については七十一円、市町村については六十五円ということが、第五条の四項に単位費用として定めてございます。府県分については、政保債と公募債の加重平均としたが、市町村は政保債を主として配分をしておりますので、政保債の利率によりますと、こういうことにいたしております。それから第二種交付金は、市町村分の算定にあたって、基準財政収入額にまるまる加えることにいたしておりますので、そのことを第五条の第五項に書いてございます。
 それからあとは、第六条以下は、規定の整備でございまして、端数の計算のしかたでありますとか、残額が出たとき特別交付税に加えるといったような規定の整備でございます。
 で、附則におきまして、二項、三項、四項、それぞれの法律の一部を改正いたしておりますが、これは四十二年度におきまして、市町村分の収入見込み額にいま申し上げました第一種交付金が加えられておりますので、それを四十二年度だけは加えるという臨時の措置を規定したものでございます。
 以上が補足説明でございます。
#4
○委員長(仲原善一君) 両案に対する質疑は後刻に譲りたいと存じます。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(仲原善一君) 次に、住民基本台帳法案を議題といたします。
 御質疑のある方は、順次御発言を願います。
#6
○鈴木壽君 今度のこの住民基本台帳ですね、これは第六条によりますと、新たにこういうものを
 つくらなければならないということになると思うのですが、その際、先日何かこう様式なり規格なりというものは統一したものを考えてはおらない、それぞれの団体においてしかるべくやってよろしんだと、こういうお話であったと思いますが、そのとおりでよろしゅうございますか。
#7
○政府委員(長野士郎君) 住民基本台帳のいまお話しになりました点は、この住民票の記載事項との関係でございますが、まあ法律ではこういうように必要最小限度の事項を規定しておりますけれども、個々の住民票の記載欄の様式でございますとか、記載の形でございますとか、そういうものを一定をしようというふうには考えておりません。むしろ地方公共団体として従来からいろいろやっております様式もございますし、そういうものが活用できれば活用したいし、また地方団体がこれ以外に追加をいたしまして、行政の必要から住民票の作成に加えまして追加して記録の整理をするということがあれば、それもまあ便利がいいのじゃないかというふうに考えますので、統一的な様式を考えようとはしていないのでございます。
#8
○鈴木壽君 従来といいますか、現在までの間に、その地方団体によっては事務の能率化とか、合理化、あるいはまあ住民のサービスというような点からいって、この法律に定められていると同じような考え方でですね、住民台帳をつくっているところがありますね。そうして窓口を一本にして、そこでそれぞれの事務のところへ分かれていったりなんかはしますけれども、とにかく住民台帳というものを一つにしてやっているというところがあるんですが、そういうものは、住民票の記載事項、ここに掲げられてあるような、こういうことの要件が満たされておれば、従来、現在まで使っているものを、そういうものをそのまま残しておいてもいいという、こういうことになると思いますが、そうでございますか。
#9
○政府委員(長野士郎君) 住民票は、いま申し上げますように様式を格別統一して、全く新しい規格のものをつくるということは考えておりませんから、この台帳法によって求めておりますところの記載事項が満たされておる住民に関する記録が、現在までに市町村でつくられておるといたしますと、それを可能な限り、そういう場合には、それがこの法律による住民票にまあ移行しやすいようにいたしますために考えておるわけでございますから、お話しのような場合には、完全に住民基本台帳法の住民票として用いることを予定をしておるわけでございます。
#10
○鈴木壽君 そうしますとあれですね、いま申しましたように、最近あちこちの市町村で、いわゆる統一された住民台帳というものをつくり、その中の住民票の記載事項が、ここに示されてあるようなものであれば、あるいはまた多少手を加えるかなんかする場合もあると思いますが、いずれ従来のものを使えるものは使ってもいいんだと、また使わせる趣旨なんだと、こういうふうに理解していいんですね、念を押してひとつ聞いておきます。
#11
○政府委員(長野士郎君) まあお話しのようなことでございます。
#12
○鈴木壽君 いま私があげたような、市町村でのこういう事務の合理化といいますか、そういうことをやっておるところについての何か調査はありますか。たとえばどこそこにはどういうふうにしてどうやっておるんだというような……。
#13
○政府委員(長野士郎君) この前にもちょっと申し上げたのでございますが、昭和四十一年の三月三十一日現在の調査によりますと、いわゆる市町村の窓口事務の改善、いわゆる窓口統合でございますが、そういうことを実施をしております地方団体が二千五百十六町村ございます。それは七四・五%ということになっております。その内容になりますと、ちょっとさまざまでございまして、必ずしもここに申しておりますような住民票にまで統一しているものとも申せませんが、大体そういうふうに統一しているものと思いますものは三、四割程度はあるようでございます。と申しますのは、非常に不明確なことで申しわけないのでございますが、それ以外の調査としまして、日本都市センターという全国市長会の付属の研究機関がございますが、そこにおきまして、三十九年の九月に全国の五百五十九都市のうち、三百四十二市について調査した結果も参考にいたしますと、戸籍とか住民登録、国民健康保険、国民年金というものを全く一つで処理しておりますものは、その三百四十二市の中で七%くらいということになっておりますから、おそらくこのあたりの七%といわれている市につきましては、御指摘のように住民票といいますか、そういうものを、いろいろな届け出を全く一つに整理しているものと思われるわけでございます。それからそれ以外に、二種類に分けているというようなものが六一%くらいあるということになっております。こうなりますと、二種類のものをどうも使っているように考えられますので、統合といいましても、いろいろ統合の段階で異なるわけでございますが、全く一つにしていると思いますところにつきましては、お話しのように、大体この住民票に用いることが可能だろうと思っております。それからまた、二つに分けておりますようなところでも、その一つのほうにそれを集めますとか、あるいは住民票は何も一枚でなければならないということにはなりませんので、二枚を一つに考えれば、これも一つになると、こういうことにいたしまして、なるべく現在あるものが活用できる、その点が様式とか形式、大きさというものを統一しないことにいたしますために、そういうことが可能になるというふうに思っております。
#14
○鈴木壽君 その点はよくわかりましたが、それでは最初に基本台帳をつくる際に、これは住民票の作成等において、第八条によれば「この法律の規定による届出に基づき、又は職権で行なうものとする。」、こういうことがありますが、これはどうです。届け出というものを基本に考えておるだろうと思うのですが、そこら辺はどうです。
#15
○政府委員(長野士郎君) この第八条の住民票の関係につきましては、新たに住民として住居を移転しましたとか、そういう場合につきまして届け出というもので処埋をしていくということでございますが、それから最初につくりますときと申しますか、この法律が施行になりまして、そのときに行ないますものは、附則の四条を見ていただきますと規定していますが、「市町村長は、昭和四十四年三月三十一日までに、施行日の前日現在における住民につき、住民票を作成しなければならない。」、こういうことにいたしておりまして、現在おります者についての法律の適用に関しましては、届け出ということじゃございませんで、市町村長が職権で住民票の作成を行なうということを原則にいたしておるわけでございます。ただ、これが実施になりましてからは、「住民としての地位の変更に関する届出の原則」というのが第四章に書いてございますが、こういう第二十一条にありますように、地位の変更に伴なうものは届け出を原則にする。ただし、いまお話しがございましたように、住民票の記載につきましては八条にありますが、地位の変更については届け出が原則でございますけれども、記載事項の訂正とか修正とかいうことも出てまいりますので、そういう場合は届け出のみならず、正確さを担保いたしますために職権で修正をする、訂正をするということもできるようにいたしておるわけでございます。
#16
○鈴木壽君 そうすると、これは第八条の住民票の記載ということは、一たんできてからあとの、たとえば転入とかあるいは移動等によるところの記載であって、そもそも当初につくる場合の記載ということを含まないということなんですか。
#17
○政府委員(長野士郎君) おっしゃるようなことになるわけでございます。最初のこの施行に際しましては、むしろ附則の経過規定が働きまして、その場合には、先ほど申し上げましたように住民票の作成は市町村長の職権で行なうということになってしまうわけでございます。それから、その後におきまして住民に求められますのは、この地位の変更について、変更のありますために届け出を求められる。その届け出がありますと、それを受理しまして、審査もすると思いますけれども、住民票の訂正をすると、こういうことになるわけでございます。したがいまして、最初のところは届け出はなくても住民票はつくれる、こういうことになるわけであります。
#18
○鈴木壽君 附則のほうの「住民票を作成しなければならない。」ということ、これは四十四年三月三十一日までの間にそういうものをつくらなければならないということであって、具体的な記載等についてはそれとは別だと、こういうことなんですか。これは作成の中には、もちろん記載しなければでき上がってきませんけれども、これは何月何日、ここにいう四十四年の三月三十一日までにつくらなければならないという、それだけの話であって、記載の事項そのものについては八条によってやられるということじゃないの、これは。これはぼくら法律的にどうも、ああだとかこうだとか言われると、ちょっとわからなくなるのですけれども、そこらはどうです。
#19
○政府委員(長野士郎君) 四十四年の三月三十一日までに住民票を作成すると申しますのは、その時期までに全国一斉に住民基本台帳法の実施をしたい、こういうことでございます。したがいまして、住民票の作成をしなければならないという規定は、ちょっとそういう意味では表現が事実に即したことばになり過ぎておりますけれども、もちろん、それの前に記載という事実行為はずいぶん進んでいるわけでございまして、それまでにぴしっとそろうというわけでございますが、住民票そのものは、記載されたものが住民票ということでございますから、と同時にそれまでの間に法律が施行になりますから、新しく住民が転入とか転居とかいたす者がございます。この者につきましては、届け出は出てくるわけでございます。そういう事情のない者につきましては市町村長が、これは何も三月三十一日までの間ならいつでもいいわけでございますから、なるべく早く準備をしてもらいまして、そして、たとえば四十四年の一月一日からある市は実施したいということであれば、それまでに旧来の住民と申しますか、その施行日前にすでに住民であった者につきましての住民票の整理をしまして、そうすると、この法施行日以後の者については、住民が法律に基づいて、転入、転居いたしたりしました者は届け出がございますし、それから出生をいたしましたような場合とか、そういうような場合には戸籍の届け出がございますから、そういうことで整理ができる、こういうことになるわけでございます。
#20
○鈴木壽君 わかったようなわからぬようなあれですが、そうしますと、最初につくる場合には職権でやるとおっしゃいましたね。その場合にあれですか、現在まあ各団体ごとにいろいろなものを持っているわけなんでありますが、いろいろなものを持っているということばは少しぼんやりした言い方で恐縮ですが、それぞれの台帳等を持っているわけなんで、それから新たな記載事項、こういうものに漏れないように作成をしていくと、そういう程度でつくるのですか。それとも、さらに調査をして、世帯ごとに個々に調査をして、まあいわば一斉に、悉皆調査みたいなことをやってつくらせるのかどうか、つくるのかどうか、そこらあたりはどうなのですか。
#21
○政府委員(長野士郎君) お話しのように、たてまえといたしましては、切りかえに際しまして、もう一ぺん実態把握をして、正確な記録ができるということが一番望ましいわけでございます。そこで、現在住民票に相当するものがあるわけでございますから、そういうものをもちまして、居住地、住居地について、それぞれ住民について、住民票に記載されている事項に合っているかどうかを調べることが一番いいと思いますけれども、まあ実際問題といたしましては、私どもはそれを期待しておりますが、そこまでのことが地方団体によって現実問題としてなかなか困難な場合がございます。そういうものにつきましては、これは一種の確認、どういう形かでの審査と確認というものは、しかしそれにしても経ておるということでございますから、そういうことで、従来使っております住民票を、新しく切りかえのときの住民票に編集し直すと申しますか、写しかえる。写すというのは、文字で写すというわけでございませんで、場所を移すということになるかもしれませんが、そういうことにして、新しい住民票に切りかえていくということも、実際問題としては、そういうことがやむを得ないという場合も起こるかと思います。
#22
○鈴木壽君 私、この法律で趣旨なり考え方なりということはこれでわかるけれども、実際、一体どうやってつくっていくかという手続的なこと、それをどうやっていくかということについて、どうも非常に抽象的な書き方なものですから、率直に言ってなかなか理解し得ないところが私はあるのですよ。さらに最初にお聞きしたようなことでも、一体新しくほんとうに全部つくるのか、つくらないのか、あるいはいまの最初につくる場合に、作成する場合の記載のしかた、これは一体きちんと、実際にあたって調査をやり直してというようなところまで考えているのか、あるいはまた単に現在使っているいろいろなやつから写してきて、ていさいを整えるという、その程度に終わるのか、どうもはっきりしないのですね。
 私はそういうふうな感じから、今回のこの住民基本台帳あるいは住民票というものは、事務の簡素化とか能率化とか、あるいは住民に対するサービスとか何とか、いろいろなことを言われておりますけれども、結局、住民を一体いかに的確につかむかつかまないか、これでもって的確に住民を常に把握するというと、少しことばが変なことになりますが、はっきりさせておく、これがこの法律で一番考えなければいけないことだと思うわけですね。そうしますと、いわゆる的確につかむためのいろいろ手続的なことがあると思いますから、そういうことをもう少しきちっとやらないと、せっかくいろいろなものをつくっても、届け出なのか、職権なのか、職権といってもいろいろあると思いますが、どうもそういうところを、率直に言って、この法文、条文の書き方から理解し得ないところがあるわけなんです。いまのお話を聞いても、できれば一斉調査みたいなもの、悉皆調査みたいなものをしたいと思いますし、そういうことをさせたいと思うが、そうできないところもあるだろうと、こういうお話ですが、これは何も一律にこういうふうにするべきだということをきめる必要があるいはないかもしれぬけれども、しかし、いずれにしても、実際の仕事を進めていくからには、何かひとつやはり、さっき言った住民を、可能ならば的確に把握するということ、しかし、そのためにやらなければならない方法というものをきちっとやらせる、これが私必要だと思うのですね。こういう問題がはっきりしないから、私あとでもお聞きしたいと思っていましたが、この前にもちょっと課税の問題で、住所とみなしてやるとか何とかいうことがありまして、ちょっと関連して私聞いておきましたが、そういうような問題もあちこち出てくるわけですね。
 まあ少し私妙な個人的な考えを述べてしまいましたが、最初につくる場合にはどういう方法でもいいのだ、現在使っているいろいろな、それから写してきたようなことでつくっておいてもいいし、あるいは職権といいますか、一斉調査のようなものをやってもいい。もしそうだとすると、これはだれもめんどうな一斉調査なんかやりませんよ。何も私、一斉調査必ずやらなければいけないという意味じゃありませんけれども、そこら辺どうですか。
#23
○政府委員(長野士郎君) お話しのとおりでございまして、本来ならば、切りかえに際しまして一斉調査と申しますか、悉皆調査というものを十分にいたしまして、住民票そのものの正確性を確保するということが一番望ましいわけでございます。ただし、市町村におきましては、そのやり方、いままでにも住民票のようなものを――ようなものと申しちゃあれでございますが、現に住民登録法による住民票があるわけでございます。そういう方法によりまして、それぞれ調査をいたしておるわけであります。それからまた、この前、昨年の選挙人名簿をつくりますときなども、これも全国で一斉調査をしたわけでございます。そういうことで、市町村それぞれ、現に住民票についての正確性を確保するためにいろいろくふうもし、努力もしておる。状態も必ずしも一定でもないわけでございますので、そういう点もかれこれ勘案いたしまして、この法律実施の際に、一斉調査をするというようなことはとらなかったわけでございます。しかし、だから正確性をそこなうと申しますか、担保しないでもいいというようなことを申しておるわけじゃございませんので、これはもうできる限り正確な住民票の切りかえが行なわれることが、一番望ましいことは言うまでもないわけでございます。そうしてまた、この法律が実施になりました場合には、法律では年に一回とか、そういうふうには書いておりませんが、定期には調査をして、正確性を担保するようにという三十四条の規定なども、そういう意味で規定をしておるわけでございまして、したがって、問題は、この切りかえに際するときに、なるべく正確性を担保しておくことが、これを軌道に乗せるために必要だということでございます。この点はもうおっしゃるとおりでございます。
 それからまた、同時に、その後の管理と申しますか、そういうものを通じて、ますます精度の高いものに持っていくということもあるわけでございます。その点では、今回の基本台帳法は、いろいろな行政目的につながっておりまして、住民の受けますところの権利とか利益の保護、あるいはその地位に関する証明とか、そういう意味で、直接各種の行政事務処理につながっておるわけでございますから、そういうことをも通じまして、住民票の管理あるいは行政事務処理の上から、住民票の正確を期するということが、従来より以上にできるだろうと思います。従来の住民登録法によりますと、必ずしもそういうことを原則にしておりません。間接的に行政に役立たせるということにしておったわけでございます。これは法務省の調査でございますから、私ども、何とも申しようがございませんが、平均いたしますと、それでも精度は九五%だということを申しております。ただ、私どもが精査いたしますと、一〇%以上開いておるところも少なくなかったようでございますが、従来の行政との密着度の非常に不十分だという住民登録法による住民票におきましても、相当精度の高いところもあるわけでございます。したがいまして、市町村によって、事情必ずしも同一ではございませんが、また、実際にこれを一斉調査をして行なえと言っても、なかなかすぐには無理なところがある。今後の住民基本台帳の管理あるいは整備というものを引き続き行なうことによって、正確にするよりほか方法がないこともございますので、かれこれ勘案いたしまして、一斉調査ということは、必ずしも義務づけませんでしたけれども、お示しのように、この記録の正確を確保するということは、これはぜひとも必要なことだと思っております。
#24
○鈴木壽君 いまの正確に住民を把握し、記録を正確ならしめて、それを確保していくというようなこと、これはこの法の基本になる考え方だと思うのですが、そういう意味から、何か最初のつくり方等について、いま述べられたようなことでもあれば、その確実性なり完全性なりというものが保持できるであろうかどうかということを、特に私は大都市のような場合に、いろいろ問題があるのじゃないかと思うのです。いなかのほうへ行って、小さな町や村というようなことになりますと、どこそこのうちにだれがおって、どうだということくらいまで、村役場の人たち、みんな知っているのですが、大都市になって、いろいろな住居の形やら変わって――変わってというと、まあ複雑になってきているときですから、これは私たいへんだと思うのです、正確性という点から見ますと。ですから、私さっきお尋ねしたようなことで、どうも心配だというふうに思うのですがね。
 特にまた、この法律を見ましても、そういう確実にというような、正確性というようなものを求めておるのに、関係する条文をずっとこう見ていってみますと、たとえば三条もそうでしょう、五条、八条、ずっとあとのほうの三十何条ですか、三十四条「調査」ですね、こういうようなところを見ていっても、どうもはっきりしないものですからね。何か訓示規定みたようなふうに感じるわけですよね。冒頭申し上げたように、手続的にどうも一体どうなるのかというような心配があるのですがね、よしあしは別です。せっかく法律をつくってやるのですから、ある程度それによってきちっと手続的なこともきめてやることが、私は必要じゃないだろうか。調査しなければならぬとか、職権でやることができるといっても、一体どういうことでやるのか、どうもはっきりしないものですからね。これらの条文等によって、あなたのおっしゃるような確実に、正確に把握をし、記録をしておくということについて心配がないというふうにお考えなんですか、どうですか。
#25
○政府委員(長野士郎君) この法律におきましては、御指摘のように、個々の場所においては抽象的に記録の正確性を保持するための手段とか、ものの考え方が出ておるわけでございますが、実際に法を運用し実施をいたします際には、多少技術的な問題も含めまして、いろいろ指導をいたしましたり、それから正確を確保するための技術的な整備の方法についての連絡を十分いたしたいと思っております。そういう意味で、たとえば住民票につきましても、たとえば個人票の場合とか世帯票の場合とか、あるいは住民票を一枚の紙でやっておりますものとか、二枚以上の紙を使っておりますものとか、いろいろあるわけでございまして、それから二枚以上の紙を使っております中にも、住民に関する基本的なものだけを一枚にし、それから基本的なもの以外の行政的なものを二枚にするというようなことをいたしておるのも多いものでございますから、そういう多少技術的なものとの関連におきまして、いろいろ指導をいたしましたり、現在モデル的に窓口事務の統合をいたしておりますところの市町村の、そういう切りかえに際しますところの経験なり記録なり、データも相当ありますから、そういうものを通じまして、事務処理の模範例といいますか、実験例、効果の多いやり方というようなものを十分に徹底をさせるようにいたしたいと思っております。
 それにいたしましても、基本的には住民票の正確さを保持することは、作業能率の問題だけではございませんで、現に住民の実態を把握するかどうかということにかかるわけでございますが、御指摘のように一番問題は、実は大都市でございます。大都市は、もう非常に人口移動の激しい状況でございますから、その点が一番困難でございますが、そういう意味で、切りかえのときに完全に正確性をもう一ぺん確かめ直すということは、実際問題としてもなかなか困難があると思います。相当準備をいたしましても、その間にまた人が移動するということがございまして、なかなか困難があるわけでございます。そういうこともございますので、とにかく、切りかえということを、まず一つは大都市の場合には考えまして、その後の正確性の保持というものにも相当なウエートを置きまして考えていかざるを得ないということも、場所によっては出てこざるを得ないというのが、偽らないところの実態でございます。そういう意味で、一つは住民の届け出というものの協力を期待しなければなりませんが、今回の場合は、それにつきましても、各行政との結びつきが非常に直接的に結びついた台帳制度でございますので、その点は、従来のような間接的なものと違いまして、その正確性の保証の面での実施を相当期待していいのではないだろうかというふうに考えておるわけでございます。もう御指摘のように、大都市における切りかえが一番問題でございます。また一番実は必要なのは大都市における住民の正確な記録なのでございますが、その点が、切りかえに際しましても、台帳の保持につきましても、一番困難とくふうを要するところなわけでございます。
 それにつきまして、実施のためにいたしますところの必要な事務処理の方法とか、切りかえについての処理のしかたというものにつきましては、それぞれ共同でひとつ研究をいたしまして、従来の経験にもかんがみまして、いろいろな参考になりますようなデータもつくりまして、指導や助言を徹底をいたしまして、正確なものにつとめていくようにいたしたいと考えております。法律の上では、そういう多少技術的な面とか、そういうことでございまして、あまり法律の上で調査方法なり審査のやり方なりというものを書くこともいかがかということもございますので、その点が非常に抽象的になっておるのでございますけれども、運用に際しまして、その点は、なるべく間違いのない、明確な、しかも能率のいい方法で、的確に把握できるような、そういう事務処理のスタイルというものをぜひともつくり上げてまいりたい、こう考えております。
#26
○鈴木壽君 そういう点については、ひとつこれから十分やらないと、私の心配が単なる杞憂でなしに、やってはみたものの、それは形としての台帳はできているかもしれぬけれども、実態は把握できておらないというようなことがあっては困ると思いますから、ひとつ十分いろいろいい方法を御検討の上に、御指導といいますか、やっていただかなければならぬと思います。
 それから、こういう台帳ができましても、いろいろな行政目的によって、また、それぞれの台帳みたようなものができていくのではないであろうか、たとえば、国民健康保険にしましても、年金にしましても、その他もろもろあると思いますが、こういうことについては、予想して、そういうものをつくってやるべきだというふうに考えておられるのか、あるいは全部これでもって統一してしまって、この台帳をもとにさまざまなものを処理していくというような態勢で進ませるつもりなのか。きまった考え方なり、指導のしかたというものはあるのですか。
#27
○政府委員(長野士郎君) 前にも申し上げましたが、この住民台帳におきまして考えております点は、二つの面があるわけでございます。一つは、住民が行政機関、市町村に対しまして届け出をする場合におきまして、一つの届け出で済ますことができることになれば、そのほうが住民にとっても非常に便利なことである。この点が一つでございます。それからもう一つは、行政を処理します上でも、そういう一つの届け出でできたものを土台にして考えますというと、その行政ごとに届け出を受けたりするのと違いますから、その点で統一した台帳によって行政が行なえるということによりまして、行政間におけるところの食い違いとか、そういうものがなくなるという意味でも合理化されるわけでございます。
 それで、第二条にも書いておりますように、国や府県がそれぞれの行政目的で、また別個に市町村に住民に関する調査を求めましたり、またそれについて別の台帳をつくらせるというようなことになりますと、せっかく統一をはかろうという意味が何にもなりませんので、そういう意味で第二条には国、府県の責務といたしまして、すべてそういうものは、住民の届け出は一つの行為によって行なわれるようにしてくれ、そうして、住民に関する事務の処理というものは、この住民基本台帳に基づいて行なわれるように、法制上その他の措置を講ずる、これは立法の上でも、あるいは府県の条例なり、あるいは通達その他におきましても、すべてそういうことで統一してくれということを、法律の願いとしておりますわけで、また国、府県の責任としているわけでございます。
 ただ、もう一つの問題といたしまして、たとえば国民健康保険の被保険者に関する資格は、この届け出でぴしゃっときまるわけでございますが、今度は国民健康保険の事務を処理する係から考えました場合には、どうしても自分の手元に台帳がほしいわけです。その場合に、別個な調査に基づく台帳じゃなくて、基本台帳に載っておりますものの写しを持ってきまして仕事をする、こういうことは、事務処理上の便からいって、必要な場合がございます。そうしますと、形式的には、もとの基本台帳と、国民健康保険の係のところにある台帳の写しと二冊になるのではないかということでございますが、これは親台帳の写しでございますので、この点では別個に新たに台帳をつくったということとは意味が違うわけでございます。そういうことは、事務処理上能率の上からやむを得ないかと思いますが、これはコピーをつくるだけでございますから、それほどの手数とか、それによって行政が重複したり、食い違いを生ずるというおそれはないわけでございます。全部そういう意味で届け出は一つにし、行政の処理もこの台帳を基礎にしてやっていく。選挙人名簿等につきましても、名簿というものは、選挙をそれで実行いたします上で、投票所その他におきまして、確認その他の行為に必要なわけでございますので、要るわけでございます。ただし、名簿そのものは台帳に基づいて名簿をつくっていく、こういうことにすることが非常に必要だということでございます。そういう意味で、届け出が二つになりましたり、台帳がこれ以外の調査とか、そういうものに基づきましてつくられるということは、もうぜひないようにいたしたい、こう考えております。
#28
○鈴木壽君 第四条の「住民の住所に関する法令の規定は、」云々とこうありますが、これをもうちょっと御説明願いたいと思うのです。というのは「住民の住所に関する法令の規定は、地方自治法第十条第一項に規定する住民の住所と異なる意義の住所を定めるものと解釈してはならない。」としてありますが、この法律でいう住民の住所、あるいは他の法律にいろいろ住所についての規定とまではいわなくても、住所といっていることばがいろいろありますね。たとえば公職選挙法でも、あるいは地方税法の中でも、住所を有する者とか、有しない者とか、いろいろありますね。こういう他の法令にある住所を有するというふうに、あるいは有しないといっている、そういうものを全部この「住民の住所に関する法令の規定」というものの中に含めてあるのかどうか、その点はどうですか。
#29
○政府委員(長野士郎君) お話しのとおりでございまして、この四条は、普通は住所の定義というものを、できれば規定をいたしまして、もうすべての法律の住所というものの解釈を統一をすることができないかということで、いろいろとこの研究をいたしたのでございますが、まあ結局こういう規定のしかたになったわけでございます。結局、それは地方自治法がこの住民についての基本法でございますので、地方自治法にいう住所というものの意味する内容と、他の法令によるところの住民の住所というもので意味する内容とは、全く同じでございますよということを申すにとどめたわけでございます。この点、解釈上、民法にいいますところの住所というものも、地方自治法十条にいいますところの住所と同じだということになっておるのでございますけれども、そういう意味で、税法におきますところの住所も、国民健康保険の被保険者であります者の住所も、選挙についての住所も、全部住所という意味内容は同じだということを明らかにいたしますために、この四条の規定をいたしたのでございます。
#30
○鈴木壽君 そうしますと、地方自治法の第十条第一項には「市町村の区域内に住所を有する者は、当該市町村及びこれを包括する都道府県の住民とする。」といっている、これだけしかないわけですね。そこで、区域に住所を有する者というのは一体何か、どういうことかということになると思うのですが、これはどういうことなんでございましょう。
#31
○政府委員(長野士郎君) これは従来からこの解釈といたしまして、この住所は民法にいいますところの住所と同じでございまして、いわゆるその人の生活の本拠が住所である。今度は生活の本拠とは何をいうかというと、またいろいろ議論が出てくるわけでございますけれども、まあ結局そういう、いわゆるその住所、法律にいう住所というのが住所だと。ただ、この四条に書いてあります意味は少し違いまして、そういう抽象論ではございませんで、むしろ国民健康保険における住所はAの村であって、税におけるところの住所がBの村である、選挙における住所はCの町である、こういうことは許しませんぞという少し強い意味で、一つにしなければいけません。単に抽象論の解釈以上に一つになることを、現実の行政の上で一つになることを――一つになる解釈をしなければならないということを、四条の意味はあらわしておるわけでございます。単に抽象的な民法上の住所、生活の本拠をいうのだということを予定した意味で書いたのではないわけでありまして、その点では、理屈はそうであっても、現実に一人の人間についての住所があっちにもこっちにも散らばっていることは許さない、そういう運用をしてはいけないんだという意味を含めて四条の規定を置いたわけであります。
#32
○鈴木壽君 その場合の住所を、はっきり何か、何かという、単にそこにおるということだけでなしに、これからのことを言うと、この台帳に記載されてある、住民票の中に記載されてあるものというふうに考えるしかなくなってくるのですが、どうですか。
#33
○政府委員(長野士郎君) 実際論といたしましては、ある人が台帳に記載されておれば、その人の選挙権も、その人の国民健康保険も、その人の税金も、まあその場所でということになることを期待しておるわけでございますが、かりに台帳の記載そのものが間違っておると、住所の認定を間違っておるということでありますと、その議論がなかなか通らないわけでございまして、台帳に記載するにあたりましても、この解釈によって、厳重な厳密な解釈と判定の上で記載をしなければならない。こういうことも、台帳に記載するにあたっても、この四条の規定は、事柄の正しい意味において働く、こういうふうに考えざるを得ないと思っております。
#34
○鈴木壽君 もちろん記載そのものが誤っておったりなんかするというようなことがあるとすれば、それはいまおっしゃるとおりだと思いますが、いずれにしても、明らかな、何といいますか、自他ともに認めるものというものは、やっぱりこういう台帳に登載されておるということが一つの、しかも有力なそれになる、ならざるを得ないと思うのです、実際問題としてですね。ですから、そうすれば私――まあこの点どうですか。少なくとも正確に記載されておるということを前提にして、その記載されたそれをその人の住所とする、私なら私の住所とすると、これしか認める方法はないと思うのですが、こういう台帳等に記載されるものと無関係になお住所があるというふうに考えていくと、これはたいへんなことになると思うのですがね、そこら辺どうですか。
#35
○政府委員(長野士郎君) 住民台帳の、まあそういうお話でございますので、法律上の性質と申しますか、往代票そのものの性質というものが問題になるわけでございましょうが、住民基本台帳は、市町村の住民を記録いたしまして、その居住関係の公証、あるいは選挙人名簿の登録、その他住民に関する事務処理の基礎となるところの公簿でございます。したがいまして、単にそれは行政事務の処理の便宜上作成するというような、そういうものではなくて、単なるそういう書類ではなくて、一般に公開もされますし、住民の居住関係を公に証明する効力を有するものと認められておるわけでございます。したがいまして、解釈上、これは判例も確定をしておるようでありますが、刑法の百五十七条にいいますところの住民の権利、義務に関する公正証書に該当するということに解釈されておるようでございまして、そういう意味で、住民台帳における記載というものは、そういう意味での法律的な性質を持っておるわけでございます。その点では単なる一般の書類とは異なるわけでございますから、その記録にあたりましての住所の解釈というものにつきましても、当然に法の予定しております正しい住所認定というものを伴わなければならないし、また正確に記録されなければならない、こういうことに考えられます。また、かりにもせよ、住民票に記録されておる、住民台帳に載っておるということ自体が、一つの住所を持っているということの証拠力になるということは、おっしゃるとおりかと思います。
#36
○鈴木壽君 どうもわからなくなったな。Aという町に住んでおり、したがってそこの住民基本台帳にちゃんと登載されておるという人が、しかし実際その後他の市町村に、いわゆる生計の根拠となる、たとえば収入等も、それもそこにあり、実際そっちで暮しておるという例がありますね。それは短期間であるのか、あるいは長期間にわたるのか、その辺いろいろあると思いますが、こんな場合に、しかし自分はもともとAの町の者であり、Aのほうに住民登録をしているのだから、いつ帰るかわからないけれども、いまはこっちにいるのだ、他のところにいるのだというような形でいるというような場合、したがって届け出もしない、しかし、調べてみると、いまいったようなことでいないというような場合に、先日、私関連として聞いたのですが、住民税の課税なんかで問題が出てくると思うんですね、そこら辺この前もお聞きしましたけれども。
#37
○説明員(遠藤文夫君) 実際は住所の認定はどういう方法でするかということは、従来から学説あるいは判例によりまして、いろいろ意見が違ってきておるわけでございます。しかしながら、古くは、たとえば一般的にいいますと、定住の事実と定住の意思によって解釈されて、判例もそういう形をとっておるようでございますが、最近の学説によりますと、定住の意思というものは必ずしも住所認定の、重要な資料ではあるけれども、必ずしも意思というものは必要ではないということが、学説でも最近非常に強いようでございます。いずれにいたしましても、私どもは、先ほども局長が申し上げましたように、地方自治法、それから選挙法、税法はじめ住所の認定をどうするかということにつきましては、従来の判例、学説、あるいは実際の運用でもって、非常にレア、ケースの場合狂ってくる場合がありますけれども、実際の解釈というものは固まってきておるわけでございます。そのような従来から固まってきておりますところの解釈に従って住所の認定をしていく。いまの御指摘のような場合に、はたして、いわゆる出かせぎのような場合ですと、一般的には、たしか出かせぎについては、住所はもとにあって、出かせぎ地にはないという大体解釈になっているようでございます。もちろん、その者が単なる出かせぎ程度なのか、それとも現実に住所がそっちに行ってしまっているのか、その辺は具体体的なケースに即して判断するよりほかないだろうというふうに考えております。その辺につきまして、別にその辺の解釈の具体的なあり方と申しますのは、先ほど申し上げましたように、従来の解釈、実例というものの集積の上に立って解釈していくという以外に方法はないんじゃないか、かように考えております。
#38
○鈴木壽君 私心配なのは、附則の第十一条の「地方税法の一部を次のように改正する。」という三項にある、こういうような場合なんかを考えてみると、一つの紛争が起こることになりはしないかと思うんですね。ですから、これは少し実態とどこまでマッチするかどうか、私も確信がありませんが、かりにこういう基本台帳というものができて、そこに登載されて、そこの住民になっておるというような者、相当長期間にわたって他に行っても、そこに登載されたらそこの住民だというふうにでも割り切ってしまわないと、これは転入等の届け出があるいはおくれておったものであるかもしれませんし、あるいはそうでなしに、ちょっとした期間だけというようなことでやっておる場合でも、これからしますと、住所を有する者であるというので、何か両方から課税されるようなかっこうにもなりかねない。台帳に載っておるほうは、いやおれのほうのところのやつだと、実際はおまえのところはやらないで、もうこっちへ来ているんだから、こっちのほうで課税するんだと、こんなことにもなりかねないと思うんですがね。ちょっと私そういう心配をするんですが、そういう心配はありませんか、これで。
#39
○説明員(遠藤文夫君) 実は問題は、御指摘のようなケースにつきまして、一人の人間が現実に本来的に正当な解釈として、どちらに住所があるかということの解釈をする場合に、どういう解釈をするかということが第一の問題、その次に、そういう解釈をどういう手続で行なうかという二つの問題があるかと思います。
 前者の問題は、先ほど申しましたように、従来の判例あるいは解釈、実例の基礎の上に立って客観的に判断をしていく。その場合には、客観的に判断をする場合になりますと、正直なところを申しまして、従来の税法の解釈と選挙法の解釈と、いわんとしている趣旨は、そう違ったことを解釈しようとしている気持ちはないわけでございます。ただ、現実の適用の状況でもって食い違う場合がある。そういう場合はどうかという御質問かと思いますが、そういう場合に、一人の人間をどちらで、たとえば税金を取るかということは、先ほど御指摘のように、はっきり台帳に載っておるところから取るんだと、はっきりと形式主義のほうに割り切るか、あるいは台帳とか何とかと関係なしに、現実におるところから取るというやり方もございます。その辺は、私どもも立案の過程でいろいろ議論したわけでございますけれども、現実のさしあたりの段階といたしましては、このような形で、と申しますのは、原則としては台帳に載っているところで取るといたしましても、次に、いずれの市町村にも載っていないという者もあるわけでございます。それも税金の場合はさかのぼって――さかのぼってといいますか、一月一日現在で課税しますが、三月ごろおったということを見つけたというようなケースもありますので、やはりどうしても台帳に載っていなければ税金を取られないということになりますと、これは届け出をしないということになっても困りますので、やはりそれは載っていなくても取れる道は開かなければいけない。その場合に、実際に載っているところと台帳のあれがずれている場合どうするかというような議論で、いろいろやったのでございますけれども、現在のさしあたりの段階では、このように実際におる限りにおいては、台帳に載っておるものとみなして課税する。しかし、その場合、当然みなして課税するといいましても、現実に同時に住民基本台帳そのものは直すということで統一していく。ただ、御指摘のように、二重課税の心配があるじゃないかということにつきましては、四項におきまして、二重課税はできないということをはっきり書きまして、御心配のないようにするということでもっていったらどうか、かように考えておるわけであります。
#40
○鈴木壽君 私、気になるのは、「その者を当該住民基本台帳に記録されている者とみなして、その者に市町村民税を課することができる。」、そこが気になるわけです。そうすると、いまのお話を聞きますと、台帳に載っけてしまう、その上で課税すると、こういうお話のように聞いたのですが、そうなんですか。
#41
○説明員(遠藤文夫君) 実は、一月一日現在でおったものとみなすというさかのぼりでありますから、結局、三月、四月の時点におきましては、書いたところ、三月か四月の時点に載せるということになりますから、やはり課税期日である一月一日現在の時期において載っておったものとみなして課税いたしまして、見つけたとき現在でもって台帳を整理する、かような事務処理になると思います。
#42
○鈴木壽君 そうすると、転入したような場合、これは届け出はある期限があるようでありますけれども、しかし、実際はいまのようなやつは、これはその期日を無視してというか、オーバーしてなお届け出をしておらないということになると思うのです。しかし、記載をする場合には、転入した年月日を記入するようになっておりますね。たとえば、いまの一月一日、あるいはその前、十二月三十一日であるかもしれない。四月にやっても五月にやっても、やはりさかのぼって転入した日を記入するということになるわけでしょう。そうでないといけないように、この二十二条あたりから見ますと考えられますけれども、そういうふうになりますか、どうですか、実際の記載のしか
 た。
#43
○説明員(遠藤文夫君) 記録のしかたは、先ほど前にも、七条にもありましたように、実際に、いつ住所を移して、いつ転入届けがあったかというような記録をそのままする、かようなことになるわけであります。
#44
○鈴木壽君 届け出した日ですか、もう一度。
#45
○説明員(遠藤文夫君) 結局、事実をありのまま記録しておく、かようなことであります。
#46
○鈴木壽君 そうしますと、転入届けの二十二条の「転入をした年月日」というのは、昭和四十一年十二月三十日に実際はたとえば東京なら東京へ来たんだが、届け出は四月になってから届け出したから、四月三日なら三日、二日なら二日、それを転入した年月日として届け出る、こういうことなんですか。
#47
○説明員(遠藤文夫君) そのようになるわけであります。
#48
○鈴木壽君 さかのぼってやると――実際はこうなったというふうな登録のしかたはしないのですか。
#49
○説明員(遠藤文夫君) 結局、届け出というのは事実を、これに事実が先行してそれを記録しておくということになりますから、もちろん届け出懈怠の罰則とか、そういう問題はございますけれども、やはり実際に転入をした日が三カ月前であれば、やはり三カ月前に転入したと書く、事実を記録する以外にいたしかたがないだろうと思うのです。
#50
○鈴木壽君 だから私は聞いているのですよ。昨年の十二月三十日に東京へ来たんだから、四月に届け出しても、昨年の十二月三十日に転入したのだ、その日なんだというふうに書くのがたてまえじゃないかということを私は聞いているのですよ。
#51
○説明員(遠藤文夫君) それは御指摘のとおりだと思いますが、結局、一月一日現在において本人が台帳に載っていなかったということは事実でございます。それは過去においておったのだということが台帳に三月になって記録される。一月一日現在にはこの台帳には載っていなかったというのは事実だろうと思います。だから、それが三月になって転入届けがあって、三月になって過去からおったということが台帳に記録される、かようなのが事実かと思います。
#52
○鈴木壽君 そのとおり事実ですが、何というか、みなし課税ということ、これはりっぱに税の上ではありますから、それに異議を申し立てるようなことをするつもりではないのですけれども、ただ、こういうような場合、じゃ、私はもっと端的に言うと、三月に見つかった、見つかったということばは悪いのだけれども、届け出しなかったが一月一日から東京におった。届け出をしないで、たまたま三月の時期にそういうことがはっきりした。そこで、おまえは一月一日におったから課税することができるという規定でしょう、これは。そこで、それはそれでいいのだが、その前に台帳に登録するということもあるから、登録を済まして、すでに事実として、さっき申し上げたような、昨年一月一日におったのだということを済ましてからはっきり課税するようにしたらどうかと、こう言うのです。
#53
○説明員(遠藤文夫君) それはこちらは、確かに御指摘のような御趣旨はわかりましたが、これは地方税法と住民台帳と別々に書いておるものでございますから、地方税法においてはみなして課税する、おっしゃるような見つけた場合、住民基本台帳のほうでは、何といいますか、十四条において、そういうのを見つけた場合に直ちに直すということで、それは事務処理といたしましては、おっしゃるように同時にいたすというように、別別の法体系でございますから、おのおの書いてございますが、さような事務処理にいたしたい、かように考えております。
#54
○鈴木壽君 あまりみなし課税みたいなことをやらぬほうがいいのじゃないかということです、これはあいまいな場合がありますから。ほんとうにそこに転居、転入を行なって、届け出をしないままおった場合と、実態がどうだか、まだ、それこそ本人の意思も――しかし現実には生活の根拠になるようなところを別に移しておるというようなことがあるのですね。そこらあたりの判定になるとなかなかこれはむずかしいので、おまえ実際どこにおったから、ここから給料をもらってここに住んでおるじゃないかと、さあっとやって済む場合と済まない場合があると私は思うから、さっきみたいに、みなし課税というようなこと、税法にいろいろありますから、それを全部私は否定する意味ではありませんが、少なくとも、いまこういうものをつくって、住民というものをきちんと把握していかれるというたてまえでやるならば、あまりいま言ったような、どう考えるとか、こう考えるとかいうことのないような形で、きちっと課税するならする、しないならしないということを、そういうことをやっておくほうがいいのじゃないかと、こういうまことにしろうと的な考え方からいろいろ心配があるので、そこで聞いているわけなんです。
 いずれにしてもあれですね、住所というのは、これからの、こういう基本台帳というものをつくってということになりますと、これに登載されているものが事実上の住所とみなしていくという、たてまえとしてはそういうふうに考えていかなければいけないと思います。その際において、転出なり転入なりの場合の届け出というものをしっかりしてもらわなければいけないと、こういうことになると思うのですが、そういう考え方で理解しておいてよろしゅうございますか。
#55
○政府委員(長野士郎君) 結局御指摘のように、将来は住民基本台帳、いわゆる台帳主義と申しますか、台帳主義をたてまえにして事務処理が行なわれるということを私ども期待しておるわけでございます。その点につきましては、転入、転出届け出の励行、住民がこの届け出に協力をほんとうにしてもらうということが、これはもう不可欠のことでございまして、その点については啓蒙、その他理解を進めるためのいろいろな方法は十分に努力を払って、この実行を確保したいと、こう考えております。
#56
○鈴木壽君 そういう意味で届け出を主にして考えていくといっても、さらにまあ職権による調査といいますかね、記載といいますか、こういうものを随時行なわなければ、この記録の正確性なり台帳の信頼性というものはなくなると思いますので、まあさっき局長から、今後の手続上のことについては、いろいろくふうした上でいい案をもって指導するようにというようなことで了解をいたしますが、やっぱりそういうことは、これはぜひやらないと、せっかくつくった、しかし穴だらけだというようなものになりかねない心配が私はあると思いますので、その点をひとつ申し上げて私の質問を終わりたいと思います。
#57
○委員長(仲原善一君) ほかに御質疑はございませんか。――別に御発言もなければ、本案に対する質疑は終了したものと認めます。
    ―――――――――――――
#58
○委員長(仲原善一君) 次に、地方交付税法の一部を改正する法律案、昭和四十二年度における地方財政の特別措置に関する法律案を一括議題といたします。
 御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#59
○委員長(仲原善一君) 速記を起こして。
#60
○鈴木壽君 地方財政の特別措置に関する法律案の中身の、いわゆる臨時地方財政交付金につきましてお尋ねをしたいんでありますけれども、どうも大臣、四十一年度においてなされた、いわゆる地方財政のいろいろな対策、措置、その当時大臣、大臣でなかったものですからね、どうも大臣に聞くのも少しどうかと思うんですが、まあしかし、これは政府のやったことでございますから、そういう意味で大臣にお聞きをしたいんであります。
 どうもその当時、四十一年度の地方財政に対する国の措置、とられた特別的な、特例的な金の出し方、こういうものについて、当時大蔵大臣なり自治大臣、まあ国会で約束したこととだいぶ違うように私受け取るわけなんです。その一つの第一極交付金については、特別事業債の償還財源にするための金、これなんかも当時の大蔵大臣の福田さん、あるいは永山自治大臣の衆議院、参議院における本会議の答弁やら、あるいは衆参の地方行政委員会、大蔵委員会等においてのお話からすれば、だいぶ私は変わっていると思うのですが、そこで大臣、四十二年度のこういう措置について、四十一年度でわれわれに言明しておったそういう事柄との関連で、何かあれですか、こういうものの、最終決定までの間に、そこに何といいますかね、何らの抵抗なしにこういうふうなことをすらすらっと決定なすったと、こういうことなんですか、どうでしょうか。
#61
○国務大臣(藤枝泉介君) 特別事業債の元利、四十二年度では利子だけでございますが、元利につきまして、これは国の責任で、地方に迷惑をかけないような方法で処置しますということを当時の政府がお答えしておるように記憶をいたしております。それに対しまして私どもは、四十二年度の予算編成につきまして、これを元利補給というずばりの形でいくか、あるいは財政需要に一本を立て、そうしてこれを国庫の支出でいくか、いろいろ検討いたしたわけでございますが、結局元利補給という直接的な方法でなくして、財政需要に立てて、それを国が見るということでやったわけでございまして、当時政府がお答えいたしたことは、少なくとも、この四十二年度については実行しておるものと私は考えておるわけでございます。
#62
○鈴木壽君 そうすると今回のいわゆる第一種交付金九十五億円、第二種交付金が二十五億円でありますが、九十五億円、これは全部特別事業債の償還財源に充てる、こういうことのための金なんですか。
#63
○政府委員(細郷道一君) 特別事業債の四十二年度におきます利子支払いの所要額は全部で六十三億でございます。そのうち交付団体分として五十三億円、それともう一つは、昨年国会において修正のございました固定資産税の免税点の引き上げ及び水道等に対します電気ガス税の免税、それの減収補てんに相当する額のうち、交付団体分が四十二億でございます。その五十三億と四十二億を加えた九十五億、これを基礎として第一種交付金の額を出したものでございます。
#64
○鈴木壽君 四十二年度の利子分六十三億、交付団体、不交付団体合わせて。そうして交付団体分五十三億、こういうお話でございましたが、どういう金の利子でこれになるわけですか。
#65
○政府委員(細郷道一君) 御承知のように、昨年投資的な経費の基準財政需要額を削減いたしまして、それの見返り分として特別事業債を発行したわけでございますが、その額が九百二十億、九百十九億何千万でございます、九百二十億ございました。そのうちの政府資金分につきましては六分五厘、それから民間資金分につきましては七分三厘という金利で計算をいたしましたものが、いま申し上げました全体で六十三億、こういうことでございます。
#66
○鈴木壽君 まあその六十三億円あるいは五十三億円の出るところ、それはわかりましたが、しかし、私がさっき大臣に、去年の段階でわれわれに言明したのと違うようだと、そう言ったのは、実はその点なんですがね。千二百億全部について心配かけないように見てやるんだと、こういうことをはっきり言っていますね。福田さんも、それから永山さんもそれを受けてはっきり言っている。そうすると、今度はいよいよ利子分を地方に出すというような場合には、その中の公共事業の何ですか、公共事業費に充てる一応の基準財政需要額で計算したそれの九百二十億円分だと、約三百億円ばかり、はしょられてしまいましてね。そこらあたり私、実は大臣に一つの問題としてお聞きしておったわけなんです。
#67
○国務大臣(藤枝泉介君) 昨年の四月二十七日の当委員会の附帯決議の第二番目として、「特別事業債に振り替えられた公共事業費等の地方負担分に係る元利償還金については、国の責任において措置すること。」、こういう御決議をいただいて、そしていま局長から申し上げましたように、公共事業費等の地方負担にかかる元利償還金を処置したということでございます。
#68
○鈴木壽君 いや、私の言うのは、それは確かに決議はね、しかしその前に、大蔵大臣の福田さんは、いや、おまえらの言う公共事業負担分の千二百億まるまるやるんだということをはっきり言っているのですよ。本会議で言っていますよ。だから私どもはそれに期待をして、と言ってはことばは悪いけれども、しかし、少なくとも最小限は、いまお読みになったこれだけは何としても確保しなければいかんぞと、こういうのであって、だからそのままやったからいいじゃないかということについては、私はちょっと承服しかねるところがあるわけですよね。何もおまえたち附帯決議をつけたとおりおれはやったじゃないか、だけれども、いま言ったように、その前の時点で、いろいろ本会議あるいは委員会等のやりとりの中で、はっきりみえを切っております。千二百億円全部だと、こう言っているのですよ。いま私は本会議等の記録の一部を持っております。われわれの附帯決議がついたためにこういうふうにダウンしたということだから、これは罪はわれわれにあるんですかな。
#69
○政府委員(細郷道一君) 昨年特別事業債千二百億、これは昨年の臨時措置では確かにそういう言い方をしておったわけでございます。ただ地方団体の財源、一般財源との関係から見てまいりますと、もし国の税収が伸びており、あるいは地方の税収が伸びておった場合には、当然交付税の財政需要額によって保障されるであろうという額があったわけでございます。それが昨年はそういう税収の伸びがございませんでしたために、交付税の財政需要額のうち、投資的な経費の財政需要額を削減をいたしまして、それにかえて特別事業債を割り振ったわけでございます。そういう意味からいきますと、すでに一度保障されておった地方財源の一部を削って出したもの、これについては国において責任を持って処置をすべきである、こういうふうに考えたわけでございまして、また、いろいろ国会の御審議の過程でもそういうような点に御議論が集中しておったように私どもは聞いておるのでございます。したがいまして、それに相当するもの、実は昨年度で申しますと九百二十億の特別事業債を発行いたしました。それの財政需要額といたしましては、その前年度の額でちょうど六百億に当たる分を昨年単位費用として削減いたしました。それにかわるものとして特別事業債を出した。もし一般財源で伸びておったならば、元利償還の問題が起きないではないか、こういったようなことから、問題がそこにあったものと実は私ども考えて措置をいたしてまいったわけでございます。
#70
○鈴木壽君 どうもわれわれにうまいことを言っておって、あとで実際やるのはそうでないという、これはいろんなところにそういうものがいままで出ておりましたけれども、今回もそんな感じが強まるわけですね。
 じゃその点はそれとして、ひとつ昨年の特別事業債千二百億全部発行しておりますか、どうですか、その点は。
#71
○政府委員(細郷道一君) こまかい端数はございますが、千二百億込みで出しております。
#72
○鈴木壽君 それから、これは千二百億の発行の状況をひとつ都道府県――市町村もありますから、都道府県分どのくらい、市町村分どのくらい、そのうち政府資金の分が合わせて五百億ばかり予定されておったようでございますから、それの振り分け、それから公募のやつですね、それからできたら公募のほうには金利なんかもほしいと思いますが、そういうものの一覧と、それから償還計画ですね、千二百億の。これは償還計画が一応できているはずでありますから、それとあわせてひとつ次回の委員会でお願いしたいと思います。それが一つ。
 それから第二種の道路の特定財源みたいなかっこうで出ておりますね。これのいきさつなり、ひとつ大臣、最後の折衝でこういうふうにかたまったと聞いておりますがね、その額等についてひとつお話しをいただけませんか。
#73
○国務大臣(藤枝泉介君) 御承知のように 地方制度調査会で、当面する問題――国債発行下における当面の問題の答申の中で、市町村の道路財源を確保すべしということでございました。その意味で、揮発油税の中で一キロ千円分、約百三十億ほどを市町村の道路財源として確保したいという考え方で、私どもは進んだわけでございますが、政府部内の十分な意見の一致を見なかったわけでございます。で最後に、しかし、こうした市町村道の改修というものが非常に必要に迫られておるという現状にかんがみまして、最後の予算編成の段階におきまして、これだけの金額をいわば一種の特定財源みたいな形で計上いたしたわけでございますが、二十五億という金額そのものには何ら根拠はないものでございます。
#74
○鈴木壽君 将来について何かあれですか、お話し合い、煮詰まったようなことがございましたら、四十三年度以降についてどうかというようなことにつきましては、いかがですか。
#75
○国務大臣(藤枝泉介君) 御承知のように道路五カ年計画が改定になりまして、六兆六千億、この詳細な内容については、いま建設省で検討中でございますが、当時の予算編成の段階におきましては、この新しい道路五カ年計画の内容の確定と相まちまして、この問題について検討を進めようということになっておるわけでございます。
#76
○鈴木壽君 そうしますとあれですね。将来の問題は新しい道路整備五カ年計画の検討とあわせて考えていくと、とりあえず、四十二年度においては、道路財源の乏しいので、困っている市町村に対してこれだけをやっておこうと、こういういわばちょっと将来に対する頭を出したという格好での二十五億というふうに受けとっていいわけですか。
#77
○国務大臣(藤枝泉介君) そのとおりでございまして、ほんとうのつかみの金、しかしこれは、市町村の道路財源を今後獲得するための一つの足がかりだと私どもは考えておる次第でございます。
#78
○鈴木壽君 新しい道路整備五カ年計画、六兆六千億ですね。これの場合に、大臣あるいは自治省当局と建設省との間に、地方財政についてのどういう話し合いなり何かありましたか。
#79
○政府委員(細郷道一君) 御承知のように、建設省は当初第五次の道路五カ年計画を七兆三千億にしたい、こういう案を打っておったわけでございます。その案の中身は、一般道路で四兆八百億、有料道路で二兆一千三百億、地方単独で一兆九百億、合計七兆三千億、こういう案であったわけであります。その後、政府部内でいろいろ折衝の結果、全体を六兆六千億ということで新計画をつくるという了解に政府部内で達したわけでございます。
 で、その内訳は、現在了解としてきまっております分は、一般道路が三兆五千五百億、有料道路が一兆八千億、地方単独が一兆一千億、他に予備費として千五百億、こういうことになっております。この六兆六千億のこの大ワクの中身の肉づけをどういうふうにやるかということは、現在建設省中心に作業をいたしております。本年内、できますれば秋ごろにはその中身をつくりたい、それがいわゆる新道路五カ年整備計画ということになるわけであります。したがいまして、本年度は一応現在は、総ワクとしての政治部内の了解が出ておりますだけで、五カ年間全体を通じたまた整備計画というものは、これからいまつくられつつある、こういう状況でございます。
 そこで、本年度につきましては、それぞれ公共事業、地方単独事業と、五カ年計画の将来の一部になる性質のものでございますが、四十二年度分が別途定められておりまして、それについては、それぞれ地方負担並びに地方単独事業分について、私どもは地方財政計画なり、あるいはそれを交付税措置、あるいは起債措置ということによって、それぞれ財源措置を全部いたしておるわけでございます。したがって、今後つくられます五カ年計画の過程におきまして、この六兆六千億を公共事業でどういうふうな割り振りをするかによりまして、地方負担額もいろいろ動いてくるわけでございます。御承知のように、いろいろ国道と府県道では補助率が違うといったような問題もございます。そういった地方負担額が出てまいりますと、それに単独分を合わせて、全体として地方財源をどういうふうにまかなったらいいか、その際に、先ほど大臣から申し上げましたように、地方の道路目的財源というものをどういうふうに位置づけをしていったらいいのかというようなことを検討することにいたしておるわけでございます。
#80
○鈴木壽君 私、お聞きしたいのは、六兆六千億の新しい道路整備計画、これはもう閣議できまっておりますから、具体的にどういうふうに仕事を進めていくのか、あるいはどういう計画が立つのか、これは現在のところ、まだいわゆる検討中でございましょうから、それはそれとして、ワクの中に、一般道路の場合、これは国道、地方道によって国の負担も、したがって地方の負担も、これは変わってくるでしょうから、いずれにしても、ここでも多くの負担をしなければならぬ。さらに地方が一兆一千億円の単独事業を五カ年間でしなければならぬ、こういうことに対して、あなた方、それでやっていくのだという前提に立ってこういう計画をお認めになったのかどうか。そこら辺を私もっとお聞きしたい、こういうふうに思うわけです。
#81
○政府委員(細郷道一君) この地方単独事業をどの程度に新しい五カ年計画で見込んでいくかということは、いろいろ考え方があるわけでございますが、ただ、先ほど申し上げました現在の了解によります数字では、従来の地方単独事業の道路に関する実績投資額、それを経済成長で伸ばしたものを基礎にいたしておるのでございます。したがいまして、地方単独事業というものに対する伸ばし方をどう持っていくか。考え方によりますれば、もっと単独事業をうんとやらせるようにすべきなんだという考え方も一方あるのでございます。それから、一方では、財源の問題がからんでいるから、計画をつくっても、実際問題として、他の行政投資を圧迫するというような問題もあると思うのでございます。したがいまして、この新計画におきまして、どういうふうにこれの財源の措置をしていくかということが、やはり新計画を他の事業を圧迫せずにやれるのか、やれないのかという問題に帰することになろうか、こういうふうに考えております。
#82
○鈴木壽君 ですから、他の事業を圧迫するかどうかというような観点から、一兆一千億というものが妥当な数字としてあなた方もそれでいこう、こういうふうにお認めになったのかどうかということなんです、聞きたいのは……。
#83
○政府委員(細郷道一君) 現在の段階では、一応この数字をめどに五カ年計画をつくって、そうしてそれの財源を確保する方向でいきたい、こういう考え方のもとに了解をいたしておるのでございます。したがいまして、あくまでも、これはやはり財源問題もあるものでございますから、政府において六兆六千億の了解をいたします際に、財源の問題も検討するんだという、特に備考を入れて了解をいたしておるというようないきさつがございます。
#84
○鈴木壽君 すると、一つね、道路財源、そして現在まで――これはあまり長い過去のことを言ってもしょうがないと思うが、最近の状況ですね、推移といいますかね、これあなた方、ある伸び率をかけたというようなことを言っておられますけれども、そういうようなものをあなた方持っておるとすれば、ひとつ参考のためにお示しをいただきたいと思いますが、いかがです。
#85
○政府委員(細郷道一君) 後ほど資料で……。
#86
○鈴木壽君 こういう計画を立てる場合に、将来財源問題なんかもうんと検討してやれるようにすると、努力をしていくんだということを条件にというふうなお話でございますけれども、いままでの、この前の道路整備計画も、たしか単独事業が八千億円だったと思いますが、これについてもそういうお話であった。なかなかたいへんだと思うけれども、しかし極力財源をつくるようにという――これは少したち悪いようなものの言い方をして恐縮でありますけれども、最後までぴちっと、どうなるか見たいと思っておったけれども、道路計画というものは、もう五年度計画立てて、三年度あたり四年度あたりになると、また新しい計画に塗りかえていくもんですから、さっぱり真情つかめない状態なんです。今回もおそらく、そんなかっこうになるんじゃないだろうかという気がしますが、まあいずれにしても、これはちょっと常識的に考えて、単独事業、そして地方単独で一兆一千億の仕事を五カ年間でするとなりますと、年平均二千二百億円ずつですね。これはたいへんなことだと私は思うんです、いまの地方財政の状況からしますと。まあ初年度はもっと少ない額で発足をするということがあったにしても、そうすれば、またある年度においては、平均した二千二百億円より、はるかに多いお金を突っ込まなければならぬと、こういうことになりますから、これはやっぱり相当一般の道路の地方負担をしながら、なおかつ単独でこれだけのものを出すというようなことになると、ちょっと私は心配な気がするんですが、いかがでございます、そういう点については。
#87
○政府委員(細郷道一君) 過去の実績は、いずれ資料であれいたしますが、道路整備関係のいわゆる単独事業といたしましては、四十一年度の財政計画では千五百八十億、今回御審議をいただいております四十二年度の財政計画では千八百十億、こういうのをそれぞれ計画に見積もり、かつ、その分を交付税及び地方債によって措置をするようにいたしておるのでございます。したがいまして、私どもは、地方の道路の単独事業が、もっともっとたくさんやりたいという地方の住民の意向も一方ではあると考えるのでございますが、同時に、それに必要な財源をやはり確保していかなければならぬ。しかも、できるだけ他の行政を著しく圧迫しない姿でこれが執行できるようにということを念願にして考えているわけでございます。
#88
○鈴木壽君 これはあとで資料をいただいたときに、あるいはまたお尋ねすることになるかと思いますので、あまりこまかいことまで申し上げないことにしますが、いまお話しになりましたね。四十一年度の地方財政計画の中に盛られたという道路財源ですね、あるいは四十二年度の千八百十億円ですか、これは財政計画の上ではね、こういうふうになっていますが、決算が、必ずしもこれだけの金を使っているかどうかということになると、私は違ってくるのじゃないかと思う。四十年度でですね、都道府県あるいは市町村のあの決算から拾った単独事業のそれは、都道府県、市町村合わせてですよ、九百六十四億円ですね。これはある程度いわゆる道路費として的確にこれを押えてあるかどうか、ちょっと私、そこら辺になりますとわかりませんが、数字を拾っただけで、こう、一千億までいっていませんね。計画上はね、見てあるというふうに言われるかもしらぬけれども、実際はそれだけ使えないというのが、市町村なり地方団体のいまの財政状況ではないだろうか。やりたくたって使えないのだと、やるとすれば、今度は起債をうんと背負ったりなんかしてやらなければいけないという、こういうことになるのがいまの現状じゃ、ないだろうかと私は思うのですがね。
 ですから、私はその一兆一千億円という地方単独道路事業というものは、これはたいへんなことだというふうに思うし、もし、それがいま言ったようにたいへんなことで、仕事ができないとすれば、計画そのものが変なかっこうになってくるのだが、そこらあたりについて、今後財源の確保に努力をするという程度で、大臣、あれですか、見通しいかがでございますか。
#89
○国務大臣(藤枝泉介君) 御指摘のように、地方団体で、この国の公共事業のおつき合いに追われて、単独事業が少し片すみに追いやられている形は、現在の地方財政のあり方からしてあると思うのでございます。四十年度の決算、私も承知をいたしておりませんけれども、なかなか財政計画に盛った仕事がそのままできているとは考えられないわけでございます。したがいまして、一兆一千億――五カ年間に一兆一千億という地方の単独事業というものは、相当地方公共団体にとっては重荷と申しますか、なかなかたいへんなことだと思います、私も。したがって、それの、特に目的財源の確保というようなものについては、これはぜひともやっていかなければならない、そういう方向で今後も努力をしてまいりたいと考えております。
#90
○鈴木壽君 実はですね、道路財源の今回特別の措置として二十五億円出ることになりましたが、額に不満はあっても、ともかく、さっきのような意味でですね、頭を出したということだとすれば、けっこうなことだと思うのです。ただ、しかし、それも新たな道路計画ができて、まあ、これから具体的な作業はするでしょうけれども、いずれきめられたワクからしますと、地方では、これはたいへんなことだと、こういうふうに思いますので、若干お聞きしたわけなんでありますが、地方が単独事業をやるために、苦しいものですから、さっき言ったように、総額としてもわずか一千億、わずかというか、一千億足らずしか四十年度でやっておりませんが、その中で財源をさまざまなかっこうで調達をしているわけですね。それが、ある場合にはいわゆる地方負担、地元負担、寄付金、そういうかっこうのものになったり、この額なんかも相当あります。いずれにしても、これは苦しいからこういうことになると思います。ですから、今回の特別な道路財源二十五億というものを計上したのをきっかけに、私は今度できる道路整備五カ年計画ともにらみ合わせながら、もっと本格的に道路財源拡充ということについて努力をしてもらわなければならぬ、こういうふうに思いますが、きょうは時間がありませんから、まず決意のほどをひとつお聞きをして、終わっておきたいと思います。
#91
○国務大臣(藤枝泉介君) 確かに御指摘のとおりでございまして、そういう意味で、私どもはやはり、国と地方の税源の再配分という形におきまして、揮発油税等の分配の割合を変えていくということが必要であるし、ぜひそういう方向で進みたいと考えておる次第でございます。
    ―――――――――――――
#92
○委員長(仲原善一君) 委員の異動についてお知らせいたします。
 本日、辻武寿君が辞任され、その補欠として田代富士男君が選任されました。
 午後二時まで休憩いたします。
   午後一時二分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時三十二分開会
#93
○委員長(仲原善一君) 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。
 地方交付税法の一部を改正する法律案、昭和四十二年度における地方財政の特別措置に関する法律案を一括議題といたします。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#94
○鈴木壽君 さっきの質問に引き続いて若干お尋ねしますが、特別事業債の元利補給という形でなしに、今度の交付税の算定でそれを見ていくと、いうこう形をとりましたね。これはあれですか、私はさっきもちょっと触れましたけれども、地方団体に迷惑をかけないような方法で措置をするんだというようなことからいっても、またいわゆる特別事業債の元利の補てんというようなことからしますと、そのまま、各地方団体ごとにそれぞれ特別事業債を起こしているわけでありますから、それに見合う各団体ごとにいわゆるストレートにそれの元利補給をしていくと、こういう形をとるほうが一番いいんじゃないかと思うのですが、なぜこういうふうに交付税の算定でそれを措置するというようなことになさったか、それをまず伺いたい。
#95
○政府委員(細郷道一君) 元利の額そのままずばりを補てんするのは、非常に簡単ではっきりしていると思います。しかし、――先ほど申し上げましたように、交付税の基準財政需要額を削減したものに見合うものとして特別事業債を発行しているということになりますと、本来交付税計算上の措置としてこれを処理すればその趣旨に合うという考え方もあるわけでございます。そこで、今回とりましたのは、基準財政需要額に団体ごとの許可された起債をもとにした利子額を算定して積み込むと同時に、普通交付税に第一種交付金を加えることによって交付団体にその分が補償されるようにと、まあこういう考え方をいたしたわけでございます。本来、交付税ということでありますれば、やはり基準収入が大きく出ております団体には交付税は行かないといったような事情もございますので、そこらを勘案いたしましてこういう措置をいたしたわけでございます。
#96
○鈴木壽君 これは一つの、特別事業債の発行でいろいろの仕事をやった、それのいわばあと始末ですわな。確かに、特別事業債の許可というものは、交付税の中の算定での基準財政需要額に本来入るべき一般財源というものを特別事業債に振りかえてやったという形ですから、その振りかえた分に対する、いま言ったようなあと始末というと少しことばが悪いかもしらんが、それを考えていけばいいんで、何もこういうふうにして交付税の中にやって、しかも私は、これはまるまる、交付、不交付団体に限らず、全部を見たのであればともかく、そうでない額だから、やむを得ずそういうかっこうにしたのじゃないだろうかと思うのですが、五十三億しかないから、たまたまそれが計算した場合に、交付税の利子の計算でいった場合にそれなんだからという、非常に何といいますか、そういう面でのつじつまを合わせるためにここへぶち込んでしまったということじゃないのだろうかと思うのですが、どうですか。
#97
○政府委員(細郷道一君) 先ほども申し上げましたように、本来一般財源で措置されてまいりますとすれば、不交付団体につきましては、やはり交付税としては補償されなかった。交付税の行かない団体につきましては、基準収入と基準需要の差し引きが超過額になるわけでございますが、行かなかった、こういう考え方もあるわけでございます。そこで、今回とっております措置は、すべての団体――交付、不交付を問わず、財政需要額に利子額は全部算定に加えます。そうして収入額と差し引きをいたしまして交付基準額の出てまいります団体に交付税として第一種交付金を加えたものが行く、こういう行き方でございますので、その団体ごとの算定の過程におきましてはそれぞれ需要として補償をしておる、こういうことでございます。
#98
○鈴木壽君 これは計算上は交付団体も不交付団体も全部補償した形になりますが、しかし、その全部の交付団体、不交付団体で、全部を通じて負担費用で出てくる利子の部分、この額というのは、ここに出てきた五十三億プラス十億ですか――六十四億ぐらいなはずですね。ところが実際は五十三億しか出ないということで、それは確かに計算上は不交付団体も見ていくというようなことになると思うけれども、実際はそれだけ国のほうでは出さなくても済むということなんだな。五十三億出せば、それでペイする。実際は六十三億あるいは六十四億必要なんだけれども、五十三億で済ませるのだという、非常にうまいぐあいに考えたごまかしの方法なんだ、ほんとうを言えば。確かに計算上は乗ってきますけれども。だから私は、六十四億必要だったら六十四億出して、交付団体、不交付団体にかかわらずそのあと始末をちゃんと見てやる、こういうのがほんとうの意味での元利の補給になるのではないかと、そうすべきだと思うのですが、あなた方だっておそらく初めはこういうかっこうで交付団体だけにやればいいんだということでなかったと思うのですが、そこら辺どうですか。
#99
○政府委員(細郷道一君) 確かに、さっき申し上げましたように、考え方として両方あるだろうと思います。特別事業債という起債にして、将来に元利が残るから、その元利をまるまる補てんしていくのだという、団体ごとに元利補給という形態をとるというのも、確かに一つの方法でございます。また反面には、先ほど申し上げたような、そもそも交付税で補償されている需要額の算定の問題から出発している問題なんだから、需要額の削減分を回復するためのものだから、それを元利の補給需要をそれぞれ立てることによって措置をしていく。その場合に、交付基準額の出る団体――交付団体につきましては交付税によって措置をするし、不交付の団体についてはそれぞれの自まかないの収入によって措置をする、私はやはり考え方としては二つあろうと思います。ただ、最初に申し上げましたように、元利補給ということであれば非常に簡明直截であるということは、一つ言えると思います。それともう一つ、まあ本年度の事情として、御承知のように、地方税におきましてもかなりの税収の伸びがございました。これがかなりの部分が御承知のように不交付団体に片寄ってまいるわけでございます。そういったような現実の問題等をも見比べてみました場合に、今回のような措置をとることも十分考え方の一つとして認められていいのではなかろうか、こういう考えのもとでいたしたものでございます。
#100
○鈴木壽君 これはあなた方、ざっくばらんに言って、あとからもっともらしい理屈でやるわけなんだけれども、しかもここであれでしょう、四十二年度限り、あるいは来年度になったら四十三年度限りと、こういうことをまたやってくるかもしれませんけれども、ですから四十二年度限りということで、まあことしの利子分はこれで処理をしょう。しかし、その場合に、さっきも言いましたように、これはおそらく大蔵省のほうだろうと思いますが、大蔵省としてはできるだけその金は小さい額にしたい、交付税計算すればさっき言ったように六十四億のものが五十三億で済むのじゃないか、おそらくこういうことだろうと思うのです。あなた方も、したがってやむを得ず、これにも一つの理屈があるのだというようなことじゃないかと思うのですが、どうもだから、さっき大臣にもちょっと言ったように、当時言っていることと、みなおかしくなってきていますわ、こういう取り扱いなんかにおいても。これは六十四億そのまま交付税にぶち込んでしまって、それなら私わかる。そうじゃない。あまり大きな金じゃない、十億くらいの金だけれども、これは一般のいわゆる地方団体のための交付税で、それを食った形ですわな。交付団体についてそれを見ていると言いながら、何としてもこれに対する利子補給というかっこうとしてはおかしいですよね。私は、将来も――これはことし限りではございますけれども、将来もこんなかっこうでいくとすれば、これは大きな問題で、同時にこれは考えてもらわなければいけないと思うのですがね。これからのことについては――将来のことについては、もちろんいまはっきりどうするというようなことは言えないと思いますけれども、やっぱり大体こういうようなかっこうにいくことを予想しておられるのじゃないですか、皆さんは。そうじゃないですか。
#101
○政府委員(細郷道一君) 本年度の場合は、普通の国税三税の三二%のほかに第一種交付金九十五億というものを加えて、それだけ普通交付税の額をふくらまして、しかも需要の面で個々の団体ごとに元利償還額を立てておりますので、本年度のこの措置では、他の団体に行くべき交付税額を食っているということにはならないと考えております。将来――来年以降これをとういうふうに持っていくかということは、いろいろいま御意見のありました点も考えて、適切な方法をとってまいりたいと、かように思います。
#102
○鈴木壽君 第一種の交付金の内訳として、九十五億円ですね、それをさらに、いわゆる特別事業債の利子補給分としての五十三億、交付団体分の五十三億と、それから昨年度とられました固定資産税の減収補てん分といいますか、昨年度は五十一億円ありましたが、それと見合う額としての四十一億、こういうふうに内容としては二つに分かれるはずですね。ですから、あなたがいまおっしゃったように、九十五億それを交付税に加えてやるのだからひとのほうへ行くものを食ったということにはならぬと、こういうような話ですけれども、これは違うのでしょう。私の言うのは、利子補給分として交付税の計算の中で見ていくことも、私は一つの方法としてこれはあると思います。しかし、その場合に必要な金というものは、いわゆるいまのきめられておる交付税のそのワク内でなしに、外からと言ったらいいか、新たに別途の金、それを加えた、すなわちこの場合で言うならば、四十二年度において六十四億必要だと、かりにそういう計算が出るならば、六十四億そのまま加えた形で計算するならば、私はそれでいいと思う。ところが、六十四億必要だというのに、五十三億しかない。たまたま五十億というのは交付団体分だ。こういう形で、交付税の中に単位費用を設けてやったにしても、実質的な被害はないかもしれぬけれども、形の上からは、いまの交付税のワクの中から残りの十億というものを計算の上で食っているということになるのじゃないですか。それは不交付団体にはいっていませんよ。いきませんから、どこにも使ってないじゃないかと言われればそれまでですけれども、計算上はそうなるのじゃないか、私はそういうことがおかしいじゃないか、こう言うのです。それはおかしいじゃないかということは、私は利子補給をまるまる国が見てやるのだというたてまえからすればそれはおかしいじゃないか、こういうことです。
#103
○政府委員(細郷道一君) 交付、不交付を問わず利子を全部見るのだということでありますれば、おっしゃるとおり交付団体分だけの措置をしておるということになろうかと思います。ただ、先ほど申し上げましたように、そもそも特別事業債というものは交付税の基準財政需要額を削ってこれに見返りのものとして出したんだということになりますと、いずれにしてもその際に不交付団体というものが実は残っておったわけでございます。したがいまして、今回かりに六十四億円というものを交付税に加えたといたしましても、需要自体は確かに六十四億円全団体を足せば出てまいりますし、われわれの今度の案によりましても需要は六十四億円になるわけでございますが、その団体ごとの収入と需要とを差し引きしてまいりますと、不交付団体については交付税が行かないということで、実際に使われる交付税の額としては五十三億だというふうなことで計算を実はいたしているわけでございます。
#104
○鈴木壽君 だから、都合のいいやり方をやって合理化しているだけの話でしょう。だから、私が言うように、六十四億必要だったら六十四億をプラスして、そしてその中でちゃんと計算をするなら私はそれでいいと言うんだよ。もともとおっしゃるように、一般財源、それの振りかえの際、これは不交付団体も交付団体も区別なくこれに振りかえてやっているでしょう。だから振りかえてやったその起債の分についてストレートに見ていくべきではないかというのが私の根本の――交付団体であれ、不交付団体であれ、どっちもそういうかっこうで一般財源から落とされているんだから、かわりに持ってきたやつなんだから、それを見てやるということだから、そのまま見てやったほうがいいんじゃないか。したがって、もし交付税の計算上、じゃあ交付税に入れようとしても、その見るべきところの交付団体分、不交付団体分合わせて六十四億というものをいまの交付税のワクにさらに上積みした形ですよ、プラスした形で見てやるんだったら、それはいいと思うのですがね。まあそこらあたり私はどうも納得ができませんけれどもね。
 その点と、それから関連してお尋ねしますが、この特別措置に関する法律の第二条の第三項で、いま言ったように、第一種交付金が九十五億円、第二種交付金が二十五億円、これはよろしゅうございますね。そこで4ですね。「第一種交付金は、昭和四十二年度分の普通交付税とあわせて算定するものとし、同年度分について地方交付税法第二条第四号の基準財政需要額が同条第五号の基準財政収入額をこえる都道府県に対して、次条に定めるところにより交付する。」――次条というのは、第三条ですね。そこで、これは第一種交付金の九十五億円、これがそのまま都道府県に対して第三条に定められるところに従って交付すると、こういうことなんでございますね。
#105
○政府委員(細郷道一君) 九十五億円の第一種交付金は、都道府県に交付する、こういうことでございます。
#106
○鈴木壽君 そうしますと、九十五億円でしょう。九十五億円都道府県に交付するというと、いわゆるその九十五億円の内訳――ここには内訳とありませんけれども、さっき私がお尋ねした中に、そのうち五十三億円が特別事業債の利子補給分だと、四十二億が固定資産税の減収分に見合うそれの補てん分だと、こういうことであったのですが、その固定資産税の減収補てんに見合う四十二億も県のほうへ行くということになるわけですか。
#107
○政府委員(細郷道一君) 九十五億円の基礎は、いまおっしゃるとおり、固定資産税免税点引き上げによる四十二億分と、それから特別事業債の利子償還額五十三億円、これの合計が基礎となっておるわけでございます。そこで、もしその九十五億円をそれぞれの団体ごとの需要なり収入に見合って配分をするということでございますと、特別事業債の利子償還額も、都道府県だけでなく、五大市その他の市町村の中にも幾つかあるわけでございます。また、固定資産税の減収見合い分も、個々の団体ごとの減収の額に見合って団体ごとに交付しなければならない、こういうことになるわけでございます。そういった行き方も確かに一つの方法かと考えますが、そういうやり方をいたしました場合には、非常に算定上も複雑になってまいりますし、事務的にもなかなかたいへんになるわけでございます。そこで、普通交付税と比べて、全体として財源不足の団体にこれを交付する、こういう全体としての計算をするという考え方のもとで四十二年度の臨時措置を実は考えたわけでございます。その際に、全体として、どうせ普通交付税と一緒にされるものであるならば、事務の簡素化もあわせてはかるという意味で、九十五億円についてはまるまるこれを府県に交付する。府県に交付することによりまして、四十六県のうち交付団体だけに対して金券を実は切ればいいわけでございますが、もし市町村も入ってまいりますと、これが何百という団体に九十五億円をこまかい端数をつけて金券を切らなければならない。そういった非常に繁雑な手続になるものですから、九十五億円については便宜府県に渡す。そういたしますと、府県からその分だけ――本来市町村に行くべき分だけは、府県から市町村のほうへ本来の普通交付税が流れていく、こういう考え方に立っておるものでございます。
#108
○鈴木壽君 少しややこしいね。そうしますと、市町村のほうへ自然に流れていく――特に寄せてやるのじゃなくて、自然に流れていく、そういうことなんですか。
#109
○政府委員(細郷道一君) 流れるという表現が法律的に正確ではございませんけれども、御承知のように、基準財政需要額と基準財政収入額を個々の団体ごとに計算をして、その不足する分に普通交付税が行くわけでございます。その基準財政需要額を算定いたしますときには、この特別事業債の利子償還分については個々の団体ごとに計算をいたしますから、府県四十六県のほかに、市町村の中でも幾つかの市町村はそれだけ需要が大きく、それが加算されて出るわけでございます。反面、固定資産税の減収分は市町村ごとに減収額をずっと基準収入から引いてまいりますから、その分だけは基準収入額が小さく出てまいるわけでございます。したがって、需要額と収入額とを差し引きをしたものに、普通交付税を交付する場合に、九十五億円を足していたしますと、金券としては九十五億円の部分は府県にまっすぐ参りますけれども、それのうちの市町村に本来行くべきであったという額は、普通交付税の額が市町村のほうへそれだけ行くと、こういうことでございます。
#110
○鈴木壽君 去年の時点でてすね――四十一年度の時点で、固定資産税の減収に見合う額五十一億の措置をしましたね。そのときは、まあいろいろこれは方法を考えたんでしょうけれども、結局人口に案分する配分のしかたを市町村にやったわけですね。私はここでこんなことを言っちゃどうかと思うんだが、まあいずれ固定資産税の減収分が人口案分によって出てくる額とはたして一致するかどうか、どのくらいの一致点があったのか、私は疑問であったから、こういうやり方がどうかと思った。まあともかくそういうことになった。これは一つの方法としては、いま言ったような問題はあるにしても、やはり固定資産税の免税点が問題になり、ああいうふうないわば足切りが行なわれた。しかし、それを地方団体に何とかの形で補てんしてやらなければならぬというその考え方からすれば、まあ一つの考え方としてそれはとってもいい方法だと思うんだが、今度は――去年そういうことをやったが、ことし四十二年度においてはそういうことを一切抜きにして、その金を含めて財政交付金の九十五億円というものを府県のほうにやっちまったと計算上出てくるであろう。それが自動的に流れていく、計算上出てくるやつは、市町村だって、ある程度の埋め合わせといいますか、補いといいますか、それができているんだと、こういうことになってくると思うんですね。去年のあの時点で論議されたこと、あるいは大蔵大臣――特に福田さんが、ことしの五十一億円はこれは初年度として、平年度は五十七億円、これを将来とも見ていくんだというようなことを言っておることからしますと、またこれはかっこうが変わってきましたね、取り扱いの。そもそもが固定資産税の減収の補てんという性質のものであり、それだったらそれにふさわしいような方法でやっぱり見てやるべきじゃないんでしょうかな。その点はいかがです。めんどうだとか、繁雑だとかなんとかということじゃ、やはり私は事の性質上は、あんまりそういうふうな御答弁になることは、扱いとしては不適当ではないかと思うんですが、いかがでございましょうか。
#111
○政府委員(細郷道一君) 固定資産税の免税点引き上げ等の措置は、御承知のように、昨年は、すでに国の予算もきまり、地方の財政計画もきまったあとで、国会で御修正をいただいたものでございます。したがいまして、それの昨年度におきます補てんは、やはりまるまる――当時の額で五十一億でありましたか、それを補てんすべきであるということで、そのとおりに補てんをいたしたのであります。そうしてまた、その補てんのしかたにつきましても、交付税とは一応離れて、減収額に見合うものとして、最も近いやり方として、人口による配分をいたしました。ただ、その分が現実の収入とのズレもございますんで、それを交付税の計算上は、人口で配分された補てん額の基準収入に加算をすることによって措置をいたしたのでございます。本年度におきましては、すでに年度の当初からその免税点引き上げによる減収分というものは実は予想ができたわけでございます。したがいまして、今回はこれを当初から基準財政収入額においてこれを落として、したがってその分だけ普通であれば交付税がよけいに要るというところでございます。その分が九十五億の中の一部として入っている、これによって措置をする、こういうふうに考えているものでございます。
 なお、いまいろいろお話のございましたように、元利の償還は償還、固定資産税の減収は減収、それぞれ別個に補てん措置を個々に考えるということも確かに一つの考え方であろうと思います。そういった方法もとられることは十分考えられるわけでございますが、まあ要は現在の地方の税制とそれを補償する地方交付税制度、こういった現行の制度の上に乗せてこの問題を解決をしていくのか、あるいは別個のものとして解決をするのかという、考え方の相違によると思うのです。私どもといたしましては、いま申し上げたようなことで、固定資産税の減収額というのは、すでに本年度の場合は、基準収入でそれだけ落ちる、だからそれだけの交付税額がよけいに要るべきであるという考え方で、九十五億円を加えて全体として措置をする、こういう行き方をとったのでございます。
#112
○鈴木壽君 昨年度のやつは、お話のように、いきさつ私もわかっておりますが、いわば国会での修正の結果ああいうふうになったものですから、計画ができてしまったあとにいわば穴があいたというかっこうになりましたね。したがって、その穴をまるまる埋めなければならぬということでやったし、今度のやつは確かにそのとおりです。と同時に、今度ことしのやつから、もう落ちた分は基準財政収入額のほうでちゃんとそれだけの見方をするんだから、となれば何も、何といいますか、固定資産税の減収補てん分に見合う四十何億なんということを考えなくてもいいという理屈にもなりますわね。もうすでに交付税のワクの中でこれは操作できることですからね。だからそういうことにもなるんだが、しかし一方そういうこともあるから、あれですか、市町村のほうにはやらないで県のほうへとにかくやってというふうなことなんですか、そういうこともあるのですか。
#113
○政府委員(細郷道一君) 市町村の基準財政収入額を算定するにあたって、固定資産税の減収分はそれだけ落ちて、小さく基準収入額が出るわけです。もし財源が落ちただけでありますれば、それに見合った分だけの財政需要額を市町村分から全部落としていかなければならない、四十億なら四十億相当。そうすればバランスが合う。しかし、その市町村分の基準財政需要額は、そのためには特に落としておりません。したがって、その差の分だけ収入で落ちて、落ちた分に見合うだけのものは交付税がよけいに要るわけでございます。その分をこの九十五億の中でまかなっているわけでございます。九十五億のものを普通交付税と一緒に計算をいたしておりますから、計算の上では、個々の固定資産税の収入の落ちた、基準収入の落ちた団体にも交付税がよけいに行くように計算をされる。ただ、現実のこの九十五億円という第一種交付金は、予算の科目等も別建てになります。したがいまして、これを市町村あるいは府県に交付をいたしますときに、普通交付税と別個の事務として交付をしなければならない、こういうことになるわけでございまして、その場合には、それぞれいわゆる送付にあたっての金券も別になるし、申請その他もみな別になる、こういうことになるわけでございますので、その煩を避ける意味で、先ほど申し上げたようにまとめてやったものでございます。なお、昨年度の――昭和四十一年度の臨時の特例措置におきまして第一種交付金、第二種交付金の百七十四億、これも府県市町村全体に対する財源措置でございましたけれども、これも交付の実際の仕事は府県だけに渡るというようにいたしておりまして、それと同じような考え方に立っております。
#114
○鈴木壽君 いやあのね。理屈からすれば、なるほどそれも、そういう方法もあるということはわかります。しかし、そんなまだるっこいやり方でなしに、減収補てん分なら減収補てん分としてやるべきじゃないかという気があるもんですからね。あっちこっち持っていって、こちらから計算上こっちへこう流れてくる、またこちらのほうで均分とれるようなかっこうでしょう、それは。なぜ去年やったような形で――去年やったことについても私は多少疑問はあるけれども、まあいずれね、ああいう形でやれないかということ。私どうもそこら辺……。
 これは委員長、この問題はやめますわ。どうも質問でなしに、意見の出し合いみたいなことになってしまう。
#115
○委員長(仲原善一君) ちょっと速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#116
○委員長(仲原善一君) 速記を起こして。
 両案に対する本日の審査は、この程度にいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
  午後三時三十分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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